微小粒子状物質等専門委員会(第3回) 議事録

日時

平成26年8月20日(水)15:00~17:00

場所

中央合同庁舎第4号館 全省庁共用1208特別会議室

議事次第

1.開会

2.議事

  1. (1)PM2.5の発生源ごとの寄与割合に係る検討について
    1.      1)PM2.5発生源情報の整備について
    2.      2)PM2.5二次生成機構の解明等に係る取組について
  2. (2)これまでの施策の評価について
  3. (3)光化学オキシダントの環境改善効果を適切に示すための指標案について
  4. (4)その他

3.閉会

配付資料一覧

資料

資料1 委員名簿

資料2 日本国内におけるPM2.5発生源情報の整備のための取組

資料3 微小粒子状物質(PM2.5)二次生成粒子の挙動に関する文献調査結果(概要)

資料4 PM2.5予測精度向上のためのモデル・発生源データの改良とエアロゾル揮発特性の評価

資料5 発生源の種類とこれまでの施策について

資料6 光化学オキシダントの環境改善効果を適切に示すための指標について(中間とりまとめ)(案)

参考資料

参考資料1 PM2.5に関する総合的な取組(政策パッケージ)(平成25年12月、環境省)

参考資料2 大気環境保全に関するこれまでの取組(第1回 資料3)

午後3時00分 開会

【中村補佐】 定刻となりましたので、ただいまから、第3回微小粒子状物質等専門委員会を開催いたします。参加者の皆様には、お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。

 私は、本日の司会を務めさせていただきます、環境省大気環境課の中村です。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、本委員会の開催に当たりまして、三好局長からご挨拶を申し上げます。

【三好局長】 水・大気環境局長の三好でございます。先月の8日付で着任いたしまして、この専門委員会では今回が最初の出席となりますので、お許しをいただいて一言ご挨拶申し上げたいと思います。

 まず、委員の先生方におかれましては、ご多忙の中、ご出席を賜りましてありがとうございます。

 本委員会では、これまでPM2.5につきましては、越境大気汚染の寄与などの現象解明に向けた取組についてご議論してきていただいているところでございます。

 本日は、年明けの国内排出抑制策の在り方の中間的な取りまとめに向けまして、発生源ごとの寄与割合に係る検討でございますとか、これまでの施策の評価につきまして、これまで作業してきた作業状況等をお示ししたいと考えております。活発なご議論をお願いできればというふうに考えているところでございます。

 また、もう一つのテーマでございます光化学オキシダントにつきましては、環境基準の達成率が極めて低い水準という中で効果的な削減対策を推進していくために、環境中の状況を的確に把握するための指標の作成を求められているところでございます。

 本日は、この指標案につきまして中間とりまとめを議題とさせていただきます。幅広い知見に基づくご指摘を賜ればというふうに考えているところでございます。

 先生方には、今後、格別なご指導をお願いいたすことになると思います。改めてお願いをいたしまして、簡単でございますけれども私からのご挨拶とさせていただきます。

 どうぞよろしくお願いいたします。

【中村補佐】 続きまして、前回より人事異動に伴いまして、三好局長のほかにも事務局側の体制に変更がございましたので、あわせてこの場でご紹介させていただきます。

 まず、早水水・大気環境局担当審議官でございます。

 続きまして、是澤大気環境課長でございます。

 続きまして、小野自動車環境対策課長でございます。

 続きまして、本日の出席状況でございますけれども、本日は、飯田委員、井上委員、上野委員、鵜野委員、河野委員からご欠席との連絡を受けてございます。また、梶井委員におかれましては遅れる旨のご連絡を頂戴しております。

 続きまして、お手元の配付資料でございますけれども、議事次第に配付資料一覧を記載してございます。

 議事次第に配付資料一覧を記載してございますので、資料の不足などがございましたら事務局にお申しつけいただければと思います。

 それでは、カメラ撮りの方は、恐縮でございますけれども、会議の冒頭のみとさせていただきますので、これ以降のカメラ撮りはご遠慮いただくようお願いいたします。

 それでは、以降の進行は大原委員長にお願いいたします。

【大原委員長】 それでは、早速でございますけれども、議事に入りたいと思います。

 最初の議題、(1)の1)PM2.5発生源情報の整備についてであります。

 PM2.5、あるいは光化学オキシダント、ともにそうだと思いますけれども、その発生源情報、それを取りまとめたところの排出インベントリ、これは非常に大気行政を進める上で重要な基礎情報であるということは、皆さんご存じのとおりだと思います。

 ここでは、インベントリの整備の取組の状況、あるいは、現在利用可能なインベントリ等に関して、環境省から説明いただきまして、それに関するご議論をいただければと思います。

 それでは、事務局よりご説明をお願いいたします。

【中谷室長】 環境管理技術室長の中谷でございます。

 それでは、資料の2に基づきまして、PM2.5排出インベントリ及び発生源プロファイル検討会の進捗の報告をさせていただきます。

 まず、2ページ目をご覧いただきたいと思いますが、前々回、第1回の時点で、3月でございますけれども、当該検討会の設置と、調査の大まかなスケジュールをちょっとご説明させていただきました。

 今日は、その後の検討の結果だとか、またその後の予定みたいなものをご紹介したいと考えております。

 めくっていただきまして、5ページ目から9ページ目になりますけれども、こちらは前回の報告の繰り返しのもので、参考につけておるものでございます。

 5ページ目は発生源情報の整備の必要性だとか、それから、6ページ目はその検討会の位置づけだとか、それから、7ページ目に検討会名簿をおつけしております。

 時間の関係でここの部分は省略させていただきたいと考えております。後でご覧いただければと思います。

 次に、11ページからご説明したいと思います。

 11ページは、発生源情報の整備の手順について示したものでございます。

 ここにありますように、まず準備段階としまして、既に世の中にあります既存のインベントリ、それを調べまして、その中から最適なものを選定しようと考えております。次のステップとしまして、それを改良、それから更新していくというような、そういう手順でやっていこうと考えております。

 選定につきましては既に終了しまして、また次のページでご説明したいと思いますけれども、現在改良を行っているような、そういうような状況でございます。

 選定についてですが、12ページになります。

 ここにありますように、既存のインベントリの中から、ある程度、基礎情報が網羅されておる、そろっておるといったもの、それから、改良とか更新がしやすいという、そういう観点から、最終的にJATOPのインベントリというものを我々は採用することにしました。

 JATOPは何かということでございますけれども、この資料2の一番最後の25、26に参考資料をつけておりますが、JATOPといいますのは、japan Auto-Oil Programという名称でございまして、石油エネルギー技術センターにおきまして、自動車業界と石油業界が協同で行っている研究の名称でございます。

 このプログラムの中で、排出ガスの低減によって大気がどういうふうに改善していくのかと、そういったふうな勉強を行っておりまして、その結果を今回使わせていただくというようなことに、そういう判断をしたという状況でございます。

 それから、次のページにまいりたいと思いますが、13、14になります。

 まず、13ページ、排出インベントリの対象物質はどうするのかというところでございます。

 今までの知見とかをあわせまして、一応、この13ページの、太字で書いておりますような、PM2.5を直接排出しているもの、それから二次生成物質と言われているもの、そういった物質をインベントリの整備の対象物質にしたいなと考えているところでございます。

 その対象物質を、14ページご覧いただきたいと思いますが、縦軸が発生源の種類を書いて、横軸がその対象物質を並べておりますが、ここにマトリクスをつくっておりまして、この丸印をつけたところについて、排ガスの排出量の算定をしていきたいと考えております。

 今回、丸印の部分なんですけども、主として都市大気への影響が大きいような、思われるものについて、一応、当面ここを排出試算で行うということで設けておるところでございます。

 これ以外はどうするのかということなんですけれども、その三角形の部分だとか、これについては引き続き算出の検討方法を含めて調査していきたいと思いますし、丸のついていないところも、これも必要に応じて排出量を求めていきたいなと考えておりますが、一応、当面、この丸のついているところですね、この排出量を求めていきたいというふうに考えているところでございます。

 それから、次をめくっていただきまして、また15、16の関係になりますが、こちらは、まず15ページでございますが、排出量の定義、どうやって排出量を求めるのかというのを簡単にご説明したものでございます。

 ここに書いてあるとおりであるのですが、一応、排出源の種別ごとに単位排出量というのを一応算定しまして、逆にそれを、活動量を掛けることで最終的な排出量を求めるという、そういうロジックで排出量を求めていきたいなと思っております。

 その活動量につきましては、これは毎年いろいろ状況に応じて変わっていくものでございますけれども、16ページにありますように、いろんな公表されておる統計データ等々をもとにしまして、その活動量というのを決めまして、最終的に排出量を求めていきたいなというふうに考えておるところでございます。

 次でございますが、少々飛ばしまして20ページ以降でございますけれども、今年度の取組というところをご紹介したいと考えております。

 まずは発生源情報の更新でございますけれども、一応、JATOPのインベントリを用いるということを決めたわけでございますが、それをベースにしまして、先ほどもお話しましたように、活動量等々の情報といったところを、時間の許す範囲で最新のものにどんどん置き換えていきたいなと考えております。そうすることで、できるだけ新しい排出量というのを求めたいと思っております。

 この内容につきましては、またこの専門委員会でご報告したいなと考えております。

 それから、次に21、22でございますが、こちらはまだ少し時間がかかる取組でございます。

 まず、21ですが、こちらにつきましては、大規模固定発生源で排出されますPM2.5、これを実測していきたいなと考えているところでございます。

 今まで推計をやっていく中では、あくまで推計ということで、実測値が使われている例がほとんどなかったんですけれども、それを実際の実測値に置き換えて、この発生、インベントリのデータをさらに精緻なものにしていきたいなと思っております。

 それとあわせまして、実際の測定方法について、特に凝縮性ダストというものをどうやって補足するかという、そういったところを応用編ということで勉強していきたいなと考えております。

 それから、22ですが、こちらは移動発生源、自動車の関係になりますけれども、こちらにつきましては、かなり精緻なものが、データがそろっておるわけでございますが、その中でも、最近増えてきましたガソリンの直噴射、それから出るPM、ガソリン車のPMの排出量だとか、それから駐車時のガソリンの蒸発の状況だとかいったものが、また状況が変わってきておると認識していますので、それをこれから調査しまして、また、それを最新のものに置き換えていくということをやっていきたいなと思っております。

 以上が資料2のほうの内容になります。

 それから、さらにインベントリの整備状況で補足の説明をちょっとさせていただきたいと思いますが、お手元に、委員限りということで、PM2.5の全国年間排出量の推計例というものを2枚ものでおつけしております。

 これは未定稿ということで、委員限りとして席上配付していただいたものであります。

 これをご説明したいと思っております。

 これは、先ほどの資料2の14ページの発生源と対象物質の、このマトリックスから、一体どのくらいの排出量があるのかというのを、とりあえず現時点でざくっと推計したものをグラフ化したものでございます。

 中身ですが、2ページ目を見ていただければと思いますが、2ページ目は、縦軸が、固定発生源、移動発生源、それから自然由来のものということで、一応三つのグループにざくっとまとめまして、それらが、それぞれPM2.5がどのぐらい出ているのか、VOCがどのぐらい出ているのかというのをグラフでまとめたものでございます。

 それから、それをさらに3ページ、4ページで、固定発生源の中で、さらにそれを細分化、14ページの発生源の種類を念頭に起きながら細分化して、それぞれどの程度出ておるのかというのを示したのが3ページ、4ページでございます。

 それから、次のページ。ページが消えていますけど、5ページ目が、今度は移動発生源の中身を、内訳を自動車以外のものも含めて示したものでございます。

 あと、最後のページで日本地図がついておりますけれども、これはイメージということなんですけれども、例えばNOXの排出量を例にしておりますが、NOXの固定の、自動車以外の部分で、NOX排出量がそれぞれの地域でどのぐらい出ているのか、その辺の強弱を色で落とし込んだものという、そういうイメージ図でございます。

 こういった形で、そのインベントリの排出量というものを集計しましたら、こういう形で整理してまとめて、またご報告していきたいなと考えております

 今日の議論についても、この排出量を参考にしながらまた議論をしていただけたらなと考えておるところでございます。

 最後に、この資料の注意事項を申し上げたいと思いますが、この各発生源の排出量でございますけれども、一応、一定の前提をもとに推計をしておるということで、当然のことながら不確かさな部分というのが含まれておるということでございます。これに留意していただいて数字を見ていただけたらなと思います。そこは気をつけていただけたらと考えております。

 資料につきましては以上でございます。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 我が国ではこれまで、発生源あるいは発生物質を網羅したような形での国の大気汚染物質の排出インベントリはなかった。そのため、検討会が立ち上がり、そこで、国のインベントリをつくる作業が始まっている。その内容に関する、それから、今後の方向性に関する報告でございました。

 それでは、ただいまの説明につきまして、ご質問、ご意見等ありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。

【畠山委員】 ただいまご説明いただいた国内の発生源のインベントリというふうに考えるんですけど、越境大気汚染なんかを考えたときには、例えば黄砂なんていうのは、かなり、それが来るときに大きな役割を果たすような気がするんですけれども、土壌については、国内の分は三角になっていますけど、黄砂なんかはどんなふうに取り入れるんでしょうか。

【大原委員長】 いかがですか。

【中谷室長】 とりあえず、この検討会で行っていますインベントリの整備は、国内だけの発生源について、まずは整理しようということでやっております。

 ですから、越境で来るものについては、ある意味、今後の課題と言いますか、これから検討していく事項かと思っております。

 まずは国内の排出源を調べたいということで始めております。

【大原委員長】 よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。

【金谷委員】 資料2の21ページのところで、今年度、26年度の取組②というところがございまして、PM2.5の測定を導入されていかれるということでしたけれども、大規模固定発生源に対してということですが、どの程度代表的なものをカバーして進めていらっしゃる予定なのか、情報をいただければと思います。

【大原委員長】 それでは環境省からお願いします。

【中谷室長】 すみません。細かい話が含まれますので、担当からちょっとご説明させていただこうと思います。

【事務局】 大規模固定発生源についてですが、環境省で行われておりますマップ調査のデータがあるんですけれども、そのうち、煤じんとして一定規模の排出量を持つものについて対象として取り組んでございます。

【大原委員長】 すみません。金谷委員は、どこのページに対するご質問なのか、もう少し明確にしていただけますか。

【金谷委員】 資料2の21ページです。

 地域ないし発生源の種類も幾つか、大規模とはおっしゃいながらも、いろいろなタイプがあると思いますけれども。

【事務局】 地域的には、まずは関東の地域を対象に調査を進めてまいりたいと考えておりまして、今後は全国に対象を広げて進めてまいりたいと考えております。

【金谷委員】 発生源の種別としては、例えば発電所とか工場など、さまざまなものを網羅されるということですね。

【事務局】 そうですね、電力、鉄鋼を含め、さまざまなものを想定してございます。

【大原委員長】 金谷委員、よろしいですか。

 では、どうぞ。

【釜谷委員】 電気事業連合会でございますけれども、今のご質問にも関連するんですが、同じく21ページのところで、排出源単位の精度を上げるために実測するということであります。この実測は非常に重要だと思います。

 そのときに、バーチャルインパクタの測定精度が、後々に非常に大きく影響しますので、この測定精度ということについては改善を図っていただきたいと思います。

 その上で、今も火力発電所を対象にというお話がございましたが、火力発電所は、ご存じのとおり、季節とか時期によって運転状況がかなり異なります。決して一定ではありません。

 従いまして、燃料種別ごとに対象設備を選定されると思いますが、設備、燃料種、排煙処理につきましても色々な処理設備、処理方法があり異なります。そういうのも踏まえた上で、どういう設備を選ばれて、いつごろ測定するのかということを、事業者の団体である電事連と調整していただきたい。今年度中にもし測定するというと、時間もございませんし、事前の調整がないとうまくいかず、せっかくデータを取るのにいいデータが取れないということになりかねませんので、是非その辺りはご配慮いただきたいと思っております。

 以上です。

【大原委員長】 環境省から何かございますか。

【中谷室長】 ご指摘のとおりだと思います。

 バーチャルインパクタの精度の話だとか、これから改善をしていく必要があると思いますし、あと、季節変動の部分というのも当然あると思っておりますので、またその辺り、具体的なスケジュールとかといったところは、いろいろご相談させてもらいながら進めていきたいなと思っております。よろしくお願いいたします。

【大原委員長】 貴重なご意見いただきありがとうございます。

 いかがでしょうか。田邊委員。

【田邊委員】 凝縮性ダストの測定方法の検討というのは載っているんですけれども、もともとのPM2.5の中にも、凝縮性ダストとつながって、揮発性の成分がかなりあって、その測定方法自身もきちんと決めないと、どれが一次粒子で、どこからが二次粒子前駆物質なのかがはっきりしませんので、そこをどの程度おやりになるのかがちょっと心配です。いかがでしょうか。

【大原委員長】 環境省、いかがですか。

【事務局】 現段階では、揮発性については今後の課題というふうに認識しており、揮発性の部分も考慮してやっていかなければいけないと認識してございます。

【大原委員長】 今後の重要な課題であり、排出インベントリ及び発生源プロファイル策定検討会の中でも議論していきたい、いくべき課題だろうと考えておりますが、坂本委員、いかがですか。

【坂本委員】 ちょっと補足させていただきますと、非常に今の点は重要なことで、発生源ベース、それから、もう一つは我々の生活する環境ベースで考えた場合に、それが1対1対応するような形でのデータになっていかないと、発生源プロファイルという形で使えなかったり、排出インベントリとして使えなかったり。

 今、非常に問題は、煤じんというような形で測定をした場合には、かなり水の凝縮を防ぐような形で測定されていて、そして先ほどの、これは参考資料だったでしょうか、まだ測定例は少ないんだけれども、かなり凝縮性ダストという形で、温度条件それから希釈率、そういったものを変えていくと排出量が増える可能性がある、測定条件で。

 それを、一次、要するに煙突から出たところで粒子になるのか、煙突から出る直前でなるのか、その辺のところと、それからもう一つは、今後の対策なりを考えていったときに、そこで全く化学変化をしないで、直接発生源から出たものが粒子として環境中で測定されるのであれば、これは明確に発生源対策をしていくことによって濃度は減るものになるわけで、それを、例えば煙突からすぐ出た直前か直後か、その辺のところで粒子化するからといってどう考えるかというところが非常に重要なところだと思います。

 そういう意味で、田邊委員が指摘された、希釈率、それから温度、それからもう一つは、捕集された後、条件が変化することによって、揮発していって、さらに酸化されていって、粒子量としては質量的には増える。そういったものについての情報というのは、きちんと分けて整理していく必要があるんではないかというふうに思います。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 どうぞ。

【奈良委員】 ただいまのお話と関係しているのですけれども、委員限りの資料の凝縮性ダストのところで、予備調査による見積値という説明がつけられておりますが、今の坂本先生からのお話で少しは理解できたのですけれども、凝縮性ダストについては、いろんな条件をクリアにして定義をはっきりさせないと、全然また別のデータになってしまう恐れがあると思います。

 ここでの予備調査による見積値というのはどんな条件で出してきたものなのか、ちょっと補足していただければありがたいなと思います。

【大原委員長】 これに答えることできますか。お願いします。

【事務局】 事務局からお答えいたします。

 これは、実際に煙突を設定して、サンプルは非常に少ないんですけれども、実際に測定して得られたものです。

 そのときの測定方法ですけれども、自動車の測定方法であるとか、海外で研究がなされているような測定方法などを参考にしまして、煙突からサンプリングした煙を空気で希釈して、しばらく滞留させて、凝縮させてから測定するというようなやり方で測定したものでございます。

 ただ、この測定方法についても、滞留時間であるとか、それから希釈率といったようなものは、当時最良と思われる方法で検討したものではありますが、そこにはいろいろな、まだ測定結果に影響を与えるようなパラメータが残っていると思いますので、今後サンプル数を増やすなどしながら、よりよいはかり方というのを検討していかなくてはいけないものだと考えております。

 というわけで、ここでは非常に限られた数字ではありますが、それで測定をされたものをベースに、そのときに凝縮性ダストがない場合と、ある場合の比較をしたときの倍率分をかけているというようなものでございます。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 奈良委員、いかがでしょうか。よろしいですか。

 どうぞ。

【弓手委員】 鉄鋼連盟の弓手と申しますけれども。

 一つ、先ほど電事連さんからもお話ありましたけれども、今回、先ほどのお話の中で鉄鋼設備ということで、今後の測定の対象になっていくというお話でございましたけれども、鉄鋼設備も、いろいろとプロセスがございまして、またいろいろな操業状態がございますので、ぜひ鉄連と、この辺は連携をとらせてもらいながら進めさせていただきたいなということが一つでございます。

 もう一つは、先ほど委員のメンバーにということで、推計値ということでデータをお示しいただきましたけれども、排出量はこういう形でまとまっていくんだと思うんですけれども、各地域への影響というのを評価するときに、今度は、排出濃度、排出量だけじゃなくて、その地域への影響を評価していくというプロセスが必要になると思うんですけれども、その辺についてどのようなご予定なのか。

 あるいは、先ほどちょっとお話がございましたけれども、越境の影響というのはまずは置いといてというお話ございましたけれども、最終的にその地域の対策をどうするかというときには、両方含めてやっぱり評価して結論を出していくということが必要かと思うんですが、その辺のご予定についてお聞かせいただければと思います。

 よろしくお願いします。

【大原委員長】 お答えはできますか。

【中谷室長】 最初の測定について、ちょっとお話、コメントさせていただきますが、まさにデータを取る際には、業界の皆様のご協力が必要になってくると思いますので、それは、ぜひ協力して、ご相談させていただきながら進めていきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。

【大原委員長】 2番目の質問に関して、お願いします。

【中村補佐】 後段の、今後の対策にいくまでのプロセスの話でございますけれども、まずインベントリにつきまして、地域への影響を評価ということは、おっしゃるとおり非常に重要でございまして、まず、このインベントリ自体が、先ほどの委員限りの資料の最後に、日本地図、あと関東のアップで色分けしたものをお示ししたとおり、地域に排出量を割り当てるというか、そういったものでデータセットをつくるというのが、まず前提としてございます。

 そういったものなどを使いまして、その次のステップとしましては、シミュレーションモデルとか、そういったものを回して地域への影響というか、地域ごとの濃度というのを評価していくというような作業に移っていくということになります。

 そのシミュレーションモデルを回す際には、先ほど黄砂の話もありましたけれども、大陸のほうからの影響というものを、モデルを回す際に加味して回すということを行って、それで全体の評価を行うというような流れになってきまして、そういった流れ、その取組を行う過程で、越境分と国内分、それで国内についてはどういうところの寄与が大きいのか小さいのかというようなことを評価していくというのが、今後の道筋になっていくんだろうというふうには考えてございます。

【弓手委員】 わかりました。

【大原委員長】 大気環境濃度の評価につきましては、後ほどの議題でも出てまいりますので、もしご意見等がございましたらそのときにまたよろしくお願いいたします。

 それでは、そろそろ予定の時間が迫ってまいりましたので、議題(1)の1)は終わらせていただきたいと思います。

 事務局におきましては、委員の皆様方からたくさんのコメント、ご意見をいただきましたので、それらを参考にしながら事業に取り組んでいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 それでは次に、議題の(1)の2)、PM2.5二次生成機構の解明等に係る取組についてであります。

 これにつきましては、環境省が行いましたPM2.5二次生成粒子の挙動解明に関する文献調査、この結果につきまして事務局から、まずご説明をお願いしたいと思います。

 この調査は、二次生成粒子、中でも、都内で寄与率が20%ぐらいあるにもかかわらず、その実体がわかっていない有機の二次粒子、二次有機エアロゾル(SOA)を対象にして、これまでどこまで理解されていて、何がわからないのかといったような辺りを、これまでの研究結果等をレビューし整理した調査結果であります。それではご説明をお願いしたいと思います。

【中村補佐】 それでは、事務局のほうから、資料3に基づきましてご説明をさせていただきます。

 微小粒子状物質(PM2.5)二次生成粒子の挙動に関する文献調査結果(概要)ということでございます。

 この文献調査の結果自体は、報告書という形でまとめまして、ホームページに掲載するということをしておりますけれども、130ページぐらいの大部になりますので、今回、概要という形でお示しさせていただくものでございます。

 まず、資料の本題に入ります前に、この最後から1枚おめくりをいただいたところに、委員の検討会の名簿ということがございますけれども、この取組は、昨年度、文献調査の検討会を設けまして、坂本委員に座長になっていただきまして取りまとめたものでございます。

 あと、一番最後のページに、参考ということでPM2.5とVOCの分類を簡単に概略で示したものがございます。

 今からの説明の中で、アルファベットで「SOA」とかいうような言葉がたくさん出てきますけれども、この図をご参照いただきながら、ご理解いただければと考えてございます。

 それでは1ページ目に戻りまして、ご説明申し上げます。

 まず概要でございますけれども、PM2.5の削減対策の検討のためには、二次生成粒子の実体解明が欠かせないということでございまして、政策パッケージにおきましても、そのメカニズムの解明が取組の基盤として位置づけられてございます。

 二次生成粒子につきましては、東京都とかJATOPの調査研究等におきましても、PM2.5の60%以上を占めるといった報告がなされてございまして、今後の対策を検討するためには、この二次粒子の挙動解明が不可欠。

 特に、先ほど大原委員長からもございましたけれども、二次有機エアロゾル(SOA)につきまして、大気中には、この前駆物質となる人為起源ならびに自然起源の揮発性有機化合物(VOC)が数百種類以上存在し、さらに未解明な部分の多い半揮発性のVOCにつきましても加わっていて、極めて複雑だと。また、無機成分由来の二次粒子につきましても、季節によってシミュレーション結果と乖離しているといった課題がございまして、いろいろ課題があるという状況でございます。

 そういった背景で、本調査につきましては、これらの課題を解明するために、国内外の研究論文、延べ369報から最新の知見を広く収集して、二次生成粒子の生成機構・動態解明のためのフィールド観測、レセプターモデルによる発生源の推計、チャンバー実験と燃焼排気計測、化学輸送モデル、その四つの項目に分類して整理したものでございます。

 まず、(1)番、二次生成粒子の生成機構・動態解明のためのフィールド観測につきましてでございます。

 大きく、オフライン法、オンライン法と分けてございますけれども、まず、オフライン法、いわゆるフィルターを使った観測でございます。

 都市部の人為起源から放出される一次有機エアロゾル、ないしは気体として放出された後に粒子化するSOAの動態調査のために、国内外においてフィールド観測がたくさん行われてございます。

 そういった事例の中から、フィルタ捕集法につきまして整理をした内容でございますけれども、三つ目のパラにございますが、外国でございますけれども、ソウルにおける観測におきまして、多環芳香族炭化水素からのSOA濃度が夏よりも冬に高くなる、そういったことが観測されてございます。

 こういったデータにつきましては、SOAが、冬季の低温によってガス・粒子の配分が粒子側に偏っているというようなことを示しているものでございまして、次のページでございますけれども、冬場におきましても光化学反応が無視し得ないといったようなことが示されているような文献がございます。

 次のパラ、バイオマス燃焼由来のSOAのことでございますけれども、焼き畑、森林火災などによって発生しますけれども、一次、二次の有機エアロゾルと、そのトレーサーとの関係から、いろいろ調査が行われておりまして、例えば一次粒子であるレボグルコサンに対する二次粒子コハク酸の相対濃度の増加というようなものを見ることによりまして、バイオマス燃焼によって発生した煙が輸送される過程でSOAを生成しているといったようなことが観測されているところでございます。

 次に、植物由来のことでございますけれども、自然由来の植物起源につきましては、イソプレン、テルペンなどのSOAのトレーサーの分析を行う研究が幾つかございまして、多くの地域におきまして、植物起源のVOC由来のSOAというものが存在しているということが明らかにされつつあるといった状況でございます。

 また、エアロゾルの酸性度が増加することによって、BVOC由来のSOAの生成量が増加するといったようなことも指摘されているところでございます。

 このように、SOA生成に対する不均一反応の重要な寄与というものが幾つかの文献で示唆されているところでございます。

 続きまして、オンライン観測のところでございますけれども、挙動解明のために重要となる高時間分解能の観測手法といたしまして、エアロゾルの質量分析計、そういったものを用いましたオンライン観測につきましても、いろんな技術の開発がなされていて、今後さらに動態解明が進むことが期待されるといったところでございますけれども、そのAMSによる分析によりまして、例えば有機エアロゾルの起源寄与解析に関して、観測したOAと、モデルによる解析を突合することで現象解明がいろいろと進展しているというような文献が多々ございます。

 また、AMSとサーモデニューダという装置による観測というか、解析によりまして、重要な揮発性の測定とか、あとエイジング、大気中での酸化について、いろんな貴重なデータも収集されているといったような状況でございます。

 また、その揮発性成分だけではなく、ススの測定ということも行われているということでございます。

 次のパラは割愛させていただきますけれども、その次、(2)のレセプターモデルのところでございます。

 次のページに行っていただきますと、まずレセプターモデルでございますけれども、これは観測結果から発生源に特徴的な指標成分を見出しまして、その結果に統計的な計算を適用して発生源の寄与割合を推計する方法、そのためのモデルなわけなんですけれども、そういった研究が幾つか行われているということでございます。

 その観測結果から、OAの発生源寄与解析を目的としたレセプターモデルによる研究によりまして、分子マーカーの投入によって従来法よりも明確な発生源の割り当てが可能になったというような報告が多くなされている。特に、SOAの発生源寄与につきまして多くの知見が得られるようになったということで、いろいろな報告がなされております。

 また、そのBSOA、植物由来のSOAでございますけれども、多数の分子マーカーの成分が発見されてございまして、異なる前駆体ガスへの寄与の割り当てが可能となっているという状況でございますが、その一方で、ASOA、人為的なものに由来するSOAの発生源の割り当てに関しましては、今のところトルエン由来の分子マーカーぐらいしかないというのが実情だということでございます。

 今後、個別のVOCを前駆体とする人為的由来のASOAのメカニズムとともに、分子マーカーに関する調査研究、前駆体であるVOCの発生源に関する更なる知見の集積が必要だといったような状況でございます。

 その次のパラでございますけれども、多くの研究によって人為起源への対策の重要性が示されておりますけれども、生物起源への影響も正確に捉えていくといったようなことが指摘されていることが多々ございます。

 また、レセプターモデルにつきましては、フォワードモデルも含めた複数の解析手法による結果を相互に比較しまして、信頼性を保証していくことが必要であるというような方向性、課題も示されてございます。

 次に、チャンバー実験と燃焼排気計測でございますけれども、SOAの動態を解明するために、研究室内での基礎的な研究が行われておりまして、いろんな現象について解明が進みつつあるという状況でございます。

 特に、近年の課題といたしましては、個別のVOCからのSOAの生成収率がチャンバー実験によっても調べられてきているのですけれども、得られた情報を積み上げて予測されるSOA濃度というのが実際の観測結果よりも低いといったような実情でございまして、その違いの解明が現在の課題というようなところでございます。

 また、少し飛ばしますけれども、先ほどから出てまいります凝縮性粒子、凝縮性ダストにつきましても、問題として残されているといったようなところでございます。

 まず、個別VOCからの二次粒子の生成につきましてでございますけれども、SOAの生成に関しましては、ガス粒子吸収分配モデルというものが重要になってくるんですけれども、野外の酸素を含むエアロゾル、酸化したエアロゾルにつきましては、チャンバー実験で生成したSOAに比べて酸化が進んでいる。その違いにつきましては、大気中で進むエイジング、酸化反応というものがあるということが最近の研究でわかってきたという状況でございます。

 また、イソプレンや中揮発性有機化合物(IVOC)のように、これまでSOAを生成しないと考えられていたものについてもSOAを生成することがわかってきたというようなこともございます。

 次に、発生源からの二次粒子の生成でございますけれども、発生源排気からのSOA生成というものは、複数の前駆物質から構成されるためSOAとしての有力な指標物質を検索することは困難。このため、研究の方向性といたしましては、チャンバー実験において生成したSOAを、VBSモデル--これは、この後の議題におきまして田邊委員からご説明いただくところに入ってございますけれども、その情報として整理するといったことが今後の展開として期待されるといった報告がなされてございます。

 また、SOAの生成量につきましても、自動車とか蒸発ガス、野焼きなどの限られた発生源からの燃料あたりの排出量としての情報としては整備されてきておりますけれども、これらだけでは二次粒子に対する発生源の寄与度を十分に議論できる状況ではないということで、今後さらなる知見の集積が必要だということでございます。

 次の凝縮性ダストでございますけれども、凝縮性ダストにつきましては、ISOの希釈率が、実際の大気への放出よりもかなり低いという指摘がございまして、今後、凝縮性ダストを含めた煙源からの排出量を精度よく測定するということが非常に重要だというような指摘がなされてございます。

 最後、(4)番の化学輸送モデルでございますけれども、上記で得られたような知見から、モデル計算による再現または予測する手法というものが、これまでずっと行われてまいりまして、そういった知見が得られるに伴いまして新たなモデルが開発されてきた。

 特に、2006年に開発されたVBSモデルにつきましては、半揮発性有機化合物(SVOC)などの直接排出、あと酸化反応、エイジング反応を整合的に計算することができるということで、今後の利用が広がると期待されているといったところでございますが、一方で、その入力データとか物理化学変数といったものには不確実性が残されてることに留意が必要だという指摘がなされてございます。

 続きまして、3次元化学輸送モデルの実大気への適用につきましてでございますけれども、SOAに対する人為起源と生物起源の寄与というのは、対象とするスケールによって異なる。全球とか北米で考えますと生物起源を重要だという研究が多いんですけれども、メキシコ、中国では人為起源が重要だという指摘がなされている。日本におきましても人為起源のほうが重要であるという示唆がされてございまして、日本国内のSOA濃度の過小評価を改善するためには人為起源のSOA生成の精度を高めることが求められておりまして、そのためには実態把握とモデル検証を充実させることが必要だというような指摘がなされてございます。

 飛ばしてしまいましたけれども、以上でございます。

【大原委員長】 ご説明いただきありがとうございました。

 ただいまのご説明につきまして、質問等がございましたらお願いいたします。

 時間もちょっと押しておりますので、二、三お受けしたいと考えますが、いかがでしょうか。ございませんでしょうか。

 この次に二次生成機構の解明とモデルの改良の取組ということにつきまして田邊委員からご説明いただくことになっておりますので、もしご質問等ありましたら、田邊委員のご説明の後にお受けしたいと思います。

 ここでは、現時点でのモデルの精度、今、環境省のほうからも説明がございましたけれども、SOAを中心して、どの程度モデルで再現できるのか、あるいは、モデルの改良にこれからどのように取り組んでいけばいいのか、あるいは取り組んでいるのかといった辺りを、資料4に基づきまして、田邊委員からご説明をお願いしたいと思います。

 田邊委員は、今年度からスタートした環境省の環境研究総合推進費におきまして、二次生成機構に関わる研究に深く関わっておられます。

 それでは、ご説明をお願いいたします。

【田邊委員】 それでは、資料4のご説明をしたいと思います。

 初めに、先ほどの資料にもついていましたが、一番最後に番号の振っていないスライドに簡単な用語の説明がつけてあります。それから、幾つかのスライドの下には、枠に入って要約というものが書いてありまして、学問的に説明してわかりにくい部分は要約をお読みいただくと、要はこういうことかというふうにつくってございますので、参考にしてください。

 それでは、説明に入りたいと思います。

 今ご紹介にあずかりましたように、このタイトルにあります環境研究総合推進費の、今年度から3カ年の研究の、私は分担をしております。研究代表者は国立環境研究所の菅田誠治でございます。

 また、この研究は、重点課題17、健全な水・大気の循環に位置づけられ、行政ニーズの大気環境中におけるPM2.5二次生成メカニズムの解明に該当する研究でございます。

 では、2番目ですが、こういったモデル研究の必要性ですが、今までも大分話が出てきましたが、一つ目は、PM2.5の環境基準達成には発生源寄与把握などに基づく効率的な対策が必要とされています。

 発生源解析には、レセプターモデルなども有用ですが、二次粒子の発生源寄与把握には、シミュレーションモデルによる解析が必要とされております。

 二つ目は、高濃度注意喚起の精度向上が求められています。

 2013年3月から5月の高濃度注意喚起の状況は、判断基準1と判断基準2をあわせましても、残念ながらあまり的中率が高くなくて、経験を加味して慎重に運用している状況にあります。

 そこで、専門家会合に於いて「シミュレーションモデルによる濃度予測も併用するために、二次生成メカニズムの解明と排出インベントリの整備を早急に進めるとともに、シミュレーションモデルの精緻化を図り、予測精度の向上に早急に取り組んでいく必要がある」というふうにされております。

 こういった背景でこの研究に取り組むことになったわけですが、3枚目のスライドで、少し脱線しましてシミュレーションモデルの仕組みを簡単にお話ししたいと思います。

 左上の四角の中になります。

 気象モデルでシミュレーションする領域の気象場データを計算して、化学輸送モデルに与えます。今回はWRFという気象モデルと用います。排出インベントリは、排出モデルで計算します。

 これらのデータとともに、計算条件や各種パラメータを化学輸送モデルに与えて、汚染物の移流・拡散や反応・沈着の計算をして大気汚染をシミュレーションします。

 今注目されています二次粒子のシミュレーションには、反応・沈着計算が重要で、これは通常、ガス反応モデルと粒子モデルを組み合わせて行います。これらのモデルは、光化学チャンバー実験などで得られたメカニズムに関する知見やパラメータなどに基づいて構築され、その後、詳細な観測やデータ解析によって検証・改良されます。

 したがいまして、モデルの改良研究にはメカニズム研究が必ず必要とされてまいります。

 下半分に、反応・沈着計算に用いられる代表的なモデルの組合わせの例を示してあります。通常は、ガス反応モデルによる計算で、ガス状汚染物質、それから硫酸や硝酸、それから有機物の酸化生成物などを計算して、得られたデータに基づいて、粒子モデルを用いてこれらの粒子化を計算します。

 表の真ん中のAERO4-VBSと言うモデルでは、これがVBSモデルですが、他のモデルでは過小推定となってしまう有機粒子の推定値がよくなっています。表の上の二つは、これまで広く用いられてきたモデルで、収率によって二次粒子になる酸化生成物を計算することから、収率モデルと呼ばれております。

 4番目のスライドですが、収率モデルによるPM2.5シミュレーションの現状を示しました。

 ここで使ったモデルはSAPRC99とAERO5の組合わせで、関東地方5地点における冬、夏、それぞれ1週間の平均値を比較しています。

 一番左のPM2.5では、色の濃い実測値の棒グラフと、色の薄い推定値の棒グラフが大体同じ高さになっています。

 しかし、左から2番目のOA、有機粒子では、実測値に対して推定値がかなり小さくなっています。逆に、右から2番目の硝酸イオンでは、実測値よりも推定値がかなり大きくなっています。

 そこで、今回のモデル改良では、有機エアロゾルの過小評価を改善するために、まずモデル計算スキームの見直し、そのために必要となる発生源データを見直し、それから、硝酸エアロゾルの過大評価を改善するために発生源データを見直すことにしています。

 5番目のスライドは、モデルの仕組みの図に、今回の研究で取り組む具体的な検討内容を書き込んだものです。赤くなっている部分がそうです。

 有機エアロゾルの過小評価の改善には、AERO6-VBSモデルを組み込んだ化学輸送モデルを導入して、関東域での計算精度の検証を行います。

 このモデルは、3枚目のスライドで説明しましたエイジングと、半揮発生有機物の反応を取り入れたモデルです。また、このVBSモデルに必要な半揮発性有機物の排出インベントリを開発します。硝酸エアロゾルの過大評価を改善するために、窒素酸化物、アンモニアなどの排出インベントリを改良します。

 さらに、モデルの検証や改良の可能性を検討するためのメカニズム研究としまして、VBSモデルで用いる収率や二次有機粒子の揮発性などをチャンバー実験によって検証します。

 また、次のスライドで説明しますが、チャンバー実験でオリゴマー化などの粒子内反応を見積もって、粒子モデルの改良を検討します。

 では、6枚目のスライドで、近年の二次有機粒子モデルの発展と、今回導入するVBSモデルの位置づけについて説明します。

 先ほどの説明とちょっと重複しますが、一番左下、一番内側の線で囲われている従来の収率モデルによる有機粒子計算では、発生源から発生した一次有機粒子と、VOCの反応生成物から生成する二次有機粒子が計算されます。

 今回導入するVBSモデルでは、エイジングと呼ばれる有機物の酸化生成物等がさらに反応をして、それに伴って二次有機粒子が生成することや、これまで計算されておりませんでした半揮発性有機物の反応による二次有機粒子生成などが計算されます。

 この半揮発性有機物の計算には、発生源では一次有機粒子として測定されますが、大気で希釈されると揮発してしまう半揮発性有機物の反応計算も含まれています。

 これらの計算が追加されることで、二次有機粒子生成が盛んな時刻や季節における有機粒子推定値が大きくなって、観測値に近い結果が得られるようになると報告されております。

 今、VBSモデルをさらに改良した2D-VBSモデルといったものも開発中ですが、開発段階で、まだ使える段階にはなっておりません。

 一方で、近年の知見によりますと、二次有機粒子中には重合体などの不揮発性高分子量化合物が存在することや、二次有機粒子の揮発速度が遅いといったことが報告されています。これらは、ここに示しましたモデルでは考慮されておりません。一般に粒子内反応によるものと考えられておりまして、新たなモデル化の研究が始まっています。本研究でもこのモデル化の検討を行う予定でおります。

 7枚目のスライドは、VBSモデルで必要とされる半揮発性有機物の排出インベントリ作成の説明です。

 半揮発性有機物のインベントリは、各種発生源における一次有機粒子の揮発特性に基づいて作成します。この揮発特性は、希釈率を何点か変えて、一次有機粒子が揮発して減っていく様子を測定すると求めることができます。

 このグラフは、ディーゼル排気をいろいろな倍率で希釈したときに、揮発によって排出係数が変化する様子を示したものです。

 左側の不揮発性の無機炭素は希釈しても変化しませんが、揮発性成分が多い有機炭素は、希釈倍率が大きくなるにつれて揮発して粒子としての排出係数が大きく低下します。このような揮発特性のデータは、ディーゼル排出粒子とバイオマス燃焼の二つについて報告されています。

 一方、既存の排出インベントリーはどうなっているかと言いますと、排出粒子中の有機成分の割合が与えられていますが、揮発特性や測定を行ったときの希釈倍率などの情報はほとんどありません。

 そこで、この研究では、揮発特性に関しては、いろいろな発生源の多成分有機分析に関する論文データと、個々の有機物の蒸気圧に基づいて揮発特性を推定して、2例のみの実測データを補います。

 また、希釈倍率に関しては、近年の希釈倍率がわかっている測定データを利用したり、一般的な発生源測定条件などから希釈倍率を推定します。これらによって半揮発性有機成分のインベントリーを作成します。

 8枚目のスライドですが、これは、窒素酸化物、アンモニア等の排出インベントリーの精緻化の説明です。

 これまでも排出インベントリーの改良を行ってまいりましたが、モデルによる濃度変化の再現には、さらにインベントリーの空間分解能や季節、時間分解能の向上が必要とされますため、農業統計や農業カレンダーを利用して施肥時期を反映した排出量を推定したり、火力発電量の時間変化を反映した窒素酸化物排出量を推定したり、日々の気温変化や自動車の駐停車時間を反映したVOC排出量を推定するなど、インベントリーの精緻化を行う予定でおります。

 9枚目のスライドは、期待される成果とその活用です。

 この研究では、二次有機粒子計測に関わるモデルの改良や関連発生源データの整備、それから窒素関連発生源データの改良などによって推定精度の向上したPM2.5モデル計算システムを構築します。

 その結果、現在、一桁過小となっている有機エアロゾルの推定値の改善、課題となっている硝酸の推定値の改善などが期待されます。これらのモデルの改善によって、発生源の寄与率把握や対策効果の見積もり等に貢献が可能であり、PM2.5注意喚起の判断手法の改良に対する直接・間接の貢献が可能と期待されます。

 最後に、ちょっと個人的な考えで申し訳ないんですが、モデル改良研究に関連する課題などについてお話ししたいと思います。

 まず、粒子内反応についてですが、今回の研究でもチャンバー実験に基づいて粒子モデルの改良を検討しますが、粒子内反応が複雑なために詳細を把握することは困難で、どこまでモデル化すれば実用になるかがポイントになってきそうです。

 また、粒子生成に関わるガス粒子分配の計算方法も重要そうで、今後検討が必要と考えられます。

 そのほかにもいろいろな改良が今後も進められると思いますが、短いスパンの経時変動の再現は簡単ではなさそうです。

 例えば、経時変動は排出インベントリーの時間変化や気象条件だけでなく、有機物の気相でのエイジング、反応生成物の粒子内反応、ガス粒子平衡等の微妙なバランスでも変わると思われます。

 また、気象条件の計算は天気予報と同じですので、精度を高めることは容易ではなさそうです。さらに、幾らモデルを精緻化しても計算負荷が大きいモデルは、化学輸送モデルに組み込んで三次元推定に用いることは困難です。

 こういったモデルに関する課題のほかにさまざまな発生源に関する半揮発性有機物の正確なインベントリーを作成する必要があり、そのための測定方法の開発やデータ蓄積体制の構築などが必要とされます。

 また、高濃度注意喚起に関しては、高精度の一時間値が得られるモニタリング法の開発も必要だと思っております。

 今回の研究で、これらの困難な課題の解決の、せめて方向性が見出せれば、より貢献ができるのではないかと個人的に期待しているところであります。

 長くなりましたが、以上でございます。

【大原委員長】 ご説明いただき、ありがとうございました。

 環境研究総合推進費で進められているSOAを中心にしたモデリングと、それから、排出インベントリーに関する改良に関する計画に関するご報告、最後に、より広い今後の課題についてご説明いただきました。ありがとうございました。

 それでは、先ほどのレビューの資料3と、ただいまご説明いただきました資料4をあわせましてご質問等をお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 では、金谷委員、どうぞ。

【金谷委員】 私どもも、実は別の推進費で一部、VBSモデルを考慮したような形で、もう少し広域の、アジア広域での有機エアロゾルの量を再現する方法に近づけないかということで努力しているところなんですけれども、実際、この得られた、恐らくVBSのモデルによって有機エアロゾルの濃度はモデルの中で上昇して実測の再現性も上がるとは期待されるんですけれども、本当にそれが実態を反映しているものなのか、特に対策に結びつけて考える上では非常に重要なことになろうかと思います。

 田邊委員からご報告のあったほうの資料に関してですけれども、実際、関東での値、今までの観測値の再現性という形で評価もされると思いますけど、例えば揮発性別の有機物濃度、実測の濃度との比較とか、もう少し踏み込んだ形での観測値と比較をするとか、そのような方向性というようなものも大事かと思いますけれども、まず、この推進費の中でそのようなことまで検討されているかどうかなど、もう少し情報をいただければと思います。

【大原委員長】 ありがとうございました。田邊委員、お願いします。

【田邊委員】 推進費の中でフィールド観測による揮発性の比較までは計画しておりませんが、別の研究費で、環境研究所の中で観測を行うことを考えておりまして、そちらで揮発性の検討を考えておりますので、それを組み合わせた評価といったようなことはできると思っております。

【大原委員長】 金谷委員、よろしいですか。

 では、梶井委員、お願いします。

【梶井委員】 SOAの実態調査にモデルをどれだけ近づけるかということでSemiVolatileなものを積極的に考慮していくというのは非常に重要で、きっとよい成果が得られると自分も感じているところなんですけれども、私たちも、オキシダントという立場から、その前駆体であるVOCの検討をしていく中で、Biogenic VOCというものがかなり過小評価されているということはある程度わかってきております。

 それで、いろんなモデルの中で、基本的にはメーガンというアメリカの研究者がつくったモデルを改良して使っているものが多いんですけれども、ざっくり言うと半分ぐらいしか考慮できていない可能性があると考えておりまして、そのBVOCをもう少しまともに見直すということも、SOAの実態に近づける一つの方向性なんだろうというふうに思っているんですけれども、そのBVOCに関してはどのようにお考えかという、もしくはコメントがございましたら、ちょっといただけたらと思いますけど。

【大原委員長】 コメントをお願いできますか。

【田邊委員】 研究代表者でない者がコメントを言うとまずいかもしれないんですけれども。

 基本は、おっしゃるようにメーガンの改良版を使うんですが、国内で排出係数を実測されて見直されているようなデータをなるべく取り込んだ形で排出量については更新したいと思っています。

 ただ、もっと気になっているのは、BVOCから生成する二次有機粒子が、チャンバーで実験しますと非常に揮発速度が遅いんですね。そちらのモデル計算のほうが、もしかすると結果にとても大きく影響しそうですので、それについて、三次元モデルはつくれませんけれども、せめてボックスモデルでちょっと挙動を検討したいと考えております。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 ほかにはいかがでしょうか。ございませんか。どうもありがとうございました。

 それでは、議題(1)の2)を、これで終わらせていただきたいと思います。

 それでは、次に議題(2)これまでの施策の評価についてであります。

 ここではPM2.5の発生源の種類、それから、これまでの施策について定性的に整理するとともに、今後の委員会の進め方について説明を受け、議論していただきたいと考えております。

 ご存じのように、この委員会は残りあと2回ございます。

 冒頭、三好局長のご挨拶にもありましたように、最終的には、この委員会で、今年度末に「国内における排出抑制策の在り方について」という形で中間取りまとめを行う予定であります。それをにらんだような、そういったような立場から、今日はご議論いただきたいと考えておりますので、まずは資料5に基づきまして事務局より説明をお願いいたします。

【中村補佐】 それでは、資料5をご覧ください。

 PM2.5の主要な発生源の種類とこれまでの施策についてということで、今、大原委員長からございましたとおり、PM2.5の主要な発生源の種類とこれまでの施策について定性的に整理したものをお示しするとともに、今後の進め方について事務局のほうからご説明させていただきたいと思います。

 まず、一つ目の1ページ目でございますけれども、まずは大防法に基づく固定発生源対策についてでございますが、この表自体は先ほども出てきましたけれども、発生源の種類と、そこからPM2.5に関係する物質の何が出ているのかというものを星取り表として整理したものでございます。

 それに上書きする形で赤枠、黄色枠で、それぞれ大防法に基づく固定発生源対策の対象となっているものを赤枠、黄色枠で示しているものでございます。

 続きまして、2ページ目、スライド2でございますけれども、スライド2は移動発生源対策ということでございまして、赤、黄色、青、緑と4種類がございますけれども、大防法、オフロード法、あと、燃料の品質の強化、NOX・PM法、航空法、海防法というようなもので、それぞれカバーしているものをここで記しているところでございます。

 裏に行っていただきましてスライド3が、今しがたのスライド1とスライド2のそれぞれを合体させたものでございます。なので、この赤で示したところが、これまでの施策で排出抑制策が実施されているものということでございます。

 ただし、注意書きといたしましては、表の下に書いてございますけれども、まずは、都市大気への影響が大きいと考えられる発生源を中心に記載しているとか、発生源種類分類は今後見直し予定ということもございますし、あと、例えば大防法で排出抑制策が実施されているというふうにマーキングしているものにつきましても、小規模施設は大防法の対象外になっているといったようなこともございますし、先ほどから出てきております凝縮性ガス等につきましても、現在、対策に入っていないというようなところもございますので、そういったところにつきましては注意して見ていただく必要があるというふうに考えてございます。

 以上が定性的な整理ということでございますけれども、そういった情報を踏まえまして、今後どのように議論を進めていただきたいかということにつきまして、最後のスライド4に書いてございます。

 今後、第4回と第5回ということで2回の専門委員会を予定してございまして、下から見ていただきますと、最後の第5回のところで国内排出抑制策の在り方の検討の中間取りまとめを行うということを考えているわけなんですけれども、その検討をいただくに当たって、第4回では、真ん中の四角でございますが、国内排出抑制策の方向性に関する検討ということで、既存の施策の評価、PM2.5寄与割合の定性的評価といった区分に大きく分けましてご議論いただきたいというふうに考えてございます。

 その議論を行っていただくために必要な、ベースとなる情報といたしましては、一番上の四角が四つございますけれども、左から既存施策による排出削減効果の整理結果ということで、これまでいろんな対策が行われておりまして、NOX、SOX、VOCといったものの濃度が低減しているといったような、そういうデータがございます。第1回の資料でお示ししまして、今回も参考資料2としてつけているものでございますけれども、そういう実際の測定データといったものが一つ材料になるのではないかというふうに考えてございます。

 もう一つは、本日の議題の一番初めにありました排出インベントリー、これの更新、ある程度更新されたものがお示しできれば、そういったものも含めて材料としてご議論いただきたいというふうに思っております。

 その隣、三つ目でございますけれども、試行的なモデル計算ないしは既存の調査研究による発生源寄与割合の推計結果、そういった試行的なモデル計算結果をもろもろ含め、いろいろ集積をしてお示しすることによって議論の材料にしたいというふうに考えてございます。

 一番右は、前回お示しした、金谷委員、鵜野委員にご説明いただいたような越境汚染寄与率の推計結果、そういったものが重要な材料になってくるというふうに考えてございまして、そういった材料をもとに、既存の施策の評価として排出抑制策が措置されていない発生源・対象物質は何なのか、追加的な対策を講じる余地のある発生源・対象物質は何なのか、PM2.5寄与割合の定性的評価といたしましては、寄与率が高いのはどの発生源か、不確実性が大きいのはどの発生源か、越境汚染の寄与率はどの程度かといったようなことが議論のポイントになってくると思いますけれども、ご議論いただきたいというふうに考えてございます。

 資料の説明は以上でございます。

【大原委員長】 ご説明いただき、ありがとうございました。

 それでは、ただいまご説明いただいた資料に基づきまして、ご意見、ご質問等をお受けしたいと思います。いかがでしょうか。

 坂本委員、お願いします。

【坂本委員】 まず、これまで、さまざまな対策がなされているという形でマークがしてありますけれども、それぞれの対策というのは、何を達成させるために対策がなされていたかという形できちんと考えないといけない部分があるだろうと。

 例えば、SOXであればSO2、NOXであればNO2とか、そういった形でやられてきたものに対して、今回ここで考えているのはPM2.5であるということをきちんと区別しないといけないというふうに思います。

 それから、NOX・PM法とかという形で、自動車の場合のPMの場合ですと、かなり、かつては高温ではかられていて、それから希釈率とか、そういったものが十分に希釈されていない状況ではかられてきたものが、徐々に希釈率が大きくなって温度が下がって、そういう状況の中ではかることによって、エレメンタルカーボンは別として、有機物の部分がきちんとはかられるようになってきたと、そういう経緯があります。

 そういう意味で、固定発生源と移動発生源のところで測定方法が、かなりPMといっても違ってくる部分があるのではないか、そういう部分も含めて考えてやる必要があるというふうに思います。

 基本的なところの発言だけとりあえずしておきます。

 以上です。

【大原委員長】 貴重なコメントをいただき、ありがとうございました。

 環境省から何かお答えすることはありますか。よろしいですか。ありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。

 今、ご説明いただいた資料5ですが、とりわけ4ページ目の今後の進め方については、次回あるいは次々回の専門委員会でのご議論につながる非常に重要なステップの案を示していると考えております。

 可能でしたら、この点に関するご意見等をいただければ幸いでありますが、いかがでしょうか。

 奈良委員、お願いします。

【奈良委員】 今後の進め方のところの表の中で、ちょっと気になっていましたのが、既存の施策の評価というところで、追加的な対策を講じる余地のある発生源・対象物質は何か等というところです。排出インベントリーの、委員限りの資料を見させていただきましたが、こうしたインベントリーのデータと、発生源寄与割合、こういったものを掛け合わせて重みづけをするなりして何らかの判断基準を下していくのだと思いますけれども、ここのところというのは、サイエンスといいますか、科学的なジャッジが求められます。こういったデータがあってもジャッジは難しいかとは思うのですけれども、この辺の追加的な対策をするときの判断基準について、インベントリーのデータとか寄与割合のデータをどう掛け合わせていくか、あるいは重みづけするかとか、その辺は、何か事務局ではお考えをお持ちなのでしょうか。お聞かせ願えればと思います。

【大原委員長】 事務局から回答をいただけますか。

 なかなかお答えするのは難しいと思いますけれども、現時点で考えられていることを素直に言っていただければよろしいかと思います。

【中村補佐】 ありがとうございます。

 現時点で、今まさに、何かと何かを掛け合わせて数値的に定量的に重みづけをしていくというのは、なかなか難しいというふうに思っています。

 ですので、ここの上の四つの四角にあるような、そういった情報を俯瞰して、そういった中から何か少しでも対策、濃度の削減に寄与するようなものが考えられないかということを検討していくというところなのかなというふうには考えているところでございます。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 少しコメントさせていただきますが、先ほど来、ご報告がありますように、PM2.5の生成メカニズムは極めて複雑であります。それから、発生源はたくさんあるし、その発生するプロセスもいろいろある。

 そういったような中で、合理的な対策をどのように考えていくのか、これは非常に重要で難しい、そういう課題であろうと考えております。

 現時点では、恐らく明確な形での判断基準というものをご提示することはできないと思いますが、ぜひ、この専門委員会の議論の中で、そのあたりにつきまして、定性的でもよろしいかとは思うんですけれども、何らかの考え方を出せていければと考えている次第であります。

 お願いします。

【早水審議官】 若干補足させていただきますと、この発生源の寄与割合とか、そういうものが多いところは必要だといった、必要性みたいな議論が一つあると思うんです。

 もう一つは、やっぱり対策ですので、技術的な可能性とか、そういったものも多分、ある程度考慮しなくてはいけないかなと。今までかなりやってきて、あまり余地がないのか、まだ幾つかこの辺は余地があるとか、そういうこともベストアベイラブルといいますか、そういう観点というのも必要かなというふうに考えております。

 そのあたり、まだ具体的なものがあるわけではありませんが、そういう両方のアプローチが、多分、必要じゃないかと思っております。

【大原委員長】 ありがとうございます。

 奈良委員、よろしいでしょうか。

【奈良委員】 はい。

【大原委員長】 ありがとうございます。

 どうぞ。柴田委員、お願いします。

【柴田委員】 柴田でございます。

 今回、ここに書かれているのは、中間取りまとめに向けた短期的な話だと思うんですが、今までお聞きしていますように、モデル自身にしてもかなり長期的なスパンで改良していかなきゃいけない。インベントリーについても、まだデータのある部分、ない部分、いろいろまじっている状態であって、それの中で、直近としては何かやらなきゃいけないというのはわかると思いますが、長期的なスパンとして考えていかなきゃいけない部分があると思います。

 例えば、インベントリーをちゃんと更新していく枠組みをつくる等とか、そういったことも考えた長期的な対策みたいなことも必要じゃないかなと思います。

 我々はずっと大気モデルの研究をやってきまして、アメリカ等の例を見ていますと、アメリカはインベントリーにしても、ある程度長期的に収集する枠組みをつくって、それをもとにモデルの改良も自分たちでやってきて、そこまでやって、やっと今の状態というところだと思います。そういった面で、短期的な話だけではなくて、もう少し長期的にどういうふうにしていくかということも考えることが必要じゃないかなというふうに感じています。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 環境省からお答えすることはありますか。

【是澤課長】 まさにご指摘のとおりでございまして、先ほど来、いろいろご議論がありますように、まだまだ未解明の部分がたくさんある、あるいは排出インベントリーについてもまだまだこれから整備していかなきゃいけないという状況の中で、短期的にはこの中間取りまとめに向けて資料をご用意し、議論をお願いしたいと思っておるんですけれども、長期的にいろんな機構の解明をどう進めていくのか、モデルの構築をどうやっていくのか、さらにはインベントリーももちろんでございますけれども、どういうふうに整備していくのか、検討していかなければいけないと思っております。

 少し、本日の資料で申し上げますと、最初の議題の中で、インベントリーの今後の策定計画についてご説明いたしましたけれども、実は、まず第一弾の情報の更新というのは、年度一杯かけて実施したいと思っているわけでございまして、それを検討に反映できるのは、また来年度以降ということになります。

 また、それで終わりでは、もちろんございませんで、インベントリーの整備自体は、来年度も再来年度も、今、計画を立てて、そのスケジュールの中で精緻化していこうということで、今、動いているところでございますし、先ほど、田邊委員にご紹介いただきましたモデルの高度化の話につきましても、これも3年計画で取り組んでいただくことになっておりますので、そういった成果を少しずつまたご紹介いただいて、総合的な対策というのを具体化していきたいと思っております。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 梶井委員、どうぞ。

【梶井委員】 今、ちょっと長期的な話ということも出たので、ここで言うべきかどうかはわからないと思いつつお話しするんですけれども。

 環境基準のあり方とかも含めて、疫学的調査によってどの程度のものが健康被害があるのかというところら辺は、まだ未解明の部分がかなりあるのではないかと、自分では、専門ではないのでわかりませんけれども、そういうふうに聞いております。

 それで、要するにPM2.5の中の成分のどういった物がいけないのかというところも、やはり踏み込んだ議論がきっと必要なのだと思うんですけれども、ここでは、そういう物を一つ、全部ざっくりとPM2.5というエアロゾルの中に組み込んでしまっているのですけれども、水際作戦としては、そこでとりあえず大きく削減する努力をするというのは、とっても大事だと思いますけれども、やはりその中で、長期的にはどういう成分が体に健康被害を与えるので、そういうところきちっと制御していくというふうな方向に行くのがよいのかなという気がちょっといたします。

 ここの委員会ではないかもしれませんけれども、長期的なということなので、ちょっと発言させていただきました。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 今の件に関しては、環境省のほうから何らかのご回答はありますか。

 私の認識では、この専門委員会は健康影響に関する議論は直接的にはしないということであろうかと思いますが、いかがでしょうか。お願いします。

【中村補佐】 貴重なご指摘、ご意見をありがとうございます。

 今、大原委員長からもありましたとおり、健康影響そのものに対することは、この委員会の議題ではないということではございますけれども、環境省としましては、健康影響に関する知見の集積ということにも別途取り組んでおりますので、例えば肺機能発達にかかる疫学調査とか、呼吸器症状への影響に関する調査研究、そういったものをもろもろ進めてございます。

 そういったところ、そういった成果の中から、本委員会での検討に資するような情報がありましたら、当然、この委員会にインプットさせていただいて、ご議論の中に含めていただきたいというふうには考えてございます。

【大原委員長】 梶井委員、よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 ほかには、いかがでしょうか。坂本委員、どうぞ。

【坂本委員】 現在では、PM2.5は質量総体として、この場では考えていくということでやるしかないんだと思います。

 それで、今、環境省のほうからお話があったように、そういうデータが出てきた場合には、個別の毒性なり何かから、より考えられたものが環境基準として適切であれば、そういったものが変えられていくわけで。

 今、私は別のことで申し上げたいと思ったんですが、排出抑制策が措置されていない発生源・対象物質は何か、それから、そういう講じる余地のある発生源・対象物質は何かと、こういったものを考える場合に、私たちは平均的なPM2.5の濃度を下げる形を考えていく場合と、それから、モグラたたきのような形でPM2.5が環境基準を時たま超えるようなものを減らす形を考えるのか、そういったところによっても随分違ってきて、そして、例えば後者のほうであれば、時には野焼きによって超えるようなことがあって、そういった部分については、いわばそういうことの意味をよく国民全体にわかってもらって、そういうようなものをやらないような方向で行くことによって、やれる部分もあり得る。

 それから、あともう一つ重要なのは、季節的な変化が、非常にPM2.5の場合には大きくて、例えば関東圏の都市部であれば、夏もかなり濃度が高くなるときも同時にあるし、それから冬の、今言った野焼きの可能性なんかもあったりする。

 そういったような形で考えていった場合に、どこがどうというのは、まず有機物の、先ほど来から出ている課題であるところの質量が、測定値とシミュレーションが合わないということは、一次排出の部分が寄与するところが大きいのか、それから二次生成の寄与するところが大きいのか、それを見ていく必要があって、そして、その場合に、重要に、そこにはNOXが、二次生成の場合には絡まってきて、冬の濃度が高い原因には、かなりナイトレートが効いているわけですね。

 そういった形で考えていった場合、あまりはっきりとどこというのが言えなくて、私の感覚では、まず有機物のところがどっちかがわかってから、その後、先へ行くのかなぐらいな感じを思っているところです。

 寄与率が高いというのも、個別の発生源から出る、例えばSO2の我々が対策をやったときに、どこから排出されるSO2が一番健康影響に効くかどうかとか、そういったことはある程度置いておいて、排出量に比例する形で何かをやることによってある程度の成果を得たという実績も持っています。

 例えば、都市部におけるNOXなんかも、東京都辺りでいろいろな発生源寄与率を計算すると、東京都内から出るのはごくわずかしかないとか、そういう結果になってくる。恐らく、ほかの関東圏で計算してもそれに近いような形になってきた場合に、比較的反応時間が短くて生成するような物だとすれば、あるエリア内全体でどれだけ発生しているのか、それがどれだけ減るのかとか、そういった考え方もあるんではないかなという気がいたします。

 何をしたらいいかという、まともな答えにはなっていないんですが、ちょっと考えているところを申し上げました。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 とりわけ長期的な対策と短期的な対策、その両面から考える必要があるというのは、非常に重要なご指摘だと感じました。ありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。

 どうぞ、奈良委員。

【奈良委員】 今の坂本委員が言われたことで、ちょっと意見といいますか、コメントをさせてもらいたいんですが。

 モグラたたきのように出ているPM2.5濃度の高いものを潰すという方策と、それから平均的なPM2.5濃度を下げるという、そういったことが考えられることかなというお話だったんですけれども、先ほど、疫学的な話とか、ヒト健康の話は別の場でという話がありました。最終的に、もう一つそれにアイテムを加えるとしたら、やはりそういった別の場で検討されている、ばく露量、排出量は小さいけれども、ある一定の有害性が強いものの対応です。いわゆる掛け算でのリスク管理を少し気にしないといけないとなったら、排出量は少ないけれども、ヒト健康に影響があるという有害性のデータを、早い段階で関係者に共有させていただいて、排出量、ばく露量は小さいけれども何とかしないといけないんじゃないかなというような三つ目のアイテムというのも、当然、出てこないといけないんじゃないかなと思ったのですけれども。

 それでもやはり、そういったリスク管理という意味で、有害性にまで踏み込んだ議論はしないという、考え方でしょうか。

【早水審議官】 ちょっとお答えしますが、私は、5年前にPM2.5の環境基準をつくったときに、直接は担当していませんが、大気局におりましたので、その議論を聞いておりましたけれども、要するに、先ほど坂本委員からもおっしゃいましたが、PM2.5についての環境基準の設定の考え方は、いろんな成分はあるけれども、PM2.5の粒子として、非常に細かい粒子が体に取り込まれることによって影響が出るというものに対する環境基準をつくったということです。

 成分によって、もちろんいろいろ違いはあるかもしれないけれども、環境基準を設定した根拠は、あくまでPM2.5総体として、今までの知見を踏まえてつくったものでありますので、粒子が非常に細かいということによる健康影響という視点で、一応、我々もベースは考えていく。その上で、さらに成分によって影響があるかどうかというのは当然あると思いますけれども、多分、その研究の成果を待っていて細かくやり出したら、これは、またすごい時間、先の話になってしまいますし、繰り返しになりますが、既に基準としてつくった考え方に基づいてPM2.5をどう下げるかということを、とりあえず我々は念頭に置いてやっていくというのが、基準設定のときからの考え方と思います。

 坂本委員、よろしいですか。

【坂本委員】 今、早水審議官が話をされたような形で、ばく露影響、それから毒性、それから疫学、そういったグループに分けて調査研究を、あのときには、たしか10年にわたってやってデータをまとめた結果、あの時点では、それから現在でもそう大きく変わっていないと思うんですけれども、PM2.5の質量総体としての影響以上に個別の成分で有害性を説明できるものという形でPM2.5質量で考えられた毒性に匹敵するような形で、もしくはそれを超えるような形でのデータは、今のところないんだろうというふうに私は理解をしています。

 そういう意味で、ここではPM2.5という形の環境基準を決めたときの考えで、今の時点では行くのが普通の考えというふうに理解しています。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 それでは、そろそろ予定の時間が迫ってまいりましたので、議題(2)を終えたいと思います。

 事務局におきましては、今いただきましたたくさんのご意見を踏まえまして、次回、国内排出抑制策の方向性に関する検討のための資料を作成していただきますよう、よろしくお願いいたします。

 次に、議題(3)光化学オキシダントの環境改善効果を適切に示すための指標案についてであります。

 これにつきましては、前回のこの委員会で、事務局から測定データの多角的な解析とともに指標案が提示され、ご議論いただいたところであります。

 今回は、それを踏まえまして、中間的な取りまとめ案を事務局より提示し、皆様にご議論をいただきたいと思います。

 それでは、ご説明をよろしくお願いします。

【小林補佐】 大気環境課の小林と申します。資料6に基づいて説明いたします。

 光化学オキシダントの環境改善効果を適切に示すための指標について、中間取りまとめ案でございます。

 まず、背景でございますが、光化学オキシダントにつきましては、大気汚染の防止のためのさまざまな取組により、前駆物質である揮発性有機化合物や窒素酸化物の濃度が減少しているにもかかわらず、平均的な濃度が漸増傾向であり、環境基準達成率も極めて低い水準にとどまっております。

 このような中で、これまで光化学オキシダント濃度の指標としましては、環境基準の達成状況、光化学オキシダント注意報の発令状況などを用いてまいりました。しかし、光化学オキシダントは、気象要因による年々変動が大きく、これらの指標では長期的な環境の状況を示す指標になっていないことが問題点として指摘されております。

 平成24年4月には、閣議決定された第四次環境基本計画におきまして、広域的な取組を重視した大気汚染対策として、「特に光化学オキシダントにつきましては、広域大気汚染や気象条件の変化などの影響を大きく受けやすい注意報等とは別に、環境改善効果を適切に示す指標について検討を行い、結論を得ることを目指す」とされております。

 このため、環境省では、平成23年度に設置いたしました「光化学オキシダント調査検討委員会」におきまして、光化学オキシダントの長期トレンドを評価するための指標の作成について検討を進めてまいりました。

 その結果、新たに日最高8時間値平均値の年間99パーセンタイル値の3年平均値を指標として活用することが提案されております。

 当委員会では、この検討会の報告を踏まえまして光化学オキシダントの環境改善効果を適切に示すための指標を検討し、中間取りまとめを行うこととしております。なお、今回提案する指標につきましては、まず、試行的な運用を行いまして、その結果に基づき有効性を評価することといたします。

 次に、2、検討内容についてでございますが、まず、現在用いている指標についてでございます。次のページをお願いいたします。

 現在、2ページと3ページに示しております指標を用いて、全国の状況を取りまとめている状況にございます。

 まず、2ページ目の①環境基準の達成状況でございますが、環境基準は1時間値が0.06ppm以下であることと設定されておりまして、測定を行った日についての各1時間値を環境基準と比較して評価を行うこととなっております。それで結果を見ますと、ほとんどの局で達成できない状況となっております。

 3ページの②光化学オキシダント注意報の発令状況についてでございますが、これは1時間値が0.12ppm以上で気象状況から見て、その状態が継続すると認められる場合に、大防法の規定により都道府県知事等が発令することとなっております。これは、その年の気象の状況にも非常に影響されるところでございます。

 ③は、昼間の日最高1時間値の年平均値の経年変化でございます。

 現在は、これらの指標を用いておりますが、冒頭の背景のところでも触れましたけれども、光化学オキシダント濃度は気象要因による年々変動が大きく、これらの指標では長期的な環境の状況を把握することが難しい状況にございます。

 次に、(2)で、今回提案する指標の考え方でございます。

 まず、①で年々変動の軽減方法でございますが、光化学オキシダントの場合、年度ごとで経年変化を示しますと年々変動が大きいことから、年間統計値の3年移動平均にすることで濃度変化の経年変化の把握は容易になると考えられます。

 次に、②の日最高8時間値に着目した指標の考え方でございますが、8時間値につきましてはWHOやEPAで評価基準として採用されるなど、光化学オキシダントの国際的な評価指標として利用されております。

 光化学オキシンダントに関する環境改善につきましては、高濃度の出現を抑制することが重要でありますことから、高濃度に着目し評価することが適切であると考えております。

 この場合、異常な猛暑等によって特異的な高濃度になった場合などを外れ値として上位数パーセントを除外することで長期的な変化傾向をより安定して評価できると考えております。

 また、特異的な高濃度が出やすい4月から9月の暖候期について検討した結果、上位の2%を外した暖候期98パーセンタイル値が最も適していると考えられます。

 さらに、指標として行政上、利用のしやすさを考えると、年間統計値が扱いやすいため、暖候期98パーセントタイル値と概ね一致する年間99パーセンタイル値を採用することが適当が考えております。

 以上の検討の結果から、3、光化学オキシダントの環境改善効果を適切に示すための指標といたしましては、光化学オキシダント濃度8時間値の日最高値、年間99パーセンタイル値の3年平均値を活用すべきと考えております。

 次に、4の新しい指標の活用方法でございます。

 環境省では、毎年度、全国の大気汚染物質の測定結果を取りまとめております。

 今後、その際に、光化学オキシダントの状況につきましては、これまでの従来の指標に加えまして、今回提案する新しい指標も用いて評価し、情報を提供することを考えております。

 例えば、5ページの図5に示しておりますように、今回の新しい指標を用いて地域ごとの域内最高値の経年変化を示しております。

 黄色い線は九州でございますが、それ以外の関東地域や、東海・阪神地域では、近年、濃度が低下していることを見ることができました。

 また、そのほか例えば図6のように関東の一定濃度以上となる局数の経年変化を示しております。それによりますと、90ppb以上の局数が、近年、減少していることが見られております。

 なお、冒頭でも説明いたしましたが、この新しい指標につきましては、まず試行的な運用を開始し、その結果に基づき有用性を評価していくことが適当であると考えております。

 最後に、6ページでございます。

 今後の課題でございますが、新しい指標を用いて光化学オキシダント濃度の経年変化を評価するに当たりましては、できる限り、国民の皆さんにわかりやすく解説を加えた上で情報提供することが求められていると考えております。

 しかし、光化学オキシダントにつきましても、濃度の増減について前駆物質であるVOCや窒素酸化物の増減のほかに、越境の汚染の影響やNOタイトレーション効果の低下等の要因が複雑に関係しております。

 その要因の評価は容易でないと考えておりまして、今後ですけれども、測定値に基づく解析値とシミュレーションを組み合わせた解析や、新たな科学的知見の集積等によって光化学オキシダントの経年変化の要因の解明や削減対策の把握に努めまして、効果的な削減対策を進めていくことが必要であると考えております。

 駆け足となりましたが、資料6の説明は以上でございます。

【大原委員長】 ご説明いただきありがとうございました。

 この件につきましては、前回の第2回の専門委員会でご報告及びご議論いただいたところであります。

 環境省では、光化学オキシダントの調査検討会をつくりまして、その中で議論してきた結果を、今回、このような形で本専門委員会の中間取りまとめとして出していきたいという、そういう趣旨でございます。ご議論いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 いかがでしょうか。何かございませんでしょうか。

 では、お願いします。

【弓手委員】 鉄連の弓手と申しますけど。

 この新しい指標で紹介していただいた図5とか図6と、あとVOCの発生量であるとか窒素酸化物の濃度との関係みたいなのは、相関関係みたいなのをご覧になっているんであれば、教えていただきたいんですけれども。

【小林補佐】 相関関係としましては、やはりVOC等の排出規制が、大体始まったころから、高濃度域の光化学オキシダント濃度が下がっているようなことは示唆されておりますが、今回は、まだ実測値による解析でございまして、今後、シミュレーションもあわせて、その要因等は今後解析する予定になっております。

【大原委員長】 よろしいでしょうか。

【弓手委員】 はい。

【大原委員長】 ありがとうございます。

 坂本委員、お願いします。

【坂本委員】 今、光化学オキシダントの環境改善効果を示すための指標についてと、これは、それである程度いいと思うんですが、まず、現在の光化学オキシダント濃度を予測するために、やっぱりBVOCがきちんとデータとしてないとできない部分があって、そして、その部分については、先ほどのPM2.5のところでも幾つか関係する話があったと思うんですが、そういう形のデータの整理を急ぐべきであろうということ。

 それから、あと今回、これは環境改善効果を適切に示すための指標ということですけれども、そもそも環境基準がどういう形で決められているかというと、大気質をどの程度に、我々は、国民の健康を保つために維持したらいいかという行政上の目標を定めて、そしてさまざまな達成に向けて施策をやっていくというような形で環境基準が設定されているわけですけれども、従来ですと、1時間値というような話、そして、そういったものを達成するために、非メタン炭化水素濃度の午前6時から9時までのデータ、測定値が、ある濃度範囲、もしくは、それ以下というような形も、指針値がどうなっているかというような形を見ていって、現在、非メタン炭化水素絡みの指針値というのは、かなり達成率が、少しずつよくなってきているわけなんですよね。

 そういうようなものを考えていった場合に、今後の環境基準を、もう少しいろんな行政施策を反映するような形で考えていくことも必要ではないか、そういった議論も今後していく必要がある。

 その場合に、先ほど来、PM2.5でそもそも決めたときの健康影響なり何かの判断というものが出ていましたけれども、それについては、別途、今までも毎年毎年、そういったもののレビューをやっていって、状況がある程度の情報を整理したときに、環境基準値、そういったものについても見直しをしていくんだというようなところはあるわけですので、そういう情報を整理して、なぜ日本だけ、今こういう1時間値、相変わらず全ての情報を整理してもそういう状況であるのかどうか、それを考えて検討をしていくことも、そろそろ必要ではないのかなというような気がいたします。

 なぜかというと、光化学スモッグ注意予報とか、それから、今の非メタン炭化水素の濃度とか、場合によっては社会経済活動を一部抑制してもらって、そういうような状況になることを要求しているわけです。そういうようなことも考えていった場合には、もう一度、少しきちんと考えてやっていくことも、そういう時期に来ているのかなというような気もいたします。

【大原委員長】 ありがとうございました。

【坂本委員】 このものについてというよりは、今後もう少し広い意味で。

【大原委員長】 わかりました。どうぞ。

【三好局長】 2点目の環境基準の関わりにつきまして、重要なご指摘でございますので。

 先生がご指摘のとおりのような課題が、環境基準をめぐってもあるかなということでございます。

 先生のお話の中にございましたけれども、これ自身は、閣議決定された基本計画に基づく宿題をどういうふうに解決していくかということで、そこに焦点を絞って検討させていただいたものでございますから、これはこれとしておまとめいただくことといたしまして、この検討の中から、今、先生がご指摘になったようなことも示唆されてきたわけでございますので、改めて私どものほうでも少し研究を進めていきたいというふうに考えております。

 またその節にはいろいろご指導をいただければというふうに思っています。よろしくお願いいたします。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 それでは、そろそろ時間も参りましたし、ご意見も出尽くしたようでございますので、議題(3)を終わらせていただきたいと思います。

 この点につきましては、委員の皆様から幾つかご意見をいただきましたけれども、事務局案のとおりで中間取りまとめとさせていただきたいと思いますが、ご異論ございませんでしょうか。よろしいですか。

(異議なし)

【大原委員長】 どうもありがとうございます。

 それでは、議題(3)まで終わりましたが、その他、何かございますでしょうか。

【中村補佐】 ありがとうございます。

 次回の委員会でございますけれども、11月から12月ごろの開催を予定してございます。改めまして、皆様方の日程を確認させていただきまして調整したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 また、本日の議事録でございますが、各委員にご確認いただいた上で公開させていただきますので、後日、確認のほど、よろしくお願いいたします。

 事務局からは以上でございます。

【大原委員長】 ありがとうございました。

 ほかに何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 どうもありがとうございます。

 それでは、本日の委員会はこれで終了いたします。ご協力いただきどうもありがとうございました。

午後4時57分 閉会

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