微小粒子状物質等専門委員会(第6回) 議事録

日時

平成27年3月27日(金)13:30~14:58

場所 

TKPガーデンシティ永田町 ホール4C

出席者

(委員長) 大原 利眞
(委員) 坂本 和彦
(臨時委員) 飯田 訓正 畠山 史郎
(専門委員) 上野 広行 梶井 克純
金谷 有剛 釜谷 広志
柴田 芳昭 田邊 潔
中村 修 奈良 恒雄
三浦 安史 弓手 崇生
(環境省) 三好水・大気環境局長
早水大臣官房審議官
中谷環境管理技術室長
是澤大気環境課長
伊藤大気環境課課長補佐
小林大気環境課課長補佐
中村環境管理技術室室長補佐
沖本環境管理技術室室長補佐

議題

  1.  (1)微小粒子状物質の国内における排出抑制策の在り方について(中間取りまとめ)(案)
  2.  (2)その他

配付資料一覧

資料

  • ・資料1 委員名簿
  • ・資料2 微小粒子状物質の国内における排出抑制策の在り方について(中間取りまとめ)(案)
    意見募集(パブリックコメント)の結果について
  • ・資料3 微小粒子状物質の国内における排出抑制策の在り方について(中間取りまとめ)(案)
  • ・資料4 各課題の検討スケジュール(想定)

参考資料

  • ・参考資料1 PM2.5に関する総合的な取組(政策パッケージ)(平成25年12月、環境省)  

議事

午後13時30分 開会

【是澤大気環境課長】 それでは定刻になりましたので、ただいまから、第6回微小粒子状物質等専門委員会を開催いたします。

 委員の皆様方には、年度末のご多忙中のところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 開会に当たりまして、三好水・大気環境局長よりご挨拶申し上げます。

【三好水・大気環境局長】 水・大気環境局長の三好でございます。

 中間取りまとめに向けまして予定しておりました会合、本日が一応最終回ということでございますので、改めて一言ご挨拶を申し上げたいと思います。

 大原委員長を初めといたしまして、委員の先生方におかれましては、大変お忙しい中、昨年の3月から1年間にわたりまして、PM2.5の排出抑制策の在り方につきまして、活発なご議論をいただきまして、改めて御礼を申し上げます。

 前回までの専門委員会におきまして、短期的な課題、中長期的な課題を整理し、段階的に対策を検討していくことなどを内容とする中間取りまとめの案を作成していただきました。前回は、調査研究による科学的な知見の充実でございますとか、さらに、中国、韓国を初めとする各国との連携・協力の強化など、PM2.5対策の一層の充実・強化に取り組む上で、いずれも重要なご指摘をいただいたと考えておるところでございます。

 前回の専門委員会の終了後、この案につきまして、パブリックコメントを実施いたしたところでございまして、本日は、その結果についてご報告をさせていただきますとともに、パブリックコメントの結果を踏まえまして、専門委員会の中間取りまとめを行っていただければと考えているところでございます。

 なお、私、国会の対応がございまして、時間が参りましたら途中で退席をさせていただくことになります。ご容赦いただければと思います。先生方には、引き続き格別なご指導をお願いいたしたいと考えております。

 簡単でございますけれども、私からの挨拶とさせていただきます。よろしくお願いをいたします。

【是澤大気環境課長】 続きまして、委員の異動と出席状況についてご報告をいたします。

 前回まで委員を務めていただいておりました河野委員でございますが、2月に、中央環境審議会の委員としての任期が満了となられまして、ご退任をされております。本専門委員会の委員は、1名少ない状態となってございます。

 本日の出席状況でございますけれども、鵜野委員から、ご欠席との連絡をいただいております。坂本委員におかれては、若干おくれておられるようでございます。

 配付資料の確認をさせていただきます。

 議事次第の下に資料が添付してございます。資料1としまして、委員名簿。資料2としまして、微小粒子状物質の国内における排出抑制策の在り方について(中間取りまとめ)(案)についての意見募集(パブリックコメント)の結果についてでございます。資料3が、排出抑制の在り方についての中間取りまとめの案でございます。資料4、1枚紙でありますが、各課題の検討スケジュール(想定)。そして参考資料として、参考資料1、PM2.5に関する総合的な取組(政策パッケージ)をご用意しております。

 不足しているもの等ございましたら、事務局までお申しつけくださるようお願いいたします。

 それでは、カメラの撮影は冒頭のみとさせていただきますので、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

 以降の進行を、大原委員長にお願いいたします。

【大原委員長】 委員の皆様方には、年度末のご多忙のところをお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。

 前回の第5回の専門委員会で、パブリックコメントに付す案として取りまとめた中間取りまとめ案、これにつきまして、2月上旬から3月上旬まで、パブリックコメントを募集したところであります。本日は、その結果を踏まえましてご議論いただき、本専門委員会としてのパブリックコメントに関する回答及び中間取りまとめを行っていただく予定ですので、どうかよろしくお願い申し上げます。

 それでは、早速ですが、事務局から資料の説明をお願いいたします。

【伊藤大気環境課長補佐】 それでは、資料2、微小粒子状物質の国内における排出抑制策の在り方について(中間取りまとめ)(案)の意見募集(パブリックコメント)の結果について、ご説明をいたします。

 中間取りまとめ案につきましては、2月9日から3月10日まで、パブリックコメントの募集をしたところでございます。

 意見の提出者数は40通でございました。内訳ですが、地方公共団体が5通、業界団体が13通、民間企業5通、NPO等2通、個人または無記名15通となっております。

 1枚めくっていただきまして、裏の2ページ目になりますが、中間取りまとめ案の項目ごとに件数を整理しております。意見の件数は合計で56件ございました。また、意見を寄せられた項目でありますけれども、第Ⅲ章の2.「既存の施策の評価と排出抑制策の在り方」以降の箇所についてご意見をいただいております。2.1の「概要」について、意見数3件、また、2.2の「各種発生源に対するこれまでの取組と国内における対策の在り方」のうち(1)の「固定発生源」のばいじん、SOx、NOxに関する箇所について10件、VOCに関する箇所について35件。それから、(2)の移動発生源について5件などとなっております。なお、VOCの欄でありますけれども、※印のところにありますが「移動発生源」のア.自動車の部分に再掲した課題部分に対する意見は、ここではVOC欄に件数として計上をしているところでございます。

 3ページ目以降、いただいた意見と回答案についてご説明をしてまいります。

 該当ページの欄でありますけれども、資料3の中間取りまとめ案の該当ページをこの表に記載しておりますので、適宜、資料3もご参照いただければと思います。

 まず、意見の1番でございます。

 夏期は越境汚染の寄与が小さいと考えられ、瀬戸内海沿岸域の高濃度の原因は、国内発生源の影響が示唆されるとのことであるが、越境汚染の寄与が小さいとする根拠資料はどのようなものか。越境汚染の寄与割合は西日本では、夏期においても東日本より高いのではないか。太平洋高気圧の張り出し状況などとの関連も考慮した上で、大陸からの気流が日本に運ばれていないと判断したのか、という意見でございます。

 回答案でありますけれども、夏季において、気圧配置の関係で、冬季~春季と比較して大陸からの越境汚染の寄与が小さくなることは、一般的な知見として知られており、例えば、別添資料4に示した感度解析においても、その状況が示唆されています。また、瀬戸内海沿岸に位置するPM2.5濃度の上位測定局において、近隣県の測定局の濃度が環境基準を下回っているなど広域的な汚染が生じていない日に、50μg/mを超える濃度が観測されている事例もあることから国内発生源の影響が示唆されると判断したものです。

 なお、夏季における越境汚染の寄与割合を西日本と東日本の間で比較して表現したものではなく、夏季に大陸からの気流が日本に運ばれていないと判断したものでもありません、と回答案はしております。

 2番目の意見でございます。

 越境汚染の寄与割合も東日本、西日本で異なることなどから、全国一律に規制をかけるのは不適当と考える。対象地域を絞った排出規制から始め、規制の効果も検証しながら、全国一律に規制を広げるべきものであるか、再度検討すべきと考える、という意見です。

 回答案ですが、中間取りまとめ案は、排出抑制対策の在り方を示したものであり、具体的な規制の内容や手法については、ご指摘のような意見も参考にしつつ、今後、検討すべきと考えます、としております。

 次に、3番目の意見であります。

 PM2.5の低減対策を行う上で、下記の手順で検討を進めるべき、というご意見でございまして、1.から5.までいただいております。まず1.として、日本全体をカバーできる調査を国として実施し、2.として、その際、地域毎の生成機構や発生源の寄与割合を把握する。また、地域毎にどのような対策をすれば効果的な抑制ができるかシミュレーションを実施する。さらに、4.の地域毎の対策を、経済的及び技術的考慮を払いつつ検討する。そして5.として、各課題について短期課題、中長期課題に分けて検討する、というご意見です。

 回答案ですがPM2.5について総合的な対策を検討する上では、御指摘のような1から4の方法を踏まえて検討することも有効と考えます。

 PM2.5対策について、御指摘のような科学的に解明すべき課題が残されていることを踏まえた上で、中間取りまとめ案においては、現時点の知見に基づき実施すべき課題、すなわち、既存の大気汚染防止施策として取組が求められており、PM2.5対策を加味して推進することが有効と考えられる施策を短期課題として整理し、検討していくことを提言しています。

 また、短期課題と並行して、総合的な対策に取り組む上での基礎となる現象解明や情報整備等に関する中長期的課題に取り組み、その進捗状況に応じて追加的な対策を検討していくことを提言しています、としています。

 次に、2.の(1)の固定発生源のうち、ばいじん、SOx、NOxに関するご意見でございます。4番から10番まで、ご意見をまとめて整理をさせていただいております。

 意見の内容でありますけれども、「ばいじん」や「NOx」の対策の検討に当たっては、技術的可能性だけでなく、地域毎に、高濃度となる要因や削減の効果、各発生源の寄与割合などを明確にした上で、技術的観点や経済的観点を考慮するとともに、また、既に設置されている施設については、追加的対策や設備の更新に必要となる経済的課題等も考慮し、過重な対策にならないようにすべきという趣旨のご意見であります。

 回答案につきましては、PM2.5対策については、現状において、各種対策の実施効果を定量的に評価することが科学的に困難であるなど、解明すべき課題が残されています。

 中間取りまとめ案においては、それらを踏まえた上で、現時点の知見に基づき実施すべき課題、すなわち、既存の大気汚染防止施策として取組みが求められており、PM2.5対策を加味して推進することが有効と考えられる施策を短期的課題として整理し、検討していくことを提言しています。

 具体的な対策の検討に当たっては、中間取りまとめ案に記載したとおり、技術的・経済的観点や、地域の特性、既に設置されている施設と新規施設の事情が異なること等を考慮し、検討を進めていくことが重要と考えます、としております。

 5ページ目の11番の意見です。

 「短期的課題」をどの位の期間での検討を考えているのでしょうか。科学的知見や排出抑制技術の開発・普及の状況等を踏まえて、経済的及び技術的考慮を払いつつ、十分な時間を掛けて検討をすべき、という意見でございます。

 回答案ですが、短期的課題については、早々に検討を開始し、平成28年度頃を目途に対策の具体化について結論を得ることを想定しています。対策の検討に当たっては、科学的知見や排出抑制技術の開発・普及の状況等を踏まえて、経済的及び技術考慮を払いつつ、関係者からも実情や意見を聞き、検討を進めることが適当と考えます、としております。

 12番の意見です。

 ばいじん、SOx及びNOxについて、最初の段階では様々な規制が行われてきたが昭和50年代以降排出基準の見直しがされていないという書き方になっている。これは、国や事業者がその間何も対策を講じてこなかったのではなく、さまざまな規制のもと環境技術の開発や事業者による設備対策、運用対策などの努力の結果、ばいじん、SOx及びNOx排出量の削減が進み、大気環境が改善したことで基準の見直しか行われてこなかった事実があり、その経緯が分かるように記載していただきたい、という意見であります。

 回答案ですが、御指摘のとおり、国や事業者がさまざまな対策に取り組んできた結果、相対として大気環境の改善が進んできたものであり、「Ⅰ はじめに」において、その旨記載しております。個別の大気汚染物質に係る排出量の削減や大気環境濃度の改善と固定発生源に対する規制基準の見直しの有無等の関係については、解析していないことから、事項ごとに事実を整理し、記載しております、としております。

 次に、13番の意見です。

 湿式電気集塵機やスクラバーによる脱硫装置を設置した施設から排出される硫酸ミストによって白濁した排ガス中のダスト粒子と硫酸ミスト結晶を一緒に測定できるダスト濃度計を我が社が開発した。環境機器の輸出が進むよう国の認証などの取組を期待する、という内容のご意見です。

 回答案ですが、凝縮性ダストを精度よく測定することは、PM2.5の排出実態を把握する上で重要であり、測定方法の開発は今後の課題と考えます。なお、機器の輸出や認証については、測定方法の開発後、別途検討すべき課題と考えます、としております。

 次に、(1)の固定発生源のうち、VOCに関するご意見です。これは、移動発生源の自動車で再掲した課題を含んでおりまして、意見としては、こちらのVOCのほうに掲示をしております。

 14番から以降、10ページの30番までまとめて、意見、回答案を整理しておりまして、いただいた意見の内容といたしましては、給油所におけるVOC対策、燃料蒸発ガス対策に関するご意見です。

 給油所における燃料蒸発ガス対策については、政策的な配慮が必要であるという趣旨のご意見でして、具体的な理由としましては、給油所での対策には設備投資に多額の費用がかかること、給油所のほとんどが中小企業で、経営状況が厳しいこと、また、ガソリンの需要が年々減少しており、今後も減少が見込まれることから、特別な対応をしなくても排出量の減少が見込まれること。近年の消防法の規則改正により、老朽化した地下タンクの更新に設備投資をしたばかりであること。給油所は、東日本大震災において災害対応の拠点とされたが、設備投資を求められることになれば、特に過疎地での廃業を加速させる懸念があり、災害対応の拠点が失われかねないことなどが理由として挙げられてございます。

 14番から30番まで、回答案としてまとめておりますけれども、給油所の燃料蒸発ガス対策については、「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第五次答申)」で示されたとおり、実行可能性、技術的課題、対策による効果、VOC排出量全体に占める寄与度、欧米での状況等を踏まえ、早急に結論を出すことが適当とされていること、タンクローリーから地下タンクへの燃料受入時の燃料蒸発ガス対策についても、今後推進していくことが強く望まれているとされていることを踏まえ、今後、関係者から御指摘にあるような実情や意見を聞きつつ、検討を進めることが適当と考えます。

 給油時の燃料蒸発ガス対策については、燃料供給施設側での対策及び自動車構造側での対策があることを示したものであり、いずれの対策をとるかについては、経済的及び技術的考慮を払いつつ、今後、検討すべきと考えます。燃料供給施設側での対策を提言したものではありません、としております。

 次に、10ページの31番の意見でございます。

 31番、32番、33番、回答案をまとめて整理をしておりますが、ご意見の内容でありますけれども、PM2.5の前駆物質であるVOCがどの程度寄与しているのかが科学的に解明されていないことから、中長期課題に整理されているVOCの排出削減によるPM2.5の低減効果の予測精度の向上等を優先して進めるべき、というご意見です。

 回答案につきましては、PM2.5の生成に、前駆物質であるVOCが定量的にどの程度寄与しているかについては、御指摘のとおり、解明すべき課題が残されています。

 中間取りまとめ案においては、それらを踏まえた上で、SPMや光化学オキシダント対策として排出抑制が進められてきたVOCのうち、他業種ほどの低減がみられず、「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第五次答申)」以降、継続して検討が求められている燃料蒸発ガス対策について、短期的課題として、対策強化の可能性を検討することを提言しております。なお、短期的課題と並行して、御指摘のような検討を進め、中長期的にVOC排出抑制策に取り組むことが適当と考えます、としております。

 次に、34番のご意見です。

 34番のご意見は、欧米での燃料蒸発ガス対策について、その補足情報として、欧米での対策の実施状況について詳細情報も併せて記載すべきというご意見でして、11ページの冒頭にありますように、記載すべき情報を1.から3.として挙げている意見であります。

 回答案ですが、給油時の燃料蒸発ガス対策について、「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」、第五次答申では、欧米の状況のほか、実行可能性、技術的課題等を踏まえて検討することとされていることから、欧米の状況についてのみ、詳細情報を記載することは適当でないため、原案どおりとすることが適当と考えます。

 なお、欧米での燃料蒸発ガス対策については、欧州では燃料供給施設側での対策が、米国では自動車構造側での対策が導入されているところです。その他に御指摘いただいた点についても情報収集を行い、その上で今後の検討を進めることが適当と考えます、としております。

 次、35番のご意見ですが、平成12年度と平成24年度で、給油所とガソリンの内需を比較しますと、給油所数が32.3%減少、ガソリン内需は3.7%減少している。別表6に示されている燃料小売業のVOC排出量について、ほぼ横ばいで推移、という検証結果は、なにを根拠にしているのか。推計法などを明示されたい、というご意見です。

 回答案ですが、環境省では、公開の検討会においてVOC排出量の推計を行い、その結果を毎年度、公表しています。燃料小売業のVOC排出量について、石油連盟が公表している都道府県別ガソリン販売量を基に推計を行っています。また、推計方法については、各都道府県の県庁所在地の平均気温から給油時、受入時の排出係数を算定し、当該排出係数を都道府県別ガソリン販売量に乗じて推計を行っています。なお、条例により、地下タンクへの受入時の蒸気回収装置の設置(受入時)を義務づけている都道府県については、受入時の対策を考慮した排出係数を算定し、排出量の推計を行っています、としております。

 次に、36番の意見です。

 意見の内容ですが、全国のガソリンスタンド等の給油施設におけるローリー車による地下タンクへの注油については、大気中に放出される燃料蒸発ガスの大気への放出を未然に防止する蒸発ガス回収装置の設置が必要不可欠なものと考えます。既に一部の自治体では、条例によって義務化されているものの、大半の自治体では義務化までには至っていない。燃料蒸発ガス回収装置の義務づけを行い、大気への放出を抑制する必要があると考える、というご意見であります。

 回答案ですが、タンクローリーから地下タンクへの燃料受入れ時の燃料蒸発ガス対策については、第五次答申において、「今後推進していくことが強く望まれる」とされているところであり、御指摘の点も踏まえ、関係者から実情や意見を聞きつつ、検討を進めることが適当と考えます、としております。

 それから、37番のご意見です。

 ガソリンスタンドへの荷下ろし時の通気管からのベーパー排出については、ベーパーリカバリーの設置に対して東京都が補助を行っている。他県においても同様な形で設置することが可能であると思います、との意見です。

 回答案ですが、タンクローリーから地下タンクへの燃料受入れ時の蒸発ガス対策については、第五次答申において、「今後推進していくことが強く望まれる」とされているところであり、御指摘の点も踏まえ、関係者から実情や意見を聞きつつ、検討を進めることが適当と考えます。

 なお、施設等に対する補助については、対策の推進方策と併せて検討すべき課題と考えます、としております。

 次に、38番から48番までの意見について、回答案をまとめて整理をしております。

 38番から48番までの意見につきましては、いずれも車両への給油時の燃料蒸発ガス対策についての意見です。

 車両への給油時の燃料蒸発ガス対策には、燃料供給施設側での対策と自動車構造側での対策が併記されているが、自動車構造側での対策であるORVR車の義務付けを行い、対応可能な車種から順次速やかに実施すべき、という意見であります。

 理由としては、給油時の対策を燃料供給施設側で行い、駐車時や走行時の対策を自動車側で行うのは二重投資になること。また、既に対策をとっている米国では、当初、燃料供給施設側で対策していたが、現在はORVR車の対策に一本化していることから、このような先行事例を十分に考慮すべきこと。

 また、埼玉県、東京都、神奈川県などでは、タンクローリーから地下タンクへの燃料の受入れ時における燃料蒸発ガス対策が既に条例により実施されているが、条例による対策の実施後は、給油所からのVOC排出量がそれ以上に減少していないことから、車両の給油時、駐車時、走行時の対策を進めるべき、といった内容のご意見であります。

 回答案につきましては、燃料蒸発ガス対策の強化又は導入については、実行可能性、技術的課題、対策による効果、VOC排出量全体に占める寄与度、他の発生源に対するVOC対策の実施状況及び欧米での状況も踏まえるとともに、燃料供給施設側での対策と自動車構造側での対策があることから、経済的及び技術的考慮を払いつつ、適切な対策の導入について検討すべきと考えます。また、頂いたご意見及び関係する業界の意見等も踏まえ検討を進めることが適当と考えます、としております。

 次に、13ページ、(2)の移動発生源のほうに参ります。

 49番からの意見でありまして、49番から52番の意見までまとめております。

 49番からのご意見ですが、自動車の駐車時及び走行時に排出される燃料蒸発ガス対策についての意見であります。

 ORVR車を義務づければ、給油時だけでなく、駐車時及び走行時に排出される燃料蒸発ガスも回収されることから、燃料供給施設側の対策よりも、ORVR車のほうが望ましいと。

 また、燃料小売業から排出されるVOC排出削減対策として、給油所側での対策、車側での対策があるが、双方にとって相当の投資負担が強いられる対策であるため、自動車排出ガス専門委員会において、関連業界の意見を聞きつつ最も有効な対策について検討をすべき、という意見であります。

 回答案につきましては、燃料蒸発ガス対策の強化又は導入については、実行可能性、技術課題、対策による効果、VOC排出量全体に占める寄与度、他の発生源に対するVOC対策の実施状況及び欧米での状況も踏まえるとともに、燃料供給施設側での対策と自動車構造側での対策があることから、経済的及び技術的考慮を払いつつ、適切な対策の導入について検討すべきと考えます。また、頂いたご意見及び関係する業界の意見等も踏まえ検討を進めることが適当と考えます、としております。

 次に、53番の意見であります。

 大阪西淀川では、西淀川大気汚染公害裁判における和解条項に基づき、2004年度から国道2号と43号でPM2.5の測定が行われている。

 同データを見ると、測定開始時から2013年度まで漸減傾向を示してはいるが、すべての測定局の年平均値、24時間値のいずれも、国の基準を上回ったままである。2012年度と2013年度の測定値に上昇傾向がみられるのは、広域移流の影響が推測されるが、4箇所の測定値を見る限りそれは季節的なものにとどまっている。

 PM2.5対策は、「自動車を減らす」=交通量の削減を具体化することに尽きる。

 もっとも有効で緊急にやらなければならない「排出抑制策」は沿道の交通量を減らすことである、との意見です。

 回答案ですが、中間取りまとめ(案)では、「自動車NOx・PM法に基づく総量削減基本方針に定める目標の達成に向けて、車種規制の実施、局地汚染対策等、総合的な自動車排出ガス対策の推進に引き続き取り組んでいくことが適切である。」としています。

 当文中の「総合的な自動車排出ガス対策」には、総量削減基本方針に示されているとおり、共同輸配送の推進等による輸送効率の向上、モーダルシフトを通じた適切な輸送機関の選択の促進、公共交通機関の利用促進など交通需要の調整・低減に係る取組も含まれており、これらの対策を進めるべきと考えます、としております。

 次に、(3)のその他のアンモニア発生源に関する意見でして、54番の意見ですが、「アンモニア排出量の不確実性が非常に高い。」という記述に関しての意見です。

 大気中に放出されるアンモニアの発生源に関しては、多くの測定・調査結果があり、その対策法に関するコスト、規制、削減技術の比較に関しても、例えばデンマークからの報告などがあると。「排出量の不確実性が非常に高い。」に関する根拠の明示か、又は丁寧な説明が必要であると。

 このような海外での進捗状況と比較すると、21世紀に環境技術を海外に輸出しようとする日本としては、排出インベトリの精緻化は必須ですが、その結果を基に新技術の開発に取り組むスケジュールでは、将来において海外技術の輸入に頼る結果になりかねないと。基礎・応用研究に対する補助金の導入などの早期導入といった目標を具体的に謳うことを望む、という意見であります。

 回答案ですが、アンモニアの排出量の不確実性が非常に高いことについては、第2回専門委員会の資料4をもとに記述しております。

 アンモニアに関する御指摘の文献については、諸外国と日本における状況の違いも踏まえつつ、今後の参考とすることが適当と考えます。

 アンモニアについては、中間取りまとめ案に整理したとおり、まず、排出量の把握等科学的知見の充実を図り、その結果を踏まえ排出抑制策の検討を進めるべきと考えます。御指摘の発生源対策に関する新技術の開発については、将来的に有効な新技術の提案等があれば、必要に応じて競争的資金を活用し、その開発を推進することが適当と考えます、としております。

 55番の意見です。

 アンモニア発生源についてですが、資料の「別添2」の円グラフの中の、「アンモニア発生源、自然」という整理が気になりますと。これらは人為活動起源ではないかという意見でありますが、別添2の「東京都の大気環境中の発生源寄与割合」におけるアンモニア発生源及び自然発生源については、人為的コントロールができないものとして、自然発生源とともに「自然等」として分類されております、としております。

 最後、56番の意見です。

 今後の検討にあたっては、中間取りまとめ、第Ⅳ章、「今後の検討課題」に記載のとおり、様々な知見や対策の科学的有効性を踏まえつつ、発生源の排出実態及び排出抑制対策の効果を把握した上で、追加的な対策の必要性及び可能性を評価していただきたい、という意見です。

 回答案につきましては、今後の検討課題として、御指摘の部分に記載したとおり検討を進め、必要な知見等を集積し、総合的・効果的な排出抑制対策の検討を行うことが重要と考えます、としております。

 資料2については以上でありまして、資料3は、パブリックコメントを募集しました中間取りまとめ(案)となっておりまして、これは原案どおりの、今、整理とさせていただいているところであります。

 続いて、資料4をごらんいただければと思います。

 資料4につきましては、前回、中間取りまとめ案とは別に、議論の参考としていただくため、検討スケジュールの想定をお示ししたものでありましたけれども、前回、委員からのご意見を踏まえ、一部修正をしております。修正箇所は2カ所ございまして、1カ所目は、短期的課題の上の二つの項目のところでありますけれども、短期的課題として整理した、ばいじん、NOx、それから燃料蒸発ガスの欄ですが、28年度で矢印が切れているが、中長期的課題として取り組む部分もあるので、その仕分けがわかるように整理すべき、というご意見をいただいておりました。

 このため、右下の、中長期的課題の一番右の欄ですけれども、矢印の形をした中に、「科学的知見の充実を踏まえ、総合的な対策の検討」とありますが、この下にかぎ括弧を加えております。この中に、固定発生源のばいじんや、SOx、NOx、VOC等についても、中長期的課題として取り組む部分もあることを明記したのが、修正箇所として1点目であります。

 それから、もう一点目は、短期的課題の上から4番目の項目でありますけれども、改正MARPOL条約附属書Ⅳという欄でありますが、ここには、前回の資料では、平成27年度、28年度の欄に、指定海域における規制強化が記入されておりましたけれども、日本の海域に指定海域がないため、この欄からは記載を削除した、というのが2点目の修正であります。

 資料4につきましては、以上です。

 以上、事務局からの説明を終わります。

【大原委員長】 どうもありがとうございました。

 それでは、今ご説明いただきました資料2のパブリックコメントの結果について、ご議論をお願いしたいと思います。

 今、ご説明いただきましたように、固定発生源関係を中心に、かなりたくさんのコメントをいただいているところであります。全体にかなり分量が多いので、大きく二つに分けて議論していただきたいというふうに考えます。

 まずは、資料2のうちの3ページの1番から、13ページの48番、固定発生源に関するご意見、そこまでにつきまして、この回答案について、ご意見等ございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。

 三浦委員、お願いします。

【三浦委員】 ありがとうございます。

 VOC関係の意見が非常に多いなというふうにお見受けしました。各事業者さんの個別のご意見とか思いというものはいろいろあるんでございますけども、一つ、根本的なお話として、いわゆるPM2.5対策については、現状において、各種対策の実施効果を定量的に評価することが科学的に困難であり、解明するべき課題が残されているという前提があるにもかかわらず、短期的取りまとめで、本来先にあるべき長期的な検討を後延しする形で実施自体を先取りしてやろうというところに若干矛盾を含んでいるところに問題があるのではと思っております。

 その短期的対策という課題が、ここで言うところのステージ1とか、ステージ2というようなことでございまして、これは実際それを行ったことによって、環境のオキシダントやPM2.5がうまく削減されるということが別に結論づけられているわけではないにもかかわらず、こういったVOC対策は、こういった議論があるたびに俎上にのぼってきた、既に世に存在する対策であるがゆえに先に進めるべきという話になってしまっていて、(効果の評価が定まっていないというのにとりあえずやっておこうという様な)矛盾点があるということをどうしても指摘せざるを得ないと思います。

 すべからく対策というものは、当然それを行うことによって、結果として環境がよくなるというような因果関係を程度踏まえた上でやらないと、空振りになる可能性があるわけで、そういったコストの無駄というものがないようにしていただきたいということでございます。

 また、仮に、早急に、いわゆる中長期的な効果の検討を差し置いてもやらなければならないのであれば、社会的コストの問題点がございますので、それは極力コストが最小、かつ簡便な形にとどめていただくのが筋なのではないかと思います。

 以上でございます。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 それでは、今の点につきまして、事務局からご回答はありますか。それともまとめて。

【是澤大気環境課長】 先にご議論いただければと思います。

【大原委員長】 そうですか。わかりました。

 では、ほかにいかがでしょうか。どうぞ。釜谷委員、お願いします。

【釜谷委員】 電気事業連合会の釜谷でございます。

 パブコメの12番に関しまして、意見を述べさせていただきたいというふうに思います。

 前回の委員会でも私のほうから、この固定発生源のばいじん、NOx、SOxにつきましては、さまざまな規制の中で環境技術の開発ですとか、我々事業者の設備対策、運用対策というようなことをいろいろやってきた結果、経済成長に伴って、いわゆる発電電力量、キロワットアワーが増加しているにもかかわらず、排出量、排出原単位ともに、非常に低いレベルにしてきたという事実があるというふうに思っております。

 そういうことをもとに書き方を見直していただけないかということを申し上げてきたわけですが、パブコメの回答にもありますとおり、個別の部分については解析をしていないので、事実ごとに整理して記載したというご回答でありますので、ここはそういうご見解ならそういうことになるのだろうというふうに思います。

 ただ、今後、27年、28年にかけて、短期的な課題ということで、追加的な排出抑制策の検討ですとか、対策の具体化ですとかというのが、検討が進められることになっておりますけれども、やはりそういう検討をする場合には、これまでの取組ですとか、それから、追加対策につきまして、科学的な分析ですとか評価というものをしっかりしていただいた上で、議論を進めていただくということが大事だと思いますので、ぜひ、そういうふうに進めていただきますよう、強く要望させていただきたいと思います。

 以上でございます。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 今、2件ほどご意見をいただきましたが、ほかにいかがでしょうか。

 はい、どうぞ。

【奈良委員】 先ほどの三浦委員のお話ともちょっとリンクしておりますが、確認をしたいので、お話しさせていただきますが、今回の中間取りまとめでは、一番最後の4番目の項目に今後の検討課題という項目が作られていて、それとは別に各項目ごとに、短期的課題と中長期的課題という整理がされているわけなんですけども、ここで言う4.今後の検討課題というまとめは、短期的課題、中長期的課題というものをある程度片づけた上で、さらに、その後のことを言っているのかどうか、そこをまず確認させてください。

 それと、これも先ほどの三浦委員が言われたことと関係するのですが、今回のパブコメでは特にばいじんとかNOxのところがそうだったのですが、いろんな意見のところで、「効果が検証されない中で、余り精緻な取組はすべきではない」という趣旨の指摘が多いことがとても気になりました。今回の中間取り纏めの書きぶりでいきますと、例えば7ページウ.NOxのところの中長期的課題のところを見ますと、「NOxからの二次生成に関する科学的知見の充実を踏まえて、より効果的な云々」と書いているわけですね。ここで、「より」という枕言葉がついているわけですが、これは、短期的課題のところでは書かれてはいないのですけど、当然、そこで効果的な検討をされていて、それを踏まえてこういった取組がされるということであれば、パブコメをされた皆さんも納得されるかと思いますが、その短期的課題のところでは、効果的な削減検討というのは、先ほども言っていましたけども、現状においては、非常に科学的な評価が難しいということ。シミュレーションの高度化も、これからの取組であるということで、全く切り離して考え、インベトリで排出量が突出しているところでは、削減手法がある限り、とりあえず先行して踏み込むんだというような解釈にならざるを得ないのかなと思っています。その辺のところを明確にしていただいて、そうではないということであれば、書き足していただく必要があると思います。、もし、そうだということであれば、それはそれでまたここで一つ議論させていただければと思います。

 以上です。

【大原委員長】 ありがとうございました。奈良委員、ありがとうございます。

 もう一つ、二つ、いかがですか。このパートの議論は、14時半ぐらいまで続けさせていただきたいと思っておりますので、いかがでしょうか。

 田邊委員。どうぞ。

【田邊委員】 この中間取りまとめだけ読むと非常に淡々と書かれていて、内容はもっともなんですけれども、皆さんのパブリックコメントとかご意見を見ると、何となくはっきりしないところがあるから慎重にやろうということが前面に出てきてしまっている気がします。科学者として、PM2.5の原因物質は非常に多岐にわたって環境動態が複雑なので、それを正確に、定量的に把握できていないということに関しては大変残念ですけれども、こういったことを中長期的な課題としてしっかり取り組んでいくという、このまとめはぜひ進めていただくとして、その一方で、よくわからないところがあるからといって対策がおくれることは余り望ましくないというふうに思います。

 既存の知見を生かして適切な対応を進めるべきだという、この短期的課題に取り組むということも、そういう意味で大変重要だと思います。はっきり言ってしまうと、定量的には、これはこれぐらい寄与して非常に悪いということは言えなくても、これがふえると、例えば汚染がふえるというような、半定量的なことですとか、定性的な話というのはわかっていることがたくさんございますので、そういうことを踏まえて短期的な対応をしているんだということが多分伝わってないんじゃないかという気がします。この中間取りまとめにそれをくだくだ書き込む必要はないと思いますが、説明される際には、そういうところをご理解いただくようにしたほうがいいんじゃないかという、全般的な感想で申しわけないんですけれども、強くそういうことを思いました。

【大原委員長】 ありがとうございます。

 今のご意見は、資料3について、特段の加筆、改定等は必要ないんだけれども、その説明するときにはしっかりと、短期的な課題について等について説明すべしというご意見ということでよろしいですね。ありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。

【田邊委員】 パブコメへの回答案の、ちょっと細かい話になってしまいますが、13番に対して、「凝縮性ダストを精度よく測定することは、PM2.5の排出実態を把握する上で重要」と書かれているんですけれども、多分、現在の知見ですと、この凝縮性ダストが環境中で反応したりというようなプロセスを経てPM2.5になるということも含めて考えるべきだと思いますので、「排出実態」だけじゃなくて「環境動態」といった言葉も入れておかないと、ちょっと足りないかなという気がします。

【大原委員長】 ありがとうございました。回答案で、「PM2.5の排出実態を把握する上で重要であり」というところに、「排出実態」とともに「環境動態」をつけ加えるべしというご意見、ありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょう。どうぞ弓手委員。

【弓手委員】 鉄鋼連盟の弓手です。パブリックコメントの中身も踏まえて、2点ほど発言いたしますが、中間取りまとめそのものの内容について変更をお願いするものではございません。一つ目は、先ほどから出ていますが、短期的課題として、「固定発生源からのばいじん、NOxの排出抑制の可能性を検討」とございますところ、「科学的知見とか、排出抑制技術の開発、普及状況等を踏まえて」という記載がございます。一方、それぞれの排出抑制のPM2.5濃度への効果が定量的に明確になっていないということも事実でございますので、これらを考慮いただいて、過度な排出抑制対策とならないように、可能な限り必要な知見を収集して、経済的・技術的課題を十分に時間かけて検討いただきたいということをお願いしたいと思います。また、必要に応じて、産業界の意見もぜひ聞いていただきたく、よろしくお願いいたします。

 二つ目でございますが、中長期的課題の位置づけにつきましては、二次生成粒子の寄与の度合い、また、それぞれの物質を排出抑制した場合の大気中のPM2.5濃度の低減効果、これを定量的に評価するということになっておりますけれども、ぜひそれを進めていただいて、効果的な対策が講じられるように、よろしくお願いいたします。

 以上です。

【大原委員長】 どうもありがとうございました。具体的な修正ということではなくて、コメントをいただいたというふうにご理解してよろしいですね。

【弓手委員】 はい。

【大原委員長】 ありがとうございます。

 それでは、このあたりで事務局から、できる範囲内でご回答をいただけますでしょうか。

 それでは順番に、奈良委員からいただいた、資料3の第Ⅳ章、11ページ目、今後の検討課題の位置づけですけれども、これは短期的な課題、あるいは中長期的な課題、あるいは全体的な課題であるのかどうか、そのあたりをクリアにしていただけますでしょうか。

【是澤大気環境課長】 まず、今後の検討課題として整理した部分の考え方でございますけれども、これは短期的課題、中長期的課題がクリアされた後の検討課題という趣旨ではございませんで、ここで短期的課題、中長期的課題として書いておりますのは、基本的に、各種発生源に対する対策のあり方ということを中心に整理をしておりますので、少し切り口が変わる形で、言ってみますと、いろんな総合的な対策を今後進めていくために必要となる科学的知見といいましょうか、基礎的な情報の収集整理も含めて、どんなことに取り組まなければならないのかというところを、ここでまとめて整理させていただいていると、そういう考え方でございます。

【大原委員長】 というご回答ですが、奈良委員、何か追加のご意見ございましたら。

 ご理解いただけましたか。ありがとうございます。

 それからもう一つ、奈良委員から7ページのNOxのところで、中長期的な課題のところには、「より効果的な排出抑制策」云々ということがありますと。一方、短期的な課題につきましては、そのようなことではなくて、印象としては、排出量ベースで削減できるところから手をつけているように見えるというふうなコメントをいただきましたが、その点に関してはいかがでしょうか。

【是澤大気環境課長】 今ご議論があった中で、三浦委員からのご指摘、あるいは田邊委員からのご指摘も含めて、関連する部分ではなかろうかと思っております。そもそも、短期的課題として整理したものがどんなものであるのかということでありますが、これは、効果があるかないかわからないものをやろうとしているものでは決してなくて、因果関係、定性的な因果関係としては十分に認められているものであるというのが大前提であると。その上で、既存の大気汚染防止対策の中で必要とされている対策であると。

NOxについて言いますと、当然、NOxというのは、NOxそのものについても、近年ではかなり環境基準の達成率はよくなってまいりましたけれども、地域的に見ると、基準すれすれであるとか、そういう厳しい状況にあるような地域もございます。

 また、光化学オキシダント対策を進めていく上では、NOx対策は、まだまだ削減が必要とされている対策であると。そういう前提に立って、今回、PM2.5対策を考える上でも、まずNOxの排出削減対策にできる限り取り組んでいくことは必要である、ということを短期的課題として整理をしているという考え方で原案は書かせていただいております。

 その上で、中長期的な課題と整理している部分につきましては、これは二次生成に関するいろんな知見も踏まえまして、どこまで落とすべきなのかとか、ほかの物質とのトレードオフの関係がどうなのかとか、いろんな複雑な要素というのは出てくるように認識しておりますので、それらを踏まえて、さらに実施すべきものがあれば、それはやっていくということで、それを、「より効果的な」というふうに表現したつもりでおりますが、もし、ちょっと理解不足のところ、あるいは、もっと適切な表現等があれば、ご指摘をいただければと思っております。

【大原委員長】 短期的な課題の考え方につきましては、今、是澤課長から発言がございましたが、奈良委員、それから三浦委員の発言の趣旨もかなりセンスとしては似ているんじゃないかなと思っておりますが、今の事務局の回答につきまして、三浦委員、あるいは奈良委員、ご意見等ございましたらお願いしたいのですが。

 先ほど田邊委員からご発言ありましたように、要は、短期的な課題というのは、ある程度、対策効果が見通せるといったようなものであると。必ずしも定量的にというわけではないけれども、ということだと思うんですが。ですから、そういうことをご理解いただいた上で発言をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

【三浦委員】 ご回答ありがとうございました。

 短期的な課題につきましての対策は、既に効果が認められているものというお話がありましたが、それについて、ある意味、納得がいっていないという部分というか、説明不足というようなところがございます。具体的に言いますと、例えばVOCの自主的取組で、産業界が自主的に40%の削減、石油業界ですと三十何%の削減を行ったんですけども、その結果として、それでオキシダントの環境基準達成率や、大気中の平均濃度がよくなったかというと、実は大してよくなっていないといy事実があります。高濃度のオキシダント領域については改善が見られたというふうな総括はありますが、別に自主的取組が高濃度の部分を少し下げることが目的だったというわけではありますまいということから考えますと、対策実施の効果が、何もしないのはいけないからやるべきだというのではなくて、やはり対策は効果があるからやるべきだということで説明をしていただかないと、そこは納得が得られないと思います。特に、事業者がある程度投資をしなければならないという話になりますと、その辺の説明が必要だと思います。

【大原委員長】 ご意見ございますか。お願いします。

【是澤大気環境課長】 今の三浦委員のご発言について、まず、事実関係を整理させていただきたいと思いますが、VOC対策を開始するに当たりまして、効果に関する目標設定というのをしておりますが、それは二つございまして、一つはSPMに関する環境基準の達成という部分、そしてもう一つはオキシダント、これは注意報の発令レベルにあるような高濃度のオキシダントの測定局の減少、この二つを目標に掲げて、VOC対策を始めたという経緯があろうかと思います。環境基準の達成をいきなり目標に掲げて実施したものではないということでございます。

 そういう意味で、VOCの排出規制対策がオキシダントの排出削減に、当初予想したとおりの効果を発揮したのかというところについては、まだまだ科学的に検討すべき、いろいろ難しい、詳細な評価をしなければいけない部分があろうかと思いますけれども、高濃度域のオキシダントの発生自体が減少傾向にあることが今示唆されているということについては、VOCの排出規制なり、自主的取組も大きく貢献しているだろうと評価されるというのが一般的な考え方ではなかろうかと思っております。

【大原委員長】 いかがでしょうか。追加のご意見ございますか。

【三浦委員】 高濃度領域の低減、注意報の発令が低減という目的ということはあるかと思いますが、では、今回減ったので、それで自主的取組の目的は一応達成したかというと、やはりオキシダント全体の平均濃度を下げ、環境基準達成率を上げていくことが、こういった取組の最終目標ではないかと考えます。大気中のVOC濃度のトレンドと、オキシダント濃度のトレンドを見ると、VOCが減っているにもかかわらず、オキシダントは漸増しているという状況もあって、果たして本当に我々のやったことは効いているのだろうかと、意味のある対策だったんだろうかということは、自主行動計画で、我々はタンクの排出防止等で投資をいたしましたけども、正直達成感といいますか、納得感というところでもやもやしたところがございます。ついては、PM2.5もしくはオキシダントの今後の対策については、対策の効果の納得感というものも勘案した上で進めていただきたいなというのが、繰り返しになりますが、意見でございます。

【大原委員長】 例えば8ページ目の短期的な課題のところの記述としては、「実行可能性、技術的課題、対策による効果」云々といったような記述になっているところでございまして、今、三浦委員がご指摘のようなことも、ここに一応散りばめてあるというふうにご理解いただいた上で、この文案でいかがでしょうか。

 そのほかのご意見等、もしございましたらお願いします。

【坂本委員】 参考資料の別添10のところですが、前回、船舶に関連して意見を申し上げて、それから資料4のところで、平成27年、28年のところに指定海域の話が書いてあったのを削ったということですけれども、単純に別添10を出しておいていただいても、我が国では指定海域があるのか、ないのかという話が見える形になっていないと思いますので、そういった点をきちんと別添資料にも書き込んでおく必要があるかなという気がします。

【大原委員長】 今の点は、添付資料への追記等が可能かどうかということでよろしいですか。

【伊藤大気環境課長補佐】 別添の資料の修正については、この後、担当課とも相談して、検討をします。

【坂本委員】 条約の概要としてはこれでいいんだろうけれども、例えば、どこかにアスタリスクでもつけて、日本の場合はどうだとか、そういった形にすれば今のことがよくわかると思います。

【是澤大気環境課長】 ご指摘を踏まえて修正させていただきます。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 ほかには、よろしいでしょうか。

 それでは、引き続きまして、13ページの49番、移動発生源から後、15ページの56番までの回答案につきまして、ご意見がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。

【上野委員】 細かいことで恐縮ですけれども、15ページの55番の回答案ですが、別添2の「「東京都の大気環境中の発生源寄与割合」におけるアンモニア発生源及び自然発生源については」の「自然発生源については」というところは削除していただいたほうが、自然といいますか、わかりやすいかと思います。

【大原委員長】 ありがとうございます。ちょっと文章がおかしいので、今ご指摘いただいたように修正していただけますか。「自然発生源については」というのを削除ということでお願いします。

【是澤大気環境課長】 修正します。

【大原委員長】 ほかにはいかがでしょうか。

 もしなければ、全体としていかがでしょうか。先ほどの前半の部分も含めまして、追加のご意見等、もしございましたらお願いします。

 はい。釜谷委員、お願いします。

【釜谷委員】 質問なんですけれども、もしかしたら、この後ご説明があるのかもしれないんですけれども、この後、どういう形で今後の検討を進めていくのか、もしお考えがあるようでしたら、ご教示いただけるとありがたいと思います。

【大原委員長】 最後にご発言いただく予定だったかと思いますが、可能な範囲内でお願いいたします。

【是澤大気環境課長】 今後の予定についてご説明を申し上げます。環境省といたしましては、今回、このように中間取りまとめをいただきましたら、それをもとに、短期的課題として整理された事項の具体化のための調査検討や情報収集、あるいは中長期的課題の検討を進めるためのいろんな調査研究の推進、そういったことを実施してまいりたいと考えております。

 その上で、短期的課題に整理された個別の具体的な事項、例えて言いますと、燃料蒸発ガス対策については自動車排出ガス対策専門委員会で検討を進めるというような形で、別途、それぞれ課題ごとに検討の場を設けて議論を進めたいと考えております。

【釜谷委員】 先走った質問で恐縮でございました。ありがとうございました。

【大原委員長】 どうもありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。

(はい)

【大原委員長】 活発なご議論をいただきまして、どうもありがとうございました。

 ただいまご議論いただきましたパブリックコメント、資料2に対する回答案につきましては、本日、委員の皆様からいただいたご意見を踏まえて、修正することといたしたいと思いますが、具体的な修正点としてご意見をいただいたところは、先ほど上野委員ご指摘のところだけだったと記憶しているんですけれども。

【是澤大気環境課長】 6ページの13番で、田邊委員からのご指摘も。

【大原委員長】 失礼しました。田邊委員から13番のところに対する回答として、PM2.5の排出実態と環境動態、この追記の部分、この2カ所というふうに理解しておりますが、いかがでしょうか。よろしいですか。

(はい)

【大原委員長】 ありがとうございます。ここの部分を修正させていただいた上で、パブリックコメントに対する回答として取りまとめ、公表したいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【大原委員長】 では、異議ないということで、進めさせていただきたいと思います。

 それでは、今、ご了解いただきましたので、私と事務局で相談の上、今の修正に基づきまして取りまとめたいと思います。この取りまとめた結果につきましては、事務局を介して、環境省のホームページから発表していただくことになりますので、ご了解いただきたいと思います。

 それから、もう一点の資料の中間取りまとめ本体のほうでございます。資料3でございますが、これにつきまして、先ほど坂本委員から添付資料の充実・加筆というご意見をいただきましたが、それ以外には修正に関する特段のご意見をいただいていないと考えておりますが、いかがでしょうか。そういう理解でよろしいですか。

(はい)

【大原委員長】 そうしましたら、この中間取りまとめ案、資料3でございますけれども、1カ所、修正した上で、本委員会としての中間取りまとめを行うこととしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【大原委員長】 これにつきましても異議なしということで、どうもありがとうございました。ご了解いただきましたので、今後、私と事務局で相談の上、中間取りまとめをさせていただきたいというふうに思います。

 きょう用意された議題は以上ですが、その他、事務局から何かございますか。

【柴田委員】 中間取りまとめ案そのものではないんですが、資料4に書いてある検討スケジュールという中で、下のほうに、平成29年度までに排出インベトリを整備するという予定になっていますが、前回、第4回の専門委員会で、JATOPのインベトリをベースに、活動量を2010年に更新したという報告はいただいておるんですが、その後、さらに検討を続けるとお聞きしていますが、その状況について少し確認したいことがございます。

 一つ目は、先ほど坂本先生からもお話がありましたが、船舶のインベトリに関しまして、JATOPのインベトリは、船舶のインベトリは入っておりません。我々JATOPの研究では、海上技術研究所が作成されたものを使って研究を進めておりましたけれども、船舶のインベトリが抜けておりますが、それについては今、我々が知る限りでは、船舶のインベトリはちゃんとしたものがないので、これを使うのが効率的かなと思っているんですが、それについてはご提供いただけるようになったかどうかということが一つ目。

 二つ目は、いろんな発生源からの排出量、PM2.5を実測したものがなかなかございません。JATOPでは、大きな煙源の排出量に関しましては、マップ調査のデータを利用しまして、TSPが推計をしておりました。それについて、今回更新するときに最新のマップ調査のデータを使おうとしたのですが、検証するためのデータがいろいろそろっていなくて使えないという課題があったと聞いておりますが、それについては今後どうされるかということ。

 三つ目ですが、今年度も煙源からの実測調査を進められていたというふうに聞いておりますけども、今年度、予定した数だけできなかったということも聞いております。3年間で全ての実測データをそろえるというのは非常に難しいとは思いますが、ある程度データがそろわないと、インベトリの不確実性なんかの縮小ができないと思っておりますので、環境省のほうですごい指導力を発揮していただいて、業界の方にも協力していただいて、実測を進めるのがいいかと思っていますが、その辺はどういうふうに進めるお考えかという、その3点を確認したいと思います。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 排出インベトリの整備を進めるべしと。ついては、具体的に3点ほどご指摘いただきましたけれども、回答できる範囲内でお願いします。

【中谷環境管理技術室長】 お答えさせていただきます。

 一つ目の船舶の関係でございます。ちょっと残念ですが、データはまだいただいておりませんで、国交省とまだ調整をしておる段階であります。ただ、我々の趣旨は理解していただいておりますので、調整を続けることで、最終的にデータをいただくという方向でまとめたいなと思っております。

 それから、二つ目でございますが、マップ調査の件ですが、ご指摘のとおり、そのまま使うには問題があるということがわかりましたので、これにつきましても、たしか来年度またマップデータを取得するタイミングが来ますので、この際に、もうちょっと精度よく収集するような形で、インベトリに生かせる形で調査をしたいというふうに考えております。

 それから、三つ目の実測データでございますが、こちらもご指摘のとおりでして、予定どおりの箇所が今年度調査できなかったんですが、少し言いわけになってしまいますが、業界の方といろいろ調査の趣旨だとかを説明をさせていただく中で、ちょっと時間を使ってしまったというところがありまして、来年度も、当然、測定をしていくことにしておりますが、測定自体、業界の皆様にはご協力いただくことになっておりますので、すぐに実測データを多目にとる方向で進めていきたいなと思っております。

 以上でございます。

【大原委員長】 よろしいでしょうか、柴田委員。

【柴田委員】 はい。

【大原委員長】 排出インベトリの整備は非常に重要な課題でありまして、それにつきまして具体的なご指摘をいただき、どうもありがとうございます。いずれも重要なご指摘だと思いますので、ぜひ環境省としても力を入れてやっていただければと、私からもお願いしたい次第であります。

【飯田委員】 柴田委員ご指摘のとおり、もう本当に釈迦に説法ですが、インベトリの解析というのが、科学的な根拠をもとに検討を進めてほしいというご要望の一番根拠になるところだと思います。そのときに煙源からの計測というのが、必ずしも、旧来計測してきたSOxとかNOxだけでなくて、そのほかの凝縮性の物質等も含めた解析をしていかないと、科学的なインベトリに踏み込んでいけないというところがありますので、そこの科学的根拠を確立するために、環境省からご回答があったとおり、ご協力をいただければというふうに思います。

 私からは資料4について、1点、修正をお願いしたいと思っています。資料4の真ん中辺に、「アンモニア発生源対策の実施」とございますが、その短期のほうが「家畜・肥料等負荷低減対策の実施」と書かれていますので、これは多分、「家畜・肥料等の窒素負荷低減対策」という表現にしておかないと、わかりにくいかなと思います。細かいことで恐縮です。

【大原委員長】 貴重なご指摘をいただき、ありがとうございました。資料4の修正、ご指摘のとおりだと思いますので、お願いしたいと思います。

 資料4につきまして、何かほかにご意見等ございましたらお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

【坂本委員】 少ししつこいようですが、船舶からのデータがどうして国交省の関係から出てこないのか、これは非常に私は不思議に思います。それから、以前にも、例えばかなりのものが道路沿道では高濃度のものがあって、ある程度の測定値が出ても、運輸省からストップがかかるとか、そういったことがこれまでにもあったわけです。私たちは、それによってというよりは、事実をつかまないと、その後のものに持っていけないということがあって、今、船舶なのか、それから特にサルフェートは夏、濃度が高くなって、そうすると火山の影響と船舶の影響と両方、海風が入ってくるときには考えないといけなくて、そういった場合に、船舶でのデータがどういうものかわかれば、そして、そのときの風系とか気圧配置とか、そういったものを考えていけば、かなりのことがわかってくる状況になるわけですが、それが出ないと、私たちは相当無駄な費用を使うことにもなりかねないということです。ですから、今の点につきましては、ぜひ早くそういった情報が公開できるような形に持っていっていかないといけないというふうに思います。

 そして、今あえて申し上げたのは、2020年に東京オリンピックがあるとき、まさに一番の光化学スモッグの時期になります。そのときに海風がいいぐあいに吹いたら、きちんとサルフェートの濃度は上がって、呼吸器系にも影響するし、それから光化学オキシダントも、いろんな競技をするのにはかなり問題の時期になってくると思いますので、少なくとも2020年を見て、そこまでには何とかいろんなものができて、今の状況よりは確実によくなるところへ持っていけるような基礎データが集まることを期待したいと思います。

 あと、先ほどエミッションインベトリのお話がございましたけども、私も、東京都の調査のときには幾つか現場に行ってやっておるわけですが、なかなか測定に適した場所があるわけではないわけで、そういった中で、平均的なエミッションインベトリを出すのは、かなりの大変な仕事になるわけです。そういう意味では業界の皆さん、ぜひ各種の煙源をお持ちの方はご協力をいただいて、そういったデータができるだけ早く集まるような形でご協力をいただきたいというふうに思います。

【早水審議官】 ご指摘ありがとうございます。まさしく、ご意見でありましたように、インベトリの整備というのは、いろんな対策を検討されるベースになるものだと思いますので、環境省としましても関係省庁のご協力をいただくとともに、また、先生からもご指摘があったように、各業界の方にもぜひご協力をいただいて、測定値を集めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【大原委員長】 どうもありがとうございました。

 ほかには、資料4関係、その他についてでも結構ですが、いかがでしょうか。

【金谷委員】 スケジュール的なことですけれども、特に昨年来、話題になってからというところが正しいかもしれませんけれども、かなり早く取りまとめをするという認識のもとで中間取りまとめのスケジュールがあったのだろうと私は思っておりますし、恐らくそうなのだろうと思いますけれども、例えば資料4を見たときに、あと3年後までのプランと、それ以降という形で整理されておりますけども、今回の中間取りまとめの次が最終になるのか、中間になるのかわかりませんけども、そういった取りまとめのフェーズというのは、この資料4のどこかであらわれるというような現状の認識なのかどうか。想定されることがあればお答えいただけたらと思います。

【大原委員長】 それでは、先ほども少しご説明を既にいただいておりますが、今後の予定等について、まとめてお願いいたします。

【是澤大気環境課長】 先ほど、検討の予定まではお話ししたんですが、専門委員会のご予定は最後にとっておいたものですから、申しわけありません。

 今後の専門委員会の議論の進め方でございますけれども、今回は、あくまで当面の国内排出抑制のあり方についてという視点で取りまとめをいただいたと考えておりますので、総合的な対策の取りまとめに向けて、さまざまな検討課題に取り組まなければならないと認識しております。

 いろんな課題を掲げてございますので、それらにつきまして、ある程度、知見なり情報なりがまとまった段階で、適宜、専門委員会を開催させていただきまして、その議論を踏まえながら、総合的な対策、最終の取りまとめができるように議論を進めていきたいと思っております。

【大原委員長】 ありがとうございました。金谷委員、よろしいでしょうか。

【金谷委員】 はい。

【大原委員長】 どうぞ、畠山委員。

【畠山委員】 農工大の畠山でございますが、研究者的な立場からお聞きしたいというか、お願いしたいんですが、資料4の中長期的課題の中で、「VOCに関する科学的知見の充実」の上の段の「VOCのPM2.5・オキシダント生成能の解明」とあります。ここはかなり研究的な中身に見えるんですが、単に研究者の通常の研究任せなのか、例えば推進費とリンクさせて、重点的にそこに予算を配分するのか、その辺の見通しというのはどうなんでしょうか。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 これは事務局からご回答をいただけますか。多分、推進費等ということだと思いますが、いかがでしょうか。

【伊藤大気環境課長補佐】 一部、既に推進費で始めているところもありまして、そちらの未把握のVOCをどう把握するかという研究テーマになりますけれども、これは26年度から推進費で協力をして取り組んでいただいているものが既にございますし、また、スケジュール表にも示しました生成能の解明につきましても、これはもちろん研究者任せというわけではなく、研究の論文などの成果をいただいて取り組んでいくところもあると思いますし、環境省の推進費のテーマを積極的に活用して取り組んでくるところも出てくるかと思いますけれども、できる限り積極的に関与した形で、このテーマに取り組んでいくことが必要だと思っています。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 もし、梶井委員、その未把握VOCの推進費を推進されている立場から、一言ございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

【梶井委員】 突然でちょっと戸惑っておりますけど、鋭意やっておりまして、現状で少しわかってまいりましたことは、皆さんの努力によって人為起源のVOCが減ってきた中で、植物起源のVOCのコントリビューションというのが少し、相対的にですけど、上がってきているような感じがいたします。その中で、例えば日本の固有の優勢樹種、スギですとかアカマツですとか、そういったものを幾つか選んで、単一樹種からのVOCを研究しておりますけれども、そうした中で、まだ半分ぐらいのものしか知見として私たちは持っていないとわかってまいりまして、そういうことから考えてみますと、さらにインベトリの中に植物起源のVOCをもう少しふやしていかなければいけないだろうなというのが研究者としての感覚で、今、国の予算をいただいてやっておりますので、来年ぐらいにはもうちょっと正確なことはお話しさせていただきたいと思っています。

 以上です。

【大原委員長】 どうもありがとうございました。

 ほかにはよろしいでしょうか。

(なし)

【大原委員長】 事務局から、最後に何かございましたらお願いいたします。

【是澤大気環境課長】 今後の予定につきましては繰り返しになりますが、ある程度、調査研究等がまとまりまして、ご議論いただけるような状態になったところで、次回の専門委員会を開催させていただきたいと思っております。

 その他、本日の議事録につきましては各委員にご確認をいただきました上で、公開とさせていただきますので、後日ご連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。

【大原委員長】 それでは、本日の委員会はこれで終了させていただきたいと思います。

 今年度、6回ほど開催させていただきましたけれども、委員の皆様にはさまざまな形でのご協力をいただきまして、どうもありがとうございました。この場をかりて御礼申し上げたいと思います。

 それでは、きょうはこれで終わりにさせていただきたいと思います。

                                      午後14時58分 閉会