中央環境審議会環境保健部会(第32回)議事録

日時

平成27年1月7日(水)13:01~14:58

場所

三田共用会議所 3F 大会議室

議事次第

 1. 開会

 2. 議題

【審議事項】

(1)公害健康被害の補償等に関する法律の規定による障害補償標準給付基礎月額等の改訂について

(2)報告事項

  ① 水銀に関する水俣条約対応検討小委員会における検討状況(第一次答申)について

  ② 第四次環境基本計画(包括的な化学物質対策の確立と推進のための取組)の進捗状況・今後の課題に

    ついて

  ③ 環境リスク初期評価の結果について

  ④ 化学物質環境実態調査の結果について

  ⑤ 東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議中間取りまと

    めについて

(3)その他

 3. 閉会

配布資料

【配布資料】

 資料1  中央環境審議会環境保健部会名簿

 資料2  公害健康被害の補償等に関する法律の規定による障害補償標準給付基礎月額等の改訂について

 資料3  報告事項 環境保健行政の現状について

   ① 水銀に関する水俣条約対応検討小委員会における検討状況(第一次答申)について

   ② 第四次環境基本計画(包括的な化学物質対策の確立と推進のための取組)の進捗状況・今後の課題

     について

   ③ 環境リスク初期評価結果について

   ④ 化学物質環境実態調査の結果について

   ⑤ 東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議中間取りま

     とめについて

 【参考資料】

  参考資料1  中央環境審議会関係法令等

  参考資料2  中央環境審議会環境保健部会の小委員会、専門委員会の設置について

  参考資料3  水銀に関する水俣条約対応検討小委員会の設置について

議事録

午後1時01分開会

○菊池企画課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第32回中央環境審議会環境保健部会を開催いたしたいと思います。

環境保健部企画課長の菊池でございます。議事の開始まで暫定的に進行をいたします。

委員の皆様、各委員におかれましては、年始の御多忙中にもかかわりませず、御出席をいただきまして誠にありがとうございます。

この会議は公開で開催いたします。

また、議事に入ります前の冒頭のみ、カメラの撮影を許可しておりますので、よろしくお願いします。

環境保健部会の委員及び臨時委員27名のうち、本日は、20名の御出席を、現在いただいておりますので、定足数に達しております。部会は成立いたしておりますことを、御報告いたします。

まず、資料の確認をさせていただきたいと思います。

お手元に配られている資料は、議事次第がございまして、その裏に、配付資料の一覧がついております。

資料1が、この部会の名簿。

資料2が、公害健康被害補償法に基づきます標準給付基礎月額等に関する諮問、その他の資料でございます。

資料3としまして、分厚くとじておりますけれども、5種類の資料をとじました環境保健行政の現状について。

その後には、参考資料1として、中環審の関係法令等。

それから、参考資料2、参考資料3としまして、この環境保健部会の小委員会等に関する資料をつけております。

もし、資料の不足がございましたら、事務局へ、その都度お申しつけいただきますようにお願いいたします。

本部会の資料につきましては、原則、全て公開とさせていただきたいと思います。

また、この部会終了後に、発言者のお名前を示した議事録を作成いたしまして、委員の皆様方に御確認をいただいて、御了解いただいた上で、公開させていただきたいと考えております。

まず、事務局を代表いたしまして、環境保健部長の北島より御挨拶を申し上げます。

○北島環境保健部長 皆様、新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

環境保健部長の北島でございます。

委員の皆様方におかれましては、新年早々、大変御多忙の中、御参集いただきまして、誠に

ありがとうございます。

環境保健部会の開会に当たり、一言御挨拶を申し上げます。

本日は、公害健康被害補償法による補償給付額の改訂について御審議いただくとともに、

環境保健行政に関する最近の動きにつきまして、御報告を申し上げたいと思います。

特に、昨年4月に設置をいただきました水銀に関する水俣条約対応検討小委員会におきま

して、水銀に関する水俣条約の締結に向けた国内担保措置について御検討をいただいておりま

したところ、昨年末に第一次答申を取りまとめていただきました。

この場をおかりいたしまして、関係の先生方に深く感謝を申し上げます。

本日は、その内容につきましても御報告させていただきます。

このほか、新規化学物質の審査を初めとする化学物質対策、石綿による健康被害対策等に

つきましても、御協力を賜っているところであり、改めて感謝を申し上げます。

委員の皆様の御見識を賜りながら、よりよい環境保健行政を進めてまいりたいと考えており

ますので、幅広い視点から活発な御議論をお願い申し上げまして、冒頭の御挨拶とさせて

いただきます。

本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

○菊池企画課長 なお、放射線健康管理担当参事官の得津が、昨年の7月の人事異動で着任しておりましたところ、前回の部会におきましては所用のため欠席しておりましたので、改めて紹介させていただきます。

○得津放射線健康管理担当参事官 得津でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○菊池企画課長 それでは、ここからは中杉部会長に議事進行をお願いいたしまして、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。

では、部会長、お願いします。

○中杉部会長 改めまして、新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

本日は、新年早々お集まりいただきまして、ありがとうございました。

早速、次第に従って審議を進めたいと思います。

本日の審議事項は1件でございます。公健法に基づく給付額の改訂についてです。

この件につきましては、資料2に示しますように、中央審議会に意見を求める諮問が環境大臣から12月18日付で出され、同日付で環境保健部会に付議されました。

そこで、本日は、当部会で、この件についての審議をしたいと思います。

それでは、事務局から諮問の内容について御説明をお願いいたします。

○横田保健業務室長 保健業務室長の横田でございます。座って失礼させていただきます。

資料2に基づきまして、説明をさせていただきます。

1ページ目が諮問書になります。

1ページめくっていただきまして、2ページ目でございますが、本年の4月より適用を考えております障害補償標準給付基礎月額と遺族補償標準給付基礎月額の案の一覧でございます。

以後、障害補償費、遺族補償費と省略させていただきます。

これらの額につきましては、毎年、中央環境審議会において御審議をお願いしているところでございます。後ほど、これらの算定方法について説明させていただければと思っております。

3ページ目が、先ほどお話がありました付議書でございます。

めくっていただきまして、4ページ目を御覧ください。

ここでは、障害補償費及び遺族補償費に係ります公害健康被害の補償等に関する法律、いわゆる公健法における規定について示させていただいております。

障害補償費につきましては、公健法の二十六条の下線部のところでございますけれども、労働者の賃金水準その他の事情を考慮して、中央環境審議会の意見を聴いて定める、とされております。

その次の三十一条でございますが、遺族補償費につきましても、労働者の賃金、被認定者又は認定死亡者が死亡しなかったとすれば通常支出すると見込まれる経費その他の事情を考慮して、中央環境審議会の意見を聴いて定める、と定められております。

また、その下に、公健法の施行令でございますけれども、そこで、性別、年齢階層別に区分して、毎年度定める、ということが定められております。

右の5ページ目を御覧ください。

昭和49年の中央公害対策審議会の答申を示させていただいております。

標準基礎月額の算定につきましては、(2)の下線のところでございますけれども、障害補償費につきましては、「賃金構造基本統計調査報告」、いわゆる賃金センサスでございますけれども、それによる労働者の性別、年齢階層別平均賃金の八〇パーセント、遺族補償費につきましては、その七〇パーセントとすることが適当、とされております。

また、その下の(3)でございますけれども、基礎月額は、毎年定めるとされておりまして、前年の賃金実績によるとすると、その基礎となるデータは、先ほどの賃金センサスと「春闘による賃金引上げ状況調査報告」を用いるとされております。

1枚めくっていただいて、6ページ目でございます。

実際に患者の方々に給付されます障害補償費の給付率を示した表でございます。

区分の特級、1級の方につきましては労働ができないレベルということでございまして、100%の給付となっております。現在のところ、この級に相当する方は1%にも満たない方という状況でございます。

その下、2級の方につきましては労働に著しい制限を受けるということで、50%の給付となっておりまして、全体の1割弱という程度でございます。

3級の方につきましても労働の制限を受けるということで、30%の給付でございまして、全体の6割弱程度ということになっております。

また、2.のところでございますが、遺族補償費につきましては、死亡原因については、指定疾病の起因の程度を考慮して、遺族補償費の100%、75%、50%が給付されるということになっております。

右の7ページ目に移りますけれども、平成25年度の賃金センサスの結果を示しております。対前年度のアップ率としまして、0.5%の減ということになっております。

次の8ページ目でございますけれども、それぞれの性別、年齢階層別の増減の額と、それぞれの増減率の表となっております。

続いて、9ページ目でございますけれども、春闘及び賃金センサスのアップ率について、過去10年について表とグラフで示したものでございます。これらのデータを用いまして、平成26年度、25年度に対してどの程度アップするかを推計する手法をとっております。

続きまして、10ページに移らせていただきます。

標準給付基礎月額の算定方法について説明させていただきます資料でございます。

それぞれの基礎月額の算定につきましては、前々年度の賃金センサス、今回におきましては、先ほどの平成25年度分でございますが、それの障害補償費については、その平均賃金の80%、遺族補償については70%に、前年の賃金推計アップ率を乗じることにしております。

また、激変緩和措置としまして、平成14年度の改定から、賃金センサス全体の推移と2.5%以上乖離している年齢階層につきましては、大きく変動した翌年はそのズレを戻す傾向にあるということが統計的に有意であったことから、回帰分析手法を用いて補正して算定しております。また、平成21年度の改定からは、前年度の給付基礎月額から2%以上増減していた労働者の性別及び年齢階層につきましては、その増減率を2%に抑えるという措置をとっております。

2でございますが、賃金推計アップ率の算出でございますけれども、例年、アップ率の算出をしておりましたけれども、昨年、平成26年度から、男女それぞれの賃金センサスを用いて、男女別の賃金推計アップ率を算出する、という方法をとらせていただいております。

11ページを御覧ください。賃金センサスのアップ率のトレンドグラフでございます。

大きく変動している翌年については、そのズレを戻す傾向が見てとれるかと思います。

続きまして、12ページ、13ページを御覧ください。

順序が男子、女子、逆になっていて申し訳ありません。

この相関図は、全労働者の平均アップ率から2.5%以上乖離していたものについて、どのように対応するかという図でございますけれども、過去のデータをもとに、2.5%以上乖離していたものが、その翌年、どういった変化を示すかというのをグラフにしまして、その相関関係を示したグラフになっております。過去のデータを使いまして、左上のところにありますけれども、Y=何とかという回帰式を作成させていただいております。男女それぞれに回帰式を作成させていただいております。

続きまして、14ページを御覧ください。平成27年度の障害補償費の試算の案でございます。

各年齢階層につきまして、左から、平成24年度の賃金センサス、平成25年度の賃金センサス及び24年から25年度の増減額、増減率、その隣に増減率の平均との乖離を示しております。左上にございますけれども、先ほどの賃金推計のアップ率について、男性0.1%のアップ、女性の0.5%アップという形で推計をさせていただいております。

その次、順序が逆、場所が飛んで申し訳ありません。真ん中辺りに、平成26年度の障害補償費の実績を示させていただいております。

次に、先ほどの2.5%以上の乖離の部分でございますが、男性、女性ともに、70歳以上の年齢階層で、ちょうど増減率の乖離の黄色い部分でございますが、男性の70歳以上のところ、11.8%の乖離、女性70歳以上3.2%の乖離ということで、2.5%以上の乖離が発生しております。

その部分につきまして、先ほどの相関グラフを用いて補正しておりますけれども、結果としては、男性の場合、補正しても9.9%の乖離、女性の場合3.2%の乖離ということで、前年度より2%以上変化しており、最終的には2%の激変緩和措置に該当するということになっております。

全体としまして、先ほどお話ししました賃金センサスの推計アップ率の男性0.1%、0.5%を用いて計算をしておりますけれども、最終的に、一番右のカラムを見ていただいて、赤枠があるかと思いますが、45歳~49歳のクラスと70歳以上のクラス、女性の場合、40歳~44歳、55歳~59歳、65歳~69歳、70歳以上の方が、増えているほうもありますけれども、2%以上の変化を示しておりましたので、激変緩和措置がかかっているという状況になっております。

最後のページでございます。16ページ目でございますけれども、最終的な改定の一覧でございます。

黄色の色づけをしているところが、先ほどお話ししました上下2%以内の激変緩和措置をとったところでございます。男性平均としまして、前年より0.6%のダウン、女性平均で0.2%のアップという形になっております。上が障害補償費、下が遺族補償費でございますけれども、増減に関しましては、ほぼ同じような傾向を示しているというところでございます。

以上でございます。よろしくお願いいたします。

○中杉部会長 ただいま御説明いただいた内容について、何か御意見、御質問はございますでしょうか。

御意見、御質問がおありの方は、名札を立てていただければと思います。いかがでございましょうか。

一応、前年度と同じ方法で算定したということで、よろしいですね。

○横田保健業務室長 はい。特に新しい手法はとっておりません。

○中杉部会長 はい、どうぞ。

○浅野委員 四十何年やってきて制度的には定着しているわけですし、方法については、微調整はしながら、基本的に同じやり方でやってきているわけですね。

かなり大きな変化は、70歳以上というランクができたということでありまして、これは、実際にデータがとれるようになったので70歳以上が出てきたということも、いいだろうと思うわけです。

ただ、現実には、毎回疑問に思うんですけども、70歳以上でちゃんと収入を得ておられる方というのは、やっぱり一般的な方々に比べると、かなりハイレベルな方が多いだろうと。結果、70歳以上のところの金額が増えてしまうということになるんですが、取り決めとしては、こういう取り決めでやってきている以上はやむを得ないので、これは、いかにも、しようがないなという気がします。

ですから、これでよろしいんじゃないでしょうか。

実際には、先ほどお話がありましたように、ほとんどの方が3級でいらっしゃいますので、30%ですから、少し下がったように見えますけども、前年が、月額にすると6万960円のところが5万9,760円ですから、1,000円ちょっとぐらいの減少ということで、そんなに大きな減少にはならないと思いますから、これでよろしいのではないかと思います。

○中杉部会長 ありがとうございました。

はい。藤井委員、どうぞ。

○藤井委員 内容的には特に問題ないんですが、一つ、参考資料として載せていただけるとありがたいのは、7ページ、平成24年値の実数が出ておりますが、できれば、この年齢階層数で対象者がどのぐらいの人数になるのか、それから給付額がどのぐらいになるのかという、その数値があると、どのぐらいの方たちを対象に私たちは議論をしていて、全体枠でどういう議論をしているかということのイメージがつかめますので、参考数値でも結構ですから載せていただくとありがたいです。

以上です。

○中杉部会長 今の段階でおわかりでしたら。

いいですか。多分、だんだん環境がよくなっていますので、お年の方が多いだろうというふうには思いますけれども。

○藤井委員 ええ。その全体のイメージをつかみながらの議論のほうがいいと思います。

○中杉部会長 じゃあ、いずれ。

○横田保健業務室長 次回からということでよろしいでしょうか。

○中杉部会長 はい。そうしてください。

ほかは、いかがでしょう。

よろしいでしょうか。

御意見をいただきましたけど、改定案について、修正の御意見はなかったようでございますので、改定案は了承させていただきました。そういうふうにさせていただこうと思います。

原案どおり、本日付で、当部会から中央環境審議会会長に報告し、会長から環境大臣に答申するように手続を進めていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

○中杉部会長 では、そのように進めてください。

本日予定された審議事項は、以上1件でございます。

続きまして、報告事項を順番に説明をいただこうと思います。

最初に、水銀に関する水俣条約対応検討小委の検討状況についてです。

小委員会においては、経産省の審議会と合同で検討を行い、その結果を、昨年12月19日に取りまとめたところでございます。小委員会の設置規則では、本部会の運営に係る部会決定に基づき、小委員会の決議は部会長の同意を得て部会の決議とすることができる、とされていますので、私と大塚委員長とで相談した上で、この部会決定に基づいて、小委員会の取りまとめを部会の決議として、中環審の武内会長に報告いたしました。これを受けて、12月22日、武内会長から望月大臣に答申されています。

そういう状況でございますけども、それではまず、報告書の概要などについて、事務局から御説明をお願いいたします。

○森下環境安全課長 それでは、お手元の分厚い資料、資料3を御覧ください。

資料3の①、こちらが水銀に関する水俣条約対応検討小委員会における検討状況ということに関しての資料でございます。

表紙を2枚おめくりいただきますと、ポンチ絵が出てまいります。資料としては二通り御用意させていただいておりまして、こちらが中央環境審議会の第一次答申の概要として、わかりやすくまとめたものです。

これをおめくりいただきますと、二つ目の資料としまして、第一次答申の本文がここからとなります。本日は、こちらの資料を用いまして御説明させていただきたいと思いますが、まずここで、簡単に、これまでの審議の経緯につきまして、口頭で恐縮ですけれども、御紹介をさせていただきます。

まず、環境大臣から、中央環境審議会に諮問がされましたのが昨年の3月17日でございます。「水銀に関する水俣条約を踏まえた今後の水銀対策について」というような諮問でございまして、同日付で三つの部会に付議されております。環境保健部会、大気・騒音振動部会、循環型社会部会、これは、条約が水銀のライフサイクル全体を規制するという性格から、各部局にまたがるようなこともあるということで、こういう形になっております。

ちなみに、環境保健部会には、他の部会の所掌に係るものを除くという形で付議が出されております。

これにつきましては、第29回の当環境保健部会で、小委員会の設置につきまして御審議いただきまして、部会決定ということで小委員会が設置されております。こちらは参考資料2のほうに、その反映されたものをお配りさせていただいております。

この小委員会の委員長には大塚委員が就任されまして、まず第1回目の会合が昨年の5月30日に開催されております。

最終的には、第5回の会合が12月19日に開かれまして、ここで合同部会、これは経産省の産業構造審議会の下のワーキンググループとの合同で開催してきておりまして、合同会合の報告書というものが、昨年の12月19日にまとまったという流れになっております。

この間、パブコメを11月14日~12月14日の1カ月実施させていただいておりまして、25団体、71件の意見等をいただいているという状況でございます。

これを受けまして、先ほど部会長からも御紹介がございましたが、昨年の12月22日付で答申が行われたということでございまして、環境保健部会に付議された部分について、第一次答申を行ったということでございます。

大塚委員長には、取りまとめの労をとっていただきまして本当にありがとうございました。また、この部会から、菅野委員、崎田委員、鈴木委員、高岡委員、それから高村委員に御参画をいただきまして、大変充実した御審議をいただいたというふうに思っておりまして、改めて心から御礼を申し上げます。ありがとうございました。

それでは、資料をおめくりいただきまして、御説明をさせていただきます。

1ページ目、まず、「はじめに」というところですけれども、これは前半のパートで、まず、我が国として、水俣病というような重要な教訓をしっかりと刻んで、鑑みて、後世に語り継ぐとともに、世界のどの地域でもこうした被害を二度と繰り返さないというようなことが重要だ、ということをまず前段で述べております。そして、後段で、一方、国際的に見ても、これはグローバルな取組として、水銀対策ということを進めていくことが必要になってきているということを、イントロダクションとして述べさせていただいております。

おめくりいただきまして、3ページ目になりますが、こちらは、検討の前提といたしまして、水銀のリスクについてまとめてございます。

水銀がグローバルに、どういう循環をしながら広がって、環境中に拡散していくのかということにつきまして、水銀の年間排出量など、これまでのUNEP等々のデータを御紹介しながら取りまとめているパートでございます。

さらにおめくりいただきますと、4ページ~5ページにかけまして、例えば厚生労働省でまとめておられます「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」等々、国内でさまざまな取組を、そのリスクに関して、公表されているということについて御紹介させていただいた上で、5ページで、いわゆる規制、対策として、どういった取り組みがされてきたのかということについて、歴史的な経緯も含めながら、まとめさせていただいているというところでございます。

6ページ、7ページは、そういったデータを用いまして、日本における水銀需要がどう変わってきているのか、そして、現在のマテリアルフローというのがどういうものになっているのかということについて、取りまとめております。

ちょっと駆け足で恐縮ですが、8ページ目に入らせていただきます。こちらが水俣条約の概要ということでございます。

条約の構成は水銀のライフサイクル全体にわたっておりまして、見ていただきますと、水銀を、要は地下から掘る、採掘する。それから、それを使って製品をつくって、その段階で、水質汚濁、あるいは大気汚染、そういったものをしっかり規制する。さらには、水・土壌への放出についてもしっかり見なきゃいけない。それから、水銀を保管したり、あるいは廃棄物についても、しっかりとした措置を講じる必要がある。汚染サイトについても同様、といったような、水銀の全ライフサイクルについてしっかりカバーをする、規制が必要だと、そういう構造になっております。

このうち、条約の第8条、大気への排出の部分につきましては、大気部会で、中央環境審議会で御審議が今進んでおります。

それから、11条につきましては、水銀廃棄物という項が置かれてございますが、こちらは、廃棄物処理法に基づく廃棄物に該当するもので、循環部会のほうで、こちらも御審議が行われているということでございまして、こちら、条約上対象となる水銀廃棄物で、廃掃法上の廃棄物に該当しないものがあるということがございまして、これらについては、この保健部会のほうで議論するという整理にさせていただいております。

それでは、個別の論点について、9ページ以降で、御審議いただいた結果がまとめられていますので、御紹介させていただきます。

まず、3.今後の水銀対策のあり方というところですが、基本的な考え方といたしまして、先ほども申し上げましたように、我が国は、世界の水銀対策をリードしていく必要があると、そういうスタンスに立ちまして、条約が求めていることをミニマムで担保するのではなくて、さらに踏み込んだ対策を講じることで、世界規模の水銀の対策ということをしっかりリードしていくんだという、そういう基本的な考え方がここで述べられております。

それから、日本の取組につきましては、国際展開を通じて、水銀濃度の増加の抑制に貢献していくことが非常に大事だ。あるいは、日本は非常に先進的な技術を持っております。水銀代替・削減技術、高度なリサイクルシステム、こういったものが国内外でしっかり評価されるというふうに取り組むことによって、市場、あるいは消費者の方々の意識を高める、そういうことで水銀対策をより加速化していくのだということも触れられております。

この水俣条約は、採掘から廃棄までライフサイクル全般にわたるということですので、包括的な水銀対策制度を創設することが、条約の担保、そして、追加的な踏み込んだ措置の実施を検討するということが大事であるということが、基本的なスタンスとして述べられております。

3-2.水銀の採掘に移りますが、こちらについては、条約で、条約発効後の新規鉱山の採掘の禁止等々、規制が求められておりますが、現在、我が国におきましては水銀採掘の実態はございません。これを将来的にも担保するために、法的に水銀採掘というものを禁止するための措置が必要である、ということがここに書かれております。

3-3.に入らせていただきます。こちらは、水銀及び水銀化合物の輸出入ということでございます。

条約は、水銀の輸出入につきまして、ある一定の規制を置くということを求めております。具体的には、①、②、③と書いてあるところでございますが、まず①は、条約上許可された用途又は環境上適正な暫定的保管。これは許可された用途のための暫定的保管ということになりますが、これを目的とする輸出でなければいけない。相手国からは書面により同意が必要だ、ということを求めております。

それから、非締約国とのやりとりの場合には、さらにもう少し手の込んだ仕組みで、その適正性を判断する、確保する、ということが条約のほうでまとめられている内容ということでございます。

こちらについての基本的な考え方は、10ページに書かせていただいておりまして、現在、この条約の規定を担保する水銀の輸出入規制はございませんので、条約担保のための法的な措置が必要であるということでございます。

「したがって」のところに記載しておりますが、我が国からの水銀の輸出につきましては、全面禁止ではなくて、「原則禁止」としまして、条約上許可された用途又はこれに伴う適正な保管を目的とするものであって最終用途や最終使用者等を確認できるものに限り輸出を認めることが適当である、という踏み込んだ書き方になってございます。

さらに、輸出された水銀の使用状況等について事後報告、実際予定されていた用途にそのものが使われていたかどうか、これについて事後報告を求めることで、環境保全上の適正を確保するということが必要である、ということでございます。

ちなみに、「原則禁止」という考え方を採用するということにつきましては、なお書きのところで書いてございますけれども、我が国から輸出される水銀は、実は国内で水銀の一次採掘はございません。高度なリサイクルシステムで資源として再生された水銀が、100トン、あるいは数十トンというレベルで現在も輸出されておりますが、もし仮に、この輸出を止めてしまいますと、世界的に見ますと、これは、今後も一定程度水銀のニーズはあるということでございますが、そのリサイクルで獲得された水銀というものが市場に回らないことで、かえって、地下から水銀を採掘することを誘導してしまうということもあるということで、しっかりと輸出入管理を行うということを踏まえて、原則禁止するというのが適当であるということが考えとして述べられているというふうに理解しております。

それから、10ページの(2)の規制の対象物質のところでございますが、条約が規制の対象として求めておりますのは、水銀ということに限られております。ですが、この答申では、水銀に加えて、6種の水銀化合物については、輸出規制の対象に加えるべきだという御提言がなされております。これにつきましては、水銀の輸出を規制するということで、水銀化合物にかえて輸出するという、規制の回避というのが起こっているのではないかというふうに考えられる情報が、アメリカ、あるいはEU、既に水銀の輸出規制を行っている国で、統計上うかがえるということでございます。

この6種の水銀化合物につきましては、少し手を加えますと水銀に簡単に還元できるという性状を持っておりまして、そういった規制のすり抜けを図るようなことがないように、これらも含めて規制対象にするということで御提言をいただいているということでございます。

それから、12ページに移らせていただきますが、②の対象用途等のところに記載がございます。

零細及び小規模の金採掘、英語でASGMと略称されますけれども、ASGM向けの水銀の輸出は、実は、現在も条約上、ある一定程度を許容されてございます。これはまだASGMに関わっている人たちが地球上に1,000万人を超えるレベルでいらっしゃるということで、一足飛びに禁止にはできないという判断から、それをどんどん、できるだけ抑制をしていくという流れで対応をするというのが条約の基本的な考え方ということでございます。ただ、ASGM向けに水銀を輸出いたしますと、これはもう恐らく確実に、健康、あるいは環境汚染というものに直結してしまうというふうに考えられます。

このため、我が国としては、ASGM向けの輸出ということについては、これは条約を超えて禁止をするという方針を明らかにしたいということでございます。

同じページの3-4.水銀添加製品でございます。

意図的に水銀を使用している製品のことを、水銀添加製品というふうに条約では呼んでおりますが、こちらについては、条約の附属書に、例えば電池・ランプ、スイッチ、計測機器等、一定の定義を置きまして、2020年以降に、それらを製造・輸出入の禁止をしなければならないという規定が置かれております。また、同様に、附属書に掲げられた製品、これは歯科用のアマルガムですが、使用を段階的に削減していく必要がある等々の規定が置かれているところでございます。

こちらについての基本的な考え方でございますが、こういった水銀添加製品の製造・輸出入規制をするということについては、一部を除いて、現在、法的措置はありませんので、条約担保のためには新たな法的措置が必要であるということでございます。

13ページのほうに入らせていただきますが、基本的な考え方としては、単に条約の規定を遵守するだけではなくて、水銀添加製品における水銀使用について、可能な限り代替及び削減を、要は深掘りして、目指していく必要があるのではないか、ということが書かれてございます。

さらに、そういった結果も踏まえて、必要に応じて、この製品対策の制度の見直しについても検討していく必要がある、ということが述べられてございます。

実際に、この規制の対象とする水銀添加製品の品目でございます。

13ページの(2)のところに記載がございますけれども、現在、条約の附属書に記載されているもの以外のものであって、環境保全上の観点から特に懸念されるものは現在想定されないというふうに考えておりまして、当面は、附属書に書かれている品目を対象とするのが適当である、ということが書かれてございます。

14ページのほうに移らせていただきます。

これらについての製造・輸出入等の禁止の実施時期等々でございますが、14ページの(3)①のところを見ていただきますと、例えば水銀の含有量につきまして、一定濃度の線引きが附属書では書かれてございますけれども、もし、さらに下げられるのであれば、もっと下げてはどうか。深掘りでございます。それから、2020年というフェードアウトの実施時期、期限がございますが、これも、可能であれば前倒しを個別の品目ごとに考えてはどうかということが、ここで規定されております。

それから、②組込み製品の取扱いについても、御提言をいただいております。

組込み製品と申しますのは、条約上、製造とか輸出入が認められませんよという水銀添加製品が出てくるわけですけれども、これらを組立製品に組み込んだ形で製造したり、あるいは輸出入するというような行為が考えられますけれども、条約は、それを防止する措置を求めておりまして、現在、そのための規制は存在しないということですので、具体的な措置の検討が必要である、ということが書かれてございまして、その一つの手法として、製品の輸出入を防止するための措置を取るということが考えられるということで、今後、具体的な対応を検討する必要がある、ということが述べられております。

15ページに入らせていただきます。

使用の段階的抑制の措置でございますが、こちらは、歯科用のアマルガムということでございますけれども、既に使用量削減等の措置はとられているというふうに考えておりまして、国内実施計画において、それらの措置を位置づけるということが適当である、というふうにされております。

続きまして、(5)国内で流通する製品に対する措置ということでございますが、これは、条約上の規制によってどんどんフェードアウトしていく製品があるんですが、それでも、依然として市場に今後も流通し続ける水銀を使った製品がありますけれども、それらについての措置ということでございます。

①情報提供と分別・回収というところでございますが、今後も依然として国内で流通するものについては、以下の観点から、製品の水銀含有に関する情報提供を何らかの形で法的に位置付けることとし、そのあり方を検討すべきである、という御提言をいただいております。

それから、15ページの下のほうになりますが、②流通実態の数量把握ということでございますが、今後、我が国で流通している水銀添加製品等の数量を効果的に把握する必要があるということでございますので、関係する方々に対して資料提出を求めること等を法的に位置付ける必要がある、ということが書かれてございます。

続きまして、16ページに入らせていただきますが、こちらは3-5.水銀の使用製造工程、それから3-6.零細及び小規模金採掘というパートでございますけれども、3-5.の製造工程につきましては、既に条約で規定されている製造工程につきましては、日本ではもう存在しない、撤退しているということでございますが、これは将来的にも、その製造工程を認めないということを担保するために新たな法的な措置が必要である、ということが書かれております。

3-6.も同様でございまして、我が国では一次採掘が行われておりません。ASGMも行われておりませんが、これも、将来にわたってそれを担保するために禁止するということが適当であるということが書かれております。

17ページの3-7.でございますが、水銀等の環境上適正な暫定的な、保管ということでございます。冒頭でもちょっと申し上げましたが、条約上求められる用途、いろいろな形で使っていくために、一時的に保管をするという行為が行われますが、その際、水銀及び6種の水銀化合物については、環境上適正な方法で保管・管理をするということが必要であるということが、条約上規定されております。

これらにつきましては、「基本的な考え方」で述べさせていただいておりますが、こちらについては、やはり既存の関連法令では十分担保することができないということでございまして、新たな法的な措置が必要である、ということが書かれております。

その際、環境上適正な保管等の取扱いを確保するため、国内での管理のための指針または基準といったようなものを策定することが必要だ、ということでございます。

さらに、その数行下のほうになりますけれども、適正に管理をされるという制度とするために、一定量以上の水銀を保管する事業者に対しまして、定期的に、その保管状況等の報告を求めることが適当である、ということが書かれてございます。

これは非常に重要な御指摘だと私ども受け止めておりまして、これは後ほど資料としても別途出てまいりますが、第四次環境基本計画の点検の中の今後の課題でも御指摘をいただいております。これまで、当部会でも何度となく御指摘をいただいておりますけれども、製造から廃棄に至る過程、そこで継ぎ目のない化学物質の管理を目指す必要があるんだという、そういう御指摘を踏まえた内容にもなってございます。

つまり、実際、使用段階で有害物質が散逸していってしまうんではないかという御懸念を、従前から御指摘をいただいておりましたが、しっかり、そういうことがないように、どういうふうに管理されて、どういう用途に使われて、廃棄物はどれぐらいになっているのか、そういうことをしっかり管理していただくということを、仕組みとしてここで導入したいというふうに考えてございます。

おめくりいただきまして、次に18ページに入りますが、3-8.水銀廃棄物というところでございます。

冒頭も申し上げましたが、廃棄物処理法に基づく廃棄物に該当するものにつきましては、これは別途循環部会で御審議が進んでおりますけれども、水俣条約が対象としております廃棄物というのは、実はバーゼル条約の定義を引いておりまして、我が国の廃掃法の廃棄物の定義より広うございます。有価物であっても、バーゼル条約上の廃棄物には該当するものがございまして、廃掃法上の廃棄物以外のバーゼル条約上の廃棄物に該当するような、条約上の廃棄物に該当するものにつきまして、やはりこちらでも、3-7.の暫定保管のところでも指摘があったような形で、しっかりとした管理というものが行われる必要があるということで、新たな法的措置を設けることが適当である、ということが書かれております。

具体的には、例えば非鉄金属製錬から生ずるスラッジ、水銀含有スラッジというのがございまして、これが別途、水銀をスラッジから抜くというオペレーションに回って動いているというのがございますけれども、そういったものにつきまして、こういった条約上の規定がかかってくるということがございます。

こちらについても、19ページの一番下の行になりますが、しっかりとした規制対象になる物の性質や態様に見合った合理的な措置をとるということが必要であろうというふうに思っておりまして、その際には、環境上適正な方法での管理を確保するために、国内での管理のための指針・基準等といったことを策定するということが必要であるというふうに考えております。

20ページの最後のところ、3-9.実施計画のところでございますが、こちらは、条約に基づきまして、国内の事情を考慮して条約の義務を履行するための実施計画を作成することができる、という規定が置かれてございます。

既にもう御紹介させていただいたとおり、条約の求める水銀の対策というのは非常に広範なものであるということでございますので、この実施計画をしっかり策定していく、条約を受けて実施する水銀対策の全体像や将来像を、この実施計画の中で包括的に示して各種政策の密接な連携を確保するということをやっていきたい、というふうにすべきだということでございます。

21ページには、雑則、罰則についてもしっかり検討しなければならないということが述べられております。

最後になりますが、22ページでございます。今後の課題ということでございます。

今回、御審議をいただいた内容は、水銀対策の骨組みという部分でございます。引き続いて、その条約を担保するためには、あるいは、それにさらに踏み込んだ措置をとるために、さまざまな検討が必要であるというふうに考えております。具体的には、水銀添加製品関連、あるいは、環境上適正な暫定的保管関連、水銀廃棄物関連につきまして、技術的な観点も含めて議論が必要だというふうに思っておりまして、引き続き、当小委員会で御審議をいただければというふうに考えております。

今後も継続して世界における水銀対策をリードしていくために、今後、産構審との合同会合におきまして、この報告書を踏まえた対策の進捗状況について、定期的に点検していくということをすべきであるということで、御提言をいただいております。

以上が、今回いただきました中央環境審議会の水俣条約に関する対応についての答申概要ということでございます。

以上でございます。

○中杉部会長 本日は、小委員会の委員長をお務めいただきました大塚委員も御出席ですので、小委員会の審議について、一言御報告いただければと思います。

○大塚委員 大塚でございます。

小委員会の委員長を務めさせていただきまして、どうもありがとうございました。

このように、私としては適切だと思っておりますが、報告書がまとまったことを大変うれしく思っております。

既に森下さんが非常に的確に御説明いただきましたので、つけ加えることはあまりないんですけど、3点だけ、確認的にちょっと申し上げておきたいと思います。

一つは、今も御指摘がございましたように、全体として条約で求められていることをさらに追加して、できるだけのことは対応したいという、我が国は、水俣条約という名前をつけた条約にしてもらったこととか、あと、我が国がリードを、この水銀対策について、世界的にしていくという観点から、そういうことを目指したというのが一つ重要なところだと思います。

それから、二つ目に、今の点とも関係しますけれども、水銀添加製品に関して、規制の深掘りをできるだけしていきたい。さらに、それが難しいものについては表示のような情報提供をしていくということを考えているということでございまして、表示によって、市場において水銀の量を減らしていくというようなことが、インセンティブが生まれていくということを狙っているということでございます。

三点目でございますけども、暫定保管とか、条約上の水銀廃棄物であって、我が国の廃掃法上の廃棄物には該当しないものについては、管理指針等をつくって対応するということでございます。

これは、この二つの管理指針とは若干意味が違っていると思われますが、単なる暫定保管の場合と、条約上の水銀廃棄物の管理指針とが、条約上の意味が違っていますので、異なる対応をしていったほうがいいと私自身は思っていますけども、ここは必ずしも答申の中には反映されていませんが、そういう問題があるということでございます。

大気と、それから廃棄物の部分以外の水銀条約関係の対応をさせていただくような答申をまとめさせていただきました。担当者とか関係者の方々には、非常に精力的に対応していただきまして、感謝しております。どうもありがとうございました。

○中杉部会長 それでは、ただいま御説明いただいた内容について、何か御意見、御質問はございますでしょうか。

おありの方は名札を立ててください。

では、浅野先生、どうぞ。

○浅野委員 三つに分けて議論するという、ちょっと困った審議の仕方であったわけですが、ようやく全体がまとまってきたということで、関係された委員の方々の御努力には感謝したいと思いますし、特に、この小委員会の報告を今拝見していますと、お聞きしていますと、条約に決められたことだけやればいいという考え方よりは、もっと積極的にすそ野を広げていくという姿勢がしっかり見えているので、その点も高く評価できるのではないかと考えております。

私が特に注目したいと思っておりますのは、輸出については、原則禁止であるけれども、例外的には許可をするという仕組みにして、最終的な使用者がちゃんと確認できる、それを最後もきちっと追跡できるという条件のもとで輸出を許すという、この仕組みが導入できたということは大変大きいと思っています。

これまで、我が国の有害物の輸出などについても、必ずしもそういう仕組みがうまくできていなくて、例えば廃棄物なんかのいろいろと情報を整理していると、輸出先が香港なんていうものがある。その先、どこへ行くかさっぱりわからないというのが山のようにあるわけですね。こんなことでいいのか。

日本の法律は国外には適用できないのでといって逃げてしまっていますけども、そんなことはないわけで、日本の企業が国内で活動して、そこから出ていくものについては、可能な限り国内で縛れるものは縛るべきだと前から言っていたのですが、ようやく水銀でこれができるようになりますと、これが前例になりますから、今後、他の物質についても、危ないものについては同様の扱いをするということが可能になってくるだろうと思うんです。そのための手がかりをつくったという意味でも、大変重要なことだと思いますので、ぜひ法制化の段階ではここが骨抜きにならないように、しっかり頑張っていただきたい、これが1点目の感想です。

2点目は、先ほど事務局のお話もありましたように、廃棄物という名前が、我が国の廃掃法で言っている廃棄物の概念と、バーゼル条約上の廃棄物概念が違うということは、前から問題だったわけですが、あまり直接的に、国内法的にそれが議論されることはなかったのですが、今回まともにそれが問題になってくるということでありまして、これは、やっぱりこれを機会にもう一回、廃棄物概念そのものから考え直すべきである。前から言っているんですけども、さっぱり動かないんですが、これは考えていかないと、本当にこういう問題が今後さらに出てきたときには、同じような問題を抱えてしまうのではないかと思っておりまして、これはぜひ考えなきゃいけないんじゃないかというふうに思っております。

意見として申し上げておきたいことが二つほどあるんですが、一つは、大気のほうでも問題でありましたし、廃棄物でも問題なんですが、大気に放出される前にちゃんと回収することが重要だということが、三つの委員会で全部共通して言われていたので、そのことは、この小委員会報告の中に入っているんですが、ただ、集めた後どうするのかという問題については、廃掃法で適切に処理すりゃいいんだといって簡単に済ませることができないんで、今現実には、サイトがごくごく限られていて、そこでできる能力には限度があるわけです。それと、立地的にもかなり偏った場所にありますから、日本全体で回収を進めていったときに、それをどうするのか。特に、それはシステムの問題だけじゃなくて、場をどのように整えるのかということが、これから大きな課題になってくるだろうと思うんですね。

この辺は行政としてもしっかり意識しておかなきゃいけませんし、そうしませんと、自治体も、やろうにもやれないという現実が起こってしまうと思うんです。ですから、早い段階で、この辺の回収後の適切な取扱いをどうするのかということについては、もう一度政策レベルで考える必要があるのではないかと思います。

それから、実施計画をこれからつくらなきゃいけないんですが、実施計画をつくるときに、また三つの審議会でばらばらにやるというようなことは決してやってほしくない。これは、中央環境審議会の運営の仕方の問題にもなるんですけども、これはある時期、合同の会議というのはやめようということになって、その結果、今回は三つばらばらということになってしまったんですが、実施計画のようなものを考えるときに、ばらばらにやるというのはあまり効率性がよくないので、これは、中央環境審議会の運営の仕方それ自体にも関係があると思いますけども、何とか統合的に一つの場でできるようにしていかなきゃいけないんではないかと考えておりまして、この辺もぜひ事務局は意識しておいていただきたいと思います。

以上です。

○中杉部会長 最初に御意見をまとめていただいてからというふうに思っています。

じゃあ、井上委員、どうぞ。

○井上委員 電気事業連合会の井上でございます。

日本が水銀に対して積極的役割、それからリード役を図っていくということには全く否定いたしませんが、我々、石炭火力を持っておる立場で、これは大気部会の議論の中ですけども、従来から公害対策として世界に先駆けた先進的な公害対策を実施してきた結果、日本としては、水銀濃度がかなり低いという実態でございまして、経済合理性、それから国際公平性の観点から、過度な規制について十分排出実態を踏まえてほしいということ、これは大気部会のほうでお願いしております。

同様に、この保健部会でも、製品に対する措置等はこれから具体的に検討をされると思いますので、各業界の実態を踏まえて、過度な規制にならないようにということをここで意見として述べておきたいと思います。

以上です。

○中杉部会長 それでは、藤井委員、どうぞ。

○藤井委員 10ページの水銀輸出の「原則禁止」に関してです。現状でいえば、現状を考えた中で、本当に早くこの条約が批准されて発効するといいなという思いで、今、報告を伺っておりました。

その中で、この「原則禁止」ということで、できれば、日本で、この二、三年、毎年どのぐらいのトン数が、どの地域、どこに、どういうふうに輸出されているかという実態が、多くの方はわかっていないですね。

ですから、これからは、このように最終的に、環境保全上適正な保管を目的とする云々というふうにやって、これとこれしか輸出できませんとあっても、現状の把握ができていませんので、二、三年後からで結構ですので、二、三年の現状を御報告いただけたらと思います。

以上です。

○中杉部会長 それでは、花井委員、どうぞ。

○花井委員 ありがとうございます。

大変御丁寧に説明をありがとうございました。

私のほうは、一つ要望と、一つ質問をお願いしたいと思います。

この水銀の回収につきまして、体温計ですとか、それから血圧計など、医療機関、あるいは家庭に退蔵されているものの回収は、今後どうするのかという大きな質問があります。それから、廃棄物を郵送などで移動させることは法律で禁止されているわけですけども、その結果的な回収、今も出た質問と同じかと思うんですけども、どのような回収方法をされているのかという、そのことについてお伺いしたいと思います。

そして、その効果的な回収方法の周知ですとか広報等、実際の業者のネットワーク、そういった情報があれば、ぜひとも、今回ではなくても結構なんですが、教えていただければというふうに思います。

そして、条約が発効し、これまでのとおりに水銀が有価で取引ができなくなった場合に、そうした業者や回収方法なども含めて、発効後の水銀廃棄物の処理体制はどのようにしていくのか、お考えがあれば、もしかしたら、今回の答申に含まれている――私が見落としているのかもわかりませんが、ちょっとその辺りが読み取れなかったものですから、ぜひともその辺りを教えていただきたいと思います。

以上です。

○中杉部会長 ほか、いかがでしょうか。

よろしいでしょうか。

私のほうからも一つだけ、指摘だけをしておきたいと思います。

水銀廃棄物といったときに、一つ難しいのは、POPs条約でいう環境ストックパイルというやつですね。これは具体的に言うと、今、どんなものがあるかというのはなかなか難しいんですが、昔、汚染底質を除去して、ためているものがある。あれについての議論というのをやはりしておく必要があるだろうというふうに思います。実態的には適正にやられているんだろうと思いますけど、十分把握できているとは思えないので、そこら辺のところをどうするかというのを少し検討していただく。

それから、もう一つで、同じようなことで言うと、農薬の中に水銀製剤があります。これも途中で使われなくなっていて、それが具体的にどう動いているのかというようなところも、一つ問題として頭の中に入れておいていただければというふうに思います。

今いただきました御意見の多くは、御意見ということで、今後の要望ということが中心だと思います。

花井委員から御質問があったのですが、恐らくは、これは事務局がお答えしていただければいいんですが、これから具体的なところは検討をされることになるんだと思いますけども、今の御意見、御質問等について事務局からお答えできる部分をお答えいただければと思います。

○森下環境安全課長 ありがとうございます。いただきました御意見等につきましては、今後さらに、この答申を踏まえて制度設計をしていくに当たっての参考として受け止めさせていただきたいというふうに考えております。

個別の内容についてお答えできる部分をお答えしたいと思いますが、特に浅野委員、あるいは花井委員から御指摘がありました、排出後の取扱い、あるいは廃棄物としてどう回収していくのか、そういった部分等につきまして、これは循環部会の担当になるということではございますけれども、今、循環部会の御審議の中でも、これを中長期的にどう取り組んでいくべきか、非常に大きな課題であるということで受け止められて、議論が進んでいるというふうに私どもは理解しておりますし、廃棄物対策部局とも意見交換をしながら進めていきたいというふうに思っております。

体温計、あるいは血圧計の回収ということにつきましては、これはさまざまな回収の方法があると思います。例えば、現在、廃棄物・リサイクル対策部は医師会と連携して回収を進めていくというモデル事業なども進めておりまして、そういったところと連携をしながら進めていくというところも非常に重要なことだと思います。

自治体が自ら回収するパターン、それから既存の事業者の方々が連携しながらしっかりと回収をしていくパターン、いろんなパターンを組み合わせて水銀の廃棄物というものをしっかり回収していくということも重要なんだろうなというふうに受け止めているというところでございます。

ストックパイル等、汚染底質除去したものにつきましても、これは環境保健部会の所掌、付議された範囲の中ではないというふうに理解はしておりますけれども、これは、また問題意識を関係部局とも共有させていただきたいというふうに考えております。

それから、輸出入の状況について、どういう現状にあるのかということについて、しっかり報告せよということでございますが、これは、それをそういうふうにするように調整していきたいと思っております。マテリアルフローも含めまして、水銀というものがどういうふうに動いているのかというのをしっかり明らかにするということは、水銀対策を適切に進めていくに当たって必須の要素だというふうに思っておりますので、そういった方向でしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。

ちょっと追加して申し上げさせていただきますと、今後のスケジュールでございますけれども、この答申を踏まえまして、新たな法律、新法を、今年の通常国会に提出したいと、頑張っていきたいというふうに考えておりまして、もちろん国会で御審議していただくということですので、どういったスケジュールで進んでいくかというのは、もちろんわからないところがございますけれども、できれば、今国会で御承認いただきまして、この通常国会でそれが成立するということになりますと、その後、平成27年度中に、締結のために必要な政省令の制定というところに段階が進んでくるというふうに考えております。

国際的に見ますと、条約の暫定事務局でありますUNEP、国連環境計画によれば、2016年とか2017年ごろまでに発効が見込まれるのではないかということでございますので、その前にできるだけ早くこの条約に入れたらいいなということで、法案の成立に向けて、私どももしっかり準備をしていきたいというふうに思っております。

以上でございます。

○中杉部会長 森下課長が、私の質問に対して、これは保健部会担当のところではないと言われたけども、多分、循環部会の担当ではなくて、ということになると、その他のところは保健部会で受けなきゃいけないんだろうというふうに思います。

これは、私が循環部会のときに、どこの担当かわからないけど、こういう問題がありますよという指摘をさせていただいて、具体的には大気・水局のほうで検討していますけど、あそこは検討する場を持っていません。その他を全部ということで受けるとすると、環境保健部会のほうで受けざるを得ない。

いずれにせよ、どこでもいいんですけど、ちゃんと整理して、忘れないようにしてほしいということだけ申し上げておきたい。

花井委員の、多分、言われた話は、具体的には、いろんなことを今試している。これから詳細については決めていくという、これは第一次の段階の報告だということで御了解いただければと。

○花井委員 すみません。今の回答で、ありがとうございました。

もう一つ、強調しておきたいと思っておりますのは、産業の中で出てくるものと、それから家庭の中とか、医療機関など、少量ずつ、相当な量が、どう処分したらいいのかわからなくて抱え込んでいるという状態が相当あると思うんですね。

ですから、ぜひとも、そこも含めてのさまざまな御検討をお願いできればということを、最後に要望しておきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○中杉部会長 よろしいでしょうか。

それでは、1件目の報告は、いろいろと御意見をいただきましたので、事務局のほうで十分踏まえていただいて、今後の検討に生かしていただければと思います。

では、二つ目でございます。

続きまして、二つ目の報告事項でございますけども、前回の当部会で御審議いただきました環境基本計画の点検の報告書について御説明させていただきます。

11月26日開催の第78回総合政策部会で、全体の点検結果の取りまとめが行われました。

12月19日に閣議報告をされました。

取りまとめの過程で、当部会の委員の皆様に御審議いただいたものから一部修正がございました。これは総合政策部会での意見、あるいは、パブリックコメントを踏まえて修正したものでございます。

その一部修正がございますので、事務局から御報告をお願いいたします。

○森下環境安全課長 それでは、資料3の②というのを御覧いただければと思います。

「第四次環境基本計画の進捗状況・今後の課題について」というもので、化学物質分野の抜粋版でございます。

こちらについては、既に委員の皆様方には全体版を御送付させていただいておりますが、今日は、化学物質のところだけ抜粋させていただいております。

部会長からも御紹介がありましたけれども、この化学物質分野の点検の結果、点検報告書でございますけれども、第31回の環境保健部会で御審議をいただいて、案をつくっておりまして、その後、総合政策部会で一度審議をされ、さらにパブコメに付されたということで、一部修正が入っております。

修正のポイントは、わかりやすさだとか、あるいは表現の改善というところと、それから内容の追加、この二通りの性格に分かれますけれども、簡単に、どの辺りが変わってきているのかということについて御紹介させていただきたいと思います。

資料をおめくりいただきまして、143ページを見ていただきますと、こちらは大気環境の常時監視というパートでございますが、この中に、大気汚染の状況の常時監視に関する事務の処理基準というのを解説しております。

これは、ばく露をしっかり把握するという観点での取組ということで、これを記載すべきという御指摘をいただいておりまして、内容の修正、追加ということで記載が含まれております。

それから、143ページ~144ページにかけまして、水環境の常時監視というところで、生活環境項目についての記述というものもしっかりとしたということで、そこが追加になってございます。

さらにおめくりいただきまして、146ページ~147ページにかけてでございますけれども、いろいろ御議論もいただきまして、QSAR、あるいはトキシコゲノミクス等の開発・活用といったようなところにつきまして、23年度~25年度にかけて、こういった取組をしているという具体的な記述をこの中で追加させていただいております。

それから、さらにおめくりいただきますと、166ページになりますけれども、こちらは当部会でも御指摘をいただきまして、家電リサイクル法や自動車リサイクル法、各種リサイクル法の中での記述ということでございますが、自動車リサイクル法に関する取組のところで記述を修正させていただいた部分がございます。

それから、最後、もう一点だけ、174ページ、今後の課題というところでございますが、こちらについては、国際的な取組についてもしっかり記述をすべきということで、冒頭、その国際化学物質管理会議の話等々につきましても書かせていただいてございます。

以上が、非常に雑駁で恐縮でございますけれども、修正があったところというところでございます。

○中杉部会長 それでは、ただいま御説明いただいた内容につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。

いかがでございましょう。よろしいでしょうか。

環境基本計画の点検につきまして、化学物質分野は、来年度は一度お休みで、再来年度、もう一度点検をしていただくことになる。この部会でまた議論をしていただくことになると思いますので、よろしくお願い申し上げます。

それでは、続いて、事務局から、残りの報告事項についてはまとめて報告をいただいて、委員の先生方の御意見、御質問は、最後にまとめてということにさせていただきます。

それでは、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

○針田環境リスク評価室長 リスク評価室長です。

資料3の③「化学物質の環境リスク初期評価(第13次とりまとめ)の結果について」につきまして御説明させていただきます。

まず、当該資料はこの環境保健部会のもとに設置されております化学物質評価専門委員会において御議論いただき、その結果を平成26年12月25日に公表したものでございます。

今回は、健康リスクと生態リスクの双方の初期評価を行いましたのが14物質、生態リスク初期評価のみを行いましたのが4物質となっております。

評価につきましては、中央の表の左側にありますとおり、詳細な評価を行う候補となるものをA.、関連情報の収集が必要となるものをB.、現時点では更なる作業の必要性が低いものをC.としております。

結果といたしましては、まず、健康リスクと生態リスクの双方を対象といたしました14物質のうち、健康リスク初期評価につきましては、A.がエチルベンゼンなどの3物質、B1が1,2,3-トリクロロプロパンなどの3物質、C.がイソプロピルベンゼンなどの8物質となっており、生態リスク初期評価につきましてでは、A.が3,4-ジクロロアニリンなどの2物質、B1がエチルベンゼンなどの2物質、B2がスチレンの1物質、C.がイソプロピルベンゼンなどの8物質となっております。

生態リスクのみ初期評価を行った4物質につきましては、A.がo-アミノフェノールなど2物質、B2がトリエチレンテトラミンの1物質、C.がm-アミノフェノールの1物質となっております。

なお、(3)留意事項に記してございますが、今回の結果は初期評価でありまして、直ちに環境リスクの抑制が必要であると判断されたわけではございません。

なお、A.となりました物質につきましては、省内関係部局や厚生労働省などにも情報提供しているところでございます。

環境リスク評価室からは以上でございます。

○森下環境安全課長 続きまして、報告事項④といたしまして、化学物質環境実態調査の結果について、御説明させていただきたいと思います。

平成27年1月7日、環境保健部環境安全課、化学物質環境実態調査結果(概要)という資料でございます。

こちらについて、従来から黒本調査、あるいはエコ調査ということで、ずっと調査させていただいているものでございます。

当初は、プライオリティリスト方式というもので、優先的な物質を選んでから環境調査を実施していくというスタイルをとっておりましたが、平成14年度から、より今日的な政策課題に迅速かつ適切に対応するという観点から、この方式を抜本的に改めまして、各担当部署からの要望物質を中心に調査対象物質を選定いたしまして、さらに、分析法を開発した上で環境調査を実施していく、という調査体系で現在進めているということでございます。

さらに、やり方につきましても少し工夫をしておりまして、平成22年度から、排出に関する情報を考慮した調査地点の選定、ある程度、場所も、排出場所というふうに想定されるポイントも念頭に置きながら調査地点を選んでいくというような形のアプローチも少し取り入れて進めるというようなことも行っております。

調査の進め方というところで、今申し上げたところですが、今回、公表させていただきました内容、平成26年12月24日、化学物質評価専門委員会が開かれまして、その翌日に報道発表をさせていただいている部分につきまして御紹介させていただきます。

調査の進め方の(2)調査内容のところを御覧いただければと思いますけれども、まず、初期環境調査でございます。

環境リスクが懸念される化学物質につきまして、一般環境中で高濃度が予想される地域においてデータを取得することで、その後の化管法の指定化学物質の指定ですとか、環境リスクに係る施策について検討する際のばく露の可能性について判断するための基礎資料、これを目的として検討を行っている部分でございます。

「化学物質環境実態調査結果精査等検討会」、「初期環境調査及び詳細環境調査の結果に関する解析検討会」などにおきまして御議論、御検討をいただきまして、データの精査、解析等が行われております。関わってくださいました先生方、皆様方に心から御礼を申し上げます。

平成25年度の結果でございますが、クロルマジノン及びその酢酸エステル等14物質(群)を調査対象といたしまして、一部の物質については、先ほどの排出に関する情報を考慮した、そういう調査を実施しております。

結果については後ほど御紹介します。

それから、めくっていただきまして、詳細環境調査でございますけれども、こちらのほうは、優先評価化学物質のリスク評価を行う上で必要となる一般環境中での全国的なばく露評価について検討をするための資料をつくるということを目的として実施をしております。

平成25年度は、シクロドデカ-1,5,9-トリエン等7物質を調査対象としております。

それから、モニタリング調査でございますが、これは化審法の特定化学物質等について一般環境中の残留状況を長期的に監視する、あるいはPOPs条約に対応するために条約対象物質等の一般環境中での残留状況の経年変化をしっかり把握をするということを目的に、調査をデザインしております。

これらについても、「モニタリング調査の結果に関する解析検討会」及び「POPsモニタリング検討会」におきましても、データの精査、解析等が行われております。ありがとうございました。

平成25年度ですが、POPs条約対象物質のうち総PCB等8物質に加えまして、新たにPOPs条約対象外の2物質を加えた10物質群を調査対象といたしております。

結果でございます。

3.に書かせていただいていますけれども、水質については、11調査対象物質(群)中6物質(群)が検出されております。個々の名前を御紹介するのは省かせていただきます。大気については、3調査対象物質中2物質が検出されております。

イ.詳細環境調査につきましては、水質につきまして、6調査対象物質中3物質が検出されました。底質では、2調査対象物質中全てが検出。生物についても、1調査対象物質が、大気についても1調査対象物質が検出をされているということでございます。

3ページに入ります。

モニタリング調査ということでございますが、平成25年度のモニタリング調査では、先ほど申し上げましたように、条約対象物質の5物質(群)、さらに、新規の条約対象3物質(群)に加えまして、POPs条約対象外の2物質を加えた10物質(群)について調査を実施しておりまして、全体的な傾向としては、総じて横ばい、なだらかに減少していく傾向にあると考えてございます。

なお、ここで幾つか環境中の濃度について比較させていただいておりますけれども、この記述については、環境リスクの比較ではなくて、環境中の濃度の比較であるということについて留意していただければありがたいというふうに思っております。

それから、水質及び底質中の濃度の地域分布を見ますと、例年どおり、港湾、大都市圏沿岸の地域等々、人の影響を受けやすい地域で相対的に高いということがございます。

その他、②のところを見ていただきますと、その他の物質につきまして行った調査結果につきましては、全媒体において全調査対象物質(群)が検出されたという、そういう結果になってございます。

これらの調査結果につきましては、ばく露の情報といたしまして、リスク評価等々にこれから活用されていくということになります。

以上でございます。

○得津放射線健康管理担当参事官 続きまして、資料3の⑤、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議中間取りまとめについて、御説明を申し上げたいと思います。

環境省で開催してまいりました専門家会議においては、昨年末に中間取りまとめを行っているところでございます。

まず、経緯でございますけども、これまでの部会でも御報告をさせていただいているとおり、平成26年に成立しております、「東京電力原子力発電所事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者生活支援等に関する施策の推進に関する法律」、これは通称「子ども・被災者支援法」と呼んでおりますけども、この法律の中に、国は放射線による健康への影響に関する調査等に関し必要な施策を講ずることとされている、というところがございます。

このようなことを踏まえまして、専門的な観点での検討を行うというふうなことで、環境省において専門家会議を設置していたところでございます。

専門家会議の開催要綱につきましては、お手元の資料の37ページの後に、付1-1、1-2というのがございますけども、こちらのほうが開催要綱になってございます。

専門家会議のメンバーについては、付1-2のほうにメンバーを掲載しておりますけれども、放射線の健康影響、それから放射線物理、それから被ばく線量の推計、それから医療政策、それから疫学、あるいは甲状腺の臨床等々に知見のある先生方にお集まりいただいて、議論を行ってきたという状況でございます。

この専門家会議につきましては、第1回目が平成25年11月に開催してございまして、これまで、被ばく線量の把握・評価、国際機関、特にUNSCEAR、国連科学委員会でございますけども、その報告についての意見交換、それから健康リスク、健康管理などの議論などを行って、また、必要に応じて有識者等からのヒアリングを実施して、計14回の会議を行ったというところでございます。

中間取りまとめでございますけども、放射線の健康影響につきましては中長期的な対応が必要になるというところでございますけども、現段階で活用できる科学的な知見を踏まえて、着手可能な施策の早期実現を目指すという観点から、今回、議論の中間的な取りまとめとして御報告をいただいたというところでございます。

資料の最初のほうに目次がございますけれども、この報告書といいますか、中間取りまとめの構成としましては、「はじめに」というところでイントロダクションとして記載をしているということ、この検討会で、専門家会議で、どのような考え方で議論を行ってきたのかということと、あと、国際機関の評価、WHOとUNSCEARの評価がございますけども、そういったものについてのディスカッションを章の中で言及させていただいているところでございます。

また、被ばく線量把握・評価、こちらについても、実測値、それから国際機関の評価等を踏まえて、ここで一定の見解等を示しています。

その後に、健康管理及び施策の在り方についてということで、これまでの健康管理の状況だとか、今後の施策の方向性、こういったものをおまとめいただいているということと、それから、Ⅴ章には、原発事故による避難とか不安、いわゆる直接的な放射線の影響というよりは、間接的な部分というふうなことになりますでしょうか。そういうふうな心身等の影響についても若干ながら議論しているので、そこで少し触れさせていただいているというような形で構成されております。

また、この会議においては、かなり多くの資料を使って議論を進めてまいりました。

付属資料2と付属資料3を後ほど御覧いただきたいと思いますけども、いろんな資料を使っておりまして、その資料を全て印刷すると相当なボリュームになりますので、環境省のほうのホームページに掲載している資料のURL等を全て掲載して、参照ができるような形で報告書を構成しているというふうな状況でございます。

それでは、内容のほうに触れたいと思いますけども、時間も限られておりますので、手短にポイントのみ御説明をしたいと思います。資料1ページ、2ページについては、先ほども御説明しましたようにイントロダクションということで書かせていただいております。事故の概要だとか、それから、先ほど申し上げました被災者支援法のこと、こういったものが書かれております。

この委員会では、ちょっと繰り返しになりますけども、直接的な放射線の影響と、間接的なといいますか、避難、それから不安等による心身の影響、この2点についてディスカッションを行ってきております。

特に、前者については、この専門家会議の主要なミッションとして、非常に時間をかけてきたところでございますけども、後者については、時間の関係もあって十分触れることができなかったというふうな状況もありまして、そのことが書いてございます。

後者につきまして、各省でやっているいろんな取組もありますので、各省横断的な検討を早期に行うべきだというような意見この専門家会議の中でございました。

次に、3ページには、福島県で行われております福島県民健康調査、こちらのほうで、どんなことがやってこられたのかということを簡単に示しております。これはまた後ほどお時間があるときにお読みいただければと思っております。

4ページからは、基本的な考え方ということで、まず健康リスクにつきましては、100mSvを下回る状況では確率的影響につきましては考えにくいというふうな考え方がありますけど、リスクを考える場合にはLNTモデルを採用するというふうな国際的な考え方がありまして、この委員会でも、そのようなスタンスに基づいて検討したということが触れられております。また、これまでWHO、それからUNSCEARのほうで、福島の事故について、被ばく線量の評価、健康リスク、こういったものについて報告が行われておりますので、それについての簡単な紹介と、それから、7ページには、この2つの報告書に対しての専門家会議の見解というふうなことが述べられているところでございます。

この専門家会議で、この国際機関の報告については見解が異なる旨のことはなく、チェルノブイリの事故よりも被ばく線量が低いということ、それから、追加被ばくによって健康影響が自然のばらつきを超えて観察されることは予想されないこと、こういったものについて同意するというふうな見解。それから、最も高い被ばくを受けた小児の集団については、甲状腺がんのリスクが増加する可能性が理論的にあり得るという評価についても同意するというふうな専門家会議の見解。これがちょうど7ページのところで述べられているという状況でございます。

8ページ~21ページまでは、被ばく線量の関係の記述になっております。内容につきましては、内部被ばくと外部被ばく、そして、それらのデータについての評価なり見解が記述された構成になってございます。

9ページからは、外部被ばくということでございまして、これは、福島の県民健康調査で、基本調査、事故後4カ月間の行動調査によって外部被ばくの線量の推計、それから、その後は個人個人に線量計を持っていただいて、その状況によって把握しているという、そのようなデータがございますので、こうしたものについて専門家会議で取り上げていただきましたし、また、国際機関の評価についても取り上げていただきました。

内部被ばくにつきましては、12ページからということになりますけども、事故後、甲状腺の簡易スクリーニング、これは1,080人について、子どもさんの甲状腺に直接サーベイメータを当てて測定をしているふうなデータがありますけども、そのようなデータだとか、ホールボディカウンターによる内部被ばくの測定、それから、国際機関による内部被ばくの推計、こういったものを専門家会議で取り上げていただいています。

いずれも、UNSCEARの線量評価については、日本の実測データなどから、否定するような結果を得られなかったということが、この章の一番最後、21ページのところで触れられているというふうな状況でございます。

また、内部被ばく線量については、推計によって行われているということでございまして、かなり不確かさとか、そういうふうなものがまだまだございます。特に、短半減期核種などについては、十分まだデータが整理できてない点があるのではないかというふうな御意見等もありまして、今後、調査研究事業では、こうした線量把握等を継続して、いわゆる不確かさとかばらつき、そういったものをできるだけ小さくしていく努力が必要だというような旨のことが書かれておるところでございます。

22ページからは健康管理の関係の記述ということになりますけれども、22ページには予想される健康リスクということで、こちらのほうはWHOだとUNSCEARで評価をいただいている健康リスクのことについて、改めて触れさせていただいております。

23ページからになりますけども、健康管理の取組の状況ということで、福島で行われております県民健康調査の関係、それから、日本で、既存の健康増進施策、あるいは疾病予防施策等々がございます。そのような状況等についても触れさせていただいているのと、福島県以外では、23ページ下のほうに書いてありますけども、岩手、宮城、栃木、群馬、こういったところでは、それぞれの県で有識者による会議を開いて、追加の特別な健康調査の必要性がないというようなことも紹介しています。また、国際機関、特にUNSCEARの報告においては、近隣県において追加の対応について必要性の指摘はされていないということも、この専門家会議で取り上げられて、触れられているというところでございます。

24ページから、今後の健康管理全般に関しての施策の方向性ということで書かれておるところでございますけれども、ポイントとしては、いわゆる健康増進施策、あるいは保健予防施策、こういった当たり前のことをきちっとやっていくということが一つ書かれているということ、それから、がん登録、こういったものが地域がん登録としてスタートしておりまして、それぞれデータが蓄積されつつあります。平成28年からは、全国がん登録というものも制度として動くということで、そういうふうな疾病罹患動向についても、このような統計資料等を活用し、国としても把握していくというふうなことが述べられているというところでございます。

25ページからは、甲状腺のことについて、縷々記載しておりますけども、御案内のとおり、チェルノブイリの事故の後、子どもさんの甲状腺がんが増えたというふうなことも国際的に認識されているところでございまして、この専門家会議でも、甲状腺のことにつきましては時間をかけて議論したところでございます。

甲状腺の疫学、臨床、それから甲状腺がんの検診ですね、これは一般論としての甲状腺がん検診ということになります。それと、福島県民健康調査での甲状腺検査の状況、こういったものを25ページ~30ページまで、縷々記載しているところでございます。

これまで、福島の県民健康調査では、約30万人の方が最初の3カ年で1巡目の検査、いわゆるベースラインの把握ということで行ってきておるところでございます。

30ページのところに表を掲載しておりますけれども、これまで30万人弱の方が受けられて、正常範囲であるという方がほぼ99%というふうな状況でございます。B、C判定、いわゆる精密検査が必要だという方が2,237名というふうな状況でございまして、そのうち、手術等を行って、がんの確定診断がついている方が57名というような状況になっております。

こういったものについては、事故後経過した時間とか、被ばく線量の状況、チェルノブイリからも明らかに低いというような状況もございまして、そういったことから、原発事故の影響、放射線による影響は考えにくいだろうというようなことも、この中では触れられているという状況でございます。

それから、30ページの後半、下から次のページにかけては、今後の施策の方向性というようなことが書かれております。

福島で行われております甲状腺の検査につきましては、チェルノブイリの事故のこともありましたので、かなり住民の方が不安に思われたということもあって検査を始めたというような状況でございます。

これはこれで非常に評価できる取組であるわけでございますが、一方、これを今後続けていく中で、しっかり科学的な評価をしていくためには、疫学追跡調査をしっかりできるような環境を整えるべきであろうというふうなことが、この専門家会議でも御指摘をいただいているところでございます。

今後、県民健康調査を進めるに当たっては、県外転居者も含めて長期にわたってフォローアップできるような体制を構築して、分析に必要な臨床データを確実に収集できる調査実施体制となるようにすべきだというような提言をこの中でしていただいておりまして、国は、そういったことについて福島県をしっかり支援すべきだということも述べられているところでございます。

それから、福島近隣県についてのことも32ページのほうに触れられておりますけれども、被ばく線量が、福島県より甲状腺の内部被ばくが明らかに高いという、積極的にそういうことを示唆するような報告はこれまでないというような状況もございまして、福島のような、一律に検査を行うということについては、慎重になるべきだというふうな、この専門家会議の意見が多数あったことが触れられております。

まずは、地域のニーズに合わせて、リスクコミュニケーション、あるいは健康相談、そういったものが柔軟に事業展開できるようにすることが望ましいのではないかというような御提言をいただいているところでございます。

それから、33ページにおいて、原発事故の避難、それから不安等に伴う心身の影響についてということで、1ページ弱でございますけども、専門家会議で取り上げた概要をまとめて記載しているところでございますけども、福島県民健康調査につきましては、甲状腺の検査と被ばく線量の推計、それ以外に、生活習慣、あるいは心の健康の問題、あるいは妊産婦のことにつきましても、いろいろ調査を行っているというところもございます。

そういったことについても若干触れているということと、それから、やはり健康問題となりますと、自治体におります保健師さんが最前線に出て対応をしているというふうな状況がございますけども、非常に過重な負担がかかっていて、支援者支援というふうなことも、一層施策を進めていくことが望ましいというふうな御指摘もいただいているところでございます。

このような分野につきましては、各省庁、特に厚生労働省とか復興庁、そういったところでの取組もございますので、今後、各省が連携して、おのおのの取組を推進していくことが重要だということが述べられている、というようなところでございます。

それから、最後、34ページには、「終わりに」ということで、締めくくりをしていただいているところでございますけども、一番最後のパラには、これまで得られた被ばく線量の評価結果、それから、科学的及び医学的な知見に基づいて議論した結果を踏まえて、現時点で必要とされる事項について取りまとめたものであるということで、この報告書の位置づけを書きつつ、今後のこととして、対策を推進するに当たっては、住民の希望や心配をしっかり把握し理解することが重要であることから、国は、住民との対話を通じて実態を把握し、県民健康調査等の動向を注視し、省庁連携の上でデータ収集や評価に努め、幅広い観点から科学的検討を行うべきだ、というふうな形で今後の方向性についても締めくくりをしていただいているというような状況でございます。

これが中間取りまとめの御報告になります。

それから、この中間取りまとめを踏まえて、環境省として今後、こうした報告を踏まえての取組、こういったものを進めていかなければいけないということでございまして、ちょうど後ろから2枚の部分になりますけども、当面の施策の方向性の案というものを示しております。

こちらのほうは、事故初期の被ばく線量の把握・評価、こういったものが一つ、今後の方向性として示しております。

また、福島県及び福島近隣県における疾病罹患動向の把握、これが2点目として記載させていただいております。がん登録とか、そういったもので疾病の動向を把握していくというものでございます。

それから、次のページに、福島県の県民健康調査「甲状腺検査」の充実ということで、疫学追跡調査、この重要性が触れられておりますので、そういったものについて、国としてもきちっと取り組んでいきますというようなことが書かれているということでございます。

それから、リスクコミュニケーションにつきましても、これまでも取組を行っておるところでございますけども、やはり継続・充実、こういったものが必要だというような御指摘をいただいているので、その旨を書かせていただいているところございます。

中間取りまとめの公表については、12月22日に環境省のホームページのほうに掲載し、この施策の方向性の案につきましても、同日付でホームページにアップしております。

この施策の方向性の案につきましては、1月21日まで、任意の意見聴取ということで、パブリックコメントを求めているというふうな状況でございます。今後、このパブコメでの意見等を参考にしつつ、環境省として、これまで行ってきている施策に加えて、こういった施策の方向性の案に書いたものも含めて、一体的に放射線の健康管理を進めていきたいというふうに考えておるところでございます。

以上でございます。

○中杉部会長 それでは、ただいま3件の御説明を続けていただきました。

御説明いただいた内容について、何か御意見、御質問はございますでしょうか。おありでしたら、同様に札を立てていただければと思います。

では、大塚委員。

○大塚委員 ありがとうございます。

最後の報告書の件でございますが、一応とりあえず甲状腺がんとの関係とかがあまり出てきていないということはよかったと思っていますけども、ここにも書いておられますように、今後とも検診等は続けていっていただく必要があると思います。

さらに、一つ申し上げておきたいのは、先ほども御説明いただきましたけど、33ページのところの避難とか不安等に伴う心身の影響については、やはり若干バランス的には少し軽くなっておられるようなところもあるかと思います。

これは、がんとかという話でないので、それはそういうふうになるんだろうと思いますけども、この点に関しては、例えば損害賠償とかも、ちょっとしにくいような状況になっていると思いますので、ぜひ国のほうで対応していただく必要があり、さらに、福島県、あるいは近隣県だけでなくて、避難生活による生活習慣の変化とかという話になってくると、ちょっと離れたところで避難されている方とかにも関係してくるものですから、そういうところも踏まえて御対応を、一人一人というのはちょっと難しいかもしれませんけども、避難されている方が集中しているようなところに関しては、国のほうで御対応いただけるとありがたいと思います。

以上です。

○中杉部会長 それでは、井上委員、どうぞ。

○井上委員 資料⑤の福島の原子力事故に関しまして、地元の方々、それから国民の皆様に大変御迷惑、御心配をおかけし、同じ電気事業者としてお詫び申し上げます。

それから、このように健康管理に関してさまざまな諸施策が講じられておること、関係者の皆様に感謝申し上げます。

東京電力のほうでは、放射線の健康管理、放射線影響に関しましては、やはり個人に対する正確な被ばく量の測定、把握というのが大事だということで、メーカーさんとタイアップしまして、1マイクロの1000分の1の、1ナノまではかれる個人の積算線量計、そういったもののデータを、積算量を把握できるような装置を開発しまして、それを自治体の皆様と一緒に協力してデータを積み上げておるところでございます。

それから、理解促進活動ということに関しましては、次世代を担う教育界の方々、この方々に、放射線影響に関する電力の持っておる知見、こういったものを、事業の資料提供をしたり、それから、今の廃炉状況を丁寧に説明して、地元の方々の理解促進に今後とも協力しておりますので、この場で御報告させていただきます。

○中杉部会長 それでは、崎田委員。

○崎田委員 ありがとうございます。

私は、この最後に御説明いただいた放射線の健康影響の資料⑤-1に関してなんですけれども、健康影響に関する専門家の皆さんが知見をこれだけきちんと整理していただいたということは、今後にとっても大変重要なことだというふうに思っております。私も、33ページのところにある、避難や不安に伴う心身の影響についてという、心の健康に関してどの様に対応するのかという辺りが、少し弱いというのが気になりました。

それに関連して、3点ほど質問させていただきます。

こちらの部局で、例えば心の健康に関して、心というか、相談員を支えるという相談員の支援センターを運営されておられるはずです。そういうような相談員制度をどういうふうにここに生かすのかとか、その支援センターがどう支えるのか、そういうことは、こういう中には入らなかったのかということが一点目です。二点目が、今後、こういう分野に関して、省庁連携で取り組んでいきたいというお話がありましたけれども、もちろん、内閣府とか、そういう省庁連携は大事ですが、それとともに、早くから福島に入って除染に取り組んだ部局との知見とどう連携していくか、そこも大事だと思っておりますが、そういう経験共有はどういうふうに進んでいるのかということ。

三点目の質問が、除染に関する研究開発など知見の集積に関しては、今、国の資金をもとに、福島県環境創造センターの建設が進んでいますけれども、この分野に関しては、どういうふうに将来的に蓄積し、発信していくのか。そして、社会が活用していくのかという、その辺についての展望を教えていただければありがたいと思います。

よろしくお願いします。

○中杉部会長 他はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

はい、どうぞ。

○浅野委員 環境省の取りまとめの文章を拝見していて、2点ほどちょっと気になっているのが、事故初期における被ばく線量の把握・評価をさらに推進していかなきゃいけない、全くそのとおりだと思いますが、本当に、これはどうやって具体的にうまく、今まで把握できてなかった情報を把握できるのか。

調査研究事業を通じてということですから、しようがないんですが、結局どこかでやっぱり取りこぼしが出てきて、不安が残ってしまうという事態をどう解決すればいいのかなということがちょっと気になりました。

それから、もう一つは、最後のところで、当然のことだと思いながら見てはいるんですが、リスクコミュニケーション事業をしっかりやらなきゃいけないというのは、そのとおりだと思うんですけども、問題は、リスクコミュニケーションといいながら、安全ですよ、危険はそんなにひどくないんですよということを言って回るだけであれば、民間で取り組んでいる人たちとの間のギャップがますますひどくなってくるんじゃないか。

つまり、危ないということが大前提になって避難をしておられる方々に対するケアを一生懸命やっているグループが一方にあるわけですね。この人たちは、危ないという前提があるわけです。ところが、危なくないということを考えながら、いろいろ施策を講じていかなきゃいけないという、こちら側の立場との間の溝がますますひどくなってしまっていくんじゃないか。

これは克服困難かもしれないんですけども、何とかそこを埋めていかないと、いつまでたってもすれ違いのままで行くんじゃないか。

それが、この文章の中では大変気になったんですが、役所としてはこれ以上の書きようがないというのはよくわかるんですけど、気になるなということは申し上げておきたいと思います。

○中杉部会長 それでは、5番目の報告についての御質問、御意見がありましたが、環境省のほうからお答えをいただければと思います。

○得津放射線健康管理担当参事官 まず、33ページのところで、避難者の心のケアだとか、避難によって生活習慣の変化による健康影響、これについてあまり触れられてないという御指摘もございましたけども、まず、環境省として、放射線の健康影響というようなところで所掌しており、やはりなかなかご指摘の部分について踏み込みにくいというふうな現状がございます。

それと、今回の東日本大震災のことにつきましては、復興庁がかなりいろいろ関係省庁と連携をして、いろんな施策を取りまとめて推進しているというような状況がございます。

特に、子ども・被災者支援法に基づく基本指針、こういった中に、我々の放射線による健康影響に対する取組のほかに、いろいろ、医療だとか、健康全般のことだとか、あるいは生活支援だとか、そういったことも記載されておりますけども、避難生活によって生じた健康影響、それから心のケア、こういったものについては、担当省庁が厚生労働省というふうなことが明記されているというふうな状況もあります。しかし、ここのところは、この専門家会議のほうでは全く触れないわけにはいかないということで、若干時間をとって触れさせていただいた形で、こんなふうな文量の状況になっているところでございます。

それから、調査研究で初期の被ばくのことについても、今御指摘がありましたけども、まさに、それをどうしていくかというのは、これから専門家といろいろ相談しながらということになりますけども、この報告書の中にも触れられていますように、ヨウ素129については、半減期がかなり長い。今、それを、土壌中にどれだけあるかというものをある程度把握することができれば、当時どれだけヨウ素が広がったのか、131がどれだけ広がったのかというのは、ある程度推測ができるというふうなこともございます。

そういうふうなこともやっていかなければならないと思いますし、当時の避難行動は、だんだん人の記憶というのは忘れてきて、だんだん正確性が欠けてくる状況ではございますが、まだその辺が十分把握し切れてないのではないかと、そういうような御意見もあって、そういった細かな情報を出来るだけ収集して、今ある情報が、修正すべきなのかどうかという、そういうふうな調査研究も多分整理していかなければならないだろうということです。これから関係者といろいろ話をしながら、その辺はどう進めていくか、考えてまいりたいと思っています。

それから、崎田委員からございました、相談員支援センターの件でございますけども、日ごろ御助言等をいただいておりますことに感謝を申し上げます。

この専門家会議のまとめでございますけども、あくまでも専門家会議のメンバーによる科学的な立場からのまとめであるというふうなことで、ある意味で、施策をどうしていくかというところはあまり重点を置かずに、科学的な点からどう評価をするかということについて議論を進めていただいたところでございます。

今後、このような報告がまとまったということもございますので、必要に応じて、相談員の方々が利用できるようなことも、内容が含まれていますので、それは相談員の方が研修等を行うときには、そういったものを活用していくということもあると思いますし、また、相談員支援センターのほうで、こういったものを必要に応じて地元の自治体とかに紹介していくというようなことも考えられるかと思います。

それから、除染情報プラザとか、そういったところで先行して、いろんな地元とのリスクコミュニケーションだとか、そういった取組の一覧は、環境省の別の部署もありますけども、そういったところとも平素は連携をとっておりますし、私どもの福島環境再生事務所のほうにも併任職員を置いており、私どもの本省にいる職員も、毎週1回、福島のほうでの会議へ出席させていただいておるところでございますので、そういうふうなところで連携をとりながらやっていきたいというふうに考えております。

福島で行われている健康管理の件でございますけども、こちらのほうは、これまでも御説明したことはあるかもしれませんが、県のほうに設置しております福島県民健康管理基金、こちらのほうに、国から782億のお金を拠出しておりまして、その中で健康管理を行っていただいているという状況でございます。

健康管理自体は、福島県立医大が実質的に行っておりまして、データ等の管理も徐々に、今、進めていると聞いているところでございます。こうしたところから、いろんな新たな知見とかも出てくる可能性がありますので、そういったものについては適時、国内外への発信、それから、福島県において定期的に県民健康調査の検討委員会なので状況が報告されているというような状況であります。

直近の県の検討委員会が、ちょうど12月末にありましたけども、生活習慣の影響で、特に脂質異常だとか肝機能異常、そういったものが一時見られましたけど、25年度には少し改善したというふうな報告等もありまして、そういった意味では、少し落ちついてきているようなデータも出つつあるというふうな状況です。

それから、リスクコミュニケーションのところで、非常に心配しているグループとの溝をというふうなお話もありました。そこは、本当に、どうやっていくかという非常に難しい課題でありますけれども、まず、普通に心配されている方に正しい知識を御提供するということは非常に重要であろうと我々は考えておりまして、事故当初は、かなり大人数の講演会、そういったものに力点を置いておりましたけども、最近は少人数のグループ制の意見交換という、「くるま座集会」というような言い方をしておりますけども、そういうふうな取組に、今、力点を移しつつやっておりますし、また、県外避難されている方々についても、福島県と連携をとりつつ、アプローチをしております。

今年度については、秋田県とか群馬県で実施したりというようなこともやっておりますので、引き続き、このような取組を重ねつつ、正しい知識を提供しつつ、御理解をいただいていくということに努めていきたいと思っております。

以上でございます。

○中杉部会長 ありがとうございました。

震災の関連は、放射線汚染の問題だけではなくて、いろいろなところが絡んでくるので、それぞれが担当のところだけをお話をいただくと、なかなか、ようわからんという、いつも御指摘を受ける話ですけども、保健部会についても、これからもこういう話が出てくると思います。

来月には、中環審の委員の改選がございますので、今度、新たなメンバーが入ってくる。またわからないということになるので、どこかで全体像を説明いただいて、次回にも全体像を、今度説明するときは、全体を説明いただいた中で、この部分の御説明をします、というふうな形の説明の仕方を工夫していただけると、理解が得られるのではないかというので、よろしくお願いいたします。

よろしいでしょうか。

ありがとうございました。

事務局におかれましては、委員の皆様からいろいろ御意見をいただきましたものを参考にしまして、今後の環境保健行政を進めていただくようにお願いを申し上げます。

本日予定の議題はこれで終了いたしました。

それでは、事務局のほうにお返しいたします。

○菊池企画課長 ありがとうございました。

本日は、活発な御審議をいただきまして、誠にありがとうございました。

2点のみ、お伝え申し上げます。

議事録の扱いにつきましては、原案を作成いたしまして、各委員に御確認いただいた後に、環境省ホームページに掲載する予定でございます。よろしくお願いします。

次回の日程でございます。夏ごろを想定しておりますけれども、改めて調整させていただきますので、よろしくお願いします。

それでは、以上をもちまして、32回中環審環境保健部会を終了したいと思います。

どうもありがとうございました。

午後2時58分閉会

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