微小粒子状物質等専門委員会(第5回) 議事録

日時

平成27年2月5日(木)17:00~18:39

場所 

TKPガーデンシティ永田町 ホール4C

出席者

(委員長) 大原 利眞
(委員) 飯田 訓正 上野 広行 梶井 克純
釜谷 広志 坂本 和彦 柴田 芳昭
田邊 潔 奈良 恒雄 三浦 安史
弓手 崇生
(環境省) 三好水・大気環境局長
早水大臣官房審議官
近藤総務課長
是澤大気環境課長
小野自動車環境対策課長
中谷総務課環境管理技術室長
伊藤大気環境課課長補佐
小林大気環境課課長補佐

議題

  1.  (1)微小粒子状物質の国内における排出抑制策の在り方について
  2.  (2)その他

配付資料一覧

資料

・資料1
委員名簿
・資料2
微小粒子状物質の国内における排出抑制策の在り方について(中間取りまとめ)(案)
・資料2(添付)
別添資料
・資料3
今後のスケジュール(想定)

参考資料

・参考資料1
PM2.5に関する総合的な取組(政策パッケージ)(平成25年12月、環境省)
・参考資料2
平成26年光化学大気汚染の概要-注意報等発令状況、被害届出状況-(お知らせ)

議事

午後5時00分 開会

【是澤課長】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第5回微小粒子状物質等専門委員会を開催いたします。

 委員の皆様には、足元のお悪い中、お集まりいただき、ありがとうございます。

 委員の出席状況についてご報告いたします。本日は、鵜野委員、金谷委員、河野委員、中村委員、畠山委員からご欠席との連絡をいただいております。

 続いて、配付資料の確認をさせていただきます。クリップを外していただきまして、議事次第の下のほうに配付資料のリストが書いてございますが、それらのものを添付をしております。資料1として委員名簿。資料2といたしまして、微小粒子状物質の国内における排出抑制策の在り方について(中間取りまとめ)(案)。資料2、別添に分かれておりまして、別添資料。資料3、次第のリストと資料3のタイトルが違っておって、恐縮でございますけども、各課題の検討スケジュール(想定)という1枚紙。それから、参考資料としまして、参考資料1がPM2.5に関する総合的な取組(政策パッケージ)。そして、参考資料2といたしまして、お知らせ、平成26年光化学大気汚染の概要を添付をいたしております。

 最後の参考資料2でございますけれども、若干ご説明をさせていただきます。平成26年の光化学スモッグの注意報等発令状況、それから被害届出状況について、本日、報道発表したものでございます。

 平成26年の状況でございますが、被害届のあった件数は、2府県、届出人数で合計33人ということでございまして、調査を開始した昭和45年以降、最も少ない人数、件数となりました。

 注意報の発令状況については、ページが振っていなくて恐縮でございますが、3枚目の裏に、上の段、図2といたしまして、光化学オキシダント注意報等発令延日数の推移というのを載せてございます。黒いほうが各年ごとの実数でございまして、これは年々変動の影響がございますので、傾向がなかなかつかみにくいわけでございますけれども、赤いほうの線で3年移動平均値を示しております。こちらをご覧いただきますと、概ね平成20年前後から継続的に減少傾向にあるということが見てとれるかと思います。ご参考までにご紹介をさせていただきました。

 申し遅れましたが、もし、資料、不足しているものがございましたら、事務局にお申しつけくださるようお願いいたします。

 それでは、カメラ撮影は、会議の冒頭のみとさせていただきますので、これ以降の撮影についてはご遠慮いただきますようお願いいたします。

 それでは、以降の進行を大原委員長にお願いいたします。

【大原委員長】 本日は、ご多忙のところ、また、冷たい雨の中、ご参集くださいまして、誠にありがとうございます。

 昨年の3月12日に第1回の専門委員会を開催してから、今日で5回目ということになります。最初の予定では、この第5回目の委員会で、国内における排出抑制策のあり方について中間取りまとめを行うと、そういったような予定になっておりましたが、この議事に入る前に、今後の進め方について、事務局からご説明をお願いしたいと思います。

【是澤課長】 前回、終了時に、今後の予定につきまして、追加でもう一回開催させていただくということも考えているとご説明をいたしましたとおり、PM2.5につきましては、社会的な関心が非常に高いということもございまして、パブリックコメントを経た上で、中間取りまとめをお願いできないかと考えております。このため、本日の委員会でパブリックコメントにかけるための中間取りまとめ(案)についてご議論をいただきまして、ご了承をいただいた後、約1カ月間、パブリックコメントを募集し、その結果を踏まえて、3月末の次回の委員会で最終的な中間取りまとめをお願いしたいと考えております。ご多忙のところ、追加のご議論をお願いすることとなりまして、大変恐れ入りますが、ご了承いただければと存じます。

【大原委員長】 ありがとうございます。

 本日は、パブリックコメントにかけるための中間取りまとめの案、これについてご議論いただいて、ご了承いただいて、パブリックコメントの結果を踏まえた上で、次回の6回目の委員会で、最終的に本専門委員会の中間取りまとめとしたいということでございました。委員の皆様、よろしいでしょうか。どうもありがとうございます。

 よろしければ、議題に入らさせていただきたいと思います。

 まず、議題1、今日は一つだけだと思いますが、微小粒子状物質の国内における排出抑制策の在り方についてであります。

 前回の委員会の中で、科学的な知見をさまざまな方からご紹介いただきましたけれども、それらの知見あるいは議論を踏まえまして、排出抑制策の方向性について、この間、議論をいただいたところであります。

 本日は、前回の議論を踏まえまして、微小粒子状物質の国内における排出抑制策の在り方について(中間取りまとめ)(案)と、これを事務局で整理していただいておりますので、これをもとにご議論いただきたいというふうに考えております。

 それでは、資料2と、それから資料3について、事務局からご説明をお願いいたします。

【伊藤補佐】 それでは、資料2の微小粒子状物質の国内における排出抑制策の在り方について(中間取りまとめ)(案)について、ご説明をさせていただきます。

 この資料は、前回、ご説明した資料をベースに、中間取りまとめの案として、体裁を整えて整理をしたものとなっております。前回、読み上げてご説明をいたしましたので、今回、要点と、委員からのご指摘をもとに修正をした箇所を中心にご説明をさせていただければと思います。

 まず、1枚めくっていただきまして、1ページ、はじめにからでございます。我が国の大気環境はとありますけれども、これまで、大気汚染防止法を初め、諸般の対策を推進してきた結果、大気汚染は大きく改善されてきているという状況です。

 一方、PM2.5につきましては、環境基準の達成率が3~4割と低い状況にありますことと、越境大気汚染による影響も指摘されておりまして、中国において深刻な大気汚染による影響が発生し、これを契機として、国民の関心が高まっているという状況がございます。

 また、光化学オキシダントにつきましては、高濃度域の光化学オキシダントの改善が示唆されてきておりますけれども、環境基準達成率は1%に満たない状況にあると。

 これらの課題に対応して、光化学オキシダントと共通する問題が多いことにも留意しつつ、PM2.5の国内における当面の排出抑制策の在り方について、以下のとおり中間取りまとめを行ったとさせていただいております。

 Ⅱの背景でありますけれども、ここでは、微小粒子状物質(PM2.5)の特性と、大気環境濃度の状況について、整理をしております。PM2.5の特性の方でありますが、ここは発生機構によって一次生成粒子と二次生成粒子に分類されること、そして、一次生成粒子と二次生成粒子のそれぞれについての説明を記載しております。

 めくっていただいて、2ページ目に大気環境濃度の状況です。PM2.5の大気環境濃度の状況ですが、年平均濃度が概ね減少傾向にありますが、一方で、全国的に見ました場合、西日本の府県において環境基準達成率が低い状況にあること。また、年平均の環境基準であります15μg/m3を超える測定局は、首都圏、中部圏、近畿圏、瀬戸内海沿岸、九州等に分布しております。

 また、光化学オキシダントにつきましては、昼間の日最高1時間値の年平均値の漸増傾向や注意報発令地域の広域化が見られ、環境基準達成率は1%以下の水準にとどまっています。

 また、第3回の専門委員会で提言いただきました環境改善効果を適切に示すための新指標によりますと、関東、東海、阪神地域等において、近年、域内最高値が低下しており、高濃度域の改善が示唆されているという状況でございます。

 次に、Ⅲの微小粒子状物質(PM2.5)対策の在り方に参ります。ここでは、国内発生源と越境汚染の寄与割合について記載しております。

 国内発生源の寄与割合についてでありますが、ここでは、発生源寄与割合の推計例として、東京都と名古屋市での成分分析結果やレセプターモデルなどを用いた推計例と、都市部における感度解析結果の例として、三大都市圏を対象に、シミュレーションモデルを用いた感度解析結果の例について記載しております。

 3ページ~4ページにかけてでございますが、これらの推計例以外のPM2.5の発生源に関する知見について、4ページの冒頭の方に箇条書きで整理をしております。

 また、越境汚染の寄与割合でありますけれども、年平均濃度への寄与割合の推計例と、高濃度日の寄与割合の推計例について、環境研究総合推進費の研究結果をもとに記載をしております。

 次に、2ポツの既存の施策の評価と排出抑制策の在り方でございます。

 まず、概要でありますけれども、越境大気汚染の重要性、それから、国内の排出抑制対策の重要性、それぞれについて記載をしております。越境汚染の寄与割合は西日本などで比較的高い状況でありますことと、「アジア地域における」というところ、前回から一部記載を追加をさせていただいております。越境汚染対策の重要性について、これまで委員会で何度かご指摘をいただいてきておりました。「アジア地域における清浄な大気の共有を図るため、中国、韓国や国際機関等の連携・協力を一層強化し、それを推進していく必要がある」というところを追加しております。

 一方で、国内の発生源につきましても、一定の寄与割合を占めておりますこと、また、越境汚染の寄与が小さいと考えられる夏季等において高濃度を観測している事例もあるなど、国内発生源の影響が示唆されることから、国内における排出抑制対策を着実に進めることが必要であるとしております。

 その際、PM2.5の生成機構や発生源の寄与割合について科学的に解明すべき課題も残されているということも踏まえ、短期的課題と中長期的課題をそれぞれ整理し、段階的に対策を検討していくことが適当と考えられるとしております。

 ここで、短期的課題、中長期的課題、それぞれについて整理をしております。短期的課題につきましては、現時点での知見に基づき既存の大気汚染防止施策をPM2.5対策の観点を加味してさらに推進していくもの、これを短期的課題としております。具体的には、PM2.5の削減に確実に寄与する一次生成粒子、並びにPM2.5及び光化学オキシダントの前駆物質(NOx、VOC)について、排出規制等の取組状況、排出実態や排出抑制技術の状況等を踏まえ、対策強化の可能性を検討することとしております。

 大気汚染防止法に基づく規制等が行われていない物質でありますアンモニア、野焼きについても、PMの削減を図る上で重要なものとして取組を検討していくことと、これを短期的課題としております。

 また、中長期的課題でありますが、これは短期的課題と並行して、総合的な対策に取り組む上での基礎となる現象解明や情報整備等に関する課題に取り組み、その進捗状況に応じて追加的な対策を検討するものとして、具体的には、二次生成粒子の解明や、PM2.5やオキシダント生成能の高いVOCを対象とした排出抑制対策の検討、それから、凝縮性ダストの測定法の開発、発生源寄与割合の高い発生源の推定等を中長期的な課題としております。これらの解明の状況に応じて追加的な対策を検討していくものと整理しております。

 次に、2.2の各種発生源に対するこれまでの取組と国内における対策の在り方についてでございます。

 まず、(1)固定発生源でありますが、ア~エまで、各項目について整理をしております。それぞれの項目について、前半部分で、これまでの施策の評価等を記載し、後半部分にそれぞれの発生源の短期的課題、中長期的課題として整理をしております。ここも前回、読み上げてご説明をさせていただきましたので、追加部分を中心にご説明をさせていただきます。

 まず、ア.ばいじんでありますけれども、1ページめくっていただきまして、6ページの二つ目の段落にあります「排出抑制技術については」というところを追加しております。前回の資料ではSOxのみ排出抑制技術の状況について記載をしておりましたけれども、ばいじんとNOxについても、排出抑制の技術の状況について追記をすべきというご意見をいただいておりましたので、ここの排出抑制技術の状況を追加しております。

 それから、(短期的課題)とありますところの2行目です。排出抑制技術の開発や普及の動向等を踏まえの次ですが、「経済的及び技術的考慮を払いつつ、追加的な排出抑制策の可能性を検討すべきである」というところに修正をしております。この修正につきましては、NOxとVOCについても短期的課題について整理をしておりまして、そこの表現がそれぞれの箇所で違いがありましたことから、整合を図らせていただくための修正をしたものであります。

 それから次に、SOxに参りますが、ここは前回、SOxとNOxを一つの項目でまとめて整理をしていたところでありますが、それぞれ、対策技術が異なるので、項目として分けて整理をすべきとご意見をいただいたところであります。イにSOxとして、SOxだけの項目を立てて、ウのNOxと分割をして、分けて整理をしております。

 それから、次の修正箇所でありますが、ウのNOxのところでありますが、7ページの三つ目の段落の「排出抑制技術については」のところでして、ここもばいじんと同様に、前回、SOxのみの状況を記載していたところを、NOxについても記載をしたところであります。

 NOxについても、(短期的課題)のところの状況について、「経済的及び技術的考慮を払いつつ、追加的な排出抑制策の可能性を検討すべき」と、ここの表現をばいじんとNOxについて、それぞれ、同様に合わせた修正をしております。

 それから次に、VOCであります。7ページの三つ目の段落のところになります。「従前の自動車排出ガス低減対策やVOC排出抑制対策により、NOxとVOCの濃度は長期的に低下しており、高濃度域の光化学オキシダント濃度の改善が示唆されている」とありまして、この次の「一方、」のところを追加しております。濃度の漸増傾向を初め、光化学オキシダントの発生機構や発生源寄与については、より定量的な解析が求められているという状況がありますことから、環境省の「光化学オキシダント調査検討会」において、これらの検討が今進められているという状況についての記載をさせていただいております。

 それから、めくっていただきまして、8ページの真ん中のところに(短期的課題)とございます。燃料蒸発対策に関する記載のところでありますが、車両への給油時における燃料蒸発ガス対策については、前回の委員会の際に、施設側での対策と車両側の対策、両方の対策があるので、誤解がないように留意をするようにというご指摘をいただいたところであります。この段落の上から4行目のところでありますけれども、「踏まえるとともに、燃料供給施設側での対策と自動車構造側での対策があることから、経済的及び技術的考慮を払いつつ、適切な対策の導入を早急に検討すべき」という、ここの「燃料供給施設側での対策と自動車構造側での対策があることから」というところを追加して、修正をしております。

 以上が、固定発生源についてでありまして、以下、(2)移動発生源に続きますけれども、移動発生源に関しましては、前回から特段の変更はしてございませんで、オフロード車を含め自動車の単体規制、NOx・PM法の総量削減計画、それから、船舶の条約や海洋汚染防止法に基づく規制強化が順次実施されてきております状況と、今後もその強化が予定されておりますことから、引き続き、着実にその実施を図ることが適切であるという整理にしてございます。

 さらにめくっていただきまして、10ページになりますが、(3)その他でございます。その他としては、アンモニア発生源と野焼きについて整理してございます。これについても、前回から特段の変更はしてございませんが、アンモニアについては、窒素負荷低減対策としてこれまで推進されてきた対策を今後も推進していくことが適切であるとしている一方で、非常に不確実性が高いとされる排出量の把握など、科学的知見の充実を図り、その結果を踏まえ、排出抑制策の検討を中長期的に進めることと整理しております。

 また、野焼きについても、一般への周知や、気象条件に応じて実施しないような要請をしつつ、中長期的には、野焼きの影響についての実態把握を行い、その結果を踏まえ、必要な対策の検討を進めるべきであると整理をしております。

 最後に、Ⅳの今後の検討課題でありますけれども、ここはPM2.5の排出抑制策を進める上での基礎となる科学的知見の充実に関することと、種々の対策に総合的に取り組むことの必要性と、その際の検討課題について整理した箇所でありますが、それぞれの段落に、越境汚染対策に関する記述を追加しております。

 1段落目につきましては、3行目の越境汚染の解明、それから、それに続きます4行目の「その際、中国、韓国をはじめとする東アジア地域において、大気環境モニタリングデータや発生源情報等を集積・共有していくことが重要である」と、ここに追加をしております。

 また、2段落目につきましても、終わりから3行目の「また、」のところでありますが、「また、国内の排出抑制策と合わせ、東アジア地域における大気汚染対策を推進するための技術協力に取り組む必要がある。」と追記をしております。

 最後の三つ目の段落につきましては、対策の実施状況のフォローに関することでありまして、これについては、前回の委員会の中で、その削減効果の検証の重要性と、その検証をしていくためには、削減効果等を再現できるようなシミュレーションモデルの高度化が重要であるというご指摘をいただいたところでありまして、追加をさせていただいた部分となっております。

 資料2につきましては、以上であります。続けて、資料3の方に、各課題の検討のスケジュール(想定)として整理をしております。これも前回の委員会の中で、短期的課題、中長期的課題といった場合に、どのような時間的なイメージを持って進めるのかという、その具体的なイメージをもう少しわかりやすく整理をしてもらいたいというご意見をいただいたものです。今回、想定として、議論の参考にしていただくための資料として整理をしたものであります。

 項目のところでありますけれども、この中間取りまとめ案のそれぞれの項目を上から順番に並べていまして、短期的課題と中長期的課題、それぞれ、整理をしております。

 短期的課題としては、ばいじん、NOxの排出抑制対策の検討、燃料蒸発ガスの排出抑制対策の検討となっておりますが、検討スケジュールのイメージとしては、27年から検討を開始しまして、概ね平成28年度中ぐらいには、その対策の具体化を図るというイメージかと考えております。必要なものについては、審議会等で議論の上、制度化をすると。およそこのようなスケジュール感を想定しているところです。

 移動発生源については、それぞれ、これまで規制の強化が実施されてきており、また今後も、そのスケジュールが決まっているものについては、着実に実施をしていくという流れでして、右のほうに矢印が平成30年以降まで延びておりますが、このスケジュールを着実に実施していくという整理であります。

 アンモニア、野焼きについては、それぞれ、短期的なものと中長期的なものがございまして、斜線で区切っておりますのはそのためでありますけれども、負荷低減対策の実施とあわせて、排出量の把握ですとか、実態の把握については、これは将来的に科学的知見の充実を踏まえた総合的な対策の検討のほうにつながる流れとなってくるということで、点線で下のほうに向かって矢印をつないでおります。

 まず、中長期的課題のところでは、VOCに関する科学的知見の充実、二次生成粒子の生成機構の解明等、各項目について整理をしておりますけれども、こちら、中長期的にはなりますが、一応の区切りとして、平成29年度までの矢印で整理をしております。3年で調査研究等が全て終わるものではないかと思いますけれども、一応の区切りとして、3年間、調査研究をして、その時点で得られた知見をもとに、どのような対策が考えられるかということは、その都度、検討をしていくと。そこで残った課題につきましては、引き続き、調査研究等を続けていくような課題も出てくるかと思いますが、調査研究についても、概ね平成29年度までの3年間を一定の区切りとしていくことを考えております。

 本文、中間取りまとめの方の各課題についての検討スケジュールの想定ということで、資料3について、整理をさせていただきました。

 資料2と資料3の説明につきましては、以上でございます。

【大原委員長】 はい。コンパクトに説明していただいて、ありがとうございました。

 資料2につきましては、前回資料からの修正点あるいは加筆点を中心に、また、資料3につきましては、今回、新たに事務局のほうで整理していただいた、そういう資料ですが、その全容についてご説明いただいたところであります。

 冒頭、事務局からご説明ございましたが、本日は、パブリックコメントに付す中間取りまとめ案、これを取りまとめたいというふうに考えておりますので、十分に時間をとって、ご議論をしていただきたいというふうに考えております。

 議論の進め方でありますけれども、前回と同様に、二つのパートに分けて議論していただきたいというふうに考えております。まず、前半のほうですが、4ページ目、2として、既存の施策の評価と排出抑制策の在り方というのがございますけれども、これ以降が今日の大きな論点になろうかというふうに考えておりますので、こちらのほうに時間をかけさせていただきたいというふうに考えています。

 まずは、前半部分の1ページのⅠ、はじめに、それから、Ⅱの背景、それから、2ページ目のⅢの微小粒子状物質(PM2.5)対策の在り方の中の第1章、国内発生源及び越境汚染の寄与割合、ここまでについてご議論いただきたいと思います。この部分につきましては、前回から大きな変更がないというふうに考えておりますが、ご意見などありましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

 どうぞ、坂本委員。

【坂本委員】 やはり少しつけ足したほうがいいかなと思うのは、はじめにのところで、6行目ぐらいになりますけども、環境基準の達成率は3~4割と低い状況にあるということですけども、やっぱりまだ成分組成から見ても、例えばエレメンタルカーボンが多いとか、自動車との違いがあるということは明確に書かれたほうがいいというような気がします。そういう意味で、これは一般環境測定局というんでしょうか、自動車排出ガス測定局でしょうか、それぞれが、片方が3割で、片方が4割というのがわかったほうがいいなという印象を持ちます。

 それから、もう一つ、1ページ目で、後半のほうでは、やはりアンモニアもいろいろ議論がされているにもかかわらず、1ページ目の下から3行目のところにはアンモニアが入っていなくて、そして、アンモニアがいろんな形で、今後、例えば自排の中から出てくるとか、それから、もしくは、いろんな形で使われていたもののアンモニアガスが出てくる。農業以外のものもあるということでは、やはりここか、その次の2ページの1、2行目ぐらいのところに、人為起源と自然起源の両方にまたがってアンモニアがあるとかいうような表現でもいいかと思うんですけど、ちょっとそこは検討をいただきたいというふうに思います。

 以上です。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 いずれも的確なご指摘だというふうに思いますが、事務局のほう、いかがでしょうか。

【是澤課長】 ご指摘を踏まえて、修正させていただければと思います。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 なければ、これで前半のほうについては了承されたということで、後半のほうの4ページ目の2章、既存の施策の評価と排出抑制策の在り方で、11ページ目までになりますが、それと11ページ目のⅣの今後の検討課題と、これについてご議論いただきたいと思います。また、中間取りまとめ(案)とは別になっておりますが、先ほどご説明いただいた資料3、各課題の検討スケジュール(想定)、これにつきましても、あわせてご議論いただきたいと思います。

 それでは、ご質問あるいはご意見等ございましたら、名札を立てて、多分いろいろとご意見あろうかと思いますので、わけがわからなくならないように、名札を立てていただければというふうに思います。1時間程度、時間を用意してございますので、じっくりと議論していただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。どなたか、いかがでしょうか。

 どうぞ、梶井委員、お願いします。

【梶井委員】 ちょっと細かいことになって恐縮なんですけれども、それとあと、前回の議論のとき、ちょっと参加できなくて、もしかしたら議論があったことかもしれませんが、あらかじめお断りした上ですけども、8ページの一番下から5行目のところなんですけれども、「SOx、NOx、PM、HC等」というふうに出てくる。そのHCというのにちょっとひっかかりまして、そこまでの議論では、ずっとVOCということで議論が進んできて、ここで、初めてハイドロカーボンが出てきて、それで、その次のページにもハイドロカーボンがあって、その後にノンメタンハイドロカーボンという、我々、専門にしている人間にはよくわかるんですけれども、例えばノンメタンハイドロカーボンというのは反応性なんかの議論はなく、炭素の数が重要だという考え方だし、ハイドロカーボンもそれに似ていて、VOCになると、もう少し個々の反応性みたいなものは議論して、反応性の高いもの、低いものを分けて考えたり、アルデヒドみたいなものも含みましょうというような意味合いで、VOCのほうがはるかに科学的な知見としては重要であるという認識から、VOCという言葉にずっと多分なってきたんだろうと思うんですけれども、ここ、パブコメというのは、どの程度の方々を対象にするのかにもよるかと思うんですけども、そういう流れを知っている人間には全然問題ないんですけども、そうでないとすれば、少しその辺がわかるような形で説明を加えるか、もう全てVOCということにするか、何かちょっとその辺、工夫されたほうがよいのかなというのはちょっと感じました。

 以上です。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 これは多分行政側の理由があろうかというふうに思いますので、ちょっとご担当の方からご説明をお願いできますか。どなたがよろしいでしょうか。、お願いします。

【是澤課長】 自動車の特に炭化水素系のものの排出削減については、これまで、HCで排出削減の目標を定めて、実施してきたというような経緯がありまして、このような表現になっているわけでございますけれども、ご指摘ごもっともかと思いますので、もう少しこれらの違いとか、わかりやすくなるように、工夫をしたいと考えております。

【大原委員長】 確かにご指摘のようにちょっとわかりにくいので、ここは説明を少しつけて、わかりやすくしていただくのが。

【是澤課長】 はい。

【大原委員長】 どうもありがとうございました。

 それでは、名刺が立っております。順番に時計回りで行きたいと思いますが、釜谷委員、お願いします。

【釜谷委員】 電気事業連合会の釜谷でございます。

 まず最初に、お礼を申し上げたいと思います。前回の委員会で意見を申し上げた資料3をはじめ、いろいろなところを反映いただきまして、本当にありがとうございます。感謝申し上げたいと思います。

 その上で、意見を申し上げるのもちょっと申し訳ないのですが、固定発生源のところについて申し上げさせていただきたいと思います。

 まず、例えば5ページから始まるばいじんのところで、次の6ページの最初の段落のところ、いろいろな規制が行われてきたけれども、「昭和57年以降、排出基準の見直しは行われていない」という書き方になっておりますと、ずっと何もやっていないような誤解を受けるのではないかと危惧をしております。この部分は、いろいろな規制をしきて、技術的な対策をいろいろと進めてきた結果、ばいじんはほぼ半減している事実があって、見直しは行われていないというつながりになると思っております。そういうつながりがわかる記載にしていただきたいと思います。

 この書き順につきましては、SOxにつきましても、NOxにつきましても、同じような書き順になっておりますので、我々が、しっかりと対策を進めてきた結果、事実として削減できているので、最近は基準が見直されていないという流れにしていただけると、より誤解が生じないと思います。

 それから、あと1点、短期的課題と中長期的課題の中で、例えばこれはNOxで申し上げたほうがわかりやすいと思いますが、7ページのところで、NOxの短期的課題、中長期的課題がございます。この短期的課題のところに、2行目の後半で、「経済的及び技術的考慮を払いつつ」云々となっているんですが、ここに、ぜひ「科学的知見」という単語も入れていただきたいと思っております。といいますのは、中長期的課題のほうには「科学的知見の充実を踏まえて」が入れていただいているわけですが、その短期的課題についても、得られた科学的知見があれば、それは順次、反映していただく姿勢があったほうがいいということでございます。例えば短期的課題については、「得られた科学的知見を取り入れつつ」とか、科学的知見とリンクしているというのがわかるような表現がいいということでございます。

 あと最後ですが、今後の検討課題として11ページにしっかりと書いていただいておりますので、修正云々ではなく意見でございます。やはりこの東アジア等も含めた、国際的なものも含めた全体をきちんと把握するというのは非常に重要なことだと思っておりますので、発生源の排出実態、抑制対策などをしっかりと把握した上で、全体の対策を考えていくことが非常に重要だと思いますので、ぜひその辺り、よろしくお願いしたいと思います。

 私からは以上でございます。

【大原委員長】 どうもありがとうございました。

 それでは、3点ほどご指摘いただきました。1点目は、6ページ目の一番最初の段落ですね。このところでありまして、ちょっと書きぶりがどうかといったようなことでありますが、ここについて、事務局から、多分考え方があろうかと思いますので、お示しいただけますか。

【是澤課長】 まず、ご指摘のとおり、今の書き方として、まず排出量について述べて、次に規制がどういうふうに変わってきたか、そして、最後に技術の状況ということで、記載しているわけでございます。

 原案を書いた意図としましては、極めて淡々と事実関係を整理しているということでございまして、もちろんその規制強化の結果、排出量が減ってきた、あるいは、技術開発の結果、減ってきた。いろいろなことはあろうかと思うんですけれども、なかなかそれがどういうふうな関係にあるかというところまで分析するのは難しいところかなと思いますので、こういう流れでこうなりましたというよりも、淡々と、排出量はこうなっていますと、規制はこうなっています、あるいは技術はこうなっていますというような書き方にさせていただいたということでございます。

 それから、2点目のところで、短期的課題、特にNOxのところについて、「得られた科学的知見を取り入れつつ」というような表現を追加してはどうかということでございました。これにつきましては、そもそも短期的課題というものをどういう観点で整理したかというところに、立ち返るわけでありますけれども、5ページの上、2行、3行の辺りに、その考え方を記述してございます。「PM2.5の生成機構や発生源の寄与割合について科学的に解明すべき課題が残されている。PM2.5を構成する成分が多く種々の対策が必要である」、こういったことはもちろんあるわけで、それを踏まえて整理をしていったわけですけども、その短期的課題というのは、「現時点の知見、現時点の科学的知見に基づいて、既存の大気汚染防止施策をPM2.5対策の観点を加味して更に推進していく」ということで整理をさせていただいたということでございまして、その科学的知見を踏まえて、もちろんやるんですけども、現時点のものに基づいて実施していくべきものを整理させていただいたということで、考え方はここに示しておりますので、あえて、その個別の短期的課題のところに、さらに「取り入れつつ」とか「科学的知見」というような形で加えての追加はしていないということで、整理をさせていただいております。

 もちろん、そもそも経済的、技術的考慮という中には、科学的知見というのが入っているわけでございますし、その前にも「抑制技術の開発や普及の動向等」というようなこともございます。現状における科学的知見、それらを踏まえて、排出抑制策の可能性を検討すべきということは、それはそのとおりだと考えて、その旨、記述しているものであります。

 3点目のご指摘については、コメントとしていただいたということかと。

【大原委員長】 ありがとうございます。

 それでは、1点目、2点目について、釜谷委員、追加のご意見ございましたらお願いします。

【釜谷委員】 できれば、わかりやすいような表現のほうがありがたいと思いますので、お考えいただきたい。

【大原委員長】 一応事務局のほうのご説明がございましたけれども、その考え方というのが一応あって、それをもとにして、6ページ目の1段落目については、その事実を淡々と書きましたという説明で、それはそれで、理にかなっているというふうに思いますし、7ページ目の短期的課題について、「科学的知見を取り入れつつ」ということに関しては、そもそもここで挙げている短期的課題というのは、ある程度、その科学的知見に基づいて考えている対策であるので、その前段のほうで既に整理されているだろうと。そういったような考え方が示されているんだと思いますが、それで特段大きな問題がないように思うんですが、いかがでしょうか。もし、ほかの委員の方から、この点に関してご意見があればお願いしたいと思いますが。

 どうぞ、弓手委員。

【弓手委員】 鉄鋼連盟の弓手です。

 今の意見のところで、我々も同じところが気になります。排出基準の見直しが行われていないので、短期的な課題や長期的な課題につながっているという文脈ではないと思うんで、短期的課題に行く前に、「基準の見直しは行われていないが、その削減は進んでいる」ということを記載いただいた上で、今後は、SOxあるいはNOxあるいはばいじんという個々の話じゃなくて、PM2.5のために、短期的課題や長期的課題を進めるんだという文脈だと思うので、そういうほうが、私もわかりやすいと理解しています。

 以上です。

【大原委員長】 具体的にはどんな修正になりますか、考えられている。

【弓手委員】 6ページの第1段落目を書いていただいた後に、4行目の「排出基準の見直しは行われていない」と、ここで切った後に、5ページの下から2段目の「ばい煙発生施設からのばいじんの排出量は、減少傾向にある」という、この最初の3行を持ってくるということがわかりやすいんじゃないかなという気がいたします。

【大原委員長】 その理由は何ですか。

【弓手委員】 見直しを行われていないということで、その結果、何か全然改善されていないんじゃないかなという流れにつながらないように、見直しは行われていないけれども、結果としては削減が進んでいるという流れのほうがよいと考えますが。

【大原委員長】 趣旨はわかりました。

 ほかにご意見ございましたら、いかがでしょうか、この点に関して。

 もし、可能でしたら、私と事務局のほうで、この部分について、今日のご議論を踏まえた上で、検討させていただくというふうにさせていただきたいんですが、今の点につきましてですが、よろしいですか。どうもありがとうございました。

 7ページ目のほうについては、これは今のような整理で、これについてもよろしいですか。事務局のほうで検討させていただくと、私と事務局で。じゃあ、そういうことでお願いします。

 奈良委員、お願いします。

【奈良委員】 資料3ですけれども、この想定の検討スケジュールというのは、パブコメのほうには使われないというふうに判断しておりますが、ちょっとこの委員会の中で認識統一をさせてもらいたいと思っております。

 短期的課題の中の上の二つほどの項目で、ばいじん、NOxの抑制対策の検討と、燃料蒸発ガスの排出抑制対策の検討が、表だけ見ますと、非常に短期決戦で攻められるというような勘どころがわかるわけですが、蒸発ガスのほうにつきましては、答申案の内容から、またパブコメにかけた内容からして方向性が出ていますので、大体関係部署でも認識されている内容ということで、割にその落としどころはすっきり行くだろうと思ったのですけれども、ばいじん、NOxのほうの対策の検討は、この検討スケジュールを見ますと、28年3月までの期間の1年という短期間で追加排出抑制策の検討を終えて、28年度からは、これは点線で描かれていますけども、早々に「対策の具体化」という表現になっていて、具体化に入る旨、記載されております。

 一方、いただきました中間取りまとめの内容を読みますと、短期的には削減のポテンシャルというものを網羅的かつ具体的に抽出、取りまとめして、インベントリ整備のようなことを行うんだと。それと並行して、中長期的には、そのPM2.5の削減効果の予測だとか、費用対効果の分析の定量化にも努めて、最終的にそれらを総合勘案して、対策の優先順位づけも行って、スケジューリング化して、事に及ぶと私のほうは理解させていただきました。ただ、この理解からしますと、この想定の検討スケジュールのタイムテーブルはちょっと動きが早過ぎるように見えまして、28年度からの「対策の具体化」という表現が少々拙速のようにも思えるのですけども、この点ちょっと補足説明をしていただきますとありがたく思います。

 以上です。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 では、事務局のほうから説明をいただけますか。

【是澤課長】 まず、ここで書いておる検討スケジュール、あくまでもイメージということでございまして、まだ具体的な作業工程等を検討しているわけではないわけでありますけども、最初のばいじん、NOxの排出抑制対策の検討ということにつきましてお話ししますと、そもそも、今、大気汚染防止法に基づいて、ばいじんあるいはNOxについての排出基準値というのが決まっているわけでございます。それを最新の技術情報に照らしてみたら、どのような基準値というのが適切と考えられるのであろうか、あるいはいろんなところで上乗せ条例等で、実態として地域単位ではそこまでの排出削減を義務づけていると。そういったような事例もあろうかと思います。

 さらに、実際、各種の施設における排出抑制の技術の現状と、それに対応するような排出レベルがどうなっているのか、そういった情報を収集、整理してみると、おのずと今後の短期的課題としての排出規制、追加的な排出抑制策の可能性というのは見えてくるのではなかろうかと。そういう情報の収集なり、整理なりという期間としては、概ね1年程度で実施できるのではなかろうかということで、ここに書かせていただいたということでございます。もちろん、そうは言いましても、実際に検討過程においてはいろんな課題も出てこようかと思いますので、どのようなスケジュールで進むかということは、もう少し具体的に作業を始めてみないとわからないところもあろうかと思いますけれども、おおよそのイメージとしては、このくらいの時間かかるのではなかろうかということで、書かせていただいたものでございます。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 奈良委員、追加がありましたら。

【奈良委員】 ありがとうございます。平成28年度のところの想定は、この点線の囲みが年度内に終了していて、矢印が延びていないために、その中長期的課題の反映がされていないと理解したのですか。これは矢印があると見てよろしいんですか、29年度、30年度、のところに向かってです。

【大原委員長】 そちら、ちょっと意味がわからないんですが、これ、短期的課題のところなんですけど、これ、なぜ中長期的課題が入ってくるんですか。

【奈良委員】 答申案のところでは、中長期的課題についても、NOxとばいじんに関しても触れられておりましたので、短期的課題のところだけで整理が終わるのではないのではないかと理解しております。

【大原委員長】 そういう整理ですか。

【是澤課長】 ここで図示しておりますのは、あくまでも短期的課題としてのばいじん、NOx排出抑制策の検討について書かせていただいていまして、ご指摘のとおりで、中長期的課題としての対策については、これは、むしろ下のほうの大きな矢印の中で考えていくことになろうかと思います。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 ですから、多分この資料3を少し修正されたほうがいいですよね。上のほうのその短期的課題についても、中長期的課題として取り組む部分もあるので、その部分と短期的課題がわかるように、仕分けて書かれたほうが誤解がないんじゃないかなというふうに思いますが、そこは事務局として、何かご意見ありますか。

【是澤課長】 ご指摘のとおりかと思いますので、工夫をしてみたいと思います。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 奈良委員、ほかにはよろしいですか。

【奈良委員】 はい。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 それでは、三浦委員、お願いします。

【三浦委員】 石油連盟の三浦でございます。

 まず最初に、今ほど奈良委員の言われた、特にスケジュールのこの27、28の短期的な書き方につきましては、全く石油連盟としても同じ考えを持っておりまして、こちらのほうのご検討とかご考慮というのをよろしくお願いしたいと思っております。

 ちょっと私、意見と申しましても、むしろ質問のほうかもしれないんですけども、まず5ページ目の概要における短期的課題と長期的課題のところなんですけども、短期的課題のところの3行目に、これらの状況等を踏まえて、対策強化の可能性を検討すると。ここの「対策強化」という言葉がございまして、一方、その下の中長期的課題のポツの1のところで、やはりVOCを対象とした排出抑制対策という形のやっぱり「対策」という言葉が出てまいりますが、この短期的な課題での対策と、中長期的な課題での対策というものの具体的なイメージというのがもしありましたら、ちょっとお教えいただきたいというふうに思います。

 といいますのも、8ページ目のいわゆるVOCの内容に特化した記述のところの短期的課題、こちらのほうの2ポツ目のパラのところでは、これはタンクローリから地下タンクへの燃料受入時における燃料蒸発ガス対策において推進するという、これはいわゆるステージ1と呼ばれているものだと思うんですけども、ここでは非常にその対策について具体的に述べられておるんですけども、そのほかのもの、それ以外のもの、もしくは中長期的において、こういったような具体的なイメージというのがありますかというようなところでございます。うがった考え方かもしれませんが、短期的な課題のところでステージ1ならば、中長期は、じゃあ、ステージ2なんですかとか、そういう割と単純な邪推といいますか、類推というのもちょっとできるような気もしますので、その辺の解釈につきまして、ちょっとご知見というか、ご説明いただければなというふうに思っております。

 あともう一つ、この特にVOCの給油時における対策につきまして、技術的課題を当然考慮するということでございますが、こちらのほう、自排専の第五次答申ということを引いてありますとおり、基本的に技術的な検討につきましては、自排専のほうでのご知見を踏まえた上でやると。それがいわゆる資料3の27年度のこの排出抑制対策の検討、及びその続きの対策の具体化というところで、そういったものも含まれると。つまり、あくまで技術的な検討に関しては、自排専等の専門の先生方のご知見とかご意見を踏まえた上で、こういったものが全体として進んでいくというような理解でよろしいのかということをご質問いたしたいというのが第1点でございます。

 あともう一つ、すみません、意見と、質問ではなくて、ちょっと言い訳っぽくなるお話で申し訳ないんですけども、7ページ目の下から8ページ目にかけまして、燃料小売業の排出、自主的な取組において削減が進まずに、低減が見られないというようなご記述をいただいています。ここのところ、前回の記述よりもかなり内容を勘案していただきまして、全く進んでいないのではないんだよというニュアンスが受け取れましたので、修正していただきまして、大変ありがとうございます。

 ただ、やはりインベントリのグラフ、こちらのほう、別添のほうにあると思うんですけども、見ていただきますと、やはりこの棒グラフにおいては全く進んでいないように見えるんですけども、こちらのほうを拡大してみますと、やはり17年から最新の24年のところで見ますと、10%ぐらいは若干減っています。別添の11ページの別添6というところですか。10%ぐらい減っておりまして、これは対策というよりも、むしろ需要見合いで減っているというようなトレンドがございまして、その辺のところというのをご理解いただきたいなということでございます。

 そして、なぜ、この対策、自主的な対策が進まなかったかというようなことなんですけども、やはりこちらのほうというのが、今、現状の知見で、燃料小売業におけるVOC排出対策の方策というものが、先ほど申しましたステージ1、ステージ2といったような、比較的、大きな投資を伴うものというふうに限られているところがございますので、そういったものを自主的にやり始めるとなりますと、かなりこれは中小、零細の多い、こちらの燃料小売業につきましては、非常に負担が多いというようなこともございますので、なかなかちょっと他業界に比べて、進まなかったというようなことをちょっと補足させていただきたいなと思っております。

 一方、先ほど申しました需要減によりましてVOCが減るということは、実は、今後、石油業界のこれはあまり胸を張っていう話でもないんですけども、特にガソリンの販売量につきましては、今後、やはり単なる景気、不景気の波ではなくて、エネルギー政策とか、そういったような今後のエネルギーミックスの話も含めまして、だんだんその需要自体は減ってまいりますというふうに見られております。その結果としてVOCが減るということは、ある意味、対策という意味では、あまり努力というところではないのかもしれませんが、少なくとも、環境に寄与するという要因としては、その需要減による排出の減少というものの効果は、恐らく小さくないものだと思っておりますので、今後の対策におきましては、そういったような需要とか、需給のトレンド等を含めましたご検討をしていただければというのが希望でございます。

 以上でございます。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 少し整理しますと、主なご指摘のポイントは、8ページ目のVOCに関する中長期的な課題の少し具体的なイメージはどんなものなのかと。もし、イメージがあるならば、ちょっと説明されたいということと、それから、もう一つは、短期的課題の中のこの燃料蒸発ガス対策の技術的な検討については、この中央環境審議会の別の検討会ということでよろしいんですか。ここで検討するのかというご質問、その2点だというふうに思いますが、それでよろしいですか。

 では、事務局のほう、ご説明をお願いします。

【中谷室長】 すみません、環境管理技術室長の中谷でございます。

 燃料蒸発ガスの対策について、そのスケジュール、どんなイメージかというのをご質問されたかと思います。今、現時点で考えておるスケジュールですが、ここに、8ページに書いておりますように、短期的な課題という部分がありますが、その最初のポツに、五次答申で課題とされたものを、これに対して早急に取り組むということが書いております。これはどういうことかといいますと、先ほど、資料3でスケジュールをイメージをつくっておりますが、この1年ぐらいの間で、その第五次答申で課題とされたものについて、やはり何かしらの具体的な対策を、何か結論を得たいなというのがスケジュール感でございます。もちろんいろいろ業界の方のご意見というのは、その中でいろいろ聞いた上での新しい課題とかがもし出てくれば、それはしっかりとじっくりと時間をかけてやる必要はあるかと思いますけども、今の時点では、こういうスケジュール感で、短期的なものでいろいろ結論を出したいなと思っております。

 補足があれば、後でいただきたいと思いますが、二つ目で、どこで扱いますかというところなんですが、自動車の対策というものも関係してきますので、燃料供給側に加えて、自動車側の対策というのもいろいろ議論しないといけないと思っておりますので、自動車排出ガス専門委員会のほうで扱うということで、今、考えているところでございます。

 以上でございます。

【大原委員長】 ありがとうございます。

 お願いします。

【是澤課長】 若干補足をさせていただきます。短期的課題、中長期的課題のイメージということでございますけども、前の5ページ目に簡単に書いておりまして、それをより詳しく解説したものとして、個別の項目のところで説明していると、そういう考え方でおります。それを踏まえますと、短期的課題のところに書いておりますのは、今の給油時における燃料蒸発ガス対策ということでございまして、あと、もちろんタンクローリから地下タンクへの燃料受入時の部分もございます。ですので、これはステージ1、ステージ2という呼び方で言えば、両方とも短期的課題という認識でいるということであります。

 一方、じゃあ、中長期的課題としてイメージしているものは何かということでありますが、これについては、特にPM2.5、あるいはオキシダントのその生成能の高いVOCというのをまず特定をしていって、その上で、そういう効果の高いものに対しての排出抑制策というのを考えていくというようなこと。あるいは、また、いろんな定量的な予測精度の向上を踏まえた上で、よりそのターゲットが絞り込めてくれば、その対策を講じていくというようなことになろうかと思います。ですので、その個別の課題が何か具体的に、今、現時点でイメージしているというわけではございませんけども、今申し上げましたような科学的な知見の充実を踏まえて、対策を検討していきたいというふうに考えております。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 三浦委員、追加のご意見等はございますか。

【三浦委員】 ご説明ありがとうございました。中長期的課題は、いわゆるここにありますとおり、PM2.5及びオキシダント生成能の高いVOCという個別の内容まで踏み込んで、きめ細かい対策という形になっていくのかなとちょっと思ったんですけども、結果として短期のほうというので、例えば現時点の知見を踏まえてというような対策というふうに、先ほどご説明いただいたんですけども、そこで、例えば給油所の場合、今おっしゃったように、ステージ1、ステージ2というものを仮にここで導入なりするという話になった場合に、その一方、それを最初にやってしまって、中長期の課題でさらにその上という、短期的課題で足りないものを中長期の結果によってさらに上乗せするという話ではなくて、単にこの短期のステージ1、ステージ2って、もう最大限のこれは方策であって、中長期の結果によって、いや、実はそこまでやらなくてもよかったとか、どちらかというと、中長期の結果によって、むしろここの短期で課せられるものがもうちょっとそこまでやらなくても、軽減した対策で済んだのではないかというような、ある意味、揺り戻しのような話にならないのかなというのがちょっと危惧しておりまして、そういった意味で、短期、中期の関係というものを、ある意味、規模的に言うと、むしろ最初にやり過ぎて、後からそうでもなかったというような話にならないようなことをちょっと考慮していただきたいという意味で、短期と長期のバランスというものを単にシーケンシャル(Sequential)にやるということではなくて、先ほど奈良委員からもご指摘があったと思いますけども、中長期的課題というのも、やはり短期の対策について、非常に関係しつつ検討していくという形でお願いしたいなというふうに思っております。

 以上です。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 私の理解は、短期的課題というのは具体的な対策、ここに書かれているような対策について取り組むと。一方、中長期的課題としては、ご存じのように、VOC発生源はたくさんありますと。いろいろな成分出ていますねと。また、削減するためにはいろいろの技術が必要ですねと。しかも、VOCからPM2.5になるメカニズム、十分にわかっていないところも多々ありますねと。そういったようなところから、科学的な知見がまだ不足しているので、科学的知見の蓄積を踏まえつつ、VOCの包括的な削減対策を考えるというような視点も必要なんじゃないだろうかと。そういったような意味での少しスコープを大きくした、そういう課題なんだろうというふうに私は理解していて、それはぜひPM2.5だけではなくて、オキシダント対策を考える上でも、これは取り組むべきことだろうというふうに考えており、そういう整理をしていただくとわかりやすいんじゃないかなというふうに思いますが、事務局から何か補足ございますか。

【是澤課長】 今、委員長に整理をしていただきましたような考え方で進めていけたらと思っているところでございます。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 それでは、弓手委員、お待たせしました。すみません、よろしくお願いします。

【弓手委員】 鉄鋼連盟の弓手です。

 今後、国内でPM2.5の排出抑制策の可能性が検討されるということが記載されておりますけれども、ぜひ検討にご協力させていただいて、一緒になってやっていきたいと思いますので、引き続き、よろしくお願いいたします。

 その上で、ちょっとお願いと確認事項がございまして、今回の中間取りまとめ案で、先ほど来、同じところで議論があったんですけども、短期的課題、固定発生源のばいじんとNOxについてですけれども、「経済的及び技術的考慮を払いつつ」という言葉を盛り込んでいただき、大変ありがとうございます。この技術的考慮というところが、具体的にどういう意味なのかなということで、少し疑問に思っていたのですが、先ほどのご説明の中で、現時点の知見に基づいてというお話をいただいて、少しわかってきたのですが、この現時点の知見というのが、どの範囲なのかということをもう一度確認したいんですけれども、例えばPM2.5の削減効果を評価するということも、技術的考慮という言葉が意味しているのかどうかと。PM2.5の削減効果、これについても評価をしつつ、経済性と削減効果を、てんびんにかけながら考えていくということが必要と思いますので、そのように捉まえさせていただけるとありがたいと考えています。

 我々、対策費用とその効果を考慮、検証いただくということが、対策実施に当たって、やっぱり必要な条件と考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。そのような前提で考えた場合、先ほど来ございますけども、短期的課題ということの検討期間が1年間というのが非常に厳しいという気もいたしまして、期限ありきで対応を決めるということにならないように、重ねてお願いしたいと思います。

 中長期的課題に関しましては、技術的な検討を行って、効果的な対策を実施するということで、こちらについても、同様に対策費用と効果を考慮した上で計画を立てて、また、そのやった結果を検証しつつ、進めていただくというプロセスになると考えておりますが、よろしくお願いいたします。

 また、以上申し上げたようなことが、この「技術的考慮」という文言だけだと若干わかりにくいと思いますので、できましたら、文章のほうにも反映いただけるとありがたいと思います。

 以上です。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 技術的な考慮とともに、その中にPM2.5の削減効果といったようなことを入れるべしというご指摘だったというふうに思いますが、事務局のほう、いかがでしょうか。

【是澤課長】 まず、PM2.5について、今、どこまでのことがわかっているのか、できるのかということで考えた場合に、ある排出削減対策を講じた場合に、それが例えば定量的にどの程度の効果をもたらすかというようなこと、これは物によっても違うかもしれませんけども、なかなか精度を高く、そこまで予測することは難しいというのが現状だというふうに認識しております。そういうことから踏まえると、現時点での知見に基づいて、やれることはやっていくという考え方で、今、短期的課題というのを整理しております。そういう意味で、PM2.5の削減効果ということについて言いますと、ここに書いております、短期的課題として取り組むべきと書いてあります事項、このそれぞれの対策については、定性的にはPM2.5の排出削減に効果があるというふうに認められているものだというふうに考えております。したがいまして、そういう定性的に効果があるというものについて、じゃあ、具体的にどこまでの排出削減ができるのか。それを、排出削減というのは、言ってみれば、ばいじんの排出削減量であり、あるいはNOxの排出削減量になるかもしれませんけども、そういったものについて、どこまでのことができるのか、あるいは、それに対する経済的な対価というものはどういうものなのか、その辺りの考慮を払いつつ、追加的な排出抑制策の可能性を検討すべきと、そういう考え方で記載をさせていただいているというところでございます。

【大原委員長】 期間についてはどうですか。検討の期間が短いのではというご指摘もあったと思いますが。

【是澤課長】 今のような趣旨での検討ということですので、実際にその大気中のPM2.5の濃度がどれだけ定量的に削減できるかというようなところまで踏み込もうとすると、これは相当な長期間の検討が必要になろうかと思いますけれども、これまで排出基準値を設定してきた際と同じような考え方で、ベスト・アベイラブル・テクノロジー的なニュアンスで基準値を設定してきたような経緯もございますので、そういう考え方で排出抑制策を考えていく場合には、1年ないし2年というような検討期間でのスケジュール感でできるのではないかと考えているということでございます。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 弓手委員、追加をお願いします。

【弓手委員】 精度を高めて答えを出すというのは、これは長期的な課題だと思いますので、それを踏まえつつ、やるというのは無理があると思うんですけれども、一方で、例えば多くの設備があって、それぞれにばいじんの対策、NOxの対策、VOCの対策と、いろんな視点で改善を求められるといったときに、どの地域のどの設備をどのように手をつけていくかというのは、いろんな選択肢がある中で、どういうところが効果があるのかという視点がないと、なかなか対象を絞り込めないという懸念もございまして、そういった視点をぜひ検討の中には加えていただきたいということを、重ねてお願いしたいと思います。

【大原委員長】 追加、事務局からございますか、ご意見は。

【是澤課長】 排出抑制対策を考えていく上で、いろんな地域性あるいは設備、あるいはその組み合わせ等々、考え方はあろうかと思いますので、そういう内容自体も経済的あるいは技術的な考慮ということになろうかと思います。現状を整理し、どこまでの対策ができるのか、講ずべきかということで考えていきたいと思っております。

【大原委員長】 どうぞ。

【早水審議官】 1点、補足しますと、今のご指摘の点は、その前の排出抑制技術の開発や普及の動向というところも、そこにはきっと含まれていると考えますけれども、いかがでしょうか。

【弓手委員】 今、ご指摘いただいたように、もし、BAT/BEPという概念だけで、すべからく適用されるというような、そういう粗い話ではないと思うんですけれども、そういったことになると、非常に負担が大きくなってしまって、削減効果のほうが不十分ということになりかねないということを懸念しておりまして、そこの評価を「技術的に考慮する」という中で含んでいただいているということであれば、私の要望は、この文章で反映されていると理解いたしますけれども。

【大原委員長】 今の点ですが、事務局で追加して加筆していただいた「経済的及び技術的考慮を払いつつ」という、これで大体読めるんじゃないかなというふうに思うんですが、それで、その対策効果あるいは削減効果云々については、これ、一次粒子なので、その排出量が減れば、大気中のPM2.5は確実にこれは減る。何%減るかは、それは定量的な議論を待たなくてはいけないんですが、そういう意味では、半定量的に、ですから、排出量という意味では少なくとも何%減るというような、そういう解析、見当もできるわけで、そういったような意味では、かなり確実性の高い対策ではないかなというふうに考えてもいいのかなというふうに思いますが。

 何か追加のご意見、もしございましたら。

【弓手委員】 今後の実行段階の中で、またいろいろ議論させていただきながら、進めていただければと思いますので、よろしくお願いします。

【大原委員長】 どうもありがとうございました。

 ほかにご意見は、どうぞ。

【上野委員】 すみません、ちょっと3点ほどあるんですけれども、一つ目が、8ページの今のVOCの対策なんですけれども、(短期的課題)とあるすぐ上の段落に「日本国内でも既にいくつかの自治体の条例で義務付けされているが、同答申において『今後推進していくことが強く望まれる。』とされている。」とあります。そして、短期的課題の二つ目のポチのところには、「さらに、タンクローリから地下タンクへの燃料受入時における燃料蒸発ガス対策についても、速やかに推進していくべきである。」と書かれているんですが、これですと、ちょっと誤解を招きそうな感じがしまして、自治体で義務づけされているところにつきましては、もう既にこのステージ1が普及しているはずですので、それを一言入れていただきたい。あるいは「速やかに推進していくべき」とありますが、「それが普及していない地域においては」とか、そういうのを入れたらどうかなというふうに思います。

 2点目なんですけれども、9ページのイの船舶のすぐ上の自動車のところなんですが、短期的課題の最後のポツで、「また、自動車の駐車時に排出される燃料蒸発ガス対策についても」とありますが、駐車時だけでなく、走行時にも一応燃料蒸発ガスが排出されるというのがありまして、少なくともアメリカでは規制されておりますし、自動車側の対策を考えたときには、この走行時の蒸発ガスというのも当然検討されるべきものであると思いますので、「駐車時及び走行時」にしたらどうかというのがもう一つです。

 そして、3点目は、ちょっと質問なんですけれども、資料3の表におきまして、改正MARPOL条約のところなんですが、27年度、28年度に、指定海域で規制強化と書いてあるんですけれども、ちょっと私、記憶は定かでなく、申し訳ないんですが、日本ではこの指定海域というか、海域指定というんですか、これ、やらないとかいうのを何かちらっと聞いた気がするんですが、その辺のところ、ちょっと教えていただきたいというのが3点目です。

【大原委員長】 どうもありがとうございました。

 3点、ご質問、ご意見いただきました。それでは、事務局のほうから順番にお願いします。

【中谷室長】 順番にお答えいたします。まず最初に、燃料蒸発ガス絡みでいただきました2点につきましてお答えします。

 一つ目に、もう既に自治体でやられているところがあるということです。それは、まさにごもっともなご意見でございまして、短期的課題のところは、ご指摘のとおり、ちょっと修正を既にやられているところはやられていますということで、書き分けたいと思います。ご指摘のとおり、修正したいと思います。

 それから、二つ目のご指摘で、9ページの自動車の対策、同じく燃料蒸発ガスの項目ですが、これもご指摘のとおりでございまして、走行時にも出てくるのは我々としても把握しておりますので、こちらも「駐車時及び走行時」ということで、あわせて、ご指摘どおり修正させていただこうと思います。

 燃料蒸発ガスにつきましては、以上でございます。

【大原委員長】 では、3番目の船舶のをお願いします。

【伊藤補佐】 指定海域の状況なんですけれども、これはちょっと正確に何年度か、承知をしてないですが、国交省において指定海域の検討をした際に、その時点の検討の結果としては、指定はしないという報告を取りまとめられたというふうに認識をしております。

【大原委員長】 お願いします。

【早水審議官】 1点目の遅れているところについて、そこをどう書くかは、直感的には、何か燃料蒸発ガス対策についても、例えばですけど、「全国的に」とかいうような表現でもいいかなと思いますが、その書き方については、もしよろしければ、委員長と相談させていただければと思います。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 3点ほどご指摘いただきましたが、よろしいでしょうか。クリアされましたか。追加ございましたらお願いします。

【上野委員】 ちょっと3点目だけなんですけれども、これは、そうすると、何ですか、指定海域はないということですと、こういうふうに書いてしまってよろしいものなんですかね。素朴な疑問なんですが。

【大原委員長】 いかがですか。ちょっと答えづらい。

【坂本委員】 これは別の事情から、指定海域をむしろ設定するように……。

 要求をする必要がある話になりませんか。東京湾辺りの実情を考えた場合には、もしそうだとすれば。

【小野課長】 ちょっとこれにつきましては、事実関係をきちっと把握した上で、記述ぶりについて、ちょっと検討させていただきたいと思います。この記述が必要かどうかも含めて検討させていただきたいと思います。

【坂本委員】 記述が必要かどうかということだけではなくて、むしろ、今、実際的なことを考えた場合には指定海域を、日本の場合に東京湾とかこういった地域については、むしろ指定をするような形をこちらのほうから、これは国交省なんですか、あれは、そちらへ要求を出して、なぜかというと、幾つかのこういう大気汚染問題とか何かで、かなり湾内を走行する船の油が大きく影響をするというような間接的な情報がだんだん増えている状況にあります。

【小野課長】 ありがとうございます。今の記述は、坂本先生がおっしゃったような意図ではなくて、事実関係を書いているということでございますけれども、ちょっと坂本先生のようなおっしゃった意見が、短期的な対策として適切かどうかというところも含めて、ちょっと検討をさせていただきたいと思います。

【坂本委員】 いや、ちょっと私、納得はまだできないんですけれども

 MARPOL条約に基づく船舶排ガス規制の実施強化で、そういう意味合いのところに、今、燃料油規制強化、そして、NOx三次規制、ただし、こういったものが行われるのは指定海域だよという形で書いてあるわけですけど、それと私の言ったのと、さっき、違うのかね。

【小野課長】 すみません、事実関係としては、ここに書いてあるとおりでございますけれども、つまり、指定海域に含めるように要求するとかという意図で、これ、今の現状では書かれていないと。

【坂本委員】 で、指定海域になるんですか、ならないんですか。

【小野課長】 今のところはならないという。

【坂本委員】 だったら、ここに書く意味があるの。

【小野課長】 ですから、そこも含めて。

【坂本委員】 ここに書く意味があるんですか、それ自体。

【小野課長】 ここに書く必要があるかどうかというのをちょっと検討させてください。

【坂本委員】 いや、それは違うよ。排出抑制に意味があるものを書いているわけでしょう、これは対策だから。それ、国語の問題ね。

【小野課長】 ですから、場合によっては、必要ないかもしれないという意味でございまして、ちょっと事実関係をもう一回確認させていただいた上で、記載すべきかどうかも含めて検討したいと。

【坂本委員】 おかしな話だね。

【三浦委員】 よろしいでしょうか。国内の周辺海域にECAを設定するかどうかという検討は、国交省において、ちょっと私、昨年度でしたか、たしか平成13年に「船舶からの大気汚染物質放出規制海域(ECA)に関する技術検討委員会」で検討していただいて、一応結果としては、費用対効果とか、シミュレーションなんかを海洋技術安全研究所とかでやった結果として、効果と共に燃料コストが上がるという話もあって、石油も含めて、船業界も含めて検討した結果、一応国交省のその検討委員会におきましては、今、早急にECAは導入する必要はないというような整理になりました。

 それはなぜかというと、一つに、ここの報告書にも書いているんですけども、いわゆる一般海域の燃料の硫黄分規制というものが2020年か2025年に、今、現状は3.5%に抑えられていたものが、0.5%まで下げるという、今のところはMARPOLの予定になっておりまして、これが導入されると、当然のことながら、近海域、いわゆるECAとして設定しようとしていたところも、当然硫黄分が下がるので、その効果も踏まえると、この国際規制の動向を見極めてから、さらに検討しましょうというような整理になっていると理解しております。

【大原委員長】 ありがとうございます。

 その上で、坂本委員、追加のご意見ございますか。

 この点につきましては、また後ほど、もう一回。

 お願いします。

【早水審議官】 本件につきましては、ほかの省庁の関係もございます。坂本先生のご趣旨は理解いたしますので、今、三浦委員から補足説明もありましたが、対策強化で減っていくと見込まれていく部分があるのと、さらに追加が必要かどうかという話が多分出てくると思いますので、その事実関係を踏まえて整理したいと思います。当初の意図としては、着実に削減が進んでいくというものだという理解でここに書いたつもりでありますが、そういう意味で、事実関係が正しくなければ整理をしたいと思っております。対策として進むということで正しければここに書きますし、そうでない部分があれば、そこはちょっと不適切になりますので、もう少し確認した上で、ここに当てはまるように書きたいと思います。

【大原委員長】 そうですね。ちょっと確認が必要かというふうに思いますので、ここではそのような整理にまずさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

 ほかには、奈良委員、お願いします。

【奈良委員】 すみません、全体のページのたてつけに関して、ちょっとマイナーな意見ですけど、気づいたことがあります。発生源別の対策のところで、固定発生源、その他というところは、全て短期的課題、中長期的課題があるのですが、今の議論ともちょっとリンクしているのですが、船舶とか自動車のところは、中長期的課題が書かれていません。船舶の今のような議論は中長期課題にもなるのかもしれませんし、やはりパブコメしたときに、中長期課題がないのは気になるところです。短期の課題の中にも中長期の課題が一部入っているし、また、この資料3の想定スケジュールを見ますと、平成30年度以降の取組も記載されていますので、ちょっとこの辺、もう一度、仕分けされたほうがよろしいのではと思いました。以上です。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 既に仕分けされて、整理されているということであるならば、追加のご説明をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。自動車と船舶に中長期的課題がないのはいかがなものかということだと思いますが。

【是澤課長】 整理自体は、確かに短期的と言いつつ、自動車、船舶等については、かなり中長期的な流れも含んで書いていることであります。ちょっとどのような書き方にすればいいのかというところが、にわかに思いつかないわけなんですけれども、基本的には現時点で既にスケジュールが見えているものという趣旨で、短期的課題という整理をさせていただいておるんですが、より適切な表現になるように少し考えてみたいと思います。

【大原委員長】 ありがとうございます。

 追加ございますか。

【中谷室長】 少し補足になりますが、自動車につきましても、中長期的な課題といいますのは確かに存在いたします。実は、昨日、自動車の関係で答申をまとめていただきましたけども、その中で、二、三ページにわたって、専門委員会報告でもかなり課題を、中長期的な検討課題というのは、そこに記載はしてございます。

 ちょっとすみません、まとめ方としてはどうするのかというのが、まだちょっとはっきりお答えできないんですけども、それをそのままここに書くと大変な量になってしまうこともありますので、掲載の仕方とかは、またちょっと委員長とご相談させていただきつつ、例えば、昨日出ました答申の中の課題を着実に検討していくとか、何かそういう引用するような形で記載するという方法もあるかと思いますので、何かそういう形で記載するということで、また検討させていただけたらと思います。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 どうぞ。

【早水審議官】 船舶につきましても、先ほどの整理の中で、もし短期と中長期に分けるほうがいいということであれば、そのようになるかと思います。

【大原委員長】 ありがとうございます。

 ほかにご意見はいかがでしょうか。ございませんか。

 もしなければ、議論、ここまでにさせていただきたいと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、本日、皆様からいただいたご意見をもとに、適宜、必要な修正をした上で、本専門委員会の中間取りまとめ案として、パブリックコメントにかけたいというふうに考えます。

 いろいろご指摘いただいて、修正する必要があるところも多々ございます。その点につきましては、できれば座長一任という形で預からさせていただいて、私と事務局で相談して、皆様のご意見、コメント等を反映させた形での取りまとめをさせていただきたいというふうに思いますが、ご了解いただけますでしょうか。ありがとうございました。

 それでは、用意された議題は以上ですが、事務局として、その他、何かございましたらお願いします。

【是澤課長】 1点、ちょっと補足といいましょうか、訂正をさせていただけたらと思いますが、資料2(別添)の資料のほうで、別添資料の5ページ目でありますけども、表2、表3というところで、1日平均値の年間98パーセンタイル値の上位測定局、あるいは下のほうは年平均値の上位測定局を書いてございますが、これは平成24年度のものであるということが記載が抜けておりますので、その点、修正をさせていただいた上で、資料を公開させていただきたいと思います。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 対象年度を明記してください。

【是澤課長】 長時間にわたるご議論をありがとうございました。ただいま大原委員長にまとめていただきましたとおり、中間取りまとめ案、修正を加えまして、パブリックコメントに付すように取り計らいたいと思います。

 最後に、局長からご挨拶申し上げます。

【三好局長】 長時間にわたり、ご議論ありがとうございました。また、これまでのご検討ありがとうございます。

 今、整理していただきましたような方向で、パブリックコメントに付させていただいて、また改めてご議論いただきたいと思っております。いずれにいたしましても、PM2.5は、国民の関心も非常に高く、やはりできることからやっていくということが必要と考えております。いろんな要素に考慮を払いながらやっていくというのは当然のことでございますけれども、今後とも、引き続き、この面に向けてのご協力をぜひよろしくお願いしたいということを最後に申し上げます。

【是澤課長】 次回の日程でございますけれども、以前、調整させていただきましたとおり、3月27日、金曜日の開催を予定しております。年度末の開催となりまして大変恐縮でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 また、本日の議事録につきましては各委員にご確認いただいた上で公開したいと思いますので、後日、よろしくお願いいたします。

 事務局からは以上でございます。

【大原委員長】 それでは、予定よりも少し早く終えることができましたが、本日の委員会、これで終了させていただきたいと思います。ご協力いただき、どうもありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

                                      午後 6時39分 閉会