中長期ロードマップ小委員会(第9回) 議事録

日時

平成22年7月15日 14:00~17:39

場所

都道府県会館「402会議室」

議事内容

  1. 1.開会
  2. 2.議題
    1. (1)中長期ロードマップに係る経済影響分析について
    2. (2)その他
  3. 3.閉会

配付資料

資料1 中期目標の達成に伴う社会・経済への効果・影響について
資料2 経済モデル分析について(1)伴委員提出資料
資料3 経済モデル分析について(2)松橋教授提出資料
資料4 経済モデル分析について(3)藤川教授提出資料
資料5-1、5-2 経済モデル分析について(4)猿山主任研究員提出資料
参考資料1 タスクフォース中間取りまとめ(11月24日)〔机上配付〕
参考資料2 落合副主任研究員提出資料
参考資料3 増井委員提出資料
参考資料4 伊藤常務理事提出資料
参考資料5 山口特任教授提出資料
参考資料6 佐和学長提出資料
参考資料7 枝廣委員提出資料
参考資料8 生活者ヒアリングの結果について(詳細)〔机上配付〕
参考資料9 第8回配付資料の修正【資料2、参考資料1】(抜粋)

午後2時00分 開会

○地球温暖化対策課長 お待たせをいたしました。定刻となりましたので、若干遅れていらっしゃる委員がおられますけれども、ただいまから中央環境審議会地球環境部会中長期ロードマップ小委員会の第9回会合を開始いたします。
 今日は、いつもよりたくさんの方に参加していただいておりますけれども、環境大臣試案のロードマップの中で経済モデルを用いた分析に焦点を当てて、今日はご議論いただくということでございます。
 西岡委員長ともご相談の上、小沢大臣試案で用いた、あるいは紹介をした経済モデルの研究者の方々を始め、これまで経済モデルや温暖化対策でいろいろ議論されてきた有識者の方にお越しをいただいております。大変お忙しい中、ご都合をつけていただきまして、ご出席をいただきました。簡単にご紹介させていただきます。
 こちら側に有識者の方がお座りいただいておりますけれども、まず小委員会の委員でございますけれども、大阪大学大学院の伴教授でございます。それから、東京大学大学院の松橋教授でございます。それから、日本アプライドリサーチ研究所の下田副主任研修員でございます。それから、日本経済研究センターの猿山主任研究員でございます。それから、同じく日本経済研究センター研究本部の落合副主任研究員でございます。それから、同じく小委員会の委員でもございますけれども、国立環境研究所の増井室長でございます。それから、京都大学大学院の植田教授でございます。それから、東京大学先端科学技術研究センターの山口特任教授でございます。それから最後に、日本エネルギー経済研究所の伊藤常務理事でございます。
 本日は、委員総数の過半数のご出席をいただいております。それから、これまでどおり本審議は公開とさせていただきます。
 また、委員のうち枝廣委員、笹之内委員、それから杉山委員がご欠席でございますけれども、それぞれ代理として、説明員として有限会社チェンジエージェント代表取締役の小田様、それからトヨタ自動車株式会社環境部環境室長担当部長の岡山様、それから日本労働組合総連合会社会政策局政策部長の丸田様にご出席をいただいております。
 それでは、冒頭、議事に入ります前に、環境省の小林事務次官より一言ごあいさつを申し上げます。

○事務次官 本日は大変ご多忙の中、お集まりをいただきまして誠にありがとうございます。
 3月31日に公表いたしました、小沢環境大臣の試案として、この中長期ロードマップというものを公表させていただいたわけでございますけれども、企業、そしてNPO等の国民各界各層からのご意見を頂戴しまして、その内容も踏まえて精査を行っていくということで、これもご案内のところでございますけれども、中央環境審議会地球環境部会のもとに、中長期ロードマップ小委員会というものをこの4月に設置をさせていただきまして、これまで計8回、議論を重ねてきたところでございます。
 この中長期ロードマップでございますけれども、そこには2020年25%削減に伴います社会経済への効果・影響について記述がございまして、そしてこれは国民や産業界の皆様に大変関心が高い分野だったというふうに承知をしてございます。
 そういうことでございますので、これまでの小委員会での議論、あるいはパブリックコメント、あるいは各地で開きました国民対話等々におきまして、現実に起こり得る低炭素経済への移行に伴う経済発展の姿の一部を示したということは意義があるのではないか、前進ではないかというようなコメントも頂戴しているところでもございますが、一方では、マクロ経済や雇用へのマイナス面についてももっと明示すべきではないかといったようなご意見もいただいたところでございます。
 また、専門家も含めた検証を行うべきだといったようなご意見もあったところでございまして、さまざまなご意見を頂戴いたしております。
 そうした中でございますが、今回、第9回目となる小委員会でございます。本日の小委員会におきましては、この経済モデル分析に焦点を当てまして、議論を行っていただきたいというふうに考えてございます。そういうことでございますので、小委員会の、かねてからの委員の皆様のほかに、経済モデルや温暖化対策といったことにお詳しい有識者の方にお越しをいただいたところでございまして、本日ご出席を賜りましたこと、改めて感謝申し上げたいと思います。
 この環境保全の取組と、そして経済成長の関係ということにつきましては、何もこのCOの話だけではございませんで、これまでさまざまな議論が行われてきたところでございます。私も窒素酸化物の問題とか、硫黄酸化物の問題、その都度議論を聞かせていただきました。なかなかしかし、規制のない経済モデルでそのことを予測する、表現をすると、規制があったときに経済はどうなるか、これを予測をするということは大変容易でないというふうに承知をしてございます。もし、後知恵でよろしければ、例えば排ガス規制をした結果、自動車産業の国際競争力が向上したとか、そういうようなことがあるわけでございまして、現在を見ますと、ハイブリッド車がある、あるいはヒートポンプがあるといった国際商品も育ってきております。しかしながら、こういった具体的な技術革新、そしてそれが経済を支えていく、そういった姿を事前に経済モデルが内生的につくっていた、予測をしていたということは、これはないわけでございます。そういう意味で、なかなか難しい仕事であるということは承知をしているところではございます。
 また、先月閣議決定をされました新成長戦略におきましても、実は成長分野、戦略分野の一つに、このグリーン・イノベーションというものが掲げられてございます。そして、まさしく今議論になります地球温暖化対策は、このグリーン・イノベーションの中でも最も中核をなすもの、大きな市場が世界に控えております。そういう中で、日本が新商品、新サービスをつくっていくということが求められていることでもございます。温暖化対策に伴う負担も重要でございますけれども、その結果のリターン、新たな成長といったことも考えていかなければいけないわけでございます。なかなかこういうものを経済モデルで事前に予測するということは苦しいということは承知をしてございますけれども、こうした要請もあるという中で、どういったことができるのか、ぜひご検討を賜れればというふうに思ってございます。
 具体的に申し上げますと、本日、経済モデルの構造あるいは前提条件といった詳細はもとより、あるいは経済モデル分析の役割、あるいは限界といったような大局的な観点から忌憚のないご意見をいただいて、そしてこの環境対策と経済との関係ということについて、大局的な理解が深まっていくといいなというふうに考えてございますので、ぜひいろいろな角度からご意見を賜りたいと、積極的なご参加、ご協力をお願いいたしまして、甚だ措辞ではございますけれども、開会に当たりましての一言、ご挨拶とさせていただきました。本日はよろしくお願いいたします。

○地球温暖化対策課長 ありがとうございました。
 それでは、今後の進行につきましては、西岡先生にお願いいたします。

○西岡委員長 それでは、議事を始めたいと思います。
 まず、例によりまして配付資料の確認をお願いします。

○地球温暖化対策課長 では、お手元の、ちょっと資料がたくさんございますけれども、配付資料を確認させていただきます。
 まず、資料の1として、これは事務局の用意したものでございますけれども、社会・経済への効果・影響についてというものがございます。それから、資料2が伴先生からいただいた資料、資料3が松橋先生からの資料でございます。それから、資料4が藤川先生、それから下田様からの資料でございます。それから資料の5-1、5-2が日経センターの猿山様からの資料でございます。それから以降が参考資料でございます。参考資料の1は昨年の11月に公表されましたタスクフォースの中間取りまとめの全体でございます。これについては、席上配付ということで、傍聴の方には、ちょっと資源節約の関係で配ってございませんけれども、既にホームページ等で公表されているものでございます。それから、参考資料の2が落合副主任研究員からのコメントの資料でございます。参考資料の3が増井委員からの提出書類でございます。それから、参考資料の4が伊藤常務理事からの資料でございます。参考資料5が山口特任教授からの資料でございます。それから参考資料6が、今日は実はご出席をお願いしたのですけれども、どうしても都合がつかないということで、ご欠席の滋賀大学学長の佐和隆光先生からメモをいただきましたので、配付してございます。それから参考資料7以下は、今日の議論とは直接関係ございませんけれども、今日ご欠席の枝廣委員からのコメント、これについては、次回以降に議論をさせていただきたいと思っております。それから、参考資料8は同じく枝廣委員から生活者ヒアリングの結果について、これは前回席上配付のみだったものでございますけれども、このヒアリングされた関係者の了解が得られたということで、公開できるということで、改めて配らせていただきました。これも傍聴者の方には配っておりませんけれども、近日中にホームページのほうにアップをしたいと思っております。それから最後に、参考資料9でございますけれども、これは前回、ご議論いただきました論点整理の資料の中で、鉄鋼連盟さんのほうからヒアリングの際に発言したものが十分反映されていないということで、追加のコメントをいただきました。それを踏まえて、前回の資料を修正したものでございます。なお、修正した形で既にホームページではアップをしているというものでございます。
 それから、資料番号はついてございませんけれども、お手元にもう一つ、日経センターの落合様からの資料ということで、佐和隆光学長からの質問についてということで、昨日の夜、追加でいただきました。それも配付させていただいております。
 以上でございますけれども、もし足りないものがあればお申し出いただければと思います。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 今日は、議題は1つでございます。まず、資料1といたしまして、中期目標の達成に伴う社会・経済への効果・影響についてということで、事務局のほうから、これまでの議論の経過、あるいは本日の議論のポイントについて説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○地球温暖化対策課長 それでは、資料1をご覧いただきたいと思います。
 簡単に背景説明、今日の議事の進め方について若干ご説明をしたいと思います。
 まず、1枚目でございますけれども、今日のねらいということで、これは私どものほうで西岡先生ともご相談をして、今日、論点はたくさんあると思うのですけれども、この3つを中心にご議論いただいたらどうかということで書いてございます。
 1つは、大臣試案で用いた、あるいは紹介をした4つのモデルについての理解を深めていただくということ、それからモデルの成し得ること、成し得ないことについての理解をしていくということ、それから今後さらに経済モデル分析を行うに当たって、どういうところに注意をしたらいいのかというようなことについての知見をいただくというようなことで考えてございます。後ほど、もう少し詳しくご説明いたしたいと思います。
 3ページ以降、これまでの経済分析についての若干の経緯を、これは皆様方ご案内のことでございますけれども、簡単に整理をしてございます。
 1つは、前政権のときでございますけれども、中期目標検討委員会がございました。これに基づきまして2008年11月から2009年4月まで開催されまして、ここに検討事項にございますような、幾つかの複数の目標値、それに伴う経済成長との関係、経済的・社会的影響を分析したというものでございます。
 4ページ目、次のページにこの結果の一例ということで、これはその後懇談会に報告されたものからの抜粋でございますけれども、これは日経センター様のモデルの結果、失業率についてはマクロモデルでございますけれども、分析結果が載ってございます。90年比でいうとプラス4からマイナス25までの4段階につきまして、実質GDP、失業率等の変化、それから可処分所得、光熱費負担等についての数値、この数値はモデルの結果ということではなくて、事務局が計算したというものでございますけれども、そういう数字が挙がっているというものでございます。
 それから、5ページ以降が、その次のタスクフォース会合、昨年の10月、新政権になってから、昨年の10月から11月にかけて議論をされたものの抜粋でございます。新政権になりまして、90年比25%削減という目標の達成に向けまして、科学的・専門的なモデル分析、コスト等の計算を行ったということで、既存のモデルの分析・評価を行ったということでございます。
 このタスクフォースのアウトプットについては、席上、その報告書の全体を配付させていただいておりますけれども、6ページに若干、エッセンスを書いてございます。1つは、旧政権下のモデル分析の評価ということで、幾つか指摘をしてございます。3つのモデルの結果のうち1つのみを示しているということでございまして、3つのモデルのすべての結果を前提条件つきで併記すべきであったというようなこと、あるいは世帯当たりの実質可処分所得の減少額と世帯当たりの光熱費の上昇額を加算するということは不適切であったというようなことを指摘してございます。
 また、今日の議論に関連いたします、真水25%削減した場合の経済影響ということで、家計一括還流ケース、慶應大学の野村先生の場合は国債償還ケースでございますけれども、そういうケースにつきまして、基準ケースとの比較においてGDPのロスあるいは実質可処分所得の減少というものの計算が示されている。
 あわせて炭素税の税収を温暖化対策への支出に用いるというようなことによって、その影響は緩和されるでありますとか、国際協調によって世界的に温暖化対策が進めば、エネルギーの需要の減少、石油価格の定価によって影響が緩和されるというようなことが指摘されてございます。また、7ページにおきまして、今後の課題というようなことが幾つか挙げられているということでございます。
 8ページ目に、冒頭申しました、今日の委員会でご議論いただきたいポイントについて、座長とご相談の上、幾つか挙げさせていただいております。もちろん、これに限るということではございませんけれども、限られた時間につきまして、できるだけこういうふうな観点も含めてご議論いただければということでございます。
 1つは、大臣試案で用いました、あるいは紹介しました4つのモデルについての構造、前提条件、分析結果についての理解を深めていただくということで、これらのモデルはプラスの面だけを評価しているのか、あるいは中期目標検討会、タスクフォースのモデルとどこが違うのか、個々のモデルの前提条件はどうなっているのか、あるいはその分析結果をどのように解釈すればよいのかというようなことでございます。
 2番目として、モデルの限界ということで、分析結果に差が出るというのはどこから来ているのか、あるいは統一見解というようなものが、そもそも導くことができるのかどうか。それから家計への効果・影響ということが、関心が高いわけでございますけれども、それらについて、経済モデルはどれぐらいの精度で評価ができるものなのかというようなことでございます。
 3つ目は、今後の分析、経済モデル分析を行うに当たりまして、どういう留意点があるかということでございまして、特に、このモデル分析の実施、あるいは分析結果の活用において、政策担当者がどういうところに注意したらいいのかというようなことでございます。
 また、その政策の議論に際しまして、経済モデルの分析結果というのはどのように扱われるべきなのか。あるいは、今後経済モデルの分析を行う場合にはどういうことを重点的に実施したらいいのかというようなことがあるかなと思っております。
 それで、9ページに検討の進め方ということで書いてございます。非常に限られた時間でございますので、できるだけ効率的に議論をしていただければということで、少し流れを考えさせていただきました。今、ちょっと背景説明してございますけれども、この後、この4つのモデルについて、研究者の方からご説明をいただくと、今、1人10分ずつということで想定してございますけれども、説明をいただくということを考えてございます。
 その後、先ほどご紹介しました経済モデル等の有識者の皆様と、このモデラーとの間での質疑応答をしていただく。
 最後に、小一時間ほど、小委員会の委員全体の皆様に参加をいただいた質疑応答をさせていただくと、こういうような流れで進めさせていただいてはどうかというふうに考えているところでございます。
 簡単でございますが、以上でございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 今日は、お手元に非常に分厚い資料があります。それから、そうそうたるメンバーで黙っていない人たちがこんなにたくさんいますと、私としては議事の進行が非常に難しいという具合に考えておりますので、ちょっと時間については、厳しくお願いしたいと思っております。
 また、全体といたしまして、我々このロードマップ小委員会の役目といいますのは、具体的にどういう手順でやったらそれが達成できるかということを明示し、またそれの評価をするというところにあるかと思います。経過からいいますと、既に4つのモデル、4つの評価というものが出ているわけで、参考にさせていただいているわけでございますけれども、私、ちょっとお願いがありますのは、まず最初に、一体我々は何を議論しているかというのを明快にしていただきたいということです。国民目線で、わかりやすく、結果を伝えるということが一番大切なことだと思っております。先ほど、伴先生にお願いしていたのですけれども、トップバッターなものですから、最初から数式で入らないでくれという話をお願いしておりまして、一体どういうリサーチクエスションが我々としてあったのだろうか、それに対して、結果としてはどういうことが出ているのだと。もちろん、手法はどうだったという話が次に来るわけですけれども、ぜひそこのところをわかりやすく、まず最初に問題をたたき込んでほしいということが1つあります。
 それから、2つ目が、今日の議題でありますように、検討の内容がどこまできちんとなされているか、あるいはその限界は何か、前提は何かといったことについてのお話をいただき、さらに、そういう検討をよりよくして、ロードマップを強いものにしていくためには、どういう、さらなる作業が要るのだろうかといった項目について、ぜひ前向きにこの問題を進めていきたいという具合に思っている次第であります。
 いろいろな角度からのいろいろな質問があり、またそれに答える、どうしても答えたいというお気持ちはわかるのですけれども、学会ではなくて、やはり国民の前にどういう問題があって、それをどういう具合に評価しているかということをわかりやすく説明するのだということで、そのあたりをまず中心にしてお願いしたいと思います。
 もちろん、議論について関連あることについて、私のほうで特に制限するということはございませんけれども、おのずからそういう重みでもってお話を願いたい。それから、全体の時間については、お互いに取り合うことなく、十分守っていただきたいと思います。
 先ほど、高橋課長のほうからも説明がございました。まず最初に、この4つのモデル、4つの評価につきまして、簡潔にご説明いただき、その後、今日は専門の方にたくさん、外部からも来ていただいておりますので、その方たちを交えた質疑応答、そしてその後、今度は小委員会のメンバーを入れた質疑応答という形でいきたいと思います。
 それでは、伴先生ひとつよろしくお願いします。

○伴教授 西岡委員長からお願いがございましたけれども、時間が限られておりますので、説明をしながら、対応していきたいと思っております。
 私のモデルは、これまでの中期目標検討委員会、タスクフォースで用いられたモデルと異なりまして、二酸化炭素を削減すると経済にプラスになるという結論を出しております。それに対しては、非常に多くの批判がございましたけれども、どうしてそれがプラスになるかということをお話し申し上げたいと思っております。
 早速ですが、2ページに書いていますけれども、ここでお話しする資料は、3月31日の環境大臣試案を前提としているわけですが、幾つかのところで変更しているところがございます。大きな変更は、3月31日、正確には3月26日に公表したものですが、25%という場合には、森林吸収による寄与分を含めておりましたけれども、それを含めるべきではないという意見が強いものですから、今回は森林吸収を含めない25%という形で計算しております。
 それから、情報が少ないということで、プラスになった理由をいろいろと聞きたいというご要望がございますので、それに対するいろいろな分析結果を示そうと考えております。
 そして最後に、いろいろな前提条件があるわけですが、それを変えたときにモデルの結果がどうなるのかということを説明し、私のモデルの理解をしていただければと思っております。
 最初の半分は、むしろ批判が主になるわけですが、スライドの3ページにございます経済社会への影響評価、これはKEOモデル、日経のCGEモデル、国環研のモデル、この3つのモデルはタスクフォースで用いられたモデルでございますけれども、右の伴モデルというのは、今回新たに提出したモデルでございます。実は、皆さんに知っておいていただきたいのは、タスクフォースでの議論はすべてこの表だけで行っております。モデルの内容を議論するときは、もっと詳細な内容で議論をすべきであると考えておりますが、タスクフォースで行ったのは、たったこの表にあるこれだけの数字でやっていたわけでございます。そのことをぜひ皆さん、理解していただければと思っております。
 4ページは、二酸化炭素削減の評価モデルということですが、経済モデルですべてやっているわけではありません。ここで行っているのは、この二酸化炭素削減というものがどういう影響を持つかという、基本的な分析手続きを説明しておりまして、最初にあるのは技術モデルというものでございます。技術の積み上げモデルであります。これは、経済のさまざまなデータがここに入力され、そこから必要とされるエネルギー需要が計算され、それを賄うのにどういうようなエネルギーが要るか、その結果、どれだけの二酸化炭素が排出されるか、それを削減しようとすれば、どれだけ費用がかかるか計算する技術モデル、非常に細かな技術を前提とするモデルがあります。そこから出力されるのは何かというと、エネルギー需要、二酸化炭素の排出量、限界削減費用でありまして、経済モデルというのは、それを前提として、あるいはそれに合う形でモデルを解くことになります。経済モデルの出力としてGDP、消費、投資、産業別生産量、所得、価格等があります。ここで、その結果を技術モデルにフィードバックしなければいけないのに、実際にはされていないということであります。これは、日本だけの問題ではなくて、IPCCのモデルが金科玉条のように言われていますが、そこでも同じです。IPCCの第4次報告書11章表5によりますと、参照されている20モデルのうち、13モデルの経済モデルは一部門からなるマクロモデルであります。そんな簡単なマクロ経済モデルでエネルギーや二酸化炭素の排出を扱うことはできません。さらに、技術モデルから経済モデル、経済モデルから技術モデルへのフィードバックがあるべきなのに、それがされていないというのが問題でございます。私の研究内容は、このフィードバックをどういう形で行うかということでございます。
 それから、もう一つ指摘したいのは、5ページにありますが、はっきり言えば、政府、特に経済産業省のエネルギーの需給の見通しが全くなっていない。エネルギー需給というのは、マクロフレームがあって、そこからエネルギー供給や発電量等が出るわけですが、ここに掲げましたのは、平成20年5月、平成21年8月、それからつい最近の6月に出たものを掲載しておりますが、マクロフレームのGDPは、平成20年から21年の8月に至って、2020年のGDPの想定が722兆円から656兆円に、1割以上減少しているにもかかわらず、鉄鋼の生産は全く不変です。ほかにも輸送量等も含めてほとんど不変でございます。さらにその下のエネルギーの供給も含めて考えたときに、最近のリーマンショックでエネルギー需要が大幅に減っているにもかかわらず、ほとんど減っていない。つまり、私の指摘したいのは、エネルギーモデルというものから出てくるエネルギー需給の見通し、これに我々は合わせる必要があるわけですが、その肝心のエネルギー需給モデルが経済の構造と全く無関係に決まってきてしまう、そうなっているというところが非常に大きな問題だと思っております。
 6ページは、さらに問題となる高過ぎる限界削減費用について示しています。これは経済モデルから出すというよりも、技術モデルから計算される限界削減費用でありまして、経済モデルがそれに合わせる形でモデルのパラメーターや構造を決めているのが現状です。これはタスクフォースに提出された資料でございますと、日本はトン当たり476ドル。これはRITEの計算値ですが、それに対して、同じRITEのモデルでEUについて30%削減で見ますと、大体200ドルとなります。このEUの数字は中期目標検討委員会と比べて半分ぐらいになっているのですが、どういうわけか、日本については不変となっております。
 ところが、EU委員会が今年5月に出した報告書によれば、30%の削減のときの限界削減費用はたったの55ユーロでございます。つまり、日本で使っているRITEのモデルによる限界削減費用は、EUが試算したものの4倍ぐらいの大きさになっているということを知っていただきたいと思っております。
 8ページにその理由を明確に書いておりますが、基本的には積み上げ型技術モデルにおきましては、限界削減費用がどういう形で計算されるかというと、設備費用を投資回収年数で割ります。それに年間の運転費用と燃料費を足すわけですが、このときの投資回収年数が、発電部門でも10年しか考えていない。法定減価償却も10年ではございませんで、もっと長い期間の減価償却となっているにもかかわらず、10年という非常に短い期間で設備費用を割るわけです。これは投資家としての主観的価値であるというのが秋元さんのご主張なわけですが、こんな形で投資回収年数を短くすれば、限界削減費用が上がるのは当然であります。その点のことを十分皆さんもよくご理解していただきたいと思います。
 次に、私のモデルに入っていきますけれども、ベースラインのシナリオというのが9ページに書いております。これは、3月26日に掲げましたロードマップ全体検討委員会に提出して、小沢環境大臣の試案に用いられたのと全く同じですが、基本的には、この中で、赤で囲った部分を書き直しました。ここには、以前はAEEIとして数字を出していたわけですが、それに対して強い批判がございました。でも、強い批判をされる方々は、どういうデータを使っているかというと、今回モデルで内生的に決まるここで書いている数値を使っているわけでございます。したがって、彼らの批判に応える形で、彼らなりのやり方でやりますと、基本的にはGDP当たりの一次エネルギーの供給改善率は、ベースラインモデルでは1.1%、エネルギー当たりの二酸化炭素の改善率は0.5%でございます。この数字は、3月26日の数字とは違いますが、基本的にはご批判される人の使われているベースに合わせて書き直したものでございます。
 10枚目にはベースラインがございまして、あと11枚目には代替シナリオというものを書いております。
 この内容については、適時説明したいと思うのですが、最初に説明申し上げたいのは、12ページに書いてあることでございます。3月26日の委員会においても、経済モデルというのはいろいろなことができる、前提とか、いろいろなものを変えれば変えられるということをおっしゃったわけです。世間的にはそういうモデルは信用ならないということで、よく怒られたわけです。そこで、モデルを幾つかの構造に分けて比較しました。私のモデルの構造特徴の1つはForward lookingかどうか、正確にはインターテンポラル・オプティマイゼーションというものです。それに対して、タスクフォースで使われていた日経CGEモデルがそうですが、Recursive dynamicがあります。この2つの違いは、Forward lookingでは、先を読んで人々は行動することが前提となります。Recursive dynamicは、その時々の判断しか行わないという違いでございます。さらに、モデルの前提条件としては、なりゆきケースと技術促進ケースを考えておりまして、なりゆきケースというのは、何もいじらない、それに対して技術促進ケースは先ほど言いましたように、少し、若干変えるところがある。そうしたときに、プラスになるのはどういうケースかというと、Forward lookingと技術促進ケースでありまして、この4つの次元で表されるのは、すべて同じ構造、同じデータでして、唯一違うのはForward lookingにするか、Recursive dynamicにするか、なりゆきケースにするか、技術促進にするかの違いでありまして、そういう点でプラスになるのは、当初から私が主張していましたようにForward lookingということが非常に重要なのであります。Forward lookingは何かというと、遠い将来、20年は遠い将来ではないかもしれませんが、それを読んで人々は行動する。二酸化炭素を削減しなければいけないとなれば、今の消費を減らしてでも投資をする、こういう行動が明確にこのモデルでは描写されているわけでございます。
 これに関しては、いろいろなご批判がありますが、それはお答えする中で、再批判という形でお答えしたいと思っております。
 特に、お聞きになりたい部分、どういう形でモデルが促進ケースになっているかということでございますが、14ページに全量買取制度、拡大策、費用、これは具体的な数字として出しております。3月26日出していなかったのが、省エネ型の財・サービスへの支出のシェアの変化です。もう一つは中間投入シェアの変化です。15ページには、消費者がどういう財にどれだけ支出したかを2005年のシェアで示しています、これは産業連関表に基づいて出てきたものでございます。それを2020年にわたって、電気機械、輸送機械、建設への支出シェアを少し増やすという形でパラメータの変更を行っております。これは、ロードマップ委員会でいろいろな形でその可能性が示唆されまして、この程度のシェアの変化は、これまでの実証の結果からも言えるという判断で変えております。
 16ページに、その結果があるわけでございまして、まさにこれで見ていただくとわかるのですが、GDPはプラスになるが消費はマイナスになるというモデルの試算結果が出ているわけでございます。これについては、ご質問があったときに、また詳しくお答えしたいと思うのですが、資本と労働との影響という点でいきますと、資本ストックも就業者も増えております。よく問題にされたのは、削減率を高くすると、さらに増えるということですが、なぜ資本ストックと就業者が増えるかといえば、化石燃料消費を減らすということが至上命題となれば、生産要素としての資本ストックとか就業者が増えざるを得ないというごく当たり前の経済理論に基づいたモデルになっているからでございます。
 18ページには、シナリオの感応度と、一体どれがどういう形で効くかということを書いておりまして、基本的にはどれ1つを減らしても、なかなかプラスがマイナスにならない。唯一、家計の嗜好がベースライン並みに、つまり嗜好の変化がないとすると、2020年ではマイナスになりますが、スライド59以降に、2020年までの動きが書いてありますから、それを見ていただきたいのですが、家計の嗜好の変化においても、これはスライド65になりますが、2018年まではGDPは大きくプラスになるのですね。それが2019年と20年でマイナスになるわけでありまして、基本的にはプラスの方向に経済が動くというのは、このケースにおいても同じであります。
 それから、国会でも問題にされましたけれども、割引率5%が高いのではないかということでありますが、経済学の論理に従えば、割引率が低くなれば、投資費用が低下し投資が増加しますので、経済がプラスになります。したがって、ここでありますように、2%という形で低くすれば、さらに大きなメリットが出てくるという結果が出ております。
 削減率を高めればどうなるかという、これを15%ラインと25%ラインにしておりまして、これでやりますと、全く変わらない状態でいけば、削減率を高くすれば、どんどん経済に対しては押し下げる方向に行くということは事実でございます。ただ、これはさらに50%削減したときに、さらに右上のほうに行くかというと、私はそうは考えておりません。そういう意味で、25%でプラスにあるのであれば、50%にしたらさらにプラスになるとおっしゃった方がいらっしゃいますが、そういうことはありません。
 物価に対する影響についても、基本的には炭素の価格と販売価格というのはデカップリングすることができますし、それからもっと重要なことは、最後のところに書いておりますが、この炭素価格の上昇は、エネルギーショックの時期と全く同じショックでございます。そのときの事実を申し上げると、電力価格というのは、消費者物価以下の伸びしか示さなかったということでございます。私のモデルを非現実的とおっしゃっている方がいますが、少なくとも石油ショックという経験を踏まえますと、私のモデルは、現実的であると主張したいと思っております。非現実とおっしゃる場合には、どこが違うかということを答えるべきかと思っております。
 最後のまとめでいきますと、基本的にはForward lookingモデルというのが非常に大きな役割を持っていて、それに少し変化をつけ加えますとプラスになるということがこのモデルの主たる特徴でございます。それに対して、タスクフォースで行われたのは、すべてRecursive dynamicでありまして、この場合貯蓄率が一定でありますから、投資を増やそうとする場合には、所得が増えるしかないのです。ところが、二酸化炭素の排出削減をしておりますので、当然、下押し圧力が出てくるわけで、そういうモデルでやったときにはなかなかプラスになりません。しかし、このモデルでは、消費を減らすという行為が遠い将来を含めてプラスになるという形でモデルは構築されておりますので、プラスになるのです。これは、ごくごく当たり前のことであって、このような分析をするときは、そういう形での行動が分析できるモデルで考えるべきではないかと考えております。
 そういう意味で、投資費用というのは、温暖化対策に対するコストでございますけれども、このモデルでは、投資というのは投資費用を上回る収益が得られる時に投資がなされるというメカニズムによります。つまり、最終的には、投資収益率がプラスになって初めて出るものでございまして、そういう点では負担ではないのです。
 最後の22ページになりますが、最後のところで、経済モデルというのは、最大の問題である温暖化による経済的被害は一切考慮していないということでございます。そのことは皆さんよく考えていただきたいわけでありまして、二酸化炭素排出削減で5兆円とか、10兆円のGDPがマイナスであったとしても、その被害は、それよりはるかに大きなものになる可能性があるということです。このことはフロアの方々も十分ご理解いただきたいと思います。また化石燃料の価格の高騰で以前と比べれば10兆円を超える追加的費用を海外に払っているわけであります。それを許して、自分たちで化石燃料の価格を高くして節約しようとすると強力に反対論を唱える方々の意識が私にはわかりません。つまり、中東、OPECにお金を渡すのは良いんだが、その分を政府がとったり、排出量取引でとるのはけしからんとおっしゃるのは、いかにも問題ある考え方ではないかと思います。

○西岡委員長 それでは、松橋先生、お願いします。

○松橋教授 ちょっと、非常にやりづらい雰囲気になってしまったのですけれども、私のものは資料3でございますが、まず、私のモデルと研究の位置づけだけ、ちょっと皆様にご確認をさせていただきたいと思います。
 私、この中長期ロードマップ検討会というのでしょうか、3月26日に、前年度最終回に呼ばれまして、当時、オックスフォードラウンドテーブルというところで、私のモデル分析の研究発表をしてまいりまして、帰ったところで、どうしても発表してくれと言われるものですから、やっぱりこれも国のためだというふうに私としては考えて、26日のロードマップ検討会に出席をさせていただいたわけでございます。
 その場で私の個人の研究の発表をしまして、大臣試案というものが公表されたのが31日なのですが、よくよく確認をいたしますと、ここで大臣試案に用いたモデルとか、大臣試案モデラーというような言葉がちょっと事前の事務局との相談の中で出てきて、それはちょっと違いますねということで、ご確認をさせていただいた次第です。私は、あくまでその検討会で私個人の研究の紹介をさせていただいたわけでございます。大臣の試案に、採用されたとか、そういった認識はしておりませんし、そういう相談を受けた経緯もございません。これは確認をさせていただきます。
 その上で、私個人の研究は、既にエンジニアリングシンポジウムですとか、東大AGSシンポジウム、文科省の低炭素戦略センターのシンポジウム、オックスフォードラウンドテーブル、もう5カ所、6カ所と発表してまいりましたが、実は特段の反響がなかったのですが、そのロードマップ検討会に出た途端に、降るような矢が飛んでまいりました。そういう意味では、私としては、ご利益があったというか、研究者としては、しかし笑い事ではないのですけれども、そういった経緯でございます。
 私自身の思いは、鳩山政権の25%という公約が出たときに、20数年間、エネルギーシステム、温暖化対策をやってきた者としては、正直頭を抱えたわけでございます。とてもではないけれども、できるはずがないと思ったわけです。しかしながら、我が国のリーダー、総理であった方ですから、それが一応日本の目標として発表したことですから、それを余り無碍に、こんなものはだめだとか、足を引っ張るだけでは、やっぱりまずかろうということで、困難、至難の業であることは承知の上なのだけれども、何とか、環境と経済の両立という1点から至難の数字を積み上げて、ならないものだろうかということで、私なりに研究室でずっと育ててまいりましたモデルを使ってやったのがこの研究、私の個人の研究ということになるわけでございます。
 さはさりながら、先ほどの大臣試案のこの文章を読んでおりますと、前半のほうにはいろいろな数字が並んでおりまして、エネ研の伊藤さんのコメントにもありますが、まず第一に真水25%ということが前面に出ておりますが、私の数字は真水で、もう極限までやり得る数字を極限まで積み上げてやっと真水15%、残りは排出権等で何とか賄うしかないというのが現状の私の結論ですから、真水25%ということは、私は支持をしておりませんし、国際戦略上も、決して私は賢明な戦略だとは思っておりません。この点をご承知おきいただきたいと思います。
 それから、やはり前段に書かれております、例えば太陽光5,000万キロ、これも私、マーケットモデル、これまでたくさんつくってまいりました。太陽光エネルギー学会にも出しました、太陽光のマーケットモデル、幾らやっても麻生政権当時の2,800万もぎりぎりいっぱいです。5,000万というのは、ちょっとどう考えても無理だと私は考えております。
 また、先ほど事務次官のほうからNOx、SOxの排ガス規制というものが、自動車技術の技術開発を生んで、国際競争力を強化し、イノベーションから経済成長を促したというお話がございました。確かにそういう側面はございます。ただ、今後そういうイノベーションのチャンスがどこにあるのかということを、これは知恵を絞って考えなければいけない。それは大規模工場であるとか、エネルギー多消費産業のプロセスイノベーションではないのです。私、20数年、エネルギーの、省エネの分析をやってまいりましたが、エネルギー多消費産業の省エネのプロセスイノベーションの技術、ほとんど変わっておらないのです。ですから、その前段に、先ほどの試案の前段には、キャップアンドトレードの排出量取引のような記述もございますが、私はこれを支持しておりませんのは、エネルギー多消費産業の工場や事業所にキャップをはめて、それを縛っていっても、そこからプロセスイノベーションが起こる可能性は極めて期待できないということでございます。
 むしろ、今可能性がございますのは、プロダクトイノベーションのほうでして、これは省エネの家電製品であり、自動車であり、太陽光発電であり、そしてそういった自動車等に対価される抗張力鋼板とか、そういった材料なのです。ですから、プロダクトイノベーションであるということを考えますと、私は実は事業所にキャップをはめる形のキャップアンドトレードの排出量取引も決して経済成長のプラスになるとも思っておりませんし、支持しておらないわけです。ですから、前段に書いているロードマップ試案のいろいろな記述と、私どもの一般均衡モデルの内容は全然、実は内容が違っているわけです。その点が、やはり同じ試案の中にまとめて書かれますと、やはり国民に誤解を与えるおそれがあるのではないか。私自身、モデルの記述に不十分な点が多々あったことはもちろん、これは認めますけれども、それ以上に、そういった根本的なところで、やはりぜひお考えいただきたいところがあるということを申し上げておきたいと思います。
 さて、その上で、ざざっと、西岡委員長から、数式を余り言わないようにというご指示もございましたので、ごく簡単に私の資料をなめてまいります。
 2ページ目をご覧いただきまして、応用一般均衡モデル、その中で、私のモデルは、国民の所得階層を18階層に低所得から高所得まで分けている、これは1つの特徴でございます。
 消費財は19部門に分けております。産業部門は、産業連関表を中に取り込んでおりまして、ここの右の表にありますように39部門になっております。
 おいおい一般均衡モデルの計算そのものですが、3ページ目にございまして、ご承知のように、企業と家計がそれぞれ収益、効用を最大化していく、その中で、もちろん政府もそこで税を取って公共事業を行うとか、そういった役割をしておりますが、すべての財とサービスの需給が均衡する、その応用一般均衡の状態を計算をするということでございます。
 山口先生から、ちょっと雑誌上でご批判をいただいたので、実はそのお答えのために消費関数を書いております。効用関数はCobb-Douglasと2段階CESの形をとっております。企業のほうの生産関数は付加価値がCobb-Douglasになっておりまして、その上が産業連関ですから、Leontief型の生産関数をとっております。そのぐらいにしておきます。
 4ページ目には、25%のために、取り得たオプションをそこに並べておりますが、ここが詳細が書かれていないので、評価できないというようなご批判を、実はエネ研の伊藤さん等々、タスクフォースの皆様からいただいたわけでございます。それは、誠にご指摘のとおりなのですけれども、簡単に申し上げておきますと、私自身は、このオプションをモデルに導入しますときには、基本はかつてエネ調が行いましたエネルギー需給の長期見通しの最大導入ケース、これを基本的に引用しております。ただし、その後、麻生政権が最大導入ケースは太陽光、2005年の10倍というものでしたが、20倍ということに格上げしましたので、そういったところは20倍になっている。それから、これで何とか温室効果ガスで基準年比15%までは数字を持っていこうということで、モデルをずっとドライブしていくわけですが、なかなかそこに行き着かないものですから、結局、その展開の中でやりましたのは、原子力発電の泊を入れて9基、これはさっき申しました最大導入ケースと同様ですが、平均稼働率90%、これがかなり過大な見積もりでございまして、先般閣議決定されたエネルギー基本計画では2020年は85%、2030年は90%、これも相当難しい目標ではございますが、そういう意味では、一部、伊藤さんもエネ研のモデルで同様の数字を動かしておられると思いますが、大半はほぼ同じ前提条件を使っておりますが、一部、私がモデルを動かしていく中で、どうしても数字が積み上がらないために、今のような原子力の平均稼働率等々、少し、若干過大な数字をとっているところもございます。しかし、大概の数字は、さっき申し上げましたように、エネ研が使っておられる数字と同様のものであるというふうに私は考えております。
 それで、その上で、私がやった仕事でございますが、この応用一般均衡モデルで、何をやったかということなのですが、後ほど佐和先生のペーパーにもございますように、基本的には、応用一般均衡モデルの一番安全なといいますか、オーソドックスな使い方は、やっぱり比較静学という使い方なのだということを佐和先生が書かれておりますけれども、ということで、私自身は比較静学の計算しかやっておりません。ですから、GDPとか、そういうものがないではないかというようなご指摘もあるわけですけれども、比較静学のモデルであまりGDPを出しても、あまり意味がないものですから、投資というものを、さっき伴先生がおっしゃったように、陽表的に扱って、ダイナミックに展開していきませんと、GDPのあまり意味ある数字にならないものですから、私は一貫して、基準ケースと比べた比較静学のモデルで、そして国民の効用を比較すると、こういうことでやっております。これが私の立場です。
 その上で、私自身はさっき申し上げた、プロダクトイノベーション、これが環境と経済の両立の一番のかぎだと思っておりますので、そういったものの代表である、5ページをご覧いただくと家電製品ですとか、自動車ですとか、太陽光発電ですとか、民生部門、そこに近いエンドユースのプロダクト、効率向上、価格の低減、そういったものが見込めるもの、これをかぎと見て、まず最初にそういったものの効率向上やコスト低下がない場合の国民18階層、所得18階層の等価変分で見た厚生というものを書いております。これは効用を金額に換算したもの。等価変分は、基準時に価格をそろえて、価格変化があるものを基準時に価格を戻して、評価をしたものでございます。若干誤解を招いたとしたら、そのときに、私は所得という言葉を当初使っておりましたので、環境省との話し合いの中では、所得という言葉が誤解を招きやすいのでということもお話ししたのですけれども、今回は、厚生という言葉に統一しております。これは経済学ではむしろ効用を等価変分で金額を換算した場合には、厚生という言葉を使ったほうが妥当であろうと、私は考えておりまして、それに従いました。
 いずれにしても、こういったエンドユースのプロダクトの効率向上、価格低下がなければ、すべての部門で等価変分、厚生がマイナスになるということでございます。
 そこから随時、次世代自動車、ハイブリッドとか、プラグインハイブリッド、電気自動車のようなものの効率向上がある場合、そしてそれが中高所得者を中心に導入された場合が7ページ目の図でございまして、上と下の国民各層の厚生額を比べていただきますと、日本全体としては、次世代自動車の効率向上があって、その普及が進むことによって国全体としては8,000億以上の経済効果が上がるということ、さらに大きいのは、次の8ページ目でございまして、冷蔵庫、エアコン、テレビ、この3つの、非常に地味ですが、今までもトップランナーで効率が上がってきましたし、これからもまたそうした効率向上が期待できるもの、これらの効率向上を評価をしまして、それをモデルに反映させましたところ、18階層の最初の2階層、一番所得の低い2階層を除いて、残り16の階層では、等価変分で見た厚生がプラスに出た。国全体としては、8兆円以上の厚生の向上、経済効果が見込まれたと、こういうことでございます。
 太陽電池につきまして、一つのグリーン・イノベーションの中心ということで、期待をされているわけですが、ここでは固定買取とともに、今後の研究開発、技術開発によってどの程度までコストが下がるか、それにつきましては、これは東京大学の山田先生、現在は低炭素社会戦略センターの副センター長ですけれども、山田先生の評価をされたデータを使いまして、ここまで太陽電池のコストが低下をすれば、そしてなおかつ今の余剰電力の買取制度というものがあれば、10ページのように、家庭部門で、住宅部門で約2,000万キロワットをちょっと超えるぐらいの普及がマーケットモデルで見込まれております。これは細かいマーケットモデルの詳細はここでは省略をしております。非住宅を入れますと、何とか2,800万円が、ぎりぎりいっぱい到達できるのではないかという、そういう数字でございます。そして、これを反映させますと、11ページのように、太陽光の技術革新によって、やはり高所得者層を中心に厚生が向上しまして、国民全体としては、6,000億程度の増があるということでございます。
 あとは炭素税、財源ということもあり、炭素税をトンカーボン1万円、今までのところではかけておりましたが、試しにそれをゼロとして、そうすると削減量が若干減りますので、その分は排出権で海外から補てんしていくということをやりますと、この場合は、国民の厚生が向上しまして、その効果は国民全体としては4兆円以上の効果となります。これは主に、エネルギー価格が安くなることによる厚生の向上が大きいということでございます。もちろん、これはそういうケースの場合ですから、すべての場合においてこうなるというわけではございません。
 山口先生から、私のモデルは効用が価格の関数になっており、価格が下がると効用が上がると、こういうようなご指摘を日経BPでしたか、雑誌でいただいたわけでございますが、非常に興味深いご指摘なのですが、必ずしもそうではございません。それは今、関数でお示ししましたが、Cobb-DouglasとCESということで、エクスプリシットには価格の関数でございませんし、13ページの結果6をご覧いただきますと、このケースでは、炭素税をかけておりまして、ほとんどの財の価格はベースケースより上がっております。しかし、それでも最初の2階層を除けば、消費者の厚生は向上をしております。このケースは価格が上がっているけれども、厚生が上がっているというケースです。
 逆に14ページをご覧いただきますと、このケースは炭素税を外しておりますので、ベースケースと比べると、これはメモリが小さいので、縦軸の目盛にちょっとご注意いただきたいのですが、率は小さいけれども、財の価格はベースケースと比べて若干下落しております。そして、国民の厚生は、消費者の厚生は、むしろ向上しております。このように、価格が上がって、厚生が上がっても向上する場合と、価格が下がって厚生が向上する場合がありますので、一般に、価格が下がると効用が上がるということでは必ずしもございません。しかし、ご指摘についてはありがとうございます。
 むしろ、当たり前のことですが、Cobb-Douglasの関数を使っておりますので、15ページにありますように、いわゆる合成消費財という、15ページの右上のような式なのですが、この合成消費財が上がると、効用が上がると、消費が伸びるわけですので、厚生が上がる、そこのプラス・マイナスはほぼ一致してまいります。15ページは炭素税がある場合、16ページは炭素税がない場合ですが、ともに合成消費財の伸びている階層と、消費者の厚生が増えている階層が一致しております。そういう意味では、ここが符合するということでございます。
 では、なぜ合成消費財が伸びるのかということですが、これは最前も申し上げてきたことですが、17ページのように、これは昨年末の小宮山先生の成長戦略策定会議の資料からとらせていただきましたが、例えば、新エネであり、省エネである、こういったものは基本的にはライフタイムの間に、ライフサイクルの間に元が取れる、すなわち、ライフサイクルコストの削減につながるものです。寿命の間に元が取れるということでございます。そういうものを導入するということは、どういうことになるかというと、例えば、18ページ目に太陽光の例をお示ししましたが、ライフサイクルコストが削減されるということは、年間で見ると太陽光に支払うローンの支払い代と、節約される電気代、あるいは固定買取で得られる収益を比べてみると、収益のほうが大きいということでございます。そのことは、すなわち可処分所得に余裕が出るということでございまして、それはその他部門の財の消費へとしみ出していくわけでございます。そういうことは、消費者効用が増加していくわけですから、等価変分で見れば厚生が向上するということに相当するわけです。
 それでは、何が本質かというと、では、それでいいではないかということになるわけですが、そうではなくて、ライフサイクルでコストが削減される、それが導入されれば、国民の厚生は確かに増えることが多いのですが、しかし、実際には普及しない場合も多いということです。ライフサイクルでコスト節約になっても、必ずしも一般の消費者が買うわけではありません。それは、消費者というものが完全な合理性を持って、将来のことまでを見通して、物を買うわけではないからで、極めてその合理性には限界がある、限定合理性、近い将来だけを見ている、先送りの誘惑にかられる弱い存在であるというのが現在の経済学でも人間をそのようにとらえて研究をされているようですが、いわゆる合理的経済人といった理想的な存在、超合理的な存在ではないということです。
 私、伊藤さんなどからいただいたお話から見ても、必ずしも私に向けたものではありませんが、もろもろの普及率が高過ぎる、例えば太陽光の5,000万というのは、明らかに私も高過ぎると思いますけれども、幾つかそういったお話があったかと思います。伊藤さんのお話の中にも。ただ、1つ申し上げたいのは、それでは、例えば閣議決定されたエネルギー基本計画ですとか、エネ研で今されている数字、あるいは最大導入ケース、これもかなり難しい数字なのですよ。ですから、もちろん国立環境研の数字とか、それを批判するということも、それは私は理解はしますけれども、5,000万はとても無理だと私も思いますけれども、2,800万も非常に難しいです。省エネ家電の想定されている普及率も…、もうやめてくれということですが、非常に難しいのです。私が言いたいことは、右も左も、実はやっていることは全部、物すごく難しいことを前提としているわけです。今考えるべきことは、それをお互いに批判することももちろん必要ですけれども、それ以上に、右も左も、物すごく至難のわざの普及率を前提としている。それを一体どうやったら実現できるのだろうか。そこなのです。それが、最大の問題で、国を挙げて考えなければいけないのは、そこではないか。そして、環境と経済の両立に資するのは、やっぱりエンドユースに近い省エネ製品、新エネ製品です。しかし、その普及をいろいろなモデルで想定されている率に上げていくのは物すごく難しいことなので、そこを何とか国を挙げて、環境と経済の両立のために考えていかなければいけないのではないだろうかと私は考えております。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 それでは直ちに、アプライドリサーチ研究所の下田さんのほうに移りたいと思います。

○下田副主任研究員 日本アプライドリサーチ研究所の下田と申します。本日、名古屋大学の藤川先生がご欠席ということで、私が代理でこの場に座らせていただいております。
 本日、資料4でございますが、この内容は3月に報告させていただいた内容とほとんど同じですので、はしょってお話をさせていただきたいと思います。
 ページをめくっていただきまして、本試算の目的でございますが、基本的には温暖化対策に関わる需要が投資や消費などの需要増加による生産や雇用の波及効果を計測するということがそもそも、もともとの目的ということになっております。
 計算の方法ですが、まず前提条件としては、日本技術モデルの25%削減のシナリオの前提を用いています。使ったデータは2005年産業連関表、雇用表を用いております。モデルはごくごくオーソドックスな静学的な産業連関分析に従っております。
 そして、その産業連関分析による波及効果の計測ですが、まず、温暖化対策によって、需要は増加すると。その需要の増加がさらに部品や原材料など中間材に対する需要を増加させると、これが1次波及と呼ばれるものです。そして、その波及によって雇用、あるいは雇用者所得が増加して、これがさらに消費などの最終需要を増加させるという、2次波及と呼ばれるものですが、こういった効果を取り込んで、2次波及効果までを計測しているということでございます。
 そして、5ページ目は、産業連関分析の特徴といいますか、1つの特徴を図式化したものでありますが、通常、教科書的な価格と生産数量の決定というのが需要曲線と供給曲線が右上がり、右下がりの需要曲線と供給曲線がございますが、産業連関分析の場合は、需要と供給がそれぞれ独立して決定するということでございまして、需要曲線が何らかの外生的な要因によって例えば右にシフトしたような場合に、通常の場合であれば、価格が上昇して、生産数量はある程度抑制されると。しかし、産業連関分析においては、需要の大きさがそのまま生産の増加につながるという、そういった特徴があるということをまずお話し申し上げておきたいと思います。
 そして、次のページの、6ページ目は、計算の推計フローを示したものでございますが、図式化したものですが、説明は省略させていただきます。
 用いたモデルの実際のデータですが、これが7ページでございます。日本技術モデルの25%削減シナリオに基づく金額でございまして、左半分が国内需要、国内の対策を実施したときのその需要分と、右側、海外需要ということで、これは輸出分を想定したものというふうになっております。
 そして、製品代替調整済みというものと製品代替未調整というものがございますが、製品代替調整済みというものは、温暖化対策を行うことによって代替される従来型の、例えば従来型のガソリン車、自動車、そういったものに対する需要の減少分を考慮したものが製品代替調整済みのほうで、それを考慮しないのが右側の製品代替未調整というものの数字になっております。10年間の累積で調整済みのケースが国内需要で約99兆円、未調整の場合で166兆円というふうに算出されております。
 8ページがそのデータを産業部門別の支出額、投資額に置きかえたものが8ページ目の数値となります。
 そして、ちょっと飛ばしていきまして、11ページ目でございますが、今の前提に基づいて計算をいたしました生産の波及効果を示したものが11ページ目の数字になります。左側が国内需要の増加による効果で、輸出の増加分を織り込んだものが右の数字ということになります。左の国内需要の増加による生産の波及、これを見ますと、年平均でこれは示しております、年平均当たり、もともと対策として、技術モデルで10兆円の支出があったわけですが、これが産業連関の波及を通して、最終的には製品代替調整済みのケースで約23.3兆円増加するということになっております。これは、当初、2005年時点の実際の国内生産額の約2.4%の増加に相当いたします。
 次のページ、12ページが雇用に対する波及です。これも年平均で数字を示してございます。国内需要の製品代替調整済みのケースでこれを見ますと、約165万人の従業者が増加する。約2.5%雇用が増加するということでございます。
 そして最後に、この試算、モデルの限界について幾つか申し述べておきたいと思います。
 まず、1点といたしまして、先ほどの産業連関の特徴というところで申し上げましたが、このモデルでは価格上昇による需要の抑制効果というものは、まず働いておりません。それから、2点目といたしまして、これは比較静学でございますので、時間軸が存在しません。したがいまして、温暖化対策による経済波及効果が一体いつ実現するのか、そして実現するまでのパスはどういうふうになるのかということが一切示されていないということでございます。
 それから、3点目といたしまして、温暖化対策を実施することによって、当然、生産技術の構造は変化するということが想定されますが、そのような変化はここでは織り込んでおりません。つまり、2005年の産業連関表の投入係数をそのまま使用しているということです。
 それから、4点目といたしまして、新製品が旧製品を代替する効果というのは、それなりに織り込んでおります。製品代替調整済みのケースで織り込んでおるわけですが、例えば、企業・家計が自前で資金を調達するような場合、予算制約が厳しくなることによって、例えば、断熱改修を行った家庭などにおいて、お父さんの小遣いが減らされると、そして飲み屋の売り上げが減ると、そういった意味での効果と支出減少分というのがここではカウントされていないということでございます。
 それから、5点目といたしまして、新たな新規需要によって経済活動が刺激される、生産が増加すると、その際に、当然、COの排出が増加するということが考えられるわけですが、それについては、ここでは明示的には考慮していないと。一番最後のページにございますが、約2%程度、COの排出は増加することになります。
 それから、これは4点目の問題ともつながることですが、財源の問題、温暖化対策に伴う財源をどこから調達するのかということについては、このモデルは考察しておりません。
 そして、最後のページでございますが、一応、このモデルのそれなりの意義というものを申し述べておきますと、まず、モデルをやっている方にとっては当たり前のことでありますが、森羅万象を説明するモデルというのは存在しないわけです。であるならば、現象の一面に特別にフォーカスした分析というようなものは、それなりに意味があるのではないかと私どもは考えております。
 試算の意義といたしましては、このモデルは非常に産業連関モデルというのは、構造自体がそもそも非常に単純であるということで、この試算の結果をどういうふうに解釈したらいいかという理解が非常に容易であるということ。そして、この25%削減を実施することによって、需要面からどれだけの波及が及ぶかということを、そこに焦点を当ててその影響を出している。生産や雇用が増加する、このモデルで計算された数字というのは、ある種のポテンシャルとして解釈すべきではないかというふうに考えております。
 それから、産業分類を非常に詳細に設定することが可能であるということ、あるいは将来的な応用範囲といたしましては、地域産業連関表を用いた地域間での比較を行う、あるいは新技術を導入したときの投入ケース、これは想定が難しいだろうとは思いますが、そういったもので分析を行うと、そういった応用も考えられるかなというふうに思っております。
 つたない説明で恐縮です。以上でございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 それでは続きまして、日本経済研究センターの猿山さんにお願いします。

○猿山主任研究員 続きまして、マクロモデルによる説明を申し上げます。
 お手元に資料が2つございまして、1つが横長のパワーポイントで、もう一つはディスカッションペーパー、論文形式のものがございますが、こちらのほうは必要に応じてご参照いただくという形で利用したいと思います。
 早速パワーポイントの2ページ目、マクロモデルとはということですけれども、これまで温暖化分析では、どちらかといえば一般均衡型のモデルが多く用いられておりまして、あまりマクロモデルというのは出番がなかったと思います。ただ、日ごろ皆さんが日経新聞などをご覧になっていて、見かけるのはどちらかといえば、こちらのモデルではないかと思います。例えば、我々のようなシンクタンクや、政府では内閣府が経済見通しの策定に用いています。あるいは、景気対策で公共投資を増やしましょうとか、あるいは減税で何とか景気を底上げしましょう、その効果はとかいうときに用いられているのは、こちらのタイプのモデルであるということです。
 それから、円高とか、原油高とか、価格が動くケースも多々あるわけですけれども、そういう価格波及型の分析も随時行われております。ということで、一口で申し上げれば、景気を分析するツールとして多用されているということです。それから、他のモデルとの違いということでいえば、時系列的な変化、景気の上がり下がりを追うことに用いられているということになるかと思います。
 それから、3ページ目にまいりまして、構造的な特徴を申し上げますと、これは特にCGEモデルとの差ということになると思いますけれども、大きな違いはマクロモデルでは需給ギャップというものを想定しているという点です。言いかえますと、経済に供給余力があるという経済を想定しております。
 需給ギャップがあるという点については、CGEモデルなどでも、概念的には一時的にギャップが存在することは概念的に想定すると思うのですが、均衡型のモデルでは、それは価格がしかるべきところまで、さっきの需要曲線、供給曲線の交点まですぐに動いてしまって、調整します。それが現実にはなかなかスムーズにいかないだろうということで、マクロモデルでは時間をかけて、調整が進むことを想定します。ですから、物価も一応内生的に動くのですけれども、恐らく一般均衡型ほどはスムーズに動かないという世界を表現しているということになると思います。
 今まで申し上げたことは、割と現実の、我々が生きている景気変動の世界に近いのだよということを申し上げたのですけれども、CO分析に関していいますと、限界もございまして、それが4ページということになります。
 1つは、文字どおりマクロのモデルなので、産業別の構造というのを織り込みにくい、現に私が動かしておりますモデルは追い込んでいないということです。それから、特定の省エネ技術を導入してきたら、これだけCOが減るのですとかいう想定も織り込みにくいということになります。
 反面ですけれども、先ほどのように、財政支出を増やしましょうとか、税を軽減しましょうとか、そういう現実的な想定をとりやすいと、これはどちらかといえばメリットになると思います。
 それから、この分析でCO価格と限界削減費用という言葉がしばしば出てまいりますけれども、CGEモデルのほうでは、恐らく一定のCO削減を図る際に、潜在的にはこれぐらいの費用かかかっているという価格を示していることになると思うのですが、マクロモデルでいいますと、あくまで現実的な炭素税の価格ということでご理解いただいたほうがいいのかなと思います。
 今回用いたモデル、5ページですけれども、ここでご紹介したほうがいいのは、3点目でしょうか。エネルギーは一次エネルギーのところで大まかに把握しております。化石燃料については、相対的に割安なものの利用比率が高まると想定しております。
 それから、後ほどご覧に入れます炭素税をかける場合ですが、そういうモデルの特性上、輸入段階、川上のほうでかけ、それが日本全体としてのエネルギー需要と燃料構成を変えるという形になっております。
 続きまして、試算の前提。今回お示ししますのは3パターンで、1番目が2011年度にCO1トン当たり1,000円で導入しまして、これは2020年まで横置きとするケース、それから2番目がトン1,000円で導入して20年度に1万円まで引き上げるケース、3番目が2,000円でスタートして2万円までいくケースです。それぞれについて、炭素税で得た税収の使い道を次のA、B、Cのとおり想定しておりまして、Aが政府支出にそのまま回すケース、それからBが社会保険料の減額に回すケース、CがAとBを半々にしたケースということになっております。
 これによって起きる変化を、定性的に言葉で表現したのが、7ページになります。8ページ、9ページのグラフをあわせてご覧ください。まず環境税、炭素税を入れますと、化石燃料価格が引き上げられるので、そういう意味から省エネとエネルギー転換が起きます。それから、物価が上がってまいりますので、家計や企業の実質所得が押し下げられます。その影響を受け、消費や投資は、課税の直接効果としては下がる方向です。
 それから、国産品の価格が上昇する、言いかえると、海外では特に何も起きないことを想定しているので、輸出がしにくくなって、輸入品が流入しやすくなるというような影響もございます。
 それから、税収をA、B、Cのパターンで還元した場合、全部政府支出に回す場合には、消費などの民需はは落ちるのですが、その分を政府支出がカバーしてGDPは増える、この辺は8ページ、9ページをご覧ください。8ページのグラフは、2010年を見込み値として、2020年までの予測値を描いたものになっております。緑色の線がBaUで、これはリーマンショックの落ち込みを織り込んで、3月時点で当センターが設定したものになっております。線が重なって3パターンとの差が確認しにくいので、BaUをゼロ、水平軸とし、その乖離幅をご覧いただいているのが9ページです。BaUとの乖離を示す9ページの目盛、例えば実質GDPをご覧いただくと、目盛が非常に小さいのはご理解いただけると思います。失業率についても同様です。消費者物価の変化率は大きくなっています。
 9ページの左上のグラフ、これを見ますと、政府支出に回したケースでは実質GDPがBaUを上回っているけれども、保険料の減額ケースでは下回ってしまい、半々にすると、ちょうど真ん中に来るという結果になっています。
 政府支出に全部回すと、確かにGDPはプラスですね。保険料減額、減税に近いわけですけれども、そのときはマイナスが残りますというのが今回の結果です。示しているのは一番効果が大きく出ている2万円までかけるケースです。1万円の場合は、大体似た絵が出るのですけれども、これが全体的にさらに小さくなるというふうにご理解ください。
 それから、1,000円のケースは非常に数字が小さいので、次の10ページのところで、数字のみお示ししております。
 以上が数字とグラフでご覧いただいた結果です。では、これをどういうふうに評価するかという点に関し、留意点を幾つか列記しております。
 まず、これはモデルの性格からということになるわけですけれども、1つは、政府支出を増やすといった場合、あるいは減税でもいいのですけれども、何か需要を底上げするようなことをやったときに、そこの部分はいいのだけれども、よそからシフトしてしまいますというような側面が明示的には存在していない。これが1つです。繰り返しになりますけれども、マクロモデルは供給余力があるような経済にうまくあてはまるということだと思います。
 それから、政府支出のほうに還元すると、確かにGDPはプラスなのですが、それが使い道として本当に望ましいかどうかは、このモデルでは評価できないということです。反面、減税的な戻し方をしますと、GDPは下がりますが、使い道は企業や家計が決められますから、その意味では無駄がないかもしれない。政府が本当に賢い支出、有益な用途に全額振り向けられれば、それはそれでいいわけですけれども、多分そうはならないだろうなということを考えておく必要があるだろう。
 最後のページ、政府支出で戻すとどうしてプラスなのということを改めて考えておきますと、実は、同額の所得を民間部門に戻しているという点では、同じなのですね、どちらも。政府支出ですと、直接支出をもらった業界なり企業なりがとりあえずは所得を手にするわけです。ただ、減税でも同じようなことがある。ただ、どうしてGDPに差があるかというと、政府支出というのがGDPとしてカウントされているからということなのです。減税では、家計がお金を使うかどうかわからない。お金はもらったけれども、使うかどうかわからないので、使った段階でGDPになりますということなのです。では、GDPはどういうコンセプトなのということになると、恐らくは、そこに仕事が生まれているかどうかというような基準だと思うのです。ケインズは不況期に穴を掘って埋めるような仕事でもあった方がよいと述べたという話がよく引用されますけれども、仕事がないよりはあったほうがいいだろうという一種の割り切りでものを考えた世界がここにあるというふうにご理解いただくといいかなと思います。
 それから最後に、途中で申しましたけれども、日本全体としてのエネルギー消費や燃料転換を考慮しているとは申し上げましたが、特定の技術がどうこうなるということは、将来に向けては、考慮しておりません。これで全部評価が尽くせているわけではないということは、念のため申し添えます。
 一応、以上でございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、今4つの経済モデルを中心としたお話がございました。まず最初に、タスクフォースで行われました経済モデル分析の研究者として、日本経済研究センターの落合さん、それから国立環境研究所の増井室長からコメント、あるいは質問いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。5分程度でということになります。

○落合副主任研究員 日本経済研究センターの落合です。本日はお呼びいただき、ありがとうございます。
 まず、お配りした資料が2種類ありまして、1つは、意見と書かれていました今の資料です。もう一つ、佐和先生のほうから質問がありまして、その内容の問7が実は日経センターに絡む質問でしたので、それに関しては別紙で1枚紙をつくってあります。この点に関しては、佐和先生のところでまたお話しするかもしれません。
 早速、時間がありませんので、内容に入ります。まず基本的には中長期ロードマップ小委員会において経済分析が改めて行われたと。4種類ですけれども、それに関しては、いろいろな分析が行われたほうが国民的な問題ですのでいいだろうという意味で肯定的に考えております。
 ただ、少し、タスクフォースとの関係として、タスクフォースがうやむやになって、急に上がってきたということに関しては、違和感があります。タスクフォース自体の分析も、実はまだ完成した分析ではありませんので、これから先、このロードマップの分析と、タスクフォースの分析、またほかの研究者の方々、あと経産省等でもやると思いますけれども、そういった分析を総合して、これから先、日本全体としての分析をどうするかという形に持っていかなければいけないのではないかなというふうには考えております。
 また、気になっていますのは、3月31日に環境大臣試案がありましたけれども、ちょっとプラスの面が強調されて、研究者の方々の分析がきちんと伝わらず、かえって誤解を招いたのではないかなという気がしております。
 1つは、例えば、先ほどの松橋先生のお話ですと、別の形で利用されましたという話もありましたし、あとは藤川先生、下田さんの分析ですと、例えば資料1の16ページのほうを見ていただくと、資料1の16ページでは、藤川先生たちの分析に対して、一番上の四角ですけれども、従来型の産業が縮小することは考えられるが、本モデルではこのようなマイナスの影響を評価していないという書き方がされているのですね。でも、先ほど説明がありましたように、製品代替が行われる場合の数値というものも分析されておりまして、きちんとこういうところは書くべきではないかと思います。
 あと日経センターの分析につきましても、実はこの資料1の18ページのほうですが、分析を見ますと、先ほど猿山から説明がありましたが、3種類の分析をしているのですが、資料のほうには実質GDPが増えたケースしか書いていないというのがあります。こういう意味でも、資料をつくる上でページ数の制約等があるのはわかるのですけれども、プラスの影響が出ているような結果だけを載せられますと、これから先、モデルで分析をして建設的に議論をしていくという過程においては、やはり研究者が分析したものはきちんと提示していただきたいなというのが気になっているところです。
 ページをめくりまして、各分析に入りたいと思います。間違い等があるかもしれませんのでご容赦いただくとしまして、伴教授の分析ですが、これに関しては、日経CGEと比較されることが多いことで、少し説明、[1]、[2]、[3]と3つの条件を書いてあります。ただ、この条件に関しては、ある程度伴先生のほうから説明が、資料2の12ページですか、Recursiveを使っているのか、Forward lookingを使っているかの違いが大きいのではないかという説明がありましたので、大体説明は済んでいると思いますが、基本的には動学的手法が違います。日経CGEは毎期の消費と貯蓄が一定という条件で毎期毎期を解いている。伴先生の場合には2005年から2020年までを、すべての期間を見て効用を最大化するというモデルを解いていると。そういう意味では、当然ですが、日経CGEと比べますと、伴先生のモデルのほうがスムーズな調整が行われます。ただし、この点に関しては松橋先生からも説明がありましたが、では、人間はそんなに合理的に行動するのかという問題がありますので、この逐次動学と通時的最適化の中間ぐらいの結果に普通はおさまるのではないかなという印象を持っています。通時的な最適化によってプラスの効果が出たといって、それでいいですよという話には多分ならないだろうと思っております。
 もう一つは資本及び労働の違いなのですが、日経CGEでは資本のビンテージ、年齢というものを考えております。つまり1990年に投資された資本と91年に投資された資本は違うというふうに考えています。平均的に世の中に残っている資本の生産性、それに対して次の期に追加的に新しい技術が入った資本が追加されるという形で、資本が更新されていくという発想があります。その結果、古い資本に関しては、減価償却分は減りますけれども、その産業に残って移動できない。つまり1回設置された資本が自由にほかの産業に移るということは普通ありませんので、減価償却分は減っていくと。追加された資本の分が自由に動くとなっております。労働についても似たような設定をしてありまして、一度、ある産業に対して労働者がセッティングされますと、資本が減った分は労働者が減りますけれども、労働者も自由には移動しづらいと。つまり、ある産業で働いたらば、次の期になったらすぐ、ほかの産業に移動できるということはないだろうという意味で、技術と労働者のマッチングというものを考慮してあります。そういう意味で、ある程度現実を表現している形になっています。その点、伴先生のほうは非ビンテージになっておりますので、そういう資本等がいつ投資されたかというものが考慮されていない、その点も少し違います。
 もう一つは、これは前提条件の違いでして、伴先生のモデルは日経CGEよりもいろいろ改善するケースが強く出ていますので、その点も違っています。
 その前提条件を踏まえてのコメントですが、1つは、最適化の期間の問題でして、2005年から2020年までの期間についてやられていますが、今、2010年、ここで会議がされている状態を考慮すると、今の段階ではっきり将来のことがわかっているとは、言いづらいのではないかと考えます。現時点、2010年ぐらいまでは逐次的最適化ですとか、足元を合わせる形で分析をして、来年以降、2011年以降に最適化をきちんと解くというような形にしたほうがよく、2005年まで戻ってすべての期間を解くというのは、少し望ましくないのではないかなと考えております。
 もう一つは、資本の扱いですけれども、伴先生のモデルの場合にはビンテージが考慮されていません。これはどういうことかといいますと、1回投資された資本が放っておいても新しい技術になっていくという話になっています。つまり、普通ですと、1回投資をしたら、将来技術進歩があったときに古い資本が邪魔になってしまう。邪魔になってしまうから、投資を急がず技術が発展するまで待ちましょうという、ウェイティングが入る可能性がりますす。ところが、伴先生のモデルでは、最初の期にたくさん投資をすると、古い資本も含めて技術進歩を勝手にしていきますので、そういう意味では、投資が前倒しに行われる傾向が高くなっていく。前倒しが行われるとストックが増えますので、GDPが増えやすいという傾向が多分あるのではないかなと思います。そういう意味で、伴先生の、先ほどの4つのディメンジョンの形ですと、Forward lookingであって、技術進歩という話もあったのですが、そこに実はビンテージみたいなものを考慮すると、プラスになるのはもっと難しくなるのではないかという気がします。その結果、投資が後ろにいくという話です。制約が厳しくなりますので。ただ、工学系の方はわかると思いますけれども、ステートと、状態変数が増えますので、モデルを説くのが、解が端点のほうにいきやすくなりますので難しくなります。モデルをやっている人間としては、難しいというのは理解しております。
 あとは、前提条件の話ですけれども、環境大臣の試案においては、前提条件があまり書かれていなくて、結果だけが書かれてプラスですという話がありましたので、前提条件をきちんと書くべきではないかと。ただ、伴先生の資料を見ますと、ある程度前提条件が書かれていますので、シミュレーション分析という立場としては、いろいろな前提条件で結果が変わるということはわかりますので、これはいいと思います。ただこの前提条件はは努力目標なのか、実現性があるのかというのが、国民の目から見た場合には重要になってくる。そういう意味では、国民から見たとときにどういうふうにそれをとらえるかということは書いたほうがいいのではないかなと思っております。
 松橋教授の分析ですが、これは松橋先生のお話を聞きまして、このままコメントをしてもいいのかところもあるのですが、私の今の資料では、所得をフローでとらえていますが、高齢化等を考えた場合、ストックを考慮した方がいいのではないかと書いてあります。実はこれは先ほど松橋先生のお話を聞きまして、静学的に説いているという話云々とありましたので、実はこれは所得といってもフローというよりも、その期に使えるお金と考えたほうがいいとするならば、この点は問題とはならないかなというふうに判断しましたので、私の今回のコメントは無視していただいて結構だと思います。
 藤川先生と下田さんに関するコメントですけれども、既に下田さんからもお話があったのですが、[1]、[2]ですね、1つは、これは産業ごとに積み上げをしていますので、対象となった産業については25%になっているのですが、そこが資本を購入する過程において、ほかの産業はそこに物を売っているわけですね。その結果、CO排出が増えている、それが大体2%と言っていますので、実際には23ぐらいにしかなっていない。そういう部分では深掘りが必要ではないかというのが1点あります。実は、2点目として、初期費用の問題があります。ある産業が投資をするということは、日本全体で見た場合に、ほかからその費用はどこかに移動しているわけですね。そうすると、どういうふうに移動するかといいますと、エネルギー対策でCOを削減するところに投資していますから、COをたくさん出すところの投資は減っていると。そういう意味では、実はもしかすると、深掘りしなくても、日本全体で見れば、25%にいっている可能性はある。その辺は、もう問題点はご理解されているようですので、組み入れた形で分析をされたほうがいいと思っております。
 また、もともと、産業連関表分析は、線形の方程式モデルになっておりますので、先ほど言ったように価格の分析が難しいところがあります。実は逆に言いますと、CGE分析は効用関数ですとか、関数を置きますので、その置き方が正しいのかという問題が出てくるわけです。産業連関表分析の場合には、実はそこを評価していないということを了解してしまうのであれば、線形方程式から見て2005年の状態に影響を与えていればどうなるのという分析は出ますので、そういう意味では、ある面、簡便な分析が行われるという利点があります。
 もう一つ、全体のプラスを分析するというよりも、せっかくの産業連関表ですので、どういう産業にプラスの波及が出て、どういう産業が減っていくといった、産業ごとの影響の違いを実は見たほうが、より生産的な分析ではないかと思っております。
 日経センターの分析は、もうちょっと大きな話も入っているのですが、1つは、日経センターはマクロモデルですので、先ほど猿山からも話がありましたが、実はGDPが増えたからといって社会的な厚生が増えているとか、その使い道がいいということは全く言えないというのがあります。これは実は、グリーンニューディールの効果として2つの側面があって、その2つの効果と同じように誤解されている部分があります。実はケインズ型モデルみたいに不況期に投資をすれば景気がよくなる。グリーンニューディールの1つの側面というのは、投資をするならば、下手な投資をするよりは、グリーン関係、環境関係に投資したほうが将来のためにいいですよねという需要の側面が1つです。もう一つは、そういう投資をすることによってR&Dを促進したり、あとはある産業を縮小させてある産業を大きくするというのは、コストがかかりますので、グリーンニューディールの政策でそういうコストを使うことで社会を変えていこうと、この2つの側面があるはずです。CGEはこの社会が変わるほうを分析することに向いているものでして、マクロモデルというのは、景気を上げるということに向いています。
 ここで問題になってくるのは、CGEモデルというのは、これはモデルをやっている方にはご理解いただいているのですが、あくまでもポテンシャルを分析していて、要は需要が均衡している状態であり、景気がいい、悪いとかではなくて、ポテンシャルとして、景気の循環みたいなものをなくしたときにどういうレベルなのか、そこに制約をかけたらどう動くいのかを分析するものです。マクロモデルは景気が循環している中で、景気をよくしたかったらどうすればいいのかというモデルです。ところが、どうもそれが誤解されておりまして、CGEのポテンシャルの分析を景気分析のマクロモデルと同じように一般の方がとらえている。CGEでマイナスになったら、景気が悪くなるのではないかと受け取られがちですが、それは別の話でして、CGEでポテンシャルが下がっても実際の景気はよくなるということは十分あるわけです。その辺はきちんと理解していただければいいなと思っております。
 最後に、これは提言になりますが、1つ目は、分析の使用方法ですが、今回ちょっと、結果がプラスかどうかということにこだわり過ぎているというのを感じました。企業経営を見ると、こういうことをやったらプラスになるけれども、間違ったら、これはマイナスになることもありますよと。リスクと利益を両方考慮した上で、やるかどうかを判断するのですが、プラスが出たからやるべきだというのは、ポピュリズムに近いものを感じておりまして、マイナスでもやらなければいけなければ、やるべきだと。ただし、どうせやるのならば、どういう政策をとるべきで、どういう政策をとったらマイナスが少ない可能性が高いか。できれば、モデルの分析というものをそういう方向で利用するべきだと思います。トータルとしてのプラスが大きい、マイナスが大きいというのは、皆さんご理解いただいていますが、前提条件とか、モデルのセッティングを変えれば、変わってしまいます。いろいろなモデルで分析したときに、ある政策をやったらば、どこにプラスが出るということは、定性的にみんな等しいのか、それともモデルによってそれすら変わってしまうのかみたいなことを比較する必要はありますが、あまり結果の大きさを比較するということには、意味がないのではないかと思っています。
 もう一つは、分析すべき指標です。今、GDPの話をしましたが、家計の分析についても平均的家計は存在しませんので、国民に対してわかりやすく説明するというのは重要なのですけれども、わかりやすくするために、指標を減らすというのは、実は国民を欺くというか、国民を誤解させているのではないか。これはちょっと難しいのですが、指標を減らすのであれば、ジニ係数みたいに、きちんとそういうことを分析するためにつくられた指標を使うべきですし、もしくは指標を増やした上で説明する努力を怠らないのが重要かなと思います。
 もう一つは国際モデルの話になりますが、今のところは、タスクフォースでもロードマップでも、国際モデルによる分析がされておりませんが、日本の場合にはCOの削減努力もしていますので、リーケージ等の問題があります。つまり、日本が25%減らして、世界の1%減らすよりも、世界を4%減らすために日本が努力したほうがよほど効率が上がる可能性があります。もともとの目的は世界のCOを減らすということですので、その手段としての部分が、ちょっと今のままでは間違うのではないか。そういう意味では、国際モデルによる分析をできれば追加していただきたいなと、いただきたいという願望ではなく、私がやらなければいけないのかもしれないのですが、以上が私からのコメントになります。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、増井室長、お願いします。

○増井室長 ありがとうございます。私自身は、もう1年半以上も前、中長期検討会のときから、この作業にずっと関わってまいりまして、まさかこんな1年半以上もやっているとは思わなかったというところも正直あるのですけれども、ただ、モデル分析というふうなものについて、これだけ注目を浴びているというのは、非常にいい反面、やはり使い方といいましょうか、結果の解釈というところに、非常にその問題があるのかなと。特に、この中長期ロードマップの中において、では、このモデルとかいうふうなものをどう使えばいいのかというところあたりを、各4つのモデルに対する質問というよりかは、コメントとして申し上げたいと思います。
 参考資料3に基づいて説明をいたします。
 まず、モデル分析の留意点として、将来というのはまず不確実で、我々のやっている結果というのは、予言ではないということをまずご留意いただきたいということです。入力があって、その結果があるということで、あくまでモデルの役割というのは整合性のチェックではないかなというふうに思っております。これは中期目標検討会のときにも発言させていただいたことです。前提によって、その結果は変わり得るのだと。この小委でも何人かの委員の方々からご発言ありましたけれども、まさにそういうふうな話で、どういうふうな前提のときにどういうふうな結果が出るのかというふうなことをやっぱりきちんと示しておく必要があるのかなと。そのときに、前提だけではなくて、モデルの構造の違い、(2)のところですけれども、今回の4つ、あるいはタスクフォースのモデルも含めて比較いたしますと、先ほど落合さんのほうからお話もありましたけれども、逐次均衡という、1年だけでの計算と、伴先生が行われております動学的な最適化という、遠い将来、将来を完全に予見した上での最適化という、この違いというふうなものが結果に大きく影響をもたらしているのだろうということ、また松橋先生の分析からも明らかなように技術の進歩ですとか、新しい技術がどれだけコストが下がっていくのかというところのあたり、このあたりが非常に大きく影響しているのではないかなというふうに思っております。
 逐次均衡と動学的な最適化のところにつきましては、繰り返しになりますけれども、逐次均衡というのは、あまりにも短期であると、もう今期だけしか見ていない。一方、動的な最適化というのは、2020年まで、10年以上、完全に予見した上で分析をしているということで、これも落合さんのコメントと全く同じなのですけれども、恐らく人間の行動というのは、その中間的なところを見ているのではないかなということで、そのあたり、モデルの結果から、本当の意味での成り行きというふうなところは、どの程度なのかというふうなことをやっぱりきちんと見ておく必要があるだろうというふうに思っております。
 (3)のところは、松橋先生が最後に強調されたところと、全くの繰り返しなのですけれども、動的最適化というふうなものを本当に実現させる場合には長期のリスク、将来のリスクというふうなものを低くしないといけない。あるいは技術の進歩というふうなものを本当に実現させなければいけない。では、それを本当に実現させるためには、どういうことをしないといけないのか、どういう施策を打たないといけないのかという、そのあたりの前向きな議論というようなものが今まさに必要なのであって、この中長期ロードマップ小委員会というのは、そういう議論をする場であるというふうに思っております。
 そういうふうなことを考えますと、これまで議論してきましたモデルの前提となっているマクロフレーム、これが果たして適切であったのかどうかということもやっぱりきちんと議論しておく必要があろうというふうに思っております。この辺は伴先生のほうからご指摘がありましたように、GDPが変わっても、生産が変わらないという、そういう前提が果たして本当にいいのか、国民的に見ていいのかどうかというふうなことも、この小委員会の中で議論すべきところであろうかというふうに思っております。
 4番目といたしまして、ロバストな対策は何かというふうに書いていますけれども、これから国際交渉等を進めていく上で、日本は25というふうな目標はありますけれども、そのうち国内対策分を一体幾らにするのかというふうなところについては、まだ実際に決まっておりません。そういう中で、そういう状況でも有効な対策、15であっても、25であっても有効な対策というのは一体何なのか、それに向けた政策というのは一体何が必要なのかというふうなところあたりを、やはりきちんと明示しておくというふうなことが必要であろうというふうに思っております。
 こういうモデル分析からのメッセージといたしましては、これはもう既にいろいろな先生方からご発言あったところの繰り返しになるのですけれども、技術進歩も実現せず、投資も増やさないというのであれば、温暖化対策というのはGDPにロスをもたらすということで、これは同じ資料の4ページ目のところに我々の国環研のCGEモデルにおける結果の解釈ということで、国環研のCGEモデルもタスクフォースにおきましてGDPは下がるというような結果を出したのですけれども、我々のモデルでは、あらかじめ投資の総額というのは決まっていると。将来の経済成長率に基づいて設定されている。温暖化対策が行われれば行われるほど、厳しい対策を行えば行うほど追加投資額が必要になり、その分だけ投資が減っていく、生産投資が減っていくと。だから、生産活動、GDPが減っていくというような構造になっているのですけれども、こういう構造をきちんと理解した上で結果というふうなものをきちんと解釈しないといけないだろうということ。
 2番目、3番目のところなのですけれども、GDPとか所得がプラスになり得るというのは、将来の技術革新ですとか、コストの低下、あるいは長期的な視点というふうなものが必要になってくる。ですから、こういうふうなことをいかに反映させるのかというふうなことが重要になろうかと思います。
 また、タスクフォースの中で、環境税の使途をうまく使うと、温暖化対策に充てるというふうなことを環境研ですとか、あるいは日経センターのCGEでもやっておりますけれども、そういうふうなことをやるとGDPのロスというのは緩和させることができるだろう。
 あと、落合さんのところとも関係するのですけれども、GDPはそもそも経済的な影響を評価するための指標として、適切なのかどうかというところも、やはり見直しておかないといけないのかなと。「上がった、下がった」で一喜一憂すべきものではないのではないかというところも強調しておきたいというふうに思います。
 あと、家計の評価というふうなことが求められているのですけれども、やはりこれはマクロなモデルから個々の家計が実感できるような指標というものを提出すると、示すというのはなかなか難しいのかなというふうに思いますので、そのあたりはまた適宜、そういう家計のモデルなり、ツールというふうなものを使って評価する必要があるのかというふうに思っております。
 ちなみに、参考までに、2ページ目には、これはあくまで私の理解なのですけれども、タスクフォース並びにロードマップにおけるモデルの比較ということで、必ずしも各モデラーに確認をしているわけではありませんので、誤り等はあるかもしれませんけれども、その違いというふうなものをまとめております。
 また、3ページ目のところにつきましては、モデルの結果をどういうふうに比較するのかということで、単なる比較は無理だというふうなことがタスクフォースでも示されておりますけれども、実際、数字的に定量化の結果の引用が可能な我々のモデルと伴先生のモデル、ここにつきまして、茅恒等式と呼ばれる式に基づきまして、炭素集約度、エネルギー集約度、それの比較というふうなものを行っております。それを見ますと、伴先生のモデルも、極端にエネルギーの効率が高いとかいうふうなことではなくて、比較的これまで出されてきたものと同じような傾向を示しているという、そういう結果を一応示しております。
 最後に、このメモには書いていないのですけれども、世界モデルにつきまして、1点だけ、コメントとしまして、世界モデルを使いますと、もちろん重要なことではあるのですけれども、どうしてもデータの制約等からモデルの分析というのが粗くなってきます。特に、世界モデルで中心となってくる分析の1つとして、我が国の効率的な製品がどの程度海外で有効になるのかというふうな話が重要になってくるのですけれども、世界モデルではそういうふうな、現在の世界モデルのスケールでは、そういう製品の質というふうなところまでは個別に表現することはできない。あくまで、製品をつくる段階、例えば日本と中国で比較したときに、中国のほうが労働コストが安いというふうなところで製品の違いというふうなものが示されますので、そのあたり、世界モデルを使うにしても、結果の解釈というふうなものには留意が必要であるというところです。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 今、幾つか質問が出ましたので、評価していただいた方々、すみませんけれども、ちょっとメモをとっておいていただきまして、続けて、今日ご出席をお願いいたしました経済モデル、あるいは温暖化対策の有識者のほうから、ご質問、ご意見をいただきたいと思います。
 お手元にもう印刷したものでいっておりますですね、参考ということで。それで、既にもう幾つかお答えいただいたこともあるかと思いますので、短い時間、これ皆さんに5分ずつお願いしておりますけれども、その中で、中心になる課題につきまして、ぜひコメントをお願いしたいと思っております。
 まず、日本エネルギー経済研究所の伊藤さん、その後、東京大学の山口先生、そして京都大学の植田先生からコメントをいただきたいと思っております。
 では、伊藤さん、よろしくお願いします。

○伊藤常務理事 このような機会を与えていただきまして、どうもありがとうございます。
 コメントというよりは、疑問点ということで、これまで既にお答えになられたかもしれませが、まだ私自身もわかっていないところがありますので、今回の経済モデルについての分析に対する疑問点ということで、参考資料の4を使いながら、ご説明させていただきます。
 その前に、先ほど小林事務次官からもありましたように、今回の作業には壮大なミッションがあったと思いますが、そのミッションを受けて伴先生を始め、多大なご努力をして、鋭意分析をまとめられたということに関しては、感謝の意を表したいと思います。とはいえ、いまだに、今までの公開された資料を見る限り、多くの疑問点があります。今日の資料でも、もしかしたら答えられているのかもしれません。先ほど、伴先生は非常に多くのことを雄弁にご説明なさり、もしかしたら、それで納得してしまうかなと感じたぐらいなのですが、なかなかまだ把握ができていないところがあるということで、後ほどご説明いただくか、あるいは今日お答えができなければ、別の機会にお答えしていただくか、お願いしたい。やっぱりタスクフォースのメンバー、今日は秋元さんや野村さんが参加されていませんが、こういうメンバーを交えて、いろんな立場からの検討を進めるべきではないかと思います。その辺もお願いしておきたいということであります。
 資料に従って、少しお話を申し上げたいと思います。まず、2ページ目、今日の疑問点の概要のポイントだけを書いてあります。少し激しい言い方になって、その辺はご容赦いただきたいと思います。まず、伴先生のモデルに関してですが、少し短絡的な言い方で申し訳ありませんが、さまざまな前提や分析について、実態からかなりかけ離れた非現実的な点が非常に多く見受けられるという気がいたします。
 それから、重要な前提が、何となく恣意的にされているのではないか、あるいはモデルの操作において、何か問題はないのか等々、これについてもなかなか合点がいかない部分が非常にあるということであります。これはこれで、正しいのかもしれませんが、ただ、こういう分析をもとにして今後政策決定が行われるとなれば、極めてこれは問題ではないかなと思います。もう少し多様な分析結果を交えた議論が必要かなということであります。
 それから、これは若干苦情になりますが、、今日、伴先生にしっかりした資料をいただきましたが、実はこれ昨晩、私の手元まで来ました。見る暇が全くなかったわけでが、今拝見すると、これまで公開されていた資料から大きくかけ離れて、例えばエネルギー効率、あるいはCOの効率ですか、エネルギー効率は、かつては2.5だったのが、今回は1.1と、先ほど、伴先生からもご紹介いただきました。それから、COの効率が2%~4%というのが0.5ということで、これは皆さんから言われて変えたというご説明がありましたが、この辺は、モデルの基本構造とか、解釈に非常に極めて重要な影響を与える要因ですので、できれば、こういうものは事前にいただいて、少し吟味させていただきたいということであります。
 それからもう1点、、ほかの先生方のモデルですが、先ほど松橋さんから非常に明快な、もう既にお答えいただきました。一番の問題は、この分析自身の意味は私も十分理解し、実があるものだなというふうに思っておりますが、これを25%削減に伴う経済影響として、国民に示すということは非常に問題だなと感じていました。松橋さんから明快なお答えをいただいて、ご本人もそうではないということで、若干、私どもが誤解していたのかもしれませんが、安心しましたし、そのほかの松橋さんの明快なお答えで、これに対しては特にご質問することはありません。1つは、この関係の資料の出し方に、事務局の問題かもしれませんが、問題があったのかなということであります。何となくこのプラス面だけを強調した資料になっていると、皆さん指摘があったわけですけれども、私もそのようにに感じております。
 3ページ目以降、論点ということでお話し申し上げます。2点あります。前提条件の現実性、あるいは結果の現実性の問題、実態との乖離の問題と、それからモデルの構造上というか、操作上の問題ということで、2つに分けて説明したいと思います。
 1点目ですが、3ページ目であります。鉄鋼業界というのがございます。ここでの結果では、鉄鋼の生産額が減少する一方で、ストックは増加するから、就業者も増加するという見方がありました。ただ、生産行動、企業行動からすれば、生産が減っている中で就業者が増えるというのは、とても理解しがたいというのが、素直な印象であります。生産が減れば、就業者が減るというのは常識ではないかと思います。そこに事例として、釜石の例を挙げていますが、言うまでもなく、工場を閉鎖し、生産を減らせば就業者は減るということであります。この辺がどうしてこうなるのか、よく理解できません。仮に将来的に導入可能な技術や設備というものがあっても、なかなか考えにくい。どのような設備が入るとこうなってしまうのか、ということであります。もし、こういう結果になるような特定の技術とか、設備があるならば、教えていただきたいということであります。
 それから4ページ目、電源構成の問題であります。電源構成の問題は、これは今までタスクフォース等でもよく議論された問題でありますが、ここでも同様なことが言えるのかなということであります。結果を拝見しますと2020年に向けて石炭とかガスのシェアが大幅に減少するという中で、新エネルギーのシェアが大幅に増加しています。ここでも松橋さんからも指摘あったと思いますが、新エネルギーの導入のポテンシャル等々が十分検討されていない、非現実的な値が使われているのではないかというのが、私どもの考えであります。
 また一方、仮に新エネルギーの導入がされたとしても、いずれにしても、いろいろな意味でバックアップ電源として化石燃料ですね、火力に依存せざるを得ないわけでして、石炭とか、天然ガスのシェアをここまで下げるということはとても考えられないということであります。エネルギーのことに携わっている者としては、ちょっと想像ができないような数字であります。計算上はこうなるのかもしれませんが、現実からすれば、ちょっとあり得ない、なかなか考えにくい数字かなということであります。もっと言うと、電力の安定供給等々からいうと、非常に大きな問題を抱えているということであります。
 それから、3点目でありますが、これは先ほどの新エネの導入にも関係してくるわけですが、松橋さんのご指摘のあったこととも関係します。例えば、新エネ設備の費用が、年率の8%へ低減する。20年までですから、約6割減るということであります。こういう前提条件がありますが、多分太陽光等々については、コストの低減の余地があるとは思いますけれども、例えば風力とか地熱という、これらの新エネについては、今後はなかなか低減を見込むことは難しいのではないか思います。ある量までであれば、そう見ることもできますが、かなり大幅な導入を見込むとすると、洋上立地であるとか、あるいは陸上であれば、奥地とか、非常にコストの嵩むところに立地せざるを得ないということで、むしろコストとしては増えていく可能性があるということであります。もし太陽光以外のすべてのエネルギーについて、こういう前提を置いているのだとすれば、モデル分析の前提条件としては、あまりにも乱暴過ぎる、あるいは楽観過ぎるかなという気がします。そういう意味で、非現実的というふうに申し上げざるを得ないと思います。
 それから次に、モデル構造に関わることですが、この点についても、何点か納得できない点があります。幾つかありますが、2点、3点に絞ってお話を申し上げます。6ページ目であります。今までにもご説明があったかと思いますが、この中で家計支出の追加増というよりは、家計支出の中で電気機械とか輸送とか建設ですか、こういうものへの支出が増加、比率が増加したということで、GDPは増加したのではないかと、我々はこの結果から解釈しています。Forward lookingモデルということであるから投資が増加するというご説明がこれまでもされてきましたが、なりゆきケースでは、拝見すると、投資は増加していないので、モデル構造上は、これについてはあまりほとんど関係ないのかなと思っています。むしろ、今申し上げた家計支出の追加増、比率の追加増を外生的に与えていくことによって配分が変化して、それで投資が増加し、GDPが増加しているということではないかというふうに推測されます。当然、こういう誘発効果の大きい電気機械、輸送機械、建設が増えて、これで何が減るかというと、サービス関係等々の総体的に誘発の少ないものが減っていくわけですから、これは当然のこととしてプラスにきくのかなというのが、直感的な解釈であります。
 それからもう一点、これを外生的に1%増やしているとしていますが、この1%はどういう根拠で増やされているのか、よくわからない。これが1%なのか、0.5なのか、2なのかということで、結果も随分変わってくるのではないかと思います。
 ただ、先ほどちょっと資料を拝見すると、感応分析等々で少しお答えにはなっているのかなということではあります。
 ということで、家庭の中でもGDPが増加するような前提を置いているのだから、GDPは増加するのだよということと、同じ意味ではないかと思います。
 今日の追加の資料で、あたかもというか、内生的に説かれているのかどうか、私も即座には解釈できませんが、そういう資料になっていますので、この辺も少し教えていただければと思います。
 それから、7ページ目になりますけれども、7ページ目と8ページ目が疑問点でも一番大きなところですが、1つは、今までにも出てきている限界費用であります。そこの図にもありますように、並べてみますと、限界費用は他のこれまでのタスクフォースのものと比較してもあまり変わりません。5万円から8万円の間ということで、伴先生の値も同じようになっていますが、にもかかわらず、例えば電力料金、光熱費といった、二次エネルギー価格の上昇率が極めて他のものに比べて小さいということであります。これまでのご説明にもあったのかもしれませんが、排出量の無償配布によって電力料金がむしろ、それが下がる方向になるのであまり変わらないのだということのようなご説明があったように思いますが、であれば、業種ごとにどのような割り当てが行われて、どのような排出権の売買が行われるかということを明示していただかないと、なかなか結果は解釈できないと。実際に、社会では排出権が配布されたからといって、電力の価格が下がるということは、にわかにというか、ほとんど理解できません。
 これについては、先ほどの電源構成の現実性の問題もありますので、影山委員もいらしていますので、もしコメントがあれば、後ほどしていただければと思います。
 今、電力価格というふうに申し上げましたが、これは他のエネルギー、ガソリン価格についても同様ですね、ほとんど上がり方は少ないということですね。これも無償の排出権があって、あまり上がらないという理屈はなかなか当てはまらないだろうということで、等々、とても私は疑問に感じております。
 これだけエネルギー価格の上昇が小さければ、当然経済への影響は小さいということなると思います。それから、先ほどの家計支出がプラスに出ているということで、これが全体として、ほとんどマイナスにならない、むしろプラスになっているという結果になっている。非常に単純にまとめしてしまうと、そういうことなのかなという気がいたします。これについても、もう少し詳しいご説明なり、資料なりを提供していただけますか。あるいは、今日の資料にあるのかもしれませんけれども、何分、今日拝見したので、にわかに理解しがたいということであります。
 それから、8ページ目であります。

○西岡委員長 ちょっと、そろそろ。

○伊藤常務理事 すみません、ただなかなかこういう機会がないので。ほかのモデラーの方は、これまで十分紹介する機会があったと思いますので、少し時間を頂きたい。
 多分皆さんも同じような疑問を持っているのではないかということで、私が代表して質問させていただいているということであります。
 8ページ目でありますが、これモデル構造上、最も大きな疑問なわけですが、今も申しましたように、二次エネルギー価格が上がらないのに、どうしてCOの排出や最終エネルギーが他のモデルと同じように減少するのかなということであります。同じように減少しているから、COの排出も少ないということだと思いますが、普通に考えれば、やはり価格効果を通じて、二次エネルギー価格の上昇が省エネ等々を誘発する、誘発して減っていくということでしょうが、これぐらいの、10分の1ぐらいの価格上昇だと思いますが、これでどうして同じ程度のCOの排出量、あるいは最終エネルギーなのかというのが非常に疑問であります。
 新エネの導入が非常に大きいところがありますが、これはCOの排出効果もあまり大きくありませんし、ましてや最終エネルギーの消費が減るという理由にはならないと思います。
 いろいろ考えてみたのですが、どうしても理解できないということで、誤解かもしれませんが、非常に重要な前提条件を削減目標ごとにいろいろなケースごとに、例えばTFPという、全要素生産性のデータとか、それからAEEI、要するに省エネルギーですね、あるいはCOの効率指標というのもあるようですが、これを変えれば、いかようにでも結果は変わることになるわけです。こういうことで色々な工夫をされているのかどうか、それ以外になかなかこういう答えにならないのではないか、というのが私の理解なですが、その辺についても、もう少しわかりやすくお答えいただければと思います。
 先ほど伴先生がいろいろと非常に明快に、滔々とご説明いただいたのですが、なかなか理解はしにくいのです。
 それから、最後のページ、この辺で終わりにしますが、幾つかの論点ということであります。一番上の図を書いてありますが、これはForward lookingモデル、あるいは一般均衡モデル等々からいえば、仕方がないのだと言われればそうかもしれませんが、先ほど、落合さんのほうからもご指摘があった2005年から20年を最適化しているということで、ちなみにモデルの答えと実績がどうなっているかというのを、整理してみたものですが、これだけ乖離しています。これを合わすのがモデルの目的ではないと言われればその通りかもしれませんが、この先、2020年を予測しているということ、それから落合さんの指摘でもあったように、各シミュレーションの中で、2005年を基点として最適化している、ということはもう5年過ぎているわけで、過去の行動まで全部変化して、将来に予測していったときの2020年の値の信頼性はどのくらあるのか。非常に微妙な、センシティブな数字で25%削減だ、20%削減だというような問題を扱っているときに、本当に、疑問は感じています。
 それから、これは解説されているかもしれませんけれども、細かいところで見れば、計算上のCOはエネルギー起源ではなくて、非COも含めているということで、どんな扱いをされているのかなということであります。
 それから、貿易というか、国際競争力の問題等々もありますけれども、端的に申し上げますと、例えば先ほどの、家計でああいうものを増やしたときに、太陽光が増えるということはあるのでしょうが、この場合、現実には全部国内で製造すればそれなりの波及効果はありますが、現実には西ドイツ、ノルウェーなどもそうですが、既に50%以上が中国製にやられている。日本でも今は中国製が多く入ってきますよね。だから、日本企業頑張れとは言いたいのですが、その辺をどういうふうにお考えなってやっているのかということです。日本企業が幾ら頑張っても、生産の設備能力等々からいくと、そんなに莫大な、膨大なスピードで増えた場合は、多分対応できない。等々、これが本当に現実的な問題なので、あんまり現実性を重視する必要はないということではないと思います。ぜひこの辺も十分考慮すべきではないかということであります。
 最後に、ケースの表し方、比較の表示の仕方であります。伴さんの場合は、プラス分は、基準ケースの+4%ケースとイノベーションケースのマイナス25%と比較していますが、これまでの中期目標の検討委員会やタスクフォースにおける経済分析は、同じ条件にしてCOの削減を中立的に見るために限界削減費用だけを動かして結果を見せていました。それをちょっと違うケースで見てしまうと、誤解を生むのではないかと。ちなみに、今、全部が公開されているわけではないので比較できませんが出来ませんが、同じイノベーションケースで15と25を比較してみますと、ここに挙げた数字ですが、若干マイナスになっている。むしろ、ですから、90年比プラス4%のものと、25%の比較というときにどうなるのか、非常に結果に興味があるわけです。これもぜひデータを教えていただければ、開示していただきたい。
 10ページ目、逐一ご説明はしませんが、こういうデータもできれば開示していただきたい、今日とは言いません。後ほど、あるいはもう既に出されているのもあるかもしれませんが、これはお願い事であります。特に、3ポツのところですが、排出権の無償配布に関する詳細な前提条件・計算のメカニズムということで、排出の割り当てやどのような売買がされているかなどの詳細な説明をしていただければと思います。
 それから、他のものについては、これは先ほどご説明したとおりで、分析の意味は十分に理解していますので、出し方の問題で、さもこれが25%をフォローするような形になっているのはいかがなものかということであります。
 最後は、これは説明したかったのですが、先日、環境省のほうからの発言ということで、25%のうち、国内削減は15、海外からの購入は10%で検討しという発言がありました。これに関して、一言で申し上げると、15%という、またこれも決め打ちではなくて、さらに5%、10%という、先ほど松橋さんもおっしゃいましたが、マイナス8だって本当は難しいのという話もありますので、やっぱり現実、あるいは技術の積み上げも考慮した、こういう検討もあわせて必要、極めて重要かなということであります。クレジットの問題もそうでありますが、海外に国費が流れるわけですから、国民の理解をどう得るかというような議論も十分していかないといけないかなということであります。
 それから、繰り返しになりますが、ぜひお願いしておきたいのは、先ほど申しましたように、慶應の野村さんやRITEの秋元さん、今日はむしろこの人たちがテーマとしては来るのがふさわしかったのかなと思いますが、今日は残念ながら出席していないということで、こういう方も加わった形での議論を今後大いにしていく必要があると思います。そのためには、それらのメンバーの方も集めた形で、今後議論していっていただきたいということであります。
 すみません、ちょっと長くなりましたけれども。

○西岡委員長 大分全体についてカバーしていただいたと思います。ぜひお願いしたいのは、なるべく本当に短くしていかないと、ちょっと時間までに終わらなくて、委員の方々の発言もお聞きしたいと思っておりますので、よろしくご協力を願います。
 では、山口先生。

○山口特任教授 山口です。このお話をいただいたときに、意見を言ってもいいかと言ったら、それは結構だと。それから当然、質問もいいかと、これも結構だということで、今日は両方言おうと思って出てきました。
 まず、その意見、これは参考資料5ですけれども、一番最初に、これは私は昔からずっと言っているのですけれども、要するにこの審議会というよりは、日本として、一番議論しなければいけないことが、どこでも行われていないのです。要するに、温暖化対策の究極目標として、世界としてどこまで対策を進めるべきか、これは当然、さっき伴さんが言われたコストベネフィットも入れていいのですけれども、要するにその議論がなしに、どんどん他の議論が進んでいる。これが、日本だけではなくて、世界でも同じ状況ですが、少なくとも国内でこういう議論を本当に真剣にしたことを聞いたことがない。これこそ環境省としても、ぜひやるべき議論ではないかと、これは一番本質的な問題です。それをなくして、25だ、30だ、15だという、これはあまり意味がないのです。
 次に、2番目ですけれども、中期目標について、鳩山、もう今では前首相ですけれども、鳩山さんが言われていることを国会論議を基にずっと突き詰めていくと、結局450ppmCO2e安定化、これを前提条件としているということなのですね、世界に対してですね。この前提条件は未達ということはもう明白です。そうなると、日本は90年比25%削減という数字に縛られずにフリーハンドを持つわけですね。別に25%にこだわる必要はない。もちろん、本当に450ppm、オーストラリアが言っているように、世界がそこでいくのであれば、日本はもう首相、これはいいか悪いかは別にして、首相が言ってしまったので、これはしょうがないわけですけれども、それが未達ということは極めて明白です。とすると、日本は例えば、5でも、10でも、20でも、何でもいいわけですね。日本としては一体、そういう場合にどうしようかという議論、これは実は私タスクフォースの最初のときに、これを言おうと思ったら、環境大臣が来て、何が何でも、25%だけの議論に限ると言っていなくなってしまったものですから、意見を言えなかった。タスクフォースでは言いましたけれども、要するにこういう議論が日本で全く行われていない。要するに、前提条件未達が明らかであるにも拘わらず、25%が先にあって、あとは真水とか、外から買えばいいとか何とか、これは非常におかしいわけです。これは一番言いたいことです。
 そして、今度は3番目です。これはいわゆる先ほどから問題になっている小沢環境大臣の試案、これはやっぱり政府のガバナンスに問題があるのではないか。ちょうど、今日は大臣もおられませんし、小林次官もお帰りになっちゃったみたいなので、僕は小林さんがいるところでと思っていたのです非常に残念ですけれども、まず、我々タスクフォースにいたということで今日は呼ばれたと思うのですけれども、中間取りまとめというものを出しました。これは植田さんが座長でやられた、私もいたのですけれども、その翌日の朝日新聞の朝刊に、ここに書いてあるような記事が大きく出ました。「温室効果ガス25%削減の家計負担、専門家差し替え再試算-環境相『民主応援の人に』」と、実は私はこれ間違いだと思ったのです。ただ、いろいろ調べてみると、実際にそうだった。こういう発言をされたわけですね。これは本当に私はびっくりしたのですけれども、要するに党がかわるから、我々はそれに応じて、何でも都合のいいことを言うなんていうことは、学者の中でそんな人は誰もいない。そういう人がいれば、これは御用学者と言うわけですけれども、要するに審議会、ここもそうですけれども、私が出ているところも当然そうです。これは政治家、意思決定者に対してPolicy Relevant、要するに政策を決定するときに非常に適切な情報を提供すると、そういう場である政府が右と言っているので我々は右のデータを出す、左と言ったら、今度は左のデータを出すのではなくて、右の場合にはこうですよと、左の場合にはこうですよというのは、プラス・マイナス全部そろえて出す、これが審議会の本来の役割で、これがもし踏みにじられるとすれば、これは非常に日本にとって不幸ですね。ですから、今日この審議会で、ぜひ皆さんがそういうことでやられているのだということを、これは西岡座長から確認をいただきたい。これが私の今の環境大臣発言に関するところです。
 そして次に、もう一つ、民主党になってタスクフォースができました。私もそこに初めて入ったわけですけれども、今度はここではロードマップ小委員会、この関係がわからないのです。というのは、11月24日に中間取りまとめを出しました。そして、そのときに、実は隣に植田さんがいるので、確認していただいてもいいのですけれども、議事録を見ますと、私がこのタスクフォースはこれで終わりですかということを10月の末にお聞きしました。それに対して、座長から、「いや、それは全然違います。基本として小沢環境大臣、事務局長にお話をしたときに、1回目というのは10月末、これは10月末でございましたねと、それで今度、これは11月24日の中間取りまとめですけれども、それが次で、もう一つあるということははっきりしております」。これが植田座長の明快な答えだったわけです。その後に環境大臣の朝日新聞の記事が出たわけです。出てもいいのですけれども、ただ、まさかそんなことはないだろうと思っていましたら、そのタスクフォース、私は今日は辞令をいただいて、いつまでの任期かというのを確認してきました。そしたら、約1年くらいと書いてあるわけですね。ですから、今は別にタスクフォースは解散していない、そういうフォースがあるわけですね。それは内閣官房でやっていたのですけれども、今度は環境省が事務局になって、新しいロードマップの検討会をつくる、これはやはり政府としてのガバナンスがない。もしガバナンスがしっかりしているのであれば、タスクフォースはこういう理由で解散すると言うべきです。イギリスの環境政策のことを私も研究していますけれども、その点は明快に国民に説明をする責任が政府にあるわけで、それが全くなくて、何かいつの間にか、このロードマップ委員会というのができているわけです。このメンバーがいわゆる民主応援の人だけかどうかは私は知りませんけれども、とにかくそういうふうになっている。
 そして、今度は、タスクフォースでやってきたことが、そのロードマップ検討会でどういうふうに検討されたのかというのも実はわからない。そして、ロードマップ検討会が3月26日でしたか、年度内最後にあって、30日か31日に小沢試案が出ました。しかしここにはタスクフォースのことは全く書いていないわけです。これはどう考えてもおかしいわけです。環境省とか何とかではなく、日本国として、一体タスクフォースでの議論の結果というのはどういうふうになっているのだろう。ですから、これはタスクフォースでやっていることと、ここでやっていること、それ自体を私は否定はしませんけれども、の両方を公の席へ出して、今日、この1回ヒアリングをしたので、これで済みということではなく、もっときちっと議論をすべきであると。これは当然の、常識的に考えれば当たり前の話で、これをぜひやっていただきたい。これは環境省にお願いをすると同時に、座長にもお願いする。更に、ほかの省、日本国としてこの点を考えていただきたいということです。
 それからもう一つ、ガバナンスの問題として、これはモデルの型ということではなくて、これは環境省か座長か大臣か、知りませんけれども、要するにロードマップで出た4つのモデル、タスクフォースはもう当然なのですけれども、4つのモデルから真水25%は可能である、簡単に言えば、大臣試案はこう書いてあるのです。そして4つのモデルが並んでいるわけです。どう考えても、そんなことはないわけです。伴モデルも、藤川モデルも、当時は25%削減には達していないですね。それから松橋さんのものもそうですし、それから日経センターさんのモデルは9%削減です。別にそれ自体の是非を問うているわけではないのですが、要するにそういうものが出たときに、それをもって25%削減が可能であるという、こういうことはいかにも、良いとこ取りという言葉は使いたくないのですけれども、良いとこ取りと言うより、ないものを取ってしまったというほうが正しい。そしてもう1点、私の資料で、3ページ目に、さっきもちょっと日経センターさんから出ましたけれども、3ページ目のグラフを見ますと、この日経センターの試算結果は、実はロードマップ検討会に出てなかったのですね。出てなくて、小沢試案に入っているわけですね。これも不思議なのですけれども、猿山さんのほうで出されたのは、この左の図ですね、これは私は確認をしました。それに対して、大臣試案に出ているのは右の図です。これしか出ていない。やはり、このプラス・マイナス、あるいは中立というのがある中で、どうしてこのプラスのやつだけ、例えばGDPは増えます、失業は減りますという、こういうものしか出さないのだろう、要するにこれでは本当の意味の議論ができないではないかと。ぜひここは座長及び環境省、幹部の方にお願いしたい。要するに日本の将来がかかっているわけですから、本当にみんなで議論しましょうよということです。
 それから、さっき、4番目として伊藤さんが言われましたけれども、たまたま固有名詞も出ていますけれども、さっき伊藤さんが言われたような方、例えば、慶應のモデルというのは、いわゆる雇用の面が一番詳しい、そしてこの雇用問題というのは非常に大事なので、それから金利が内生で決まっていくモデルなのですね。そういうモデルの専門家、それから完全雇用でないモデルです。これはCGEの中では慶應のモデルしかないので、そういう人の意見をぜひみんなで議論したらいいではないか。
 それからもう一つは、先ほど伴先生から名指しで批判されている人がおりましたけれども、それはやっぱりその人もここへ出てきて、議論をしないと、これはちょっとまずいのではないかなと、こういうふうに私は思います。これを申し上げた上で、モデルの方への質問ですけれども…。

○西岡委員長 すみません、要点でお願いします。時間がないので。

○山口特任教授 わかりました。まず先に、では、猿山さんのほうは、もうさっきお答えいただいたので、ほとんど、ちょっと見ていただくということでよろしいと思います。
 それから、増井さんへの質問は、実は増井さんへという、この2番目は増井さんなのですけれども、一番上、この3ページ目に出ているのですけれども、これがむしろ増井さんのモデルというのは、さっきご説明ありましたけれども、GDPがマイナス3.2、実は最初はもっとマイナスになっていたのが家計に還流するということでマイナス3.2にGDPの減り方が下がったわけですね。その増井さんがそこに入っておられて、どうして国環研のモデルが、いわゆるロードマップ検討会のほうのモデルに入っていないのだろうか。これはわからないのですけれども、やっぱり都合の悪いのは入れないのかなと、ちょっと勘ぐりたくなのですけれどもね、それは本当かどうかは別にして、やはりそういうことだろうということで、今度は伴先生について質問を集中したいと思います。
 伴先生の、実は今日いただいた資料を見て、ちょっとびっくりしたのですが、言葉遣いが随分変わってしまっているので、その前までのものと同じかどうかがわからなくなってしまったのです。一応、基準解と言う言葉を今まで使っておられて、それがベースラインと、私は仮に見ます。すると、今日伴先生からいただいた9ページ、これがベースラインですね。ですけれども、ロードマップ研究会に出されて、持っておられるかどうかは知りませんけれども、それは9枚目にシナリオということがある、それには基準解という言葉を使ってあるわけです。そして、基準解、あるいはベースライン、ここでいうと、6つの指標、これは要するに削減目標を15にしようが、20にしようが、25にしようが、全く変わらないかどうかということをお伺いしたい。実は、伴先生については、質問がたくさんありますので、さっき座長の要請もあって、全部を私は質問できないと思うのです。ただ、重要な点なので、ぜひ文書でこれはお答えいただきたいというのをまず最初に申し上げます。
 そして、実はさっき、たまたま伊藤さんも言ったのですけれども、私の2番目の質問ですけれども、比べていただくというのですか、皆さん持っておられないのかどうかわからないのですけれども、3月26日のロードマップ委員会の伴先生のベースライン、シナリオですね、ここではAEEIが年率2.5、そして二酸化炭素排出・効率改善が年率2から4というふうになっています。これはベースラインですね。これは私、本当かなと思って、実は伴先生に直接お伺いすればよかったのですが、環境省にAEEIというのは、要するに、GDP分のエネルギーですねと、そして二酸化炭素排出効率はエネルギー分のCOの変化ですねということをお聞きしましたら、環境省からはそうですと、こういう回答が来たのです。そして、今日、伴先生のお話で、これはぜひこの場でお答えいただきたいのが、伴先生の資料の9ページ、これのまさに赤で囲ってあるところなのです。ここの2行ありまして、一番上がGDP当たり一次エネルギー供給改善率とあります。2番目がエネルギー当たり二酸化炭素排出量改善率とあります。これは、前のときには、上がAEEIとなっていました。下が二酸化炭素排出効率改善となっていました。そして、上のほうがさっき申し上げたように、2.5で、下が2から4となっていました。そして、伴先生のお話では、ここで3月26日資料の表現変更というふうに書いてありまして、何かいろいろ批判があったので、それを皆さんの言っている用語で直しましたと、こう言われています。そして、私が伴先生にお聞きしたいのは、前の基準解のAEEI、これの分子と分母は何ですかということです。私はこれはGDP分の一次エネルギーだと思っていたのですけれども、もし最終エネルギー、二次エネルギーであれば、それはそれでもいいのです。ただ、問題は年の変化率ですので、いわゆるエネルギー効率が何か用語の変化で、2.5から1.1に変わるというのは、ちょっと私はこれはわからないので、いわゆる何分の何なのですかというのを教えていただければ、後で検算ができると、こういうことです。そして、その次の、TPE分のCO、エネルギー分のCO、これが2から4と書いてありました。まず2から4というのは、何で数字が幅があるのですかというのをまずお伺いしたいということが2番目です。
 そして、これはどう見ても、一次エネルギー分のCOの排出量の変化率だと思うのですけれども、これが2から4というのが0.5に、今日初めて変わっていたのです。実は、東大でも伴先生にお見えいただいて議論したときは、全然変わっていなかったので、実はこの2つが最も重要で、この2.5と2から4ということでいけば、GDPの成長率が1.2ぐらいでやっているわけですから、それは大幅にCOが減るのは、ある意味では当然だと思うのですけれども、一応この定義を教えていただきたい。そして、仮に定義が違っても、年率の変化率がなぜこんなに違っているのですかということ、ここだけは教えていただきたい。
 それで、私がなぜそれにこだわるかというと、私の4ページ目のグラフをちょっとご覧いただきたいのですけれども、上のグラフは、これはまさに脱炭素化率です。そして、これはイギリスとフランスが例えば2%を超えていくというのがあるわけですけれども、フランスは、まさに原子力がこの期間に6倍に能力が増えているわけですね。そして、イギリスは例の北海の油田ガスが発見されて、いわゆるdash to gasと、ガスが安くなって、どんどんそっちに行った、そういう特殊状況のもとで起こってきたのが、どうしてこれ2から4というのがベースラインに入っているのだろうと。そして、2から4というのは違うといえば、それはどういうふうに違うのかということです。
 それから、エネルギー効率については、この下の表のデルタE、G分のEですかね、最近、マイナス0.6ということですけれども、これが2.5になっていたわけで、これがこんなに違えば、それは当然、削減はどんどんできると、こういうことだと思います。あとは、例の金属とか一般とか、電気、輸送の中間投入、こういうものも実は、数字があったものが今度はなくなって、モデルで解く形に、今日のものはなっているのです。
 それから、一番わからないのが、いわゆる、今日のこれを拝見しますと、11ページで、代替シナリオとあります。そして、25%と15%とあるのですね。ですから、今日の資料を見ると、ベースラインがあって、それを変えるものとしては、15の場合には、例えば自然エネルギーはこうやって、設置費用低減は年率6だとか、嗜好の変化が25%の半分だとか、こういうふうになっている、ですから、15%の場合には、この数字1つ、25%の場合には、この数字1つになっています。ただ、伴先生がこの3月26日に出されたデータは、要するに、15%、なりゆきというのが15と25あって、それから促進ケースというのは15と25あると、それが今日また変わっていて、しかもこの数字が、実は東大でお聞きしたときとまた違うのです。ですから、数字はどんどん変わっていってしまって、言葉は違う、後でお答えいただければいいのですけれども、ちょっとそこら辺が私はよくわからないわけです。
 それから、今度は問題を全然変えまして、私の質問の10なのですけれども、Forward lookingモデルで伴先生の3月26日に出された、それしかないのですけれども、そこで要するに13枚目のスライドに、どうして2005年から効果が出るかということが書かれております。そして、これは要するに第二約束期間に向かって二酸化炭素排出規制が強化されることを経済は2005年の時点で知っているという、こういう前提だと、そして経済は何も知らずに二酸化炭素排出規制が2008年から予想外に強化され、さらに2011年に政策がとられ始めたという前提でのシミュレーションを行っていないとなっています。しかし、2005年の時点で日本がこの25%削減というようなことを言うと、宣言するということが誰が考えたかということなのですね。そもそも25というのが例のIPCCの2007年の報告書に初めてボックスの13-7で出てきた、あれは2007年です。そして、バリ行動計画でそれに触れられたのは2007年で、その翌年の麻生元首相の例の数字、あそこで、いわゆる2005年比15%、ですから90年でやるとマイナス8というのが日本では出ているわけですけれども、2005年の時点でどうしてこういうことを考えられるのかなと、私はちょっとあんまりそう思えないのですけれども。ですから、であれば、ここのところが変わると、数字が変わってくるかもしれないなと。
 あと、最後の1つとしては、エネルギー安全保障という考え方が一応入っているのかどうか。それからあと、たまたま東大でご説明のときに、この前鉄鋼の話がよく出まして、日本の鉄鋼はよく知りませんけど、トン8万円ぐらいなのだそうですけれども、そして炭素価格、伴先生のモデルでは限界削減費用が5万円以上していますので、すると、鉄1トンつくるとCO2が約2トン出るようですが、そうすると、値段が18万円になると。そして、よその国が8万円のままでも質が違うので、それは競争できるというようなお話があったと記憶しているのですけれども、それほど強ければ私もいいと思うのですけれども、そのあたりどうなのかなというふうに思います。
 以上です。

○西岡委員長 植田先生お願いします。

○植田教授 植田でございます。個々のモデルに関してのいろいろな議論は、すでにたくさんのコメントその他も出ております。モデルをつくって分析するというのは大変な労力が要るのです。ですので、すごいエネルギーを投じて、これだけの分析をしていただいた皆さんに、本当に感謝をしたいと思うのですが、だからこそモデルの分析結果が意義ある形で活用されるということはとても大切なことではないかと思います。
 先ほど、山口委員からのご指摘もありまして、いろいろ議論をすべきだと、私もそういうふうに思っております。実は今度、9月に、環境経済・政策学会という、環境経済・政策学に関して日本で議論をする学会の場でございますけれども、私が提唱いたしまして、伴先生および秋元さんにご相談いたしまして、学術的に議論することは、そこでやりましょうということです。学術的には細かい議論がいろいろございまして、それはそれで大事なことなのですけれども、審議会で議論する問題と切り分けないといけないというふうに私は思います。もちろん、モデルの予測能力をいかに高めるかとか、大事な問題であります。それから、現実のモデルへの反映の仕方は一体どういうやり方がいいかとか、パラメーターの問題も、いろいろございます。それから、直接的に数値を比較はできないわけですけれども、モデルの構造上、どういう理解の仕方になっているかというようなことは大いに議論したほうがいいと思っておりまして、それは別途場を設けるということでさせていただくということです。皆さんも、秋元さんも、伴さんもそういう方向でやりたいということなので、どんな方も歓迎でございます。そういう形で、その部分は進めさせていただきたい。
 大事な点は、せっかくこれだけのエネルギーを使ったものが、国民的な議論の素材に本当に使われるかというと、なかなか難しいかなと。私自身も先ほどご紹介いただいたように、タスクフォースの座長をしていまして、大変苦労したことの1つは、モデル計算による結果の数値だけが出ますと、何万円とか言われると、もうそれが金科玉条のように流れていったことです。先ほどモデラーの方は皆さん共通して、あるいはコメントの方もそういうことだったと思うのですが、モデルはどういう構造にしているかということが非常に重要でありまして、その構造をどう理解、議論するかというようなあたりがとっても大事なのです。そういう意味では結果の数値は二の次なのですね、極端に言いますと。ですから、先ほど落合さんもおっしゃいましたけれども、モデル分析を利用する場合には、例えば政策的な効果について、モデルの間で定性的に一致しているかというようなのは、おもしろい検討の仕方かなというふうにも思ったりするのです。そういう意味で、僕はモデルリテラシーという用語をそのときにちょっと思いついたのですけれども、つまりモデルの結果をみんなが本当に共通のものとして議論できるような基礎的な共通認識を持てているかどうかという問題が大変重要な問題で、これはマスコミ等の媒体ですとか、あるいは一般のシンクタンクその他、そういうところも含めて、そういうものを日本の社会で成熟させていくということが不可欠だと思うのです。今後、そういうことは繰り返しやっていかないといけないかなと、こういうことをちょっと思っている次第です。
 それからもう1点は、正確に理解していただくという場合の理解というのは、どちらかというと結果ではない。モデルというのは、一種の見える化させているのですね。経済というのは見えないわけですけれども、メカニズムをモデルで見える化させているわけで、その見える化のさせ方がどうなのだというようなあたりがとても大事になってきます。逆に言うと、モデルの分析結果の政策的な利用ということについて、よくよく慎重でかつ的確な利用の仕方、これがどういうものかということについて、我々自身が習熟していかないといけないと、そういう気がいたします。
 そんなところが私の感想めいたことですけれども、1点だけ、私自身も責任上モデルについては、フォローしてきているのですけれども、今後の日本のことを少し考えますと、日本の企業がかなりグローバル企業になってきていると、それから日本の政府も何か外国で売り込むみたいな、チーム日本とかいう言葉も出まして、ああいうやり方をするようになっております。それをどういうふうに理解するか、つまり1つは、実際に日本の企業の技術は、例えば中国市場でどの程度競争力があるのか、こういうことを知りたいと思ったのですが、そんなデータはどこにもありません。なかなかわからない。その点でまずどういう評価ができるのかというようなことについて、どういうことを調べればいいというふうな、もう1点は、外国で売り込むということは、日本経済にとってはどうかという問題がやはりあるかと思うのです。その点で、今お使いになっているモデルをそのまま、そういう問題にも拡張できますということなのか、もう一遍本格的にそういう問題について、改めて検討し直さないといけないのか、そのあたりを見極められたらありがたいなと思っておりますので、ご意見があれば、簡潔で結構でございますけれども、教えていただければと思います。ありがとうございました。

○西岡委員長 どうもありがとうございます。
 佐和先生からもいただいておりますけれども、どうしましょうか。

○地球温暖化対策課長 ご紹介をするつもりでしたが、時間がございませんので、ごく簡単に質問が9つほどございますけれども、基本的にはこの計量・経済モデルによる予測の可能性予測能力の問題、それを政策評価に使うことが妥当なのかどうか、あるいは特に定量的な予測か本当に可能なのかどうかというようなこと、あるいはリーマンショック等の、そういうショックを反映していないモデルによる予測の正当性のような話、それから特に、質問の中では、中期目標検討会における可処分所得、光熱費の数値の予測を出したということの妥当性のようなことですね。
 それから最後に、私見ということで、今後の経済成長というのは、エコ製品あるいはスマートグリッドなどの気候変動関連の消費投資というものが大変経済成長の原動力になるのではないかと。これは国際的な協力によっても途上国における気候変動投資を増やすということが日本の経済成長にとってもポジティブな関係があるというふうなこともご指摘をいただいております。
 非常に簡単でございますけれども、以上でございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 ただいまのところ、ちょうど1時間遅れております。
 ちょっとやっぱり皆さんの時間をもう少しいただくことになるかなと思っております。
 まず、あまりたくさんあると答えるほうも大変ですので、先ほどの4人の方にお答え願いたいのですが、ちょっと、1人当たりの公平性という点ではあれですけれども、やっぱり質問の多い伴先生に、ちょっと時間をやっていただくとして、先に、猿山さんのほうで一、二分、何かございますか、よろしかったらスキップしてください。

○猿山主任研究員 それでは、なるべく手短に。
 25%になっていないではないかという点、ご指摘があったと思うのですけれども、このモデルで25%の何%を炭素税でやるべきかというような議論はできないのだと思うのです。ただ、逆に言えば、25%をやっていく上においては、いろいろな施策を導入していかなければいけないということ、税もあれば、技術の促進もあろうかと思います。そのうち、炭素税の部分を取り出してみれば、こういう効果が見えるのではないでしょうかということについては、別にそれほど控え目に見る必要はないのではないかなというふうに思っております。

○西岡委員長 どうもありがとうございます。
 下田さん、いかがでしょうか。

○下田副主任研究員 落合さんから幾つかコメントをいただきましたが、全くそのとおりだというふうに考えております。今後、生かしていきたいというふうに思っております。
 以上です。

○西岡委員長 松橋先生。

○松橋教授 ごく手短に、高齢化社会のフローとストックの点をご指摘いただきました比較静学では、もともと無理だからいいというご指摘もありましたが、explicitに扱えなくて、もう高齢化社会と低炭素社会の問題、非常に密接につながっておりまして、非常に重要な点だと思っておりますので、小宮山先生がセンター長をされている低炭素社会戦略センターのほうでも、この問題を少し重点的に検討して、経済効果もあわせて分析をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、植田先生の海外展開する企業の国際競争力の評価、海外でビジネスをすることの日本への影響、この辺も、あまりちょっとここでは時間がありませんが、非常に重要な問題と考えておりますので、今後この辺もこのCGEでやるということではなくて、別途に検討をしてまいりたいと思っております。
 以上です。

○西岡委員長 それでは、伴先生のほうで。

○伴教授 時間をいただきましてありがとうございます。
 そんなには長くかかりませんけれども、山口先生の指摘で、数字を変えているというのですが、最初に言いますと、5月28日に山口先生に招待され、東大で3時間ぐらい議論したわけですが、そのときの数字と全く変わっておりません。ただ、山口先生がおっしゃったように、表現は変えているわけでありまして、AEEIの書き方についてはそうです。変えた最大の理由は、山口先生がいつも使われるのはマクロの数字です、今回提出したのも個々の技術ではなく、山口先生のお使いのマクロの数字を言っております。前回の2%とかの数値は、モデルの中の非常に細かい産業別の技術面の数字を正直に出しただけなのです。だから、それを出してしまったために誤解が生じたと思っています。山口先生も含めて、多くの方々はマクロの数字、GDP当たりのCOの排出量というものしか見ません。したがって、山口先生が指摘されたように、今回示した数字は外生変数ではなくて、内生的に決まるものです。しがって、先ほど増井さんのところにも書かれていますように、25%削減しますと、その部分は当然変わってきます。いろいろなところで報告していると、いろいろな方々のご意見がある。それに合わせるのも我々の仕事なのです。突然変わってしまったとおっしゃいますが、もとの数字は変わっておりませんので、誤解のないようにお願いしたいという具合に思っています。

○山口特任教授 分子と分母をすみません。

○伴教授 分子と分母というのは何のですか。

○山口特任教授 AEEIというのは何分の何で。

○伴教授 あれは個別の財ごとの数字になります。個別の財ごとの、使っているのはエネルギー量自体は使っていなくて、生産量と炭素排出量です。これが個別の財・個別の産業ごとにいろいろと違ってきますので、大体平均的な数字を2あるいは2.5ぐらいと言っておりました。ただ、それは2.5にしたからと言ってCOが2.5%削減されるわけではありません。その辺の誤解があったので、山口先生の考えていらっしゃるような数字に直したわけです。

○伊藤常務理事 AEEIと、これ大分意味が違うと思うのですけれども。

○伴教授 ええ、もちろん違いますね。

○伊藤常務理事 併記していただいたほうがいいかと思いますので。

○伴教授 そういう意味で、今回は誤解があったので、そういう形で訂正し直したということでご理解いただきます。

○伊藤常務理事 両方書いていただいたほうがいいかもしれませんね。AEEIはこうで、GDP分のマクロはこうだと。

○伴教授 ただ、産業ごとによって全然違いますので、そういう意味では、伊藤さんがおっしゃっているように個別に開示するというのは重要だろうという具合に思っています。
 やはりこういう議論は、限られた時間でやるのではなくて、それこそ朝までというのでもやってもいいわけでありまして、それを外部の人が好きなときに見える形にしていただければありがたい。
 山口先生のところで3時間ぐらい議論した内容は録画しておりまして公開されるということを私は期待しております。
 伊藤さんについてちょっと問題かなと思うのは、所属される日本エネルギー経済研究所というのは、まさに日本のエネルギー研究の中枢であるのですが、私の試算結果に対して、伊藤さん、あるいは日本エネルギー経済研究所は何ら質問もくれませんでした。国会は、私を参考人招致したわけですが、エネ研は全く私を相手にしないのか、説明に来いということは一言も言わなかった。言わなかったにもかかわらず、ウェブという、公器を使って、私とか、この4つのモデルに関するいろいろな問題点をあげつらうということをされているわけですが、それは公益法人がすることではないと考えておりまして、伊藤さんには猛省を促したい。ただ、エネルギー経済研究所から、多分伊藤さんとは別のグループからは、この問題についての話をしてくれという依頼がございますので、その際にはエネ研に行ってご説明申し上げたいと思っております。
 伊藤さんにちょっと誤解があるのではないかと思ったのは、電源構成が半分に減るのはおかしい、ポテンシャルがどうのこうの、あるいはバックアップ電源とおっしゃっているのですが、ここでやっているのは、あくまで発電量でありまして、発電設備ではありません。エネルギー経済研究所がやったかどうかは知りませんが、経済産業省が出したエネルギー基本計画、6月に出した中でも同じようなことをやっていまして、設備はあまり減ってないのですが、発電量は大幅に減しています。そういう意味で、減らしているのは発電量であって、バックアップ電源としての発電所は残っている。このところは、誤解のないようにしていただきたいと思っております。
 それから、非現実的という言葉を伊藤さんは好きなようですが、楽観的というのが多分非現実的ということなのだろうということはよく理解できたわけですが、エネルギー経済研究所というのは、非常に多くの人数を抱えて、非常に細かな分析までしている。私の場合、作業をやっているのは私1人でありまして、だからこそ、例えばエネルギーの価格とか、そういう個々の問題についてまで、1つ1つ、細かく調査することはできていません。
 基本的に用いたのは、私の参考資料の後ろのほうにありますけれども、太陽光発電について設置費用が半分から6割ぐらい減るとありますが、松橋先生のも半分ぐらいになっていますから、その点では問題ないと思います。
 それから、風力発電所に関する説明を求めているのですが、まだよくわからないところがありますが、私自身が調べた中でいけば、設置費用は大きく下がっている。それは大規模化による低下、これがあるわけです。太陽光について、私が参考にしたのは、NEDOの報告書です。残念に思ったことは、そこに名を連ねている方が、あんなの楽観的よと、一言で切ってしまったことでありまする。でも、やはりそういう報告書をベースにして、我々はいろいろな数字を考えていくわけでありまして、それが楽観的だということで切り捨てるのはいかがなものかという具合に思っております。
 そういう意味で、どうしてもお聞きしたいのは、エネ研が基本計画はつくっているのですか、つくっていないのですか、それをちょっとお聞きしたいのですが。

○伊藤常務理事 そのことは別として、本筋じゃないことにここでお答えをする必要もないと思います。

○伴教授 わかりました。ここではなくて結構ですから。

○伊藤常務理事 あまり時間とりませんが、相当誤解があるようなので。今日は伴さんはいろいろ誤解があるようですので、我々としては別に、伴さんの結果をけなしたり、欠点を探すつもりはさらさらありませんが、、非常に誤解を受けるのはまずいかと思って、できるだけ多くの人も聞いていますから、疑問に思うところをさらけ出したということはあります。ただ、本当を言えば、何回も申し上げていますけれども、前に言ったタスクフォース等、いろいろな方の意見や、議論の場があれば、今みたいなことはなかったわけですけれども、なかなか我々はそういうところに登場できなかったということです。今日、こういう機会に、ちょっと失礼な物の言い方もあったかもしれませんけれども、申し上げたということでございます。
 それから、非現実的と楽観的という言葉がありましたが、私は非現実的という言葉と楽観的と使い分けたわけました。本当は非現実的と思っているのですが、あまりそればっかり言うと失礼かなということで、楽観的というのも時々交えたということでございます。

○西岡委員長 はい、どうもありがとうございます。

○伴教授 ありがとうございます。その観点からいくと、伊藤さんの9ページに、現実の数字があるわけですが、いわゆるリーマンショックでGDPは大体4%ぐらい低下したわけで、そのとき、電力は15%ぐらい減っているわけです。つまり、GDPが変動すると、電力というのは非常に大きく変動するわけです。にもかかわらず、エネルギー基本計画が出している20年から21年にかけてGDPが大きく変化したにもかかわらず、2020年時点の電力量が変わっていないのです。この現実を無視した形で公的な審議会がエネルギー基本計画を出している。やはり、その問題をちゃんと考えた上で、議論をすべきではないかと思います。結局、特に21年の8月に出したのは、中期目標検討委員会で出してきたものの後づけではないかと思うのですが、やはり公的なところ、エネルギー調査会という非常に重要な審議会が、非常にいいかげんな予測をしている事実かと思います。つまり、マクロの経済と全く切り離してエネルギー需要を計算しているということを、私の意見として述べたいと思っております。
 あとの問題は、モデルのつくり方によっていろいろ違う、これは共通の認識としてあろうかと思います。Forward looking型にするか、あるいはRecursive型にするかによって、結果が大きく違うというのは、私のモデルでも示しております。どちらがいいかというのは、最終的には中間というお話がありましたけど、私はそうは思っておりません。私もIntertemporalForward Lookingモデルにも欠陥があると思っております。その最大の理由は、人間は有限の期間しか生きないのですね。Intertemporal optimizationというのは、無限の期間生きるという前提でモデルが構築されていますが、本来、構築すべきは、いわゆるOverlapping generationモデルと言われているモデルです。このタイプモデルですと、人間は有限でしか考えませんので、長期にわたる重要な地球温暖化の問題に関して、どんどん先送りするのですね。だから、現実を見れば、Intertemporalというものよりも、むしろOLG、Overlapping generationで考えるべきだと、そういう形でのモデルづくりをどんどん進めるべきであると考えております。これは、佐和先生に対する答えでもあるわけですが、やはり、いろいろな可能性がある。その可能性を特定のところだけではなくて、様々に議論し合う。そうしたときに、単なるウェブでお互いに罵り合うのではなくて、山口先生のように、ちゃんと呼んで、それこそ詰問してもいいわけですし、そういうことをしていただいたほうが、私としてはありがたいということで終わりたいと思います。

○西岡委員長 どうもありがとうございます。ここで打ち切らせてください、この話は。

○山口特任教授 すみません、質問ではなくて、伴先生にさっきの定義、もう一度、あれですけれども、AEEIとか何とかというのを、後で書いたものをいただければありがたいです。
 それから、さっき東大の話がありましたけれども、一応、ウェブにスライドだけ出ているのですけれども、映りがあんまりよくないので、すみません。

○西岡委員長 結構です。それは、むしろこちらの委員の方々は、本当に待ち遠しいというか、申し訳ございません。
 時間も、実は超えてしまったのですけれども、皆さん、多分、後のお約束もある方もいらっしゃると思いますのでそういう方がもしいらっしゃったら、先にご発言願いたいと思いますけれども、今、いろいろ議論が出たのを私も聞いておりまして、やはりかなり専門的なことも問題あるし、細かいデータの点もありますけれども、今、ここの皆さんにお願いしたいのは、細かいところにつきましては、また学会のほうでもやっていただくということもあるかと思います。むしろもう少し、ロードマップ小委員会としての立場から、オーバーロールに、どういうことが欠けているのだろうかという視点で、ぜひご意見をいただきたいという具合に思っている次第であります。1人、一、二分でというのは失礼なのですけれども、札を立てていただきまして、そういうご意見をいただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。
 また、ご意見後ほどあるかと思います、時間のことも考えていただいていると思いますので、ご質問がありましたら、また書面でいただきまして、また回答願いたいと思います。
 赤井委員からお願いします。

○赤井委員 お答えが必要というよりも、期待なのですけれども、伴先生の資料の最後の、資料の最後というより、まとめの(2)のところに、最後に温暖化による経済的被害は一切考慮されていないということがあって、これはまさに山口先生がおっしゃったように、なぜ対策をとるのかという、その根本的議論にも相当するところなので、そのあたりはきちんと議論を将来していただければなというふうに思っております。既存のいろいろな資料を見ますと、今の温暖化のダメージコストなんかを見ると、とてもCO何万円という削減費用をかけることが正当化されないような小さな値しか出ていないので、このあたりは本当に数万円の削減費用をかけていいのだということが正当化できるような議論にしないと、なぜやるのかというところにつながってこないので、そういうところをぜひお願いしたいと思います。
 それからもう1点、本当の、伴先生の最後のページの、化石燃料に対する所得流出の問題なのですけれども、これは何回か前にも私は申し上げましたけれども、例えば、ではほかのものにしたときに、本当に流出がないのかどうか、これは松橋先生がお答えになった、企業の海外展開とか、国際的な場での技術の、どこでつくって、どこで使うとか、そういったことも含めた議論とカップルさせて、こういうことを考えていかないといけない問題なので、一応フラッグを立てておいていただければと思います。

○西岡委員長 飯田委員、お願いします。

○飯田委員 できるだけ手短に。私もタスクフォースのあそこにも一部座っていたのですが、そちらの意見はあまりせず、1つは、松橋先生と、それから増井さんがおっしゃったロードマップ、いわゆるモデルをベースに、今度はそれをどう実現するかというのがロードマップの役割だということに沿って申し上げると、まさにそこが非常にポイントで、それで政府のほうも新成長戦略の一丁目1番地に全量買取制度を位置づけ、グリーン・イノベーションで、いわゆる系統連携の話であるとか、系統強化とか、いわばモデルとは全く違う、まずリアルな施策制度、施策のところをどう変えていくかというところにかなりフォーカスが移っていると。実は、今日、私が理事を務めるREN21で今日の夕方に発表をするのですけれども、いわゆる昨年の世界自然エネルギー白書で、日本は昨年太陽光50万キロワットで2.5倍増というのは、半分うれしいことなのですが、ドイツは去年380万キロワットふえているのです。つまり、もちろん簡単に増えるものもあるし、なかなか難しいものもありますが、そういう意味では、先ほど太陽光5,000万も厳しいという話があったのですが、私は決してそうは思いませんで、しかるべき制度・施策をとれば、あと10年、コストは過去の10年よりこれからの10年のほうがはるかに安いわけなので、十分でき得る、本当にそこのフォーカスをし得る余地はある。
 一方で、私は、今、原子力に関して、立場を超えた、半ば原子力委員会の協力を得ながら、原子力の本当の問題は何なのだといったところを議論を進めているのですが、中身はあまりお話できないのですが、ただその中で共通しているのは、原子力の本当に稼働率であるとか、この先、本当にその設備を拡充していくことというのは、本当にできるのかというのが共通の疑問としてはあります。これはまさに現実的なリスクで、先ほど伊藤さんのおっしゃった、非現実的というのは、実は、再エネではなくて、むしろそちらの原子力、日本はこの先、推進する、しないとか、政策を問うのではなくて、本当にできるのかということをもっと突き詰めて考えていかなければいけないと、これは相当厳しい問題にこれから直面するというところがあります。
 それともう一つあります。過去、半年というよりも、過去二、三カ月で、特にヨーロッパを中心に、立て続けに、2050年までに100%再生可能エネルギーというシナリオがいろいろなところから出てきます。わずかこの二、三カ月で出てきます。その中の1つには、IIASAとか、それからPricewaterhouseCoopersみたいな、どちらかというと、経済的、経済系、もしくは保守的なところからすら出てきています。そういった、それはなぜかというと、過去10年間に再生可能エネルギーに関して、あまりにも、まさに予測を超えて普及をしたからで、例えば、ヨーロッパは過去10年間、最も増えた電源は天然ガスで8,300万キロワットですが、2番目に増えたのが風力発電6,300、3つ目に増えたのが太陽光で1,300で、石炭と原子力は大幅に減っているわけです、現実として。これは政策が意図したことをはるかに超えた現実が実態化しつつあるので、それを加速するということが研究所が追認しつつあるという現実が起き始めているので、むしろここで議論していることは、非常に遅れているというか、伊藤さんのおっしゃった非現実というか、逆のほうに動いているという現実がある。
 それから、ついでに伊藤さんの話でいうと、中国から輸入するのはいかがなものかなどという議論はちょっとやめたほうが私はいいのではないかと思うのです。つまり、輸入品であっても、そこから先の、先ほどの伊藤さんの図、5ページの、つまり、輸入品でもそこから先に、パネルを入れるにしてもそこから先にくっつくGDPとか、雇用とか、大量にあるわけで、それともう一つは、国内のマーケットを広げないと、もっとひどく負けてしまうという、その両方を考える必要があるということですね。あわせて、風力の、先ほどの年率の低減の話ですが、まさに伊藤さんの出された図を見ればわかるように、日本は建設コストのところも含めて、ランニングカーブって、別にパネルとか、単体ではなくて、サプライチェーン全体にわたって学習効果が機能するということですので、別にパネルとか、単体が安くなって、建設が安くならないというのは、ちょっとそれはあまりに皮相的な見方ですから、プロジェクトコストが安くなるというのが世界全体のいわゆるラーニングカーブのデータですので、その点はちょっと誤解を解いていただいたほうがいいと思います。

○伊藤常務理事 一言。百も承知でこのことを申し上げています。

○飯田委員 でも、これは話さないと誤解を与えますので。
 以上です。

○西岡委員長 牛久保委員。

○牛久保委員 私は経済の専門家ではありませんので、感想的な意見になりますけれども、まさに今日の議論を聞いていますと、座長が冒頭におっしゃられたように、国民目線で議論をしていただきたい。この小委員会はそこのところを重要視していかないといけないだろうというふうに思います。ですから、例えば、植田先生もおっしゃられましたように、日本の将来構想を含めて、日本がグローバル化していく中で、どういう位置づけで議論するか、そこの議論が抜けてしまうと、すべての議論が成り立たないだろうというふうに思います。ですから、常に日本の文化や生活習慣等の情緒的な話も踏まえてというのは前々からお話を申し上げていますけれども、そういう観点も含めて、いわゆる国民目線で、ただ数字が出ていれば良しというのではなく、数字というのはよくひとり歩きをするということになりますので、そこら辺のところを十分我々も考えながら議論をしていくべきだなというふうに思います。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 荻本委員。

○荻本委員 私は、電力とかエネルギーの長期的な計画とか、分析という立場から申し上げたいのですが、恐らく人間が10年後とか、20年後とか、50年後、いろいろ想像したことは幾らでもあるのだけれども、自分たちの現実をそういう長期間にわたって責任持って考えざるを得なくなったのは、これが初めてのはずなのです。大体二、三年で出たとこ勝負でやってきた人類が、今そうでなくなった、これは現実かもしれないのですが、残念ながら実力はそれほどないと私は思います。つまり、どんなモデルを使おうと、どんな人が何を言おうと、10年後は誰にも何とも言えない。ただ、地球環境問題への対応のためそれを考えざるを得ないことになったのは間違いないと。だとすると、やっぱり我々はかなり謙虚に考えないといけない。どんな人が自信ありげに言っても、そうでなくても、やっぱり遠い将来はあんまりよくわからないのだ。その場合は、よくやる手ですけれども数年間でローリングで考えていくと。だから、10年は仮置きをして、ではこの数年はこうやるのだというようなものを合理的に組み合わせていくというのが、恐らく過去もやってきた考え方であろうと。なぜ今全部決めないといけないのか。見通しは必要なのだけれども、やっぱりそれは組み合わせで解決していくのだろうと思います。それをモデルの世界に投射して考えると、やはり皆さんが言われたように、こうなったらどうなるのだというような、パラメトリックな解析をやってみて、その結果、現時点ででどういうものを選べばいいのかというようなことを冷静に仕分けをして評価していくということがいいのではないかなというふうに思います。
 これもどなたかが言われたとおりだと思うのですが、モデルはモデルの得意・不得意があります。違うジャンルのモデルを比べて、どっちがいいんだと言ったって、これはしようがない。ですから、どの分野については、どういうモデルを使うとよりいいんだというコンセンサスもつくりながら進めていくというのがよろしいのではないかというふうに思います。ちょっと、漠としていますが、以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 影山委員。

○影山委員 伊藤さんのご質問で、伴先生にお答えいただけなかったので、お答えいただければ大変ありがたいのですが、電力について、限界削減費用が結構高いのに、電気料金が上がらず、それでCOが下がるということは、どういう構図でそうなっているのかを、解説いただければと思う。無償割り当てを電力に配布すると言われているようですが、そうすればCOは下がらないのではないかと思いますが、どのような形で電気料金があまり上がらなくてCOがそんなに下がる、限界削減費用とこんなにかけ離れている、ということは、どういうことなのかを教えていただければ大変ありがたいと思います。
 それから、根本的な問題として、今お話を聞いて、モデルの前提条件ですとか、あるいはモデルのつくり方で、全く答えが違ってくるということで、我々はこのモデルに何を期待したら良いのか。我々が知りたいのは、25%でも何でもつくればできるのだろうが、その結果、我々の暮らしはどうなるのか、産業はどうなるのか、をモデルでできることなら教えてほしいと思うが、今の話だとあまり期待もできないという気がするので、どなたでも構いませんが、落合さんに、もしお答えいただけるとすれば、何が期待できて、一体どうしたら我々が教えてほしいことをモデルから教えていただけるのかを解説いただけると大変ありがたいと思います。

○西岡委員長 大聖委員。

○大聖委員 私、運輸部門のところをやっておりまして、最近のトレンドでいいますと、ここ9年ぐらい、もうずっと運輸部門の燃料の消費がもう下がってきていまして、もうここでガソリンスタンドが2割ぐらい消えています。それから、あと2020年までに、さらに自動車用燃料が2割ぐらい下がると思うのです。そうなったときに、消費者はメリットは受けますけれども、石油産業というのはどういうふうになるのだろうという、そういうのがどういうふうに織り込まれているのか、もう確実に売り上げが減少していきます。国際化とか、いろいろ手を打っておられると思いますし、エネルギーの多様化、その辺がどういうふうに織り込まれるのかなというのは、これはかなり産業としても大きな要因ではないかなというふうに思います。
 それからもう一つは、このモデルの中でやっぱり一番私は大きな弱点だと思いますのは、新興国とのバウンダリーコンディションが全く考慮されていないという点でありまして、これから市場と技術が両方とも大きく成長するわけですから、そこでのプロダクトイノベーションは松橋先生が言われるように非常に大事だと思うのですけれども、コスト競争で負けてしまうと、日本の市場が結局は死んでしまうということになりますので、その辺を最後植田先生もご指摘があったように、そういう問題も織り込まないと、これは絶対にモデルとして成立しないなと思います。これは非常に難しい面がありますし、非常に弾性値が高いのだろうと思います。それで、我々は工学をやっていまして、モデルをどういうふうに使うかということを常に悩んでいるのですけれども、結局何か検証できるものがないと、モデルというのはだめなのですよね。ですから、我々ですと、何か計測をして、数値計算と比較して、どの程度定量性があるか、定性的でよければ、それはそれでいいということになるわけですけれども、政策を決定するのに、定量的にごりごりやっても、実はしょうがないので、我々工学ですと、設計ということで、実際の物をつくるときの寸法を決めるときにそれをやるのですけれども、定量的でなくても、ある程度設計できるのですよね。その設計ということは、イコール政策です。政策をどういうふうにうまく構築するかということに、何か使えるものをぜひと思いますけれども、そこで繰り返しますけれども、世界市場と国内市場とのバランスをちゃんととった予測をぜひやっていただきたいと、これが注文であり、期待であります。
 以上です。

○西岡委員長 冨田委員。

○冨田委員 3時間の集中講義を受けて、今、理解度テストをされると、あんまり受かる自信は必ずしもないのですけれども、私なりに理解したところで、真水25%、本当にできるのだろうかという素朴な疑問を持っているものとして、経済の成長をしながら、やればできる可能性があるという伴先生のシミュレーションのポイントとして、2つやっぱり大事なところがあるのかなと。1つは、大聖委員がおっしゃられました海外とのバウンダリーで、日本の政策が日本の産業にとってプラス側に働くと、すべてそういうふうに考えてはいないかなというところが1つ、それからもう一つは、Forward lookingのモデルの性格かもしれませんけれども、国民の意識として、行動がかなりeco consciousで、かなり先を見ながら行動すると。全国民がと言ったほうがいいのかもしれませんけれども、そういうことが恐らく前提になっていると。そこの点については、今とてもそんな状態ではないというのが、私が個人的に持っている実感でございます。
 1つ、事務局にぜひお願いしたいのは、この3時間でモデルについて議論は終わりましたということではないというふうに思います。小委員会の下にワーキングをつくられるという話もありますので、モデルに関してのワーキングと、それもまた公開でやられるほうがこの場合はいいのかもしれませんけれども、そういうことをご検討いただければなというふうに思います。そのときに、ぜひ検討に加えていただきたいなと思うのは、政策の有無、例えば、温暖化対策税なら対策税というものをどのレベルにするとどういうことが、変化が起こるのかというような分析、あるいはFeed-in Tariffであったり、あるいは排出量取引であったり、そういったものの有無だとか、対象を変えたときだとか、そういったような分析がもしできるのであれば、ぜひ加えて、教えていただければというふうに思います。
 以上です。

○西岡委員長 則武委員、お願いします。

○則武委員 私も、この小委員会に入ったときに、ある程度ここら辺は理解しないといけないのだなと覚悟して、3月からそれなりに見て、今回も資料を事前に送られてきたものを理解するのに、かなり苦しみつつも、いい勉強になったなと思っております。それで、今日遅れてきましたけれども、議論の部分は聞けてよかったと思っております。
 基本的には、前政権のときの目標値に対する経済評価というような部分から含めて、今回の伴先生のものも含めまして、基本的には25%削減とか、何%削減の経済影響ということを示していたのだなと、基本的に分析されたものを示されていたということで、もうそのままで削減したら経済影響はこれだけ出るものではなかったという、そういう認識で皆さん同じなのかなという気持ちになりました。
 やっぱり冨田委員が言われましたように、基本的には政策をどうするかであって、それでモデルも変わってくる、あと技術によっても変わってくるわけですので、その政策と技術の動向というものをある程度想定した上で、どう経済的に影響するのかという点で、もう少しモデル分析なりをやっていただければ我々も参考になるのかなと思いました。
 それで、学術的なモデルの詳細についての検討は、先ほど植田先生が言われましたように、学術的な部分はどこか別のところでやっていただいて、その結果を見せていただければありがたいなと思います。その議論までは、とてもついていけるとは思いませんので、その辺、配慮をいただければと思います。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 村上委員。

○村上委員 この予想結果のモデル間のばらつきというのはずっと懸案だったわけでございますけれども、大変こういう場を設けていただいて、座長を初め、環境省も含め、感謝したいと思います。
 それで、きょう大変激論でございましたが、とても決着がついたと思いませんけれども、これはどう決着をつけるのかお考えいただきたいと思います。といいますのは、ワーキングは始まっていまして、私どもは8月の初旬ごろまでに、それぞれのワーキングでまた結論めいたものを出すようにというようなご指示をいただいておりまして、これは少し決着つかなければまた同じことを繰り返すのかという、ちょっと心配をしております。
 それから、これ全部、予測でございますね、プロディクションでございますよね。それで、なかなか実験で検証できないようでございますけれども、さっき大聖委員がおっしゃっておられましたけれども、できないのであれば、僕はポストディクション、こういう言葉がいいかどかわからないですけれども、例えば、1997年の京都議定書の採択の当初に立ち戻って、それからそのときの状況をベースにして、各モデルと現在を予測すると、そういうベンチマークテストでもやっていただければ少し実証性が出てくるのではないかと、そういう感じがいたしますので、ご検討いただければ幸いでございます。
 以上でございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、そちらの3人の方、順番にお願いします。まず、小田説明員ですね。

○小田説明員 大変なところ、恐縮ですが、枝廣委員より、あらかじめ伝言を承っておりましたので、そちらを簡単に紹介します。
 1つは、参考資料7のほう、次回以降取り上げていただくということ、ありがとうございます。それから、枝廣が強調していたのは、やはり過去の例を見ても、今回の例を見ても、モデルでシミュレーションの結果を出すと、1つの予測ないし幾つかの予測がひとり歩きする傾向があるので、それがぜひないように、まさに今日やっていただいたような形で、モデルの構造、前提、そういったことをぜひわかるような形にしていきたいということで、今日はとても意義があったと思います。
 構造前提、パラメーターなどに関しては、批判も含めて、そこでより洗練されたことが出てくることを期待しておりますけれど、最後に植田先生のほうに、とても雄弁にまとめていただいたような形で、その構造からどのような振る舞いが起こってくるのか、そういった洞察を政策に活かして温暖化防止ないし影響を食い止めるような形で使われていくことを期待しております。
 どうもありがとうございました。

○西岡委員長 岡山説明員、お願いします。

○岡山説明員 ありがとうございます。トヨタの岡山でございます。
 松橋先生、植田先生、大聖委員からも既にお話がございましたけれども、私どもの業界は世界市場で闘っております。頑張っておりますけれども、市場がどんどん伸びていく新興国では、例えばハイブリッドというのはなかなか売れないというのが現実でございます。お話にもありましたように、日本で日本の企業、日本が製品で頑張って、世界のCOを下げて、日本の成長にも貢献していくということが非常に大切であって、最大限頑張らなくてはいけないというふうに思いますけれども、それと同時に日本が突出して、私どもの研究開発費が回収できないということになると、これは私どもは世界競争に負けてしまうという状況にもございます。ぜひとも、この検討の中で、そういう世界というところのつながりというものもご考慮いただきながら、日本がどうやって勝つのだと、そして世界のCOがどうやって下がるのだということを視野の中に入れてご検討していただきたく思います。
 ありがとうございました。

○西岡委員長 丸田説明員お願いします。

○丸田説明員 説明員よりご要望を1点申し上げます。
 この先、議論をしていく政策の中で、その政策の先には生身の人間がいるのだということを常に忘れないでいただきたいということをお願いしたいと思います。この先、地球温暖化対策基本法案が再度提出され、基本計画が議論されます。当然、この中長期ロードマップ小委員会で議論された内容もその中で反映されることと思います。今後、地球温暖化対策を進めていく上で、必ず経済、産業、雇用に影響があります。それはプラスの影響もありますし、マイナスの影響もあります。例えば、雇用1つをとっても、この間の不況の中で、雇用が失われたとき、それは本人に、家族にどういう影響を与えるのか。雇用の場が失われたとき、その地域にどういう問題が生じるのか、いろいろな事例を皆さんこれまで見聞なさったはずです。シミュレーション、モデルの分析は、当然それは必要な話ですが、今後、より個別・具体的な政策手法を検討するに当たっては、必ずその先に生身の人間がいるのだということ。プラスであれ、マイナスであれ、その影響を受けるのは、間違いなく生身の人間であるのだということを常に中長期ロードマップ小委員会、地球環境部会、中央環境審議会、そして環境省事務局の皆さんに常に念頭に置いていただきたいと思います。これが冒頭、小林次官の言われましたこの場に課せられた壮大なミッションであり、それこそ既に何人かの委員の方がおっしゃいましたが、国民目線に立った議論なのではないかというふうに考えております。このことを1点、要望申し上げまして、説明員からの要望といたします。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 私、これ終わるまでにあと3つぐらいやらなければいけないのでありますが、すぐに終わりますが、伴先生、今の影山委員等々の、短くご返答を。

○伴教授 影山委員と、それから伊藤さんに対するお答えですけれども、基本的には鉄鋼なり、電力なりというのは非常にCOをたくさん使っている。そこに対してグランドファザリングというのは無償配布ですが、別にオークションで取ったものを配布しても構いません。基本的に配布したものはすべてもとのところに返す、ただしそれは全額ではありませんで、一部なのですが、それを企業がどう使うかはモデルによっていろいろと変わると思うのですが、モデルの結果で出てくるのは、企業は価格を下げるということで対応するという形になっているということです。
 これに非常に似たのは、山口先生が岡さんが寡占モデルでシミュレーションされているのですが、それと非常にちょっと似ているところがあります。完全に同じではないのですが、どういう形で還付するかによって、値段と限界削減費用をデカップリングできるということがございます。
 ほかの委員の方から、産業別にというお話でありましたけれども、今回も産業別では生産額等を出しておりますから、確かに石油、石炭が一番ひどい目に遭うのですが、石油業界というのはかなり大変だなというのがモデルの結果でも出ています。
 あと、グローバルの話というのは、まさに私自身も重要だと思っておりまして、私自身はもともとグローバルのCOモデルからタスクフォース型の国内モデルに移行した形でありまして、正直、私はグローバルモデルでやりたいと思っています。ただ、増井さんがおっしゃるように、こういうところでやろうとすると、非常に微に細たるというのか、細かなことをやらないといけない、ところが、グローバルモデルというのは、そこまでできませんので、そのギャップに悩むことがある。ただ、言えることは国内の企業が、特にアジアとか世界に羽ばたくことは、国富の流出ではありません。これはアメリカが典型的にそうでありまして、アメリカ企業は多国籍企業で、もう世界中に散らばっていて、非常に大きな富をアメリカにもたらしているのですね。アメリカは、ご存じのように純債務国です。純債務国にもかかわらず、つい最近まで所得収支はプラスでした。日本は純債権国でして、所得収支がプラスです。純債務国であっても所得収支が得られるアメリカ型経済を良しとするかどうかはわかりませんが、やはりそういうようなやり方もある。
 それから、削減からいえば、確かに日本で25%削減するよりも中国で削減したほうがはるかに安く済むわけでありまして、それはいわゆる排出権取引での国富の流出にもならずに、日本の企業のビジネスチャンスでして、そのリターンとして所得収支の改善につながるという形でプラスとなることもグローバルモデルを使えばできるわけです。だから、やっぱりそういう形でのモデルを含めて議論をする。私のモデルが基本的に国内モデルだからけしからんということをおっしゃるわけですが、やはりそういうグローバルな観点でやっているということは、ぜひとも脳裏に刻みつけていただきたいという具合に思います。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。

○影山委員 電気料金が上がらないのに、なぜCOが下がるのか。

○西岡委員長 電力料金の話です。

○伴教授 基本的にはCOをやってもいいですが、基本的にはそういうことはしないという形のoptimizationの結果で出てくるというだけの話です。

○落合副主任研究員 経済学的には理屈があるにはあります。補助金でやるか、税金でやるかは結果は一致するという話です。結局、まずグランドファザリングでない場合には、排出権を買わなければいけない。買わなければいけないから、コストが上がっていきますのでエネルギー価格も上がってしまう。今回、グランドファザリングで渡しているわけですね、最初に。渡している場合に、ほかの企業はそれを使えませんので、電力業界から排出権を買うわけですね、COを。そこで、電力業界にはお金が流れるかわりに、ほかの産業はコストが増えることによって、そこで生産が調整されるわけです。結果として、経済全体で見た場合には、生産量などは一致します。ただ、産業ごとに得られる所得のバランスは変わるわけです。国から買って、最初にそこでお金を払っておいて、その分を各産業の取引でバランスさせるのかという話と、もう一つは、最初に国からもらっておいて、それを資産として売ることによって調整して、結果として電力業界の所得が増えるのかという違いはあるのですけれども、生産量とか、CO価格のバランスをとった点ですから、全体で見た場合の均衡した生産額は変わらなくなります。そういう意味で、どっちを使っても一致するのです。これをぱっと言われるとわからない方が多いので、ちょっと難しいのですけれども、そういう考え方が裏にあります。

○西岡委員長 どうもありがとうございます。この辺で終わりにしたいと思います。
 もう一つですけれども、事務局のほうから、事務局が答えるべきところがもしありましたら。

○地球温暖化対策課長 1つは、今日、いろいろなご指摘の中で、小沢試案等におけるモデルの引用の仕方とかについては、いろいろと至らない点があったということで、その辺は今後とも十分留意していきたいと思っておりますし、いろいろなモデルの特性に応じた使い方ということも、今日いろいろご指摘いただきましたので、その辺、きちんと勉強していきたいと思っております。
 それから、タスクフォースとこの小委員会の関係とかについてもご指摘ございました。タスクフォースは政府全体としての議論でございましたけれども、これは中環審ということなので、一義的には環境省、環境大臣にアドバイスをいただくということで、議論をいただいております。そういう中で、小沢試案はたたき台ということで、それを踏まえて幅広い産業界、NPO、自治体等のご意見もいただきながら、また今日のような場も設けながら、できるだけ幅広いご意見をいただきながら、環境省としての検討を進めていきたいと。当然、これは今後政府全体としての何らかの場で検討が行われると、そういったところにきちんと反映をしていきたいと、そういうものでございます。
 それから最後に、野村先生、今日ご欠席でございますけれども、実は今回、まさに小沢試案のモデルとの比較ということで、タスクフォースの3つで経済分析をいたしました削減による経済影響を分析した日経センター、国環研、それから慶應大学のモデルということでお呼びしたのですけれども、どうしても今日はご都合つかないということで、ご欠席だったということでございます。
 以上でございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございます。
 最後は私の締めということになるのですが、本日はどうもいろいろとありがとうございました。結局、結局という言い方はおかしいですね、やっぱり一番メインだったのは、そうか、モデルというのはそういう使い方があるのだと、場所場所によって使い方が違ってくるし、またそれはモデルの性格によって使うものが違ってくる、だからそうやって考えてみると、逆に言えば、ある政策をやるときに、その政策の意味をいろいろな方面から検討するときに、使われるものなんだなというぐらいのところで、モデルが、それこそ神格化されていったものではないなということが皆さんに、まずわかったのではないかなと思っております。
 幾つか、私のほうにも山口さんのほうから、学術の知識をどういうところで政策に対してどういう態度で、スタンスでいくかという話がございました。私はこれは当然、研究者、あるいは学問をやっている者としては、政策、特に役に立つという意味では、政策に対してリアバントな情報を与えるということは当然な話なものですから、私はあまりそれを強調する必要はございませんけれども、今まさに人知を集めてやるべきときになっておりまして、そういうプロセスがこれからしっかりとできていくというのは、非常にうれしい話かと思っております。
 それから、今日も最初にお願いしたのは、実は一体何をこれで検証しようとしているかという話を最初に皆さんにやってほしかったのです。それでなしにまたどんどんといってしまって、またどこか、いろいろわかりにくかったことがありました。わかりやすさということをこれからも大切にしなければいけないなと思います。
 それで、植田先生のほうからは、的確な利用の仕方というのがやっぱりこの時点では、この場面では大切だという話がありまして、私も誠にそうだと思っております。
 最後になりますけれども、多くの方々、特に工学系の方々からお話があったのは、我々はともかくmake it workと、ともかくそれを動かすのだという前向きの姿勢で取り組んでいく、それに対してどういう評価をしていくかという話は別ですけれども、もう既にそういう時代ではないかという、それはこの経済分析自身もそういう方向でやる必要があるし、則武委員のほうからありましたように、技術と政策というものに、ちゃんと具体的なものを目の前に出して、そして低炭素社会が本当にできるかどうかということを検討するのが我がこのロードマップ検討会の意義であるということを再確認させていただきまして、私の本日の締めといたしたいと思います。
 きょうは本当に長い間、ありがとうございました。
 また、本日の審議内容ですけれども、本小委員会の上に中央環境審議会の地球環境部会というのがございますが、そこに適宜、ほかの審議状況とあわせて小委員長として報告したいと思っておりますので、理解のほどをよろしくお願いいたします。
 事務局から連絡事項はございますか。

○地球温暖化対策課長 長時間ありがとうございました。
 次回のご予定だけでございますけれども、次回は7月29日、木曜日の15時から18時ということで霞が関ビルのほうで予定してございますので、またご案内を差し上げますけれども、よろしくお願い申し上げます。

○西岡委員長 それでは、本日の議事はこれで終わります。
 どうもありがとうございました。

午後5時39分 閉会

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