中央環境審議会地球環境部会(第97回)議事録

日時

平成23年11月1日 9:33~12:08

場所

東海大学校友会館「阿蘇の間」

議事次第

  1. 1.東日本大震災を踏まえた今後の低炭素社会に向けた方針について(3)
  2. 2.今後のスケジュールについて
  3. 3.その他

配付資料

  • 資料1   第95回から第96回地球環境部会における主な意見について
  • 資料2   第四次環境基本計画の見直しに係る重点分野「地球温暖化に関する取組」(たたき台)
  • 資料3   今後のスケジュール
  • 参考資料1 エネルギー起源CO2排出量の部門別増減要因分析のまとめ
  • 参考資料2 分野別の個別指標の仕分けについて(平成23年6月24日指標検討会参考資料4より地球温暖化問題に対する取組部分を抜粋)
  • 参考資料3 総合的環境指標の発展的見直しに向けた方針について(平成23年7月12日第61回中央環境審議会総合政策部会資料2)

議事録

午前9時33分 開会

○低炭素社会推進室長
  それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会、地球環境部会の第97回会合を開催いたします。
 本日は、委員総数36名中、過半数の委員にご出席いただいておりますので、定足数に達しております。また、本日の審議は公開とさせていただきます。また、本日の部会より、逢見委員が退任され、後任といたしまして菅家委員が任命されているということでございます。
では、以降の議事進行は鈴木部会長にお願いいたします。

○鈴木部会長
  おはようございます。地球環境部会第97回となりましたが、既に2回にわたりまして、この第四次環境基本計画の見直しに関するご意見をいただいております。それに従って、本日は事務局のほうで準備いたしました地球温暖化に関する取組のたたき台がございますので、このたたき台をもとにご議論をいただくと、そういうことが本日の主題でございます。
 次回、11月17日にいただくご意見をもとに、このたたき台を、できれば最終的な形にまとめさせていただいて、そしてそれを総合政策部会のほうに上げていく、こういうような形になると思います。それでは議事に入ります前に、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

○低炭素社会推進室長
  本日の配付資料でございますが、まず議事次第が1枚紙でございます。その下に資料を三つと参考資料を三つ、ご用意しております。まず資料1でございますが、第95回から96回地球環境部会における主な意見についてという冊子が一つでございます。資料2といたしまして、地球温暖化に関する取組(たたき台)という冊子でございます。資料三つ目といたしまして、今後のスケジュールについてという1枚紙でございます。続く参考資料1といたしまして、エネルギー起源CO2排出量の部門別増減要因分析のまとめというものが1枚紙でございます。参考資料2が分野別の個別指標の仕分けについてということで、冊子がございます。最後に参考資料3といたしまして、総合的環境指標の発展的見直しに向けた方針についてという冊子でございます。不足等がございましたら、お知らせいただければと思います。

○鈴木部会長
  宜しいでしょうか。それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
議題1、東日本大震災を踏まえた今後の低炭素社会に向けた方針についてということでございますが、先ほどご確認いただいた資料1それから資料2、たたき台ですね、これがメインとなります。順番にまず資料1のほうから、事務局から説明をお願いいたします。

○低炭素社会推進室長
  それでは資料1について、ご説明を申し上げます。こちらにつきましては前回、前々回いただきました意見を部門別に取りまとめたものでございます。1ページ、まず一番最初でございますが、議論の前提ということでまとめております。通常の文字の部分は前々回、第95回にいただきまして、前回資料としてお示ししたものでございます。黒い強調文字の部分が前回さらに追加で意見をいただいたものを分野別に分類をし、追加したものでございます。本日は追加部分についてご説明を申し上げます。
 議論の前提についてのところですが、強調文字の一つ目でございますが、経済情勢、雇用状況、こういったものを見極めながら、施策の導入について判断すべきであるということ。また二つ目のところでありますが、総合的な観点から検討を行うことが必要だということ。また急いでいるときだからこそ、もう一度原点に立ち返って現場に足を運んで振り返ってみるという視点も必要だというお話がございました。
 次の分野でありますが、これまでの取組状況と課題というところでございますが、その中で地球温暖化に関する科学的知見に関する部分でございます。1枚おめくりいただきまして、2ページ目の上の段でございますが、強調文字二つ目のところでありますが、地球温暖化の影響は世界的に顕著になりつつあるというご指摘がございました。また科学的な知見が大変に蓄積され、信頼性が高まったということを示すべきだというお話。また温暖化対策の必要性について書き込むべきであるということ。IPCCの第四次報告書の信頼性について、一部に誤りはあったが、その中核部分は全く問題がないということで、信頼性が高まっているというのは科学者の総意であるというお話がございました。また、今後人類が排出できるCO2の総量というのはせいぜい1兆トンで、数十年で超えてしまうおそれがある。2℃目標も、守れというのはかなり難しい状況ではあるというご指摘もございました。
 続く分野としましては、第三次環境基本計画の進捗についてということで、その基本計画の進捗について反省すべき部分は反省し、成果もあるならその旨を計画に書くべきだということ。また自主行動計画などは産業界としてはきちんと実行してきているということで、その取組についてもフォローをしてほしいという発言がございました。
 2ページ目下からは、中長期的な目標という二つ目の固まりでございますが、まず長期目標につきましては、3ページ目、上の部分でございますが、2050年に80%削減という目標は変更すべきではない、堅持すべきという話が前回ございました。
 また中期目標につきましては、3ページ目、下の部分でございますけれども、2020年25%という目標は是非堅持すべきだというお話があった一方で、4ページ目でございますけれども、上の部分、エネルギー基本計画が見直されることもあるので、25%目標ありきという議論ではないということで、第三次環境基本計画と同じように今見直し途中なので、定性的な目標を書くべきだというご意見。また、いったん白紙に戻すべきだというお話もございました。また、震災の復興・復旧のために経済活動が活発になるというそれの影響、また原発の影響でエネルギー供給に大きな影響が与えられるということで、それも見極めるべきだというお話がございました。
 施策の基本的な方向性に関しましてですが、エネルギー政策と温暖化政策の一体的な検討という分野でございます。こちらにつきましては5ページ目、中ほどからご意見は追加されておりますけども、今回の震災原発事故を受けてエネルギー政策の基本である三つのEに加えて、セーフティというSが加わることが必要であるということ。また、原子力エネルギー政策との整合をとっていく必要があるということ。その際、総合資源エネルギー調査会などの場で行われましたエネルギーリスクの議論を踏まえて、議論をしていく必要があるというようなこと。また、エネルギーと温暖化対策は表裏一体、これを両立するような形で議論を進めるべきだという話もございました。また5ページ目一番下でございますが、環境制約の中でどういう国づくりをしていくのかという姿を、環境基本計画の中ではっきり示すべきだというご意見もございました。
 6ページ目ですが、長期的継続的な排出削減という分野でございます。6ページ目、中ほどですが、2050年に向けてアーリーアクションを選択するのか、ディレードアクションを選択するのかという議論もなされる必要がある。また技術検証、コストの検証、費用対効果についても議論をすべきだという話。さらに緩和策、適応策、ジオ・エンジニアリング、この三つを視野に入れた対策をとるべき時期が来たというご指摘もございました。
 新しい計画策定に当たっては、実効性のある計画、具体的な施策や具体的な事業を明示した計画にすべきというお話もございましたし、グリーン成長というものを目指すべきだというご指摘もございました。また、経験を力にするということが非常に重要で、それらを共有するための仕組みを盛り込むこむべきだというお話もございました。2013年以降どのような形でやっていくのかということを早急に示すことが必要だというご指摘もございました。
 7ページ目に移りまして、街づくり、地域づくりという分野でございます。7ページ中ほどでございますが、エネルギーを消費する建物などと供給側のエネルギーの話は同時に検討していかなければならないということで、それらを検討できるような仕組みを考えていくべきだというご指摘もございました。
 続く分野としては、省エネルギー、節電等によるエネルギー需給の削減という分野でございます。追加の部分が8ページ目の下の部分からでございますが、この夏の節電については緊急避難的なところがたくさんあったということで、検証を十分に行った上で対策を考えていくべきだという話。また、主に原発の事故に端を発しているということもあって、電気に重心が置かれ過ぎているということで、電気以外のエネルギーは幾ら使ってもいいような誤解が生じている場合もあるので、温暖化対策としてはガソリンなど、他のエネルギーの話も重要だというご指摘。
 また、供給が需要をつくり出すという側面が電力の部分ではあったのではないかというご指摘もございました。また言葉の定義といたしまして、「節エネ」と「省エネ」、こういったものの定義をしっかりするべき。また「ゼロエミ住宅・建築物」と「ゼロエネルギー住宅・建築物」こういったものをきちんと定義しながら使うべきというご指摘もございました。
 9ページ目に続きますが、省エネというのが駆け込み寺的な扱いになっているということで、間に合わなくなると省エネでやってくれと、つけが回ってくるという話があるということで、全体のバランスの中で議論すべきだというご指摘がございました。また、省エネについては実態を把握しないとつまみ食い的な対策になってしまうということですので、需要側のCO2の発生状況を把握した上で、議論をしていくべきというご指摘がございます。
 また、復旧・復興というものに対して、相当程度のエネルギーが投入されるということですので、どれぐらいのインパクトがあり得るのかということを見極めるということと、その活動が将来もたらす省エネルギー効果というものも見ておく必要があるというご指摘がございました。
 また、この夏の対策については省エネというよりは節エネであったということで、方向性としては今後、節エネにいくべきではないかというご指摘もございます。また、供給側の対応にどうしても甘えていた部分があるのではないかということで、需要側に頑張るところというのがまだあるのではないかというご指摘。また需要に応じて供給を増やすというのではなく、無駄がなかったか、データをとって次の対策の検討につなげていくべきだという話もございますし、供給にあわせて需要をコントロールするということが次の姿になるのではないかというご指摘もございました。
 9ページ目、下からが原子力発電に関する部分でございまして、追加の部分が10ページ目からでございます。中ほどからですが、三つのEの同時達成のためには、安全・安心を前提とした原子力発電の有効活用が当面必要不可欠であるという話。原子力発電によるCO2などの削減効果について客観的に評価していくべきであるということ。原子力発電の事故を受けて、今後10年、20年の新増設はほとんど不可能になったということで、そういったものを踏まえて考えるべきだというご指摘もありました。また原子力には、これまでのように頼れないということを明確に打ち出すべきだというお話。原子力は温暖化対策に役立つんだという発想はもう捨てるべきだというお話もございました。また原子力行政がなぜこれほど破綻したかというと、科学者の度重なる警告に全く耳を傾けなかったところにあるというお話もございました。
 また、地震が多い日本におきまして、脱原子力、縮原子力を明確に打ち出して、再生可能エネルギーに全力を挙げるべきというお話もございます。10ページ目、一番下でございますけれども、少なくとも日本は脱原発を明確に今回の環境基本計画に書くべきだというお話もございました。 続く11ページ目でございますけれども、日本は原子力技術の研究はやるが、国としては脱原子力を明確にすべきというお話もございます。原子力に頼らず低炭素社会を築くということを打ち出すべきだというお話もございました。あと安全を十分に確保しながら原発を運用していくのは大変なことだということで、今までの検証と反省、そして再構築がある上でないと難しいというお話もございます。温暖化対策上の原発の位置づけについては、必要ならば必要、必要がないならば必要がないと具体的に明示した上で政策を展開していくべきだというお話。また専門家の議論を受けとめて、なぜ事故が防げなかったのかということをエネルギー基本問題委員会での議論も受けて議論を行っていくべきだというお話。また、実際にその原発の立地場所におきましては、原発と人々の暮らし、エネルギーというものが非常に深く結びついているという現実を踏まえるべきだというご指摘もございました。また、原発事故の以前と以降では状況が非常に異なってきているというお話もございます。
 新しい原発をつくらないということでも、今あるものをすぐとめるという状況ではないので、30年から50年ぐらいのリードタイムがあるだろうということで、それで十分対応が可能であるというご指摘もございました。
 続く分野といたしましては、再生可能エネルギー、分散型エネルギーというものでございまして、11ページ目下からでございますけれども、再生可能エネルギーの大量導入に当たっては系統の安定という観点から、技術的な課題、現実的な導入量、見極めについて十分検証していくことが必要であるというお話。またエネルギー安全保障、エネルギー価格なども考慮しつつ、分散型エネルギーを最大に利用し、需要側での省エネを進め、その上で天然ガス、火力発電や原子力発電を利用するということではないかというお話もございました。
 続く12ページ目でございますが、再生可能エネルギーを低炭素社会の構築、エネルギー需給率の向上という観点から導入すべき。その際そのほかとして天然ガス、またCCSも考えていくべきだというお話もありました。洋上風力も含めての風力発電、また太陽光の効率のよいものの導入を検討すべきだということと、地熱につきましては固定価格買取制度だけでは対応できないので、補助金の活用も不可避であるというようなご指摘もございました。
 あと再エネの普及に当たりましては、その障害となっている社会的慣行、法制度等を見直す必要があるというお話、熱利用の拡大も重要だというご指摘もございました。再生可能エネルギーについては、全量価格買取制度の実施であるとか、あと電源開発促進税などの使途を振り分けるなどの取組が必要だということ。日本の再生可能エネルギー、これはかなり大きな可能性を持っているというご指摘もございました。
あと再生可能エネルギーにつきまして様々、議論があるということですが、供給の不安定性、またピーク時の対応ということが重要で、その解決策である二次電池の開発普及というのをしていくべきだというお話もございました。
 東日本大震災の経験、その後の対応ということでありますと、どのような施策を講じればどの程度復旧が期待できるかという検証をしながら議論を進め、計画の中に盛り込むべきだというお話。再生可能エネルギー、コージェネレーションシステムを含めまして、分散型のシステムと集中型のシステムのバランス、これをよく組み合わせていくことで、需給両面の対策を進めるということが重要だというお話がございました。また、再生可能エネルギーにつきましても、長いリードタイムがかかるということを情報提供し、実効あるシナリオとすべきというお話もございます。 12ページ目、下からでございますが、短期、中期、長期の視点から実現可能性を十分踏まえて精査をする必要があるというご指摘もございました。
 13ページ目でございますが、東北に再生可能エネルギーを立ち上げるということだけれども、LCAの評価をしなければどういう影響があるかというのははっきりしてこないというお話。また続くところが非常に強靭な自立分散ネットワーク型の電力の構築ということと、今のグリッドにもちゃんとつながったタフなものにしていくべきだというお話もございました。
 ドイツでの経験というお話で、電力網への優先接続の担保ということと、期間・買取価格の固定というのが非常に重要で、それらが政府への信頼につながるというご指摘もございました。
 13ページ目中ほどからでございますが、電力供給システムについてのご指摘がございます。発送電分離については、日本に合った垂直統合の一部送電系統の開放ということで進めてきており、今までの実績を十分に検証して、安定供給の目的といったものに照らしながら議論されるべきであるということ。電力会社の地域独占と言われているけれども、それに依拠した形で安定供給に頼ってしまうという面があるので、それに頼らない再構築という姿が非常に大切だというご指摘もありました。また、エネルギーコストを下げていくために、いかに競争原理を導入していくかというのが非常に重要なポイントであるというご指摘もございました。
 続く分野としましては、森林吸収源、バイオマス資源の有効活用に関してでございます。13ページ目、下からでございますが、まず世界的に見ると森林吸収源は排出の20%ぐらいに相当する。日本でいきますと林業の衰退の危機に瀕しており、国土の70%を占める森林が2050年までにどうなるかというのがわからないというご指摘もございます。また、エネルギー源・吸収源としての森林、これをコスト面、エネルギーの安定供給面等から議論する必要があるというお話。
 原発事故の影響の一つとして、東北の山林に人が入れないような状況で、森林そのものが疲弊してしまう可能性がある。この震災、原発事故の森林へのインパクトの把握評価というのも議論すべきであるというご指摘もございました。
 続く14ページ目からは、避けられない影響への対応策ということでございますが、温暖化に対応する対応策、これが大事だということではあるけれども、全国津々浦々でどのように対応を強いられているのかということを、きちんと把握すべきだということがございますし、また文部科学省の革新プログラムなどで進めているという話もございますので、その成果も十分踏まえるべきだということがございました。
 続く14ページ目、中ほどからが国際的な分野でございますが、新たな国際枠組みの検討ということでございますが、主要な排出国の参加ということを大前提に、カンクン合意がなされており、こういった基本方針を貫くべきであるということ。京都議定書については、日本発の国際枠組みとして大事にしていく必要があるというご指摘。また持続可能な社会と良質な雇用の創出と、この両立を目指す「グリーン・ジョブ」の創出というのが非常に重要だというご指摘もございました。また世界全体での中長期目標を日本としてきっちり整理して議論していくべき、発信していくべきだというご指摘もございます。
 15ページ目に続きますが、国際交渉の中では、数字の議論よりもむしろ透明性の確保に今、重点が置かれている。そういった面からいきますと、測定・報告・検証(MRV)の手続をどう確保するかの議論を深め、制度化していくかということに関しましては、日本は大きく貢献できるのではないかというお話。同じように資金メカニズムにつきましても、透明性の確保について、日本は貢献できるということがあります。
 各個別の分野別の削減目標を国際約束にすべきというご指摘もございます。また日本の技術による削減の貢献量に対して、応分の評価が付与される仕組みを構築すべきだという話もございました。
 また、国際的連携の確保ということに関しましては、15ページ目、下の部分でありますが、日本が持っている技術力を使って環境と経済を両立させるということで、世界全体の温暖化に貢献していくことが必要であるということであるとか、海外のCO2を日本の先端技術を使ってどう減らせるのか、技術移転を中心に据えるべきであるというご指摘もございました。
 また15ページ目下からは革新的技術開発ということでありますが、追加の部分が16ページ目でございます。技術開発と技術の海外の展開を通じて、世界のCO2の削減に協力していくべきであるということ。また産学官連携による革新的な研究開発の促進ということが非常に重要だというご指摘もございました。
 続く全ての主体の参加・連携ということでございますけれども、16ページ目、中ほどからでございますが、産業界、国民など、いろいろな方々の合意形成の過程というものが必要であるということ。あと地域での取組を促進するということから考えますと、早く国としての方針を決めるべきであるということ。地方分権が進んで、財源移譲が進んでいるんだけれども、中小の地方公共団体におきましては財源がひっ迫して、環境対策が後回しになっているという現状があるということで、それの対応も必要であるということがあります。
 また、意欲がある中小企業においても、経営環境が厳しいということで、投資にまで結びつかないということでありますので、設備導入補助などのインセンティブについてもバランスを考えていく必要があるというご指摘もございました。
 国として、自治体との連携を今まで以上に詰めてほしいということであるとか、地域、経験を共有できていないということがありますので、それらを生かす仕組みが必要だというご指摘もございました。
 続く17ページ目でございますが、他の分野との連携ということで、生物多様性や循環型社会との連携という視点が必要だというご指摘もございます。
 続く、最後の取りまとめの部分でございますが、多様な政策手段の活用、ポリシーミックスについてでございます。17ページ目、上の部分からでございますが、補助制度という話になるんだけれども、そうしますと財源の問題が出てくるということですので、税制そのものを見直して、誘導型の税制を考えていくべき必要があるということがございます。また、環境対策で日本が世界をリードしていきたいというのであれば、それなりの施策を明示していく必要があるということ。あと技術をきちんと進めていくことが重要だというお話もございます。
 また排出量の算定方法のような「見える化」につきましては、取組の効果を上げるためには排出者の削減努力が正確に、適正に評価されるという仕組みになっている必要があるというご指摘もございました。中長期的に取組をしていくという話でいきますと、技術革新、省エネ、地球規模での対策を基本とすべきであるというお話もございます。
 続く部分が、後半部分ですが、技術開発、またその実用化を含めて政策の支援が必要であるということで、環境対策の財源として環境税を活用するという必要があるというご指摘もございました。
 あとキャップ・アンド・トレード制度については、負担ということではなくて、先行的に努力している企業などを市場で評価するという仕組みであるというお話。また欧米では電力を対象にした直接燃焼のキャップ・アンド・トレード方式が導入されているというご指摘もございました。 再生可能エネルギーを普及させるファイナンスの仕組みが必要であるということで、民間の活力の活用、また政府の役割を議論すべきだということ。17ページ目下からは自主的な取組、個人の努力というものだけでは限界があるということですので、法的な枠組みについて、形を整えて対策を進めていくべきだというご指摘がございました。
 以上が前回、前々回の意見を、分野別に取りまとめたもののご説明でございます。

○鈴木部会長
  ありがとうございました。お聞きいただきましたように、非常に幅広い分野に、それぞれにつきまして、また幅広いご意見をいただいております。これをまとめてたたき台がある意味ではつくられている訳ですが、この段階でまとめていただきました意見について、わかりにくいところ、あるいは趣旨が違うのではないかというようなこともあろうかと思いますが、特にご質問、ご意見ございましたら、お受けしたいと思います。では浅野委員から。

○浅野委員
 これまできちっと発言をしていなかったのですが、12ページの上から3番目の丸で、再生可能エネルギーの普及のために障害となっている社会的慣行や法制度を見直すことが必要であるというご発言がありました。この趣旨は全く賛成で、見直すことが必要だろうということに関して、別に異を唱える気はないんですが、ただこの趣旨が、例えばアセスのような制度は障害になっているというようなニュアンスの話であると、少々困るなという気がいたします。やはり再生可能エネルギーの導入が何よりもの市場価値であって、自然などは破壊しても構わないという議論は、幾ら何でもやはり中央環境審議会の立場としてはとるべきではないと思います。そのことをちょっとつけ加えておきます。
 これまでの議論、前々回の議論でも再生可能エネルギーについての議論が行われておりますけれども、その中でもちょっと気になりますのは、風力にせよあるいは地熱にせよ、環境省が関わることが多いと。将来的には森林・自然も関係してくるという訳ですが、これがやはり制約要因というようなニュアンスで語られるとすると、ちょっと問題があるような気がいたします。
 資料1の添付資料の25ページのところが今、私が申し上げているところなんですが、この下から2番目のところに風力発電が騒音の問題のトラブルになっていることがあると。正しい理解をしてもらい云々とあるんですが、これなどもきちっとアセスを行って現状がどうなっていて、どう変わるかということをはっきりさせることが、合意形成には一番有用であるというふうに思っておりますので、そういったことも含めて議論をしていく必要があると思いました。したがって、たたき台の中でもちょっとこの点については少し触れたほうがいいという気がいたします。

○及川委員
 13ページの森林吸収源、バイオマス資源の有効活用というところで、今回新たに加わった、上から3番目に書いてあります「日本でも、林業は衰退の危機に瀕しており、このままいくと、国土の70%を占めている森林が2050年までにどうなるか分からない。」と、確かにこういったことがあるんですけれども、現在の木材需給率が20%しかない訳です。それで、10年以内にこれを50%に引き上げるということが、7月の下旬に閣議決定されている訳です。ですから、農水省が中心になってこういったことをうまく進めてもらいたいということがある訳ですけれども、それと同時にこの地球環境という観点から進めていくというようなことを、きちっと書いてほしいなというのが私の意見です。

○住委員
 この中でジオ・エンジニアリングのことが触れられているんですが、書き方を注意していただかないと、何か新たな可能性みたいにとられるようなふうに書くと非常に間違っていて、現在のジオ・エンジニアリングのとらえ方は、ほとんどプランBというか、どうしようもなくなったときに、多少の被害は出てもいいからやるんだと。そのための準備をするかというような、まずそういうニュアンスで用意をしたほうがいいという意見になっていますので。それは丁度、原発のときの原子炉が爆発するよりは、多少放射性物質が出てもいいからベントでも流したほうがいいという、だからそういう本当の危機判断のときに使えるテクノロジーという観点で、現在では考えられています。だから、ジオ・エンジニアリングでも必ず副作用が出る可能性もありますし、抑えられるのは地球規模全体、平均気温が下がるというのは確かなんですが、後のことは知らないというようなスタンスだということです。だからそういう点では、従来の緩和策とか適応策みたいな、効果は少ないけどやって間違いがないようなことと違って、ちょっとそういうことをよく注意していただきたいということと、それからやはり温暖化対策でも今、そういうプランBみたいなものをちゃんと用意して考えるべきだという意見が世の中にあって、原発でもわかるように、想定外は起きないんだということではなくて、もの凄い想定外のことが起きたときに、どう対応するかという観点のことが必要だろうというふうに思っています。
それからあともう一つはジオ・エンジニアリングに関して一番危惧されているのは、現在例えば成層圏に物をばらまくというのは、日本のお金持ちは決してしないでしょうが、アメリカだったら一個人の富豪のお金でできてしまうようなことなんだそうです。したがって、国際的国家にもかかわらず、勝手にそういう団体なり狂信的な人なり、いろんな人たちが、もしそう思ってやればできるようなサイズのことだという話になっていますので、その辺も含めてこういうテクノロジーがあると、国家の統制に従わないようなアクションがあり得るという形で、ガバナンスの問題が非常に今、また出されてきていますので、そういう点でも非常に大きな影響を及ぼし得るようなポテンシャルのある技術に対するこれからの配慮と、日本としてもどういうふうに取り組んでいくかということは、この部会でも考えられたほうがいいと思います。

○鈴木部会長
  これは大事なところですね。そのほかはいかがでしょうか。浅岡委員どうぞ。

○浅岡委員
 このたたき台の化石燃料の効率的利用とか地域からの低炭素づくりに関わることなのですけれども、原子力発電所が当面動くことも難しいし、将来的にも減じていくということは避けがたいところであり、化石燃料にシフトしていくと思いますけれども、地域では間接排出でずっと議論をしてきているものですから、排出係数が極端に変わることによって、これまでの計画が大変混乱をしたものになっているのが現状であります。
 だからといって、原子力を早く稼働させようという訳でもなく、原子力に頼らず、かつ大幅な削減をしていく。地域でもそれをどうしていくか議論しているときに、間接排出ではデータがごちゃごちゃになりまして、具体的にどんな対策をしたらいいのかがわかりにくい。電力の排出係数に係る部分を、国でも地域でもはっきり分けられる政策がとられるべきだと思います。
 その上で、ですけれども、化石燃料の使い方について、発言の中でも若干は出ていますが、もう少し明確に石炭から天然ガスへの燃料転換を進めていくという部分が、とりわけ電力には必要ですけれども、電力以外のところでも、工場などでもそういうシフトが起こっているように思います。そうした視点がしっかり出されていかないと、全体として再生可能エネルギーを拡大していくこととの、ソフトランディングシナリオの姿が見えないのではないか。そうした観点が薄いのではないかと感じました。

○鈴木部会長
 大変いずれもごもっともなご意見と思いますが、事務局のほうから何か特に対応されますか。

○低炭素社会推進室長
 本日いただきましたご意見も加えまして、この部会でいただいた意見を最終的に確定をしたいと思います。また、後ほどご説明させていただきますたたき台についても、今のご議論も踏まえて、次回までには修正をして、もう一度議論をしていただくということを考えております。

○鈴木部会長
 それではまだいろいろと、もちろん追加のご意見もあろうと思いますが、本日のメインはこの資料1をもとにいたしまして準備されておりますたたき台の資料2のほう、これについて、なおいろいろとご意見いただきまして、次回の完成版(案)に向けたいと思っております。したがいまして、資料2の説明をお願いいたしまして、その後でまた委員の方々からご意見をいただくようにさせていただきたいと思います。宜しいですか。

○低炭素社会推進室長
 それでは、資料2をご説明申し上げます。地球温暖化に関する取組(たたき台)というものでございまして、こちらは先ほどご説明を申し上げました、これまで地球環境部会でいただきました意見をベースに、事務局でたたき台をつくったものでございます。現時点での書けることを書いているということでございますので、今後例えばCOP17が開催され、国際的な議論が深まるということもございましょうし、またエネルギー政策の議論が進んでいくということがございますので、今後状況が大きく変化していくということもあり得ますけれども、このたたき台としては現時点でいただいた意見をもとに書いているというものでございます。
 まず一番最初「はじめに」ということで、議論の前提となりますような事象についてまとめたというものがございます。1パラグラフ目については、地球温暖化問題、こちらについては人類共通の課題で非常に大きな問題であるという認識をまず書いたということ。二つ目のパラグラフがIPCCの第四次の報告書というのが、第三次環境基本計画後に出ておりますので、その内容の重要な部分を書いたということで、2℃以下にとどめるというためには、2050年世界排出量の半減という分析の結果。また先進国でいきますと1990年比で80~95%の削減ということが記載されていることを書いております。
 3パラグラフ目につきましては、三次の環境基本計画以降についても温暖化対策に対して日本は具体的に取り組んできたという、これまでの取組のお話を書いております。四つ目のパラグラフとしては、これまでは環境保全というのが経済活動の制約要因であると考えられてきたということがありますけれども、昨年6月に閣議決定をされました新成長戦略の中におきましても、環境エネルギー分野というのが成長分野の一つとして位置づけられるということでありますし、また次のパラグラフが、金融危機に始まります不況ということもありまして、グリーン成長ということが強く打ち出されたというのが、状況として大きく変わった部分であるということであります。
1ページ目、一番下でございますが、3月11日に発生をしました東日本大震災、これにより大きな被害、犠牲があったということ、電力不足などの状況もあったということ。そして福島第一原子力発電所の事故ということ、こういったもので社会経済が大きな影響を受けたという状況もございます。
 また2ページ目に続いていきますけれども、こういった自然の持つ圧倒的な力に対して人間の社会システムというのが脆弱だったということで、価値観、意識が大きく変わっているという状況がございます。特にこれら震災、原子力発電所の事故を背景に、「安全・安心」という視点の重要性が非常に高まっているということでございまして、この安全の確保というのが、低炭素社会の基盤にもなるということであります。安心・安全につきましては、回復能力の観点、立ち直るという観点からも重要だということがうたわれているということであります。 こういった状況を踏まえまして、中央環境審議会地球環境部会におきましては、第四次環境基本計画の策定に向けまして、地球温暖化に対する取組に関して四つの分野をまとめたというのが以下の部分でございます。
 一つ目は、これまでの取組状況と課題というセクションでございまして、取組状況と課題を立てつつ議論しているというものであります。状況につきましては3本からなっておりますが、一つ目がアといたしまして、地球温暖化に関する科学的知見というものを取りまとめております。ここでもIPCCの第四次報告書を引きながらのご紹介ということですが、これまでの100年間で0.74度気温が上昇しているということと、平均海面水位が17センチ上昇したというようなこと。また直近50年でいきますと、その基本上昇速度は過去100年間のほぼ倍になっているというようなお話もございます。
 また2ページ目、下でありますけれども、最も厳しい緩和努力をもってしても、気候変動の影響というのは回避できることはないというようなこと。そして3ページ目、上でございますけれども、近年、記録的な大雨や熱波、こういったものが記録されているということで、今後温暖化に伴ってさらに極端な気候状況が出てくる可能性が非常に高いということ。また、IPCCの報告書につきましては、記載の誤りなど、報告書の信頼性についての議論があったということでありますが、科学的な根拠の信頼性は依然として変わらないという事実があったということでございます。
 さらに日本におきましても、気象庁の観測などで、20世紀中に平均気温が約1度上昇したということ。また2010年の夏につきましては、観測史上でも第一位の記録、またそれに伴って熱中症で1,700名を超える方が亡くなっているということ。また、農業などの影響が出ているということをまとめております。そのほかIPCC以外でも、UNEPなどが報告書をまとめているということで、科学的な知見が蓄積しているという状況を紹介してございます。
 3ページ目、中ほどからは二つ目の柱といたしまして、国際的な対策の枠組みということでございます。こちらは1992年の条約制定以降、京都議定書が採択されたこと。そしてその中で日本は6%を目標に掲げているというようなことがございます。また、これらの取組は第一歩に過ぎないということでございまして、現状でいきますと、京都議定書で削減約束を負っている国というのが全体の27%の排出量に過ぎないということですので、今後実効あるものにしていくためには、米国、中国などを含む世界全体で温暖化に取り組むための枠組みが必要だということをまとめております。
 その取組の一つとして、2007年、COP13においてバリ・ロードマップが採択され、またG8、ラクイラ・サミットで長期的な削減についての目標についても再確認されるという流れもございましたし、またその一部といたしまして、4ページ目、上ですが、先進国全体でいきますと2050年までに80%、またそれ以上の削減を目指すということを支持する旨が表明されていると。この内容につきましては、日米共同メッセージにおいても支持を表明しているという流れになっています。
 また、2009年のCOP15では、コペンハーゲン合意に至り、すべての主要な国による公平かつ実効のある枠組み、そして意欲的な目標の合意を前提に25%削減するという目標を日本は事務局に提出しているということを書いております。そして2010年に行われましたCOP16でカンクン合意が取り決められていまして、2℃以内に抑えるという長期的な政策に加えまして、先進国と途上国双方が削減に取り組むというようなことに合意がされ、重要な一歩になったということを取りまとめております。
 4ページ目、中ほどからは国内における対策ということでございますが、6%削減約束に向けて、2008年京都議定書目標達成計画を閣議決定されたこと、そしてその中では排出の削減、森林吸収の目標、そして京都メカニズムの活用ということを、あわせて約束の達成を目指すということが書かれているということであります。
 また2009年度の排出量というのは、最新値でございますが、その紹介ということで、総量は12億900万トンという値であったということと、あと部門別に値を記載しておるのが4ページ目、下の部分でございます。
 5ページ目のところですが、第1約束期間でいきますと2008年、そして2009年の値が確定したということでございまして、森林吸収源対策、そして京都メカニズムの活用ということを勘案すると、それぞれの年度においては約束であります6%を超える削減になっているというのが現状でございます。
 これらの状況を踏まえまして課題ということで、5ページ目、中からまとめております。まず温室効果ガスの排出量、今、これが吸収量の倍もあるということですので、悪影響を及ぼさない水準で安定させるというためには、世界全体での排出を半分にするという必要があるということ。そのためにも国際的な枠組みということでありますが、カンクン合意に基づく取組、これを着実に実施するということと、すべての主要国が参加する枠組みの構築を目指していく必要があるということをうたっております。
 また、震災、原発事故を受けまして、エネルギーの見直しの作業が行われているということで、エネルギー政策につきましては白紙からの検討ということでございますので、温暖化対策につきましても、その見直しと表裏一体で検討をしていく必要があること。また、2011年度以降につきましては、原発の事故を受けまして、少なくとも短期的には原発の補完として火力発電所を使うということになりますと、温室効果ガスの排出量が増加するということが見込まれるということですので、京都議定書の目標達成は予断を許さない状況になっているということ。さらに化石燃料の輸入が増加するということになりますと、国富の流出にもつながるということですので、2012年度につきましては目標達成に向けまして節電・省エネ、再生可能エネルギーの普及など、より一層加速させて懸命に取り組んでいく必要があるという課題を取りまとめております。
 次の章といたしましては、3といたしましては、中長期的な目標ということで、こちらは全部で四つのパーツからなっております。まず究極の目標ということでございまして、こちらは気候変動枠組条約に掲げられております「気候系に対する危険な人為的影響を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させること」を目指すということで、これは第三次の計画と同様に書いてございます。
 二つ目が長期目標についてでございますが、こちらにつきましては2050年ということで、80%の温室効果ガスの削減を目指すということとともに、2050年までに世界全体の排出量を少なくとも半減するという目標について、すべての国と共有するように努めるということを記載しております。
 三つ目として中期目標でございます。こちらにつきましては日本がすべての主要国が参加する公平かつ実効性のある国際枠組みの構築と意欲的な目標の合意を前提として、2020年までに25%削減するということを、中期目標として掲げています。他方といたしまして、震災、原発の事故といった、かつてない状況に直面にしておりますので、エネルギー政策の白紙見直しと表裏一体で13年以降の温暖化対策、施策の検討を進めていくということでございます。
 (4)といたしましては、当面の目標ということでございますが、現在まだ第一約束期間中でございますので、2008年から12年までの、この第一約束期間におきます6%削減目標の確実な達成を目指すということを記載しております。
 というものを取りまとめたのが4-1の部分でございます。こちらにつきましては低炭素社会を実現していくということでございますけれども、様々な主体との連携を図りながら、施策を進めることが重要だということと、低炭素化を実現するためには、経済成長、雇用の安定、またエネルギーの需給の最適化などとの連携をしながら、温暖化対策を推進するという必要性を示唆しております。また震災、原発事故といった事態に直面しているということでありますので、原発の安全性を高めつつ依存度を低減していくということと同時に、再生可能エネルギーの比率を高め、省エネルギーによるエネルギー需給構造を抜本的に改革する。そして化石燃料のクリーン化、効率化を進めるという対策が重要になっているということ。特にといたしまして、省エネルギー、CO2削減のほうを実施していく、また再生可能エネルギーなどの分散エネルギーへの転換ということでありますが、これらは民間投資を喚起する、また新しいビジネスモデルをつくるということから進みますと、経済成長の源にもなるという観点があります。
 7ページ目、上でございますが、現状といたしましては、日本の温室効果ガスの約9割がエネルギー起源であるということから、エネルギー政策の見直しと表裏一体で温暖化対策の検討を進めていく必要があるということ。またといたしまして、温暖化対策を進めていくという観点から、グリーンイノベーションの推進、または国際情勢を見ながらの対応、地域・人づくりなどとの関連、そして生物多様性であるとか、循環型社会の構築、水環境の保全、大気環境の保全、こういった他の環境施策との統合的な推進ということも重要であるということを記載しております。
 具体的な排出削減に当たっての考え方というのが7ページ目、中ほどからでございますが、まずアといたしまして、目指すべき社会の姿を検討し、提示していく必要性があるということを示しております。長期的な視点から目指すべき社会の姿を明確にすると。そしてその実現に向けての道筋をバックキャスティング手法で描いていく。その現在から将来に向けての取り組むべき課題というのを抽出し、それを解決するための対策、施策を検討して、実現可能性について検証を行って実行に移していくという手順を書いておりますし、またその際には国民各層の理解を得るということの重要性が書いてございます。
 これらの検討をする際には、地球温暖化対策という観点に加えまして、災害への安心・安全な社会をつくる。また集中電源と自立分散型電源エネルギーとのバランスのとれた社会、災害に対する回復能力の強さ、こういった観点を加える必要があるということがあります。政府全体の流れとしましては、今年の8月に閣議決定をされました政策推進の全体像という中におきまして、中長期をにらんだ戦略におきましては、革新的エネルギー環境戦略というものに基づいて具現化していくということになっておりまして、その中での整理といたしましては、原子力発電の安全性を高めつつ、依存度を低減させていくというのが原則として示されておりますので、今後としては一層の省エネルギー、CO2排出量の削減の実施、再生可能エネルギーの普及ということなどによって、低炭素社会を構築していく方策を検討する必要があるということでございます。
 続く8ページ目は中長期的な国内対策の在り方ということでございます。まず(ア)といたしまして、省エネルギー・節エネルギーの推進ということで、電力、熱、燃料、こういったエネルギー消費について供給制約にあわせて需要をコントロールしていくという必要性があるということで、これまでのエネルギーの使用を合理化するという、省エネという取組からさらに一歩進みまして、エネルギー使用量の総量を減らしていくという節エネというものを目指していく必要があるということ。
 その際には、エネルギーの需給構造をしっかりと把握分析していくということの必要性をうたっておりますし、またライフスタイル・ワークスタイルの変革ということを促して、継続するためにはインセンティブを組み込んだ仕組みが必要であるということ。また、都市構造であるとか、交通などの重要性、あと住宅・建築物などのストック対策ということも重要であるということが記載しております。
 続く(イ)といたしまして、再生可能エネルギーの普及ということですが、市場の拡大、また技術革新が重要であるということでございます。再生可能エネルギーを普及するということにいきますと、全量固定価格買取制度の適正な運用から始まりまして、系統への優先接続など、運用ルールの見直し、また送配電システムの機能強化・拡充、連携線の整備、関連規制の見直し等、市場の拡大ということと、技術革新が重要であるということをうたっております。また太陽光、風力については、供給の不安定さなどの課題を克服していくという必要がありますので、着実に導入を進めつつ、導入量の増加に応じて段階的に発生が見込まれる課題、これを分析し、克服するための方策の検証を行っていくという必要性をうたっております。
 また、再生可能エネルギーにつきましては、熱としての利用も重要だということで、暖房・給湯といった活用、またそういった面にいきますと太陽熱、バイオマス、こういったものの重要性をうたっておりますし、最後の文書でいきますと、輸送用の燃料につきましてはバイオ燃料の混合比率を高めていくということの必要性をうたっております。
 続く(ウ)といたしまして、化石燃料の効率的利用、環境性向上ということで9ページ目にかけてでございます。こちらにつきましては集中型のシステムと分散型のシステム、二つについて掲げておりますが、まず集中型のものにつきましては天然ガス等の化石燃料による発電効率を向上させるということと、廃熱の未利用エネルギー、未利用熱を有効活用していくという方策が必要であるということがあります。
 分散型エネルギーにつきましては、コージェネレーションシステム、燃料電池、こういったものを有効活用していくということで、これらのバランスをよくとり、電力と熱を有効利用して、利用効率を高めていくということがうたわれておりますし、またバイオマスの混焼であるとか、バイオガスの活用、こういったものの重要性もうたっております。また化石燃料といたしますと、ガソリンなどがございますので、エコカーの普及などによって、運輸部門における化石燃料の効率的な利用についても記載しております。
 9ページ目、中ほどからが地域からの低炭素づくりということでございまして、個別の技術、そしてそれを使う主体が統合されたシステムというのが「まち」「地域」であるという位置づけでございまして、これらを推進するために環境未来都市、環境モデル都市、スマートコミュニティなど、こういったものを活用していくと。また各地域に展開していくことの重要性をうたっております。そういった場合におきましては、各地域での再生可能エネルギーの利用拡大、地域単位でのエネルギー利用の効率化、集約型の都市構造への構築、こういったものが重要であるということをうたっております。
 9ページ目、下からは(オ)といたしまして、低炭素ビジネスの振興という観点を置いております。適切な規制の導入、また民間資金の活用などによってまちづくりなどを進めていくということで、関連の産業を促進していくということにより、雇用にもつながっていくという視点が必要だということを書いております。
 また10ページ目からは、森林吸収源、バイオマスの利用ということで、間伐などによって森林整備保全を推進するということのほうは、二酸化炭素の吸収を高めるということと、国土の保全の観点からも重要だという観点を書いておりますし、また森林等のバイオマスの利用ということは、再生可能エネルギーの普及にもつながるということ。また農山漁村につきましては、バイオマスの賦存量が大きいということから、再生可能エネルギーを普及促進し、地域活性化にも役立てていくという視点の重要性もうたっております。
 10ページ目、中ほどからは国際的な枠組みということでございますが、新たな国際枠組みの構築ということで、日本としましてはすべての主要国が参加する公平かつ実効性のある枠組みの早期構築というのが、最終目標でございますが、それを目指しつつMRVの実施などで透明性を高めるなど、国際的に貢献していく必要があるということ。またエといたしまして、世界でのCO2を削減するという観点から、日本が有します技術力、環境保全に関する経験、これを生かしまして途上国の支援などを行っていくということで、その際には京都メカニズムの活用、コベネフィット・アプローチの推進、さらに新しい二国間の枠組みを使っての取組ということが必要であることをうたってございます。
 オといたしまして、避けられない影響への適応、また中長期的な影響への考慮ということで、11ページ目にわたってでございますが、日本でも様々な影響が既に見られているということでありますので、これら農作物の品質低下などに対応するための短期的な取組、また早期警戒システムなどの整備など、こういったものをうたっておりますし、長期的な影響に対するリスク評価、影響の制御など、こういった取組の重要性を掲げております。
 11ページ目、中からは革新的低炭素技術の開発と実証ということで、産学官連携によって革新的な技術を生み出していくということ。またその優良な技術を社会に組み込んでいくための実証実験事業などの重要性をうたっております。
 11ページ目、下からは科学的知見の一層の充実ということ、人材育成活用ということをうたっておりまして、人工衛星などの日本の技術を生かした監視、観測、予測、こういったもの。また、人材育成を幅広く行い、環境教育、普及啓発も進めていくという観点をうたっております。 11ページ目、下からはすべての主体の参加連携の促進ということで、地方公共団体、事業者、NPO、国民の取組を促していくということと、その連携を図っていくということ。またそれを支えていくための仕組みを構築していくことの必要性をうたっております。
 12ページ目(3)といたしまして、合意の形成、また評価・見直しのプロセスというものを書いておりまして、PDCAサイクルを回すということを書いております。
 以上の部分が基本的な考え方ということではありますが、その考え方に従いまして、個別のご議論の中などでいただきました対策・施策を整理したというのが12ページ目の(1)の部分でございまして、ここはさらに追加など、必要な部分をご議論いただければと思っております。13ページ目にわたりますと、(2)といたしまして横断的施策ということで、国際交渉の話、あと排出ガスの算定報告、公表制度から始まりまして、排出抑制指針、環境教育、「見える化」の推進、カーボン・オフセット、グリーン金融の活用などをうたっております。
 また(3)といたしまして税制のグリーン化ということで、地球温暖化対策のための税の導入をはじめとします税制全体のグリーン化の重要性をうたい、(4)といたしまして国内排出量取引制度の現状といたしまして、様々な課題があるということでございますので、慎重に検討を行っているという状況を書いております。
 4.の最後といたしまして、基盤的施策というところでございますが、排出量・吸収量の算定方法の改善、あと適応への対応などをうたっております。
 13ページ目、下からが取組に向けた指標・具体的な目標ということでございますが、まず当面の目標に対応する部分につきましては、2008年から12年までの第一約束期間に対応したものとして2010年の排出量の目安、こちらは目達計画に書いてある部分でございますが、それを掲げるということと、吸収量についても目標を引きうつしているということであります。
 14ページ目、下からが中長期的な目標ということでありますけれども、こちらにつきましては震災、原発の事故といったことで、エネルギー政策を見直すということでございますので、それと表裏一体で、13年以降の温暖化対策が議論が進みますので、その指標が設定されたということで、それを使いながら対策・施策を実施していくということをうたっております。
 あと「おわりに」ということで、取りまとめを書いております。全体で15ページにわたるものになっています。以上がご説明でございます。

○鈴木部会長
 ありがとうございました。このたたき台につきまして、本日いろいろとまたご意見をいただき、改訂版といいますか、最終版を次回に準備できればと思います。地球環境部会でのこの資料といいますか、こうやって準備されました、たたき台をベースにつくられたものが、総合政策部会で全体としてまとめられて、今年度の末には閣議決定を得る、そういう形の第四次環境基本計画となってまいりますが、そのほかに先ほど来ございますように、エネルギー基本計画が白紙で見直しということで、来年の夏を目処にというようなことで進んでおります。
そのほかの、いろんな周辺の計画とも整合性を持っていかなくてはいけないというようなこともあろうかと思いますが、政府のほうでエネルギー環境会議という、閣僚級会合なんでしょうか、それが動き出したということでありますので、その辺のところをちょっと、局長のほうからご紹介いただきましょうか。

○地球環境局長
 実は今朝、エネルギー環境会議というものの位置づけの見直しがありまして、国家戦略会議のもとにエネルギー環境会議を位置づけます。そこで、革新的なエネルギーミックスといいますか、エネルギー基本計画のもとになる戦略をやるとともに、その表裏一体となる2013年以降の温暖化対策についてもこの場で検討を行いますということとなり、政府全体の会議としての位置づけが今日決まったということで、その場で、閣僚級の会議でございますけれども、関係の閣僚の間でエネルギーミックスと温暖化対策の検討を同時に行うということでございます。
 今後の大まかなスケジュールでございますけれども、その中で来年の春頃をめどに幾つかの選択肢を示しつつ検討を行い、また国民的な議論もいただきながら、最終的には夏頃をめどに、革新的なエネルギー戦略と2013年以降の温暖化対策についての概略を決定したいという方針が決まりましたということでございます。
 そういう意味で、丁度お願いしております中環審のこの地球部会におきますいろいろなご検討とシンクロナイズして、政府全体としても各省全体でほぼ同じようなペースで、こうした温暖化対策についての検討が行われるということで、それぞれフィードバックしながら、こちらの審議会でいただいた内容も、当然エネルギー環境会議のほうにできるだけお伝えすべきものはし、他方でエネルギー環境会議でいろいろ出てきたご意見についても、またこの中環審でご報告し、ご意見を賜りながら、全体で合意形成を進めていきたいというふうに思っておりますので、また宜しくお願いしたいということでございます。

○鈴木部会長
 どうもありがとうございました。急にお願いして申し訳なかったんですが、そういうことで、これまでも何回も委員の方々からもおっしゃっていただきましたように、エネルギー計画、エネルギー基本計画とこちらの基本計画をどういうふうに位置づけるのかと。よく表裏一体と言われる訳ですが、じゃあどっちが表なんだという話もあるかもしれませんが、ともかく政府のほうではエネルギー環境会議というような形で、きっちりと整合性のとれたものをこれから生み出していただける。そのための、ある意味では環境側からのインプットをさせていただくという、そういう意味で、この議論は大変重要な意味を持っていると思います。
 そういうことを念頭に置いていただきながら、このたたき台に関するご議論をいただければと思いますので、ご意見、ご質問のある方は名札を立てていただければ幸いです。総政部会からご参加いただいている委員の方々も、どうぞご遠慮なく。ほぼ全員の方になりましたね。3分以内をめどに是非お願いできればと思います。藤井委員のほうから。

○藤井(絢)委員
 総政部会から参加しております。様々な意見があることを承知で申し上げたいと思いますが、エネルギー政策についてです。この全体のたたき台の中に、エネルギー政策を白紙で見直すべき状況にあるという文言が3カ所に出てまいります。5ページ、6ページ、そして最後の15ページ。 そんな中で、7ページにある政策推進の全体像の、この平成23年の8月15日の閣議決定という重みがかなりなものなのかどうか、やっぱり原発のところの出し方が、これで国民が納得できるかなという書きぶりが、全部こういう形で6ページの下にあるように「原発の安全性を高めつつ依存度を低減していくことと同時に」云々という、これがまた2カ所出てくるんですが、そこの、私の中では不整合なのですが、こういう書きぶりのところを、どうここの中で最終的に調整していくのか、そこのところが議論にのっていただけるとありがたい。以上です。

○田中委員
 ありがとうございます。私は適応の観点から3点ほど申し上げたいと思います。
 1点目は3ページのところですが、この温暖化の影響に関する科学的知見で、この影響が様々出てきているということは、IPCCの報告から来ておりまして、その上で、日本でもという影響の記述があるんですが、一つは恐らく日本の影響というのは気温の上昇とともに、降雨の変化とか、降雪の変化というのに大きく出ていて、これが地域の農業やあるいは林業とか生態系、水資源に非常に大きな影響を与えている。
 ここでの記述ぶりが、気候変動が日本の農業、生態系、水資源、健康などに影響を与えることを予想されますというんですが、実際にはもうこれ影響が出ているんです。ですからこれは予想ではなくて、もう既に深刻な影響が出ているという、そういうやっぱり記述が必要ではないか。その上で昨今のこの前の台風であるとか土砂災害、人々の安全とか生活を破壊するような、こういう気候変動が生じておりますので、そういう認識をここに盛り込んではどうかというのが1点目です。これは非常に重要な、そういうことを前提に温暖化対策を考えていかなきゃいけないということ。
 それから2点目は、同じような文脈で申し上げると、この施策を進めるに当たっての考え方、6ページのところであります。6ページの4.の4-1ということで、施策を進めるに当たっての考え方ということで、実はここの書き出しが、「地球温暖化の防止、地球温暖化への適応は人類共通の課題であり」と、こういう書き出しになっていて、これはこれで多分両輪でやっていくんだという、そういう方向性が示されているんですが、実は以下の記述は、この温暖化の防止の方の、言うならば低炭素なんです。
 適応の話はこの後全然出てこなくなるんですが、少なくともこの4-1の端書きのところは。やっぱりここのところは人類共通の課題という二つの話がありまして、温暖化の防止と適応という二つの両輪について進める。その上で適応についても何らかの形で、私の感じでは7ページの辺りで触れておく必要があるんじゃないかと思うんです。これからの5年、あるいは10年を考えると、こうした温暖化への影響の対策、適応策について道筋を示していく、そういう時期に当たるんではないか。緩和策に比べると、適応策がどうしても日本の場合、立ち遅れておりますので、そういう点では道筋を書き込むという必要もあるんじゃないかと、これが二つ目です。
 それから3点目は、9ページのところで、地域からの低炭素社会づくりという項目があります。エのところです。これは地域で様々な低炭素の仕組みであるとか、各主体、これをまちづくりや交通体系や暮らしの中に組み込んでいくんだと、こういう話があって、これはこれで趣旨はよくわかるんですが、同時にこの地域のところにこそ、つまりある種の適応が必要になってくるというのが我々の考えです。といいますのは、温暖化の影響というのは、例えば都市部であるか、あるいは農村部であるか、あるいは北であるか南であるかで、地域において非常に異なった温暖化の影響が出てきますので、むしろその地域づくりにこそ、こういうその地域の特性や、あるいは置かれている立場に応じた対策が必要ではないか。そういう点でその視点が少し抜けている。多分災害に強い持続可能なまちづくりなんていうのは少しそれに近いかもしれませんが、もう少し盛り込んではどうかと思います。
 以上3点です。ありがとうございます。

○木下委員
 ありがとうございます。2点申し上げたいと思います。
 1点目は3ページですけれども、IPCCの四次報告書においても指摘されていますが、大雨の頻度と同時に全く雨が降らない干害の頻度も非常に増加しています。また陸上生物のみならず海洋生物、あるいは水生生物への影響もあると指摘されています。我が国においても寒流系の水域で暖流系の魚類が漁獲されるというような事態も報告されています。
 そういう意味で、11ページにもありますけれども、大雨の頻度の次に、干害の頻度というのもつけ加えるべきではなかろうかという点と、気候変動の影響は日本の農林業のみならず水産業にも及んできているので、日本の農林水産業と書いたほうがいいのではないかと思っております。 もう1点は、6ページの(3)の中期目標です。第1パラグラフと第2パラグラフですけれども、「他方」という言葉で結んでいますが、中期目標は今後とも維持しながら、様々な3月11日以降の経験や状況を踏まえて、温暖化対策の施策の検討を進めていくということなのか、「他方」以下の文脈の中で、前回の委員会でも指摘をされておりますけれども、2020年の中期目標の見直しを含め検討するというような意図なのか、確認をしたい。以上です。

 

○横山委員
 2ページの例えば大震災が自然の持つ圧倒的な力を示したとか、それから豊かさとは何かという価値観について、改めて考えていくことが求められるとか、私は大震災を受けていい認識だというふうに思います。それから9ページの地域からの低炭素社会づくりなんかも地域に焦点を当てていて、結構だというふうに思っています。
一方で、細部にわたっていくとまだまだ納得いかないところや、もう少し強く言うべきだと思う点がありますんで、3点指摘したいと思います。  1点目は、13ページの下、基本的な施策の一つになっている国内排出量取引制度、これについての記述なんですけれども、要するに慎重に検討を行うこととしていますというふうになっている訳で、後ろ向きの姿勢でいいのかというふうに思います。既に東京都とか埼玉県が先行実施している訳で、両都県はやっぱりはしごを外す気かというふうに怒るんではないかというふうに思います。これまで温室効果ガス削減というのは例の3本柱を掲げてきた訳ですけれども、国内排出量取引制度についてはこういう表現であるし、地球温暖化対策税についても、その上にわずか2行しか書いていないということで、ここに来て大幅後退しているという印象を受けます。ここでの議論も聞いていましたけれども、あまりこういう視点から強力な意見というのはなかったように思うんですけれども、どうしてこういうふうになったのかということを説明していただければと思います。
 それから2点目は、自然災害の凄まじさという点で、今回の巨大地震の大津波とか、あるいは温暖化による様々な自然災害、その両者を結びつけるという視点が、私は欲しいというふうに思います。今年の9月に2度、台風が日本列島に来襲しましたけれども、あの被害を見て、大津波と似ているというような印象を与えたというふうに思います。もちろんあれが温暖化の影響だというふうには、今の段階では断定できない訳ですけれども、ああいうことが日常化してくるというのが温暖化だというふうに思います。
 地震による災害というのは、ある意味では一過性のものだけれども、温暖化がもたらす災害は、今後継続して全世界に、はかり知れない影響を与えるというふうに思います。今度の大震災を経験した日本が、温暖化がもたらす自然災害を避けるということに全力を挙げるんだという姿勢を示していただきたいというふうに思います。とにかく温暖化問題と地震がなにか、密接に結びついているんだというような認識で、一般の人に訴えていくということが必要ではないかというふうに思います。
 それから3点目ですけれども、原子力について随分遠慮した表現になっているんではないかと思います。表現を見ていると、放射性物質の一般環境への放出とか、それに伴う住民の避難を招くというふうに書いてある訳ですけれども、いまだに帰れない人がいるし、将来にわたっても帰れない人が出るかもしれない。それだけの大事故だったというのが、どこにも出てきていないんではないかと思います。
 安全・安心という視点の重要性が高まっていると言いつつ、地震国日本ではもう原発に頼れないんだという問題意識というのが、薄いというふうに思います。原発抜きでもやっぱり25%削減をやっていくんだという意気込みを、書いてほしいというふうに思います。6ページを見ると、原発の安全性を高めつつ、依存度を低減していくという表現がある訳ですけれども、これは政府の文章の中に出てくるということで、やむを得ないというふうにも思いますけれども、全体としては原発事故を起こしたことへの反省とか、そういうものが欠けているんではないかというふうに思います。以上です。

○森嶌委員
 しょっちゅう言っているんですけれども、我々が集まっているのは中央環境審議会という政策を審議して、そしてそれについての提言をするために集まっている。ところがこのたたき台というのは、何となく評論をしているというようなところがありますので、私は次回に取りまとめるのであれば、もう1回基本的に何のためにこういう文章をつくっているかということを、考え直していただきたいというので、その点について細かい点はいろいろありますけれども、それについては今回は3分では終わりませんけれども、全部飛ばします。
 そこで、まず1ページから5ページまでの事実やら現状を書いたところは、これはイントロダクションとしては、これの1ページから5ページまではまずいいとしまして、6ページですが、この低炭素社会、私は低炭素社会そのものは中身をあらわしていませんから、低炭素社会というのはアフリカでも低炭素社会ですから、先ほどどなたかが言いましたけれども、どういう社会をつくるかという中身が大事なんですけど、それはそれとして、6ページを見ますと、長期的には2050年までに80%、1990年比で温室効果ガスを減らす。そして中期的には2020年までに25%を減らすというのが、いわゆる低炭素社会なるものの数量的なものであります。そして他方で、国際的にはカンクンで言いましたけれども、京都議定書の延長はいたしませんということを、ここには書いてありませんけれども、言っております。ですから国際的な問題は置きます。
 そして、それじゃあ、それをやるためにどういうことをやるのかというと、8ページを見ますと、方策としては一つは省エネではなくて節エネ、二つ目は都市交通などの社会インフラ、これを大きく変えるということでありまして、そして8ページから9ページまでいろいろと書いてあり、さらに具体的なものについてはメニューがぞろぞろと書いてあります。しかしこれは今あるものも、それから将来あるものもざらざらと書いてあるだけで、これは日経何とかその辺のを見ると、大体どこにもありますから、こんな会議を開かなくてもあります。それから皆さんここではいろんなことを議論されていますから、問題はこれをどうやってここに書いてあるようなことを実現するかということを議論するのは、しかもロードマップを2020年までにどうやってこれを実現するのか、どういう方策でやるのか、政府はどういうことをやるのか、あるいは国民はどういうことをやっていくのかということが大事であって、ここに一つしか挙げませんけども、こんな技術がどうやったらできるのか、ほうっておいたらできる訳ではありません。それを議論するのが、あるいはここで書くのが我々の仕事であります。4-2、12ページ辺りにいろんなことが書いてありますけれども、これを並べるだけが我々の能ではありません。少なくともこれを並べて出したら天下の人は、中環審というのは一体何をやっているんだということになります。
 そこで、中期的には都市づくりはすぐさまできないでしょうけれども、どういう都市をつくるか、地域づくりをするかということにつけて、あるいは緑にしても、これはこういう方法でこういう政策で、こういう方向に向けてやる、あるいは建築物でもそうですけれども、ということを、やはりもう少しこれだけの文章ですから、そう詳細に書けなくてもある程度のストーリーラインが見えるような書き方をしなければ、何のためにやっているかわかりません。
 とりわけ13ページに税と国内排出量取引というのが書いてありまして、これをご覧になりますと、私は10年ぐらい前に税をやりましたけれども、あのときに取りかかってからしまいまで挫折しましたけれども、国内排出量取引も挫折もしっ放しですが、実現もできないことを慎重にやりますなんて、よく恥ずかしくもなく、誰が恥ずかしくないか、ここではさておきまして、これを書いて少なくとも外側の人が見たら、内部批判をしないでこれ中環審は書くのかと言われます。
 その意味では私は書くのなら、なぜ今までできなかったかということを書いた上で、これを実現するためにはどうするのかということを書かなければ、少なくとも我々の責任は果たせません。メニューさえ挙げれば、ここの政策の審議会として終わるというものではありませんので、どういうものをどういうふうなロードマップでやっていくか、そして先ほど挙げました2050年までに80%、2020年までに25%をやっていくのかということを示すのが、ここの仕事ではなかろうかと思います。
 そして15ページを見ると、6ページに2050年、2020年の80%、20%を書いたにもかかわらず、15ページを見ると中長期的目標はいつの間にか消えてしまって、適当にやりましょうみたいなことを、これをお読みになると6ページと矛盾していることにお気づきになるはずであります。そして、こういう文章で、それじゃあ今度は環境基本計画、今度四次の見直しにこれを持っていくというんですけれども、環境基本計画の方ではこんなもの持ってこられたって、計画にも何もなりません。ただメニュー、しかも出来もしないメニューを並べられたって、これは計画以前の問題ですから、悪口ばかり言いますけど、悪口を言うのが私のここでの仕事でありますので、後は皆さんでお考えいただく。
 特に部会長によくお考えいただく。部会長及び部会長代理によくお考えいただいて、事務局とよくご相談いただくということで、3分を超えて発言をいたしましたけれども、宜しくお願いをいたします。

○鈴木部会長
 ちょっと時間が窮屈になりましたので、これ以降は2分半以内でお願いいたします。

○藤井(良)委員
 では早口でやります。最初の1ページ目の真ん中辺で、「従来は」というところで環境エネルギー分野が成長分野云々と書いています。ここのところはなぜそうなのかということを書いていない。あとマイナスのことも書いていますが、できるだけプラス、マイナスの両方について、わかりやすく書いてください。これは表現の問題です。
 次は3ページ目の上から2段落目のIPCCの四次報告書の問題のところです。この表現ですと1,000ページに及ぶけれども、その問題の部分が2ページとか3ページだったので問題がないと、いうような表現に読めてしまいます。誤記の部分というのは記載の誤りというのが単純ミスであるとか、些細なものであるというような表現に変えていただかないと、信頼性がないと思います。
 5ページ目の大きな論点は、やはり表裏一体でエネルギー政策との関係です。ここでの意味はそのとおりではあるとは思うのですが、今回の事態はエネルギー面での事故の影響ということなので、それを前提とした温暖化対策をどうとっていくかということだと思います。その場合、エネルギー政策に対する温暖化対策の国際的整合性、及びこれまでの政策との一貫性を求めていくということをしっかり出していただきたいと思います。
 それから6ページ目の(3)の中期目標のところ。先ほどのご議論において、既に論点は出ている訳ですけれども、表裏一体はエネルギー政策と温暖化対策だけではなくて、国際的な貢献と国内対策、これが表裏一体なのです。それも両方に対応していかなきゃいけないということをここでしっかり書いていただきたい。それから8ページ目の(イ)、ここで再生可能エネルギーの系統への接続の議論を書いている訳ですけれども、これまでのご議論の中にも出ましたように、電力システムそのものの低炭素化、あるいは安心・安全化の追求ということでいうと、現行のシステムを、ここではもう恐らくこの中の表現を使えば「白紙で見直し」て、つまり発送電分離も含めてやっていくことが、その温暖化対策に資するという論点が要ると思います。
 それから9ページ目の(エ)です。これも表現ですけども、「街」と「地域」と「コミュニティ」というものの使い分けがどういうふうにしているのかが見えません。ここは大事なところですので、しっかりわかりやすく書いていただきたい。
 それから13ページ目、(2)の横断的施策の中にグリーン金融というのを書いていただいている訳ですが、これは今まで環境省が使ってきた言葉で言えば、補助金を出して行う格付融資とか、あるいは自主的なSRIというものに読めます。しかし今後のことを考えますと、そういった自主的な形だけでは資金の流れは順調には進まない。温暖化対策に年金基金等の民間資金を意識的に誘導するような新しい金融の仕組みが要るということを言及していただきたい。それはなぜかと言えば、わが国の財政事情を考えればわかると思います。ギリシャの次は日本かもしれないという指摘もありますので、財政だけでは対応できないというところをしっかり書いていただきたい。
 それから排出量取引のところはもう既に出ているのですが、ここでは本当にプラス面は半行ぐらいしか書いてなくて、マイナスの部分を5~6行書いています。これでは確かに同取引の導入をやらないということを書いているように読めてしまいます。この辺の表現も難しさという反対意見があるのは明らかですけれども、これからやっていかなければならない施策を実現する上においては、重要な施策であるという位置づけも、しっかりしていただきたい。以上でございます。

○原澤委員
 3点コメントです。
 一つは8ページから9ページにかけて再生可能エネルギーの普及ということで、例えばバイオ燃料が挙がっているんですが、数年前、バイオ燃料の生産について、食料との競合が問題となりました。再生可能エネルギー、あるいは対策を打つことによって、間接的な影響までを考慮する必要があるのではないか、その一つとしてバイオ燃料があると思いますし、国際的にも持続可能なバイオマス燃料基準ができているので、そういったところも付記していただければ宜しいかなと思います。
 2点目がその下にあります地域からの低炭素社会づくりということで、やはり都市が中心の感じがして、これからは都市も中山間地もやはり低炭素にしていかなきゃいけないという中で、先ほど話がありましたように、洪水、あるいは豪雨で影響を受けるのは中山間地が多いというようなこともあったりするので、先ほどの都市なのかコミュニティなのか、どこまで含むのかというのは、明らかにしていただいたほうが宜しいんではないかなと思います。
 その下のほうに、災害に強く持続可能なまちづくり、あるいは地域づくりとあって、これはまさに適応策を十分考えた対策ということになるかと思いますので、車の両輪として緩和策と適応策を、こういった地域でしっかり見ていくということが必要かと思います。前回も適応策については言うのは簡単だけど、なかなか進まないという話もあったのですけど、例えば地域適応フォーラムといったものをつくって、研究者と自治体が一緒にやっていくような仕組みづくりもしていて、短期的な対策としてそういった取組が進んでいるということも、もし書けるようであれば書いていただきたいと思います。
 最後ですけども、11ページの下のほうに革新的な炭素技術の開発と実証ということで、ここまでは実証まで書いてあるということなんですけども、太陽電池ですとか、リチウム電池ですとか、非常にいい技術を持って、多分実証まではいくんですけど、なかなかビジネスにつながらないというようなところは、多分環境のテリトリーとは違った産業政策とも関わるかと思いますけども、グリーングロースですとか、あるいは環境ビジネスというようなところも計画の範囲ということであれば、実証から先のビジネスに向けて他の政策との連携も書いていただけると、グリーングロースにつながっていくのではないかと思います。以上3点です。

○新美委員
 ありがとうございます。私は2点コメントを申し上げます。
 第1点は、3ページと11ページに関連します。先ほど田中委員がご指摘されたところとも関連します。第四段落の第3番目、UNEPのその前のところですが、「影響を与えることが予想されます」ではなくて、与えているというご指摘がありましたが、この辺をもう少し科学的にきっちり書いていただきたい。与えることが推測あるいは推定できるのか、強く疑われるのか、その辺はきちっと書いておかないと、施策をつくるときにどう考慮に入れるかがはっきりしないと思います。
 同様の点が11ページの「地球温暖化は寄与していると考えられる」というのでは不明確でして、これも統計的に推測できるのか、強くできるのか、少し正確に書いたほうがいいのではないかということです。
 それからもう1点は、13ページの横断的施策のところです。これは森嶌委員がおっしゃった税制のグリーン化などとも絡むのですけれども、この横断的施策と掲げられている中身が何と何の横断なのか、それぞれ掲げられている項目が整合性が見て取れない。全体像が立体的に全然浮かんでこないです。いろんなものをここに入れ込んでいるという印象しか受けないのです。国際的横断だとか制度間の横断だとか、いろいろなものが入り込んでいるように見えますので、その辺を明確に立体的にするなり、整序して組み立てた方が記述としては的確ではないかと思います。以上でございます。

○長辻委員
 私は原子力の位置づけが少々不明確ではないかと感じております。これまで日本の原子力発電は国内の電力の大体30%を賄ってきた訳ですけれども、なぜそういうことを申し上げるかといいますと、この7ページに四段落目に「また」というところから始まる「地球温暖化対策に関する取組を進めていく際には」という文があり、その次の行に「国際情勢に的確に対応した戦略的取組の推進」ということが書かれていて、これが必要であると結ばれている訳です。ご承知のように昨日の段階で世界の人口は70億人に達しました。途上国では人口も増えますけれども、エネルギー需要はさらに高まっていきまして、どんどん増えてまいります。その具体的な一例がベトナムが要請している日本の原発のベトナムへの建設ということであると受け止めております。
 世界は低炭素社会を目指しており、そのための二酸化炭素の排出削減に原子力を使おうとしている訳です。途上国はもちろんそうです。発展にはエネルギーが必要ですから。一方、アメリカと中国、これらの大量排出国も、それからロシア、欧州もフランスを中心として依然として原発の利用を続けていこうとしております。ですから、エネルギーの安全保障の視点を抜きにして、地球温暖化対策を論じることには、限界があるのではないかと危惧致します。
具体的に申しますと、CO2削減のあり方ですけれども、日本が原発を使わなければ、ほかの国々が原発をCO2削減に使っていく中で、これからの2013年以降の排出削減の枠組みを決めていくときに、共通の土俵に乗った議論ができるのかという、そういう一抹の不安も感じる次第です。ですから原子力の位置づけについては、事故が起きたのでその安全性を高めないといけないのは当然のことですが、日本国内のみにおける原子力ということではなくて、世界全体における原子力という視点も含めて、もう一度とらえ直す必要があるのではないかと感じております。  それから細かいことになりますけれど、3ページに「熱波」という言葉が出てきます。この言葉が気になります。というのが、熱波という言葉は本来、高緯度地域に高温の空気が波状的に流入していく現象です。よく起きるところは欧州で、日本ではまだ熱波に襲われた例はないはずです。日本では「異常高温」という表現が適切だと思います。これは言葉の定義ですけれども、11ページでの使われ方は明らかに日本を前提とした熱波となっていますので、これは異常高温とする方が宜しいのではないでしょうか。
 それからあと10ページに関して。「世界的な温室効果ガスの排出削減に向けた我が国の国際貢献」という部分で、途上国を対象にした技術協力、技術移転という、そういうことが書かれていますけれど、日本は先進国に対してもこれを行っている訳です。これは例えばボーイング787が飛びましたけれども、その主翼のカーボン素材には日本の技術が使われて機体全体の軽量化に貢献しています。軽量化したジェットが飛ぶことでエネルギーの節約につながりますので、「先進国」という記述も我が国の国際貢献に加えておいたほうが宜しいのではないかと思います。以上です。

○永里委員
 ありがとうございます。2分30秒ということにこだわりましょう。
それで、今、隣の長辻委員がおっしゃった脈絡の中で、私の話を聞いてほしいんですが、中長期の環境温暖化対策について述べたいと思います。
 世界の人口が、現在の70億人から50年には90億人と、30%アップしますが、一方、それにつれてエネルギー需要は現在に比べて倍増すると予測されております。日本のエネルギー問題はこの増大する世界のエネルギー需要の動きの中で多大な影響を受けます。そして、エネルギー問題と表裏一体の日本の温暖化対策も、この地球規模の動きの中で考えるべきです。すなわち、長期的な視点を持って世界のエネルギー需要が、日本のエネルギー需要に与えるインパクトを十分に考慮して、日本の中長期の環境政策を検討すべきだと思います。以上です。

○中上委員
 私は1点だけにします。
8ページに省エネと節エネについて、今回はそれなりの定義をしていただいたようでございますけれども、来週月曜から省エネ部会がスタートいたします。そこでもこの議論は出てくると思いますけれども言葉の使い方について役所間で不整合が起きないようにしていただきたい。 特に、エネルギー消費量を総量として減らしていくとありますが、総量として減らすといったときに何をベースラインにとって減らすのかということは、省エネはエネルギーを合理的に使うという訳ですから、極めて理解しやすい訳ですが、総量を減らしていくということは何を意味するのか、これは非常に誤解を招くことになりますから、この辺をもう少し定義を一段、二段詰めなきゃいけないと思いますし、繰り返しになりますけれども、省庁間で言葉の齟齬が生じないようにしていただきたい。
 例えば来週の省エネ部会では、ピーク対策については論じるつもりでございますけれども、節エネルギーは多分私は論じないんじゃないかと思います。省エネとピーク対策、これは節電という言葉に置きかえられていますが、私はピーク対策だと思っていますけれども、そういうふうにかなり明確に分けて議論をしようと思っていますので、この点について後で齟齬を生じないように周到に対応していただきたい。以上です。

○冨田委員
 ありがとうございます。2分半ではとても申し上げられないので、文言のところについては文書で出させていただくという形にしたいと思います。
 文書にあまり書かれていないことで3点申し上げたいと思います。最初は9ページの(ウ)のところの化石燃料のところですが、その前段の施策を進めるに当たっての考え方として、化石燃料のクリーン化、効率化というキーワードがございます。(ウ)についてもそのキーワードをお使いになるほうが宜しいのではないか。なおかつ、本文の中にもクリーン化としての化石燃料の中での選択ということについても、記載していただければと思います。
 それから次の(エ)ですが、地域のところですけれども、地域が必要とするエネルギーというのは電気と熱、主にはその二つだと思いますが、これらのエネルギーをうまく使うという考え方として、エネルギーの面的利用の考え方がある訳で、このキーワードも入れていただければと思います。そして、そのときには地方公共団体の役割というのは、非常に重要だというふうに私は考えております。
 それから3点目ですが、14ページの一番上の(5)基盤的施策のところですけれども、最初に排出量・吸収量の算定方法の改善というのがありますが、ここはいわゆる算定報告公表制度における排出量の考え方も含まれていると思いますが、このほかに書かれていないものとして、削減量の算定方法の確立を入れていただきたい。これもこの部会の中で、過去何度か申し上げていることですので、宜しくお願いいたします。以上です。

○武内委員
 1ページ目、リオ+20、グリーン経済と書かれていますけれども、これについての具体的な取組についての記述が少ないように思われます。これからの地球温暖化防止ということを考えると、先ほど来からお話があるように、途上国でどうやって持続可能な成長を実現可能としていくのかということが重要ですので、やはり我が国がポストMDGも含めて、どのように貢献できるかという点は、この分野においても非常に重要な議論だと思います。
 2ページ目の上ですけれども、ここでは自然の脅威が強調された記述になっておりますけれども、私は自然は恵みでもあり、同時に脅威でもあるという、そういう自然観をこの機会に構築していくということが重要だということで、やはり自然の恵みという面も引き続き強調していくということが必要だと思います。
 その下のresilience、これは今回の大震災に関して、その言葉が重要であるというふうになっておりますけれども、同様に気候変動適応といったものを考えると、resilienceの高い社会を築くということが重要なので、短期的な自然災害及び長期的な気候変動等の、これも一種の自然災害だと思いますけれども、その両面で適応可能なresilientな社会の構築という文面に変えていくべきではないかと思います。
 3ページ目、IPCC、「科学的根拠の信頼性は、依然として変わりありません。」という、ここのところにそう大きな異論がある訳ではないんですが、やはりIPCCのガバナンスがやや問題があったという指摘もありますので、これに続けてその点の今後の改善が、引き続き必要だということについても書いておくべきだと思います。
 それから7ページ目、ここには様々な施策の統合の必要性について書かれておりますけれども、具体的にどういうことを考えることが必要なんだということが、全くこれでは理解できないのですが、例えば再生可能エネルギーの開発と、それからレアメタル、レアアースの問題の関わりとか、あるいは最近注目されております地熱発電といわゆる自然保護、レクリエーションとの競合といった、現代の今大きな話題になっているようなことについて、少なくとも例を挙げて、そういうものを優先的に考えていくことで、政策の統合が図れるということを言うべきではないかと思います。
 それから9ページ目、これが最後でございますけれども、地域からの低炭素づくりというふうになっておりますが、これについて二つ意見があります。一つは低炭素化というものと、先ほど申し上げた短期的・長期的なresilienceの強化というものと、それから高齢化社会、過疎化というふうなものをあわせて考えていくような、そういう社会づくりの一環として低炭素社会というのをとらえていくということが必要なんではないか。ただ単に低炭素社会をつくるためだけに、地域構造を変えるということでは説得力がないんではないかという点が一つと、それから今のようなことは、とりわけ震災復興に対して非常に重要なので、これは震災復興についての様々な方針の中で、コンパクトシティ、コンパクトビレッジというのは出ておりますから、積極的に被災地の復興を、いわばそうしたもののモデルとして積極的に支援していくという、強力なメッセージが必要なんじゃないかと思います。以上です。

○高村委員
 簡潔でございますけれども、5点申し上げます。
 1点目は、丁度今、武内委員がおっしゃった9ページのところ、全く申し上げようと思っていた第1点目でございます。これは冨田委員も言及がありましたが、武内委員、冨田委員の趣旨を反映して、とりわけ地域の役割というのが、以前にも増してより一層重要であるということについて、明記をお願いをしたいと思います。あわせて支援のところで、この間地域の計画づくりに携わっておりますと、やはり財源の問題を非常に苦慮している点も含めて、支援の制度の中の一つの内容として、財源の問題についても言及をいただきたいと思います。
 2点目でございますけれども、6ページ目でございます。6ページ目の長期目標でございますが、これは既に4ページに書かれておりますが、カンクンの合意で、既に政策目標としては2℃抑制目標というのを掲げる合意をしておりますので、その点については言及をいただく方が望ましいと思います。後段の排出量目標は、ダーバンの会議で議論されると思いますので、それを受けて修正・修文いただければと思います。
 3点目でございますけれども、中期目標、それから関連して当面の目標でございますが、いずれの委員の議論の中でも、長期目標についての異論はなかったというふうに理解をしておりまして、そういう意味では中期当面の目標の指針として、長期目標をしっかりと視野に入れて、念頭に置いてといったような言及が必要だろうと思います。ですから目指すべきところが明確になる必要があると。地域の温暖化対策の推進という観点からもお願いをしたいと思います。
それと申し訳ございません、3点目の細かな点でございますけれども、中期目標の「他方」で始まる第2パラグラフでございますが、ちょっとここの趣旨は中期目標に関わる事情をご説明いただいていると思うんですけれども、中期目標全体、つまり2020年あるいは環境基本計画の17、18年辺りの目標との関係でいきますと、少し違和感を感じまして、ここであれば先ほど局長のご説明があったように少し丁寧に書いていただくか、場所を変えていただくのがよいのではないかというふうに思います。
 4点目でございますけれども、施策の基本的方向性のところでありますが、この部分が非常に大事なところだと思っております。地方の重要性、地域の重要性が非常に増している中で、先ほど財源と申しましたが、同時に明確な方向性を地方、地域が求めておりまして、この視点のところを、書かれている要素について異論はございませんが、とりわけ二つの点、強調いただきたいというのが、4点目と5点目でございます。
 4点目で申し上げますのは、一つには7ページ目の「特に」で始まる辺り、それから6ページ目のところにも関わるんですけれども、6ページの一番最初のパラグラフのところが、読み方を、うがった見方をいたしますと、経済成長と温暖化対策のバランスをとるというようにも誤解を与えかねないのではないかと懸念をいたします。趣旨は非常によくわかりまして、ほかの重要な政策課題というものをきちんと念頭に置くべきだというご趣旨だと思うんですが、他方で、7ページ目のところにありますように、あるいは新成長戦略についても全体に書いてございますが、こうした省エネ、節電、あるいは再生可能エネルギー等の普及の政策というのが、正しい政策が伴えば、むしろ経済にとってもプラスになり得る可能性ということを、やはりつなげて書いていただく必要があるのではないかと思います。これが4点目でございます。
 そして最後でございますけれども、最後は実は既に武内委員、浅野委員、原澤委員がおっしゃった点でございますが、この政策統合、一番最後の「また」で始まる7ページの中段でございますが、政策統合を立案実施の段階で重視すべきであると、私も思うのですけれども、とりわけ恐らく重要な点としては、これは浅野委員がおっしゃった点に関わると思いますが、温暖化対策が及ぼす環境、あるいは生物多様性、生態系への影響というものをしっかり評価をし、それを踏まえて、対策がとられるべき必要があるということだというふうに思っております。これは国内の対策だけではなく、この中に書かれています国際的な様々な協力関係の中でも、この間、日本政府としては配慮をしてやってこられたということ、理解をしておりまして、この点については少なくとも特出しをして、言及をしていただきたいというふうに思っております。以上です。

○鈴木部会長
 大変申し訳ありませんが、ますます窮屈になってまいりまして、お1人2分。文書で後でお出しいただけるものは、省略をお願いできればと思います。大聖委員どうぞ。

○大聖委員
 この文章の中に、革新的な環境エネルギー技術の開発が非常に必要だということが強調されています。これは全体的なトーンとしてあり、それはわかりますけれども、これらを担う人材の育成というのが基盤にあるべきだと思います。私どもの大学、本年度卒業する学生が丁度2050年に定年を迎える訳ですから、これは何回も申し上げていますけれども、人材育成という観点から言いますと、三つあると思います。一つは温暖化に関わる科学的な知見、環境科学に携わる人の人材の育成、それからもう一つは環境教育に関わる人材の育成、それからもう一つ大事なのは、やはり革新的な技術の開発技術者の育成だと思います。
 そういったことでありますが、技術立国として日本がこれから国際貢献も含めてやっていく上で、人材の育成は欠かせないと思いますので、ページでいきますと11ページの(カ)とか(キ)のところを、もう少しそういったことを念頭に置いて強調していただきたいと思っております。以上です。

○住委員
 1点は、IPCCの件なんですが、ガバナンスに関してはインターアカデミーのレビューも受けたので、そういう点でその一つはプロセスとしての透明性は高まったので、引き続き日本としてもIPCCのフレームワークを支持して、それに参加していくということがあった方がいいんではないかという点と、それからもう1点、書き方が難しいんですが、これのトーンを原発の話でいくと、電源全部止まるとか、そんなことは起きないというふうに考えて書いているような感じがするんです。
 それで、やはり原発事故の教訓は、想定していないことが起きたときにどうするかというようなことを、少なくとも触れる必要が、僕はあるような気がします。例えばそれはどこに入れるかというと、11ページでもいいんですけど、心としては先進国の合意はできず、排出は好き勝手、何でもありみたいに将来なったときにも日本がどうなるぐらいの、そういうプランニングが必要だと思いますが、そう書くとどぎつ過ぎますので、11ページ(オ)のところに、やはり最後でもいいんですけど、今回言われたのはほとんどまれにしか起きないんだけど、起きたら甚大なる気候災害も結構ありますので、そういうものに対する備えも考えておきますぐらいのことを入れておいて、そういうニュアンスを出したらどうかと思います。以上です。

○末吉委員
 ありがとうございます。2点申し上げます。
 一つは、まずはじめのところなんですけれども、これ題が地球温暖化に関すると書いてあるからなんでしょうけども、地球温暖化オンリーですよね。私の理解では、今世界の議論は水の問題その他も含めて、ナチュラル・キャピタルの枯渇をどうするかと。それから貧困問題も入れてですけれども、これらすべて同根だということで、広い視点での議論があるように思いますので、せめてはじめのところにはもっと広い視点を入れるべきじゃないかと思います。
 それから2点目は、これは考え方についてであります。私は時折今回の改定で重要なのは、価値観の転換をどうするかということだと何度か申し上げてきました。そうした視点からしますと、何をやるかはいろいろ書いてあるんですけれども、一番もとになる価値観の変化とか、あるいは理念の変化、あるいは物の考え方の変化、価値基準の変化というのがほとんど触れられていないんです。何をやるかを実現するにはやっぱり社会システムが変わらないと、本当の変化は起きないと思っています。
 ですから、例えば13ページの税制のグリーン化と書いてあるんですけれども、私の理解では、もう課税基準が大きく変わり始めたということです。自動車で言えば重量税ではなくて、出すCO2の量が課税基準になったんだと。そういったことを私なりに理解しますと、環境を基準に課税を考えることは新しい税の公平性、公正さを保つことになるんだ、そういう思想の切りかえが始まったんだと思うんです。そういったことを今回もっと強く打つべきだと思います。
 それからグリーン金融と一言で書いてある訳ですけれども、例えば今金融にとって温暖化問題というのは、明らかにリスクファクターになったんです。貸し出しや投資をする際のクレジットの判断基準として、非常に重要な要素になりました。そういったことを例えば金融行政がどう受けとめるのか。資本の重要性が議論されておりますけれども、キャピタル・アディカシーを計算する中に、地球温暖化のインパクトを入れなくて済むという時代じゃもうなくなった。ですから、そういったことをどう組み込むかというようなことをしないと、単にグリーン金融が重要だといったって、何も進まないと思います。
 それからグリーン経済の主力例はビジネス、企業です。企業を変えるために今世界が動いているのは、情報開示を求めているんです。これはアメリカのSECだってそうである訳です。ですから、企業に情報開示を求める社会システムをどうつくるのか、情報開示は財務情報だけでいいのか、それとも環境に関する情報が必須になってきたんだ、そういうものの考え方をどう入れるか、こういうような話をしないと、単純にグリーンが、成長が必要だからとか、そういうような話ではないんだと思うんです。
 私がどうしてそういうことを申し上げているかというと、会計制度も含め、今世界ではいろんな変化があります。それはすべからく21世紀の競争条件を変えていくということになる訳です。国の競争であれ、産業の競争であれ、個別企業の競争であれ、新しいこういう原理のもとでの見直しが始まっている訳です。ですから価値基準が大きく変わります。そうしたことを、やはり今回の第四次の本当の国の基本になる計画ですから、そういった変化を織り込むということをしないと、私は非常に残念なことになるというふうに心配しております。以上です。

○進藤委員
 コメントさせていただきたい点が20点ほどありますので、別途文書で出させていただきます。本日はその中の基本スタンス的なところを4点申し上げます。
 まず1点は、2ページの上部「はじめに」のところの項であります。「自然の圧倒的な力の前に人間の限界を知った。自然との関わり方を含め、社会の在り方を見つめ直す等の価値観や意識の大きな変化が生じている。」私の実感から言いますと、本当にそこまで言えるのかと思います。そう考える人もいるでしょう。だけどそれを大宗としてこの報告書に書くのか。「安全・安心」についての再構築が求められるといいますが、これは原発の安全、津波に対する対応であります。これがライフスタイル、ワークスタイル、それから社会構造の見直し、これに加えて豊かさとは何か、人生の生き方、ここまで価値観を改めて考えることが求められているのか、本当にそこまで言い切っていいのかというのは、私は個人的に大変疑問に思います。
 私の接した範囲、限られていると思いますけど、被災した事業所を抱える企業、そしてそこで働く従業員、失業した従業員、そういう人たちはもっと現実的であり、できる限り早く復旧・復興を果たし、震災以前の活気・雇用・生活を懸命に取り戻したいと考えています。この感覚と齟齬やずれがないのか、ここはもう少し謙虚に考えるべきではないかと私は思います。これが1点です。
 2点目であります。これまでの取組の状況の中に、部門ごとの基準年次に対するCO2の増減の結果が書いてあります。これは何をどうやってきたのか、どういう成果があったのか、もう少し具体的に書くべきだと思います。産業の立場から言えば、「自主行動計画」という世界的にも極めてまれで、ボトムアップ型のプレッジ・アンド・レビュー方式の計画、この実行で成果を上げてきたこと、これを明記していただきたいと思います。又、今後どういう対策をやるのかという考え方の方にも、今、経団連として策定中である「低炭素社会実行計画」、これは、プレッジ・アンド・レビュー型の計画ですが、排出権取引が1項目立つのであれば、この「低炭素社会実行計画」に、産業界が社会的コミットメントとして取り組むことを是非うたっていただきたい。
 3点目は、目標についてであります。長期目標の「ラクイラ・サミットでの80%」。今回の書きぶりでは我が国が単独でやるという書き方になっていますけれども、これは中国等の途上国も含めて世界全体の排出量の半減、これを目標として、この一部として先進国全体として80%削減する、こういうことです。アズ・パート・オブ・ディスと書いてあるがこれは停止条件つきの書きぶりになっています。このニュアンスの入れ込みをお願いしたいと思います。
 それから中期目標の「前提条件つき25%削減」です。これは米国・中国をはじめ、他国の目標を引き上げる目的だったとされています。日本が高い目標を掲げてそうするということでありました。しかし他国の野心的な目標は引き出せなかったわけであります。これは国会答弁でもそのように言われております。当初の目的を達せず、いたずらに日本だけが実現困難な目標を掲げることは不合理であり、本来この目標はエネルギー基本計画をゼロベースで見直すということを言っておりますので、白紙から見直すべきだと思います。
 目標の書き方について、ここの長期目標、中期目標、これらを環境基本計画という国の基本計画に書くとすれば、これらは初めて登場することになります。その出所は何なのかというと、「基本法」案だと思います。しかし、これは国会ではまだ成立していない。「基本法」案の条文には、書かれています。それから閣議決定はその前提としてされています。そもそも一般的にいってこの環境基本計画に掲げる目標と、閣議決定、あるいは継続審議中の「基本法」案の内容、又は、対外的に政府が国際会議で発表したこと、これらとの関係、位置づけはどう考えるべきなのか。そこで言ったからもうこれは決まりだということなのか、いやいや、そこは自由に議論していいということなのか、ここは是非整理をする必要があります。
 最後の4点目です。バックキャスティングという話があります。長期的視点から目指すべき社会の姿を明確にし、そのためのロードマップをバックキャスティングの手法で描くと書いてあります。そういう考え方はあると思いますが、目指すべき社会の姿について、この審議会の委員の方のコンセンサスを得ることは、まことに難しいと私は思います。今後の産業構造の変化という議論も時々出てきますが、これについてのコンセンサスというのはなかなか難しいのではないかと思います。いずれにせよ、バックキャスティングという議論の進め方に工夫を凝らさないと、この分科会で何かをまとめることはなかなか難しいと思います。以上です。

○小林委員
 恐れ入ります。簡潔に申し上げます。
 まず1点目が、2ページのところでございますが、ここでいわゆる国民の間での価値観、意識の大きな変化が生じている、いわゆる東日本大震災の後、これが出てきた訳ですが、阪神大震災でも同じことが議論されました。ところがその中で一番問題点は、その下の「特に」の行の一番最後のところになりますが、「豊かさとは何かという価値観」という言葉が使われているんですが、これはいまだに「豊かさ」という言葉にこだわらなきゃいけないんでしょうか。いわゆる「豊かさ」という言葉が今、大きな問題だと私は思っています。ここのところもう少し、これは基本計画そのものの問題かもわかりませんが、そこは見直していただきたいと思います。
 それから次に3ページのところですが、4行目のところから、なお書きでIPCCの問題点が書いてありますが、これが今ここで書かなければいけない事項なのか、必要ないと私は思います。
 それから次、5ページ、これは皆さん方も言われていたんですが、いわゆる5ページの(2)の課題のところですが、あまりにもここは簡単過ぎます。本来ここが一番重要だと思います。何が今課題なのか。各委員の方が発言された意見の8割近くが、課題だったと思うんですが、それがここでは全く簡単に整理されてしまっているんですが、やはり課題が何かがあって、それに対する基本的な考え方があって、それに対する対策があると思うんです。その対策なり基本的な考え方を誘導していくための課題というのが、整理される必要性があると思うんですが、ここがあまりにも簡単に、触れられていないということで、ここをもう少しきちっと根拠立てをしてつくっていただきたいと思います。
 それから次、6ページの一番上のところですが、目標が書いてあるんですが、これ究極目標、長期目標、中期目標、それから当面の目標と書いてあるんですが、これは国際的な目標と国内目標が混在しています。やはりこれは国際的目標は何があって、それに対して国内的目標は何なのかということをきちっと整理していただく必要がある。そうしないとわかりづらいと思います。
 それから後は文書の構成上の問題なんですが、4以下のところで、4-1、4-2のところで、いわゆる先ほどの課題があって、基本的考え方があって、対策があると思うんですが、これをマトリックスで整理していただく必要があると思います。課題に書いていないことが対策にあったり、基本的なところが抜けていたりという、抜けが結構あります。その辺を整理していただく必要性がある。それから先ほど言った個別問題と共通問題、これを整理していただく。いわゆる国内対策と国際対策が混在している、これも整理していただいた方が、これ自身が外へ出たときに、一般の皆さん方が理解しやすいように、是非構成を書きかえていただきたいと思います。以上です。

○河野委員
 9ページ、地域からの低炭素社会づくりとありますが、その中に「環境未来都市、環境モデル都市、スマートコミュニティなど云々」とあります。それから12ページにも具体的には以下の対策施策は挙げられます。4-2の基本的な対策・施策の中に、今の環境未来都市、環境モデル都市、スマートコミュニティというのは書かれています。
 この書きぶりが、非常に意味のない抽象的な事柄の羅列、作文になってしまっているように思えてなりません。例えば、一つ例をとって言いますが、環境モデル都市というのは、3年前、平成20年7月に横浜市、北九州市をはじめ、6市1町、全体で6カ所指定されました。たまたまこのときに内閣府で環境モデル都市、低炭素社会づくり分科会の委員を、私も務めておりましたので、よく記憶しているんですが、最初は国全体で排出量取引を導入するとか中期目標を導入するという、いろいろな施策がデッドロックになっているので、一つ一つの低炭素社会づくり、地域からそういう神学論争みたいになっているデッドロックは置いておいて、いろいろなツールを地域社会に、例えば特区を設定するとか、いろいろなツールをそこに活用して、一つ一つの、下から町だとか市だとかから、逆にいろいろな試みをしましょうというような、最初そういうふうな理想で始まったのですが、結局は政権交代、これもともと自民党政権だったので、政権交代があったからということもありますけれども、指定されたところは何かメリットがあったのかというのを幾つかのところに聞いてみましたけれども、結局は政権交代があったので何もないに等しい。精神論ですねというような答えが返ってきました。
 つまり、そういうふうにかなりの最初理想があっても、結局何もならなかったというとちょっと語弊があるんですが、多少はあるようですけれども、そういうような施策なんです。これは今私は環境モデル都市に限って言っていますけれども。ですので、例えばこの9ページに実証で得られた知見、そういうものはスマートコミュニティとか環境モデル都市のいろいろな試みの中で、今後それを広くみんなで使っていけるねという知見があるかもしれません。だとしたらそれはこういうふうに抽象的に書くのではなくて、これとかこれとかはもっと推し進められるというふうに書くべきだと思います。
 ですので、今までいろいろ出てきている言葉を羅列的に書いて、何かやっているような形に見せるというようなことはもうやめて、かなり具体的にそこで得られたものは何か、得られなかったものはやめるという方向でやっていくべきだと思います。

○及川委員
 全体的な内容として、自然の働きを正確に理解していただきたいという、そういう感じをいたします。例えば10ページ目の(カ)の森林吸収源、バイオマス等の有効活用というところにありますけれども、「都市部の緑化は熱ストレスの緩和にも役立ちます。」と書いてありまして、全く異存はないんですけれども、なぜ緩和に役立つかというのを考えてみますと、植物が土壌から水を吸って、それを蒸散という格好で水蒸気として大気に出していると、そういった働き、1グラムの水が水蒸気に変わるときに大体2,500ジュールという非常に大きなエネルギーを使っている訳です。そういったことがある訳です。それで都市だったらばそういったことが多くの人が実感できる訳なんですけれども、それは別に都市に限らず日本中の、あるいは世界中の森林がやっていることなんです。そういったことの理解というのがやはり欲しいように思います。
 そして今問題になっておりますのは、熱帯雨林の伐採ということで、これは炭素の放出源として大きくとらえられている訳ですけれども、森林を伐採して農地に変えるということは、当然水の流れも変えて、そして表面温度も非常に上げている訳です。それで人工衛星ではかりますと、森林の上空の表面温度というのは非常に低いですし、畑は高いし、裸地といいますか、植物が生えていないところでは非常に高いというのが歴然としてわかる訳です。そういったことで、温暖化という問題と非常に関係しているということがございます。
 そしてなおかつ先ほどの熱帯雨林というのは、いわゆる発展途上国にある訳です。ですから発展途上国のことも考えて対応をとるということ、それから炭素だけではなくて、水循環にも大きく関わってくると、そういったつながりというのをきちっと理解した上での、全体的な書きぶりというものが望まれるんではないかというのが私の意見です。

○浦野委員
 2点あります。一つは重要な言葉なんですが、「低炭素」という言葉が出てくるんですが、その中身がどうも発電のエネルギーとか、あるいはそれのときの熱利用だとか、それをバイオマスあるいは自然由来とか再生可能でやろうという方に、全体がそうなっておる訳ですけれども、低炭素とはいえ炭素を使う訳で、炭素源は化石資源とバイオマスが中心だと思いますが、それは燃料以外にいろんな原材料にもなったり、食料になったりしている訳です。これら全体の炭素循環をしっかり考えて、炭素資源全体の有効利用を図る必要がある。そういう視点がこの中では全然見えないというのが、一つ私としては納得できない。
 例えば、ここの9ページの(ウ)のところに化石燃料の効率的利用というのが書いてあるんですが、これを見ますと発電のときの熱利用を一緒にやるとか、化石燃料とバイオマスを一緒にして燃やせとか、そういうことしか書いていない訳ですけれども、やはり全体としての有効利用、例えば廃熱利用もありますし、食料あるいはふん尿まで含めてエネルギーになる訳ですから、そういうここの少なくとも(ウ)のところは、化石燃料、化石資源の中の燃料利用だけじゃなくて、炭素資源の効率的利用、環境性向上という形で、中身ももう少し具体的にいろんなことができますので、充実してほしいというのが1点です。
 それからもう一つ、皆さんの言わないことだけ言っている訳ですが、あと最後のほうの13ページのところに、フロンの関係のところが対策が1行だけ書いてありまして、ノンフロン製品のどうのこうのと1行ちょろっと書いてあるんですが、実は炭素の削減というか、CO2の削減が今一番大事な訳ですけれども、CO2の削減が例えば25%削減が80%削減というようなことが起こると、フロンの寄与率は非常に大きくなるんです。これが実は今かなり減っているというふうに言われているのが、今増加傾向にほうっておくと転じる訳ですので、しかも対策が非常に容易だということもありますので、この辺はもう一段重点的に取り組むような書きぶりが欲しいというふうに思っております。以上です。

○井上委員
 改めて文書で提出させていただきますが、3点ほど述べさせていただきます。
一つ目は5ページの下の課題の最後のパラグラフで、2012年までの足元の温暖化対策の決意が書かれておりますが、この冬に向かって節電のお願いを、例えば関西電力であれば4基動いている原子力の内3基が年内に止まり、来年2月に全部止まるであろうという中で、また大変厳しい節電をお願いせざるを得ない状況、エネルギーの安定供給が揺らいでいるような状況の中で、これもまた関西電力の話でございますが、10月28日に大飯3号機でストレステストの一次評価の報告書を提出させていただきました。これからも新しい知見が得られ次第、逐次安全対策を実施して万全を期していきたいと、このように考えております。それが1点目のコメント。
 それから6ページから7ページにかけまして、「原子力の安全性を高めつつ依存度を低減」という基本方針が書かれておりますが、これも繰り返しになりますが、再生可能エネルギー、省エネとともに、原子力発電は大変重要な電源であると我々電気事業者は認識しておりまして、エネルギー・環境会議の報告書でも、反原発・原発推進の2項対立を乗り越えた国民的議論を展開していくということが書かれておりますので、これについても確認しておきたいと思います。
 それから8ページ目(イ)のところでございまして、ここにも再生可能エネルギー、電気事業制度、それから電力系統について、いろいろ書かれておりますので、関係省庁間で十分連携をとりながら議論を深めていってほしいというところです。技術的課題ということも書かれておりますが、これに加えましてコスト面からの評価・検証も必要ですので、全体的にこの取組の基本的方向の中にコストの視点、コスト面からの評価をしていただいて、これもあわせメリット・デメリットを検討するという視点が原案では少し弱いのではないかと考えております。以上でございます。

○市村委員
 簡潔に二つだけコメントさせていただければと思います。
一つ目は、この文章中の目標に整合性がないように感じています。例えば6ページでは長期目標では2050年80%減、2020年25%減、それを前提にエネルギー政策と表裏一体で検討と書いてあるんですが、15ページの具体的な目標の中長期目標では、「エネルギー政策と表裏一体で検討」しか書いていない。この80%とか25%は、どこへ行ってしまったんだという気がします。このどちらかを押すべきじゃないかと思います。
 それから二つ目は、12ページに基本的な対策・施策が書いてあるんですが、具体的に何をどこまでやっていくかというのが書いていなくて、これは方法論で終わっているということなんです。つまり具体的にどの方法をどこまでどういうミックスでやって、それでそれが結果として企業とか個人とか国民に、どれだけ負担を強いるものなのかというのを明確にしてあげないと、果たしてこれを進めていいのかどうかの判断というのは、なかなかできないんじゃないかなという気がしていました。以上2ポイントです。

○浅野委員
 ただいまのご発言にも関係がありますが、12ページ、13ページの記述が羅列になっているという訳ですけれども、既に小委員会でロードマップの検討をして、この部会で度々議論をしている訳です。これはやっぱりロードマップに沿ってちゃんと展開するというようなことを入れておかないから、議論がややこしくなるのではないか。それにあわせて今日ご発言があった内容についても入れる限り入れていくということが必要ではないかと、そんなふうに考えます。
 それから、既に適応については何人ものご意見がありました。この11ページの適応の部分については、確かに住委員のように日本全体で適応について考えなきゃいけない視点というのもあるのですが、緩和以上に適応の課題には地域性が非常に大きいと思います。そのことは田中委員もおっしゃったのですが、私はむしろ11ページのところには、日本全体をばっと一色に書いてあるのですけども、地域によって全然状況が違うので、地域特性を十分考えながら、それぞれの場所で適応を考えるべきということを、是非強調すべきであろうと思います。
 それから、再生可能エネルギーの部分でも、自然環境への影響を、ともかく最小化するというような配慮をしつつ、つまり環境負荷を可能な限り回避しつつというようなことを入れなくてはいけないと思っておりましたので、これは是非8ページ、9ページの部分でも考えてほしいと思っています。
 いろいろご意見をいただいたことの中で、1点だけ申し上げますと、今日我々は地球環境部会で、地球環境に係る、特に地球温暖化対策という重点的なプログラムについて議論をしている訳です。そこで、正直申し上げますと、資料2の1ページ、2ページの「はじめに」という部分は、全体総政部会で既に議論していることをほとんどそのまま繰り返しているような内容で、これ自体が直接この部分の重点プログラムに入ると思えない訳です。
 それからさらにこれまでに各委員からご発言をいただいた内容についても、他の重点項目の部分で取り上げるというものが多数ありますので、全体の計画の全体図を見ていただくとおわかりいただけると思いますが、その中で今日のご発言を取り入れる部分があると思います。とりわけ末吉委員がおっしゃったことについては、ちゃんとその部分のパートがあるものですから、そこと同じことを並べて書くことはありませんので、詳細はそちらに書いて、こちらでそれを引用するというような形になっていくと思います。そこは整理学の問題ということで、ご理解いただければと思います。

○浅岡委員
 3点申し上げます。
 一つは原子力につきましてでありますが、6ページの最後、「原発の安全性を高めつつ依存度を低減していく」という表現は、藤井(絢)委員がおっしゃいましたように、修正を求めたいと思います。原発の依存度が低減していくことは、現状の事実であります。従前も原発の安全性を前提としてとあったものです。ストレステストの第一次と第二次との間の関係も、これから議論されてくると思いますが、「安全性を高めつつ、依存度を低減していく」ことにはならない。詳細はまた追って申し上げます。
 それから、2点目は何度も申し上げましたが、化石燃料につきまして、燃料転換の視点、特に石炭、重油からの天然ガスへの転換が重要だという位置づけにしてください。
 3点目ですが、これまでの議論の中で私も大変印象的でしたのは、末吉委員のお話とそれに引き続いた進藤委員のお話であります。この議論はもう長年同じようなことを度々お聞きしておりますけれども、この震災の後、なおこのような結末といいましょうか、方向性が国として定められない、見極められないとすれば、日本の経済は本当に大変ではないかと心配です。本当に経済界の方々は、昨日のように早く復旧することだけ考えておられるでしょうか。タイの工業団地の現状は、あの水が引けば解決することでしょうか。パナソニックが環境へ転換すると今日、新聞には出ておりました。私は経済界も変わっているのではないかと思います。早くこの点についての収束を、ここでも見ていただきたいと思いました。

○鈴木部会長
 大変多くのご意見をいただきまして、これだけある種、基本的なところから、あるいは個別の文章の精度等々についてご意見いただいたということは、たたき台が完成度はもちろん、まだ今の段階ではまとめていない訳ですが、大変いい、たたき台であったということだろうと私は思います。
 いろいろいただきましたご意見は、これから事務局の方と私、あるいは副部会長の方でいろいろ検討させていただきたいと思います。原子力に関して、国としてのコンセンサスがというような問題がございますが、原子力安全庁というのはご承知のように、環境省に来ることになりました。これを今、どういう形で進めていくかというのは、まさに総政局の方で検討をされています。
 そういうことで、規制のあり方等も多分これまでとは違う、やはり国際標準に沿った形で動いていくことになるだろうというようなことは想定される訳ですが、それはそれとして、将来的な基本方針は、国の先ほどのエネルギー環境会議を中心として決めていくということになっていくと思いますので、そういう面も視野に入れながら、あるいは地球環境部会では原子力安全庁、あるいはほかの分野も、例えば森林政策であれば農水、いろんなところを背中からちゃんと後押しをしてあげるような、そういうしっかりしたものをつくっていくことが必要ではないかと思います。
 実は、ちょっともう時間が、大変皆様にご協力いただきながら、既に5分ほど予定をオーバーしてしまいましたが、一応土居室長の方で、これをどういうふうに今後するかを。

○低炭素社会推進室長
 今後のスケジュールに関する部分でございますが、資料3でございます。次回が下の部分にありますが、11月17日に98回目の部会を開催させていただくということでございまして、本日、資料2に対していただきましたご意見を踏まえまして、資料をつくり直すということで、また議論を深めていただければと考えております。
 また、こちらには載っておりませんが、環境基本計画全体を議論しております総合政策部会は12月の初旬から個別分野、また横断的分野の報告、また議論が進むということでございまして、そちらの方にインプットをさせていただきたいというふうに思っております。以上でございます。

○地球温暖化対策課長
 続けて事務的なご連絡でございますけれども、本日追加のご意見ございます場合には、11月4日までに事務局あてにご提出をいただきたいというふうに考えております。次回日程については、先ほど説明しましたとおり、11月17日予定でございますが、場所等詳細につきましては追って連絡を差し上げる予定です。議事録につきましてはいつもながら事務局でまとめますので、委員の皆様、ご確認の方を宜しくお願いいたします。ホームページに掲載を予定いたしております。
 なお、部会長のほうから各委員にお願いございました、第四次の環境基本計画の見直しに係る重点分野については、追って事務局に改めて文書にて依頼文も送付させていただく予定でございますので、宜しくお願いいたします。

○冨田委員
 すみません、別件ですけれども、もう時間を過ぎていますので、手短にいきたいと思います。部会長なのか事務局なのか、どちらにお願いしたらいいのか分かりませんが、今年の夏、この部会の意見ということで、環境大臣に意見具申をいたしました。部会長から当時の江田大臣にお渡しいただいたと聞いておりますが、大臣の受け止め、それから大臣が替わられて、それはどうなるのかというところについて、フォローを是非お願いしたいと思います。次回以降で結構ですので、宜しくお願いいたします。

○鈴木部会長
 わかりました。ありがとうございました。
 それでは、以上とさせていただきます。次回は11月17日ですので、どうぞ楽しみにおいでください。

午後12時08分 閉会

ページ先頭へ