中央環境審議会 2013年以降の対策・施策に関する検討小委員会(第9回) 議事録

日時

平成24年2月22日 15:02~18:13

場所

フロラシオン青山「孔雀の間」

議事次第

  1. 1 開会
  2. 2 議題
    1. (1)ワーキンググループの報告について
    2. (2)その他
  3. 3 閉会

配布資料

資料1 2013年以降の対策・施策に関する検討小委員会での具体的な議論の進め方について
資料2 技術WGとりまとめ資料
資料3 マクロフレームWGとりまとめ資料
資料4 今後の検討スケジュールについて
参考資料1 2013年以降の対策・施策に関する検討小委員会における検討方針

議事

午後 3時02分 開会

地球温暖化対策課長
それでは、定刻でございますので、ただいまから中央環境審議会地球部会の2013年以降の対策・施策に関する検討小委の第9回会合を開催いたします。
本日、委員総数23名中、後で遅れていらっしゃるという方を含めて過半数の委員に既にご出席いただいておりますので、定足数に達する見込みでございます。また、本日の審議については公開とさせていただいております。また、前回も申し上げましたけれども、部会からも委員の方が今日、何人かいらっしゃっておりますので、ご紹介いたしました。
では、以降の議事進行について、西岡委員長にお願いいたします。

西岡委員長
それでは、議事を進めさせていただきます。まず事務局のほうから資料の説明を。

地球温暖化対策課長
それでは、資料の確認をさせていただきます。いつもどおり議事次第の紙がございますが、そちらに配付資料のリストが下半分に書いてございます。今日は資料四つと参考資料1でございますが、資料1が2013年以降の対策・施策に関する検討小委員会での具体的な論議の進め方について、それから資料2が技術ワーキンググループのとりまとめ資料、資料3がマクロフレームワーキンググループとりまとめ資料、いずれも今日ご説明いただく資料でございます。資料4が今後の検討スケジュールについて、参考資料が2013年以降の対策・施策に関する検討小委の検討方針でございます。あとテーブル席にはいつもの緑のファイルがございますので、よろしくお願いいたします。ご確認くださいまして、もし足りなければお申し出ください。

西岡委員長
よろしゅうございますか。
それでは、議事に入りたいと思います。本日まず最初に、今後のこの小委員会における具体的な議論の進め方ということで、事務局から資料1、2013年以降の対策・施策に関する小委員会での具体的な議論の進め方についてということで、ご説明を願います。
また、前回各委員の意見を踏まえまして、私と事務局のほうで修正をいたしました参考資料1というのがございますが、これにつきましてもあわせて事務局のほうから紹介するとともに、もう一つ資料4がございます。これは今後の検討のスケジュールでございますけれども、これについて、この三つの資料を使って、議論の進め方について説明を願いたいと思います。よろしくお願いします。

低炭素社会推進室長
それでは資料1に基づきまして、本委員会での具体的な議論の進め方についてということで、ご説明申し上げます。
本委員会におきましては、地球温暖化対策のうち、国内排出削減対策についての選択肢の原案、そしてそれに関します評価案を作成いただきまして、地球環境部会に報告を行っていただくということでございます。
具体的な作業の進め方といたしましては4段階を考えてございます。マルの1といたしまして、2050年の低炭素社会の将来像の検討をいただくということ。二つ目といたしまして、2020年、30年の複数のケースを設定をし、各ワーキンググループが検討した対策・施策の結果を聴取・議論いただくというのが二つ目。三つ目といたしましては、各ワーキンググループからの報告の内容、そして本小委員会での議論、こういったものを踏まえまして、複数の選択肢の素案を設定いただくということ。最後4番目といたしまして、選択肢の素案につきまして、評価の際の観点に基づき、評価案を作成し、小委員会での議論を行うという、こういった手順であろうかというものでございます。
各手順につきまして、その内容を1ページ目、中ほどから書いております。まず一つ目の2050年の低炭素社会の将来像の検討ということでございますが、こちらにつきましては2050年までの長期的な目標を見据えということで、「世界をリードするグリーン成長国家」という我が国の目指すべき低炭素社会の方向性を具体的に議論いただくというところでございまして、現時点でどのような技術開発、また実証を行うべきか、またそれを進めるための施策をどうすべきなのかということを、検討いただく必要があるということでございます。
このためといたしまして、国内80%削減を実施した場合に、2050年にはどのような社会が想定され、またどのような技術が必要とされるのかということを、議論いただければと思っております。
本日後半部分で報告いただきます技術ワーキング、マクロフレームワーキング、この内容も踏まえつつ議論をいただきたいというふうに考えております。この技術ワーキングにつきましてはさまざまな技術が考えられ、またその組み合わせも多種多様であるということではございますが、今回につきましては積極的な経済成長であるとか、また、現状のようなエネルギー供給が非常に厳しい状況、こういったものである温暖化対策の面から非常に厳しい条件について検討をした結果について、1例、ご報告をいただくというのが内容になっています。
またマクロフレームにつきましては、一昨年末に中間整理をいただきました中長期ロードマップで議論を行った際にご提示いただきました五つの姿、これを再度ブラッシュアップして、ご報告いただくというところでございます。
実際の社会としては、この五つの姿の混合したものということになってこようかと思いますが、どのような姿があり得るのかということをご報告いただき、議論を深めていただければと思っております。
二つ目の2020年、30年での複数のケースを設定して、各ワーキンググループが検討した内容の聴取・議論でございます。こちらにつきましては、現在同時進行で検討が行われております2030年までを対象としたエネルギー政策との表裏一体の検討ということになろうかと思いますが、そういった検討の選択肢原案をつくるということに関しまして、自動車ワーキンググループ、エネルギー供給ワーキンググループ、住宅・建築物ワーキンググループ、地域づくりワーキンググループ、そして低炭素ビジネスワーキンググループ、各分野ごとにご検討いただいた内容を報告いただくというところでございます。
各ワーキンググループにおいて検討するに当たりまして、三つのケースを設定をして、これまでご議論いただいたというところでございます。具体的には2ページ目、裏面の表に、その三つのケースが書いてございます。
対策・施策の強度ごとにケース分けを行っておりまして、下からいきますと低位ケースにつきましては、現行で既に取り組まれ、また、想定されている対策・施策を継続することを想定したケースというものでございます。
その上、中位ケースにつきましては、合理的な誘導策や義務づけ等を行うことにより重要な低炭素技術・製品等の導入を促進するということを想定したケースでございます。
三つ目といたしましては、高位ケースといたしまして、初期投資が大きくとも社会的効用を勘案すれば導入すべき低炭素技術・製品等につきまして、導入可能な最大限の対策を見込み、それを後押しする大胆な施策を想定したケースというところでございまして、こちらに沿って検討が行われた内容について、ご報告いただくというものでございます。
三つ目といたしまして、各ワーキンググループの報告内容、そして本小委員会での議論を踏まえて、複数の選択肢の素案を設定いただくというところでございます。これら三つのケースごとに報告が行われますので、2020年、30年におきます国内の温室効果ガス等の排出の見通し、そして重要な施策でございます省エネ、再生可能エネルギー、これの導入量がどうなるのか、また化石燃料のクリーン化などの達成の見通し、こういったものにつきまして、モデル分析により定量化をしてお示ししたいというふうに考えております。
四つ目といたしましては、それらの議論を踏まえまして、小委員会におきまして選択肢の素案を比較した上で、評価案を作成し、とりまとめを行っていただくという手順を考えてございます。
具体的なスケジュールにつきましては、もう1枚の紙、資料4でございます。こちらに日付ごとに書いてありますが、裏ページ、2ページ目と書いたところに2月、3月のスケジュールが記載されてございます。本日2月22日、第9回におきましては、マクロフレーム、そして技術ワーキングからの報告ということから行われまして、2月中におきましては次回27日に自動車ワーキングからの報告、そして3月に入りまして、エネルギー供給ワーキング、7日には住宅・建築物ワーキング、地域づくりワーキング、そして15日には低炭素ビジネスワーキンググループの報告が行われまして、各ワーキンググループからの報告は15日までということでございます。それらを踏まえまして、議論を深めていただくというのが月末になってございます。
具体的なスケジュール、また議論の進め方につきまして資料1、そして資料4に基づいてご説明を申し上げました。
続く、一番後ろの参考資料1でございます。こちらにつきましては前回までご議論いただきました小委員会におきます検討方針というものでございまして、いただきました議論も踏まえて修正したものでございます。こちらにつきましては、今後、各ワーキンググループからの報告を受けての具体的な議論の中で、新たに出てきた観点の追加というようなこともあろうかと思いますので、そういった追加などにつきましては、柔軟に対応させていただきたいというふうに考えてございます。
主な変更点といたしましては、1ページ目のところですが、検討経緯のところでまとめておりますが、わかりやすさの編集上から、中央環境審議会における検討経緯というものと、政府全体での検討経緯というものを分けて記載をし、より詳細に記載しております。
中央環境審議会におきましては、一昨年12月にとりまとめていただきました中長期ロードマップ中間整理から始まりまして、昨年震災を受けて本小委員会に改組されたということ、そして中央環境審議会の地球環境部会、小委員会において議論が積み重ねてこられたこと。そしてそのとりまとめといたしまして、昨年8月に意見具申、そして12月には「地球温暖化に関する取組」のとりまとめを行っていただいたという経緯を記載しております。
また(2)といたしまして、政府全体での検討経緯というところにつきましては、エネルギー環境会議での検討状況が記載されております。それが2ページ目までの記載になっております。
前回ご指摘がございましたが、それぞれとりまとめが行われた内容について、すぐわかりやすいようにということがありましたので、この資料の別添といたしまして、例えばエネルギー環境会議の基本方針などを後ろにつけてございますので、後ほどご覧いただければと思います。
また、2ページ目中ほどからでございますが、検討方針の中身といたしまして、その内容について明確にしたということで、2ポツ(1)の一つ目のマルでございますけれども、この小委員会におきましては、温暖化対策のうち、国内排出削減対策についての選択肢の原案、評価案を策定するということで、検討内容を明確にしたというところが変更点でございます。
また3ページ目下からは、(3)といたしまして、複数の選択肢の原案等を評価する際の観点というものを記載しておりますけれども、前回は表題などをつけていたというところから若干見にくかったということがございましたので、それらを編集し直しまして、3ページ目下から4ページ目にかけまして、観点のみを列挙するという形式に変更をしてございます。
大きな変更点といたしましては以上でございますが、先ほど申し上げましたように、具体的な議論を進める中で観点の追加などがあるというふうに考えておりますので、そういったものにつきましては柔軟な対応をさせていただきたいというふうに思っております。
資料1、4、そして参考資料1につきましては、以上でございます。

西岡委員長
どうもありがとうございました。ざっと読んでいただきましたけれども、この小委員会のマンデートといいますのは、長期的な視点から豊かな低炭素社会を目指すための幾つかの選択肢を出すということでございます。選択肢を出すという際には、どういう面から評価されるであろうかということを十分頭の中に入れながら、それが十分評価できるようなデータ構築をした選択肢を出すというのが、我々の仕事です。
今幾つかの手順についてお話があったわけでございます。最初にまず技術的にどこまで可能であるかということ、それから我々が長期にはどういう社会を目指すことが考えられるか、どういう社会が可能性があるかといったことを念頭に置きながら、中期の目標、選択肢というのをつくっていくという手順が示されたわけであります。
この進め方につきまして、これから皆さんのご意見を短くお伺いしたいと思います。これまでいろいろと検討してきたわけでございますが、これは先ほど一番最後に事務局のほうに説明ございました。この参考資料というのは、ここで最終決定、これしかもう一言一句変えないという話では全くなく、この検討の過程でこれも入れたほうがいい、それから例えば新しい技術があるんだったら、それもどんどん入れていくとかということ当然あるかと思います。そういうことで、この検討方針自身は、これから検討を重ねながら変えていくものだと思っておりますけれども、皆さんの評価に耐え得る選択肢を、どうやってつくっていくかということでの方針のもとにだんだんよくしていこうというのが、その真意でございます。
それでは、皆さんからのご意見を、まずいただきたきたく、今日はまず作業をなさる部会のほうから、これじゃわからないぞというよなことも含めて、ご質問ありましたら、いただきたいと思います。いかがでしょうか。大体このような手順でよろしゅうございましょうか。ちょっとお待ちください。札を立てていただけると。渡邊委員ですね、どうぞ。

渡邊委員
ありがとうございます。資料1「進め方」についてですが、技術ワーキングとマクロフレームワーキングが2050年を検討して、他の各ワーキングは2020年、30年を検討すると読めます。個人的には、各ワーキングで検討された結果が、技術ワーキング、マクロフレームワーキングに上がって集約、検討されるのが自然な形ではないかと思います。そこで確認したいのですが、各ワーキングは2050年の検討を行わず、技術ワーキング、マクロフレームワーキングだけが2050年の検討を行うのかどうかということをお聞かせいただきたいと思います。これをお聞きする理由は、2020年、2030年の検討と2050年の検討の連続性について、どういう体制で、責任ある検討がなされるのか知っておきたいからです。
それからもう一点、対策・施策高位ケース、中位ケース、低位ケースと三つのケースが書かれていますが、この三つのケースがそのまま複数の選択肢になるのかどうかをお聞きしたいと思います。うがった見方をすると、日本人の中庸を是とする考え方から、結論は中位になってしまうのではないかとも思えます。そうすると中位の選択肢のつくり方次第で答えが見えてしまうのではないかということを懸念しております。よろしくお願いします。

冨田委員
ありがとうございます。今の渡邊委員の質問と関連しますけれども、資料1で検討の順番を示していただいていますが、これは資料4のスケジュールに沿ったものだろうということで理解をしました。この小委員会のマンデートは複数の選択肢を検討するということですが、2020年、30年の選択肢だと思います。すなわち、50年の選択肢ではないだろうと思うんです。
まさに今日これから技術ワーキング、それからマクロフレームワーキングで50年はどういう姿なのだろうかということを議論するわけですが、その議論をすることと、それから20年、30年の選択肢を議論することはどうつながるんだろうかと。50年の姿をこうしたいなということを評価資料として20年、30年の選択肢をマル、バツでつけるのかというと、そうとも思えないのですが、50年の議論と選択肢の議論がどうつながるのかというところがちょっとわからないので、教えていただければと思います。

大塚委員
クラリファイしたいだけなので、本当に質問ですが。資料1のところの2ページの今も議論が出ている三つのケースというのは、具体的な目標の数字は今のところエネルギー・環境会議との関係で出しにくいので、技術ベースで考えたという、そういう整理かと思うんですけれども、その辺について、もう少し教えていただけるとありがたいということでございます。以上です。

西岡委員長
どうもありがとうございました。今のところまでで、事務局のほうから対応お願いします。

低炭素社会推進室長
まず、各ワーキンググループでの検討というものと、2050年を検討しておりますこの技術ワーキング、マクロフレームワーキングとの関係でございます。資料といたしましては、後ほど赤井委員のほうからご説明いただきます資料2の2ページ目に、各ワーキンググループごとの関係というものが記載されてございまして、中身といたしましては2050年断面の検討しておりますのが、この技術ワーキンググループ、そしてマクロフレームワーキンググループという関係でございますけれども、ご指摘いただきましたように、2020年断面、30年断面を主に検討しております各住宅、自動車、エネルギー供給などのワーキンググループにおきましても、50年にどうつながるのかという検討もしていただいておりましたので、その情報を技術ワーキングとやりとりをしていただきながら、そこの連携が図られるようにということを、今年度はさせていただいておりまして、ここの情報交換、共有においてすり合わせを行っているというものでございます。
最終的に、これらの素材を一つとりまとめまして、日本全体でどのぐらいのCO2の削減になるのかという作業につきましては、もう一段階統合が必要ではございますけれども、それぞれの検討について齟齬がないようにというのは、ここにお示ししたような検討体制により、すり合わせを行ってきているという関係にございます。
もう一つケース設定のご質問でございますけれども、こちら資料1に掲げております三つのケース分けにつきましては、ご検討いただいております各ワーキンググループにおきまして、対策・施策がどれぐらいのものになるのかという際のケース分けでございます。ですので、それらを聴取・議論いただいた上で、その情報も踏まえながら、マルの3という形で最終的には複数の選択肢の素案というものの設定の議論について、この小委員会で議論いただきたいというところでございますので、各ワーキングからの素材としましては、この三つのケース分けに沿って提供されるわけでございますが、最終的にどういうケース設定にするのか、選択肢の素案をつくるのかというのは、マルの3の段階でご議論いただくということを考えてございます。
続く2050年の選択肢があり得るのかということでございますが、国内排出量削減の対策につきましての選択肢の原案というものにつきましては、2020年、30年を考えての選択肢を複数考えるというところでございます。それらを検討するに当たりまして、その先、長期にわたってどういう姿になり得るのかというところも見据えた観点が重要だということも考えておりまして、まず本日2050年におきまして、技術の組み合わせとして、どういうものがあり得るのか、また社会のありようとしては、どういうものが考えられ得るのかということをご紹介させていただいた上で、20年、30年がその後どのような長期の目標に向かっていくのかというご議論を賜ればというふうに思ってございます。
あと当然のことながら、2020年、30年の議論におきましては、エネルギー側の議論との整合性、表裏一体と表現しておりますので、そちらの進捗状況、またその内容につきましても見据えつつ、議論ということでございますので、適宜またエネルギー側の議論の進捗状況もご紹介させていただきながら、議論を深めていただければというふうに考えてございます。以上でございます。

西岡委員長
どうもありがとうございました。この配付された参考資料1の一番最後の裏に別添4とございましたが、細野大臣が来られたときに、こういうことでやってくれという指示があったわけです。ここに長期を視野に入れてというのが一つありますが、最後には2020年、2030年の目標を提示するというのが、我々のマンデートであるということかと考えております。
部会の委員の方にもご出席していただいております。何かご意見ございましょうか。
それでは、次に進ませていただきたいと思います。
まず、今日は二つワーキンググループからの報告がございます。続けてやっていただいたほうが議論がやりやすいと思いますので、まず最初に技術ワーキンググループ、これは赤井委員に主査をお願いしておりますが、これについてのご説明をいただきたい。それからマクロフレームワーキンググループについては、安井委員のほうに主査をお願いしておりますので、ご報告を願いたいと思います。それじゃよろしくお願いします。

赤井委員
赤井でございます。よろしくお願いします。こういうしゃべるときに珍しく、普段は何も予行演習もしないんですけれども、夕べは久しぶりに事務局が苦労して作成いただいた資料を一生懸命読んで、予習していました。
何か変だなと思ったんですけども、やっぱり研究者の端くれとしては、事務局が作成してくれた資料をもとにしゃべるということはほとんど経験がないんで、そのあたりが変だなと思って、気分がおかしいなと思って、夕べ過ごしておりました。
余談になりますけど、二、三年前にアメリカのエネルギー省の新しい長官になったスティーブン・チュー、ノーベル賞学者ですけれども。彼がある閣僚級会合でプレゼンするときがあったんですけれども、自分のノートパソコンを持ってきて、そこでプロジェクタにつないで、自分で操作しながらやったんですね。ああやっぱり研究者ってそういうもんだなというのを今さらながら夕べ、ふと思い出して、そんな気分になっております。別に、私がつくった資料じゃないから、責任を負わないよということじゃありませんけども、最初にイントロとしてそんな話をさせていただきます。
お手元の資料、大部ですので要領よく進めたいと思いますけれども、最初に検討体制、ページめくっていただきますとありますけれども、そこに書いてある6人のメンバーで、昨年の12月28日の朝9時からの会合を皮切りに、現在まで計5回の検討を重ねてきた結果をお話しさせていただきます。この後にご報告いただく安井委員とは、両方のワーキンググループ、ほとんどメンバーもかなり重複しておりまして、両方で相乗りしながら検討してきたという経緯がございます。
検討体制は、先ほどご説明いただきましたように、2ページの図にありますように、技術ワーキンググループの中で、事務局含めていろいろと調べていただいたこともありますけれども、ほかのワーキンググループで検討いただいていることで、取り入れられるものはすべて取り入れるということで。特に住宅・建築物ワーキンググループ、あるいは自動車のワーキンググループからは委員の方々にご出席いただいて、いろいろと知見をいただきながら組み上げてきたということがございます。
それからエネルギー供給ワーキングについては、まだかなり検討中ということもあって、特に再生可能エネルギーの見通し等についてのデータをいただいて、今日の報告にまとめ上げさせていただいております。
前置きはそこまでで、目次でありますけれども、どういうことをやってきたかという概要、それから、どういった技術を拾い出してきたかという2番目、それから先ほどからご議論になっています2050年の排出削減の可能性について積み上げてみた結果をご報告して、最後にまとめということで述べさせていただきます。
まず、技術ワーキンググループの概要ということで、今までの資料で若干ご説明いただいておりますけれども、5ページにありますように、福島第一での事故を受けて、少なくとも短期的、中期的にはエネルギー供給は従来の想定よりもかなり厳しいものとなるということが予想されております。特に低炭素化ということを考えますと、やはり原発がなかなかフル稼働できないというのは、条件としては、少なくとも低炭素化ということだけ見れば、厳しい条件になっていると。こういった現状を踏まえて、将来の低炭素化に役立ち得る技術のインベントリーを再整理して、2050年にどの程度の排出削減が可能になるかということを算定してみたということです。
そういった技術を、今度は需要側からのいろいろな考え方に沿って整理して、2050年の低炭素社会のイメージといいますか、社会の仕組みも含めて、どんなものになるかということを描き出した。どのようなものが望まれるかをとりまとめたと書いてありますけれども、言いかえれば、どのようなものになってしまうかとか、どこまでやらねばいけないかといったようなことを表現したということでございます。
流れとしましては、6ページ目にありますように、2050年の低炭素化に役立つ技術、これがいろいろなところで検討されておりますけども、それのインベントリーを整理し直すということ。それからいろんなワーキンググループでの検討の結果等も踏まえまして、そういう技術がどこまで伸びていくのか、性能がどこまで伸びていくのかという可能性を検討するということ。それから、それらを組み合わせることによって、2050年の温室効果ガスの排出削減がどのぐらいいくのかといったことを積み上げて計算してみるということ。
それから最後に、先ほど述べましたように、今後どういった技術が望まれていくのかといったようなことを、方向性をお示ししております。成果としては、今申し上げたことに、それぞれについてとりまとめたということでございます。
2ページめくっていただいて、技術をじゃあ、どう整理したかと。これはいろんなところでこういったような整理の仕方というのはあるんですけれども、こういう整理というのは、単に積み上げの計算をするときには、別になくてもできるというものなんですけれども、やっぱり外に、技術をわかりやすく説明するという意味合いで、こういった整理をするということが重要だということを認識して、需要部門からエネルギー供給部門、それからエネルギーに関係しない非エネルギー部門、それぞれについて、こういう整理学を適用したということでございます。
式が二つ書いてありますけれども、上がエネルギーの需要側、下が供給側ということで、需要側については満足度が最初にあって、ある満足を得るためのサービスの量がどれだけ必要か、それからサービスを、ある一定のサービス量に対してエネルギー消費量がどれぐらい必要か、それからエネルギー消費量に対してCO2がどれだけ発生するかといった、茅先生の恒等式に似たような式なんですけれども、そういったことをそういうふうに分割して、それぞれに貢献し得る技術という観点から技術を整理したということです。
それから供給側については、二次エネルギーの必要量があって、これはあるサービスに対しておのずと必要な供給量が決まりますので、それに対して一次エネルギーがどれだけ必要かと。で、その一次エネルギーに対してどれだけCO2が排出されるかと。で、それぞれのところで低炭素化に必要な技術を分類していくというようなアプローチをとっております。
それを今度、少し別の書き方で書いたものが9ページです。低炭素関連技術ということで、先ほどのライフスタイルの見直しから、満足度あたりのサービス量を削減する技術、それからサービス量あたりのエネルギーを削減する技術、それから低炭素のエネルギーを利用する技術ということで、緑で塗られたボックスのように整理して、その横に破線で囲ってそれぞれの簡単な説明と、例として代表的な技術を載せてあります。
これ以降、各部門のそれぞれの部門について低炭素技術をまとめてお示しいたします。技術がたくさんありまして、それぞれ全部情報があるわけでありませんし、特に将来その技術がどうなっているかということを、すべて予測することはなかなか難しいので、比較的、多少苦労はしても将来見通しがつかめる技術、あるいは削減効果が明らかに算定できる技術というのを中心にとりまとめております。
それが10ページ以降に幾つか示してありますけれども、例えば産業部門の素材生産のところでは、素材の必要量そのものを削減するとか、それから製鉄技術の革新だとかセメント、石油化学、ガラス製造技術等の新しい革新的なもの、それから低炭素ということで産業部門におけるCCSも必要だろうというような形で、技術例が書いてあります。
産業部門については、縦に見ますと素材生産から汎用機器、それから非製造業、そういったサービスの種類ごとに分けてあります。民生については、室内を明るくするというふうに書き下しており、室温を快適に保つ、お湯を使う、それから家事云々、それから横断的技術というふうに分けてありますし、運輸については人が移動するもの、それから貨物が移動するもの。エネルギー供給については電力と熱・燃料、それから非エネルギー分野ということで、定量化の検討を行った技術を示してございます。
さらに細かくいいますと、最後のほうに参考資料としてすべてつけてありますけれども、例えば民生部門ではどうかというと、11ページにありますように、縦にどうやって温室効果ガス削減に結びつくのかという、先ほどの式にあったものです。ライフスタイルの見直しから一番最後の5番目の低炭素エネルギーの利用管理技術というところに、縦には分かれておりますし、横には先ほどありましたように、室内を明るくする、快適に保つ、お湯を使う、家事云々とカテゴライズして、それぞれのところに当てはまる技術を簡単な説明とともに示してあります。
例えば、満足度を得るために必要なサービス量を削減する技術として、室内を明るくするということですと、単純に電気をつけるんじゃなくて、人工照明によって照明のエネルギー必要量を下げるといったようなものが、そこに当てはまるということで示してございます。
じゃあ、こういった技術をずっと積み上げていくことによって、どれぐらい削減ができるのかということなんですけれども、各部門にご説明する前に、まず全体がどんな感じになっているのかというのを簡単にご説明します。
それが12ページ以降なんですけど、まず最初にどういった社会経済シナリオを設定したかというのが13ページにございます。これは昨年度までのロードマップの検討において、2020年とか2030年の検討をかなり詳細にやったわけですけれども、そのときに用いられた指標を、2050年まで延長して用いたということです。2050年の世界がどうなっているかというのは、なかなか既存の資料でもきちんとしたものは、すべての項目を網羅したものはありませんので、今回は昨年度までの検討結果をベースに計算をしてみたと。この辺りについては、後ほどマクロフレームワーキンググループのほうで、この辺りの結果などもご報告される予定になっております。
ここのワーキングでは、技術によって削減するということがメインですので、比較のために一つはストックの固定ケース、これをリファレンスケース、物によってはBAUという言い方をされるものもありますけど、厳密にそれぞれ定義があるんですけども、これはストックケースと読んでいます。それから対策ケースということで、これは2050年のCO2の大幅削減、目標は80%削減ということですけども、それに向けて技術を積み上げていった結果を対策ケースというふうに、ここでは読んでいます。
一つ重要なことは、そんなことをやっても意味がないと言われてしまうかもしれませんけど、ここではとにかく技術の可能性を追及するということだけで、コスト面についてはほとんどというか、一切考えていないということを、まず念頭に置いていただきたいと思います。
14ページは、先ほどから何回かご説明している整理学の問題なんですけども、2050年の低炭素社会を構築するために、ここで検討した技術の主なものを整理して、また示してあります。削減要素は縦から、先ほど似たようなものが並んでいましたけども、それが縦に並んでいまして、横には今度は需要の3部門と、それからエネルギーを供給としています。重要なところはものづくりといい、民生をすまいとかオフィスとか店舗という形に書き、それから運輸を交通・物流と、少し書き下した形で示してあります。
それから縦で削減要素でマル1からマル5まで並んでいますけれども、その他ということで非エネルギー分野のフロンガスのゼロエミッション化というようなものが代表例として示してありますけども、そういうものがあると。
2050年の姿ということで、産業部門、民生それから運輸、それぞれについて産業では世界トップランナー効率によるものづくりを実現するんだと。それから、すまいについては実質ゼロエミッションの住宅とか建築物を実現する。それから交通・物流については低炭素の交通網・物流網、それから次世代自動車が100%導入されているような世界が2050年と想定すると。エネルギー供給については、ゼロエミッションの電源にする。80%の削減というと、これぐらいやらないと絶対に実現はしないということでございます。
全体の結果なんですけれども、15ページが最終エネルギー消費で、2050年には現状に比べて、2010年が現状ですけれども、それに比べて約40%のエネルギー消費がここで積み上げた技術だけで実現されるということです。
左が部門ごとに色分けしてありまして、右側がエネルギー種ごとに下から、石炭から一番上の水素まで、この場合水素はほとんど見えませんけども、水素までエネルギー種ごとに積み上げたものが右側です。
これを見ますと、革新的な省エネが実現されて40%下がるというふうにはしているんですけれども、左側の図で2050年のところをご覧いただきますと、やはり産業でのエネルギー消費がほかに比べて下げ幅が小さい。この辺りがここで検討した技術以外に、もっともっといろんな革新的、あるいは革新的という言葉以外で表現されるような、全く新しい発想が必要なところかなというふうに、個人的には思っております。
一次エネルギー供給が次の16ページにありますけれども、棒グラフとパイチャートがありますけれども、右側のパイチャートがエネルギーごとのシェアがわかるように書いてあります。左が絶対量で、縦軸がエネルギーの供給量ですけれども、2050年で見ますと、自然エネルギーというふうにみなされるバイオマスから廃棄物、水力、太陽、熱、光、風力、海洋、地熱が全一次エネルギー供給の約半分ぐらいを担っている世界が、2050年になるというふうに、ここでは計算されました。
次が温室効果ガスの排出量なんですけれども、先ほどのエネルギーの供給構成に見合ってというか、エネルギー供給構成で再生可能エネルギーが相当増えることもあって、2050年では温室効果ガスの排出量が約80%削減になっているという結果です。ここでもやはり産業部門はエネルギー消費が多かったんですけれども、最終的には温室効果ガスの排出量はかなりの削減がもたらされているということなんですけれども、右を見ていただくと、これはCO2のバランスを示してあるんですけれども、燃料種ごとのCO2排出が右側の棒グラフにあって、一番右の2050年を見ますと、石炭からの排出、石油からガスから非エネの部分という積み上げがあって、下にCO2を回収して貯蔵と書いてありますけれども、いわゆるCCSですけれども、ざくっと見て約2億トン分のCO2を回収して貯蔵しないと、80%削減に至らない。これは別に私がCCSの世界にかなりコミットしているから、強引に私がこの数値を入れろと言ったわけじゃなくて、自然の計算としてこういうふうになってしまったということです。
このグラフの見方なんですけれども、場合によっては同じようなグラフで違う見方をすることもあるんで、ちょっと注意申し上げておきますと、右側のグラフで見ますと2050年のCO2排出、プラスのところを見ますと大体400少しのところに温室効果の排出量があります。このうちCO2だけで言うと、非エネのところを除いて390ミリオントンが実際の排出です。下のCCSの部分を見ますと、約2億トンが貯蔵されると。
したがって正味の排出量は上の390から約200を引いて、約200弱が正味の大気CO2排出量になります。ですからそのグラフで言うと、一番下の赤の石炭のちょっと上ぐらいのところですが、そこに正味の排出量の線が引かれるというふうにご覧いただきたいと思います。
18ページが、これは先ほど最初にご説明したストック固定ケース、いわゆるリファレンスケースから80%削減に向けて、先ほど整理した満足当たりの必要サービス量の削減から再生可能エネルギー、最後にCCSまで縦に並べて、それぞれがどれぐらいの排出削減に寄与するかということを示した図で、満足当たりの必要サービス量を削減していって、サービス当たりのエネルギーを削減して、低炭素エネルギーに転換して、再生可能エネルギーに持っていって、エネルギー供給部門では燃料を転換して、再生可能エネルギーを入れて、最後に足りない部分をCCSをして、CO2の排出量が2050年に192億トンになるというふうにご覧いただければと思います。
それから19ページは参考ということで、今要因ごとにどういって排出削減量を推計していたかということを示してあります。
民生部門に進ませていただきます。20ページ以降です。21ページと22ページに、家庭とそれから業務オフィスの2050年のイメージ図を示してあります。例えば家庭で言うと、左が技術固定ケースチックという言い方をすればいいかと思いますけれども、右側が低炭素化されたうちと、なかなかこういうことをイラストであらわすのは難しいんですけども。
2階で電球をつけかえている方がいらっしゃるんですけれども、照明を高度化すれば、LEDにするだけでも、こういった脚立に乗って電灯を取りかえるとかいう危ない作業をしないで済むとか、そういうことはちょっとイメージには書けたんですけれども、なかなか難しいということで、事務局はいろいろ苦労して作成いただいた図です。
どうしてもイラスト化ができなかったものは、右の下のほうにちょっと細かい字で、<その他に導入が想定される主な技術>ということでまとめてあります。
22ページも同じような形で、オフィスのはさらにイメージ化が難しいんですけれども、採光のあたりをうまく、自然光をうまく取り入れたオフィスというようなことで表現してございます。
23ページ、細かい数字が並んでいますけれども、それぞれの代表的な技術について、現状から2050年までどういった効率向上が見込めるかといったものを調べた限りで載せてございます。
24、25が結論、分析の結果なんですけれども。24ページが家庭部門で、用途別、それからエネルギー種別に最終エネルギーの消費のグラフが、現在から2050年まで示してありまして、CO2排出量、一番右はほぼゼロエミッションが達成できているというふうになっております。
ただ、家庭あるいは業務がそうなんですけれども、40年先というとなかなか見通せなくて、現代の我々が40年前には想像もしていなかったようなものを今、使っているということを考えますと、まだ見えない電力需要がもしかして生じてくるかもしれないなという気は、個人的にしておりますし、特に高齢化とかいろんな、単に低炭素化とかそういった要因じゃない、生活支援という分野で、新しい電力需要というのが生み出される可能性はまだまだあるかと思いますけれども、現状見えている限りでは、こういったような結果になっております。
業務部門もほとんど同じような結果で、ほぼゼロエミッションに近い形が達成できるということです。家庭部門と少し違うのは、電化の割合がさらに家庭部門よりも進むと。ゼロエミッションのものを使わないと消費側で低炭素が達成できないということで、電力化の割合が少なくとも今回の分析では増えているということです。
26ページには、今までの検討を踏まえて、将来の低炭素社会の構築に向けた技術の方向性ということで、縦軸はやはり先ほどから申し上げている、その式のそれぞれの項に相当するものを並べておりまして、横軸にはそのサービスの種類を並べて、それぞれ単に技術名ではなくて、こういったことが実現できる技術があるといいなという形で、一種のウィッシュリストかもしれませんけれども、そういった表現で記載しております。個別にはちょっと時間の関係で省略させていただきます。
27ページからが産業部門で、産業についてはやはりエネルギー多消費産業について革新的技術が導入されるとともに、それだけでなかなかCO2削減に結びつかない、大幅な削減に結びつかないところについては、CCSの設置を考えざるを得ないということ。
それから、いろいろなクロスカッティングな技術も想定されるということを前提に、例えば29ページのような効率、それぞれ今見えている技術について、どれぐらい効率が2050年に向かって上がっていくだろうかということを想定させていただきまして、次の30ページに要因別の削減量がまとめてございます。産業についても結局最終的には可能なところはCCSを入れてこないと仕方がないというか、なかなか大幅な削減は苦しいねということが分析の結果から示されています。
その結果が31ページにありますけれども。最初のオーバーオールな図でもうお見せしましたけれども、やはり最終エネルギーの消費が、今見えている技術だと他の部門が、例えば6割、7割削減できたのに比べれば、少し削減幅が小さくなっています。それに応じて、やはり産業分野でも相当な規模のCCSを入れないと、排出削減になかなか結びつかないと。8割を達成するときに、産業部門でもそれなりのシェアのCCSを実現する必要があるということで。先ほどと同じで一番右のCO2排出量マイナスの分を上から差し引いていただくと、正味の排出量が大体115ぐらいですか、それぐらいのところになります。CCSの量は1億トン弱ぐらいです。
産業の部門というのは、さらなる低炭素化ができればいいんですけども、省エネと低炭素化ですけれども、そのときにやはり、化石燃料の分をいかに電力とかバイオとか、それからガスシフトもありますし、それから場合によっては水素が使えれば、もう少しCO2の排出量が下がるということはあるかと思いますけども、そのあたりについては、まだまだ検討をする必要があるかと思っております。
最後に、検討結果をまとめて、将来の方向性を議論した図が32ページです。一番上にライフスタイルの見直しというカテゴリに相当するもので、再生可能エネルギーの豊富な場所への移動、可能かどうかわかりませんけれども、こういうことも、なくもないというようなことを入れてございます。個別には省略させていただきます。
それから、33ページ以降が運輸部門なんですけれども、34ページに自動車による輸送の姿ということで、運輸部門は自動車だけじゃなくて船舶とか鉄道とかも扱いますけれども、代表的なものとして、ここでは自動車輸送の姿を、ちょっと見にくいんですけれども、実線で書いてあるのが現在の輸送の姿、例えば一番左下の軽乗用車だとかトラックだとか、それからその上の小型普通乗用車、それから右の上のほうにトラックでの中距離から一番上の大型トラックによる運送業、そういったものが書いてありますけれども。それが2050年にはどういった形の車、いわゆる次世代自動車でどこがカバーされるかといった、ここでのワーキングでの争点、これは自動車ワーキンググループからのいろんなお知恵も拝借して書かれた図ですけども、こういったことを検討のベースにしております。
効率については今までと同じように、2050年に向けてそれぞれの車種の効率がどれぐらい伸びるかといったようなことを35ページにとりまとめてあります。それをベースにエネルギー消費を車種別、輸送手段別、それからエネルギー種別にまとめて、最後にCO2排出量として集約したのが36ページです。大体CO2排出量は上に書いてありますけども、75%ぐらい削減されるということです。同じく37ページに技術の方向性として、やはりウィッシュリストというか、将来に向けた技術の必要性等がまとめてございます。
それから38ページに、自動車以外の、トータルのCO2排出量からすると、自動車が圧倒的に多いんですけども、そちらが減っていったときに、今度はこちらが目立つようになるということで、鉄道それから公共交通といったようなものの方向性をグラフとして、現状から破線のほうに、将来的にはそういったほうに行くことによって、低炭素化ができるだろうということでまとめてあります。
これらの需要部門に対して、じゃあ供給部門はどうするんだということなんですけれども、39ページからがエネルギー供給、主に発電部門の姿を書いてあります。最初にもご説明があったかと思うんですけれども、ここでやっているのはCO2排出削減ということから、非常に厳しい状況下での検討をしようということで、原子力発電についてはいろんな議論は当然、今後出てくるかと思うんですけども、最もCO2の面で厳しいということで、とりあえず2050年に向けてはフェードアウトしていくようなことをベースに、そのほかでどのぐらい実現できるのかを検討してみようということで検討をしました。 下に書いてある図は、電力の需要に対して供給側がどういったことを考えるのかということで、従来型のエネルギー供給から再生可能エネルギー、水素エネルギーというような問題が書いてあって、その間を需給調整が行うという図をかいてあります。
需給調整システム、これはそれぞれ説明していくと非常に大変なんですけれども、ここでの分析で想定したものが41ページに示してあります。大ざっぱに言って左側が従来の大規模集中の発電所をベースにしたグリッドシステム、プラス新しい再生可能エネルギーなどが大量に入ってきたものがグリッドに入っていくという状態を左が示しておりまして、右側の四角の中が需要サイドでの分散電源も含めた系統、あるいは地域でのマネジメントシステムの中身が需要サイドということで、右側に示してあります。
さらに細かい話になりますけれども、42ページ、これは細かく説明すると大変ですし、さらに細かくお知りになりたい方は、荻本委員に聞かれるのが一番いいかと思うんですけれども、我々の検討では、大量に再生可能エネルギーが入ってきたときに、既存のグリッドに入ってきた場合に、やはりただ同然の電池がない限りバックアップで電源として火力、あるいはコントローラブルな電源が必要だということを示して、それをかなり細かく解説した図で、ご興味のある方は後で読んでいただくか、荻本委員にじっくり伺われるのがいいかと思いますけども、それが42ページに示してあります。
それから43ページが効率等の見直しで、これはそれぞれの火力及び再生可能エネルギーについての効率と、それから下は再生可能エネルギーについては効率ではなくて、導入量の導入ポテンシャルを示しております。これは環境省で別途行われましたポテンシャル調査の数字に基づいて設定したものです。
44ページが発電電力量の構成で、設備容量ではなくて電力量になっています。2050年で見ますと下から石炭、石油、ガスということで、その三つの上はすべて自然エネルギーというか、再生可能エネルギーで、ですから再生可能エネルギーが占める割合が約7割になっている。ただ大幅なCO2削減を考えると、CCSがここでも必須になりまして、右の図のように石炭、石油、ガスからの排出量のほとんどはCCSに向けないとだめだと。ですからこれ、先ほどと同じように計算しますと、正味の排出量は17ミリオントン、ほとんどゼロのところにラインが引かれるような具合になっております。
45ページには、これまでと同様、電力それから熱供給、熱燃料供給について必要な技術の方向性をとりまとめております。
46ページから簡単に非エネ部門を、これはいろんな資料を集めていただいたんですけれども、簡単にとりまとめるということで、一つの表にしておりますけれども、非エネ部門でのCO2排出が2050年に向けてどのような技術で低減できるかということを検討した結果が、47ページに示しております。
ということで、駆け足になりましたけれども、技術ワーキングのとりまとめとしましては、49ページ以降ですけども、2050年、8割という削減目標をどうやって満たすのか、どこまでやらないといけないのかといったようなことを検討して、結果をお示ししました。
まだまだ検討不十分なところもありますし、いや、こういった技術をもっと入れるべきだというようなご意見あるかと思いますけれども、そのあたりはぜひいただいて、また今後の参考にさせていただきたいと思っております。
マル5に、以下今後のことを実施していくことが望ましいと書いてありますけれども、特に最後にデータベース化と書いてありますけれども、この手の作業、私自身もここ20年ぐらい、多分毎年か、二、三年に1回は必ずこういった仕事をいろんなところから頼まれてやるんですけども、その結果をやはり、特に技術についてはあまり思想も何も入らずに、技術的な検討というのはかなりニュートラルにできるんで、いろんなところで個別にやるんじゃなくて、こういったものがどこか、オールジャパンのデータベースとしてきちんとそろっていて、それがちゃんと毎年更新されていくと、こういった作業をやるときに非常に便利だし、何度も同じことをやる必要もなくて、効率的だなと思っている。そういったことをぜひご検討いただければ、今後の作業に有益だなということはありまして、こういったことを主張させていただきました。
以降は、マクロフレームのほうにお渡ししますけれども、これをベースにマクロフレームのほうでいろんなシナリオ、将来像によって、ここでお示しした将来のCO2の削減の姿が若干異なっていますので、そこ辺りを次に安井先生のほうからお示しいただけるものと思って、ここで私の分は終わりたいと思います。ちょっと超過しまして、申し訳ございません。

西岡委員長
どうもご苦労さまでした。大変な作業を皆さんやっていただきまして、お礼を申し上げます。
全体としまして、技術は現在あるものが幾らかの改良された、さらには革新的な技術を入れていって、2050年何とか技術的にはできなくないということ、しかしコストの計算がない。それから、どうやってそれを社会の中に入れていくかというところがまだ残っているという話だったと思います。
それでは引き続きまして、安井委員のほうからの発表をお願いします。

安井委員
引き続きまして、それではマクロフレームワーキンググループのとりまとめを報告させていただきたいと思います。
1ページめくっていただきまして、2ページ、検討体制でございますが、先ほど既にご説明がありましたように、赤井委員と私が何か入れかわったような格好になっている。少し人数が多いことはありますが、何人かは共通であるという状況でございます。
その次、目次になっております。技術ワーキンググループは、先ほどご説明がありましたように、この12月に発足いたしました新しいワーキンググループだったのでございますが、マクロフレームのワーキンググループはご存じかとは思いますけれども、昨年までの中長期ロードマップの中にも存在をしておりました。そこで一体何をやっていたのかといいますと、その目次で、1番、2番、3番、4番とございますけれども、2番目の5つの想定し得る社会像というところまでを一応やりまして、さらに実をいいますと、3番目の想定し得る社会における排出量というところまでやったんですが、ご存じ3.11東日本大震災がありまして、それまで書いていたシナリオが全部飛んだと、そういうことになっております。
したがいまして、今回やりましたことは何かといいますと、まず2番目の5つの想定し得る社会を若干変えて、若干の追加を試みているということです。その追加した部分は、まだ熟成十分じゃありません。それで、さらに3番、技術ワーキンググループでおやりいただいたCO2の排出量が、こういった社会像によってどのぐらい影響するだろうかという検討を3番で行ったと、こんな役割でございます。
次のページにまいります。そもそもマクロフレームって何かって、これ定義はあまりはっきりしないんですけど、一般的にはマクロフレームとよく言われているものは、例えば実質GDPの成長率がどうなっているとか、人口がどうなっているとか、基礎産業の生産量がどうなっているとか、エネルギー供給がどうなっているとか、あるいは場合によると業務床面積がどうなっているとか、そんなような話で、産業連環表か何かを使ったモデルに入れて、いろいろとやるというようなことが、マクロフレームの作業になっております。
ここでも似たようなことでございまして、先ほどの技術ワーキングがやりましたようなシミュレーションを最後にやるというところが、多分マクロフレームのマクロフレームたるゆえんかなというふうに思っておる次第でございます。
次のページ、5ページでございますが、そこに検討の方向性と書いてございますが、先ほどご説明いたしましたように、既にやった部分がありました。ただし、1の後半、それぞれの社会像のメリット、デメリット、光と影と書いてありますが、ここの部分を追加いたしました。それは、昨年の何月だったかな、2月であったと思いますけれども、高校生、大学生を相手に、この5つの社会像というのをプレゼンしたことがあるんです。
そういたしましたら、後で述べますShareという、分かち合い社会というのが大人気で、そういうときにはすべてどれを言ってもみんなよさそうなことを説明いたしましたら、一番努力が要りそうもない、Shareが一番人気が高かったということの反省といたしまして、今回は影の部分をちょっとつけ加えてみたと、こんなようなわけでございます。
2番目は、先ほど申しました社会像というものを前提といたしまして、マクロフレームの定量化、マクロフレームといいますのは、先ほど申しましたようなGDPとかそんなものでございます。それをもとに、最終的には3番でございますが、CO2排出量の削減の可能性について検討すると、こんなようなストーリーでございます。
6ページ目はちょっと省略で、7ページ目も不要でございますが。
8ページ目に何があるかと申しますと、ここに既往の研究です。ロー・カーボン・ソサエティ2050の紹介をさせていただいておりますが、国環研がおやりになった2009年に発表されているものでございますが、これもやはり我々としてはベースとして使わせていただいているというわけでございます。ご存じのことゆえに多分、説明は不要かと存じます。
その次のページの9ページでございますが、ここにシナリオコンセプトと書いておりますが、これが考え方でございまして、先行的な研究がございますので、それをもう少しいろいろ振ってみよう、まだ二つでございますが、それをもう少し振ってみようということでございまして。そのときに考えるべき要素としては、そこにございます国際関係の前提、グローバリゼーション、縦になって文字が書かれています。灰色のものでございますが、あるいはナショナリズム云々と書かれております。想定される危機として高齢化社会云々というのを、ここには書かれておりますが、そういうものを振りながら、赤いマル、白抜きの字で書かれておりますように、社会を経済成長志向で振るのか、そうじゃなく自立性志向、これはある意味で鎖国じゃないんですけど、要するに国境をなるべく資源とか、そういうものを越さないようにしていこうというような、食料なんかもそうですが、そういうようなもの。それから最後は余裕志向、この三つに分けた。これ以外に何かあるかなと考えていたんですが、あまり考えつかない。
経済成長志向に関しては、製造業というものにのっとってやっていく、それがさらに二つに分かれてどこで製造するのかということに関しては、海外でやる、国内でやる。成長志向、製造業でなくサービス産業でやっていく。それで上の三つの社会ができて、上からものづくり、総括拠点、それから2番目がメイドインジャパン、3番目がサービスブランド社会。それで経済成長志向が終わりまして、次の自立性を志向するということになりますと、資源的に自立をしたような社会かなということで4番目ができて、それで5番目が余裕志向ということで、いろんなものを分かち合っていこうという。こんな余裕といっても、多分、経済的余裕じゃなくて、時間的余裕じゃないかと思いますが、そういう形で5つの社会を書いた。これで全部かと言われると、なかなか難しいんでありますけど、今のところあまり思いついていないというのが現状でございます。
それぞれの社会につきまして、どんなことを想定してシナリオを書いたかというのが、次の10ページ、11ページ、12ページなんですが、人口の高齢化の話は、もうご存じのとおりですし、新興国の台頭その他資源制約なんかは一応は考えている、それ以外にもいろいろと考えたんですが、今回はそれだけをお示しして、特にご説明を要するものではないかと思います。
さて、その13ページ目からが、それぞれの社会に関しまして若干の説明が書かれております。そこの一番最初の13ページ目は、R&D/ものづくり統括拠点社会というふうに書かれておりますが、これはいわば低炭素技術のアップル版みたいな感じです。アップルですと設計とかそういうことを国内でやりますけど、実際につくるのは海外でやっている。それを低炭素技術みたいなものに落とし込んだような社会かなというふうに考えられます。
そういうものをやればどうなるかというと、光の部分、ここは実を言うとあまりちゃんとご説明するほどポリッシュアップできておりません。ここは新たに追加した部分でございますが、まだまだ検討が足りないんです。まだ1回しか議論していないという状況でございますので、これから先、さらにポリッシュアップをしていかなきゃいけないということでございますので、本日厳し目のご批判をいただければと思いますが。光の部分、ありとあらゆるものがそうですが、光の部分だけではなくやはり影の部分というものがあるのではなかろうかということで、影の部分も書かせていただいているということでございます。
光の部分として、これはかなり優秀な人材がいればできるのかもしれないですけど、スティーブン・ジョブズじゃありませんけど、天才がいればできるのかもしれませんけど、必ずしも天才が出るとは限らないという社会なのかもしれません。
それで、影の部分はいろいろと海外進出で工場を外につくって、依頼すればいいんですけど、いいろんなことが海外で起きるようなこともあり得るでしょうとか。あるいはやはり、稼げる人と稼げない人がどうしても分かれてくるんではなかろうかということで、年収格差などが増えてしまうのではなかろうかというような感じを持っておる次第でございます。
次の14ページ目でございますが、これはMIJと書いてありますが、メイドインジャパン社会でございまして、これまでの日本社会の延長線のような形で、高度成長を目指すということを続けるというやり方でございます。そのときに当然のことながら、低炭素ということは重要なことになるわけでございますが、それでもやはり製品というもの、それで、しかも高付加価値の製品のようなものを、製造して販売していくような格好なんじゃないかということでございます。どこの国でもつくれるようなものをつくっていたら、多分これは成り立たないということでございます。
国内で、ものづくりの技術の伝承とかそういうことが行われなきゃいけないというようなことであり、高度なある種のセンスを持った日本人が、高付加価値の製品を効率的に生産していく。現時点でそれが何かと言われると、今だとビデオカメラと一眼デジカメぐらいしか、どうもあまり思いつかないんですけど、そういうようなものを低炭素技術面でどんどんやっていくというような、そんな感じの部分でございます。
影の部分は、これがどうなっていくかというのは難しいんですが、イノベーションが起こりにくいなんて書いてありますけど、そうなのかどうなのか、これはやりよう次第かなというような気がいたしますが、コスト競走に勝てるのか、だからコスト競走を打ち破れるような、そういう独創的な製品ができればいいんですけど、そうでなければ。それから幾ら頑張っても今みたいにというか、少し変わってきましたけど、為替変動の影響みたいなものは、やはり最後の最後まで問題かなというようなことがあるかと思います。
その次の15ページでございますが、SB/サービスブランド社会でございます。これは日本人の伝統的な、丁寧なサービス精神を生かすということでございまして、来訪する外国人の消費が主たるものでありますが、ここにイメージ的には書いていないんでございますが、私としてはこの中にソフト産業とか、ファッション産業みたいなものを含めたソフト、そんな産業もここに含ませるべきではないかというふうに考えております。これは本当にサービス精神が勝負なんですけど、そういうことができれば、かなりいけるのではないかという気がいたしますが、逆に影の部分といたしまして、最近のマニュアル的サービスがはびこっている日本という社会が2050年になってサービス精神なんかあるのかなとか、そういう危惧もないわけではないというわけでございますし。
また日本という国は今回、やっと外国人の来日も大体少しずつ戻りかかっておりますが、やはりこういう天災の多い国だとそうもいかないなんていう状況があるのかな。いろいろと不安も一方ではあるということでございますし。あと格差についても語学力とコミュニケーション能力で収入が決まるというのは、いいのかなというようなことも考えているということでございます。
その次16ページでございますが、これはRI、リソース・インディペンデントでございまして、資源的に自立した社会を考えていこうということでございます。今のエネルギーの自給率、正味は水力の4%しかないわけでございますが、そのために貿易黒字をとにかく頑張ってやらなきゃいけないといって頑張ってきたわけですが、それを何とかさらに自給率を高めていくというようなやり方でもって、もう少しロバストな社会をつくろうと、こんなことなんですが、あとは資源的には資源をなるべく使わないような製品をつくっていこうといったような感じでございます。どっちかというと資源循環型みたいなのかもしれません。あるいは農産物に関しましては、これでもって新たな可能性もあるかもしれない。
影の部分といたしましては、輸入ですから高コストのエネルギー資源をどうしても使わざるを得ない、どうしても輸入若干はどうしても入りますので、あるいは国内でそれをつくろうとするとさらに高コストになるという可能性もありますので、そういうことで物価が割高になるかもしれない。多分そうなんだろうと思います。幾ら天然ガスが安く買えても、これだと我慢して自国でやるなんて、そういうようなことになりかねないという可能性がないとは言えない。あとはエネルギーを国産のエネルギーとなりますと、やはり地政学的な問題も出てきて、尖閣なんて言わないほうがいいんでしょうけど、そういうところでのエネルギーの取り合いをやらなきゃいけないという可能性もないではないというようなことかと思っております。
それから次の17ページでございますが、これはShare/分かち合いの社会でございまして、新たな価値観の中、今までとはちょっと違った価値観の中で必要なものとサービスを国内で調達をして、無理なく暮らしていこう。これが本当にできれば一番いいんですけど、これをやっていくとどうなるんだろうという気がしないわけではございません。ただ次に書いてありますように、経済的にはかなり脆弱なのかもしれない。個人よりもコミュニティ優先的な社会になるかもしれないというようなことでございます。
光の部分といたしましては、昔ながらの日本のもったいないみたいな感じが生きるかもしれませんが、そういった感覚って、もうなくなっている可能性もなきにしもあらず。コミュニティ内の結びづきが強まって、絆ができるのはいいんですけど、逆に言うとプライバシーがなくなるかもしれないとか。場合によると社会が不活性化して、そこに「酸っぱい葡萄」云々マインドと書いてありますが、これイソップ寓話のサワーグレープスの話でございまして、高望みみたいな。どうせ届かないわ、食べたってまずいだろうみたいな、そんなような感じになっていくという、そういうような感じかということでございます。
以上が5つの社会で、これだけで全部かと言われるとまた何とも答えられませんし、またどれか一つが社会全体像になるなんていうことは考えられないんで、いろんな考え方の人ができてそれなりに暮らしていく、要するにモザイク社会になっていくんだろうと思います。それはそれとして、モデルとしては日本全体がそうなったという場合の検討をしてもいいかなということで、以後少しの検討を加えているというのが次のページからでございまして、18ページは人口です。
人口はA・Bといいますのは、先ほどの環境研のロー・カーボン・ソサエティ2050でございますが、それに似た形で人口も設定させていただいておりまして、何で違うのか、これは移民が違うからです。メイドインジャパンは98、それでサービスブランドは100になっていますので、サービスブランドは500万人ぐらい、MIJでは250万人ぐらいの移民を想定していると、こういうわけでございます。ほかはゼロ。
経済成長率でございますが、これ一人当たりにいたしますと次の19ページにございますような形になってきて、やはりさすがにShareはあまり伸びないかなというような形になっておりまして、それは右肩だとご覧いただければいいかと思いますが、やっぱりメイドインジャパンシナリオが一番伸びるような感じにはなっているという、そういうことでございます。
それからその経済成長率、あるいは国民総生産の推移をほかの情報と比べたものが20ページでございまして、左側に内閣府の2012の成長戦略シナリオあたりとの比較とか、あるいは先ほど来出ておりますLow Carbon Society(ロウ・カーボン・ソサイエティ)2050のビジョンA、ビジョンBとの比較等を書いておりますが、明らかにShareという要素はどうも過去に検討がしたことがないみたいな位置にぽつっと、左側の絵の一番下に書かれておるということでございます。
それから21ページは、その場合の財貨、サービスの輸出入でございます。輸出入は、実をいいますとこれをずっと眺めていただくと、右側の絵はいいかと思いますけど、輸出入額で上か下かを比べていただくと、輸出入とどれだからめちゃくちゃ差分といいますか、貿易が赤字になるというものでもないという絵が、今ところ書かれていますが、これが本当なのかどうか。これShareは私の直感的には多分、相当輸入がどうしたって増えちゃっているというか、輸出するものがなくなって、そんな格好になるような気がするんですけど、今のところはモデルがこういう形になっている。その辺のモデルがどうしてそうなるのかということに関しては、ちょっとお答えが私個人的にはできないので、また別途お答えをさせていただくということにさせていただきたいと思います。
それから22ページでございますが、これは国内総生産の内訳を分野別にというか、分類したものでございまして、左側が、これが総額でございます。単位が書いてございません、兆円でございますが。その絵を見ていただきますと、既に三次産業の比率が現状で7割を超しておりますが、R&Dシナリオですね、総括拠点シナリオであるとか、サービスブランドのシナリオですと8割ぐらいに行ってしまうということでございます。脱製造業国家なのかもしれません。
それからその次の23ページが、今度は就業者数の総数でございまして、これも単位が出ておりませんが、これ左が100万だと思いますが。100万でいいのかな、違うなこれ。何か変だな。就業者数だからいいんですね。それで、それぞれの就業者を見ていただくと、やはり先ほど申し上げましたようにそのR&D、SBのシナリオでは第三次産業の就業者が8割になるという、そういうことでございます。
その次のページ、24ページになりますか、就業者数の年齢別と書いてございますが、これが先ほどご説明いたしませんでしたけれども、人口のところからいって、これ必然的にそうなるんですが、一番下の就業率というものをご覧いただいて、現状2005年のもの、白い縦棒でございますが、それとの最大の違いというのは60歳、65歳から、70歳から75歳から辺りで、就業率が倍ぐらいになっているという話です。ということは、もしもあの人口のプロファイルがそのまま実現したりいたしますと、定年が78歳になっているという、そういう計算でございます。この差は相当大きいです。大部分の方はOKと思いますけど、傍聴の方にはひょっとすると78歳まで働く方がおられるかなと思います。
それで、25ページはそれ以外のものを簡単にまとめさせて、一つのページにさせていただいておりますが、粗鋼生産量、これは2005年と比べましてもメイドインジャパンシナリオ、MIJですとあんまり変わらないんですが、Shareだとかなり下がるだろう。セメントはそうでなくても下がるだろうと。エチレンの生産量、セメントの生産量は似たような傾向かなという感じです。紙板紙等につきましても下がってくるのではないかということでございます。貨物輸送量につきましては、やはりメイドインジャパンは結構まあまあのレベルになってくるんですが、業務床面積なんかについてもメイドインジャパン、あるいはサービスブランド等ではかなり高いものになるのではなかろうかというようなことになっておりますが、かなりShareは低いという予想でございます。
さて、以上がいろいろなマクロフレームでございますが、これから排出量というものを算定していくわけでございますが、27ページに大体のサマリーがございまして、それで大中小ぐらいの非常に雑駁な分類がされておりますが、こういった形でやっていく。ここでご説明がもし必要であるとすれば、一番下の輸送用の、量じゃなくて、輸送用かもしれませんね。これバイオ燃料というもので、RI、資源自立型ですとE5、要するに5%エタノール混合みたいなんですが、バイオ燃料といったほうがいいかもしれませんが、ほかのものですとE20、20%混合になっていると、そんな感じかと思います。
さて、それで計算をしますと、次の28ページになりますが。ここでどちらを見ていただくのがいいのかな。28ページの右側の絵を見ていただくのがよろしいかと思いますが、ここに5つの社会に、成長延長と書いてあるのは、多分技術ワーキングのシナリオかなと思います。それで、これを見ていただきますと、先ほど赤井委員からご説明ありましたように、CO2の排出量はかなり落ちているんでありますが、その落とすためには、約200ミリオントンだから、2億トンぐらいのCCSが必要であるということでございましたが、そこの右側を見ていただきますと、MIJですとそれより多くて、ひょっとすると300ミリオントンぐらいになっちゃうのかなというような感じでございますが。Shareだとそれよりかなり少ないCCSの量で足りていくだろう、こんな感じでございます。
このときに、どんな技術が導入されているかということでございますが、仮定としては実をいいますと技術ワーキングと全く同じでありまして、要するにその時点での最高の低炭素技術がすべてのシナリオで同じようにというか、量は違いますけれども、導入されているという仮定でございます。したがいまして、Shareといった分かち合い社会のようなものであっても、使っている機器の低炭素性能みたいなものはみんな同じで、こんな感じでございます。それでもやはり2050いきますと、CCSを導入しないわけにはいかないなという結論でございます。
28ページの上の説明にMIJ、メイドインジャパンシナリオでは、三角の80%が難しいと書いてございますが、その理由は今のご説明でもいいんですが、さらに説明をいたしますと、29ページの左側の絵を見ていただきますと、これが最終エネルギー消費量でございまして、5つのシナリオのうち、このMIJだけはやっぱりちょっと首を出して、圧倒的に高いという形になっております。
要するにこのシナリオですと省エネルギーシナリオを書くのは非常に難しくて、それで最後の低炭素化を、したがって無理やりCCSでやっていくというシナリオ以外どうも書きにくいなという、そういう感じかと思います。という形で、一応29まで終了でございます。
ちなみに、そのときの発電量がどうなっているかということに関しまして、その内訳を含めて書いたものが30ページでございまして、30ページ、だからというわけではございませんが、なかなか説明が難しいんですけど、こういった形で自然エネルギーが入っております。
自然エネルギーの導入量に関しましては、実をいいますとどれが一番難しいのかというと、Share使用量が一番難しくて、発電の送量が少ないものですから、導入量そのものは若干抑えめ、控え目にしていかないと、やっぱりグリッドの安定性が保てないという、そういうような形になってくるものと思われます。絶対量としてはそういう形になっている、そんなに違っているように一見見えないのでありますが。例えば左側の図で風力をちょっとご覧いただきますと、MIJの風力の長さに比べてShareだけちょっと短くなっています。そういうような形になっているということぐらいをご説明させていただきたいと思います。
というわけで、もう時間でございますが、最終ページ、32ページでございますが、やりましたことを今さら繰り返してもしようがないんでありますが、その5つの社会を描写をしてみた。それで、それに対して昨年ちょっと失敗したかなと思っておりますが、それぞれについて光の部分だけじゃなくて、そのデメリットの影の部分もちょっと書いてみた。まだここは熟成が全く足りないという、そういう自己評価でございます。
それぞれにつきまして、一応CO2の排出量等をやってみて、確かに社会像を振れば、排出量は変わるけれども、社会像を政策的に振るというのは多分不可能なんで、これは一つのあくまでも参考かなという形でございます。
言えることは何かというと、どの社会像になっても無理やりやれば80%、2050年での削減というのは、まあ何とかいけるんじゃないかというのが全体に共通した結論かと思います。以上でございます。

西岡委員長
どうもありがとうございました。お二方とも非常に大変な苦労をなさっていただいたと思っております。
お二人の方に対する質問、あるいはコメントということをいただきたいと思っております。まず小委員の方々には、これを一緒になってつくっていただいた方もいらっしゃいます。ご意見だけではなくて、こういうところも強調してほしかったというのがございましたら、それも含めていただきたいと思います。いかがでしょうか。
それでは、大塚委員のほうからいきましょう。

大塚委員
どうもありがとうございました。お二人の先生に大変興味深いお話をしていただきまして、勉強になりました。ありがとうございます。
赤井委員と安井委員と両方にお伺いしたいところがあるんですけども、2点ですけども、簡単なところですが。一つはCCSに関して、これは前提としては、CCSを行うときに必要なエネルギーというのは、どのぐらいだということを教えていただきたいんですけども。CCSをあまり広げていくと、使うエネルギーも相当なものになると思いますので、その点は明らかにしていただくとありがたいので、教えていただきたいということが1点でございます。
それからもう1点は、これなかなか難しいんですけど、TPPについては安井先生はどういうふうに前提にされているんでしょうか。以上2点、お伺いしたいということです。以上です。

大聖委員
赤井委員のほうにお尋ねしたいと思うんですけれども、一つは住宅の関係なんですが、住宅の建てかえサイクルというのはかなり長いわけです。ですから、そのサイクルを待っていたらしようがないので、既存住宅への断熱化とかスマート化、そういったものが必要になると思いますが、それはどういうようなシナリオになっているのかというのを概略、教えていただければなと思います。また、それに関わるコストというのがどういうふうに負担を出されるのかということ。
それからもう一つは、電力の需給調整システムの全体像ということで、41ページにありますけれども、この中で水素というのが一つありますけれども。水素というのは、これ大量に貯蔵するというのはなかなか難しい技術でして、かなり電力の大きな量の調整ということになると、水素というのはどういうふうに取り扱うのか。
その一方で、例えば将来、燃料電池自動車とか、あるいは家庭でのそういう小規模の電力のエネルギーとしての利用ということも、可能性としてはあるわけで、このような水素の位置づけをどういうふうに考えておられるのかということをお尋ねしたいと思います。以上です。

赤井委員
まずCCSなんですけれども、大体必要エネルギー、現状で見積もられているのが2割ぐらい燃料でエネルギーが余分にかかると。ですから、発電効率でいうと、例えば40%のものが32%ぐらいになるというのが現状の評価です。CCSのためにエネルギーが正味なくなっちゃうということはないんですけれども、それだけ燃料を余分に使ってしまうという現状の評価です。まあ、まだ技術革新の余地はありますけれども。
それから、大聖委員の住宅の建てかえされるとか、いろんな技術のレトロフィットのことなんですけども、このあたりは村上先生の住宅ワーキングからいただいた数字をベースに計算されておりますが、ちょっと私詳しく、どこまで、どういうロジックでというところまでは把握しておりませんので、もし先生のほうからいただければと思います。
それから、コストについては先ほど最初に申し上げましたように、考えていないということです。
それから、水素の件なんですけれども、これは将来のリニューアブルが増えていったときの、要するに電力のバッファーとして水素を入れないとなかなか難しいということで、ここの分析では、代表的なケースとして、風力発電から出てきた電力で水素をつくって何らかの方法でためて、エネルギー貯蔵システムをそれで形成するという前提で分析しております。
貯蔵方式については非常に難しいというのはわかるんですけれども、例えばいろんな方がいろんな技術を提案されていますけれども、ケミカルにして蓄えるとか、いろんな方法がありますけれども、それも今後、大規模に貯蔵するときにどの方法がいいかということは、まだ技術が成熟しているという段階ではないんで、最終的にはそのコストも勘案して決めていくべきかなというふうに考えております。

村上委員
既存住宅のこの省エネというのは非常に難しい面と、比較的やりやすい面がございまして、すぐに皆さん断熱ということを言うんですけど、実は暖房というのは全体の4分の1ぐらいですから、断熱をしても、それによる寄与分というのは多くないんです。実際それで既存住宅の断熱改修はこれは極めて困難で、ほとんど不可能ぐらいに難しいです。ですから、それに対して例えば機器効率、リペイするのが早い照明とかエアコンとか給湯、そういったものの高効率のものへの買いかえで、既存住宅もそこそこ進むと、そう考えてよろしいと思います。断熱に依存するというのは非常に難しい。

西岡委員長
では、安井委員お願いします。

安井委員
お答えいただきましたところは、それでいいと思いますが、TPPに関しましてというのは、実を言うとTPPそのものの実態がさっぱりわかっていないということで、お答えを私としては、まだ含めて考えておりませんというしか言いようがないんで、それだけでございます。

冨田委員
ありがとうございます。限られた時間の中で精力的にご研究、検討された結果というのを、興味深く拝聴をいたしました。個人的に、お聞きしたいことは幾つもあるのですけれども、この小委員会のミッションである政策議論に、これをどういうふうに生かすのか、どういうことを議論すれば政策議論に生かせるのだろうかをずっと考えていましたが、いまひとつ聞いている中でも、どうしたらいいのかなというふうに思っていたんですが。
最後に安井委員がおっしゃられた、どういう形であっても、何らかの技術あるいは前提を置くことによって80%は達成できるというふうに言ってもいいのかな、というところが一番印象に残ったことで、だとすると、20年、30年これから選択肢を議論するわけですが、どの選択肢をとったとしても、難しさ、困難性について差はあるのでしょうけれども、80%削減というのはある仮定、条件を置けば可能であるというふうに理解しておけばいいのかなと思いますが、その辺はどういうふうに考えたらよろしいのでしょうか。
さっきの最初の質問にも絡むわけですけれども、この研究ワーキングの成果をどういうふうに生かせばいいのか、事務局あるいは座長の委員の方なのか、お考えをお聞かせいただければなというふうに思いました。

伴委員
精力的な研究を各グループでされたと思っています。ただ、私のほうはこれをモデルで再現できるかどうかという点から、いろいろと考えております。今回は基本的には2050年ですか、この姿を描いた上で、ある意味でバックキャスト的に2020年とか30年の姿を出そうというところにあるだろうと思うのです。ただ、私自身は先ほど申しましたように、モデルで本当に再現できるかどうかが主になりますので、その観点から少し心配なところがあります。一昨年12月と今回の大きな違いは、原子力発電が2050年でほとんどゼロという前提でお話をされているわけでありまして、それが経済社会に対して大きな影響を持っていると思います。
私は2050年までの視野で考えれば、原発ゼロで再生可能を半分ぐらいというシナリオは十分あり得るとは思うのですが、今回取り上げられた技術WG、あるいはマクロフレームWGもそうなのですが、電気の使用量というのがあまり減っていない。1兆キロワットアワーぐらいで変わらない。もちろん、いろんなシナリオで3割減とかいう形のものがあるのですが、少しあれ?と思うわけです。
具体的に言うと、再生可能エネルギーの中で、風力は多分大丈夫だと思うのですが、太陽光が2,600億キロワットアワー、つまりちょうど今の原発と同じ水準の太陽光発電が可能だという前提があるわけですが、確かにポテンシャルですれば可能なのかもしれないのですが、モデルの上でそこまでやるというのは非常に苦しいところがある。
むしろ絵姿としてあり得るのは、ほかのところも幾つか出しているところがありますが、やはり80%削減という視野で考えたときには、エネルギー全体かなり減るわけですが、電気に関しても恐らくそれに近い形で、例えば3割とか4割減を前提とされたほうが本当はやりやすいのではないかと思います。
私がちょっとわからなかったのは、民生ですね、住宅とか業務なんかでほとんどゼロエミッションに近いような技術が書かれているのに、どうして電気の使用量が全体として減らないのかというのが少しわかりません。いろんな節電技術ということを考えれば、随分減っていくというのもあり得るわけで、そこのところが少しひっかかるところがあります。だから、原発をゼロにして、太陽光あるいは風力を多くするというのも可能だと思うのですが、あと40年という視野で考えればの話です。それにしてもモデルで再現ということを考えると、再生可能エネルギーの一部が少し出過ぎではないかという感想を持っています。以上です。

西岡委員長
どうもありがとうございました。それじゃあまず最初に冨田委員のほうの政策議論にどう関連するんだろうかという話、これはまず安井委員、そして必要でしたら事務局のほうからも。

安井委員
先ほどちょっと申しましたように、冨田委員に繰り返していただいたことなんですけど、要するにどのシナリオを書いてもかなり無理なものもあるかもしれないけれど、とにかく不可能ではないというシナリオを書いてみせたというのが今回の話でございまして。だからといって、どれを選択しろというようなことを言っているわけでもない。
ただし、一つだけ言えることは、先ほどもちょっとご説明いたしましたように、どのシナリオも実を言うと入っている低炭素技術というのは最高レベルのものです。そうなってきますと、やはり依存するのはそこということになってしまって、それをいかに政策的に後押しをしていくのか、引っ張っていくのかということは、明確に政策ターゲットとしてあるなと思うんです。
ですからその部分は、どのシナリオにしても多分あまり変わらなくって、それでそれぞれのワーキンググループが、次週ご発表になると思いますけれども、やはりそれぞれの技術についてその部分をどういう形で政策的に引っ張っていくのかという議論につながっていけばいいのかなというように考えているわけです。例えば大聖先生でしたら、自動車のところはどういうふうな格好で引っ張っていけばいいのかなみたいな格好につながっていくと思う。
ここでもしも、こういう社会をつくらなきゃだめよと書いてしまうと、そういう社会をどうやってつくるかということになるんですけど、そういう話ではございませんので。とにかく、よって立つところは低炭素技術の高度化以外にないねという、そういう絵だとお考えいただければ、それでいいのじゃないかというふうに考えております。
伴先生のも若干お答えしたほうがいいですか。

西岡委員長
そうですね。お願いします。

安井委員
これもむしろ実を言うと、赤井委員のほうにお答えいただいたほうがよろしいかと思うんですが。電力以外の部分というやつが、ほとんどゼロになっているんですよね、民生なんかですと。そうなりますと、どうしてもやっぱりもし電力30、40減らすと、恐らく省エネで日本全体の一人当たりのパワーキャピタでも、どうだろう、多分7割減ぐらいのシナリオを書かなきゃいけないんじゃないですか、エネルギーとして。それができるかというと、多分、相当難しい感じがするなと直感的には思います。昨年書いたシナリオが大体4割減ぐらいだと、まあちょっと余裕があるんです。今回ですとやっぱり5割減は最低はないとだめみたいな感じで、これでも相当きついかなという気がしますけど。ですからやはり電力量ってこんなものじゃないかと。要するに、ほとんど変わらないんじゃないかというような気がしています。本当に未来のことはよくわかりませんが、そんな感想です。

低炭素社会推進室長
先ほどご報告の中にもございましたけれども、50年80%削減していくという道筋を達成するためには、例えば革新的な省エネルギー技術であるとか、あと再生可能エネルギー、そしてCCSなど、大きな技術を導入していくということがかぎになってまいりますので、それを実現するための、例えば技術開発であるとか、人材育成、こういったものの重要性、またその実現方策について、どういう政策をとっていけばいいのかということについて、議論を深めていただきたいというふうに考えております。

西岡委員長
赤井委員のほうで、特にありますか。

赤井委員
伴委員のご質問に、まずできる限りでお答えしたいと思いますけども。再生可能エネルギーがかなり一部のものが現実的じゃないんじゃないかというお話がありましたけれども、個人的に考えるとやっぱり相当苦しいなという気は確かにしております。
いろんなところで議論して、目いっぱい入れてこれぐらいだろうという値をはるかに超えた値がこの2,600という値ですので、個人的には非常に苦しいんですけど、思いっきり。最初に私申し上げましたけど、ちょっと安井先生とニュアンスが違うんですけども、80%はできるじゃなくて、ここまでやらないと80%はできないというふうに私の言い方させていただいんですけども。
そういう意味で、電力需要が伴先生の異論があるというお話でしたけども、今ぐらいの電力需要だと、ここまでやらないとなかなか今の原発の状況だと苦しいだろうということで積み上げさせていただきました。
それから、電力需要が本当にこんなに必要なのか、あるいは現状とほとんど変わっていないか、分散型も入れると若干増えているんですけれども、ここは先ほど民生についてはまだ見えない需要があると申し上げましたけれども、部門ごとのCO2排出削減を考えると、産業部門がやっぱり、なかなか減らすのが苦しくて、化石燃料は相当残ってしまうと。そこを無理やりCCSで下げているということがあるんですけれども、そこがもしうまくかなりの部分が電化とか、もし本当に使いようがよければ水素でもいいんですけれども。電力起源のものにできれば、そこでゼロエミッションができるということで、産業部門の相当の省エネと産業への電力の有効活用という、そういうものができると産業部門だけで見たCO2排出削減はかなり楽になる。もっと削減の余地があるということはあります。
そこを考えると、今度は逆に電力需要が増えていくというシナリオにもなるんで、そのあたりいろんな要素があるんで、とりあえずここでは電力が今の現状からそれほど減らない。人口減とかアクティビティの若干減とか、そういうことがあっても、とりあえず仮置きとして、それほど電力需要が大幅に減った世界を想定しないということです。もちろんここで何らかの、技術的要因も含めて、電力が大幅に今の例えば4割減ったとか、半分ぐらいになったというと、ここは一気に縮められますので、CCSもこんな無理してやらなくてもいいし、再生可能エネルギーの量ももう少し少なくしても、現実的な解に近づけることができるんだろうなというふうに考えています。

西岡委員長
どうもありがとうございました。それじゃ回答よろしゅうございますね。それじゃ続きまして藤井委員と藤野委員。

藤井委員
ありがとうございます。それじゃあ最初に安井先生のほうに。前提のところのマクロの全体を評価するときの人口が減っていく中で、特に生産労働人口が減るわけです。先ほど75歳まで働けとか、移民とかの議論がありました。それらは政策的に可能な議論だと思うんですが、現状のこれで見ると、生産年齢人口がラフに4割減るという2050年の姿の中があります。経済は生産年齢人口一人当たりで見るほうが望ましいとすれば、GDPの総量は減るのではないか。それ自体、決して国際的に不利になるとか、そういうことではない。要するにGDPを見るときに、実際の生産年齢人口当たりで評価したらどうなのか、というところのご議論はどうだったのか。
それに絡めて、サービス化が進むと、既に第三次産業化が進んでいるわけですけれども、ご存じのように日本のサービス産業は生産性が非常に低いということが国際的にも定評になっています。生産年齢人口の過半以上が7割、8割近くが、このサービス産業にシフトすることによるGDPの変化というもののご議論はどうだったのか。これももし、詰めたご議論がありましたらお聞かせ願いたい。
それからもう一つ、赤井先生のほうにお伺いいたします。細かいところで恐縮なんですが、36ページの運輸部門の評価、先ほどもちょっと伴先生のほうからありましたが、自動車について、2050年についてもやはりガソリンを使っているということなのか。ここでの表記だと乗用車もかなり使うというふうに読めます。そこは、もちろん政策もよりますし、トラック等についてはそういうこともあるかもしれないですが、乗用車については2050年くらいには全部、エコカーになっているんじゃないかなと、単純に私は思ったりするんですけども、その辺はそんなに簡単ではないということなのか。ここはどのようなご議論だったのか、この2点をお聞かせ願いたいと思います。

西岡委員長
それでは藤野委員のほうから。

藤野委員
ありがとうございます。どちらのワーキンググループにも関わっていまして、先ほど安井委員のおっしゃった2050年に78歳なので、そこまで働かないといけない中の人間ですけれども、三つ質問、コメントがあります。
まず一つ目ですけれども、赤井委員の技術ワーキンググループのほうで、今回新たな見方として9ページ目のところで、技術分類でライフスタイルの見直しだったり、満足当たり必要サービス削減技術だったりというような、ちょっと需要側、使い手の側からその技術を見直すことはできないかというようなことで整理というものを、結構初めて試みたと思います。
途中の議論の中でとある委員が、赤井委員も先ほどおっしゃいましたけれども、この作業は毎年やっておると。2年、3年とかよくやっているので、ここでまた何でやらないといけないんだという話になったときに、やはり必要なサービスを満たすという意味での技術というのが、どういう役割があるかというところで整理しようということで試みたというところは、個人的には結構新しいことではなかったのかなと思います。
そういった意味で新しいことを試みたので、例えば14ページ目のところの整理を見ますと、ライフスタイルの見直しというカテゴリで入っている主な対策が、カーシェアリングとエコドライブだけ入っていますけれども、これもよくよく考えると、どちらかというとマル2番の満足当たり必要サービス削減技術かもしれませんし、ライフスタイルの見直しというか、満足度の見直しという意味ですと、今回震災の後に明かりのサービスレベルの見直しがあって、こんなに明るくなくてもよかったんじゃないかという照度の見直しが行われましたけれども、そういったことだったりとか、本当の必要量というか、満足度自体がどれぐらいが本当に必要なのかというところを見直すところを、ここのカテゴリに入れるものなのかなと思います。
ただし、それがどんな技術なのかというようなところについては、下手したら先ほどもったいないの精神を広めることだったりとか、そういうことにも教育的なところは大きいかもしれませんけれども、ちょっとそこら辺の整理を、ほかのも含めて全般的にそうなんですけれども。
例えばもう一つだけ例を言いますと、32ページ目のところで、産業部門で素材生産に関わるライフスタイルの見直しで、再生可能エネルギーの豊富な場所への移動というものがありますが、これもやはりできた製品そのものの必要量の見直しのところが本質的なもので、再生可能エネルギーも確かに熱のところを多く見るならば、需要者が移っていくことも有効かもしれませんけれども、ちょっとその点、ぜひ今回ご参加されている委員の方々からも専門分野から見ていただいて、ここのカテゴリ、カテゴリ自体もご意見、ちょっと今日お時間ないので意見いただけたらということと、どういう技術とかどういう対策がそういう中に入っていくかということについてはちょっと一度見ていただき、もちろん傍聴されている方も、ご意見あったら事務局に出せば、多分意見は聞いてくれると思いますので、その点まず一つ、ご指摘とお願いです。
2番目は、マクロフレームワーキンググループに関わるところで、5つの社会像を3.11の前から描いていましたけれども。その中で、やはり大事なのは、2050年に何が必要なのかという視点の中で、ちょっと今の延長のところで書いているところも多いかもしれないという個人的な反省があります。人口9,700万人になっているというところで、Share以外のシナリオはどちらかというと供給側の視点で書かれているところが多くて、その中でどんな仕事をしているとか、生活しているとかいうようなイメージというのを、どういうふうに描き出すかというのは、これは作業の時間ももちろんありますけれども、そこまでやったほうが、もっと見られる方にはわかりやすいかもしれないなと思っています。
あともう一つは、メンバーを見ていただくと、自分も含めてかなり偏った、男でごりごり仕事をしているような人ばっかりが入って、昨年は女性の方もオブザーバーでは1人は入っていたんですけれども、1人だけでも人口の分布という意味ではあまりよくない分布だったところで。そういったところで、こういうのをつくるときにも、どういうふうにつくればいいかということも、個人的には反省があります。
最後は、これは指摘ですけれども、今回評価軸に合わせてシナリオを評価しないといけないというところで、特にこのマクロフレームワーキンググループで出された社会というの、評価軸でどういうふうに評価するかというところについては、ちょっと知恵が必要かなと思います。以上です。

西岡委員長
どうもありがとうございました。それでは安井委員お願いします。

安井委員
まず藤井委員のお話でございましたが、労働人口に関わることでございますが、この事実関係は私もちゃんと把握していないんであれなんですけれども、サービス産業の日本での生産性が低いという云々でございますけど、実際のモデルの多分中身は、それぞれの社会でもって1人がどのぐらい働くかということをその社会の像、例えばShareだとみんなあんまり働かないとか、そういうようなことを変化して、それで総労働投入量から就業者数を多分推定したということになっているだけで、多分、生産性はあまり変えていないのかなという気がするんだけれども、どうですか、そういった感じでいいかな、という感じだと思います。
それで、したがって、これは本当は変えなきゃいけないということになるんですが、そもそも2050年の話をそこまで細かくやる意義がありますかねと逆に伺いたいという感じです。
それから、藤野委員のことについては、私が何をコメントするか難しいところなんですけど、メンバーは確かに変更していませんよね、これね。そのとおりでありまして、ただこれは多分、そこまで本当にやる政策的な意義があるのかどうかということを、また藤野委員に逆に聞きたいぐらいの感じです。
だから、これをストーリーとして書いていくんだったら、当然、供給側ばっかりじゃなくて、まさに受け手側である人たちの考え方というものを入れていかなきゃいけないんだけど、そういうものでもなく、最終的にどんな社会像になるとどういう影響があるかぐらいをざっくりやろうという話だったとご理解していただいちゃったほうがいいのかななんていう、そういう気もいたしますが。

西岡委員長
赤井委員、どうぞ。

赤井委員
藤井委員からの2050年にもこんなにガソリン使っているのというご意見ですけれども、確かに私ももっと違う、もっとドラスティックに変わる可能性もあるんじゃないかというふうに思っております。これの主たる原因は、やはり長距離の貨物輸送のところがどうしても今のガソリン車の特性に頼るところがあって、その部分がかなり残っているということで。理想的に言えば、例えば燃料電池自動車みたいなものが本当に同じような価格、それから運転性能でできれば、そこはとってかわれるんじゃないかなと。以前別のところで議論したことも踏まえながら、今思っている次第です。
ただこの辺の構成については、自動車ワーキングのほうから何かインプットが事務局にあったのかもしれない。そこのところちょっと詳しくは把握していないんで、こういった構成で分析していますということで。この辺、技術ワーキングの中でもいろいろ、長距離電気トラックでしたっけ、何かそんな発想についても議論をいただいたんですけれども、今のところこういうことで。ただ、私個人的にはここはもっとドラスティックに変わる可能性はあるというふうに考えております。
それから、藤野委員からの整理の表、再整理の必要ありということなんですけれども、いろいろあそこのところは最終的な結果に響くところではないんですけれども、私も見ていて、やはりここかな、こっちのほうがいいかなというところは幾つか気がつくところもあるんで、そのあたりはご意見いただきながら、藤野さんもワーキングのメンバーなんで、共同正犯としてインプロブメントにご協力いただければと思います。以上です。

西岡委員長
どうもありがとうございました。大聖委員、大野委員、ご専門ですけれど、今のガソリンの話、何か。短く、もしありましたら。

大聖委員
我々の予測では、依然としてある程度使われるんじゃないかなという予測です。とりわけ、これはちょっと私の個人的な意見になってしまうかもしれませんけども、物流とか船舶、それから飛行機、航空ですね。この分野というのは液体燃料でないと多分だめだと思います。これは皆さんご賛成いただけるかと思います。
あとは先ほど水素というお話をさせていただきましたけれども、水素とあと電気です。それでやっていくと電動化というのは、さらに促進するんじゃないか。その際やはり革新的な電池の技術というのがかぎになるんじゃないかなというふうに思っております。

西岡委員長
大野委員。

大野委員
弊社で大型貨物用に燃料電池、一生懸命開発していまして、やっている連中はもっと行くよと言ってやっています。今ご発言ありましたように、もっと水素が出てくる可能性はあると思うんです。だからそのときにちょっとニュートラルな言い方をしますと、ここではあまり書かれていないんですけど、競合がガソリンであることは大聖先生おっしゃったように間違いないんで、ガソリンがどのぐらい価格が上がっているかとか、どのぐらい手に入りにくくなっているかとか、そういうライバルがどうなっているかというのに、かなり私は影響を受けるだろうと思います。

西岡委員長
どうもありがとうございます。では次へ移りまして松岡委員、それから村上委員。続けてお願いします。

松岡委員
ちょっと赤井先生のほうに3点ほどお伺いしたいんですけども。いわゆる省エネ技術でここに、10ページなんかに書かれているんですけども、間接的には節水というものがすごく省エネに、実際に水を供給するまでのエネルギーが、私どもの市の施設で1,000施設あるんですけれども、半分以上が水供給関係なんです。全国の自治体にとってみても物すごく節水、水をつくるためのエネルギーというのは莫大なもので、そういった部分がこの中に含まれておられるのかどうか。
それから例えば家庭で言えば最近のトイレであると、地元のTOTOさんでは3.4リッターでも流せるようになっているんです。それだけの節水がやっていくと、かなりの数字が出てくると思うんですが、そこら辺りの技術というものも加えていただければなということと。
それからエネルギーの供給の部分でございますけども、今のエネルギーの、原発がとまっている状況の中で、このまま本当に原子力がだんだんと減っていってしまうと、北九州の場合素材産業を中心に電気をたくさん使います。そのためには自己防衛のために自家発電というのがまた復活してくると思うんです。以前はかなり各企業持っていたんですけども。
そうなってくると、大型のガス発電であったり、また石炭発電であったりとは別に、約5,000キロとか3,000キロ、そういった自家発装置というものが、製造業の中にはかなり導入されてくる可能性があるんだと思うんです。そのときのCO2カウント、エネルギー効率のカウントという部分も、この中に含めておられるのかもしれませんけれども、ということはどうなのかということが2点目です。
それからCCSの話ですけども、CCSが2億トンという部分が、CCSのいわゆる素材産業があったり、発電所があったりのオンサイトとしてのCCSなのか、それとも輸送としてのCCSなのかというところであります。実際にそれを貯留するためには適地って限られてきている部分があると思うんです。その場合はオンサイトであれば限られた場所しかできませんし、輸送であればまたそれに対するエネルギーがかかってくると。そのあたりについてのご見解をお教えいただければと思います。以上です。

村上委員
最初は赤井委員にお聞きします。大変明快な解析、ありがとうございます。民生のところでお聞きしたいんですけど、サービスという形で整理されておられまして、そのときに読み取れなかったのが、どの程度のサービスを提供するか、あるいは求められるか、提供すべきか、その前提のところがどう置かれたのかがですね。これは多分、普通の言い方だったら環境目標水準みたいなことに、政策目標としたら多分そういう言い方になるんじゃないかと思うんですけど、どの程度のサービスを求められるか、適用すべきかとお考えになっておられるのか。
それから、安井先生にお聞きしたいんですけど、5つのシナリオの社会の姿です。今日の資料1の1ページのマル1の1行目にかぎ括弧で、「世界をリードするグリーン成長国家」という我が国の目指すべき低炭素社会の方向性を具体的に明らかにと、こうございますよね。今回5つの社会の姿を描くときに、世界をリードするグリーン成長、これ僕、今日初めて気がついて、前からあったかどうか知らないんですけど、明確に「グリーン成長国家」という言葉を出しておりまして、この辺との関連、ちょっと教えてください。

西岡委員長
赤井委員のほうからお願いします。

赤井委員
松岡委員のご質問で、省エネ技術が節水のところをどうかということなんですけども、手元に詳しい資料がないんですけど、恐らく多分、考慮していないんじゃないかと思います。効果が大きいということでしたので、ぜひカウントさせていただきたいと思います。もし既に入っているようでしたら、また確認させていただきます。
それから、自家発については、今見える範囲では産業用の自家発みたいなものもカウントには入れて分析はしております。ただ、それもこれからどれぐらい増えるかというのは、もうある程度、先ほど伴委員からのご指摘もあったような電力需要で想定していますので、実際にはいろいろシナリオを振っていかないといけないと思いますけども、それは想定されております。
それからCCSについては、個人的には2億トンって大変な数字だというふうに思っています。
日本では、オンサイトという言い方をされましたけども、例えば海岸に発電所が立地したり、あるいは産業施設が立地していて、そこで回収したものを、もうそのまますぐそばの海の、日本では海底しか使わないという、ほとんど暗黙のルールができていますので、そこで入れられる場合にはそれも可能かもしれませんけども、ほとんどの場合はご指摘のように貯留地と排出源が離れていることが多いというふうに想定されるので、諸外国に比べると多分コスト的にはかなり高くなりますけれども、それぞれの貯留槽の規模の小ささとかそういうことを考えると、私は個人的にはやっぱり、船で持っていってというシステムにしたほうが、当面はフレキシブルでいいんじゃないかと。
よほどいい適地で、大きな貯留槽が見つかればそこに向かってどんとパイプラインを引いても採算はとれないですけども、コスト的には安く済むんですけども、そうじゃなければ、船みたいなものを考えたほうがいいかなと個人的には思っています。ただ2億トンというと、とてつもない量で、個人的には、私は昔から思っているのは、せいぜい1億かなというふうには、何となく直感といろんなデータから思っているんですけども。

村上委員
これのサービスの点はどう思っていますか。

赤井委員
この辺は多分いろんな方で、いろんなご意見があるかと思うんですけど、私はこの間もちょっと事務局とお話ししていて言ったんですけども。今のサービスというか、何となくそれなりに不満もなく暮らしている生活が、人間は年に2%ぐらい上昇していないと落ち込んでいる気分になるらしいよという話を以前に聞いたことがあって。できれば何となく満足度は減らないか、あるいはほんのわずかでもいいんで増えていくと。ただそのときに、その満足度を与えるためのサービス量というんですか、それは減っても構わない。
要は、好きなときに好きなだけ、例えばエネルギーで言えばエネルギーを使っている、好きなときに好きな、別に省エネしろと言われずに、節電しろと無理に言われずに好きなだけ、例えばエアコンをつけるとか、それぞれ人によって体感温度違いますから、エアコンをつけても。でも、実はその裏で供給されているサービスはさらに高度化されていて、今のようなある程度の低い温度の冷気がバンバン出ないと人間が涼しさを感じないとかいうんじゃなくて、もう少し賢くなっているシステムができているとか、そんなイメージでいて。
ですから、体感する豊かさは変わらないか向上するんだけど、それを与えるためのサービス量は減ることが望ましいし、さらにそのサービス量を供給するための、サービス量当たりの消費エネルギー、あるいは電力は減ることが望ましいというか、そうしないと低炭素社会は到底実現できないと思っています。
ライフスタイルを自ら変えるとか、能動的に節電するとかというのは、どちらかというと私は最後の手段で、本当は人間にそこまで意識させないのが技術の役割。よく言うんですけれども、ライフスタイルの変換というのは技術屋の敗北宣言だと私はよく言うんですけれども、できれば個人的にはそんな社会でありたいなと思っています。

西岡委員長
今の件、村上委員のほうで何か、さらに再質問はございますか。

村上委員
そのサービスの定義が多分いろんな対象によって違ってくるわけです。先ほどあまり室内環境でいいますと、結構な満足度云々の話が。それは室内温度であって、環境水準だと思うんです。それに対してサービスとおっしゃったのは、消費されるエネルギーだと思うんですけどね。だから僕、今、住宅の部会でも議論しているんです。これから議論するし、今しているんですけど、サービスという言葉で民生に関わるエネルギー消費が全部等質的に説明でき得るのかどうかが、ちょっと検討したいと思っております。

赤井委員
ご意見わかりました。このあたり、昔も似たような作業をやったときに、いろいろ言葉の問題で苦労したことがあったんで、ぜひそのあたり、いろんな部会の方々も含めた、あるいはこの小委員会のメンバーの方々を含めて、事務局を含めてもう一度議論して、先ほどの藤野さんのお話にもあったように、いろんなことが整理しやすくなる方向で改良していきたいと思っていますので、ぜひまたお知恵をかしていただければと思います。

西岡委員長
安井委員お願いします。

安井委員
先ほどの資料1の「世界をリードするグリーン成長国家」でございますが、ここに書かれていることは、恐らく2年ぐらい前、多分6月ぐらいにできた新成長戦略の中に書かれているグリーンイノベーションとライフイノベーション、この2本を軸としてこれから先はやるんだ。それが多分引用されているんだと思います。
実際、絵を描くときに少し考慮したのは、先ほどちょっと物を申し上げましたけど、例えばR&D、要するに統括拠点みたいなものを日本において、それでつくるのは外かもしれないけど、最高水準の技術を日本から何か提供していくというようなときに、ちょっと諸外国のマインドと同じかどうか、今のサービスの話とも絡むんですけど、でも明らかに日本製品の持っている一つの性能として高効率というのは多分あるだろうと。
そういうことは、だから今まで社会インフラ云々であまり商売やれていないんだけれども、そういうところにいけば、ひょっとするとグリーン成長といったような形容詞で書かれるような種があるのかなとは、個人的には思っていますけど。
それが何であるかと言われると、例えば家なんかだと日本というのは確かにおっしゃるとおりであまり十分じゃないんですけど、それ以外の製品、例えば大野委員がいらっしゃいますけれども、ハイブリッドの技術なんかは多分世界に誇るものがあって、そういうものが世界に普及していき、それがプラグインになって、電池も多分日本でいいものができるというシナリオは書けるのかなとは思っているんですけどね。

村上委員
教えてほしい。「世界をリードするグリーン成長」、これは最初からあったんですか、この言葉。

低炭素社会推進室長
ありました。

西岡委員長
それではあとお2人の方、続けてお願いしたいと思います。それから大野委員が挙げておられますので、今日は部会の委員の方もいらっしゃって、発言を待っておられたので、ちょっと短目でいきたいと思います。よろしくお願いします。

山本委員
わかりました。わかりやすい説明、ありがとうございます。3点ほど教えていただきたいと思うんですけども、まず情報通信関係の産業がかなり電力消費ということで最近は伸びてきているので、その辺の動きをどういうふうに、この中で計算をされているかというところをちょっとお伺いしたいのと、それから、先ほどのCCSの2億トンということでしたが、毎年2億トンを処理する余地というんでしょうか、貯留するところがあるというふうに理解すればよろしいということでしょうか。
それから3点目が、シナリオの中でサービスブランド社会の中に入るのかなと思ったんですが、イギリスのように金融サービスである程度経済をやっていくというふうな姿があるとすれば、そこで考えられているのかというところを、ちょっとお聞かせいただければと思います。
あと2点ほど意見というか感想なんですが、昨年の秋に東京電力管内の電力消費がピークでいくと400万キロワットぐらい平均で減っておりまして、それは恐らく照明の見直しの要素は多分大きいんじゃないかなと思っておりますので、ライフスタイルの見直しというのもあるかもしれませんし、サービスレベルの満足度の見直しというのもあって、そういったことが3.11以降起きているので、そういったところが盛り込まれていくことも重要かなというふうに感じております。
それから冨田委員も指摘されていたんですが、こういったシナリオというか、技術が実際に実現できるような施策をどういうふうに、なるべく具体的に示していけるかということが重要かなというふうに感じております。以上です。

西岡委員長
どうもありがとうございました。渡邊委員。

渡邊委員
ありがとうございます。資料2「技術WGとりまとめ」の43ページに再生可能エネルギー発電導入ポテンシャルの量が書いてあります。2050年の再生可能エネルギーのトータル量が3億8000万キロワット。このうち、例えば太陽光と風力だけを合わせても3億2000万キロワットほどの数字になっています。
一方で、現状のピーク時の電力は約1億8000万キロワット、低負荷時だと多分1億キロワット弱だと思います。ここにあてはめると、2億キロワット程度の供給過多になります。これは、需要の能動化、バッテリー、水素による蓄電などを考えても、個人的には到底実現不可能ではないかと考えます。
これは、再生可能エネルギーを7000億キロワットアワー出すためには、逆算するとこれだけの容量が必要になる、というところから計算された結果であり、実現不可能ではないかと思っております。
再生可能エネルギーは、低炭素社会をつくる上で非常に重要であり、必要不可欠だと思っております。しかし、それは脱化石のために使う場合であって、脱原子力のためであっては、低炭素社会実現にはならないと思っています。逆に、再生可能エネルギーを入れるとバックアップとして、資料にもあるように、化石燃料を入れることが必要になるということもあります。
今回の2050年のシナリオに原子力が入っていないのですけれども、その結果、過大な蓄電を考慮せざるを得ないという試算になってしまったのではないかと思う。そんな無理なシナリオだけでなく、むしろ現状の技術で見通せる実現可能な、徹底的に安全を高めた原子力を活用するというシナリオも当然あってしかるべきではないでしょうか。
エネルギー環境会議からの宿題は、「原子力依存の低減」ということですけれども、原子力をゼロにしろということではないと思っております。ぜひ実現可能なシナリオをお願いしたい。
CCSについて、技術WGでは2億トン、マクロフレームWGでは3億トンという数字が示されておりますけれども、このそれぞれの制約は、回収にかかわる制約なのか、ストレージの貯留にかかわる制約なのか教えていただきたい。もっと増やせば当然ゼロエミッションになると思うのですが、なにか制約があって2億、3億に止まっているのだろうと思いお聞きさせていただきます。
最後にマクロフレームWGで、5つのシナリオをお示しいただいているのですが、Share(分かち合い社会)はちょっと違うかもしれませんが、結局MIJ(メイドインジャパン社会)以外は、製造業を海外に出して、国内のCO2を減らすというシナリオではないでしょうか。これはバウンダリーの問題で、日本国内の80%削減を達成さえできれば、製造業は海外へ出て、海外でどんどんCO2を出してもいいという仕組みでしかなく、望ましいシナリオだとは思えません。やはり世界的な規模でCO2排出量を評価しないと意味がないと思います。逆に、トップランナーの技術を日本の製造業が持続的に開発し続け、海外へ技術移転することを考える方がむしろ重要ではないかと思います。

大野委員
私もマクロフレームワーキングの委員になっているので、ちょっと質問しにくいんですけども、質問というか感想といいますか、一つ述べさせていただきます。
まず技術ワーキングの17ページに、温暖化ガスの予測、マイナス80%というのが出ておりますが、これを見ると、赤の産業部門が結構目立つんです。先ほどのご報告を聞いても、産業部門ってあまりCO2減らないんですというお話がありました。ですから2050年になると産業部門が多いなというふうに見ました。
そういう目でマクロフレームワーキングのほうの29ページの左側のエネルギーのほうの消費量を同じような目で見てみますと、5つの社会に対して、もちろんエネルギー消費違いますが、本当に大ざっぱな細かいところを無視して、はっと見た第一印象だけでいいますと、やっぱり赤の産業部門の差が5つの社会の差をほとんど、ほとんどというと言い過ぎですけれども、大ざっぱに言うと、赤の違いが全体の違いになっているような感じがしますので、両方の報告書を見ても、2050年の世界というのは要するに活動量が産業界の活動量で大体決まっちゃうと言っているような印象を受けまして。
今日は枝廣委員がいらっしゃらないのは大変残念なんですけど、枝廣さんにちょっとライフスタイルって本当に聞かないのかなというご意見をお伺いしたかったところなんです。大体そういう感じで受け取ってよろしいんでしょうかという、ちょっとお聞きします。

西岡委員長
どうもありがとうございました。やはり、これは赤井委員のほうから。

赤井委員
最初に山本委員のほうからの情報通信の増大に絡めてご質問がありましたけれども、ワーキングで議論して、ある程度はそこの、情報通信の増大に伴うエネルギー需要の増と、それに対して、技術でどこまで下げられるかという点については検討しました。
それから、2億トンのCCSなんですけども、貯留場所はあるのかどうかということなんですけども、具体的にこことここにあるからというような議論はしておりません。むしろ我が国はそこの調査、精査、評価というのがやはり遅れていると。オイルメジャーとかなんかが活躍しているヨーロッパとかアメリカなんかとはかなり状況が違っているかと思いますけども。ですから本当にCCS、2億トンは別としても、何千万トンとか1000万トンでもそうですけど、やるためには、きちんとした戦略的な調査が必要だろうというふうに考えております。
節電についてなんですけれども、前回か前々回か東京都さんのほうから、昨年の夏の節電のフォローアップ報告のようなものを聞かせていただいて、かなり効果があったということ。それから、それをシナリオにどう生かせるのかということについて、考えなかったわけではないんですけれども、やはりどれぐらいリバウンドがあるのか、そのあたりがもう一つわからない。
それから確かに照明なんか、ここの照明を見ても、すごいですけれども、本当にこんなに必要だとは思っていません。
これで真夏の環境省さんみたいに周りが真っ暗で、目の前だけLEDできらきら光っているような、どちらかというとあんまりいい労働環境とは言えなかったと思うんですけども、そんなのじゃない限り、ここまで照明は要らなかったなというのは、やっぱり自分でも感じているんで。そういったさっきの話じゃないですけども、豊かさ、満足度を落とさない形の節エネルギー、節電というのは可能だと思いますけど、そのあたりやはり定量的に考えようとすると、昨年あるいは今年もっと厳しいかもしれませんけども、そういったところからのレッスンをうまく反映していくことが必要かなと思っております。
それから、施策が必要だというのは全くそのとおりで、何度も話しますけれども、CCSについても全く施策的検討がなされていないというのが現状だと思います。
それからリニューアブル、確かに多過ぎるというご指摘わかります。結果では私はあまり前も議論したんですけど、こういったキロワットアワーだけで示すというのはよくなくて、本当はキロワットとのバランスできちんと示さなきゃいけないんですけど、そのあたりが需給調整力とのバランスについて詳細な検討がまだここでできていないんで、ここでは一応もうキロワットアワーだけでサービス量を満たすだけのワットアワーを確保するための量を積み上げたということで、示してあります。需給調整とか、要するに負荷を考えた上での分析等は、また別途、別のところでもやっておりますので、そういったことをご報告できる機会もあるかと思っております。
それからCCSについては、貯留量の制約とかいうことは設けておりません。むしろある程度、大型の排出源からだけ回収できるとして、唯一かけている制約はそれだけです。ただ個別に技術で見ますと、例えば製鉄所から何百万トン出ているといっても、その何百万トン全部とらえられるわけでは、プロセスを考えるとそんなことはありませんので、この辺の現実性についてはもっと詰めた議論は必要だと思っております。
それから大野委員の産業からの排出量がどうしても多くて目立つというお話、まさに私も報告の中でも申し上げましたように、目立ってしまうんですけれども、先ほど言いましたように、さらに産業部門のゼロエミッション化を進める方策というのを考えないと、ここがいろんなところにプレッシャーを与えてしまうという気がします。
以前に荻本さんとなんかと別のところでやったときには、2050年ではなかったんですけれども、タイムフレームは別に重要じゃなくて、産業のところ6割、7割のエネルギー削減をしないと、いわゆる省エネをしないと、低炭素の技術の組み合わせをもってしても、なかなか難しいねという議論はしたことがあります。
それからちょっと戻りますけれども、原子力のご指摘がありましたけども、私個人的にはいつも原子力についていろんな講演で質問されると、私は人類は原子力をちゃんと使いこなせるぐらい賢くなってほしいというのが私の持論で。ただ、今それを完全に使いこなせるだけ賢いかどうかというと、若干疑問はあるんですけども、どちらかというと技術至上主義かもしれませんけども、原子力ぐらい使いこなせよなというふうに、私は言いたいと思っております。以上です。

西岡委員長
安井委員、お願いします。

安井委員
まず山本委員からサービスブランド社会のときにサービスの具体例として金融は考えているかというご質問でございましたが、答えは残念ながらあまり特定のサービスというものを考えてモデルにしたとかなんとかということでは全然なくて、ありそうなものを挙げてみた。特出しとして金融サービスを述べていないのは、どうも日本の金融機関というのはあまり日本全体を食わせるほどの勢いにならないんじゃないかという、そういう単なる推測でございます。ですから、はっきり言えば検討していないと言ったほうがいいかもしれません。
それから渡邊委員から、MIJ、メイドインジャパンシナリオ以外は、まさに製造業を海外に出すことで、要するにバウンダリーを変えただけじゃないか、実際そのとおりでございます。ただ、そのとおりかどうかということなんですけども、ほうっておいても何かそんな傾向があるんじゃないかという臭いがします。
というのは、お示ししたところの排出量の計算のところに、例えば25ページに、一番高排出量に産業といっても組み立て産業はそれほどでもないので、やはり素材産業がその大部分だということになりますと、粗鋼、これがやっぱり一番大きいなというのが一つと。あとセメントはどうしても燃料だけじゃない、原料起源のCO2もありますし、というようなこともありますが。
例えばエチレンの生産量に関しては、新聞発表等ででもかなりどうも先、ここまでいかないんじゃないかなと、ほうっておいても。永里委員から後でコメントいただきたいぐらいなんですけど、そんな気もしているという。メイドインジャパンが進行したとしても、ここまでいかないんじゃないかというような気もしております。
そういうことをどう見るかというのは、本当に難しいんで、これだからポリシーとして動かせというよりも自然になるんじゃないかなという気もするということと。
それからあとバウンダリーを外に動かしていく、外と言いますか、製造業を外に広げていくというのは、地球全体の人口を考えたときに、やっぱり途上国の産業をどういうふうに育成するかというのはすごく重要な話で、それをちゃんとした産業社会をつくってあげないと人口が増えちゃうんです。ですからそのあたりを考えたときに、やはり日本というバウンダリーだけじゃなくて、そういうグローバルなバウンダリー、特に人口問題みたいなものを含めて、少し広範な視点を持ちたいかなという気は感想としては持っております。
また、大野委員にも今、お答えしちゃったような話なんですけど、要するに産業部門の活動量、特に素材産業の活動量で、もう決まります。それでいいと思います。

西岡委員長
どうもありがとうございました。残り時間があまりなくなってしまった。みなさま、ちょっと短くしてください。このままだと時間オーバーしてしまいますので。対応のほうもありますので、これもまとめて一巡お伺いしていますので、ちょっとメモのご用意をお願いしたいんですけども、こちらから行きましょう。及川委員から。手短にお願いします。

及川委員
この論議の大前提をまず確認しておく必要があると思うんです。それは地球温暖化、産業革命以降の温暖化を2℃以内に抑えるというのが、一つ大きな前提としてあると思います。そしてその2℃以内に抑えるためには、大気CO2濃度は470ppm以下に抑えないとだめなんですね。そういうことがありますので、日本でCO2の排出量が少なくなっても、外国で出していたらば全く意味がないということを、まずしっかり認識しておく必要があるのではないかというふうに思います。
それで、今日伺った二つのワーキンググループでの話で、あまり出てこなかったこととして、森林吸収のことが、バイオマスエネルギーですか、ちょっと関係をすると思いますけれども、出てこなかったように思うんです。それで今年2012年は京都議定書の第一約束期間の最終年度に当たっていまして、日本が6%削減しなければならないと。そしてそのうちの50%以上の3.8%が森林吸収で賄うということになっているわけです。
ですから、2050年に80%削減するといいましても、当然、森林吸収がかなり大きなウエートを占めると思うんですけれども、その辺どういうふうにお考えになっているのか、それをお伺いしたいと思います。

西岡委員長
どうもありがとうございました。今の件、ちょっと森林の件ですけれども、私の理解では、これは部会のマターだということになっている。そうですね。

低炭素社会推進室長
はい。吸収源、あと国際貢献につきましては、地球環境部会のほうで直接ご議論賜ればというふうに思っております。

及川委員
でも80%削減するというときに、その辺の論議に入ってこないと成り立ちにくいんじゃないかと思ったんですけれども、いかがですか。

低炭素社会推進室長
今回につきましては、国内の排出源削減について長期・中期についてご議論いただきまして、そのご報告をしたということですので、それも含めて部会のほうで吸収源、そして国際貢献分も含めて、部会のほうで直接ご議論賜りたいということです。

西岡委員長
そういうことになっていますので。

及川委員
はい。よくわかりませんけど。

西岡委員長
進藤委員。

進藤委員
手短に申し上げます。今聞けば聞くほど、コストをはじめとする経済的なフィージビリティ、それから原発、CCS、リニューアブルの規模、これらの実現可能性というのはなかなか難しいと思うわけです。これらのシミュレーションを、2050年をねらってやるとなると、この程度の分析が限界で、これ以上はできないということだと思います。それから先ほどの5つの社会像も、かなりきちんと整理されているんですけども、何となく国民の中にこの5つの社会像、モデルがみんな分散していて、それぞれの人生観で生きているということなんだろうと思うわけです。
一つ申し上げたいのは、これも部会のほうで議論させてもらいますけども、2050年80%削減というこの目標の性格です。これをどういうふうにとらえるのかということなんです。細野大臣の発言も「長期目標を視野に入れる」という、非常にうまいことを言っているんです。「我々は忘れていないよ」と。例を言うと「恒久平和」というのは大事だから、平和を追求します。しかし現実はいろんな所で紛争が起きていますというような種類の理想であり、そういう意味での、「坂の上の雲」だと。そこを目指していくという「坂の上の雲」なんだという意味の目標であって、今この40年先をこういうことをやれば何%減る、という検証できるような目標ではないと思います。それから、先ほど産業の話がありましたけど、TPPになったらどこへ投資しても同じことになります。そういうようなことも含め、随分変わってくる中で、2050年日本で80%減らそうということを緻密に議論することが、どういう意味があるのかということです。私は、聞けば聞くほどそういう感じを持ちました。これはコメントであります。

高村委員
ありがとうございます。2点でございます。ワーキング作業、非常に大変な作業、非常にありがたい資料をいただいたと思っておりますけれども。何人かの委員からもありましたように、80%の削減の可能性が、少なくとも技術的にはあるということが見えたということが、一つの確認ができることではないかというふうに思います。
特にやはり、今2020年、30年の目標を議論をしていこうとして、さらにそのための施策を議論しようとしているときに、どうしてもやはり、その目標に向けて努力をしていくときの、通っていく道筋を考える、あるいはインフラをきちんと、そうした長期的な方向に向けて転換をしていくという意味では、長い目の視野が必要だという意味で、その展望というものが明確にされたのは、非常に重要だというふうに思っております。ただ他方で、具体的な施策、方策をこれから詰めなければいけないというのはそのとおりだと思いますので、その点をぜひお願いをしたいという点が1点であります。
二つ目は、これは質問でございますけれども、赤井委員のほうからご説明があったところで、16ページのところの再生可能エネルギーの、この見積もりの想定を教えていただきたいというのが一つでございます。先ほどCCSも想定を伺いたかったんですが、先ほどやりとりの中で大規模排出源からの排出に関してはCCSということで、むしろ技術的ないろんな制約のことよりは、そういう想定で見積もられているというふうに私は理解したんですが、そのCCSの想定もそれでよいかという点について伺えればと思います。以上です。

中上委員
前回までは原子力というシナリオが残っていて、対策を出していたと思いますが、それとの比較がどうなったのかちょっと見たかった。今日それが明示的になかったものですから、どこが大きかったのか。
明らかに出ているのは、CCSに非常に大きなウエートがかかっているということですが、これはCCSが駆け込み寺になっているんじゃないかと。いきなり2050年でぽこっと出るわけじゃないんでしょうから、今からやっていって相当の準備をしなきゃいけないはずですから、それに至るプロセスとして、いささかちょっと心もとないような気もしましたので、その辺をお伺いしたい。
それからもう1点は、膨大な自然再生可能エネルギーが入ることについては、それは全くウエルカムだと思いますが、今のようなフィードインタリフがあるわけじゃないでしょうから、こういう時代になったときに。果たしてそういったときにグリッドに、自分ちの屋根に乗っているものがみんな出てくるのかと。それはどういうふうな需給になるのかなと、私いつも気になっているんですが、そういうことはどこかで議論するのでしょうか。幾つかありますが、とりあえず二つだけ。

永里委員
感想を申し上げます。こういうシナリオは、短期間に出すためには大胆な仮定を置かなきゃいけないというのはよくわかります。で、アウトプットを早くするためにはそういうことをせざるを得ないんですけれど、コストについては考えていないというようなご発言があったような気がするんです。
それでそう考えますと、例えばエネルギーコストもそうですし、それからこの社会それぞれの社会がありますが、社会コストというのもあると思うんです。その場合に産業はそういう種々のコストの中で成り立つんだろうか、日本国内で。というようなことまで響いてきますんで、あまり仮定を置かなきゃいけないんだけれど、その仮定のコストの部分なんかがはっきりしないと、本当は答えが変わってくる可能性がある。
例えば、先ほどちょっと安井先生からもご質問が振られましたけど、まさしくエチレンはこんなことはないんです。もうはっきり言ってエチレンの原料は石油ですから、石油が日本から出ない。いろいろあるでしょうけど、そういうことはさておき、石油から出てくるような、こういうきわめて汎用的なものは日本ではもう成り立たなくなっていると思います。
それは私も化学工業界にいる人間からの一つの答えなんですけれど、いずれにしましてもコストとか、あるいは社会コストが幾らかということがわからないと、逆にこのシナリオそのものが、ガラガラっと変わる可能性があるんじゃないかということを、ちょっと私懸念しております。以上です。

原澤委員
2050年に80%削減を技術でできるというのを示したのは非常によかったと思うんですか。それで、途中段階の2020、2030年では、やはり本当にそれの技術だけでうまくできるのかというと多分難しい面が出てくるかと思うんです。その際、昨年の夏の省エネ、節電といったものもやはり技術とは少し離れた段階ではありますけども、検討されたほうがいいんではないか。具体的には政策的な誘導ですとか、制度の問題とか、技術とそういったソフトな対応策みたいなものは20、30といったようなレベルでは非常に重要になってくるんではないかと思うんですが、こういったことはこの小委員会の中で、どこでちょっと扱われるのかというのが1点目です。
もう一つは、最近ですと省エネ法の改正だったと思うんですけど、ピークカットと総消費量の両方を扱うような話にいっているんじゃないかと思うんですけど、今回お示しになった技術体系というのは、ピークカットでも適用できるのか、あるいは省エネといいますか、適用できるのか、その辺、もしそういったピークカットが全体の総量の削減なのかで、もし技術的に違うことがあれば、ちょっと教えていただきたいというのが二つ目です。

森嶌委員
今まで部会の委員の方のおっしゃったこと、全部援用をいたした上で、二つあります。
一つは、これはここは技術の検討をしていただいた上で、政策のオルタナティブを検討するわけですけれども、政策というのは実現可能かどうかということを検討しなきゃならないわけですが、それはやはり、その政策がフィーザブルかどうか、つまりコストがどれだけかかるか。技術的に可能であっても、高ければ社会的に動かないわけですから。
-その意味では2050年のコストはともかくとして、ここでは2020年、2030年にどういう政策をしなきゃならないかということは、いずれやらなきゃならないわけですから、そこでこの今のワーキンググループは、ぜひとも2020年、2030年に、2050年に今まで大丈夫だとおっしゃったことを、2020年、2030年には、その技術がどの程度まで可能なのか、そのときのコストがどうなのかということ、ある程度ですよ、もちろん。先ほど永里さんがおっしゃったように、これはある程度大ざっぱになると思いますけれども、それを示していただきたいということが一つです。もっと細かいことを言いたいんですけど、時間がありませんから。
2番目。これは中上さんがおっしゃいましたけども、いろいろ受け止め方はあると思いますけれども、原子力政策について今変わるのか変わらないのかはともかくとして、現に変わっています。だとすると、この中にそれがどうも読み込まれていない。そこで変わらなければ、3.11の前のままであれば、このままでいいんでしょうけれども、この図を見ても全然変わっていないわけです。
ところが変わったら、これはどう変わるのか、全然。変わってもこのままでいいのかどうかというのは私にはわからないんですが。変わった場合を想定した計算というのはしておられるのか、しておられないのかわかりませんけれども、やはり今後政策が変わった場合にどうなるのかということはやはり、技術的にも、あるいはサイエンティフィックにもやっておく必要があるのではないか。
そうでなければ政府が今後に政策を変えたとしたときに、慌てて、ガラガラとそこでひっくり返さなきゃならないということになりかねないので、ぜひともそれはワーキンググループで、いろいろな場合を想定して、その場になって想定外とならないように、原子力政策についての変更、私はされるんだろうと思いますけれども、される場合のことを想定して、シナリオをもう一度考えていただきたいと思います。

横山委員
2点申し上げたいと思います。1点目は皆さんからも出ましたが、CCSで、私もCCSはある程度やらざるを得ないし、やってほしいと思います。一方でこれに対しては、大変なエネルギーを使うということと、漏れてきたらどうするんだという意見は、かなり根強いわけです。
それで、極端にいいますと、これまでの削減計画というのは原子力に頼っていた、稼働率何%、あるいは新増設を何基だと、それが全部崩れてしまったわけで、それと同じように2億トンもCCSに頼るということは、非常に危ういような気がしてですね、原子力と同じようなことになってしまうようなことについては、どういうふうにお考えになるのかということを説明していただければと思います。
それから2点目は、説明にはなかったんですが、これを見てると大規模自然災害をかなり意識した表現になっているんですが、これについてもう少し説明していただければと思います。以上です。

西岡委員長
どうもありがとうございました。今の意見は、幾つか部会の委員のほうからのご意見でございますけれども、部会で論議する点もありましたし、今ここの小委員会のほうのメンバーの作業の中で答えられるところがございましたら、ご返事いただきたいと思いますけども、赤井委員のほうで。

赤井委員
不十分かもしれませんけども、なるべく簡単にお答えします。
まず技術に関わるところで、高村委員のリニューアブルの想定なんですけれども、環境省さんが別途やられた再生可能エネルギーの賦存量調査の最大ポテンシャルに対して、どうしてもいろんな規制があって設置できないところを除いた、もう目いっぱいの数字です。それを想定しています。
それから、CCSについては先ほどお答えした内容でご理解のとおりで結構でございます。
それから、中上委員だったかと思うんですけども。昨年の原子力ありのシナリオとどう違うのかというお話だったかと思うんですけども、昨年はこの技術ワーキングって動かしていなくて、こういう観点からの分析というのは、昨年はやっていなかったんで、そのあたり、この小委員会全体で2050年の分析というのを、国環研さんでやられていますんで、そのシナリオと今回のものと、直接はつき合わせは難しいかもしれませんけれども、ある程度作業が煮詰まったところで、比較評価というのはしてみるべきかと思っております。それは後でいただいたコメントにも関わる話ですけども。
それからソーシャルコストの話がありました。それを含めたコストのお話がありましたけれども、ソーシャルコストをどう見るかというのは非常に技術について難しくてですね。例えば、いろんなところで温暖化のコストでCO2についての安全をポコンと載せたような、これでソーシャルコストだとかいう議論もありますけども、さらにバイアスをかけないでいくためには、いろんなところで、例えば何百基という風車が建っているところで、景観のダメージのコストをどう考えるかとか、そういったことを本当にフェアに取り込もうとすると、それはそれだけで物すごいプロジェクトになるんで、そのあたりは、例えば日本ではほとんど、かなりその辺の研究は遅れていますんで、海外の結果を持ってきてやるということは可能かもしれませんけれども、それよりも多分直接コストを、まず検討するということが、今回の技術ワーキングで検討した結果として、次のプライオリティは何かということだと、直接のコスト、まず目に見えるコストを分析するということが大事かなと思っております。
それから2020年、30年は最初の環境省さんからのご説明にもありましたように、ちょっとこの2050年のものとアプローチが違いますんで、そこは2020年、30年、次回以降各ワーキングからのご紹介をいただいた後で、全体としてその整合性をとる中で2050年のものもインプットして、統合していければいいかなというふうに思っております。
それから、いろんな技術体系でピークカット、ピークカットも一部マスコミで簡単にいろいろ言っていますけども、そういうものが必ずしも効果があるかどうかという議論も含めて、個別の技術でそういう、要するにいわゆるピークカットという、俗称で言うものに対して使えるのかどうかという評価もあってもいいかというふうに思っております。
それから20年、30年の技術とコストの関係については、先ほど述べさせていただいたとおりです。原子力政策、変わっていないんではないかというお話だったんですけども、今回、技術ワーキングからお見せしたものについては、CO2削減という意味では一番厳しい原発ゼロというものを、まず想定して作業をしたというふうにご説明したとおりでございます。
別途いろいろエネルギー政策について経産省ほかで議論されておりますので、そこの具合を見ながら、こちらでも必要に応じてシナリオを、バリエーションを持たせた分析もする必要とあればやることになるかというふうに思っております。
CCSをラストリゾートとしたようなシナリオは危ういんじゃないかというご指摘ありましたけれども、私もまさに本当にそう考えております。本当にある程度の量を緊急避難的にやるのは、本当に国際公約として、国内的にもきちんとした政策のもとで、例えば2030年、40年ぐらいには何千万トンとか、2億トンでもいいんですけども、やるとしたら、その前にやっぱり国がやらなければいけないことはたくさんありますし、先ほどのペナルティの話とか、リークという意味での安全性の話、それが実際に起こらないとしても、パブリックパーセプションの点からするとやっぱり漏れるんじゃないかとか、地震が起きたらどうなるんじゃないかとかいう疑問は必ず出てきますので、その辺に対してきちんと真摯な答えを用意するだけの努力はしないといけないと思っています。また、ここで安全神話をつくってしまっては元も子もないと思っていますんで、そこは科学者もそれから政策担当者も真摯に今のご意見は受け止めるべきだと思っています。
それから、最後の大規模自然災害を意識しているというお話が、ちょっとわからなかったんですけれども。

横山委員
大規模自然災害が起こった場合でも云々というのが、いろんなところに出てきますけれども、プラスマイナスのところなんかです。

赤井委員
ちょっと私から一つ言わせていただきますと、例えばエネルギー供給なんかを考えていて、私はやっぱり今気になっているのは、次の大震災というのが、もういろんなところで話題になっています。何十年以内に起こる確率が7割だとか、本当にそれに備えるエネルギーのシステムって考えておかなくていいのかというのが、今回は低炭素化というのがミッションなんですけども、本当はそういう備えもした上での低炭素化というのを考えなきゃいけないんじゃないかと私は思っています。あとは安井先生お願いします。

安井委員
今の大規模大震災の話等は、実を言うとあまり考えていないというのが実態で、それで、議論の中では、今の赤井委員のおっしゃったとおりで、どこかで考えなきゃいけないんだよという意識は持ちながらも、残念ながら、こちらのマクロフレームのほうには、そんなに明示的には組み込んだつもりはないんです。もしそう読めてしまったら、多分それは表現がよくないかもしれません。むしろ考えていないに等しいかなという気がいたします。
それで、ほかのことに関しましては、あまりお帰りになったこともあって、コメントをするようなこともないんですけど、ただ中上委員がおっしゃった前回の原子力があったときのシナリオの差ということは、実を言うと出せば出せるんです。最後、去年の今ごろのデータをお示しすればいいんです。去年の今ごろ持っていたデータとのこの違いというものを、多分出せば非常に明示的に書かれているので、それは簡単だと思いました。
それから、あとは中上委員がおっしゃったことの一つは、再生可能エネルギーをこれだけ入れると、2050年で電力グリッドどうなっているのよと。これに関しても、やっぱり本当言うと若干の検討はしていて、荻本さんとかいろんな話をいろいろやっているんですけど。一つの考え方としちゃ、とにかく現状のグリッドの技術の延長線上でぎりぎりもつかもしれないという感じですかね。それが荻本委員のご意見なんですけど。
私の言い方は、もうそこまでやるんだったら、もうゼロからグリッドつくり直すぐらいのつもりでやらなきゃだめと言っちゃったほうが早いんじゃないかという気もしています。そのあたりは2050年といえ、よくわからないと私は思っています。

西岡委員長
どうもありがとうございました。事務局のほうで何かございますか。

低炭素社会推進室長
コストの検討につきましては、次週以降2020年、2030年の対策につきまして、各ワーキンググループからの報告を一通りいただきまして、それらを統合した形で選択肢の素案というものを形づくってまいります。その後に経済モデルなどを活用した分析につきまして研究者、研究機関の方々に計算をいただきまして、お示し、議論をしていただきたいというふうに思っております。

西岡委員長
どうもありがとうございました。本日は非常に熱心なご議論いただきまして、誠にありがとうございます。これで議論の点は終わりたいと思います。
次回の日程ということで、事務局のほうからお願いします。

地球温暖化対策課長
次回日程につきましては、2月27日の開催でございますが、詳細につきましては追ってご連絡を差し上げたいと思っております。またいつものことですが、議事録につきましては事務局でとりまとめた後に、委員の皆様へご確認いただきました後に、ホームページで掲載、公開させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

西岡委員長
どうもありがとうございました。最近世の中にあまりビジョンが示されないというのがむしろ問題のところがありますので、将来こういうビジョンが一応書いてみて、その範囲でどれだけ動けるかということを検討したという、私はそう考えております。今後は2020年、2030年に向けて、しっかりしたものを書いていきたいという具合に考えております。どうもありがとうございました。

午後 6時13分 閉会

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