中央環境審議会大気・騒音振動部会 石綿飛散防止小委員会(第6回) 議事録

1. 日時

令和元年9月2日(金)15:15~17:40

2. 場所

環境省第一会議室

3.出席者

(委員長)

大塚 直

(臨時委員) 

大迫 政浩

島  正之

高岡 昌輝

谷口 靖彦

山神 真紀子

(専門委員)

浅見 琢也

出野 政雄

笠井 賢一

神山 宣彦

小坂  浩

外山 尚紀

中村 弘造

廣田 善夫

吉住 正浩

渡辺 ゆかり

(環境省)

小野水・大気環境局長

正林審議官
関谷総務課長
神谷大気環境課長
清丸大気環境課課長補佐
秋山大気環境課課長補佐
西條大気環境課課長補佐

4. 議事次第

  • (1) 特定粉じん排出等作業中の大気濃度の測定について
  • (2) 今後の石綿飛散防止の在り方の方向性について
  • (3) その他

5. 配布資料

資料1
中央環境審議会大気・騒音振動部会石綿飛散防止小委員会委員名簿
資料2-1
特定粉じん排出等作業中の大気濃度の測定について
資料2-2
一般社団法人日本環境測定分析協会資料
資料2-3
公益社団法人日本作業環境測定協会資料
資料3
今後の石綿飛散防止の在り方の方向性(案)
資料4
今後の検討スケジュール(案)
参考資料1
第4回、第5回石綿飛散防止小委員会でいただいた意見と対応(案)
参考資料2
中央環境審議会大気・騒音振動部会石綿飛散防止小委員会(第5回)議事録
参考資料3
石綿飛散防止に関する法令(抜粋)
参考資料4
建築物の解体等に係る石綿飛散防止対策マニュアル 2014.6 環境省
参考資料5
建築物の解体等現場における大気中の石綿測定方法及び評価方法について 平成25年10月 アスベスト大気濃度調査検討会

6.議事

【神谷大気環境課長】 それでは定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会大気・騒音振動部会第6回石綿飛散防止小委員会を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、ご多忙中にもかかわらずご出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 私は本日の司会を務めさせていただきます、大気環境課長の神谷でございます。この7月に着任いたしました。よろしくお願いいたします。

 本日の会議は、小委員会の運営方針に基づき公開とさせていただいております。

 委員の皆様の出席状況でございますが、委員19名中16名の委員の方にご出席をいただいておりまして、定足数に達していることをご報告させていただきます。本日は、勢一委員、本橋委員、武林委員はご欠席との連絡をいただいております。

 続きまして、本委員会の事務局を務めます環境省水・大気環境局の幹部の交代がありましたので、ご紹介いたします。

 まずは、水・大気環境局長の小野から一言ご挨拶を申し上げます。

【小野水・大気環境局長】 去る7月16日に水・大気環境局長に就任いたしました、小野でございます。前任の田中ともども、引き続きよろしくお願いいたします。

 本日は委員の先生方、大変ご多忙の中、ご出席を賜りまして、大変ありがとうございます。

 石綿の飛散防止でございますけれども、もちろん環境行政の中でも非常に重要な位置づけでございまして、大気汚染防止法の改正等々、累次、規制強化、管理の強化をしてきているところでございますけれども、例えばレベル3、いわゆるレベル3建材の取り扱いなど、まだ課題が幾つか残っているというふうに認識いたしております。

 前回あるいは前々回の小委員会では、さまざまな個別の課題についてご審議をいただいたところでございますけれども、特に本日はこれまでの議論を踏まえまして、石綿の飛散防止対策の在り方の方向性について、まとめてご審議をいただきたいと考えております。これが今後の方向性の大骨となる部分について、今日、概ねの方向性が得られれば大変幸いでございます。

 その後、本日の議論を踏まえまして、さらに答申案を次回にご議論いただき、パブコメも経て、最終的なご答申を取りまとめていただければと考えております。

 委員の先生方におかれましては、引き続きご指導をよろしくお願いいたします。

 申しましたように、本日は大変重要な議論の場でございますので、ぜひ十分なご審議をお願いできればと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

【神谷大気環境課長】 続きまして、本委員会の事務局を務めます、環境省水・大気環境局の幹部の交代でございますが、大臣官房審議官で水・大気環境局を担当する正林でございます。

【正林審議官】 正林でございます。

 もともと厚生労働省で医系の技官として採用されていますが、この7月から審議官を拝命いたしました。ちょっと遡ると、平成22年に環境省の石綿健康被害対策室長をしておりましたので、久々に環境省に戻ってまいりました。よろしくお願いします。

【神谷大気環境課長】 総務課長に関谷毅史が着任しておりますが、後ほど出席の予定でございます。

 続きまして、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。

 議事次第に配付資料一覧を記載しております。議事次第、座席表、資料の2-1、3は紙で配付しておりますが、その他の資料についてはタブレットを使用して閲覧していただきます。

 なお、タブレットの不調や資料データの不足、操作上の不都合等ございましたら、お近くの事務局の者までお申しつけください。

 傍聴の皆様には、前日までに環境省ホームページに掲載しました資料について、お持ちのノートパソコン・タブレット等の端末に保存し、ご覧いただく等、ペーパーレス化へのご協力をお願いしているところです。そのため、既にホームページに掲載済みの資料については紙では配付せず、議事次第、座席表、資料2-1、3のみを配付しています。ご理解のほどよろしくお願いします。

 また、傍聴の皆様におかれましては、会議の妨げとならないようご静粛にお願いいたします。遵守されない場合にはご退場いただくことがありますので、ご留意願います。

 委員の皆様におかれましては、飲み物について、ワンウェイプラスチックの使用削減に係る環境省の取組の一環として、水筒などのマイボトルのご利用をお願いしております。セルフサービスではございますが、会場の2カ所に水を用意しておりますので、ご自由にご利用いただければと思います。ご理解とご協力をよろしくお願いします。

 報道関係の方におかれましては、カメラ撮りは冒頭のみということで、これ以降のカメラ撮りはご遠慮いただきますようお願いいたします。

 それでは、以降の進行につきましては、大塚委員長にお願いいたします。

【大塚委員長】 それでは、議題に入ります。

 まず、議題の(1)でございます。特定粉じん排出等作業中の大気濃度測定についてであります。

 この論点につきましては、前回から引き続きということになりますけれども、事務局から資料を説明していただいた後で議論いたしますので、ご協力をお願いいたします。

 では、事務局から資料の2-1、2-2、2-3につきまして説明をお願いいたします。

【秋山大気環境課課長補佐】 それでは、資料を説明させていただきます、大気環境課、秋山です。どうぞよろしくお願いします。座って説明させていただきます。

 それでは、お手元の、紙で配付させていただきました資料2-1をご覧いただければと思います。特定粉じん排出等作業中の大気濃度調査の測定についてということでございます。

 1枚おめくりいただきまして、2ページをご覧ください。まず、前回からの再確認というところでございますが、中間答申後の大気濃度の測定に係る議論の経緯というところで再度掲載してございます。

 25年にアスベスト大気濃度調査検討会におきまして、敷地境界等における大気濃度測定方法ですとか、発生源となりやすい箇所からの影響を確認する方法等について、技術的に検討を行ったところでございます。

 その中で、検討会では、敷地境界等における大気濃度調査については、技術的課題を克服して有効な手法を確立する必要がある一方、粉じん等を迅速に測定可能な機器を用いて、集じん・排気装置の不具合の有無を確認することが有効というふうにされたところでございます。

 また、下の四角の中でございますけども、一番下のところで、漏えい監視の観点からの目安ということにつきましては、石綿繊維数濃度1本/Lということで示されたところでございます。

 1ページおめくりいただきまして、3ページ目でございます。検討会検討後の検討というところでございます。こちらにつきましては、測定場所につきましては、大気中の測定を行う場合には、作業場からの石綿飛散の影響を確実にとらえる観点から、施工区画周辺での4点というところがその後示されまして、測定方法につきましても、二つ目の丸でございます、発生源近傍における迅速測定法として、「位相差/偏光顕微鏡」及び「位相差/蛍光顕微鏡」をモニタリングマニュアルに位置づけて、改訂をしたところでございます。

 こうしたこれまでの経緯を簡単におさらいしまして、4ページでございます。前回の小委員会でも少しご議論いただいたところではございますけれども、さらに今回引き続きご議論いただくに当たりまして、データのほうを少しまた詳細に調べたところでございます。まず、4ページは都道府県等の条例による大気濃度測定の義務づけの状況についてでございます。

 16自治体のほうで義務づけているというところでございますが、条例は七つの自治体のほうで制定しているところでございます。ですので、それぞれの条例の義務づけの概要について、下の一覧表で整理してございます。各都府県、市を含めまして、それぞれの地域の実情に応じて、工事の規模ですとか工事期間を設定しているところではございます。

例えば、左から二つ目の欄の、義務づける解体等工事の規模等につきましては、使用面積、石綿含有建材の使用面積が50㎡以上であったりですとか、例えば上から4段目の鳥取県ですと、2日を超える期間にわたるもの、また、さいたま市などは全ての作業ということで、地域の実情によっているところでございます。

 分析対象の繊維と基準値につきましても、それぞれ10本、1本といろいろ設定がございます。基準を、この基準値というところで、これを超過したときの対応につきましては、一番右の欄で米印をつけてございまして、下の欄にございますけれども、超過した場合には作業を一時とめていただいて、隔離の点検とか、そういったことを指導しているというところでございました。

 こうした条例の制定状況ということで確認させていただきまして、次のページの5ページ目でございます。こちら参考ということで、少し数字の比較をしてございます。特定粉じん排出等作業の実施件数との比較というところでございます。

 下の一覧表の中で、黄色の網かけをかけたところが4ページに記載した条例による測定を義務づけている都府県の状況でございます。合計につきましては一番右下の欄にございますとおり、約1万6,000件の届出がされた工事件数というところがございますが、その中で黄色いところを合算しますと約8,000程度というところでカバーされているというところでございます。

 続きまして、6ページ目でございます。測定の検討に当たりまして、民間検査機関のアスベスト大気濃度測定の体制についてということで、アスベスト測定に関するいろんな研修事業等を実施しております一般社団法人日本環境測定分析協会と公益社団法人日本作業環境測定協会にお願いしまして、それぞれの協会の会員さんの大気中のアスベスト大気濃度の測定の状況につきまして、情報提供をお願いしたところでございます。

 いただいた資料につきましては、タブレットの中の資料2-2というのと2-3というのが二つございます。こちら、まず資料2-2のほうをタブレットのほうでご覧いただければと思います。こちら日本環境測定分析協会さんからいただいた資料、提供いただいた資料でございます。こちらにつきまして、内部のほうでもアスベストの関連委員会の取組として、1ページの表-1でございますけれども、技能試験委員会等が活動しているというところでございます。

 実際に、測定に対する対応としましては、2ページ目の中ほどでございます。2の最初のポツです。アンケート調査回収率というところがございますが、会員に対して行ったところ、3行目から、130機関から回答をいただいたというところでございまして、うち107機関がアスベスト分析を行っていたというところでございました。

 後ほど、またこの資料の後ろのほうには、少し細かいんですけども、データですとか、最後の11ページ目からはアスベストに関する精度管理事業の研修等の取組についてご紹介した資料を提供いただきました。また後ほどご覧いただければと思います。

 少しタブレットのほうに戻っていただく形になるんですけれども、2-3をご覧いただければと思います。資料2-3につきましては、日本作業環境測定協会さんのほうから資料提供をいただきました。

 1ページ目に会員数等を書いてございまして、アンケートの結果につきましては、おめくりいただきまして、3ページのところから結果が示されてございます。124社から回答をいただいたというところでございました。その中で、124の機関から回答をいただいたというところですけれども、アスベストの分析を行っているところは、3ページ目の下の表2のところの中ほどの二つ、分析業務と、サンプリングと分析業務の両方を実施というところ。65の機関で分析を行っているというところでございました。

 あと、こちらのほう、2枚おめくりいただきますと、分析結果が出るまでに要する時間ということで、表5というところでまとめていただいてございます。こういったところも参考にしながら検討を進めていただければというふうに考えてございます。

 それでは、資料のほう、紙の資料2-1のほうにお戻りいただきまして、7ページをご覧いただければと思います。

 6ページで、各協会さんからご提供いただいたものを両方の協会さんからの調査状況を集めまして、全体的な状況をお示ししたものが7ページ、8ページの表でございます。

 まず、ある程度、法での義務づけというのを考えたときに、全国的にカバーできるかというところがありますけれども、まず分析拠点としては、上の四角の中ですけれども、分析拠点がある県というのは、全ての都道府県であるというところではなかったんですけれども、ただ実際の現場の試料採取に対応しているというところでは、隣県を中心に測定に対応できるという場合が多くありますとともに、また、あと全国でも試料採取が可能としている機関もございましたので、ある程度面的な対応というのはできるのかなと考えてございます。

 実際に、分析によって結果が判明するまでの期間というところで、少しグラフをわかりやすくしております。7ページのほうが、位相差顕微鏡法での総繊維数濃度の分析に要する期間というところでございます。こちら、134機関の日数を合計しますと、標準的な分析ということでばらつきはございますけれども、5日、7日、この辺りにピークがあるというところでございます。

 また、参考で、急ぎというところでは、大分短い期間でもできるというところが右下のグラフのところで示してございます。

 8ページのほうに、同じグラフなんですけれども、今度は電子顕微鏡で石綿繊維の分析を実施するために要する期間ということで挙げてございます。こちらのほうは31機関でございまして、先ほどの位相差顕微鏡に比べて日数がかかるケースがやはり増えるというところと、あと機関の数も大分減ってくるというところがございます。

 8ページの下のほうに、日本作業環境測定協会さんのデータでございますけれども、大体平均的な日数、標準的な部分と急ぎの部分ということで、比べて載せてございます。

 こうした状況でございまして、民間検査機関の状況というところでの情報でございました。

 1枚おめくりいただきまして、9ページにつきましては、海外における大気濃度測定の規定状況です。こちらにつきましても、前回の第5回で示した資料から、少しまた情報を加えさせていただいてございます。

 アメリカ、イギリス、ドイツ、韓国、それぞれで測定の位置づけ等を行っているところでございます。作業基準値等につきましては、アメリカのほうでは作業前の基準との比較ですとか総繊維数濃度10本/L以下と。それで、イギリスのほうがバックグラウンドと比較と。前回までは10本/Lということであったんですけども、測定の下限値として10本/Lを示しておりましたので、今回このように表現してございます。あと、韓国のほうは総繊維数濃度10本以下というところでございまして、測定についてはそれぞれアスベスト関係の有資格者というところでございます。

 基準超過時の対応としましては、イギリスでは原因の調査が必要だというところ。あと韓国のほうですと、作業中止命令というふうなこともやっているというところでございました。

 続きまして、10ページでございます。解体等現場における石綿の飛散事例と。こちらの前回の資料の少し訂正でございまして、石綿繊維数の作業場からの漏えいが疑われる事例ということで、前回の資料ですと10件ということでお示ししたところなんですけども、石綿繊維数濃度1本/Lでもう一度確認したところ、66件あったということで、ここの数字の訂正ということで掲載させていただいております。

 ただ、その下の表にございます、比較的高い石綿繊維数濃度が測定される事例につきましては、これは特に変更がありませんで、やはり管理の不徹底により発生した場合というのは、こういう高い濃度が測定された事例があるというところでございます。

 こうしたところを前回もご議論いただきまして、さらに測定をどうするかということで皆様からいろいろご意見をいただいたところでございます。さらにこうした情報を踏まえた中で、測定をどのように行うかというか、どのように対応していくかという方向性を11ページ目のほうに案としてお示ししてございます。

 隔離を伴う作業現場におけるモニタリングの実施方法ということで、どのようにモニタリングを実施するかというところでございます。

 まず、現状としましては、一般社団法人日本環境測定分析協会さん、または公益社団法人日本作業環境測定協会さんに所属している機関のそれぞれの協会の調査によりますと、回答があった254機関のうち、アスベストの大気濃度測定の分析に対応しているところは172機関というところでございました。

 総繊維数濃度が判明するまでに要する日数というのは、大体6~7日程度、10日、11日以上という長い期間も見受けられると、ばらつきがあったというところでございます。

 あと、さらに石綿繊維数濃度を電子顕微鏡で分析するためには、さらに長い期間を要するというところ、あと機関の数が少なくなるというところでございます。

 あと都道府県等では、地域の実情に応じて施工区画周辺などで大気濃度測定を条例で義務づけている場合もあるというところでございます。

 つきましては、対応の方向性ということで、案の1と案の2、二つ併記させていただいております。両案の説明の前に、いずれにしても、5年前の検討会でお示しいただいた石綿漏えい監視の目安ということで、石綿繊維数濃度1本/Lを、これを迅速に測定することをやはり目指していきたいと考えてございまして、測定が可能になった段階で、モニタリングについて改めて検討を行うこととするというところはあるんですけれども、今、現時点での対応の方向性として案の1、案の2と、2案記させていただきました。

 案の1につきましては、第5回の小委員会の中でお示しさせていただきました、集じん・排気装置の排気口における粉じんを迅速に測定できる機械による異常の有無の監視、その確認の頻度を増やすことですとか、あとは前室、セキュリティーゾーンの負圧の確認の頻度を増やす、負圧管理をしっかりすることで、隔離現場からの漏えい監視を強化するという案でございます。

 案の2につきましては、測定を実施するという案でございますけども、案の1の漏えい監視に加えまして、予期せぬ箇所からの石綿の漏えいが発生していないこと、これを確認するために、一定規模・期間以上かつ隔離に伴う工事に施工区画周辺での大気濃度の測定を義務づけるという案でございます。

 もちろん、義務づけるとなった場合には、目安等、対応についてどうするかというのが、対応の方向でもう一つ、論点として出てまいりますけれども、もし義務づけるに当たっては、現在、大気汚染防止法の中で特定粉じん発生施設の敷地境界基準というのが、石綿関係の基準では具体的に基準が設定されているところでございます。

 こうしたところを参考にしまして、あとは測定の期間に要する日数、そういうのを考慮しまして、総繊維数濃度10本/Lというのを一つの測定の評価の目安として、これを超過した場合に施工されている方が工事を一時中断して、隔離措置の確認などの点検を行うこととしてはどうかというふうに考えてございます。

 あともう一つ、一定規模の工事の規模と期間につきましては、これはまた民間検査機関の対応状況等を勘案しまして決定してはどうかというふうに考えてございまして、この案の1と案の2、二つ併記してございますけども、またこちらのほうでどういう方向がよろしいのか、また小委員会の皆様からご意見交換をしていただければというふうに考えてございます。

 最後に、12ページにつきましては、今の案の1と案の2の各案の比較ということで、測定の方法ですとかそういったところを簡単にまとめたところでございます。

 以上で、2-1のご説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願いします。

【大塚委員長】 ありがとうございました。

 では、2-1につきまして議論を行いたいと思います。石綿含有建材の除去作業中の大気濃度測定についてでございますけれども、事務局から新しい方向性の案が示されたところです。ご意見、ご質問がある方は札を立てていただければと思います。では、高岡委員、お願いします。

【高岡臨時委員】 ありがとうございます。

 私のほうからは、この2-1の資料の11ページの最後のところに、「なお、いずれの場合においても、石綿繊維数濃度1本/Lを迅速に測定することが可能になった段階で」と書かれているところについて質問します。この迅速というのを、どのぐらいの期間というか、どのぐらいのことを考えられているのか。今回お示しされた、例えば7ページのところで、急ぎの分析という頻度分布が出ていますが、これで言うと、当日というのか、1日後、2日後というのか、どの程度のものを迅速として認めていくということなのか。もしそういうことについてお考えがありましたら、教えていただきたいと思います。終わります。

【大塚委員長】 三、四人ぐらい、四、五人ぐらいお当てしてから事務局のほうにお答えいただければと思います。では、大迫委員、お願いします。

【大迫臨時委員】 ありがとうございます。

 こういう状況を踏まえたときに、分析の体制をより整備していくという方向が出てくれば、やはり一歩進めてこの大気濃度の測定をするということは踏み出すべきかなとは思っておりますけども、それの前提について、少し情報をいただきたいということで、これまでも、もしかしたら議論の中で情報整理されていたかもしれませんが、もう一回確認させてください。

 既に条例で今回の案の2と同様のルールで運用されているような、例えば大阪府さんでありますとか、そういったところにおいて、作業の改善に機能しているのかどうかという状況が、もし、この場で答えられる方がおられるのであれば、そこら辺も教えていただいた上でこの後の議論をしたいなと思っております。

 以上です。

【大塚委員長】 では、吉住委員、お願いします。

【吉住専門委員】

 産業界を代表して、今日の説明についての経団連としての考え方を述べます。

 第一に、繰り返しになりますが、今回の石綿飛散防止の問題については、まずは作業基準の徹底があってのものということは再度確認をさせていただきます。

 その中で、先ほどご説明がありました、資料2-1の最後のページにある案1と案の2において、まず案1の、集じんの排気装置の排気口における監視と、セキュリティーゾーンでの負圧管理の徹底がまずやらないといけないことと認識をしております。

 そういった中で、今回説明があった大気濃度の測定について、前回、議論の中で作業管理を優先させたほうがいいという意見があったかと思いますが、今回提案いただいた内容を吟味すると、まずは条件として、一定規模あるいは期間という条件がつけられたと理解しています。これは大気濃度分析の期間が平均で6日程かかることも考慮されて、条件がついたものと思っております。

 さらに、今回の大気濃度測定の目的は、この隔離措置の確認と、集じん・排気装置等が正常に働いていることを確認する一つの目安として、この基準を超過したときに、その点検をするものとして示されておりますので、産業界としましても、それを前向きに受け止めタイト考えます。ただし、基準をつくる際に、その基準が合理的であることや、また、飛散防止に本当に有効な対応ができること、あるいは現場サイドが測定の結果に基づいてどのような対応を行うのかが重要であると考えます。例えば確認の点検の方法が合理的であれば、そうした点がさらに石綿の飛散防止の徹底につながると思います。

以上です。

【大塚委員長】 ありがとうございます。

 では、外山委員、お願いします。

【外山専門委員】 ありがとうございます。

 基本的に、案2に賛成です。測定するべきだということ、理由に関しては前回の検討会の中でお話ししたとおりですけれども、この目的のところ、これでいいとは思うんですけれども、やっぱり石綿という実際に被害がたくさん出てきている、環境ばく露的な被害も非常にたくさん出てきているという中で、やっぱり大気汚染防止法の第1条の目的として、損害賠償の責任について定めるということが書かれているわけですから、その意味でも、つまり空気中のアスベストの濃度をはからなければ発がんのリスクはわからないわけですから、この位相差顕微鏡による方法で測定をして分析をするということは極めて基本的で大事なことだというふうに考えています。

 それから、諸外国で当然のように濃度測定をしていて、していないところのほうがまれだというふうに思いますし、ちょっと米国のところで質問というか、よくわからなかったんですが、隔離作業現場では測定の必要がないとなっているのですけれども、これ、私は一生懸命探したんですが、該当する部分がちょっと見つからなかったので、もし後でお示ししていただければありがたいと思います。

 米国も当然、隔離の作業、隔離の現場でも測定をされていると私は理解をしています。

 あともう一点は、濃度測定を義務づけるということで、誰がするのかという問題が出てきます。分析者ですね。資格なのか、それとも要件なのか、ありますけれども、これも簡単に機械に入れて数値が出てくるというものではなくて、分析者が繊維を1本1本数えるということをしなければならないので、これはかなり技術も必要です。

今、これを教えているのは作業環境測定士ですね。作業環境測定士になるときに、第1種の粉じんですけれども、その登録時講習の中でこれを教えているということです。

 あとは今、作業環境測定協会と日本環境測定分析協会の二つで養成のコースと、あとは精度管理をやっているというところなので、その辺り、分析者の資格要件、それなりにきちんと決めないといけないのかなと思います。

 以上です。

【大塚委員長】 一旦この辺で切りまして、事務局のほうから、ご質問もございましたので、お願いいたします。

【秋山大気環境課課長補佐】 ありがとうございます。

 まず、高岡委員からご質問いただきました、迅速のところのスピード感なんですけれども、具体的に例えば何日以内とかというふうな、すみません、ここははっきりした明確なラインがあるということではなくて、比較的やっぱり時間がかかるというものに対して、なるべく早く測定をすると結果がわかるという意味での迅速というふうな言葉遣いをしてございます。

 ですので、今回、どれくらいできるようになったらということで具体的なラインがあるわけではないんですけども、今、環境省としましては、石綿繊維数濃度1本/Lをある程度連続的に測定できる機械・装置の開発といった研究をまた進めているところでございますので、あとは法での義務づけという形になりますと、やっぱり全国での適用というところもございますので、そういうところも状況を見ながら、分析装置の開発状況と分析機関の対応状況と、こういったところも考慮しながら検討を、時期については見ていきたいなというふうに考えてございます。

 あと、大迫委員からございました、条例による作業改善の効果についてでございます。それぞれの条例で目安を定めまして、作業現場の改善をしていただいているというところですけども、やはりどうしても、結果がわかったときに現場がまだ作業を継続しているということであれば作業現場の点検をしていただいて、そこをしっかり改善を、漏れがないかというところを確認いただいてやるというところですけども、中にはやはり、どうしても作業現場がもう既に終わっているという現場も中にはあるというふうに伺っております。

そうした場合には、またその次の作業に当たってやっぱり留意しなきゃいけないんだというところを、業者さんが継続していく中でそういう留意事項を増やすという面では、測定の効果というところもあるのかなとは考えてございます。

 あと、吉住委員から少しご質問とご意見をいただいたところの中での回答というかコメントというかなんですけれども、大気濃度測定の予期せぬ箇所からの漏えいが発生していないことを確認するためということですので、基本的には測定結果を除去作業の現場での改善に活用するというところを想定しているところでございます。

 ですので、測定をした結果を踏まえまして、例えば超過があるという、基準値を超過した場合ですとか、ちょっと高い粉じんが出た場合には、一度工事を中断していただいて、集じん排気装置の異常がないかですとか、隔離のためのビニールシートの剥がれ落ちなど、こういったものがないかは点検していただくということを考えてございます。

 また、そういう設備のほかに、例えば前室の出入り口といった作業管理の面でもしっかり改善する点がないかというところも考えられますので、そういったポイント等の技術的事項につきましては、また今後、詳細に検討してまいりたいというふうに考えてございます。

 あと、外山委員からご質問、ご意見ありましたアメリカの例については、すみません、ちょっと確認をさせてください。後ほど、またご説明させていただきたいと思います。

 あと、分析者の要件につきましては、今のところ各精度管理の事業に参加している事業者さん、両協会の会員というところが中心になろうかと思いますけども、そうした方を積極的に活用していくというところが、まず中心かと考えてございます。

 あまり狭くし過ぎてしまうと、何かそれにより全国での測定が滞ってしまっては本末転倒になろうかなと思いますので、まずはそういったことを、想定としては今考えているというところでございます。

 あと、外山委員から、最初の第1条の部分の話なんですけれども、大気濃度測定につきましては、平成25年の石綿飛散防止小委員会及びアスベスト大気濃度調査検討会における検討の結果、意図しない石綿飛散が発生していないことを確認するための効果が見込まれるということで、一般大気環境への影響の確認のためにこれを基本とすべきという考え方が示されているところでございます。

 まずは、適切な飛散防止措置によって特定粉じん排出等作業時に石綿を飛散させないということが重要でありますので、今ご議論いただいています大気濃度測定を義務づけるかどうかというのは、漏えい監視の観点から検討すべきというふうに考えているところでございます。

 また、今、大気汚染防止法で定められています、特定粉じん発生施設、こういった発生施設とは異なりまして、解体等現場における石綿の飛散というのは、除去作業を行う場合でも一定期間に限られるというものが非常に多うございますので、数時間から数日で終了する場合もございます。また、石綿の種類も、建築物に使用されているものは種類が異なるというところから、健康リスクの観点からの解体等現場周辺での評価という面では、さらなる検討が必要な状況というふうに考えてございます。

 以上でございます。

【大塚委員長】 吉住委員から、確認の点検が合理的に行われるならばということをおっしゃっていただきましたけども、それについては、今お答えいただいたということになりますでしょうか。事務局お願いします。

【秋山大気環境課課長補佐】 そうですね。今まず想定していますのは、まず設備面の点検ですね。集じん排気装置の異常がないかというところの点検。あと、隔離しているビニールシートの大きな剥がれですとか、そういったものがないかというのをしっかり点検していただくことで、工事を再開していただくということを考えてございます。

 ただ、そのほかに、設備的な面以外にもセキュリティーゾーンの出入り等の管理の面もございますので、基本的にはそういったところも含めて検討していただくこと、あとはさらに、当方のほうでもさらにこれから技術的事項についても明確にしてまいりたいと考えてございますので、基本的には設備の点検というのを中心というふうにお考えいただければと想定しているというところでございます。

【大塚委員長】 ありがとうございます。

【秋山大気環境課課長補佐】 失礼しました。規模要件のところですね。すみません。規模要件のところは、ちょっと回答が中途半端でございましたけども、予期せぬ箇所からの漏えいが発生していないことを確認するためのものですので、基本的には、結果が判明した時点で作業は継続しているというものを基本に考えていきたいというふうに考えております。

 それに当たりましては、条例での義務づけ等ございますけども、やはり大防法におきましては、義務づけるということでありますと、全国一律の制度になることを踏まえまして、その民間検査機関でのそういった検査体制についても考慮が必要だというふうに考えているところでございます。

【大塚委員長】 では、お待たせいたしました。神山委員、お願いします。

【神山専門委員】 特定粉じん排出作業での、どのようなモニタリングを実施するかという、11ページにこの辺の大気濃度の測定のまとめがされていまして、その方向性、案1、案2というふうに最後のページでもまとめられておりますけれども、概ねこれで、かなりの進歩があるんではないかというふうに賛成いたします。

 それで、例えば養生を外すときの漏えい、そのときに漏えいがあってはいかんということで、それをどのように確認するか、誰が確認するかというようなことも伴って出てくると思いますが、その辺の、いわゆるリアルタイムに近い、迅速的に測定して結果を出すということがそういうときには求められるでしょうけれども、アンケートで求めた6日なり11日かかるという、それはフィルターサンプルを測定機関に運んでいって、その測定機関で登録したり記録したり、そして計測をしてまた依頼者に戻すというふうな、普通の状態での作業環境測定であるとか何かの日数が、大体報告されているんだろうと思います。

 こういった現場での急ぐ測定というのは、また別のシステムを考えないといけないと思いますけれども、例えば、ファイバーエアロゾルモニターというリアルタイムで測定するような装置があります。その排出、空気の出口のところにバックアップフィルターというのがつけられるようになっておりまして、ファイバーのリアルタイムで高くなったとき、目視でモニター上に出てきたりすると大体わかると思いますので、それが今の段階、100%アスベストかどうかわからないと。アスベストの確認をするためにバックアップフィルターを使って、例えば蛍光顕微鏡で見て光っていれば、これはアスベストが飛散しているということが、今の段階である程度の技術で予測できますので、その辺のシステムを構築することで、1時間なり2時間という短い時間内でできる可能性もありますので、この案の2の最後のところに、なお書きで書いてある、可能になった段階でモニタリングについて改めて検討を行う。今言ったようなことが、まだ期待として持てますので、こういう方向性で早急に進歩させていくということが一つ考えられますので、賛成ということです。

 もう一つは、システムですね。誰がはかるかということで、今までですと、フィルター、測定機関、自治体から依頼を受けた測定機関が現場に行ってサンプリングをして持ち帰ってという、そういうのが普通だろうと思いますけれども、自治体が立入時に実際に測定専門家を伴っていって行えば、この6日とかそういう日数じゃなくて、その日のうち、あるいは半日後、あるいは数時間後ということで、正常であるとか正常でないとかいうことがある程度モニターできるんではないかと思いますので、そのシステムですね。モニタリングのシステムを考慮、考えるということが、プラス必要、いいのではないかと考えます。

 以上、2点です。

【大塚委員長】 ありがとうございます。

 では、小坂委員、お願いします。

【小坂専門委員】 飛散をいかに少なくするかということなんですが、私自身の経験なんですけれども、私、兵庫県公害研究所というところで、1988年に環境庁ですね、当時、そこが大気濃度調査を始めたときからアスベストの担当をずっとしていました。それで、95年の、たしか95年ですが、神戸の震災の後、倒壊家屋の解体でアスベスト飛散が大変問題になりまして、それで解体現場へ行って測定をするようになったわけです。

 やってみてわかったことは、サンプリングをしてきて、研究所へサンプルを持って帰って分析をしていたら、工事が終わってしまって何の意味もないんですね。飛散したかしていないかというデータは出てきますけれど。それで、位相差顕微鏡を直接現場へ持っていって、30分間、工事が始まったら集じん機の出口で、主に、それから、人の出入り口も二つ、2カ所で測定をして、その場でサンプルを分析するということをやっていたんですね。そうすると、サンプリング後1時間以内には結果が出るんですよ。出てきたら、行政担当者も一緒にいますから、飛散していたらすぐにやめさせるということをしていたんですね。

 それが一番早くとめられる方法だと今も思っているんですけれども、そういうことが、コストを全く考えないで私たちはやっていましたけれども、現状でできるかどうかは別として、本当に早くとめようとすれば、一つはそういう方法ではないかと思います。

 実際にやってみると、そんなに難しいことではなくて、本当に、30分間サンプリングして20分ほどで結果が出るんですよ。それでも四、五十分は漏えいがあるということにはなるんですけれども、今できることはそれが一番いいんじゃないかなというふうに思いましたので、そういう方法をちょっとご紹介させていただきました。

【大塚委員長】 ありがとうございます。では、笠井委員、お願いします。

【笠井専門委員】 日建連の笠井です。

 お示しの2つの案につきましては、私ども日建連の中でも一部の方に人たちですけれども、意見を伺いましたが、1案でいいとか、2案でもいいのではなかかと意見が分かれています。2案で異論を唱える根拠としては、の漏えい監視という意味で施工区画周辺で測定しても分析結果が出るまでに時間がかかり、工事が終わってしまうことが懸念されるからです。

 従いまして、測定を義務化するのであれば、先ほど小坂委員がおっしゃったように、迅速に結果が出ることが前提でないとあまり意味がないものになってしまうという懸念があります。

 ただ、私としては、予期せぬ箇所からの漏えいを監視するという意味で施工区画周辺で大気濃度をはかることはずさんな工事(いい加減な隔離養生等)を防止するというリスクヘッジにもつながりますので意味があると思いますので、施工区画周辺での大気濃度測定をするのであれば、ぜひとも法律で義務づけていただきたいと思います。努力義務等にしてしまうと、いつも申しますけれども、正直者がばかを見るようなことになってしまうのではと考えています。

 現状、建設現場では、敷地境界なり施工区画の周辺での測定については、自治体からのが指導があったり、あるいは自主的に測定していますが、それはどちらかというと、漏えい監視というよりもリスクヘッジをすることが目的になっています。例えば周辺の住民の方に説明する場合、また、行政の方に説明する場合、あるいはお客様(発注者)に説明する場合に、敷地周辺での石綿漏えいのないことを証明するために行っているというのが、むしろ多いと思います。

 以上のことを勘案し、2案で賛成はしたいと思いますが、これには迅速に答えが出るということが前提になることを申し添えておきたいと思います。

 それから、測定場所が、施工区画周辺4点と書いてありますが、この施工区画周辺につきましてはって、これまでも随分議論されていますので今さら異論を唱えるわけではありませんが、建物内外で石綿を除去する空間というのはさまざまなケースがありますので、4点と限定的な規制にはしないでいただきたい。具体的に言うと例えば、測定できる場所が2面しかない場合がありますし、あるいは、大きな空間で隔離する場合に4点だけでいいのかというケースも考えられます。建物の2階以上の外壁に面したところであれば、外壁の外は測定が不可能な場合も想定できますので、様々なケースに対応できるように幅を持たせた記述をお願いしたいと思っています。

 それから、先ほどからもお話の中で出ています、法律の中の「敷地境界基準」の件ですが、この基準はあくまでも石綿の製造工場に限定された規制だと思いますので、ここでの議論と合わせて、一緒に見直していただきたい。現実に存在しないものの規制というのは、意味をなさないと思いますので、一緒に整理をしていただければありがたいです。

 それから、最後に、資料2-1の中で、急ぎの分析の場合というのがありますが、この急ぎの分析の場合では、精度が落ちるのか、あるいはお金を掛ければできることなのかの質問です。急ぎでできるのであれば、その条件を整理し、迅速測定の選択肢として、この方法を確立していくことを考えていくべきかと考えます。

 以上です。

【大塚委員長】 では、中村委員、お願いします。

【中村専門委員】 はい。皆さん、委員のほうから大気測定の必要性については意見が出尽くしているといいますか、私も同じような考えでございます。

 そこで、測定によって、飛散がないことの確認が、確実にできるということで、近隣の市民としても安心できると思っています。実際に市民から、濃度測定の有無についてとか結果についての問い合わせが、川崎市のほうには事例としてございます。

また、測定結果の取り扱いについてちょっとお聞きしたいんですけど、評価の目安で、総繊維数10本/Lで、これは管理の目安となっておりますが、この10本/Lを超えた場合の一時中断はマニュアルでの指導レベルとなるのか、指導が守られない場合、その後の事業者に対する対応はどうするのか、この辺が自治体ごとにばらばらとなることが想像できますので、当然、この辺をしっかり整理していただきたいと思っております。

 以上です。

【大塚委員長】 まずここまでで、事務局、お願いいたします。

【秋山大気環境課課長補佐】 ありがとうございました。いただいたご意見、ご質問等、順番に回答したいと思います。

 まず、神山委員からお話がありました養生を外すときのお話、隔離を解除するときのお話でございます。こちらについては、ちょっとまた今後の課題というふうなところで、また次の資料3の中でも少し議論、作業が適切に終了したことの確認というところで少し触れますが、具体の方法については今後の課題とさせていただきたいと思いますし、あと、モニタリングのシステムというところ、こちらもファイバーエアロゾルモニターのバックアップフィルターというところで非常に細かい技術的なお話もございましたので、またそういう技術的な部分で、いろいろご相談をさせていただきたいなというふうに考えてございます。

 2番目に、小坂委員からご質問等、ご意見というかコメントがございました、現場での測定というところでございます。確かに、ご意見のとおり、現場ではかるというところが一つの方法というところもございますが、少し全国での義務づけというところの実態を考慮した中で、資料2-2と2-3で各協会さんのほうから今いただいている資料の中で、現場でのそういった対応というのができるかできないかというところも、それぞれ回答がちょっとまとめてございまして、資料2-2ですと3ページの中でございますし、資料2-3ですと5ページの表8というところでございます。

 なかなか、まだ現場で即日対応できるよというところが3割ぐらいというところもございますので、この辺りでちょっと、まだ全国区という面では難しい面があるかもしれないと。ただ、都道府県の立入検査ですとか、そういうところでは、それぞれの都道府県の裁量というか、考え方でいろいろな方法がやられているかと思います。ですので、立入検査については、それぞれ都道府県等の判断の中で現場でできる方法というか、そういったところをまた採用していただければというふうに考えてございます。

 続きまして、笠井委員からいただいたご意見等につきましてですけれども、測定をするのであれば法律での義務づけというふうなご意見がございました。もちろん、その辺り、いただいたご意見ということで承りたいと思っておりますし、この後、測定の地点の数のことも少しございました。今、4点ということで、アスベスト大気濃度調査検討会の検討結果を持ってきているわけですけれども、いろんな現場の形ですとか位置等々ございますので、この辺り、また規制の仕方というか義務づけの方法についても、また考えて検討してまいりたいと思っております。

 あと、固定発生源の発生施設の整備というご意見もいただきました。こちらのほう、またちょっとご意見として承って、また検討させていただきたいと思っております。

 あと、急ぎの分析のところのお話なんですけれども、こちらについては急ぎにしたから精度が落ちるということではなくて、やはり人件費の面ですとか、そういったところで優先的に人を投入して、場合によってはやっぱり遅い時間まで分析に携わるというふうなところでの人件費のところが、非常に大きなウエートを占めてくるものだと考えてございます。

 あと、中村委員からご意見、ご質問がございました。この数、総繊維数10本を超えた場合の指導というか対処についてなんですけれども、こちらについては、基本的には分析とセットというか、当然ながら、その後どうするかというのがセットになりますので、想定の中では、ある程度測定を規則とかそういったところに義務づけるのであれば、そういったところも、その対応についても同じようにセットに位置づけられるというふうに考えてございますし、またその点検の記録ですとか、そういったところもしっかり残していただくというふうなことで、また自治体のほうは立入検査等で現場の状況を確認できるということも、この測定からちょっと範囲が広がっている話ですけれども、そういったことで確認をすることによって、都道府県が適正な現地での確認を指導するということも考えてございます。

 以上でございます。

【大塚委員長】 中村委員のほうから、マニュアルにするのかというようなことをおっしゃっていただきましたけど、その点はどうでしょうか。

【秋山大気環境課課長補佐】 すみません。今、法律での義務づけということであれば、恐らく省令、規則のほうに、その測定と超えた場合の対応というふうなところでのお話がセットになってくるかと思います。

 ですので、例えば、測定をした結果、目安を超過した場合に、例えば点検を行うとか、そういったところの対応の部分までは同じ規則というか、そういうところにセットで書き込まれる形になると考えております。

 以上です。

【大塚委員長】 では、最終ラウンドになると思いますけど、今、挙げていただいている方で一応、今回はおしまいにしたいと思います。

 山神委員からお願いします。

【山神臨時委員】 まず質問を一つと、意見なんですが、9ページ目の海外における状況なんですけれども、測定者が有資格者となっているアメリカとかイギリスがありますけど、この資格者というのは、アスベストの分析についての資格を持っているのか、日本でいう環境計量士のような分析全般の資格のことを言っているのかということをちょっとお聞きしたいのが1点と、先ほども、何度も出てきますけれども、今回の顕微鏡法については、人が最終的には判断するということで、人による個人差がすごく大きくて、2分の1以下とか倍以上になることもざらだというふうに考えています。

 前回、地方環境研のような公的機関の人材を活用したほうがいいんじゃないかと意見しましたけれども、それは、環境省さんの研修所で研修を受けた人間がやっていてということを言いましたけれども、今回、民間の業者さんでやるというのが前提なんであれば、精度管理はもう必須というか、それもセットで行ってほしいというふうに考えます。できれば資格制度でやるのが理想だと思いますけれども、少なくとも研修を受けた人のみが行うというような分析の仕組みにしてほしいというふうに考えます。

 二つ目ですけれども、11ページの案1、案2の、私も案2のほうに賛成なんですけれども、総繊維で1L当たり10本という基準が、基準としてはちょっと甘いんじゃないかなというふうに考えます。

 名古屋市の例で言いますと、一般環境で総繊維が1本以上あるというのは近年ほとんどないという状況で、10本という基準だとすると、1L当たり七、八本ならオーケーということになると思うんですけど、こういった解体現場で七、八本あるということは、もう既に、それがアスベストかどうかは別として、養生しているところから漏れていることには間違いがないので、それを見逃すというのはちょっと、その10本というのはちょっと甘いかなというふうに考えます。

 最終的に、今回だとアスベストかどうかという確認をしないという、総繊維で規定をするというのであれば、もうこの総繊維はアスベストとみなして1L当たり1本とするのが妥当なんじゃないかなというふうに思います。

 以上です。

【大塚委員長】 では、出野委員、お願いします。

【出野専門委員】 解体業会の出野でございます。

 11ページ目の対応の方向性というところにつきまして、少しだけ意見を述べさせていただきます。毎回同じような意見を言っているみたいでちょっとはばかられるところもありますけれども。

 案1と案2がありますけれども、前々から申し上げていますように、基本的には案1に賛成でございます。案2で測定をすると、どうしてもさせるということになれば、きちんとした制度化を図っていただきたいと思います。例えば、法律で義務づけをして、罪刑法と一緒じゃないですけれども、こういう結果が出たらこういう罰則があると。後ほど直罰制とかを考えていらっしゃるという話なんですけれども、そこまで徹底してやっていただくのだったら案2でも結構かと思います。ただ、マニュアルとか、簡単なもので測定をできるだけやってほしいとか、そういう規制の仕方だけは絶対にしないで、やめていただきたいと思います。

 大体自分で石綿の除去作業をやって測定をするような業者は、ちゃんと作業基準を守っているんですよ。ほとんど出ないんですよ。そういう測定をしないような業者、これが作業基準を守っているか守っていないか怪しいところがあるんで、そういう中途半端なことをしないで、やるなら徹底的にやると、罰則まできちんと決めてやると、徹底的に取り締まるというところまでやっていただければ、案2も賛成するということでお願いをしたいと思います。

 以上です。

【大塚委員長】 浅見委員、お願いします。

【浅見専門委員】 浅見です。

 案2ですけど、予期せぬ箇所からの漏えいですが、総繊維ということですと石綿に限らないと思うんですが、先ほど笠井委員からも外山委員からもありましたけれども、リスクヘッジを考えると、10本/Lを超えた場合に石綿の濃度を測定しなくていいのかどうかということが気になります。それがまず1点。

 もう一点は、これも笠井委員からありましたが、私もずっと考えていて、この4点の測定だけでいいのかなというところです。測定場所によっては、たとえ飛散があっても全くひっかからない、集められないということがあると思います。4点に限らず、場合によったら増やすことも必要でしょうし、あと、もう一つは、近隣でほかの工事をやっている、そちらの粉じんが入ってくるということもありますので、そういう点も含めて、できる限り適正な測定場所をできるような形で計画できるような形を何らかの形で示していただけたらなと思います。

 以上です。

【大塚委員長】 ありがとうございました。では、事務局、お願いいたします。

【渡辺専門委員】 よろしいですか、すみません。

【大塚委員長】 失礼しました。渡辺委員、お願いします。

【渡辺専門委員】 私も案2ということで測定の義務づけ等をされればよろしいかなとは思っております。先ほど来、いろいろご意見が出ておりますけれども、やはり施工者が、検出された場合に作業を一時中断して、隔離措置の確認などの点検を行うということであるのならば、その基準が10本/Lというのはやっぱり高過ぎるのではないかと。要するに異常を見つけるための検査ということだということを前提で考えると、やはり10本というのはちょっと高いのではないかと思います。

 それから、測定とその対応というのはきちんと法律で位置づけていただきたいというのは今までの委員さんがお話しされているのと同様でございます。

 あと、アンケートの結果を見ますと、急ぎの分析の場合というので多少日数が短くはなっているんですけれども、その中でもやはり5日、7日、あるいは11日かかるところもあるという現状を見ると、本当にこの分析というのを導入したときに、こういう形で作業を中断できるような日数で結果が出てくるのかなと、こちらとしては非常に疑問に思うので、ここの急ぎの分析の場合の標準の日数の違いというのか、何が背景にあるのかというのはきちんと把握していただいて、それをもう少し早くできる方法なり何かがあるのかどうかもちょっとご検討いただきたいなというふうに思います。

【大塚委員長】 大変失礼しました。では、事務局、お願いいたします。

【秋山大気環境課課長補佐】 ありがとうございました。順次お答えさせていただきます。

 山神委員からご意見とご質問がございました。まず海外の有資格者なんですけれども、基本的には、アスベスト専門の知識を持った方がされているという形でございます。

 あと、地方環境検査機関、庁の環境研究所と、今回、民間検査機関のところをベースにというところだったんですけれども、やはり地方環境研修所というか研究機関のほうは、おそらく自治体のほうが立入検査をするときの分析のところがメインになるかなと考えてございまして、今回やっぱり解体等工事の現場ということですと、やはり民間検査機関に依頼をされるケースが多いというふうなところで、民間検査機関の検査状況をもとに、今、資料提供等をいただきまして、ご議論いただいたところでございます。

 分析者の部分については、また先ほどもお答えさせていただいたとおりでございますけれども、基本的には研修を受けた機関というところで、ここはある程度、全国的な実施の、測定するとなったときの実施の可能性とか、そういったところも含めて考えていきたいなと思いますので、ご意見として、またこれから承って検討してまいりたいと思います。

 あと、総繊維10本/Lの値についてもいろいろいただいているところなんですけれども、この辺りも、なかなかやっぱり場所によっては、バックグラウンドがもともと繊維濃度が高いところ、もちろん住宅街とかでもともと低いところもありますし、ある程度場所によっては工場とかですと高いところとかもあったりするところがございます。ですので、今、10本/Lという数字そのものも、これ、ちょっと設定を新たにゼロから検討するとなると、非常にまた時間がかかるお話にもなろうかなと思いますし、今ある現行の規制の数値の石綿、今の現行の固定発生源の10本/Lというのは、あくまで石綿繊維濃度で6種類あるうちのクリソタイルのものをベースにしております。実際に建材に使われている石綿の種類としては、ほかのものもございまして、そういったところから比べますと、毒性の弱いものを基準にした10本/Lよりは、総繊維数で10本/Lというのは、その基準よりは比較的厳しい、安全サイドに立っているのかなというふうには考えておりますけれども、今そういったところで、現在はかるとしたときに、その目安の考え方ですとか、そういったところを踏まえて、今、10本/Lというふうに提案させていただいているところでございます。

 あと、出野委員からございました、案2の測定の位置づけというところでございますけれども、こちらは先ほどちょっとお話ししましたが、マニュアルで自主的にということではなくて、義務づけるとなった場合には、法令の中でしっかり書いていくという形になります。

 あとは、ちょっと罰則のところですね。具体にどうというのはちょっとなかなか難しいところがあるんですけれども、マニュアルでふわっとした形じゃなくて、それも義務づけとなれば、しっかり作業基準とかを法令に書き込んでしっかりさせていくというふうな方向になろうかと思います。

 あと、浅見委員からございました、石綿濃度、総繊維数濃度で10本/L出たときに、その石綿繊維の測定を行うべきじゃないかというところのご意見がございました。基本的に、総繊維数濃度が高いとき、アスベストモニタリングマニュアルの中でも1本/Lを超えた場合には石綿繊維数濃度をはかるというところがございますので、やはり分析をする必要というのはあろうかなと思います。

ただ、分析にかかる日数というところまでをいろいろ勘案しますと、義務づけと結果が出たときの現場へのフィードバック、改善措置というところを考えたときには、今のところまだ、その日数が石綿繊維まではかるとなると、大分日数もかかるものですから、まずは総繊維というところで考えているところでございます。

 あと、近隣からの影響といいますか、場所によっては工事区画じゃないところからの影響を受けるというご意見もございました。基本的には、しっかり工事作業場からの影響を確認するために施工区画周辺にするという方向が、今、示されているわけでございますけれども、さらに現場での測定の在り方等については、また技術的事項は必要に応じて検討してまいりたいというふうに考えてございます。

 あと、渡辺委員からございました、測定と対応の位置づけについては、セットで規則なり、そういったところにしっかり書き込んでいく必要があるんだというふうに考えてございます。

 あと、期間のお話につきましては、少しまた、今日いただいたご意見等を踏まえまして、いろいろ民間検査機関の実情ですとか、いろいろ要因等についても情報収集をしてまいりたいと考えてございます。

 以上です。

【大塚委員長】 ありがとうございました。一通りご意見をいただいたと思いますけれども、案2は一定規模・期間以上というのが前提になっていますので、すぐに終わってしまう工事の場合は、この要件にかからないという趣旨だと思います。そういう意味では、迅速さはもちろん必要なんですけれども、一定期間以上かかるような工事についてだけ測定を義務づけるという趣旨だと思いますので、そういう意味で限定はしているので、ある種の迅速さは必ずしも必要でないときを考えていると。ただ、あまり10日も11日もかかってしまうという8ページのような状況になると、さすがに長過ぎるので、ほとんど要件にかからないものが増えてしまうというようなことを考えて、案2は総繊維数を案2とりあげているということですが、総繊維数の濃度で見ることはどうかとか、10本/Lがどうかという問題に関しては、先ほどご議論があったとおりでございます。

 ということで、案2が有力だったとは思いますが、なおご議論がありましたので、次回改めて小委員会で議論することといたしまして、次の議題に移りたいと思います。

 では、議題(2)でございますが、今後の石綿飛散防止の在り方の方向性(案)につきましてでございます。資料3につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

【秋山大気環境課課長補佐】 では、引き続きまして、資料3のほうで今後の石綿飛散防止の在り方の方向性(案)ということでご説明をさせていただきます。

 こちらも紙で配らせていただいておりますので、紙の資料をご覧いただければと思います。

 こちらにつきましては、第4回、5回の個別のテーマにつきまして、いろいろご議論をいただきました。いただいたご意見も踏まえまして、方向性を全体的にまとめさせていただいたところでございます。

 なお、今ほどご審議いただきました測定の部分につきましては、結論が見えていませんので、今こちらには入っておりません、空欄になっております。

 あと、いただいたご意見と在り方の方向性(案)の対応につきましては、参考資料1のところで、いただいたご意見と対応を整理してございますので、後ほどまたご覧いただければと思います。

 では、資料3につきまして説明をさせていただきます。

 まず1ページおめくりいただきまして、1ページをご覧いただければと思います。1ページ目は、まず背景ということでして、1番で、これまでの経緯というところでございます。こちらにつきましては、大防法における石綿規制の流れですね。こちらを概略的に整理してきているところでございます。平成元年の固定発生源の規制導入から、前回の平成25年の改正までの概略を整理してございます。

 1ページの下のほうの2番から、平成25年の改正以降の主な課題ということで、こちらのほうで中間答申で示された課題ですとか、あと、28年5月に総務省のほうから勧告いただいた課題、こうしたものについて1ページ目から2ページ、3ページにかけて整理してございます。

 1枚おめくりいただきまして、2ページでございます。(1)は、中央環境審議会において引き続き検討課題とされた事項というところでございまして、そこにまとめてございます①、②、③、④の4点についてご議論いただいてきたところでございます。

 続きまして、3ページ目のほうで、総務省勧告により指摘された事項ということで、こちら、残っている課題であります二つ、①、②と、この2点も含めましてご検討いただいてきたところでございます。

 3ページ目の最後に、「こうした課題も踏まえ」ということで、この小委員会が設置されて検討を行っているというふうなことで示させていただいております。

 続きまして、4ページでございます。4ページからは総論ということで、ここからが今回の小委員会での検討についての記載でございます。

 まず、4ページ目の総論では、小委員会での検討につきまして概略をまとめた中で、今回議論いただいている課題の中で主なものということで二つ、二つ目のポツで「特定建築材料以外の石綿含有建材については」ということで、いわゆるレベル3建材の規制についてというところ。それで、三つ目、四つ目のポツのところ、こちらについては事前調査の信頼性の確保、この2点につきましてを少し示しつつ、最後の「その他」というところの中で、そのほかのテーマにつきましても最後にまとめさせていただきました。

 これが、今回ご検討いただいたところの総論というか、ダイジェストというふうな位置づけでご覧いただければと思います。

 5ページ以降が各論ということになりまして、それぞれの課題ごとにご議論いただいた方向性を整理してございます。基本的には、それぞれ現状と方向性ということで整理してございます。なお、テーマは四つございまして、基本的にはそれぞれの課題に分かれているんですけれども、全体的な履行の担保の部分もそれぞれに加えるとともに、あと、個別のさらに細かい事項の技術的事項について、さらなる検討が必要といった部分については、それぞれのテーマに共通する部分がございますので、一番最後のほうにまとめて記載をしているというふうにご理解いただければと思います。

 まず、5ページ目でございます。一番最初に、1番、特定建築材料以外の石綿含有建材の除去等作業の際の石綿飛散防止、いわゆるレベル3建材の取り扱いでございます。

 (1)大防法への位置づけというところでございまして、現状として、一つ目のポツで現行法の概要を整理しまして、二つ目のポツで、今の特定建築材料以外の石綿含有建材の取り扱い等について、マニュアルですとか、そうしたところで周知をしていることを、取り扱いを示してございます。三つ目のポツで、実態調査の結果等含めまして、適切な飛散防止措置が行われない場合には、作業現場周辺の大気中に石綿が飛散するおそれがあるということが明らかになったことを示しつつ、その次の「また」というところでも、都道府県等の立入検査でも、やはり養生、湿潤化等の飛散防止措置を実施せずに建材を破砕した等の不適切な事例が確認されていると。最後のほうに、もちろんこうした対応が必要なんですけれども、マニュアルや通知に基づく指導では強制力に一定の限界があるというところの中で、条例で規制を行っている都道府県等もございますという現状を整理してございます。

 方向性としましては、まずは大枠の方向性でして、一つ目に、基本的に全ての工事を大防法の特定建築材に係る規制の枠組みの対象にすべきと。まず規制に入れていくという方向性、大きなところを一つ、5ページの最後に示しているところでございます。

 1枚おめくりいただきまして、6ページでございます。6ページのほうは、「ただし、届出については」ということで、今の大防法ですと、特定建築材料、吹付け材ですとか石綿含有断熱材、保温材等の除去の際に届出が、作業の届出ですね、除去作業の届出があるんですけれども、こちらについても「ただし」のポツで、条例でそういった義務を設けているところも踏まえつつ、「適切な作業を確保する観点からは対象とするのが望ましいものの、以下の状況」、以下の状況というのは下のチェックのところにございますけれども、大防法における全国一律の制度とすることまでは要しないだろうというふうなことで整理してございます。

 しかし、作業の届出までは要しないとしながらも、ポツの最後のほうですけれども、施工者には作業の方法ですとか、作業時の石綿飛散防止措置等を含む作業計画を策定することとすべきということをまとめてございます。

 その次のポツでは、現場の把握という面では、事前調査のほうで、後ろに出てくるんですけれども、事前調査の結果の報告による現場の把握の仕組みの創設が有効だというふうなところ、その仕組みの活用によって現場で効率的に指導を行うことが可能になるということで、全体と届出の部分について、こちらで整理をしてございます。

 続きまして、6ページの下からは作業基準というところでございます。こちらについては、石綿含有成形板等と、7ページにかけまして石綿含有仕上塗材と、二つに分けてございます。

 まず、石綿含有成形板等につきましては、基本的には原形での手ばらしですとか、あとは湿潤化ですとか養生とか、そうしたところで石綿の飛散が抑えられるということが一つ、いろんな実験等によりわかりましたということを整理してございます。

 中で、7ページの上から三つ目のポツの現状です。3行目の「なお」というところですが、石綿含有けい酸カルシウム板第1種につきましては、少し、ほかの建材よりも湿潤化で飛散は抑えられるものの、繊維の飛散性が高い数字になったというところをお示ししてございます。

 こちらの作業基準、方向性につきましては、まずは湿潤化等を行いつつ、建材を原形のまま取り外すことを原則とすべきというところを最初に置きながら、どうしてもそのまま外せないケースもありますので、二つ目のポツでは、作業基準として養生ですとか湿潤化等の飛散防止措置を検討して定めるべきというところ、あと、三つ目のポツの中で、ほかの石綿含有成形板より比較的飛散性が高かった石綿含有けい酸カルシウム板第1種については、より効果的な措置を求めることが考えられるという方向をこちらでまとめてございます。

 次に、石綿含有仕上塗材につきましては、7ページのところの現状で、二つ目のポツですけれども、現状は大気汚染防止法の吹付け工法により施工されたものについては、吹付け石綿に該当するとして規制対象としていると。一方で、ローラー塗り等により施工されたものは対象とされていないけれども、適切な飛散防止措置の実施について通知をしているという現状等について整理してございます。

 続きまして、8ページのほうに行きまして、方向性でございますが、こちらにつきましては、まずは塗材の施工方法、吹付けかローラー塗りかにかかわらず大防法の規制の対象とすべきというところ、あと、作業基準につきましても、石綿含有仕上塗材に特化した作業基準を検討し、定めるべきという方向。

 もう一つのポツで、石綿含有仕上塗材に含まれる、いわゆる石綿含有吹付けパーライトですとかバーミキュライト、こういったものについて、引き続き「吹付け石綿」として扱うことが適当という方向を記載してございます。

 続きまして、8ページの中段からは、事前調査の信頼性の確保についてでございます。こちらの現状につきましては、まず、現行法令の規定の関係ですね。方法は法令上規定されていないということと、あとは平成18年9月1日以降に着手した建築物については対象外とされているところ。二つ目のポツで、ただ、立入検査等で確認不足ですとか、そういったところで特定建築材料が見落とされて解体等工事が開始された事例があるよというところ。あとは、最後の三つ目のポツで、石綿含有建材の使用状況の把握が飛散防止措置のもとになるので、前提として適切、重要なものであるんですけれども、マニュアルに基づく指導では、そういった指導にある程度、一定の限界があるという現状を整理してございます。

 方向性としましては、まずは、事前調査の義務づけの範囲ですとか内容、方法等をしっかり明確にするために、方法を法令に義務づけると、法令化するというところを、大きな方向を示しまして、方法については、書面調査ですとか現地調査を行うこと、あとは、その調査では石綿含有の判断ができない場合は、分析による調査ですとかみなしといったことをしっかり法令上に位置づけるべきという方向を一つ出してございます。

 9ページ目でございます。平成18年9月1日以降に着手した建築物についてなんですけれども、こちらも要するに、それに該当するかどうかというのを書面で確認する必要があるから、これもしっかり書面調査の記録を行っていただくという方向を二つ目のポツで示してございます。

 三つ目のなお書きのポツですけれども、こちらについては、しっかり受注者に対して事前調査の方法ですとか留意事項の周知をするというのは当然ですけれども、発注者に対してもしっかり周知をしていくということの重要性もこちらの方向として示してございます。

 続きまして、(2)でございます。「一定の知見を有する者による事前調査の実施」というところでございます。

 一つ目のポツにつきましては、やはり今、現状、事前調査の実施については受注者に義務があるというところでございますけれども、どうしても知識不足ですとか、わかりづらい場所等、見落とした等がございまして、特定建築材が見落とされた例というのも確認されているというところから、環境省では、その通知で一定の知識を持った方にやっていただくということを通知、周知しているわけでございますけれども、そういう現状を一つ目に整理してございます。

 二つ目のポツにつきましては、国土交通省、厚生労働省、それぞれと環境省の3省共管で昨年度、建築物石綿含有建材調査者講習登録規程を告示したところでございますので、平成30年度末までに1,275名が修了されているという現状を整理してございます。

 方向性としては、まず一つ目のポツで、しっかり事前調査を、一定の知見を有して、適切な判断ができる者に事前調査を行わせるべきという方向性を一つ示しまして、例えばということで、3省告示の規程に定める調査者さんの活用ということで10ページにかけて記載してございます。

 「ただし」というところでございますけれども、ただ、建物の数に比べて人数がまだ少ないというところもありながら、その調査者さんを活用していくところ、対象物の優先度について二つ目のポツで示してございます。

 また、三つ目の「なお」というところですけれども、厚生労働省のほうでも検討会で同じような検討をされているところがございますので、その活用の仕組みについても当然、施工者の負担軽減の観点からは、石綿則に係る検討を踏まえたものとすべきというところを整理してございます。

 次に「また」というところで、第三者制度のところがございます。やっぱりいろいろご意見の中で、第三者とすべきという指摘があるところではございますけれども、やはりその人数等々の状況から、そちらについては、もちろん知見を有する者の育成をしていくという方向はもちろんありますけれども、その状況を踏まえつつ、将来的な課題として検討することが考えられるというふうに整理してございます。

 あと、最後、工作物についてということで、こちらは必要に応じてということで整理してございます。

 続きまして、(3)です。事前調査の結果の記録というところです。

 こちらについても、今、記録の保存義務がないというところでまず、現状を一つ記しておりまして、ただ、その記録がないので、ない中で、実際今、現状としては、届出をする発注者さんに罰則というのが一応既定される中で、無届出の場合にどこにその要因があったのかわかりづらいというところを二つ目のポツで整理してございます。

 また、三つ目の「また」というところで、事前調査の結果の活用について、関係業者間での情報共有ですとか周辺住民からの問い合わせ対応の活用ということを示してございます。

 方向性については11ページに記載がございます。

 一つ目のポツで、しっかり受注者に対して、発注者の事前説明の結果に係る記録、これをしっかり保存させることを義務づける必要があるというふうに考えてございます。その保存違反等、こういった義務違反等に対しても、ある程度受注者の罰則も検討すべきということを書いてございます。

 二つ目のポツでは、工事現場への記録の備えつけというところで記載をしてございます。「さらに」というところで、やはり調査結果を現場で活用するという観点で、しっかり下請業者さん、現場の業者さんに、元請さんのほうから説明していただくというところを、情報共有の促進を書いてございます。

 最後、掲示の関係につきましても、やっぱり公衆にわかりやすい箇所の掲示がありますけれども、やっぱりわかりやすく見やすいような掲示の内容、文字の大きさですとか、そういったところを明確にすべきという方向を出してございます。

 (4)です。こちらについては都道府県等への報告というところでございます。

 こちらについても、今、現状として、各種関係法令の届出情報を活用して、現場の指導に活用しているところではございますけれども、ただ、どうしてもそれぞれの法律の目的に応じて、その区切り等がございますので、網羅的に把握されているわけではないというところを、そこまで、三つ目くらい、最初のポツから三つ目まで整理してございます。

 四つ目のポツで、今、厚生労働省さんのほうでも検討されていますけれども、一定の規模の要件を満たす解体等工事について、事前調査の結果の概要を、電子届出で労働基準監督署さんに提出する制度の創設を検討しているというところがございます。12ページに進んでございます。

 そうしたことを踏まえまして、方向性としまして、12ページの上でございます。大気汚染防止法のほうでも、一定規模の要件を満たす解体現場を把握するという部分もございますので、施工者が都道府県等に報告、事前調査の結果の報告を行うことを義務づけることが考えられると。その負担軽減の観点も考慮して、電子届出に係る仕組みを検討するという方向を一つ目に書いてございます。

 対象規模の要件につきましては、厚生労働省さんにおける検討状況を踏まえて検討していくというところを二つ目に書いてございまして、三つ目は、関係届出、関係法令での届出情報の活用については、引き続き活用を推進していくべきという方向を記載してございます。

 続きまして、3番目でございます。石綿含有建材の除去等作業が適切に行われたことの確認でございます。

 まず(1)作業終了時の確認ということでございます。

 基本的には、まず、計画どおりにやるということではございますけれども、その計画どおりに飛散防止措置が講じられない場合ですとか取り残しがあった場合に飛散するおそれがあるというところを一つ目に書いてございます。

 12ページの一番下のポツですけれども、ただ、マニュアルの中で清掃終了後の確認ですとか清掃についても規定しておりますけれども、やはりそのマニュアル等では一定の限界があると、指導の強制力に限界があるということで、13ページ目に方向性を示してございます。

 まずは、計画どおり適切な飛散防止措置がとられていたことと、取り残しがないことを確認するということを、作業基準に位置づけるべきというところでございます。

 二つ目のポツで、先ほどの事前調査と同じですが、第三者の確認とすべきというところもご意見の指摘がございますけれども、まずは解体工事の施工者がしっかり確認を行うということを義務づけた上で、将来的な課題として整理をさせていただければと考えてございます。

 とりわけ、取り残しの有無については、一定の知見を持った者に確認してもらうということが重要だというところが一つ。

 あと、最後のポツで、隔離を解くときには、しっかり作業場内の石綿等の粉じんの飛散のおそれがないことを確認するべきという方向を最後に示してございます。

 続きまして、(2)でございます。作業の記録というところでございます。

 こちらについても、現行の法令でも、作業終了、工事終了まで保存するというのが、一部集じん・排気措置の稼働状況等の確認の記録にありますけれども、ただ、より幅広く記録が必要だという現状から、方向性としましては、作業基準遵守の意識を醸成して、適切な作業を促す観点から、しっかり記録をつくっていただくというところ。あとはその記録を一定期間保存するということを義務づけたらどうかということでお示ししてございます。

 続きまして、14ページに行きまして、二つ目のポツでは、具体的な記録の内容ということで4点示してございます。こうした情報を記録してもらうこと、それを方向としてお示ししてございます。

 (3)の作業終了後の報告というところでございます。こちらにつきましても、受注者に対して、今、現状としては、作業届出、特定粉じん排出等作業の届出は、発注者さんが届出をするということになっていますけれども、最終的な終了確認というのは、今、そういった規定がないというところの中で、方向性としては、作業終了後、その作業の結果について発注者さんに報告していただくというのを、受注者に対して義務づけるべきという方向を一つ出してございます。あと、記録についても一定期間保存するという方向をお示ししてございます。

 4番の大気濃度測定につきましては、今日の議論ですので記載してございませんで、5番の作業基準遵守の強化というところでございます。

 現状として、作業基準への適合に関する命令を少し、一つ目のポツについて記載してございまして、ある程度長期間、もしくは反復継続した事業者さんが行うときには、その命令等の抑止効果も期待できるということを、14ページから15ページ目にかけて整理してございます。

 ただし、短期間で終了する場合もございまして、なかなか命令というところまで発する時期が得られない場合があるというところで、あとは、「また」というところで、携わる機会の少ない施工者による違反というのも一つ想定されると、命令による違反の未然防止の効果は限定的であるんじゃないかというところをまとめまして、最終的に、「なお」というところで、大防法の作業基準違反に相当する部分ですと、多くは労働安全衛生法の石綿則にも違反するというところにもなるんですけれども、安衛法のほうは、直接罰の規定が設けられているというところがございます。

 方向性としまして、作業基準適合命令等のより積極的な活用というものに取り組むとともに、短期間に終了するような作業についても、作業基準遵守の関係から、これはまず立法技術上の課題等があるんですけれども、直接罰の創設も検討すべきというのが一つの方向と。

 あともう一つは、現行大防法の中で、作業基準の遵守というのは、施工者、元請さんと自主施工者さんにしかかからないんですけれども、下請業者さんというか、手を動かしている業者さんにも適用して、規準の遵守の徹底を図るべきという方向を示してございます。

 6、その他ということで、あと(1)で、まず大防法と安衛法の連携です。

 こちらについては、それぞれ法目的は異なるものの、技術的には共通する部分が非常に多いということですので、それを統一すべきという方向を15ページの下のほうにかけてお示ししてございます。

 16ページの上のところには、具体例ということで、三つほど挙げてございます。

 (2)です。事前調査の知識を有する者の育成・施行技術の確保という観点では、調査者等の一定の知識を有する者をこれから育てていかなきゃいけないというところ、あとは現場での作業の質を担保するための取組の方向ということで、引き続き厚生労働省、国土交通省とそれぞれ連携して取り組むべきという方向性。あとは、その業界団体等の連携、こうしたところの啓発について方向を示してございます。

 (3)でございます。通常使用時における石綿使用状況の把握というところです。

 こちらについては、災害発生時にやはり建物の倒壊等によって石綿が飛散する懸念があるというご意見をいろいろいただいてございまして、現状、環境省では、災害時の対応マニュアルを周知しているというところでございますけれども、やはり平常時から石綿含有建材が使用された建築物を把握しておくというところが非常に望ましいというところもございます。

 ですので、17ページのほうに方向性を記載してございますけれども、建築物の所有者に対して、災害時における大気中への石綿飛散防止の観点から、これは通常使用時に建物に使用されている石綿含有建材の把握に努めるという努力規定になりますけれども、責務として位置づけるべきという方向。

 あと、二つ目は、自治体に対しても、今後も情報の整理ですとか、そういったものを引き続き促 していくという方向を示してございます。

 (4)は現場での指導強化ということで、現在も行っております全国一斉のパトロール等の連携によって、これも今後とも引き続き指導を連携していくというところ。とりわけ、労働安全衛生法石綿則との関係につきましては、非常に技術的にも近い部分がございますので、引き続き連携していくということ。

 あと、もちろん国としても都道府県等による現場の指導の技術的支援、こういったものを行っていくという方向を示してございます。

 あと、(5)の普及啓発の取組につきましては、それぞれ今回、特定建築材料以外の石綿含有建材等も含めますと、発注者、受注者ともに、発注者というか建物の所有者ですね、対象が広がりますので、それぞれに必要な周知を行っていくという方向を示してございます。方向性の最初の二つは、建物の所有者さんに対しての周知、18ページに行きまして、後ろの二つにつきましては、受注者さん向けというか、その周知というふうなところで、それぞれ方向性を記載してございます。

 最後に19ページでございます。

 今後の課題ということで、中央環境審議会から環境省事務局に向けてのまとめというところでございまして、その取りまとめを踏まえた制度改正、制度の整備ですね、それを期待するというところと、あとは作業基準の詳細ですとか、事前調査方法ですとか、細かい技術的な事項につきましては、さらに検討の上、明確化する必要があるということで、それぞれの課題にあるところをここで集約させていただきました。

 長くなりましたが、資料3については以上でございます。

【大塚委員長】 ありがとうございました。では、資料3につきまして議論を行いたいと思います。もう時間がなくなってきておりますが、先ほど議論した測定以外の論点につきまして、これまでの議論の方向性をまとめていただきました。少し分量がございますので、最初の背景のところから各論の2、事前調査の信頼性の確保までの前半のパートと、3以降の後半のパートに区切って議論したいと思います。

 まず前半のパートでございますが、2の事前調査の信頼性の確保というところまで、ページで言うと12ページの部分まで、ご意見、ご質問がある方は名札を立てていただければと思います。じゃあ、山神委員、お願いします。

【山神臨時委員】 12ページの厚生労働省が検討している電子届出に関することなんですけど、市民の方からのアスベストの問い合わせもあるということも踏まえて、こういった届出をした結果を、ぜひネット上で公開して、一般市民の方も見られるようにしていただきたいなというのが要望というか、リスコミも図れるんじゃないかと考えます。

 以上です。

【大塚委員長】 ありがとうございます。では、廣田委員、お願いします。

【廣田専門委員】 事前調査のところなんですけれども、できればその方法だけではなくて、例えば報告書の様式とか、それも全て規格化していただきたいというのが要望としてあります。というのも、事前調査結果について、解体作業前に、あるいは建物管理のために、説明する場合に、その調査がどこまでやられているのか、調査の背景がないようなものだと本当にその建物の中に石綿を含む建材があるかどうかという判断ができず、意思疎通に齟齬が生じていろいろな問題が出てくるかと思いますので、事前調査については完全に規格化していただいて、この調査はどこまでやっているのかがわかるような形で法制化していただきたいというのが1点。

 あともう一点なんですけれども、5ページ目の特定建築材料以外の石綿含有建材のところなんですが、方向性のところで、石綿含有建材が使用された建築物等の解体工事で、それ以外の建築材料があるかどうかというのは、結局事前調査をしないとわからないと思うんですけれども。

 あと、10ページ目の上から5行目のところなんですが、飛散性の高い石綿含有建材が使用されている可能性が高い建築物の調査に、特にこれらのものを活用すべきと書いてありますけれども、その事前調査の前に、誰が、該当する建物、飛散性の高い石綿含有建材が使用されている可能性が高いと判断するのか。あらかじめそういうのは類型別に何か例示があって、そういう建物に該当するものについては、特殊な調査技能を持った人が調査を行うという流れがないと、多分実効性がないものなのかなという気はします。

 すみません、以上です。

【大塚委員長】 ありがとうございます。では、谷口委員、お願いします。

【谷口臨時委員】 すみません、11ページの上から四つ目のポツですね。掲示の関係ですけれども、これは周辺の方々に、この工事に石綿があるのかないのかとかいうようなことをお伝えする最も最初の手段なので、非常に大事だと思うんですけれども、ほかにも工事現場にはいろんな掲示物があったりしますので、そういったものとある程度似通ったものにしておかないと、石綿の掲示のために何かえらい準備をしないといけないというようなことになっては、なかなかスムーズにいかないだろうと思いますので、ぜひほかのいろんな掲示物との関係というのを考慮して、掲示の中身、それから掲示物のサイズ、そういったものを決めていっていただければなと思います。

【大塚委員長】 吉住委員、お願いします。

【吉住専門委員】 骨子案の取りまとめをいただき、ありがとうございます。経団連としては、このまとめに記された内容は、全般的に実効的かつ現実的な対応可能なものだと考えており、特に、今日説明がありました、国や自治体、解体工事の発注者、受注者、施工業者のそれぞれの役割が非常に明確になったと思っております。

 前半部分について、一点要望ですが、やはり事前調査の信頼性を上げる上で、特にレベル3の建材が規制対象となる方向であることから、以前にも議論がありましたが、レベル3の建材の使用されている商品リストのデータベース化をぜひ進めていただきたいと考えます。また、仮に既存のデータベースを使う場合について、その内容の充実を図るとともに、わかりやすい仕組みにすることをお願いしたいと思います。

 以上です。

【大塚委員長】 一応、4人になりましたので、ここで一旦切ります。では事務局、お願いいたします。

【秋山大気環境課課長補佐】 ありがとうございます。いただいたご意見について、ご質問等について、順次回答してまいります。

 まず、山神委員からありました電子届出の結果の公開、インターネット、ホームページ等での公開というところでございます。こちらについては、電子届出につきましては、厚生労働省さんのほうでもご検討を今されているところでございます。そちらとのシステムの連携を想定しているというところでございますので、まずはそちらの厚生労働省さんのシステムですので、石綿則に基づき提出された内容というところで、まず内容は、石綿則に基づき提出された内容は、労働基準監督署においてその取り扱いが決定されるものと考えておりますが、大気汚染防止法の観点からですと、ちょっとホームページ等で広く一般に公表させるというところの必要性は、なかなか現時点では難しいかなと、必要性の説明が難しいかなというふうに今考えているところでございます。

 続きまして、廣田委員からご意見がありました、事前調査の方法だけじゃなくて、様式とかそういったところの規格化というお話がございました。こちらも今後、詳細、技術的な部分で検討していく中で、なるべく統一というか、統一まではちょっと難しいかもしれませんけれども、自治体の条例で様式を定めているケースもございますので、なるべく様式とかも、統一までは行かなくてもできるような例というか、様式例みたいなものを示しながら、そこの共通化を図っていきたいなというふうに考えてございます。

 あと、建物ですね、飛散性が高い石綿含有建材が使用されている可能性が高い建築物については、もちろんどういったものになるか、もちろん事前調査をしないとはっきりあるかないかわからない部分がございますので、こちらの具体の検討に当たっては、やはりそこはわかりやすいように整理してまいりたいと考えてございます。

 あと、谷口委員からご意見がありました掲示の関係ですね。こちらについても、詳細、その技術的事項について、また細かくはこれから検討していく部分もございますけれども、いろんな工事現場等を見ますと、いろんなほかの掲示物、他法令に基づく掲示物等もございます。そういったものとの関係を考慮するということで、いただいたご意見として承って、検討してまいりたいと考えてございます。

 あと、吉住委員から、レベル3建材の事前調査に当たってのデータというところでご意見をいただきました。今、国交省さんと経産省さんで、そのデータベースというところは進めているところでございます。またその事前調査の方法とかそういったところも、データベースの活用等も含めて、受注者ですとかそういったところにまた周知をしてまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

【大塚委員長】 では、続けてお願いします。外山委員、お願いします。

【外山専門委員】 2点あります。6ページの作業基準の前の部分、方向性のポツの最後のところですね。「湿潤化、養生等の措置を適切に実施することにより、粉じんの飛散を抑えられることがデータ等から確認されているところ」、それから「特定建築材料の除去等作業ほどの専門的な機器等を使用する作業は要しないと考えられ」、ここまではいいんですけれども、だからといって、都道府県等が事前にそれを確認して、必要に応じて計画変更命令を行う場面が少ないというのは言い切れないのではないのかと思います。

 つまり、成形板等って非常にバリエーションがありますし、内装外装で使用されている部位だとかによって、除去の方法だとか、飛散抑制の措置も変わってくると思いますし、安全が確保できない場合は湿潤化をしなくてもいいというような規定も石綿則の中にありますので、そういったことを考えていくと、やっぱり非常に難しさがあるので、やはり計画変更命令を行うべき場面が少ないとは言い切れないんじゃないのかなと。よくよく見れば、いろんな課題が出てくるのではないのかなというふうに思って、ここは何か前段の部分とつながりが悪いなという感じがします。

 それから、もう一つが、9ページ目の上から二つ目のポツですけれども、「なお」以下、これは、徹底するため、受注者に対し、事前調査の方法や留意事項について十分に周知すべき、それから、発注者に対して云々とあるのですけれども、これは周知等だと最後の普及啓発との関連なのかなとも読めるんですけれども、内容的には、これは調査者の役割なのかなというふうにも読めるので、ここは何を指しているのかというのがはっきりしないという感じがします。

 以上です。

【大塚委員長】 ありがとうございます。では笠井委員、お願いします。

【笠井専門委員】 日建連の笠井です。私のほうからは、レベル3の解体につきまして、資料の7ページですけれども、「原型のまま取り外す」ことを原則とすると書かれてありますが、この議論は以前からも申し上げているように、この「原型のまま取り外す」ということがどういうことなのか、どの範囲までを言うのかというのをきっちりと示していただきたい。2ポツのところで、「原型のまま取り外すことが困難な場合には」とありますが、建築物は、簡単に取り外しができるようには取り付けられていないので、多くの場合、「困難」な場合に該当してしまいます。どの程度の解体であれば「原型のまま取り外す」と認められるかを現実的なところを勘案してきっちりしておかないと、あまり厳格にすると、「原型のまま取り外す」ということが実際の現場ではできないということになるのではないかという懸念があります。
 以上です。

【大塚委員長】 では、島委員、お願いします。

【島臨時委員】 2点ございます。一つは、6ページの上から4行目ですが、届出について、「大防法における全国一律の制度とすることまでは要しないと考えられる」とあります。その事情については、下に記載されているとおりで、ある程度理解できるのですけれども、その後の「そのため」以下の記述と、届出を全国一律に要しないということとの関係が、少し理解しづらいので、その辺りを説明していただきたいと思います。届出は全国一律に要しないとしながら、作業計画を策定することとすべきといった辺りの関連について、少し理解しづらいということでございます。

 もう一つは、10ページの上から三つ目のポツのところで、「調査の実施者は第三者とすべきとの指摘がある」と記載されています。これは後半部分にも第三者による調査ということについて記載があるのですけれども、現状において、その体制の整備が難しいということはわかりますが、この記載のままですと、今回は検討もしないのでしょうか、あるいは第三者による調査が望ましいということだけを指摘しておくのでしょうか。第三者による調査が望ましいことは言うまでもないわけですけれども、それを検討することも将来に先送りするのか、あるいは現状で方向性は出しつつ、その体制を将来検討していくのか、その辺りについてお考えを聞かせていただきたいと思います。

 以上です。

【大塚委員長】 ありがとうございます。ほかにはよろしいでしょうか。

 中村委員、お願いします。

【中村専門委員】 8ページのところですかね、事前調査の信頼性の確保で、いろいろ方向性が書かれていまして、事前調査の義務づけの範囲とか内容の明確化、調査の方法を定義づけることは重要であると考えているところなんですけれども、義務化するのであれば、その内容をしっかりと定義化するべきと思っております。その上で、事前調査の資格者をどのように育成するのか、また、どのレベルの工事でどのレベルの有資格者を充てるのかの議論を引き続き行っていただきたいと考えております。

 以上です。

【大塚委員長】 よろしいでしょうか。

 では、事務局、お願いいたします。

【秋山大気環境課課長補佐】 ありがとうございます。では、順番にお答えしたいと思います。

 外山委員から、まず表現のところでございますけれども、6ページのところ、文章のつながりのところ、言い切れない部分等々があるというご意見ではございました。ちょっとこれ、前回、第4回のときにこういうところで、こういう方向ではあったんですけれども、ちょっとつながりが悪いというお話がございましたので、少しまたちょっと、ほかの記載というか、この辺のまとめ方とか、そういったところをまた、もう一度ちょっと整理をしていきたいと思っております。

 あと、9ページの「なお」というところの事前調査の適切な実施の周知なんですけれども、こちらについては、確かに調査者さんに携わっていただく部分、全てはちょっとなかなか難しいというところがございますけれども、ありますので、あくまで義務としては受注者さんに係る部分がございますので、ある程度、どういう作業が必要なのかというところ。あと、そういったところも受注者さんに理解していただくといったところが必要なんだろうと思っております。

 あと、笠井委員からございました、7ページ目でございます。原型のまま取り外す範囲というところでございます。こちらについては、今、その原型のままで外すという、どこまでかというところ、また詳細については技術的な事項で検討してまいりたいと思っておりますけれども、基本的には固定具での切断ですとか、固定しているねじですとか、くぎとか、そういったものを取り外すというところをイメージしてはございます。また、どこまでを手ばらしとするかというところ、またその辺りは検討会等で、技術的課題として検討を引き続きしてまいりたいというふうに考えてございます。

 あと、島委員からお話がございました、届出を要しないというところと作業計画の関連については、こちらについては、届出、作業計画をつくって届け出るというところまで、現行の特定建築材料のように、そういうところまでは不要としつつもしっかり計画はつくっていただいて、それを立入検査等で自治体のほうから確認していくと、確認できるようにしていただくというところですね。それをここで示しているというところでございます。

 あと、第三者制の部分については、ちょっと今人数が少ない部分がございますので、なかなかその体制というところまで、今現時点でちょっと難しいのかなと思っております。ですので、まずは一部分等、義務づけ等を取り入れる中で、人員の増加等も考慮しながら、また体制整備の部分は検討してまいりたいというふうに考えてございます。

 あと、最後に中村委員からお話がございました事前調査の知識を有する者の育成というところでございます。こちらについても、さらに今、講習の実施期間等々、これも三省共同でのお話になりますけれども、増やしつつ、そういった者に講習を受講していただくように周知を促してまいりたいと思っております。

 どういう工事にどういう者を使うかというところは、またちょっとその人数の関係も踏まえて、また厚生労働省さんのほうでも検討しているところもございますので、そうした検討状況も踏まえながら、具体的に大防法のほうでも検討してまいりたいと考えてございます。

 以上でございます。

【大塚委員長】 ありがとうございます。

 では、続きまして、3の石綿含有建材の除去作業が適切に行われたことの確認以降の後半パートにつきまして、12ページの後半からでございますけれども、ご意見、ご質問がある方は名札を立てていただければと思います。

 出野委員、お願いします。

【出野専門委員】 全解工の出野でございます。2点ほど意見を述べさせていただきます。

 まず14ページ目ですね。(3)の作業終了後の方向の件なんですけれども、方向性のところのポツの一番目ですか。発注者に報告することを義務づけるべきというのがあるんですけれども、前にも1回申し上げたことがあるんですけれども、石綿がありますよ、石綿含有建材がありますよという事前調査をして、それを行政に届出をするという仕組みをつくろうと今しているわけですけれども、そこで終わってしまって、確かに石綿含有建材の除去が終わりましたという報告は行政にしなくてもいいと、発注者にすれば足りるというのがちょっと腑に落ちないんですけれども、実は建リ法でも同じような問題があって、再資源化、分別、解体、リサイクルが完了しましたというのを、発注者には報告するんだけれども、行政には報告する必要はないと、建リ法はそうなっているんですけれども、これが全然うまく回っていないんですね。制度的に全くもう形骸化、意味がなくなっています。そういうこともありますので、ぜひここの辺りは、行政に事前調査結果を届けるというのをセットにして、完了報告も行政にすると。もちろん発注者と両方にやればベストだと思いますけれども、少なくとも電子報告ぐらいをやっていただくと。簡単に電子報告で済ませるのはまた問題があるかと思いますので、虚偽報告罪と、厳しいことばかり言いますけれども、そういう罰則をつけてもいいですから、そこら辺りはきちんとやっていただければありがたいなという感じがしております。

 最後に2点目ですけれども、2点目は18ページですね、上から3行目辺りに、通常使用時から、あるいは災害時からと出てくるんですけれども、この辺り、前からこれも話が出ていますけれども、例えば自動車には車検制度というのがあるんですけれども、建物にはそういう制度が全くないと、そういうこともありますので、常日ごろ、建物の検査といいますか、自分が住んでいる建物には、特に戸建て住宅でしょうけれども、どういう危ないものが使ってあるかと、こういうことを認識してもらうと、一般国民にですね。そういう制度をぜひつくっていただきたいなと。お金がかかる問題かもしれませんけれども、例えば自分が住んでいる家に、住宅に、どういう石綿含有建材が使われているかと、ぜひ調べてもらいたいと行政に相談に行ったら、行政のほうで調べてくれるとか、その結果を保存しておいて、その家を解体するときにはそれをちゃんと利用できるようにするとか、そういう仕組みづくりをぜひやっていただきたいと。それはもちろん災害時にも役に立つと、そういうこともありますので、この辺りもぜひご検討いただければというふうに思います。以上です。

【大塚委員長】 ありがとうございます。では、笠井委員、お願いします。

【笠井専門委員】 日建連の笠井です。幾つかありまして、まず一つ目は、資料の13ページから14ページにかけて書かれてあります、「石綿含有建材の除去等作業の記録等」というところで、方向性が示されており、14ページのポツのところで、具体的な記録内容のことが書かれています。作業をしていると、どうしても作業計画どおりに行かない場合があります。このような場合に、作業手順を変更した理由やどのように作業手順に変更し、どのようなリスク低減措置を講じたのか等を、きっちりと記録することが大切なことですので、ぜひ、つけ加えていただきたいと思います。

 2つ目ですが、同じく資料の14ページのに記載の中で、今、出野委員からもありましたが、作業終了後の報告につきましては、私個人的には、発注者にも記録は保存しておくということも必要なことではないかなと思っています。

 3つ目ですが、資料の15ページの作業基準遵守の強化というところで、方向性の中で、「また」以下に、元請会社がその義務や責任を負うことは当然ですが、作業基準の遵守は下請業者にも適用すると書かれてあります。ご承知のとおり、建設工事では、元請会社がありって、下請会社が何社か入って、重層構造で仕事をしています。下請会社とは、実際に除去等作業を行った業者だけを言うのか、あるいは、1次会社から2次、3次会社全てを含めた話なのか、整理が必要だと思います。元請会社が工事の契約するのはあくまでも一次下請会社ですので、一次下請会社から二次、二次から三次と重層になったときに、責任をどのように分担していくのかの整理をお願いしたい。元請会社と実際に除去等作業した、例えば三次下請だけが遵守義務を負うものであってはいけないと思っています。

 以上です。

【大塚委員長】 では、浅見委員、お願いします。

【浅見専門委員】 浅見です。2点ございます。両方とも13ページ辺りの話になります。

 作業終了時の確認ですけれども、まず13ページの方向性の最初のポツのを読みますと、これは吹付け材の除去を意識して書かれていると思うんですが、成形板まで含めた解体工事では、最終的には建築物がなくなったときに確認ということになりかねないので、確認の時点を明確にしていただければ助かるなと思います。

 それと、一般の解体等をする事業者ですと、作業終了時にでは廃棄物まで関わってくると思うんですが、これは大防法の話ですので、廃棄物のことは範囲外ということで、これは確認になりますけれども、明確にしていただけるよう、お願いいたします。

 あと、全般的には、石綿則との整合性を図るということは、非常に賛成と同時に、我々も、工事する方も含めて、助かるのではないかなという方向ではないかなと思っております。

 以上です。

【大塚委員長】 ありがとうございます。では吉住委員、お願いします。

【吉住専門委員】 16ページ目に記載のある大防法と安衛法の連携について、石綿則と大防法の両方からの要求事項という観点から、ぜひマニュアル類の一本化を進めていただきたいと考えます。大防法と石綿則の二本立てで、対応にずれが生じると、どうしてもマニュアルの徹底が、できない場面が出てくる可能性がありますので、ぜひ内容を含めて一本化を進めていただきたいと思います。

 それから事前調査の結果の報告について、電子システムのコネクテッド・ワンストップ化を検討するということでありますが、これにつきましても、報告する内容が大防法と石綿則とで異なることになりますと、煩雑さに加えて報告の徹底が不十分となる可能性もありますので、ぜひともこの点については、連携を検討すると記載がありますがですけれども、両方の申請が一度にできるように進めていただきたいと思います。また、これを進めるに当たっては、本システムの構築の段階から、それを意識した法改正の考慮と、要求事項の考慮が必要だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 以上です。

【大塚委員長】 ありがとうございます。では、一旦切ります。環境省、お願いします。

【秋山大気環境課課長補佐】 ありがとうございます。出野委員と笠井委員からまずいただいた部分の発注者さんへの報告というところでございます。

 まず、発注者さんへの報告というところにつきましては、まず作業基準については、基本的には解体等工事の施工者さんが一応遵守が義務づけられておりますので、まずはその施工者さんがしっかり確認するということが重要なのかなというふうに考えてございます。

 あと、発注者さんのほうにそれを報告していただくことで、しっかり発注者としても責任を負ってもらうところ等ございますし、あと自治体への報告という観点ですと、作業完了の際は報告、必要に応じて、条例で1割程度の自治体が義務づけておりますので、各それぞれの地域の実情に応じて、まずその義務づけが行われたりしているということと、さらに、都道府県等には必要があれば立入検査ですとか報告を求められるというふうな法令の措置もございますので、各自治体と地域の実情に応じて対応していくというふうなところをまず考えてございます。

 あと、すみません、通常使用時というか、車の車検制度のような建物の検査については、ちょっとそこの仕組みについては、ちょっと今回、大防法の範疇の外にあろうかなということで、そこは回答を差し控えさせていただきます。

 あと、笠井委員からご意見をいただきました、記録の内容で計画どおりいかなかったときの対応をしっかり残しておくべきと、ありがとうございます。これは、そちらのほうにまた、ご意見として承りまして、加えていく方向で検討してまいりたいと思っております。

 あと、元請と下請さんのところの整理の仕方については、この辺りはちょっとまた実態等々を踏まえて、どのようにするのがよろしいか、ちょっとまたご教示いただければと思いますので、またご相談させてください。

 あと、浅見委員からございました、確認の時点を明確にするというところ、この辺り、技術的な検討課題としてどういうタイミングで行うというところは、またこれから詳細を詰めてまいりたいと思いますので、そういったことを考慮しながら、また検討を進めてまいりたいと思います。

 あと、廃棄物になったときの取り扱いの部分については、今回、大防法の関係ですので、すみません、ここは対象外ということで扱わせていただきます。

 また、石綿則との整合性についてもご賛成いただきまして、ありがとうございました。

 あと、吉住委員からいただきました、石綿則と大防法のマニュアルの一本化というところも、ぜひ進めてまいりたいと考えておりますし、電子システムにつきましても、できる限り届出と報告される方の負担を軽減した形でのシステム上の連携というところも検討してまいりたいと考えておりますので、そちらのほうも配慮しながら設計してまいりたいと思っております。

 以上でございます。

【大塚委員長】 作業計画は、場合によっては変更することが必要になってくることもあるかもしれませんが、あまり、些少なことであれば変更ということはしないほうがよろしいですよね。

【秋山大気環境課課長補佐】 作業計画の変更ですね。そこはまたその状況に応じて、小規模な変更になるのか、はたまた大規模になれば、またそれは発注者さんまで戻ってしまう、費用にもはね返ってくる部分もあるかと思いますので、はい。

【大塚委員長】 外山委員、お願いします。

【外山専門委員】 2点あります。13ページの(2)の部分の3行ぐらい上のところですね。「隔離を解く前に、集じん・排気装置の十分な稼働、清掃等を」とありますけれども、これは検討の中で測定もたしか入っていたと思うので、「清掃、測定」としたほうがいいのではないかなと思います。

 2点目ですけれども、しつこいようですが、出野委員に大変賛成です。やはり完了の報告を行政で行うということは重要と思っていて、しつこいようですが、将来的にはというような形でも入らないのかというところをぜひ検討していただきたいと思います。

 以上です。

【大塚委員長】 廣田委員、お願いします。

【廣田専門委員】 17ページ目の(5)普及啓発の取組のところなんですけれども、今回、大防法の規制対象が変わったことによって、特に発注者としての立場の方の属性が、今までは法人や公共といった団体だったんですが、おそらく、先ほど委員の方からお話があった、個人の方というのが多分入ってくるかと思います。となると、ここに書かれているような啓発は、実効性があまりない。個人の方に対しての啓発を、ちょっとこれまでとは違うやり方で考えなきゃいけないかなと。例えば、個人の方というのは、自分の建物を取り壊すのは一生に一度あるかないかのことで、専門的な知識を要求するのは酷ですから、例えばその取り毀しの費用が複数で全然違う場合、可能であれば、それがなぜ違うのかというのがわかるような、適切な対応をした場合の標準費用、標準仕様を準備・提供する、そういったものがないと、なかなか個人の方にまで、この法律に求められているようなことの理解というのは進まないのではないかと思います。

【大塚委員長】 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 では、環境省、お願いします。

【秋山大気環境課課長補佐】 ありがとうございます。外山委員からいただきました記述の中で、実際の作業場、隔離を解く際の確認方法、どういう方法が考えられるかというところを、少しまた技術的事項としてこれから考えてまいりたいと思います。

 あと、ちょっと完了報告を将来的にはというところで、記述できないかというところのご意見をいただきましたが、そこはまた、ちょっとまた今日いただいたご意見も踏まえて、次回までに検討したいなと。どうするかというところを、いろいろ周辺情報等も考えながら、まずは今、受注者さんで、まずは作業基準が適用される受注者がしっかり自己で確認をして、発注者に報告させるということを、まずここで入れるというところを考えながら、ちょっと記述はまた検討したいというふうに考えてございます。

 あと、廣田委員からいただきました、発注者さんの幅が広がる、個人的、非常に、企業というよりも個人というか、そういう方にも広がるというご意見、やはりそのとおりの部分があろうかと思います。ですので、いろんな広報というか、その周知についても、今までとまた違った方法も必要だと考えてございます。どういう方法が効果的なのか、またいろんな、そういった広報関係の方のご意見もお伺いしながら進めてまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

【大塚委員長】 以上、全体を通して、何か言い足りないことはございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

 はい、どうもありがとうございました。それでは時間もまいりましたし、全体についてご意見をいただきましたので、これで本日の議論は終了いたしたいと思います。

 事務局は、本日の議論を踏まえまして、取りまとめに向けて作業を進めるようにお願いいたします。大気濃度測定につきましては、今回、議論がまとまりませんでしたので、大気濃度測定について、次回改めて議論ができるように、案の作成をお願いします。

 最後に、議題その他につきまして、事務局から何かございますでしょうか。

【秋山大気環境課課長補佐】 それでは最後に、タブレットのほうで、資料4をご覧ください。今後のスケジュール(案)でございます。

 本日、第6回の小委員会ということで、ご議論いただきましてありがとうございました。次回第7回ですね、今、日程のほうは調整させていただいておりますけれども、今後の石綿飛散防止の在り方についてと、答申案ということで、ご検討をご審議いただきまして、その後に答申案のパブリックコメントを実施した上で、最終的な答申取りまとめという流れで考えてございます。よろしくお願いします。

 以上です。

【大塚委員長】 はい。それでは本日の予定された議題は終了いたしましたので、進行を事務局にお返しします。連絡事項等がございましたらお願いいたします。

【神谷大気環境課長】 本日は、委員の皆様におかれましては、活発なご議論をいただきましてありがとうございました。ご議論いただいた内容を踏まえまして、答申案の作成に向けて整理をさせていただきます。

 次回の小委員会につきましては、10月中旬ごろを予定しております。決まり次第ご連絡させていただきますので、どうぞよろしくお願いします。

 本日の議事録につきましては、各委員にご確認いただいた上で、環境省ホームページにて公開することとさせていただきます。

 それでは、本日の小委員会はこれで終了いたします。本日は誠にありがとうございました。