中央環境審議会大気・騒音振動部会 石綿飛散防止小委員会(第7回) 議事録

1. 日時

令和元年10月21日(金)13:30~15:33

2. 場所

環境省第一会議室

3.出席者

(委員長)

大塚 直

(臨時委員) 

大迫 政浩

島  正之

高岡 昌輝

谷口 靖彦

山神 真紀子

(専門委員)

浅見 琢也

出野 政雄

笠井 賢一

神山 宣彦

小坂  浩

外山 尚紀

中村 弘造

廣田 善夫

本橋 健司

(環境省)

小野水・大気環境局長

正林審議官
関谷総務課長
神谷大気環境課長
清丸大気環境課課長補佐
秋山大気環境課課長補佐
西條大気環境課課長補佐

4. 議事次第

(1) 今後の石綿飛散防止の在り方(案)について

(2) その他

5. 配布資料

資料1
中央環境審議会大気・騒音振動部会石綿飛散防止小委員会委員名簿
資料2
今後の石綿飛散防止の在り方(案)
資料3
今後の検討スケジュール(案)
参考資料1
第6回石綿飛散防止小委員会でいただいた意見と対応(案)
参考資料2-1
外山委員提出資料
参考資料2-2
吉住委員提出資料
参考資料3
中央環境審議会大気・騒音振動部会石綿飛散防止小委員会(第6回)議事録
参考資料4
石綿飛散防止に関する法令(抜粋)
参考資料5
建築物の解体等に係る石綿飛散防止対策マニュアル 2014.6 環境省
参考資料6
建築物の解体等現場における大気中の石綿測定方法及び評価方法について(平成25年10月 アスベスト大気濃度調査検討会)

6.議事

【神谷大気環境課長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会大気・騒音振動部会第7回石綿飛散防止小委員会を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、ご多忙にもかかわらず、ご出席をいただきまして誠にありがとうございます。本日の司会を務めさせていただきます大気環境課長の神谷でございます。

 本日の会議は、小委員会の運営方針に基づき、公開とさせていただいております。

 委員の皆様のご出席状況でございますが、委員19名中15名の委員の方からご出席という連絡をいただいておりまして、定足数に達していることをご報告させていただきます。高岡委員が後からお見えになるという連絡をいただいております。また、勢一委員、武林委員、吉住委員、渡辺委員は、ご欠席との連絡を受けております。

 続きまして、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。

 議事次第に配付資料一覧を記載しております。議事次第、座席表、資料2、参考資料1、2-1、2-2は紙で配付をしておりますが、その他の資料については、タブレットを使用してご覧いただきます。なお、タブレットの不調や資料データの不足、操作上の不都合等がございましたら、お近くの事務局の者までお申しつけください。

 傍聴の皆様には、前日までに、環境省ホームページに掲載いたしました資料につき、お持ちのノートパソコン等の端末に保存し、ご覧いただく等、ペーパーレス化へのご協力をお願いしているところです。そのため、既にホームページに掲載済みの資料については紙で配付せず、今申し上げた資料のみを配付しております。ご理解のほど、よろしくお願いします。

 また、傍聴の皆様におかれましては、会議の妨げとならないよう、ご静粛にお願いをいたします。遵守されない場合はご退場いただくことがありますので、ご留意をお願いします。

 また、委員の皆様方におかれましては、飲み物について、ワンウェイプラスチックの使用削減に係る環境省の取組の一環として、水筒などのマイボトルのご利用をお願いしております。セルフサービスでございますが、会場の2カ所でお水を用意しておりますので、ご自由にご利用いただければと存じます。ご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、報道関係者の方におかれましては、恐縮ですが、カメラ撮りは会議の冒頭のみとさせていただいておりますので、これ以降はご遠慮いただきますよう、ご協力をお願いします。

 それでは、以降の会議の進行につきましては、大塚委員長にお願いいたします。

【大塚委員長】 それでは、議題に入りたいと思います。

 議題(1)、今後の石綿飛散防止の在り方(案)についてでございます。

 先日の小委員会で方向性についてご議論いただきました結果を踏まえまして、答申案を作成いただきました。また、外山委員、吉住委員から、意見などの資料提出がなされております。

 本日の議論を踏まえて、答申案についてパブリックコメントで意見を募集することになりますが、事務局から資料を説明していただいた後で、パートを区切って議論いたしますので、ご協力をよろしくお願いします。

 では、事務局から資料2、参考資料2-1、2-2について説明をお願いいたします。

【西條大気環境課課長補佐】 大気環境課の西條と申します。よろしくお願いいたします。座って説明させていただきます。

 まず、資料2の答申案のご説明でございます。

 前回のご議論で、方向性の案についてご審議をいただきまして、4の大気濃度測定の部分については、新しく今回(案)を作成しています。その他の部分については、大きく方向性自体を変えたということはございませんが、前から順番にご説明させていただきます。

 まず、めくっていただきまして、1ページ、背景でございます。

 ここについては、大気汚染防止法の中で、解体等工事の際の石綿の一般大気中への飛散防止対策の経緯、平成元年に特定粉じん(石綿)の規制が入ってから、平成25年の前回の改正までの経緯について記載しております。

 1ページ目の2のところ、平成25年以降の課題について挙げております。前回の改正のときの中環審の中間答申の中で挙げられた課題でありますとか、あとは平成28年の総務省の勧告で挙げられた課題について記載しております。

 3ページの一番下のところで、そうした課題を踏まえまして、こちら石綿飛散小委員会において、これまで議論をしていただいてきたということでまとめております。

 4ページは総論となっておりまして、特定建築材料以外の石綿含有建材、いわゆるレベル3建材の扱いでありますとか、事前調査、作業後の確認、他法令との連携、普及啓発について、総論として記載しております。

 5ページからが各論になります。

 一つ目が、特定建築材料以外の石綿含有建材の除去等作業の際の石綿飛散防止ということでございます。こうした石綿含有建材については、現状、マニュアルや通知において、飛散防止対策についてお示しをして、周知をしてきたところでございますが、環境省が実態調査等を行った結果、作業現場周辺において石綿が飛散するおそれがあるということが明らかになったということ、それから、都道府県等の立入検査等において不適切な事例というのも確認をされておりまして、現状のマニュアルや通知に基づく指導では、強制力に一定の限界があるという課題があるところでございます。

 こうした状況を踏まえまして、5ページの(1)のところでございますが、基本的に、全ての工事を大防法上の特定建築材料に係る規制の枠組みの対象とすべきであるとしております。

 6ページの「他方で」というところ、まず一点目、こうした今回特定建築材料に追加しようとしている石綿含有建材については、石綿繊維の飛散の水準は低いということで、これらの除去作業においては、そこまで専門的な機器等を使用することは要しないということ、それから、二つ目のパラグラフについて、非常に作業の件数が多くなるであろうということが想定をされまして、そのため、仮に作業の事前の届出の対象とした場合には、都道府県等の負担が大きくなるということが想定されます。これを踏まえると、都道府県等の実情、それぞれの地域の実情によっては、立入検査を実施することによって、実際に不適切な作業が行われていないかどうかということを確認していただくことが効果的である場合も考えられるとしております。

 「さらに」というところで、もう一つの要因として、一般住宅の多くが、こうした石綿含有建材が使用された建築物等に該当すると考えられますので、届出の主体である発注者に一般の個人の方が該当することが想定されますので、こういった発注者の負担も考慮する必要があろうというところでございます。

 これらの状況を踏まえまして、もちろん届出の対象にするということも考えられますが、大防法における全国一律の制度とすることまではしないとしております。その上で、適正な飛散防止措置は担保する必要がございますので、都道府県等の立入検査で確認できるように、作業開始前に、作業の計画は策定するのが適当であるとしております。

 6ページの下のところ、(2)作業基準でございます。

 まず、石綿含有成形板等について、環境省では、実態調査や様々な実験等を行いまして、その結果を踏まえて、7ページの三つ目のパラグラフにおいて、石綿含有成形板等の除去については、基本的には原形のまま取り外すことを原則とすべきであるとしています。ただ、原形のまま取り外すことが困難な場合というのも想定されますので、そういった場合には、養生や湿潤化といった飛散防止措置を作業基準として検討して定めるべきであるとしております。

 ②の石綿含有仕上塗材についてでございます。

 現状、塗材については、吹付け工法によって施工されたものについては、大防法上の吹付け石綿に該当するということで、規制対象としているところでございます。環境省で調査や実験等を行いまして、8ページにおいて、塗材の施工方法にかかわらず大防法の規制対象とする、それから、塗材に特化した飛散防止措置を作業基準として検討して定めるべきとしております。

 各論二つ目、事前調査の信頼性の確保についてでございます。

 まず、事前調査の方法について、現状ではマニュアルにおいて示しているところでございますけれども、不適切な事前調査によって、特定建築材料を見落として解体工事を始めてしまったといったような事例も確認されておりまして、現状のマニュアルに基づく指導では一定の限界があると考えております。

 「そのため」ということで、事前調査の方法を法令上に位置づけるべきと記載しております。具体的な中身としましては、書面調査及び実地調査を行うこと、書面と実地調査では石綿含有の有無が判断できないという場合には、分析によって調査を行うか、又は石綿含有とみなすこととするといった内容が想定されるかと考えております。

 また、これに伴いまして、石綿の新たな使用が禁止された平成18年9月1日以降に着工した建築物等は、現行法上では調査の対象ではないと除外されていますが、書面調査をするということにしますので、着工年月日も書面で確認する必要があり、これらについても事前調査の対象とすべきであるとしております。

 8ページの一番下の「なお」というところ、方法を法令に定めるとともに、事前調査の義務のある施工者に対して、それから発注者に対して、それぞれの役割について、しっかり周知をしていくことも重要だと考えております。

 9ページ目、(2)一定の知見を有する者による事前調査の実施でございます。

 事前調査において、不適切な調査が行われているという事例があると申し上げましたけれども、この要因として、一つには基本的知識が不足しているということがございまして、環境省では、一定の知見を有する者を使用するようにとの通知を行ったり、国土交通省、厚生労働省と共同で「建築物石綿含有建材調査者講習登録規程」を整備しているところでございます。一定の知見を有する者を使用することを更に推進するために、「施工者は、石綿に関する一定の知見を有し、的確な判断ができる者を活用して事前調査を行うこととすべきである」としております。

 「ただし」というところ、石綿含有建材が使用されている可能性がある建築物は、かなりの数が想定されますので、建築物の構造等を踏まえまして、飛散性の高い石綿含有建材が使用されている可能性の高い建築物の調査に、特にこうした知見を有する者を活用すべきであるとしております。

 9ページの一番下の「なお」というところ、厚生労働省でも同様に、一定の知見を有する者の活用の検討が進められておりますので、こうした検討状況も踏まえて検討をしていくべきであると記載をしております。

 さらに、10ページの上のところで、前回のご議論の中でも、調査の実施者は第三者とすべきではないかとのご指摘をいただいておりますけれども、現時点の知見を有する者の数を踏まえたときに、現時点ではそのような体制の整備は難しく、将来的に検討することが考えられるとの記載にさせていただいております。

  (3) 事前調査の結果の記録についてでございます。

 現状では、事前調査の結果の記録の保存義務は特に設けられておりません。そのため、今回、事前調査の方法を法令に規定するということもございますので、都道府県等が立入検査で、適切に事前調査が行われているか、また、受注者から発注者に事前調査の結果を説明しなければならないということになっておりますので、この説明がきちんと行われているかということを確認するということができるように、事前調査の記録を一定の期間保存することを義務付ける必要があると記載しております。

 また、現状では、受注者からの説明を受けた発注者が届出をするということになっておりまして、その届出義務に違反した場合には、発注者には罰則があるということになっていますが、受注者に対しては特に罰則がないところでございますので、受注者に何か要因があって届出がなされなかったといった場合に、記録義務違反など、受注者に科すことができる罰則も検討すべきであるとしております。

 「また」というところ、掲示について、現状も掲示の義務はありますけれども、これをさらに公衆にわかりやすく、見やすいような内容にすることや、施工者が事前調査の結果の記録の写しについても工事期間中に現場に備えつけることとすべきであるとしております。

 11ページの「さらに」というところ、受注者に対して、これは元請業者ですが、下請業者に石綿含有建材の使用箇所を含めた調査結果を説明することを義務付けるべきであると記載しております。

 (4)事前調査結果の都道府県等への報告でございます。

 現行法では、施工者が事前調査を行いまして、その結果、特定工事、つまり石綿含有建材を使っている建築物等の解体等工事だと判断したものについてのみ届出がされるということになっておりますけれども、事前調査が必ずしも適切になされていないという現状もございますので、他法令に基づく情報も活用して、解体等工事現場の把握等を行っているところでございます。

 他方で、それぞれの他法令については、それぞれの法目的に応じて届出等の対象を設定しておりますので、なかなか網羅的に把握するのは難しいという状況がございます。

 また、石綿則においても、大防法と同じように、解体等の作業の前に事業者が事前調査を行うという制度が規定されており、現在、そうした事前調査の結果の概要について、電子システムによって労基署に届け出る制度の創設が検討されております。

 こうした状況を踏まえまして、石綿が飛散するおそれのある建築物等の解体等工事の現場について、より幅広く都道府県等で把握できるように、一定の規模等の要件を満たす建築物等の解体等工事についての事前調査の結果概要について、施工者が都道府県に報告を行うことを義務付けることが考えられると記載しております。

 ただ、施工者や都道府県等の負担も考慮いたしまして、厚生労働省で検討されている、電子届出に係る検討も踏まえた仕組みとするのが適当であるとしております。また、報告対象の要件についても、厚生労働省における検討状況も踏まえつつ検討すべきと記載をしております。

 各論三つ目、石綿含有建材の除去等作業が適切に行われたことの確認でございます。

 現状、現行法令におきましては、作業後の確認や清掃といった措置については、マニュアルで示しているところでございますが、特定建築材料の取り残しや清掃が不十分といった事例が確認されておりまして、このようなマニュアルに基づく指導では一定の限界があるという課題がございます。

 これを踏まえて、(1)の作業終了時の確認等というところ、計画どおり適切な飛散防止措置がとられていたこと、また、作業終了後に石綿の取り残しがないことの確認を行うということを作業基準に位置づけるべきであるとしております。

 これについても、確認は第三者が行うべきといったご指摘もいただいておりますけれども、作業の件数を踏まえたときに、現時点で体制の整備は難しく、将来的に検討をすることが考えられると記載させていただいております。

 「その上で」、13ページの一番上のところ、一定の知見を有する者が確認することが望ましいということで、事前調査を実施する者と同等の知見を有する者等を施工者が活用して確認をするべきであるとしております。知見を有する者の人数を踏まえて、建築物の構造等を踏まえ飛散性の高い石綿含有建材が使用されている可能性が高い建築物についての確認に特に活用すべきであるとしております。

 また、最後に、隔離を解く前の措置につきまして、集じん・排気装置の十分な稼働、清掃を行って、作業場内からの石綿等の粉じんの飛散のおそれがないことを確認すべきであるとしております。

 (2)の除去等作業の記録等について、現行法令では、作業基準において、集じん・排気装置の稼働状況の確認については、工事終了後まで結果を記録するとされていますけれども、より幅広く記録が必要であると記載をしております。記録を作成する者は実際に除去等作業を行う者といたしまして、施工者に対して、記録を工事終了後も一定期間保存することを義務付けることが考えられると記載をしております。

 記録の内容としましては、まず一つ目に、石綿含有建材の除去等作業が適切な飛散防止措置のもとに行われたこと。これについては前回ご審議いただいたときにご指摘をいただき、当初の計画から何か変更があった場合には、そういった変更内容の記録も含むものと考えております。二つ目、石綿含有建材の取り残しがないこと、三つ目、特定粉じんの処理が適切になされたこと、最後に、隔離・養生を解く際の措置が適切になされたことを記録の内容として想定しております。

 14ページの、(3)作業終了後の報告というところでございます。現行法で、作業の発注者については、施工者が作業基準の遵守を行うことに対して配慮しなければならないとされていることも踏まえまして、作業終了後には、受注者が発注者に対して作業の結果の報告を行うことを義務付けるべきであると記載をしております。また、受注者に対しては、そうした報告を行ったという記録も、一定期間保存することを義務付けることが考えられると記載をしております。

【秋山大気環境課課長補佐】 では、引き続きまして、4以降につきまして、秋山から説明させていただきます。座って失礼いたします。

 4番の特定粉じん排出等作業中の石綿漏えいの有無の確認でございます。

 こちらについては、前回の方向性のときに記載はございませんで、前回のご議論等を踏まえまして、今回新たに文書として記載をさせていただいたところです。

 まず、最初のブロックにつきましては、平成25年の中間答申とこれを受けてのアスベスト大気濃度調査検討会での検討について、概略を記載してございます。まず、中間答申においても、予期せぬ箇所からの石綿の飛散が確認された事例を踏まえ、その必要があるとする一方で、一律に大気濃度測定を義務づけるか否かについては、慎重に検討すべきとされたところ。あとは、測定に当たっての課題等についても示されるというところ。

 2番目の段落では、アスベスト大気濃度調査検討会での技術的事項の検討について記載しています。集じん・排気装置からの粉じん等の漏えいを迅速に測定することを義務づけることが有効である旨が示されるとともに、石綿繊維数濃度1本/Lという一つの目安が示されまして、専門委員会に報告されたというところでございます。

 次に、(1)隔離場所からの漏えい監視の強化についてでございます。

 こちらにつきましては、まず、現行の作業基準において、隔離を行った

作業場所において初めて特定建築材料の除去を行う日の除去の開始後速やかに、集じん・排気装置の排気口で、デジタル粉じん計やパーティクルカウンターなどの粉じんを迅速に測定できる機器を用いて、正常に集じん・排気装置が稼働することを確認するという旨を記載してございます。

 次のページへ行きまして、15ページでございます。

 「しかしながら」というところで、都道府県等の立入検査等での測定では、集じん・排気装置の不適切な管理ですとか、作業員の隔離場所からの不適切な行動などによる石綿の飛散が明らかになった事例が散見されるということを二つ目に記載しまして、最後の段落は、「そのため」ということで、集じん・排気装置の排気口の確認の頻度ですとか、前室(セキュリティゾーン)における負圧の状況の確認の頻度を増やすということによって、隔離場所からの石綿の漏えい防止の強化を図るべきである旨を記載してございます。

 続きまして、(2)でございます。隔離場所周辺における大気濃度の測定の実施についてでございます。

 こちらについて、まず、隔離場所周辺における大気濃度の測定につきましては、現在、「アスベストモニタリングマニュアル」等で推奨しているというところでございまして、こちらについては、引き続き促進をしていく必要があるということで記載してございます。

 次の段落では、測定の目的等の考え方につきまして記載してございます。測定結果を作業に反映できるということを考慮しますと、測定にかかる期間等を考慮して、一定規模以上、ある程度の期間を要する一定規模以上の除去等作業を対象とすることが考えられる旨を記載してございます。

 続きまして、測定の対象についての記述でございます。大気濃度の測定の対象につきましては、石綿繊維数濃度、石綿を測定するということが考えられますけども、測定に使用する分析走査型電子顕微鏡の普及状況ですとか、測定時間が長くなること、また、その他の迅速な測定方法について、まだ精度等の技術的な課題が残されているという現状を記載してございます。

 「そのため」ということで、それを受けまして、次の段落では、位相差顕微鏡等の普及状況等から、比較的、分析に要する期間が短い総繊維数濃度を対象とするということが考えられる旨を記載してございますが、ただ、その場合であっても、測定に要する期間とその結果を踏まえて、仮にその値が高かったときの改善措置の効果というものを見込んで、例えば除去作業の期間を2週間とした場合、その場合であっても、次の16ページに引き続きますが、現在、都道府県等に届け出られている届け出の状況を踏まえますと、現在、当方が把握しているところでは2割程度にとどまるところがあるというところを記載してございます。

 続きまして、測定の指標についてでございます。この中では、仮に総繊維数濃度1本としたときには、なかなかバックグラウンドに近い値、住宅街ですとか、そういったところには近い値であるというところですとか、工場の中というか、事業場によっては、既にこれを超過している場合があるというところで、この値についていろいろご意見はございましたが、まず、10本を指標とするということが考えられるということを記載してございます。

 その次に、「また」というところで、指標の値を超過した場合の対応についてでございます。こちらについては、作業を一時中断して、再度、作業開始時と同様に、隔離の状況ですとか、集じん・排気装置の状況等、基準適合を確認して、作業を再開するということが考えられますけれども、ただ、作業再開に当たって、ほかにどのような必要な措置があるのか、例えば再測定の実施ですとか、必要かつ合理的な措置というものが、どのようなことが考えられるか、こういったところを具体化する必要があるということで記載してございますが、ここに難しい課題があると考えてございます。

 あと、「なお」ということで、測定の地点、ポイントにつきましても、こちらについても、さまざまな現場に応じてどのように設定すべきかという検討が必要な状況だというところでございます。

 「以上のように」ということで、こうしたことを踏まえまして、大気濃度の測定につきましては、小委員会でも、第5回、第6回と、小委員会で総繊維数濃度の測定というところもご議論いただくなど、一定の成果、ご議論の成果をいただいたところでございますけれども、ただ、現状では、法令での全国一律での測定の制度化については非常に困難な課題が残っているという状況につきまして記載してございまして、今後、また関係者が協力して実績を積み重ねた上で、課題解決に取り組む必要があるというふうに整理してございます。

 最後に、当面の課題ということで、総繊維数濃度の測定をさらに迅速化する手法ですとか、あとは総繊維数濃度により作業管理を行う場合の課題、対応の調査研究、また、石綿繊維数濃度1本と、こちらは25年の検討会で示された値での、これを指標とした調査ができる、これを迅速にできるように技術的課題解消に向けて取り組んでいく必要があるというふうにまとめたところでございます。

 (3)につきましては、精度の担保ということでございまして、現在、民間機関において行われている研修や技能試験の活用、こういった取組に参加している分析機関に、工事の施工者が調査を委託できるように、情報発信などの強化をすると言うべきということで記載をしてございます。

 続きまして、16ページの下、5作業基準遵守の強化でございます。

 まず一番最初に、罰則の関係で少し記載してございまして、17ページに進んでいただきます。現状、作業基準に適合命令等を発出して、命令違反という罰則があるのですけれども、短期間で終了してしまう工事もあるということも記載してございます。

 17ページの中段の「そのため」というところでございますが、作業基準適合命令等のより積極的な活用によって違反の未然防止に取り組むとともに、短期間で終了する作業についてもその基準を担保する観点から、石綿則の例を参考に、ここはまだ立法技術上の課題等があるのですが、そうした作業基準違反への直接罰の創設というのも検討すべきということで記載してございます。

 「また」というところで、実際に作業を行う人が、下請業者さんが現場では行っているという場合があることを踏まえまして、作業の遵守義務を施工者、いわゆる元請さんだけでなくて、下請業者さんにも適用して、作業基準の遵守徹底を図るべきということで記載してございます。

 続きまして、6のその他とでございます。

 まず、一番最初に大防法と安衛法(石綿則)の連携でございます。

 ご案内のとおり、大防法と安衛法の石綿則では、法目的は異なるものの、技術的に共通する部分も多く、建築物等の解体等工事に伴う石綿飛散防止の対策として、実質的に多くの点で類似する規制が設けられているところでございます。

 その二つ下パラグラフですけども、そのため、解体等工事に携わる事業者の規制内容に係る理解の促進等、そういったところも踏まえた観点から、規制に対して石綿則との連携を強化して、一体として解体等工事の現場で法令遵守を求めていくべきという方向性を記載してございます。

 具体的な手法ということで、その後記載してございます。

 続きまして、18ページに進んでください。

 (2)の一定の知見を有する者の育成・施工技術の確保でございます。

 こちらについては、先ほどの事前調査のところにも少し記述がございますが、知識を持った者の育成というところで、最初のパラグラフの最後ですが、事前調査の知識を有する者の育成について、環境省は、十分な人数が確保できるように、当該制度の推進を含めて、引き続き厚生労働省、国土交通省と連携して取り組むべきであるという方向を記載してございます。

 続きまして、(3)でございます。建築物等の通常使用時における石綿含有建材の使用状況の把握でございます。

 こちらにつきましては、災害発生時に、建築物等の損壊・倒壊等がございますと、石綿の飛散・ばく露防止というのが一つ課題になります。現状でも、そういった際の応急対応を迅速に実施するため、環境省では、「災害時における石綿飛散防止に係る取扱いマニュアル」を作成・改訂しておりまして、周知をしているところでございます。

 ただ、この小委員会等でも、災害時の石綿飛散防止のために、あらかじめ把握しておくことが望ましいのではないかというご意見もいただいたところでして、三つ目の段落になりますが、災害時における大気中への石綿の飛散防止をさらに推進するため、建築物等の所有者等が、通常使用時において、石綿含有建材の使用状況の把握に努めるということを大防法上の責務として位置づけるべきということを記載してございます。

 もちろん、国、地方公共団体は、そうした努力規定の位置づけとあわせて、19ページにわたってですけれども、さまざまな情報提供、普及啓発等を行っていく必要があるということで考えてございます。

 続きまして、(4)の現場での指導強化等でございます。

 現状でも、大防法単独ではなくて、建設リサイクル法に係る全国一斉パトロールなどによりまして、関係機関と合同で現場の指導を行っているところでございます。こうした取組については非常に有効ですので、引き続き積極的に推進をしていくというところと、さらに石綿則との関係につきましては、先ほどもございましたが、非常に技術的に共通する部分が多いところでございますので、都道府県等の大防法担当部局と労働基準監督署で、引き続き連携していくという方向を記述してございます。

 その次の「現状では」というところでございますが、これまでのご議論の中で、事前調査ですとか、作業記録、そういったものを、記録を作成して、しっかり保存していただくという方向をご議論いただいておりました。現在の大防法ですと、報告徴収につきましては、都道府県等が事業者と施工者等にできるのですが、立入検査につきましては、解体等工事の現場のみ示されております。ただ、実際に記録が保存されている例えば事務所ですとか、そういったところにつきましては、特に今立入検査の権限が及ばない部分がございますので、「現状では」のパラグラフの最後ですけども、特定粉じん排出等作業を伴う建設工事の施工者の事業場、営業所や事務所、こういったところにも立ち入ることができるように、大防法における立入検査の対象を拡大すべきということで記載してございます。

 続きまして、(5)です。普及啓発の取組でございます。

 こちらにつきましても、今回、特定建築材料以外の石綿含有建材を規制対象にすることによりまして、建築物等の解体工事の発注者・受注者、関係者が多岐にわたるというところになりますので、それぞれの役割に応じた適切な普及啓発が必要になるということで、まず書き出させていただいております。

 実際に、所有者向けの周知ですとか、あとは都道府県の担当者向け、解体工事を実施する事業者向けの講習会や説明会等ということで、19ページから20ページにかけて、その普及啓発に取り組むべきであるというところを記載しているところでございます。

 最後に、21ページのところでございます。「おわりに」というところでございます。

 最後に、中央環境審議会のほうから、我々のほうに期待する事項等ということで、まずはこの答申を踏まえて速やかに法制度の整備を含む具体的な取組に着手することを期待するということを記載させていただきました。

 さらに技術的事項、小委員会でご議論いただいた方向性を現場で適用していくための技術的事項につきましては、さらに検討を行って、明確にする必要があるということをお示しいただきまして、一応、答申案ということで考えさせていただいてございます。

 続きまして、委員からご提出いただきました参考資料について、少しお話しさせていただきます。参考資料2-1と2-2がございます。2-1は、外山委員からの資料でございまして、本日いらっしゃいますので、参考資料2-2の吉住委員のご意見の資料、本日、吉住委員、ちょっと日程が合わなくて欠席でしたので、意見ということでまとめていただきました。

 意見の総括につきましては、一つ目の段落のところに書いてございますが、考え方というのが、その次、「事業者として」というところから記載しているところでございます。「事業者として」の二つ目のパラグラフですと、仮に飛散防止の指標となる基準が設定され、それを超過した場合には、適切な措置を講じることは当然であるというところでありますが、石綿飛散防止対策を実効ある制度とするには、現場が混乱なく、効果的な対応を行うことを可能とする合理的な規定であることが必要不可欠ということで、ご指摘いただいております。その中で、25年の中間答申で示された課題の、より一層の検討が必要になるというふうな考えをお示しいただいております。

 「具体的には」ということで、1ページ目の下になりますけども、現状においても、迅速な測定が可能な機器がいまだに開発されておらず、測定結果を得るまでに一定の期間を要するというところ、裏面に行きまして、次に指標を超過した場合に隔離の不具合のみならず、ほかの要因があることも想定されると。なかなか、その原因を特定することが困難な場合が生じる可能性があるといった課題が解決されていない現状にあるということで指摘してございます。また、指標となる基準につきましても、妥当性を十分に検討すべきであり、超過時の措置のあり方についてもさらなる検討が必要というところでございます。

 「以上を踏まえると」というところで、ここは答申の記載のところのご意見かと受け止めておりますけども、一定の結論を得るに至るまでの十分な議論や検証が尽くされたとは言いがたいと考えるというところで、最後に、大気濃度の測定につきましては、事業者の主体的な取組の一環として推進することで、より実効ある石綿飛散防止対策を実現して、周辺住民等とのコミュニケーションの一助となることを期待したいということで、ご意見の提出がございましたので、紹介させていただきます。

 事務局からの説明は以上でございます。

【大塚委員長】 では、資料2について議論を行いたいと思います。参考資料2-1、2-2の意見についても、ご参考にしていただければと思います。2-1については、後でどうぞご説明いただければと思います。

 分量がたくさんございますので、全体を二つに分けて議論したいと思います。前半で背景から各論の3、石綿含有建材の除去作業が適切に行われたことの確認までの部分、それから、後半で4の特定粉じん排出作業中の石綿漏えいの有無の確認から今後の課題までの部分の二つに区切って議論を行いたいと思います。

 まず、前半パートでございますけれども、3、石綿含有建材の除去作業が適切に行われたことの確認までの部分、14ページまでの部分につきまして、ご意見やご質問のある方は名札を立てていただければと思います。

 では、本橋委員、お願いします。

【本橋専門委員】 私、3時に出なくてはいけないので、気がついた、細かいことなんですけれども、8ページ目、石綿含有の仕上塗材なんですけれど、3行目から、「そのため、石綿含有仕上塗材については、塗材の施工方法にかかわらず大防法の規制対象とした上で、石綿含有仕上塗材に特化した飛散防止措置を作業基準として検討し定めるべき」、趣旨はわかるんですけど、この規制対象というところなんですが、厚労省の石綿則ですと、一応、吹きつけたのと塗りつけで違っているわけですね。届け出の要否は違っていますよね。この規制対象、アスベストですから、当然石綿作業主任者は吹付け工法であっても塗付け工法であってもいなくてはいけないと思うんですけれど、この「規制対象とした上で」というのは、石綿が入っているんだから工法に関係なく規制対象にはなる、これは届け出の対象とするということなんですか。どういう意味なんですか、これ。そこが不明です。どのようにもとれる。

【大塚委員長】 何人かまとめて思いましたけど、ご質問ですので、事務局からお願いします。

【秋山大気環境課課長補佐】 今ご質問いただきました塗材の規制対象とした上でと、かかわらずというところですけども、現在は、塗材を施工したときの工法が吹きつけたか否かというところで、届け出が必要かどうかというところを判断していると。大防法の場合、特に届け出がなければ、規制の対象にはならないという部分もございまして、今、吹きつけられていないものにつきましては、作業基準等はかからない形になってございます。こちらにつきましては、届け出の対象にしないというところも一つ考えてございますけども、まずはその施工方法、吹きつけ、吹きつけていないにかかわらずともに石綿含有仕上塗材については規制の対象にしていくと。その上で、作業基準については、剥離剤の併用工法ですとか、そういう工法を作業基準の中に規定しまして、その基準を守るように進めていってはどうかというふうに考えているところでございます。

【本橋専門委員】 ちょっといいですか。

 趣旨で言ったのはわかったんです。ということは、もうコテ塗りであっても届け出になるということですか。今言ったことを簡単に言うと。そこだけ答えてもらえればいいんですけど。

【秋山大気環境課課長補佐】 届け出はなしと。作業の届け出ですね。ただ、事前調査の報告の部分は、対象にしていくというふうに考えてございます。

【本橋専門委員】 事前調査は、今までのとおりで。

【秋山大気環境課課長補佐】 作業の届け出は求めない方向で今考えてございます。

【本橋専門委員】 わかりました。

【大塚委員長】 では、外山委員、お願いします。

【外山専門委員】 2点あるんですけれども、6ページ、成形板等レベル3の建材に関しても、特定建築材料ではないけれども、大防法には位置づけるということですか、趣旨としては。なおかつ、届け出も、事前調査の結果の届け出をさせますし、作業基準もつくるわけですから、作業基準に違反した場合には、それは当然罰則等の適用もあるということですよね。そうですね。そうすると、作業基準の前の、6ページ目の「大防法における全国一律の制度とすることまではせず」というのは、これはどうなんですか。表現としては、一律の制度となるわけですね。

【大塚委員長】 ご質問ですので、よろしくお願いします。

【西條大気環境課課長補佐】 ご質問は、6ページの「これらの状況を踏まえ」のパラの部分かと思いますけれども、ここについては、届出については大防法における全国一律の制度とすることまではしないという趣旨でございまして、その他の規制制度については、大防法において対象にしないということではなく、届出についてのみ記載しているところでございます。

【外山専門委員】 わかりました。多分、そうだろうなと思ったんですけれども、要は大防法上の18条の15の、今ある届け出の対象にはしないということですよね。そういう書き方をしたほうがいいのかなというふうに思います。誤解される可能性があるのかなと思います。

【西條大気環境課課長補佐】 ご指摘ありがとうございます。

【外山専門委員】 もう一点なんですけれども……。

【大塚委員長】 すみません。今の点は、もしわかりにくいということであれば、「届け出については」というのを大防法の前に入れたほうがわかりやすいですかね。趣旨は変わらないので、あまり問題ないと思うんですけど。

【西條大気環境課課長補佐】 今ご指摘いただいたように、わかりやすいように記載を検討したいと思います。

【外山専門委員】 もう一点、これは14ページの一番上ですね、作業終了後の報告ということで、これは前回の検討会の中で、私を含めて3人の委員の方から、これは自治体に届けたほうがいいのではないかという意見が出ていましたけれども、それについては、今回は見送るということなんでしょうか。その辺り、理由もお聞かせいただければと思います。

【大塚委員長】 これも質問なので、お願いしましょう。参考資料1とかにも出てきてはいると思うんですけども、どうぞ、お願いします。

【秋山大気環境課課長補佐】 ただいまいただいたご質問なのですけども、まずは、自治体に届け出るという前に、工事の発注・受注のところで、その中身を発注者のほうにしっかり伝えていただくと。とりわけ、特定粉じん排出作業の届け出をする吹きつけ材ですとか保温材の除去といったときには、発注者が計画を届ける、自治体に届け出るという立場にございますので、受注した方が、しっかり発注者に報告する、届け出をした中身に対しては、発注者が責任を持って自治体に届け出たというところがございますので、まずは受注者から発注者に報告をしていただく制度を大防法の中に入れ、受注者に対して基準適合の説明責任というのをしっかり果たしていただくということが重要だというふうに考えてございます。

【大塚委員長】 石綿則のほうはどうでしたでしょうか。

【秋山大気環境課課長補佐】 石綿則のほうでは、所管が都道府県等でなくて労働基準監督署になりますけれども、作業完了を報告するという制度はなかったというふうに承知しております。

【外山専門委員】 趣旨はわかりました。納得しているということではないです。

【大塚委員長】 よろしいですか。

 では、笠井委員、お願いします。

【笠井専門委員】 日建連の笠井です。何点か確認したいことがあります。

 一つ目は、いままでの委員会の中で何度も申し上げておりますが、建材を原形のまま取り外すということを原則にするということにつきまして、原形のまま取り外すというのをどこまで許容するのかということを明確にしていただきたいと思っております。困難な場合があるということにつきましては、建物をつくっていく上では、そんなに簡単に解体できるようなつくり方をしているわけではありませんので、結構困難な場合の方が多いと思っており、どこまでであれば原形のままということに許容されるのかということ明確にしていただきたいと思っています。

 それから、2点目ですが、事前調査をする者につきまして、この件につきましては3省合同で検討されていますので、今後の話になるのかもしれませんが、大防法の中では、「一定の知見を有し」という、事前調査をする者に対しては、限定的な者が書かれるようになるのでしょうか。ということを教えていただきたいと思っております。

【大塚委員長】 できたら、ページ数と行をおっしゃっていただければ。今のところはいいですけど、これからのところはお願いします。

【笠井専門委員】 はい、承知しました。では、10ページ目に「記録の保存」というのがありますが、一定の期間保存させることにつきまして、今後、具体的に何年というのは決まっていくと考えてよろしいんでしょうか。

 それと、もう一点。11ページの届け出が電子化、電子システム化で検討されていること関しまして、これは厚労省からも聞いていますので、共管でご検討されるのだと思いますが、事前調査の届け出ですので、いつ出すべきものかということを、作業を行う上で届出を行う、「特定粉じんの排出等作業実施届け出」や、安衛法や石綿則の工事計画届け出や作業届届出と関連付けて整合性をとっていただき、それらと内容が重複しないようにしていただきたいと思っています。それぞれに同じような内容を書くというようなことになると、非常に届け出を行う者(施工者)に負担が大きくなると感じています。

 それと、最後に、13ページ目の「取り残し」、最後の「完了確認」につきまして、このことも何度も話が出ていると思いますが、事前調査を実施する者と、取り残しがあるかないかを確認する者の知識や知見は異なる部分が多々あると思いますので、どういう者がすべきかということにつきましては、さらに検討が必要であると考えています。

【大塚委員長】 では、浅見委員、お願いします。

【浅見専門委員】 まず、8ページの下のほうですけれども、「また、これに伴い」のところです。事前調査の対象に書面調査をすべきであると。これは石綿則と共通にしていただいて、非常にわかりやすくなってきたと思います。まだ、ほかにも石綿則と大防法とで用語など違っているところがございますので、その辺りも整合させていただければ非常に助かると思います。

 以上です。

【大塚委員長】 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 では、今のお二人のご質問に対して、事務局のほうからお願いいたします。

【秋山大気環境課課長補佐】 いただきましたご質問について、回答をさせていただきます。

 まず、笠井委員からいただきました、原形のまま取り外すというところをどこまで現場のほうで許容できるかというところです。こちらについては、基本的には、固定具を外すとか、ねじとかビスとか、そういったものを取り外すことを基本にしながら、やはりそういう固定具が外れない場合というのも考えられるところでございます。どこまでを原形のまま外すに含めるかにつきましては、また今後さらに詳細な検討が必要だと考えております。今、ここで具体的に回答できないのですが、検討してまいりたいと考えてございます。

 あと、事前調査の知見を有する者につきましては、ただいま厚生労働省さんの検討会のほうでも、検討も含めましてご議論されているというふうに聞いてございます。基本的に、事前調査の部分につきましては、厚労省さんのほうで所管されている石綿則と共通する部分が非常に多うございますので、厚労省さんの検討会の検討状況を見ながら、そこは齟齬がないように、大防法のほうでも示すような形を今後検討会の様子を見ながら検討していきたいというふうに考えてございます。

【西條大気環境課課長補佐】 残りのご質問について、まず、笠井委員からご質問いただいた作業の結果の記録の保存期間については、今後の検討と考えています。この記録の目的は、都道府県等で、作業がきちんと行われたかどうかを確認するためと考えておりますので、他の大防法の規制物質の同じような趣旨の制度との整合性等も踏まえながら、恐らく数年程度かと思われますけれども、今後検討したいと考えています。

 電子システムで行うことを想定しております事前調査結果の報告については、提出の時期や中身が現行法で規定されている作業の事前の届出とかぶらないようにする必要があると考えておりまして、具体的に前後関係をどのように定めるかなど細かい部分はこれから検討することになりますけれども、少なくとも大防法の中では、その二つの制度はかぶりがないようにしたいと考えております。

 浅見委員からいただいたご指摘で、石綿則との用語の整合について、石綿則では労働安全衛生法の中で使われている用語との整合性等もあると思いますので、どこまでできるかという部分はありますけれども、できるだけ合わせていったほうが、もちろんわかりやすいとは思いますので、そのように検討していきたいと思います。

【秋山大気環境課課長補佐】 すみません、一つ、笠井委員からいただいたご質問の最後のところ、取り残しの確認をする者というところでございます。こちらについても、基本的には、今、考え方としましては、事前調査を行った人であれば、石綿含有建材があった場所に物がなくなっているかどうかというのは確認ができるというところではございますけども、そこの知識が異なる場合があるというところで、ご指摘も踏まえつつ、さらに、この辺りも厚労省さんの石綿則ともまた共通する部分も出てくるところがありますので、今後、さらに検討してまいりたいと考えてございます。

 以上です。

【大塚委員長】 ほかにはいかがでしょうか。

 では、出野委員、お願いします。

【出野専門委員】 全解工連の出野でございます。

 15ページの(2)番、隔離場所周辺における大気濃度の測定の実施というのがありますけれども、現行法では義務づけられていないと。

【大塚委員長】 今回、まだ14ページなので。すみません。では、後でまたどうぞ。

 ほかには。

 では、笠井委員、まだおありですか。

【笠井専門委員】 もう1点お願いします。8ページの下の「また」以下の段落のところで、「石綿の新たな使用が禁止された平成18年9月1日以降に着工した建築物等についても」という書き出しがありますが、これは書面調査をして、この年月日以降の建物であれば、それ以上は事前調査をしなくてよいという意味の事前調査が必要であるということでよろしいですよね。

【秋山大気環境課課長補佐】 今回、事前調査の方法として、書面調査と現地調査を行うということでは考えてございます。ですので、書面で確認ができれば、現地の調査はしなくても確認が終了というイメージを考えてございます。

 以上です。

【大塚委員長】 では、14ページまでについてはよろしいでしょうか、ほかに。

 どうもありがとうございました。

 では、続きまして、4の特定粉じん排出等作業中の石綿漏えいの有無の確認、14ページから最後までというところでお願いいたします。参考資料2-1、2-2のご意見も参考にしていただいて、ご意見、ご質問のある方は名札をお願いします。

 では、最初に出野委員から、どうぞ。

【出野専門委員】 大変失礼しました。勇み足でした。

 15ページの大気濃度の測定の件ですけども、経団連の方のご意見もございましたけれども、現行法では義務づけられていないと。相当検討したけども現状は難しいという結論と理解しましたけども、この件につきましては小坂委員と外山委員が相当強力な意見を述べられていたと記憶しておりますので、この辺りは両委員が了解されているのか、どのようなご意見をお持ちなのか、ぜひお聞きしたいと思いまして、質問させていただきました。

 以上です。

【大塚委員長】 では、外山委員、立てておられますので、どうぞ、お願いします。

【外山専門委員】 ありがとうございます。

 率直に言って、前回の第6回の小委員会の検討を無視されているのではないのかというのが私の感想です。前回の検討会を簡単に振り返りますけれども、資料2-2というのが出ています。その中で対応の方向性ということで案1、案2というのが出されていると。

 これは皆さん、ご記憶にあると思うんですけれども、案1は従来の漏えい監視を、頻度を多くするなどして強化するというところです。案2、もう一回読み上げますけれども、案1に加え、施工者が予期せぬ箇所からの石綿の漏えいが発生していないことを確認するために一定規模、期間以上かつ隔離を伴う工事施工区画周辺での大気濃度の測定を義務づけるということが検討されたわけですね。

 私はもう一回、議事録を見返してみましたけれども、10人の方がこれに関して意見を言っておりまして、全ての方が賛成です、条件つきの方はもちろんいますけれども。つまりこれは、私たちが何を検討したのかというと、大気濃度測定の義務づけをどうするのかということを検討したわけですね。資料を見ていきますと、難しさもきちんとこの中で検討されているということですので、どうしてそのような結論になったのか。つまり義務づけをしない、促進するだけという結論に至ったのかというところが全くよく理解できないということですので、その辺りをまず説明していただきたいというふうに思います。

【大塚委員長】 今の点、ここで答えていただく必要がありますので、よろしくお願いします。

【秋山大気環境課課長補佐】 大気濃度の測定につきましては、外山委員からお話がございましたとおり、前回もご議論をいただいたところです。義務づけるというご意見をいただいた一方で、やっぱり作業の再開時の対応ですとか、議論されていなかった観点についてもいろいろご意見、ご指摘をいただいたところであると受け止めてございます。総繊維数濃度による測定ということで前回ご議論いただいたんですけども、その後、事務局でもいろいろ検討を深めていく中で、法令による義務づけに当たっては解決すべき課題が多いということがわかってきたというところがございます。

 まず課題として大きく三つあると思うのですけども、まず一つが測定結果の現場へのフィードバックにつきましては、総繊維数の濃度の測定は石綿の測定に比べて迅速性があるものの、それでも結果が得られるまでに一定程度の期間を要するということから、フィードバックを前提とした改善措置を適用できる現場というのは限られているというのが一つ目の課題かなと思います。

 二つ目に、仮に高濃度の総繊維数濃度の値が検出された場合、その要因が隔離現場等からの石綿の漏えいによるものなのかどうかというところの判断がしづらいというところ。ひょっとしたら作業現場が原因でない、ほかに原因がある場合も考えられることから、講じ得る措置というのをなかなか定めがたいというところがございます。

 具体的には、指標の値を超過した場合の対応について、原因の調査ですとか作業再開の判断をどのように行うか、確認の点検のみというふうにするのか、再測定を実施するのかという面も含めて、必要な対応を合理的に行うための措置をどのように考えるかというところが非常に難しく、さらなる検討が必要というところでございます。あとは、点検を行う指標の数値の設定についても、今のところ10本/Lというところを案でお示ししているものの、基準として緩いんじゃないかというご意見がございまして、適当な値を設定するにはさらに検討が必要だというところの大きくはその三つの課題でございますけれども、そういった課題があるというところがありましたので、小委員会でご議論いただいたものの、測定の実施と結果の評価、あと現場への反映、これをセットであわせて考えますと、全国一律での測定の制度化にはちょっと困難な課題が残っているというところから、法令での義務づけは難しいかなというふうに判断したものでございます。

 ただ、将来的なところの石綿繊維数濃度1本での迅速な測定の実施につきましては、引き続き技術的課題の解決に向けて取り組んでいくということで、環境省のほうでも石綿繊維数濃度の迅速測定に向けた調査研究は進めてまいりたいというふうに考えているところでございまして、その内容を(2)のほうにまとめさせていただきました。

 以上です。

【外山専門委員】 今3点ということで挙げられましたけれども、2は少し違うかもしれませんが、1点目、時間がかかる話ですね、それから基準値の問題。これらも全部踏まえた上で、前回提出した資料2-2の中に全てこれらは書かれていますし、これらを踏まえた上で義務化すべきという結論だというふうに私は理解しています。もう一回繰り返しになっちゃいますけれども、6年前の検討の中で、濃度測定を義務化するというのは入れられていたわけです、中間答申の中で。それが6年間、何もしなかったと言うと失礼かもしれませんけど、十分な検討がされずに、今回また見送られようとしているという状況になっているわけですね。

 この資料の中をもう一回読み返していただきますとわかりますけれども、七つの自治体では気中濃度測定を実施しています。うち三つの自治体では1ファイバー/Lを基準としていますし、四つの自治体は10ファイバー/Lを基準としていて、実際にやっている自治体があるということですね。私の隣の中村委員も川崎市ですけれども、川崎市は1ファイバー/Lで測定義務を課して、実際に管理されていますし、報告義務も課していますし、そういうことをやられているわけです。そういった経験が実際にあるわけです。数的には全国で昨年ですか、一昨年か、1万6,004件の届け出がありましたけれども、そのうちの半数以上、8,700件で実際に測定されているわけです。東京都が多いです、確かに。東京都が6,300件ですから、ほとんどの大部分ですけれども、それでも全国でやられている半数の自治体で測定が実際に行われているということで、管理できているということですね。ですので、これができないということ自体がよくわからないですし、海外の事例もこの資料の中に入っていますけれども、米国はちょっと保留になっていますけれども、英国、ドイツ、韓国では測定義務が義務づけられているということなわけですね。ですので、やはりできないという理由が私には理解できないというところです、前回の検討の中で、そうした難しい条件も踏まえて、義務化すべきだという結論に至ったというふうに私は理解していますので、やはりこれは前回の意見を踏まえた上で、大気汚染濃度測定の義務化を明示するということが必要だろうというふうに思います。

 やっぱりこの委員会ではアスベスト被害を受けた方、患者さんですとか家族の方も関心を持って、たくさんの方が傍聴にいらしていますね。その中で、尼崎市の建材工場周辺の被害者の方もおられます。10年前、5人ということで報道されましたけれども、現在は350人を超えているということですし、そのうちの328名の方は亡くなられているわけです、既に。まさにこれは環境ばく露による被害ということで、環境省と私たち小委員会がきちんと検討して、こうしたことを繰り返さないということが必要なわけですね。ですので、やはりそのような、ちゃんと自覚と責任を持って、この点に関しては再度検討していただきたいというふうに思います。

 以上です。

【大塚委員長】 事務局から、また後で回答をお願いします。

【小坂専門委員】 私もご指名がありましたので、一応。

【大塚委員長】 では、小坂委員、どうぞ。

【小坂専門委員】 私自身は1995年の阪神大震災以降、解体工事現場の除去工事を現場で30分サンプリングして、その場で顕微鏡で観察して、出ている場合には全部止めさせるということを兵庫県公害研究所の職員としてやってきました、退職までずっとやってきました。その経験から、特に除去工事現場での監視が非常におろそかに、現状まだまだしっかりできていないということに非常に関心がありまして、まず15ページに書かれている方向を示されたということについては非常にいいことだというふうに思っています。

 今、出野委員から、おまえは黙っているのかとおっしゃいましたが、この点については一歩前進だと思いますし、それ以降、隔離場所周辺での濃度の測定、これはまた私も実際にやっていましたけれども、工事時間、例えば2時間とか半日とか、やりますけれども、やっていて、結果を出して、結果がその後わかることが多いわけですよ。ですから、飛散があったか、なかったかということを証明するという意味では必要なことだと思いますけれども、そういうよくない、きちんとできていない工事を是正させるとかということにはちょっと効果があまりないわけですね。そういう意味で、ちょっと私は黙っていたわけなんですけれども、やっておくことは、その後にいろいろ問題が起きたときの被害の試算とか、そういうことをやる場合には必要なことだと思いますね。ですから、まず私はとりあえず出さない、出させない、出たらすぐに止めさせるということを、まず最初にやって、安全な工事を増やしていくということが、今のところ求められている一番重要なことだというふうに考えています。

【大塚委員長】 今の点ですか、別の点ですか、今の点ですか。

【笠井専門委員】 はい。今の点についてです。

【大塚委員長】 では、笠井委員。

【笠井専門委員】 日建連の笠井です。

 この点につきましては、私も前提条件づきで前回は案2とお示ししたと記憶しています。

 その前提条件というのは、やはり迅速に結果が出ないと、実際に現場を動かしている立場からしますと、現場を管理していく上で、出てきた数値がアスベストなのかどうなのかもわからないのに全部止めないといけないという状況になる場合もありますので、皆さんご承知のとおり非常に建設業は、裾野の広い業界ですので、一律に義務化するということになりますと、全国どこの場所でも、どこの分析会社がやっても同じ結果が、迅速に安価に出ることが保証されないと現場が混乱しますので、決して私は大気濃度の測定を否定するわけではありませんが、迅速に測定できる機器や方法が確立され、整理されないと、義務化は時期尚早だと考えています。義務化したので、方法論が未整備のまま後は自分たちで考えて法律違反しないようにやりなさいと言われても、現場はどうすればいいのかと相当混乱するであろうことを懸念しています。

【大塚委員長】 山神委員、お願いします。

【山神臨時委員】 今回は義務化されないという案ですが、予期せぬところからの石綿の飛散の監視というか、それができないということになると思いますので、監視体制としては、この案では不十分ではないかなというふうに考えます。

 フィードバックがしにくいという、先ほどのお話でしたけれども、平均で5日から7日かかって、全体の2割程度にしかフィードバックできないということなんですが、5日から7日かかるという現在の分析体制なんですけれども、それは通常の、急ぎじゃない分析のときの平均ということで、前回資料にあったと思うんですけど、急ぎの場合は2日でできると回答されていますし、平均で。2日でできるときにフィードバックできる作業としては、2割じゃなくて、大体どのぐらいになるのかなというのが知りたいという質問が一つと。

 分析、アスベストかどうかの確認が電顕が普及していないのでできないということなんですけど、総繊維として1本を超えたときにアスベストかどうかを確認する、電顕で確認するということになってくると思うんですけど、体制が整っていないからできないのではなくて、義務化して、検体数が増える見込みがあるからこそ、電顕を導入して体制が整うのではないかなというふうに考えますので、義務化が先なのではないかなというふうに考えます。というのが意見です。

 以上です。

【大塚委員長】 どうもありがとうございます。

 ご質問もございましたので、その辺も含めて、事務局、お願いします。

【秋山大気環境課課長補佐】 ご質問と回答の順が逆になりますけれども、作業日数2日でどれぐらいわかるかというところ、こちらについては、はっきり何割というところは、はっきりしたものはないんですが、ただ期間としては非常に短いものが多い、やっぱり2日、3日というのが多いという状況にあろうかなと思います。

 あと、期間で2日間という、急ぎでというのもあるんですけれども、実際に検査機関の検査状況、検査結果が出るまでに日数にはいろいろ幅があるというところでご意見をいただいたんですけれども、分析機関のほうも石綿以外のものも分析しており、分析している分野の幅広さですとかもあって、必ず何日で出すというところは、回答としては非常に難しい部分があったんじゃないかというお話も少し聞いているところでございます。ですので、検討に当たっては急ぎでと、平たく言えば急ぎでやればというのはあるんですけれども、ただやはりそういった周りの、ほかの事業の状況も踏まえた中で、標準的なところの日数で検討させてもらったというところが1点ございます。

 あと、小坂委員からいただきました、案1というか、除去現場の監視が重要ということで、まさに大気濃度調査の面では今回、義務づけという案はお出ししていませんけれども、隔離空間からの石綿の漏えいというのをこれまで以上にしっかり見ていこうと、そこからの漏えいをさせないようにしっかり見ていこうということで、回数は増やしていこうと考えてございますので、まずは、そういった意味では隔離現場から石綿を飛散させないような対策ということで、ここは強化してまいりたいと考えているところです。

 あと、笠井委員のほうから、測定等に対するご意見、課題についてのコメントをいただいたところでございます。やはり一つ、法令での義務化というところを考えたときに、先ほどご回答の中で3点申し上げましたが、やはり結果を、ただ調べてわかったというだけじゃなくて、その後に、その結果をどう現場に活用していくかというところが非常に大きな課題というか、そこに大きな課題があるのだと考えてございます。

 それがやはり原因究明の中で、現場のほうの影響をどのように見積もっていくか、さらに再開に当たってどういう状況になることが、どういう点検をするのが必要なのか、そういうところも非常に難しい部分があるのかなと感じていたところでございます。ですので、まずはそこの法令での義務化というのを考えたときに、そういう難しい面があって、測って結果をどう評価して、どう活用していくかというところを、ある程度セットで考えていかなきゃいけないんだと考えておりまして、なかなかその辺で難しいところがあるのかなというふうには考えてございます。

 あと、全体というところでございますけれども、大気濃度の調査の部分は今回、今の案のところでは非常に困難な課題があるということで整理させていただきましたが、石綿の漏えい監視というところでは、隔離現場の空気の出入りを管理しているところから、そこの出入りのところをしっかり管理する、最初の状態だけじゃなくて、それを日々の中で管理していくということを強化することで、石綿飛散防止を強化してまいりたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

【大塚委員長】 今の空気の出入りのところを管理するというのは、具体的には何を新しく考えておられるんでしょうか。

【秋山大気環境課課長補佐】 4の(1)の集じん排気口の出口が作業場、隔離場所からの空気の出口になりますので、そこのチェック頻度を増やしていくというところです。

 あと、空気の入り口としては前室、セキュリティゾーンから空気を取り入れることになりますので、そこの負圧を管理することで、要はそこから外へ出ていけないということを確認するというところでございます。

【大塚委員長】 この点は省令の改正になるんですか。

【秋山大気環境課課長補佐】 今ここの点検の部分については省令、施行規則の作業基準に、作業を開始するところを初日に確認するというのがございますので、ここを改正するということを考えてございます。

【大塚委員長】 ということですが。

 あと、案2として挙げていたことで、規模によって変えることに関して、何か事務局からお答えいただくことはないですか。変えるということが原始的かどうかという話はどうなんでしょう。

【秋山大気環境課課長補佐】 規模によってというところで、規模の考え方として期間と使用面積というのが両方あるんだと思います。

 まず期間ということでいきますと、分析の結果が出る期間というのが全国的に見ると、ちょっとまだばらつきがある状況にあると。その中で平均的な期間でまずは検討してはいるのですけれども、実際に期間をもって必ず結果が出てくるかどうか、これは法ということになりますと全国一律になりますので、そういうところがまだわかりづらいところがあると。逆に期間だけを条件にしたときに、工事をやるに当たって、丁寧じゃなくて適当な工事を短期間に終わらせてしまえば規制から逃れられるというふうな、逆の作用もちょっと考えられる部分がございます。

 あと面積での、一つ、義務づけ、裾切りの案が、考え方はあるかと思うのですけれども、実際には作業人員ですとかの要因や効果、現場にフィードバックした後の飛散防止効果というところも考えたときに、どこまでを取り入れていくのかというところはなかなか難しい問題があるのかなというふうに考えてございます。

【大塚委員長】 どうもありがとうございます。

 笠井委員、何かございますか。

【笠井専門委員】 これに関連して確認したいのですが、現在、作業基準や厚労省の技術指針あるいは、両省がつくっているマニュアルがあります。相当細かく作業手順等が詳細に書いてあり、基本的にはこれを守れば、漏えいしたり、飛散したり、あるいはばく露することが防げるはずです。すなわち、大切なことは、まずこれをいかに実行させていくかということではないのかなと考えています。これらのマニュアルとか技術指針で足らない内容や不十分なところがあるために、まだ漏えいしているとか、飛散があるとか、ばく露しているというのであれば、ここにお集まりのような専門家の皆さまの知見や経験を持ち寄って、補っていくということも必要だと考えています。私的には、まず改善すべきところがあるのであれば優先的に解決していくということが、必要ではないかと思っていますが、いかがでしょうか。

【大塚委員長】 では、外山委員、お願いしいます。

【外山専門委員】 何が問題なのかということですね。前回の検討で大気濃度測定の義務づけのいかんに関して検討して、義務づけるべきだということで10人の委員の方が、条件つきの方もいますけれども、言っているわけですから、その上で、今、環境省さんがおっしゃっていたような内容というのは前回検討されていることです、分析に時間がかかるですとか、そういったようなことは前回この資料の中で出てきていることですので、委員会で決定したことを、そういう形で無視するということでいいんですかという話ですね。それでは委員会を開く意味がないんじゃないかと思うんですが、ほかの委員の方はいかがですか。大塚委員長はいかがでしょうか。

【大塚委員長】 本橋委員が帰ってしまわれたのですが、吉住委員は賛成ではなかったということですかね。

【秋山大気環境課課長補佐】 吉住委員からはご意見をいただいていますけども、前回も、賛成、反対というか、やはり賛成というか、前向きに捉えたいが、やっぱり課題がある、非常にその後の処理、結果が出た後の対応については非常に合理的な対応が必要だというご意見だったかと思っております。ですので、今回は特に対応、結果の措置、結果が出て評価した後の措置のところで、まだまだやっぱりそこに難しい問題があるのじゃないかという、そこにどうしても必要かつ合理的なものが必要なんじゃないかというご意見だというふうに受け止めてございます。

【大塚委員長】 全員がまとまっていたというほどではなかったと思います。私自身も6年前の会議に参加させていただいていましたので、内心忸怩たる面もありますが、今あげられた課題をどういうふうに考えるかという問題ですね。

 はい、お願いします。

【高岡臨時委員】 本日、遅れてきまして申し訳ありません。

 これは最終的には、環境省は将来的には、いわゆる石綿繊維数濃度1本/Lを指標として大気濃度測定を実施できるようにと考えられているわけですよね。であれば、この段階で、まだ対象は少ないかもしれませんが、やはり比較的大きなサイズのところで、もし何かあればリスクが大きいようなところに対してのみ、第1段階として、濃度測定を実施するということは十分考えられるんじゃないかなと私は思います。もちろん、確かにマンパワーの問題であったり、いろんなことがありますから、全部には対応できないかもしれませんが、比較的工事期間が長く、ある程度の規模があれば、やはり環境への流出は大変気にすべきものだと思います。もちろんおっしゃるような作業基準は当然守るべきだと思いますけれども、ともに、このようなモニタリングというのも必要ではないかと思います。でなければ、何というんでしょう、行く行く、将来的にと言ったときに、どういうことがどう起これば、本当に大気環境濃度を測定するところまで持っていくのかというのが、ちょっとよくわかりません。

 最後は、私の、それはちょっと感想めいたことですが、以上です。

【大塚委員長】 ありがとうございました。

 ほかにはいかがでしょうか。

 出野委員、お願いします。

【出野専門委員】 全解工連の出野でございます。

 私が火をつけておいて大変申し訳ございません。小坂委員も大分こちら側にご意見が寄られたようで、ありがとうございます。あくまでも石綿を大気中に飛散させない、ばく露させない、これが基本ですよね。そのためには、測定すればそれが解決できるのか、この辺りのご議論をしていただかないと、ただ測定するのが目的じゃ、昔から私は言っていますけれども、意味がないというのが私の意見です。

 ですから、今日現在は、先ほどの笠井委員の後追いで申し訳ないですけれども、まず出させないように現場に徹底的にやらせて、どうしても測定したいんだったら、それは行政でやればいい、あるいは発注者でやればいい。何で業者に、施工者に義務づけるんだと、そういう感じがします。その辺りは前回申し上げましたけれども、やるなら徹底的に、誰かに義務づけて、費用も負担させて、罰則もつけて、徹底的にやる。そこまでできないんだったら、やっぱり私は今のところは、先ほど環境省のほうから意見がありましたように、相当困難な問題を抱えておりますので、横たわっておりますので、とりあえず時期尚早といいますか、将来的にはちょっといささか、どんなものかなというのが私の意見でございます。

 以上です。

【大塚委員長】 出野委員、さきほど、ほかの委員の意見を聞かれましたが、実はご自身はあまり賛成でなかったことがわかりましたが。というか、前回も課題を指摘されていましたね。

 外山委員、どうぞ。

【外山専門委員】 今の出野委員との関連がありそうなので、参考資料2-1の説明をいたします。私たちはパーティクルカウンターを使って、集じん排気装置出口付近の漏えいを監視するということをやってきました。今の現行法ではパーティクルカウンター、それからデジタル粉じん計、あとはリアルタイムモニターが使われるということですけれども、パーティクルカウンターは一番感度がいいということです。デジタル粉じん計だと、これは結論が書いてありますが、微細な漏えいだと感知しないことがあるというのが、この発表の趣旨です。ごめんなさい、これは昨年の日本産業衛生学会で冨田さんという方と一緒に私が発表したものですけれども、趣旨としてはパーティクルカウンターでもって監視していますということで、2枚目の裏側ですかね、表がありますけれども、パーティクルカウンターで計数している、大体、気中濃度と同時にはかると相関関係があって、20以下、20カウント以下に管理されていれば漏えいの可能性は少ないよということが私たちの知見としてわかってきたというところです。

 趣旨の大事な部分は、3枚目の裏ですね、デジタル粉じん計との比較というところがあります。デジタル粉じん計とパーティクルカウンターと、あとは気中濃度測定を同時に測定しているんですけれども、デジタル粉じん計が全部、SIBATAと書いてあるんですね。これがデジタル粉じん計で、右側がデジタル表示です。左側がパーティクルカウンターなんですけれども、例えば右上の部分はデジタル粉じん計ではゼロですけれども、パーティクルカウンターは300とか。それから下の部分に行って、左側の部分は1,600も出ているけれどもデジタル粉じん計は感知していないとか、そのようなことが実際起きてきているので、微細な漏えいに関してはデジタル粉じん計ではわからないんじゃないのかというのが、この説明の趣旨です。

 なので、濃度測定する際に、作業場周辺ということなんですけれども、排風口の出口もきちんと気中濃度測定をする必要があるよというのが、この発表というか、私の意見です。

 気中濃度測定に意味があるのかというお話なんですけれども、フィルターで捕集して、位相差顕微鏡で観察して数えます、分析者が1本1本の線を数えた数値が気中石綿濃度ということになってきますけれども、発がんとのリスクの関係でいうと、それだけが唯一、発がんとの相関があるということなんです。ですので、濃度をはからなければリスクが何もわからないということになります。ですので、デジタル粉じん計で監視していたとしても、実は漏れている可能性もあるということです。パーティクルカウンターではかったとしても、相対的な値しか出ないので、実際そのときのリスクがどのぐらいなのかということはわからないということですので、私たちとしては気中濃度測定がやっぱり必要ですし、次善の策としてパーティクルカウンターで漏えいの監視ということはあり得るのかなということですので、そういったことも含めて、現場での、周辺での気中濃度測定というのはやっぱり非常に重要だということです。

 以上です。

【大塚委員長】 ありがとうございました。

 多くの方は義務づけたほうがいいというご意見だと思いますけれども、それほど多くはないですが、課題が多いので、すぐには対応できないというふうに考えていらっしゃる委員もいるという状況かと思いますけども、この問題について、まだお話しいただける方がいらっしゃいましたら、どうぞ。

【外山専門委員】 しつこいようで申し訳ありません。これ、どういたしますかということなんですが、本当に濃度測定の義務づけは見送るということで本当によろしいんですかということですね。その辺り、前回とやっぱり大分、環境省としてのスタンスが変わってきてしまっているというふうに率直に思うんですけれども、それで本当によろしいんですかということです。私はそれは少なくとも納得はできない。前回の意見を踏まえていないですし、委員会を無視していると思います。

【大塚委員長】 委員会無視まで行っているかどうかはちょっとわからないけども、多くの方が義務づけに賛成ではあるんですけど、課題とか条件とかをつけていらっしゃる方は結構いらっしゃるということかと思いますが、事務局、何かお答えいただけますか。

【神谷大気環境課長】 ありがとうございました。

 前回とかなり違う議論になっているというご指摘をいただいたことは、我々も重く受け止めなければいけないと思っています。前回の会議があった後、全体の取りまとめのドラフティングを行って、それを各委員にご説明しながら、ご意見をいただく中で、今申し上げたような課題がいろいろ浮き彫りになってきて、そこを書き、詰めていく中で、結論の部分で困難だという話が出てきたという経緯でございます。

 端的にもう一度申し上げますと、測定はいいけれど測定したデータをどう扱うかという部分について、よくよく詰めて考えると大きな課題があるということでございます。総繊維数で測定したものをもって、どの程度、工事を止め、どうしたら再開できるかというところで、そこの必要性、合理性をコンセンサスとして書き切るというのが難しいのではないかというのが一番ポイントになる部分であろうかというふうに思っております。

 そういったことを踏まえて、取りまとめ方として、当面利用可能な測定方法について一定の結論を得たものの課題が残っている、課題としては総繊維数測定を迅速に測定する方法あるいは作業管理に総繊維数測定を用いる際の課題と対応の調査研究、将来的には石綿総繊維数濃度の迅速化といったところを書きながら、今の時点では、今回の進捗として、このような表現をさせていただきたいということで、まとめさせていただいたというものでございまして、これでご理解を賜りたいというふうに考えております。

【大塚委員長】 島委員、どうぞ。

【島臨時委員】 先ほどから多くの委員の方がおっしゃっているように、やはり気中濃度を測定するというのは将来のリスクを推定する上でも非常に重要ですし、対策としては不可欠なものであろうと思います。いろいろ課題がおありであることは私も十分理解するわけでありますけれども、前回出していただいた資料を改めて見ても、急ぎの場合は平均2日で測定できる、最短では当日や1日で測定できるというケースもあるわけですから、やはり義務づけることによって、そういう体制が徐々に民間のほうでもとられていくのではないかなというふうに、私は思います。

 今回、将来的には大気濃度測定を実施する方向であるということを示されても、特に期限が切られているわけでもなく、先送りするようにしか読めないわけでありまして、現時点ではさまざまな課題があるから、ある程度の期間を暫定期間として区切るなり何なり、近い将来にはそういう体制ができるというふうなことが、せめて見えるような形にしておく必要があるのではないかなというふうに思います。

 以上です。

【大塚委員長】 事務局、今のご意見についてはいかがでしょう。

【秋山大気環境課課長補佐】 4の(2)のところの最後に記載している石綿繊維数濃度1本の測定につきましてなんですけども、こちらにつきまして、現在、ほぼリアルタイムで石綿繊維数濃度1本/Lの測定ができないかというものの研究を今進めているところです。こちらについて、成果としては先々の話になるんですけども、一応今年度から3カ年で今研究していただいているところでございます。ですので、3年後に、もちろん我々としても期待しているところはあるんですけども、どこまで実現できるか、今の段階ではちょっとわからない部分がありますけれども、その研究の成果で、石綿繊維数濃度1本/Lというものが速やかに迅速に測定できるということになれば、また、その時期が来たときにどうするかというところの検討に入っていくのかな、再度ご検討いただくのかなというふうには考えてございます。

【大塚委員長】 ちょっと現段階では時期は書けないということなんでしょうか。

 ほかには、ご意見はございますか。

 では、この部分の扱いに関しては、またご相談いただくことにしまして、14ページ以降の最後までについて、ほかにご指摘、ご意見がございましたら、お願いいたします。

 では、小坂委員お願いします。

【小坂専門委員】 今の環境省のお答えはちょっとひっかかって、気になって仕方がないんですが、測定の具体的なそういう方法を検討中というふうに承ったんですが、原理的にどういうものか、おおよそわかる範囲ででも言えませんか。

 私はずっとアスベスト分析のことをやっているんですが、今までのところ、やっぱり大変難しいということで、今一番早くできるのは、とりあえずフィルターでサンプリングして、位相差と偏光顕微鏡を組み合わせた顕微鏡で繊維を見つけて、偏光観察でアスベストかどうかを判定するというやり方でやれば、数十分のサンプリングと二、三十分の分析で結果が出てくるというのは、実際に私もやっていたし、できるんですが、リアルタイムにアスベストを分析するというのは、私はまだ見たことがないので、差し支えない範囲で、可能性があるのであれば、ぜひ聞かせてもらいたいです。

【秋山大気環境課課長補佐】 よろしいですか。すみません。今ほどのご質問につきまして、お手元のタブレットの第5回の小委員会の資料をお開きいただければと思うんですけれども、第5回の資料2-1の10ページのところに、現在、研究開発をやっているものを掲載させていただいているところです。

 もちろんいろんなご意見があるところかなと思いますけれども、リアルタイムといっても、デジタル粉じん計ですとかパーティクルカウンターまでのリアルまで行けるかどうかというところは、そこまではっきり言えるかどうか、わからないんですけれども、少なくとも全工程を自動化して、石綿を連続的に測定できる装置について、環境研究の総合推進費で研究を進めていると。その研究期間としては今年度から3カ年度というふうなところで進められているところです。原理としては蛍光顕微鏡を使いまして、いろいろな大気、石綿以外の大気の自動測定装置のいろいろなシステムと組み合わせた中で、短時間で石綿濃度の分析ができるんじゃないかというところ、さらにデータについても比較的低濃度までできるものということで、研究を進めていただいているところです。

 以上でございます。

【大塚委員長】 では、ほかの部分について、いかがでしょうか。

 廣田委員、お願いします。

【廣田専門委員】 18ページ目の(2)一定の知見を有する者の育成・施工技術の確保のところなんですけれども、具体的に、お話の前半のほうで出てきた有資格者が1,200人ぐらいしかいないという話なんですけれども、今現時点で何人ぐらいの資格者が必要なのか。それを実現するに当たって、具体的にどういう施策を考えられているのか、もし可能であれば、ご意見をお聞かせいただきたいというのが1点目です。

 2点目は、同じ18ページの(3)建築物等の通常使用時におけるというところの下から6行目、現時点において建築物等の所有者が使用状況の把握に努めることを責務として位置づけるべきだということが書かれているんですけれども、ここで言う使用状況の把握というのは事前調査レベルのことを想定されているのか。

 以上、2点について、ちょっとご意見のほうをお聞かせいただければと思います。

【大塚委員長】 では、お願いします。

【秋山大気環境課課長補佐】 今いただきましたご質問の件、まず(2)一定の知見を有する者の育成というところでございます。

 資格者の数等につきましては、こちらの小委員会だけでなく、厚労省さんのほうの検討会のほうでもいろいろな制度についてご議論いただいているところです。その中で、資格者というか、講習の種類とか、そういったものにつきましてもいろいろ検討いただいているところですので、どの資格を何人というところまで具体的な数を今ちょっと回答できないのですけれども、実際には、まずは講習を実施する機関を全国に増やしまして、そこで養成していくということが、まず取組かなというふうに考えてございます。環境省としましても、そこは制度の中で講習受講を促進するためにさまざまなPRですとか、そういったところを進めていくというところをまず周知してまいりたいというふうに考えてございます。

 あと、(3)平常時の使用状況の把握についてなんですけれども、ここを事前調査と同じレベルにするかというところですと、事前調査ですと、例えば成形板とかですと、裏面を見たりですとか、現地調査ですね、剥がして裏面を見たりとか、改造、補修、解体、こういった工事を行うことを前提にしますので、そういう作業が入ってくると。ただ、通常使用の中で、例えば天井板とか壁板とかを剥がして裏を見るというところまではできない部分かなと考えております。ですので、全く同じようには把握できない前提の中で、できる範囲で、例えば図面の仕上意匠図ですとか、そういったところで把握しておきながら、書面調査であればできると思いますので、その範囲で押さえられる情報を準備しておく。もし、例えば屋根裏とかで見られる部分があるのであれば、現地調査的なものも含めて実施していくことが望ましいと考えておりますけれども、完全に事前調査と同じレベルというのは、そこまでは通常使用だと難しいかなとは考えているところでございます。

【廣田専門委員】 どうもありがとうございます。

 いざ解体する直前にそれが判明するのは、割ともう非常に時間的にもお金的にも余裕がない状況ということなので、常日ごろから建物を現に使用されている段階で、ある程度アスベスト含有建材の使用状況を把握するということが、普及という観点からは非常に重要なことかなと思っております。

 あとは、やはり今回の改正によって事前調査の重要性というのが非常に高くなっていると個人的には理解しておりまして、そういった事前調査の重要性ということからすると、精度を担保するための資格者、あるいは資格制度、これは今まで以上に、より人を増やすとか制度管理をするというところ、それが非常に重要になってくるのかなということで、ちょっと2点ほど確認させていただきました。ありがとうございます。

【大塚委員長】 ありがとうございました。

 ほかにはいかがでしょうか。

 では、谷口委員、お願いします。

【谷口臨時委員】 今回の答申案を振り返ってみますと、課題があって、今後の検討というのが何かちょっとやっぱり多いかなという感じがするんですよね。一番最後にも「おわりに」ということで、今後さらに検討を行い明確化する必要があると、こういうふうに記載しているわけですけれども、どの段階が適当なのかどうかというのはちょっとよくわかりませんけれども、一体この検討によってどんな課題が明らかになって、それをどういうスケジュールでやっていくのかということについて、何か教えていただければありがたいなと思うわけです。

 というのは、前回の中間答申からあまり進んでいなかったではないかというようなこともあったりするので、やっぱりそこら辺、スケジュール管理はしっかりやっておいたほうがいいんじゃないか、そんな思いをしているということでございます。

【大塚委員長】 ありがとうございました。

 これはやったほうがいいというふうに思いますけれども、事務局はいかがでしょうか。

【神谷大気環境課長】 ありがとうございます。

 いろいろご指摘いただいた課題について、何といいましょうか、平成25年の答申後、取り組んできたところを今回の審議でお示しして、その結果をまとめて、本日の取りまとめ案ということでございます。今後やることというのはここに書いてきたつもりですが、スケジュールですね、これもできるだけ整理して、お示しできるようにしたいと思います。研究開発などについて、結論がいつまでに出るかというのを、あらかじめ見越すのは非常に難しいのですが、何にどういう形で取り組むか、全体を整理してお示しできるようにしたいと思います。

【大塚委員長】 お願いします。課題と対策のスケジュールのようなものを、表のようなものにして、出していただけるとありがたいと思います。

 ほかにはいかがでしょうか。

 廣田委員は、もういいですか。

 では、中村委員お願いします。

【中村専門委員】 19ページに普及啓発の取組とありまして、今回はレベル3建材で使う石綿含有成形板であったり、石綿含有仕上塗材ですか、こちらも幅広く対象になっているということで、一戸建てとか、規模の小さいところも対象になるかと思いまして、含有建材につきましては本当にいろんなところで使われていまして、調べると切りがないぐらい、屋根材、外壁はもちろんのこと、内装の中でも水回りであったり、台所、お風呂、洗面所とか、いろんなところで、隠れたところで使われておりますので、こういうものがなかなか、業者さんとかに理解されるというのはすごい難しい状況だと思うんですね。この辺を環境省さんのほうでわかりやすく、ちゃんと明文化して、周知していただきたいと思っています。特に、アスベストありというよりも、ないものは何かということをはっきりしたほうが、我々自治体としても、示していただくと助かるかなと思っています。

 また、仕上塗材のほうは一戸建てでも、一部のところでは外装仕上げとして使われている可能性がありまして、そこにまで影響を与えるということになりますので、その辺もしっかり周知していただくというか、議論のほうをして、大きな問題が起きないように、スムーズに規制対象がスタートできるように、ぜひ配慮していただきたいと思っております。

 以上です。

【大塚委員長】 笠井委員、どうぞ。

【笠井専門委員】 日建連の笠井です。今のご意見にも関連しますが、

 いわゆる調査者の育成し、人数を確保するために今後取り組んでいく中で、恐らく今のままで行くと、それほど一気に人数が増えるわけはなく、現状のような悠長なやり方ではなく、一気に増やしていかないといけないということになると、誰が教えるのかということも重要な課題であり、講師をどのように養成されるのかについても懸念しています。また受講した人のレベルが下がらないようにすることを念頭に、この制度を運用していっていただきたいと強く思っています。相反することで非常に難しい課題だと思いますが、その辺のことも視野に入れてしっかりとした制度野中で進めていかないと、調査者の人数を増やせばいいよという話ではないと思っています。

【大塚委員長】 ありがとうございました。

 外山委員、お願いします。

【外山専門委員】 谷口委員の意見とも重複するんですけれども、これが改正されて、例えばこれから新しい調査者、戸建てでしょうか、今ある調査者に加えて、もう一つの資格制度をつくらなくてはいけないということも出てきますし、あとは完了検査ですね、これもマニュアルができないとしようがないですけど、そんなに簡単にはできないだろうと思いますし、レベル3建材の作業基準なんかも、ちょっと考えてもなかなか難しい作業なのかなというふうに思いますので、これらのことをきちんと的確にこれからやっていかなくてはいけないということは言うまでもないと思うんですけれども、今の笠井委員の意見とも関連しますが、調査者ですね、粗製乱造を防ぐということはやはり重要で、今、厚労省の中で主に検討されていると思うんですけれども、前回の検討会の中では、つまり新しい、何でしょう、簡易的な調査者が何を調べるか、どんな建物を調べるのかということさえ、まだ決められていないんですね。木造戸建てなのか、それとも戸建住宅なのかという議論がされていますけれども、やっぱりそこはきちんと、そういったことがすごく重要になってきますので、そういったことをきちんと決めながらこれから進めていくということが必要で、やはり調査する者ですとか完了検査する者ですとか、新しいそういう制度が出てきますので、やはりこれから、そういった部分をきちんと、2省になるんでしょうか。共管でやっていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。

【大塚委員長】 ありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 では、時間も参りましたので、本日の議論はこれで終了したいと思います。事務局は本日の議論を踏まえて、答申案の作成に向けて作業を進めるようにお願いします。

 大気濃度測定のところにつきましては、この小委員会の場で何回も議論してまいりました。測定の必要性があるということは多くの委員のご意見だったと思いますけども、各種の課題がある中で測定を一律の制度にするということに関して、疑問の方も少しいらっしゃるという状況かと思っております。ここは清水の舞台を飛びおりるようなところがちょっとあるかもしれませんが、そこに踏み切ることかどうかという、そういう問題がちょっとございまして、なかなか容易に結論を導くことは難しいというような状況かと思います。

 ただ、一方で、先ほど来ご議論がございましたように、そもそもレベル3を今回対象にするということを含め、あとさまざまな記録の保存義務とか、事前の調査の信頼性の確保とか、測定しますとか、やらなくちゃいけないことは、完了検査のところも含めて、いろいろございますので、少しでも石綿飛散防止対策を前に進めるという必要がございます。

 そこで、本日の案からパブリックコメントにかける案への修正につきましては、大気濃度測定については、これまでの小委員会において制度化すべきだというご意見が相当数あるということを明示する形で答申案として事務局が作成して、ご意見をいただいた皆様にご確認をいただいた上で、最終的には私に一任していただけたらというふうに考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

 では最後に、議題(2)、その他につきまして、事務局から何かございますでしょうか。

【秋山大気環境課課長補佐】 それでは、タブレットのほうになるのですけれども、資料3で今後の検討スケジュール案ということで、お示ししたいと思います。

 本日、第7回の小委員会で答申案についてご議論いただきまして、今ほど委員長からもお話がございましたけれども、修正を委員長にご確認いただいた上で、答申案のパブリックコメントを約1カ月間実施したいと考えてございます。そういったことを踏まえまして、第8回、今は12月から1月のところで皆様に日程確認、調整をお願いしているところでございますけれども、今後の石綿飛散防止の在り方についてということで、ここで答申の取りまとめということをお願いしたいと考えてございます。日程が決まりましたら、またご連絡させていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。

 以上です。

【大塚委員長】 それでは、本日予定されました議題は終了いたしましたので、進行を事務局にお返しいたします。連絡事項等がございましたら、お願いいたします。

【神谷大気環境課長】 本日は、委員の皆様におかれましては活発なご議論をいただきまして、ありがとうございました。本日ご議論いただきました内容を踏まえまして、答申案を作成し、委員長の了解を得た上でパブリックコメントの手続に進ませていただきます。

 次回の小委員会につきましては、12月中旬から1月中旬ごろを予定しております。決まり次第ご連絡させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 本日の議事録については、各委員にご確認いただいた上で、環境省ホームページにて公開することとさせていただきます。

 それでは、本日の小委員会はこれで終了します。本日は誠にありがとうございました。