平成17年度第9回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会 化学物質審議会第51回審査部会及び 第53回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会合同会合 【第一部】議事録

1.日時

平成18年1月13日(金)13:00~14:40

2.場所

中央合同庁舎第5号館 専用第15会議室(7階)

3.出席者( 五十音順、敬称略)

薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会委員

井上  達(座長)   江馬  眞   西原  力
林   真   廣瀬 雅雄   前川 昭彦
安田 峯生   吉岡 義正   渡部  烈

化学物質審議会審査部会委員

池田 正之   西原  力(部会長)   藤木 素士  
前川 昭彦   米澤 義堯  


中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会委員

青木 康展   池田 正之   井上  達  
日下 幸則   田辺 信介   中杉 修身(委員長)
吉岡 義正    

事務局

厚生労働省    佐々木化学物質安全対策室長
経済産業省    辻化学物質安全室長
環境省    森下化学物質審査室長   他

4.議題

  1. 前回審議結果の確認
  2. 既存化学物質の審議等について
    1. (1) 人健康影響・生態影響について
  3. その他

5.議事

【事務局(環境省) 】 定刻となりましたので、ただいまから平成17年度第9回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会、化学物質審議会第51回審査部会及び第53回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会の合同審議会を開催したいと思います。
  本日は、いずれの審議会も開催に必要な定足数を満たしておりまして、それぞれの審議会は成立していることを御報告いたします。
  また、各審議会から本日の会合への具体的伝達手続はそれぞれの省により異なりますが、化審法第41条に基づく新規化学物質の判定に関する諮問が大臣よりなされている審議会もございますので、よろしくお願いいたします。
  なお、本審議会は、既存化学物質の審議と新規化学物質の審議を分けて実施することといたしておりまして、本日は午後1時から3時までを第一部ということで既存化学物質の審議を公開で行わせていただきます。その後、休憩をはさみまして、第二部ということで新規化学物質等の審議を行いますので、よろしくお願いいたします。
  本日の全体の議事進行につきましては、中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会の中杉委員長にお願いしたいと思っております。
  まず、審議に入ります前に、お手元にお配りした資料の確認をさせていただきます。
  配付資料、議事次第の1枚紙に続きまして、資料1-1「前回既存化学物質点検(分解性・蓄積性)結果」、資料1-2-1としまして「前回難分解性・高濃縮性判定済みの既存化学物質の毒性評価結果」、資料1-2-2としまして「前回第一種特定化学物質へ該当するか否かの審議審査シート」、資料1-2-3としまして「有害性情報調査報告書(2-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ブチルフェノール) 」、資料1-3としまして「前回既存化学物質審査シート」の人健康影響及び生態影響に関するもの、資料1-4としまして前回の議事録でございます。
  続きまして資料2-1としまして、今回御審議いただきます「既存化学物質審査シート」の人健康影響及び生態影響に関するもの、資料2-2としまして「既存化学物質の人健康影響に関する情報」、資料2-3としまして「既存化学物質の生態影響に関する情報」でございます。
  あと参考資料としまして委員名簿等を付けさせていただいております。
  資料の過不足等がございましたら、事務局までお申し出ください。
  よろしいでしょうか。
  それでは、議事進行を中杉委員長にお願いいたします。

【中杉委員長】 それでは、よろしくお願いいたします。
  新年に入りまして大分時間はたちましたけれども、初めてでございますので、あけましておめでとうございます。今年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。
  それでは早速ですが議題の方に入りたいと思います。1番目として「前回の審議結果のの確認」でございます。事務局から御説明をお願いいたします。

【事務局(環境省) 】 前回の結果につきましては、資料1-1~資料1-4に整理させていただいております。このうち、資料1-2-1~1-2-3につきまして若干御説明いたします。
  前回御審議いただきまして、第一種特定化学物質に相当するのではないかという物質が1物質ございましたけれども、この物質に関しまして、本日午前中に厚生労働省、環境省それぞれの審議会において検討がなされまして、第一種特定化学物質相当であるという結論をいただいているところでございますので、御報告いたします。
  その他のものも含めまして、資料1-1~1-4まで、内部の手続が終了次第、各省のホームページ上で公開させていただきたいと思います。
  どうもありがとうございました。

【中杉委員長】 ということでございますが、よろしいでしょうか。
  それでは、次に議題の2の「人健康影響及び生態影響について」ということで、1つずつ物質について審議を進めていきたいと思います。一番最初の物質については、井上先生に担当をお願いいたします。

【井上座長】 それでは、官報公示整理番号で4-581、お願いいたします。

【事務局(厚労省)】 御説明申し上げます。1ページでございます。
  この物質につきましては、1枚めくっていただいて3ページの備考欄に記載しておりますが、前回の3省合同審議会、11月18日の会議で保留になった物質でございます。そのときの事務局案といたしましては、「Ames試験陰性、染色体異常試験は軽微な陽性であるも、NOEL67mg/kg/day未満であることから第二種監視化学物質相当」としておりましたが、67mg/kg/day未満、NOEL25mg/kg/dayより高い値での未満であり、それだけの情報で第二種監視化学物質相当と判定できるのかどうかという御議論をいただき、保留にしておりました。今回、追加の毒性情報の収集等を再度行いましたが、追加の結果も得られておりません。
  今回の事務局案といたしましては、2ページに戻りますが、人健康影響判定根拠に記載しておりますとおり、「Ames試験陰性、染色体異常試験は軽微な陽性、NOEL67mg/kg/day未満であり、」としておりますが、ちょっと修文させていただきます。「であるが、特に毒性学的に重要な変化がみとめられないことから、現時点では第二種監視化学物質相当ではない。」という事務局案にしております。
  以上、よろしくお願いいたします。

【井上座長】 今の御説明にありましたように、67mg/kg/day未満であるが、第二種監視化学物質相当ではない、こういう修文でございます。いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
  特にコメントがないようでしたら、そのようにさせていただきます。

【事務局(厚労省)】 続きまして4ページ目でございます。3-2694でございます。この物質につきましても、次のページの備考欄に記載しておりますとおり、前回保留になっております。保留になった内容といたしましては、神経行動毒性を判定の根拠にも記載していたところですが、現時点の情報だけでは神経行動毒性がみられているとまでは言えないので、再度情報収集するということとされておりました。
  今回、4ページ目のAmes、染色体異常、28日間反復投与試験の結果につきましては、既存点検の結果でございまして、これは前回御審議いただいた内容となっております。
  次のページに「他の毒性 [追加情報] 」と書いております。NTPが公表されておりましたので、その情報をを今回改めて追記したところでございます。概要で申し上げますと、13週間のマウス、13週間のラットの試験等ございまして、一般状態で流涎、振戦等が観察されており、神経行動毒性として判断できるのではないかと考えております。あと、Ames試験の結果がNTPにあるものでも陰性、小核試験も陽性という報告も記載されておりました。
  それらを踏まえまして、人健康影響の判定根拠といたしましては、「Ames試験は陰性、染色体異常試験は軽微ながら陽性、小核試験の結果は陽性との報告もあり、NOEL30mg/kg/day(13週間試験においてはNOEL:12.5mg/kg/day)であり、神経行動毒性がみとめられることから第二種監視化学物質相当」としております。
以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。

【井上座長】 御説明のとおり、前回、神経毒性かどうかというところが要になっていたところですが、今回、神経毒性を示唆すると考えられる流涎と異常歩行・振戦等が出てきているし、瞳孔収斂、そういったこともあるので、これは神経毒性と考えて、第二種監視化学物質相当ではどうかという御提案でございます。
毒性の先生、いかがでしょうか。

【前川委員】 今の御説明で神経毒性がはっきりしていますので、これでよろしいかと思います。ただ、判定根拠のところで括弧書きで「13週間試験においてはNOEL:12.5mg/kg/day」となっていますけれども、上の表では未満なんですね。それが1つと、それから「神経行動毒性がみとめられていることから」というのは、4ページに出されたデータからは神経毒性ははっきりしないわけですので、「他の毒性試験では」というような但し書きが前にあった方がよろしいかと思います。

【井上座長】 それぞれの試験に対して重みを対等にして、それぞれを評価するということですね。

【前川委員】 判定根拠がどこかはっきりさせるように。

【井上座長】 わかりました。
  廣瀬先生は追加ございませんか。

【廣瀬委員】 それで問題ないと思います。

【井上座長】 ありがとうございます。
  事務局、どうしますか。

【事務局(厚労省)】 審査シート、13週間反復投与のラットの試験のNOELのところが誤記でございまして、125未満となっておりますが、12.5mg/kg/day未満として、判定根拠欄も12.5 mg/kg/day未満と、前川先生の御意見のとおり追記して、「他の毒性試験の結果から神経行動毒性もみとめられていることから」という形で修文させていただきたいと思っております。

【井上座長】 そういうことでございますが、ほかの先生方、いかがでしょうか。
  よろしゅうございますか。
  では、そのように決めさせていただきます。ありがとうございます。

【中杉委員長】 それでは、ここからは本日初めて審議をいただく物質に入ります。最初はチオフェンでございます。資料の御説明お願いいたします。

【事務局(厚労省)】 6ページ目、チオフェンでございます。人健康影響から御説明いたします。
  Ames試験の結果、陰性、染色体異常試験の結果も陰性。
  ReproTox試験におきましては、反復投与毒性試験においては、最終報告書と予備審査の結果が若干違っております。予備審査会では、腎の組織学的所見を推定根拠にNOEL25mg/kg/day未満としております。生殖発生毒性につきましては、哺育行動の低下を推定根拠にNOEL25mg/kg/dayとしております。
  判定根拠といたしましては、記載しておりますとおり、「Ames試験及び染色体異常試験が陰性であるが、NOEL25mg/kg/day 未満であることから、第二種監視化学物質相当」としております。

【事務局(環境省) 】 続きまして生態影響でございます。藻類生長阻害試験、72hEC50値110mg/L、72hNOEC値12mg/Lとなっております。ミジンコ急性遊泳阻害試験、48hEC50値20mg/L、ミジンコ繁殖阻害試験、21dNOEC値が2.8mg/Lとなっております。8ページに移りまして、魚類急性毒性試験、96hLC50値31mg/Lとなっておりまして、生態影響の判定根拠としまして、3種の急性毒性試験から得られる最も低い毒性値が48hEiC50=20mg/Lであり、かつミジンコ繁殖阻害試験において21dNOEC=2.8mg/L であることから、第三種監視化学物質相当でないとさせていただいております。
  判定案といたしましては、人健康影響が第二種監視化学物質相当、生態影響につきましては、収集された情報からは第三種監視化学物質相当に該当するとは判断されないとさせていただいております。

【中杉委員長】 それでは、まず構造からコメントがございましたらお願いいたします。

【渡部委員】 一般に硫黄化合物というのは有毒なものが大きいわけですが、それでもこういうチオエーテルないしスルフィド結合というのはそう強い毒性があるものとは知られておりませんで、チオフェンがなぜこんなに毒性が強いのだろうというふうな、その程度のコメントしかございません。

【中杉委員長】 ほかに構造についてよろしいでしょうか。
  それでは、Ames、染色体異常についてのコメントをいただけますでしょうか。

【林委員】 Ames、染色体異常試験ともに限界用量まで試験されておりまして、方法、結果ともに問題ございません。陰性としていいと思います。

【中杉委員長】 よろしいでしょうか。
  それでは、ReproTox試験の結果についてコメントいただけませんでしょうか。

【廣瀬委員】 ReproToxの用量が25、100、400mg/kg/dayで行われておりまして、主に認められている変化が肝臓、腎臓、神経系であります。特に強い変化は神経系でありまして、雄では100mg/kg/day以上、雌では400mg/kg/dayの投与量で呼吸の異常、自発運動量の低下あるいは雌では歩行異常、後肢麻痺、痙攣、眼瞼下垂等がみられております。それに加えて、病理組織学的には大脳あるいは小脳で神経細胞あるいは顆粒細胞等の変性あるいは壊死が認められておりますので、かなり強い神経毒性かと思われます。肝臓に対する影響としましては、肝細胞の壊死・肥大等がみられておりますので、この変化も比較的強いものだと思います。腎臓の変化は一番弱いものですが、好酸性小体あるいは空胞変性が25mgに認められておりますので、それを指標としましてNOELが25mg/kg/day未満となっております。で、第二種監視化学物質相当であるということは当然かと思います。

【中杉委員長】 ありがとうございました。
ReproTox試験の結果について追加のコメントございますでしょうか。

【前川委員】 今、廣瀬先生がおっしゃったとおりだと思います。ですから、人健康影響の判定根拠のところに「未満であり、さらに神経系、特に小脳にも障害がみられ」というような一文を付け加えていただいた方がよろしいのではないかと思います。
  それともう1つ、推定根拠のところに反復投与毒性で組織学的な所見として腎-尿細管上皮空胞化が25mg/kg/day以上の雄と100mg/kg/day以上の雌となっていますが、これは25mg/kg/day以上の雌ですね。雄には出ておりません。それから、その下の腎-好酸性小体が25mg/kg/day以上の雄と400mg/kg/day以上の雌となっていますが、逆にこれは雌の方には出ておりません。ですから、もう一度見ていただいて訂正してください。

【事務局(厚労省)】 確認させていただいて修正させていただきます。
  判定根拠についても、神経行動毒性が認められる旨追記したいと思っております。

【日下委員】 1つ質問ですが、神経毒性がみられて、中枢神経系のということで、誠にそのとおりと思うのですが、回復性ではそれはあったのでしょうか。

【前川委員】 回復性はみてないようです。ReproToxですので。

【日下委員】 この場合は回復性試験の必要はなしということですか。

【廣瀬委員】 ReproToxでは特に回復性はみてないと思います。ただ、プルキンエ細胞だとか、神経細胞に変性・壊死がありますので、なかなか回復性はないのであろうと想像されます。

【前川委員】 この神経毒性に関しましては、ここに出されておりますデータ以外の論文でも神経毒性があることははっきりしておりますので、問題はないだろうと思います。

【江馬委員】 ReproToxの生殖発生毒性のところにつきましては、100mg/kgで、いま先生がおっしゃいました、神経毒性、小脳に異常がみられた母体に多く哺育行動がみられたという結果になっています。

【中杉委員長】 ありがとうございました。
人健康影響について追加のコメントございますでしょうか。
それでは、今若干、神経毒性等についての修文を入れていただきましたけれども、第二種監視化学物質相当という判定でよろしいでしょうか。
それでは、生態毒性の方についてコメントございますでしょうか。第三種監視化学物質相当ではないという判定ですが、よろしいでしょうか。
それでは、この物質について、判定根拠のところに若干の修文を入れさせていただきますけれども、判定案につきましては、事務局案どおりとさせていただきます。よろしいでしょうか。
  では、そのようにさせていただきます。
引き続きまして、5-77、資料の御説明お願いいたします。

【事務局(厚労省)】 御説明いたします。9ページでございます。
  Ames試験の結果、陰性、染色体異常試験の結果も陰性。反復投与毒性試験、28日間が腎の組織学的所見を推定根拠としてNOEL60mg/kg/dayとしております。
  簡易生殖試験も実施しておりまして、簡易生殖試験における、審査シート、NOELのところ、反復投与部分と生殖発生毒性部分に書き分けてございません。申し訳ございません。修正させていただきます。反復投与部分がNOEL 200mg/kg/dayでありまして、生殖発生毒性部分が60 mg/kg/dayになります。推定根拠は審査シート記載のとおりでございます。
  SIARの情報も他の毒性として記載させていただいております。
  判定根拠といたしましては、Ames試験及び染色体異常試験が陰性、NOEL60mg/kg/dayであることから、第二種監視化学物質相当でないとしております。

【事務局(環境省) 】 続きまして生態影響です。藻類生長阻害試験、72hEC50値1000mg/L超、72hNOEC値309mg/Lとなっております。ミジンコ急性遊泳阻害試験、48hEC50値850mg/L、ミジンコ繁殖阻害試験、21dNOEC値25mg/Lとなっております。11ページに移りまして、魚類急性毒性試験、96hLC50値100mg/L超となっておりまして、生態影響の判定根拠としまして、3種の急性毒性試験から得られる最も低い毒性値が48hEiC50=850mg/Lであり、かつミジンコ繁殖阻害試験において21dNOEC=25mg/Lであることから、第三種監視化学物質相当でないとさせていただいております。
  判定案といたしましては、人健康影響は、収集された情報からは第二種監視化学物質相当に該当するとは判断されない、生態影響につきましても、収集された情報からは第三種監視化学物質相当に該当するとは判断されないとさせていただいております。
以上、よろしくお願いいたします。

【中杉委員長】 それでは、まず構造からコメントございましたらお願いします。

【渡部委員】 先ほどのチオフェンの誘導体といえばいえるわけですが、これは要するにスルホンになっておりますので、かなり極性が大きくなっております。したがって、チオフェンのように、ベンゼンと同じように、かなり中枢神経にどんどん浸透していくという性質は恐らくないのではないかと思われます。したがって、チオフェンよりもより低毒性であっていいはずではないかと思っております。

【中杉委員長】 ありがとうございました。
  構造からはよろしいでしょうか。
  それでは、Ames、染色体異常についてはいかがでしょうか。

【林委員】 このものにつきましても、Ames、染色体ともに限界用量までの試験がなされておりまして、陰性と考えられます。
なお、10ページの「他の毒性」で一番下のところに「マウスリンフォーマTK試験:陽性」という記載もあるのですが、括弧の中に書いてありますように、解釈の問題で、これは問題になるような反応ではないと考えております。

【中杉委員長】 ありがとうございました。
  よろしいでしょうか。
  それでは、28日間、簡易生殖の方についてコメントございましたらどうぞ。

【前川委員】 それでは御説明いたします。
  まず28日間反復投与毒性ですが、60、200、700mg/kg/dayの3用量でなされています。最高用量が1000mg/kg/dayでなく700mg/kg/dayにされたのは、予備試験で最高用量の1000mg/kg/dayで死亡が出ているということ。それと、先ほど構造的に先ほどのチオフェンと類似しているというお話がございましたけれども、急性毒性の単回投与毒性では確かに非常に高用量ですが投与しますと症状的に痙攣が出ております。そういう意味で神経系への影響が高い用量を与えれば出るということは間違いないだろうと思います。ただ、今回の28日間反復投与毒性では、最高が先ほど言いましたように700mg/kg/dayでなされていますけれども、小脳など、そういう神経系への影響は症状の上でも形態学的にも全く出ておりません。それでNOELは、先ほどの御説明のように、腎臓の変化をもとにしてNOEL60mg/kg/dayということでよろしいかと思います。

【安田委員】 簡易生殖の方では、200mg/kg/day投与群で児の産出率の低値、新生児数の低値などがみられて、先ほど修正がありましたけれども、60mg/kg/dayをNOELということでよろしいかと思います。

【中杉委員長】 ありがとうございました。
  人健康についての追加のコメントはございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
  そうしますと、事務局案の判定は、Ames、染色体異常が陰性で、NOELが60mg/kg/dayだから第二種監視化学物質相当でないということですが、よろしいでしょうか。
  それでは、生態毒性の方についてのコメントはございますでしょうか。第三種監視化学物質相当ではないということでございますが。
  特にコメントがないようですので、この物質も第三種監視化学物質相当でないという判定だろうと思います。
  以上あわせまして、人健康影響からみて第二種監視化学物質相当でない、生態影響からみて第三種監視化学物質相当でないという判定にさせていただきますが、よろしいでしょうか。
  では、事務局案どおりの判定にさせていただきます。
  引き続きまして、官報公示整理番号で3-900です。資料の御説明お願いいたします。

【事務局(厚労省)】 12ページ、3-900でございます。
  Ames試験の結果、陰性、染色体異常試験の結果、陽性となっております。+S9mix群において構造異常の誘発がみられております。D20値で申し上げますと0.13mg/mLとなっております。
  反復投与毒性試験、審査シート記載の体重の低下、ビリルビンの上昇と組織の変化等を推定根拠といたしましてNOEL60mg/kg/dayとしております。
  SIARから得られた情報も記載しております。
  判定根拠といたしましては、事務局案といたしましては、Ames試験は陰性、染色体異常試験は軽微な陽性、NOEL60mg/kg/dayであることから、第二種監視化学物質相当ではないとしております。

【事務局(環境省) 】 続きまして生態影響でございますが、14ページを御覧ください。生態影響につきましてもSIARの結果がございまして、そちらの方を「他の毒性情報」という形で記載させていただいております。藻類生長阻害試験の結果及びミジンコ急性遊泳阻害試験の結果と魚類急性毒性試験の結果等が添付されております。
生態影響の判定根拠としまして、ミジンコ急性遊泳阻害試験において48hEiC50=0.29mg/L及び魚類急性毒性試験において96hLC50=2.3mg/Lであることから、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。
  判定案といたしましては、人健康影響につきましては、収集された情報からは、第二種監視化学物質相当に該当するとは判断されない、生態影響につきましては、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。
以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。

【中杉委員長】 それでは、まず構造からコメントお願いいたします。

【渡部委員】 これはフェノールの誘導体及びパラクロロフェノールの誘導体ということで、フェノール全般の現象ですが、サイトトキシシティが強いということ。したがって、殺菌作用といったものが強く現れるのではないかと思います。

【中杉委員長】 ありがとうございました。
  それでは、Ames、染色体異常についていかがでしょうか。

【林委員】 これに関するAmes試験につきましては、限界用量までの予備試験をもとに用量設定がなされていまして、菌の生育阻害が認められる用量まで試験されております。復帰コロニー数の増加は認められておりませんので、陰性としていいと思います。
  なお、染色体の方ですが、これは陽性ということですが、非常に高用量の最高用量のみでの反応ですが、「軽微」という表現をとるかどうか非常に微妙なところだと考えます。本日欠席の竹下委員からも、「軽微な陽性」については、「陽性であるも弱く」くらいの表現がいいのではないか、というようなことを言っていただいているのですが、確かにそれぐらいの表現の方がいいかもしれません。再現性も認められるということから、軽微とは少し言いにくいのではないかと思います。でも、強いものではありません。

【中杉委員長】 他の毒性のところで小核試験が陽性と陰性と両方ついておりますが、ここについて何かコメントございますか。

【林委員】 これについては、細かい情報がなかったので、はっきりしたことは申し上げられないのですが、これにしましても、判定が分かれる程度のぎりぎりのところのものであったのだろうと思います。

【中杉委員長】 ありがとうございました。
  それでは、28日間反復投与毒性試験の結果についてのコメントをお願いします。

【廣瀬委員】 投与量が15、 60、250、1000mg/kg/dayで行われておりまして、毒性としましては、神経系、肝臓、副腎、前胃、膀胱とかなり多岐にわたった影響が認められております。250mg/kg/dayで認められる変化は、肝臓に対する影響、これは軽いものです。それから前胃の過形成、これは恐らく刺激によるものだと思いますけれども、5例中1例に認められております。ただ、1000mg/kg/dayになりますと全例に認められておりまして、回復性も悪いということです。それから膀胱の過形成が250mg/kg/dayで5例中4例とかなり高頻度に認められておりまして、これにつきましても回復性が悪いということになっております。それに加えまして、最高用量では死亡例も観察されておりまして、その他、自発運動の低下、筋の弛緩、歩行異常、流涎、眼瞼下垂というような神経に対する影響も認められております。一応250mg/kg/dayで影響が認められておりますので、NOELが60mg/kg/dayになっておりますけれども、余り気持ちのいい影響ではないですね。特に高用量ではありますけれども、神経にはっきりした影響が出ているということ、それから膀胱に250mg/kg/dayで過形成が出ているということをどう考えるかということになりますけれども、すんなりと第二種監視化学物質相当ではないとは言い難いのではないかと思います。

【中杉委員長】 ほかの先生からコメントいただけませんでしょうか。

【前川委員】 今、廣瀬先生がおっしゃったとおりだと思います。確かにNOELからいいますと60mg/kg/dayなんですが、毒性の内容から見ますと、少し気にかかる変化ではあるということで、迷うところです。

【中杉委員長】 いかがでしょうか。染色体異常のところは少し表現を変えた方がいいけれども、60mg/kg/dayを後押しするほど強いものではないというふうに解釈してよろしいですか。
  そうすると、専ら60mg/kg/dayという数字と、毒性の内容についての判断になるかと思います。御意見いただけないでしょうか。いかがでしょうか。

【廣瀬委員】 私の意見としては、変異原性と毒性をあわせて第二種監視化学物質相当にならないかなというような考えなんですが。

【中杉委員長】 林先生、いかがでしょうか。

【林委員】 先ほども言いましたように、これは弱いといいながら、陽性にはなっていますので、これまでのような完全に真っ白というわけではありません。それは後押しをするといえば、後押しの一助にはなるのかとは思います。先ほども言いましたが、小核試験のデータがきちっとしたのがないので、そちらがもう少しわかれば、in vivoの成績ですので、もう少しはっきりしたことが申し上げられるのではないかと思うのですが。事務局の方、今これのデータがありますか。SIARですよね。

【事務局(厚労省)】 今のところ、このSIDSまでしかございません。

【中杉委員長】 どうしましょう。そこまでチェックをしてからにするか。その前に、染色体異常は陽性は陽性であるということと、NOELが60mg/kg/dayであること、さらに毒性の内容について少し言及してということで、第二種監視化学物質相当であるという判断もあるかと思いますけれども。

【渡部委員】 パラクロロフェノールも調べてごらんになりましたか。

【事務局(厚労省)】 今手元にはございません。

【渡部委員】 後ほど調べておいてください。構造上は、どっちになってもいいのだったら、黒にしてもらいたいと思います。クロロベンゼンをはじめとして、いわゆる芳香族、クロロ化合物というのは、大抵、毒性学的に問題の化合物ですよね。

【中杉委員長】 どういたしましょうか。小核試験の結果が後押ししないとしたときに、二監相当でないという判断でいいかどうかということに逆になりますので。

【林委員】 事務局の方にIUCLIDだけでもないですか。

【事務局(厚労省)】 今得られる情報をできるだけ書いており、IUCLIDもございません。もし追加の情報としては、SIARに記載のある小核のリファレンスの部分があるかと思います。原文に当たれるかどうか確認し、再度それで御審議いただく方向が1つあると思います。申し訳ございません。

【林委員】 1つ申し上げられることは、今手元にあるシーズのデータだけからすれば、あとの陰性という結果の方が新しい試験結果であって、恐らくそちらの方がガイドライン等をすべてクリアした試験結果だという情報だけは読み取ることはできます。

【中杉委員長】 どういたしましょう。既存物質ですので、もう一度小核試験の結果を確認していただいて、次回にその結果を踏まえて、それが後押ししない場合どうだという判断をここではいたしませんけれども、それをはっきりさせてからもう一回審議をしていただくということでいかがでございましょうか。今回も最初の2つのものについてはさらに情報を得てということでございましたので、よろしければ、次回にそこら辺の情報を事務局の方で整理していただいて、毒性の先生にしっかり見ていただくということにさせていただければと思いますが、よろしいでしょうか。
  それでは、3-900の人健康については、次回再度判断していただくということにしまして、生態毒性の方はいかがでしょうか、第三種監視化学物質相当という判断でございますが。
  特に事務局案に対する御異論はないようでございますので、生態毒性については、第三種監視化学物質相当という判定をさせていただきまして、人健康につきましては、次回、情報を追加してから判断していただくということにさせていただければと思います。
  それでは、次の物質に移りたいと思います。官報公示整理番号が2つございますが、3-1372です。

【事務局(厚労省)】 説明させていただきます。15ページでございます。
  Ames試験陰性、染色体異常試験陰性。28日間反復投与毒性試験、特に毒性学的影響は認められておりませんので、NOEL1000mg/kg/dayとなっております。
  簡易生殖試験も実施しております。簡易生殖試験の結果といたしましては、精巣に対する影響を推定根拠といたしまして、反復投与及び生殖発生毒性ともNOEL100mg/kg/dayとしております。
  人健康影響の判定根拠といたしましては、記載のとおり、「Ames試験及び染色体異常試験は陰性、NOEL100mg/kg/dayであることから第二種監視化学物質相当ではない」としております。

【事務局(環境省) 】 続きまして生態影響です。16ページを御覧ください。藻類生長阻害試験につきましては、限度試験で実施しておりまして、試験上限濃度では影響が認められないという結果になっております。ミジンコ急性遊泳阻害試験、48hEC50値>180mg/L、ミジンコ繁殖阻害試験、21dNOEC値56mg/Lとなっております。魚類急性毒性試験、96hLC50値>100mg/Lとなっておりまして、判定根拠といたしましては、3種の急性毒性試験において、試験上限濃度で影響が認められず、かつミジンコ繁殖阻害試験において21dNOEC値が56mg/Lであることから、第三種監視化学物質相当でないとさせていただいております。
  判定案といたしましては、人健康影響につきましては、収集された情報からは第二種監視化学物質相当に該当するとは判断されない、生態影響につきましても、収集された情報からは第三種監視化学物質相当に該当するとは判断されないとさせていただいております。
以上、よろしくお願いいたします。

【中杉委員長】 それでは、構造からコメントいただけますか。

【渡部委員】 これはベンゼントリカルボン酸トリス(2-エチルヘキシル)エステルということですが、当然、経口的に摂取された場合に、腸内細菌あるいは腸間膜のエステラーゼで加水分解して、対応するカルボン酸とアルコールになって吸収されるだろうと思われます。アルコールとカルボン酸については、特に毒性学上心配されるという点はないように思います。

【中杉委員長】 それでは、Ames、染色体異常についていかがでしょうか。

【林委員】 このものにつきましては、両方とも限界用量まで試験されておりまして、方法、結果ともに問題ございません。陰性です。

【中杉委員長】 それでは、28日間反復投与毒性試験はいかがでしょうか。

【前川委員】 これは100、300及び1000mg/kg/dayの3用量でなされておりまして、ここに添付されているデータからは、最高用量で何も毒性が出てないということでございます。ただ、後で安田先生の方から御説明があるかと思いますが、簡易生殖のところを見てみますと、これは同じ濃度でやられているのですが、300mg/kg/day以上で精巣に明らかな組織学的な変化が出ている。なのに、こちらの方では出てないというのは、理由はわかりませんけれども、データを見てみますと、精巣は固定はされているのですが、組織学的な検査がなされていないということですので、あるのか、ないのかということに関してはわかりません。

【中杉委員長】 それでは、簡易生殖試験はいかがでしょうか。

【安田委員】 今、前川先生がおっしゃったように、精巣に所見が出ているわけでございますが、生殖そのもの、つまり、こういう所見がみられた雄はこどもができないかというと、そうではなくて、全部こどもができておりますので、次世代をつくるということに関しては、影響が出ない程度の障害であると言えるかと思います。

【中杉委員長】 ありがとうございました。
  人健康についてそのほかに追加のコメントございますでしょうか。
  よろしいでしょうか。
  事務局案は第二種監視化学物質相当ではないという判定でございますが、よろしいでしょうか。
  では、第二種監視化学物質相当ではないという判定にさせていただきます。
  生態毒性については、試験の結果を見て、これは第三種監視化学物質相当ではないという判定でございますが、何かコメントございますでしょうか。
  特にコメントがないようですので、生態毒性についても第三種監視化学物質相当でない。結果として、人健康について第二種監視化学物質相当ではない、生態毒性について第三種監視化学物質相当ではないという判定にさせていただきますが、よろしいでしょうか。
  では、事務局案どおりの判定とさせていただきます。
  次に3-74です。

【事務局(厚労省)】 18ページ、1,2,3-トリクロロベンゼンでございます。
  人健康影響の毒性情報といたしましては、EHCがトリクロロベンゼン自体でありましたので、その中で、1,2,3 の固定されているものについて得られた情報について記載しております。
  染色体異常試験の結果は陰性となっております。反復投与毒性試験、13週間の試験がございました。NOAELでいうと 7.6ということになっております。所見としては、記載のとおり、肝臓、甲状腺、肝臓・腎臓の重量等が動いているかと思います。催奇形性試験の結果も得られております。小核試験の結果としては、陽性という結果が得られております。Ames試験の結果は陰性という結果が得られております。
  それらをまとめまして、判定根拠欄に記載しておりますのは、小核試験は陽性、反復投与毒性試験はNOAEL7.6mg/kg/dayであることから、継続的に摂取される場合人の健康を損なうおそれの疑いがあるため、第二種監視化学物質相当としております。

【事務局(環境省) 】 続きまして生態影響です。藻類生長阻害試験、72hEC50値1.9mg/L、72hNOEC値0.094mg/Lとなっております。ミジンコ急性遊泳阻害試験、48hEC50値0.46mg/L、ミジンコ繁殖阻害試験、21dNOEC値0.17mg/Lとなっております。魚類急性毒性試験、96hLC50値3.2mg/Lとなっておりまして、生態影響の判定根拠としましては、藻類生長阻害試験において72hNOECr=0.094mg/Lであり、ミジンコ急性遊泳阻害試験において48hEiC50=0.46mg/Lであること及び魚類急性毒性試験において96hLC50=3.2mg/Lであることから、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。
  判定案といたしましては、人健康影響は第二種監視化学物質相当、生態影響は第三種監視化学物質相当とさせていただいております。
以上、よろしくお願いいたします。

【中杉委員長】 それでは、まず構造からコメントいただきたいと思います。

【渡部委員】 人健康影響:第二種監視化学物質相当というのは、誠に妥当ではないかと思います。なぜならば、ポリクロロベンゼンであるからということです。

【中杉委員長】 ありがとうございました。
  人健康について、EHCからの引用ですが、変異原性に関していかがでしょうか。

【林委員】 Ames試験の方は陰性とすることで問題ないと思います。染色体異常試験について、これも陰性という評価になっておりますが、ちょっと問題がありまして、私自身がこの論文の著者の一人ですので、公平性を期するということからすれば、私が評価するのはいかがなものかと思うのですが。ほかの2名の遺伝毒性の専門の先生からもしコメントが入っていないようでしたら、一応この評価をお認めになったものだというふうに解釈させてもらえればいいのかと思います。
  もう1つは、小核試験で陽性という報告がございまして、これはデータがありましたので、見させていただいたのですが、明確な陽性というわけではなくて、少し問題含みの陽性というような程度のものでございました。したがいまして、人健康影響の判定根拠のところの書きぶりなんですが、「Ames、染色体異常は陰性であるが、小核で陽性との報告もあり」という程度の表現でいかがかと思います。
  先ほどの点についてもし事務局の方でおわかりだったら教えてください。

【中杉委員長】 ほかの先生からコメントが寄せられているかどうか。

【事務局(厚労省)】 寄せられていないと思います。竹下先生から寄せられているのは、配付されているものだと思います。

【中杉委員長】 それでは、林先生の得られた結果も評価していただいたということで、陰性ということでございます。
  それでは、反復投与毒性試験についてのコメントございますでしょうか。

【廣瀬委員】 反復投与毒性試験につきましては、データは必ずしも十分なものではございませんけれども、ラットを用いて、投与量1、10、100、1000ppmで13週間の試験が行われております。結果としましては、最高用量の1000ppmで若干の腎臓に対する影響、肝臓で肝細胞の肥大、脂肪変性というような変化が特に雄でみられております。その他、甲状腺に対しても若干の影響がみられているということで、その下の100ppm、換算しますと7.6mg/kgがNOELとなっております。
その他、催奇形性の方でまた試験が行われておりますので、これは安田先生の方からお願いしたいと思います。

【安田委員】 型のごとき催奇形性試験が行われておりまして、資料に書いてありますように、妊娠6-15日にコーンオイルに溶かして経口投与したものでありますけれども、150、300、600mg/kg/dayで投与いたしまして、外表、内臓、骨格等を調べて、若干の変異などは出ておりますけれども、ドーズレスポンスも何もみられませんで、特に影響はないという評価でよろしいかと思います。

【中杉委員長】 ありがとうございました。
  今のコメントもいただいて、事務局案は、小核試験は陽性、この辺は林先生のコメントで少し修文があるかと思いますけれども、反復投与毒性試験の結果が7.6であることから第二種監視化学物質相当という判定でございますが、よろしいでしょうか。
  それでは、変異原性試験のところの記述を少し修文していただいて--

【事務局(厚労省)】 林先生がおっしゃったとおり、修文させていただきます。

【中杉委員長】 生態毒性試験についてはいかがでしょうか。

【吉岡委員】 結果に直接影響することではございませんけれども、藻類生長阻害試験のNOECについてコメントしたいと思います。この試験機関のところから出てきました報告書によりますと、このNOEC 0.094 mg/Lの濃度区とその前後の濃度区の値が錯綜しております。つまり、これよりも低い濃度では平均がもっと小さいのに有意差は出てきていないというようなことがみられます。これは標準偏差がどれくらいばらつくかによって、あるときにはその濃度区で有意差が現れ、あるときには出てこないというようなことになります。試験の標準偏差が異常であるかどうかというのをいくつか他の報告等も照らし合わせて見てみましたけれども、さほど異常とは思えません。ただ、この試験内においては大小のばらつきが出てきたということで、たまたま0.094 mg/Lに落ち着いたということになります。したがって、ほかに試験してみれば、これから1段階あるいは2段階下がったり上がったりするということが起きるかもしれません。以上がコメントです。

【中杉委員長】 結果としては、このままで構いませんか。

【吉岡委員】 結果としては、このままで構いません。

【中杉委員長】 ありがとうございました。
  ほかにコメントございませんか。よろしいでしょうか。
  それでは、ほかに御意見がないようでしたら、この物質については、人健康:第二種監視化学物質相当、生態影響:第三種監視化学物質相当という判定をさせていただきます。

【井上座長】 それでは、次の5例に移ります。まず、1,2,4-トリメチルベンゼン、お願いいたします。

【事務局(厚労省)】 審査シート21ページ目でございます。
  Ames試験の結果、陰性、染色体異常試験の結果も陰性。28日間反復投与毒性試験、300mg/kg/dayにおける肝臓や腎臓に対する影響を推定根拠としてNOEL 100mg/kg/dayとしております。
  判定根拠といたしましては、Ames試験及び染色体異常試験は陰性、NOEL100mg/kg/dayであることから第二種監視化学物質相当でないとしております。

【井上座長】 それでは、構造についてお願いいたします。

【渡部委員】 特に気になるような構造はしておりません。

【井上座長】 Ames、染色体についてはいかがでしょうか。

【林委員】 このものについても方法、結果ともに問題ございません。陰性と考えていいと思います。

【井上座長】 28日間反復投与毒性試験はいかがでしょうか。

【前川委員】 30、100、300、1000mg/kg/dayの4用量でなされておりまして、先ほど御説明がありましたように、300以上でのいろいろな変化から、NOELは100mg/kg/dayということになっておりますけれども、毒性学的には非常に程度は軽いものであるということです。

【井上座長】 NOELも100mg/kg/day あるし、毒性学的な内容も軽いものであるということで、ほかにコメントございませんようでしたら、第二種監視化学物質相当ではないということでよろしかろうかと思いますが、いかがでしょうか。
  ありがとうございます。
  それでは、次の4,4'-チオビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール) についてお願いいたします。

【事務局(厚労省)】 審査シート23ページ目でございます。
  Ames試験の結果、陰性となっております。染色体異常試験の結果も陰性。反復投与毒性試験の結果といたしましては、盲腸や結腸の組織学的所見等を推定根拠としましてNOEL15mg/kg/dayとしております。
  また、NTPからの引用も25ページに記載しております。
  もう1ページおめくりいただいて26ページに人健康影響の判定根拠を記載しております。Ames試験及び染色体異常試験が陰性であるが、NOEL15mg/kg/dayであることから第二種監視化学物質相当としております。
以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。

【井上座長】 それでは、構造についてはいかがでしょうか。

【渡部委員】 これもスルフィドなわけですね。スルフィドだからなのかなと思うのですが、このスルフィドをはさんでほぼ対称的に同じ置換基がついておりますが、この分はアンタイオキシダントの機能をもつ構造でして、したがって、毒性学的にはスーパーオキサイドのジェネレーションこそやれ、そう大きな問題はないのではないかと思います。やはりスルフィド化合物の毒性と思われます。

【井上座長】 ありがとうございます。
構造についてほかにコメントございませんか。
それでは、分解性、蓄積性もよろしゅうございますね。
それでは、Ames試験、染色体異常試験については、陰性のようですが、いかがでしょうか。

【林委員】 このものにつきましても方法、結果ともに問題ございません。陰性としていいと思います。

【井上座長】 28日間反復投与毒性試験等についていかがでしょうか。

【廣瀬委員】 投与量が15、60、250mg/kgで行われておりまして、60mgの用量のところで消化管に対する影響が出ております。この消化管に対する影響は非常に特徴的でありまして、小腸、盲腸、大腸から直腸に至るまですべてみられております。変化としましては、空胞変性あるいは粘膜の細胞浸潤、回腸ではさらに繊毛上皮の過形成というような変化がみられております。その他、肝臓あるいは血小板に対する影響も一番高用量でみられております。
NTPから引用されているデータがいろいろ出ておりますけれども、このデータはいずれも混餌投与でありまして、混餌投与の場合は、今の28日間試験とは異なりまして、消化管に対する影響は全くみられておりません。その代わり貧血が新たにみられているような状況になっております。NTPからのデータですが、NOELあるいはNOAELはやはり35あるいは20mg/kg/dayというようなところにありまして、いずれも15mg/kg/dayに近いということで、第二種監視化学物質相当ということでよろしいかと思います。

【井上座長】 モード・オブ・アクションは多少違うけど、ほぼ同じであるということですね。ありがとうございます。
  これについてほかにコメントございませんか。

【前川委員】 一言だけ。これはマウス、ラットの発がん性のデータも出ておりまして、そちらはいずれもNTPの評価ではマイナスであると。ただ、ラットに関しては少しイクイボカルなデータではありますけれども、一応NTPで評価した限りにおいては、陰性であるという結果になっております。

【井上座長】 発がん性はないと。変異原性はないけれども、毒性においてNOELも15mg/kg/dayであるし、第二種監視化学物質相当であるという判断でございますが、よろしゅうございますか。
  ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
  次は(トリフルオロメチル)ベンゼンです。お願いいたします。

【事務局(厚労省)】 審査シート27ページでございます。
  Ames試験の結果は陰性、染色体異常試験の結果も陰性。ReproTox試験の結果でございますが、反復投与毒性部分においては、肝臓と腎臓の組織学的所見と肝の相対重量の上昇を推定根拠としましてNOEL20mg/kg/day、生殖発生毒性部分につきましては、新生児体重の低下を推定根拠としましてNOEL20mg/kg/day未満としております。
判定根拠といたしましては、Ames試験及び染色体異常試験が陰性であるが、NOEL20mg/kg/day(生殖発生毒性については20mg/kg/day未満) であることから第二種監視化学物質相当としております。
以上、よろしくお願いいたします。

【井上座長】 では、この構造についてのコメントお願いします。

【渡部委員】 これはフッ素化合物、一般にフッ素化合物はアルキルに全部ついたときには非常に丈夫なんです。つまり安定なんですが、こういうベンゼンのメチルあるいはメチレンの位置についたフッ素というのは、かなりアンステーブルだと思われます。
この毒性データをざっと拝見すると、歯に対する影響というのは出ていませんでしたか。一般にフッ素化合物というのはそういう傾向があるのですが。

【事務局(厚労省)】 報告書の範囲内では記録されておりません。でも観察はされていると思うのですが、一応信じていいと思います。

【渡部委員】 わかりました。では結構です。

【井上座長】 ありがとうございます。
分解性は難分解性、蓄積性は高濃縮性ではない、これについてはよろしゅうございますか。
  それでは、Ames、染色体についてのコメントお願いします。

【林委員】 これも標準的な方法で試験が行われておりまして、このものにつきましても陰性と考えられます。

【井上座長】 反復投与毒性・生殖発生併合試験についてはいかがでしょうか。

【前川委員】 これは20、100、500mg/kg/dayの3用量でなされておりまして、先ほどの御説明のように、主として肝臓、腎臓への影響から、反復投与に関しましてはNOEL20mg/kg/dayということになっております。先ほど渡部先生からの御質問もありましたが、フッ素化合物ということで、データも注意して見ましたけれども、歯に対する影響に関しては全く触れられておりません。

【井上座長】 ありがとうございます。
  ほかにはいかがでしょうか。

【安田委員】 生殖発生毒性の方、NOEL20mg/kg/day未満ということですが、この根拠は、先ほど事務局から説明がありましたように、新生児の体重が低いということで、新生児の数とかには特に変化はなく、また、形態的な異常、つまり催奇形性はないという結果でございました。

【井上座長】 ありがとうございます。
  ほかにはいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
  では、事務局の提案どおり、Ames試験及び染色体異常試験が陰性であるが、NOEL20mg/kg/day(生殖発生毒性については20mg/kg/day未満) であることから第二種監視化学物質相当であるということとさせていただきます。
  ありがとうございます。
  次は、3つほど前のトリメチルベンゼンと場所が違って1,2,3 になっておりますが、事務局、御説明お願いします。

【事務局(厚労省)】 29ページ、1,2,3-トリメチルベンゼンでございます。
  Ames試験の結果は陰性、染色体異常試験の結果、陰性。28日間反復投与毒性試験の結果では、血液学的検査、血液生化学的検査の所見を推定根拠としましてNOEL30としております。
人健康影響の判定根拠といたしましては、Ames試験及び染色体異常試験が陰性、NOEL30mg/kg/dayであることから第二種監視化学物質相当でないとしております。
以上、よろしくお願いいたします。

【井上座長】 この構造について。

【渡部委員】 先ほどのトリメチルベンゼンの異性体と全く同じコメントです。

【井上座長】 ありがとうございます。
分解性、蓄積性についてコメントございませんか。
それでは、Ames、染色体についてお願いします。

【林委員】 このものにつきましても標準的な方法で試験がされておりまして、Ames試験、染色体異常試験ともに方法、結果ともに問題ございません。

【井上座長】 ありがとうございます。
これについては28日間反復投与のみ行われているようですが、コメントお願いします。

【廣瀬委員】 100、300、1000mg/kg/dayの投与量で行われておりまして、1,2,4 でも肝臓、腎臓に対する軽い影響が認められておりましたけれども、1,2,3 でも同様に肝臓あるいは腎臓に対する影響は認められております。それに加えて、300mg/kg/day以上から有意にPTあるいはAPTT、フィブリノーゲンが増加しております。特にPT、APTTの延長は、100mg/kg/dayで有意差はないようなんですが、数値から見ると、明らかに延長しております。それで申請者の方は100mg/kg/dayでも影響があるととりまして、その後、用量を3、10、30mg/kg/dayに減らして同様の追加試験を行っております。その結果、30mg/kg/dayで影響がみられていないということで、NOELが30になっております。そういうことから、第二種監視化学物質相当でないという結論でよろしいかと思います。

【井上座長】 ありがとうございます。
  追加のコメントございませんか。
  では、ただいまの御説明のように、よく試験してあって、NOEL30mg/kg/dayという値が出されていて、したがって、第二種監視化学物質相当でないという結論でございます。よろしゅうございますか。

【青木委員】 ただ、環境の観点からみたときに、もちろん今の判定には何ら異論はないのですが、一番最初の1,2,4 の方が、現エコ調査、22ページのところで大気中の検出頻度が非常に高くなっております。今御審議のところがありまして、1,2,3 については調査がないようですが、この判定自体、経口投与で行うということですので、もちろん判定自体には問題ないのですが、実際に環境中に、恐らく物性が近いところから想定すると、大気中にある程度存在するということが予想されますので、例えば経気道暴露での毒性がどうかということは、今後留意しておく必要があると考えております。

【井上座長】 こういう御指摘でございますが、伺っておくことでよろしいですか。

【事務局(厚労省)】 はい。

【井上座長】 ありがとうございます。
  ほかにはございませんか。
  では、先ほど申しましたとおり、第二種監視化学物質相当ではないという結論で御了承いただきます。
  その次は、2-ヒドロキシ-4-(オクチルオキシ) ベンゾフェノンでございます。お願いします。

【事務局(厚労省)】 審査シート31ページでございます。
  Ames試験陰性、染色体異常試験陰性。28日間反復投与毒性試験も全群で特に毒性学的影響は認められておりません。NOEL1000mg/kg/dayとなっております。
判定根拠といたしましては、Ames試験及び染色体異常試験は陰性、NOEL1000mg/kg/dayであることから第二種監視化学物質相当ではないとしております。
以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。

【井上座長】 それでは、構造について。

【渡部委員】 化学構造上は特に気になるような点はございません。

【井上座長】 西原先生はよろしゅうございますか。

【西原部会長】 はい。

【井上座長】 それでは、分解性、蓄積性についてのコメントもないということで、Ames、染色体についてお願いいたします。

【林委員】 これも陰性と考えて問題ないと思います。

【井上座長】 28日間反復投与毒性試験は特にないようですが、コメントありましたらどうぞ。

【前川委員】 今御説明のように、全く変化は出ておりません。

【井上座長】 ありがとうございます。
ほかにコメントがないようでしたら、NOEL1000mg/kg/dayあることから、第二種監視化学物質相当ではないということになりますが、よろしゅうございますか。
では、どうもありがとうございます。

【西原部会長】 それでは、その次の物質、3-503、お願いします。

【事務局(厚労省)】 審査シート32ページ、ノニルフェノールでございます。
  Ames試験の結果、陰性、染色体異常試験の結果も陰性。28日間反復投与毒性試験においては、肝の相対重量の上昇、腎の間質性細胞浸潤を推定根拠としましてNOEL15mg/kg/dayとしております。
収集された情報をEUのRARや化学物質有害性評価書からメインに引用しております。その内容を33ページ、34ページに記載しております。
  人健康影響の判定根拠といたしましては、Ames試験及び染色体異常試験は陰性であるが、NOEL15mg/kg/dayであることから、第二種監視化学物質相当としております。
  以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。

【西原部会長】 ノニルフェノールですが、まず構造からお願いします。

【渡部委員】 これは単純なフェノールの誘導体ということで、サイトトキシシティなんていうことを言うつもりはございません。アルキルの鎖が長くなれば、サイトトキシシティは下がってくるわけですが、それ以上にこの物質については特に言及しておかなければならないのは、いわゆる環境ホルモン、内分泌かく乱物質として有名な物質ですね。これは中性界面活性剤に恐らく使っているのだろうと思うのですが、その場合のノニルフェノールというのは、この構造式に書かれたような直鎖ではなくて、多くの場合は分枝、枝分かれをした状態で存在する場合が多い。それは中性界面活性剤の原料として使うためには、そうではなくてはならないという物性上の要求があるわけです。これも果たしてそうなのかどうかということですが、そういった分枝構造を持ったものにエストロジェン様作用が強く現れるという事実があります。これはどうなんですか。

【西原部会長】 私の方からコメントさせていただきます。まず1つは、パラ位であるかどうかですね。オルトのノニルフェノールに関しては、ほとんど内分泌かく乱作用はないと思います。パラ位で直鎖でもペンチルグレーがERへの結合活性が一番強かったと思います。鎖が長くなると、水に溶けにくくなって、レセプターへのくっつきも悪くなってくるというもので、界面活性剤として使っているのは、先生が指摘されましたように、分枝したもの、あれは真ん中でつながったものですね。そういうものがたくさん使われている。それにはかなり強い女性ホルモン活性といいますか、レセプターへの結合活性があるというふうなものですね。だから、調べられたのは、その辺の情報としては、きっちりとしているのか、あるいはミクスチャーとしてやっているのか。

【事務局(厚労省)】 基本的にミクスチャーのものでやっておりますし、EUのRARとか、そういった文書もミクスチャーで、特定しているものではなかったと思います。

【西原部会長】 そういうふうに構造の細かいところによってちょっとずつまたその辺のレセプターへのくっつき方が違ってくるということだけ頭に入れておいていただければいいと思います。
  分解性、蓄積性に関しては審議済みですね。
  Ames陰性、染色体陰性ですが、コメント等ございませんでしょうか。

【林委員】 これはAmes試験の方も抗菌活性はかなり出ております。しかし、変異原性という意味からは陰性でいいと思います。染色体異常試験についても細胞毒性はかなり認められますが、染色体の構造異常、数的異常の誘発は認められておりません。また、他の毒性の中で、34ページのところに小核試験も書かれていますが、ともに陰性ということで、遺伝毒性からは特に問題になるものではないと考えます。

【西原部会長】 次に28日間反復投与毒性について。

【廣瀬委員】 投与量4、15、60、250mg/kg/dayの4用量で行われておりまして、雌では最高用量で軽い貧血がみられております。それからやはり最高用量で雌雄とも腎臓の尿細管に対する毒性が出ておりまして、特に近位尿細管単細胞性壊死あるいは再生的な尿細管の発現が認められております。それに加えて、移行上皮である腎あるいは膀胱の過形成も認められております。60mg/kg/day以上では肝臓に対する影響、これはそれほど強いものではありませんけれども、肝比重量の増加という変化が認められておりますので、NOELが15mg/kg/dayということになります。
  なお、この28日間の試験では、内分泌、特に生殖系に対する影響は、十分な検索が行われておりませんので、あるかどうか、その辺は判定できないと思います。
  それから、EU-RARによる文献的な検索では、肝臓あるいは腎臓に対する同様の変化が認められておりまして、NOELは50、100mg/kg/day、一番低いので、LOAELになっておりますけれども、15mg/kg/dayというデータがあります。
  28日間に関しましてはそれだけです。

【西原部会長】 NOELは15mg/kg/dayが一番小さいということですね。
  生殖発生についてもデータがありますが、コメント等ございませんでしょうか。

【安田委員】 これも文献的にいろいろな実験がなされております。混餌、強制経口等々ルートも違いますし、観察のポイントも違っておりますけれども、子宮の重量の増加、今の内分泌かく乱ということから予測されるわけですが、雌動物に対して子宮重量増加等が認められておりますが、こどもへの影響としては、催奇形性などは認められていないというところでございます。資料33ページに記載がございますけれども、NOAELが、例えば混餌投与の場合に15mg/kg/dayというような値でございます。

【西原部会長】 そのほかにコメント等ございませんでしょうか。

【事務局(厚労省)】 申し訳ございません。先ほどの構造に関して、最終報告書まで確認致しました。当省の既存点検で実施した試験サンプルでは、直鎖か分岐かはわからないのですが、オルト体のものが10%以下であって、パラ体のものが残りだということだけは確認できました。基本的にはミクスチャーで--

【西原部会長】 パラ体がメジャーですね。

【事務局(厚労省)】 ということが、既存点検のAmes、染色体、28日のサンプルはそのようになっております。

【池田委員】 早とちりして伺っているのかもしれません。今たまたま混合体という話が出てきたので。EUのデータはミクスチャーについてだとおっしゃいましたが、ミックスだという場合にも2つポイントがあって、オルト、パラに関してミクスチャーかどうかと、9つのカーボンの並び方についてもミクスチャーなのかどうかがあります。第二種監視化学物質相当と判断したときに、何についてその判断をしたのか明らかにしておいた方がいいでしょうね。今の場合には、理解としては、オルト、パラに関してもミックスだし、9つのカーボンの並びについてもミックスだ、そういうものについて考えている、それでよろしいのでしょうか。

【西原部会長】 それでよろしいですか。規制する場合ですね。

【事務局(厚労省)】 評価文書としては、繰り返しになりますが、ノニルフェノール一括で評価文書が出ております。結局、今回御審議いただくのがノニルフェノール全体か、試験サンプルが入っていたものだけにするか、という御意見でしょうか。
  基本的には、評価文書自体が全部一括したもので出ておりますので、評価文書ももちろん信用のある文献ですので、そちらも重視して一括での指定という方向性もあるのかなと考えてはおります。それで事務局案としてはこのような形をとっております。

【渡部委員】 今、池田先生のおっしゃったことについてなんですが、最初に私が、これは中性界面活性剤の原料としてのノニルフェノールかどうかというのを問いかけたのにはかなり大きなあれがありまして、私も実はノニルフェノールの環境ホルモン作用というので、プロジェクト研究の一環として、その代謝をやることになったわけです。代謝をやるからには、ミクスチャーを使って代謝をやるわけにいかないからというので、アイソマーを一つ一つメジャーなものを分離していったわけです。その前提として、今市販されているノニルフェノールのHPLCによるアイソマーの構成比を調べてみましたら、てんでばらばらだと申し上げたいですね。似たようなパターンですが、本当にばらばらだなと思っております。それを評価するということ以外に仕方がないのかなと。現実がそうですから。

【西原部会長】 私もパターンを見たことがあります。何十本もピークが出ています。
  ただ、この試験サンプルは直鎖なんですか。それはわかるのではないですか。

【事務局(厚労省)】 それも確認できておりません。パラ体がメインというのだけはわかっております。

【西原部会長】 ということですから、もし規制するということは、全部という形になるわけですね。あるいはもし誰かがこれを使いたいと、特定して1種類だけというならば、そのデータをもって再度申請してもらうか何かになるのですか。これは新規物質になるのですか。

【事務局(厚労省)】 もちろんノニルフェノール全体が既存物質ですので、申請という形では--

【西原部会長】 パラで直鎖でというので物質を1つに絞った場合。

【事務局(厚労省)】 もし一括で監視物質として告示を行い規制をかけたときに、1つ特定した構造で新たなデータが得られたときに、もう一度この場で審議するのか、ということでしょうか。

【西原部会長】 既存でなくて、新規として申請できるのでしょうか。

【事務局(厚労省)】 新規としてはできない。ノニルフェノール全体でもともと既存物質でございますので。

【西原部会長】 私自身ちょっと不審に思っていたのは、ナトリウム塩とカリウム塩だったらできるわけですよね。これは屁理屈ですからやめておきます。
  人健康の毒性のところでほかにコメント等ございませんでしょうか。

【青木委員】 これはあくまでも情報としてなんですが、3世代の投与試験のデータが示されておりますが、これは何代目に出たかとか、そういう情報はあった方がいいような気がするのですが、いかがでしょうか。後で記録として残るものですので、何世代目にこのような影響が出たかということが記載されていた方が情報としていい。

【事務局(厚労省)】 先生がおっしゃっているのは3世代ですか。

【青木委員】 3世代。何世代目でこういう影響が出たか。

【事務局(厚労省)】 3世代までやっているけど、何世代目でというのを明記したような形に記載した方がよろしいのではないかということですね。了解いたしました。
  江馬先生から補足いただけるかと思います。

【江馬委員】 次世代と次々世代です。

【日下委員】 そうすると、15mg/kg/dayをLOAELにしているというのも次世代と3世代ですか。

【江馬委員】 そうです。

【日下委員】 今回、NOELが15mg/kg/dayというのとLOAEL15mg/kg/dayというのとは、世代というか、そもそもこっちの方は次世代、3世代だから、比較できないですね。

【江馬委員】 そうですね。

【西原部会長】 単純にはできないですね。かなり強いということは言える。弱くはないということは言える。
  ということで、人健康に関しては、第二種監視化学物質相当ということですが、それでよろしいでしょうか。そうではないという人はいないと思います。
  先ほどから言っていますように、告示ではノニルフェノールすべてという形になります。
  生態影響の方は第三種監視化学物質相当ということで審議済みでありますので、この物質に関しては、第二種監視化学物質、第三種監視化学物質、両方とも相当するということでよろしいでしょうか。
  それでは、そのようにさせていただきます。
  次の物質、3-828であります。御説明お願いします。

【事務局(環境省) 】 それでは御説明させていただきます。藻類生長阻害試験、72hEC50値1.4mg/L、72hNOEC値0.36mg/Lとなっております。ミジンコ急性遊泳阻害試験、48hEC50値0.40mg/L、ミジンコ繁殖阻害試験、21dNOEC値0.062mg/Lとなっております。37ページに移りまして、魚類急性毒性試験、96hLC50値0.28mg/Lとなっておりまして、ミジンコ急性遊泳阻害試験、ミジンコ繁殖阻害試験、魚類急性毒性試験の結果をもって、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。
以上、よろしくお願いいたします。

【西原部会長】 人健康は第二種監視化学物質相当ということが告示済みであります。生態影響に関してコメント等ございませんでしょうか。第三種監視化学物質相当であるという事務局案ですが、よろしいでしょうか。
それでは、御意見がないようですので、第三種監視化学物質相当ということにさせていただきます。
その次の物質、5-3352でジベンゾチオフェンです。説明をお願いします。

【事務局(環境省) 】 それでは38ページを御覧ください。藻類生長阻害試験、72hEC50値1.6mg/L、72hNOEC値0.55mg/Lとなっております。ミジンコ急性遊泳阻害試験、48hEC50値0.44mg/L、ミジンコ繁殖阻害試験、21dNOEC値0.054mg/Lとなっております。魚類急性毒性試験、96hLC50値1.4mg/Lとなっておりまして、39ページに移りまして、魚類初期生活段階毒性試験につきましては、体重と体長を推定根拠にしまして、NOEC値が0.032mg/Lとなっております。
判定根拠といたしまして、ミジンコ急性遊泳阻害試験、ミジンコ繁殖阻害試験、魚類急性毒性試験、魚類初期生活段階試験の結果をもって、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。
以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。

【西原部会長】 この物質に関しては、人健康はデータがありませんので、これからですね。生態影響について今説明がありましたが、第三種監視化学物質相当ということですが、コメント等ございませんでしょうか。
コメントがないようですので、第三種監視化学物質相当ということにさせていただきます。
その次は4-800、ジクロロベンゼンです。

【事務局(環境省) 】 それでは40ページを御覧ください。藻類生長阻害試験、72hEC50値1.4mg/L、72hNOEC値0.15mg/Lとなっております。ミジンコ急性遊泳阻害試験、48hEC50値1.9mg/L、ミジンコ繁殖阻害試験、21dNOEC値0.21mg/Lとなっております。41ページに移りまして、魚類急性毒性試験、96hLC50値0.51mg/Lとなっております。
なお、いずれの試験とも3,3'-ジクロロベンジジン二塩酸塩で行っており、毒性値については3,3'-ジクロロベンジジンに換算した毒性値で記載させていただいております。
生態影響の判定根拠につきましては、ミジンコ急性遊泳阻害試験の結果及び構造中に芳香族アミンを有することと魚類急性毒性試験の結果から、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。
以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。

【西原部会長】 この物質に関しましては、人健康は既に指定化学物質ということで第二種監視化学物質相当ということになっております。生態影響に関しては、今御説明がありましたが、コメント等ございませんでしょうか。
コメントがないようでございますので、第三種監視化学物質相当ということにさせていただきます。
それでは、その次、4-40、4,4'-メチレンビスベンゼンアミンです。

【事務局(環境省) 】 それでは御説明させていただきます。42ページを御覧ください。藻類生長阻害試験、72hEC50値12mg/L、72hNOEC値4mg/Lとなっております。ミジンコ急性遊泳阻害試験、48hEC50値2.5mg/L、ミジンコ繁殖阻害試験、21dNOEC値0.0052mg/Lとなっております。43ページに移りまして、魚類急性毒性試験、96hLC50値21mg/Lとなっておりまして、生態影響の判定根拠としましては、ミジンコ急性遊泳阻害試験の結果及び構造中に芳香族アミンを有すること、かつミジンコ繁殖阻害試験の結果から、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。
以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。

【西原部会長】 この物質に関しましても既に人健康は指定化学物質で告示済みでありま
す。生態影響について、今御説明のとおりですが、コメント等ございませんでしょうか。

【吉岡委員】 試験の実施された時期が少し古いものですから、今のガイドラインに合わないところが多少ございます。これはこれまでのデータもそうですが、ただ、現在の第三種監視化学物質相当と判定するには問題がないだろうと感じます。

【西原部会長】 よろしいでしょうか。
それでは、第三種監視化学物質相当ということにさせていただきます。

【中杉委員長】 それでは、最後の6つ、最初は3-261、2,5-ジクロロアニリンです。

【事務局(環境省) 】 それでは44ページを御覧ください。藻類生長阻害試験、72hEC50値9.6mg/L、72hNOEC値1.9mg/Lとなっております。ミジンコ急性遊泳阻害試験、48hEC50値1.8mg/L、ミジンコ繁殖阻害試験、21dNOEC値0.032mg/Lとなっております。魚類急性毒性試験、96hLC50値2.2mg/Lとなっておりまして、生態影響の判定根拠としましては、ミジンコ急性遊泳阻害試験の結果と構造中に芳香族アミンを有すること、ミジンコ繁殖阻害試験の結果及び魚類急性毒性試験の結果から、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。
以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。

【中杉委員長】 これも芳香族アミン類で、ミジンコへの影響がかなり強いようですが、三監相当という判定でございますが、コメントございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特に御意見がないようですので、この物質についても事務局案どおり第三種監視化学物質相当という判定をさせていただきます。
引き続きまして、2,4-ジクロロアニリン、先ほどのものの異性体です。

【事務局(環境省) 】 それでは46ページを御覧ください。藻類生長阻害試験、72hEC50値9.9mg/L超、72hNOEC値1.1mg/Lとなっております。ミジンコ急性遊泳阻害試験、48hEC50値4.2mg/L、ミジンコ繁殖阻害試験、21dNOEC値0.016mg/Lとなっております。47ページに移りまして、魚類急性毒性試験、96hLC50値8.1mg/Lとなっておりまして、生態影響の判定根拠としましては、ミジンコ急性遊泳阻害試験の結果及び構造式中に芳香族アミンを有すること、ミジンコ繁殖阻害試験の結果及び魚類急性毒性試験の結果から、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。
以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。

【中杉委員長】 先ほどの物質の異性体で、毒性もほぼ同じ傾向でございますが、コメントお願いします。

【吉岡委員】 コメントというよりも、ちょっと気になっているのですが、「構造式中に芳香族アミンを有すること」というのは、私どもはわかりますけれども、一般の人にこう書いて、それがどういうことを意味しているのかということがわかるかどうかちょっと疑問に思って、たしか基準が公開されてなかったのではないか。

【事務局(環境省) 】 判定基準につきましては、参考資料として付けさせていただいておりますけれども、これにつきましては、公開されているものでございます。

【中杉委員長】 もう少し説明するとすると、「であり、かつ」ですか。そこの補強しているものだということがわかるような表現の方がいいかもしれませんね。だらだらだらっと流れていっていると、芳香族アミンだとだめだというふうな感じでとられると少しまずいように思いますので、少し工夫をしていただく。前のものもそうですが、ミジンコの試験については、1 ~10 mg/Lのところについては、構造からみてどうこうという議論をするということで、アミン類はそれに該当するという判断だという流れになっていて、こういう記載がないといけないということになっていますけれども、そこら辺、工夫をしていただければと思います。

【事務局(環境省) 】 御指摘を踏まえまして、表現ぶりを考えたいと思います。

【中杉委員長】 判定についてはよろしいかと思いますけれども、ほかに御意見ございますか。
ございませんようでしたら、2,4-ジクロロアニリンも生態影響は第三種監視化学物質相当と判定させていただきます。
次は3,5-ジメチルアニリンです。

【事務局(環境省) 】 それでは48ページを御覧ください。藻類生長阻害試験、72hEC50値29mg/L、72hNOEC値5.8mg/Lとなっております。ミジンコ急性遊泳阻害試験、48hEC50値2.2mg/Lとなっておりまして、ミジンコ繁殖阻害試験、21dNOEC値0.030mg/Lとなっております。49ページに移りまして、魚類急性毒性試験、96hLC50値34mg/Lとなっておりまして、生態影響の判定根拠につきましては、先ほど御指摘がございましたが、今の段階ではこのままという形にさせていただきまして、ミジンコ急性遊泳阻害試験の結果と構造中に芳香族アミンを有することとミジンコ繁殖阻害試験の結果から、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。
以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。

【中杉委員長】 先ほどのものから、ちょっと位置は違いますけれども、クロルが2つメチルに変わったものですが、毒性の方は余り変わらずに同じような毒性でございます。第三種監視化学物質相当という判定でございますが、コメントございますでしょうか。
  よろしいでしょうか。
  それでは、特段御意見ございませんようですので、3,5-ジメチルアニリンも第三種監視化学物質相当という判定をさせていただきます。
  引き続きまして、m-フェニレンジアミンです。

【事務局(環境省) 】 それでは審査シート50ページを御覧ください。藻類生長阻害試験、72hEC50値30mg/L、72hNOEC値10mg/Lとなっております。ミジンコ急性遊泳阻害試験、48hEC50値2.0mg/Lとなっておりまして、ミジンコ繁殖阻害試験、21日間NOEC値0.20mg/Lとなっております。魚類急性毒性試験、96hLC50値>100mg/Lとなっておりまして、生態影響の判定根拠としましては、ミジンコ急性遊泳阻害試験の結果と構造中に芳香族アミンを有することを踏まえまして、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。
以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。

【中杉委員長】 この物質も芳香族アミンということで、甲殻類に強い毒性を有することから三監相当という判定でございますが、コメントございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
特段のコメントがないようですので、m-フェニレンジアミンについても第三種監視化学物質相当という判定をさせていただきます。
次はN-エチルアニリンでございます。

【事務局(環境省) 】 それでは審査シート52ページを御覧ください。藻類生長阻害試験、72hEC50値33mg/L、72hNOEC値3.6mg/Lとなっております。ミジンコ急性遊泳阻害試験、48hEC50値4.3mg/Lとなっておりまして、ミジンコ繁殖阻害試験、21dNOEC値0.54mg/Lとなっております。53ページに移りまして、魚類急性毒性試験、96hLC50値80mg/Lとなっておりまして、生態影響の判定根拠としましては、ミジンコ急性遊泳阻害試験の結果と構造中に芳香族アミンを有することをあわせまして、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。
以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。

【中杉委員長】 これも芳香族アミンで、甲殻類のミジンコに対する毒性から第三種監視化学物質相当という判定でございますが、コメントございますでしょうか。
特段コメントがないようでございますので、N-エチルアニリンについても第三種監視化学物質相当という判定をさせていただきます。
では、最後の3,3'-ジメチルベンジジンです。

【事務局(環境省) 】 審査シート54ページを御覧ください。藻類生長阻害試験、72hEC50値6.3mg/L、72hNOEC値0.45mg/Lとなっております。ミジンコ急性遊泳阻害試験、48hEC50値は、試験機関と数値が変わっておりまして、事務局案としましては3.9mg/Lとさせていただいております。ミジンコ繁殖阻害試験、21dNOEC値0.26mg/Lとなっております。55ページに移りまして、魚類急性毒性試験、96hLC50値13mg/Lとなっております。生態影響の判定根拠としましては、ミジンコ急性遊泳阻害試験の結果及び構造中に芳香族アミンを有することをあわせまして、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。
以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。

【中杉委員長】 これも芳香族アミンで、ほぼ似たような毒性、甲殻類に対する毒性があることから、第三種監視化学物質相当という判定でございますが、コメントございますでしょうか。
特段コメントがないようですので、3,3'-ジメチルベンジジンについても、事務局案どおり、第三種監視化学物質相当という判定をさせていただきます。
これで一応既存化学物質の審議は終わったということで、議題の2は終了させていただきまして、議題の3「その他」ということで、第一部の最後に事務局から何かありますでしょうか。

【事務局(環境省) 】 特段ございません。

【中杉委員長】 それでは、今日は1物質について次回持ち越しということになりましたけれども、本日の審議会の第一部はこれで終了させていただきます。
 

ページ先頭へ