産業構造審議会産業技術分科会廃棄物・リサイクル小委員会自動車リサイクルWG中央環境審議会循環型社会部会自動車リサイクル専門委員会 第50回合同会議 議事録

日時

令和2年9月30日(水) 9:30~12:10

場所

Web会議

議題

1. 関連事業者に対するヒアリング

2. 地方公共団体に対するヒアリング

3. その他

議事録

○三牧自動車課課長補佐  それでは、定刻になりましたので、これより産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会自動車リサイクルワーキンググループ及び中央環境審議会循環型社会部会自動車リサイクル専門委員会の第50回合同会議を開催いたします。

 私、経済産業省側事務局の製造産業局自動車課の三牧でございます。先週の金曜日に引き続いての合同会議ということになりますが、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 開催に当たり、事務的な事項を御案内、御報告申し上げます。

 本合同会議は、両審議会を合わせまして27名の委員で構成されております。本日は、現時点で21名の委員にオンラインにて御出席いただいております。

 産業構造審議会自動車リサイクルワーキンググループにつきましては14名の委員に御出席いただいており、定足数である過半数に達していることを御報告させていただきます。

 なお、中央環境審議会自動車リサイクル専門委員会につきましては、定足数の規定はございません。

 続きまして、委員の出欠について御報告いたします。奥地委員、織委員、細田委員、高橋委員につきましては御欠席の連絡をいただいております。また、所委員、山田委員につきましては、遅れて御出席されるということをお聞きしております。

 引き続いて、配付資料の確認をさせていただきます。配付資料につきましては、事前に御案内させていただいた経済産業省、環境省ホームページにて掲載させていただいておりますので、委員の皆様にはそちらから御確認いただければと思います。資料は資料1から資料6となっております。

 また、本日もSkypeでの審議会ということでございまして、基本的には発言をされる場合を除き、マイクをミュートにしていただき、ビデオもオフにしていただければと思います。御協力のほどよろしくお願いいたします。

 なお、本審議会は、オンラインによるライブ配信をさせていただいております。

 それでは、早速議事に入らせていただきたいと思います。これ以降の議事進行につきましては村上座長にお願いいたします。

○村上座長  それでは、早速議題に入らせていただきたいと思います。

 本日の議題ですが、資料1にございます議事次第のとおりでして、2回目のヒアリングということですが、引取り、解体、破砕といった関連事業者の皆さんからのヒアリング及び地方公共団体の皆さんからのヒアリングということになってございます。

 まず議題1の関連事業者に対するヒアリングということで、資料3-1から3-4に基づき、それぞれ荒居委員、武藤委員、上岡委員、木場委員から御説明をお願いしております。その後、資料4に基づき、一般社団法人日本自動車リサイクル機構の酒井委員から、資料5に基づき、一般社団法人日本鉄リサイクル工業会の乗田委員から、それぞれ説明をお願いすることとなっております。そこまでまとめて説明いただきましてから、質疑の時間を設けたいと思っております。

 それでは、早速御説明をお願いいたします。まず日本自動車販売協会連合会の荒居委員からお願いいたします。

○荒居委員  それでは、自販連のほうから御説明させていただきます。資料はお手元の資料3-1を御覧いただきたいと思います。我々業界団体でございますので、本日の資料の構成は我々自販連が何をしたかというより、我々の会員でございます新車の正規ディーラーがどういう取組をしているのかという資料の作り込みになってございます。

 資料の1ページから3ページ目までは我々自販連、法人の概略でございますので、割愛させていただきます。

 資料の5ページ、6ページを御覧いただきたいと思います。5ページ、6ページは会員の取組といたしまして、2点まとめさせていただいております。

 まず一番大切なのは、この法律に対するお客様への周知ということでございます。ここに書いてございますとおり、新車ディーラーはお客様と接触するタイミング、商談時ですとか商談締結時、それから、実際に納車するとき、車検証を渡すときのリサイクル券、こういったタイミングでお客様にリサイクル法、特にリサイクル料金を中心に、しっかりと確実な説明をしております。

 それから、もう一つ、お客様への周知と同様に大切なことは、引取業者としての業務ということでございまして、6ページに2点書いてございますけれども、確実な手続をするということが我々に求められていることではないかと思っております。

 具体的には7ページ以降に現物のPDF版を資料としてつけさせていただきました。7ページが車両価格表への記載ということで、ちょうど丸で囲ってございます。車両の型式ですとか本体価格と同時に、その車のリサイクル料金を価格表に表示してございます。

 また、8ページ目でございますけれども新車の注文書でございます。新車の注文締結時にこの注文書の中で、これも赤枠で囲ってございますけれども、自動車リサイクル料金が明示されていて、ここでユーザーに対して、しっかりと説明をしています。

 また、9ページ目でございますけれども、我々新車のディーラーでございますが、当然中古車も引き取って、中古車の小売販売もいたしております。したがって、9ページ目がU-Carの注文書でございまして、こちらも新車同様、リサイクル料金が明示されていて、ここで購入者、ユーザーに対してしっかり説明しています。

 10ページ目はリサイクル券預託証明書でございますが、こちらは実際、車を納車するときに、車検証の説明と同時にこのリサイクル券をつけて再度説明しているというのが我々ディーラーの取組でございます。

 11ページ、12ページを御覧いただきたいと思います。こちらは引取業者としての業務といたしまして、ユーザーから使用済自動車としての引取依頼があった場合は、この11ページの書類のとおり、依頼書という形でしっかり書類を交わします。また、引き取った車両、使用済自動車を解体処理、解体していただく会社に回す場合も書面による確実な手続、引取契約書という確実な手続をしているといったところでございます。

 我々新車ディーラーはこういうリサイクル法に対する徹底というのをメーカー経由、それから、我々全国に52の支部がございますけれども、52の支部から必要に応じて、適宜周知をしているというような組織でございます。

 最後、13ページになりますが、これは参考として、本日つけさせていただきました。中古車の入庫等の台数統計でございまして、これは毎月会員に対して、中古車の入庫台数等の数字を報告していただくもので、直近1年間と5年前の1年間を比較したものでございます。

 一番上の中古車の入庫台数の数字を見ていただきますと、5年前は約169万2,000台だったのが直近5年間では約238万4,000台と70万台近く増えておりますけれども、これは実は回答会員数に差があり、5年前は687社の回答でこの数字、直近は935社の回答でこの数字ということで、回答社数の差が入庫台数の差に表れています。

 ただ、ここで言いたかったのは、Aのところにお示しのとおり、うち、使用済自動車となった台数が5年前に比べるとパーセンテージ的には随分低くなっています。Bの使用済自動車として引き取った台数を御覧いただいても半分以下の数字になっているなということで、5年前に比べると新車正規ディーラーの使用済自動車としての扱い台数は随分減ってきているなという参考データでございます。

 説明は以上でございます。

○村上座長  ありがとうございました。それでは、引き続きということで、日本中古自動車販売協会連合会の武藤委員からお願いいたします。

○武藤委員  中古自動車の団体の中販連の武藤です。それでは、資料に基づき、説明をさせていただきます。

 2ページが内容でございますが、3ページにまず団体の概要が書かれております。これは御覧になっていただければと思います。

 4ページについては、中古車の取引の現状について書かれています。これが6ページまで続いております。

 4ページに書かれているのは、取引は中古車としての取引がほとんどということです。

 中古車として下取ったものを、自分で再販をやる場合もあるし、オークションで販売する場合もあるということが5ページに書いてあります。

 6ページは、中古車として引き取ったのだけれども、その後、使用済自動車になるケースもあれば、お客さんがどうしても使用済自動車にしたいという場合の取引についての説明が書いてあります。いずれにせよ、中古車の相場、あるいは使用済自動車の相場というのは、現在、有価取引でございますので、そういったことをユーザーとの間で合意ができて取引が行われているということでございます。

 続きまして、7ページから10ページですが、これは私どもの会員、内部の取引について、どういったことをやっているかについて説明しております。

 7ページは組織内、つまり団体の連合会と各県の間はイントラネットという専用回線がございますので、その内容の中に使用済自動車リサイクルについての連絡ができるようになっております。

 続きまして、8ページ。これは会員に対して、どういう指導教育をしているかということでございますが、テキストを2種類作っておりまして、左側に古物管理者講習会テキストというのがあって、毎年各県で講習会をやっておりまして、受講者が4,000人ぐらいです。4,000人ぐらいのテキストの中に、自動車リサイクル制度についての取組の説明も毎年やっているということでございます。同じように、Q&Aの事例集というのも作っておりまして、その中に自動車リサイクルについても記載をしております。

 9ページにつきましては、会員が1万社ぐらいいますが、1万社に向けて月刊で機関誌を発行しておりまして、その中にも適正な取引についての指導を行っております。同時に、販売店専用のウェブページもありますので、そういうところも利用しております。

 めくっていただきまして、10ページです。これは私どもの会員販売店向けに中古自動車販売士制度という仕組み、販売士制度の試験をやったりしているのですが、そのテキストにもリサイクルについての適正運用について設けております。

 11ページは、今度は対ユーザーに対してどういう発信をしているかということでございます。中販連でホームページを立ち上げておりまして、その中で取組を紹介しておりますが、同時にSDGsの話もここでユーザーに発信しております。あとの14ページに出てきますが、SDGsは自動車リサイクル法の第1条、第5条の精神とつながると思いますので、そういったことを周知しているということでございます。

 続きまして、12ページ、13ページですが、これは内部で会員販売店に中古部品を普及させるということで機関誌やチラシなどを作ったりしてPRをしているのですが、13ページにありますように、自動車リサイクル部品活用推進協議会を通じての啓発、周知活動も行っているということでございます。

 続きまして、14ページ、15ページですが、先ほどお話ししたSDGsの話ですけれども、ユーザーに対する考え方は自動車リサイクル法の1条と5条に書かれておりますので、この考え方にのっとった活動をしているということでございます。

 15ページですが、これは提案です。日本の自動車リサイクル制度はジャパンモデルと言われて、極めて精緻な、非常にうまく回っている制度だと理解しておりますが、今後、自動車自体が次世代自動車という形になりますと、現在3品目が指定されておりますが、今後3品目以外で適正処理がどうなるか。この辺を改めてチェックする必要があるかなと。例えば、リチウムイオンとかガラスとか、いろいろなことをもう一度チェックする必要があるかなと。逆有償にならないように考えておく必要があるかなということでございます。

 もう一つが預託金制度。預託金制度というのは、立ち上げのときに自車充当ということで始まったわけですけれども、今までうまく回っていることを考えると、少しダウンサイジングをする必要があるのかなと。ダウンサイジングによって、メーカーのコストの削減、あるいはユーザーの負担の軽減、このようになるにはどうしたらいいかということになると、いわゆる年金方式というのが可能かどうか。これも検討する必要があるのではないかというのが私どもの考え方として、ここに載せさせていただきました。

 以上です。

○村上座長  ありがとうございました。それでは、引き続きということで、全国軽自動車協会連合会の上岡委員、お願いいたします。

○上岡委員  全国軽自動車協会連合会の上岡でございます。よろしくお願いいたします。

 資料は資料3-3で、A4横判の両面印刷で5ページものでございます。本資料に基づきまして、自動車リサイクル制度に関する当連合会の取組について御説明させていただきます。

 まず表紙をおめくり、1ページを御覧ください。当連合会の概要でございますが、会員につきましては、正会員と特別会員がございまして、正会員は銘柄別の販売店協会12団体と各都道府県にある軽自動車協会53団体となります。うち北海道は7つの軽協会がございます。各県の軽自動車協会に軽自動車の販売店、いわゆるディーラーが会員として入会しております。軽協会に正会員として入会しているディーラー事業者数は全国でおおよそ900に上ります。

 当連合会は軽自動車のみ取り扱う団体でございまして、先ほど申し上げました各県の軽協会の会員である900社のディーラーについては登録車も販売していることから、自販連様の会員でもあることを御理解いただければと存じます。

 自動車リサイクル制度におきまして、登録車と軽自動車で大きな違いは特にありませんけれども、軽自動車は販売するディーラーにおいては新車の販売のみならず、中古車の買取りや引取り、使用済自動車の引取りも行っております。

 2ページ以降で当連合会及び軽協会会員の取組について御説明したいと存じます。

 2ページを御覧ください。当連合会の取組でございます。1番として、各軽協会会員ディーラーへの周知ということでございまして、リサイクル制度を開始したときでございますが、リサイクル制度の周知ということで、①、②の対応を行ってまいりました。各軽協会を通じまして、経産省様、環境省、JARC様が開催する法制度の説明会等の会員ディーラーの参加を呼びかけたところでございます。②でございますが、法の施行に当たりまして、関係資料を各軽協会に展開し、会員ディーラーへの周知を図ったところでございます。

 (2)の使用済自動車判別ガイドラインに関する報告書の通知でございますが、各軽協会の専務理事会議、年2回ほど開催しておりますが、この報告書について事務局として説明をし、会員ディーラーへの周知を要請したところでございます。

 次のページ、3ページを御覧ください。2番でございますが、軽自動車協会会員ディーラーの活動状況でございますが、各会員ディーラーにつきましては、新車販売時にJARC資料などによりまして、リサイクル法の趣旨をユーザーに説明をするとともに、リサイクル料金の収受及びリサイクル券の発行を実施しているところでございます。

 (2)使用済自動車の引取り時には、使用済自動車判別ガイドラインに関する報告書によりまして、車両本体の経済的価値、預託金、自動車諸税の還付などについて、所有者に対し、以下の説明を行っております。

 ①として、査定価格などを説明し、使用済自動車として処分する場合と下取車として扱う場合との価格、費用などについて御説明をし、どちらが得かユーザーに選択をしていただきます。

 次に、リサイクル料金の内容、使われ方につきましては、リーフレットなどを用いて御説明し、最終所有者の負担である旨を御理解いただいております。

 3番、自動車諸税、自賠責などについても還付、返戻などに関し、詳細な金額を御案内できるように商談時に説明し、ユーザーが下取りか、使用済自動車か判断できるように努めております。

 5ページをお開きください。最後に、ユーザーが車両を使用済自動車として引き取ることを依頼する場合におきましては、引取依頼書等に本人の確認及びサイン、また捺印をもらっているところでございまして、全軽自協及び当連合会の会員におきましては、リサイクル法の適正な執行に努めているところでございます。

 雑駁でございますが、以上でございます。

○村上座長  ありがとうございました。それでは、引き続き、日本自動車整備振興会連合会の木場委員、よろしくお願いいたします。

○木場委員  木場です。よろしくお願いします。資料は3-4をお開きいただきたいと思います。

 私ども日整連は全国各県、47都道府県と北海道は運輸支局ごとに7つございますが、53ある地方の整備振興会の連合会でございます。

 自動車整備振興会、名前からお分かりいただけるかと思いますが、2ページに書いてございますが、全国9万2,000の整備工場を基本的な会員とする組織でございまして、全国津々浦々、整備工場が存在しているということでございます。大半が中小零細企業でございますけれども、私どもは整備事業の中で、そもそも的確に車を整備する。最近、長期使用車両が増えておりますが、こういった車に対して的確に整備することによって、より長く使っていただく。安全、かつ環境に優しく使っていただくということが一番の責務だと思っておりますし、また、リサイクル法にございますように、使用済自動車の適正処理、また、求められておりますリサイクル部品の利用促進といった観点から、リサイクル法の適正な執行に努めているところでございます。

 3ページ目に、引取業者の登録状況をグラフでお示ししてございます。リサイクル促進センターの資料でございますけれども、当初は相当な数が引取業者として登録されておりましたが、最近では非常に低調な動きになってきてございます。移動報告件数も11万件にとどまっている状況でございます。整備で持ち込まれた車を最後、廃車にするといった手続の中でこういう業務が出てくるというように認識してございます。

 4ページ目でございますが、使用済自動車の引取り、引渡しの実施状況でございます。私どもは、まず自動車ユーザーへの的確な情報提供ということに努めております。リサイクルガイドラインに従って、車両の損傷の程度、また走行距離等々について、あくまでも車を使用済みにするか、下取車にするかというのはユーザーの判断でございますので、それに必要な判断材料の情報提供と車の状態を的確にお示しする、ユーザーにお伝えするということが重要であろうと考えています。

 実態といたしましては、ユーザーが最初から使用済自動車として整備工場に持ち込むということは少のうございます。ほとんどが車両販売に伴う下取車で、中古車として販売できないと判断した車両をユーザーの了解を得て、使用済自動車として引き取るという形態が大半であろうと思っております。

 最初から使用済自動車として持ち込まれる例としては、大きな事故を受けた車とか、全損扱いの車両ということでございます。

 もう一点、私どもがリサイクル法で関与いたします大きな点といたしまして、リサイクル部品の利用促進ということがございます。私どももリサイクル部品の利用促進とか、ユーザーに対する情報提供に努めています。ユーザー向けのパンフレット等をいろいろ用いて、リサイクル部品に関する情報を提供いたしまして、ユーザーの判断を仰ぐということになってございます。

 ユーザーから修理費用を安くしたい等の相談を受けることがございますので、そういった場合にはリサイクル部品を使用した場合の見積書も提示し、提示した部品の保証状況等も説明するということでございます。

 ほとんどの整備事業者は複数のリサイクル部品の入手ルートを確保してございますが、総じて、保険を使う整備の場合は新品部品を使ってほしいというユーザーの声が多いという状況でございます。また、最近、ユーザーがネット情報でリサイクル部品についての情報を得ている場合も結構あるというような状況でございます。

 6ページ目でございますが、これは御参考までにユーザー説明用パンフレット。これは日本自動車リサイクル部品協議会の協力を得て、全国の整備工場に配布をし、ユーザーへの説明資料として活用いただけるよう、普及しているものでございます。

 7ページ目でございます。参考2で、リサイクル部品を使用する上での課題と書いてございます。我々もリサイクル部品の使用をできるだけ増やしていこうと考えておりますが、あくまでもユーザーが選択をするということでございますので、ユーザーの選択を高めるには、やはりコスト、納期、品質確保という、この3点が非常に重要であろうと思っております。

 コストにつきましては部品の仕様の統一、規格化、流通量の確保ということが重要であろうと思っていますし、納期につきましては在庫の充実、利用しやすい検索システムの構築等々が必要であろうかと思っております。私どももネット検索のシステムを業界の中で共有をして、部品が検索しやすいようなシステムを構築しているところでございますが、さらに使い勝手、利便性の向上というのが必要であろうと感じております。3番目は品質確保でございます。やはりリサイクル部品、リビルト部品等々についての品質も十分確保しないといけないということで、この品質の確保をどうしていくかということが非常に大きな課題と思っております。チェック方法の確立、お墨付きの付与といったようなことが必要ではないかと考えております。

 一方、最近は車載して初めて機能が確認できる電子機器、リサイクルで使えるような電子機器も非常に増えてきておりまして、リサイクル部品単体での状態のよしあし、性能のよしあしが判断しにくいということが増えてきているという状況でございます。

 また、今後、特に自動運転といったような車の普及も非常に見込まれるわけでございますので、そうした場合の不具合発生時の責任所在等に不安があり、利用をちゅうちょするといったような状況にあると考えております。

 以上でございます。

○村上座長  ありがとうございました。それでは、続きまして、日本自動車リサイクル機構の酒井委員、お願いいたします。

○酒井委員  日本自動車リサイクル機構の酒井です。よろしくお願いいたします。

 それでは、資料4、目次から御覧ください。まず初めに、団体の概要などを紹介させていただきまして、4.まで日本自動車リサイクル機構の取組について御報告させていただきまして、5.で15年目の法の見直しに関する課題と要望について述べさせていただきます。

 まず、2ページで団体の概要を紹介させていただいております。2000年4月に任意団体として、日本ELVリサイクル機構としてスタートいたしまして、昨年、日本自動車リサイクル機構と名称を変更いたしまして、現在に至っております。会員は500社余りで、北海道から沖縄まで、全国に分布しております。

 3ページです。解体業者が担っている役割についてですが、自リ法に基づいた適正処理、資源の循環、リユースの促進とともに、引取業者、フロン回収業者としても中心的な役割を果たしております。

 続きまして、4ページです。知識・能力の向上の取組として運用しております資格制度についてです。2013年から当機構独自の資格認定制度として、自動車リサイクル士制度をスタートいたしました。制度の目的は記載の①から⑤でありまして、公的な資格ではありませんが、経産・環境両省及び自工会さん、JARCさん、自再協さんなど、御協力をいただきましてつくり上げた制度です。法律、電子マニフェストの実務、フロン、エアバッグの適正処理など、自リ法に沿った内容は業界で唯一の資格認定制度となっております。現在までに1,000名余りの資格取得者がおります。

 続きまして、5ページです。再資源化の取組についてですが、2011年から2013年に実施いたしました環境省請負事業をベースにいたしまして、2014年以降、共同出荷事業に取り組んでおります。品目といたしましては、コンピュータ基板、エアバッグのカプラー、O2センサーで、金とプラチナをターゲットにしております。いずれの品目も個々の事業者が取り組むにはボリュームが非常に小さくて出荷が難しかったり、ASRに混入しがちだったりするような品目です。

 次の6ページ目にその写真と実績を記載してございます。

 また、7ページ目には2018年よりスタートいたしましたリビルト向けのハイブリットバッテリーの共同出荷事業について報告してございますので、御参照ください。

 続きまして、8ページ目。高度化財団様からの受託事業のベースリサイクル率の調査事業に関する報告です。ASR削減につなげるため、現在、リサイクル、リユースされている部品を解体業者のタイプ別、車のメーカー別、車型別に全国40社3,000台を調査し、その最終報告を8月末にまとめて提出いたしております。

 9ページです。やはり高度化財団様からの受託事業ですが、リユース、リサイクルを促進するためにメーカーが進めております易解体設計情報の解体現場レベルへの周知や、逆に解体現場から設計に関する要望を吸い上げて、相互コミュニケーションを促進するという目的で、本年度、事例集作製事業に本年度取り組んでおります。

 10ページ目です。かねてから問題視されておりましたが、中古エアバッグの流通問題です。今年の初めより大手のネットオークション運営会社とこの問題について話し合う機会を持つことができました。自リ法でのエアバッグの扱いやユーザーの安全を守るという観点から話合いをいたしました結果、今月9月24日より、出品禁止品目と指定されました。今後も継続して動向をチェックしていきたいと考えております。この話合いに関しましては、JARCさん、自再協さんに大変お力添えをいただいております。ありがとうございました。

 その他の取組といたしまして、11ページで使用済自動車へのごみ混入防止の啓発活動について、12ページで業界団体の一体化の活動について報告させていただいております。

 次に、13ページから今回の自リ法の見直し議論において検討いただきたい点について説明いたします。

 まず13ページは前回自工会さんのプレゼンにもありましたが、ASR処理問題に関してです。ASRは自リ法によって処理が担保されているので、処理が滞らない仕組みとされていましたが、いわゆる中国ショック後の現実といたしましては、機構会員のアンケートにもあるとおり、ダスト滞留を理由に廃車ガラの出荷制限ですとか、取引条件の悪化が発生しまして、一部では使用済自動車の逆有償化の可能性も言われていた時期がございました。近年続いている自然災害による災害廃棄物の大量発生も一層状況を厳しくしている面もあります。

 このように状況が大きく変化する中でも柔軟に対応して、機動的なASR処理費の運用を可能にできる制度の検討を要望いたします。この検討の際には、前回、佐藤委員から御発言があった年金方式の検討が必要ではないかと私どもも考えております。佐藤委員からは今回とは言いませんがとのお話もありましたが、JARSのシステム大改造のタイミングということもありますので、ぜひ今回議論すべきではないかと考えております。

 また、やはり前回の自工会さんのプレゼンの中にありました現行制度の振り返りの中に、15年先のASR処理コストの算出の困難さですとか、個別車台番号管理のシステムの高コストについての指摘もあり、先ほどは中販連の武藤委員から制度のダウンサイジング化という御提案の中で年金方式というようなお話もありまして、私どもも非常に有効な議論ではないかと考えておりますし、過去15年間、個別の車台番号による管理によって非常に緻密な管理を続けておりましたので、大変に信頼性のある知見が蓄積されていると思っておりますので、ぜひそれを生かして、よりシンプルで機動的な制度への検討をすべきではないかと考えております。

 次は14ページです。これも自工会さんのプレゼンにありましたASRの削減に向けました樹脂、ガラスの再資源化のスキームについてです。メーカーによる易解体設計の取組や材料識別のためのマーキングなどの取組にもかかわらず、現在は経済性が担保されていないということで、解体段階では回収が進んでいない状況です。ここ数年来、実証事業も実施されて、問題点の洗い出しも進んでいますので、事業として継続できるようにインセンティブ制度ですとか小型破砕機など、設備への補助を要望いたします。

 次に15ページです。リサイクル料金の管理運用にかかわる提案ですが、リサイクル料金の輸出返還制度の見直し。これは具体的には廃止について提案させていただきたいと思います。現在、年間で150万台以上の車が輸出されていますが、なぜこの制度の廃止を提案するかといいますと、制度が公平な競争を阻害していると考えるからです。私たち解体業者も車の確保のためにリサイクル料金を負担してでも車を仕入れざるを得ない現状があります。

 日本自動車リサイクル部品協議会の2019年、昨年の調査ですが、回答いたしました263社で、年間に約140万台、使用済自動車を処理しているのですが、そのうち推定で40万台余りはリサイクル料金を支払って仕入れております。そのリサイクル料金が合計で42億9,000万円となっておりまして、他方、輸出された車のリサイクル料金はそのほとんどが輸出業者に返還されているのですが、我々と輸出業者は同じ市場から自由競争で車を仕入れております。特に低価格帯の車、一般的に車齢の古い車は使用済自動車と中古車の境界線上に多くあります。低価格帯の車の仕入れでは仕入金額にリサイクル料金が占める割合は大変高くなりますので、その負担があるか、ないかということの影響が非常に大きいものになります。

 さらにJARCさんの説明にもございましたが、輸出返還制度は元本に利子が加算されて返還される制度になっておりまして、16ページにグラフでお示ししましたが、1台当たり平均のリサイクル料金と返還の金額の比較で見ますと、1台1,000円余り利子が加算されて返還されている状況でございます。このようなことが結果的に輸出返還制度が国内の資源循環よりも輸出を奨励して、公平な競争を阻害する制度になっていると考える理由です。

 また、16ページに表を記載してございますが、2009年と昨年の比較で、輸出された車齢14年以上の車、表の一番右側ですが、台数で5倍近く、輸出に占める割合で3倍近くに急増しております。

 また、輸出返還制度の廃止によるリサイクル料金、余剰が出てくるわけですが、それについては法の第98条2項で、将来の自動車所有者のリサイクル料金を割引することができるというように示されているので、ユーザー還元ができるのではないかと考えております。また、先ほど提案させていただいた年金方式が検討されるのであれば、初めから国内リサイクル分だけの料金を徴収するということになりますので、この問題はなくなるかと考えております。

 次に17ページから20ページまで、フロンとエアバッグの作業料金の見直しの要望です。この2つは重なる理由が多いので一緒に説明させていただきます。

 どちらも解体業者として回収を義務づけられております重要な作業です。御紹介いたしました自動車リサイクル士制度の中でも重点項目として取り上げておりますし、また、自再協さんとの協力の中で現場への指導にも力を入れております。解体業界として非常に努力を重ねている部分ですが、作業料金につきましては法の施行時に決められたままで、15年以上見直しがされておりません。この間、日本はデフレ経済とは言うものの、最低賃金や初任給は上昇しておりまして、解体業界でも労働力の確保や新技術、知識の習得のための教育コスト、労働環境の整備、働き方改革への取組など、コストアップしている状況であります。

 エアバッグにつきましては一括作動であれば、その手間は同じという理由で均一料金になっていますが、装備個数が年々増加する中、作動した後の確認作業など、手間は確実に増えています。

 以上の理由によりまして、フロン、エアバッグの処理作業料金の増額を要望させていただきます。フロン、エアバッグのそれぞれの回収や費用の推移につきましては18ページと20ページの表とグラフを記載してございますので御参照ください。

 次に21ページですが、自然災害時の対応についてです。近年、台風や豪雨による災害が続いております。その際に発生する被災車両についての要望ですが、1点目は被災車両の中の土砂や瓦礫の処理についてです。解体業者が引き取った被災車の中から出た土砂や瓦礫は、解体業者が産廃として費用負担をして処理することになっています。車も住居などと同じように被災したものですから、この処理については災害廃棄物と同じ扱いで費用負担のない取扱いを要望いたします。

 2点目といたしまして、災害発生時には緊急の対応が求められますことから保管期間であるとか手続期間の緩和や保管場所の一時的な許可など、統一した仕組みの検討をお願いいたします。

 また、3点目として、災害対応のために特預金活用のルールづくりが必要ではないかと考えております。昨年、JARCさんによる被災車両の処理の現場研修会が開催されました。両省を初め、関係者が現場の実態を共有いたしました。今、申し上げた点以外にも22ページに記載いたしましたが、汚泥によって非常に不衛生になってしまった室内での作業や冠水したハイブリッドバッテリーの取り外し作業、また、冠水のために解除できなくなってしまった電気式のステアリングロック、シフトロックなど、いろいろ特有の問題があり、関係の皆様と問題解決を図っていきたいと考えております。

次に23ページから26ページで、適正処理の促進のための提案として、3つ提案させていただきます。説明の前に訂正が1つございまして、25ページなのですが、一番下のほうで1)ですが、「次ページグラフ③」というようにあるのは②の間違いですので、御訂正ください。

 それでは、説明に入りますが、1つ目の23ページです。今、100年に1度の車社会変革の時代と言われますが、自動車解体業界はいかに優良な事業者、つまりは適正処理を促進しまして、リサイクルの高度化に積極的に取り組む事業者を増やしていくということが非常に重要だと考えております。それを実現するための方策として、業許可に際し、法律の理解、知識や技能を確認する方法を確立すべきではないかと考えております。

 現在、業許可時に求められるのは設備要件と標準作業書が主になっておりまして、私が千葉県で業を営んでいることから千葉県の例をとりますと、近年、外国人経営の事業者が新規許可取得をするケースが増えていて、許可時には要件を満たしているものの、その後の立入りでは、現場には日本語もあまり理解できない作業者しかいないということもままあると聞いております。

 そこで、知識、技能の確認方法として、私ども日本自動車リサイクル機構が運用しております自動車リサイクル士制度の活用を提案したいと思います。48回の合同会議で井岡委員より、この制度をもっと普及させるべきではないかとの御意見もいただきましたが、私たちもぜひ適正処理の促進につながる取組にしたいと考えております。

 続きまして、24ページです。ヤード問題についてです。このヤードというのはまだ定義がはっきりしないところはあるのですが、海外に車や部品を輸出する目的で全国に3,000カ所以上のヤードがあると言われておりまして、無許可解体や盗難車などの犯罪、環境問題などの社会問題になっています。前回、JARCさんの資料の中に20年時効の特預金の発生についての言及がありましたが、この中にはこれらのヤードで違法に解体処理されてしまった車が相当数含まれているのではないかと私たちは考えております。記載いたしましたように、立入権限を確保して、監査・指導をするために条例化している自治体もございますが、これは全国での対応を検討すべきではないかと考えます。

 次に25ページ、26ページはエアバッグの適正処理に関してです。

 順番は逆になりますが、まず26ページのグラフのほうから説明させていただきます。左側の①のグラフですが、これはエアバッグの処理費の推移です。一番上の折れ線が総額、2番目が作動処理費用、3番目が回収費用ですが、作動と回収の総費用はほとんど同額になっています。右側のグラフ②は作動処理と回収処理における1台当たりの平均処理個数で、作動処理のほうがほぼ1個多く処理できているということです。右下のグラフ③は処理全体に占める作動・回収、一部作動、一部回収の割合です。作動処理が80%近く占めておりますが、その作動処理が一番高かった時点からは6%程度減っておりまして、逆に回収が3%余り増えているということがお分かりいただけると思います。

 25ページに戻っていただいて、提案の内容ですが、今見ていただいたように費用と処理個数の比較でお分かりいただけるとおり、作動処理のほうが処理コストは圧倒的に安く、また、グラフ②のとおり、1台当たりの回収個数も上がるということが期待できますので、処理コストを下げて、回収漏れを防ぐということからも作動処理を推進することと、また、回収業者の監査は自治体ということになっておりますので、その監査の強化が必要と考えております。

 最後に27ページ、28ページですが、2025年のリサイクルシステムの大改造に向けての要望です。前回の合同会議で根村委員から、手続のワンストップ化というような御発言があったと思いますが、私たちの要望の1つ目もそのような関連です。現在、車の登録システムは国交省のMOTAS、リサイクルシステムはJARSです。両者は連動している部分もありますが、永久抹消手続、重量税還付手続はマークシートを作成し、陸運支局に申請しなければならないなど、縦割りのシステムの弊害があり、これはぜひ一気通貫のシステムをいただきたいです。

 また、解体の工程だけではなく、引取工程、フロン回収工程もかなりの部分は解体業者が実施しておりますので、その工程間の移動報告なども簡易にできるかもしれません。この辺りはJARCさんが新システムのヒアリングをされておりますので、話し合っていきたいと考えております。

 最後に28ページですが、新システムはリユース、リサイクルの高度化や促進を念頭に置いた拡張性のあるものにしていただきたいということです。具体的には、今後求められるマテリアルリサイクルのために必要な部品情報ですとか、回収された素材の流通情報の一元化、またリユースの促進のためにはリコール情報の表示機能や部品の適合を確実にするため、各メーカーさんの部品電子カタログ情報との連携を要望させていただきたいと思います。

 以上で日本自動車リサイクル機構の取組と提案を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○村上座長  それでは、前半の最後になります。日本鉄リサイクル工業会の乗田委員、お願いいたします。

○乗田委員  乗田でございます。本日は自動車リサイクル法の中で破砕工程、主としてシュレッダーと言ってよろしいかと思いますが、我々、破砕工程を担う日本鉄リサイクル工業会の紹介と破砕業が現在抱えている課題について御説明させていただきたいと思います。

 早速ですけれども、資料5になります。お開きください。総ページ数が21ページと少々枚数が多くなっていますが、3ページから7ページまでは当工業会の紹介と鉄スクラップの説明となっておりますので、後で御参照いただくことといたしますが、少しだけ補足させていただきます。

 3ページの下のほう、会員数がございますが、今、我々の会員で大型破砕設備、大型シュレッダーを所有しているのが約100社。その中で自動車リサイクル、つまりA材と呼ばれるAプレス、ソフトプレス等を破砕しているのは我々のチェックでは六十数社ということになっております。

 そして、4ページでございますが、工業会の組織図の中で、左のほうに委員会組織というのが8つございますけれども、それぞれのテーマに沿って委員会を設けて活動しておりますが、ちょっと大きく記載してあります自動車リサイクル法委員会というのが自動車リサイクル法に関する受け皿、窓口となって、主として議論をしております。

 そして、ちょっと飛ばしまして7ページをお開きいただいて、そこに日本の鉄スクラップ需給を示す図がございます。その供給欄という上のほうを見ていただいて、帯が3つ、3行並んでおりますが、その上のほうの真ん中、国内購入スクラップ約2,570万トンぐらいでしょうか。その右に輸出約830万トンと記載がございますが、この合計数量約3,400万トンが当日本鉄リサイクル工業会がリサイクルを担う、市中から回収される鉄スクラップの総量というようにお考えいただいてよろしいだろうと思います。

そして、その中で3行目を見ていただきますと発生元という注意書きがあって自動車、いわゆる廃自動車由来の鉄スクラップが約10%。老廃くずと呼ばれる市中から回収されるスクラップが約2,400万トンぐらいになりますが、そのうちの約10%程度が廃自動車由来、我々がリサイクルとして担っているということを示しております。

 次に8ページから11ページ、廃自動車の破砕工程の説明をさせていただいておりますが、8ページはお読みいただいて、9ページを見ていただきますと、こちらはJARCと関係省庁が発表する廃自動車の発生状況と中古車の輸出台数を改めて示してみました。廃自動車の数、発生数を見てみますと三百数十万台ということで、過去15年余り、あまり大きな変動はないよねと。中古車の輸出はここのところちょっと増えているのかなという気がいたしますが、150~160万台輸出されているということを頭の中に入れておきたいと思っております。

 そして、10ページなのですが、これは日本鉄源協会が取りまとめた表でございますが、廃自動車から発生する鉄スクラップの数量を過去5年間にわたって示したものでございます。先ほども使用済自動車の発生台数にあまり変化がないというお話をしましたけれども、それを物語るように2015年から2019年まで自動車解体による処理数量が、200万トンプラスアルファぐらいで、そんなに変化がないということを示しております。

 表内の4列目は、プレス処理量というのが12~13万台で、ずっとほぼ一定の数字が出ておりますが、これがいわゆる31条の全部利用に相当すると推測されます。全体処理量の大体5~6%というのが現在我々、破砕工程に関連する鉄スクラップの数字ということになります。

 11ページはお読みいただければよろしいのですが、改めて私ども、自リ法上の破砕業が担う役割を箇条書きにしてみたということでございまして、これは後でお読みいただきたいと思っております。

 続きまして、12ページ以降になりますが、これが本日、当工業会がこの会議において強調したい項目となりますので、少々時間をかけて説明させていただきます。

 まず12ページ、13ページですが、マテリアルリサイクル促進の提言になります。この問題につきましては過去2回にわたり、日本自動車リサイクル機構と連名で、合同会議でも御提案した経緯がございますが、本日、改めて提案させていただきます。

 過去におきましても、ASR量、廃自動車由来のシュレッダーダスト削減を目的として、バンパー等の廃プラスチック、また、ウインドー、ガラスの破砕前の工程で除去することができないかという提案を行ってまいりました。廃プラスチックにつきましては自動車リサイクル高度化財団でも正式に取り上げられ、実現の動きとなっておりますけれども、ガラスにつきましては廃ガラスの市場価格が安価であるとの理由で実現してこなかったという認識を持っております。

 しかし、9月25日の第49回合同会議において、自工会よりASR発生量の削減策として、解体段階での樹脂部品などの取り外しの促進の検討ということが公式に提言されておりました。私、あの資料を見まして、大変意を強くしました。今までは私ども破砕業のほうから会議の場を通じて提言をさせていただいたけれども、なかなか実現しなかった。

しかし、自工会のほうでも正式に提言されたということであるのであれば、もう既に、今後、具体策をどうするのかという段階に来ているのだろうと思っております。

 1つだけ資料をお読みいただきたいと思うのですが、13ページの下のほうにある赤字のところだけちょっと我々の心意気ということで読ませていただきます。自動車リサイクル法は解体工程と破砕工程において、「混ぜればごみ」から「分ければ資源」へのリサイクルインセンティブへ転換することにより、マテリアルリサイクルの推進とASR削減を達成し、国際的なSDGs、サーキュラーエコノミーの政策トレンドや中国問題解決に向けて貢献すべきであると、我々もう一度認識をいたしまして、今後、マテリアルリサイクルをどういった形でやっていくのか。もちろん一部には自動車リサイクル法の改正の必要も出てこようかと思っておりますが、やはり関係者間で議論させていただいて実現していきたいと思っております。

 続きまして、14ページ、15ページでございますが、これは昨年、表面化しましたASRの差配遅れの問題について記載いたしてございます。2019年は再資源化施設の閉鎖や大手施設の操業トラブル等が重なりまして、ART、TH両チームからの差配の遅れが生じたことが我々会員のアンケートでも判明しております。その差配遅れ等によりまして、処分先が遠隔地化していることも分かっておりまして、昨今のドライバー不足もありますので、ASRの輸送に大変支障が出たということが分かっております。

 一部解決策として、遠隔地輸送費補助もなされておりますが、主体的に再資源化処理施設の増加はもう望めないという前提の中では、ASRの円滑な差配について、先ほどのマテリアルリサイクルとも全部関わってまいりますが、関係者間で継続的な議論をしていただきたい。我々ももちろんそれに積極的に参加していきたいと考えております。

 次に17ページ、18ページは写真が主となっておりますが、これは最近ではほぼ標準装備となっているにもかかわらず、ASRの紐付き数量にカウントされていない部品の例を示したものでございます。我々の破砕業会員からは常に紐付き数量が足りないという不満が我々事務局にもまいっているのですが、なかなかその実態をつかめない、つかみにくいのですが、どうもこの写真等を見ますと、SUVで8キロ、ミニバンに至っては10キロと。これはもう普通に新車を購入するときは当たり前のように取り付けられてきていますが、私も詳細は承知しておりませんでしたが、これはASRの紐付き数量にはカウントされていないということも伺いましたので、一度また議論をゼロに戻していただいて、紐付き数量の再計算をお願いできればと思っております。

 次に19ページのポスターでございますが、これは自動車リサイクル機構のプレゼンテーションにもございましたけれども、廃車プレスに意図的にごみが混入されているという実態を示しております。このポスター自体は当工業会の北海道支部が作成したものですが、関係者の良心に訴えたいという思いで作成いたしました。これは私も現場を全部把握しているわけではないのですが、どうもトランクの中にごみ等が入ってくるのは中古車販売及び修理工場等で混入されているという指摘があるのですが、何とか実態を把握したいと思っております。

 先ほどの自動車リサイクル法委員会の中でも、このごみ混入の背景をもうちょっと見てみますと、我々破砕業を担うシュレッダー業者に紐付き数量のみで管理されていますので、その前工程の処理業者、解体業、破砕前処理業は紐付き数量に縛られていないという矛盾があるのではないかと思っておりますが、いずれにしても、これもやはり捨てておけない問題ですので、関係者間で議論をお願いしたいと思っております。

 次、20ページでございます。これも先ほど自動車リサイクル機構の酒井委員からのプレゼンもございましたけれども、最近、深刻度が増してきている台風、洪水等、自然災害で被災した被災車の処理に対する公的支援の依頼です。私ども破砕工程のみならず、解体工程でも土砂の大量混入、さらにはヘドロから発生する臭気等がリサイクル上の大きな支障となっていると。もちろん災害をなくすということは我々の力ではできませんので、被災車の処理について、潤滑なリサイクルのために何らかの支援ができないかの検討を関係者にお願いする次第でございます。

 最後になりますが、21ページ、非認定全部利用ということに関する記述でございます。実は今年の春なのですが、関西地区より東南アジアの某国向けに約4,000トンのAプレスが輸出されたことが確認されております。向け先では、そのAプレスがシュレッダー処理されてできた鉄シュレッダースクラップが製鉄メーカーに納入されたことまでは我々もトレースできております。しかし、シュレッダー処理によって発生したであろうASRの処理については詳細なトレースができておりません。

 これは現地でもどうもなかなか分からないという報告が来ているのですが、振り返ってみますと、日本の自動車リサイクル法ができた理由の1つに、瀬戸内海の豊島でASRを主体とした廃棄物の大量不法投棄があったと了解しておりますが、もしAプレスの輸出が自動車リサイクル法の枠外、非認定全部利用ということで何ら規制がなされないまま、今後も輸出が継続されていくということになれば、将来的に第三国でASR不法処理が問題化し、Aプレスの輸出元であった日本に想定外のとばっちりが跳ね返ってくることもあるのではなかろうかという心配もいたしております。この非認定全部利用ということにも、今年、Aプレスが大量に輸出されたという事実を改めて見まして、一度議論をしていただきたいと思っております。

 本日、自動車リサイクルに関しまして、破砕業の視点から、現状、問題として認識している点を幾つか説明させていただきましたが、自リ法の今後のよりよい運用の一助となれば幸いだなと思っております。

 以上でございます。どうも失礼いたします。

○村上座長  ありがとうございました。

 それでは、以上御説明いただきました点について、質疑の時間へ移らせていただきたいと思います。前回までと同様ということですが、御意見、御質問のある方はSkypeのメッセージ機能をお使いいただきまして、そちらにお名前をお書きいただければ、こちらから順次指名をさせていただきたいと思います。指名された方は、そのときだけということですが、マイクのミュートの解除とビデオのオンをお願いしたいと思います。それでは、何かございましたら、メッセージ機能のほうへの記入をお願いいたします。

 それでは、まず佐藤泉委員、お願いいたします。

○佐藤委員  佐藤でございます。いろいろな御報告、ありがとうございました。幾つか私の意見を述べさせていただきます。

 まず自動車リサイクル機構からの御意見について、自動車リサイクル制度検討のうえでこの審議会のあり方なのですが、最初に審議会が始まるときに、大きな制度改革をするかどうかということがあまりはっきりしていないわけです。何となく全体の流れとして、今回は基本的な法改正を前提とせず、現状の確認・維持というようなイメージがあるわけですけれども、今日のお話を全体的に伺ってきて、また、前回の関係者の意見を伺っていて、やはり抜本的な制度改革が必要な時期になっているのではないかと思いました。

 その理由は、やはり制度的に複雑化しているということが1つです。それから、リサイクルの対象品目が限定されているので、例えばASRの減らし方、プラスチック問題、バッテリー問題、ガラス等、現在の制度では解決できないいろいろな問題が発生していると思います。

 また、お金の問題として、預託金の維持・管理が非常に高コストになっていて、融通が利かない。今日のお話でも輸出の台数が多く、しかも、輸出者にリサイクル料金に利息をつけて返還しているというようなことを考えると、リサイクル料金の徴収・管理に大きな改正が必要なのではないかという気がいたします。

 もう一つは、解体業者の立場から言っても、一部に不適切な行為をしている会社があるというところ。例えば、エアバッグとかフロンとかヤード業務とか、こういうものに対して、自治体の監査が必要だという御意見があったわけですけれども、私はやはり自治体の方に何でも頼むというのは人的にも財政的にも負担が大き過ぎると思うのです。

 基本的には自動車業界が委託先の環境管理・コンプライアンスPDCAをきちんと指導・監督してもらうということが重要だと思います。これについては一定の監査システムをつくって、民間の力を活用しつつ、業者の育成をする。そして、全くの無許可業者に対しては、警察も含めた厳しい対応をするということで、使い分けが必要なのではないかと思います。

 それから、鉄リサイクル工業会の御意見も、やはりASRの削減には現在のような形ではなくて、プラスチックに特化したインセンティブ、あるいはガラスに対するインセンティブがもっと必要だということを感じました。

 やはり全体的にいろいろな問題で抜本的な改正が必要な時期に来ているのではないかというのが私の意見でございます。

 以上です。

○村上座長  もう少しまとめてから回答という形にさせていただきたいと思います。

 続きまして、井岡委員、お願いいたします。

○井岡委員  よろしくお願いいたします。まず、3-4の質問を1つさせていただきます。3-4の5ページのところなのですが、下に、先ほどの御説明で、保険を使う場合は新品部品となるケースが多いというように御説明がありましたが、これはどうせ保険が出るから新品を使ってくれということなのか、それとも保険が出る条件として新品となっているのか。それが1点。もう一点は、インターネットオークションで入手した部品を持ち込むユーザーの実際の問題は起きていないのかということです。これが2点です。

 それから、ほかに大きく2つほどですが、リユース、リビルト製品についての品質基準ということで、これは資料3-2、資料3-4、資料4でもおっしゃっていて、また、先週の49回のNACSさん、元気ネットさんでも言われておりますが、ユーザーとしては、これはどうしても命に関わるので、まずリユース、リビルト製品はまだユーザーに周知が足りないのではないかということと安全性の品質基準が必要ではないかということです。

 次に、資料4の自動車リサイクル機構さんについて、改めて現場の方々の質の向上とインセンティブ付与のために自動車リサイクル士さんの普及を進め、優良事業者さんを増やしていただきたいという気持ちです。

 先ほどエアバッグのネットオークションが中止になったということで1つよかったなと思いますが、このエアバッグ、フロンの料金についても15年間変化がないということで、これからエアバッグは本当に増えていく車が出てくると思います。処理料金は、先週、作業の効率化で減っている部分もあるとはお伺いしていますが、エアバッグは実際の数が増えていくので、ぜひこれは見直しというか、御確認をお願いしたいと思います。これは行く行くは作業の安全の確保とASRを減らすためにもつながっていくのではないかと思います。

 全体に佐藤委員さんからおっしゃったいろいろな改革が今出てきたのかと思いますが、1つは預託金の使途についても、改めてもう一度考えていただく時期に来ているのかなと思います。

 以上です。

○村上座長  時間はそれなりにはあるのですが、やはりちょっとタイトなところもございますので、できれば短めにお願いしたいというのが1つと、明らかな質問の場合は、どなたに対する質問かをおっしゃって御発言いただけると楽かなと思います。

 それでは、次、酒井康雄委員、お願いいたします。

○酒井委員  ありがとうございます。日整連さんに質問なのですが、資料の3ページ目です。引取業者としての登録事業者数と引取実績のグラフがございますが、これは右肩下がりにずっと実績が下がっている状況がありまして、先ほど御説明の中にユーザーの確認、ユーザーの意思によって、そのような状況になってきているというような理解でよろしいのでしょうか。それとも何か別の理由があって、引取業というのはユーザーにリサイクル制度の周知といいますか、引取り時に説明をするというような責任があるというように我々も理解しているのですが、その辺のことについて、何か問題をお感じになるところがあるのか。それとも単純に、もうユーザーに判断を任せているという状況がこの状況を生んでいるのか。どうお考えでしょうかということを御質問させていただきたいと思います。

○村上座長  ありがとうございます。それでは、もう少し続けてしまいたいと思いますので、赤穂委員、お願いいたします。

○赤穂委員  ありがとうございます。まず質問なのですが、日整連さんに質問したいと思います。日整連さんの資料の5ページ目のリサイクル部品の利用促進についてですが、実際どのぐらいの割合の方がリサイクル部品を選択されているのか。また、新品部品とリサイクル部品では価格差はざっとどのくらい違っているのかということ。さらに、もしリサイクル部品で標準化とか規格化がされれば、どのぐらい普及が進むとお考えになっているのかということをお伺いしたいと思います。

 それから、リサイクル機構さんにも質問がありまして、資料の15ページ目の輸出返還制度の廃止を求められていますが、私、単純に日本の自動車は中古になっても性能がいいので、海外ではまだまだ自動車として生かされるとして輸出されていると思っていましたが、もし輸出された先で、自動車としての本来の使い方以外の使い方をされている、不正な使い方があるのであれば、何か見直しが必要かなと思いますが、何か情報を御存じであれば、お伺いしたいと思います。

 これから意見ですけれども、鉄リ工業会の方がおっしゃっていましたマテリアルリサイクルを促進すべきというのは私も大いに同意したいと思います。その仕組みは考えていくべきであろうと思います。

 それから、被災自動車の処理について、幾つかの団体の方が指摘されていましたが、やはり集中的に発生するものですし、処理にも大変な御負担があるということを認識しましたので、ここは何らかの支援が必要ではないかと思います。

 以上です。

○村上座長  ありがとうございました。それでは、まだいただいていますが、ここで一遍切らせていただこうかと思います。幾つもいただいておりますが、まず御説明いただいた皆さんから順番にお願いしたいと思いますが、該当するものがないという認識であれば、そうおっしゃっていただければ結構です。まず日本自動車販売協会連合会さん、いかがでしょうか。

○荒居委員  特にうち宛てに該当するところはございません。

○村上座長  ありがとうございました。日本中古自動車販売協会連合会さんもないということでよろしいでしょうか。

○武藤委員  はい、同様です。

○村上座長  ありがとうございました。軽自動車協会連合会さん、いかがでしょうか。こちらもないですか。

○上岡委員  はい、特にございません。

○村上座長  分かりました。それでは、日本自動車整備振興会連合会さんのほうには幾つかあったかと思いますので、可能なところでお答えいただければと思います。

○木場委員  日整連です。いわゆる保険を使う場合に新品部品というようなロジックはどうしてということで、やはり一番大きいのは、保険の場合はユーザー負担がないので、高くても新品に替えてくれと。あと、やはり納期ですね。納期が新品の場合だと、部品の手配が簡単にできるということで、保険の場合はそういった費用負担、コスト負担が免除されるので、そちらを使う方が多いと。最近、保険でもリサイクル部品を使う場合、保険料を安くするといったような特約もございますので、そういったことで、逆に言えば、使う方も増えているというような状況でございます。

 あと、ユーザー持ち込みのものでございますが、これもやはり物、万が一の品質なりの確認の仕方、やりようがあるかどうか等々といったものがございますので、一律にどれが問題がある、なしというのは申せませんが、片や、エアバッグを持ち込むなり、中古のエアバッグを使うといったようなものがあったわけでございますが、これについては当然のことながら、機能の確認というのがやはり難しい、できないということで、我々も注意喚起をし、整備事業者も責任が持てないものについては使うなということで、使わないようにという指導をしております。

 安全のための品質基準ということでございますが、これも物によって、品質の確認の仕様、また、使う側の車の状態によっても様々でございますので、一律に品質基準をつくっていくというのは非常に難しい課題だろうなと思っています。ただ、部品の共通化とか共用といったようなことが進んでいけば、むしろこういったところのアプローチも可能になっていくのではないかと思っております。

 また、引取業者なりの登録が少なくなってきているということでございますが、これはもともとリサイクル法が施行されたとき、やはり下取車の扱いとかをやっていた事業者は登録を受けないと処理ができないということで、業界的にも相当旗を振って、事業者登録を受けましょうということをやった結果、こういう大きな数字が出ていたのではないかと思っています。

 ただ、実際問題、いわゆる使用済自動車として処理をするのは事故車とか、最初は下取車で持ち込んだものを、これはどうしても下取りは無理ですよといったようなことで廃車に持って行くというものが現実的に少なくなってきているということだろうと思います。

 あと、もう一つは、やはり今、整備業界も非常に人手不足、人材不足というところもございますので、こういった処理については、むしろ自らやるのではなくて取り次いでいくと。直接、解体業者等に取り次ぐといったようなこともできているのではないかと思っております。

 あと、リサイクル部品と新品部品との価格差というか、それがどの程度かというのはもう部品によって様々でございますが、我々も業界的にバッテリーの再利用といいますか、リビルトの流通については取り組んでおりまして、こういったものの需要はそこそこ図られていると考えています。これについては、需要としては今、具体的にどのくらいの格差があるかというのはちょっと資料がないので申し訳ありませんが、ユーザーにとってはコスト低減になっていると考えております。

 以上でございます。

○村上座長  ありがとうございました。それでは、日本自動車リサイクル機構の酒井委員、お願いいたします。

○酒井委員  ありがとうございます。まず、佐藤委員からいろいろ監査・指導等について、自治体に全部任せるというか、負担をかけるのではなく、業界内でやらなければいけないのではないかという御指摘をいただいた点についてですが、これ、多分幾つか問題があって、フロン、エアバッグの監査という非常に限られた部分の話と、許可業者の中での不適正処理についての監査・指導の問題と、ヤード問題のように全く許可を取っていないような状況の中での違法行為であるとか、そういったものに対する監査・指導問題とかいうことが含まれるのだというように、幾つか別問題として存在するのだと理解しますが、私が述べた部分はフロン、エアバッグに関してというところではあったのですが、現状で言いますと、回収する業者に対しては、監査・指導について、許可権者の自治体が行うという立てつけになっているということで、そこの指導が必要なのではないかということでご提案しましたが、佐藤委員の御指摘のような、業界内でのそういう体制をつくるべきではないかということについては、また関係の皆さんと話し合っていかなければいけないのかなと思います。

 あと、井岡委員から自動車リサイクル士の制度をもっと推進して、適正処理をしていくような優良業者をどんどん育てていくべきですという御意見をいただきました。我々としても先ほど報告の中で申し上げたように、まさにそのつもりで動いているというか、活動しているつもりでございますので、継続して努力してまいりたいと思います。

 それから、赤穂委員から中古車輸出に関して、日本の中古車は非常に品質が優れているために輸出に多く出ているのでというような理解で、それが中古車としてではなくて、他国へ出て行って、第三国で解体処理されるような実態があるのだったらまずいと思いますが、いかがですかという御質問だったと思いますが、私どもで、中古車として輸出されて、第三国、他国で解体処理されているという実態は、現状では確認しておりません。過去には、中国向けにそのような事例があったということはありました。

 それから、申し添えれば、中古車として、私たち日本の車が特に途上国を中心に、品質のいい日本の車がたくさん出て行ってくれるというか、使われるということに関しては、それを全く問題視しているものではありません。さらに言えば、日本の中古車が世界にたくさん出て行くことによって、中古の部品が海外の輸出マーケットで広がるわけですので、我々の業界として、それについて反対するものではないのですが、競争自体は公平な、同じ土俵上での競争にしていただく制度にしていただきたいと。そのような意味で要望させていただきました。

 以上です。

○村上座長  ありがとうございました。それでは、事務局、今、何かお答えになりますか。後でまとめますか。

○藤岡自動車リサイクル室長  経済産業省自動車課の藤岡でございます。まだこの先もいろいろ御意見を頂戴すると思いますが、今いただいた内容につきまして、お返事できるものについては回答させていただきたいと思っております。

 まず佐藤委員から、今回大きな改正をするのかどうなのかと。抜本的な制度の改革の時期ではないかという大きなお話をいただいております。いろいろな御意見がある中で、必要があれば、それを検討していくということだと思っていますが、一方で、今、直ちに改正を前提とした議論をしているかというと、そういうところには至っていないというのが正直なところでございます。ただ、いずれにしましても、料金ですとか、預託金制度とか、いろいろな御意見、前回のときからもいただいておりますので、これは改めて整理をするための時間を持ちたいなと考えているところでございます。

 各団体様のほうに質問が出た部分について。エアバッグですとか、フロンの処理料金の話について、井岡委員からも御質問をいただきました。それぞれのお立場での御意見かと思いますが、この辺のことにつきましては、いわゆる値決めといいましょうか、お願いするときにお幾らで行くかという、いわゆる自リ法の外の部分でのお話しということになりますので、また関係者同士でのお話合いの機会を持てるような形でお手伝いをさせていただければと思ってございます。

 それから、総じて、ASRの削減とマテリアルリサイクルの促進については御賛同の趣旨といいましょうか、お話もいただきました。ここは私どもも意を強くできたところで頑張りたいと思っております。こちらについても皆様の御意見を集約しながら、こんなイメージでどうだろうかというのも一応用意してみたいと思っておりますので、また改めまして行う議論の場で御意見を賜れれば幸いと思ってございます。

 取りあえず、以上でございます。

○村上座長  ありがとうございました。それでは、また続きを行かせていただきたいと思います。それでは、鬼沢委員、御質問のほうをお願いいたします。

○鬼沢委員  鬼沢です。では、お2人に質問したいと思います。

 リユース部品に関しては、今、いろいろ御質問があって、御回答もいただいたので、追加で私は武藤さんに。12ページに、ユーパーツ、ビッグウエーブと連携してとありますので、こちらの2つはもともとリサイクル部品を利用していただくために昔からいろいろ活動されていると思いますけれども、利用の数量はどの程度上がっているのか。同時に、中古車輸出がすごく増えている関係で、むしろ海外からの需要が多いのではないかなと思うのですけれども、その辺りがもし数字的に分かったら教えていただきたいと思います。

 それから、酒井さんに御質問が2つあります。14ページに資源回収の高度化に対する要望で、インセンティブの付与とあるのですけれども、資源回収の高度化は非常に重要なことだと思いますが、業界として、インセンティブというのはどのようにお考えになっているのか、もう少し具体的に教えていただけたらと思います。

 2つ目は、被災自動車についてなのですけれども、当然普通の使用済自動車の解体よりも手間もかかっていると思いますので、どのくらいの手間がかかっているのかとか、土砂などを取り除いた後の処理費にどのくらいかかっているとかいう具体的なものがもう少し見えると、より具体的な検討ができるのではないかと思いますので、その辺りは業界としてそういった数値が出せるのか、また教えていただけたらと思います。

 以上です。

○村上座長  ありがとうございました。それでは、続きまして、大塚委員、お願いいたします。

○大塚委員  大塚でございます。簡単に3点だけ申し上げたいと思いますけれども、解体業者さんとシュレッダー業者さんのところで、先ほどのマテリアルリサイクルのためのインセンティブ制度という議論がありましたが、私も大賛成でございますので、ぜひ進めていっていただければと思います。

 質問ですけれども、1つは解体業者さんのところの24ページ、25ページの辺りですが、先ほど来伺っていて、無許可の解体ヤードの規制強化とか、エアバッグ類の適正処理の推進の話、非常に重要だと思っていますし、自治体の監査という話も重要だと思いますが、これは現在どのくらい切迫した問題になっているかというところをもう少し詳しく御説明いただけるとありがたいと思います。一部、自工会さんもおっしゃっていましたけれども、現在の問題状況をもう少し詳しく御説明いただけるとありがたいと思います。

 それから、これは環境省さんとかにお伺いすることになるかと思いますけれども、破砕業者さんの21ページのところに非認定全部利用に関して、東南アジア向けに4,000トンのAプレスの輸出という話ですが、バーゼル国内法を使って対応していただいているとは思いますけれども、こういう大量のAプレスの輸出というのは自動車リサイクル法の下ではもともと想定されていたことなのかという点を事務局から教えていただきたいと思います。

 以上でございます。

○村上座長  ありがとうございました。それでは、続きまして、松八重委員、お願いいたします。

○松八重委員  ありがとうございます。2点質問させていただければと思います。

 まず鉄リサイクル工業会の乗田委員についてですけれども、先ほどマテリアルリサイクルを促進するというようなお話で、やはりポストシュレッダー技術というのが非常に重要だというような御指摘、全くそのとおりだと思いますので、ぜひその辺りについては進めていただきたいと私も思っております。

 そのためにはやはり選別ですとか分別ですとか、そういったものを非常に精緻に行うというようなことが必要かと思うのですけれども、その辺りについては、恐らくコスト増というのも何となく見込まれるのかなというような気がしてございます。

 ですので、何となく全体的には預託金を削減するといいますか、そういった御意見もほかの団体の方からも出ておられると思うのですけれども、マテリアルリサイクルを促進するとか、高度な選別を促進するというようなお話。あとは次世代自動車になってきますと、これまでの素材と違ったマルチマテリアル化ですとか、CFRPのような、今まであまり扱ったことのないような素材が入ってくると、その辺りについてもやはり分別、選別等々の追加的なコストの負担というものが何となく見込まれるのではないかなと思っております。

 その辺りについて、ちょっと鉄リサイクル工業会さんだけではないのかもしれませんけれども、そういったマテリアルリサイクルを促進するというお話とコスト増というようなところを踏まえての預託金の削減といいますか、そういった御意見について、何か御意見がありましたら、追加的にお話を伺わせていただければと思っております。

 鉄リサイクル工業会さんにおかれましては、マテリアルリサイクルを促進する、ASRを削減するというお話とともに、16ページのところで、今、ASRに含まれていない部品として、フロアマットですとか、ドアバイザーですとか、そういったものがあるというようなお話がございました。この辺りは今はASRにカウントされていないというような御指摘だったのですけれども、マテリアルリサイクルを促進していって、ASRを削減するというような観点とこのお話というのは何となく相反するようなお話のように聞こえていて、現状としての課題は分かるのですけれども、これを含めて、ASRとしてカウントをすべきだというお話なのか、それとも、これはこれとして今までどおり分けて、マテリアルリサイクルを促進するような、ある種、ASR削減のインセンティブとするべきなのか、ちょっとその辺りについての御意見をお聞かせいただければと思います。

 もう一点は、日本中古自動車連合会・武藤さんです。15ページのところで、現行預託金制度を見直して、資金管理センターを通さないで、ユーザーからメーカーへ直接預託金を支払うというような御意見があったと思うのですけれども、この辺りについてもう少し確認をさせていただきたいです。輸入車ですとか、次世代車になってきますと、例えば、新規の参入のようなものも、今までの伝統的な自動車メーカーではないようなメーカーとかもこれから自動車産業に参入してくるというようなこともちょっと想像されるのかなと考えているのですけれども、そうしますと、資金管理センターを通さずにユーザーからメーカーへ直接支払うというようなことをしますと、将来的に新規参入したけれども、すぐ撤退するというようなお試し期間みたいなものも何となくあった場合に、その辺りの資金管理というのがどういったイメージになるのかというのがちょっと私、頭にあまり浮かばなかったものですから、その辺りについても少しお考えをお聞かせいただければと思います。

 質問は以上になります。

○村上座長  分かりました。それでは、最後になりますが、森谷委員、お願いいたします。

○森谷委員  森谷です。私はASRの削減のためにも自動車の部材、部品の再利用、再資源化を積極的に進める必要があると思っております。そこで、今、乗田さんや酒井さんからお話の出ているプラスチックやガラスの回収についてですけれども、これはもう既に資料にもありますように、利用先の確保とか、どう再利用するかとか、それから、ひょっとしたら法律に基づくものも将来考えるべきかもしれませんが、経済的なインセンティブを同時に考えていくということが必要と思っております。これについては乗田さんや酒井さんの御見解をお聞きしたいということが1点目です。

 2点目は、今申し上げた利用先の確保やインセンティブ、とりわけ経済的なインセンティブの付与がまず前提であろうかと思いますけれども、プラ、ガラスの回収を技術的、経済的に可能な範囲で行うということを解体業や破砕業における再資源化の基準に設けるということについて、どのようにお考えかということの是非もお話しいただきたいと思います。

 以上です。

○村上座長  では、御回答いただきたいと思いますが、今回も日本自動車販売協会連合会さんはなかったというような認識でよろしいでしょうか。

○荒居委員  はい、そのとおりです。

○村上座長  それでは、中古自動車販売協会連合会さん、武藤委員は幾つかあったと思いますので、よろしくお願いいたします。

○武藤委員  最初に鬼沢委員からの御質問があったかと思います。ページで言うと、12ページに書いてあるとおり、年間の取扱高4,000万円程度というのは当連合会でも把握しておりますが、紹介の仕方が機関誌に、ちょっと見えづらいかと思いますが、上にユーパーツさんのいろいろな部品の写真が載っていて、電話番号が載っているかと思いますが、直接ユーパーツさんに注文をしてというスタイルになっておりますので、詳しいことははっきりと、ちょっと手元に資料がないものですが、実態としてはいわゆる機能部品も扱ってはいますが、それよりも多いのがバンパーだとかフェンダーだとかヘッドライトだとか、あるいはちょっとぶつかるドア。こういったものを新品ですと、ドアで言うと、塗装を新しい色合わせをしなくてはいけないわけですが、中古部品だと既存の何年式の赤とかいうことになると、ほとんど退色したものも合うような形の中古部品が流通しておりますので、そういう需要があるのにお応えしているということになるかと思います。

 件数で言うと、そういった外装部品がほとんどだと思います。ちょっとはっきりとはあれですが、推算するには年間で1,200件ぐらいのそういう受注を受けていると思われます。

 次が松八重さんの御質問で、ここは難しいところだと思いますが、今あるリサイクル促進センターの機能で少数の輸入をしているメーカーというか、輸入業者に対するお手伝いをどういう形でできるか。その中で、撤退したときのための何らかの保険をかけなくてはいけないことになるかと思います。それは大枠の話ではなくて、そういうイレギュラーとも言えないかもしれませんが、それに対する対応は別枠で考える必要があると思います。

 大体以上でよろしいでしょうか。

○村上座長  はい、大丈夫だと思います。それでは、軽自動車協会連合会さんは今回もなかったかと思います。自動車整備振興会連合会さんもなかったでよろしいですか。

○木場委員  はい。

○村上座長  もし違えば、御指摘ください。では、日本自動車リサイクル機構の酒井委員、幾つか関連があったかと思いますので、よろしくお願いいたします。ちょっと押しぎみですのでまとめていただけると助かります。

○酒井委員  はい、承知しました。それでは、鬼沢委員と森谷委員お2人から、樹脂、ガラスリサイクルに関するインセンティブ関連の御指摘というか、御質問と、我々の認識みたいなものについての御質問があったかと思いますが、まず1つには、今までASRに行っているものがASRから出て、マテリアルリサイクルに回るということであれば、ASR処理料金の中から何がしかのインセンティブに充てられるものがあるということであろうと思います。

 それから、あとは、当然我々単独ではできないことですので、例えば破砕業者さんであるとか、素材メーカーさんであるとか関係すると思いますが、その協力関係、コンソーシアムみたいなものが組まれないと実現するのはなかなか難しいのかなと思っています。

 あと、森谷委員からの御質問の中のインセンティブ以外に技術的なものというお話がありましたけれども、この部分については、特に樹脂に関してはかさばって、運送に非常に問題が出ているということが過去の事業からも分かっておりますので、そういったものに対する問題であるとか、あとは樹脂の種類をどのように分けていくのかとか、そういう技術的な問題が現場レベルでは出てくるのだろうなと思っています。

 それと、利用先の確保という点も大変重要だと思っておりまして、そういうものを利用してくれる事業者をつくっていくということが我々にとってもやはり課題だろうなと認識している部分なのですが、1つには、大きく言えば、自動車の業界だけに限らず、エリアごとに素材、マテリアルを集めるような仕組みといったものも、ひょっとすると車を飛び越えた部分の話になってしまって、ちょっと自リ法の話とは違う話になってしまうのですけれども、そういうことも構想する必要があるかなと感じております。

 それから、鬼沢委員からは被災車について、具体的にどのような処理費用がかかったり、コストがあったり、そういうものがありますかという御質問があったのですが、被災車は非常にいろいろな状況になっている。ぎっしり土砂が詰まっているものもあれば、一番軽いものだと泥水が室内に入って流れ出たレベルのものもありますので、現状では数値で表せるようなものは、申し訳ありません。残念ながら持っておりません。ただ、いろいろなレベルがあるというところを去年、関係者の見学会で一応共有はしたというレベルにまだとどまっております。

 あと、大塚先生からヤード問題とか違法の解体処理の問題について、どの程度問題が切迫している状況なのかというような御質問がありましたけれども、ヤード問題はちょっと地域差があるかもしれません。先ほど私、千葉県の例を申し上げましたが、千葉県は全国のヤードの約25%程度が集積しているということなので、問題としては非常に大きいです。ただ、どこの県に行ってもヤードというのは存在しておりますし、全国が千葉県と同じような状況になってしまった後に手をつけようという話ではちょっと問題が大きくなり過ぎるのではないかというように、我々は問題意識として考えているというところです。

 以上です。

○村上座長  ありがとうございました。それでは、鉄リサイクル工業会・乗田委員、お願いできますでしょうか。

○乗田委員  まず最初に、先ほど前半の質問、佐藤委員、それから赤穂委員も含めまして、大塚委員、松八重委員、森谷委員、基本的にマテリアルリサイクルにつきまして、いわゆるサポートといいましょうか、応援の質問、御意見等をいただいて大変感謝いたしております。最初、本編でも申しましたけれども、従来、どちらかというと、我々お願いはしているけれども、手応えがないという認識でおりました。本日、皆様の御意見、御質問等をいただきまして、大変意を強くしておりまず感謝を申し上げます。

 御質問についてでございますが、インセンティブということにつきまして、複数の委員の方から御質問、御意見等をいただきました。これは当然我々も議論はいたしております。何らかのインセンティブというか、費用補助がない限り、誰がやるのだろうということでございます。

 特に本編でも申しましたけれども、ガラスにつきましては取り外してもリサイクルができないという難問に直面します。我々の立場からして、ただ費用が欲しいからというのもちょっと違うだろうという議論もございます。再三申し上げているとおり、これはもう関係省庁も含めまして、自工会、自動車リサイクル機構も含めて、関係者で議論を尽くして、新しいシステムをつくっていくのが大切なのだろうと思っております。

 松八重委員から御質問がございましたフロアマット、ドアバイザー等について、まず鉄リ工業会としては、これをいわゆる紐付き数量にしてくれということなのか、それともマテリアルリサイクル促進にするのかという御質問をいただきましたけれども、これは我々、別に矛盾はしていないと思っています。現状では、これはもうAプレスの中に混在して入ってまいります。というのは、やはりまだマテリアルリサイクルというのがきっちりシステム化されておりませんので、入ってくるか、とれているか、もうプレスの状態になった中では、我々では分からないということです。従って、紐付き数量の中に、つまりASRの中に入ってしまっているという認識でおります。

 ただ、これもマテリアルリサイクルの廃プラスチックについてですが、森谷委員の御質問にも関連するのですが、先ほど酒井委員もお答えになっておりましたけれども、樹脂、プラスチックがもう多種にわたっておりまして、なかなかリサイクルにそぐわない。つまり塩ビが入っているとか、その他もろもろの問題があるので、これも自動車メーカーを含めた製造段階から議論する必要があるのだろうと思っております。

 最後に森谷委員からの御質問ですが、インセンティブについては今お答えしたとおりなのですが、その活用先です。これも酒井委員がお答えになったとおりでございますが、単に物品のリサイクルに対するインセンティブではなくて、これから技術的なことが重要になってくるだろうと思います。ですから、新技術に対するインセンティブ等も考えながら皆さんで議論していただいて、マテリアルリサイクルというのが構築されていくのだろうと思っております。

 以上でよろしいでしょうか。またございましたら、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。

○村上座長  ありがとうございました。それでは、事務局の環境省からお願いします。

○鳥居リサイクル推進室室長補佐  環境省の鳥居でございます。大塚先生から非認定全部利用のところ、海外輸出について御質問があったかと思います。こちらにつきましては、非認定全部利用として、海外で資源として活用する輸出については、自動車リサイクル法の中で当初から認められているものでございますが、有害廃棄物の輸出入という意味ではバーゼル法の担当とも情報を共有しまして連携して対応していきたいと考えております。

 また、被災自動車について、いろいろと御意見をいただきましたけれども、こちらについては、まずは実態を把握していく必要があると考えているところでございます。

 こちらからは以上です。

○村上座長  ありがとうございます。他はよろしいですか。それでは、ちょっと時間も押しぎみでありますので、10分程度押してしまっておりますので、先へ進めさせていただきたいと思います。

 それでは、議題2の地方公共団体に対するヒアリングということで、資料6-1と6-2で、三重県、川崎市からそれぞれ御説明をいただきたいと思います。

 では、まず三重県から尾邊委員、よろしくお願いいたします。

○尾邊委員  尾邊でございます。よろしくお願いいたします。では、三重県について説明をいたします。私、三重県庁の廃棄物・リサイクル課長の尾邊でございます。

 まず、資料の3ページを御覧ください。県の状況でございますが、三重県というのは名古屋圏、それから西側に大阪圏を抱えているようなところでございます。

 次のページ、4ページを御覧ください。組織体制ですが、現在、自動車リサイクル法にかかる登録・許可、立入検査を所管しております。

 県職員65名と書いてありますが、うち自リ法担当10名なのですけれども、これは決して専属ではなくて、いろいろな各種業務をやりながら、その中から時間を割いてやっているというような状況でございます。

 あと、三重県独特なのですけれども、会計年度任用職員という形で嘱託さんを雇い上げまして、資源循環専門員という形でそれぞれの室、いわゆる支店になりますけれども、そこに8名を配置しておりますので、ここら辺、地方公共団体にさらなる規制、監視というものを求めるのであれば、ここら辺の財政的な支援、これ全て県独自の財源に基づいて何とかひねり出しております。ですので、自動車リサイクル法システムの中で何らかの財政的支援があれば、全国的にこの辺は進むのではないかと考えております。

 次、5ページでございます。登録・許可の事業者数でございますが、引取業742、フロン回収業190、解体業100、破砕業20(前処理)でございます。本破砕は三重県にはございません。

 次のページでございます。6ページでございます。立入検査の状況でございますが、各地域機関のほうで立入検査計画を策定して、立入検査をするようにしております。引取業とかフロン回収業については新規・更新登録時に全て立入りを行うようにしております。それから、解体業、破砕業については年4回以上、立入検査をするようにしております。

 ここら辺でよく御質問をいただくのですけれども、立入りについては全て電話等の連絡なしに、突然立入りという形にしています。当然新規・更新時につきましては、相手に書類等を確認する必要がありますから、電話連絡等の上、立入りしていますが、通常の立入りにつきましては通告なしの立入りをしております。

 立入検査の結果ですが、立入件数1,049回ということで少し多いように感じますが、これは元年度のデータです。元年度はフロン、引取業の更新が多かったので、若干高いのかなという感じです。今年、令和2年度につきまして、4月から5月はコロナの関係で自粛をしていた関係上、これほどは立入りはしていないということでございます。

 立入検査の中で余談なのですけれども、やはりいろいろ立入りした人に聞くと、まず外国人が多い、指導できない、言葉が通じる経営者、事業者がいないとか、そういう話が昨今の話題でございます。それから、コロナの関係でしょうか。やはり鉄が売れないということで、保管場所には鉄、車自体がたくさんぱんぱんに詰まっているというような状況でございます。

 7ページでございます。行政処分の状況でございますが、基本的には指導が多いです。勧告が元年度は1件ありまして、解体業者への勧告をしております。内容的にはここに書いてありますように、税関へ輸出申告された貨物において、エアバッグ未処理の車両があったということでございます。現場で確認してみますと、バイヤーによるもぎとり解体が行われたと。エアバッグ回収の最終確認をせずに、車両に残置されたということでございます。この業者は過去にも指導を受けていたということから、改善の必要性が高いということですので、法に基づき、勧告を行っているところでございます。通常、勧告すると再発防止策を求めます。その結果ですが、実施前後の写真を添付して台帳で管理するということをさせております。

 次からは、不適正処理の事例と課題について述べていきます。

 8ページでございます。不適正処理時の事業の停止。この事例なのですけれども、トラックの荷台部分を、金属と木材を分離するため、屋外焼却を行っています。この業者は解体業の許可を持っております。課題として、いわゆる自動車リサイクル法では、こういうことをしたことに対して、法的手段はとれないということを申し上げたいと思います。

 課題として、県の行政処分要綱では、廃掃法、廃棄物処理法に関する許可を受けた者が廃棄物の焼却禁止に違反した場合、許可の取消しとなります。廃掃法はこういう規定があります。ですけれども、この業者は廃掃法の許可を持っていないために文書指導になったと。もちろん自動車リサイクル法についても何もできないような状況でございます。当然解体業の中に技術上の基準というのはありますけれども、このような法律をつくったときの想定外のようなことをする業者に対する違反行為を問うということはなかなか難しいような実情です。

 あと、例えば、車をハーフカットします。ハーフカット自体は解体業の許可は要るのですけれども、ハーフカットした後のエンジン部分がついた前半分については部品として取り扱われるということです。そのハーフカットした前半分、部品と言われる部分を解体して、エンジンを取り出して輸出すると。これが部品の扱いになるということで、自動車リサイクル法の対象外となるということも課題かなと思っております。

 次、9ページでございます。先ほど申し上げましたように外国籍経営者、従業員への対応でございます。三重県におきましても中部圏近県、名古屋に近い、それから大阪圏のほうにも近いということでございまして、解体業者の約3割、4割ぐらいが片仮名名義です。漢字ではないということで、恐らく外国人になります。ちなみに立入検査でいろいろ聞くと、外国としてはスリランカとかパキスタンとか、そういうところが多いようでございます。

 登録申請等につきましては行政書士を使って、正式にしっかりとした書類を作ってまいります。ですが、実際に現場となりますと、書いてありますように経営者の不在が多い。社長、経営者は、通常オークション会場に行ってしまって、いない。実際現場にいる人間は、外国語しか話せない、日本語が分からない。自動車リサイクル法を知らないというような状況でございます。法律も読めないということです。特に外国人の方につきましては言葉を選んで説明しなければいけないなと思いますけれども、彼らは文化が違うということで、行動が予測しにくいという部分がございます。彼らは夜に作業したりもします。

 課題ですが、外国人経営者が本国に帰国した際は、長期にわたって連絡が取れない場合もあります。外国語表記の制度に関する資料や適正処理に関する資料が不足しておって、不適正処理の改善にはなかなか時間がかかるということでございます。我々としては、例えば、翻訳機を用意するとか、あと、お願いしたいのはパンフレットです。そもそも自動車リサイクル法はどういうものかというパンフレット等が我々のところにはないという状況。自ら作らなければいけないのかなとも思いますが、できる限り、自動車リサイクル法とは引取業が必要、解体業が必要、こういったところが必要なパンフレット、それから、外国語の翻訳などがあるといいかなと思います。

 次へ進みます。10ページでございます。これも大きな問題でございます。実際に立ち入った人間から聞くと、真っ先にこういうことが言われます。自動車リサイクルシステムへの未登録事業者でございます。自治体の登録後、引取業を登録した後は自動車リサイクルシステムへの登録を行わなければならないとはなっていないです。第81条で移動報告、情報管理センターに報告しなければならないとなっています。ですので、この自動車リサイクルシステムの登録をしなくても違反には問えないのですけれども、実際、登録をしないと物は回っていかないようなことになっています。ですので、引取りの登録を取ったのだけれども、自動車リサイクルシステムへの登録を行っていない引取事業者が多数見られる。

 三重県の場合ですと、約2~3割程度は登録していないという状況でございます。中には引き取った使用済自動車を解体事業者に引き渡して、システムの入力は全て解体事業者の名前で行われているケースもある。これは解体事業者が引き取る場合に誰から引き取ったか、エンドユーザーの名前を特に問わなくてもいい。いわゆる上様、ああいう感じで引き取ることができるということから、エンドユーザーの名前を解体業者がサービスの一環でやってしまうという事例があります。ですので、外国人もいるのかもしれませんが、引取業者の登録を受けていないような方であっても持ち込んで解体事業者のところに流れていくというような実態があります。

 課題ですが、自動車リサイクル法で規定する移動報告等の引取業者の役割を果たしていない場合は、法に基づく指導が必要です。自動車リサイクルシステムへの登録は義務ではないが、適正な移動報告の観点から登録への周知、啓発、登録が実質的に行われるような仕組みは必要でございます。

 立入検査の権限について、ちょっとここで御説明しますと、県が立入検査をできるという対象は自動車リサイクル法においては登録業者、それから許可業者、自動車リサイクル法に登録許可を出しているところに限ります。ですので、引取業者の登録を取ってなくて引取りのようなことをしている疑わしい業者に対しては権限がございません。廃棄物処理法などにおきましては、廃棄物を取り扱うおそれがあるところに対しても立入権限を認めております。ぜひ自動車リサイクル法もそのような制度改正が必要ではないかなと思います。

 次、11ページでございます。不適正処理事例と課題でございます。これは先ほどから何回も出ておりますインターネットオークションにエアバッグの出品。解体事業者によって中古車から取り外したエアバッグがインターネットのオークションに出品されている。これは、使用済自動車としてではなく、中古車として出ているということです。地域の解体業者から通報で発覚しております。こんなことを認めていいのかという内容でした。このインターネットのアカウントから、別の許可業者、解体業者だったということで、ここに対しては指導をしております。

 課題として、エアバッグ類等の部品を販売目的で取り外している場合、使用済自動車の解体に当たる。これは通知で明らかになっています。出品している事業者に対して、早急に改善するよう指導が必要です。また、全国的に流通しているため、オークション運営事業者との連携や事業者に対して、立入検査の実施が必要ということで、エアバッグについては出品禁止という形になったと先ほど聞いております。

 12ページでございます。同じような事例でございます。同じ事業者なのですが、中古車と称して、車体フレームをオークションに出品しているという形であります。再度、組み立てると走ることができるということで中古自動車であるというように主張しております。

 ここで課題なのですが、使用済自動車であるか否かというのは、これは立入検査で現場へ行ってもそう思うのですけれども、この自動車は使用済自動車と見えるのですけれども、彼らは中古自動車と言う。使用済自動車であるか否かというのは、一義的には所有者が判断するものなのですけれども、外見から客観的に見て、使用済自動車と判断されることも多分にあります。その結果、平成23年に使用済自動車判別ガイドラインというのができているのですけれども、実際の判断におきましては、なかなか明確に判断できないところがございますので、整理が必要と考えております。

 次、13ページでございます。先ほどから話題になっているヤード対策でございます。三重県、名古屋近辺というところで、特に愛知県におきましては、令和元年にヤード条例をつくっています。その関係上、愛知県から一番近い三重県の一部において、ヤードが急激に増加しております。自動車リサイクル法の引取業とか解体業を持っているところについては当然立入りを行っておりますが、それ以外のところにはなかなかできない。ヤードにおいても現場等を確認して、三重県においては環境保全上、支障はないというように判断しているのですけれども、ヤードにおいては、やはり千葉県とか愛知県のように無許可で解体されて、海外へ輸出するというような、それから盗難車が多いというようなおそれがあります。

 課題として、自動車リサイクル法の対象外となるヤードについて、県が現場確認をしたころ、油の流出や地下浸透は現状では確認しておりませんが、ヤードについて、生活環境への影響が懸念されるばかりでなく、自動車盗難等の犯罪の温床となっている場合や近隣住民から景観上の苦情などが寄せられるということから、警察や市町村などの関係機関との連携が必要となっています。自動車盗難対策ということの観点から、千葉県は違うのですけれども、それ以降の県につきましては警察指導のヤード条例というものをつくっております。

 次でございます。14ページでございます。被災自動車の処理についてでございます。被災自動車については、三重県は今のところ、それほど大きな災害というのはございません。研修プログラムを活用させていただいております。被災に遭いますと、所有者が当然引き取るのですけれども、引き取れない場合、ぐちゃぐちゃになった場合、所有者不明の場合は、災害対策基本法に基づいて6カ月間放置して、所有者が誰も名乗り上げなかったら所有者は市町村となると。撤去することができるというようになっております。

 課題としては、自動車リサイクル法関連業務になじみの薄い市町において、災害発生時に円滑な処理ができるように、処理に関する全体像を把握した上で、各市町が策定する災害廃棄物処理計画への反映、手引・事例集を参考にして、平時から備えておくことが必要と考えております。

 それから、15ページ。離島事業者対策でございます。離島対策支援事業、海上輸送費補助制度の事例を紹介いたします。三重県内の申請状況でございますが、現在92台あります。三重県も離島がありまして、神島とか、そういうところがあります。補助金額の総額は60万円。

 効果として、平成18年の使用済自動車の海上輸送費補助金の制度開始から、毎年80台以上の申請があって、島内における放置車両はなくなりつつ、環境美化に貢献しております。ありがとうございます。

 課題としてですが、制度開始当初、これは市町を通して交付されております。市町が海運事業者と協議して、車両区分や離島区分によって輸送費を固定させていただいております。このシステムを迅速に運用するために必要と判断しております。輸送費にかかるコストや人件費が当時と変わっているということから、海運事業者からは費用変更の要望があり、現在の運用では複雑な課題ですが、申請者への交付決定通知書を市町が交付通知を送付、それから、事業者の口座への入金作業があります。市町を介さず、申請者がホームページ等で直接申請できる仕組みを要望したいと考えております。

 最後、16ページ、まとめでございますが、関係機関さんが実施する基礎研修、合同立入りについてはありがとうございます。職員の資質向上に非常に役立っております。感謝申し上げます。今後も継続的に連携をお願いいたします。

 2つ目、自動車リサイクル法はおおむね順調に運用がなされているのですが、先ほど申し上げましたような事例がたくさんあります。特にヤードとかにおいても切迫感があると考えております。周知啓発、それからパンフレット、立入検査の権限の強化、外国人に対する指導をいかにするか。恐らく業界の団体にも加入されず、彼らが自動車リサイクル法の仕組み、法律を承知しり得る手段というのが、ないと思います。

 3つ目、法令を遵守し、適正な処理を行っている登録・許可業者が損をしない制度の運用が望ましいということで、特に引取業者につきましては、引取業者のメリットがなかなか感じられないといろいろ聞いております。

 以上でございます。

○村上座長  ありがとうございました。それでは、引き続き、川崎市・井上委員にお願いしたいと思いますが、すみません。ちょっと時間が押しておりますので、可能な範囲で短めにお願いできれば、幸いです。よろしくお願いいたします。

○井上委員  川崎市の井上でございます。川崎市における自動車リサイクルの制度の状況について説明をさせていただきたいと思います。

 2ページを御覧ください。川崎市の現況でございますが、面積は政令市で最小でございまして、人口は日本の人口が減ってきている中で増え続けている状況でございます。150万人を超えております。

 4ページを御覧ください。本市の廃棄物の取組についてでございますが、市が策定した計画等に基づきまして、循環型社会の実現に向けた取組を進めております。自リ法に関しましては、既に登録許可済みの業者が知っておくべき事項をまとめた冊子、自動車リサイクル法関連事業者の手引、また、申請者及び申請方法などを取りまとめた引取業者の登録の手引となる各引取業者、解体業許可申請の手引、フロン類回収業者登録の手引、破砕業許可申請の手引などを作成して、取組を行っております。

 5ページを御覧ください。川崎市の自動車リサイクル法に基づく事業者の登録・許可業務に関する現状でございますが、ここ10年で事業者数の推移は減少となっております。令和元年度末で引取業135、フロン類回収業22、解体業4、破砕業2となっております。参考までに保有台数は44万台となっております。

 6ページを御覧ください。自動車リサイクル法の現状でございますが、法施行15年となります。過去2件の行政処分はありましたが、ほぼ全ての業者で遅延報告を出すことなく、円滑に事業を進めており、大きな顕在化した問題もなく、業務を進めている状況にございます。

 本市が立入検査などで実際に職員が考える問題や課題を幾つか抽出させていただきました。

 まず、自動車リサイクルシステムへの登録が義務となっていないことから実績がない業者は必要に迫られていないため、登録を行わず、そのため、システムを含め、制度理解が進んでいないことが多い点が挙げられます。これは先ほど三重県の方も言われておりました。また、そういった場合には、立入り時に制度について一から説明するようなことも多々あります。

 また、フロンの年次報告が毎年必要であると認識していない事業者が多く、毎年こちらから督促して、ようやく報告する業者が多くなっております。

 本市においても、さきに紹介した手引などで御案内しておりますが、制度理解などを一層進めるためにも、さらに分かりやすい解説資料などが必要であると考えておるところでございます。

 また、エアバッグについてでございますが、ある解体業者におきましては200以上のエアバッグの引渡しを遅延している事例が発生しております。この事業者は高齢の事業主と外国籍従業員2人であり、さらに事業所にパソコンがないことから、エアバッグ引渡手続や自リ法システムの入力は他の事業者に代行してもらっている状態となっております。そのため、たびたび引渡手続が遅延しております。またさらに、過去に存在しないエアバッグを誤って、あると報告してしまったものも相当数あることを確認しております。

 先ほどから話題にもなっておりますが、こうした業者の受け皿となるような、例えば代行入力が行える仕組みや支援方策があれば良いと考えております。

 7ページを御覧ください。川崎市の自動車の不法投棄の発生状況、発生抑制の取組に関する現状でございます。本市の令和2年4月現在の放置自動車、不法投棄自動車は6台であり、内訳は御覧のとおりとなっております。

 市の対応といたしましては、車のナンバーから所有者を特定し、粘り強い撤去を求めております。所有者が特定できず、犯罪性が確認できなかったものにつきましては、公告手続を行い、撤去通知書を貼り付けております。昨年度は市が設置しております川崎市放置自動車対策連絡協議会において廃物認定を受けた1台を撤去処分しております。

 8ページを御覧ください。続きまして、不法投棄と原状回復に関する問題点、課題点を説明します。財産権の問題や原因者の特定等、御覧のような課題がございます。放置自動車、不法投棄自動車等を適切かつ迅速に撤去する仕組みを構築することが必要と考えております。法整備により強制撤去を可能とすることや警察に所有者の捜査協力を依頼でき、車両の所有者などの情報を自治体へ開示するなどが考えられます。

 9ページを御覧ください。大規模災害による被災自動車の対応についての一例でございます。昨年の台風19号により、市が対応した被災自動車は多摩川河川敷、これは国土交通省から借り受けている民地の軽自動車1台でございました。浸水した自動車のほとんどは所有者の方に対応していただけたものと考えております。放置自動車が増水により下流へ流されたものと思われ、運転席シート下から車台番号を特定し、所有者特定に至りました。自動車リサイクル促進センターの自治体の担当者向けの手引に従い、御覧の処理フローに基づき、所有者へ撤去を要請しておりますが、所有者が遠方に住んでおり、さらに高齢のため、手配が遅くなっており、また、当初の処理の意思を翻すなどしており、撤去が一向に進んでいない状況にあります。

 一例ではございますが、レッカー代の負担や処分代行業者へのつなぎなど、情報提供以外にも実効性のある支援方策がこの一例だけでも必要であるのかなと考えているところでございます。

 10ページを御覧ください。ASRの再資源化に向けた高度な取組でございます。本市では現在、ASRの再資源化に向けまして、市内事業者が御覧のとおり、環境省の省CO2型リサイクル等高度化設備導入促進事業へ応募し、その枠組みの中で試験研究を実施しております。環境負荷の低減が期待される高度な取組と期待しておりまして、こうした処理施設の誘導に向けて、CO2の観点のみならず、自リの促進に必要な民間事業者の技術支援のための補助事業のさらなる拡充が必要と考えているところでございます。

 11ページを御覧ください。新型コロナウイルス感染下の対応でございます。今回、コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言を前に、定期立入検査等を全て中止にいたしました。申請等の業務につきましては事業者から特に相談はなかったため、今回は特段の対応はいたしませんでしたが、今後、県外の事業者からのそういった感染時の対応につきましては郵送等で受け付けするなど、必要と考えているところでございます。今後に向けた感染予防策の対応に向けては、現在検討しているところでございます。

 最後に12ページでございます。まとめでございますが、幾つかの問題点、課題点を抽出させていただきましたが、さらなる自動車リサイクル関連の制度の安定化、効率化のためには、適正処理、再資源化に向けたさらなる取組が必要と考えております。これまで説明してきたとおり、自動車リサイクルシステムの制度を理解するための一層の周知、放置自動車等の実効性のある支援策、新型コロナウイルスや災害時、緊急時の対応方策、必要な技術的な助言、シュレッダーダストなどの再資源化に向けた高度な処理施設の誘導、支援方策の拡充が川崎市としては必要と考えております。

 以上でございます。

○村上座長  ありがとうございました。それでは、質疑と行きたいのですが、大分押してしまっておりまして、申し訳ありません。私の進行上の不手際のことだと思いますが、すみません。とても重要だというものがあった場合に限り、1つだけお受けしたいと思いますが、もしそのようなものをお持ちの方がおられましたら、メッセージ機能のほうへお願いいたします。

○大塚委員  大塚ですけれども、よろしいでしょうか。

○村上座長  はい。では、手短にお願いいたします。

○大塚委員  時間のないところ、申し訳ないですが、今、2つの自治体で両方から出てきた問題が特に2点あったと思ったのですけれども、1つは外国人の方で日本語がしゃべれない場合に指導ができないという話と、もう一つは自動車のリサイクルのシステムに登録が義務づけられていないので問題だという、その2点が特に重要だと思いました。

 外国人の方の問題は多分これからまた増えていくと思うので、私は政府の外国人に対する日本語教育とか、そういうものが少し遅れていることを心配はしていますが、他方で指導する方とコミュニケーションを取れないと困るので、例えば、日本語がしゃべれる方が常駐していることを何らかの形で基準にするとか、そういうことも考えないといけないのではないかと思います。

 それから、自動車リサイクルのシステムへの登録に関しての義務づけというのはそんなに大変なことかちょっと分からないのですけれども、これは経済産業省、環境省のほうにどのぐらい大変なことかというのはお伺いしたいと思います。

 取りあえず、以上です。ありがとうございました。

○村上座長  ありがとうございます。それでは、佐藤委員、手短にお願いします。これでおしまいにさせていただきたいと思います。

○佐藤委員  佐藤です。野外焼却の件があったのですけれども、こういう案件は警察との連携が必要だと思います。現在、こういう廃棄物処理法の違法焼却とか不法投棄が多くなる事件で、警察とどういう連携をされているのかを三重県に伺いたいと思います。

○村上座長  ありがとうございました。それでは、三重県・尾邊委員、今の佐藤委員にもし回答が可能であれば、簡単にお願いできますでしょうか。

○尾邊委員  三重県でございます。三重県におきましては、廃棄物処理法をする上で、監視・指導課を設けまして、警察から出向を求めております。警察の職員に来ていただいて、廃棄物処理法の適正管理を求めております。ですので、こういう屋外焼却の場合は、警察官と一緒に立入りする体制を整えております。

 以上です。

○村上座長  ありがとうございました。それでは、大塚委員のものはコメントに近いですが、一応事務局からお答えになりますでしょうか。

○藤岡自動車リサイクル室長  ありがとうございます。外国人対応でございますけれども、おっしゃるとおり、現場では大変苦労されているという声も伺っているのは事実でございます。ただ一方で、日本語が分かる人を置かなければならないという基準というのは、多分全てにおいて取締りに関するものが必要ということにもなってまいりますので、ここら辺は日本の法律全体の制度の中での整理ということになります。いずれにしても、こういった事業者が意思疎通ができないというのは問題かと思います。まだ具体的な方策とかを十分検討し切れているわけではございませんが、不法投棄の防止という観点から、あるいは事業の適正化という観点から啓発といいましょうか、その手法といいましょうか、例えば、日本語と英語だけではなく、いろいろな言語でこういった法律、制度を紹介したりとか、ポイントを理解してもらうためのパンフレットを作るとか、こういったことができないかというのは改めて検討もしてみたいと考えているところでございます。

 システムの登録につきましては、ちょっと詳細を確認して、また改めて御回答させていただきたいと思います。

○村上座長  ありがとうございました。それでは、既に12時を回ってしまっておりますが、5分程度延長させていただければと思います。という前提で、中環審側、酒井座長、もしまとめてのコメントがおありであれば、いただいてもよろしいでしょうか。遅くなって申し訳ございません。

○酒井座長  どうも村上先生、ありがとうございます。今回、関連事業者、そして地方公共団体のヒアリングを聞かせていただきまして、また改めて非常に大きなシステムを対象とした制度であるということを再認識させていただきました。しかも、社会各方面との関係が極めて深いという意味では資源問題、あるいは物の輸出入、そして災害等々、極めて多くの事項を考えていかねばならないという認識です。加えて、自動車業界の大きな変革の時期とも重なっているということを踏まえて、気を引き締めていかねばならないというように意識した次第です。

 特に前回、今回ということで、ASRの円滑な再資源化、あるいはそれに伴うマテリアルリサイクルの促進といったところは多くの意見をいただきました。自動車工業会、鉄リサイクル工業会、そしてリサイクル機構を中心に意見を頂戴し、多くの委員から様々な意見もいただいたということで、こういったところを十分に踏まえて、今後、検討していかねばならないと思っております。

 今、並行して、いろいろな施策が考えられています。プラスチック政策との関連性も考える必要があると思いますので、そういうところを踏まえながら、ぜひ今後のいい取組の方向性を共に考えさせていただければと考えているところです。

 ほかにも各論的には幾つか重要なポイントはあるでしょうが、その際、この20年間の自動車リサイクル制度運用の実績とその効果、さらには現状と今後をどう考えるかというところをこれから見詰めていくことを観点ということにしてまいりたいと思っております。

 以上でございます。

○村上座長  どうもありがとうございました。

 本日、いろいろ大変有意義な御意見をいただきまして、ありがとうございました。私としても、今、酒井先生におまとめいただきましたとおりですが、結果的に非常にいろいろなことが起こるタイミングになっているところで、皆さん、例えば、マテリアルリサイクル促進に向かうのだというような意思は割とそろっているようなことを感じました。非常にほっとしたようなところもございます。引き続き、まだこの見直しのラウンドは続いていくと思いますので、活発な御議論をお願いできればと思います。

 それでは、最後に事務局のほうから議事の取扱い等を含めて、説明をお願いいたします。

○三牧自動車課課長補佐  本日はお忙しいところ、闊達な御議論、また円滑な進行に御協力いただきまして、まことにありがとうございました。本日の資料につきましては、既にウェブサイトにて公開しておりますので、そちらを御覧いただければと思います。また、本日の議事録について、後日、各委員に御確認いただいた上で、ウェブサイトに公開させていただきますので、御了承いただければと思います。

 次回の審議会につきましては11月20日を予定しておりまして、本日も議論になりましたASRの削減、再資源化の高度化といったことを中心に議論をさせていただく回とさせていただければと考えております。また、その際に、前回の審議会でお話しさせていただいた素材関係のヒアリングも考えておりますので、よろしくお願いいたします。詳細はまた追って、事務局より御連絡させていただきます。

 それでは、本日の会議はこれにて終了とさせていただきます。活発な御議論をいただきまして、ありがとうございました。

                                 ――了――