自動車排出ガス総合対策小委員会(第14回) 議事録

1.日時

令和3年10月29日(金)13:00~15:30

2.場所

WEB会議

3.出席者 

(委員長)    飯田 訓正

(委 員)    大久保 規子

(臨時委員)   石田 東生

(専門委員)   織  朱實

村木 美貴

横田 久司

小林 雅文

遠藤 啓二

入江 真久

(事務局)    松澤水・大気環境局長

森光水・大気環境局担当審議官

飯田総務課長兼自動車環境対策課長

長坂大気環境課長

山崎大気環境課課長補佐兼自動車環境対策課課長補佐

小林自動車環境対策課主査

森山環境管理技術室室長補佐

4.議題

(1)自動車排出ガス総合対策の実施状況について

(2)自動車NOx・PM総量削減基本方針における「環境基準確保」の評価について

(3)その他

5.配付資料

資料1    自動車排出ガス総合対策の実施状況(概況)について(追加報告)

資料2-1  「環境基準確保」に係る評価について

資料2-2  「環境基準確保」に係る評価に関する参考資料集

参考資料1  自動車排出ガス総合対策小委員会 委員名簿

参考資料2  中央環境審議会大気・騒音振動部会自動車排出ガス総合対策小委員会(第13回)議事録

6.議事

【山崎自動車環境対策課課長補佐】 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第14回自動車排出ガス総合対策小委員会を開催いたします。

 私は、司会の自動車環境対策課の山崎でございます。

 本日は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、Web会議での開催とさせていただいております。会議中、音声が聞き取りにくい等、不都合がございましたら、事務局までお電話もしくはWeb会議のチャット機能にてお知らせください。

 また、本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき、公開とさせていただいており、環境省公式の動画チャンネルでのライブ配信も行っているところでございます。

 Web会議の開催に当たりまして、通信環境の負荷低減の観点から、音声と資料映像の中継のみといたしますので、あらかじめご了承ください。このため、カメラ機能は通常オフにしていただきますようお願いいたします。

 また、議事中、マイク機能は委員長及び発言者以外はミュートに設定していただきますようお願いいたします。なお、ご発言の際は、挙手ボタン等を用いずに、ミュートを解除し、直接お話しいただけますと幸いでございます。また、議事録作成等の関係から、まずはお名前をお伝えいただき、委員長からご指名を受けた方から順にご発言いただきますようお願いいたします。

 また、本日の委員のご出席状況でございますけれども、所属委員12名のうち、9名の委員にご出席いただいております。草鹿委員、庭野委員、渡邊委員からは欠席のご連絡をいただいているところでございます。

 続きまして、資料の確認でございます。事前にメールでご案内しておりましたとおり、議事次第のほか、資料1、資料2-1、資料2-2、参考資料1、参考資料2となっております。また、本日は事務局から画面上に資料を映し出しながらの進行とさせていただきますが、ご案内の資料は必要に応じてお手元でご確認いただければと思います。

 まず、議事に入る前に、新任者について紹介させていただきます。

 まず初めに、新しく委員に就任された川崎市の入江委員でございます。入江委員、一言ご挨拶お願いいたします。

【入江専門委員】 川崎市環境局の入江でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【山崎自動車環境対策課課長補佐】 ありがとうございます。

 続きまして、環境省側からも新任者の紹介をさせていただきます。

 まず初めに、水・大気環境局長の松澤でございます。

【松澤水・大気環境局長】 7月に水・大気環境局長を拝命いたしました松澤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日はWeb会議という形式でございますけれども、委員の皆様方にはお集まりいただきまして、ありがとうございます。私自身、自動車のNOx法の制定時にちょうど担当もさせていただいた経緯もございまして、三十数年ぶりに、改めてこの審議会の事務局を務めさせていただくということになります。前回、飯田座長が閉会に当たって、その全体像を整理していただきましたけれども、自動車NOx法、その後の自動車NOx・PM法制定時から、随分改善していて、特に自動車からの排出ガスの寄与が相対的に減少したと、関係者の皆様のご尽力のおかげと、私どももこのように認識しております。

 また、制度を取り巻く状況の変化、例えばカーボンニュートラルを目指す施策でありますとか、大気環境の分野におきましてもPM2.5、光化学オキシダントといった、こういった指標に関して残された問題、これは自動車排ガスの分野だけでなく、総合的に考えていくべきだというふうに、飯田座長も整理していただきましたけれども、そのようなことで小委員会の中でも、そういう認識でご審議を進めていただくということになるのかなと思っております。

 今回は、この環境基準の目標の達成状況の評価について、横田先生からご報告をいただいて、この報告の内容について、主にご審議をいただくということになると思っております。限られた時間ではございますけれども、忌憚のないご審議をいただけますようお願い申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。

【山崎自動車環境対策課課長補佐】 続きまして、総務課長兼自動車環境対策課長として飯田が着任しております。飯田課長、一言お願いいたします。

【飯田総務課長兼自動車環境対策課長】 飯田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【山崎自動車環境対策課課長補佐】 続きまして、大気環境課長の長坂が自動車NOx・PM法の検討について担当することになりましたので、一言ご挨拶申し上げます。

【長坂大気環境課長】 大気環境課長の長坂と申します。

 本小委員会におきまして、ご議論いただいております今後の自動車排出ガス総合対策の在り方についての答申案をまとめるということで、今年7月より本件を担当させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

【山崎自動車環境対策課課長補佐】 環境省からの挨拶は以上でございます。

 それでは、早速議事に入りたいと思います。ここからは、委員長の飯田委員長のほうに進行をお願いしたいと思います。飯田委員長、お願いします。

【飯田委員長】 こんにちは。飯田でございます。本日はお忙しいところお集まりいただきましてありがとうございました。

 早速ですが、議事に入らせていただきます。

 議事次第に従いまして、まずは(1)自動車排出ガス総合対策の実施状況についてということで、環境省のほうから資料の説明をお願いいたします。

【山崎自動車環境対策課課長補佐】 それでは、環境省自動車環境対策課の山崎より、資料1に基づきまして、自動車排出ガス総合対策の実施状況の概況について、説明させていただきます。

 まず、資料の構成ですけれども、自動車NOx・PM法対策地域におけるNO2の状況、そして同じくSPMの状況、そして総量削減計画の進捗状況、基本方針に掲げる総量削減施策の実施状況という構成になっております。

 なお、この中で紹介するデータでありますけれども、前々回、去年の9月に開催をした第12回小委員会のときに紹介した資料、このときには平成30年までのデータをお示ししておりましたが、その後、新しいデータとして2年分追加をし、令和2年までのデータを用いて評価しております。ただ、令和2年度のデータにつきましては、速報値である旨、申し添えておきます。

 それでは、資料のほうを説明させていただきます。

 まず2ページのほうをご覧いただければと思いますが、こちらのほうはNOx・PM法の対策地域におけるNO2の状況ということで、もう近年では環境基準の達成率でございますが、まず、一般局におきましては平成15年以降、環境基準を達成できている状況であるということでございます。

 続きまして、3ページのほうをご覧いただければと思います。こちらのほうは、同じくNO2の自排局の状況でございますけれども、昔は一般局に比べて、自排局のほうが達成状況が悪いという状況があったのですけれども、近年では自排局においても、環境基準は達成できている状況であるということでございます。

 4ページのほうに移っていただきまして、こちらのほうは年平均の推移ということで、環境基準の達成率が上がっているだけではなくて、年平均という数字自体も減少傾向にあるというところで、これも一般局と自排局と比較しますと、一般局のほうが低いということではございますが、同様に減少傾向であるというところでございます。

 続きまして、5ページ目をご覧いただければと思います。こちらのほうは、NO2の環境基準非達成局の状況、これは平成19年、20年の頃に環境基準が達成できていなかった測定局のデータを整理したものでございますけれども、近年は非達成の局がなくなってきているというような状況が見てとれます。

 続きまして、6ページのほうでございます。6ページのほうは、これは平成19年以降、同じくこの環境基準非達成となった自排局について、年間98%タイル値で推移を見たところでございます。このように低下傾向が見てとれるという状況でございます。

 続きまして、7ページのほうをご覧いただければと思います。こちらのほうは、NO2の環境基準が非達成の局の位置をプロットしたものでございまして、こちらのほうで、平成19年、20年にかけて非達成だった局があったと。その後、ここの括弧内に示しているところが、その後も環境基準が非達成だった年度を示しておりますが、先ほどの表にあったとおり、近年では達成している状況であるというところでございます。

 続きまして、8ページでございます。こちらのほうは、NO2の年平均値を対策地域、NOx・PM法の対策地域と全国のデータを比較したものでございます。こちらのほうも一般局、自排局ともに対策地域のほうは、やや高い傾向にあるのですけれども、いずれも近年、低下傾向にあるというところが見てとれるかと思います。

 続きまして、SPMの状況について紹介させていただきます。まず、9ページをご覧いただければと思います。こちらのほうも平成20年から22年、そして24年、27年から令和元年にかけて、一般局では環境基準を達成している状況というところ、100%達成という状況でございます。ただ、令和2年度の速報値では、一部未達成の部分もあったというところでございます。

 続きまして、10ページをご覧いただければと思います。これ、自排局のデータでございますけれども、こちらのほうもNO2と同様、昔は自排局のほうが達成率が低いという状況があったのですが、近年同様に環境基準の達成状況は改善しているという状況でございます。

 続きまして、スライド11のほうをご覧いただければと思います。こちらがSPMの年平均値の推移というのを示したものでございまして、これは環境基準が、どういうところで達成しているのか。このSPMについては、評価をする際に、2日連続以上連続してアウトになると非達成と、2%除外値で評価をするのですが、2日連続という要件でもアウトになるとアウトというようなルールを用いているのですけれども、このグラフにあるように、昔は2日連続という要件でアウトになるというところの割合が多かったというような、そうした傾向が見てとれるかと思います。

 その下の図9のほうでございますけれども、こちらは年平均値の推移を示したものでございますが、近年減少傾向にあるということが見てとれるかと思います。

 12ページのほうに移っていただきまして、こちらのほうも全国と対策地域とを比較したものでございますけれども、これもNO2と同様の傾向でございまして、対策地域のほうが、全国平均に比べるとやや高い数値を示しているものの、近年減少傾向にあり、その差もほとんどなくなってきたというところでございます。

 続きまして、13ページのほうに移っていただければと思います。こちらのほうは総量削減計画、これは自動車NOx・PM法の中で「総量削減基本方針」というのを定めておりまして、対策地域を有する八つの都府県におかれましては、総量削減計画のこの基本方針に基づいて策定していただいているというところでございます。その中で削減目標というものを定めているのですが、その削減目標に対して、排出量の削減をどの程度達成できたのかというのを示しているというところでございます。

 データの見方の紹介でございますけれども、まず基準年度、これは平成23年でございますけれども、こちらの基準年度の排出量、こちらのほうの実態から、じゃあどれぐらい削減するのかという目標を、平成32年というのを目標年度に定めまして、排出量の削減目標を定めていると。これに対して現在、令和2年度の状況でどのぐらい削減がされているのかというのを示したものでございます。目標の達成率といたしましては、いずれも大きく排出量のほうは削減していただいておりまして、目標の達成率といたしましては、大体94から147というような数字が出ているというところでございます。

 PMのほうも同様に、この目標として掲げた排出量に向けて、どれぐらい削減したのかというのと、あと現状として、どれぐらい削減できているのかというのを比較したところ、目標の達成率といたしましては、大体120%から204%というような数字になっております。

 あと先ほど、基準年度のほうについて、平成23年と申し上げましたが、ちょっと間違っておりました。訂正させていただきます。平成21年から22年が、基準年度になっているところでございます。失礼いたしました。

 続きまして、スライドの14のほうをご覧いただければと思います。ここからは、「基本方針に掲げる総量削減施策の実施状況」ということで、まず、この総量を削減するための施策としては、いろんな対策があるわけでございますが、まず、この14ページに掲げている対策のほうは、自動車単体対策の強化でございます。これはもう、順次1台当たりの車から排出される排ガスの量については、どんどん規制が厳しくなっておりまして、少し昔に比べますと、大幅に排出量のほうが低減されている傾向は見てとれるかと思います。

 続きまして、15ページのほうをご覧いただければと思います。こちらは先ほどのスライドで示したとおり、1台当たりの自動車からの排出量がどんどん厳しくなっているというところでございますけれども。ということは、古い自動車をいかに新しい自動車に代替していくのかというのが対策の一つの大きな役割でございました。これはNOx・PM法で車種規制等によって、どんどん対策を講じてきていたところでございますけれども、この車種規制の結果、その対策地域内における基準適合車の割合がどんどん増えてきているというのが、このグラフからも見てとれるかと思います。

 続きまして、16ページのほうをご覧いただければと思います。車種規制に合わせて、車種規制は車検に通らないというような形で古い車を代替させるような、そういう施策でございましたが、こちらのほうは自治体において、さらに流入車規制ということで、自動車NOx・PM法の対策地域の外から入ってくる車についても運行を規制する。または運行しないように呼びかける。そうしたような取組をすることで、対策を講じているというところでございます。このような対策もありますという紹介でございます。

 続きまして、スライド17に移っていただきまして、こちらは「低公害車の普及促進」というところでございまして、我が国においては、次世代自動車の導入に向けての補助事業とか、水素ステーション等のインフラ整備に関する補助事業、また、自動車税等のグリーン化によるような、そういうサポートも行っているところでございます。

 続きまして、18ページのほうをご覧いただければと思いますが、こちらのほうは電動車の普及の割合、この電動車の定義といたしましては、燃料電池自動車、電気自動車、プラグインハイブリッド車、ハイブリッド車を挙げておりますが、こちらにつきましては、2035年に電動車の割合を100%にするという高い目標の下、着実に普及率が上がってきているというような状況でございます。

 続きまして、19ページのほうをご覧いただければと思います。こちらのほうは、それぞれ単体規制がどんどん評価されてきているというようなお話をしましたけれども、それぞれの単体規制に適合した車が、どのぐらい存在しているのかというのをグラフで示したものでございます。このうち、ピンク色とオレンジ色の部分、こちらの部分につきましては、まだ十数%残っておりますけれども、これは自動車NOx・PM法の規制対象となる車ということになります。

 続きまして、20ページのほうをご覧いただければと思います。ここから、エコドライブの普及促進とか、そうした形のソフト面での対策が主になってきますけれども、エコドライブの普及促進というような対策も、各自治体等で実施しているというところでございます。

 続きまして、21ページのほうに移っていただければと思います。こちらのほうは、交通需要の低減対策というのもございまして、こちらのほうは公共交通機関の利用促進でありますとかパークアンドライド、そして自転車道の整備、カーシェアリング、そのような対策が挙げられております。

 続きまして、交通流対策の推進というのもございまして、こちらのほうは、主に渋滞解消等を視野に、交差点の改良でありますとか駐車場の整備、そうしたものを挙げているというところでございます。

 続きまして、23ページのほうに移っていただきまして、局地汚染対策。これも基本方針の中で、局地汚染対策というのを挙げておりまして、その中では、先ほどの紹介と重複しますけれども、交差点の改良でありますとか道路緑化、あとエコドライブ等による排出量の削減、そうしたものを掲げているというところでございます。

 最後に普及啓発活動ということで、低公害車の普及拡大に向けての啓発活動がなされているというところでございます。

 以上が、自動車排出ガス総合対策の実施状況についてという資料の説明になります。

 以上です。

【飯田委員長】 山崎さん、どうもご説明ありがとうございました。

 昨年の9月に概要を報告していただいておりましたが、国が策定した基本方針の目標年度である平成32年、令和2年度でございますが、それまでの環境基準の達成状況、それから、施策やその他の進捗状況について、追加で報告をいただきました。

 ただいまの説明に対しまして、ご意見、ご質問等ありましたら、お願いいたします。

【織専門委員】 織です。よろしいでしょうか。

【飯田委員長】 はい。織委員、よろしくお願いします。

【織専門委員】 発言のときって、ビデオオンにするのでしたっけ。

【山崎自動車環境対策課課長補佐】 オフのままで結構でございます。

【織専門委員】 はい、分かりました。

 ご報告ありがとうございました。非常に達成状況がよくて、長年この委員会に参加している者としては、とてもうれしく思っています。

 その中で、資料1の5ページのほうになるNOx・PM法対策地域におけるNOxの達成状況、自排局における非達成地域が、今、軒並み達成できるようになっているという状況なんですけど、これって何が一番要因が大きかったのかなという。というのは、やはり20年、21年度の審議に関わらせていただいたときに、やはりビルの建て方とかいろいろあって、どうしてもある程度仕方がない部分もあるよねというような話もあったと思うんですね。そうした中で、こうやって各地域で達成できたというのは、何か大きな要因があるのかなというのが1点です。

 それと、今回の全体的に達成状況が非常にいいのですけれど、ここ2年ぐらいコロナで、もともと交通量が減っているとか、そういったコロナの影響みたいなものがあるのかしらということが2点目です。

 3点目では、東京都が総量削減でNOxが未達成と言われています。ほかの地域で達成されている中で、東京都ができていない。何かこれも、もし理由があるのでしたら、ぜひ教えていただきたいなと思います。

 以上です。

【飯田委員長】 ご質問ありがとうございます。では、事務局からお答えいただきたいと思います。

【山崎自動車環境対策課課長補佐】 ありがとうございます。

 環境省のほうからお答えさせていただきます。

 まず、一つ目のどのような対策が大きく寄与しているのかというところでございますけれども、これにつきましては先ほど総合対策の紹介、主にこの資料の中では、4番の「基本方針に掲げる総量削減改革の状況」についてというところで、いろんなメニューを紹介いたしました。まず、自動車排ガス対策の基本といたしましては、単体規制を進めるとともに、NOx・PM法による車種規制の導入、さらに低公害車の普及促進、そしてソフト面では、交差点改良とか、そうしたものによる渋滞対策というのが総合的に合わさって、達成状況というのを組み合わせてきたというところでございます。

 この中で、どの施策が何%削減に寄与したかというデータは、今持ち合わせておりませんので、ちょっと明確に答えることはできないのですが、こうした取組が少しずつ力を合わせて、濃度をだんだんと減少させてきたというところで、どれが一番大きいのかという具体的なデータについては、ちょっと申し上げることはできないのですが、複合的にそれぞれの効果が少しずつあったのではないかと。その中で環境基準の達成、昔はできていなかったのですが、最近では、ほぼほぼ達成できるような状況にまで上がってきたということで、これはもういろんな方の努力、これの積み重ね、そしてそれの総合的な力として、効果を発揮したのではないかというふうに考えているところでございます。

 また、交通流の削減の要因の中で、コロナの影響はあるのかという点でございますけれども、こちらのほうにつきましては、一応そういうデータについても検討はしているところでございますが、コロナの影響については今後、交通量の増減等のエビデンスでありますとか、そうしたものを今収集しているところでございまして、今後データが取りまとまった段階で、次回のこの委員会等で情報を提供できるように進めていければというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

 東京都が非達成の理由でございますが、これは環境基準が達成できるかどうかというのも、20年ぐらい前から、この自動車環境対策とかをしている立場の者からいたしますと、この環境基準の達成というのも、非常に苦労を積み重ねてきたというところで、今東京都が残っている部分があるというところが、何か大きな原因があったのかというところについては、ちょっとそこがもう環境基準の達成という、先ほど一つ目の回答と重複するようなところがありますけれども、総合的な対策を積み重ねていく中で、少しずつ下がってきて、それがようやく環境基準を達成できるかどうかというラインをやっとくぐり抜けたというような状況でございまして、そこは何か大きな原因があったのかどうかというところは、ちょっと明確ではないです。

 また、測定局の状況によっては、いろんな立地構造の問題等もあるかと思います。昔、東京都内で達成率が悪かったような大和町の交差点とか松原橋とか、ああいうところは、構造的な面で環境基準の達成が非常に難しいと、排ガスがこもりやすいとか、そうした問題もあったので、そうした構造的な理由もあるかと思います。

 以上でございます。

【織専門委員】 ありがとうございます。

 皆さんのご努力で、総合的にいろんな政策がうまくいっているというのは、それはもう本当におっしゃるとおりだと思うんですね。ただ、今おっしゃったように、各地域が今まで達成できずに、ずっと苦労していたというのは、まさに板橋とか、いろんなところが構造的な問題があるときに、諦めないで取りあえずやってきたときに、何がキーになっているんだろうということが、いろいろ分からないと、今後、例えば、ほかの地域がなったときに、施策の何というのかな、参考にならないと思うんですね。

 達成できたからいいというのではなくて、やはり、その地域の特性に合って、どういうことをやってみて改善してみたら、どういうことが効いてきたと。こういう構造的にもう手がつけられないような状況のところでも、例えば、交差点の配置を変えたら変わったとか、そういったようなことが次のヒントになると思うんです。それ、東京都のNOxについても同じだと思うんですね。特に排出の場合は、それぞれの地域の特性というのがあって、それぞれ地域の中で達成できない状況というのがある中では、そのどれが手法として効くんだろうという、そういう分析を、ぜひ、これからしていただけると、次の施策の参考になるのかなと思ってコメントさせていただいた次第です。

【山崎大気環境課長補佐】 ありがとうございます。

 確かにそのとおりで、先生がおっしゃるとおり、どういう施策を講じたら、これが一番効いたのかというのは、次の対策を打つ上で非常に重要かと思いますので、そうした視点で、今後、いろいろと分析、検討していきたいと思います。ありがとうございます。

【織専門委員】 よろしくお願いいたします。

【飯田委員長】 織委員、ありがとうございました。

 特に私からコメントすべきことでもないかもしれませんが、各地方自治体、神奈川県におかれては池上新田、それから東京都におかれましては松原橋の交差点というふうに、交差点の構造や、交通流の改善、エコドライブの普及活動、等々いろんなことをやっても、実は取りこぼしのところがあったわけですね。それが織委員のご指摘のところで。でも、それら尽力を継続する中で、やはり単体規制の厳格化、すなわち、新長期規制、ポスト新長期規制。それから平成28年規制という、尿素SCRという触媒システムおよびDPFというフィルターをつけた車両、これが開発されて、かつ普及促進を頑張っていただいたことが、頑張っても頑張っても達成できなかったHot Spotと言われる未達成地点のクリーン化を押し上げて、基準達成に導いていただいたところだと思います。仰せのとおり、どういう理由が一番キーになっていたかということを大事にして、それで、今後の検討に努めていけるような、そういう資料にしたいと私も思います。どうもありがとうございました。

 ほかにご意見、ご質問等ございましたらお願いいたします。よろしゅうございますか。

(なし)

【飯田委員長】 特にないようであれば、また後で遡っていただいても結構ですので、一旦、議題(1)に係る、資料1の説明、それに対するご意見、ご質問は打切りとさせていただいて、次の議題、(2)の「自動車NOx・PM総量削減基本方針における「環境基準確保」の評価について」に移りたいと思います。

 自動車NOx・PM法の基本方針において定められている目標、環境基準の確保の評価方法については、本小委員会の中間レビューで整理をしておりました。この整理を踏まえまして、環境省の事業で設置した有識者による会議で、当該目標の評価をまとめていただきました。本日は、先ほどご説明ありましたとおり、評価の結果につきまして、検討会の座長を担当していただきました横田委員からご説明、発表いただきたいと思います。

 横田委員、よろしくお願いします。

【横田専門委員】 それでは、横田のほうから、資料2-1についてご説明をしたいと思います。

 テーマですけども、「「環境基準確保」に係る評価について」ということで、中身ですが、次のスライドをお願いします。

 まず、内容としましては、環境基準確保の評価の考え方について。スライドでは、3ページから5ページに書いてあります。それから、2番目が常時監視測定局における継続的・安定的な環境基準達成に係る評価ということで、これ、ちょっと長くて6ページから24ページに書いてあります。それから、対策地域全体における面的評価ということで、これは25ページから32ページ。最終的に、環境基準確保の評価(素案)ですけれども、最後のところの33ページ以降に書いてあります。

 次のスライドをお願いします。

 最初に、環境基準確保の評価の考え方です。最初にその評価の考え方と評価指針、基準確保の評価手法についてご説明します。

 次のスライドをお願いします。

 まず、評価の考え方と評価指針ということで、これは、基本方針の中間レビュー、平成28年度に出ておりますけども、そこで、一つは常時監視測定局における継続的・安定的な環境基準の達成。もう一つは、常監局がない場所でも、汚染の広がりを考慮するということでございます。この確保の評価については、環境基準を達成しているのみならず、その状況が維持されているかどうかの考察を必要とすると。ここで、基本方針における環境基準確保の評価ですけども、中間レビューのほうで出ておりますが、長期的な評価を基本とするということで、NO2は98%値、SPMは2%除外値を対象とするということです。SPMについては、環境基準の長期的評価の一つであります非達成が二日連続というような場合がありますけれども、この長期的評価については考慮しないということで考えております。

 それから下の項目ですが、「環境基準確保の評価指針」ということで、上の考え方に基づいて、一つは常時監視測定局における継続的・安定的な環境基準達成に係る評価ということでございます。それから二つ目が、対策地域全体における面的評価。ここで、面的評価というのは、汚染の広がりを考慮するとありますので、常監局に加えて、数値計算の手法とか、簡易測定等の測定手法を組み合わせて、「面的評価」ということでございます。

 次のスライドをお願いします。

 「環境基準確保の評価手法」で、①としまして、常監局における継続的・安定的な環境基準達成に係る評価ということで、次のア、イとありまして、測定データの経年的な変化、長期的と短期的な評価の変動を見るということで、環境基準値を超過する可能性が十分低いかどうかですね。それから、自動車からの排出量は低減傾向、または低く横ばい傾向ということです。多少、現状の変化が継続した場合に、環境基準を超過する状況まで悪化するとは考えられないというようなことで、評価をするということにしております。

 それから、対策地域全体における面的評価ということで、これは、一応評価範囲ごとの面的評価ということで、この評価について、資料2-2のほうに詳しく書いてありますが、NOxマニュアルというのが数値計算の手法も記載してありますけども、それに多少改良したモデルを用いまして評価範囲ごとに行うと。評価範囲というのは、交差点及び交差点の間、幹線道路の間、50メートル以内10メートルメッシュで幹線道路沿道を設定した範囲ということでございます。メッシュ1点ずつということになって、メッシュ内の複数の範囲で評価を行うということにしております。

 次のスライドをお願いします。

 次は、常時監視測定局における継続的・安定的な環境基準達成に係る評価ということで、評価方法と評価項目、評価結果というふうにまとめております。

 一つは「評価方法と評価項目」で、7ページです。

 まず、測定データの経年的な変化を見ようということで、長期的な変化としましては、至近10年度の測定局の濃度の減少傾向を見ると。それから短期的な評価としましては、至近3年度の濃度を見て、環境基準を達成する、超過する可能性が十分低い濃度レベルであるかどうかということでございます。それを整理したのが下の表に書いてありまして、長期的な評価としては、NO2の年平均値と98%値の経年推移、SPMについても年平均値と2%除外値の経年推移ということで、これが減少傾向、あるいは低濃度で横ばいであるということを評価指標としております。

 それから短期的な評価としては、測定局のNO298%値とSPM2%除外値の3年間の移動平均。単年度の濃度の気象要因等による変動をカバーして、3年の移動平均を取ってみるということで、これが、環境基準を超過する可能性が十分低い濃度レベルであるかどうかということを評価指標としております。

 次のスライドをお願いします。

 具体的に評価方法と評価項目の位置づけですけども、まずNO2ですが、環境基準を超過する可能性は十分低い「濃度レベル」というのを設定しました。これは過去の統計データなんですね。こういう数字であれば、これ以降、環境基準を評価する可能性が十分低い濃度レベルだということで、統計的に調べたんですね。設定をしたということで、NO2については、環境基準を超過する可能性が十分低い濃度レベルということで、至近3年度、平成30年度から令和2年度の平均値が0.055ppm以下であるということにしております。

 これは、根拠①として、至近10年度のNO298%値が0.055以下になると、それ以降、環境基準非達成になった局は、松戸上本郷局があるのですが、1局もないということで、これ、松戸上本郷局については、ちょっと原因がある程度推定されております。

 根拠②としては、同じく10年間の自排局において、NO298%値が0.051から0.055の場合、翌年に上昇幅が0.005を超える測定局は存在しないと。

 それから根拠③としては、仮に自動車からのNOx排出量が20%増加したと仮定しても、増加幅は0.003ppmということで、交通量の増加があっても、0.06を超過する可能性は極めて低いというような、要するに統計的な解析から設定をしております。理論的というよりも、ある意味工学的な考え方で設定したものだということになっています。

 次のスライドをお願いします。

 SPMも同様の考え方で、数値としては至近3年度の平均値が0.080㎎/㎥以下ということで、これもNO2と同様に、10年間、自排局においてSPM2%除外値が、0.071から0.080の場合、翌年に上昇幅が0.02を超える測定局は存在しない。それから同様に、自動車のPM排出量が20%増加した場合を仮定しても、上昇幅が少ないということで、上の評価指標にしております。

 それから、次のスライドをお願いします。

 それから、自動車からの排出量が低減傾向または横ばいであることでございまして、資料1で、先ほど説明がありましたけれども、排出量の減少傾向、あるいは横ばいであるというような説明をしております。

 それからスライドの11が評価結果になります。

 測定データの経年的な推移を見ますと、NO2の長期的な評価としては、各都道府県、年平均値98%値は減少傾向にあると。短期的な評価としまして、98%値の3年移動平均。これ、後で資料ありますが、1局を除いて、環境基準を超過する可能性は十分低い濃度レベルであるということでございます。

 SPMについては、指標としては両方の基準、長期的、短期的な指標を満たしているということでございます。

 次のスライドをお願いします。

 これからは、測定データの経年的な推移でございますが、図は小さいのですが、対策地域内におけるNO2年平均値は、自排局・一般局とも緩やかな低減傾向であると。対策地域とほかの地域を比較すると、対策地域内もまだ依然として高いですが、緩やかに減少というところでございます。

 それから13ページです。

 これはNO298%年平均値の推移でありますが、対策地域内における常監局のNO2、自排局ですね。98%値は、緩やかに低減傾向であると。

 次のスライド、SPM年平均値です。これも同様に緩やかな低下傾向。SPMについては、一般局・自排局も対策地域内外で、ほとんど差がなくなっているというような状況でございます。

 それから、15ページ。

 これ、SPM2%除外値の経年推移でございますが、全ての測定局で環境基準を下回っているということでございます。

 それから、スライド16ページ。

 これは、測定局の98%値の3年移動平均ということで、指標としては、0.055ppmとしておりますが、3年の移動平均を取りますと、東京都の環七通り松原橋の測定局が0.055を若干超えています。環境基準に達成してないわけでありませんが、濃度としては、指標としている十分低い濃度レベルにはなっていないです。先ほどの資料1、ご覧になって分かりますが、3年間平均すると、この数字ですが、だんだん低下傾向にはあるという状況でございます。

 次の17ページをお願いします。

 これは、短期的なSPM2%除外値ですが、これは、いずれも十分低い濃度レベルということであります。

 18ページ。

 自動車からの排出量については、NOx・PM排出量とも減少傾向ということでございます。

 それから19ページですね。

 これは、地域ごとの自動車からのNOx排出量の経年の推移です。これ、首都圏の合計を表した棒グラフですが、だんだん減少にあって、どの都県でも減少傾向ということで、首都圏においては、基準年度から59.4%減少したということでございます。

 以下同様に、20ページが愛知・三重圏。これも同様に64.9%の減少です。

 それから、21ページが大阪・兵庫圏。これについても減少傾向でありまして、54.8%の減ということでございます。

 それから次、22ページ以降は、PMの排出量です。最初の首都圏については43.9%減。

 23ページが愛知・三重圏、50.4%減と。

 大阪・兵庫圏は54.1%減ということで、いずれの地域も大きく減少してきています。

 ということで、今までが常監局における評価でございます。

 それから25ページが対策地域全体における面的評価ということで、これ、測定局ではなくて、測定局がない地域での評価をしてきたということでございます。その評価については、数値シミュレーション、数値計算をやるというのと、それから測定を実施するというのを踏まえまして、測定結果を踏まえた再判定を実施するということでございまして、次の26ページのほうで具体的な内容を説明します。

 対策地域全体における面的評価ということで、図にありますように、基本的に幹線道路から50メートルの範囲内で、10メートルごとにメッシュ点を設けまして、その地点の濃度を計算する。交差点については50メートルの点、幹線道路については50メートルの幅ということで、メッシュ点を計算しております。測定局のない場所において、数値計算手法とか、簡易測定の手法を組み合わせて行うということでございまして、ここにおいて、判定の基準値としましては、NO2については0.06ppm、SPMについては0.10㎎/㎥ということでございます。評価範囲につきましては、今お話ししたような、その図にあるようなポイントとしてあります。

 次に27ページをお願いします。

 過年度に数値計算を実施しまして、およそ、10メートルメッシュで、道路沿道の計算というのは1,400万点という膨大な数字なのですが、この時点でNO2に係る判定基準値を超過すると予測された地点が3地点ありました。埼玉県さいたま市、神奈川県厚木市、大阪府枚方市の各一つの交差点です。

 SPMについては、この評価のほうで超過範囲はありませんでした。

 それで、具体的に測定をいざしようということで、28ページ以降をお願いいたします。

 測定の実施ということで、一つは簡易測定、これは、法とある程度、相関の高い測定方法になりますので、それを用いてNO2の濃度を、春夏秋冬、各1週間ずつ測って、それを用いて、年間平均値の推定をするという手法です。もう一つは、その現場に公定法の機会を持ち込んで、1年間測定をいたしました。そういうことで、測定を実施するということで、設置例は、この写真であります。

 次のスライドをお願いします。

 評価範囲ごとの面的評価ということで、これは、数値計算で判定基準適合の場合ですけども、この下の表は、左端が常監局の測定結果。真ん中が大防法で設置されている測定局ではなくて、自治体等、道理管理者が設置している測定機がありますので、その結果ですね。それから、右側が、自治体等が実施している簡易測定。三つの測定手法で測定をしましたが、全て「適合」という判断でございます。

 それから、30ページですね。

 数値計算で非適合の場合、3地点ありますが、ここで、自動測定を年間行いました。ここでの計測は、いずれも、3地点とも0.06を下回っているということで、基準適合は確認されたということでございます。

 31ページをお願いします。

 これは、自動測定ではなくて簡易測定でありまして、それぞれの交差点周辺の4か所で測定を行いまして、この測定結果は1週間ごとの濃度測定の結果を用いて、年間平均値の98%値を換算して推計したということで、これによっても0.06を下回っているということでございます。

 32ページがまとめですけども、いずれの3地点も数値計算で判定基準非適合と計測結果が出ていましたが、簡易測定、自動測定を行った結果、「適合」というふうに判定したということでございます。

 今までが常監局における評価と、それから対策地域全体における面的評価ということで捉えてきましたが、この確保の評価の素案ということで、33ページ以降にまとめています。

 次のスライドをお願いします。

 環境基準確保の状況の評価ということで、素案ですけども、この上の①のほうの常監局の評価ですけども、概ね環境基準値を超過する可能性は十分低いと考えられるという結果について、1局を除きまして、ほぼ達成しているようなレベルということです。

 それから、自動車の排出量の低減傾向については、いずれの地域においても減少傾向ということで、対策地域全体における面的評価としましては、数値計算と簡易測定、自動測定を組み合わせて評価した結果、全ての評価において「適合」であったということでございます。

 まとめに当たりますが、対策地域における環境基準評価としましては、対策地域における環境基準は概ね確保されていると。ただし、一部の測定局では、環境基準を達成しているものの環境基準を超過する可能性が十分低いというレベルではないという、一応の評価としております。

 欄外の米印にありますけれども、環境基準が維持されているかについて考察、その他の要因ということで、次のスライドに留意事項としてまとめてございます。

 「環境基準の維持」の考察に関してですね。本年度、可能な限り定量的に情報を収集した上で実施するということでありまして、今のところ、科学的に十分に知見がない、定量的に考察することが困難な指標については、現段階では考慮しておりません。こういう困難な指標については、十分に根拠のあるデータがあるようになった場合に、改めて取扱いを検討することが望ましいのではないかというようなことでございます。

 下のほうに書いてありますが、排ガスの最新規制値等は、特にトラックなんかは、排出ガス後処理装置による低減というのが中心でございますので、触媒の劣化ですとか、あと渋滞時とかアイドリング時に、触媒温度が上がらないというような場合に、触媒性能が十分に発揮されていないような可能性がありますので、その辺は今後、考慮する必要があるというふうなことでございます。

 最後のスライドですが、「局地的な高濃度に及ぼすその他の要因」としては、道路構造があると。従前から、掘割とか、そのような状況のところがありますので、そういうところについては検討する必要があるということでございます。

 私からは以上です。

【飯田委員長】 横田委員、どうもありがとうございました。大変なお仕事を取りまとめていただいて、今も進捗中ではございますが、今日、評価の結果について、報告をいただきました。

 それでは、委員の皆さんにおかれましては、先ほどの議題(1)での山崎さんのご説明と、ただいまの横田委員のご説明について、これらの報告で基本方針の進捗状況の概ねをフォローアップしていただきまして、その上で、報告にありました事項を踏まえて、答申の方向性について、ご意見をいただきたいと思います。すなわち、現行の基本方針に基づく評価の方向性ということで、そもそも基本方針に基づく施策が十分だったかというようなところを審議させていただきたいと考えております。

 それでは、審議に入る前に、ただいまの横田委員からのご説明に関しまして、質問あるいはご意見がございましたら、お伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

【大久保委員】 すみません。大久保ですけれども。

【飯田委員長】 大久保委員、お願いします。

【大久保委員】 ただいま大変分かりやすい、明快なご説明ありがとうございます。2点、質問があるのですけれども。

 1点目は、パワーポイントのスライド8で、松戸自排で平成30年に濃度が0.077まで急増したというお話があり、これについては、ある程度原因が特定されているというお話であったかと思いますが、これはここに書かれている測定機自体の異常であるという、その意味はそれでいいかという確認でございます。

 それからもう1点目は、最後の評価のところで、全体、①②のところから、十分低い濃度レベルではないと評価するということについて、「①②の評価から」という部分のつながりなのですけれども、これは主として、十分なレベルではない理由としては、①において1局0.055ppmを超える部分があることが重視されているという理解でよいのか。それとも、そのほかの理由、例えばこの部分について言いますと、スライド16では0.055ppmを超えてはいないけれども、ちょうど、あるいはぎりぎりという箇所が2局ぐらいあったかと思いますので、そうした状況も総合的に考慮しているという意味であるのか。

 以上2点について、お伺いできればと思います。

【横田専門委員】 よろしいでしょうか。

【飯田委員長】 横田委員、お願いします。

【横田専門委員】 松戸局につきましては、測定機そのものによる影響ではないかという推定はされております。

 それから、最後のスライド34ページの下の評価のところ、一部の地点では十分なレベルではないというのは、上にありますように、1局を除いて十分低い濃度レベルであると、1点残っているということに関して、こういう評価となっております。

 以上です。

【山崎大気環境課長】 事務局から、一部補足いたします。

 まず、松戸局で0.077という数値が出ていた件につきましては、今、横田先生からおっしゃっていただいたとおり、機器の異常ではないかという推察をしているところでございます。その状況につきまして、もう少し詳しく説明いたしますと、まずこの後、機器の校正を行ったところ、その後、濃度が低い状況でずっと推移しているというような状況もあったので、そのような推測をしているというところでございます。

 以上です。

【飯田委員長】 大久保委員、1点目はよろしいでしょうかね。まず、松戸の上本郷の件。

【大久保委員】 結構でございます。

【飯田委員長】 これについてはご説明のとおり、千葉県も留意して動かれていて、大気環境学会にて、この異常値に関する調査研究を発表されています。

 現地に調べに行くとよくあるのは、PMの数値異常が近くに鰻屋さんができて、かば焼きを焼く煙が測定に影響したとか、測定局の周辺環境の変化による影響です。松戸市の場合には、現地確認では特に何か環境が変わったり、特異な排出源が生じたことはありませんでした。その後、引き続き注意して監視をいただいているところですが、異常値は再発しておりません。一つには、校正値がずれている可能性があるとの説明でございます。これについては、きちっと精査しておく必要があると思いますので、実は横田委員のほうでも、小委員会のほうでもご検討いただいているところです。

 それから、もう一つのご質問は、横田さんのほうからお答えいただけますか。

【横田専門委員】 さっきお答えしたと思います。

【飯田委員長】 すみません。

 もう一つの点はよろしいですか、大久保委員。お答えになっていましたでしょうか。追加の質問があれば、どうぞ。

【大久保委員】 いえ、大丈夫です。1か所、越えていることが満たしていないと判断した理由である。これに近い数値のものがありましたけれども、それは考慮していないという趣旨であると理解いたしました。ありがとうございます。

【飯田委員長】 ありがとうございました。

 ほかにご意見、ご質問等ありましたら、お願いいたします。

【石田臨時委員】 筑波大の石田でございますが、よろしゅうございますでしょうか。

【飯田委員長】 はい。石田委員、お願いいたします。

【石田臨時委員】 どなたも発言なさらないようですので、すみません。

 丁寧な分析をしていただいて、環境基準の評価についても、まあまあ、皆さんのご努力のおかげでよかったなということで、誠に結構だなと思いました。ただ、この評価だけじゃなくて、これからどうするかということが極めて重要だというふうに思っておりまして、SPMはそうなんだけれど、PM2.5とか1.0はどうなのかとか、光化学オキシダントはどうなのかということもありますので、安心し過ぎてはいけないなという気がしますので、その辺を表現していただければありがたいなというふうに思いました。

 それと、最初のご説明の一番最後に、自動車の単体規制の話をしていただきましたけれども、これからやっぱり電動化とかマイクロ化が、特に乗用系については、あるいは宅配便の本当に末端のところは、そういうものがどんどん進んでいくんじゃないのかなというふうに思いまして、そういうことを、カーボンニュートラルもそうですけれど、環境基準、沿道環境、大気汚染からも、やっぱりきちんと位置づけておいて、さらに進めていくというのが、非常に大事なことだなというふうに思いました。

 電動化については、カーボンニュートラルのほうの会議で、OEMの方とか、いろんな方のご意見を伺う機会があったのですけれども、小さな車を作ってもOEMは儲からないので、ほとんど関心がなかったような印象が強かったんです。ですから、そこをどう盛んにしていくかということが、沿道環境にとっても、カーボンニュートラルにとっても大事だよという、そういう認識を持ち続ける、あるいは主張するということは大事なことだと思いましたので、これからの話でございますけれども、ご配慮いただければと思います。ありがとうございました。

【飯田委員長】 石田委員、ありがとうございました。

 前半は、ご質問ということではなくて、コメントだと思います。後半のカーボンニュートラルに向けてご指摘は今後の議論にて留意したいと思います。何かご出席の皆さんから、ご意見等ございますでしょうか。

【山崎大気環境課長】 環境省の山崎です。

 貴重なご意見ありがとうございます。まさに先生がおっしゃったとおり、いろんな物質について、目を向けていく必要があるかと思います。

 特に最近、カーボンニュートラルというのは非常に重要になってきておりまして、我々のほうでも、例えば光化学オキシダントについては、先の大気騒音部会のほうでも今後の大気環境の在り方というような検討の中で、光化学オキシダントの総合的な対策について、今後は重点的な位置づけに置いて、取組課題としてやっていこうというふうに考えているというようなところでございまして、光化学オキシダントについては、いろいろと非常に複雑な生成機構とか、そういうのもありますので、どんな対策が効果的なのかについても、いろいろと総合的に検討してまいりたいと思います。

 また、先生がおっしゃったような単体規制、電動化、特に沿道環境の観点から、どういうふうにやっていけばいいのかというような視点も非常に重要かと思いますので、その辺りのコメントも参考にしながら、我々のほうも引き続き、総合対策の一部として考えていければと思います。ご意見ありがとうございました。

【石田臨時委員】 ありがとうございました。よろしくお願いします。

【飯田委員長】 石田委員、ありがとうございました。今後の答申の方向性についてもコメントいただきましたことを御礼申し上げます。

 他に、横田委員からご説明のありました環境基準確保に係る評価について、ご質問等ございましたらいただきたいと思います。いかがでしょうか。

(なし) 

特にご質問はないようですね。環境基準確保に係る評価は、監視測定局、それから10mのメッシュで区分けして、シミュレーションで危ないかもと予測される地点の有無を丹念に調べ上げて、そこを候補地として選択し、基準がクリアできないんじゃないかという、測定局以外の交差点や地点について、簡易測定装置や、測定装置が設置できるところは測定装置にて調べていただきました。結果としては、概ね基準の上限はクリアできそうだというエビデンスが出てきたところでございます。

 議題(1)での報告と議題(2)の横田委員からのご説明を受けて、今後どういう事項を踏まえて報告書に盛り込んでいくかということについて、意見をいただきたいと思います。既に石田委員からは、ご意見を頂いているところですが、各先生方からコメントを頂きたいと思います。

 最初に、名指しで恐縮なのですが、織先生。この施策が十分であったと評価できるかどうかということ、それから、環境基準の確保は概ねできているという判断に異論はないか、誤りがないか。こういうところはしっかりやらなきゃ困るということがございましたら、まずは口火を切っていただきたいんですが。

【織専門委員】 先生方の綿密な分析で本当にすばらしいなと、ただただ感心して今伺っていたのですけれども、全体としては、この報告書評価で問題ないと思います。ただ、先ほど私が話したように、環境基準確保が目的じゃないと思うんですよね。環境基準というのはあくまでも望ましい基準で、一つの指標ですので、どのような政策がここに効いていて、それに向けてどういったところが効いてきたのだろうという、そういう視点が入ってくれば、評価としてはさらにいいのかなというふうに思っています。つまり、この基準を、これから、ここに向けて皆さんの取組が行われてきたことを維持していくためには、あと何が足りなくて、どういったものが必要なのかというところが、一つ重要なのかなということと、あと、これはすごく技術的な部分の評価、測定でありますし、多分そういう性格のものではあると思うのですけれども、一般の方に向けて基準確保、これから維持に向けていくときに、やっぱり何かアピールポイント、あるいは一般の人に対して、こういうことを私たちの生活の中でやっていくことが、エコドライブなんかもそうですけれども、関係のある何かそういったところが少し入れられると、より環境基準確保の評価というものが、社会的にも身近なものになるのではないかなという。

 雑感なんですけど、すみません。技術的な評価としては、大変すばらしいものだと思っております。ちょっとコメントを入れさせていただきました。

【飯田委員長】 コメントありがとうございます。

 まさしく今後、この環境基準を永続的に持続していくためには、先生がおっしゃるように、一般の方々のご協力も引き続き必要です。それから、どういうところがキーになって確保できているのか、どういう心配点があるのかというところは、大事なポイントだと思いますので、その辺はいかがでしょうか。

 地方自治体の専門委員である入江さん、コメントがありましたらお願いしたいと思いますが。

【入江専門委員】 川崎市、入江でございます。

 最初の議題のほうでもあったかと思うのですけれども、地方自治体、特に川崎市のようなところとしては、ようやくここまで来たなというところもございます。総合的に、最初の議題のほうであったように、いろんな施策を合わせて、何とかこういう状況になったかと思いますので、これからも、先ほどもあまり油断しないようにみたいな話もあったと思うんですけれども、引き続き、例えば車種規制をベースにということで、各施策をしっかり続けて、維持またさらなる低減ということで行っていただけるといいなと思います。

 以上でございます。

【飯田委員長】 ありがとうございます。

 そうしますと、新しい目標をどう考えたらいいかということについては、何か追加のコメントはございませんか。

【入江委員】 先ほどもお話があったかと思うんですけれども、自動車排出ガス、オキシダントですとかPM2.5の寄与、そういったものもあると思いますので、それらの対策も視野に入れた方針としていただければと思います。

 また、我々川崎市は、これからちょっと策定する予定なのですけれども、大気環境あるいは水環境も含めた計画の中で、さらに、現状は当然なんですけれども、現状の法ですとか条例の規制、それはベースとしながら、さらに事業者の皆様とかの取組などを併せて、さらなる低減とともに今後も取り組んでいきたいということで考えていますので、そういった流れで行っていただければと思います。

 以上でございます。

【飯田委員長】 ありがとうございます。

 千葉大学の村木委員、何かコメントがありましたらお願いいたします。

【村木専門委員】 ありがとうございます。

 環境基準の達成の評価という観点では、非常に明確なご説明と、あと評価というものをしていただいて、とてもよかったと思います。これから先を、ただ、どうしていくのかというのを考えたときに、次の目標の設定をどうしていくのか、達成できているからいいとか、そういうことではなくて、将来この後どうしていくのかということは、次にもう少し検討してもいいのではないのかなと思います。

 例えば、私は比較的、イギリスも研究するんですけれども、ロンドンは確かに東京に比べれば、大気の問題というのが非常に大きいというのはありますけれども、課金を非常に自動車に対して行って、その後、駐車場そのものの整備も少なくするとか、そういう形にシフトしてきているということからすると、この後、日本は一体どういう方向に進んでいくのか。前半の資料にもあったような環境対応車を普及させていくために、都市的なインフラみたいなものの整備をどうしていくのか。そんなことも視野に入れながら検討していくというのも、必要なのかなというふうに思いました。

 以上です。

【飯田委員長】 ありがとうございます。

 大気汚染という意味での環境基準というのが達成できても、それに甘んじることなく、総合施策としての新たな考え方、そうしたものが目標設定として必要だろうというご理解でよろしいでしょうかね。

【村木専門委員】 はい、結構です。ありがとうございます。

【飯田委員長】 それから、4月22日でしたか、前回の本賞委員会にて、特定地域の各地方自治体にヒアリングをさせていただきました。また、関係の団体からご意見をお伺いさせていただきました。

 その中で、この法制度というのは、もし環境基準が安定的に確保されているのであれば、撤廃も含めて考えてもいいんじゃないか。あるいは、削減計画を毎年立てなくても、うまく運用できるんじゃないか、というご意見がありました。

 それから、自動車運送事業者に自動車使用管理計画書をつくっていただく制度がございます。これは、ボリュームの大きい事業者さんにお願いしているものですが、特別な対策を事業者さんに講じてもらわなくても、うまくやっていけるのではないか、緩和措置をして、その分をエコドライブ等のほかのメニューに振り向けていただきたいというご意見です。

 一方で、車種規制はまだ必要とするご意見もございました。乗用車は非常に古い車も、新しい車も排出量は少ないけれども、特にディーゼル車、重量車の中で規制年の古い車は、NOxやPMの排出源になっている。指定地域に隣接する県や地域が規制地域ではない場合には、依然として地域外から入ってくる不適合車が走行していて、それが適合車の10倍とか、うかうかすると50倍という、相対的にはハイエミッター車になっていて、そこはきちんとした流入対策が必要とされている。ただ、流入対策には限界もあり、地方自治体としては、そこを危惧しているということ。

 それから、車種構成については、指定地域の運送事業者には新しい車への置き換えを頑張っていただいているところですが、零細の事業者、それから個人経営の事業者の場合、どうしても保有するトラックの更新が遅い傾向にあるというところがあります。そこも規制の適合車の中ではあるのだけれども、適合車の中でも古い型式の車両の更新に係る補助事業の拡充を要望するご意見をいただいております。

 その辺も含めて、ご意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

 本日、東京都さんの渡邊さんがお休みです。入江委員、あるいは遠藤委員、小林委員からご意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

【遠藤専門委員】 東京都トラック協会の遠藤でございます。

 今日は、こういった形でいろいろ環境対策をずっとやってこられて、また、新たにいろいろと報告されて、内容的には非常に充実した内容だと、私自身は感じているところでございます。

 最初の時から、委員をさせていただいて、NOx・PM法、それから各地域でのPMにおける対応ですが、これは、NOxとPMがトレードオフ関係でありますから、なかなか両方を削減するというのは厳しかったのですが、当時から比べると、車の性能もよくなっているし、それから、燃料自体も当時は硫黄化合物が1,000ppmだとか、1,500だとかといっている時代から、今100を切って、10レベルになっていると。そういったことも含めて、いろんな対策が講じて、このようになってきているということだと思います。

 そういったことで、我々は利用者からの立場でお話しさせていただきますと、単体規制、本当に大変なんですね。これは運送事業者にしてみれば、普通に買換えといっても、そんなに安い買いものではなく、融資制度があっても融資では返さなきゃいけないものです。補助金になれば幾らかよいのですが、非常に市場価格自体を見ても、今燃料でもそうなんですけれども、高くなってきています。こういったものの原価が高くなっている割には、残念ながら運賃が取れないというような、そういった形で、非常に苦慮しながらやっているというのが現状でございまして、車も買換えが、先ほどお話があったように、非常に厳しくなっているというのは本当にあるところだと思います。

 ですので、そういった意味で、少しの補助金をもらっても、非常に価格が高くなってきていますので、その辺がなかなか難しいのかなというのがあります。

 それから、社会環境がかなりここのところ、コロナ禍も含めてですけれども、変わってきまして、宅配が増えてきて、小さい車が増えてきていると。そうした中で、大手事業者が今度は電動車をいろいろと入れるという話もありますけれども、そういった点を我々の業界から見ると、あまりそういう難しい施策をしなくても、水の流れのようにそっち方向に行っているなというのが感じますし、我々業界としても、SDGsとか、エコドライブとか、CO2削減をずっとやってくると、自然とNOxとかPMが下がってきているということもありますので、いろんな観点から、総合的にこの大気汚染というのを考えていくことが、非常に重要なのかなと感じています。また、我々としても、やっぱりそういった社会情勢に合わせていかなければいけないということでありますから、多分当時から比べると、大型重量車、例えば10t車だとか、11t車だとか、さらにはトレーラーみたいなものについては、非常に減ってきて、2t、4t車、もしくはバン型車が非常に増えているというのも、このような良くなる要因の一つかなと思います。

 総合的に、いろんなことを話させていただきましたけれども、以上でございます。

【飯田委員長】 ありがとうございます。

 小林委員、いかがでしょうか。

 今回の新型コロナ感染症に関わる緊急事態宣言等で、先ほどご質問がございましたが、走行量はまだ集計できていないと思いますが、燃料の使用量がどれだけ減ったかというのは、統計がそろそろ確認できる段階になってきていまして、やはり非常事態宣言が出ていた期間だと、ピークだと長距離トラック系で25%ぐらい減った月があるというようなオーダーです。それが、感染状況がまた戻ったりする中で、スイングしながら以前の数値に戻りつつある形で遷移している。

 一方で、最後のラスト・ワンマイルという、デリバリーを担う車両の走行量は、増えている傾向が見られ、長距離の物流の部分と、それから人の移動の部分と、それから、テレワーク、ホームステイでいろんな資料や食料、そしてeコマースによる購入物の配送の部分バランスが確実に変化しています。それらがまた、先ほどの遠藤さんのお話のように、戻ってくる部分と、社会が大きく変わって、少し定着していく部分があろうかと思うところです。

 UTMS協会の小林委員からも、ご意見をいただければありがたいのですが、いかがでしょうか。

【小林専門委員】 UTMS協会では、ITSというところの技術を研究しているんですけれども、今後、車の交通というのは自動運転ですとか、MaaSとかというところで、かなり使われ方も変わってくるというところで、またEV化も含めて、大きく変わろうとしていますので、そこでITSの技術で交通需要を管理するとかというのが、かなりしやすくなることがあります。

 それから、通信とつながっている車というのも広がっていっていますので、こういった排ガスとかのモニタリングというのも、新しい技術というのも活用していただければなというふうに思いますので、ちょっと中長期的には車というのは大分変わってきますので、その辺りのところも中に入れていただければなというふうには感じました。

 以上です。

【飯田委員長】 ありがとうございました。

 今後の取組というところで、ご提案はございますでしょうか。

【小林専門委員】 先ほど申し上げたような、車から直接排ガスなんかをモニタリングできる技術というのも、通信でだんだんつながってきていますので、そういうモニタリングができやすくなる環境というのがありますので、そこはまずは活用していただけるんじゃないかなと思います。

【飯田委員長】 ありがとうございます。

 以上のいろんな皆さんからの意見、あるいはコメントに対して、私からもこれを追加したいというところがありましたら、引き続き委員の皆さんから、ご意見を賜りたいのですが、いかがでしょうか。

 ポイントとしては環境基準の達成目標ですね。平成32年、令和2年までに目標を達成するんだということで、国の施策として基本方針を定めて進めてきました。多くの関係機関にご協力をいただいて、全方位で頑張ってきて、何とか達成が見えてきた。繰り返しになりますが、これは面的にも、メッシュで細かく見ても大丈夫だろうというところの根拠を、今日、横田委員からもご説明いただきました。

 一方で、じゃあ、NO2あるいはSPMの目標がクリアできればいいのかというと、大気中で反応して生成される、PM2.5や光化学オキシダントという別の指標もございます。これらは、自動車NOx・PM法で直接的に物質名を挙げてはいないのですが、最終的に何を下げたかったかというと、やっぱり光化学オキシダントであったと思います。光化学オキシダントの基準達成という目で見ると、やはり東京都や神奈川県では、場所によって、まだボーダーラインにあったり、クリアできないところもあります。

 それから一方で、カーボンニュートラルに向けた施策として、やっぱりCO2対策、温暖化効果ガスの削減の対策が必要で、そこに向けた大きな動きの中で、車両の電動化ということとかが進められています。

 乗用車については、電動化することで、もう既に窒素酸化物やPMは非常に少ない値ではありますが、さらにクリーンな方向には行くと思います。ただし、ディーゼル車、重量車については、電動システムのバッテリー搭載で重くなることで、物資を輸送するという本来の機能からすると、技術的にも時間がかかりそうです。あるいは、電力需要増大や、発電時のカーボンニュートラル化とコストというところも含めて、総合的に見ていかなきゃいけないところです。NOx・PM法をどうするかという議論では、大気汚染の二つの物質だけを考えれば良いとするわけにはいかず、総合的に考えていくべきという話を、村木委員から、イギリスの例を挙げてご指摘をいただきました。

 その辺について皆様から、これはということがありましたら、追加でお話をいただいて、あるいは指定を解除するという考え方を整理するために、こんなポイントがまだ残っていますよというご指摘でも結構です。

【大久保委員】 すみません。大久保でございます。

【飯田委員長】 よろしくお願いします。

【大久保委員】 今まとめていただいた方向性で、全く異存はございませんが、繰り返しになるかもしれませんが、環境基準の達成につきましては、第1点目といたしましては、先ほどご指摘がありましたように、コロナ禍後の新しい生活様式が、どのような影響を与えるかについて、注意深く経緯を見守る必要があるという点は、1点重要ではないかと思っております。特に、まだ十分低い濃度レベルという0.055ppmで見ますと、超えていたり、ぎりぎりというところもございますので、この点は留意が必要かと思っております。

 それから、二つ目ですけれども、これもまた今、ご説明がありましたように、PM2.5、光化学オキシダントとの関係では、ここに今日の資料ですと、何もデータがないままになっておりますので、最後の取りまとめのときには、ぜひその辺りのデータも数値も入れ込んだ違和感のない形で、総合対策の必要性を記述するという形にしていただければと思います。

 その際に、カーボンニュートラル、それから、その他の大気汚染物質対策とともに、恐らく単体規制は、騒音対策とも総合的な相乗的な効果を発揮する部分があるかと思いますし、また、騒音というものは、かなり国民の方々の広い関心のあるところでもありますので、この対策を充実させることが、騒音も含めたその他の公害対策にも寄与する部分があるという点も留意いただければ幸いでございます。

 それから、3点目ですけれども、これも先ほどご指摘があったところですけれども、緩和といった場合には手続の緩和と、実体的な基準の廃止という問題の2種類が主に、ここでは論点となっているかと思いますけれども、実体的なお話につきましては、先ほど第1点目で申し上げましたように、まだ十分注意深く見守るべき点があると思っておりますけれども、手続の緩和につきましては、管理計画でありますとか、削減計画での環境大臣の関与でありますとか、そうした部分の手続については、また効率的な規制の仕組みという観点から、改善していける部分もあると思いますので、この点についても、引き続きご検討いただければと思います。

 以上でございます。

【飯田委員長】 どうもありがとうございました。具体的な手順について3つの重要な点を項目順にまとめていただいて、お礼を申し上げます、それらを踏まえて検討したいと思います。

 ほかにいかがでしょうか。

(なし)

【飯田委員長】 特に追加のコメントがないようでしたら、これで議題(2)の討論を終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

 今日いただいたご意見を踏まえて、具体的な答申に向けて、議論を深めていきたいと思います。

 引き続き、委員の皆様におかれましては、この小委員会でのご意見の取りまとめに向けて、またお伺いすることになると思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは最後に、議題(3)その他でございますが、全体を通してご質問、ご意見がございましたら、お願いいたします。

(なし)

【飯田委員長】 では、特にないようですので、本日の第14回自動車排出ガス総合対策小委員会を終了したいと思います。

 委員の皆様には、貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。

 事務局にお返ししますので、その他の連絡事項等があれば、お願いいたします。【山崎大気環境課長補佐】 本日は長時間にわたりまして、ご議論いただきまして、大変ありがとうございました。

 次回は、年内の開催を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

 なお、本小委員会の議事録につきましては、事務局で案を作成し、委員の皆様にご確認いただいた後、ホームページで公表する予定としておりますので、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

 それでは、以上で本日の小委員会を終了いたします。

 本日は誠にありがとうございました。