薬事・食品衛生審議会 薬事分科会化学物質安全対策部会 PRTR対象物質調査会、化学物質審議会 安全対策部会 化管法物質選定小委員会、中央環境審議会 環境保健部会 PRTR対象物質等専門委員会 合同会合(第1回)議事録

1.日時

令和元年12月3日(火)15:00~17:08

2.場所

TKP東京駅セントラルカンファレンスセンターホール10A

3.議題

1.合同会合の設置について

2.対象物質の選定の考え方について

3.その他

4.議事録

○福嶋環境安全課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会PRTR対策物質調査会、化学物質審議会安全対策部会化管法対象物質選定小委員会、中央環境審議会環境保健部会PRTR対策物質等専門委員会の合同会合を開催させていただきます。

 環境省環境保健部環境安全課の課長補佐をしております福嶋と申します。よろしくお願いいたします。

 委員の皆様におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただき、誠にありがとうございます。本日を含めまして、今後とも、本三つの会合は合同会合という形で進めて参りたいと考えております。正式名称が非常に長くなりますことから、差し支えがなければ、通称名といたしまして、化管法対象物質見直し合同会合という形で呼ばせていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 なお、合同会合の議事進行担当の事務局は経済産業省、厚生労働省、環境省と関係3省庁で持ち回ることになってございますので、本日は環境省のほうで担当させていただきます。

 本日は、いずれの審議会の会合も、開催に必要な定足数を満たしておりまして、それぞれの審議会が成立することを御報告いたします。

 まず、事務局を代表いたしまして、環境省環境保健部環境安全課長の太田、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課化学物質安全対策室長の渕岡、経済産業省製造産業局化学物質管理課長の徳増より、それぞれ御挨拶を申し上げます。

 まず太田課長からお願いいたします。

○太田環境安全課長 環境省環境安全課長の太田でございます。

 本日は、御多用の中、本会合に御出席賜りまして、誠にありがとうございます。

 今回は、第1回目の合同会合ということでございますので、開会に当たりまして、環境省を代表いたしまして、私のほうから一言御挨拶申し上げます。

 化学物質排出把握管理促進法、いわゆる化管法でございますけれども、平成12年に施行され、法施行から19年が経過しておりまして、平成20年の改正からも10年あまりが経過しているところでございます。また、平成30年に閣議決定されました第5次環境基本計画におきましては、化学物質のライフサイクル全体のリスクを最小化に向けた取組の推進、化学物質の管理やリスクの理解促進と対話の推進等について、重点的に取り組むこととされているところでございます。

 こうした中、環境省及び経済産業省におきましては、中央環境審議会及び産業構造審議会の合同会合を設置いたしまして、化管法の課題や見直しの必要性及び方針等につきまして、御審議をいただいてきたところでございます。そして、本年6月にその取りまとめをいただいたところでございます。この取りまとめにおきましては、PRTR制度につきまして制度開始以来17年間で対象物質の届出排出量が半減するなど、事業者の化学物質に係る自主管理の促進を通じ、化学物質のリスク管理の促進に有用なツールとして機能してきたものと御評価いただいているところでございます。

 一方、対象化学物質の見直し、PRTRデータの正確性の一層の確保、災害に対する既存のPRTR情報の活用及び情報共有等につきましても、多くの御提言をいただいたところでございます。これらの御提言を踏まえまして、まずは対象物質の見直しについて御審議いただくため、厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣から、関係審議会に対する諮問が行われたところでございます。各審議会におきましては、それぞれ調査会、部会及び専門委員会が設置されまして、法制定時、平成20年の改正時と同様に、三つの審議会の合同の本会合において、御審議いただくこととなった次第でございます。

 化学物質の製造、使用の実態は常に変動しております。また、平成20年の改正以降、有害性やばく露に関する知見も一層充実されてきているところでございます。委員の先生方におかれましては、こうした最新の知見も踏まえつつ、忌憚のない御意見を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○渕岡化学物質安全対策室長 厚生労働省の渕岡でございます。

 本日は、お忙しいところ、本合同会合に御出席いただきまして、ありがとうございます。

 ただいま、環境省の太田課長のほうからもお話がありましたように、本合同会合では、化管法に規定する対象物質の見直しを議論していただくということで、この物質の指定に当たって、生態系への影響や人への健康に対する影響などの観点から、検討いただくということになってございます。特に、人の健康に対する影響という観点の面から、厚生労働省の審議会の委員の皆様にも、専門的見地からの議論をいただいて、答申をいただくということにしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○徳増化学物質管理課長 経済産業省化学物質管理課長の徳増と申します。よろしくお願いいたします。

 この化管法でありますけど、今、話がありましたとおり、施行されてから約20年がたっています。対象物質を何にするかというのは、この制度の根幹に関わるような部分であると思います。10年前に物質の見直しが行われまして、この度、10年ぶりに物質見直しのためのこの委員会が開かれるということで、重要な会議ではないかと思っているところであります。

 一旦、物質の見直しがされますと、かなりいろんな事業者が関わるような制度でありますので、事業者においては、そのような新たな物質の測定の方法の確定であるとか、あるいはシステムに落とし込む、いろんなことが必要になってくるものだと思います。

 そうした中で、この化管法、法目的のところにも、事業者、国民の理解を得つつ進めるといったことが書かれているわけでありまして、ぜひともこの審議会の場を通して、議論を深めていただきまして、関係者の皆さん方の納得感が高いような形で物質が選定されることをやっていきたいと思っていますし、そういったような議論が進むことを期待いたしております。

 どうぞよろしくお願いいたします。

○福嶋環境安全課長補佐 ありがとうございました。

 次に、配付資料の御確認をお願いいたします。本日はペーパーレスの会議ということで、お手元のタブレット端末に資料を格納しております。

 お手元に1枚、タブレット端末の使用についてという紙も置いてございますので、もし御不明な点がございましたら、そちらもご覧いただければと思います。

 タブレットのほうをタップしていただきますと各資料、格納されているかと思いますので、御確認いただけますでしょうか。御希望の方には紙でも配付させていただいておりますが、タップしていただきまして、一度タップしていただきますと資料が開きます。戻りたいときは、もう一回、資料のほうをタップしていただきます、画面をタップしていただきますと左上に「戻る」というのが出てまいりますので、その「戻る」というのを押していただきますと、資料全体が見える画面に戻ってまいります。よろしくお願いいたします。

 御不明な点がございましたら事務局のほうにお申しつけください。

 最初に議事次第をご覧いただけますでしょうか。資料の中ほどにございます。議事次第に書いてございますけれども、資料の1-1から1-2、資料の2-1、2-2、2-3、3-1、3-2、資料の4と、あと参考資料という形で各参考資料をつけてございます。全て格納されていると思いますが、もし過不足等ありましたら、事務局のほうにお申しつけください。よろしくお願いいたします。

 それでは、当方より、中央環境審議会環境保健部会PRTR対象物質等専門委員会の設置の経緯について、御説明させていただきます。

 資料2-3をご覧ください。

 資料2-3のほうには、厚生労働省、経済産業省、環境省のそれぞれの諮問の資料が掲載されてございます。資料2-3の中に、3枚目でございますけれども、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律に基づく第一種指定化学物質及び第二指定化学物質の指定の見直しについての諮問がございます。これが中央環境審議会会長宛てに出されまして、環境保健部会に付議されてございます。これは化管法第18条の規定に基づく諮問となります。また、参考資料1-3の中に、環境保健部会の決定といたしまして、このPRTR対象物質選定の専門委員会を設置し、化管法第2条第2項に規定する第一種指定化学物質及び同条第3項に規定する第二種指定化学物質の指定の見直しに係る専門的事項に関する調査を行うと定められておりますので、これに従って御審議いただければと考えております。

 続きまして、当方より、本専門委員会の委員を御紹介させていただきます。

 資料1-1に委員名簿がございますので、御参照ください。3省庁の審議会の先生方のお名前を全て掲載させていただいておりますが、まず、中央環境審議会環境保健部会PRTR対象物質等専門委員会から照会させていただきます。委員長の青木委員でございます。

○青木委員長 青木でございます。

○福嶋環境安全課長補佐 菅野委員でございます。

○菅野委員 よろしくお願いします。

○福嶋環境安全課長補佐 小山委員でございます。

○小山委員 小山です。よろしくお願いします。

○福嶋環境安全課長補佐 白石委員でございます。

○白石委員 よろしくお願いします。

○福嶋環境安全課長補佐 宮川委員でございます。

○宮川委員 宮川です。引き続きよろしくお願いします。

○福嶋環境安全課長補佐 鈴木委員でございます。

○鈴木委員 鈴木でございます。

○福嶋環境安全課長補佐 亀屋委員は御欠席となってございます。

 菅野委員におかれましては、薬事・食品衛生審議会の委員にも御就任していらっしゃいます。

 また、宮川委員におかれまして、化学物質審議会の委員にも御就任していらっしゃいます。

 私のほうからは以上となります。

○野坂化学物質安全対策室長補佐 厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課化学物質安全対策室の野坂でございます。

 まずは、薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会PRTR対象物質調査会について、御説明させていただきます。

 先ほど、渕岡のほうからも挨拶がございましたとおり、本調査会は、化管法に規定する第一種指定化学物質及び第二種指定化学物質の見直しが所掌事項となっています。また、座長は、日本バイオアッセイ研究センター所長の菅野先生にお願いしております。

 続きまして、本調査会の委員を御紹介させていただきます。資料1-1に委員名簿がございますので、御参照ください。

 座長の菅野先生でございます。

○菅野座長(会釈)

○野坂化学物質安全対策室長補佐

 国立医薬品食品衛生研究所の井上先生でございます。

○井上委員 よろしくお願いします。

○野坂化学物質安全対策室長補佐 同じく、国立医薬品食品衛生研究所の杉山先生でございます。

○杉山委員 よろしくお願いいたします。

○野坂化学物質安全対策室長補佐 一般財団法人残留農薬研究所の北條先生でございます。

○北條委員 よろしくお願いします。

○野坂化学物質安全対策室長補佐 本日、名古屋市立大学の頭金先生は御欠席でございます。

 先ほど、環境省事務局よりお話がございましたとおり、菅野先生におかれましては、本調査会の委員も兼任していただいております。

 続きまして、議事に入ります前に、所属委員の薬事分科会規定第11条、薬事に関する企業との関係性について、御報告させていただきます。

 薬事分科会規定第11条においては、「委員、臨時委員または専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員または当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には辞任しなければならない」という規定がございます。今回、全ての委員の皆様より、関係企業等の顧問等に就任していない旨を御申告いただいておりますので、報告させていただきます。

 委員の皆様には、会議の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

○花輪化学物質管理課長補佐 経済産業省製造産業局化学物質管理課化学物質リスク評価室の花輪と申します。

 私のほうから、化学物質審議会安全対策部会化管法物質選定小委員会について、御説明させていただきます。参考資料1-2をご覧ください。化学物質審議会の構造及びそれぞれの所掌事項が記載されてございます。本小委員会は、化管法第2条第2項に規定いたします第一種指定化学物質及び同条第3項に規定する第二種指定化学物質の選定に関する審議を行うことが所掌事項となってございます。

 続きまして、本小委員会の委員を私のほうから御紹介させていただきます。

 資料1-1の委員名簿をご覧いただければと思います。私のほうから御紹介いたしますが、坂田委員でございます。

○坂田委員 よろしくお願いします。

○花輪化学物質管理課長補佐 東海委員でございます。

○東海委員 東海でございます。

○花輪化学物質管理課長補佐 宮川委員でございます。

○宮川委員 宮川と申します。

○花輪化学物質管理課長補佐 先ほど、環境省事務局より御紹介がありましたとおり、宮川委員におかれましては、中央環境審議会のPRTR対象物質等専門委員会の委員も兼ねていらっしゃいます。

 最後に、森田委員でいらっしゃいます。

○森田委員 森田です。よろしくお願いします。

○花輪化学物質管理課長補佐 なお、本日は、蒲生委員と松江委員は御欠席と聞いてございます。

 また、本小委員会の小委員長につきましては、化学物質審議会運営規定により、小委員会の委員の互選をもって決定することとなっております。つきましては、恐縮ですが、この場をおかりいたしまして、東海委員に小委員長をお願いしたいと思いますが、小委員会の委員の皆様、よろしゅうございますでしょうか。

(異議なし)

○花輪化学物質管理課長補佐 御了承ありがとうございます。

 この場をもちまして、小委員会の委員長は東海委員とさせていただきます。

 では、マイクを福嶋補佐に戻したいと思います。

○福嶋環境安全課長補佐 野坂さん、花輪さん、ありがとうございました。

 本会合には、オブザーバーといたしまして、独立行政法人製品評価技術基盤機構が出席していることを申し添えます。 ほかの事務局の出席者につきましては、配付している座席表を御参照ください。

 本日は、環境省が事務局を担当しておりますことから、本日の議事進行につきましては、中央環境審議会環境保健部会PRTR対象物質等専門委員長の青木委員長に進行をお願いしたいと思います。

 報道関係の皆様におかれましては、カメラ撮影はここまでとさせていただきたいと思いますので、いらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。

 それでは、青木委員長、よろしくお願いいたします。

○青木委員長 そうしましたら、議事次第に従って議事を進行してまいります。

 では、まず本日、一つ目の議題でございます合同会合の正式名は、化管法対象物質見直し合同会合、その設置について、事務局から御説明をお願いいたします。

○関口環境安全課主査 それでは、一つ目の議事の合同会合の設置につきまして、私、環境省環境保健部環境安全課の関口より御説明させていただきます。

 資料につきましては、資料の1-2を御確認いただければと思います。合同会合の運営方針でございます。

 こちら、資料に沿って読み上げさせていただきます。1ポツ目のまず検討内容でございますけれども、化管法の第2条第2項に規定する第一種指定化学物質及び同条第3項に規定する第二種指定化学物質の指定の見直しにつきまして、専門的見地から検討を行っていただきたいと考えております。

 2ポツ目の開催形式でございますけれども、こちら、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会PRTR対象物質調査会と、経済産業省の化学物質審議会安全対策部会化管法物質選定小委員会と、あと、環境省の中央環境審議会環境保健部会PRTR対象物質等専門委員会、これらの合同会議ということで開催をさせていただくものでございます。また、合同会合の名称につきましては、冒頭にございましたが、薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会PRTR対象物質調査会、化学物質審議会安全対策部会化管法物質選定小委員会、中央環境審議会環境保健部会PRTR対象物質等専門委員会合同会合とさせていただきます。

 3ポツ目、座長につきましては、厚生労働省の調査会の調査会長と経済産業省の小委員会の小委員長、そして環境省の専門委の専門委員長の共同座長制とさせていただきます。議事進行につきましては、調査会長、小委員長及び専門委員長が毎回、交代で行わせていただきます。本日、第1回につきましては、環境省の青木専門委員長に座長を務めていただいております。(2)でございますけれども、調査会長が御欠席等御不在の場合におきましては小委員長が、小委員長が御欠席等の場合におきましては専門委員長が、専門委員長が御欠席等の場合におきましては調査会長が議事進行の代理をするということで定めさせていただければと思います。

 4ポツ、とりまとめでございますけれども、本合同会合におきまして、議決が必要な場合におきましては、調査会、小委員会及び専門委員会等で、それぞれの運営ルールに則って行うものでございます。議事終了後の微細な修正等につきましては、調査会、小委員会及び専門委員会の間で調整が必要となる場合におきましては、調査会長、小委員長、専門委員長が共同でそれを行うものでございます。また、検討結果につきましては、各会が所属の審議会の部会等に対して報告を行うというものでございます。

 2ページ目に行っていただきまして、5ポツ目でございますが、本合同会合は、原則、公開とさせていただきます。また、会議において非公開とさせていただくものを除きまして、基本的に、資料につきましても公開とさせていただきまして、厚生労働省、経済産業省及び環境省のホームページにおきまして公開をさせていただくというものでございます。また、(2)の共同座長は、会議の公開に当たりまして、会議の円滑かつ静穏な進行を確保する観点から、入室人数の制限等その他必要な措置を課することができるということで、書かせていただいております。

 また、6ポツ目の会議録、議事要旨についてです。会議録につきましては、発言者の氏名とその発言内容を正確に記載させていただきまして、発言者の御確認を経た上で、後日、各3省のホームページにおいて公開をさせていただきます。(2)の議事要旨につきましては、事務局の責任のもと作成させていただきまして、こちらは後日、速やかに3省のホームページで公開させていただくものでございます。

 7ポツ、今後のスケジュールでございますけれども、本日、12月3日が第1回の合同会合ということでございまして、検討内容といたしましては、議事にございますとおり、合同会合の設置について、及び対象物質の選定の考え方についてということで御審議をいただければと考えております。また、今年度、第2回、第3回の合同会合を予定しておりまして、指定化学物質の具体的な物質をどうするかという御審議と、あと、その取りまとめというところも、今年度内にまとめる方向で考えております。ただ、一応、スケジュールということですので、審議の状況によっては、第4回の合同会合を開催するということもございますので、その点、お含みおきいただければと思います。

 資料1-2の合同会合の運営方針につきましては以上でございます。

 続きまして、資料2-1になります。

 資料2-1の特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法制度の概要でございます。化管法の概要につきまして、御説明させていただきます。

 化管法の法目的でございますが、事業者による化学物質の自主的な管理の改善の促進と環境の保全上の支障の未然防止でございます。また、指針というものが化管法第3条に定められておりまして、指定化学物質等の取り扱い事業者が講ずべき第一種指定化学物質等及び第二種指定化学物質等の管理に係る措置に関する指針でございます。具体的な内容につきましては、化管法の告示のほうに定められております。

 事業者は、国が定める化学物質管理指針に留意した化学物質管理を実施するとともに、進捗状況等の情報提供を行う等、国民の理解を図るよう努めなければならないということで書かれておりまして、こちら、化管法第4条の事業者の責務にも係る内容でございます。これら目的や指針に則りまして、PRTR制度、そしてSDS制度という二つの制度が、この化管法の中にはございますので、それぞれ説明させていただきます。

 PRTR制度でございますけれども、PRTRの対象物質につきましては、人の健康や生態系に有害な影響を及ぼすおそれのある化学物質は462物質が政令で定められております。対象となる事業者は、こちらも政令で定められておりまして、政令で指定する24業種を営む事業者でございます。これら24業種について、従業員数が常用雇用者数21人以上の事業者ということで規定されております。これは事業者単位の要件でございます。また、取扱量といたしましては、第一種指定化学物質の年間取扱量が1t以上、また、特定第一種指定化学物質につきましては0.5t以上の取り扱いがある事業所を有する事業者ということで、こちらが対象になります。平成29年度時点で、およそ3万4,000の事業者からの届け出がございました。

 その下のPRTR制度の仕組みという概要図をご覧いただければと思います。関係者が事業者、国、国民と大きく三つに分けることができます。事業者は、化管法の政令で指定されている要件に該当する場合におきましては、化学物質の環境への排出量ですとか、あるいは下水や廃棄物として事業所の外に移動される、移動量を年に1回、把握をいたしまして、都道府県を経由して国に届出をする制度でございます。国は、届けられた結果を集計いたしまして、物質別、業種別、あるいは地域別等で、その集計結果を公表いたしまして、その公表したデータにつきましては、当然、国民の目にもさらされるものでございますので、国民はそれを見まして、管理状況に対する評価等を行うというのがPRTR制度の仕組みでございます。

 続きまして、SDS制度のほうに移らせていただきます。SDS制度ですけれども、こちらは有害性のおそれのある化学物質及び当該化学物質を含有する製品を、事業者間で譲渡・提供する際に、化学物質の性状及び取り扱い情報を提供することを義務づけている制度でございます。化学物質の適正管理に必要な情報提供を義務づけることによりまして、事業者による自主管理を促進するという枠組みでございます。対象化学物質でございますけれども、先に述べたPRTRの462物質に加えまして、第二種指定化学物質として100物質を合わせた562物質がSDSの対象になります。また、対象事業者ですけれども、こちらは対象業種ですとか従業員数、取扱量等にかかわらず、指定化学物質及び指定化学物質を1質量%以上、特定第一種指定化学物質につきましては0.1質量%以上含有する製品を国内において、ほかの事業者に譲渡・提供する事業者が対象ということでございます。また、このSDSにおきましては、廃棄物につきましては対象外ということでございます。

 おめくりいただきまして2ページ目以降ですけれども、説明が重複する箇所につきましては割愛をさせていただきます。

 2ページ目の図1のPRTRの届出排出量、移動量、移動量単位のイメージ図でございます。こちら①から⑥まで、イメージ図の中に書かせていただいておりますが、①大気、②公共用水域、③土壌、④事業所内での埋立処分、こちらが、環境への排出量として届出対象になります。また、⑤の下水道、⑥の廃棄、廃棄物としての事業所外への移動につきましては、移動量という整理で届出対象になります。化管法の中ではこのように整理をしているところでございます。

 3ページ目に行っていただきまして、(2)のPRTR対象化学物質でございますけれども、先ほど述べたように、政令で指定された第一種指定化学物質462物質が対象でございますが、そのうち、人に対する発がん性、あるいはその生殖発生毒性があると評価されている15物質につきましては、特定第一種指定化学物質として指定されております。また、第一種指定化学物質を1質量%以上、特定第一種は0.1質量%以上含有する製品につきましても、このPRTR制度の対象になります。ただし固形物、一般消費者用の製品等、あるいは密閉された、密封されたものなどの製品につきましては、このPRTR制度の対象外となります。

 (3)の対象事業者でございますけれども、こちらも、先ほど御説明させていただいたように24業種と、あとは、その従業員数ですとか、そういったところの要件が定められております。ただ、それ以外として、また後で御説明させていただきますけれども、他法令で、その化学物質の測定義務等が課されている施設がございまして、そういった特別要件施設と言われるものにつきましても、設置している事業者は対象となります。

 また、(4)罰則でございますけれども、化管法に基づく届出をせず、または虚偽の届出をした事業者におきましては、20万円以下の過料ということが定められております。

 続きまして、3のSDS制度でございますけれども、こちらも、説明が重複するところは割愛させていただきます。(2)の対象化学物質のところでございますけれども、SDSにおきましても、固形物ですとか、一般消費者用の製品等、密封されたものなどの製品については対象外となっております。

 (4)の勧告及び公表でございますけれども、基本的には、その違反する事業者に対しては必要な情報を提供すべきことを勧告することができまして、これに従わない場合におきましては、その旨を公表するという形をとることができます。

 また、(5)罰則でございますけれども、報告徴収に対して報告をせず、又は虚偽の報告をした事業者におきましては、20万円以下の過料ということでございます。

 4の事業者の化学物質管理の促進でございますけれども、(1)の事業者の責務におきましては、先ほど御説明させていただいたとおりでございます。

 (2)の化学物質管理指針の概要でございますけれども、指針で定める事項とされておりますのは、そこに記載させていただいているような設備の改善その他の指定化学物質の管理の方法ですとか、指定化学物質の使用の合理化とか、あるいは、その指定化学物質の管理の方法、使用の合理化及び排出状況についての国民の理解の増進ですとか、そういったことが、この指針の中で書かれているものでございます。

 5ページ目に行っていただきまして、5の施行状況でございますが、平成11年7月に化管法が公布されました。そして、平成13年1月からSDS制度がスタートいたしまして、平成13年4月から事業者による排出量等の把握がスタートいたしました。そして、14年の4月から排出量等のPRTRに基づく届出がスタートされまして、翌平成15年の3月に第1回のPRTRの集計結果を公表したというところでございます。直近は、平成31年3月に第17回目のPRTRの集計結果を公表したというところでございます。

 6の過去の化管法の見直しについてです。これまで、20年ほど制度を運用してきておりますけれども、およそ10年前、平成19年、20年ごろに、化管法の施行状況等を踏まえまして見直しをしたところでございます。この際は、これまでに集まった新たな有害性情報ですとか、あるいは、その化審法の製造・輸入量等の最新データを踏まえまして、化管法の対象物質の見直しを行ったものでございます。また、業種のほうに医療業を追加したほか、PRTRの届出様式のほうに、移動先の下水道処理施設の名称ですとか、廃棄物の処理方法、廃棄物の種類の3点の届出事項の追加を行ったものでございます。

 6ページ目以降からは、化管法の運用状況ということで、参考としておつけさせていただいております。簡単に御紹介させていただきます。

 まず、一つ目の平成29年度のPRTRデータということで、図2が、総届出排出量・移動量ということでございまして、全体で38万7,000トン、移動量、排出量、排出量と移動量の合計がございました。排出量につきましては、その大部分を大気への排出が占めておりまして、移動量につきましては、廃棄物としての事業所外への移動が大部分を占めているものでございます。おおよそ4対6の割合で、排出量と移動量が4対6の割合で構成されております。

 図3につきましては、こちらは届出外排出量と言われるものでして、届出要件に合致しない部分につきましては、国のほうで、その届出区分ごとに推計をするという仕組みになっております。主に四つの構成でございまして、対象業種からの届出外排出量、非対象業種からの届出外排出量これは24業種以外の業種ということでございます。また、家庭からの届出外排出量ですとか、あとは車とか船舶といった、そういった移動体からの届出外排出量というものがございます。主にこの四つで構成させておりまして、非対象業種からの届出外排出量が割合的には一番多いということでございます。

 7ページ目でございますけれども、図4のところが、こちら、届出排出量と届出外の、国のほうで行っている推計の排出量の合計でございまして、おおよそ排出量と、この届出外推計排出量につきましては、こちらも4対6ぐらいの割合でございます。

 (2)でございますけれども、届出排出量・移動量の概要ということでございまして、排出量・移動量が多い上位10物質を、こちらに挙げさせていただいております。

 8ページ目につきましては、②のほうが届出排出量の上位10物質、③が移動量の上位10物質ということでございます。

 9ページ目になりますけれども、こちらが、届出排出量と届出外排出量の合計の多い上位10物質ということになっております。

 10ページ目でございますけれども、2のPRTRデータの推移についてです。表1にございますとおり、PRTRの届出事業所数及び物質数の推移でございますが、事業所数は少し減少しているというところでございます。物質数につきましては、こちら、届出がされている物質数につきましては、ほぼ変わらないという状況でございます。中身については多少の入れ替わりはあると思いますけれども、こんな状況でございます。

 図9が、PRTRの施行当初からのこれまでの経年変化でございます。業種別、物質別に、それぞれ経年的な変化の増減はございますけれども、全体としては、概ね減少傾向というところでございます。ただ、近年におきましては、横ばいの状況が見てとれるというところでございます。

 11ページ目になりますが、こちらは、業種別の届出排出量の推移でございます。上位12業種のみ挙げさせていただきました。

 12ページにつきましては、こちらは物質別の届出排出量の推移でございまして、こちらも上位12業種を挙げさせていただきました。

 (4)につきましては、特定第一種指定化学物質の届出排出量の推移ということで、現在15物質、発がん性ですとか、生殖発生毒性があるものとして定められておりますが、そちらの届出排出量及び移動量の推移を示したものでございます。

 資料2-1の説明につきましては以上でございます。

 続きまして、資料2-2の化管法見直し合同会合取りまとめの概要ということで御説明をさせていただきます。

 見直しの背景でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、化管法につきましては、およそ10年前に一度見直しを行っておりまして、対象物質の入れ替えですとか、あるいは医療業の追加等を行ったわけでございますけれども、そこからおよそ10年が経過をしたというところでございます。また、内閣府の規制改革会議というところに化管法の見直しを、平成30年度開始ということで登録をしたというところでございます。

 また、環境基本計画、こちら、平成30年に閣議決定されたものでございますけれども、この環境基本計画の中で、化学物質のライフサイクル全体のリスクの最小化に向けた取組の推進等について、重点的に取り組むこととされているところでございますので、こうした政府としての約束事に対応するというところからも見直しをするというところでございます。

 そして、平成31年4月から、経済産業省の産業構造審議会と環境省の中央環境審議会の合同会合という形をとらせていただきまして、見直しの審議を実施したところでございます。そして、6月28日に合同会合の取りまとめ、そして、環境省におきましては、今後の化学物質の環境対策のあり方についてということで答申としてまとめたところでございます。

 この取りまとめ、あるいは、答申の中で示されたことといたしましては大きく5点ございます。一つ目が、今回、具体的に御審議いただく対象物質の見直しの考え方です。二つ目が、特別要件施設の点検でございます。この特別要件施設の点検というものは、水俣条約対応としての大防法の改正が平成27年に行われまして、平成30年4月1日に施行されたところでございますけれども、この改正の内容は、廃棄物焼却施設等における水銀の測定義務が課されたものでございます。先ほど述べたように、化管法の中では特別要件施設というものを定めておりまして、他法令で測定が義務づけられるものにつきましては、その測定された結果について化管法の届出をしていただくということでございます。

 現在は、ダイオキシン類が大気への排出という観点で特別要件施設の枠に入っておりまして、そこに水銀を追加するという方向で、答申にも、追加したほうがよろしいのではないかと書かれているところでございます。

 また、3つ目の届出データの正確性の向上です。こちらにつきましても、化管法は、情報的手法でございまして、PRTRデータはさまざまな環境施策の立案に関する、あるいは制度を運用する上での重要な基礎データになっているところでございます。また、リスクコミュニケーションなど、さまざまな基盤として活用されているというものでございます。そのため、PRTRデータのその正確性の確保というところは一層重要なところでございますが、現在の運用では、届出後5年間までは、例えば、新たな知見が出てきたことによる排出量の算定方法を変えての算出ですとか、あるいは、そのデータの訂正等による届出データの修正、あるいは追加を認めている状況でございまして、届出排出・移動量は、国の公表後に確定するまでに少し時間がかかるというような状況でございます。

 こういったところから、まずは、国のほうで届出の排出、あるいは移動量の公表後に生じている修正等につきまして、その要因の解析を実施いたしまして、あるいは届出項目の精緻化ですとか、PRTRの排出量算出マニュアルの見直しといった、そういったことを進めていく必要があるのではないかということで答申のほうには書かれているところでございます。

 4つ目の災害に対する既存のPRTR情報の活用及び情報共有につきましては、近年、大規模な地震ですとか、あるいは記録的な豪雨が頻発しておりまして、それに伴いまして、化学物質を取り扱う工場等からの化学物質の漏えい事案等が発生しているというところがございます。そういったところから既存のPRTRデータをどう活用できるのかという観点に立ちまして、答申におきましては、平時からの地方公共団体と事業者との情報共有ですとか、あるいは災害対応時に、既存のPRTRデータの情報をどういうふうに活用していくか、そういうところも検討をするというところで、これらの取組を化学物質管理指針のほうに位置づけていくというところで、方向性が示されているものでございます。

 最後、廃棄物に移行する化学物質の情報提供のあり方でございますけれども、廃棄物の処理におきましては、基本的に廃棄物処理法において、その措置が規定されているところでございますが、産業廃棄物の排出事業者は、その産業廃棄物の適正な処理のために必要な廃棄物の情報を提供することとされております。環境省においては、WDSと言われている廃棄物情報データシートのガイドラインを策定いたしまして、このWDSの活用を推進しているところでございます。

 先般、申し上げましたとおり、廃棄物につきましては、製品というわけではございませんので、化管法におけるSDSの対象ではありません。このため製品間のSDSの情報提供とWDSとの間に溝が生じている状況でございます。今後の検討の方針といたしましては、廃棄物に含まれる化学物質の情報提供については、WDSなどの廃棄物処理法による対応を前提としつつ、廃棄物の適正な処理の観点から有用な場合には、廃棄物の処理委託時にSDSの情報を有効活用いたしまして、必要な情報を自主的に提供するように周知するというようなことが考えられるというふうに答申は書かれているところでございます。

 右に行っていただきまして、対象物質の見直しの考え方でございますけれども、答申の中では、主に四つの観点が示されているところでございます。一つ目が、対象とする物質、候補物質ということで母集団の考え方、そして②、有害性の判断基準ということで、こちらは、後ほど資料3-1のほうで詳しく説明させていただきます。また、③の環境中での存在に関する判断基準ということで、ばく露性の判断基準になりますけれども、こちらも資料3-2で詳しく説明をさせていただきます。そして④でございますが、環境保全施策上必要な物質ということで、こちらについても、ばく露要件から外れるものについても、こういった観点で指定したほうが良いのではないかという物質につきましては、この環境保全上必要な物質ということで、PRTR等の対象にするというところで方向性が示されているところでございます。本合同会合におきまして、この具体的候補物質の審議のほうをしていただければと考えております。

 続きまして、資料2-3でございますけれども、先ほど、福嶋のほうから御説明させていただきましたが、資料2-3の1枚目が、厚生労働大臣から薬事・食品衛生審議会の会長宛てへの諮問でございます。

 2ページ目が、経済産業大臣から化学物質審議会の会長への諮問でございます。

 3ページ目が、当時の環境大臣から中央環境審議会の会長への諮問文でございまして、最後に、中央環境審議会の会長から、中央環境審議会保健部会の部会長への付議というところでございまして、今回の合同会合を開催するに当たりまして、必要な手続につきましては、完了しているというところでございます。

 以上、議題1の合同会合設置についての説明を終了させていただきます。

○青木委員長 ありがとうございました。

 ただいま事務局のほうから、本合同会合の運営方針、それから法制度の概要、そして、この合同会合に先立って行われました化管法見直し合同会合の取りまとめの概要について、御説明いただいたところでございます。

 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問があればお願いいたします。恒例に従いまして、御質問がある方は、この前の名札を立てていただくということでお願いしたいのですが、いかがでございましょうか。では、菅野委員

 

○菅野座長 WDSとの関係で、資料2-1の図2、3、4の関係で、一度お尋ねしたいと思っていたんですが、単純に図2と3のトン数を足すと、図の4のトン数より23万トンぐらい多くなるんですよね。その差は何かというと、図2の60%を占める移動体になるんですが、これを、そのWDSでカバーするというような概念で捉えてよろしいんでしょうか。それが、ここ全体のコンセンサスなのか、そこら辺がちょっとわからなかったんですが。

○青木委員長 よろしいでしょうか。

 お願いします。

○関口環境安全課主査 御質問ありがとうございます。

 WDSでカバーするというところについて、こちらのほうで考えておりますのは、WDSを活用いたしまして、廃棄物の中にどういった物化性状の化学物質が、どれぐらいの量入っているかとか、そういったところを把握するというところでございまして、必ずしも、この図2のところで示しているような、その数値そのものの補足ですとか、そういったところとは、またちょっと、性質としては異なるというところで御理解をいただければと思います。

○青木委員長 よろしいでしょうか。

○菅野座長 単純に23万トンどこへ行っちゃったのかなという素朴な質問から発しているもので、数字として出ているものの扱いが、はっきりするとありがたいなと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

○青木委員長 事務局よろしいでしょうか。

○笹原環境安全課長補佐 少し補足をさせていただきます。

 こちらの移動量に関しましてですが、中は下水処理への移動と、廃棄物としての外への移動というものが含まれているものでございます。下の図3で御説明したのですが、届出外排出量の構成というものがございますけれども、この中で、下水処理施設から排出される分が推計をされております。一方、下水処理施設からの処理施設は特別要件施設にもなっておりますので、一部の測定義務がかかっている物質に関しましては、届出として、届出排出量のほうに含まれてきているところでございます。

 廃棄物の移動量でございますけれども、これに関しては昨年度届出外推計において、一般廃棄物処理施設からの排出量ということで公表のほうをさせていただいております。産業廃棄物処理施設に関しましても、現在、検討を進めさせていただいているところでございまして、これも検討が整った段階で、届出外排出量の中に含めて推計として公表をさせていただきたいと思っております。

 WDSの話とSDSの話は、情報伝達の話でございますので、量の把握というところよりは伝達していくというところで、量の把握ということでは届出外排出量、あるいは特別要件施設ということで把握をするということでございます。

○青木委員長 ありがとうございました。

 なかなか、皆様、関心のある問題だと思いますので、その点、今後、いろいろ情報提供等々していただければいいのではないかと思います。

 さて、他にございますでしょうか。なければ、次でございましょうか。

 続きまして、対象物質の選定の考え方について審議をお願いしたいと思います。

 事務局から、まず資料の説明をお願いいたします。

○笹原環境安全課長補佐 それでは、資料3-1、3-2、資料4に基づいて御説明をさせていただきたいと思います。

 資料の構成ですけれども、資料の3-1が有害性の観点からの対象化学物質の見直しの基準の話でございます。資料の3-2がばく露の観点からの化管法の対象物質の見直しの基準というお話でございます。

 資料3-1、3-2に論点が混在しておりますので、資料4という形で、今回、結論を出していただきたい点について、論点という形でまとめをしているという構造でございます。

 それでは、資料3-1から御説明をさせていただきたいと思います。

 資料3-1の構成でございますけれども、4項目から作っておりまして、1ページが背景、4ページから、現行の選定基準、7ページから、今回の基準(案)、9ページから課題でございまして、10ページ以降が情報源のリストの案をお示しさせていただいております。

 では、1の背景からでございます。

 (1)でございます。化管法の制定時の検討でございます。化管法の制定時、12年の2月に、物質選定に関する基本的な考え方の答申をいただいておりまして、この選定基準に基づきまして選定が行われているところでございます。下の四角囲いの中が、その考え方ということでございますけれども、①、②、③、④、④’とございますが、①、②、③、これが有害性の基準ということでございます。

 ①でございますけれども、人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息若しくは生育に支障を及ぼすおそれがあるもの。②といたしましては、当該物質が、自然的作用による化学的変化により容易に生成する化学物質が、先ほど御紹介いたしました①に該当するもの。③といたしまして、オゾン層を破壊し、紫外線放射の地表に到達する量を増加されることによって人の健康を損なうおそれがあるもの。有害性の観点では、この3点で選定をされています。

 ばく露に関しましては、次の資料で御説明いたしますけれども、有する物理的化学的性状、その製造、輸入、使用又は生成の状況からみて、相当広範な地域の環境において当該化学物質が継続して存すると認められる化学物質で、政令で定めるものが第一種指定化学物質、すなわちPRTR制度の対象になる物質のばく露要件ということになります。

 続きまして、その下で④’でございますけれども、SDS、当時はMSDSと申しておりましたが、MSDSのみの対象となる第二種指定化学物質につきましては、有害性要件に関しては一種と同様の考えを用いておりますけれども、ばく露要件だけが異なっておりまして、その有する物理的化学的性状からみて、その製造量、輸入量又は使用量の増加等により、相当広範な地域の環境において当該物質が継続的に存することが見込まれる化学物質で、政令で定めるものというような違いを持っております。

 この基準に基づきまして、選定された物質でございますけれども、第一種指定化学物質が354物質、そのうち、人に対する発がん性があると判断されたものを特定第一種指定化学物質と称しておりまして、その物質が12物質、MSDS制度のみの対象となる第二種指定化学物質が81物質指定をされております。

 そこから7年程度たちまして、(2)平成19年~20年における検討でございます。平成19年の8月、中間とりまとめを経済産業省と環境省の合同会合でいただいております。化管法の対象物質については、以下の観点から見直しを実施すべきというふうにされております。下の四角囲いが、その内容の抜粋でございます。

 この中では、5年間のPRTR制度に基づく各物質の届出や推計の状況、環境リスク等の評価の結果等についても考慮することが必要ということの指摘を受けたところでございます。また、化学品の分類及び表示に関する世界表示システム、GHSとの整合性を目指すべきであるという指摘を受けております。さらに、特定第一種指定化学物質については、制定時は発がん性のみで制定をしておりましたけれども、GHSとの整合性を踏まえまして、新たにエンドポイントの追加、例えば、ヒト生殖細胞に対する変異原性や人に対する生殖毒性を検討すべきであるとされております。

 こうした観点を踏まえた平成20年の物質見直しに関する答申を平成20年答申としていただいております。具体的な選定基準を定めまして、それに従って物質選定が行われました。この結果、第一種指定化学物質については462物質、GHSにおいて、変異原性、生殖発生毒性の管理を強化していることから、特定第一種指定化学物質としては、3物質増えまして15物質、MSDS制度のみの対象となる第二種指定化学物質として100物質が指定をされております。

 また、平成20年答申でございますけれども、以下の点が課題とされております。下の四角囲いが抜粋でございます。下線部をご覧いただきたいと思いますけれども、次回の見直しにおいては、今後の評価作業の進展に応じて、初期リスク評価の結果のより一層の活用を検討すること、また、次回の見直しにおいては、物質選定の基準とGHSとの一層の整合化を目指す、また、付随的生成物の選定に向けた排出量把握方法の確立などの課題に、引き続き、取り組む必要があるとされております。

 続きまして(3)令和元年における検討でございます。令和元年6月28日に環境省と経済産業省合同の会合の取りまとめが出ております。この中で、物質選定につきましては、以下の指摘、まとめがなされているところでございます。これにつきましては、現行の選定の考え方、これは制定時ということになりますけれども、評価手法が確立して、一定のデータの蓄積がある項目として、1.発がん性から9.オゾン層破壊物質を対象項目として、選定しております。各項目について、PRTR、SDS対象物質の具体的な選定基準を設定していると振り返りをしまして、これらの有害性項目においては、平成20年答申において、さらなるGHSとの整合化が求められているところであり、科学的根拠の蓄積の状況等を踏まえつつ検討することが適当だろうという指摘がなされているところでございます。

 4ページへ行っていただきまして、上のところでございますけれども、特定第一種指定化学物質については、これまで人健康の観点で発がん性等について指定されてきましたが、これに加えまして、欧州REACH規則のSVHCでは、CMRのほかPBTとして、環境中での残留性、蓄積性を有する場合に、毒性として長期毒性が考慮されていること、また、GHS分類の進捗、化審法によるリスク評価の進展等によって、特に生態毒性に関する知見が充実してきていること等を勘案した上で、一定以上の生態毒性を有する化学物質のうち、難分解性かつ高蓄積性があるものを特定第一種指定化学物質の指定要件として検討し、追加することが適当となされているところでございます。今回の見直しについては、これらの課題、あるいは6月の答申の指摘事項等を踏まえまして、検討していくということになっております。

 続いて、現行の選定基準について御紹介をしたいと思います。現行の基準については、冒頭で申し上げたとおり第一種、第二種と共通のものを使っており、有害性を判断するための項目としては、原則として、国際的に信頼性の高い専門機関でデータの評価が行われている項目や、統一的な試験方法により物質相互の比較が可能なデータが得られている項目として、次の項目を用いたと。有害性に関しては、発がん性からオゾン層破壊物質までとなります。

 物質選定に用いた有害性に関する各項目については、その優先性や選定範囲を検討するため、幾つかの有害性の強さの分類を行うことといたしました。また、有害性の各項目は、それぞれ異なる作用を表すものでございますので、有害性毎の分類性を、分類の組み合わせた最終的な分類の設定などは行わず、有害性項目毎に、一定以上の分類のものを対象とすることとしております。

 以下、発がん性から具体の分類について御紹介をしております。

 発がん性に関しましては、定性的に各国の機関であるとか国内の機関で、ある程度評価がなされているものについて、化管法のクラスを設定いたしまして、それを選定するという方法をとっております。

 続きまして、変異原性でございますけれども、変異原性につきましては、in vivo試験において陽性であるものをとるほか、in vitroの試験におきまして、比活性値やD20値であるとか、そういったものを考慮して選定するということにしております。

 6ページに行っていただきまして、経口慢性毒性に関しましても、各機関において得られた水質の基準値であるとか、NOAEL、LOAEL、ADIといった数値を持ってくるということをしております。

 吸入慢性毒性につきましても、表のようにお示しをしているとおりでございます。

 また、作業環境許容濃度から得られる吸入慢性毒性につきましては、表5のとおりということでございます。

 7ページへ行っていただきまして、生殖発生毒性に関しましては、EUのリスク警句でカテゴリーの分類が行われているものかつ根拠となる定量的データがある場合に選定することとしております。

 感作性につきましても、各機関で基準設定がされているものかつACGIH、あるいはEUリスク警句につきましては、根拠となる定量的データがある場合選定されることと

しております。

 生態毒性に関しましては、NOEC、あるいはLC50、EC50の数値で見るほか、EUのリスク警句におきまして、カテゴリーの評価がされているものについて根拠となる定量的データがある場合について選定するということをしております。

 「オゾン層破壊物質」に関しましては、モントリオール議定書の規定に即して国際的に合意されている物質を選定するということをしております。

 1と2を踏まえまして、3といたしまして、今回の見直しにおける有害性の観点からの物質選定の方法の案をお示しさせていただいております。

 まず、(1)でございます。現行の選定の考え方では、2にお示しをしたとおり、評価手法が確立しており、一定のデータの蓄積のある項目といたしまして、1.発がん性から、9.オゾン層破壊物質を対象としているところでございます。現時点におきましても評価手法の確立及びデータの蓄積の観点からは、上記の9項目を選定することが妥当と考えられるとしております。また、今回の見直しにおいては、有害性項目及び具体的な選定基準は、現行のものを引き続き採用することとしてはどうかということで記載をさせていただいております。

 続きまして、(2)でございます。特定第一種指定化学物質の選定の考え方でございます。これに関しましては、次回以降、具体的な基準について御相談をさせていただきたいということで、今回は、その案ということはお示ししていないという状況でございます。

 続きまして、(3)有害性の情報源ということでございます。具体的には、10ページ以降の情報源の表をご覧ください。平成20年の答申の情報源に加えまして、冒頭申し上げましたとおり、化審法のスクリーニング評価、リスク評価の有害性評価は非常に充実しているということでございまして、それらの情報源を優先順位1として用いたいということでございます。その他の発がん性におけるIARCの評価であるとか、現行、優先的に用いているものに関しましては、そのまま使わせていただきたいと考えております。

 こういった対応ですが、平成20年答申で指摘をいただいております次回の見直しにおいては、今後の評価の進展に応じて、初期リスク評価の結果の一層の活用であるとか、情報を活用していこうという観点にも対応したものとなっているかと思います。

 では、裏面でございます。今後の課題ということでございます。今回の見直しにおいては、初期リスク評価の一層の活用及び一定以上の「生体毒性」を有する化学物質のうち、難分解性かつ高蓄積性があるものを特定第一種指定化学物質に指定する要件として検討することとしましたが、次回の見直しに関しましては、GHSでも動きがあるところでございますので、そういった動向も踏まえながら、化管法の物質選定基準のあり方について、引き続き検討を行うこととしたいと記載させていただいております。

 資料3-1については以上でございます。

 続きまして、資料3-2に基づいて、御説明をさせていただきたいと思います。

 こちらも、資料の構造といたしましては、1ページから、1、背景、1ページの中ほどから現行の選定基準、2ページの中ほどから今回の選定方法というようなつくりにさせていただいております。裏面に課題、4に排出係数に関する論点ということでまとめております。

 では、冒頭より御説明させていただきます。

 制定から見直しに係る考え方は、3-1のほうで御説明させていただきましたので、令和元年の取りまとめを中心に御説明したいと思います。

 取りまとめの内容に関しましては、資料2-2で御紹介しておりますし、そのものについては、参考資料2-2におつけしておりますので、適宜、ご覧いただければと思います。

 ばく露の観点からの化管法の対象化学物質の見直しについては、従来使用してまいりました一般環境中での検出状況のほか、PRTR制度に基づく情報が充実してきたということがございますので、相当広範な地域の環境での継続的な存在の程度と相関性がある指標として、製造輸入数量から排出量に変更して、使用することが示されております。

 令和元年の取りまとめにおきましては、現行の化管法のPRTR対象物質については、PRTRの届出排出量、移動量や届出外排出量を活用いたしまして、その他の物質については、一部は化審法の排出係数等を活用し、その他は製造輸入数量を活用するということも示されております。これに関しましては、後ほど詳しく御紹介させていただきたいと思っています。

 2が現行の選定方法でございます。前回の見直しにおきましても、排出量を使えるのではないかという議論はあったところですけれども、その時点ではデータの蓄積が十分でなかったため、前回においては一般環境中での検出状況に加えて製造輸入数量を用いている状況になっております。

 製造・輸入数量の判断については一定の量を定めて、これを超えることで相当広範な地域での、環境での継続的な存在といたしました。特に重篤な障害をもたらす物質、使用形態から見て明らかに環境中に放出されやすい農薬及びオゾン層破壊物質については、安全側として製造・輸入量10トン以上を判断基準として用いております。

 また、オゾン層破壊物質については、その使用形態から見て、製造・輸入が禁止されているものであっても現在もなお使用されている可能性が高いということから、製造・輸入量として過去の製造・輸入量の累積量を使用しておりました。また、一般環境中での検出状況を判断する場合には、一定の枠組みの中で管理されて行われているモニタリングデータとして、化学物質環境実態調査等を用いておりました。具体的な選定基準は以下のとおりでございます。

 第一種指定化学物質において一般環境中での存在状況ということで、モニタリングの結果も用いておりますが、これにつきましては複数の地域から、過去10年間の調査において、複数の地域から検出された物質というものを選定しておりました。また、モニタリングはない場合では、1年間の製造・輸入量が100トン以上の物質で、先ほど御紹介したとおり、農薬等については10トン以上ということでございます。

 裏面に行っていただきまして、2ページでございます。

 第二種指定化学物質に関しましては、一般環境中での検出状況については、過去10年間で1地域から検出された物質、あるいは1年間の製造・輸入量が1トン以上の物質ということにしております。表1に今まで申し上げたことについて、まとめをしております。

 これらを踏まえまして、今回の見直しにおけるばく露の観点の選定方法ということでございます。これに関しましては、令和元年の取りまとめでかなり詳しく記載しておりますので、そちらの内容をお示ししたものでございますけれども、順に説明していきたいと思います。

 3.1、ばく露の選定方法でございます。一般環境中での検出状況に関しましては、現行と同様に、一般環境中での検出状況が、相当広範な地域環境での存在を判断する指標として最も確度の高い指標であるため、今回についてもそれを用いることとしたい。なお、前回の見直し以降、この10年間で測定精度の向上等が見られたことがございますので、今回の見直しにおいては以下のような運用をすることが適当とされております。

 1点目でございますけれども、水質モニタリングにおいて、同一水系で同年に複数地点で検出された場合は一地域とみなす。ただし、水系が長く、複数地点で検出が異なる原因によると考えられる場合はこの限りではない。

 2点目、大気モニタリングにおいて、同一市町村で同年に複数地点で検出された場合には、一地域とみなす。ただし、複数地点での検出が異なる原因によると考えられる場合はこの限りではないという記載をさせていただいております。

 3ページに行っていただきまして、(2)検出状況以外の判断基準でございます。

 これにつきましては、①②③というふうに物質の場合分けをいたしまして、後ほどの3ページの中ほど以降の資料も①②③ということで区分しておりますので、対応してご覧いただければと思います。

 まず①ですが、これが現行の第一種指定化学物質でございます。現行の第一種指定化学物質につきましては、届出の排出移動量、届出外排出量が得られるということでございますので、これを排出量の指標として使っていくということでございます。

 ②③でございますけれども、こちらが現行の第一種指定化学物質ではない物質になります。②におきましては、化審法用途のみの物質でございます。化審法につきましては、第55条に化審法と同様な製造量の規制等をし得るものに関しましては化審法の対象外とするという規定がございます。ですので、医薬品とか農薬のようなそういった用途がない物質に関しましては化審法用途のみの物質ということでございます。

 化審法用途のみの物質に関しましては、化審法の届出製造数量や、出荷数量が得られますし、化審法の排出係数というものがありますので、これらを組み合わせることによって推計排出量が算出でき、これをばく露の指標に用いたいということでございます。

 ③に関しましては、先ほど御紹介いたしましたような用途があるもの、化審法の用途があるものもありますが、それ以外の用途があるものに関しましては、化審法のそういった製造輸入数量等を得られない、また排出係数もわからないということでございますので、こういったものに関しては、これまで同様に製造輸入量によって選定するという、大きなフローでございます。

 では、①②③に関しまして、それぞれ詳しく御紹介していきたいと思います。

 3ページの中ほどから、①の現行の第一種指定化学物質ということでございます。

 排出量に関しましては、届出排出量と、先ほど資料2-1でも御紹介しておりますけれども届出外排出量、これを組み合わせていくということでございます。これまで100トン以上と製造輸入数量のときはさせていただいたところでございます。では、今回どのような数値を設定するかということでございますが、これに関しましては、新たな第一種指定化学物質の選定の基準としては農薬の製造輸入数量のすそ切り値を、農薬が最終的には環境に排出される性格のものであるということから10トン以上と設定しているということでございますので、これを踏まえまして、届出排出量+届出外排出量が10トン以上のものというふうにさせていただこうということでございます。

 また、第二種指定化学物質に関しましては、第一種指定化学物質には該当しないものの、ばく露の増加により将来、第一種指定化学物質となることが見込まれる物質ということでございますので、現行では製造輸入数量を指標ということにしているわけですが、現行の第一種指定化学物質のうち、新たな第一種指定化学物質の要件に該当しなかった物質について、第一種指定化学物質と同様に排出量を用いるということは考えられるだろうということにしております。

 数量の規定でございますけれども、第一種指定化学物質が10トン以上であることに対して、第二種指定化学物質は1トン以上と、農薬でされているということもございますので、これを参考に新たな第二種指定化学物質で排出量1トン以上のものを対象とするとしています。

 4ページの(B)でございます。移動量の多い物質の勘案でございます。

 先ほど、菅野委員からの御質問で回答させていただきましたが、本来であれば、移動量から先の排出量を選定に用いるということが適当かと思われますけれども、まだ非常に限られた部分でしか推計できていないということもございますので、移動量のうち、どれだけの量をとればいいかという議論が答申ではなされております。

 これにつきましては、化審法の少量新規・低生産量審査特例制度というものがございまして、こちらにおいて廃棄段階からの排出係数として最大のものが概ね0.1トンであることを勘案して、移動量については排出量よりも一桁大きい移動量100トン以上のものを新たな第一種指定化学物質の対象とするというふうにしております。

 また、第二種指定化学物質については、移動量10トン以上のものを対象とするというふうにしております。

 続きまして、②のパターンの物質でございます。

 現行の第一種指定化学物質では指定されておりませんが、化審法用途のみの物質でございます。これに関しましては、後ほど、4の現行の第一種指定化学物質じゃない物質の排出量算定のための排出係数の設定方法に詳細を示しますので、ここでは割愛させていただきますが、3の冒頭で御説明いたしましたとおり、これに関しましては化審法の製造輸入数量や出荷量が得られることから、排出係数が得られますので、それらを組み合わせることによって、算出された推計の排出量を指標としようということでございます。

 推計の排出量でございますけれども、現行の第一種指定化学物質は事業者様より届出していただいているものでございますので、それに比べると精度の観点で劣るというふうに考えられますが、現時点では現行の指定化学物質と差を設ける定量的データも得られていないので、排出量が10トン以上の物質を新たな第一種指定化学物質に、1トン以上のものを第二種指定化学物質の対象とすると、答申で記載されております。

 続いて、③現行第一種指定化学物質ではない物質のうち、化審法用途以外の用途もある物質でございます。

 これに関しましては、当該用途については、化審法において製造輸入量の届出義務は課されておらず、また、前回の物質見直しの際にはアンケート調査「化学物質の製造・輸入量に関する実態調査」というものが行われていたところでございますけれども、直近では行われていないため、答申に記載された母集団として挙げられた物質について、以下の表2にお示しする統計情報、これはCASごとの情報に置き直しまして、母集団に入っており、かつ、表2にあるもので量が把握できるもの、そういったものを用いていくということにしております。

 これに関しましては、現行の基準を踏襲しまして、第一種指定化学物質では100トン以上のもの、農薬については10トン、オゾン層破壊物質については累積製造輸入量が10トン以上というものをとりたいと思っております。また、新たな第二種指定化学物質についても、現行どおり1トン以上とさせていただきたいと考えております。

 6ページの(3)に取りまとめ、今御説明したことを表にまとめております。

 続きまして、3.2、環境保全施策上必要な物質としての選定方法でございます。これも答申に記載されているものでございますけれども、PRTRの情報は、国の環境保全上の支障の未然防止を図るための総合的な対応策をとるために環境排出量の把握が必要とされている化学物質を指定対象物質に指定することが必要であるということでございます。ですので、以下でお示ししているような物質について、これも対象に加えていきたいということで答申に記載されております。

 ただし、化管法におきましては、「当該化学物質又はその変化物が人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息若しくは成育に支障を及ぼすおそれがあるもの」又は「当該物質がオゾン層を破壊するおそれがあるもの」とされておりますので、こういった物質について、候補として抽出し、かつ、有害性が確定したものについては、対象として加えていくというような考え方でございます。

 今御紹介いたしました選定フローについて、図1、図2ということで、まとめさせていただいております。

 それでは、②のパターンの物質の排出係数についてでございます。

 令和元年の取りまとめにおきまして、抜粋でございますけれども、以下の四角でお示ししているとおりでございます。

 化審法の排出係数でございますけれども、9ページの上の四角の中の三つの表をご覧ください。化審法の排出係数といたしましては、今使用可能なものは3種類ございます。優先評価化学物質のリスク評価に用いる排出係数、一般化学物質のスクリーニング評価に用いる排出係数、もう一つが少量新規特例・低生産量特例に用いる排出係数、この3種類がございます。

 10ページの図をご覧いただいたほうがわかりやすいと思いますが、今御紹介したリスク評価の排出係数は非常に用途が細かく設定されており、用途が細かく得られるわけではございませんので、スクリーニング評価の排出係数を使っていくのが現実的かなというところでございます。

 こちらの図でございますけれども、一番上が化審法のスクリーニング評価用の排出係数というものでございます。化審法で製造数量と出荷数量を把握できますので、これに対して排出係数が設定されているというものでございます。

 この中で、化審法新規特例用排出係数というのがございますが、それは青囲いでございます。長期使用製品の使用段階のEFと、排出段階のEFがございますけれども、この部分に関しましては、スクリーニング評価は魚網防汚剤以外でまだ考慮はできていないということでございます。第5次環境基本計画におきまして、化学物質のライフサイクルを通じた把握が、非常に重要だということが記載されておりますので、何とか長期の段階と廃棄の段階を考慮せねばならないだろうということでございます。

 では、化審法の新規特例の排出係数をそのまま使うかということですが、新規特例用の排出係数の下にございますけれども、こちらはリスク評価詳細用途ごとの最大の排出係数を幾何平均して、各段階の排出係数を設定されています。

 リスク評価の排出係数は非常に細かい用途、または物化性状ごとに設定されているということでございます。蒸気圧が高ければ大気もたくさん出てくるというような設定になっているのですけれども、蒸気圧が一番高いところのものを幾何平均するというような方法をとっておりますので、新規特例用の排出係数は工業的・家庭使用段階までのところは、かなり大きく設定されているということがございます。化管法の排出係数を設定するに当たっては、大きな課題になってしまうということもございますので、今回はスクリーニング評価用の排出係数の考え方と、新規特例用の排出計数の後ろの部分、長期と廃棄を組み合わせて使っていこうという考え方が答申に示されたというところでございます。

 この考え方に基づきまして計算させていただいたのが、11ページの排出係数でございます。比較用に化審法のスクリーニング評価用のものと化審法の新規特例用のものを並べてお示ししておりますけれども、今回用いる排出係数については一番右側の列ということでございます。

 今回はこれを用いてよろしいかということで、御判断をいただきたいというふうに考えております。

 では、最後に5の課題でございます。

 今回の見直しにおきまして「現行の第一種指定化学物質ではない物質のうち、化審法用途のみの物質」の選定については、現時点で審議会の議論を経ている数値としては、化審法の排出係数を利用し、物質収支を考慮の上で推計排出量を算出しておりますが、本来であれば、化管法として適切な排出係数を検討することが必要である。今後の対象物質の見直し等に向けて、化学物質のライフサイクル全体での環境排出等に関する科学的知見の集積に努め、関係者とも連携し、必要に応じ排出係数の設定等を行うこととする。そういったことが課題ではないかということでまとめさせていただいております。

 では、続きまして資料4でございます。

 資料3-1、3-2で御紹介はしておりますけれども、今回の合同会合で結論を出していただきたいということがございますので、一つ一つ御紹介したいと思います。

 まず1として、有害性の観点からの論点でございます。

 ①といたしましては、有害性の判断に係る項目及び選定基準として、評価手法が確立して一定のデータの蓄積のある項目、選定基準はどのように設定するかということでございます。

 これについては、対応案といたしまして、物質選定を行う際の有害性項目は現行と同様に以下の9項目とし、選定基準も現行と同様に設定することでどうかということでございます。

 ②でございます。化管法の対象物質を選定するための有害性データに関する情報源について、最新の科学的知見を踏まえ更新する観点から、有害性の情報源はどのようにするかということでございます。

 対応案といたしましては、現行の情報源に加えまして、先ほど御紹介いたしましたとおり、化審法のスクリーニング評価、リスク評価における有害性評価に用いた情報源を優先順位1として用いることでどうかということにさせていただいております。

 ③でございます。少し毛色が違う話になりますけれども、付随的生成物、多環芳香族炭化水素などでございますけれども、これらの物質については対象物質とするかということでございます。

 これにつきましては、対応案といたしまして、大気あるいは水質の規制を引き続き注視いたしまして、個別事業所に対して濃度測定の義務等が課せられることとなった場合に届出の対象とすることを検討することでどうかとさせていただいております。

 2といたしまして、ばく露の観点からの論点でございます。

 ①といたしまして、現行の第一種指定化学物質ではない物質のうち、化審法用途のみの物質の推計排出量を算出するための具体的な排出係数は何かということでございます。

 これにつきましては資料3-2、表4にお示ししたとおり、取りまとめに記載された方法により算出した排出係数を用いることでどうかということでございます。

 最後、②でございますけれども、現行の第一種指定化学物質ではない物質のうち、化審法用途以外の用途もある物質の化審法以外の用途の製造輸入量に用いる統計情報は何を用いるかということで、これに関しましては、資料3-2、表2にお示ししたとおりの統計情報を用いることでどうかとさせていただいております。

 資料4まで、以上でございます。

○青木委員長 ありがとうございました。

 では、議論に入りたいと思います。資料3-1が対象物質の見直しについてという資料で、主に有害性のこと、それから3-2がばく露の観点からの見直しのこと、それから、資料4が論点ペーパーということでなっております。

 議論を始めていただく前に、事実確認しておきたいこと、わかりにくかった点など、議論をちゃんと進めるために、そういう点をお持ちの先生はいらっしゃいますでしょうか。

○菅野座長 資料3-2の表4です。理屈としては用途分類の右側に数字が三つ並んでいまして、化審法スクリーニング評価と新規特例の数字が並んでいて、その後に、今回使う数字が書いてあるわけですが、理論的には、この二つの数字が上限と下限であって、その間に来るはずです。ところが、1行目と下から3行目だけ、例外的に、外れているんですね。計算上のあやではないかと思うのですが、これをこのまま放っておいていいのか、ちゃんと幅の中におさめたほうがいいのか、数字の問題として、1行目の中間帯は0.001と0.004の間に入るのが普通だと思うんですが、0.0008。丸めれば一緒なんですが。

 一番下から3行目が、0.00008、0.004、0.00007ということで、律儀に計算すると、こうなるとは思いますけども、これらが中間値から外れていいんだろうかという質問です。

○青木委員長 いかがでしょうか、事務局のほうから。

○笹原環境安全課長補佐 御指摘のとおりでございまして、計算方法の、本当にあやという感じでございます。ほかの用途とも統一的に計算している観点で、こういう形になっているということでございますので、これが化管法の排出係数だけの問題というわけでもなくて、ほかの用途とも統一的に計算して、今回このような形になっておりますので、次回に向けた課題とさせていただくと同時に、どうしてこういうことになっているかというのは、追って御説明させていただきたいと思いますけれども、今回はこのような形で進めさせていただければというふうに思っております。

○笹原環境安全課長補佐 長々と説明した後に申し訳ないのですが、今回欠席の亀屋委員から意見書が出ておりますので、読み上げさせていただきたいと思います。失礼いたします。

 1、有害性の観点でございます。

 資料3-1は概ね制定時答申、前回答申、令和元年取りまとめを確認されたものと理解しました。よって、3ポツ、今回の方法案①②③はいずれもそれらを踏まえたものとして同意いたします。

 なお、課題として次回の見直しに向けて記載されたGHSの動向を踏まえつつの部分が具体化されておらず、課題としては曖昧でわかりにくいとの印象を受けました。御指摘のあった課題等を具体的に記載して、次回に向けた情報収集と検討に努めることができるようにしておいていただきたいと考えます。

 2ポツでございます。ばく露の観点においてでございますが、推計排出量を判断基準として導入することに伴い、排出係数は重要なものになっています。しかし、今回用いる化審法の排出係数はそれ自体、今後見直しが必要とされているものであり、また、環境リスクを過小評価しないようにとの考えから、実際の排出係数とは異なるものとなっていて、平均でここまで排出しているという意味のものではありません。数年後になれば、取り扱いの実態も変わり、化審法の排出係数も見直しがなされているものと思いますので、今回の物質選定用の排出係数についても、その精度を高めるべく、次回の物質選定までには必ず検証を行って、適切に見直すプロセスを設けていただきたいと考えます。

 また、今回の排出係数はその名のとおり、あくまで化管法対象物質選定用であることを明確にし、万が一にも排出事業者が届出排出量の推計に使ってしまうなどの間違いが生じないように注意していただきたいと思います。

 以上です。

○青木委員長 ありがとうございました。

 亀屋委員から非常に重要な御指摘だと思います。適宜、事務局としても対応していただければと思いますし、また亀屋委員の御意見も踏まえて、先生方からもいろいろ御意見をいただければと思います。

 そうしましたら、まず資料3-1の部分、従来の経緯も踏まえて、3-1では有害性の見直しの観点についての資料をいただいているわけでございますが、御意見のある方は名札を立てて、お願いいたします。いかがでございましょうか。

 では、北條委員、お願いいたします。

○北條委員 現行の有害性基準の中で、生殖発生毒性の表6のところで、EUのリスク警句を引用されているかと思うのですけれども、今のEUのリスク警句だと、現在表6に載っているR60から63のほかに、発生毒性として、乳児に対するリスクフレーズとして、R64がありますので、それも入れたらどうかと思います。

○青木委員長 これは、答えはどちらになりますでしょうか。

○笹原環境安全課長補佐 事実関係を確認して、次回お返事をさせていただきたいと思います。

○青木委員長 それでよろしいですか。では、事務局のほうで調べていただくということでお願いします。ほかにございますか。小山委員、お願いします。

○小山委員 ありがとうございます。生態毒性について伺います。

 資料3-1で水生生物に対する毒性というのがございますが、ここで意味する水生生物というのは、御存知のように植物プランクトンや魚類と、もう一つがミジンコなのか、あるいはミジンコだけではなくて、もっと広く、幅広く捉えているのかということを伺いたいと思います。

 なぜならば、従来、化審法で使われているオオミジンコ、これですと御存知のように、ネオニコチノイドの毒性が正しく把握できないという問題がございます。結果として、ユスリカの毒性試験を行うことによってネオニコチノイドの強い毒性が検出されているわけでございますが、化管法では水生生物のミジンコあるいはそれに関係した部分の対象生物というのは、どういうふうに扱っていらっしゃるのかを教えてください。

○青木委員長 事務局お願いします。

○笹原環境安全課長補佐 御指摘の甲殻類に関しましては、現行の基準では、ミジンコに限定しているということになっております。一方で資料3-2のほうで御紹介したのですが、環境保全施策上必要な物質について、今回考慮するということに新たになっておりますので、そういったところもどういった扱いをするか、一番大切なことは、非常に強い毒性があり、かつ量の多いものについて、取りもらさないような方法をとるということかと思いますので、取り扱いについては、実態を踏まえて検討させていただきたいと思います。

○小山委員 ぜひ今後、検討課題として捉えられていただければと思います。以上です。

○青木委員長 よろしくお願いいたします。では、白石委員、お願いいたします。

○白石委員 今のお話なのですが、ミジンコだけに特定されているということですが、ここの化管法の指定対象物質というのは、そもそも当該化学物質またはその変化物が人の健康を損なうおそれ、または動植物の被害となっているのですよね。動植物の生息若しくは生育に支障を及ぼす云々となっていて、ミジンコだけに特定するというのは少し問題かもしれないような気がしまして、農薬、農取法のほうで、もう既にユスリカの試験は義務化されているので、ネオニコチノイド等、特別な作用を有するものに関しては、農薬も対象になっているようですので、その辺りは少し考慮しておいたほうがよいのではないでしょうか。

○青木委員長 では事務局、いかがでございましょうか。

○笹原環境安全課長補佐 現行法の基準はミジンコに限定されているところではあるのですけれども、幅広く情報を集めておりますので、どういった状況になっているかというところも含めて、よく検証させていただきたいと思います。

○青木委員長 よろしいでしょうか。

 では、いろいろ情報収集に努めていただくということで、よろしくお願いいたします。法の趣旨からすれば、そのような幅広い情報収集が必要なのではないかなというふうに思います。

 では、ほかにいかがでございましょうか。森田委員、お願いします。

○森田委員 資料3-1の5ページの変異原性のところですけれども、一番上の変異原性の分類のところでin vivo試験において陽性であるものと、簡単に書かれているわけですが、多くのin vivo試験がありますので、それらをどう評価するかが大事だと思います。単にin vivo試験で一つ陽性があったというだけで選定することはないようにしてもらいたいことが、まず1点です。

 2点目は、先ほどEUのリスクフレーズのことをおっしゃられましたけれども、基本的には、もEUはGHSに移行していますので、現状ではハザードステートメントになっていると思いますので、そちらの対応という形で、現実的には選定を進めるのがいいと思います。

○青木委員長 いかがでございましょうか。それらを踏まえて、選定を進めていくことになるんではないかなというふうに思います。

 また最後に議論する時間もあると思いますので、少し先に進めさせていただきたいと思います。

 資料3-2のばく露の観点からの化管法対象物質の見直しについて、御意見あるいは御質問をお願いいたします。では、小山委員お願いします。

○小山委員 よろしいですか。ありがとうございます。

 資料3-2の5ページの表2、ここに医薬品という項目がございます。ちょっと私が心配するのは、動物医薬品は、これは当然含まれないのですよね。動物医薬品のほうがどれぐらいあるのか。あるいは、私は生態毒性のほうの専門なのですが、生態毒性のほうで何らかの問題、強い毒性があるようなものがないのかというようなことが、少し心配されます。

 さらに、医薬品というのは、多くは下水処理場を介して環境に放出されると思うんですが、動物医薬品については、多くがそのまま出ていくような利用形態があるかと思いますので、毒性ばく露、両面から少し問題があるのではないかなというふうに思いますので、この辺りも何か情報があるのであれば、集めていただければと思います。以上です。

○青木委員長 この点も事務局に答えていただいてもよろしいでしょうか。お願いします。

○笹原環境安全課長補佐 御指摘ありがとうございます。

 御指摘のとおり、5ページの表2の医薬品、「薬事工業生産動態統計年報」、これには、動物用医薬品は除かれるというふうな規定になっております。基本的には、ちょっと実態がまだ正確につかめておりませんので、実態を少し調べてみてということになりますが、基本的には、次回の見直しに向けた課題とさせていただきつつ、非常に極端に多いとか、極端に毒性が強いというようなものがないかというチェックはさせていただき、別途御報告させていただきたいと思います。

○青木委員長 では、その辺の情報について整理いただいて、提供をお願いいたします。

 では続けて、名札を立てた順番で恐縮なんですが、白石委員、お願いいたします。

○白石委員 同じく表2ですけれども、ここの御説明のときにCAS番号ごとに整理してとおっしゃっていたのですけども、そこについてです。例えば農薬でも、ナトリウム塩と酸、ここで一緒に評価するわけで、それぞれCAS番号はついていますので、物質の区分について、十分に気をつけながらやっていただきたいということでございます。

 化管法の一番初め、資料2の初めのところで説明があったのですが、実質的な管理の改善の促進と、環境の保全上の支障を未然に防止するという二つの目的があるというふうにおっしゃっていたのですけど、法の目的というか、環境法ということでは、本来の趣旨は後者ではないのでしょうか。事業者の管理としては、もちろん自分が使っている物質を届け出ることができます。これは、とても簡単でCAS番号ごとにやればいいんですけど、対象とするのは、環境中の物質、変化物も含めて扱っているのでしょうから、それが目的なのでしょう。CAS番号ごとに単純に集計してはならないということで、少し気をつけながらやっていただきたい。これは要望です。

○青木委員長 じゃあ、事務局お願いします。

○笹原環境安全課長補佐 御指摘ありがとうございます。

 現状、有害性情報を集めるのにCAS番号がなければ、集められない事情がございまして、CAS番号ごとに整理しているところでございますが、前回の物質見直しにおきましても、最終的にどういう物質をグループ化して見ていくかという議論は、審議会の場でしていただいております。当方で案は御用意したいと思いますけれども、審議会の場でどういったものをグループ化していくかという話は、後の審議会でお願いできればと思っております。

○青木委員長 では、法の趣旨に合わせた物質選定の考え方を御提案というようなことだと思います。恐縮ですが、名札の順番ということで、鈴木委員お願いします。

○鈴木委員 ありがとうございます。

 まず、3-2ですけれども、2点意見がございます。確認的なものとして、表3にばく露の観点の化管法対象物質の選定方法ということで、一般環境中の検出状況からと検出状況以外の①②③が挙げられているのですが、この表を見る限りでは、四つが基本的には並列、それに加えて3.2、環境保全施策上必要な物質としての選定方法になると思うのですが、図1に書いてある選定フローのほうは、化管法の環境モニタリングの下にPRTRはつながっている矢印がついております。表の意図するところと図の意図するところが違う可能性があるような気がしまして、少しここを整理していただければと思います。並列であれば違う形になるのではないかと思い、表のほうが正しいと私は理解しています。もし違っていればという確認だけです。

 もう一点は、最後に排出係数の算出結果は、化管法物質選定用の排出係数を化審法新規特例の排出係数をベースにつくられたと御説明いただいて、これでいいでしょうかということだったのですけども、特例の排出係数と物質選定の排出係数はそれぞれさまざまな関係で微妙に違っていまして、これはどういう計算をしてこうなったかということは、どこかに書いてあるんでしょうか。あるいは、どこかに概要でも御説明いただくことを希望します。この関係がどうなっているのかよくわからないので、これを御説明いただきたいということが2点目です。以上です。

○青木委員長 ありがとうございます。

 2点、御指摘がございました。事務局のほう、よろしいでしょうか。まず初めの図1関連でございましょうか。よろしくお願いします。

○笹原環境安全課長補佐 御指摘ありがとうございます。

 御指摘のとおりでございまして、モニタリングとばく露の要件は基本的にはアンドではないということなので、表のほうが正しいということでございます。ただ、一つ一つの物質を見ていって、モニタリングで出ているから全て該当するというような見方ではなく、どういった物質を化管法の対象にすれば事業者さんによく管理していただけて、効果的かというような観点で、モニタリングあるいは排出量の情報をよく見ていきたいと思っております。ただ、この図は誤解を与えるということでございますので、わかりやすいように書き直しをさせていただきたいと思っております。

○青木委員長 では、書き直しでよろしいのですね。

○笹原環境安全課長補佐 そうですね。関係2省とも相談しつつということになろうかと思います。

○青木委員長 そうですか。では、そこはよろしくお願いいたします。

○笹原環境安全課長補佐 表4の排出係数でございますけれども、今回、参考資料4に詳細な一つ一つの排出係数の算定方法のほうはおつけをしておるものでございますので、そちらで追っていただけるようになっております。

○青木委員長 では、そこは、必要に応じて参照していただくということで、よろしくお願いいたします。

○鈴木委員 よろしいですか。それは、今はとりあえず、ある意味、緊急に作業も進めなければいけないのかもしれないとは想像しますが、資料3-2の表4に書いてある係数で、とにかく進めたいということでしょうか。それとも、これについて、あまり検討している暇はないかもしれないけれども、ある程度は検討するというような趣旨でしょうか。

○笹原環境安全課長補佐 化審法の新規特例排出係数、スクリーニング評価の排出係数、またリスク評価の排出係数、どこまで行っても正しい排出係数というのはないわけでして、これに関しまして、一定の過程に基づいて、今回は表4の結果でさせていただきたいというふうに考えております。課題や6月の答申でも書かせていただきましたとおり、既に6月の取りまとめの段階で、次回の見直しに向けて、きちんと化管法用の排出係数をつくるべきだという御指摘はいただいておりますので、そういった方向で進めたいというふうに考えております。

○鈴木委員 わかりました。排出という現象は、常に定義を要するものだというのが私の持論でありまして、化審法の排出係数というものは、ある種、ばく露の指標としてつくられたものですので、環境中の濃度の指標になるようにつくられた。つまり、その結果として、私が覚えているのは、化審法で、易分解のもので、化審法のクラスを一部修正するようなことが行われているのですけども、それはばく露の観点からすれば、ある種、あり得る運用だという意味では、そうなるのですけれども、化管法は排出時点を捉える制度だと思います。コンセプトが違っているところがありますので、そこがまじっているかどうかわからないんですけれども、その辺りの運用に関しては、選定用の係数を設定するときに間違いないように、しっかり区別して使っていただければということをお願いします。

○青木委員長 では、そのようなことで、今の鈴木委員の御意見は考えていただければと思うところでございます。

 そうしましたら、遅くなって申し訳ございません、坂田委員、お願いいたします。

○坂田委員 先ほど化管法の目的についての御意見が出たと思うのですが、化管法の目的は、あくまでも資料2-1に記載されますとおり、事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境保全上の支障を未然に防止するということで、後半のみであるという話ではありませんので、やはり事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進するものでもなければならないというところ、目的を変えるような御発言はお控えいただきたい。

○白石委員 それは私の言い方が悪かったかもしれませんが、そういうことを言ったわけではなくて、二つ並列に説明されたので、そうじゃないということを申し上げました。

○坂田委員 並列です。

○白石委員 私の言いたかったのは、物質をどうやって選ぶかというところで、事業者の観点からすると、自分が製造しているものを中心に見ると思います。実際は、物質の観点、ここは物質を選定する場ですから、物質を選ぶときには環境のことを考えるようにということを言いたかったのです。よろしいですか。

○坂田委員 あくまでも法の目的に従ってやるべきだと思います。

○白石委員 そのとおりだと思います。私の趣旨は、CAS番号で機械的にやっちゃいけないということを言いたかっただけです。環境中の形態を考えてくださいということです。

○坂田委員 企業側としましては、6月の合同会合の取りまとめ、これに従ってやっていただければよいというふうに考えております。

○青木委員長 ほかよろしいでしょうか。事務局は何かありますか。

○笹原環境安全課長補佐 白石先生の御指摘、届出外の排出量も今回考慮していたりなど、ある一定の過程で母集団から持ってくるということをしますので、事業者側とか、そうでないということではなくて、一定の基準で選ばれており、先生の御指摘のとおり、CASで硬直的に指定しないようにということは考慮していく所存です。

 坂田委員の御指摘でございますけれども、基本的に当然、答申に基づいてやらせていただくということでございますが、答申に詳細に記載されていない部分もございますので、それを、まさに、ここで順繰りに決めていくものと思っております。

○青木委員長 よろしいでしょうか。では、ほかに意見ございましたらお願いいたします。

○金地化学物質管理課企画官 よろしいですか。

○青木委員長 事務局からということで。

○東海委員長 よろしいでしょうか。

○青木委員長 今の坂田委員のお話に対してですか。

○金地化学物質管理課企画官 いや、全体的に。

○青木委員長 では、東海委員お願いします。

○東海委員長 よろしいですか。

 ありがとうございました。基本的な方針に関しましては、事務局の案に私は賛同したいと思います。既に事務局の中では、この方針に基づいて、予備的な検討として、物質の選定作業等が行われ始めているかと想像するのですけれども、前回に比べると、相当広範囲から物質を選ぶ作業であると想像しております。そういった場合に、化管法といいますのは、冒頭の太田課長からの話にもありましたように、事業者の協力があって、かつその努力が国民に示されて、それが意味評価され、そして、さらにPRTRなどが充実し、発展していく、そういう構造のもとで考えるべきものだと思っております。そういう中で一番の鍵になるのは、やはりデータでありますとか、情報のクレディビリティーというのが科学的に担保されているかどうかというところを、ぜひ今後の物質選定の中で、あまり物質間で隔たりがないようにするという観点も大事になってくるであろうということをお伝えしておきたいなというふうに思っております。

 以上です。

○青木委員長 ありがとうございます。

 これは、各事務局、それぞれ意識されていることだと思いますので。ありがとうございました。非常に貴重な御指摘かと思います。

○金地化学物質管理課企画官 1点、よろしいでしょうか。経済産業省化学物質管理課、金地でございます。

 先ほど環境省の事務局のほうから、取りまとめの範囲で決まっていないことをここで決めていくというような発言がございましたけれども、行政といたしましては、取りまとめのところで決めてあることに基づいて物質選定を進めていくというふうに考えておりますので、そこを逸脱するような範囲の話は、次回の課題ということで御理解いただければと思っておりますので、誤解のないようにお願いします。

○青木委員長 わかりました。それは大前提だと思います。

 そうしましたら、資料4でございます。論点をまとめていただいてございます。特に資料3-1、3-2から明らかなように、非常に重要な論点だと思いますので、対応案のところをそれぞれ1項目ずつ読み上げて、これでよろしいか、あるいは、変えたほうがよいのではないかということを確認だけさせていただきたいと思います。

 まず1番の観点ですね、有害性の判断に係る項目及び選定基準として、評価手法が確立して一定のデータの蓄積のある項目、選定基準はどのように設定するかという課題に関しては、物質選定を行う際の有害性項目は現行と同様の以下の9項目として、選定基準も現行と同様で設定することでどうかということでございますが、いかがでございましょうか。

○小山委員 よろしいですか。

○青木委員長 よろしくお願いします。

○小山委員 先ほど申し上げたように生態毒性について、特に第一次消費者である、この栄養段階のところがミジンコだけというふうになっているのでしょうか。もしそうだとすれば、先ほど申し上げた理由で、ユスリカを入れていただけないかなということを申し上げます。仮にそれが無理だとしても、近い将来の検討課題として、ぜひ検討していただきたいというふうに考えます。以上です。

○青木委員長 その点事務局として、何かございますでしょうか。

○笹原環境安全課長補佐 先ほど御回答させていただいたとおり現状を把握しまして、宿題をお返ししなければならないところがあると思いますので、少しメール等でのやりとりも含めて行わせていただくということでよろしいでしょうか。

○青木委員長 そこは考えなければいけない観点が多そうですので、少し考えていただくということで、これは先に進めさせていただければと思います。よろしいでしょうか。

 そうしましたら、次、2番目が化管法対象物質を選定するための有害性データに関する情報源について、最新の科学的知見を踏まえ更新する観点から、有害性の情報源はどのようにするか。

 現行の情報源がございますが、これに加えて新たにこの10年間で大きく進みました化審法のスクリーニング評価、リスク評価における有害性評価に用いた情報源を優先順位1として用いることはいかがでございましょうか。よろしいですか。森田委員、お願いします。

○森田委員 この対応案自身には賛成です。ただそれ以外に、この10年間で国際的にも非常に有用な情報源が容易に発掘できるようになっていますので、そういったものも利用していただきたいということと、化学物質選定の中で農薬や添加物等があり、そういった化学物質に特化した情報源というのがございますので、それも網羅的に調べるようにするのがよりよいと考えています。

○青木委員長 ありがとうございます。では、裏側に参りまして、付随的生成物については対象物質とするか。対応案としては、大気あるいは水質の規制を引き続き注視し、個別事業所に対して濃度測定の義務等が課せられることとなった場合に届出の対象とすることを、その時点で検討することでどうかということでございます。いかがでございましょうか。

 この点については、今後の検討課題ということで理解していただければよろしいのではないかと思ったところでございます。

 では2、ばく露の観点からの論点でございます。

 現行の第一種指定化学物質ではない物質のうち、化審法用途のみの物質の推計排出量を算出するための具体的な排出係数は何か。

 対応案としては、資料3-2、表4に示したとおり、取りまとめに記載された方法により算出した排出係数を用いることでどうかということでございますが、いかがでございましょうか。

○鈴木委員 よろしいですか。

○青木委員長 お願いします。

○鈴木委員 ここで決めてあるのかもしれないですが、先ほど私が質問したところなのですが、参考資料4で見ていると、詳細用途の記載において土壌に吸着されて分解と書いてあるところがあって、これは化管法的には排出である可能性があるものだと思いますので、どう使うかについて、御検討いただければと希望いたします。

○青木委員長 事務局、いかがですか。

○笹原環境安全課長補佐 3-2の課題にも書かせていただきましたとおり、6月の取りまとめのときに化管法用の排出係数は今後見直していくということにさせていただいておりますので、今回は基本的には表4のとおり進めさせていただきたいと考えておりますけれども、今回御指摘いただいた課題については、しっかりと課題として書きとめて、見直しにつなげていきたいということで、どうかと思っております。

○青木委員長 よろしいでしょうか。では、そうしましたら、これで最後でございます。現行の第一種指定化学物質ではない物質のうち、化審法用途以外の用途もある物質の化審法以外の用途の製造輸入量に用いる統計情報は何を用いるかということで、資料3-2、表2にございます以下の統計情報を用いることでいかがかということでございますが、いかがでございましょうか。

 そうしましたら、この点は統計情報として、非常にしっかりした情報であると思いますので、これを使っていくということで御了解いただけたということで、先に進めたいと思います。

 それでは、ほかに御意見、御質問はいかがでございましょうか。では、菅野委員。

○菅野座長 プラクティカルなお願いが事務局にありまして、先ほどのCAS番号の話でもないのですけれども、やはり10年前の資料を見ても、学構造式が資料に添付されております。これは大事だと思いますので、くれぐれも片仮名での名前だけでなく、構造式がわかる資料を、お手間だとは思いますが、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

○青木委員長 ありがとうございます。では事務局お願いします。

○藤田化学物質管理課長補佐 終わりかかっているときに、大変申し訳ありません。有害性の観点で、幾つかお答えしておいたほうがいいかなと思ったところがございまして。

 北條先生のお話の中で、乳児への影響のR64なのですが、実は制定時から母乳を介して乳児に影響を及ぼすようなものに関しては、その有害性の判断、特定がなかなか難しいということもあって、制定時及び10年前の見直しでも外してきた経緯がございまして、そこを今回の見直しですぐにまた入れるというのは難しいと考えます。ですので、今後の検討課題と思う点がございます。

 あと、ユスリカの件が幾つか、小山先生及び白石先生からお話をいただいたのですが、恐らく生態毒性となると、ミジンコは原則として、感受性はいろんな種類で変わってくるのかなというのもございます。ですので、そこだけに着眼するものでもないかなと思っておりまして、要は、それぞれの今後の国際的な動向も踏まえて、いろんな生物種に対する感受性というのを考えなきゃいけないだろうと。それは基準を大きく見直していかなければならないのではないかと思っています。これは我々もこれまでに検討してきていなければいけなかったのでしょうけれども、たしか農取法の中で取り上げて、水産PECという形でモニタリングが必要ということになっているので、基準とは別にそういう観点で入れていくというのはありかなと思ってはいます。ただ、基準自体を大きく変えるというのは、生態毒性に限らず、人の健康に関しても見直すべき点もあるのではないかと考えておりますので、今後の課題等で、そういうところを解決していけたらと考えております。

○白石委員 ぜひお願いします。化管法では試験法が定められているもの、基本的にはOECDの試験法ですね、ユスリカもOECDの試験法として定められている種でありますので、外す理由はないのですね。ですから、ぜひ将来的な検討課題として、よろしくお願いいたします。

○青木委員長 ありがとうございます。

 そうしましたら、ほかに、いかがでございましょうか。やはり、随分様々な御議論をいただいたところでございます。基本的には、次回の見直しに向けた情報収集の課題というものも挙がってきたのではないかと思うのですが、今回の見直しで重要な物質がもれていないかどうかということの確認、これはとても大切だと思いますので、そういう観点から、3省の事務局におかれましても十分に検討を進めて、協力して検討を進めていただければと思います。

 では、本日審議を予定された審議事項は以上でございます。では、事務局よりお願いします。

○福嶋環境安全課長補佐 先生方ありがとうございました。

 追加で御意見がございます場合は、恐れ入りますが12月9日の月曜日までに事務局宛てにメール等で御連絡をいただければと思います。

 また、次回の会合につきましては、事務局で相談いたしまして、また青木委員長、菅野調査会長、東海小委員長とも御相談の上、改めて御案内させていただければと思います。

 また、本日の御発言を記載いたしました議事録を作成いたしまして、公表することとさせていただきます。その案について、追って事務局より委員の皆様に御確認いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。

○青木委員長 ありがとうございました。

 では、本日は非常に活発な御議論をいただいてありがとうございました。本日の議論は全て終了いたしましたので、これにて合同会合を終了といたします。日程のことは、また改めて御連絡ということでございます。本日どうもありがとうございました。また今後ともよろしくお願いいたします。