長期低炭素ビジョン小委員会(第22回)議事録

日時

平成30年3月16日(金)15時00分~

場所

三田共用会議所 1階講堂
東京都港区三田2-1-8

議事録

午後3時00分 開会

木野低炭素社会推進室長

 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会長期低炭素ビジョン小委員会の第22回会合を開始いたします。

 本日は、委員総数18名中13名の委員にご出席いただく予定でおりまして、定足数に達しております。

なお、本日ですけれども、ご欠席の電気事業連合会の廣江委員の説明員として小川様にお座りいただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 なお、既に地球環境部会長決定とされております本委員会の運営方針でございますけれども、原則として会議は公開とされていることから、本日の審議は公開といたしております。

 では、以降の議事進行につきまして、浅野委員長にお願いいたします。

浅野委員長

 それでは、本日もどうぞよろしくお願いいたします。

 まず、中川大臣にお越しいただいておりますので、一言ご挨拶をいただきます。よろしくお願いいたします。

中川環境大臣

 本日は、お忙しいところをお集まりいただきまして、感謝申し上げます。

 開会に当たり一言ご挨拶を申し上げたいと思います。

 本委員会におきましては、昨年3月に長期低炭素ビジョンを取りまとめていただくとともに、今年度は長期大幅削減に向けた道筋について、前回は実現に向けた機会と課題について、貴重なご意見をいただいたところでございます。これまでの本委員会におけるご議論を踏まえ、環境省としての長期大幅削減に向けた基本的考え方を取りまとめましたので、本日、ご報告いたします。

 今回のキーメッセージは二つでございます。

 まず、従来の取組の延長ではなく、今ある技術を加速度的に普及させる経済社会システムのイノベーションが重要であるということでございます。ともすると、ノベーションとは革新的技術であり、その開発を待たねば大幅削減は難しいと思われがちであります。しかし、今ある我が国のすぐれた環境技術を徹底的に普及させることにより、相当程度の削減と市場活性化が期待されます。このため、低炭素な製品、サービス、ライフスタイルを普及させる経済社会システムのイノベーションを創出していくことが重要でございまして、そのために施策の果たす役割は大きいものと考えます。

 次のキーメッセージでございますが、2050年に80%削減を実現するためには、遅くとも2040年ごろまでに大幅削減の基礎を確立させることが重要であるということでございます。これは、家電や自動車などの機器の買い替え期間は概ね10年程度であり、2050年時点で徹底的に普及した状態をつくるためには、遅くとも2040年ごろまでに、新規販売における低炭素製品・サービスの需給が確立した社会を構築し、大幅削減の基礎を確立することが必要との考えに基づくものでございます。また、長期大幅削減に向けた個別の検討結果として、国際協力とカーボンプライシングについてもあわせてご報告いたします。

 委員の皆様方におかれましては、これまで闊達なご議論をいただいたことに改めて感謝申し上げます。本日いただくご意見につきましても、今後の長期戦略の策定プロセスや施策の具体化に生かしていきたいと考えております。

 本日は、どうぞよろしくお願い申し上げます。

浅野委員長

 どうも大臣、ありがとうございました。

それでは続きまして、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

木野低炭素社会推進室長

 はい、確認させていただきます。

 なお、中川大臣でございますけれども、次の公務があるため、中座させていただきます。

 お手元、議事次第の下に配付資料一覧というのが載ってございます。今日は少し種類が多うございまして、資料1-1、1-2、あと資料2、資料3が3-1、3-2、3-3とありまして、あと、最後に参考資料で名簿が載っております。過不足等ございましたら事務局にお申しつけください。

 以上です。

浅野委員長

 それでは、議事に入ります。

 本日は三つの議題となりますが、まず議事に関して事務局から報告をいただきます。

木野低炭素社会推進室長

 そうしましたら、本日、議事次第を見ていただきますように3本、報告事項があります。そのうち、まず最初、長期大幅削減に向けた基本的考え方でございます。資料としては、資料1-1と、あと、参考資料として1-2がありますけれども、資料1-1を使ってご説明させていただきます。

 こちらは、これまで、この小委員会でご議論いただいてきたことを踏まえまして、また、環境省としても、さまざまな場面で主張してきたこと、それを現時点で基本的考え方としてまとめさせていただいたものであります。

 まず1枚目、めくっていただきますと、長期大幅削減に向けて(背景)とございます。上に書いてある、まず一つ目ですけれども、パリ協定は、今後、世界が脱炭素社会の構築に向けた転換点となっている。で、世界は、その方向に向けて大きく舵を切っておりますけれども、ESG投資、ダイベストメントの動きが拡大しています。

 この中段で、世界で進むビジネス環境の転換とありますけれども、投資、生産と消費、あるいは金融というところで、こうした転換によって、気候変動に対する経営戦略が、グローバルなサプライチェーンへの参加、投資判断の評価等に影響すると、そういう時代を迎えているということであります。それに対して、我が国の強みを活かして、温室効果ガス、国内の大幅削減、世界全体の排出削減に貢献していく。さらなる経済成長につなげていくと、まずこれで重要かと思っています。また、少子高齢化、地方、国際情勢、こうした社会諸課題の同時解決、SDGsの実施、それを念頭に、気候変動対策を活用していくといった視点も大事かと思っております。このページの一番下で、そういったイメージをお示ししております。

 また、三つ目ですけれども、持続可能な社会を今後、国内で構築していくに向けまして、脱炭素化というのは基盤となる課題であります。今後、2050年ということを見通すと、使い捨て、高いんですけれども、脱炭素社会への移行という確かな方向性に向けて、さまざまな諸課題を同時解決につなげていくという視点で取り組んでいきたいと思っております。

 次の2ページ目です。ここで基本的考え方のポイントということで、主要メッセージをまとめてございます。

一つ目が脱炭素化という確かな方向性、多様な強みでビジネスチャンスを獲得すると。で、これにつきましては、2月のときにも報告させていただきましたけれども、そこから見て加えておりますのが、二つ目のパラグラフ、我が国の強みのステージを個別技術から異業種間連携も含めた「総合力の発揮」に引き上げると、そういったところも含めて、今後、ビジネスチャンス、立ち向かうべきチャレンジ、これをしっかり克服していくというメッセージです。

 二つ目、民間活力を最大限に活かす施策によりイノベーション、イノベーションは「技術」のイノベーションに限らず、技術を最大限普及させるイノベーションが重要だと。

 あるいは三つ目、施策を「今」から講じて、2040年ごろまでに大幅削減の基礎を確立する。この二つについては、先ほど大臣からも強調していただきました。で、この3ポツの一つ目の部分については、2月から加えさせていただいております。前回、加藤委員から、日本のビジネスとして危機意識を持つということも加えていくべきだということがありましたので、気候変動問題、危機感を持って対応すべきテーマとして広く国民と共有しながら、イノベーションを創出する施策を「今」から講じていくということで加えてございます。

 次、めくっていただきまして、脱炭素化をけん引するために踏まえるべき主要各国の状況ということで、これは12月の小委員会でまとめさせていただいたものです。各国の長期戦略の位置づけとしては、真ん中の点線囲みですけれども、各国とともに大幅削減に向けた政策の枠組み・取組の基本方針を示すものであると、さらに、長期戦略により大きな方向性を示すことで、投資の予見可能性を高め、大幅削減に向けた移行を成長の機会にしていくものと、そうしたことで策定していますので、そうした内容であったり、本日お示ししている基本的考え方を踏まえまして、未来への発展戦略として、しっかりと長期戦略を作成していきたいと思っております。

 次のページ、4枚目のスライドです。長期大幅削減に向けた原則を整理しておりますけれども、これは去年3月におまとめいただいた長期低炭素ビジョンに示された基本的考え方から基本的に取っています。科学に基づき取組を進めるということを基本にしながら、累積排出量を抑える、進捗を管理しながら迅速な継続的に進めていくということをしっかり支援していきたいと思います。また、二つ目については、国内対策に加え世界全体の排出削減にも貢献する日本であると、そういう方向をしっかり目指したいと思っています。また、三つ目といたしまして、長期大幅削減のカギはイノベーションということで、このイノベーションというところをさらに掘り下げて、しっかり検討してまいりたいと思っています。

 おめくりいただきまして5枚目のスライドです。

 長期大幅削減に向けた対策の方向性、あと、施策の方向性ということで2段つくっておりますけれども、上段の対策の方向性につきましては、まず、最初に長期ビジョンでまとめていただいた省エネ、低炭素電源の活用、利用エネルギーの転換、この3本柱をまず据えております。二つ目ですけれども、同じくビジョンで示していただいた国民生活、家庭、あるいは移動、自家用車からの炭素排出はほぼゼロにする、9割以上の電源を脱炭素化に向けていく、そうした具体的にいただいた絵姿、これを道順を追ってしっかり実現するということが大事かと考えております。それに当たっては、民間におけるビジネスチャンス、チャレンジ、これをしっかり克服することが大事ですので、その一端については後段のページで詳しく述べておるところです。

 また、イノベーション創出に向けた施策の方向性ということですけれども、こちらについては、前回の小委員会でお示し、ご議論していただいた内容に沿ってございます。大幅削減に当たっては、今、導入されている対策技術の徹底的な普及、それによって相当量の削減ポテンシャルがあると、なので、対策技術を普及させる経済社会システムのイノベーションの創出に向けた施策、これがまず重要になるということで、具体的には、価格シグナルによる市場の活力の最大化、あるいは需要家による選択を促す取組、環境情報開示や担い手の育成、こうしたところをしっかりと組み合わせていくということが重要かと捉えてございます。そのために一貫した方針を示していくこと、また、研究開発から普及までの一貫した支援を示していくことが重要かと思っています。また、最後の矢じりですけれども、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議のほうで、今後2050年の移行ということも踏まえました統合イノベーション戦略というのを策定していく方向でして、そうした各府省との連携の下で、脱炭素社会に向けて世界で勝ち抜く戦略などについても具体化しながら、取り組んでいくということを一番下段に書いてございます。

 6ページからでございます。今回の資料であれば10ページなんですけれども、前回、長期大幅削減実現に向けた取組と削減イメージということで示させていただきました。これについて、もう少しブレークダウンして整理してみたのが、6ページ目から4枚ほどのスライドになります。

 まず6ページ目ですけれども、従来の取組の延長による削減とイノベーションの必要性ということで、「従来の取組の延長」によっても削減効果というのは期待されますけれども、それはあくまで一定程度にとどまると、このために、大幅削減実現に向けては、従来の延長線上にない更なる対策(イノベーション)が必要という整理をまずしてございます。下に国内のイメージ、あと、海外でも同じようにギャップがあるということで、例を出させていただいておりますけれども、2050年80%減、さらに、その先の排出・吸収のバランスを達成するためには、より一層の取組の加速が必要ということになります。

 めくっていただきまして7ページ目になります。その従来の延長線上にないものとして、「経済社会システム」と「革新的技術」のイノベーションが必要ということで整理してございます。こちら、前回の審議会でも概念を示させていただきましたけれども、経済社会システムのイノベーションについては、我が国の強みである今ある低炭素製品・サービス、これを最大限に活かすことで、相当程度の大幅削減、あるいは環境、低炭素に起因した市場活性化が期待されるということで、まず、これをしっかりやっていくことが大事だろうというメッセージです。

 また、右側に保有シェア、2040年、2050年というところでイメージ図を描いておりますけれども、家電とか自動車等の機器の買い替えサイクルが概ね10年ということで、2050年に最大限の普及を実現するためには、2040年に脱炭素可能な製品の販売シェアを最大限、最大化していくことが必要だと、そういったことで遅くとも2040年ごろまでに加速度的な普及が必要であると。それに向けて、市場に任せていてはそういうことは実現しませんので、施策による後押しをしっかりしていくことが必要だという整理です。さらに、商用化に至っていない革新的技術の開発・普及も重要でありまして、そうした技術が普及フェーズに入れば、同様に、この低炭素・脱炭素技術が普及する経済社会システムを構築してあれば、すぐに入ってくということで、いずれにせよ、この二つについて、しっかりとイノベーションを起こしていくということを考えていきたいと思ってございます。

 次、8ページですけれども、そうしたイノベーション創出に向けて民間活力を最大限活かす施策の方向性ということで整理してございますけれども、一例として、左側、くらし、地域・都市のイノベーションというところで、イノベーションのポイントとして、電化の促進ですとか、建物の脱炭素化、地域やライフスタイルに応じた取組を促進する、そうしたことを促していくために、施策の方向性として、価格シグナルによる市場の活力最大化であるとか、消費者の選択による脱炭素・低炭素需要の創出、あるいは地域資源の活用、新たな技術の海外展開などの挑戦の後押し、こうしたことを方向性として書かせていただいております。

 さらに、ビジネスのイノベーション、エネルギーのイノベーションということで、詳細は後のスライドになりますけれども、そうした整理をしているという紹介であります。

 めくっていただきまして、我が国が世界全体での脱炭素社会をけん引する取組ということで、前回も根本委員から、国際貢献もしっかりと位置づけていただきたいというご指摘がありました。後ほど、別途の報告をさせていただきますけれども、2050年における世界規模での大幅削減に向けた我が国の国際展開ということで、別途、検討会を設けて検討した報告書も後ほど紹介させていただきます。

 ポイントは赤囲みのところでして、2点を柱として国際展開を実施していく、日本の強みである環境技術、質の高いインフラ・製品・サービスサービス、これを世界に展開していくこと、また、パートナー国と我が国の協働を通じて、双方に裨益あるイノベーション(コ・イノベーション)を起こしていく。そのためには、国内削減でしっかりと技術・ノウハウを磨いていく、これが国際競争力の源泉になること、そのためにも長期戦略をしっかり策定すると、こうした考え方を示しております。

 次、10ページでありますけれども、今までのポイントをまとめたのが10ページになります。

 おめくりいただきまして11ページ目です。気候変動対策による経済との同時解決ということで、前回の資料から、左側のイノベーションと社会変革というところを追加させていただいております。こうした一貫した戦略をもって臨むことが大事だと思っておりますし、特に、社会実装のところ、技術の向上と需要の喚起によりコストを低下しながら更なる普及を実現するということで、前回も、複数の委員からコストというところはしっかり記すべきだというご指摘がありましたので、そこも含めて、しっかり検討してまいりたいと思います。また、右側の経済の好循環のところですけれども、化石燃料の輸入は下がっても、日本の製品がしっかりと社会で活かされないと、こうした好循環は生まれないということで、黄色の囲み、脱炭素社会への移行が需要を創出するという好機を活かしながら、国内産業の競争力を向上していくという視点、また、国内だけでなくて、競争力向上によって外貨獲得、あるいは投資、海外からの投資の見込みという視点も加えさせていただきました。

 あと、12ページ以降につきましては、前回お示しさせていただいたものを、ほぼ載せてございます。

 12枚目は、くらしの機会と課題のポイントということで、この視点で、それぞれ機会、課題について触れておりますけれども、例えば、住まい、オフィスの脱炭素化の背景というところについては、所有から機能への需要のシフト、これはわかりやすいキーワードとしてシェアリングなどという言葉を追加してございます。

 おめくりいただきまして、13ページ目です。ここでは、地域と都市の機会と課題のポイントとしておりますけれども、左上、地域資源の活用というところ、機会の部分ですけれども、一番最後に、地域循環共生圏の創造ということで、崎田委員から、そういった地域の視点を重視してほしいということで、この言葉については今回、加えさせていただいております。

 また、14ページ目ですけれども、そうしたこと、移行ということを考えながら、30年断面、40年まで、50年までということで、道筋と施策の方向性として示させていただいておりますけれども、例えば、この一番下段で、都市・交通のスマート化というところがありますけれども、谷口委員から、しっかりとその順序も含めて、整合的、計画的にこうしたことは取り組んでいく必要があるということで、計画的に早期に取り組むという視点を、今回、変更させていただいております。また、一番下で、イノベーションを支える施策の方向性としておりますけれども、米印で脱炭素化という方向性に向けて統合的に進めていくことが重要と書いておりますけれども、下間委員などから、分野横断的に、整合的に、あるいは連携をとって進めていくことが重要ということをご指摘いただきましたので、こうした視点を入れてございます。また、一番下、地域資源の活用という段落では、自治体における地域資源活用の計画支援と、そして、地域が重要という委員からの指摘について反映させた記述も加えてございます。

 めくっていただきまして、ビジネスの機会と課題のポイントということです。ここにつきましては、プロダクト・サービスの低炭素化といった中で、背景、機会、課題、整理しておりますけれども、課題の一番下のところ、オンデマンド化というキーワードを入れながら、こうしたICT技術の普及にはプラットフォームというのをしっかり意識しないといけないということで、これは根本委員とか加藤委員からだったと思いますけれども、そうした指摘を踏まえた修正を加えさせていただいております。

 次のページが16ページ、ビジネスのイノベーションに向けた道筋と施策の方向性ということで、基本的には、前回お示しした内容で用意させていただいております。

 さらに、めくっていただきまして17ページ、エネルギーの機会と課題のポイントということで、三つの視点で、それぞれ機会、課題を整理させていただいています。ここにつきましては、熱の低炭素化というところ、中段、機会とありますけれども、水素について、「輸入という選択肢のほか」という表現にして、輸入を一義的にしないということで大塚委員のご指摘を踏まえた修正をさせていただいてございます。

 こうした機会・課題を踏まえた道筋と施策の方向性ということで、18ページに整理してございますけれども、基本的に、前回お示しさせていただいた内容としております。

 めくっていただきまして19ページになります。機構変動緩和策に関する国際協力のあり方ということで、先ほど、2050年にかけてしっかりとした日本の製品・技術が国際貢献していくという絵姿がございましたけれども、それを実現するためにも、2030年までというところで、国際協力をしっかりやっていくというところは、これから別途報告させていただく報告書でメッセージとしていただいておりまして、これに関して触れているところです。詳細の説明は後ほどの報告に譲りたいと思います。

 最後、20ページです。実質排出ゼロに向けてと、これも前回、用意させていただいた資料と同じものですけれども、視点としては、50年80%削減、それは、あくまで今世紀後半に実質排出ゼロというところへ向けた一つの通過点ということでありますので、そこに向けた技術開発をしっかりと日本としても磨いて、国内、海外の削減に貢献していくという方向性を例として示させていただいております。

 このような形で、環境省として基本的考え方をまとめさせていただきましたけれども、今後、政府としての長期戦略の策定に向けて、こうした考え方をベースに、しっかり取り組んでいきたいと思いますので、これからいただきますご意見も含めて、さらにブラッシュアップを適宜しながら進めたいと思っております。

以上になります。

浅野委員長

 ありがとうございます。

 前回は、たたき台的なものをご準備いただいて、委員からのご意見をいただいたわけですが、それを踏まえて、さらに環境省としての考え方をブラッシュアップしたということでございます。

 今日示されました、この環境省の考え方について、ご意見・コメントなどをいただきたいと思います。ご発言ご希望の方は、どうぞ、いつものように名札をお立ていただきたいと思います。恐らく、ほとんどの方がご発言ご希望ではないかと思ういます。諸富先生はよろしいのですか。

 はい、では、諸富委員以外は全委員が発言をご希望でございます。前回は大塚委員からご発言いただきましたので、今日は増井委員から順番にご発言をお願いいたします。

増井委員

 どうも取りまとめ、ありがとうございます。網羅的に書かれているということで、その個々の内容というわけではないんですけれども、2点ございます。

 まず一つは、やっぱりサマリーのようなものが必要だろうと思っております。2ページ目のところ、2枚目のところに基本的考え方のポイントというのが書かれているんですけれども、この中には、例えば、これまでの社会の延長では脱炭素社会というのは実現できないんだとか、その前のページに転換点という言葉は示されておりますけれども、やはり、メッセージとして少し弱いのかなという気がいたしますので、ぜひサマリーをつけていただければと思います。そういった中には、排出量を実質ゼロにしていかないといけないですとか、あと、その炭素に対する価格づけ、こういったことが実際に社会を変えていく上で必要になってくるというような、そういうメッセージも必要になるかと思いますので、ぜひご検討いただければと思います。

 で、2点目なんですけれども、サマリーは多分、非常に内容の濃い、記述としては非常に難しいものになってしまうかと思うんですが、2点目としましては、これをどうやってわかりやすく一般の方に伝えていくのかということについて、環境省のほうで、もし現時点で何かお考えがあれば、教えていただきたいと思います。これは一般の国民だけではなくて、例えば海外への発信ですね、日本でも、こういうことを実際検討しているんだということを強く発信することは非常に重要かと思いますので、そういう海外への発信も含めて、この成果の取りまとめというのをどういうふうに活用される予定なのか、教えていただきたいと思います。

 以上です。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 それでは、次は小川さん、どうぞ。

小川説明員

 1点ご質問で、あと2点ほどコメントでございます。

 一つ目、質問でございますけれども、7ページ目の一番下のところに、排出削減クレジットという言葉が唐突に出ています。ふとこれを見ながら、今回、エネルギー起源のCO2削減については、この表題もちょっとよくわからない、CO2なのか、GHGなのか、ちょっとわからないんですけれども、基本的にGHGだとすると、環境省さんの中でいろいろ議論されるのかわかりませんが、例えばシンクであるとか、エネルギー起源のCO2でないものについてはどういうふうにお考えなのか、もしあれば、教えていただきたいなというのが1点でございます。

 次にコメントでございますけれども、一つは、これから電化を非常に進めていくということで、エネルギーとして非常に電気がさらに重要になってくるというところで、やはり安定的に供給するというのが非常に重要ですし、当然、国民生活に影響するという意味で、経済的、安価であるというのも非常に重要だと思います。当然、再生可能エネルギーを大量に入れていくというのに対して、我々も反対ではないんですけれども、実際に災害時など、しっかりと電気が届けられるように、これからもぜひ考えていくというのが重要な視点でございますので、よろしくお願いしたいと思います。

 前回、廣江委員のほうからも話をさせていただきました原子力については、当然、環境省さんのお立場があって、環境省さんがまとめられたこの資料にはあまり言及がないのかもしれませんけれども、やはり原子力は重要な低炭素電源でございますし、しっかりと議論もする必要もございますので、そういう記載も、ぜひお願いできればなというふうに思っています。

 以上でございます。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 では、根本委員、どうぞ、お願いいたします。

根本委員

 大きな課題から、些細なコメントまで、幾つか申し上げます。環境省の立場を示されたペーパーだという理解でいますが、幾つか、少し気になるところがあります。言葉遣いの点がほとんどだと思いますがコメントを申し上げます。

 まず1点目、1ページ以降、「確かな方向性」、「ぶれない一貫した方針」という言葉が幾つか続いていますが、実は、2050年時点に向けての道筋は、かなり不確実性が高いと思います。したがって、一点突破型のシナリオは非常に危険なお話になるので、そういうことを意味してはいないとは思いますが、この用語の使い方については、受け取る側の問題もあるので、気をつけていただければありがたく思います。

 それから2点目、記載の仕方として、例えば、5ページの「国民生活の炭素排出ゼロ」や「低炭素電源9割以上」という表記については、議論の過程を鑑みると、対策に伴うコストや、エネルギー構造、将来の産業構造に与える影響などについてはあまり議論せずに、打ち出しただけの話だと思いますので、そうした位置づけのものだということを明確にした上で、今後の議論をしていただけるとありがたいと思います。

 それから3点目、一つ、非常に大きな問題で、「価格シグナルによる市場の活力最大化」という用語が幾つかの場所で出ています。価格シグナルのお話は、つけ方はさまざまで、やり方もさまざまあると思います。ただ、この場でも繰り返し申し上げていますけれども、明示的なカーボンプライシングだけはやめたほうがいいということが私どもの考えであり、それは将来をむしろ危うくすることなのだろうと思います。むしろ価格シグナルで、その民間活力を最大限活かすということであるとすれば、社会全体の効率化に向けた支援を手厚くしていくことに注力すべきだろうと思っております。

 あとは用語の問題ですが、4点目、実は、イノベーションという用語がたくさん使われていますが、インベンションなのか、イノベーションなのかがわからない書きぶりが何カ所かございます。明らかに違うお話ではないかなと思われるところがありますので、ここはご留意いただければと思います。

 5点目、資料の3ページ目にご指摘をいただきました各国のさまざまな長期目標の表ですが、これは各国ともコミットはしていないということが実情だろうと思いますので、そこもはっきりさせておいたほうがよろしいのではないかと思います。

 6点目、6ページに参りまして、従来の取組で26%削減が達成できるのだというような表記になっておりますけれども、実は、相当色々なことをしないと26%削減には到達しませんので、さらっとこう書くのは、少し対策に関与している者としては、「あれ」という感じを受けます。

 7点目、17ページにバイオマス燃料のお話が出てきますが、ここも、このバイオマス燃料を動力源にすることは、少し技術的にも日本の資源の賦存量からいっても、理解がなかなか難しいところでございます。炭化水素の話ではないと理解できますので、少しその辺りは表記の問題かもしれませんが、もう一度ご検証をいただければと思います。

 以上です。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 手塚委員、お願いいたします。

手塚委員

 どうもありがとうございます。

 最初の2ページに考え方のポイントというのがございまして、これについては大きく異論はございません。全部こういうふうにうまく進んでいったらばいいだろうなと思いますけれども、一方で気になるのは、脱炭素化というものを進めていくと、国際競争力の源泉になったり、ビジネスチャンスが出てきたりということが示唆されていますが、これは、そうなったらいいなという、最も理想的な姿、ストーリーなんだろうと思うんですね。

 一方で、こういう脱炭素化を進めていく中で、根本委員からも懸念が幾つか指摘されていますけれども、価格シグナルのかけ方を間違える、あるいは強度のレベルを国際水準との間でバランスがうまくとれないというようなことをやりますと、実は、ビジネスのチャンスの足を引っ張ることも当然あり得るわけですし、国際競争力をそぐという結果を招くというような事態を招くこともあるかと思います。

 これは、やってみなければわからないイノベーションをやられるということなので、最初から結論を予断することは不適切だと思います。何が言いたいかといいますと、基本的に、これは非常に長期の取組を意図して書かれているものなわけですから、これは実際の進捗、あるいは技術の開発、アベイラビリティー、こういったものを見ながら、あるいは世界全体での取組、これが進めば進むほど、ビジネスチャンス、あるいは日本製品の市場というのも当然広がるわけですけれども、それのスピード、進捗、こういったものを見ながら、不断の見直しをかけていくということが、この話の前提になっているわけです。

 つまり、こういうふうになるためには、最初から決め打ちで全ての施策をやるんだといって進めるのではなくて、個々のイノベーションの進捗度合い、あるいは、そこから出てくる障害なり、課題なり、あるいは副作用なり、こういったものを勘案して不断の見直しをかけていくと、こういうことが非常に重要なんだろうと思います。ぜひその辺、一言でいいと思いますけれども、不断の検証ないし見直しをかけていくというようなことを入れていただくといいのかなと思います。

 それから1点、細かな話になるんですけれども、今日初めて配っていただきまして拝見したんですけれども、参考資料の93ページと94ページに、鉄鋼のことが書かれているのですが、だからどうということは何も書かれずに、93ページには、今後も世界の鉄鋼の需要は伸びるので、生産量もどんどん増えますよということが書かれていて、94ページのほうでは、高炉による製鉄法と電炉による製鉄法では炭素排出量が相当違いますねということが書かれていて、それ以上のコメントも評価も書かれていません。これらは本文の15ページ関連の資料ということですので、本文の15ページのほうを見ますと、今後の産業界の取組の中にリサイクルを増やしていくということが重要ということが書かれていますので、恐らく、スクラップを大量に使って、鉄鋼産業の脱炭素化を進めるというようなことが含蓄されているのかなと想像するわけです。

 ただ、くしくもこの93ページのほうに書かれているとおり、世界の鉄鋼の需要というのは、今後も非常に大きな勢いで伸びていきまして、それに伴ってスクラップのアベイラビリティーが増えていくわけでは必ずしもないとされています。22から30億トンの需要に対してスクラップのアベイラビリティーは13億トンですから、当然のことながら鉄鉱石の還元を13とか15億トンやらなきゃいけない。つまり、現在の世界にある高炉全てがまだ稼働していても足りないぐらいの鉄鋼生産を高炉でやらなきゃいけないということがここで書かれているわけですね。そうしますと、この94ページに書かれていることがどういう意味を持っているかということは、ちょっと理解できないわけです。

 ちなみに、日本の場合、現時点でもスクラップの9割以上はリサイクルされて、高炉ないしは電炉でもって有効に活用されていますし、また一方、日本の高炉製鉄業のエネルギー原単位、CO2原単位は世界度トップクラスであるということが、今年の2月にRITEさんが発表された最新のデータ、2015年のデータでも立証されていますので、むしろ2050年に向けて、世界の高炉が現在の生産量を維持しなきゃ足りないのだとすると、日本の高炉が真っ先に稼働率100%で動いているというのが、世界の鉄鋼業全体での二酸化炭素の排出量を抑制していく対策になるということになります。この参考資料に書かれていない、このデータから読み取れることに関するコメントを、ちょっと僭越ながらさせていただきました。

 どうもありがとうございます。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 では、谷口委員、お願いいたします。

谷口委員

 どうもありがとうございます。2点コメントさせていただければと思います。

 大分整理されてきたと思うんですけれども、これ、初めてざっと読む人が見ると、やっぱり民間で、イノベーションでというのがかなり重視されているということはよく伝わると思います。、イノベーションが入ってこないとこれができないということはよくわかるんですが、一方でこの会議の最初のころに多分コメントさせていただいたことですが、過去のイノベーションを見ると、全てCO2を減らす方向にばかり動いてきたわけでもないんですね。

 例えば、テレビでいきますと、ブラウン管から液晶に変わって、画面の単位面積当たりの当然CO2排出量は減っているわけですけれども、液晶化によって画面がでかくなって、各部屋にテレビが置かれるようになって、生活がぜいたくになってきて、そこでCO2が逆に減らせていないという実態があります。例えばLED化も、LEDだと電気代がかからないからということで、今、まちじゅうで冬中ずっとイルミネーションをつけているけど、あの電気代、一体トータルで幾らになるかなって、ちゃんと誰か計算したほうがいいんじゃないかと思います。イノベーションが進んだことによってかえって、それで増えちゃってるという部分があるんですね。そういうことも含めて、きちんとマネジメントしたほうがいいですよというふうなニュアンスがどこかにあったほうがいいと思うんですが、そういうところがあまり感じられなくて、早く買い替えたほうがいいみたいな、そういうニュアンスが強いので、そこら辺ちょっと大丈夫かなということです。

そういう意味で、あと、行政側の制度の仕組み改善という観点も、何か、もうちょっとあったほうがよろしいのかと思います。何か民間イノベーションだけが頼りみたいな感じなので、そこら辺はちょっと、言いっ放し感があって気になりました。

 もう1点は、あと、これは、環境省さんで過去にいろいろ、過去というか、割と近年ですけれども、低炭素化のためのロードマップをいろんな分野でつくられていたと思うんですけれども、それが今回の検討にどれぐらい反映されているのかなというのもちょっと気になりました。2030年、2040年、2050年、それぞれどんなことをやるということで、交通のこと、都市のことも反映していただいたということなんですけれども、かなり緻密に、今まで、いろんなことを環境省さんの中で議論されているはずで、それが活かされているのかどうかという点は気になったというところでございます。

 以上です。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 高村委員、お願いいたします。

高村委員

 ありがとうございます。2点でございます。

 今日示していただいた基本的な考え方について、むしろ細かなところではいろんな意見はあるかと思いますが、基本的には、うまくまとめていただいているというふうに思っております。むしろ、今後の課題といいましょうか、今後の作業としてなんですけれども、一つは、今の、今日のいろんな意見を伺ってもそうですけれども、一つ感じますのは、我々がこう議論をしている間にも、パリ協定以降、非常に大きな速度と規模で世の中が動いているといいましょうか、変わっているというふうに思っております。で、そこのファクトをきちんと共有をするということが今後の議論では必要、やっぱり常に変わっていくので、そういう意味では、常に情報を共有していくということでしょうけれども、ことが必要ではないかというふうに思っております。

 例えば、幾つかちょっと例を出しますけれども、再生可能エネルギーが高い、高いと言っていたのが、少なくとも世界的にはそうではなくなってきているという、火力発電所と同じような次元になってきました。日本は高いって、日本は高いんですけれども、しかしながら、14年の太陽光のコストは、ドイツと中国と比べて3倍だったのが、16年のコストになると2倍くらいになってきました。そういう意味では、非常に、日本の例も一つ今出しましたけれども、大きな変化というのをきちんと共有しながら議論する必要があると思います。

 もう一つの例を出すと、中国ですけれども、中国が、今、導入を確実に予定している施策を加えているシナリオ分析、これはIAEAの2017年のデータなんですけれども、2040年時点で、既に電気のレベルでは4割強が再エネという、そういう施策を今とっている。例えば、そうした情報というのはきちんと共有をすることが議論の上で非常に重要じゃないかという意味です。

 それから二つ目は、脱炭素というこの目標、ゴールですね、これは、恐らく確固としたものといいましょうか、共有をしているものだと思うんですけれども、これまでの議論を伺うと、やはり、その具体的なあるセクターですとか、ある場面のところの絵姿について、やはり、いろいろな幅広をもってシナリオを考えていく必要があるということのご指摘が出ているというふうに思っております。ですから、そこが一つの、これから議論を進めていくときの課題かなというふうに思います。

 もう一つは、そこに達するための施策は何があるべきか、これはかなり大きな議論、意見の違いでもあるというふうに思いますので、やはり次のステップとしては、脱炭素という目標と、これは共有をしていると思うんですが、具体的なやはり絵姿というものをもう少し考えていくこと、それから、そこに達する施策、具体的な施策はどうあるべきかというところをキャッチボールしながら義論していくということが必要ではないかと思います。

 以上です。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 末吉委員、お願いいたします。

末吉委員

 ありがとうございます。大変いいものをつくっていただいたと感謝しております。その上で、ちょっと、これを実際に運営、運用していく上でのお願いというか、注文的な意味で二つ申し上げます。

 確かに、2050年の目標のためには2040年で基礎固めをする、これは大事だと思うんですけれども、同じことでいけば、その2040年のためには2030年がしっかりしてなきゃだめだと。そのためには2020年と、どんどん今に近づいてきます。ですから私は、当面、この5年ぐらいが、ある意味では大きな勝負だと思います。で、その5年の間に、特にやっていただきたいのが、発想の転換をするということをもっと明確にしていただきたいのであります。発想の転換という意味は、価値観が大きく変わり始めたんだと、例えば、経済最優先から、環境がなければ何も始まらないんだというふうに大きく価値観が転換しているわけですよね。こういったことを、どういった価値観の転換をもって、こういう長期計画、目標を立てているのか、それを実行するのか、そこのマインドセットの入れ替えをするための価値観をどう変えていくのか、どう変わらなきゃいけないのか、それをよくよく明確にお示しいただきたいし、それをみんなで共有する必要があると強く思っております。

 それから2点目ですけれども、脱炭素の中でビジネスチャンスを獲得すると書いてあるのは、これは本当にいいことだと思いますし、私も、ぜひそうあってほしいと思いますけれども、そのためには幾つか前提条件があるんだと思うんです。

 まず、チャンスの前にリスクを潰すということですよね。いろんな意味で日本のビジネス、あるいは日本の国はリスクにさらされています。端的に言えば温暖化対応の遅れです。とすれば、日本や日本企業のクレディビリティーを失わせるようなリスクはどんどん、どんどん潰していくということが重要です。もう端的に言えば石炭火力ですよ。こういったものがあれば、どんなに日本企業が頑張っても、クレディビリティーがないわけです。そういう人たちに、ビジネスチャンスって回ってくるんでしょうか。

 私は、競争の参入の条件、勝つためには、競争に入らなきゃだめです。その競争に入るための条件として、世界といろんなことを共有する必要があると思います。その危機感はもちろんですけれども、例えば、世界をこれから温暖化で動かしていくためのフレームワークですよね。これを共有しないで、競争に参加できるんでしょうか。例えば改定であっても、情報開示であっても、もちろんカーボンプライシングというフレームワークも含めて、あるいは、日本という国が世界をリードできるような削減目標を本当に掲げているのかと、こういったような日本の企業が、あるいは日本が、世界と伍して競争のマーケットに入るための参入条件は一体何だろうかと、それをよくよく本当に考えていく必要があると思います。

 それから、先般こういうニュースを聞いて私は驚いたんですけれども、イギリスの昨年のCO2の排出量が1890年と同じになったんだそうですね。1890年ですよ。1990年じゃないですよ。これは、恐らく気候変動法によるカーボンバジェット、ああいったような仕組みがこういったことを実現しているのではないかと思います。私は前からも何度か申し上げておりますけれども、せっかく経済や社会のシステムのイノベーションとおっしゃるからには、世の中をひっくり返して変えるという話ですよね。とすれば、私は、やっぱり法律があったほうがいいと思うんです。ですから、ぜひこの日本が長期的に、これから温暖化対応する中で、ベーシックなところはやはり法律に基づいて、それこそが、まさに一貫した方針のもとで経済社会システムのイノベーションを実現する、一番のベースではないかと思っております。

 最後になりますけれども、よく言われる言葉に二つの失敗というのがあります。一つは、温暖化の深刻さを重視して、結果的には重視し過ぎて対応がやり過ぎた、そういう失敗ですよね。もう一つは、温暖化の深刻さを軽視して、対応をやらな過ぎた失敗です。我々は、どっちの失敗を絶対的に避けなきゃいけないんでしょうか。

 どうもありがとうございました。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 下間委員、どうぞ。

下間委員

 失礼いたします。3点申し上げたいと思います。

 まず1点目は、再エネの主力電源化、これを政府としての長期戦略策定に向けまして、国全体の方針として、しっかりと進めていただくことを期待させていただきたいと思います。自治体においても、温室効果ガスの排出の大半を占めるエネルギーについて、いろいろな議論がございます。地域の特性に応じて、地域の中で再エネを生み出す、また、それを地域に循環させる。さらには、市民や事業者の皆さんの選択によって電源を選んでいく、こういった取組をやっているんですけれども、もちろん限界がございます。やはり、エネルギーの需給に責任を持つのは国でありまして、国において、再エネの主力電源化を進めるために、いろんな準備が要ると思います。例えば、発電コストの問題もございますけれども、系統の問題とか、調整力の問題とか、あるいは事業環境の整備とか、これらは、やはり政府全体として、国全体として取り組んでいかなければ進まないものかと思いま すので、ぜひとも期待させていただきたいと思っております。

 2点目は、前回も、できるだけ説得力のある情報提供をということで、今回も6ページのところで、かなり具体的な記載があると思っております。6ページの右の表で、従来の取組の延長では届かない部分というのがどこか、だからここが必要だという根拠になる資料かと思いますけれども、欲を言いますと、世界におけるギャップの例ということで書かれていまして、これをもう少し、また、だんだんと具体化して、難しいかもしれないんですけれども、日本全体ならばこうだというものがあれば、それぞれの主体が取り組むときの大きな目安になるかと思いますので、これも今後に期待させていただきたいと思っております。

 それから三つ目は、少し、個別の部分になるんですけれども、13ページから14ページにかけまして、木質バイオマス等の地域資源活用のことが書かれています。前回とあまり変わってない部分なので、今申し上げるのは恐縮なんですけれども、木質バイオマス等の地域資源活用と言ったときに、熱利用とかエネルギー利用だけに注目が行きがちな部分もあるんですけれども、その上の欄には地域材の活用という記述がございますように,森林資源の有効活用によってCO2の吸収源対策を加速する、こういった視点も重要かと思っております。

 日本は国土の7割が森林でございまして、実は、京都市も市域の4分の3が森林でございます。日本の縮図のような都市なんですが、間伐材の有効利用も大事なんですけれども、地域産木材そのものを、住宅とか建物に積極的に活用することによって、森林の適正な管理につながって、より多くの大気中の炭素を固定することになる。それが適応策の観点でも、あるいは担い手確保の課題等に対しても,今後の具体化に向けて重要な課題かと思いますので、コメントさせていただきました。

 以上でございます。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 崎田委員、お願いします。

崎田委員

 ありがとうございます。

 基本的には、今回、一番最初に中川大臣がお話しされた、この二つの点、まずは経済社会システムをいかに、より脱炭素化に向かっていくのかということ、それともう一つ、その次に、やはり産業界などを巻き込んで、2040年ごろまでに大幅削減という、この道筋の描き方というのは、社会に発信していただいたときにも非常にわかりやすい流れになっているかなというふうに感じます。

 その中で、意見を二つだけ申し上げたいんですけれども、一つは、やはり、まず経済社会のイノベーションと考えれば、これ、誰がやるのかと。私たちが暮らしや仕事の中でやるんだという、そこをすごく強調して発信をし、システムを描いていただければありがたいなというふうに思います。で、その私たちがその気になるためには、やはり地方の、地方自治体が地域に根差した資源、特徴を考えて、地域循環共生圏のすばらしい絵をしっかり描いた上で地域を巻き込むという、そういうところを評価していくような流れをつくっていただくのが大事なのではないかなというふうに思います。

 二つ目は、もっと先を見据えたときの産業界の技術開発というようなことで、今回、水素のことが非常に強く出てきています。水素のことを考えるときに、これは産業界が頑張って研究して、取り組んでいただければいい話ではなくて、やはり私たち市民が、こういう水素を活用する社会になるというのは、まず、どういう、私たち自身どう受け止めるのかとか、私たち自身がちゃんと考えていくことも必要なわけですので、社会を巻き込んで、きちんと情報を共有しながら発展させるということもすごく大事だと思います。

 で、私自身、国の水素戦略、東京都の水素戦略、最近は山梨県が水素戦略をつくるっていうんで何度も行ってきたんですけれども、そういうところに市民として関わらせていただいて、常に申し上げてきたのは、やはり新しい技術も開発ができたよといったときに、社会が、「え、何、それ」という状態では定着しないわけで、いかに一緒になって開発の状況を共有していくか、そこが大事なんではないかなというふうに思っています。

 ぜひその辺を、しっかりと社会を、全体を巻き込むような絵を描いていって、ともに実現させるということが大事だというふうに思っています。よろしくお願いいたします。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 大野委員、どうぞ。

大野委員

 いいものになっていると思うんですけれども、率直に言うと、もう少し、脱炭素化に向けたクリアなメッセージを出してほしかったなという点が幾つかあって、それが3点と、それから、あと一つ、ちょっと、ここは直したほうがいいんじゃないかなと思うところが1点あるので、簡単に申し上げたいと思います。

 まず5ページなんですけれども、9割以上の電源を脱炭素化というのは、これは、長期ビジョン、で書かれたことをなぞっていらっしゃると思うんですけれども、やはりできれば、この、これは再エネ、原子力、CCS付火力という三つになっているんですけれども、この中で、再エネを主力とは書いていますけれども、どの程度どうなのかということを、できれば踏み込んで書いていただきたかったなという気がします。

 実際、原子力につきましては、いろんな議論がありますけれども、今のエネルギー基本計画の中でも、2030年には20から22%と言っている。エネルギー基本計画の基本的な考え方というのは、原子力への依存というのは可能な限り低減すると、これが政府の方針なわけですね。で、2030年に20から22%という数字なわけです。まあ、これ、実現できるかという議論がありますけれども、いずれにしてもそうだと。2050年という、さらにそこから20年後を考えると、可能な限り低減していくということを考えると、2030年から2050年、さらにいろんな代替的な再生可能エネルギー中心に技術が進んでいますから、どう考えても20%はかなり下回ると、マックスでもそうなっていくと思うんです。

 一方、で、そのCCS付火力はどうかということなんですなんですが、これは最近、環境省さんが別途進められている調査を拝見する機会があったんですけれども、やはり今後、ヨーロッパでは、少なくとも電源の脱炭素化としては、CCSはもう手段にはならないと、というか、もう決着がついているということだと思います。そう考えると、やはり9割以上の相当な部分を、この自然エネルギー、再生可能エネルギーでやっていくということが明らかなので、その点はもう少し明確に書いていただいてもよかったかなと思っています。

 それから、2点目がイノベーションの話です。これは、7ページですかね、イノベーションが、今日、先ほども大臣の冒頭の話もありましたけれども、大事なのは、これは、その技術、革新的技術という意味のイノベーションでなくて、社会経済システムのイノベーションということが非常に大事なんだというメッセージをかなり明確にされたのは非常にいいと思うんです。いいと思うんですけれども、やはりイノベーションという言葉はね、一般に使われると、どうしても技術の改善という狭い意味で捉えられちゃうと思うんですよ。そういう意味で、例えば、この6ページでも、従来の取組の延長による削減とイノベーションの必要性だとか、そういうイノベーションという言葉だけで使っていることがあって、これだけ使っちゃうと、やっぱりどうしても、あるいは4ページか、4ページも長期大幅削減のカギはイノベーションとなっていますよね。これ、どうしてもやっぱり技術のイノベーションだと思っちゃうと思うんですよ。これも意図的に、その革新的技術開発の話じゃなくて、今ある技術を最大限に活用するような仕組みをつくるんだと、そうなんだということがもっとわかるように書いていただいたほうがいんじゃないかなと思います。2点目です。

 3点目は、価格シグナルの話なんですが、これも、この後、カーボンプライシングのあり方に関する検討会の取りまとめのご報告があるんだと思うんですけれども、非常にいいまとめを、報告書ができたんじゃないかなというふうに思っています。こういう検討を日本ですることを考えると、価格シグナルというふうな言い方じゃなくてね、そのカーボンプライシングをやるんだということをもっと明確に書かれたほうが、本来よかったんじゃないかなというふうに思います。

 以上が3点と。

 最後に1点だけ、ちょっと違うんですけれども、18ページなんですけれども、18ページの再生可能エネルギーの大量導入のところで、これが二つに分かれていまして、太陽光発電と陸上風力発電、これを主力電源化の中心にすると書いてあって、その下の段は、浮体式の洋上風力と海洋エネルギー発電と書いてあって、これは今後、開発していくんだという話なんですが、そうすると、着床式の通常の洋上風力とかはどこにも出てこないんですよね。もちろん、その浮体式もやっていただくのはいいと思うんですけれども、やはり着床式も、今、日本でも相当ポテンシャルはあるんだと思うんです。これ、どこにも出てこないって変なので、そういう意味では、ここは太陽光発電というのを陸上に限定しないで、風力発電としていただいたほうがいいんじゃないかなと思います。

 以上です。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 大塚委員、どうぞ。

大塚委員

 ありがとうございます。6点あるんですけど、簡単にしゃべりますので。

 一つ目は、よくまとめていただいてありがとうございます。今後、政府全体として、その長期戦略を策定する作業に移っていくと思うんですけれども、そのときに問題になることとの関係で一言だけ申し上げておきますが、今回の、これからつくっていく長期戦略について、最大の目的とか意義というのは、民間の投資の予測性を高めるというところにあるのではないかと思います。そういう観点から、長期炭素ビジョンで打ち出したような大胆な絵姿を考えていただくということですし、それとの関係で、シナリオ分析も、そういう観点からやっていただくということが必要になってくるだろうということをまず第1点として申し上げておきたいと思います。

 それから、第2点ですけども、7ページのところ辺りに関係いたしますが、今、大野委員もご指摘なさったように、経済・社会システムのイノベーションというのは非常に重要だと思います。イノベーションという言葉の問題もあるかもしれませんが、ここは非常に重要だと思っております。これによって、経済の好循環を生んでいくというところも重要だと考えていますけれども、それでカーボンプライシングが重要になってくるわけでございますが、先ほど来、テレビに関して、液晶になったらCO2がかえって増えたとかという話も、まさにカーボンプライシングのようなことをやっていないので起きてしまうということがありますので、カーボンプライシングはぜひとも重要であると思います。10年前のときは、世界でリーダーシップを発揮するとかという格好いいことを言って、排出量取引を入れるかとかという議論ができたんですけども、今やカーボンプライシングを入れないと世界のサプライチェーンなんかから取り残されていくという、むしろ後ろのほうから走っているような感じですけども、やらないとちょっとどうしようもない状況になりつつあるのではないかということでございますし、一部の産業においては反対なさっていらっしゃるのもわからないでもないんですけども、むしろ減免のほうにですね、交渉に移っていただいて、あと、使途に関しても、例えば電気の託送の料金のところに使うとかという案も出ているようですし、財産価値の問題というのももちろんあると思いますが、いろんな観点での使途のこととか、どういう場合に減免するかとか、そういう具体的な制度設計のほうにぜひ移っていっていただく必要があるのではないかと思います。

 第3点でございますけれども、17ページのところで、さっきご説明いただきましたが、輸入という選択肢のほか、国内での再生可能エネルギー由来水素の製造・貯蔵がポイントということでございましたが、聞くところによると、これは何か輸入はまずやらざるを得ないけども、時間軸の問題として、国内での再エネのほうの余剰の再エネが出てきたら、水素を製造するほうに移るんだというようなことかと思いますので、もしその辺を明らかにしていただけるのであれば、よりわかりやすくなるのではないかということを申し上げておきたいと思います。

 第4点ですけども、先ほどご意見があって、ロードマップのことですけども、私も前の2013年以降の議論とかで、ロードマップの議論、参加させていただきましたが、あれとの関係がどうなっているかというのは、確かにあまりご説明いただいていないので、ちょっと簡単でもご説明いただけると大変ありがたいということで、これが第4点でございます。

 それから、第5点ですけども、今後の話ということになると思うんですけども、これだけでも大変なのに、例のIPCCが、今年の秋ですか、1.5℃目標達成のためには、より前倒ししなくちゃいけないという議論が出てくるようですので、ちょっとそれとの関係のことも、ちょうど長期の戦略を立てるときにその話が明確になってきてしまうと思うので、ある程度考慮するようなこと、ちょっと、ただでさえ大変なのに、もっと大変になっちゃうかもしれませんが、ちょっと無視はできないので、ぜひ考慮していただく必要があるのかなということを第5点として申し上げておきます。

 それから、第6点ですけど、CCSの扱いは、いろいろご議論があると思いますけども、ヨーロッパは今ちょっとあまり動いていないところは確かにあるんですが、これも再エネのコスト次第というところがちょっとあることはあるので、あと、カーボンプライシングを入れるとCCSの状況も変わってくるかもしれませんが、ちょっと日本でどうするかということを考えなくちゃいけないということと、あと、電気のほうは、電力のほうは、再生可能エネルギーのほうに移っていくことが予想されますけども、産業のほうは、どうしても2050年とか、21世紀後半ゼロということになってくると、CCSは必要になってくるとは思いますので、検討していかなければいけないということだと思います。そのときに、国のほうも事業をするようなこともお考えいただいたほうがいいんじゃないかというふうに個人的には考えていますけれども、CCSに限らず、いわゆるネガティブエミッションのための方策というのは、ゼロエミッションにするためには必要だということは、ヤマ・・先生を初め、いろいろおっしゃっている方はたくさんいらっしゃるんですけども、長期戦略ということになってくると、ちょっと、それもある程度考えざるを得ないので、これも結構毀誉褒貶が激しいところだとは思うんですけども、考えざるを得ないかと思いますので、ちょっと資料1-2を見てもCCS以外はあまり出ていないような気がするので、無理だとか、ちょっと、すぐには無理だということが多いと思うんですけど、ご検討はしていただかないといけないと思いますし、多分、検討もしていらっしゃると思うんですけども、ちょっとその辺をお書きいただくとかしていただけるとありがたいということでございます。

 以上でございます。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 事務局から、お答えをいただくことがあれば、簡潔にお願いいたします。

木野低炭素社会推進室長

 多くの貴重なご意見ありがとうございます。

 先ほど述べましたけれども、まさにこれから政府としての検討ということで移ってきますので、適宜、反映というか、検討に生かしていきたいと思います。

 その上でちょっと幾つかについてコメントさせていただきますと、増井委員から、サマリーとか、どうわかりやすく伝えていくか、これについては長期戦略を国としてつくっていく上で、ステークホルダー等のコミュニケーションというのは大事だと思っていますので、そうした視点もしっかりやっていきたいと思います。

 あと、小川委員から、吸収源の考え方とかクレジットの考え方がございましたけれども、パリ協定のもとで、今、まさにルールづくりされておりますけども、そのルールのもとで、伝えるところはしっかり日本として活用していきたいというのが基本であります。

 あと、根本委員から、確かな方向性という中で、不可避性が高い中で一点突破型は危険ということで、まさにそのとおりだと思っておりまして、多様な技術の強みということを生かしながら、しっかり多様性を持って取り組んでいくことが我々も重要だと思っています。

 あと、手塚委員からも、ここに書いてあることは国際競争率を高めての理想的なストーリーということでありましたけれども、まさにそうした日本が理想的に向かっていくための長期戦略、政府としての方針をつくるということだと思いますので、しっかりと取り組んでいきたいと思います。

 あと谷口委員と、あと大塚委員から……。

浅野委員長

ロードマップを、いろいろと今まで検討したのをどう反映しているかということでした。

木野低炭素社会推進室長

 ロードマップの件ですけども、これについて、一応、今回、特に各論になります課題とか機会というところの検討を中心に、使える範囲でそういったところを参考にさせていただいておりまして、その中で、特に重要な点について今回お示しさせていただいているというところであります。

 あと、高村委員ほか、具体的なシナリオなどで少し具体的に検討いただきたいという注文をいただきまして、これに関しては、今後の政府全体の中で、どう具体化できるか検討してまいりたいと思っております。

 あと、ほかにも貴重なご意見をいただきましたので、しっかり今後の検討に生かしてまいりたいと思います。ありがとうございます。

浅野委員長

 それでは、ただいまのテーマについては、一応、ご意見をいただいたということでございます。

 森下地球環境局長、どうぞ。

森下地球環境局長

 ありがとうございます。

 非常に貴重なご意見、ご示唆をいただきまして、大変感謝しております。

 今日の意見交換の中で、長期戦略はコミットメントじゃないという、そういう性質のものではないんだというご指摘があります。それはそうでございます。2030年26%削減、これは国際的なコミットメントでございますけれども、2050年の長期戦略は、これはもうそれぞれの国がつくって、それを適宜見直していくものというものでございまして、これまで出されたものも、そういったことは、もう既に提出をUFCCCにされているものの中にも、そういったことはしっかり書き込まれているというようなものでございます。そういったことはしっかり認識をしてございます。

 我々、2050年を考えて、積み上げ型でアプローチをしていくということは、およそ無謀なことだというふうに考えております。不確実性があるということをしっかり受け止めながら、脱炭素という方向をしっかりと掲げながら、例えば日本がアドバンテージで持っている多様性、こういったものを大切にしながらアプローチを考えていくということが非常に重要だと思っておりまして、そのためにも、さまざまな知見を持ち寄って、いろんな検討をする必要があるとも思っておりますし、さまざまな関わりのある方、ステークホルダーの皆様方の意見に耳を傾けながら、そして、こうしたところで、中央環境審議会のように、大所高所のご意見もいただきながら、しっかりと政府側の今後次のステージに移ってまいりますので、関係省庁の皆様ともしっかり連携しながら、この長期戦略、非常に重要に思っておりますので、取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

 ありがとうございました。

浅野委員長

 ということでございます。現在の地球温暖化対策基本法の構造の下では、昔のように、中央環境審議会が何かを決めれば、それが直ちに国の方針になるということにはなっていませんし、さらにパリ協定に基づいての日本の長期戦略を国が決定するための仕組みについては、まだ明瞭にはなっておりません。しかし、少なくとも今の温対法の構造からみても、かつてのように中央環境審議会の答申をもって何々するというような構造になっていないものと思われます。しかし、私どもは、いち早く低炭素ビジョンを審議会として考えて打ち出し、多少の意見の相違はありましたけども、多くの点では委員会としての合意ができ、長期戦略の考え方に関しての方向を示すことができたと考えております。そのビジョンを受ける形で、さらにまた1年間、この小委員会を続けまして、いろんな方々からのご意見も聞きながら、どうやってビジョンを具体化するかということについて意見交換を重ねてきたわけでございます。それらを踏まえて、環境省が今日、基本的な考え方ということで、環境省としての考え方を示されました。これにつきまして、今、確かにまた重要なご指摘が種々ありましたから、これをうけて環境省としては、さらにこの考え方をよいものにしていただくということも必要だろうと思いますが、次に政府全体の中での戦略を決めていくというときの考え方として、環境省はこの考え方をベースにしたいということについて今日お示しをいただいたわけでごじます。この内容については、あまり大きな反対があったというふうには思えませんし、低炭素ビジョンで我々が示した考え方をより具体化していくためには、このようなやり方がいいだろうということで考え方をまとめられたことについては、大筋では了解ができるということであったとの感じがいたします。

 細かい点については、いろいろご指摘があった点をさらに考えていただきたいと思いますし、それから、これ自体が直ちに国の方針になるというわけではないものですから、他の政策的な観点が加えられ、最終的に政府としておまとめになる内容が、今日いただいたご意見どおりにならないという可能性はありますけれども、しかし、我々としては、低炭素ビジョンをベースにお考えいただきたいということをこれまでも言い続けてまいりました。今後とも、その考え方を変える気はございません。2050年を目指して、この国の長期取り組みの方針が早く決められるということが必要だということをもう一度申し上げておきたいと思います。

 では、関連することでございますが、これは二つの検討会で検討が進められてまいりました国際協力に関するテーマ、もう一つはカーボンプライシングに関するテーマと、それぞれの検討会での報告がまとまったようでございますので、これについて、それぞれ事務局からご説明をいただいて、これに対する質疑応答をしたいと思います。

 まず、国際協力ビジョンについて、事務局からご説明をいただきます。

永森国際地球温暖化対策担当参事官室室長補佐

 それでは、国際協力ビジョンについて、資料2をもって説明させていただきます。

こちらは、もともと、こちらのビジョン小委員会のところで、長期の国際協力のビジョンがあったほうがいいのではという宿題をいただきまして始まりました。公開で合計4回開催いたしまして、前回、2月のこのビジョン小委員会で中間報告、これは第3回まで終わった段階での中間報告ということで、骨子について報告いたしました。

 今回、3月13日に、気候変動緩和策に関する国際協力あり方検討会の4回目、最終回を開きまして、最後の議論をさせていただきまして、取りまとめられましたので、最終報告をさせていただきたいと思っております。

 なお、先ほどの基本的な考え方の中で、国際の文脈であったスライドを2枚目ほど、こちらの報告書の要点を入れているということとなっております。

 緩和策に関する国際協力のあり方検討会ですが、この資料2の一番最後、ばさっとそのまま裏をめくっていただきますと、こちら、委員の検討の構成となっておりまして、高村先生に座長となっていただいて、取りまとめていただいておりますけれども、学術界の専門家のほか、産業界、自治体であったり、JBIC、JICAさんであったり、ファイナンスの専門家にも入っていただいております。下に関係省庁等とありますけれども、外務省、経産省、NEDOさんにも、この検討会の場には参加していただいているという場となっております。

 それでは、資料の中身についてご報告いたします。

 前回の骨子から肉づけをしているんですけれども、分量といたしましては、今回、合計13ページということで、前回は12ページほどでしたので、分量は1ページほどしか増えておりませんので、構造は大きく変更はございません。

 1枚おめくりいただきまして、2ページ目と3ページ目のところで、要旨ということで、気候変動緩和策に関する国際協力ビジョンということで、後半の本文のものを1、2枚目の要旨として取りまとめているというものになります。

 最初に、パリ協定を契機に、世界の多くの国が気候変動緩和対策を制約ではなく好機会と捉え、脱炭素社会構築に向けビジネスや社会の構造を大きく転換しようとしていると。このビジョンにつきましては、今世紀後半の温室効果ガスの排出実質ゼロに向けて、脱炭素化に向けた経済・社会への転換が現在の新興国を含む途上国においても自律的かつ継続的に実施されるように、長期的な視点から日本として気候変動緩和策に関する国際協力のあり方を提示したものであるということで、このビジョンの位置づけを記載しております。

 最初の星印にありますが、2050年における世界規模での大幅削減に向けた日本の国際協力というところで、真ん中の辺りで太字で書いておりますけれども、国内での大幅削減を目指すというところとともに、世界の脱炭素化を牽引する国際的リーダーシップを発揮すると。具体的には、日本の強みである環境技術で、世界の経済成長と脱炭素化をリードしていくというところで、質の高いインフラ、製品・サービスを通じて世界に展開しているということを記載しております。

 その日本の強みである技術を展開するというところが大きなポイントになってきますが、そのために何が必要かというところが、次の“Co-innovation(コ・イノベーション)”を通じた脱炭素社会の実現というところで、Coというところですが、これは双方とか両方という意味がありますけれども、一方、これまでの日本から(先進国から)途上国への一方的な協力というものではなくて、パートナー国、これはいろいろな枠組みの中で日本との関係がある現在の途上国等ということになりますけれども、こういった国々との協働によって、パートナー国に適した脱炭素製品・サービス・技術の市場創出と経済・社会システム、そういったものの大きな変化をもたらずイノベーションであって、結果として、それが日本だけではなくてパートナー国、そういった参加主体、さまざまな参加主体双方に裨益のあるイノベーションをつくり出すということと考えております。

 コ・イノベーションを生み出す環境、そういったものはどういったものなのかというところで、2030年に向けた国際協力の取組として、コ・イノベーションを可能とする環境・基盤を整備していくというところを打ち出しております。こちらは、その具体的な内容がリスト、下のほうに、四角囲いにありますけれども、2030年までの環境・基盤づくりの取組というところで、多様な関係主体とのパートナーシップの強化と協働の促進、パートナー国の制度構築とオーナーシップの強化、公的資金における気候変動の主流化と民間資金の動員拡大、こういった、これらの「成功モデル」の創出とスケールアップということで、こういったものをですね、中段に「多様な主体」というところのパートナーシップ強化によって、政府、自治体、業界団体、企業、専門家、NGO、研究機関等、こういったさまざまな主体との継続的な対話、そういったものを通じて、また透明性を向上することによって、また、さらには公的資金の気候変動の主流化をやって、民間投資を促進させていって、こういった成功モデルをどんどん積み重ねていって、さらなる違う地域、違う国、そういった展開を図っていくことで、コ・イノベーションを可能としていけるような環境基盤をつくっていくというところを打ち出しております。

 4ページ目からは本文ということになっております。1.で、2050年における世界規模での大幅削減というところで、2050年という姿、全ての国がですね、2050年の将来像としては、全ての国において自律的――4ページの下の太字のところになりますけれども、自律的かつ継続的に国内排出量の大幅削減に向けた緩和策が実行されていることが期待されるということで、こういった姿、将来像に向けて、どういったことをやるのかというところを記載しているというところです。

 5ページのところで、コ・イノベーションが牽引する脱炭素社会というところで、最初にコ・イノベーションとはどういったものなのかというところを記載しておりまして、一方向のものではなくて、相手国、そういった関係主体、政府、そういった協働によって、技術、製品、サービスのイノベーションを創出していくというところもありますし、さまざまな主体、自治体であったり、NGOさん、そういったところの参加主体もどんどん入っていただいて、双方の利益があるような仕組みにしていくということとしております。

 6ページが、コ・イノベーションを必要とする背景というところで、パリ協定の目標を達成していくためには、世界全体での脱炭素化に向けた社会・経済システムへ転換をしていく必要があると。こういう状況、今後は先進国から途上国だけと一方向ではなくて、ともに知恵を出し合うような協働体制、そういったものが重要であるというふうに記載しております。やっぱり今後長い目で見たときに、日本は少子高齢化、そういった人口減少、そういったものに直面する一方で、途上国は市場がどんどん大きくなって、技術開発、投資というものをどんどん加速していくと。その中で、日本が脱炭素社会を牽引していくためには、政府を含めた関係主体が協働して、技術、社会・経済システム、そういったものをイノベーションしてやっていく必要があるというところで、真ん中の太書きでありますけれども、ここで我が国の「強み」として、脱炭素技術、産業、そういったものをさらに磨いて、脱炭素市場への民間参入機会を拡大して、質の高いインフラや製品・サービスを世界に展開するという内容としております。

 6ページの下のところで、2.で2030年までの国際協力の取組ということで、コ・イノベーションを可能とする環境づくり、そういったものをやっていきますというところを記載しておりまして、さまざまな主体、そういった協働、継続的な対話、そういったことも通じて、ニーズなど、透明性を図っていきながら、制度構築、キャパビル、資金、そういったものが必要だというところを総論として最初に書きまして、7ページの真ん中のところに、国際協力の進め方、やや総論のところなんですけれども、こちらのビジョンは緩和策に関するビジョンではありますけれども、途上国の中では、温室効果ガスが、排出量が少なくて、気候変動の脆弱である国、後発開発途上国、そういった国については、緩和というよりかは、むしろ途上国支援ニーズが強いというところがございますので、そういった緩和だけではなくて、適応を含めた持続可能なSDGsの達成にも寄与しながら、包括的なアプローチをやっていくというところの記述を7ページの国際的協力の進め方のところで記載しております。

 8ページの上の(1)のところから、2030年に向けて具体的な取組というところで、多様な関係主体とのパートナーシップの強化と協働の促進というところで、政府主体の取組の拡大というところで、自治体、企業さん、金融機関、研究機関、NGO等の非政府主体の活動を後押ししていきますというところと、8ページの真ん中の下のところで、都市を中心としたステークホルダー連携の推進というところで、既に既存の枠組み等ございますけれども、こういった継続的な対話を進めることによって、お互いのニーズの把握であったり、そういったソリューションの提供というところができるというところで、こういった枠組みを展開して、さらに参加できる自治体さん、都市さんも増やしていくというところで、さらにそういった枠組みを通じて企業さん、金融機関さん、そういった協力の連携を深めることで、都市のそういった枠組みというものを強化していくというところを記載しております。

 9ページのところですが、パートナー国の制度構築とオーナーシップの強化というところで、オーナーシップと呼んでおりますのは、途上国の自立というところで、支援を受けるだけではなくて、国としての自立したところへ持っていくためにどうすべきかということを記載しておりまして、一つは排出削減の基盤となる政策・制度構築というところを記載しておりまして、当面の方向として、NDCの策定・緩和策に関する計画策定支援であったり、制度の導入、そういったものを入れて、さらには既存制度の改善・強化支援などを実施していくと。こういったことによって、民間投資に係るリスクを軽減して、民間企業が入りやすい環境、インセンティブが働くような、さらには民間資金が流入するような、そういった市場の活性化というものを、そういったものへ持っていきたいという記載をしております。

 また、9ページの下の透明性向上、排出削減の鍵となる透明性向上ということで、前回よりも、透明性の重要性というところで、透明性という、その国の基礎情報、制度、対策、そういったものであったり、さらには投資のデータの透明性を高めていくと。そういったことも重要であるという記載をしております。

 飛びまして、12ページの再生可能エネルギー投資の拡大というところで、再生可能エネルギーの途上国の展開を進めるというところの記述を入れております。

 12ページの下で、「成功モデル」の創出とスケールアップというところで、こういった主体の取組のパートナーシップの強化、オーナーシップの強化、資金、そういったものを、どんどんそういった成功事例を増やしていくことで、コ・イノベーションが起こる環境を整備していくという記載をしております。

 最後に、こういったビジョンをですね、13ページの最後に、ビジョンを国際的に発信していくというところと、具体的ないろいろな取組の設計等に反映して、さまざまな主体と連携して、具体的な政策やプロジェクト等を進めていくというところで結んでおります。

 以降につきましては、参考資料ということで、こちらは章立てごとに参考資料、サポートするような参考資料を入れているという状況となります。

 説明は以上となります。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 このテーマは、それぞれお考えがありますので、こんな考え方は嫌だという人も山のようにおられても一向に構わないわけですが、検討会がとりあえずこういう報告書を書いておられますので、この辺について、好意的にせよ、そうでないにせよ、どうしてもコメントをしたくてしようがないという方は名札をお立てください。いかがでございましょうか。

それでは、、崎田委員、どうぞ。

崎田委員

 ありがとうございます。

 やはりこういう世界への取組というのは大変重要で、きっと議論の中でこういう成果をどういうふうに見える化するかとか、成果を定量化するかとか、そういうことが議論にかなりなったのではないかと思うんですけれども、そういうことに関して、少し教えていただければありがたいと思います。

浅野委員長

 では、その点も含めて、高村座長にご発言いただきます。

高村委員

 ありがとうございます。

 この検討会ですけれども、今日、委員にも来てくださっています、日本鉄鋼連盟を代表して手塚委員にもお話をいただきまして、実際に国際協力に現場で携わっていらっしゃる方々、ここで見ていただくと、JBICさんですとか、JICAさん、それから都市でいくと横浜市さんに入っていただいておりますが、そうした実際の国際協力に携わってくださっている方のインプット、非常に大事にしてつくったものというのが一つの特徴だと思っております。

 もう一つは、外務省、経済産業省を含めて、非常に積極的に議論に参加をいただいたもの、これはもちろん環境省の検討会ではございますけれども、その点について、大変いい内容になっているというふうに思います。

 簡単に、崎田委員のお答えになるかわかりませんが、2050年の世界的な大幅削減という絵姿をまず描いた上で、30年に向けて何をしていくかということでありますけれども、特に、私、個人的には、ページのところでいきますと、これはもう既にビジネスのところで始まっているサプライチェーン全体のやはり排出管理ないしは排出マネジメントですね、あるいは排出の削減の取組というものをきちんとやはり位置づけましょうという点。それから、もう一つは、これは外務省さん、JICAさん、JBICさんのご意見がかなり強く入っていると理解しておりますけれども、公的資金・民間資金の動員、気候変動分野での主流化と動員ということを明確に書いているということは、非常に大きな特徴点だと思っております。

 最後の3月13日の検討会で、委員のほぼ総意としてありましたのは、この報告書の、これを今つくったことの意義というのが、やはり世の中が非常に大きく動いている中で、今までやってきた国際協力というのを改めてもう一度定義し直したという点、これが一つ意義としてあると思います。

 もう一つ、同じく委員の総意としてありましたのは、もちろん長期ビジョン、長期戦略へのインプットということはありますけれども、既に足元から、この国際協力のあり方というものを捉えて、今進んでいる取組を進めていただきたいというのが委員の総意でございました。そういう意味では、長期戦略とともに、足元からの対応・対策、この施策の進捗というのを期待しております。

 以上です。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 外務省で同様の検討会の座長をなさいました、末吉委員にコメントをいただければと思います。

末吉委員

 ご指名でございますので、1点だけ。

 これは大変いいことだと思うんですけども、脱炭素技術とか脱炭素化の定義をしっかりしていただきたいと思います。何が本当の脱炭素なのかですね、今日の時点の脱炭素と10年度後の脱炭素は随分変わってくると思いますので。それを申し上げた上で、あまり2国間だけの特別な協力ではなくて、グローバルに見て、みんなが受け入れるような協力関係、パートナーシップを築いていくのが重要かなと思っております。勝手ながら。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 ほかに何か特にご発言ございますでしょうか。

(なし)

浅野委員長

 では、ただいまいただいたコメントも含めて、今後の環境省としての国際協力に関しても、このビジョンの考え方に沿ってお進めいただければと思います。

 それでは、続きまして、カーボンプライシングについての検討会の報告をいただきます。

鮎川市場メカニズム室長

 それでは、資料3-1に沿いまして、ご説明をさせていただきます。時間の関係上、ちょっとはしょりながらのご説明になることを、あらかじめお許しくださいますようお願いいたします。

 では、3-1、「カーボンプライシングのあり方に関する検討会」の取りまとめということでございます。

 お開きいただきまして、2ページ、はじめにとございます。経緯でございまして、こちらの小委員会でおまとめいただきました長期ビジョンにおきまして、カーボンプライシングについて具体的な検討を深める時期に来ているという形でのメッセージをいただきましたので、これを踏まえまして、神野直彦先生を座長といたしまして有識者のみにご参集いただきまして、6月1日の第1回を皮切りに、途中、ほかの有識者、あるいは本日お越しの3団体の経済界の方々からのご意見もヒアリングをしつつ、論点の整理、そして今後の検討の方向性を示すものということで、3月9日の第9回で議論をいたしまして、そこで座長一任という形で取りまとまり、3月15日、昨日でございますが、神野先生のご了解のもと、この公表に至ったという経緯でございます。

 それでは、中身でございます。

 まず、第1章としまして、3ページから、カーボンプライシングのあり方の検討に当たって踏まえるべき現状の整理ということでございます。

 まずは一つ、気候変動問題の現状ということの中で、一つ、ちょっと前の議題とも重なる部分がありますので、大幅にはしょりながらいきますが、まず一つは4ページ、気候変動というものについてのリスクというものに対して、企業や投資家も、世界は動き始めているといったようなことを幾つかの事例、5ページをお開きいただきますと、例えば「RE100」といったような事例、あるいは投資家の「ダイベストメント」や「エンゲージメント」、これは最後の4行ぐらいですが――につきまして、5ページから6ページ目にかけて事例を紹介し、世界の潮流というものについて触れているというところでございます。

 7ページに行っていただきまして、他方で、じゃあ、我が国の状況ということで、温室効果ガス排出の現状というものを7ページの最後のパラグラフから記載をしておりまして、ポイントといたしましては、一つは8ページの文章でございます。一人当たり温室効果ガス排出量の推移ということで、他の主要国の多くは着実に改善している一方で、我が国は震災以前からほぼ横ばいであるということの記載をしておりまして、9ページの図4の左側で、その経年変化の国際比較を記載してございます。

 そのほか部門別の排出量等々も記載を11ページまでしながら、12ページのところで、「こうした現状を踏まえると」というところ、2番目のパラでございます。従来の取組の延長線上で、長期的目標、さらにはパリ協定のもとで目指すべき実質排出ゼロとの目標を目指していくことは難しいと言わざるを得ないということで、こちらは基本的考え方と平仄も合った認識でございます。

 こういった認識をした上で、2ポツ、12ページの中ほどでございます、気候変動問題と経済・社会的課題の同時解決に向けてという題で論点を整理してございます。

 13ページをお開きいただきますと、下のほうのパラグラフでございますが、アベノミクスは着実に効果を発揮しているということでございますが、我が国は、最後の2行でございます、世界に例を見ない速度で高齢化が進行しているといった、構造的な課題を抱えているという中で、今後、こういった持続的な経済成長を実現するためには、生産性向上や高付加価値化に加え、それらにつながるイノベーションを創出するための基盤整備が不可欠といった形で整理をしてございます。

 そういった認識を整理した上で、15ページをお開きいただきますと、経済・社会問題と気候変動問題の同時解決という観点で、我が国も、イノベーションを生み出すための気候変動対策費用を適正に経営判断に織り込んだ上で、脱炭素化というものをビジネスチャンスとして経済成長へとつなげるドライバーとしてうまく活用していくと。そのための政策手段が必要といった形で、この15ページの最後の4行辺りで整理をしてございます。

 以上が現状の整理でございまして、続きまして、2章がカーボンプライシングの意義・効果、あるいは国内外の導入状況でございます。

 まず、1.といたしまして、意義の一つとして、価格シグナルによるイノベーションの誘発といったようなことを、炭素生産性の指標なども引用しながら記載をしてございます。

 2.のところで、改めてカーボンプライシングとは何かということで、「明示的カーボンプライシング」、さらには「暗示的炭素価格」といったようなものをまずは頭出しでご紹介をしてございます。この後、それぞれのものにつきまして、詳細な記載がされておりますので、そのときにご説明いたします。

 続きまして、18ページに行きまして、カーボンプライシングの明示的カーボンプライシングの意義につきまして、2点述べてございます。

 最も費用効率的に削減目標を達成できる手段としての意義を(1)番で整理をしてございます。

 19ページをお開きいただきますと、(2)番といたしまして、脱炭素社会に向けた「共通の方向性」を提示するという意義があるのではないかということで、2番目の意義を整理してございます。

 続きまして、20ページでございます。既存施策等との関係ということで、最初の3行辺り、我が国において本格的なカーボンプライシングの導入を検討するに当たってはということでございますが、暗示的炭素価格を構成している既存の施策の関係との整合性にも留意し、最適な政策パッケージを検討する必要があるといったことが記載されています。

 その上で、既存施策といたしまして、20ページの中ほどからエネルギー課税、こちらにつきましては、21、22、23と、「実効炭素価格」の国際比較なども、部門別含めて載せながら紹介をしてございます。

 続きまして、24ページでございますが、エネルギー課税以外の施策ということで、FIT、省エネ法が24ページ。

 25ページといたしまして、産業界の自主的な温室効果ガスの排出削減計画の策定及びその実施ということで、産業界の自主的取組を25ページ。

 25ページの最後の4行辺りから、エネルギー転換部門における施策ということで、この自主的取組の一つでございます電力部門における自主的枠組みの推進と、あとは、それを省エネ法及びエネルギー供給構造高度化法の強化等の政策的対応といったことによって、取組がなされているということのご紹介と。

 といったことで、既存の施策、この「暗示的炭素価格」を構成する既存の施策も記載、整理をしてございます。

 ここで、26ページの中ほどで、改めまして、先ほども申し上げましたが、「明示的カーボンプライシング」も含む政策全体を最適化し、その効果を最大化させるといったようなことを改めて指摘をしているところでございます。

 続きまして、28ページからが、国内外の明示的カーボンプライシングの導入状況ということで、ここはファクトを並べてございます。世界の状況、あと我が国の状況として、温対税を30ページ、31ページで東京都の「地球温暖化対策計画書制度」、あとは埼玉県も同様の制度を導入しているといったことを31、32辺りで記載をしてございます。

 32ページの最後から、カーボンプライシングの効果ということで、ミクロ的視点とマクロ的視点ということで整理してございますが、まず、(1)ミクロ的視点ということで、33ページの下から6行目辺りから、さまざまな研究結果をご紹介しつつ、価格の変化によって需給が変化するという意味での経済学の基本的な考え方に沿った結果が実証的に得られてきていると。さらに、政策的に設定された価格の効果について一定の確認が得られたといったようなところ、ご指摘をしてございます。

 34ページからはマクロ的視点ということで、ポイントといたしましては、36ページをお開きいただきますと、「また」というところで、世界各国で、カーボンプライシングの導入等々によりまして、温室効果ガスを削減しつつも経済成長は上向きになるといった、デカップリングを達成する事例ということにつきまして、ご報告を記載してございます。

 いずれにしましても、36ページの最後でございますが、今後、こういった削減効果や経済・社会に与える影響については、引き続き分析を進めていくということの重要性についても指摘をしてございます。

 最後、38ページからが、我が国におけるカーボンプライシングのあり方ということで、基本的考え方として3点述べております。まず、38ページの(1)番が長期大幅削減に向けたイノベーションを促すということ、(2)番は、先ほど来申し上げております経済・社会的課題との同時解決に貢献すべきであるということ、さらには、カーボンプライシングだけで全てが解決するわけではございませんので、ポリシーミックスも重要であるということを39ページに指摘をしてございます。

 続きまして、40ページからが、その制度のあり方に関する具体的な検討の方向性ということでございますが、手法といたしまして、価格アプローチと数量アプローチがあると、それぞれ長所・短所があるということのご紹介をしてございます。

 41ページに、それの導入事例として、改めてEUや北米、韓国、中国といったような事例を文章で記載してございます。

 41ページの3.、下のほうでございますが、対象といたしまして、最初の2行のところで、可能な限り幅広くすることが望ましいといったようなことで、一方で、41ページの下から3行目でございますが、喫緊の課題として、長期大幅削減に向けて、電力部門における対策の喫緊性といったことについての指摘もございます。

 続きまして、42ページで、収入の活用方法ということでございまして、これは後ほど具体例が詳細に出てまいりますので、そちらに説明をさせていただきます。

 続きまして、43ページからということで、5.の考慮すべき事項及びその対応策ということでございます。こちらにつきましては、ヒアリングの中で、経済界の代表の方々からもご意見を聞いた中で、さまざまいただいたご意見をご紹介しつつ、その考えられる対応策みたいなことも含めて、ここで整理をしてございます。

 まず(1)番といたしまして、企業にコスト負担を課すことによる経済への悪影響、深刻な打撃といったようなことにつきましてのご指摘をいただきましたので、こちらで記載、整理をさせていただいております。

 その対応といたしましては、44ページの中ほど、(2)番の上でございますが、こういったご意見をいただきながら、経済への負の影響をできるだけ緩和していくような、円滑な移行を促す仕組みといったことが重要であるという指摘がされております。

 続きまして、(2)番、炭素リーケージのご指摘も、ここで記載をさせていただいております。こちらにつきましては、2番目のパラグラフでございますが、もちろん世界全体の温室効果ガスを削減するとの目的と矛盾したようなことにはならないように留意する必要があるというふうにした上で、例えばEUの制度などのように、これは制度設計の中で対応していく必要があるといったような指摘をしてございます。

 続きまして、45ページでございます。これは逆進性のご指摘でございますが、これにつきましては、明示的カーボンプライシングに限らず、ほかのさまざまな施策においても同様の課題というものでございますので、逆進性の存在そのものを問題とするよりは、それをどのように緩和できるかという、政策全体の議論が必要だというようなことの指摘をしてございます。

 すみません。飛ばしまして、最後、48ページからでございますが、具体的な論点整理ということでございます。ただ、ここは一つの手法に集約するのではなく、幾つかの考え方のあり方を複数記載してございます。①番として、炭素税で基本的に全てをカバーするという考え方、もう一つは、多量排出事業者に対して排出量取引制度を適用した上でプラス炭素税と、あとは直接規制と、この三つについてでございます。これらにつきましては、考慮すべき事項につきまして、詳細な制度設計の中で議論をするということも含めて、これまでご紹介したことのいわば繰り返しが多いので、こちら、説明は省略させていただきます。

 最後、52ページ以降が収入の活用方法ということで、こちらは検討会での議論というよりは、カーボンプライシング・リーダーシップ連盟の報告書のご紹介という形で、さまざまな使途の活用方法がありますという紹介をしてございます。

 すみません。駆け足でございますが、以上でございます。

浅野委員長

 それでは、これは神野先生のもとで丁寧に検討が進められたと思いますが、検討会のメンバーの方で、何人も今日ここにいらっしゃいますけども、代表して諸富委員に、コメントがありましたらお願いいたします。

諸富委員

 すみません。わざわざご指名いただき、ありがとうございます。

このカーボンプライシング検討会は、細かい制度設計については、細かく議論に入ったわけではなかったということです。手元の報告書を見ていただけばわかりますように、オプション三つを提示する形で、①、②、③という形で、炭素税、排出量取引+炭素税という形ですけれども、そして直接規制という形で、主たる論点については議論をしておりますが、細かい制度設計、そして、これがいいんだというオプション、提示のようなことは実はやっていないわけですね。

 むしろ、個人的な見解ですが、メッセージとしては、排出量取引、環境税が代表的なカーボンプライシングですが、これらを導入した場合における経済・社会に与えるインパクトですね、それから、もちろん環境への効果、これについて、随分大きな枠組みにおいて議論を非常にたくさんの時間をかけたという印象を持っております。

 もちろん、制度設計についても、委員からのさまざまな具体的な提案はあったわけですし、それについても詳細に議論をいたしましたが、非常に大きな骨格として、この報告書のメッセージとしては、これまでカーボンプライシングが導入された、その端緒というのは、1990年に北欧諸国がカーボンタックスを入れ始めたということにあるんですが、そこからほぼ30年近くが既にたっておりまして、十分なデータと経験がもう蓄積されてきたということでございます。

 そういう意味で、我々の報告書としては、そうしたデータや、これまでの導入経験に基づく各国の経験とデータを踏まえた、なるべく定量的なエビデンスに基づいた分析を行って、その結果に基づいてカーボンプライシングというのをどういうふうに考えていくべきかということを議論したということだというふうに考えています。

 その意味で、結論的には、やはりこれまで少なくともカーボンプライシングの導入が、もちろん、これが環境に対して効果があったのみならず、経済に対してマイナスの影響を持ったという形跡は見られないということであります。どころか、さまざまな証拠によりますと、むしろ経済に対してプラスの効果すら持っていた可能性すらあるということです。ただ、これについては、十分な解析が必要ですし、因果関係を必ずしも明確に分析をしたわけではございませんので、明確にそのように言い切ることはできないんですね。しかし、恐らくカーボンプライシングが何らかの刺激になり、そして産業構造の高度化、あるいはイノベーションを促進した可能性もありまして、それが恐らくむしろ経済成長への後押しになっていった可能性がある。それは、例えばカーボンプライシングがもし経済に悪いものだとすると、カーボンプライシングの導入国は軒並み経済成長が下がる、カーボンプライシングを入れていなければ経済パフォーマンスがいいという結果が出てくるわけですけれども、現実は、むしろその反対の結果が見られるということは、我々にとっても、これは驚くべき結果でございました。

 ですので、今後、具体的な制度設計案については、今後のステージに委ねられるというふうに私は考えますが、こういった経済・社会と、それからカーボンプライシングの関係について、この報告書で発見された知見ですね、これは発見されたというよりは、むしろ世界的にはほぼ常識と化してきているわけですけれども、こういった知見を、我々、これから具体的な議論をしていく場合の共有された知見というふうにしていくことを一個人としては期待したいと思います。

 以上でございます。ありがとうございました。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 いろいろご意見もおありだろうと思いますが、時間が限られております。確認の質問なり、コメントなり、ご発言をご希望の方は札をお立ていただけますか。

 それでは、根本委員、どうぞ。

根本委員

 2点、大きな事柄について意見を申し上げます。

 1点目、ヒアリングで発言の機会を与えられたことについては、感謝を申し上げていますが、やはりカーボンプライシングの導入ありきのご検討だった印象があります。私どもが一番懸念している、日本の国際競争力や国民経済への影響はどうなるのかということに対する解がないままのご検討になっているということが、非常に心配です。

 それから2点目、産業界の自主的取組についてもご記載をいただいたことに感謝を申し上げますが、残念ながら、48ページの対応策などを見ますと、もう自主的取組は要らないという意思表示がなされているような印象すら見える報告であり、この点は極めて残念だと思っております。民生部門が、基準年以降CO2排出がプラスになっている中で、10数%排出量を下げてきた実績もある手法が否定されるような部分については、極めて残念だと思っております。

 1点だけ質問です。カーボンプライシングということで、炭素税の話をされていますが、日本においても、報告に記載されておりますとおり、エネルギー関連諸税で炭素税的なものが既に入っております。ということは、もし仮に入れるとすれば、全てリシャッフルするということがお考えだということでしょうか。その点だけ質問です。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 手塚委員、どうぞ。

手塚委員

 私も、この委員会で、鉄鋼連盟代表として、るる説明をさせていただきましたけども、1点だけ。

 日本でカーボンプライシングの制度の導入が遅れている、あるいは日本にはそういうものが非常に希薄であるというようなことが主張されていて、ヨーロッパ諸国等が実効炭素価格が日本よりも非常に大きいとされています。しかもそういう国々は、特に問題が起きていないどころか、経済的にもうまく回っているじゃないかというようなことで、入れてもいい面があるんじゃないかというようなこと、先ほど諸富先生もおっしゃったような例が幾つかピックアップして書かれているんですね。ただ、ちょっと気になるのは、ここで何度も引用されて、うまく制度が使われている、導入後に経済もGDPも他州よりも伸びたと言われている、ブリティッシュコロンビア州とかは、よく調べると、電力の90%以上が水力、しかも国内に莫大な化石燃料の埋蔵資源があるということがわかります。そうすると、こういう施策で、国内での化石燃料の使用量を減らせば、当然、それは輸出に回せるわけですから、GDPも増えるはずで、こういう特殊事情がいろいろあるんですね。あるいは、22ページにあります右から3番目のノルウェー、これも電力エネルギーの95%が水力、つまりエネルギー供給構造が最も安く安定的な再生可能エネルギーにもともとなっている国でカーボンプライシングを入れたら、こういうことが起きたということをおっしゃっているのかなと思います。

 ちなみに、日本よりも実効炭素価格が大きい国というのは、ほとんど全部がヨーロッパなんですけども、日本の場合、先ほどリーケージの懸念がございましたけども、トレードしている60%以上がアジア太平洋諸国、つまり日本よりも左側にある韓国、オーストラリア、カナダ、米国、中国、メキシコ、インドネシア、こういった国なわけですね。なので、ヨーロッパの中での比較と、これはやはり違うんだろうと思います。つまり、特定の地域とか国でこれがうまく機能するからといって、日本の事情で全く同じような条件で機能するとは限らないわけですから、国情を踏まえた、非常にきめ細かな検討が今後も必要になってくるんじゃないかというふうに思い、コメントをさせていただきました。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 末吉委員、どうぞ。

末吉委員

 ありがとうございます。

 私自身は、もうこの排出量取引制度などは、whether or notを議論するときではなくて、whatとかhowの議論のときだと理解をしております。

 それで、今回の議論は、どちらかというとマクロの視点からですよね。でも、現実には日本の多くの企業が海外のキャップ・アンド・トレードにカバーされているわけですよね。としますと、私は、ぜひですね、業界団体からご意見を伺うだけではなくて、現実に、例えば中国で、あるいはヨーロッパで、あるいはカリフォルニアで、こういった制度にカバーされている個別企業の意見もぜひぜひお聞きいただきたいと思っております。

 私自身が想像で申し上げれば、ヨーロッパや中国やアメリカでいっぱいキャップ・アンド・トレード、カーボンプライシングがあるのに、マザーマーケットのジャパンだけ、エクスクルーディングジャパンだけなっているというのは、個別企業にとってみれば非常に困った話だと思います。現実に、海外の投資家は、日本の企業がどういったような新工場、技術、投資をする際に、インハウスでのこういったプライスを持っているのか、持っていないのかというのは、大きな判断の基準になり始めているわけですよね。ですから、ぜひ、個別企業の現実をもっとお聞きいただいて、ぜひ、この議論に加味していただければと思います。

 以上です。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 崎田委員、どうぞ。

崎田委員

 私も、今回、全体にカーボンプライシング、どういうふうなものでどうあるべきかみたいな、全体論のまとめをこうやってやっていただいて、非常にこれを、ベースになると思いますので、ぜひ、これをもとに日本はどういう形があり得るのか、そこで効果が出るのかという、日本でこれからどうすべきかということをですね、時間をあまりあけずに、しっかり検討を開始していただければありがたいなというふうに思いました。ですから、それに関して、ぜひ、環境省のほうで前向きに取り組んでいただきたいとコメントをさせていただこうと思いました。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 大野委員、どうぞ。

大野委員

 私も7月にこの委員会に呼んでいただきまして、昔取り組んだ東京都の例については報告発表させていただきましたけども、その後はあまりウオッチしていなかったんですが、報告書がまとまったということで、拝見しまして、非常にわかりやすく、実証的にまとめていただいたと思って、非常にすばらしいものでしたというふうに思っています。日本におけるカーボンプライシングの議論を次の段階に引き上げるベースとなったんじゃないかなと思います。

 特に、よく日本では暗示的な炭素価格があるから、それがあるので明示的なカーボンプライシングは要らないんだみたいな話もあるんですけども、これを見ると、やっぱりそうじゃなくて、まさに炭素排出量に応じた明示的なカーボンプライシングが必要だというのはよくわかりますし、一方、暗示的と言っている実効的な炭素価格を見ても、明確にグラフが示されておりまして、確かに全体を見るとヨーロッパの国よりは日本のほうが高く見えるけども、実は、その大半は道路課税であって、産業部門については、暗示的なものも含めて炭素課税は決して高くないというようなデータも示されております。ぜひ、こうしたまさに知見を生かしていただいて、もう次の実際に制度を導入する段階に入っていただくように期待をしたいと思います。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 大塚委員、どうぞ。

大塚委員

 私の意見は、先ほど申しましたので繰り返しませんが、ご指摘のようなカーボンリーケージの問題等々、産業界の方も含めて、さらに検討する次のステージにぜひ早く移っていただくことが必要だということを申し上げておきたいと思います。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 それでは、ご質問がございましたので、その点についてだけお答えください。

鮎川市場メカニズム室長

 まず、根本委員からいただきましたエネルギー諸税との関連ということでございますが、具体的にリシャッフルをするかどうかということは述べてはおりませんが、20ページのところに、既存の施策との整合性も踏まえつつ、最適な政策パッケージということで、今後議論をしていくべきというご指摘があります。

 あと、手塚委員からいただきましたご指摘は、まさにそのとおりでございまして、35ページのところに、まさにそういったそれぞれの国情あるいは経済の構造なども考慮に入れて、また、さらに要因分析等々も必要であるといったような記載がなされております。

 それから、末吉委員からご指摘がありました個別企業の意見ということですが、これにつきましては、44ページをご覧いただきますと、あのヒアリングの中で、DSM社という個別企業からのご意見、これはむしろカーボンプライシングは必要であるというご指摘をいただいていまして、そこも記載をしてございます。

 最後は崎田委員、大野委員、大塚委員から、今後の議論ということでご指摘いただいておりますが、最後の57ページのところでございまして、今後は、本取りまとめを踏まえて、検討が次のステージに進むことが求められると。企業、消費者、NGOなど、さまざまなステークホルダーから意見を聞き、国民的な議論として検討していくといったようなことをさらに記載してございますので、こういったことを踏まえまして、また対応したいというふうに考えております。

 以上でございます。

浅野委員長

 ありがとうございました。

 ということで、お聞きになりましたように、これはあくまでも検討会の取りまとめでございまして、この検討会の取りまとめの中では、今後、さらに議論を深めることが必要だという指摘がありますので、この点は事務局としてもお考えいただいているように思います。

 それでは、本日、予定の時間があとわずかということになりました。ここまで予定した議論は終わりましたので、事務局にお返しをしたいのですが、その前に、森下局長から一言ご挨拶をいただけるということでございますので、よろしくお願いします。

森下地球環境局長

 改めまして、本当、活発なご議論をいただきまして、本当にありがとうございます。貴重なご示唆をいただいたと思っておりますので、しっかり受け止めて、今後対応してまいりたいというふうに考えております。

 パリ協定ができまして、また、SDGsもできまして、世界は大きく変わってきております。今年の通常国会の施政方針演説の中でも、総理が世界の脱炭素化をリードするんだということをおっしゃっておられます。しっかりこの動きを私どもも受け止めて取り組んでまいりたいと思っております。気候変動あるいは環境問題に取り組むことが、それをうまくデザインをすることが、経済の発展にも、そして地方の問題にも、今、日本が抱えておりますさまざまな問題の解決に貢献できるような、そんな施策を講じることができるんじゃないかというふうに私ども考えておりますので、引き続き、ご指導いただきながら取り組んでまいります。

 ありがとうございました。

浅野委員長

 それでは、どうもありがとうございました。

 事務局から、連絡事項がありましたらどうぞ。

木野低炭素社会推進室長

 一言御礼だけでございますけれども、これまで非常に活発なご意見、また貴重なご意見をいただきまして、どうもありがとうございました。

 以上です。

浅野委員長

 それでは、本日の議事録は、また後ほど事務局から回ってくると思いますので、ご覧いただきたいと思います。

 どうも長時間ご議論いただきましてありがとうございました。

 多分、この小委員会は、これで一応一段落ということで、今後のことについては、また改めてご連絡があるかと思いますが、当分、次の小委員会がいつあるというふうには聞いておりません。

 長い間、委員の皆様方にご協力いただきまして、ありがとうございました。大変わがままな座長でありましたが、皆さん、時間をきっちり守ってくださいまして、ありがとうございます。本日もあと1分、これで閉会させていただきます。

午後 4時59分 閉会

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