自動車排出ガス総合対策小委員会(第15回) 議事録

1.日時

令和3年11月30日(火)15:00~17:00

2.場所

WEB会議

3.出席者 

(委員長)    飯田 訓正

(委 員)    大久保 規子

(臨時委員)   石田 東生

(専門委員)   織  朱實         

草鹿 仁

村木 美貴

横田 久司

小林 雅文

遠藤 啓二

庭野 文雄

入江 真久

(事務局)    長坂大気環境課長

山崎大気環境課課長補佐兼自動車環境対策課課長補佐

小林自動車環境対策課主査

北山環境管理技術室係長

4.議題

(1)自動車NOx・PM法の対策地域の解除の考え方について

(2)今後の自動車排出ガス総合対策の在り方について

(3)その他

5.配付資料

資料1-1 「環境基準確保」に係る評価について(追補)

資料1-2  自動車排出量及び大気環境濃度の将来予測について

資料1-3  自動車NOx・PM法対策地域の指定解除の考え方について

資料2   自動車排出ガス総合対策の今後のあり方の取りまとめの方針について

参考資料1 自動車排出ガス総合対策小委員会 委員名簿

参考資料2 中央環境審議会大気・騒音振動部会自動車排出ガス総合対策小委員会(第14回)議事録 

参考資料3 環境基準確保の評価に関する参考資料集(追補)

6.議事

【山崎自動車環境対策課課長補佐】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第15回自動車排出ガス総合対策小委員会を開会いたします。

 司会は私、自動車環境対策課の山崎が務めます。

 本日は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、Web会議とさせていただいております。会議中、音声が聞き取りにくい等、不都合がございましたら、事務局までお電話またはWeb会議のチャット機能にてお知らせください。

 また、本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき、公開とさせていただいており、環境省公式の動画チャンネルでライブ配信を行っております。

 Web会議の開催に当たりまして、通信環境の負荷低減の観点から、音声と資料映像の中継のみといたしますので、あらかじめご了承ください。このため、カメラ機能は通常オフにしていただきますようお願いいたします。また、議事中、マイク機能は委員長及び発言者以外はミュートに設定いただきますようお願いいたします。なお、ご発言の際は、挙手ボタン等は使用せずに、ミュートを解除し、直接お話しいただけますと幸いです。

 議事録作成等の関係上、まず、お名前をお伝えいただき、委員長から指名を受けた方からご発言をお願いしたいと思います。

 本日の委員のご出席状況でございますけれども、所属委員12名のうち、11名のご出席をいただいております。渡邊委員からは、欠席のご連絡をいただいております。

 続きまして、資料の確認でございます。委員の皆様方には、事前にメールにてご案内しておりますが、議事次第のほか、資料1-1、1-2、1-3、資料2、参考資料1、参考資料2、参考資料3となっております。また、本日は事務局から画面上に資料を掲載しながら進行させていただきますので、ご案内の資料は、必要に応じお手元でご参照いただきますようお願いいたします。

 それでは、以後の進行を飯田委員長のほうにお願いいたします。よろしくお願いします。

【飯田委員長】 皆さん、こんにちは。飯田でございます。

 それでは、早速議事に入らせていただきます。

 お示しの議事次第に従いまして、まずは(1)自動車NOx・PM法の対策地域の解除の考え方についてでございます。

 4月に、第13回自動車排出ガス総合対策小委員会においては、関係自治体の皆様から出された要望を踏まえて、対策地域の指定解除の考え方について、本小委員会で整理する方針となりました。そして、先回、第14回自動車排出ガス総合対策小委員会において、環境基準確保の評価について、横田委員から説明をいただき、審議を行いました。

 対策地域の指定解除の考え方については、第14回でご報告いただいた環境基準確保の評価と併せて、横田委員が座長を務める環境省の設置した有識者会議に整理をいただいております。

 本日は、環境基準確保の評価の追加報告、大気環境の将来推計の結果、指定解除の考え方、この3点について、横田委員から資料の説明をお願いいたします。資料は、資料1-1、2、3と、3部構成になっております。

 それでは、まず環境基準確保の評価の追加報告から、具体に説明をお願いいたします。横田委員、よろしくお願いします。

【横田専門委員】 横田です。聞こえますでしょうか。

【飯田委員長】 はい、よく聞こえます。お願いします。

【横田専門委員】 それでは、ご指名ですので、資料1-1からご説明したいと思います。

 資料1-1については、「環境基準確保」に係る評価について(追補)ということでございます。

 次の資料をお願いします。

 これは前回の10月29日に開催された資料と同じかと思いますが、環境基準確保の評価(素案)についてということで、繰り返しになりますけど、簡単に説明しますと、①として、常時監視測定局の継続的・安定的な環境基準達成に係る評価ということで、評価項目としましては、測定データの経年的な推移、長期的・短期的な変動を見て、環境基準値を超過する可能性が十分低いと考えられると。

 それから、その主な原因であります自動車からの排出量は、低減傾向または低いまま横ばいであるか、それとも、現状の変化が継続した場合に環境基準値を超過する状況まで悪化するとは考えられないということでございまして、評価結果については、各都道府県のNO2の年平均値と98%値、SPMの年平均値とSPMの2%除外値は減少傾向にありますと。それから、至近3年度の平均値ですけども、1局を除きまして、環境基準を超過する可能性が十分低い濃度レベルであると。1局も達成していないわけではありませんが、十分低い濃度レベルではなかったというところでございます。それから、至近3年度のSPMについては、全ての局において環境基準を超過する可能性が十分低い濃度レベルであったということです。

 それから、排出量のほうですけれども、各都府県において基準年度から自動車NOx・PM排出量は減少傾向であるということでございます。

 測定局に加えて、対策地域全体における面的評価を行うということでございますが、これは数値計算の手法、それから測定手法(常時監視測定局や簡易測定)を組み合わせて評価した結果、NO2、SPMともに、全ての評価範囲において「適合」であったという評価でございました。

 それで、③としましては、対策地域における環境基準確保の評価としましては、上記の①、②の結果から、対策地域における環境基準は概ね確保されているけれども、ただし、一部の地点(測定局)ではNO2について環境基準を達成しているものの、その超過する可能性が十分低い濃度レベルではないという評価でございました。

 次のスライドをお願いします。

 「環境基準の維持」に関する考察としましては、自動車からのNOx・PM排出量の推移を見るということでございまして、まず、対策地域につきまして、それぞれ基準年度(令和2年度)に比べてNOx・PMとも大幅に減少、削減されていると。それから、将来推計についても、現状は、平成29年度としておりますけども、それと比べても、令和2年度については減少傾向にあるということでございます。

 それから、自動車の排出量に影響を与える要因としましては、NOx・PM法の車種規制の排出基準適合率というのは年々上昇しているということで、対策地域内で9割を超え、地域外でも7~8割程度になっているということでございます。それから、NOx・PM法の車種規制によって対策地域の中を走行している適合車の割合は、もう100%に近いということでございます。排出ガス規制区分別構成率は、年々新しい規制車に代替をしていると。その割合は増加しているということでございます。

 「環境基準の維持」に関する考察としましては、排出量のほうは減少傾向であると。その上、排出量に影響を与える要因としまして、参考資料3を見ていただきたいんですが、それを見ても、自動車排出量は減少傾向にずっとあると、継続しているということから、環境基準は維持される状況にあるという判断でございます。

 次、お願いします。

 留意事項としましては、現時点では、この考察に当たって、可能な限り定量的に情報収集を行った上で検討しているということですけども、現時点で十分な科学的知見が得られないような情報については、今後の課題というふうに考えております。そういう困難な指標については、十分な根拠ができたような場合には、改めて取扱いを検討するべきであるということでございます。

 具体的な事例として下に書いてありますが、排出ガス後処理装置、触媒に大きくよっているわけですが、それが長年の経年劣化みたいなことで排出係数が増大するような可能性があるということは、ほかの検討会でも検討されておりますが、そのレベルについては、なかなか設定できません。

 それから、交差点近傍の走行においては、車速が低い、アイドリング時間が多いというようなことで、排ガス後処理装置の触媒の温度が上がらないということで、その性能が十分に発揮できていないというような可能性もありますので、そういうことについては、今後の情報を待ちたいというようなことでございます。

 次、お願いします。

 これで、スライドの2で、その他の要因ということで、具体的な例として東京都の松原橋、環七通りに隣接した測定局があるんですが、高濃度で有名な地点ですが、環七通りの上に一般道の高架道路も入っておりまして、しかも掘割道路で坂道の頂点というようなところにありまして、環境としては滞留しやすい道路構造であるというような状況でございます。ここの地点でも環境基準を達成はしているんですが、スライド2に書きましたような、環境基準を超過する可能性が十分低いレベルにまでは達していないというようなことでございます。

 この資料については以上ですね。以上です。よろしくお願いします。

【飯田委員長】 ありがとうございました。

 この「環境基準確保」においては、維持されているかどうかについて考察を加えることというふうになっておりまして、この点について、追加の報告をいただきました。ただいまの説明に対して、委員の皆様、ご意見、ご質問等ありましたら、お願いいたします。

(なし)

【飯田委員長】 特にないようでしたら、続いて、次の資料1-2に移りたいと思います。

 将来推計の結果について、横田委員よりご報告をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【横田専門委員】 それでは、続いて排出量と濃度の予測についてお話をしたいと思います。

 次のスライドをお願いします。

 ここで取り上げたのは、濃度予測の手法の概要、それから自動車発生源の設定ということで、排出量の算定方法、それから将来の計算ケースの設定ということでございまして、結果については、排出量の算定結果、濃度予測の結果、測定局と道路沿道における濃度予測の結果ですね。対策効果の検証、将来推計に係る留意事項ということで整理しております。

 次のスライドをお願いします。

 まず、濃度予測の概要ですが、目的は、現行の対策を、(単純将来)と書いてありますが、規定をそのまま継続するという場合と、規制を廃止した場合における自動車排出量の策定、それに関連して大気環境濃度の予測を行うということでございます。

 内容としましては、NOx及びPMの排出量算定、それから、大気環境濃度は2019年度に作成したモデルを使いまして、現況年度は2017年度ですが、予測については、将来、2025・30・35年度としております。

 将来については、道路沿道については、現況においては50mメッシュ、10mごとに計算をしたんですが、将来については道路端から10mとして、ここが最高濃度になると思いますが、そこで計算をすることにしております。

 次をお願いします。

 濃度予測の概要ですが、これは古いモデルなんですが、「窒素酸化物総量規制マニュアル」と「浮遊粒子状物質汚染予測マニュアル」に示される手法を基本的に使っております。

 現況としまして、平成29年度の排出量を算定して、予測対象年度の29年度のモデルを作ると。それから、将来年度の排出量、自動車ですとか、その他工場等の排出量の予測を行いまして、それからNO2の基本的には年平均値を計算して、それから統計的な手法で2%除外値、98%値を計算するという手法でございます。

 予測モデルについては、結構、現状濃度と予測値に違いがあるということで、一般的に使われるんですが、計算値と測定値の差から補正項「a0」というのを算出しまして、それでプラスをしてあげると。測定局については、計算値にa0で、大体、計算値が少なく出るものですから、補正項「a0」で補正をするということで、環境基準値と比較をすると。

 道路沿道については、局地的な場合を推計できないモデルですので、ちょっと安全を見て、補正項として「a0+2σ」で多めの値を計算しておりまして、それと判定基準値、これは環境基準に相当する値ですが、それと比較をしています。

 次のスライドをお願いします。

 これは予測手法ですが、一般的にNOxマニュアルに準じたモデルの概念図ということで、有効煙突高モデル、拡散計算のモデル、それから、それに現状の発生源の排出量のモデル、気象モデルを経まして、現況の大気濃度予測モデルを作るということで、その再現性を確認した上で、将来における排出量を加えることによって、将来環境濃度を予測するということでございます。

 環境濃度の予測は、NOx・SPMの年平均値を推測しますので、統計モデルを用いて、それからNO2の98%値、SPMの日平均値の98%除外値を計算して、将来年度の常監局・道路沿道の予測結果を算出するという手法でございます。

 次、お願いします。

 これも何回か委員会に出てきたと思いますが、自動車排出量の算定方法ですが、これは車が暖機運転をしているときの排出量の算定手法ということで、排出量については、一般的に活動量×排出係数ということで、自動車の場合は、活動量は自動車の走行量となりますので、それで現状年度と将来年度の走行量を交通センサス等の資料を基に設定しています。

 自動車の排出係数については、排出係数が環境省その他にありますので、それを使って排出係数を算出して、それを掛けることによって排出量を出すと。

 このモデルで少し改良を加えたのは、交差点周辺では、自動車の停止・加速によってNOx排出量が増加するパターンが現実の調査結果から見えていますので、図にあるような排出量パターン、交差点周辺で多めに排出されるというパターンを採用しております。

 次、お願いします。

 それから、次が冷機時の排出量。暖機運転状態の車からの排出量というのは、非常に性能がよくなりまして、相対的に触媒があまり機能しない状態、冷間時の始動をするときに結構多く出るということが分かってきましたので、冷機時の排出量を算定しているということで、これは、ここに書いてあるような自動車の実動台数、冷機時に何回ぐらい始動するかという統計結果でございます。それから、冷機時の排出係数を求めて算定をしております。

 次、お願いします。

 将来の計算ですけれども、現行の規制を継続した場合を単純将来と書いてありますが、それと、規制を廃止した場合について、25年度・30年度・35年度で計算をするということでございます。

 次、お願いします。

 現在の規制の枠組みについて簡単に説明しますが、主に車種規制と流入車規制ということで、自動車NOx・PM法の対策地域におきましては、車種規制に適合しない車は走行できないことになっていまして、左下の図が、基準適合車の代替の様子を見た図でございまして、大体20年頃に、大型車についてはおよそ9割が代替していると、代替が促進されているということでございます。100%に達しないのは、車検が切れていても登録を抹消しないで保有している車があると。なので、100%に達していないというふうに考えております。

 それから、流入車規制については、右下の図にありますような割合でして、丸の列が対策地域内の基準適合車の割合、バツ印が基準非適合車の割合ということで、これも非適合車は平成20年頃にほとんど0%ということで、代替が進んでいるというような状況でございます。

 次、お願いします。

 これはNOx・PM法の車種規制と各地域の条例・要綱の概要を示したものでございまして、これはご覧になっていただきたいと思います。

 次、お願いします。

 計算ケースの設定と書いてありますが、規制を廃止した場合にどうなるかということで、まず、設定案としましては、車種規制を廃止するということで、具体的には、基準非適合車を対策地域内で登録可能とすると。実際には非適合車の割合というのは非常に少なくなっておりますが、それを可能とするということですね。

 それから、流入車規制の廃止ということで、これも代替は非常に進んでいるんですが、今まで車については、新しい年次の車ほど使用割合が高いということで、それを「走行係数」と呼びますが、その走行係数を考慮していたんですが、方策としては、具体的には保有台数の割合、保有ベースといいますが、それで規制を廃止した影響を見るということにしております。

 次、お願いします。

 ほかに計算した例もあるんですが、車種規制の廃止は、中古車等が対策地域内に戻るということで、全国平均の排出ガス規制区分の構成率を各都府県に一律に設定すると。流入車規制も同様にすると。そんなことも検討しました。

 ところが、この方法では、前にお話しした設定案に比べて、規制廃止の影響が小さいということ、それから、排出ガス規制区分の構成率が全国一律になるというか、現実的ではないということで、この案は採用しないということにしました。

 次、お願いします。

 以下は自動車排出量算定結果ということで、規制廃止ケースのNOxの排出量。図の見方ですが、現況年度が一番左にありまして、それが25年・30年・35年というふうに減っていきまして、25年度の左側が単純将来、右側が規制廃止ケースという並びになっております。25年度は、規制継続に比べて3.9%、規制廃止のほうが多くなっております。同様に、30年度は2.3、35年度は0.8%というふうに、若干多いんですが、年を追うごとに規制廃止の影響は少なくなるということでございます。

 次、お願いします。

 これは、前の図もそうですが、8都府県の合計の排出量で比較をしています。自動車排出のPMですけども、同様に、2025年度は規制廃止によって5.1%、30年度は1%、35年度は0%というふうに、その比率、規制廃止による影響は小さくなっております。

 次、お願いします。

 自動車からのPMの排出量ということで、これはテールパイプからの排出量の比較ですけども、これのほうは規制廃止の影響が結構大きくなるということがありまして、25年度には33.9、30年度は10.1というふうに、少し合計量は多いんですが、これもだんだん影響は小さくなっているというふうに思います。

 次、お願いします。

 規制廃止した場合の排出量については、だんだん、年を追うごとに古い車両は少なくなるということで、規制廃止による影響は当然小さくなる傾向にあるということでございます。

 次、お願いします。

 これはNO2の98%値の予測値で、見方も、ちょっと細かくて申し訳ないんですが、下に各都府県がありまして、左が単純将来、右が、点の列が縦に並んでいますが、右が規制廃止ケースとなっています。例えば規制廃止と単純将来のNO298%値の濃度差は、最大で0.4、0.2、0.2となっています。

 次、これは将来年度におけるNO298%値ですけども、同様に、最大の濃度差が25年度は0.6、以下、だんだん下がっていくというようなことでございます。

 次、お願いします。

 これはSPM2%除外値ですけども、これも同様な図の見方ですが、これも最大の濃度差については25年度0.4、0.2、0.2というふうになっております。

 次、お願いします。

 これは自排局ですが、同様に、2%除外値の最大濃度差が25年度は1.7、0.4、0.0というふうに、年々下がっているというような傾向にございます。

 次、お願いします。

 これは測定局ではなくて面的な推計ということで、8都府県の対策地域内の道路沿道のケースということで、道路沿道の将来推計において、環境基準値を超過する箇所はなかったということでございます。

 これも見方が、左下の3交差点、2年度予測でNO2の判定基準値を超過すると予測されたところが3交差点ありまして、そこの結果の予測ですが、これも左側が単純将来、現況が左端にありまして、25年・30年・35年という図が、点が二つありまして、右側が規制廃止ということでございまして、これも最大の濃度差は、NO298%値について、25年度が1.4、30年度は0.1、35年度は0.3ということでございます。

 SPM2%除外値については、25年度で最大濃度差が1.5、30年度0.3、35年度で0.1ということでございます。

 次、お願いします。

 規制廃止の影響の検証ということで、単純将来だけでなく、規制を廃止した場合においても、環境基準は達成される結果となっております。将来推計の結果から見て、規制廃止による影響は最大でも数%程度であり、年々小さくなるということでございます。これは新しい車への代替が進むということでございます。

 次、お願いします。

 将来推計に係る留意事項としまして、現在、コロナ危機ということで、交通量は減少しておりますが、この調査においては、2017年度を現況として、コロナの影響のない将来推計を基に将来交通量を設定しているということで、コロナによる影響、交通量の減少は考慮していません。ということで、コロナによる交通量減少が今後も継続するような場合には、実態よりも安全側の設定ということが言えるかと思います。

 次、お願いします。

 具体的にコロナでどのぐらい交通量が減少したかということで、これは国交省の自動車燃料消費量調査に走行量データがありまして、コロナ前(2019年1月~2020年2月)に対するコロナの影響が出た2020年3月から今年の8月までの走行量の比率を計算したということでございまして、あまり地域差はなかったんですね。それで、小型車については、全国で88%ぐらいに減少していると。大型車については、若干、それよりも多くて、91.5%ぐらいに減少しているというような状況でございます。

 次、お願いします。

 これは参考になりますが、一番上は埼玉県になっていますが、普通貨物車で規制年次ごとの排出ガス規制区分別の構成率ということで、一番左が現状年度で、一番多いのがだいだい色のポスト新長期規制。これが将来、25年度には28から31規制、それぐらい増えてきますよと。当然、30年度・35年度には、その割合はだんだん増えてきますよということで、規制廃止をした場合には、その割合も、代替が少し遅れるということでございます。以下同様な、各都府県について見たというグラフでございます。

 次のスライドをお願いします。資料1-2は、これで終わりですかね。

 資料1-2については、これで終わりです。以上です。

【飯田委員長】 ありがとうございました。

 ただいまのご説明に対して、ご意見、ご質問等ありましたら、お願いいたします。それから、資料1-1のご質問等ありましたら、それに遡っていただいても結構です。よろしくお願いします。

 草鹿委員に、私のほうから指名で、ご意見をいただきたいと思います。資料1-1で、将来の推計に当たって、unknownというんでしょうか、確証を持って設定できなかったとする項目として、横田委員のご説明にて、一つ目に排気触媒システムの劣化あるいは耐久性に係る推計、二つ目に、渋滞路等で、あるいは路線バスやごみ収集車のように、アイドルでエンジン運転しなければいけない車両が、触媒の温度が下がって、排気触媒性能が低下することに係る推計、を挙げています。これについては、草鹿委員からコメントをいただければと思います。それらが今回の推計には入っておりませんので、これらがどの程度重要か重要でないかというニュアンスを、エンジンの、あるいは自動車の専門家として、ご意見をいただければと思います。よろしくお願いします。

【草鹿専門委員】 ディーゼル車の特に触媒に関しては、燃料中の硫黄成分による酸化触媒の被毒と、それからNOx触媒の被毒劣化というものが実際には起こっておりますけれども、その後、技術が進展しました。ディーゼルパティキュレートフィルターで、スートが堆積した際に、それを強制再生するという方式で、高温のガスをエンジンのほうに送り込むことによって、酸化触媒、それからSCR触媒についた硫黄を含むハイドロカーボンを高温のガスで吹き飛ばします。これによって劣化に関しては、報告事例としては少なくなってきていますけれども、必ずしもゼロではないということで、この劣化がどうやって起こるかということは、現在、研究中でもありますので、これに関しては十分に考慮されていないということが挙げられます。ただし、件数としては非常に少なくなってきているという現状でございます。

 それから、もう一点が、触媒温度が低下するようなときとか、あるいは車種によって触媒の位置がエンジンから大分離れたところにあるような場合は、触媒の入り口付近の温度が低下すると、どうしてもNOx触媒の浄化に使われる尿素というものを噴射しない場合があって、その場合は、エンジン側のEGRという方式によってNOxを極力減らすようにはしているんですけれども、十分に取り切れない場合があります。これも触媒温度がどのぐらい低下したときに尿素を噴かなくなるかとか、あるいは車体の形式によって触媒の位置がどのぐらいエンジンから離れるかというのは、これはもう千差万別のことなので、特にアイドリングとか、冷間始動で触媒温度が非常に低いときに、尿素を噴射しないと、あるいは触媒が働かないというような場合に関しては、現在の試算では入っていないということになります。

 以上でございます。

【飯田委員長】 分かりました。

 この推計でよろしいかどうかという点については、どんな感想をお持ちでしょうか。

【草鹿専門委員】 件数としては、それほど多くないことになりますので、大勢に関しては、まずは影響ないものと思っています。ただし、今後も、解除をした際に関しても、十分に排ガスの計測値に関しましては、しばらくは注視する必要はあると考えます。

【飯田委員長】 ありがとうございます。

 推計手法、それから、その信頼性を損なうようなものではないけども、懸念される点として、横田委員が挙げられた点については、きちっとエビデンスを積み上げて、今後、しておく必要があるという、そういう位置づけでよろしいでしょうか。

【草鹿専門委員】 はい。よろしくお願いいたします。そのとおりでございます。

【飯田委員長】 ありがとうございました。

 ほかにご意見、あるいはご質問等ございましたら、お願いします。

【石田臨時委員】 すみません、石田ですけども、発言してよろしいでしょうか。

【飯田委員長】 石田委員、よろしくお願いします。

【石田臨時委員】 ありがとうございます。

 結論から申し上げますと、資料1-1、1-2、いいんじゃないかなというふうに思います。

 実は資料1-2の23ページに、もう随分前なんですけれども、平成20年の道路分科会の第26回基本政策部会で、「新たな将来交通需要推計」に示されたと書いてありますけれど、十数年前、私、この新たな将来交通需要推計小委員会だったかな、委員会の委員長をしておりまして、それの責任者でございまして、ご採用いただきましてありがとうございます。ここにありますように、道路局の需要予測で、このときに初めて将来交通量が減りますよという、非線形の推計をしたのを思い出してございます。ただ、道路交通センサスというのは、皆さんご承知のように、かなりサンプルレートの低いサンプル調査でございまして、空間的に、あるいは今ここで議論しているような、本当に絶対値でのセーフティ濃度の要求精度レベルに匹敵するだけの、相当するだけの精度というのは、必ずしも持ち合わせていないというふうにも思います。ですから、非常に抑制的な態度で、相対的な位置関係とか傾向を示しておられるという、そういう態度は非常にありがたいですし、称賛に値すると思いまして、一言コメントさせていただきました。

 以上でございます。

【飯田委員長】 石田委員、ご指摘ありがとうございます。

 石田委員のご指摘のとおり、将来予測には、活動量というところが将来の交通需要推計に非常に大事なよりどころになっております。それに対策車、適合車の排出原単位を掛け算する形で、各指定地域でどんな数値になるかを推計していただいていております。さらに、横田委員の検討会では、ホットスポットと呼ばれる、地域全体ではいいんだけども、集中して汚染される場所がないかということについても、50mメッシュや10mという細かいメッシュを切ったシミュレーションで確認していただいたということでございます。ですから、実はこの活動量が間違っていますと、推計自身も大変なことになってしまうんですが、石田委員が委員長をやられた推計であれば、鬼に金棒というか、大変信頼性の高いものというふうに承りました。

【石田臨時委員】 ありがとうございます。

 もう一つだけ言わせていただくと、本当に正確なものであるということは、なかなか言うことは難しいので、だから、活動量の傾向を今の状況とも重ね合わせながら記述して、その結果、濃度がこうなっているというふうな、傾向で今全部示していただいておりますので、それは非常にありがたいなというふうに思いました。どこが増えた、どこが減った、どれぐらい減ったということは、全体が同じでありますし、需要予測をするときの考え方も同じですので、そういう意味では、同じ土俵の上に立った精度がそれなりにそろった、信頼性がそれなりにそろった議論ができているのかなというふうに思います。そういう点から、非常に有意義だなというふうに思った次第でございます。

 以上です。

【飯田委員長】 ありがとうございます。

 ある時点の絶対値と、それから、その時点における傾き、この双方から推論していくことが肝要。絶対値が多少外れたとしても、傾向を大事にした見方になっているから、判定にはその考え方がよろしいというご意見ですね。

【石田臨時委員】 そのとおりでございます。ありがとうございます。

【飯田委員長】 大事なご指摘ありがとうございました。

 ほかにご意見等ありますでしょうか。あるいはご質問でも結構です。

【織専門委員】 織ですけど、よろしいでしょうか。

【飯田委員長】 はい、お願いします。

【織専門委員】 私で大丈夫ですか。

【飯田委員長】 どうぞ。

【織専門委員】 すみません、将来の交通量の設定なんですけど、コロナの影響が考慮していないということなんですけど、これ、二つの推計値をつくるということは難しいんでしょうか。つまり、このままコロナが継続するというか、コロナ、類似の新しいウイルスによる影響が継続する場合と、普通どおりに戻った場合という、二つのパターンをつくるということはできないんでしょうか。

【飯田委員長】 これは事務局からお答えいただきたいと思います。

【山崎自動車環境対策課課長補佐】 事務局の山崎です。

 今いただいたコロナの影響を考慮した将来シミュレーションを二つ用意するかどうかというところでございますけれども、こちらは将来推計に当たっては環境基準を満たした状態で維持ができるかどうかというところの評価を中心に考えておりますので、より厳しい条件の下で推計をする必要があるかと考えております。そうしたところを考えますと、まず、コロナの影響がなくなって、元に戻った場合のシミュレーションのほうが、コロナの影響が継続をして、交通量が少ない状態がある程度続くのではないかという場合のシミュレーションよりも、交通量が多くなり、より厳しい評価をしたことになるということになりますので、より厳しいほうの評価だけを行えば大丈夫なのではないかと考えているところでございます。

 以上です。

【織専門委員】 ありがとうございます。

 考え方としては、すごくよく、行政の規制側としてはよく分かるんですけれども、ただ、実際に今コロナの状況、変異株なんかも出てきて、今後分からない中で、現実とあまりにもかけ離れた推計が続くというのは、一般的に考えて、どうかなということが若干気になるところではあります。

【山崎自動車環境対策課課長補佐】 ご意見ありがとうございます。

【飯田委員長】 織委員、貴重なご指摘ありがとうございます。

 恐らく、コロナが日本に入ってきて、安倍首相のときに第1回目の緊急事態宣言がなされて、その後の運輸部門の燃料の消費量が、完全ではないんですが、交通量と高い相関を持つとして、環境省のPM2.5インベントリ検討会にて、調査しています。それで、月別で見ていくと、一番大きく減ったのが4月の下旬の時期で、ピークとして20%ぐらいの減少がありました。その後は、それがすぐまた戻って、過去の年平均の90%から95%のレベルをずっと維持している状況にあります。その程度であれば、今回の推計については、厳しい側で計算しておけばよいのではないかという観点で計算がされていると思います。

【織専門委員】 了解です。今のご説明で、すごくよく分かりました。ありがとうございます。了解いたしました。

【飯田委員長】 ただし、ただしがあります。このPMと、それからNOx、あるいはNO2は確実に減るのですが、世界の都市で、光化学オキシダントは逆に交通量が減って増えているという地域が出ています。これはVOCの排出量とNOxの排出量のバランスで、NOxが本当に少なくなっている地域では、逆に、さらにNOxを減らすと、オキシダント濃度の1日平均値は増えるという領域(リジューム)に入ってきます。これは大気シミュレーションの反応論的な視点で、特殊な領域です。日本の各都市でも、NOx減らした時のオゾンの低減は減らす効果が薄くなる領域に半分足を突っ込んでいる状況にあるというのが、私の、あるいは大気中の光化学反応を研究している人の一つの見解でございます。ただ、これは他のいろんな条件も重なってのことですので、必ずそうだと言い切れるものではありません。そんなことを参考にしていただければと思いますがいかがでしょうか。

【織専門委員】 ありがとうございます。すごく状況がクリアに分かりました。

 一般的に見て、仮定によって随分変わっちゃうなということを、どういうふうに説明の中に入れていくのかというところで、ちょっと工夫していただければ、より分かりやすくなるかなと思います。ありがとうございます。

【飯田委員長】 ありがとうございました。

【石田臨時委員】 今のに関連して、石田でありますけども、よろしいでしょうか。

【飯田委員長】 よろしくお願いします。

【石田臨時委員】 コロナだけではなくて、カーボンニュートラルとか、コロナもそのきっかけの一つになったデジタルトランスフォーメーションというものが、これからいろんな形で起こっていこうとしていて、電動自転車化もその一つなんですけど、まだまだ分からないことだらけなんですね。ですから、そういうのを、何か留意事項として掲げておいて、そういう中で、今回の推計値というのは、分科会長がおっしゃったように、安全側と考えられるみたいな、多分、いずれも安全側に、高めに推定をしているという意味では、環境に対しての安全側の推計であるということは間違いないので、そういうふうな記述をどこかで短くされておくといいのかなというふうに思いました。

 以上です。

【飯田委員長】 ありがとうございました。

 あくまでNOx・PM法の目的視点で、NOxとPMがどれだけ減っているかという評価、に加えて、環境全体のCO2の問題やオキシダントの問題と絡めて、これからどういう貢献なり、監視なりが必要かという、総合的な展望を持っておいたほうが良い、とするご意見と承りました。そういうことでよろしゅうございますか。

【石田臨時委員】 すみません。よろしくお願いします。

【飯田委員長】 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

【遠藤専門委員】 トラック協会の遠藤でございます。

【飯田委員長】 遠藤さん、よろしく。

【遠藤専門委員】 今までのお話で、いろいろご質問があったこと、それに関連するものですが、現場的に話しますと、過去と現在、それから将来の関係で、今、業界としても、補助金に頼っているのですが、例えばCNGの車、それからハイブリッドの車、先ほどお話がありました、塵芥車に関しましては、まだ、現状でもCNGの車をたくさん使っているところもありますし、さらに、CNGからハイブリッドに移行しているということも増えていますので、先ほどお話がありましたように、そういった車にどんどん変わってきているということも含めますと、かなり、効果は上がっているのではないかと。それが過去から現在、それから将来においても、良い数値が出てくるのではないかなと思います。

 それから、コロナの影響の話ですが、先ほどあまり影響がないということですけど、私もそのように感じます。小口配送はたくさん増えて、小型車は増えているのですが、幹線輸送の基幹産業的な要素、例えば重厚長大の車においては、非常に今需要的には少なくなってきておりますので、大型車が都内を走るとか、そういうところの渋滞の詰まりは、かなりなくなってきているということを感じておりますので、そういった観点から見ても、今後も当分こうした傾向値は続くのではないかと予想しております。現状的な話で、それが参考になるか分かりませんけども、一応、そうした流れでございますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

【飯田委員長】 遠藤委員から、運輸部門の現場の状況について解説をいただきました。それから、CNG車やハイブリッド車というのが、ごみ収集車等に特殊な用途のところで使われていること。これは発進と停止を繰り返す用途では、ディーゼル車の排ガスの触媒システムの使用が厳しい場合には特性を生かした車種が適材適所で使われていることのご紹介でした。どうもありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

(なし)

【飯田委員長】 では、特にないようでしたら、横田委員から資料1-3の3部作の最後のご説明をいただきたいと思います。これまでの評価の内容も踏まえた、対策地域の指定解除の考え方についてです。横田委員、ご説明をお願いいたします。

【横田専門委員】 それでは、資料1-3に基づいて説明をいたします。

 まず、ここでは指定解除の考え方について検討した結果です。

 次のスライドをお願いします。

 指定解除に係る評価方法の素案ということと、それから検討の際の留意事項の整理ということでございます。

 次、お願いします。

 で、まず、ここの3ページ目です。その1と書いてありますが、まずは評価年度における評価の方法ということで、字がすごい小さいんですが、指定の解除の考え方の整理をするということで、車種規制等が適用されなくなった場合において、「環境基準確保」を達成した状況を維持することができるかどうかということが観点でございます。で、車種規制等が適用されなくなった場合の仮定のおき方については、まあ安全側にたつということですね。将来推計においては、評価年度における「環境基準確保」ができている地域において、解除を検討する際に十分に安全側にたつ趣旨で評価に活用することに留意するということでございます。なお書きで、指定が解除された場合においても、条例に基づく流入規制は継続し得るんですけれども、安全側にたった評価に活用する趣旨から資料1-2、前の資料ですけれども、設定した規制廃止ケースを用いるということでございます。将来年度の推計手法については、基本的な考え方でございまして、将来得られる実測値や統計データに基づきモデルを更新する等を妨げるものではないという原則でございます。

 次の下の絵をお願いします。

 まずは、評価年度における環境基準確保の評価指標ということで、これは、もう前の委員会でもご説明しましたが、まず、(1)は常監局の継続的・安定的な環境基準達成に係る評価ということで、評価指標としまして、この三つをつくりました。一つは、各都府県での、その年平均値98%値、SPMの年平均値2%除外値の減少傾向というのは低濃度で横ばいであること。二つ目は、各測定局の至近3年度の平均値ですね、3年間の平均値、これが環境基準を超過する可能性が十分低い濃度レベルであるということで、NO298%については0.055ppm以下、SPMについては2%除外値0.080mg/m3以下であるということを設定しております。対策地域内の自動車からのNOx、PMの排出量が基準年度から減少傾向または横ばいであることということを挙げております。評価の手法でありますね。

 それから、対策地域全体における面的評価としましては、数値計算手法、及びその結果を実測値を用いて確認した結果は、前にお話ししましたが、簡易測定とか法定法を用いて実測した結果が、判定基準98%として0.06ppm、SPM2%除外値は0.10mg/m3に適合することということでございます。こういう手法で、YESかNOを判断しようということでございます。

 次のスライドをお願いします。こちらのほうは、将来年度における環境基準確保の評価指標ということで、常監局のほうの指標としましては、現時点の評価年度における評価手法と同じですね。失礼、至近3年度ということはあり得ませんので、将来の推計値を、十分低い濃度で、濃度レベルは一緒です、ということでございます。

 それから、対策地域における面的評価については、判定基準をNO298%値は0.06ppm、SPM2%除外値は0.10mg/m3に適合するということでございます。

 次のスライドをお願いします。指定解除に係る検討の際の留意事項ということでございます。解除するまでに留意すべき事項ということで、ステークホルダー、主に住民、事業者等でございますが、住民に対しましては、指定解除にあたって、すでに環境基準を確保できている地域であるということ、それから、車種規制等を廃止した場合の大気環境について予測した場合でも、まあ安全側、保守的と書いてありますが、安全側にたって、環境基準を超過する可能性が低いということを確認した上で対策地域の指定の解除を考えていることを説明する等、丁寧な対応が重要であると。その他関係する事業者、自治体、道路管理者等に対しては、指定解除後も実施するこれまでの対策ですね、それと自主的な取組事項を整理するなどの連携を図ることが重要であるということでございます。

 それから、指定解除後の対応として留意すべき事項としましては、当然、大気環境や自動車使用の変化ですね、先ほども話がありましたが、非適合車の走行割合の増加等ですね、排出ガス浄化装置の劣化等の影響もありますので、大気環境とか自動車排出量のモニタリング等も含めて、しばらくモニタリングを継続して、大気環境の状況と走行車のうち非適合車の割合の動向等を確認していく必要があると。それから、数値解析の手法に基づく大気環境の把握も重要である。

 それから、こういう自動車そのものの対策、排気ガスの対策そのものだけでなくて、大気汚染対策・地球温暖化対策の双方に資する取組ということで、電動車等の普及促進、エコドライブ等の実施ということで、これらの普及促進に向けた施策ということで、これは地球温暖化対策だけでなく、大気環境の改善にもつながるということで、各自治体における取組が期待されるということで取りまとめております。

 以上です。資料の説明は以上です。

【飯田委員長】 はい、横田委員、ご説明ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明に対してご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。

【庭野委員】すみません、庭野ですけど、よろしいでしょうか。

【飯田委員長】 はい、よろしくお願いします。

【庭野委員】 すみません、単純な質問なのですが、資料の四角に入っている部分、3枚目の資料になりますね。条例のことについて書いてあるんですが、ここのところはなかなか意味が取りづらくて、条例に基づく流入規制は継続し得るが、安全側にたつ評価に活用する趣旨から、資料1-2で設定した規制廃止ケースを用いると、この意味合いというのを少し教えていただければと思います。

 すみません、よろしくお願いします。

【小林係長】 環境省自動車環境対策課の小林でございます。

 こちらの記載の趣旨について説明します。

 自動車NOx・PM法において規制を行っている手段というのは、具体的には車種規制、使用過程車等々の登録をできないようにする仕組み、この部分が法律に基づく部分となっています。一方で、その自治体によっては上乗せで、この法律とは一部独立したような形で、条例によって流入車規制というのを行っている形になっています。

 地方自治の観点から、条例の制定というのは認められているというふうに理解していますが、当然、法律が廃止されたからといって、そのまま条例の廃止に直結するわけではないといったところで、今回、資料の1-2で書いております規制廃止ケースというのは、車種規制及び自治体の条例等に基づく流入車規制、双方を適用しなくなった場合における将来を推計している形となっていますので、この双方の適用しなくなった場合の将来推計を活用するというのは、すなわち安全側になっていると、そういった趣旨を、こちら一文記載したといったところが、この記載の趣旨でございます。

【庭野委員】 分かりました。指定解除に係る評価にあたって安全側にたって、条例についてもないもの、上乗せがないものとして評価をするという趣旨でよろしいですか。

【小林係長】 おっしゃるとおりでございます。

【庭野委員】 分かりました。ありがとうございます。

【飯田委員長】 ほかにいかがでしょうか。

【遠藤委員】 よろしいでしょうか、トラック協会の遠藤でございます。

【飯田委員長】 はい、遠藤委員、お願いします。

【遠藤委員】 今後の対応なんですけれども、私共としては、CO2対策を、一つ大きな形でやらなくてはいけないということで、約99%が中小企業者なんですが、それらも大企業に負けずにやらなければいけないということで、東京都トラック協会で取り組んでいることの一つとして、このエコドライブだけではなくて、そのエコドライブをドライバーのみにやらせるのではなく、会社全体で、一体となってやろうという形のものがあります。

 今、DXの取り組みとして、配車計画からAIを使いまして、より効率的な輸送をするということを、今年から東京都の支援により計画しております。なかなか、その荷主さんの意向も含めて、大変な状況なんですけれども、基本的には、そういった形でデジタル化をいかに早くして、さらにそれで、走行をよりスムーズにするということになりますと、エコドライブとプラスアルファでできるため、効率的な輸送ができるのではないかということで、地球環境、大気汚染対策にも貢献できるのではないかと考えております。

 以上です。

【飯田委員長】 遠藤委員、ありがとうございました。

 先ほど、小林さんから説明されたように、NOx・PM法で国が定めていることと、それから、地方自治体や関係団体が自主的に取り組んでいただいていること、それが流入規制であったり、それからエコドライブ活動という取組でございます。また、ITを利用したいろいろな効率化を団体としても進めていただくということで、ぜひ継続的に取り組んでいただければというふうに思います。

 そういうことで、国の定めたものは確かに解除はするけども、地方自治体、団体、運送業者のいろんな取組や努力は、CO2の削減にも向けて、今後も推進していただきたいということを書き分けたいという趣旨でございます。どうも、ご提案やお申し出、ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

【大久保委員】 すみません、大久保ですけれども。

【飯田委員長】 はい、大久保委員、どうぞ、よろしくお願いします。

【大久保委員】 最後の留意事項の整理の部分の①ステークホルダーとの調整というのは大変重要だと思うのですが、この内容は、自治体に向けた留意事項だと思うのです。このNOx・PM法の制定・強化の経緯というのを見ますと、これはやはり各地の道路公害に対する訴訟を経て強化がなされてきたという実態があると認識しております。その観点から、各地に道路連絡会が設置されていて、この中には被告、被告というか、国の中でも関係省庁等入っており、現在の国交省以外にも環境省が入っている場合もあると思いますけれども、そうした、とりわけ住民という一括りではなくて、関心の高い層に対して、十分な調整を、国としても説明責任を果たしていく必要があると思うのですが、この点、例えば道路連絡会で既に、こうした方向性について検討していることは説明しているとか、あるいは今後説明する予定があるとか、この点はいかがかということをお伺いしたいと思います。

【飯田委員長】 これは事務局のほうから回答していただきたいと思います。

【山崎課長補佐】 環境省の山崎でございます。ご指摘ありがとうございます。

 まず、ステークホルダーとの調整にあたりましては、この資料に書いてあるとおり、自治体、道路管理者等が取り組んできておるところでございまして、これまでも、その国土交通省の特に地方整備局とか、そうしたところが公害訴訟の原告団との連絡会等を通して、いろいろと調整を進めてきたというような経緯もございます。環境省としても、こうした関係省庁と連携を取りながら、地元のご意向とか、そうしたところも踏まえて取り組んでいこうというふうに考えておりますので、今後、関係省庁といろいろ、こうした相談を進めていく中で、具体的にどのように進めていくのか等を考えていければと考えております。

 以上です。

【飯田委員長】 大久保委員、よろしゅうございますか。

【大久保委員】 はい、ありがとうございます。今まで、この道路政策に市民側からコミットメントしてきた様々な組織があると思いますし、とりわけ道路連絡会が組織されているところは直接的な影響を受けてきた地域でもございますので、そうしたところのメンバーにとって、不意打ちというか寝耳に水ということのないように、十分な説明・調整を国としてもしていく必要があると思いますので、この点、再度繰り返しになりますけれども、ぜひ十分な連携を図っていただければと思います。

 以上です。

【山崎課長補佐】 ご指摘ありがとうございます。

【飯田委員長】 ほかにいかがでしょうか。特に、この指定解除に係る検討の際に留意すべき事項というのを素案として挙げていただいております。それが、今、大久保委員からのご指摘のあった通り、1番目がステークホルダーとの調整、それから、2番目が大気環境や自動車使用の変化、あるいは、そのモニタリングの継続の必要性、それから、3番目が大気汚染対策、地球温暖化、双方に資する取組ということです。これらは留意が必要な事項ということですが、これらについて、あるいは、このほかにもあるぞということがございましたら、委員の皆さんからご指摘いただけると大変ありがたく思います。

【織委員】 織ですが、よろしいでしょうか。

【飯田委員長】 はい、織委員、よろしくお願いします。

【織委員】 ありがとうございます。今の大久保委員と重なるところでもあるんですけれど、ステークホルダーとの調整のところに関連してなんですけれども、これ、自動車NOx・PM法の指定解除に関わるということで、NOx・PM法を中心にしているんですけども、その自動車の排ガス規制全体を考えてきたときに、これから、その住民の方のエコドライブ、さっきのトラックの話もありましたが、エコドライブや企業の方の取組ってすごく重要になってくると思うんですね。なので、その指定解除して環境基準、超過する可能性が低いですよということで指定解除しましたということでとどまるのではなくて、やっぱり、もっと総合的な情報もここで入れることって不可能なのかな。

 つまり、全体的に今後もこの状態を継続していく上では規制、NOx・PMの規制だけじゃなくて、やっぱり住民の車の使い方ですとか交通量というのもすごく重要なことであるので、そういった意味で指定解除の通知に合わせて、やはり今後、継続していくための住民の参加の在り方というものについて、何か参考になるような、そういった情報なり意見、エコドライブとか、そういったことを含めて入ればいいのではないかなというコメント、意見なんですけれども、ちょっと趣旨からは違うかもしれないんですけれども、そのように思いました。

 以上です。

【山崎課長補佐】 ご指摘ありがとうございます。

 まず、エコドライブとかの取組については、総量削減の基本方針のほうにも、そうしたものを書く欄がございまして、先生はご存じだと思いますけれども、こうした部分について、関係省庁や自治体等で取り組んできています。その中には企業の方々にもご協力いただけるような取組もあるということで、この辺りは現在の基本方針の中でも取り組めるようにはなっておるところでございますけれども、先生のご指摘を踏まえまして、足らないところは、さらにいろいろと呼びかけるなど、今後、より多くの方々の協力を得ながら進めていけるよう、総合的に政策を見ていければと考えております。

 ありがとうございます。

【織委員】 どうもありがとうございます。やはり自動車政策、総合的に考えていったときに、特に住民にとっては法律で、縦割りで考えていくわけではないので、ぜひ、そういったところを注意喚起できるようなアプローチをしていただければと思います。

 ありがとうございます。

【山崎課長補佐】 ありがとうございます。

【飯田委員長】 織委員、ご指摘ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

【入江委員】 委員長、すみません、川崎市、入江でございますけれども、よろしいでしょうか。

【飯田委員長】 はい、入江委員、どうぞ。

【入江委員】 今のに少し同じような話なのかもしれないんですけれども、車種規制が仮に解除されたといったときに、それがすぐに基準に適合してない超過するような車を登録していいというような、そんなメッセージにならないように、何か、そういったことも入っていたほうがいいのかなというふうに思った次第なんですけれども、いかがでしょうか。

【山崎課長補佐】 ご指摘ありがとうございます。確かに、せっかく今、総合的な取組をして排出状況等を改善してきたところで、そこが戻ることのないように、そういう間違ったメッセージを伝えないような工夫についても、ちょっと今ぱっと、どういうようなことをすればいいのか具体的な案を思いつかないところではありますが、先生のご指摘を踏まえまして、そうしたところも考慮に入れながら取り組んでいければと思います。

 ありがとうございます。

【飯田委員長】 入江委員、ありがとうございました。留意事項、いずれも大事なポイントをご指摘いただきました。

 ほかにいかがでしょうか。

 特にないようでしたら、一旦区切らせていただきます。

 次の議題、(2)今後の自動車排出ガス総合対策の在り方についてと題しまして議論をいただきたいと思います。

 これまでに、昨年の9月から小委員会を4回開催し、最終レビューの取りまとめに向けた審議をいただいてまいりました。今後は報告書を取りまとめて、答申書の案を作成していくことになりますが、これまでの審議を踏まえた取りまとめの方針について、事務局からご説明をいただきます。

【長坂課長】 事務局の大気環境課長の長坂でございます。

 私から、資料2に基づきましてご説明をさせていただきます。

 自動車排出ガス総合対策の今後の在り方の取りまとめの方針についてという資料でございます。

 まず、目次をご覧ください。これは答申書の案を次回の小委員会でお示しできればと考えておりますが、その構成、目次につきまして、今こんなふうに考えているということをご説明させていただきます。

 この2ポツのところに答申書の内容の案ということで、今、①から④、大項目として四つを挙げてございまして、まず、自動車排出ガス対策の実施状況と評価が1番目。そして、2番目には、大気汚染の状況と総量削減基本方針の目標達成という観点からの評価をするということ。そして、三つ目といたしまして、大気環境状況の将来予測をして、それを見るということ。それから、4番目、最後に、それら、以上のことを全部総合的に評価しまして、今後の自動車排出ガス総合対策の在り方というものをお示しできればと考えております。

 次をお願いいたします。今、こちらのスライドですが、答申書の構成(案)についてということで、1番目は経緯ですが、2番目以降は、今言った四つのものについて、さらに細かくしているところでございまして、その細かい部分について、次のスライドからご説明いたします。

 次をお願いします。まず、一番大きい、最初の自動車排出ガス対策の実施状況と評価でございますが、こちらについては、平成29年3月に、一旦、中間レビューというのを取りまとめていて、27年度までの施策の実施状況をレビューしてございます。これを踏まえまして、この内容を令和2年度までの状況で更新をするということで書いていきたいと考えております。

 さらに、第14回の小委員会での審議結果なども踏まえまして、記載のイメージとしては、下に書いてある、この、まず(1)から(7)につきましては、これは中間レビューと同じ項目で書かせていただいておりますが、(1)として、自動車のNOx・PM法の施行状況、こちらには総量削減計画、車種規制、特定事業者制度等につきまして、その内容と状況評価をしていく。

 (2)として、地方公共団体における取組について、このような取組をしていって、このような状況になっております。

 そして、(3)自動車単体対策の進捗ということで、排出ガス規制、そして、低公害車や次世代自動車の普及促進について、どういう状況かという進捗状況を書かせていただく。

 (4)番目、自動車の利用に係る対策の進捗として、先ほどお話がありましたエコドライブでありますとか、あるいは交通需要の調整・低減、交通流対策の状況について書かせていただきます。

 (5)として、局地汚染対策ということも起こり得ますので、その局地汚染対策にどのように取り組んでいるかということ。

 そして、(6)として、各施策による排出削減効果と、今まで(1)から(5)まで挙げてきたもので、どのような排出削減効果が出ているかということについて書かせていただきたいと思います。こちらについては、実は前回の小委員会におきまして、どの施策が効いているのかというご質問を委員からいただいておりまして、それについて、後ほど参考を一番後ろにつけておりますので、そちらのほうで補足の説明をさせていただきます。

 そして、(7)番、施策の進捗状況のまとめということで、第14回の小委員会の議論からして、全体としては基本方針に基づく施策は進捗しているという旨の評価ができるのではないかと考えておりまして、そういったことを書き下していくのかなと考えております。

 次のスライドをお願いします。2番目の項目として、大気汚染の状況と総量削減基本方針の目標達成に係る評価でございます。第14回、前回の小委員会において、資料の2-1、環境基準確保の評価についてということで、一応合意をいただいているということで、今日、補足説明資料の1-1で補足をさせていただいておりますが、この内容をここに書かせていただくということをイメージしております。

 記載のイメージといたしましては、項目を二つに分けておりますが、(1)として、常時監視測定局における二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境基準の達成状況について、まず書かせていただきます。対策地域において、NO2SPMは、近年はほぼ100%達成しているという状況がございますので、そういったことを書かせていただくとともに、年平均値という意味でも、ずっと低下傾向にあるという状況でございますので、そういった内容を、この(1)番に書かせていただこうと考えております。

 (2)番として、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境基準確保に係る評価でございます。こちら、前の第14回小委員会の資料の、資料2-1と今回の小委員会の資料1-1の内容になると思いますが、まず、「環境基準確保」の評価方法につきましては、中間レビューの時点で整理してございます。前回資料2-1でも紹介させていただいておりますが、その評価方法の概要をまず記載いたしまして、そして、「環境基準確保」の評価手法に基づいて評価した結果でございますが、『対策地域における環境基準はおおむね確保されている。ただし、一部の地点ではNO2に係る環境基準を達成しているものの環境基準値を超過する可能性が十分低い濃度レベルではない。』といったことを書かせていただきましたが、こういった内容を記載するものと考えております。そして、環境基準が維持されているかの考察につきましても、本日の資料1-1でお示しさせていただいたところでございまして、こういった内容を書かせていただくと考えております。

 平成32年度までに、対策地域において大気環境基準を確保するというのが総量削減基本方針の目標ではございますが、これが達成されているのかどうかということの評価を、ここに最終的に書き込むということを考えております。

 次のスライドをお願いします。③番目は、大気環境状況の将来予測でございます。こちらにつきましては、本日の資料1-2でお示しさせていただいたものでございます。こちらの内容を基本的には書かせていただきまして、数字的にどの程度の影響があるのか、ないのかという評価をさせていただくと考えております。

 次のスライドをお願いします。最後の④番目、今後の自動車排出ガス総合対策の在り方についてでございます。

 これまでの審議結果を踏まえまして、今、①から④の項目に分けて書かせていただいておりますが、まず、1番目として、(1)自動車NOx・PM法に基づく対策の必要性ということで、こちらに、これまでの審議の結果を踏まえて、対策を継続していく必要があるのかどうか、また、継続する場合にはどのような形で継続していくのかということについて記載をすることを考えております。

 (2)番目、対策地域の指定の解除の考え方でございます。本日、先ほど、資料1-3でご説明させていただいたものにつきまして、ここに入れ込んで書かせていただくと。ちなみに、この対策地域の指定の解除の考え方につきましては、4月のヒアリングの際に、二つの県から指定の解除の考え方についてお示しいただきたいということをご指摘いただいておりますので、これ、基本的に自治体の方、自治体のほうから指定の解除を申し出るというときに対応するという意味で書かせていただくものでございます。

 (3)として、総量削減基本方針に定める目標及び定める施策についてということでございます。こちらについては、法に基づく対策を継続する場合には、基本方針の改定が必要になってまいりますので、その改定をする際には、どのような対応が必要になるかということを記載させていただくことを考えております。

 (4)番目、最後でございますが、PM2.5対策および光化学オキシダント対策等についてという、今、タイトルでございますが、この前回の中でもいろんな委員からご指摘をいただいております。PM2.5対策とか光化学オキシダント対策というものは、当然この自動車排ガス対策と密接に関係してきております。また、さらに、大気環境の改善にも資する地球温暖化対策の推進という形で、これが大気環境の改善にもつながっていくということ、乗用車及び商用車が電動化するということなどについても、全てこの改善のほうにつながってまいりますので、こういったものの関係性について、こちらのほうに記述をさせていただきたいと考えているところでございます。

 以上が、現時点で考えております、答申(案)の骨格とその内容でございます。

 続きまして、先ほど補足で説明させていただくといった次のスライドをお願いします。自動車NOx・PM対策に係る施策による排出削減効果の算定ということで、これ、すみません、速報値という形で書いてございまして、まだ集計が、各都道府県からのデータを頂いて載っている資料でございまして、まだ速報値の状態でございますが、これについて、簡単にご説明させていただきます。

 まず、対策地域内における自動車NOx・PMの排出量につきましては、対策地域内の自動車走行量にNOx、あるいはPMの排出係数を乗じて算定する。図1に四角が描いてございますが、非常に単純になってございまして、対策地域内の自動車走行量と排出係数を掛け合わせることによって、全体の排出量というものを、数量の算定をするというやり方でございます。

 この排出量に関係する要因がございますが、これについて、①から④の形で今整理をさせていただいておりまして、①としては、新たな排出ガス規制適合車への代替、自動車の単体対策と車種規制によって低下する排出係数が、まず①番の要因でございます。②の要因としては、次世代自動車の増加というものが、これは排出係数の低下を促しますので、その要因と。③といたしましては、物流効率化等ですね、交通需要が低減することに伴いまして、自動車の走行量が減少しますので、これが③、3番目の要因ということ。四つ目の要因といたしましては、交通流対策と自動車走行量の減少に伴いまして、平均旅行速度が上昇します。そうすると、排出係数としては低下のほうに行くという、四つの要因に、今、整理をいたしました。

 次のスライドをお願いします。今、ご説明した①から④の要因というのは、右上の四角をご覧いただきまして、上のほうから下のほうに下がっていく要因というのが、排出係数の低下による削減量ですね、これは①と②と④がかかってくるものでございます。で、右のほうから矢印が来ているもの、自動車走行量の減少による排出量の削減量、これが③による減少量。これが両方相まりまして、この小さい四角の中のようになっていくという、こういった算定をしてございます。

 これにつきまして、各都府県からデータを頂きまして、現時点で算定した図が、図の3がNOx、図の4がPMという状況になってございます。都府県によって、もちろん状況が違いますし、そのデータの取り方も、ちょっと完全に同じようなデータかということについては、まだ、ちょっと精査が必要な状況でございまして、確定値とは言えないものではございますが、これをざっと見ますと、やっぱり最も効果が大きかったのは、新しい排出ガス規制区分適合車の増加に係る施策で、これによって排出係数が下がるということ、自動車単体対策推進と車種規制、流入車規制というものが一番大きかったのではないかと、そういった都府県が多かったと、こういった結果が、今のところ見えてきております。

 私の説明は以上でございます。

【飯田委員長】 ありがとうございました。

 ただいまの説明に対してご意見、ご質問等をお願いいたします。

【大久保委員】 すみません、大久保ですけれども。

【飯田委員長】 はい、大久保委員、どうぞ。

【大久保委員】 ありがとうございます。施策効果について、分かりやすく整理していただき、ありがとうございます。

 で、今回の項目ですけれども、将来予測部分ですが、先ほどは資料3ですか、将来予測に関しまして、規制の時期によって、規制廃止の時期によって、次第にその較差が小さくなってくるという事実について、単純将来予測に対する規制廃止による影響は次第に小さくなる傾向にあるという、そういう予測結果について記述していただきましたけれども、今回、恐らく報告書のほうでは、それに加えて、それを何らかの政策のインプリケーションにする必要があるので、その場合には、やはり、規制を考えるにあたっては、その時期というものが、導入あるいは廃止の時期というものが大変大きな考慮ファクターになるということを、どこかに入れていただいたほうがいいのかなというのが1点です。

 それから、2点目といたしましては、最後の光化学オキシダントに関しましては、先ほどお話にもありましたように、やはりNOx、PM対策だけではなくて、VOC対策というものがセットになってくる必要がありますので、その点について、総合的な対策が必要であるという場合には、その他の大気汚染物質の削減対策との連携というものをきちんと書き込んだほうがいいのではないかと、まあ書き込めることに限度はあるかもしれませんが、少なくとも言及が必要ではないかと思います。

 特に、光化学オキシダントにつきましては、世界の中でもアジアの濃度が高く、また、日本の濃度も高く、あるいは日本の一部の地域で、とりわけ西日本もそうですけれども、高い数値を示しているということがあり、その対策としては、これは近隣国も含めたPM2.5、およびVOC対策が必要であるわけですけれども、国内でできる対策については、引き続き連携して進めていく必要があると思いますので、そのことをきちんと書き込んでいただければと思います。

 以上です。

【長坂課長】 ご意見ありがとうございます。確かに、その他の対策との連携についてというのは非常に重要なポイントかと思いますので、書ける範囲で、今のご指摘を念頭に置きながら、いろいろ執筆を進めていければと思います。

 ありがとうございます。

【飯田委員長】 ご指摘ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。長坂課長のほうから、答申書の案ということで、その立てつけをご紹介いただきました。立てつけという意味では、目次で抜けていることのご指摘があればお願いします。それから、各章にてどこまでを、どんな表現で書き込むかということの概要、および主要なポイントについてご紹介いただきました。

 不足があれば、皆様からご指摘をいただいて、それら参考にして取りまとめの作業に着手していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

【石田委員】 石田ですが、よろしゅうございますか。

【飯田委員長】 はい、石田委員、よろしくお願いします。

【石田委員】 最後の④の総合対策の在り方のところなんですけれど、自動車交通って、これから急速にいろんなところが変わっていくと思います。カーボンニュートラルもそうですし、物流システムの改善みたいなものも急速に進んでいくでしょうし、交通安全対策としての超小型化とか、低速化とか、日本は少し遅れていますけれども、ヨーロッパなんかは急速に進んでおります。定量的にこういったものの効果を究明するというのはほとんど不可能だと思うんですけれども、何か早め、早めに、そういう新しい動きと、それが反射的効果なのかも分かりませんけれども、大気汚染あるいは自動車排ガス制御対策としての貢献みたいなものを見据えつつ、可能な範囲の連携をいろんな分野でしていくということが重要だと思いますので、一部ここにも書いてありますけれども、その辺を、もう少しいろんなところを見据えて充実させていただければありがたいなと思いますので、よろしくご検討ください。

【長坂課長】 ありがとうございます。ご意見、ごもっともかと思います。この分野、カーボンニュートラルという話も出てきましたけれども、カーボンニュートラルと、去年、総理が宣言して以来、大きく進展しておりまして、目まぐるしい変化があるというのは、去年からこの1年でも実感しているところでございまして、今後も大きく変わっていくんだろうということで、日々勉強かと思っております。先生のご意見も踏まえまして、我々としても、できるだけいろんな勉強をして、充実した報告書となるように、そして、全く関係ないことを書くわけにはいかないんで、そこは取捨選択が必要かとは思いますけれども、幅広く勉強をして、取れるところはいろいろと、この報告書の中にも盛り込んでいければと考えております。

 ご意見ありがとうございました。

【石田委員】 ありがとうございます。よろしくお願いします。

【飯田委員長】 ご指摘ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

【横田委員】 横田ですけど、よろしいでしょうか。

【飯田委員長】 はい、横田委員、お願いします。

【横田委員】 参考の2ページで、排出ガスの削減効果を施策別に比較している図がありますが、図の3です。これ各県で、その施策による効果の割合は大きく違うんですが、多分、この意味合いの捉え方が各県さんで違うような気がしていまして、この辺をもうちょっと精査できないかなと感じているんですが、いかがでしょうか。

【山崎課長補佐】 ご意見ありがとうございます。山崎です。

 私も同じように感じていたところでございます。ただ、本日の資料は、出来たてのほやほやというか、速報値というタイトルもつけていますけれども、出来上がってすぐに整理をしたところというところでして、私もこの資料を見て思ったのは、県ごとにデータの解釈というか定義づけが異なっているのではないかと思うところもあります。あと例えば、愛知県とかですと、次世代自動車の普及促進に関する影響が非常に大きく出ていますが、これはなぜか、例えば総合的な排出量のパイが違って、特定の施策の影響が大きいのではないかとか、そうしたものはあるのかもしれない。それについては、まだデータのほうをじっくりと見られていないところでございますので、こうした違和感を払拭する観点からも、データの精査が必要と感じているところです。

 さらに言えば、これは、前回の会議でいただいた「どの施策が一番効果があるのか」というご意見を踏まえて整理をしたものですので、このデータの中から、将来のイメージに近いようなものが、例えば「この県の今の姿は、全国の将来のイメージに近い」というようなものがあれば、今後どういう施策を打っていけば最も効果が大きいのかという参考になり得ますので、そうした観点からも、しっかりとデータを見ていければと考えております。

 ご意見ありがとうございます。

【横田委員】 ありがとうございました。これは非常に重要なデータだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

【飯田委員長】 横田委員、何か具体的な指摘事項はございますか。

【横田委員】 今おっしゃいましたけど、例えば、愛知県さんですと、次世代自動車等の普及促進というところの範囲に何かほかのものが含まれているのかと思いますけれども、あとは、具体的な、東京都・神奈川県での交通需要の調整・低減というのが非常に大きいんですが、この辺の具体的な施策の中身というのも知れるといいなと思います。

【飯田委員長】 はい、ありがとうございます。

 例えば、先ほど、遠藤委員からもご指摘のあった、地方自治体やトラック協会さんで推進していただいている、そのエコドライブ、あるいはエコドライブ活動というのも、実際には、恐らく7%近い削減効果を出していると思うんですね。ただ、この削減効果を各地方自治体に評価していただいたときの言葉の区切りとか、分類というのが、実は埋もれているものが多々あるんじゃないかという気もいたします。その辺を、横田委員にもお手伝いいただいて、整理し直せるようであれば見直してはいかがでしょうか。それぞれの過去の取組協力いただいたこと、ご尽力いただいたことを、埋もらせることなく、取り上げていただけたらと思います。

 ただ、その数値については、全部足すと100%を超えるみたいなことも、よくありますので、効果の見立ては皆さんにもご議論いただいて、詰めていく必要はあろうかと思います。横田委員、そんなことでよろしいでしょうか。

【横田委員】 はい、よろしくお願いします。

【飯田委員長】 ありがとうございました。

 ほかにはいかがでしょうか、何でも結構です。

 事務局のほうで、皆さんの意見を踏まえて、取りまとめの案を作らせていただきます。もちろん、その案は、皆さんにまたご審議いただきますが、なるべく早めに言っていただくと、事務局のほうも十分な精査等の時間が取れますので、そういう意味で、忌憚のないご意見をいただければと思いますが。

【入江委員】 すみません、川崎市ですけれども、よろしいでしょうか。

【飯田委員長】 はい、入江さん、よろしくお願いします。

【入江委員】 指摘ということではなくて、ちょっと申し訳ないんですが、私も、実は前回から参加させていただいているので、ちょっと理解が追いついてない部分もあるかもしれないんですけれども、今見ているスライド、5番のところで、(1)が法に基づく対策の必要性で、(2)が対策地域の指定の解除の考え方とありますけれども、先ほどからのご説明で、指定の解除というのは、申し出があればできるという中で、(1)のほうに関連してくると思うんですけれども、車種規制というのは、この後も残っていくものというふうに理解していいのかどうかというところです。

 といいますのは、川崎市も、唯一満足してないというか、松原橋にかなり近い状況、前回の3年移動平均のデータでも、それに次ぐ、松原橋に次ぐような状況の中で、車種規制というのは非常に、これまで非常に有効だったなというふうに、これは感じているところでありまして、その辺りが継続されるのかどうかについては、ちょっと心配なところもございまして、ちょっと確認をさせていただければと思うんですが、いかがでしょうか。

【飯田委員長】 事務局のほうからお答えします。

【長坂課長】 事務局、長坂でございます。

 先ほどご説明させていただいた内容なんですが、(1)の自動車NOx・PM法に基づく対策の必要性というところに、まず、対策を継続する必要があるのかどうかと。で、継続するのであれば、どのような施策をしていくのかということを書かせていただくというご説明をさせていただきました。今、車種規制のお話をいただきましたが、このNOx・PM法の対策を、そのまま継続する必要があるということになれば、当然、車種規制が残るということになります。そういった内容は(1)に具体的に書くということが想定され、継続するということであれば、そういうことになります。

 その関係で、(2)については、その中で自治体に、都府県によっては指定の解除を希望する、している都府県がございまして、そういったところでは、自分の自治体が指定解除の要件に合致しているということで申し出をしていただければ、こういった考え方で、その都府県だけは解除をということもできますという、こういった内容になってくるのではないかと考えています。

 以上です。

【入江委員】 分かりました。ありがとうございます。

【飯田委員長】 入江委員、ご質問ありがとうございました。

 いかがでしょうか。

 それでは、どうも。答申書の案について、あるいは目次構成、それから、どういう項目から、どういうことを書き込むかという概要についてご議論いただきました。ありがとうございました。

 本日いただいたご意見を踏まえて、具体的な答申(案)をお示しいただきまして、議論を深めていきたいと思います。事務局におかれましては、その準備をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 では、最後に、議題(3)その他でございます。これは、全体を通しまして、何かご質問、ご意見がございましたらお受けしたいと思います。よろしくお願いします。

 はい、特にないようですので、本日の第15回自動車排出ガス総合対策小委員会を終了いたします。どうも、活発なご議論をいただきましてありがとうございました。

 それでは、事務局のほうにお返ししますので、連絡事項等があればお願いいたします。

 委員の皆さん、どうもありがとうございました。

【山崎課長補佐】 本日は、長時間にわたりましてご議論いただき、ありがとうございました。

 次回の会議ですけれども、年度内に再度開催したいと考えておりますので、次回もよろしくお願いいたします。

 本小委員会の議事録につきましては、事務局のほうで案を作成いたしまして、委員の皆様にご確認いただいた後、ホームページで公表したいと考えておりますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

 それでは、以上で本小委員会を終了いたします。

 本日は誠にありがとうございました。