有害大気汚染物質健康リスク評価等専門委員会(第2回)議事録

1.日時

  平成30年1月30日(火) 14:01~17:21

2.場所

  共用第6会議室

3.出席者

 (委員長)   新田 裕史
 (委員)    青木 康展    上田 佳代   大久保 規子   片谷 教孝   上島 通浩
         川本 俊弘    島  正之   鈴木 規之    武林 亨    田邊  潔
         長谷川 就一   山崎  新

4.委員以外の出席者

 (環境省)   早水環境省水・大気環境局長、江口環境省大臣官房審議官、
         廣木環境省水・大気環境局総務課長、杉井環境省水・大気環境局総務課 課長補佐、
         前田環境省水・大気環境局総務課 課長補佐、嶋田環境省水・大気環境局総務課 主査、
         田村環境省水・大気環境課長補佐

5.議題

  (1)第1回専門委員会における指摘事項について

  (2)追加的な文献レビューの結果について

  (3)トリクロロエチレンの曝露評価について

  (4)トリクロロエチレンの大気環境基準の再評価について

  (5)その他

6.配付資料

資料1   中央環境審議会大気・騒音振動部会有害大気汚染物質健康リスク評価等専門委員会委員名簿

資料2   第1回専門委員会における指摘事項及び対応

資料3   トリクロロエチレンの有害性について(案)【修正版】

資料4-1  追加的な文献レビューの手順について

資料4-2  追加的な文献レビューに基づくトリクロロエチレンの有害性に関する文献の概要

資料5   トリクロロエチレンの曝露評価について(案)

資料6-1  トリクロロエチレンの有害性について(まとめ)(案)

資料6-2  トリクロロエチレンの大気環境基準の再評価に関する論点整理(案)

参考資料1 中央環境審議会関係法令等

参考資料2 今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(諮問)

参考資料3 トリクロロエチレンに係る環境基準専門委員会報告(「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第三次答申)」抜粋)

参考資料4 「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」の改定について(「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第十次答申)」抜粋)

参考資料5 トリクロロエチレン健康リスク評価作業部会等の検討経過

参考資料6  IARC Monographs on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans,Vol.106(トリクロロエチレン部分抜粋)

参考資料7  IARC Monographs on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans,Vol.106の概要(原文)

参考資料8  トリクロロエチレンの有害性に関する文献の概要【修正版】

参考資料9  トリクロロエチレンの大気環境基準の検討経緯について(前回資料3-1)

参考資料10 トリクロロエチレンの大気環境基準の再評価の進め方について(案)(前回資料3-2)

参考資料11 央環境審議会大気・騒音振動部会有害大気汚染物質健康リスク評価等専門委員会(第1回 )議事録

7.議事

【廣木総務課長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会大気・騒音振動部会(第2回)有害大気汚染物質健康リスク評価等専門委員会を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、ご多忙中、また大変お寒い中にもかかわらず、ご出席いただき大変ありがとうございます。

 本日の司会を務めます、環境省水・大気環境局総務課長の廣木です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 本日の会議ですけれども、中央環境審議会の運営方針に基づき公開とさせていただきます。

 次に、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。議事次第の裏面に配付資料一覧を記載しております。順次、それに沿いまして確認させていただきたいと思います。

 まず、資料1でございますけど、中央環境審議会大気・騒音振動部会有害大気汚染物質健康リスク評価等専門委員会委員名簿。続きまして、資料2でございますけど、第1回専門委員会における指摘事項及び対応。続きまして、資料3がトリクロロエチレンの有害性について(案)の【修正版】ということでございます。続きまして、資料4-1ですけれども、追加的な文献レビューの手順について。続いて、資料4-2追加的な文献レビューに基づくトリクロロエチレンの有害性に関する文献の概要。続きまして、資料の5が、トリクロロエチレンの曝露評価について(案)。続いて、資料6-1トリクロロエチレンの有害性について(まとめ)の(案)。資料6-2が、トリクロロエチレンの大気環境基準の再評価に関する論点整理(案)でございます。

 また、参考資料、委員の先生方にはこの青いファイルにとじておりますものですけど、そこに参考資料1として、中央環境審議会関係法令等。次のインデックスで参考資料2が、今後の有害大気汚染物質対策のあり方についての(諮問)、平成7年のときの諮問のものでございます。それから、参考資料の3が、トリクロロエチレンに係る環境基準専門委員会報告いわゆる「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第三次答申)」の抜粋)ということで、平成8年の答申でございます。続いてのインデックス、参考資料4ですけれども、「今後の有害大気汚染物質の健康リスク評価のあり方について」の改定について、これはいわゆる有害大気汚染物質の指針値を決める際のガイドラインということでございます。続きまして、参考資料の5ですね、トリクロロエチレン健康リスク評価作業部会等の検討経過。それから、続きまして、参考資料6が、IARCの文献でございますけれども、このIARCがトリクロロエチレンの発がん分類を変更した際の文献そのものでございます。

 続きまして、参考資料の7、これは著作権の関係でウエブサイトには掲載せず配付のみということでございますけれども、参考資料6の文献の概要として医学専門誌のLANCET ONCOLOGYに掲載されたものということでございます。続きまして、参考資料の8が、トリクロロエチレンの有害性に関する文献の概要【修正版】。参考資料の9、トリクロロエチレンの大気環境基準の検討経緯について。これは前回の第1回の専門委員会の資料の3-1でございます。続きまして、参考資料の10が、トリクロロエチレンの大気環境基準の再評価の進め方について(案)。これも前回の専門委員会第1回の資料の3-2でございます。最後に、参考資料の11としまして、前回の中央環境審議会大気・騒音振動部会有害大気汚染物質健康リスク評価等の議事録ということでございます。

 お手元の資料に過不足等がございましたら、事務局まで申し出ていただければ幸いです。

 また、環境省では、環境負荷削減の観点から、審議会等の資料のペーパーレス化に取り組んでおります。傍聴の皆様方には、前日までに環境省ホームページに掲載しました資料について、お持ちのノートパソコン、タブレット等の端末へ保存の上、当日ご持参いただく等、ペーパーレス化への協力をお願いしているところでございます。そのため、既に公開済みの資料でございます資料の1~6-2並びに参考資料の1~6及び8~11につきましては、傍聴の皆様方には紙で配付しておりませんのでご了承ください。環境省のホームページ等をご確認いただきますよう、お願いいたします。

 先ほど申し上げましたように、参考資料につきましては、お手元、青いファイルの中にとじてございますので、必要に応じてご参照いただけると考えておりますけれども、今後とも継続して使用予定にしておりますので、会議の終了時には机の上に残してご退出をいただきますよう、お願いを申し上げます。

 では、続きまして、前回ご欠席で今回ご出席の委員の先生をご紹介させていただきます。五十音順にご紹介させていただきます。

 まず、上田佳代委員でございます。

 続きまして、上島通浩委員でございます。

 続きまして、川本俊弘委員でございます。

 また、内山巌雄委員につきましては、本日ご欠席ということでございます。なお、内山委員からは、本日の委員会の議事に関しまして、事前にご意見をいただいております。委員の皆様方には、そのご意見を紙で配付しておりますので、その都度、ご紹介を申し上げたいと思っております。

 本日は、委員14名のうち13名がご出席になっておりますことを、ご報告させていただきたいと思います。

 それでは、これ以降の会議の進行につきましては、新田委員長にお願いいたします。それでは、よろしくお願いします。

【新田委員長】 皆様、ご多忙のところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。

 前回に引き続きまして、トリクロロエチレンの大気環境基準の再評価について議事を進めてまいります。本日も3時間と少々長丁場になってございますけれども、議事進行にご協力をいただければ幸いでございます。

 では、まず議題1、第1回専門委員会における指摘事項について、事務局から説明をお願いいたします。

【嶋田主査】 それでは、資料2と資料3に基づきまして、前回の専門委員会における先生方からいただきましたご指摘事項及び、それへの対応ということでご説明申し上げます。資料2にその概要を書いてございまして、それを反映させましたトリクロロエチレンの有害性に関する評価文書(案)を、資料3にそれぞれご用意してございますので、並べてご覧いただければと存じます。

 まず、資料2の委員指摘事項の1点目でございます。こちらは遺伝子障害性の有無の説でございますけれども、文頭に「in vitro及びin vivo試験系の結果に基づき」というふうに記載がございますが、in vitroの試験結果のみが書かれていた状態になっていたということにつきまして、今回の資料3の17ページでございますけれども、in vivoの試験結果につきましても追記をしてございます。

 また、19ページ、こちらのまとめの文書につきましては、この後の議題でご審議いただくことになりますが、このまとめの部分にもこの修正を反映させまして、in vivoの試験結果について追記をしてございます。

 続きまして、指摘事項の2番目でございます。発がん性以外の健康影響のところで、項目立てに統一感がないので、何らか修正が必要ではないかというご意見。それから、発生影響に関係しまして、水質の環境基準、それから、水道水質基準のエンドポイントとしても採用されているというところでもありますので、項目として独立させたほうがよいというご意見をいただいてございます。

 こちらにつきましては、資料3の20ページから、発がん性以外の健康影響ということで始まってございますけれども、一旦、その急性影響の記載を後ろに持っていきまして、慢性影響の中で神経系への影響、その後、腎臓への影響、免疫系、生殖器への影響、発生影響ということで並べさせていただいてございます。

 急性影響は、環境基準の検討においては、直接その値について考えるという意味では、直接それによって決まるということの性質ではございませんので、急性影響については資料の後ろのほうに持っていっているというところでございます。

 続きまして、指摘事項の3点目でございます。こちらは用語について正確でなかったというところのご指摘でございまして、三叉神経の記載について、正確ではなかったところが本文中に幾つか見受けられるということでご意見をいただいてございます。

 こちらにつきましては、資料3の31ページ、急性毒性がここに今は移ってきているわけなんですが、資料3、31ページのところに、用語を適切に変更してございます。

 また、資料2の2ページに参りまして、少し資料3の中では手前に戻りますが、22ページ、それから、24ページ、「三叉神経系」という言葉が出てきてしまっているところを、「三叉神経」に直すというような形で修正をしてございます。

 22ページ、24ページ、32ページにつきましても、適切な用語の使い方になるように整理をしてございます。

 また、参考資料8としてございますが、前回の資料で参考資料7という資料番号でお示ししておりました、この評価書に取り上げております文献のもう少し詳細な中身の資料のほうの表現も、こちらの修正に合わせて少し直しているところでございます。

 指摘事項の4点目でございます。免疫系への影響ということで、過敏症症候群の感受性に関与する遺伝子型について、「日本人においても1%超が保有すると推定されることから、健康影響として重要と考えた」というふうに本文に書いてあるわけなんですが、これは重大な影響として考慮に含めるという理解でよいでしょうかというふうに、ご確認と申しますか、ご意見をいただいたところでございますが、こちらにつきまして、その重大は影響ということではなくて、重大な影響ということでは先ほどからの報告ではなっていないわけなんですけれども、一方で、日本人においても1%超が保有する遺伝子型が影響しているかもしれないというような示唆があるということでございますので、気に留めておくということは少なくとも必要であろうということで、こういった書き方をしておったわけなんですが、重大な影響とは少し性質が違うということを明確にするために留意が必要と考えたというふうに修正してございます。資料3の27ページでございます。

 33ページのまとめの記載も同様に修正をしてございますが、こちらにつきましては、後の議題でご審議いただければと存じます。

 続きまして、指摘事項の5番目でございます。取り上げられている知見の中で、曝露レベルがよくわからないものというのが少なくないと。どのような曝露レベルで健康影響が発生しているのかということの全体を見渡したいので、曝露レベルに関する情報、あるいは、ないものについてはないというふうに記載をしてほしいというご意見でございました。

 こちらにつきましてですが、端的に申し上げますと、前回の評価書(案)でお示しをして、有害性についてというこの文書でお示ししておりました情報で、かなりの部分というのは、実はもう論文から読める情報はカバーをしていたというところが、実は答えでございます。

 参考資料の8に追記をできるものについては少し追記をございますけれども、参考資料8が見え消しになってございますので、見え消し部分が実はその追記をしたところなんですが、例えば、22ページのところで、こちらにつきましては、作業場の気中濃度については記載がされていないということで、ちょうど上島先生の実は論文なのでございますけれども、作業場の気中濃度については記載をされていないといったような情報でありますとか、すみません、少し手前に戻りまして、すみません、11ページのところですが、こちらも同じく、作業場の気中濃度の情報というのは記載されていなかったというようなことを追記をしてございます。

 本文との関係、本文に記載されている情報と、この参考資料8に記載されている情報との関係、ほぼ実は本文に拾っている情報ではあるんですけれども、この参考資料8の一番後ろになります。31ページ、発生影響についての文献が幾つか書かれているところなんですが、これについて、この本文と参考資料8に書いてある内容というのを、曝露情報という観点から比較をすると、少し情報が少ないかもしれないというのを考えたところでございますが、一方で、このSwartzらの論文でございますけれども、こちらにつきましては実測のデータではないということだとか、推定によって導かれている数値であるということなどがございまして、事務局としましては、少し記載をするしないということはあるにせよ、そもそもその論文に書いてあるデータとして、やや制約と申しますか、があるのかもしれないかなというふうには思ったところなんですが、この後、その追加文献レビュー等々の中身も、本文に盛り込むかどうかというご議論も当然あろうかと思いますので、そういったところとあわせてご検討をいただけると、大変ありがたいと思ってございます。

 指摘事項の6番になります。3ページでございます。

 発がん性のメタ解析をしました研究の中で、「出版バイアスがない」というふうに、これは本文中にもそうやって書いてあるんですけれども、これの根拠ということでご質問いただいてございます。

 こちらにつきまして、原典に改めて当たり直しましたところ、メタ分析をしております文献につきましては、funnel plotという方法で対称性を確かめて、出版バイアスがないというふうに判断をしているということの記載がございましたので、そちらをご紹介申し上げます。

 続きまして、委員の指摘事項の7番でございます。過敏症症候群の感受性に関与する遺伝子型について、アジア人特有、先ほども少しございましたけれども、「アジア人特有のものであり」ということなんですけれども、我が国の近隣国におけるトリクロロエチレンの大気環境基準の有無だとか数値について、どうなんでしょうかということでご質問いただいたところでございます。

 事務局で確認をしましたところ、中国、それから、台湾、韓国について、いずれの国、地域における大気環境基準におきまして、トリクロロエチレンの基準は設定されていないということを確認いたしました。

 欧米諸国の状況につきましては、前回の資料でご説明したところでございますが、アジア圏の状況についても補足を申し上げました。

 指摘事項の8番につきましては、追加文献レビューでございますので、この後の議題ということでご審議いただけると幸いでございます。

 先ほど、総務課長のほうからご説明ございましたけれども、今回の委員会に先立ちまして、本日ご欠席の内山委員から文書でコメントをいただいてございます。机上の資料の束の一番下に1枚紙を置いてございますので、こちらに沿いまして、ただいまの議題に関連する部分についてご紹介を申し上げます。

 1.2と書いてございますけれども、発がん性以外の健康影響の項目立てについてということでございまして、ご紹介しますと、これまでの環境基準はガイドラインの評価書に、急性影響、慢性影響の項目とは別に、免疫系、生殖器、発生影響が項目立てされている理由というのは、生殖器、発生影響が人の健康影響として次世代にもつながる重大な影響であること。したがって、不確実係数の中の発がんのほかの重大な影響に当たることから、わかりやすいように項目を分けてきたと。さらに、生殖毒性だとか、発生毒性、胎児への影響は、曝露が妊娠期間の幅の狭いウインドウ、急性曝露であっても、影響は、胎児、あるいは次世代へと、長期にわたり慢性影響が認められることから、急性毒性、慢性毒性と分けがたいという理由があります。免疫系への影響もこの理由に当てはまります。

 したがって、先生のご意見としましては、違和感はあるかもしれませんが、従来どおりの項目立てのほうがいいのではと考えていらっしゃるということでございます。

 また、確かに環境基準は慢性曝露影響をもとにつくられるということでございますが、その物質の毒性を考えるときに、高濃度急性曝露での中毒症状、あるいは、LD50、LC50などの急性毒性を理解した上で、低濃度慢性曝露の影響を考えるというのが筋道であると。また、例えば、動物実験では、LD50、LC50を参考にして慢性曝露実験を行う濃度段階を決めるということでございます。

 したがって、評価書としては、急性影響、慢性影響の順番に記載するのが正しいと思うというふうにご意見をいただいてございますので、こちらのご意見もご参考にしていただきつつ、ご審議をいただけると幸いでございます。

 以上でございます。

【新田委員長】 それでは、ただいまの前回のこの委員会で委員の皆様からのご指摘、ご質問内容、それに対する事務局での対応(案)について説明をいただきました。

 また、内山委員からのご意見、関連部分もご紹介をさせていただきました。

 ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問のある委員の先生、いらっしゃいますでしょうか。名札を立てていただければと思います。

 特に内山委員からのご意見は、前回のご指摘、ご意見を踏まえた対応と異なるご意見をいただいておりますので、その点につきましても、今日ご出席の委員の皆様からのご意見をいただいて、事務局の対応どおりでよろしいかどうか、少し議論をいただければと思います。

 どうぞ、鈴木委員。

【鈴木委員】 何か私が真っ先に言うのはちょっと気が引けるところはありますが、内山先生のこの項目立てについて、私の意見という意味で申し上げます。

 急性を先に書くべきかどうかということは、これは必ずしも、私、強い意見はございませんが、リスク管理評価という立場から申し上げれば、急性毒性の情報というのは、多分、ほかの毒性と同じぐらい重要な影響だと私は思っておりますので、それは物質によって、先生方に申し上げるのも釈迦に説法的な話ですが、急性と慢性は結構接近している物質もありますし、離れているものもありますし、トリクロロエチレンは多分、かなり離れているほうじゃないかと思うんですけども、多分、そのような毒性の特性というのは、リスク管理の上でも当然、参照しておくべき事柄で、それらを踏まえての総合判断だと僕は思いますので、基準設定に使わない、最終的には基準には使わないからといって、急性毒性のデータを軽く扱うということは私はあまりよくない、好ましくないかなと僕は思いますので、基本的には自分はさほどこだわりませんが、内山先生のおっしゃるように、記述に関して、その部分も手を抜かずにしっかりつくるということは、よいのではないかと僕は思います。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 ほかの委員の先生方、いかがですか。

 青木委員、どうぞ。

【青木委員】 今の内山先生のご指摘の点なんですが、ちょっと確認なんですが、この修文に当たっては、以前の急性毒性という項目をそのまま末尾に持ってきただけの変更でしたっけ。ほかに少し変えているところはありますか。

【嶋田主査】 急性毒性に関しては基本的に場所を変えたのみで、文面は全く変更してございません。

【青木委員】 ということは、実際には場所だけの問題になっている。

【嶋田主査】 急性毒性に限ると場所の問題ということに、今の時点ではなってございます。

【青木委員】 ただ、ほかの項目については、項立てを細かくしたということなんですか。

【嶋田主査】 そうです。項立てを、慢性、急性と申しますよりかは、神経系でまず立てて、腎臓で立ててということで、神経系と腎臓が急性、慢性で分けられていたものを、神経系で1本立てて、腎臓で1本立ててということで整理をします。

【青木委員】 わかりました。ちょっと、いささか言い出した者としての責任もあるかと思うので、そうですか。

【新田委員長】 ちょっと整理いたしますと、前回の第1回でのこの資料3の項立ては、急性影響が一つの章になって一番初めにあったと。それから、2番目として慢性毒性という項があって、その中の内訳が神経系への影響と腎臓への影響があったと。それから、もう一つ別の項立てとして、免疫、生殖、発生影響があったと、こういうところでありました。

 ですから、細かい小項目になっていた神経系と腎臓への影響のところの頭の慢性毒性というタイトルを外して、フラットに並べたというのが今回の事務局の対応案でございます。

 上島委員、どうぞ。

【上島委員】 こうして並べていただいたのを見ると、確かに、この免疫系だとか、急性というか、亜急性というか、慢性というかは、なかなかな悩ましいものもあるものですから、この標的に臓器で分けられたというのは私はいいと思いますけど、一方、急性毒性が最後に来るというのは、やっぱりちょっとこうやって見ると少し違和感がありまして、ですから、発がん性以外の健康影響のところの急性毒性だけは最初に戻されたらどうかなと思いましたけど。

 以上です。

【新田委員長】 武林委員、どうぞ。

【武林委員】 今の点ですが、恐らく環境省として見直しをするのが最初になるということで、少し今後のことも考慮に入れて、並び方とか項目は考えたほうがいいかなという気がいたします。

 トリクロロエチレンに関しては、ほぼ発がんのところを中心とした議論ですから全く違和感がなんですが、今後、いろんな物質をやっていかなきゃいけないことを考えると、どちらかというと、トラディションにやってきたことからあまり外れずに、急性が先に来るとか、それから、内山先生ご指摘のように動物実験についても、全てとは言いませんが、恐らく見直しということは、見直しを始めた以降の期間について、主要なものをまとめるということがどうしても残りますので、動物実験も全てではなくても、少なくとも新しいハザードが見つかったかどうかとか、そういう大きなものについては、やはり載せるべきだという内山先生のご意見はそのとおりだと思いますし、順番に関しても、あまりトリクロロエチレンだけにこだわらずに、もう少し、発がん以外のもので見直しということも今後出てきますし、それから、この後の議論に関わると思いますが、本来、この項目というのは、数字を下げるための見直しではなくて、新しい科学的知見が蓄積されたものを適切に見直しをしていって、数字を変えないことも含めて、常にこの数値が新しいものであることを確認することも大事だと思いますので、そういう意味では、少し元に戻すような議論も含めて整理をしておいたほうが、今後の議論も含めてわかりやすいのではないかという気はいたします。

 以上です。

【新田委員長】 それでは、島委員、どうぞ。

【島委員】 内山委員の意見も拝見いたしまして、基本的にお考えはよく理解できるわけでありますが、資料3の20ページを見ますと、2-2の発がん性以外の健康影響の前段の部分で、修正前は、慢性毒性として、 それから、急性毒性についてというふうに書かれていて、免疫系や生殖器系、発生影響というのは、修正前ですと慢性毒性の中に入っていたわけです。それでは本文の記載が一致していなかったので、私は違和感を感じて前回の会議で指摘をしたわけであります。

 ですから、前段の部分と本文に整合性がとれていれば、特に順序や項目立てについては、こだわるものではありません。

 それと、慢性毒性と急性毒性の順序でありますが、一般的に、やはり急性毒性が先に来るほうが自然だろうというふうに私も思います。ただ、ここの記載を読みますと、急性毒性については、参考情報として、比較的、最近公表された知見を中心に取りまとめたということでございますので、参考情報が最初に来るのはいかがなものかなという気もいたします。

 以上です。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 内容の前に、形、形式、目次立ても全体の評価のポリシーを反映するものかと思いますので、少し先ほど武林委員からの、このトリクロに限らず、この目次立てについては、ほかの物質のもし再評価をする際にも影響を与えるんじゃないかというご意見もいただいたところです。そこの観点も含めて、他の委員の先生からもご意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

 特にないようでしたら、ただいまいただいた意見では、急性毒性については、当初の項目立てに戻しては、最初のページにというようなご意見が多かったかと思います。

 一方で、ただいまの島委員からは、最初の冒頭の記述のところで参考情報としてというところを、これは内山委員からのご意見も、単なる参考という位置づけではないと、先ほど、鈴木委員からも、青木委員からも同じようなご指摘いただいておりますので、ここの前段の参考情報としてというところを少し修文させていただいた上で、急性毒性の記載の項目を、前回と同じような形で、この発がん性以外の健康影響の最初のところに、また戻すというようなことで、私のほうから提案させていただければと思います。

 その上で、その後のところは、やはり上島委員からのご意見でも、また、内山委員のコメント自体にも、なかなか急性、慢性、曝露の状況、それから、影響の状況、分けがたいところもあるということで、趣旨としては、急性ではない慢性的なというようなことが理解できるような文言を、同じく、その前段の部分に少し追記させていただいた上で、項目立てとしては、今日の事務局の対応案に従って、臓器ごと、ターゲットごとの、特に急性に対応して慢性という項目ではないような形で整理してはいかがという提案をさせていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

 先ほど武林委員からは、トリクロに限らず全体、もう少し長期的な、ほかの物質に関しても念頭に置いてというご意見でしたが、武林委員、いかがでしょうか。

【武林委員】 当然、これは国民の皆さんがお読みになるということを考えたときに、どういう情報が必要かということで、見直しのたびに全てを全部レビューを載せるのは適切ではないと思いますので、むしろ、ポリシーとして、特に見直しにおいて重要となる点がわかりやすくという観点を、当然考慮しなければならないと思いますので、そこも含めた構成ということで、全く同じパターンで、その情報が薄い、厚いで判断していただくのか、むしろ、今回のように大事なエンドポイントをきちっと載せることで、そこがわかるようにするのかと、これは考え方の問題だと思いますので、全体でご判断いただければというふうに思います。

【新田委員長】 この件はほかいかがでしょうか。

 それでは、先ほど私のほうから申し上げましたように、構成に一部前回の形に急性のところは戻させていただく、それから、内山委員からのコメントにつきましては、島委員からのご指摘もありましたように、その前段部分の説明と項目立て、必ずしも整合してなかったというようなこともございます。

 それから、内山委員のコメントの内容もございますので、その前段部分に少しその点を反映させた形で修文をして、内容につきましては次回にということで、それぞれのまた具体的な記述ぶりにつきましては、また、この委員会でもご議論いただくことになると思いますけれども、項目立てとしてはそのようにさせていただければと思います。

 よろしいでございましょうか。

(はい)

【新田委員長】 それでは、そのように項目立てを進めさせていただきます。

 ほかに前回ご指摘のところの修正につきまして、何かご意見、ご質問があればお願いいたします。

(なし)

【新田委員長】 それでは、資料3につきましては、ただいまの議論も踏まえて、再度事務局で修正をして、次回、改めてご確認をいただければというふうに考えております。よろしくお願いいたします。

 続きまして、議題の2といたしまして、追加的な文献レビューの結果についてでございます。事務局から説明をお願いいたします。

【嶋田主査】 それでは、資料の4-1、それから、4-2に基づきまして、追加的な文献レビューの手順、それから、その結果、新たに見つかりました文献につきましてご説明申し上げます。

 前回の委員会におきまして、委員長からご提案をいただきまして、昨年の10月末までという期限を一応切りまして、追加的な文献のレビューを実施してまいりました。

 資料の4-1でございます。まず、追加的な文献レビューの手順でございますけれども、まず一つ目が、PubMed、文献検索のサイトでございますけれども、それを使いまして、次の条件に合致する文献というものを検索いたしました。

 疫学研究につきましては、第三次答申以降に公表された発がん性、それから、発がん性以外の有害性、それぞれに関する文献として、まず、692件、一番大きなくくりでいうと692件該当してございます。ただ、実験動物への有害性と遺伝子障害性に関する研究というのは、IARCの評価書そのもの以降に公表された文献を対象にしまして検索をしましたところ、実験動物への有害性に関するにものが72件、遺伝子障害性に関するものが4件該当してございます。

 この見つかったものの中から、過去の作業部会で検討されてきたものというのをまず除外しまして、ご覧のような件数になってございまして、さらに、それぞれの文献のタイトルですとか、アブストラクト等を確認をしました。

 この例えば、443とか72というふうに書いてあります中には、論文ではないものも実は検索の結果、ひっかかったりしているものもございますので、そういったものを全部取り除いたりという作業もしてございます。

 また、中身を確認をしまして、量‐反応関係の検討に直接寄与しない文献等というのを除外をしまして、第1回の専門委員会における指摘事項、例えば、遺伝子障害性だとか、閾値の有無だとかに関して、かなり微妙な結果というのが作業部会報告でも既に出されてございますので、そういったところに関する新たな知見がないかといったことですとか、疫学については直近のものまで追いましょうといったことですとか、そういったことのご意見をいただいてございますので、そういった観点を踏まえて、重要と考えられる文献を疫学研究16件、実験動物への有害性について6件、それから、遺伝子障害性3件というのを抽出してございます。

 そして、文献レビューを実施いたしまして、まず、事務局のほうで、レビュー対象の各文献について本文を確認しました上で、その概要を整理した案というものを作成してございます。

 また、その後に、第1回の委員会において委員長からご指名いただきました上田委員、上島委員、山崎委員に疫学研究について、それから、青木委員には実験動物への有害性、それから、遺伝子障害性に関する研究について、原著と、それから、事務局で作成しました概要案をご覧いただきまして、必要に応じて加筆・修正をしていただいたというものでございます。

 その結果、まとまりましたものが、次の資料の4-2ということでございます。

 件数としましては、16件、6件、3件というものもございましたが、さらにその中から重要度ですとか中身をご覧いただいて、セレクトしていただいたものが資料の4-2でございます。

 資料の4-2に掲載してございます文献につきまして、簡単にご紹介申し上げます。

 まず、疫学研究につきまして1件目でございますけれども、イタリア、フランス、それから、アメリカで実施をされました症例対象研究のプール解析ということで、それぞれの研究は別個にあるものを、改めてまとめて解析をし直したという研究でございまして、こちらも職業曝露の影響というものを見てございます。 2パラ目ですけれども、曝露指標としたのは、曝露の強度、頻度、期間、確度ということで、調査票から得られた職歴等の影響ですとか、実地調査で得られたデータ、産業衛生関連の報告書や経験に基づきスコア化したということで、実測データだけではなくて、いろんなデータを使って補っているというようなものを、その曝露指標として使っていると。

 3パラ目の途中からですけども、ロジスティック回帰によって解析をした結果、トリクロロエチエンの曝露指標によるリスクの上昇というのは、非ホジキンリンパ腫全体に関しては認められなかったんですけれども、非曝露群と比較して高強度群、高確度群では有意ではないものの、それぞれ40%のリスク上昇が認められたといったところが書いてございます。

 また、曝露の確度が高い労働者に解析を限定したところ、非曝露群に対して曝露群の全非ホジキンリンパ腫のリスクというのは40%上昇、その他、慢性リンパ球性白血病等々についてもリスクの上昇が見られたということも書いてございます。

 こちらにつきましては、そのオリジナルの研究をかなり数多く束にしているというところでございますので、そういった種類の研究であるというものでございます。

 2件目でございますけれども、2ページまでまたがってございますが、こちらもトリクロロエチレンの職業曝露の評価が行われてございまして、こちらは曝露濃度については2ページ目に参りますが、各労働者のトリクロロエチレンの曝露については、1947年から1989年の尿中のトリクロロ酢酸なので、代謝物の濃度というものを使って評価をしてございます。

 この結果、がんの罹患者数がポワソン分布に従うとして、罹患予測数というものを算出しますと、肝臓がんと子宮頸がんについて有意な上昇が認められたということを書いてございます。

 また、曝露指標としてのそのトリクロロ酢酸の初回測定時の年齢、あるいは年代を用いて、関係を評価したものの、特定の傾向は見られなかったというふうに書いてございます。

 以上の結果から、最後の段落ですけれども、トリクロロエチレン曝露と肝臓がんのリスク上昇と関連する可能性があり得る―possibly associatedという書き方になっているようですが、ことが示唆されてございます。曝露と頻度の低いがんとの関係については、検出力が限られているので、さらなる研究が必要というような留保もついておるというものでございます。

 3ページに参りまして、実験動物への有害性に関する研究ということでございまして、まずは免疫毒性の関連ということでございまして、羊の赤血球の抗体の反応というものを見てございます。

 一番最後の行ですけれども、トリクロロエチレンが1,017.4ppmで、そのヒツジ赤血球に対する抗体応答の抑制を引き起こすということが考えられたというような結果でございます。

 続いて、急性影響でございますが、こちらにつきましては、六つの似た構造を持った物質において、比較対象をするための実験を行ったということでございます。

 こちらに示した条件等々を書いてございまして、一番最後のほうのところで、急性毒性試験の結果等々というのが書いてございまして、こちらはそういった数値になっておるということで、一つその新しい知見なのではないかということで、こういった形で整理をさせていただいてございます。

 4ページでございます。

 遺伝子障害性に関する研究ということで、被験物質がDCVCというふうに略が書いてございます。こちらもトリクロロエチレンの代謝物の一つでございますが、こちらを損傷乗り越えDNA合成による修復検出という、in vitroの試験を行いましたところ、陽性ということで書いてございまして、最新の2017年の論文でこういった情報が書いてございます。

 また、もう一つ、吸入曝露による遺伝子障害性試験ということで、こちらはin vivoでございますが、雄のCDラットにトリクロロエチレンを曝露させたものでございます。6時間単回吸入曝露、こちらに記載の濃度で曝露したんですが、骨髄赤血球細胞小核の有意な増加というのは認められなかったということが書いてございます。

 一番最後のパラグラフですけども、著者らは本試験の条件下で、トリクロロエチレンはラット骨髄小核試験において陰性であるというふうに判断をしておるというような文献が新しく見つかってございます。

 今回、その資料4-2で整理させていただいたのは、ちょうど前回もお示ししました参考資料、今回は8になっていますけれども、そういったものとある種同列にご覧いただけるような形で整理をしてございますので、例えば、本文に新しく例えば盛り込むですとか、そういったことについてご検討をいただけると、大変ありがたいと思ってございます。

 内山先生からいただいているご意見について、後半部分ご紹介を申し上げます。

 追加的な文献レビューについてということで、先生のご意見の後半部分でございます。

 作業委員会と書いてございますが、作業部会がまとめた文書の主な目的は、IARCが発がん分類をグループ1年変更したことにより、環境基準を見直す必要があるかどうかということであってので、特に動物実験は発がんとそのメカニズム、遺伝子障害性に関する文献を中心に記述していると理解しています。

 しかし、本専門委員会の評価書は環境基準を作成(見直し)するための評価書なので、発がん以外の影響に関する新たな動物実験結果も、主要はものはレビューして記載するべきものと思いますというようなご意見もいただいてございます。

 今回は、その追加で見つかったもの、それから、内山先生からいただきましたご意見等々も踏まえて、ご審議いただけると幸いでございます。

 以上でございます。

【新田委員長】 ありがとうございます。ただいまの資料の4-1については、前回、実施ご了解いただきました追加的文献レビューの作業手順の説明の資料でございます。

 それから、資料の4-2につきましては、前回、私のほうから示させていただきました、青木委員、上田委員、上島委員、山崎委員の力をかりながら取りまとめました、追加的な文献レビューで見つかった新しい文献のレビュー結果でございます。追加的文献レビュー、ご担当いただいた委員の先生におかれましては、非常に短時間の間におまとめをいただきまして、この場をかりて御礼を申し上げたいというふうに思います。

 まず、幾つかの項目が分かれております。今回、全体の作業部会、すみません、資料の3につきましては先ほど説明いただきましたけれども、疫学の研究を中心に記載をされているということで、今回追加で資料の4-2にあるところの疫学の文献を、この報告書のほうに盛り込んでいくかどうかという点についてのご意見。

 それから、内山委員からのコメントに関係しますけれども、実験動物への有害性に関する研究、動物実験の結果のところを、どういうふうに取り扱っていくか、今回も少し、その追加文献のレビューの結果も出ております。

 それから、遺伝子障害性に関するところの追加につきましては、遺伝子障害性閾値に関する判断に関わるような追加の文献があるかどうかという観点で、追加的に文献を検討していただいた結果ということで3点ございます。

 それぞれについてご意見、またご質問があればいただきたいというふうに思います。ご意見がある委員の先生におかれましては、名札を立てていただければと。

 山崎委員、どうぞ。

【山崎委員】 資料4-2の最初のCoccoらの文献をレビューいたしました際の追加的な情報と、私のコメントでございます。

 先ほど、嶋田主査のほうから概要につきまして説明いただきましたが、この論文は四つのケースコントロール研究をプール解析したもので、中段のところですが、それぞれのプロトコールによって研究されたオリジナルの研究をプールしたということで、曝露評価自体が別々のプロトコールでやったものを統合しているので、まず、その曝露の閾値を調べるような研究ではなくて、傾向を調べるという研究でございます。

 2段落目の最初のところですが、曝露指標としたのは、結局、スコアなわけで、順序変数として評価したものを、大体このくらいの濃度なのかなというような感じで推計した結果でございます。

 このように分析すると、全体では、傾向はプラスの傾向はあったけれども有意な関係ではなかったが、一部、個別の疾患においては有意な傾向性があったものもあったというようなことで、最後の行のところですね、プール解析の結果、特定のサブタイプにおいてはリスクの上昇が明確に支持されたと、これは論文に記載のとおりの表現で、この研究の範囲においては、明確に支持された、というようなものでございます。

 資料3の12ページ目をご覧いただきまして、ここに非ホジキンリンパ腫、肝がんについてのこれまでの文献のレビューの結果というか、まとめが書いてあるわけですが、11行目の(b)の最初のところで、非ホジキンリンパ腫の関連性について、5段落に渡って35行目まで書いてあるわけですが、ここに挙げてある文献が、これまでに調査しております非ホジキンリンパ腫とトリクロロエチレンの関係性が検討されたコホート研究とケースコントロール研究の文献なんですけども、この中には、Coccoらの研究でプール解析に組み入れられた4つのケースコントロール研究のうち3つの文献が含まれています。また、24文献をメタアナリシスした結果が、Scott and Jinot(2011)で、この研究は出版バイアスの可能性が指摘されていますが、今回のCoccoらのものは、ここに挙げてあります文献の中から、ケースコントロール研究の3文献、17行目にありますCoccoら(2010)と18行目にあるMiligiら(2006)、その最後のところのPurdueら(2011)、この三つと、あともう一つフランスの、ここには挙げられていないんですけども、Orsiら(2010)の論文の、この4つのケースコントロール研究をプール解析した結果であります。なので、結果的に、恐らくこの研究も、ケースコントロール研究も幾つかある中で、この4文献を選んだというところで、出版バイアス的なものもあるのかもしれないということをご留意いただいた方がよいと考えます。Scott and Jinotのメタアナリシスに組み入れられた論文とかなり重複しているのですが、違う見方もあるということで、30行目辺りに、Coccoらの文献についての簡単な結果を載せてもいいのかなとは思われますが、33行目辺りですかね、入れてもいいかなとは思いますが、結果的には、やはり、Coccoらの文献にも出版バイアス的なものが入っているのかなという気はいたします。

 以上でございます。

【新田委員長】 ありがとうございます。ただいまの山崎委員のご意見、私なりに整理しますと、この少なくとも有害性についての資料3の本文には、こういう文献があるというようなことを簡単に触れるというような程度で、その資料3の33行目から35行目の全体的な結論を変更するようなものではないという理解でよろしいでしょうか。

【山崎委員】 はい、そのとおりです。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 ほかいかがでしょうか。

 上島委員、どうぞ。

【上島委員】 私も追加で読んだ文献について、ちょっと一言補足をさせていただきたいと思います。

 私、Hansen、この1ページ目か2ページにかけての論文が、ここに私の読んだものが出ておりますけれども、これの最後を見ると、ここで肝臓がんのリスク上昇と関連する可能性ということが書いてあって、これだけ見ると、今回問題になっている、その腎臓がんとの関係がどうなのかなという疑問を持たれる方もいらっしゃるかなと思って発言をさせていただきます。

 これについては、他の疫学研究との関連の一致性という観点で見たときに、この腎臓がんについては、これHRRが有意じゃないという結果になっているんですけども、この論文の中で記載があったことは、このフィンランド、スウェーデン、デンマークの職場の曝露は相対的に低くて、それで、ここで有意にならなかったものについては、そのまれな腫瘍のために検出力が低いのか、あるいは、その関連が本当にないのかということだというふうに書かれておりました。

 それで、ですから、この腎臓がんについては、95%信頼区間の下限が0.81で1より下なんですが、私はこのトリクロロ酢酸が50mg/Lを超えたところだけで、このハザードHRRが数値として上がっているということは、ほかの今まで、これまで取り上げてきた流れと一致をしていて、そういう点では、腎臓がんについてを、これを逆に否定するような報告ではないというふうに考えて読みました。

 以上です。

【新田委員長】 ありがとうございます。そうしますと、ただいまのこのレビューをご担当いただいた上島委員のご意見としては、これも資料3の中に何らかの形で引用した上で、結論としては全体変わらないというような位置づけということでよろしいでしょうか。

 ほかの委員の先生は。

 島委員、どうぞ。

【島委員】 さきに説明していただいたCoccoらの文献について、資料4-2の最後のパラグラフで、曝露期間により、あるいは、3指標の組み合わせにより有意な上昇の傾向が認められたというところがあって、ちょっとこれだけではP値だけでよくわからない点もあるのですけども、結論として、非ホジキンリンパ腫のサブタイプにおいて、リスク上昇が明確に指示されたというふうに書かれているわけですね。

 それは資料3の12ページにあります30行目から32行目、先ほど山崎委員からもご指摘があったところですが、非ホジキンリンパ腫の分類体系が異なるために結果の解釈に限界がある。それから、その次にあります、全体として明確な関係があるとは判断できなかったというところとは、かなり結論が違っているように思います。

 それで、お尋ねしたいのは、その30行目にあるRusynというんですか、その論文では、今回このCoccoで取り上げられた研究は評価されているんでしょうか。

【新田委員長】 事務局、わかりますか。すみません。

【嶋田主査】 ちょっとすみません、即答ができないので、ちょっと調べて改めてお答えいたします。

【島委員】 よろしいですか。こういった追加でレビューしていただいた文献について、資料3の中に記載することが必要であるというふうに思いますが、このCoccoらの文献は、メタ分析ではなくてプール解析でありますから、記載するのであれば、メタ分析について記載しているよりも前の段階で記載すべきだろうというふうに思います。

【嶋田主査】 すみません、今、島先生からご質問いただいた点を、一応、今確認をしまして、このRusynらの論文の中にはCoccoらの論文は触れられていないというふうなことを確認しました。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 そうしますと、触れられていないということで、さらにこの文献については、確かに、メタ分析とプール解析の結果を少しまぜ込んで記載するのは、ちょっと不適切かなというふうに思われますので、やはり、恐らくプール解析のほうがいろんな意味で適切なというか、いろんなバイアスとか、いろんな問題は少ないというふうな一般的な理解と思われますので、プール解析の結果として、本文中に記載する方向でということに私としては考えますが、ただ一方で、非ホジキンリンパ腫については、IARCの報告書でグループ1に変更した中でも、いろんな知見があって、全体としては、かなり腎臓がんに比べれば限定的だというような記載だったかと思いますので、それを覆すものではないだろうというふうな判断もできると思うんですが、それも含めて、ほかの先生、武林委員、どうぞ。

【武林委員】 今のCoccoらもそうなんです。もう一つのHansenらについても、最後の2ページの3行のところに、以上の結果からということでありますが、これも論文の著者の結論といいますか、著者の記載がそのままということで合ってますでしょうか。

【嶋田主査】 はい、そのとおりでございます。

【武林委員】 わかりました。今の点、こちらの論文もそうですが、資料3というのは、著者らがいろんな結論に対して、当然、委員会としての判断が含まれている、つまり、論文の評価が入っていると思いますので、今議論しているのは著者らが言っていることだと思いますので、私もこの2件とも入れるべきだと思いますが、そこのところの判断については、次回の委員会、あるいは、その前にどのような判断をされる。

 つまり、ここで読んでも、この中に例えばバイアスであるとか、交絡が、どのようにこのエビデンスを我々理解していいかが書かれていませんので、そこは十分整理をしてから、今、島先生がご指摘の点もその点だと思います。

 同じようにこのHansenらも、最後のところには、肝臓がんのリスク上昇と関連する可能性があり得ることが示唆されたとありますが、どう読んでも子宮頸がんのほうが量-反応関係はあって、肝臓がんは、1回出ているだけのものに対して非常に強い示唆というふうに書かれていますので、そこもやはり慎重に、なぜこうなのかということを議論しないと、入れることには価値があると思います。

 特に、腎臓がんについて、やはり先ほど上島委員がご指摘をされたように、高いところで有意であるかどうかは別にして、傾向として出ているということは非常に重要で、これも複数のコホートの統合プール解析ですから、メタ解析よりもいろんな意味で利点もあると思いますので、入れるべきだというふうに、それは肝臓がんのところだけではなくて、腎臓がんの結果としても含めるべきだと思いますが、そこの論文に書いてあることと、評価のところをどう埋めるかについては、十分、事務局のほうで整理をいただきたいというのが一点です。

 それから、こうやっていろんなのが集まってきますと、資料3のほうで12ページのところに、非ホジキンリンパ腫と肝臓がんが一つのヘッドにくくられていること自身が、やっぱり流れからしてくると、情報量からいってこうしたんだと思いますが、読んでいるほうとしては結構違和感を感じるかなという気もしますので、そこも含めて少し見直しをしていただいたほうがいいのではないかと思います。

 以上です。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 まず、最後の点の、非ホジキンリンパ腫と肝臓がんについては、ちょっと私も若干見通し悪くなっているなと。多分、IARCが腎臓がん、その他になっていたような気もするんですけども、いずれにしても、それに倣う必要はないと思いますので、少し項立て整理をさせていただければと思います。

 その上で、いずれも今回追加された疫学研究については、プール解析ということですので、そこに収録の論文の個々の論文の記載と、この専門委員会としてどう評価するのかというところにつきましては、今日、直接資料3で文案が示されておりませんので、そこは事務局と私のほうで少し相談をさせていただいて、また、文献レビューを担当した委員の先生のご意見も伺った上で、評価の案を作成した上で、また、次回、もしくは、事前に各委員のご意見を伺えれば、その上で、次回、ご提案をさせていただくようなプロセスをとりたいと思いますが、いかがでしょうか。

(はい)

【新田委員長】 ご異議なければ、そのように進めさせていただきます。

 それでは、そのほかの文献の追加につきましても、ご意見をいただければと思いますが。

 じゃあ、先に上田委員、どうぞ。

【上田委員】 今回、疫学のレビューに加わって、今回、報告されているものの中には、私が文献のレビューしたものは含まれておらず、恐らく、それはレビューをしたものは、大体、水からの経口曝露のもの、あとは、労働環境における曝露評価ができていないというようなこと理由だったと思うんですけれども、その中でも特定のものでいうと、幾つかその関連が認められた、腎臓がんのリスクが増加したという2017年のPurdueの論文等もありますけれども、そういった定性的な評価については、もう今回は載せないという理解でよろしいでしょうか。

【嶋田主査】 その辺りも含めてご審議いただけるとありがたいです。定性評価も今回はそのもともとが腎臓がんということで、この議論というのは始まっているところもございますので、ご意見がいただけば、そのような形で情報補強するということは、もちろん、あり得るというふうに考えてございます。

【新田委員長】 今の事務局の説明のとおりだと思うんですけれども、一方で定性的な評価については、IARCが一定の議論をして結論をもう出しているということで、この専門委員会の議論として、全体の議論のリソースをあまり定性評価の発がんに費やすというのは、適当ではないかなというふうには思っておりますが、もちろん、グループ1以上のランクは今のところ存在しませんので、特に腎臓がんについてはグループ1になっていて、その他のがんについても、IARCの見解以上に発がん性の強固なものでということになれば、今日の後の議論にありますように、重大性、知見のですね、そこをどう評価するかというところに関わってくると思いますので、定性的であっても重要なものについては、この資料3のところに入れ込んでいくというところが基本になるかなというふうに思われます。よろしいでしょうか。

【上田委員】 はい。資料3を拝見しますと、その定性的な評価に関しての論文も記載がありますので、そこに少し加えてもいいのではないかと思いました。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 上島委員、どうぞ。

【上島委員】 追加的なその文献レビューを今全体的にどうするかという話の中でのことなのですけれども、ちょうどこの内山委員が、動物実験についても少し文献レビューの仕方について意見をおっしゃっています。

 それで、どこまでこれを本当にやるのかということを、多分、おっしゃっているのかなと思うのですけども、私は、この主要なものというのを、どういうふうに主要だというふうに理解するかということが一つあると思います。先ほど武林委員もちょっとおっしゃったのですが、新しく重点的に取り上げているものを、やっぱりそこはきちんとしっかり読み込む必要があるかなと。

 特に、今回、この発がん性に関する見直しから出発をして、そして、実際にその環境基準をどのレベルにするかという話ですので、そういうことからいうと、基本的に動物実験での定量評価に至るような大事な論文というのは、どちらかというと、最近ある仕事よりも、むしろ、これは以前、古い80年代ぐらいまでに行われているような実験の情報が、基本的には大部分かなというふうに私は理解しています。

 ですから、そこのところで定量評価に資するということでいうと、やはりある程度エンドポイントを、新しく今、注目しているところに絞りながらやっていけば、必要なものはカバーできるかなというふうに、私はこの内山先生がおっしゃった、主要なというのをどう理解するかということでちょっと考えました。

【新田委員長】 ありがとうございます。動物実験の結果のレビュー、再評価に当たっての追加的なレビューの仕方について、ただいまの上島委員からのご意見をいただきました。内山委員からのコメントに対応してということで、主要なものをレビューしてということにつきましては、多分、基本的なところは、各委員の先生方、ご異論ないのかなと思っておりますけれども、一方で、主要なものを、今、上島委員からのご意見ありましたように、どのように考えていくかというところで……

 青木委員、どうぞ。

【青木委員】 一応見させていただいた観点から、トリクロロエチレンは歴史が長い物質ですので、さまざまな実験が行われています。最近は特に、この先ほど、前回の設定以降のものは、実は有害性のメカニズム解析とか、そういう研究が多いんです。それはそれで非常に重要なんですが、ただ、ここはやはりリスク評価を行うという観点から、本当にそれが有害性につながる情報が得られているものかどうかというところが重要かなというふうに考えました。

 そういう観点から見てみすと、意外とやはり古い実験というのは、重要なことはもう紛れもないことでございまして、最近を特に見てみますと、やはり結構、情報は限られているのかなというのが正直なところです。

 ちょっと発言させていただいたところでございますので若干加えますと、この資料の4-2の実験に関するものが3ページ、4ページにございますが、まず、免疫毒性、これは最近、トリクロロエチレン、注目されておりますが、やはり、定量的に影響が見えているかというところが重要になりますので、そのときにやはり、このちょっと専門用語というか、略語で恐縮なんですが、SRBCアッセイというのが抗体産生の指標として古くから用いられているもので、古くといっても、比較的安定して以前から用いられているものでございますので、それをきちんとやって、しかも陽性対照をとっているということから、やはり実験も、これは吸入曝露でございますので、これは情報としてとるべきものなのかなということで、こういうサマリーを載せさせていただきました。

 次に、その下の急性影響、実は急性影響といっても、これは行動影響に対する影響でして、これを系統的に、この論文の趣旨はトリクロロエチレンだけを見ているものではないのですけれども、神経影響がある物質の中で、系統的に見ている実験というのは意外と少ないということに気がつきまして、やはり、そこは急性影響だろうと載せるべきであろうということで、サマリーをつけさせていただきました。

 それで、次のページへ行って4ページ、これは遺伝子障害性でございます。

 in vitro試験については、これは歴史ある物質のですので、まあ、ほぼやり尽くしている、意外と新しい情報はないです。むしろ、試験は行われていないです。

 ただ、そういう中で、実はこのイーストを用いた試験法というのは比較的新しい試験法で、それで陽性の結果が得られたということは、やはり一応書いておくべきなのかなと。しかも、このトリクロロエチレンの遺伝子障害性のメカニズムにまで踏み込んいる論文ですので、それは引用すべきなのかなというふうに思いました。

 それから、この付表としている下側の、吸入曝露による遺伝子障害性試験の結果としてありますトリクロロエチレンの小核試験、以前、これはもう少し低濃度で、4回曝露した場合は小核が見られたという報告があるのですが、これは単回といっても6時間の単回吸入曝露で、比較的高濃度で5,000ppm曝露しても有意な増加が見られなかったということであります。これはやはりin vivo試験で、しかも割かしきちんと周りも押さえている、例えば、そういう不勉強な私も知らなかったんですが、低体温ですと小核が出にくくなるというようなことがどうもあるようなので、これはこういうこともあるんだなというので勉強になったんですが、それはきちんと押さえているという意味で、これは採用して議論していただくのがいいかなと思った、そういう次第でございます。

 ですから、観点は、やはりこのリスク評価にとって重要な情報かどうかということで、少し選ばせていただいた、そういう次第でございます。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 武林委員、関連の質問ですか。

【武林委員】 すみません、ちょっと動物実験について、この読み方がよくわからなくて教えていただきたいんですが、この行動に関する急性影響と書いてあるところがあると思うんですが、ここにある情報というのは、このもとの資料3で言いますと、今は31ページにある急性毒性のところに加えるべき情報なのかどうかということだと思うんですが、この31ページを読みますと、一番下の37行のところから、実験動物では、急性曝露の主な影響はということで、興奮状態とその後の抑制、昏睡というふうに書いてありますが、このデータを読むのに、例えば正向反射試験とかブリッジ試験、これED50と書いてあるということは、これは、より行動が積極的になるというか、そういう意味というふうに理解していいものなんでしょうか。それが1点です。

 もう一つ、一番下のMULTオペラント試験というだけLOELというふうに書いてあると思うんですが、LOELは普通は反復の投与に使う言葉かなと思ったものですから、これはその複数投与して、結果としてLOELのNOELが出るようなものだから、ここに記載してあるのかということ、これを含めるかどうかの議論も含めて、ちょっと、これをどう理解したらいいかということを教えていただきたいということで質問させていただきました。

【青木委員】 一応、行動の専門じゃないところを括弧つきで恐縮なんですが、ED50に対しては今のご指摘のとおりだと思います。

 それから、LOELに関しては、ちょっとこれ確認させてください。すみません、確かにそうですね、LOELという言葉は、言葉としては、これは単回投与でこういう言葉は確かに使っていないということはあるんですが、そこはちょっと確認させてください。そのとおりか確認が必要な内容だと思います。

【新田委員長】 ただいまのこの動物実験に関する追加の文献が二つ、それから、遺伝子障害性に関する二つ、いずれもレビューを担当された青木委員のご意見は、資料3に何らかの形で追記すべきというご意見でありましたが、ほかの委員の先生方はいかがでしょうか。

 先ほどの疫学の文献等同様ですけれども、追記ということでご了解いただければ、その方向で整理して、その各文献の評価については、レビューを担当された委員の先生のご意見も踏まえて、事務局と私、委員長のところで文案をつくった上で、各員のご意見を踏まえて、第3回にお示しするという方向にさせていただければと思いますが。

 武林委員、どうぞ。

【武林委員】 動物に関しては、もう一つご検討をいただきたいのは、今のご質問をさせていただいたものは腹腔内投与ということで、今回、大気に関する環境基準の議論をしている中で、この情報が本当に必要な情報なのかということも含めて、ぜひご担当をいただいた先生方と先生の間でご検討をいただければというふうに思います。

【新田委員長】 ありがとうございます。基本方針もちょっと明確になってなかった部分もありますけれども、今回、大気の環境基準ということで、基本的には疫学文献も大気、それから、労働環境を含めて、吸入の経路の曝露の影響、それから、動物実験についても、吸入を中心に整理していたと。このほかにも多分、経口の曝露の実験はたくさんあると思われますけども、それについては、ここの資料3にはほとんど含まれてない状況だったかと思われます。

 今、武林委員のご意見、非常にここの整理の上で重要な点でありますので、少し他の委員のご意見も伺えればと思いますが。

 どうぞ、上島委員。

【上島委員】 すみません、今、ちょっと私、若干混乱をしているのですけども、この動物実験の記載は、単位がこれは何かmg/kg/dというようなものもちょっとまじっているので、このppmというのは、これは気中濃度、あるいは、飲水中の濃度、飼料中の濃度とかいろいろあると思うので、ここを今、座長が言われたような点、すごく、私、大事だと思いますから、ちょっとその共通の理解が誤解のないようには表記を、もう一度、全体で確認をしていただけるといいかなというふうに思うところでございます。どういうものを載せるかということに関してですね。

【新田委員長】 ちょっと確認ですけれども、このちょっとレビューされた青木委員にお願いしたいんですが、動物実験の最初の免疫毒性の論文は吸入させると書いてあるので、吸入という意味ですよね、明確に。

【青木委員】 吸入です。

【新田委員長】 それから、次の急性影響に関する行動試験は、腹腔内投与ということでよろしいですかね。

【青木委員】 ちょっと、そこはご指摘の今の点、ちょっと私もうっかりしていたんですけど、当然、この用量というのは投与の仕方によって記述が変わりますので、ちょっと、そこは確かに注釈が必要だったかもしれないです。ちょっと、その投与経路がわかるような形で、はっきり書いたほうがよろしかったかもしれないです。

 ちょっと、物質の性質という観点から、どうも、私、見てしまうところがありますので、そこはちょっとご容赦いただきたいところでございます。

【新田委員長】 それで、現在の資料の3の急性毒性に書かれている知見については、基本、吸入ということでよろしかったでしょうか。ちょっと事務局への確認なんですが。

【嶋田主査】 はい、基本的には吸入の実験データを書いてございます。

【新田委員長】 そうしますと、武林委員からのご意見にありますように、この資料3の有害性についての本委員会の見解としての文書に、曝露として吸入以外のものも含めて、先ほどちょっと参考情報という言葉は少し慎重に使わなくちゃいけませんが、として載せるのか、吸入にもう限定して記載していくのかというところでのご意見いただければと思いますが。

 どうぞ、青木委員。

【青木委員】 一応、ちょっとリファレンス入れた者としての責任があるので、一応、考え方だけ申し上げますと、基本的に吸入曝露が優先だと思います。ただし、経口なり、腹腔曝露であったとしても、その物質の物性を非常にクリアに示すものに関しては、あえて排除することなく入れたほうがいいかなと思います。

 でないと、ちょっと、逆に私は遺伝子障害性のほうを見ているから、そういう感覚になってしまうんですけど、あまり吸入にこだわってしまうと、情報がとれないという経験がありますので、また、そこはちょっと私なりのもしかしたら専門バイアスかもしれませんが、その点はそういう観点からでございます。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 上島委員、どうぞ。

【上島委員】 今のご意見に、私、全く賛成でございまして、リスク評価なので、ですから、そういう点でこの物質の毒性の評価をする上で、吸入にしても経口にしても、その血中に入ったときに、その門脈系を最初に通るか通らないかという違いはありますけれど、この物質の場合においては、そこの部分は投与経路に関わらず、きちんとやはり評価をすべきと思いますので。

 ですから、私、ちょっとさっき質問したのは、新しく今回追加された文献を入れないほうがいいという意見では全然なくて、29ページの表3のところに書いてあるものが、ちょっとこの経口なのか、吸入なのかというところが、表現がちょっとわかりにくかったものですから、どちらかというと、その事務局に対して表記の読む側が誤解のないような整理をもう一度確認していただければと、そういう趣旨でございました。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 大気経由なので、原則は吸入を、今ご意見あったように重視ということで、ここはご異論ないのかなと思っておりますが、本日の参考資料の4のいわゆる指針値のガイドラインでも、その点、少し書き込まれておりますのでご紹介いたしますが、本日の資料の参考資料4、いわゆる、ガイドラインの13ページに、大気経由曝露情報の利用ということで、これは指針値そのものの算出においてというちょっと限定つきですけども、原則、大気経由の曝露のみを取り扱う。

 なお書きがありまして、他の経路による曝露、(経口、経皮)の影響が極めて重要と考えられる場合には、その他の経路からの曝露量を考慮に入れたというような記載、完全には排除していないというふうに読めるかと思いますが、ちょっと、ガイドラインの他パートで関連する記載、ちょっと私も十分精査した上で、今は先ほど武林委員からのご指摘の点、繰り返しですけども、吸入曝露重視ということについてはご異論ないと思いますので、他の経路の曝露をどういう扱いにするかというところを、少し事務局とも相談して、また、関連の委員の先生にもちょっとご意見を伺った上で、整理をさせていただければと思います。

 今、ご指摘のあった29ページの表3は、明らかに飲水投与となっておりますので、吸入以外のものについても、一部、既に資料3には含まれているという状況になります。

 それでは、この追加文献についての議論、ほかに何か。

 どうぞ、鈴木委員、どうぞ。

【鈴木委員】 具体ではなくて、資料4-1に書いてある②に書いてあるところに対して、確認というか、質問です。

 この量‐反応関係の検討に直接寄与しない文献等を除外しと書いてあるんですけども、今の議論を聞いて、この除外された文献の中に、量‐反応関係と関係しないけど、何か評価に値するその重要なものというのはなかったんでしょうかと、どういうふうにこれは除外されたんでしょうかという質問なんですが。

【嶋田主査】 前回ご意見いただいていたものは、比較的、かなりその量‐反応関係も漠然としているという話、それから、曝露情報もちょっとはっきりしていないものも多いですよねということのお話もありましたので、比較的そこにフォーカスしてぎゅっと絞ってしまったというところはございます。

 論文でないものも含まれていたりするので、それを除外したりというのも、この除外した中にそれは含まれておるところなんですが、本日のご議論を踏まえまして、ちょっと、その捨ててしまったものの中に、本日ご議論いただいたもの、ご意見、ご議論の内容に資するものがないかどうかというのを念のため確認をして、必要とあらば少し事務局のほうでも検討いたしたいというふうに考えてございます。

【新田委員長】 ありがとうございます。先ほど、上田委員が担当された文献についても、定性的なもので重要だという判断されるものについては、今の鈴木委員のご意見も踏まえて、もう一度見直して、重大な影響に関する観点で、この専門委員会の議論に資するものについては、再度、再整理をさせていただければというふうに思います。

 それでは、この追加文献については、さまざまなご意見いただきましたけれども、基本は重要なものを追加の方向ということで、その点の追加する際の評価につきましては、事務局、それから、私のところで少し整理をした上で、各委員にご相談をさせていただいた上で、文案をつくって、次回、ご報告をさせていただければというふうに思います。

 それでは、本議題につきまして特段追加でご意見なければ、次の議題に移らせていただきます。

 議題3といたしまして、トリクロロエチレンの曝露評価についてでございます。事務局から説明をお願いいたします。

【前田課長補佐】 トリクロロエチレンの曝露評価についてでございます。資料5をご覧ください。

 まず、用途及び使用実態についてでございます。

 トリクロロエチレンの生産量の推移について図1のほうに示しております。工業用洗剤などの多様な用途の使用に伴いまして、生産量が大きく増加しているというところでございます。1971年には12万トンにまで達しましたけれども、徐々に減少に転じまして、その後、生産量の増減は繰り返してきてはおりますけれども、全体的には生産量は減少傾向にありまして、2011年以降につきましては、化学工業統計では生産量の記載もなくなっているということでございます。

 下の段に行きます。

 一方で、2012年以降、トリクロロエチレンは化審法の第二種特定化学物質に指定されておるところから、製造・輸入量等の届け出が義務づけされて公表されております。 2ページ目の表1をご覧ください。

 2012年以降、トリクロロエチレンの製造・輸入量は減少傾向は続いておるところでございます。

 なお、トリクロロエチレンの用途でございますけれども、現状では主に工業用洗浄剤として利用されており、その他ゴム等の反応溶剤や化学品の原料等がございます。

 出荷の状況につきましては、表2のとおりでございます。出荷量は大きく減少しており、特に、その他用途向けの出荷量の減少が顕著であるということでございます。

 次に、排出状況でございます。

 3行目でございます。土壌・地下水中にテトラクロロエチレンの微生物分解を起源とするものが含まれているというふうに思われておりますが、その割合はわずかでございまして、環境中のトリクロロエチレンのほとんどは、人間活動に伴う排出を起源としていると考えられております。

 3ページ目に参ります。

 また、土壌間隙ガスの移動によって地下から大気中に侵入する可能性もありますけれども、その量は大きくなく、大気中に存在するトリクロロエチレンのほとんどは、人間活動に伴う直接的な大気への放出を起源としているというふうに考えられます。

 人為的なトリクロロエチレンの大気の放出について、PRTR制度の下で結果が公表されております。

 表3には、PRTRの届出排出量、移動量、届出外排出量の推移を、表4には、環境媒体別の届出排出量の推移が示されております。

 表3をご覧ください。届出排出量は徐々に減少しまして、2015年は2001年に比べますと半分以下、届出移動量については当初増加傾向にありましたけれども、2006年以降は減少しておるというところでございます。

 表4の媒体別の届出排出量の推移を見ますと、そのほとんどは大気への排出となっております。

 4ページ目に参ります。

 上から3段落目、3パラ目でございます。一方でというところで、(VOC)対策の排出インベントリの算定というのをしておるところなんですが、その算出に当たって、大気への排出量が集計されております。表5にその結果を載せております。

 2014年の排出量が約8,000トンということで、PRTRの大気の届出量と届出外排出量の合計の2倍を超えるトリクロロエチレンが大気に排出されていたということが推計されております。

 また、PRTRによるトリクロロエチレンの大気への排出量を業種別に見ます。表6のほうをご覧ください。5ページ目、表6でございます。

 2015年度には、上からですけれども、金属製品製造業、輸送用機械器具製造業、電気機械器具製造業、一般機械器具製造業、窯業・土石製品製造業の5業種で年間100トン以上のトリクロロエチレンを大気へ排出しておりまして、これらの業種で全体の約8割を占めておるというところでございます。

 自然界でトリクロロエチレンが生成するという報告はなく、我が国で大気中のトリクロロエチレンにつきましては、主に金属製品等の製造における脱脂洗浄剤として使用されている過程での放出に起因しているということが推測されたところです。

 次に、環境中の運命でございます。

 対流圏大気中では主にOHラジカルによって分解されております。OHラジカルとの反応による半減期は3から7日でございます。 

 2段落目に参ります。

 水環境中では分解されにくいというふうに考えられております。

 その2行下。

 環境水中に排出された場合は、主に大気への揮散により除去されると推定をされております。ただし、環境水中に原液のまま多量に排出された場合は、底質に沈殿すると考えられております。

 下から3行目でございます。

 土壌中に原液が排出された場合は、地下深く浸透して帯水層付近に滞留するということが言われています。

 6ページ目に参ります。

 大気のモニタリング状況でございます。

 1997年度以降、有害大気汚染物質モニタリング調査として地方公共団体により常時監視が行われるようになりました。その結果を表7のほうに示しております。年平均濃度は1997年から2000年にかけて大きく低下し、その後、2009年にかけてわずかに低下、その後は横ばいで推移というふうな形でございます。最大値は2002年度までは50pg/m3を超える高濃度の地点もありましたけれども、それ以降は概ね20pg/m3以下にとどまっております。

 7ページ目をご覧ください。

 図2のほうに年間平均値の推移グラフを示しております。このグラフには、過去10年間の継続モニタリング地点の年平均値の推移も重ねております。双方の濃度の推移については、同様な傾向が見られるところでございます。

 常時監視の地点属性についてでございますが、特定の発生源の影響を受けない「一般環境」、測定対象物質を扱っている事業場の影響を把握するための「固定発生源周辺」、自動車等の移動発生源の影響を把握するための「沿道」の3種類に分類されております。

 平成27年度の調査結果を見ますと、次のページの表8のほうをご覧ください。

 「固定発生源周辺」のトリクロロエチレンの最大値は11pg/m3となるなど、「一般環境」や「沿道」に比べますと、「固定発生源周辺」の平均濃度、最大値ともに高いということでございます。

 図3の頻度分布のほうを見ましても、固定発生源周辺で年平均濃度が高い、調査地点の比率が高いという傾向が見られます。したがいまして、トリクロロエチレンの大気濃度につきましては、固定発生源の影響を受けている可能性が高いというふうに考えられます。

 このためですね、固定発生源周辺において、より詳細な実態把握を行うということで、PRTRによる届出情報等を参考に、複数の地域で調査を行っております。その結果を別紙に示しております。本資料の一番後ろ、2枚資料を別紙でつけております。そちらをご覧ください。

 固定発生源(群小発生源)周辺におけるトリクロロエチレンのモニタリング追加調査結果でございます。複数の地域で調査を実施しております。下の四角囲みのところに、地域ごとの調査時期と地点数を記載しております。①、②は新潟県燕市での調査、26年度と28年度の調査、③は新潟県の三条市、④、⑤は長野県の岡谷市と諏訪市、⑥は東京都大田区、⑦は大阪府の大阪市・寝屋川市・八尾市の調査となっております。調査時期、調査回数につきましては、各地域で異なっておりますので、ご注意ください。

 測定結果につきまして、2ページ目、3ページ目のところに示しております。

 2ページ目の表1をご覧ください。地域ごとに調査結果をまとめております。表の見方なんですけれども、①の燕市、平成26年度の結果を例に説明しますと、地点が35地点、調査していると。地点ごとにそれぞれ3回の測定を行っております。それを平均し、各地点における平均値というふうにします。35個ある平均値の中で最小と最大を、右の欄のほうに記載しております。最小が0.80、最大が170μg/m3であったということになります。各地点の平均値を、さらに平均したものを表の真ん中の欄に示しております。ここでは38μg/m3ということになります。調査結果を見てみますと、燕市内の各地点からの濃度が相対的に高いというふうな結果になっております。図1から7につきましては、各地域の濃度範囲ごとの地点数を示した分布図になってございます。

 なお、今回、調査した結果につきましては、環境基準の達成評価に必要とされる頻度では測定をしておりませんので、環境基準と単純に比較評価はできないことを申し添えます。

 それでは、最後に曝露評価でございます。資料の8ページ目をご覧ください。大気中のトリクロロエチレンですけれども、雨などによって表流水に移行するということで、飲料水や食品の摂取を通じて曝露される可能性はあるんですけれども、ほとんどは呼吸を通じて曝露されるというふうに考えられます。2015年度の有害大気汚染モニタリング調査結果に基づいて、大気から呼吸を通じて曝露されるトリクロロエチレンの量というのを計算してみますと、一般環境の平均値に対して0.13μg/kg/d、発生源周辺や沿道を含めた最大値に対しては3.3μg/kg/dというふうに算出されます。

 室内空気の濃度について、次のページに示しております。9ページ目でございます。厚生労働省による、夏期に実施された全国実態調査において、最大値で1.7-2.7μg/m3でございました。室内で積極的にトリクロロエチレンを放散する要因というのは見当たらないということで、大気由来からが多いというふうに考えられております。この最大値の値につきましては、WHOのガイドライン値を十分に下回るものでございました。

 3行下に参ります。上から7行目のところです。トリクロロエチレンは、飲料水や食品の摂取を通じて曝露されるおそれがあるということでございます。

 4行下のところでございます。水道水の供給のところです。水道水の供給におきましては、基準の10μg/Lが順守されれば、1μg/kg/dを超える量で曝露されることはないと考えられます。

 真ん中辺りですね、上から、3段落目でございます。地下水についてでございます。2016年度の調査で、環境基準の0.01mg/Lを超えて検出されているところがあり、最高濃度は39mg/Lで、かなり高濃度で検出されておりますけれども、環境基準を超える地下水は飲用指導がなされるということで、0.001mg/kg/dを超える濃度で曝露されることはないと考えられます。

 最後に食品からの曝露でございます。米国での報告もありますけれども、日本において陰膳調査というのを実施しており、一部の試料からはトリクロロエチレンが検出されております。ただ、大気や室内空気と比較しますと、曝露量はわずかであると算定しておりますので、食品を通じて曝露される量は大きくないと考えられます。

 以上でございます。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 それでは、トリクロロエチレンの曝露評価につきまして、ご質問・ご意見がございましたらお願いをいたします。ご質問のある委員の先生、名札を立てていただければと思います。いかがでしょうか。

 ちょっと私のほうから確認、一つ、先ほど、別紙のほうで固定発生源(群小発生源)周辺のモニタリングの結果というところで、その2ページの表の1の下に、環境基準の達成評価に必要とされる頻度で測定していないため、直接比較できないというご説明でしたけれども、これは、その前の資料の5の、例えば表の7とか、図の2は、その直接比較できるような形の測定になっていると。これは、その後に書いてあるように月1回以上の頻度で1年間測定していれば評価可能という、その8ページの表の8の下のただし書きがあるんですけど、そういう理解でよろしいですかね、毎月はかっていれば。

 あ、どうぞ、事務局。

【田村課長補佐】 大気環境課で担当していますので説明させていただきます。

 委員長のおっしゃるとおり、有害大気汚染物質の常時監視につきましては、各月に測定をしまして、その12回の年平均値ということで、季節変動であったり、曜日変動であったり、そういう変動を平準化、年間の平均値をもって環境基準と比較するということを、過去の答申でいただいています。そういう形で、年平均値がとれたものについて、表7とか、図2の数値に整理をして、出させていただいています。

【新田委員長】 すみません、追加で、ちょっとしつこいようですけれども、この月1回以上の頻度の、その月1回については、何か24時間とか、何時間以上とかという、そういう標準的なはかり方はあるんですか。

【田村課長補佐】 モニタリングについても、その決まりがございまして、トリクロロエチレンについては、24時間のサンプリングをして、それを分析することになっております。

【新田委員長】 そうしますと、その別紙のほうの測定も、連続3日間というのは、もう本当に72時間はかっているというような理解でよろしい、というか、吸引してはかっているということでよろしいですかね。

【田村課長補佐】 はい、燕のところについてのご質問かと思いますが、3日分ということですので、24時間を3回とって3検体にしたということです。24時間を1検体分という形で整理させてもらいましたので、3日連続ということで、1日目、2日目、3日目という形で、24時間分を3検体ということでございます。

【新田委員長】 わかりました。そうしますと、1回24時間というところは、その常時監視のところと、もう変わらないというやり方ということですね。

【田村課長補佐】 はい。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 片谷委員、どうぞ。

【片谷委員】 今の燕とかの話なんですけれども、これは、当然、発生源に非常に近いところでもはかっていますので、かなり高い値が出るように測定をしたという、要するに、かなり、その上限値を押さえたいというような意図もあって測定されたものというふうに私は理解していまして、これが、そこらじゅうどこででも出る値ではないというふうに、この最大値に関してはですね、それは、やはりそのように解釈する必要があるだろうと思っています。

 一方で、ただ、発生源の近くに行けば、このぐらいの値は出現し得るということを示すデータでもありますので、これだけを取り上げるというのはあまり賛成しませんが、やはり参考情報としては重要な意味は持っているというふうに思っておりまして、これも、やはり考慮に入れて、確かに年平均値をここから出すというのは事実にできないわけですけれども、やはり、何らかの形では、考慮は必要な数字であるというふうに私は解釈をしております。

【新田委員長】 ありがとうございます。

【鈴木委員】 はい、今の燕市のデータですが、まず一つ、確認的質問みたいなものですが、まず、燕市28年度は、9月から2月まで、各月1回ということは、これが環境基準の達成評価に使用される頻度ではないというのは、これが12回でなくて6回であるということですかね、わかりました。でも、6回はやっているんですね。

【田村課長補佐】 6回はやっております。

【鈴木委員】 6回ですね、わかりました。

 で、片谷先生も言われたように、これはある種、多少特殊な状況なのかなと想像はいたしますが、それでも、6回はかってこれだけ出るので、全く気にならないわけでもないと思います。それから、こういうのを見るときに、私は時々やるんですが、完全な測定じゃないので、本当の最大値を見て回るには、あまり意味はないかもしれませんが、28年度の燕は、その下の60~80とか、80~100とか、かなりの点がありますので、一定の濃度が、やっぱりある地域で存在している可能性はあるということは間違いなく意味していると考えたほうがいいんじゃないかなと思いますので、これは曝露評価として、今日、結論を得るわけじゃないんだろうと想像はしておりますが、恐らく、この曝露評価はどのぐらい、リスク評価において重要になるかにかかってくるかと思うんですけれども、それによっては、もう少し詳細に検討する必要があるかもしれませんし、もしかしたらそうでもないかもしれませんが、ちょっと、それによって、全く参照すべきでない数字であるというほどいいかげんな測定でもないと思いますので、少しハザード側の評価の様子を見て、最終的にどのように、この高いのをどう、今後扱っていくかということを考えるべきかなと思います。

【新田委員長】 長谷川委員、どうぞ。

【長谷川委員】 今のお二人の委員のお話のところなんですけれども、事務局案、ご説明があったような環境基準の比較には満たないデータではありますけれども、もう一つ考える上では、やはり地点、かなり数をとっていますけれども、その地点が固定発生源に対してどのように配置されていたかということも、ある程度、全方位で置かれていたのか、あるいは風下にある程度限ってというか、風下が多い地点配置であったのかといったような点。で、当然、そこには主風向ですね、この測定するときの主風向、特にこの、例えば①、燕の26年度に関しては、2月に3日間連続ということになりますので、ある程度、風向に関しては、ある程度偏ってくるだろうと。で、そこに風下に配置してあるんであれば、かなり濃度が高い目に出やすい条件での測定であろうということが推測されますし、②に関しては9月から2月ということで、ある程度幅広くはとってありますが、秋から冬にかけてということで、これまた主風向もある程度、推測できてくるところがあります。そして、固定発生源からの距離ですね、それをどのくらいとっているかというところにも関係すると思いますので、その辺の情報も、もし必要であれば、その辺も踏まえて、ある程度この辺のデータがどの程度、参考にし得る、重要度としてどのくらいのレベルにあるかということは推定できるかなというふうに考えています。

 また、その固定発生源からの距離という点で、いわゆる住宅地といいますか、ヒトが行動する範囲、生活する範囲との位置関係がどうであるかということも一つ重要なのかなという気がしています。

 その意味では、少し話が変わるんですけれども、7ページの図の2のところで、経年変化のグラフが出ておりますけれども、全地点のグラフと継続モニタリング地点のグラフで、継続モニタリング地点、2015年度を基点として、過去10年間の継続モニタリング地点ということになろうかと思うんですけれども、やや高目になっているのは、ひょっとしたら、やはり、そういった固定発生源周辺か、あるいは、やや、そういった高くなりそうな一般環境なり、そういった地点は、以前から、やはり自治体でも重点的に地点として配置しているという可能性はあるのかなと。もちろんこれは、この継続モニタリング地点を一つ一つ当たってみなければ言えませんけれども、そういう可能性があるのかなというのが、このデータからちょっと考えられるので、その辺も必要であれば精査をする必要があるかなと思います。

 もう一つ言うと、この継続モニタリング地点が2006年度までのデータになっているんですけれども、本来であれば、その初めのところからの継続モニタリング地点のデータがどうであるかというところも見たいところなんですが、でも、そうなると、もっと、より濃度が高い側の地点、恐らく97年、98年ごろに始めた地点というのは、そういった地点から測定を始めているのが自治体の実情だと思うので、そういう意味では、ちょっと、ひょっとしたら逆にバイアスなのかもしれませんけれども、そういったデータも、ちょっと集計が大変かもしれませんが、見る必要があるのかもしれないというような気もいたします。

 で、固定発生源周辺が高くなるのは間違いなさそうなんですけれども、そのデータが、こういった長期曝露の観点で、先ほどの慢性影響を考える上で見ておく必要があるのかどうなのか、ちょっと私は専門外なのでわかりませんけれども、そういう必要があれば、そういったデータをきちんと整理する必要が、曝露評価としてはあるのかなというふうな気がいたします。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 長谷川委員からのご質問に、今、お答えいただくのは可能でしょうか。例えば、主風向とか、データがあるのかどうかということですが。

【田村課長補佐】 測定については、基本的に、発生源の周辺4方向、東西南北で基本的に測定をしておりまして、そのときの風向と風速の風配図などもデータとしてはありますので、解析は可能かと思います。

 あと、距離的なものについては、これらの地点は、群小発生源という形で、幾つもたくさんの発生源が近くにあるところですので、どの発生源の影響かというのは難しいかもしれませんが、100メートルぐらいであったりとか、近ければ数十メートルの地点もあります。全体的に、数キロは離れていない地点で、数百メートル以内のところで測定をさせてもらっています。また、煙突がある場合のシミュレーションなども、コンサルでやってもらったことがあり、100メートル、200メートルとか、そういったところで最大値が出る場合があった。一方、煙突がない場合であれば、近ければ近いほど高くなる傾向もあるというご意見もありまして、測定の距離については、その発生源もたくさんあるので、何メートルというのは、なかなか言いにくいところですが、おおむね数百メートル以内のところではかっているという形になります。

 それから、図2の継続モニタリング地点についてですが、12カ月分のうち、1カ月分でも欠測データがあれば、年平均値という取り扱いではなくて参考値扱いになります。そのため、1回でも、何らかの影響で欠測データがあった地点については、10年分の継続地点ではなくなってしまいます。そのように、10年間分の欠測データのない地点を全て拾い上げて整理しているということになっています。

 10年以上古いデータも含めて、整理できるかどうかは、もう一度全てのデータを再整理する必要がありますので、対応を考えさせていただきたいと思います。

【新田委員長】 それでは、ちょっと今のところは、次回まで、もう作業可能な範囲でご検討いただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 田邊委員、どうぞ。

【田邊委員】 高濃度の曝露を、どうこの中に盛り込むのかという、その考え方そのものをもう少し明確に示してほしいと思います。というのは、これ、例えば6カ月はかっていて、残りの6カ月が全部0だとしても、かなりの高濃度になっていますし、これだけ、その複数の発生源の真ん中ではかっていたり、数百メートル離れたところではかったというふうにおっしゃっていますので、そのエリアにヒトが住んでいた場合には、その方々は、この濃度に少なくとも曝露されている、あるいは、もっと高濃度に曝露されているということになりますので、どれくらいのヒトが高濃度に曝露される可能性があるのかによっては、本文のほうにやはりその旨書いたほうがいい話かもしれませんので、そこら辺を少し、もう少し整理して、どれくらいの濃度にどれぐらいのヒトが曝露されるという、そういう考え方で、一般環境と発生源周辺を同じようにというか、一緒に、考え方を分けて記述をしてほしいというふうに思います。

【新田委員長】 ありがとうございます。今、田邊委員からのご指摘、ちょっと直感的には、結構、作業は難しいかなという気もするんですが、そこも先ほど申し上げたように次回までに、もし可能であれば整理を、先ほどの、前段の長谷川委員からのご意見の対応よりは、今の田邊委員のところ、人口というところと掛け合わせるのは、解析上は難しいかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。ちょっと作業上、可能かどうかということですが。

【田村課長補佐】 昨年度のトリクロロエチレンの検討会でのデータとしては、人口までは検討していなかったので、作業的には難しいところがあるかと思います。田邊先生のおっしゃるような、高濃度曝露の範囲も、エリアについて、決め切れないことがあるかということもあって、作業的には難しいように思うのですが、どうにかできるところであれば、お知恵をいただきたいと思います。

【新田委員長】 田邊委員、どうぞ。

【田邊委員】 難しくて書けないというふうになってしまうと、その情報が消えてしまいますので、少なくとも考え方そのものを示せる程度の定性的な記述は欲しいと思います。ですから、こういうケースが非常にまれなのか、あるいは、それなりに結構ありそうなのかというようなことから、高濃度、少人数でも曝露を注意する必要があるんだったら、そういうふうな記述だけでも、せめてしていただければというふうに思います。

【新田委員長】 田邊委員のご指摘、非常に重要な点だと思いますので、次回までに、その測定地点と、今回は市のレベルの記載しかございませんけれども、測定地点と周辺の人口のデータを、ちょっと私のほうで確認をさせていただいた上で、本文中にどう記載するのかというところを、ちょっと事務局と相談をさせていただいて、今、田邊委員の趣旨に沿った形で記載、この資料の5に相当する文章に追記するという方向で、少し検討させていただければと思いますが、それでよろしいでしょうか。

 それでは、大久保委員、どうぞ。

【大久保委員】 今の部分の基本的な考え方ですけれども、今回の大きな特徴というのは、PRTRのデータを使っているということで、測定してはかった結果だけではなくて、PRTRで排出量が多くなっているところは高いのではないかということでも見ている。両方で、その地点の評価がなされているという点が重要なので、恐らくは、ここでは総排出量で見ていますけれども、地域ごとのPRTRのデータを見れば、この辺が、これだけ排出量が多くなっているということがわかるので、その両方をあわせて、どちらから見ても、こういう部分が原因になっていますねということを示しているというふうな理解をすべき点ではないかと思います。

 あと、非常に細かい点ですけれども、全然別の話ですが、9ページのところの3行目に、WHOの室内空気質ガイドラインというのが出てきて、十分下回っていると書いてあるのですけれども、WHOの値は幾つなのかという数値が入ってないので、親切にするためには入れておいたほうがいいかなというふうに、これは形式的な問題です。

【前田課長補佐】 記載をさせていただきます。

【新田委員長】 今の大久保委員の、そのPRTR関係は、7ページの記載、一番最後の段落に関するところだと思いますので、ただいまの議論のところも踏まえて、どこに書き込むかというところを参考にさせていただいた上で、ちょっと追加の記載、事務局と相談したいと思います。ありがとうございます。

 青木委員、どうぞ。

【青木委員】 やはり、この幾つかの地域でのモニタリングのデータって非常に重要だと思うんですけれども、ただ、やはり環境基準の達成評価に必要とされる頻度では測定しないためという、この文言は若干気になるところがあります。これは、ぜひ、まず事務局のほうでご確認いただきたいんですけど、これは、ある程度継続的に測定したけども、環境基準の必要とされる頻度に達成していなかったのか、それとも、もう単発の測定なのかということで、随分意味が変わってくると思うんですよね、この測定が。だから、そこはどうだったのかなという。

 つまり、たまたまその地点をはかったら、こういう濃度だったのか、それとも、ある程度継続的に、継続的にというのは、その年に12回、1カ月に一遍の測定はしていないけれども、継続的にそういう測定した結果として、こういう値が出ているのかによって、ちょっと評価がかなり変わってくると思うんですけれども、ちょっと発言した、そういうことで何かおっしゃったのか、聞き落としていたらごめんなさいなんですが。

【新田委員長】 どうぞ。

【田村課長補佐】 補足の説明ということで、別紙の1ページの四角囲みのところです。

【青木委員】 あ、そうか。

【田村課長補佐】 別紙の1ページ目の、調査地域ごとの時期と調査地点数というところです。まず、平成26年度に、燕市で3日間連続でとったところですが、この3回の結果について、3日間連続でのサンプリングですので、信頼性があるのか、ないのかというところがありました。ご意見のあったように主風向が偏っているのではないかとかいうこともあったので、そういったことも踏まえて、翌年度は測定しませんが、28年度に6カ月間、特に高いと思われるところを選定して、さらに詳細に追加調査をしたということです。その際は3日連続ではなくて、毎月、秋から冬にかけて6カ月間、ある程度、平均的な値がとれるように、12カ月分はとれなかったのですが、6回分をとったということです。

 あと、そのほかの地域、燕市以外ではどうだったのかということで、岡谷市や諏訪市でもPRTRの届け出が多いということでしたので、ここも1回だけのデータではわからないので、できるだけ平準化するようにということで、各月、3季に分けて、3回分を測定して、平均して、できるだけ平準化をとるような形を考えて測定しているということです。今年度に実施しているものについても、春夏秋冬ということで4季、4回分を測定して、平均できるような形で測定をしたいということでやっております。

【青木委員】 わかりました。やはり、こういう短いところで簡潔に書くのは難しいと思うんですが、やはり、今ちょっと申し上げたように、測定の期間とか方法に、方法というか、むしろサンプリングの頻度によって、やはり解釈が変わってくるものだと思うので、なかなか簡潔に書くのは難しい部分ではあると思うんですけれども、わかりやすいような形で、つまり、今後のそのリスク評価につながるような形、今後のリスク評価に役立つような形で書いていただけたらいいんじゃないかなと思います。

 それともう1点。

【新田委員長】 簡潔に。

【青木委員】 簡潔に、あ、失礼しました。

   あ、そうか、じゃあ、ちょっとモニタリングのところだけ、ちょっと続けて、じゃないので、また後で。

【新田委員長】 片谷委員、どうぞ。

【片谷委員】 では、簡潔に、おっしゃる意味で。

 まず、さっき長谷川委員がおっしゃった、そのこの測定地、別紙のところですけれども、生活圏との関係ということをおっしゃったんですけれども、私が見に行ったんですが、諏訪と岡谷には見に行ったんですが、かなり、もう民家の玄関先とか、それからオフィスビルの玄関前とか、そういうところもサンプリングポイントに入っていましたので、もう、まさに生活圏の中で測定されているデータというふうに見てよろしいかと思います。

 燕には行ってないので、ちょっと、でも、聞いている範囲では、かなり、住宅に近いところもかなりあるように聞いていますが、田村さん、これ、合っていますかね。

【田村課長補佐】 工業地域など、地域の都市計画上の図面を別にもらっていまして、地域によっては違うようで、工業地域の中にあるものもあれば、おっしゃるように住居に近いところ、もしくは周りが田んぼというところもあったようですので、それぞれ場所によって違うかと思います。

【片谷委員】 燕辺りですと、工場とその経営者の住宅がくっついているようなケースもありますので、かなりヒトが近いところにいるところのデータだというふうに見ていいかと思います。

 で、私が先ほど、この高い値の、全く無視はできないと申し上げたのは、ここのところ、経年的にどんどん下がってきているから、もう安心だというふうに言ってしまうには、やはりこういう高いところが結構あるので、重要だという意味で申し上げたということなので、その点だけちょっと補足をしておきます。

 それから、大久保委員がさっきおっしゃったPRTRのデータとの関連ですが、私は、もう、ここ数年はやってないんですけれども、過去、そのPRTRと、それから、この有害大気モニタリングデータを都道府県別に平均して比較をしていたことがあるんですが、それを見ると、トリクロロエチレンは非常によく合う、そのPRTRのデータの多いところは、ちゃんと濃度も高いという傾向がかなり鮮明にある物質だったということだけ、参考情報として申し上げておきます。

【新田委員長】 ありがとうございます。トリクロロエチレンの曝露評価につきましては、さまざまなご意見をいただきました。

 あ、どうぞ。長谷川委員、ちょっと、すみません。

【長谷川委員】 じゃあ簡潔に。ちょうど今、片谷委員のおっしゃった最後の点の関連なんですけれども、4頁の中盤に、VOC排出インベントリでは、PRTRの合計よりも2倍ぐらいの量があるというところなんですけれども、これは、そうすると、そのPRTRの対象になってないところからの排出が結構あるという理解になって、そうすると、先ほど、PRTRで高いところで、ちょっと、まず濃度を抑えたということはあるんですけれども、ひょっとしたらそうじゃないところも高いところがあるかもしれないという理解になるのでしょうか。だとすれば、曝露評価では、その点をやはり留意して考える必要があるのかどうか、ちょっとわからないんですが、その点が気になったので、ちょっとお尋ねしたいんですけれども。

【新田委員長】 その辺りは、ちょっと、多分、モニタリングの結果と、全体を総合的に見ていかないと、それぞれPRTR、それから排出量、精度の問題、その大気濃度をどう反映するかという問題があると思いますので、曝露側からいくと、やはりモニタリングのほうが、私自身は一番、モニタリングのポイントの空間的な、その密度にもよりますけれども、それとPRTRの情報との兼ね合いかなというふうに思います。ちょっと、そこは大気環境課とも情報をいただいて、整理をさせていただければと思います。

 あ、局長、どうぞ。

【早水局長】 今の排出量の件は、VOCの排出量と、それからPRTRの排出量と、算出方法が違う点もありますので、ちょっとその辺、確認して、また、次回までに確認したいと思います。

【新田委員長】 それでは、ちょっとさまざま、また追加ご意見はあるかもしれませんが、ちょっと時間が押しておりますので、曝露評価につきましては、今日、ただいまいただいた意見を少し事務局、大気環境課のほうも含めて、ちょっと整理をさせていただいて、次回の資料にできるだけ反映できるように、私のところと事務局で相談をしたいと思いますので、そこをご了解いただければと思います。

 それでは、続きまして、議題の4、かなり重要な議題が残っております。残り時間45分ほどございますので、議題4といたしまして、トリクロロエチレンの大気環境基準の再評価について、この資料6-1と6-2に基づいて、事務局から説明をお願いいたします。

【前田課長補佐】 それでは、トリクロロエチレンの再評価についてということで、まず、資料6-1をご覧ください。トリクロロエチレンの有害性についてのまとめの案でございます。

 前回の第1回専門委員会で作業部会報告のまとめの部分を次回に議論するとしておったところでございます。本資料は、そのまとめの部分をベースに、第1回専門委員会における指摘事項及び追加文献レビューの結果を踏まえて、健康影響の項目ごとに記載したというものになります。それぞれの項目につきましては、比較しやすいように、第三次答申における記載内容を入れております。

 発がん性及び遺伝子障害性についてでございます。発がん性に関しましては、疫学研究が、近年、複数の疫学研究が公表されているところで、平成26年には、IARCが発がん分類を2Aから1に見直しておるところでございます。

 (1)でございます。発がん性に関する疫学研究について説明いたします。第三次答申におきましては、ヒトに対するトリクロロエチレンの発がん性に関する疫学的証拠は、必ずしも十分とは言えないと考えられておりました。まとめの部分をご覧ください。今回、疫学知見等を精査した結果、腎臓がんについては、リスクの増加が認められるというふうに判断いたします。しかしながら、累積曝露量が推定されている論文におきまして、高曝露群でのみ腎臓がんのリスクの有意な増加が認められているということで、累積曝露量に依存したリスクの増加傾向は見られなかったということでございます。このほか、非ホジキンリンパ腫、肝臓がんについては、総合的に考えると明確なリスクの増加は認められないというふうに考えられます。

 2ページ目でございます。発がん性に関する動物実験についてです。第三次答申におきましては、B6C3F1マウスに肝がんの発生を促すことについては、証拠は十分と思われております。実験では、種差が存在するということが明らかにはなっておりました。今回のまとめのところでございますが、ラット、マウスでさまざまな腫瘍の発生が認められております。腎臓、肝臓、肺の腫瘍につきましては、ラット、マウスのトリクロロエチレンに対する感受性、代謝酵素の活性や組織の違い等による種間差が示唆されております。

 (3)遺伝子障害性の有無、発がん性の閾値の有無でございます。第三次答申におきましては、遺伝子障害性、変異原性はないとみなして問題ないと考えられておりました。

 次のページでございますけれども、その発がん性については閾値があるとして取り扱うことが妥当と考えられておりました。今回、in vitroin vivo試験の結果から、トリクロロエチレンにつきましては、遺伝子障害性を有すると判断するものでございます。しかしながら、変異原性については、体内で変異原性を有するかは不確実と考えられていまして、発がん性の閾値の有無につきましては判断ができないとするものでございます。

 米印に記載がございますけれども、今回の再評価におきまして用いる遺伝子障害性というものにつきましては、WHO/IPCSによる定義で、広義の毒性を指しております。また、変異原性につきましても、どういった定義であるかということは米印のほうに書かせていただいております。

 次に、発がん性に関する定量評価でございます。発がん性の定量評価に関しましては、第三次答申におきましては、量‐反応アセスメントに耐え得る報告がほとんど存在せず、仮に発がん性が問題になるとしても、極めて高濃度曝露の場合と考えられるということでございました。今回の知見では、リスク増加に濃度依存性が明確に認められなかったこと、閾値の有無が判断できないことを考え合わせますと、量‐反応関係の推定をすることは困難であると考えられ、定量評価を行うには適切ではないというふうに考えられます。

 なお、3ページ目の最後の行から4ページ目にかけて網かけをしております。この網かけの部分なんですけれども、発がん性についての考察でございまして、その最後の部分に、重大な影響として考慮に含めることが適当というふうに書かれているのは、これは作業部会報告での内容でございますけれども、専門委員会におきまして、この内容について、その腎臓がんのリスクの増加を、重大な影響として考慮に含めるかどうかをお考えいただきまして、後ほど説明いたします論点の中で、この部分も含めてご議論いただきたいというふうに考えております。

 では、2、発がん性以外の有害性についてでございます。発がん性以外の有害性につきましては、第三次答申において根拠とされた知見及びそれ以降に公表されました疫学知見のうち、曝露レベルや気中濃度の情報が得られているものについて収集・整理をいたしております。神経系、腎臓への影響、免疫系、生殖器系、発生影響に関する知見が得られたところでございます。

 (1)神経系への影響でございます。第三次答申では、高濃度では肝・腎障害が認められることがあるが、低濃度の長期間にわたる曝露では、神経系への影響として現れることが多いというふうになっております。今回、神経系の影響といたしまして、第三次答申において根拠となった知見を精査いたしました。その結果、トリクロロエチレンに曝露した労働者で種々の自覚的神経症状(頭痛、めまい、酩酊感、疲労感等)が一貫して認められております。これらの知見における曝露状況が、比較的広範囲にわたるものということで。有病気の状況もあわせますと、量‐反応関係の検討に資することが可能であるというふうに考えられます。

 一方で、第三次答申以降に公表されました知見、第三次答申時に概要が紹介され、今回、再検討した知見から、三叉神経等の末梢神経への影響、神経行動機能について報告がなされておりますけれども、交絡因子の未調整とか、ノイズの混入などなどから、不確実性が高いと考えられ、定量評価においては考慮することは困難というふうに考えられます。

 続きまして、5ページ目の(2)腎臓への影響でございます。第三次答申では記載はございませんでした。今回の再評価におきましては、従来から使用されているバイオマーカーでは影響は見られませんでした。新たに、研究段階のKIM-1、GST-αについて、変化が認められたところでございますが、このバイオマーカーについては、ヒトでの知見が少ないということで、現時点では、手法として用いることは困難ということで、定量評価においても考慮することは困難ということが考えられます。

 続きまして、(3)免疫系への影響でございます。第三次答申では証拠が不十分というふうにされておりました。今回、免疫グロブリン、サイトカイン、及び末梢血リンパ球サブセット等で、トリクロロエチレン曝露によって量的な変化が認められていますが、健康影響との関わりについては明確でないというふうに判断いたします。

 過敏症症候群につきましては、トリクロロエチレンの曝露によって引き起こされるというふうな判断されていること、感受性に関与するHLA遺伝子型を日本人も1%を超えて保有すると推定されることから、健康影響としては留意が必要というふうに考えられます。過敏症症候群の尿中のTCA濃度が推定されている知見があるので、この情報に基づきまして、健康影響等の定量的な検討も可能というふうには考えられたところでありますが、曝露濃度と発生率との関係、HLAの遺伝子型の保有と発生との関係についての検討は困難というふうに考えられます。

 6ページ目でございます。生殖器系への影響でございます。第三次答申では記載はございませんでした。今回、新たに疫学知見3編を確認したところ、研究方法、データ解析上の問題等が認められたということで、生殖器への影響については明らかでないというふうに判断いたします。

 (5)発生影響でございます。第三次答申におきましては、飲料水がトリクロロエチレンに汚染された地域の女性に、先天異常児の出産が多いという報告がありました。しかしながら、一定濃度のトリクロロエチレンを用いた動物実験では、胎仔毒性は認められていないということでございました。今回、疫学知見として、症例対照研究4編と生態学的研究1編を検討いたしました。いずれの知見につきましても、大気、飲料水、土壌におけるトリクロロエチレンの濃度の測定データが得られないということが課題というふうに考えられます。知見を検討した結果として、下から4行目でございますが、発生影響につきましては、曝露情報が不十分ということで、高齢の母親が曝露した場合に、子供の先天性疾患のリスクが増加する可能性は示唆されるものの、大気濃度との関係は不明で、そのほかの先天性異常の危険については、リスクの増加が見られないとか、曝露レベルに依存したリスク増加が見られないという事例など、総じてリスクの増加は明らかとは考えられないということでございます。

 7ページ目に参ります。実験動物についてでございます。発生影響につきまして、実験動物の知見を書かせてもらっております。飲水投与試験におきまして、胎児の心臓奇形が認められたところではありますが、吸入曝露の試験では、胎児の心臓奇形を認めた知見は見られておりませんでした。

 続いて、急性毒性でございます。第三次答申のときと同様、主に中枢神経系への影響が認められております。高濃度に曝露された事例におきましては、死亡に至るということも確認されております。

 続きまして、(7)発がん性以外の有害性に係る定量評価でございます。第三次答申では、上から4行目でございます。実際の大気濃度中で曝露するような低い濃度で評価するには、ヒトに関する毒性データ、そのうち、特に、低い濃度で問題となる神経機能に対する慢性影響を用いて量‐反応アセスメントを行うことが適当というふうに考えられておりました。

 8ページ目に参ります。今回、神経系への影響につきましては、第三次答申のときに根拠となった知見を精査しております。量-反応関係の検討に資する情報が複数得られているということで、定量評価は可能というふうに考えられます。このほか、腎臓への影響、免疫系への影響、発生影響につきましては、それぞれの知見を検討した結果、定量評価を行うには困難ではないかというふうに考えられます。

 なお、網かけの部分でございますが、発がん性のときと同様に、発生影響は重大な影響として考慮に含めるかどうかということをお考えいただきまして、後ほど説明いたします論点の中で、この部分を含めてご議論いただきたいというふうに思っております。

 続きまして、資料6-2をご覧ください。トリクロロエチレンの大気環境基準の再評価に関する論点整理(案)でございます。

 本委員会で審議されましたトリクロロエチレンの有害性及び曝露状況の評価を踏まえまして、現行のトリクロロエチレンの大気環境基準の再評価について論点を整理したものでございます。

 論点1でございます。

 発がん性を、今回、再評価を行う上で、環境基準設定の際のエンドポイントとして採用できるかどうかということでございます。論点を検討する上でのポイントを下のほうに書いてございます。定性的な評価におきましては、腎臓がんのリスクの増加が認められているというふうに考えております。定量評価、閾値の有無に関しましては、量-反応関係を検討するには不十分である。累積曝露量に依存したリスクの増加は認められない。閾値の有無は判断できないとしておりますので、定量評価を行うことは適切でないと考えられるものでございます。

 なお、作業部会報告におきましては、この結果をもって定量評価は適切ではなく、閾値の有無は判断できないというふうに結論をつけております。

 これらを踏まえまして、本委員会での判断として、発がん性について、再評価における環境基準の設定の際のエンドポイントとして採用しないことでよいかということをご議論いただきたいと思います。

 続きまして、2ページ目でございます。論点2でございます。

 発がん性がエンドポイントとして採用されない場合ということで仮定をしておりますけれども、発がん性以外の有害性を採用するとして、エンドポイント及びNOAEL(又はLOAEL)に相当する気中濃度について、発がん性以外の有害性を採用した現行基準と同様とするかということでございます。現行基準の設定の際のエンドポイント、NOAEL(又はLOAEL)に相当する気中濃度を記載しております。その下に、定量評価が可能なエンドポイントの判断、NOAEL(又はLOAEL)に相当する気中濃度について、案を記載しております。

 これらを踏まえまして、現行基準と同様に、エンドポイントは神経系への影響、自覚的神経症状とし、LOAELに相当する気中濃度として200mg/m3を用いるとしてよいか、ご議論をいただきたいと思います。

 最後に、論点3でございます。3ページ目でございます。

 現行の環境基準を見直す必要があるか、あると言えるかどうかでございます。これまでご審議いただいておりますトリクロロエチレンの有害性について、並びに、本資料の論点1、2を踏まえた上で、今回の再評価の過程で得られた知見におきまして、それぞれの知見の科学的根拠の確実性も考慮に含めた上で、現行基準の考え方、基準そのものを見直さなければならないというような知見があると言えるのかどうかということについてご議論いただきたいと思います。

 なお、ここでは、先ほど、資料6-1で説明いたしました、重大な影響として考慮するものをどう考えるかという点も含めて、ご議論いただければと思います。

 説明は以上でございます。

【新田委員長】 ありがとうございます。本専門委員会の結論を導く上で、一番重要なポイントのまとめと、それから、その関連する論点三つ、整理をいただきました。

 まず、資料の6-1に関してご質問をいただいた上で、資料6-2で挙げられました三つの論点について、各委員から個別にご見解をいただければと思っております。その際、ただいまの説明にもありましたように、資料6-1の、特に網かけされている部分、3ページの下の発がん性に関する内容、それから、8ページの一番最後の部分の発生影響についての評価の部分、これの見解も含めた上で、論点1から論点3までのご見解をいただければと思います。その前に質問、資料6-1のところでご質問があれば、お受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 あ、どうぞ、上島委員、どうぞ。

【上島委員】 すみません、資料6-1の5ページ目のところの一番下の行について、質問を少しさせてください。このHLA-B*13:01保有と発生との関係についてというのがここにあるのですけど、これはどこからかかってくる、これ、曝露濃度というところからかかってくるのか、ちょっとその記載の意図が、私、ちょっとよく読み取れなかったので、教えていただきたいと思うのですけど、いかがでしょうか。

 これ、どこから来た記述でしたか。

【前田課長補佐】 この記述に関しましては、作業部会報告の記述を基本的には記載をしておるところでございます。その内容を書いておるところでございます。

【上島委員】 ちょっとすみません、私、作業部会の報告の、ここの部分のところの記載を、今ちょっとよく理解してないのですけど、これ、曝露濃度との関係で検討していったのがもともとのところで、それで、遺伝子型とこの発生との関係で、ちょっと何か、その、書き方のその焦点が、少し、ずれてきていないかなということがちょっと心配なのですね。つまり、このもとになっているLiら2007年の論文では、これ、曝露している職場で患者さんになった人と、なっていないコントロールとの比較をしていまして、それぞれの各集団、患者の対象について、遺伝子型の保有率は出ているんですね。

【前田課長補佐】 はい。

【上島委員】 ですから、保有と発生との関係については、これはリスク、図表という形できちんと出ていますし、また、その調査対象集団の中で、この遺伝子型を持っている人がどれだけかということも論文の中に書かれていますから、ちょっとそこのところが、どういうふうにこの情報を最終的に生かすかというところだと思います。

 それで、ちょっと資料6-2にもかかってしまう部分なのですけれども、今の話で、ちょっとついでに流れとして申し上げますと、この遺伝子型については、この国民の中で1%というのは、記載のこの中にあるので、これは大事なところかなと思います。ですから、そういう点では考慮することも一つ必要で、ただし、発症している人が、全員がこの遺伝子型を持っているわけではないということなのですね。

 ですから、この疾患については、感受性の個体差が極めて大きいということと、その中でも、そのリスクがあるということがわかっている遺伝子型の人が国民の中に1%いるという中で、それで最終的に、そういう、その感受性の高い人を対象とした、その発症するかしないかというその部分の、その濃度に関する情報があるか、ないかという視点で結論に、環境基準に生かせるかどうかということのその導き方になるのかなというふうにちょっと感じております。

【前田課長補佐】 この記載につきましては、その作業部会報告の記載ということで書かせてもらってはいるところでございますが、今、上島委員からのご指摘もありましたので、少し、その結論というか考察につきましては、再度整理をした上で書き方を変えるなり、少し検討させていただきたいと思います。

【新田委員長】 確かに、ちょっと日本語としても、不明確なところもありますので、少しここは、もとの論文の内容を確認して、ここの記載を、少しわかりやすい形で、誤解のないように整理をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 ほかにご質問はございませんか。

 鈴木委員、どうぞ。

【鈴木委員】 これは、ちょっとリスク評価の文章を読む立場から、毒性の専門の先生に単純に質問ですけれども、1ページ目の発がんの疫学の研究で、高曝露群が、時間加重平均で50ppm、ないし累積曝露で5,370mg/m3などと書いてある、ここの数字と、神経系への影響で、やはり曝露の気中濃度が10ppmとか100ppmとかという数字が参照されているんですが、この数字は、比較可能なものなんでしょうか。それによって、結論のほうで、読む立場からすれば、結論のほうで発がんではなくて神経を定量評価の2でとるということが結論されていて、発がんに関しては、極めて高濃度曝露の場合と考えられています、この根拠が、ここで読めるのか、読めないのかということにつながるというのが私の質問なんですが、読めないというお方があるんだと思っているんですが、どうなんでしょうか。

【新田委員長】 ここは、まず、私の理解は、Charbotelのその論文では、論文自体に、この種の曝露量について、累積曝露量としての記載しかなかったということだと思います。ですから、それ自体は、こういう環境基準の算定の根拠になるようなNOAELとか、LOAELに相当するような気中濃度を求めるのが難しいという判断の一つの材料になっていたというふうに思います。そういう理解で、はい。

【鈴木委員】 いや、あの、数字がまた、どのぐらい信頼度があるかというのは、また複雑な問題があるんだろうと想像しますが、累積から恐らく時間、ちょっと私が読んだ感じ、この累積の数字から時間加重平均を何か計算したのか、推定したのか、何かそのようなものかなと想像したんですが、こっちにしても50ppmと、次の神経影響が出てくる10とか100とかいう数字は、そんなに違わないので、そんなに違わないということが言えるのかどうか、言えるんであれば、まだいいんだけど、逆に、こちら、神経のほうで注目するという論拠もなるのかもしれないような気もしますし、もちろんそれを、これは全てのデータの解釈の話になりますので、明文で書けという意味では必ずしもないんですけれども、およそそういう、この後、発がんで定量評価に耐えないという判断ですので、そんなに定量的に議論はできないでしょうが、発がんの、しかし腎毒性があると、リスクがあると認めたという知見において推定される大ざっぱな曝露量と、これ、ここで評価しようとしている神経の曝露量は、そんなに違わないオーダーだということは、そう理解してよろしいでしょうかという。

【新田委員長】 関連のご質問でしょうか。

【武林委員】 すみません、今の関連のところ、資料3のほうの9ページの、恐らく、今の鈴木先生の質問、29行から以降のところだと思いますが、もう一度、私もこれ、読んだ側なんですが、もう一度確認する必要があると思っておりますが、ここの32行のところの記載だと思います。で、これをこちらに転記したときのやはり記載が誤解を生むと思っておりまして、これが50ppmを超える群でという意図で。だと思います。そこをもう一度、ちょっと確認をして、ここから50を取ってきたように記憶しておりますので、今の先生のご指摘は非常に大事な点で、これが平均として50という話なのか、そうでなくて、50を超えているグループという、私は、たしかそういうふうに読んだ記憶がありますので、そこをもう一度、事務局等含めて確認をして、正確に記すべきだというふうに思います。

【新田委員長】 はい、ちょっとそこを確認させていただきます。

 川本委員、どうぞ。

【川本委員】 今、鈴木委員と武林委員が言われたことと全く同じ意見ですけれども、発がんのほうが、265mg/m3で、もう一方で、神経毒性の200mg/m3がLOAELという数値が書かれていますが、これを素人目で見ると同じじゃないかと感じます。この数字を出されるときに、発がんに関しては曝露濃度の算出ができないとか、そういうところを強調されないといけないのではないかと思いました。

 それと資料3の10ページ、24行ですが、単位がμgになっています。これは、mgの間違いだと思うのですが。

【前田課長補佐】 はい、そのとおりです。今というか、先ほど気づきました。これ、間違いでございます。訂正します。

【川本委員】 ありがとうございます。

【新田委員長】 それでは、残り、予定時間15分ほどになっておりますが、先ほど申し上げましたように、資料6-2の論点三つについて、ちょっと各委員から、簡単にご見解を伺いたいと思っております。大変恐縮ですが、ちょっと委員長の進行の不手際で申し訳ないんですが、15分ほど議事延長させていただければと思いますが、ご了解いただけますでしょうか。申し訳ありません。

 それでは、残り30分ほどということで、まだちょっと、今、ご指摘いただいた点で少し、基本資料の記載も含めて見直す必要、それから、ちょっと、どこ、あるという前提ですので、現状のある資料で、少しご見解を伺えればと思います。

 大変恐縮ですが、ちょっとあいうえお順でよろしいでしょうか。青木委員から、先ほど申し上げましたように、論点の三つについての。

【青木委員】 論点の三つ。

【新田委員長】 はい。

【青木委員】 非常に重いのが一番最初に。

 まずですね、論点1に関しては、ヒトの疫学を根拠として、いわゆる定量的リスク評価ができるかという観点から見たときには、なかなか、エンドポイントとして採用することは難しいのではないかなというふうに思います。あくまでもこれはリスク評価の観点からです。当然、IARCが1にしたというところは重くて、これはもちろん、幾らでも反論はしていただきたいんですけれども、1にしたというところは重いんですが、やはり、それはさまざまな根拠から、ヒトでの発がん性を持つ物質であるかどうかということからと私は理解をしておりますので、あくまでも定量的リスク評価が可能かという立場に立ったときには、なかなか難しいのではないかなというふうに、私は、この時点では思っております。

 それから、2番目なんですが、これ、ちょっと私の必ずしも専門ではない部分があるんですが、なるほど、気中濃度についてなんですが、これは、そうですね、ちょっとこれは保留させてください。私なりに、ちょっとこれは精査して、読み込んで理解したいところです。やはりこれは非常に重い問題なので、もちろん、この神経系への影響は重大なエンドポイントであることは変わりないと思うんですけれども、そこのところ、LOAELとして採用すべきかどうかについては、ちょっとこの瞬間には、ちょっとまだ保留させていただければと思います。

 それから、論点3についてですが、現行の、必要があるかどうか。やはり、必要があるかどうかという観点からすれば、私は、ここでしっかり議論する必要があると思います。なぜならば、やはり、この前回の第三次でよろしいんでしょうか、第三次答申以降、さまざまな科学的知見を得られたわけでありますし、それを、やはりきちんと精査して、やはり議論して、見直すべきもの、知見があると考えたら、我々がやはり見直す必要があるというふうに考えています。ただ、そのそこに関して、じゃあ、こういう根拠に基づいて見直しが必要であるかどうかに関しては、ちょっと、やはりこの段階では一応保留とさせていただきたいと思います。

 以上でございます。

【新田委員長】 今の青木委員が現時点で保留というご意見でしたが、その後の委員の先生方も、ここは保留ということでも結構ですので、それを前提にご意見いただければと。

 上田委員、続いて。

【上田委員】 まず、論点1の発がん性を環境基準設定の際のエンドポイントとして採用できるかどうかについては、これまでの検討から、発がん性については、定性的には発がん性はあると言えますが、その定量的な評価というのが非常に難しいということから考えると、やはり、エンドポイントとして採用はできないのではないかと私は考えております。

 で、論点2についてなんですけれども、この発がん性以外の有害性を、神経系への影響を採用した現行の環境基準と同様とするかどうか、エンドポイント及びNOAELに相当する気中濃度について、神経系への影響をエンドポイントとしてそれをとったということで、それはそれでいいとは思いますが、資料6-1の5ページで、免疫系へのところで、その過敏症症候群については、「定量的な検討が可能と考えられた」の、その最後のところの部分で考えると、他のエンドポイントも考慮してもいいのかと思います。実際のところ、高感受性集団をどう考えるかということにも関わってくると思うんですけれども、その意味で言うと、HLAの保有性に関わらず考慮して、比較した上で決定するということでもいいのではないかと考えました。

 論点3についてなんですけれども、現行の環境基準を見直す必要があるかと言えるかどうかについては、今回、腎がんのIARCの報告をもとに、新たな知見が加わったわけですので、やはり、考慮しないといけない。ただ、実際には、環境基準の値を設定するための情報が不足している場合に、じゃあ、それをどういうふうに考えるか。その部分については、これまでの恐らくいろいろ意見もあったと思うんですけれども、不確実性のところに、どこまで取り込むか、新たに重大な事象に関する知見が増えたことを考えるべきではないかと考えております。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 大久保委員、お願いします。

【大久保委員】 論点1と論点2については、それぞれ専門の先生方のご意見をお聞きして、それでどれが説得的かという観点から考えたいと思いますので、保留とさせていただきたいと思いますけれども、論点3を考えるに当たりましては、論点1、論点2、論点3のほかに、やはり全体として、今回のまとめ案を見ましても、総合的なリスクに関して新たな知見があることは確かであって、腎がんについては、そのリスク増加が認められるものと判断するとしていますけれども、そのほかのがんについても、プール分析、メタ分析の結果等を踏まえますと、やはり、そのリスクが増加する。可能性があるとされるものはほかにもたくさんあるのであって、そういうものをきちんと反映させていくにはどうしたらいいのかということが、本来はすごく、一番大きな論点ではないかというふうに考えます。

 定量的に数値を決められないから考えないということはできないと思いますので、それをどう取り込むかの問題ですけれども、その観点でいいますと、やはり定性的なものも総合的な評価に入れていく上では、現在の数値を決める上での幅が、ある程度ある中で、不確実係数というのでしょうか、それを考えていく際に、少なくともそういうリスクの増加というものをきちんと考慮して設定していく必要があるということは、現時点で言えるのではないかというふうに考えます。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 片谷委員、お願いします。

【片谷委員】 私も、疫学とかというのは、医学的なことに関しては直接の専門でありませんので、そこの部分は、大久保委員同様に、ご専門の先生方のご意見を伺った上で、もう一度コメントさせていただければと思います。

 で、論点の3なんですけれども、前回も私は、十分な定量的な知見がないものに関しては、不確実性に入れざるを得ないであろうという発言をしたわけですので、現在も、基本的にはその考え方です。ただ、不確実性というのは、どんどん増やしていったら、それが全部掛け算で、どんどん基準値が厳しい方向に行くという性質のものでもないというふうに私は思っておりまして、不確実性で対処する基本的な考え方は前回申し上げたとおりですけれども、それによって単純に基準値が厳しい方向に変化しなければいけないと考えているわけでなくて、今までの議論を伺っている範囲では、現時点では、基準値を見直さなければならないと言い切れるところまではいっていないように、今のところは感じております。

 以上です。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 上島委員、お願いします。

【上島委員】 まず、論点の1ですけれども、発がん性は、これ、定性的にはもちろん考慮すべきなんですが、この環境基準設定の際のエンドポイントとして、先ほどもちょっと議論があったところなんですけれども、この定量評価については、そのジョブエクスポージャーマトリックスに基づいた濃度段階別の評価で、ですから、何ppmで、そのがんが増えてくるというようなことは確実なところがないという意味において、発がん性を、この環境基準設定の際のエンドポイントにはできないというのが私の理解です。ですから、この発がん性のところから、その数字を持ってくること自体は、ちょっと難しいというふうに思います。

 それで、論点2なんですけれども、このNOAELに相当する気中濃度について、神経系への影響を採用した現行の環境基準と同様とするか。これは、二つの意味があると思いますね。一つは、その数字として、その基準となるものが何かということで、これは、その昨年10月までの文献検索の範囲においては、神経系ということで私はいいと思っています。

 ただし、その数字を決める基準となるその情報でもって、よいかということだけでは不十分ではないかと思っておりまして、つまり、第三次答申のときは、発がん性については、この濃度については、実際のその環境中濃度に比べて極めて高濃度の場合に問題があるという。ですから、その数字としては示さなくても、ある部分にやっぱり閾値なり、その問題となるその曝露濃度があるという認識を示して、それで、それを神経系のそのエンドポイントを守れば、考慮すれば、発がん性についても大丈夫だという判断も加えて、今回、この論点2に関して言うと、その腎毒性については、このエンドポイントそのものの確実性というところで言うと、この数字については環境基準とはならないと思うんですが、免疫系については、これは健康影響としては、これ確実に起きることがわかっていて、ただし、そこのNOAELまたはLOAELに相当する気中濃度が明確でないというところなので、ですから、このところについて、この論点の3とも関わるんですが、これこれの数字にした場合には免疫系のものについて防げるというような、やっぱり何かそういう判断を、この会としてはしないといけないのじゃないかと思います。

 それで、現時点においては、このNOAELまたはLOAELに相当する気中濃度についてのその情報はないんですけれども、一つ情報として提供させていただきますと、今、これについて参考となり得る論文を投稿していまして、編集、その投稿先とのやりとりで、今、論文の改訂中ですので、近い将来、それが発表にまで至る可能性がありますので、アディショナルな情報としては加わる可能性があるということだけは申し上げさせていただきます。

 以上です。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 川本委員、どうぞ。

【川本委員】 もともと、この委員会のレビューは、そのIARCの発がん性が出てきて、それを、その環境基準に生かそうということで、ワーキングの先生方が検討されてきたと思います。私は、ワーキングメンバーではないので詳しいことはわかりませんけど、検討されて、「定量性がない」という結論ですので、それを立てるしかないのかなと思っております。

 あと、論点2、3については、ちょっと微妙なところもありますのでというところです。

 以上です。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 島委員、お願いいたします。

【島委員】 これまでの先生方も発言されたように、論点1の発がん性については、ここに出ている結果で見ると、腎臓がんについての知見も、環境基準設定の際のエンドポイントとしては採用することは難しいのではないかというふうに思います。

 ただし、今日ご紹介いただいたこのプール解析の結果、ちょっとこちらのほうをもう少し詳しく検討しなければなりませんが、非ホジキンリンパ腫について、このサマリーを見ますと、量‐反応関係があったようにも報告されていますから、そちらのほうの追加文献を確認した上で、この論点1については判断する必要があるのではないかなというふうに思います。

 論点2につきましても、論点1で、発がん性をエンドポイントとして採用するかどうかということに関わってくると思いますが、発がん性を採用しないということになりますと、神経系についてのエンドポイントを採用するということにならざるを得ないのかなというふうに思います。

 論点3についても、現行の環境基準の見直しということで、これも論点1と2と関わってまいりますので、その判断は、ちょっと今の時点では保留とさせていただきたいと思います。

 以上です。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 鈴木委員、お願いいたします。

【鈴木委員】 私も、断るまでもなく毒性や疫学の専門家なわけではないので、私のほうは、評価関係全体を見て、あと、かなりいろんな、三次答申の出た当初から私なりに、勉強しましたし、横断的に比べてみての、そういう立場からの意見として申し上げます。

 論点1については、これは中身は私はわかりませんが、定性的なエンドポイントというのはどういう意味で書かれているのか、よくわからないんですけれども、わからないというのは実はコメントですが、定性的な発がん性の評価としては採用できるというふうに、恐らく毒性では言われているんだと思いますので、これは、そういう意味で採用していいのではないかなというふうに思います。

 ただし、ここに書いてあるとおり、定量評価はできないというのは、これはテクニカルにできないわけですから、そういう意味では採用すべきではないということだと思いますので、ですから証拠としては使うんでしょうが、このエンドポイントとして採用できるかどうかというこの質問が、何を聞いているのか、ちょっと、完全にはわからないんですが、定性的にはイエス、定量的には無理なんだからノーということかなと、そういうことかなと理解しております。

 それから、論点2につきましては、これは、前のとも多分関係するんですが、これしか定量に使えるものはないのであれば、そこから導出するというのは、もう、テクニカルには当然そうなると思いますが、これは先ほどの質問ですが、それを使う場合のこのエンドポイントというんですかね、データのほかの毒性スペクトルに対する位置づけは、できれば議論していただければありがたいというふうに思います。

 それから、論点3については、ここはもう、保留にしてもしなくても私は同じですが、読む立場からすれば、腎臓がんの証拠についてはあるという、新たに、新たにあるということをここでも判断しようとしているわけでありますし、今、上島さんが言われましたように免疫とか、あるいは発生の知見が得られたということもあると、IARC2を1に変えてきたということが、幾つかの証拠がありますので、証拠というか情報がありますので、それによって、多分この不確実性係数について再考するということは、あるいはそういう方向が出てきても、過去のリスク評価のさまざまなコメントを見て、特段、異論はあるでしょうが、あってもおかしくはないというふうに私は思います。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 武林委員、お願いいたします。

【武林委員】 最初に、まず、この資料6-1の位置づけをもう少し明確にしていただきたいと思います。6-1が資料3に付随するものなのか、それとも、6-1と6-2がセットになって出てくるものなのかという観点は、もう少し、と申しますのも、先ほど、網掛けというふうにおっしゃったところが出てくると思いますが、これは資料3のそのままのコピーだと思いますが、単純に、ある知見を整理したもののサマリーなのか、それとも、その、今議論をしているような定量評価、リスク評価に向けたまとめなのかというのは、当然、その現実的な曝露との関係が当然入ってくると思いますので、その評価を含めた文書としての6-1なのか、そうではなくて事実の整理なのかという観点は非常に大事だと思いますので、そこは十分、もう少しご説明をいただき、位置づけを明確にしていただきたいと思います。

 と申しますのも、この6-1の3ページのところ、先ほど、上島先生からもありましたが、発がん性の定量評価の第三次答申における記載、これも非常に、実は第三次答申はよく整理をされていると思っておりますが、ここでも、仮に発がん性が問題となるとしても、その可能性は、実際の環境中濃度に比べて極めて高濃度曝露の場合と考えるという記載が、これが非常に重要だと思っておりまして、今回、そのIARCの判断が変わったとしても、この極めて環境中濃度に比べて高濃度なのかどうかということが、どう判断するかによって、当然、不確実係数、重大なというところに反映してくると思いますので、こういうものを踏まえた6-1という資料なのか、踏まえない6-1なのかというのは大きな違いだと思いますので、そこは十分整理をした上で議論したいと思います。

 というのも、この網掛けのところのことが、これだけを読みますと、この発がん性を重大な影響として考慮に含めることが適当と読むと、片谷先生のご指摘もそこじゃないかと思うんですが、いかにも、どんどん安全にとりましょうということだと思います。これは、当然総合的に判断をして、現実的に起こるものなのかによって、どのように総合的な不確実係数に反映させるかという議論になると思いますので、ここは、そこを誤解のないように資料としてつくっていただきたいと思います。

 全く同様に、8ページの生殖毒性のところも同様でございまして、あ、心臓奇形ですね、子供の心疾患のリスク増加が示唆されることを考慮すると、これだけを読むと非常に独立してというふうに思いますが、これもエビデンスのレベルであるとか、それから濃度のレベルによって、ある不確実係数の中で十分対応可能な数字なのかということを議論すべきであって、そこがわかるような表現であってほしいというふうに思います。

 それから、資料6-2の点につきましては、論点1については、私も、このエンドポイントとして採用する、しないという表示が非常に誤解を生むと思います。最近のベンチマークドーズのような考え方で言えば、これは、そのpoint of departureとして発がんを用いるか、用いないかであって、考慮すべきエンドポイントとしては、当然、発がんは考えなければいけませんので、そこを誤解のないような表示、これだけを読むと、まるでがんを考慮しないかのように見えますので、そこは注意をいただきたいと思います。

 論点2も全く一緒でありまして、そう考えれば、神経系へのイフェクトをpoint of departureにするということについて、ちょっとほかに情報がないわけですから、異論はないと思いますが、そこの書きぶりは十分気をつけていただきたいということと、ここでいきなりNOAEL、LOAELという、比較的動物実験で使う言葉が出てきていることも、やや違和感を感じて、もとの文章にはなかったと思いますので、そこも整理をいただきたいと思います。

 それから、三つ目の論点3については、太字で、現行の環境基準の考え方及び基準値をというふうに書いてありますが、環境基準の考え方そのものを見直す必要はないと思いますが、根拠は明らかに加わっていますから、これは見直しといいますか、アップデートしてしかるべきだと思います。その結果、基準値が見直されるかどうかは、これは、今はまだ議論していないというふうに理解していますので、これはやってみないとわからないというふうに思います。

 以上です。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 田邊委員、お願いします。

【田邊委員】 骨格は、今、ご提案いただいている方法で問題ないと思いますが、論点2を中心に考える場合に、先ほどから議論になっている、その、例えば発がんで、50ppmかどうかわかりませんが、そういう濃度レベルで影響が認められているということとか、それ以外のエンドポイントと言ってはいけないんですかね、どれくらいの濃度で影響が出ているということを十分に考慮した上で、その不確実係数を決めるとか、あるいは、それをちゃんと考慮していますという形にしてほしいと思います。

 もう一つは、その論点1について、これは私がちょっと勘違いしたのかもしれないんですが、腎臓がんは高曝露限定という話が、たしか代謝の関係だというような説明をいただいた記憶があるんですが、それが実は高曝露限定ではないというふうにご説明いただいたような記憶があるんですが、もしかしたら間違いかもしれませんが、たしか何か高濃度だと、こういう代謝系が働いて発がんの要因になると言っていたのが、低濃度でも、そういう代謝系が動くというような話になったような記憶があるんですが、それで正しいでしょうか。

 もしそうであれば、345から5,040ppm・年という曝露群で影響が出ていますと、これを加重平均に、時間加重平均に直すときに、これは、例えば20年曝露だったら、一番低濃度は17ppmとか、非常に低い濃度になってきますので、ここら辺の議論をきちんとした上で、それでもさらに高濃度じゃなければ腎臓がんは問題にしなくていいという、先ほどの代謝の話と絡めて、論点2で決められる数字が十分、その発がんの影響を考えてもクリアできているというような流れにしていただきたいと。何か、結構グレーに私には見えています、濃度レベルが。

 論点3が一番悩ましくて、基準を決めて大分月日がたつんですけれども、200μg/m3超の曝露人口がそれなりにいるのであれば、基準をいじるかどうかは別として、何か考えないといけないのかなという気はします。

 もう一つは、これもあまり専門家的でないんですが、IARCが1に変更したと、その状況で何もしないというわけにはいかなくて、今見直しをしているんですけれども、その見直しをするときに、やはり、結局、基準は全く変えませんというのには、それなりの根拠が、かなり強いものが必要になるのかなというふうに考えています。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 長谷川委員、お願いします。

【長谷川委員】 私の専門性からしまして、言えることは非常に限られるわけなんですけれども、論点1、2、3という点で言えば、論点3の辺りになるのかなと思います。モニタリングの結果からいいますと、最大値から見ても、まあ現行の環境基準の10分の1ぐらいというところになっておりますので、その点からは、見直しされたとしても、大きな影響ではないのかなというふうには思っておりますが、ただ、地点数を見てみますと、2005年からだんだん減ってきて、地点数がやや減ってきているわけですね。で、濃度も減少傾向、漸減傾向でありますので、地点も少し減らしていくという方向に自治体はなっていると思います。

 ただ、そのことが、本当にそれでいいかどうかというのは、やはりこの、こういった評価、健康影響の評価においてきちんと示すことで、モニタリングすることが重要だよということを示すことになると思いますので、その点を踏まえて考えていく必要があるかなというふうに思っております。自治体としては、環境基準を100%達成していればそれでいいと、地点も減らすというような方向にどうしてもなっていってしまいます、現状、財政的に厳しいところがありますので。しかしながら、そうではないよというところを、見直すにしても、現行でいくにしても、提示する必要が重要かなというふうに思っております。

 あと、もう1点気になるのは、やはり国としても、自治体としても同じだと思うんですけれども、やはり住民の健康保護という観点で、やはり局所的ではあっても、その高濃度曝露をされている住民、一般環境の、一般住民がいるというような状況であれば、それをどういうふうに含みおいて考えるかというところは、留意すべき点ではないのかなというふうに思っております。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 最後に、山崎委員、お願いします。

【山崎委員】 第三次答申と決定的に異なるところが、腎がんのリスクが定性的にあるという知見が加えられたことでありまして、ただし、定量的には相変わらず不明であるということを考えますと、論点1につきましては、これは、直接的には採用できないですが、不確実性係数としては考えられるのかなと思われました。

 論点2につきましては、定量的な判断、がんによる定量的な判断ができないという現状においては、同様とせざるを得ないのかなと思われました。

 論点3につきましては、第三次答申では、慎重側に立って、発がん性があると考えられて不確実性係数が決定されているのであれば、変更不要と思われますが、それについては明らかにされていないので、これは、これから議論が必要なのかなと思われました。

 以上です。

【新田委員長】 ありがとうございます。

 ご無理を言って延長させていただいた上に、ちょっとその時間も、もう過ぎておりますが、今、各委員の先生のご見解を伺って、今日お示ししている資料はまだまだ、ちょっと不十分なところがあるというふうに思います。今日、さまざまなご意見をいただきましたので、ある意味、方向性、一致している部分もございますが、まだまだ意見、分かれているところもありますので、ここで一旦、ちょっと委員長のほうで引き取らせていただいて、事務局と相談して、次回の専門委員会にもう一度、今日の資料の6-1と6-2に相当するものを再度、その方向性、内容を精査した上でお示しをしてご議論いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(はい)

【新田委員長】 それでは、その方向で、次回までに、また事前に各委員のご意見をお伺いするような場面も出てくるかもしれませんので、その節はよろしくご協力いただければと思います。

 繰り返しですが、委員長の進行不手際で、時間を概ね20分ほどオーバーしてしまいました。その他の議題が残っておりますが、特に、全般的なところでご意見がなければ、本日の議題はこれで終了ということで、事務局にお返ししたいと思います。連絡事項等あれば、お願いいたします。

【廣木総務課長】 どうもありがとうございました。

 本日は、本当に長時間にわたりご審議いただき、本当に感謝しております。

 次回の専門委員会の日程につきまして、事務局から改めてご連絡させていただきますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

 なお、本日の議事要旨及び議事録につきましては、各委員の先生方にご確認をいただいた上で公開することとさせていただきます。

 また、本日、委員の皆様方にお配りした資料につきましては、郵送をご希望の場合にはその旨を書きおいていただければ、後日、事務局よりお送りさせていただきます。

 また、お手元の青いファイルの中にとじております参考資料につきましては、今後も継続して使用する予定にしておりますので、机の上に残してご退出をいただきますようお願い申し上げます。

 本日は、どうもありがとうございました。

午後5時21分 閉会

ページ先頭へ