中央環境審議会 水環境部会(第34回)議事録

開会

議題

  1. (1)第四次環境基本計画の進捗状況の第1回点検について
       (水環境保全に関する取組)
  2. (2)水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の見直しについて(諮問)
  3. (3)中央環境審議会水環境部会の専門委員会の設置について
  4. (4)水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目の許容限度の見直しについて(諮問)
  5. (5)報告事項
  • 改正湖沼法の施行状況についての検証結果について
  • 排水基準を定める省令の一部を改正する省令の公布について

閉会

配布資料

午前10時00分 開会

【司会】 お待たせいたしました。定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会第34回水環境部会を開会いたします。
 開催に先立ちまして、本日の出席委員数のご報告をいたします。所属委員25名のうち、過半数の16名の委員にご出席いただいておりますので、中央環境審議会令第7条第3項により準用する同条第1項の規定に基づき定足数を満たしており、本部会は成立しておりますことをご報告いたします。
 なお、田村委員より電車が遅れているので遅れるという連絡が入っております。
 本日の会議は中央環境審議会の運営方針に基づき公開とさせていただきます。
 それでは、議事に入ります前に水・大気環境局長の小林よりご挨拶を申し上げます。
 局長、よろしくお願いいたします。

【小林局長】 おはようございます。水・大気環境局長の小林でございます。本日も、大変お忙しい先生方に、また足元の悪い中をご出席賜りまして、誠にありがとうございます。
 大変な猛暑が続いておりましたが、最近は豪雨と渇水が斑状に起きましたり、竜巻、今朝も落雷など、いろいろな意味で環境の基盤が変動しているなということを感じざるを得ない昨今でございます。そういう中にありまして、水環境の問題も水質を中心に展開してまいりましたが、水量の問題、さらに先生方からもご指摘ありますように、水生生物あるいは生態系全体の問題、こういうことを視野に入れて検討していかなければいけないと、そういう場面にあると思っておりまして、引き続きしっかりやってまいりたいと考えているところでございます。
 前回も環境基本計画の点検ということで、各省の政策をお聞き取りいただきまして、様々なご意見を賜りました。これにつきましては、審議会全体の検討に向けまして、水環境部会としての取りまとめをしていただければありがたいと考えているところでございます。また、かねてからの様々な課題がございます中で、中央環境審議会の会長に対しまして、環境大臣から8月30日に諮問を2件させていただいたところでございまして、これについても今後ご審議を賜りたいと思っております。それに際しての専門委員会の構成その他等も今日はご審議いただければと考えているところでございます。
 本日も大所高所からの様々なご意見を賜れればと考えているところでございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【司会】 ありがとうございました。
 次に、本日の審議のためにお手元にお配りしている資料につきましては、資料一覧のとおりとなっております。もし配布漏れ等がございましたら、事務局までお申しつけください。
 それでは、議事に移りたいと思います。これよりの議事進行につきましては、岡田部会長にお願いいたします。
 部会長、よろしくお願いいたします。

【岡田部会長】 かしこまりました。
 朝早くから、足元の悪い中お集まりいただきましてありがとうございます。それでは、早速、第34回の水環境部会の議事に入らせていただきます。
 本日の議題は、お手元の資料にございますように、審議事項として、「第四次環境基本計画の進捗状況の第1回点検について」、すなわち、その部分の水環境保全に関する取組、次に「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の設定等について」、諮問でございます。それから、3番目に「中央環境審議会水環境部会の専門委員会の設置について」、最後に「水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目の許容限度等の見直しについて」、これも諮問でございます。
 報告事項といたしましては、「改正湖沼法の施行状況についての検証結果について」、並びに、「排出基準を定める省令の一部を改正する省令の公布について」の2件でございます。
 それでは、まず審議案件の1であります「第四次環境基本計画の進捗状況の第1回点検について」でございます。これは既に前回の部会でご審議いただきました案件の取りまとめということになります。ただ、前回の部会で宿題となっております案件がございます。その回答を国土交通省、厚生労働省、農林水産省の順でお願いしたいと思います。
 それでは、国交省からよろしくお願いいたします。

【国土交通省】 おはようございます。国土交通省でございます。
 前回の水環境部会において、中杉委員から、今後の地下水利用の在り方に関する懇談会のその後の状況及び清流ルネッサンスIIと湖沼水質保全計画等との整合性についてご質問を賜っておりました。これらについて今から担当部局からお答え申し上げます。

【国土交通省】 水資源部の吉田と申します。今後の地下水の利用の在り方に関する懇談会につきまして回答させていただきます  当懇談会につきましては、先生、いろいろご指導いただきまして、ありがとうございました。無事、提言書としてまとめられ、平成19年には「健全な地下水の保全・利用に向けた提言」としてまとめられ、これにつきましては、当省のホームページ、また、パンフレットを作成しまして、地方公共団体等に周知したところでございます。
 また、提言内容でございます「地下水資源マネジメントの推進・運用」につきましては、現在もPDCA等で引き続き検討・運用をしているところでございまして、主な取組を3点ほどご紹介させていただければと思います。
 緊急時の地下水の利用につきましては、阪神大震災、中越地震等を踏まえまして、地下水を有効に活用するための方策として、これをホームページ等で紹介しているところでございます。
 次の点でございますが、観測施設の推進、電子データ化につきましては、地方公共団体について各種支援をしているところでございます。
 最後でございますが、国交省といたしましても、地下水のデータベース化についても検討しているところでございまして、ある程度構築が済みましたので、関係自治体の了解がとれればこれを公表してまいりたいと思っているところです。
 以上でございます。

【国土交通省】 水管理・国土保全局河川環境課の三宅と申します。
 清流ルネッサンスIIにつきまして、他の計画との整合、特に湖沼水質保全計画との整合や重複ということでご質問をしていただいてたところでございます。
 この清流ルネッサンスIIにつきましては、いわゆる制度の要綱というものがございまして、この制度要綱の中で、水環境改善に関連する計画が既に定められている場合には、各計画の目的・意義、目標年度等を勘案した上で、これらの計画と整合が図れるよう努めるものとすると定められているところでございまして、こうした関連する計画との整合を図りながら計画がつくられているところでございます。
 また、湖沼水質保全計画との整合・重複ということでございますが、これも先ほどの清流ルネッサンスIIの制度要綱の中で、計画の対象として湖沼水質保全特別措置法に基づく指定湖沼を除くと明記しているところでございまして、重複はしないという形になっているところでございます。
 以上でございます。

【厚生労働省・田中管理官】 それでは、厚生労働省からご報告をいたします。
 前回のこの部会におきまして、大塚委員より、クリプトスポリジウムなどの病原生物の対策についてのご指摘をいただいておりました。
 これに関しまして資料を付けております。今回の配布資料の一番最後、参考資料2をご覧いただけますでしょうか。
 クリプトスポリジウムなどの原虫は病原性を持っているわけでございますけれども、水道で通常採用されております塩素の消毒ではこれを完全に殺しきることはできないということで、特別の対策が必要ということになっております。厚生労働省では、全国の水道事業者に対しまして、汚染のおそれの程度に応じまして、ろ過設備または紫外線の処理によって、これらの生物に対する対策を講じることを求めておりまして、平成19年に省令を改正し、また、対策指針においてもこれを定めているところでございます。全国の水道事業者はこれに基づいて対策を進めているところでございますが、施設整備を伴うものでございますので、まだすべての事業者において対策が講じられているわけではございません。
 この原虫による感染症に関しましては、平成8年6月に埼玉県の越生町で初めて水道水を原因として集団感染が発生しております。その後、上水道や簡易水道を起因とした感染性は発生していないという状況でございますが、下の表1にありますとおり、原水からはクリプトスポリジウムは毎年100件程度検出されているという状況でございます。
 原水から検出されたとしても、先ほど述べましたろ過設備とか紫外線処理設備を設けていらっしゃっていて、なおかつ、適切な管理・運営がなされていれば水道の浄水から出てくるということはないのですけれども、施設の管理が不十分であったり、施設の整備がまだ及んでいないところでは、浄水からもクリプトスポリジウム等が検出されて、場合によっては給水停止をしなければならないという事例がございます。それを後ろのページの表2に出しておりまして、毎年何件か出ているという状況でございます。
 こういった状況でございますので、厚生労働省としましては、水道事業者に対しまして、しっかり検査をしてクリプトスポリジウム等、又は指標となる菌類の検査をして、実際に検出されるかどうか、汚染のおそれがあるかどうかを把握することとか、検査の実施体制の整備について必要な措置を講じるよう指導しているところでございます。このように、水道事業者側でも対策を講じておりますが、水道原水が汚染されていない状況のほうが望ましいかと思いますので、人為由来の発生源となり得る施設においては、発生源対策、発生防止対策に一層力をお入れいただきたいと考えているところでございます。
 私からは以上でございます。

【農林水産省・木内課長】 農林水産省です。
 同じくクリプトスポリジウムについて、大塚委員から、原因としての家畜排泄物の状況についてお尋ねがございました。
 私ども動物衛生研究所の中では、クリプトスポリジウムは45度以上6時間の加熱処理で感染性が失われるというのがありますけれども、今、家畜排泄物処理の9割は堆肥化が行われており、適正に堆肥化の管理が行われれば、発酵の過程、60度以上になるわけですけれども、この過程で死滅すると考えております。
 現時点で、家畜排泄物が原因となったクリプトスポリジウムの水質汚染については報告はないわけですけれども、引き続き適切な堆肥化処理をきちんとやることが一番大事ということで、堆肥化処理を推進することによって、クリプトスポリジウムが汚染の原因とならないよう、水系の汚染防止に努めてまいりたいと考えております。
 もう一点は、鷲谷委員から環境保全型農業、農薬、化学肥料を5割減にするというのがあるんですけれども、日本はOECDのデータは世界で一、二を争う農薬を使っている国ということで、欧米でも生物多様性、あるいは、人の健康も含めて、データに基づいてどれぐらい農薬を減らしたらどれぐらい効果があるのかというような議論も盛んなので、そういう科学的データに基づいた対応をすべきではないかというようなお尋ねがございました。
 日本の気候については、ご存じのとおり湿潤で、雨が多く病害虫とか雑草が多くて、農薬を使用しない場合は収穫量が大幅に減少する状況にあります。同じような環境にあります韓国でも、OECD加盟国と比較して日本と同じように農薬の使用が非常に多くて、気象条件とか、病害虫、雑草の発生状況などが異なると、簡単に農薬の使用量をこれぐらい抑えればいいというようなこともできないというところもございます。
 また、農薬だけではなくて、農地の周辺の環境、あるいは、日本は南北、東西に長いものですから、周辺環境によって生物多様性の保全の効果も異なるものですから、今の時点では統一的な科学的な評価がなされていないという実態がございます。いずれにしましても、知見はまだ十分に蓄積されていないのですけれども、環境保全の観点からは農薬を使用するのをとにかく減らすと。まずは半減というような、非常に大ざっぱでございますけれども、そこから始めて着実に何に効果的かというようなものについて研究をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

【岡田部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明に関しまして、ご質問、ご意見等がございましたら、お願いいたします。
 どうぞ、浅見委員。

【浅見委員】 今、農水省様からご説明のあったクリプトスポリジウムの原水汚染の件ですけれども、加熱してちゃんと処理をしていただいているところに関しましてはご発言のとおりかもしれないのですが、水道の側で処理している範囲では水源で水関係の処理をして出しているところとか、野積みをしてしまっていてとか、処理に行くちょっと手前の段階のものが大雨で流れてきたりとか、処理が不十分で流れてきたりいたしまして、ほぼ明らかにここから出ているのではないかというような件数が何件か見られておりまして、かなり高い濃度で原水で検出されているということが何件か報告されております。そういうところにもお願いはしているんですけれども、基準にないので、対策はできないということを言われている件数が何件もございます。原水の保全は非常に重要だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

【岡田部会長】 では、中杉委員。

【中杉委員】 前回の私の質問に対して丁寧にお答えいただき、ありがとうございました。
 地下水の在り方のほうですけれども、私がお尋ねしたかったのは、地下水保全の在り方検討会で検討した結果いろいろなことがやられているというお話がございました。それがこの中に反映されているのでしょうか。反映されているんだと考えるんですけれども、そういうふうに理解してよろしいですねということです。それが反映されてこれが作られているのかどうかという意味合いでの質問だったのです。今ご説明があったようなことがこの取組の中に本来書き込まれるべきだろうということで申し上げたつもりでございますので、そこの確認をしていただければ。もし漏れているのであれば、適切なところに入れていただくのがよろしいのかなと思いますが。

【国土交通省】 国交省でございます。私どもがお答えして良いのかどうかですけれども、中に入っていないのだと思いますが。それを入れるかどうかにつきましては、環境省さんのご判断かと思いますので。申し訳ございません。

【岡田部会長】 では、これは最後に。あとで環境省と相談してお決めいただければと思います。
 ありがとうございました。
 他にございますか。では、どうぞ、鷲谷委員。

【鷲谷委員】 国交省さんへの質問ですけれども、緊急時の利用に関して、これまでの経験をホームページで紹介されているということなのですが、東京などで大震災が起こったときに、飲料水として利用できるような井戸がどこにどのぐらいあって、供給可能な水量がどのぐらいなのかというようなことに関しては、データは整備されているのでしょうか。と言いますのは、皆さんのかなり大きな関心事で、震災がいつあるかわからない状況で、プレートの動きなどから、少しずつですが、予測も可能にはなってきているんですけれども、いつあるかわからない状況なので、様々な備えが必要だと思うんですけれども、安全な水が確保できるかというのは最も重要なことだと思いますので、いざというときに地下水がどのぐらい利用できるかということに関して、データが必要な気がするんですが、その点はいかがでしょうか。

【岡田部会長】 これは国交省のほうから。どうぞ。

【国土交通省】 震災時の地下水利用指針という、ホームページをまたご覧いただければと思うんですけれども、その中でアンケート形式で防災井戸という記載がございます。その中に、すべてということではございませんが、ご回答いただきました市町村につきましては、井戸の件数についての記載がございますので、ぜひご覧いただければありがたいと思います。よろしくお願いします。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 よろしいですね。
 ほかにございますか。それでは本日の……。あ、失礼いたしました。どうぞ。

【竹村委員】 地下水ですけれども、地下水は従来型の地盤沈下と水質汚染、地下水汚染が中心になっていますけれども、最近、人口がどんどん増えている横浜市や神戸市で水道の使用量がガタ減りして、収入がガタ減りしております。そういう大都市は目立たないんですけれども、地方の中核都市の水道企業体は極めて困難な状況になっています。それは何かというと、大企業体の大学とか病院とかアウトレットとかがどんどん自分の地下水を汲み上げて、簡易な処理で非常に盛大な水を飲んでいるということで、従来は近代化の中で表流水の水管理ということで社会的な合意形成ができていますけれども、地下水の合意形成が全くとれていないという状況で、現在の表流水の社会的な秩序がほとんど形骸化しつつあると私は思っています。やはり地下水を含めた国土の水循環の中での水利用がこれから大きなテーマになってくると思いますので、すぐ簡単にできるとは思いませんけれども、そういう方向で将来はやっていくんだという方向性だけでも示しておかなければいけない時期なのかなと思っています。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 では、今のご意見は今後の計画等に反映させていただければと思います。
 それでは、本日の主要な議題であります取りまとめについて、環境省から全体をご説明していただいた後、質疑に入りたいと思います。
 では、よろしくお願いいたします。

【宮崎課長】 資料2をお開きいただきたいと思います。
 前回のこの水環境部会におきまして、環境基本計画の点検について、各省からの現状の取組と、最後に取りまとめの構成案をご紹介させていただきました。前回の会議を振り返っていただきたいんですけれども、水環境保全に関する取組ということで、重点検討項目①、②ということで、健全な水循環構築のための取組と、水環境改善の取組とさせていただきまして、環境基本計画における施策の基本的方向を記述した上で、各省から主な取組状況をご報告いただきましたので、それの抜粋を今回取りまとめたということにさせていただいております。最後に今後の課題ということで、主立った課題について抽出したという構成になっております。
 資料2をご覧いただきますと、重点検討項目①、健全な水循環構築のための取組ということで、流域全体をとらえた地域の特性に応じた課題を取り込みつつ、取組を推進していくという観点から、流域に共通する施策の取組、森林、川の流れの保全、河川流量の低下等の取組について点検を実施いたしましたということにさせていただいております。
 基本的方向につきましては、○にありますように、近年の国民のニーズの多様化とか社会情勢の変化を踏まえますと、環境保全上健全な水循環の確保を求め、より望ましい形で水環境の改善・保全を進めていく取組が求められている。
 もう一つは、良好な水環境が保全されますように、流域全体を視野に入れて、水循環の健全化に向けた取組を推進していく必要があるというような大前提になっております。これは先ほど竹村先生がおっしゃったような地下水も含めてということかもしれません。
 主な取組状況ですけれども、流域全体を総合的にとらえてという観点から、めくっていただきまして、健全な水循環構築のための水道事業者の取組の推進をご報告いただきましたし、先ほど再度のご報告がありました清流ルネッサンスとか、雨水貯留浸透施設の整備とか、下水処理水の再生利用による水循環系の健全化、環境用水の導入、ダムの弾力的管理といった話題につきまして、各省からご報告があったと理解しております。
 2番目は、関係機関が連携して水環境の保全を進めるという観点から以下の取組ということで、汚水処理施設の整備推進を記載しておりますし、3番目の流域全体を通じての取組ということでは、地盤沈下等の水管理の推進から始まりまして、③にありますような、流域視点からの硝酸性窒素対策の推進ということで、ここも重点的な対策を推進するための包括的な制度を検討していく必要があるというような結びにしております。
 4番目は、生物多様性、あるいは、新たな環境基準の設定といった項目で書いておりまして、生物多様性国家戦略がございましたし、多自然型の川づくりとか、新規環境基準項目といったことをご紹介させていただきました。
 新規の環境基準項目の検討は、今日の諮問の内容にも一部重複いたしますけれども、BOD、CODでやってきているものに加えて、下層における水生生物の生息域を確保する観点から下層の溶存酸素(下層DO)とか、水生植物の生育に必要な環境を確保する観点から透明度といった環境基準化について検討していってはどうかと考えているところでございます。
 また、大腸菌数につきましても検討を進めていく必要があると考えているところです。
 5.では気候変動あるいはリスク管理といったことで取組を紹介しております。
 ①、気候変動による水質等への影響解明ということでは、温暖化が水にも影響をそろそろ与えているのではないかということで、琵琶湖の例をご紹介したところでありますし、水質事故への対応、リスク管理につきましては、先ほど来ありますようなクリプトスポリジウムの話もございますけれども、昨年、利根川水系で大規模な水質事故がございまして、そういったリスクに対する水道事業者、それから、環境省における対応をご紹介させていただいております。
 6.の人材育成という観点から、子どもホタレンジャー、全国水生生物調査といったことをご紹介させていただいております。
 ページをめくっていただきまして、7.にいきますと、森林の機能についてのご紹介をさせていただいたところです。多様な主体による森林づくり、あるいは、森林整備事業といったことをご紹介したところであります。
 11ページ、8.にいきますと、農村・都市郊外部における取組につきまして、先ほども少しご議論ありましたけれども、家畜の排泄物管理の話とか、環境保全型農業といったことをご紹介させていただいたところであります。
 ページをめくっていただきまして、13ページ、9.河川流量の低下、親水性の低下、ヒートアイランド問題等への対策ということで、都市部の取組ということで、都市部における水循環の問題と対応についてご紹介をさせていただいたところでありますけれども、①は、先進的なヒートポンプシステムの導入促進事業についてご紹介させていただいております。
 ページをめくっていただきまして、都市公園の整備、下水熱の利用といったことも前回ご紹介させていただいたところでございます。
 これらを通じまして、今後の課題ということでまとめさせていただきましたのは、水資源の確保や環境の保全の観点から、水の適正な利用を通じた健全な水循環系を確保することが重要でありますと。関係省庁はじめ関係者が十分に連携し、健全な水循環の形成のための施策を総合的に推進していく必要があるというまとめにさせていただいております。これは国会でもご議論されておりますような新たな法律といったこともあるのかもしれません。
 次は、海域及び湖沼の水環境改良のためには、国民の実感にあったわかりやすい目標設定を行うことが必要であろうということから、先ほどもご紹介しましたような生物の目標、下層の溶存酸素とか透明度について、関係者の意見も聞きつつ、環境基準化に向けた具体的な検討をそろそろ始めていく必要があるのではないかという取りまとめにさせていただいております。
 地下水については、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素について対策を一層推進する必要がございますし、各地域における発生源が様々ですので、その状況に合わせた地域的・総合的な取組を推進していくことが必要であろうという結びにさせていただいております。
 最後の○はリスク管理のたぐいで、利根川水系のヘキサメチレンテトラミンの流出事故等、今まで知られていなかったような物質についても対応が必要であると。それから、水道側あるいは環境側が協力しながら、こういったリスクへの対応を図っていく必要があると考えているところでございます。
 先ほど国交省からの説明でまだ十分取組が反映されていないというご意見もございましたけれども、私ども原案でありまして、国交省のほうから入れていただければ、それは全然構わないと思っておりますので、後でまたご相談させていただければと考えております。
 16ページにまいりまして、重点調査事項②、水環境改善のための取組ということでは、湖沼、閉鎖性海域、海洋汚染、あと、ちょっと毛色は違いますけれども、国際協力・連携の取組ということで点検を実施いたしました。
 環境基本計画における基本的方向といたしましては、特に水質改善が進んでいない閉鎖性水域の対策が必要でありますということと、環境の負荷を自然の浄化能力を超えないように未然防止を図る対策がありますということ、それから、海岸漂着物等の対策も含め、水環境保全に関する技術と経験を生かして、国際協力・連携の取組を推進するというのが、基本的方向として挙げられておりますので、10番にありますようなまず湖沼等の取組であります。
 17ページの①、湖沼水質汚濁メカニズムの解明ということで、前回もご説明しましたけれども、負荷量は減少してきているんですけれども、環境の濃度としてはなかなか改善が見られていないということも指摘されておりますので、難分解性有機物に代表されるようなものについてもう少し取組が必要であろうということを考えているということを記述しております。
 また、自然浄化機能を活用したということでは、ヨシ等の自然浄化を活用した事業に具体的に取り組んできておりまして、そういうことをご紹介しております。
 健全な内水面生態系復元推進事業ということでは、魚類が健全になるような取組も進めているというご紹介とか、水質保全対策も水資源の総合的保全にも資するようなことでやっているとか、そういったご紹介がございました。
 それから、有機農業等は先ほど国交省からご紹介があったとおりであります。
 下水の高度処理等による水環境保全についての取組も前回ご紹介がありました。
 それから、前回記述が十分ありませんでして、指摘があったところですが、⑪で土地利用調整ということを、前回は資料はなかったんですけれども、新たに追加しております。公害の防止、水源である湖沼の保全を含めた自然環境及び農林地の保全、歴史的風土の保存、治山、治水等に配慮しつつ、土地利用の規制に関する措置を図るための土地利用調整会議等が各都道府県単位で設置されておりますので、こういったものの運用もなされているということを記述させていただいております。
 11番、閉鎖性海域の話では、この海域についてもモニタリングをやってきておりますし、負荷量について削減が進んできておりますけれども、新たな取組といたしましては、海の再生等、総合的な取組ということで、「江戸前」をはじめ、首都圏にふさわしい「東京湾」、あるいは、今後の総量削減制度の在り方では、瀬戸内海において湾とか灘ごとに海域の特性を把握して、季節性も含めたきめ細かな水質管理方策が課題となっているというようなことを書かせていただいております。
 ④の窒素、りんの排水規制におきましては、今日も後からご報告させていただきますけれども、窒素、りんの暫定排水基準の見直しも行ってきたところでございます。
 そのほか、瀬戸内海環境保全基本計画の変更とか、有明・八代海の問題とか、いろいろな問題がありますので、それらをご紹介させていただいたということでございます。
 ちょっと飛ばしぎみですが、23ページにまいりまして、12.海洋汚染の防止を図るための取組ということでは、陸域からの負荷の削減などの適切な対策を進めてきておりますけれども、まだ一部残っておりますのが、一部の廃棄物の海洋投入処分の問題でございます。それから、新たな話題といたしましては、二酸化炭素の海底下廃棄というものが出てきておりますので、こういったことに取り組んでいく必要があるという記述をさせていただいたところであります。
 マルポールにつきましても、必要な改正を行ったという記述をさせていただいておりますし、24ページにいきますと、海洋環境モニタリングあるいはNOWPAPの取組を推進してきたという記述をしております。
 それから、⑥で、バラスト水について条約が採択されておりますが、我が国もこれに批准した場合は義務を満たす必要があるという動きを紹介させていただいておりまして、いつというのはまだ不透明ですけれども、対応を進めていく必要があるということを書いております。
 また、漂流・漂着・海底ごみについても、知見もございましたし、そういう取組を紹介させていただいているところであります。
 最後の国際協力・連携の取組ということでは、我が国がこれまで培ってきました水環境保全に関する技術的な協力を進めながら、ビジネスにもつながるようなことをこれからはぜひやっていくべきだということが書いてございますので、ODAあるいはアジアモンスーン地域の話、下水道のビジネス展開、アジア水環境パートナーシップの活動とか、中国のアンモニア性窒素等削減協力事業、アジア水環境改善モデルといったことをご紹介させていただいたところでございます。
 これらをまとめて、今後の課題としておりますのが、湖沼、閉鎖性海域は、依然として環境改善の必要がありますので、特に湖沼に流入する汚濁負荷量の削減については、都道府県が設置する土地利用調整会議等の活用を図ることにより、湖沼の保全、富栄養化防止のための取組をさらに進めていく必要があるというふうにまとめさせていただいております。
 閉鎖性海域につきましては、今までは一律な取組をやってきたきらいがありますので、それはそれで進めていくんですけれども、湾とか灘ごとに地域の特性を踏まえた取組もこれからは進めていく必要があるだろうという結びにさせていただいております。
 産業廃棄物の海洋投入処分につきましては、さらに削減を図っていく必要がありますし、海岸の漂着物対策についても、より一層推進を図る必要があるというまとめにさせていただいております。
 最後の○は、我が国の民間企業が有する水処理技術の海外展開の支援ということをまとめさせていただいておりまして、これらを中心に今後取り組んでいってはどうかというふうなまとめにさせていただいたところでございます。
 途中でも申しましたように、各省ともやりとりをしながらとりあえずまとめさせていただいておりますので、今日の委員のご議論を踏まえてもちろん修正はあるべしということで、よろしくお願いしたいと思っております。
 以上でございます。

【岡田部会長】 どうもありがとうございました。
 前回、どちらかというと各省別に様々な個票に基づいてご紹介いただき、ご議論いただきました。その結果を踏まえて、今回は環境基本計画の流れに従って再整理していただいたと思います。この整理につきまして、ご質問、ご意見等がございましたら、お願いいたします。
 では、山室委員、どうぞ。

【山室委員】 17ページの②と③について確認したいことがあるのですが、先に②についてお願いいたします。ここで「ヨシ」と明記されていまして、ヨシは湖底の貧酸素化に対して防止効果があるとされていますけれども、科学の基本からはそれはあり得ないと思うので、どういう結果からそう判断されたのか教えていただきたいと思います。例えば、富栄養化で問題になっている植物プランクトンは、りん1に対して炭素を100固定するという、レッドフィールド比というのがあるんですけれども、ヨシは1000以上なんですね。ですので、入ってきたりんが同じでしたら、ヨシは植物プランクトンの10倍以上の有機物をつくることになります。
 ですから枯れたヨシが湖に入らないように、例えば植物プランクトンの10倍以上の有機物をヨシが生産するとしましたら、9割以上除去しなければ、同じ量のりん負荷によって植物プランクトンよりも多くの有機物が湖に入っていくということになります。近年は刈り取りとか火入れといったヨシ原の管理が、例えばダイオキシン問題などでできなくなっているところもありますから、9割以上の除去は不可能だと思います。ですので、その管理まで含めて貧酸素に有効だということでまとめられているのかどうかというところを確認させていただきたいんです。それをまずお願いできますか。

【宮崎課長】 先生ご指摘のように貧酸素防止に直接ということはもしかして難しいのかもしれません。今、私どもでやっていますのは、ヨシが適度に繁茂して、それを刈り取ることによって、ヨシに限りませんけれども、植物を刈り取りまして、堆肥化したりして、なるべく栄養塩類を湖から除去するということを中心に考えているところでございます。
 科学的に説明するのは正直申し上げて難しいかもしれませんけれども、自然の力を利用して湖の環境改善に少しでも役立つことができないかという取組を進めているというご紹介ですので、記述が若干ピントが外れているというご指摘でありましたら、そこは修正させていただきたいと思います。

【山室委員】 科学的には、科学と言ってもいろいろあるんですけれども、生元素循環から見れば、これは難しいというよりは原理的なことですので、原理に外れるような解説になるところは外すといいかなと思います。概して貧酸素というのは、流れによる酸素供給の低下と、有機物量の増加による酸素消費の増加によって起こります。草を生やすということは流れを妨げることになり、なおかつ有機物の増加をもたらすので、原理的には貧酸素を防止する効果はありません。つまり窒素やりんの除去という面である程度いいかもしれないけれども、有機物を植物プランクトンの10倍以上つくるという点からすると、流れの低下もあいまって基本的には貧酸素を助長する方向にしかならないと私は思います。例えば、アメリカではヨシによる貧酸素化の報告の論文や、刈り取りとか難しいので除草剤によって除去するとか、そういう論文も出ているぐらいです。ですので、ヨシ植栽が第二のホテイアオイにならないような慎重な表現が必要だと私は思います。
 関連して3番の健全な内水面ですけれども、山地にある淡水湖沼はそうではないのですが、下流の特に汽水の湖沼では、内水面での漁獲の大部分はシジミやアサリなどの二枚貝です。二枚貝が住むところは砂地ですので、干潟などを思い起こしていただければいいんですけれども、陸上がずっと砂なんですね。海の干潟に、例えば水際にヨシが生えているとか草が生えているということはあり得ないわけです。ところが、近年、植栽事業によりヨシが植えられる、またヨシが流れないように消波施設が作られることで、漁場が悪化しているのではないかという懸念が、内水面漁業の非常に盛んなところで生じております。
 ですので、2番と3番を並行して書いていて、2番にあるようにどんどんヨシを植えるということで、3番にある内水面漁業の重要な場所を減らしていくというのは矛盾になると思います。湖は1つのものですから、その辺りも考えた表現にしていただければと思います。
 以上です。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 今の点は、おっしゃるとおりの部分と、別の意見を持っている方も多分いらっしゃると思うので、もう一度事務局で確認して……。

【藤井委員】 ちょっとすみません、今の。

【岡田部会長】 はい、どうぞ。

【藤井委員】 今の山室委員のご意見を伺っていましたら、琵琶湖でこの間ずっと取り組んでいることが全否定ですね。もともと琵琶湖総合開発の前は260ヘクタールのヨシが130まで半減している中で、貧酸素の状況をどうするかということよりも、むしろ魚の産卵区域をどう増やしていくかという視点のほうが高かったかもしれません。ただ、ヨシについての今のような見解があると、さて琵琶湖でやってきたことは一体何なんだったのだろうというので非常に戸惑いがありますので、逆に教えていただきたいと思います。

【山室委員】 琵琶湖については、私も琵琶湖環境科学センターの評議員をしておりまして、そのお話はよく存じております。問題は、昔、ヨシがあったところは主に内湖とか河口だったということです。これについては、琵琶湖環境科学センターの報告書に書かれています。現在のヨシ再生事業では、もともとはヨシ群落が無かった、波当たりが強いところに波当たりを弱める為の構造物をつくって植えていると。
つまり内湖や河口などヨシ原があったところを人間の都合で干拓し、埋立てることでヨシ原が減少した。
 そういうところを元の内湖や河口に戻さず、本来だったら波当たりが強い砂浜的な環境のところをヨシを植えるために内湖的な環境に改変することで、さらにまた人工的にしてしまったということです。本当にそういうやり方でいいのかという検証が琵琶湖環境科学センターの報告書で行われていて、いつ、どこにどういうヨシがあったのかということを、明治時代の迅速図から現在までの地図を見せて検証されております。よろしければそれを参考にされて、ヨシはどういうところにあるべきかということをもう一度考えていただければと思います。
 そういう内湖的なところとか、そうではないところ、河口以外のところに構造物をつくってヨシを植えると、波をとめてしまいますので、刈り取りをしなければどんどん埋まっていくわけです、枯死したヨシで。そうすると、10年もたたないうちにそこは陸地になってしまって、今おっしゃった魚の産卵なども不可能になってしまいます。ですので、そういう総合的な面からもう一度、琵琶湖のヨシというのも考えていただければと私は個人的に思っております。

【岡田部会長】 これは多分再生する場所によって、悪影響だったり、予定どおりうまくいく場合があると思います。山室先生ご指摘のようにすべてに対してオーケーのようにとられるので、ヨシそのものが駄目という意味ではないと思いますので、書き方を事務局でもう一度修正していただいて、大変恐れ入りますが、山室先生と藤井先生にもう一度見ていただくということでよろしいでしょうか。多分そのほうが 【山室委員】 書き方と管理の問題だと思うんです。

【岡田部会長】 そうです、そうです。そういうふうにさせていただきたいと思います。
 ありがとうございます。では、この点は事務局、よろしくお願いいたします。
 ほかにございますか。はい、どうぞ、石川委員。

【石川委員】 各項目とも具体的な数字も入ったりして大分わかりやすくなっているなと思うんですが、その数字が果たしてどういう意味があるのかというのはよくわからない部分があります。例えば18ページに、⑤の環境保全型農業直接支援対策というので、化学肥料の5割減をやっている面積が増えましたよと。増えたのはいいんだろうなと思うんだけれども、全体がどのぐらいで、それがこれだけになるとどれだけの重みがあるのかというのは全く見当がつかないんです。
 同じくその下の⑥も、認定件数がこれだけになりましたと。これが果たしてものすごいすばらしいことなのか、全体のほとんどを占めたということになるのか、それほどでもないのかというのがよくわかりませんので、この辺をもうちょっと意味があるというような書き方でお願いできたらなと思います。
 そういうのでずっと眺めてみますと、一番下の⑨の「下水の高度処理等による」というところで、何かやっていますよという書き方で2行書いてあるんですけれども、何を具体的にやって、どれだけの成果が出ているのかというところまで書かないと、全体的な平仄が合わないのではないかなと思います。
 以上です。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 前回の議論では多少この基になる全体数字が出てきたと思うんですが、事務局は事務局で、恐らく全体の分量が限られていますので、かなり無理してというと大変失礼ですが、減らした面もあるかと思います。では、これはもう一度事務局で、入れたほうが誤解がない場合は入れるということで。私が勝手に答えてはいけないかもわかりませんが、そういうことでいいですね。
 どうぞ。

【宮崎課長】 前回の各省からの説明資料にも、全体像が十分わかっているものとそうでもない資料のバラツキがございました。エコファーマーにつきましても、この件数だけは出ていたようですけれども、全体の数字は前回の資料にも見当たりませんので、農水省に確認させていただきまして、類例がわかるような資料にさせていただきたいと思います。

【中杉委員】 その関連で。今、石川委員からのご指摘は、前回、確か私が指摘させていただいたことなので、それについては。どういうふうな表現をするのかなかなか難しいと思いますけれども、これだけやったよ、行政の目的としてはこうだよと、モデル事業などは特にそうですよね。このモデル事業とこのモデル事業をやったと。事業の経過後やったけれども、それが全体にどう波及していくのかというところを、書き方は難しいと思いますけれども、書いていただかないといけないのかなと思います。

【岡田部会長】 関連してですか。どうぞ。

【浅野委員】 結局、物の見方で、まだこれだけ残っているという見方と、もうこれしかないという見方とあるから、かなり主観的な評価になってしまうかもしれないですね。ですから、意味があるかどうかは、書いてみて、文脈を読んで考えないといけないので、機械的に入れていいかどうかはもうちょっと慎重に考えたほうがいいと思います。
【岡田部会長】 では、今の件はもう一度事務局で、環境省、農水省、関連の省でご検討いただいて、できる限り書くということしかないと思いますので、意味があるかも考えながら、もう一度これは微調整していただくということでよろしいでしょうか。
 はい、どうぞ。

【太田委員】 関連してよろしいでしょうか。

【岡田部会長】 はい、どうぞ。

【太田委員】 「水環境保全に関する取組」に係る報告地方公共団体あるいは国民へのメッセージだと思いますので、皆さんがおっしゃるとおりだと思います。ところが、例えば全体の平仄を見ますと、これをやっているというのが全部項目にあるんですけれども、ものによってはこういう方向に行くべきだと書いてあるものが少しあったり、こういう成果が出ているというような部分があると思うんですね。できれば、こういう方向に行くんだというメッセージが伝わるようなものが少しでもあれば良いのではないでしょうか。
 それから、やったことの意味を、数字で表すのもありますけれども、人々の気持ちがどう変わったとか。例えば、環境保全型農業のような、先ほどの説明に関して言えば、拠点的にやること自体で人々にインセンティブを与えることに意味があって、それが全国的に広がっていくきっかけをつくっているとか、そういうメッセージがないと、ものすごく努力されているのにせっかく書いたものがもったいないなと思います。財務省との関係もあって、どこまで書けるかというのはありますけれども、できるだけそういうのをお願いしたいのが一つです。
 それからもう一つ、例えば環境用水の導入というのが3ページの真ん中辺にあるんですけれども、これは全部縦割りの説明になっているんですね。できたら、各省が連携しているような形での表現を少し入れていただくと、霞が関も縦割りで動いているのではないんだとわかってもらえると思うのです。実際にこの委員会自体は水に関して分野横断的に議論できる場という意味を持っているわけですから、そういう連携の実態を例示的に表すだけでも、大分、国民に対するメッセージが変わってくるのではないかと思います。こういうところとこういうところがこういうことをやりながら成果を上げているとか。全部は難しいと思いますけれども、象徴的なものを二、三入れるだけでも大分浮き上がってくるのではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

【岡田部会長】 今の2番目のご指摘は、前回の議論でも確かあったと思います。おっしゃるとおりだと思いますので、もう一度事務局に努力していただいて、連携部分をできる限り。「象徴的」と今、太田委員はおっしゃいましたが、そういうものを出していただければと思います。
 はい、どうぞ、中杉委員。

【中杉委員】 今の太田委員のご意見、前回、私が「下水処理で下水道と農村集落と浄化槽、この3つがバラバラに出ていたので、まとめてください」と申し上げて、それをまとめていただいているんですよね。それはそれで全体としてどうなんだと、全体を合わせるとどのぐらいカバーできているのかと。他のところもそうだと思うんですけれども、全体としてわかりにくいのは、このそれぞれの四角の中はこういうことをやりますよと言っているわけですよね。それに対してこういうことをやっていますよということなので、その関連がうまくとれていないような感じがします。
 例えば、この中を読むとこういう項目があります。その順番に並んでいるかどうかということもありますし、ここで書かれている項目に関してやっていないことは全く書いていないんですよ。というようなこともありますので。実際には各省でいろいろやられていることをまとめて書くというのはなかなか難しいと思いますけれども、できるだけ一般の国民あるいは地方自治体の方がわかるようにということで言うと、ここで書かれていること、こういうことをやりますよと言ったことに対して、こういうことをやりましたというふうな表現にしてもらえるとありがたい。わかりやすいんだろうと、理解を得られるんだろうと思います。
 とりあえず。また後で申し上げたいと思いますが。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 では、今の件もよろしいですね。もう一度事務局で確認していただくということでお願いしたいと思います。
 では、ほかに。どうぞ。

【浅野委員】 これはまとめ方の問題ではあるわけですが、本日の素案には、要するにこれだけのことをやってくださいと計画に書いています。これに基づいて以下の取組をしていると書かれているわけだから、書いてないことはやっていないということになるわけですね。だったら、後で「今後の課題」を書くときには、これこれについてはやっていませんねと書く以外ないわけで、そういうふうに書かれていればそれでいいわけですが、案を拝見するとそれがそうなっているわけでもない。
 我々がちゃんと目を光らせておかなければいけない点は、「今後の課題」というところに何を書くかであって、この点で部会の鼎の軽重を問われるわけです。この案で「課題」と書かれているのは、事務局が重要だと思うことが挙げられているのであって、審議会委員の目から見て、ここに「課題」と書いてあることが本当に部会として課題であるのかどうかが今日の論議での一番のポイントではないのかと思います。

【鷲谷委員】 総合的に問題をとらえて、対策も総合的に考えていくというのが、恐らく目指すべき方向なのではないかと思いますが、そういう視点から見て、書き方をもう少し改善できるかなと思いますのは、例えば地下水の硝酸態・亜硝酸態窒素の問題とか富栄養化など、個別的に取り上げられている問題の幾つかは共通の問題構造の中に位置づけられるもので、それは科学の言葉で言えば窒素循環を流域など適切なスケールでとらえて、それに基づいてどこをどうすれば一番効果的かというふうに対策を考えていくことが必要です。それこそが総合的な対策ということではないかと思うんですね。
 5ページに少しそれに近づいた記述、③の「流域視点からの」で若干限定されて、硝酸性窒素対策の推進と、これもちょっと個別になっているんですが、そういうものがあるんですけれども。今、研究者レベルでは窒素循環の研究をされている方もいらっしゃるのではないかと思うんですけれども、そういうデータを活用するのか、あるいは、モデル流域などで行政が実施する対策に結びつけるような研究を推進するのか、問題を科学的にトータルに把握して対策を立てていくという姿勢を明確にして、「元素循環」みたいな生態学用語などもどこかに一言ぐらいあるといいのではないかと感じました。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 たくさんご意見をいただきたいので、事務局に一つひとつお答えいただくよりも、今のご指摘をメモしていただいて修正に生かしていただきたいと思います。
 次、太田委員が立っていますが、いいですね、もう。では、中田委員、どうぞ。

【中田委員】 取りまとめ方ではなくて状況を教えていただきたいんですが。資料の21ページから22ページに干潟、藻場の面積についての表がございます。第4回と第5回の自然環境保全基礎調査で、全国規模で面積についての調査が行われていて、それをいろいろなことに私どもは活用させていただいているんですが、その後まとまった形で全国の調査が行われていないわけですね。ご存じのとおり、流域の負荷を削減しても海域の富栄養化の状況がなかなか改善されない理由の一つに、干潟あるいは藻場、あるいは、海岸の人工化が進んでいくことの影響というのが当然あるわけです。そこら辺の全国的な状況を10年か15年に1度ぐらいはきちっと押さえながら、保全・再生を考えていくというのは非常に大事な問題だと思うんですけれども、そこら辺についての考え方とか、今後の方向について何かあれば教えていただきたい。

【名倉室長】 ご指摘いただきましたように、第4回と第5回の自然環境保全基礎調査以降、まとまった形で全国のものはございませんので、現在どういう形で継続性を持った形で全国的にとらえるかということの検討に入っているところでございます。

【岡田部会長】 では、次に福島委員、どうぞ。

【福島委員】 2点ほどございます。
 前半のほうの健全な水循環構築のための取組ということで、4ページに流域全体を通して物質循環の把握に努め、管理していくという方向を提案されて、非常にいいことだと思いますが、先ほど鷲谷委員からも指摘があったように、5ページの③、流域視点からの硝酸性窒素対策の推進、ここで地下水のことだけを書かれていて、このことは下流の内湾とか湖沼の問題とも関係があり流域全体と言っているので、そういうものも含めて実例として書いていったほうがいいのではないか。
 同じようなこととして、11ページに農水省でやられているいろいろな対策がございますが、家畜排泄物の管理に関しては堆肥化等いろいろなことをやっている。そのあと、有機農業の推進というのが5ページにございますが、例えば霞ヶ浦等で考えますと、流域で畜産によりかなり堆肥を生産されて、それを流域の中で有機農業の推進ということで、過剰に播くことによって、下流の湖に影響が出てきてしまっています。このため、全体を見て管理をしていくという視点をできたら出していただきたいというのが希望です。
 次に2点目です。後半で、最後の28ページの湖沼の流入負荷削減に関して、都道府県等が設置する土地利用調整会議を有効活用すると書かれていまして、こういうものができたらいいなと我々はかなり前から考えていたんですが、日本のような土地私有権が強いような国においてこういうものを明示して、中期計画の中に書いていって本当にできるんだろうか。逆にこれはやっていただきたいのですが、実現性の点でこのように書いてしまって後で困ることはないでしょうかと。こちらは質問です。

【岡田部会長】 後半の質問はなかなか難しいところがあると思いますが。後にしましょうか。
 では、古米委員、どうぞ。

【古米委員】 私からは2つほどご指摘したいと考えております。
 8ページの6.で水環境に精通した人材育成、あるいは、わかりやすい指標ということで、調査研究等が必要だというところで、それぞれ項目立てはありますけれども、私も関わりました「水環境の健全性指標」とか「水辺のすこやかさ指標」というような重要なキーワードがこういったところに入っていないのは残念だなと思います。ぜひ反映いただきたいというのが1点目です。
 2点目は、16ページ以降になりますけれども、水環境改善の中で水質改善をするといったときに、もちろん水辺の水生生物あるいは植生等の話とともに流入負荷削減をしてきたと。点源対策についてはかなり成功してきた一方で、非特定汚染源、いわゆるノンポイント汚染源の管理の重要性が増しました。一部、農業由来の汚濁負荷削減に関連しては記述がされていますけれども、大気、森林、市街地由来も合わせて、非特定汚染源対策という言葉なり、面源対策なり、あるいは、負荷削減の対象として今後取り組まなくてはいけないものを、もうちょっと全体的にとらえた形で書いておくことが必要だと思います。
 今日の議題の後半でも、改正湖沼法の中で流出水対策の推進をしてきたという実績を持っていながら、その記載がないというのは若干手落ちではなかろうかなというのが2番目の指摘でございます。これは海域の水質改善もつながっておりまして、先ほど石川委員からご指摘もありましたけれども、下水道の分野では流域別下水道整備総合計画の実施を通じて頑張っておりますが、内湾に対しては合流式下水道の改善対策をするということに関しても、汚濁負荷源の削減ということで貢献されています。どういった汚濁負荷源があって、これに対して今後どう取り組むのだというような表現をしっかり記載することがとても大事だというのが2点目でございます。
 以上です。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 では、長屋委員、どうぞ。

【長屋委員】 まず5ページの総合的な土砂管理の問題でございます。私ども沿岸漁業のサイドからして、先生方も言っておられるように、海に対する砂の流入は今非常に少なくなっている、このことが沿岸域の環境に大きな影響を与えると思っております。このことについては取組をさらに進めていただいて、この辺のことが早く改善されるようにお願いしたいと思います。
 1番目の前半、また最後14ページの今後の課題でも取り上げられている問題でございます。新たな環境基準の設定の中で、前回も申し上げましたが、透明度を基準にするということにつきまして、漁業者のサイドからは非常に心配の声が上がっているところでございます。水生植物の光合成を促すために透明度を増すということは私どもも必要なことだと思っております。しかし、プランクトンがいない海をつくるということをどんどん進めれば透明度を増すことになります。
 そういう行きすぎた基準を設けることによって、そこで水生植物は生きてもほかの魚とかが育たない海をつくっていくということに決してならないような基準をぜひご検討いただきたい。この間も申し上げましたけれども、今後、関係者の意見を聞きつつということがありますが、どういう場面でそういうふうなご議論がされるのか、関係者の意見を聞いていただけるのか。ここをぜひ教えていただきたいと思います。
 次に、後半で19ページでございます。閉鎖性海域における水質改善の問題の中で、この四角の中にも書いてございますように、こういうふうな水質改善とか、藻場、干潟の保全・再生を通じて、一番最後の行に書いてあります「高い生産性と生物多様性の保全・向上が図られる海をつくっていく」、これが私どもとしては大きな目的の一つだと思っております。これについてこれまで取り組まれてきた内容がそれとどういうふうに関連してきたのか。ここについてはぜひお示しいただきたいと思います。
 このような取りまとめがされていくのであれば、こういうふうな水質改善に向けた取組とか様々な取組が、この中の生産性と生物多様性の保全・向上との関係の中でどういうふうな影響が出たのか、またはどういうふうないい影響が出たのか、こういうことについての取りまとめというものを何らかの形でお示しいただければと思います。
 そういうことを踏まえて、20ページの③に記述いただいた、今後の総量削減制度の在り方の検討に向けた調査を進めていただきたい。特に瀬戸内海においては湾、灘ごとの海域の特性を把握して、季節も含めたきめ細かな水質管理方策が課題となってと書いていただいており、このことをしっかりと踏まえていただいた今後の検討が進められることをお願いしたいと思います。
 最後は海洋汚染の防止の問題でございます。前回の委員会でも一言だけ言わせていただきました。国の機関である原子力規制委員会のトップが、今週の2日の海外特派員向けの講演の中で、汚染水につきまして、基準値以下のものは海に放出することを検討しなければならないという発言をされております。福島第一原発の汚染水の問題で地元の漁業がいまだに再開できない状態にある。それから、全国の漁業者がこういう漏出問題が発生するたびに風評被害を受けている。海外からも相当強い批判を受けている中で、国の機関の委員長がそういう発言をされている。この審議会の中で海洋汚染の問題を論じるのであれば、放射能汚染水の問題をどう扱うかについてぜひお考えをお伺いしたいと思います。

【岡田部会長】 どうぞ。

【中杉委員】 多分、浅野先生が最後におまとめになると思いますので、その前に。
 先ほどからいろいろ委員のご意見が出てきた部分ですけれども、窒素循環、栄養塩の循環について前回も申し上げたことで、5ページにあるのは地下水だけであって、地下水についてはこういうことをやっているというのは十分存じ上げています。ただ、これは福島委員のご指摘もあったように、霞ヶ浦は硝酸性窒素の地下水汚染の問題もあり、富栄養化の問題もあり、これをどう整合をとって議論していくかというのは非常に問題です。
 窒素の循環を考えていくと、霞ヶ浦の地域と言いますか、茨城県の霞ヶ浦周辺は窒素の循環が全部うまくいくかというとかなり微妙なところで。ほかのところで、例えば九州アイランド、九州に行きますと、完全に畜産による発生のほうが窒素が過剰であるという研究結果もあります。そういうものをどう考えていくかという視点で、地下水だけではなくて表流水も含めて窒素循環をどう考えていくか。これは「やるよ」と書いていて、やっていないのだから、浅野先生のご指摘で言いますと、課題のところに上げていただく必要があるだろうと思います。
 もう一つ、課題のところで気になっているのは事故の話ですけれども、事故の話はヘキサメチレンテトラミンの話しか書いてございません。前のほうを見ると、事故リスクということでは、震災対応をどうするかという話が非常に重要な問題だよという指摘があるんですが、それに対しては特段のこういうことをやったよというのも必ずしもないですし、それに対して課題として上げられていない、そこら辺のところは重要な課題として上げていただく必要があるだろうと。井戸水でどう管理していくかというご指摘もありましたけれども、その話も絡みますので、それも課題として上げていただければと思います。
 それからもう一つ、細かいところなんですが、4ページで地盤沈下の話が最初にボンときているんですが、地盤沈下がここにあるのは適切なのかどうかというのは少し疑問を感じます。と言いますのは、11ページの四角囲みの中の最後のほうの3行のところに「地盤沈下が発生するおそれ等々」が書かれていまして、ここの後ろを見ますと、地盤沈下云々の話が全く抜けている。場所としては、地盤沈下の話はむしろこっちに入るべきものではないだろうか。そういうこともありますので、先ほど申し上げましたように、四角囲みと対応した形で点検をしていただければと思っています。
 もう一つ、質問なんですが、18ページに有機農業の推進というのがありますが、12ページに同じ文章が入っています。ほかのところは全部再掲という形で整理をされているんですが、これは1番目と2番目と分けているから再掲になっていないのか。そこら辺のところも体裁として少し整理をしていただければと思います。

【岡田部会長】 藤井委員、どうぞ。

【藤井委員】 先ほどの長屋委員のお話を伺いながら、東日本大震災に関して、私は2回前の部会で、海洋汚染を含めての水環境汚染について、この水環境部会ではどこの範囲を扱うかという質問をしました、この部会がアンタッチャブルでいいはずはないと。そうしましたら、総政部会で、東日本大震災についてはいろいろ分析する中で、各部会がどういうふうに扱っていくかということを議論するというふうな答えが出たと思います。ところが、前回は東日本大震災についての情報は全く資料にもなかった、今回もない。これは大変重要な問題だと思いますので、今、総政部会の中で議論がどうなっているのか、水環境部会はどう受け止めて議論しなければいけないか、そこのところの確認だけさせてください。

【浅野委員】 お答えをすべきことについて、事務局が答えていただけることは答えていただければいいと思いますが、整理の仕方について、前回、「方向を計画に掲げているのだから、それに合わせて整理をしたほうがいいだろう」と申し上げたわけです。今日出された素案に対して、個々にいろいろご意見が出ておりますので、それらの一つひとつについて、事務局で議事録をよく読んでいただいて対応されることが必要なご指摘が多々あったと思います。しかし、全体としてはある程度整理ができている素案であると思います。
 先ほど太田委員からご指摘があったように、ある部分ではやったことの中に評課やコメントが入っている部分と、淡々とやったことだけ書いている部分があるわけです。これはもう一遍よく見直したほうがいいのではないか。
 それから、中杉委員が言われたように、括弧にくくる形で計画ではこういうことをやろうとしていますということが書いてあって、それのすべてに対応させる形で取り組まれた事項をかけるわけでもない。特にやってないことは書けないわけです。けれども、ひょっとしてやっていることを書き落としていると誤解を招く可能性があるわけです。もうちょっと書き方を工夫しなければいけないかもしれないので、そこも少し見直したほうがいいのではないかと思います。
 取り組まれた事績のうちにこういう点が課題であると書いてあるのであれば、それは後のほうの課題に反映されなければならないのですが、よく読んでみますと、前のほうに「課題である」と書いてあるのに、後の課題では何も触れていないというようなものが幾つかあるものですから、これもちょっとまずいのではないかと思います。
 原発の問題、放射線の問題、震災の問題については、環境基本計画でも、もう1か所別のところでまとめて整理をするということになっているので、点検としては震災及び放射線の問題というもう一つ別の項目があるわけですね。その意味からいうと、もう一回総合政策部会でやっている作業とここで出てくる関係する部分に関する作業とを突き合わせて、別々に書くのか、1か所にまとめるのかということを、一度、環境計画課と相談をしていただく必要があろうかと思います。多分、大気環境のほうでも同じような問題に直面する可能性がありますので、そこは歩調を合わせておかなければいけないと思いました。
 それから、先ほど長屋委員がご発言になった「里海」の件ですけれども、これは環境基本計画の中でも重要としている新しい視点として強調したいと思っていることですが、本日の素案での整理は、28ページを見るとせっかく豊かな内容を持った「里海」という提案がすごく狭い範囲に閉じ込められてしまっているような感じを受けます。つまり、水質管理を行う観点からの検討だけになってとどめられてしまっています。もともと水環境政策の大きな政策ビジョンをつくったときにこんな狭い範囲のことを言っていたはずではなかった。「里海」というときには、そこにある産業活動とか、人の生活とか、地域とかいうものをにらみながら、議論をやってきたはずです。どうしてここで急に水管理の話に収斂してしまうのか。それでは極めて物足りない。先ほど鷲谷委員が全体を見て物を言えと言われたこととも関係があるわけです。
 同じような意味で言うと、14ページのまとめです。硝酸性窒素について、地下水汚染につながるということにとりわけ今は関心があってこういうように書かれているということはわかるので、これでいいのかなとも思うのですが、それにしても「地域的・総合的な取組」と言ってすっと逃げている。地下水保全という課題だけから考えてみてもこれでいいのかなという感じがあります。つまり、計画では政策手法として今まで違う手法を入れなければいけませんということを言っているのにこのまとめでは、そこには踏み込んでいない。
 例えば、農業政策の中での肥料のやり方の問題とか、そんなことを考えてみると、前から言っていますけれども、例えばたくさん肥料をばらまけば収量が上がると思っている人には、ちゃんとばらまき代を払ってもらって、あまりばらまかない人には、収量が下がった分ちゃんとお金が回るようにすれば公平じゃないかとか、そういうような議論だって本当はあるはずだろうと、前からお茶畑の話を聞いていてそう思っていたわけです。実現可能性がどうか、ということはともかく、もっと政策手法のことまで含めて議論という割にはちょっとこれでは物足りない。
 さらに物足りないのは、水循環について総合的に推進していかなければいけないということは15年間言い続けているわけで、同じことをここで書いてみても芸も何もないわけです。ここでは何が総合的なのかということがもっと明確に出てこなければいけない。そういう意味では、もう既に幾つか今後の課題として書かなければいけないことについて、今日、硝酸性窒素の話をはじめとするお話がありました、窒素循環まで目を止めて議論をすべきであるというような話がありましたから、そういうものを入れて、これをもう一遍整理をし直す必要があるだろうと思います。
 なお、今後の整理の仕方ですけれども、もう一回、水環境部会を開けるかどうか、タイムリミットが迫っています。この報告は、総合政策部会に持っていってそこでさらに討論することになるわけで、最終的には水環境部会で書いたものが仕上がり品にはならないわけです。さらに総合政策部会にいって、全体の中での調整もしなければいけないということになります。その意味では、今日までに出された貴重なご意見を踏まえながら、「今後の課題」のところはとりわけもっときちんと書かなければいけないということになりますから、恐らく数日のゆとりはあるだろうと思いますので、数日間ぐらい、さらに「今後の課題」について書き込むべきことという意見を委員からいただいた上で、本日の議論とそれらを踏まえて部会長に一任ということにする以外にないと思います。
 最後はご提案です。

【岡田部会長】 ありがとうございます。
 まだご意見があるかと思いますが、大変申し訳ございませんが、時間が限られておりますので、今日この場でいただくご意見はこれまでにさせていただきます。
 本日まだ言い残したご意見があるかと思いますが、それにつきましては、数日の猶予は多分あると思いますので、むしろお忘れにならないうちに速やかに事務局にご意見をいただければ、大変ありがたいと思います。
 それから、幾つかご質問いただいた件、本来ですと、事務局からお答えしていただくべきだと思いますが、申し訳ございません、今日はちょっと時間の関係上難しいので次回、別の機会にお答えいただくということにさせていただきたいと思います。
 今、総合政策部会の浅野先生からご提案いただいていますので、大変助かるんですが、今日は事務局とあまり応答しないで、できる限りご意見をいただくようにしました。いただいたご意見に基づいて現在の原案を修正するように事務局にお願いしたいと思います。その結果については時間が許す限り、10月はじめまでに総政部会に報告しなければいけないということがございますので、それまでの間に水環境部会を開くことは事実上難しいかと思います。したがいまして、直した原案につきましては、先生方にメールもしくは文書でもう一度ご意見をいただくべく努力をしたいと思います。
 その結果を踏まえて、第一義的にというか、総政部会に報告する原案につきましては、誠に申し訳ございませんが、部会長に一任させていただきたいと、よろしくお願いいたします。ただ、その中で積み残しの問題があるとしたら、総政部会とのやりとりを通じて最終的に修正していく機会があると、今、浅野先生おっしゃいましたので、そのような形にさせていただければと思います。時間が限られているということで、大変申し訳ないとは思いますが、今回につきましてはそういう形で進めさせていただければとお願い申し上げます。よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。そういうことにさせていただければと思います。
 それでは、次の議題に移ります。審議案件(2)、「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の見直しについて」(諮問)、併せまして、審議案件(3)、「中央環境審議会水環境部会の専門委員会の設置について」、事務局からご説明をお願いいたします。

【根木課長補佐】 まず資料3をご覧いただきたいと存じます。
 資料3は、平成25年8月30日付けの環境大臣から中央環境審議会の会長への諮問でございます。環境基本法の規定に基づきまして、水質汚濁に係る環境基準につきまして、生活環境の保全に関する環境基準の部分につきまして、環境基準の見直しについて審議会の意見を求めるということでございます。
 諮問理由でございますが、「生活環境項目環境基準」につきましては、昭和46年に設定されまして、その後、全窒素、全りんを追加したり、平成15年からは水生生物の保全に係る環境基準が追加されているというような経緯がございますが、有機汚濁等の生活環境項目環境基準につきましては、特に湖沼や閉鎖性海域において達成率が低く、また、水域によっては水生生物等の生育及び生息に障害となる貧酸素水塊が発生するなどの課題を抱えているところでございます。
 このような中、国民の実感にあったわかりやすい指標について求められております。また、今、いろいろご議論いただきました環境基本計画におきましても、第四次のものが平成24年4月に策定されておりますが、「底層における水生生物の生息、水生植物の生育への影響、新たな衛生微生物指標などに着目した環境基準等の目標について調査検討を行い、指標の充実を図る」とされているところでございます。
 このため、下層溶存酸素及び透明度等につきまして、より国民の実感にあったわかりやすい指標により、望ましい水環境の状態を表すことで、良好な水環境の実現に向けた施策を効果的に実施する必要があるということでございます。
 この諮問は、こうした観点から、生活環境項目の環境基準の追加等につきまして審議会の意見を求めるという理由になっております。
 裏面の次のページをご覧いただきたいと思います。この環境基準の見直しについて、8月30日付けで、中央環境審議会の議事運営規則第5条の規定に基づいて、水環境部会に付議をするというものになっております。これで付議がされているということでございます。
 第1に、下層の溶存酸素、透明度につきまして、生活環境項目の環境基準の追加に関するご検討をいただきたいということでございます。
 併せまして、資料4でございますが、この項目につきまして、専門的に調査をする専門委員会というものが現時点では存在していないので、その設置をというような内容になっております。後ろに参考資料もありますが、中央環境審議会の議事運営規則の第9条によりまして、部会は必要に応じて専門の事項を調査するために、専門委員会を置くことができるとなっております。
 「設置について」(案)の1.をご覧いただきますと、現在、これに基づきまして、(1)から(5)の専門委員会が設置されているということでございます。この中で、(1)は健康項目の環境基準の専門委員会、(5)は水生生物保全環境基準の専門委員会ということでございますが、水生生物保全以外の生活環境項目環境基準の専門委員会について、(6)で生活環境項目環境基準専門委員会として設置するということについての案でございます。
 7番のところにアンダーラインを付しまして、この委員会における事項が記載されておりますが、水質の汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の設定及び改訂に関する専門事項を調査するというような内容の案でございます。
 また、8番のところで、専門委員会に属すべき委員、臨時委員又は専門委員は部会長が指名するということになっておりまして、これに基づいて後日、部会長より指名をしていただくという予定でございます。
 この専門委員会で、先ほど申し上げました下層DO及び透明度の環境基準の項目の追加に関する専門的調査をお願いできればと考えております。調査の中身は、基準の告示に関する事項を中心に調査いただくということで考えているところでございます。また、第1回の専門委員会を今年の秋のうちには開催できればということでスケジュール的には考えております。
 説明は以上であります。

【岡田部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明に対してコメント等ございますでしょうか。
 はい、どうぞ。

【長屋委員】 先ほどもご質問申し上げて、この諮問の中であります新たな環境基準の中の透明度の問題、ここについては先ほどご質問申し上げたように、どういう形で関係者の意見を聞くという形で調査をやっていくのか、これについてご回答いただきたいと思います。

【岡田部会長】 本件についての回答を環境省からお願いします。

【根木課長補佐】 先ほどの点検のものを案として記載させていただいておりますので、これがこのまままとまるということであれば、その具体的なやり方については未定でございますが、農林水産省ともよく相談して、関係者の意見をよく聞いてということで進めていきたいと思っております。

【浅野委員】 一般的に新しい何かを決めようというときには、ほとんどの場合専門委員会ではヒアリングをやって、様々な立場の方のご意見を聞くということをしていますから、多分今回も同じようなことになるだろうと思います。
 それから、生活項目についての環境基準というものを全国一律で決めるというやり方は普通はやっていません、どういう地域ではどうする、どの場所はどうかというような決め方が通常ですね。多分、今回も同じような考え方になると思いますから、それについてもどういう区分分けが適当なのかということに関しては、様々なお立場の方のご意見を聞くことが可能だろうと思います。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 よろしければ、今ご紹介いただいた資料4のとおり、生活環境項目環境基準専門委員会を新たに設置するということにしたいと思いますが、ご異議ございますでしょうか。
 よろしいですね。ありがとうございます。
 それでは、次に議題(4)、「水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目の許容限度等の見直しについて」、諮問でございますが、これも環境省からご説明をお願いいたします。

【根木課長補佐】 資料5をご覧いただければと存じます。
 平成25年8月30日付けで環境大臣より中央環境審議会の会長に諮問がされております。環境基本法の規定に基づきまして、水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目の許容限度等の見直しについて、審議会の意見を求めるというものでございます。
 諮問の理由でございますが、水質汚濁防止法に基づく排出規制及び地下浸透規制については、現在28項目が有害物質として設定されているところでございます。
 公共用水域及び地下水の水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準の項目であるカドミウムにつきまして、新たな知見を踏まえて平成23年10月に基準の見直しを行ったということでございます。過去においては0.01mg/Lでございましたが、これが0.003mg/Lというような基準の見直しが行われたということでございます。
 本諮問は、このような状況を踏まえまして、公共用水域及び地下水の水質の汚濁を防止するため、水質汚濁防止法に基づきまして、排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目の許容限度等の見直しについて、審議会の意見を求めるという諮問理由になっております。
 裏面をご覧いただきますと、先ほどのものと同様、8月30日付けで中央環境審議会より水環境部会に付議されております。
 これについては、排水規制等専門委員会という専門委員会が既に設置されておりますので、この専門委員会の場で専門的な調査を行っていただくということを想定しております。具体的にはカドミウムの排出基準等の基準値の見直し・設定、また、カドミウムの地下水質に係る浄化基準の基準値の見直し・設定を専門的に調査いただくということであります。
 これについても、第1回の専門委員会を今年の秋のうちを目途に開催できればと考えております。
 以上でございます。

【岡田部会長】 ありがとうございます。
 それでは、ただいまのご説明に関しまして、ご質問等がございましたら、お願いいたします。
 よろしいですか。
 それでは、最後に報告事項が2件ございます。最初に、「改正湖沼法の施行状況についての検証結果について」、それから、「排水基準を定める省令の一部を改正する省令の公布について」、環境省よりご説明をお願いいたします。

【宮崎課長】 それでは、改正湖沼法につきましてご説明申し上げます。資料6と資料6 参考資料をご用意しておりますので、合わせてご覧いただきながら、ご説明させていただきたいと思います。
 まず、湖沼法というものがございます。もしかするとあまり馴染みのない方もいらっしゃるのかもしれないので、参考資料を用意しております。昭和59年に湖沼法が制定されておりますが、先ほど来ご説明しておりますように、湖沼に代表されますような閉鎖性の水域におきましては、環境基準の達成がなかなか困難であると。そういう状況は以前から変わっていなくて、昭和59年に水質環境基準の達成が現に確保されていない、あるいは、確保されないおそれが高い湖につきまして、これまで全国で11が指定湖沼ということで指定されておりまして、知事が特別の湖沼の水質保全計画を策定しまして、どうやって環境基準の達成を目指していくかということをいろいろ議論していると。
 環境基準が直ちに達成できない場合は、とりあえずの目標を設定して、それを目がけて対策を講じていこうということをやってきておりまして、参考資料にありますような11の湖沼で、下の表にありますように、長いところでは第6期に至る計画で、順繰りに改訂しながら少しずつ対策を進めてきているというような状況でございます。
 しかしながら、環境の特に負荷量の削減は先ほど来申しておりますように、削減が進んできているようですけれども、環境中の濃度についてはなかなか芳しくないという状況もございますので、資料6にありますように、平成16年、平成17年当時に湖沼環境保全制度について再度点検がございました。その結果、平成18年4月に、これまでの湖沼法の枠組みに加えて、1から4にありますように、流出水対策の推進、湖沼環境の保護、規制事業場への負荷量規制、総合的な計画づくりといった項目が新たに追加されたわけでございます。
 これらの効果と言いますか、その後の進捗につきまして、新しい制度が入った場合には普通は5年程度で点検するということに最近の法律はなっておりますので、追加的に入った制度につきまして、平成22年から24年にわたって環境省で点検作業をしておりました。具体的には指定湖沼の現在の状況を整理したり、自治体等へのヒアリング等をしたり、あるいは、検討会におきまして効果の検証等を検討してきていただいたわけです。それを今回、水環境部会にもご報告させていただいて、現状についてご理解をお願いしたいということでございます。
 1の流出水対策の推進というのが新しく入ったわけですけれども、これは知事が特別に地区を指定いたしまして、そこで流出水対策推進計画をつくることによりまして、地区内の住民への啓発とか汚濁発生原因者に対する指導などを行っていこうという取組でございます。
 ページをめくっていただきまして、11の指定湖沼全てにおいてそういう計画がつくられているということでございます。参考資料の2ページに詳しい表をつけておりますけれども、流出水対策地区の指定状況と根拠ということで、例えば琵琶湖がよく話題になりますけれども、琵琶湖は赤野井湾というところがなかなか厳しいという地域でありますので、その赤野井湾を市民の方も巻き込んで推進していこうというような取組をしてきております。
 その結果、関係住民の方にも啓発効果が見られるとか、いろいろな対策が進んだとか、モニタリングも行われているといったことで、効果としてはかなり啓発的な効果が見られたと評価しているところですけれども、先ほど来ご議論がありましたような非特定の汚染源の面源負荷といったものの推進がまだ困難を抱えているという状況にあるというのは、先ほど来ご説明しているとおりかと思います。
 2つ目が湖沼環境の保護ということで、湖沼植生帯の保護のために、地区を指定したり、あるいは、その地区内において何らかの行為を届出にするというような枠組みができております。しかしながら、その後の状況につきましては、人工護岸が多いとか、本来の地区を指定しようといったところとは環境がうまく適合していないようなものが実際には多く見られたということであります。そのために、それぞれ個別には自然浄化の取組が各地域で進んできているのですけれども、地域指定ということにはなかなか結びついていないという状況にございます。
 3番目は既設の事業場への負荷量規制ということであります。もともと湖沼法の対象地区におきましては、工場の総量規制もかかってくるわけですけれども、それは法規制がなされていた後の新増設の工場・事業場が対象になっていたわけですけれども、それを既設の特定事業場にも総量の抑制がかかってくるということになっております。その結果、これは数字的に産業・工業系の負荷量が減少してきているということが、効果として上げられるかと思います。
 ページをめくっていただきまして、次に総合的な計画づくりというものが制度として入っております。これは、地域住民の意見を聞くとか、湖沼水質保全計画の計画期間を5年ごという一律なものではなくて、地域の特徴に応じてということになっておりますし、それよりも長期のビジョンについても地域の住民の共有した進め方をしていくのがよいのではないかということ、そういう制度改正が行われております。その結果、10年の計画とか、地域の住民の方の意見を聞くとか、タウンミーティングをやるとかいったことが実際に進められてきたわけです。これは湖沼法と間接的に関係しますけれども、湖沼計画とは別の長期ビジョンということでも策定が進んだという効果が見られてきたということになっております。
 その結果をまとめておりますのが次のページでして、4つの制度が導入されておりますけれども、この制度は着実に実施されてきたと。流出水対策の推進とか、排水規制の強化、総合的計画づくりに寄与しておりますので、大きな問題は見られていないのではないか。若干、制度的に地区指定がなされていない面は確かにあるんですけれども、それに代わるものとして自然浄化の取組も進んだというふうに評価しているところであります。
 それらをさらに課題としてまとめたものが下の図でございますけれども、非特定の汚染源対策は引き続き進めていく必要があるだろうと考えておりまして、それにつきましては、ガイドラインをさらに更新していこうと考えております。
 湖沼の水環境の全体的な推進につきましても、先ほどもご紹介いたしましたけれども、自然浄化機能を活用したものがこれからは大事だなということで、手引きを作成しようと考えておりますし、水質メカニズムの解明も引き続き進めていきたいと。汽水湖の対策とか、環境技術の実証試験なども行っておりますので、こういったことを引き続き進めていければと考えております。
 それから、先ほどの諮問にも関係しますけれども、望ましい湖沼環境の手引きを作成するとともに、もし先ほどの下層DO、透明度が環境基準化がなったとすると、それを達成するために湖沼としてどういうことをやっていったらいいのかという検討もこれから進めていこうと考えているところであります。
 こういったことを進めながら、さらに課題を整理して、今後、必要な制度について引き続き検討していきたいと、そんなことを考えているところでございます。
 以上です。

【名倉室長】 続きまして、資料7に基づきまして、排水基準を定める省令の一部を改正する省令の概要について説明させていただきます。
 内容については、前にこの部会でご報告させていただいたものでございますけれども、1ページ目の一番上にございますように、閉鎖性海域におきましては、平成5年に政令改正を行いまして、閉鎖性海域に流れ込むようなところについては窒素、りんの排水基準を適用するようにしたということでございます。
 その際、一般排水基準を達成することが著しく困難である工場・事業場に対しては、5年間の措置ということで暫定排水基準を設定しております。これが平成10年9月30日まででございましたけれども、その後、5年ごとに暫定排水基準の見直しを行ってきておりまして、現在、今年の9月30日まででございますけれども、窒素で5業種、りんについて2業種の工場・事業場で暫定排水基準が設定されているというものでございます。
 ただ、今年の9月30日で適用期限を迎えるということで、そのまま一般排水基準に移行できるのか、まだ暫定排水基準が必要なのかという検討を行いまして、りんについては1業種が一般排水基準に移行するということでございまして、残る業種は引き続き5年間、暫定排水基準を設定するということにさせていただいたものでございます。
 今般この省令を公布いたしまして、めくっていただきまして2ページ目を見ていただきますと、それぞれの業種について改正内容を書いておりますけれども、この省令につきましては、平成25年9月4日、昨日付けで公布したところでございます。
 附則のところを見ていただきますと、この省令は平成25年10月1日から施行いたしまして、平成30年9月30日までの5年間の暫定基準ということで定めたところでございます。
 3ページ目等には新旧対照表も載せておりますけれども、数字的には、めくっていただきまして6ページに、それぞれの業種と現行の今年の9月30日までの基準、それから、今回の「見直し(案)」と書いてございますけれども、これも昨日付けで「案」がとれましたので、この基準で公布したということでございます。
 それから、7ページ目に、省令改正の際にパブリックコメントをかけておりますので、その結果を載せております。意見の募集期間は5月13日から6月14日まで、意見募集を行いまして、環境省のホームページ等に掲載したものでございます。
 2.の募集の結果でございますけれども、特に意見は出されなかったということで、そのまま省令として公布させていただいたというものでございます。
 以上でございます。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関しまして、ご質問、コメントをいただきたいと思いますが、議論が錯綜しないために最初に改正湖沼法に関するご質問、ご意見をいただきたいと思います。
 では、中杉委員からどうぞ。

【中杉委員】 2点ございます。
 1点は、湖沼の水質がよくなってくることによってという、先ほどのあれで長屋委員がご指摘したような話なのですが、水質がよくなることによって他の思わぬ影響が出てくるという話を聞いたことがございます。諏訪湖の水質が少しよくなってきたことによって水草の生え方が随分変わってきたというようなことがありますので、そういう観点も踏まえた形での検討は必要なのかなというのが1点でございます。
 もう一つは、先ほどの総合的な窒素の循環の話に絡むんですが、今、霞ヶ浦でも、福島先生と一緒に富栄養化防止計画を見直す議論をしているんですけれども、新たな課題として上がってきているのが土壌と言いますか、土の中にたまっている部分があるんではないだろうかと。単純にワンフローではないんじゃないだろうかという懸念を持っていて、そこら辺について少し調査をしていかなければいけないなということを考えていますので、新しい視点として検討が必要なのではないかと。
 土壌については硝酸性窒素の基準は作っておりません。作るとまたある意味で大変になってしまうだろうということで作っていないんですけれども、場合によっては、土壌の中に残っているのを、富栄養化防止という観点から何らかの対策をしていかなければいけないかもしれない。それは硝酸性窒素による地下水汚染がなかなか治らないということに関しても関連が出てくるかもしれないと思いますので、そういう視点も含めて、課題として上げましたけれども、窒素の循環をしっかり調べていただく必要があるだろうと思います。

【岡田部会長】 環境省、今の件はよろしいですね。
 ほかにございますか。では、どうぞ。

【山室委員】 湖沼の水質浄化について、自然浄化機能を今後ということをお話されたと思うのですけれども、自然浄化機能は、先ほどコメントさせていただきましたように、炭素まで含めて考えると浄化機能がない可能性もあると思いますので、その辺りは慎重に検討していただきたいと思います。
また先ほど来、窒素やりんすべてきちんとという指摘があったと思うのですが、炭素と窒素とりんについて、それぞれの存在量や負荷量の「比」も考慮して、流域でどうなっているかを考える視点も大切かと思います。
 それから、先ほど土壌というお話がありましたが、りんについても最近は土砂流出を伴う雨の降り方が多く、そこからの負荷が非常に大きくなっている可能性があります。豪雨によってどれぐらい負荷が入ってくるかというのは、正確には見積もれないところがあります。負荷を減らしているのになかなか水質がよくならないといったときに、本当に減らしているのかといったときに、もしかしたら見積もっている負荷から何かが抜けているという可能性は十分あって、それに関連して前回、越境大気負荷で窒素のことを申しました。りんについても、まだきちんとしたデータをまとめていないので前回はコメントを控えましたけれども、実はりんも増えている可能性がございます。中国では大気からのりん負荷を見積もった論文も出ておりますので、そういう観点からも、豪雨時の負荷や大気からの負荷など、本当に負荷がきちんと押さえられているのか、見落とされていた負荷源がないかということも見直しをしていただければと思います。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 今の件はよろしいですね、事務局。
 ほかにございますでしょうか。
 それでは、湖沼法ではなくて、今度は窒素、りんの暫定排出基準につきまして、何かご質問、コメント等ございますでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、まだ少々時間がございます、後半の議論が想定以上に早く進みましたので。誠に申し訳ございません、これはあくまでも司会者の不手際で、大変失礼いたしました。まだ時間がございますので、前半の資料2につきまして、もしあれば後で事務局にコメント、ご意見をお寄せくださいと申し上げました。もう一度、環境基本計画に関するところでご意見等がございましたら、ぜひいただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 はい、どうぞ。

【長屋委員】 これは要望でございます。先ほど申し上げました原発の汚染水の海への放水の問題、原子力規制委員会の委員長の発言は、私どもは少なくともトリウチムを取りきれない汚染水を人為的に海に放水するというふうなお考えだと思っています。これは委員長の個人的な見解ということでお示しされたのだと思いますが、もしも国としてこの問題についての結論を出していくことになると、国としては相当重たい問題だと私どもは思っております。ですから、ただ一つの国の機関のお考えでするのではなくて、様々な機関の中でご議論いただいて、お考えを出していっていただく必要があるのかなと思っています。
 そういった意味では、これは浅野先生へのお願いかもしれませんけれども、総合政策部会の中でも、ぜひ我が国の海域を含めた水の環境を守っていくと、こういう観点からお考えを出していただければというふうにお願い申し上げます。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 ほかにございますか。では、どうぞ。

【浅見委員】 先ほどの水環境保全に関する取組の報告、資料2の1ページと3ページを拝見しておりまして、お願いがございます。
 1つは流量確保に関して、1番のところでいろいろ記述をされるべきと思うのですけれども、水利権の融通とか、流域全体を総合的に捉えというようなことが課題になっているかと思うのですが、一丁目一番地が水の有効率になっておりまして、この文章を拝見しますと、最初は水道の有効率ではないのではないかという感じもいたします。ちょっと全体のバランスがわからないんですけれども、流域の水の利用の方法とか水利権の設定に対して、どういう課題があるかというところが最初に来るのかなという感じがいたしましたので、ご検討いただければと思います。
 3ページのところは、取排水系統の検討というのが2番の課題の中に入っているんですけれども、今のところ、どのようなところで取排水系統の検討が必要とされていて、何件進んでいて、どういう会議で、どういうスケジュールで進んでいるかというのが全然わからないので、そういう点も踏まえてこの辺は記述をもっとしていただけるとありがたいなと思いました。
 最後は、生活環境の保全の基準にも若干関係すると思うので一言だけ。水道のほうでは水源の異臭味というのも非常に問題になっておりまして、湖沼にも関係あるし、最近は清澄だと思っていた河川でも臭い水になってしまうケースが増えておりまして、そういう記述をどこかに入れていただけると、今後どういうことをしていけばいいのかということを考えるときに参考になるのではないかと思いましたので、よろしくお願いいたします。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 これは事務局でどこにするかもう一度ご検討いただければと思います。
 ほかにございますでしょうか。山室委員、どうぞ。

【山室委員】 先ほど来、透明度が何度か議論されたと思うんですけれども、透明度を基準として考える上で、なぜ透明度を低くしなければいけないというところに、もしも水草とか海草の復活というのがあるのでしたら、私が著書や論文にも書きましたように、50年代から60年代に水草や海草がなくなったとき、それが透明度の低下であるとしたデータは一切ないんですね。私は著書で別の原因であるということを議論しております。実際、宍道湖では2009年ぐらいから沈水植物が復活しておりますが、透明度は一切改善しておりません。ですので、この透明度の基準をつくる上で、水草や海草の復活ということを期待しておられるのでしたら、改めてきちんとデータを見直して、しかるべき値に決めていただければと思います。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 はい、どうぞ。

【兼廣委員】 海洋汚染防止の問題として海洋ごみというか、漂流・漂着ごみについてかなりのページを使って、23ページから25ページにわたって紹介はされているんですが、いつも浅野先生からもご指摘あるようにこの問題もかなり重要な問題で、取組の状況がかなり詳しくは書かれているんですが、ほかの項目に比べるとこの問題の背景というか実態が明確でない部分がありますので、できればそういうデータを少し入れていただければと。特に海洋の漂流・漂着物がどのくらい発生して、あるいは、その影響ですか、環境への負荷とか、あるいは、生態系への影響とか、あるいは、化学物質汚染等も含めて関連がある項目がありますので、そういう問題点についてもう少し明確にしていただいたほうがいいのかなと思います。
 それからもう1点、東日本大震災に伴う大量の瓦れきが発生して、300万トンとか400万トンと言われているんですが、海洋を渡ってアメリカの西海岸等に漂流・漂着し始めていると。この委員会の中で一部そういうご意見もあったのですが、ここではほとんど触れられていないんですが、日本としての取組等、国際的な立場としてそういう問題についてもちょっと触れていただければと思いました。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 はい、どうぞ。

【根木課長補佐】 先ほど来、放射性物質の環境汚染に関して、震災からの復旧・復興の観点で複数の先生方にご意見をいただいておりますが、浅野先生にも少し説明いただきましたけれども、その件については基本計画の別章で記載されているということもありまして、点検の仕切りとして水環境部会ということではなくて、別の枠組みでということになっておりますので、その点をご理解いただければありがたいと考えております。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 ただ、別の取組のところにこの意見はちゃんと伝えていただかないと困りますので、それだけはお願いいたします。
 他にございますか。あ、失礼、古米委員、どうぞ。

【古米委員】 2点追加させていただきたいと思います。
 先ほど浅見委員からご指摘があったように、具体的な数値とか図を示して、根拠とかエビデンスを示している項目のなかでその根拠が適切かどうかというご指摘だったと思います。根拠などを示す項目とそうではない項目がバラついているように思います。最終的に取りまとめるときに、すべての項目に載せることはできないのでしょうけれども、どういう計画があって、どう実施したかというのをできるだけ具体的に示す、統一感がある形でとりまとめたほうがいいのかなと思います。数値なのか、図表なのか、あるいは、こういったプランができたとか、具体的な例を示すということでまとまりがつくのかなというのが1点目です。
 2点目は、一番最後の項目の国際協力・連携の取組の状況というところで、JST-JICAの連携によるSATREPSのように、環境とか水環境に関する大きな国際的なプロジェクトが日本を中心に進んでいる事例が多くあります。そういった研究活動もぜひフォローアップしていただいて、1項目として立ち上げていただくといいのかなと思います。これが2点目でございます。

【岡田部会長】 はい、どうぞ。

【浅野委員】 中にある図表ですけれども、これは指標をできるだけ活用して点検をするという約束になっていて、計画の中に何を指標にするのかというのが、水環境についてはかなり詳細に出ていますので、基本的にそこにあるものについては図が載りますけれども、そうではないものについてはちょっと難しいと思います。
 それから、せっかく「指標」と書いたものの実際にはデータがなくて書きようがないとか、先ほどの干潟についても情報が穴あきだらけなので、どうしようかと随分議論したんですけれども、穴あきであることに意味があるから載せようと言って強引に載せた面がありますから、そこら辺のところはご理解ください。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 ほかに。はい、藤井委員、どうぞ。

【藤井委員】 東日本絡みは別章でということですが、その別章の項目が見えないのでいろいろ申し上げてきたわけです。一つ、今日の議論の中で、3ページの汚水処理の設備整備の中で、国交、農水、環境が連携しながらやっていくと、適切な役割分担の下やっていくとあるんですが、今、復興計画の中の水処理のところがどういうふうになっているかという実態をぜひ把握していただきたいと思うんです。かなり国交省が優先して動いていて、本当に地域実態に合った形で復興計画の中で水処理の3省の連携が図られているかどうか、ここで扱う分野ではないと思いますが、そこをぜひ見ていただきたいと思います。せっかくここで指摘しながら、壊れてしまった地域再生の中でまた全く違うような優先順位が出てきてしまうというようなところが、前に見てきた中であるものですから、ぜひお調べいただきたいと思います。

【岡田部会長】 今のご指摘、よろしいですね。
 ありがとうございました。
 ほかによろしいですか。どうもありがとうございました。
 それでは、先ほども含めて今もいただいたご指摘は議事録に全部収録されておりますので、漏れがないようにきちんと事務局で整理していただきたいと思います。そのご指摘を踏まえた結果でございますが、先ほど申し上げましたように、できる限りまとめて、時間を見つけてというか、時間はかなりタイトになると思いますが、総政部会に出す前に委員の皆様方に文書ベース、メールか何かでもう一度見ていただくということをとりたいと思います。それ以降につきましては、再度になりますが、私にご一任いただければありがたいと思います。そのような形で進めさせていただきたいと思いますので、よろしくご協力のほどお願いしたいと思います。
 それでは、以上をもちまして、第34回の水環境部会を終了いたします。活発なご議論、ご指摘、本当にありがとうございました。
 事務局にお返しいたしますので、連絡事項等があればお願いいたします。

【司会】 ありがとうございました。
 本日は、お忙しい中、長時間にわたるご審議をいただきありがとうございました。
 お手元の資料につきまして、郵送をご希望の場合は、封筒にお名前をお書きいただければ、事務局より郵送させていただきます。
 これにて本日の部会を終了いたします。ありがとうございました。今日は特に足元に置かれました傘、お忘れないようにお気をつけてお帰りください。

午後12時02分 閉会

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