第58回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会議事録

1.日時

平成18年7月4日(火)10:00~11:00

2.場所

経済産業省別館10階1014号会議室

3.出席者( 五十音順、 敬称略)

中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会委員

池田 正之   日下 幸則   白石 寛明
田辺 信介   中杉 修身(委員長)   米元 純三
若林 明子    

事務局

環境省    森下化学物質審査室長   他

4.議題

(1)
2-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ブチルフェノールの今後の対策について
(2)
その他

5.議事

○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、第58回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会を開催したいと思います。
  開会に先立ちまして、夏季の軽装のお願いについて申し上げます。
  地球温暖化防止、省エネルギーに資するため、政府全体として、現在、クールビズ、夏季の軽装ということで取り組んでいるところでございます。これを踏まえまして、本日、事務局の方は軽装で対応させていただいております。委員の方々、それから傍聴者の皆様方におかれましても、軽装に御理解、御協力のほど、よろしくお願いいたします。
  本日は、開催に必要な定足数を満たしており、本小委員会は成立していることを御報告いたします。
  審議に入ります前に、お手元にお配りした資料の確認を行いたいと思います。
  まず、議事次第1枚に続きまして、資料の1、本小委員会の委員名簿でございます。それから、資料の2といたしまして、「化学物質審査規制法に基づく第一種特定化学物質が使用されている製品の輸入の禁止について(報告)<案>」でございます。資料の3といたしまして、「2-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ブチルフェノールの今後の対策について(案)」ということでございます。
  それから、参考資料になります。
  参考資料の1としまして、諮問の文書1枚紙でございます。それから、参考資料の2としまして、ちょっと名前が長いので省略させていただきますけれども、この当該物質についてという資料でございます。それから、参考資料の3といたしまして、当該物質の分解性、蓄積性及び人への長期毒性等についてという資料。それから、参考資料の4、1枚紙でございますが、第一種特定化学物質の表。参考資料の5としまして、第一種監視化学物質の表。参考資料の6といたしまして、第一種特定化学物質が使用されている場合に輸入することができない製品の表。最後に、参考資料7としまして、縦書きになっておりますけれども、化学物質審査規制法の関係規定の抜粋でございます。
  もし資料に過不足等ございましたら、事務局の方にお申し出ください。
  それでは、議事進行の方を中杉委員長によろしくお願いいたします。

○中杉委員長 よろしくお願いいたします。
  クールビズで軽装しているとものの見事に冷房で風邪を引きまして、こんな声で申しわけありませんけれども、御勘弁願いたいと思います。
  初めに、本日の小委員会の公開の是非についてでございますけれども、「中央環境審議会環境保健部会の小委員会及び専門委員会の運営方針について」により、小委員会及び専門委員会は、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、または特定者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがある場合には非公開とし、それ以外の場合には公開するものとするとされております。また、公開また非公開の扱いにつきましては、当該小委員長または専門委員長が決めるものとされています。
  本日の化学物質審査小委員会は、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、または特定者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがある場合には該当しないと考えますので、公開したいと思いますが、いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
  ありがとうございました。
  それでは、公開で開かせていただくことにします。
  なお、公開の小委員会につきましては、議事録も公開になりますので、御承知おきください。
  それでは、議題に入りまして、議題の1の物質名が長いので、事務局と同じように省略させていただきますけれども、今後の対策についてということで、事務局から資料の御説明をお願いいたします。

○事務局 御説明させていただきます。
  まず、ちょっと順序が逆になりますけれども、参考資料の方から背景的なお話をさせていただきます。
  参考資料の1を御覧いただけますでしょうか。
  これが、本日、小委員会を開催いただくまさに背景でございます。本年6月26日付けで環境大臣から中央環境審議会会長あてに以下の諮問がなされております。
  諮問の内容といたしましては、化学物質審査規制法第13条第1項の政令の改正について貴審議会の意見を求めるということでございまして、諮問の理由といたしまして、化学物質審査規制法におきましては、第一種特定化学物質について、法第13条第1項の規定に基づきまして第一種特定化学物質が使用されているものであって政令で定める製品について輸入を禁じているという措置がございます。今回、このベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤でございますけれども、この物質につきましては、本年1月の審議会におきましてこの物質を第一種特定化学物質として指定することが適当であるという旨の結論をいただいているところでございます。
  今般、ではこの物質が含まれる製品で輸入を禁止するものはないのかどうかということにつきまして、改めまして審議会の御意見を伺っているところでございます。
  この諮問を受けまして、その裏面になりますけれども、同日付で、鈴木中央環境審議会長より佐藤環境保健部会長あてにこの物質に係る審議を環境保健部会の方で行うようにということで付議がおりております。
  こうしたことから、今回、この小委員会を開催することになったわけでございます。
  続きまして、参考資料の2でございます。この物質について若干御説明を申し上げます。
  1枚お開きいただきまして、1ページになります。
  この物質に関します判定結果の概要ということでございまして、この物質につきましては、まず1点目、分解性という観点からは難分解性であるということが既に平成9年の時点で判明しておりました。
  それから、蓄積性に関しましても、魚介類の体内における濃縮度試験において非常に高濃縮性を示すということで、蓄積性も高いということが、これも平成10年の判定部会において判明しておりました。
  このことを受けまして、平成15年の改正化審法に基づきまして、平成16年の9月にこの物質については、難分解性かつ高濃縮性ということで第一種監視化学物質に指定されていたところでございますけれども、今般、その長期毒性に関する情報がわかってまいりまして、本年の1月になりますけれども、3番目、長期毒性の疑いありということでございます。主として肝臓に対する軽微とは言い難い毒性影響が認められており、ラットの52週間経口投与毒性試験におけるNOELが0.1mg/kg/dayであったということでございまして、長期毒性があるものと考えられるという結論をいただいたところでございます。
  したがいまして、この物質については第一種特定化学物質相当であるということでございます。
  それから、その次の2ページになりますけれども、この物質の製造・輸入の状況について若干御説明いたします。
  2ページの下の方に製造・輸入量の情報がございます。この物質、平成14年、15年と主に国内で二百数十トン程度製造されておりまして、輸入はごくわずかということになっておりましたが、平成16年の9月にこの物質が第一種監視化学物質に指定されたことを受けまして、事業者の方も、なるべくこれは他の物質に切りかえていこう、そういう動きが出てきまして、年々製造量は減ってきているという状況であります。
  なお、国内出荷量、一番右の欄を見ていただきますとわかるとおり、実際に日本でつくられたもののうちかなりの部分は輸出されているという状況でありまして、国内の流通量は14年、15年、16年の数字で30トン弱ということになっております。
  続きまして、参考資料の3になりますけれども、これは本年の1月にまさに当小委員会で御議論いただきまして、報告をいただいたこの物質に関する有害性情報調査報告書になっております。詳細な説明は割愛させていただきます。
  参考資料の4、5でございますが、参考資料の4が現在指定されております第一種特定化学物質でございます。
  ここにありますとおり、15の物質について第一種特定化学物質ということで指定をされております。もしこの物質が指定されるということになりますと16番目の第一種特定化学物質ということになろうかと思います。
  参考資料の5でございますが、これは第一種監視化学物質、毒性については明らかでないものの難分解かつ高濃縮性があるという物質でございますけれども、それが現在25物質挙げられておりまして、その17番目にこの当該物質が今リストアップされております。
  今回、政令で第一種特定化学物質に指定ということになりますと、指定替えといいますか、この監視化学物質のリストからはこの物質を削除して第一種特定化学物質に新たに加える、そういう作業になろうかと思います。
  あと参考資料の6でございますけれども、これが、第一種特定化学物質のうちそれが使用されている場合に輸入することができない製品として現在政令で定められているものでございます。御覧いただきますとわかるとおり、すべての第一種特定化学物質について製品が指定されているわけではございませんで、実際に、物質によっては国際的に廃絶という方向に進んでいていかなる製品にも使われていないといったようなものもありますので、実際にこういう製品に使われているという実例があったものについてこのような格好で指定をさせていただいているところでございます。
  以上、参考資料を先に説明させていただきましたが、続きまして本体資料の方に移らせていただきます。
  済みません、これも順序が逆になりますが、資料の3を御覧いただけますでしょうか。
  資料の3がこの当該物質の今後の対策について(案)ということでありまして、実際にこの審議会の方でいただく報告の本体ということになろうかと思います。
  資料の3を順に御説明いたします。
  まず1ページでございますけれども、先ほど申し上げたような検討の経緯ということに続きまして、2としまして第一種特定化学物質指定に伴う今後の具体的措置についてということで書かせていただいております。
  まず1点目、製造の規制についてです。
  化学物質審査規制法上、第一種特定化学物質に指定されますと、その物質の製造、それから輸入が事実上の禁止、より正確に言いますと許可制ということになります。
  まず1番目で申し上げておりますのは、現時点では製造の許可を必要とする事態はあるかということでございますが、これにつきましては、既に国内製造者は、この物質が第一種特定化学物質相当であるという結論が出たことを踏まえましてもう今後製造を行いませんという意向を示しております。したがいまして、化審法に基づきまして製造の許可を必要とするような事態は見込まれないものと考えられます。
  それから、2番目としまして輸入の規制でございます。やはりこれも同様に、そもそも輸入自体はごくわずかな量であったわけでございますけれども、これも、この物質が第一種特定化学物質相当であるという結論が出たことを踏まえまして輸入者は今後輸入を行わないという意向を示しておりますので、現時点で輸入の許可を必要とするような事態は見込まれておりません。
  3番目、2ページになりますけれども、この物質が使用されている場合に輸入することができない製品の指定について、ここのところが本日御議論いただく一番中心となるところでございます。この製品の指定に関しましては、政令指定の考え方というものがございます。2ページの中ほどから書かせてもらっているところなのですけれども、この考え方につきましては、従来から、先ほど御覧いただきました輸入禁止の製品のリストがございますが、こうした過去の製品の指定に当たってこういう考え方でやってきておりましたという、そういうものでございます。大きく二つの観点がございます。
  まず一つ目としましては、国内に輸入されるおそれがあるかどうかという観点でございます。
  具体的には、例えば国内で過去10年間につくられていたかどうか、それから、海外においてやっぱり過去10年間につくられていたかどうかというようなことを確認をいたしまして国内に輸入されるおそれがあるかどうかということを確認をするということでございます。
  それから、二つ目の観点といたしましては、これは3ページになりますけれども、輸入を制限しない場合に環境を汚染するおそれがあるかどうかということでございます。
  具体的には、例えばその製品の使用が環境へ直接放出される形態をとること、あるいは、使用から廃棄に至る間の管理体制が確立されていないこと、あるいは、廃棄が適切に行い得るような制度的な担保がなされていない、そういったような場合には環境の汚染のおそれがありということで判断をするということになってございます。
  ただ、ここのところは実際には非常に安全サイドに立った判断をこれまではしておりまして、例えば(イ)の使用から廃棄に至る間の管理体制が確立されているかどうかということなのですけれども、例えば一般消費者が利用するようなものに使われている場合には、そこは厳密な管理体制というものを100%望むことはできないのではないかというようなことで、かなり安全面に立って判断をするでありますとか、(ウ)の廃棄が適切に行い得るよう制度的な担保という話につきましても、法制的な観点からは廃棄物処理法という法律はあるのですけれども、果たしてそれで本当に100%環境中に出ないのかということを言われると、そこはどうなのかよくわからない。よくわからない場合は、これはもう環境汚染のおそれありと判断するしかないのではないかというようなことで、かなり安全サイドに立った判断をこれまでからしてきておるところでございます。
  3ページの(2)でございますけれども、ここの部分が実質的な結論となるようなところでございます。
  輸入規制製品の指定に関しましては、実際に8品目、この8品目を指定しまして輸入を制限することが必要であると考えられるというふうにしておりまして、プラスチック樹脂成型品、特殊合板、ワックス、塗料、接着剤、印刷・感光材料、シーリング剤・補修剤、芳香剤という全部で8項目でございますけれども、これについて輸入を制限することが必要なのではないかということを書かせていただいております。この詳細につきましては別紙1ということで8ページに別紙をそのまま並べてつけておりますので、8ページの方をまず御覧をいただけますでしょうか。
  今回、この物質が使われている製品の製造・輸入の実態について、厚生労働省、経済産業省、環境省、化審法担当の3省でさまざまな調査を行いました。
  まず、(1)、(2)が国内の状況に関する調査の結果でございます。
  (1)で当該物質の用途ということでございますけれども、この物質は紫外線吸収効果を持つということでございまして、さまざまな樹脂にごく微量、0.02%から2%程度添加されているという実態が明らかになりました。これらの樹脂をさらに成型加工しまして、用途に、建材、自動車部品等のプラスチック樹脂成型品が製造されます。また、このプラスチック樹脂成型品以外にも、例えば印刷・感光材料でありますとか塗料といった製品にも使用されているということが明らかになりました。いずれにつきましても、紫外線吸収の効果を期待して入れているということでございまして、すべての塗料あるいは印刷・感光材料に入っているというものではございません。ある種、特殊なものに入っているという、そういう理解でよろしいかと思います。
  そういったようなことで、国内における当該物質の用途、実際にこれが使用されている製品としまして全部で11の物質がリストアップされました。
  続きまして、(2)が使用製品の製造の状況でございます。
  めくっていただきまして、9ページの方に表で示させていただいております。
  先ほど申し上げましたが、この物質自体の国内供給量は大体30トン弱ということでございます。それがどのような用途に使われているかということを見ていきますと、プラスチック樹脂成型品、樹脂に練り込まれてそれがいろいろな成型品になっていくという用途が7割以上ということでございます。その他、印刷・感光材料、塗料、接着剤、その他等に若干量使われているという実態が明らかになりました。
  なお、ここでその他の用途としましては、例えば防水施工用の樹脂でありますとかワックスでありますとか化粧合板等が含まれているということでございます。
  さらに、このプラスチック樹脂成型品につきましては、細かく見ていきますといろいろな用途に使われておりまして、建材、自動車部品、フィルム等々ということでございまして、10ページの方に表2でプラスチック樹脂成型品向け出荷量とそれをさらにより詳細に見たときにどういう用途に使われているかというものでございます。大体5割から6割が建材に使われておりまして、あと30%程度が自動車部品、残りはフィルムその他となっております。その他につきましては、例えば電化製品や機械類部品、雑貨類等の部品関係というものに入っているということでございます。
  続きまして、11ページになります。
  これは海外での使用製品の製造・輸出の状況ということでございます。
  これにつきましては、3省の方から外務省に協力依頼をしまして、在外公館のあるすべての国、地域を対象に調査を行っております。過去10年間でこの物質使用製品の製造あるいは輸出があったかどうかという観点から質問票を投げまして回答をいただいたということでございます。全134の国、地域に調査をかけまして回答を得た国と地域は72カ国、その72カ国のうち製造実績があるという回答があった国が7カ国ございました。
  なお、大半の国は回答がなかったということになるのですけれども、そのほとんどが、製造していません、輸入していませんという意味での無回答ではなくて、そもそもそれを把握するデータがないという観点からの回答でございました。そういう意味では、この7カ国に限らずより多くの国で使われている可能性はあるということだと思います。
  実際に回答のあった7カ国を見ていきますと、例えば台湾で具体的な品名を上げましてこういう製品がつくられておりますという回答でございます。そのほか、エクアドル、ポーランド、韓国、スイス、デンマーク、ベネズエラということでございまして、そのうちの幾つかの国からは実際に輸出をしている実績もありますという回答をいただいております。
  以上をまとめますと、プラスチック樹脂成型品、塗料、ワニス、接着剤、充填剤への使用実績ということにつきましては海外においても実績があるということが判明いたしました。また、輸出の実績があるものも確認されました。
  一方、ではそれが日本に対して輸出されているかということにつきましては、結局、この7カ国すべてでありますけれども、その辺の情報はないということでございますが、こうした使用製品が我が国に輸入されている可能性は否定はできないところでございます。
  続きまして、12ページでございます。
  では、こうした情報を踏まえまして政令指定ということになるのですけれども、先ほど、国内の用途としまして11項目あるというふうに申し上げました。そのうちから8項目を政令指定したいということでございます。上から八つでございます。残る三つの用途なのですけれども、コーティング材、防水施工用樹脂、UV加工用溶剤につきましては、今回、政令指定の必要はないというふうに考えております。その理由といたしましては、これらの材料そのものが、化審法上、化学物質という、そういうくくりになりますので、そもそも輸入の許可制といいますか輸入の事実上の禁止の規定に係ってくるので、もしこれらの製品にこの物質が含まれて入ってくる場合、この物質の輸入ということで規制をかけることができる、そういう判断でございまして、実質的には国内で確認されました11の使用製品すべてに網をかける。ただし、製品という形で指定をするものは上の八つである、そういうことで指定をしてはどうかと考えております。
  本文に戻っていただきまして、3ページから4ページでございます。
  そういったようなことを4ページに書かせていただいておりまして、その8項目を政令で指定しまして輸入を制限することが必要であるということでございます。
  なお、先ほどもちょっと御説明いたしましたが、プラスチック樹脂成型品に関しましては非常に多くの品目に含まれているということでありまして、政令の中でプラスチック樹脂成型品と書いただけでは実際の対応は難しいということがございます。これにつきましては、この資料の一番後ろに別紙2ということで、調査した結果わかったプラスチック樹脂成型品に該当する製品の詳細という一覧表をつけております。政令の中にこれをすべて書き込むということはなかなか技術的に難しいと思うのですが、こうした表を通達等で周知をしていくということ、また、実際にこの物質の輸入をチェックするのは税関になりますけれども、税関にもこういうことを周知いたしまして、チェックをいただくということで実際の対応を図ろうかと思っております。
  それから、以下の事項は参考ということになりますけれども、4ページの4番目、当該物質を用いることが可能な用途についてということでございます。
  第一種特定化学物質につきましては、製造・輸入の事実上の禁止のほか、使用も事実上の禁止といいますか、許可をされる用途以外の用途への使用は禁止されるということでございます。
  では、その使用を認めるような用途があるかどうかということでございますけれども、結論としましては、そういう用途はない、事実上の使用の禁止ということでいいのではないかということでございます。といいますのも、この物質の代替がどうしても困難である、どうしてもこの物質を使わなければならないというような実例は今のところ認められていないということでございます。そういった観点からこの物質は全体として使用の禁止ということで対応していくということでございます。
  それから、4ページの5.でございます。その他の措置というところでございまして、まず回収等とあります。これも化審法の規定でございますけれども、第一種特定化学物質として指定した場合に、既に世の中に出回っている製品に関しまして、環境汚染の進行を防止するために特に必要があると認める場合には、3大臣はそうした使用製品の回収等の措置を命令することができるというようなことが規定されております。これに関しまして現時点で得られております当該物質による環境汚染に関する情報、これは後ほど御説明いたしますが、によりますと、直ちに特段の対応を要するような状況ではないのではないかと考えられます。
  なお、この使用製品の中で特にプラスチック樹脂成型品ということで通常使用の状態で一般の消費者の方々が触れるような状況、そういう環境で用いられているものもございます。具体的には、浴槽でありますとかキッチンカウンターといったようなものも、先ほどのプラスチック樹脂成型品に該当する製品の詳細な表を見ていただくとわかりますとおり、実際にそういうところにも使われておりますという情報がございます。このため、国立医薬品食品衛生研究所等におきまして溶出試験を行うなど、安全性の評価を行ったところでございます。溶出試験の詳細につきましては、参考資料の2の方に掲載させていただいておるのですけれども、結論としましては、溶出に伴う人に対する直接ばく露及びそれに伴う健康影響は想定されないレベルであったということであります。溶出がないのかと言われると、若干量の溶出は見られるのですが、そもそもこの物質自体が急性毒性等は非常に低いということ等もございます。それから、実際に使われている量が非常にごく微量であるということがございまして、直接ばく露に伴う健康影響は想定されないレベルでありました。
  ということで、以上の観点を踏まえまして、現時点で、当該物質、それからそれが使われている製品の回収等を命令するというようなところまではいかないのではないかと考えております。
  それから、この物質の製造・輸入・使用についても直ちにやめなさいということを命令することはできるのですが、実際にもう昨年11月、それから本年1月の審議会の議論を踏まえまして、国内事業者がもう製造・輸入・使用を行わないという、そういう意向を示しておりますので、こうした措置についてもとる必要はないと考えております。
  最後になりましたけれども、5ページの(2)で環境モニタリングの結果でございます。
  環境省におきましては、この物質の有害性につきまして第一種特定化学物質相当であるという結論が得られたことを踏まえまして、緊急に当該物質の水質中の濃度の測定を行ったところでございます。その結果につきましては、全国の河川、港湾等、44地点152検体のうち40地点142検体について不検出ということでございました。また、検出された10検体の濃度は0.084から30ng/Lというレベルでありました。
  なお、この情報につきましては、とりあえず速報値ということで出させていただいたものでございますけれども、分析法の妥当性等につきましてさらに検証が必要であると認識しております。場合によっては今後さらにこの情報が修正されるという可能性もあるということでございます。ただ、この検出状況を見ますと、他の第一種特定化学物質、例えばPCBとかヘキサクロロベンゼンとかそういったような物質等の環境中濃度と比較しましても特段に高いレベルであるとは認められておりません。
  なお、さらに今後の話でございますけれども、今回の分析結果の検証確定を急ぎますとともに、ほかの媒体、特に底質でありますとか生物中濃度といったようなものも含めまして、当該物質に係る環境中濃度のモニタリングということで継続的に実施していきたいと考えております。
  以上、資料の3でございます。これを受けまして資料の2でございますけれども、報告の案ということで結論部分だけを抜粋して書かせていただいております。これが審議会からの答申の本文ということになろうかと思います。
  報告としまして、先ほど申し上げました八つの項目の製品の輸入を禁止することが適当であるということでございます。
  理由としましては、この製品が過去10年間のうちに海外において生産されていたことが実績等により認められているとともに、当該物質が使用されていることが一般的であって、過去10年間のうちに日本国内におきましても使用される製品の生産の実績があり、輸入を制限しない場合には環境汚染のおそれがあると考えられることから、化審法の政令を改正して当該物質を含むものの輸入を禁止することが適当であると書かせていただいております。
  以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○中杉委員長 ありがとうございました。
  ただいま、事務局から、資料2及び資料3、それから参考資料の御説明がありましたけれども、何か御意見、コメントございますでしょうか。御質問もどうぞよろしくお願いいたします。
  どうぞ。

○若林委員 制限と禁止のところがちょっと、どこから、制限がいつの間にか最後禁止になっているのですけれども、そのあたりがちょっとよくわからなかったのですけれども、法律的には制限で許可制ということですよね。それで、この一覧表は全部禁止の表ですね。それが一つとそれから、この物質の海外で何か規制とか何かをやっている例はあるのでしょうか。

○事務局 まず一つ目の御質問でございます。
  ちょっとわかりにくいところではございますけれども、法律上は制限あるいは許可制という言い方をしております。要は、認められない限り作ってはいけない、輸入してはいけない、使ってはいけない、そういう書きぶりになっております。
  実際に、では第一種特定化学物質についてそれを認めた例はありますかということになりますと、それはございません。ですから、事実上の禁止ということで、ちょっと表現がそういう意味ではごっちゃになっておりまして恐縮なのでございますけれども、禁止というふうに御理解いただいて構わないと思っております。
  それから、二つ目の海外の規制のお話でございますけれども、今回、製品の使用の実態について海外に調査しましたときにあわせてこの物質そのものについて規制をしている例はございますかということで134の国と地域に質問を投げております。その結果、72カ国から回答をいただいたのですが、その中で規制をしているという報告はございませんでした。そういう意味では日本が今回最初、そもそもこの物質の毒性が明らかになったのも日本の厚生労働省の調査で初めてということでございますので、そういった意味では、この情報も国際的に発信をしていって、まさにこれはPOPs相当ということになろうかと思いますので、国際的にも廃絶という方向に持っていくことが適当であろうと思っております。

○中杉委員長 我が国で200トン余りつくっているということで言うと、ほかの国の状況はわかりませんけれども、HPVにはなっていない。それはOECDのリストに上がっているのか上がっていないのか。

○事務局 OECDのHPVのリストには入っておりません。HPVにつきましてはどこかの国で年間1,000トン以上の製造というようなことが条件になるかと思いますけれども、それには上がってきておりません。

○中杉委員長 だから、一応、年間1,000トン以上はないということですね。
  どうぞ。

○田辺委員 我が国での環境モニタリングの状況については説明が今あったのですけれども、諸外国の環境汚染の実態調査、例えば生物とか人体とか、あるいは空気や水、そういうものについての実態調査というのはあるのでしょうか。

○事務局 明確に確認はしておりませんが、そもそも規制の対象に乗ってきていないということでございますので、おそらくないのではないかと思われます。
  そもそもこの物質が、こういう高い毒性、長期毒性があるということ自体が日本の情報が初めてというような状況でありますので、そもそもこれをモニタリングしようということが諸外国で行われていたとはちょっと考えにくいという状況でございます。

○田辺委員 文献調査か何かはやられたのでしょうか、検索を。出てこなかったですか。

○事務局 済みません、環境中のモニタリングという観点からは文献調査はやっておりませんので、これから調べてみたいと思いますが、おそらくはないだろうと思われます。

○田辺委員 もう1点よろしいですか。
  この化学物質の製造パテントを持っている会社はどこなんでしょうか。

○事務局 今回の審議は物質に対するものということで、個別の企業名につきましては申し訳ありませんが、お知らせできません。

○池田委員 例えば9ページのリストを見ますと、年間30トンぐらいです。生分解性が悪くて生物濃縮が高い物質ではあるものの30トン/年で何年間使ってきたかわかりませんが10年としても152検体中10検体というのは結構高い比率と思います。
  そうすると、ただし分析自体はなお今後の検討が必要だ、その検討が必要だという部分は、例えば分離が悪くてフォールス・ポジティブを取り込んでいるおそれがあるという評価なのか、そのあたりを教えて下さい。
  もう一つは、10検体が見つかった場所が従来の経験から見て、あそこなら出るかもしれないという風なところなのか、それとも意外な場所なのか、そのあたりを教えてください。

○事務局 まさにこの分析の結果なのですけれども、昨年度1月にこの物質が第一種特定化学物質相当であるという結論を受けまして、直ちに測ってみて出してみたというところでございまして、本当に今分析機関から出てきたばかりの情報ということでございます。さらにそこを厳密に専門家による委員会等で御議論をいただく必要があるのかなということで、さらに検証が必要と考えております。具体的にどういう不安な要素があってということでは特にないのですけれども、やはりちょっと検証が必要だろうというところでございます。
  それから、先ほど、二つ目の御質問といいますか、検出されたところでございますけれども、より詳しく見ていきますと、やはり一つの地点でかなり高い数字かつ多く検出されているということでございまして、これは詳細に調べてみる必要があるかと思います。場合によっては発生源の影響とかそういうこともあるかもしれませんので、その辺も含めてより詳細に調べていく必要があるのかなと思っております。

○池田委員 例えば工業地帯に隣接しているところだとかでそれなりの納得がいく分布なのか、それともとんでもない遠隔地で出ているのか、そのあたりどうでしょう。後者だと、言いにくいですけれども、分析上の問題というのがあるかもしれないと思います。

○事務局 いわゆるバックグラウンド的なところでは実際に不検出でございまして、そういう意味では、ある程度理屈は立つのかなというような感じではございます。そこも含めてやはりよく専門家の先生方に見ていただく必要があるのかなとは思っておりますけれども。

○中杉委員長 調査は、多分、一連の手続で、環境省の調査というのは委員会にかけてそこで評価をしていただいてということで、それがまだ終わっていない段階でやるという意味で、特段何か問題があってという、懸念があるということではないですけれども、専門家に見ていただくと懸念が出てきてそこら辺のところははっきりするのだろうと思うのですが。
  いかがですか。
  どうぞ。

○日下委員 池田先生が聞かれたことと関係しているのですけれども、この物質のルーチンの検査でたしか48時間NOEL値は非常に高い500mg/Lより大というような値で、実際、そういう環境中の水のバックグラウンドはゼロ、不検出ということみたいですが、検出不可能というのですか。検出された濃度で生態系の特に動植物とかそうしたもののPNECとかそういうようなリスクにかかわるような実験、調査、分析、その辺はどの辺までいっているのか。
  今回の決定には28日間と52週間の長期毒性影響試験の結果がそろっているので全く問題ない、結論には全く異論はないのですけれども。

○事務局 この物質の生態への影響という観点につきましては余り実は情報がございませんで、参考資料の3の7ページに、これも本年1月に御議論いただいたお話でございますので御記憶もあるかもしれませんけれども、唯一環境省の方で平成16年度に実施しました鳥類に及ぼす影響の試験結果が出ておりまして、それによりますと、毒性試験で急性毒性的な観点の試験でございますけれども、ニホンウズラへの毒性試験を実施したところ、LC50が5,000ppm超ということで、鳥類への影響は認められなかったということでございます。
  ラットを用いた人健康影響に関する試験でもそうなのですけれども、短期的ないわゆる急性毒性的なもので見るとそんなに影響は出てこない。ただ、長期間にわたって投与し続けることによって影響が見られるという、そういう物質でございます。

○中杉委員長 よろしいですか。
  多分、池田先生から御指摘があったように、こういう物質で水の中からある割合で出てくるというのは余りないのかなと思います。そういう意味では、底質とか生物の中でそちらの方に蓄積してばく露するというのが問題になるので、ここでも書かれていますけれども、そこら辺をしっかり調べていただくことが必要だろうと思いますが。
  そのほかいかがですか。
  どうぞ。

○白石委員 全く同じところなのですけれども、いわゆる4地点で、ここはまだ言えないという感じですね。だけれどもそれなりに理由があるであろうというところであるということなのですけれども、いわゆる最大濃度30ng/Lを見ると、これを1万倍濃縮すると考えて魚を食べるとすると、50μgなら安全ですよというような厚生省の指導があるのですけれども、それにかなり近い数字になるのです。そういった懸念は今のところないというふうに思ってよろしいのでしょうか。

○事務局 そこも検証してみないといけないのですが、30ngという最高値がかなりぽんと飛び出た値で出ておりまして、そこも含めて、本当にその妥当性も含めてよく見ないといけないと思います。
  逆に言いますと、そういう非常に高いものにさらされた魚を食べ続けても危ないレベルには達しないという、そういう解釈になるのかなというふうには考えております。

○中杉委員長 それから、ちょっと私の方から一つ。
  輸出が大部分、輸出先はどこかわかっているのですか。輸出先の国から回答が来ているのかどうか。行き先で主要なところから回答が来ていないと不明の部分が非常に大きくなってちょっと心配なのですが。

○事務局 明確に輸出先がどこということで確認はしておらないのですけれども、実際にこの134カ国のうち回答があった72カ国というのはほとんど主要な国が含まれておりますので、そういう意味での調査漏れというのはないのではないかと思っております。

○中杉委員長 いかがでございましょう。そのほか何か御質問等ございましたら。
  今の結論といいますか、資料2が結論でございまして、この8品目を禁止する。そのほかのものについて、我が国での使用実績のあるものについても指定はしないけれども事実上は可否の届出があるので輸入ができない形になる、許可することはおそらくないと思いますので。そういうスタイルでということで報告案がつくられておりますが、その点については大体よろしいでしょうか。その件についての特段の御質問が出ておらないようでございますけれども。
  はい、どうぞ。

○若林委員 先ほどから出ていますけれども、まず大事なのは生物のモニタリングで、この書きぶりがいかにも消極的で、継続的な実施を行う予定であるならいいのですけれども検討しているというような書きぶりで、もちろん、生態系への慢性的な影響というのは考えられないことではないのですけれども、まず健康影響がどうなんだということで、もしこれで環境の魚なんかに結構蓄積しているとしたら、食品の厚生労働省と検討して、そちらの調査も必要になってくると思うので、もうちょっと書きぶりを直せないのかなという気はしますけれども。

○事務局 随分控えめな書き方になりまして申しわけございません。御指摘を踏まえまして修正をしたいと思います。

○中杉委員長 これは実態的にはもう生物、底質についての調査は取りかかっておられるというふうに私は理解をしていますけれども、それであれば、「検討している」で十分ではないかと思いますが。

○田辺委員 生物の中には人も含まれるのですか。
  もう一つ、人の中でも気になるのは、その作業労働者もちょっと気になるのですけれども。

○事務局 現在、想定しておりますのは、環境省が実施しております、従前、黒本調査と言っておりました調査でのモニタリング実施を考えているところでございますけれども、その調査項目に人ということはちょっと含まれておりません。特に労働者への影響という観点からの調査ということでは入っておりませんので、御承知おきいただければと思います。

○中杉委員長 環境省がやっている人の調査も環境経由のばく露ということで考えてやっていますから、そういう意味では、作業者のばく露ということになると別な部署でやるような形になるのではないでしょうか。
  いかがでございましょう。
  ほかに御意見がないようでしたら、資料3については最後の部分を少し修正していただくことにして、資料2、資料3をお認めいただくということでよろしいでしょうか。
  それでは、資料3の最後の部分をちょっと修正していただくということでお認めいただくことにします。
  修正案ができましたら、また各委員にファクス、メール等で御確認をいただくということでよろしいでしょうか。
  ありがとうございました。
  以上のことから、本小委員会の報告として取りまとめることができましたので、この結果につきまして、佐藤環境保健部会長に報告をいたします。
  その後の取り扱いにつきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局 ただいま御審議いただきました本小委員会からの御報告につきましては、佐藤環境保健部会長の同意をいただいた上で部会報告として中央環境審議会の鈴木会長に報告をした後、中央環境審議会からの答申ということでいただきたいというふうに考えております。
  答申をいただいた後の進め方でございますけれども、済みません、資料の3の方に今後のスケジュールということで書かせていただいておりますので、もう一度資料の3をおあけいただけますでしょうか。資料の3の6ページにこれまでの経緯が書いてありまして、7ページでございます。今後の予定ということで、参考でございますけれどもつけさせていただいておりまして、実は今回の案件につきましては、厚生労働省、経済産業省、環境省の3省の所管でございますので、各省それぞれの審議会に意見を求めているところでございます。
  既に、経済産業省の化学物質審議会におきましては、先週の金曜日、6月30日に審議済みで了承をいただいているところでございます。今後、薬事・食品衛生審議会の方に7月11日にお諮りをする予定になっております。結果を踏まえまして、7月上旬から政令案の策定作業に入りまして、パブリックコメントの実施、それから、これは国際的にもWTOの枠組みに基づきますTBT通報ということで、国際的にもこういう規制をかけますということで周知をし、関係国から意見をいただくというような手続もございます。
  こういった所要の手続を踏みまして、10月末ぐらいを目途に政令案の公布ができればというふうに思っております。
  なお、政令案に関しましては、若干の周知期間を置きまして、できますれば来年度早々に政令案施行という段取りで考えてございます。

○中杉委員長 よろしいでしょうか。
  そういう段取りを踏んで規制をしていくことになります。
  それでは、ほかに議題の1につきまして特段の御意見がございませんようでしたら、それでは、議題の2に参ります。
  その他でございますけれども、事務局から何かありますでしょうか。

○事務局 特にその他として用意しております議題はございませんで、次回の御案内だけさせていただければと思います。次回は7月21日の金曜日に、これは化審法に基づきます通常の審査の審議会でございまして、既存化学物質の関係の審査を一部公開で行う予定となっております。7月21日金曜日の午後でございます。また詳細につきましては御案内差し上げたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○中杉委員長 午後でよろしいのですね、既存もやるけれども午後ということで。少し午後はいつもに比べると少し早目ということになるかと思いますけれども。
  先生方から何かございませんでしょうか。
  それでは、本日の小委員会をこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。

以上


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