産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会小型家電リサイクルワーキンググループ(第2回)、中央環境審議会循環型社会部会小型電気電子機器リサイクル制度及び使用済製品中の有用金属の再生利用に関する小委員会(第15回)合同会合 議事録

日時

平成28年12月12日(月)14:00~16:30

場所

TKP東京駅大手町カンファレンスセンター ホール22G

議題

1.小型家電リサイクル制度の施行状況について

2.小型家電リサイクル制度推進に向けた取組について

3.その他

議事録

〈お断り〉

 本合同会合の開催時に配布した資料中の数値データに誤りがあったため、合同会合開催後に資料を一部修正しました。

 それに伴い、資料中の数値と議事録中の数値とに相違が生じている場合については、議事録中に正しい数値を括弧内に記載しました。

 議事録中の記載例は以下のとおりです。

○配付資料中の数値データの修正例

 【誤】6万6,000トン → 【正】6万7,000トン

○議事録中の記載例

 “~~回収量は6万6,000(6万7,000)トンであるが~~” 

午後2時00分 開会

○環境省田中室長 それでは、定刻になりましたので、産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会小型家電リサイクルワーキンググループ、及び中央環境審議会循環型社会小型電気電子機器リサイクル制度及び使用済製品中の有用金属の再生利用に関する小委員会の合同会合を開会いたします。

 委員の皆様方には大変御多忙のところ、御出席を賜りまして誠にありがとうございます。

 冒頭議事に入りますまでの進行をしばらく務めます環境省リサイクル推進室長の田中と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 本合同会合の事務局及び議事進行は、経済産業省と環境省で持ち回りとしているところ、今回は環境省が事務局を務めます。

 なお、本会合については、カメラ撮りは冒頭のみとしておりますので、報道陣の皆様におかれましてはあらかじめ御了承いただきますようお願いいたします。

 まず、出席状況でございますが、産業構造審議会つきましては17名のうち14名、中央環境審議会につきましては25名のうち21名の委員の方に御出席をいただいており、ともに定足数である過半数に達していることを御報告いたします。

 なお、一般社団法人電子情報技術産業協会の根岸委員の代理で、設楽様に御出席をいただいております。

 また、中央環境審議会小委員会の委員の変更につきまして御報告いたします。

 大手家電流通協会の髙橋委員が着任されました。また、一般財団法人家電製品協会の星野委員が着任されました。また、産業構造審議会においても委員の変更がございますので、御報告をお願いいたします。

○経済産業省武田補佐 経済産業省リサイクル推進課の武田と申します。

 産業構造審議会小型家電リサイクルワーキンググループの委員の変更につきましても同様に一般財団法人家電製品協会の星野委員が着任しておりますので、御報告を申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。

○田中室長 続きまして、環境省廃棄物・リサイクル対策部長の中井より一言御挨拶を申し上げます。

○環境省中井部長 本日は師走のお忙しい中、本合同会合に御出席いただきまして誠にありがとうございます。

 環境省におきましては、昨年のSDGs、2030年までの持続可能な開発目標や12月のパリ協定の合意、本年5月のG7環境大臣会合での富山物質循環フレームワークの採択を受けまして、循環型社会の構築に全力で取り組んでいるところでございます。

 そのような中、平成25年4月に施行されました小型家電リサイクル制度は本年4月時点で全市町村の約76%が参加、または参加の意向を示しており、人口ベースでは約9割の国民が小型家電をリサイクルできる状況まで拡大してまいりました。

 一方、小型家電の回収量は平成26年度の約5万トンから平成27年度には6万6,000(6万7,000)トンまで伸びてまいりましたが、施行時に設定した回収目標量の年間14万トンにはまだまだ到達していない状況でございます。小型家電の更なるリサイクル促進のため環境省は経済産業省とともに、回収量拡大に向けた方策を実施してまいりたいと考えております。

 本日は、小型家電リサイクル制度の進捗につきまして御報告するとともに、回収量の拡大を含め今後の制度の課題について委員の皆様に忌憚のない御意見をいただき、幅広い御議論をいただきたいと考えております。

 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

○田中室長 次に経済産業省産業技術環境局リサイクル推進課長の髙角より一言御挨拶を申し上げます。

○経済産業省髙角課長 経済産業省リサイクル推進課長の髙角でございます。

 委員の皆様におかれましては、平素から経済産業省とりわけリサイクル政策の推進に御理解、御協力を賜りまして感謝申し上げます。

 また、小型家電リサイクル法におきましては、施行から4年目を迎え、全国の市町村や認定事業者を始め多く方々の御尽力、御協力のおかげで小型家電の回収、再資源化、資源の有効利用に向けた取組が進展しているところでございます。改めまして関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

 平成27年度の回収量につきまして、ただいま中井部長からお話がございましたけれども、14万トンという目標に対して、かなりまだ及んでいないという状況でございます。資源価格の低迷といったことが主な理由としてあろうかと思いますけれども、そのような外部要因に左右されない持続可能で安定的なリサイクル制度を目指していくべきと思っているところでございます。

 こうした中、本日の審議会では、これまでを振り返りつつ、今後普及していくべき優良事例、回収量の更なる拡大、採算性の向上といった、推進していくべき取組について事務局よりお示しして、御議論を賜りたいと考えております。

 特に、回収量の確保につきましては、メインルートでございます市町村回収の取組を伸ばしていくということは当然でございますけれども、認定事業者における直接回収についても今後の伸びしろという意味では大きいのではないかと考えているところでございます。

 認定事業者におきましては、民間ならではの創意工夫の取組、それから他社との連携の構築、新たな技術システムの導入など主体的、積極的に取り組んでいくことが望まれるところでございます。

 この法律では、その施行後5年というのが一つの区切りとなってくるわけでございますけれども、本日の審議会では過去3年の取組の進捗を振り返るということで、いわば中間評価的な位置づけになろうかと思います。以上のような観点も含めまして、委員の皆様には、今後の制度のあり方等につきまして、大所高所の観点から忌憚のない御意見を賜りますようお願いしたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○田中室長 議事に入ります前に、配付資料の確認と取扱い等について御説明いたします。

 配付資料は資料1から資料4までと参考資料1から参考資料4までございます。不足等がございましたら事務局までお申しつけください。なお、本日の資料につきましては、原則公開とし、また議事録につきましても本会合終了後、各委員に御確認をいただいた上で公開させていただきますので、あらかじめ御了承願います。

 また、崎田委員と佐藤委員から事前に御意見をいただいておりますので、委員の皆様の卓上に配付いたしております。

 御発言の際は、ネームプレートをお立て願います。座長からの御指名後、マイクをお持ちいたしますので、順次御発言をいただきますようにお願いいたします。

 これ以降の議事進行を細田委員長にお願いしたいと思います。

 冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。

 細田委員長、よろしくお願いいたします。

○細田委員長 よろしくお願いいたします。細田でございます。

 今日は、16時30分までの限られた時間でございますが、議論の程よろしくお願い申し上げます。

 小型家電リサイクル制度の更なる推進に向けまして両審議会の委員の皆様におかれましては、忌憚のない御意見をちょうだいいたしたく、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは、議事次第に沿って議事を進めてまいりたいと存じます。

 まず、初めに議題の第1番目で小型家電リサイクル制度の進行状況について事務局から御説明をよろしくお願い申し上げます。

○環境省森田補佐 環境省リサイクル推進室の森田と申します。

 私から資料2に基づき御説明いたします。

 資料2「各主体の小型家電リサイクルの取組状況について」と書いてある資料を御覧ください。

 最初に、小型家電リサイクル法の概要について御説明いたします。2ページ目を御覧ください。

 この制度のフローについて説明します。2ページの左下に書いてありますように小型家電、携帯電話、ゲーム機、デジタルカメラといった使われなくなった小型家電を市町村が分別して収集いたします。

 分別して収集した小型家電を認定事業者と呼ばれるリサイクラーに引き渡します。この認定事業者というのは、小型家電のリサイクルを実施する際、高度な処理選別を行う再資源化事業計画を環境省、経済産業省両大臣が認定した事業者です。これは全国に49社あります。この認定を受けることにより、本来市町村ごとに必要な廃棄物処理業の許可を不要とするという特例を設けている制度です。この認定事業者の中間処理施設で、破砕、選別されたものを金属製錬事業者に引き渡し、金属回収を行い、それを循環利用するという制度です。

 この制度は平成25年4月に施行されましたが過去3年間の実績のデータがまとまっておりますので、3ページの表で御説明いたします。

 25年、26年、27年のそれぞれの回収実績を示しております。25年の合計のところを御覧いただきたいのですが、約2万4,000トン。26年が5万500トン、そして昨年27年度が6万6,000(6万7,000)トンとなっております。その6万6,000(6万7,000)トンの内訳ですが、市町村からの回収量が約4万7,000トン。一方、認定事業者による直接回収というのが約1万9,000トンとなっております。この認定事業者による直接回収は、認定事業者の工場や支店、さらには家電量販店への店頭持込み、配送時回収、宅配便等で消費者から市町村を介さずに直接認定事業者が集めるというスキームです。これが約1万9,000トンあるという実績データです。

 次に、市町村の回収状況について御説明したいと思います。5ページ目に結果の概要を簡単にまとめています。

 上からですけれども、市町村の参加状況としては、実施中と回答したのは1,219市町村、そして地方別としては関東や北海道、中部で多くなっています。一方、四国地方などは参加状況が低いという状況です。また、回収方法は、最も多いのがボックス回収です。

 次に、回収品目として最も多いのは制度対象品目全てという市町村です。また、1人当たりの回収量を見ると、地方別では中部や中国が多く、東北地方や近畿地方が低いというような結果になっております。また、回収を実施しない理由としては、「組織体制的に困難」という回答が多く挙げられております。

 それでは、内容を詳細に見ていきたいと思いますので、6ページ目を御覧ください。

 市町村の参加状況を平成25年4月制度施行直後から4年間のものをまとめた表です。平成28年4月現在、小型家電リサイクルを「実施中」と回答したのは、1,219市町村です。また、「実施に向けて調整中」と回答した市町村は、108市町村でした。合計で、1,327市町村です。全体の約76%の市町村が「実施中」、「実施に向けて調整中」、あわせて小型家電リサイクルに参加している状況です。また、居住人口ベースを見ましても、「実施に向けて調整中」も含めますと約90%以上の割合となります。

 続きまして、7ページ目は、地方別の参加状況についてのグラフです。「実施中」が80%を越えているのは関東や北海道、中部地方となっております。その一方で、四国地方の46%を初め、九州地方、中国地方、そして近畿地方といった西日本で低いというような傾向があります。

 続きまして、1人当たりの小型家電の回収量に関する分析として8ページ目を御覧ください。

 この1人当たりの小型家電の回収量に関する分析ですけれども、基本方針に定められた年間回収目標量は14万トンです。これを日本国民1人当たりに直しますと1人約1キログラムとなっております。

 そこでこの1人当たり1キログラムを目安といたしまして、取り組んでいる市町村ごとの人口1人当たりの回収量を示して、左側の表にまとめているものです。この1人当たりの回収量というのは、例えば1万人の町で10トンを年間回収したとしますと、10トンは1万キロですから、1人当たり1キロとなる計算です。

 結果を見ますと、基本方針の目標である1人当たり1キログラム以上回収している市町村は、282(294)市町村です。回収方法等を見ますと、複数の回収方法を取り入れているのが168(172)と単一回収方法よりも多くなっている傾向にあります。

 また、単一回収方法の中でもピックアップ回収を実施している市町村があります。この282(294)市町村が目標を達成していることから我々としても優良事例として考えています。一方で、0.1キログラム未満の市町村、携帯電話1個分未満の市町村も470(438)ございます。こういったところをうまく回収できるように進めていくことが必要となっております。

 続きまして、9ページ目を御覧いただきたいと思います。地方別の小型家電の回収量の全体傾向について御説明いたします。9ページの左側のグラフから御説明いたしますと、各地方の小型家電の回収量の状況について示したグラフです。

 関東地方が一番多く、2万4,000トンとなっております。次いで中部地方が9,950(10,150)トンとなっております。これを実施している市町村の人口1人当たりの回収量に直しますと、中部地方が最も多く次いで中国地方、四国地方という順番になっております。なお、小型家電リサイクルを実施している市町村の全国平均は425(432)グラムとなっております。

 次の10ページ目です。

 ここからは回収方法、回収品目の現状について御説明したいと思います。

 この小型家電リサイクル法は促進法ですので、市町村ごとに回収方法が異なったり、または品目自体も実情に応じて決めることができます。主な回収方法として挙げられるのが、左上のボックス回収、これは公共施設に回収ボックスを設置して定期的に回収する方法です。次に、右側のステーション回収、これはごみの集積場所に定期的に行っている資源回収と合わせて小型家電を回収するという方法です。左下のイベント回収、こちらはイベント開催の期間に限定して、会場で回収を行う手法です。

 さらに、右側のピックアップ回収、これは不燃ごみや粗大ごみの中から小型家電を清掃工場等で選別する手法です。

 こういったそれぞれの回収方法の中で、どういった回収方法が一番多いのかというのが11ページの表ですが一番多いのがボックス回収です。次いでピックアップ回収という順番になっております。

 次にそれぞれの回収方法別の回収量についての内訳を示したものが12ページです。

 ボックス回収が100グラム未満や5トン以上が多くなっている一方で、ピックアップ回収やステーション回収が5,000キログラム以上、つまり5トン以上を回収しているという傾向です。60%以上が5,000キログラム以上回収しているという状況です。

 13ページ目は、回収方法別の1人当たり回収量を地方別で見たグラフです。左側のボックス回収とピックアップ回収、ステーション回収と比べるとやはりピックアップ回収、ステーション回収の回収量が多くなっているという傾向です。ピックアップ回収は関東地方が多く、ステーション回収を見ますと中国地方や北海道が多いという傾向です。

 1枚めくっていただきたいと思います。14ページです。

 回収品目について御説明いたします。回収品目としてはこの法律の制度対象品目、さらにその中でも特に資源性等を考え回収を進めている特定対象品目があります。詳しくは参考資料2にリストを載せています。

 右端の割合のところを御覧ください。平成27年度の回収品目、市町村がどういった品目を対象としているのかということを示した表です。その中で3番目の制度対象品目全てを回収していると回答した市町村が38.5%、次いで特定対象品目の29%となっております。

 続きまして、15ページ目ですが、回収方法別の回収品目をどういうふうに定めているかをまとめました。これはグラフを見ていただきたいのですが、左側のボックス回収やピックアップ回収、清掃工場、イベント、こういった回収方法別にそれぞれどういった品目を対象としているのかを示したグラフです。このグラフのボックス回収とイベント回収では特定対象品目やその中でも特に高品位品に限って回収を行っているという割合が多くなっております。

 一方でピックアップ回収、ステーション回収については、制度対象品目を全て回収しているという市町村の割合が多くなっているところです。これはボックス回収やイベント回収ですと、例えばボックスの投入口、イベント会場でのブースの広さに制限を受けます。一方で、ピックアップ回収、ステーション回収ではそういった制限を受けないため、制度対象品目を幅広く収集しているという状況です。

 次いで、16ページを御覧いただきたいと思います。

 回収を実施しない理由について説明していきたいと思います。

 回収を実施しないとして最も多く挙げられたのは、先ほども説明しましたが「組織体制的に困難」という回答でございました。その「組織体制的に困難」と回答した市町村のうち、右側ですが、地方別に見ますと近畿地方、九州地方にその割合が多くなっています。

 また、人口規模別を見ますと、5万人以下というところが9割近くになっており、人口規模の比較的小さい市町村の割合が高いという傾向です。

 17ページを御覧ください。

 これは平成26年度から27年度の回収量の増減率の分布について示したものです。これを見ますと、回収量の増加率が100%を超える、つまり2倍以上の回収量となった市町村が全国で243(256)となっております。この243(256)という数字ですが、昨年度平成25年から26年度の状況も右側のグラフに書いていますが、2倍以上となったのは177でありましたので、2倍以上に増えた市町村は比較するとおよそ70(80)市町村増えているということです。

 市町村関係の御報告はここまでといたします。

 次に、認定事業者関係のところを18ページ以降で御説明したいと思います。19ページ目です。認定事業者の現在の分布状況について御説明いたします。北は北海道から南は沖縄まで、全国で今、49社の認定事業者があります。20ページ目を御覧いただきたいと思います。

 全国の都道府県のうち、青と緑の部分の10社以上の認定事業者が収集可能としている県は19県です。関東圏や中部圏、近畿地方を中心に人口の多いエリアに集中していることがわかると思います。一方で、東北地方の宮城県、山形県、沖縄県は収集可能としている認定事業者が少ないという傾向です。

 続きまして、認定事業者の回収状況について、21ページで御説明いたします。

 平成27年度に認定事業者が引き取った小型家電の回収量はこの27年度の合計が5万7,000トンです。

 先ほど総回収量は6万6,000(6万7,000)トンと申し上げましたが、約9,000トンは認定事業者以外のその他のリサイクラーに回っている量です。この5万7,000トンの認定事業者が引き取った量のうち、市町村との契約により引き取った量が3万8,000トンとなっており、全体の3分の2、67%を占めております。

 また、消費者から直接回収した量はその3万8,000トンのすぐ下ですが、1万4,700トン、また産業廃棄物、事業者から受け取ったものにつきましては4,200トンとなっています。

 さらに、直接回収の現状について、22ページ以降で御説明したいと思います。

 直接回収について、それぞれの地方ごとに認定事業者の直接回収量の内訳を示したものです。これは先ほどお示ししました4,200トンの産業廃棄物分を除いております。

 左のグラフを見ていただきたいのですが、家電量販店経由、拠点持込み経由、宅配便回収という3つのパターンがあります。家電量販店経由というのは、家電量販店の店頭持込みや配送時回収で小型家電を回収するものです。

 また、青色の拠点回収というのは、北海道や中部地方、中国地方に多いですけれども、認定事業者が独自で回収拠点を設けて、そこに消費者の方々が直接持ち込むという回収方法です。さらには宅配便での回収も実施されておりますので、それが緑色の部分です。

 全体を見ると、全国でも四国や九州、東北地方は直接回収の中でも家電量販店経由が多いという傾向にあります。一方で、拠点回収としては、北海道や中部、中国の割合が多くなっています。また、宅配便回収については、関東地方でも割合が多くなっています。

 続きまして、それぞれの回収量の市町村エリアベースでの回収実績を市町村回収量と重ね合わせたものが23ページのグラフです。

 左側に市町村回収量が示されております。そして真ん中に直接回収量が示されておりまして、最後にこれら2つのグラフを合わせたものが一番右側になっております。市町村回収と直接回収の割合は東北地方と近畿地方では直接回収の量が多く、それ以外のエリアでは市町村回収のほうが多くなっているという傾向にあります。

 次のスライドです。24ページです。

 これは人口1人当たりに直したものです。これを見ますと、回収量が多い関東地方に対して、北海道や九州地方は直接回収量も合わせると関東地方を抜くという傾向にあります。

 続きまして、小型家電の認定事業者の処理状況について25ページ以降で御説明したいと思います。

 認定事業者の一般的な処理フローを26ページの真ん中の図で説明したいと思います。認定事業者は集められた小型家電を手解体等でフロンなどの有害物質を除去したり、高品位品の基板等を手解体で外します。そこで外されたものの機械破砕を行い、そして磁力選別を実施することによって、鉄系の産物を取り出します。そこから渦電流によってアルミ系産物を取り出し、さらにふるい選別によって、非鉄金属系のものとプラスチック系のものに分けることになります。

 なお、認定事業者ごとによって既存の保有施設や認定事業者の取扱い品目が異なりますので、各社の処理プロセスを工夫して小型家電のリサイクルを実施しています。

 工夫の例としては、手解体のところをより丁寧に選別することで中間処理後の品位が高まり、売却額が増加するということ。また、非鉄金属やプラスチックの高度選別機を導入して処理コストが減少し、大規模な処理も可能になるといったことが挙げられます。

 27ページのところを御覧いただきたいと思います。今度は認定事業者の再資源化量について御説明したいと思います。

 認定事業者からの定期報告は回収量だけではなく、認定事業者が処理して再資源化した金属やプラスチックの量も報告を受けています。主な内訳と書いてあります右側の表の中で、再資源化量の多い金属は鉄やアルミ、銅となっております。また、金額換算いたしますと鉄、銅、金が多くなっています。ここは後ほど資料3でもう一度詳細に御説明いたします。

 また、回収した使用済小型家電の重量ベースで93%が再生利用や熱回収をされています。

 28ページがそのフローについて模式的に表した図です。

 最後に、5番として製造業者、小売業者の取組について御説明したいと思います。30ページを御覧ください。

 電機業界では、解体しやすい設計や原材料の統一等のリサイクルの容易化、再資源化のために得られた再生材の再生利用などの環境配慮設計を推進するためマニュアルやガイドラインを作成しています。

 1例ですが、左下のところですけれども、各メーカーが参画する環境専門委員会を設置し、各社にアンケート等を通じて環境配慮設計マニュアルやガイドラインに反映するなど、定期的なフォローと取組の強化に努めています。

 各電機メーカーは、再生プラスチックの利用や部品の簡素化、部品数の削減などを通じて、小型家電リサイクルの促進に取り組んでいます。

 また、31ページは小売業者の回収協力の実態について御説明いたします。

 小売業者の取組といたしましては、家電量販店やスーパーにおいて、認定事業者、市町村と連携して小型家電の回収に協力している事例が見られます。

 取組事例①としまして、家電量販店での回収では、店頭回収等その場で引き取ってもらうという利便性を量販店のほうで提供しているところです。回収を実施している家電量販店は、ケーズデンキ、上新電機、エディオンです。

 また、取組事例②として、小売店の中ではスーパーでの回収が進んでおります。消費者の皆様がよく出かけるところで引き取ってもらえる利便性を提供しており、スーパーのイオングループでは、G市の事例ですけれども、小売り3店舗で回収を実施したところ、ほかの拠点の1カ所当たりの2倍以上の回収量となったという結果が出ました。このように買いかえのタイミング等での回収や消費者がよく出かける場所での回収は、消費者の利便性を高め、多くの回収量の増加が期待されるというところです。

 施行状況についての報告は以上です。

○細田委員長 どうもありがとうございました。

 ただいま事務局から説明のございました資料2の内容につきまして、御意見、御質問のある方はネームプレートを立てていただきたいと存じます。大変恐縮ではございますが、なるべく多くの委員の方々から御意見、御質問を賜りたいと思いますので、各委員の方々簡潔に御発言をまとめていただきますようお願い申し上げます。

 では、順次に指名させていただきますので、ネームプレートを立てて御意見、御質問の御表明をよろしくお願い申し上げます。

 それでは、石川委員、どうぞ。

○石川委員 量的なものとか現状について御説明いただいてありがとうございます。よくわかりました。欠けているかなと思うのは、これに関わるコスト、基本的に小型家電リサイクル法は促進法ですから、認定事業者による直接回収は特別に強制しているわけではないので、こちらのコストは心配する必要はない。利益にならなければやらないでしょうから関係ないのですが、量的には市町村回収のほうが多くて、市町村というのは利益追求をする団体ではないので、ほかの分別収集の場合も同じですけれども、何かの理由で一生懸命やり過ぎて、コストがかかり過ぎていてもあまり気がつかなかったり、社会全体として合理的かどうか疑問であるようなケースがあり得るので、これは調査する必要があるのではないかと思います。佐藤弁護士の御意見にもあったかと思います。

○細田委員長 ありがとうございました。

 引き続いて大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 とてもわかりやすい資料を出していただいてありがとうございます。

 後からまた出てくる話かと思いますけれども、認定事業者の委託先を含めて特例ができていますので、その委託先についての立入検査、報告徴収についてはどの程度おやりになっているかという話を教えていただければありがたいと思います。以上でございます。

○細田委員長 ありがとうございました。

 それでは、齊藤委員、どうぞ。

○齊藤委員 まず質問だけさせていただきます。昨年度の資料と今年度の資料を比較しますと、認定事業者が2社程度減っていると思うのですけれども、その2社がどういう理由でなくなったのかを教えていただければと思います。

○細田委員長 ありがとうございました。

 崎田委員、どうぞ。

○崎田委員 今回、この資料を事前にいただいて拝見したときに、平成27年収集量は6万6,000(6万7,000)トンとなっておりますが、増えてはいますけれども、まだまだ目標値には足りないということで、意見書を出させていただきました。本当はこの意見書の内容に関しては、次の回収量を増やすという議題のところでお話ししたほうがいいのかもしれませんが、一言発言させていただきたいのですが、よろしいでしょうか。

 手短に申し上げます。もうここに書いてあるとおりなんですが、まだ全国で取り組んでいる自治体が76%ということで、まだまだ発展途上で、これから連携や挑戦などいろいろなことが必要なんだと思っております。

 そういう中で、意見書にも書いてありますけれども、オリンピック・パラリンピック組織委員会の外部専門家として持続可能性や資源管理に関する検討の場に参画させていただいておりますが、社会の多くの方々からのご提案を受けて、組織委員会は2020年の東京オリンピック・パラリンピックで携帯電話や小型家電などのリサイクル金属の金や銀、銅を用いてメダルをつくることを決定されまして、今、具体的な協力団体の公募をしている最中ということです。

 具体的な方法が正式に決まれば、多くの国民は大変関心を持っておりますので、回収量が増加するというだけではなく、国民のこの回収し社会を活かすという意欲の醸成につながってくると思いますので、関連する業界の事業者、自治体、そして国の皆さんもぜひ一緒に応援していただければありがたい。そう思いまして、皆さんにお伝えしたく意見書というふうにまとめさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

○細田委員長 ありがとうございました。

 崎田委員には、この件に関しては相当な御努力をいただき、小型家電リサイクルについてもそれが生かされるように努力をしていただいて、ここで感謝の意を表させていただきます。その点に関しては、環境省のほうからまた答えさせていただきます。

 佐藤委員、どうぞ。

○佐藤委員 回収量について意見、あるいは質問をいたします。

 13ページを見ますと、ステーション回収で北海道と中国地方がかなり頑張っているというイメージを受けます。それで24ページを見ると、やはり北海道と中部、四国、中国あたりが1人当たりの回収量が多く、これはステーション回収が功を奏しているのではないかと推測いたします。

 同時に、このステーション回収に非常に費用がかかっていると、この継続性が心配になります。ステーション回収に力を入れているところは、回収費用に非常に負担がかかっているのか、持続可能性があるのかということを伺いたいと思います。

○細田委員長 ありがとうございました。

 篠木委員、どうぞ。

○篠木委員 こういった小型家電の回収量を上げていくためには、恐らく制度を整えていくという方向と、人々の行動を変えていくという方向の2つの方向が必要だと思います。その制度を整えていくというところから考えたときに、先ほど御説明いただきました資料7ページのなかなか取り組めない地方があるということや、16ページで説明された組織体制が困難であり、そう回答した地域は小さいところが多いというような御説明でしたが、「組織体制的に困難」というのは具体的にお金がくれば何とかなりそうな話なのか、それとも人が少ないのでどうにもなりません、組織体制を整える人が少ないのでネットワークの構築が難しいという話なのか、何か具体的な理由をお聞きになられていたとしたら教えていただければと思います。

○細田委員長 ありがとうございます。

 それでは、西尾委員、お願いします。

○西尾委員 大変わかりやすい資料ですけれども、1つお伺いしたいのは、消費者の実態や課題をどう解釈すればよいかということです。例えば、実際には76%の市町村で受入れができるようになっているにもかかわらず、まだまだ回収量が足りない。しかもピックアップ回収という方法がかなりの割合で採用されているにもかかわらずです。この回収方法は、消費者にとっては利便性の高いものであり、消費者のエコ意識にかかわらずやりやすいものです。しかしそれにもかかわらず、回収量が上がらないということは、消費者の意識がまだ十分でないようにも解釈できます。

 しかし一方、最後の方の報告で、イオンさんの店頭でキャンペーン的に回収を行ったら回収協力が2倍アップしましたという話がありました。消費者の実態をどのように考えればよいのでしょうか。つまり、消費者はこの制度に対する認知や理解が足りないということなのか、それともわかってはいるけれども、あるいは、出したいけれども回収拠点等々が近所にないという利便性が課題なのか、消費者の現状についてはどのように解釈をしたらよいでしょうか。

○細田委員長 それでは、馬場委員、どうぞ。

○馬場委員 1つ簡単な質問です。スライド17ですけれども、前年度との回収量の比較で、これはなぜ増えたのかがわかると、次の資料3の議論で参考になるのかなと思いまして、なぜ増えているのかを分析していらっしゃるのかどうかについてお聞かせいただければと思います。

○細田委員長 ありがとうございました。

 峯田委員、お願いします。

○峯田委員 全国電商連の峯田と申します。資料の31ページに小売業者の回収協力の取組ということでございますが、ここでは量販店さん、イオンさんが取り上げられていますが、私どもも同様なことをやっているわけでありますけれども、お客様から購入をいただいた際に、持ち帰り要請を受け、そして持ち帰っているわけでありますけれども、その後数量がたまったときに、産廃業者に処理依頼を有料でお願いしているのが現状であるわけであります。

 私どもも全国に1万6,000名の組合員がいるわけでありまして、当初から私どももこの家電リサイクルにつきましては参画すると申し上げてきておりました。そういう意味では、集積後のスキームを自治体及び指定業者と連携ができるように今後御検討をいただければと思っております。

○細田委員長 ありがとうございました。

 それでは、一通り質問、御意見が出ましたが、かなり質問が多ございましたので、両省のほうからお答えいただきたいと思います。

 環境省のほうからお願いします。

○森田補佐 各委員からの御質問に答えさせていただきたいと思います。

 まず、石川委員から、市町村のコストの部分のお話がありました。確かに市町村ごとにかけている費用、そして得られる便益というのは異なっております。そこの把握というのは、我々も重要と考えております。そういったところは資料4以降で御説明いたしますが、コストと便益がどのような関係にあるかを検討するためのツールを今年度当初に配付いたしました。そのデータを集約して、今後コストの部分、さらにはそこからどういうふうなベネフィットが得られているのかということを検証していこうと考えております。

 次に、大塚委員の御質問にありました立入検査でございます。今年度も約20社の認定事業者に対して立入検査を経済産業省及び環境省の地方支分局が実施しています。その立入検査の際は、再資源化事業計画どおりに処理が進んでいるか、また現場の施設の状況についても確認しているところでございます。

 齊藤委員からの質問でございます。2社減っているのは三井物産と木村メタル産業です。まず木村メタル産業は倒産しました。三井物産につきましては、事業内容を鑑みて自社の中で検討した結果、小型家電リサイクル事業からは撤退したと聞いております。

 次に、崎田委員からリサイクルメダルについての御意見が出されました。こちらに関しては、環境省としての考えについて御説明いたしたいと考えております。2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の入賞メダルに小型家電から抽出されるリサイクル金属を活用するための企画提案をオリンピック・パラリンピック組織委員会が公募を開始したというプロジェクトは我々も承知しているところです。

 こういった取組が我が国のリサイクルの取組を国際的にアピールするとともに、埋立てに回されているような小型家電のリサイクルする制度の普及や回収率の向上につなげる上で実現されれば非常に有意義だと考えております。

 1月中旬にも組織委員会によって選定された事業者が他の提案者とも大同団結して自治体とも連携することよって、日本全国の全ての国民の参加によりこれまで埋められていた多品目の小型家電をできるだけ100パーセントを目指したリサイクルメダルとなってオリンピック後も循環型社会として定着する、まさにレガシーとなるよう環境省としても全力で協力してまいりたいと考えております。

 続きまして、佐藤委員からの持続性の御質問がありましたステーション回収についてです。どれだけの費用、コストがかかっているかということは先ほどの費用便益分析でございますが、単純に箱だけを用意すればそれほどステーション回収のコストはかからないですが、地元の調整をはじめ、コストに加えさまざまな対応があると思います。そういったところは市町村ごとに異なりますので、そういった継続性、持続性の部分から今後どういったことが課題になるかということを確認していきたいと考えております。

 篠木委員から、「組織体制的に困難」という答えが一番多かったというところについての御質問を頂きました。人的な要素、資金的な要素、さまざまな理由があると考えられます。ただ、我々としても資料4で御説明したいと思いますが、今後例えば規模の小さい市町村に対しても適切な回収が実施できるような事例を紹介しつつ、小型家電のリサイクルに取り組んでいただきたいと考えております。

 また、西尾委員からは認知度の問題、もともと排出場所が近所にないから進まないという御質問をされました。この状況自体もやはり市町村ごとによって大きく異なってくるというのは認識しているところでございます。

 資料3の中でも、回収ボックスを単純に設置するだけではなかなかうまくいかない。さらにそこにプラスアルファの工夫、さらに認知度という面でいきますと広報等しっかりとしていくことが考えられます。そういった個々の市町村の状況をきめ細かく見ていくことが重要かと考えております。

 馬場委員から、2倍に増えた理由については、そこも資料3以降でご説明いたしますが、簡単に申し上げますと回収品目を増やしたり、回収方式を増やした、そういったところが回収量を増やしている理由かと考えます。

 最後に、峯田委員からの御意見をいただきましたように、家電量販店だけではなくて、町の電気屋さんでも回収を進めていただきたいと考えております。資料3で事例を具体的に紹介いたしますが、市町村としっかりと協力して回収を進めているという事例もありますのでなかなか回収が進んでいない市町村にもこういった事例を紹介できればと考えております。

 環境省からは以上でございます。

○武田補佐 経済産業省から若干補足させていただきます。

 西尾委員から御指摘いただいた点について、次の議題にも関わってきますが、回収量を拡大させていくために消費者の側からの視点を捉えるというのは非常に重要だと思っております。当然ながらこの制度を消費者にしっかり認知、周知させていくという取組も重要でございますし、各市町村においてはそれぞれ取り組まれておられるところだと思います。

 一方で、もう一つの観点として回収の利便性について御指摘いただきましたが、そういう意味では、消費者からの多様な排出の機会をしっかり捉えていくことも重要になってまいります。直接回収の話を次の議題でさせていただきますが、回収の利便性を上げ、消費者にとって便利になっていくということで排出が促されるということは非常に重要だと考えております。

 峯田委員から御指摘のあった点ですが、小売業者の中でも、特にまちの電気店でも小型家電回収のニーズがあろうかと思います。今後、量販店だけではなくて、まちの電気店につきましても、どのように取り組んでいけばいいのかよく御相談させていただいて進めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○細田委員長 ありがとうございました。

 座長から1点、先ほどの崎田委員の御意見、御質問と環境省からのお答えですけれども、非常にこれを機会に小型家電リサイクルの進展に資するものと考えますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 崎田委員におかれましても、今、使用済の電気電子機器というのは、GoodsであろうがBadsであろうが、つまり有価物であろうが逆有償物であろうが、使用済になったもののトレーサビリティはとても大事で、これはもう崎田委員は先刻御承知ということでございますけれども、なお一層この問題について遺漏のないように御検討いただければと思います。よろしくお願い申し上げます。

 その点についてはよろしいですか。1つお願いします。

○崎田委員 私も先ほどの発言は全国の人たちがしっかりと参加することで回収量が上るという、そういう参加型のところを評価して応援していただきたいと申し上げましたが、今、細田座長がおっしゃったように、これが集めたものをきちんと使って納品された金属ですと、やはりそのトレーサビリティを明確にするということが信頼性として大事ですし、その後、国民だけではなく世界に日本はこういうシステムができるということを発信するときにも非常に重要なことだと思いますので、先生のお知恵もいただきながらしっかりとそういう仕組みの重要性をやはり組織委員会のほうにも提案をしながら進めていければと思います。よろしくお願いいたします。

○細田委員長 よろしくお願いします。

 それでは、時間の制約もございますので、続きまして、議題の2番目、小型家電リサイクル制度の推進に向けた取組について、に移りたいと思います。

 ここでは、小型家電リサイクル制度の回収目標につきまして、平成27年度の達成状況を踏まえまして、今後の目標値の考え方、さらにこの制度を推進するために国としてどのような取組を行っているか、あるいは今後どのような方向で取り組んでいくべきかについて御意見を伺えればと存じます。

 それでは、事務局から御説明をよろしくお願いいたします。

○森田補佐 それでは、引き続きまして、資料3の「小型家電リサイクルの回収目標について」と書いてある資料を御覧ください。

 まず1つ目、回収量目標の考え方について御説明したいと思います。2ページ目を御覧ください。

 小型家電リサイクル制度の導入の考え方について御説明したいと思います。我が国に存在するさまざまな家電製品の中には原材料として使用した有用金属が多く含まれており、都市鉱山とも言われています。一方、この制度ができる前は市町村で鉄やアルミなどを除いた後は、ほとんどが埋め立てられており、そういった有用金属が取り出される状況ではありませんでした。そこで、赤い囲みのところでございますけれども、効率的な回収が可能になれば採算性を確保しつつ、リサイクルが進むのではないかということでできましたのが、この小型家電リサイクル法でございます。

 目的といたしましては、下の3つでございます。資源確保、廃棄物減量化、有害物質管理、こういった観点がございます。

 3ページ目、一番上のところを御覧ください。

 先ほど説明したように、平成25年に策定した法に基づく基本方針にて設定した平成27年度までの回収量目標14万トン、この目標値に対して、先ほど報告いたしました約6.6(6.7)万トンという実績でした。

 回収目標が達成できなかった要因を大きく3つの観点でまとめました。下のところの四角を見ていただきたいと思います。まず、1つ目は資源価格の下落が要因ではないかと考えております。

 下の表の中で、鉄や銅の資源価格を見ていただきたいと思います。これは資源価格、平成23年3月の制度を検討していた時点と現在の平成28年6月の数字を比べていますけれども、鉄や銅が半値よりも更に下がっている状況になっております。これが何を引き起こすかといいますと、2つ目の丸に書いていますが、鉄や銅で構成される比較的重量の大きい低品位の小型家電の市場価値を下げてしまい、結果として逆有償を避けるため重量の大きい小型家電の回収が進まないという状況を引き起こすことになりました。

 また、4ページ目を御覧いただきたいと思います。

 先ほども御説明した表ですが、市町村ごとの取組状況の差が大きく出ています。1人1キログラム以上を回収している市町村が282(294)、こういった優良事例がある一方で、0.1キログラム未満、100グラム未満、つまり携帯電話1個分より少ない回収量しかない市町村も470(438)あり、こういった結果で当初想定していたよりも大きく差が出てきてしまったということが要因ではないかと考えられます。

 また、制度の認知度の課題が上げられます。下のところに書いておりますけれども、平成27年度の認知度は42%とまだまだ低い状況です。

 そうしたことから、回収量目標の考え方として5ページ目を御覧ください。

 回収目標は、基本方針で平成27年までに14万トンと定められていますので、ここの量については昨年の審議会で27年度の達成状況を待って検討するということにしておりました。そこでまず左側の青い四角ですが、現状は6.6(6.7)万トンにとどまっておりますので、この回収目標量を更に大きくするということは困難かと考えます。

 一方で、右側の緑の四角です。採算性の確保や制度を取り巻く状況を踏まえますと一定量を確保していかなければならないという状況であることから、回収量を小さくすることというのは困難かと考えます。

 下の四角のところです。制度の見直しの検討を平成30年度から開始することを踏まえまして、平成30年度までの回収目標量を現状の14万トンとして基本方針を変更したいと考えております。

 また、今後の達成方法等につきましては、次のスライド以降で御説明したいと思います。

 6ページ目を御覧いただきたいと思います。6ページ、7ページはイメージとして御覧いただきたいと思います。

 現状の回収量です。6ページ目の下の段のオレンジと水色の表のところの左から3つ目のところ、市町村回収量は4.7(4.8)万トン、直接回収量が1.9万トンです。これを市町村回収、認定事業者回収、それぞれ人口1人当たりに直しますと2.4倍、2倍すれば14万トンに達成できるというイメージです。

 7ページ目がそれを模式図的にグラフ化したものです。 8ページ目を御覧ください。

 これは昨年度の排出後のフロー図を認定事業者からの報告や市町村からのアンケートをもとにつくったものです。ただし、排出量、使用済量というところは一般消費者アンケートをもとに拡大推計をしたものですので、数値については御参考で見ていただきたいと思います。

 そういった中、左側から2つ目の使用済から下の退蔵にいっているのが約5万6,000トン、また少し上がって右側の排出から不用品回収業者にわたっているものも9万トン以上あります。さらに、右上のところで最終処分等のところから市町村から直接伸びている15万トンという数字がございます。こういったところを小型家電リサイクルの回収ルートに乗せていくことが重要かと考えます。

 今後の回収量拡大について9ページ以降で御説明したいと思います。

 10ページを御覧いただきたいと思います。

 先ほど御説明いたしました表の再掲になります。2倍以上に増加している左のグラフ、市町村が243(256)です。一方、1人当たりの回収量の分布をボックス回収、ピックアップ回収ごとに示したものです。この中でも大きく差が開いているところです。こういうふうに1人当たりの回収量が少ない市町村においてもこういった回収方法を工夫すれば、更に回収量拡大の余地が十分にあるのではないかと考えております。

 11ページ目の左側のグラフを見ていただきたいと思います。先ほど、馬場委員からも御質問がありましたように、回収量が2倍になった市町村の中で、理由が明確に出されているところをピックアップしているところです。回収品目が拡大したことや回収方式を拡大したこと、更には回収方法を改善したことなどが挙げられます。この系統立ては後ほど詳しく説明いたしたいと思います。ただし、同じ人口規模で同じ回収方法をしていても、はやり工夫次第で大きく回収量が異なってくるということが我々の分析でわかりました。それを説明したいと思います。

 12ページを御覧ください。

 左上のグラフ、緑の点、横軸が人口、縦軸が人口1人当たりの回収量を示しています。

 これはボックス回収のみを実施している市町村の分布のグラフです。この中で、A、B、Cという3つの市町村を取り上げてみました。人口規模は6万人でほぼ一緒ですが、回収量を見ますと、市町村Aが1人当たり1.2キログラムに対して、市町村Cは0.02キログラムと60倍の差が出ているところです。この差といたしましては、当然Aのほうがボックスの設置箇所が17カ所と多いこともありますが、開始当初から住民への周知が進んでいること、さらにはボックスの投入口が大きいことなどが回収量が多い理由として挙げられます。

 また、13ページはピックアップ回収に着目したところです。

 市町村Fが1人当たり0.30キログラムに対して、DやEといったところは1キログラム以上回収しております。ここはやはり最終処分場の問題もあり、丁寧な分別をしているというところが挙げられます。

 また、14ページ目を御覧ください。

 これは複数の回収方法を組み合わせる場合でも、IとJのように回収量に8倍程度の差が出ています。このように、回収量の拡大のために方式の追加だけではなくて、その市町村ごとにあったメニューを提供することが必要かと考えます。

 そこで15ページ以降で、具体的に提案していく回収方法、回収量拡大のための具体的メニューについて御説明したいと思います。

 大きくA、B、C、D、4つの区分に分けております。

 Aが回収品目の拡大で、例えば特定対象品目から制度対象品目への拡大、回収量増加に効果的な品目の特定を行って回収を進めていくということが考えられます。

 さらに、B、回収方式の拡大では、先ほど申し上げたようなピックアップ回収の追加等が考えられます。

 さらに、C、回収方法の改善です。例えばボックスの設置場所の増加、最適な配置、さらに回収頻度を増加していくことや投入口の拡大等が考えられます。さらに、Dは、広報の工夫です。具体的な内容については、16ページ以降で御説明いたします。

 A、回収品目を拡大したことにより増加した市町村です。回収品目を拡大したことによって、増加したと答えた市町村のうち全品目を対象としたのが左側の円グラフです。特定品目や高品位から全品目を対象としたのが約8割ございます。回収量の効果も下の表にまとめています。

 また、もう一つポイントになるのが、パソコンの回収品目の追加です。パソコンは既にメーカーの自主的な取組で回収を進めていることから、回収をしていない市町村があります。約1,200の市町村が小型家電リサイクルに取り組んでおりますが、その中でも約500の市町村しかパソコンの回収はしておりませんので、回収を促していきたいと考えております。

 パソコンは、高品位品であり、便益の部分を見ても便益を増加させるとともに、やはり消費者の皆様の利便性の向上といったところからも回収を実施していくことが回収量拡大のポイントになるのではないでしょうか。

 17ページのところで、回収方式の拡大として、ピックアップ回収、あと下では拠点回収を追加した事例を書いております。

 1枚めくっていただければと思います。ここからは具体的な市町村の事例を何点か紹介いたします。

 長野市の事例です。18ページを御覧ください。

 取組事例(1)ですが、先ほども御意見がありましたが、電気店37店舗と提携いたしまして、小型家電の回収に取り組んでいます。また、(2)ですが、「サンデーリサイクル」という取組をしているところです。この「サンデーリサイクル」というのは、毎週日曜日に資源物であるびん、缶、ペットボトルをスーパーマーケットや支所や公民館で集めている取組の中で、特定月の第二日曜日に小型家電についても回収していくという取組をしております。

 この取組によって、休日に資源物を排出するという際に、小型家電も無料で引き取ってもらえるという利便性を提供したことから、回収量を大きく拡大しています。

 19ページです。

 回収方法の改善による回収量の増加というものをまとめているところです。いろいろなメニューがございますのでかいつまんで説明いたします。

 上のD市では、有人窓口でボックスに入らないサイズの小型家電を回収、F市では清掃組合の敷地への持込みを年5回から10回に増やすなど、うまく回収しているという事例がございます。

 続きまして、C、京都市の事例です。これは回収ボックスを工夫したという事例です。京都市も、まちの電気店等で購入時における回収等を実施しておりますが、取組事例(1)として、回収ボックスの間口の大きさを変えたということがございます。

 これは、京都市はそれまで15センチ×25センチという間口だったものを上が大きく開くような形にして、大きなサイズの小型家電も回収できるようにして、約5倍の回収量があるということです。

 さらに、21ページですが、岡山市の事例です。これは回収方法の拡大と回収方法の改善によって回収量を拡大したという事例です。

 下にいろいろな排出ルートが書いてあります。岡山市では、認定事業者に小型家電の収集運搬を委託しております。区役所等の公共施設だけではなくて、ホームセンターやまちの電気店等のさまざまな関係者の協力によって、多様な排出ルートを構築しています。また、回収協力店では、持込みが困難な高齢者のために帰り便回収などを実施したりして、利便性を向上しています。

 こういった取組によって、効率的な収集運搬を実現することで回収運搬コストの削減や保管場所の問題を解消して、回収が想定以上の量に増加しています。

 22ページを御覧ください。

 Dとして広報の工夫による回収量の増加のところです。左側の表にどういうふうな取組方があるかというメニューの例を示しています。具体的には内容や伝え方です。右側に札幌市のチラシの事例を出しています。

 札幌市では、「ほとんどの家電を無料回収しています」というチラシに変えました。もともと「制度対象品目」と書いていたところを「ほとんどの家電」というふうな言い方をすることによって、家電4品目以外のものを集めるということで、消費者に呼びかけをしているところです。

 また、小さいものは回収ボックスへ、大きいものは回収拠点へと周知することで、回収量の拡大をわかりやすく促すという工夫をされています。

 また、それを周知するための媒体として、ポスターを住民の動線に沿った場所へ掲示したり、スポーツイベントや学校教育の場で周知したりということが挙げられます。

 また、広報のタイミングというのも重要です。これからの年末年始の大掃除のタイミング、年度末の大量排出のタイミングを意識した広報が重要かと考えます。

 23ページには、市町村のこれらの具体的な取組と実施効果の傾向についてまとめています。

 これまでの3年間の取組からこれら優良事例の傾向を導き出しました。取組の効果を高めるためにはこうしたA、B、C、Dそれぞれを組み合わせることが効果的と考えます。

 さらに、下の紫のところですけれども、更なる効果的な取組を進めるに当たっては、当然これをそのまま優良事例だからといって各市町村に当てはめることはなかなか難しいところです。市町村の人口規模、従来のごみの収集区分、さらには清掃工場の規模などそれぞれ市町村に応じた対応が必要となってまいります。

 そこでこれまでの事業のノウハウを活用して、個別の市町村ごとの傾向を十分把握した上で、新たな回収方法の提案をするための支援事業を今年度より実施しています。詳細については、資料4で御説明いたします。

○武田補佐 続きまして、24ページ以降の認定事業者に着目した取組について説明をさせていただきます。

 これまでの説明にありました市町村回収ですが、1,200以上の市町村が既に参加しておりますので、さまざまな優良事例がこれまで出てきておりまして、そうしたものを今後横展開して、回収量を拡大させていくということが期待されるところです。一方、認定事業者につきましても、直接回収という形で市町村を介さない回収ルートがあり、まだまだ取り組む余地があるというところで、伸びしろがあると思っております。そのあたり、どのように取り組んでいったら良いか、これまでの現状を踏まえて今後の取組について整理して御説明させていただきます。

 25ページのスライドを御覧ください。

 こちらの棒グラフは、資料2の再掲でございます。このオレンジ色で示している部分の家電量販店経由のところが非常に多いということは先ほど御説明があったとおりです。量販店経由の回収は実際にその消費者の方が買い替えに伴って不要となった小型家電が排出され、排出のポテンシャルが非常に高いということですので、この機会をしっかりと捉えて、回収することが重要になってきます。

 一方、それ以外でも認定事業者が設ける拠点持込みによる回収、宅配便などさまざまな方法による直接回収というものが今後表れてくることが期待されます。これらを総合的に推進していくことが認定事業者部分の回収量を拡大させるポイントになってこようかと思います。

 続きまして、26ページを御覧ください。

 その中で、特に家電量販店経由のところでございますが、この部分の回収量を増やしていく考え方としては、1店舗当たりの回収量を増やしていくことと、回収店舗数を増やしていくという、2つの考え方があろうかと思います。それにつきましては消費者への周知、積極的な広報を進めていく。あるいは店舗を拡大するということは、現在取り組まれていない量販店も含めて、さらに取組を働きかけていくということが考えられると思います。

 続きまして、27ページでございます。

 認定事業者の取組ということで、具体的に紹介していますが、27ページは、消費者の自宅まで小型家電を取りに行って回収するという事例でございます。

下の方に、図が3つございますが、左側、量販店が商品を自宅に配送したときの帰り便で不要となった小型家電を回収するという事例です。

 真ん中は宅配便による回収、これは消費者の方が申込みをして、小型家電の引取日時を指定し、自宅まで取りに来てもらうという方法です。

 右側は、引越し回収の例で、今年度から新たに始まった取組でございますが、これも引越しの際に不要となった小型家電を回収するというところで、消費者のニーズ、利便性が高いサービスであります。直接回収の特徴として消費者のニーズに対応したサービスというものを提供できるというところが特徴であります。

 ただ、こうした取組を進めていくためには、回収網を既に構築しているさまざまな業態の事業者との連携関係をつくっていくことが重要であり、そのためには認定事業者が主体的にそういった事業者に働きかけをしながらwin-winの連携関係を構築していく取組が極めて重要になってまいります。

 続きまして、28ページでございます。

 もう一つ、直接回収の事例としまして、消費者の方が所定の回収拠点に持ち込む事例を2つ取り上げております。

 下の図の左側は店頭回収ということで、これは実際に店頭で商品を引き取るという形態の場合に、消費者の方が店頭まで小型家電を持ち込むという事例であります。車などで持ち込むということで、特に地方圏では定着している取組になろうかと思います。

 右側も同様に消費者の方が、認定事業者が設けた回収拠点まで持ち込むということで、平林金属とマテックで取り組まれているという事例でございます。

 このように、認定事業者の方がどういう回収サービスを構築すれば、消費者からより多く回収できるかというところのうまい仕組み、創意工夫を図りながら構築していく。あるいは、地域密着でそういうものに取り組んでいくなかで、いろいろな工夫の事例が見られているところでございます。

 29ページは、認定事業者が市町村とうまく連携をとっている事例でございます。

 2つ事例がございます。左側のハリタ金属の例ということで示しておりますが、市町村が保有している廃棄物の処理施設につきましては、将来、維持あるいは処理コストによる大きな財政負担が課題となっている市町村も多くございます。そうした市町村が抱える課題を解決しながら、認定事業者として小型家電リサイクルを契機に、回収、あるいはコスト削減の提案を積極的に市町村と連携しながら行っている事例ということで紹介させていただいています。

 右側の大栄環境の例では、市町村から認定事業者として小型家電を引き取って再資源化処理をし、その結果についてさまざまなデータがあると思いますが、それを市町村にフィードバックしているという事例です。リサイクルがどういう形で行われているかについて住民の関心を高める1つの材料を提供しているという取組もございます。

 30ページを御覧いただきたいと思います。

 このようにさまざまな排出機会をとらえ、消費者のニーズに対応したいろいろな回収サービスがあるわけですが、そのような形で回収量を拡大させていく一方で、認定事業者自身に対しては、そういった取組をするに当たり、採算性をいかに確保し、向上させていくかということが重要になってきます。

 経済産業省において、全ての認定事業者に行ったアンケートによりますと、採算がとれていないと回答した認定事業者が約6割ということで、多くの認定事業者は採算がとれていない状況が明らかとなりました。

 そのような中で、持続可能性の確保はなかなか難しいところでありまして、認定事業者においても先ほど申しました多様な業態の事業者との連携や、処理の効率性の向上にも積極的に取り組んでいく姿勢が重要かと思います。

 30ページの右下に、少し小さいですが、採算がとれているという青い棒の部分を見ていただくと、ラインを自動化、機械化している、他社と連携を強化していると回答した部分については、採算がとれているという事業者の方が棒グラフとしては多くなってございます。このような取組が重要になってくるというところであります。

 31ページはそのようなことを整理したスライドでございますので、飛ばさせていただきます。

 32ページを御覧ください。

 回収だけでなく、再資源化処理の効率性も高めていくことが重要になりますが、そのために認定事業者ではさまざまな取組を行っているということで、左下の棒グラフでも示しているところです。赤く囲っているところを御覧いただきたいのですが、特にその下の部分、市町村との連携、他社との連携というところも非常に重要になってまいりますし、資料2の説明にもありましたが、日々、処理プロセスを改善し、効率性を高めていく努力を認定事業者の方にしていただいていますが、それも極めて重要な取組だと考えております。

 最後の33ページ目ですが、そうした処理を実際に行っていくに当たっての新たな技術の導入というところで、特に国として29年度の概算要求中ですが、取り組もうとしている新たな事業について御紹介しております。特に、自動選別技術の導入を国としても支援しておりまして、認定事業者の採算性向上に向けた取組を経済産業省としても促していきたいと考えている次第でございます。

○森田補佐 引き続きまして、34ページ以降について御説明いたします。

 ここまでは回収量の拡大の観点からの説明をしておりました。一方で、3年間が経過しさまざまなデータがまとまってきたところですので、回収量以外の観点からもこれまでの取組を評価できないかということで検討を行っております。

 35ページを御覧ください。

 資料2でも御説明しましたが、認定事業者から毎年回収量だけではなく、そこからどれぐらいの金属やプラスチックを取り出したかという再資源化量の報告を受けているところです。それをもとに各年度ごとの単価で掛け算をした再資源化額というものを算出しています。

 36ページを御覧ください。

 左側が再資源化量に占める金属の割合。右側が再資源化額に占める金属の割合。見ていただいたらわかるとおり、量については鉄の占める割合が非常に多くなっています。一方で、再資源化額につきましては、金や銅の占める割合が多くなっています。

 こうしたところから、制度の進捗状況を図る上で、回収量にポイントを当てるというところとは違った、高品位品を集めたり、さらには認定事業者の技術が高まることによってより貴金属を選別できるような、そういったところも評価できるような観点の考え方ができないかと検討いたしました。

 37ページ目のところを御覧いただきたいと思います。

 私どもの考えたところですけれども、回収された資源を評価する観点及び消費者の皆様に進捗状況をわかりやすく伝える観点から再資源化額を評価しようと考えております。評価の観点と書いている四角のところを御覧いただきたいと思いますけれども、各年度の実績報告から鉄や金、銀等の金属の再資源化額の合計値を算出式で出しました。一方、資源価格を特定の年度に固定しますと、それぞれの年度ごとで大幅に資源価格が上下いたしますので、過去10年間のそれぞれの金属の平均単価を用いることといたしました。その結果出された値につきまして、制度の評価の目安として毎年審議会で報告したいと考えております。

 参考までですけれども、30年度には53億円になるというトレンドが出ているところです。

 38ページは、先ほど申し上げました回収量以外にも例えばプラスチックの再資源化された重量、熱回収された重量、携帯電話、パソコンの量といったところが評価することとして考えられるのではないかということです。

 続きまして、資料4に入りたいと考えております。「更なる回収量拡大に向けた取組」という資料を御覧ください。

 まず、先ほど小型家電リサイクルの回収がうまくいかない理由として3つ大きな課題があると申し上げました。資源価格の下落、市町村ごとの取組状況の差、さらに認知度の課題、こういったところに取り組んでいきたいと思います。

 まず、1ページ目の真ん中のところを御覧いただきたいと思います。先ほど、委員から御指摘のあったとおり、小型家電リサイクルについて費用、あるいは便益計算をやっているかというアンケートをとったら、費用を計算している市町村が182、便益を計算している市町村が190ございました。

 1,741市町村のうち、2ページ目の上のところ、計算をしているのはわずか182に止まっているところです。こうすると、3つ目の丸に書いてありますが、今後新たに取組を行おうと思っても、費用対効果の検証ができないために、取組を進めることが難しい市町村が存在するということです。

 そこで、平成27年度には、市町村の小型家電リサイクル事業の費用便益を簡易に計算することを目的として、エクセルファイルですが、費用便益分析ツールというものを作成し、今年4月に全国の市町村に配付しております。これはなるべく簡易に小型家電リサイクル事業の費用便益を計算してもらうことをコンセプトにして作成したものです。

 内容については、3ページの左側の図を御覧いただきたいと思います。

 3つの図が載っているところですが、一番左側、小型家電の引渡しによる便益です。

 まず、便益として加算するものとしては当然小型家電の認定事業者への売却額です。それ以外にも、リサイクルをしなかった場合に、例えば薬剤投入量、処理費用、埋立費用、こういったものも便益として加算することが考えられます。

 この薬剤費用や埋立費用をしなかった分を加算することによりまして、取引価格の低い扇風機やマッサージチェア等のいわゆる低品位品のリサイクルでも便益が加算されることとなります。

 続いて、真ん中のところですけれども、費用としましては収集運搬費や人件費等加算することによって簡便に算定結果が出されるというツールです。このツール、まだまだ改善の余地があるところですので、改善要望等を踏まえて改良していくところです。

 続きまして、費用と回収量の関係について分析したものが4ページ目です。

 真ん中のグラフです。縦軸が1人当たりの回収量、上に行けば行くほど1人当たりの回収量が多くなっています。横軸が単位回収量当たりの費用のグラフですが左側に行けばいくほど、費用をかけていない、つまり効率的に回収を実施しているということになります。

 それに基づいて、各市町村の回収量と費用のところをプロットしました。青い菱形の点が人口5万人以上、オレンジの三角形が人口5万人未満となっております。

 これを見ますと、Aというグループ、回収量が多く回収費用が高いグループですけれども、上のほうに行けば行くほど、1人当たりの回収量が高ければ高いほど上に行くという、要は右下がりのグラフの傾向が出てくるということがわかりました。

 そこで、回収量が多く、回収費用効率も高いグループがどんな回収方法をしているのかというのを5ページ目で検討しております。

 Aのグループ、5ページ目の左上ですが、ピックアップ回収を中心にさまざまな回収方法をしています。参考までに、右下の部分ですが、回収量が少なく効率も悪いところではボックス回収をメインに、左側のDの部分、回収量が少ないけれども回収効率が高いグループはボックス回収を中心にさまざまな方法をやっているという傾向がございます。こういったところに回収量と回収効率の改善の可能性があるのではないかとさまざまな方法を取り入れることが必要かと考えます。

 先ほどから申し上げていますように、こういった方法については市町村ごとによって状況も異なるところです。今年度からこれまでの実績を踏まえて、市町村の支援事業というものを開始いたしました。

 6ページ目を御覧いただきたいと思います。

 小型家電リサイクル促進に向けた市町村の支援事業です。左からそのフローについて御説明したいと思います。

 小型家電リサイクルに取り組まれている市町村の中で、なかなか回収がうまくいかないといった市町村の声が挙がっています。そこで、まずは現場を確認し、そして次に右側です。職員、施設の管理者の方々と意見交換を行います。そこで、課題抽出を行った上で、改善の余地のあることに対して改善策を提案します。そして、提案された内容について市町村の皆様に御検討いただいた上で、改善策に取り組んでいただく、こういうフローとなっております。

 具体的な事例といたしまして、7ページ目にボックス回収の事例を書いております。左側から御覧いただければと思います。ボックス回収を実施している中でも、ボックスの置き場所の最適配置を検討する事例です。ボックスの設置場所ごとに回収量を把握して、回収量の少ない原因を分析します。

 左下の矢印の緑のところを御覧いただきたいと思います。

 例えば、設置場所が生活動線に沿っていないことや、車での移動が多い地域ですと駐車場がない、もしくは狭いということ。さらには、そもそもボックスが目につきにくいところにあることがポイントとして挙げられます。

 そこで、移動先を検討いたします。回収量が拡大できるような民間の店舗、駅、郵便局、そういったところに設置できないかということを検討します。ただし、移動先の検討の青い四角の中にも書いてあるとおり、商業施設はほかの事例を紹介しつつ、相手方への負担が大きくならないように配慮する必要がございます。

 ボックスを移動した後は、当然住民の皆様への広報がポイントになります。ウェブサイトの掲示、広報誌への掲載、さらには移動した先の例えば商業施設等でチラシを配付するということが効果的と考えられます。この効果の検証を行って、その際には、効果を費用便益ツールを用いて改善状況についても確認したいと考えております。

 続きまして、ピックアップ回収についてもフローを示しています。ピックアップ回収の場合、実際にその対象とする不燃ごみに対して小型家電が含まれているか否かを確認することがありますので、まず左側として組成調査を実施します。次に、右側にいきまして、ピックアップ回収の方法として、人員を確保できるか、作業場所を確保できるか、保管場所の確保ができるかという、方法策を検討しています。

 次に、実際に実施する場合に、下の矢印ですけれども、ピックアップする品目を明確化して、作業動線を改善していくことが考えられます。その結果の検証を行って改良できたかどうかということを確認する流れを考えております。

 さらに9ページ以降です。先ほど小規模な市町村に対する支援がポイントになると申し上げましたが、例えば小規模の市町村に関しては回収ルートを効率化したり、一部事務組合の集積を図ることによって、小型家電のロットを大きくすることによって売却価格の向上、認定事業者にとっては収集運搬の効率化というものを図ることができると考えられます。9ページです。

 次の10ページ目を御覧いただきたいと思います。

 実際の事例といたしましては、山口県内の1市2町で取り組んだ事例が昨年度ありました。

 柳井市、上関町、田布施町が合同で、収集運搬日を同日に設定することによって、運搬コストの削減を行っています。

 また、11ページです。福島県伊達地方衛生処理組合の中の桑折町、国見町では、共同で収集運搬を行うことによって、費用を3分の2程度節約したという事例もございます。

 さらに、12ページを御覧いただきたいと思います。市町村や認定事業者の連携という観点でいきますと、事前に認定事業者と協議することで対象品目を設定したり、買い取る場合の複数の契約を結ぶという工夫が考えられます。こういった形で、市町村ごとの取組状況の差というものをなるべく埋めて回収量の拡大を図っていきたいと考えております。

 次に、認知度観点から考えていきたいと思います。13ページを御覧ください。

 小型家電リサイクルの情報共有についてです。先ほども御意見がありましたとおり、消費者の方々には小型家電リサイクルをしようにも、どこに出せばいいのかというのが住民の方々になかなか伝わっていないところがあります。そこで、今年7月に全国各地の市町村の回収品目、方法、場所等を知るための一元的なホームページを環境省で作成いたしました。これによって、お住まいの市町村の回収方法や回収場所等がわかるシステムになっております。

 さらに、14ページを御覧いただきたいと思います。広報の取組です。

 小型家電リサイクルにかかる広報や普及啓発です。小型家電の普及啓発のために、テレビCMを作成して、今年2月、11月にそれぞれ放送しているところです。また、動画コンクールを実施したりして、より幅広い方々に普及啓発を図れるようにしております。

 また、皆様からいきますと左側にPRのためのポスターを東京メトロ、JRの駅で掲示しているところです。

 皆様のお手元にクリアファイルをお配りさせていただいておりますが、こういった普及啓発を通じて、小型家電の認知度を上げていこうと考えております。

 今回、朝の連続テレビ小説「べっぴんさん」に主演されている芳根京子さんを小型家電リサイクルマネージャーとして起用しております。

 15ページ以降は学校教育との連携です。昨年度、都内の3カ所の学校でモデル事業を実施しているところです。平成28年度は授業で実際に活用できる資料教材、授業展開の映像を盛り込んだDVDパッケージを作成しました。さらに、全国の小学校の教育研究会等においてもブースを出展して、このDVDパッケージを配布しているところです。この中身ですけれども、実際の事業展開の模擬授業の映像や、配布資料や展示物のデータなどが入っています。

 16ページ以降では、これは出前授業ですけれども、中部経済産業局が取り組まれている事例です。子どもたちの夏休みの自由研究の一環で、有用金属を取り出すイベントというものをされているところです。こうした取組で、ごみの減量や限りある資源を大切にすることの重要さを学ぶとともに、違法な不用品回収事業者の撲滅等を目指していくということになっております。

 そうした中で、この違法な回収事業者による不適正な処理についても、環境省としても対策をしているところです。17ページを御覧いただければと思います。御案内のところですけれども、違法な回収事業者に家電や小型家電が回収された場合、国内の環境悪化だけではなくて、海外に輸出された後の不適正処理が行われる可能性があります。また、パソコンなどの個人情報を多く含む機器を引き渡した場合、それらの情報が漏えいする可能性もあるため、こうした対策が必要となってきます。

 1枚めくっていただきますと18ページですけれども、違法回収事業者の取り締まりについて、市町村の担当者向けのセミナーを実施したり、さらにはモデル事業を実施して、こうした取組に対応しているところです。

 資料の説明は以上ですが、14ページ目の芳根京子さんに出演していただいている動画ですけれども、今年度も東京メトロやCM等で流させていただいているところです。手前のスクリーンで放映させていただきたいと思います。お願いいたします。

(映像放映)

○森田補佐 資料の説明は以上です。

○細田委員長 ありがとうございました。

 ただいま事務局から御説明のありました資料3は、平成27年度までに年間回収量14万トンの達成状況等を踏まえ、制度の見直し年度である平成30年度まで目標年度を用いるという提案がございました。また、資料4では、さらなる回収量拡大に向けた取組についての御説明がございました。これらについて御意見・御質問のある方は、またネームプレートを立てていただき、御質問・御意見の意思の表明をしていただきたいと存じます。また、大変恐縮ではございますが、簡潔に御発言をまとめていただくようお願い申し上げます。順次御指名させていただきますが、今度は逆にこちら側からまいりたいと思います。

 早く退席される髙橋勝浩委員、よろしゅうございますか。では、髙橋委員、早く退席されるそうで、御意見を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。

○髙橋(勝)委員 ありがとうございます。私どもの市でも、小型家電リサイクルに積極的に取り組んでいるところです。例えばリネットジャパンさんと協定を結んで、直接回収をお願いしているところです。現時点では、パソコンが入っていると無料ということで、入っていないと送料は自己負担ということがあるのですが、今のお話の中でも、今後の買い取り単価を上げるためには、稀少金属の含有率を上げるという意味で、パソコンを入れることを推奨されているような話もあったわけでありますが、一方でPCリサイクル法で払ったデポジットのほうは、こっちの小型家電のリサイクルのほうに流れていくと、このデポジットは最終的にどうなるのかなと思いまして、それを教えていただければありがたいと思います。

○細田委員長 ありがとうございます。

 それでは、こちら、村上委員、どうぞ。

○村上委員 ありがとうございます。村上です。

 まず、目標の値そのものの話ですけれども、14万トン据え置きということに関しては、特に異論はないところであります。現状を踏まえて、そんなところかなと思いますが、一つコメントらしきことをさせていただくと、これはもともとが促進法であるということもありますので、これは絶対に達成すべき目標という言い方ではなくて、やはりこの辺が狙いどころという目標という解釈でよろしいのではないかと個人的には思っていますし、そういう意味で、資料3の最後のところで額の指標みたいなものをお出しいただいていますけれども、こういった補助指標的なものをモニタリングするということで、14万トン前後でぶれたときの解釈をしていくようなことが必要なのかなと思っているところであります。

 あともう一つというか、実際に具体的にどうやって取り組むかというお話はたくさんいただいておりまして、それぞれの取組はそれぞれ効果的なものであろうと思っているところですが、例えば、資料3の8ページ目のフローのスライドを拝見していて、ざくっと今、市町村に25万トン行っていて、そのうち15万トンぐらいが最終処分に行っている、それとは別に小売店に10万トン弱ぐらい行っているというのが現状だというお話なんですけれども、市町村側での取組とはこの15万トン行ってしまっているものをどこかに回すということなのかなと思っているところです。

 他方で小売店さんのところにも10万トン入っていっているというのが、この手の消費者アンケートの拡大推計のフロー推計というのは怪しいというのは自分自身がとてもよく知っているところなので、あくまで粗っぽい数字だとして読むべきだとは思っておりますが、これはどこに行っているのか、もうちょっときちんと精査しておいてもいいのかなと思います。正しく処理されているのであればそれでいいということもあるであろうし、小電法の枠内に持ち込んでこられれば、それだけで数字が増えるところもありますので、その辺はきちんと検討していただきたいなと思うところです。

 総じて、物流に対してコントロールが効きそうなステークホルダーの方にうまく関与していただくというのは非常に重要なところだと思っていまして、そういう意味での小売店の部分に関して精査して、必要に応じて関与いただくというのがよろしいかなと思っている次第であります。

 とりあえず以上です。

○細田委員長 張田委員、どうぞ。

○張田委員 ありがとうございます。それでは、認定事業者の立場から、この3年間、これまでと、そしてこれからのことに関して、今発表いただいた内容に添えて、少し意見を述べさせていただきたいと思います。

 今日も参考資料1で配られております基本方針ですが、ここは法律は何を要求しているのかというのをいま一度しっかり振り返っておくべきではないかと思います。有用資源の回収、環境負荷物質の制御、そして高度な再資源化、キーワードをしっかりかみ込んで具現化していくことが大事になってくるかと思います。

 そして、回収量の部分で少し触れさせていただきますと、今日、資料3の29ページで事例として取り上げていただきましたが、収支を見た場合に、小型家電だけの事業収支で見ていけばマイナスになってくるような事例も多々出てくるわけですけれども、社会全体の事業収支といったところに目を配れば、全然違う視点が見えてくることがございます。つまり、今、資源の下落で有価性が担保できないみたいな話が結構先行されるのですけれども、社会のそういう廃棄物全体のコストというところに目を配りますと、みんなで連携して最終的にコストを下げることができれば、それも一つの手になると解釈しております。

 私たちの事例としましては、小型家電をきっかけとして、これから市町村のニーズ、それはごみ処理のコスト最適と持続性です。消費者におきましては、いろいろなニーズがありますけれども、不用品を便利に安全に捨てたいというのが、最も上位のニーズになるはずです。その課題は何かというのを、各認定事業者も任された地域でしっかり結果を出していくために、つかみ間違えないようにしていくことが必要になってくるかと思います。

 先ほど述べました収支ですが、この法制度において、もう少し切り込んでいくインセンティブの出し方というのは、まだ方法がたくさんあるように感じている一人でございます。

 伊勢志摩サミットで富山環境大臣会合が開かれましたけれども、E-Wasteの方向性が世界でも共有されましたし、また日本国内では越境廃棄物に関する議論も進行しております。こうしたタイミングで小電法が整備され、まだ課題は残すところではありますが、日本のこれからの未来への準備を整えるために、この法律がなし得る付加価値の出し方というのはまだまだあるのではないかなと感じる認定事業者の一人でございます。

○細田委員長 では、西尾委員、どうぞ。

○西尾委員 さまざまな形で支援策を考えられているということは非常によいと思います。例えば費用便益分析ツールを使えば費用対コストを検討できるというのは、市町村等とのコストの問題はどう考えればいいのかという点でも、一定の解を与えるものといえます。一方で、費用便益は時系列的に変動するものでしょうし、規模との関連性もあるでしょう。そこで、ツールを作るだけでなく、誤解を招かず、正しく使われるための方策も含めて検討する必要があると思います。

 そういう意味で、個別にコンサルテーションすることは意味があることだと思います。しかし、全ての市町村に対してやるといったら大変なことになります。今回は25市町村ということですが、これらは全国の縮図・代表のようなものだと考えてよいのでしょうか。実際に、どういう基準で選んだのか、また、今後全国的な展開にする際に、どのような対応をとられるのか教えてください。

 以上です。

○細田委員長 中島委員、どうぞ。

○中島委員 再資源化のところなのですけれども、去年に比べて金と銀とプラスチックのリサイクル率が上がったということが書いてあります。これは、逆有償が増えて、有料なものだけが増えて上がったということだけではなくて、認定事業者の努力も買ってもらいたいなと思っているんです。いろいろ設備投資をして、いかにリサイクル率を上げていこうかという努力を日々しているわけですけれども、限度があるんです。だから、本当は、高炉だったり、電炉だったり、非鉄精錬所だったり、プラスチック業界だったり、ガラス業界などと一緒になって、全体の資源をどうしていくかという、全体のフローの見直しなどもする必要があるのではないかなと思っています、その辺はどこか議論をする場所をつくっていただければありがたいと思っています。

 市町村の連携のところですけれども、認定事業者が集積場をつくって、そこに近隣の自治体に参加してもらうということをやろうとしたときに解決しなければいけないところがいっぱい出てくると思うので、その辺の制度的な支援をお願いしたいなと思っているところです。

 不用品回収業者のところですけれども、取り締まりが厳しい地域は不用品回収業者が減ってきていて、それは目に見えてわかってきているのですけれども、取り締まりが緩いところに移動してしまっているケースも多々あって、全体で取り締まりを厳しくしていかないとこれ以上減らないので、その辺はしっかりやってもらいたいと思っています。

 以上です。

○細田委員長 それでは、髙橋修委員、どうぞ。

○髙橋(修)委員 ありがとうございます。私は、大手家電流通協会、家電量販店の業界でございますけれども、意見というよりは、この場をちょっとおかりいたしまして、私どもの取組の現状ということについて少し知っていただければなと思って、ちょっと発言させていただきたいと思います。

 まず前提として、私どもは民間企業でございまして、各会員企業同士は競争関係にございます。小型家電のリサイクル回収については、いわゆる収集・運搬にコストが発生するわけでございます。消費者の皆様から排出された小型家電品を保管するコスト、運搬するコスト、作業コスト、事務経費等々、コストがかかるわけでございます。私どもは、このコスト競争という中で、また近年ではネット販売といった業者との競争の中で、会員企業間でもさまざまな考え方がございまして、正直、量販店、会員企業間で取組には温度差があるというのも現実でございます。一方、消費者の皆様からの要望として、買いかえ時に排出しやすいといった利便性から、買いかえ時の排出ニーズというのもございますので、それにお応えしていくといった私どものサービスという側面から、認定事業者様と連携して、その消費者の皆様の排出ニーズにお応えしていこうということで取組をしている企業もあるといった状態でございます。

 回収量拡大に向けた取組ということで、資料3の26・27のスライドで私どもの取組という観点で御説明いただいたわけですけれども、まず積極的な広報、それから市町村との協力体制の構築、それから回収店舗数の増加、また認定事業者様との連携の強化といったことが挙げられていたわけでございますが、さきに述べさせていただきましたように、コストという課題があるということで、店頭での積極的な回収広報というのは、現状では難しいのかなと思っているところでございます。何人かの先生からありましたように、今後、コストの問題というのは、私どもの回収ルートも含めた逆有償といった観点も含めた、また社会全体を見たときの収支といったことも含めた、そういった検討の場というのですか、そういったものが必要ではないかなと思っております。

 それから、市町村様との協力体制ということについては、私どもとしましては、協力をさせていただきたいというスタンスで思っているところでございまして、そのためにも、私たちの店頭の現場という状況を御理解いただくための対話の場といいますか、情報交換の場といったものがあればいいのかなと思っております。

 また、回収店舗の増加という点では、さまざま各社、取組の考え方があるのですけれども、協会を通じまして、ここについては積極的に会員企業に対して働きかけを行ってまいりたいと思っております。

 また、認定事業者様との連携についても、これは効率化・合理化という観点からも当然ながら、連携を図ってまいりたいと思っております。

 いずれにしましても、家電量販店の業界としましては、回収量拡大については協力をしてまいる所存でございますので、私どもも関係主体として、今後とも関わってまいりたいとは思っております。

 以上でございます。

○細田委員長 ありがとうございました。すみません、時間の制約がございますので、申し訳ございませんが、2分ちょっとで、あと13人残っておられますので、それでも時間をオーバーして、若干時間をオーバーさせていただきたく存じますが、白鳥委員、まずお願いします。

○白鳥委員 すみません。では短く言いますが、今の御説明の流れですと、小型家電リサイクル法ができたときの目標値をそのままやっていけばまあ大丈夫だろう、その達成のためには皆さんの努力で何とかなるだろうという御説明に聞こえたのですが、先ほど来説明がありますように、資源価格は相当変わっているという事実。それから、小電リサイクル法ができたときの考え方としては、促進法でありながらも、一般廃棄物として相当捨てられてしまっているものを何とか救おうと。救っていく中で、これぐらい集めれば何とか採算性がとれるだろうということで14万トンと決まっているわけですよね。現在そこで前提が崩れているわけですから、そこは、そんなに簡単に同じだというのはちょっと無謀かなと私は思います。

 今まで皆さんのお話にあったように、いろいろな観点から、先ほど来あるように、海外流出を減らすとか、本当に処分場を延ばすとか、そういったことも入れて、もう一回議論する場というのが今後必要かと思います。どうも、収集量を増やせばいいというのと、あとお金がこんなになりますよという説明だけがなされていたような気がします。

 お金の話でいってしまうと、資料3なのですが、これは資源の生価格を言っているわけです。今、収集のコストの話はされているのですけれども、処理のコスト、それから当然有害物、それから廃棄物、これを削減して有害物を管理しているわけですから、そちらのコストも加味して、いろいろな観点から考慮していかなければいけないかなと思います。

 以上です。

○細田委員長 ありがとうございました。

 下井委員、どうぞ。

○下井委員 ありがとうございます。1点だけ。市町村の取組についてですが、いまだに取り組んでいない市町村、それから取り組んではいるけれども、回収量が少ないところというのがあるわけで、こういう市町村に対して、その成功例を紹介するとか、いろいろなアドバイスをするということは非常に大事だろうと思います。

 ただ、この点で気になったのが、資料4の4ページ以降のいろいろなアドバイスというか、その内容についてですけれども、これらは先ほど環境省さんから御説明があったときにまさに言っていらっしゃったことなんですが、なかなか回収がうまくいかないけれども、何とかしたいという市町村を念頭に置かれていると思います。そういうところは基本的にやる気がある。この事業をやることにメリットを感じていらっしゃるところには、こういうアドバイスは有用なのだろうと思います。しかし、そもそもこの事業をやることについてのメリットをまだ感じていらっしゃらない自治体も決して少なくはないだろうと。そういうところについては、資料4の3ページの費用便益分析ツールをお示しするというのが非常に大事なのだろうと思います。

 財政の問題とか、人の問題とか、いろいろ難しい問題はあるのだろうと思いますが、この費用便益分析ツールのところの便益のほうで、今、白鳥委員がおっしゃったこととも重なるかもしれませんが、この点で私は印象に残ったのが、資料3のほうの13ページで、回収量が多い市には、焼却最終処分量の削減等を動機としたというのがあって、市町村にとっては、この焼却場の延命、処分場の延命というのは非常に大きな問題のはずなので、この費用便益分析ツールにその延命という要素も入れていけると、それなりに説得力が上がるのではないかと思いました。

 以上です。

○細田委員長 篠木委員、どうぞ。

○篠木委員 ありがとうございます。今、下井委員が御指摘された資料4の4ページ・5ページ辺りについて、質問があるのですが、5ページを見てみますと、Cグループは回収量が少なく、回収費用効率が低いグループで、ボックス回収という体制が主であるように見えます。これに対して、回収量が多く、回収費用効率も高いグループというのは、「ピックアップ回収を中心により多様な」と書いてあります。この図のままですと、ボックス回収が悪者のように見えてしまって、ボックス回収はしないほうがいいのではないかといった誤ったイメージを与えてしまっている気がいたします。恐らくこれは、ボックス回収をしているだけとか、ボックス回収とピックアップ回収の組み合わせとか、いろいろな回答が混同されてここに提示されているのではないかと予想するので、そのあたり、もう少し組み合わせ等々も含めて整理して示していただけると、どういった回収方法を採用すると、うまく、費用効率も高く回収できるのかということがわかるのではないかなという気がいたしました。

 それから、13ページ・14ページ以降、いかに人々の認知を変えるかというところで、環境省のホームページあるいは先ほど見せていただきました動画等があるというお話でしたが、実際に本当に認知が変わったのかということを把握するにはどうする御予定なのかということについて教えていただければと思います。

 以上です。

○細田委員長 佐藤委員、どうぞ。

○佐藤委員 私の意見は書面で出しておりますので、違う観点から申し上げます。

 参考資料1の4ページを見ていただきますと、小型家電の措置の内容として一番最初に記載されているのは、消費者は、小型家電を分別して排出し、市町村や認定事業者から委託を受けた小売店等に引き渡すという努力義務がある。また、産廃小型家電についても、事業者は、認定事業者に引き渡すよう努めなければならないという努力義務があるわけです。消費者がこの努力義務を果たすためには、約1,700の市町村が実際は関与しているのですが、市町村の中には、担当者が専門にはいないという自治体がたくさんあるわけです。そうしますと、そういう市町村の困難さを考えると、この消費者の努力義務に応えるために、もっと制度を拡充する必要があると思います。

それからもう一つは事業者の産廃小型家電なのですが、実は今日の発表の中で、事業者がこの努力義務を果たすためにどうすればいいかという議論は一つもありませんでした。日本の産業界の構造のうちの70%は、第三次サービス産業でありまして、ホテル、小売店、オフィスなど、さまざまな事業者がたくさんの小型家電を排出しています。この人たちがどうやって小型家電を排出するかというと、現在はマニフェストと契約書が義務づけられているのです。そうすると、この努力義務を果たそうとしても、契約書とマニフェストをどう作成するか、現地確認義務まであるのかといったら、一つのパソコンを捨てるためにそんなことはできないわけです。事業者がこの引き渡しの努力義務を果たすことを簡単にすることによって、この法律の目的が達成できると思います。ですから、そこは考えていただきたいと思います。

○細田委員長 佐々木委員、どうぞ。

○佐々木委員 ありがとうございます。まず回収量の目標の考え方でございますが、いろいろな議論があるとは思うんですが、現状では14万トンを維持して、30年までどこまで頑張れるかということが、一番考え方としてはいいのではないかなと思います。

 また、市町村の立場で言うと、団体数では70%ぐらい、ただ、人口比で言うと86%というので、かなりの自治体がもう参加しているという理解のもとで、当然、不参加の自治体は入っていただくということなんですが、この市町村が実際に実効を上げる回収をするためには、小売店さんとか量販店さんとの協力というのがもう不可避でございます。今日は両者から協力していただけるというお話もありましたので、今後具体的な協力ということで、こういう場合はどうだろうかということで御相談させていただければと思っております。

 また、資料4で、今後、回収量を増やしていくというところで、人手をかければ増えるという傾向も多少あるのですが、例えばピックアップ回収がいいからといって、実際にそういう人員を配置させていないところで、誰がやるのかということにもなりますので、方法等については、その自治体の置かれているロケーション等々を踏まえた上でいろいろ議論していただければと思います。

 以上です。

○崎田委員、どうぞ。

○崎田委員 ありがとうございます。まず目標値ですけれども、私も、目標の達成年度を少し後ろにして、同じ数字で目標に取り組むというのに賛成します。なぜかと申しますと、今日いただいた資料の中で、自治体の中で26年から27年で回収量が2倍になったという地域が28%もあるというのは、それなりにそれぞれに適したやり方を見つけていけば、回収量は増えるということだと思います。まだまだそういう取組が定着していないと思いますので、私は、しっかりとそこに取り組んでいただくことが大事だと思っております。

 まず、自治体自身も真剣に考えていただければと思うんですけれども、そういう意味で、コストの費用便益をきちんと算出した自治体が数からいうと182市町村のみということに私は非常に驚いたのですけれども、それだけ大変な状態であれば、そこをしっかりといろいろな方に伝えるためにも、明確にこういうデータを出していくというのが自治体の皆さんにとっても大事なのではないかと思います。182市町村というと、実施の15%ですか。そのように思います。

 ただし、そういう厳しいというか、そういう話だけではなく、環境省もしっかりとアドバイスをするという仕組みがあるということ自体は賛成です。やり方に関しては、今年度は25の市町村と書いてありましたけれども、これでは数が少ないのではないかという感じがしまして、例えば地方事務所ごとに、関心のある自治体に集まっていただいて、ワークショップ形式で半日間じっくりと本当にそこの計画をつくってみる。そのくらいの具体的なやり方で自治体と取り組むのはいかがかと思っています。

 なお、環境教育に関してもいろいろ出ておりましたけれども、次の世代に伝えていくことは非常に重要なのですけれども、環境省の方とか自治体の職員だけが実施するということになると、とてもとても大変ですので、できるだけ具体的な内容を環境団体とか、地域の3Rに関心のある団体にきちんと伝えるなど、普及啓発の人材育成をしながら広げていくとか、そういうところの戦略が必要なのではないかと思います。

 よろしくお願いいたします。

○細田委員長 齊藤委員、どうぞ。

○齊藤委員 ありがとうございます。大きく一つ申し上げたいのですけれども、最初に経産省の髙角課長がおっしゃったように、制度の持続可能性の追求というところが非常に大事かと感じております。事業者、市町村、市民、いずれの皆さんにとっても負担なく、メリットのある制度にしないと、この制度は続かないのではないだろうかと。それによって社会全体でコストを減らしていく仕組みであるべきではないかなと思います。

 例えば事業者の話でいきますと、資源価格が下落して、今後、製品における資源性の低下も指摘されていまして、資源の市場価値がゼロになっても回る仕組みを考えていかなければならないのだろうなと。先ほど張田委員もおっしゃったように、社会課題、行政の財政難を踏まえまして、廃棄物処理も含めた提案をしていくことであったり、市民のごみ出しニーズ、有料でも引き取ってほしいというニーズに対して対応していくことであったり、認定事業者さんが工夫することで、資源の市場価値ゼロでも回る仕組みをつくる。

市町村にとって負担なくということを考えますと、先ほど石川委員や村上委員から御指摘がありましたように、無理せず、実情に合わせて、持続可能に回っていくことが必要になるのではないかと感じております。もちろん、やらなければいけない、やりたいところには進めていただければいいのですが、そもそも促進法であるということを確認したいと思います。

 最後に市民ですけれども、市民が一生懸命教えられて、参加しなければいけないという話で今いろいろな取組がされていますけれども、そこまで啓発しなくても回る仕組みというのを考えてもいいのではないかと思います。具体的には、事業者や行政が利便性を提供することで、やらなければいけないからやるというよりも、こっちのほうが便利だからやるという仕組みをきっちりと構築していくということです。前回の場でも、常時啓発して知らしめるというよりは、必要なときに適切な情報が得られる仕組みがより必要ではないかと申し上げたところです。

 取組が進まない理由として、最初に3点説明いただきましたが、その1つ目が「価格下落」でした。価格下落については、先ほど申し上げました、下落しても回るような仕組みというので考えていくべきだと思いますし、2つ目の理由の「市町村の取組の差」については、取組の差があるのは当たり前という前提で進めていただければという気持ちでございます。3点目に「認知度が高くないから進まない」という理由も挙げられていましたけれども、先ほど申し上げましたように、認知度が高くなくても回る仕組みというのを考えたいと思います。

 以上のことを踏まえ、では国や市町村はどうあるべきかと考えていくと、やはり促進法ですので、連携の推進や、より邪魔なものをなくす規制緩和の推進など、いろいろな方面からの支援も必要かなと思います。

 以上です。

○細田委員長 小島委員、どうぞ。

○小島委員 ありがとうございます。2点、申し上げたいと思います。

 まず、資料4の分析はとても有意義なものだと感じました。その中で、もう少し分析してもいいかなと思った点があります。それは、資料2の回収を実施しない理由が市町村から幾つか挙がっているかと思いますけれども、そういういろいろ難しさはある点について、どのようにほかの自治体が乗り越えているかというか、障害を軽減して取組を始められているかというところをうまくまとめていただけるといいと思ったということが1点です。

 もう一つは、実施が始まってからだんだん時間がたってきますと、認知度は当然あがってくる。それによって回収量が増えてくるという側面はあると思いますが、退蔵されているようなものが掃き出されることによって、収集の量が減ってくるようなこともあると思いますので、時系列にどう各自治体の回収量が変化しているのかを今後どこかのタイミングで分析に入れていただくのがいいと感じました。

 以上です。

○細田委員長 大和田委員、どうぞ。

○大和田委員 3点指摘させていただければと思います。

 最初の2点は、私がこの場にいるのは、この2点を言うために出てきているようなところであるのですけれども、1つは、既に資料3の33・34のところで御指摘がありましたけれども、不適正な海外流出防止をどのように考えるか。特に適正なレベルでの国際資源循環というのは大いに促進すべきだとは思っていますが、海外での適正なリユース・処理とか、それらをどう担保するかという、ある程度の条件のようなものを一つつけていかなければいけないだろうなと考えています。もちろん、WTOの範囲内でということになります。

 それから、2点目ですけれども、これは今、資源安の中で非常に難しい問題になってきていますけれども、レアメタルは忘れてはいけないと思います。恐らく、レアメタルショックは一番最初は三十数年前だと思いますけれども、そこからレアメタル価格は、基本的には5~6年周期で大幅に乱高下しているわけです。どうしてもこれは必須元素でございますので、このようなものを経済合理性の可否だけで考えていくのではなくて、それができれば一番いいのですけれども、こういった今のような時代にも、資源戦略の観点から、ある程度注視すべきだろうと考えています。

 それからもう1点は、これも資料3のところで、破砕選別技術に対する補助事業についてですけれども、私はここは非常に重要だと考えています。例えば、今、実際の認定事業者の方々が恐らく困っているというのは、低品位品と高品位品というのは幾つかの分類がありますけれども、その中でまず製品段階で、これらをざっくりと分ける。これは全部、今は手でしか分けられないのです。そういったことも含めて、大きな状態での製品や細かい部品の破砕・選別技術のICT化が重要であり、さらに将来的にはこれをIoTに載せられるような技術開発が必要になると思っています。これによって、収集率もそうですし、全体的なプロセスの回収率の向上にもつながります。また、先ほど中島さんが御指摘されたような全産業とどう連動していくのかの実現には、ICT化、IoT化というのは避けて通れないところでございまして、そういう意味でも、今のこの中間処理の技術というのは動脈産業に比べると若干遅れているところがありますので、ぜひ充実を図っていただきたいと思います。

 以上です。

○細田委員長 大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 1点は質問で、2点は意見でございます。1点の質問は、資料3のスライド27のところの宅配便回収ですが、この回収の費用負担は誰がしているかというのを教えてください。

 それから、意見ですけれども、今日の議論の中での最も重要な問題の一つは、再資源化された金属の市況が変化して不安定なことに対してどう対応するかということだと思いますけれども、先ほど来御議論があるように、逆有償になるような場合があるということを考えると、何らかの財政措置が必要だということはあると思いますので、これは現行法では無理ですが、例えば容リ法の拠出金のようなことを考えるということは、課題としては検討すべきではないかということを申し上げておきます。

 それから、もう一つの意見ですけれども、佐藤委員が、事業者の引き渡しの努力義務との関係でマニフェスト等が大変だというお話をされましたが、それはそれで、一方である議論だと思うのですが、他方で、現在、不用品回収業者の方が、一部ですけれども、不適正処理をなさっているという話も先ほど来出ていますので、両方の点をにらみながら、今後考えていくべきではないかということかと思います。具体的な話まで今するべきかどうかはよくわかりませんので、両方を考えるべきではないかということだけを申し上げておきます。

○細田委員長 大石委員、どうぞ。

○大石委員 ありがとうございます。3点ほど意見と質問です。

 まず1点。これまですでに各委員からお話が出ておりますけれども、資料3の3ページ、なぜ回収量目標を達成することができなかったかという要因のところです。例えば③の「制度の認知度」が上がっていったとして、それでも、①資源価格の下落によって回収量が下がる、ということになれば、これはつじつまが合わなくなってきます。先ほどから委員の皆さんおっしゃっておられますけれども、資源価格が下落すると、それに比例して回収量がさらに下がってしまうという矛盾を社会的にどのように解決していくか、ということを課題として感じました。

 それから、リサイクル量を増やすためにパソコンを品目として取り入れていくという市町村の取組のお話がありました。これは資料2のときに質問すべきだったかもしれませんが、資料2の3ページの、小型家電がリサイクル事業者のもとに回収された実績というところの下の参考の部分に、その他回収量というのがあります。既に回収の制度のあるパソコンや携帯電話、パソコン等情報機器のところで、年度ごとにかなりの差があります。パソコンや携帯電話の回収量は減ってきているのですが、パソコン等情報機器については増えています。それで、この回収量と小型家電リサイクルでの回収量とは関連があるのでしょうか、ここは御質問です。

 それから最後、これは意見ですが、確かに消費者の回収マインドを高めるために、金額で表示するということも一つの方法としてはあると思いますが、根本のところで必要なのは、なぜ私たちがこの小型家電のリサイクルをしなければいけないかということだと思います。こういうレアメタルとか貴金属を掘り起こすためにどれだけ地球への負荷をかけているのか、といった基本的なところを環境教育の中でぜひ言い続けていただきたいなと思いました。

 以上です。

○細田委員長 海野委員、どうぞ。

○海野委員 ありがとうございます。パソコン3R推進協会の海野でございます。

 パソコンに関しましては、小型家電リサイクルのほかに、メーカーもリサイクルを実施しておりますけれども、全体として回収量を拡大していくことが重要だと認識しております。メーカーも回収を進めておりますけれども、消費者にとっては市町村が最も身近な存在でありますので、資料3にありますように、市町村にはパソコンについても積極的に対応していただくことは必要なのではないかと考えております。

 また、パソコンが違法回収業者に流れますと、資料4にありますように、個人情報などの情報漏えいという懸念があります。違法な回収業者に流されないためには、正規の回収ルートに乗せるということが必要で、そのためにはメーカー、そして市町村の回収を拡大していくということが有効なのではないかとも考えております。国にはぜひ、情報漏えい対策の支援等の市町村対策といったものについての御検討もしていただければいいのではないかと考えております。

 以上でございます。

○細田委員長 では、石川委員、どうぞ。

○石川委員 まず、何人かの委員から既にお話が出ていますけれども、この小電リサイクル法の特徴というのは促進法ということになっています。そういう意味では、目標の考え方として、14万トンという量を決めているのですけれども、これはほかのEPRの法律に書かれている量とは位置づけが違うと私は思います。促進法というのは、基本的にはビジネスベースで、みんなが自発的に動く。そのために障害になっているものがあれば、それを取り除く、それから情報のギャップがあるのだったら、それを埋めるといった形で、取組を促そうという構造になっている。そういう意味では、法律のアウトプットというのは、どのぐらい新しい取組が行われたかということであって、そこにさらに国際資源価格が今幾らで、将来幾らぐらいになりそうかという情報があって、ではたくさん回収しようとか、ちょっと今はビジネスにならないなという判断になって、結果として量ができる。ですから、目標としても、達成すべき目標というよりは、今どうなっているかという目標ではないかなと思うのです、量で表すのであれば。2段階先ですから、もっと手前でどういうことが行われているかということで目標を提示するのだったら、わかりやすいかなと思います。

 それから、それと関連するのですけれども、今、量を増やす方策についていろいろ御説明があって、大変深い分析をされていておもしろいと思いました。一方で、量を増やすと、恐らく鉄とかプラスチックがたくさん集まってきて、金や白金は入ってきませんから、市町村の部分でいうと、逆有償の可能性、懸念が相当ある。そういう意味で、今あるデータの中で1人当たりの回収量と売り渡し価格の関係を見せていただけると、何かもっと深い議論ができるのではないかなと思いました。

 それから、資料4の4ページ目に両対数のグラフがあって、これは非常におもしろいデータだと思って見ていたのですけれども、解釈として、右下がりになっているということですが、これはテクニカルなので、細かい説明は省略しますが、何がわかるかという結論だけ申し上げると、平均的にこれは右下がりの直線だとみなすということは、実はこれは掛け算をすると一定だという関係なので、市町村は平均的には住民1人当たり小電リサイクル法にかけている金額が一定だということを意味しているのです。にもかかわらず、回収量は市町村によってとても違ってくる。ということは、予算か何かの制約で、大体こんなものだという予算が決まって、そこで費用効率的な手段をとった自治体はたくさん回収できていて、そうでない自治体はできていない、そのようになっているということを意味しています。

 それから、さらにこれは平均から相当ばらついているので、ばらつきのところを見ると、1人当たりにかけている費用は、これは一番多いところと一番少ないところで目の子で5,000倍違います。何千倍のオーダーで違う。そうなると、個別に検討しないといけないのですが、少ない自治体に関しては、やらないという判断があってもいいんですけれども、やるとなったのにそんなに少ないというのは、何か、私はちょっと少な過ぎるのかもしれないなという懸念を持ちますし、一番多いところは、わかっていてそれだけ出しているのかなというのが、ちょっと懸念としてはあります。

 以上です。

○細田委員長 ありがとうございました。

 一通り御意見・御質問を承りましたので、それでは、ちょっと時間は押していますが、事務局、環境省のほうから手短に、答えられるものだけで結構ですから、よろしくお願いいたします。

○森田補佐 それでは、御説明させていただきたいと思います。

 最初の髙橋委員の御質問にありましたパソコンのデポジットの話ですが、各メーカーがそれぞれの企業努力で内部化した形でリサイクル費用にも対応していると聞いております。なので、前取りという形ではなく、各社さんの努力の中でやられているということで聞いております。

 また、認知度の確認を篠木委員から御指摘していただきましたが、ビフォー・アフターでの確認後、今後、認知度調査等をしていく予定です。

 また、宅配便の料金というのは誰の負担になっているかというところで大塚委員から御指摘がありましたけれども、基本的に排出する消費者が宅配業者に対して支払って、回収していくというスキームになっております。

 また、大石委員から、各業界の回収量との比較のところでございますが、こちらはちょっと検討は特にしていない状況であるということを御報告させていただきます。

 また、御意見を今までいただいた中で、環境省では今年度から市町村の支援事業を始めているところですけれども、市町村ごとに状況は大きく異なるといったところで昨年度はいろいろな意見があり、そうであれば、実際に現場に行って、その中で最適なものを考えていくということを考え、今年度から実施しているというところです。もちろん、西尾委員から御指摘がありましたとおり、これをほかの全ての自治体にやることはなかなか難しいところでございますので、こういった知見をまたパッケージ化して、ほかの市町村に展開できるような形で取り組んでいきたいとも考えております。

 また、今回取り組んだところについて、今後、どのように回収量が拡大したのかといった効果の測定というのもフォローアップで必要になると考えております。

 環境省からは以上でございます。

○細田委員長 それでは、経済産業省、よろしくお願いします。

○武田補佐 数多くの御意見をいただきまして、ありがとうございました。

 総じて、促進法というこの法律の特徴を最大限に生かすべく、まだまだ足りないであろう、取組を促進しようというインセンティブをこの制度の中にさらに持たせていくというところでの検討は進めてまいりたいと思っております。

 また、経済産業省では、認定事業者の取組・あり方という観点で検討しておりますが、認定事業者は、いろいろな市町村の方と日頃おつき合いをされているというところで、そういった中で、いろいろなノウハウや、良い取組などの知見もたまっておられるのではないかなと思います。市町村と認定事業者の連携が必要だということで今回明確に打ち出させていただきましたが、1,700も市町村がありますので、認定事業者の方がもっと主体的・積極的に市町村との連携に取り組んでいただく中でうまいやり方というのを見出していくという、いい方向を期待していきたい。そのために国として何ができるかということは考えてまいります。

 促進法という観点で、この小型家電リサイクル制度を社会全体としてコストを下げながら持続可能なものにしていくためには、誰か特定の者に過度な義務を課すものではなく、何人かの委員の方からおっしゃっていただきましたが、経済合理性というのを大前提に、そこも連携というのが求められてくると思っております。

 そうした中で、冒頭、髙橋委員から、資源有効利用促進法に基づくパソコンのリサイクルについての御意見がございましたが、パソコンのリサイクルについては、いわゆるデポジット制、つまり消費者から前払いでリサイクル料金を徴収して回している制度ではございませんので、補足させていただきます。

 また、大手家電流通協会の髙橋委員から、家電量販店でもいろいろ協力をいただいているというお話をいただきました。量販店は、私から説明申しましたとおり、かなりポテンシャルは高いと考えられますので、今までもかなり御協力いただいていたところでありますが、そのポテンシャルをどのように無理なく生かしていけるかといったところは、これから十分にお話し合いをさせていただきたいと思っております。

 その他、いろいろ御意見をいただきましたけれども、今後の参考にさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

○細田委員長 よろしゅうございますでしょうか。

 時間もだんだん迫ってまいりました。御意見、ありがとうございました。

 本日皆様方から、回収目標達成に向けての各主体の取組について、多数の、また多様な御意見を賜りました。本日いただいた御意見を踏まえまして、環境省・経済産業省の両省では、小型家電リサイクルをますます推進していただきたいと思います。

 その目標となる回収目標ですが、先ほどまで議論させていただきましたが、平成27年度までとしている現状の年間回収目標14万トンについて、回収目標をこれまで達成していないことなどに鑑みて、目標年度を平成30年度まで延長させていただきたいと存じます。

 それから、中村先生にも御意見を賜りましたが、私のほうから3点ほど申し上げたいと思います。

 一つは、皆さんの御意見にもございましたが、この法律、自主的な取組あるいは創意工夫、促進型の法律で、認定事業者の役割というのは非常に大きいわけでございます。これから両省とも、認定事業者がより取り組みやすいやり方は何なのかについて、ぜひもう少し考えていただきたいのが第1点目です。

 第2点目は、石川委員の御発言にもありましたが、あの図は非常に興味深い図でありまして、まず、ちょっとばらついているということで、専門用語では不均一分散があるのですけれども、いろいろな制御変数があって、これはすごく精密に分析すると、いい結果が出てくるかもしれないので、なお、これはどういう影響でどういう有意性が出てくるのかについて、ぜひ分析していただきたいということです。

 第3点目は、これは白鳥委員あるいは齊藤委員、またほかの委員からも出ましたが、

大塚委員からも出ましたが、資源相場が想定したものと違うとか、さまざまな我々が想定していなかったようなことがあった場合に、この小型家電リサイクル法というのはこのままの形で進めていくのか、もっとファンダメンタルに見直す必要があるのかについても少し、だから急に何をしろというわけではなくて、いろいろな角度から御精査いただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、中村先生、全体を通じて何かコメントがございましたら、よろしくお願いします。

○中村座長 今日は、委員の皆様方から大変前向きのいい御意見をたくさんいただいたと思っております。ありがとうございました。

 総じて、基本的には、もう少しプレーヤーが一緒に議論して、お互いを認識するということが重要かなと存じます。これは何を言っているかというと、認定事業者と自治体とそれに直接的に関わる可能性がかなり強い量販店を含めて、意見交換をすることを積極的にやったほうがいいということです。本日の検討会のデータをまとめるときの検討会の委員長をしています立場上、そのように思われます。これは、ぜひ来年度以降、積極的にそういう場を設けて進んでいきたいと思っております。

 それから、今日のデータは、皆さんはこういうことが当たり前のように思われているかもしれません。おおよそのリサイクル量であれば、どの国でも出しています。しかし、個々の金属素材のリサイクル量について示せる国は日本しかないのです。それをぜひ御理解いただいて、これは、促進法ですけれども、これだけのことができていることを世界にアピールできる非常に大きなものだと思っております。

 それからもう1点。この法律ができたのは、ちゃんと法律に書いてあって、張田委員が言われたように、資源確保ですけれども、他方で有害物質の管理、廃棄物処理の減量化もあります。これらの便益をどのように考えるかというのは非常に難しい。特に有害物質の管理に対しての便益を考えるというのは大変難しいことですけれども、目の前の金額だけではなくて、そういうことがあるということをぜひもう一度我々は認識する必要があると思っております。

 あともう1点。これも量と金額が出ていますから、ちょっとお考えいただければと思うのですけれども、トータル回収量というのは、26年から27年にかけて1.3倍に。ところが、金額的には、特に金だけは1.5倍伸びているのです。これは、中島委員が言われたように、認定事業者がとても努力をされているのだと思います。そういう面で、皆さんそれぞれの立場で努力されているのだと思いますので、ぜひそのあたりを十分にお互いに理解しながら、これは促進法というまれに見る法律なわけです。これをぜひみんなで支えていけたらと思っております。

 以上です。

○細田委員長 どうもありがとうございました。

 それでは、これで本日は議論が尽くされたようでございます。活発な御議論、ありがとうございました。

 これをもって議事を終了させていただき、事務局にお返しいたします。

○田中室長 本日は多数の貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございました。小型家電リサイクル制度の発展に向けて、本日の御議論も踏まえまして、今後さらに検討を進めてまいりたいと存じます。

 本日の会議の議事録につきましては、後日、各委員の皆様に送付させていただき、御確認・御了承いただいた上で公開させていただきたいと考えております。

 次回会議の日程等につきましては、改めて事務局より御連絡させていただきます。

 それでは、以上をもちまして本合同会合を閉会させていただきたいと思います。

 長時間にわたりまして、誠にありがとうございました。

午後4時32分 閉会