国内排出量取引制度小委員会(第1回) 議事録

平成22年4月23日(金)
10:01~11:52
ホテルはあといん乃木坂 フルール

議事次第

1 開会
2 議題
(1)
国内排出量取引制度小委員会について
(2)
国内排出量取引制度を巡る最近の状況について
(3)
今後の検討の進め方について
(4)
その他
3 閉会

配付資料

資料1 国内排出量取引制度小委員会の設置について
資料2-1 国内排出量取引制度に係る国内の動向について
資料2-2 諸外国における排出量取引の実施・検討状況について
資料3 幅広く御意見を伺うために

(参考資料)

参考資料1 地球温暖化対策基本法案
参考資料2 「国内排出量取引制度のあり方について 中間まとめ」(平成20年5月、国内排出量取引制度検討会(環境省))
参考資料3 「国内排出量取引制度の法的課題について(中間報告・第二次中間報告)」(平成21年4月・平成22年1月、国内排出量取引制度の法的課題に関する検討会(環境省))
参考資料4 「地球温暖化対策における経済的手法を用いた施策に係る競争政策上の課題~国内排出量取引制度における論点~(中間報告)」(平成22年3月、公正取引委員会)
参考資料5 大規模事業所への「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」(概要)(東京都)
参考資料6 中央環境審議会関係法令等

午前10時01分 開会

○戸田市場メカニズム室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会国内排出量取引制度小委員会の第1回会合を開始いたします。
 本委員会の委員名簿につきましては、資料1の別紙としてつけさせていただいております。委員の紹介については、時間の都合上省略させていただきます。
 本日、お集まりの方々を含め、本委員会の委員、委員長については、議事運営規則に基づき、地球環境部会長より指名いただいております。委員長は植田先生が指名されております。
 本日は、委員総数14名中、過半数の委員にご出席いただいておりますので、定足数に達しております。
 また、本日の審議は公開とさせていただきます。
 それでは、まず初めに、南川大臣官房長よりごあいさつ申し上げます。

○南川大臣官房長 どうもおはようございます。大変お忙しい中ご参集いただきましてありがとうございます。
 私ども、今日、小沢大臣もぜひ出たいと申しておりましたけれども、ちょうど今、国会審議が行われております。まさしく、今日から環境委員会におきまして、この温暖化対策の基本法というものが審議が行われております。そういった関係で大臣は来られませんけれども、ぜひ皆様方にはよろしくお伝えいただきたいということでございました。
 それで、国会のほうでございますが、今週でございます。本会議でこの法案につきまして質疑が行われました。今日から委員会の質疑ということでございまして、本会議に続きまして、委員会でも何らかの形で総理も答弁に出られるという予定でございます。
 この地球温暖化対策基本法でございます。皆様マスコミ等でご存じと思いますけれども、2020年に90年比で諸外国が同様の高い目標を掲げるといったことを条件といたしまして、25%削減を目指すと。また、2050年には8割削減を目指すと。その目標を目指しまして、大きく分ければ4つ、5つの施策、例えば本日ご議論いただきます国内排出量取引制度、また地球温暖化対策の税制、それから再生可能エネルギーの全量買い取り、そういった施策を盛り込んでおるところでございます。
 そのうち、もちろん25%目標につきましては、条件、前提つきでございますが、当面の対策といたしましては、25%の国際的な枠組みの議論とは別に、2050年に8割削減を目指すと、そういった観点から施策を進めるとなっております。
 したがいまして、今日からご議論いただきます排出量取引制度につきましても、長期的な視点も含めて、どういう形でCO2などの削減を図るかと、そういった観点からご議論いただきたいと思うところでございます。
 もちろん、この法案、法文を読んでいただきますと、CO2削減を旨としておりますけれども、環境と成長の両立、雇用の安定と、そういったことも大きな目標に掲げておりますので、ぜひ皆様方には広い視野でご議論いただければと考えているところでございます。
 その法文におきまして、排出量取引につきましては、法施行後1年以内を目途として成案を得るということになっておるところでございます。仮に6月に成立しますれば、1年以内でございますので来年の春ということでございます。
 私どもとしましては、来年の通常国会の法案提出ということも視野に入れて検討を進めたいと思っておるところでございまして、皆様方にもスケジュール感覚としましては、年内に方向性が得られると、制度の骨格がイメージできるというところまで議論をいただきたいと思っておりますし、閣僚会議等での議論も活発に、なおかつ広範な観点から行えるような素材を提供いただければと考えておるところでございます。
 これまで環境省におきましては、2005年から自主参加型の国内排出量取引制度といったものも運用してまいりました。また2年前は、私、担当局長でございましたけれども、今日ご出席の委員の方々の多くにも参加いただきまして、国内排出量取引制度についての中間的な議論のまとめというものをいただいたところでございます。こういった知見、経験も十分に生かしていきたいと考えているところでございます。
 また、当然ながら、この問題、多くの関係業界、あるいはNGOの方を含めて、非常に多くの方が関心を持っているところでございます。そういった方々からも幅広く意見を聞いていきたいと考えているところでございます。
 どうぞ皆様方の活発なご議論をよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

○戸田市場メカニズム室長 それでは、以降の議事進行につきましては植田委員長のほうにお願いいたします。

○植田委員長 植田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速ではございますが、議事を進めさせていただきます。
 まず、事務局のほうから配付資料の確認をお願いいたします。

○戸田市場メカニズム室長 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
 議事次第が最初にございますが、そこに配付資料というのが書いてございます。
 まず、資料1、資料2は資料2-1、2-2がございます。資料3と、ここまでが審議資料でございます。
 頭から見ていただきますと、その下に委員限りとして、本日ご欠席の末吉委員からのご意見を席上配付させていただいております。
 その後、参考資料が1から6までございますが、これらにつきましては、資料の説明の中で触れさせていただきますので、逐一読み上げるのは差し控えさせていただきます。

○植田委員長 よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、議事に入りますけれども、本日、時間がかなり限られておりますので、議題の1、2、3というふうになっておりますが、それぞれ「国内排出量取引制度小委員会について」、あるいは「制度を巡る最近の状況について」、あるいは「今後の検討の進め方について」ということですけれども、これをまとめて事務局からご説明いただいた上で、質疑応答という時間をとりたいと思います。
 それでは、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○戸田市場メカニズム室長 それでは、早速でございますけれども、資料1、資料2-1、資料2-2、あと資料3ということで、3つ一括してございますけれども、ご説明をさせていただきます。
 まず、資料1が「国内排出量取引制度小委員会の設置について」でございます。先ほど官房長からご挨拶のございました、3月12日に閣議決定され、審議入りいたしました地球温暖化対策基本法案の第13条、この法案につきましては参考資料1としてつけてございます。この第13条において国内排出量取引制度の創設が規定されまして、施行後1年以内を目途として成案を得るということでございます。
 これまで政府としていろいろ検討してきたところでございますけれども、今後基本法案を踏まえて具体的な制度設計を行う必要があるというのが背景でございます。
 このことを受けまして、国内排出量取引制度のあり方について、専門的な検討や論点整理を行い、今後の制度設計に資するために、中央環境審議会地球環境部会、4月15日に部会が開催されまして、部会決定をいただいたところでございます。この決定につきましては、同じ資料1の参考1として2枚めくっていただいたところに、地球環境部会決定ということでつけてございます。
 この決定をいただいたところでございまして、この標記小委員会を設置するということでございます。小委員会においては、関係業界・団体からのヒアリングを行うなど、国民各界各層からの意見を聴取しつつ、審議を進めていくということでございます。
 委員としまして、冒頭にもご紹介いたしましたように、別紙として14名の委員にお願いをしてございます。地球環境部会長から指名をされたということでございます。
 当面の検討の進め方、これは案でございますけれども、本日が第1回ということで、この小委員会の設置について、最近の状況について、また今後の検討の進め方についてということでご議論をいただいた後、5月一杯ぐらいで関係業界・団体からのヒアリングをいただくと。その後、6月から7月にかけて、制度設計上の個別論点についてご審議をいただくということでいかがかというように考えておるところでございます、
 あと、ちょっと申し忘れましたが、参考資料6として審議会の規程類があります。これは、小委員会の設置につきまして、このような議事運営規則でありますとか、こういったものに従って設置をしているということでつけておるものでございます。
 以上が資料1のご説明でございます。
 次に、最近の状況ということで、これは背景事情をご説明したいと思います。
 官房長のご挨拶にもございましたように、国内排出量取引制度に関する検討会の委員として、かなり熱心なご議論をいただきました先生方が多いものですから、ほとんど申すまでもないことかもしれませんけれども、まずは審議に先立ちまして、最近の状況についてということで、資料2-1が国内の動向について、資料2-2が諸外国の動向についてということで簡単にまとめてございます。時間の関係もございますのでごく簡単にご説明させていただきたいと思いますが、まず資料2-1に基づきまして、国内の状況でございます。
 まず、1ページに鳩山総理が就任直後にニューヨークの国連気候変動サミットで演説をされた内容でございまして、ここで国内排出量取引制度や再生可能エネルギーの固定価格買取制度、地球温暖化対策税の検討を初めとして、あらゆる政策を総動員して25%削減という中期目標を目指していくんだということが表明されたわけでございまして、こういった方針を踏まえて、2ページにございます地球温暖化対策基本法案、冒頭に申し上げましたように、参考資料1としてその法案の概要と本文をつけてございますけれども、赤で書いてございます国内排出量取引制度の創設というものが第13条に位置づけられております。
 この法文は、3ページにございますけれども、第13条でございます。国内排出量取引制度を創設すると。このために必要な法制上の措置について、この法律の施行後1年以内を目途に成案を得るというのが第1項。
 第3項の中で、温室効果ガスの排出量の限度を定める方法については、温室効果ガスの排出の総量の限度として定める方法を基本としつつ、原単位として定める方法についても検討を行うものとするというふうなことで、検討事項が示されているということでございます。
 4ページでございますけれども、これはキャップ&トレード方式の国内排出量取引制度ということでありますけれども、この特徴として3つほど上げております。
 排出量のキャップを設定することで総量管理を担保するというのが第1点でございます。この点につきましては、ちょっと戻って恐縮でございますが、3ページの法文におきましても、国内排出量取引制度の目的というのは何かといいますと、国は温室効果ガスの排出量の削減が着実に実施されるようにするためということで、温室効果ガスの排出量の削減といったものを担保するための手段が国内排出量取引制度であるということであります。
 4ページに戻りまして、第2の特徴として、炭素への価格づけを通じて経済効率的に排出削減を促進する、そういう経済的手法であるということ。総量のキャップは定めるわけですけれども、その枠の取引を認めることによって、柔軟性のある目標達成を可能とすると、こういった特徴を持つものだというふうに整理されるかと思います。
 そこで、「これまでの検討経緯について」ということで5ページ以降でございますけれども、環境省の取組といたしまして、まず2005年度から環境省におきまして自主参加型国内排出量取引制度といったものを運用してまいりました。
 これは、基本的には設備補助を行いまして、その補助金を支給するかわりに、一定量の排出削減を約束していただいて、その排出削減が、その目標が達成されて、なお余りがあれば、その排出枠を売ることができると。その目標が達成できなければ、枠を買ってこなければいけないと。そういう制度として、仕組みとして運用してきたものでございます。
 その実績につきまして、7ページにありますけれども、事業者の数が一番上にありまして、これは全部合計しますと約300社ということになります。
 取引件数というのが下から3番目ぐらいの段にありますけれども、全部合わせて約100件の取引になっているという、そういう状況でございます。
 この自主参加型の取引制度の眼目は、今後、排出量取引制度を導入する際の制度を支えるインフラを整備していくというのが、これは大きな眼目でございまして、次のページ、「JVETSを支えるインフラ」ということで、例えば排出枠を管理する登録簿システムでありますとか、また事業者自身が排出量をしっかりと集計して、またそれを検証するというふうなことができるシステム、また排出量の検証を行うためのガイドラインや検証機関の指定といったようなものをやってきたということが大きな成果ということでございます。
 次の9ページございますけれども、これは国内排出量取引制度検討会として、一昨年の5月に中間報告を出していただきました。
 ここでさまざまな論点について専門的な観点からご議論いただいたわけでございますけれども、この中間報告につきましては参考資料2としてつけてございます。また、さらに専門的な法的な課題ということで、参考資料3としてつけておりますけれども、憲法上、行政法上、取引実務面の論点整理ということで第一次中間報告を、また民事法上の論点整理、国際法上の論点整理ということで第二次中間報告を公表してきたところであります。
 ここまで環境省として単独でやってきたわけですけれども、11ページは政府全体として統合的な市場を試行的に実施してみようということで、これは本格導入を前提とするというわけではなくて、制度を導入する場合の課題等を明らかにするために、内閣官房、経済産業省と環境省が事務局となって2008年10月からやってきているというものでありまして、これにつきましては近々フォローアップ・評価を行うということを考えております。
 この成果でございますけれども、12ページの上の箱にありますけれども、2008年度の目標を設定した参加者75社ありますけれども、その中で総量目標か、また原単位目標かということが自ら選べる仕組みでございますけれども、総量目標を設定した参加者につきましては8割が超過達成、つまり達成して余りがあったということでございます。原単位目標を設定した参加者につきましては半数が削減不足、つまり達成できなかったということでありまして、達成できなかった参加者につきましてはボローイング、つまり次年度からの借り入れ、また京都クレジットの購入・償却ということで、最終年度につきましては達成することができまして、排出枠の取引が起こったのは1件という結果でございました。
 13ページから、オフセット・クレジット制度というものが紹介してございます。これにつきましては、ボランタリーなカーボン・オフセットに使うクレジットを環境省が運営しているという制度でございまして、現在のところ、排出量取引制度との直接のリンクはございませんけれども、今後検討すべき課題として紹介させていただいております。
 カーボン・オフセットに使うクレジットといたしまして、例えば中小企業でありますとか、また中山間地域における取組ということで、例えば14ページにございますけれども、排出削減の取組、例えば木質バイオマスを使ったプロジェクト、また森林吸収を促進するプロジェクトということで、こういった9種類の方法論が定められていまして、こういったプロジェクトについて、何トンのCO2の削減、また吸収が起こったということを認証いたしまして、それを取引できるようにするというのがオフセット・クレジット制度、J-VER制度と言っておりますけれども、この概要でございます。
 その進捗でございますけれども、15ページにあります。左側に件数が書いてありますけれども、これまで申請された件数が36件で、登録されたのが26件、実際に何千トンという認証が行われたのが計13件ということで、上の箱にございますけれども、認証クレジット量としては、現在のところ約1万5,000トンCO2ということでございます。
 こういったJ-VERを活用したカーボン・オフセットの事例として、16ページに一つの事例、これは株式会社ルミネと高知県との間の取引の例ですけれども、こういったものがございます。
 あと、「最近の動向について」ということで、環境省以外の動きということで簡単にご紹介させていただいております。
 18ページが、東京証券取引所の京都クレジット等取引所研究会ということで、その取引のインフラに係るものとしての検討の例ということであります。
 次に19ページ、これは公正取引委員会。これは他省庁での検討の例として、公表されたものとして公取の研究会の報告書があります。公取におきましては、最初にご説明しておりますように、外航海運でありますとか国内航空市場、こういったテーマでさまざまな競争政策との関連を検討されていますけれども、今回につきましては国内排出量取引制度について取り上げられたということで、参考4に公表された報告書をつけてございます。
 また、まだ報告書は出されておりませんけれども、20ページでございますけれども、財務省において、環境と関税政策に関する研究会ということで、これはテーマとしては、環境政策と関税政策との関連について幅広く検討するということでございますけれども、第1回の検討会が開催され、またこの資料についても財務省のウエブサイトで公開されておりますけれども、国境調整措置でありますとかカーボン・リーケージでありますとか、こういった今後排出量取引制度の検討において課題となるような事項についても検討されているというふうな状況でございます。
 次に21ページからが、東京都の温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度ということで、これの概要につきましては参考5としてつけてございます。
 本日、本小委員会の委員として東京都の大野理事にも来ていただいておりますので、私のほうからこの詳細をご紹介するのは差し控えさせていただきますけれども、本年、今年度4月1日から施行された制度として東京都の制度があるということで、ご参考として紹介させていただいているものでございます。
 以上が、資料2-1でございます。大変駆け足で恐縮ですけれども、続きまして資料2-2、諸外国における制度についてのご紹介でございます。
 1ページに概略が書いてございます。諸外国における制度といたしましては、まず先進的に始まったのが欧州におけるEU-ETS、これは世界地図の真ん中にありますけれども、2005年1月に開始ということであります。
 あと、この太字が現在実施されている制度、太字といいますか、太い枠で書いているのが既に実施されている制度ということでございますけれども、まず米国の州レベルにおいて、東部の州が実施しておりますRGGIという制度がある。あと、東京都の制度が動いておりまして、またニュージーランドについても制度が発効しているという状況でございます。
 その他、カナダ、米国の連邦法、また韓国、オーストラリアといったところで検討中という状況について書いてございます。これらにつきまして、具体的にこの後のページでご説明をさせていただいているところであります。
 2ページ、「排出量取引制度の類型」とありますが、キャップ&トレード方式、EUのETS、またアメリカのRGGI、ニュージーランド、あと東京都、現在実施されている制度の大宗はキャップ&トレード方式であるということであります。その他といたしまして、例えば日本のJVETSや試行排出量取引スキーム、これは義務的なものではないということで上から外しております。また、カナダにつきましては、原単位目標を認める制度としてまずは開始をする予定だということで、その後、総量目標に移行するということでありますけれども、その他の類型に入れております。
 また、英国におきましては、これはUK-ETSという制度が2002年から2006年まで実施されておりまして、2007年以降は、2012年までの間は経過措置として、気候変動協定に基づく排出量枠の取引というものが認められているということがございます。これは、キャップ&トレード方式ではない方式であるものですから下のほうに書いてございます。
 こういった制度があるという紹介でございます。
 3ページの取引の状況、これは世銀のレポートをもとに、取引の総量、どのような取引が行われているか、またその取引額、価格はどうかということをまとめたものでございますけれども、詳細は割愛させていただきます。
 4ページからが米国の状況ということで、まず大統領の議会演説、これは昨年の一般教書演説、また予算教書演説の中で、キャップ&トレードの制度の導入をしていくということがございまして、5ページにあります本年の一般教書演説、また予算教書演説の中で、これから述べます法案、ワックスマン・マーキー法案とケリー・ボクサー法案につきまして言及がなされているというところであります。
 現在、連邦議会で議論されている法案でありますけれども、6ページにございます、現在の議会においては下院において、ワックスマン・マーキー法案が可決をされたということで、上院においては、ケリー・ボクサー法案が委員会の可決までいっておりますけれども、本会議において、今現在可決に必要な60議席の確保を目指した調整が行われているという状況であります。
 これが、上院でも法案が通った暁には、下院の法案との調整が行われて、制度ができるというふうなことになろうかと思いますけれども、先行きはやや不透明なところがございます。
 その法案の概要ということで、7ページにワックスマン・マーキー法案の概要を書いてございます。対象部門として、エネルギー部門や産業部門等を対象部門として排出枠の割り当てをすると。その割当対象・方法ということで、その下の箱に書いてございますけれども、制度対象者への無償割当に加えて、制度対象外の主体には排出枠を割り当てて、その排出枠を制度対象外の主体が売却することによって収入を得させるような仕組みといったものがあります。
 例えば、割当対象の表がありますけれども、エネルギー消費者や国際競争力配慮業種については、これは無償割当をするというのがございますし、また消費者/労働者支援対策ということで、排出枠を割り当てて、政策のための資金を捻出するというようなことも書いてございます。また、オークションを行うというふうなことも規定をされているところであります。
 8ページが、概要の続きですけれども、例えば真ん中の辺です。「オフセットクレジットの活用」というのがありますけれども、排出枠の価格があまりに高くなり過ぎるということがないように、制度対象者の削減以外のところでの削減について、削減で埋め合わせをするというふうな仕組みが定められておりまして、国内におけるプロジェクト、また海外におけるプロジェクトについて、これは、例えば国内につきましては、関係省庁との協議とオフセット総合諮問理事会の勧告を考慮して、プロジェクトの種類を決定するというふうなことが書いてあるものであります。
 9ページ、10ページがケリー・ボクサー法案でございますけれども、それぞれ例えば割り当ての比率とか、その辺はかなり違いますけれども、構成としては似通っておりますので、詳細の説明は割愛させていただきます。
 米国の州レベルの動きとして11ページにあります。現在、東部の州において、RGGIというものが動き出しておりまして、これは上から2番目のポツにありますけれども、対象は発電所のみを対象とする排出量取引制度として現在運用がなされております。
 また、カリフォルニア州についても、これは導入が決まっているというところがございます。
 12ページに西部、また中西部についても動きがあるという状況であります。
 13ページは、これはRGGIが実際に動いているということで、既にオークションが行われていますよということであります。
 14ページに、こういった3つの地域プログラムがどういうところで行われているかという地図がございます。
 15ページと16ページは、EPA、連邦環境保護庁によります義務的な温室効果ガス報告規則ということでありまして、これは排出量取引の直接の制度ではありませんけれども、温室効果ガスの排出量を算定し、また16ページの最後にありますけれども、これの第三者検証を行って報告するという、そういう仕組みがございますので、あわせて参考までにつけさせていただいたものであります。
 以上が米国といいますか北米の動きでございますけれども、17ページからがEU、欧州の動きでございます。EUにおける動向といたしまして、EU域内排出量取引制度、EU-ETSが2005年から開始をされているというところでありまして、これは域内のキャップ&トレード型の排出量取引制度ということであります。
 対象施設は、発電所、石油精製、製鉄、セメント等のエネルギー多消費施設を対象とするということでありまして、現在3つのフェーズに分けて運用されております。第1フェーズ、2005年から2007年は、これは制度の助走期間のようなものであります。助走期間ということで、例えば、2004年以前の検証された排出量のデータが、欧州の各国が持っていなかったということもありまして、排出量の割り当てについては、基本的には必要と申告された排出枠については、これは基本的には割り当てるということで、結局、総排出枠としては2005年比でプラス8.3%ということで、2005年と比べても全体が増加するような割り当てであったということであります。
 第2フェーズにおきましては、これは2008年から2012年、これは京都議定書の第一約束期間と一致しますので、これは枠を京都議定書の目標が達成できるように、枠が引き締められたということであります。
 第3フェーズにつきましては、第一約束期間の後の次期枠組みの目標達成ということで、さらに枠が強化されているというところであります。
 この辺の枠の割り当てが実際にどうされたかということで、18ページにちょっと詳し目に書いてありますけれども、第2フェーズ、先ほど申し上げましたように、京都議定書の第一約束期間でありますので、このEU90年比、マイナス8%というものを各国でどういうふうに分担するかと、これはEU Burden Sharing Agreementというのが98年にありましたけれども、国別の目標にブレークダウンしまして、これが達成できるように各国が割り当てるということで、欧州委員会が共通のルールを策定し、欧州加盟国がECのルールに基づいて、国内割当計画、これNational Allocation Plan、NAPといいますけれども、これを策定して、これを欧州委員会が審査すると、そういうやり方で決定をされたということであります。
 もう少し技術的に子細に見てみますと、19ページにありますけれども、「割当の具体的方法」ということですが、対象設備への割当量、真ん中の箱がございますけれども、基本的には基準年度排出量、過去の排出量をベースにしまして、そこに一定の係数を掛けるというやり方であります。
 一定の係数というのは、これは全部一律というわけではなくて、例えばオランダを見ていただきますと、エネルギー効率指標というものを掛けると。これは過去の努力を反映させるような係数であるということで、こういった工夫をした上で、基本的には過去の排出量をベースとした割り当てをする。これはグランドファザリングと呼ばれている割り当ての方法でありますけれども、これが基本となっているということであります。
 第3期、2013年から2020年におきましては、これはグランドファザリングでなくて、ベンチマークによる割り当てが基本となっているというところであります。ベンチマークというのはどういうものかといいますと、これは生産量当たりの望ましいといいますか、達成すべき原単位、つまり例えば、ある製品1トン当たりCO2は、例えば2トンぐらい排出するというのが、進んだ技術を使えばそのくらいに抑えられるはずだという、そういうベンチマークをつくりまして、これを生産量に、過去の生産量でありますが、また予測される生産量に掛けることによって排出枠を割り当てるというやり方でありまして、現在ベンチマークの暫定案として幾つかのものが示されているというような状況にございます。
 21ページ、市場の状況、ちょっとこれは割愛させていただきまして、22ページ、価格の動向でありますけれども、先ほど申し上げましたように、第1期におきましてはかなり枠の設定が緩かったというところもありまして、排出枠の価格は、第1期の最後のほうには急落をしたということがございました。
 ただし、第2期につきましては、価格は、エネルギーの価格とか、その辺と連動して、かなり変動はございますけれども、大体10から15ユーロぐらいで現在は推移しているという状況でございます。
 このEU-ETSがどのくらいの効果があったのかという一つの分析の例として、23ページにございますけれども、欧州委員会、2009年のデータにつきましてはまだ公式の評価は出ておりませんけれども、2008年のデータにつきまして、欧州委員会の環境大臣に当たりますディマス環境委員が、この3%削減というのが、これは排出量取引制度の強力なキャップ、明確な価格シグナル等によってなされたものだというふうな声明を出されております。
 また、EU-ETSの効果に関する分析の例として、マサチューセッツ工科大学による研究を書いてございます。先ほど申し上げましたように、2005年から2007年の第1期というのは、枠が甘かったという評価ですけれども、この期にあっても排出抑制効果があったというふうな論文が出ているということであります。
 次、英国の例として、先ほどCCAトレーディングということでご紹介をいたしましたけれども、英国の取引制度の経緯について簡単に説明したのが25ページでございますけれども、2002年から2006年まで実施された自主参加型の国内排出量取引制度でありまして、これは世界で最初に制度化されたものの一つでございます。
 基本的には、直接参加者、つまりCO2総量削減目標を設定してボランタリーに参加してくる参加者を基本といたしまして、また協定参加者、気候変動協定を締結した企業についても参加を認めるというような形で始まったものであります。
 ただし、気候変動協定参加者につきましては、原単位目標と総量目標を自ら選択するという形でやっていたものですから、この原単位目標参加者から協定参加者に対する排出枠のフローが正味でプラスにならないように、正味の流出が起こらないようにゲートウェイという、そういう上限が設定されていたということであります。
 ただし、この制度につきましては、まず2006年に直接参加者の主要部分につきましては廃止をされているというところでありまして、また現在残っております協定参加者同士の取引についても、2012年にはこの措置も終了して、2013年以降は協定で達成できない事業者は、京都クレジット、CERを購入することによって達成を求めるということになっているわけであります。
 これにつきまして、英国の担当課長が来日されたときにシンポジウムでご発言がありましたけれども、英国としては、英国のUK-ETSの状況と、あと英国としては排出量取引において総量目標を設定することを強く指向しているというふうな発言があったということをご紹介してございます。
 27ページ以降、オーストラリアの動きがありますけれども、これはまだ28ページにありますけれども、現在法案が2回否決されている状況で、さらに上院で2回否決されておりまして、また修正された法案、下院を通過しておりますけれども、これは今後どうなるかというのはちょっと予測できないところがございます。
 ニュージーランドで既に始まっているものについては29ページに、またカナダで検討中のものについて30ページに、31ページは韓国での動きということで、本年の1月に公布されました低炭素グリーン成長基本法で総量制限排出量取引制度等の導入ということが規定されておりまして、現在検討がなされているという状況を紹介してございます。
 32ページに、こういった国々が集まって、キャップ&トレード市場の構築に向けたICAP、International Carbon Action Partnershipという取組についてご紹介しているということでございます。
 大変駆け足でございましたが、資料2-1と2-2につきましてご説明をさせていただきました。
 最後に、資料3でございます。今後の審議の進め方のご提案ということであります。「幅広く御意見を伺うために」ということで、まず当面は5月一杯ぐらいをかけて関係業界・団体からのヒアリングを行ってはどうかということであります。
 最初の頭書きにありますように、ヒアリングということで、さまざまな関係者のご意見を直接聞いていくということが大事であると同時に、議論をフォーカスしていくためには、何らかのこういった論点についてご意見を伺いたいということでご意見を伺うのが重要であろうということで、別添1、キャップ&トレード方式による国内排出量取引制度の論点についてということで、こういう論点についてお聞きしてはどうかということで次のページです。めくっていただきまして、まず「キャップ&トレード方式による国内排出量取引制度の論点(全体像)」ということで幾つかの論点を図示してございます。
 この個別それぞれにつきまして、次のページ、2ページになりますけれども、論点のリストといいますか、幾つか掲げてございますけれども、まずその対象期間として、例えば中期目標の期間を基本として、複数段階に分けて段階的に実施することも検討してはどうかといったようなことを、これは先ほどご紹介いたしました国内排出量取引制度検討会の中間報告をベースにしまして、こういった論点を挙げているものでございます。
 排出枠の総量として、例えば、産業部門、業務部門、運輸部門の一部を基本として、技術動向を踏まえて設定してはどうかと。その後、中期目標等に照らして、進捗状況を点検・管理して、必要に応じた見直しを行ってはどうかというふうな論点を掲げてございます。
 対象ガスとしては、制度発足当初はCO2を基本としつつ、モニタリング精度等を確保できるガスについては順次追加してはどうかと。
 排出枠の設定対象につきましては、川上事業者、川下事業者という2つのやり方ございます。川上、川下というのは、参考資料を1枚めくっていただきますと、5ページに参考資料、排出枠の設定対象として、川上、川下、こういった2つの考え方があろうと。さらに、川下事業者を対象とする場合には、電力の扱いについて、この電力を発電所から出てくるCO2に、そのものにキャップをかけるのか、または電力を使用する事業者に対して、電力の使用イコールCO2の排出というふうにみなして、そちらに一括してキャップをかけるのか、この2つのやり方があるということで、2ページに戻っていただきまして、直接排出でとらえるか、間接排出でとらえるかという論点がございます。
 また、排出枠の適用単位について、設備単位、事業所単位、企業単位、さまざまな考え方があろうということであります。
 排出枠の設定方法といたしまして、先ほどEUのところでご説明いたしましたけれども、無償割り当ての場合にはベンチマーク方式、望ましい排出原単位を用いてやるやり方と、グランドファザリング方式、過去の排出実績に応じて設定するやり方というのがあると。有償排出割り当て方式も考えられると。こういったものをどのように組み合わせるか。
 また、その際に国際競争力への影響、リーケージへの影響、これは企業が生産拠点を他国に移転することによって、かえって排出量が伸びてしまうというのがリーケージの問題ですけれども、こういったものにどのように配慮するか、新規参入、閉鎖のときの取り扱いをどうするか、基本法案の13条の3項で検討することとされております原単位方式についてどのように考えるかということ、こういったものが論点として挙げられるかということでございます。
 6番として、費用緩和措置でありますけれども、企業のコストを緩和するために考えられる措置について、排出枠を次年度に繰り越す、また次年度から借り入れるバンキング、ボローイングでありますとか外部クレジット、京都メカニズムクレジットなどの海外クレジットをどのように活用できるか。また、国際リンクということで、他国の排出枠を使えるようにすべきかどうかということがございます。
 その他といたしまして、遵守ルール、排出量のモニタリング・算定・報告・公表、第三者検証、登録簿のあり方、適切な市場基盤、また国と地方との関係、国内外での排出削減に貢献する業種・製品についての考え方と、こういったものについても論点として挙げられると。
 こういった論点につきまして御意見を伺っていってはどうかということでありまして、最初のページに戻っていただきまして、第2回以降数回に分けてヒアリングを実施するということで、産業界・経済界におきましては、ここに列記されているような業界、団体を中心として、その他経済団体、企業グループといったようなところも対象にしてご意見をお聞きしてはどうかと。また労働界、消費生活の領域を代表する団体、その他として検証機関やNGO、地方公共団体といったところから直接ヒアリングをしていくということで、案として示させていただいております。
 2ポツにつきましては、これは国民からの意見募集ということで、資料3の最後のページにありますけれども、別添2として最後のページにあります。
 これは環境省として、来週の月曜日から1カ月間、意見を受け付けるということで、国民の意見を受け付けまして、先ほど申し上げたような論点について国民の意見を募集して、それを取りまとめて小委員会に報告させていただくということをしたいということであります。
 3ポツといたしまして、地方における国民対話として、これも環境省として行いたいということでありますけれども、全国数カ所において国民との直接対話を行うということを考えておりまして、中長期ロードマップ小委員会、これは4月15日の地球環境部会におきまして、本小委員会とあわせて設置が決定されたものでありますけれども、中長期の排出削減に向けたロードマップの小委員会と連携した国民対話を実施していきたいということでございます。
 以上、かなり駆け足になりますけれど、資料1から1、2、3についてご説明させていただきました。

○植田委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまから議題の1から3までについて、ご説明いただきましたことに関しまして、ご意見とかご質問とかということをお願いしたいと思うのですけれども、発言の際は、手元のネームプレート、これを立てていただきまして、それを私が指名させていただくと、そういう方式でお願いしたいと思います。
 その前に、ちょっと資料1に関しまして、資料1、小委員会の設置についてということでございますけれども、資料3でもご説明させていただいたようなことで、かなり集中的にヒアリングを実施していくということを考えております。その関係で、私が委員長ということになっているのですけれども、委員長代理も決めさせていただいて、この集中的なヒアリングがスムーズに進むようにというふうにさせていただきたいと思っておりまして、参考2の運営方針の4、「その他」のところをご覧いただくと、小委員長をやっていいことはあまりないんですけれども、「運営に関し必要な事項は、小委員長が定めることができる」と、こういうふうになっておりますので、委員長代理は私が決めさせていただくということでお願いしたいと思うのですが、それで、委員長代理、これまでのいろいろ先ほどご報告のあった中間報告等でもずっと中心的にやっていただいておりました大塚委員に委員長代理をお願いしたいと思っておりますが、よろしゅうございますでしょうか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○植田委員長 では、大塚委員、どうぞよろしくお願いいたします。
 では、そういうことでございまして、早速、議題1から3までということでのご説明に関しましてご意見とかご質問もあろうかと思います。いただけたらと思いますが、いかがでございましょうか。
 どこからでも結構でございますので、どんどんやっていただけたら。全員おありかと思うので、どなたからでもいかがでしょうか。
 当てていきましょうか。これは1回目だから多分おありだと思うので、ではそちらから、明日香委員から順番にお願いします。

○明日香委員 東北大学の明日香寿川と申します。実は、4月から財団法人地球環境戦略研究機関の気候変動グループのディレクターというのも兼任しておりますので、IGESなのですが、よろしくお願いいたします。
 何点かコメントさせていただけばと思います。短くさせていただきます。
 いろいろこれまで排出量取引制度に関しては議論があったと思うのですが、今回の小委員会ではなるべく具体的な議論をしていきたいと思っています。そのときに、既に排出量取引制度に関しては、膨大な研究なり、事例研究なりがありますし、各国が試行錯誤して、ここはいい、ここは悪くない、失敗したとか、そういうのがあると思うんです。そういうものをベースにして議論していく必要があるかと思います。なので、よく批判として、すごいプリミティブな批判があるのですけれども、そういう批判に対する議論とかいうのではなくて、もっと具体的にどう割り当てをして、それがどういう意味を持つかということに関して議論していきたいなと思っております。
 あと、EU-ETSに関しては、今、マクロ的に各効果があったという議論はご紹介があったと思うのですけれども、実際、企業がどういう対応したか、どのくらい価格に転化をして、それで利益がどのくらい出てという事例研究もかなり出てきておりますので、そういうのも参考にしていただければ。実際は、やはり企業はちゃんと対策をしていって、それが実際の研究開発につながっていたり、どんなカテハシにつながっているということは明らかになっております。
 あとは、私、実は国際競争力に関して研究をずっと続けております。国際競争力に関しては、多分大きな論点が一つになると思います。
 これに関しても、アメリカ、EU、オーストラリア、いろんなところで研究がありますし、日本でも私なり隣の有村先生がかなり個別の日本の事例研究もしておりますので、そういうのを参考にして議論していただければ、かつ、なるべく定量的な議論をしていきたいと思っています。なので、単純に国際競争力が創出されるから、排出量取引制度はだめだというような議論はなるべくしない、しないというか、そういう議論ではない議論ができればなと思っています。
 最後なんですけれども、やはり多分制度というのはすべてトレードオフだと思うんです。トレードオフの関係を具体的に発揮させながら議論するのも重要かと思います。よく国民という、国民の負担という議論があるんですけれども、国民もいろいろありまして、単純に考えれば、EU-ETSの対象になる産業なり民生、対象にならない民生、対象になるかどうかわからないのですけれども、民生なり運輸というのがあります。
 産業においても、いろいろな産業がありますし、一つの業界においてもさまざまな会社があると。会社の中でもさまざまな製品があると。それぞれのケース、ケースに、例えば国際競争力への影響というのは違ってきますし、そこら辺も、そういう細かい議論をこの委員会ではできればなと思っております。
 とりあえず以上です。

○植田委員長 ありがとうございました。
 おっしゃったとおりで、先ほど室長の説明にもありましたように、13条の制度を創設するものとし、そのためのということを前提にしておりますので、おっしゃったように具体的な制度設計に資する議論にということになると思いますし、それからご指摘いただいたこれまで得られている知見というのを確実に我々もよく学んだ上で、そのベースにしながら議論するということで、それを勉強する機会も多分必要になるというふうには理解しております。ありがとうございました。
 それでは、有村委員、お願いできますでしょうか。

○有村委員 上智大学の有村です。経済学部におりまして、排出量取引を中心とした環境経済学を研究しております。
 昨年4月から学内に環境と貿易研究センターというところをつくりまして、先ほど明日香委員にご紹介いただいたように、国際競争力が排出量取引によってどういう影響を受けるかとか、例えばリーケージという問題がどう起こるかと、それに対する対策はどうあるのかといったようなことに関して、何人かの研究員と一緒に定量的な評価をしようと。実際的な排出枠の配分方法の制度設計と定量的な影響というようなことに関心があって研究を進めております。
 先ほど明日香委員がおっしゃられましたように、国際競争力の問題というのは非常に重要な問題ではあるんですが、いろいろなアイデアが各国で出されておりまして、経済学的な研究も進んでいるので、そういった知見が何らかの形で反映されて、そういった議論が建設的に行われればなというふうに思っております。これは多分ヒアリングなんかでも重要なテーマになるのかなと思っております。
 それから、かなり論点というのはたくさんあるという制度だと思うんですね。たくさん、非常に経済全体をカバーする排出規制になりますので、それで今これだけ主な論点ということで幾つかやはり重要な論点を掲げられているんですけれども、これ以外に日本の事情というのを考えたときには、東京都が既に先行した制度を実施しているということをやはり我々どういうふうに考えていかなければならないのかなという整合的な制度をつくる必要があるだろうというふうに考えております。
 多分、事業者の方からすると、2つの制度に直面するというときに、その制度が違うというようなことになりますと、実務上なかなか大変であろうというようなことが考えられますので、その辺は、アメリカでも州のレベルの動きがあって、連邦の提案があって、その辺でどうバランスをとろうとしているのかというような議論もあるかと思いますし、それからEUでも国ごとの制度とか、同時にEU-ETSがあったりするというのがあるので、その辺も日本の、ここでも非常に注意して考えていかなければならないだろうと思っております。
 それとあと、地球温暖化対策税の議論がどんどん進んでいくと思いますので、それとこの排出量取引制度の役割分担みたいなものも注意して制度設計を必要していくのではないのかなというふうに思っております。
 それから、ヒアリングになりますとどんなイメージになるのかなというのが、ちょっと私も、かなり論点が多々ある制度なので、限られた時間で、ヒアリングの進め方というのも、今後非常に効率的に進めていくということも考えていかなければならないのかなというふうに思っております。
 以上、こんなところです。

○植田委員長 ありがとうございました。
 ちょっと確認ですが、一番最初におっしゃった、何か国際競争力のことでアイデアがいろいろ出されているというのは、いわゆる研究者のレベルとか実際の制度上のことで、国際競争力への影響をあまり大きくしないようなとか、あるいは影響力を踏まえて制度設計をするときのアイデアがいろいろあるという、そういう理解でよろしいかな。

○有村委員 そうですね。例えば、これはこちらの資料にも書かれておりますけれども、特定の業種に対して、EUでの先行事例などで、どういった業種が影響を受けやすいのかということを明らかにした上で、何らかの配慮をしようという話もあると思いますし、それからアメリカの法案ですと、先ほどから出ています国境調整みたいな議論もあるわけですね。国境調整にしても、日本企業が例えば新興国で競争するのに不利益をこうむらないようにするという話と、それから日本市場で日本企業が新興国の企業と不公平にならないようにしようというような話とかありますので、そういったものが定量的にいろんな国でモデルがつくられて評価されております。
 我々の研究所も、実は2月にワシントンでその点に関してワークショップを共催しまして、アメリカとヨーロッパと我々の研究センターとの成果と意見交換してきたというのがございますので、そういった辺りもです。

○植田委員長 ありがとうございました。
 では、大塚委員、お願いします。

○大塚委員 ありがとうございます。参考資料2の2008年の国内排出量取引制度の中間まとめのときにも書かせていただきましたが、今回、資料3の2ページ、3ページで非常によく論点をまとめていただいていると思います。
 2008年のときと、細かいところは少し検討すべきことが追加されてきていると思いますけれども、今回3点か4点ぐらい申し上げておきたいと思いますけれども、第1に、基本法案にも出ているように、原単位というのが検討することにはなっているので、それをどうするかというのが恐らく最初の論点としてあるということだと思います。
 前の2008年の中間まとめのときにオプション4というのは出してありますが、これは総量の削減というものを目的として、ただ原単位は尊重するという考え方ですので、今回これがどうなるかという問題が多少ありますけれども、さらに原単位自体の排出枠取引ということになると、これは基本的には総量の削減を確実に行うという本来の排出枠取引の目的を達成しにくいということになるかと思いますので、それが排出枠取引を行う恐らく最大の理由ですので、そこはちょっと崩さないようにはしないといけないのではないかというのが1つあるかと思います。
 それから、2つ目の問題として、ベンチマーク方式は無償割り当てのときに非常に重要になってくると思いますけれども、製品でやるときと、業種というふうになってくるとかなり広がっていくのですけれども、原単位の、ベンチマークのある種の正確性というようなことをどの程度重視するのかという辺りが論点としてあるのではないかと思います。
 それから、3つ目の論点としての費用緩和措置は、私自身は重要だと思っていますが、資料3の3ページに上がっているものは典型的なものですけれども、これ以外にEUでもカイサ指令に入ったものとして戦略的リザーブというのがありますので、これはアメリカの法案のほうにも出てきていますので、戦略的リザーブをとっておいて、それを放出するというような方式はぜひ検討すべきではないかと思います。
 この辺に関しては、先ほど申し上げたように、排出枠取引というのはもともと総量の削減の確保のためにやるというところがございますので、その基本は維持しながら、しかしあまり価格が高騰すると、それが継続すると産業への影響がございますので、費用緩和措置とか、先ほど来ご議論のある国際競争力との関係とかを考えながら、基本は維持しながらバランスのとれた制度をつくっていくというのが恐らく望ましいのではないかと思います。
 それから4つ目に、最近やはり議論しなくてはいけなくなってきていることとして、先ほど来ご議論もありますように、国と地方との関係というのがあって、今回はこれは国のほうの議論ですので、国のほうを中心として議論していくことになると思いますけれども、どこかで地方のことは考えていかなくてはいけなくて、東京都さんも既に始めておられますので、その辺は考えていく必要があるのかなと思っています。
 もう一つは国際リンクの問題ですけれども、これも将来的には念頭に置く必要があると思いますが、私自身は基本的には、まず日本でどうするかを考えて、将来的に国際リンクをどうしていくかということをその後にというか、考えていくということではないかと思っております。
 以上でございます。

○植田委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、今あれでしたけれども、東京都の大野さんのほうから。

○大野委員 東京都の大野でございます。よろしくお願いいたします。
 冒頭の戸田室長のご説明にも、今の有村先生、大塚先生のご発言にもありましたけれども、東京都は4月1日から総量削減義務と排出量取引制度と開始をいたしました。
 これは、2007年の6月に初めてその方針を発表して、条例をつくるまでに1年間、それから条例をつくった後、制度の詳細、ガイドラインでありますとか、指針でありますとか、規則でありますとか、細かい中身をつくるのに2年間かかりまして、合計3年間の準備をかけてスタートをしたものであります。
 東京都の制度は主要には都市を対象にしていますので、そのまま国の制度のモデルにはならないかもしれませんけれども、しかしいずれにしましても、制度をつくる過程で、業務部門はもちろんのこと、産業部門の工場のご担当の方なども含めまして、現場にも足を伺いまして、いろいろと意見交換をしてつくってきた制度でございますので、そこから得たいろんな経験でございますとか情報ノウハウにつきましてはできるだけ積極的に提供をさせていただきまして、国においても実効性がある制度ができるような議論に貢献をしてまいりたいと思っております。
 ちょっと資料について二、三点コメントと申しますか、言わせていただきますと、1つ2-2で諸外国の例について非常に上手にまとめられていただいているんですけれども、英国の制度で、EU-ETSの英国分とUK-ETSが出ているのですが、これ以外にCRC、Carbon Reduction Commitmentという制度がこの東京都と同じ4月1日から開始をされております。これは主に業務部門を中心にカバーをする制度でありまして、そのことも少し触れていただくといいのではないかなと思いました。
 あとは、北米の制度で、アメリカについては州の動きをかなり細かく書いていただいているのですけれども、実はカナダも州の動きが相当先行しております。カナダは、ブリティッシュコロンビア、それからケベック、オンタリオ、マニトバだったかな、4州でキャップ&トレードの準備を進めておりまして、これも2012年からの開始を目指しています。
 法制化という点で言いますと、アメリカの州の中では法制化が終わっているのは、WCIではカリフォルニアだけだと思いますけれども、カナダは基本的にすべてもう法制化が終わっておりますので、この4州合わせますと、カナダ経済の75%をカバーするという程度の大きさがありますので、ここも少し調べていただくといいのではないかなと思っています。
 それから、あとはご質問なんですが、資料3のところで、これからの意見を伺うためにということで、別添が意見を伺う際の参考の資料ということになるという理解でよろしいんですね。
 そうしますと、これの何だろう、2枚目といいますか、「キャップ&トレード方式による国内排出量取引制度の論点」というペーパーがございまして、その2番に「排出枠の総量」という部分がございます。ここで、産業部門、業務部門、運輸部門の一部を基本として、技術動向等を踏まえて設定したらどうかという記述になっているのですが、これもまた後で、この後の論点になってくると思うのですけれども、エネルギー転換部門ですね、発電所はここでは産業部門に入っているという理解でよろしいのでしょうか。
 ここは大きな論点だと思いますけれども、初めからこれを外すというわけにはいかないと思いますので、もし入っているということであれば、そこは明記をされたほうがいいのではないか。と申しますのは、幅広く意見を伺うためという資料3のところで、ヒアリング対象のところは、産業界・経済界で、産業部門、エネルギー転換部門、業務部門と分けて書いてあるので、ここを入れておかないと、初めから外しちゃうみたいに見えて誤解になると思いますので、その点は確認しておきたいと思います。

○植田委員長 ありがとうございました。
 今の点、ちょっと事務局からお答えが。

○戸田市場メカニズム室長 この論点につきましては、エネルギー転換部門は、この2ページのところでは、このままではちょっと読めない、入らないということになろうかと思いますので、ちょっとこの辺をどのような書き方にするかにつきましては、この小委員会においてご議論いただきたいところかなと思います。

○植田委員長 入れるということじゃないの。

○戸田市場メカニズム室長 入れて出しましょうか。

○植田委員長 別記したほうがいいということですよね。

○大野委員 もちろんこれは非常に大きな例の直接排出、間接排出の論点ですから、議論があるところだと思いますけれども、最初から外れているというのはおかしいと思いますので、入れておいたほうがいいと思います。

○植田委員長 はい。では、そういう方向であれしたいと思います。ありがとうございました。
 それから、諸外国の例も非常に貴重な情報を幾つかいただきましたので、また加えたいということで、ありがとうございました。
 では、続きまして影山委員、お願いできますか。

○影山委員 東京電力の影山でございます。
 まず、この小委員会に参加させていただきましてどうもありがとうございます。
 私の場合は電力を知っている者の有識者という立場かと思いますけれども、産業界の意見も聞いていただけるということで、大変ありがたく思います。
 ただ、しかしながら、この小委員会に参加するスタンスをまず明確にさせていただきたいと思うのですが、この排出量取引というのが、かなりいろんな課題があるというふうに思っておりまして、必ずしも排出量取引を入れるのが日本にとっていいのかどうかというところには疑問がございますので、排出量取引に賛成しているという立場ではないということで参加させていただきたいと。
 ただ、今ご紹介がありました閣議決定された法案ですとか、あるいは東京都さんが既に排出量取引の制度をこの4月から入れているという実態を踏まえますと、日本にとって本当にいい排出量取引制度があるのかどうか、それからその制度というのはどういうものなのかどうかというのを検討するのは、これは必要だと思いますので、そういった意味で、真摯に検討し、意見を述べさせていただきたいというふうに思っております。
 だから、そういうわけですので、入り口論でとどまるというつもりはございませんけれども、そもそも論から意見をさせていただくということはあろうかと思いますので、ぜひその点御承知おきいただきたいというふうに思います。
 それで、ちょっと説明いただいたところでのご意見と質問ですけれども、意見につきましては1点、まず関係業界・団体からのヒアリングを数多く行うということでございますけれども、従来こういうヒアリングを行って、聞いただけで、形づくりで終わってしまうということが結構ありまして、どれだけまじめに聞く気があるのかなというところが非常に疑問でございます。
 この排出量取引制度というのは、理屈の上の世界と現実と、そこがかなり大きなギャップがあるのではないかというふうに思っておりますので、例えば産業界からどのくらい削減のポテンシャルがあるのかと、世界各国に比べて技術はどうなのかという、そんなところをまじめにお聞きいただいて、それでそれを検討の中にしっかりと組み込んでいただきたいと、そういうふうに思います。
 ですから、先ほど有村先生でしたか、ありましたように、1回聞いたぐらいで済むのかどうか。効率的に聞くというのも大事だと思いますが、何回か聞いていただく。課題があるところについては、さらに突っ込んで聞いていただくというような、そういう実情をしっかり踏まえて、それを勉強して制度設計に反映していただきたいというふうに思います。
 そういう意味では、大野理事が来られて、実際に苦労された東京都さんの実態のことも聞けるということで、非常に心強い限りだと思っておりますので、そういったことも踏まえてやっていただきたいというふうに思います。
 それから、1点質問でございますが、もしわかったら教えていただきたいのですが、EU-ETSの第3フェーズで、先ほど戸田さんのご説明で、利用可能な最善な技術に基づいてベンチマークを設定しているというふうにご説明があったように思いますけれども、これというのはどういうやり方でこの最善の技術というのを設定したのか、もしわかればで結構ですが、そのやり方、決め方というのは一体どういうふうにやったのかというのを教えていただければと思います。
 それから、それをやってベンチマークを設定した後、排出量が出てくると思いますが、想定される排出量と目標値、ヨーロッパの場合20%でやるのか30%でやるのかわかりませんが、その目標値との乖離の部分をどういうふうに考えているのかというようなところがもしおわかりになったのであれば教えていただきたいというふうに思います。
 以上でございます。

○植田委員長 今いただいたご質問についてはちょっと調べていただいて……、ありますか。

○戸田市場メカニズム室長 大丈夫です。

○植田委員長 今いいですか。では、今答えていただきます。

○戸田市場メカニズム室長 第3期のベンチマークでございますけれども、現在まだベンチマークができているわけではありませんで、ベンチマークの案が示されていると。
 その案はどのようにしてやっているかといいますと、我々聞いているところでは、各企業から排出量と生産量のデータを出していただいて、ベンチマークカーブというグラフを描いて、その中の上位10%の平均ということで、標準、BATに基づくベンチマークというものをまずは案を設定するつもりだというふうに聞いております。
 また、全体の枠との調整でありますけれども、これにつきましてもEU指令に規定がございまして、これをベンチマークに基づく割り当てを全部足し上げて、これを全体のキャップと比べて、必要であればそこに係数を掛けて枠内におさめると。業界横断的な係数を掛けて枠内におさめるということを予定していると聞いております。

○植田委員長 よろしゅうございますか。

○影山委員 わかりました。

○植田委員長 では、笹之内委員、お願いします。

○笹之内委員 トヨタ自動車の笹之内と申します。
 私も影山さん同様、こういう重要な会議に参加させていただきましてありがとうございます。その前に、まず遅刻したこと、大変申し訳なく思っております。どうしても先約で決めた予定があったものですから遅刻しました。
 さて、私も冒頭、もうこれだけにしておきますけれども、私も影山さんと同じようにキャップ&トレードに非常に前向きであるからここに参加したことではないと。ただ、これ以上そもそも論をここで議論するつもりはございませんから、真摯に導入されるべき制度の制度設計の議論に集中して参加していきたいというふうに思っています。
 ちょっと前半のこの資料の説明のとき、私、いなかったものですから、非常に雑駁な意見になってしまうのですけれども、この議論に参加するに当たって1つ希望を申し上げておきたいのは、この制度が基本法の中で、日本が削減する目標の達成において、重要な政策の三本柱の一つであると聞いております。そして、もう一つの小委員会で議論されるロードマップがあるわけなんですけれども、そこで議論される真水との関係が重要と思います。だから、対象となる産業界、それから資料には書いてございますけれども、民生、業務というんですかね、それから運輸の一部というようなことが書いてございますけれども、それぞれそこの真水の削減に寄与する制度であるべきだというふうに期待をまずはしております。
 ちょっと個人的なお話で申し訳ないのですけれども、実は私は国際排出量取引協会と言う団体の理事を去年の末まで6年間やって、その議論にずっと参加してまいりました。もちろん、日本の企業風土には排出量取引制度がそぐわないことを主張しておりました。さて、この理事会での議論を聴いておりますと、当初はやはり本当に削減のツールとしての議論だったのですけれども、どうも最後はマーケットをいかに動かすかというような議論になりがちなんですね。そうではなくて、やはり本当に削減に効果がある制度とは何ぞやというのを一緒に考えていきたいなというふうに思います。
 それから、もう一つは、こういう制度が長期的な技術開発投資、これに邪魔にならないような制度、安易にクレジットを買って技術開発を停滞させるようなことにならないような制度、こういうものをやっぱり目指していきたいなというふうに思う。
 最後が、やっぱり国際競争力を損なわないような制度、ここが一番ポイントかなというふうに思っております。
 以上です。

○植田委員長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして冨田委員のほうからお願いいたします。

○冨田委員 東京ガスの冨田です。
 私もこの小委員会に参加させていただきまして御礼申し上げたいと思います。
 第1回目ということですので、個々の論点についてどうこうということよりも、この小委員会に参加する私の基本的なスタンスということをまずお話をさせていただきたいと思います。
 閣議決定された基本法案の中に、経済の成長、雇用の安定及びエネルギーの安定的な供給の確保を図りつつ地球温暖化対策を推進するという文言が書かれておりまして、国内排出量取引制度についても、この考え方にのっとって議論をしていきたいというふうに考えております。
 この排出量取引制度は排出抑制を促す手段の一つだということですけれども、その制度を創出する、つくるということ自体が排出を抑制するわけでは決してないということをまず理解する必要があると思います。
 実際に排出を抑制するのは、高効率な機器を導入したり、あるいは排出量の小さい燃料に転換するといったようなハード面の取組、それからオフィスとか、あるいは家庭で行う省エネの行動ですね、こういったソフト面の取組、こういったもので排出が抑制されるというふうに考えます。
 したがって、排出量取引制度の価値というのは、企業とか家庭においてこうしたハード面あるいはソフト面の取組にインセンティブを与えることができるかどうかという観点が必要だと思います。
 先ほど来、諸外国の例を含めてご説明いただきましたけれども、排出量取引制度に関してはいろいろ分析がされております。たくさんの論点と、それから克服すべき課題というのがこんなにあるということがわかっております。一言で言えば、この制度は制度設計が非常に難しいということは言えるのではないかと思います。
 そういう観点からすると、諸外国の例というのを、あるいは諸外国の経験ですね、こういったものを分析して利用するというのは当然でございますけれども、国内においても、先ほど来話が出ています例えば東京都さんの例というのがございます。この4月に始まったばかりですので、制度設計についての参考というだけではなくて、経験を生かすというようなことも本当はやっていただけるといいのかなと。時間的なところに関してなかなか難しいところがあるのかもしれませんけれども、難しい制度だけに実際に動かしたときの経験というのも活用できるといいのではないかと思います。
 わかりやすさというのが制度設計において非常に大事だというのはわかりますけれども、そもそも論のところに立ち返りますけれども、この制度自体が、先ほど申し上げましたハード面、ソフト面の取組、あるいは笹之内さんもおっしゃられた技術開発といった、そういったことを後押しするかというところを念頭に置いて議論に参加したいと考えております。
 以上でございます。

○植田委員長 ありがとうございました。
 それでは、新美委員のほうからお願いできますでしょうか。

○新美委員 明治大学法学部の新美でございます。
 これまで委員の皆様方が多々コメントされておりますので、それに重ならない限りで、私の問題意識を申し上げたいと思います。
 先ほど来、外国において既に検討されているといいますか、実施されたり実施されようとしている制度を参考にして検討していこうという方向が示されています。私もそれはよい方向だと思っております。ただ従来の議論において、そういった制度を支える法的なツールについてきちんと比較検討されてきたのかというと、必ずしもそうは思われない。さらに、ある制度というのは、その制度が設けられる社会ないし国の社会・経済的な諸条件を前提として設計されるものですが、参考にされる国々あるいは地域のそうした社会・経済的な諸条件について、十分な比較検討がされてきているとは思われません。そうして点について、十分に目を配る必要があると思います。
 例えば、先ほど出た地方と国の問題、アメリカの例とかEUの例が出ておりますけれども、EUの参加加盟国とEUとの関係、それからアメリカの連邦と州との関係とでは全く違いますし、ましてや日本の国と地方の関係は、社会・経済的にも、法的にも全く違う。そういうことをきちんと比較検討した上で、地方と国の関係をどうするのかということをや検討しないと、適切な制度設計にならない。そういうことを注意する必要があろうかと思います。
 あと、例えば、バンキングとかボローイングなどをやったほうがいいじゃないかという議論がありますが、バンキングとかボローイングということになりますと、これは民事法上は与信でありますので、企業が継続できなくなったときにどうやって担保措置をとるのか、そういった法的な問題もきちんとやっておく必要があるのではないかと思います。非常に細かい議論ですけれども、その辺についてあまり触れられてきていないように思いますので、制度設計の中でどんなツールが使えるのか、そのツールにはそれぞれの特徴と、それから費用、効率性などの限界がございますので、それも視野に入れながら制度設計の議論に参加していきたいと、そういうように思っております。
 以上でございます。

○植田委員長 ありがとうございました。
 では、則武委員、お願いできますか。

○則武委員 リコーの則武です。
 リコーの中でも一部議論しておりますし、私どもが参加しておりますJapan-CLPの中でも目標設定、排出量取引制度については議論はしております。ただ、今回の参加は一応有識者という位置づけでの参加ということだと考えております。
 幾つかポイントがあると思いますけれども、まず論点についてですけれども、基本的には先ほど若干の修正があった点でほぼいいと思うんですが、論点について1つだけ、排出枠の総量のところで、費用緩和措置の中にあります外部クレジットの中に、吸収努力に伴うクレジットというのが一応ありますが、吸収に伴うクレジットを考えた場合には、排出枠の中でも、日本として吸収量、吸収によってどれぐらいという部分との関連が必要になるかなと思います。総量のところにも、クレジットの検討のところででもいいかと思いますが、若干吸収に対してというのは、総量と単純にあわせてというわけにはいかないかなと思っております。
 それ以外については特に異論はありませんので、限られた回数の中ですので、論点に従って確実に進めていただくことを希望いたします。
 それから、それぞれヒアリングされていった中で、今後いろんなものについて評価されると思いますが、それぞれの制度設計の中で、それはケッカシとしてどのようなことが日本の中で起きるのかということを考えて評価すべきではないかと思います。
 例えば、価格転化を期待するような制度にした場合は、価格転化がどのように起きていくのかというようなこと、それからそれによって、基本的には単に目標達成だけではなくて、やはり日本の場合、省エネ技術というのが促進されるべきであると思いますので、そういった省エネ技術の促進にどういうふうに役立つのかというような点で制度の中身について議論していただければと思います。
 それから、有村委員のほうから東京都の制度との整合というものがございましたけれども、それ以外、今回の中に入っていないのですが、既に日本では省エネ法によって今年度から事業者に対しての排出量の算出義務がございますので、日本としてはすぐれた制度については、そういったものも含めて、整合性と利用できるものは利用できるという点をご検討いただきたいと思います。
 それから、若干心配な点としまして、この委員会の中で排出量取引制度についてだけ議論していったときに、ほかの税とかその他の制度との補完的な関係というのはあると思います。最終的に日本として政策として決定する際に、それがどのように補完的な位置づけとかを検討されるのかが、若干不安、見えないという状態で私自身はおります。
 やっぱりそれぞれ制度については本質的な部分がございますので、最終的にいろんなポリシーミックスをしていく中で、中途半端なものにならないように記載すべきものは記載、この委員会の決定としてある程度決めていかないといけないのではないかなというふうに思います。
 以上です。

○植田委員長 ありがとうございました。何人かの方からもご指摘いただいている税との補完の問題とか、また後でもし最後に少しあったらお答えいただきたいと思います。
 では、武川委員、お願いします。

○武川委員 森・濱田松本法律事務所の武川でございます。
 もう皆さん最後ということですべてお話しいただいているかなというところではあるのですが、1点だけ私のほうから指摘したいと思います。
 それも、今、則武さんのほうからおっしゃっていただいた点なんですが、税と、それと再生可能エネルギーの買い取りを含めた電力政策とのエネルギー政策ですね、電力というよりはエネルギー政策との整合性というのが私自身は一番気になっています。
 税については、言うまでもないことですが、例えば再生可能エネルギーの固定価格買取制度というものも、広く薄く電力料金で負担するのであれば税的な効果があって、その負担とこの排出量取引制度の負担というのはどういう関係に立つのかという議論は当然出てくると思います。
 それと、全量買取制度のほうの議論を見ていると、系統安定化コストが多額に発生すると、ではこれは誰がどう負担するかという議論が今後起こると思うのですが、この負担とこの制度の負担というのはどういう関係に立つのかという議論も必ず必要であろうというふうに思っております。
 さらに言うと、直接排出、間接排出の議論は、これは非常に大きな議論だというところで、何人かの委員の先生からもご指摘ありましたが、当然エネルギー業界には大きな影響を与えますし、具体的には恐らく電力事業者によって、炭素効率性が多分違う中で、この制度を直接にするか間接にするかということは、恐らく非常に大きな影響がある。もっと言えば、今まで10年ぐらいやってきた電力自由化との関係でどういう影響が出てくるのかということも私は結構気になっていますし、あとガスと電力、その他のエネルギーの競合関係という問題もあるというふうに思っています。
 したがって、再生可能エネルギーの話だけではなくて、本当はエネルギー政策とこの排出量取引の関係というのは非常に大きな論点だと思っていて、それをこの委員会で排出量取引制度、もちろん検討するんですが、どういうふうにオプションを出すのかなというのが気になっていまして、エネルギー政策がこうあるとすればこうあるべきだというふうにするのか、あるいは排出量取引制度との関係を考えると、エネルギー政策も含めてこうあるべきだというような話にするのか、どちらかだけの議論というのは本当は論理的にはできないのかなと。
 その辺りを7月というタイミングでどう整合させてやっていくのか、あまり時間をかけてもしようがないかもしれないのですが、ぜひここは、ある意味省庁間の垣根を越えて、ぜひ議論を、今やるか、今後やる土俵をつくっていただきたいというふうに思っております。
 以上です。

○植田委員長 どうもありがとうございました。
 今日ご欠席なんですけれども、お一人委員の末吉さんからご意見をいただいているので、ちょっとご紹介いただけますでしょうか。

○戸田市場メカニズム室長 それでは、委員限りで配付しておりますけれども、議事録に残すという観点から、また傍聴の方々にはご配付してございませんので、末吉委員の意見を、長くなるかもしれませんが、ちょっと読み上げさせていただきます。委員限りと右肩に書いた資料でございます。
 検討に際して持つべき視点。
 1.全体観として。
 1番。世界と危機感を共有し、共同するポジション。
 まず、温暖化に対し世界と同じ危機感を共有すること。その上で、世界の一員として、他国と共同して温暖化対応に取り組む日本の姿勢を明確にしなければならない。大切なことは、議論が膠着したときに、絶えず立ち返る原点をしっかり持つことである。
 2.世界の温暖化対応の進展とグローバル化に耐え得る制度。
 世界の温暖化政策は、時の流れとともに、規制強化の方向にある。加えて、温暖化規制は、その性格上、世界のどこで始まろうともグローバル性は内包する。したがって、国内議論に目を奪われることなく、絶えず世界の動向を注視することが肝要である。
 例えば、米国のSECは、この1月、情報公開のガイドラインについて歴史的な見直しを断行した。これまで不要とされてきた上場企業のCO2関連の情報公開を必要としたのである。この見直しはやがて義務化につながる。そして、この流れは世界の上場企業にも広がるだろう。
 あるいは、世界最大の小売業であるウォルマートは、経営の中枢に温暖化問題を取り込み、自社のみならずサプライチェーンにもCO2削減を求め、環境関連の情報を商品ごとに記載する取組を始めた。この取組から、商品の環境情報記載についての世界標準が生まれるだろう。
 このように、世界ではさまざまな分野での温暖化対応が社会システムとして進んでおり、日本のビジネスを取り巻く外堀はどんどん埋まるばかりだ。この自覚なしの議論は空論になる。仮に、目先の出来事に紆余曲折があろうとも、低炭素化は大きな流れになった。もう誰も止められない。
 3.日本の国際競争力の確保。
 21世紀の国際競争の原理は低炭素化へとシフトした。20世紀の大量生産型の競争原理はもうだめである。
 環境対応が世界トップクラスと自負する日本であっても、他のいずれの国よりも、より早く、より深く、そしてより効率的に低炭素化を進めていかねば、やがて敗者となるのは必定だ。とどまることなく、今以上に低炭素化に取り組み、日本の国や社会や経済を炭素生産性(CO2)排出1トン当たりのベネフィットを高めるかの競争、国際ユウインするかが勝負の分かれ目となる。今日の比較優位性は長くはもたないことを肝に銘ずべきである。
 4.国家戦略としての位置づけ。
 温暖化政策は、いかなる国にとっても、国、産業や経済、社会などのあり方を考える極めて国家戦略的なものである。例えば中国、あれほどCOP15でノーを言いまくった中国だが、事国内は全く別。第12次5カ年計画などは、巨額の環境分野での投資が計画されているという。恐らく5から10年後には、中国は環境革命の主役に躍り出ている可能性が高い。お隣の韓国もしかりである。この1月の低炭素グリーン成長基本法の発布を見るまでもなく意気軒昂である。
 これらの国々と日本は一体どう競争しようとするのか。温暖化政策が国家戦略であるからには、その議論は国家全体のインタレストが最優先されるべきであり、いやしくも個別産業や個別企業のインタレストが優先されるような議論はあってはならない。それでは国全体が沈む。
 2.制度設計について。
 5.取引参加者の利便性。
 取引制度は経済的、効率性の追求の場でもあるので、参加者の利便性が確保されるものでなければならない。この際、重要なのは、商品設計、決済方法、事務手続など、制度の各要素に国際融通性を確保することである。
 国内に孤立した制度では、海外からの取引参加者にとって、魅力(他の市場との競争力)がないだけでなく、そのようなものは国内の参加者にとっても利用価値は低いのである。
 6.市場のガバナンスの確保。
 取引制度は、効率的、効果的なCO2削減のために、いわば国家権力を持って強制的に誕生させられる市場である。とすれば、民間の自発的なものにも一層増しての透明性が要求される。この市場の運営はガバナンスのきいたものでやらなければならない。
 7.フェアマーケットプライスの確保。
 削減を義務づけられる企業などにとって、取引制度はカーボンマネジメントを進める上での重要な選択肢の一つとなる。他の削減手段との比較において、あるいはカーボンクレジットの売買市場として、この取引市場を利用する正当性がなければならないはずだ。
 つまり、参加者にとって、当該企業のガバナンスの上からも、フェアマーケットプライスが形成される公明正大な制度でなければならないのである。
 8.マネーゲームについて。
 新しい市場にマネーゲームはあってはならないという理由で取引制度そのものを否定するのは過剰防衛である。会計不正が行われ、投機が行われているからといって、株式市場を閉鎖しろという議論は起きていない。
 以上でございます。

○植田委員長 ありがとうございました。
 そうしたら、先ほど皆さんからいただいた……

○南川大臣官房長 よろしいですか、少し。

○植田委員長 ございますか、どうぞ。

○南川大臣官房長 いろいろご議論ありがとうございます。随分たくさんご意見いただきまして、私ども、これから座長と相談しながら、より実りのあるヒアリングあるいは議論ができるように準備をさせていただきたいと考えております。
 それで、最初に申しましたけれども、当面ヒアリングから始めます。その後、6月、7月にかけて、この資料の3にございます論点、ずっと幾つか、7つ、8つございますけれども、こういったことについてのご議論を進めていきたいと思っておりますが、当然ながら制度設計自身は年末になりますし、むしろ本格的な議論は夏の非常に暑くなってからかなというふうに考えております。したがいまして、ぜひ自由な立場からご議論をいただきたいと思っております。
 それで、別の委員会でロードマップについても議論をいたします。ここでは、非常にさまざまな議論が、制度的なこと、さらに実態的な対策についてもご議論いただきます。
 また、税につきましては政府税調も開かれておりまして、まだ環境税、温暖化税の扱い、いつどうするか未定でございますけれども、そこでも議論が進められます。私ども、こういったロードマップの議論あるいは税調等の議論も含めて、皆様にはできるだけ早い機会にご披露していきたいと思っております。
 当然ながら、この排出量取引を議論する中で、全体の対策、税等の予算につきましても、いろいろご指摘をいただければ幸いだと思っているところでございます。
 したがいまして、あまり論点に縛られることなく、幅広いご指摘をいただければ大変幸いだというふうに考えているところでございます。

○植田委員長 ということでございまして、夏から本格的になるので、それまではあまり縛られずに議論をしていただいたら結構だと、こういうことでございますし、確かに同時並行的に進行しているようなところがございまして、税の話も、税として議論が進行するしということになるので、制度間とか、あるいは他の検討している内容との整合をとるといっても、向こう側がはっきりしていて、それとの関係でというふうには議論できないので、オンゴーイングで議論すると、そういう感じであるということは、恐らくそういう感じだなということだと思いますが、いずれにしろ論点を最初からは限定をしないで、夏ぐらいまではヒアリングをすると。しかし、ヒアリングをするときは、ある程度論点がないとヒアリングは実はできないので、それで先ほど言ったようなことを一応の差し当たりのあれとして出しているというふうに一応ご理解いただいたらというふうに思いますが。
 皆さんからいろいろご意見をいただきました。ご質問いただいたんですが、もし補足的にもう少しというのがあるかと思う。よろしいですか。はい、どうぞ、明日香委員から。

○明日香委員 すみません。簡単にします。
 排出量取引制度が削減につながらないという議論があったと思うんですけれども、多分逆に、削減につながらない排出量取引制度を考えること自体のほうが難しいかなと思います。
 排出量取引制度というのは、いろいろ誤解はあるのですけれども、いかに効率的に費用を最少で目的を達成するかという制度だと思うんです。なので、効率性という経済学で一番、一番かわかりませんけど大事で、かつ日本にとっても大事なものを、それを念頭に議論していくべきかと思うんです。
 あともう一つ、公平性というのもあります。なので、結局はどう責任を分担するかという話でして、単純に言えば、例えば企業が比較的緩い負担でやれば、ほかの国民が大きな負担になるということもありますし、国全体で制度によって、ただ責任の振り分けだけではなくて、国全体としても、より非効率な制度設計というのはあります。なので、そこを細かく理論的に、経験的に分析しながら議論していく必要があるかなと思います。
 あともう一つ、国際競争力に関しまして、私、ペーパーを書いていまして、排出量取引制度と国際競争力という報告書をまとめておりますので、ネットで広げられますし、必要であれば次回皆さんに提供させていただければと思います。明日香寿川で調べていただければネットからダウンロードできるので、よろしくお願いいたします。

○植田委員長 ありがとうございました。
 じゃ、どうぞ、大野さんから。

○大野委員 ちょっと言おうかどうしようか迷ったんですけれども、資料3のコメントに対してお使いになる資料の件なんですけれども、この資料の中での「排出枠」のところに「(キャップ)」とずっと書いてあるんですね。これはマスコミとか普通日常会話の中では、排出枠のことをキャップということもあるんですけれども、本質的には排出枠の総量がキャップなのであって、排出枠をキャップとは言わないんです。
 だから、ここは議論した人、いろんな議論で出てきたと思うんですけれども、とりあえずこれは別に括弧してキャップと書く必要もないので、ここは切っておいたほうがいいのではないかなというふうに思います。それが1点です。
 あとは、もう一点です。実は宣伝なんですけれども、先ほど戸田室長のご紹介もいただいたように、東京都は、ICAPという国際組織に入っております。ICAPは、年に1回、公開の会議をやっておりまして、6月15日に東京で公開会議を開催することになりました。
 今日ご紹介あったようないろんな各国、各地域の取組も、それぞれ現地から人が来て紹介をしますので、今まだ募集中でございますので、お申し込みいただければと思います。
 以上でございます。

○植田委員長 ありがとうございました。
 では、影山委員、お願いします。

○影山委員 すみません。ありがとうございます。
 電力の供給の話、エネルギー政策の話が出てまいりましたのでちょっとコメントさせていただきますけれども、エネルギー基本計画との整合性というのは、これは多分当然だと思うんですが、資源のない日本にとって安定供給というのがやはり一番問題であって、それがいかに難しいかというのは、これはおいおいこの中でもお話しさせていただければと思いますけれども、そこのところをしっかり踏まえて制度をつくっていただかないと、日本の生活にとって、日本国民にとって非常に大きな影響を及ぼすおそれがあるということをぜひ念頭に置いてやっていただきたいというふうに思います。
 そういう意味ですと、海外の制度を勉強して、そこからやるというのはいいと思うのですが、日本独自の制度、やはり日本の資源がないというところをしっかり踏まえた制度というのを考えていく必要があるだろうと。多分、それがエネルギー基本計画の中にも反映されていますし、それから電気事業体制という、自由化の程度というのが海外と違うという、そこのところが、日本の資源のある状況というのを踏まえてつくられていると思いますので、そこら辺のところをぜひご理解いただきながら制度の設計に反映していただければと思います。
 もう一点、資料3のところに今後の論点がありますけれども、その中に、いつまでにどれだけ削減すればよいかとか、排出枠を誰に設定するかというような、そういうような論点がございますが、ちょっとこれは制度設計の大前提の話ではないかと思いますので、この中で議論をするというよりは、先ほどのポリシーミックスの話もそうですが、オンゴーイングでやっていくのはいいんですが、それを並行してやっていくと議論がかみ合わないことにならないかというところが非常に危惧されますので、一体何のために、どこまで削減するのを、誰に削減するのを念頭に置いて制度設計を進めるのかというところはしっかり明確にしていただいて、それで議論をしたほうがいいのではないかというふうに思います。
 以上です。

○植田委員長 ありがとうございました。
 ほかにございませんでしょうか。
 今の点、少しどうですか。いいですか。

○戸田市場メカニズム室長 この論点、幾つか書いてございますけれども、これはあくまでも制度ができてから、その後キャップをどんなキャップにするか、どんなレベルの割り当て量にするかとか、または具体的にどういうふうな期間に分けるかと、個別の具体論というよりは、まずはこの制度設計においてこういうふうな設計があり得るという、そういうオプションを探るというのが最初のヒアリングでございますので、そこは制度設計の細部、つまり法律に基づいて、その中でキャップの割り当て枠の割り当て段階で考えるようなことについてのご意見をあらかじめ今の段階でいただきたいというよりは、制度設計のための論点として書いたつもりでございます。
 もし何か、ここはこういうふうに書くとちょっと誤解を招くのではないかという具体的にありましたらちょっとご指摘いただければありがたいと思いますけれども、我々としては、まずは制度のオプションを検討するという観点から、その論点を挙げたいということで工夫して書いたつもりでありますので、その辺はもし何かございましたらご意見いただきたいと思います。

○植田委員長 影山委員おっしゃったように、確かに制度設計を、今日皆さんから大変いいご意見いただいたと思うのは、とにかく制度設計の具体的な制度設計の議論としてここではやりましょうということは合意いただいたので、それを目指してここで議論するわけですので大変よかったと思うんですけれども、おっしゃられたようにある種の制度設計の大前提が何か、どういうふうに考えておくかというような問題が確かにあるというところがあると思うんですね。
 だから、そこのちょっと議論の進め方について、改めてまた整理してお話ししたいというふうに思っておりますけれども、今日出ましたようにエネルギー分野の安定供給とか基本計画とか、あるいはエネルギー事業の一種の産業組織みたいな、どういうふうに考えるかとか、そういう話は大変大きな問題、別途ある問題としてありますし、あるいは税をどういうふうに進めていくかとか、そういう問題があるので、ちょっと制度設計のオプションをいろいろ議論したいわけですけれども、そのときにどういう想定なりどういうことを念頭に置いてちょっとご議論いただきたいみたいなことをまた整理してお話しさせていただけたらというふうに思います。
 それから、今日大変多くの知見を委員の皆さんがいろんな形でお持ちであるということが大変重要なあれかと思いましたし、それからその背景にはもっといろんな実施例だとか、あるいは研究だとかいうようなものがたくさんあるということなので、そういう情報を集めて、また皆さんの共有物にしてまた議論もすると、そういう進め方もぜひやらせていただけたらというふうに思いますので、皆さんがお持ちの意見について、情報について、また事務局にでも、我々のほうからお願いすることもあるかと思いますけれども、また出していただいたりというようなことで、こういうあれはぜひ紹介してほしいということがあれば出していただければありがたいと思います。
 それから、東京都さんの経験というのが少しありましたけれども、そういうのもまた機会があればぜひ……

○大野委員 ヒアリングも。

○植田委員長 そうですね。ヒアリングとして位置づけているわけですね。そういう形でぜひというふうに思っております。
 大体そんなことかと思うのですが、あと何か皆さんのほうからご指摘いただくことが。よろしいですか。
 では、こういう形でまた議論はちょっと尽きないと思いますけれども、進めさせていただきたいと思います。
 次回以降の当面の進め方は、先ほど資料3に記載方針で関係業界・団体からヒアリングを実施していくということになっておりますが、具体的なヒアリング先は、当然相手のこともございますので、本日の議論を踏まえながら、私のほうで事務局と相談の上、決定をさせていただきたいというふうに思っております。
 よろしゅうございますでしょうか。
 では、大体予定の時間でございますので、最後に事務局のほうから連絡事項等でありましたらお願いいたします。

○戸田市場メカニズム室長 どうも委員長ありがとうございました。また、委員の皆様におかれましては、大変活発な議論をどうもありがとうございました。
 ヒアリングにつきましては、委員長のおっしゃったとおりでございまして、これから委員長と事務局の間でご相談はさせていただきたいというふうに思います。
 また、各委員のお持ちの知見をどういうふうに共有するかということにつきましても、委員長と相談させていただきまして、次回以降の審議で工夫をさせていただきたいというふうに思います。
 環境省としては、来週26日から国民からの意見募集ということで実施させていただくと同時に、地方における国民対話につきましても、中長期ロードマップ小委員会と連携させていただいて具体的に詰めていきたいというふうに思います。
 次回以降の日程につきましては、現在ご都合を伺っているところでございますけれども、調整の上、後日連絡をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 私のほうからは以上です。

○植田委員長 どうもありがとうございました。
 以上で本日の議事を終了いたしたいと思います。
 どうも本日はありがとうございました。終わります。

午前11時52分 閉会

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