気候変動影響評価等小委員会(第19回)議事録

日時

平成31年3月28日(木)15:00~17:00

場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール13B

議事次第

1.開会

2.議事

(1)気候変動影響評価等小委員会中間取りまとめ(平成29年3月)を踏まえた取組の状況について

(2)気候変動適応法に基づく次期影響評価について

(3)その他

議事録

                                      午 00分 開会

気候変動適応室長

それでは定刻となりましたので、ただいまから第19回中央環境審議会地球環境部会気候変動影響評価等小委員会を開催いたします。

冒頭、環境省地球環境審議官の高橋よりご挨拶を申し上げます。お願いします。

地球環境審議官

皆さん、こんにちは。本日は、年度末の大変お忙しい中、ご足労をいただきまして、誠にありがとうございます。

気候変動をめぐる昨今の状況でございますけども、もうご案内のとおりでございますけども、昨年は西日本で発生をいたしました平成30年7月豪雨でありますとか、台風21号の被害、また最高気温の記録を更新しました災害級と呼ばれる酷暑の部、気候変動の影響を実感する事象が、これはもう世界中で頻発をしているということでございまして、国民の懸念、関心も非常に高まっているという状況でございます。

こういう中で、昨年12月1日には、いよいよ気候変動適応法が施行になりました。温室効果ガス排出を削減する緩和と、その影響に備え、それを低減する適応と、これを車の両輪として取り組んでいく必要があるわけでございます。

この気候変動適応法におきましては、最近の科学的知見に基づきまして、計画的に適応の取り決めを進めるため、概ね5年ごとに気候変動影響評価を実施いたしまして、それを勘案しつつ、気候変動適応計画を変更するということが法律に定められております。そのため環境省におきましては、法施行直後の昨年12月、中央環境審議会に、気候変動の影響評価についてという諮問をさせていただいたところでございます。

本日は、本小委員会の中間取りまとめを踏まえた取組の状況について、ご報告をさせていただくとともに、2020年に取りまとめ予定の、次期の気候変動影響評価に向けました作業の進め方でございますとか、その方向性などについて、ご審議をいただければと思っております。活発なご議論をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

気候変動適応室長

ありがとうございます。

本日の会議でございますけれども、現在、委員総数の過半数の委員の方にご出席をいただいております。あと何名か、若干遅れてまいる先生がいらっしゃると思いますけれども、いずれにしましても、本日は定足数に達しておりますということをご報告させていただきます。

また、本日の審議は公開とさせていただいておりますので、ご承知おきください。

初めに、配付資料の確認をさせていただきます。配付資料につきましては、お手元のタブレットのほうに格納をさせていただいております。なるべくペーパーレスということで、お手元にはコピーで最小限の議事次第と、それから委員名簿、それから資料1-1だけ紙で置かせていただいております。幾つかの資料を同時に見ていただくという必要があるもので、資料1-1だけは紙で配らせていただいて、残りの資料はタブレットの中にということでございます。それぞれの議題ごとに資料1-1から1-42-1から2-4、それから参考資料としまして参考資料1-1から1-42-1から2-3ということで格納をさせていただいております。

もし不足といいますか、タブレットに何か支障等ございましたら、お知らせをいただければ幸いでございますが、大丈夫でしょうか。

それでは、報道関係の皆さん、もしいらっしゃれば、撮影はここまでとさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは以降、議事進行につきましては住委員長にお願いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。

住委員長

それでは早速、委員会を始めたいと思います。年末のお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。

この委員会も、前回行ったときと今回は状況が違いまして、5年ごとに影響評価をまとめていくということと、その裏には、今度の場合はそうではないかもしれませんが、適応計画が具体的に実施されたときには、この適応計画の実施が有効かどうかという評価も同時についてくると思います。そう急には評価できないことも多々あろうかと思いますが、適応計画も、何という方向性もなしに、ただやっていればいいというわけではないということは、非常に重要なことだと思います。しかも、それがどのくらいの時間スケールで影響、要するに効果があるかというのを判断するかというのが、そんな簡単に効果が出るものではありませんので、その辺も勘案しながらやっていく必要があろうかと思いますし、前回に比べて、ますますいろんな資料が出てきていると思いますので、そういうのを集めて、材料として持っておくことは非常に重要なことだと思います。

現実的には、いろんなワーキンググループがもう既に活動をしておりますので、そういうところの過程を通じてやることと、どうしてもワーキンググループをつくると、細部に流れることが非常に多くあるので、やはり全体としてということを常に考えておくことが重要だろうと思います。

それでは早速議事に入りたいと思います。本日の議題の一つ目は、気候変動影響評価等小委員会中間取りまとめ(平成29年3月)を踏まえた取組の状況についてということです。

環境省より、ご説明をお願いいたします。

気候変動適応室長

それでは、お手元の資料1のシリーズに関しまして、まとめてご説明をさせていただきます。

まず資料1-1、お手元の紙、あるいはタブレットのほうでご覧いただければと思います。1枚の表裏でございます。

最初に裏面、2ページ目を見ていただきますと、2年前、平成293月に、この小委員会で取りまとめていただいた中間取りまとめのポイントを記載させていただいております。~気候変動適応施策を推進するための科学的知見と気候リスク情報に関する取組の方針~ということでございまして、1-1の影響の観測・監視に関する事項、それから1-2の予測に関する事項、それから調査研究、それから1-4で、海外の影響が日本に及ぼす影響の評価をどうするかと、それから1-5では、定期的な影響評価の実施、それから2-1で、気候リスク情報の基盤整備、2-2で国民の理解の促進、2-3、民間事業者の取組の推進、3、地域での適応の推進、4、国際協力・貢献の推進ということで、非常に幅広く中間取りまとめをいただいたところでございます。

このそれぞれにつきまして、進捗の状況をご報告差し上げたいと思いますけれども、とりわけ2-1以降の後半部分につきましては、まさしく気候変動適応法ができ、それに基づいて気候変動適応計画を策定しということで取組は進んでいるということでございますので、主には1-1とか1-2の部分についてのご説明が、今回は多くございます。

1ページ目、表面に戻っていただきまして、順番に説明をさせていただきます。

まず項目1-1で、継続的な気候変動及びその影響の観測・監視に関する取組でございます。これにつきましては、資料1-2をあけていただければと思います。これはタブレットのほうに入ってございます。

その2ページ目、最初の表紙の次をご覧いただきますと概要が書いてございますけれども、2年前の中間取りまとめを踏まえまして、気候変動の影響、観測・監視の推進に向けた検討チームというチームを、そこに名前を挙げさせていただいております12名のチーム委員の皆様にご参画をいただいて結成いたしました。国立環境研究所が事務局を務めるような格好で検討を進めているところでございます。

2カ年にわたって検討を進めてきた結果を今回取りまとめたということでございますけれども、政府の適応計画も踏まえながら、農林水産業、それから水環境・水資源、自然生態系・自然災害沿岸域、それから健康、産業・経済活動及び国民生活・都市生活で、最後に大気・陸面・海洋観測という、この七つの分野に関しまして、それぞれの分野を代表する先生方にも入っていただいて、また、そのほか関連分野の専門家の方々にもアンケート調査を実施して、これからの観測・監視、現時点の課題、それから、これからの方向性というようなことについての取りまとめを行ったということでございます。

このページの右下のほうにございますけれども、観測のシステム等に関する課題でありますとか、継続的な観測の実施に関する課題、それから観測で得られたデータをどのように管理・共有していくのかという課題、また観測そのものを高度化していくという課題、多様な課題があるということでございますし、また影響も非常に多分野、多岐にわたりますので、それぞれの分野ごとに固有の問題があるということでございます。

次の3ページ目、4ページ目に、さらに詳細な概要を記載しておりますけれども、それぞれの分野ごとの課題というものをまとめたということでございます。時間の関係で、細かい説明は割愛させていただきますけれども、この中間報告書については、参考資料1-2に本文を記載しております。今回、何かそういう結論を出したということではございませんけれども、課題を明確にした上で、今後その課題の解決に向けては、引き続き関係省庁とも連携をしながら取り組んでいくということでございます。

続きまして、資料1-3でございますけれども、これが影響の予測に関する取組でございます。先ほどの観測・監視と同様に、予測及びその予測結果を用いた影響評価、その連携推進に向けた検討チームというチームを立ち上げて、やはり同様に検討をしてきたところでございます。

資料1-3の2ページ目をご覧いただくと、検討チーム11名の委員に参画をいただいて、検討を行いました。とりわけ、この影響予測、それからそれを用いた評価につきましては、実際に予測を行う気候シナリオを提供する側と、それを実際に、例えば防災であるとか農業であるとか、それぞれの分野に落とし込んで影響を評価する側と、この両方の側の専門家、研究者の方々がいらっしゃいます。その両方のニーズといいますか、それぞれの問題を突き合わせてというような議論を行ってきたところでございます。

この11名の委員のほかにも、この関連分野の有識者の60名程度の方に参画をいただいた意見交換会形式のワークショップを開催いたしまして、そこで得られた議論、あるいはその提言を参考に、報告書として取りまとめております。報告書本体は参考資料1-3にございますけれども、その概要は、この資料1-3にありますとおりでございまして、気候シナリオの提供側、そもそもどういうシナリオを使っていったらいいのか、あるいはシナリオの統合化であるとか、モデル選択に関してガイドラインを策定する必要があるのではないかとか、あるいは、シナリオにどのようにユーザー側のニーズを反映させていくのかといったようなところで議論を行っているところでございます。

それから、もとの資料1-1に返っていただきまして、影響に関する調査研究ということに関しましては、環境総合推進費などを用いまして研究を推進しているところでございます。特に、今回の適応計画の中でも、適応策をどのように評価していくのかというところが大きな課題となってございます。そこに関しましては、来年度の調査、この4月以降の調査になりますけれども、新たに「適応策のPDCA手法確立調査事業」というものを、予算を得まして、KPIの設定なども検討していきたいというふうに考えているところでございます。

また、1-4でご指摘をいただきました、海外における気候変動影響が日本に及ぼす影響の評価に関しましては、これも環境総合推進費になりますけれども、今年度は平成30年度から3カ年で、日本の気候変動影響が日本の社会・経済活動にもたらすリスクに関する研究というものを立ち上げております。国立環境研究所の亀山先生が中心となりまして研究を進めていただいております。今年度始まったところでございますけれども、こうした研究の成果などについても、また折に触れ、ご紹介させていただければと思っております。

それから、2年前の報告書の1-5でいただいておりました、定期的な気候変動影響評価、これに関しましては、まさしく本日の議題2のほうで、適応法に基づいて、これから概ね5年ごとに影響評価を行っていくということでございますので、この後でしっかり時間をとってご議論をいただければと思います。

それから、2-1以降の事項に関しましては、まとめて資料1-4をご覧いただければと思います。適応法が施行され、例えば地域における取組の推進であるとか、国民の理解の促進であるとか、さまざまな取組を今進めているところでございますけれども、資料1-4をご覧いただくと、簡単な1枚紙でございますけれども、昨年の121日以降、気候変動適応法施行後の動きということで取りまとめてございますので、ご報告させていただきます。

まず、地域における気候変動適応計画、気候変動適応法に基づきまして、各都道府県、それから市町村において策定が奨励されておるものでございますけれども、これについては、まず環境省のほうで地域の計画を策定するための参考となるようなマニュアルを、法施行に先立って公開をいたしました。

現時点で、法の第12条に基づく地域の適応計画を作成している都道府県・市町村は8府県、それから3政令指定都市ということでございます。そこに具体的な府県と政令市の名前が書いてございますけれども、この8府県・3政令指定都市におきましても、実は121日以降に新しい計画をつくりましたということではなくて、これまで持っておられた適応に関する計画を、これは適応法に基づく適応計画ですというふうに宣言をしていただいたと、そういう状況でございます。そのほかに、法に基づかないものの、38の都道府県、それから15の政令指定都市で適応に関する計画を作成していると私どもは伺っております。

これらの計画の多くは、緩和に関する温暖化の計画ということで、一体的につくられていたり、あるいは環境基本計画のような、大きな、総合的な計画の中で適応を取り扱っていると、そういうものが大半でございます。そうした自治体におかれては、そうした既存の計画を見直すタイミングというのがございますので、そのタイミングの中で、この適応に関する計画の、より充実強化を図っていきたいというふうに考えておられる自治体が多いということでございます。そうした意味では、もうしばらく時間がかかる自治体もあるかとは思いますけれども、いずれにしても各自治体において、適応計画の作成に取り組んでいただいているという状況かなと思います。

2番目の、地域の適応センターの設置でございますが、これにつきましては、現時点、本日までの時点で既に設置済みという自治体は四つの県でございます。埼玉県、滋賀県、愛知県それから静岡県でございます。そのほか長野県、神奈川県、三重県におかれましては、この4月に予定をしているという旨を既に発表されているということで、この資料には記載させていただいております。

そのほか、内々に幾つかの都道府県から、もうこの4月には立ち上げようと思っているという話を聞いているというところはあるのですけれども、ちょっと具体的な発表まで至っていないものですから、この場では紹介をさせていただかないことにしております。いずれにしても、だんだんと、この地域センターについても整備が進んでいくというふうに理解をしております。

また、法律の中で、各地域において、とりわけ複数の自治体が協働して広域的な問題について協議を行っていくという広域協議会という規定がございますけれども、この広域協議会に関しましては、全国の7地域、7ブロックにおいて、1月から2月にかけて協議会の設立を完了したところでございます。

また、最後、国立環境研究所の取組につきましては、これもご案内のとおりかと思いますけれども、法施行の12月1日に「気候変動適応センター」を設立いたしまして、「気候変動適応情報プラットフォーム」の充実など、さまざまな取組を進めていただいているというところでございます。

最後、参考資料になりますけれども、参考資料1-4で民間事業の関係、民間事業者への取組の推進の関係でございますけれども、参考資料1-4に民間企業の気候変動適応ガイドというものもつけさせていただいております。これは環境省のほうでつい先日取りまとめまして、公表したものでございます。民間企業がこれから、この気候変動適応にどのように取り組んでいくのかという、その際の参考としていただきたいということで、さまざまな事業者の方にも入っていただいて取りまとめたものでございますので、ご紹介させていただきます。

以上、ちょっと長くなりましたけれども、資料1の関係のご説明でございました。どうぞよろしくお願いいたします。

住委員長

どうもありがとうございました。

それでは今のご説明に関して、ご質問やご意見を伺いたいと思いますが、全部ばらばらとやると、煩雑なので、とりあえず最初の1と2の、観測及び影響評価の予測のところに関して何かご質問、あるいはご意見等ございましたら、お願いをしたいと思います。よろしいですか。じゃあ高橋委員。

高橋委員

ありがとうございます。

影響観測・監視の検討会について、分野ごとに、課題と将来の方向性についてまとめられていますけれども、これは、多くのものについては温暖化の影響を意図しなくても、それぞれ観測がこれまで行われてきて、それを気候変動の観点で今後強化していくことが必要、あるいは見直すことが必要というようなことが挙げられていると思うのですが、これまで行われていないけれども、温暖化のことを考慮した場合に、新規に急いで実施しなければならないというような項目というのも、この中には含まれているのでしょうか。ちょっと中身のほうの説明まで今回なされなかったので、その点だけもしございましたら、お伺いしたいと思いました。

住委員長

では、環境省から回答をお願いします。

気候変動適応室長

具体的には、各分野で指摘いただいたものの中で、これが新たにというものは、たしかなかったのではないかなと思いますが、いずれにしましても、おっしゃるとおりでありまして、これは温暖化を目的としないでも、やっぱりやっているもので参考になるものがございますので、とりわけ、これはもう環境省のみならず、関係省庁、広くまたがる話でございますので、その辺はよく意識をした上で、これから取組を進めていくということかなというふうに思っております。

住委員長

こういうものは委員会の報告、出したからすぐお金がついて何とかするというものではなくて、ちゃんとやりたければ頑張ってやりなさいと、そのときの看板になるというか、referできるという意味で、こういう報告書は意味があると思います。

そのほかよろしいですか。そうしたら3、45も含めて、全体で何かご意見等ございましたら。どうぞ。

木所委員

影響評価のほうは分野別に行われるわけですが、地域適応センターも、その分野別を意図しているのか、それとも全体を意図しているのでしょうか。前回の委員会でも、この設置についてその辺どうなのかという質問をさせていただいたとき、まだ何も決まっていないという形だったと思うのですけども。それで、実際に今回設置したのを見ていますと、分野別というよりは全体を網羅するような、そういった計画、センターを立てていると思うのですけども、影響評価のほうは分野別に評価されるわけですし、先ほど住委員長のほうから、こういったものが今後検証されていくというのがあるわけなんですけども、その辺の齟齬とかはどういった形になっていくのでしょうか。多分、分野別とその全体をやっぱりここで見ていって、それとも、今後も分野別みたいなものはできるとか、そういったどんなイメージを持ったらいいのでしょうか。

気候変動適応室長

まず、気候変動適応法の、そもそもの地域の適応センターの目的といいますか、用務といいますか、その規定ぶりを申し上げますと、気候変動の影響及び適応に関する情報の収集・整理・分析及び提供といったことが目的となってございます。そういった意味では、全体といいますか、幅広く気候変動の影響であるとか、それに対する適応に関する情報を取り扱うということが求められているということかと思います。そういう意味では、個別分野だけではなくて全体ということではございますけれども。

それで、実態を申し上げますと、今この資料1-4にもございますとおり、大体どこの県も、それぞれの県の環境に関する研究等を、これまで担当していたような組織、センターでありますとか研究所といったようなところが、この適応センターとして指定されているということが多くございますけれども、実際にはこうしたセンターも、その1カ所だけでさまざまな作業ができるというふうには認識をしていない自治体がかなり多くて、例えば滋賀県ですと、滋賀県の推進本部というところがセンターとなっているんですけれども、実際には県下のさまざまな研究機関が全体に集まるような格好で、コンソーシアムのような格好をつくって取り組むというようなことを言われておりますし、実際の活動を行う上では、このセンターがいろいろなところと協力をして進めていくというふうになっていくんだろうというふうに考えてございます。

木所委員

ありがとうございました。

住委員長

正直な話、どこもはっきり具体的にどうかということは、まだ各県わかっていないと思います。ほとんど環境科学研究所とか、いろんな既存の部分を、看板を塗りかえて適応まで広げたというのが正直なところだと思いますので。

浅野委員

よろしいですか。

住委員長

はい、浅野先生。

浅野委員

制度をつくるときに、どこまで突き詰めて議論したかというと、ちょっと怪しい面もあることは率直に認めるのですけども、この地域センターは研究をするということよりも、そこに行けば情報がわかる。そこが情報を持っていなくても、ここに行けばこの情報は手に入りますよという、情報をきちんと整理して提供できるような場所をつくりたいというものです。

全国的なそのような機能をもったセンター、これは国環研にちゃんとできるわけです。だけど、地域で、各自治体や地域の事業者が、何か適応について取組たいと思うときに、いきなり国環研に行きなさいといっても敷居が高いという面もある。だからやはり各県にこういうセンターがあれば、そこに行くことによって情報が得られる。それから、そのセンターには適当な情報がなくても、例えば国環研に行けばこういう情報がありますからといって、それを取り寄せてもらえるといったようなことを主に期待しているのです。

ですから、このセンターが研究を行う場所にしたいというようなことを考えてしまいますと、これはもう大変なことですし、どうしてもそれぞれの研究機関の持っている得意・不得意の分野があるので、漏れが起こってしまう。だから、もちろん研究をやっていただくことは構わないのだけど、それが主たる目的のセンターではないというふうに考えていただかなくてはいけないと思っています。

住委員長

国環研のほうは、たしかこういう、地方の適応センターにアドバイスをするようになっていましたよね。肱岡委員。

肱岡委員

そのとおりです。

住委員長

何か準備状況というか、状況は。

肱岡委員

ありがとうございます。

国立環境研究所では、今ご紹介いただいたように、全国の影響評価の結果等はA-PLATを通じて提供できるようになっておりますので、そういう情報を例えば地域適応センターが受け取った上で、そういうニーズとマッチングすると。我々が、なかなか地方自治体全てに出向いて、それぞれの地域の特徴的な影響評価をするというのは難しいんですけれども、我々のほうに問い合わせをいただいたら、我々から、また関係する研究者、機関にまた問い合わせて、何とか情報を集めて、その現場へ伝えるということをやりますので、ぜひご協力いただければと思います。

住委員長

そのほか何かございますでしょうか。よろしいですか。それではあまりないということなので、いいですか。

江守委員

ありがとうございます。あまりないようでしたら。

話が戻りますが、資料1-3で、気候変動予測及び影響評価の連携推進に向けた検討チームに関して、今日は座長を務められた高薮出さんがいらっしゃっているので、ぜひ少し、この検討に込めた思い等を簡潔に語っていただけるとよろしいんじゃないかと思ったのですが。

住委員長

じゃあ高薮委員。

高薮委員

資料1-3にございますように、2年間、環境省さんのご配慮をいただきまして、検討チームということで、あまり確固たるきちんとした答申を出すということではなくて、自由にやらせていただきました。ここで、さっきもちょっと紹介がありましたけども、60名ほどいろんな分野でやっていらっしゃる方を集めて、オープンディスカッションをして課題を吸い上げるということを試みたのですけども、いろいろなテーマが出てまいりまして、この中で、政府がこれから方策を出してくるに当たっては、きちんとしたシナリオをつくっていかなきゃいけないということは明らかです。いろいろな方に聞いていましても、結局、異なるモデルの結果を使ってやっていくと、どこかで齟齬が起きますので、その辺を何とかしようということです。

あともう一つは、ユーザーの方々にお聞きしていますと、これまではそれこそ本当に、プロダクトを出せば将来温度がこうなるよという情報だけで非常に満足していただけていたんですけども、最近いろんな情報が出てくると、余裕のある実施機関の方々はいろんなモデルの結果を使って解析をすると。そうするとその間に齟齬が出る。その段階で、彼らのほうとしてもストップしちゃうんです。

実際に、まだパンフレットで将来これだけ暑くなりますよ等と言っている段階では全く問題なかったことが、実際お金が動くということになりますと、結果が違ってくるというのは非常に問題らしいということなので、そういうところを見ると、そのシナリオをつくる側がきちんとしたシナリオに対する手入れといいますか、きちんと丁寧な説明まで含めてやっていかなきゃいけないのかなと、そう感じております。そういうようなこともありますので、2年間やりましたけれども、いろいろな情報が入っておりますので、こういうのを参考に、シナリオ構築に向けていただきたいなと思っております。

あともう一つは、ここの中では、我々は初めに目標を限定しました。本当は、本当のエンドユーザーさんというのは、気象学から見ると素人さんなんですけれども、そういう方たちまで含めて情報を提供ができるということが最終的な目標ではあると思いますけれども、あまりに最初からそこまでターゲットにしてしまうと、非常に混乱を招くと。言葉としても、だからユーザーといった場合にいろんな意味がありまして、上流から見ると影響評価研究者の人もユーザーだし、本当の市民の方たちもユーザーなんです。その辺りの言葉の違いというのがこういう分野間の連携をするためにすごく大事でして、言葉の違いを補正していくということが。ですので、2年間でそこまでは無理だろうということで、ある程度、限定的にやらせていただきました。非常に有用な情報はこの中に入っていると思いますので、ぜひご活用いただければと思っております。

住委員長

どうもありがとうございました。そのほか。この適応策のPDCA手法の確立の調査、これは誰が具体的にやっているのでしょうか。

気候変動適応室長

これは来年度、4月以降の年度でございまして、まだ作業はスタートしてございませんけれども、コンサルタントを雇いまして、海外の知見であるとか、あるいは先進的な自治体等で、もう計画をつくって、実際の取組状況の点検なども進めているような事例もあるかと思いますので、そういったような事例。また政府の現在の適応計画も毎年度フォローアップをしていくということでございます。そういった作業をしながら、具体的なKPIの設定などを考えていくということでございますけども、なかなか難しい問題であるというのは重々承知をしておりまして、非常に多岐にわたる適応の分野について定量的な指標、目標の設定であったり、あるいはそれをどう評価していくのかという、非常に大きい課題だとは思っておりますけれども、何とか、次の計画に少しでも反映できるように検討を進めていきたいというふうに考えているところでございます。

住委員長

コンサルは作業はできるだろうと思うけど、誰か責任を持つPIが立てない限り、活用されないものになってしまう。結局、どれだけ情報を集めたって、じゃあ日本でどうするかというのは決めなきゃだめでしょう。どういうふうにするか。だからそのベーシックなコンセプトを、責任を持てる人がどこかに座って言わないと、だから、調べた結果、諸外国ではこんなものですよというのは、それはそれでいいと思う。だからどうするのというときに、誰がやるのということになるので、ちょっとそこはよく考えて、僕はPIを立てて、そのもとに、ある程度、研究者なり何かがやるという体制をとらないまま、こういう話に入り込んでいくのは、ちょっと大丈夫かねという気がしますけど。

気候変動適応室長

そこはしっかりと考えたいと思います。コンサルタントも、ただ単にコンサルが作業するだけではなくて、当然ながら有識者の先生方の意見を聞きながら進めるということになると思いますので、そういった場の設置であるとか、また、もちろん最終的にはこれ、進捗状況につきましては、この小委員会の場にも報告させていただいて、ご議論いただいてというふうに考えてございますので、また引き続きよろしくお願いいたします。

住委員長

そのほかよろしいでしょうか。

それでは、次の議題に移りたいと思います。

次の議題は、気候変動適応法に基づく次期影響評価についてです。事務局より説明をお願いいたします。

気候変動適応室長

それでは、お手元資料2のシリーズでございますけれども、まず資料2-12-2、全体的な進め方についてご説明させていただいて、あと1回区切りまして、その後さらに具体的な議論をさせていただければと思っております。

まず資料2-1をご覧いただければと思います。第2次気候変動影響評価の進め方について(案)ということでございます。この資料2-11枚目の一番下のところに、気候変動適応法第10条の規定を抜粋させていただいております。環境大臣が、気候変動影響に関する評価を、最新の科学的知見を踏まえまして、概ね5年ごとに中央環境審議会の意見を聞いて行うということ、またそれを公表するということになってございます。

この法に基づきまして定めました適応計画の中では、概ね5年ごとにということでございますけれども、次の評価を今から5年後ではなくて2020年に行うというふうに定めたところでございます。前回のこの小委員会で取りまとめていただいた影響評価を2015年に実施してございますので、そこから起算をして2020年ということでございます。

つまり、来年までという、あまり時間のない中で恐縮でございますけれども、この第2次の気候変動影響評価を進めていただきたいということで、実際に、これは参考資料2-1になりますけれども、法施行直後の12月に中央環境審議会に対して諮問を行わせていただいたところでございます。実際の作業は2-1の図にありますとおり、この気候変動影響評価等小委員会の場におきましてご審議をいただいて、影響評価の報告書を取りまとめていただきたいというふうに考えているところでございます。

ただ、実際の作業に関しましては、気候変動影響に関するさまざまな文献、非常に膨大な文献を精査するという作業になってまいりますので、小委員会の下に有識者、全部で56の有識者の方に参画をいただいて、五つの分野別ワーキンググループを設置いたしまして、文献、論文、情報などの収集・精査、そして、その報告書の(案)の作成といったところを担当していただくということでございます。

この分野別ワーキングにご参画をいただいている委員の方々については、参考資料2-2にリストを載せさせていただいております。実際には、この場にいらっしゃる先生方、ほとんどの方にワーキングのほうにも参画をいただいていると、ワーキングの主要のメンバーの方にはこの小委員会にも参画をいただいているということでございまして、この小委員会の作業と、それからその下の分野別ワーキングの作業、これをうまく連携させて進めていきたいと思ってございます。こうした進め方は、前回2015年の評価のときにもやったものを踏襲しておりますけれども、そういった進め方について、まずはご確認をいただきたいと思います。

資料2-1の次のページ、裏面、2ページ目をご覧いただきますと、進め方のスケジュールでございます。今、平成30年度の最後の328日というところでございますけれども、このワーキングの作業は、実は今年度、もう既に開始をさせていただいておりまして、文献の収集等、鋭意進めているところでございます。文献の収集については今年度末、平成313月公表分までということで、一旦区切らせていただきたいと思っておりますけれども、その後も、もしそのワーキングの先生方等から重要な知見等のご指摘があれば、取り込んでいきたいと思いますし、また、とりわけ来年度まで実施されます文部科学省のSI-CATであるとか、さまざまな関係する作業がございます。気象庁・文科省の気候変動評価レポートなども、2020年の比較的早い段階で出てくるということでございますので、こうした政府、国の研究事業などからの知見についても随時取り込んでいくという格好で、来年度、それから再来年度に作業を進めていくということでございます。

この小委員会におかれましては、来年度にもう一回、それから2020年度には2回程度お集まりをいただいて、最終的には2020年の夏ごろに一旦影響評価の(案)を固めていただいて、それをパブリックコメントにかけると。それで、最終的には2020年の秋から冬ごろにかけて取りまとめ、公表していく。その翌年2021年には、影響評価を踏まえて政府の適応計画についても変更を検討するという、そんなスケジュールを考えてございます。これから作業を加速していく中で、だんだん先生方にご無理を申し上げることもあるかと思いますけれども、ご承知おきをいただければと思います。

それから資料2-2でございますけれども、実際に今ワーキングのほうで収集をしております科学的知見、文献、論文などについてのまとめでございます。資料2-2をご覧いただきますと、例えば現在の影響に関しては、2015年の第1次影響評価のときには合計280の文献を使ったわけでございますけれども、その後かなり情報の収集、あるいは情報自体も増えているということかと思いますけれども、かなり収集が進みまして、現時点で集めている論文等の数が、現在の影響について1,310。また、将来予想される影響に関して総数1,306と、あわせて2,600強の文献情報、こうしたものをベースにしまして、影響評価の作業を進めていきたいというふうに考えているところでございます。

以上が全体的な進め方でございますので、ここで一旦区切りまして、もし何かご指摘等ございましたら、お願いをいたします。

住委員長

今、説明にありましたような全体的な進め方、もちろん時間が足りないということは、それはあると思いますが、その点に関しては仕方がないと思いますが、何か。浅野先生。

浅野委員

やり方として、こういうやり方は今までどおりのやり方ですから、これでよろしいかと思います。ただちょっとだけ気になっていますのは、現行計画もそうなんですが、産業・経済活動と、この辺りが大変弱いんです。これはそもそも文献を頼ってみても文献がない領域だろうと思うのです。ですから、ここの部分は、少しアバウトであってもデータをつくるところから始めなくてはいけない面もあるのではないかという気がします。

ですから、ほかと同じような並び方でやっていくと、やっぱり何も書けないということが起こってしまって、また同じことになったら困るなと思います。ですから、企業なども、もう既に意識して取組を始めているので、どういうようなことをリスクとして意識しておられるかとか、そんな情報は、前に比べればかなり入る状況になっていると思いますから、そういうものをむしろしっかりつくると。場合によっては、このワーキングの先生方にそれを論文にしていただいて論文にするという手もないわけじゃないと思いますが、それよりも、あまり既存の論文だけにこだわらないということを、多少、領域によっては考えておかないといけないというのが、私の意見です。

住委員長

ありがとうございます。

それは、IPCCでもグレーの論文というのは、ちゃんと位置づけられておりますので、だからここはIPCCほどごちゃごちゃいろいろなことでこだわらなくて、自在に、企業の中のレポートでも何でも引いてくればいいと思いますので、僕は、そこはいいと思います。

それから、この間来たときに話したんですけど、ここのところで、貿易等を通した海外の影響も国民生活のところで扱っていただきたいということでしたので、関係するワーキンググループの人はよろしくお願いしますということです。

だから、産業・経済活動、国民生活・都市生活は、そのときに、従来はどうしてもドメスティックで日本の国内だけに意識をした、なぜかしらないけど日本はそうなんです。もう非常に日本語のワールドと英語のワールドを分ける癖があって、外では何が起きても日本は関係ないよという、伝統的にそういう立ち位置に立っているのであまり気にならないんですけど、今の国民生活は、もう相当程度、海外のものであふれているという状況を鑑みたときに、産業も経済活動もそうですけど、全部日本のドメスティックだけで成り立っているわけではないので、そういう視点は、今度からはちゃんと入れてやるということだと聞きましたので、よろしくお願いいたします。

気候変動適応室長

実は、もう次の資料の話にちょっと入っておりますので、フライングですけども、資料2-4をご覧いただければと思うんですけれども、資料2-4が、実際に、現在のといいますか、それから、これからの評価において対象としている分野ごとの整理でございます。大きなくくりとして、農林水産業、水環境・水資源、自然生態系という、この大分野及び大項目の立てつけについては、基本的には前回、あるいは現在の気候変動適応計画の立てつけを、そのまま踏襲しているような格好になっております。

これは、基本的にはワーキング自体もそれに沿った立てつけになっておりまして、それほどご異論はないのかなと思うのですが、実際にその中でどういう項目を取り扱うかという小項目については、ワーキングの中でもご議論をいただいておりますし、また、いろんな方々からご指摘をいただいて、少し見直しを図っているというところでございます。今ご指摘をいただいた海外影響に関しましては、産業・経済活動の中の、これまでも実は、その他(海外影響等)という格好で含まれてはいたということでございますけれども、先ほどの住先生のご指摘などもございますし、まだ実際にこの問題、非常に重要でございますので、次の、今回の第2次評価の中では、海外影響とその他というのにはっきり分けて、従来と基本的には変わっていないんですけども、より明示するという格好で、そこの中で記載の充実強化を図っていきたいというふうに考えているところでございます。

住委員長

従来の気候影響評価と、また自然のそういう影響評価というのはやりやすかったので、そこに割とウエートが自動的に置かれてしまったことがあるんですけど、もういよいよ適応、具体的なアクションに入りますと、やはり社会科学というか、そっち側のことが現実的には非常に重要になってきますので、この産業・経済活動ワーキンググループの人たちにはしっかり頑張っていただかないとだめだと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。

田中委員

恐らく高村先生もいらっしゃるんですが、ちょうどこの分野をワーキンググループで担当させていただいておりますが、法政大学の田中です。東大の高村先生も多分メンバーですし、何人か、この中にいらっしゃるかと思います。

今ご指摘の海外影響のことは、このワーキングの中でも議論になりましたし、それから前回2015年のときにも、たしかタイの大洪水が、サプライチェーンを通じて影響が出たとか、日本の企業に対する影響も出たということで、たしか取り扱ったかと思います。それから、浅野先生から、特にこの分野はあまりきちんとした研究論文になっていないので、少し情報源を幅広くとったほうがいいのではないかと、このご指摘ももっともでございまして、たしか今回から少し、やり方の一つとして、企業がまとめているレポート、CSRレポートのようなものの中に、多少自社が受けている、いわゆる気候変動影響のところに言及しているところがありますので、そんな情報も少し活用しながら、ただ論文ではありませんので、情報源としての確からしさがどこまであるかということは注意しながら活用すると、そんなことも考えているところです。少し情報提供です。

白戸委員

農業・林業・水産業のほうで今年度から座長を引き受けています、農研機構の白戸です。

ちょうど資料2-4の一番最初のページに、農業・林業・水産業のところで、第2次影響評価で食料需給という、グレーで網掛けしているのが加わっています。これはまさに、日本の食べ物をたくさん外国から輸入していますので、その輸入している元の生産国の気候変動影響評価も含めるという観点から、住先生がご指摘されたようなことを入れるということになっているところです。

簡単な情報提供です。

住委員長

どうもありがとうございました。そのほか、はいどうぞ。

木所委員

今、農業のほうの白戸さんからも、食料需給のほうで紹介があったと思うんですけども、水産業のほうにつきましても基本的に海外からの輸入、そういったものは考慮しないということで進めていたわけなんですけども、実際日本の水産業、サーモンとか輸入とか、そういったものを考えると、いわゆる一次から最後のマーケットまで考えるとすごい影響があるわけで、その辺はどうやって組み込んだらいいかというのは、ちょっと難しいかなと思っているわけなんですけども、あと遠洋漁業、近海の魚から、さらに遠洋漁業のマグロとか、さらに遠くまで行って、外国の資源まで、そういったものも実際の我々の食卓のほうには影響するわけですけども、そういった範囲を考えると、結構、これ水産業、さらに経済活動とか、結構グレーな部分がいっぱい出てくると思うんですけども、その辺の整理というのは今後進めていくような形で、分野間の連携でやっていく必要というふうに、この辺は多分、農業・林業・水産業という形のワーキンググループになっちゃっているわけですけども、その辺は白戸座長を中心に検討していく必要があるのかどうか。

その辺の整理もこの小委員会のほうでやっていただけるとやりやすいのかなと思っていますので、お願いしたいと思います。

住委員長

第一義的には、このワーキンググループでやっていただくことだと思います。基本的、農水省の所管のことがずらっと並んでいるというつくりからいっても、まずはそっちで頑張ってよという感じが、誰が見てもそう思うと思いますので、とにかく大事なことは、影響評価だけしていて、何にもアクションをとらないのなら別にどうでもいいんだけど、結局、影響評価は次に、アクションにつながらなきゃだめなんです。

そうすると、アクションにつながるときに、農水省を放っておいてほかのところからごちゃごちゃ、例えば水産なんかやめてしまえなどと誰が言ったって絶対動かないので、そういう点ではだから、やっぱり、このつくりも割と対策のアクションまで想定したような影響評価ということを考えるということは、非常に大事だと思いますので、その辺のところでアクション、対応を含めてやっていただければと思いますが、そのほか。江守委員。

江守委員

ありがとうございます。

似たようなことを何回か申し上げているかもしれないんですけれども、緩和と適応のリンクということに関してですが、もちろん法律が違うのもわかりますけれども、やはり問題がリンクしているという認識が環境省の取組としても、どこかに見えたほうがいいんじゃないかなという気がしています。

特に、短期的に見ると適応というのは緩和の取組いかんに関わらず、ある程度温暖化が進んでいく面がありますので、独立して考えられるところがあると思いますけれども、中長期的には、やはり緩和がうまくいかなくて、温暖化がより進んでしまうことによって、より適応努力が必要になっていって、やがてはものすごいコストであるとか、あるいはどこかに限界があるんじゃないかみたいなことを考えると、この間は密接にリンクしているわけでありますし、あるいは個別のことを考えても、恐らく、例えば熱中症対策でエアコンを使うと。緩和とトレードオフになるじゃないかという話はもちろんありますが、もろちんエアコンを我慢して熱中症になったら大変なので、エアコンをつけてもらったほうがいいと思いますけれども、例えば同時に断熱であるとか、あるいは都市レベルのヒートアイランド対策とか、そういうことを考えていけば、エアコンだけに頼るよりも、緩和とシナジーになるんじゃないかとか、そういった辺りの考え方というのが、この適応を議論する際にも入るような仕組みというか、議論の仕方というのがあるといいなというふうに思いました。

住委員長

どうもありがとうございます。それは非常に大事なことだと思います。全体システムを考えていくときに非常に大事だと思います。

というわけで、これもどこかで各ワーキンググループの主査とかに集まっていただいて、全体をすり合わせることは大事になってきて、全体としての見解を書くということが、やはりどこかで必要となってくると思います。磯部先生。

磯部委員

先ほど委員長もおっしゃったように、適応を考えて、適応のための影響評価ということを考えたときに、今までいろいろな大型の研究プロジェクトを初めとして、私、随分研究が進んで、定量的な評価というところまで相当いっていると思うのです。私が参加させていただいている自然災害の部分もそうですけれども。そのときに、今まではいろいろ幅はあるんですけども、大体、平均的にどういうことが起きそうかということを評価してきたと思うんですが、最後まで恐らくこの問題は不確実性が残って、不確実であるから確実になるまでは様子を見ましょうということが、それだけじゃないと思いますけども、そういう面が出てくるんだと思います。

それをやっていたために手遅れになるというのが非常にまずいことなので、ちょっと回りくどくなりましたけども、したがって、平均的な影響評価ではなくて、それに加えて最悪の影響評価のようなことを、文献を見つけてくるんでしょうけども、やる必要があるのではないか。最悪を見ることによって、リスク管理という面から適応策を考えると、どこまでは最低限やっておかなきゃいけないのかという辺りが、かなり明確化されてくるのではないかということがあるので、不確実性を考えたときに、平均値と、最大値とは科学的には言えないんでしょうけど、日常言語的な意味での最大値を、両方評価する必要があるのではないかと私は思います。

住委員長

ありがとうございます。それは、ではまず高村さん。

高村委員

ありがとうございます。今の磯部先生のご指摘に係る点もあるんですけど、3点申し上げたいというふうに思っております。

一つ、先ほど住先生のお話から田中先生のご発言にもありました国民生活・産業のところは、今田中先生がご説明いただいたように、どうしても産業への影響、あるいは影響リスクというのが、気温上昇等々の物理的な変化を、さらに発現していく経路が複雑なものですから、なかなか論文として拾うのが難しかったというのが前回だったというふうに思っております。

他方で、この間やはり企業自身が気候変動の影響に対してどういうふうに対応していくかということを、情報開示を求められるようになっておりまして、その情報を今回ワーキングのところでは集めていらっしゃるというご報告をいただいております。そういう意味では、これは例えばCDPなどが、投資家さんが集める情報として持っているわけですけれども、こうした情報というのは、論文と同じ扱いをするかというのは置いておいても、非常にやはり、なかなか見えてこない産業分野の影響を分析する、影響あるいはリスクというのを見ていくということでは非常に重要かなというふうに思っております。これが1点目でございます。

二つ目は、これは住先生がおっしゃった海外影響であります。これも重要性は言うまでもありませんで、単にこれは情報でありますけれども、環境省さん、推進費のところで国環研の亀山さん代表で、南齋さんが特に主として担当されていると思いますけれども、海外影響の評価というのをやるという研究をやっているグループがございますので、研究成果に期待をしているというふうに申し上げたいと思います。

最後、これが磯部先生のご発言と関わってくるところなんですが、1点目のところとも関わりまして、次の影響評価リスクをしていくときに、一つ重要かなというふうに思っていますのは、先ほど申し上げた、企業が開示をすべき情報として、気候変動の影響によってどういうビジネスへの影響があるかということを、少なくとも一定の何らかの根拠、ロジックをもって示すことが必要になっております。

やはり、ここは非常になかなか苦労されていて、現在のある影響というのは、ある程度、企業さんは拾えるんですけれども、将来何が起こりそうで、それによってどういうビジネスの影響があるのかというところを見るときに、どういう影響があるのかという情報が、なかなか集めるのに苦労されているというふうに伺っております。

そのときに、ここが磯部先生のご発言と関わるところなんですけれども、企業としてはいろんな幅のある、幅があるといいましょうか、想定される影響、幅がある中で、ちゃんと対応ができますということを説明する必要があるので、いわゆる最悪ケースといいましょうか、そこでも対応ができますということを説明することが必要だというふうに理解をしておりまして、そういう意味では、今の、一つの例でありますけれども、次の影響評価をしていくときに、企業にとっても有用な情報として提供ができるという視点というのは、大事な点ではないかというふうに思っております。

以上です。

住委員長

どうもありがとうございます。

平田委員

森林総合研究所の平田です。

住先生もお話しになられたように、ワーキンググループ、私のほうも参加していて、少々気になっているのが、適応を考えるときにはどうしても地域をターゲットにする策、適応策を考えるときには地域と結びついていくんですけれど、ワーキンググループの中で、例えば私自身は農業・林業・水産業に入っているんですけれど、適応策を考えるときには、ランドスケープ・マネジメントみたいな考え方の中で、どう適応していくのか。

すなわち人工林は人工林で、天然林は天然林で、農地は農地でと、切り分けられるということが、なかなか適応策を考えていくときにはないことを考えると、今ワーキンググループで進めているこのやり方は、もちろん否定するわけではないんですけれど、これをうまく策に結びつけていくときに、もう一段上のグルーピングというのが何か必要なのではないのかなというのが気になっています。

それから、2点目ですけれど、海外の影響評価、これは産業・経済活動の中に入れてあって、当然、我が国にとってサプライチェーンのことは重要なんですけれど、産業・経済活動に結果的には影響するんだけれど、自然生態系での適応がどういうふうに海外で行われているのか。特に、この後の議題でもありますけれど、アジア・太平洋気候変動適応情報プラットフォームに我が国の貢献として入れていこうとして考えた場合に、この海外影響というのが非常に小さな取り扱いになっているのが、ちょっと気になるところでした。

住委員長

どうもありがとうございました。中北委員。

中北委員

二つ申し上げますが、今、磯部先生がおっしゃっていただきました最悪、最大に関して、磯部先生ももうご存じ、運営していただいています統合、創生のころから、自然災害に関してはどこまで最悪になるかということは温暖化影響の中で大事な視点としてずっとやってきていますし、今も続けているというところを整理するときに、必ずしも大事なポイントだというような見方で仕切れていなかったかもしれませんので、改めて大事さを見ていきたいと思いますし、ほかの国のプログラム等も含めて、少し連携した感じで、最大に関して少し評価していただくような、相互のやりとりみたいなのをしたほうがいいのかもしれないなと今思いました。

それからあと、今、私は自然災害、沿岸のほうにいるんですけれども、先ほどから議論されているように、企業の適応にとってどの情報が大事かと聞く視点で、自然災害、沿岸のほうも少し見てみる必要があるのかなというふうには、今認識させていただきました。どっちかというと省庁さんが治水でどうかというような視点で今まで多く見てきましたけれども、企業適応という視点でも、我々の分野も大事な情報を出せるんだなというふうには、今改めて認識させていただきました。ありがとうございました。

住委員長

はい。

山田委員

中央大学の山田です。

一つは、昨年11月か12月にオランダの治水事業の担当者を土木学会として呼んで、今オランダはどうやっているんだと聞いたら、さっきの磯部先生の不確実性に対して、もう今オランダでは地球温暖化に対する不確実性を数字で出すと。それは、一人頭年間の死亡確率というものをずばっと出すんだと。

それで、今までは、治水事業というのは、100年確率の雨を対象にして河川を整備しますとか、200年確率でやります、つまりそれはつくるための数値を設計上指定したわけですけども、そんなもの幾ら言ったって国民はわかるわけがないので、国民側から見ると、それをやってくれたことで、今までの死亡確率が、例えば1万分の1ぐらいの、現在、交通事故の死亡確率というのは大体2万分の1ぐらいですから、1億人で4,000人ぐらい交通事故で死ぬわけですから、2万分の1ぐらいの確率でみんな持っているんです。それに対して一体この事業はどのぐらいの確率になるんだと。かつ地球温暖化を考えたときに、こういう施策をやることで一人頭年間死亡確率はどのぐらい下げるんだ、これを目標にするんだということを、これを言ってやっていますというんです。

じゃあオランダ人ってそんな難しい統計学的なことをみんなわかるのと言ったら、いやいや、これをわかってもらうために20年間頑張りましたというんです。これは立派なことかなと思って、それは例えばこういうようなところで、そういうものをきちんと、ある種の物の見方をオーソライズしないと、これから幾らやったって、私の経験で、え、公共事業をやりたいがために地球温暖化を持ち込んだんでしょうと必ず言われちゃうんです。それを1個言われたら、もう大体物は進まないわけでして、だから、こういうところでぜひインデックスのオーソライズというのも、オーソライズではなくても、しょっちゅう使うとかいうので結構なんです。

もう一つは、来週ぐらいにベトナムの治水事業の担当者の政府の方、私お呼びして、うちで講演したり、北海道で講演したりするんですけども、例えば、ベトナムなんかは中部からメコンデルタに関して、どういうわけか、地球温暖化のせいかどうかわからないけど海面上昇。それで、それに伴うメコンデルタの塩水化によって、農業が非常に危ういと。

これを何とかしてくれないかというのが来るんですけど、こんなのはもう政府レベルで、きれいごとじゃなくて、じゃあ中国がやってやるよとか、ばーんとやってくるとか、全く政治とビジネスレベルで動いちゃっているので、早く、あまり世界がどうのこうのといっぱい言い過ぎちゃうんじゃなしに、ベトナムどうしよう、タイどうするというような具体的なところを、少し絞った議論も必要かなと思っています。それに対して日本はどういうコントリビューションができるのか。それは一役所だけの問題でもないような気がしていますので、というような感想ですけども。

住委員長

じゃあ安岡さん。

安岡委員

これは気候変動適応策に関して、総合的な議論を多分することになるんだろうと思うんですけども、それぞれの場所で優先順位をつけるというのが、必ずステップとして入ってくるんですが、そこに対する考え方というのをどこかで書き込んでおかなきゃいけないだろうという気がしています。

特に、地域ごとにセンターをつくり、実行部隊をつくっていかれるわけですから、そのときに各地方自治体がそれぞれ自分のところで優先順位をつけるのか、そこの産業構造を見た上で、きちんとこういう方向で行ったらいいですよという優先順位づけを、仕方を提示してあげるのか、そこは要るだろう。

そのときに、コストの概念をここでどういうふうに扱うかというのは、これはもう大問題なので、そう簡単にはいかないと思いますけれど、全く触れないわけにもいかないだろうというので、基本的な考え方だけは示しておく必要があるんではないかなという気がしました。

以上です。

住委員長

そのほか、よろしい。何かございますでしょうか。

気候変動適応室長

ちょっと恐縮でございます。もうかなり中身の議論に入ってございますので、この際、資料2-3を説明させていただいて、さらに、深めるべき議論があれば深めていただければと思っております。

住委員長

はい、どうぞ。

気候変動適応室長

資料2-3をお開けいただければと思います。実は今年度、各それぞれワーキング、もう、1回お集まりをいただいて、いろんな議論を実際に、もう作業を始めていただいているところでございます。その中でも、今まさに先生方からいろんなご指摘をいただいておりますけども、同様の議論がワーキングの中でもあるということで、これまでワーキングの中で出てきたご意見、ご指摘なども取りまとめたものが、この資料2-3でございます。こういうものを見ながら少し、さらにご議論を深めていただければと思っていたところでございますけども、かなりお話が、もう出てきている部分がございます。

資料2-3の、まず1ページ目をご覧いただきますと、これは総論というか、いろんなワーキングでもう話題になって、特にどこの分野、分野に関係なく出てきている話でございます。まず一つ、一番最初の1番目でございますけれども、やはり複数の分野・項目に関係する影響というのは多いという中で、その全体構成の中でどのように整理をしていくのかという課題がございます。ここは、まずはワーキングで作業をいただいた上で、最終的にはこの小委員会の場でよく見ていただいてということにせざるを得ないかなと思っております。

また、これ、先ほど平田委員のご指摘もございましたけども、地域の話でございます。全国単位での影響という話、それから地域レベルの影響という話、両方どうしても混在してしまうと。どのように取り扱ったらいいかというところでございますけれども、基本的な考え方としては、我が国の全体としての影響ということでございますので、全国単位で評価している知見を重視しまして、その上で個々の地域事例についても参考といいますか、記載を可能な限りしていくということかなというふうに思ってございます。

それから、例えば4番目、6番目の辺りでございますが、極端現象に関する影響の文献などが最近増えている。あるいはイベントアトリビューションというような最近の研究も増えているということで、こういったものについても、ぜひ対象にしていきたいというような議論がございます。

また、7番目でございますけれども、報告書の公表までにタイムラグがあると。一応、先ほど申し上げたとおり、今年度末で一旦文献収集という作業は区切らせていただいておるんですけれども、報告書の公表までに、特にワーキングの委員等の方々から提供があったような文献とか、特に重要な文献のほうについては随時追加をしていくということで、そういう姿勢で進めていきたいと思っております。

それから、さらに、最終的にまとめる評価報告書の作成方針というところでいきますと、その下の1でございますけれども、まず、そもそもの考え方として、今回の第2次影響評価報告書というのは、2015年に出した評価報告書をリバイスする格好でつくるのか、それとも新たに書き起こすのかという、こういったご指摘もございました。ここにつきましては、IPCCも基本的には同様の考え方かと思います。

基本的には、第1次評価報告書の内容はもちろん、それはそれで2015年にまとめた最新の知見ということでございますので、これは踏まえるということだと思いますけれども、当然ながら最新の知見をもとに、記述については抜本的に見直しをしていくということかと思っております。また、特に、今回文献も増えて、前回は知見が限られていたんだけれどもというようなところが出てきますので、そこは当然ながら構成も含めて見直しを検討して、新たに書いていくということかと思います。

また、その続きの2でございますけれども、じゃあ第1次報告書からどこが変わったのかということもしっかりわかるようにしておきたいということで、ここはもう記載の仕方で工夫をさせていただければと思っております。

2ページ目に参りまして、これは先ほど山田委員からご指摘があったような話に通じると思いますけれども、番号の5番目で、わかりやすい情報の発信。例えば被害総額であるとか、先ほど山田委員のほうから年間の死亡確率というようなことがございましたけれども、最終的には国民に対してわかりやすくメッセージを発するという視点も大事でございますので、こういった情報の発信も検討すべきではないかというご指摘がございます。ただ、これについては、まずは知見を集めた上で、最終的に、どのように報告書の中で記載するのかは、よく相談をさせていただきたいというふうに思っております。

それから、分野間でクロスオーバーする部分、これをどのように記載していくか。例えば、一つの例としては、林業への影響として、降雨による土砂流出、自然災害、それから自然生物被害、水産業への影響、こういったものが全部リンクしてくるというようなことがございます。基本的には各ワーキングの作業の中で、ある程度の切り分けは想定しながら、多少重複してでも、それぞれの分野で書けることは書いていくと。

最終的に、あまりにも重複がひどいようであれば、この小委員会の場で調整をいただくというのが、恐らく作業方針かなと思いますけれども、こういったところについて、もし何かご指摘があればいただければと思います。また、最後に、見せ方としまして、例えば日本地図に知見をプロットしていくとか、そういう見せ方についても、用意すれば、よりわかりやすくなるのではないかという8番目のご指摘がございます。

それから、気候変動影響の評価方法に関しましては、これも先ほど、磯部委員でしょうか、ご指摘があったかと思います。どういうシナリオ、最悪シナリオみたいなものも想定してというような話だったかと思いますけれども、IPCCの第5次評価報告書におきましては、RCP2.6RCP8.5という、端的に言うと2℃ぐらい上昇するケースと、それから4℃ぐらい上昇してしまうケースと、こういったものを2ケース想定して分析をされていることが多いんですけれども、今回の私どもの評価につきましても、やはりその両方を想定しながら、見ながら、各分野の委員のご意見も伺いながら検討していきたいなというふうに考えているところでございます。

それから、これ、多数ご指摘があったのが、エキスパートジャッジでございまして、これについては一旦別の資料になるんですけれども、参考資料2-3をご覧いただければと思いますが、参考資料2-3で、現在というか、前回の2015年の評価の中では、重大性、それから緊急性、あと確信度という、三つの指標、それについて、それぞれの知見の、どれぐらい重大性が高い、あるいは中程度、低い、それから緊急性が高い、中程度、低い、それで確信度はどれぐらいという。確信度に関しては、特にIPCCの考え方をかなりなぞるような格好でやっていたということでございますけれども、この重大性、緊急性、それから確信度、この設定の仕方については本当にこれでいいんだろうかと、あるいは、それを最終的に判断するのは、まさにこのエキスパートジャッジになってくるわけでございますけれども、それを一体どのようにやったらいいんだろうかというところが、少し議論になったこともございました。

それから、3ページ目でございますけれども、重大性の評価に関して、専門家だけの判断でいいのかと、要はパブリックディベートのようなことも行ったりとか、アンケート調査を行ったりとか、もう少し一般市民であるとか、いろんなステークホルダーがどのように受け止めているかというようなことも評価をすればいいのではないかという大変ごもっともなご指摘もございましたけれども、ここは、実際のところはスケジュールの関係もございますけれども、パブリックコメントなど、そういうプロセスの中でしっかりとした手順を踏むということで、とりあえず今回は対応させていただきたいなというふうに思っているところでございます。

それから、4ページ目以降は、各ワーキングの中で固有の問題としていろいろご指摘をいただいたところがございます。全てはご説明をいたしませんが、それぞれ関係する先生方、特にこれはというものがあれば、ぜひこの場でご指摘をいただいて、ご議論いただければと思います。特に、もう最後のページになりますけど、10ページ目には、これもご議論をいただきました産業、あるいは国民生活の関係で、グレーリテラチャーの扱いについて、特に、企業等が出している一次情報など、こういったものについては情報源の適切さを確認した上で引用するという、先ほど田中先生のほうからコメントがあったとおり、まさにそういう議論を分科会ワーキングでもやったところでございます。

とりあえず以上でございますけれども、既にいろんなご意見をいただいているところでございますけれども、さらにこの資料2-3をご覧になられて何かございましたら、ぜひこの際、よろしくお願いいたします。

住委員長

資料2-3を見て、はい、野尻委員。

野尻委員

弘前大学、野尻です。

前回の評価のときは、実はIPCCのAR5の進行中で、AR5の作業の進行より先にこの委員会が始まっていました。IPCCで私はワーキンググループ12に参加していたんですけれども、ワーキンググループ2の作業の途中で、RCP2.68.5のシナリオのもとで生じる影響について、それぞれのチャプタで評価の表をつくれという指示が入って、それで最終ああいう形になったわけなんです。

ですから、二つのシナリオについて影響や適応を評価することがもうちょっと早く知られていれば、こちらのほうも、気温の上昇が低いケースと高いケースの両方について分けて評価をするというアイデアがあったとは思うんですけれど、間に合わなかったということです。今回は既にAR5のワーキンググループ2のやり方が出ていますので、踏襲してやりましょうと意見をしたのは、私でした。いろいろ考えたところで、先ほど磯部先生からお話があったような最悪ケースにRCP8.5が近いという考え方もあります。緩和との関係で、RCP2.6ではこの程度の影響ですむのだから、適応についても比較的易しいというメッセージを出す。RCP8.5のケースではとても適応の範囲ではおさまらない事象が多いということを、きちんと国民に対してメッセージを出す。これは、緩和策が重要であることをみんなに知らせることになります。RCP2.6というのは非常に対策が進んだケースですので、そういった場合には影響が軽度で適応も可能であると。また、RCP8.5のような対策が進まないケースですと、非常に影響が大きくて適応が難しいということを、上手にメッセージとして出したらいいと考えました。

恐らく社会はその2つのシナリオの間ぐらいで進むんじゃないかと個人的に思っているので、そういったものの情報が出せるといいんですけれども、多分情報不足でその間の温度上昇の影響評価は出せないんじゃないだろうかというような、そういう議論を取りまとめのコンサルタントさんとやったことがございます。

それと、もう一つ、ちょっと個人的な意見も含むかもしれないですけれども、先ほど、国際的な、海外の影響の、日本に与える影響というところで、社会・経済というふうにくくられています。AR5の取りまとめでもなかなかIPCCからのメッセージの出し方も難しく、影響があることは間違いないのだが、不確実性が大きいということでまとめられているのが政治なんです。国際政治、あるいは貧困とか南北問題ですので、私もそれまであまり知識なくワーキンググループ2に参加したので、非常にびっくりしたのは、貧困あるいは国際間の対立、気候変動をそういった問題として考えている人たちが相当多数ワーキンググループ2の中にいて、強いメッセージを発している。これ、実は、あまり国民に対して知られていない。IPCCワーキンググループ2の報告書が出た後でも、IPCCはこういうことを言っているんですよというのが、何度上がります、何が起こります、洪水が起こります、そういったところのほうがインパクトが大きく、政治の問題はあまり知られていません。社会経済というところにぜひ、政治、難しいと思うんですけど、高村先生にお願いしなきゃいけないんですが、その政治やあるいは国際関係に及ぼす影響というのを、評価が難しいながらも、何かメッセージとして今回入れていただくと、それは国民に対する重要な情報になると、私は思っております。

以上です。

住委員長

どうもありがとうございました。では高橋委員。

高橋委員

今の野尻さんからのご意見にも関連すると思いますが、このリスク評価の特徴として、全分野について、既存の文献を徹底的に洗って、網羅的な調査をして、それを資料として残しておくという面があると思います。しかし一方で、その情報の厚さゆえになかなか一般に対しては伝わらない情報になりがちだと思うので、うまく伝わるような整理の仕方として、それが適切かどうかは議論が必要かと思います。

例えば、IPCCの例で言えば、バーニングアンバーを使って、温度上昇によってどのぐらいリスクの度合いが高くなっていくのか、変わっていくのかといった表現の仕方をします。そのときに、そもそもバーニングアンバーのようなものをつくる対象として選ばれるリスクが、ほかのあまたあるリスク影響の中から選ばれたわけなので、より多くの人に理解してほしいと思われる重要度の高いものをエキスパートジャッジで選んだことになると思いますが、あのような形でのリスクの伝え方、現在時点でわかっている影響知見の伝え方というのも検討してみていいのかなと思いました。

もう一つが、どうしても研究論文ベースになると、かなり自然科学寄りとなり、自然システムにどんな変化が生じますよという情報を整理するだけにとどまることが多いと思いますが、それぞれのセクタ別の章で、研究論文ベースでなくとも良いので、なんでその変化が起きると人間生活に影響があるのか、私たちの暮らしに対してどのような含意を持つのかということについて、定性的でもいいので記述しておくことで、その項目、あるいはセクターが評価対象として選ばれたことについて、読み手のほうとしてより活用しやすい形で読めるような気がします。いずれの分野に関しても、人間生活、国民生活への含意について補足文章を入れておくというのが、報告書のあり方としていいのかなと思いました。

あと3点目として、複数の影響の間の因果関係についても整理していくということでしたが、推進費S-10プロジェクトで支援を受けて実施した研究で、影響の項目間の因果関係の可視化について、1カ月前ぐらいに論文発表することができています。その研究は、国立環境研究所だけでなくて、国内の多くの機関の協力を得て実施されたのですが、リスクインベントリ、あるいは影響の因果関係の可視化について論文化したものがありますので、ぜひそれを活用いただきたいと思います。また、今日の中間取りまとめを踏まえた取組、資料1-1のところでも名前が挙がっているプロジェクトで、国立環境研究所の大場さんらが進めている推進費研究課題、適応策立案支援のための地域環境を考慮した多元的脆弱性評価手法の開発でも、も、似たような形で影響のインパクトチェーンの構築を行っていると説明を聞いたことがあります。同研究についても材料として使えるのではないかと思います。

住委員長

どうもありがとうございました。では鬼頭委員。

鬼頭委員

ありがとうございます。二つあります。一つはIPCCでもう既に1.5℃特別報告書が出ているわけですけれども、この影響評価の文献を集められたときに、その1.5℃に対応する論文というか、文献はあったのかどうかということをお聞きしたい。それが一つです。

二つ目は、見せ方というか、伝え方に関することですけれども、RCP2.6、8.5と今シナリオでいろいろ実験をやっていて、それぞれが世界への年平均気温の変化で産業革命以前に比べて2℃上昇、4℃上昇にほぼ対応するということで言うわけですけれども、普通の方が聞かれたときに、それは多分わかりにくいんじゃないかと。世界の年平均気温が2℃上昇は必ずしも日本のあるところでの、例えば夏の気温上昇2℃ではない。日本はもっと上昇しますので、そこのところの解釈といいますか、伝えるときに工夫をする必要があるんじゃないかなというふうに思っております。

以上です。

高薮委員

IPCCAR6のLead Author、私も参加しているんですけれども、このSRC1.5の話、あとAR6がまたこの直後に出るんですよね。なので、その辺の対応もどうされるかということを考えておいていただいたほうがいいかなと。多分これ、発表した直後に今度はAR6が発表されて、その間の齟齬がもしあるとまずいなと思っています。

もう一つイベントアトリビューションなんですが、ここにも出ていましたけれども、これは結構最近進んでおりまして、去年の平成30年7月の豪雨、それから猛暑に関しては、温暖化の影響が初めてロバストネスをもって示すことができました。これは、文科省さんの統合プロジェクトに我々は参加していまして、そこの支援を受けて初めてできたんですが、それで、去年、気象庁の異常気象分析検討会でもこの辺はいろいろ議論されまして、かなり大部の資料ができております。

こういうことというのは、例えば、今、地域対応ということで、こういうところを述べられていますけれども、もっと、結構広い地域に、同時に影響を及ぼしたということで、またこれから2020年刊行までに何があるかわかりませんけれども、そういうのがあったときには、それもトピックとして挙げるようなことも考えられたらいいんじゃないかなと思いました。

以上です。

住委員長

鬼頭委員の質問の、1.5℃特別報告書が入っているかどうかというのは。

気候変動適応室長

今、直ちに入っているか、あるいはどれぐらい入っているかという数字はわからないのですが、恐らく数はそんなに多くはないだろうというふうに思います。今回、新たに追加をされた文献というのが、基本的には2015年以降で今年度末までということでございます。その中で、端的に1.5℃の上昇に対する影響を扱っているプログラムがどれぐらいあるかということでございますけれども、恐らくそんなには多くはないのではないかと想像しています。詳しいことは調べた上で、またご報告いたします。

それから、高薮委員のほうからお話がありましたIPCCのAR6との関係でございますけれども、AR66次評価報告書については、今現在作業中で、2021年から22年にかけて、最終的な取りまとめ表は、統合報告書は、2020年の恐らく4月とか5月とか、それぐらいに出てくるかと思います。ですので、この日本国内の第2次影響評価報告から1年半から2年後ぐらいの後に出てくるということでございます。

そこにつきましては、もうまさに、高薮先生初め、まさにAR6の作業に関わられておられる先生方も多数このワーキングの作業に参画もいただいておりますし、可能な範囲でAR6における議論の状況も反映をしながら、こちらのほうにもできる限りやっていくしかないのかなというふうに思っております。また、AR6に至るまでの作業の中で、昨年の1.5℃特別報告書でもそうですし、今年には海洋雪氷圏、それから土地に関する特別報告書、二つの特別報告書も出てまいります。こうしたものの中の知見などで、とりわけ我が国の知見、我が国の影響ということで参照できるようなものがあれば、ぜひそういうものについては取り込んでいきたいというふうに考えております。

住委員長

では、松井委員。

松井委員

1点、情報提供なんですけども、1.5℃、自然生態系のほうでは、知る限りは1文献だけありましてという、そういうご報告なんですけど、竹林がどのように温暖化によって生育範囲、可能範囲を拡大するかという、そういったシミュレーション結果が、たしかこれ高薮委員も共著で入っておられると思うんですけども、長野県の環境保全研の高野さんの著書でございます。

以上、ご報告です。

住委員長

では、中北委員。

中北委員

高薮委員のご発言のイベントアトリビューションに関してですが、入れたらいいと言い出したのは僕で、実は今おっしゃったように、これからのものも出てくるので、それもできるだけ拾おうということで進めておりますという返事です。

住委員長

そのほか。秋元委員。

秋元委員

すみません、特に発言するほどのことではないんですけども、先ほど安岡委員がおっしゃった、費用対効果というところは、私も非常に重要だと思っていて、自治体にしろ企業にしろ、予算は限られていますので、予算の中で順番に何をやっていくのが効果的なのかということは、よく考えないといけないと思います。安岡委員もおっしゃいましたけど、非常に難しくて、どういう提供ができるのか、我々はよく考える必要があると思いますけども、ただそういう判断基準みたいなものを提供してあげるということは、非常にこの目的からして重要なことだなというふうに思っています。

例えば、ただ、そういうときに、コベネフィットとか、都市であればヒートアイランドの防止とか、そういうものはコベネフィットが生じますので、非常に有効だったりすると思いますので、そういうものをどういうふうにエキスパートとして評価しながら書き込んであげるのかということを、ぜひ考えていただければというふうに思います。

以上です。

住委員長

そのほか。では高村委員。

高村委員

先ほどの野尻先生、それから高橋委員のご発言にあったところに関わるんですが、これまで提示をされている影響評価の項目で、なかなかやはりカバーできていないところが、先ほどあった社会影響というような例、例えば一つの例でいくと、今、国際的にマイグレーションが気候変動の影響として非常に注目をされ、適応策としても注目されているんですが、なかなかそういうところは、今の項目の中からは拾えていないということは、ご指摘をいただいている点だというふうに思います。

どれだけ、特に論文ベースでできるかというのを、チャレンジングだというふうにも思っているんですが、他方で、例えば日本で関して言うと、マイグレーションはもちろんそうなんですけれども、海面上昇による国土の損失というのを起こす影響というのは、恐らく水産業、防衛、さまざまなところに関わってくるところで、こうしたものというのを、本当は意識的に、横断的に評価をする必要があるんじゃないかというふうには思います。これは先ほど資料1-1に書いてくださっているというのを気がつきましたけれども、推進費の中でも取り扱っていますけれども、先ほどのプライオリティの話とも関わってくるんですが、そういう観点から何かfeatureするといいましょうか、ある重要性の高いと思われるものを、集中的に特別報告書のような形とまではいかないにしても、検討するというのも一つのアイデアとしてはあるんじゃないかなというふうに思っております。

以上です。

住委員長

どうもありがとうございました。そのほか。よろしいですか。

恐らく、この報告書の中で、影響評価、やはりファクトとして非常に整理をするということと、その次に、適応計画に反映させていくというのは、もうワンクッションあるような気がします。

だから、そこをこれにコストから、ああだこうだ全部入れると、ごちゃまぜになってくる感じが僕はするので、これは、基本的にこの報告書はこういう影響があるよ、こうなっているよというファクトベースのものを軸に、そこで、コストは別に書いてもらっていいんですけど、とにかく、多分そういう位置づけで、今度、例えばそれを受けて、具体的な、要するに適応計画でアクションを出すところで、もう一度、何らかの報告書や戦略やら何かが要るのではないかなという気が、僕はしています。

そのときは当然、各セクションだけではなくて、インテグラルした総合的な施策になるだろうし、そこでは当然コストというのは入ってきますので、どんなことでもやらないよりはやったほうがましだという、そういう立ち位置で書くんだったら、何でも書けますけど、そんなものは現実的ではありませんので、それをもう少し考えられたほうが僕はいいし、そういう点で今は現実的に、府県と言われながらも、広域協議会もそうですし、具体的に何をやるかというと、いまいちまだはっきりしていないので、そういうところの活動の施策等も、もうちょっと考えることをしたほうがいいような気がしております。

浅野先生。

浅野委員

この小委員会は影響評価をして、その報告を書くというのがミッションではあるわけですが、確かに、それだけ中環審がそこまでやったら、後はもう政府に適応計画をつくってくださいといって投げてしまうというやり方をすることが、第1回はしようがなかったけど、第2回も同じようなに続けていいのかどうかという点については、ちょっと疑問を感じます。つまり、結局、最後は政府がつくる計画というのは、各省の政策の羅列に終わってしまっている可能性がある。それでは困るようにも思われます。だから、ここで作られる報告書をあまり複雑なものにしないほうがいいという座長のご意見には私も大いに賛成で、それはそれでいいんですが、それとは別に、やはり中環審としての意見具申も可能なのだから、これは諮問をされていないことだって、何でも述べることができるんです。だから、適応計画でどういう政策をどんなふうにとらなきゃいけない、というようなことについて、横断的な議論みたいなものはしっかり示しておかないと、結局政府のところに行ったら各省ばらばらになってしまうということが心配です。ですから、次の第2次の適応計画は、ぜひそうならないようにする必要があります。

それから、今お話があったように、地域の取組についても、国の計画だからどこまで書くかの問題はあるけども、こんなふうな考え方が必要だということは、もっと明確に出していく必要があると思うのですが、多分あと2年ぐらいの間には、かなり地域の取組は進むだろうと思いますし、今やっているコンソーシアム事業はあと1年で終わりますので、そこでいろんなことがまたわかってきますから、そういう経験を活かしつつ、この小委員会としては、もう一枚紙をつくるぐらいの気持ちを持って検討をしていくということも必要だろうと思います。

住委員長

肱岡委員。

肱岡委員

ありがとうございます。

1点質問ですけれども、この中では地域、すなわち自治体の情報というところまで影響評価の結果をかみ砕いて、分離して出すのか、それとも例えば西日本、東日本と出すのかというのは、恐らく日本全体の影響はどうだとか、九州がどうと言われても、鹿児島と福岡と佐賀は違いますので、それだけいただいても多分、適応計画に生かせないと思うんですけど、どのような方針でつくられる予定でしょうか。

気候変動適応室長

その点もぜひご議論いただきたいところではあるんですけれども、例えば農業であるとか、かなり影響に関して特に地域性があるという分野はあると思います。例えば、この資料2-3の2でも書いてございますけれども、基本的には我が国における影響評価報告書ということになりますので、日本全体をまず見ながら、かつ、この地域における影響について述べたような論文、文献があれば、そういうものについても、できる限り紹介していくというのが基本的な考え方かなというふうには思ってございます。ですので、恐らく分野ごと、それから物によってそういう地域性のある情報がいっぱいある分野とそうでない分野、いろいろあると思いますので、まずはワーキングでご議論いただいた上で、最新のまとめ方は検討いただくということになるのかなと思っております。

肱岡委員

ありがとうございます。IPCCも、appendixをつけることによって、例えば地域の情報とか県の情報、九州とか本州とありますけれども、そういうのをいただけると、恐らく自治体の方は自分たちのところに関連する定量的な情報というものを受けて適応計画をつくることができますので、もし文献等でそこまで書いているものがあれば、ぜひそういうものを、そのワーキングの中で一定程度同じフォーマットにして、整理していただけると非常に有効かと思います。

住委員長

はい。

石川委員

今の件に関連しまして、私もいろいろなところの自治体などに話を伺っていますと、第1次報告書の使われ方というのが非常に興味深くて、そのまま県によっては自分たちの県に関係するようなセクターの重大性とか近接性、そのままコピーして自分たちの計画をつくっているということが非常にたくさんあるというふうに感じております。そういう意味ではこの報告書、第2次のほうも、そういうことに使われるという可能性が高いということを前提に、自治体のほうがそのまま使っても大丈夫なような情報というのを意識してつくっていただかないと、自治体の中には、そのままコピーして持ってきたんだけど、ちょっと違うんだけど、これしかないんだよねとかといって使っているケースも多々あるというふうには聞いていますので、そういう意味では非常に、そういう使われ方をするということを前提につくって、作文なども考えていただけると、非常に役立つんじゃないかと思っております。

住委員長

どうもありがとうございます。

安岡委員

私は環境省がやっています推進費という予算のPDをやっていたわけですが、1次の報告書を読んだときに、例えば生態系の情報が非常に少なかった。しかも、あったとしても、どこそこのというのがつくんです。つまり日本全体でというようなことはほとんどなくて、それをまとめるときにもいろいろ議論があったんですけど、そういう視点で見ていまして、やはり生態系に関しては、予算をつけてでもデータをとってほしいということがあって、実は推進費がその方向で役に立ちました。

今回も、この2次バージョンが出たときに、できれば今後こういう研究の方向にそれを使っていきたいというようなものが見えてくれば、私はすごくいいなと思います。今回の影響評価は論文ベースでやるということで、これはもう、1回目からそうなんですけど、1次のときは、もうそうせざるを得なかったんですが、先ほど住委員長、それから浅野先生もおっしゃったことに関係しますけど、この報告書をどう使っていって、日本として今後どういう方向に活かしていくのかというふうに、やっぱり使えるようにしたい。

私のさっきの優先度の話は、実はほとんどそういう論文がないんです。これをどうしてもやっていかなきゃいけなくて、次年度から適応の戦略研究が始まりますけど、FSがスタートしますけど、そういうところでも、こういう情報を生かしていって、ここの分野はやっておかなきゃいけないというふうな形で使えればいいなという印象は持っています。

住委員長

多分、IPCCのレフリードジャーナル、要するに、ある程度確実な情報を集めて、ファクトとして出すというのと、それから多分、著者名を明らかにしてもいいから、今どうだというような、ある意味ではそういうような部分というのもあったほうが僕はいいような気がしますけど、だから、逆に言うと、こうすべきだとか、こうしたほうがいいというところが全くニュートラルで、価値フリーで出せるかというところになるような気が僕はします。

だから、そのつくりで、各章やるときに、例えば総説は誰か主査の名前で名前を入れて、ちゃんとまとめて書いてもらうようなセクションをつくるとか、もう一つは、総合的な部分は主査だけ集めたある種のワーキンググループをつくって、そこが全体の取りまとめ案を、要するに、ある程度、価値観とかいろいろな判断が入りますけど、それを明示したようなやつを附録につけるとか、何らかのつくり方を考えていったほうが使いやすいんじゃないかなという気がします。それは、環境省のほうがそういう適応計画とか、それから技術指針とか、そういう類のものを出すというつもりならば、またそこはそこで違うと思いますけど、それはちょっと考えられたほうがいいような気がしますけども。

そのほか何かございますでしょうか。どんどん主査の責任が多くなるばかりなんですけど。どうぞ。

松井委員

一つお尋ねしたいんですけれども、この気候変動で比較的ネガティブな影響というのが表に出たり、報告書には出がちなんですけど、逆にポジティブというか、ある人にとっては例えばお得な状況というのもあり得るんですね。そういった場合の報告なりというのは、比較的、特に金銭が絡むという場合は、恐らくなかなか出てきにくいんじゃないかと思うんです。そういうのというのは、どういう扱いになるんですか。すみません、質問なんですけど。

気候変動適応室長

ありがとうございます。

その話も、ワーキングの中でも少し議論が出ておりまして、資料2-3の3ページ目になる、先ほど説明をはしょってしまいましたけれども、まさに好影響、温暖化する、あるいは気候変動が進むことによって好ましい影響がある、例えば、お米の収量が、ある地域では上がるとか、そういう好影響があるという、こういうものについて、どういう表現ぶりでこれの記載をするかというようなことも議論に上っております。

なかなか難しいんですけれども、単に「好影響」という書き方はせずに、具体的にどういうふうな影響があるのかということについては、丁寧に記述をするということでどうかと、ワーキングの場ではそういう議論になっているという、そんな状況でございます。実際にはもう記載ぶりをご検討する中で、ご相談させていただくしかないのかなと思っておりますが。

住委員長

人間は非常に勝手なものでありまして、都合のいいことだけ目に入って、都合の悪いことは目に入らないという特性があるので、だから好影響と思われるような影響があるというのは書いても事実なんですけど、だからどうだという。例えば悪影響が出る人のことは忘れて、好影響だから、それは大体トランプの議論とかアメリカの議論ですよね。だからそこは難しいところだと思いますし、非常に難しいのは目先好影響ということなんです。これが一番ややこしくて、もう俺はあと10年で死ぬからどうなってもいいから好き勝手やる。それはその人限りでは正しいんです。だけどツケを回されたほうはどうしてくれるんだというのが、今の世代間ギャップのことでしょう。だから、そういうものがいっぱいありますから、その辺はどういう書きぶりにするか。

だから、あまり混然とすると、ややこしくなるから、ある程度、本当ファクトでばっと影響を積み上げていくような部分と、そういうのに踏まえた上で、どう考えて、どう行動すべきかというところは、やはり違うんだと思うんです。そういうふうな書き方にしていかないと、ごちゃまぜになってくるんです。そういうファクトのところにああだこうだと価値判断を入れていくと。だからそうすると、もう何でもいい、勝手にやれというふうになりかねないので、そこは書き方を注意しておいたほうがいいと僕は思いますけどね。

どうぞ。

増井委員

今、住委員長がおっしゃられたとおりだと思うんですけれども、資料2-1のスケジュール等を見ても、そういう形の、整理の取りまとめになっていないですし、実際、今年度情報収集ですとか、あるいは論文の読み込みといったときにも、ほかの方はひょっとしたらそういうふうなことも意識して、特に適応策とか、そういうようなことを意識してやっていらっしゃったのかもしれませんけれども、僕自身はそういうふうなことはあまり意識せずにやっていたというところがあります。もちろん科学に基づく政策決定ということで、影響の評価ということからスタートしたということだろうとは思うんですけれども、仮にそういう影響だけではなく、適応策というようなことまで含めてやるということであれば、少し手順あるいは論文収集なり、あるいは各ワーキングで議論する内容というのも変えていく必要があるかと思います。そうしないと、それぞれ、とりあえず我々のワーキングでのミッションとしてあるのは、影響の評価というようなところなんですけども、最終的なところは少しベクトルが違うところにあるとなると、全体として見たときに混乱する、あるいはその方針が違ってくるというところもありますので、その辺りは少し、こういうふうにしたらいいというところを書いていただけると、非常に我々としてもやりやすいかなと思います。

住委員長

それは磯部先生もおっしゃっていましたが、適応、具体的なアクションを見据えた影響評価なんですよ。だから、そこを結局、例えば、要するに、もうどうしようもないよみたいなニュアンスで、勝手に俺関係ないからとべらべら影響評価を書く立ち位置ではなくて、それだと具体的に何らかのアクションをとろうという、そういう立ち位置で影響評価のいろんなことをやるというのが大事じゃないかと思うんですが、だけどそこをまぜちゃうと、記述がものすごく主観的になったり、人によってえらい言うことが違ってきたりするので、そこはよく整理をしたほうがいいかなという気が僕はしますけど、環境省、何かありますか。

気候変動適応室長

基本的には、この影響評価の作業も何度か住委員長のほうから言われているとおりでございますけども、現在の適応計画の立てつけといいますか、その影響評価を踏まえてどういう対策をとるかということを念頭に置いた上での項目分けにはなっているところでございますので、またその計画に基づいて、実際に今も施策が進められるというところもありますので、なかなかそれを文献の中で拾っていくのは難しいと思うんですが、ワーキングの中でご議論いただくときには、その分野で実際にどういう対策がとられているのかということも、ある程度意識をしていただきながら考えていただくしかないのかなと思っております。

また、増井先生からご指摘もありましたけれども、少しスケジュールの進め方も、今ここ2-1で、この(案)をお示しさせていただいておりますけれども、もう少し考えたいなと思います。どういう段階でこの小委員会にご相談すればいいのか、またそれからワーキングの分野別の作業+αで、今でもワーキングの座長による会合とか、少し考えてはいるんですけれども、それをどういうタイミングで開けばいいのか、あるいは回数もこの回数でいいのかとか、もう少し横の連携をしっかり図ったような作業が、さらに今の(案)よりは必要かなというような印象を持っておりますので、そこはよく相談をさせていただければと思います。

住委員長

だから1点大事なことは、2020年のときに出すのがマストではなくて、そんなの、2015年って、ただ5年後だから2020がいいねというぐらいのことなので、多分IPCCの場合よりは、割と時間的なあれが本当に金科玉条で守らなきゃならないものではないということは、緩めるとすぐにだれるから、ちゃんとスケジュールはタイトに掲げていくのは非常に大事だと思いますけど、それがあるからといって、いろんなことをやめるほどのスケジュールではないと僕は思いますので、その辺を勘案しながらです。

気候変動適応室長

その点でございます。確かに金科玉条ではないかもしれませんが、一応政府で閣議決定をした計画の中で、2020年を目途に次期評価を行うというふうにしておりますので、ぜひそこを目指して作業いただきたいということが一つと。

それからもう一つは、法律の中で5年おきにやっていくということでございますので、この2020年で終わりではございません。たしか安岡先生からもご指摘がございましたけれども、2020年でまとめたときに、こういう分野の知見が足りないとか、そういうメッセージはぜひ出していただいて、より2025年、2030年と、これから5年おきにやっていく評価が、回を重ねるごとによくなっていくという、長い目で見て評価を進めていくというような視点でもご議論をいただいて、そういう意味では影響評価報告書に+αのメッセージというものを、これは浅野先生からのご指摘でございましたけれども、政策面でこういうことを考えろとか、あるいはこれからの研究の中でこういうことを考えろとか、いろんなそういう今後への提言も含めた報告をまとめていただくというのは、ぜひお願いをしたいなというふうに思っているところでございます。

住委員長

目途としてやるわけですから、それは全然反対ではなくて、ただスケジュールがあるからという理由で、あることをやめるようなものではないよということだけ、僕はそれほどのスケジュールに縛られたような報告書ではなくて、そんなもの半年でもそれは必要なら遅れたって別に構わないので、というぐらいのゆとりを持ってやっていくことが大事ではないかなという感想であります。

そのほか、何かございますでしょうか。

澤野委員

土木研究所ICHARMの澤野と申します。

今回初めて参加させていただきます。適応策に関して、私の勘違いがあればご指摘いただきたいんですが、ICHARMでは今、統合プログラム、これを中北先生のもとで進めておりまして、その中ではインドネシア、フィリピンの適応策の検討を河川流域を対象として進めております。

適応策に関しては、定量的な評価に関して、さきほどの不確定性の話もある中で難しい面があり、今の時点では、適応策のメニューというのはこういうものがあり、それに影響を与えるような状況に関して、これは非常に大きな影響を与えるであろうとか、これはそうでもないだろう、そのようなことをまず整理する段階です。と申しますのは適応策、将来の話だと、気候変動以外にも経済、社会状態の変化が影響する、例えばインドネシアではどんどん工業化が進んでおり、土地利用の仕方も変わってきており、精緻に分析して、優先度をつけるというのは難しい。ただ、それらを追いながら、どういうことをちゃんと押さえておくのか、適応策とどのように結びつくのか、そのような考え方をまず示す、例えばインドネシア、フィリピンでは相手国政府と一緒に適応策の検討を進めているんですけども、その点が大事と感じているところです。

フィリピンは国の法律で、既に市レベルまで気候変動対応策を作っていますが、中身は、町の名前は変えても同じようなことが書いてある。ただ、それでも気候変動に対し基本的に考えなければいけないことについて皆が知る。その意味で非常に重要な役割を果たしている。それがさらに地域性を出していくには、かなり高度な解像度を持った解析が必要で、すぐには全国津々浦々でできない中で、少なくとも正しいベクトルで、次にこういうことをやっていくということを皆が認識することが大事だと考えます。報告書もそのようにしながら、順次、5年おきにでも出していって、みんなの意識を高めていく、先ほどのオランダの例もありましたけど、そういうことが、大事と考えている次第です。

住委員長

どうもありがとうございました。先ほど出ているように重大性、緊急性という、そういうところのラベリングのところが、再度、考えてやっていくということだと思います。

そのほかよろしいでしょうか。そろそろ定刻になりましたので、何もなければ、努めてワーキンググループの人々にロードがかかっているということだけをご自覚いただいて、まずはワーキンググループの人がちゃんと仕事をして、頑張って書く。その他の人は文句を言う立ち位置ですので、そういう点ではワーキンググループの人は心新たに、頑張っていただければと思います。では事務局。

気候変動適応室長

本日は大変活発なご意見、非常に貴重なご意見をいただきまして、誠にありがとうございました。年度末でございますけれども、また来年度以降、引き続きよろしくお願いしたいと思います。

先ほど申し上げましたけども、スケジュールにつきましても、少し、もう一度考え直したいと思いますけれども、いずれにしてもまた来年度、1回あるいは最後もう一回ぐらいお集まりをいただいて、ご意見をいただくことになるかと思いますので、詳しいスケジュール等につきましては、またご相談させていただければと思います。

本日の議事録でございますけれども、委員の皆様にご確認をいただいた後、環境省のホームページで掲載をさせていただくということになりますので、またこれにつきましても後日ご連絡をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。さまざまなワーキングその他で先生方には引き続きお世話になりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。事務局からは以上でございます。

では、以上をもちまして、この小委員会を終了したいと思います。どうもありがとうございました。

住委員長

どうもご苦労さまでした。終わりにしたいと思います。

                                       午後 4時55分 閉会

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