中央環境審議会循環型社会部会特定有害廃棄物等の輸出入等の規制の在り方に関する専門委員会、産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会有害廃棄物等越境移動ワーキンググループ合同会議(第1回) 議事録

日時

 平成28年10月31日(月) 17:00~19:10

場所

 経済産業省 本館17階西3 国際会議室

議事録

1.開会

○相澤室長 定刻となりましたので、ただ今から第1回の中央環境審議会循環型社会部会特定有害廃棄物等の輸出入等の規制の在り方に関する専門委員会、産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会有害廃棄物等越境移動ワーキンググループ合同会議を開催いたします。委員の皆様におかれましてはお忙しい中御出席いただき、誠にありがとうございます。
 私は本合同会議の事務局を務めさせていただきます環境省廃棄物・リサイクル制度企画室長の相澤でございます。本合同会議の座長と進行は専門委員会とワーキンググループで交互に務めることとしており、今回は専門委員会側で務めることとしております。議事に入るまでの間、本日は私が進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 はじめに、環境省廃棄物・リサイクル対策部長の中井から御挨拶申し上げます。

○中井部長 本日は委員の皆様方におかれましては大変お忙しい中御出席いただきまして誠にありがとうございます。また、日頃より廃棄物・リサイクル行政に関しまして格別の御理解と御協力を賜っておりますこと、この場をお借りいたしまして、厚く御礼申し上げます。
 本合同会議のテーマであります特定有害廃棄物等の輸出入等の規制につきましては、我が国は1992年のバーゼル条約発効を受けまして、同年に国内担保法でありますバーゼル法等の整備を行って以来、関係省庁が連携し、不適正な輸出入の防止に取り組んでまいりました。法制定から20年以上が経過いたしまして、我が国を取り巻く国際的な資源循環の状況は大きく変化しております。廃棄物等がリサイクル資源として活発に流通するようになり、環境上適正な管理を前提とした健全な資源循環の実現が求められるとともに、人の健康の保護や生活環境の保全の観点からの取締りの重要性が増しております。
 環境省で昨年度に開催いたしました廃棄物等の越境移動等の適正化に関する検討会におきましては、現行制度では適切に対処できない様々な問題が顕在化してきているとの御指摘も頂いているところでありまして、今般、経済産業省とともに本合同会議を開催し、法改正も含めた御検討をお願いすることといたしました。また、現在、環境省では廃棄物処理制度専門委員会におきまして廃棄物処理法の見直しも併せて検討しているところでありまして、バーゼル法とは相互に関係することから、その関係に留意しつつ進めてまいりたいと考えております。本合同会議では年内に報告書の案をお取りまとめいただき、早急に必要な措置を講じてまいりたいと考えております。委員の先生方におかれましては忌憚のない御意見を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

○相澤室長 続きまして、経済産業省大臣官房審議官の髙科審議官から御挨拶申し上げます。

○髙科審議官 経済産業省で環境問題担当の審議官をしております髙科と申します。本日はお忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。先ほど中井部長からお話がありましたけれども、バーゼル法は平成4年の法律ということで、ほぼ四半世紀が経過したことになります。ちなみに私自身は経産省に入省して二つ目のポストで大臣官房総務課の係長をしていたときに、バーゼル法関連の法令を担当させていただいたことを今でも覚えているところです。また、経産省で今回バーゼル法の担当をしております職員の中には平成4年当時に各省協議をしている最中に生まれた職員がおります。まさに四半世紀後にバーゼル法担当ということで、バーゼル法とともに人生を歩んできた職員もいるところです。
 折しも四半世紀ということで、その間、法律の規制対象となります非鉄金属、二次資源の国際取引も増大するなど、法制定の当時と比べまして、廃棄物の越境移動に関する国際情勢も大きく変化してきたと思います。本年6月に閣議決定されました「日本再興戦略2016」においても、国内外で発生した二次資源について我が国の誇る環境技術の先進性を生かしつつ、非鉄金属のリサイクルを着実に進めるため、バーゼル法における規制の在り方等について本年度中に検討を行い、その結果を踏まえ、早急に必要な措置を講じるとされているところです。
 非常に多くの論点がある中、法改正も視野に入れた検討ということになりますため、非常に短期間での御検討をお願いすることになりますけれども、委員の皆様の活発かつ建設的な御議論を期待しているところです。どうぞよろしくお願いいたします。

○相澤室長 それでは、本合同会合の座長を御紹介いたします。まず中央環境審議会専門委員会の座長をお願いしております慶應義塾大学経済学部教授の細田衛士先生です。

○細田座長 よろしくお願いいたします。

○相澤室長 続きまして、産業構造審議会ワーキンググループの座長をお願いしております東北大学多元物質科学研究所教授の中村崇先生です。

○中村座長 中村です。よろしくお願いします。

○相澤室長 続きまして、中央環境審議会の委員から順次御紹介させていただきます。ジャーナリスト、環境カウンセラーの崎田裕子委員です。

○崎田委員 崎田です。よろしくお願いいたします。

○相澤室長 続きまして、神戸大学大学院法学研究科教授の島村健委員です。

○島村委員 島村でございます。よろしくお願いいたします。

○相澤室長 名古屋大学大学院環境学研究科教授の髙村ゆかり委員です。

○髙村委員 髙村でございます。よろしくお願いいたします。

○相澤室長 国立研究開発法人国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター副センター長の寺園淳委員です。

○寺園委員 寺園です。どうぞよろしくお願いします。

○相澤室長 公益社団法人全国産業廃棄物連合会専務理事の森谷賢委員です。

○森谷委員 森谷です。どうぞよろしくお願いします。

○相澤室長東京大学大学院工学系研究科教授の森口祐一委員におかれましては、本日は遅れて御出席との御連絡を頂いております。この他、日本貿易振興機構アジア経済研究所上席主任調査研究員の小島道一委員、桜美林大学教授の藤倉まなみ委員に御参加いただいておりますが、本日は御欠席との御連絡を頂いております。
 続きまして、産業構造審議会の委員の御紹介をさせていただきます。まず阪和興業株式会社執行役員の出利葉知郎委員の代理で、同社非鉄金属第二部副部長の田川哲也様です。

○田川委員代理 田川と申します。よろしくお願いします。

○相澤室長 続きまして、三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員の齊藤栄子委員です。

○齊藤委員 齊藤です。よろしくお願いします。

○相澤室長 続きまして、弁護士の佐藤泉委員です。

○佐藤委員 佐藤でございます。よろしくお願いいたします。

○相澤室長 日本鉱業協会理事の清水隆委員です。

○清水委員 清水です。よろしくお願いします。

○相澤室長 一般社団法人日本鉄リサイクル工業会専務理事の乗田佐喜夫委員です。

○乗田委員 乗田でございます。よろしくお願いします。

○相澤室長 日経BP社日経エコロジー副編集長の馬場未希委員です。

○馬場委員 馬場でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○相澤室長 東京大学大学院工学系研究科准教授の村上進亮委員です。

○村上委員 村上です。よろしくお願いいたします。

○相澤室長 また、上智大学法学部教授の川瀬剛志委員におかれましては、本日は遅れて御出席との御連絡を頂いております。
 次に事務局につきまして環境省側の出席者から御紹介申し上げます。改めまして環境省廃棄物・リサイクル対策部長の中井でございます。

○中井部長 よろしくお願いいたします。

○相澤室長 大臣官房審議官の室石でございます。

○室石審議官 よろしくお願いします。

○相澤室長 企画課長の小野は、本日は所用のため欠席しておりまして、産業廃棄物課長の中尾でございます。

○中尾課長 よろしくお願いいたします。

○相澤室長 企画課課長補佐の萱嶋でございます。

○萱嶋課長補佐 よろしくお願いします。

○相澤室長 適正処理・不法投棄対策室室長補佐の工藤でございます。

○工藤室長補佐 よろしくお願いします。

○相澤室長 次に経済産業省側の出席者を御紹介いたします。改めまして経済産業大臣官房審議官の髙科審議官でございます。

○髙科審議官 よろしくお願いいたします。

○相澤室長 続きまして、奈須野環境政策課長でございます。

○奈須野課長 奈須野でございます。よろしくお願いします。

○相澤室長 中野貿易審査課長でございます。

○中野課長 よろしくお願いします。

○相澤室長 田中環境指導室長でございます。

○田中室長 田中です。よろしくお願いします。

○相澤室長 田村越境移動管理官でございます。

○田村管理官 田村でございます。どうぞよろしくお願いします。

○相澤室長 続きまして、環境指導室の中嶋課長補佐でございます。

○中嶋課長補佐 よろしくお願いします。

○相澤室長 同じく環境指導室の讃岐課長補佐でございます。

○讃岐課長補佐 讃岐です。よろしくお願いいたします。

○相澤室長 最後にリサイクル推進課の梅田課長補佐でございます。

○梅田課長補佐 梅田でございます。よろしくお願いいたします。

○相澤室長 続きまして、配布資料の御確認をお願いいたします。議事次第に記載されております配布資料、参考資料に不足等がないか各自御確認をお願いいたします。
 よろしければ議事の方に入らせていただきます。報道関係の方の写真撮影、ビデオ撮影及び録音はここまでとさせていただきます。それでは、これ以降の議事進行は本日につきましては細田座長にお願いいたします。

2.議題

(1)特定有害廃棄物等の輸出入等の管理に関する制度の概要と施行状況について

○細田座長 細田でございます。それでは、議事進行を務めさせていただきます。御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。この合同会議は特定有害廃棄物の輸出入等の規制の在り方を検討することを目的としております。年内に報告書案を取りまとめ、パブリックコメントにかけることを目指して検討してまいりたいと考えておりますので、皆様、どうぞよろしく御協力のほどお願いいたしたいと思います。また、本日も時間が限られておりまして、御発言等に関しては手際よくまとめて御発言くださるようお願い申し上げます。それでは、早速議事に入りたいと思います。まず議題1の特定有害廃棄物等の輸出入等の管理に関する制度の概要と施行状況について、事務局から御説明をよろしくお願い申し上げます。

○萱嶋課長補佐 資料2によりまして御説明させていただきます。皆様、資料2の方をお開きください。まず2枚目に入りまして、廃棄物等の越境移動管理に関する基本的枠組みについて申し上げます。1989年にスイスのバーゼルで採択され、1992年(平成4年)に発効したバーゼル条約というのが国際的な基本的枠組みです。こちらの経緯といたしましては、特に1980年代に先進国から環境規制の緩い発展途上国に対して有害廃棄物の不適正な輸出が多発したということを受けまして、国連環境計画(UNEP)等を中心にこのようなものが用意されたというものです。現在、世界183カ国、1機関が締約国となっておりまして、世界的な条約であると考えております。
 枠内の2番目を御覧いただければと思います。具体的には、有害廃棄物を輸出する場合には、輸出先の相手国などに対して事前に通告を行いまして、相手国から同意を得た場合に限って輸出することを認めるといった制度とか、有害廃棄物を越境移動させる際には移動書類と呼ばれる書類を携帯しなさいということが定められておりますとか、そういった適切な手続を取らずに、不法な取引が行われた場合に輸出者が国内に引き取る義務など、こういったことが規定されております。詳細につきましては3ページ及び4ページにございますが、割愛いたします。
 次に5ページに参りまして、バーゼル条約に関する動向です。これまで締約国会議は2年毎に開催されておりまして、全部で12回やっておりますが、全部見ているとなかなか大変ですので、次の6ページを御覧いただければと思います。6ページの②というところで95年改正、通称「BAN改正」というのが載っております。こちらはCOP3におきまして先進国から開発途上国に対する有害廃棄物等の越境移動を全面禁止するという条約改正ですが、こちらはまだ発効しておりません。また、我が国はこれには加入しておりません。ただし、もしこれが二つ目の○にありますように一定の国が加入等をいたしますと、締約国の間では効力が生ずるということになっております。
 次に③の廃棄物の環境上適正な管理に関する取組ということで、様々な取組やフレームワークがございますが、ここでは(3)を申し上げたいと思います。有害廃棄物等の適正処理に資するために、有害特性、処分行為、例えば医療廃棄物、プラスチック廃棄物等の品目毎の技術ガイドラインというものが条約締約国会議等で採択されてきているというのが大きな進展だと考えております。以上が基本的なバーゼル条約の枠組みです。
 次の7ページに入りまして、OECD理事会決定について紹介したいと思います。こちらの方はバーゼル条約第11条1の規定に基づいた国際的な枠組みで、OECDの加盟国の間でリサイクル目的で有害廃棄物を越境移動させる場合に限って適用されるという形で、バーゼル条約の特例として機能しているものです。バーゼル条約を基本としてはおりますけれども、先ほど申しました「事前の通告及び同意」手続の対象品目をバーゼル条約よりも少なくいたしますとともに、「事前の通告及び同意」手続の、手続自体を通常のバーゼル条約上の手続よりも円滑化することとしております。
 これはOECD間でのリサイクル目的の越境移動というのはそれ以外よりは円滑に進めたいというところがあってできたものですが、紙の一番下に例として書いてありますように、電子スクラップ、石炭火力発電所から生ずる灰などにつきましては、バーゼル条約において「事前の通告及び同意」手続が必要とされる中、OECD加盟国間ではそういった手続は不要としているというところがポイントです。
 次の8ページですが、OECD理事会決定の重要なポイントといたしまして、上から2段目の規制手続というところにグリーン手続とアンバー手続という2種類の手続があるということが書かれております。3段目でグリーン手続については、有害廃棄物としての手続は特段必要ないとされているのに対しまして、4段目のアンバー、黄色の手続の場合ですと、先ほど申し上げた「事前の通告及び同意」手続が必要であるということが定められております。
 ただし、二つ目の◆に書いてありますとおり、事前の同意が与えられている回収施設という概念がございまして、各国政府が自国内の回収施設にあらかじめ事前の同意というのをしている場合には、アンバーに分類される比較的有害性の高いと思われる有害廃棄物の越境移動であっても、手続をかなり簡素化するという仕組みが盛り込まれております。
 9ページはバーゼル条約とOECD理事会決定との適用関係ということですが、我が国を中心に見ますと、OECD加盟国との間のリサイクル目的の場合にはOECD理事会決定が優先適用され、それ以外の場合はバーゼル条約の規定が原則適用されるとまず御理解いただければよろしいかと存じます。以上が国際的な枠組みということで、バーゼル条約とその特例であるOECD理事会決定について申し上げました。
 続けて10ページに入ります。今度は国内法の枠組みについてです。バーゼル条約の国内担保法といたしまして、平成4年にバーゼル法を制定するとともに、同じ平成4年に廃棄物処理法の一部改正が行われました。左側に書いているバーゼル法ですが、こちらの赤字で特定有害廃棄物等とございます部分が規制対象でありまして、基本的にはバーゼル条約の対象物をそのまま対象物とするということで、輸出入規制を外国為替及び外国貿易法の中で承認を取るということで適正に運用しようというものです。
 一方、右側の廃棄物処理法は、もともと国内で規制してまいりました廃棄物に着目いたしまして、廃棄物の輸出入を行う場合の規制というのを新たに平成4年に導入したというものです。
 続きまして、11ページを御覧ください。いま申し上げましたバーゼル法と廃棄物処理法のそれぞれの対象範囲というのが少々異なっているということを図示しております。左側にバーゼル法の規制対象物ということで、枠の中に赤字で特定有害廃棄物等と書いてありますが、こちらは後で詳しく申し上げますけれど、基本的に有害性を評価して、有害なものをこのカテゴリに入れております。
 一方、右側の廃棄物処理法というのは、有害性ではなく主に価値を判断と書いています。
 ※で詳細を色々書いていますが、ある物が廃棄物か否かということは総合的に判断するということで、いわゆる総合判断説というのを取っておりまして、ここでは有害性というのではなく、それが有償で取引されているのか、逆有償と言って、お金を払わないと引き取ってもらえないのか、といったところを評価して、廃棄物か否かというのを判断しております。このように、さまざまな要素を勘案するというのが廃棄物処理法の考え方です。
 二つを見比べますと、一番上のところに廃基板、鉛バッテリーと書いておりますが、こういったところについては、例えば鉛などが入っているという点で有害性が認められることからバーゼル法の規制対象には入りますが、金属としての価値が高いもの、例えば貴金属が含まれているといったことを評価して、廃棄物ではないという主張がされる場合があって、廃棄物としての規制から外れることがある、ということがポイントになります。後ほどまたこのあたりが論点になってくると思います。
 続きまして、12ページですが、バーゼル法の構成ということで、条文に沿った形でどういった規定が書いてあるかを書いております。ここではそのまま割愛します。
 13ページは参考として廃棄物処理法の枠組みが書いていますが、これも比較対象ですので、割愛します。
 14ページはバーゼル法が対象としている廃棄物等ということで書いておりまして、三つの掛け算によって対象物が決まるということを示しております。先ほど私は有害物と申し上げましたが、厳密にはこの三つを見ております。
 まず一つ目がバーゼル条約の附属書IVに書かれている最終処分、ディスポーザルの作業、又はリサイクル、リカバリーの作業、こういった作業が意図され、又は義務付けられているかどうかというところで、義務づけられている場合にバーゼル条約の規制対象たり得るということになります。
 次に二つ目で、バーゼル条約附属書Iに書いてある排出経路や有害物質の分類に属しているかどうかということです。これは例えば医療系、病院から出てくる廃棄物でありますとか、あるいは鉛、水銀が含まれているとか、そういったところに着目いたします。
 さらに三つ目で、バーゼル条約附属書IIIというのがございまして、ここで爆発性とか、感染性とか、そういう有害特性というのを評価いたしまして、この三つの全てに該当する場合にバーゼル条約、ひいてはバーゼル法の規制対象であるとやってきたわけです。
 しかし、これだけですと個別のものが該当するかどうかというところの判断が難しいので、もう一つ下の枠のところに対象物リストというのがございまして、細かいところは、現在、規制対象物告示と呼ばれる告示であるものが規制対象物か否かというのを書き下ろしているという状況です。
 15ページには廃棄物処理法の対象とする廃棄物の定義等が載っておりますが、先ほど申し上げましたので、割愛いたします。
 続けて、16ページ以降はこういった越境移動を行う際に必要な承認等の手続、また、審査の基準についてご紹介いたします。青字の枠内にありますとおり、我が国は廃棄物処理法及びバーゼル法に加えまして、広く貿易管理に関する法令である外為法、それから、関税法といった法律に基づいて越境移動の管理を行っておりまして、それぞれの法律を所管する関係省庁が連携して実際の管理を行っております。
 原則としてバーゼル法の規制対象物であるということになれば、その輸出入に当たっては経済産業大臣による輸出承認又は輸入承認が必要であるというのがバーゼル法の骨子です。しかしながら、17ページのところにさらに細かい規定がございまして、バーゼル法第4条第1項のところで、輸出したい場合には経産大臣の輸出承認を取ってくださいということが書いてあるわけですが、その後に第2項、第3項というのがございます。
 これは何かと申しますと、第2項で経産省令、環境省令の共同省令で定める対象物については経産省に申請があった場合にその書類を環境省に送ってくださいということが書かれております。そして、第3項では、環境省はその書類が送られた場合には、輸出先での環境汚染防止措置が講じられているかどうかを確認して、結果を経産大臣に回答してくださいということが書いております。
 第4項は割愛いたしましたが、ここで環境省が確認することになっているものについては、確認ができない限り、経産省の方では外為承認しませんという論理構成になっておりまして、要は、特定有害廃棄物等であっても、一部のものは環境省の環境汚染防止措置のチェックを行い、それ以外はチェックを行わないという区切りがなされております。
 具体的な区切り方は17ページの下半分の表のとおりでありまして、先に2号を申し上げますと、OECD加盟国以外、非OECD加盟国という意味ですが、こういった国に送る場合はどういう理由であっても、つまり、最終処分だろうが、リサイクルだろうが、環境汚染防止措置の確認を環境省が行うという仕切りになっております。
 一方、1号のOECD加盟国につきましては、最終処分する場合には環境汚染防止措置を環境省がチェックするけれども、リサイクル目的の場合はチェックを行わないというふうな区分け方にしております。原則的にはOECD加盟国は先進国ですから、そういったところでリサイクルをするということはおよそ環境汚染防止措置を確認する必要はないだろうということで作られたものと認識しております。
 続きまして、18ページですが、今度は実際に申請があった場合、どういう手続を取るかということですが、まず左、右とありますけれども、廃棄物処理法上の規制対象物か否かに着目いたしまして、左は廃棄物ではないけど、バーゼル物である場合、右は廃棄物でもあって、バーゼル物でもある場合ということです。
 特に右側をご覧いただきますと、まず廃棄物に該当する場合は廃棄物として輸出してよろしいかどうかということを環境省がチェックする。これが図の中で一番上の青の部分です。その後、外為法の世界に入りまして、特定有害廃棄物等をバーゼル物として輸出してよろしいかという承認申請は経産省の方にしていただきます。そのときに、先ほど申したバーゼル法の規定により、環境汚染防止措置を環境省において確認する必要がある場合には、ここでもう一回バーゼル物として輸出してよろしいかということを環境省が確認いたします。その後、また外為法に戻りまして、輸出承認基準に基づいて経産省の方で審査を行いまして、結果的に経産大臣から輸出承認が出るという流れになっております。青枠の2カ所というのは両方とも環境省の輸出確認となっているというのがポイントかと存じます。
 19ページは参考までに付けておきました輸入の流れですが、輸入の場合は逐一環境汚染防止措置を必ず確認するという規定にはなっておりません。バーゼル法第8条第2項を引用していますが、環境大臣は環境の汚染を防止するために必要があると認める場合には、経産大臣に対して必要な説明を求め、及び意見を述べることができるとなっておりますので、輸出の場合とは少々趣を異にするということです。
 20ページに具体的なバーゼル物の輸出入に係る承認の基準を書いております。左半分が輸出の場合、右半分が輸入の場合です。いずれにいたしましてもOECD加盟国を相手にしているか、非加盟国を相手にしているかによって基準が異なっているということが読み取れると思います。
 次の21ページは参考に書きました廃棄物の場合の輸出の確認や輸入の許可の基準ということです。こちらの方は環境省において、左半分であれば輸出確認、右であれば輸入許可のそれぞれこういった基準でチェックをしているという参考です。以上、わが国の国内法令について申し上げました。
 22ページからは具体的なバーゼル法の施行状況ということで、数字が中心になります。
 22ページを御覧ください。22ページでは輸出入の実績が載っております。グラフを御覧ください。左下に載っているのが輸出量と輸出件数の推移です。10年間で伸びていて、特にここ3年ぐらいに急増しているということが読み取れるかと存じます。また、右下の方が輸入量及び輸入件数ですが、こちらにつきましてもこの3年間で急激に増加しているということが読み取れるかと存じます。
 具体的な品目につきましては次の23ページをご覧ください。23ページの棒グラフですが、左下の棒グラフが輸出実績です。ここで青く塗られている部分が大半を占めております。つまり、バーゼル法に基づく輸出実績といたしましては、青色の鉛スクラップ、具体的には鉛バッテリーが該当しますが、こちらが大半を占めております。次に多いのが茶色の石炭灰です。
 一方、輸入の場合は右下でございまして、やはり青が多いのですが、この青というのは電子部品スクラップです。次に茶色の電気炉ダストが多いということですので、これからの議論はまたこういった品目が中心になりますが、輸出に関しましては鉛バッテリーや石炭灰、輸入に関しましては電子部品スクラップや電気炉ダストが多いということを前提として議論を進めていければと思います。
 次の24ページは日本鉱業協会さんから出していただきました電子部品スクラップの輸入量と国内調達量の推計実績です。こちらはグラフを見ていただきますと、一番上の青というところが日本鉱業協会さんの各社の処理量です。次に茶色の部分がE-scrapの輸入量です。この二つを差し引きますと、国内で調達している分というのが推計されるわけですが、それが緑です。御覧いただきますと分かりますように、緑色の部分はほぼ数字が変わっておりませんのに対し、輸入量がどんどん伸びていて、その分だけ全体の処理量が伸びているという実態が把握できると存じます。
 次に25ページから先はまた論点が変わりまして、いわゆるシップバックについて申し上げます。シップバックといいますのは、バーゼル条約に基づいて輸出されたものが輸出先国において問題があると、不法取引であったといった通報が出てくる場合がございます。こういった場合に本来輸出していた側、輸出業者であるとか、輸出国であるとかが責任を取ってその貨物を引き取りにいかなければいけないと、このことをシップバックと呼んでおります。
 我が国が受けたシップバック通報事例といたしましては、平成24年以降、だいぶ多い数字になっております。特に香港からの通報が多いのですが、香港の場合ですと、リユース目的で輸出された使用済電気電子機器というのが殆どというか、これが対象物です。つまり、我が国からは「これはリユースとして、中古品として使うのです」という名目で輸出はされたのですが、香港当局が見るに、「これはリユース目的とは言い難い」ということで、強制的に輸入業者を通じて日本に送り返してくるというのが実態として多いと聞いております。それ以外にも雑品スクラップ、後でまた詳細を申し上げますが、そういったもののシップバック通報もございます。
 26ページは逆方向です。すなわち我が国に不法に輸入されたものについてなのですが、こういったものはシップバックにできなかった事例というのがございます。事例1、事例2とそれぞれ御覧いただければと思うのですが、いずれにいたしましても輸入者側は責任はないはずなのに、輸入されてしまったがゆえに保管費用であるとか、貨物の処分費用であるとかを輸入者側が負担する羽目になってしまったという事例でありまして、このあたりについて今後見直しが必要なのではないかと考えており、ここに抜粋した次第です。以上が施行状況についてです。
 ここから先は最近の動きということで幾つか取り上げたいと思います。具体的には昨年度に環境省において「廃棄物等の越境移動等の適正化に関する検討会」、こちらも細田先生を中心に開催させていただいた検討会があったわけですが、それが今年の4月に報告書を取りまとめたものですから、それ以降の動きということで二つほど取り上げております。4と書いてある27ページが富山物質循環フレームワークです。こちらは今年の伊勢志摩サミットで皆さんも覚えていらっしゃると思いますが、その中でG7の環境大臣会合も富山で開かれまして、そこで採択されたのがこちらのフレームワークです。具体的なことは下の方の四角を御覧いただければと思いますが、特に電気電子廃棄物、いわゆるE-wasteというのが国際的に問題であるということが具体例として示されまして、次のようなことをすべきであるということが述べられたところです。一つ目に、廃棄物の各国内における環境上適正な管理を優先する。二つ目に、特に電気電子廃棄物につきましては、違法取引を防止する水際対策の実効性を高めるために国際的な協調行動を強化する。そして、三つ目で、逆に廃棄物を環境上適正に管理する能力を有しない国から能力を有する国への有害廃棄物の越境移動というのは環境と資源効率・資源循環に寄与するものであるということを認識する。こういったことで、G7の中でも取組といいますか、今後の方向性が示されたところです。
 28ページは我が国、日本政府内の動きでありまして、今年6月に閣議決定されました「日本再興戦略2016」の中でこの問題が取り上げられました。先ほど審議官からも話がありましたとおり、国内外で発生した二次資源について、我が国の誇る環境技術の先進性を生かしつつ非鉄金属のリサイクルを着実に進めるということで、バーゼル法における規制の在り方等について本年度中に検討を行い、必要な措置を講じていくということがうたわれたことです。
 最後に29ページからはEUの廃棄物輸出入に関する制度の体系を御参考に取り上げております。EUは1990年代のバーゼル条約発効から何度かこういった廃棄物の越境移動に関する規則の見直しを行っておりまして、だいぶ戦略的に取り組んでいるのではないかという御指摘を頂いているところで、掲載いたしました。
 特に30ページを御覧ください。30ページに廃棄物運搬規則というEU全体の規則が取り上げられています。この中で3色の緑、黄色、赤に塗られているというのがポイントなのですが、左上のANNEXIIIとあるのがグリーンリスト、右上の黄色く塗られているのがアンバーリスト、そして、右下の赤く塗られているのがレッドリストということで、それぞれ品目ごとに指定をいたしまして、グリーンリストならなるべく簡単な手続で輸出入してよい。アンバーは必要な手続を取った上で輸出入してほしい。赤であれば全面禁止というようなイメージの下に、具体的にはどうやるかということは下の半分にありますとおり、「目的×輸送×対象国×廃棄物リスト」ということで、こういった図表、マトリックスによって手続の判断ができるような仕組みが取られているということです。
 最後の31ページですが、上半分はOECD非加盟国から電子部品スクラップの輸入をEUは円滑化しているという紹介です。クリーム色みたいに塗られているところですけれども、EUではOECD非加盟国からの電子部品スクラップの輸入であっても、OECD非加盟国からの輸入と同様に円滑化をしているということが取り上げられております。その下の部分は「事前同意された回収施設」ですが、こちらは先ほど申しましたけれども、例えばドイツの政府ですとか、ベルギーの政府ですとかがそれぞれここの施設でリサイクルするのは問題ないということをあらかじめ同意しておきまして、そこに送る場合の手続というのを円滑化するといったことが取られているということを紹介したものです。
 以上、駆け足で恐縮ですが、特定有害廃棄物等の輸出入等の管理に関する制度の概要と施行状況について御説明申し上げました。以上です。

○細田座長 ありがとうございました。事前に打ち合わせさせていただいたときよりもかなり資料を充実させていただきまして、両省には非常に感謝の意を表したいと思います。それでは、ただ今の説明について御質問があればよろしくお願いいたします。御意見、御質問がある場合には名札を立てて、発言の御意思を表明していただくようよろしくお願い申し上げます。それでは、どうぞ御自由に発言して結構ですので、発言の御意思のある方は名札を立ててよろしくお願い申し上げます。いかがでしょう。では、質問が出る前に私座長から幾つかクリアにさせていただきたい点があります。まずバーゼル国内法と廃棄物処理法の間にはいろいろな違いがあって、それは例えば11ページと18ページで説明されているわけですが、いわゆる「すきま」問題というのですかね。廃棄物処理法上は廃棄物で、本当は総合判断して詳しく規制しなければいけないのですが、実際上は廃棄物処理法では有価物で、それは廃棄物ではないということになっているけど、バーゼル対象物で、その瞬間に水際で規制が始まるという場合は事実上かなり難しくなります。
 それは例えば11ページで、有価物で、鉛蓄電池、廃基板類、E-scrapのようなものがここに入ると。こういうものはいわゆる有価物で、グッズの場合は廃掃法の廃棄物にならずに、自由に国内を動いてしまって、水際でその瞬間にバーゼル法の対象物となる。実際上非常に規制が難しくなってしまうということですね。そういう理解でよろしいですね。
 いかがでしょう。佐藤委員、どうぞ。

○佐藤委員 質問です。バーゼル法に基づいて環境大臣が特に輸出のときに意見を述べるということになっているわけですが、この環境大臣の意見を述べる場合にその意見の前提となる事実、そして事実確認のために要求される提出書類は、具体的にどの程度の書類が必要とされているのでしょうか。

○細田座長 他にないですかね。では、1問1答で行きましょうかね。もしまとめてあれば、初めに承っておきますが、どうでしょう。よろしいですか。それでは、いいですか。

○工藤室長補佐 環境省適正室です。非OECD国向けとOECD国向けで状況は異なりますが、非OECD国向けについてはいろいろな書類を提出いただいて、それを審査し、最終的には現地確認をするというところまでやって、可否を判断するということをやっております。OECD国向けについては「事前の通告及び回答」手続と契約の状況というのを確認しているという状況です。具体的に何をもって意見を述べるという明確な判断基準を内部でも示しているかというと、そういうものはございません。

○細田座長 続けて、どうぞ。

○佐藤委員 現地確認をしているというのは、その輸出者が現地確認を自分でするというのか。あるいは輸入者側のリポートを提出するみたいな形なのでしょうか。

○工藤室長 補佐非OECD加盟国向けの輸出であれば、環境省職員が現地を確認いたしております。

○細田座長 よろしいでしょうか。佐藤委員、ありがとうございました。その他に何か御質問、御意見がございませんか。崎田委員、どうぞ。

○崎田委員 質問なのですけれども、22ページのバーゼル法の施行状況のグラフで先ほど御説明があった、ここ3年ぐらいの間に輸出も、輸入も急激に増えているという状況ですが、それの推定される理由というのを少しお話しいただければありがたい。そして、この急激な変化がどういう状況をもたらしているのか。その辺のお話をもう少ししていただければありがたいと思います。

○細田座長 よろしいでしょうか。

○工藤室長補佐 まず輸出から申し上げますが、輸出で多くなっているのは韓国への鉛蓄電池及び石炭灰というのが量的には多くなっております。韓国がここ近年それを高値で買うということになったという状況の変化があって、それが増えているのがこの数字にも表れているということかと思います。
 輸入の方に関しまして増えているのは先ほど来申し上げている電子部品スクラップであって、いわゆるそういう電子機器に含まれているスクラップの国内での有効活用にいろいろな業者さんが購入に走られているということが背景にあるかと思います。

○細田座長 崎田委員、よろしいでしょうか。

○崎田委員 ということは、急激にそういう変化があっても、それは国内の状況、あるいは海外の状況でうまく処理をしているという状況でよろしいのでしょうか。輸出に関しては課題があるというのが次の資料などに出ていましたので、理解はしていますが、輸入の方に関しては特にこれはきちんと受け止めているという理解でよろしいのでしょうか。

○細田座長 環境省、どうぞ。

○工藤室長補佐 件数自体は増えておりますので、事実上審査に時間がかかるという弊害は多少出ているのかなというのは担当としては感じております。マンパワー的な問題もあるかと存じます。

○細田座長 今の御質問は国内で処理に何か問題があるかとか、そういうことではないのですか。

○崎田委員 できればそういうところまでお答えいただきたかったですが、後ほどの議論でまたいろいろなところが出てくるのかと思います。

○工藤室長補佐 国内での環境上適正な処理というものでいえば、バーゼル法に基づいて輸入されたものが国内で不適正処理されているという事例の報告は承知しておりません。

○細田座長 ありがとうございました。それでは、他にいかがでしょう。佐藤委員、どうぞ。

○佐藤委員 シップバックされたものについては、環境大臣からの確認が出ているという前提でしょうか。環境大臣の確認が不必要な場合でシップバックされたのか。あるいは環境大臣の確認があったにもかかわらず、シップバックされたのかという点はいかがでしょうか。

○工藤室長補佐 殆どの場合は環境大臣の確認を経ておりません。全くゼロだったかどうか今手元に資料がないので確認できませんが、殆どの案件はバーゼル法に基づく国内手続きを経ずに出ていって、向こうで不法案件と認定されております。

○細田座長 よろしいでしょうか。それでは、もし御質問、御意見がなければ、時間の制約がございますので、恐らく資料3に関してかなり議論があると思いますので、先に進ませていただきたいと存じます。
 それでは、議題2の特定有害廃棄物等の輸出入等の規制の在り方に関する論点について事務局からよろしくお願いいたします。

(2)特定有害廃棄物等の輸出入等の規制の在り方に関する論点について

○萱嶋課長補佐 事務局でございます。資料3を御覧ください。こちらの方に特定有害廃棄物等の輸出入等の規制の在り方に関する論点整理(案)というのをお示しいたしました。こちらの方に全部で①から⑩まで10個の論点が載っておりますので、順次申し上げていきたいと思います。
 まずIとIIに分かれます。Iは検討に当たっての基本的考え方、そして、IIで個別の論点を申し上げます。まず基本的考え方についてですが、現状と課題の一つ目のポツにはバーゼル条約というのがこの分野での基本的枠組みであるということを述べております。二つ目のポツでは、国内ではバーゼル法というのを作って、この問題に我が国として対応してきたということが載っております。
 続きまして、三つ目のところですが、「バーゼル法の制定から20年以上が経過し」ということで、だいぶ年月が経ってまいりました中、こういった二次資源の国際取引の増加により、使用済鉛蓄電池ですとか、雑品スクラップですとか、いろいろリサイクル目的で取引されるのですが、ぞんざいに取り扱われた場合には環境汚染が生ずるリスクが高い廃棄物等が輸出先国で十分な管理が行われていないといった輸出先での問題が生じています。また、一方、国内で適正にリサイクルができるという廃電子基板などが非OECD加盟国からなかなか輸入しづらいという形で、資源的な価値が高い一方で、環境汚染等が生ずるリ
スクが低い廃棄物等の輸入が過度に規制されていると。こういった形で環境負荷ですとか、資源の有効利用ですとか、こういった観点から見ると、輸入が必要以上に妨げられているのではないかという御指摘を頂いています。すなわち輸出と輸入でアンバランスな状態が生じているという認識がございます。
 こういった状況におきまして本年6月に閣議決定された「日本再興戦略」でこのあたりについて検討を行うということが述べられたというわけでありまして、これらを踏まえ、バーゼル条約およびOECD理事会決定を的確に実施しつつ、顕在化してきた問題に対応するための規制の在り方を検討する必要があるのではないかと考えております。
 具体的には次の(1)と(2)のところを基本的考え方で検討を進めていただきたいというのを考えております。
 まず(1)では輸出です。輸出の場合、国内外で環境汚染等が生ずるリスクというのを考えまして、リスクが高いものについてはそれ相応の規制というのが必要ではないか。手続の強化というのも必要なのではないかということがうたわれております。
 具体的にはということで、本文3行目ですが、バーゼル条約締約国間での規制対象物の認識の差異により不法取引時の対応でなかなか困難な事例が生じていること、また、OECD加盟国向け輸出については当該国において環境上不適正な管理が行われていないかということで、先ほど申し上げたように、基本的にはOECD非加盟国より大丈夫だと扱ってきたわけですけれども、後ほど詳しく申し上げますが、OECD加盟国においても環境上不適正な処理が行われる事案が発覚した事例を踏まえて、必要な措置が必要なのではないかと考えております。
 次に2ページですが、(2)は逆方向です。我が国への特定有害廃棄物等の輸入については、同じく環境汚染等が生じるリスクというのを見まして、リスクが低い場合にはそれ相応に手続を緩和してもよいのではないかということをうたっております。具体的にはということで、また3行目ですが、バーゼル条約が特に先進国から開発途上国への有害廃棄物等の輸出を規制することを目的として締結されているということ、あるいは開発途上国において、これは先ほどの富山物質循環フレームワークにもございましたが、適正処理が困難な国から適正処理ができる国、例えば我が国に持ってくるということは、世界全体の環境負荷低減につながるということ。それから、バーゼル法に基づく手続というのがリサイクル資源確保の国際競争において不利になっていると、こういった御指摘を頂いていることを踏まえて、リスクが低い場合には手続の緩和を図りたいということを考えております。
 続きまして、IIで具体的な論点に入ってまいります。具体的な論点は、1.輸出に係る論点、2.輸入に係る論点、3.その他の論点と三つに分けて申し上げたいと思います。まず輸出に係る論点ですが、こちらは(1)から(5)まで五つに分けております。特に大きいと思われる論点から順に申し上げてまいります。
 まず(1)ですが、「使用済鉛蓄電池の輸出増大等を踏まえた輸出先での環境上適正な管理の確保」というものです。現状と課題の欄を御覧いただきたいのですが、自動車用などの使用済鉛蓄電池は有害物質である鉛及び強酸性の電解液を含んでいることから、バーゼル条約の規制対象であるということで、我が国ではバーゼル法に基づいて外為法の輸出承認を受けてもらわないと、輸出は認めないということになっております。
 一方、廃棄物処理法では、廃棄物だということになれば、その危険性ゆえに特別管理産業廃棄物に分類されるのですが、そもそも廃棄物ではないと言われてしまうと、廃棄物処理法の規制を受けることはなくなってしまう。こういった特徴がございます。
 三つ目のポツですが、近年、使用済鉛蓄電池の韓国向けの輸出が増大しておりまして、国内で排出された量の3割から4割が韓国に輸出されているのではないかという推計もございます。現在こういった形で輸出量が増えているわけですが、韓国はOECDに加盟しておりますので、韓国に向けて鉛バッテリーを輸出する場合、リサイクル目的だということになると、先ほど申し上げた環境省による環境汚染防止措置の確認というのは不要と整理されてまいりました。これが非OECD加盟国に輸出するなどの場合であれば、確認が必要になるわけですが、繰り返しますように、OECD加盟国たる韓国でリサイクルしているということで、確認はしてまいりませんでした。
 次のポツですが、こうした中、本年6月に韓国環境部が発表したところによりますと、韓国内の11社の使用済鉛蓄電池のリサイクル業者が、リサイクルに際して生じます鉱滓(スラグ)の中にヒ素などが入っているにもかかわらず、不適正に処理をしていたということが発覚いたしました。我が国から相当量の鉛バッテリーが輸出されていたことを考えますと、これも不適正処理が行われた懸念があります。特定有害廃棄物等の輸出は、当たり前ではございますが、不適正な取り扱いを受ければ、環境汚染や人の健康への悪影響が生ずるおそれがありまして、こういったところはどうなのかという問題がございます。
 OECD理事会決定では、有害廃棄物の越境移動に際しまして、次の①や②という規定がございます。例えば①では契約履行ができなくなった場合などに対応するために、ちゃんと輸出業者が資力があるかということを確認するというファイナンシャル・ギャランティの仕組みですとか、②では、そもそも輸出先で環境上適正な管理ができているのかどうかを確認するということができるような条文があるわけですが、我が国のバーゼル法ではこういった審査基準というところがなかなか明確になっていないという部分がございます。
 一方、EUにおきましては、①の資力の保証について書類の提出を求めるとともに、②の環境上適正な管理の確保につきましても、EU域外に輸出する場合に、先ほど申し上げたバーゼル条約に基づく技術的ガイドラインというのを参照いたしまして、その適合性を評価するというような仕組みが整っております。
 また、先ほどもありましたが、環境上適正な管理ということで、我が国では基本的事項告示と呼ばれる告示の中で基本的な考え方が示されているのですが、環境大臣がどのような審査基準で行うのかという部分が具体的になっていないというのは先ほど御指摘のあったとおりです。
 以上を踏まえまして、次の①、②というのを論点として挙げさせていただければと考えております。まず①では、OECD加盟国向けの輸出であっても、環境上適正な管理の確保が必要な場合があるのではないかという論点です。先ほど出たEUではEU域外のあらゆる国・地域向けの輸出に際して環境上適正な管理を求めております。また、我が国から大量の鉛バッテリーが輸出されていた韓国での不適正処理が発覚した。こういったことを踏まえますと、我が国からの特定有害廃棄物等の輸出についても、相手先がOECD加盟国という点で何もしないというのではなく、OECD加盟国と非加盟国との違いは考慮に入れつつも、行った先で環境汚染防止措置がしっかり取られていないのではないかといった疑いが発覚した場合にはそれ相応の審査ができるようにすべきではないかということを考えております。次の②ですが、こちらは基準の中身ということです。二つのパラグラフに分かれます。第2パラグラフでは、環境省がどのような観点から環境上適正な管理が行われているかどうかという審査の基準というのをきちっと法的に明確化すべきではないかという論点です。二つ目につきましては、先ほど申しました資力の保証、ファイナンシャル・ギャランティについてです。こういったことも、我が国から輸出する場合に、輸出時の審査事項として、例えば輸出者に対して当該輸出に係る資力の保証に関する書類の提出を求めることを検討すべきでないかということを考えております。以上が輸出先での環境汚染防止措置の確認に関する話でした。
 次に(2)に移ります。(2)は雑品スクラップ問題です。「雑品スクラップの不適正輸出に関する懸念等を踏まえた水際対策」ということで、こちらも現状と課題を見てまいりますと、まず国内で排出された使用済電気電子機器等の中には環境対策が十分なまま破砕などの処理が施されて、通常の金属スクラップと混ぜこぜの状態に混合された上で輸出されている事例というのが見受けられます。こちらのことをいわゆる雑品スクラップと呼びまして、ここでは以下単に雑品スクラップと称して説明を続けていきたいと思います。
 その国内外での処理時に有害物質を拡散させているおそれがあるものの、全体としてその雑品スクラップには金属などが相当含まれていますから、全体が有価物であるとして取り扱われることにより、廃棄物処理法に基づいて不適正処理を取り締まろうとしてもなかなかうまくいかないという指摘がございます。また、スクラップヤードや船上での火災の発生事例というのもございまして、原因不明なものも多々あるわけですが、こうした雑品スクラップの保管中、運搬中の火災への対策が必要という声が寄せられております。
 次に雑品スクラップにバーゼル条約上の有害物質が一定量含まれている場合は本来バーゼル法に基づく手続が必要だと言いたいのですが、例えば輸出されようとしているものについて、貨物を開きましても、それがバーゼル法の規制対象物かどうかというのがなかなかその場で判断しづらくて、仮に使用済電気電子機器などが混入した場合であっても、確認することがなかなか難しいという状態になっているのではないかという指摘がございます。
 こういったものが発展途上国に輸出されることで環境汚染や健康被害が生ずるおそれがあるということはそれこそテレビなどでも取り上げられておりまして、我が国のみならず、先進国からこういったものが流れているということは国際的な問題であると認識されております。先ほどのG7の話もその一環だと存じます。EUでは、広くバーゼル条約上の有害特性を有する物をOECD非加盟国に輸出するということを禁止するといったかなり大胆な措置が取られています。これは先ほど申し上げました「BAN改正」に係るものです。
 なお、スクラップヤード等における雑品スクラップの国内管理の在り方につきましては、別途、中央環境審議会循環型社会部会廃棄物処理制度専門委員会というところで議論が行われているところでありまして、こちらで引き続き御議論いただきたいと考えております。
 これらを踏まえまして、次の③及び④について議論をいただきたいと考えております。③が取締り現場での迅速な規制対象物認定の実現ということです。不適正輸出を防ぐ観点といたしましては、現場でこれがバーゼル法の規制対象物かどうかということがすぐ分かるようにすべきである。特に雑品スクラップの場合は規制対象になり得るものとそうでないものが混ざっているので、こういった場合の該当性判断基準が不明確という指摘を受けている中、しかるべき判断基準の整備を検討すべきではないか。それによって、混合物を含め、客観的かつ短時間で該非判断が行えるようにすべきではないか。これが③です。
 ④もこれに連動するわけですが、規制対象物の範囲は現在告示で規定されているのですけれども、バーゼル法自体の根拠がございませんので、混合物を含めて、取締りというところで難があるという指摘も一方でございますので、混合物を含め、具体的な特定有害廃棄物等の範囲が明確な法的根拠に基づいて定めることができるよう方策を検討すべきではないかということを御議論いただきたいと考えております。こちらのもろもろの写真等につきましては5ページの下半分、それから、6ページの上半分に載っております。こういったものの取締りをどのようにしていくかというのが大きな論点であると認識しております。
 続きまして、(3)のシップバック対応について申し上げます。先ほど申し上げましたように、シップバック通報というのが多発しておりまして、こういった場合、もともと「事前の通告及び同意」手続を経ないで輸出されたものが、「これはバーゼル条約の手続を本当は取らなければいけなかったのではないか」と輸出国に指摘されるというのが大半です。この中には特定有害廃棄物であることを認識した悪質な業者が意図的に輸出する場合もございましょうし、あるいは輸出先国と我が国との間で有害性の判断の解釈が異なっている場合というのもあろうかと存じます。
 二つ目のポツですが、バーゼル法では、特定有害廃棄物等が不適正に輸出された場合などに備えまして、輸出者に貨物の回収などをするよう命ずるという措置命令という条文がございます。しかしながら、措置命令を出そうといたしましても、外国にある貨物ですから、外国にあるシップバック通報があった貨物が措置命令の対象かどうかという判断になかなか苦しむ場合があるという事実がございます。
 三つ目のポツ、この点について、EUなのですが、輸出国と輸入国との間である貨物が有害廃棄物等に該当するかどうかということで話し合いをしても合意に達しない場合には、有害廃棄物等とみなしてEUの廃棄物運搬規則を適用するということになっております。また、条約では、シップバック通報があった場合、例えば輸出者側に悪意があった、あるいは問題があって、変な輸出が行われた場合には原則30日以内に輸出者が責任を持って引き取りなさいということが書いてありますので、それに対応するようなところがEUはよく整備されているというのがこのポツにございます。
 以上を踏まえまして、6ページ下の⑤ですが、輸出先国の国内規制に応じた適切な輸出管理が必要ではないかということを考えております。我が国から輸出された貨物が輸出先国においてバーゼル条約上の有害廃棄物等だと解釈される場合がございますから、こういった場合に対応するために相手国の判断根拠を求めるなどの必要があると考えていますけれども、輸出された貨物が現地にある状態のままでも措置命令等を迅速に行えるようにしたい。こういった方策の検討ですとか、あとはそういうことで、相手国が規制しているということが明らかな場合には、繰り返し輸出して、繰り返しシップバック通報を受けるといった事態を防ぐための方策を我が国の法制度上検討することができないかということについて御議論いただきたいと考えているところです。
 続きまして、7ページです。残る二つの輸出の論点を申し上げます。(4)はOECD加盟国向け輸出手続の簡素化です。こちらは輸出の項目には入っていませんが、手続の簡素化をうたったものです。具体的には先ほどから申しているとおり、OECD理事会決定の中では「事前の通告及び同意」手続が必要なものであっても、輸入国が環境上適正であるということで、「事前に同意が与えられている施設」に送る場合には、それ相応の手続簡素化ができるという規定がございます。
 これを踏まえまして、⑥ではOECD加盟国を仕向地として輸出される場合には、相手国が事前同意をしている施設に送る場合に限って、それ相応の輸出手続の簡素化というのを検討してもいいのではないかということを述べております。
 残る(5)は二重手続の改善です。先ほど資料2の際にも申し上げましたが、廃棄物にも該当し、バーゼル条約上の特定有害廃棄物等にも該当といったものを輸出する場合に、廃棄物処理法とバーゼル法の二つの法律の手続を経る必要があるということで、このあたりは手続の長期化を何とか改善できないかという声が寄せられております。
 ⑦におきましては、例えば両方において環境大臣の確認というのがございますので、二つの法律に基づく審査内容及び手続の重複を点検し、その見直しによって輸出手続の迅速化を図るべきではないかということも論点に入れさせていただければと考えております。
 以上が、輸出に係る論点です。残る輸入に係る論点とその他の論点も引き続き申し上げますと、2番は輸入に係る論点ということで、こちらは(1)と(2)に分けております。(1)が輸入の中で大玉だと考えております。環境汚染リスクが低い廃電子基板等の輸入手続の簡素化ということでありまして、廃電子基板は先ほど申し上げたようにここ数年間で我が国の輸入量が急増しているわけですが、一方で、有害性というのが我が国に来た場合、それが顕在化することはないと。つまり、適正に処理されていると認識しております。
 現状と課題を見てまいりますと、まず一つ目のポツで、廃電子基板はバーゼル条約において有害廃棄物として取り扱われ、その輸入に際しては、同条約に基づく「事前の通告及び同意」手続などが必要となってはいるわけですが、二つ目のポツにございますように、OECD理事会決定により、OECD加盟国同士でリサイクル目的で輸出入する場合は「グリーンリスト」というのに入れることによって通常の商取引と同様の手続でいいというようにしております。
 EUでは、これを拡大いたしまして、廃電子基板など、「グリーンリスト」に入っている品目であれば、OECD非加盟国から輸入する場合であっても、それ相応に手続を簡素化して、迅速な輸入ができるようにしているという話を伺っております。
 一方、我が国ではOECD加盟国から輸入されるのか、OECD非加盟国から輸入されるのかというところで手続を変えておりますため、国内の非鉄金属製錬業界からは、特に東南アジア等のOECD非加盟国からの廃電子基板の輸入に際して、この輸入手続の違いが理由でEUの事業者に対して競争環境上の不利があるということで、何とかしてほしいとの要望が寄せられていると認識しております。以上の点はグリーンリスト関係です。
 「また」以降はアンバーになります。また、「事前の通告及び同意」手続が必要な「アンバーリスト」対象品目であっても、先ほどから繰り返し申し上げているような「事前に同意が与えられている回収施設」での回収であるならば、一定の輸入手続の改善ができるのではないかということで、EUではそのような方式を取っているということを紹介しております。これらを踏まえまして、⑧が論点になるかと考えております。総じて申し上げると、輸入手続の簡素化です。
 第1パラグラフ、第2パラグラフに分かれておりまして、前半がグリーンリストです。「グリーンリスト」対象品目は、EUを見習って、我が国においても輸入手続を、非OECD加盟国間の場合であっても、大幅に簡素化すべきではないかと書いております。また、後半が「アンバーリスト」です。「アンバーリスト」対象品目の輸入であっても、一定程度の輸入手続の簡素化というのができるのではないか。これは事前同意施設というのを使えばいいのではないか。こういうことが載っております。
 もう一つ輸入に関する論点ということで9ページに載っておりますのが、我が国からのシップバック対応の円滑化です。こちらは先ほど申し上げましたように現行法では一度我が国に不法に輸入されてしまった場合、元の輸出国に送り返すというのが難しいという部分がございますので、そのあたりを見直して、我が国に不法輸入された特定有害廃棄物等のシップバック手続というのを整備したらどうかということを考えております。
 最後にその他の論点で一つだけ載っているのを申し上げて終わりにいたします。処理技術の進展等を図るための試験分析目的での輸出入を円滑化してもいいのではないかということです。現状と課題にありますように、現在バーゼル法では試験分析目的での輸出入という特例がございませんので、仮に試験分析目的で輸出入するという場合でも通常の輸出入と同様の手続を取っていただくという原則になっております。
 一方、OECD理事会決定では、「アンバーリスト」、つまり、「事前の通告及び同意」手続が必要なアンバーリスト対象品目であっても、試験分析を目的とする場合には25kg以下とかという上限があるのですが、それ以下であれば、「事前の通告及び同意」手続等を経ずに輸出入ができるような例外が置けるという規定がございます。これを活用しまして、EUでは実際に25kg以下の有害廃棄物等の輸出入を「事前の通告及び同意」手続の対象外とするというようなことが整備されております。
 こうした成分分析等を含めた輸出入というのは廃棄物処理やリサイクルに関する技術の進展といったところに寄与するという点において一定程度の簡素化というのはし得るのではないかと考えておりまして、⑩の論点がまさにその簡素化です。サンプル分析を行うことで処理における技術的留意点や経済性等を事前に確認できる。先ほど申し上げた技術の進展も期待できる。OECD理事会決定やEUの制度もあるということを踏まえた一定の手続緩和というのができるのではないか。また、輸出につきましては相手国もあることですので、全部自由とは申せませんけど、原則的には通常の手続よりも簡易な輸出を認めるようにしていいのではないかといったことを考えております。
 以上、①から⑩までの論点について駆け足で申し上げました。ぜひ皆様に御議論いただければと考えております。ありがとうございました。

○細田座長 ありがとうございました。ただ今説明いただいたとおり、多数の論点がございますので、一挙にこれを議論してしまうとかなり混乱する可能性がございます。そこで、まずIの検討に当たっての基本的考え方とIIの輸出に係る論点について御議論いただいた後に、後半のIIIの輸入に係る論点とその他の論点の二つに分けて御議論いただくように進めていただきたいと存じます。
 それでは、まずIの検討に当たっての基本的考え方とIIの輸出に係る論点、これについて御質問等があれば承りたいと思います。それでは、御意見、御質問のある方は名札を立てて発言の意思を表していただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。それでは、乗田委員、どうぞ。

○乗田委員 私は鉄リサイクル工業会の乗田でございます。IIの4ページ、5ページ、6ページの頭までなのですが、先ほど萱嶋さんから御説明のあった雑品スクラップについてちょっと意見と申しますか、論点を整理させていただきたいと思います。基本的には鉄スクラップというのは製鉄用の溶解用スクラップ、御存じかと思いますが、20年以上前から日本からアジアを中心に輸出が多数行われております。今では大体800万トン規模が輸出されておりますが、そのうち細かい具体的なデータはないのですが、中国向けに雑品スクラップというのが100万トン以上、2005~2006年のリーマンの前ごろは200万トン以上が出ていたのではないかという推計もございますが、中国向けには製鉄用の溶解用スクラップというのはほとんど出ていない。出ているのは雑品スクラップと言われております。
 それを我々が今一番問題としておりますけれども、昨年から特にここ10年来あるのですが、港湾、一部船舶に積まれた後で大型の火災、昨年の12月にも大型火災ということで、マスコミを賑わしました。どうしても鉄スクラップでの大型火災という報道がなされますが、私どもにもよく問い合わせを頂いて、鉄スクラップというのは燃えるのですかということで、鉄も酸化するから燃えないとは言えないと思うのですが、少なくとも火災ではなかろうということで、ちょうどここで、私は委員として選んでいただきましたので、ぜひ御議論いただきたいと思います。いろいろ問題があるわけですが、雑品スクラップを主業としていらっしゃる方は、はっきり言っていいと思うのですが、中国からいらっしゃっている、環境省さん、経産省さんも注目といいましょうか、問題とされている中国系のヤード業者と呼ばれる方たちが日本に、はっきりした数字は分からないのですが、何千という単位でいらっしゃる。ちなみに我々の会員は750社ですから、我々鉄スクラップをやっている業者の数よりも多い人たちが北海道から九州、沖縄まで、日本全国でやっておられるという中で具体的にどうということではないのですが、ぜひこの審議会の場で火災も防ぐ、もちろん海外においていろいろ環境汚染も問題が出るだろうということについてぜひ突っ込んだ議論をお願いしたい。我々は何らかの規制がかかるということも考えております。でも、それが妥当なものである。つまり、我々の生業を守っていくという規制であるならば、我々工業会としてもきちっと受け止めさせていただきたいということは思っております。具体的なことは今後議論させていただくとして、取りあえずそこのことだけ申し上げたい。

○細田座長 ありがとうございました。それでは、森谷委員、どうぞ。

○森谷委員 ありがとうございます。今の論点ペーパーの4ページから5ページにかけての雑品スクラップ関係ですけれども、併せて先ほどの施行状況の22ページの特定有害廃棄物等の輸出入のグラフの両方を見ながら、質問というか意見を申し上げたいと思います。22ページといいますのは施行の方ですけれども、それによると、バーゼル法上の手続を実際に経たものの件数が書かれているわけです。しかしながら、論点ペーパーから察するところ、それ以外のもの、本来はバーゼル法の手続を経ないといけないものの、経ていないものが相当数あるということだと思います。それ以外のものというのは一体どれほどの量が見込まれるのかということです。私が聞いていますのは、水際では環境省や経産省の職員の方が税関からの通報を得て検査に行かれるということがあると思います。現場に行ったときに、5ページに書かれている判断基準を現場に行った職員がはっきりと熟知して、指導できるということが必要だろうと思いますし、併せて、潜在的に今後どんどん増えていくということであれば、水際での職員の体制を充実させるということが必要ではないかと思い、これは意見として申し上げたいと思います。以上です。

○細田座長 ありがとうございました。それでは、寺園委員、どうぞ。

○寺園委員 ありがとうございます。4点ぐらいあります。まず1点目の検討に当たっての基本的考え方につきましては全く同意しておりまして、輸出について不十分な、管理でない場合がある、輸入については過度に規制されている場合があるということで、アンバランスな状態という認識につきまして私も全く同意でありまして、これを解消すべくここで議論していただきたいと思います。
 2点目ですけれども、韓国向けの鉛バッテリーでの問題が生じたことを2ページから3ページにかけて御紹介いただきまして、私もこれは大きな問題だと思っております。この韓国向けの鉛バッテリーの問題につきましては、有害性と輸出量の大きさから非常に影響が大きいと考えておりまして、これまでも懸念してきたとおりでありますけれども、これが国内の非鉄製錬業者と国外での状況という二つの間でいわば不公正な競争があった可能性も否定できないと考えておりますので、不幸にして、こういったことが韓国側の問題として出てきたわけです。これまで輸出が伸びているということがあったわけですけれども、現地の韓国の方でこういうことが起こり得るかどうかということは、対OECD向けであっても、環境省、経済産業省の方で調査等、あるいは韓国の当局に対して問い合わせなど、いろいろな形での調査ができたのかどうかということを教えていただきたいと思います。といいますのは、私も研究者同士で韓国にも仲間がおりますけれども、そういった共同研究者の中でも韓国の国内の鉛バッテリーのリサイクル業者に対して、なかなか情報公開に応じてもらえないという難しい問題があると言われていました。そういうことで、輸出量の増大ということを鑑みたら、やはりOECD向けであったとしても、そういった我々の中でなすべきことというのができたのか、できていなかったのか。それを受けて、今後の改善点というのを見極めていきたいなと思います。
 3点目ですけれども、4ページから5ページ目につきまして、これは雑品の問題です。先ほど韓国向けの鉛バッテリーの輸出につきましては10万トンオーダーということでありましたけど、先ほど鉄リサイクル工業会の方がご紹介いただきましたように、雑品スクラップにつきましてはもう1オーダー高い約100万トン以上が年間輸出されていると私も見ております。
 5ページの下の方で私の撮影した写真も使っていただいておりますけれども、これは古い2010年の中国での手解体の状況などであります。実はこの後も中国でいろいろと見せてほしいということを中国の政府、あるいは関係業者にもアプローチはしてきましたけれども、なかなか見せていただけません。輸出する場合はほとんどのケースが事前相談を通っていると思います。事前相談の中でこういった雑品の場合はメタルスクラップの名称で通っているものが多いと思うのですけれども、輸出量の多さなど、あるいは有害性に対する疑問ということを考えましたら、現地の状況はどういった状況にあるのかどうかということを書面だけでなくて、疑問が生じた場合には現地の確認等を中国の政府の当局と協力してやっていただきたいという思いがありますけれども、それについて現状はどうかということを教えていただければと思います。
 4点目です。5ページの上の方に行っていただきまして、今のスクラップヤードにおける雑品スクラップの国内管理の在り方について中環審の廃棄物処理制度専門委員会において議論が行われているという御紹介がありました。これは廃棄物処理法の枠の中で見直しということだと思うのですけれども、廃棄物処理法とバーゼル法の両方にまたがる「すきま」の問題につきましてこの委員会で議論するバーゼル法の中ではどのような御検討を御準備いただいているかどうかということを確認させていただきたいと思います。具体的にはバーゼル法の中での未遂罪、予備罪のご検討の必要性ということが今回の資料にはありませんけれども、その辺について伺いたいと思っております。以上です。

○細田座長 どうもありがとうございました。島村委員には、皆さんのお手元に配られていますペーパーがありますが、中村座長と相談の上、許可すると言ったら大げさな言い方ですけど、結構ですということで、このペーパーを使いながら、御説明いただくということになります。よろしくお願いします。

○島村委員 ありがとうございます。バーゼル条約の国内担保法としてのバーゼル法を見直すという場合に、大きく三つのフェーズがあると思います。一つは一番最低限の、つまり、条約に国内法が合致しているか、担保できているかという最低限のラインです。二つ目は執行上問題が生じているかどうかという執行レベルの問題、これは法律改正しなくてもいいです。三つ目は、我が国の経済的利益を守るために攻めの改正をできないかというような三つぐらいフェーズがあるうちの今日私が申し上げるのは一つ目のフェーズ、最低限のレベルの話でありまして、4項目がございます。ちょっと分かりにくいかもしれないので、レジュメ的なものを提出資料として刷ったのです。
 一つ目は特定有害廃棄物等の定義の問題です。これは今日御説明いただいた論点の中にも入っておりましたが、そこに上げているのは現在の法律の条文ですけれども、条約の付属書を引用するという形で法律上規制対象物質を定義しています。これは環境分野の法律ではあまりないことです。規制対象物質を告示で示しているのは、告示は法的拘束力も何もない裁判規範性もないので、法的に不安定なので、ここは政省令の形で規制対象物質を明確にする。それが港での明確な執行の基準にもなるのではないかという点が一つです。少し省略をしながらお話をしたいと思いますが、二つ目の項目は寺園委員が今お話しされたことでありまして、提出資料では条約の条文を引用しておりますが、有害廃棄物又は他の廃棄物の運搬又は処分を行うことが認められ、又は許可されているものを除くほか、国内を含めて運搬処分をすることを禁止せよと条約は言っておりますが、これが我が国のバーゼル法では担保できておりません。廃棄物処理法の対象になるものは担保されていますが、廃掃法で担保できていないものは条約上の義務を履行できていない。これは条文上明確に国内法と条約を比べると担保できていないので、これは最低限の手当てをする必要がある。それが雑品スクラップのヤード問題などをを解消する手段にもなると考えております。これが2点目です。3点目は今日の論点ペーパーから落ちております。私は昨年度の検討会とか、廃掃法の専門委員会にも参加させていただいているのですけれども、検討会では再三指摘をされていながら、今回の論点に入っていないものです。措置命令の要件ですが、不法取引の場合に相手先国からシップバックせよとこちらに来たときに、我が国の法令上、提出資料では下線を引きましたけれども、人の健康又は生活環境に係る被害を防止するため、特に必要があると認めるときでなければ、措置命令を打てないということになっております。こういう要件の縛り方をするのは条約は認めておりませんので、この要件を削除しないと、条約に違反するか、法律に基づかずに、要件を満たさないのに、措置命令を打つということになりかねないものです。
 その業者がシップバックしない場合には行政代執行をする必要がありますが、行政代執行法にも行政法上なかなか厳しい要件がかかっておりまして、これは下線を引いたところですが、不履行を放置することが著しく公益に反するという非常に厳しい要件がかかっております。ここも改正しないと、条約上の義務を我が国が担保することが条文上できません。以上は、特に措置命令の要件の部分は、運用によって乗り越えられることではなくて、条文を変えないとできないということです。
 最後の4点目ですけれども、これも寺園委員がおっしゃったことですけれども、バーゼル法違反には未遂罪、予備罪がございません。廃掃法の場合には未遂罪、予備罪がありますけれども、バーゼルでは外為法の手続を使っており、未遂、予備がありませんので、悪い業者が準備をしていても、そこで押さえることができないということです。
 これに対する処方箋として、昨年度の検討会では、最後の4ページの一番四角の外になりますけれども、廃掃法の確認処分と同様に、それが環境上適正な輸出がされるかどうかということについて、廃掃法と同様の行政処分をそこに一個設ければ、今日の資料1でもパワーポイントの18枚目にフローの図がありましたけれども、廃棄物処理法と同じような処理、行政処分をそこに改正で置けば、同じように外為法の改正をせずとも予備、未遂ができる。そういう手続を設けることの必要性は検討会でも大塚委員が主張されておられて、特に第5回の検討会では他にもメリットがあると指摘されています。ここに①、②と挙げておりますが、そういうメリットもあるので、そういうふうに法改定をしたらどうかという提案が実際にされておりました。私が今回申し上げたいのは、これをせめて論点に載せるべきではないかということです。今回の論点ペーパーに入っていなかった点を中心に指摘させていただいたということです。以上です。

○細田座長 ありがとうございました。それでは、崎田委員、どうぞ。

○崎田委員 ありがとうございます。私はこの前の論点整理の検討会には入っておりませんので、関係者の皆さんが非常に明確に論点をまとめていただいたということに感謝を申し上げたいと思っております。なぜかと申しますと、11月2日から3日間アジア太平洋3R推進フォーラムが開催されて、この中の委員の方もいらっしゃる方がおられると思いますが、私も今日の夜中の飛行機で、NGO会合を事前に開くため、1日早めに行く予定です。今回7回目になりますけれども、会合の初期のころとか、リオプラス10のヨハネスブルクなどで、こういう議論の傍聴なり、NGO会合などで様子を見ていると、先進国がもっと配慮をして、廃棄されるような中古品を出さないようにしないのかということを本当に涙ながらにいろいろな国や、政府の代表の方がおっしゃるような現場を体験して、どうにかそういうところをしっかりできないかなとずっと考えておりました。今回いろいろ御提案いただいた論点というのは大変重要なことだと思いますので、私はこういう流れでしっかり進んでいくことが必要だと思っておりますが、その中で二つだけ質問させていただき、お答えを頂ければありがたいという点があります。特に私は細田先生が座長を務めておられる家電リサイクル法の見直しの委員会なども入っているのですが、そこで循環型社会構築には3Rが大事だということで、リデュース、リユース、リサイクルの中の家電のリユースなど、いろいろな製品のリユースは明確に位置付けるべきと申し上げるのですが、これが隠れ蓑になって、すぐに不適正なリサイクルをされてしまうようなものが海外に行くというようなことが防ぎ切れないということがずっと課題になっていたと思っています。そういう意味で今回の中で海外へのリユースのときの評価項目をもう少し明確に見直すとか、そういうのがこの前の検討会の論点整理のペーパーに入っていたので、今回もそういうことが出てくると思っていたのですが、入っていないので、どうしてこの辺の大事なことが入っていないのかちょっと様子を教えていただければありがたいと思います。
 なお、そういうことと関係しますが、シップバックの件数が非常に多くなっているのは、国内から出すときのチェックが厳しくないからこそ、こういうふうなことが起こるわけで、水際できちんとしていくのが大事なのではないかと思っています。それの関連で、できるだけこういうものに関しては国内で処理をしていくことを大原則にするというようなことが論点整理のときにはあったと思いますけれども、今回の議論に入っていないので、こういうようなことが大変重要なのではないかと思っており、事務局の方でどういうふうにお考えなのかぜひ伺いたいと思っております。よろしくお願いします。

○細田座長 それでは、今度は逆回りに回りたいと思います。髙村委員、どうぞ。

○髙村委員 ありがとうございます。3点申し上げたいと思います。一つは、①、②の論点、それから、⑥にも関わると思うのですが、私の理解ではこれは単純なOECD加盟国とそれ以外という区分ではなくて、きちんと処理をする能力がある施設かどうかということを基礎にした規制といいましょうか、判断基準を設けるということを示唆されているように思います。
 95年のバーゼル改正がありますけれども、こちらは確かにOECDとそのOECD以外という括りをしておりますけれども、恐らく現在の資源のリサイクルとか、あるいは有効活用、あるいは資源循環の促進という観点からすると、さらにバーゼル条約上の廃棄物ですが、廃棄物の適正管理ということを考えたときには、おそらく処理をする施設の能力というのを単純に国で切らないということは一つの重要なアプローチとして検討すべきではないかと思っております。これが1点目です。
 それから、2点目でありますけれども、シップバック対応について、これは⑤の論点ですが、これは先ほど崎田委員か、佐藤委員がおっしゃった点だと思いますが、実際のシップバックの事例の理由について詳細を検討いただきたいと思っております。恐らく先ほどの御説明ですと、バーゼル対象ではないということで出ていっているということですので、一つは対象となる廃棄物の範囲、ここで言うとバーゼル条約上の廃棄物の範囲の違いということになろうかと思いますけれども、いずれにしても具体的なシップバックのための法改正とともに、それが繰り返し行われないために、現在のシップバックが求められている事例の理由についてより照査いただきたいと思っております。
 それから、3点目ですけれども、ちょうど島村委員がペーパーでおっしゃった点に関わるところですが、今回バーゼル条約を四半世紀ぶりに、それをどう国内担保しているかというのを改めてもう一度見て、その執行上の問題に対処するという非常に重要な機会を頂いていると思います。島村委員の方からバーゼル条約の第4条7の(a)の担保の話がありましたけれども、私がもう一つ気になりますのは、バーゼル条約の第4条の2の(b)の担保です。言うまでもありませんが、日本はバーゼル条約にとどまらず、条約を締結する際には基本的に完全担保主義、つまり、条約と齟齬がないように、不履行、不遵守が起こらないように国内法で担保するというのが大原則として対処されているという理解をしております。おそらく当時は無価物たる廃棄物の途上国へのダンピングが主たる関心でしたので、いわゆる価値のある、バーゼル法上のと言いたいのですが、バーゼル物に関して担保のときに大きな議論になってこなかったのかなと推測いたしますが、先ほど言いましたように、冒頭に髙科審議官も、中井部長もおっしゃった資源のリサイクルとか、資源循環というのが非常に重要な局面になってまいりますと、この部分がきちんと日本の国内で担保ができているかどうかということは、改めてチェックをする必要があるのではないかと思います。これは廃掃法の第2条の2で既に無価物については担保しているので、逆に言うと、それでないバーゼル物について同等の規定がないというのが、一つは担保がちゃんとできているのでしょうかという懸念を引き起こすわけです。おそらくここの国内担保、特に第4条2の(b)については、一つはこれまで貿易を行っていたものに対しての一定の制限的な効果、つまり、国内でできるだけ処分をするべきである。そのための適切な処置を取るというのが第4条2の(b)の趣旨ですので、その懸念があり得ると思いますけれども、同時にバーゼル条約の国内担保という観点から、貿易制限的という形にならないような、どのような国内担保が可能なのかということをきちんと検討する必要があるのではないかと思います。実際にバーゼル条約の第4条2の(b)を担保している諸外国の例も含めて御検討いただけないかと思っております。すみません。3点と言って、もう一つコメントを申し上げたいと思うのですが、先ほど島村会員が3段階目の検討とおっしゃいましたが、先ほど乗田委員もおっしゃいましたけれども、おそらくこの間に日本のリサイクル法制というのは、資源が乏しい日本において国内にある資源を有効活用して資源にしていくかという観点で政策を立ててきたと思っております。その意味で先ほどの乗田委員の御指摘は非常に重要な御指摘と思いましたけれども、そうした観点から一種攻めの政策の議論も併せてしていただければと思います。以上です。

○細田座長 それでは、佐藤委員、どうぞ。

○佐藤委員 まず廃棄物処理法のそもそもの解釈の中で有価物は対象外であるということですが、法律上は総合判断説なので、値段だけで決めるわけではないのです。それにもかかわらず、有価物かどうかで判断することで、市場で原油価格の変動とか、そういうもので左右されるということがこの廃棄物の世界を非常に歪めていると思います。
 具体的に使用済みの鉛蓄電池なのですけれども、もちろん不適切に輸出されるということは問題ですが、そもそも国内で有価であると言って流通しているということで、環境負荷が本来は発生しているのではないかと私は懸念いたします。そういう意味で使用済みの鉛蓄電池については根本的な考え方を直すことが必要だと思います。ただ、ここで問題となるのは、一般廃棄物になってしまう可能性があるわけです。現在市町村は有価であるということで処理責任を免れている側面があります。使用済みの鉛蓄電池は有害性があるので、総合判断すると、有価物ではないと。たとえ有償で売却されていても、それは適正な環境コストが内部化されていないことによる有価物であると思います。すなわち、本来適正な配慮をして運搬したり、適切なリサイクルをするためには相当の処理費用が必要になるにもかかわらず、そういう配慮をしないことによって有償で売却されているという可能性があるわけです。ですから、そういう意味では本来の適正な管理コストを考えたら有価物であるはずがないということで、私は廃棄物にするということは可能だと思うのです。そうすると、一般廃棄物になって、市町村が大変なことになります。広域認定はありますが、これはあくまでメーカーの自主的取組と位置付けられており、メーカーの有害廃棄物に対する責任という意味では徹底されていません。今回の廃棄物処理制度専門委員会でも一般廃棄物の有害廃棄物についての制度の見直しが必要ではないかという点が挙げられていますが、それと歩調を合わせて、私としては使用済鉛蓄電池というのは適切にリユース、リサイクルするために、環境配慮が必要なので、運搬のところでは廃棄物にするというルールを作るのが必要なのではないかなと思います。
 それから、雑品スクラップも同じでありまして、リユース目的だとか、リサイクル目的だと言われますけれども、適切に分別をして、あるいは破砕して、マテリアルにするにはそれなりの本来はコストがかかるべきはずなのです。それが非常に安い有価物として廃棄物と廃棄物でないものを混ぜて、全部で有価物だと言われている例が非常に多い。そうすると、それは本来廃棄物処理法で全体として廃棄物であると私は判断すべきだと思います。壊れたものについては廃棄物だという通知が出ているわけですが、この制度をもう少しきちんとして、そもそも不用品回収業者が回収しているという段階で廃棄物処理法を適用することが必要だと思います。これは廃棄物処理法では準備行為も禁止できるわけですから、そういうチラシを持って営業しているということで廃棄物処理法違反だと運用すれば、結果として集まりませんので、輸出に対する大きな抑制にもなると思います。
 それから、輸出の現場で写真撮影をすれば、人の目の感覚というのはかなり有効だと思いますので、微妙な混合物の検査方法を定めるよりも、見た目で駄目だというような人間の五感に基づく判断というのが必要だと思います。シップバックされる例も見た目で駄目だと言われている例が多いのではないかなという気がします。もちろん法的根拠の明確化もそうですけれども、行政が思い切って対応するということも必要ではないかと思います。

○細田座長 ありがとうございます。齊藤委員、どうぞ。

○齊藤委員 ありがとうございます。もう既に幾つか重複してしまうかもしれませんけれども、私の方から大きく二つ言わせてください。一つ目は水際対策の強化というところで、先ほどお話がありました雑品スクラップが今のグラフ上でほんのちょっとしかないのに、実際には100万トン増えるという話で、対策が非常に必要になるというお話です。これはそれに備えた準備が必要かと思います。環境とは全然違う分野になりますが、子どものおもちゃの商品安全に関して業界団体に入っていないものについて、法律と水際で防ぐしかないのだけど、日本の輸入の水際対策は諸外国に比べてとても甘く体制強化が必要だと御指摘を受けたことがあります。今回のものについてはB to Bの取組なので、輸入については緩和という話で進んでいてそれはよいと思いますけれども、輸出入の水際の対策の強化が必要というところが一つ目です。
 今のことに絡みまして、そういう意味でそれを法律化するということで、「該非の判断を行える判断基準の整備」というのが非常に大切と思います。これについておそらく他国も同じような状況があるかもしれないので、ぜひ他国の例についても御紹介いただいて、より適切な該非判断のガイドライン、マニュアルのようなものを作っていただけるとありがたいなと思っております。
 2点目が、雑品スクラップが国外に行かないための話について。国内循環はとても大切と考えますが、国内循環のためにバーゼル法を強化するというのはおかしな話だと思います。並行して、回収の効率化であったり、リサイクル技術の向上であったり、せっかく小電リサイクル法もできておりますので、そういった国内の推進とあわせて、両輪で進めていくべきではないかなと思いました。以上です。

○細田座長 ありがとうございます。時間がちょっとなくなってきていますので、第1と第2の論点を、馬場委員、最後によろしいですかね。では、馬場委員、どうぞ。

○馬場委員 ありがとうございます。この委員のお話を拝命したときに専門家とは違う一般の観点から意見してくださいということでしたので、今日はそういう観点からの意見になろうかなと思います。専門家の先生からすると自明のことかもしれませんが、まず事務局の資料の御説明を拝聴しているときはなるほどと思って聞いていたのですが、だんだんと先生方の意見を伺っていくうちに、分からなくなってきてしまった点があります。そもそもバーゼル条約、バーゼル法は何が目的なのかということです。これは輸出先といいますか、処理、リサイクルする国での環境の確保であるとか、適正な処理が行われているかどうかを担保することが大事だと思うのです。ですので、輸出の論点であるとか、基本的考え方のところで不適性処理が発覚したような場合にリスクの多寡に応じて手続を強化することを、相手がOECD国であろうが、どの国であろうが、やっていくという観点は大変大事だなと思って同意する次第です。
 ただ、お話を聞いているうちに、国内でのリサイクル資源を扱う事業者さんを守るということも条約や法に包含されているのだろうかと感じるところがございました。今、齊藤委員もおっしゃっていたのですが、資源小国日本として国内でリサイクル資源を循環できるようになっていくのは非常にいいことですし、そういった事業者さんを育てるというのは大事なのだろうと思うのですが、一方で、日本も資源ナショナリズムというようなことに悩まされたことがあります。貿易のやり方、仕組みで制御して国内資源を確保するのでは、また繰り返し日本も同じようなことを受けかねないのではないかと心配になります。リサイクル事業者の体質強化は、バーゼル法とかかわる仕組みとは他の法律や仕組みで、しっかりと両輪ででやっていくことが大事なのかなと感じました。以上です。

○細田座長 ありがとうございました。時間がものすごく限られていますので、手短にお願いできますか。

○川瀬委員 川瀬でございます。私は今日は全く分からない話ですので、発言するつもりは全くなかったのですが、馬場委員のお話を聞いていて、そのとおりだということを国際通商法の専門家から申し上げたいという、その一言のみです。
 最近日本は中国のレアメタル、レアアースの輸出制限について、これをWTOに訴えて勝ったわけですが、基本的に資源ナショナリズムのための資源の輸出制限ということについては非常に厳しく臨むのが従来のWTOでの我が国のスタンスです。ですので、韓国の鉛蓄電池の問題については、馬場委員がおっしゃるとおり、基本的には国内のリサイクル業者さんの育成の問題と通商制限の問題というのはきちんと分けて考えないといけないと思います。バーゼルはバーゼルでもちろん廃棄物の国際通商のルールではあるわけですが、同時にそこにはWTOのルールもかかってくるということをきちんと御理解の上、後者にも整合的に規制を強化するなり、何なりということをお考えいただきたいという点を、私の観点から一言申し上げたいと思います。

○細田座長 ありがとうございます。大体コメントが多かったわけですが、一、二質問がございました。時間がないので、手短に事務局の方からお答えいただいて、よろしくお願いいたします。

○萱嶋課長補佐 承知しました。多くの御質問、御意見、本当にありがとうございました。時間も押していますので、ぱぱっと申し上げます。ひょっとしたら何か言い忘れることもあるかもしれません。すぐに御指摘ください。
 乗田委員からありましたとおり、雑品スクラップ問題は議論もどんどん進んでいると思いますので、この調子で進めていくのがよろしいと思います。
 森谷委員から対象物等いろいろ判断基準の指導ができるようにということで、まさに分かりやすい基準づくりというのが重要だと私どもも考えております。
 次に寺園委員ですが、基本的考え方はよしとして、鉛バッテリーですが、韓国等の事例というところはなかなかこちらから政府側に問い合わせても、実情が明らかになる部分、ならない部分というのはあると思っております。次の雑品問題にも共通いたしますが、外国の事例を把握するというのはなかなか難しいと認識しておりまして、特に今回の場合ですと、事前相談で問題ないという形で流れていったものが実際に問題を起こしている場合があるのではないかというところもあって、まずはバーゼル条約の手続が必要な場合にはきちんと手続を取るのだというところから一歩前進させるということが重要ではないかと私は考えております。
 それから、「すきま」ということで御議論いただいた件はまさに廃棄物処理制度専門委員会でも御議論いただいているところでありますが、そういったところで国内管理というところもきちっと強化していきたいと考えています。未遂罪につきましては次の島村先生の話と併せて申し上げます。
 次は島村先生ですが、規制対象物の部分につきましてはまさに条約をそのまま引っ張っているということで、なかなか柔軟な対応といいますか、規制対象物か否かというのがはっきりしないという問題もあるというところで、ここをまさに見直しまして、具体的にどういった形にするかはこれから検討いたしますが、きちっとまさに条約を担保できる形としての定義というのを置くというのが重要であると考えております。
 二つ目の4条7項の(a)につきましては後ほど経産省さんから話があると思います。3番の措置命令に入りますが、まさに措置命令のところと行政代執行のところは昨年度の検討会で御議論いただいたと認識しておりまして、そのあたりをもう一度御提示いただき、ありがとうございます。御質問の件につきまして事務局として次のとおり回答いたします。迅速な措置命令の実施につきましては関係省庁間でマニュアルを整備いたしまして、公益上緊急に不利益処分をする必要があるため、現実に手続を取ることができない場合は、行政手続き法の弁明の機会を見据えた省略が可能としており、迅速化のための取組を進めてきたところですが、今後どのような支障が生ずることとなるのか、実態をよく精査した上で必要に応じて更なる対応を検討してまいりたいと考えております。それから、また、未遂罪、予備罪につきましても事務局として次のとおり回答いたします。バーゼル法の規制対象物は無価値の廃棄物だけではなく、有価のリサイクル資源も含まれておりまして、有価物は不法投棄のリスクが低いこと、また、適正な取引をしている事業者に対する手続き負担増や罰則適用リスクを増加させることとなること、それから、外為法との整理が難しいことなどから、未遂罪、予備罪等の不適正輸出の未遂防止の観点からの規制強化は慎重な検討が必要と認識しております。有害物を含む雑品スクラップへの水際対策はバーゼル法の規制対象物としての該非判断が難しいために法の適用ができないというのが問題でありますので、該非判断基準をしっかり明確化して、法の適用がなされれば、不適正な業者は排除されるのではないかと考えているという次第です。
 続きまして、崎田委員からありました中古品の関係ですが、既に中古品判断基準というものを出しておりまして、検討会でもまさにそこを書かせていただいたわけですが、今回の法律の見直しというよりは、もう一段階下の運用実態のところの問題として見直す必要があると考えております。したがって、そういったことをやらないという意味ではないのですが、今回の論点には入れなかったと御理解いただければと思います。それから、国内で処理というと、大原則については先ほどいろいろな議論を展開しましたので、その辺をまとめて回答したいと思います。
 次に髙村委員からございましたところですが、まさに国で基準を切るというのも全くやらないという意味ではないのですが、施設が適切かどうかというところを大きな判断材料としていくということは大きな方向性として言っていいのではないかと考えています。
 次にシップバックについてですが、対象物か否かというところ、まさに範囲の違いというのが問題であるというのは重要だと思っておりまして、そのあたりは先ほど申し上げたように我が国の定義の方の見直しをすることで、一定の改善が図られるのではないかと考えております。シップバック対応のための法改正はどういった形がよろしいのかということは御議論いただきたいと思っています。
 それから、4条2項(b)です。このあたりというのはいわゆるちゃんと環境上適正に処理できるのであれば、国内における処分施設を利用できるようにすべきということです。そのあとの委員の皆様からもあった話ですが、国内処理原則に関する話だと思います。こちらにつきましても事務局として次のとおり回答いたします。バーゼル条約では有害廃棄物の輸出入について最小限度にすることを基本的考え方としつつ、有害廃棄物の環境上適正な管理に資することとなるリサイクル目的の輸出入については許可されるという考え方がございまして、OECD理事会決定は加盟国間のリサイクル目的の輸出入を促進していると思います。こうした中、国内処理の原則というのが仮に有価で取引され、市場性があるものを国内需給調整目的のために制限することを意味するのであれば、その是非につきまして、また、WTO提訴リスクが先ほどございましたが、それとの関係整理が必要であり、慎重な検討が必要ではないかと認識しております。また、国際的な資源循環促進の観点からはリサイクル目的の輸出入は処理先での環境汚染防止措置が適切に実施されることを前提に促進すべきという考え方もございます。なお、輸出先での環境汚染防止措置を適切に実施するということは今回論点に含まれていると思います。
 また、バーゼル条約の考え方を踏まえまして、バーゼル法に基づく基本的事項告示というのがあるのですが、その告示の中で輸出及び輸入の最小化というのを記載しているという事実もございます。
 それから、佐藤委員からございました廃掃法上の解釈ですが、おっしゃるとおり、まさに有価だから即対象外というものではないと我々も認識しております。そのあたりはいろいろ通知等もございますが、どういった形ができるかというのは考えないといけないと思います。
 鉛バッテリーにつきましては環境負荷の問題もあるのではないかという御指摘を頂いたと思います。現在まさに有価か無価かというところで区切っているところではあるのですが、先ほど申し上げましたとおり、廃棄物処理制度専門委員会でも国内の話が出てまいりましたが、この点についてもどのようなことができるのかというのは、今回バーゼル法の枠内でできるかどうかという問題はあるのですが、少なくともこういう問題もあるというとはまさにおっしゃるとおりだと思います。
 雑品スクラップにつきましてもおっしゃるように総体として有価だと言われているところに問題があると私どもも考えていまして、総体が有価であっても、きちっと取り締まる仕組みというのは先ほど申し上げた廃棄物処理制度専門委員会の中でも議論していく必要があるのではないかと考えています。
 見た目で判断というところもおっしゃるとおりで、判断については濃度基準、何が何%入っているというのはその場では分かりませんので、もう少し分かりやすい具体的に、これはあくまで私の仮の説明ですが、例えば電子基板が入っているのだとか、あるいは燃えやすい電池類が入っているのだとか、そういったところを評価するような仕組みというのもあるいはあってもいいのではないかということで、具体的な定義の見直しのところでそういったことも御議論いただければと思います。
 齊藤委員からございました水際規制強化のところもこの話です。該非の判断を整備するというところで、他国の例についてもどういった仕組みがあるのか。混合物につきましてOECD理事会決定の中でもきちっと、混合物について全体として有害性があるのだったら、有害廃棄物として扱うのだというような考え方がございまして、EUにもそういったものがございますから、参考にしていけばいいのではないかと考えております。
 それから、国内循環のところについて、バーゼル条約の目的自体は公害輸出を防ぐのだというところに力点があるというのは間違いございません。特に国内で何かを回すということを念頭に置いているというのは、先ほど出てきた国内処理原則という部分ですので、その条約自体の目的と実際の効果というのがどうあるのかというのはよく考えていく必要があるのかと思います。
 馬場委員からございましたバーゼル条約ということで、輸出先での環境の確保、公害輸出を防ぐのだというところはまさに今出たとおりです。先ほど出たように、WTOとの関係というところは、川瀬委員からの話にありましたとおり重要でありまして、そういったところできちっと国際法的な前提にのっとった形での制度設計というのが必要であると考えております。以上です。

○細田座長 大変早口でありがとうございました。それでは、時間はほんの少しオーバーさせてください。5分ぐらい時間がかかってしまいますけど、お許しください。
 それでは、IIIの輸入に係る論点とその他の論点について御質問があれば承りたいと存じます。いかがでしょう。どうでしょうか。今の勢いのある説明で気おされてしまったような。補足で相澤室長どうぞ。

○相澤室長 2点ほど簡単に御説明の補足をさせていただければと思います。寺園先生から、韓国の事例について今回OECD向けであっても、何か確認のような行為ができたのではないかとお話しいただいたと思います。実際に今回の韓国の事例についても、我々関係省庁で連携しまして、いろいろなところのルートを通じて、もちろん環境省は、条約上のCompetentauthorityとして環境省同士で話をしたりとか、あるいは外務省を通じてその状況の確認に努めたり、いろいろ確認ということをさせていただいたりはしているところです。ただ、難しいのは、事業者さんとの関係で、実際に我々が現地に行ったりとするような調査はできないわけです。あくまで政府と政府との間ではいろいろ動くことはできていましたし、それはしてきたつもりです。
 また、佐藤委員から御指摘のありました話で若干補足を申し上げますと、もう御承知の方もいらっしゃると思いますが、今回話題に出ているようなもののうち、廃鉛蓄電池につきましては、廃棄物処理法の広域認定で、製造業者が制度的にリサイクルのスキームを作っているところです。家電・小電につきましてはそれぞれリサイクル法がありまして、そちらの方がリサイクルの受け皿になっているというところは併せて補足申し上げます。

○細田座長 佐藤委員、どうぞ。手短にお願いします。

○佐藤委員 鉛蓄電池には広域認定制度がありますけれども、広域認定で回っているのが全体の量の何%かということを考えないと、あの制度が機能しているとは思いません。小型家電も日本にある小型家電のうち何%がその制度で運用されているかということがきちんと把握されていない段階で、制度がありますというのは、それはあまりにも現実と離れていると思います。

○細田座長 ありがとうございます。御指摘はごもっともです。受け止めてください。森口委員、どうぞ。

○森口委員 大変長時間遅れてしまいまして申し訳ございません。議論のどこまでが前半で切られていたのか十分認識できないままだったのですが、議題が輸入にかかるので、輸入に係る論点に絡めて発言をさせていただきたいと思います。
 先ほど佐藤委員が御発言になった点の「廃棄物か否か」という話が総合判断説であるが故に、そこのところでこぼれてくるものがあるのか。これはあくまでバーゼルの議論だということは承知しておりますけれども、バーゼルに限らず、つまり、国内でのそういった有害性、資源性の両方を兼ね備えたものに関しても当然当てはまる問題だと思いますので、先ほどの萱嶋補佐からの御説明ですと、廃棄物処理制度の方でも議論していると。ただ、両方で議論していて、一体どっちで最終的に議論するのかとか、それの歩調といいますか、ペースとかがあるかと思います。そこのところをしっかりと、短期でしっかりこのバーゼル法対応をすべきことと、そこの廃掃法のかなり根幹に関わる部分とどういうスケジュール感でやっていかれるかということをきちっと明確にしていただければと思います。
 輸入に係る論点の中で、これは若干思いつきの域を出ないかもしれませんが、輸入に係る論点で、廃電子基板等の輸入手続の簡素化とあるのですが、輸入した後の国内に入った後は廃掃法上の廃棄物なのかどうかとか、そのあたりの議論というのはここでしておく必要はないのでしょうか。あるいはそこはもう議論は尽きているのでしょうか。

○細田座長 ありがとうございました。一応全て御意見、御質問を承りたいと思います。村上委員、どうぞ。

○村上委員 ありがとうございます。どちらかというと前半戦で言うべきだったのかもしれませんけれども、ここに出ている8番の輸入の手続簡素化の話は全くもって同意なのですが、その話と先ほどの鉛の話がすごく厳しいことを考えておられるのであれば、若干バランスが悪いような印象があるので、その辺のバランスに気を付けていただきたい。そのバランスうんぬんと言っていることの根拠は先ほどの馬場委員や齊藤委員がおっしゃっていたのと同じところでありますが、そこのバランスが取れないとちょっとおかしな感じがするかなと思いましたという取りあえずコメント1件です。あとは他の委員がおっしゃったので。

○細田座長 森谷委員、どうぞ。

○森谷委員 かなり一般的なことになってしまって恐縮なのですけれども、廃棄物についての該当性の判断、あるいは国内ではまだないですが、廃棄物を終了したという判断については水際と、それ以外の国内といいますか、それを統一してもらうことが必要であるという考えを持っております。

○細田座長 それでは、寺園委員、どうぞ。

○寺園委員 ありがとうございます。資料3の8ページですけれども、輸入手続の簡素化のところで施設によっての基準といいますか、確認という形での方向性を出していただきまして、私はこれも同意いたします。
 一方で、数値を見ながら注意いただきたい点を申し上げたいと思うのですけれども、資料2の特定有害廃棄物等の輸入量の推移の中では、ここ3年輸入が伸びているというところで、3万、4万トンという電子部品スクラップを含む輸入量の話を出していただきまして、電子部品スクラップにつきましては、そのうちの約半分ぐらいに相当しますか、2万トン程度ではないかということで、これはバーゼル手続を伴った実績を御紹介いただきました。
 一方で、次のスライドでは日本鉱業協会様でのE-scrapの輸入量ということでご紹介いただいたのですけれども、ここにつきましては、バーゼル、非バーゼルの両方が含まれていると思うのですけれども、それにもかかわらず、1万3000トンレベルになっております(直後の座長の指摘で13万トンに訂正しますが、発言の趣旨は同じです)。これはその対象が、電子部品スクラップといっても、環境省で公表されているバーゼル法や廃棄物処理法に基づく数値(輸出入量)、それから、貿易統計、いろいろなものを私も突き合せて、なかなか数値の中身が理解しにくい点はあると感じております。
 何が言いたいかと申しますと、輸入した後にちゃんとどこでどうなっているということにつきまして、例えば日本鉱業協会様であれば、ちゃんとこうやって数値を御紹介いただいているのですから、ここでこういうふうにしていますということは御説明いただけるのではないかと思うのですけれども、バーゼルの手続を経て輸入されたものについて果たしてそのようなトレースができるかどうか。これは書類で出していただくだけではなくて、ここの施設でこういうことをやっていますということを当局の方、あるいは一般の方が確認できる状態にあるかどうかというようなところも大事だと思いますので、これはOECDからとか、非OECDからとかということだけではなくて、せめて国内の施設に入るものであれば、ここでこういうことがされているという資力のうんぬん以外にも、環境上適正な管理、それから、情報公開、その辺がちゃんと担保されている形が望ましいと思います。業者の方は嫌がられるかもしれませんけれども、抜き打ちのチェックがあるかどうかというところで、(輸入したものの適正な管理が行われるか否かの)大きな選別ができるのではないのかなと個人的には感じております。以上です。

○細田座長 ありがとうございます。これは10万トンですね。15万トンの軸は1000トンですから、1万トンということはないですよね。

○寺園委員 失礼いたしました。数値の点はそのとおりです。

○細田座長 それでは、島村委員、どうぞ。

○島村委員 ありがとうございます。先ほど佐藤泉先生が廃掃法の方で雑品スクラップとかを手当てするのが王道だと。私もそのとおりだと思いますが、廃掃法の専門委員会の方で、一部の雑品スクラップについて届出制をするとか、基準を作るとかという提案がされておりますが、それがバーゼル条約を担保するのに十分か。4条7(a)を担保するのに十分かというところは、条約解釈ですから、外務省のお考えも聞きたいと思いますが、大丈夫かというところを御確認いただくためにも論点に入れていただく必要があるかなと思います。これも「すきま」問題で、向こうの専門委員会とこっちの専門委員会の間に落ちるということがあるといけないと思っております。
 措置命令につきましても、先ほどお答えいただきましたが、あれは答えになっておらず、法律上の要件に合致しないのに、省庁間マニュアルがあるから処分を打つということは、法律による行政の原理からして許されません。マニラに医療廃棄物が輸入された事件のときでも措置命令を打ちましたが、バーゼル法違反では起訴されませんでした。そういう経験もあるので、論点には必ず入れていただきたい。
 未遂罪、予備罪についても、寺園委員からの問題提起が受け止められていないお答えでしたので、これも論点には入れていただく必要があるかと思います。前回の検討会の議論が全く反映されていないということがありまして、外為法で対応できないのだったら、なぜ廃掃法と同じような手続きでできないのかという理由をお示しいただく必要があるのではないかと思っております。以上です。

○細田座長 ありがとうございます。他の委員は下ろされてしまいましたが、よろしいですか。分かりました。ありがとうございました。それでは、手短に事務局の方から答えができるものは答えてください。特に、輸入されたバーゼル対象物が廃掃法はどうかという点など、質問への回答をお願いします。

○萱嶋課長補佐 電子基板についてはまさに有効利用しようということで国内に入っていますので、通常廃棄物に該当するということはないのではないかと認識しています。ちなみに、バーゼル条約に基づいて外国から輸入されてきている物につきましては輸入移動書類を携行させていますので、それによってきちっと把握していると認識しております。
 あとは御意見が多かったところですので、論点等についてもしっかり検討していければと感じているところです。

○細田座長 いろいろありがとうございました。時間がないので、まとめさせていただきますが、コメントをありがとうございました。今日の御意見を踏まえて、次回以降の検討会に向けて特定有害廃棄物の輸出等の規制の在り方の検討を進めていきたいと思いますが、特に今お伺いしていて、私なりにまとめさせていただいたので、宿題として事務局が受け止めて、次の論点とするか、少なくとも明示的な形で出していただきたい。
 1番目は廃棄物の国内処理原則と自由貿易との関係ですね。国際法学的に廃棄物の国内処理原則というのはどこまで認められているのか。バーゼルの根幹は基本的にココ事件とカリンB号事件ですから、廃棄物による有害な問題をどうやって処理するかという問題だと私は思っていて、国内資源循環の問題とは論理的には別だと思っていますが、その論点をぜひ受け止めて、まとめていただきたい。それから、経済的にそれをどう考えるかという問題です。
 2番目は寺園委員がおっしゃったような「すきま」問題です。この問題は島村委員が御指摘になったのかもしれませんが、外務省は一体どうこの問題を捉えるのか。担保するため、どう考えるのかということももし聞けたら、外務省に聞いていただきたい。
 それから、これも寺園委員も、島村委員も御指摘の未遂罪、予備罪の創設です。これはなぜできないのか、できるのか。これは論点から今回落ちてしまったわけですが、これがあるだけで随分担保の在り方が違ってくるだろうと思います。
 それから、もう一つは措置命令と行政代執行です。これは運用でできるものなのか、それともできないのか。これも条約担保としてはどうなのかということは、できれば外務省と相談するなり、あるいは行政訴訟リスクを考えた場合には法務省はどうお考えになるのか。それを考えていただきたい。
 それから、もう1点はシップバックの事例をもう少し明らかにしてもらわないと分からないではないかと。これはごもっともなことで、シップバックの事例について少し調べていただきたい。
 そして、最後は雑品スクラップ等の判断基準問題です。これは他国の例も考えないと、我々が参考する場合にはなかなか判断し切れないということで、ぜひ判断基準について調べて、論点としていただきたい。あるいは明示的なポイントとしていただきたい。
 事務局も大変でしょうが、これらは座長から宿題としてお願いしたいということです。田中室長、どうぞ。

○田中室長 1点、経産省で後で補足という話があったと思いますので、1点だけ補足します。条約担保の問題で、4条7(a)の話が島村委員の方からも出ておりましたけれども、条約の第1条というのがあり、そこに有害廃棄物の定義がされておりまして、そこに国境を越える移動の対象となるものが有害廃棄物ですとなっています。このため、基本的には輸出入に関係するものが有害廃棄物というのが私の理解です。
 ただ、そういう中でも、どういうものが輸出に係るものなのかなど条約担保の議論については、今回の整理と併せて、外務省でというお話が先生からもありましたけれども、政府の部内でも引き続き検討したいと思っております。ただ、第1条があるということだけは御認識いただければと思います。

○細田座長 ありがとうございます。よろしいですか。手短にお願いします。すみません。

○森谷委員 手短にします。未遂罪、準備罪ですけれども、廃掃法で適用事例があったとすれば、それも調べていただいて、本当にどうしたら実行できるのかということを考えていただきたいと思います。

○細田座長 分かりました。大事な点です。ありがとうございました。それでは、今後の進め方、4について事務局の方からよろしくお願いいたします。

(3)その他

○萱嶋課長補佐 1枚紙になりますが、資料4をご覧ください。こちらですが、本日第1回合同会議で論点整理(案)をお示しいたしました。次回は12月に第2回の合同会議を開催いたしまして、報告書(案)を提出したいと事務局として考えております。その後、12月から1月にかけましてパブリックコメントをいたした上で、来年の1月ないし2月に第3回の合同会合でパブコメを踏まえた報告書(案)をお取りまとめいただければと考えております。以上です。

○細田座長 ありがとうございました。今、御説明がありましたが、御質問等がございますか。よろしいですか。もしその他に何かお気付きの点がございましたら、御質問、御意見は結構ですので、事務局の方にメール等でお知らせいただければ大変ありがたく存じます。よろしいでしょうか。
 それでは、ちょっと時間をオーバーしてしまいましたが、熱心な御議論を頂きましてありがとうございました。以上をもちまして、本日の合同会議の議事は終了です。司会を事務局にお返しいたします。よろしくお願いいたします。

3.閉会

○相澤室長 細田座長、ありがとうございました。次回の検討会の日程は12月と書いてありますけれども、詳細については事務局から別途日程の調整をさせていただきます。また、本日の議事要旨及び議事録ですけれども、産業構造審議会のルールでは議事要旨は翌日までに公表することとしております。恐れ入りますが、本日の議事要旨につきましては事務局に御一任いただくようお願いいたします。議事録につきましては、事務局にて原案を作成いたしまして、委員の皆様に御確認いただく予定です。また、本日の資料につきまして御希望があれば郵送させていただきたいと思いますので、お申し付けいただければと思います。
 それでは、第1回の合同会合を終了いたします。長時間御議論いただき、誠にありがとうございました。

以上

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