中央環境審議会環境保健部会  化学物質評価専門委員会(第7回)議事録

日時

平成16年7月27日(火)10:00~12:00

場所

環境省第1会議室(中央合同庁舎第5号館22階)

出席委員 (敬称略)

(委員長) 鈴木 継美
(臨時委員) 池田 正之   内山 巌雄
中杉 修身   森田 昌敏
若林 明子
(専門委員) 岡田 光正   香山 不二雄
武田 明治    遠山 千春
松下 秀鶴   安野 正之
    (五十音順)

議題

  1. 1. 化学物質の環境リスク初期評価等(第3次とりまとめ)について
  2. 2. 化学物質環境実態調査(黒本調査)と各種化学物質対策の連携強化について
  3. 3. その他

配付資料

資料1 化学物質評価専門委員会委員名簿
資料2 環境リスク初期評価について
資料3-1  発がん性及び非発がん影響を通じた健康リスク初期評価の実施について
資料3-2 生態リスク初期評価における生態毒性データの取扱いについて
資料3-3 暴露評価に関する検討について
資料4 化学物質の環境リスク初期評価等(第3次とりまとめ)の結果の概要(案)
資料5 環境リスク初期評価結果(21物質)(案)
資料6  生態リスク初期評価結果(32物質)(案)
資料7 定量的な発がんリスク評価が必要とされた物質の健康リスク初期評価結果(4物質)(案)
資料8 化学物質環境実態調査(黒本調査)と各種化学物質対策の連携強化について
参考資料1 化学物質の環境リスク初期評価(平成9~12年度(第1次)、及び第2次とりまとめ)の概要
参考資料2 化学物質の環境リスク初期評価ガイドライン
参考資料3 最近の主な公表資料について

議事

午前10時00分開会

○馬場補佐 それでは、お時間まいりましたので、ただいまから第7回中央環境審議会環境保健部会化学物質評価専門委員会を開催させていただきます。
 では、まず事務局の方のメンバーが若干人事異動で変わっておりまして、新しい企画課長、柴垣が就任いたしましたので、ごあいさつさせていただきます。

○柴垣課長 この7月から、環境保健部の企画課長で参りました柴垣と申します。よろしくお願いいたします。

○馬場補佐 それから、環境安全課長に上家が就任いたしましたので、よろしくお願い致します。

○上家課長 4月から安全課長に着任いたしました上家でございます。よろしくお願いいたします。

○馬場補佐 では、本日は委員の先生方12名にご出席をいただいております。
 では、資料の方を確認をさせていただきたいと思います。
 最初に一番上に表紙がございまして、その後、資料1として委員名簿、資料2といたしまして環境リスク初期評価についてという紙、それから資料3-1、3-2、3-3まで資料3関係が3種類、それから資料4が、第3次とりまとめの概要、その後、資料5といたしまして、非常に分厚い環境リスク初期評価の結果の案、それから資料6としまして、生態リスクの方の32物質の案、それから資料7といたしまして、発がんの評価結果4物質、それから資料8といたしまして、黒本調査と化学物質対策の連携強化について。
 その後、参考資料が3つございまして、参考資料1、参考資料2、その後、参考資料3といたしまして、全部で5種類。最初の2つがコピーでとじたものでして、1つ目がPRTR(
Pollutant Release and Transfer Register)データの集計結果の概要、2つ目がPRTRデータを読み解くための市民ガイドブックの報道発表資料、その後、印刷したものが3種類ついてございます。非常に大部でございますが、このような形で資料がございます。もし過不足等ございましたら言っていただければお届けいたしますが、大丈夫でしょうか。
 それでは、議事に入らせていただきます。鈴木座長、よろしくお願いいたします。

○鈴木委員長 お暑いところ、皆さんご苦労さまです。
 それでは早速、最初の議題は化学物質の環境リスク初期評価等、いわゆるグレー本の第3次とりまとめについてということで、事務局の方からお願いします。

○馬場補佐 それでは、まず資料2につきましてご説明をさせていただきます。
 そもそも環境リスク初期評価とは何かという話をまず1枚目書いてございまして、ここは先生方もう十分にご存じのところでございますが、リスク評価というのは、有害性評価と暴露評価を比較することでリスクの評価を行います。初期リスク評価といいますのは、多数の化学物質の中から相対的に環境リスクが高そうな物質をスクリーニングするための評価でございまして、国内外の既存文献より得られた知見に基づきリスク評価を実施しております。
 環境リスク評価には2つございまして、健康リスク初期評価と生態リスク初期評価がございまして、健康リスク初期評価というのは、人の健康に関する有害性と暴露を比較してスクリーニング的に評価を行う。生態リスク初期評価も、生態試験の結果等、毒性の評価と暴露評価、環境中濃度を比較して、スクリーニング的な評価を行うというものでございまして、下の図にございますように、そういう形で初期の健康リスク初期評価と生態リスク初期評価を行って、仮に詳細な評価を必要ということになった場合には、一番左下にございますが、環境リスクの詳細な評価を行って、リスク低減策の検討を行っていくという全体の流れでございます。
 このような形でリスク初期評価を行っております。1枚めくっていただきまして次のページでございますが、第1回目、第2回目までにどういう物質がやられてきたかというものを簡単にまとめたものでございまして、第1巻では39物質について評価を行いまして、詳細な評価を行う候補として、健康リスクで4物質、生態リスクで3物質でございます。
 さらに、第2巻につきましては、環境リスク初期評価をまず13物質行いまして、このうち健康リスクについては該当なし。生態リスクについては、3物質が詳細な評価を行う候補となりました。さらに第2巻のときは、生態リスク初期評価のみを行った物質というのが69物質ございまして、この結果、19物質について詳細な評価を行う候補となっております。さらに第2巻におきまして、発がん性の評価を6物質について行いまして、塩化ビニルモノマーとホルムアルデヒドが詳細な評価を行う候補となっております。
 これ全体をまとめて表にしたものが、その次のページでございます。若干見づらいところがございますが、ご説明させていただきますと、例えば、健康リスク初期評価をこれまで何物質やってきて、何物質が詳細な評価を行う候補、何物質が関連情報の収集が必要になったかという割合を見えるようにつくってみたものでございます。この表の一番下の段の灰色線の塗ってあるところですが、健康リスク初期評価で詳細な評価を行う候補とされたものがこれまで4物質あって、全体の7.7%でした。その右にいきますが、関連情報の収集が必要となったものが13物質で25%、総体的にリスクが低いと言われたのが23物質で44.2%、リスク判定ができないと言われたものがその右でして、12物質23.1%、合計で一番右ですが、52物質を環境リスク初期評価をやってきました。
 また、生態リスク初期評価につきましても、今度はこの表の一番右側の一番上ですが、これまでに詳細な評価を行う候補とされたのは25物質で20.7%、関連情報の収集が必要なのが11物質9.1%、総体的にリスクが低いのが34物質で28.1%、リスク判定ができないとされたのが51物質で42.1%と、全体としてはこのような形になっておりまして、全体のイメージをつかむ意味でこのような資料をつけさせていただきました。
 このような形で、これまで事業を行ってきたわけでございますが、その後、第3巻の評価を進めていく上で、評価をする上で若干見直した点がございます。そこを資料3-1から3-3を用いまして、どういう点を見直したかということをご説明差し上げた上で、資料4でございますが、今回の第3巻についてどういうことになったかということをご説明させていただきたいと思いますので、まず第2巻以降、評価の方法で見直した点をご説明させていただきたいと思います。

○松岡補佐 それでは私の方から、健康リスク評価に係る変更点を説明させていただきたいと思います。資料3-1になります。発がん性及び非発がん影響を通じた健康リスク初期評価の実施についてと名づけられた資料でございます。
 現状と課題ということを書いております。こちらの方に書いてありますのは、今までの健康リスク評価の中で、それで今回、第3回目で行ったものがどのようなものかということを位置づけとして書いているものでございます。
 環境リスク初期評価は、環境リスク管理に向けた詳細評価を行う候補物質の抽出を目的として行うスクリーニング的な環境リスク評価であり、特に環境政策上の対応を要する可能性のある物質は的確に抽出する必要があることから、false negativeの可能性を小さくするように安全サイドの評価を行っている。これが今までの基本方針だったと思っております。
 このような方針の中で、第1巻、つまり第1次とりまとめにおきましては、非発がん影響に関する評価の考え方をとりまとめてきました。また、第2次とりまとめではこれに加え、発がん性の評価のための手順書を作成して、試行的に発がん性の評価を行ってきたところでございます。
 今回、第3次とりまとめにおきましては、発がん性と非発がん影響を通じた健康リスクの初期評価を行う際に、先ほど一番最初に申し上げました目的と申しますか、そういったものを考え方に置きながら、総合的な判断を行う必要があり、その考え方について整理する必要があったということで、次に申し上げるような形で整理をさせていただきました。
 2.発がん性と非発がん影響を通じた健康リスク初期評価の考え方。
 基本的な考え方という形で書いております。第2次とりまとめにおきましては、非発がん影響と発がん性について個別に評価を行ってまいりました。今回はこれらを通じた評価を行う必要があります。そこで、閾値の有無のそれぞれについて有害性の知見を整理した上で、暴露情報と合わせて予測されるリスクレベルに関する情報を導くことといたしました。
 閾値の存在を前提とする発がん性及び非発がん影響の評価ということをまず考えてみます。発がん性について、その影響の重篤性を踏まえた不確実係数、原則として10、場合により1から10の考慮がなされていることを除けば、評価の基本的な考え方は共通であるため、用語の適正化を行いつつガイドラインにおける一般毒性の評価の考え方に合わせて評価を進めることとしました。これらの両面を考慮した上で、閾値のある有害性の知見に基づき、着目すべき無毒性量等を抽出し、MOE(Margin of Exposure)を算出しております。
 次のページ、閾値なしの前提による発がん性の話になります。既存の知見から得られたスロープファクターまたはユニットリスクから、それぞれ評価に用いるものを採用した上で、暴露に関する情報と合わせて過剰発がん率を算出することといたします。EPI(Exposure/ Pote-ncy Index)に関する知見が得られる場合には、TD0.05(Tumorigemic Dose)またはTC0.05(Tu-morigemic Concentration)の値をもとにEPIの値を参考として算出しております。これらの閾値あり、もしくは閾値なしの結果を比較した上で健康リスクの判定を行っております。
 こちらのやり方につきましては、4ページと申しますか、ページ数は振っていないのでございますけれども、図がございまして、このような形で行っているようなメカニズムを示しております。
 まず一番最初に行った一般毒性等の知見、これは1巻までやってきたやり方でございますが、それに2巻では発がん性の知見を加えるということをしてまいりました。今度は総合的に判断するために、IV.1のところのこのような二またに分かれるような構造で行っているところです。左側が一般毒性等の観点からの評価ということで、閾値がある場合、つまり一般毒性の場合と、発がん性で閾値がある場合のフローを示しているところでございます。右側の発がん性の観点からの評価で閾値なしという形になった場合にはスロープファクターで見るという形で、右のフローに流れていくようなフローになっております。
 このような左と右を合わせまして、IV.2リスク評価の結果ということで、MOEやスロープファクター等によるリスク評価というものを行っておりまして、Vの評価結果の総合判定及び評価と、このような流れになっております。
 それでは、また元に戻らせていただきます。次に、このようなこと以外に、健康リスク初期評価において用語や、それから数値、定数などの取り扱いの適正化を幾つか図りましたので、申し上げたいと思います。
 1つは、疫学調査結果の暴露状況での補正係数の見直しを行いました。これは労働環境における暴露というケースがあった場合、そのときの労働時間を一般生活の時間に直すというような変換を行うときに、今まで4.2分の1を乗じて補正しているところでございますが、今後は疫学調査から得られた労働者の暴露状況の補正係数については、安全を見込んで5分の1を採用することとしております。
 あともう一つ、WHO(World Health Organization)の知見に基づくスロープファクターの扱いの見直しも行っております。こちらは、今まで日本人体重50kgでスロープファクター等から逆算をしていたところなのでございますけれども、今回WHOは体重60kgで行っているということでございますので、60kgを計算に用いるということにしております。
 3番のEPIの話でございます。カナダの評価手法であるEPIでございますが、こちらの方で文献等よく精査しましたところ、今まで──今までというのは2巻ということでございますけれども、EPIの評価と、それから過剰発生率の対応が少し違うのではないかということになりました。そこで、今後EPI2×10-4を、生涯のがん過剰発生率10-5、それからEPI2×10-6を、同じがん過剰発生率10-7と変更することにしております。
 それから、こちらの方なんでございますが、第1次及び第2次とりまとめにおける評価結果への影響というものをやりました。見直しを行ってみたところ、基本的には判定結果に変更がないということが確認されております。
 こちらの変更点につきましてわかりやすい表といたしました。一番最後につけてある表でございます。[1]、[2]、[4]を先ほど説明いたしました。[3]につきましては、これはEPIの判定結果の取り扱いでございますが、これは参考としてリスク評価を行うということで取り扱うということに今回しているということでございます。
 それから、表でもう少し説明させていただきますが、[5]発がん性に閾値があると考えられる場合の物質の評価についてということで、今までの用語の中で「閾値/暴露量」という表現をしておりますが、この「閾値」という言葉自体の定義が、一般に使われている「閾値」とは少し離れているようでございましたので、今後、一般毒性等で用いられているMOEという評価の記載方法を統一したいということで、「閾値/暴露量」という言葉を用いないということにしております。
 あと、もう2つほどございます。[6]と[7]でございます。ヒトでの発がん性に十分な証拠がない2B物質の評価結果の取り扱いについて。今までは、2B物質については定量的な発がん性のリスク評価を行っておりませんでした。今回、対象物質で採用されているため、こちらにつきましては専門家の総合的な判断を経て、WHO等での取り扱いも考慮し、最終的なリスク判定・評価に利用することとしております。
 また、発がん性を考慮した不確実係数の取り扱いといたしましては、こちらは今まで一般毒性及び生殖毒性のリスク評価において、評価に採用したエンドポイントに係わる不確実性のみを考慮していたということがございました。しかし、今回はヒトでの発がん影響が懸念される物質、つまり1や2Bの物質でございますが、こちらにつきましては、エンドポイントに係わらない発がんの不確実性を考慮し、原則として10の不確実係数を必要に応じて適用することとしております。こちらは、先ほどの資料の絵のところでございますが、左側のフローのIV.1評価指標の設定と書かれている四角の左側のフローの黒で塗られているところ、こちらの方がその部分に当たるところでございます。
 以上のような見直しを、健康リスク初期評価の実施において、今回のとりまとめでは採用させていただいているところでございます。
 私の方からは以上でございます。

○馬場補佐 そのほか、生態リスクと暴露評価について見直した点を簡単にご説明させていただきます。
 資料3-2でございます。生態リスクについてはまず1番ですが、藻類の生長阻害を考える上での反応変数ということでございまして、従来、OECD (The Organization for Economic Co-operation and Development)の方で定められた藻類の生長阻害の試験では、半数影響濃度を面積法と速度法いずれでも算出するようにということでテストガイドラインの方で定められておりました。その後、OECDの方で、どうも面積法よりも速度法の方が適当ではないかという議論がなされております。ことし5月の会合では、おおむねその方向で話がまとまったということになっております。まだテストガイドライン自体は見直されておりませんが、そういうような形でコンセンサスが得られているという状態でございます。
 一方で、環境省がこれまで生態影響試験の実施事業としてやってきたものでは、今の速度法と面積法を両方採用しております。そうしますと、面積法の方が若干半数影響濃度が低めに出ますので、そちらをPNEC(Predicted No Effect Concentration)の根拠として従来採用しておりました。そこを今回見直しまして、基本的には面積法は採用しないことにして、速度法の方で今後はいこうということです。これまでの生態影響試験の結果を全部レビューをして、それで0から72時間の速度法に半数影響濃度というのを算出しまして、それをもとにPNECを設定するという見直しを1つやっております。
 それから裏にまいりまして、2つ目ですが、不安定な物質の実測値濃度の取り扱いということでございます。なかなか不安定な物質で実験をするときには、その初期濃度をはかるだけでは不十分で、実験をしている間に状況が変わってくるということがございます。
 したがいまして、従来は、それを設定値または初期実測濃度で代表させておったわけですが、そこを見直しました。藻類生長阻害試験では、被験物質の減少の原因としては吸着と分解があります。分解による減少と考えられる場合には各計測時の実測値の幾何平均値を用いることとする。吸着の場合や判断が困難なものについては、その旨を明記した上で初期実測濃度を用いるという形で整理をさせていただきました。
 それから、最後に水溶解度を超える毒性値の取り扱いということでございまして、試験困難物質、難水溶性の物質について、OECDの方では分散剤の使用を控えるべきと、無理やり溶かし込んで試験をするのは控えるべきということを指摘されております。
 環境省の方でも、平成13年度からはこういうことでやってきておるわけなんですが、一方で12年度までにやってきました生態影響試験では、分散剤を使って溶かし込んで生態影響試験をしたというものもございます。
 そこで対応でございますが、明らかにその物質の水溶解度以上の毒性値が算定されている試験というのは、分散剤を加えた可能性がかなり高いということでございますので、現時点では信頼性は低いものと判断して、生態リスク初期評価におけるPNECの導出には用いないという形でやらせていただきました。
 以上が、生態試験のデータの取り扱いの見直し点です。
 それからもう一つ、今度は暴露評価の方、資料3-3でございますが、これも2点見直させていただきました。1点目でございますが、従来、EUSES (European Union System for the Evaluation of Chemicals, 1996 Apr.)モデルというものを用いまして、環境中の化学物質の媒体別分配割合というものをやっておりました。実際のものを見ていただきたいと思います。
 資料5の4ページのところにございますが、媒体別分配割合の予測結果、表2.3というのがございますが、こういう形ですべての物質についてコンピューターシミュレーションを用いまして、化学物質が定常状態でどういうふうに環境媒体ごとに分配されるかというものを計算しております。これを計算する意味と申しますのは、その下の(3)で実際のモニタリング結果がございますが、こういうものと比較をすることで、モニタリング結果で足りないデータはないかとか、妥当なものかどうかとか、そういうことを考える上での1つの補助的な材料として、こういう表2.3のようなものをつくっております。
 これを、前回まではPRTR法施行前ですのでEUSESモデルを使って予想していたんですが、15年3月にPRTR法の方で、排出場所及び排出量のとりまとめがされておりますので、そのデータを用いまして、今年度からはこちらの方で開発いたしましたPRTRデータ活用環境リスク評価支援システムというシステムを活用しまして、そのPRTR法のデータをもとにこの予測を行っております。
 なお、PRTRデータがあるものについてはそういう形で行っておるんですが、一部、PRTRデータがないものがございまして、それにつきましては、例えば資料6の205ページに例えがございますが、205ページの真ん中、表2.1のところに、LevelIII Fugacity Modelによる媒体別分配割合とございますが、排出場所とか排出量が特定されないものですから、4つのケースで、大気に1t/hour排出された場合と、水に1t/hour排出された場合と、土壌に1t/hour出された場合と、大気と水と土壌にそれぞれ1t/hour排出された場合に、それぞれどういうふうな状態になるかということを、それぞれのケース分けで計算をしまして、いわゆるいろいろなケースで計算をして、どのような状態になるかということを計算しております。こういう形で、PRTRデータがあるものはリスク評価支援システム、ないものはこういう形で、4つのケースに分けて媒体別の予測割合を計算しております。
 これが、この資料3-3の表側の部分でございます。あともう一つ、資料3-3の裏側でございますが、従来、有害大気汚染物質モニタリング調査で、沿道とか、それから一般環境大気についてはこのグレー本で採用しておったんですが、発生源周辺については住民が住んでいないんじゃないかということで評価対象から外しておりました。その後よくよく調べておりますと、発生源周辺というところでございましても、人がかなり住んでいるところもあるということでございますので、今回からは有害大気汚染物質モニタリング調査の沿道、一般環境大気に加えて、発生源周辺についてもきちんとグレー本の方のデータとして採用して評価をしていくということでございます。
 以上が、前回から今回のグレー本をまとめるに際して見直した点でございます。一応ここで一たん切らせていただきまして、まずこの見直した点につきまして議論いただきました上で、その後、このグレー本のとりまとめの結果について引き続きご説明させていただきたいと思います。

○鈴木委員長 どうもありがとうございました。
 それではどうぞ、ご質問、ご意見ございましたら。
 はいどうぞ、池田委員。

○池田委員 実は、資料3-1のページの順番でいけば4ページになる健康リスク初期評価のフローチャートを事前に頂戴しました。これについて意見を申し述べるようにということでございました。その点で1、2申し上げたいことがございます。
 1つは、ほとんど言葉の問題になりますけれども、全体のフローとしては、アのチャネルは多分それほど大きな問題は生じないだろう、あるいはイのチャネルも同じだろうと思います。難しいのは、真ん中の閾値のある、あるいはエピジェネティックな発がん性の場合です。これをどう扱うかというのが難しいことだというのが第1点です。
 2つ目にそれに関連しますけれども、その真ん中のチャネルですが。発がん性があり、重篤性を考慮すると書いてあります。言葉としては納得いくかに見えますが、実は重篤というのは用語としては誤っているのではないか。何を指しているのかが本当はよくわからないというのが私の思いです。
 重篤というのは、病気の重症であることを言っているわけです。重篤性というのは既に病が重いことを言っています。これはがんの種類にかかわらず、ほとんど死亡に近づいたとき言う言葉だろうと思います。だから、何かもうちょっといい言葉を考える必要があります。
 その場合に、一体ここで我々は何を言おうとしているのか。一番可能性があるのは、その物質のがんを起こす力の強さを重篤性という言葉でおっしゃりたいのではないかと思います。それだとしたら、それに対応した言葉を入れる方がいい。
 もう一つは、もしがんがあると、発がん性があるというふうに確認された場合に、不確実係数が1から10というのはちょっと小さ過ぎるのではないか。具体的に1というのは考えないということと同じですから、これはもうちょっと違うのではないか。一般論としては、イのチャネルと混同されている部分がありますけれども、従来、イのチャネルと真ん中のチャネルが明確に分けられない時期には、発がん物質については、かなり大きな安全係数あるいは不確実係数を掛けていたと思うんです。だから1から10というのは、特に10で頭をとめてしまうというのは少し無理なんじゃないかなと考える次第です。
 きょう拝聴しました中で、じゃ結局どうなるのかなということで若干不安な部分があります。というのは、次のページ、もし番号を振るとすれば5ページにかかっていきますけれども、3巻からは新しい物差しで考えた。それはそれで多分いい方法なのだと思いますが。そうすると、1巻、2巻に関して元に戻って再評価し書き直していくのか。それとも、もうこれは終わったことだということでとまることになるのか、そのあたりをお教えいただきたいと思います。
 以上でございます。

○鈴木委員長 ありがとうございました。

○松岡補佐 発がんと非発がんとを合わせて総合的に評価するという観点から申し上げますと、今までは別個にやっておりましたものですから、確かに方法論が若干違うところもございます。やはりそこら辺はもう少し見直す必要があるのかもしれないと思います。もう一度その辺をしっかり検討させていただきたいと思います。
 それからもう一つ、重篤性を考慮というところの用語でございますが、こちらにつきましても確かにもっともだと思いますので、用語に関しては見直させていただきたいと思います。
 あと、不確実係数でございますが、この10で頭打ちというのは、健康リスク評価委員会の方で、もう少し詰めさせていただきたいと思います。
 これは蛇足ではございますけれども、WHOのガイドラインでは、1から10の不確実係数がかかっているということは聞き及んでいますが、この数字についてはもう少し検討させていただきます。

○鈴木委員長 ただいまの問題に関して、何かご意見のある方いらっしゃいませんか。ほかのメンバーの方から。どうぞ。

○内山委員 健康リスクのワーキングとしてやっているものとして、池田先生ご指摘の重篤性というのは、これは発がん性を閾値ありと見て発がん性を評価したときの意味でして、その発がん性に重みがあるかどうかということではないと思います。ですから、ここでは発がん性がありで、影響の重大性という意味だと思います。
 同じ閾値ありのフローの方に入っていきますけれども、エンドポイントが非発がん性のもので同じ物質を評価する場合と、それからこれは2Bぐらい、閾値ありと判断して発がん性を評価したときに、その発がん性の影響が非常に、発がんという同じ影響があるとしても、もし発がんがあるとすれば、これが生命にも係わるかもしれないというその影響の重大性という意味であって、その中でまた重篤性という1から10に分けるという意味ではないと私は理解しています。

○池田委員 同じことの繰り返しで恐縮です。重篤というのは病の重さです。死に至る直前の段階を病重篤というふうに言いますね。だから、これはがんの種類如何を問わず、あるいはがんでなくても使う。例えば肺炎で重篤になるというのは当然あり得ることですから。だから、ここで重篤性という言葉で言いたいことが何なのか。本当は私にはよくわかりません。

○鈴木委員長 日本語がだんだんいろいろなふうに化けてきていますけれども、私の感覚から言っても、ここの重篤性という言葉を使うのは、余りぴったりした使い方だとは思えない。

○内山委員 確かにおっしゃるとおりだと思います。ですから、ここは私の感覚では、影響の重大性を考慮しているという意味であって、その中でさらにその程度を言っていることでは……

○鈴木委員長 内山委員、申しわけないけれども、違う用語を提案してくださいませんか。

○内山委員 発がん性があり、影響の重大性を考慮すると、それでよろしいですか。

○池田委員 もし動物にがんが発生したとすると、閾値があろうとなかろうと、がんが発生したら、やがてその動物はそのがんのために死ぬだろう可能性というのは非常に大きい。そうすると、がんが発生したことが既に重大なことなのであって、それにいろいろなグレーディングをつけられるというのは、私にはちょっとわかりません。重大性というふうに置きかえたとしても、それを考慮する、1から適当な不確実係数を掛ける。具体的にどういうことになるのかが本当にイメージとしてわきません。

○遠山委員 私も内山先生のご説明でよろしいのではないかと思っているんですが。要するに、影響の重大性という意味は、良性の腫瘍であるとか悪性の腫瘍、悪性腫瘍はいろいろとタイプがあるわけですけれども。そういう意味で影響の重大性で評価をするということで、これまでリスク評価がなされてきていると思います。良性の腫瘍であれば、比較的その判断の定数は小さくなりますし、悪性であれば大きくなるということになります。

○池田委員 少し解けてきました。つまりがんという言葉で、良性腫瘍を含めるか含めないかですね。私は悪性腫瘍を念頭に置いて読んでいましたし、今のお話で良性腫瘍を含むようです。そういうことがわかれば、それはグレーディングをつけることが可能かもしれません。ただし、具体的にどういうファクターを入れるかで、また難しい仕事かもしれません。

○遠山委員 つけ加えますと、だから悪性腫瘍の中でもそのようなタイプがあると思いますので、その中でのグレーディングをつけるということになるんだろうと思いますが、実際にどういう場合にどのようにするかというのは、先生もご承知だと思うんですが、ケース・バイ・ケースでそのときの委員会の判断で決められているというのが実情だろうと思います。

○鈴木委員長 よろしいですか。

○池田委員 その件については結構です。

○鈴木委員長 はい。ほかにございませんか。
 さっきの1巻、2巻で既に片づいたということになっているものを、もう一遍新しい判定基準をつくったから見直すんだということは、これは私は筋が通らないと思うんです。それをやり出したら切りがない話になりまして、未来永劫元に戻って、我々が進歩するたびに元を直していかなきゃならないことになるから、それは多分ないんだろうと思っているんですが、そういう返事でしたか、事務局の返事は。

○三宅室長 ちょっと難しい課題ですので、ここですぐに結論を出すのは難しいと思います。さかのぼって見ておく必要があるのかどうかを検討させていただきたい。

○鈴木委員長 私のポイントは一般的考え方としては、そういうふうに一々元にさかのぼるということをやるのはよほど特別な、その定めてあることが現在まで、将来まで生き続けているといろいろな問題が起こるということが明らかな場合だけであろうと思うんですね。その辺、心してごらんいただきたいと、そう思います。
 ほかにありませんか。

○中杉委員 多分、鈴木先生が言った話はこういうことに絡んでいると思うんですけれども、これはあくまでも環境リスクの初期評価ですよね。初期評価した結果、詳細な評価が必要であれば、次の情報を収集しなければいけない。収集しなくてもいいというのは、これはそこでとまってしまうわけですけれども。その次の段階をどういうふうにしていくかということはまだ不明確なので、例えば1巻、2巻で何リスクかあって、1巻で健康リスクというものは、ほとんどが不確かな記憶では室内空気の問題だったので、これは厚生労働省の方でしていただけるだろうという判断だったと思いますけれども。そういうのも次にどういうふうにしていって、どうやるのかというところに絡んでくるんだと思うんですね。
 過去にさかのぼるというのも、私自身も暴露の方をやっていますけれども、暴露の方も途中で95%値のところで評価したのを最大値と評価すると伸ばしました。それを最大値で評価してみると、詳細なことをしなきゃいけないという候補になるかもしれない。そこら辺のところをやらなきゃいけないだろうと思います。
 実際、この評価だけで終わってしまうのであると、そこら辺のところは余り極端なことを言ってしまうと、どうでもいいと言うと言い過ぎですけれども、そんな話になってしまう。実際に次の段階をどうやっていくかというのは、これは最後のときに申し上げようかと思ったんですけれども、この評価の対象物質を選んでいくところまで含めて、少し精査をしなきゃいけない。私も見ていて気になったのは、例えば大気だとか水だとかで基準値だとか指針値が設定されているものについて、ここで改めて評価をしている。ここでは、詳細な評価は要らないというものが指針値だとかつくられているという実態があるわけですね。もし既にやられているのであれば、もう終わってしまっているというふうに考える。
 そういう意味でも、その全体をどういうふうにするのかというところの流れというのは、これもまた1つ浮いてしまっているような形ですので、そこの整理をしていただく必要があるのかなというふうに思います。そこら辺を整理していただくと、元に戻ってちゃんとやり直さなきゃいけないのかどうかというところも話が見えてくるのではないかというふうに思いますけれども。

○鈴木委員長 ほかにございませんか。よろしいですか。
 今出たようないろいろな考え方を参考にして、事務局でご検討くださるようにお願いします。

○若林委員 生態リスクの方ですけれども、時代に合わせて改定していくというのは非常によろしいかと思います。
 ただ、ちょっと気になりましたのは、ここで環境省のリスク生態影響事業の結果の問題点から、今後の対応という形をとられていますけれども、これはリスク評価においては文献値等も用いていますので、もちろん文献についてもこれに準じて可能な限り、同じ対応をしていくということでよろしいわけですね。確認だけです。

○馬場補佐 そのとおりでございます。

○鈴木委員長 よろしいですか。
 それでは、話を先へ進めてください。事務局どうぞ。

○松岡補佐 それでは、今回、第3次とりまとめの結果の概要をご報告申し上げます。資料4でございます。
 趣旨・目的といたしまして、これは昨年度と余り変わっていない感じではございますが、読み上げさせていただきます。
 世界で約10万種、我が国で約5万種流通していると言われる化学物質の中には、人の健康及び生態系に対する有害性を持つものが多数存在しており、これらは環境汚染を通じて人の健康や生態系に好ましくない影響を与えるおそれがある。
 こうした影響を未然に防止するためには、「潜在的に人の健康や生態系に有害な影響を及ぼす可能性のある化学物質が、大気、水質、土壌等の環境媒体を経由して環境の保全上の支障を生じさせるおそれ」(環境リスク)について定量的な評価を行い、その結果に基づき適切な環境リスクの低減対策を進めていく必要がある。
 このため環境省では、平成9年度より化学物質の環境リスク初期評価に着手し、その結果をパイロット事業(平成14年1月)及び第2次とりまとめ(平成15年1月)として公表するとともに、「化学物質の環境リスク評価」(第1巻、第2巻)として公表してきたところであり、その結果「詳細な評価を行う候補」と判定された化学物質については、関係部局との連携のもとに必要に応じ行政的な対応を図ってきたところである。
 それでは、環境リスク初期評価の概要等でございますが、こちらにつきましては、もう去年から同じようなところもありますので、若干省きながらお話しさせていただきたいと思います。
 今回の評価実施数でございますが、健康リスク及び生態リスクにわたる環境リスク初期評価対象物質といたしまして21物質、環境リスク初期評価以外に実施した生態リスク初期評価が32物質。そして第2次とりまとめにおいて定性的な発がん評価を実施した物質を対象とする定量的な発がんリスクの評価として4物質行っております。
 こちらの評価の方法につきましては、化学物質の環境リスク初期評価ガイドラインに基づき、先ほど申し上げましたような評価の改正等も踏まえながら行ってまいっているところでございます。
 それでは、結果について申し上げたいと思います。環境リスク初期評価でございます。こちらに表がありますが、健康リスク、生態リスクに分けて申し上げますと、健康リスクで相対的にリスクが高い可能性があり詳細な評価を行う候補として2物質、アクロレイン及びピリジン。同様に、詳細な評価を行う候補といたしまして、生態リスクの方ではアクロレイン、エチレンジアミン四酢酸、ビスフェノールA及びピリジンが今回上がっております。
 また、関連情報の収集が必要な物質として、健康リスクでは2物質、生態リスクでは2物質、こちらの表にあるような物質になっております。さらなる作業を必要としないものにつきましては、健康リスクは10物質、生態リスクは11物質。リスク判定できないものが、健康リスクでは7物質、生態リスクでは4物質ございました。
 次のページにまいりまして、環境リスク初期評価以外に実施した生態リスク初期評価の結果といたしまして、32物質のうち判定を行うことができましたのは13物質でございました。そのうち、詳細な評価を行う候補といたしましてニトリロ三酢酸、1物質が上げられております。関連情報の収集が必要なものは0物質でございまして、その他さらなる作業を必要としないとされましたのが12物質でございました。
 また、第2次とりまとめにおきまして定性的な発がん評価を実施した物質を対象とする定量的な発がんリスクの評価といたしまして、4物質評価を行いましたところ、詳細な評価を行う候補といたしまして、1,2-ジクロロエタン、1物質がございました。また関連情報の収集が必要とされたものにつきましては、残りの3物質が上げられております。
 今後の対応でございます。評価結果の情報提供といたしまして、今回の結果を「化学物質の環境リスク評価 第3巻」としてとりまとめるとともに、インターネットを活用して成果を広く公表することにしております。
 詳細評価等の実施でございます。こちらにつきまして、判定の結果、詳細な評価を行う候補とされた物質につきましては、関係部局の連携と分担のもとで詳細な評価の実施を含めた対応を図ってまいりたいと思います。
 それでは、個々の物質について申し上げたいと思います。健康リスク初期評価により詳細な評価を行うべきとされた3物質についてでございます。
 1,2-ジクロロエタンにつきましては、地下水から検出されている事例がございまして、経口暴露について詳細な評価を行う候補とされております。本物質は水質汚濁に係る環境基準が設けられておりまして、水質汚濁防止法に基づき排水規制や地下水浸透規制等の措置がとられるとともに水質の汚濁の状況について常時監視が行われているため、高濃度検出地域の情報に留意しつつ、引き続きその推移を見守ることとしたいと思っております。
 アクロレイン、ピリジンにつきましては、食物からの暴露が多いと見積もられております。経口暴露について詳細な評価を行う候補とされておりますが、これらの物質につきましては生物濃縮性が低く、環境に由来した食物経由で暴露される可能性は低いと考えられます。しかしながら、食品の加熱等により生成するとの情報もあるため、まずは食物からの暴露の可能性に関する情報の収集を行うこととしたいと思っております。
 生態リスク初期評価により詳細な評価を行う候補とされた5物質についてでございます。生態毒性等に関する知見を充実させつつ、生態リスクの詳細な評価を優先的に進めることを検討することとし、具体的には生態リスク初期評価の結果を、水生生物保全の観点からの水質汚濁に係る環境基準の追加設定に向けた検討に反映させていきたいと思っております。
 情報の収集でございますが、こちらにつきましては、さらなる情報の収集が必要とされた物質やリスク判定ができなかったものについては、関連情報を収集の上、その情報に応じて必要な初期評価を行ってまいりたいと思っております。
 環境リスク評価の計画的な実施と幅広い活用ということでございます。化学物質の環境リスク管理に関連する施策及び調査との緊密な連携を図りつつ、環境リスク初期評価を計画的に実施してまいります。
 環境リスク初期評価の過程で収集整理された幅広い科学的知見については、PRTR対象物質の中から化学物質管理に優先的に取り組む必要のある物質の選定、既存化学物質点検、化学品の分類及び表示に関する世界調和システムの我が国への導入等を含むさまざまな場面で活用を図ってまいりたいと思っています。
 環境リスク初期評価の成果の幅広い活用を図るため、各物質の評価結果の要点をとりまとめたプロファイル、これは仮称でございますが、を作成するとともに、環境リスク初期評価結果をとりまとめたデータベース構築を検討してまいります。
 今後の課題といたしましては、環境リスク初期評価に必要となる物性情報の集積を進めるとともに、PRTRデータの活用等による暴露評価の高度化を図ってまいりたいと思っております。
 OECD等における試験法、評価手法に関する検討状況を適切に把握し、新たな知見等を環境リスク初期評価に速やかに反映させる必要があります。既に環境リスク初期評価を行った物質であっても、その後、内外で評価手法の見直し等が行われた場合については、速やかに再評価を実施することにしております。
 発がん性を含む健康リスク初期評価を一体のものとして、総合的に評価を進める必要があります。
 生態リスク初期評価については、より広範囲な生物を対象とする生態リスク初期評価の実施に向けて、底生生物等を含む水生生物以外の生物に対する影響評価の方法に関する検討を進めてまいりたいと思っております。
 後ろについておりますのは、健康リスク初期評価、生態リスク初期評価に関してとりまとめた表でございます。また、こちらの詳細につきましては、資料5、6、7にございますので、こちらの方をご参照いただきたいと思います。
 あと、もう一つだけ、資料7につきまして訂正がございますので、この場で修正させていただきたいと思います。
 資料7、定量的な発がんリスク評価が必要とされた物質の健康リスク初期評価結果(4物質)(案)、こちらの24ページでございます。こちらの方、編集作業の段階で若干違う文章が混じってしまいましたので、私が申し上げるところから削除していただきたいと思います。4行目「その後、」から5行削除です。「総合的な評価を行った。」までが削除になります。
 以上でございます。

○鈴木委員長 どうもありがとうございました。

○馬場補佐 すみません。あともう2点、補足でご説明をさせていただきたいんですが、資料5でございます。
 例えば、資料5の7ページでございますが、3.の一番最初の健康リスクの初期評価のところで、「健康リスクの初期評価として、ヒトに対する化学物質の影響(内分泌かく乱作用に関するものを除く)についてのリスク評価を行った」という括弧書きがございます。これは、この後ずっと全部物質ごとに、健康リスク初期評価と生態リスク初期評価のところに全部この括弧書き、(内分泌かく乱作用に関するものを除く)というのは入ってございますけれども、これを全部削除をさせていただきたいと思います。
 その理由でございますが、リスク評価という意味では、このグレー本というもので一元的にきちんとやっていく必要があろうということで、従来内分泌攪乱のリスク評価というものをこのグレー本でやるかどうか若干不明確な点がございましたが、そこは明確にこのグレー本の中でやっていくという決定をしていただきたいと思っておりまして、そういう意味でこの部分を削除させていただいた上で、今後、内分泌攪乱作用に関する知見が集積できてリスク評価ができるという段階になったときは、改めてこのグレー本でリスク評価を行う。先生方のご協力をいただいて、このグレー本を一からつくり上げているわけですが、その評価の手順につきましてもご相談させていただいて、内分泌攪乱作用も含めた形でグレー本をまとめていきたいというふうに考えております。ですので、この内分泌攪乱作用に関するものを全部削除させていただきたいと考えております。
 それからもう1点は修正点ではございませんが、同じ資料の274ページでございますが、274ページの最後の9行でございますが、ビスフェノールAの記載でございます。ここはきょうの午後に環境ホルモンの検討会がありまして、その検討会で決定される事項を若干前倒しで書いているところでございますが、ビスフェノールAについては内分泌攪乱作用を有することが推察されており、精巣卵を引き起こした濃度により設定されたNOEC (No Observed Effect Concentration)値は247μg/Lまた470μg/Lと考えられていると。これについては、まだ精巣卵の発生が、ここをエンドポイントとすることについてまだ国際的にも議論されている最中ですので、現時点ではあくまで参考ということで、今後、国際的な動向を踏まえてこういうのは判断していきましょうということで、今回は参考の扱いでビスフェノールAの記述を書かせております。これは第2巻のときにノニルフェノールとかについて、やはり環境ホルモンの作用の記述と全く同じ形で書かせていただいております。
 以上、補足説明を終わらせていただきます。

○池田委員 先ほど伺いました7ページの2行目のところ、括弧書きを取るぞというご指摘がありました。同じ文章が、例えば13ページ、生態リスクのところにも出てくるんですが、こちらもですか。

○馬場補佐 それも全文削除を考えておりまして、これも削除したいと。これ以下、生態リスクも健康リスクも全部削除したいと思っております。

○鈴木委員長 ほかにご質問、ご意見ないですか。はい、どうぞ。

○中杉委員 先ほどのビスフェノールAの午後のという話ですけれども、生態リスクの方については書き込まれていますけれども、健康リスクの方については、特段午後の方では何もないんですか。何かあれば、それは当然この中に盛り込まれてくるのではないかというふうに思いますけれども。前のノニルフェノールとかの場合には、健康リスクについてはどうのこうのという判断がある程度出されたかと思いますけれども、それがもし午後ので出ているのであれば、健康の方についても少しそれを踏まえた修文が必要ではないかと思いますが。

○鈴木委員長 これは、ご関係の事務局。

○上家課長 現在、事務局で用意しております午後用の資料においては、ビスフェノールAについて、ヒト健康影響の部分では作用は認められなかったということでお出しする予定になっております。
 したがいまして、特段ここに書き込むべきことはないというふうに判断をしておりまして、あえてビスフェノールAだけではなく、何物質か、細かく言いますと、ヒト健康影響について3物質、生態系について5物質、今回出るわけですが、それについて関連するところが重なっている場合に書き込むかということになりますと、認められなかったものであえてとなればいろいろあるんですが、今回については、このビスAについてたまたま物質が重なっており、かつ生態影響について若干コメントが出る予定ということで、前倒しで情報提供をさせていただいたということでございます。

○中杉委員 わかりました。ただ、内分泌攪乱は除くというふうに書いた理由は、社会的な関心が強いから、それも入っていると困るということで除くという話でして、それを全部入れると、全部がそういうふうに疑われているのかという話になるので、そこは削除すべきだろうと思いますけれども。
 場合によっては、社会的な関心ということを考えると、それも含めた形ということで、健康影響の方に書かれるといいのかなというふうには思いますけれども、それはお任せします。

○鈴木委員長 ほかにございませんか。
 今の括弧書きを全部取ってという話は、取った状態を一遍ちゃんと読んでください。
 ほかになければ、この話はよろしゅうございますか。

○遠山委員 1つ、ちょっと細かいことなんですが、この資料を出すときには、目次はつくるわけですか。

○馬場補佐 はい、つけます。

○遠山委員 つけていただきたいということです。
 2つ目は、今の内分泌攪乱化学物質を取るということに関してなんですけれども、非常に私は妥当だと思うんですが。この事業が始まった経緯を考えると、内分泌攪乱化学物質の問題が起き始めた98年ぐらいから、既にそのときに初期リスクの方も始まっていて、それで、そのときにはまだ内分泌攪乱化学物質の状況がどうなるかわからないということもあって、従来の毒性評価に基づくような形での初期リスク評価が行われていたので、そのときには内分泌攪乱化学物質について、したがって別途検討するということで除いてきたんだと思うんです。
 そういう中で、内分泌攪乱化学物質に関しての知見がふえてきたので、今回それを統合して同じ部署で仕事をされるということももちろんあると思うんですが、統合するということでまとめるということで非常にいいと思うんですが、そうだとすれば、今後の課題のところに、そのことをちょっと一言書いておかれた方がはっきりすると思うんですが。

○鈴木委員長 ありがとうございます。
 どうぞ、安野委員。

○安野委員 資料4のページ4ですけれども、一番最後の[4]のところの生態リスク評価については、より広範囲な生物を対象とする生態リスク初期評価の実施に向けて、底生生物等を含む水生生物以外の生物に対する影響評価、これがちょっとよくわからないんですが。最後の底生生物等を含む水生生物以外の生物というのは何でしょうか。

○三宅室長 すみません、底生生物も水生生物ですので、底生生物等を含めた影響評価の方法に関する検討を進めるということです。

○安野委員 何を指すんですか、実際は。

○三宅室長 ユスリカを使うことを今検討中です。

○安野委員 何ですか、ユスリカの種類。

○三宅室長 ヨシマツイ。

○安野委員 それは汚いところにいるやつですよ。実際にきれいな、例えば湖沼にはいませんよ。

○馬場補佐 試験法の確立につきましては、安野先生にも適宜ご相談させていただきながら行わせていただきたいと思います。

○鈴木委員長 ほかにありませんか。はい、どうぞ、香山委員。

○香山委員 ちょっと前に戻るようで申しわけないんですけれども、資料7のページ3のところに、これは暴露評価のところで、表の2.2、環境中への推定排出量というのがあり、そして(2)で媒体別分配割合の予測というものがありますね。
 この予測をされた根拠となっているものは、(2)の1行目に書いてありますPRTRデータ活用環境リスク評価支援システムにより予測したとありますが、これについて私ちょっと知らないものですから、ごく簡単にで結構ですし、またこれを読まれた方が、なぜ表の2.2が表2.3に化けるのかということを、ちょっとだけで結構ですから教えていただきたいということと、ほかの方が読んだときにわかりやすいような形になるようにしていただけませんでしょうか。

○馬場補佐 まず中身でございますが、PRTRデータ活用環境リスク評価支援システムと申しますのは、その題名のとおりですが、PRTRのデータで化学物質の排出場所と排出量がわかります。それをもとに、いわゆるコンピューターのシミュレーションを用いまして、環境中への拡散、環境中の移動をシミュレーションいたしまして、その結果、定常状態になったときの環境中の濃度というものも計算できます。
 ただ、その濃度まではまだ現状開発途上でございまして、濃度についてはなかなか正確に実態を反映しているところまでは現時点至っておりませんので、濃度というところよりも、もう少しざくっと分配割合という形で、それぞれの媒体に量としてどれだけの量が存在するのかというのを、そのシミュレーション結果から計算をしまして求めたものでございます。
 これにつきましては、おっしゃるように、どういうシステムなのかというのが全くわかりませんので、このグレー本の用語集のところに、環境リスク評価支援システムとはと用語集の方で入れまして、こういうことをするものですということでわかりやすく説明をしたいと思います。

○香山委員 それで、結局これから先に、この2.3のデータから次に暴露につながる評価が行われていないわけですよね、まだ。このデータがこの後の暴露量の評価には使われていない、ここで行きどまりになっているということが、これをさらによくして、環境濃度まで求めて評価につなぎたいというところを書いていただいた方が、この評価が次にどこにつながったのかなという、このロジックのつながりが見えない部分もあって、おっしゃられたことでよくわかったんですけれども、そこも書いていただけませんか。

○馬場補佐 将来的には、おっしゃるようなものを目標としておりまして、現時点では、載せることには意味があるかなと思っていまして、その下の表の2.3で、各媒体中の存在状況のデータが並んでおりますが、例えば環境媒体別の分配割合で、データ活用支援システムで推計したら、大気に非常に多く分配割合がいくじゃないかという結果が得られているにもかかわらず、例えば下の実際の実測データで大気にデータがないというときは、じゃもう少しデータを集めようかとか、そういう実際の実測データを評価する上での1つの助けとして今は活用しております。
 将来的にはおっしゃったように、より精度を上げてそういう形でシミュレーションをして濃度を出していくというものを目標に進めております。

○安野委員 資料4の中の表の中の生態リスク初期評価の一覧ですけれども、この生物種というところの甲殻類というのが出てくるんですが、甲殻類というとエビや何かになりませんか。

○馬場補佐 ミジンコのことを甲殻類と書かせていただいております。

○安野委員 ミジンコを甲殻類でいいんですか。ちょっと確認してください、私も迷っちゃったので。今、本当の意味の甲殻類の試験法をOECDが進めていますでしょう、ご存じですね。私も今やっていますので、アイザリアというのを使っています。ちょっとまたそれは別の話になりますので、またいつかお話しします。

○中杉委員 先ほどの活用システムの話で、暴露の方でこの議論をさせていただいているんですけれども、当初はやはりこれを使って、測定データについてもやろうというふうに考えたんですが、実際は多分難しいと思います。というのは、環境に具体的に細かくどの媒体に出てくるかというのを総合的に見ないと。例えば、水の中に、底質の中に1回入ってしまうと動かない。もうそれはそこでとどまってしまうと。最初にどこに入り込むかで随分分配が、ただ単なる分配という、今のところのモデルは、環境にぽんと出したときに適当に入ってどう分配されるかという形でモデルをつくっていますので、そこのところの詳細がわからないと、なかなか正確な濃度にはなりにくいだろうというふうに考えています。
 ただ、そうは言いながら、先ほど事務局からご説明あったように、データがないときに、また測定をしなきゃいけないということを考えるときに、一応水溶解と物性データですね、揮発性とか、そういうものを見るとある程度想像ができるんですけれども、一応モデルもそれにかませて活用していこうと。まずここは行かないだろうというものについては、あえて例えばはかる必要もないだろうというふうな判断をするために今使わせていただいているというところです。将来的にもなかなか、実際にこれを使って実測値のかわりに使おうというまでいくのは大変ではないだろうかというのが私の予測であります。

○鈴木委員長 よろしゅうございますか。
 それでは、今日これまでのところでいただいた訂正すべきポイントあるいは確認すべきポイントを確認の上、これを第3回のグレー本として公表するわけですね、今日。よろしゅうございますか、その訂正を確認するということを条件に。
 それではお認めいただいたことにします。

○池田委員 これを公表されるというのは賛成なのですけれども、先ほどご指摘がありましたように目次がない、それからできれば索引も必要ですね。巻がふえるに従って索引がないと、どれを見ればいいかわからない。

○鈴木委員長 索引も、それから用語集も、いろいろなものが足りないんですよね。その辺は私もかなり気になっていて、出したはいいが、役に立たないではないかと言われたのでは困りますので、その辺も改良されるものと期待しています。

○馬場補佐 グレー本として製本する際に、十分きちんとやらせていただきます。

○鈴木委員長 さて、それでは次の議題に行きましょう。

○馬場補佐 内分泌について、グレー本の方で評価を行っていくという部分について、(5)の今後の課題の[5]として加えた上で出させていただきたいと思います。
 以上でございます。

○鈴木委員長 ありがとうございました。それでは、この議論はこれで打ちどめにして、次の議題に移ります。次の議題は、今度はグレー本じゃなくて、黒になるそうで。化学物質環境実態調査(黒本調査)と各種化学物質対策の連携強化についてということで、これは事務局どうぞ。

○吉田専門官 それでは説明させていただきます。資料8を用いて説明させていただきます。
 資料8の化学物質環境実態調査(黒本調査)と各種化学物質対策の連携強化についてでございます。
 今日の化学物質による環境問題につきましては、大気、水等の複数の媒体を通じて、微量ではあるものの多種の化学物質に長期間暴露するという特徴を持ち、これによる人や生態系に対する多種多様な影響が懸念されるところであります。
 このような問題に適切に対応するためには、化学物質の有害性を評価し、併せて化学物質の暴露量を評価することにより、化学物質による人の健康や生態系に与える影響を生じさせるおそれ、すなわち環境リスクを算出して、この環境リスクを削減していくことが必要であります。
 化学物質環境実態調査(黒本調査)は、このような化学物質対策の一連の流れの中で、暴露評価の前提となるデータ整備の根幹を担うものとして位置づけられており、1974年、昭和49年より、環境リスク評価が必要な化学物質の環境中での残留実態の把握等に活用されたところであります。
 平成14年5月29日の本専門委員会の場におきましてご意見をいただき、これまでのプライオリティリスト方式から物質選定方式に改めて黒本調査を継続実施してきたところでありまして、本年で3年目を迎えたところであります。
 その選定方式を含め、黒本調査の体系を見直して3年が経過したところでありますが、その間、それ以降の化学物質対策といたしましては、本年4月に施行された改正化審法の施行、それから平成19年のPRTR法の見直しに向けた対応の開始等々が大きな流れとしてあり、これらのことを契機といたしまして、化学物質環境実態調査(黒本調査)を質的・量的に大幅に拡充し、暴露評価の根幹となる環境残留データの整備を加速することが必要となっておるところであります。また併せて、地域からの化学物質対策を進めるためには、地方環境研究所の化学物質測定能力の強化を図ることが併せてさらに必要となっているところでございます。
 したがいまして、各種化学物質対策の連携強化と、化学物質環境実態調査(黒本調査)のこれまで以上の連携強化に向け、現行の黒本調査の体系を別添1から2のように体系の整備を行うことといたしました。
 まず、別添1でございますが、こちらの方で黒本調査としましては、破線、点線の右側でございます。まずその一番上に中央環境審議会化学物質評価専門委員会がございまして、こちらの方に調査結果の評価が報告という形で提出されることとなっています。説明させていただいてもらっております物質の選定に関しましては一番下でございますが、化学物質環境汚染実態調査の物質選定検討会があります。その中で調査対象物質並びに分析法開発用の必要な対象物質が選定されております。
 そして、調査対象物質になったものに関しましては、実態調査としまして(1)から(3)まで、それぞれの性格に応じて初期環境調査、暴露量調査、モニタリング調査がされます。また、分析法の開発が必要なものに関しましては、それが水、底質、生物のようないわゆる水系のものであれば、水系の分析法検討会、それから大気に関しては大気の分析法検討会、さらに特殊なLC/MS(Liquid Chromatography/Mass Spectrometry)を用いた分析法の開発が必要なものに関しては、LC/MS分析法検討会を経て、分析法を開発されたものから順次初期環境調査及び暴露量調査の方に取り組んでいるという状況であります。
 そして、そこで調査がなされたものが、初期環境調査に関しましては初期環境調査検討会、それから暴露量とモニタリングに関しましては、モニタリング・暴露量調査検討会の方に調査結果が報告され、そこで十分な検討を受けた後に、さらに先ほどの話に戻りますが、この本専門委員会の方に報告されるという段取りになっております。
 さらに、関連する調査としましては、左側のPOPs(Persistent Organic Pollutants)モニタリング事業、それから内分泌攪乱化学物質における環境実態調査がございます。
 別添2の方に移っていただきまして、このような形で行ってきたものに関しまして、今後につきましては、まず内分泌攪乱化学物質における環境実態調査でありますけれども、この中で、この結果に関しましても併せて本専門委員会の方に調査結果を報告させていただきたいと考えているところであります。黒本の中に内分泌攪乱化学物質における環境実態調査の調査結果に関しても報告させていただき、必要に応じご意見等を頂きたいと考えているところであります。
 それから、POPsモニタリングに関しましては別添1に戻っていただきますが、こちらの方は既に調査結果としてモニタリング・暴露量調査検討会の方に調査結果が流れているところでありますけれども、別添2にかえっていただきまして、こちらの方も併せて今後とも初期あるいはモニタリング・暴露量調査の四角囲いがありますが、こちらの方にPOPsモニタリング検討会の結果が報告され審議を受けるという段取りとしていきたいと考えております。
 大きな流れとしましては、内分泌攪乱化学物質における環境実態調査の結果に関しても、本専門委員会の方に報告があり、必要に応じてご審議等いただければということでございます。 それから、点線の中ですけれども、化学物質環境安全性総点検調査の中の、これまでは(1)から(3)でありましたが、その部分に関して、さらに初期環境調査、それから暴露量調査、モニタリング調査の三本柱だったんですけれども、その中に(2)としまして詳細環境調査というものを新たに盛り込みました。こちらに関しましては、従前は初期環境調査の中で行われていたものでありますけれども、その調査の性格・目的に鑑み、新たに1つ起こしたものでございます。
 別添3の方をごらんいただければと思います。その次のページでございますけれども、この破線の部分、真ん中のところでありますが、ここのところが黒本調査のものであります。その中で、初期環境調査に関しましては、実際に環境中に存在がなされているかどうかというありなしをスクリーニングするというふうに明確化いたしました。
 そしてさらに、暴露量調査、モニタリング調査と初期環境調査の間に詳細環境調査というものを設置いたしたいと思っております。このものとしましては、初期環境調査は感度に関しては低感度と、それから暴露量・モニタリングに関しては高感度ですが、詳細環境調査に関しましては中程度の目的に応じた感度を要求するということで、新たに詳細環境調査を起こしたところでございます。
 具体的には、初期環境調査に関しましては化管法の[1]指定化学物質の見直し、あるいは内分泌攪乱化学物質の[1]ですけれども、内分泌攪乱作用を有する可能性のある化学物質の選定に当たり、環境残留実態の確認が必要な化学物質に関してスクリーニング調査を行うという形でイメージしてございます。
 また、詳細環境調査につきましては化審法でありますけれども、第二種特定化学物質への移行の是非を確認するもの、あるいは化管法でいくと、その第12条でありますけれども、詳細環境残留実態調査の実施を行うものという形で位置づけているところでございます。
 暴露量とモニタリングに関しましては、それぞれ環境リスク初期評価あるいは内分泌攪乱化学物質の内分泌攪乱作用等解明推進事業等の対応に資するものと。さらにモニタリングに関してはPOPs条約等に資するものということで、今後とも位置づけていきたいと考えております。
 さらに、この別添3を用いて説明させていただきますが、この黒本調査を下支えするものとしまして、LC/MS分析法の普及促進というものを1つ大きな眼目としてとらえていきたいと考えております。
 それから併せて、その左下でございますが、低濃度のものまで測定できるより高感度な分析法開発の拡充ということで、こちらに関しましては、これまで活用しておりますGC/MSでございますが、これに関して、さらにその低濃度の部分まで測定できるということで、この開発に関しましては、今後は民間活用も視野に入れて検討していったらと考えているところでございます。
 この黒本を両側から支えるものとしまして、黒本を補完するという意味合いでの環境中の化学物質濃度レベルの推計とモデルを用いたデータ。これはPRTR、それから黒本調査のいわゆる実態調査、さらにモデルと、この三位が相まってそれぞれを補完し合いながらより質の高い調査になるようにと、そういう観点でこの濃度レベルの推計に関しても取り組んでいきたいと考えております。
 また、右側の方ですけれども、精度管理の推進に関しましては、今後とも実際の既知の濃度のものを各分析機関の方に配布することによって、精度管理等を進めていきたいと考えております。
 説明は以上でございます。ご意見等いただけますようよろしくお願いいたします。

○鈴木委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、どうぞご意見ありましたら。

○松下委員 今後の方向として、地方環境衛生研究所の化学物質測定能力の強化を図ることが必要であるというのは非常に重要だと思うんです。今、地方研究所の能力が非常に落ちつつあるように思います。ですからそれを具体的に示すのがいいと思うのですが、それが入っていないので、その辺をちょっとご説明いただけますか。

○上家課長 今のこの資料8というものは、大きな具体的な方向について、事務局として今考えているところについて先生方からご意見をいただきたいということでとりまとめたものでございまして、その詳細はまだ実は詰まっていない部分があります。
 ただ、具体的に地方のということで言える部分としましては、1点は精度管理の充実。もう1点がLC/MSを使った分析等、ある程度高度な技術・機器を要するものについても、地方衛研で取り組めるような体制をつくるべきではないかということを考えているという2点がございます。
 そのほかにも、POPsですとか、内分泌攪乱作用に着目したとか、幾つかばらばらとあったものを全部黒本という形でまとめて地方に示すことで活用しやすくしていただくというような面も考えられるのではないかというふうに、今のところ机上では考えておりますが、方向性としてまずご意見をいただきまして進めていきたいというのが正直なところでございます。

○松下委員 黒本システムを作成した初期の頃は、地方公害研究所に頼るところが大変多かったんですね。ところが、地公研では人員の縮小がずっと続き、予算も少なくなってきたため、だんだん意欲が落ちてきました。このため、分析法をつくるのは地方公害研の人たちを中心にいろいろやってもらい、その方法を用いた初期環境調査ぐらいまではその人たちにやってもらうけれども、あとは民間に任せて、地方公害研はサンプリングをやってくれればいいというような格好が非常に強く起こってきた。特に、内分泌攪乱物質なんかはそういうことが非常に多かったんですね。そうすると、何だ、サンプリングか、ただの水汲みかという話が非常に強く起こって、物すごく意識が落ちてきたんですよ。
 そういうことがないようのする施策はとても大切です。一方、環境省は国立環境研という非常に大切で優秀な機関を持っているけれども、汚染実態を探る手足がないんですよね。手足をちゃんと持つようなシステムにしないと、環境実態は正確にわからないですから、ぜひ予算をつけるとか、技術指導を行うとか、地方公研の方々との調査協力について具体的なシステムをぜひつけていただきたいと思っております。これはお願いでございます。

○香山委員 私からもお願いなんですが、この暴露評価を連携していただくというのはとても大事なことだと思います。さらにこれを国際的な連携という形でお願いしたいと思います。それは特に現在、暴露評価の段階でJECFA(WHO/FAO Joint Expert Committee on Fo-od Additives)の評価の中でデータリクエストが参っておりまして、カドミウムなどは農水省などが膨大な量をはかっておりますけれども、ヒ素などは今回の議題として上がっております、来年の2月にですね。ただ、多環芳香炭化水素などもありまして、そういういろいろな議題が多いものですから、ヒ素は延期ということがつい最近なりましたので、この次の評価にまたヒ素が上がってくると思いますので、掛け算法をやられているということを聞いておりますので、そういうデータも含めて、黒本調査で大量に出されてきた魚の中の有機スズ化合物であるとか、スズも今回の評価対象になっておりますし、そういうものを厚生労働省あるいは農林水産省だけでなく、環境省がお集めになったデータも、できましたら英語にしていただいて、分析法などは簡単だと思いますが、あとはタイトルを変えていただければいいだけなので、ぜひ有効に利用していただいて、ヨーロッパとかアメリカからのデータだけで西欧の食生活に準じた評価方法で評価されてしまうのではなくて、やはり米と魚をよく食べている日本人の食生活に準じた評価もしてくださいというためにも、ぜひ出していただきたいと思います。よろしくお願いします。

○若林委員 化学物質のリスク評価管理に関しては、特に生態系を中心にここ二、三年で環境省の事業というのは大幅に私は推進されてきていると思います。それで今回、この事業の中に化審法の実施をアシストするようなシステムが入っているということで、ぜひ進めてほしいというふうに思います。
 ただ、先ほど地公研の話が出ましたけれども、私もずっと東京都に長くおりまして、最初のころはすべて採水から分析、環境調査あるいは工場の規制まで全部やっていましたけれども、最近はもうかなりやっていることが少なくなってきています。それで先ほど、採水はやってもらっているというお話ありましたけれども、今度、水局の事業にちょっと関係して採水をお願いしたことがございます。
 そうしたところ、東京湾の沿岸の自治体は、水局さんの事業の採水はすべて委託でした。私は民間も協力しながらいろいろな事業をしていくというのは非常に大事なことなので、助けてもらうということはというか、協力し合うことはいいですけれども、もう採水まで地方自治体ができないということになると、もちろん環境省さんは実際に現場を見ていないわけで、現場を行政機関がすべて民間に任せちゃうというようなことになるというのは、私非常に危険なことだなと思いまして、ぜひこの方向は推進してもらいたいと思うんですけれども、具体的に、それじゃどうやって地方の力をつけていくかということを、ぜひ今後お考え願いたいなと思います。

○吉田専門官 ご意見ありがとうございます。地公研に関しましては、まず第一に黒本調査です。地方公害研究所、地方環境研究所があって、それによって立っているものと思っておりますので、まずもって、その地公研の活用を考えていきたいと思っております。例えばLC/MSに関しても、その普及あるいは分析法開発の促進に関してもそうでございますし、あと低濃度分析の高感度分析法の開発に関してもそうだと思います。
 しかしながら、先ほどからご指摘のありましたように、だんだんと組織の方がいろいろと縮小している方向性も間違いなくあるということもありますので、ここでてこ入れといいましょうか、またさらに活気を盛り返していただくということから、一つの起爆剤として、このような形で高感度の分析法の開発の拡充と、これも第一義的には地方公害研究所、地方環境研究所があろうと思います。
 しかしながら、それだけを待っていては、今現に調査が必要されているものに関する調査・分析の開発が遅れていくことも事実でございますので、まずもって最初は地方環境研究所。しかしながら、そこでどうしても手を挙げていただいても、なかなか開発着手に立候補していただけない部分に関しては、それは民間活用も視野に入れるということでありますが、まずもって最初は地方環境研究所の活用と。そしてその中で、今後は逆に分析法に関してもますます手が挙がっていって、結果として円滑に調査の方がなされることに大いに資すると考えているのがまずもって第一でございます。

○鈴木委員長 地公研の活性化の問題というのは、もう随分前から繰り返し繰り返し議論がいろいろな側面であったと私は理解していますけれども、今回のこの黒本調査を中心とした展開をするときに、そういう意味での具体的な組織論と運営論を書き込む余地があるのかどうかというのがちょっと気になるところでありまして、いわば地公研で働く人たちのモチベーションを高めるような形の話というのは非常に難しいのではないかなという気がするんですが、事務局いかがですか。

○上家課長 本日の先生方からのご意見をこういうふうにいただいていると言いながら頑張っていきたいと思いますが。本日いただいたご意見をもとにというような形で、またさらに内部でも具体的なところを検討いたしまして、さまざまな場面で、私どもだけではできませんので、いろいろ要求していかなくてはいけないということになろうかと思います。ありがとうございます。

○滝澤部長 公害研究所、それから環境研究所、それから衛生研究所もそうですけれども、地方公共団体の組織という建前もあります。しかしながら、環境問題全体がきょうご議論いただいている各論も含めて重要なんだというそれぞれの主体が、そういう認識をやはり高めてもらうと同時に、そういう必要性というものを説いていくのが我々の役目だと思っていますので、口先だけじゃないかというご批判を覚悟で、一生懸命キャンペーンをしていきたい、こういうふうに思っていまして、予算とか人とか組織とか、そういう建前的な限界は確かにございます。だけれども、それをプッシュしていく、あるいは打破していく我々のそういうアピール度といいましょうか、説得力といいましょうか、そういうものに努めていきたいと思います。

○中杉委員 この物質選定の検討をとりまとめさせていただいていて常に思うことなんですけれども、数多くの要求が出てきて、その中でごく一部しかできない。これはやはりいつも従事たる思いがということで、充実強化をしていただきたいというのが1つなんですが。
 特にもう一つは、化審法の改正がことしありまして、10トン以下のものについては毒性試験をしない。今のところはほとんど評価できない、毒性についてはわからないままに使われる状況になっています。これ10トン以下がなぜそういうふうになっているかというのは、10トン以下であれば環境に出ることはない、見つかることはないというのが前提になっているんですね。その前提をそれじゃ本当に担保できているかどうかというのは、やはり環境ははからなきゃいけない。そういう意味で、別な意味で、いろいろな意味で事業者負担を減らそうという形での軽減をしている。それは非常に重要なことだと思うんですけれども。
 その一方で、やはり担保していく、安全性を担保していくためには、やはり環境の濃度をはかることを充実強化していかなきゃいけないという話になると思います。そういう意味では、黒本調査をさらに充実強化していただく必要があるだろうということが1つ。
 それからもう一つ、物質選定の中で、これは既に実際の行政の施策に結びつけるという形で、各課から物質の要望を出していただいていますけれども、その出していただく中身がもう一つ明確ではない。そういう意味では、今のところ黒本調査と実際の各ところの施策とか、余り明確に結びついていないという印象があります。そこら辺のところは今回、もう少しそこら辺の再整備をしていただいて明確にしていただくということが、これは非常に重要だろうと考えています。
 それからもう一つは、この別添2の4番にある環境汚染状況解析という話ですけれども、一応その調査結果については毎年評価をして、この物質評価委員会でも結果を出しているわけですけれども、通り一遍の解析しかしていない。もう少しこれまでの蓄積も含めて十分な解析をする必要があるだろうと、ここら辺のところも協議もやはり必要ではないか。せっかくお金をかけてやるのに、その結果、こういう結果になりましただけでは、行政の施策の方に反映しませんので、むしろ初期リスク評価も含めての流れというのをもう少ししっかりつくってやっていただくことが必要だろうというふうに思っています。それは意見なんですけれども。
 1つ質問させていただきたいのは、別添2の3のところに環境資料、多分資料の資は間違いだろうと思うんですけれども。環境資料保存調査というふうに銘打っていますけれども、これは保存されている環境資料についての分析調査を進めていくという意味ですか。それとも、環境調査の保存を進めていくという意味ですか。

○吉田専門官 その両方を含んでおります。

○森田委員 化学物質対策につきまして、黒本調査が、あるいはこのメカニズムが果たしてきた役割というのは相当大きいんだろうと思うんです。いろいろな調査が母体となって、その後、現在の環境管理局のいろいろなプログラム、化学物質対策のプログラムに進んできたある種のルーツがここにあるんだろうという感じがするんですが。
 その黒本の中身をずっと歴史的に見てきますと、やはり化学物質のいろいろな物質についての調査の拡大をして、そして拡大する、あるいは外的な要素によって調査が拡大するといった経緯をたどりながら、のれん分けみたいな形で例えばナイキカクダンとかダイオキシンとかが外側に広がってきたという要素があり、それがまたその管理局側の政策と結びついていて、全体としては大変よく動いてきているような感じがあるんですが。
 今度は、何となくこの黒本の中にそういったものを埋め込むというよりも、もう少し発展的に連携していただくようなプログラムをつくる。つまりもう1回戻るような感じが少ししないわけでもないので、そうでないということを少し明確に打ち出していただきたいというのが1つと。
 それからあともう一つは、中杉さんがちょっと意見出されましたけれども、対策部側の仕事との連携が少し見えにくくなっている。そこのところ、例えばPOPsの対策検討会がなされていますが、ご存じのように、POPsは例えば廃農薬の処分とか、そういうのが現場の対策があり、そして同時にそれはモニタリングの結果みたいなものを反映しながら対策を打っていくと、あるいは対策の費用を捻出するための政策的な仕組みなどもそこから出てくるようなところもあり、そのあたりが相当、黒本調査だけでは済まないような要素もちょっとあるかなという感じがしますので、それも引き続き少しご検討いただければと思います。

○上家課長 今の森田委員のご懸念の件ですが、これは黒本調査にいろいろな今まで──のれん分けとおっしゃいましたが、発展してきた部分をまとめようということではなくて、暴露という視点、暴露調査という視点では、POPsとしてやっていようと、内分泌攪乱物質としてやっていようと、そのデータはそれだけの中でではなくて、化審法にも化管法にもいろいろなものに暴露データとして使えるはずであると。そういう暴露データとして使えるはずのものを黒本として一旦まとめた形で集約をして強化をしたい。
 一方で、POPs対策ですとか、内分泌攪乱問題ですとか、そういう個別の問題については、もちろん対策あるいは対応についてはそれぞれ発展した形で引き続きやっていきたいと。ただ、中杉委員おっしゃいましたように、行政需要に十分対応できるだけのパワーが黒本になかったという部分があるために、一たん離れてしまうと、黒本と関係なくいろいろなものが動いていって、根幹であるはずの黒本調査が十分な対応をしてこられなかったという部分を何とか充実させたいというのが今回の趣旨でございます。
 ですから、あくまでも暴露データについては黒本を基本にしたい。ただ、それぞれのもちろん個別の対応・対策については発展した形をそのまま維持していきたいということでございます。

○鈴木委員長 物事を余り制度化すると、かえって硬直化して動かなくなってしまうと品性があったりして、実際に新しくわけのわからん出来事が起こったときに対応して、それも扱えるような柔軟さみたいなものを持ったまとめ方をしないと、インテグレーションが制度化しちゃうと非常におかしなことになるよという、そういう心配はみんな持っているんだろうと思います。
 これは、逆にここまで来たかと、こういう議論をするようになったのかなという感じも私はするわけですが。この向き、きょういろいろな意見が出ましたが、よく踏まえて、そういう意味で硬直化しないように進めていただきたいと、よろしゅうございましょうか。それでは、この話はこれで。
 そのほかに、事務局何かありますか。

○馬場補佐 先ほどグレー本の方で、最後、環境ホルモンの記述を加えるというところがございましたが、今から読み上げさせていただきたいと思うんですが。
 一番最後の[5]でございますが、「環境リスク初期評価において、内分泌攪乱作用についてのリスク評価を含めて行うこととし、今後そのために必要な検討を進める」というものを、この最後の[5]に加えさせていただきたいと思います。

○鈴木委員長 よろしゅうございましょうか。はい、結構です。それではそういうことで。
 それでは、事務局どうぞ、最後に。

○三宅室長 おかげさまで、初期リスク評価に関しましてご審議をいただきました。また、今後の黒本調査についても、連携強化についていろいろ貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。第3巻初期リスク評価につきましては、いただいたいろいろなご助言をもとに、わかりやすく活用していただけるようなものにしていきたいというふうに思います。
 本日はどうもありがとうございました。

○鈴木委員長 どうもありがとうございました。

○香山委員 私のお願いに対してのご返事はいかがなものでしょうか。

○上家課長 資料提供、もちろんこれは積極的に進めてまいりますし、ちょっとここで申し上げていいのか。例えば、水銀の問題ですと、今度国水研のデータを厚労省の審議会へお出しするということで、そういうつなぐようなお手伝いも保健部でやっております。このようなことを積極的に今後もやってまいります。

○鈴木委員長 それでは、ありがとうございました。

午前11時55分閉会

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