中央環境審議会循環型社会部会(第28回)議事録

日時

平成30年7月18日(水) 10:00~12:00

場所

大手町サンスカイルームE室(東京都千代田区大手町2丁目6番1号 朝日生命大手町ビル24階)

議題

 (1)プラスチック資源循環戦略小委員会の設置について

 (2)その他

   ・太陽光発電設備のリユース・リサイクル・適正処分及び導入に当たっての環境配慮の推進について

   ・改正バーゼル法に係る関係省令等の公布について

議事録

午前10時00分 開会

○総務課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会循環型社会部会を開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただき、誠にありがとうございます。

 本日、総務課長の土居は出張中でございまして、私がかわりに進めさせていただいております。

 なお、本日は委員総数25名のところ、現時点で13名の方、遅刻予定の方もいらっしゃいますけれども、既に御出席いただいておりますので、部会として成立しておりますことをあらかじめ御報告申し上げます。

 また、7月13日付で事務局の人事異動がございました。新たに着任した指定職及び管理職の紹介をさせていただければと思います。

 局長に山本昌宏が就任しております。災害対応で遅参しておりますので、後ほど御挨拶申し上げます。

 次長の森山でございます。

○環境再生・資源循環局次長 13日付で環境再生・資源循環局の次長を拝命した森山でございます。よろしくお願いいたします。

○総務課長補佐 また、大臣官房審議官再生・資源循環局担当ということで松澤が着任しております。災害対応で今、倉敷入りしておりますので、欠席でございます。大変申し訳ございません。それから、廃棄物適正処理推進課長に名倉が就任しております。

 ちょうどよく山本が到着いたしましたので、この後、御挨拶申し上げたいと思いますが、山本と森山においては、平成30年7月豪雨のため、この後中座させていただくことになります。あらかじめ御了承をお願い申し上げればと思います。

 それでは、局長の山本より御挨拶申し上げます。

○環境再生・資源循環局長 皆様、お暑い中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。ただいま御紹介いただきましたが、7月13日付で環境再生・資源循環局次長として着任しましたが、局長ということを拝命いたしました山本です。改めまして、先生方には大変お世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。

 朝方も官邸の会議に行っておりましたが、本当にこの度の豪雨災害、大変甚大な被害が生じております。被災地の皆様方には心からお見舞いを申し上げたいと思いますが、こちら環境省としても、今、全力を挙げて被災地の特に災害廃棄物の処理に取り組んでおるところです。この災害廃棄物の処理に関しましては、D.Waste-Netを通じまして学識経験者から民間の事業者の方、自治体の方々、本当に多くの皆様方に現地入りをし、あと、いろんな資機材を投入していただいて、今、全力で支援に当たっておるところでございます。特に暑い時期でありますので、本当ににおいの問題も含めて災害廃棄物、瓦れきの処理というのが物すごく被災地の皆様方にとって大きな課題になっておりますので、その点について今、環境省としては全力を挙げて取り組んでおるところというところでございます。

 本日の部会でございますが、まさに循環基本計画を閣議決定いただきまして、その中で大きなテーマとして資材を横断的に見ると。ものを横断的に見るという中で、特にプラスチックというのが非常に大きなテーマとしてございました。このプラスチックについて循環の戦略をつくっていくというところがこの計画の中に盛り込まれましたが、それと並行して海洋プラの問題が国際的にも大きな問題となっておりまして、単に資源循環という観点だけでなくて、海の生物の保護だとか、そういった点についても大きな問題としてクローズアップされております。こちらについてなるべく早急に方針を定めていこうということで、急遽お声がけをさせていただきまして、今回、部会を開催させていただいた次第です。

 先にこのプラスチックの循環戦略については中環審に対して大臣から諮問をさせていただきまして、今後、小委員会を設置して審議を進めていくというところでございます。こちらにつきましては、特に来年、G20を日本で開催するということを控えて、海に取り囲まれている我が国でありますので、ぜひ海洋プラの問題、そのプラスチックの循環の問題についても、世界に先駆けてしっかりとイニシアチブをとっていくということを政府全体としては考えていきたいと思っておりますので、その中の本当に大事なパーツとなる戦略ということになっております。

 それから、もう一つ、今回、太陽光発電のリサイクル・適正処理についての御報告もさせていただきます。こちらもどんどん再生可能エネルギーを急ピッチで普及を進めていく傍ら、それが廃棄物となったときにどうするのかと。リユースできるものはなるべくリユースしないと、膨大な数のパネルがありますので、これも非常に重要な問題ということでありますので、これは今の状況について御報告をさせていただきたいと思っております。

 いずれも災害対応も大事ですが、本日御議論いただく問題はいずれも長期的な視野に立って非常に重要な問題だと考えておりますので、委員の皆様方の忌憚のない御意見を賜りまして、環境省としてはしっかりと取り組んでまいりたいと思います。本当は皆様方の意見、最後までお聞きしたいところでありますが、災害対応ということで御容赦いただければと思います。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

○総務課長補佐 冒頭のカメラ撮りについてはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いします。

 次に、お手元の配付資料を確認させていただきたいと思います。お手元のタブレットをご覧いただきたいと思いますが、資料一覧のとおり資料1から3、それから、参考資料については1-1から3まで用意してございます。タブレット不具合等ございましたらお申しつけいただければというふうに思います。

 それでは、以降の進行につきまして酒井部会長にお願いしたいと思います。酒井部会長、よろしくお願いいたします。

○酒井部会長 どうも承りました。

 ただいま山本局長のほうから御紹介がございましたとおり、本日の議題といたしましては、まず第一にプラスチック資源循環戦略小委員会の設置をお諮りさせていただきます。

 事務局のほうから資料1-3に沿っての説明、どうぞよろしくお願いいたします。

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) それでは、まず資料1について御説明いたします。資料1をお開きいただけますでしょうか。

 資料1は、まずこれまで前提として第4次循環計画の御審議に御協力いただき、ありがとうございました。局長からも御挨拶いたしましたとおり、第4次循環基本計画を踏まえた検討ということで、第4次循環基本計画に含まれているプラスチック資源循環戦略についての検討を始めさせていただくというものでございます。

 資料1はプラスチック資源循環戦略についての諮問でございます。これは既に7月13日付で、先週の金曜日付で行っております。第4次循環計画を踏まえて、かつ海洋プラスチック憲章に掲げられた事項や数値目標も含め、プラスチック資源循環戦略のあり方について平成30年度中に貴審議会の意見を求めるというものでございます。

 諮問理由としては、資源・廃棄物制約、海洋ごみ対策、地球温暖化対策等の幅広い課題に対応しながら、中国等による廃棄物の禁輸措置に対応した国内資源循環体制を構築しつつ、持続可能な社会を実現し、次世代に豊かな環境を引き継いでいくため、再生不可能な資源への依存度を減らし、再生可能資源に置きかえるとともに、経済性及び技術的可能性を考慮しつつ、使用された資源を徹底的に回収し、何度も循環利用することを旨として、プラスチック資源循環戦略を策定することとされているという循環計画を踏まえて、それから、来年のG20に向けて海洋プラスチック問題の解決のために世界のプラスチック対策をリードしていく、こういったことを踏まえてプラスチック資源循環戦略のあり方について平成30年度中に貴審議会の意見を求めるものであるという諮問理由を記載しております。

 それから、同日付で2ページ目ですけれども、これが会長のほうから酒井循環部会長のほうに付議をされているところでございます。

 以上が諮問でございます。

 それから、資料2をお開きいただけますでしょうか。

 この諮問を踏まえまして、この諮問された戦略について議論する場、審議する場ということで、中央環境審議会循環型社会部会への小委員会の設置ということで、プラスチック資源循環戦略小委の設置についてお諮りさせていただければと思います。循環型社会部会にプラスチック資源循環戦略小委員会を置く。小委においては戦略のあり方に関する事項について検討を行う。部会に設置する小委員会に属すべき委員、臨時委員及び専門委員は、部会長が指名するということで書かせていただいております。

 2ページ目に設置の趣旨を書いております。基本的に諮問と同様でございますけれども、設置の趣旨としては、循環基本計画において1つ目の丸で書いているようなこういった問題を踏まえて、戦略を策定し、これに基づく施策を進めていくと書かれていること。それから、同様に循環基本計画においては2つ目の丸ですけれども、具体的には使い捨て容器包装等のリデュース等、環境負荷の低減に資するプラスチック使用の削減、それから、②として未利用プラスチックを初めとする使用済みプラスチック資源の徹底的かつ効果的・効率的な回収・再生利用、バイオプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進等を総合的に推進することとされている、こういった内容。それから、先ほどの繰り返しになりますけれども、来年の日本で開催されるG20に向けて、海洋プラスチック問題の解決のため世界のプラスチック対策をリードしていくことが必要である。こういうことを踏まえて、必要な検討を行うという趣旨でございます。

 検討事項としては、この循環計画記載の実行、それから、海洋プラスチック憲章に掲げられた事項や数値目標も含め、プラスチックの資源循環を総合的に推進するための戦略のあり方について検討を行うものでございます。

 それから、検討スケジュールとしては、平成30年度中に結論を得るべく検討を進めていただければというふうに考えています。

 運営方針としては、学識経験者、産業界、地方公共団体、市民団体関係者等から委員を構成するという方針で部会長と相談しようと考えております。オブザーバーとして関係省庁の参加も得たいというように考えております。

 以上が本日お諮りする小委員会の設置でございます。

 あわせまして、資料3によりまして、昨今の海洋プラスチック問題に関する状況を背景説明としてさせていただければと思います。資料3をお開きいただけますでしょうか。

 もう皆様御承知のことも多いと思いますけれども、資料3のタイトルの次のページ、1ページ目とされていますけれども、海洋プラスチック問題の現状ということで海岸での漂着ごみの事例、漂着ごみの例としてそこに書かれていますようなポリタンクとか洗剤容器とか漁具とかそういうものの例がある。こういったことによる影響として、生態系への影響であるとか船舶航行、観光・漁業への影響、沿岸域の居住環境への影響が懸念をされている。それから、特に近年マイクロプラスチックが生態系に及ぼす影響が懸念されている状況にあります。

 それから、2ページ目で海洋プラスチック問題の現状の世界の分布ということで、基本的に陸域から流れ出したものが多いと思われますけれども、そういった海洋プラスチックによる海洋汚染は地球規模で広がっていると。シミュレーションすると、この赤のところが密度が濃いというふうに想定をされると。

 それから、3ページでございますけれども、海洋プラスチック問題の現状、海洋に流出するプラスチックということで、左側のカラフルな図は、色が濃いほど不適正処理されたプラスチックごみの量が多いと。赤の濃いところが東アジア、東南アジアの色が濃いところでございます。個別の国の流出量の推計、これはJambeckさんらがした推計で、推計としてはなかなか推計が難しいので、そんなに精緻な推計ではないという前提ではありますけれども、この推計量の最大量を記載すると、多いほうから中国、インドネシア、フィリピン、ベトナム、スリランカというように東・東南アジアが多いという推計がされております。ちなみに日本は30位、6万トンという推計がされております。

 それから、世界経済フォーラムの報告書、エレン・マッカーサー財団の報告書かと思いますが、2050年までに海洋中に存在するプラスチックの量が魚の量よりも重くなるという予測も出されているところでございます。

 それから、4ページ目にいきまして、我が国での漂着ごみの調査結果でございますけれども、右側の図でオレンジの部分が我が国の海岸で調査したもののプラスチック類の割合ですけれども、いずれの地点もやっぱりプラスチック類が個数ベースで高い割合、大体7割以上を占めているという状況でございます。それから、左側の図で漂着ペットボトルの製造国別に見ますと、日本海側は外国製、中国、韓国のラベルつきのものが多い一方で、太平洋側は日本製のものが大半を占めているという調査結果でございます。

 それから、5ページにいきまして、海洋プラスチックに関する国際動向ということで、御承知のとおり海洋プラスチックについては、国際的にも近年さまざまな議論がされております。まず、SDGsの中にターゲットの一つとして2025年までに海洋ごみなどあらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減するというふうに掲げられております。それから、昨年12月の国連環境総会においても海洋プラスチックごみ及びマイクロプラスチックに関する決議が採択されております。それから、G7においては、前回御報告いたしましたとおり、シャルルボワ・ブループリントをG7として承認した。それから、海洋プラスチック憲章については、日米は承認しなかったということで、いずれにしろ、G7においても海洋ごみ問題というのは議論をされている。安倍総理からは、日本が議長を務める来年のG20でもこれらの問題に取り組む意向である旨、発言を行ったところでございます。

 そのG20でございますけれども、昨年の7月のハンブルクサミット、G20サミットにおいて発生抑制、持続可能な廃棄物の管理、調査等の取組を盛り込んだイニシアチブ「海洋ごみに対するG20行動計画」というのがこれはアメリカも含んだ形で合意をされて、G20として取り組んでいこうという素地は既にあるものと思われます。それから、日中韓の環境大臣会合でもごみ問題が共通の課題だよねという認識を共有しているところでございます。

 それから、6ページでございますが、国内動向としては海洋漂着物推進法の改正がこの通常国会において6月15日に成立をしております。中身としては、海洋環境の保全の観点の追加であるとか、漂流ごみを対象に追加するといったこと。それから、マイクロプラスチックについて事業者による使用抑制・排出抑制の努力義務を規定したこと。それから、マイクロプラスチック抑制のための施策のあり方について速やかに検討すべき検討規定といったことがございます。

 それから、第4次循環型社会形成推進基本計画のプラ戦略の策定については御承知のとおりです。

 それから、流れついた海岸漂着物については、補正予算も含めて年間30億円程度の予算でもって、自治体による処理を環境省としては補助金による支援を行っております。

 最後、7ページで今後の方向性ですけれども、まず我が国として、国内対策を中心としてどう取り組むかということについては、プラスチック資源循環戦略について海洋プラスチック憲章の内容もカバーしつつ、プラスチック資源循環戦略を来年のG20までに策定を行うとともに、その上ですけれども、G20における国際社会への発信ということで、地球規模で海洋プラスチックを減少させるという観点から国内対策の加速化に加えて、途上国を巻き込んだ対策・施策を国際社会に打ち出していくことが必要であると。国際社会をリードするために、我が国として途上国の発生抑制と地球規模での実効ある対策、それから、地球規模のモニタリング・研究ネットワークの構築といったことを念頭に国際対策とも連動させつつさらなる国際連携・協力等の対応策を来年のG20に向けて、これは政府内、関係各省と連携しながら検討していきたいというふうに考えております。

 また、あわせて国内対策では、海岸漂着物処理推進法の基本方針の改定といったことも改正法を踏まえて行っていくこととしております。

 以上、小委員会の設置をお諮りすることと背景、事情の説明でございます。私からの説明は以上でございます。

○酒井部会長 どうも御説明ありがとうございました。

 それでは、ただいまの御説明につきまして御質問、御意見ございましたら、いつものように名札を立てていただければと思います。いかがでしょうか。

 では、大石委員のほうから名札が上がりましたので、大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

 日本がこれからどう取り組んでいくかというための設置ということで、それ自体には賛成なんですけれども、ちょっとお聞きしたいことが1点ありまして、5ページの説明の中で海洋プラスチック憲章について、カナダとか欧州各国が賛成した中で、日本とアメリカはこれに加盟しなかったということをニュースで聞いたときに何でなのかなというのは率直に消費者の疑問として思ったわけで、どの部分が日本は相入れなくて賛成しなかったのかというところのもし説明があれば教えていただきたいと思います。

 以上です。

○酒井部会長 ありがとうございます。一通り御意見をお聞きしたいと思います。

 大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 この問題に関して、日本は日本近海がホットスポットになっているということもございまして、特に世界の中でも早く対策をとる必要があるところだと思いますけれども、日本だけでは無理なので、周りの国も含めて対策をとっていただくということが非常に重要になってくると思います。

 G7に関しては、ちょっと出遅れた感はありますけれども、むしろそれをばねにして今後対策をとっていっていただければというふうに思っておりますが、1つ少し気になっているのは、最後のところで小笠原さんに御説明いただいたところの途上国の発生抑制と地球規模での実効性のある対策というのがかなり重要になってくると思いますが、これから日本でプラスチックの資源戦略をつくるときに、ここの点はどういうふうに反映されるかというところが気になっているところでございます。これから詳しくは検討されることになるので、今御説明いただける範囲は限られているかもしれませんけれども、何かお考えがあれば教えていただければと思います。

 以上です。

○酒井部会長 どうもありがとうございます。

 崎田委員、お願いいたします。

○崎田委員 ありがとうございます。やはり非常に大事な課題ですので、こうやってしっかりと検討会が始まっていくのは大事なことだというふうに思っております。

 3つだけ申し上げておきたいんですが、既に御意見が出ましたけれども、6月のシャルルボワサミットで、日本は海洋プラスチック憲章には入らなかった、そこの理由を常にいろいろ発信をしていくことで現状がより明確に伝わっていくと思いますので、やはりその辺のところをしっかりと説明しながら、これからみんなで考えていくというベースをはっきりさせるのが大事なのではないかなというふうに思っています。

 2番目なんですけれども、今、海洋プラスチックが大変課題になっているということで、詳細な海岸漂着ごみのデータなどの非常に細かいものも出していただきました。やはりこういう現状をしっかりと把握することが大事だというふうに思っておりますので、こういうデータは大変重要だというふうに思っております。

 なお、こういう海のプラスチックのことを考えると、陸域からが原因になっているというふうに盛んに言われていて、その陸域の場合、川から流れてくるというものもかなり課題視されておりますので、そういう今、川のクリーンエイドなどで調査している団体も多いですので、そういう視点も原因のところに今後、視点はちゃんと置いておいていただければありがたいかなというふうに思っております。

 3つ目なんですけれども、今後総合的なプラスチック戦略を考えるというときに、やはり国としてどうするか、世界でどうするかというもの、そういう流れの中に加えてもう一つ、消費者のライフスタイルの変革につながるような、見直しにつながるような、そういう具体的でわかりやすい施策もしっかりと入れていくと、そういうところも大事にしていただきたいなというふうに思います。よろしくお願いいたします。

○酒井部会長 どうもありがとうございました。

 高岡委員、どうぞ。

○高岡委員 ありがとうございます。私のほうから2つ質問がございます。

 1点目は、今日お示しいただいたデータからも東アジア、東南アジアがかなり排出をしておるということですが、最終的には途上国等を巻き込んだ政策をということであれば、もう少し途上国そのものの現状がわかれば教えていただきたいというところです。

 それからもう一つは、この資源循環戦略をつくっていく上で、まずは来年のG20にということがあるかとは思いますが、どのぐらいのタイムスパンでこの戦略を30年度中につくるのかということです。もしそういうものの見通しがありましたら教えていただければと思います。

 以上です。

○酒井部会長 どうもありがとうございます。

 今のタイムスパンとおっしゃるのは、戦略の持つタイムスパンなのか、戦略を策定する過程としてのタイムスパンのこと、どちらのことでしょうか。

○高岡委員 どちらかというと、例えばバイオプラスチックに変えていくとなれば割と時間がかかるような話になるかと思いますが、そういう話も含めて30年度につくられることをお考えなのか、それともとにかくG20というのがあるでしょうから、どこまでのものをこの今回の小委員会で考えられるのかというのを教えていただきたいということです。

○酒井部会長 そういう意味では、両者ですね。戦略自体のタイムスケールと戦略策定のタイムテーブル。わかりました。

 では、引き続いて山田委員、どうぞ。

○山田委員 ありがとうございます。

 非常に抽象的な言い回しになりますが、これまで容リ法を始めとしてさまざまな取組を行ってきましたが、今の海洋プラスチックを中心とした問題については非常に大事なことだと認識しております。これは地球環境保全のみならず、経済にとっても非常に大事な問題だと思っています。私ども経済界としてできることはご要請いただき、その中で対応できることは御協力していきたいと考えておりますので、ぜひ様々な点において御要請いただければと考えています。

 もう一つは、皆様のご発言にあるように、中国を中心としたアジア諸国で行われている、プラスチックごみの海洋投棄なども含め、全体像を見渡した、実効性のある施策とする必要があると考えています。是非よろしくお願いしたいと思います。

○酒井部会長 どうもありがとうございます。

 それでは、名札を立てていただいた方、一通りお聞きをいたしました。

 それでは、小笠原室長、どうぞ。

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) 御意見ありがとうございます。

 まず、プラスチック憲章についてどの部分が相入れなかったということでございますけれども、前回も御説明させていただいたところでございますけれども、プラスチック憲章の中の特に数値目標に係る部分を受け入れるに当たって、国民生活、産業への幅広い影響が想定されるため、今回はそれを検証・調査する十分な時間がなかったというのが政府としての考え方でございます。

 したがって、これは裏を返しますと、プラスチック資源循環戦略を策定していく過程にあっては、プラスチック憲章にあるような目標が我が国として国民生活、産業への影響等を踏まえて検証して、それが我が国として実行可能なものかどうかという検証を資源循環戦略の検討の中でしていくことが必要であるということであるというふうに理解をしております。

 それから、大塚委員のほうからは途上国の対策が重要ということでございまして、この辺りはG20の中で途上国も含めて議論をしていくことで、途上国を巻き込んだ対策というのをしていきたいと。

○大塚委員 資源循環戦略の中でどのように取り上げるか。

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) そうですね、ごめんなさい。もともと資源循環戦略の中では、あまりここまでの状況は正直想定していなかったというのが率直なところではあるんですけれども、この現在の状況を踏まえまして、途上国にどういうふうに対策をとってもらうのかということも非常に重要でございますので、我が国としての途上国の対策の支援みたいなところについても議論の中で行っていくことが必要でないかというふうに考えております。

 それから、崎田委員の意見もそのとおりかと思います。特に消費者のライフスタイルの変革につながるようなものをどのように盛り込み、実施していけるかというのは重要なことであるというふうに思います。

 それから、高岡委員のほうから途上国の現状については、ちょっと今日準備できているのはこの程度でございますけれども、また、その小委員会の議論の中では、そういったことも含めて議論をしていきたいというふうに思います。

 それから、策定のタイムスパンとしてはG20に間に合うように今年度中に計画をつくるというものですけれども、計画自体の射程というのは、これすぐにいろんなものが入ってくるんだろうと思います。例えばおっしゃったバイオマスプラスチックの話でいくと、地球温暖化計画は2030年に197万トンという目標がありますので、バイオマスプラスチックにはそこが目標になるかと思いますが、プラスチックの3R、海ごみ対策をどう進めていくかというのは、直近すぐにできること、また、3年、5年先、もっと先を見通した施策の方向性といったいろんなものが混在した形での検討になるのかなというふうに思っております。

 それから、山田委員のほうから経済界としてできることは協力していただけるということで、非常にありがとうございます。結局プラスチックの資源循環、海ごみ対策を実効的にしていく上では、産業界の皆様の御協力というのは不可欠だと思いますので、ぜひとも御協力のほどお願いいたします。

 ひとまずは座長にお返しします。

○酒井部会長 では、ほぼ網羅的にお答えをいただきました。

 それでは、今の御説明に加えて、また名札が次に上がっておりますので、2巡目ということで新熊先生、どうぞ。

○新熊委員 ありがとうございます。

 具体的なこのプラスチック資源戦略小委員会の検討する事項が挙げられているんですけれども、私からお聞きしたいのは、例えば容器包装リサイクル法の見直し等、そこまで含めてやることがあるんでしょうかという質問をさせていただきたいと思います。

○酒井部会長 ありがとうございます。

 見山委員、どうぞ。

○見山委員 ありがとうございます。

 要するに産業界の協力と、あと、途上国という視点からなんですけれども、途上国ビジネスに私も関わる中で、途上国はかなり経済合理性で動くというところがあって、新しい技術とか産業だとか、そういったところとつなげていかないと、なかなかルールづくりだけというところだと途上国を巻き込むということは非常に難しいと思うんですね。ですから、ぜひこの戦略については受け身にならず、もっと前向きな形で新しいものを取り入れるということも含めて、新産業とか新技術、イノベーションみたいなところも含めて産業界との連携、特にそういう意味ではSDGsというのはとてもいい指標だと思いますので、こういったものを使ってぜひ産業界の本業領域でこの部分に協力していただけるような仕組みを考えていただければと思います。そうすると、必然的に途上国を巻き込むことができるんじゃないか、というふうに思います。

○酒井部会長 ありがとうございます。

 それでは、追加のお二方の御意見、よろしくお願いします。

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) ありがとうございます。

 プラスチック資源循環戦略は、個別の容リ法の細かい部分をどうするかということよりは、プラスチックという資源全体を見渡して今後どういう方向に向かっていくべきかという施策の方向性をある程度、大所高所から議論していくものだというふうに考えております。ですので、容リ法の細かい部分をどうこうするかといった、そういうちょっとあまりディテールの議論というよりは、もっと大所高所の議論を行う場だというふうに考えております。

 それから、見山先生の新しいものを取り入れるイノベーションという視点は重要かと思いますので、そういうことも踏まえて議論していきたいというふうに考えております。

○酒井部会長 では、今の御回答でございますが、よろしいでしょうか。

 それでは、この今日の1つ目の議題でございますが、このプラスチック資源循環戦略小委員会につきましては、設置ということでよろしいでしょうか。

 どうもありがとうございます。

 それでは、そのような方向で設置の上、議論を進めていただければと思います。

 1つだけちょっと希望を申し上げさせていただきます。今年度中の検討ということでございますので、平成31年の3月末が目標になるかとは理解をしておりますが、さまざまな情勢等を考えてまいりますと、恐らくは今年中ぐらいの成案が求められてくるのではないかというように拝察をしております。そういった意味で、若干前倒しでのスピーディーな議論が進むように事務局におかれましても、よろしくお願いしたいということを一言つけ加えさせていただきたいと思います。

 それでは、議題1につきましては、ここで終了させていただきたいと思います。

 では、次にその他といたしまして、事務局から報告事項についての説明をお願いしたいと思います。まず、1点目が先ほども御説明がございました太陽光発電設備のリユース・リサイクル・適正処分、その導入に当たっての環境配慮の推進についてです。どうぞよろしくお願いします。

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) それでは、参考資料1-1をお開きいただけますでしょうか。太陽光発電設備のリユース・リサイクル・適正処分及び導入に当たっての環境配慮の推進についてというペーパーでございます。参考資料1-1が概要資料になっていますので、参考資料1-1のほうで御説明をいたします。

 これは、検討の趣旨はリサイクル、適正処分についての制度の細部を検討した紙というよりは、今後どういう方向に向かっていくべきかというどっちかというと方向性のようなペーパーでございます。これ検討の趣旨としては、武部新環境大臣政務官のほうからこういったことについて環境省で検討すべきじゃないかということで、武部政務官のもとに省内の関係課室が集まりまして、プロジェクトチームとして2カ月ほど議論をいたしまして、関係者、発電事業を行っている方とか、リサイクル・処分をされている方、メーカーさんとか関係者のヒアリングも行いながらまとめて、7月3日に公表したものでございます。

 まず、検討の趣旨でございますけれども、低炭素社会の実現に向けて、太陽光発電を初めとした再生可能エネルギーの活用は重要であると。だけれども、一方で適正なリユース、廃棄・リサイクル、地域環境の保全の観点から課題が指摘されていると。このためこうした課題に対応し、太陽光発電の適正な推進を図るために武部新環境大臣政務官をチーム長とする検討チームを設置し、課題への対応のあり方について検討を行ったというものでございます。

 現状と見通しとしまして、現状、累計42GW、約120万トンが導入をされているわけでございますけれども、今推計で年間大体4,400トン程度の太陽光発電モジュールが排出をされていると。そのうち3,400トンがリユースされて、約1,000トンがリサイクル・最終処分されているというふうに環境省として推計をしております。また、大規模な森林伐採等により環境への影響が懸念される事案も発生しているというふうに認識をしております。

 今後の見通しとしては、2030年のエネルギーミックスでは64GWの導入を想定していると。2030年代後半には、これは耐用年数25年で機械的に排出されるというふうに想定した場合ですけれども、年間50から80万トンの太陽光発電モジュールが排出されると。その後も年間30から40万トンが定常的に排出されると。25年と仮定するとこうなんですけれども、実際には施工不具合であるとか、今回の災害でも一定程度出てくることが想定をされていますけれども、災害、故障、それから、太陽光発電の性能が上がっていることで、リプレースなんかによって一定程度製品寿命より前倒しで排出されることが想定されるところでございます。それから、環境への影響が懸念される事案も増加するおそれがあると。

 これを踏まえて2ポツで課題でございますけれども、まず、リユースの断面ですけれども、不適正リユースを防ぐための判断基準が未整備であるといったこと。それから、リユースが可能かどうかの診断とか物流に係るコストがそれなりに高いといったこと。それから、次以降はリサイクル、処理の断面での課題ですけれども、有害物質に関する情報提供ということで、太陽光発電モジュールに含まれる鉛等の有害物質の懸念、何がどれぐらい入っているかよくわからないといったことから、一部の最終処分業者が受け入れに慎重な姿勢をとっているというようなこと。それから、製品寿命が長くて排出時に製造事業者が不存在になって、その有害物質の情報が処理業者に適切に伝達されずに、適正かつ円滑な処理に支障を来す可能性というのがこれは太陽光発電特有の事情として懸念をされているところ。

 それから、次は処理能力の確保ということで、特に2030年代に入って急激な排出量の増加が見込まれることから、将来的に処理能力が不足するおそれがあるということ。それから、コストで言うと、リサイクル・最終処分で比べると、最終処分のほうが安いわけですけれども、そうすると、単純に市場に委ねるとリサイクルが選択されにくいとすると、太陽電池モジュールのうちアルミ枠を除く部分が全部埋め立て処分されるとした場合、ピーク時で年間230から370億円相当の有用資源、銀なんかがそのまま最終処分のほうに行ってしまうという資源の有効利用の観点からの課題。

 それから、同様にみんなこの最終処分場に行ってしまうとするとなんですけれども、ピーク時には2025年の産業廃棄物の最終処分量目標値の4から7%の─全部ガラスとかが埋め立てられるとすると─埋め立て量になって、最終処分場の残余容量への影響の懸念があるといったこと。

 それから、撤去・廃棄費用の積み立てですけれども、将来の撤去・廃棄費用を非住宅の太陽光発電事業者については、FIT価格の一部に将来の撤去・廃棄費用が含まれているわけなんですけれども、払われているんだけれども、将来の撤去・廃棄費用を確保している、つまり積み立てている発電事業者は3割以下にとどまっているといった課題。それから、この撤去・廃棄費用の積み立てについては、基本的に資源エネルギー庁さんのほうで、現行FIT法の中で積み立てしているかどうかの報告を求めて、不足であれば勧告命令をするという運用上のスキーム、それから、さらに、第三者積み立てみたいな制度改正、法律改正を行う必要がある、運用上にはもう既に今年度取り組むと。さらに、制度改正をされるかどうかについては、今年度中に検討して結論を出すというふうにエネ庁さんのほうで今、検討されているところでございます。

 それから、最後の四角の導入に当たっての環境配慮の推進ということで、設置に当たって森林の伐採等に伴う土砂流出や濁水、生態系への影響、それから、景観への影響といったことが懸念をされている事案もあるといった課題があります。

 こういったことを踏まえて、3ポツでこのプロジェクトチームとしての提言でございますけれども、まず、適正なリユースの推進のためにリユース品に関する判断基準の整備が必要であるとともに、物流・診断の低コスト化に向けた取組が必要だということ。

 それから、2点目として、今度はリサイクル・適正処分の断面ですけれども、将来にわたって太陽電池モジュールのリサイクル・適正処分を推進していくためには、3つの条件をここで書いております。

 1つは処理の滞留のおそれがある、既に現状、処理の滞留のおそれが生じている現状を踏まえつつも、排出量が大幅に増加する将来も見通して、安定的に処理ができる体制を整える。量への対応といった観点が1つ。

 それから、2つ目が製造業者等からの有害物質含有情報の提供による適正かつ円滑な処理の確保という有害物質の情報伝達という観点。

 それから、3つ目として資源の有効利用や最終処分場の逼迫回避を図っていくためには、③として市場におけるリサイクル・最終処分のコスト、最終処分のほうが安いということなんですけれども、にもかかわらずコストが今後も変動し得るものですから、そのコスト及び変動にかかわらず安定的に太陽光発電モジュールのリサイクルがなされる状況というこの経済性の観点。

 この量、有害物質、経済性という3つの観点をクリアして、円滑かつ効率的にリサイクル・適正処分がなされるような制度をできるだけ早期に導入すべきであると。このような制度の早期導入が国内リサイクル産業の振興や先進的なリユース・リサイクル技術の国際展開につながることが期待されるというふうにしております。

 それから、3つ目として今度はアセスなんですけれども、大規模太陽光発電事業についてアセス法の対象事業とすることも含めて、導入に当たっての環境配慮を推進するための適切な制度の検討を早急に行うべきであり、今夏にも検討会を立ち上げて検討を開始するというふうにしております。このようにリユース、それから、リサイクル・適正処分、アセスメントの3つについて提言をまとめているところでございます。これは確定的な報告書ではございませんので、これを踏まえてそれぞれさらに検討を深めていくと、そういった種類、性格の報告書でございます。

 私のほうからは以上です。

○酒井部会長 どうもありがとうございます。

 では、もう一件報告がございます。改正バーゼル法の関係省令、よろしくお願いいたします。

○廃棄物規制課長 バーゼル法の政省令の改正事項について御説明申し上げます。バーゼル法は昨年の通常国会で改正法が成立しております。その関係の政省令を現在、制定作業中でございまして、その内容について御説明いたします。

 目次をご覧ください。

 まず初めに、既にこの部会で御説明させていただいておりますが、改めましてバーゼル法の改正の全体の背景を御説明いたします。次に、具体的な省令等の中身について御説明した上で、最後に、今後のスケジュールについて御説明します。

 まず、バーゼル法の改正の全体の背景です。3ページをご覧ください。

 そもそもバーゼル法はどういった法律かということですが、バーゼル条約という条約がございます。この条約に基づきまして、有害廃棄物を国境を越えて移動させる場合は、輸出国政府から輸入国政府に対してこういったものを送るという事前通告をいたします。それに対して輸入国政府が同意、回答をした上で輸出国政府のほうで輸出承認、輸入国政府のほうで輸入承認をした上で輸出入が行われるという制度になっております。このようなバーゼル条約に基づきまして、このルールを国内法として担保するためにバーゼル法が平成4年に制定されております。

 続きまして、4ページをご覧ください。法改正の背景でございます。

 ただいま申し上げましたバーゼル法でございますが、平成4年に法律が制定されました。それ以降、25年間、基本的に改正は行われておりません。ただ、その間に非常にバーゼル法をめぐる状況が大きく変わりまして、例えば近年、リサイクル目的での廃電子基板あるいは使用済み鉛蓄電池の取引が世界的に増大しているという状況でございます。また、量的に見ましても、平成6年当時と比べて輸出入件数が大幅に増加しているという状況です。

 具体的な状況を申し上げますと、まず輸出の面に関しましては、雑品スクラップの不適正輸出、2点目といたしまして輸出先国からの不法取引との通報の増加、3点目が使用済み鉛蓄電池等の輸出先での環境上不適正な取り扱い事案が発生、こういった状況がございます。

 また、輸入に関しましては、廃電子基板等の有用な金属を含む二次資源につきまして、欧州連合等の国際的な獲得競争が激化しているという状況の中、事業者から輸入規制による競争上の不利な事業環境を解消すべきといった要望がございました。こういったことを踏まえまして、法改正を昨年の通常国会で行ったところでございます。

 続きまして、改正法の内容とその具体的な手続あるいは内容を定めた政省令について御説明申し上げます。

 6ページをご覧ください。

 平成29年のバーゼル法の改正におきまして、まず改正事項の1点目でございますが、規制対象物の範囲の明確化ということを行いました。その背景でございますけれども、これまでバーゼル法の手続を経ずに有害物を含む使用済み電気電子機器等が不適切に輸出されていたことがございました。

 この原因といたしまして、バーゼル法の規制対象が告示で定められていたのですが、この告示は法的な位置づけが曖昧なもので、我々はサービス告示と言っていましたが、法律や政令・省令に基づいて定めた告示ではなくて、あくまでもサービスで定めているという曖昧な位置づけのものだったので、取り締まりの実効性が低いという指摘がございました。こういった指摘がございましたので、今回の改正においてきちんと法律上の位置づけを明確化した上で、規制対象物を定めるといった改正を行いました。

 その具体的な内容をお示ししたのが7ページでございます。

 これまで規制対象が曖昧であったということを踏まえまして、規制対象物の中でもこれまで判断が困難であったものを省令に明記するという方針がございます。例えば混合物の一部として含むもの、こういったものも混合物総体として特定有害廃棄物等に該当するということを規定いたしました。

 また、規制対象物として省令に明記するものといたしまして、雑品スクラップに混入されることが多い使用済み家電製品、具体的には家電リサイクル法の対象4品目、小型家電リサイクル法の対象28品目を定めることといたしました。また、このほかにも、これらと同種の業務用の機器や、給湯器、配電盤、無停電電源装置、冷却用コンプレッサー等も規制対象物として省令に明記することといたしております。具体的な対象物は8ページにございます。

 続きまして、右下のページ数で言いますと、9ページにバーゼル法改正事項の2点目がございます。

 2点目は、輸出先国で有害廃棄物とされているものを規制対象に追加するということでございます。これまでバーゼル条約上の規制対象物については、締約国間で解釈に多少の差異が存在しております。例えば我が国ではバーゼル法の対象ではないというものでも、よその国では輸出したらこれはバーゼル条約の対象だということで我が国に返送される、シップバックされるといったことが増えておりました。具体的には香港向けの中古電気電子機器等が該当いたします。こういった状況を踏まえまして、輸出先国において条約上の有害廃棄物とされているものも特定有害廃棄物等として追加いたしました。

 10ページにバーゼル法の省令において輸出に係るシップバックの防止の措置について記載しております。

 先ほど申し上げましたようなシップバックが生じないようにするために、この右下の10ページとある資料の2番目のポツでございますけれども、輸出先国において条約上の有害廃棄物とされているものを環境省令で定めることとする。この場合、全ての輸出先国においてどんなものが対象になっていることを確認することは困難でございますので、以下の3つの条件に合致するものについて環境省令で定めることといたしました。

 1点目が我が国へのシップバックの通報が繰り返し発生するなど国際的な問題に発展する可能性があるもの、2点目が我が国よりも輸出先国の規定がより厳しい規定となっていること、3点目が輸出先国の規定が明確であること、この3点を踏まえまして、具体的な規制対象物として、香港において有害廃棄物とされるモニターについて日本の国内法においてもバーゼル法の対象とすることといたしました。これはあくまでも香港に輸出する場合に限ったものでございます。

 続きまして、11ページ以降が環境大臣の確認の明確化でございます。

 右下に12ページとある資料をご覧ください。

 バーゼル法の改正事項の3点目でございます。輸出承認手続等の環境大臣による確認事項を明確化するという改正です。これまで環境大臣が輸出承認する前に途上国の輸出先の環境汚染防止措置を確認しておりましたが、その確認事項が法律上明確化されておりませんでした。そのような中、最近、韓国向けの使用済み鉛蓄電池の輸出が増加しているという中で、平成28年6月に韓国における使用済み鉛蓄電池の不適正処理事案が発生いたしました。このような事案を踏まえまして、輸出先で環境上適正な措置がなされないおそれがある場合は、より的確な審査を行う必要性が高まっているという状況でございました。このような状況を踏まえまして、法改正事項といたしまして、輸出先での環境汚染防止措置について環境大臣による確認事項を法的に明確化するという改正を行いました。

 その明確化を具体化するための審査基準の方向性が右下に13と書いてある資料に記載してございます。

 審査基準の明確化に際しては、運搬者及び処分者が相手国内の法令を適正に遵守していることをまず前提といたします。その観点から経理的な基礎を有しているということを確認する、あるいは現行の告示において、我が国において環境の保全上の観点から求められる水準を下回らない方法で運搬、処分されることが確実と、こういった方針を定めました。

 具体的な審査基準の内容が14ページにございます。

 この14ページの右側の詳細な判断基準というのが省令で記載した判断基準の内容でございます。例えば運搬者及び処分者が輸出先国の環境法令を適切に遵守しているということを確認するために、運搬者及び処分者が特定有害廃棄物等の運搬または処分を行うに際して輸出先国の必要な許可等を受けていること、あるいは運搬者及び処分者が輸出先国の法令に違反していないと、こういったような判断基準を示しております。

 続きまして、輸入における手続の簡素化でございます。右下16ページとある資料をご覧ください。

 バーゼル法の改正事項の4点目でございます。これは輸入関係でございます。先ほど申し上げましたように、EUでは全ての国から比較的有害性の低い廃電子基板等の輸入手続について通告・同意等が不要となっております。他方で、我が国が途上国から廃電子基板等を輸入する場合はバーゼル法の手続が必要という状況でございます。こういった点が資源獲得競争において競争上不利になっているという指摘がございました。また、我が国の先進的な環境技術を生かして、世界の環境負荷低減にさらなる貢献をするといったことも指摘されておりました。

 こういったことを踏まえまして、法改正事項といたしまして、比較的有害性の低い廃電子基板等の再生利用等の目的での輸入については、途上国からの輸入についてもバーゼル法の規制対象から除き、通告・同意や輸入承認等を不要とするという改正を行いました。具体的には廃電子基板等の輸入について、規制対象から除くことといたしております。

 続きまして、再生利用事業者等の認定制度でございます。右下18とある資料をご覧ください。

 バーゼル法の改正事項の5点目でございます。これも輸入関係でございます。先ほどEUの状況について申し上げましたが、EUにおいては比較的有害性の高いものについても規制を緩和しておりました。具体的には、最大で3年間の包括的な輸入同意を与えて手続を簡素化するというものでございます。他方で、我が国では同様の特例がございませんので、さまざまな複雑な手続があり、これが負担になっていたということでございます。こういったことを踏まえまして、バーゼル法を改正いたしまして、輸入事業者及び再生利用等事業者の認定制度を創設いたしました。この認定が得られれば輸入承認を不要とするものでございます。

 制度の内容でございますが、まず、当然のことながら人の健康の保護及び生活環境の保全上支障なく実施されるということが必要でございます。また、処理をちゃんと行っているかどうかということを確認するために、毎年の定期報告を義務づけることといたします。また、認定の有効期間は5年間といたしております。

 具体的な認定基準は20ページに書いてございます。これについてはちょっと細かい話ですので、説明は割愛させていただきます。21ページも同様です。

 最後に今後のスケジュールについて御説明いたします。

 23ページでございますが、昨年の6月にバーゼル法の改正がございました。そして、今年の1月にバーゼル法の政令を既に公布いたしております。このほかに既に6月にバーゼル法の関係の省令も公布しております。今後、7月から8月にかけまして残りの省令・告示あるいは通知などを発出するということを予定しております。こういった省令・告示等の公布、発出を踏まえまして、8月から9月にかけて全国各地で説明会を開催いたしまして、10月1日のバーゼル法の施行を迎えるというスケジュールで考えております。

 以上でございます。

○酒井部会長 どうもありがとうございました。

 2件の報告をいただきましたので、これらの報告に関する御質問ございましたらお受けしたいと思います。いかがでしょうか。

 では、大石委員、どうぞ。

○大石委員 ありがとうございました。

 まず、太陽光発電設備のリユース・リサイクルのところですけれども、この課題のところの第1番目に不適正リユースを防ぐための判断基準が未整備というのがあるんですけれども、すみません、具体的に不適正リユースというのがどういうもので何を指しているのかということで、今回のこの環境配慮の推進によって、それがちゃんと適正化されるための方策が入っているのかというところの御説明をいただけるとありがたいです。

 それから、続いてバーゼル法も質問してよろしいですか。

○酒井部会長 はい。

○大石委員 それから、バーゼル法の政省令の改正事項ですけれども、これ方向性としてはとても大事だと思うんですが、今回環境省の中という話ですが、やっぱりお話を聞いていますと、輸入業者ですとか輸送業者ですとかということになってくると、環境省だけではなくて経産省ですとか、あと国交省ですね。ここの協力というのがないと、なかなかこのバーゼル法の改正というのが周知徹底されないのではないのかなというのがとても気になりました。そういう意味で、他省庁との連携ということでどのようにお考えかお聞かせいただけるとありがたいです。

 以上です。

○酒井部会長 ありがとうございます。

 大迫委員、どうぞ。

○大迫委員 ありがとうございます。バーゼル法の改正に関して、今日御説明いただいて理解して、今後の方向性として大分大きくいい方向に行きつつあるなと思いました。

 それで、今度、環境汚染防止措置に関して輸出先のところでの確認基準みたいな形で打ち出されているところの実際の運用に関してどのようにされるのかといいますか、相手国に立ち入りとか行ってやるのか、あるいは相手国との連携、協力みたいなものも行っていくみたいなことで、これからそういう具体的なシステムづくりをするのかもしれませんが、その辺りを教えていただきたいのと、あと、再生利用認定の枠組みも新たに創設というところで、これに関しても日本だけが輸入するということだけじゃなくて、相手国にもそういった枠組みがあると。先ほどの環境汚染防止の確認基準の話とも関係しますけれども、相互にそういう枠組みを置かすことによって、より円滑に環境保全措置を施した上でのリサイクルが例えば主にアジアであればアジア圏の中でシステム化されていくというふうなものですが、そういう日本として枠組みづくり、体制づくり、システムづくりみたいなものを先導していくような取組みたいなことも重要だと思うんですが、そういったところへの見通しを教えていただければというふうに思います。

 以上です。

○酒井部会長 それでは、引き続いて大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 ありがとうございます。太陽光モジュールに関しても、あと、このバーゼルについても着実に進展していっていただいていると思いますが、バーゼル国内法に関して省令について少しお伺いしたいと思います。

 先ほど御説明いただきましたように、7ページのところですけれども、今回規制対象物として有害使用済み機器の範囲と同一というふうにお書きいただいているので、これで廃掃法のこの間の改正の有害使用済み機器の問題と、それから、こちらのバーゼル国内法のほうの規制と一体化して対応していただけるということだと思いますので、非常にいい方向に進んでいるというふうに考えています。

 ただ、多分残っている問題だと思うのは、例えば使用済み鉛バッテリーのように有価なものに関しては、国内では廃棄物とされないので、海外輸出のときに承認の網をくぐり抜けてしまうんじゃないかという問題があると思います。具体的には使用済み鉛バッテリーは機器ではないという扱いを受ける可能性があると思いますけれども、その点に関しては残された課題というふうに考えてよろしいのでしょうかということを1つお伺いしておきたいと思います。

 以上でございます。

○酒井部会長 ありがとうございます。

 崎田委員、どうぞ。

○崎田委員 ありがとうございます。

 まず、太陽光パネルのほうなんですけれども、こういう全体の環境負荷に関するまとめがしっかりできたというのは大変いいことで、これを具体的な検討にしっかりつなげていただければありがたいというふうに思いました。

 それで、私が大変驚いたというか気になったのは、リサイクルとか処理の費用をFITの価格から積み立てている事業者さんが3割程度しかいないというその現実に非常に驚きました。やはり19年度にはFITが終わるような事業者も出てくるはずですので、徐々にこういう課題は顕在化すると思っております。今回の第4次の循環基本計画で、やはり資源や製品のライフサイクル全体できちんとそういう視点で対応するということがかなり強調されたと理解をしておりますので、こういう買取価格の中からきちんと積み立てるという制度的には当然のことをまずしっかりやってもらった上で、あとは技術的な制度を整えるとか、やはり全体像をしっかりつくっていっていただければありがたいなというふうに思いました。

 バーゼル法のほうなんですけれども、最後にお話しされたいろいろ制度の変更とか厳しくするとか、そういうところだけではなくて、新しく輸入に関しては事業者さんの認定制度という新しい制度をつくるということもあるという内容ですので、こういう新しいことに対しては、きちんとうまくいっているか、いっている場合にはよりよく発信していただきたいし、そうじゃないときにはちゃんとチェックする、やはりその辺のところが大事かなというふうに思って伺っておりました。どうぞよろしくお願いします。

○酒井部会長 どうもありがとうございます。

 新熊委員、どうぞ。

○新熊委員 私のほうからは改正バーゼル法についてちょっとお伺いしたいと思います。先ほど大塚委員からもありましたように同じところでして、7ページのこのところです。規制対象物として雑品スクラップに混入されることが多い使用済み家電製品を新たに省令に明記するということなんですけれども、それをしますと、単純に考えますと、使用済み家電製品の不法投棄みたいなことが単純にちょっと懸念されるところであります。そういう不法投棄が増えるという対策を環境省として何か考えておられるのかということですね。

 より抜本的には、これは私の思ったところなんですけれども、現在、処理費用が前払い制になっておりますけれども、そうした家電リサイクル法をちょっと見直すとか、後払い制になっているのを前払い制に見直すとか、そういったことを検討されているのか、そこをお伺いしたいです。

○酒井部会長 それでは、続いて森口委員、どうぞ。

○森口委員 ちょっと順序が前後いたしますけれども、バーゼル法のほうについて先に意見を申し上げたいと思います。

 7ページ目については、既にほかの委員からも御指摘があったところですが、これはちょっと形式的なことなんですけれども、8ページ目の規制対象物36品目は、横並びで書かれているので問題ないと思うんですが、7ページ目は、これはあくまでここの説明文なので、これが何か残るということではないかと思いますが、3番目の項目と4番目の書き方が私は不正確ではないかなと思います。

 3番目の1つ目の文章は、規制対象物として省令に明記するものは云々で、何々とすると書いてしまっているので、これはこれ以上でもこれ以下でもないように見えてしまうので、この文章だけ見ると、28品目が対象であるという文章に見えてしまうわけですね。次の段落でそれに加えるものが書かれているので、もちろんわかるんですけれども、大塚委員おっしゃるとおり、この28品目は廃棄物処理法との一体的な措置を図るということで、これは特出しされていることはわかるんですけれども、書きぶりとして本来はこの28品目及び新たな次のものの8品目の合計36品目とすると明確に書くべきであって、このうちリサイクル法の対象物については、廃掃法との一体的な措置を図るというのが論理ではないかと思いますので、ちょっと御検討いただければと思います。

 それから、太陽光発電の件、これは非常に重要だと思います。2つの観点から意見を申し上げたいと思います。

 1つ目は直接この部会に関係の深いところで、エンド・オブ・ライフをどうするかということであります。責任主体が誰なのかということが非常に重要ではないかなと思います。ここの中で非常に寿命が長いので、廃棄段階で有害物質に係る情報などが十分に伝わらない可能性があると書かれて、このことは非常に重要だと思うんですけれども、そもそも使用済み状態になったときに誰に撤去の責任があるかというと、これは非常に難しい問題があるかなと思います。これは寿命の長い建築物、建造物なんかについても同じ問題があると思いますけれども、そこが新たな土地利用に供される場合には、それは積極的に撤去しようという力が働くわけですが、もともと現在、太陽光発電設備が設置可能な特に大規模なものについては、やはりそこはそういう利用が可能である土地だということですので、それを撤去して新たに土地利用が起きるかどうかということはわからないわけですね。

 そうしますと、そのまま本来の機能を発揮しなくなった後も残存してしまう可能性があり、かつこれはほかの建造物でもそうですけれども、大規模自然災害時のいろいろ悪影響を及ぼす可能性もあるという問題があるかと思います。ですから、これはちょっと廃棄物処理あるいはリサイクルという観点を超えてしまうかもしれませんけれども、その辺りも含めてエンド・オブ・ライフでの問題、崎田委員からも御指摘にあったライフサイクル全体についてどう見ていくのかということをやはりしっかりと御議論をいただきたいなと思います。

 それは環境アセスの対象とすることも含めてという議論をしていただければ、当然そこの中で議論が出てくるかなと思いますけれども、さまざまなところで大規模な設置が進んでいるかと思います。ちょっとやや具体的なことを申し上げますと、原発被災地でもこのような計画があり、そこに関して大規模な土地の形状の変更などを伴うような場合にアセスなどの制度がないんだけれども、それは大丈夫なんだろうかということをむしろ原子力関係の専門家の方々から御指摘を受けることもございますので、そういったことも含めて御検討いただければと思います。

 最後にちょっとこれ1点教えていただきたいんですが、これちょっと因果関係はともかくとして、自然災害とこの太陽光発電設備との関係といいますか、そのときにそもそも災害に関して設置場所の問題で悪影響を及ぼしていないのかどうかということが議論されることがありますけれども、こういうことに関しては、これは環境省の範囲を超えるのかもしれませんけれども、こういう問題についてどこが今所管しているということになっているのかという点が質問の1点目。

 2点目は、現実に地震あるいは風水害等で災害廃棄物として生じているケースがあるかと思いますけれども、この場合の処理責任、処理コストなどは、今はどちらが負担される仕組みになっているのか、その2点を質問としてお答えをもし可能であればお願いできればと思います。

○酒井部会長 非常に多くの御質問をいただきましたので、では、太陽光パネルのほうからいきましょうか。

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) 御質問ありがとうございます。

 まず、大石委員のほうから不適正リユースとは何かというところですけれども、抽象的にはリユースに名を借りた不適正処分であるとか不適正輸出とかいうことでございますけれども、ここの点については我々、太陽光について今そういう事例がたくさんあるとか、そういうことを把握しているわけではございませんが、ここはある程度抽象的にそういうことも懸念をされるので、そのための基準が必要でないかというちょっと抽象的な指摘であるという状況でございます。

 それから、崎田委員のほうから積み立ての件についてございました。エネ庁さんのほうでFIT法の運用なり、さらに制度改正のことも含めて検討されているわけですけれども、エネ庁さんともいろいろお話はしながらいろんな検討を今はしているわけですけれども、エネ庁さんとも連携を図りながら、どうお金をためるのかというのと、どうリサイクル、処分をするかというところは連動してきますので、連携を図りながら検討していきたいというふうに考えております。

 それから、ちょっと新熊委員のほうからバーゼルのほうにも関わる質問で、ちょっとこれで家電製品の不法投棄が増えるかどうかというところは、そこはやっていく中でのあれかと思うんですけれども、現実的には今既に起きていることといたしまして、中国の金融措置の影響があると思うんですけれども、昨年度の家電リサイクル法の回収量がエアコンでいくと9%ぐらい増えて、全体として増えております。ちょっとすみません、全体の水準は今手元に持っておらないですけれども、家電リサイクルの回収台数が増えております。その原因としては恐らく中国に出なくなったので、家電法のほうに出すかという感じで家電法のほうに出てきておりまして、正規のリサイクルルートは家電リサイクル法なり小型家電リサイクル法というのが受け皿というか、もともとの排出先なんですけれども、そっちへの排出が増えているという状況が既に生じていると認識をしています。

 家電リサイクル法の料金の支払い方式につきましては、前回見直し時の評価報告書においては、現段階で前払いに変えるだけの積極的な論拠はないという報告書になっておりますけれども、そこは引き続き今後の見直しに当たっての検討課題であるというふうに認識をしております。

 それから、森口委員から非常に難しい質問をいただきましたけれども、まず誰に、このレポート自体は基本的にリサイクル処理の場面を念頭に置いたレポートでございまして、そういう意味では、排出されてからのリサイクル・最終処分、適正処分をどうするかというものなんですけれども、さらに森口委員の御指摘は撤去段階まで含めてどうするかという御指摘かと思います。そこについては、ちょっとエネ庁さんのほうとも含めてどういうふうに制度を接合、FIT法のほうと接合していくかというところの検討が必要な課題であるというふうに認識をしております。

 それから、2点目は太陽光発電所設置するに当たって、災害が起きないようにどこが留意をするのかという御趣旨と思いますが、ちょっとすみません、我々のほうで例えば栃木でしたか、北関東の大雨のときには堤防の近くに太陽光発電所があったことによって堤防の決壊の原因になったのではないかと、多分そういうことが念頭かと思いますけれども、そうすると、堤防の強度とかということだと国交省さんのほうになるかと思いますけれども、すみません、ちょっと正確に今私のほうでは状況を把握しておりません。

 それから、風水害のときの太陽光発電パネルの処理のコストにつきましては、災害廃棄物処理の断面ですので、すみません、ちょっとケース・バイ・ケースで災害廃棄物として自治体のほうで処理されているのか、設置者のほうで処理をされているのか、ちょっとすみません、今ここで厳密に状況を把握しておりませんので、ちょっと後ほど確認をいたします。

○酒井部会長 どうもありがとうございます。

 それでは、バーゼル関係、どうぞ。

○廃棄物規制課長 バーゼル関係について、お答え申し上げます。

 まず、大石先生の御質問の経産省、国交省との協力連携についてですが、バーゼル法は経産省との所管でございますので、経産省とはしっかりと連携をしてやっていきたいと思っております。それから、国交省は恐らく運搬事業者が入っているということでの御質問だったと思いますが、右下に19ページとある資料をご覧いただきますと、再生利用事業者の認定制度の概要の図がございます。

 この19ページの資料に再生利用等目的輸入事業者の認定範囲ということで、薄い茶色のような色で囲っている部分がございますが、これは輸入事業者がきちんと運搬事業者のことまで面倒を見るということを意味しております。輸入事業者が信頼できる運搬事業者にお願いをするということです。その中で輸入業者、運搬事業者一体となって認定をとっていただくということでございますので、この中の運搬事業者がおかしなことをやったら輸入事業者も認定取り消しということになっておりますので、まずは輸入事業者がグリップをきかせるということになっております。この輸入事業者をしっかりと監督するのが我々環境省、経産省でございまして、その枠組みでしっかりとやっていきたいと思っております。

 それから、大迫先生の御質問の環境汚染防止の実際の運用についてでございます。今でもバーゼル法は特に途上国の場合、相手国に確認しに行くということもやっておりますので、引き続きそういった運用はしていきたいと思っております。ただ、例えば先進国であったりとか、信用できるようなところは行かなくても大丈夫だと思いますが、途上国で初めてのようなところであったりとか、そういうところはしっかりとまずは見に行くべきじゃないかと思っております。

 再生利用認定の相手国と相互にそういうシステムをつくったらと、そういうお話でございました。これも非常にありがたい御意見でしたので、我々もそういったことを検討していきたいと思っております。他方で、この再生利用認定は規制緩和措置でございますので、その規制緩和が途上国の法執行能力とも絡んでまいりますので、その法執行能力がある途上国かどうかというのを見極めた上で、検討していきたいと思っております。

 大塚先生の鉛バッテリーが残った課題かどうかということですが、これはまさにおっしゃるとおりでございます。既に鉛バッテリーについてはバーゼル法の対象となっておりますが、これをどう明記するのかといったこの点については、有害使用済機器との関係も含めてきちんと考えていきたいと思っております。

 崎田先生のバーゼル法の認定制度の件いついては、先ほど申し上げましたように、今年の10月1日からの施行でございます。この運用をきちんと見ていきまして、我が国の技術をきちんと使って、途上国も含めた資源循環に役立つのであれば、これをどんどんアピールして我が国の事業者さんにも使っていただきたいと思いますし、もしおかしなことがあれば、それはしっかりと原因を追究いたしまして、制度の問題点、運用の問題点などを改善していきたいと思っております。

 それから、新熊先生のバーゼルの件で不法投棄対策を検討しているかどうかという御質問についてです。先ほど小笠原のほうからも御説明いたしましたけれども、有害使用済機器の観点からも御説明いたしますと、この有害使用済機器は御存じのとおり4月1日に法律は施行されております。ただ、届け出は10月1日まででございますので、この10月1日以降どんなことが起きてくるのかといったところは、しっかりと自治体などからも情報を入手して、不法投棄が起きているかどうかといったことを把握した上で、制度の内容や運用についてきちんと考えていきたいと思っております。

 最後に森口先生のバーゼルの資料の書き方でございます。これは大変失礼いたしました。きちんとした論理になるように書き方を検討いたします。

 以上でございます。

○酒井部会長 どうもありがとうございました。御質問、ほぼ網羅的に御回答いただけたと思いますが、これでよろしいでしょうか。

 それでは、1点だけ。先ほど大迫委員からのバーゼル法改正の輸出先確認基準に対しての実際の確認に関する質問と回答、特に環境保全のところですね。相手国に行って行うと、そういうこともあり得ると、こういう説明でしたが、例えば今回問題になった韓国の鉛バッテリー事案のようなケースだと、具体的に今回の確認基準に即してみれば、どこに該当してどういうような対処になるのかというのは、イメージすることはできますか。

○廃棄物規制課長 少々お待ちください。すみません。

 韓国の件を未然に防止しようとするのであれば、この14ページの複数の項目に関わると思いますが、現時点でこういった事業者に再度日本から輸出するかどうかということでございますと、例えば14ページの上から2番目の過去に輸出先国の関係法令に関する違反または他の法令の重大な違反がないこととか、その次の処分が終了してから5年以上が経過といった項目を見ていくことになります。

○酒井部会長 ありがとうございます。現実の運用の点で結構難しい運用の部分だと思いますが、うまく進めていただければと思います。

○廃棄物規制課長 かしこまりました。

○酒井部会長 それでは、報告事項2件、丁寧な説明と丁寧な質問……

○リサイクル推進室長(循環型社会推進室長併任) 最後にちょっと1点。さっきの森口先生の災害廃棄物、風水害のときの処理のコストですけれども、やはり災害廃棄物と言えるほどにぐちゃぐちゃになったものについては、災害廃棄物として市町村のほうのコスト負担ということになります。

○酒井部会長 ほかによろしいですか。

 それでは、本日、議事1件、報告2件、非常に闊達な御議論どうもありがとうございました。以上で議事を閉じたいと思いますが、ほかに御発言ございますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、以上で議事は閉じさせていただきたいと思います。

 最後に事務局のほうから何かございましたら、よろしくお願いします。

○総務課長補佐 本日はありがとうございました。

 次回の循環型社会部会については、事務局から改めて御連絡させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 本日はどうもありがとうございました。

午前11時29分 閉会