第15回中央環境審議会環境保健部会議事録

1.日時

平成18年3月2日(木)17:00~19:00

2.場所

弘済会館4階会議室 菊・梅

3.議題

【審議事項】
石綿による健康被害の救済における指定疾病に係る医学的判定に関する考え方について
【報告事項】
(1)

GHS危険有害性分類事業第1回公表について

(2)

平成16年度PRTRデータの概要等について

(3)

化学物質環境実態調査の進捗状況について

配布資料

資料1 中央環境審議会環境保健部会委員名簿
資料2 「石綿による健康被害の救済における指定疾病に係る医学的判断に関する考え方」石綿健康被害救済小委員会報告
資料3-1 GHS危険有害性分類事業第1回公表について
資料3-2 平成16年度PRTRデータの概要について
資料3-3 化学物質環境実態調査の進捗状況について

参考資料

資料1 パブリックコメントにおいて提出された意見
資料2 「石綿による健康被害の救済における指定疾病に係る医学的判断に関する考え方について(諮問)」に対する意見
(第14回環境保健部会に江森臨時委員が提出)
資料3 石綿による健康被害の救済に関する法律の概要

議事録

午後5時01分開会

○調査官 それでは、定刻になりましたので、第15回中央環境審議会環境保健部会を開催いたします。
 環境保健部会委員及び臨時委員の38名のうち、本日は21名のご出席をいただいており、過半数の方がご出席されておりますので、本部会は成立しておりますことをご報告申し上げます。
 まず、今回から9名の新しい臨時委員にご参加いただいておりますので、ご紹介いたします。
 財団法人癌研究会癌研究所病理部長石川委員。

○石川委員 石川でございます。

○調査官 東洋大学経済学部教授神山委員。

○神山委員 神山でございます。よろしくお願いします。

○調査官 都立駒込病院放射線科医長酒井委員。

○酒井委員 酒井でございます。よろしく。

○調査官 横須賀市立うわまち病院副院長三浦委員。

○三浦委員 三浦でございます。

○調査官 独立行政法人産業医学総合研究所作業環境計測研究部長森永委員。森永委員は小委員会の委員長をお願いしております。
 このほか、本日はご欠席ですが、独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター放射線科医長審良委員、国立大学法人広島大学医学部長井内委員、独立行政法人労働者健康福祉機構岡山労災病院副院長岸本委員、独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター院長坂谷委員です。
 それでは、部会長よろしくお願いいたします。

○佐藤部会長 どうも皆さん今晩は。佐藤でございます。こういう会議で今晩はというのも珍しいのですけれども、5時からの会議となりましたけれども、新たな委員の先生方も加えて熱心にご議論いただければというふうに思います。
 それでは、早速議事に入りたいと思うのですけれども、その前に配布資料の確認をお願いいたします。

○調査官 配布資料としましては、資料1、委員名簿。資料2、医学的判定に関する考え方の小委員会報告。資料3、化学品の分類及び表示世界調和システム危険有害性分類事業、これは3-1、3-2、3-3となっております。それ以外に参考資料1といたしまして、パブリックコメントにおいて提出された意見。参考資料2としまして、臨時委員であります江森委員から部会長に出されております意見でございます。それから参考資料3としまして、石綿による健康被害の救済に関する法律の概要。最後に冊子として「石綿による健康被害に係る医学的判断に関する考え方」報告書をつけさせていただいております。
 カメラはここまでとさせていただきますので、ご退出をお願いします。

○佐藤部会長 それでは、早速審議事項にかかりたいと思います。
 まず、審議事項の「石綿による健康被害の救済における指定疾病に係る医学的判定に関する考え方」についてご審議いただきたいと思います。
 この件につきましては、2月9日付で環境大臣から中央環境審議会に諮問され、当部会に付議されましたことを受けて、前回、2月10日だったかと思いますが、当部会に石綿健康被害救済小委員会を設置いたしました。
 その後、同小委員会で専門的な観点からご議論いただき、本日、お手元にあります小委員会報告書を提出していただいたわけです。
 本日は、小委員会の委員長である森永委員にご出席いただいておりますので、小委員会における審議についてご報告をお願いしたいと思います。それでは森永先生よろしくお願いいたします。

○森永委員 森永です。
 2月24日と3月1日に小委員会を開催しました。一見1週間以上あるかのように見えますが、2月は28日までですので、非常に短期間、1週間以内という短期間の間ですが、既に今日、お手元にもございますように、「石綿による健康被害に係る医学的判断に関する考え方」報告書がございますが、そこにあります医学的な内容を土台にして検討いたしました。
 小委員会のメンバーでありますが、この検討会のメンバーにさらに呼吸器の専門の臨床医の先生、放射線科の先生、病理の先生、3分野の専門家の方にもさらに加わっていただきまして、さらに法律の専門家の委員の先生にも加わっていただきまして、医学、法律の両方の観点から今回のこの法による救済給付の対象となる指定疾病の範囲及び石綿を吸入することにより指定疾病にかかったことを判定するための考え方について検討したわけであります。
 なお、この部会の江森委員からのご意見も、あるいはパブリックコメントに寄せられたご意見も踏まえましてこの検討を行いまして、資料2にありますような報告書を作成した次第であります。
 詳細についてはこの資料を紹介していく中で改めて議論を後でしていただけばと思いますので、ここでは経過についてのみご報告させていただきます。

○佐藤部会長 どうもありがとうございました。
 本当に短い間、お忙しい中にご議論いただきまして、小委員会の先生方に感謝申し上げたいというふうに思います。
 それで、今日、「石綿による健康被害に係る医学的判断に関する考え方」報告書については委員の先生方初めてごらんになるわけですので、すぐに議論に行くというわけにはなかなかまいらないと思いますので、これは内容を確認するという意味も含めて、事務局から報告書案を読み上げていただきたいというふうに思います。
 それで、全体で7ページありますので、これを一遍に読んでいただくのも大変なので、まず最初に4ページの4の「石綿を吸入することにより指定疾病にかかったことを判定するための考え方について」の、その前まで、バックグラウンドの部分だろうと思いますけれども、それを読んでいただいて、それで若干議論をして、その後また「石綿を吸入することにより指定疾病にかかったことを判定するための考え方について」の部分を読んでいただいて議論をしていただきたいと思うのですけれども、よろしゅうございますか。では、そのようにさせていただきます。では朗読をお願いいたします。

○保健業務室長 それでは、資料2を1枚めくっていただきまして、1ページから。

  「1.はじめに
 平成17年6月末、兵庫県尼崎市の旧石綿製品製造工場の周辺住民に中皮腫が発症しているとの報道がなされて以来、環境経由のばく露を含めた、石綿による健康被害が社会的問題となり、政府は、アスベスト問題に関する関係閣僚による会合を重ねて、この問題に対する取組を進めてきた。
 対応の一環として、石綿による健康被害を受け、労災補償の対象とならない工場周辺住民、労働者の家族等を救済する新たな法的措置を講じることとなり、平成18年2月3日に「石綿による健康被害の救済に関する法律」が成立し、2月10日に公布された。
 平成18年2月9日付けで環境大臣から中央環境審議会に対し、「石綿による健康被害の救済における指定疾病に係る医学的判定に関する考え方について」の諮問が行われたことを受け、同2月10日に開催された同審議会環境保健部会において、本諮問案件についての調査審議を行うため、同部会に石綿健康被害救済小委員会が設置されることとなった。
 法の施行日は、平成18年3月31日までの間で政令で定められた日とされ、迅速な施行が求められており、限られた時間とならざるを得なかったが、2回の小委員会を開催し、パブリックコメントの結果等も踏まえつつ検討を行った結果をここに報告する。
 2.小委員会における検討について
 健康被害の救済を図るための法律を施行するためには、対象とする疾病の範囲、対象とする疾病にかかっていることを判定するための判断の基準が必要となることから、環境省においては、平成17年11月から、「石綿による健康被害に係る医学的判断に関する検討会」を厚生労働省と共同で開催し、石綿関連疾患に関する医学的な知見の整理、検討を進めてきた。同検討会においては、5回の検討会を開催し、平成18年2月9日に報告書が取りまとめられた。
 小委員会においては、検討会報告書の内容を基礎として、法による救済給付の対象となる指定疾病の範囲と石綿を吸入することにより指定疾病にかかった旨を判定する際の考え方について、検討を行った。
 3.法による救済給付の対象となる指定疾病の範囲について
 (1)法の立法趣旨は、第1条(目的)にあるように、「石綿による健康被害の特殊性にかんがみ」救済を図ることである。石綿を原因とする中皮腫及び石綿を原因とする肺がんについては、
 [1]ばく露から30年から40年という非常に長い期間を経て発症すること、さらに、石綿そのものが戦後の我が国社会において広範かつ大量に使用されてきたことから、どこでどのようにばく露したのかわからず、個々の原因者を特定することが極めて困難であること
 [2]一端発症した場合には、多くの方が1、2年で亡くなられることが実態である。現在発症されている方が石綿にばく露したと想定される30年から40年前には、このような重篤な疾病を発症するかもしれないことは一般に知られておらず、知らないままにばく露し、自らに非がないにもかかわらず、何ら補償を受けられないまま亡くなられるという状況にあることから、民事責任等を離れて迅速な救済を図るべき特殊性がみられる。
 (2)一方、その他の石綿関連疾患のうち、石綿肺については、以下のことが指摘できる。
 1)古くからよく知られた代表的な職業病であるじん肺症のひとつであり、特別加入制度も含めた労災保険制度が整備されてきたこと、また、石綿肺はじん肺法に基づき管理区分の決定がなされており、管理4あるいは管理2以上の合併症が労災補償の対象とされており、石綿肺と診断されたすべての者が労災補償の対象となっているのではないこと。
 2)石綿ばく露歴の客観的な情報がなければ、石綿以外の原因で発症する肺線維症と区別して石綿肺と診断することは難しいこと。
 3)ばく露後すぐ発症するものではなく、ばく露からおおむね10年以上経過して所見が現れること
 4)じん肺法に定める第1型の石綿肺は、それだけではほとんど症状もなく、肺機能や生活の質が大きく低下することはない。一部の症例で徐々に症状が進行し、肺機能の著しい低下等日常生活上の支障が生じる者もあるが、肺がん、中皮腫と異なり、短期間で死に至るような予後の非常に悪い疾病ではないこと。
 5)職業ばく露での発症しか知られておらず、一般環境経由による発症例の報告はこれまでにないこと。
 (3)また、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚については、以下のことが指摘できる。
 1)胸水及びびまん性胸膜肥厚は、石綿以外の様々な原因で発症するもので、石綿ばく露歴の客観的な情報がなければ、他の原因によるものを区別して石綿によるものと判断することは難しいこと。
 2)職業ばく露での発症しか知られておらず、一般環境経由による発症例の報告はこれまでないこと。
 3)びまん性胸膜肥厚は疫学的、臨床的知見が少なく、潜伏期間について十分な知見がないが、良性石綿胸水は潜伏期間が他の石綿関連疾患より短いこと。
 4)肺がん、中皮腫に比べ、予後不良とはいえないこと。
 5)労災補償制度においても平成15年の認定基準の改正によって疾病として対象とされたものであり、これまでの認定者数も少ないこと。
 (4)以上のような背景、状況を踏まえて検討した結果、今回の救済制度は、前述のように、石綿を原因とする中皮腫及び肺がんの特殊性にかんがみて、ばく露歴を厳密に確認することなく、迅速な救済を図ることとしたものであり、当面、指定疾病はこれら2疾病とすることが適当であると考える。
 また、その他の疾病については、様々な原因で発症するものであり、客観的な職業ばく露歴がなければ他の原因によるものと区別して診断することが難しいこと、職業性疾病として知られてきたものであり、一般環境経由による発症例の報告はこれまでないことなどから、今後、さらに知見を収集し、その取扱いについて検討していくことが適当である。
 (5)指定疾病である中皮腫及び肺がんに付随する疾病(いわゆる続発症)であって、日常生活に相当の制限が加わり、常に医師の管理による治療が必要であるような疾病については、当該指定疾病と一体のものとして取り扱い、救済の対象とされるべきであると考える。個々の事例において、指定疾病に合併した疾病が指定疾病に付随する疾病であるか否かについては、医学の経験則により相当程度の関連性があるか否かによって判断すべきであるが、指定疾病である中皮腫、肺がんについていえば、次のような疾病等が考えられる。
 [1]指定疾病の経過中又はその進展により当該指定疾病との関連で発症するもの
 ・中皮腫又は肺がんの遠隔転移、肺がんの癌性胸膜炎、癌性リンパ管症など
 [2]指定疾病を母地として細菌感染等の外因が加わって発症するもの
 ・肺炎、胸膜炎 など
 [3]指定疾病の治療に伴う副作用や後遺症
 ・薬剤性肺障害、放射線肺炎、術後の肺機能障害 など
 (6)なお、法による救済給付の対象となる指定疾病の範囲に関連して、以下のような議論が行われた。
 1)中小の石綿取扱事業所が集積していたとされる地域や石綿製品製造工場周辺の住民においては、石綿ばく露の医学的所見である胸膜プラーク(肥厚斑)や石綿肺などが認められるとの意見も寄せられている。これらの診断はそもそも難しく、さらに、胸膜プラークと石綿肺の混同などの疾病等の定義の誤解や肺気腫などその他の慢性呼吸器疾患などとの誤診の可能性も指摘されている。しかしながら、胸膜プラークの有所見者や良性石綿胸水、石綿によるびまん性胸膜肥厚の疑われる者については、将来中皮腫、肺がんの発症につながるおそれもあることから、今後、定期的な健康管理を行うためのシステムを整備することが必要である。
 2)石綿関連疾患や石綿ばく露の医学的所見に関し、医療現場において必ずしも正確な理解が行われておらず、石綿と関連のない所見も石綿によるものと診断されているおそれがある。過度の不安に陥ることのないよう、石綿関連疾患や石綿ばく露の医学的所見に関する正確な知識について、医療関係者及び一般住民に対して周知を図ることが重要である。」

○佐藤部会長 ありがとうございました。
 今、前半部分の経緯や、あるいは指定疾病を決めたりあるいはそれに付随する議論について朗読いただきましたけれども、ここまでのことについて何かご意見やご質問があれば伺いたいと思いますけれども。特にここまではございませんでしょうか。
 もしなければ、最後の方まで読んでいただいて、また議論をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○保健業務室長 それでは、
 「4.石綿を吸入することにより指定疾病にかかったことを判定するための考え方について
 (1)石綿を吸入することにより中皮腫にかかったことを判定するための考え方について
 中皮腫については、検討会報告書にもあるとおり、そのほとんどが石綿に起因するものと考えられることから、中皮腫の診断の確からしさが担保されれば、石綿を吸入することにより発症したものと考えることが妥当である。
 中皮腫は、診断が困難な疾病であるため、臨床所見、臨床検査結果だけでなく、病理組織学的検査に基づく確定診断がなされることが重要であり、確定診断に当たっては、肺がん、その他のがん、胸膜炎などとの鑑別も必要である。このため、中皮腫であることの判定に当たっては、病理組織学的検査記録等が求められ、確定診断が適正になされていることの確認が重要である。
 しかしながら、実際の臨床現場においては、病理組織学的検査が行われていない事案も少なくないと考えられる。例えば、病理組織学的検査が行われていなくても、細胞診でパパニコロウ染色とともに免疫染色などの特殊染色を実施した場合には、その他の胸水の検査データや画像所見等を総合して診断を下すことができる例もある。今後、判定に当たっては、原則として病理組織学的検査による確定診断を求めることが適当であるものの、病理組織学的検査が行われていない例においては、臨床所見、臨床経過、臨床検査結果、他疾病との鑑別の根拠等を求め、専門家による検討を加えて判断されるべきものと考える。なお、今後、臨床的に中皮腫が疑われる例については、原則として病理組織学的検査による確定診断が行われるよう、医師への情報提供、制度の周知に努めるべきである。
 また、可溶性メゾテリン蛋白などの血清診断薬による診断については、現状では有用性を評価するまでに至っていないと考えられ、今後の進展が期待される。
 (2)石綿を吸入することにより肺がんにかかったことを判定するための考え方について
 肺がんについては、喫煙をはじめとして様々な原因があり、石綿を吸入することによるものであるか否かについての判定は必ずしも容易ではない。これまでの疫学調査データ等から、肺がんの発症リスクを2倍以上に高める量の石綿ばく露があったとみなされる場合に、石綿によるものと判定できるとする検討会報告書の考え方は妥当であると考える。
 "ある要因がある疾病の発症リスクを2倍以上に高める場合に、当該要因を当該疾病の原因とするものとみなす"という考え方は、その要因のばく露を受けた後に発症した健康被害者から1名を無作為に抽出すれば、その者の健康被害の原因は当該要因である可能性のほうが当該要因以外の要因である可能性と同じかそれ以上と判断できることによるものであり、民事責任等によらず、石綿による健康被害者を幅広く救済するというこの制度の趣旨に照らせば、対象者を判定する考え方としては妥当なものと考える。
 肺がんの発症リスクを2倍に高める量の石綿ばく露としては、検討会報告書にあるとおり、25本/ml×年程度のばく露があった場合とするのが国際的なコンセンサスとしても認められており、また、これに該当する医学的所見としては、次の[1]又は[2]に該当する場合が考えられる。
 [1]胸部エックス線検査又は胸部CT検査により、胸膜プラーク(肥厚斑)が認められ、かつ、胸部エックス線検査でじん肺法に定める第1型以上と同様の肺線維化所見(いわゆる不整形陰影)があって胸部CT検査においても肺繊維化所見が認められること。
 [2]肺内石綿小体又は石綿繊維の量が一定量以上(乾燥肺重量1g当たり5,000本以上の石綿小体若しくは200万本以上(5μm超。2μm超の場合は500万本以上)の石綿繊維又は気管支肺胞洗浄液1ml当たり5本以上の石綿小体)認められること。
 このような医学的所見が認められた場合に石綿を吸入することにより発症したものとする考え方は、肺がんは、喫煙の影響が大きく、その他にも様々な原因があることを踏まえると妥当なものと考える。
 なお、[1]の、「じん肺法に定める第1型以上と同様の肺繊維化所見(いわゆる不整形陰影)」とは、あくまでも画像上の所見であり、じん肺法において「石綿肺」と診断することとは異なることに留意するべきである。また、胸部エックス線検査と同時に、胸部CT画像で確認できる繊維化所見も含めて判断することの意味は、じん肺法に定める第1型以上と同様の肺繊維化所見を捉えることがしばしば困難な場合があることから、より客観的なCT画像で繊維化所見を見逃さずに取り上げるべきとの考え方に立つものであり、この制度による判定に際して妥当な考え方であるといえる。
 また、[2]の、25本/ml×年のばく露に相当する肺内石綿小体の量は、国際的なコンセンサスが得られている科学的知見としては、乾燥肺重量1g当たり5,000本から15,000本という幅のある値であるが、このうち、救済という制度の目的にかんがみ、最少本数の5,000本を採用した検討会報告書の考え方は適当であると考える。
 なお、喀痰を利用した石綿小体等の検出は、現職の労働者でなければ困難であると考えられ、救済給付の対象とするようなばく露歴の明らかでない例ではこの方法を利用することは難しいと考える。
 5.制度開始時に既に死亡している者について、石綿を吸入することにより指定疾病にかかったことを判定するための考え方について
 制度開始時に既に死亡している健康被害者の判定については、次のとおりと考える。
 1) 中皮腫の場合は、中皮腫であるとの診断を受けていたことが客観的に確認できることが必要であるが、診断の時期によっても診断根拠は相当異なっていたのが実状であり、カルテの保存の問題も考慮すると、中皮腫であったことが記載された死亡届記載事項証明書により確認することをもってこれに代えることが現実的であると考える。この場合、一定の誤診を含む可能性があるが、救済の観点からはやむを得ないものとして許容されるものと考える。
 2) 一方、肺がんの場合は、肺がんであったことが記載された死亡届記載事項証明書など、肺がんであったことを客観的に証明できる書類があるだけでは、石綿を吸入したことによるものと判定することは困難であることから、上記(2)の[1]又は[2]に該当することを客観的に証明できる書類又は資料がある場合に判定できるものとすることが適当であると考える。
 6.おわりに
 本報告は、平成18年2月9日付けで環境大臣から諮問された、「石綿による健康被害の救済における指定疾病に係る医学的判定に関する考え方について」の考え方を取りまとめたものである。疾病の範囲については、制度の目的に照らした迅速な救済を図る観点から中皮腫及び肺がんとし、認定の基準については、救済の観点から、この報告書の内容のとおり、緩やかな基準でスタートすることが望ましいと考える。
 なお、石綿による健康被害の実態、特に環境ばく露、家庭内ばく露など、職業性ばく露以外のばく露による健康被害の実態については、十分な知見がなく、救済制度の円滑な運用を行うに当たっても、これらの情報の収集がきわめて重要であることから、今後、実態把握のための各種の調査研究を推進する必要がある。
 また、石綿関連疾患の診断や救済の取扱いについて、特に、医療機関及び医療関係者等への周知徹底を図る必要がある。
 さらに、胸膜プラークの有所見者や良性石綿胸水、石綿によるびまん性胸膜肥厚の疑われる者については、定期的な健康管理を行うためのシステムを整備することが必要である。」

 以上でございます。

○佐藤部会長 どうもありがとうございました。
 ただいま後半部分を読んでいただいたわけですけれども、2つの指定疾病、これは石綿が原因であるということを考える上での判定の考え方を示していただいて、さらに既に死亡なさった被害者の方についてどう考えるかというようなことを書いていただいたわけですけれども、何かこれについてご質問あるいはコメントがありましたらいただきたいと思うのですけれども。よろしいですか。はい、どうぞ浅野先生。

○浅野委員 小委員会のメンバーの1人でございましたので、少し蛇足ではございますが、コメントさせていただきたいと思います。
 特に、最後の7ページの「おわりに」の5行目のところ、「緩やかな基準でスタートする」という表現がございます。この部分を特に強調しておきたいと思っているわけです。というのは、幾ら説明をしてもやはりこの基準は非常に厳しいという捉え方をされる可能性があります。ですが、医学の専門家の先生方の主なご議論を聞いておりますと、これは決して厳しくなく、緩やかな基準だという印象を持ちました。
 中皮腫に関しては、これは確定診断があればそれでアスベストとの関連があるとするということでありますので、それはそれでいいということでありますが、肺がんは、報告書にもありますように実に多くの原因で起こりますから、石綿を吸入することによる肺がんであるかどうかを考えるために、労災の場合ですと、どういう場所でどんなふうに働いておられたかというデータがありますから、それに基づいて因果関係を追うことになりますので、それはそれで判断ができるわけです。しかし、この救済制度では、どこでどんなふうにアスベストにばく露されたかということを確実なデータで明らかにすることが困難という方でも広く救済をしましょうということになっているのです。そうすると、そこでどんなところに住んでおられてどんな生活をしておられて、どこでばく露した可能性があるかということを、ご存命の方についてはある程度お聞きすることができるかもしれませんけれども、そうじゃないような方まで含めて細かく聞くことは非常に難しい。
 そこで、この報告書でとられている考え方は、客観的なデータから、こういうデータがそろっていればこの方はアスベストにばく露して肺がんになったのだと考えてもいいだろうという医学的な知見に基づいて考えていきましょうということになっております。そのときのいいでしょうというふうに考える考え方として、5ページの(2)の3行目にありますように、「肺がんの発症リスクを2倍以上に高める」という程度でいいと考えるということであります。しかし、もし仮に損害賠償を裁判所で求めるというような場合には、この程度の確からしさでは裁判所はほとんど因果関係を認めてくれません。大体、大ざっぱな言い方をして7割、8割は間違いないだろうというところまで行かないとだめなわけです。ところがこれは、いってみると5割ぐらいの確からしさがあればそれでいいという割り切りをしましょう、少なくとも医学的な知見に基づけば、この程度の所見がある場合には5割以上の確からしさがあるといえるという客観的な資料がありますから、それに基づいて決めましょうということです。
 ですから、非常に乱暴な言い方をしますと、2人のうちの1人はひょっとしたら違うかもしれないけれども、それでも構わない、救済しましょうということを言っているわけです。ですから緩やかな基準だという結論になるといえそうなわけです。
 それで、具体的には、[1]胸部エックス線検査又は胸部CT検査により、胸膜プラーク(肥厚斑)が認められ、かつ、胸部エックス線検査でじん肺法に定める第1型以上と同様の肺線維化所見(いわゆる不整形陰影)があって胸部CT検査においても肺繊維化所見が認められること、[2]肺内石綿小体又は石綿繊維の量が一定量以上(乾燥肺重量1g当たり5,000本以上の石綿小体若しくは200万本以上(5μm超。2μm超の場合は500万本以上)の石綿繊維又は気管支肺胞洗浄液1ml当たり5本以上の石綿小体)認められることのどちらかということでありますけれども、こういうようなところだけを見ますと厳しいことを言っているように見えるのですが、前提としてのばく露ということについては一切問わないというのでしょうか、そこを余りうるさく詮索しないということである以上はこの程度で行かざるを得ないということになろうかと思います。
 なお、小委員会の報告のスタンスは、これですべて決着がついたので、今後このやり方を一切変えないと言っているわけではありませんで、とりあえず緊急にスタートさせざるを得ないのでまずこれでやってみましょう、しかしさらに調査をきちっと国も継続的にやってください、その結果いろんなことがわかってきたら、そのわかってきたことに基づいて見直すことはあり得るけれども、今の段階ではこの考え方で出発せざるを得ないというのがこの報告書の立場でございますので、そのような目でご覧をいただけるとありがたいということでございます。
 間違ったことを言っているようでしたら、医学の専門の委員の先生方から訂正をお願いいたします。

○佐藤部会長 ありがとうございました。
 確かに肺がんの場合には非常に難しいなという感じがしたのですけれども、森永先生何かご追加ありますか。

○森永委員 浅野委員が代わりに言っていただきましたので、追加することは特にございません。

○佐藤部会長 私の方からちょっと1点お伺いしたいところがあるのですけれども、5ページ目の下から2行目ですか、「胸部エックス線検査又は胸部CT検査により、」というふうに、「又は」というふうに書いてあるのですけれども、次の6ページの方の10行目ちょっと越えたぐらいのところでしょうか、「胸部エックス線検査と同時に、胸部CT画像で確認できる繊維化所見を含めて判断する」というふうに書いてあるのですけれども、これは、胸部エックス線検査とCTと両方やりなさいよということなんでしょうか。

○浅野委員 いや、そうではなくて、胸部エックス線だけではわからないような場合があるので、それでシロだとされてしまっても、CTで見てそうじゃないということになれば、もうそれも拾いましょうということですから、「同時に」というのはひょっとしたら誤解を与える表現になっているかな。これは必ず両方やれという要件を述べているわけでもないと思いますが。

○佐藤部会長 むしろ胸部エックス線で拾えないというか、所見がなくともCTをやった方がいいよという、そういう意味合いなんですね。森永先生それでよろしいですか。

○森永委員 肺がんの患者さんはほとんどCTもやられていると思うのですよ。ですから改めてCTも撮りなさいということを要求しているわけではないというふうに理解していただいた方がいいと思います。

○佐藤部会長 酒井先生、同じところ、追加ありますか。

○酒井(文)委員 特にございませんけれども、肺がんでCTを撮らないということはまずあり得ませんので、ほとんどの症例で改めて撮る必要はないと思います。

○佐藤部会長 わかりました。
 ほかに何かご質問はございませんか。池田先生どうぞ。

○池田委員 今の先生方の議論を拝聴していまして、そうすると論理を明確に書いておいた方がいいと思うのです。つまり、胸部エックス線で所見があったという場合はそれだけで拾います。それを見て明確な所見がなくてもCTで所見があった場合には拾いますというのが多分今の議論の趣旨でしょうね。普通、例えば肺がんの患者さんでCTも撮ってあるというのは、必要条件を規定しているのではなくて、現状を考えていることなのだと思います。
 そうすると、胸部で所見がない場合もCTで所見があればそれは拾いますというのが趣旨であれば、そのように書けばいい。

○森永委員 これは労災の場合の認定基準との整合性も考えてこういう表現にしたというふうに理解してください。

○保健業務室長 若干混乱しているかもしれないので、この5ページの下の[1]の要件ですけれども、実は2つの条件が中に入っていまして、1つ目が胸部エックス線検査又は胸部CT検査によって胸膜プラークが認められる、胸膜プラークが認められるのはエックス線でもいいし、CTでもよいので、いずれにしても肺がんの患者さんはどちらもフィルムはあるのですけれども、エックス線で見えていればそれで十分で、エックス線では見えずにCTで見える方もいるので、それはその方はCTで見えていれば十分で、こちらはこれはどちらかでいいということで、この「かつ」の前の部分は「又は」なんですけれども、その「かつ」より後ろはエックス線検査でじん肺法に定める第1型以上と同様の繊維化所見がありまして、かつ胸部CTの画像でも繊維化所見が見える。ここでCTについても求めていることについては、同じ6ページのなお書きが次の段落にございますが、そこに追記で説明がございまして、先ほど部会長がお読みいただいた「また、胸部エックス線検査と同時に、胸部CT画像で確認できる繊維化所見も含めて判断する」ということにした意味は、じん肺法に定める第1型以上と同様の肺繊維化所見を捉えることがしばしば困難な場合があるので、CT画像までも使って繊維化所見を見逃さずに取り上げるべきであるという考え方に則っておりまして、前半のプラークを見つけるときと、後半の条件である繊維化所見を見つけるときとで、CTとエックス線の取扱いが少し違うので書き分けをしているということでございます。

○佐藤部会長 おしまいの方まで読んでくると同時にという意味がわかってくるのかもしれないですが、ちょっと書きぶりは、私も前の方だけ読んで「同時に」というところが気になったのですけれども、全体を読んでみるとこういうことかなというふうに思うのですけれども、池田先生、それでよろしいですかね。

○池田委員 書きぶりの枝があって、その枝に対応したものに文章構成を少し変えるともっとわかりやすくなると思います。

○佐藤部会長 そうですね。じゃこの部分は、内容は皆さん方ご理解いただいて、これでいいということだと思うのですけれども、ちょっとわかりにくいというご意見だと思いますので、ちょっと修文をしたいと思うのですけれども。できるだけ誤解のないようにわかりやすくしたいと思います。

○保健業務室長 6ページの「なお」のところでございますけれども、「なお、[1]後段の」というふうに、そこに「後段の」と入れたらいかがでしょうか。

○佐藤部会長 それでいいですね。そういうことです。

○浅野委員 私もそれがいいと思います。

○佐藤部会長 そうですか。では、修文できましたので、ありがとうございます。
 それではこの件については終わりにして、江森委員どうぞ。

○江森委員 前回の部会で意見書を提出をさせていただきまして、また小委員会の報告を受けて、部会で一度議論すべきではないかという主張をさせていただいて、こういった場をつくっていただきましてありがとうございました。
 私も昨日を含めまして小委員会を傍聴させていただいて、夜遅くまで熱心な議論をされている各委員のお姿を拝見し、ありがたいと思いました。
 連合とすると、このアスベスト問題全体について言えば、意見書の前段で記載したとおり、労災に比べるとまだまだ格差があって、不十分であるという思いはあります。しかし、先ほど来お話があったとおり、緊急対策として当面これでスタートするということであれば、やむを得ないのではないかなと思っております。
 ただ、このアスベストの問題はこれから何十年も対策が続くわけですから、この今回の報告書の中にもあるとおり、またさらに知見を収集するという項目も何カ所もあるわけですので、5年という法律の改正時期にこだわらず、できるものはもっと早く法律を改正をしたり、あるいはまた法律の改正をしなくともできる部分もあると思いますから、隙間なく対策ができるような、救済ができるようなことをぜひ国全体で考えていただけないかと思っております。
 BSEが起きたときも、各省庁の連携の不十分等も指摘された経過もあって、食品安全委員会ができてきたわけですが、今回のこのアスベスト対策もこれから長い視点で考えていくときには、省庁の枠を超えて、縦割り行政の弊害を超えて、国全体で対策をやっていくということが重要だというふうに思っております。
 そういった視点をぜひ心がけていただきたいということと、専門家の皆さんはもちろんですけれども、できるだけ多くの皆さんがこのアスベスト対策について議論に参加できるような場もぜひ検討していただけないかなということを最後に要望として申し上げたいと思います。
 以上です。

○佐藤部会長 ありがとうございました。ごもっともなご意見だというふうに思います。
 ほかに何か。藤村先生どうぞ。

○藤村委員 総合的なことなんですけれども、この救済法の趣旨としては、石綿起因性の中皮腫、肺がんはばく露歴の証明も非常に難しいし、診断も難しいという状態であるけれども、労災に漏れた者、労災と関係のないような者も救済しようということだと思うのですが、非常に難しいこと、難しいことの積み重ねでやっていきますと該当者が非常に少なくなってくる可能性が出てくるわけですね。実際に家庭あるいは学校等で石綿にばく露されて、それも30年、40年前にばく露したということは証明しにくいことはよくわかりますので、この救済には、不幸にして亡くなった方に対して、特別遺族弔慰金があるわけです。そうすると、これはいわゆる民事裁判以外のいわば紛争解決法、ADRだと思うのですよね。ADRの1つだと思うのです。それだったら確かに今までご説明あったように、なるべく緩く広くやっていくべきであると思いますので、まず石綿起因性を証明することが大切ですから、例えばそういう可能性が少しでも患者が死亡したときは、剖検を勧めて、そして石綿小体のカウントなどを剖検からやるべきだと思うわけです。すると救済がかなり広がってくるのじゃないかと思うのですね。
 乾燥肺1gというのは、実際に生の肺何グラムに当たるのかちょっとわかりませんけれども、剖検以外で、あるいは手術、標本以外では恐らく乾燥肺1gというのは無理だと思いますので、例えば肺がんの患者さんが亡くなったら医者はなるべく剖検を勧めた方がよろしいですよというようなことをここに記載していただければ、かなり緩くなっていくのじゃないかと思うのです。

○佐藤部会長 ありがとうございました。これに対するご意見というよりは運用する際のご注意をいただいたのだと思いますし、それから大学なんかによりますと剖検率が何%だと評価がどうなるとかというのもありまして、それは確かに剖検をさせていただいた方が評価が上がるというようなこともあるのですけれども、運用の際に考えていただくことなのかなというふうに思います。
 ほかに何かご意見ございませんでしょうか。
 もしなければ、この報告書を先ほどのように若干修正いたしましたものをもって、本日付けで当環境保健部会から中環審の会長に報告させていただいて、会長から小池環境大臣に答申するように手続を進めさせていただきたいと思います。
 法の施行による被害者の迅速な救済はもちろんなんですけれども、先ほどの報告書にもありましたように、その実態の調査や知識の普及とか、それからまた胸膜プラークのある人の健康管理など、多くの問題を抱えているかと思います。それから先ほど江森委員からもご指摘のあったような、まだまだ対応すべきこと、考えるべきことがありますので、事務局は今日の議論を踏まえて、ますますこの問題に取り組んでいただきたいというふうに考えまして、私からもそういうお願いをしておきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、報告事項に移りたいと思います。
 報告事項は3つありますけれども、これは関連もしておるようなので、(1)から(3)についてまとめてご報告いただければと思います。

○環境安全課長 それでは、報告事項3点、続けて資料3に基づきましてご案内いたします。
 まず、資料3-1は、これは石綿とは直接関係ございませんが、化学品の分類及び表示に関する世界調和システム、GHSと呼んでおりますが、このGHSシステムにおける危険有害性分類事業の第1回目の分類結果の公表を2月16日にさせていただきました。3-1、めくっていただきますと具体的にGHSというものがどういうものか、マークが9つほど出ておりますが、このようなマークを国際的にも、言語が異なる地域においても統一的にわかるように表示をしていこうという、国連の勧告に基づく活動でございまして、2008年から実施されるわけでございますが、実際にどのマークをどの化学品につけなければならないかの分類作業を国際的に分担して行っております。その我が国で行いました分類の第一次作業が終わったものをご報告したということでございます。
 続きまして、資料3-2、こちらは2月24日に公表させていただきました平成16年度PRTRデータの概要でございます。PRTR、今回が4回目の公表となりまして、昨年度公表分からは大きく条件等は変わっておりませんので、届出事業所数、1.7%ほど減というか、変動しておりますけれども、全体として見ますと、届出排出量も届出移動量もおよそ1割程度減少しておりまして、全体的には、PRTR制度そのものの効果なのかどうかはともかく、対象化学物質について排出量、移動量が減少している傾向が見られ、化学物質管理の改善は進んでいるというふうに見ることができようかと思います。
 これにつきましては、これまでどおり、全体的なデータについては公表いたしておりまして、事業所別の個別のデータにつきましては請求をしていただいて開示をするという手続になっております。
 これをずっとめくっていっていただきますと、さまざまなデータを出しておりますが、その中で31ページをごらんください。31ページの一番上に、本日の議題となっておりますものに関連した石綿についてもPRTRデータの対象物質として、このように届出を受け、あるいは推計も行っておりますが、平成16年度の届出を見ますと、平成15年度に比べおよそ3分の1ないし5分の1に減少しているという状況でございます。
 主な排出事業者は、窯業・土石製品製造業というようなところからの排出、移動でございました。
 続きまして、資料3-3、化学物質環境実態調査の進捗状況、これにつきましては本日先ほど専門委員会を終了したところでございまして、旧いわゆる黒本調査と呼んでおりました化学物質環境実態調査の平成16年の結果をご審議いただくとともに、平成17年度の進捗状況、平成18年度の実施方針についてご審議いただいて、資料3-3のようにまとめたところでございます。これにつきましては明日公表いたします。
 以上でございます。

○佐藤部会長 どうもありがとうございました。
 ただいまのは化学物質に関するご報告だったわけですけれども、このご説明につきまして何かご質問あるいはご意見ありましたら伺いたいと思いますが。どうぞ大塚先生。

○大塚委員 質問で恐縮ですが、資料の3-3、この初期環境調査等のモニタリングをされているわけですけれども、このモニタリングポイントは多分余り減っていないのだと思いますが、ちょっとその辺をお伺いしたいのと、これは国の責務としておやりになっていらっしゃるということだと思いますけれども、これは法的根拠は特になしにおやりになって、悪いということじゃなくて、やっていただいた方がいいと思いますけれども、法的根拠は特にないというふうに考えてよろしいのでしょうか。その2つをお伺いしたいのです。

○環境安全課長 まず、本日専門委員会でご議論いただいた結果は平成16年度のものでございまして、平成16年度まで、実はこの調査が始まりました昭和49年からずっと予算規模が変わらず、2億7,000万円の予算でやってきたということでは、小規模な時代のデータが出ております。それで、平成17年度、今年度から予算がおよそ7億と、3倍近くにふえまして、対象物質もふやすことができておりますが、その結果は現在まだ分析中あるいは分析法の開発中ということでございます。
 それから、これは根拠法令は特段ございませんが、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律ですとか化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律ですとか、そのような法律に基づく事業に寄与しているということで、平成17年度以降はそういう各事業からの要望に従って対象物質を選定するというふうな枠組みにしたところでございます。
 以上です。

○大塚委員 どうもありがとうございました。大変結構なことだと思います。

○佐藤部会長 ありがとうございました。
 ほかに何かご質問あるいはご意見ありましたら伺いたいと思うのですけれども。特にございませんでしょうか。
 それでは、本日用意された議題はこれですべて終了いたしました。
 全体を通じて何かご発言があれば伺いたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。特にご発言もないようですので、本日の会議を終了いたしたいと思います。こういう不規則な時間にお集まりいただいたわけですけれども、何せ救済の法律、急いでやらなければいけないというようなことだったわけですけれども、いろいろ、小委員会の先生方初め、また部会の先生方、本当にありがとうございました。
 それでは事務局から何かございますでしょうか。

○調査官 本日の議事録については、原案を作成しまして先生方に郵送にて確認をいただいた後、環境省のホームページに掲載する予定ですので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○佐藤部会長 はい、そういうことでお願いいたします。
 それでは本日の会議を終了いたします。どうもありがとうございました。

午後5時56分閉会

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