中長期ロードマップ小委員会(第19回) 議事録

日時

平成22年12月21日 13:01~16:10

場所

東海大学校友会館 阿蘇の間

議事内容

  1. 1.開会
  2. 2.議題
    1. (1)中長期ロードマップ小委員会におけるこれまでの議論のとりまとめに向けて
    2. (2)その他
  3. 3.閉会

配付資料

資料 中長期の温室効果ガス削減目標を実現するための対策・施策の具体的な姿
(中長期ロードマップ)(中間整理)(案)
参考資料1 中長期ロードマップを受けた温室効果ガス排出量の試算(再計算)
参考資料2 経済モデルによる経済影響分析
参考資料3 地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ各WGの現時点のとりまとめ
参考資料4 低炭素社会の実現に向けて(仮訳)
(低炭素社会国際研究ネットワーク 第2回年次会合 統合報告書)

午後1時01分 開会

○地球温暖化対策課長 お待たせいたしました。定刻を過ぎましたので若干遅れていらっしゃる委員がおられますけれども、ただいまから中央環境審議会地球環境部会中長期ロードマップ小委員会の第19回目の会合を開始させていただきます。
 本日は前回のご意見を踏まえまして、小委員会としての中間整理案というものをご用意いたしました。これについてご議論いただきたいと思っております。
 本日の出席状況でございますけれども、三村委員から欠席というご連絡をいただいておりますけれども、ほかの委員の皆様からご出席といただいております。屋井先生はちょっと遅れていらっしゃるというご連絡をいただいております。
 本日の審議はこれまでどおり公開とさせていただきます。笹之内委員がご欠席でございますけれども、説明員といたしましてトヨタ自動車株式会社環境部、担当部長の大野様にご出席をいただいております。
 以降の進行は、西岡委員長にお願い申し上げます。

○西岡委員長 どうもご参集ありがとうございます。議事を務めたいと思います。
 まず、資料の確認をお願いいたします。

○地球温暖化対策課長 机の上に膨大な資料を置いてございますが、今日は、資料としては1つだけでございます。番号はございませんが、中長期ロードマップの中間整理案というものがございます。それから、参考資料1といたしまして、国環研に作成いただきました温室効果ガスの試算(再計算)というものがございます。参考資料2といたしまして、これは薄いですけれども、経済モデルによる経済影響分析というものがございます。それから、資料3、これは番号はございませんが、800ページ以上のもので、これは各ワーキングの現時点のとりまとめということで、これはこれまでこの小委員会でもご報告いただきました各ワーキングのパワーポイントの資料とそれからワードでつくりました説明資料、これを全て合わせたものでございます。これにつきましては、大部でございますので傍聴の皆様につきましてはお配りしてはございません。後ほど、ホームページにアップいたしますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、これも番号がございませんが、参考資料4といたしまして、西岡座長から提供いただいたものでございますけれども、低炭素社会国際研究ネットワークの第2回年次会合の報告書(仮訳)というものをつけさせていただいております。
 資料が大部でございますので、会議終了後、机の上に残していただければ、皆様のご住所のほうに郵送いたしますのでお含みおきください。
 委員の皆様につきましては、別途、今日ご議論いただきます中間整理の本文のほうを何度かメール等でやり取り、ご説明させていただきましたけれども、12月15日時点で一度各委員にご紹介をいたしました。そこから変わった部分がわかるような形の見え消しのものもご参考までにお配りしております。何か過不足がございましたらお申し出ください。以上でございます。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 資料については、目に十分入ると思いますので大丈夫だと思います。
 今日ですが、中間整理ということで、いったんここでまとめということで節目の会合でございます。まず最初に、10月15日から国立環境研究所のほうでAIMプロジェクトチームの技術モデルの試算が行われておりますが、それに変更がございましたので、それにつきまして、藤野委員からご紹介いただきます。その後で、この中間整理案、赤い字で書いてございますけれども、これについてご議論いただきたいと思います。
 それではまず藤野委員のほうから修正部分について、10分ぐらいでお願いします。
 資料は参考資料1ですね。

○藤野委員 まず、最初に11月25日のときに、直情的に発言しましてご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。それが今回の資料にもしつながっているならば少しは役に立ったのかもしれませんが、本当に申し訳ありませんでした。今日はやるつもりはないんですけれども、中身がひどかったらやるかもしれません。
 参考資料1をご説明させていただきます。表紙がありまして、12月21日、再計算です。
 開けていただけますでしょうか。
 2ページ、3ページは、基本的に変わっておりません。目的、意義です。
 4ページ、5ページ目に姿が書いていまして、6ページ目に、要素が書いてあります。7ページ目が一部変更があります。ここでは、モデル分析を通じて試算されたということを中心に文章を変更しました。ちょっと曖昧でして、いかにもこのシミュレーションだけで15、20、25ができるというふうに書いてありましたので、これはあくまでもモデル分析を通じて試算されたということを書かせていただいています。
 8ページ、9ページ、モデル群を使ったモデルです。9ページ目が全体のプロセスを書かせていただいておりますけれども、2010年3月26日に1回とりまとめをして、それ以降またワーキンググループを中心にして、もちろん小委員会でのディスカッション等もあって、常にブラッシュアップしてきて、やっと今日の12月21日に辿りついたということです。
 10ページ、11ページ、モデルの役割、今回使ったモデルが書いてあります。
 12、13、14、15ページが、2050年の姿を書いています。16、17ページも2050年の姿を書いています。一部手直しがありますけれども、基本的に説明していることは前から基本的には変わっていません。18ページ以降、2020年及び2030年の排出量推計の前提を書かせていただいております。
 この中で、特に20、21ページがマクロフレームのところを書いていまして、22、23ページとその想定の違いと書いていますけれども、特に23ページ目の(3)化学部門における対策技術というところで、別途化学の専門家の方からご意見をいただいましたので、こちらの見直しを行っています。
 ちょっと先に行っていただいて、24、25、26、27ページというのは基本的にそれほど変わっていないんですけれども、特に29ページ目で、自動車販売平均燃費改善率、こちらのほうも自動車ワーキンググループ等とのディスカッションで一部修正をさせていただいています。
 30、31、32、33ページ、そうやって想定の修正を行いました。34ページ目からは、そういうことをやってどういう結果になったかということですが、36ページ目に全体の15、20、25の考え方なり、想定したことを書いています。
 37ページ目ですけれども、そういう修正をしたことで、20%削減ケースと呼んでいたものについて、マクロフレーム固定ケースでは、19%で、20%まで辿りついていないということですが、それ以降無理して、ほかのところを変えて数字を調整することはやらなくて、主に2つのところを修正すると19になりました。38、39ページとほかの直接排出量とエネルギー需給を書いています。
 40ページ目を見ていただきますと、マクロフレーム変動ケース、つまり炭素税がかかったら、産業活動なりマクロフレームが変わりますよねというケースでやると、20%と呼んでいるものは21%になりますから、ちょっと名前はそのままに20%ケースということにさせていただけたらと思っています。そして、41ページが、2030年、42ページがほかの削減量の結果を示しています。
 44ページ目以降は、需要サイド、供給サイド、もうちょっと各部門でわかりやすく46ページ目以降は産業部門とか家庭部門の姿。48、49ページは、業務部門、運輸部門。50ページ目は、非エネルギー部門。51ページは、エネルギー供給部門、再生可能エネルギーの姿を数字はそれぞれ修正していますけれども、全体で言いたいことは前から変わっていません。
 52ページ目に、発電構成が書いてありまして、53ページからは削減費用と削減量との関係を書いています。54、55ページと削減費用のカーブを書いていますけれども、一部そういう意味で数字は一部修正されています。
 そして、56、57ページ、こちらのほうは伴先生にも10月15日に表現等をご指摘いただいて、それを修正しました。平均費用は全体の見直しによって一部数字が変わっています。
 58ページ目以降、投資額のところですが、一部数字が変わっていますけれども、全体の傾向は変わりません。60ページ目には、追加投資額とエネルギー削減費用との関係を書かせていただきました。これはあくまでも10年間の累積額ということで、97兆円というと1年かかるというふうに、国家の使っているお金より大きくなるんですけれども、そうではなくて10年間なので平均すると10兆円とかそういうことです。
 61ページ目以降、2050年のバックキャストの考え方を示しています。62、63ページでその考え方で、64、65ページで結果を示していますけれども、これも前から基本的には変わっていません。
 66ページ目は、必要性というか67ページ目のところで投資回収年数の考え方によって削減量と削減費用が変わるということを示させていただいております。
 68ページ目は、それに対してどういう政策をとったらいいのかというご提案ですが、これは各ワーキンググループでさらに詳細を詰めています。
 69ページ目は、原子力発電の話で、こちらのほうは各委員からも是非書いたほうがいいということもあって残しています。70ページ目は、同じく原子力の話です。71ページは、マルチベネフィットの話ですけれども、これはコンセプトでいかに定量化するかということがまだ課題として残されています。72ページ目がまとめで、73ページ目に今回のモデル分析を通じて明らかになった点、これは最初に説明させていただいたものをそのまま載せています。
 74ページ目以降、参考資料、ほかの各部門が具体的にどういうふうになったのかを示しています。
 75ページが鉄鋼。76ページがセメント、化学、紙パルプ、業種横断を示しています。こちらは前とそれほど変わっていないと思います。
 80ページ目以降、住宅の省エネ性能が具体的にどういうふうに変わっていくのかということを住宅なり建築物、高効率給湯器がどうなるのかということを示させていただいています。
 83ページは、その後、機器の性能がどうなるのか。一部、安井委員のほうから、いまだに見たことがない効率という指摘もありましたけれども、そちらのほうは適宜見直せるところは見直していますけれども、基本的なところは前から変わっていません。
 取り組みが、84、85、86、87、88、89、90ページまであって、91ページは炭素隔離貯留です。25%ケースのときだけ440万トンCO2をやるということを書かせていただいています。
 そして、92ページ目から95ページ目までが具体的な排出量、発電設備、発電電力量の数字を書かせていただいています。96ページ目に、再生可能エネルギーの導入量を書かせていただいております。
 97ページ目は、第14回の中長期ロードマップ小委員会のときに前の資料に対していただきました主な意見を書いていまして、修正したところは「表現修正」などと書いています。
 98ページ目、99ページ目がモデルの概要です。
 そして、100ページ目ですけれども、問い合わせ先としまして、電子メールでお願いしたいんですけれども、何かありましたら私のほうのアドレスにお願いします。本試算に当たって、中央環境審議会地球環境部会中長期ロードマップ小委員会の各委員、7つのワーキンググループの各委員、オブザーバー、事務局初め数多くの方々のご知見とご尽力をいただきましたことをここに記し、感謝の意を表します。なお、本資料の責任は全て国立環境研究所AIMプロジェクトチームにあります。
 サブワーキンググループとかもあって、ちゃんと正しくこれで表現が読み取れるかはありますけれども、本当に皆さんの多大なご知見、ご尽力、我々はまとめる係で、十分にまとめられたかという反省はありますけれども、力の限りまとめた結果がこういうふうになります。その先に対策導入量の根拠資料とか、バックキャストの考え方を資料として含めさせていただいております。説明は、以上です。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か特段のご質問はございますか。
 皆さんのご意見を入れて修正した結果、大勢としては結果は変わらないということでございますけれども、よろしいですか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして次の議題ですけれども、本小委員会の中間整理案ということで、お手元に赤い字で委員皆様のところに見え消しを用いまして、これを用いまして事務局のほうから一通り説明してもらった上で、各委員からご意見をいつものようにいただきたいと思います。
 もし、時間がありましたら、この委員会、今年はこれで最後ということですので、中長期の温暖化対策、全般につきまして一言ずつ、もしご意見がありましたらいただければ幸いと考えております。
 それでは、まず事務局のほうから中間整理案についての説明をお願いします。

○低炭素社会推進室長 では、資料に基づきまして中長期ロードマップ中間整理案をご説明いたします。
 お開きいただきまして、2ページ目から、はじめに、ということでございますが、こちらにつきましては、11月25日にお示ししました前回の資料をコンパクトなものにしたというものでございまして、温暖化対策の重要性、また25%削減、80%削減がどのようなところで発表されて位置づけられているのかということを簡単にまとめたものが1章でございます。大きな変更はございません。
 おめくりいただきまして、3ページ目でございますが、こちらの2章は新たに編集した部分でございまして、こちらにつきましては、本小委員会の目的と基本的な考え方を改めて掲示したというものでございます。
 1パラグラフ目は、中長期ロードマップ小委員会の設置についてということで、今年4月に地球環境部会が決定いたしました内容を改めて書きまして、この委員会の目的を明確にしたということでござまして、我が国における中長期の温室効果ガス削減目標を実現するための対策・施策の具体的な姿、これを中長期ロードマップと呼び、それについて幅広い関係者からの意見を聴取し、その結果も踏まえ、中長期ロードマップの精査を行うというものでございます。
 2パラグラフ目は、その決定をするにあたりまして、地球環境部会でどのような議論があったのか。また、第1回目の本小委員会でどのようなご議論をいただいたのかということを簡単に取りまとめてございます。
 3パラグラフ目は、前回の資料で提示いたしました本委員会の基本的な考え方というものでこの内容は変わってございません。
 4ページ目でございますが、3章といたしまして検討プロセスということで、これまで小委員会がどのような検討を行っていただいたのかを簡単にまとめております。
 まず、1パラグラフ目にはどのようなヒアリングを行ったのかということで、37団体からのヒアリング、また全国での国民対話、パブリックコメント、こういうもので意見を聴取したということが1つ目です。2つ目のパラグラフでは、環境省に分野ごとに設置いたしましたワーキンググループにおいて対策・施策についてご検討いただいたということでその内容につきましては、小委員会におきまして、数次にわたって報告され、議論がされたということを書いてございます。
 3パラグラフ目は、それらの情報をもとに国立環境研究所AIMチームでのモデル分析、こういったものも紹介されて、議論されたという中身のプロセスが書いてございます。具体的な中身については5ページ目以降でございますが、分野ごとの検討ということで、それぞれどのような手順で議論が行われてきたのかを取りまとめております。
 各団体からの意見聴取、全国で行いました国民対話、こういった意見につきましてはこの中間整理の本体にも概要は書いておりますが、別添6という形で後ろにつけております。
 また、各ワーキンググループにつきましてもご議論いただきまして、その内容につきましても別添のほうについているという経緯が書いております。
 分野ごとにどのような取りまとめ、議論があったのかということが6ページ以降に書いておりますが、基本的に分野ごとに同じ構成にしております。4-1、マクロフレームから始まりますが、分野ごとにヒアリング等で出していただきました意見の概要を整理しているということが最初に出ております。
 その次に分野ごとにワーキンググループでなされた検討の概要を書いておりまして、6ページ目でいきますと、マクロフレームワーキンググループにおける検討ということで、検討した事項、また2050年に想定し得る社会はどういうものか。
 7ページ目で、2050年に向けて準備すべきこと。こういった議論した中身をまとめて各ワーキンググループで留意点、課題ということを抽出いただきましたので、その内容について取りまとめてございます。
 その上で、各ワーキンググループからの報告に対して、各委員から小委員会でどのような意見があったのかということを取りまとめた部分がございます。
 以上のような構成で、分野ごとに取りまとめをしておりまして、8ページには次の分野のものづくり、10ページ目には住宅・建築物、12ページ目には、自動車分野、14ページ目からが地域づくり、そして16ページ目の下が農山漁村の分野、18ページ目がエネルギー供給、20ページ目からがコミュニケーション・マーケティング分野ということで、それぞれヒアリングで意見、ワーキングでの議論、本小委員会での意見という構成で取りまとめを行ってございます。
 このようなご議論を賜りまして、それぞれの項目ごとに取りまとめを行ったのが23ページ目以降でございます。まず、5章といたしまして、2050年の姿についてどのような議論があったのかを整理しております。
 5-1といたしまして、分野ごとにワーキンググループで温暖化対策の進展の姿、また副次的効果、温暖化以外の効果がどのようなものがあったのかをまとめていただいたものを掲載しております。概要につきましては、24ページ目にそれぞれ分野と温暖化対策が進んだ姿、また副次的効果がどのようなものがあるのかを表としてまとめてございます。
 これらにつきましては、2050年の姿ということで、1つのイメージとしましては、25ページ目に地域ワーキンググループで取りまとめを行っていただきました地方中心都市でどのようなイメージになるのかを1つの事例として掲げております。こういったご検討を小委員会で報告いただきまして、小委員会でどのような検討が行われたのかということが26ページ目以降に載ってございます。
 また、その議論にあたりましては、国立環境研究所から低炭素社会シナリオ分析モデルに基づく分析結果も紹介いただきまして、ここではシナリオA、Bということで経済成長を目指していくものと、ゆとりある生活、これでどのような姿になるのかという紹介もなされたわけでございまして、詳細につきましては、27ページ目、28ページ目にシナリオA、Bということで掲載しておりまして、各分野でどれぐらいの対策が進んでいる状況になっているのかをお示しいただいた上で、ご議論いただいたわけでございます。
 また、29ページ目につきましては、どれぐらいの削減努力が必要なのかということを示すために歴史的トレンドと比較した図をお示ししております。こちらにつきましては、エネルギー強度と炭素強度に分けまして、これまでのトレンドとの比較を示しつつ、どれぐらいのインパクトがあるのかということでございますが、特に炭素強度につきましては、これまで経験した中の4倍近い改善率を実施していく必要があることが示されてございます。
 2050年につきましては、さまざまな留意点もいただきましたので、下のほうに取りまとめておりますが、ここで示されたものにつきましては、2050年における日本の社会、さまざまな姿が想定し得るということで、あり得る姿のシナリオの1つであるということが注意書きとしてあるものと、またエネルギーの安定供給を考慮したものになっているかどうかなど、さらに検討が必要であるというご意見も賜ったところでございます。
 6章といたしましては、2020年~2030年の姿ということで、30ページ目以降に書いてございます。こちらにつきましては、6-1からそれぞれ検討をしたものの抜粋が当初書いてございますが、6-1といたしまして、30ページ目の下でございますけれども、2020年、2030年でどのような推計、排出量推計になるかということでございまして、ご議論にあたりましては、関係団体のヒアリング結果、また各ワーキンググループからの分野ごとの検討の結果、こういったものをご報告いただきまして、本小委員会でご議論いただいたということでございます。どのような議論があったのかというのが31ページ目以降に取りまとめられておりますが、本委員会での議論が行われ、ということで、各関係団体からのヒアリングも踏まえ、分野ごとのワーキンググループによる精査が行われまして、対策ごとの導入見込み量、ここでは物理的に導入し得る数量の限度内において、施策の強度により導入量が変わり得るということを前提にしつつ、技術の普及状況、導入の困難性も考慮しながら、潜在的に導入が可能であると判断された量と定義しておりますが、この導入見込み量が積み上げられた。
 また、この対策を導入するに当たりまして、さまざまな施策が必要になってくるわけですが、それのラインアップ、それを実施するに当たりましての課題、留意点も示されたということであります。
 3つ目の・でありますが、これらの実現の確度を上げていくという観点からどれだけの強度の施策によって、どれだけの対策が入るのかということであるとか、炭素技術の供給体制がどのように確保していくのか。追加的な負担がどれぐらい発生するかという詳細な検討が今後必要であるというのが課題として取りまとめられております。
 また、施策効果の定量的な十分性についてはあらかじめ予見し得るものとそうでないものもありますので、こちらにつきましてはその実現の進捗状況もチェックしながら施策の強度を見直していくというプロセスが重要であるというお話もございました。
 4つ目の・として、今回は国内削減を3つのケースに分けてご議論いただきましたが、それぞれのケースにおきまして、どれぐらい難易度が異なるのかということがさらにわかりやすくするように提示する必要があるというご意見をいただいておりまして、今後、誤解が生じないようにどのように提示できるかということを詰めていくということが今後の課題という取りまとめでございます。
 具体的な推計値としては、33ページ目、34ページ目などに提示してございます。
 留意点といたしましては、35ページ目にいろいろございますが、これらの推計の基礎となります対策導入量につきましては、見積もられた対策は予定どおり進行しなかった場合のリスクも念頭に置きつつ、代替策の準備を考えていかなければいけないというご指摘もありましたので、その対策の進捗状況の点検と必要に応じた施策の見直しが重要ということで、例示といたしましては、原子力発電の新増設の計画による影響などを試算した結果も載せてございます。
 35ページ下からは6-2といたしまして、これらの対策が普及した場合のイメージということで、どれぐらいの普及状況になるかということを1例としてわかりやすく示したものが36ページ目。37ページ目が文章で書いてございますし、それを表形式にしたものが38ページ目、39ページ目にわたって表をつけてございまして、例えば何件に1件ぐらいの導入量であるという例示をしてございます。
 続きまして、39ページ目が、必要な対策費用ということで、6-3で書いてございます。こちらにつきましては、これらの対策を導入した場合を実現するために必要となる費用を推計したところでございますが、初期費用の追加費用ということで定義しておりまして、従来型の技術と低炭素型の技術の差分を積み上げているということでございますけれども、ただ39ページ目の下のほうに書いておりますが、この費用の中にはまちづくりなどに関連しますインフラ整備にかかる費用は含まれていないということが注意書きとして書いてございます。
 推計結果といたしましては、39ページ目の下でございますが、これまでもご覧いただいておりますが、15%ケース58兆円、20%ケース78兆円、25%コースで97兆円という推計になってございます。これらの推計結果をご覧いただきながらどのような議論があったのかということが、40ページ目でございますが、1つといたしましては、国民、企業の負担についてわかりやすく示すことが必要であるというご意見がございました。
 2つ目といたしましては、さまざまな政策措置によって、低炭素型の需要を喚起し、これに対する民間投資を喚起することが鍵であるというご議論。また、消費者が低炭素型を選択した場合、それらの人々、企業が報われるような施策が求められるという話。削減費用を見える化する、また取組みのインセンティブを用意することが重要であるというお話もありました。一方、今日の厳しい国の財政状況を踏まえれば、経済的な措置の実施によって民間投資が自律的に行われる環境を整えることが不可欠というご意見もございました。
 3つ目の・といたしましては、これらの費用につきましては、グリーン・イノベーションにつながる投資であるということから積極的に進めることが必要であるということでございます。また、先ほどお話しいたしました温暖化対策以外の効果、副次的効果についても数字的な評価ができるようにする必要があるという話。一方で、個々の企業にとっては、長い目で見ての投資判断というのはなかなか実態に合致しないという話であるとか、気候変動の影響はかなり時間的な遅れが生じる話なので、通常用いている投資という概念からはなかなか合わない可能性がありまして、必ずしも投資した現世代が恩恵を被るとは限らないというご議論もあったということでございます。
 費用につきましては、41ページ、42ページ目にそれぞれ推計結果を記載してございます。
 また、43ページ目には、経済影響分析ということで、これまで温暖化対策によってどのような影響があるか、効果があるかということを試算したまとめがされております。43ページ目の上の部分につきましては、これまでの検討経緯を書いてございまして、スタートといたしましては閣僚委員会のタスクフォースから始まりまして、今年3月の環境大臣試案でもその中で引き続き追加的検討が行われた結果が紹介されているということです。
 また、本小委員会におきましては、国内削減量を3つのケースに分けまして、さらに地球温暖化対策基本法に掲げております温暖化対策のための税、全量固定価格買取制度、国内排出量取引制度、この三施策の効果を分析するという視点からこれらの分析ができるモデルであります伴委員の伴モデル、増井委員のAIM経済モデル、これを用いましてのモデル分析を実施し、その結果が報告され、ご議論いただいたというところでございます。
 具体的な分析結果につきましては、44ページ目以降から書いておりますが、44ページ目の上の表にはこれまでタスクフォース以降、分析をお願いしておりましたモデルの名前と主なポイントを整理したものが記載されております。こういったモデルの分析結果をご覧いただいたところでございます。
 分析結果につきましては、45ページ目から46、47ページということで、グラフ化したものがございますし、またその詳細につきましては、48、49ページにその解析の結果を文章として取りまとめてございます。
 こういった経済分析を行っていただきまして、特に今回特徴的なのは51ページ目の6-4-2ということで、三施策についての経済の影響分析を行ったという点でございまして、今回は2つのモデルにより分析を行っていただいたものでございますが、1パラグラフの終わりに書いておりますが、今回の試算につきましては三施策合わせて導入した場合の効果、影響を分析するということに主眼を置いておりますので、三施策それぞれ単独での分析は今回は実施していないということでございます。
 分析結果につきましては、2パラグラフ目でございますけれども、22年のエネルギー起源CO2をBAU比で7%から9%程度削減する効果が見られたということと、経済への影響といたしましてはBAUのGDPと比較いたしますと、マイナス0.1%からプラス0.1%の乖離であったという結論でございます。
 3つ目のパラグラフといたしましては、削減目標はここでは15から25%というのはこの三施策のみによって達成可能になるものでは今回の前提ではなく、その他の対策についても施策を総動員して目指していく必要があるということが分析されておるというものであります。
 52ページ目には、今回用いた前提条件をそれぞれ書いております。また、分析結果については53ページ目に表として掲載されております。
 54ページ目は、それら経済分析について全般の取りまとめ文章でございますが、2つ目の段落の終わりにかけて書いてございますが、この国民や企業への負担についてさらにわかりやすく示す必要があるというご意見がありました。また、企業活動、個人の生活にどのような効果や影響があるのかについてもさらにわかりやすくかつ誤解を生じさせない形で示す方向についての検討が必要であるというご議論があった点かと思います。
 続きまして、55ページ目でございますが、国際的観点からの検討ということで、大きく分けますと2つの部分からなっておりますが、まず国外での排出削減等ということで今回、15、20、25%の3ケースを設定しておりますが、2ケースについては国外での排出削減を扱うという組合せになりますので、海外での削減についてはどう扱うのかというご議論があったというものでございます。
 2パラグラフ目のところにありますが、現行のクリーン開発メカニズム(CDM)につきましては、承認された省エネ案件が少ないであるとか、プロジェクトの審査から登録などまでに時間がかかるというさまざまな課題があるということでありました。これらに対しまして、CDMにおける課題を改善しつつも二国間協定に基づくクレジット取得等の方策を検討すべきであるというご議論がありました。
 また、省エネの技術だけてはなく、さまざまなライフスタイル、ワークスタイル、こういったものを海外に提供していくべきであるというご議論もいただきましたので、3パラグラフ目に世界、特にアジアの国々に貢献し得るという視点からの検討が必要というご議論もいただきました。
 2つ目のかたまりとましては、国際衡平性についてでございまして、こちらにつきましては、現在、各国によるさまざまな指標が提案されていて、現状といたしましては、短期的にどれかに集約していくという可能性はなかなか少ないだろうということでありますが、日本といたしましても国際的な議論に引き続き建設的に貢献していく必要があるということと、また特に対策費用につきましては、先進国間において衡平にする必要がある。これらの衡平性については、さらに検討していく必要があるというご議論がございました。こちらにつきましては、今回の中間取りまとめまでには検討が十分ではなかったということですので、今後の検討課題ということが56ページ目のところに記載されてございます。
 57ページ目が、現状から2050年までの排出経路の分析ということで、どのようなパスを通ることが必要なのかということで、こちらも前回11月25日にお示ししたものが記載されてございます。
 このようなご議論をいただいたということでございますが、58ページ目から61ページ目にかけましては、今お話し申し上げました第1章から6章まででご議論いただいた内容について基本的な考え方に沿いまして改めて課題、検討すべき内容を取りまとめたというものでございまして、再掲という形で取りまとめております。
 特に、58ページ目以降につきましては、小見出しをつけておりますが、実現可能性であるとか、59ページ目は対策費用、導入費用について、経済影響分析について、こういったものについてさまざまな課題、ご意見を改めて取りまとめたという部分でございます。
 61ページ目まで取りまとめをしまして、最後に62ページ目にこの中間整理の終わりにということで、全体の取りまとめをしております。
 2パラグラフ目は、今、申し上げました7章をさらにコンパクトにいたしまして、今一度どのような課題があるのかということを取りまとめた部分でございまして、3パラグラフ目ではそれを受けまして、さらにこの課題を検討して、ロードマップを精査し、国民的議論を行っていく必要があるということを取りまとめております。
 以上が、中間整理の本文でございまして、64ページ目以降にはそれぞれワーキンググループから提示されましたロードマップと留意点をまとめたものがついているということとそれぞれ別添資料として、これまで小委員会で報告いただいた内容のものがついているという構成になってございます。
 駆け足でしたが、以上でございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 非常に内容の濃いものを短い時間でお話しいただいたものですから、十分まだ読み切れなかったことと思います。前回、この小委員会を開きまして、その後、また事務局のほうで皆様のご意見をお伺いにまいっているかと思いまして、今回はまず簡単な説明にとどめました。
 このレポートの性質そのものでございますけれども、中間整理という形で書いてあります。今のところロードマップと言いながらも地図を書いたというところでしょうか。地図の道端にはこんなものがあるねということと、それから行く先のほうは15、20、25%削減という方向はわかっている。この道をどうやったらうまく行けるかという話はまだもう少し議論が要るのではないかなということで、これまで出ましたさまざまな案、施策、対策も含めまして、そういうものを整理していただいたことが今の段階ではないかと思っております。
 この報告書は28日の中央環境審議会地球環境部会のほうに報告したいと思いまして、これまで皆様に議論していただいたことをまとめたこの中間整理に対しまして、さらに皆さんのご意見を入れまして、まとめて報告したいと思っております。また、その後、今後も皆様に続けてご審議を願いたいと考えている次第です。
 これからまたいつものようにご意見、ご質問をいただきたいと思いますけれども、全体に時間の関係から2分あるいは2分プラスぐらいのところでご意見をいただきたいと思います。お手元のネームプレートを立てていただきたいと思います。今日は、全員が立つのではないかなと思っておりますけれども、そうしていただきたいと思います。
 先ほど申しあげましたように、中長期温暖化対策全般につきましてはまた時間がございましたら、後ほどお伺いしたいと思っております。この中間整理につきましてのご意見を先にいただきたいと考えております。
 オーソドックスに「あいうえお」で行きたいと思います。

○赤井委員 1点だけ。35ページの原子力発電が計画通りに進まなかったら云々というところなんですけれども、ちょっと表現の問題かと思うんですけれども、35ページの頭の留意点から始まって、最初の文章が、対策が予定通り進展しなかったリスクを念頭に置きということが書いてあるんですけれども、その後に、「また」でつながっているんですけれども、この「また」はいらなくて、最初の文章の1例として原子力ということにしないと、「また」で受けてしまうと、排出削減ができなかったら全部原子力のせいだとなってしまうので、ちょっとその辺のトーンも含めて、少し表現ぶりを変えていただければと思います。
 今後の話になるかもしれませんけれども、こういう1つが駄目だったら達成できないということになるとこのロードマップ自体がロバストではないということを言ってしまっているので、ロードマップのロバストネス性を確保するための、1つが達成できないときは別の施策で補えるというそういう代替性の検討は今後の課題であるということを少し強調していただければと思います。以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 飯田委員、お願いします。

○飯田委員 もう大分議論は尽くしてきたので、この中身の文章をこう直せというコメントではないんですが、前回も申し上げたとおり、いわゆる地球温暖化、目達計画のときに特に赤井委員が言われた原子力の部分はリスクが顕在化しているのに全くそれを斟酌せずつくられてしまって、結局クレジット購入しない段階でプラス10%、2007年度、リーマンショックもなく、クレジットも購入しなければという状況を招いてしまった。
 そこからすれば、0.1歩進歩かなといいますか、やはり長期的にはエビデンスベースドポリシーというか、実際に検証してみてどうだったのかということからすると、まだまだ不足ですが、今回はここが入った点では評価したいと思います。つまりリアリティ、現実をちゃんと検証してそれを反映するという文化を日本の政策づくりで反映して、ようやく1ミリを刻めたのではないかと思います。実現可能性というのは原子力もそうだし、再エネもそうだしといろいろ抽象論ではあるんですが、ちゃんと歴史を検証すれば原子力にはまさにそういう現実があり、一方で再生可能エネルギーが世界全体で第四の革命と言われるほど飛躍的に成長しているわけです。高い政治的な意思と賢い政策づくりがあれば、飛躍的に成長するということがもうグローバルレベルで倍々で増えているという一方のリアリティもある。
 原子力は老朽化して、日本はむしろ増えるどころか今後減っていくキャパシティをどうしていくんだという、むしろそちらの心配をしなければいけないという一方のリアリティがあります。今回はそこまで踏み込んでいないんですが、次回、これをベースにこの次にどういう場になるか議論するときには、もう少し先進国並みのレベルで抽象論ではなく、リアルに基づく議論に次に是非つないでいっていただきたいと思います。
 先日、ジャカルタであった東南アジアのフィード・イン・タリフの議論は、日本で行われている議論よりはるかに水準が高いです。それはやはり皆さん過去のちゃんとしたエビデンスベースドポリシーの議論をするという文化が東南アジアであるにもかかわらず、日本では一律価格とか全くナンセンスな議論が進んでいます。そういったところに今民主党で行われている政治的な議論も非常に引きずられていて、そういったところにしっかりとくさびを打って、もう少し真っ当な議論ができる第一歩になってきたのかなと思います。かつてあった前政権の中長期なんたらかんたらよりはとりあえず進んだという点では今回参加させていただいてよかったなと思っております。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 牛久保委員と枝廣委員、後ほどまたありましたらお願いします。
 大塚委員、お願いします。

○大塚委員 意見を出させていただいて検討していただいていますので、基本的にはこれでいいと思いますが、ここで書かれた、特にエネルギー供給部門のところに関しては是非実現していくといいと思っております。
 1点だけちょっと細かい点ですけれども、国際衡平性の55ページから56ページ辺りについては、今後の検討課題ということでサラッと書いてあるだけで、これはこれで今回はいいと思いますけれども、ちょっと汚染者負担原則のところに1人当たり排出量と書いてあるのは、ちょっと私はよくわからなかったので、このときには私は会議を休んでしまいましたので、これはそういうものだと、出されたものだというふうにメンションしてあるからいいと思いますけれども、ちょっとここは若干疑問の余地があるかなということだけ申し上げておきます。以上です。

○西岡委員長 それでは、影山委員。

○影山委員 随分、修正をしていただきましてご苦労さまでございました。何点か意見させていただければと思います。
 繰り返しこの小委員会で言わせていただきましたが、小委員会の目的は、25%の道筋を立てることでしょうけれども、我々は何をしなければいけないのか。どのくらいの負担があるのか、日本経済はどうなるのか、ということをきちんとわかりやすく示すことが目標だと思っています。それでいろいろ議論をしてきました。
 これは何故そのようにしてきたかというと、やはり25%が通常感覚では、できるわけないぐらい大きな数字であるということではないかと思います。今まで6%ですらこれだけ苦労して、数年前までは絶対に不可能だと言われてきたわけです。それがリーマンショックと1兆円くらいのクレジットを買ってやっと達成できるという状況なので、この25%の道筋を立てるということが非常に大変だということは、皆さんが思っていることだと思います。それをきちんと示しなさいということだと思います。
 この小委員会でいろいろ議論してきた内容をこの報告書に書いてくださいということを申し上げて、かなり直していただいていますので、その点については非常に感謝しておりますけれども、もう少し今まで申し上げたことについてコメントが不足している、あるいは内容が不足しているのではないかと思います。今、申し上げました実現可能性、国民負担、経済への影響について、内容が不十分であり、私の感覚では25%への道筋が描けたということではないと考えます。
 一言で申し上げますと、非常に中身が楽観的すぎる。負担や経済影響について、リスクなどを含めて中立に書かれていないと感じます。これは施策を導入するに当たって、国民が十分判断できるような材料を提供する必要があり、リスクを含めてもっと中立的に書いていただきたいと思います。
 中身については、大きな点について2点ほど申し上げたいと思います。
 1点目は、経済影響の分析について、資料の43ページから書かれています。伴モデル、AIM経済モデルを用いた分析を行っているということですが、44ページにあるように、ここに書かれているだけでもたくさんのモデルがほかにもあり、これ以外にももっとモデルがあると思います。
 今回、採用した伴先生のモデルとAIM経済モデルについて、46ページ以降にほかのモデルとの比較が示されておりますけれども、特に伴先生のモデルについては、非常に影響が少ない、楽観的なモデルであるということが言えると思います。これはこれでモデルの結果でしょうけれども、これだけではリスクを十分に説明したことにはならないと思います。
 例えば、KEOモデルなどのように、リスクを十分に書き込むということも必要ではないかと思います。経済影響全体について、44から47ページに書かれていますが、KEOモデルのように大きな影響があるということをしっかりコメントすべきだと思います。
 GDPについて、BAUからの乖離率がマイナスになっている場合でも、GDP自体は成長しているという記述がありますけれども、これはBAUの設定の仕方にもよると思いますし、GDPについてはほかの国とのバランスということを考える必要があると思います。GDP自体の成長という表現は意味がなく、削除したほうがいいのではないかと思います。
 48から49ページに、技術促進ケース、それからForward Lookingという将来の炭素制約を見越した投資について記述がございますが、49ページの下から2つ目のパラグラフに、重要なこととして、市場の予見性の話が書かれています。ここに書かれていることは、ある意味、このとおりかもしれませんけれども、施策の導入には国民の理解も必要ですし、49ページに書かれている伴先生のモデルによるこの表については、ほかのモデルでForward Lookingを計算した場合、本当にこのようになるのか、このような効果が出るかどうかわからないのではないかと思いますので、ほかのモデルでも検証が必要だと書いていただければと思います。
 それから、三施策の効果について、51から53ページに書かれていますけれども、この評価でGDPのロスについて、マイナス0.1からプラス0.1%という点については、伴先生とAIM経済モデルの結果だけでございますので、これもやはり場合によっては楽観的すぎるという可能性がございます。ほかのモデルでの検証も必要と書いていただきたいと思います。全く違った評価になる可能性もあるかと思っております。
 最後にもう1点、39から41ページの対策費用と回収年数について、58兆から97兆円という費用が出されておりまして、これは精査が必要だと思いますけれども、2020年、2030年までに回収可能という表現がございます。これについても意見を申し上げて、40ページの下に、企業の実態と必ずしも合致していないと書いていただいておりますけれども、10年、20年の投資回収というのは、企業にとって全く問題にならないくらい長い年数でございまして、コメントとして記載するようなものではないと思いますので、できればこの長期的に回収可能というところに併記していただければと思います。最後にあるまとめの整理のところにも、同様の反映をお願いできればと思います。
 エネルギー供給のところも意見がございますが、時間があればお話しさせていただきます。以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、伴委員、お願いします。

○伴委員 影山委員の意見、ありがとうございました。
 多くの誤解があろうかと思っております。まず、細かな点ですが、45ページに、増井委員にお答えしていただければ良いと思いますが、AIM経済モデルでは、低炭素投資が増大すると生産に向けられる投資額が減少し、GDPロスなどマイナスの影響が生じるというのですが、低炭素投資が生産を阻害する投資と読めるわけです。しかし、低炭素投資といえども、大きな生産力を持ちます。
 具体的に言えば、CCSを一つの例として考えれば、そこから生まれる付加価値を考えれば、生産につながるわけです。つまり発電量は減るかもしれないけれども、CCS技術利用に伴う付加価値は増えるわけですから、ここのところをはっきり書かないと、低炭素投資が生産を阻害するような書き方になっています。何故低炭素投資が、GDPにマイナスの影響が生じたのか。
 私のモデルの場合、投資が低炭素投資であるか、一般の投資であるかの区別はしておりませんけれども、いずれの投資においても生産力を高める形になる。つまり一方の電力に関して言えば、石炭火力はCCS技術が利用できなければなくなる方向にいくと思いますが、その分、天然ガスなり、あるいは自然再生可能エネルギーのほうに行けば、それだけ多くのプラスが出てくるはずで、AIM経済モデルと書いてあるから良いのですが、影山さん流の批判に使われそうな、そういう思いがあります。
 影山さんに対する意見は、もし私どもがやった分析が25%無理だということを言うためのものであるとしたら、削除していただきたいと思っております。基本的には25%であれ、20%であれ、できるということを私のモデルでは言っているわけでありまして、そのときの影響についても、懸念されるほど大きくはないということを伝えてほしいと思います。
 日本は結局何もできないとおっしゃるのであれば、できないかもしれませんが、もっと若い人が新たな力でどんどん新しいことをすればうまく行くし、これまでの経済もまさにそういう形でやってきたわけですから、我々年寄りが無理だから駄目ですよというような言い方で取りまとめるとしたら、私は恥ずかしいことだと思っております。
 したがいまして、影山さんがいろいろとおっしゃっていますForward Lookingをほかで検証しろと言う点ですが、かなりの時間がたっていますが、Forward Lookingモデルは難しいモデルではないのに、日本では一向につくろうとしない。このタイプのモデルは世界では主流のモデルであるわけであります。しかも経済理論の最先端の理論に基づいたモデルを使っています。
 少なくともこれまで学会も含めて、何度も私のモデルに関する説明をしておりまして、その説明に対して反論があるとすれば、自分でモデルをつくればいいわけです。それだけの能力を皆さんが持っているのに、それをしなかったというのは基本的には私の行ったことをある程度織り込み済みと思っております。
 確かに、影山委員のおっしゃるのも正しいかもしれません。例えば、私のこのモデルで言っていることは、25%とは言いませんけれども、15%を削減するにしても三施策をはるかに飛び越えないとできないということです。炭素税に至っては非常に低いものしか想定されておらず残念かと思います。
 それから、国内排出量取引制度は当面考えないという社会情勢であるとしたら、そういう状況の下で15%削減はとても難しいだろうと思うのですが、それでいいのだろうかということを考えてほしいと思います。結局、一番の大きな問題点は2020年という直近の話をしていることで、問題は2050年という視野に基づいて物事を考えないことです。
 もちろん、40年先というのはどういう社会かというのはマクロフレームの方々が一生懸命されているわけですが、はっきり言えることは人口が減るということです。人口が減る以上に、高齢化で働く人が35%ぐらい減ります。労働力人口は現在6,600万人ぐらいいますが、あと40年で4,500万人ぐらいに減るのです。これははっきりしているわけでありまして、そういう社会の中で日本がどういうシナリオを採るべきかをマクロフレームのところで議論し、その上でなすべきなのに、相変わらず多くの人たちがこれまでの40年、これまでの40年というのは私自身が20歳から今は60歳ですので、ちょうど40年間過ごしてきたのですが、それをさらに40年続けようとしています。
 これまでの40年というのは人口が増えてきたわけです。でも、ここから先は人口が減るわけです。これまで40年は2,000万増えてきたのですが、これからの40年は3,000万減るのです。それだけ大きな変化を考えた上で、2020年を考えるべきであって、もっと腰を据えて、その中でどうしていくかを考えるべきではなかったかと思っています。

○西岡委員長 藤野委員、お願いします。

○藤野委員 藤野より過激な伴先生が60歳だと、僕は1972年のローマクラブの成長の限界の年の72年生まれの38歳なので、先ほどのお言葉だと我々の世代が頑張らないとまともな社会にならないということを言われて申し訳ないなとちょっと思いました。
 明るい未来は、「環境未来都市」構想有識者検討会というのが内閣官房の地域活性化統合事務局が事務局をやられていますけれども、そこで村上周三先生が座長をされていて、そちらのほうで描きますので請うご期待ではあるんですが、こちらのほうの取りまとめは本当にお疲れさまで、まだ4時になっていないので言えないんですけれども、ここまでは非常によく努力されたと思います。
 私の意見は、別添1に小委員会名簿、別添2に中長期ロードマップ小委員会における検討の経緯がありますけれども、これをぜひ本体のほうに入れていただきたいと思います。
 目次の前に、委員名簿と経緯を入れるのか、目次の後でもいいんですけれども、そちらのほうにはっきりとどの人がどういうメンバーでこれの中間整理案をつくったかということを是非明記して、別添という分かれた形ではなくて、本体の中に是非入れていただきたいと思うんですけれども、そちらのほうは皆さんのご意見をお伺いしたいと思います。以上です。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 増井委員、お願いします。

○増井委員 2点コメントとあと2点、伴委員と影山委員から出された意見について私なりの意見を述べたいと思います。
 まずは、この取りまとめどうもご苦労さまでした。非常に、内容が濃くて、なおかつ詳細に積み上げられているということで、かなり事務局の方々はご苦労されたのではないかと思います。
 2点といったところなんですけれども、まず1点目は非常に細かいところでして、資料でいきますと44ページ目の図表6-4-1、AIMの経済モデルのところでAIM技術モデル(再計算)の情報を反映した分析とあるんですけれども、10月15日に出されたものもその再計算ということで、今日の資料はひょっとしたら再々計算になるのかなと思っていたんですけれども、今日の資料も再計算ということですので、再計算で10月15日のものというのがわかるように明記していただきたいと思います。
 2点目なんですけれども、今回出された資料というのはどちらかと言いますと2020年もしくは30年の最後の姿のみでして、例えば何も対策を取らなかったときにどうなったのか。それから、いろいろな施策を積み上げていくということによって、どの程度経済が回復、あるいはCO2が削減し、というようなそれぞれの年次でのトランジションと言いましょうか、その対策を積み上げた場合の変化といったものを示すことができなかったということで、これはもちろん時間も限られておりますし、資源も限られておりますのでなかなかそういうところまでは分析できないということは承知しておりますけれども、今回、その最後の姿のみであって、その経済影響等につきましても、本来ですと例えば対策に関わるような業界というのはこれぐらい売上げが増えるかもしれないといったところもきちんと明記できるのかもしれないんですけれども、そういうところまでは至らなかったということあたりももし書けるのであれば書いていただきたいなと思っております。
 残りの2点、影山委員のほうから、BAUと比べてという話、現在と比べて増えているというところは削除したほうがいいのではないかというところですけれども、私の個人的な意見としまして、もちろんBAUによる影響はあるんですけれども、成長しつつもこういった対策は実現できるんだということは1つの大きなメッセージかと思います。BAUを変えるとしますと、もちろんその結果等は変わってきますけれども、今回設定された想定に基づいて、確かにGDP等は下がるかもしれないけれども、現状と比べると高くなっている。そこは非常に大きなメッセージかと思います。これは入れておいていただきたいと思っております。
 伴委員のほうからございました45ページのところですけれども、これは確かにちょっと誤解がありまして、AIMの経済モデルの追加投資分のところだけで、低炭素投資全体の話ではなくて、追加投資が増大するとその増加分をどこかから調達してこないといけないということで、モデルの構造上、トータルの投資額を一定にしているということで、この低炭素投資に関わる追加分が増えると必然的に生産に向けられる投資が減ってくるということですので、この点、低炭素投資が増大すると生産に向けられる投資が減少し、というところで、低炭素投資ではなくて低炭素投資の追加分が増加すると、というふうにしておいていただければと思います。以上です。

○西岡委員長 村上委員、お願いします。

○村上委員 私は、この委員会で今までも実現可能性のことについて、いろいろ発言いたしまして、特に住宅建築物ワーキングがその点が心配でございまして、今回、かなり正確にその部分を書いていただいて感謝しております。多分、これは62ページのおわりに、の2パラのところが今度新しく赤字で入っておりますけれども、ありがとうございました。
 住宅建築物ワーキングでもいろいろ政策のパッケージとか施策の強度を提示しておりまして、例えばマイナス15、マイナス25、20、25に対して、こういう施策のパッケージとこういう強度であれば行くのではないかと書いていますけれども、それは専門家が予想したという段階で決して定量的裏づけがあるわけではございません。そういうことをきちんと書いていただいて誤解がないだろうと思います。
 ただ、私は今までもこの委員会で申し上げましたが、現在の時点でできないからといって、将来もできないと決めつけるのは早計ではないかと思います。やはりこの委員会でたびたび申し上げましたけれども、今年4月に例えば住宅の断熱というのは進展しないというのが専門家の間の常識だったわけですが、今年4月に国交省、経産省が2020年に向かって義務化を発表しますと、ガラッと景色が変わってきまして、国民の合意と確固たる政治的意思があればやはりかなり現時点とは違った状況が生まれてきますので、そういうことは認識しておく必要がございます。
 最初のころの報告書は、その文章があったんですけれども、今、調べてもないんです。僕の見落としか、あるいはカットしたのか、それはもしカットしたのであれば、どういうお考えかをご説明いただければありがたいと思います。
 高橋課長、最初のころはあってでしょう。
 それだけでございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、大野説明員、お願いします。

○大野説明員 19回も議論したわけですから、ここで一回中間整理を出すということに対しては賛成でございます。
 質問ですけれども、中間まとめという言葉はよく聞くんですが、中間まとめは大体パブリックコメントを経て最終まとめになるという理解をしていますが、中間整理というのはどういう位置づけなのかをあとでちょっと教えていただけるとありがたいです。初めて聞いたものですから。
 それで、ちょっと感想を申し上げますと第18回のときに2センチぐらいの資料のご説明をいただいたときと比べると、今回かなり読みやすくなっているなと感じました。前よりも課題が書かれていると思います。それを乗り越える難しさとか国民の負担についてはまだ書かれていない。それはこの報告書自身が今後議論しなければいけないと述べているとおりだと思いますので、かなり正直に書かれているなと思いました。
 したがって、私がこれを読んだ感想は、まだここまでの段階ではできそうだとか、難しそうだということをあまり判断するところまでは至っていない。今後もうちょっと突っ込んだ議論が必要だと述べているとおりだという理解をしております。
 来年からの議論に期待していますが、少なくともここまでのところ、民主党政権になって私ども民間企業の意見はなかなか聞いていただけないのではないかと危惧した時期がありましたが、この委員会はかなりいろいろ聞いていただきましてありがとうございました。御礼を申し上げたいと思います。
 西岡委員長、先ほどおっしゃっていた今後の議論全体についての感想は今述べてもよろしければちょっと述べさせていただきたいと思います。

○西岡委員長 温暖化政策全体については、それはまだ皆さんやっていないものですから。

○大野説明員 あとでいいですか。わかりました。
 ということで、今、そういう感想を持っていまして、個々の文章についてのコメントはございません。ありがとうございました。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 枝廣委員が挙がっております。

○枝廣委員 取りまとめ整理、反映などご苦労されたと思います。ありがとうございました。
 3点、触れたいと思います。私たちのコミュニケーション・マーケティングのワーキンググループは、皆さんのところでご報告した後に、主に生活者のヒアリングアンケート等をしてきましたが、それを一度受けて、実際にその作り手側、それから売っている方々はどうだろうかということで、省エネエアコンであるとか太陽光発電、給湯など、それぞれメーカーの方々にお集まりいただいて、売るときの苦労やその方々が感じていらっしゃる障壁などのお話を聞きました。そこでまたいろいろな学びもありました。今回に反映するということではないんですが、そのようにやりながらこれを変えていかないといけないと思っています。今回は中間取りまとめだと思いますが、何かカチッと書類として固めれば終わりではなくて、プロトタイピングのようにやってみてどうかということを反映しながらできるようなプロセスがあるといいと思います。
 この62ページの「おわりに」というところで、施策の効果、定量的な検証がこれから必要だというところがありますが、この施策の効果というのは恐らく机上では計算することができない。モデルを使っても難しいと思っています。もちろん三施策を入れたらどうかというのはあると思いますが、例えば具体的な施策についてそれを生活者がどのように受け止めて、どうやって行動するかというところまではまだモデルにはなっていませんので、このプロトタイピングのやり方でこれを練り上げていくことができればと思っています。
 それから、もう1つは、今回の取りまとめというよりもう少し大きな話になるかと思いますが、例えば2050年に80%ということを考えたときに、今回の取りまとめ、議論は2020年の15から25%が中心でしたが、中長期ということで2050年に80%ということを考えると、それまで日本の人口は減っていきますが、今の想定しているようにGDPが増えるという前提で計算すると、大体年率5%ぐらいずつ炭素強度を減らしていかないといけない計算になると思います。それはオイルショックから1990年までの削減率の7倍ぐらいになります。「実際にGDPを増やしながら炭素を減らしていくことが本当にできるのか?」という議論を今回はやっていません。その議論はずっと、どこでも避けられてきているものなのですが、中長期の大きな話としては、今後どこかで入れていく必要があるのではないかと思います。そういった意味で言うと、今回のマクロフレームで、それに近い形の1つの絵姿が出てきているのはとてもいいことですし、この取りまとめにそれがもう少し反映できるといいのではないかと思いました。
 あと3番目は、この62ページの終わりにも書いてあるように、今回のこのロードマップの取りまとめの目的ですが、幅広い国民の意識の共有に貢献し、国民的議論のたたき台になることを期待したいとあります。この中間整理の段階で、やはり国民とのダイアログとかをして、そこでのフィードバックを反映していくべきだと思っています。でも、こんなに厚いものを国民、普通の人が読むとは思いませんので、どのような形で、どうやって、誰が、どういう場で伝えていって、どういうフィードバックを得るか。単に意識の共有とか国民的議論と書いて実施できるものではありませんので、実際に計画をつくって本当にここの「おわりに」の最初のパラグラフに書いてあることをやっていただきたいと思っています。以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 他にございませんか。
 荻本先生、どうぞ。

○荻本委員 取りまとめ、本当にご苦労さまです。数点あります。
 1つは、今回の検討は、一番短いレンジで10年、次が30年で20年、次が50年で40年ということで、どこかのタイトルにありましたが、今まで考えたこともない長期を考えたということであるのかもしれません。そういう困難なことをやったんですが、そろそろいったん整理して、何かをやり始めないといけないということです。これが100パーセント合っているかどうかは別として、今の人事を尽くして1つの整理をしたというところに非常に意義があるとまず思います。そのような趣旨で誤解のないような記述になればいいかなと思います。
 第2点は、赤井委員が最初に言われたとおり、後から振り返ってみると至るところが間違っているはずです。間違っているものを担保するためには、どういう代替案があるかということが非常に重要だと思います。今までの検討には既に幾つか入っていると思いますから、そういうものがある、またはそういうものを継続して検討するということで、これをワーカブルなものにできるというメッセージを少し強くしていただければいいかなというのが2点目です。
 3点目はやはり藤野さんの資料の整理の仕方で行っている通り、前提をなるべくはっきり書く。書けば厚くなるんですけれども、それは致し方ない。これをもとにして次の検討が、このようなパブリックの場でも行われるでしょうし、各企業においても、それが本当に将来とも有効な前提なのか、または自分たちのビジネスと比べてどうなのかということで、プライベートに検討するベースになると思います。従って、ここに記載したもの、またはここに記載してなくても必要なデータは是非公開して、議論が進むようなことにしていただきたいというのが3点目です。
 4点は、やはり随分先の話です。やはり次への時代にうまく渡して行くというところに、今まで以上に、最終的にはもうここに鍵があるということです。レポートの中にはこういうコンシェルジュとかアドバイザリーを育てると言っているんですが、実際には、今、子どもが大人になって、大人が年寄りになって、その人たちがどういう教育を受けて何ができていくかという視点が最終的には40年後の実現には重要だと思いますので、そういうところも留意していただければいいかなと思います。

○西岡委員長 冨田委員、お願いします。

○冨田委員 先ほど説明員もおっしゃられましたけれども、非常に短期間において資料をまとめられた事務局に敬意を表したいと思います。
 この小委員会に参加している者及び小委員会での議論をフォローしている者にとっては非常にわかりやすくなったのかなと思います。ただ、ポイントは国民に対してどういうメッセージをこれで伝えるかということだと思います。端的に言えば、90年比マイナス15%であっても、かなり高い目標だということで、どこかに書いてありましたけれども、あらゆる施策を総動員しなければならないような、そういう目標だと思います。それにはやはり国民的なコンセンサスが必要で、コンセンサスを得るにはやはり国民的な議論が必要であるし、その議論に資する情報をこの小委として提供するという役割があるのではないかと思います。
 先ほどモデル分析についての議論がありましたけれども、ポイントはどういうモデルであったとしても、国民が理解できるか、納得できるかということだろうと思います。あるモデルでこうなったから、世の中がこうなるよねということでは、そう簡単には納得できないのかなと思います。いわゆるForward Lookingといってもやはり自分たちの今の生活から今後何年になるかというのは通常の考え方の中にあるわけで、その考え方からしてとても理解できない。あるいは飛躍しすぎているというところについては、やはりギャップを埋める何らかの手立てが必要だと思います。
 そういう中で、この中間整理を読んで、先ほども言いましたように、議論をフォローしている者にとっては非常にわかりやすいのですが、初めてこれをこのまま見せられたときに、これで何をわかったというふうに思えるのかというところについては、中間整理ということもありますけれども、まさにまだまだわかりやすくする努力が必要だろうと思います。
 1点だけ、この中間整理、今後の議論の中で是非やっていただきたいと思うのは、三施策の有無ですが、それぞれの導入について今現在いろいろな議論があるわけです。その有無について、あった場合、なかった場合、どういう違いが起こるかという感度分析、小委の中でも何度も申し上げていますけれども、それを是非わかりやすく説明していただくと、今後の議論に資するのではないかと思います。以上です。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 それでは、事務局のほうで答えられるところ、あるいは今後の方針についてお話を願いたいと思います。

○低炭素社会推進室長 ありがとうございました。
 まず、35ページ目の留意点のところで、書きぶりが悪い部分がありましたので、ここは修正させていただくとともに、不確実性、また代替案の検討が重要であるという旨を趣意が通るように修正をさせていただきたいと思います。
 また、国際衡平性の部分で、ご指摘がございましたが、こちらの56ページ目の表につきましては、お話がありましたように11回目のロードマップ小委員会のほうで国立環境研究所からご説明いただいたものを転用しておりますが、その上のところの文章にございますように、国際競争力への影響を初めとして、国際衡平性について議論は必要だけれども、今回まだ検討がこれまでのところ足りていない。今後の検討であるということでございますので、ここは今後の議論の際に深めていただければと思います。また、そういった情報について事務局としても整理してまいりたいと思っております。
 経済影響につきまして、さまざまな検討をこれまで閣僚委員会のタスクフォースから始まりまして行っておりますが、現時点で整理したものがありますが、例えばリスクは幅を持っていろいろなものがあるということとしましては、これまでの検討の結果としましては、46ページ目のところにタスクフォース、大臣試案、本小委員会でのご議論というところでさまざまなモデルでの分析を行っていただきましたが、大もとのこの小委員会での取りまとめとしましても、値そのものに決定的な意味があるわけではないというお話でございましたので、トレンドとして見るべきだろうということで、折れ線グラフでつくっておりますが、モデルごとにかなり幅があるということであると思いますので、こういったリスク自体はモデルの違いもあろうかと思いますが、それぞれリスクを含んでこれぐらいのバラつき、幅を持っているものだということを示した図だと理解してございます。
 GDPのBAUについてのお話がございましたが、基本的にはこの経済モデルの分析、タスクフォースから始まりまして行っておりますが、その際に前提条件として設定したものを基本的には引き継いで、できるだけ比較可能性が出るように計算をお願いしておりますので、他の政府でつくっている計画等から引用いたしまして経済の伸びを使っておりますので、これを経済の伸びがないという状態にするというのは逆に比較可能性が無くなるのかなと思っておりまして、今のところそういったBAUを使っているということでございます。
 また、49ページ目にあります技術促進と将来を見越した投資というものの効果がどれぐらい傾向としてあるのかということを伴委員にやっていただいたものを掲載しておりますが、こういった作業がほかのモデルで検討可能なのかどうかも含めまして、またやっていただける方がいるのかどうかも含めまして、事務局で今この場では諮りかねますので、この報告書自体は中間整理という形で、これまでのまとめをやっておりますので今後の課題としてそういったことが可能なのかどうかも含めて検討させていただきたいと思っております。
 また、先ほど村上委員からいただいたお話といたしましては、58ページ目のところの中間整理の一番下のところにこれまでのトレンドでは困難と考えられる課題についても検討を行って、施策を総動員して、国民一人一人の取組を結集することで解決を図るという観点からの検討を行ったという、こういう姿勢が、おわりに、の62ページ目の課題を凝縮した部分に、ここに記載されていないというところのご指摘だったでございましょうか。

○村上委員 58ページの一番下のパラグラフですね、おっしゃっているのは。

○低炭素社会推進室長 はい。

○村上委員 えらくこれは遠慮しているんですよね。ロードマップだから、ある程度目標をぶち上げるわけですよね。それはそれに対してどれだけ定量的分析、エビデンスがあるかということは、それは十分揃わないということは、世界中全部同じだと思います。もうちょっとそれに向かって頑張ろうという、そういうニュアンスが出てもいいのではないかという、そういう趣旨でございます。

○低炭素社会推進室長 問題の部分は了解いたしました。
 大野委員からは中間整理の位置づけということでいただきましたが、この冊子をまとめるに当たりましては、これまで18回に及ぶご議論をいただきましたので、その中でまずヒアリングでどのようなご意見があったのか、ワーキンググループから検討結果がどのようなことで報告されたのか、それらを踏まえて小委員会でどのようなご議論をいただいたのかということを取りまとめた、整理したということでございますので、現段階でパブリックコメントをかけてこれ自体をという手続は考えておりませんで、これにつきましてこのような整理、議論があったということを地球環境部会に報告させていただきまして、そこでまたご議論があると思いますので、それをフィードバックして、またこの中間整理に記載されておりますさまざまな検討内容についてまたご審議いただければと考えております。
 あと国民への示し方、国民へのメッセージにつきましてご指摘いただきましたが、確かに今申し上げたように、これまでありましたご議論を中間整理という形でまとめたという形ですので、これ自体なかなか読み物としては難しいものがございますので、外への伝え方につきましては、今一度、これをどのように凝縮していくのかということを事務方で工夫してみたいと考えております。以上でございます。

○地球温暖化対策課長 1点補足ですけれども、パブリックコメントはしないということでありますが、むしろパブリックコメントをかけるということでは有益ではなくて、むしろこれを国民、いろいろな企業の方にお示しして、ご議論いただいたものをまたフィードバックするという形で是非パブリックコメントということではありませんけれども、この中間整理を最大限に活用して、まさにいろいろな方の議論を深めていただいて、これをまたフィードバックするということを是非やっていきたいと思っております。

○西岡委員長 ありがとうございました。

○藤野委員 私の言ったコメントは。

○低炭素社会推進室長 すみませんでした。別添の委員の名簿、その他については本文のほうに持ってくるということは事務方としては可能かと思いますが、もしご議論があればと思います。

○西岡委員長 いかがでしょうか。今、事務局から説明がございましたが、それについてさらに質問、コメントがございましたらいただきたいと思います。
 屋井先生、お忙しいところありがとうございました。一通り終わりましたけれども、もしよろしかったら後で追加のご意見をいただきたいと思います。
 先に冨田委員。

○冨田委員 今の最後のところですが、藤野委員がおっしゃられた別添のところを本文に持ってくるかというところですが、私はこのままのほうがよろしいのではないかと思います。
 というのは、ワーキングでの検討結果というものを小委員会の中での議論の参考にさせていただいたことは間違いないわけですが、ワーキング自体は小委員会の下に設置されたものではないということを考えると、小委員会での議論をきちんと整理したというところが今の形になっていると考えますので、私はこのままのほうがよろしいと思います。

○西岡委員長 影山委員。

○影山委員 土居室長の取りまとめで大体そのような感じで良いかと思っていますけれども、私の発言が、もし伴先生のご気分を害したのであればお詫び申し上げますが、申し上げたのは伴先生のモデル、AIM経済モデルだけで書くということではなく、もう少しリスクのあるモデルについても記述して、中立に国民に実際の課題を発信したほうが良いのではないかということです。もちろん、脅して、25%は怖いと言うのはいけないと思いますし、逆にバラ色の世界が待っているという話も現実離れしていると思いますので、両方の話を是非書いていただきたいというのが私の意見でございます。
 村上先生の発言にございましては、本当に規制によって技術革新が進むということであればよいと思いますが、今回、議論している話は、もしかしたら国としての罰則をかけられるかもしれないという数値であり、そのような数値を約束する、あるいはその対策を打つことによって、どのような影響が出るかということと、それから村上先生が言われたような、それによって好影響が生じるかもしれないということについて、国民が判断して、それで施策を導入するかどうかを決めるのではないかと思います。そのための材料を提供することが、このロードマップ小委員会の役目ではないかと思いますので、いろいろな議論があるのであれば、できるだけそれを取り込んでいただきたいと思います。
 もし、伴先生のモデルが一番よくて、ほかのモデルが捨てられたモデルであれば、そのように書いていただければそれで結構だと思いますが、もし、いろいろな議論があるということであれば、是非その旨を書いていただければと思います。土居室長が言ったとおり、幅があるということをできれば書いていただければと思います。
 数字にこだわらないとおっしゃっておりますが、三施策の話は、影響についてマイナス0.1からプラス0.1%としっかり書かれています。数字にこだわらないと言っておきながら、やはり数字は出ており、それはそれなりにメッセージとして発信しておられますので、そこではいろいろなモデルの評価があるということを書いていただければと思います。以上です。

○冨田委員 失礼しました。ちょっと勘違いしました。別添1と別添2だけなら結構です。

○西岡委員長 事務局からまず答えられるところは答えたいということです。

○低炭素社会推進室長 事務局として、今回、この中間整理で経済分析のところでまとめた方針といたしましては、閣僚委員会タスクフォースから、大臣試案、そして本小委員会ということで、継続的にご議論いただいておりましたので、そこで登場いたしましたモデルにつきましては、幅広くあまねく記載するということで、どのモデルがいいとか悪いとかというものではなく、結果としてこのような結論が出たということを取りまとめたという思想でやっておりますので、グラフの載せ方としてもそういうものかと思います。
 1点、先ほど数字のみというお話を申し上げましたが、43ページ目のところに経済影響分析の取りまとめに当たって、小委員会のほうで一度考え方をまとめていただいたもので4点ほど留意点を書いております。1つは、一番下の4つ目のところに定性的、あるいは幅を持った形で結果をとらえることというものがございます。1つは、定性的なものとしましては、例えばグラフで複数の計算結果を示して、どのような傾向があるのかということで例えば48ページ目のところに、その図の解説が書いておりますが、図の中でいきますと周りの1のところで括ったモデル群につきましては、例えばGDPの成長、国民の所得の伸びを鈍化させるという傾向が示唆されるということで、定性的な分析の表現を使っておりますし、また先ほどのご指摘いただきました三施策の結果につきましては、2つのモデルにおきまして、結果を取りまとめいただきましたので、その結果の幅を持って示したということでございまして、この4つ目の・に従いまして、ここでの取りまとめをさせていただいたということです。

○西岡委員長 今日議論は、この中間整理という言葉にありますようにこれまでの議論の集約をしたいということであります。今日、今、舌戦を引き起こすつもりは全くありませんので、よろしくお願いいたします。
 それでは、伴委員。

○伴委員 先ほど影山委員がおっしゃったのですが、今、土居室長がおっしゃっているように、私のモデルが最高で、ほかが駄目だということを私は全然言うつもりはございません。そういう形で最初のところから書いていらっしゃるので、これで十分かと思っています。
 ただ、49ページに対応していただいてありがたかったのですが、経済モデルというのは、そのつくり方、その考え方によっていろいろと違うということを知っておいてほしい。Forward Lookingかそうでないかによって違うし、技術促進、あるいは嗜好の変化、それから村上委員がおっしゃったように、法的規制の変化、こういうことを入れるかどうかによって、結果が随分変わるということをやっているわけであります。私のモデルがいいのかどうかではなく、こういうようなことでモデルが違った動きをしますということを一般の人にもわかってもらいたいというのが私の気持ちです。
 冨田委員がおっしゃったのですが、Forward Lookingモデルというのは、エコノミストの間でもまだまだ少数派です。ただ、これも余分なことですけれども、今大学院のマクロ経済学で教えているのはほとんどこのタイプのモデルばかりです。古いタイプのモデルは学部生にはまだ教えているのですが、大学院ではほとんど教えていません。経済学の分野でも大きな変化があるわけでありまして、現時点ではなくて、将来も含めて人々は決断するということです。もちろん、一部の人は宵越しの金は持たないかもしれないけど、多くの人は将来を見据えて行動しています。
 だから、エコカー減税でエコカーが売れたとしても、その制度が終われば買わなくなる。現実にはそういう形で動いているわけでありまして、やはり先を見て、今を行動する。そういう状況の下で、この委員会でどういうメッセージを国民の方々に伝えるかということが重要だと思います。そうしたときに、将来は不安がいっぱい、何もできませんよというメッセージを与えるだけであれば、この委員会の意味はなくなるのではないかと思っています。

○西岡委員長 村上委員。

○村上委員 大変小さいことですけれども、この小委員会とワーキングの関係ですけれども、冨田委員がワーキングは小委員会には下にあるものではないというご発言をされたんですけれども、事務局としての位置づけを教えていただきたいと思います。

○低炭素社会推進室長 この小委員会で中長期のロードマップをご議論いただく際に、かなり分野別に詳細な技術的なことも含めまして、ご議論が必要であるということでございましたので、環境省のほうでお願いをしております部門ごとのワーキンググループで詳細についてご議論いただいたというものでございます。
 また、そのご議論につきましては、それぞれ中途段階、また11月に第2段階ということで報告をいただきまして、その報告に基づいて、この小委員会でご議論をいただいたということでございます。

○村上委員 組織として、ワーキングがこの下にあるものなのか、そうではないのか、別の組織なのか、それを伺っているんですけれども。

○地球温暖化対策課長 この小委員会は、地球環境部会の中環審の組織として、中環審の皆様委員、専門委員、臨時委員として任命された方によって構成される委員会でございます。ワーキングは、これはあくまでも環境省の委託先の検討会ということで、組織上、内容的には小委員会にご報告させていただいて、この小委員会の場でもワーキングをつくって、お願いしているのでこの結果を報告させていただきますということはご了解いただいていますけれども、組織的には中環審の組織ではなく、あくまでも環境省の調査の中の検討会ということで、そこは違いがあるということでご理解いただければと思います。

○西岡委員長 それでは、屋井委員、お願いします。

○屋井委員 遅れてまいりまして、ここに至る議論は十分に把握できてないわけでありますけれども、今日はたまたま富山市の副市長さんに大学に来ていただきまして、学生たちに地域の厳しい面もあるけれども、一方でいろいろ工夫して取り組んでいる様子を伝えてもらっていたんですけれども、私はその担当をしていたものでちょっと遅れました。
 今回は、中間整理ということで、今、村上先生のおっしゃったような議論もちょっと気になるんですけれども、私自身は最後の最後の頻繁のこのやり取りについていけないので、最終版を確認しなければいけないなという思いで来たんですけれども、中間整理ということですから、是非ワーキングの取組みを小委員会の最終報告の段階ではより明確に位置づけてこのレベルにうまく持ち上げていただいて、小委員会としての最終報告をつくっていただくことを期待したいと思っています。
 そういう点で言うと、ワーキングのほうも実はほんの1カ月ぐらい前に出てきているような他のワーキングとの連携強化ですとか、その隙間をどう埋めていくとか、その辺りについてはやらなければいけないという意識は強いものの、まだ十分にできてないと私は思っておりますので、ほかもどうかわかりませんけれども引き続きワーキングとしての検討もまだまだ必要だと思いますし、今回、中間整理ということであまりメッセージ性の強いレポートではないと思いますけれども、逆に今申し上げたようなところをうまくどんどんつくっていって、しかるべき社会情勢や政治情勢の中でいいタイミングできっちりと明確に出せるような、そういうことであればそれはそれで、それもまたベターな進め方ではないかと印象を持っています。
 地域関係については、地域の魅力づくりというものが最後のチャンスではないかと思うようなこともありますので、是非そういう地域が魅力をつくっていくということも前提に、CO2の長期的、継続的な削減にどう取り組むか。そういうことを支えていけるような地域づくりの枠組み、仕組みのような制度面、これを横断的に是非つくるべきだと、このあたりのメッセージも出せれば大変重要ではないかと思っております。
 感想なりますけれども、個別のところについては、若干、変わってないなというものを先ほど発見しましたけれども、そこは私の個人的な意見だということですので、大変結構だと思います。

○西岡委員長 それでは、どうもありがとうございました。

○影山委員 先ほどの点については随分修正いただいたということもあり、先ほどの土居室長のご説明で納得いたしますけれども、やはりモデルについては、いろいろやっていただいて、もう少し中立な発信をしていただきたいということを強くお願い申し上げまして意見とさせていただきます。

○西岡委員長 ありがとうございます。
 事務局のほうで何かつけ加えることはございますか。

○低炭素社会推進室長 来週28日に中間報告を地球環境部会のほうに報告させていただきまして、そこでさまざまなご議論があろうかと思いますので、それも年明けにはご報告させていただきながら、また中間整理の中で多く今後の課題が残っておりますので、事務方としましてもその議論の素材をきちんと準備いたしまして、再びご議論賜ればと思っております。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 地球部会に28日に報告する前に、今日の議論を取り入れるものは取り入れていきたいと思っております。
 今、お諮りしたいのは、本委員会の中間整理、皆さんにいただいた修正については、私に一任させていただきまして報告したいと思っております。ご承認いただけますでしょうか。

(「異議なし」という声あり)

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 先ほどお約束いたしましたけれども、本年最後の小委員会、年末でもありますので、ということはあまり関係ないんですが、この審議を通じまして、いろいろと皆さん、中長期の温暖化対策についてのご意見も述べたいところもあるかと思っております。もし、そういうことを一言言ってみたいということがございましたら、短くコメントいただければいい機会ではないかと思っておりますので、札を立てていただきまして、是非お願いします。
 今度はこちらからというのが常道であるかと思いますので、大野さんのほうからお願いします。

○大野説明員 先ほど来年も引き続き議論を継続されるというお話をお伺いしたので、ちょっとお願いを2つさせていただきたいと思います。
 自民党政権のときから考えてみると、この手の議論は私の個人的印象ですけれども、3回目ぐらいな印象があります。結構しょっちゅうやってきたなと思います。これ以上繰り返すというより先に進んでいただきたいなという気がいたします。その際、具体的に2つ、私から見たお願いですけれども、1つ目は、先ほどから議論が出ています経済影響ですけれども、やはり国民の目から見ると、どのモデルが正しくてもやはり中はブラックボックスだと思うので、箱の中に入れて何か結果が出てきたような感じなので、もうちょっと肌で難しさとか易しさが感じられるような表現をお願いしたいと思います。
 具体的に言うと、例えば子ども手当一つをとってみても、財源がなかなか出なくて困っているような政府ですから、本当にこれをやって財源は大丈夫なのかなと思います。あるいは家計の負担が前に一度自民党さんのときに出ましたけれども、家計の負担がどのぐらいになるかとか。そういった次元で少し表現していただかないと、出来そうだとか、難しそうだとか、ちょっと私にはわからないなという気がしますので、マクロ的な議論ももちろん必要でしょうが、そういうところまで落とし込めるといいなというのが1つのお願いです。
 それから、2番目ですけれども、私は運輸が専門でございまして、あまりほかのセクターはよくわかりませんが、この先、議論を進めようとするとやはり国土交通省さんとか警察庁さん、一部経済産業省さんとか、専門家の方を入れないとちょっと心配です。イデオロギーの話ではなくなって、テクニカルに、例えばエコドライブをやったらどうなるんだと、そういう話が出てきます。運輸なんかは走行量によってもCO2が相当に変わります。そういう議論に進めるとなってくるので、今のまま行くと、環境省さんは環境省さんのロードマップ、各省ほかの省もみんなロードマップ、最後につけ合せてということになるのかもしれません。あまり効率的なやり方には思えないので、早いうちからもうちょっと専門知識を省庁をまたいで、シェアするような議論のほうがいいのではないかという気がいたしますので、ご検討をお願いしたいと思います。以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 安井委員、お願いします。

○安井委員 今の大野説明員と似たようなことになるかもしれませんが、この間のCOP16から次のダーバンのCOP17までの1年間で、日本にとって幸いだったのではないかと思いますけれども、京都議定書の単純延長ではなくて、世界一本の枠組みという方向に向かうような気もすけれども、それにはいろいろと日本としても国際的な見方をいかに増やさなければいけないかということで考えると、外務省までやはりいろいろ呼びこんでいろいろなことをやっていかなければいけないということもあるのではないかと思います。
 新成長戦略はこれ全体かもしれませんし、エネルギー基本計画は資源エネルギー庁かもしれませんけれども、他の省庁がいろいろなことを言っているもの、今の我々の検討は割合と整合性がとれているような気がします。ですから、その辺、今回ここに書くことはなかったと思うけれども、全体的な整合性がとれた検討という主張もここに1つ含めるということもありかなという気がして、そんなメッセージを出していきたいという気がします。
 具体的にグリーン・イノベーションも新成長戦略の中に入っているんですけれども、このグループでは多分無理という気がいたしますけれども、AIMモデルあたりは詳細に検討しますと、少なくとも国内市場において何をやらなければいけないかはよく読み取れるんです。その辺の含意をもう少しきちんとした格好で出していける。十分読めるデータは出ているような気はしますが、そのあたりをもう少し具体的に書き込んでいくということです。
 一方、海外に向けてどうしたらいいかというのは全く読めていないので、読めないというか検討すらしていない。資料もないという状況がありますので、そのあたり、もう少しやらなければいけないかなと思います。
 これは全体的な1つの日本という国に対する危機感なんですけれども、今回こういうチャンスがない限り、現在の大停滞日本というか、既得権防衛日本というか、何かそんな格好のところから新しいタイプの成長社会に戻る最後のチャンスみたいな気がします。ですから、この最後のチャンスをいかに生かすかという観点も少し大風呂敷ですけれども、そんなことも含めて少し先ほどのお話に戻りますと、環境省スタンスからもう少し風呂敷を広げていただけないかということをお願いしたいと思います。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 屋井委員、お願いします。

○屋井委員 先ほど大野さんからお話が出ましたけれども、たまたま今日の午前中もサブワーキングはまだ第2回、大変恐縮でございますけれども、環境省として将来の交通需要、土地利用、そういったものがどう変化していくかということを予測する壮大なプロジェクトがあるんですけれども、それがようやく第2回でまだご報告する形になっていないということは大変申し訳ないんですけれども、そういったさまざまな交通等の影響については、これもまた先ほどと同じで、どのモデルが一番ということではなくて、いろいろなインプットに対して説明可能なメカニズムの中で、どんな結果がどういうふうに出せるかということを一定の幅なりケースとして示していくという、こういう誠実な対応が一番重要ですので、それについてこの小委員会にかかるワーキングとしても取り組んでいる状況があるということをまずご報告をさせていただきたいと思います。しかるべき時期が来たら是非ご報告させていただきたいと思います。
 それから、今後のことでありますけれども、国土交通省等との連携は言うまでもなくて、是非とっていただかなければいけないわけですし、特に地域の課題はまさにそういうところでありますから、それについては言うまでもないということでお願いしたいところであります。
 それから、当初、このロードマップのときに地域づくりのようになかなか限界削減費用については非常にかなりかかるけれども、効果についてはまさに藤野さんがおっしゃるようにマルチベネフィットであり、いろいろな目的もある中で進めていくということでありますけれども、なにせ合意形成問題とそれから財源が厳しいということもありますので、地球温暖化税について現在の議論で言うと、確かに1,000円とすごく安いオーダーではありますけれども、一方でまた数年後には暫定税率をどうするかという議論が出てくるわけですから、そういった関連性の中で、環境にも十分貢献できるような施策について、また地域の公共交通やまちづくりに関係するところについては、集中的に投下するとその後長い期間をかけての効果が出てくるということは、間違いないと思います。何を手当をしなければ何も変わらないということでこのままチャンスを失う可能性が高いものですから、是非そこについてはこういうロードマップを検討する中では、決して消さないでいただきたいとお願いしたいと思います。
 それから、最後にもう1つ、今まさにお話があったんですけれども、少なくとも東アジアレベルぐらいの広域で見て、どう貢献し、どうリーダーシップを発揮しながらこの問題を進めていくかという視点はちょっと役割分担として不足していたかなという感じもしますので、今後スキームがどうなっていくかの関わりがあるかもしれませんけれども、やはり日本という国の中で考えるべき課題ではないかなと私も思いました。以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 村上委員。

○村上委員 2つ、申し上げたいと思います。1つは、国民的合意ということでございまして、先ほど冨田委員も少しご指摘されましたけれども、住宅でイギリスの例を申し上げますと、イギリスは2006年か8年に建築基準法を改正しまして、2016年までに全ての新築住宅をゼロカーボンにする。そのゼロカーボンは並みのゼロカーボンではなくて、持ち込み家電まで含めてゼロカーボンにするという非常に過激な提案をしていまして、我々大変関心をもっていて、本当にできるのかということをいろいろ調べましたが、イギリスでもパフォーマンスギャップということで、どうも難しいのではないかということをいろいろ議論しているようでございまして、私はやはりこういうところで目標を掲げて、それを十分国民に伝えて、誤解の内容にそういう議論を通じて、国民の合意を形成するというプロセスが非常に必要で、この報告書がそういうことに役立てれば大変ありがたいと思っております。100パーセントの実現可能性が確保されてないから、この報告はおかしいということにはならないと思っております。
 それから、来年度も継続するということでございますが、この国民生活という立場からは、低炭素化は必要条件であっても十分条件ではないわけでございまして、もしも展開させるのであれば、そういう低炭素化の中で、どうやってさらなるQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を狙うかというような議論もしていいのではないかと思っております。以上です。

○西岡委員長 増井委員。

○増井委員 1点だけなんですけれども、今回こういう形で中長期ロードマップがまとめられて、いろいろ批判、意見もあろうかと思います。多分、何年たっても完璧なものはできないと思いますので、完璧なものができたときに、2020年になったということのないように、本当に実行のときであると大野説明員もおっしゃいましたけれども、本当に今すぐにでも実行していかないと、1年遅れるとやはりそれなりのマター、リスクが高まってくるということですので、これをベースに是非とも環境省さんのほうには有効な対策を打っていただきたいと思っております。

○西岡委員長 藤野委員。

○藤野委員 3つあります。まず最初は、コミュニケーションについてです。COP16で国内では京都議定書単純延長は絶対反対はよかったのではないかという議論がありますけれども、言い方の問題だと私は思いました。戦略コミュニケーションの問題だと思いました。
 初日に、京都議定書はunder any circumstances and conditions で反対だということを日本政府は言いました。それによってレピテーション(尊敬の念)が私の感じたところ下がりました。特にアフリカのレピテーションは下がったし、アジアのレピテーションも下がったし、ほかの国も下がった。日本はこんな国だったんだろうかというイクスペクテーション(期待)に対して違うことをやると、みんなびっくりしちゃって、結構高いイクスペクテーションがあったような感じもしたんですけれども、イクスペクテーション・マネジメント(期待値の管理)の問題だと思いました。
 私は戦略コミュニケーションのプロフェッショナルの人に困ったので電話して聞いたら、そういう話を教えていただきました。あと嫌われないことだということです。日本ほど今まで世界全体で嫌われていない、好かれているかどうかはわかりませんけれども、嫌われていない国はないということをおっしゃっていただきました。そういうこともあって私はCOPにて、朝、政府代表団が泊まっているホテルにいましたから、朝、起きると皆さんに「おはよう」と挨拶をするんですが、これが恐ろしいことにちゃんと「おはよう」と言ってくださる方は本当に少なかったと思います。交渉など非常に大変な仕事をされると、精神がおかしくなることがあるかと思うんですけれども、メキシコ人は、「オラ、オラ、ブエノスディアス」で、どうなったかと言うと、コペンハーゲンアコードとメキシコのカンクンアグリーメントは全く違う性質のものだと思います。コペンハーゲンアコードは一部のところがリーダーシップをとってやろうとしたために、抜け駆けだと言われて、テイクノートで終わってしまいました。しかし、カンクンアグリーメントは最後にみんな立ち上がって拍手(standing ovation)をして、一方、ボリビアは反対していましたけれども、お話を聞く限りによるとボリビアの大臣が帰るときに、メキシコの大臣が空港まで行って、握手して、お見送りをした。そのメキシコの態度が私は非常に立派だったと思います。環境省も是非そういう態度でこの中長期ロードマップというものを扱っていただきたいと思います。自分のものだけにしないでください。これは環境省のものでもないし、小委員会のものでもないし、本来国民のためにあるものです。
 私はそれをどうやって実現させたらいいか。一番最高のやり方を考えてほしいと思います。環境省だけでやると、多分できないと思います。例えば、戦略室のほうが地球温暖化対策のほうを担っているのならば、お座敷を早い段階で戦略室なりに移して、環境省は事務局をやればよろしいのではないでしょうか。そのもとで国土交通省なり、経済産業省なり、外務省なり関係省庁が集まって一時期タスクフォースというものがあって、この御縁で、屋井先生ともお知り合いになりましたけれども、そういったことをやられたらいかがでしょうか。やるならば必ず成功させる。成功させる確率をできるだけ高める仕組みでやっていただけたらと思います。
 この問題は、非常に難しいと思います。低炭素社会も難しいし、その先にある持続可能社会づくりというのは本当に難しい問題です。だからこそサイエンスが必要であって、100人以上の専門家が集まって、今、中間整理ですけれども、これだけのものをつくった。しかし、わかったことはわかった、わからないことはわからないとしっかり示してほしいということを私は申し上げて、そういうこともあって11月25日にぶち切れたんですけれども、幸いかなりわかったこととわからないことが示されたワーキンググループのまとめもあるし、全体のまとめになったのではないかと思います。ただし、まだわからないこともたくさんありますし、実際のところは100人だけでも足りなくて、日本だけでも足りなくて、世界ではもっと先に進んでいますから、世界の英知も組み入れて謙虚に学んでデザインをすることが大事だと思います。一部のよかろうという努力を積み重ねても、多分我々が欲しい持続可能な社会には辿りつかないと思います。圧倒的なデザインをつくり直して、頭の中だけでも成立したというイメージを持って、2050年マクロフレームがそうかどうかわかりませんけれども、それをイメージしてコンセプトをしっかりやって、そこに至る方法を考えないと、とてもこの非常に難しい問題は解決できないと思います。
 最後は、実は国民が求めているもの、うちの嫁が求めているものは非常に小さな幸せだと思います。彼女は自分が楽しく暮らせる確率をいかに高めるかということ、自分のご機嫌をよくすることをいかに高めようかということを気にしています。大体その阻害要因は夫である私なんですけれども、それは個人で努力できるところもありますが、やはり社会インフラがしっかりしていないと楽しく暮らせない人もいるかもしれません。公共交通、先ほど富山の話もありましたけれども、やはり地方部にいて、車でしか移動できないという状況が楽しく暮らせる確率を高めるようなインフラになっているかどうか。または、仕事がない状況が、それが楽しく暮らせる確率を高めるのだろうか。そういうセーフティネットがない状況が楽しく暮らせる確率を高めるのだろうかということを真摯に考えながら、謙虚に私もいろいろ、わあわあ言って、所内でも問題を起こしているようで、いろいろ軋轢はありますけれども、そこも謙虚に反省しないといけませんけれども、そういった小さな幸せを大事にしながら、それでいて圧倒的なデザインをサイエンスによってできたら、うちの研究所もそういうところに貢献していけたらと思います。
 それによって、地域を持続可能にするお手伝いをして、日本を持続可能にするお手伝いをし、アジアを持続可能にするお手伝いをして、そして世界を持続可能にするお手伝いをすれば本当に世界の平和が訪れて、人類の健康にも役に立つのではないかと思います。以上です。

○西岡委員長 伴委員、お願いします。

○伴委員 いろいろ私も今回作業をさせていただいていたのですけれども、やっている途中で、環境省の枠組みだけで考えてしまうところが少し残念なところです。
 今回、2500億円の炭素税増税を3年半ぐらいかけてやるという状況ですが、2500億円というのは今の私のモデルからしても、小さな影響しか持ちませんで、本当のところは25兆円ぐらいのもっと大規模なものが必要となります。ただ、そうすると大規模なお金が入ってきたときに、それをどう使うというのが環境省のサイドからすると非常に難しくなると思ったところがあります。
 具体的に言うと、そういう形で入ってきた巨額の税収をどう使うかと言えば、最近も問題になりましたけれども、法人税の減税に回すシミュレーションはできる訳でして、そうすればポジティブなこともきる。そんな大規模なことは考えないでほしいと言われると、少し残念な思いです。
 それから、私のモデルは国内一国モデルですが、世界モデルでやったときにどうなるか。これも私は既に計算していますが、やはりそういう国際競争力への懸念は絶えず言われているわけです。どういうモデルで、分析するかで変わってきますので、国際的な立場ということも本当は明記してほしいです。ところが、私は国内モデルでの分析しか求められてなくて、それしか出せないとなると、そういうことしか考えてないのかと言われてしまうわけであります。
 それはこういうところではなくて、ほかのところでやれば大丈夫と思うのですが、人々は国際的な中での日本の政策がどういうような効果を持つかを絶えず見たいと思っているわけですから、ここでも積極的に取り上げていただけるとありがたいと思います。国際的な視点ということが2点目です。第1点目はある意味での環境省の枠を超えてしまう部分があるのですが、日本全体の税制の構造も含めて、一般財源化と言ってはいけないかもしれませんが、炭素税は多目的に使える税と思います。それをうまく使うことで、いろいろな問題を解決することができると思っています。以上です。

○西岡委員長 則武委員。

○則武委員 今回、このロードマップの小委員会に参加させていただいて、膨大な資料をつくっていただいて、その中身をずっと自分で見ていかないといけないという点で、非常に勉強になりました。いろいろな場で意見を言っていくために参考になるかと思ったりしています。
 一方で、COP16で京都議定書単純延長にならなかったのは、私もそれでよかったと思っておりますけれども、だからと言って、1年間に日本が前に進まなくていいということではなくて、日本が進まなければいけない状況は何も変わっていないと思いますので、やれることはまず進めるということと、何を今やらなければいけないのかということを、政策を考える方には今からでも考えていただいて、すぐに実施していただかないといけないのではないかと思っております。
 その中で、政策を考える方というのは、少なくともこのワーキンググループの詳細まで含めて全部いったん見ていただく必要があるのではないかと思っています。この委員会の中でも国民的議論という部分が中心に上がっておりますけれども、国民的にという点でわかりやすくする必要があるかと思いますけれども、政策を考える方にはこれぐらいの資料は全部読んでいただいて、十分政策を考えていただきたいと思います。
 政策を十分考えていただければ、今回の経済モデルの分析の三施策の前提条件というのはこんな3つの条件になるはずがないと思っております。この部分は、報告書自身はもうモデル分析されたのでよろしいです。しかし、例えばこの報告書で、排出量取引制度の排出枠の設定対象として川下の大規模事業者で4業種ということで書かれておりますけれども、このロードマップの資料を見れば、例えば164ページに図がありますように、4業種の削減幅というものは全体の中で非常に小さいということになっております。それに対して排出量取引制度を設けることは全く論外のことであると思います。政策を考える方には十分ワーキンググループ全体を見ていただいて、どういう政策がいいか、もちろん費用、国としての財政の問題も考えた上で、ということです。当然この税金額ではほかの政策もできないということになると思います。その上で合計の金額が最小になるような、政策を考えた上で経済モデル分析をやっていただいて、それに関して国民にわかりやすい議論をという形でお願いしたいと思います。
 もちろんパブリックコメントもその段階でお願いできればいいのではないかと思いますので、今のものでやるにはあまりにも効率が悪いのではないかと思います。そういう意味で、まず地球環境部会だけではなく、政策を考える方、民主党だけではなくほかの党の方々にも是非詳細を見ていただければと思っています。そうなれば我々多くの時間を割いたことが有意義なことになるのではないかと思っておりますが、その辺、環境省にもお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○西岡委員長 冨田委員。

○冨田委員 考えてみますと、このロードマップ小委員会は4月にスタートして、約9カ月がたったわけですけれども、スタートしたときは、基本法の成立を見越してスタートしたということではなかったかと思います。今現在の状況を考えると成立してないということは一緒ですが、COP16あるいは個々の政策についての議論が進んできているというところもあって、状況は少し違うところがあるかなと思います。
 相変わらずはっきりしないのが、前提条件つきの中期目標を掲げながら議論しているというところであって、先ほど村上委員、影山委員の議論を聞いて思ったのですが、目標を努力目標としてとらえて施策を推進するのか、あるいは国際公約という位置づけのものを考えているのかということによって、捉え方が全く違うということではないかと思います。その辺がはっきりしない中で、ロードマップをつくるという苦しさがあると私は理解しております。
 この小委員会のミッションではないかもしれませんけれども、地球規模の温暖化問題に対して、我が国が果たすべき役割を考えた場合、2020年90年比マイナス25%というものが本当に妥当なのかどうか。あるいは、今回のまとめの中にもありますけれども、国外での排出削減のカウントを補完的にするという考え方、これ自体も適切なのかどうかというそもそも論に立ち返って議論する必要があるのではないかと考えております。以上です。

○西岡委員長 大聖委員。

○大聖委員 私は、運輸のほうを担当させていただきましたけれども、おかげさまで2015年、あるいは2020年度の燃費基準の検討が行われていて、具体化して、それをクリアするような車が出てきておりまして、それを自動車メーカーの方々も含めて議論させていただきまして、割と定量的な値を打ち出すことができて幸いだったと思っております。関連の方々にこの場をお借りしまして、厚く御礼申し上げたいと思います。
 この2020年、2030年ぐらいまでの運輸の取組というものがほぼ見えてきたかなという気がいたしますけれども、それを越えて2050年となりますとなかなかどんな技術があるのかということが見えないわけですけれども、中長期の長期のほうをもう少し踏み込んだ議論が必要だと思います。具体的な技術云々の話ではなくて、やはりそれを支えるために必要な人材とかあるいは国際的な交渉力、あるいは先ほど東アジアという話もありましたが、そういうものを含んだ戦略的な国際環境戦略みたいなものが底流にないといけないのではないかと思います。
 とりわけ技術競争というのは国際的にも熾烈になってきますし、その一方で国際協力も進めなければいけない。我が国のコントリビューションはどういうものかということをやはり定量化するような努力は必要だと思います。今はちょっと計算のしようがないわけですけれども、長期的に見るとそういう戦略が絶対に必要だと思います。
 それから、もう1つは、国際基準というものがやはり必要ですし、それを日本流にリードするようなやり方をやっていかなければいけませんし、それを基準を超えるような努力が必要だと思っています。2050年の時点で日本のCO2の排出量はグローバルに見ると本当にわずかになると思います。
 ですから、80%に減らすというのはグローバルに見たら、その効果は本当にわずかなものでありまして、むしろ日本がどうやって日本の人材を育てて、国際的競争力、あるいは国際的なコントリビューションを成し得るかという意気込みをやはりここで示しておく1つのきっかけにしていただければと思っています。これは何度か申し上げましたけれども、繰り返し言わせていただきたいと思います。以上です。

○西岡委員長 杉山委員。

○杉山委員 第1クールで発言をしなかったので、少し発言させていただければと思います。今、多くの委員の方から出されたこととほぼ重なりますので、なるべく繰り返しにならないように心がけて発言させていただきます。
 もしかすると第1クールで発言させていただいたほうが適切だったかもしれません。あらためまして今回、議論を取りまとめていただきまして本当にありがとうございました。先ほど、事務局からありましたが、今回のものはワーキングの取りまとめとして、議論としてこういうものがありましたということで、地球環境部会にお諮りしますというご説明がありました。そういうことだろうと思います。だとすれば、この中を見させていただいたときに、いろいろな検討結果がある一方で、多くの課題がまだ残っていると受け止めています。またそこに加えてコストを含めた対策等々は今後まだ検討しなければいけないということが書かれています。このこともしっかりと含めてこの報告という形にしておくことがまずは大事なことだと考えています。そうしていただけるのであれば、この中間報告ついては受け止めていけるのではないかと思います。
 その上で、今後に向けてということで先ほどからいろいろな他省庁との関係云々という話も出ておりました。私も全く同感です。前回の委員会のときにも発言させていただきましたが、その中では、国際的な調和と国内施策のバランスをどう中長期にわたって舵取りしながら国内施策としての雇用、産業、成長をコントロールしていくのかということが必要になってくるわけです。そのときの重要なナビゲーションとしてこの中長期ロードマップというものが生きてくると思います。その際、やはり国家戦略として、今後の中長期の国家の重要な取組、営み、の中心として環境問題を据えていくべきではないかと思います。そのような今後の取組を期待したいと思います。
 特に、既に他省庁ではいろいろな検討が進められてきています。先ほど来、出ていますけれども、交通基本法もありますし、国交省では住生活基本法、農林水産省では国産材の問題、いろいろなものが実際に動いている中で、この中長期ロードマップはいつからそこに影響し、どう連携するのかということがいち早くスタートしなければいけないと考えています。それを政府、国として早く一体感を持った取りまとめをしないといいものをつくっても、結局効果を生まなくなってしまう。そのことは是非強く受け止めていただきたいと思います。あらためて政府の一体的な取組をお願いしたいと思います。
 その上で、先ほど来、温対法と国家の話も出ていまして、藤野さんからもCOPのお話がありました。繰り返すつもりはありませんが、温対基本法が今回も継続という形になっていますし、COPの議論も16を終えて、17まで1年間の時間ができました。その創られた時間の中で、今検討している中長期ロードマップをどう今後の検討の中でどのように位置づけていくかということを、どこかでしっかり整理してもいいのではないかと思っています。
 若干、藤野さんとは異なるかもしれませんが、私はCOP16の場で日本政府がしっかりと出した成果は評価に値するものではないかと受け止めています。今後の日本の成長、国益と言ったらちょっとオーバーかもしれませんけれども、それをしっかり担保できる可能性を残した結果ではないかと。大切なのは、そうした成果・結果をこの1年間の中でしっかり受け止め、注入していく、そういった取組が必要ではないかと思います。
 あとは、実際に中長期ロードマップの使い方を今後どうしていくかということについて、これは今後の議論になるかもしれませんし、国家戦略と位置づけるということになれば、その範疇になるかもしれません。この報告にはいろいろ、ワーキングを含めて非常に重いと言いますか、多くの知見が含まれていると思います。決して無駄なものは1つもないだろうと思います。いろいろな認識の違い、もしくはデータが揃っている、揃っていない、もしくはその他のデータが必要だということはあるかもしれないけれども、時間をかけまとめ上げた1つの知見であるのは確かだろう思います。
 今後は、さらに精度を上げていく、必要なものは入れ替える、そういうことが必要になってくるかと思いますが、肝心なことは、冒頭に西岡先生がおっしゃった3つの道、どこを選ぶか。道を選ぶときのナビゲーションとしてこのロードマップをどういうふうに捉えるかということが重要になってくると思います。そのときに国際動向、環境、などを踏まえながら、どの道を選んでいくのかということになってくると思います。その際、どの道を選ぶかも大事ですが、選んだ道をどの程度のスピードでいくのか、どこに重点をかけてアクセルを踏むのか、そのスピード感をどうコントロールするのかということがものすごく重要になってきます。
 どの道を行っても、同じスピードで行けということではなくて、どの道を行くのでもどのスピードぐらいでまず走るのか。先ほどどなたか今からやらなければいけないこともあるではないかとの発言がありました。全くその通りだと思います。今の国際状況、環境の中で既にもうニュートラルからセカンドに入れて走っておかなければいけないもの。まだ、そこまで慌ててはいけないもの、そこをしっかりと見極められる政策判断できるものとして、このロードマップを位置づけるべきではないかと思います。
 ちょっと長くなりましたが以上でございます。

○西岡委員長 荻本委員。

○荻本委員 大きく言うと2点ありまして、まず第1点目は先ほども申し上げましたが、これはすごく難しい問題ですから、何人かの方が言われたように英知を集めるということが必要ですから、組織的にも個人的にもいろいろな英知を集めることが必要だということまでは間違いありません。
 ただ、ちょっと開けていただかなくてもいいんですが、非常に分厚い資料の578ページの上の段に、「再生可能エネルギーの導入量を100%にしても大丈夫だというふうにヨーロッパが言っている」というようなことが書いてあります。言っていることは事実なんですが、これができると証明した人はまだ誰もいません。明治以来、日本はどうしても向こうを見がちなのでしようがないのですが、この問題はかくのごとく難しい問題なので、日本も一緒になって新たなことをちゃんと発見して提言して確認していかないといけない。そういうことですから、1つの知恵というのは、真理として見つけるということが1つ大事なことだと思います。
 真理というのは、駄目なことはいくらやったって駄目なんですから、でも技術が発展したらいいのかもしれない。そういうことを本当にちゃんと突き詰めて考えないといけないという知恵が1つあります。
 もう1つは、今からどうやったらいろいろな対策技術が導入されるかということは本当にいろいろな人たちが、人間の営みの中でいいパスを見つけていく。これはきっともっと歩がよく見つけられるものだと思います。ですから、この2つをごちゃごちゃにして、前者で何となく勢いをつけて、後者で人を引っ張っていこうとするとときどき間違ったことが起こりますから、わからないものはわからない、わからなくてもどうするんだというふうに考えることと、人間を引っ張っていく。そういうことを分けてやったらいいかな。そういう意味で知見を集めて進んでいってほしいというのが第1点です。
 もう1つは、どっちの方に引っ張っていくんだということに関しては、何が目的関数かと言うと、儲かる、儲からないと言ってもどうなるかわからない先の話なので、なかなかうまくいかないかなと思います。私の考えは、次の世代に何を残せばいいと思うかということを目的関数にするというのが1つあると思います。
 経済的な世界、今の企業体、エンティティが儲かるかどうかというのは、今の条件、今のビジネスモデルに支配される。ですから今の枠組みでいろいろなものを考えようとするとどうしても当然今のものに引っ張られます。ですから次の人たちに今の制度とかビジネスモデル、みんなチャラにして、次の世代にどんなものを残してあげればいいかということも目的関数に置けば、少し何を目的にして進んでいいかということが和らぐのではないかということが2つ目です。
 最後に本質的な話ではないんですが、ナビゲーションという言葉が先ほど出ましたが、この報告書も目次がついていて、今のワードですとナビゲーションウインドウが出てきます。つまり目次が左側に出るんですが、今の報告書はそれが目茶目茶になっていますので、そこをきれいに出るようにしていただくと、非常に読みやすいので、付けるようにしていただきたい。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 大塚委員。

○大塚委員 3点ほど、エネルギー供給ワーキンググループのほうに検討させていただいて、またこの小委員会で検討させていただきまして勉強になりました。ありがとうございました。
 第1には、先ほど委員が言われたこととも関係しますけれども、さまざまな前提条件がございますが、やろうと思えば25%も達成できるという方向が示せたということは画期的なことだったと思っています。そこに今回の作業の大きな意義があったと思っています。
 エネルギー供給ワーキンググループについて言えば、再生可能エネルギーに関しての継投対策の費用が入っていないとか、前提条件でよくわからないものがあるものですから、そういうところはさらに精査していく必要があると思います。
 数値を示していくことに関しては、今ここで出ているのは再生可能エネルギーに関しては、毎月200円から400円ぐらい入る、上がるということが出ていますので、こういうことを増やしていくということが、そういう数値を増やしていくことが重要であると思います。
 それから、第2点ですけれども、今回、炭素税のほうは割と小規模で入りそうですが、排出量取引のほうはちょっとどうなるかわからないという棚上げになっているところが出てきていますけれども、先ほど伴先生もおっしゃいましたけれども、これだと15%もやれるかどうかわからないのではないかと思いますので、私としてはもっとしっかり政策を導入していっていただきたいなと思っています。特に、マネーゲームとかと言われて、マネーゲームという言葉自体がはっきりしないのに、マネーゲームとか価格の高止まりと乱高下というのはちょっと問題だと思いますけれども、正確な議論をしないで、漠然としたキャッチフレーズのようなことを言って、議論を収束させようとしているところがないではないと思いますので、この場ではそんなことをあまり詳しく言ってもしようがないと思いますけれども、かなり問題があるのではないかと思います。
 それから、第3点ですけれども、京都議定書の単純延長に対する反対という問題については、かなりいろいろなことを考えなければいけないと私も思っていまして、先ほどのご議論だと日本国政府がああいうふうに言って、うまく行きそうだと思っている方もいらっしゃるようですが、私はそんなに簡単だと思っていなくて、次回また問題になると思いますので、そこは事務局にむしろ伺ったほうがいいのかもしれませんけれども。
 さらに、日本政府は何かを言っていかなければいけなくなるのではないかと思います。そのときには、国際衡平性の問題は非常に重要で、そんなにおかしなことを日本政府が言っているとは私は思っていませんが、それがすごく悪者のようになっているというところは、世界中の悪者のような形にとられているというのは、やはりコミュニケーションが下手だということがあると思います。こちらから要求していくものについて主張していない。
 例えば途上国に対しては、その都度条項にないということを当然主張していくべきだと思いますけれども、前から少しは言ってらっしゃると思いますけれども、あまりおっしゃってないと思いますので、そういう戦略的なコミュニケーションをとるという先ほど藤野委員が言われたようなことは是非検討しておいていただく必要があって、もうこれで大丈夫だと思っていらっしゃると、必ずしもそうではないのではないかと思います。以上です。

○西岡委員長 枝廣委員。

○枝廣委員 今回、コミュニケーション・マーケティングのワーキングを立ち上げていただいて作業をさせていただき、とても勉強になり感謝しております。私たちのコミュニケーション・マーケティングのワーキングで大きく2つのことを学びました。1つは、生活者が置かれている現状を知るということがいかに重要かということです。実際に聞いてみて、本当に大切で、こういったプロセスをどのような施策であっても、取り入れていくべきだという思いを強くしました。
 もう1つ、今回やってみて発見したというか、教えられたのは、生活者に聞くというプロセス自体がかなりの教育的な効果をもっているということです。面と向かってのヒアリングだけではなくて、インターネットのアンケートですら、3割ぐらいの方々がこれをやることで学んだとか、考えることができたとか、答えていらしたと思います。
 先ほども言いましたが、コミュニケーションの立場から、今回の中間整理は最終的な取りまとめの前だと思いますが、最終的には「最終的に取りまとめたもの」を国民にきちんと伝えるということになります。そのためにここでもうその準備をしたらいいと思っています。わかりやすくする必要があるというのは皆さんもおっしゃっていて、そのとおりなんですが、どういうふうにわかりやすくしたらいいのか。どこがわからないのかというのは、伝えたい人に聞いてみないとわからないのです。ですから、実際に伝えてみたい人たち、それは関心ある生活者だったり、学生さんだったり、NGO、もしくは皆さんの会社の社員の方でもいいと思います。そういった方々にこの中間整理の内容を知って、考えるための会のようなものを行ってみてはいかがでしょうか。多分この内容を渡しても難しいので、私たちの小委員会がどのようなプロセス、たとえばどう考えてどう進めてきたのかというプロセスのストーリーを伝えること。その後で、それぞれのプロセスで何が出てきたのか、何がわかったのか、それを伝えるというようなやり方ですね。それをやって初めて何がわからないのかがわかって、わかるような伝え方が工夫できると思っています。
 中間整理もそうですが、繰り返しコミュニケーション関係、国民の理解ということが出てきます。皆さんのお話でもよく出てきました。これはそう一言で言うと、何となくわかったような気がしますが、本当はもっとよく考えないといけないことです。つまりどういう国民に、どういうレベルの理解があって初めて政策が実行できるのかということです。
 常に何であっても反対する人はいますから、100%の合意がなければ政策ができないというわけではありません。例えば専門家が集まっていれば、今回の中間整理のようなものもある程度理解ができると思いますが、そうではない人たちもいるわけで、この国民の理解とか合意を、「政策を進めないための、実行しないための口実」にしないということはもちろんですが、恐らく国民の理解の位置づけをもう一回確認したほうがいいのかなと思います。
 つまり、国民も産業界も合意して行われた政策はそんなにたくさんないのではないかと思います。それぞれの生活者も産業界もその置かれた状況で割と短期的、局所的な形で物事を考えます。ですから、その人たちの間での合意で政策をしようと思ったら、きっとほとんど現状から変わらないものになる。でも、政策、もしくは政治というのはそうではなくて、短期的にみんなに喜ばれないとしても、長期的に考えて本当に必要な正しいことをやっていく、これが政治であり政策であると思っています。そのときにその真意とその裏にあるロジックをきちんと伝えていく作業が必要で、それが国民の理解を得るということだと思います。理解されて初めて対策を進めましょう、政策を進めましょうというものではないと思っています。
 恐らく一般の生活者のレベルだと、15%か25%か、モデルの細かい話はきっとほとんど「?」で終わってしまうので、それよりも大事なこと・みんなが知りたいことは2つです。1つはこのままだとどうなるのか。このまま手を打たないとどうなるのか。それは単に温暖化の悪影響が出てくるということだけではなくて、ピークオイルでエネルギーの価格が上がるとか、CO2の制約が厳しくなるという、そういった世界の中で、このまま何もしないとどうなってしまうのか。それがわかって初めてそうではない低炭素社会をつくるときにそれでコストはどれぐらいかかるのか、そのときどういった将来の姿になるのか、このままよりもそうではない社会のほうがいいから初めて人は動こう、お金を出そうとするわけです。細かい話はきっと専門家以外はそれほどピンとこないと思いますが、その経済モデルが重要なのは、そういうことも専門家がしっかり考えて検討しているという、その信頼感、これは国民にとっても生活者にとってもとても大事なので、それは担保しつつ、本当の生活者のレベルでの議論をしてほしいと思っています。
 もう1つ、これは今回の中長期ロードマップは削減つまり緩和策がメインになっていますが、生活者にとっては、CO2を削減するということよりも自分の幸せな暮らしを守りたい、続けたいということが一番大事なことで、そういった意味で言うと温暖化は悪影響を通じて暮らしを揺るがしてしまうかもしれないというところに非常に関心があると思います。それは熱中症や雨のパターンが変わるとか、野菜、魚の値段が上がっていくとか、いろいろな形で暮らしに影響を与えるわけです。このロードマップは緩和策だけで、適応策は別にやりますというのではなくて、適応策と兼ねたような、少なくとも兼ねられる緩和策ということも意識して進める必要があるのではないかと思っています。
 最後に、特に若い人とお話をしていても本当にそう思うのですが、日本の中で強い閉塞感があります。皆さんも認識されていると思いますが、それは将来の見通しがあまり明るくない上に、自分の無力感というか何かやってもどうせ変わらないという感じになってしまっています。今回の温暖化の対策は、何かやれば変わる。実際に数字も変わるということを見せられる非常に大きなチャンスだと思っています。閉塞感を打破して、元気にする。そういった意味合いも含めて、今回のロードマップの実行は非常に大事なことだと思うので、そういったところまで意識して進めていただけたらと思っております。以上です。

○西岡委員長 牛久保委員、お願いします。

○牛久保委員 まずは中間整理の中にワーキンググループの前にSがついている、サブグループでありながら、配慮していただいて報告書に盛り込んでいただいたことに対して感謝申し上げます。ただ、先ほど屋井委員もおっしゃられたように、地域グループとの整合性がまだとれておりませんので、十分な論議が尽くされてない点が、ちょっと今の時点では残念なところでございます。各委員がおっしゃられていることと同じように、ある面では今まで経験したことのない国民一人一人が低炭素社会という新しい社会の中に移行するための議論がここでなされたわけですけれども、それを効果的に実行するためには、優先順位を決めて、国が、企業が、個人がどのように優先的に実行していくのか示すべきだと考える。先ほど車のアクセル、セカンドギアとか、枝廣委員が言われたような議論もあるように、導入をスムーズにするための考え方を示すことがやはり国民に対して低炭素社会にと移行していく上で重要な要素の1つではないかと思います。
 それから、この本文の中に「効果と影響について示す必要がある。」という文言が大分出てまいります。私は自然科学者ですから、よくあることですけれども、実験をやっていますと必ず人間として陥る失敗があります。学会でも失敗学会というものがあれば報告書がたくさんで、成功事例よりもペーパーがたくさん書けるのではないかということをよく思います。本文中でよく出てくるのは、優良事例的なモデルケースです。当然それを示すのも1つの考え方でしょうけれども、みんなが陥るリスクとか失敗についても議論をしておくとが必要で、それによってそれらを回避できればエネルギーとか経済的なロスが少なくなるということもありますので、そこら辺のところも十分に配慮していただければと思います。
 それから、サブワーキンググループの農山漁村関係でありますので、特に地域特性を考慮していただきたいということは前々からお話ししております。農山漁村関係では、地域特性を考慮していただかないと、都市域との格差を生むということがあり、危惧されるところですので、そこら辺のところをどうしたらいいかということについても盛り込んでいただければと思います。
 次に、グローバル的な話ですと、今、TPPの議論がありますように、農林水産業における世界との関連ということになりますと、もし日本が参加したとすると農山漁村のイメージが随分変わってしまい、ある面、想像がつかないような状況になるかもしれません。それを予測しどのように考えたらいいのかということがこの中であまり議論されておりませんので、そういう意味で海外との関連を含めた国際的な日本のあるべき姿、今の農林水産業についてほかの委員からありましたけれども、他省庁との検討や整合性をとっていただくということが必要ではないかなと思います。以上です。

○西岡委員長 赤井委員、お願いします。

○赤井委員 先ほどから中間整理についていろいろなご意見があって、それぞれの立場から賛成、反対、批判等いろいろ出ているんですけれども、端的に言えば、これだけの作業をしてつくられたものとして、5センチぐらいのものも含めて、第1級のリファレンスマテリアルにはなっていると私は思います。私だったら、幾つか使いところが結構あるなと思っております。そういった意味でご苦労に敬意を表したいと思います。
 先ほど、個別のコメントのときにも申し上げたことにちょっとプラスしてお話ししますと、やはり一般的に言うと施策はまだまだ流動的でいろいろなことが検討途上にある。そういうことを常に取り入れながら、次のラウンドの検討に是非活かしていただければと思っております。
 それから、何人かの委員の方々のコメントを伺いながら、自分が過去に言ったことの繰り返しになりますけれども、2050年という今のところ最終ターゲットに近い長期目標を見た場合に、それの線上にきちんと乗っているのか。あるいは2050年の例えば80%ということを考えたときに、2020年に打つ施策が無駄になってしまうようなことはないのかという一種の整合性のチェック、ネガチェックみたいなことが今後少しやる必要があるかもしれないと思っています。
 それから、これも何度も申し上げたことなんですけれども、我々は決して平均値とか積分値で生きているわけではなくて、それぞれいろいろなこういった技術の組合せなどですと、瞬時値、あるいは場合によっては、微分値が問題なわけなので、そういったミクロな点からの実現可能性等についても今後どちらかと言うと、経済分析というよりももっと技術論になってしまうかもしれませんけれども、そういった検討も是非やっていただければと思います。
 それから、先ほど施策が動くと申し上げましたけれども、施策が動くことによる影響、あるいは動きそうな施策をある程度想定した影響の分析、あるいはそこには先ほど申し上げた原発に代表されているようなリスク、あるいはそれに対応する代替策、そういったものを幅広く考えた上での一種感度解析的なもの、あるいはそのオプションとしての政策の検討というものが次に来るのかなというふうに思っております。
 最後に言いたかったことなんですけれども、これは小沢試案が出たときにもちょっと申し上げたんですけれども、ロードマップを拝見すると、これは技術ロードマップというよりもどちらかと言うと施策のロードマップになっておりまして、これを実現しようとすると実は担当されておられる官庁の方々、お役所の方々はバタバタと倒れるような施策のオンパレードで、これを必要な法制化しようとするとものすごく大変な作業になるわけです。
 片や、数カ月前になりますけれども国会答弁を見ていると、民主党の掲げた政策の根拠はこの委員会がつくっているということを例えば首相が答弁されると、この委員会はそういうことなのかというふうに感じたと思ったら、同じ日に伝わってきた情報では、この委員会のそもそもやっている作業に関わる予算が事業仕分けの対象になるとか、全く整合性のないことがこの委員会の外部で動いていまして、場合によっては環境省の方々も我々委員もそういったことに協力してばかばかしいなというようなことまで考えた次第です。
 ただ、実際には、このページ数だけを見ても、この1回の委員会で印刷代だけでどれぐらいかかっているのは多分コスト意識のない人にはわからないのでしょうけれども、これだけの予算でこれだけの作業をやられたということは、私はとてつもなく大変なことだというふうに自分の経験からしても思っておりますし、実際にそういった大変さがわかってない人が環境省の職員自ら全部やれというような無理難題を吹っ掛けるようなそういったことには断固として抵抗して、まさにコスト効果の高いアウトプットが私は出たと思っておりますので、その点はもう環境省の方々、あるいは事務局の方々、それを支えてきた企業の方々に敬意を表したいと思っております。それを最後とさせていただきます。以上です。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 皆さんからさまざまな温暖化対策全体に対してのご意見をいただきました。どうもありがとうございました。
 これでそろそろ今日の会合をおしまいにしたいんですけれども、今まで一番発言の少なかったのは、西岡委員でございまして、じっと我慢の19回だったと思います。ちょっとまとめをさせていただきたいと思います。
 今日のお話ですけれども、皆さんの意見は全くそのとおりだと思いますのは、まずロードマップというのは環境省だけの話ではないから、多くのほかの省庁とも十分連携をとってやっていただきたいということ。それから、ありがたいお話が産業界の方からもございました。もっと先に進もう。いつまでもこんなごつい紙を抱えて、机の前にいてはいかんのではないかというお話だったかと思います。3つ目が、国民の合意形成が非常に重要だということで、これはもういくらこのごついものをつくっても、結局動かすのは国民一人一人だということでございますので、非常に重要だと思います。
 さらには、もう1ついくんだったら、もう国内だけの話ではなくて国際的な検討に入っていく必要があるのではないか。我々の力を国内だけでどうのうこうのうということではなくて、もっと前に行きたいという話です。それから、今後政策を考える際に、プライオリティをちゃんとつけてもらいたい。今からできるものはどんどんやっていこうじゃないかという話があったかと思います。
 どうも皆さん、ありがとうございました。それが第一弾です。
 それから、今度はこれまでの作業全体の話でございますけれども、中間整理ということで、まだ道半ばでございますけれども、一段落させていただきます。そして、先ほどから人知を尽くしというお話がございました。非常に多くの方々の知恵を入れて、知恵のかたまりみたいなものが目の前にあるわけでございます。交渉事にいろいろな目が行きますけれども、そういうことは置いておいてもまず一歩を進めるという算段がいいと思っております。結局、やったことしか残らないという一言で言うとそういう話でございます。そのことに向かって具体的な道筋を我々は描いてきたということかと思います。
 どの分野で誰が何をどんな手順でやるのかといった標準的な考え方ができて、これをベースにいろいろなところで行動に移していただきたいという具合に考えております。もう既に地方自治体等々とは動きたいということがありまして動いているわけですけれども、もうこのごついものも分冊で報告書になって、皆さんのお手元に行く、あるいはウェブに載るということになるかと思いますので、ご参考にしていただきたいと思います。
 お礼でございますけれども、4月から産業界、NGO、地域の方々、ヒアリングから始まりまして、この7つのワーキンググループで100人、本当はもうすこし少ないのかもしれませんが、あるいは多いかもしれないですけれども……多いという噂がございますが、その専門家の知恵を集めていただきましてこのレポートを報告していただきました。
 ここにいらっしゃる委員の方々、それぞれグループの長として、取りまとめに尽くしていただいたことに心からお礼を申し上げます。また、委員の方々、その材料を大いに批判し、コメントし、激励しということでいいものにしていただきました。取りまとめに当たりましては、環境省の方々にもお礼を申し上げたいと思います。この多くの専門の力が集まった日本の総力を挙げたロードマップができたということについて心からお礼を申し上げたいと思います。是非、その点につきまして、地球部会に報告したいという具合に思っています。
 お手元に、「低炭素社会の実現に向けて」というパンフレットを私のほうから配付させていただきました。これはちょうど洞爺湖サミットのときに環境大臣会合がありまして、そこで日本のほうからいよいよ低炭素社会に向けて動くのだったら、学会の力もそこに集中して投じるようにしたらどうか、世界中の力をです。そのためには現在政策に主としてかかわっている研究者の方々の間の意見交換、あるいはこれから関わろうとしている方々の意見交換をやっていったらどうかということで提案なさったものでありまして、私はその国際ネットワークの事務局長ということです。この一番下にロゴがたくさんありますけれども、G8関係、あるいは韓国、インド、中国といったところの研究機関が参加しております。年に1回の会合をやって、これで2回目でございます。
 ちょっと結論のところになりますけれども、是非4ページを開いていただきたいと思います。まず、第1のところ、多くの国でこの手のロードマップという作業をやっております。そこの経済評価もやったり、それから最近はさらに市民をどうやって動員するかということについての研究が進んでいるということでございます。去年、一昨年から比べますとそういう政策策定はかなり進展を遂げて、いかにそれを実行に向けて具体的方策を打ち出すか、あるいは国民の合意を取り付けていくか、そういう段階に入りましたということをみんな集まりまして結論したわけであります。
 2番目は、これはこの委員会でも非常に悩んだところです。短期的にコストはあっても長期的に利益となるということは、どうやって国民に説明できるか。お互いにこれは悩みをぶつけあったということでございます。どこの国も同じだなということであります。みんなで力を合わせてやっていこうじゃないかということで、下から2行目に書いてありますように、何も行動しないか、不適切な行動をとることによって将来どういう被害が出てくるだろうか。こういったことも是非皆さん、国民に向かって説明していただければありがたいということであります。
 それから、実行可能で3番目でございますけれども、社会を構成する要素の相互関連を十分に理解して、これは単に環境の話だけではない。各省庁が都市計画、交通等々、いろいろなものを考慮に入れた計画でなくてはならない。それから、技術と研究開発だけでは、技術だけでは世の中できるわけではない。いろいろと政策決定者、あるいは法律、制度、こういったものに手をつけなければいけない。
 一番下のところもここでも議論になった話でございます。モデルが提示する意味とモデルの限界を正しく理解する必要がある。前提、あるいはやり方、どんなモデルを使ったかのその限界等々について、きちんと理解して解釈し、そして人々に伝えよう、ということが書いてあります。
 それから、その次のページで、いよいよさまざまな階層、下につなぎ合せるガバナンスがいるということで、中央、地域、コミュニティ、産業、市民、こういった多くの人々に同時に働きかける必要がある仕事であるということです。
 国際協力の話は、これから皆さん東アジアに向けて知恵を移転していくという話がございました。
 それから、民間セクターを正しい方向に誘導することこそ、重大なポイントである。下手なやり方で将来、高炭素社会にロックインすることがあってはならないということも言っております。
 それから、市民参加が不可欠である。合意形成が重要である。そして、最後に科学者が十分な知見を人類の一大転機にきちんと政策に伝えていこうというようなことを言っております。
 こういうことで、我々はここで悩んだことも世界共通でございまして、世界はそういう形で動いております。是非今後もご協力いただきまして、さらにいいものにしていく、あるいはこれに政策を加えて、実行可能なものにしていきたいと考えております。
 私からのお願いですけれども、是非皆さんにも今後ともご協力お願いしたいと思います。
 私の挨拶はこれで終わります。

○梶原大臣官房審議官 時間が過ぎている中で、お時間をちょうだいして御礼を申し上げることをお許しいただきたいと思います。
 本日は、衆議院のほうで環境委員会が開かれておりまして、COP16の報告、質疑等行われておりまして、そういうことで地球環境局長以下出席ができませんでした。私自身も遅参をしてしまいまして申し訳ございませんでした。西岡委員長初め各委員の皆様におかれましては、大変ご多忙の中、4月30日の第1回の会合からこの小委員会だけで19回。ワーキンググループのほうは直接指揮以下にあったかどうかは別といたしましても、一体の作業をしてくださったわけでございますが、延べ恐らく49回開かれているということでございまして、大変熱心にご議論いただいた上、こういった中間整理を取りまとめていただいたことに大変感謝申し上げます。
 振り返って見ますと、1,300ページという報告になっていますけれども、これは環境省の歴史の中でも窒素酸化物の環境基準をやっていたときぐらいでございまして、本当にすごいボリューマスなインフォーマティブなものであると受け取っております。また、中身も大変、日進月歩だということが何回かこの作業を繰り返しておりますけれども、感じた次第でございます。日本も決して捨てたものではないなと、1年ごとにどんどん技術が新しくなるということが率直な感想でございます。
 今後、COP17におきまして、米中を含みます全ての主要排出国が参加する公平かつ実行的な国際枠組みの構築ということを目指しまして、COP16で到達しましたカンクン合意、これを踏まえて各国との間で、さらに交渉が進められていくというこういうことになろうと思います。そうした中での日本の主張に理解を求めていく。そして、国際合意を引っ張っていく。さらに言えば、人類共倒れの未来を避ける。むしろ明るい未来を築くということのためには、やはり日本が国内対策の一層の推進を図っていかなければいけない。率先して、低炭素社会に向けて舵を切っていく姿を見せる必要があるというふうに考えております。
 この国内対策ですけれども、先ほどもご指摘がありましたが、この国内対策の今後のあり方を律しますところの地球温暖化対策基本法案については継続審議という扱いにはなっております。しかし、政府としては引き続き我が国の中長期目標の具体化、その実現に向けて、例えば、環境税といった環境負荷に着目した初めての税制でございますが、そういったものも含め、具体的な対策を1つずつ前に進めていくことは重要だと考えてございます。
 環境省といたしましては、本日いただきました中間整理について、さらに地球環境部会でもご議論いただいた上で引き続きこの小委員会でも検討を深め、議論を先に進め、そして対策の実行につなげていきたいというふうに考えてございます。
 年末でございます。節目でございますので、御礼申し上げますけれども、是非今後ともご指導、ご鞭撻をいただきますよう、よろしくお願いいたしたいと思っております。
 重ねてこれまでのご努力に深く感謝を申し上げまして、御礼のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、事務局のほうからお願いします。

○地球温暖化対策課長 本日も長時間にわたりましてご議論いただきましてありがとうございました。
 28日の地球部会に報告する資料につきましては、委員長にご一任いただきましたので、修正したものを皆様にお送りするということでご報告とさせていただきたいと思います。今後の日程につきましては、また追って事務局より連絡を差し上げたいと思います。
 それから、冒頭に申し上げましたけれども、資料が大部でございますので、その場に残していただければ郵送させていただきます。通常、皆様にご連絡を差し上げている連絡先に郵送いたしますけれども、もしそれ以外のところに郵送してほしいということがあれば、その旨、メモでも残していただければと思います。以上でございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、長い間、ご審議ありがとうございました。
 本日は、これで閉会いたします。どうもありがとうございました。

午後16時10分 閉会

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