中央環境審議会地球環境部会「国内制度小委員会」(第2回)議事録

日時

平成13年4月12日(木)

場所

東条インペリアルパレス

議事次第

  1. 米国の京都議定書不支持等をめぐる最近の動き
  2. 目標達成シナリオ小委員会と国内制度小委員会との連携関係及び検討の流れについて
  3. 民生部門における取組の現状評価と今後の対策のあり方について
  4. 非エネルギー起源の二酸化炭素並びにメタン及び一酸化二窒素の排出抑制対策の現状評価と今後の対策のあり方について

議事

午後2時00分開会

○安原委員長 それでは定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会国内制度小委員会の第2回会合を開催いたしたいと思います。
 本日は大変多忙のところ、ご出席をいただきましてまことにありがとうございました。
 それでは、議事に入ります前に、事務局から資料の確認を、まずお願いいたします。

○事務局 では、配付資料の説明、確認をさせていただきます。お手元の議事次第に沿って確認させていただきます。
 まず資料の1番目といたしまして、「米国の京都議定書不支持等をめぐる最近の動き」でございます。資料2が「目標達成シナリオ小委員会と国内制度小委員会との連携関係及び検討の流れ」の資料でございます。資料3-1といたしまして、「民生部門における地球温暖化対策推進大綱に基づく取り組みの進捗状況の評価について」でございます。同じく資料3-2といたしまして、「民生部門における現行施策の評価と今後の削減ポテンシャル」の資料でございます。次に資料3-3といたしまして、「民生部門における今後の主要な追加的施策のあり方についてのたたき台」でございます。なお、この資料につきましては、傍聴の方に一部渡っていないかもしれませんが、後ほど配付させていただきますので、ご了承願ます。資料4-1が、「非エネルギー起源の二酸化炭素にかかる地球温暖化対策推進大綱に基づく進捗状況の評価について」でございます。同じく資料4-2が「メタンにかかる大綱に基づく取り組みの進捗状況の評価について」。資料4-3が「一酸化二窒素にかかる大綱に基づく取り組みの進捗状況の評価について」。資料4-4が「非エネルギー起源の二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素にかかる現行施策の評価と今後の削減ポテンシャル」。同じく資料4-5いたしまして、「非エネルギー起源の二酸化炭素にかかる今後の国内制度のあり方についてのたたき台」でございます。同じく資料4-6、4-7が「メタン、一酸化二窒素にかかる今後の国内制度のあり方についてのたたき台」をそれぞれ用意させていただいております。資料5-1といたしましては、「諸外国における温暖化対策のための国内制度の検討状況」でございます。同じく資料5-2といたしまして、「諸外国における温暖化対策のための国内制度の検討状況」でございます。
 なお、参考資料の1番目といたしまして、前回の会合においてIPCCの報告書に対する質問を幾つかいただきましたので、それに対する回答資料としてつけさせていただいております。参考資料2については、天野委員の方からご提出いただいた資料を添付させていただいております。
 なお、お手元に次回以降の出欠確認票をお配りさせていただいておりますので、出欠の可否をご記入の上、お帰り際に事務局の方にお渡しいただければと思います。
 以上でございます。

○安原委員長 ありがとうございました。
 資料がたくさんございますので、もし不足しているものがございましたら、事務局に申し出ていただきたいと思います。
 それでは、議事次第にありますように、本日は、まず米国の京都議定書不支持等をめぐる最近の動きにつきまして報告していただきました後、地球環境部会の下に設けられております2つの小委員会、シナリオ小委員会と、この国内制度小委員会の連携関係、検討の流れにつきまして整理をしてもらっておりますので、その説明を受けたいと思います。さらに、民生部門、非エネルギー起源の温室効果ガスに関する取り組みの現状評価と今後のあり方につきましてご審議をいただきたいと思います。
 本日、18時までということで、約4時間の審議を予定しております。大変長時間にわたりますので、途中で休憩を置きたいと考えております。それでは活発なご議論をお願いし
たいと思います。
 では、まず最初の議題に入りたいと思います。米国の京都議定書不支持等をめぐる最近の動きにつきまして、事務局からご報告を願います。

○竹本参事官 お手元の資料1でございます。米国の京都議定書不支持等をめぐる最近の動きにつきまして、簡単にご説明をさせていただきたいと思います。
 まず最初のページをあけていただきまして、最近の動きの中で、この3月の上旬、イタリアのトリエステにおきましてG8の環境大臣会合がございました。そのときに米国の環境保護庁ホイットマン長官が出席をいたしまして、その当時、現在ブッシュ政権というのは気候変動問題を重視しているということと、現在、政策レビュー中であるという旨の発言がございました。
 その後、3月13日になりまして、ブッシュ大統領がヘーゲル上院議員など4名の上院議員宛の書簡の中で、選挙期間中言っておりました火力発電所二酸化炭素の排出を規制する選挙公約を撤回するという旨の記述がありました。また、中国、インドなど途上国が参加していないのは不公平なもので、米国経済に悪影響を与えるという京都議定書に反対という趣旨のパラグラフの入ったレターになっておりました。
 その後、28日にブッシュ大統領が記者会見の場で、おおむね以下の趣旨、具体的には我々はエネルギー危機に陥っておりまして、CO2排出量の上限を定めない。それから、我々は他の同盟国とも温室効果ガス削減のために協力していく。ただしアメリカ経済に打撃を与えるなど、こういった計画を受け入れることはできない。
 同日でございますが、ホワイトハウス及び国務省のスポークスマンが、京都議定書を支持しない旨、発言をしておりまして、理由のところは、ほぼ同様でございます。途上国が入っていないこと、米国経済に深刻な影響を与える。それから取り組みについて、現在、政策レビューをしている。いずれにしても友好国とも協力をしながら、国際的なプロセスを通じて、この問題を解決するための技術、市場原理に基づくインセンティブ、その他、創造的なアプローチを開発できると考えている、というようなことでございました。
 次のページをくっていただきまして、3月29日にはドイツのシュレーダー氏と米独の首脳会談がございました。その場でも意見交換がなされましたが、京都議定書をめぐった部分については合意を見ることができなかった。共同声明の中では気候変動に関しては懸念を共有。その一方で、温暖化防止の最善の方法をめぐって意見の相違を確認。米政府は議定書について多くの国を免除するとともに、米国経済に重大な害を与えるものと判断し、これに反対。両首脳は他の手段の中から技術、経済的動機、これ以外の革新的な取り組みを生み出すことが必要というようなことでございました。
 我が国からも、アメリカに対してさまざまなルート、いろいろなルートを通じまして働きかけをしております。15日には川口環境大臣よりホイットマン環境保護庁長官宛に書簡を出しておりまして、29日にはその談話や記者会見などを受けまして、川口環境大臣の方から、また河野外務大臣からも談話を発表しております。
 30日には、総理よりブッシュ大統領に直接に宛てた書簡を発出しております。
 また関係大臣からも、それぞれのカウンターパートに対する働きかけをやっております。
 先週、4月4日から8日にかけまして、政府代表団を与党代表団とともに、同時期に米国に派遣をいたしまして、直接、米国の政府、また主要議員などにも働きかけを行ったところでございます。
 今週の初め、9日にはEUの代表団、スウェーデンが、今、議長国でありますが、スウェーデンの環境大臣をヘッドとするEUの代表団が来まして、川口大臣、河野外務大臣とも本件も含めて今後の進め方など相談、会談をいたしました。それを受けてステートメントも発出しております。
 以上が大体の流れでございまして、具体的に個別に資料をつけておりますので、順次ご紹介をいたします。
 まず次のページは、米国の政策に関する環境大臣の談話、29日付で出しております。趣旨は、アメリカに対して今までやってきた京都議定書に基づくプロセスが、世界を挙げてやってきておりますので、その交渉の進展に対する憂慮というものをパラグラフの2で表現をしまして、今後とも合意形成に向けて、その中に参加をするということを希望。
 それから、パラの3については、今度ともアメリカの方も友好国などとも協力して国際的なプロセスを通じてやろうということを理解をしている。
 いずれにしても、2002年発効を目指して、我が国として、また環境大臣として積極的に取り組む方針に変わりはないということで、引き続き働きかけを行っていくという趣旨でございます。
 その次のページは、森総理からのブッシュ大統領宛の書簡でございます。趣旨はほぼ同様でございますが、交渉に与える影響を強く懸念。それからCOP66再開会合での合意を模索していく。米国が強力なリーダーシップを発揮するということを期待。両国が効果的に協力をしていくということを希望しております。
 その次に、先般、先週でございますが、アメリカに政府の代表団、外務省荒木副大臣、経済省、環境省の政務官などから成ります政府代表団を、自見衆議院議員を団長とする与党代表団とともにワシントンに参りまして、ここにあります環境保護庁長官、またそこにはホワイトハウスの補佐官が同席をいたしました。また国務省のアーミテージ副長官と直接会談を行いました。また民主共和両党のそれぞれ代表する議員とも会談を持ちました。我が方の主張は、先ほどから繰り返しているとおりでありまして、米国も一緒になってその交渉に参加するように強く働きかけをしたところであります。
 これに対して、会談の内容2のところですけれども、ブッシュ大統領は非常に温暖化の問題を重要に考えている。今回の代表団の申し入れについては、ブッシュ大統領に伝える。方法論については、米国としては京都議定書に対する懸念を持っている。途上国の参加問題、経済への影響、それからエネルギー危機といったことを挙げておりました。いずれにしても政策レビュー中でございますので、政策レビューをできるだけ早く完了して、その段階で、ぜひ日本を含む友好国と相談をしたいということでありました。また、COP6の再開会合には出席をするということでございました。
 次が、参考で、行ったメンバーでございます。
 それから、次のページの川口環境大臣ステートメントは、EUの代表団と会った後に、対外的に発表したものでございます。第2番目の段落で、6つの点において双方で合意をした。いずれにしても懸念を共有というのが第1。それから第2はIPCCの第3次評価報告書を受けて、気候変動の問題とういうのは、もう既に起こっている近々の課題である。それから、第3に京都議定書には経済的な観点からも、いろいろな手法、費用効果的な対策の実施など、こういったものも含まれているという点について合意をし、またこれまで10年かかってきたプロセスであり、この2002年発効を目指すという点についても、日・EUともに変わりはないという点。それから第5に、米国の参加が実効ある議定書の実施を確保するという点から引き続き働きかけをする。今後とも、日本とEUの間で密接な連絡をとっていこう。あとは、先ほど紹介したとおりでございます。
 最後のページは、4月10日に参議院の環境委員会で、この問題について集中審議がござ いました。そこで冒頭、川口環境大臣の方より、本件についての報告をしたものでございます。まず第1の点につきまして、ずうっとこれまで申し上げたきたとおりでございます。排出量、世界全体の4分の1を排出する米国が参加しないと、実効のある実施にならないというような観点から、いろいろな形で働きかけを行ってきたということで、これまで紹介しました政府としての米国に対する働きかけ、先週の代表団の派遣も含めて報告をいたしました。またEUとの会談を持ったということも言っております。
 最後の3つのパラグラフで、今後の我が国の取り組みとして、引き続き2002年までに、我が国自身が京都議定書を締結できるように、COP6再開会合での会合を踏まえて、関係する省庁とも連絡をしながら、締結に必要な制度の構築に全力で取り組んでいくということを、大臣の方から国会に対して申し上げ、集中審議、火曜日でございましたが、議論をしていただいたところでございます。
 以上が、最近の本件にかかわる状況のご報告でございます。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの報告に対しましてご質問等がございましたら、どうぞご発言ください。
 横山委員、あと福川委員、波多野委員、天野委員。どうぞ、横山委員。

○横山委員 一連の動きに引き続いて、プロンクさんが新提案を行ったというふうに伝えられていますが、あれは、まだ日本政府としては正式に受け取ってないんでしょうか。受け取っても、まだ公表できるような段階ではないのか。あるいは中身について、いろいろ報道されていますが、かなり違っていますので、環境省としてどうとらえているか、その辺を簡単に言っていただけましょうか。

○竹本参事官 私ども受け取っております。4月21日にニューヨークで約40カ国ですが、大臣レベルの非公式閣僚会議というのが予定をされております。そのときのベースとしてプロンク議長が、この前、11月23日、用意しましたその後の改定をするということは前から私ども聞いておりました。そのラインに沿って改定ペーパーというものが作成されまして、私ども聞いている範囲では、40カ国の参加メンバー国に対して、その資料を送付をしたということでございます。そういう意味では、先ほどのご質問については、新プロンクペーパーというのは入手をしております。
 中身について、ちょっと私ども受け取ったばかりでございますので、中身を精査しながら、内容を吟味をしているところでございます。ざっと見た感じでいきますと、11月23日に出されたものと大きな違いは、どうもないようである。ただ、交渉するプロセスの部分もございますので、詳細については、ここではちょっとご紹介できませんが、いずれにしても受け取っておりまして、21日の会議に向けて、私ども準備をしているところでございます。

○安原委員長 それでは福川委員。

○福川委員 政府におかれて早急にいろいろ手を打たれたということは、大変高く評価をしたいと思います。私も、多少、このNPOとかアメリカのエネルギー業界等々と、この事件が起こって、いろいろ接触もあったりいたしておりますが、私の受けている印象は、アメリカのエネルギー業界、もちろんテキサス州などはブッシュ大統領に近いというようなこともあるかもしれませんが、業界の中にもいろいろな意見があって、日米エネルギー協議というのを毎年1回やっておりますが、そこでは、実は環境問題に熱心な企業も非常に多いわけですし、それから、例えば原子力などをもう少しきちんとやろうというような会社もあったりします。ですから、私は確かに働きかけがあって、アメリカの政府がこうなったのかもしれませんが、いろいろな意見があると思いますし、それからNPOの中でも、これはほんとに大変だというようなことを言っているのも非常に多くありますので、ひとつぜひ幅広く情報収集をして、民間、産業界、あるいはNPOも巻き込んだ形で大運動を展開をしていただきたいし、それなりに各界のご協力が得られるのではないかというふうに思っております。
 それから2つ目の感想は、実はこういう話はアメリカではよくある話でして、これまでも、多少、何か問題があると、周りから、反対ということにしておいて時間を稼いで、その間に態勢をつくって、より有利な仕組をつくる、というふうに出てくる可能性が非常にある。今もお話がありますように、温暖化問題そのものは真剣に取り組むと、こう言っておりますから、多分、全く違った何かの仕組を提案してくる可能性がきっとあるだろうと思うんです。そうなったときが非常に悩ましいことになるわけなんですが、京都議定書の枠組みが全く変わるというようなことになると、なかなか国内体制も維持できにくくなりますし、経済界、産業界の協力が得にくくなるということなんですが、ただ、可能性としては、実はアメリカがよくやる手段では、そうやって時間を稼いでおいて、自国に有利な仕組をつくって提案をしてくる。それをごり押ししてくるという可能性が、想像ですが、あるんじゃないかというふうに思いますので、できるだけ京都のこの枠組みは維持する。そのためにはヨーロッパ、発展途上国も含めて、アメリカ以外はできるだけ京都議定書でかためておくということが、非常に大事なことではないだろうかという気がいたします。

 もう一つ最後に質問なんですが、聞くところよると、ロシアは比較的EUに近い。それで、もちろんこの枠組みをやれば、ロシアとしては有利になる活用のある分野がありますから、EUの言うのが正しいのかもしれませんが、いわゆるアメリカ抜きでも批准をしちゃおうというふうにEUは言っているということなんですが、アメリカ抜きでこの問題は考えられないというのは基本の態度だとは思いますけれども、アメリカ抜きでも、この京都の議定書の批准をする方向に持っていくということの利害得失は、どういうふうにお考えか、それをちょっと教えていただきたい。それが最後の質問です。

○竹本参事官 最初の点、ありがとうございます。
 それから第3点目のご質問ですが、利害得失といいますか、私どもの理解では、京都議定書のプロセスの中で前向きに検討していきたいという点で、前向きというように受けとめておりまして、アメリカ抜きかどうかという、そういうぎりぎりしたところまでも含めて、いろいろ言っているという点については、まだ確認もしていませんし、その辺については、まだまだロシアの中でも、相当議論があるのではないか、というように受けとめております。私どもも、ロシアのその辺のあたりの動向を十分に見定めていきたいと思っておるところでございまして、最初の方で先生、言われましたように、いろいろなルートで情報収集にこれからも努めていきたいと思います。よろしくお願いします。

○浜中局長 福川先生のおっしゃったことは、日本の立場としてお尋ねになったのだと思いますので、ちょっと、今、漏れておりましたから申し上げますけれども、ただいま資料1の中で、たびたび川口大臣の、最終的には参議院での報告にも出ておりましたとおり、やはり日本としては、アメリカが参加するということが、京都議定書の実効性を確保するという点、それから京都議定書にはアメリカが不満を表明しておりますように、直ちに現段階、例えば第1約束期間から先進国と同じように途上国が参加するという枠組みになっていないわけですが、我々もいずれ将来は途上国に参加してもらわなければ、これまた地球温暖化防止の実効性が上がらないと考えておりまして、そういうところにプロセスとして持っていく上でも、やはりアメリカの参加というのは極めて重要である、そういう考え方でございます。
 したがって、政府与党の今回の訪米団の報告を伺いましても、アメリカはなかなか厳しいことを言っておるということで、大統領自身も、ああおっしゃっておられますから、そう容易に変わるものだと私ども思っておりませんが、しかし、それにもかかわらず、やはり現段階は、アメリカに対する働きかけに全力を上げるというのが重要であろうというように考えているわけでございまして、この点は、10日の参議院におきます議論、質疑におきましても、かなりの論戦になりましたけれども、政府側としては、一貫してそういう立場でお答えをしてきているということでございまして、私どももそういうことで今後とも取り組んで参りたいと考えております。
 なお、いろいろご示唆をいただきましてありがとうございました。私どもも全力を挙げて、アメリカ各界の情報の収集に努めながら、そして我が国各界のご協力もいただきながら、あらゆるルートでアメリカの各界に働きかけをしていきたいと思っている次第でございます。

○安原委員長 よろしゅうございますね。
 それでは、波多野委員。

○波多野委員 福川さんが今言われた第1の点と第2の点は、私も同様の感触を持っております。
 ただ、それに関連するんですけれども、EUのミッションが日本で話を終えた後、プレスとのインタビューやNGOとの会談等で、EUはアメリカが京都議定書に復帰することに極めて悲観的だけれども、日本はそれほどではない。日本はEUほど悲観的ではない、まだその可能性があると見ているようだ、というようなことをライションは言っているんですけれども、私も福川さんみたいに、アメリカが違ったプロポーザルを出してくる可能性の方が多いので、京都議定書に復帰する可能性というのが、そんなに多いのかなあ、もしも、ライションにそういう印象を与えているとすると、どういうところからそういう印象を与えたのかなあという感じを持って、その点についてご質問したいと思います。

○竹本参事官 プレスの記者会見でそういうご発言があったようでございますが、印象を与えたかどうか別といたしまして、先ほど局長の方からお答えしましたとおり、私どもの立場というのは、あくまでもアメリカの参加、これが京都議定書の実効ある実施を確保するという観点から、はなからアメリカ抜きでどうのこうのということを考えずに、根強く、あくまでもアメリカがこのプロセスの中に参加できるように、いろいろな観点から、いろいろなルートを通じて働きかけをしよう、こういうことを繰り返しEU側にも申し上げた。そこの解釈でありますが、必ずしも楽観かどうかと言われますれば、非常に厳しい状況だという、先ほど訪米団の報告もございましたが、あくまでも京都議定書の実効ある実施という観点から、アメリカ抜きではなくて、引き続き働きかけをやろうということを申し上げておったところでございます。

○福川委員 しかし、ライションは明らかにそういう印象でなくて、自分たちは悲観的だけれども、日本はそれほど悲観的でないということをインタビュー等で言っているようなので、もしも、今おっしゃったことが日本が言ったことだとすると、誤解を与えちゃっているんじゃないですか。

○竹本参事官 ちょっとその辺のところが、実際に相当突っ込んで川口大臣ともインテンシブに議論しまして、その後も出会う機会がありましたが、誤解といいますか、どういうような理解になったところまでは、私どもとしては、そういう楽観的というとおかしいですけれども、状況が厳しくても、引き続き働きかけをしていくというようなことを繰り返し申し上げたということでございます。

○安原委員長 それでは、天野委員。その後、浅岡委員。

○天野委員 政府の代表団と与党の方々が会見されたときに、アーミテージ国務副長官からガイドラインの説明があったという報道があったんですが、日本側はガイドラインについては詳細は語っていないけれども、という書き方でして、それを米国側は7月のボンに持っていく用意があるのだというようなことも書いてあるんですが、こういうガイドラインのようなものがあったのかどうかですね。あるいは交渉に関係があるので抑えられているのか、その辺をお伺いしたいということと、もう一つは、この件とは直接関係あるんですけれども、国連の方から、シンクに関する新しいペーパーが出されたという報道もありますので、その辺も、もしわかればお知らせいただきたい。

○竹本参事官 まず第1点は、アーミテージ副長官、一連の会談を終えた後、代表団の記者会見がございました。その場で、ガイドラインという言葉かどうかあれですが、アーミテージ副長官の方から、アメリカはこれからも引き続き、この分野についてリーダーシップを発揮していきたいと。その具体的中身を紹介した中で、3つのお話をしておられまして、1つが全世界を包括するものということで、恐らく途上国の問題を意味しているのだと思います。そして2番目に、新しい技術を含むという点。それから3点目に、国内の幅広い指示が得られること、というようなことを言っておりました。そういう点を記者会見でも紹介されたものが報道されたのではないかなと思われます。これのかみ砕いた中身、これがガイドラインとしてといいましょうか、重視している点として言われたというように理解をしておくといいかもわかりません。
 それから2点目のシンクについてでございますが、プロンクペーパーの新しいバージョンが、各政府団に届いているという状況の中で、プロンクペーパーの中に、このシンクの扱いについても当然入っておりました。そういったものが報道されたものと思われます。

 以上でございます。

○安原委員長 それでは浅岡委員。

○浅岡委員 アメリカ政府の動きに対する日本政府としての対応については、先ほどからの浜中局長ほか竹本さんのお話のようなことを、ぐるぐると繰り返して、ここ数日が来ておりまして、その間に、アメリカが今後、どのように動いていくのかという点については、日本としても、まさか楽観的に議定書の交渉に戻るでしょうというおっしゃれるような状況にはないことは、もう言うまでもないことだと思います。もうあと3カ月ほどでありますし、4月21日も40カ国集まり、大変重要な会議を迎える。もう10日もないところであります。
 そうした事態で、アメリカが京都議定書の枠の外の提案をしてくるであろうと考え、それに対してどう対応するのか、ということを政府して議論しないはずはないと思いますし、お考えもないはずはないと思うんです。またそうでなければ、とてもその場に応じた対応ができないのではないかというふうに思います。
 京都議定書の枠外での提案をしてきたとき、日本はどのように対応するということなのでしょうか。アメリカが京都議定書に乗らないということであれば、日本は、日本も批准をしない、日本もこの議定書に乗らないということを可能性としてお考えなんでしょうか。もしも、乗らないこともあるのだということが、アメリカに理解を、私、与えていると思いますけれども、そうである限りアメリカを京都議定書の交渉に戻すことには、およそなっていかないというふうに思いますけれども、これは交渉事として当然の、そうしたアメリカが嫌だといっていれば、日本もその周辺も同乗してくれるだろうと思えばこそやっているわけでしょうから、そう思いますけれども、どのようにお考えなんでしょうか。
 それから、シンクの提案等について、新しいプロンクの提案の中でも、やはり日本は11月の会議と同じように厳しい指摘を受けているかと思います。これらに対して、これまで
のようにアメリカと共同で主張していく、テシュブについて、日米加共同提案という形で、
先般はハーグの会議では、大変日本の主張を頑張られたわけですけれども、なかなかそうは、またこれから日米加、アメリカと共同で作業をするというふうなことをお考えなんでしょうか。それとも、日本がまさに矢面に立ってやろうというふうにお考えなんでしょうか。

○安原委員長 どうぞ、参事官。

○竹本参事官 まず第1の点でございますが、具体的な提案といいましょうか、現在、政策レビュー中であるということを繰り返し言っておりますし、日本にも相談をするということなものですから、具体的に何か想定をしてとか、仮定の段階で、今、こういう場でお答えするというのはなかなか難しいと思われます。
 それから、第2点目でございますが、吸収源について、11月23日の案と、ほぼ変わらないという提案でございます。状況については、私ども、いろいろな検討をしておる段階であります。具体的にこれをどういうようにしていくのかというのはは、今の段階で具体的に申し上げるというような段階ではないかと思われます。
 以上でございます。

○浅岡委員 「今の段階では」というのがずうっと続いておりますが、いつ、どのような、どういう状況になれば、例えばアメリカの対応に対して、より踏み込んだ日本の姿勢というものを示すことになるとお考えなんでしょうか。

○竹本参事官 アメリカの方も、COP6再開会合までに、ということを再三言っております。できるだけ早くということで、具体的な作業のプロセスみたいなところまでつまびらかではないんですが、できるだけ早くという気持ちのあらわれで、できれば5月とか6月とかいうような話もございました。ただ、アメリカ政府内部のことでございまして、そういったタイミングというのが具体的にどのようになるのか、いずれにしても、そういう相談がされるということでございますので、そういった段階に、当然私どもも検討するということになろうと思います。

○安原委員長 それでは、森嶌会長。

○森嶌会長 実は今朝から国連大学を会場にして、エミショントレーディングでありますけれども、国際会議が開かれております。これは環境省、外務省それから産業省が共同で開いているわけですけれども、そこでもアンブレラグループのカナダが、アメリカの態度に反対をするということを、カナダの政府の人ですけれども、明言をしておりました。それから、ヨーロッパに関しては、先ほどご紹介になったとおりであります。
 先ほどから、竹本さん、「今の段階では」とおっしゃいましたけれども、これは交渉事ですから、こういうところで言えないということもあろうかと思いますので、私の方は質問ではなくて注文をしておきますけれども、全体としては、やはりアメリカが多少の手直しをすれば、京都議定書に戻ってくるという見通しは余り立っていないようでありますから、そこで日本の政府としては、そうした場合に、例えば新しい提案が出てきたときに、ここはこういうところについては新しいけれども、こういう点については京都と共通するところがあるという場合に、その新しい提案に乗るのか、それからまた、これを超えたらもう乗れないというのか、それから乗れない場合に、じゃあ、日本は日本で、多分カナダも批准してくると思うんですけれども、アンブレラグループとして最後の段階にはアメリカと袂を分かってでも批准をするという覚悟を、やっぱりかためておく必要があるのではないか。
 つまり、幾つかのシナリオを考えてやっておかないと、アメリカの提案を見てから考えましょうなんていうのは、大体これは日本の政府の悪いところなんですけれども、流された結果、最後に後手に回って、周りからは、だから日本はだめだということになるわけでして、やはり一種の危機管理としての問題として、ぜひ、今の段階からいろいろなシナリオを想定して、いろいろなといっても、大体決まっているわけです。何が論点かというのは、アメリカが言っているのも、途上国がどうかとか、アメリカの経済といいますけれども、アメリカの経済といったって、もともとアメリカの経済に悪い影響を与えないようにエミショントレーディングを入れているわけですから、それ以上に、これがだめで、アメリカの経済にいいというのは、まず出てこないでしょうから、ほとんど大体想定されるシナリオというのは、そんなにたくさんあるわけではありませんので、ぜひ、私の注文としては、そうしたらどうするつもりかということを質問するのではなくて、そういうことをきちっと考えて、もうニューヨークに行く前から対処方針というものを、ぜひ決めておいていただきたい。
 そして、私としては、最後には、アメリカが批准しなくても、日本は批准するというのが、結局は、アメリカだけが批准しなかったという国際的な悪い評判を受けることをアメリカは嫌うでしょうから、アメリカを引っ張り込むことになるのではないかと思いますので、これは私の希望ですけれども、最後は、日本も、アメリカが批准しなくても批准するというぐらいの覚悟を決めて、ぜひ交渉に当たっていただきたいというふうに思います。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、このテーマにつきましては、よろしゅうございますか。
 では、アメリカの動きにつきましては、この程度にいたしたいと思います。
 それでは、次に2番目の議題でございます目標達成シナリオ小委員会と国内制度小委員会との連携関係と検討の流れにつきまして、事務局の方からご説明をいただきたいと思い
ます。

○竹内課長 それでは、資料2に基づきまして目標達成シナリオ小委員会と、この制度小委員会との連携関係及び検討の流れについてご説明申し上げます。
 前回、両方の委員会について、どのように連携していくのか、とりわけシナリオ小委員会での成果を十分この制度小委員会に反映してほしい、というようなご提案がございました。
 そこで、まず、この部会における2つの小委員会は、議定書の目標達成に向けて2010年の対策のあり方を検討するということでございます。それ以降の2020年を展望した対策のあり方というのも、別途「別の機関」と書いてございますが、審議会とは別にシナリオ検討会というのが設置されておりまして、そちらで2020年までの対策のあり方を検討していただきます。したがいまして、ことしの秋には、何らかの形で2020年までも含めた検討結果というのを、ここの審議会にもご報告できるかと思います。
 それから、この両小委員会、基本的には現行の施策のレビューと、そのレビューを踏まえた今後の対策の大枠案という2つの課題を持つわけでございまして、それぞれレビューにおきましてもシナリオ小委員会と、この制度小委員会が携わるということでございます。
 (1)でございますが、目標達成シナリオ小委員会では、既に3月の時点でまとまりましたシナリオ検討会ということの中で、2010年までの排出量の予測、各固定係数、あるいは計画係数の柱の予測がございました。
 それについて、さらに対策技術の定量的評価を--[3]とございますが--しております。そこで、制度小委員会の方では、そのシナリオ検討会の結果及びシナリオ小委員会の定量的評価をいただきまして、[4]にございますが、あわせて大綱に基づく施策の進捗状況の評価と、各施策の定性的評価ということで、本日も民生部門等で用意しておりますが、そういった施策の評価をしていただきます。
 あわせて、右側の下にございますが、現行施策の問題点、改善点の洗い出しをしていただきます。
 それから、こういったレビューを踏まえて、今後の対策の大枠案ということでございます(2)でございますが、まず、目標達成シナリオ小委員会では、シナリオ検討会で出て参りました対策技術のリストアップ、あるいはさらなる削減のポテンシャルの積み上げ、これはコスト的要因でございますが、制度的要因についてもある程度、そういった制約状況を捨象したポテンシャルがシナリオ検討会で出てきたわけでございますが、シナリオ小委員会の方では、[7]でございますが、各技術についてのコスト・ポテンシャル評価ということで、ポテンシャルを持つと思われる技術ごとのコスト評価を行う。それから、さらにそれらの技術について関連する制度的、社会的制約条件を整理して、その整理条件を乗り越えるための政策メニューの提案をしていただく。いわば技術論からのアプローチを、このシナリオ小委員会でしていただこうということでございます。
 そこで、制度小委員会の方では、1つは昨年の12月まで行われておりましたポリシーミックスなどによる政策パッケージなどに関する小委員会の報告がございますが、それもひとつ踏まえる。
 それから12番でございますが、先ほどの上の方からおりてきます現行施策の問題点、改善点、こういったものにつきまして、いわば制度論からのアプローチということで、これが1つある。
 それから、13番でございますが、諸外国における制度のレビュー、いわば比較論からのアプローチでございますが、これらを総合いたしまして、個別の、あるいは個々の分野の制度的な対応案というものと、各分野における横断的な制度案といったものを、この小委員会でおまとめいただければ、という流れを考えております。
 以上でございます。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に対しまして、ご意見、ご質問等がございましたら、お願いいたします。
 天野委員、どうぞ。

○天野委員 前回、この2つの小委員会が、お互いにどういうふうに情報を交換しながら進んでいくのかというご質問をしたんですが、きょうの図を見ますと、目標達成シナリオ小委員会から、こちらの方に矢印がたくさん入ってくるんですけれども、国内制度小委員会から、逆に左の方へ行く矢印が1本もないように思うんです。例えば左の方では、対策技術の定量評価、それから技術論からのアプローチということが書いてあるんですけれども、ご説明の際には施策の定量的評価とおっしゃったと私は聞いているんですが、もし、施策であれば、単に技術的な評価ばかりではなくて、例えば税制とか、あるいは排出量取引といったものの定量的評価が、当然含まれると思うんですが、それは、このどちらでもやらないということなんでしょうか。私は、その点を前回お尋ねしたつもりだったんですけれども。

○竹内課長 シナリオ小委員会の方は、削減ポテンシャルといいますか、さらに可能性のある対策分野、対策手法あるいは対策技術、そういったものにつきましての技術面から見た検討ということでありまして、その中で、現行の既存の技術システムと比べると、このくらいコストの差があるとか、あるいは制度面でこういう制約があるとか、そういったものを踏まえて、では、それを乗り越えるために、こういうことをしたらどうかという提案までいただくということでございます。
 そこで、今、ご指摘の排出量取引とか、あるいは例えば税制とか、そういった、いわゆる対策を推進するメカニズムというものにつきましては、こちらの制度小委員会の方でご検討いただくという形を考えております。

○天野委員 検討するといいましても、そういう手法、技法がこの小委員会にはあるんでしょうか。あるいは事務局の方で、そういうことの準備ができるんでしょうか。例えば税率を何%にすれば、どれぐらい効果が出てくるというふうな評価は、数量的な試算が必要になると思うんですけれども、それをここでやるとすれば、事務局の方でそれなりの準備が要ると思うんですが、その辺も含めてのことでしょうか。

○竹内課長 そういう分析評価が必要だということであれば、事務局の方でいたします。

○天野委員 やっていただけるのであれば、大変ありがたいことで、よろしくお願いいたします。

○安原委員長 それ以外の事項につきまして、どうぞ、浅野委員。

○浅野委員 これはさっきの進捗状況によって決まることでありますから、ここで、この中に書いてないからどうだこうだということではありませんが、最終のところの書き方が、「個別の制度的な対応案を検討し、部門の中での横断的な制度案を考える」というところでとまっているわけですが、これはマル11の「基盤メカニズムに必要となる情報の流れ」ということとも関連するんですけれども、場合によっては部門を横断した調整制度なりというようなものがターゲットになっていくことになろうかと思いますから、それは忘れないでおいてほしい。部門の横断だけやって、それを足してもどうにもならないということは十分考えられるのではないかということであります。

○安原委員長 これは当然、表現は「各部門における」となっていますが、各部門にまたがるような横断的なテーマは、もちろんここに入っているという理解でよろしゅうございますね。

○竹内課長 はい。

○安原委員長 宮本委員、どうぞ。

○宮本委員 この前も申し上げたと思うんですけれども、この目標達成シナリオ小委員会の方は技術的な問題から詰める、コスト的にも詰めるとおっしゃっているわけですけれども、例えば技術的にそういうことが可能であっても、全体として、どれだけそういうような技術、商品が入ってくるかということによって、日本全体のCO2削減量は決まってくるんでしょうね。そうしますと、経済成長とか、例えば個人消費だとか、設備投資だとか、その辺との関連が非常に強くなっていくと思うんですね。そういうところは、ここでおやりになるのか、ちょっと私は難しいなと思うんですが、そうなってくると、総合エネルギー調査会、経済産業省ですか、それとの関連もかなり出でくるだろうというように思うんですね。先ほど、天野委員がおっしゃったような、制度によるところの経済効果みたいなものも、これは経済産業省と相当すり合わせなければいけないという気もするんですが、この辺の調整というのは、どのようにお考えなんでしょうか。

○竹内課長 ご指摘の経済影響などに限らず、個々の対策技術あるいはそれによる効果などについて、十分なすり合わせをしておく必要があると考えております。

○宮本委員 ぜひ、その辺、運輸問題も、それから厚生とか、といった問題も入ってくると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 ほかにございませんでしょうか。
 それでは、西岡委員。西岡委員はシナリオ小委員会の方の委員長でいらっしゃいます。

○西岡委員 シナリオ小委員会の方の検討の状況でございますけれども、基本的に、まず我々のシナリオ小委員会の方でやらなければいけないことといたしましては、2010年でその目標達成するための基礎的な資料といたしまして、各個別の対策技術の、言ってみればコストカーブを書くといった作業であるかと思います。コストカーブを書くときに、各個別の技術がどこまで普及されるか、それでどれだけの削減量があるか、これが1つのポイント。もう一つは、そのコストがどうなるかが2つ目のポイント。3つ目がそれぞれの個別技術で全部の分野がカバーできるだろうかといったところが1つ問題になります。しかしながら、いずれにしても、それはひとつ詰めたいと思っております。
 もう一つは、今、議論に出たことなんですけれども、我々の方でも議論いたしまして、例えばディマンドが伸びればコストは下がるだろうけれども、その間の関係をどうするのだろうかとか、それから全体として、言ってみればコストカーブの全体の原点のX軸をどれだけ持ち上げるかといったような政策があるだろう。それは例えば税制であったり、種々のところから出てくる施策があるだろうけれども、それによってどれだけカバーできるディマンドが変わるだろうか、コストが変わるだろうか、この辺が一つのポイントであるね、という議論を先回いたしまして、それをどのようにやっていくかについては、こちらとの協議、あるいは、今、事務局の方で、自分の形でやることができるという話がございましたけれども、そういう中で検討していく方向に、私どもの小委員会ではあります。
 以上です。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、この小委員会の相互の関係、検討の進め方、流れにつきましては、よろしゅうございましょうか。
 それでは、この問題につきましては、この程度にいたしたいと思います。
 それでは、3番目の議題の方に移りたいと思います。「民生部門における取り組みの現行評価と今後の対策りあり方について」であります。それでは、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○竹内課長 それでは、まず資料3-1でございますが、「民生部門における地球温暖化対策推進大綱に基づく取り組みの進捗状況の評価について」という資料でございます。ここでは、既にとられている対策、主に推進大綱に盛り込まれている対策でございますが、それについての進捗状況の評価でございます。
 まず、2ページでございます。民生部門における排出削減見通しでございますが、その中で大綱策定時の想定といたしまして、図1にございますように、2010年のBAU対策ケースがございました。そこで表1では、それぞれのこの部門におけるエネルギー起源CO2の排出の削減見積量ということで、大きく3つの分野で省エネルギー基準の強化、新たな省エネ型技術の開発・普及の推進、国民参加型の普及啓発の充実ということで、CO2で合計約1億トンの削減の見積もりがなされておりました。
 3ページは、それとは別に、シナリオ策定調査検討会という、3月15日にまとめられました検討会での民生部門における排出量の見通しでございますが、ここではケースを計画ケース2と計画ケース1、それからさらに削減ポテンシャルがどのくらいあるのだろうかということで、低位水準、高位水準と分けて見通しがされております。
 そこで、2010年のところで、一番左側の計画ケース2でございますが、これは今後の2010年までの原子力の点火INが7基という前提、これは電源開発調整審議会の答申によるもの。それからケース1が原子力発電所、現行の電力供給計画による13基という前提での排出量の見通しでございます。これにさらに削減ポテンシャルの低位水準、それから削減ポテンシャルの高位水準を算定いたしますと、このような量になるということで、ここで
の結果は大綱が想定していた目標量には達しないということに、この部門ではなります。
 4ページが、それを家庭部門と業務部門に分けて排出量の見通しをしたものでございます。こうした策定時の想定と、さらに現行の対策、それからポテンシャルを追加したものとの差が出てきているわけでございますけれども、5ページからは、それでは、推進大綱に基づく施策の進捗状況はどうなっているのだろうかということで、まず、5ページのところでは、大綱の中での民生部門の施策の全体像ということで、1ページでまとめておりますが、ここでは約1億トンのCO2の削減をするために、大きく3つの分野に整理をしています。
 1つは個々の主体からの排出総量の管理のための枠組み、それからBといたしまして、個々の主体による排出削減策、Cといたしまして、都市・地域構造対策ということでございまして、それぞれ家庭部門、業務部門に関連するわけでありますが、まず家庭部門では、個々の主体からの、家庭からの排出量の管理のための枠組みは、今のところ整備をされていません。ただし、業務部門におきましては、温暖化対策推進法に基づいて国及び地方公共団体の実行計画の策定義務がございます。
 それから、同じく法律に基づきました事業者につきましては実行計画の策定の努力規定
がございます。
 それから、個々の削減策でございますが、省エネルギー基準の強化から始まって、情報提供、国民参加、政府の率先実行まで、大きく整理すると、このようになっております。

 それから、都市・地底構造対策におきましても、二酸化炭素の少ない都市・地域構造を形成するために、さまざまな施策、事業が大綱の中ではこういうふうになっておりました。
 そこをさらに個別の、今のABCの順番で、どのような進捗状況になっているかということを、6ページから記述してございます。この構成を、まずご説明したいと思いますが、6ページのところで、排出総量の管理のための枠組みというものの全体像をご説明させていただきますが、7ページのところは、それの個々の進捗状況、評価についての若干解説をしております。同じような形で、個別の主体による削減策、あるいは都市構造についても総括表があって、個別の説明があるという構成になっております。
 6ページで、まず排出量管理のための枠組みにつきましては、先ほども全体の総括表がございましたが、まず家庭部門につきましては特にないということで、進捗状況の評価といたしましては、各家庭に対する排出総量の削減に着目した対策の実施が必要である。しかしながら、なかなか知識とか、金銭的な負担が必ずしも十分ではないことから、地域特性などを考慮することが必要だということで、さらに各地域に適した対策を実施するという評価になるかと思います。
 それから、業務部門におきましては、この枠組みといたしましては、1つは、国・地方公共団体の実行計画の策定義務が、既に法律でなされておりまして、都道府県では、ことし2月1日現在ですが、22の都道府県、それから市町村では昨年10月1日現在でありますが、75の市町村におきまして、法律に基づく実行計画が策定されております。ただし、この数でもわかりますように、なかなか実行計画策定状況の進捗は芳しくないということではあります。国みずからも、まだ国自身の実行計画も、相当準備は進んでおりますが、まだ策定されておりません。それから、とりわけ市町村は数が多いわけでありますが、市町村における策定も、全体から見ると割合は少ないということでございます。
 それから事業者の実行計画の策定の努力規定に基づく取り組みでありますが、この業務分野におきましても、経団連の自主行動計画の温暖化対策編で幾つかの業種が参加しております。ただし、定量的目標、カバー率、実効性、透明性など、必ずしも十分でない面もあるということでございます。
 6ページの総括表で、排出総量の管理のための枠組みの現状と評価をご説明いたしました。
 それから8ページでございますが、今度はそういった各主体が実施する排出削減策につきまして大綱に盛り込まれていたものを中心に、進捗状況の評価をいたしております。ここで、下の注にございますが、施策分類において「○」というのは該当しているもの。「△」はその中で担保するものがないものを示しております。それから右半分の進捗状況の評価の中におきまして「◎」は積極的な評価、「△」は消極的な評価、「→」は課題を示しております。
 [1]の家電・OA機器などのエネルギー効率について8~30%の向上、というものにつきまして、機器単体での効率は向上しております。世帯数や普及率の上昇により、エネルギーの消費総量は増加しております。したがいまして、機器単体でのさらなる省エネを進める施策が必要だろう。あるいは普及が促進されるための施策が必要だろうということでございます。
 それから、住宅の冷暖房用エネルギー消費量の約20%削減というものでございますが、住宅の断熱性能の向上、あるいは新築着工住宅における断熱性のよい住宅の比率は増加しております。ただし、基準が義務でないため、新築のうち部分的な導入となっている。それから住宅ストック全体で見れば、大半の住宅が基準を満たさない。したがいまして、新築住宅に対する対策の強化に加えて、既存の住宅に対する対策も必要ではないだろうかといったようなことが、課題として指摘できるということでございます。
 それから、[3]でございますが、建築物のエネルギー消費量の約10%削減ということでありますが、省エネ法に基づく省エネ基準、あるいは各種の優遇措置、省エネルギーマークなどの普及促進などによって、建築物の省エネ化が進展していると予想されます。今のところ、まだ部分的な導入となっています。
 したがいまして、新築建築に対しましては、対策の拡充と、履行を担保するための厳格な審査といったものが必要ではなかろうかという課題でございます。
 さらに9ページに参りまして、事業場におけるエネルギー使用の合理化の徹底ということでありまして、改正省エネ法におきまして、第二種エネルギー管理指定工場制度が発足いたしまして、この業務分野におきましても約2,000カ所のオフィスなどに対して新たに省エネ努力義務が課されております。ただし、将来の計画策定とか、あるいは提出義務、あるいは罰則措置がないため、計画的な取り組みを促すような制度とはなっていないということが指摘できるかと思います。
 それからあと、技術開発の点、それからサマータイム、これも大綱ができた直後に、国民会議というものが設けられまして、約1年間の検討を行いました。検討後、サマータイム制度は、まだ導入されておりませんが、ここに数字はございませんが、CO2の換算で約150万トン程度の削減があるだろうということでございまして、とりわけ朝の冷房需要を減らすことができ、夕方の照明需要を減らすことでできるという効果から、約150万程度CO2であるというものでございますが、さらに議論の本格化が必要だろうという課題がございます。
 その他、環境教育、広報の強化についても、引き続き地道な努力が必要だろうということでございます。
 それから、10ページにおきましても、情報提供の推進、普及啓発の充実、政府の率先実行といったものについての評価がございます。いずれも引き続き地道な努力が必要だろうということでございます。
 こうした個々の主体における排出削減策の評価は、以上、総括表でご説明申し上げました。
 そこで、次に18ページの、3つ目のCとして、都市・地域構造対策ということでの分野の評価でございますが、これも同じように「○」や「△」などは前と同じ凡例でございます。基本的にはモデル事業的なものが中心になっておりまして、モデル的な事業だけでなく、実際の都市計画において効率的なエネルギー利用、あるいは未利用エネルギー利用、新エネルギーを活用できるような位置づけをする必要があろう、あるいは必要なインフラについて公共主導で設置を行っていくことも必要であろう、というような指摘ができるかと思います。
 これにつきましても、19ページでそれぞれについて若干の文章的な評価をされております。
 そこで、この分野の実際の、これまでとられた進捗状況及びその評価をまとめてみますと、20ページでございますが、まず、排出総量の管理のための枠組みにつきましては、枠組みが不足している。とりわけ各家庭からの排出量の管理のための枠組みとしては、例えばでありますけれども、各家庭が診断を受けて、きめ細かい対策のアドバイス、あるいは地域に応じたアドバイスをする業者の斡旋とか、そうしたものに基づく補助制度とかいったものが導入できるような仕組というのが必要ではないだろうか、ということであります。
 それから、国、地方公共団体の事務事情に関しましては、先ほどの策定の実績が余り芳しくないといことでございまして、もちろん国みずからも早急に策定するとともに、特に市町村における策定を促進する必要があろう。
 それから、業務部門全体からの排出総量の削減に着目した対策として、事業者による計画的な取り組みというものが、この分野はそんなに多く進んでいるわけではないわけでありますが、自主性を生かして、その履行の確保するための計画の策定と、それに基づく対策の徹底を図るために、事業者の規模などに応じて計画策定と、その公表の義務づけ、さらにその計画の内容についての第三者の検証、認証といったような取り組みというものが必要ではなかろうかという評価でございます。
 それから、Bでございますか、個々の主体による排出削減策につきましては、新規の機器、あるいは住宅で見た場合の法律改善は進んでいますが、新規の購入取得の際に、必ずしもそうした機器など、あるいは住宅などが購入取得されているわけではないという点と、さらにストックという観点から見ると、改善された機器や住宅などの普及は余り進んでいない。したがいまして、新規購入、あるいは新規の取得の際の施策を拡充する。とりわけ住宅や建築については、既存のものに対する対策も必要だというような指摘ができるかと思います。
 それから、都市・地域構造対策につきましては、各種のモデル事業などの実施によって、広がりはできてまいりましたが、事業そのものの量的なものが余りないということで、削減効果が限定されているということがあるわけでありますので、可能な範囲での義務的な導入といったものも必要でありましょうし、モデル的な事業たけでなく、実際の都市計画において効率的なエネルギー利用など、あるいは未利用エネルギーを活用できるように位置づけるというのと、都市の中の新しいインフラとして公共主導で、こういった未利用エネルギーの活用などについての施設を整備していくことも必要ではなかろうか、というのが評価でございます。
 以上、現在とられている、この分野における対策の進捗状況と評価について、これはあくまでも事務局がつくったものでございますが、ご報告申し上げました。

○安原委員長 では、引き続きまして、資料3-2をご説明お願いいたします。

○石飛調整官 資料3-2、これは先日行われました目標達成シナリオ小委員会第2回の会合で配付された資料をそのまま、きょうもお配りしているものでございます。民生部門における現行施策の評価と今後の削減ポテンシャルということで、主として技術的な側面に着目して施策を評価し、今後の削減のポテンシャルを見たものでございます。
 1ページ、概要がございますか、これは最後に、また戻らせていただきます。
 2ページをごらんいただきたいと思います。排出量の現状と推移ということで、これは第1回の小委員会でも簡単に触れたところですが、民生部門だけを見ますと、我が国の総排出量の22%強を占めておりまして、大綱の目標は90年度比プラス・マイナス・ゼロ%でありましたけれども、家庭と業務部門を合わせると98年度は既に12.6%という伸びを示しております。
 図1と図2に、それぞれ業務、家庭のグラフを燃料種別で示しております。98年度の数字をごらんいただきますと、基準年を100とした場合に、業務が 116、そして家庭が 109となっております。
 3ページの下の方に、他部門との関係ということで、産業部門、エネルギー転換部門、などさまざまな部門との間でやりとりがあって、そこでの排出量の増大の要因が他部門にもわたっているということをお示ししたものでございます。
 4ページから、部門別の排出量の増減要因を示すグラフを幾つか用意しております。まず、家庭部門の世帯数が堅調に伸びていることを示したのが図5であります。そして図6には、世帯当たりのエネルギーの消費原単位、これも多少でこぼこがありますけれども、右肩上がりになってきておりますので、これを掛け合わせると、家庭部門の全エネルギー消費量が非常に伸びる傾向にある、ということになっております。これは主として住宅の面積の増大、そして冷暖房の設備が普及してきていることが効いていると考えられます。
 それから、5ページに住宅の断熱性能の向上ということで、この面でもさまざま対策が行われております。上のグラフは断熱水準別の新築の着工住宅、これが左のグラフで、厳しい基準に適合した住宅が、どんどんふえていることがわかりますが、右側のグラフは、ストックベースで見ますと、従来型の基準の適用されていない住宅の割合が、まだまだ多いということがわかります。図8は、省エネルギー基準が年を追って厳しくなっていることを示したものでございます。断熱性の向上については、このような取り組みがなされていますが、ストック全体で見れば、まだまだ課題として残されているというわけであります。
 6ページに参ります。トップランナー方式による省エネの推進ということで、省エネ法に基づきまして、家電製品6種類に対してトップランナー基準が設定されております。これらの家電製品につきましては、どんどん買い換えが進んでいくのに伴いまして、省エネ性能のいいものの普及が伸びておりまして、一定の効果が現れていると言えると思われます。
 それから、6ページの下、太陽熱温水器・太陽光発電の導入でありますが、7ページの図9にありますように、太陽光発電は、非常に大きな伸びを示しております。しかし、図10にありますように太陽熱温水器の普及につきましては、基数ベースにしましても、また図11のエネルギー供給ベースで見ましても、一時期のピークから減少傾向にありまして、効果としては非常に大きいわけですけれども、どういうふうにしてもとのような伸びに戻していくかが、今後の対策面での課題になってくると考えております。
 また将来的には、こういう太陽熱を利用したものに加えまして、6ページの一番下の方に書いてあります、家庭用の燃料電池コージェネも期待されているところであります。
 それから、8ページは、我が国の潜在的暖房需要増の可能性ということで、諸外国の比較をしたものです。欧米諸国に比べると、日本の家庭のエネルギー消費原単位は小さいわけですけれども、将来、暖房需要が伸びてくるとなりますと、この欧米諸国に届くような需要が発生してくるとなりますと、やはりその需要に対応した形での温暖化対策についても、例えば地域熱供給などのような供給体制を考えていかなければいけない、ということを述べております。
 9ページからは業務部門です。図13では、業務用の延床面積が各用途別に見ましても、かなり伸びてきていることがわかります。また図14にありますように、消費原単位で見もましも、少しずつ増加の傾向を示しています。
 10ページに参りまして、業務部門でも、省エネ法に基づくトップランナー基準が適用されている、業務用のエアコン、照明、コピー機、電子計算機の導入が進んでいくことが、今後とも期待できるわけであります。
 その次に「規制による省エネルギー性能向上の程度は不明」とございますが、建築物につきましても省エネルギーの性能の基準、これは断熱性能の基準と建築物の整備のエネルギー効率に関する基準があります。下のグラフにございますように、点線もしくは細い実線で書かれたものが基準値で、折れ線グラフが実際の建築確認申請の際に提出された数値でありますけれども、既にいずれも基準値を大きくクリアしておりますので、今後、これがどのぐらい効いてくるかということは、必ずしも明確になっておりません。また、竣工後のエネルギーの管理がどうなっているかについては、今の制度では規制がないために、こういう基準の規制の効果が、どのぐらい出ているかというのは明らかになっていないわけであります。
 それから、11ページの第2種エネルギー管理指定工場。これも98年の法改正で、こういう制度が設けられまして、管理者を置くなど、一定の管理体制が整えられたわけでありますが、省エネルギーの目標値等を定めているものでありませんので、個々の工場のエネルギー管理が実際にどうなっているかということは、必ずしも明確にはなっていないわけであります。
 それから、下のグラフは公共施設を中心に太陽光発電、業務部門の公共施設に限ってみると、このように導入が進んでいるということを紹介しております。
 それから、12ページには未利用エネルギーの導入機会。工場廃熱や河川、海水の温度差のエネルギー等を利用した熱供給事業が、少しずつふえていますが、これは、施設ごとの対策ではなくて、都市計画の中で位置づけ、都市全体の対策の中で考えていく必要があるという特徴を持っています。
 13ページからは排出量の将来予測で、シナリオ検討会で予測したものを、民生部門だけ取り出したものです。2つのケースで予測しており、業務部門では115または 123、下の家庭部門では 114、または 119で、いずれも2010年には増加するという予測になっています。
 14ページには、今申し上げたことと、大綱で見積もった内訳との比較をしております。細かいことは省略いたしますが、大綱のプラス・マイナス・ゼロという目標に対して、必ずしも十分な対策が行われる可能性が少ないものも含まれているために、削減効果が現れてこないという見通しを持ったわけでございます。
 それから、15ページには、削減ポテンシャルということで、これも前回ご説明いたしました社会的、制度的など、さまざまな制約条件をある程度捨象した上での可能性を試算したものです。民生全体で見ますと、基準年排出量の1.5ないし 2.3%に相当するポテンシャルが見込まれるという計算結果になっています。下に家庭部門、業務部門の、それぞれの項目別の削減量を計算しております。
 16ページから、実はシナリオ小委員会でご議論いただくべきものとして用意をしたわけでありますが、残念ながら、まだ作業の途中でございまして、特にコスト面の作業が遅れておりまして、今日は空欄になっております。削減ポテンシャルで見込んだ技術それぞれについて、それを導入するためには、どのぐらいのコストが追加的に必要になってくるかという推計作業を、現在進めているところでございます。
 家庭部門でごらんいただきますと、ポテンシャルが大きいものでは、制御による省エネルギーであるとか、待機電力の削減、家庭用ヒートポンプの給湯器、このように実用化はされているけれども、比較的新しい技術を多く導入する。ここではコスト計算方法の割り切りとして全国の普及率が100%になると仮定した場合に、総費用はどのくらいになるかとういう仕方をとっておりますが、このような方式でコストの計算もしております。
 それから、17ページからは、これもまだ作業過程でありますけれども、それぞれの削減ポテンシャルに該当する技術を導入するに当たって、どういう課題や対策が必要になってくるかを、まとめたものでございます。
 同じく18ページには、業務部門の課題、対策手法、副次的効果などをまとめようとしているものでございます。
 少し飛びまして、22ページにまいります。前回のシナリオ小委員会でも、削減ポテンシャルの対象にすべき技術がもっとあるはずなので、そういうものをより網羅的に検討の対象にすべきであるというご指摘をいただいております。現在も作業を進めているところですが、検討会では十分なポテンシャルの議論ができなかったものとして、例えばこの表10に示されたものが、今後の課題として残されているわけであります。トップランナー基準の対象となる機器の範囲を広げるであるとか、既築の住宅の断熱性能を上げるといったような技術についても、今後の検討の対象にはしていく必要がある。ただし、現状ではまだできていないということをご紹介しております。
 最後に、27ページに飛びまして、民生部門で削減ポテンシャルを計算したそれぞれの対策技術につきまして、対策技術シートを作成いたしました。技術の概要、削減ポテンシャル、そしてそのポテンシャルを仮に実現するためには、コストがどのぐらいかかるか、また、課題、対策手法などを対策技術ごとにシートにまとめようというものです。これもまだ作業中でありますけれども、これを進めていきまして、今後実現可能な対策技術による削減効果の計算、さらには、それを実現するための制度的、社会的な課題の検討につなげていくための基礎的な材料として使っていただくために用意したものでございます。
 最後に1ページに戻っていただきまして、民生部門の概要でありますけれども、現状と施策の評価につきましては、先ほど申し上げたとおりで、大綱の目標に比較して伸びが大きいと予想されています。その中で排出削減に効いていると思われる対策もありますし、また十分でないという対策も出てきているということを紹介しております。
 2番の削減ポテンシャルの主要課題というところでは、業務部門では、使用機器の効率化、建築物の断熱性能などをさらに高めることが必要になってくるのではないか。
 それから、家庭部門でもエネルギー消費機器の普及が進展しておりますので、機器の効率化、それから住宅の断熱性能等を高めるため、さまざまな導入促進のためのインセンティブの検討、普及啓発のための方策が必要になってくる。これらが主要な課題として挙げられる、ということで取りまとめられたものでございます。
 以上でございます。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、ちょっとご報告が続きますが、一体でありますので、次の資料の3-3も引き続きご説明をいただきたいと思います。ポイントは、このあり方についてどう考えるかというところが、きょうのポイントになりますので、それでは説明をよろしくお願いします。

○竹内課長 資料3-3に入る前に、ちょっと恐縮でございますが、資料5-1と5-2というものを用意させていただいております。これは、諸外国--主にヨーロッパでございますが--における温暖化対策のための制度などの検討状況、あるいは導入状況、実施状況でございます。それが資料5-2に、本日現在の全体の資料がまとまっておりますが、そのうち、本日の関係の民生分野、部門などにつきましては、資料5-1で概要を抜き出しております。
 例えば5-1の1ページでございますと、英国において省エネ支援の義務づけでありますとか、ビル・住宅の省エネ規制でありますとか、付加価値税の軽減でありますとか、そういった温暖化対策、あるいは間接的に温暖化対策になるような制度や仕組みについて導入あるいは検討されているものを、ここに計算してございます。
 それでは、資料3-3に基づきまして、これは、「民生分野における今度の主要な追加的施策のあり方について」というたたき台でございますが、1ページ目にございます大きな整理といたしましては、先ほどの現行施策の、あるいは大綱の進捗状況の評価のところでご説明申し上げましたような整理でもって整理をしておりますが、まず、個々の主体からの排出総量の管理のための枠組みということで、業務部門につきましては、国、地方公共団体の実行計画の策定、公表義務、あるいは温室効果ガスの排出量の公表義務もございますが、それについて99年4月から施行されているわけでありますが、さらにこれに、実行計画の第三者の認証、確率性を高めるという意味で、第三者の認証といったものもつけ加えていく必要があるんじゃないだろうか。
 それから、同じように、大規模な業務部門におきましては、事業者の実行計画の策定、公表、あるいは温室効果ガスの排出量の公表といったものを義務づけていく必要もあるのではないか。国や地方公共団体と同じように、第三者の認証も受けていくような仕組みがあると、排出総量の管理がしやすくなるのではないだろうか、ということでございます。

 ただし、家庭部門、あるいは業務部門の中の小規模な業務部門につきましては、例えばでありますが、温暖化防止のために個々の家庭の機器や住宅構造、あるいは個々の取り組み、行動あるいは自動車、あるいは廃棄物の問題につきまして、あわせて総合的に診断といったようなものをして助言をする、というように仕組みを考えられないだろうかというような点。
 それから、Bに行きますと、個々の排出削減策として、家電製品、OA機器等にかかる対策、住宅、それからオンサイト型のエネルギー供給、廃棄物、リサイクル、都市・地域構造対策、それから共通する手法として助成や負担、あるいは排出量取引などの経済的な措置というふうに整理できるのではないかと思います。
 そこで、若干、中身に入っていきたいと思いますが、2ページ目でございます。まず、これまでの対策の進捗状況あるいは技術的ポテンシャルなど、あるいは外国の取り組みなど総合的に勘案して、このようなことをしていったらどうかというのが、このあり方のたたき台でありますけれども、その中で、排出総量の管理のための枠組みとしては、さっき申し上げましたような家庭や小規模な業務部門につきましては、例えばでありますが、3年に1回程度、市町村が専門家を派遣して、巡回指導といいますか、診断をして助言するような事業を設けて、きめ細かな取り組みを進めるような方法が必要ではないだろうかという点。
 それから、業務部門の大規模なものにつきましては、先ほど来出ておりますが、公共部門については、既に実施が、実行計画の策定、公表あるいは排出量の公表義務が実施されておりますが、さらにこれを大規模なほかの公共部門以外の民間部門につきましても同様な措置がとられることが望ましいのではないだろうかという点でございます。
 そうした排出量の管理の枠組みを具体的に達成するための手法として、個々の主体による排出削減策というのと、都市・地域構造対策というのと、横断的な経済的措置というのがあるのだろうと思いますが、そのうち個々の主体による排出削減策につきまして、まず、家庭における家電製品など、あるいはオフィスにおけるOA機器などの利用に際して、まず製品購入の際に配慮できるようなことが必要であろうということであると、例えばでありますが、温室効果ガスのライフサイクルアセスメントを行って、それをきちっとした方法で行われているかどうかの第三者の認証もした上で、データの開示を行い、表示なども行った上で、消費者あるいはオフィス、各事業所での温暖化対策を配慮した購入がしやすくなるのではないか。
 それから、既存のトップランナー基準があるわけでありますが、これをさらに強化、拡充をしていく。それから、例えばでありますが、潜熱回収型の給湯器といったものが、新しい技術として省エネ型である。そういったものを、古くなった既存のシステムに代替促進をしていく必要もあろう。そのためには、助成措置が必要ではないだろうか。それから、夕方の照明とか朝の冷房などを節減するためにといいますか、サマータイムの効果としてそういう節減の効果があるわけでありますが、サマータイム制の導入についても、さらに本格的な議論が必要ではないか。
 それから、住宅あるいは建築物につきましては、住宅・建築物の購入の際の配慮ということで、上の製品と同じようにLCAをしていったらどうか。
 それから、住宅・建築物の構造上の排出削減ということで、新築の住宅などにつきましては、建築基準法の建築確認要件に温暖化防止の観点を追加するとか、既築のものにつきましては、断熱工事への助成の拡大とか、あるいは温暖化防止型、こういう言葉があるかどうかわかりませんが、温暖化防止に配慮した住宅について一定の基準を満たしたものについて助成をするとか、あるいは最近、都市緑地保全法の改正で、屋上緑化についての法律の位置づけがされましたが、さらにそれについての助成措置の拡充を行っていく。
 それから、排出量の管理・制御ということで、最適な制御システムといったものが断片的、あるいは包括的なシステムが徐々に用意されてきておりますので、それをできるだけ導入する。そのために必要な措置として、助成の措置も必要ではないだろうかという点と、さらに、オンサイト型のエネルギー供給システムということで、自然エネルギー等の導入。助成も必要であろうと思いますが、とりわけ大規模な施設については、設置の義務づけとか、あるいは電力の買い取りの義務づけとか、というものも必要になってくるのではないだろうか。燃料電池も同じようなことでありますし、マイクロガスタービンなどについても同じでございます。
 それから、木質系のバイオマス。特に熱の利用についても、これは農山村地域を中心にということになろうかと思いますが、助成の拡充強化というものが必要であろう。
 それから、廃棄物・リサイクルは、特に廃プラスティック容器などの高炉における利用、あるいはセメント焼成燃料利用などに用いる、そのために回収などの仕組みを整備することが必要である。
 それから、都市・地域構造対策として、とりわけ熱でありますが、先ほどのシナリオ小委員会の中でありましたが、日本の民生部門の熱需要というのは、ヨーロッパなどと比べると、まだ小さいわけで、将来、熱需要というのは大きくなっていくであろうということでありますが、その際、今の既存のごみ焼却でありますとか、工場などの廃熱を利用する。あるいは熱供給発電所といってたものを、これはヨーロッパで町の中に10万キロワット、20万キロワットというのがあるわけでありますが、そういったもので廃熱をできるだけ利用することによって、CO2はそんなにふえなくて、熱の需要は満たされるというような方法があるのではないか。そのためには、これまでもいろいろな試みがあったようでありますが、なかなかコストの面をクリアするのが難しいということ。それならば、熱導管など、公共化するというのも一つの方策ではないだろうかということ。
 それから、バイオマス。とりわけ生ごみでありますとか、下水汚泥からのメタンの利用、これも熱と電気があると思いますが、これも促進する必要があろう。そのためには市町村などへの助成が必要ではないかといった方策。
 それから、各分野の共通。ここたでけ議論できませんから、各分野共通ということで経済的措置ということで、表記だけしておりますが、このような形での新たに追加的な施策というのが必要になってくるのではないかという、これも事務局の方の提案でございます。
 以上でございます。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 大分説明が続きましたので、あるいはお疲れかもしれませんので、ここでちょっと早いんですが休憩を入れたいと思います。10分程度、休憩をとりたいと思いますので、3時55分ぐらいに再開したいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。
                              午後3時45分休憩


                              午後3時55分再開

○安原委員長 それでは、55分になりましたので審議を再開したいと思います。
 引き続きまして、議題3のご議論を続けていただきたいと思います。
 ただいま、資料の3-1、3-2によりまして、大綱に基づく取組みの評価と、それから今後の削減ポテンシャルの説明をいただきました。そしてまた、ちょっと時間の問題もあり、余り説明を聞けなかったのですが、これに関連する外国の諸制度の資料も用意していただいております。この3つを踏まえまして、今後、民生部門でどういうふうな施策を追加していく必要があるか、ということを主として議論していただきたいわけでございます。この「あり方について」というのは、あくまで事務局からたたき台として出していただきましたので、まだまだ非常に不完全なものでございます。これにつきまして、これでは不十分で、もっと対策効果の大きいこういう方策があるということを、どんどんご発言いただければ幸いでございます。また、きのうの資料の質問でも結構でございます。
 それでは、よろしくお願いします。まず浅野委員、その後、天野委員。

○浅野委員 何となく発言を封じ込められたような気もするのですが、きょうのご報告の全体の枠組みは、大綱に基づくということになっていますので、その枠組の中での進捗状況の評価であるとか、あるいは施策の枠組みづけが行われているわけです。その意味ではこれはこれで理解はできますから、いたし方ないことだと思います。
 ただ、気になりますのは、既にこれまでに地方公共団体は独自に地域の温暖化対策のためのプログラムを展開してきているという事実があるわけですが、それがこの枠組みからは、きれいにぬけ落ちてしまうのではないかということです。地方公共団体の取組をどういう形で入れるかということは非常に難しいわけですが、実態を見れば、取組の多くはこの中でいう、例えば啓発普及という枠組みの中に入るもの、あるいは広報の強化というところに入るようなものにとどまっているとは思われます。そういった取組は定量的に評価できないので「▲」がついてしまうのですけれども、しかしこれを消極的評価という位置づけで片づけてしまうには余りにも淋しいなという気がいたします。もっともこの辺の実態は、地球局だけでは把握しきれないものがあって、総合政策局の環境計画課であるとかといった部局が、もっと状況を把握している部分があるのではないかと思うわけです。地域温暖化計画といわなくても、地域の環境計画といわれるものの中にも温暖化を意識したものがかなり豊富に入っているはずで、これは猿田委員などから、むしろ後でコメントをいただいた方がいいと思んですけれども、私が知っている限りでも、そういうものを実際つくっております。
 確かに定量的に評価できないものが多過ぎますが、それを無視はできないし、それをどう定量的に評価していくかということを考えていかないと、大綱にもとづくこの枠組みの中だけで、さらに効果のある施策を追加するといってみても、それにはかなり無理な面がある。つまり、天野先生と隣でお話しておりましたが、ちまちました取組の積み上げも意外と効果は大きい。ところが、ちまちました取組が消されてしまって、大きなところだけをねらっていくと、定量化ができないものはみんな落ちてしまう、ということにになるような気がいたします。それで、ぜひ、この辺のところは最終の段階までには可能な限り資料を集めて整理をして、この中に反映させるということにする必要があろうと考えます。
 それから資料の3-3の、今後のあり方というこのペーパーに関連することになるわけですが、まず大前提として、最後には必ず詰めておかなければいけない思うことは、個々の主体からの排出総量での管理のための枠組み、という言い方をするのであれば、では、それはだれが管理をするのか、だれがその管理の全体のマネジメントをするのかということが前提になければならないわけです。その点が本日の枠組み案では見えてこないんです。それぞれの人が管理をするための枠組みという程度にしか見えてこないんですけれども、先ほども申しましたが、情報の流れということとも関連づけなければいけないんでしょうけれども、さまざまな形での管理のユニットを考えていかないと、とりわけ民生部門はうまくいかないと思います。どうも、これまでの政策の論議は、大きい産業部門、個別企業でもかなりの大きさを持っている事業者であるとか、あるいは事業者団体のしっかりしているところを意識してやってきていますけれども、民生というような部門の話は、そういう大づかみのユニットでは処理できないものがありますから、具体的にやはり自治体の役割、自治体のユニットとしての機能というのを重視していかなければいけないだろうと思うわけです。
 そこで、現行の枠組みが欠落しているので、温暖化防止診断の実施というのがいきなり出てくるんですけれども、これの間の、つまりもう一つ前のところに、例えば情報を聴取したり徴集するシステムのようなものが何かあるのではないのか。それがはっきりここでは浮かび上がってきていないなという気がするんです。いきなり個別主体のところに行ってしまっているような気がします。これは整理の仕方としては問題を残すのではないか。
 例として挙げるのは不適当かもしれませんけれども、PRTRは報告義務のないところについては推計をするということで、全体像を把握するということになっているわけです。今のインベントリーのように、全国区のエネルギーの統計のようなもの、全国のデーターを分析することは可能だから、それはわかるんだけれども、地域別であるとか、部分別であるということを細かく見ていくためには、今のインベントリーのオールジャパンのやり方だけでは不十分ですよね。そうすると、そこのところを埋めるものが何かなければいけない。それで直ちにPRTRだという気はないんですけれども、しかし参考にはなる。そのような手法を使って、さまざまな統計、あるいは場合によっては統計には時間的におくれ過ぎますから、統計法の縛りを受けないような形で情報を収集するシステムを考えておかないと、この部分が埋まっていかないのではないかなという気がします。ちょっとその辺が気になりましたので、先に発言させていただきました。あとは天野先生から、もっと詳細にいろいろコメントをいただけると思います。

○安原委員長 どうもありがとうございました。重要なご指摘でございます。
 それでは天野委員、どうぞ。

○天野委員 3点ほどコメントをしたいと思います。
 まず最初に、浅野先生もおっしゃったんですが、排出総量の管理のための枠組みというのがありまして、家庭部門とか、業務部門、国・地方公共団体、事業者というふうに分けて書いてあるんですが、私が一番疑問に感じますのは、こういうことをやって果たして実効性があるのか。つまり、それぞれの主体が排出総量を管理するインセンティブを持つようになるのかというのは大変に疑問でありまして、例えば家庭部門で地域別に細かく診断をして助言をすると。助言をいただくのはいいんですけれども、果たしてそれが実効性のあるような効果を引き起こすのかどうか。
 もっとはっきりわかりますのは、地方公共団体、国につきましては、既に資料3-1で、6ページの真ん中あたりに書いてありますけれども、「▲」が2つあるわけです。義務づけをするという一番厳しい規制のやり方をしているにもかかわらず、実効性が上がっていない。つまり、義務化されても、そのマニュアルに従って公表はするけれども、実際には減らないということであれば、減らすインセンティブがないわけですから、形の上では義務化をするという厳しい規制、政策をとっているように見えますけれども、インセンティブがないために実効性が伴っていないということになると思うんです。
 そうであれば、事業者に対して、同じように公表を義務づけて第三者に認証させるということをしても、それが果たしてインセンティブを伴うのかどうか。むしろ事業者の方は、既にISO14000などの環境管理システムをつくって、ちゃんと認証を受けているわけですから、それに対して、こういう追加のことをやって、どれだけの新しい効果が出てくるのか、私は大変疑問じゃないかというように思うんです。
 それで、こういう排出総量を管理するという考え方を出せば、当然どういう手段を使って管理をするのかという手段の話がないと、議論する意味が余りないと私は思うんです。そうなりますと、手段というのは、例えば履行を確保した上で、どういう規制をするかという規制手段であるとか、あるいは情報を提示するとか、あるいは普及啓発もあるでしょうし、経済的手法もあるでしょう。そういうものをつけて、それぞれのやり方を議論しないと、こういう枠組みの議論というのは、私はほとんど理解しがたいわけです。これが第1点。
 第2点は、これは現行の施策の評価をされているわけですけれども、そのかなりの箇所で、施策の実施の効果そのものをはかるのは大変難しいと書かれている。これはよく理解できると思います。数量化できないものもたくさんあるわけですが、しかし、目標はそれぞれの規制そのものの効果をきちっと数量的にはかることでは必ずしもなくて、そういうことをしたために、例えば温室効果ガスの排出全体がどういうふうに変わってきたかということが見たいわけですから、その規制の内容を正確に評価する必要は余りなくて、その部門とか対象になっている製品とかに関する排出量の実績が、どう推移してきたかということぐらいは、一緒に出していただかないと、全く評価のしようがないということになると思うんですね。
 これは西岡先生のところでは、必ずやられると思うんですけれども、モニタリングをどうするかというのが、常に一緒に議論されるはずなんですね。ですから、ある施策をしたときに、その施策が、将来こういうふうに評価をしなければいけないとすれば、その評価をするときに必要なモニタリングのために何が要るのかということを合わせて施策を策定するというふうにしていただくと、仮に全部数量化できるようなモニタリングのやり方でなくとも、定性的なことでもいいし、さっき私が言いましたような、もうちょっと広い、関連の薄いかもしれないけれども間接的なデーターを使うといった形で、モニタリングをどうするかということを一緒に策定するやり方を、これからずうっとやっていく必要があるのではないかと思います。でないと、いつまで、何回やっても、施策を講じましたけれども、効果がわかりませんという報告が出てまいります。
 これは何年か前に、この中央環境審議会で、日本の環境政策がどれだけ進んだかというのを調査したときも、全く同じことが出てきましたので、今回の資料を見ても同じことを繰り返しているなという印象が非常に強いわけです。ですから、今後の追加的な施策のあり方を考える際には、常にモニタリングを意識した政策を策定をしていただきたい。これが2点目。
 3点目は、資料の3-2の17ページをごらんいただきたいと思います。これは一つの例なんですけれども、表がありまして、その表の中に「必要な施策手法」を書き入れる欄があります。「普及啓発」とか、「国際航空等の」とかいうのが記入してあるんですけれども、ほとんど空欄なんですね。次のページへと続きますけれども、ほとんど同じ形なんですが、普及啓発といいますのは、私が先ほど言いました政策手法の一つなんですね。ということは、ここに記入すべきものとして考えられているのは政策手法だろうと思うんです。それが非常に広いものもあれば、非常に細かい詳細的な具体的なものもあるかもしれませんが、それであれば、なぜここに環境税であるとか、排出取引であるとかいうのが入ってこないのかですね。その辺が私は大変疑問で、何となしにやりやすいものだけしか入れないというふうなことではないかと思うんですが、どういうお考えなのか、お伺いしたい。

○安原委員長 重要なご指摘をいただきました。その排出総量の管理の枠組みの点は、この資料2にございますように、前の中央環境審議会の小委員会がございまして、基盤メカニズムの検討をある程度やったわけです。その中で、特に情報システムのあり方について議論をしまして報告を出しました。この小委員会でも、それを受けまして、情報だけではなくて、全体としてのモニタリング等々、例のPDCA--というんですか--のサイクルで回していくようなやり方、そういうもの全体についての姿を書かなければいかんということで、これはもうちょっとスケジュール的には後の方に入っておりまして、そこでやる予定にいたしております。そういうのを書く前提で、個々の実行計画を表示しているということでございます。家庭部門で何もないということで診断を挙げているわけでございますが、今の議論は非常に重要でございますので、これからそういうご指摘を踏まえて、さらに検討を進めていきたいと思ますが、ほかの点につきまして、竹内課長、何かコメントありますか。石飛調整官。

○石飛調整官 天野委員からの3番目のご質問につきまして、この表のつくり方についてご説明を申しあげたいと思います。
 民生部門につきましては、先ほど申しましたように、まだ作業の途中でありまして、課題、対策手法、もちろん空欄は何も該当するものがないということではございませんで、これから埋めていくべきものでございます。後で非エネルギーCO2等のことをご紹介しますが、そこでは必要な対策手法というところで、例えば助成金とか補助金など記入しております。今回の家庭部門と業務部門でも、対策手法の空欄にそういったものが入ってくるものも当然あるというふうに考えております。もちろん、税金や排出量の取引によって、コストを補っていくというような考え方は当然あろうと思いますが、それは横断的、全体にわたる政策手法ということになりますので、そういうものもこの背景としてはあり得るのですが、ここでは個々の対策技術に着目して、それを普及させるためにはどういう手法があり得るかに限定して、今後記入をしようと考えております。

○安原委員長 天野委員、どうぞ。。

○天野委員 対策技術と政策手法というのを、はっきりお分けになるんですね。今までの資料もすべてそういう形なんですが、きょうは、たまたま資料5-1、5-2というのをお出しいただいているんですが、これは諸外国の例ですね。特に資料5-2の方をごらんいただきますと、いろいろな政策目的が書いてあります。例えば公共交通の整備利用の推進というのがありますが、その中に必ず社会資本整備であるとかと並んで気候変動税での免除であるとか、あるいは交通の場合ですと、ロード・プライシングであるとか、必ずその政策があれば政策手段というのは一緒に出てくるわけです。ですから、それを全く空欄にしておいて、それはまた後で議論しましょうと言って、技術的な可能性だけを先に考えるというようなやり方は、私は政策のつくり方としては非常に不思議なつくり方ではないかと思うですね。ですから、そのやり方が実効性のない政策策定につながっているのではないかというふうに思いますので、今の説明には私は大変不満であります。

○安原委員長 竹内課長、もう一度ご説明を。

○竹内課長 先ほどの資料3-2の17ページの部分は、個々の今後ポテンシャルがあると思われる技術についての、個々の対策手法のお話でございましたが、これらを含めて、個々の、全部埋まっていませんけれども、これらを含めて全体的なこの分野での対策の目指すべき対策の中身、それからそれを実施する、推進する手法というのが資料3-3で示しているという整理で、きょうご提案しているのでございますが、先ほどの17ページの方は、引き続き個々の技術に即したものが必要でありますから、それを含めてということで、ここの最後の資料3-3ができ上がっているというふうにご理解いただきたいと思いますけれども。

○安原委員長 猿田委員、その後、村上委員、宮本委員の順番でどうぞ。

○猿田委員 ありがとうございます。先ほど浅野委員からいろいろとお話がございましたけれども、私からちょっとご提案というか、意見を申し上げたいことがございますけれども、資料3-3を先ほどご説明いただきまして、個々の排出主体からの排出総量の管理のための枠組み、それから個々の主体による排出削減策、都市・地域構造対策、それぞれいろいろと考えられる問題点の対策にかかわる項目が掲げられておりますけれども、これを拝見しますと、国でどこまで実際にご指導あるいは規制指導、チェックができるのかという問題もあろうかと思うわけでして、これを見ていきますと、例えば建築基準法の建築確認要件に地球温暖化防止の観点を追加とある。これは、例えば建築確認を出せば地方自治体が対応してやっていくわけですけれども、現在でも建築確認時に、断熱材をどれだけ使っていますかとか、いわゆるそういうものの行政指導をしている自治体も、かなりあるわけです。実際、地球温暖化問題が出てから、そういうものをやっている。それから高層建築物で100m以上の建物などですと、地方のアセス制度の中でアセスの対象にしている。それから床面積が10万平米とか以上になりますと、これは国ではなかなか対象にならないわけですけれども、地方のアセスの中では対象にしておりまして、そのアセスの評価項目の中で、国のご指導で、最近地方も始めているわけですけれども、その他のところで、地球温暖化対策という項目があるわけです。そうすると、どれだけの省エネをはかった建築物であるのか、というようなことも審査の対象にしているアセス制度を持っている自治体もあるわけでして、従来の漫然としたエネルギーの消費状況ではなくて、省エネのための、どれだけの対応を講じているかというようなことも、アセスの中で審査している案件もあるわけです。現に私も経験があるわけですけれども。
 そういうことを考えていきますと、民生部門でのこういう削減を進めていくだけでは、地方自治体の役割というのも、かなり大きいのではないかということが考えられるわけでありまして、地方自治体の協力がないと、なかなかこういう対策を強力に進めていくことは非常に困難だろうと思うわけで、そういう地域に根差した対策というのでしょうか、現在行われているような施策、あるいは今後進めていくべき施策を、今後、決められていく国内制度の中に、どう盛り込んでいくかということが一つ課題ではないかと思うわけでございまして、現に地方自治体では、アセス制度、あるいはほかの温暖化に対するいろいろな要綱、あるいは規則などでもって対応している自治体もあるわけでして、私も関係している自治体では、現にそういうことを、今、進めているところもあるわけですけれども、温暖化対策を推進する制度を、既に独自に整備している、あるいはこれから整備しようとするところもあるわけでございまして、そういうようなものの実態を把握する必要が、まずあるのではなかろうか。地方自治体がどういうようなことをやっているのか。それで、それを国内の制度化の中で、どれだけ盛り込むことができるのかということが必要だろうと思うわけです。
 そういうことで、これはお伺いしたいのですが、環境省として地方自治体のそういう制度的なもの、制度事例的といいましょうか、そういうもの、きょうは民政部門ですから、民生部門についてということになるかもしれませんけれども、あえて申し上げたいのは、民生部門に限らず、ほかの産業部門、あるいは運輸部門等に関しても、何らかのそういう制度的なものをお持ちであれば、また今後、制度化することを考えているかどうか、そういうことを調査するようなことは考えられないのかということを、提案と同時に質問にもなるのかもしれませんけれども、ちょっとそういうことを調査すべきではないか。その結果をもって、こういう国内の制度に盛り込んでいくべき項目などを、それによって抽出して、きちんと整理できるのではなかろうかと思いますので、ちょっとお伺いしたいということでございます。

○安原委員長 どうですか、竹内課長。

○竹内課長 ご指摘のように、市町村あるいは都道府県におきまして、温暖化を念頭に置いたさまざまな取組みがここ10年来ある。これまでも都道府県レベルの施策について、ある程度、把握はしてまいりましたですけれども、さらに市町村を含めて、現に行われている施策、あるいは事業、それから新しい制度--ここの議論でありますけれども--のための議論に、ぜひ盛り込むような提案などがあったら出してくれという調査をしようと、準備は進めている最中ではあります。

○安原委員長 どうぞ。

○猿田委員 先ほど、実行計画の件数が非常に低いという、これは、いわゆる国は当然ですけれども、地方自治体が事業者としての実行計画ですよね。削減計画なのであって、一般の民生部門とかそういうのは入っていないわけですね。しかし、そういう調査を行うことによって、自治体に刺激を与えて、自治体独自の実行計画も、また促進されるのではないかと思いますけれども、どうでしょうか、その辺は。その辺の刺激にもなるように、ひとつそういうような調査を、ぜひ実行していただきたいと思います。

○竹内課長 早急に実施するようにいたします。

○安原委員長 ちょっと待ってください。順番がありますから。(「関連です」の声あり)
 関連ですか。では、関連でどうぞ。

○小林委員 申しわけございません。ちょっと関連で申し上げたいです。
 私ども地方自治体として、この温暖化対策を進めるに当たって一番問題になってきましたのは、地方自治体として温暖化対策を進めてきた中で、地球温暖化対策推進法ができて、その推進法の中に地方自治体の役割というのがほとんど書いてないんです。書いてないがために、地方自治体が温暖化対策についての指導が、大変手が緩められてしまったという結果になっているという問題点がございます。
 もう一つ問題点は、実行計画をつくれということが義務づけられているんですが、実際には進んでおりません。なぜなのかということがあるんですが、やっぱり一番問題点は、市町村にとって実行計画をつくらなければならない義務、必要性について、ほとんど理解がされていないと思うんです。なぜかというと、法律をつくる段階で、それについての議論がなされていない。急に決められて、「さあ、やれ」と言われた。ところが、なぜつくらなければいけないのか、どうしてつくらなければいけないのかというのが、よく理解できていないというのが、地方自治体におけるつくられていない最大の理由だろうと思うんです。
 もう一点は、地方自治体でそういう実行計画をつくることによって、事業者に対してのモデルだという言い方になっているんですが、実際に地方自治体がそういう事業者を指導する権限もなければ、義務もないということから、モデルをつくったとしても、それを普及させるための手当が、ほとんど今ないという現状にあります。
 そういう意味から、今回の温暖化対策を進めるに当たって、私たちが一番お願いをしたいのは、地方自治体をいかにうまく使っていただくかということだろうと、私は考えています。現実にSOx対策ではそれがうまくいったと思っています。NOx対策でうまくいっていない部分は何かというと、運輸部門等、いわゆる地方自治体がかかわらなかった部分でほとんど実効性が上がっていない。
 ですから、そういう意味から考えたときに、この温暖化対策についても、その今ままでの地方自治体を使ったことによる効果というのを、十分ご理解をいただいて進めなければならないのではないかなと、私はそういうように思っております。

○安原委員長 それでは、梶原委員。

○梶原委員 東京都の梶原と申します。
 自治体の役割という意味では、私はちょっと違った観点から申し上げたいと思います。
 東京都では、このたびの条例の改正で、今、話題になっておりますような大事業者に対しまして、温室効果ガスの削減を主たる目的とする環境配慮の計画を策定する義務づけを行いました。13年度の実績をもとにしまして、14年度には提出していただきます。この仕組みは確かにつくりましたが、それでは、どういう計画をつくっていただくのか。当然、削減を目的とする計画であるべきですけれども、実際には申すまでもなく、事業者の皆さんは、それぞれの企業活動の中で、発展を目指してさまざまな活動を広げられているわけですので、原単位を下げましょうということまでは言えても、実際に削減という形でのシーリングを設けさせることは無理だろうと思います。現在、来年度の策定に向けて、計画の指針をつくっておりますけれども、その辺が一番苦慮している点でございます。
 自治体の幾つかでは、こういった動きを、既にしておりますけれども、資料3-1の5ページのAで「管理のための枠組み」と書いてあるところが、大変言い得て妙でございまして、管理をすればいいのではなくて、削減しなければ意味がない。
 それならば、私どもでどこまでできるかといいますと、事業者に自主的に公表していただくことによって、都民の皆さんに批判を仰ぐと申しましょうか、公平な批評をしてもらおう。それにより、環境報告書のように積極的に企業のメリットになるものとして、インセンティブになってほしい、そういった考え方でしかできない現状なわけです。実際に削減に結びつくためには税の問題ですとか、それからさまざまな補助の問題、そういった大きな枠組みについて、国には、ぜひ、議論して仕組みをつくっていただきたい。
 そういう意味では環境省さんだけではできない、もっと幅広いものだと思いますけれども、そういったところに私どもは国の審議会に期待したいと思っておりますので、一言。よろしくお願いします。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、先ほどの順番で、村上委員、その後、宮本委員。

○村上委員 自治体との関係、連携というのでしょうか、私も今後いよいよ大切になると思っていますので、そういう意味で今までの意見を取り入れて、いろいろなことをやる場合には、きちっと相談しながらやるとか、主体のお話を聞きながら計画を立てるとか、そういう立場からの検討というのが、非常に重要だということを申し上げておきたいわけであります。
 それから、ごみというのは、すべての環境について大変重要なかかわりを持っていると思っています。このCO2の削減についても、ごみがどれだけ出ないようにするかということは、大変大きなさまざまな影響を持つものであるわけです。なぜ、このごみが抜けているのか。ごみを、とにかく減らす努力をどうするか、ということは、すべての環境、特にCO2問題について相当密接な関係が、私はあるだろうと思うのです。自治体では事業経営の有料化したところが、まだ少ないですけれども、有料化してどう変わったのか、ぜひ聞きたいと思っていますし、家庭ごみでも一部有料化が始まっています。これによって家庭ごみがどのように減ってきているのかということも、もう把握できるのではないかと思っておりますから、そういう実態を踏まえて、いかにごみを出さない、つくらない、こういうことをトータルで考えるということが、このCO2問題の大変重要な視点ではないかと思っています。
 それから、税の関係で行きますと、文献の流れの中で、環境で、都市部ですけれども、特に首都圏が多いですが、車にかかわる税がぼつぼつ検討し始めて入る可能性が出始めています。このあたりの影響をどう考えるのか。
 それから車という問題は、確かに運輸で恐らくとられているかもしれませんけれども、家庭部門でも、業務部門でも、この車という問題はCO2問題が大変大きいと思います。自治体の税収の関係等もあるのだろうと思いますけれども、この辺をどうするかというのが全然入っていない。これは相当大きなウエートがあるはずですから、運輸だけでとらえてやるよりも、両方でとらえてやった方がいいだろう。
 それから、もう一つは、サマータイムというのが入っているんです。私はサマータイム問題について、つき合うのは嫌というぐらい議論をしてきましたし、やる気があるならやったらいいし、私に言わせれば、そんなに効果があるんだろうかという疑問があるんですけれども、どうしても効果があるというならば、やったらいいと思います。何度も審議会が繰り返されてやられていますし、また国民的議論をやるというのは、また何か審議会でもやろうとしているんでしょうか。もうそういうのに四、五回もこれまでつき合っていますし、議員連盟にも何回つき合ったかわからないということでございますから、やるならやる、もういいかげんにしてほしいと思っておりますので、とりあえず、それだけ申し上げておきます。

○安原委員長 では、続きまして宮本委員。

○宮本委員 3-2の表が一番対策技術について書かれており、これは目標達成シナリオ小委員会の方で、かなり議論されただろうと思うんですけれども、ここに書いてあるような技術、項目というのは、これだけなのかという気がするわけです。一つは、多分、これはなかなか効果があるんだけれども浸透しないので、何か対策を打たなければならんというようなことだろうと思うんですけれども、実は普及という観点から行きますと、当然今でもずうっと進んでいるような技術も、やっぱりPRする必要があるのではないかなという気がするわけです。それはどういうことかというと、一般市民から、またはユーザーから考えてみると、経済的に引き合うもの、便利なものは黙っていても普及するわけです。だから、そういうのを知らん人もおるわけですから、そういうものをPRするという意味では、ちゃんと公表するというのも必要ではないか。
 そういったことから普及するのは難しいけれどもというように見ますと、まだここでも抜けているようなものが、割にあるんじゃないかなという気がするわけです。例えば蓄熱式のヒートポンプであるとか、冷暖房用のヒートポンプなんかもそうだと思うし、最近はヒートポンプがCO2を媒体としてやるような、非常に成績係数が5とかいうようになってきたんです。これは皆さん、よくご存じだと思いますが、5の熱エネルギーといいますと、電気にかえて5倍ですから、電気になるのに、大体4割か5割ぐらいですから、成績係数が5ということは2.5倍になるわけです。1のエネルギーを投入して 2.5倍出てくるということです。これは、うそだとみんなおっしゃいますけれども、熱を移管するのにヒートポンプで扱っているわけですから、そういう意味からすると非常に効果があるということだと思うんです。今までのものでございますと、フロンとかああいうのは3倍ぐらいですけれども、CO2が出てくるわけですから、それをうまいこと利用するので、これは非常にいいと思うので、こんなものを、もっとPRする必要があるのではないかなというのが一つの点です。
 もう一つの点は、これは非常に私は結構だと思うんですが、一般の庶民及び企業が導入する場合は、やはり経済性、要するに費用対効果を考えているわけです。何年間で回収できるかということが一番重要だと思うんです。だから、ここにもちょっと書いてありますが、ほとんど全部数字が入っておりませんけれども、これを何とか早く入れていただいて、表に全部出してもらう。そうすれば、みんな喜んで、あ、これはいい方法やなと、こういうように出てくるだろうと思うんです。出てきたCO2トン当たりの回収の効果が、例えば今後、排出量取引の3,000円とか、3万円とか言われていますけれども、高いほどいいわけですね。だから、そういうような高いものを重点的にやっていくというような施策を、私は、これはどこでやるのがいいのか、科学技術庁でやるのか--今度は文部科学省ですか、経済産業省ですか、環境省ですか、わかりませんが、そういうようなものを出していく必要があるのではないかなと思います。これが出るだけで、私は相当PR効果が大きいだろうと思います。
 それからもう一つは、非常にいいんだけれども、なかなかうまいこと家庭用とかに入らないという問題は、メンテとか維持するものに非常に手間がかかるとか、よく故障するとかいうのがあるんですね。これはいくらコストが安くても、うまく入ることができないということがあるんです。
 さらにもう一つは、面積がものすごく広い。そうしますと、面積をとるというようなことになると、例えばマンションなんかで大型の機器を入れようとしても入らんわけです。少々値段が安くても、スペースをとられるという、そのスペースの値段も含めて考えなければいかんということになるわけですから、そういうような外的要因、その他の要因というものを含めた便利さ、経済性というのを、僕は考慮していくべきかなと、そういうようなことを含めて、一般の人に喜んで使ってもらう。規制というよりは、みんなが十分喜んで、自分の経済性も快適さも入れてやっていくということに持っていかなければ、私は民生というのは普及しないと思います。我々、今、電力会社で電気をいろいろ称揚しておりますけれども、一番大きな問題に引っかかっておりますので、私の経験から一つ申し上げておきます。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 今、おっしゃった、まだ有用な技術が相当あるのではないかということでございますが、もし何でしたら、リストアップしていただいて、事務局の方へ、後で結構ですから、出していただければと思います。
 それから、今、村上委員の発言に対して何かコメントがございますか。ごみ対策、それからサマータイムにつきまして。

○竹内課長 村上委員からご指摘のありました、ごみ、あるいは自動車というものは個々の主体、つまりここでいうところの家庭とか、業務というものの総量の管理の対象にするべきだろうと思うわけでありまして、資料3-3の2ページのところの家庭、業務の小規模とか、業務のところにも排出量を括弧して、自動車とか廃棄物などの排出も含むとか、その下の方もそうなんですけれども、個々の主体から見て、単に家庭なら家庭の中のいろいろな家電製品などの使い方とか、あるいは新しいシステムを入れるとかいうだけじゃなくて、自動車も使うわけです。あるいはごみも出すわけです。それらを含めて排出量の管理をそれぞれの主体ができるようにするにはどのようにしたらいいかという観点から、これを用意させていただきました。
 それから、排出量管理のための枠組みというのは、何か評判が悪いんですけれども、実はこれを達成する手段というのが、その3ページ以降に、都市・地域構造対策まで含めて、あるいは共通としての経済的措置まで含めて入れているという整理で、管理のための手段がないのではなくて、管理のための手段として3ページ以降があるというふうにご理解いただきたいと思います。
 それから、ヒートポンプにつきましての、さっきの3-2の17ページに、家庭用ヒートポンプ給湯器ということで、給湯まで含めたヒートポンプについて、技術的なポテンシャルが大きい、それからCO2削減ポテンシャルが大きいということで、今、入れさせていただいておりまして、これも含めてご指摘のような費用対効果、炭素1単位当たりでどのくらいのコストがかかるかというものを、さっき西岡先生からお話がありましたように、コストカードといいますか、安いものから順番に、安くて削減量が大きいものから順番に並べていくと、それがゼロ以下であれば、普及啓発、情報さえしていけば、行き渡っていけば、当然メリットがあるということで入っていく。ただ、高いものについては助成措置などしていくというふうな整理になろうかと思いますが、それは西岡先生の方の小委員会で完成していただきたいと思っています。
 以上です。

○安原委員長 それでは、横山委員。その後、福川委員。

○横山委員 資料3-3の1ページのことでお尋ねします。
 国とか地方公共団体、あるいは事業者の実行計画の第三者認証、それから温室効果ガスLCAの第三者認証制度の創設ということで、かなり意気込みを示すものとして打ち出されたのかなという印象は持ちます。たたき台ということは、どこまでご検討なさったのかわかりませんけれども、こういうものはどういう組織で、人選をどうするかということで全然違ってくるし、形のものだけでつくって、適当に人選をやって、ということでは、余り意味をなさないし、いわゆる隠れみの的な存在になってくる可能性があると思うんです。例えば実行計画の第三者認証なんていうのが出てきた場合、ぞれではだめだというようなことまで言えるように、かなり踏み込んだものにしようというお考えなのか。たたき台の段階で申しわけないんですが、いかがでしょうか。

○竹内課長 まだ、この段階では実際にどういう機関、あるいはどういう人がその認証をすべきか、ということについての十分な検討は済んでおりませんが、踏み込んだと言われますと、例えば目標が低いとか、もっと可能性があるんじゃないかというようなことまで含めてということのご趣旨でありましたら、そういうことまで含めてということを念頭に置きたいと思いますけれども。
 あと、LCAの方の第三者認証、適正なインベントリーを使っているかどうかとか、適正にLCAがされているかどうかということをチェックするという、そういうことを念頭に置いております。
 それから、先ほどちょっと申し忘れましたサマータイムについてでございますが、もう何度も何度も狼少年的に検討がされてきたわけでありますが、効果はあるということで、昨年の国民会議におきましても、CO2で換算すれば150万トンぐらいの効果があるわけであります。
 そこで、国民的な議論といいますか、国民的な合意が必要なわけでありますが、その合意をとるということになるわけでありますが、一つは、国民会議というのが行われてきておりましたが、事務的には、さらにその後の国民の意識というものを把握するための世論調査というものも、この夏にやっていければということを考えております。
 したがって、サマータイムにつきましても法律が要るということでございまして、この温暖化の関係の法律の中でできるのかとか、あるいは単独に参議院なら参議院の皆さんがやっておられることを後を押しているのかといった点について、今後、国民の意識の動向も考えながら、事務局としては、ぜひこの機会に導入していきたいなと考えております。

○安原委員長 それでは、福川委員。

○福川委員 先ほどからいろいろご意見が出ておりますが、私もコストポテンシャル、資料3-2の16ページ、17ページあたりのことなんですが、これはなるほど、こういうことにメリットがあるかというのをわからせるのは非常に大事だと思います。
 そこでもう一つ、ちょっと、どういうふうに追加資料の中で考えていらっしゃるかなんですが、例えば断熱材なら断熱材をするとしたときに、断熱材をつくるのに、またエネルギーがいろいろ要るということになってくる。実は循環的な要素が非常にこの中にはあるのだろうと思うので、その辺をさらにわかるようにしてトータルとして見てもいいんだということがわかるようなふうに何かできないものだろうかなという気がいたします。
 それからもう一つは、これも総合的に考えることなんですが、17ページの「制御による省エネルギー」の中に「家庭の情報化促進」というのがありまして、これが「副次的効果」のところに書いてあるんですが、これは副次的な効果なのか、むしろ対策として非常に重要になるような気がいたしますのは、例えばエネルギー管理を温度差で調節するとか、人の存在によって変えるとか、いろいろな有機的な使い方があります。むしろ、産業用の方が、あるいは多いのかもしれませんが、家庭用でも情報化の問題というのは、一つの重要な要素だろうというふうに思っております。そう正確ではないんですが、ざっとした計算をしてみると、例えばアメリカは90年代の後半に、年平均4%成長していますが、エネルギーは1%前後しかふえていないということでして、いわゆる情報化によるニューエコノミー効果というのは、そこに多分にあるだろうというふうに思うわけです。
 ここは家庭用ですから、ちょっと違うかもしれませんが、例えばカーナビのようなものができて、渋滞が解消するというのは一つですが、家庭用でも、実は例えばファクスで送るよりもインターネットで情報を送る、それから人は動かないでも済む、いろいろな効果が情報化というのは非常に出てくるので、なかなか定量化するのは難しいかもしれませんが、これは非常に大事なことだと思うし、今、NTTをどう改革するかというのは大議論になっていて、新聞等によれば、しばらく現状維持に、若干の改革程度ですけれども、例えば非常に通信料金が下がると、もっと家庭の情報化が進展するという可能性は多分にある。そうすると、めぐりめぐって省エネにもなるという要素が非常にあるのだろうと思うので、何かなかなか難しいとは思いますが、そういうトータルというか、循環的なものとして、ここを何かとらえることができないかという気がいたします。
 そういうことになると、さらに進むと、今度は経済成長のパターンをどういう成長のパターンで行くかということにまで行くので、そういうふうになっていって、非常にエネルギー負担、環境負担の低い形の成長の追求ということを、どこかでトータルの場として議論をしていった方がいい。そして、そこを政策手段はどういうふうになるかというと、管理とかいうようなことでは、ちょっと律し切れないよところの問題が出てきて、そこのところはマクロ的モニターということになるのかもしれませんが、何かちょっと管理でできるところと、管理でできにくいところとが、効果測定の中ではきっと出てくる。そこをもう少しきめ細かく議論をしていくことができないかと、そんな気がいたします。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、浅岡委員、どうぞ。

○浅岡委員 こうした民生に関する部分は国民の協力も必要ですし、わかりやすく問題提起をすることが重要だと思います。そうした意味で日本では「民生」といいますけれども、海外で話をするとき、みんな「ハウジング」と呼んでいるわけです。そう表現することでほとんど中身が集約されていると思います。大枠で理解しやすくた方がいい。そこから引き出される対策というのは、欧米の対策として資料5-1、2で整理されていますが、基本の枠組みはとてもシンプルなんです。建物等を省エネ型にする、また中の利用の仕方を省エネ型にする、エネルギー供給を効率的に行というところに基本は集約されていますので、機器等についても、そこに入ってくるわけですので、ある意味で対策、何をすべきかという点では、とても整理もされていて、早く実行に移し、強化していくべきときに、もう来ているかと思います。
 その中の一つで、先ほど地域と国との関係というのがありましたが、地域での取り組みを促す国の仕組が、やはり必要でありまして、行政指導でやれるという時代でもないですし、そうではない自治体の法的な整備の中で行うようふうにもしていかないといけませんので、建築基準法の枠組みが、全体として温暖化対策の基本の枠となっていることがはっきりわかるように最低限のところは早くして、地域の環境等の特性に応じた取り組みが地域で法律的にもできることが必要です。それが伴わないと、自治体でやろうとしても、ほんとには動けないのが現状ではないかというふうに思います。
 それに対して財政的措置も、助成をしたり、あるいは税の軽減をしたりとかいうことが伴って、すぐにお金の手当をどうするのだという問題も起こってきますので、天野先生がおっしゃるような話というのは、これは当然出てくるのだというふうに思います。
 そうした意味で、わかりやすく大枠で整理して、動き出すところは早く動き出すようにやっていかないといけないなと。
 それともう一点、資料3-2の8ページですが、こうした表をしばしば見ながら思うのですけれども、これは気候条件の補正を行っていないということを含めてみましても、例えばイタリアとか、さほど寒い国ではありませんけれども、それより日本ははるかに少ない。一人一人の国民の生活というのは大変、まだまだつましいのだと思いますし、そうした家庭の部門の排出というのは、2ページの民生の家庭部門というところにありますように、この間、むしろいろいろな経済状況もあって抑制的にきているわけです。こういうことが日本の排出の今の現状に、それなりには影響を及ぼしていると思います。家庭の民生部門も減らしていくべきなのですけれども、ただただ減らせということだけではなくて、生活の質の改善を伴う形で減らすということを提起しないと、やっていくことに前向きの気持ちがえにくいかなと思います。あるいは減らせるところにも限界があるかなというふうに思います。
 そこで、暖房とか給湯と、ここにも書かれていますけれども、熱の需要の増加をするであろう部分の抑制とともに、それを効果的に、また生活を改善する形でやるというと、機器の改善を超えた、もっと地域暖房的なこととか、地域熱供給体制とか、何十年かかるかもしれませんけれども、計画的に、特に寒冷地から積極的に地域振興も含めて進めるとか、そうした大きな推進策というものも考えていかないと、減らすにも限界が出てくるのではないか。
 ただ、この中で、照明については日本は国土も狭い割には特異に大きいと思います。これは考え方を少し変えるといいますか、照明について、交通の行き来を入れるということだけではなくて、業務も含めて、ただただ、ギラギラギンギンするということから、発想を変える、価値観を変えるということも含めて、国民への呼びかけというものが必要になっているのではないかと思います。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、甕委員、どうぞ。

○甕委員 ここでの論議になるのかわからない面もありますので、ひとつお伺いしたいんですが、森林と木材の問題です。森林の方はCO2の吸収源ということで、これはまた別のところで論議する機会があると思うんですが、木材利用についてであります。森林の整備というのも木材の利用があって初めて進むわけでありまして、木材利用なしに森林整備をしろといわれても進まない。また吸収力も高まらない、こういうことでありますので、木材の問題も、森林と一体で論議をする必要があるのではないかということであります。

 そういった観点で見ますと、民生部門において木材利用というものをどう考えるかということは、ひとつ検討してみる価値があるのではなかろうかという気がいたします。これは、ただ単発で、また木材利用ということではなくて、やはり環境を考えた生活スタイル全体を、日本の国民生活のスタイルをどういうふうに変えていくかという大きな流れの中で、また位置づけませんと、実際の効果も出てこないのではないかという気がいたします。これは、個々の施策というのは、もちろん大変重要でありますし、それに備えたインセンティブ、いろいろなことは必要でありますけれども、やはり主役の国民の意識をどういうふうに一定の年月の中で変えていくかということも、非常に大きなベースになるに違いありません。
 そこで、情報提供の推進というところも、どんな情報を、どんなふうに提供していくのか。これはやはり相当、内容でありますとか、やり方でありますとか、十分検討吟味いたしましてやっていかないと、ただその広報が強化されたというようなことに終わるおそれがあると思います。
 そこで、今のCO2の吸収ということではなくて、これを固定し、維持していくという木材利用の面が、この中で何らか位置づけていく必要があるのではないかと、こういう感想を持ちましたので、ひとつご質問がてら申し上げておきます。

○安原委員長 ありがとうございました。新しい問題提起でございます。
 そのほかにございませんでしょうか。寺門委員、その後、大塚委員。

○寺門委員 民生の分野での優れたものをどうやって普及させていくのか、というのが最後に残されたところなわけです。それが最も読めない。今、お話にありましたように、いわゆる啓発、あるいは情報提供、広報活動というところは、昨日ありました産構審の省エネ部会でも申し上げたんですけれども、その中身といいましょうか、それをどのように国民一人一人に、ほんとにそれを選択するという気持ちにさせるかという情報の提供の仕方、これが最も不足しているのではないか。要するに、どうやって、家を建てるときに、なぜそういうものをつけなければいけないかというのは、とにかく買う人からすれば、どうやってそういう気持ちになるかというときに、信頼がおけるような情報というのがあって、こういう話は確かにそうだなあ、だからそうしてみたいなと、いう戦略的情報の展開といいましょうか、政府あるいは自治体を含めて、市民、国民からすると第三者的に見える、そういうところから戦略的に情報が提供されてくる。そして、そこに、いいものを使ってみようかな、あるいはいい建築物にしてみようかなという意欲がわいてくるわけですが、それはもっとここに力を入れないと、その先には進めないのではないかと、私はいつも思うわけでございます。
 自治体の方々も大変ご努力なさって、それぞれに先ほどのお話のように意欲高くやられる。しかし、そういう自主的にやられるというものを、より自主的に、もっと広めていくということについては、やはり国に役割があるのではないか。そういう役割は、経済産業省がどうであるとか、国土交通省がどうであるとか、そういうことではなくて、もっと温暖化といいましょうか、エネルギー問題、温暖化問題も含めて、もっと力を入れる。
 昨日も申しましたけれども、自動車メーカーですと、若い人に対する戦略的なものは、特に宣伝も含めて、設計からデザインから含めて、そういうふうに組み立てていくわけです。この問題もそういうふうな戦略的な、だれを対象にして、どういうわかりやすいアナウンスをするかが重要です。だから一律ではいけないわけです。
 よく教育問題が出ますけれども、子供たちの教育は、子供たちにわかりやすい教育。それから大人は教育ではなくてPRだというふうに言うかもしれませんけれども、大人でも年齢、あるいは家族持ち、個人、独身者、そういうものにどうやって戦略的にアプローチするか、そういうことを、もっといろいろな意見を交えて、そして広報活動というものを展開しないといけないんじゃないか。そういうことが行われて初めて、国民一人一人が、ああ、こういう問題なんだなということが、だんだん深刻に、真剣に考えられていくんじゃないかということです。ただこういうふうに簡素に書くのではなくて、もっと力を入れてやる、ということが出てくるような対策にしていかなければいかんのではないか、そういうふうに思いますので、これは別の部会でも申し上げていますけれども、ここが対策として一番大事だ。いわゆる民生、運輸についても全く同じだと思います。個人個人を相手にしていくときに、どういうふうにして展開していくのか。それから小事業主に対しても同じようなことでありますし、最近たくさん出ているコンビニ等を含めた個人的な商売、床屋さんもそうでしょうし、いろいろな人に対して、どうやって、そうしようかなという意欲がわくような戦略--そういうやり方を、全体を挙げて、わーっと展開していただく、国じゅうにそういうものが溢れてくる、自治体もそういうことを進めてやってくださる、そういうようにやっていただくのが一番私は個人を対象にした民生の対策としては、一番ふさわしいんじゃないかというように思いまして、ほかの部会でも言っておりますので、ここでもあえて言わせていただきます。
 以上です。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 今の寺門委員のお話にも割と近いところがありますが、もう少し厳しい話になってしまうかもしれませんが、先ほど天野委員がおっしゃったことと、私は基本的に非常に近いことを考えておりまして、先ほど天野委員がおっしゃったところで、ほぼ尽きているのですけれども、私もこの問題に対しては、国民の一人一人がやる気を起こすような方向に持っていかなければいけないということは非常に強く感じています。先ほどから出ている手法の話ですと、その啓発とか、情報の提供とか、あるいは広報活動とか、さらに協定の話もあるのですけれども、協定はやりようによりますので、いろいろなバリエーションが出てくると思いますが、啓発とか、情報提供とかいう手法というのは、結局、企業イメージを非常に大事にしているところだけが、実際にはやるということになるわけですから、一部の企業ある種の大企業的なものだけに、実はやっていただくということになるという側面を持っていると思います。それはもちろん垂直的な公平という観点からは、それはそれで非常に大きな意味があるので、別にそれはそれで悪いことではないのですけれども、温暖化の防止というのを進めていく、CO2を日本全体で減らしていくということを考えるためには、小さいところも含めて、裾切りを余りしないで全体的に減らしていくということが、長期的に見れば効率的だというふうに考えられるわけで、大きいところだけを、ねらい撃ちをしている従来の方法というのは、必ずしも、それだけでは少なくともうまくいかない。それ自体は全然悪いことではないと思いますが、それだけでうまくいかないということは、多分認識しておかなければいけないことであって、その先は、結局、税の話になってしまいますので、月並みの話になってしまって恐縮なんですけれども、低率であっても、そのアナウンスメント効果も含めて、賦課金あるいは税の導入というのが非常に嘱望されているのではないかという感じがします。
 もちろん、建築基準法のように直接規制でやっていけるところもあると思いますし、トップランナー方式のような方法も既に導入されているわけですから、そういう方法を使っていける部分もあると思いますけれども、ただ、そのような直接規制ではほんとに個別的な対応しか、しにくいということになると思います。先ほどからお話がありますように、ここに出ているものも一部のものであって、幾らでもたくさん出てくるのでしょうから、そういうものについて一つ一つ直接規制をかけていくのは、もちろん可能ですけれども、非常に時間がかかるし、その間の公平性みたいな問題も当然出てくると思いますので、低率の税というのが非常に必要になっているのではないか。社会全体でCO2を減らしていくという、そういう観点というのが非常に重要になっているのではないかという感じがします。これは、環境省だけでできることではないでしょうから、その点も十分に踏まえて、お話をする必要があると思っていますけれども、そのように考えております。なお、先ほどから補助金、助成の方が負担よりも先にされていますが、私はこれは経済的措置としては、非常に問題がある--これは非常に原理的な話で恐縮ですけれども--と思っておりますので、これは余談かもしれませんが、申し上げます。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、青木委員、どうぞ。

○青木委員 余り今までのご議論につけ加えるものでもないんですけれども、やはり市民レベルで温暖化に対して理解を深め、具体の施策を実行していくためには、地方公共団体、これが一番動きやすいような仕掛けをつくっていかなければいけない、というふうに思います。
 地方公共団体も、当然県だけでなくて市町村レベルまで行くわけでございますが、これは建築基準法のみならず、都市計画にしても何にしても、かなりいろいろな技術指導とか、具体的な情報とか、そういったものが、かなり要るだろうと思うんです。助成だとか、補助だとかというのも当然あると思うんですけれども、それ以外にも、やはりかなり具体的な援助していかなければ、地方公共団体というのはなかなか動きにくい。動きやすいような仕掛けを、できるだけつくってあげる。国は非常に広域的な分野を受け持っていかなければなりませんが、先ほどお話のあった地域冷暖房とか、そういったレベルの話は、やはり市民レベル、地域レベルでやられて、それを国がいかに助成していくかという仕掛けになってくると思います。いずれにしても、地方公共団体が、できるだけやりやすい仕組をつくる。
 それから、先ほど環境省の方でも、いろいろ公共団体の取り組みについて調査されるというお話がございましたが、その中で、やはりいろいろな参考になる事例とか、そういったものは、ぜひどんどん公表をしていただいて、ほかの公共団体でも、さらにそれを発展してやっていけるというような仕掛けが必要であろうというふうに思います。これは環境省だけで、恐らくできることではないのかもしれませんので、環境省を中心にして関係各省で、全体で協力し合ってやっていただきたいというふうに考えるものでございます。
 それから、ちょっと気になったんですけれども、先ほどの3-3の実行計画の第三者認証というのがございますが、これは具体的な中身ということでしょうか。公共団体の実行計画自身を第三者が認証するということであれば、そういう意味かどうか、ちょっとよくわかりませんけれども、そこまでは必要ないのではないか。公共団体みずから自分で判断されれば、いろいろな公平な機関をつくってチェックされればよろしいわけですから、公共団体については公表義務まででいいのではないかという感じがいたしますので、ちょっと申し上げておきます。

○安原委員長 どうもありがとうございます。
 浅岡委員。

○浅岡委員 今、大塚先生、おっしゃったことは、私は基本的にそのとおりだと思いますし、我々市民の側からも応分に、みんなが薄くであっても負担するという気持ち、それが削減にどうつながるかということよりも、やはりそういう気持ちを我々が理解をしていくという、そういう働きかけを市民側にしていかなければいけない。そういう仕組をつくっていくことは、とても重要である。また、そのお金をどう使うかという点について、若干申し上げたということです。

○安原委員長 西岡委員、どうぞ。

○西岡委員 今の認証の話なんですけれども、認証も確かに結構なんですけれども、個別のオフィス等々に、ここを改善すればいいよ、ということをきちんと指導するところの方が非常に重要だと思うんです。ESCO(エナージー・セービング・カンパニー)ということで外国でも相当やられて、日本でもそういうコンサルタントがたくさん出てきたのではないかと思うんですが、それが非常に大切だと思います。
 それから、先ほどお話がありましたように、認証機関も大切なんですけれども、実際、オフィスならオフィスへ自分たちでやってみると、相当減らすことができるということで、そのためのうまいマニュアルであるとか、さっきのESCOの活用、幾らかお金を出して指導してもらった方が早いということもあるかと思います。
 私ども、慶應の藤沢キャンパスで学生に全部それを調べさせたら、結構メーターがいろいろなところについていないとか、それから出入りが全然管理されていないとか、いろいろなところがわかってきまして、どこをどういうぐあいにやれば、これだけ減るよというようなことを、うまいきちんとしたパンフレットにつくって、それぞれのオフィスに行けば結構いくと思うんです。
 認証といいますと、そんなことを言うとあれですけれども、ISOの認証というと、いろいろと教えてくれで、しっかりやりなさいよということで、最後に結構なお金を取られるということで、大学の方としても、ISOの認証を取るよりも、例えばそのお金をもっと実際のことに使おうじゃないかという方向にあるわけです。だから、認証だけあればいいというのは、ちょっと首をかしげるところがあります。

○安原委員長 ありがとうございます。
 どうぞ、小林委員。

○小林委員 済みません、シナリオ小委員会の方にちょっとお願いをしておきたいことなんですが、実はシナリオ検討会の報告書を事前にちょっと読ませていただいたんですが、大変難しくてわかりづらいんです。特に数字をいろいろと足したり、引いたり、掛けたり、割ったりというのが大変多くて、逆にあれを読んでも一般の方はよくわからないだろうと思うんです。この辺がわからないと、国民の皆さん方、やろうという気にならないと思います。そういう意味で、要因分析について、もっとわかりやすくしていただけないかなという気がします。何か必要でないような計算がいっぱい入っているような--これは大変失礼で申しわけありませんが--気がいたしました。その辺、少しわかりやすくしていただけたら。
 それと、もう一点は、今までも温暖化対策を結構やってきたと思うんです。そのやってきたことに対する効果というのが、この要因分析の計算の中で見えてこない。だとしたら、今後、対策を組んでいったとして、またそれを制度化していった場合に、後でまた要因分析をするときに、今の計算方式では結局わからないということになりかねないと思うので、このとられた対策が、結果としてどう評価されたのかというのがわかるような計算方式をとっていただけないのかなというのが、実は本音でございまして、私ども、毎年、CO2の県内の排出量を計算しているんですが、計算しますと、だんだんふえてくるんです。では、今まで毎年、県が一生懸命やっている対策は一体どこへ行ったのだろうかというのが大変わかりづらい。どこに問題があるのかなというのをちょっと考えてみますと、原単位を積み上げるときに、その対策効果がどこに反映されたのかわからないような原単位の計算方式ではないかなと、今、思っていまして、どうしたらいいのかは、実はよくわかっていないんですが、何か対策効果が出るような排出量の計算方式を、少し考えなければいけないのかなという感じがしております。

○安原委員長 ありがとうございました。
 資料3-3で、オンサイト型のエネルギー供給システムというのが挙がっているわけですが、エネルギーの専門家でいらっしゃる宮本さん、何か、この事項についてコメントはございませんですか。

○宮本委員 今まで、歴史的に見ますと、大容量の供給方式というのが非常にメリットがあったわけです。それは何かというと、規模が大きくなることによってエフィシェンシーが上がる。建設単価が下がるので、結果として非常にメリットがあるということで、集中型大容量規模というのをつくったんですが、最近、やはり一つは分散型電源が非常にエフィシェンシーが上がってきたということと、マイクロガスタービンとか、燃料電池がどこまで行くかわかりませんけれども、非常に建設単価も下がってきた。それでエフィシェンシーが上がってきたということが、ひとつオンサイトに言えるのではないか。
 もう一つは、送電線とか、配電線が相当コストもかかるし、エネルギーも要るというようなことから、オンサイト型が出てきた。私は非常に結構だと思うんです。オンサイト型ばかりではない。集中と分散のベストミックスがあるだろう。それが今、そちらの方向に動いているのだろうと考えます。
 ただ、日本では、地域冷暖房が非常に少ない。外国は多い。これはもっと地域冷暖房をやれや、という話は出てくるんですけれども、実は地域冷暖房をするにもパイプラインを引かないかんとかいうことでして、経済性も、CO2対策も考えてみても、余り大きなエリアの地域冷暖房というのは、やはりなかなか難しいということがあります。
 それから、日本の場合は、先ほどもちょっと出ていますけれども、気温が相当高いので、熱需要というのがかなりないといかんわけですから、その辺も含めて考えると、私は地域冷暖房というものの範囲というものは、ふやさなければいかんけれども、果たして外国のように出てくるかなと。今までも既にできているわけですから、この体制を変えるということに、また増分のコストもかかる、また資本もかかるということですから、その辺も含めて考えていく必要があるので、オンサイト型、その辺も考えていかなければいけないけれども、そこにおのずと日本型のベストミックスがあるのではないか、というように考えています。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、まだまだご意見があると思いますので、追加的な意見がございましたら、特に資料3-3について、事務局の方に、またご連絡をいただければありがたいと思います。
 それでは、一応、議題の3につきましては、この程度にしたいと思います。
 引き続きまして、議題4がございます。非エネルギー起源のCO2、それからCO2以外の温室効果ガスの問題でございます。これの現状評価と今後の対策につきまして、事務局からご説明をお願いします。

○石飛調整官 それでは、資料4は幾つかに分かれておりますが、先ほどの民生と順番を変えまして、恐れ入りますが資料4-4、シナリオ小委員会での資料を先に説明をさせていただきます。
 先ほどの委員のご発言にもありましたけれども、ごみ問題は、あらゆる主体がかかわってくる問題でありますが、技術の評価、削減ポテンシャルにつきましては、一応廃棄物ということで、一まとめにして検討をした方がいいということで、シナリオ検討会、さらにこの小委員会でも、一応部門の分け方としては、今から申し上げる一くくりの部門の中に入れて検討させていただいております。
 それでは、2ページをごらんいただきたいと思います。まず、ここに非エネルギー起源、つまり燃料として消費するもの以外でのCO2の排出のグラフです。98年度のデータを見ますと、90年度に比べて9%増加しています。98年は若干下がっておりますが、これはセメント製造時のCO2排出量が下がったことによることが、分析の結果わかっております。
 それから、3ページの右上にメタンの排出量の推移がございますが、これは逆に90年に比べて、98年度は11%減少しております。さまざまな排出源が考えられますけれども、それぞれ少しずつ減っているという状況にあります。
 それから、一酸化二窒素は逆に90年比で10%増加しております。これも農・畜産分野、それから工業プロセス、廃棄物の焼却、さまざまな分野から発生いたしますが、主として運輸等のエネルギー部門、それから廃棄物の焼却によるものが効いているのではないかというふうに考えられております。
 98年度は減っておりますけれども、これは主として工業プロセスでの削減効果ということになっております。
 それから、4ページは他部門との関係ということで、先ほどの民生と同じような関係図を掲載しておりますので、ごらんいただければと思います。
 次の排出量の要因分析と現行の対策ということで、少し部門を分けて解析したものでございます。
 5ページ、農業・畜産分野です。メタンと一酸化二窒素を合わせた表になっておりまして、90年比で8%減少しています。これは主として水田面積の減少等の活動量が減少したことが効いていると思われます。
 この分野でも有機性資源循環利用協議会が組織されたり、また家畜の排泄物については、適正化利用促進に関する法律が施行されるといったような制度的な動きもございまして、対策が徐々に進められつつある分野でございます。
 それから、6ページの廃棄物部門でありますが、90年比で見ますと24%の増加ということで、これは廃棄物の焼却量が非常にふえてきているということを反映しております。対策としては、ダイオキシンの対策の中で焼却炉をそもそも減らしていこうという目標が設定されている。これが今後の対策としては非常に大きく効いてくるわけであります。また、食品リサイクル法が成立して、今年度から施行ということで、20%再資源化するということも、最終的な焼却、それから埋立てに行く分からのメタンの排出を減らすことでの効果が期待されます。
 それから、工業プロセスが7ページにありますけれども、これは先ほど申し上げましたように、セメント製造時の排出量が大きく落ち込んできているということ。それから一酸化二窒素に関しましては、アジピン酸という化学薬品を製造する際に出てくるわけでありますけれども、これについては、工場側の自主的な取り組みによりまして、回収設備が導入されて、今までに比べて9割削減すること可能となっており、これによってこの分野での排出量が大きく削減されることが期待されております。
 続きまして、8ページから2010年の、いわゆる計画ケースの予測結果を示しております。非エネルギー起源のCO2は90年度比で4%減少することが見込まれております。これは主として廃棄物の焼却面での対策と、セメント製造時のCO2の発生が減少することが予想さています。
 それから、メタンの排出量については、大綱の目標ですと22%減るという目標を立てていたわけですが、今回の推計では、90年比で15%減るというふうな予測でありまして、大綱の目標よりも若干上回ってしまう。これは、廃棄物の埋立によってメタンが発生するわれけでますが、埋立時のさまざまな対策と、現状出てくるメタンは、時間的に数年、数十年のずれがありますので、2010年ではまだ現状の対策が十分に効いてこないという面があるわけです。
 9ページは一酸化二窒素ですが、90年度比で13%減少と見込まれています。ただ、大綱と比べると、若干まだ上回ると予想されておりまして、工業プロセスではかなり減りますが、それ以外のさまざまな燃料由来、農・畜産分野での対策が、さほど効果が現れてこないということで、このような予想になっております。
 10ページは大綱の個々の技術の比較ということでございますが、ここでは省略させていただきます。
 11ページに参りまして、いわゆる削減ポテンシャルを計算したものです。図10にありますように、数字がそれぞれの棒グラフに2つございますが、削減ポテンシャルには、ある程度の不確定要素を含みますので、幅で示したものでございまして、高位水準、低位水準とは、その上限と下限に当たる量です。ここでは高位の水準だけを比較してみますと、工業プロセスの混合セメントの利用拡大を推進することによって、通常のセメントの製造で発生するCO2を、さらに減らしていく効果があるとか、家畜のふん尿処理によるメタンの発生抑制等が挙げられるわけであります。
 次の12ページから、コストポテンシャルの評価で、こちらは比較的作業が進んでおりまして、一応ほとんど空欄がないようにしております。農・畜産分野では家畜の消化管内の発酵から始まりまして、ふん尿処理、稲作、施肥、それぞれのポテンシャルと、それのための対策費用がどのぐらいあるかを示しております。
 同じく13ページ、廃棄物分野で埋立、下水処理、焼却。下水処理もこの中に含めておりますけれども、それぞれのポテンシャルと、そのための効果、費用を示しております。
 それから、14ページは工業プロセスで、ここで挙げているのは、いずれもセメント製造分野でありますけれども、混合セメントと呼ばれる、高炉セメント、フライアッシュセメント、それから、エコセメントの利用拡大によって、このぐらいのポテンシャルとコストが予想されるというものでございます。
 それから、15ページからは、それぞれの分野での技術導入に当たっての課題、必要な対策手法、あわせて副次的な効果を記載しております。この中では、表の上の方に文章で書いていますように、稲作の水管理方法であるとか、家畜ふん尿の処理で間欠曝気をする、施肥の方法を改善するなど、非常に細かい技術改善でありますけれども、それぞれの積み重ねがかなり大きなポテンシャルを持っているということであります。ただし、コストが比較的かからないものから、かなりかかるものまで含まれております。
 それから、16ページに、廃棄物分野の課題、対策手法を記載しています。CO2の排出源は、主として廃プラスティックと廃油の焼却が挙げられます。廃プラの場合には、もちろん温暖化対策の面からすると、なるべく燃やさない方がいいわけですけれども、廃棄物の適正処理という目的からすると、減量化して、なるべく処分場を延命化した方がいいということになりまして、必ずしもこの部分だけ見ると方向性が一致していないようなことがありますが、なるべく廃プラスティックの排出抑制、それから他への用途利用、例えば鉄鋼業の分野で使うようにすることを推し進めるなどによって、全体としてのバランスを考えての対策が必要になってくるということが記載されております。
 それから、最後に17ページの工業プロセスにつきましては、混合セメント、エコセメントは既に実用化されていますが、混合セメントの場合、需給のバランスがいつもマッチするわけではないので、技術的な改善の余地があるのではないか。エコセメントについても、塩分が多いと用途が限られてくるので、技術改善が必要である、といったようなことを書かせていただいております。
 そして22ページに対策技術シートの一覧がございまして、23ページからそれぞれの技術ごとのポテンシャル、それから温室効果ガス排出量、コスト、課題、対策手法などを載せています。
 時間が非常に短いので、全部はご紹介できませんけれども、こういった形でまとめたものでございます。
 資料4-4の説明を終らせていただきます。

○竹内課長 それでは、資料4-1から3と、資料4-5から7、それぞれ対になりますので、あわせてご説明申し上げたいと思います。
 まず資料4-1でございますが、非エネルギー起源の二酸化炭素にかかる大綱に基づく取り組みの進捗状況の評価ということであります。
 まず、2ページでありますが、非エネルギー起源のCO2の排出源と排出量というのは、先ほどの説明でもありましたように、工業プロセス起源と廃棄物起源というのがございます。工業プロセス起源の中でもセメント製造、ソーダ石灰ガラスなど、それからアンモニア製造というふうに分かれまして、排出源も多様だということであります。
 そこで、3ページでございますが、大綱策定時の想定として、BaU80、対策ケース78ということでございまして、削減見込み量が190万トンという見込みをしております。
 4ページに、先ほどのシナリオ策定調査検討会での見通しを見てみますと、計画ケースでは6,500万トンの排出。それから削減ポテンシャルの低位水準、高位水準、それぞれ大綱の時点で目標にしていた量よりも、かなり下げることができるだろうということでございます。
 それで、大綱に基づく施策の進捗状況でございますが、5ページの下にございますように、工業プロセスからの二酸化炭素排出抑制対策につきましては、混合セメントの生成比率が上昇しております。ただし、需要動向に大きく左右されるというようなことがございます。したがって、引き続き普及啓発の地道な努力が必要。それから混合セメントを利用促進するための施策が必要。
 それから、廃棄物につきましては、リサイクル関連法の整備、あるいは施設設置への助成などが進められておりますが、廃棄物の焼却炉自身が増加しているということで、CO2の排出量も増加している。したがいまして、廃棄物の発生抑制に向けた普及啓発が必要。
 それから、木材資源の有効利用の促進ということでありますが、さまざまな調査研究が行われてきましたが、まだ具体的には木材資源の有効利用ということで、目立った削減策というのは、今のところございません。
 そのようなことからも、資料4-5に移りますが、非エネルギー起源の二酸化炭素にかかる今後の国内制度といいますか、追加的な対策のあり方なんですけれども、混合セメントの利用に関しましては、セメントをつくるところ、あるいは利用するところの実行計画の策定によって、さらにそれを進めるということが一つあるのではなかろうか。それから公共事業などの利用。既にグリーン購入法の特定調達品目の中に採用されております。それから、グリーン購入情報ということで、調達に当たっての判断規準などの情報を提供する。それから技術開発への助成というのがあるのではなかろうか。
 それから、エコセメントの利用でありますが、これも公共事業の中での利用と、グリーン購入法の特定調達品目の採用の検討も必要ではないだろうか。さらに、自治体の廃棄物処理組合などによるプラント建設への助成が必要になってくるのではないだろうか。
 廃棄物につきましては、各種のリサイクル法における助成というのがあるわけでありますが、それをさらに進める。それから、最後にございますが、容器包装リサイクル法に基づく廃プラスティックの高炉利用、セメント焼成燃料としての利用といったものを進めるための仕組の整備が必要ではなかろうかという点が、非エネルギー起源の二酸化炭素に関します今後の取り組みの対策のあり方でございます。
 それから資料4-2でございますが、メタンにつきましての進捗状況の評価でございます。メタンの排出源も多様でございます。2ページにございますように農業起源、農業起源の中でも稲作、家畜のふん尿や、消化管内発酵などがございます。廃棄物起源も、埋め立て、下水処理、焼却とございます。エネルギー関係、エネルギーを輸送するところでの漏出、あるいは燃焼に伴う排出。それから、工業プロセス起源のものも一部ございます。これにつきましても大綱策定時におきましては、約450万トン下げるという見積もりをしておりました。
 4ページに参りますと、シナリオ策定調査検討会での見通しでは、計画ケース、それから削減ポテンシャルの低位、高位が右側の方にございますが、いずれも大綱策定時の目標よりも排出量はかなり下回るという見通しがなされております。
 そこで、これまでの対策の進捗状況の評価でございますけれども、5ページでございますが、直接埋立の縮減ということでは、さまざまな助成などをしてきました。直接埋立率は減少傾向にありまして、2002年の直接埋立率目標値9%は既に達成をしている。したがって、引き続きそれを進めていくことが必要。
 圃場の管理改善につきましては、さまざまな調査研究をしておりますが、まだ具体的な削減策というのには結びついていません。
 メタンの排出削減のための家畜の飼養管理技術の確立ということにつきましても、引き続きの調査研究などが必要だということでございます。
 したがいまして、メタンにつきまして、今後どのような方策を講しだらいいかということでございますが、資料4-6でございます。それぞれ分野ごとといいますか、発生源ごとに対策手法が必要だろうということでございますが、まず家畜生産性の向上につきましては、生産性の高い乳用牛や肉用牛の購入に関する普及啓発。それから、家畜飼料構成の改善ということで、脂肪酸カルシウムの飼料への添加に関する助成とか啓発といったような点。
 それから、ふん尿処理の改善ということで、例えば発酵処理施設のメタン排出につきましての規準を設定して排出を下げていくという方法も、こういった部分については考えられるのではないだろうかということであります。
 それから、水田の水管理方法の変更ということで、これらについての普及啓発という手段を進めていくことが必要。
 稲わらの分解を促進する農法の採用。これもそういった技術に関する普及啓発が必要。

 それから、廃棄物のリサイクルに関しましては、新しくできました法律などによるリサイクル事業への助成。あるいは大規模小売業者のなどへの販売方法の変更に関する普及啓発。それから先ほども出てまいりました廃プラスティックの高炉利用などについての仕組のさらなる整備。
 それから、最終処分地におきまして覆土。最終処分地された分解性廃棄物の覆土の義務づけといったことも必要になってくるのではないぢろうか。
 それから、下水し柔処理技術の改善というこどて、高度処理システムへの助成。このようなことが、今後のメタン対策に対する追加的な対策の内容ではないだろうかということでございます。
 それから、資料4-3でございます。一酸化二窒素にかかる取組進捗状況でございますが、2ページで、これまた発生源は多様でございます。工業プロセス、エネルギー関係、農業起源、廃棄物起源ということで、これも大綱策定時には1,300万トン、 1,400万トンに下げるということでございました。シナリオ検討会での見通しを見ますと、4ページでございますが、計画ケース、高位、低位の削減ポテンシャルのいずれも大綱策定時の排出量の見通しよりも、かなり下げることができるだろうという見通しでございます。
 これにつきましても、5ページで進捗状況を説明しておりますが、先ほどもありましたように、アジピン酸製造工程での除去設備の導入をされた関係で、大幅に削減されている。それから、廃棄物下水汚泥の焼却施設においての燃焼温度の高度化ということでございますが、具体的な方策としては普及啓発にとどまっており、具体的な削減に結びついていないということで、引き続き、それらに寄与する設備の設置の推進が必要。
 それから、農地などからの一酸化二窒素の排出の抑制につきましては、いろいろな調査研究が進められておりまして、管理の適正化、利用促進に向けて法的な制度を用意することが必要だろうということであります。
 この分野におきましても、最後に資料4-7でございますが、発生源ごとに、今後、推進する必要があるだろうと思われる措置について述べておりますが、ふん尿処理方法の改善につきましては、発酵処理施設の一酸化二窒素規準といったものができるのではないだろうかという点。
 それから、窒素肥料の施用方法の変更といったものについての普及啓発など。
 それから、リサイクルにつきましては、先ほど出ているとおりでございます。
 それから、廃棄物燃焼炉の燃焼方法の改善ということで、これにつきましても、旧来型の排出規準を設定した対策や方法というのもできるのではないだろうか、ということでございます。
 下水・し尿処理技術の改善ということで、これも先ほどありましたが、高度処理システムへの助成といったところが、今後の必要な措置ではなかろうかということでございます。
 以上でございます。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、今の説明に対しましてご質問、ご意見がございましたらお願いします。
 浅野委員、どうぞ。

○浅野委員 この分野は、総体的に言えば寄与度が少ないので、余りたいした意味がないような気も、ついついしてしまうんですが、しかし、廃棄物の問題などが出てくるわけで、ここの部分を見ていますと、今後の国内制度のあり方についてというところの書き方は、いかにも、一方で循環基本法をつくって循環基本計画をつくろう、という話をしている割には荒っぽいという気がいたします。まず、この部分の枠組みを前提として循環基本計画とのリンケージをどうするのかということをしっかり考えておかなければいけないのではないかという気がいたします。
 ミクロの話で申しわけないんですけれども、一酸化二窒素については、既に水質汚濁防止法で取り扱っていて水質部会でも議論をしたわけです。水濁法での論議の中では、農業部門というのは非常に扱いづらくて、議論の中では、局地的には経済的手法を導入することだってあり得るのではないか。つまり、大量に施肥をすればたくさんとれると思うから、だんだん施肥するのだ。そういうところにチャージをかけて、適正施肥をする人の方に回すというような方法はないのかなという議論も出たのですが、とてもとても今の状況でそんなものを制度的に水濁法の世界で入れることはできませんね、ということで終ってしまっています。
しかし、そういうような議論だって十分、実はあり得る世界だということは認識しておく必要があるわけで、少なくとも水質部会や専門委員会の議事録だけは、丁寧に精査をしていただくか、面倒くさかったら向こうの方にリポートを書いてもらって、そっちの方でやった議論で使えそうなものは、一遍こちらの方に持ち込んでもらう、というぐらいの政策の整合性は考えていただきたいと思います。

○安原委員長 ありがとうございました。
 ほかにどなたか……。天野委員。

○天野委員 私もよくわからないところがあるんですが、推進に必要な措置で、かなり助成措置がいろいろ講じられているんですね。これは従来のやり方に比べれば、こういう方法を変えることによって排出量が減るだろうということはわかるんですけれども、しかし、依然として排出をしているわけですから、排出をしている行為に助成をするということになりかねないわけです。ですから、むしろ方法を変えるのであれば、一番最初の投入量を減らす、例えば廃棄物のリサイクルの場合は、廃棄量を減らすようなことを、まずやらなければならないわけですね。そこは余り手をつけないで、リサイクルのところだけに助成をするというのは、少し何か循環法ともそぐわないような気がしまして、助成措置で挙がっているところは、一応そういう意味で、ほかのやり方と整合性がとれているかということを検討して書いていただけたらというふうに思います。

○安原委員長 ほかにどうですか。では、小林さん。

○小林委員 これを読ませていただきいていて、ちょっと気になったのは、まず一つは、先ほどからお話があります廃棄物のリサイクルの部分。廃棄物のリサイクル、減量化の対策と、今回のこの温暖化対策と、相反するものではなくて、ほとんど整合がとれているものであると思いますので、そう考えた場合は、廃棄物のリサイクルに関する施策によってやるだけでいいのではないかな。ここで新たに別の検討をする必要性はないのかなという感じが、ひとつはしております。
 ただ、向こうで廃棄物リサイクル部の方で検討された施策によって、非エネルギー起源
のCO2とかメタンとかが、どの程度下がるかという算定だけすればいいのではないかな、
という感じがしております。それ以上のものをする必要があるのかどうかというのは、別の問題でしょうが。
 それから、もう一点、メタンと一酸化二窒素のほかの施策の部分なんですが、ちょっと大変言い方が悪いかわかりませんが、何か「臭いものにふた」というような書き方になってといるような気がしますので、この辺は、そちらの施策、例えばふん尿処理等についても、そちらの施策との内容をどう補強するのかというだけでいいのではないかな。これの施策について新たな温暖化対策上からの施策展開というのを、余り踏み込まない方がいいのかなという感じがちょっとしております。
 読んでいて、例えばメタンのところの家畜の生産性の向上と書いてある施策が、これがほんとにメタン対策上はいいのかなと思うんですが、これ自身が家畜とか、そういうふうな視線から見た場合、この施策がいいのかなと、何かそんな疑問点があちこち気になりますので、そういう点で、ちょっともう少し内容的に精査する必要が、私自身もあると思うんですが、不勉強で申しわけないんですけれども、何か読んだ限りで、ちょっと気になる点が多々あるなと思っております。

○安原委員長 ありがとうございました。
 では、猿田さんのご意見をいただいて、その後、何かコメントがあったらお願いします。

○猿田委員 ありがとうございます。
 今、メタンの話が出たんですが、資料4-2の6ページのところで、メタンの排出削減対策の推進というのがございます。ここで、進捗状況のところで、ごみ直接埋立の縮減、ごみの直接埋立率をということで、ここでいう「ごみ」というのは、焼却灰から何から含めたすべてを言っているのでしょうかということが、まず一つあるんです。要するに、廃棄物の最終処分量を半減する、減量化を行うことによって、最近、最終処分場が逼迫していますから、延命を図らなければいかんわけで、埋立率を減らしましょうということはわかるわけです。
 その下に、廃棄物焼却施設の整備に対して補助して云々とあるわけです。焼却施設の新設は20件となった。メタンの温暖化係数と、CO2の、ここからはCO2が出るわけです。焼却施設からはCO2が出るわけで、そうすると、わかりやすいから、例えば資料4-6の下を見ますと、最終処分場における覆土とあるんですが、分解性廃棄物の覆土の義務づけ、これは生ごみなどを捨てた場合に、それに覆土をして、サンドウィッチ方式でいきましょうと。これは従来から使われている。しかし、サンドウィッチ方式でいっても、分解してメタンが発生するということは、今までの実態はそういうことになっているわけですけれども、メタンの発生を少しでも抑制しようということだろうと思いますが、メタンが、覆土することによって、発生が防止できるということではないはずでございますが、それを焼却することによってCO2とメタンの、いわゆる温暖化係数で比較した場合に、どちらがいいのかということになるかと思いますが、しかし、処分場が逼迫していることから行けば、焼却することによって減量化を図り、少しでも量としては減らしていきたいということがあるわけですよね。
 ですから、そういう意味で条件のいい方をとることになると思うんですが、分解してメタンが発生するのをどうしようといえば、もっと生ごみの埋め立てそのものを何か抑制する方策なのか、それから焼却の場合でも、最近、ダイオキシンとの関係もありますから、非常に燃焼温度とか、いろいろな条件が難しくなっています。かなり今までの施設に比べれば、技術的にも対策が難しくなってきている。それなりに設備費がかかるようになってきているわけで、この辺の比較検討が何かなされたのかどうかを、ちょっとお伺いしたかったわけです。焼却ということと埋め立てというものに対して、どちらが有利、生ごみなど、減量化を図るとは言いながら、現に生ごみの埋め立てというのは進められておるわけで、それを焼却に持っていった場合、何かその辺で有利性というのはあるのかどうか、何か検討なさったことがあれば教えていただきたいということなんですけれども。

○竹内課長 特にメタンの関係ですが、家畜ふん尿、あるいは麦わらなど、今の生ごみということで、メタン関係、幾つかの発生源といいますか、そういうのがあるわけなんですが、生ごみにつきましても、これはまだ調査段階というか、研究段階のものですが、生ごみなどからのメタンを熱とかに使うとか、あるいはそのメタンから水素を回収して燃料電池にするとか、私ども、今、その実証事件ということで神戸でやっておりますが、なかなか、まだことしの夏から動くわけなんですけれども、そういった方法も焼却とか、あるいは堆肥化--というのでしたっけ--だけじゃなくて、そういった方法も目指していけるのではないかとは思います。

○猿田委員 処分場となる広いところで埋め立てをやっていくと、なかなかメタンの回収も難しいですよね。ですから、何か施設化して、いわゆる消化施設を下水なんかでもやっているわけですけれども、そういうような形で、いわゆる一つの有価物としてそれを利用していく、メタン発酵させれば、それを回収してエネルギーとして使えるということもあるわけですから、何かそういう方向へ行くべきで、生ごみの埋め立てそのものを是認するというか、認める、減量化ということを書いてありますけれども、できる限りそういうような方向に技術的な手法はあるわけですから、できるだけそういう方向に持っていくようなことも、今後必要な措置としては、ただ覆土を義務づけるということではなくて、何かそういう方向に行くべきではないかというので、さっきちょっと質問させていただきました。

○安原委員長 今までの発言に対しては、ほかにコメントがありましたら、どうぞ。石飛調整官、ないですか。
 それでは、横山委員、どうぞ。

○横山委員 ちょっと基本的なことで申しわけないんですが、エネルギー起源のCO2なんていうのは、ほとんど誤差がなく出てくる一方で、メタンとか一酸化二窒素は、かなり算定の仕方が難しいと思うんです。特に農業起源でどのぐらい出るとか大ざっぱにしかつかめないものと、エネルギー起源でかなり正確につかめるのとを一緒くたに議論することになるような気がするんですけれども、今後、一酸化二窒素とかメタンなんかの排出量はどのぐらいで、それをどう削減するかなんていうデータの精度向上の問題とかはどうなっているんでしょうか。

○石飛調整官 ご指摘のとおり、燃料以外のものは、燃料から排出量を把握できるものに比較しまして、メタン、一酸化二窒素の排出形態が非常に多種多様であって、いつも一定量が出てきているわけではないという難しさを伴うわけでございます。現状では私ども、一応「活動量×排出係数」という方式で排出量を算定しております。排出係数につきましては、現在の温暖化対策推進法上も定めるということになっております。例えば、埋立処分場から出てくるメタンなどについても、一定の廃棄物処分量に排出係数を掛けて算出しております。この排出係数は、いろいろなデータを集計し、統計的に割り出した全国一律の数値を設定しておりますが、精度としてはかなりばらつきがあるのはご指摘のとおりでございまして、我々としても精度を高めるためのさらにデータを集めて、排出係数も含めたより精度の高いデータを出すような努力をしていかなければいけないと思っています。
 この点に関しましては、気候変動枠組条約上も、排出量データの精度をより高めていくことが求められております、そこで、QC(品質管理)、QA(品質保証)の考え方を取り入れた排出量の把握が締約国に求められておりますので、そういうこともやりながら、より精度の高いものにしていかなければいけない。特に、メタン、一酸化二窒素の分野では、そういう点が今後の大きい課題になっていると思っております。

○安原委員長 ほかにご発言ございますか。それでは、ないようでございますので、きょうの予定しました審議はこのぐらいで終りたいと思います。
 長時間にわたって熱心にご討議をいただきましてありがとうございました。
 では、次回はお手元にご連絡してありますように、5月11日、午後3時から午後6時、3時間の予定でございます。場所は、旧麹町会館、ホテル・ルポール麹町ということになっております。それでは、本日、配付しました次回の出席確認票につきまして、ご記入の上、事務局の方にお渡しいただければと思います。
 本日はどうもありがとうございました。

午後5時55分閉会
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