平成21年度第3回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会 化学物質審議会第89回審査部会 第93回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会 合同審議会議事録 【第一部】

1.日時

平成21年10月23日(金) 13:00~15:00

2.場所

中央合同庁舎第5号館 17階 専用第18~20会議室

3.出席(五十音順、敬称略)

薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会委員

江馬 眞(座長) 高木 篤也 田中 博之
西川 秋佳 西原 力 長尾 哲二
能美 健彦 平塚 明 前川 昭彦
吉岡 義正

化学物質審議会審査部会委員

内田 直行 北野 大(部会長) 竹内 和彦
西原 力 前川 昭彦 吉田 緑
米澤 義堯

中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会委員

青木 康展 菅野 純 日下 幸則
田中 嘉成 田辺 信介 中杉 修身(委員長)
吉岡 義正

事務局

厚生労働省 山本化学物質安全対策室長
経済産業省 實國化学物質安全室長
環境省 和田化学物質審査室長 他

4.議題

1.前回審議結果の確認
2.既存化学物質の審議等について
  1. (1)分解性・蓄積性について
  2. (2)人健康影響・生態影響について
3.その他

○MHLW事務局 時間がまいりましたので、ただいまから「平成21年度第6回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会」「化学物質審議会第89回審査部会」及び「第93回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会」の合同審議会を開催いたしたいと思います。
吉岡先生と西原先生が、まだいらしておりませんが、吉岡先生は少し遅れる旨伺っております。
本日は、いずれの審議会も開催に必要な定足数を満たしており、それぞれの審議会は成立していることを御報告いたします。
また、各審議会から本日の会合への具体的な伝達手続は、それぞれの省により異なりますが、化審法第41条に基づく新規化学物質の判定に関する諮問が大臣によりなされている審議会もございますので、よろしくお願いいたします。
なお、本審議会は既存化学物質の審議と新規化学物質の審議を第一部と第二部に分けて実施し、本日は、13時から15時までを第一部として既存化学物質の審査を公開で行います。
終了後、休憩をはさみまして、第二部として通常の新規化学物質の審議を予定しております。よろしくお願いいたします。
審議に入ります前に、お手元にお配りした資料の確認を行いたいと思います。
まず、議事次第がございまして、資料1と資料2、資料1が1-1と1-2の2種類、資料2が1から5までの5種類ございます。
参考資料として、参考資料1と参考資料2が2種類、2-1と2-2。参考資料3、最後に参考資料4となっております。過不足等ございましたら、事務局にお知らせください。
会合の全体の議事進行につきましては、薬事・食品衛生審議会化学物質調査会の江馬座長にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いします。

○江馬座長 初めに、本日の会議の公開の是非についてお諮りいたします。各審議会の公開につきましては、それぞれ規定のあるところでございますが、本日の会議のうち、第一部は公開することにより、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、または特定なものに不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがある場合等、非公開とするべき場合には該当しないと考えますので、公開したいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○江馬座長 ありがとうございます。それでは、本日の第一部は公開といたします。
公開の会議の議事録は、後日、ホームページ等で公開されますので、あらかじめ御了承をお願いします。
議題1の前回の審議結果の確認につきまして、事務局から説明をお願いします。

○MHLW事務局 前回の審議結果につきましては、委員の方々の御指摘を踏まえまして、資料1-1から1-3のとおり、審査シート、議事録等をとりまとめさせていただいております。御意見などがございましたら、本日の会議終了までにお申し出いただければと思います。
御意見等ございませんでしたら、内部の手続は終了次第、各省のホームページ上で公開させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○北野部会長 それでは、議題2の既存化学物質の審議に入ります。
分解性、蓄積性について事務局から説明をお願いいたします。

○METI事務局 分解性と蓄積性について説明いたします。
資料2-1に基づいて説明させていただきます。3物質ずつ説明させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず、審査シート1ページ、N,N-ジメチルドコサンから始まる物質ですが、こちらは標準法、逆転法、両方実施しておりまして、逆転法でBODが35%の分解度となっております。
なお、GC、DOC、LC/MSの測定による確認から構造変化物は生成していないと確認しておりまして、良分解性とさせていただいております。
続きまして、2ページ目、シクロヘキサデカから始まる物質ですが、こちらは良分解性とさせていただいております。
続きまして、3ページ目、2,2-ビスから始まる物質ですが、こちらは分解度試験の結果、分解がなかったということで、難分解性とさせていただいておりまして、蓄積性につきましては、既に審議済みとなっておりまして、高濃縮性でないとさせていただいております。
以上、3物質につきまして、よろしくお願いいたします。

○北野部会長 ありがとうございました。
それでは、まず、最初の物質ですが、良分解ということでいかがでしょうか。
どうぞ。

○米澤委員 逆転法でやられたデータもありまして、どちらもBODとしては、28日目で増加傾向がまだ残っております。変化物に、鎖状が短い変化物ができると思いますけれども、それは既に同じように逆転法で良分解という結果になっておりますので、この結果から分解性があるという判断でいいのではないかと考えます。

○北野部会長 逆転法等の結果から、良分解と判定したいという御意見ですが、いかがでしょうか。
逆転法の基礎呼吸区が少し高いですか、それでBODが低く出ているんでしょうかね。

○米澤委員 逆転法の場合、一般的に結構高い値になるのは一般的だということですね。

○北野部会長 それでは、よろしいでしょうか。この物質につきましては、良分解と判定させていただきます。
次の物質、シクロヘキサデカンですか、いかがでしょう。

○米澤委員 これについては、特段私は意見を持っていません。良分解の判断でいいと考えます。

○北野部会長 ほかの先生方はいかがでしょうか。良分解と判定したいということですが、これは問題ないですね。よろしいですね。
それでは、この物質につきましても良分解と判定させていただきます。
それでは、3つ目の物質ですが、これは難分解なんですが、いかがでしょうか。

○米澤委員 これも事務局の提案でよろしいかと考えます。

○北野部会長 ほかの先生方で、意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
では、この物質は難分解ということで、事務局案どおりでいきたいと思います。
それでは、次の化学物質をお願いします。

○METI事務局 御説明させていただきます。続きまして、資料4ページの化学物質でございます。
こちらは分解度試験を実施しましたところ、BOD平均1%で、HPLCで分解度は0%でございまして、変化することなく全量残留しております。事務局案としては、分解性については難分解とさせていただきたいと考えております。
後続の試験につきましては、変化物が生じておりませんので、同一の化学物質を用いて濃縮度試験等を実施していきたいと考えております。
続きまして、資料の5ページの化学物質でございます。こちらにつきましては、分解度試験を実施しましたところ、BOD平均0%で、HPLCでも分解度0%でございまして、こちらも分解することなく全量残留しておりましたので、分解性につきましては、事務局案としましては、難分解性とさせていただいております。
こちらも変化物が生じませんでしたので、後続の試験につきましては、同一の化学物質を用いて濃縮度試験等を実施していきたいと考えております。
続きまして、資料の6ページの化学物質でございます。こちらの化学物質につきましては、分解度試験を実施しましたところ、BODは0%でしたが、全量変化しておりまして、主としてイソシアナートが還元されて、アミンになった化学物質が30%ほど生成しておりまして、その他、2量体、3量体と思われるものが複数生成するという結果になっております。
残留物がありますが、分解はしておりませんので、分解性につきましては、事務局案としましては難分解性とさせていただいております。
後続の試験につきましては、変化物が複数生成しておりまして、変化物のサンプルが入手できるかどうかというところも含めて、どのように進めていくかというのを、今後、検討させていただきたいと思います。
以上、3物質につきまして、御審議よろしくお願いいたします。

○北野部会長 ありがとうございました。それでは、最初のK-1840ですが、難分解と判定したいということですが、いかがでしょうか。

○米澤委員 私は、事務局案で問題ないと考えます。

○北野部会長 ほかの先生方もよろしいでしょうか。
それでは、この物質については、難分解と判定して、変化物がないということですので、この物質について、濃縮度試験を行うということでいきたいと思います。
次のK-1841ですが、これは難分解ということですが、いかがでしょうか。

○米澤委員 これについても、同じく事務局案どおりでいいと考えます。

○北野部会長 ほかの先生方、よろしいでしょうか。
では、この物質につきましても、事務局案どおり難分解とし、後続の濃縮度試験につきましては、変化物がないということで、本体で試験を行うということにさせていただきます。
では、1488に移りますが、いかがでしょうか。

○米澤委員 難分解という結論については、事務局案どおりでいいと考えます。
この審査とは一応別ですが、後続試験についてですが、尿素系の化合物とかポリマー系の化合物ができますのは、多分、生分解性試験の試験濃度が高いということの影響だろうと理解します。
ですので、また、これは個人的な意見ですが、これはアミンの誘導体で後続を評価するのが妥当ではないかというように、環境中での挙動を考えますと、私はそのように考えています。

○北野部会長 ありがとうございます。とりあえず、難分解ということではよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○北野部会長 問題は、次の濃縮度試験をどう実施するかということですが、確かに米澤委員がおっしゃるように、濃度が高いから、やはり尿素結合をしていくんでしょうね。ですから、非常に薄い濃度ではジアミンになるんではないかという気がするんですが、西原先生、いかがですか。

○西原委員 そうだと思います。

○北野部会長 そうすると、メタキシレンジアミンについては、もう既に判定済みのわけですね。そうしますと、尿素2量体ですか、これが出てくるのはどうしましょう。
西原さん、お願いします。

○西原委員 水分解で濃度を低くしたらそうなるということの証明をしていただければ、それで結構だと思います。

○北野部会長 少量を少しずつ水に滴下していくと、恐らくジアミンになるかと思うんです。いっぺんにどばっと入れるとアミンとイソシアナートが反応して尿素が出てくるから、水への添加方法を工夫して、恐らく大部分がメタキシレンジアミンになるのではないかと、こんな考えでいいですか。

○米澤委員 はい。

○北野部会長 では、その辺のところを確認していただいて、もし、それが実際に起きるのであれば、メタキシレンジアミンは、もう既に審査済みですから、この物質についてもそれで低濃縮という判定になるかと思いますが、もし、そういうことをやっても尿素体が出てくるようであれば、また、考えましょうか。
それで、よろしいですか。

○西原委員 入手可能だったらね。

○北野部会長 いかがでしょうか。ですから、水への添加方法をかなり工夫していただいて、恐らくメタキシレンジアミンになるんではないかということで、それが大部分そういうものが起きるということであれば、それが変化物ということで考えましょうか。

○METI事務局 はい。

○北野部会長 もし、それがいかなかったら、また相談しましょう。

○METI事務局 了解いたしました。

○北野部会長 ありがとうございました。次に1761からお願いします。

○METI事務局 審査シート7ページです。こちらの物質につきましては、分解性につきましては、既に審議済みとなっておりまして、難分解性と御判定いただいております。
蓄積性につきましては、第1濃縮度区のBCFssが2,300倍、第2濃度区が1,100倍となっております。濃縮倍率が1,000倍を超えておりますので、部位別の濃縮倍率と排泄試験を行なって半減期を見ております。
部位別の濃縮倍率につきましては、可食部について、第1濃度区1,000と1,200倍、第2濃度区570倍、830倍となっております。
また、半減期につきましては、第1濃度区で2.9日、第2濃度区で2.2日となっております。その結果から高濃縮性でないとさせていただいております。
続きまして、審査シート8ページの物質につきましては、こちらも分解性につきましては、既に御審議いただいておりまして、難分解性との判定をいただいております。
蓄積性につきましては、こちらはナトリウム塩のものを用いて試験を実施しておりまして、結果としては、高濃縮性でないとさせていただいております。
続きまして、審査シート9ページの物質です。こちらも分解性につきましては審議済みでして、難分解性の判定をいただいております。
蓄積性につきましては、こちらは塩酸塩のものを試験サンプルとして濃縮度試験を実施しておりまして、こちらも高濃縮性でないとさせていただいております。
以上、3物質につきまして、御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○北野部会長 ありがとうございました。それでは、K-1761の蓄積性の審査から行きたいと思います。

○米澤委員 この試験は、水相濃度は、水溶解度近辺でやられておりまして、水相濃度も安定しておりますので、この結果から評価していいと考えています。
BCFが第2濃度区で約1,000倍強くらいですし、排泄の速度も比較的早いですので、高濃縮性でないという判断でよろしいかと考えます。

○北野部会長 米澤委員の御説明ですが、いかがでしょう。内臓だけ変に高いんですね。残留したんですかね。可食部は1,000倍程度、2,000倍くらいで半減期もかなり早いということ、可食部の濃縮性は低いということで、高濃縮性ではないという判断ですが、よろしいでしょうか。
それでは、この物質につきましても、事務局案どおり、高濃縮性でないという判定とさせていただきます。
次に1822です。これも濃縮性ですが、いかがでしょうか。

○米澤委員 特に意見はありません。事務局案どおりでよろしいと思います。

○北野部会長 そうですね。では、これにつきましても高濃縮性でないと判定させていただきます。
次は、1829ですが、これについては、いかがでしょう。

○米澤委員 私は、これについても特段コメントはありません。事務局どおりでいいと思います。

○北野部会長 ほかにいかがですか、よろしいですか。
では、この物質につきましても、高濃縮性ではないという事務局案どおりとさせていただきます。
では、次の3物質をお願いします。

○METI事務局 続きまして、資料10ページの化学物質でございます。
こちらにつきましては、分解性につきましては、既に御審議いただいておりまして、難分解性との判定をいただいております。
蓄積性につきましては、濃縮度試験を実施いたしまして、高濃縮性でないという結果を得ております。事務局案としては高濃縮性でないとさせていただいております。
続きまして、11ページの化学物質でございます。こちらにつきましては、分解度試験と蓄積性試験と両方実施しておりまして、分解性につきましては、クローズドボトル法で実施しておりまして、BODは15%程度出ていますが、クローズドボトル法なので多少出てくるということかと思いますが、変化物は生じませんでしたので、変化物なしで難分解性とさせていただいております。
蓄積性につきましては、濃縮度試験を実施いたしまして、BCFss第2濃度区で2,000倍程度で、BCFの第1濃度区で最大で3,000倍近くの濃縮度が出ておりましたので、部位別試験を実施いたしまして、可食部では第1濃度区1,500倍、第2濃度区1,000倍で高濃縮性でないという判断をしてよろしいのではないかと考えております。
排泄試験も実施しておりまして、半減期は、それほど長くないという結論になるんではないかと考えております。
続きまして、12ページの化学物質でございます。
こちらにつきましては、分解性試験と蓄積性試験を実施しておりまして、分解性試験につきましては、BODが0%、HPLCが1%で変化物なく全量残留しております。難分解性とさせていただいております。
蓄積性につきましては、濃縮度試験を実施しておりまして、いずれも高濃縮ではないと考えられる濃縮倍率の結果となっておりましたので、高濃縮性でないとさせていただいております。
以上、3物質につきまして、御審議をよろしくお願いいたします。

○北野部会長 ありがとうございました。それでは、K-1830からいきたいと思います。これについては、分解性は審議が終っていますから、濃縮性の判断となりますが、高濃縮性でないということでよろしいですか。

○米澤委員 事務局案どおりでいいと思います。

○北野部会長 これも高濃縮性でないということで、事務局どおりにさせていただきます。
次の1800です。アダマンタンですが、まず、分解がクローズドボトルでやったので、BODに分解性が出ていますけれども、変化物がない。それから、GCによる平均分解度は0ということで、難分解性ということですが、よろしいですね。
では、これについては、難分解とする。
では、次の濃縮性はいかがでしょうか。

○米澤委員 データの変動が少しありますけれども、平均値を取りますと、第1濃度区、第2濃度区ともにBCFの値はそれほど変化がありません。
それと、排泄半減期は第2濃度区のばらつきが大きくて、計算をしますと、平均値はこれですが、幅があります。しかし、第1濃度区の半減期は比較的短いですので、それを加味して、高濃縮性でないという判断でいいんではないかと考えます。

○北野部会長 ほかの先生方、いかがですか。第1区、2区ともほぼ2,000倍程度で、半減期も非常に短いということで高濃縮性ではないと判定したいということですが、よろしいでしょうか。
それでは、この物質につきましても、事務局案どおりの判定とさせていただきます。
では、次のK-1803はいかがでしょうか。まず、分解性ですが。

○米澤委員 特に意見はありません。事務局案どおりでいいと考えます。

○北野部会長 これは難分解でいいですね。
それで、濃縮性ですが。

○米澤委員 これもほとんど定量限界に近いとこですので、高濃縮性になる可能性が小さいものと考えます。

○北野部会長 高濃縮性ではないと、ほとんど検出限界以下であるということですが、よろしいですか。

(「はい」と声あり)

○北野部会長 ありがとうございました。では、この物質につきましても、事務局案どおりの判定とさせていただきます。
次の3物質をお願いします。

○METI事務局 審査シート13ページの物質について説明いたします。
分解性につきましては、分解度試験の結果、難分解性とさせていただいております。
蓄積性につきましては、濃縮度試験を実施しておりまして、こちらは成分A、B、Cと異性体の構造が検出されておりますが、成分Cの第2濃度区におきまして、BCFが2,180倍となっております。
そのため、部位別の濃縮倍率と半減期を求めておりまして、部位別の濃縮倍率では可食部が第1濃度区に約49倍、第2濃度区が検出限界以下の1,450倍未満という結果となっております。
半減期につきましては、第1濃度区で0.45日、第2濃度区で0.7日未満という結果となっております。
こちらは高濃縮性でないとさせていただいておりますが、こちらは成分Cにつきまして、濃度依存性なども見られておりますので、こちらについてコメントをいただけるとありがたく思います。
続きまして、14ページの物質です。こちらは分解度試験の結果、被験物質は一部分解しまして、ジメタノール体、モノカルボン酸体、それとジカルボン酸体が生成しております。
結果としましては、難分解性とさせていただいております。
蓄積性につきましては、まず、被験物質の蓄積性ですが、こちらは濃縮度試験を実施しておりまして、どちらも濃縮倍率が低い値となっており、高濃縮性でないとさせていただいております。
続きまして、変化物の蓄積性につきましてですが、こちらは変化物1~3については、被験物質と構造が類似しており、また、ODSカラムを用いた分析においても、変化物1~4のいずれも被験物質よりも早く溶出しているため、被験物質より極性が高いと推定されまして、高濃縮性でないと考えております。
その結果から高濃縮性でないという判定案とさせていただいております。
続きまして、16ページの物質についてです。
こちらは、分解度試験及び濃縮度試験ともに異性体が含まれているため、ピーク1~10について分解度と濃縮度を算出しております。
その結果から難分解性、高濃縮性でないとさせていただいております。
以上、3物質につきまして、御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○北野部会長 ありがとうございました。それでは、13ページのK-1837からです。
まず、分解性については難分解でよろしいですか。

○米澤委員 この物質は多数の成分の混合物なんですけれども、GCでのパターンにほとんど変化が、全体の量とピークパターンにもクロマト上変化が見られませんので、難分解でよろしいかと思います。

○北野部会長 よろしいでしょうか。それでは、まず、これは難分解ということで、次の濃縮の判断ですが、成分Cに1,000倍以上出ている。半減期は非常に短いということで、ただ、濃度依存が出ている感じがあるんですけれどもね。

○米澤委員 この分析はGC/MSを使って、比較的信号強度の強いものを複数合わせた合計で定量しているというやり方を取っています。
ですから、このときにCの水相濃度ですけれども、感度が十分でなかったということで、成分Bの濃度をベースにして、濃縮倍率を計算するということをやっているようです。
この濃度の分析、定量ですが、複数のイオンの信号の合計で出していますので、すべてのイオンが同じ強度で出ているかということについての確認は、実測のピークに関しての確認は、今のところ私もとれておりません。報告書にも記載がありません。
ただ、確かにラボの話を事務局に確認していただきましたら、標品では、各ピーク強度はほぼ類似だというデータにはなっておりますけれども、実際の試料のデータで、それであったかどうかについては、わからない状態です。特にこれは、もとの物質が複雑な多数のピーク成分から成るものですので、どの成分がこの濃縮に寄与しているかについては、このデータからは直に、今の段階ではわからない状態かなと考えています。
ですので、もう少しこの分析のデータについて確認をする機会、見せていただく機会の時間を取っていただけるとありがたいと考えております。

○北野部会長 成分Cだけに濃度依存が出てくるというのは、何となく考えづらいところがありますね。異性体とするとね。

○米澤委員 1つは、分析の感度が悪いですので、魚体成分を見てしまっている可能性も否定はできない。その辺の確認が、今、取ったデータからはできないかということを考えてはいるんですが。

○北野部会長 この物質について、米澤先生に分析を確認していただいて、問題がなければ低濃縮とすると、いかがですか。それで、問題があるようであればペンディングにしましょうか。

○米澤委員 そういうふうにしていただければと思います。

○北野部会長 先生方、よろしいでしょうか。分析的になかなか難しい物質であるので、確かに成分Cだけが濃度依存出ているというのも、何となく腑に落ちないところがあるので、米澤先生、恐縮ですが、もう一回分析方法をよく精査して、必要であればラボにも問い合わせながら、この報告書の信憑性を確認していただいて、分析的に問題がなければ、この判定案どおり、高濃縮性でないと判定する。分析上、問題があるとすれば、また次回に既存を行うときにどういう形でもっていくか、先生方の御意見をいただくということでいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○北野部会長 それでは、この件については、そういうことで精査した後に最終的な判定をすることにさせてください。
次の物質は、1835です。これは難分解ということと、それから、本体のジクロロ体について行った濃縮性は高濃縮性ではないという、まず、この判定ですが、どうでしょうか。

○米澤委員 分解度試験は、難分解という結論で、変化物ができるということは、依存はありません。
ただ、変化物2とされているもののLC/MSのパターン、分解度試験の報告書にあるんですけれども、同定ができていない質量数の大きなイオンが、実は同時に検出されておりまして、このものの変化物の構造からの推定とするには、どうも理由が私は理解できません。
ただ、分解度の試験の結果として難分解性であるということ。それから濃縮度試験の方で変化物を含めて、変化物の逆相分配クロマトの挙動を含めて、結果として高濃縮性でないと判断するという、この結論に対しては問題ないと思いますけれども、この構造同定がちょっと疑問を持っております。

○北野部会長 変化物1~3以外に、もう少し大きな分子量のものが出てきているということなんですね。

○米澤委員 変化物2とされているピークに見られているLC/MSのフラグメントと言うんですか、検出されたイオンには質量数が大きいものが入っていて、その存在理由が、私には理解ができませんでした。

○北野部会長 親イオンがもっと大きいということですか。

○米澤委員 大きいイオンが出ています。

○北野部会長 その前に、本体については難分解であると。それから、ジクロロ体については低濃縮であると、そこはよろしいですね。
それでは、次に変化物ができているということで、15ページの議論に移るんですが、ジオールになっているか、モノカルボン酸、ジカルボン酸になっているかと、それ以外に米澤先生、ありそうだということなんですか。

○米澤委員 変化物2とされているものが、果たしてこの構造にここのところにピークが見えることは、確かに間違いないです。
そのピークのMSでの解析からすれば、この質量数のイオンが出ていることも間違いないです。しかし、同時に、より大きな質量数のイオンが共存している。ですから、もし、それがこの構造だとすれば、説明がつかないのではないかというところです。

○北野部会長 その質量数の大きなもののイオンは、ピークとしては大きいんですか。

○米澤委員 すみません、ちょっと報告書が見つからない。

○北野部会長 この3つ以外にも、変化物2に相当するピークのところに、もう少し質量の大きいものが見えるということなんですが、この3つの変化物については分配係数の値から類推ということで、低濃縮としたいということで、まず、この3つについてはよろしいですか。いずれも極性が高いということで、そうすると、今、米澤先生から提起があった、要するに、15ページの変化物1、2、3については丸。

○米澤委員 けれども、これは変化物ができるということ、クロマト上の挙動に対しては報告書どおりで間違いないし、それを基に濃縮倍率を推定するのも、濃縮性の推定に関しては、届出物質よりも低いという推定、それに対しては正しいと考えます。
ですから、評価結果に対しては、この事務局案どおりでいい。ただし、構造の同定が非常に気にはなるというところです。

○北野部会長 確かに濃縮性という観点では、低濃縮と考えてよろしいでしょうね。

○米澤委員 問題はないと考えます。

○METI事務局 では、すみません、審査シートですけれども、今、変化物2がこちらの構造で確実なような記載にさせていただいておりますけれども、あくまでもこちらは推定構造といったような記載の仕方に修正させていただきたいと思います。

○北野部会長 わかりました。それでは、変化物2を括弧して推定ということにしていただいて、1~3については、結局、極性も大きいということから、低濃縮性とすると、そういう判断でよろしいでしょうか。

○米澤委員 それで結構です。先ほどの話ですが、MSナンバーは、この構造式だと228ですが、unknownのイオンが出ていますのは、390ぐらいですか、そのイオンが同時に検出されております。比較的強度は大きいというところが問題です。

○西原委員 溶出のピークの位置は。

○米澤委員 ですから、同じ位置。

○西原委員 同じ位置だから極性は高い。

○米澤委員 ですから、考え方としては、2つの物質が混ざっている可能性が1つあります。それ以外に単独である可能性は否定できないです。このイオンが全く別な物質として、たまたまこの場所に出てきたということが説明できれば、全く問題ないです。

○西原委員 それと、変化物4、構造式のAなんですけれども、これも溶出位置から極性が高いということで、類推というか、それはリーズナブルかなと思うので、今、米澤先生が言われた、それも同じような位置であれば、別に確定しなくても。

○米澤委員 この分解度試験で分析していますのは、蟻酸共存下の逆相分配をかけていまして、そのパターンに関しては、すべて届出物質よりも早い。

○西原委員 ですから、濃縮性に関しては、別に問題ないと思うということですね。

○米澤委員 ないと考えます。

○北野部会長 ちょっとややこしい問題なんだけれども、確かに387出ていますね。わかりました。濃縮性に関しては、必ずしも変化物2についてきちんと同定できたわけではないけれども、濃縮性に関しては低濃縮と判断してよかろうと、特に変化物4についても構造はわからないですが、極性を考えれば、これらの変化物はすべて低濃縮と考えられると、そういう判定ですが、よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

(「はい」と声あり)

○北野部会長 では、そのように判定させていただきます。
どうぞ。

○吉岡委員 生態影響の側からのコメントなんですけれども、濃縮性試験、蓄積性の試験においてLC50値が非常に低い値を示しております。生態影響試験の方も、今後とも考慮する必要があるかなというふうにコメントいたします。
以上です。

○北野部会長 ありがとうございます。ほかにはよろしいでしょうか。
それでは、次の1801の審議をお願いします。
これは、難分解、高濃縮ではないという判定ですが、いかがでしょうか。

○米澤委員 特にコメントはありません。

○北野部会長 ほかに先生方、いかがですか。難分解性、高濃縮性ではないということで、よろしいですね。
それでは、この物質につきましても、事務局案どおりとさせていただきます。
どうぞ。

○吉岡委員 先ほどと同じことなんですけれども、これも濃縮性試験におきます魚類の急性毒性値が低い値を示しておりますので、生態影響としては問題のある化合物かなとコメントいたします。
以上です。

○北野部会長 ありがとうございました。以上です。
では、次をお願いします。

○江馬座長 次に、議題2の(2)の人健康影響・生態影響について、事務局から説明をお願いします。

○MHLW事務局 資料2-2の1ページ、官報公示整理番号2-483の物質から説明をさせていただきます。
こちらの物質、名称、構造式等は記載のとおりです。
分解性につきましては、難分解性、蓄積性につきましては、高濃縮性でないと既に御審議いただいております。
人健康影響についてですが、Ames試験は陰性。
染色体異常試験は陽性。
28日間反復投与毒性試験につきましては、NOELを100mg/kg/dayとさせていただいております。
次のページに行きまして、判定根拠でございますが、Ames試験は陰性であるが、染色体異常試験は陽性であり、NOEL100mg/kg/dayであることから第二種監視化学物質相当とさせていただいております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○江馬座長 まず、構造の面からコメントがございましたら、お願いいたします。

○西原委員 特にございません。

○江馬座長 ありがとうございます。では、次にAmes試験、染色体異常試験についてコメントをお願いします。

○能美委員 Ames試験は陰性ということで、それは問題ないと思います。
染色体異常試験は陽性という形になっているんですけれども、審査シートにもありますように、被験物質中にアセトアルデヒドが10%以上含まれているということで、アセトアルデヒドは、いろいろな架橋剤でありますので、変異原性のある物質ですから、確かにこの物質、実際に10%以上アセトアルデヒドの入った標品が染色体異常陽性ということが、果たしてこの物質に由来するのかというのは、疑問のあるところのわけですけれども、ただ、現在の段階で、このアセトアルデヒドを除いた標品についての試験結果がない状態では、やはりこのような現段階では陽性というような結論を出さざるを得ないんではないか。そのように考えます。
以上です。

○江馬座長 ありがとうございます。遺伝毒性のほかの先生方からコメントはございますか。よろしいですか。
林先生からコメントは来ていますか。

○MHLW事務局 特にいただいていません。

○江馬座長 ありがとうございます。次に反復投与試験についてコメントをお願いします。

○菅野委員 それでは、ラットSDでやられていまして、溶媒はコーン油。トップ1,000mgからの3用量で、一番敏感に出たのは、肝臓の組織学的所見でありまして、肝の小葉中心性の肝細胞肥大等々があります。
そのほかは、最高用量で胃の境界線のところの肥厚等々の刺激性と思われる所見があります。
それ以外には、自発運動の低下、着地時の開脚幅の増加といったような軽微な神経毒性症状が表われているということであります。
判定は、事務局案どおりのNOEL100で結構だと思います。もし、判定根拠の最後のところを二監にするところでの文章に若干の注文を付けるとすると、神経系の所見が示唆されていることもありというような一文を加える手もあるかなという提案をさせていただくという内容であります。
ちなみに、環状のアセトアルデヒド系のものは、4つ環状になっているものがあるそうですが、そういうものでも中枢影響は出るという背景情報があるようであります。
以上です。

○江馬座長 ありがとうございます。ほかの毒性の先生方からコメントがございましたら、お願いいたします。

○前川委員 私も菅野先生の意見に同感でして、少なくともここで表われています肝臓あるいは胃の所見は、最高用量だけで表われる所見で、一般的な毒性の所見ですので、やはり多少神経系への影響が疑われるということを追記しておいた方がよろしいかと思います。
以上です。

○江馬座長 ほかの先生方からコメントがございましたら、お願いします。
判定根拠のところに神経毒性所見が疑われるという文言を入れるということでよろしいでしょうか。
それから、染色体異常試験について陽性、これが11.2%アセトアルデヒドが含まれていて、それによる可能性があると、現時点では、この所見で致し方ないということですが、それでよろしいでしょうか。ほかに御意見がございましたら、どうぞ。
よろしいようでしたら、神経毒性所見が疑われるという文言を入れて、あとは事務局案どおりとさせていただきます。ありがとうございました。

○中杉委員長 それでは、続きまして、4-1531です。資料の御説明をお願いします。

○MHLW事務局 資料の3ページ、官報公示整理番号4-1531について御説明いたします。
名称、構造式等は記載のとおりでございます。
名称につきましては、修正をさせていただきます。2,3,4,4´-テトラヒドロキシベンゾフェンとございますが、こちら2,3,4,4´-テトラヒドロキシベンゾフェノン、「フェ」と「ン」の間に「ノ」を追加させていただきます。失礼いたしました。
分解性につきましては難分解性、蓄積性につきましては、高濃縮性でないと既に審議いただいております。
人健康影響につきましては、Ames試験は陰性。次のページにまいりまして、染色体異常試験は軽微な陽性。反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験につきましては、NOELを100mg/kg/day未満とさせていただいております。
判定根拠といたしましては、Ames試験は陰性であり、染色体異常試験は軽微な陽性であるが、NOEL100mg/kg/day未満であることから、第二種監視化学物質相当とさせていただいております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○MOE事務局 続きまして、生態影響に関して御報告いたします。
本物質につきましては、4種の試験が実施されておりまして、結果は記載のとおりでございます。
生態影響判定根拠でございますが、藻類生長阻害試験において72時間EC50が6.4mg/L、72時間NOECが1.1mg/L、ミジンコ急性遊泳阻害試験におきまして、48時間EC50が39mg/L、ミジンコ繁殖阻害試験において、21日間NOECが3.7mg/L、魚類急性毒性試験において96時間LC50が36mg/Lであることから第三種監視化学物質相当でないとさせていただいております。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○中杉委員長 それでは、まず、構造からコメントをお願いいたします。

○西原委員 特に私からはありません。ただ、水に割かし溶ける、完全には可溶ではないですけれども、そういう意味では蓄積性もないだろうし、毒性に関してはちょっとわかりません。

○中杉委員長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、Ames、染色体異常試験についてのコメントをお願いいたします。

○能美委員 Ames試験は陰性ということでよろしいと思います。
それから、染色体異常試験の方は、軽微な陽性ということで、確かに基準を超えた染色体異常を持った細胞の数が出てきておるんですけれども、用量依存性に乏しいということで、こちらの審議会の基準からすると、軽微な陽性というグループに入ると思います。
ですので、Ames試験は陰性で、染色体異常は軽微な陽性ということでよろしいと思います。
以上です。

○中杉委員長 ほかによろしいでしょうか。それでは、今度は、反復経口投与毒性試験の結果についてコメントをお願いします。

○高木委員 反復経口投与毒性/生殖発生毒性併合試験が実施されております。投与量は100、300、1,000mg/kg/dayです。
推定根拠といたしましては、そこに書いてありますように、組織学的所見として盲腸の粘膜上皮単細胞壊死・粘膜び漫性過形成、それから尿検査で尿潜血、それから生殖発生試験で生後4日目の体重減少が見られております。
その結果として、NOEL100mg/kg/day未満で第二種監視化学物質相当ということでよいと思います。
あと付け加えますと、1つは、先ほどの生殖発生のところ、体重生後4日目と書いていますけれども、これは正確には母体の方なので、分娩後4日とした方が間違いがないかと思います。
あと、ほかの毒性のところで、赤血球の減少があるんですけれども、よく見ると、雄の300mg/kgのところも有意に減少していますので、それを付け加えていただきたいというのと、同じく雄のグルコースが1,000mg/kgで減少している、それでそれを付け加えていただきたいということです。
以上です。

○中杉委員長 いかがでしょうか。ほかに追加のコメントはございますでしょうか。
どうぞ。

○前川委員 今の追加に加えまして、判定根拠のところなんですけれども、NOEL100未満というのは、100が最低用量で、それ以下がやっていないからわからないわけなんですけれども、そこのその他のところを見ていただいてもわかりますように、最高用量で血液に影響が出ているんですけれども、それがまだ、試験後も残っている。すなわち回復性がやや悪いということも判定根拠のところに、ちょっと追加をしていただいた方がよろしいかと思います。

○中杉委員長 いかがでしょうか。従前100だと、もう少し下げれば消えるんではないかという議論が出ますので、それは回復性のところで問題があるからということで付け加えていただくということでございます。いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
どうぞ。

○西川委員 字句の修正ですけれども、推定根拠の粘膜び漫性の「慢」は「漫」ですので修正をお願いいたします。

○中杉委員長 そこは、修正をいただくということで、どうぞ。

○長尾委員 生殖発生の、先ほど母体の分娩後4日の300以上で体重が落ちているということなんですが、出生児においても300で雌雄の出生児の体重増加抑制というのは見られているので、出生児についても記載があった方がいいと思います。

○中杉委員長 これは、1,000のところでその他の毒性と書いてあるのを300にするということですか。

○長尾委員 テーブルには、そのようになっています。

○中杉委員長 300の方でそれを記載するということですね。よろしいでしょうか。
それでは、この物質については、前川先生からコメントいただいたように、判定根拠のところに追加をさせていただいて、二監相当という判定をさせていただきます。
生態影響試験について、いかがでございましょうか。

○吉岡委員 生態影響試験で、まず、事務局からの御提案で三監相当ではないと出ております。少し説明をしておかないとわからない部分があるかなと思って、説明をいたします。
問題は藻類生長阻害試験です。藻類生長阻害試験の72時間EC50値が6.4という形になっております。これは暴露開始時を基準とする値でありまして、もし、時間加重平均を取りますと、0.54という値になります。0.54という値は、当然のことながら三監相当という形になってしまいます。
通常取っております時間加重平均を取らずに暴露開始時を取った理由というのは何かと申しますと、まず、第一にこの物質は分解いたします。変化物を生じます。しかしながら変化物と原体、元のものと足し合わせた量というものは、一定値を保っているという条件下の試験でございます。
着色はいたしますけれども、着色の影響はございません。なおかつ、変化物は速やかに生じまして、大体24時間後には、ほとんどが変化物に変わっているという状況でございます。
しかしながら、藻類の生長は、それ以降も特に大きな変動もなく必要な阻害を受けております。そういう状況が認められます。また、変化物の構造推定があるのですが、その構造推定は、元の化合物に水酸基が4つありますけれども、その2つが外れたという構造が推定されております。
以上のことを総合して考えますと、毒性の発現に変化物も原体もそんなに大きな違いは、構造的に言ってもないだろうということと、データもそのことを示していることから、トータルの量を合わせた暴露開始時の濃度で毒性を示して問題はなかろうというように考えられて、6.4が出てきた。したがって、三監相当ではないという結論であるということでございます。それで、問題はないと考えております。
以上です。

○中杉委員長 ありがとうございました。そのほかの先生方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
どうぞ。

○西原委員 今、先生が言われた、変化物にOHが2つくっついている。

○吉岡委員 抜けるです。

○西原委員 わかりました。

○中杉委員長 よろしいですか。それでは、ほかに御意見がないようでしたら、この物質の生態影響については事務局案どおりの判定をさせていただきます。
併せまして、総合的判定案としては、事務局案どおりの判定ということになります。人健康の判定根拠のところについて、少し修正を加えていただくということでございます。

○北野部会長 それでは、次のイソシアヌル酸に移りたいと思います。
それでは、事務局から説明をお願いします。

○MHLW事務局 資料の6ページになります。官報公示整理番号5-1037、5-1038の物質について御説明いたします。
名称、構造式等につきましては、記載のとおりでございます。
分解性につきましては、難分解性。
蓄積性につきましては、高濃縮性でないと既に御審議いただいております。
Ames試験につきましては、OECD/HPVプログラムによる初期評価文書より引用いたしまして、こちらは陰性と評価されております。
染色体異常試験及びReprotox試験については、国で試験を委託いたしまして、実施しております結果でございますが、染色体異常試験は陰性、Reprotox試験につきましては、NOELを150とさせていただいております。
判定根拠といたしましては、7ページになりますが、染色体異常試験は陰性、反復投与毒性試験のNOELが150mg/kg/dayであり、また、OECD/HPVプログラムの初期評価によるとAmes試験は陰性であることから、第二種監視化学物質相当でないとさせていただいております。

○MOE事務局 続きまして、生態影響に関して申し上げます。
本物質につきましても4種の試験を実施しておりまして、結果は記載のとおりでございます。
生態影響判定根拠でございますが、藻類生長阻害試験において72時間EC50が950mg/L、72時間NOECが250mg/L、ミジンコ急性遊泳阻害試験において48EC50が1,000mg/L、ミジンコ繁殖阻害試験において21日間NOECが32mg/L、魚類急性毒性試験において試験上限濃度で影響が認められないことから、第三種監視化学物質相当でないとさせていただいております。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○北野部会長 ありがとうございました。それでは、この物質について構造上の知見がありましたら、お伺いしたいと思います。

○西原委員 まず、用途のところを見ていただいたらいいんですけれども、殺虫剤、殺菌剤、添加剤(樹脂用)と書いていますが、多分、これも防腐効果をねらったんではないかと思います。そういう意味では、環境生物影響、試験をこういうものでやれば、当然出てくるだろうと思います。

○北野部会長 ほかにいかがでしょうか。それでは、まず、Amesはよろしいですね。
それでは、染色体異常については、いかがでしょうか。

○能美委員 Ames試験については、初期評価文書よりということで、データそのものは非常に乏しくて、文章が1、2行書いてある程度なものですから、これを信じてくださいということ以上はないんですけれども、染色体試験についても陰性ということで、あとは今回の既存物質については、既に存在している文書を使って評価するということで、最初の物質も含めて出典がどこなのかというのを、後で教えていただければ、Amesテストについては、ここに書いてあるようにOECD/HPVプログラムより、という記載があるのでよくわかるんですけれども、例えば染色体異常試験の、私のところにいただきました試験結果のコピーがあるわけですけれども、これは一体どこでやられたのかという記載がないものですから、前の最初のパラアセドアルデヒドですとか、2番目の物質についても試験結果は渡していただいているんですけれども、通常ですと、どこのラボで行って云々という記載があるんですが、もし、わかれば、それも教えていただけると、非常に助かると思います。結論としては、Ames試験、陰性、染色体異常、陰性で結構だと思います。

○北野部会長 事務局、どうですか。

○MHLW事務局 こちらの報告書の試験実施機関につきましては、資料に載せることはできますので、そういったことで次回以降に対応させていただくとさせていただきたいと思います。

○北野部会長 では、既存の情報を使うときには、出典というか、その辺をきちんと明示するということでよろしいですね。

○MHLW事務局 はい。

○北野部会長 では、お願いします。
次にReprotoxが出ていますが、いかがでしょうか。

○前川委員 Reprotoxのデータが添付されております。Reprotoxは600、150、40、10の4用量でなされております。
その結果、生殖発生毒性に関しましては、最高用量で何ら毒性は出ておりませんが、一般毒性試験では、そこに書いてありますように、いろいろな変化が出ております。特に腎臓に病変が出ております。腎臓と、特に赤血球系ですね。メインは腎臓です。そこに書いてありますように、腎臓にいろんな病変が出ております。
ただ、1つだけ注意しなければいけないのは、腎臓は御承知のように、特にラットの雄では腎臓の尿細管の硝子滴変性あるいはそれを基にして尿細管の変性というものがラットの雄によく起こります。これは自然発生でよく起こるし、化学物質を投与することでそれが増強して変性が起こるわけなんですけれども、ここに見られる病変は、尿細管を中心とした変性が起こっておりますけれども、雄だけではなくて、雌にも起こっているということで、そういうことで、自然発生的に起こるラットの腎臓の病変とはメカニズムが違うということです。それだけを申し上げておきます。特に腎臓、雌の方にも病変が起こっている。
ただ、それは最高用量だけで起こっているということであって、その下の150以下では何も病変は起こっておりません。ですから、NOELは150ということになろうかというように思います。回復性にも特に問題はございません。
以上です。

○北野部会長 ありがとうございます。先生、特にその辺のコメントは付けなくてもよろしいですか。

○前川委員 それは構いません。

○北野部会長 わかりました。ほかに先生方、いかがでしょうか。
では、お願いします。

○高木委員 評価につきましては、前川先生のとおりなんですけれども、それに加えて尿の検査で結晶物が有意に150mg/kgと600mg/kgのところで出ていて、40mgのところでも有意差はないですけれども出ているというデータがあります。
それで、類似化合物のメラミンというのが一時期問題になって、それはメラミンとシアヌル酸が結合して石をつくって、それで腎障害を起こしたという話があるんですけれども、それと同様のことが起こって、それで腎障害が起こった可能性があるのではないかと考えております。
それで、尿中の結晶物の変化を無影響と取るのはまずくて、ここは少なくとも影響と取って、NOELは40とした方がよいのではないかと思います。
二監にするかどうかについては、皆様の御意見をお伺いしたいと思います。

○北野部会長 ありがとうございました。尿中の結晶物を毒性の影響と見るかどうかということですね。見るとすると、40になるんではないかという御意見ですが、先生方、いかがでしょう。

○前川委員 私も多少気にかかりまして、ただ、一番問題なのは、もし、そういう変化があるとすれば、例えば集合管でありますとか、膀胱の方に、それなりの変化があってもいいんではないかと、少なくともこのデータからはそういう変化が読み取れなかったものですから、私としては一応、それを無視をしたんですけれども、確かにおっしゃるとおり、問題ではあろうかとは思います。ちょっと悩んでいるところです。

○北野部会長 ほかの毒性の先生方、いかがでしょうか。
お願いします。

○吉田委員 申し上げます。私といたしましては、もし、そういう尿検査が出ましたら、今回は結構激しい腎障害が最高用量で出ておりますので、何らか組織でとらえてもいいのではないかと思いますが、そういうのがございませんので、私は、事務局案どおりでよろしいのではないかと思います。

○北野部会長 はっきり病理に出ていないということで、高木先生、いかがですか。よろしいですか。

○高木委員 はい。

○北野部会長 ほかの先生方、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、今までの議論を基に、事務局案どおりNOELは150ということにさせていただきます。
そうしますと、最終的な判定は7ページにあるとおり、染色体異常試験は陰性。反復投与のNOELが150であると、それからAmesが陰性ということから第二種監視化学物質相当ではないと判定させていただきます。ありがとうございます。
それでは、次に生態影響の審議に移りたいと思います。

○吉岡委員 生態影響の方で幾つかございます。最初に事務局の方にお尋ねしたいんですけれども、藻類生長阻害試験におきまして再計算されましたでしょうか。

○MOE事務局 はい。毒性値を再計算しておりまして、本日、お配りしています資料2-5の20ページにその結果とグラフを掲載しております。

○吉岡委員 ありがとうございました。私は海の向こうに住んでおりますので、郵便物が届かなかったものですから、これがなかったもので、それでお尋ねしたまでです。
もう二つ、ミジンコ急性遊泳阻害試験におきましては、48時間EC50がちょうど1,000となっております。これは、1,000以上の間違いではないかと思われた方もいらっしゃるでしょうが、1,000でも半分死んでいます。ですから、1,000です。
更に問題なんですが、ミジンコ繁殖阻害試験におきまして、NOECが32mg/Lとなっております。実は、親のLC50が9.6mg/Lです。したがって、親のLCの方が繁殖阻害のNOECよりもずっと低い値であるという特徴がございます。
これは、どうしてかと申しますと、死んでしまった親を除いて、生き残った親の子どもの繁殖能力だけを考えますので、もし、生き残った親が非常に元気であるならば、対象とはあまり違いがないという形になってしまって、変な形になります。
一般的な意味での繁殖阻害という考え方からしますと、親が相当死んでしまっているのに、何で差が出ないんだということが、ちょっと不思議であります。
できたら、直接判定には関わり合いがないのですけれども、親のLC50は9.6であったぐらいのところのコメントを入れていただきたいと思います。
以上です。

○北野部会長 ありがとうございました。そうすると、藻類については再計算してあるから、これでよろしいですね。ミジンコもぴったり1,000であると、あと、繁殖阻害ですが、面白いデータが出ていますけれども、いかがでしょうか。ほかの先生方。
メダカは、これでよろしいですか。

○吉岡委員 メダカは、いいです。

○北野部会長 ほかに御意見、いかがでしょうか。
そうしますと、それでは、生態影響の判定につきましては、8ページにありますように、最終的には第三種監視化学物質相当ではないという事務局案どおりとさせていただきます。
ありがとうございました。

○江馬座長 次に442につきまして、事務局から説明をお願いします。

○MHLW事務局 先ほどのイソシアヌル酸にちょっと戻っていただいて、尿中の結晶物の関係について、少し懸念があるということですので、何か文案はこちらで考えさせていただいて、備考か何かに残すということは、いかがでしょうか。

○北野部会長 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。尿中の結晶物が認められたということを備考に記述するということです。よろしいですね。
では、そのようにお願いします。

○MHLW事務局 これから御審議いただく2つの物質につきましては、実は先ほどの物質でもOECDのプログラム評価結果を使ったものがあるんですけれども、この2つの物質につきましては、すべての試験について、OECDの高生産量プログラムにおける評価結果を使って御審議いただきたいと考えている物質でございます。
これは、今後、改正化審法の下で既存知見を基に、既存化学物質についてスクリーニング評価を実施するという流れになってございまして、今後、既存文献あるいは国際的に評価されている評価書を使って、既存化学物質の評価をしていかないといけないということがございまして、その仕組みを検討する一環で、新たな試みということで審査にお諮りするものでございます。
OECDの毒性の考え方と化審法における考え方というのは、全くイコールかどうかというところは、今後、確認していかないといけないというところはあるかと存じておりますが、今回の2件につきましては、NOELとしても低い値ということで、事務局としては、評価書の結果をもって二監相当と判定できるのではないかということで、御審議いただきたいと思っております。

○MHLW事務局 それでは、資料に基づきまして、御説明させていただきます。
資料の9ページ、官報公示整理番号3-442につきまして御説明いたします。
名称、構造式等は記載のとおりでございます。分解性につきましては、難分解性、蓄積性につきましては、高濃縮性でないと既に審議いただいております。
こちらは、OECD高生産量プログラムによる初期評価文書によりますと、反復投与毒性試験につきましては、マウスの5週間反復投与毒性試験の結果、NOAELは50ppmとされております。
また、変異原性試験につきましては、Ames試験及び染色体異常試験、それぞれともに弱い陽性と評価されております。
以上から判定根拠といたしましては、OECD高生産量プログラムの初期評価によると、Ames試験及び染色体異常試験は弱い陽性であり、反復投与毒性試験におけるNOAELは50ppm、換算値にいたしますと、16mg/kg/dayであることから第二種監視化学物質相当とさせていただいております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○江馬座長 まず、構造の面からコメントをお願いします。

○西原委員 顔としては、あまり気持ちのいい顔のものではないです。毒性はあると思います。

○江馬座長 そのほか、よろしいでしょうか。
どうぞ。

○平塚委員 今、西原先生がおっしゃられたように、非常に気持ち悪い構造が出ていまして、ニトロのオルト位にクロルがあるということで、ここが非常に脱離性が高いので、アルキル化剤として作用するだろうと。ですから、弱いですけれども、Ames試験、陽性という結果かなと思っております。

○江馬座長 ありがとうございます。そのほか、よろしいでしょうか。よろしいようでしたら、Ames試験、染色体異常試験についてコメントをお願いします。

○能美委員 今、西原先生、平塚先生からお話がありましたように、Ames試験と染色体異常試験両方とも陽性という結果になっています。
今、事務局の方から、OECDの文書での基準と、それからこちらの化審法での基準と必ずしも一致しない場合があるかもしれないという話があったわけですけれども、この物質については、OECDの方では弱い陽性という表現を取っていまして、こちらの化審法の方では、弱い陽性という言葉はなくて、軽微な陽性、日本語が違うというだけではなくて、こちらの化審法の方では再現性がない、あるいは用量依存性に乏しい場合には軽微な陽性にするということなんです。
ですから、言ってみれば、なかなかやるたびに答えが違っているような場合には、こちらの化審法では軽微な陽性と判定しているわけですが、こちらのOECDの方では、恐らく多分高い用量でわずかしか異常が出ないというので、弱い陽性という言い方をしているんだと思います。
ですから、再現性はあるとか、あるいは用量依存性はあるんだけれども、高い用量でわずかしか毒性が出ないので弱い陽性という言い方をしているのかもしれないと思います。
ですので、日本語はよく似ているんですけれども、軽微な陽性と弱い陽性ということで、必ずしも言っている意味は同じではないと思います。
ですから、この物質については、こちらの化審法の基準でいきますと、ただの陽性という言い方になるかと思います。
ただ、文章として、人健康影響判定根拠のところに弱い陽性と書いてもよろしいかと思うんですが、ただ、今までの流れで言う、いわゆる軽微な陽性というのとは意味が違うということは、少し頭の中に入れておいた方がいいんではないかと思います。
ですから、最終的な二監相当云々というところに影響してくるかどうかというのは、場合、場合によると思うんですけれども、こちらのOECDの方で言っている強い、弱いというものと、こちらの化審法で言っている軽微なというものと、必ずしも同じではないので、その点は、注意が必要かなと思います。
あと、このOECDの文書だけから読むと、いわゆる化審法で言っている再現性がないとかということは、なかなか読み取れないんです。生のデータが出てくるわけではありませんから、ですから、なかなかOECDのプログラムの文書だけから、いわゆる化審法で言う軽微な陽性というものに分類するような物質が出てくるのは、なかなか難しいかなということです。
ですから、出ていくものとして陽性あるいはもっと強い陽性、そういうものが出てくると思うんです。大概の場合については問題ないと思いますけれども、ものによってそういうOECDが使っている言葉と、こちらの判断基準が少し違っている場合があるので、そこは注意があるかなと思います。今回については、これで、事務局案のとおりでよろしいかと思います。
以上です。

○江馬座長 ありがとうございました。OECDの文書では、必ずしも今、御指摘のように遺伝毒性について詳しく軽微な陽性とか、そういう表現はされていません。
それから、文書ですが、一番詳しいのはSIDSで、それに全部データが出ているはずなので、そこまで行けば個別データが拾えるかもわかりません。SIARでは、信頼性の高いデータの、いわゆる学術論文の結果みたいなようなことを書くところですので、Dossierまで専門の先生方には渡されるのがいいかと思います。

○能美委員 全部そこまでしていただかなくても、非常にそういう判定で二監相当になるとか、ならないという場合に、やはりそこまで行くという形にしていただいた方が、私も非常に助かります。

○江馬座長 その辺は、各専門家の先生の要請に従って処理していただけたらと思いますが、そのほか、よろしいでしょうか。
反復投与試験、それからこの次のページのその他の毒性についてコメントをお願いします。

○西川委員 スキップしたので、また元に戻りますけれども、B6C3F1マウスを用いて5週間の混餌投与試験が実施されています。用量は50、500、5,000ppmです。所見としましては、中用量の500ppmの雌雄で肝臓を標的とする毒性影響が見られております。肝の小葉中心性肝細胞肥大とか、コレステロールの増加とか、肝酵素活性の増加というのが見られておりますので、NOAELは50ppm、雄で16mg/kg/day、雌で24ですから、雄の方を取って16mg/kg/dayという事務局案で結構です。
回復性については、検討されておりません。
以上です。

○江馬座長 ありがとうございます。毒性について、そのほかよろしいでしょうか。生殖発生はよろしいでしょうか。
どうぞ。

○長尾委員 10ページのボックスの中の発生毒性のところですけれども、発生毒性のNOAELdevelopment、決定できずというところの次の括弧のところ、骨格異常、確かに異常で間違いではないんですが、この記載ではバリエーションになっていますから、やはり正確に変異と書かれた方がいいかなと。
ここで言う変異というのは、頸肋骨とか腰肋骨、この頻度が上昇したということなんですが、通常、これらの頻度が上昇すると、催奇形性の指標の1つになるということで心配するんですが、追加試験を別の施設で実施しており、より高い用量で、そういう傾向は認められなかったということで、ここで書かれている評価の仕方でいいかなと、いずれにしても、評価書評価ですので、どうしても通常とは違って、ある程度評価があいまいになるという傾向はあるかもしれませんが、再現性試験をやって確認されているので、これでいいかなと思っております。

○江馬座長 そのほか、毒性につきましてコメントがございますか。
どうぞ。

○吉田委員 この剤は、ニトロベンゼンということで、ベンゼンと類似したような毒性が出ておりまして、OECDのレポートによりますと、やはりちゃんとメトヘモグロビンというようなことがありますので、やはり毒性のプロファイルが特徴的なものはやはり述べておかれるのがよいのではないかというように思っております。
この点が1点と、あと10ページでございますが、ラットで多臓器にと書いてあるんですが、私がいただいた報告書、これは数字がわからないのですけれども、low dose onlyと書いてありますので、恐らくラットについては発がん性が、この試験においてはあったのでしょうか。もう一度きちんとした発がん性試験を拝見してから、この表現をもう一回確認させていただきたいと思っております。
以上です。

○江馬座長 ありがとうございます。毒性のプロファイルがわかるような所見を記載するということで、後で事務局は吉田先生と相談して作成をお願いします。そのほか、よろしいでしょうか。

○前川委員 今の確認もさることながら、もし、それできちんとした確認ができれば、やはり人の判定根拠のところにNOELは50ppmで、発がん性もあることからということを、やはり推定根拠のところに書くべきであろうというように思いますが。

○江馬座長 そのほか、よろしいでしょうか。
どうぞ。

○青木委員 ちょっと細かいことですが、シートの方にマウスとラットのstrainがそれぞれ記入していないので、従来のルールからすれば、実際に原典に戻れば、簡単に見られますので、書いていただいた方がよろしいんではないかと思います。

○江馬座長 記載できるようでしたら、記載の追加をお願いします。
そのほか、よろしいでしょうか。発がん性についても判定根拠のところに確認してから記載するということで、よろしいでしょうか。
よろしいようでしたら、判定は事務局案どおり、第二種監視化学物質相当とさせていただきます。
どうもありがとうございました。

○中杉委員長 続きまして、2-163です。お願いいたします。

○MHLW事務局 審査シート11ページ、官報公示整理番号2-163について御説明いたします。
名称、構造式等につきましては、記載のとおりです。
分解性につきましては、難分解性、蓄積性につきましては、高濃縮性でないと既に審議いただいております。
反復投与でございますが、マウスにおける90日間反復投与毒性試験におきまして、NOAELを600ppmと評価されております。
また、変異原性試験につきましては、Ames試験は陽性。小核試験につきましては陰性と評価されております。
判定根拠といたしましては、OECD/HPVプログラムの初期評価によると、Ames試験は陽性であり、90日間反復投与毒性試験におけるNOAELは92mg/kg/dayであることから第二種監視化学物質相当とさせていただいております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○中杉委員長 それでは、まず、構造からコメントをお願いいたします。

○西原委員 ポリアミンみたいな感じなんですけれども、そういう意味では、DNAといいますか、そういったものにくっつく可能性はあります。

○中杉委員長 ありがとうございました。ほかは、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、変異原性試験の結果について、コメントをお願いいたします。

○能美委員 Ames試験では陽性ということで、S9がなくても陽性という結果で、そうなのかと思うんですが、ここには染色体異常の試験の結果というのが、このOECDの文書にはないんですけれども、チャイニーズハムスター、哺乳類の細胞を使った遺伝子突然変異の試験の結果は記載されておりまして、それもやはり陽性という結果が出ております。
in vivoの小核試験は陰性ということで、この評価書の中に、OECDの方ではin vivo試験では変異原性はないので、遺伝毒性を推定する根拠はないと結論しているんですが、これもちょっと言い過ぎのようなところで、小核試験というのは、骨髄あるいは血液での遺伝毒性を調べますので、例えば肝臓ですとか、胃などでの影響というのは、なかなか見えないというところがあるんです。ですから、ちょっとin vivoでの影響については、まだよくわからないというところです。
いずれにせよ、化審法上で問題になるのは、Amesでの結果がどうかということですので、ここに書いてあるように、Amesが陽性ということで評価の方に使っていただければよいのではないかと考えます。ですので、この文章のとおりで結構かと思います。
以上です。

○中杉委員長 ありがとうございました。ほかにございませんか。
それでは、反復投与毒性試験、その他の毒性に関してのコメントをお願いします。

○吉田委員 申し上げます。今回のOECDのプログラムで、審査シートから大きく外れたものではございませんが、drinking waterで投与されています。あと、投与期間が90日という長い期間になっております。
見られた変化は、ここにほぼ記載されたとおりですが、ただ、ラットにつきましては、ここの評価結果ということですが、ちょっとイレギュラーなコントロールの設定をしておりますので、若干評価が正式なものというか、今までのようなガイドラインに準拠したものというものとは少し難しいのかもしれません。ただ、マウスの方でいろいろな組織学的変化も含め、変化が出ております。これらを設定根拠にNOELが92ですから、600ppmがNOAELということになっております。この表現はNOAELでよろしいんでしょうか。その辺りが私にはわかりませんでしたけれども、特にこの審査シートに付け加えることはございません。
以上です。

○中杉委員長 ほかにいかがでしょうか。
どうぞ。

○高木委員 今、おっしゃったように、この剤が銅のキレート作用があるということで、コントロール群に銅の欠乏食を当てていって、それはラットとマウスに両方に当てているということですので、検体投与によって銅の欠乏が起こって影響が出たものは、コントロールは基から銅が少ないので、相対的に影響が見えにくくなっている可能性があると思います。
したがって、本当のNOAELは92ではなくて、恐らくもっと低いところになる可能性があるのではないかと思います。
以上です。

○中杉委員長 いかがでしょうか。
どうぞ。

○吉田委員 もし、高木先生がおっしゃるように、そういうことが本当にあるならば、先ほど江馬先生がおっしゃったように、もう少し詳細な数字データまで戻れるならば、それはきちんと確認をしておいた方がいいのではないかと思うんですけれども、その必要がなければ、もうよろしいんですけれども、私は、その数字データは確認しておりませんので、以上です。

○中杉委員長 結論的には、二監相当という結論は変わらないと思うんですが、そこら辺のところ、新しいやり方を、先ほど厚生労働省の方から言われましたが、そのやり方についていろいろ議論が出てきているようですが、もう少し詳細な情報を見せてくださいという御要望ですが、これは先生方に見ていただいて、少し審査シートの記載を修正する必要があれば修正するということにさせていただければ、いかがでしょうか。
それから、先ほど吉田先生の方からNOAELでいいのかという問題提起がなされましたけれども、毒性の先生方、いかがでしょうか。

○江馬座長 吉田先生がおっしゃったのは、表記がおかしいということですか。

○吉田委員 今までは28日間、結構短い試験のものだったので、NOELという表現をここの審査シートでは使っていらしたので、今回は、この表現でいいのですという御説明がいただければということだけです。

○江馬座長 多分、OECDのHPVプログラムは、NOAEL表示ですることが多いので、そのままの表示になっているんだと思います。
事務局で、後で確認してください。

○中杉委員長 どうぞ。

○MHLW事務局 1つよろしいでしょうか。詳細なデータにつきましては、OECDのHPVプログラムの評価書で、個別の文献の引用はあるんですけれども、いつも国の既存点検で得られるようなデータまでさかのぼれるかどうかというのは、試験次第のところがございますので、そこは確認させていただいて、元のデータが入手できるようであれば、相談させていただきたいと思います。

○中杉委員長 現実問題として、どこまでという話がありますけれども、事務局の方で先生方と御相談をいただいて、できる限り詳細なデータを提供して御判断をいただくようにしてください。
よろしいでしょうか。
どうぞ。

○江馬座長 12ページの母胎毒性の「胎」の字、肺毒性の「肺」の字が違いますので、後で修正をしておいてください。

○中杉委員長 一番上の行ですね。

○江馬座長 はい。

○中杉委員長 よろしいでしょうか。それでは、ほかにございませんでしょうか。
それでは、この物質についても判定としては事務局案どおりとさせていただきます。

○北野部会長 では、次の物質、3-407について説明をお願いします。

○MOE事務局 審査シート13ページをごらんください。名称は4-クロロ-2-ニトロアニリンでございます。
本物質につきまして、3種の生態影響試験を実施しております。結果は、記載のとおりでございます。
生態影響判定根拠でございますが、藻類生長阻害試験において72時間EC50が8.5mg/L、72時間NOECが2.1mg/L、魚類急性毒性試験において96LC50が17mg/Lであるが、芳香族アミンを構造中に有し、かつミジンコ急性遊泳阻害試験において48時間EC50が4.2mg/Lであることから、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○北野部会長 ありがとうございました。この物質について、構造上の知見はありますでしょうか。特によろしいですか。

○平塚委員 構造の記載なんですが、ニトロの記載が誤りだと思いますので、NO2で行うか、1つの酸素は配位結合で矢印にするか、統一された方がよろしいんではないですか。

○北野部会長 NO2でいいと思いますけれども、そうですね。おっしゃるとおりですね。
ほかはいいですか。
それでは、生態毒性の審議に移りたいと思います。

○吉岡委員 生態毒性の3種類の試験とも試験法及びその結果とも問題ないと思います。
また、構造から見て、これが芳香族アミンであることは確実ですので、事務局の提案どおりでよろしいかと思います。
以上です。

○北野部会長 ほかに先生方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
そうしますと、14ページの生態影響判定根拠、この文案どおりということでよろしいですね。

(「はい」と声あり)

○北野部会長 では、第三種監視化学物質相当とさせていただきます。ありがとうございました。

○江馬座長 920について、事務局から説明をお願いします。

○MOE事務局 審査シート15ページでございます。
名称、構造式は記載のとおりでございます。本物質につきましても、3種の生態影響試験を実施しておりまして、結果は記載のとおりでございます。
生態影響判定根拠でございますが、魚類急性毒性試験において溶解限度で影響が認められないが、藻類生長阻害試験において72時間EC50が0.046mg/L、72時間NOECが0.0014mg/L、ミジンコ急性遊泳阻害試験において48EC50が0.016mg/Lであることから第三種監視化学物質相当とさせていただいております。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○江馬座長 まず、構造からコメントをお願いいたします。

○西原委員 特にございません。

○江馬座長 ありがとうございます。そのほか、よろしいでしょうか。生態毒性についてコメントをお願いします。

○吉岡委員 この試験におきましては、例えば藻類に対する吸着、魚類に対しては魚類に対する吸着ということを問題にいたしまして、生物を入れないところの容器でもって濃度というものを表記しております。
それで、濃度というものが吸着した場合に、その外環境の濃度を使うのか、それとも設定濃度の形で使うのかというところが解釈上としては問題になってくるかと思います。
しかしながら、この物質につきましては、当化審法におきます基準からは、非常に低い値という毒性値が得られておりますので、生態影響の判定根拠としては、事務局の提案どおりでよろしいかと思います。
以上です。

○江馬座長 ありがとうございました。そのほか、よろしいでしょうか。よろしいようでしたら、事務局案どおりとさせていただきます。どうもありがとうございます。

○中杉委員長 続きまして、3-2230です。御説明をお願いします。

○MOE事務局 審査シート17ページでございます。
名称、構造式は記載のとおりでございます。本物質につきまして、3種の生態影響試験を実施しておりまして、結果は記載のとおりでございます。
ページをおめくりいただきまして、生態影響判定根拠でございますが、藻類生長阻害試験において、72時間EC50が0.34mg/L、72時間NOECが0.067mg/L、ミジンコ急性遊泳阻害試験において48時間EC50が0.33mg/L、魚類急性毒性試験において96時間LC50が2.1mg/Lであることから第三種監視化学物質相当とさせていただいております。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○中杉委員長 それでは、構造からコメントをお願いいたします。

○西原委員 特にないんですけれども、分解性が難分解になっておりますけれども、究極的には分解するでしょうと、それしかないです。

○中杉委員長 ありがとうございました。それでは、生態毒性試験についてのコメントをお願いします。

○吉岡委員 この物質は、揮発性でございまして、藻類生長阻害試験は密閉系で、その他のところは24時間ごとの換水で行われております。
問題になりますのは、濃度低下が非常に著しい部分があるということでございます。
例えて言いますと、藻類生長阻害試験におきましては、0~24時間の間に大体0.6%くらいのレベルまで下がってしまうというようなレベルでございます。
これは、どうしようもなくて、問題となりますのは、そういう濃度が下がるところで、時間加重平均を取ってやると、どうしても見かけの毒性が高く出るということであります。
ECOSAR等で推定した値を見てみますと、大体1~3ppmくらいのところの予測値を出してまいります。それから言いますと、少し低い値が実測値としては得られてきているという条件でございます。
しかしながら、現在の化審法の試験条件におきましては、ある程度仕方のないところがございまして、この値をそのまま採用するほかに方法はないかと思います。
したがいまして、事務局の御提案どおりで、よろしいかと思います。
以上です。

○中杉委員長 ほかにいかがでしょうか。こういう物質については、リスク評価の暴露評価の観点も併せて考えると、もう少し考えようがあるのかなと。化管法の対象物質を選定するときには、揮発性の高いものについて、水生生物への影響からという話では全体を考慮しないというふうな考え方をしたということもありますので、今後の課題かなというふうに思いますけれども、今のルールから行くと、淡々と三監相当ということでございます。
よろしいでしょうか。
それでは、事務局案どおりの判定とさせていただきます。

○北野部会長 次は、3-2232です。では、お願いします。

○MOE事務局 審査シート19ページでございます。
名称、構造式は記載のとおりでございます。
本物質につきまして、3種の生態影響試験を実施しておりまして、結果は記載のとおりとなっております。
生態影響判定根拠でございますが、藻類生長阻害試験において72時間EC50が8.2mg/L、72時間NOECが0.093mg/L、魚類急性毒性試験において96時間LC50が13mg/Lであるが、ミジンコ急性遊泳阻害試験において48時間EC50が0.87mg/Lであることから第三種監視化学物質相当とさせていただいております。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○北野部会長 ありがとうございました。この物質について、構造上の知見はありますでしょうか。

○西原委員 特にございません。

○北野部会長 ありがとうございます。それでは、生態影響の審議に移りたいと思います。いかがでしょうか。

○吉岡委員 試験方法、試験結果とも問題ないと思います。事務局にお願いしたいのは、今まで溶解度が出てきた場合に、備考の欄のところに、それらの値が書かれていたと思います。
藻類生長阻害試験においては、溶解度が70、ミジンコでは87、それから魚類では81という値が報告書の中には出てくると思います。それらを記載していただけたらと思います。
判定といたしましては、事務局の提案どおりでよろしいかと思います。
以上です。

○北野部会長 ありがとうございます。溶解度を記入しておいてください。

○MOE事務局 了解しました。

○北野部会長 ほかに先生方、いかがでしょうか。
ないようですので、この物質につきましても事務局案どおり、20ページの記載内容で第三種監視化学物質相当とさせていただきます。ありがとうございました。

○江馬座長 2-28について事務局から説明をお願いします。

○MOE事務局 審査シート21ページでございます。
名称、構造式は記載のとおりでございまして、本物質につきまして、3種の生態影響試験を実施しております。結果は、記載のとおりです。
生態影響判定根拠でございますが、藻類生長阻害試験において72時間EC50が4.7mg/Lを上回り、72時間NOECが1.7mg/L、ミジンコ急性遊泳阻害試験において、48時間EC50が4.2mg/Lであるが、魚類急性毒性試験において96時間LC50が2.6mg/Lであることから、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○江馬座長 構造からコメントをお願いします。

○西原委員 特にございません。

○江馬座長 ありがとうございます。そのほか、よろしいでしょうか。
生態毒性についてコメントをお願いします。

○吉岡委員 揮発性の関係がございますが、仕方がなく、試験法、試験結果とも問題はないと思っております。したがいまして、事務局の御提案どおりでよろしいかと思います。
以上です。

○江馬座長 ありがとうございました。そのほか、よろしいでしょうか。
よろしいようでしたら、2-28も事務局案どおりの判定とします。どうもありがとうございました。

○中杉委員長 続きまして、2-164です。御説明をお願いします。

○MOE事務局 審査シート23ページ、名称、構造式は記載のとおりでございます。
本物質につきまして、3種の生態影響試験を実施しております。結果は記載のとおりでございます。
生態影響判定根拠は、魚類急性毒性試験において96時間LC50が210mg/Lであるが、藻類生長阻害試験において72時間EC50が0.42mg/L、72時間NOECが0.072mg/Lであり、脂肪族アミンを構造中に有し、かつミジンコ急性遊泳阻害試験において48時間EC50が8.0mg/Lであることから、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○中杉委員長 それでは、構造からコメントをお願いいたします。

○西原委員 この物質は、11ページの物質にエチレンアミンのユニットが2つ更に加わったもので、生態影響に関しては、ちょっとわかりませんけれども、健康影響に関しては、同じようなものが出てくる可能性がある。ただ、吸収性はちょっと悪いと思います。
以上です。

○中杉委員長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、生態影響試験の結果についてコメントをお願いいたします。

○吉岡委員 藻類生長阻害試験におけます72時間EC50値が0.42という値を出しております。これは、暴露開始時の濃度に既存して計算された値でありますけれども、もし、これを時間加重平均にいたしますと、EC50値は0.25という値になります。その分だけ消えていくということになります。
あと、ちょっとわからなかったのは、これは純度換算を行っておりますが、過塩素酸が中に入っておるので、何で入っているのか、私は全然わかりませんけれども、それによって酸性が強くなったので、pHが後で問題になってまいります。
それは、ミジンコ急性遊泳阻害試験とか、あるいは魚類急性毒性試験では濃度が高いですから、pH調整をしないと、正しい値が求まらないということで、pH調整をした試験液を使って行っております。試験結果とも特に問題はないと思います。
したがいまして、判定といたしましては、事務局の提案どおりでよろしいかと思います。
以上です。

○中杉委員長 いかがでしょうか、そのほか御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
ほかに御意見がないようでしたら、この物質についても判定は事務局案どおりとさせていただきます。

○北野部会長 次の物質、3-4392について説明をお願いします。

○MOE事務局 審査シート25ページでございます。名称、構造式は記載のとおりでございます。
本物質につきましては、人健康影響に関しまして、平成14年2月14日付で第二種監視化学物質として告示済みでございます。
生態影響につきましては、3種の試験が化審法に基づく有害性情報として報告がございました。
結果は記載のとおりでございますが、ミジンコ急性遊泳阻害試験の実測濃度、毒性値につきまして、指数の部分が上付きになっておりませんので、こちらを修正させていただきたいと考えております。
生態影響判定根拠でございますが、藻類生長阻害試験において、72時間NOECが0.27mg/Lであるが、72時間EC50が0.39mg/Lであり、ミジンコ急性遊泳阻害試験において48時間EC50が5.4か×10-4mg/L。魚類急性毒性試験において96時間LC50が0.15mg/Lであることから、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○北野部会長 ありがとうございました。この物質について、構造上、いかがでしょうか。

○西原委員 特にないんですけれども、ただ、既に審議済みで第二種監視化学物質ということなので、どんな毒性だったのかちょっと覚えていないです。

○北野部会長 よろしいですか。それでは、生態毒性について御審議をお願いします。

○吉岡委員 ミジンコ急性遊泳阻害試験でおわかりのように、非常に強い毒性を持っています。ただし、濃度そのものは推定値でございますので、この濃度が正しいということまでは断定はできません。
しかしながら、化審法で審査する上において、毒性が強いという意味においては問題ないかと思います。
したがいまして、事務局の御提案どおりでよろしいかと思います。
以上です。

○北野部会長 実測濃度と書いてあって、括弧して推定値というのは、どう違うんですか。

○吉岡委員 下の方は検出限界を下回っております。ですから、比例計算をやったという形になります。

○北野部会長 わかりました。ほかにいかがでしょうか。お願いします。

○平塚委員 確認なんですが、構造でホウ素の隣のアミンがNH2になっているんですが、これを確認していただきたいと思います。NHなのかどうかということです。あるいはホウ素が3価になっていますので、実はこのボンドがシングルボンドという形ではなくて結合している、その辺についてお願いします。

○北野部会長 事務局、よろしいでしょうか。NHではないか、またはホウ素のところが二重結合になるんですね。

○平塚委員 プラスマイナス。

○北野部会長 プラスマイナスして、ちょっと構造を確認してください。

○MOE事務局 確認の上、修正が必要であれば、させていただきたいと思います。

○北野部会長 お願いします。判定については、第三種ということでよろしいでしょうか。
それでは、この物質につきましても、事務局案どおり第三種監視化学物質とさせていただきます。
以上です。

○江馬座長 第一部の最後に事務局から何かございましたら、お願いします。

○MHLW事務局 特にございません。

○江馬座長 それでは、本日の審議会の第一部は、これで終了します。休憩をとりまして、10分でいいですか。

○MHLW事務局 15分ほどで、3時5分くらいでいかがでしょうか。

○江馬座長 3時5分から第二部の新規化学物質等の審議を開始します。
第二部は非公開とさせていただきますので、傍聴の方は退室をいただきますようにお願いします。
どうもありがとうございました。

(休憩)