長期低炭素ビジョン小委員会(第10回) 議事録

日時

平成28年12月13日(火)14時00分~16時30分

場所

全国都市会館 大ホール
東京都千代田区平河町2-4-2 全国都市会館2階

議事録

午後2時00分 開会

○低炭素社会推進室長
定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会長期低炭素ビジョン小委員会の第10回会合を開始します。
本日は、ご到着が遅れている委員もいらっしゃいますが、委員総数18名中15名の委員にご出席いただく予定であり、定足数に達しております。
また、既に地球環境部会長決定とされております本委員会の運営方針において、原則として会議は公開とされていることから、本日の審議は公開といたしております。
では、以降の議事進行は浅野委員長にお願いいたします。

○浅野委員長
それでは本日は10回目になりましたが、ただいまから委員会を開きたいと思います。
まず、配布資料の確認のお願いをいたします。

○低炭素社会推進室長
まず、一番表に議事次第がございます。配付資料一覧がございます。資料1としまして、委員の名簿がございます。資料2としまして、これまでのヒアリング等における意見のまとめがございます。資料3としまして、気候変動に関する科学的知見及び国際動向がございます。資料4としまして、国内の主要な課題と今後の社会動向がございます。参考資料1としまして、地方ヒアリングの開催予定についてがございます。参考資料2としまして、先般公表いたしましたけれども、2015年度の温室効果ガス排出量の速報値についてがございます。参考資料3としまして、先般環境関連団体の有志で提言をまとめられたものですけれども、低炭素社会に向けた長期戦略策定に向けた提言についてがございます。
資料の不足等がございましたら、事務局までお申しつけください。
カメラはここで退席をお願いいたします。

○浅野委員長
それでは、よろしければ議事に入りたいと思います。
今日は三つの議題となっておりまして、まず、これまでのヒアリング等における皆様方のご意見の取りまとめについて、それから気候変動に関する科学的知見及び国際動向、国内の主要な課題と今後の社会動向ということでございますが、まず資料に沿って議題1から事務局に説明いただき、皆さんと意見交換をしていきたいと思いますので、事務局から資料2について、説明をお願いいたします。

○低炭素社会推進室長
資料2について説明させていただきます。
資料2の一番最後のページに、裏表でこの小委員会のヒアリング一覧を載せております。8月30日の第2回目以降、さまざまな方からヒアリングをしていただいて、先般の11月29日の第9回までヒアリングをしていただいたところでございます。このヒアリングの際のヒアリング対象者のご発言ですとか委員の方々のご発言、また第1回目の資料、それから委員の方のご発言をもとに、これまでのヒアリング等における意見のまとめというのをつくったのが、この資料2でございます。
全体の構成というのをわかりやすくするために、一番表側で横書きでございますけれども、ポンチ絵風にしてございます。これを見ていただきますと、1番としまして気候変動問題として、(1)として気候変動に関する動向というものの意見をまとめております。また(2)としましてパリ協定の意義というのをまとめております。その下の2.としまして、世界の潮流ということで、パリ協定を踏まえた世界の潮流についてのご発言等をまとめております。
また右側にいっていただきまして、3番で経済・社会的課題としまして、(1)で2050年における国内外の主要課題と今後の方向性、(2)で長期において考慮すべき社会的基盤要素、そういうものを踏まえまして、4番のところで基本的考え方ということで、(1)としまして経済成長の観点、(2)としまして地方創生、(3)としまして、国際貢献の観点からのご発言をまとめております。
また5番としまして、長期大幅削減の絵姿ということで、(1)としまして2050年の80%削減を実現する社会、(2)としまして様々な分野における大幅削減の社会像の例というのを、それぞれ1~5というふうに分けて、ここではまとめさせていただいております。その下の6番で長期大幅削減の実現に向けた政策の方向性というご意見をまとめております。
めくっていただきまして、これと同様のものを1ページのところで目次風にしております。また2ページ以降でざっと、どういうことがどこに書かれているのかというのをご説明していきますけれども、ちょっと時間がありませんので、ざっと目で追いながらという形で説明させていただきます。
2ページ目のところで1番で気候変動問題ということで、(1)としまして気候変動に関する動向というのを三つほどに分けて書いております。1としまして、気候変動は社会安定の脅威だということで、生態系、それから安全保障、めくっていただいてビジネスリスクなどに関する観点からのご発言をまとめております。
また3ページ目のところで2としまして、2℃目標と温室効果ガス排出の実質ゼロについて、科学的知見、それからその次のページで(気候感度)、4ページ目の下3分の1ぐらいのところで(生産ベース・消費ベース)という観点でのご発言というのをまとめております。
めくっていただきまして、5ページ目で3としまして、カーボンバジェットの存在についてのご発言等をまとめております。5ページの中ほどのところで(2)といたしまして、パリ協定の意義というので、195カ国が同意しているとか、脱炭素というような観点で書いておりまして、(ゲームチェンジ)というご発言ございましたので、そういう観点からまとめておりまして、6ページの中ほどでは(座礁資産)というような言葉もございましたので、そういう観点からまとめております。
7ページ目のところから2番のパリ協定を踏まえた世界の潮流ということで、各国の目標関係で(GoalとTargetの違い)などがあるというようなことを書いております。
8ページ目のところから諸外国の動向ということで、8ページからは(中国の動向)ということでございまして、<低炭素発展>に関すること、<排出量取引>に関することのご発言等をまとめております。
9ページ目からは(ドイツの動向)ということで、<長期戦略>ですとか、9ページ目の中ごろからは<再エネ>について、10ページ目にいきまして、<系統>ですとか、真ん中辺りで<火力>それから11ページ目に入りまして<省エネ>関係、それから11ページ目の下のほうでは<市民参加>といったようなくくりでご発言をまとめております。
12ページ目に入りまして、(フランスの動向)ということで、例えば12ページの真ん中辺りで<カーボンバジェット>について、そこから少し下がりまして<排出量取引、炭素税>について。
それから次のページまでいっていただきまして、例えば14ページ目では<情報開示>に関するようなことのご発言をまとめております。14ページ目の真ん中辺りから(その他諸外国関係)ということで、まずは<イギリス>についてのご発言等、それから<アメリカ>について個人とか組織の行動変容に関すること等をまとめております。
めくっていただきまして15ページ目のところの真ん中辺りから(金融関係)ということで、例えばTCFDとか、PRIというようなことに対してのご発言等をまとめております。
16ページ目では、(企業関係)ということで、RE100といったようなものについて書いております。また16ページ目では、(再エネ関係)ということで、<投資>ですとか<コスト>の動向についてのご発言等をまとめております。
めくっていただきまして17ページ目以降が3番の経済・社会的課題ということでございます。(1)としまして、2050年における国内外の主要課題と今後の方向性ということで、1としまして主要課題として人口減少・高齢社会ですとか、経済の低成長それから地方の課題、18ページ目にいきまして、国際社会における課題などを記載しております。
また18ページ目の上から4分の1ぐらいのところから2としまして、今後の方向性について記載しておりまして、(人口減少・高齢社会下における経済成長)として、付加価値生産性のことを書いたりとか、真ん中辺りから技術、ライフスタイル、社会構造のイノベーションということについて書いております。
まためくっていただきまして、19ページ目のところで(地方創生)ですとか、(国際社会への対応)といったような観点から書いております。
20ページ目にいきまして、(2)としまして、長期において考慮すべき社会的基盤要素としまして、例えば(ICTの進展)があることですとか、(国民の価値観)についてのご発言があったこと、(国土空間)についてのご発言等を書いております。
21ページ目にいっていただきまして、4.としまして基本的考え方がございますけれども、脱炭素の取組による経済・社会的な諸課題の同時解決ということで、経済社会的諸課題との「同時解決」の観点、それから21ページ目の下のほうでは(時間軸)としまして、今から取り組む必要があるといったようなことを取りまとめております。
22ページからは(1)としまして、経済成長についてまとめておりまして、(約束された市場)ですとか(イノベーション)、それから次のページ、23ページの中ごろでは(国際競争力)、24ページ目では(デカップリング)ですとか、真ん中辺りでは(飽和)といったような観点でのご発言をまとめております。24ページ目の下から3分の1ぐらいのところで(2)としまして、地方創生ということで、(地産地消エネルギー)、それから(まちづくり)ですとか、めくっていただいて(人材)といった観点でのご発言をまとめております。
また(3)としまして、国際貢献としまして、ライフスタイルの提案ですとか、資源需給についてのご発言というのをまとめております。
26ページ目にいっていただきまして、5.で長期大幅削減の絵姿でございまして、(1)といたしまして、2050年80%削減を実現する社会についてのご発言等々をまとめております。対策・施策を総動員することですとか、省エネとかエネルギーの低炭素化・電化などについてご発言があったというふうに考えております。
めくっていただきまして27ページ目から(2)としまして、様々な分野における大幅削減の社会像の例ということで、まずは1としまして建物・暮らしといったような観点で、建物でも専門部門での100%削減とか、27ページ目の真ん中辺りからは(省エネ)ですとか、28ページ目の上のほうでは(再エネ需要対策)について、それから真ん中辺りから(コベネフィット)の関係でご発言等があったというふうに承知しております。
めくっていただきまして29ページ目で、2として移動についてのご発言等をまとめておりまして、移動からの排出のゼロとか、下のほうでは(所有から共有)といったようなご発言があったこと。30ページ目では(EV)についてのご発言等。それからめくっていただきまして31ページ目では(自動運転)などにも言及があったというふうに考えております。
31ページ目からは3としまして産業・ビジネスというくくりで(炭素制約下でのビジネス)についてのご発言、それから32ページに参りまして、(産業構造)についての発言等をまとめております。
32ページ目の3分の1ぐらいのところから4としまして、エネルギー供給ということで、まず(再エネ)、それから中ほどから(系統)について。めくっていただきまして(コスト)とか、中ほどから少し下で(再エネ余剰電力)について、それから34ページ目では(石炭)に関する発言等があったというふうに考えております。
めくっていただきまして35ページ目でございますけれども、5としまして都市・地域でございますけれども、(コンパクト+ネットワーク)について。また(面的なエネルギーマネジメント)等々のご発言、ご紹介があったというふうに考えております。
めくっていただきまして、37ページ目から6.の長期大幅削減の実現に向けた政策の方向性について記載をしておりまして、まず既存技術ですとかノウハウの普及、それからイノベーションの誘発ですとか普及、次のページにいっていただきまして、政策の在り方、見直し、38ページ目の中ほどのところから(カーボンプライシング)についてがずっと続きまして、39ページ目の下のほうに(経済的手法)という観点からのご発言等をまとめております。
40ページ目の中ほどのところで、(規制的手法)の関係のご発言等をまとめております。
めくっていただきまして41ページ目の下から3分の1ぐらいのところで(情報的手法)というのをまとめております。
それからめくっていただきまして、43ページ目のところで(技術開発、普及促進)ということ。それから次のページ、44ページ目の一番下のところで(環境金融の推進)、めくっていただきまして、45ページ目の上から3分の1か4分の1ぐらいのところから(インフラ整備)、下から3分の1ぐらいのところで(土地利用制度)、46ページ目にいっていただきまして、(人材育成、市民参加)、それから下のほうで(海外における削減)といったようなご発言等を取りまとめております。
まためくっていただきまして、48ページ目のところからは、その他ということで、(ビジョン構成)ですとか、(議論の前提)や(議論の視点)についてのご発言等をまとめております。
大ざっぱでございますけれども、これまでにあったご発言や資料関係について、こういう形でまずは取りまとめているという状況でございます。

○浅野委員長
どうもありがとうございました。大変膨大なご発言の内容をまとめていただきましたので、多少無理に縮めた面もありますが、大体こんなご意見であったかということがおわかりいただけたと思います。
前回最後に申し上げましたが、ヒアリングの折には時間の制約があって、多くのご質問を制限させていただき大変失礼なことをいたしました。今日はこの委員会の1回目にご出席委員全員にご発言いただきましたので、さらにそれを受ける形で、このヒアリングをお聞きになってのご感想を含め、さらに今後どのようなまとめ方に持っていくべきかということなどについて、ご自由にご発言をいただくと考えております。
今日は、全員にご発言をいただこうと思っていますが、第1回は私の左側からご発言いただきまして、足立委員には時間切れになってしまって、大変焦らせるということになってしまいましたので、今日はその折の罪滅ぼしということでもないのですが、足立委員から順番に左にに回るかたちでご発言いただきます。よろしくお願いいたします。

○足立委員
ありがとうございます。自治体から唯一参加をさせていただいております京都市でございます。
大変幅広いスピーカーの皆さんの、本当に我々にとって大きな勉強になりました。それで長期低炭素ビジョンということで、アウトプットにどうやって落とし込んでいかれるのかなと、そういうことだと思うんですけども、私ども日ごろ一番現場で地域住民の皆さんと接触している中で、皆さんそれぞれエコということに対する思いは、かなり持っておられると思います。大きく進んできたと思いますけども、でもその認識の度合いというのはまだらですし、温暖化に対してもいろいろと新聞等から知識を得られている方が非常に多い。必ずしも正しい知識を持っておられるわけではないということで、我々もその辺をいかにわかりやすく、例えば小学生向けの読本をつくってみたり、私どものCOP3記念館に全小学生を必ず来させたり、いろいろなことをしているんですけども、これから住民のそういった理解度を高めていく。それから私どもの町も中小企業の町ですので、企業の皆さん、まだまだCO2のことには取り組めないと、そういう方もたくさんおられるんですけれども、実はそうじゃないんだということで、ビジネスチャンスにもつながっていく、そういうものであるということをいかに啓発を進めていくか、こういうことを考えております。
来年COP3から議定書20年という年で、私どもも京都市としても、いま一度パリ協定に至った大きな流れを含めて発信を強めていきたいというふうに思っておりますし、一都市ではありますけども、京都大学等とも連携して、イノベーションの分野でも幾つか取りかかっておりますので、そういったことも頑張っていきたいなというふうに思っております。今後カーボンプライシングの辺りが、またクローズアップされてくるのかなと思いますけども、その辺もいろいろご議論を聞かせていただいて、地域なりに考えていきたいと思っております。
以上です。

○浅野委員長
どうもありがとうございました。
では大塚委員、どうぞ。

○大塚委員
遅れて来て申し訳ないですが、すみません、後に回していただきますか。まだちょっと来たてなので。

○浅野委員長
わかりました。どうぞ。

○大野委員
ずっとヒアリング参加させていただいて、いろんな立場の方のご意見を聞かせていただいて、非常にどれも興味深かったと思います。特に全体を通して印象的だったのは、パリ協定の後で、これは政府のときだけでなくて、ビジネスも含めて脱炭素という方向に転換してきているというのが非常に印象的だったかなと思います。
個別の発言で振り返ってみると、中だとかビジネスじゃないんですけども、一番最初に中国の方のご発言があったですよね。これは8ページに今日は書いてありますけど、ここは非常に印象的で、これからグリーン経済のほうに移行するということを念頭に入れて、大局的に考えて排出量取引制度も、キャップアンドトレードも導入していくんだというようなご発言があったというふうに思っています。
今後この場での検討というのを考えてみると、排出量取引制度というのは一つの焦点かなというふうに思って、初回のヒアリングで中国の方から発言があったし、最後の前回はシェルの方、まさに民間企業、発電燃料のビジネスの方からもカーボンプライシングというのは大事な政策なんだというような発言がありました。
これはもちろんカーボンプライシング、排出量取引というのは、世界各地でいろいろとやっていますけども、全部がうまくいっているわけじゃないです。いろんな問題があります。この環境省の会議と並行して、経済産業省さんでも同じような検討会をやられていると思うんですが、先日中間のまとめを拝見したら、その中でも排出量取引制度、こんなふうな問題点があるみたいな話もあったんですけども、もちろんそういういろんな、なかなかうまく機能していないところもあるんですが、世界的にはそういう問題をクリアしながら、これからの一つの大きな手法として、カーボンプライシングというものを使っていこうと、そんなふうな流れになっていると思うんです。
翻って我が国を見てみると、我が国ではmandatoryのものというのは、これ、僕が言うと手前みそみたいになっちゃうといけないんですけども、東京しかやっていなくて、これは5年間一応取組が終わったんですが、かなり大幅な削減の成果があったということも事実なんですけども、それと同時に私が結果を見て大事だと思うのは、経営者の方にアンケートをやっていて、この制度が入って経営層の取組が変わったということを明確におっしゃっているんです。それが非常に大事な点じゃないかと思います。それから省エネ投資を見ても、今まで以上に長期のスパンで省エネ投資をやるというような結果が出ているので、非常に参考になることかなと思うんです。
そういう意味では、経済産業省さんの委員会のほうでも排出量取引を俎上に上げて、かなり議論されているようですので、私のほうからのお願いというか、事務局に対してお願いをするのは、この場でもそういう検討ができるような素材、世界の動きがどうなっているかとか、そういうふうなことを次回の小委員会辺りに出していただくと、具体的なファクターに基づいていろいろな議論ができるんじゃないかというふうに思いました。
とりあえずそんなところで。

○浅野委員長
ありがとうございました。
では小木曽委員、どうぞ。

○小木曽委員
小木曽でございます。すみません、今日風邪を引いていまして、マスク越しで大変申し訳ございません。
私もいろいろお話を聞かせていただいて、かなり考え方がすごく急速に変わっているなという思いを持っておりまして、低炭素ゼロ排出ということが、ある意味世界の経済界でも織り込み済みでゲームが始まっているところがあるのかなという気がしております。それに対してどういうふうに考えをしていくかということで、それを見ないで否定をするというのもいいんですけれども、全世界がそういうふうに動いている中で、やはりそれを無視して動いていくということはないんだろうな、と。まず前提としてそこを強く認識しないといけないのかなというのが第1点と私は思っております。
その中で、私が一番最初に出たときにちらっと紹介をしたんですけれども、例えばダボス会議でも紹介されている考え方ですが、サーキュラー・エコノミーという考え方で、従来の経済成長と低炭素社会というのを両立させる形で、今までのビジネスモデルを変えていく、というものです。どうしても環境負荷の話をすると、環境を守るという観点があるんですけれども、ビジネスモデルを変える中で、経済成長もしながら結果として低炭素になるという考えもあっていいのかな、と思います。
それが今までもその兆しというのはあったと思うんですけれども、技術がやっと追いついてきて、最近だとシェアリング・エコノミーというのがサーキュラー・エコノミーの代表例として出てきております。そういったものを、無駄を富に変えるという考え方だと思いますので、そのような動きの中でどういうふうに進めていくかというのは、いろんな方がヒアリングの中でも参考になる有益なお考えをいろいろと発言されていると思いますので、それを研究しながら、また大野さんから最新の各国動向の紹介があったりしますけれども、それらを踏まえながら、議論をし続けたほうがいいのかなと思います。
ある意味でやはりバックキャスト化という話もあったと思いますけれども、積み上げだけではなくて、将来像としてどういうのがあるのかというのを見据えながら議論をしないと、若干不十分かなという気がしております。
以上です。

○浅野委員長
ありがとうございました。
崎田委員、どうぞ。

○崎田委員
ありがとうございます。私は今回参加をさせていただいて、いろいろ技術の将来への展望とか、普段お話を伺わないような研究者の方や専門家の方に伺って、将来に向けた技術開発の意欲などに関しては非常に日本は強いという印象を持ちました。そしてこういうような動きをしっかりと広めていくということは大事だという、一つの安心感みたいなのはあったんですが、課題としてはそういうのを実際の暮らしとか地域社会とか、生活にしっかりと定着させるためのさまざまなシステムとか、それを「社会イノベーション」という言い方で語っておられる方も多かったんですが、社会システムとしてしっかり定着させるという辺りが弱いのではないかなと感じます。そこをしっかりとつくっていくというのが2050年80%マイナスというところを明確にしていくときに、大変重要なのではないかと感じました。
社会システムというのはいろんな意味がありますけれども、全部話している時間はないと思いますので、気になったことが大きな方向性で二つ。一つがカーボンに対する価値とか、そういうものを取引するというような視点からいくと、今、経済産業省の資源エネルギー庁の電力改革、電力の自由化の貫徹のための小委員会との市場ワーキングに参加をしながら、新しい市場をどうつくるのかというベースロード電源とか、非化石価値取引市場とか、そういう議論に参加をさせていただいているんですが、特に非化石価値市場という取引市場は、エネルギー高度化法で平成30年に44%非化石価値電源を入れるという目標を抱えた、事業者の応援をする制度として検討が始まりましたが、こういう制度をしっかり入れて、非化石に関してきちんと取引していくというようなことが定着していけば、そういうような状況やさまざまな広がりにつながる話なのではないかと感じております。
そういう意味で、どういうふうにインセンティブをつけていくかとか、国内だけではなく世界の議論ではCDMではないJCMの提案を日本はしていますけれども、なかなかまだその定着までの話は進んでいないという話も聞きますので、どういうふうにカーボンをきちんと評価していくのかというのもしっかりと日本が考えていかなければいけないことだと思っています。
もう1点は全く違う視点で、高齢化とか地域活性化の危機感が国内に大変強いという中で、地域の個性や資源をしっかりと生かしながら、活力と心豊かに暮らせる地域社会をつくっていくという、こういうことを明確にしていくのが社会の活力、元気を伝えながらしっかりと将来に向けていくというところの大事な視点だと思っております。
そういうことから私は委員会の第1回目で、国や地域がビジョンを明確に持っていけば、そういうことはできるのではないかということを申し上げました。いろいろな皆さんのお話の中から、土地利用による地域の将来像をしっかり考えること。エネルギーの低炭素技術、そして今回あまり出なかったんですが、循環型社会の資源効率性とか、そういうことに関するもの、あるいはごみとか下水道、交通政策、こういうものを総合化しながら地域の将来をしっかりつくっていき、そしてそれを市民、事業者、そして専門家を入れた、しっかりとした連携でどういうふうに実際に具体化するのかという、具体像をつくっていく場をつくっていくという、住民も参加しながらそういう場をつくっていくということが、地域の将来を力強くつくっていくことに、非常に重要ではないかという思いを、また強くいたしました。
最後に、今回2050年という目線で長期なんですけれども、2020年のオリンピック・パラリンピックというのは、それに向けた持続可能な方向性を社会に提示するという、大変重要なきっかけに活用できるのではないかと感じております。私たちが思っている以上に、オリンピックというのはスポーツ・文化・環境と、環境を三本柱に入れておりますし、持続可能性というのは2012年のロンドン大会以降、非常に重要な話になってきております。今回もSDGsが昨年国連で採択されたということで、こういう視点をどういうふうに入れていくかということも外部専門家の一人として提案をさせていただいておりますけれども、こういう機会を活用しながら、いろいろな社会システムを東京だけではなく、日本に導入し、そしてそれを世界に発信していくという、こういうことを大きなきっかけにするのが大変重要なんではないかと感じております。よろしくお願いいたします。

○浅野委員長
ありがとうございました。
桜井委員、どうぞお願いいたします。

○桜井委員
ありがとうございます。
大変ヒアリングでも勉強になりましたけども、いろいろと課題はあって、そしてそれが難しいところ、そしてまた可能性のあるところということで、ずっと聞いていたんですが、かなり私聞いていて自信を持ってまいりました。私たちがこれから世界に貢献をする日本というものをつくっていくことが非常に大事だというふうに思っていまして、そのためにはどうしたらいいかというのが、これからビジョン小委員会で重点的なこと、そして道筋というものを議論していくということになると思います。
それで前からビジョンについてお話をして、またお願いをしているんですけども、企業経営でいいましても、長期戦略、こんなに今世紀の中ごろまでとか、そのぐらいの長期の戦略というのはつくったことがありませんけども、しかしパリ協定以後の長期目標というのは、広範にはゼロエミッションというところまでは合意がなっているわけです。
ということで、これ大変に私たち日本という国はどんな理念を持って、そしてどんなビジョンを持って、このゼロエミッション化まで政策を、あるいは活動を続けていくのか、ここが非常に重要だと思うんです。すなわち理念というのは、大もとのことであると私は思っていまして、理念はその会社なら会社の存在意義、役割なんです。ビジョンというのはその役割のもとに将来どんな姿にあるべきなのか、日本という国はどんな姿をした低炭素化、そしてまたいろいろな課題を同時に実現して、たどり着く先はどういう形の日本なのか、この二つが非常に大事だと思うんです。
いろんな手段、方法論、困難さ、安易さ、優しさ云々を議論していくにも、ビジョンとそして大もとの理念というのは日本はどう持つべきかということが非常に影響してくるんで、いろいろと議論して手段が難しいから云々で、ビジョン・理念がどんどんかなりパリ協定からは反対の方向に行くというのでは困るわけです。その辺で私は何とか最初にビジョンと理念というものを環境省の課題の中、説明書にも書いてありますけども、将来の絵姿です。これはビジョンに当たるところですけども、この二つというのを私たちこれからかなり議論していきたいなというふうに思っています。
それから政策面云々では、何としてでもカーボンプライシング、要するに新しい経済システムのもとに、新しい活動をしていくという、大もとになりますカーボンプライシング、これは簡単に言えば、いわゆる今は低炭素化という価値がない経済なんです。低炭素化というところに価値を置けば、そうすれば外部不経済というものが止まるし、そしてまたどんどん有効な資金が低炭素化に回ってくるということなんです。
ですからカーボンプライシングというのは、何を意味しているかというと、これはもう低炭素化、脱炭素化に頑張った人たちが、リターンがあるというインセンティブのゼンなんです。それがどうも最近はそれに一つ足がついてきて、たまったお金で再投資、あるいはたまったお金で社会保障の足りない費用を埋める。こうなってもいいんですが、忘れてならないのは頑張った人たちがインセンティブを受けることができるという、これがあって初めて投資、あるいは変革が可能になるわけです。ここのところを忘れないようにしていくようなアウトプットにしていきたいなというふうに思っております。
後々はどんどんありますけども、やっていっていたら切りがありませんから、この辺で終わりにします。

○浅野委員長
ありがとうございました。
末吉委員、どうぞ。

○末吉委員
ありがとうございます。今数えたら全部で25名の方からのヒアリングで、私自身大変多くを学ばせていただきました。ありがとうございました。
まず総論的な感想なんですけれども、世界は気候変動や貧困、あるいは格差といった社会的諸問題について強い危機感を持って、既に動き始めているという印象を強く持ちました。その発露の一つがパリ協定です。それから同時に始まりましたSDジーズもそうだと思っております。明らかに世界は新しい国際競争に入ったと思っております。もう一つつけ加えれば、明らかに潮目が変わったんだと。そういう総論を申し上げた上で、これからの作業に当たって持つべき視点というのを、私なりに幾つか申し上げたいと思います。
まず第1番目は、現実がどんどん先に進んでいるんだという話であります。こういった議論をしている間にも現実が前に進んでいると。ですから数年で色あせるようなものは決してつくってはいけないということではないでしょうか。そのことを別に申し上げますと、これまでの常識が間違いなく時代遅れになっていくんだと。
COP22を見て私が一番強く思いましたのは、明らかに再生可能エネルギー100%を目指すということが当たり前になってきたというような感じを強く受けております。これは47カ国のフォーラムもそうであります。それからさまざまなニューノーマルが生まれています。先ほどもありました成長とCO2排出のデカップリングがもう現実になってきたと。あるいは賢い温暖化対策をとることが、ビジネスにとってもグッドなんだと。バッドではないんだというような話。あるいは化石燃料依存のベースロード電源から世界は離れて、明らかに自然エネルギー主力の、自然エネルギーが引っ張る発電マーケットのトランスフォーメーションが始まったと、こういったことが一つあります。
それから2番目は、明らかにお金の流れが変わり始めたと。そのお金の流れ、グリーンキャピフルのフローをつくるために、法律や規制あるいは金融機関による新しいグリーン金融商品、こういったものの開発が非常に活発になってきて、お金の流れに明らかに緑、グリーンがつき始めた。これは非常に大きな影響を与えると思っております。
それから3番目が、実現の手段にさまざまな国がさまざまな工夫をしています。その中で特徴的に申し上げると、何といっても法律をつくっていくんだということです。これはフランスのエネルギー広報が、ご存じのとおり2030年までに再生可能エネルギー40%実現するためにと銘打った広報であります。あるいはドイツは少し古いですけども、再生可能エネルギー推進法、促進法というのも持っています。あるいはカリフォルニア州は、ゼロエミッションビークルのための条例を持っております。あるいは企業の会計原則が変わり始めます。金融規制も情報開示のあり方もどんどん変わり始めます。ですから、CO2を削減するほうに追い込む手段が、さまざまな形でenforce abilityが非常に高まってきている。これは非常に重要な視点だと思います。
それから議論する際に、サイロではなくて全体総合的、ホリスティックに物事をみんな考え始めている。それはそうです。低炭素社会をつくるということは、金融や産業やあるいは政治が動けばすぐなる話じゃありません。社会のステークホルダーが、全て参画するという必要があるわけですから。そのいい例が多分例えば中国が第13次5カ年計画で打ち出している低炭素国家への転換のいろんな政策だと思っております。
その中で例えばグリーン金融のシステムを中国につくるんだと。そういう中に例えばカーボンプライシングを入れ込んでいくとか、一つの政策にあっても全て関連するものを包括的に入れていく。特に中国の場合は皆さんよくご存じの国家発展改革委員会が、その中心になってつくっている。明らかに国として1本大きな柱を立てるという政策意図があると思います。その裏にあって、非常に重要なのは政治によるリーダーシップ、あるいは政治による担保だと思います。
たしかこのCOP22の会期中にメルケル首相が、ドイツの削減目標を2050年、95%にすると発表されたはずであります。こういったことを申し上げた上で、一つの結論として申し上げれば、我々は今ビジョンの争いになってきた。政策の競争になってきたと、そういったものを遂行していく国民、これあらゆる国民でありますけれども、ここにいらっしゃる私も皆さんも含めてですけれども、そういったことをちゃんとやり遂げるんだという強い意思、ウィルの競争にもなってきたように思います。
とりあえずそれだけ申し上げておきます。ありがとうございました。

○浅野委員長
ありがとうございました。
桜井委員、どうぞ。

○桜井委員
一言。20秒です。先ほど申し上げた「理念とビジョン」なんですが、提案ですけども、理念としては国際社会の持続可能な成長と発展に積極的に寄与するというのが我々の役割であるし、責任だ、理念である。そしてビジョンのほうですが、世界をリードする低炭素、脱炭素社会の実現を目指すということだと思います。いろいろなところに行って、いろんなお話をすると、海外の方々が日本はこれだけのポテンシャルを持っていて、実績を持っていて、何で保守的なんだということをさんざん言われることがあります。日本の成長のためにも、また国際社会の成長のためにも、やはり日本がリーダーシップをとっていくということが、これがビジョンだろうというふうに、一つ思っております。

○浅野委員長
ありがとうございました。
それでは髙村委員、どうぞ。

○髙村委員
ありがとうございます。遅れて参りまして失礼いたしました。
大きく2点申し上げたいと思っております。ヒアリング、全ては参加できませんでしたけれども、大変有意義なヒアリングだったというふうに思っております。それを踏まえて、まず第1点目でありますけれども、何人かの委員、既にもうおっしゃっておりますが、これからまとめていただくときに、2050年の低炭素ビジョンを作成することの意味と意義といいましょうか、これをしっかり書き込んでいただくというのは大事かなというふうに思っております。先ほど桜井委員がビジョン、あるいは理念というお話がありましたが、恐らく2030年の26%、あるいは25.4%、我々の設定した基準年比で減らすというのと、もう一つ次元の違う議論といいましょうか、作業をしていると思っております。つまり日本がどういう方向に向かっていくのか。2050年辺りにどういう絵姿と、どなたかおっしゃいましたけれども、になっているのかということを書くことが、どういう意味があるのかということであります。
一つはやはりエネルギー、それから交通、都市、多くの低炭素に向かうときの鍵となる部分というのが、インフラの形成と更新が非常に長期であるという点だと思います。恐らく関わっていらっしゃるビジネスも、このビジョンというのを国がどう考えているのかということは求めていらっしゃるように思っているんですが、例えばこの間の2016年の非常に顕著な動きと私は思っているのは、自動車業界の動きです。
個社の動きは置いても、例えば現在でもBMWさんですとかGMさんが再エネ100%というのをコミットされたり、あるいは今年の10月にドイツの低炭素ビジョン、低炭素戦略を策定する過程で、ブンデスラット2030年までに欧州域内を走る自動車はゼロエミッションにする、そういうEU指令が必要だという決議を採択するなど、かなりゼロエミッションに向けた動きが自動車業界においては早くなっていると思います。
ただ日本も非常に競争力のある自動車業界だと思っていますけれども、当然それが技術開発がうまく社会に実装されるためには、社会を支えるインフラが必要で、技術開発の方向性とインフラをどうしていくかという議論は、長期の視野なし、作戦なしには成功しないのではないかというふうに思います。自動車さんがわかりやすいので例に挙げましたけれども、先ほど言いましたように、これはエネルギーでも都市でも共通するものだと思っておりまして、そうした50年を書くことの意味というものを、ぜひしっかり書いて共有をしたいというふうに思っております。
その点でもう一つだけ申し上げますと、絵姿を描くといいましたが、今あるところからどういう道筋を通るのかというパスウェイも描く必要があるだろうと思います。中に50年ジャンプするわけではありませんので、それをつくるのがこのビジョン、戦略の位置ではないかというふうに思います。
二つ目の点ですけれども、これも先立つ委員の方々おっしゃいました。小木曽委員が旧来の発想から随分この間変わったんじゃないかとか、末吉委員も潮目が変わったというお話をされましたが、私も同感であります。長くこの温暖化の問題を見ていても、これぐらい大きな動きというのは、恐らく経験を私自身がしたことがないという感じを直感しているわけですけれども、特に2点で大きく動いてきていると思います。
一つは、経済発展と脱炭素とかゼロエミッションというのが、二律背反でないというのがかなり共有したビジョンにもなっていると思いますし、同時にファクトとして出てきているというのが大きいのかなというふうに思います。これは多分江守委員のプレゼンの中にも入っていたと思いますが、2016年のIEAのデータで、13年から横ばい、経済成長率はプラス3%以上なのに横ばいというのは、実際は中国、アメリカは減っているわけですけれども、ファクトとして経済発展と脱炭素ゼロエミッションというのは、相反するものじゃないと。むしろそれをどう実現するかという政策に知恵を絞る必要があるというメッセージをそこからは感じます。
日本は足元を見てみると、15年度の実質経済成長率、何%かというのがプラスだと思うんですが、今日ご紹介があるんでしょうか、15年度の環境省さんから出て、15年度の温室効果ガスの削減値は13年度比6%、前年度比3%削減と。これは原子力の再稼働分はあるにしても、やはり多くの部分を省エネと再エネがそれを支えていると思います。そういう意味では話を戻すと、経済発展と脱炭素ゼロエミッションというのが決して二律背反ではなくて、これをうまくやっていく政策をつくることが非常に今求められている、そのよすがとしてこのビジョン、戦略というのをつくる必要があるんじゃないかと思っております。
ビジネス、金融が変わったというところは、私もCOP22に参加をして、交渉も大変重要でしたけれども、それ以上に行動するビジネス、金融そして自治体の動きというのが非常に顕著だと思います。今回資料3でも幾つか出してくださっていると思いますけれども、例えば長期の目標、いわゆる長期戦略のところにコミットをするような企業さんというのが、日本の企業も含めて出てきている。これは先ほど何でこれをつくるのかというところに関わることだと思いますけれども、自らが脱炭素の中の方向性の中で、逆にビジネスチャンスをどうやってつくっていくかという発想に随分変わってきているのを感じます。そういう意味で一番目の何でつくるのかというところに戻りますけれども、むしろ戦略としてはこうした動きを推し進める、先を行くビジネス、金融、自治体を後押しするような戦略というのをつくっていく必要があるんじゃないかなというふうに思っております。
以上です。

○浅野委員長
ありがとうございました。
谷口委員、どうぞ。

○谷口委員
大きく2点なんですが、最初のほうは資料2のことに関して個別のお話をちょっとさせていただいて、あと全体的なお話をさせていただこうと思います。
資料2ですが、非常にいいなと思いますのは、具体の数字を結構入れられてまとめられているということで、ビジョンをつくられる上でそういう裏づけというのが非常に大事かなというふうに思いました。関連して個別の話で申し訳ないんですが、35ページのところのコンパクト+ネットワークのところで、ちょうど森本先生のお話のときに私欠席していましたので、もしこのときにコメントするとすれば必ず言っていただろうなと思うことが、市街化の人口密度が倍になりますと、そこでの交通由来のCO2が半分になるというふうなデータの関係がありますので、そういう情報とか入れていただくと非常によろしいかなというふうに思いました。具体的なお話です。
あと全体的なお話なんですが、一つ正直な感想を申しますと、非常に勉強になってためになったんですが、この会期中、何となく不思議な気持ちに自分がなったというのは、世界ではいろいろ日本がパリ協定に遅れているとか、アメリカが先に、中国が先にという議論がいろいろ出てくる中で、この会議では企業の方、NGOの方、研究者の方、本当に超一流の方のお話を聞かせていただけるという、そういう時間を持てたんですけれども、突き詰めて言うと、この会議がどうしてCOP20の前にできなかったんだろうかというのが私の、すみません一つのコメントです。
いろんな意味でこれからのこともあると思いますので、ビジョン、先ほどのほかの方のコメントにもありましたけれども、数年で色あせるようなものではだめだというのは確かだと思うんですけれども、こういう時代なので、色あせると僕は思うんです。そうなったときに速やかにつくり変えるというふうなことが、事前にやっぱりできないといけないというふうなことが一つ、環境問題で世界をリードしていくという心意気があるのであれば、そこのところの仕組みはちゃんと持っておかないといけないのかなというふうに感じました。
あともう一つ、多分環境省の以前からこういう問題、取り扱われている方は感じられているんじゃないかなと思うんですけれども、こういう問題に関わる方がいろんな分野で増えてきたということです。それぞれ新しく入ってこられた方という言い方をしていいのかどうか、ちょっとわからないんですが、インタレストが違います。大きな集団になってきて、環境のことを皆さん言われているんだけれども、ひょっとして同床異夢の部分があるかもわからない。ただこれだけ大きなグループになってきたので、力を合わせればきっと大きなことができるだろう。だからそこのところをうまくどうやってまとめていくのかということが非常に大事ではないかと思いました。
ビジョンの大切さは、先の先生方皆さんおっしゃっているので、そのとおりなんですが、次の大事なこととして実際にやっていただく、動かすために場所とか、私、都市計画の人間なので、場所によってできることというのはかなり違う。東京でできることと過疎地でできることというのはかなり違う。だからそれぞれの場の方がこのビジョンを見て、これは私のところに関係あるというふうに思ってくださるようなものを、それぞれにつくり込んでいかないといけない部分というのがあると思うんです。地方ヒアリングも実施されるということなので、ぜひその辺りのことも含めて検討いただければと思います。
以上でございます。

○浅野委員長
ありがとうございました。
では手塚委員、どうぞ。

○手塚委員
膨大な資料なので、3点だけ集約してお話しします。80%削減の意味、それからカーボンプライス、それからヒアリング全体に対するコメントですけ。
まず80%削減についてなんですけども、ここでいろいろな専門家の方からお話を伺っていると、日本にとって80%削減というのは、現実に実現可能な数字であるかのような、非常にポジティブな意見がたくさん展開されていたと思うんですけども、現実問題、向こう35年間で14億tの排出を、10億t以上削減するというのは、非常に難しいというか、直感的に考えて簡単な話ではない、非現実的な話じゃないかと思う訳です。
これができるということをお話しされている方は、いろいろな前提とか仮説を持たれて話されているんだと思うんです。例えば新しい技術が実用化されて普及するであるとか、あるいは国民生活がいろいろと今とはまるで違ったものに変わっていくと、そういうことを前提とされていると思うんですけども、必ずしもそういう前提条件がこの場で共有化されたうえで、できるねという話になっていなかったのがちょっと気になっております。そういうメリットがある裏には必ず、コストあるいは課題といったことも出てくるわけですから、そういう議論をなされないで聞いていると聞きっ放し、あるいはお話しされているほうは言いっ放しになっちゃうということが気になります。
例えば技術的に可能であるということと、社会的にそれが実装されていくということとは必ずしも一致していない。例えば月に人類が行くということだけであれば、1969年のアポロ11号から技術的には可能ですけども、誰も新婚旅行で月に行こうと思わない。それはcostとbenefitの帳尻が合わないからなわけです。こういう問題が技術的にできるということを実際に社会全体に広げていこうと思ったときに出てくる大きな課題だと思います。
日本の排出量の9割以上がエネルギー起源ですから、35年間でこれを8割以上削減するということは、エネルギー関連のインフラ、これは供給側だけじゃなくて需要側も総入れかえに近いことをやらなきゃいけないわけですけども、これを現実を踏まえた議論でどうやってやっていくのか、あるいはそのときに使われなくなるようなインフラとか、設備とか、こういうものをどうやって除却したり損切りしたりするかというのを含めて、あるいはそのための原資をどこから持ってくるかという、総合的な社会全体の帳尻の議論をちゃんとしないと、夢が夢で終わってしまうリスクがあるのではないかという気がいたしました。
2番目にカーボンプライスなんですけども、これも非常にエンカレッジングなお話を何度も聞いていて、再エネは既にコストが下がっている、あるいはこれからも大幅にコストダウンするというお話がありましたけども、もし再エネが化石燃料よりも低コストになってきているというのが現実であれば、その際にカーボンプライスは要らないわけです。一方でカーボンプライスが必要だという議論をされている方というのは、恐らく再エネはまだ石炭を初めとする化石燃料よりも高コストだから下駄をはかせないと普及しないということをお話しされているんだろうと思います。
石炭よりも安価なエネルギーが、本当に技術的に実現すると、これは自動的に普及するわけです。例えばアメリカではシェールガス革命が起きまして、実際に石炭よりも安くてクリーンな国産エネルギーが手に入るようになりました。したがって2005年以後10%の排出削減が強制的な措置全くなしに実現しているわけです。
一方で環境税とかETSとかフィットとか、さまざまな炭素価格に絡むような政策を導入しているドイツでは、ナイツェルさんの発表にありましたけども、石炭火力の比率が高止まりしていて、2005年以後の排出は横ばいという皮肉な現象が起きているわけです。ということで、絶対的に足りないのは安価な代替エネルギー技術だろうと思われます。
そういう意味で、安価なクリーンエネルギー技術がまだ存在していない、これを開発しなければいけないという危機感をきちんとここで共有しないと、この先の議論を誤るのではないかと懸念します。高額の炭素価格を国内で導入して、無理やり代替エネルギーを導入するという形で、この政策を進めていきますと、日本だけで人為的にオイルショックを引き起こすということをやってしまうようなもので、これは日本社会全体が抱えているさまざまな構造的問題に対処するための原資を奪う、あるいは低炭素社会の実現に向けた原資を奪っていくという、かえって逆の効果が出てしまうという懸念がございます。そういう意味でカーボンプライスに関して、この検討は慎重にしていかなければいけない。特に温室効果ガス排出の削減はbenefitが日本だけでなく世界全体で共有される、つまりフリーライダーの構造がある仕組みの問題でございますので、日本だけでこれを行うということの合理性はほとんどない。これは世界全体で同水準のカーボンプライスをかけていくという、そういう意味での政策として位置づけるべきだというふうに思います。
3番目のヒアリングについてですけども、皆さんおっしゃっているとおり、私もここで海外を含めていろいろな有識者のお話を伺って大変勉強になりました。ただ、今申し上げたように再エネのコスト、あるいは欧州の政策に関しては、うまくいっている面もあれば、そうでない面も実はあるということで、多様な意見や評価があるかと思います。ここの場では比較的ポジティブな意見が多かったと思いますけども、そうではない視点、あるいは見解を持たれている方、特にメリット、デメリットを対比するような議論、あるいはメリットとデメリットのバランスを比較するような議論を紹介していただけないといけないのではないか。つまり今後の我が国の政策の参考にするという意味では、いい話だけを聞いているというのがちょっと片手落ちかなと思います。
具体的に申し上げますと、日本で生産ベースの排出が減っていないというようなお話がありますけれども、例えばこれは日本で低炭素製品を非常にたくさんつくっている。そうしますと低炭素の製品をつくろうと思えば思うほど高付加価値、高品質、高機能の素材なり部品なりを集約していかなければいけないわけですが、そうした高機能製品の生産に要するエネルギーは比較的高くなるということで、生産ベースの排出は増えてくるという皮肉が起きるわけです。つまりライフサイクル全体、あるいはバリューチェーン全体で見たときに、何が本当に長期で見たときの排出削減かといったような観点というのは、実は今回のさまざまなプレゼンの中では少し欠けていたのではないかというふうな懸念を持ちます。ぜひこういった視点も入れて、今後世界全体で大幅な低炭素社会を実現する、そのために日本が低炭素社会でどういう貢献ができるかというような議論に展開していただければと思っております。
以上です。

○浅野委員長
ありがとうございました。
根本委員、どうぞ。

○根本委員
ありがとうございます。資料はこれまでのヒアリングでのさまざまなご意見を6章にまとめていただきました。各論に入る前に、これがそのまま最終的な長期低炭素ビジョンになるわけではないという前提で申し上げたいと思いますが、構成自体が極めて重要な論点になり得ますので、ビジョンを具体的に検討する際には、全体的な構成をどうするか、各論の詳細についてどういう形にしていくのか、1月以降丁寧な議論を、ぜひお願いをしたいというふうに思います。その際に、今手塚委員もおっしゃられましたが、さまざまな見方があるということを、バランスのとれた形で記述することが重要だろうと思います。
その上で、ビジョンの全体的な構想に関わるということで、強調すべき重要な考え方を4点指摘させていただきたいと思います。
1点目は、経済成長についてです。第1回の会合でも申し上げたところでございますけれども、温室効果ガスの大幅な削減というのは、経済活動、産業構造あるいは国民生活そのものに多大な影響を与えることになります。したがいまして、環境と経済の両立が将来にわたって担保される、将来にわたって活力ある経済社会を実現していく視点が不可欠であり、これがビジョンの大前提だろうと考えています。これは温対計画でも「2050年80%」の前提として書かれている部分でございますので、環境と経済の両立が前提だということを、かなり強調して書く必要があるのではないかということです。経済成長がなければ、80%削減につながるようなイノベーションもできませんので、そういった意味でも、ぜひ強調をしていただきたいと思います。
排出量取引制度、カーボンプライシングのところにつきましては、今手塚委員がおっしゃったところと見解、全く同じでございますので、省略いたします。
2点目は、エネルギー政策との連携です。意見の整理の資料の中では49ページに「その他」の扱いにされていますが、エネルギー起源のCO2が温室効果ガスの9割を占めるこの国におきましては、温暖化政策とエネルギー政策が表裏一体の関係にあることは明らかですので、ビジョンで2050年の社会を描くに当たりましては、将来の日本のエネルギー需給構造、エネルギーのコスト、エネルギー安全保障の確保といった点を踏まえた、地に足のついたものにしなければいけないと考えております。
3点目は、長期目標そのものの位置づけです。先ほど申し上げましたとおり、環境と経済の両立が前提であると考えており、その実現可能性を考えると、2050年80%という目標をどういうふうに捉えたらいいのか、少し足がすくんでしまうようなところがございます。本来であれば、東日本大震災後の日本のエネルギー政策の変化を踏まえた慎重な検討が行われるべきであったというふうに思っております。
2030年の目標である26%と異なり、2050年目標はコミットメントではないということを、はっきりとさせるべきだと思っております。今年の5月の温対計画では、この目標には、幾つかの前提がかかっていたと思います。具体的には、①全ての主要国が参加する公平かつ実効性ある国際的な枠組みであること、②主要国がその能力に応じた排出削減に取り組むこと、③経済成長との両立、の三つだったと思います。
その後、Brexitであるとか、アメリカの大統領選挙、その他さまざまな国際情勢の変化がございました。こういった大きな国際的な流れが、各国の環境政策にどういう影響を及ぼすのか、見極めないといけないと考えております。長期ビジョンの検討においても、温対計画の3条件が本当に満たせるのか、しっかり確認していく必要があると考えるところです。
4点目は、地球規模での削減という視点です。手塚委員からご指摘があり、私も第1回で申し上げましたが、日本の温室効果ガス排出割合は世界の3%程度ですので、日本国内のみでの大幅削減の影響は限定的だということは、常に頭の中に入れておかなければいけないと考えております。
パリ協定でも世界全体で目指すべき長期目標というものが示されていますので、国内だけでの削減率に捉われるというのは、地球規模で考えたときに望まくないと考えております。いずれにしても、長期を念頭に置きながら温室効果ガスの削減を進めるためには、革新的技術開発は当然必要になってまいりますので、ぜひそこを念頭に置いていただきたいと考えております。
資料の発言の事実関係について、最後に付言させていただきますが、資料5ページ目のカーボンバジェットの存在のところで、国環研の亀山さんが、イギリスでカーボンバジェットにより、国内の生産ベースで排出量が減った一方、途上国からの輸入品なども含めた消費ベースでの排出量は減らなかった。つまりカーボンバジェットが、地球規模での削減につながらなかったということも説明されていましたので、これは発言に追加をしていただいたほうが、よろしいのではないかと思っております。
それから15ページに東京海上の長村さんから、気候変動に関連する財務リスクについては、化石燃料の座礁リスクのみではなくて、急激な再エネ導入など、過度な低炭素社会への移行に伴う失敗のリスクなども含めて、幅広く議論されているというご指摘がございました。こういったメリット・デメリット両方を記載することが、資料のcredibilityを高めることになると思いますので、ぜひ加筆をお願いしたいと思います。
加えて、さまざまな方からゼロエミッションハウス等々のご指摘がなされておりますけれども、私自身質問の場で、では一体木密住宅の建替えをどう進めるのですかということを質問しても、一切お答えをいただけなかったという事実もございます。要は、具体的な政策の実現可能性の部分については、なかなか意見がこの場では出ていないということも考えておく必要があろうと思っております。
私からは以上です。

○浅野委員長
ありがとうございました。
廣江委員、どうぞ。

○廣江委員
ありがとうございます。先ほど来理念、あるいはビジョンといった非常に高尚な議論をしておられるわけでありますけども、日々エネルギー供給に携わっている人間といたしまして、現実的な視点から2点、申し上げたいと思います。
まず第1点目ですが、これはバランスのとれた政策目標をという点でございます。今回いろんな方からお話を伺うことができまして、私もこういう立場がいらっしゃるのか、こういうお考えがあるのか、大変勉強になりましたが、やはり基本的には目標とすべきものは国民生活を考えれば、バランスのとれた目標を立てるべきではないかと思います。
ご承知のように2030年の、今回の我が国の目標を設定するに当たりましては、エネルギーミックスの議論が昨年行われました。その場ではCO2の削減、それからエネルギーの需給率、さらには経済性、特に電気料金になりますが、この三つをバランスさせて、よい解を求めようというような議論がされました。私は2050年においても、この三つの目標をやはり同時に解を解くような答えを求めるというスタンスは堅持すべきだというふうに思っています。CO2の削減、これは非常に大事な問題だと思います。これはしっかりやらないといけないと思います。一方で需給率の問題もやはり考えなければならない。
実は、ここで私が聞かされていただきましたドイツからの有識者の方の、私が質問いたしまして、それに対する回答でこういうのがございました。私が聞きましたのは、ドイツはCO2を一生懸命削減される。再生可能エネルギーも一生懸命入れようとしておられます。原子力は基本的には廃止の方向です。ところでイギリスも実はCO2削減非常に熱心ですし、再生可能エネルギーも一生懸命入れようとしておられる。だけど一方でイギリスは軽水炉をこれから10基ぐらいのオーダーでは増設をしようとしている、そういう方向に踏み切ろうとしています。この差というのは一体何なんでしょうか、こう申し上げましたら、その方がおっしゃいましたのは、実はイギリスは核保有国でプルトニウムが要るんだという、やや首を傾げたくなるようなお答えがございました。
その後、私は非常にこの点は気になりまして、いろんな方にイギリスの方、あるいはドイツの方も含めていろいろ聞きましたら、やはり一つおっしゃるのはイギリスは島国だから、ドイツは何だかんだ言いましても、国際連携線で周りの国と全部つながっています。一方でイギリスの場合には一応英仏海峡の中に小さな送電線が走っていますが、基本的には島国で、自国の中で物事を考えなければならない、この差が大きいんじゃないでしょうかと言われまして、私はやはりそうなんだろうなというふうに納得した次第でございます。
需給率。それから経済性、これももちろん、これからも日本は国際社会の中で、それなりに経済的に闘っていかないといけないわけでありますから、安いエネルギーを供給する。この観点も必要だと思います。こういった面からいきますと、バランスのとれた目標を設定し、これに今後取り組んでいくということが2050年についても非常に大事じゃないかなというふうに考える次第であります。これが1点目であります。
2点目が、原子力ということになります。エネルギー、特に電源という面で低炭素化を目指すためには石炭を含めた火力の高効率化、これは非常に大でございますが、一方ではゼロエミッション電源をできるだけたくさん入れるということも必要だと思います。ゼロエミッション電源としましては、再生可能エネルギーと、現在のところは原子力しかないということであります。
ご承知のように、残念ながら現在の再生可能エネルギーはコスト、それから安定性という意味でたくさん問題を持っています。今回のヒアリングの中で何人かの識者の方が、私から見れば非常に楽観的なコストについての見通しをお示しになりまして、そっちでいくんだというようなご発言があったというふうに記憶をしておりますが、何といいましても食料と並ぶ安定した国民生活を最も重要な材であるエネルギーにつきまして、少なくともかなり私から見れば楽観的な、そういった期待だけに依存するというのは、非常に危険ではないかなと思います。現在に、現在我々が手にしている技術、こういったものも片方では持ちながら、その両方の組み合わせで答えを探しているというような姿勢が非常に大事だと思います。
原子力発電所といいますのは、増設でもつくるのに10年かかります。新設になりましたら20年、そういうことは2050年といいましても、我々の観点からいくとそれほど先の世界ではありません。したがいましてこれも第1回のときに申し上げたと思いますが、2050年に今の原子力発電所42基、実はプラントがございますが、これが60年で運転を終了いたしますと、多分その時点では原子力の比率は10%を割る程度になってしまうと思います。ということは、相当程度再生可能エネルギーが入らないと、実はああいった大胆なCO2目標が達成できません。そういうことからいいますと、このビジョンの中でも原子力についてもしっかりと位置づけをしていただいて、どこかの段階ではリプレース、新増設等々に踏み切るというようなことも政策的には必要ではないかと思います。いずれにしましても、現実的な目標、そして現実的な手段もしっかりと見据えて取り組むべきではないかと考える次第でございます。
以上でございます。

○浅野委員長
ありがとうございました。
それでは増井委員、どうぞ。

○増井委員
どうもありがとうございます。私のほうからも何点か、他の委員と重複がありますけれども、お許しいただければと思います。
まずこの検討会が開催されている期間においてパリ協定が発効されて、地球全体の目標としての2℃目標というようなものが、現実のものとなってきたわけなんですけれども、そういったところで日本もパリ協定に批准したということで、これに日本が貢献することは非常に重要で、80%削減という長期の目標の重要性というものは、非常に我々自身も認識しないといけないし、国民全体としてもきちんと捉えるべきであろうと思っております。
そういった中で、日本の技術による国際貢献、あるいは国内の大幅削減、どちらかというお話が委員の中からもありましたけれども、実際にはどちらかでいいというような、そういう話ではなくて、どちらも日本の技術力というようなものが求められているところもあります。日本の技術により他国の排出を削減するだけじゃなくて、国内で大幅削減というのも同時に削減していく、この両方を実現していくということが重要であろうと、個人的には思っております。どちらかやればいいという、そういう話では決してないんだというところは、我々認識しておかないといけないと思います。
そうした中で、第1回目のときにも発言させていただきましたけれども、8割削減というのは2℃目標の達成に向けての一つのゴールではありますが、将来的には21世紀の後半にはゼロの排出を見据えていかなきゃいけないという、こういう中での目標値なわけでして、とにかく8割減については、遅いか早いかというのはあるかもしれませんけれども、通過点としていずれ達成していかないといけない。さらにその先にはゼロにもっていかないといけないということで、そういう本当に長期の中で、我々自身、日本がどういうふうな形で温暖化問題に関して国際的に貢献していくことができるのかということを、まずは明確にしておくべきであろうと思っております。
そのためにも、これまでの過去からのトレンドを引きずるような議論では決してなくて、バックキャストと言っておりましたけれども、あるいはトランジションという言葉に代表されるように、長期的な目標というのを明確にして、それがころころ変わるのではなくて、きちんと据えられて、それを国民の間でも共有していく。そういうことが重要であるし、それを行うことで、国民あるいは企業の方も安心して再生可能エネルギーなり、あるいは省エネ技術に投資できるのではないかなと思っております。
環境と経済の両立は、非常に重要であると認識しておりますけれども、実際に世界の投資の動向、特に再生可能エネルギーですとか省エネ、そういったところへの投資の動向を見てみますと、政府ではなく民間による投資というのが結構もう主流になってきているということで、こういったことはまさに環境と経済というようなものの両立を意識した、そういう新しい動きであろうと私自身は感じております。
そういうことをさらに発展させる、あるいは日本の技術がさらに売れるようになっていく、普及されるようになっていく、そういったところをこれから考えて、こうした需要が経済を引っ張っていく、再生可能エネルギーなり省エネ技術を積極的に投入していって、温暖化対策と経済の発展を両立させていく、そういう誘導策というようなものが、今後も必要になってくるだろうと思っております。
その意味で、前の議論の中にもありましたけれども、カーボンプライシングという政策の役割は、私自身は非常に重要であろうと認識しております。そういう施策を使って様々な対策を積極的に誘導していく、さらには税の場合、例えば財源を有効に活用する、新たな技術開発にそれを使うというような議論は絶対に必要であろうと思っております。このヒアリングの中であまりカーボンプライシングという話、一部の有識者の方からはいただきましたけれども、包括的な議論があまりできているとは思えませんので、きちんとやっておくべきではないかなと思っております。
最終的に長期ビジョンを出して、国民の皆さんに提示していくということを考えたときに、今回出されました資料2というのは、あくまで中間段階のもの、議論の前提となるものという、そういう理解なんですけれども、わかりやすく訴えかけるようなものというようなものが必要なのではないかなと思っておりますので、その辺最終的なものがどういうふうな形になるのか、こういったところも議論していきたいと思っております。
そうした中で、最後なんですけれども、イメージで議論するのではなくて、客観的なデータに基づいて議論していくことが重要であると思っております。先ほど申し上げましたカーボンプライシングにつきましても、実際、東京都さんの例でどれだけ削減されたのか、よく乾いた雑巾と言われておりましたけれども、実際には新しい技術というのを使えば、まだまだ削減する余地があるというような、そういうことが事実として、データとして明らかになっておりますので、そうしたところも踏まえて、きちんと議論していく、それを多くの場で議論していくということがより信頼性を高め、なおかつクリアな目標になっていくのではないかなと思っております。
以上です。

○浅野委員長
ありがとうございました。
安井委員、どうぞ。

○安井委員
ありがとうございます。実は昨日、国連大学で環境省とそれからIGESと国連大学の主催で「G7の資源効率性と低炭素社会による機会と示唆」という、そういうシンポジウムがありまして、私もちょっと短いプレゼンやってきたんですけど、やはりパリ協定以来いろんなものが全部見直されているなということを実感いたしました。
余分なことでもあるんですけど、こういうことも本当言うと報告書のどこかに書いたほうがいいのかなと思うんですけど、今資源系の人間が気にしていることは何かというと、まず2050年になっちゃいますと、銅を初めとするほとんどの地下資源が新しいやつがなくなっちゃうんです。そうなったときに一体どうするんだというのが一つ。それから2番目が鉄とセメントとプラスチックという、この三大、ある意味でCO2のintensityが非常に高いものをどういうふうに対応するんだと、この二つでした。
そこまで議論は詰まっておりませんけれども、いずれにしてもそういうことがG7の連中が来ていましたので、世界的に語られるようになった。これは将来を見るということでいいことかなというふうに思ったわけでございますが、あとこれを国民レベルで一体どうやってやるかという視点で最近物を考えてみますと、お手元に今参考資料3というのが配られておりまして、我々の組織が書いたのが22ページにあるんですけど、我々の主張というのは一体何か、2050年国民参加を求めて、2050年のアクションプランをぜひつくるというふうに、こういう最終的な報告書で書いてほしいということでございます。しかし、もしそういうことをやるのであるとすれば、今のここにある情報だけでは、多分公平性を欠いているかなというような気がいたします。手塚委員、根本委員、それから廣江委員がおっしゃったようなところもちゃんと入れなきゃいけない部分がいっぱいあると思っております。
私は個人的には珍しく、今回はしっかり予習してきているんです。普段やらないんですけど。しっかりこれ読み切ってきて、それで個人的にはエネルギー供給、それから電力系統というところが、あまりにもここの情報では偏っているという気がいたします。特にドイツの情報を入れちゃうと、どうしてもそうなっちゃうんです。
ご存じかと思いますけど、EUは自然エネルギーの未来像として、電力網をとにかくヨーロッパだけじゃなくて、アフリカまで広げ、それからトルコ、こっちジョージアまで広げるというような絵を、あれ本気かどうかわかりませんけど、一応は描いているんです。2006年ぐらいの話ですけども、それを書いていて、それなら自然エネルギー100%でいけるかもしれないということを言っているんですけど、結局何が問題かといいますと、広さなんです。要するに自然エネルギーというのは太陽絡みでございますから、気候・天候、これが問題でございまして、いろんな気候・天候のところをまぜこぜにすると何とかなっちゃう、そういう話でありまして、それでこれですと大体5,000km×4,500kmぐらいのサイズなんです。
ところが日本という国は、先ほどインフラの話もございましたけど、長さ1,500kmぐらいあるんですけど、幅狭いです。それで、したがって、この間北海道を直撃した台風がいましたけど、もしも台風がああいうふうに北海道を直撃と同時に、四国も同時直撃されると、ほとんど全ての自然エネルギーはだめになる。そういうことまで考えて、この国で一体どうやって自然エネルギーを入れるんだという議論までやっておかないと、公平性を欠いていると思うんです。そうなってくると一体何が重要か、エネルギー貯蔵なんです。それは今のところめちゃくちゃ金がかかる。
だけどこれをいかに安くするか、あるいは炭化水素系の何か新しいもの、私は欠席いたしましたけれども、阿部先生がいろいろそういうことも書かれていますけど、彼の意見はどうも最新のものでは、私はないように思うので、最近はエタノールじゃないかと言われている。そういうことだと思いますが、そういう方向に何かを書こうということまで含めて、もし国民レベルで2050年のアクションプランをやるのであれば、ここだけのネタではなくて、もう少し公平なといいますか、日本というものはヨーロッパとは違うんだということを、電力に関してもちゃんと書かないといけないかなと思います。
先ほど英国の話、出ましたけど、英国は実を言うと日本に比べると、ヨーロッパが近いというメリットがあって、今ノルウエーから英国へダイレクトの海底ケーブルやろうとしています。ところが日本はその相手がいないんです。孫さんはいろいろと考えておられますけど、ロシアとかあるいは韓国を通して中国とか、いろいろないわけじゃないですけど、いずれにしてもかなり不利な状況でありますので、台湾も似たようなものですけど。そういう国が一体どうやってこのグリッドをつくっていくのかというのは、大変重要な問題かなというような気がしております。
それが大部分でございまして、要はそれ以外のところにもいろいろあるんですけど、そこの辺りが一番根源であるにも関わらず、今回のはドイツ流の主張が主力になっていて、これは日本には適用できないということは認めるべきだろうと思います。これは事実ですからしようがないです。
そういうことと、あと原発もいろいろとあって、原発に対する先ほども、廣江さんのお話ございましたけれども、私自身はもう最近の県知事の選挙の結果を見ていると、日本人は今原発は受け入れないと覚悟するしかないかなと思い始めています。今の現世代がだめになったらもう次世代、この国は第四世代をつくるしかないんじゃないかなという気もしていますが、第四世代、もしくは核融合まで飛ぶ、そのぐらいのことを覚悟を決めないとだめなんじゃないかな。フランスのASTRIDにおんぶで抱っこでいくのか、そうじゃないのか、これまたここのmatterじゃないかもしれませんけど、いずれにしてもそういう総合的な状況を全部書いた上でないと、国民の議論にたえない、要するにある意味で、ある思い込みでもって全く有効でない議論がされてしまうんじゃないかという気が、非常に懸念事項でございます。
以上です。

○浅野委員長
ありがとうございました。
それでは大塚委員、お願いします。

○大塚委員
ここ7~8年の間に変わったことということで、特に強調しておきたいのが3点あるかと思っていますが、今まで私、全部出たわけじゃないですけど、ヒアリングを受けさせていただいて、大変いい機会を与えていただいてありがとうございました。
その3点というのは、一つは先ほど髙村委員が強調されていた経済とGHCの排出量とのデカップリングが世界的に進んできていて、日本もその傾向が昨年の搬出量を見ると、見られるというのが一つだと思います。
それから二つ目ですけれども、資料4の26ページに出ていますし、もう少し詳しいグラフもあると思うんですけども、炭素生産性が世界との関係で見ると相当順位が下がっているということでございます。これは18位という、とんでもない状況になっているんですけども、ここからすると日本のGHCについての限界削減費用が本当に高いのかどうかということも含めて、再検討が必要だと思いますが、そこもデータの精査も含めた再検討が必要だと思いますけども、結構ショッキングなぐらい炭素生産性が総体的に下がっているという問題があると思います。
それから三つ目はIIPCCの第5次評価報告書に出ているように、世界で現在の排出量のレベルを続けていると、あと30年分ぐらいしかない、もうちょっと少ないかもしれないけど、というカーボンバジェットの問題があるということで、これは科学のほうから出てきている議論ですので、これに対してどうしなくちゃいけないかと、21世紀後半、末までにはゼロにするということが関係するわけですけども、30年分ぐらいしか今のままだと搬出できないという、二度目標を達成するためにはということですけども、という問題が出てきているということがあると思います。
そこの観点から特に申し上げておきたいのは2点ございまして、一つはカーボンバジェットの考え方と、それからそれに向けた道筋をつくるということが大事ではないかということでございます。2030年、26%削減というのは現在出ている数値でございますし、2050年80%削減の数字も、数字の意味は多少違いますけども、そういうものを考えていく上で、その道筋を考えていく必要があると。2030年に突然瞬間的に26%削減というのはできるとも思いませんが、できたとしてもそれだけでは意味がなくて、カーボンバジェットの考え方というのは、累積的に搬出をしていく積分的なものが問題になりますので、それをその線を引く必要があるということだと思います。
ですから、電力との関係で言えば2030年に0.37という数字を、そのときだけ達成するということではなくて、それに向けて減らしていくということが必要ですし、2030年以後についてもその問題があるということになると思います。さらに現在計画されている石炭火力が本当に稼働してしまうと、とても目標が達成できないという話はあちこちで出てきているところでございますけども、そもそも90年代から石炭火力が増えてきたことが、日本のCO2の排出量を増やしてきているという問題がございますが、今のカーボンバジェットとその道筋の考え方との関係でも、石炭火力については特に注意する必要があるということだと思います。2050年に向けたビジョンとか施策の方向性を考える上で、ぜひカーボンバジェットの考え方を含めていただけるとありがたいというのが第1点でございます。
それから第2点でございますけれども、カーボンプライシングのほうの問題でございますけれども、増井委員もおっしゃったように、効率的に排出削減を進めていく上で、カーボンプライシングは非常に重要であると思いますし、必ずしも短期的な視点ではなくて、長期的な視点で考えていく必要があるのではないかと思っております。パリ協定ができて、世界全体で排出量を減らしていくという方向が見えてきているということがございますし、中国の人にお話しいただきましたけども、中国のように一応途上国ですら排出量取引を入れているし、韓国は排出量取引を入れるときに日本のほうにもご相談に見えたわけですけども、おつくりになって日本は入れていないので立ち話されたように思っていらっしゃるかもしれませんが、そういうアジアの国々でも排出量取引を入れてきているという状況は認識しなければいけないのではないかということがございます。
さらにカーボンプライシングについては、現在日本が抱えている問題と同時解決をするという観点も重要だと思いますので、いろんな観点でそうですけれども、お金が結構蓄積されていて、投資がなかなか生まれないというような問題が発生していますので、その問題を脱炭素に向けることによって、経済にドライブをかけるというようなことを考えるべきではないかということも同時に考える必要があると思います。
それから低炭素製品は日本の企業がたくさんつくっておられることは大変いいことだと思っているんですけども、カーボンプライシングを入れることによってさらにそれを助長していく、拡大していくということを考えるべきではないかと思っております。日本は3%しか出していないわけですけども、3%なりの責任を持っていますので、将来世代とかそういうことを言わなくても、30年後、この中でまだ生きていらっしゃる方、私も含めてどうかわかりませんが、たくさんいらっしゃると思うんですけども、今生まれてきている子どもとか、当然まだ生きているわけなので、将来世代と言わなくても、まさに現在世代が30年後に陥る状況ということを考えて行動する必要がありますし、日本としては3%なりの責任をもちろん負うわけですし、さらに先進国としては責任を負っているということを認識しなければいけないのではないかと思います。
以上でございます。

○浅野委員長
どうもありがとうございました。
当初の予定では次に資料3と資料4をそれぞれ説明していただいて、それぞれごちに質疑応答をと考えていたのですが、残りの時間からそれは無理だろうと思いますので、資料3と資料4をまとめて全部ご説明いただきます。できれば当初の予定よりも短目にお願いいたします。その後この二つについて意見交換をいたします。

○低炭素社会推進室長
では資料3と4について説明させていただきます。これ今ヒアリングのまとめをご議論いただきましたけれども、先ほど人数を数えていただいて25名ということだったんですけれども、25名の方からお話を伺ったということではあるんですけれども、まだまだ情報としては足りないということがございますので、第1回目に出させていただいた資料とか、重複する部分もございますけれども、私ども事務局として関連のものとして用意した資料でございます。大部になりますので、もう本当にざっとどこにどういうことが書いているかというのを説明させていただきます。
資料3の2ページ以降、気候変動に関する科学的知見というのがございまして、3ページ、4ページ、5ページというのは気温とかCO2の変化について書いております。また6ページ、7ページのところについては、将来の気候変動のリスクとか影響ということについてIPCCの記述等を書いております。これは第1回でも出させていただきました。
資料8ページについても、これ第1回でも出させていただいたんですけれども、ヒアリングでもおいでいただいたSchellnhuberさんの資料でございまして、2℃未満であってもティッピング・エレメントという意味では、もう危険領域に入りつつあるというようなお話がございました。
また資料9は、これは亀山さんからの発表資料の中の、米国の安全保障の観点での気候変動の捉え方でございます。同じく安全保障の観点からということでは、10ページのところにも資料がございます。また11ページ目のところでは、自然災害による損失額と保険金の支払額ということで、例えばハリケーンとか洪水とかで大きな損失を発生しているというようなことを書いております。
12ページのところは日本の気象災害の被害の状況、それから13ページ目は保険金の支払いということで、台風とか雪害ということで、1,000億を超えるような保険金の支払額になっているというようなことを載せております。
また14ページ目は、これ2℃上昇までに残されているCO2の排出量ということで、累積2℃だとあと1兆tに抑える必要があるというようなことでございまして、15ページ目のところでは2℃に抑えるために早く削減をしていて、21世紀末までに排出をほぼゼロにするというような必要があるということでございます。
16ページ目以降、温室効果ガスの排出状況というのを書いておりまして、17ページ目、これは先ほど委員の方も触れていただいた世界のエネルギー起源のCO2の排出量が棒グラフでございまして、あわせて実質GDPというのを青の折れ線グラフで書いておりますけれども、デカップリングが始まってきているというようなものでございます。
18ページ目が世界のエネルギー起源のCO2排出量ということで、日本の位置づけも含めて書いております。
19ページ目が、これは先ほどもご紹介ありました2015年度の速報値も入れた形での我が国の温室効果ガス排出量と目標に該当するものを記載しております。
それから20ページ目が、我が国のエネルギー起源CO2の排出量を濃い青で書いておりまして、GDPというのを黒の三角印で書いております。これ実質GDPです。特に最近3年ぐらいはデカップリング傾向というのが顕著になりつつあるということが書いております。
また21ページ目が、この排出量を円グラフで表したものでございます。22ページ目は部門別の電気・熱配分後の推移というのを書いております。23ページ目は電力の排出量というのを左側に書いておりまして、青で塗っている部分が石炭火力というようなものでございます。また排出原単位については右側に折れ線グラフで書いております。
めくっていただきまして24ページ目、これ石炭火力の排出量の推移ということでございます。25ページ目、26ページ目が、消費ベース、生産ベースというお話、ございましたので、資料を探しておりましたら、OECDのほうで出されているのがあったので持ってきておりますけれども、赤色の円グラフで書いているのが消費ベース、青色で書いているのが生産ベースということでございまして、25ページ目に載っているのが主要な国ということでございます。
めくっていただきまして26ページ目が、一人当たりにしているんですけれども、消費ベースと生産ベースということで、その前のページはEUはEUと書いてあってわからなかったんですけれども、日本とドイツとイギリスというのを枠で囲ってわかりやすくしております。
それから27ページ目から世界の潮流というようなことをまとめております。28ページ目、29ページ目はパリ協定についてでございます。30ページ目が2030年の排出量と2℃目標とのギャップというのをグラフにしたものでございます。31ページ目は目標の提出とか、グローバル・ストックテイクの選定を年表で書いたものでございます。
それから32ページ目が政府間の取組ということで、どういうようなことがサミット等で言われているかということでございます。33ページ目が各国の長期的な戦略の策定状況ということで、33ページ目に書いているのが国連に提出済みのものでございまして、米国、ドイツ、カナダ、メキシコが提出済みですので、その概要を書いております。めくっていただきました34ページ目で、これはまだ国連には未提出ですけれども、戦略として策定しておられるようなものをEU、イギリス、フランスについて書いております。
これらを幾つかの視点で見てみたものが35ページ以降でございますけれども、35ページはイギリスとフランスについてカーボンバジェットというような考え方をとっているというようなことを書いております。
36ページ目は、先般のCOP22で2050年道筋プラットホームというのが立ち上がっておりますので、その概要について書いております。国、自治体、企業が参加しているということで、日本の自治体とか企業も含めて入っているというようなものでございます。
37ページ目のところが火力発電所に関する主要各国の政策動向というのをまとめております。説明の時間がないので、これだけにさせていただきます。
38ページ目が、再生可能エネルギーに関する各国の所有な政策動向というのが書いております。
39ページ目は、世界の再生可能エネルギー電源の推移ということで、95年から2014年にかけて全体では倍ぐらいに増えているというようなことを書いております。
それから40ページ目は、コストの推移と見通しというのを、グラフでは左側に大規模太陽光、右側に陸上風力というようなことで書いております。それから41ページ目は、世界でのカーボンプライシングの導入の状況、あと予定というのを書いております。
めくっていただきまして、もう少し詳しく書いたものが42ページ目では、主な排出量取引制度の概要、それから43ページ目では主な炭素税導入国の制度の概要というのを書いております。また44ページ目ではCVFという気候脆弱国連合についての概要を書いております。
それから45ページ目以降は、世界の潮流として、地方公共団体について書いております。46ページ目ではC40というので、我が国では東京とか横浜が入っているということ。47ページ目ではUnder2MOUということで、我が国では岐阜県が入っているということ。
48ページ目ではGlobal Covenant(気候変動とエネルギーに関する世界首長誓約)というようなもので、我が国からは広島、北九州、東京、富山、横浜が参加しているというようなことを挙げております。
またビジネスに関する世界の潮流、49ページ目以降ですけれども、50ページ目は第1回目でも出させていただきました世界経済フォーラムで気候変動のリスクについての捉え方、51ページ目ではWE MEAN BUSINESSということで、我が国ではネットワークパートナーとしてJapanCLPさんなども入っているというようなことを書いております。
それから52ページ目ではScience Based Targetsというようなことで、例えば我が国から第一三共さんとか、ソニーさんも入っているというようなことを書いております。それから53ページ目ではRE100というものについて書いております。
54ページ目は、Global Cleantech100ということで、リサーチ会社さんが主要な証券取引所に上場されていないClean技術企業の100社というのを挙げておられるというようなことで、情報を載せておりますけれども、日本企業は選出されていないというようなことでございます。
それから55ページ目では、カーボンプライシングリーダーシップ連合ということで、我が国としても入っている、JapanCLPさんなども入っておりますし、企業として石油メジャーなどもたくさん入っているというようなことを書いております。
めくっていただきまして56ページ目以降、金融部門ということでございまして、57ページ目では世界における電力関連投資額の推移というのを書いております。黄緑で塗っている部分が再エネでございます。
めくっていただきまして58ページ目で、再エネのセクター別の投資額の推移というのを書いております。黄緑で書いているのが太陽光、少し朱色みたいな色で書いているのが風力というものでございます。それから59ページで世界の再エネ投資の動きということでグラフに挙げております。中国が相当量が多いというようなことを書いております。
それから60ページ目でございますけれども、座礁資産というものについて、オックスフォード大学でレポートを出しておられるということで、その情報を持ってきております。我が国全体で石炭火力発電所が座礁資産化すれば、総価値7兆円弱から9兆円弱と評価されているということでございます。61ページ目はダイベストメントですとかエンゲージメントということで、先般も出させていただいたので、載させていただきます。62ページ目では、世界の投資家の動きということを書いております。また個別、63ページで主な格付機関・投資機関の動向というのを載せております。また64ページ目ではTCFDについて、(気候関連財務ディスクロージャータスクフォース)の動きについて、これはヒアリングした長村さんの資料から持ってきております。
また65ページ目以降、世界の潮流として、市民とか科学者部門ということで、66ページ目ではヒアリングした江守さんからのClimate Justiceについて、67ページ目では350.orgについての情報を載せております。また科学者関係ということで、68ページ目でFuture Earthの動きなどを記載しております。69ページ目以降は、各国の長期戦略というので参考として載せております。
資料3は以上でございます。
続きまして資料4でございます。国内の主要な課題と今後の社会動向ということで、主要課題についてはかなり広目に情報を集めております。2ページ目以降、人口・高齢化ということで、3ページ目では我が国の人口の推移というのを表しております。4ページ目では高齢化の状況、それから5ページ目では、2050年の人口分布について、これ国交省さんからの資料でございます。
6ページ目では、世界の人口というようなものを載せております。世界人口はまだ伸びているということでございまして、関連して7ページ目では世界の素材生産量の見通しというのを載せておりますけれども、人口の伸びにあわせまして素材生産量も上がっていくというようなことでございます。
それから8ページ目以降、我が国の財政状況というのを書いております。9ページ目が長期債務残高でございます。10ページ目が財政健全化目標、11ページ目が財政規模の国際比較というものについて載せております。
12ページ目以降で、我が国の経済社会の状況ということで、13ページ目で実質の国内生産について載せております。14ページ目で経済活動別の就業者数というのを載せております。また15ページ目ではGNIの推移について載せておりまして、GNI、下のほうに書いておりますけれども、国内総生産に交易利得と海外からの所得の純受取ということでございますけれども、90年代から2000年代にかけてGDPを上回るようなことでやってきておりましたけれども、2000年、真ん中辺りからそれが下がってきているということでございます。右側に成長率の推移というのを載せております。
16ページ目のところで、我が国の交易条件の悪化というのがわかるようなグラフを持ってきております。これに関連しまして17ページ目では、輸出入額の推移というのを書いておりますけれども、特に化石燃料、鉱物性燃料ということになろうと思いますけれども、黄色で書いたものが鉱物性燃料でございます。18ページ目、これも化石エネルギー輸入額の推移というのを書いております。また19ページ目では、個人消費のこと等も載せておいてはということで出しておりまして、グラフのうち左上が39歳以下の勤労者世帯というのを載せておりますけれども、可処分所得増加しているけれども、消費支出は抑制されているというようなことが読み取れるかと思います。
また20ページは、これは職業訓練等の労働政策の公的支出というのの国際比較というものを載せております。また21ページ目では相対的貧困率というのを挙げております。22ページ目では医療とか社会保障関係費というのを挙げております。23ページ目以降で国際社会における我が国の状況ということで、24ページ目で名目GDPの世界シェアというのを書いております。日本は青色の折れ線でございます。25ページ目が一人当たりGDPの各国の順位というのを、2000年、2005年、2014年というのを挙げております。
似たものでございますけれども、26ページ目では、一人当たりのGDPとGDP当たりの温室効果ガス排出量というのを順位、OECD内の順位の変遷というのを書いております。青色で書いたのがGDP当たりの排出量の順位というものでございます。27ページ目で載せているのが2002年から2014年のGDP成長率とGHG、温室効果ガスの削減率というのを挙げております。これはGDPのほうは名目でございます。
めくっていただきまして28ページ目以降、イノベーションに関係するような情報というのをまとめております。29ページ目で潜在成長率が低下しているというようなことを表すものを挙げております。労働投入が下がっておりますけれども、TFP全要素生産性も下がってきているというようなことでございます。
生産性の向上については、30ページ目で、イノベーションと経済成長についてということで、年次経済財政報告からできております。また31ページ目でもイノベーションについて、法律などで、例えば研究開発力強化法で法律で初めてイノベーションの創出について定義づけておりますので、そういうことを書きまして、また第8回の野城さんの資料を引用しております。
めくっていただきまして32ページ目、これも野城さんの資料からでございますけれども、右のほうとかでは、社会的価値を向上させる新たな取り組み・率先として、クールビズなども取り上げられているので紹介しております。
33ページ目が、企業の投資行動の状況ということで、これも年次経済財政報告からでございますけれども、日本企業、依然として消極的な投資姿勢というようなことを書いております。
資金の状況について書いているのが34ページ目では、民間企業の手元資金の推移、35ページ目では利益剰余金の推移というのを挙げております。
また、36ページ目では、長期運用が可能な資金として、金融資産残高のうちから投資に回りそうな資金というものの残高を示しております。
37ページでは、業態別に見た預貸率の推移を載せております。
38ページ目では、家計の正味資産の推移というのを載せております。
また、イノベーション関係です。内閣府のほうで「エネルギー・環境イノベーション戦略」というのをつくっておりますので、39ページ目に載せております。超スマート社会(Society 5.0)などについて触れられております。
また、40ページ目、これ、経済産業省さんで新産業構造ビジョンの中間整理というのをしておられますけれども、第4次産業革命というので、日本は、今、分かれ目というようなことで、右下のほうには、痛みを伴う転換をするか、安定したジリ貧を取るかとか、転換するならスピード勝負というようなことが言われております。
また41ページ目では、OECDのInnovation Strategy 2015というのがございますので、そこの情報をとってきております。⑤とかでイノベーションのための政策のガバナンスと実施の向上とかというようなことも入っております。
42ページ目、地方の課題と今後の方向性ということで、43ページ目は、社会資本整備の状況について書いております。
それから、44ページ目では、無居住かの増加とか市街地の拡散というようなものについて記載しております。
45ページ目では、その資金の流れとして、公需等への依存度が高いというようなことを書いております。
46ページ目、これ、ヒアリングしました林田さんのものですけれども、国土形成計画について、これも上のほうでは、新たな国土形成について本格的な人口減少社会に正面から取り組む国土計画とか、日本の命運を決する10年というようなことが書かれております。
47ページ目、これ、再生可能のエネルギーのポテンシャルですけれども、需要に対してポテンシャルがどれぐらいあるかというような観点で、プラスになるか、マイナスになるかというようなことでございまして、青色が濃いほうが再生可能エネルギーを外に出していけるほど、再生可能エネルギーのポテンシャルがあるということでございます。
それから、めくっていただきまして48ページ目以降で、国際社会における課題と今後の方向性ということで、49ページ目で、国際社会における存在感の低下ということで、相対的な位置づけとして低下傾向にあるということで、質の重要性ということに触れております。
めくっていただきまして50ページ目でございますけれども、その質の重要性を出していくのにソフトパワーの向上などについて触れております。これは、安全保障の文脈からも書かれているものでございます。
関連して51ページにも安全保障に関係するようなものも記載しております。
また、52ページ目にも記載をしておりまして、気候変動初め、地球規模課題というのも安全保障の中に位置づけられているというものでございます。
53ページ目以降、長期において考慮すべき事項としまして、まず、ICTの進展というのを書いております。
54ページ目ではIoTとかビックデータ、AIの進展というのを書いております。
また、55ページ目では、ITCの進展とエネルギーの低炭素化の関係について、例えばスマートホームとか、集中分散エネルギーマネジメントについて、概念図を書いております。
次、めくっていただきまして56ページ目では、ICTによる地方創生の成功事例というようなことで、事例を載せております。
57ページ目では、ICTの進展がもたらす社会変化と省エネということで、Uberとかカーシェアリング、ロボットの将来予測、それから、高速道路での自動走行システムのことについて触れております。
58ページ目、めくっていただきまして、ICTの成長シナリオでの実質GDPの押し上げ効果などの情報がありましたので載せております。
59ページ目以降、自然との共生ということでございますけれども、中環審でもまとめていただいた森・里・川・海とか、61ページ目では、地域循環共生圏についての考え方というのを載せております。こうした参考資料としてご紹介させていただきます。
以上でございます。

○浅野委員長
それでは、ただいま資料3と4についてご説明をいただきました。これらについてご質問、ご意見がおありの方は、名札をお立てください。どのくらいの方がご発言をご希望かを確認したいと思います。よろしゅうございましょうか。後出しは困りますので、ではここで打ち切らせていただきます。
手塚委員、どうぞ。手塚委員からこちらに回ります。

○手塚委員
はい、どうもありがとうございます。
膨大は資料をどうもご準備いただきましてありがとうございました。
最初の資料3の気候変動に関する科学的知見及び国際動向の資料の60ページ目でご紹介されている座礁資産、特に、このオックスフォードのレポートなんですけれども、このレポートがあるのは、私も存じ上げておりますが、これを紹介されるのであれば、この論文の中には幾つかmiscalculationというか、事実と異なる前提に基づいて計算されているということがございまして、どこがどう間違っているかということを東京大学の公共政策大学院の有馬准教授が別なレポートにまとめられてますので、併わせて紹介されたほうが、両方が相対的に見られるかと思います。
例えば、実際に電力会社さん自身が全く見に覚えのない建設計画が、幾つかこの中に入っていたり、あるいは、全部の発電所の事業資産について40年で償却すると書かれているんですけれども、実際の発電設備とか電装部品とか、こういうものは40年償却はあり得ないと思います。要は、間違える方向が、全部、座礁資産価値が物すごく大きくなる方向に見えるように、意図的なのか偶然なのかわかりませんけれども間違っているということを指摘されている論文が同時に出ておりますので、ぜひご参照いただければと思います。
以上です。

○浅野委員長
ありがとうございます。
谷口委員、どうぞ。

○谷口委員
私のほうは、資料4の例えば36ページとか43ページとか辺りのお話なんですけれども、先ほど高村委員さんから、これから町とか交通とか暮らしとか、そういうところを根本的に変えるようにインフラとかを考えていかなければいけないという重要なご指摘があったんですが、そこにつながるように、この辺りのデータとかの整理をもうちょっとしていただいたほうがいいかなと思っています。
具体的な例を申しますと、例えば、この委員会の中でも議論にありました公共交通ですよね。例えば、ヨーロッパの一般的な非常に公共交通を重視してCO2が少ない町とかですと、一般財源の10%ぐらいを自治体の財源として公共交通に入れている例がございます。日本で中核都市で一番入れているのは、ちょっと平成22年のデータで古いですが、豊田市さんが一番頑張っていて、一般財源の0.45%しか入っていないとか、あと、国全体の公共交通へのサポートが300億しかなくて、これは、戦闘機1個買うと、それだけ飛んでしまう額で、低床式のバスを買うと、1200台ぐらい買えます。東京都バスが全部買えるぐらいの値段なんですけれども、それが、離島の船の援助とか、そういうのに使われていたりするわけですね。
社会保障の日本全体の支出が百数十兆円あるわけで、公共交通の支出と比べると、5桁ぐらい違うという現状のもとで、そういう根本的な改善をしないと、町の中から移動に関して自動車由来のCO2を減らしていくというふうなことというのはなかなか難しいということなので、財源の関係で、そこのところは担保できる部分があるので、そういうつながりのある情報提供というのをぜひしていただきたいなと思います。
以上でございます。

○浅野委員長
ありがとうございます。
高村委員、どうぞ。

○高村委員
今、谷口委員が交通の文脈でおっしゃった点に関わるんですが、資料の具体的にここというよりも、資料の整理の仕方について2点申し上げたいと思うんですが、さっき安井委員がマテリアル利用の話もなされたんですが、恐らく2050というような議論をするときに、焦点となる分野と具体的な課題を同定する作業が、長期戦略というか長期ビジョンの作業じゃないかというふうに思っています。その解は出すというのは、恐らくいろんな解というのは当然あり得るわけで、そういう意味で、ある程度、焦点となるような分野の同定と課題の同定というのを念頭に置いた形の資料の整理というのは、やはり将来的にはしていく必要があるんじゃないかというふうに思っております。
二つ目は、何人かの委員からやはりデータのとり方といいますか、資料の使い方とか海外との比較の仕方という点が、ご指摘があったかと思いますけれども、それはまさにそのとおりで、我々が研究するときでも、よく国際比較をするときに、事情を考慮しないで右と左とを比べてしまってはいけないという、まさにそれはそのとおりだというふうに思っております。
先ほどの焦点となる課題を同定するという整理の仕方というところにもつながるんですが、例えばドイツの話でいけば、石炭がやはりなかなか減らないと、国内でとれて、雇用社会問題とリンクしているというところがあると思いますから、そこを日本と比較するときにはやっぱり考慮しなきゃいけない、あるいは、系統が問題であるということであるとすると、むしろドイツではなくて、系統が細いと言われている例えばスペインとかポルトガルとかアイルランドとかと比較をしてみるといったような、そういう比較の仕方というのをやはりしていかないといけないんじゃないかということです。
すみません、二つと言いながら最後ですが、三つ目は、ファクトベース、データベースと、増井委員のおっしゃった点は、まさにそのとおり、共感するんですが、もう一つ、時間軸の違いというのをちょっと気にしていまして、例えば再エネの文脈でいくと2030年のエネルギーミックスについて、オクトさんが非常におもしろい報告書を出されていて、東北に風力がうまく入れば、ほとんど再エネを抑制しないで系統を増強しなくても入るというような報告書を出していらっしゃるんですけど、そういう意味で、30年時点だと系統は問題じゃないかもしれないけど、50年だとやっぱり問題があるという、そういうタイムラインをやはりちょっと意識して課題の発見作業に資するような資料というのをつくっていく必要があるじゃないかというふうに思っております。
以上です。

○浅野委員長
ありがとうございます。
根本委員、どうぞ。

○根本委員
資料3の環境省の意図は理解しますが、特定のストーリーに沿ったスライドしか入れていない印象がありますので、もうちょっと公平を期すような資料の構成にしていただきたいと思っています。
資料4は、申し訳ないのですが、この長期ビジョンの検討とどこが関係するのかというのが、よくわからないというのが正直な感想です。それぞれのスライドが、どのように長期ビジョンの検討と関連するのかを教えていただけたらと思います。
資料2のところで一つ言い忘れたのですが、p.12でフランスの方が、フランスも脱原発を目指すといった記述があるのですが、幾ら調べても事実関係を確認できなかったため、もし公式な文書がありましたらぜひ教えていただきたいと思います。
それから、資料2に記載されている個別の事項については、相当程度、意見の相違がありますので、書面で結構ですので追加の意見提出の機会を与えていただければと思います。
以上でございます。

○浅野委員長
ありがとうございます。
事務局は、環境省でございますから、その立場もあり、ご満足いただけるようにもなり切れない面がありますから、できれば、こんな資料はどうだということを具体的にご提案いただいたほうが話が早いと思いますので、ぜひご協力をいただきますように。
それから、資料4については、多分、今抱えている課題がこんなものがあるということを少し出して、こういうことの解決にも資するような方向を打ち出したいという意図で書いたのだろうと思いますけれども、その辺は、もし後、時間が残ったら、事務局から答えさせます。
それでは、次に末吉委員、どうぞ。

○末吉委員
ありがとうございます。資料のお話を聞いて、改めて思ったのは、やっぱりなぜ我々はこういうことをやるのかの入り口の共有化といいますか、再認識が非常に重要だなと。これ、我々、何かいいことをするからやるんじゃないですよね。やっぱり温暖化が非常に深刻な状況になって、対応をせざるを得なくなってきたんだと。そういう入り口の危機感といいますか、そこの共有化を図らないと、10年後でやってもいいとか、いや、あっちのインタレスを考えて、今こういうことでやっていいとか、そういうような選択肢のある話ではなくて、やはりベクトルとして明らかに温暖化対策を徹底的にやるという方向に変わったんだということなんだと思うんですね。
ですから、私の知り得る範囲で言うと、これまでの議論はできることをやろうという議論をしてきたと思います。でも、今の議論は、やらねばならないことをやらねばならなくなったんだと。そういう意気込みといいますか、覚悟で世界は議論を始め、それでいろんな行動をとり始められたと思います。
それから、言わずもがなですけれども、この問題はscientifically correctですよね。それを投げかけられた社会のほうが、例えばCOP21でとった行動は、それをpolitically correctにしたはずです。COP22では、さらにそれがeconomically correctなんだと。これからのプロセスでsocially correctにもしていくんだと、そういう大きな流れが始まったんだろうと思います。
そういったことを申し上げた上で言いますと、私は、バックグラウンドが金融ですから言いますけれども、50年後の話、もちろん重要なんですけれども、今、例えば投資対象企業や国がどういう方向に向かってどういう変化をしようとしているのか、その変化力がやっぱり投資家から見るとすごい魅力なんですよね。
ですから、私は、日本が競争に置かれているとしたら、古いものが残るからだめだということではなくて、新しいものをつくれる能力があるのか、ないのか、そういう魅力ある日本の産業なのか、ビジネスなのか、日本の社会なのか、そこが非常に問われてきていると思います。
ですから、50年後の話じゃなくて、今日の明日の来年の投資がどこに向かうか、そういったこともやっぱり真剣に考える必要があるように思います。

○浅野委員長
ありがとうございます。
それでは、崎田委員、どうぞ。

○崎田委員
ありがとうございます。今回の資料4のほうなんですが、国内の主要な課題と今後の社会動向というところで、私は普段から地域の目線で動いておりますので、先ほどの発言で、やはり消費高齢化、地域過疎化の今、本当に地域にとっては地域活性化が非常に大きな課題という話をしました。それに関して、非常にデータ的なところがしっかり出ていて大変ありがたいんですが、私は一つ提案として、やはり脱温暖化で地域活性化を目指すとか、地域活性化を目指しながら脱温暖化を実現させるとか、そういうことをはっきりするにはどうしたらいいのかということを明確に位置づけていくということが大事なんではないかと思っています。
どういうことかというと、今回の資料を拝見しても、例えば再生可能エネルギーで地域活性化とか、ICT活用で地域のエネルギー政策とかありますけれども、結局、こういうことは、地域のいろいろな資源とか人材とか技術を使って、地域の中で動きをつくって、それが地域の仕事づくりとか雇用創出、活性化につながるという話ですので、脱温暖化戦略で地域活性をするような方向の重要性を明確に言い切っていただくことで全国の地域がこういうことに関心を持っていただくのではないかと感じています。
そういう中で、こういうデータをつくっていただけたらどうだろうと思うのは、例えば産業界と環境という話だと、GTPの成長とCO2の排出量のカップリングというふうな形でデータが出てきますけれども、例えば全国の自治体の環境政策とかCO2の排出量と地域の経済成長率を一緒にした表とか、本当にそういう流れのデータになるかどうかはやってみないとではありますけれども、温暖化対策とか循環型施策とか、こういうようなものをしっかり取り組んだところがきちんと地域活性化に向かっているんだということがわかるようなデータをつくっていただくというのが、地域がこれから本当に取り組まなきゃいけないという期待をされている中で、決断をする過程で非常に大事なデータなんではないかと考え、その辺を整備していただくように提案をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○浅野委員長
ありがとうございました。
大野委員、どうぞ。

○大野委員
私は、自然エネルギーに関して何点か申し上げたいんですけれども、40ページに太陽光発電と風力発電の発電コストの推移低下のグラフがございます。これを見ても、風力発電のほうは、陸上風力のほうは、もう2015年で平均的には1kWh当たり6,7セントぐらいという数字になっているんだと思います。この資料を1枚だけ出してもらっているんですけど、先ほど廣江委員だったでしょうか、からお話もあって、相当楽観的な意見が多かったみたいな話もあったので、自然エネルギーについては、もう動きが早くてどんどん安くなっていくというところもあるので、これはもう少しいろんな事例を出していただいて、新しい事例を出していただければいいんじゃないかなというふうに思います。
今一番安い例では、自然エネルギーの中で一番高いと言われていた洋上風力もデンマークの入札でも1kWh、七円、八円ぐらいのものが入っているということもございますので、そういう動向を見ながら、今後どうなっていくかをもう少し資料を出してもらったほうがいいかなというふうに思います。
それからついでに、さっきどなたでしたか、手塚委員から自然エネルギーが安いという人は排出量取引って言わないし、排出量取引という人は自然エネルギーが高くなるというふうなお話があったんですけど、私、今、自然エネルギーの仕事をしていて、昔、東京都で排出量取引をやっていましたので両方やっているんですけれども、これはやっぱり両方が必要だと思うんですよ。というのは、今は自然エネルギーが安くなって、もっと安くなっていくと思うんですけれども、まだ全部のところでは安くなり切っていないというのが1点と、それから、今、自然エネルギーが大きく伸びているのは電力なんですよね。ところが、CO2削減を図っていこうと思うと、電力だけではだめで、これは燃料とか熱もやらなきゃいけないということがありますので、全セクター、全運用をやろうと思うと、そこにやっぱりそれを下げていく仕組みが必要だということだと思うんです。じゃあ自然エネルギーが十分安くなって、熱も燃料も全部安くなるのを待てばいいじゃないかという話があるかもわからないけど、それはやっぱり、先ほどから何人かがおっしゃっていますけれども、累積排出量というのが問題なんで、そこまで待つわけにはいかない。今使える政策手段を直ちにできるだけ早い時期から総動員していくのが必要なんじゃないかなと思います。
それから、自然エネルギーが、今後、いずれにしてもどこかの段階では100%を目指さなきゃいけないということなんですが、これに関して、先ほど安井委員から蓄電の話がございました。これも非常に大事な話で、やはり日本でどう実現するかというのはテーマなので、この研究も必要だと思うんですが、もう一方の、ほかの国とのインターコネクションという話もございます。これは、廣江委員のほうから、イギリスは島国で、ほとんど今は大したものがないという話があったんですが、これも逆に英国の計画を調べてみますと、まさに石炭火力をやめたり、原子力をやめたりするのがあるので、2019年~2024年の間にヨーロッパの間で9本、国際連系線をつくるという計画が、現に進んでいるんですね。数百万キロワットの計画がありますので、そういう動向もやはりしっかり捉まえる必要があるだろうというふうに思います。
日本はどうかという話になるんですが、日本は、もちろん孫正義さんが提唱しているのもありますけれども、これも調べてみると、実は10年以上前から日本の民間サイドで、特にロシアとの間で電力連系線を建設する検討なんかも進んでいて、実行可能であるというふうなこともありますので、そういう可能性も十分に検討する必要があるんじゃないかなと思います。
最後に、もう1点、自然エネルギー関係で、53ページにRE100、企業の中で自然エネルギーを先行して100%にしていこうという動きのご紹介をいただいています。これは非常に大事な動きだと思います。ただ、残念なことに、日本企業が入っていないということと、あともう一つは、こういう世界企業は、まさに使う電力を全部100%自然にしようと思っているんですね。そうすると、今起き始めているのは、こういう企業が日本に立地できなくなってしまうと。つまり、日本でいろんな産業拠点、活動拠点をつくろうと思うと、その部分だけが100%達成できないということになっているんですね。ですから、日本の自然エネルギー導入が遅れていることが、むしろ、いろんな企業の立地にも障害になりつつあると、なる可能性があるということもありますので、そういう動向も十分注意する必要があると思います。
以上です。

○浅野委員長
ありがとうございました。
大塚委員、どうぞ。

○大塚委員
3点簡単に申し上げますが、先ほど最初に申し上げたように、この七、八年で大きく変わった点が3点あると思いますので、その点に関することも資料3、4にかなり出てきていると思いますが、もうちょっと強調していただくとか、わかりやすくしていただく必要があるんじゃないかというふうに感じました。
資料3の14ページは、先ほどから出てきているカーボンバジェット累積排出量の件でIPCC AR5の話ですけど、AR5自体はここでとまっているんですけど、この1兆トンというのが、実際にはどういうことを意味するかという、30年分ぐらいになるわけですけど、現在の排出量だと。そういうところまで、それはIPCCから推計するとこうなるという話ですけど、そこまでちゃんと書いていただいたほうがいいと思いますし、ちょっとこれだけだと、まだ、多分、国民にはあまりよくわからないということになりそうでございます。
それから、資料4のほうでも26ページについて、先ほどご説明したように、日本の炭素生産性が下がっているという話なんですけど、これ、順位だけ書いてあるものなので、各国の状況を見るようなものは、前に地球部会だったかもしれませんが、出ていたかと思いますけれども、それもちょっと出していただいたほうがいいし、ここの炭素生産性がとにかくかなりシャビーな状況に下がっているということは、かなり重視していただく必要があると思いますので、ちょっとここはもうちょっと拡張していただければ、資料を増やしていただければと思います。
それから、3点目ですけれども、先ほどちょっと申し上げていた、カーボンプライシングに関しては、効率的な誘導という観点から、もともとそこは非常に重要だと思っておりますし、長期的な観点で社会全体を変えていくというところから重要だと思いますけれども、現在、我が国が抱えている問題の一つとして、資料4の34、35ぐらいにあるように、民間企業の方が投資先を国内にはちょっとあまり見つけにくいような状況が発生しているというようなことが実際にございますので、経済に対するドライブを与えるという観点も、脱炭素に向かうカーボンプライシングのようなところは、それなりに有効ではないかということを申し上げておきたいと思いますし、それと関連するのが34、35だということを申し上げておきたいと思います。
以上でございます。

○浅野委員長
ありがとうございました。
それでは、事務局で何かお答えいただけることがあればどうぞ。

○低炭素社会推進室長
さまさまご指摘ありがとうございました。特にこの資料4につきまして、何がどう関わってきているのかというようなご発言もございましたけれども、私どもとしては、我が国の今置かれている状況をできるだけ広く捉えて、どこでどういうふうに関わってくるかということも含めて考えていければというようなことで、かなり広目にとらせていただいたというようなことでございます。
また、資料の反論、手塚委員からのご発言もございましたけれども、この資料のここの部分がこうというようなことについては、また資料をご紹介いただければ、私ども、また見せていただいて、以降に生かしていきたいというふうに考えております。

○浅野委員長
それでは、ひとあたりご意見をいただき、事務局から簡単なお答えをいたしました。この資料の3と4については、本日はこの程度にさせていただいて、ご指摘を踏まえてさらに内容の改善を図るということにしたいと思います。これを最終報告にそのまま使うかどうかということもまだ特に決めているわけではございませんので、その辺も含めて今後考えさせていただきます。
それから、本日、欠席された委員もいらっしゃるわけですが、できるだけ皆様方からしっかりご意見をいただいて、それをもとに今後の取りまとめを進めたいというふうに思っておりますので、今日、追加的にご意見をもしさらにお出しいただける場合には、1週間を目処に事務局までご連絡をいただければと思います。
それでは、そのほか事務局から報告がありましたらどうぞお願いいたします。

○低炭素社会推進室長
参考資料1でお配りしておりますけれども、1月12日、13日に地方ヒアリングを予定しております。12日については岡山で、夜になるんですけれども17時~19時、1月13日については、午後、名古屋で開催をさせていただきます。このあたりで地方の取組のヒアリングとかもさせていただきますので、先ほど、崎田委員からご発言のあった地方の取組、どういう取組があるかとかというような情報も得られるんではないかと考えております。
ご講演いただく委員の皆様、そしてご同行いただける委員の皆様におかれましては、当日のご対応を何とぞよろしくお願いいたします。
また、本日、委員の皆様におかれましては、活発なご議論をありがとうございました。
次回の日程については、1月19日木曜日、13時~15時30分を予定しております。よろしくお願い申し上げます。

○浅野委員長
それでは、次回も2時間半を予定しております。もし早く終われば、早目に終わりますが、あまり時間制限をしないで意見交換をしっかりしたいという趣旨でございますので、ご協力をよろしくお願いいたします。
それでは、本日の議事はこれで終了いたします。誠にありがとうございました。

午後 4時28分 閉会

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