2007年度産業構造審議会・総合資源エネルギー調査会自主行動計画フォローアップ合同小委員会、中央環境審議会地球環境部会自主行動計画フォローアップ専門委員会合同会議 議事要旨

日時

平成19年11月5日(月)9:00~11:00

場所

虎ノ門パストラルホテル「鳳凰」

出席委員:

茅委員長、大塚委員長、西尾座長、佐久間座長、橘川座長、中上座長、小川委員、小林委員、島田委員、増井委員、三浦委員、森口委員、秋元委員、逢見委員、木元委員、河野委員、島川委員、内藤委員、中井委員、中西委員、早川委員、福川委員、松尾委員、松田委員、三村委員、山口(光)委員、米本委員

議事内容

1.2007年度自主行動計画フォローアップ結果及び今後の課題等について

経済産業省から資料1の第1章及び第3章~第5章、各ワーキンググループの座長から資料1の第2章のそれぞれの担当部分、文部科学省から資料2-1、環境省から資料2-2、日本経済団体連合会から資料3について説明が行われた。

2.委員の発言及び質疑

○大塚委員長
目標未達成の14業種については、定量的な目標を着実に実施して頂きたい。
既に目標を達成している25業種のうち、18業種が目標の引き上げをしたことは高く評価したい。しかしながら、引き上げをしていない7業種については、是非引き上げを検討してほしい。具体的には、日本建設機械工業会、日本DIY協会、日本ガラスびん協会、日本チェーンストア協会、日本フランチャイズチェーン協会、石灰石鉱業協会、特定規模電気事業者の7業種である。
目標引き上げを行った18業種のうち、新目標が実績水準未満である11業種について、引き続き目標引き上げを検討してほしい。具体的には、石油連盟、日本ガス協会、日本自動車工業会、日本鉱業協会、板硝子協会、石灰製造工業会、日本百貨店協会、日本染色協会、日本チェーンドラックストア協会、日本衛生設備機器工業会、日本アルミニウム協会の11業種である。この中でも、原単位を目標に設定していながら実績以上に目標を引き上げていない業種については、省エネ法との関係でも問題なので、是非目標引き上げを検討してほしい。京都議定書の約束期間が来年の4月から始まるので、削減ポテンシャルの最大限を削ってほしい。
資源エネルギーWGの石油連盟と特定規模電力事業者について、WGでは目標深掘の指摘があった。座長報告の指摘事項に盛り込んでほしい。
業界団体の排出量と企業の排出量との関係について、なお不明確な部分がある。温対法の算定・公表制度の施行をきっかけとして、企業の排出量の情報開示が進められている。本年度のフォローアップにおいては、企業毎、事業所毎の排出量を開示していない14業種は、是非、より自主的に情報開示を進めてほしい。自主行動計画を立派なものとして国際的に発信することが必要であるが、その際には業界内の透明性を確保することが重要である。
自主行動計画の目標引き上げで大量の削減見通しが立ったことは高く評価したい。しかしながら、業務部門については、目標達成計画で既に対策が講じられており、また、目標達成計画で想定している2010年の成長見通しと業界の使っている2010年の成長見通しは異なっている場合がある。このように効果の重複や生産量の前提の違いなどもあるため、目標達成計画との関係では過大な見積もりとならないよう精査してほしい。
今回のWGの審議は2010年を目標としているが、既に第一約束期間後の話も出ており、長期的な見通しも必要。各業界には、さらに長期的な見通しについても言及を御願いしたい。
各個別企業の取組が業界内でバラツキがあると思うが、企業や事業所毎の情報を提示してほしい。
業界ごとの努力がどの程度なのかは、目標水準の程度や基準年度の状況によって異なってくる。
資料1の各業界団体の取組に関する見取り図は、全体を見渡すことができるものであり評価したい。他方、業種毎にCO2排出量の削減費用を情報収集・評価しても良いのではないか。例えば、一定の排出削減費用又は限界削減費用を基に、業種毎の削減余地を評価し、今後、政府全体としてどの分野に力を入れていくべきか、議論するべきではないか。
資料1の参考にCO2排出増減要因分析の図があるが、板硝子協会において、全体増減割合がプラスの値となっているが、他の箇所のデータではマイナスとなっているので、確認を御願いしたい。
原単位を指標として設定している業界は、是非CO2総排出量を指標として設定してほしい。原単位改善により目標達成している業界もあるが、原単位が下がってもCO2総量は増えている業種は多い。
フォローアップにおいて、業界から提出資料では、数字がどのように積み上げられているのか不明である。約1,800万トンの追加削減としているが、目標達成計画との関係での整合性、また、インベントリの数字にどのように反映されるのか、明らかにしてほしい。
目標を達成できない場合はクレジットを取得するとしている業種が多いが、外国にお金を支払ってクレジットを購入するのではなく、国内で対策を実施できないのか。国内排出量取引では業界毎にキャップが設定されるとの危惧が示されているが、自主行動計画において既に業界毎にキャップが設定されている。技術はあるが資金がないため削減が進んでいないケースもあり、達成出来ていない業種が排出量を取引することは十分可能であるので、検討してほしい。
目標を引き上げた業種の中には、現状よりも高い状況をベースとして設定しているものもある。現状ベースで設定し直してほしい。
排出量の数値について、自主行動計画の数値と温対法算定・報告・公表制度の数値との整合性は、今後精査が進んでいくことと思うが、最終的には国の排出量として報告しているインベントリの数字が減少する必要がある。これら3つの数字は、捕捉範囲が異なるため直接比較することが困難であることは理解しているが、国が報告しているインベントリの数字と異なっている場合には、その不整合の原因がどこにあるのか、責任の所在も含め明確にしていくことが必要がある。
資料1に流通・サービスWGにおける指摘事項が示されているが、営業時間について相異なる見解が指摘されている。営業時間とCO2削減との関係の評価については、WGにおいてまだ合意が出来ていないと理解している。営業時間が延びるほど目標達成が容易になるとすれば、本来の趣旨に反することとになるので、原単位ではなくCO2削減総量を目標指標として設定すべき。
環境省に対して、10月31日の読売新聞に、環境省が第一四半期のCO2排出量を公表するとの記事があったが、この場でデータを示してほしい。これまでは1年単位でデータを取ってきたが、今後、四半期ベースの数字についても公表していくのか。役所がデータを公表する場合には政策的な意図があるはずである。もし公表を続けていくのであれば、いかなる意図で公表していくのか教えてほしい。
産業界、政府、WG委員の労力をねぎらいたい。ここまで来るのは大変だったが、自主行動計画を全体として成功させ、世界に発信していくことをサポートしたい。そのような観点から、海外の発信について、期限を切ってホームページに英語版を掲載するとの説明があったが、大きな前進である。
原単位目標と絶対量目標の議論があるが、京都議定書は絶対量であることは理解しているが、原単位が基本である。需要があっても物を作らない、または売らないということを行うのかということ。EUでは、ドイツ、オランダ、イギリスで自主協定があったが、一部例外はあるものの基本的には原単位を採用していた。EU-ETSでは絶対量を採用しているが、ここではっきりしているのは、日本とヨーローッパでは厳しさが全く違うということ。原単位目標ではいけないという考えは疑問。
自主行動計画を自主協定にしようという議論があるが、海外の自主協定は罰金もない協定であるということに注意してほしい。
環境省に対して、新聞業界の自主行動計画の基準年は2005年となっているが、1990年を基準としたら何%削減となるのか。
10月30日の読売新聞の報道で、環境省が四半期ベースの数字を公表するとの話があったが、その後、今度は経済産業省が所管するエネルギー経済研究所の推計では、同じ数値を基にしながら環境省の推計とは逆に四半期ベースで減少するとの話があった。全く違う結果が両省庁から出て来ると、誤解を生じさせることとなる。また、以前、日経新聞に東京電力と三井物産のCO2削減事業が国連CDM事業として却下されたとの記事が掲載された。解説を見ると、今後CDM認定が厳しくなると書かれているが、東京電力のホームページを見るといくつか事実誤認があった。一面トップでCDMが難しいとの記事がでると、その記事を読んだ者はそのように思ってしまう。新聞関係者は、記事を書くのであれば署名入りで、またこの会合で説明するというところまで詰めた上で書いてほしい。
四半期ベースの数字に関してエネルギー経済研究所のデータについて言及があったが、四半期ベースの数字を取り上げて大きい、小さいと議論するのはナンセンス。季節の変化によって需要も変化し、それに応じてCO2排出量も上下する。年度と比べるのは意味があるが、四半期データで議論することは必ずしも重要でない。
エネルギー経済研究所として申し上げれば、当研究所は主要経済指標を四半期毎に発表しているが、CO2排出量については、2006年第2四半期は78.3百万トン、その次の四半期は80.6百万トン、その次は80.7百万トン、その次は83.9百万トンとなっており、気象条件と産業活動に応じて増加している。今年の第2四半期は76.4百万トンとなっており、昨年の第2四半期78.3百万トンと比較すると減少している。
国連CDM理事会は10名の委員で議論しているが、唯一の日本人委員としてエネルギー経済研究所の黒木研究理事がいる。彼は小委員会の中にあるメソドロジー委員会の小委員長を務めている。CDMが使い難くなる、または厳しくなるとの議論があるが、CDMの動きについてもし問題があれば、日本人小委員長を通じて国内で議論できるシステムはある。
情報発信について、国際的なポスト京都の議論が発信されている中で、日本での情報発信力は弱い。今年中に発信するのでは遅く、結果が出ればすぐに世界に発信する必要があり、それによりポスト京都で日本が有利になる。
○中上座長
原単位に関して、分母の数字が増えれば分子の数字も増えるのが通常なので、営業時間を分母に採用しているからと言って過小評価をしている訳ではない。例えば、百貨店は、10年以上前は相応の休業日数があったが、現在は正月でも営業している状況であり、これをどう評価するかは難しい問題。
原単位を総量に変更すべきとの指摘があるが、例えばコンビニの場合、90年では1万5千店程度しかなかったが、現在は4万店を越えている。90年ベースで総量を採用するとなると、各店舗がどんなに努力しても総量を減らすことはできなくなってしまう。小売店は多数存在するが、我々業界が扱っている店舗の割合は売上高で3割弱。残り7割の小売店が存在する。コンビニが1万5千店から4万店に増えたということは、中小の商店が減ったとの要素もあると思われるが、このような要素は盛り込まれていない。将来的には人口は減るので、長期的には数量は減少していくと思うが、我々が議論している京都議定書の義務から言えば、総量を目標とすることは極めて難しい。
ここ1、2年はWGで突っ込んだ議論をする時間がなかった。来年は、WG委員とゆっくり議論できる時間を取ってほしい。
○藤原経済産業省環境経済室長
「既存業種のうち今回目標引き上げをしていない業種について、目標引き上げが必要」との認識は共通である。
「新目標の水準が実績水準以下の業種については、更なる目標の引き上げが必要」との点については、特に原単位目標を採用している業種について言及頂いたが、その旨は今回の提言にも書かせて頂いているところである。
石油連盟、特定規模電気事業者に関するWGでの議事については、確認して必要な修正を行いたい。
業界団体と個別企業との関係については、温対法との関係もあるが、整合性を出来るだけ確保していくべきことは、今回の評価・提言の中で記載しているとおりであるが、今後ともよりきめ細かい対応を求めていきたい。しかしながら、温対法と自主行動計画では電力係数の扱いの違いや、そもそも事業所をどのように見るか、例えば温対法では主たる事業との概念を採用しているが、自主行動計画ではよりきめ細かい対応をしているケースなど、厳格には数字が一致していない場合もある。いずれにせよ、出来るだけそのような情報を行政としても把握して整合性を図っていきたい。
数字の重複に関するご指摘についても、同様の認識を持っており、環境省と共に政府全体で、過大な見積もりがないよう心掛けていきたい。
「ポスト京都」に向けて長期的な見通しも設定すべきとのご意見については、業界にとって、また政府にとっても真剣に考えるべき重要な課題であると思うが、他方、この会合のミッションを考えれば、まずは京都議定書の目標達成にプライオリティを置くべきである点は、ご理解頂きたい。
コスト分析を含めてより細かい評価をすべきとのご指摘についても認識を共有している。他方、対策のコストはなかなか計り難いが、引き続き検討していきたい。
CO2排出増減量要因分析の図について、日本板硝子協会のデータに関するご指摘があったが、確認したところ、生産変動の数字にマイナスが付されておらず、図も含め間違っている。事務局のミスであり訂正したい。
一部の委員からWGの報告資料から名前が抜けているとのご指摘があったが、事務局のミスであり訂正したい。
原単位とCO2排出量の問題については、行政としても、昨年度からCO2排出量についても新たに評価しており、また、原単位のみを採用する業界には出来る限りCO2排出量も採用して頂きたい旨を提言しているところである。しかしながら、これまで何回か申し上げたが、自主行動計画の「自主」たるゆえんは目標指標の選択は最終的には産業界に委ねられることにあり、政府の決定文書にもそのように位置づけられている。この点、ご理解頂きたい。
未達分をクレジットの購入で埋め合わせることについては、あくまで補完性の原則の下ではあるが、クレジットの調達は京都議定書及び目標達成計画の中でも認められ、促進すべきとされているところである。別途、来年度に向けて、環境省とも協力しながら中小企業向けの「国内CDM制度」も検討しているところであり、この点についても今後ご審議頂きたいと思っている。
政府としてのPRの問題については、今回の提言において、年内又は年度内に英訳を作成してホームページに掲載したいと宣言したが、一部委員からはそれでも遅いとの指摘があった。前倒しを考えていきたい。また、今回の資料のみならず、出来る限りの情報発信を政府を挙げて行っていきたい。
自主行動計画について、来年度以降の政府内での評価体制については、目標達成計画の見直しが今年度で一段落することもあり、今後、じっくりとご相談させて頂きたいと考えている。
○江崎資源エネルギー庁エネルギー政策企画室長
自主行動計画に示されたCO2削減効果の数字については、各業界が独自に推計した目安の数字であると認識している。他方、これら自主行動計画を長期エネルギー需給見通しに反映するに当たっては、CO2排出量ではなく、具体的な取り組みを踏まえた、活動量を基に推計している。なお、業務部門の自主行動計画については、現行対策と活動内容が重複しているところがあるため、これら重複を排除した上で計算することになる。
また、インベントリは、その国で最終的にどれだけ温室効果ガスを発生させたかについて国連に報告するものであるが、毎年、国連で厳格に審査されることになる。他方、エネルギー消費のデータは、四半期ベースでは大きくぶれることが知られている。そのため、四半期のデータを用いて年度統計を暦年統計に修正することは適当でないため、世界的には温室効果ガス排出量を暦年ベースで国連に報告しているが、日本だけが年度ベースで報告することが認められているほどである。加えて、利用可能な四半期のデータは、供給サイドのものだけであるが、インベントリは需要サイドのデータで報告することが求められている。季節要因や在庫要因などの存在を考えると、供給サイドのデータを基にCO2排出量の動向を分析することは、極めて大きな誤差を含む可能性が高く、行うべきではないと考えている。
○谷津環境省大臣官房審議官
四半期データについては、環境省としては、第1約束期間を目前として、なるべく早く排出量のトレンドを把握すべきとの意見に対応するため、手法の検討も含めて第1四半期のデータを試算したことは事実である。しかしながら、これを環境省として発表したということはない。四半期データの把握として利用可能なデータは供給サイドのデータであるが、我々として把握したいのはその期でどれほどの温室効果ガスが排出されたかということ。すなわち需要サイドのデータが必要となるが、現在、環境省が直接入手することはできない。また、期をまたいだ在庫という問題もあり、環境省としても技術的に詰めるべき問題は多々あると思っている。今回、四半期データを試算したが、環境省として発表する段階には至っていないと考えている。引き続き所要の検討をしていきたい。
新聞業界の90年のデータについては、現時点で90年にさかのぼって正確なデータを把握するのは困難である。
○茅委員長
資料の「2007年度自主行動計画フォローアップ結果及び今後の課題等(案)」については、皆さんにいろいろご意見を頂いたので、訂正する必要があれば訂正をしてパブリックコメントに付したいと思っている。本日の審議及びパブリックコメントを踏まえた修正は委員長である私と大塚委員長と事務局に一任頂きたいがよろしいか。(異議なし)
○大塚委員長
原単位のみを目標指標とすることについては、個々の業種では難しい場合もあるが、以前からフォローアップでも問題とされているように、京都議定書との関係ではCO2の総量も目標指標として使用して頂くよう努力してほしい。
今回の自主行動計画のフォローアップで産業部門の対策が終わったわけではない。産業部門は、その排出量が4億5600万トンで、我が国の排出量の4割を占める部門であり、また目標達成計画の産業部門の目標は4億5300万トンであるが、なおこれを上回っている。更なる削減が必要であり、自主行動計画の他、規制や経済的手法なども含めた対策を合同会合で議論して頂きたい。産業界に対しては、京都議定書の目標達成に向けて更なる取組を期待したい。
今回、フォローアップが短期間で行われた結果、WGの委員をはじめ審議会の委員の方々にご迷惑をおかけした。来年度から、より深い議論ができると良いと考えている。
○藤原経済産業省環境経済室長
最終的なフォローアップ結果については、後日委員の皆様に郵送させて頂きたい。
本日の議事概要については、事務局でとりまとめの上、数日中に、委員の皆様に案を送付したい。皆様に送付後、一週間で環境省と経済産業省のホームページに掲載したい。諸事情により一週間に御返事を頂くことができない委員分についても、いったん暫定版としてホームページに掲載させて頂き、後ほど、修正があれば差し替えさせて頂きたい。

(文責:事務局)

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