平成30年度第9回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会 平成30年度化学物質審議会第4回安全対策部会第191回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員 議事録

1.日時

平成31年1月18日(金)13:00 ~ 15:20

2.場所

中央合同庁舎5号館 18階 専用第22会議室

3.出席:(五十音順、敬称略)

薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会委員

石田 誠一     小川 久美子    菅野 純

鈴木 勇司     高橋 祐次     田中 博之

能美 健彦(座長) 平塚 明      平林 容子

広瀬 明彦 本間 正充

化学物質審議会安全対策部会委員

浅野 哲      大石 美奈子    柏田 祥策

金子 秀雄     小林 剛      坂田 信似

恒見 清孝     東海 明宏     林 真(部会長)  

原田 房枝

中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会委員

青木 康展     稲寺 秀邦     菅野 純      

小山 次朗     白石 寛明(委員長)鈴木 規之     

田辺 信介     山本 裕史     吉岡 義正     

和田 勝

事務局

厚生労働省  渕岡化学物質安全対策室長

経済産業省  飛騨化学物質安全室長

環境省  東化学物質審査室長 他

4.議題

  1. 優先評価化学物質のリスク評価(一次)評価Ⅱにおける評価等について

  2. 化審法における優先評価化学物質に関するリスク評価の基本的な考え方及びリスク評価手法の改訂について

  3. 一般化学物質のスクリーニング評価について

  4. その他

5.議事

○厚生労働省 定刻となりましたので、ただいまから、平成30年度第9回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会及び平成30年度化学物質審議会第4回安全対策部会並びに第191回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会の合同審議会を開催いたします。本日は、いずれの審議会の開催に必要な定足数を満たしており、それぞれの審議会が成立していることを御報告いたします。なお、本合同審議会は第一部と第二部に分けて実施させていただきます。本日は、13時から15時までを第一部とし、3つの議題、1つ目が優先評価化学物質のリスク評価(一次)評価Ⅱにおける評価等について、2つ目として化審法における優先評価化学物質に関するリスク評価の基本的な考え方及びリスク評価手法の改訂について、3つ目として、一般化学物質のスクリーニン評価について、公開で審議を行いたいと思います。第一部の終了後、休憩をはさみまして、1515分を目処に第二部を行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 続きまして、合同審議会開始前に、厚生労働省事務局より所属委員への薬事分科会規定11条への適合状況の確認結果について御報告させていただきます。同11条におきまして、委員、臨時委員、又は専門委員は在任中、薬事に関する企業の役員、職員、又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には辞任しなければならないと規定しております。今回、全ての委員の皆様より同規定11条に適合している旨を御申告いただいておりますので報告させていただきます。委員の皆様におかれましては、会議開催の都度、書面を御提出していただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き、御理解、御協力を賜わりますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは、お手元の配付資料について確認いたします。資料の束の一番上に議事次第がありますが、この議事次第に書かれている資料の順番で御説明をさせていただきます。まず、議事次第をめくっていただきますと、審議物質①のジカリウム=ピペラジン-1,4-ビス(カルボジチオアート)の評価について(人健康影響)()が、資料1-1です。審議物質②の生体影響の評価に関する資料が、資料1--1から1--2、1--3、1--4まで4つあります。次に、議題2に関する資料として、資料2-1から2-2、2-2の別紙、2-3となっています。議題2の資料2の参考については、紙でお配りしておりませんので、お手元の電子端末の中に電子データとして配付させていただいております。

 次に議事次第の裏にいきまして、議題3に関する資料として、資料3-1、3-2、資料3-2別紙まで、3セットの資料をお配りしています。その他配付資料としてお示ししています参考資料1から参考資料4-2までの5つにつきましても先ほどと同様、電子媒体として端末に入れています。最後に、議事次第には記載がございませんが、環境省から報告のある案件として、優先評価化学物質に関する状況報告というA4の1枚紙と、その下に同物質に関する進捗報告として、平成30年3月の検討会の際にお配りした資料を参考資料としてお配りさせていただいております。配付資料は以上となります。過不足等がありましたら事務局までお申し付けいただきますよう、よろしくお願いします。

 早速、これより御審議を賜わればと存じます。本日、全体の議事進行につきましては、化学物質調査会の能美座長にお願いしたいと思います。能美座長、どうぞよろしくお願いいたします。

○能美座長 それでは、これより議事に移らせていただきます。初めに、本日の会議の公開の是非についてお諮りいたします。各審議会の公開につきましては、それぞれ規定のあるところでございますが、公開することにより、校正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、又は特定の者に不得な益、若しくは不利益をもたらすおそれがある場合等、非公開とすべき場合には該当しないと考えますので、原則、公開といたしたいと思います。ただし、営業秘密等に該当する場合は秘匿することを認めることといたしたいと思います。これでよろしいでしょうか。ありがとうこございます。それでは、本日の会議は公開といたします。議事録につきましては、後日ホームページ等で公開されますので、あらかじめ御承知おき願います。

 それでは、議題1の優先評価化学物質のリスク評価(一次)評価Ⅱにおける評価等についての審議に入ります。まず、資料1-1、ジカリウム=ピペラジン-,-ビス(カルボジチオアート)の評価について(人健康影響)()について、事務局より説明をお願いいたします。

○経済産業省 それでは、資料1-1を御覧ください。本物質につきましては、資料の構成が通常と異なりますが、御了承ください。初めの1ページ目の資料1-1が概要になっております。1つ目の○から御説明いたします。これまでの背景となります。ジカリウム=ピペラジン-,-ビス(カルボジチオアート)、以下、PDTKと呼ばせていただきますが、これについては、化審法の分解度試験において、親化合物の消失と、ピペラジン及び二硫化炭素の生成が認められました。そして、二硫化酸素の毒性がより強いとされることから、平成22年度に実施したスクリーニング評価では、二硫化炭素の有害性クラス()を用いて評価を行った結果、優先度「高」と判定されたため、平成23年4月に優先評価化学物質に指定されました。

 しかしながら、その後、新たに得られた知見から、平成30年9月に、二硫化炭素は良分解性であるとの判定がなされ、PDTKの優先評価化学物質の指定根拠は失われたという状況となっております。2つ目の○ですが、そのため変化物であるピペラジンの有害性クラス()と、PDTKの暴露クラス()を用いて、改めてスクリーニング評価を行いました。その結果、優先度「高」との判定には変わりがないことが確認されました。なお、スクリーニング評価の際には通常、親物質の暴露クラスを用いて行うことになっていますが、今回の場合、PDTK由来の分解産物であるピペラジンの暴露クラスも同様に()でありましたので、仮にそちらを用いても同様の判定結果となります。

NITE 続きまして、2ページ目を御覧ください。こちらにPDTK及びその変化物について用途及び排出等の実状を把握しておりますので、その内容を説明させていただきます。まず、図1が化審法の届出情報です。届出情報は、輸入量はなく、製造量としましてはほぼ横這いで、約1万トンから2万トンの間で推移しているという状況です。

 その下の表1ですが、化審法の届出用途別の出荷数量の内訳です。本物質の主な用途は、水処理の金属イオン封鎖剤、埋立処分前の煤塵処理剤というものが、それぞれ約半々というような状況になっています。先ほど説明がありましたスクリーニング評価ですが、例えば煤塵処理の用途などでは、土壌へ散布して、そのまま水系に排出されるということも想定して少し大きな排出係数が用いられ、排出量が算出されています。しかしながら、この評価に当たり、PDTKの特性、使用実態を把握したところ、PDTK及び変化物であるピペラジンの環境への排出は限定されているという可能性が示されましたので、その説明をいたします。

 3ページです。PDTKは先に述べたとおり、廃棄物処理施設における飛灰処理や、水処理の際の重金属の封鎖をするためのキレート剤というものに使われています。また、キレート反応後は、図2のように、難溶性錯体が形成され、その安定性も確認されています。飛灰処理及び水処理の際に、このPDTKは、余剰に添加をされているのですが、飛灰処理の余剰分というのは処理飛灰とともに、また水処理の際の余剰分というのは、凝集・沈殿をされて沈殿物となって、どちらも管理型の処分場に埋め立てられます。処分場からの浸出水というものも、同じく凝集・沈殿処理がなされるため、環境への排出係数というのは、先ほど申し上げたものより小さいのではないかという知見が得られているところです。

 PDTKの変化物についても、PDTKが販売された経緯であったり、飛灰処理及び水処理の使用実態を調査した結果、PDTK使用時の二硫化炭素及びピペラジンの排出量は少ないレベルにあるという事例が得られました。

○厚生労働省 以上のことを踏まえまして、本物質につきましては今後、使用、排出及び分解の実態を考慮してリスク評価(一次)評価Ⅰを実施することにいたします。以上になります。

○能美座長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局の説明について、御質問、御意見がございましたら、お手元のネームプレートを立ててください。順に指名させていただきます。いかがでしょうか。

○恒見委員 結論自体は妥当なところだと考えています。ただ、今御説明があったように、廃棄物焼却施設とか、処分場の浸出水といった議論になりますので、化審法で扱うべきなのか、ほかの法律、廃掃法などで扱うべきなのかも含めて、法律の仕分けについて、省庁間できちんと議論をしていただくことをお願いしたいと思います。以上です。

○能美座長 ありがとうございます。事務局、よろしいでしょうか。ほかには、どなたか御意見ございませんか。よろしいですか。はい、それでは、このPDTKにつきましては、事務局から説明いただいたとおりの評価及び対応とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

 それでは、次の物質の審議に移りたいと思います。N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ステアルアミドの物理化学的性状等について、事務局より説明をお願いいたします。

NITE それでは、資料1--1を御覧ください。本物質の物理化学的性状の詳細資料となっております。1ページの表1-1にありますのが、評価対象物質となっており、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ステアルアミドの構造となっております。

 2ページの表1-2に本物質のモデル推計に採用した物理化学的性状のまとめがございます。融点としましては、以下の測定値、67.4度、沸点としましても、同じく以下の測定値206.3度、蒸気圧につきましても、以下の20℃における測定値3.4×10-8、更に、水に対する溶解度も同じく20℃における測定値10mg/Lを採用しております。

 続いて、1-オクタノールと水との間の分配係数ですが、こちらは後の議論に少し関係しますので詳細に説明します。3ページの50行目ですが、logPowについての記載です。評価Ⅰの採用値としまして、EPI Suiteの推計値の7.35という値を使用しております。また、その他の信頼性の定まった情報源からは測定値は得られませんでしたが、ECHAのほうではキースタディとしてEU method .8準拠で飽和溶解度の実測値の比率から算出した推計値を記載しておりました。pH4、pH7、pH9のそれぞれの実測値の比率加算した推計値が載っており、ここではECHApH7の推計値2.01を採用としております。ただし、本物質につきましては、界面活性作用を有する物質ですので、logPowについて正しく推計できていない可能性があるため、評価Ⅰで採用していますEPI Suiteの推計値7.35も参考値として併記することとしております。

 表1-2に戻っていただきまして、ヘンリー係数につきましては、Henry推計式による値の1.25×10-6を採用しております。

 続いてKocですが、こちらも詳細に説明いたしますと、3ページの67行目からになります。評価Ⅰの採用値の7.93×104は、EPI SuiteKOCWINによる推計値です。また、その他の信頼性の定まった情報源から測定値は得られておりません。

 しかし、ECHAでは、OECD TG106に準拠したC22ATQでの測定値を、Read acrossにより当該物質に適用した旨の記載がございます。

 表1-3にありますのが、こちらのC22ATQでのKoc試験データとなっておりまして、上から4つ目までがそれぞれの土壌のKocの値となっております。

 また、後述するpKaの値から環境水中においても4級アンモニウムのイオンとして存在し、C22ATQにつきましても、環境水中で同様の形態を取っていると考えられております。

 先ほどlogPowの所でも申しましたが、界面活性作用を有しますので、推計が難しい物質であることからも、当該物質の推計値ではなく、ECHAにおいて物理化学的性状-構造情報・生態毒性等の類推よりRead acrossを行った試験データ由来の値を採用することとしております。ここでは、表1-3の上から4つの値の平均値を1.52×105L/kgとして用いております。

 表1-2に戻っていただきまして、BCFにつきましては、BCFBAFによる推計値9.85BMFにつきましてはlogPow値とBCFの値からガイダンスに記載のあります方法で設定した1、解離定数につきましては、8.6514.8を用いております。解離定数につきましては、4ページの96行目を御覧ください。本物質につきましては、ECHAのほうでは9.45±0.28SPARCでは6.4313.40ACD/Perceptaにおきましては、9.5±0.316.3±0.5、及び9.2±0.414.8±0.4という値が得られております。ACD/Perceptaによりますと、本物質はpH5~8におきまして主に4級アンモニウムイオンとして存在していまして、その存在比率がpH5で100%、pH6で100%、pH799%、pH894%とされております。そのため、評価Ⅱにおいては、これらの推計値の平均として、pKa値として8.6514.8の値を用いて採用しております。

 続いて、5ページの分解性のデータです。表1-4が、本物質の半減期に係るデータのまとめとなっております。大気における半減期としましては、OHラジカルとの反応として、0.14日、また水中における半減期としては、生分解の5日、これは分解度試験のデータから生分解半減期へ換算したものとなっております。土壌の半減期については、生分解で29.5日、底質については生分解で20日という値を採用しております。

 ただいま御説明しました表1-2、表1-4に係る全ての物化性状についてですが、平成30年度の第1回優先評価化学物質のリスク評価に用いる物理化学的性状、分解性、蓄積性等のレビュー会議におきまして了承された値となっております。以上となります。

○能美座長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局の説明について、御質問、御意見等ございましたら、お手元のネームプレートを立ててください。順に指名させていただきます。いかがでしょうか。よろしいですか。

○白石委員長 3ページ目のlogPowのことなのですけれども、EU method .8準拠で飽和溶解度の実測値の比率から算出した値であると書いてありますが、飽和溶解度の実測値の比率というのはどういう意味なのですか。何との比率なのですか。

NITE 水における溶解度、飽和溶解度と、1-オクタノールにおける飽和溶解度をそれぞれ実測しまして、それらの比率を取ったもものと伺っております。

○白石委員長 オクタノールの溶解度ですね。そのときに使った試薬というのは何でしたか。細かいことで、すみません。私が試薬等をいろいろ見たところ、これはlogPowではなくて、logDになっているのではないかというような印象がありまして、その辺を確認いただきたいと思います。要は、イオン化していないもの同士の分解ということでよろしいのですか。計算式と随分違うものですから。続いて、いいですか。答えは後でよろしいのですけど。

 それから解離定数のところも、こうやって計算値が出ていて、これでいいと思うのですけれども。この計算値も大分ずれがあり、3つの計算値がばらついているのですけど、その辺の理由とかが分かれば教えてほしいのです。もう1つは、図の1-1の構造式が非常に不親切。この構造式は正しいのですが、不親切で、Hが除かれてしまっているのですね。Hを書いた形で、平衡式の形で、一番上のNの所はHがついていて、下のほうは、それが外れて+H+という、反応式、平衡式を書いていただくと分かりやすいということです。

 それから、最終的には、算術平均値を用いるということなので。106行目ですかね。ここの引用は、計算すれば出てくる話ですので、pKaが、この場合だと9.3の計算値だと思うのですが、pKa9.3±0.3ACD/Perceptaの値を使った計算はこれだと思うのですが、ここで用いるのは、算術平均とすると、8.65なので、その値にしたほうがよろしいのではないですか。これはコメントでございます。以上です。

○能美座長 事務局、いかがですか。幾つか質問が出てきたかと思うのですけれども。

NITE 溶解度測定の際の詳細につきましては、こちらで後ほど調べて御返答いたします。解離定数のところでの式の表記の仕方につきましても、御指摘があったようなHを書くとか書かないとか、そういったことが分かるように修正したいと思います。

○能美座長 白石先生、この値自体は問題ないのでしょうか。

○白石委員長 値自体は問題ないと思いますが。logPowなのかどうかというのは少し確認いただきたいということです。式のほうも奇異に感じる方も多いと思いますので、平衡式にしたほうがよいと思います。

○能美座長 logPowについてはいかがですか。事務局、後で確認されますか。

NITE 後で確認して御返答いたします。

○能美座長 ほかには、何か御質問、御意見ございませんでしょうか。

○平塚委員 この文章の中に4級アンモニウムイオンとして存在したと書かれているのですが、当該物質は3級アミンなので、どんな物質がついて4級化したのか、その辺りは分かっているのでしょうか。

NITE 水中での形態としまして、Hが付いた形で、4級アンモニウムイオンとして存在するということで、記載させていただいております。

○平塚委員 一般にアルキル基とか、アリール基等が付いて4級化して、そしてそれに、カウンターイオンが付いているというような形かと思うのですけれども、Hが付いているということなのでしょうか。

NITE 岩波の理化学辞典第5版なのですけれども、第1級から3級アミンの塩基につきましても、第4級アンモニウム化合物に分類されるとなっております。それも水中で解離した状態ですので、本物質につきましても、3級アミンの塩基が、第4級アンモニウム化合物となっておりますので、4級アンモニウムイオンとして記載しております。

○平塚委員 ありがとうございました。

○能美座長 よろしいですか。ほかには。

○小林委員 コメントなのですけれども、今回の界面活性作用のある物質ということで、恐らくlogPowについては、余り精度が良いというふうなこととは思っていないのです。レビュー会議でも、この辺は議論になったところなのですけれども、ただ使える値がないということで、今回はこの値で仕方がないかなと思います。そういう意味で、界面活性作用のある物質については、今後どのように評価すべきか。このあとのモデル推計するようなときにも、恐らく大きく不確実性が結果に効いてきますので、ちょっとこれは今後の課題として、御検討していただきたいなというか、そういう場を作っていただきたいなと思っております。

○能美座長 それは事務局、今後の課題としてよろしくお願いいたします。ほかには。よろしいでしょうか。それでは、この物質の物理化学的性状につきましては、ただいま各委員から頂いたコメントを基にして、事務局のほうで、文章の修正をしていただくということで了解していただきたいと思います。白石先生、よろしいですか。ありがとうございます。

 それでは、続きまして、資料1--2、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ステアルアミドの生態影響に係る有害性評価書()の審議に移りたいと思います。事務局より説明をお願いいたします。

○環境省 それでは、資料1--2を御覧ください。本物質はステアルアミドと呼ばせていただきますけれども、ステアルアミドの有害性情報の詳細資料となっております。1枚おめくりください。本物質の有害性評価ですけれども、リスク評価の技術ガイダンスに従い、当該物質の生態影響に関する有害性データを収集し、それらデータの信頼性を確認するとともに、既存の評価書における評価や国内外の規制値の根拠となった有害性評価値を参考としつつ、予測無影響濃度(PNEC)に相当する値を導出いたしました。

 先ほど御説明がありましたけれども、ステアルアミドのlogPowですが、実測の水溶解度から求めた2.01及び、参考値として7.35をお示ししているところです。それと併せて当該物質ですが、中和等でカチオン性を示す界面活性剤で、カチオン性界面活性剤はファンデルワールス力やイオン相互作用により吸着されるとされており、水域では負電荷をもつフミン酸等の腐植物質への吸着や、底質への移行等の可能性が高くなっております。

 また、ECHARead acrossにより設定された値ではありますけれども、土壌吸着定数は73313,900、その値から推定された有機炭素補正土壌吸着係数(Koc)ですが、1.52×10L/kgと大きな値になっており、これらの値は、米国連邦殺虫剤殺菌剤殺鼠剤法が底生生物の毒性試験を要求する条件に合致しています。以上から、底生生物のリスク評価(一次)評価Ⅱも水生生物の評価と併せて実施することが適当としております。

 次ページです。表1-1に、PNECwater導出に利用可能な毒性値をお示しております。一次消費者の急性毒性値、慢性毒性値が得られている状態です。()は、底生生物に関して信頼性のある有害性データは得られていません。

 続いて、1-2の予測無影響濃度(PNEC)の導出です。一次消費者に関する慢性影響のデータが得られています。ECHAによると、オオミジンコの繁殖に対する毒性試験が半止水式で実施されております。試験は、GLP基準に準拠して、対照区から始まって5濃度区(公比2)にて行われています。被験物質濃度はLCMS/MSにより実測され、実測濃度は開始時で設定濃度の96118%。24時間後で定量下限値から設定濃度の30%までの範囲でしたが、各濃度区の実測濃度は示されていません。最高濃度では実験開始7日後には全ての試験生物が死亡したため、産仔は見られていません。最高濃度区を除いた他の濃度区では、産仔数に有意な減少は認められませんでした。したがって、21日間繁殖に対する無影響濃度NOECは、設定濃度を用いて0.2mg/Lとされております。PNECの導出です。1栄養段階(一次消費者)に対する信頼できる慢性毒性値が得られており、この値を種間外挿「10」、室内から野外への外挿係数「10」で除し、ステアルアミドのPNECwaterとして0.002mg/Lが得られております。

 次ページを御覧ください。PNEC値は設定濃度を基に算出されていますけれども、24時間後の実測値が定量下限値から設定濃度の30%までの範囲で低下していたことがありますので、PNEC値算出に実測値を用いた場合、値が低くなる可能性があります。上記で算出したPNECwaterについて、国内外の規制値等との比較を行い、妥当性等を検討いたしました。しかし、参考となる情報は確認されておりません。

 続いて、(2)底生生物です。先ほど御説明いたしましたとおり、底生生物の信頼できる有害性データは得られなかったことから、底生生物へのPNECsedに関しては、水生生物に対するPNECwaterから平衡分配法により換算した値を更に、logPowの予測値が「5」以上であったことから、「10」で除して導出しております。乾重量換算で3.04mg/kg-dwとなっています。なお、「10」で除したのは、logPowの参考値が7.35で「5」以上であること。また、冒頭にも御説明いたしましたとおり、類似物質の土壌吸着係数(Kd)や、それから推定した有機炭素補正土壌吸着係数(Koc)が大きな値であることから、底質等に吸着した物質の経口摂取という、平衡分配法での取り込み経路とは異なる経路からの暴露も考慮すべきと判断した結果です。

 1-3の有害性評価に関する不確実性解析です。PNECwater導出に用いることのできる信頼できる毒性値は一次消費者(甲殻類)の慢性毒性値のみです。2栄養段階の毒性値が得られていない点で基本的な不確実性を有しております。当該物質はlogPowの参考値、また土壌吸着係数(Kd)及びその値から推測した有機炭素補正土壌吸着係数(Koc)から、底質に吸着し、平衡分配法による底生生物に関するPNECsedとは異なる経口経路からの暴露も考慮すべきと考えられますが、これに対応する底生生物への毒性試験結果が得られていないことにも基本的な不確実性を有すると考えています。

 以上から、有害性評価Ⅱの結果、ステアルアミドの水生生物に対するPNECwater0.002mg/L、底生生物に係るPNECsed3.04mg/kg-dwとなっております。説明は以上です。

○能美座長 ただいまの事務局の説明について御質問、御意見等がございましたら、お手元のネームプレートを立ててください。順次、御指名いたします。いかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、引き続き、この物質のリスク評価書()、リスク評価結果及び今後の対応に関する審議に移ります。事務局より説明をお願いいたします。

○経済産業省 資料の説明に入る前に、主に傍聴者の方にお詫びがございます。これから説明する資料1--3ですけれども、昨日、経済産業省のホームページに掲載された資料から一部若干変更されています。今、机上に配布しているものと、ホームページに載っているものが若干違いますので、会議終了後に差し替えます。大変申し訳ございませんでした。以上です。

NITE それでは、資料の説明に入ります。資料1--3の1ページを御覧ください。暴露評価等に用いた物理化学的性状、濃縮性及び分解性については、表2及び表3に掲載しております。こちらは先ほど説明いたしました資料1--1に記載の値のとおりとなっています。

 続いて、3ページの排出源情報です。図1に、化審法の届出情報に基づく製造・輸入数量の経年変化を載せております。化審法の届出情報では、製造・輸入数量の合計は平成27年度以降は減少傾向になっています。化審法の届出の用途は、表4に示してあります。N-[-(ジメチルアミノ)プロピル]ステアルアミドは幾つかの用途で使われていますが、特に排出の寄与が大きいものは用途番号13-a、13-bの水系洗浄剤2(家庭用・業務用の用途)です。暴露情報については以上です。

○環境省 続いて、有害性評価ですけれども、先ほど資料1--2でお示ししたとおりです。以上です。

NITE 続いて、5ページの暴露評価、リスク推計結果です。まずは、排出源ごとの暴露シナリオによる評価です。表7には、化審法の製造数量の届出、都道府県別・詳細用途別出荷数量を用いて仮想的排出源を設定し、推計した結果を示しております。仮想的排出源18か所について評価したところ、水生生物、底生生物共にリスク懸念はありませんでした。

 また、この物質は、水系洗浄剤2という家庭用・業務用での使用段階での排出が想定される用途がありますので、このような非点源からの排出を対象として水系の非点源シナリオといった排出シナリオでも推計しております。こちらは、6ページの表8に結果があります。水生生物については、下水処理場を経由するシナリオ、経由しないシナリオともにリスク懸念は推計されませんでした。一方で底生生物については、下水処理場を経由するシナリオ、経由しないシナリオともにリスク懸念が推計される結果となりました。以上です。

○環境省 続いて、5-3の様々な排出源の影響を含めた暴露シナリオの評価です。化審法届出情報と排出係数から推計した排出量を用いて、様々な排出源の影響を含めた暴露シナリオによる推計モデル(G-CIEMS)により、水質濃度の計算を行いました。推計結果は表9にお示ししたとおりです。この結果、PEC/PNEC比が1以上となるのは161流域、底生生物に関してはPEC/PNEC比が1以上となるのは70流域ありました。

 続いて、5-4の環境モニタリングデータによる評価です。直近5年及び過去10年分のステアルアミドの水質及び底質モニタリングデータは得られなかったため、環境モニタリングデータによる評価は実施しておりません。

 次ページの6の追加調査が必要となる不確実性事項等です。調査の必要性が高いところを中心に御説明いたします。まずは、冒頭に御説明があった物理化学的性状です。これに関しては、調査の必要性「高」としております。再評価に必要な情報ですけれども、環境中pHにおける存在状況を考慮した性状データ間の整合性の検討が必要であろうということです。logPowは界面活性作用を有する物質のため、正しく推計できていない可能性があり、不確実性を有しております。また、Kocは、類似物質の測定値からのRead acrossによる不確実性を有しています。これら不確実性のあるlogPow値やKoc値を底生生物の評価の根拠とすることに不確実性を持っております。

 続いて、PRTR情報等の部分です。PRTR情報としては得られていない状況です。また、環境モニタリング情報ですけれども、これに関しても過去10年にわたりデータが得られていませんので不確実性を有しております。

 有害性です。有害性評価の所でも御紹介いたしましたけれども、PNECwaterの導出に用いることができる信頼できる毒性値は、一次消費者の慢性毒性値のみですので、2栄養段階の毒性値が得られていない点で基本的な不確実性があります。また底生生物へのPNECを設定するに当たり、参考とさせていただいたlogPowあるいは土壌吸着係数等に関しては不確実性がありますので底生生物への毒性試験が得られていないこと、また、こういった算出に関しても不確実性があるだろうということです。水生生物のPNEC値算出に用いたオオミジンコの繁殖影響に関する無影響濃度に関しては、試験用水の性状等から毒性が緩和された値である可能性も考えられ、留意が必要です。

 排出量推計です。本物質に関してはPRTRデータが得られていませんので、化審法の届出排出量を用いて排出量を推計しております。そのため、排出源の位置情報に不確実性を有しています。下水処理率は、他の物質の類推データであるKocを用いた推計値ですので、不確実性を有しています。

 続いて、暴露シナリオ等です。排出源ごとの暴露シナリオに関しては、本物質に関しては家庭用等洗浄剤であることと、安全側の推計値で懸念なしのため、不確実性は低いということです。水系の非点源シナリオに関しても2、4、5に記載のとおりで、PECPNECの両方に不確実性がある状況です。様々な排出源の影響を含めた暴露シナリオに関しても同様となっております。リスク評価書に関しては以上です。

 続いて、資料1--4について御説明をいたします。リスク評価(一次)評価Ⅱにおけるステアルアミドの評価結果です。評価結果及び今後の対応についてです。ステアルアミドについて、生態影響に係る有害性評価として、既存の有害性データから水生生物及び底生生物に対する予測無影響濃度を導出し、暴露評価として、化審法の届出情報に基づく予測環境中濃度(PEC)の計算を行いました。リスク評価結果としてこれらを比較した結果、水生生物に関しては、排出源ごとの暴露シナリオ及び水系の非点源シナリオによる評価ではPECPNECを超える地点はありませんでしたが、様々な排出源の影響を含めた暴露シナリオによる評価では、PECPNECを超える地点が見られております。また、底生生物に関しては、排出源ごとの暴露シナリオによる評価ではPECPNECを超えた地点はありませんでしたけれども、水系の非点源シナリオによる評価あるいは様々な排出源の影響を含めた暴露シナリオによる評価ではPECPNECを超える地点が見られています。また、製造・輸入数量の経年変化は、平成27年度以降減少傾向にあります。

 このことから、現在推計される暴露濃度では、ステアルアミドによる環境汚染により広範な地域での生活環境動植物の生息若しくは生育に係る被害を生ずるおそれがないとはいえないと考えられます。

 他方、当該物質に関しては、不確実性の所でも御紹介いたしましたとおり、界面活性作用を有する物質であり、物理化学性状に不確実性があること、PRTR情報が得られていないため環境排出量の推計に不確実性があること、底生生物の有害性情報が得られていないこと、環境モニタリングによる実測濃度が得られていないことから、評価Ⅱの判断に至る有害性及び暴露評価結果が得られていないと判断いたします。界面活性作用を有する物質のリスク評価手法に関しては、整理して検討して再評価するとともに、環境中濃度が相対的に高いと推計される地域の環境モニタリングによる実測データを収集することといたします。資料については以上です。

○経済産業省 ちょっと補足させてください。当該資料1--4についてなのですけれども、実は夕刻から昨晩にかけて3省で協議していたのですが、その結果を反映することができなかったので、口頭で補足いたします。

 資料1--4は、まず一番最初の○が、要は3つのシナリオに沿った形でPEC/PNEC比を算出したということと、その結果等について記載されています。2番目の○は、そのことを受けて評価Ⅱの判断として書かれていて、3番目の○に、今後の対応みたいなことを書いているという構成になっているのですが、実は3番目の○の4行目ぐらい、中ほどから「評価Ⅱの判断の根拠に足る有害性及び暴露評価結果が得られていないと判断する」とあります。要するに、根拠に乏しいということで、評価Ⅱの判断を2番目の○でしているのが、何か自己矛盾のような気がするので、少しその矛盾を解消する形で文言等を整えたいと思いますので、そのことを補足させていただきます。

○能美座長 それは環境省も問題ないと、そのように了解されているわけですか。

○環境省 協議の中で、2つ目の○を削除という案を頂いております。しかし、環境省といたしましては、2つ目の○に関しては現段階で得られるリスク評価の結果に対する解釈ということですので、これについては残すべきと考えています。ただ、3番目の所に、確かに御指摘のとおり多少、矛盾するというイメージも多少はありますので、修正するのであれば3つ目の○の中の、根拠に足るものはないという部分ではないかと考えております。

○能美座長 経産省もそのような考え方ですね。

○経済産業省 それを含めて基本的に文言等の調整はしたいと思います。本筋自体は、今後の対応としてもう少し評価に足るような、具体的には先ほど小林委員からも話がありましたけれども、界面活性剤という特性を持った物化性状値等をもう少し精度を上げることによって、リスク評価自体がもうちょっと確実性のあることが言えるのではないかと。その辺を踏まえた形での評価結果()という形で提出したいと思いますので、そういうことです。

○能美座長 検討を継続するということですね。含めて、小山先生、どうぞ。

○小山委員 今の最後の御指摘ですけれども、界面活性作用を持っている物質についての物化性状を、これから検討していくというのに、そんなにすぐに結論が出るのでしょうか。このリスク評価の結果を出すのがそんなに長く先になってしまうのでしょうか。そこをちょっと恐れるのですが。

○能美座長 その点はいかがですか。

○経済産業省 まず、界面活性剤うんぬんについてはこの物質だけではないので、これは御指摘のとおり検討していくことは続けていきます。できるだけ早急に、ある程度の考え方を定めたいとは思っております。それが1点目です。

 それから、おそれがないとは言えないから結局どういう処置をとるかということなのですが、やはり評価の根拠が乏しいところで決定を下すわけにはいかないので、その辺のところはできるだけ早急に、今言いました物化性状等の界面活性剤の取扱いについては考えていきたいと思っております。

○小山委員 ここが非常に曖昧で、今でも簡単に物化性状が決められるような状況ではないというわけですよね。何かブレイクスルーできるようなものが出来上がれば、すぐに結論が出るかもしれませんが、現段階でそういうものがなくて、これをそれから検討するというのはかなり時間が掛かると。となると、私の言っている趣旨は、このステアルアミドのリスク評価はそれまで延期するのかという心配があるということなのです。

○能美座長 いかがですか。

○経済産業省 妥当なデータが得られてから再評価をしない限り、この結果が2つ目の○の被害が生ずるおそれがあるかどうかの判断に足りていないだろうと考えておりますので、まずは早急に物化性状のデータの扱いを整理していきたいと考えています。

○鈴木()委員 取りあえず、ここまで資料1--1から1、2、3と御説明を頂いて1--4が出されているのだと思いますので、1、2、3というのを認めた上で1--4を読めば、まずその評価の段階、ともかくPECPNECを超える地点が一定程度存在するという評価が部分的にしろ存在しているわけですから、被害が生ずるおそれがないとは言えないという部分までは自然に書けるのではないかと思いますので、そこは書くべきだと思います。

 ただ、おっしゃるとおり、PRTRもなければモニタリングもないという状態ですので、不確実であるところは再検討しましょうと。3つ目の○についても、必要に応じて事務局のほうで書き換えてくれればいいかもしれませんが、どういうふうに直されるべきかは分からないのでよく分かりませんけれども、1--4に関しては1番目の○を受けて2番目の○を書くというぐらいまでは素直な書き方かなと私は思いますので、これでよいと思います。

○経済産業省 技術ガイダンスの中で、リスク評価Ⅱの段階で不確実性を見極めるというところについて記述をしています。そこで、まず初めに見極めるべきは、不確実性を見て、現段階でこの評価結果でリスク評価、懸念箇所があるとかないとかということに関しての判断をするのに足りているかということを、まず初めに判断することとして記載されています。

 3パラグラフ目に書いてありますように、この評価の結果として判断に足る有害性、暴露の結果が得られていないと判断していますので、本来はガイダンスに従えば、まずそれを書いた上で、判断に足りていれば更に懸念箇所があるなしというのに目を移し、懸念箇所の多少に応じて、また措置が分かれるといった流れというのが本来というか、技術ガイダンス上は書いてありますので、得られていないと判断しているということと、記載する順番がずれてしまっているかなというのが我々の認識です。

○鈴木()委員 とにかく修文されるということなので、どういうふうに直されるかちょっと分からないところはありますけれども、文章を読む限りでは、別にここは「被害を生ずるおそれがないとは言えない」というぐらいまでは書けるのではないかという私の感覚です。結論が出ていないというのは最後に断ってありますので、もし意見とすると別にそれで特段問題はないのではないかと思いますが。

○能美座長 先ほど経産省の方から説明いただいたのも、○の3つ目の所については文章が矛盾しているのではないかと。だから、そこについては修文しましょうというお話だったので、○の1番、2番については、このような形でということで各省庁で御同意いただいているのかなと思います。委員からの懸念としては、界面活性剤のようなものの不確実性というのはそんなに早く分かるのかと。分かるまでこれを先延ばしていると、一体いつになったら結論が出るのだと、そういう懸念だろうと思います。ですから、それについての懸念を払拭する形でお考えを述べていただくなり、あるいは努力していただく。この場で、いついつまでにできますよというのはなかなか難しいかなとは思うのですけれども、方針なり、界面活性剤はいろいろなものがあると思うのですが、特にこの物質について集中的に行うとか、そういうような形で対応していただければと思います。いかがでしょうか。

○経済産業省 欧州のREACHの技術ガイダンス等で、こういった物質の扱いについて一定の記述が既に整理されておりますので、そういった所を参考にしながら早めに整理、取りまとめていきたいと考えています。

 先ほどの続きなのですけれども、幾つか候補値があって、どの値を採用するかによってリスク懸念のあるなしが分かれるという感度解析ということもやっておりますので、採用値によって懸念箇所が出たり出なかったりという状況をもって、今は判断できないということで先ほどの補足をさせていただきました。

○能美座長 ほかにはいかがでしょうか。

○小林委員 今の件でまたコメントです。小山委員が言われるように、やはり界面活性剤についてはすぐに答えが出ることは恐らくないと思うのです。界面活性剤については、ほかにも幾つか物質がありまして、この後、同じような懸念が出てくるかと思います。そういう意味で、こういう不確実性がある物質については、その状態ですぐにデータは出てきませんので、それをどう取り扱うのかというところを3省で少し議論をしていただいておくとよいのかなと思っています。以上です。

○能美座長 それは、環境省も含めて経産省も御検討いただければと思うので、問題ないというか、そういう方向で検討いただけるということで、よろしいですか。

○環境省 不確実性は、今まで実施してきたものに関してもいろいろ記述をして、不確実性が全くなくなることは正直このリスク評価ではないのかなと。である中で、その時点で得られたものの不確実性の程度を見極めて、ここまでは言えると、しかし、最終的な結論を出すためにはこの調査が必要だということで整理をしております。この記載方法について、環境省としては、3つ目の○の矛盾点に関しては修正は要るかなと思っていますけれども、2番目の記載に関してはやはり御審議に諮っていますので、一定の結果をそこまで言えるという範囲で出すべきと考えております。

○能美座長 それについては、冒頭に経産省から御発言いただいたように、3つ目の○の部分について矛盾もあるので直してくださいということで、御了解いただいているのかなと思います。1つ目、2つ目の○については。

○経済産業省 実は、懸念しているのは、評価Ⅱの判断の根拠に乏しい理由として今、感度解析の話がありましたけれども、値を変えると懸念点が消えたり出たりという状態なので、そこで2つ目の○にこだわっているのです。おそれがないとは言えないではなくて、現時点で判断するのはちょっと早急ではないかという判断なのです。

 なぜそこにこだわるかというと、全体を読んでいただけばそのように読み取れるのですが、やはりこういう文言というのは一人歩きするので、部分的にそこだけ取ってしまうと、そこまで本当に判断してよいのかなという懸念があったので、ちょっとこだわったわけです。

○能美座長 ただ、調査会のほうにこのような形で、3省の御意見という形で資料1--4は提出されていますので、そこの大枠については3省で御了解いただいているのかなと委員は皆了解しているところだと思います。細かい矛盾点というか、日本語として読んでおかしいではないかという所について直すことは皆さん、やぶさかではないと思います。今の委員の方のお話を聞いていますと、文章そのものよりも界面活性剤の不確実性があるものについて、リスク評価をどのようにやっていくのか。それをいつ、どうやって迅速にしていくのか、そこをはっきりさせてくださいというのが懸念点ではないかなと思いますので、事務局で是非、そこについて経産省、環境省、厚労省含めて御検討いただければと思うところです。

○青木委員 今の能美座長の取りまとめで私も了解しています。ただ、この文言については、もう一回この審議会に出していただけるということなのでしょうか。それとも、事務局なりの調整でということになるのでしょうか。その点をちょっとはっきりさせていただきたいのですが。少なくとも、ここで出ている文章は、経緯はちょっと昨日の晩というのはいささか、どういうことなのかよく分からないのですけれども、まあ、いろいろな経緯があったのでしょう。ただ、少なくとも仮にもここに文章が出てきて、しかも公開の文章なわけだから、これはこのままホームページに出るわけですよね。判断の重要な部分が事務局の中での議論だけで前に進むというのは、ちょっといかがなものかということになります。ですから、文言は修正が必要だということは了解いたしますから、もしそうならば次回のこの場で、直した文言をはっきり出していただきたい。でないと、公開で議論している意味がなくなってしまうと思います。

○能美座長 よろしいでしょうか。

○林部会長 これまで、このような場合に座長取扱いということで、3座長と事務局を含めて最終的な文章を作り上げたという経験がありますので、そのような形でもよろしいでしょうか。

○青木委員 一応、報告はしていただきたいと思います。もちろん座長一任ということは今までもあったことは了解しています。ただ、これは最終的なリスク評価の内容ですので、純粋に一任で、結果だけを委員が見せられるのは、いささか抵抗があるところではあります。これは私の一委員としての実感です。

○能美座長 経産省、どうなのでしょうか。2つ目の○の部分まで含めてこの文章は生かすけれども、3つ目の○は矛盾しているから直しましょうと。それで合意するのか、そうではなくて、2つ目の○の部分を削除するということであれば今日は認められなくて、この調査会を公開で開いたときに、もう一回改めて文章を出していただくということになると思うのですが、経産省の事務局の考えとしていかがですか。3つ目の○の部分だけを直すということであれば、文言の修正ですから何かの折に御報告いただくという形にというか。

○青木委員 その整理でよろしいかと思います。

○経済産業省 我々としては、先ほど来申し上げているとおり、不確実性があると認めている値の採用いかんによって、ここで複数箇所に懸念あるなしと評価書で記載しておりますけれども、それ自体がなくなるので、それに対して判断の根拠に足る評価結果が得られていないと判断していますので、やはり今の文言の書き方は矛盾があると考えています。

○能美座長 2つ目の○の部分も含めて修正したいのだと、そういうことですか。そういうことであれば、本来は調査会の前に調整いただいてから、ここに出していただかないと。

○経済産業省 おっしゃるとおりです、すみません。

○能美座長 今回は、この文章は御了解いただけなかったという形で、次回に繰越しということになってしまいますけれども、それでよろしいですか。

○経済産業省 そうさせていただければ。

○能美座長 それでというのは、今回はこの文章は認めずに、3省で再度、協議していただいて、もう一回調査会に出していただくということです。

○小山委員 経産省が、値が変化してリスク懸念の箇所が変わるというのは、主に底生生物の話をしていらっしゃるのかと私は想像しますが、今までの説明文では、水生生物のほうでも懸念箇書がかなりあるのです。ですから、底生生物を除いたとしても、この2番目の○は言えるのではないかと思うのですが。水生生物については、評価Ⅱに足りないというような、データ数は必ずしも多くはありませんが、今までのリスク評価あるいはハザード評価で認められた範囲内でやってきたものです。今日もハザード評価で認められたものと私は解釈しておりますので、2つ目の○が成り立たないということはないと思います。

○経済産業省 確かに、水生生物は、我々の今の採用値のいかんによって、恐らく懸念箇所の増減と手法が変わらない。そうですね、少し底生生物に目が行っていて、その流れでいうと、残すのはやむを得ないと今分かりました。ということで、文言修正で対応させていただきたいと思います。

○能美座長 ということで、3つ目の○の部分の日本語を直していただくという形で収めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは続いて、議題2に移ります。化審法による優先評価化学物質に関するリスク評価の基本的な考え方及びリスク評価手法の改訂について、説明をお願いいたします。

○経済産業省 資料2-1、2-2、2-3を使って御説明いたします。資料2-1を御覧ください。化審法に基づく優先評価化学物質のリスク評価の基本的な考え方とリスク評価手法についての改訂()です。優先評価化学物物質のリスク評価は、これらの基本的考え方とリスク評価手法に基づいて行っております。昨年11月に開催された3省合同審議会で、WSSD2020年目標の達成に関わる進捗状況と今後の取組を御審議いただき、進捗状況の確認、方策の達成状況や評価書の有効性の点検といった一連の点検を行いました。そこの中で重点化すべき対応策が明らかにされました。これら対応策を実行していくことが了承されましたので、今搬、基本的考え方とリスク評価手法を改訂していこうという部分について、修正を施しましたので、それの審議をしていただければと思います。

 2.ですが、先般の方向性に沿って主な重点化すべき対応策が4つありました。1つ目は、リスク評価Ⅰ、優先順位を付ける段階ですが、その段階から暴露の数値化、具体的にはPRTR、モニタリング情報を活用していこうということがありました。2つ目は、これも評価Ⅰに関して、発がん性に関して、これまでは定性評価で、定量的な評価をするのは評価Ⅱからでしたが、評価Ⅰから定量的な評価をしていこうというものです。3つ目は、優先順位を付けて次の段階に進めるかどうかの判断をするための評価が評価Ⅰですが、そこにリスク評価の結果等以外に、他法令での管理状況といったことについても、必要に応じて優先度付で考慮していこうと。この3つは、評価Ⅰに関する改良点です。

 4つ目は評価Ⅱに関することで、スケジュールの見直しということで、順次、評価Ⅱに挙げてきたものの、時間がたって第二種特定化学物質に指定する蓋然性が高いと言えなくなったもの等、あるいは他法令の管理状況等も加味して、スケジュールの見直し等に柔軟に反映していこうといったことになります。こういった変更点に関して、基本的な考え方のこれに関連するところの修正をしております。さらに、リスク評価手法の中で具体的に変更を残しております。

 ここで訂正ですが、改訂箇所のリスク評価の手法のページがずれてしまっております。今、読み上げさせていただきます。①の中のリスク評価手法、Ⅲの図表3のp.8は、p.-10です。資料2-1の表がありますが、真ん中の辺りは改訂箇所の右のリスク評価手法にページが入っております。基本的な考え方は大丈夫です。リスク評価手法のページの上から2つ目、①の中の上から2行目のp.8の代わりにp.-10

○能美座長 直っていますよ。

○経済産業省 直っていますか。

○経済産業省 我々だけです。

○経済産業省 失礼しました。机上資料がばらけています。

○林部会長 私の分は資料が直ってないんですが。

○経済産業省 経産省の。

○経済産業省 では、直っていない方もいらっしゃるので、ざっと読み上げさせていただきます。リスク評価手法の上からp.8ページはp.-10、その下、p.24-35と書いてと書いてある所がp.25-36です。その下、p.41がp.42です。この枠の中の一番下、p.51-57がp.52-60です。

○環境省 先生方も混乱をされているようですので、具体の資料の箇所を御説明いただければ、これは後ほど送付ということではいかがでしょうか。

○経済産業省 そういたします。具体的に変更箇所をたどっていきたいと思います。資料2-2を御覧ください。これはリスク評価の基本的な考え方を記載したものになります。見え消しでお示ししており、行数の左側に縦の棒線の入っている所が修正を加えた部分になります。1ページですが、1718行目、リスク評価の手法は、この基本的考え方、これの別添の手順フロー、リスク評価手法についてという3つの上位文書があり、それを更に具体化、詳細化した技術ガイダンスがあります。それの関係を補足して加えたものです。基本的考え方、2ページの3042行目も、今回、分かりやすさで加えたものになります。

 今回の中身としての改訂内容としては、5ページをお開きください。5ページですが、4ページの下から続いて「段階的情報収集に基づくリスク評価」について記載しております。これは、評価Ⅰ、Ⅱ、Ⅲそれぞれの段階で、どういった情報を使っていくかという考え方を示したところで、例えば5ページの1013行目にかけて、評価Ⅰの段階から化管法のPRTRデータを使っていくことを追記しております。さらに、5ページの2429行目辺りも、評価の早い段階からPRTRデータやモニタリングデータを使っていく旨の追記をしております。

 6ページの3~6行目にかけての修正ですが、発がん性について、評価Ⅰの段階から定量的に評価値を出していくと申し上げましたが、それに関わる修正になっております。

 7ページの20行目からがリスク評価(一次)の評価Ⅰについて詳しく書いてある所ですが、この段階では、評価Ⅱに進む優先順位付け及び有害性情報の提出の求めを行う優先順位付けという、次の段階へ進める優先順位付け、これは後ろのほうに書いてあったのを、分かりやすさのために前段に持ってきております。26行目には、PRTRデータを使うという旨、32行目には、発がん性についても評価Ⅰから定量的評価を導入する旨を記載しております。

 さらに、8ページの7~11行目辺りは、PRTRデータを追加する旨です。2327行目については、他法令等について書いており、評価Ⅱに進める、あるいは、有害性情報の提出の求めを行う優先評価化学物質の優先順位を付ける考え方は、リスクや排出量の推計値を優先順位付けで用いるのですが、それはリスクが大きいと考えられる物質を優先するということに加えて入手可能なモニタリングデータや他法令における管理状況等も必要に応じて考慮することとすると、改訂案の3つ目のポイントをここに記載しております。

 10ページの7~9行目にかけてです。これは評価Ⅱに進めた後の優先順位、冒頭の紙の④に当たりますが、「評価Ⅱに進めた以降に得られた情報等により、第二種特定化学物質に指定する蓋然性が高いとは言えないことが判明した物質については、評価の優先順位を見直す」という文言を追記しております。資料2-2については以上です。

 続いて、資料2-2の別添の評価の手順フローのカラーの1枚紙になりますが、御覧ください。手順フローは、赤字で加えてあるものが、今回の改訂した部分になっております。評価Ⅰ段階からPRTR情報やモニタリング情報を活用するという旨、あとは文言修正になっております。

 資料2-3は、基本的考え方に基づいて、リスク評価手法を記載したもので、技術ガイダンスの圧縮版のようになっております。例えば、1ページには、背景、リスク評価の目標と書いてありますが、四角囲みで文書の書いてある所があります。これは先ほどの基本的考え方の該当箇所をそのまま抜粋したもので、ものによって、その下にそれの解説的な文言を加える。このリスク評価手法についてという文書は、基本的考え方をこのような形で引用して、逐条解説のような書きぶりになっております。

 6ページに移ります。先ほど基本的考え方で、主に変えた部分、評価Ⅰの段階からPRTR情報等を使うというように記載の変えたものを、6ページの4.2の下の四角、それを修正したとおりのものがここにはめ込まれているという格好になっております。

 この評価手法の中では、より具体的にどう評価するかという記載のある所がありますので、それをお示しいたします。16ページを開けてください。16ページは、有害性評価Ⅰに関して記載している所です。16ページの1012行目にかけてですが、発がん性の有害性評価値を評価Ⅰの段階から導出することに関して、ここに記載があります。「発がん性の有害性評価値の導出は、発がん試験結果に関する情報、あるいは他機関が導出している発がん性に関する有害性評価値等の定量情報を用いて実施する。必要に応じて、スクリーニング評価における変異原性の評価結果を確認する」と記載をしております。あと、過去記載があったものは、ほかの資料を引用する形で記載の簡略化がされています。

 33ページの5~7行目、評価Ⅰの段階から化管法に基づくPRTR情報を得られる場合には、暴露評価に用いていくということを追記しております。

 42ページを開けてください。これは評価Ⅰの優先順位付けに関わる記述がある所になります。13行目の()優先順位付けには、PRTR情報も使っていく。PRTR情報と化審法情報の両方のデータが得られるわけですが、両方得られるものについては両方を示して、排出実態を考慮して判断に使用するという旨を記載しております。また、1720行目にかけては、入手可能なモニタリングデータについてと、他法令の管理状況について、評価Ⅰの優先順位付けの指標を考慮して使っていくという旨を記載しております。

 中身的な修正については、そのようになっています。また、前の段階からPRTRデータ等を使うことになったので、記載があったものの場所を変えたりして、見え消し箇所が一見多くなっているのですが、内容的には、そこは変えたという所ではありません。あと、訂正というかおわびですが、これもお配りしている版によって違うかもしれませんが、49及び50ページに、PNECの導出フローという図が入ってしまっておりますが、これはワープロ上のバグで、ここは不要な図です。52ページに、このフローは入っておりますので、こちらは早急に修正して、訂正した内容をアップしたいと思います。中身的には以上です。

○能美座長 ありがとうございました。ただいま事務局から説明がありました資料2-1から資料2-3について、御意見、御質問がありましたら、お願いします。

○林部会長 今、御説明いただいた、特に資料2-3ですが、見え消しだけだと非常に読みづらいので、これをきれいに整理したものは今後、どのようにして公表される予定でしょうか。

○能美座長 いかがですか。

○経済産業省 新旧対応表のようなことをおっしゃっていますか。その作成についても少し検討したいと思います。あと、見え消しを取った版と審議会に掛けた見え消し版は、一応、両方を公開いたします。

○林部会長 読みやすいように、見え消しを取った版が公開されれば、それで十分かと思っています。

○能美座長 ほかにはいかがですか。

○小川委員 確認させていただきたいのですが、1617ページに、これまで用いてきた不確実係数の導出の仕方のものが消してある形になっているのですが、これはどこか、他の所に移動するということでよろしいのでしょうか。その移動先とかが分からないので、これは消すということなのかどうかを教えていただきたいのですが。

○厚生労働省 該当箇所については、技術ガイダンスに更に細かい説明がありますので、分かりやすくという意味、重複を避けるという意味で記載していません。

○能美座長 よろしいですか。

○菅野委員 技術ガイダンスに移すということは、ここの脚注か何かに入れなくて大丈夫ですか。

○厚生労働省 技術ガイダンスに移すということでは無く、既に技術ガイダンスのほうにも記載がございます。

○経済産業省 スクリーニング評価手法と同じ不確実係数なのでということでもありますかね。

○厚生労働省 もともと、ここの下位文書の下に同様の内容があって、重複しているので分かりにくいと思って単純に消させていただいたのですが、御指摘のとおり、上の上位文書だけを見ると分からなくなってしまうので、下位に飛んでいますという旨で修文をさせていただくことでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

○青木委員 同じ場所ですが、細かいけれども後々で効いてくるかということが、16ページの8行目から、キースタディの所です。修文したほうでは「キースタディの選定及び不確実係数積の設定」うんぬんとあって、「原則的にスクリーニング評価と同様の方法で行うこととし、必要に応じて専門家判断を行う」ということで、これは文言上はスクリーニング評価とほぼ実質的に同じと読めると思うのです。

 ところが、修文以前の所では、これは16行目に当たると思うのですが、「使用可能な複数のデータが得られた場合、別途定める信頼性基準に示したルールに従い、キースタディを選定する」と、ニュアンスというか、ニュアンスという以上に変わっていると思うのですが、この点はいかがですか。実質的に、そのことによって影響が出ることはありませんよね。

○厚生労働省 少しお待ちください。

○広瀬委員 説明させていただきます。

○青木委員 説明をお願いします。

○広瀬委員 変えているのではなくて、黄色い所は全部、スクリーニング評価のプロトコールです。そうなので、重複だから消しただけです。だから、変えていませんし、すでに、スクリーニング評価では、これはやっています。

○青木委員 重複だという意味ですね。

○広瀬委員 はい、重複です。文章が重複しているので、これは消したのです。

○青木委員 分かりました。それが事実であれば。

○広瀬委員 スクリーニング評価の技術ガイダンス文書が別にあって、そこにはこれが全部載っています。

○青木委員 分かりました。そうしたら、先ほどの菅野委員の御指摘と同じように、どこにやるということを明記していただかないと、今後大変かということで、そこは私のような誤解を生んでしまいますので、よろしくお願いします。

○厚生労働省 ありがとうございます。御指摘のように、上位文書、下位文書でなるべく分かりやすくしたいと思って変えさせていただいた所があるので、今見たように、片方を見たときに、もう片方が分かるような形で、脚注というか、飛ばすような処理をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○能美座長 ほかには。

○鈴木()委員 一瞬付いていけないのですが、資料2-3の14ページの四角の枠の下のほうですが、ここは変えた所だとおっしゃった所で、「評価Ⅱに進める、あるいは」という4行ぐらいの段落があるのですが、これは文章を読んだ限りでは、リスクや排出量に基づく優先順位付けの指標で優先して、その次に、環境モニタリングデータや他法令における管理状況等も必要に応じ考慮すると。一読して、この文章だと、「リスクや排出量に基づく」とあり、一体、リスクが何を指しているのか、「排出量に基づく優先順位付けの指標」と「モニタリングデータや他法令における管理状況」というのは、一体どういう関係の位置付けになっているのか、にわかに理解できないのですが、もし趣旨があれば教えていただきたいのが1つです。

 同じように、これも追記されたようですが、35ページの1011行目に、「PRTR情報が利用できる場合には、「大気の排出量」と「水域への排出量」が」と書いてあるのですが、これはPRTR排出量は、大気と水だけを今後、限定的に使うという意味でしょうか。

○経済産業省 順にお答えいたします。1点目の優先順位けですが、先ほど前段で言われた箇所は、基本的考え方そのままの抜粋ですので、42ページに、表等で整理してあります。評価Ⅰでは、評価Ⅱでもやっている排出源ごとの暴露シナリオと、水系非点源シナリオというもので有害性評価値や暴露情報を使って、リスク推計結果を出しています。そのリスク推計結果が化審法情報に基づくリスク推計結果は全物質について出てくると。今までそれだけを使っていたのですが、今後は、PRTR情報も得られればPRTR情報を使ったリスク推計結果も、例えばそちらのほうが、より排出実態を反映しているということであれば、そちらのリスク推計結果を優先順位付けの指標にしようという趣旨です。

 例えば、変異原性のみが陽性という有害性情報しかないとか、有害性情報がなくデフォルトの有害性クラスが当てられて、優先に指定されたものは、有害性評価値は出せませんので、そういったものは排出量で優先順位を付けようというものです。そういったもので今までも優先順位を付けていたのですが、それに加えて環境モニタリング情報があるもの、あるいは他法令の指定、基準値等があって、そういった情報が利用できるものは、本当に評価Ⅱに上げるのかどうかというところで、必要に応じて加味していこうということです。1点目がそういうことになります。

 2点目ですが、35ページ、これは前段階、排出源ごとの暴露シナリオについての説明がずっとつながった所の箇所になります。なので、排出源ごとの暴露シナリオに関しては、今おっしゃったとおり、大気への排出量と水域への排出量だけを加味しております。土壌への排出があるものについては、このシナリオではなくて、様々な排出の影響を含めた別のシナリオで全体を加味している格好になっています。

○鈴木()委員 ありがとうございました。それで大体、分かりました。とにかくかなり修正箇所が多いので、時々私が何か言うと、ムラタさんにガイドラインや……に書いてあると言って怒られたりしていますので、どうですか。ここの中ですと、一瞬では読めないので、少し注意深く読みたいと思いますので、読む時間を少し取らせていただきたいと思いますが、どうですか。

○能美座長 どうしましょうか。本日は頂いた文書という形で了解しますが、各委員に読んでいただいて例えば、見え消しでないものを送っていただいて、それを見て、再度、事務局のほうに問い合わせるなり、あるいはここは直したほうがいいのではないかということがあれば修正いただくと、何かそういうプロセスではいかがかと思うのですが。この場で、この文章を見ながら読んでというと、とてもではないですが、時間的に難しいと思いますので、今回、こういう点で改訂したという趣旨は了解できることかと思いますので、あと、実際の文章は本当に元のものを反映しているのかとか、改訂を忠実に反映しているのかとかということがあると思いますので、事務局はどちらが担当になるのか分かりませんが、例えばこの文書を委員の方にファイルなりで送っていただいて、それを送り返して、その文言について、もし必要であれば修正いただくとか、何かそういう形ではどうかなと思うのですが。事務局のほうで、そういうことは可能でしょうか。全員の方でなかったとしてもいいのかもしれませんが、あるいは各担当の部局、省庁からそれぞれの専門委員の方に送っていただいて、意見があれば、いついつまでに事務局へ送れという形で、意見がなければこのまま了解と。もし必要があれば修正いただくという形にしてはどうかと思うのですが、いかがですか。

○小林委員 可能でしたら、技術ガイダンスも修正箇所はあるわけですよね。そちらも電子ファイルでお送りいただくほうがいいのかと。

○経済産業省 技術ガイダンスは、一応これがセットした後に修正をかけようというように考えておりますので、まずはこれを固めたいと。

○原田委員 今のやり方でいいと思います。ただし、資料2-1の2.対応策とそれを踏まえた改訂点は、先ほど能美座長がおっしゃったように、ここについては合意が取れる、取れない、ここの話をした上でですよね。

○能美座長 はい。今、原田委員からコメントを頂いたように、エッセンスは資料2-1だと思うのですが、これでよろしいですかということについて、今日、もしできれば御了解いただいて、さらに、詳細については電子ファイルを各事務局から専門委員の先生に送っていただいて、必要であれば文言の修正を行うと、2段階でいきたいと思うのですが、そういう形でよろしいでしょうか。

○小林委員 技術ガイダンスについて、もしよろしければ現時点のバージョンでもよいので、参考にお送りいただいておくと。

○能美座長 それでは、それは事務局で検討いただいてと。かなり大きいファイルになるのですかね。

○経済産業省 そうです、技術ガイダンスは大きいファイルなので、掲載しているサイトなどを紹介させていただく格好にしたいと思います。

○能美座長 ありがとうございました。それでは、この件について、資料2-1に書いてある部分については御了解いただいたということで、文言については、今後、電子ファイルを各専門委員に送っていただいて、必要であれば修正を行うという形で進めさせていただきたいと思います。

○環境省 例えば、委員からの御意見を1週間程度とかで頂き、その後の取りまとめに関しては、内容によってしまうのかもしれないですが、基本的には事務局預かりということでよろしいのでしょうか。座長に一任とか。

○能美座長 いかがですか。

○鈴木()委員 意見として、少なくとも資料2-1の「重点化すべき対応策」はお認めして、前回も出ていましたし、そうすることで、了解することでいいと思います。おおよそ、改訂箇所はそうなのでしょうが、中には微妙に違う場所が増えたり減ったりするというのはあるかもしれない。それはお許しいただきたいというぐらい、右側の改訂場所で、ひょっとしたら意見としてあるかもしれないというぐらいです。

 ただ、実際にならないと分からないのですが、非常に大きな改訂はなさそうな気がしますので、どうでしょう、私だったら多分、非常に大きく変える意見を言うとは思えませんので、基本的には報告事項的のでいいのではないかと思いますが、内容によっては座長の御判断で議題に挙げ直すということかと、私は想像します。

○能美座長 では、基本的には、事務局で修正いただいて、これは重大な問題だといいますか、省庁間で意見が違うとかということであれば、再度、調査会に出していただくという形で進めさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

 それでは、議題3へ移ります。議題3は、一般化学物質のスクリーニング評価についてですが、資料3-1について、事務局より説明をお願いします。

○経済産業省 資料3-1について、説明いたします。1.背景及び目的について。リスク評価の結果、優先評価化学物質の指定の取消しがなされた物質、ここでは「指定取消物質」と呼びますが、そのスクリーニング評価について説明いたします。指定取消物質は通常の方法でスクリーニング評価を実施すると再び優先度判定「高」となって、優先評価化学物質に指定される可能性が高いものです。そこで、通常のスクリーニング評価の結果「高」となった物質については、それをもってそのまま優先相当と判断するのではなくて、化審法の届出情報、PRTR排出量、環境モニタリングデータ等について個別に検討することで、優先評価化学物質の該当性について評価しております。

 2.評価対象については3ページ目に表があり、14物質が掲載されております。こちらは指定取消物質のうち、平成28年度実績の製造・輸入数量の届出において、製造・輸入数量が10t超であったものを掲載しております。こちらを評価対象としております。

 戻って3.スクリーニング評価結果について、()通常のスクリーニング評価の実施です。今年度の暴露クラスを付与して優先度判定を行っております。その結果、4物質が優先度「高」、4物質が優先度「中」となっております。

 3ページ目の表の優先評価化学物質の通し番号で言うと、「高」になっているものが、7、1320100で、「中」となっているものが、12337379となっております。このうち、まず優先度「中」区分となった物質については、原則、優先評価化学物質相当と判定しないこととしております。ただし、そのうちの2物質、7379に関しては、専門家判断により優先評価化学物質に選定することを考慮する基準に該当する可能性があるということです。しかしながら、暴露クラスの詳細な確認や以前の専門家判断等に使用された有害性情報の精査、あるいは新たな有害性情報の収集が必要であるということから、優先評価化学物質に相当するか否かの判定は来年度に実施することとしております。

 2ページ目、()について御説明いたします。()において優先度「高」となった物質が4物質ありましたが、そのうち3物質については、リスク評価を行っているため、その際の「評価結果及び今後の対応について」に基づいて、指定取消物質ごとに詳細な評価を行っております。対象物質については、優先通し番号の7、1320になっております。その3物質について、順に御説明いたします。

 まず7番です。4ページを御覧ください。ジクロロメタンですが、こちらについては平成28年度に優先評価化学物質の指定の取消しが行われております。また、今後の対応としては、「一般化学物質として製造・輸入数量等を把握する。」及び「化学物質管理、大気汚染及び水質汚濁等に関する他法令に基づく取組を引き続き適切に推進していくとともに、PRTR排出量・環境モニタリングデータ等を注視していく」とされております。また、「この物質については、数理モデルによって高濃度と推計された地点における環境中濃度が十分に把握されていないことに留意する必要がある」ともされております。この内容に基づいて評価を行っております。

 5ページに、スクリーニング評価の結果を表でまとめてあります。まず、リスク評価Ⅱの評価年度、平成28年度ですが、その結果と今回のスクリーニング評価の結果を並べて表示してあります。用途については、平成28年度と比べて新たな非点源用途の届出はありませんでした。次に、人健康影響の暴露クラスも2で、変化はありませんでした。次に、PRTR情報に基づくリスク推計、リスク懸念地点ですが、こちらについての説明が、その表の下の2.にあります。平成28年度実績のPRTR届出情報を用いて評価Ⅱと同様な方法を用いて算出した人の摂取量推計値と、評価Ⅱに用いられた有害性評価値を比較したところ、HQが1以上となるリスク懸念地点を表示してあります。こちらについては今回、4144か所中2か所ありました。リスク評価Ⅱの当時は0地点でしたので、リスク懸念地点が増加傾向にあることが確認されております。これは特定の2工場(同事業者)からの排出が僅かに増加したことが原因となっております。そのため、当該事業所については自主的な取組を促すこととしていきたいと考えております。一方、この2か所については増加はしているのですが、この物質全体の国内の排出量の合計については減少傾向となっております。そのため、現在得られている情報からは広範な地域での環境の汚染により人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるとまでは言い切れないため、現時点で優先評価化学物質相当とは判定せず、上記の自主管理による改善状況等も踏まえ、来年度以降も注視することにしたいと考えております。

 次は、環境モニタリングデータによるリスク懸念地点ですが、こちらは0地点で変化はありません。ただ、数理モデルによって高濃度と推計された地点における環境中濃度が十分に把握されていないことに留意する必要があるという状況には変化がないため、こちらについても引き続き留意をしていきたいと考えております。

 次のページですが、以上から今回のスクリーニング評価においては、優先評価化学物質相当と判定しないこととしたいと思っております。

 次の物質、13番、クロロエチレンですが、9ページを御覧ください。クロロエチレンは、平成26年度に優先評価化学物質の指定の取消しが行われております。今後の対応としては、「一般化学物質として製造・輸入数量等を把握する」及び「化学物質管理、大気汚染及び水質汚濁等に関する他法令に基づく取組を引き続き適切に推進していくとともに、PRTR排出量・環境モニタリングデータ等を注視していく」とされております。こちらも同様に、これに基づいて評価を行いました。

 10ページを御覧ください。こちらでも同様に比較をしており、用途については新たな非点源用途の届出はありません。また、人健康影響の暴露クラスについても上がることはありませんでした。また、PRTR情報に基づくリスク推計、リスク懸念地点については、いずれも0地点となっております。また、環境モニタリングデータによるリスク懸念地点も0地点となっております。以上から、今回のスクリーニング評価においては、優先評価化学物質相当と判定しないこととしたいと考えております。

 次は3つ目の物質、20番、1,-エポキシプロパンです。こちらは13ページを御覧ください。こちらの物質については、平成27年度に優先評価化学物質の指定の取消しが行われております。また、今後の対応としては、「一般化学物質として製造・輸入数量等を把握する」とされました。この観点から評価を行っております。

 次の14ページを御覧ください。こちらも用途については新たな非点源用途の届出はありませんでした。人健康影響の暴露クラスについても変化はありませんでした。PRTR情報に基づく推計リスク懸念地点も調べましたが、こちらも0地点となっております。以上から、今回のスクリーニング評価においては、優先評価化学物質相当と判定しないこととしております。

 2ページに戻ります。今、説明いたしましたように、優先通し番号7、1320については、いずれの物質も優先評価化学物質相当と判定しないこととしております。優先度「高」となった物質は4物質あり、残りの1物質は優先通し番号100番なのですが、こちらについては優先指定をされた後、リスク評価の一次評価Ⅰを毎年実施してきた結果、平成25年度、26年度、27年度の化審法の届出情報から推計した全国推計排出量が、いずれも1t以下であったことから、リスク評価の基本的な考え方に記載されている基準に基づいて、優先評価化学物質の指定取消しが行われております。

 したがって本物質はリスク評価Ⅱを経ずに、今年度一般化学物質として、スクリーニング評価の対象となっております。そのため、評価Ⅱの段階で算出される有害性評価値やPRTR届出排出量の情報が得られておらず、指定取消物質に特化した詳細な評価を行うことができません。このような状況を踏まえて、優先度「高」となった()の通常のスクリーニング評価結果に基づき、今回、優先評価化学物質相当と判定することとしております。

 4.今後の方針と課題への対応について。今回の評価結果を踏まえて優先相当と判定されなかった物質については、一般化学物質として来年度以降も指定取消物質に特化したスクリーニング評価を行っていきます。一方、今回の審議結果を踏まえて優先相当と判定された化学物質については、優先化学物質に再指定していきます。また今後、指定取消物質は増加することから、スクリーニング評価における取扱いの類型化を目指すこととしております。以上です。

○能美座長 ただいまの事務局からの説明につきまして、御質問、御意見ありましたら。よろしいですか。

○東海委員 細かいところなのですけれども、5ページ目のところの説明の中で、平成28年、平成30年を比べたときの真ん中辺りの説明で、若干、リスク懸念箇所が増加傾向にあるというのは、平成28年と平成30年を比較したときに見い出された事実であるという理解でよろしいでしょうか。0から2というふうに変化している、このことを称して説明された。

○経済産業省 今は少し説明を省略させていただいたのですけれども、厳密には、平成28年度、平成29年度、平成30年度で比較しておりまして、平成28年度が0、平成29年度が1か所、平成30年度が2か所となっております。それについて5ページの2.の4行目辺りに記載があります。それをもってリスク懸念地点が増加傾向にあると判断させていただきました。

○東海委員 分かりました。説明はよく分かりまして、Ⅱに相当ではないということの判断を継続することは妥当な判断と思うのですけれども、ただし一方で、いわゆる自主管理というのは、これまですごくいい評判の下で進められてきたことですから、このような事実が、残念ながら自主的管理の動きというのが余り普及していないように見られてしまうと、ちょっとネガティブな印象を受けるかなと思いました。

 ですので、もう少しきめ細かな説明ですとか、あるいは対策はしたけれども、効果が出るまでにもう少し時間の遅れがあるために、たまたまこの年度内では変わらなかったとか、そういったきめ細かな報告もしていただければ、これまでどおりの自主管理による化学物質管理の有効性なり、評判の維持というものをできるのではなかろうかと感じました。以上、コメントです。

○能美座長 よろしいですか。ほかにはよろしいでしょうか。それでは、この対応につきましては、事務局案のとおりとさせていただきたいと思います。

 それでは続きまして、資料3-2について、事務局から説明をお願いいたします。

○環境省 資料3-2に基づいて御説明いたします。スクリーニング評価におけるデフォルトの有害性クラスを適用する一般化学物質と優先評価化学物質の判定並びに今後の進め方についてです。生態影響に係る有害性情報を入手することはできなかった一般化学物質については、有害性情報の提供依頼等を行い、それでも有害性情報の提供等がない場合には、生態影響に係るデフォルトの有害性クラス(有害性クラスⅠ)を適用してスクリーニング評価を行い、優先評価化学物質の判定の審議に諮るものとされております。これを受けて昨年9月の審議会で候補となる物質を提示し、それからホームページ等で有害性情報の提供依頼等を行ってきました。

 別紙を御覧ください。本資料に示した11種類の物質に関して、デフォルトの候補ということで提示しました。そうしたところ、8番、10番、11番の物質に関しては情報提供がありました。これに関しては、信頼性評価等をを行っている最中ではありますが、それを待つということであり、デフォルト適用を保留という結論にしております。

 その他の物質に関しては情報提供がありませんでしたので、下の表の生態影響に関する優先度判定のとおり、デフォルト有害性クラスを付与し、全ての物質について「高」ということで優先指定を行います。優先指定に関しては、平成31年4月初めに行います。これにより優先評価化学物質に指定された物質に関しては、平成32年度届けから、優先評価化学物質としての製造・輸入数量等の届出となっております。よろしくお願いいたします。以上です。

○能美座長 ただいまの事務局の御説明について、御意見、コメントはありますでしょうか。8つの物質については、デフォルトを適用するということですけれども、よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは議題4として、「その他」ですけれども、その他につきまして、何かありますでしょうか。

○環境省 よろしいでしょうか。傍聴者の方の席にもお配りしている1枚ペラの資料と、少々分厚くなっている参考資料に基づき御説明いたします。御準備よろしいでしょうか。1枚ペラのほうを御覧ください。優先評価化学物質「α-(ノニルフェニル)-ω-ヒドロキシポリ(オキシエチレン)(別名ポリ(オキシエチレン)=ノニルフェニルエーテル)」といいますが、この物質に関しての生態影響に係るリスク評価(一次)評価Ⅱの状況報告です。

 本物質に関しては、昨年3月に実施した3省合同審議会で進捗報告をしております。当該資料は、そのときの資料が参考資料の束となっております。少々復習的な意味も兼ねて、この参考資料を簡単に御説明いたします。本資料の構成ですが、少し駆け足になりますけれども、1ページ目からが進捗報告の資料、9ページ目からが経済産業省、環境省の専門会議による本試験のキースタディに関するやり取り。19ページからが有害性。その時点における有害性の報告書、有害性の評価書。91ページからが物化性状の資料となっております。

 まずは1ページを御覧ください。ノニルフェニルエトキシレートに関しては、水中に入ることにより、エチレンオキシドの所が1つずつ切れていき、分解していって、最終的にはノニルフェノールという物質になるということです。そうしたことから、3省では、本物質の評価方針について議論いたしました。その結果が表1に示すとおりです。次のページのほうが分かりやすいかもしれないのですが、それぞれどういう範囲でやるかということで、変化物に関しては、エチレンオキシドが2と1のものと、0のノニルフェノールについて扱うこととしました。

 続いて33ページを御覧ください。この方針に従い、表3aから表3cにPNEC値をまとめております。水生生物、底生生物、それぞれについてまとめております。本物質の表3cに示す変化物②ノニルフェノールに関してPNEC値としては、水生生物は0.063μg/Lという数値を示しております。本キーデータに関して、幾つかの御指摘、疑問等を頂き、経済産業省と事務局間で議論を行ってきております。3月以降のやり取りはありませんし、記録は今は出しておりませんが、9ページ以降が3月までのやり取りに関する資料となっております。

 続いて6ページを御覧ください。こちらが進捗状況に係る資料です。キーデータが確定していない中での進捗状況であるという前提で御覧いただきたいのですが、表10に示しているとおり、水質のモニタリングによるPEC/PNEC比の区分別地点数、こちらが親物質は0、変化物1は7、変化物2は524か所ということです。

 また、表11に、このキーデータとなったのが、メダカの1世代拡張繁殖試験、いわゆるMEOGRTといわれる試験ですが、その試験の時点のデータとMEOGRTを使った場合ということの懸念地点数を表11に示しております。

 1枚目に戻ってください。これらの結果について、平成30年3月に実施した進捗状況以降、ノニルフェノールのキースタディに関して、OECD TG240に基づくMEOGRTの試験データを選定することの適否について、事務局間で数時にわたる意見のやり取りを実施し、議論を重ねてきております。

 平成30年3月の審議会では、その時は白石委員長におまとめいただいたということですが、「今の説明で、まだ打合せが必要であろうと思いますので、今回の本物質については継続審議となります」と。「今、頂いた意見を踏まえ、リスク評価の審議を行えるよう、更に準備を進めていただきたいと思います」という御宿題を頂いておりましたので、こういった意見のやり取りを重ねてきているという状況です。

 現在に関しては、当該試験の試験環境、試験水温の管理状況等が、OECD TG240に試験有効性基準に比して、試験が成立しているかについて、事務局間で議論を継続しております。以上です。

○能美座長 進捗状況を御報告いただいたということかと思います。時間も押しておりますけれども。

○白石委員長 この担当座長だった者ですけれども、このときは随分深い議論をしていただいて、大分議論も深まったかなと思いまして、ただ、意見の対立が解消できなかったこともあり、そこについて御質問があれば、その御質問について整理して意見を集約してくださいという、私のまとめのつもりだったのですけれども、今、何か試験が成立しているかについて、事務局間で議論を継続しているということなのですが、こういったことは、私はそうまとめたつもりはなくて、試験が成立するかどうかについて、あるいはこれをどのように採用するか等については、専門家の意見を伺うべきではないかと思いますので、もしも質問事項が全て出てきて、それに御回答ができているような準備が整っているならば、もう一度専門家で審議していただきたいと思います。以上です。

○経済産業省 今、経済産業省として考えていることを、環境省事務局と調整しているのですが、経済産業省としては、事務局間でその試験の成立があって、つまりOECD TG240に適した試験だということが確定して初めて、その試験が技術的にどうなのだということを、専門家の皆さんに御審議いただくべきであるということで考えております。よって、その事務局間で試験の整合性、成立が確認できない限り、我々は審議会で議論はできないと考えております。以上です。

○広瀬委員 それはおかしいと思いますけれども、いろいろな物質が必ずしも全部ガイドラインで実施されているわけではなくて、たまたまこの試験は、確かにガイドライン準拠を目的として始めたかもしれませんけれども、物質の毒性を評価するというときは、平場で全てのデータをリスク評価Ⅱの場合は、人健康影響を見ています。特に古い既存化学物質などは、そういったガイドラインの準拠したデータがない場合が多いので、それらは試験が成立してからではないと専門家が評価できないということはなく、成立したかどうかについても専門家が判断したほうがいいのではないでしょうか。

○青木委員 今、広瀬委員のお考えに私も同感なのですが、より大きな問題は、昨年の3月に1回議論して、ある意味、公開の場で議論をして、それでしっかりまとめなさいという座長の提案があったわけですよね。それで、またここで、事務局間で議論を続けているというのは、ここは公開の場ですから、単に引き延ばしにしか見えない、悪いですが。

○経済産業省 申し訳ございません。そういうことではございません。

○青木委員 いや、発言させてください。

○経済産業省 分かりました。

○青木委員 結局、この場というのは公開であるということは、ある意味、社会的責任、あるいは説明責任というのを果たしているわけですね。そこで、事務局間の協議がいつまでも続くということを委員が認めるということは、社会的責任を果たしていないということに対して加担することになると私は思います。ですから是非、早く専門家の間での議論をしていただきたいということです。

○経済産業省 我々もなるべく早く専門家の皆さんに御議論いただくべく論点を整理しているところですが、先ほど申し上げたとおり、昨年3月の前回審議のときには、試験環境等が分からない状況でした。それ以降、細かい質問をしてきた中で、試験自体が成立していないのではないかという疑義が生じているのです。それはOECDの6つの試験有効性基準に比して、試験水温のについて、もしかしたら専門家の御判断を頂く前の段階かもしれないということを、今、環境省事務局と話し合っております。

○青木委員 いえ、それは専門家の判断ではないですか。

○経済産業省 必要ないと思います。つまり、我々がもし。

○青木委員 ちょっと待って。

○能美座長 すみません、大分、時間も押していることもあって。

○青木委員 だけど、ちょっと重要な問題だとは思うのですけれども。

○経済産業省 非常に重要な問題だと思います。

○青木委員 専門家の判断は必要ないというのは、どういうことですか。

○経済産業省 すみません、我々は専門家判断が必要なのは、信頼性ランク2、つまりそこまで行ったものについての細かな逸脱については、もちろん必要だと思います。ただ、我々は試験状況が整っていないものだということが、もしそうだとすると、信頼性ランク4、評価ができないというものだと思っています。そういうところを今、環境省事務局と調整しております。

○菅野委員 それは根底を揺るがす、間違った行為だと思います。やはりちゃんと、ここでやるべきです。では、質問させていただきますが、OECD TG240の試験有効性基準とは何ですかというときに、逸脱の数値だけでは駄目なのです。逸脱しても、GLPが良い例ですよね。GLPは逸脱したかどうかをごまかさずに、きちんと明らかにするためのものです。有効性の判断は、逸脱の有無とは別で、逸脱があろうとなかろうと有効性のない試験というのはあり得るわけです。逆に、逸脱があっても有効性がある試験は幾らでもあるわけです。ですから、逸脱の項目のリストを並べて、逸脱しているからこれは門前払いだ、あるいは委員に見せないというのは、もう絶対的に許されない行為だと、私は思います。これは国民皆様に対しても許されないと言える話です。

○経済産業省 分かります。

○菅野委員 この前回資料を、思い出しつつ、今、拝聴しているのですが、例えば、温度ですね、温度。この試験はOECDのテストガイドラインを開発する過程で、国環研(国立環境研究所)と化評研(化学物質評価研究機構)がリードラボを務めていた際の試験ですね。これは正しいですね。

 それで、OECDの試験法というのは、OECDは経済開発協力機構ですから、化学物質屋さんも我々も、要するに産官学の研究者がみんなで集まって、大体このようにやればそこそこのデータが出るように、一番いいようにガイドラインを作っているわけです。ですから、逸脱すると普通は性能が落ちるのです。だから、逸脱していたら我々は、それでもちゃんとデータが出ているかどうかを判断するのです。

 ですので、逸脱している項目が6つあるからと、さっきおっしゃったように聞こえますけれども、本当に重要なところが逸脱したらデータは出なくなるので。ですが、それでもちゃんとデータが使えるかどうかを我々は見る立場にあるのです、研究者として。

 この資料を、バーッと急ぎ見ましたが、化評研さんは似たような試験を一緒にやっていますね。当時はリードラボですから。そのときに「繁殖期に28℃にしています」とまとめの資料に書いてありますね。これは事実ですか。そうすると、ガイドラインというのは、あくまで世界的に流布しますから、ネズミの場合ですと、使用する種類が違えば、SDラットとFischerラットで、体重も違うから、ガイドラインは、どの種類を使用しなさいという指定は通常せずに、どれでもうまく行くように、ある意味「ざっくり」書くわけです。

 ですから、もし化評研さんも28℃でやっていて、国環研さんも28℃近辺でやっていて、その2つのラボがリードラボをやっていて、そのメダカは国際的には使われない日本のメダカであって、そのメダカの供給元が日本の同じ会社であれば、その人たちを呼んで、28℃が至適の状態だからやったかもしれないことを、ここで話してもらってもいいわけです。それを、26℃が28℃に上がったから門前払いというのは、全く認められません。バイオロジーとして、それは無理です。だから事務局レベルで、片方が嫌だから出さないとは、これは我々研究者、科学者としては、それは容認できません、申し訳ないけれど。

○原田委員 今の議論を聞いていて、もう一度この検討会の報告書に対して検証したほうがよろしいかと思います。確かに専門家の判断、またガイドラインの位置付けというのは、私も今の話を聞いていて理解しました。しかしながら、それがほかの専門家から見たときに妥当であるか、そういったところをやってから、透明性を高めてから議論に入ってもおかしくないかなと思います。一度出してしまってからでは取り返しがつきませんので、そこは慎重にすべきだと思いました。以上です。

○能美座長 ほかには御意見、いかがでしょうか。よろしいですか。結論というのはなかなか難しいところかと思いますけれども、今の各委員からの懸念も踏まえた上で、是非、柔軟に対応していただきたいと思います。

○経済産業省 はい、環境省事務局と、よく話して進めたいと思います。

○能美座長 そうですね、必要であれば、やはり専門家の方も入れて、その試験自体の信頼性ということについて御意見も伺った上で、総合的に結論を出していただいて、是非、この調査会に、もっとスムーズな形で報告していただければと思っております。

 大分時間がたってしまったのですけれども、ほかにはよろしいでしょうか。

○経済産業省 経済産業省の安全対策部会で長らくお世話になりました林先生が、本日の安全対策部会をもって御退任されることとなっております。経済産業省だけは、一部と二部でご出席の先生が代わるものですから、林先生に、一言御挨拶をお願いします。

○林部会長 厚生労働省から経済産業省を通じて30年間、化審法と携わることができて、非常に法律の歴史的な部分もいろいろと勉強させていただきました。今日は非常に燃え上がってしまったので、何かもう言うことはないのですけれども。

○経済産業省 申し訳ございません。

○林部会長 要するに、もう少しリスクベースでの評価を徹底していただきたいと思います。化審法の長い歴史の中で一番大きな出来事というのは、やはりハザードベースからリスクベースへの切替えだったと思います。それがまだ十分にできていないというか、今また逆行しているようなところも見受けられます。安全性、暴露ともに可能な限り正確なデータを用いて、評価するというのは、これは原則だと思います。だから、今の話にしても、その情報自身の信頼性、信憑性、透明性、そのようなものを加味した上での評価が必要ではないかと思います。

 また、私は安全サイドに立った評価ということは絶対に使わないように、これまで努めて参りました。そのぎりぎりの正当性の高い評価をレギュラトリーサイエンティストとしては求めるべきであって、それがレギュラトリーサイエンスの究極の目的だとも思っております。この部会ではリスクの評価だけではなく、リスクの管理も所掌に含まれているということを我々はよく覚えておかないといけないと思っております。

 それから、もう1つ最後に言いたいのは、1つの化学物質は多くの場合、複数の法律によって管理されている。化審法が、どの範囲を管理して、どの範囲を評価しないといけないのかということは、我々は常に頭に置いて議論しないといけないと思っておりますし、得てしてダブルスタンダード、トリプルスタンダードなどになるというようなことは、これはもう絶対に避けないといけないと思っています。だから化審法と言っても、まだまだ課題が山積していると思います。今後とも化審法を皆さんで盛り上げていっていただければと思います。長い間、御支援賜りまして本当にありがとうございました。

○厚生労働省 ありがとうございました。以上のプログラムをもちまして、第一部の議題は全部終了いたしましたので、第一部終了とさせていただきたいと思います。合同審議会第二部の審議につきまして、休憩を挟みまして資料の入替え等ございますので、10分程度の時間を頂ければと思っています。休憩を挟んで1530分から開始させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 なお、第二部からは、審議会については審査部会として審議会を開催することといたします。新規化学物質の審査ですので、非公開とさせていただきます。傍聴者の方におかれましては御退室いただきますようお願いいたします。二部に参加する委員の皆様は、1530分までにお席にお戻りいただきますよう、お願いいたします。事務局からは以上です。

○能美座長 以上をもちまして、合同審議会(第一部)を終了いたします。どうもありがとうございました。お疲れ様でした。

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