中央環境審議会環境保健部会(第38回)議事録

午後4時31分開会

○大森環境保健企画管理課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第38回中央環境審議会環境保健部会を開催いたします。

 環境保健部環境保健企画管理課長の大森でございます。どうぞよろしくお願いいたします。議事の開始まで進行を務めさせていただきます。

 委員の皆様におかれましては、ご多忙のところ、また、遅い時間からの開催にもかかわらずご出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 この会議は公開で開催いたします。また、議事に入ります前の冒頭のみカメラ撮影を許可しております。

 傍聴いただいている方々には、傍聴券に記載しているとおり、次の留意事項をお守りください。1、静粛を旨とし、審議の妨害となるような行為は慎んでください。2、携帯電話等の電源は呼び出し音が出ないようにして傍聴してください。3、会議の開始前後を問わず会議場内において委員等に対して、抗議または陳情等はお断りいたします。4、その他、事務局職員の指示に従うようお願いいたします。

 以上の事項を守っていただけない場合、退場していただくことがありますので、ご協力のほうをどうぞよろしくお願いいたします。

 環境保健部会委員及び臨時委員28名のうち、本日は23名の委員の方のご出席をいただいておりまして、定足数に達しておりますので、本部会は成立いたしておりますことをご報告申し上げます。

 まず、審議に先立ちまして、2月8日付で行われました中央環境審議会委員の改選に伴う環境保健部会委員の改選等についてご報告いたします。

 資料1の環境保健部会の名簿をご覧いただきたいと思います。相澤好治部会長が退任され、中央環境審議会令に基づき、新しい部会長には岡田光正委員が指名されておりますので、ご紹介させていただきます。後ほどご挨拶をいただきます。

 また、新たな委員及び臨時委員もご紹介させていただきます。

 松永和紀委員がいらっしゃいますが、本日はご欠席となっております。

 続きまして、松本吉郎委員でいらっしゃいます。

○松本委員 日本医師会の松本です。よろしくお願いいたします。

○大森環境保健企画管理課長 続きまして、赤渕芳宏委員でいらっしゃいます。

○赤渕委員 赤渕でございます。よろしくお願いいたします。

○大森環境保健企画管理課長 ちょっと順番が前後いたしましたが、続きまして、相川誠委員でいらっしゃいます。

○相川委員 相川です。よろしくお願いします。

○大森環境保健企画管理課長 続きまして、川本俊弘委員でいらっしゃいます。

○川本委員 川本です。よろしくお願いします。

○大森環境保健企画管理課長 あと、本日はご欠席でいらっしゃいますが、廣島健三委員が任命されておられます。

 以上、ご報告をいたしました。

 また、事務局側のほうにも人事異動がございましたので、紹介をさせていただきます。

 環境安全課長の瀧口でございます。

○瀧口環境安全課長 瀧口です。よろしくお願いいたします。

○大森環境保健企画管理課長 続きまして、資料を確認させていただきます。

 資料一覧にありますように、資料1から9を置かせていただいております。それぞれご覧いただければと思います。

 資料1が、先ほどご覧いただきました中央環境審議会環境保健部会の名簿でございます。資料2-1が、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の附属書改正に係る化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく追加措置についての諮問文でございます。資料の2-1が別添1になっておりますが、環境部会への付議文となっております。それから資料2-1の別添2のほうが、中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会委員の名簿でございます。資料2-2は、パワーポイントの資料になっておりまして、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)新規対象物質の化審法第一種特定化学物質への指定についてとなっております。資料2-2が参考でございますが、ストックホルム条約第8回締約国会議(COP8)の結果の概要となっております。続きまして、資料3が、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律についてとなっております。資料3の参考が、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の事前審査制度の概要となっております。資料の4-1が、水銀に関する水俣条約の発効予定について、資料4-1の参考が、水銀に関する水俣条約の概要の資料でございます。資料4-2が、「水俣条約発効記念行事~発効に向けた水俣からの声~」の開催についてという資料でございます。資料の4-3が、水俣条約を踏まえた我が国の国際協力となっております。資料5が、平成27年度PRTRデータの概要等についてでございます。資料の6が、「化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応-EXTEND2016-」に基づく取組についてとなっております。資料7が、熱中症に関する取組について、資料8が、東京電力福島第一原子力発電所事故による放射線に係る住民の健康管理・健康不安対策についてとなっております。資料9が、水俣病発生地域における地域づくりの推進でございます。あと、参考資料といたしまして、中央環境審議会の関係法令と、あと、参考資料2のほうで、環境保健部会の小委員会、専門委員会の設置についてがございます。

 もし資料の不足がございましたら、事務局のほうまでお申しつけください。

 なお、環境負荷削減の観点から、環境保健部会ではペーパーレス化の試行に取り組んでおり、資料の印刷物は委員の先生方へのみの配付とさせていただいております。傍聴に来られた皆様につきましては、傍聴券にてお知らせしておりますとおり、ノートパソコンやタブレット等で環境省ウエブサイト上の資料をご覧いただくか、お近くのスクリーンをご覧いただければと思います。ご理解とご協力をよろしくお願いします。

 今回の資料につきましては、原則全て公開とさせていただきたいと思います。

 また、本部会終了後に発言者名を示した議事録を作成し、委員の皆様方にご確認をいただきまして、ご了解をいただいた上で公開させていただきたいと考えております。

 では、ここで事務局を代表いたしまして、環境保健部長の梅田よりご挨拶を申し上げます。

○梅田環境保健部長 環境保健部長の梅田でございます。環境保健部会の開会に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

 委員の皆様方におかれましては、ご多忙のところご出席をいただきまして、誠にありがとうございます。

 また、この度、部会長にご就任をいただきました岡田新部会長、そして委員にご就任をいただきました先生方におかれましては、ご快諾を賜りまして、誠にありがとうございます。

 本日の環境保健部会の議題でございますが、まず、先日開催されました残留性有機汚染物質、いわゆるPOPs条約締約国会議におきまして条約附属書の改正が合意をされ、新たな物質群を条約上の規制対象に追加することが決定されました。これを受けた条約の国内担保措置の検討スケジュールにつきましてご説明をさせていただきたいと考えております。

 また、最近の動きといたしまして、今年1月にいただきました答申を踏まえ、今国会に提出しておりました化学物質審査規制法の改正法案が5月30日に成立をいたしました。また、水銀に関して、水銀に関する水俣条約ですが、これは締約国数が50カ国を超えると発効するという要件がございまして、去る5月の18日にその要件を満たして、90日後の8月16日に発効するということが決定しております。これらの話題を含めまして、環境保健部の所管分野におきます動向、最近の動向につきましてもご報告をさせていただきます。

 最後になりますが、委員の皆様のご意見を賜りながら、よりよい環境保健行政を進めてまいりたいと考えておりますので、幅広い視点から活発なご議論をお願い申し上げまして、冒頭のご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○大森環境保健企画管理課長 では、カメラ撮りをされている場合は、ここまでにさせていただきます。ご了承ください。

 それでは、ここから岡田部会長に議事進行をお願いいたします。

 部会長、どうぞよろしくお願いいたします。

○岡田部会長 この度、環境保健部会長を拝命いたしました放送大学の岡田でございます。相澤前部会長の後を引き継ぎまして、適切な会の進行に努めさせていただきたいというふうに思います。

 ご承知のように、環境保健部会では、公害に関わる健康被害の補償及び予防、化学物質対策、それから石綿による健康被害の救済などを受け持ち、ご審議をいただいております。また、化学物質のリスク管理を初めとして、環境行政におけるいわゆる安心・安全の確保に向けた取組につきまして、委員の皆様方には専門家として多くの知見や視点を持ち寄りながらご議論をいただければありがたいと思います。ぜひよろしくお願いいたします。これからは座らせていただきます。

 審議に先立ちまして、私のほうから部会長代理を指名させていただきたいと思います。

 中央環境審議会令では、部会長が部会長代理を指名するということになっております。私といたしましては、新美委員にお願いしたいというふうに思います。

 新美委員、ぜひよろしくお願いいたします。

(了承)

○岡田部会長 ありがとうございます。

 それでは、早速審議に入りたいと思います。

 まず、議題の一つ目であります残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約、いわゆるPOPs条約新規対象物質の化審法第一種特定化学物質への指定についてでございます。

 これにつきましては、中央環境審議会に意見を求める諮問が環境大臣から6月8日、資料2-1になるかと思いますが、8日付で出されております。本諮問については、同じく6月8日付で環境保健部会に付議されました。本諮問については、環境保健部会化学物質審査小委員会でご審議をいただきたいというふうに思います。

 それでは、事務局からご説明をお願いいたします。

○新田化学物質審査室長 化学物質審査室長の新田でございます。座って説明させていただきます。

 お手元の資料2-1が本件に関する諮問分、資料2-2が環境保健部会への付議分ということになります。ちょっとお時間がありませんのでご覧いただくだけということで、内容は、この後、詳しく説明させていただきたいと思います。

 資料2-1の別添2といたしまして、今、部会長からお話がありました環境保健部会の下の化学物質審査小委員会、そちらの委員名簿をつけさせていただいておるところでございます。

 では、本議案につきましては、資料2-2のほうで説明させていただきたいというふうに思います。

 資料2-2でございます。まず、スライドの2枚目、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約というものでございます。本条約、POPsというものを対象にしております。Persistent Organic Pollutants、残留性有機汚染物質ということで、この条約のもとでの定義、そこに4点書かれています。毒性があり、分解しにくく生物中に蓄積され、長距離を移動する物質と、こういった物質を対象にした条約というふうになっております。下の枠にありますように、このPOPsの汚染防止のため国際的に協調してこの廃絶、削減を行うというものでございます。

 スライドの3ページ目になりますね。このPOPs条約で規制がされているものを示しております。1番上が、附属書Aに掲載されている物質ということで、製造・使用が禁止、2番目、附属書Bは製造・使用を制限、3点目は附属書Cということで、こちらは非意図的生成から生じる放出を削減ということで、ここに書かれている物質がそれぞれ規制対象になっているということでございます。その他の措置として、POPsを含む廃棄物の管理、国内実施計画の策定等々の措置が定められているところでございます。

 スライドの4枚目は、POPs条約の対象物質ということでございます。今、3枚目にいろんな物質がございましたけども、4枚目にありますように、順次追加されてきているという状況でございます。農薬・殺虫剤、工業化学品等々のものにつきましては、製造使用禁止、廃絶と制限ということで附属書AあるいはBに記載されているものでございますし、ここにある意図せずに精製される副産物等は附属書Cということで、非意図的精製の放出を削減というふうになっているものでございます。

 スライドの5枚目です。順次追加されてきているという状況で、一番最近の状況がこちらに示されているところでございます。POPs条約の追加物質につきましては、条約のもとの残留性有機汚染物質検討委員会、POPRC、我々はポップロックと呼んでおりますけども、こちらの委員会のほうでその追加物質について検討を重ねてきております。この委員会、毎年開催されております。スライド5のPOPR11のほう、2015年に開催されたところでデカブロモジフェニルエーテルという物質を附属書Aに追加することをCOP、締約国会議に勧告することが決定されていると。第12回の会合、2016年9月に開催されたところでは短鎖塩素化パラフィンといったもの、これを附属書Aに追加することを締約国会議に勧告することが決定されたという状況でございました。この検討委員会ということで、最初にありましたPOPsの四つの条件、毒性、分解性、蓄積性、長距離移動性といった観点から評価されて、こういった物質を追加の勧告するということが決定されたということでございます。

 スライドの6枚目になります。この検討委員会の勧告を受けまして、附属書Aへの追加といったことは、これはPOPs条約の参加国によって、その条約の意思決定機関であります締約国会議のほうで決められるわけでございます。今年の4月末から5月初めにかけて開催された第8回の締約国会議におきましてデカブロモジフェニルエーテルと短鎖塩素化パラフィンの附属書Aへの追加というのが決定いたしました。また、ヘキサクロロブタジエンといったもの、これも附属書Cということで、非意図的生成の削減といったことが規定されているところでございます。

 続きまして、スライド7になります。この追加された物質でございます。附属書Aへの追加は上の二つ、デカブロモジフェニルエーテルと短鎖塩素化パラフィンです。デカブロモジフェニルエーテルは難燃剤ということでございます。表の右にありますように、決定された規制内容ということは製造・使用の禁止ということでありますが、用途の除外規定といったものがあります。指定された用途には使えることということになっておりますが、これはこういう適用除外の用途を活用したいというふうに各国が申し出た場合に使えると、適用除外を認めることができるというふうな規定になっているものでございます。短鎖塩素化パラフィンも金属加工油とか難燃剤等が主な用途のものでございますが、これも附属書Aということで製造・使用禁止で、一部、用途除外規定というのが示されているというところでございます。

 附属書C、ヘキサクロロブタジエン、これは溶媒として使われているというものでございますが、非意図的に生成されるというものもありまして、それについては放出の削減ということが決まったということでございます。POPs条約のほうでこのように規定されたので、それの国内措置を今後とっていかないといけないということでございます。

 それがスライド8のほうになります。附属書Aのほうで製造・使用禁止といったものを、化学物質の審査及び製造等の規定に関する法律のほうで担保したいというふうに考えているものでございます。この法律でございますが、昭和48年制定ということで、目的にありますように、新規化学物質の製造への審査、そして化学物質の性状等に応じた製造・輸入、使用の規制といったものを行っている法律でございます。

 具体的には、スライド9になります。化学物質審査規制法のもとでの第一種特定化学物質、こちらは、難分解性、高蓄積性、人または高次捕食動物への長期毒性がある物質を第一種特定化学物質に指定されるというふうになっておりまして、その規制措置といたしまして、製造・輸入の許可及び使用の制限ということで、これは基本的には原則禁止ということになるものでございます。そしてこの第一種特定化学物質を使用されている製品を輸入制限することができる、例外的に許容される用途での使用といったものは認めることができる、そして指定された際に回収等の措置命令を行うことができるというふうな措置がとられるものでございます。現状、31物質群が指定されておりまこのほとんどはPOPs条約でも附属書AまたはBに指定されているものでございます。なお、今回追加されたデカブロモジフェニルエーテルと短鎖塩素化パラフィンにつきまして、この第一種特定化学物質に指定するかどうかということの検討を諮問に基づいて行っていただきたいというものでございます。

 具体的な内容ですが、その次、スライド10になります。両物質につきまして化審法、第一種特定化学物質への措置、4点についてご審議いただきまして、この結果を踏まえて第一種特定化学物質の指定、そして化審法に基づく措置について、例えば製品の輸入制限に対してはどういった製品があるかとか、例外的に許容される用途があるのであれば、そういった用途を認めるとか、そういったことの必要性についてご審議いただきたいというふうに考えているところであります。

 諮問、付議を6月8日にさせていただきました。7月28日に環境保健部会化学物質審査小委員会を開催していただきまして、そこから審議をお願いしたいと思っております。なお、この化学物質審査小委員会ですが、厚生労働省、経済産業省の委員会とも合同で開催されるものでございます。今年の秋を目途に輸入禁止製品、エッセンシャルユースについて具体的に検討を進めまして、来年にはTBT通報等、適当な必要な措置を経て化審法の施行令を改正、施行したいというふうに思っております。これは、下の米印の1番目にありますように、この条約締約国会議で決まった事項につきましては、国連の事務局から各締約国へ、この物質が附属書に追加されるという通報がありまして、そこから1年以内に各国で施行することが求められているということであります。これまでの例からいいますと、締約国会議から大体半年ぐらいで事務局から各国に通報が来て、それから1年以内に施行ということになりますので、来年の終わり、秋から冬にかけては施行の準備を整えなきゃいけないというふうに考えておりますので、それに間に合うようにご審議をお願いしたいというふうに考えているとこでございます。

 資料2-2の参考は、締約国会議の結果の概要ということで、説明は省略させていただきます。

 私のほうからの説明は以上でございます。

○岡田部会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまご説明いただいた内容につきまして、ご意見、ご質問をいただきたいと思います。

 ご質問等がある委員の方は、名札をこういうふうに立てていただければありがたいと思います。時間が限られておりますので、一通りご意見、ご質問をいただいた後、まとめて事務局から回答をさせていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 いかがでしょうか。

 どうぞ、浅野先生。

○浅野委員 日本ではどの程度これはつくられている、あるいは使われているのか、その辺をご説明ください。

○岡田部会長 すみません、お約束どおりまとめて。

 じゃあ、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 ありがとうございます。今回の物質につきましては、除外規定が条約上かなり提案されてきているようでございますが、もう少し具体的に条約のほうでどんなような除外規定があるのか、もしそういう規定があるんでしたらお教えいただければと思います。

○岡田部会長 じゃあ、崎田委員、どうぞ。

○崎田委員 今、除外規定に関してご質問がありましたが、少し似ておりますけれども、除外規定を今後検討していただくのは大変重要だと思うんですが、それについて、それぞれの国によっての除外規定の採用に関しては、何ていうんでしょうか、国ごとにそういう自由度が認められているのか、私は、できるだけ世界的に取り組むんならきちんと取り組んだほうがいいと思っておりますので、ちょっとその辺のニュアンスを伺いたいと思いました。

○岡田部会長 じゃあ、大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 すみません、スライド7のHCBDについてちょっとお伺いしたいんですけども、これは非意図的な生成で放出されているものがどのぐらいあるかということと、主な用途として溶剤ということにはなっているけども、非意図的生成ということが問題になっているので、ちょっとこの関係について教えてください。

○岡田部会長 ありがとうございました。

 それでは、今ご指摘いただいた3点もしくは4点と言っていいかわかりませんが、使用量、それから除外規定並びに国ごとの違い、それから最後のHCBDの非意図的生成の話、事務局で今わかる範囲、これから議論されていくんでしょうから、わかる範囲でお答えいただければと思います。

○新田化学物質審査室長 すみません。まず、両物質の製造・輸入量ですけども、デカブロモジフェニルエーテルにつきましては、2001年から化審法の改正で製造・輸入量の報告を求めて集計されていますけども、1,000トンから2,000トン程度製造・輸入されておりまして、近年はそれが減少してきているという状況でございます。短鎖塩素化パラフィンなんですが、これはちょっと今回のPOPs条約の指定と、これまで化審法のもとでの物質の指定というか、この炭素の数の長さがちょっと違いますので全く一致しているわけではありませんけども、今回POPs条約で指定された物質の範囲でいいますと、近年は100トン以下の製造・輸入量で来ているという状況でございます。

 そして条約のほうの除外規定でございますが、具体的な措置、すみません、説明をかなり省略しましたが、スライド7にございますけれども、この表の右側のほうですね、今回の条約での措置内容ということで、製造・使用は禁止、そしてここに上げられている用途については、製造・使用禁止から除外することができるということでございます。これにつきましては、崎田委員からもご質問ありました、これはその適用除外を使うかどうかというのは各国が決めるという形になります。事務局にこの適用除外を適用するということで、それがなければ原則全て製造・使用禁止ということになりますので、ここに上げてあるデカブロモジフェニルエーテルを自動車部品とか航空機用の交換部品とか繊維製品、家電のプラスチックケース、ポリウレタンフォームにこういったものを使用するといったことを適用除外として認めてほしいということが日本の中で必要であれば、これは事務局に言って、日本としてそれは認めていただくというふうな形になります。したがいまして、今回お願いする審議でも、こういった適用除外規定を国内でも措置する必要があるかどうかといったことを含めてご審議いただこうというふうに思っているところでございます。

 HCBDの件なんですが、これは、そもそもHCBD自体は附属書Aに入っておるもので、溶媒等の使用というのは禁止されているものでございますが、ちょっと詳細には、私、現時点ではわからないですが、すみません、情報があまりないので申し訳ないですけども、この物質の感じからいいますと、何かの化学プロセスとかで、そういう過程で生成する可能性があると。それを放出削減する必要があるというふうなことになっているところだと思います。製造・使用については措置済みということでございます。

○岡田部会長 ありがとうございました。

 今のお答えで何か、いかがでしょうか、追加等がございますか。

 白石先生、何か追加がありますか。よろしいですか、現時点では。

○白石委員 現時点では。これから小委員会のほうで見させていただくものですけども。

○岡田部会長 すみません、若干フライングの。

○白石委員 諮問書のほうで二つの物質について審議することになっていますけども、新たに附属書Cに追加されたヘキサクロロブタジエンについての何か検討は必要ないのでしょうか。

○新田化学物質審査室長 この場合は、化審法ではなくて別の法律、例えば大防法とかああいったもので、大気の汚染、既に非意図的生成でダイオキシンとか、そういったものはそういった別の法律で担保されているところですので、そういったところで必要であれば検討いただくという形になるかと思います。

○岡田部会長 ありがとうございました。

 ほかに。

 どうぞ。

○菅野委員 「除外」のところの確認なんですが、これ拝見すると、意外といろいろなものに、難燃剤としての目的を達成する用途がそのまま残っているんですが、年間1,000トンから2,000トンのうち、この除外用途は何トンぐらいになるという予想なんでしょうか。

○岡田部会長 どうぞ。

○新田化学物質審査室長 それは、今ちょっと事業者さんのほうに今調査しているところでありますんで、その結果をもとに審議はいただこうというふうに思っているところでございます。ただ、先ほどもちょっと説明しましたように、デカブロモジフェニルエーテルは最近もう製造・輸入量がかなり減ってきておりますので、ほかのものに変更というのは進んできているのではないかというふうには思いますけども、具体的に今後もその必要があるかどうかということは、きちんと意見を聞いた上でご審議いただきたいというふうに思っております。

○岡田部会長 ありがとうございました。

 よろしいですか。

 それでは、本件につきましては、化学物質審査小委員会においてこれからご審議いただくということになります。白石委員以下、これからの審議をぜひよろしくお願いいたします。特に今いただいたご意見、ご注意も踏まえてお進めいただければありがたいと思います。

 続きまして、このほかの議題について事務局からご説明をお願いいたします。

 最初が、化学物質審査規制法の改正についてお願いいたします。

○新田化学物質審査室長 引き続いてでございます。資料3のほうになります。冒頭、梅田部長からもお話がありましたように、化学物質審査規制法、昨年から今年にかけまして環境保健部会のほうでもご審議いただきまして、その答申を踏まえて改正案といったものを3月にまとめて国会に提出して、国会審議を経て5月30日に成立したところでございます。

 法改正の内容でございますが、答申でいただいた内容の主要な事項は2点でございます。資料3の法改正の概要1の審査特例制度における全国数量上限の見直しでございます。特例制度、具体的には、少量新規化学物質、低生産量の化学物質につきまして、今まで同じ物質が複数業者の申請があったときには、合計の製造・輸入量が一定量以下の場合に確認して認めるというふうな運用をしていたところでございますが、これにつきまして、環境排出量の合計が一定以下のものに変更するというふうに今回法律改正のほうでなっているところでございます。

 そしてもう一つ目の毒性が強い物質の管理の見直しということで、毒性が強いんですが、環境排出量が少ないため、一般化学物質に分類している物質についての措置といったものを新たに追加するということでございます。措置の内容は、裏面のほうになりますけれども、特定化学物質を新規の審査において判定した場合には、その結果の通知ということで、この毒性の強い物質、法律の上では特定新規化学物質という形になりますが、そういったものであるということを事業者に通知する。2点目として、その判定結果については公示をいたしますと。3点目は、取扱事業者に対する指導、助言ができるようになると。4点目は、事業者間で物質の取引をする場合に、特定新規化学物質に該当するということの情報提供の努力義務が生じるということでございます。

 今回の法改正で施行期日を示しておりまして、法改正の二つある一つ目は、公布の日から3年以内、2点目のほうは1年以内に施行するというふうなことで準備を進めてまいりたいと思っております。

 資料3の参考のフロー図で今の化審法の体系を示しております。赤枠で囲った枠が今回措置されたところでございますが、新規化学物質につきましては、右の特例制度の中でそれぞれ製造輸入数量10トン以下、そして製造・輸入数量を1トン以下のものにつきまして、全国の量として製造・輸入量から環境排出量に改正させていただくと。そして毒性が強い物質につきましては、通常新規審査制度で審査していって、幾つか枝分けしている中でですけども、真ん中のところですね、難分解性、人への長期毒性の疑い、動植物への毒性ありというものの下ですね、毒性と環境排出量を合わせた観点からリスクが高い、これは毒性が強くて環境排出量が多いものについては、その下の優先評価化学物質となっていって、環境排出量が小さければ、その右のほうに行って、今までだと一番右の一般化学物質に行っていたわけなんですけども、その中で著しい長期毒性があるといったものについては、この特定一般化学物質というところに該当するということになるということでございます。

 私からの説明は以上でございます。

○岡田部会長 ありがとうございました。

 ご質問があるかもしれませんが、後でまとめて質疑の時間を設けたいと思います。

 事務局から引き続いて説明をお願いいたします。

○高橋水銀対策推進室長 水銀対策推進室の高橋と申します。よろしくお願いします。

 資料4のシリーズでご説明します。

 水銀に関する水俣条約の発効予定についてという資料でございます。2013年に採択されました水俣条約でごすけれども、日本は既に条約を締結しています。この条約ですが、50カ国が締結した日の後、90日目に発効するというふうになっておりまして、今年の5月18日にEU、それからEU加盟国の一部が締結することによって発効要件を満たしたということで、今年の8月16日に発効することが決まりました。水銀汚染防止法については、一部を除きましてこの条約の発効日に施行されるということになっております。現時点で、6月9日時点で56となっておりますが、さらに、オーストリアだったかと思いますが、1カ国増えて今57カ国となっています。

 今後のスケジュールですが、5月18日に発効が決定しまして、8月16日に水俣条約が発効するということになっています。この日の後に水銀汚染防止計画を告示するということの予定をしていまして、また、9月の24日から29日に水俣条約の第1回締約国会議がスイス・ジュネーブで開催されるというふうになっております。この期間中、28日、29日にハイレベルセグメントも予定をされているということになっております。

 資料4-2でございますが、「水俣条約発効記念行事~発効に向けた水俣からの声~」の開催についてという資料をつけています。これは、今回の条約の発効を記念しまして、熊本県、水俣市、それから国連環境計画、UNEPと環境省の共催で7月1日土曜日に熊本県水俣市で開催をする予定としています。

 プログラムの概要ですけれども、2ページ目にありますが、条約に関する発効を記念した式典が第1部、それから第2部に、これまで政府間交渉委員会の議長を務められてきましたフェルナンド・ルグイス氏の講演、それから水俣からの情報発信ということで、水俣市長を初めとした講演が予定されています。

 あと、資料4-3ですけれども、水俣条約を踏まえた我が国の国際協力という資料をつけております。今後、途上国を中心として世界各国が連携をして水銀対策を進めていくということが必要と考えておりまして、そういった意味で、途上国支援というのを今後とも積極的に支援をしていきたいと思っています。これまで「水銀マイナス」プログラムというプログラムを立ち上げまして、その中で途上国での条約の履行支援をしており、日米の共同でも取組を行っています。また、26年度から28年度にかけまして、アジアを中心とした10カ国を対象としてこれまで水銀対策に関するニーズを把握してきたところ、今後、日本の水銀対策の技術でありますとか知見も把握しながら具体的な案件形成をし、条約の締結を促進することによって、世界各国と連携をした水銀対策の推進を図っていきたいと思っております。

 資料4については以上です。

○瀧口環境安全課長 改めまして、環境安全課長の瀧口です。それでは、資料の5から資料の7まで座って説明をさせていただきます。

 まず、資料5が、平成27年度のPRTRデータの概要等についてということで、PRTRの実施状況をまとめたものです。

 スライドの2ページ目をご覧をいただけますでしょうか。このPRTR制度(化学物質排出移動量届出制度)の仕組みで、現在462物質が対象になっておりますけれども、事業者の方から国に年1回、各事業所における排出量あるいは廃棄物に含まれる移動量等を把握していただいて届け出いただくというものでありまして、国がそのデータを公開し、国民の方がそれを知ることができるということで、どの事業所がどのような物質をどれぐらい出しているかが今はインターネット上で把握できるようになっております。この2ページ目の黄色くなっているところをちょっと見ていただきますと、このPRTR制度、化学物質排出把握管理促進法により導入したものでありまして、平成20年の法施行後の見直しによりまして、対象物質、業種等を変更しております。また、次回の見直しとして平成30年度を予定しておりますので、今年の秋口から準備を進めたいというふうに思っております。

 次のページ、3ページをご覧ください。平成27年度の結果を紹介をしております。まず、3ページが総届出排出量・移動量ということで、排出量が15万4,000トン、移動量が22万4,000トンということで、排出量は大気への排出がほとんど、移動量としては、廃棄物としての移動がほとんどということになっております。どのような物質が多いのかと申しますと、右側の表を見ていただきますと、1位のトルエンあるいは3位のキシレン、こういったところは溶剤あるいは合成原料、接着剤、そうしたところに使われているところでございますが、2位と4位、マンガンあるいはクロム、それらの化合物は、重金属として特殊鋼や電池あるいはステンレス鋼、メッキ等に使われています。こうした重金属系は移動量が多いという特徴がございます。

 4ページ目に参りまして、届出外排出量、これは対象業種の裾切り以下の排出量あるいは非対象業種からの届出外の排出量、また、家庭、移動体、自動車等からの排出量、そうしたものの合計は全体で22万9,000トンということになっておりまして、その上位は、こちらもトルエンやキシレンあるいはポリオキシエチレン=アルキルエーテル、これは界面活性剤などに使われるものでしょうか、そうしたところが上位の物質として挙がってきております。

 次に、5ページ目、全体のトレンドですけれども、平成13年度からのグラフを示しております。それで、先ほど申しましたように、平成20年に見直しをしておりまして、21年から22年にかけて対象物質が一部変更になっております。この見直しのときに削除された物質が平成21年までの濃い青で書いてあるところ、それから新たに追加になった物質が斜めの線、斜線で示されているところであります。逆に申しますと、ピンク、それから薄い青のところは継続物質の排出量と移動量ですので、全体のトレンドということで申しますと、この薄いピンクと薄い青のところを足したところで見ていただければと思いますが、全体として減少傾向にあるというのがおわかりになるかと思いますが、最近その減少傾向は少し緩やかになってきているというような状況になっておるかと思います。ページの制限上このグラフを示しておりますが、業種ごとの分析も行っておりまして、こちらも全体に減少傾向にありますけれども、最近は建設事業の増加等を反映してか、鉄鋼業あるいは窯業、土石業からのPRTRの排出量が増加傾向にあるというような結果も得られております。

 最後、6ページ目ですが、PRTRデータの活用に向けた取組ということで、環境省のウエブページでわかりやすく表示をしておりますし、また、PRTRを読み解くための市民ガイドブックというものも毎年度作成、配布をしております。

 次に、資料6、「化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応-EXTEND2016-」と呼んでおりますが、これに基づく取組について紹介をさせていただきます。

 この内分泌かく乱作用を有する化学物質、いわゆる環境ホルモンでありますけれども、平成10年に「環境ホルモンの戦略計画SPEED'98」というものを策定しまして、その後、平成17年にExTENDということで、ここにありますExtended Tasks on Endocrine Disruptionということで、ExTEND2005、そして平成22年に「EXTEND2010」ということで政策プログラムを策定して取組を進めてきたところです。このEXTEND2010、この策定から「5年間程度の期間を念頭に置いて対応の方向性をまとめたもの」でしたので、平成26年に開催されました「化学物質の内分泌かく乱作用に関する検討会」において今後の進め方に関する方針を検討するということになりまして、平成28年の3月にこの検討会で「EXTEND2016」というものが取りまとめられまして、その年の6月に最終版をパブリックコメントを経た上で公表しております。今回このEXTEND2016に沿った取組について、現状を報告をさせていただきます。

 3ページをご覧ください。このEXTEND2016の基本的な考え方ですけれども、EXTEND2010の基本的な考え方を踏襲をしております。すなわち、引き続き生態系への影響について優先的に取り組み、物質の評価を着実に進めるとともに、海外の動向を踏まえつつリスク管理に向けた議論を深めていくということにしております。また、人の健康に及ぼすリスクについて情報収集を行うとともに、エコチル調査等の国内で行われている取組との連携を視野に入れていくということにしておりますし、より効率的に物質の評価を行っていくために、コンピューターを用いた物質選定の手法等の新たな物質選定の手法についても知見を収集していくということにしております。また、国際協力、国際的な検討の動向に常に留意するということ、そして「化学物質の内分泌かく乱作用に関する検討会」、これは本日の部会の委員でもいらっしゃいます田辺委員に座長をしていただいておりますけれども、その検討会で物質の作用・影響評価等に関する実務的な検討を行い、その結果を定期的に中環審の環境保健部会に報告し、その意見をまとめて事業を進めるということにしておりますので、本日の部会に報告させていただく次第であります。

 4ページ目ですけれども、取組の概念図ということで、まず、①のところにありますように、作用・影響評価の実施、このための試験方法の開発ということを進めておりまして、これによって有害性の評価のデータを得て、また、環境中濃度の実態を把握してマクロ評価のデータを得て、これらを勘案してリスク評価、リスク管理という手順で進めているところであります。④知見の収集あるいは⑤国際協力、情報発信の推進というのも進めております。

 次、5ページ目、それから6ページ目を見ていただけますでしょうか。現状、どこまで進んだかという報告であります。

 まず、6ページ目のところに書いてありますけれども、これまでに検討対象物質として157物質を選定をしております。そのうち131物質について既存知見の信頼性評価を実施しまして、94物質を「内分泌かく乱作用に関する試験対象物質となり得る物質」、37物質を「現時点では試験対象物質としない物質」というふうに結論づけております。ですから5ページ目のこの図でいいますと、一番上の黒い四角の内分泌かく乱作用に関する試験対象物質となり得る物質、これが94物質になります。その後、この94物質のうち、これまでに49物質を対象として、延べ135項目の試験管内試験というものを実施しております。試験管内試験というものを49物質を対象に行いまして、うち試験結果が陽性であったものは19物質ということになっております。

 さらに、この19物質の中から12物質について魚類短期繁殖試験というものを実施をしております。ですから5ページ目のこのフロー図で申しますと、真ん中辺りに黒で囲ってあります生物試験というところがあります。この生物試験について12物質について行いました。この12物質について行った結果、6物質についてエストロゲン様作用の確認をしております。また、9物質については、メダカの産卵数の減少の確認をしております。ここで、この第1段階の生物試験で内分泌かく乱作用が確認されたものに関しまして、第2段階試験ということに移っております。第2段階試験として、平成27年度は、4-ノニルフェノール、28年度はビスフェノールAを対象として生物試験、メダカ拡張1世代繁殖試験というものの実施をしております。その結果、平成27年度に実施した4-ノニルフェノールの分岐型について試験結果が取りまとまりまして、この物質がメダカに対してエストロゲン作用を示すこと、また、メダカの繁殖に対する有害性を示すことを確認をしております。

 実際にどのようなエストロゲン作用を示したかということでありますけれども、雄の肝臓中にビテロゲニンというたんぱく質の一種があるんですけれども、通常、雄の血液中にはごくわずかしか検出されないものですが、統計学的に優位な高値で検出されたということ、また、雄の二次性徴の統計学的に優位な低値が認められたということで、エストロゲン作用を示すことが確認されたということであります。これが現在の試験・評価の進展状況であります。

 また、次の7ページ目に参りまして、イギリスあるいはアメリカとの協力事業ということで、イギリスとは、環境中の挙動や暴露、試験方法、発現機構、生物実態等に関する研究として共同研究を進めておりますし、アメリカとは、魚類あるいは両生類の試験方法を共同で開発をいたしまして、その成果はOECDのテストガイドラインとして採択されるということになっております。引き続き、両国とも2国間の協力を進めていきたいというふうに考えております。

 次に、資料7に参りたいと思います。資料7、熱中症に関する取組についてということで、環境省のほうでも熱中症対策を進めておりますので、その紹介であります。環境省のほうで暑さ指数というものを毎日発表しておりますけれども、本日もこの暑さ指数25.7ということで警戒レベルとなっており、熱中症対策は、今現在の日本において非常に重要になっております。

 まず、1番にありますように、関係省庁連絡会議ということで、各省庁連携してこの熱中症対策に取り組んでおります。特に環境省、この熱中症に関する対策、取組に関する普及啓発ということで、2番にありますように、マニュアル等の作成や配布ということで、熱中症の環境保健マニュアルあるいは一般の方にわかりやすいようなリーフレット、携帯型カード、また、③番にありますように、こうしたリーフレットの高齢者向けのもの、また、④の動画、それから⑤の夏季のイベント、例えばスポーツイベントやお祭り、そうしたところで熱中症にかかられる方もおられるものですから、そうした夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドラインの作成、こうしたことを進めておりまして、ここにありますように、地方自治体あるいは教育機関や教育委員会等に配付をしておるところであります。

 2ページ目に参りまして、また、ウエブサイト上でも各種情報を提供しておりますし、先ほど申しましたようなリーフレットは、自治体などで印刷、配布が行われるよう、その電子データも積極的に提供しておるところです。さらに、5月には熱中症の対策シンポジウムということで、東京で開催したものを各地でインターネットで中継配信をいたしました。また、イベント等の実施ということで、今月のエコ・ライフフェア、また、今後、東京、それから金沢、福岡などで熱中症対策のイベントを開催することにしておりますし、音声広報CDというものも7月には公開する予定にしております。さらに、ご承知のように、東京オリンピック・パラリンピックは2020年の7月に開催されるものですから、熱中症対策が非常に重要になるということで、環境省も関係省庁と一緒に取り組んでおるところです。特にこの熱中症、外国人の方がかかられるケースも想定されるということですので、普及啓発の手法として、英文でのリーフレット、そうしたことを進めているところです。

 以上、資料の5から7の説明になります。

○前田放射線健康管理担当参事官 では、続きまして、資料8に沿って説明をさせていただきます。放射線健康管理担当参事官の前田でございます。東京電力福島第一原子力発電所事故による放射線に係る住民の健康管理・健康不安対策についてということで説明させていただきます。

 2ページ目でございますが、福島県における住民の健康管理等に係る取組ということでございます。平成23年度に福島県が創設いたしました「福島県民健康管理基金」、こちらに国が交付金を拠出するという形で進めてございます。そして福島県におきましては、県民健康調査事業、安心・リスクコミュニケーション事業、この二つを大きな柱として行ってございます。そしてこの県民健康調査事業の中には、基本調査として全県民を対象とした外部被ばく線量の推計把握というものと、詳細調査といたしまして、甲状腺検査、健康診査、こころの健康度・生活習慣に関する調査、妊産婦に関する調査などを行っているところでございます。

 また、その他の支援事業といたしまして、平成29年度ですが、事故初期及び現在の線量把握、健康不安への取組などとして、放射線健康管理・健康不安対策事業ですとか、あと、県民健康調査に必要な人材育成をするというために、福島県立医科大学の講座を支援するという人材育成事業も行ってきているところでございます。また、この2ページの上のほうにございますが、福島県立医科大学に「放射線医学県民健康管理センター」、その建設・整備、その予算を平成24年度に60億円措置いたしまして、こちらにつきましては、昨年の12月にグランドオープンをしたというところでございます。

 そして3ページ目でございますが、福島県による甲状腺検査ということでございます。こちらにつきましても、事故当時、概ね18歳以下だった方は全県民37万人、県外避難者も含めまして甲状腺の超音波検査を行うというものでございます。そして平成23年10月から平成27年4月で1巡目が終了、そして本格検査といたしまして、その37万人に加えまして被災時に胎児であった方、そういった方を加えまして対象人数は合計38万人となっているところでございます。そして26年度、27年度が2巡目、そして去年の4月、平成28年度から3巡目に入っているということでございます。検査の頻度につきましては、20歳までは2年に1回、以降5年に1回実施ということで進められてございます。

 この甲状腺の超音波検査を行いまして、しこりである結節、そして体液のたまった袋状のものである膿疱、そういったものを検出をしていくと。そして結節や膿疱を認めなかったり、5ミリ以下の結節、20ミリ以下の膿疱を認めたものにつきましては、A判定ということで判定されてございます。そしてB判定としては、5.1ミリ状の結節や20.1ミリ以上の膿疱を認めたもの、または直ちに二次検査を有するもの、それをB、C判定というふうに判定がされてございまして、二次検査としまして、問診や詳細な超音波検査、血液検査、尿検査、そして必要に応じて穿刺吸引細胞診と申しまして、甲状腺に針を刺して吸引した細胞を顕微鏡で検査をすると、そういった検査を行ってきているところでございます。

 その結果につきましてが4ページ目でございます。こちらは先週の6月5日に福島県の県民健康調査検討委員会で報告されたデータでございまして、今年の3月31日現在のデータでございます。先ほどの先行検査につきましては、こちらは確定値ということでございますが、36万7,000人余を対象といたしまして、受診率が81.7%、そしてA判定が99.2%、B判定が0.8%という状況でございます。そして先行検査でがんないしがん疑いと判定されている方が116名と。うち、がんと確定された方が101名ということでございます。

 そして、こちらの次の本格検査、2巡目でございますが、38万人を対象として受診率が71.0%と。A判定につきましては、先行検査と同様99.2%、B判定が0.8%と。そしてがんないしがん疑いと現在のところ判定されている方が71名、現在のところ、がんと確定された方が49名ということでございます。本格検査の3巡目でございますが、こちらは28年の4月からでございますので、まだ3巡目が終わってないところでございますので、途中段階ですが、33万6,000人を対象に35.8%という受診率でございます。A判定の率が99.3%、B判定が0.7%、そしてがんないしがん疑いと判定されている方が現在4名ということでございます。

 環境省といたしましては、こういった甲状腺検査がきちんと行われるように検査従事者の育成のための事業を行っているということですとか、あと、昨年もこの会議でご要望がございましたが、県外の検査機関の拡充が必要ではないかというご意見をいただいたところでございます。今年の2月と、あと、今年度も4回程度、県外で二次検査ですとか、あと、甲状腺検査に当たる機関、そういった検査機関の連絡調整会議、そういったものを行っていくことによって県外検査機関の拡充、充実を図っていきたいと。現在108機関まで増えてきているところでございますが、18歳を超えた方につきましては就職とか進学で県外へ出られる方が多くなりますので、そういった方も引き続きこの甲状腺検査が受けられるような体制整備を進めていきたいと思っております。

 そしてまた、二次検査でB判定、C判定と判定される方が1巡目では2,290名、2巡目で2,226名ということで、5ミリ以上のしこりがあるというふうに判定されて、非常に心の不安を催す方もいらっしゃる方ということですので、そういった二次検査機関を支援するための心のケア事業、そういったものを今年度から進めていくということで進めてきているところでございます。

 次に、5ページ目でございます。こちらからは、リスクコミュニケーション関係の事業の説明でございます。まず、1点目が、正確な情報発信ということでございまして、左のほうにございますが、放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料、こちらも平成24年から配布してございますが、毎年改訂を行ってございます。今年度は、上巻の「基礎知識と健康影響」、下巻の「省庁等の取組」、これは毎回発行してきたところでございますが、一般の方向けにQ&Aというものを作成しまして、ウエブでも公開をしてきているところでございます。こちらの資料につきましては、人材の育成を目的とした研修事業において参考資料として有効に活用がされているというところでございます。また、関係省庁ですとか自治体などの取組、こちらをまとめたものがこの右でございますが、放射線による健康影響等に関するポータルサイトというホームページで県民健康調査の内容ですとか統一的な基礎資料ですとかQ&Aなどを掲載しているところでございまして、また、公的機関から配信されます記事の内容を分類して、アーカイブとして1年分の記事のリンクの確認が可能としてございます。

 続きまして、6ページ目でございます。こちらにつきましては人材の育成ということでございます。平成24年度からでございますが、住民からの放射線に関する健康不安ですとか悩みの相談に対応できる、そういった人材の育成を目的といたしまして、保健・医療・福祉の関係者ですとか教育関係者、そして自治体職員といった方々を対象に放射線の基礎知識ですとか食品中の放射性物質の状況につきまして、自治体のニーズに合わせた研修、座学だけではなくて、実技演習ですとかロールプレイング形式の演習、そういったものを加えた形で進めてきているところでございます。

 平成24年度から28年度の実績はこちらの表のとおりでございますが、こちらも今まで福島県内を中心に行ってきたところでございますけれども、今年度、基礎研修も応用研修も福島県の以外の地域で行っていくことによりまして、福島県以外の福島県外の方々の人材育成、そういったものに力を入れてきているところでございます。また、この健康不安とか悩み相談を受け付ける方は医療従事者が多うございます。ですので、6ページの右下のほうにございますが、平成29年度、今年度より新たに医療従事者等向けの研修を実施予定ということでございます。

 続きまして、7ページ目でございます。こちらは住民の理解増進ということでございますが、福島県ですとか近隣県の住民の方々を対象といたしまして、放射線の基礎知識ですとか健康影響などについて専門家が情報提供いたします住民セミナーですとか、少人数の意見交換形式でございます車座集会、そういったものを開催いたしまして放射線の健康不安の軽減、そして理解増進を図ってきているところでございます。住民セミナーでございますが、主な開催地等、この右のほうにございますけれども、県外避難者の方々、そういった方を対象としたセミナーも昨年度より積極的に取り組んできているというところでございます。また、この事業概要の中に、住民セミナー、車座集会の開催、リスクコミュニケーション拠点の設置ということでございますが、こちらは、川内村、富岡町、浪江町に長崎大学ですとか弘前大学といった放射線に非常に専門的な知見を有する大学と連携をして保健師等が常駐することによってリスクコミュニケーションを現地で実施していただくと、そういった拠点の設置事業なども行ってきているというところでございます。

 続きまして、8ページ目でございます。こちらが被ばく線量把握事業ということでございます。こちらも、今年の3月末、4月の初めに多くの地域が避難指示が解除されました。こちらの左下にございますが、対象地域としてございます9市町村の名称がございますが、この中でも、飯舘村、川俣町、浪江町、富岡町の多くの地域がこの3月末、4月の上旬に避難指示が解除されたということで、これからその元住んでおられた地域に帰還される方が増えてくると。そういった帰還される方々の不安の軽減を目的といたしまして、帰還に伴う被ばく線量の情報を提供して、自ら把握していただくと、そういった事業を平成26年度以降行ってきているところでございます。

 個人線量計による外部被ばく線量の把握ということで、ここにD-シャトルという外部被ばく線量を測定する機器の写真もございますが、希望する住民の方々に個人線量計を配布するといったことで、自らの個人被ばく線量をより正確に把握していくことで不安軽減につなげていただくことをしてございます。そしてホールボディー・カウンタという、こちらも写真がございますけれども、こちらは内部被ばくを測定する機械でございまして、こちらも自らの線量を継続的に把握していただくと。そして測定結果について専門家から説明をするといった事業を行ってございます。こちらも実績がもう1,000人を超えてきているというところでございます。

 続きまして、9ページ目でございます。こちらは、住民を身近で支える相談員や自治体職員等の活動支援ということで、平成26年度から「放射線リスクコミュニケーション相談員支援センター」をいわき市に開設をしてきているところでございます。こちらにつきましては、住民を身近で支える相談員の方々ですとか自治体職員の方々に対しまして、科学的・技術的な面から組織的かつ継続的に活動を支援すると。そしてニーズ収集のための訪問活動ですとか個々の相談への対応、専門家の派遣、研修会の開催、相談員等の意見交換会の開催などを行ってございます。こちらの運営におきましては崎田委員に非常にご尽力を賜っているところで、感謝申し上げます。

 実績も平成26年度から28年度まで右肩上がりに訪問件数も相談対応も専門家派遣も研修回数も上がってきているということでございまして、この前の連休のときにも浪江町で山火事がございましたが、そういったときの相談にも丁寧に対応されたという実績もあるところでございます。

 そして次に、10ページ目でございます。こちらは、そういった相談員の方々が、帰還される住民の方々、そして帰還しようどうか検討されている住民の方々、そういった方に丁寧に説明ができるように、「暮らしの手引き」というふうな冊子をこの4月に発行をしたところでございます。内容といたしましては、生活関連の放射線に関する疑問とか不安につきまして、住民の方々が自ら考え、納得するための物差し、そういった考えるポイントが必要ということでございますので、専門家や住民相談員の方々が協力して住民目線で疑問や不安を解決、納得するための考え方、参考情報、助言とかヒントですね、そういったものをまとめた冊子として「暮らしの手引き」というものを作成したところでございます。

 こちらも、一律にこの冊子を配布してもらうということではなくて、ここの真ん中に小さな字で書いてございますけれども、この相談員の方々とか復興支援員、保健師の方々が住民と一緒にこの冊子を見ながら、ともに閲覧しながら利用すると、そういうことを想定したものでございまして、ふるさとに戻る前の準備期、ふるさとに戻った後の復興期、ふるさとで暮らしていくための将来、そういったことについての、ふるさとに戻って大丈夫でしょうかといったような住民の方々からの疑問を収集し、それに対する助言と、そのバックデータである詳細なデータ、そういったものを一体としてまとめた冊子を作成して、現在、研修を行いながら配布をしているところでございます。

 そして11ページ目でございますが、放射線の健康影響に係る研究調査ということでございます。こちらにつきましても、この一番下に主な研究課題とございますが、福島第一原発事故における住民の線量評価に関する包括研究ですとか福島県内外のがんですとか循環器疾患、そういった疾病動向の把握に関する調査研究、そういったものを行ってきているというところでございます。

 資料8の説明は以上でございます。

○佐々木特殊疾病対策室長 最後のご報告でございます。資料9、水俣病発生地域における地域づくりの推進につきまして、特殊疾病対策室の佐々木のほうからご説明をいたします。

 水俣病問題につきましては、昭和31年に公式確認がなされておりまして、60年を越えた今でも残念ながら解決していない問題でございます。そして水俣病の認定の審査を待っている方々、公健法上の認定審査を待っている方々が全国で今2,000名を超えている一方、裁判に訴えている方々が1,500名を超えている、そういった状況の中でいろんな取組をさせていただいておりますが、環境省といたしましては、このスライド2にございますように、平成21年に成立いたしました水俣病特別措置法に基づきまして地域づくりに関する取組をさせていただいておりますので、本日は、その中から主だったものをご紹介させていただきます。

 スライドの3をご覧いただきたいと思います。水俣病発生地域におけます医療・福祉に関する取組でございますが、このお写真にございますように、胎児性の水俣病患者等の生活支援といたしまして、事業所を通じてデイサービス等の提供を行ったり、それから水俣市にございます認定患者等の入居施設でございます明水園、こちらの個室化などの整備支援を行ったりしております。また、離島などアクセスのよくない地域につきましては、リハビリテーションをその地域でできるように設備だとか器具だとかといった整備支援をやっておりまして、さらに、本年度につきましては、初めて新潟県におきましてもこういった事業を進めてまいる予定でございます。

 最後のスライド、4番目でございますが、発生地域の再生・融和と称しまして、水俣病に関する偏見、差別により失われた地域のきずなを修復するための取組も実施してございます。一つ目は、もやい直しに関する事業でございまして、毎年5月1日、現地におきまして水俣病犠牲者慰霊式を開催しておりますが、こちらの開催支援を行っております。また、昨年度は、水俣病公式確認から60年目の節目でございました。お写真は、胎児性水俣病患者の方々が若かりしころに主催したコンサート、これは実は石川さゆりさんなんですけれども、そのコンサートをもう一度再びということで、まさに患者の方々が主催をして再開したといったこと等、地域からの提案の事業を、10以上の事業を採択させていただいて実施をしたところでございます。

 それから最後、三つ目でございますけれども、水俣病に関する情報や、それから教訓、こういったものを国内外に広く発信するとともに、差別に関する発言というのが昨年度もございました。残念ながらございました。そういった水俣病に関する偏見の解消のために、学校現場などを活用しまして、語り部の方々にもご協力をいただきまして普及啓発をさせていただいているところでございます。水俣病問題、なかなか難しい中で、公害健康被害補償法の丁寧な運用の積み重ねをしていくとともに、こうした地域づくりの取組につきましても、関係する自治体や関係者の皆様方と連携しながら進めてまいりたいと考えているところでございます。

 私からは以上でございます。

○岡田部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまご説明いただいた内容について、ご質問等がございますでしょうか。

 じゃあ、小山先生のほうから順番にお願いいたします。

○小山委員 すみません、化審法の中の特に毒性の強いものについての管理についてお伺いいたします。この物質については、消費者側から確認ができる方法というのはどのようなものがありますでしょうか。それが一つ。

 それから、EXTENDについてもお伺いします。EXTENDについては、最終的な生態系に対する影響の強さというんでしょうか、それがかなり長期の試験を実施した上でないとその濃度が決まらないということになりますと、なかなかリスク評価が前に進まないという欠点がございます。これを今後どのように進めていくかということについてお話しいただければと思います。以上です。

○岡田部会長 では、どうぞ、菅野委員。

○菅野委員 化審法のところで、資料3の2.の(2)のところは、毒性が強いと判定されたと書いてあって、資料3の参考のカラーの図のところで、特定一般化学物質の上のところは長期毒性と「長期」がついているのですが、これがあるなしのちょっと違いが問題になるかなと思いまして、流れ図のほうでは「長期」は消したほうがいいのではないかと私は個人的に思うんですが、そこのところ。

 もう一つは、水俣のところで、今後いろいろと活動を続けていかれるというところのお話が資料4-3であったと思うんですが、カラーのこれの、これは今後どれくらいのスパン、どれくらいの予算、多分予算がかかるんだと思うんですけども、こういうのは一度解決すると何となくしぼんでいってしまうような問題があるのではないかと思った次第です。それをしぼませないという作業も必要かと思うのですが、予算措置も含めて、今の段階で、継続性について、どのようなお考えになっているのか、お示しいただけたらと。

○岡田部会長 ありがとうございます。

 じゃあ、続いて、浅野委員、お願いいたします。

○浅野委員 資料5のPRTRのデータについてと水俣病について、2点です。

 PRTRのデータですが、今までもデータは見ていたのですが、改めて注意深く見ると移動量については全然減ってないんですね。排出量については順調に下がってきているので制度は十分に効果をあげてきていると考えていたのですが、移動量を見ると、どうも違うようにも見えるこれをどうするかということが次の課題になりそうな気もいたします。むろん数字を減らすことだけが制度の目的であるとは限りませんけれども、移動量は減ってない、これは、移動先でちゃんと始末されているから何の問題といえるのかというようなことも含めて少し検討課題にする必要があるだろうと気がつきました。

 それから、水俣病に関してですが、資料の4-3で国際協力の話があり、さらに、資料の9で地域づくりの推進というのがあるわけですが、これについては、あまりここに記されていないのですが、国立水俣病総合研究センターの働きが大きいということを、もう少しちゃんと表に出すべきではないかと思います。特に国際協力に関しては、要請があるとすぐに出かけて途上国の汚染状況を調べて報告し助言するということをやっていますし、それから国水研のフォーラムが定期的に行われていて、これは各国の研究者に対しては刺激になっていると思います。また、国際水銀会議では、毎回必ずブースを出展して情報発信をし、それがコミュニケーションの手段にもなっているということがあると思います。

 それから、地域づくりの推進ですが、やはりこれも水俣病総合研究センターの中で社会科学の研究室が、このところずっと連続して地域づくりについての貢献をしようというので研究を続けているんですが、研究と同時に、もうほとんど実践に近いことまでやっているわけです。特に4月7日に水俣市に対して地域創生ビジョンの報告を出していて、市との連携がかなり進んでいますので、こういうところは、単に研究というより、むしろ業務的な色彩も帯びてきていますから、予算面でも十分な配慮をしていただければと思います。水俣市は今人口がもう2万5,000人に減ってしまっていて大変な状態ですけども、その中で、研究所がよく頑張っているということもぜひ知っていただきたいと思います。さらに研究センターの働きについていえば、ある種の治療によって症状の改善を見ているということがあるようです。これは一部ではありますが患者さんに希望が生まれてきている。そのことが、国立水俣病総合研究センターに対する信頼につながってきているということもあるようで、こういったことはぜひ認識しておく必要があると思います。

○岡田部会長 ありがとうございました。

 すみません、時間が大分押してきていますので、ご質問は簡潔にお願いいたします。

 じゃあ、崎田委員。

○崎田委員 ありがとうございます。質問を簡潔に。水銀に関わる水俣条約のところなんですけれども、質問ではなくコメントです。やはり今回、条約が発効するということで非常に関心が高まると思いますので、まず、日本がとった対策というのが世界にきちんと発信されるようにしていただきたいということと、もう一つ、地域のことが今回資料9で出ました。私も、やはり現場に伺ってみて、まだ裁判をされている方など大変な方はいらっしゃいますが、地域の方で自分たちの地域をどうやってよくしていこうか、一緒になって取り組もうかという熱意のある方たちが、そういう思いの方が大変大勢いらっしゃるということにそのときは感動いたしました。やはりそういう今回のような資料の動きというのも出していただいたことが、これからのイメージを明確に発信するところで大事なんではないかというふうに感じております。

 あと、東京電力の福島第一原子力発電所に関する対応に関してなんですけれども、これまでよりもいろいろな対応メニューが非常に増えてきて、しっかりとやっていただく体制がとれ始めてきたという感じがいたします。そういう意味で評価をしたいと思いますが、2点質問させてください。

 調査の結果の1巡目、2巡目と3巡目の途中というのが出ました。これに関して、地域の方にどういうふうに評価というか、こういう状況をどう評価するとご説明されているのか、そこまで教えていただきたいというふうに思います。

 あと、相談員支援センター、コメントいただいたように運営委員会に関わらせていただいておりますが、その支援センターの動きと、その前に、いろいろ人材育成とかあるようなさまざまな動きとどういう関連性があるのかというのを少しご説明いただければありがたい。よろしくお願いします。

○岡田部会長 じゃあ、大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 3点簡単に申し上げますが、一つは、この化審法の改正との関係で特定新規化学物質はどのぐらいの数をお考えになっているかということ、現在のところをちょっと教えていただければと思います。

 それから二つ目ですけども、EXTENDについては、随分ご検討いただいて大変よいと思いますが、最近のEUの動きは、内分泌かく乱物質に関してかなり規制をしていく方向だと思いますので、日本は日本で独自に考えるということはもちろんいいと思うんですけども、ちょっとあんまり違いで出てきているような気もしますので、その辺について、EUの状況も参照されたかと思いますが、どういうふうに理解させていただければいいのかというあたりをちょっと簡単に教えていただければと思います。

 それから三つ目ですけど、PRTRに関しては、浅野先生がおっしゃったとおりでございますが、さらに、排出量に関してもやはり横ばいになっているので、何らかの対応をしなければいけないということを私も考えておりますので、コメントとして申し上げます。以上です。

○岡田部会長 どうぞ、松本委員。

○松本委員 水銀についてですけども、貯蔵するものに対して定期的な報告を求めるとあります。私ども医療機関でも思いがけず大量の水銀を貯蔵していることが判明したことがございます。この辺について報告は、貯蔵することに対してどの程度把握していらっしゃるかということと、あと、廃棄物処理に関してですけども、たしか北海道のある処理業者のみしかできなかったと思うんですけども、この辺は順調、適正になされているかどうかということをお教えいただきたい。

 それからもう一つ、福島第一原発のことですけども、先ほどほかの委員もおっしゃっておりましたけども、2巡目、3巡目の本格検査の報告も含めて、たしか前回の中間審では、自然発生を含めてがんの発生率は決して高くないというようなご見解だったと思いますけども、現時点でもそれに変わりはないかどうかということを教えていただきたいと思います。

○岡田部会長 小熊委員、どうぞ。

○小熊委員 ありがとうございます。1点のみ、熱中症に関してでございます。資料7のところですが、ご案内のとおり、厚生労働省におかれても熱中症対策期間が設定されており、職域における熱中症対策に取り組まれていますが、こちらの資料にありますとおり、政府全体として関係省庁の連絡会議において、今後も引き続き継続をしていただければと思います。とりわけ、職域において、環境省の取組としてクールビズが行なわれているところですが、エアコンの温度設定28度は、熱中症の発症が上がり始める室温でもありますので、28度設定の広報においては、水分補給や湿度の管理もあわせて指導なりをしていただければと思います。

○岡田部会長 ありがとうございます。

 じゃあ、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 先ほど大塚先生が少し言われましたが、内分泌かく乱の取組について非常に知見が蓄積されているということで、よいと思うんですが、それはそろそろというか、知見もかなりたまっているので、内分泌かく乱を化学物質管理の法あるいは制度の中でどのように位置づけるかということを改めて議論してもいいんじゃないかなと思っています。一応意見として申し上げます。

○岡田部会長 ありがとうございました。

 事務局にこれからまとめてお答えいただくんですが、あと5分しかありませんので、特にご質問を中心に、すみません、5分はちょっと冗談、誠に申し訳ございませんが、あと15分、10分くらいはおつき合いいただければと思います。5分くらい延長させていただいて、10分くらいで、コメントは承ることにして、特にご質問を中心にお答えいただければと思います。

○新田化学物質審査室長 じゃあ、化審法、資料3のほうに対するご質問でございます。

 まず1点目、消費者の確認方法というご指摘でございます。新規化学物質を名称公示する段階で特定新規化学物質、毒性の強いものだといったことを公示する形になります。また、製品中ということでありますと、それは化審法の対象外ということになるわけでございますけれども、それについては、ほかの法で対処をされたり、また、今回、特定新規化学物質であることが事業者間では情報共有されますので、実際に消費者に渡る製品をつくる事業者さんのほうで、この自分が扱う物質が毒性が強いものであるということを認識されることによりまして、安全対策がとられることにつながるのではないかというふうに考えております。

 2点目、資料3の参考のほうの資料で、毒性が強いというものの著しい長期毒性があるという書き方のところでございますけども、今回の法改正の中では、この物質の定義のところを著しい長期毒性があるというふうな意味合いの形で法律の定義の上では書いているところでございます。答申の中で、毒性が強いというものを具体的に化審法の中で落とし込んでみたところ、それは著しい長期毒性というふうな形で法律の中で定義づけたということでございます。

 また、これの対象物はどれぐらいかということであります。具体的にどのぐらいのものを対象にするか、基準はどこかは今後の検討になるわけでございますけれども、これまで想定した検討の中では、新規化学物質、年間審査している、平成23年度以降審査している中で数物質程度といったことを想定しています。具体的にどうかというのは、今後の基準によりますし、また、新規化学物質の審査はこれからの話になりますので、それによってどのくらいの数か、決まっていくかということだと思います。

○高橋水銀対策推進室長 水俣条約の関係です。菅野委員からご指摘していただきました途上国支援の関係ですけれども、条約上、有効性評価というのを行うことになっていまして、これを条約発効後6年以内に行うというようなことが定められています。そういったことを考えますと、その半分ぐらい、当初3年ぐらいは重点的にその取組をしていく必要があるかというふうに思っておりまして、これまでの途上国支援も踏まえながら関係国とも連携をして行っていきたいと思っています。

 それから、松本委員からのご質問ですけれども、水銀の貯蔵に関して、1年間での水銀の貯蔵量を、水銀や水銀化合物の最大量が30キロを超える場合について、報告がなされるということになっております。これが大体どれぐらいの量になるかというのは、ちょっと今、手元に持ち合わせてはいないんですけれども、こういった報告を把握しながら、より貯蔵される水銀の管理というのをしっかり促していきたいというふうに思っております。

 それから、水銀の回収、リサイクルですが、ご指摘のとおり、1業者だけではないんですけども、多くが今、北海道にある事業者でリサイクルが行われている状況にございます。今後、処分をしっかりやっていく上でどうなっていくということは、引き続き関係部局とも連携しながら注視していきたいと思っております。また、崎田委員のご指摘についても、今後しっかり対応してまいります。

○瀧口環境安全課長 まず、EXTEND、内分泌かく乱性化学物質についての小山委員からご質問をいただきました。試験に時間がかかってリスク評価がなかなか進まないんじゃないかというご指摘でありましたけども、ご指摘の点もっともでありまして、事務局のほうでも、今後、より短時間で影響を把握できるような試験方法を今検討しているところです。

 それから、同じく大塚委員のほうから、EUの動きについてご質問がありました。大塚委員がご指摘いただいたように、EUのほうでは、内分泌かく乱というものも化学物質の規制の一つの判断に入れているというところであります。昨年の6月に内分泌かく乱性の化学物質を特定するための判断基準の案というのが示されたんですけれども、これがまだ採択されてない状況でして、EUの中でもいろんな議論があるようですけれども、そうした状況を常に情報収集するようにしまして、先生がおっしゃったように、日本の対応が遅れないようしていきたいというふうに思っております。

 また、PRTRにつきましては、浅野先生、それから大塚先生にいただいたコメントを踏まえて今後見直しをしていきたいというふうに思っております。以上です。

 熱中症に関しましては、ご指摘ありましたけれども、28度設定、それだけではなくて水分補給等、これも普及していくということでありますけれども、28度、これもあくまで目安でありまして、冷房時の外気温や湿度、建物の状況、体調等を考慮しながら、無理のない範囲で冷やし過ぎない室温管理に取り組んでいただきたいというものでありますし、また、熱中症対策と、クールビズ、温暖化対策は決して相反するものではありませんで、例えば軽装を心がけるとか、あるいは日が照っているところにカーテンあるいはブラインドをかけるとか、また、エアコンのフィルターを小まめに掃除してエアコンのききをよくするとか、そうしたところが熱中症対策、温室効果ガス削減、両方にきいてきますので、そうしたところも訴えていきたいというふうに思っております。

○前田放射線健康管理担当参事官 では、崎田委員からご質問ございました、まず、福島県民健康調査の結果の地域の方々への説明ということでございます。自治体職員などに対する基礎研修、応用研修で説明をしていることはもちろんでございますし、あと、住民セミナーですとか車座集会、また、県外避難者セミナーでも、かなりこの甲状腺検査のことはよく聞かれるというふうに伺ってございます。そういった場に福島県立医科大学のドクターの方々ですとか担当者の方々が出向いていって、この県民健康調査の結果などをきちんと説明されているという状況でございます。

 また、支援センターと人材育成事業との関連ということでございます。こちらはすみ分けをしっかりする部分としっかりと連携していく部分、両方がございます。まず、すみ分けをしていくという部分につきましては、支援センターの対象範囲は主に避難所解除区域を中心に支援をしていくと。そして、例えば飯舘村における新人相談員の研修、そういったものを丁寧に行ってきているというところでございます。また、連携につきましては、やはりこの人材育成をしていく中で、どういうふうにこの相談員支援センターを困ったときに活用していくかということも、自治体職員ですとか保健・医療・福祉の関係者の方々に知っていただくということで、この専門家の派遣ですとか個別の訪問活動、そういったものを支援センターがきちんとやっているんだということを研修などで普及することによって連携をしていくということに進めているところでございます。

 また、松本委員からご質問のございました2巡目、3巡目についての評価ということでございます。今まで福島県の委員会ですとか環境省の専門家会議などで、この4ページの一番左の先行検査についての評価は今まで行われてきて、その結果は、先ほど委員ご指摘のとおり、放射線に起因する甲状腺がんの有意な増加というものは認められていないということでございます。こちらの2巡目の評価につきましては、この6月5日の県民健康調査の委員会が甲状腺検査の評価部会と合同開催ということでございまして、この2巡目のデータがほぼ出そろってきたという段階ですので、これからこの2巡目についての評価を行っていくということでございます。環境省といたしましても関心を持って注視してまいりたいと思います。以上でございます。

○佐々木特殊疾病対策室長 浅野委員から国水研の活動につきましてご紹介いただきました。本来、私がご報告すべきところを本当にありがとうございます。ご指摘を踏まえまして、今、国水研、非常に地域に開かれた活動で実績も上げつつございますので、本省といたしましても、より地域に開かれた研究所、そして地域の皆様からその業務なり研究なりにご理解、ご協力を一層いただくように支援してまいりたいと思っております。ありがとうございます。

○大森環境保健企画管理課長 事務局からのご回答、ご説明については以上になります。

○岡田部会長 どうもありがとうございました。

 まだあるかもしれませんが、申し訳ございません、初めての司会でございまして、予定の時間を5分超過したことを深くお詫び申し上げます。

 事務局におかれましては、今いただいた委員の皆様方のご意見を参考に、今後の環境保健行政を進めていただきますようお願いいたします。

 本日の予定の議題はこれで終了いたしますが、どうしてもというのがあれば、1件だけ。いいですか。

(なし)

○岡田部会長 じゃあ、これで終了させていただきます。

 それでは、事務局にお返しいたします。

○大森環境保健企画管理課長 本日は、活発なご審議と貴重なご意見を多々いただきまして、大変ありがとうございました。

 議事録の扱いと次回の日程についてお伝えいたします。

 本日の議事録は、原案を作成しまして、委員の皆様にご確認いただいた後に環境省ウエブサイトに掲載する予定ですので、よろしくご協力のほどお願いいたします。

 次回の日程につきましては、改めて調整させていただきます。

 それでは、以上で第38回中央環境審議会環境保健部会を終了いたします。どうもありがとうございました。

午後6時06分閉会