産業構造審議会産業技術分科会廃棄物・リサイクル小委員会自動車リサイクルWG中央環境審議会循環型社会部会自動車リサイクル専門委員会 第53回合同会議 議事録

日時

令和3年2月22日(月)1400分~1536

場所

Web会議

議題

1.自動車リサイクル法の評価・検討に当たっての論点整理について

2.その他

議事録

○鳥居リサイクル推進室室長補佐  それでは定刻となりましたので、これより産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会自動車リサイクルワーキング及び中央環境審議会循環型社会部会自動車リサイクル専門委員会第53回合同会議を開始いたします。

 環境省側事務局のリサイクル推進室鳥居でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 開催にあたり、事務的な事項を御案内、御報告申し上げます。本合同会議は両審議会を合わせまして27名の委員で構成されております。本日は現時点で25名の委員にオンラインにて御出席いただいております。産業構造審議会自動車リサイクルワーキングについては、15名の委員に御出席いただいており、定足数である過半数に達していることを報告させていただきます。なお、中央環境審議会自動車リサイクル専門委員会につきましては定足数の規定はございません。

 続きまして委員の出欠について御報告いたします。島委員、三部委員からは御欠席の御連絡をいただいております。また高橋委員におかれましては15時頃に退席されます。

 また今回も両座長に御了解をいただいた上で、JARCの阿部専務がオブザーバーとして参加されていますので御紹介いたします。

 続いて、配布資料の確認をいたします。配布資料につきましては事前に御案内させていただいた経産省、環境省ホームページにて掲載させていただいておりますので、回線の関係上このSkype会議の画面上には表示いたしませんが、委員の皆様にはそちらから御確認いただければ幸いです。

 資料は資料1から資料4となっており、参考資料1、参考資料2がございます。また佐藤委員から審議事項に関する意見を配布してほしい旨御連絡をいただいておりますので、別途委員の皆様にメールにて配布させていただいております。

 また本日もSkypeでの審議会ということで、基本的には発言をされる場合を除きマイクをミュートにしていただき、ビデオもオフにしていただければと思いますが、御発言の際にはビデオをオンにして御発言をいただければと思います。

 なお、本審議会はオンラインによるライブ配信をさせていただいております。

 それでは早速議事に入らせていただきたいと思います。これ以降の議事進行につきましては酒井座長にお願いいたします。

〇酒井座長  はい、どうも鳥居さん承りました。この後早速議事に入りたいと思います。

 本日の議題は資料1の議事次第にありますとおり、自動車リサイクル法の評価・検討にあたっての論点整理についてとなっております。

 まず、資料3に基づきまして、事務局から論点整理に関わる個別事項について説明をしていただきます。それに続いて資料4に基づきまして、事務局から自動車リサイクル法の評価検討における主な論点についての説明をしていただきます。その後委員の皆様から御意見をいただきたいというふうに思っております。

 なお、御意見をいただく際には、御発言を希望される際にはSkypeのメッセージ機能をお使いいただき、お名前を記入していただければと思っております。順次指名をさせていただきます。

 ということで、それでは早速資料3の説明から入っていただければと思います。よろしくお願いします。

○三牧自動車課課長補佐  それではまず資料3に基づいて事務局より御説明申し上げます。本日の議題は論点整理ということで、資料4で御説明をさせていただきますが、それにあたり前回の合同会議の中で議論された料金関係について補足的な説明を資料3にてさせていただければというふうに思います。資料3の2ページ目を御覧ください。

 料金の充当方式について、前回の合同会議では、現状維持という意見が多かったというふうに考えてはおりますけれども、一方で他車充当方式への変更を検討すべきという御意見もございました。それらの御意見について課題と効果等についてあまり整理がなされないまま議論が行われていたところもあったかというふうに思いますので、今回整理させていただいたのがこの2ページ目の図でございます。

 まず課題であると御意見のあった事項について、左側の緑の部分で示してございます。1つ目の事項として、他車充当方式により管理コストが安くなるのではないかという御意見がありました。

 続きまして制度の柔軟性という観点からの御意見もございました。具体的には他車充当方式に変更することによって、指定品目の追加や変更ができるのではないかという点や、料金の多様な活用ができるようになるのではないかという御意見だったと思います。また料金として自動車メーカー等が十数年先に廃車する際の処理費用を推測して設定しないといけない、その困難性の観点からの御意見もあったと思います。また特預金が発生するということについての御意見もございました。

 それから中古車輸出時のリサイクル料金の返還が発生するということについても御意見がありました。これらについて他車充当方式に変更した場合どうかという点について、課題に対する効果というところで示してございます。

 まず管理コストについてです。管理コストですけれども、大きく分けると資金管理コストと情報管理コストがございます。資金管理コストは料金を収受して、運用し、払渡すのに必要な費用ということでございます。リサイクル料金は主に新車を販売する際にディーラー等が徴収しているということですけれども、それらのディーラー等に対して年間で約6億円程度手数料として支払っているということでございます。これについては他車充当方式に変更したとしても料金を徴収するということは変わりないということになりますので、引き続き必要ということになります。

 また、資金管理に係るシステム保守費用ということで約9億円かかっているということですけれども、こちらについては他車充当方式にすることで多少減少するということではありますが、どの車体が支払ったかなどは引き続き管理しないといけないということでしょうし、一定程度は必要ということで、結果としては他車充当方式に変更するとしたとしても、資金管理コストという面では削減はそんなに大きくないのではないかというふうに考えております。

 それから情報管理コストですけれども、こちらはユーザーの自動車が廃車となって、その後引取業者に引き渡されて、その車体が解体とか破砕とかどの段階にあるのか、また指定品目がきちんと引き渡されたかどうかなどについて把握するためのシステムコストということになります。これに関しては費用は約7億円ということでございますが、この費用を落とすためには個体管理をどうするのかという議論が必要になってきます。議論するにあたっては、不法投棄を防止するという観点で個体管理をしているという現状について留意する必要があるかというふうに思います。

 続きまして制度の柔軟性についてでございます。指定品目の追加や料金の多様な活用という点を記載させていただいておりますけれども、こちらも他車充当方式にしたからといって、それで直ちに指定品目を増やしたり、料金を自由に使えたりというふうになるかというと、必ずしもそういうわけでもないというふうに考えています。料金の使途を法令等で明確にした上で料金をいただくということですので、変更とか多様な活用のためには、他車充当方式に変更することとは別にその必要性について議論していくことになろうかというふうに思います。

 続きまして料金設定の困難性という点でございます。こちら他車充当方式になると、そのような将来に向けた料金設定作業というものが必要なくなるということではございます。この点については自工会の方から御提案があったとおり、前回の合同会議で議論いたしましたが、実費請求方式ということで実際に行っていくことで、その結果料金をユーザーに還元するということになれば、ユーザーから多く料金を取り過ぎるということもある意味解消できるというふうに考えられますので、一定程度の対応が今回のことでできるとも言えるのではないかというふうに考えてございます。

 特預金の方は、他車充当方式の場合発生しないということになりますが、特預金があること自体が課題かというと、そうとも言えないと思っていまして、特預金をどのように使うかという点が論点であるというふうに考えておりますし、最後は制度的に法律の中でもユーザーの料金割引に使うことができるという規定になっておりまして、ここはそれで対応できる項目でもあるというふうに考えてございます。

 最後に中古車輸出時のリサイクル料金の返還ということでございますが、こちらも他車充当方式の場合は発生しないというものではございます。ただ、料金制度を他車充当方式に変更するというのは、預託制度、制度そのものを抜本的に変更するものであるということでもあると考えておりまして、リサイクル料金の返還をしないということに対応するという目的だけをもって、そのような抜本的な見直しをしていくかどうかというのは議論になってくるところかなというふうに考えております。

 その下にも書いておりますけれども、そういった抜本的な制度変更といったところを行っていくにあたって、どのような移行の仕方をするにせよ、必ずコストが発生するということでございまして、そのような必要性についてしっかり見極める必要性があるのではないかというふうに考えております。

 したがって、これらの抜本的な制度の見直しの検討を行う時期というところについて、右側の将来の留意事項の欄というところで言及させていただきました。

 御案内のとおり、自動車を取り巻く環境というのは大きく変化してきています。SDGs達成に向けた動きですとか、カーボンニュートラルの実現に向けた動き、その中で電動化や車の使い方の変革といった大きな波が自動車の世界に押し寄せているような状況だというふうに認識しております。

 そのような中で、自動車リサイクル制度が現在の仕組みをずっと維持できるかというと、必ずしもそのようなことはないのではないかなというふうに考えております。電動化により電池を初めとした部品や素材が変わっていくということもあると思いますし、電動車に切り替わることで部品の数が相当減って、部品メーカーにも大きな影響があるという見方もあります。また、多様なモビリティが出てきたりとか、既存の自動車メーカーではない新しいプレーヤーの影響が大きくなっていくというようなことも考えられます。さまざまなそのような変化というものを見据えて、将来の環境下においてあるべき自動車リサイクルの制度について抜本的な見直しの検討を行わないといけないというタイミングがくるというふうに思っておりまして、そのようなタイミングで対象品目とか料金の使途などを考えていくべきだというふうに考えておりますし、その中で輸出返還の件も考慮して検討していくべきというふうに考えております。

 そのような方向性についてこの後説明する論点の中でも、また今後取りまとめていく報告書の中でも示させていただくということを考えております。

 続きまして3ページを御覧ください。先ほど御説明した料金関係、費用関係のイメージについて参考としてお示ししたものです。

 一言で他車充当方式といっても、必ずしも1つの定まった定義とかスキームというものがあるわけでもないのですけれども、ここでは1つのイメージとしてある年に廃車となった使用済自動車の処理費用をその年もしくは翌年などに新車として購入した別の方が支払ったリサイクル料金でまかなう方式というイメージで示しておりまして、先ほど御説明させていただいた整理もそのイメージで御説明させていただいているということをお伝えいたします。

 最後に4ページを御覧ください。こちらですけれども、前回の合同会議において輸出返還に関して御質問いただいた点について回答をまとめたものでございます。

 1つ目として、輸出返還を受けた最終ユーザーが、どのぐらいの期間当該車両を所有しているかという御質問がございました。こちら自動車リサイクルシステムにはデータとして登録されていないので、網羅的なデータということでお示しできないのですけれども、ここで申請者の上位10社に対してヒアリングが行われていて、その結果をお示ししております。ここにあるとおり、1カ月に満たない程度から3~4カ月ぐらい、ものによっては1~2年という回答でございました。

 もう1つの質問として、全体の返還先の件数、上位10%の件数と金額についての質問がございました。全体で返還先が個人や小さな企業も含んではいるんですけれども、3,181社ということになっておりまして、上位10%では返還台数は132万台、返還金額は171億円ということになってございます。

 以上、資料3の説明になります。

〇酒井座長  はい。どうも三牧さんありがとうございました。

 それでは引き続きまして主な論点について資料4の説明を環境省事務局の方からお願いいたします。

○鳥居リサイクル推進室室長補佐  それでは資料4、自動車リサイクル制度の評価・検討における主な論点(案)について御説明いたします。

 自動車リサイクル法については、平成27年の報告書において「今回の検討から5年以内を目途に、改めて制度のあり方について検討を行うことが適当」とされております。

 これを受け、本合同会議においては、自動車リサイクル制度に対する毎年度の評価等を踏まえつつ、自動車リサイクル制度の更なる発展に向けて、自動車製造業者等、指定法人、消費者団体、関連事業者、自治体等の関係者からのヒアリング等を実施してまいりました。その際の関係者や委員からの意見等を踏まえて、検討にあたっての論点を整理しております。

 これまでにいただいた主な御意見については、こちらの論点に沿って参考資料1に整理していますので、そちらも御参照いただければと思います。

 まず1.論点整理の基本的方向性についてでございます。自動車リサイクル法施行から15年が経過する中で、法制度が適正に運用されているか、必要な対策は講じられているか等の課題を、当該課題に対する対応の方向性とともに整理してはどうか、としております。

 続きまして、自動車リサイクル法に関連して、SDGsにおける資源・廃棄物制約や気候変動問題等への対応、循環経済(サーキュラー・エコノミー)への移行といった観点も考慮すべきというような御意見もございました。また国内ではプラスチック資源循環の高度化に向けた取組が進められております。さらに、2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略では、電動化の推進や車の使い方の変革等の取組により、2050年に自動車のライフサイクル全体のCO2ゼロを目指すとされています。

 資料が飛んで恐縮ですが、参考資料2を御覧ください。自動車リサイクルに関連する施策動向をこちらにまとめております。

 1ページ目、2050年カーボンニュートラルに係る国内の動向でございます。

 昨年10月に菅総理より「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことが宣言されました。これに伴い12月にグリーン成長政略が策定されています。

 自動車リサイクルに関連するところとしては、自動車・蓄電池産業として、2050年の自動車の生産や廃棄を通じたライフサイクル全体でのカーボンニュートラル化を目指すとともに、蓄電池産業の競争力強化を図るとされています。この中では、電動車・インフラの導入拡大、使い方の変革としてMaaSや自動走行、蓄電池のリユース・リサイクルなどに取り組むといったことが書かれています。

 資源循環関連産業としては、リデュース、リユース、リサイクル、リニューアブルについて、技術の高度化、設備の整備、低コスト化等によるさらなる推進を図る、循環経済への移行も進めつつ2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることが掲げられています。

 さらに、1月の施政方針演説の中では、2035年までに新車販売で電動車100%を実現することが表明されました。

 めくっていただきまして2ページ目、プラスチック資源循環施策についてでございます。先月28日に「今後のプラスチック資源循環施策のあり方について」が取りまとめられました。

 内容としては、環境配慮設計の指針を示すことによって製品の設計段階での取組を推進すること、ワンウェイプラスチックの排出抑制のために事業者が取り組むべき措置を示すなどリデュースを徹底すること、市町村での分別回収など回収・リサイクルを拡大高度化すること、再生材やバイオプラスチックなどの代替素材の利用を促進することなどがございます。

 環境配慮設計や再生素材・バイオプラスチックの利用等については、自動車にも関連する取組と考えられます。

 それでは資料4にお戻りください。こうした今後の自動車を取り巻く環境の変革を見据え、将来の環境下における自動車リサイクル制度のあるべき方向性について検討を進めることとしてはどうか、としております。

 続きまして2.が個別の論点でございます。8月にお示ししました論点案をベースに整理しております。

 (1)自動車リサイクル制度の安定化・効率化、①ASRの円滑な再資源化について、近年プラスチックくずや雑品スクラップの輸入規制によるASRの再資源化施設の処理能力の逼迫や施設の事故による受入停止等により、リサイクル率の低下やASRの引取時期の調整等が生じています。合同会議の中では、廃車ガラの滞留が発生しないような仕組みや全部利用の促進について検討すべきといったような御意見をいただいております。ASRの確実な処理体制の構築やASRを発生しない全部利用の促進等、円滑な再資源化のための方策について検討が必要ではないかとまとめております。

 続きまして、ASRの削減及び再資源化の高度化には、ASRになる前の解体・破砕段階でのリユース・リサイクルが有効と考えられます。前々回の合同会議ではガラスやプラスチックの業界団体からのヒアリングを行いつつ、解体インセンティブ制度について御議論をいただきました。ガラスやプラスチック等の素材の回収に取り組む解体業者等に対してインセンティブを与える制度の具体化に向けて検討が必要ではないか、としております。

 ②リサイクル料金の適切な管理・運用についてでございます。自工会から、自動車製造業者等におけるリサイクル料金の収支が黒字の場合は、JARCに対してリサイクル費用の実費分のみを請求する方式(実費請求方式)としてはどうかという御提案をいただいております。前回の合同会議での御議論を踏まえまして、請求されないリサイクル料金の余剰部分を特預金に位置づけるなど具体化に向けた検討が必要ではないかとしております。

 次の矢じりですけれども、特預金の残高は昨年度末で約202億円であり、実費請求方式の実施などによって今後さらに増加していくことが見込まれます。特預金の使途としては、現在、離島における使用済自動車の移動支援や、不適正処理された自動車の自治体による撤去の支援などがございますが、ユーザーへの還元やより高度なリサイクル等に使ってはどうかといったような御意見をいただきました。そのため、ユーザーが負担しているリサイクル料金の一部を一定期間割り引くなど、特預金の使途に関する検討を行うべきではないかとしております。

〇酒井座長  鳥居さんお話のところすみません。ところどころ声が途切れて聞きにくいところがあります。もしマイク等の調製で改良できるようであれば、お願いしたいんですが。すみません、恐縮です。

○鳥居リサイクル推進室室長補佐  すみません。マイクを変更しましたので、こちらで説明させていただければと思います。

〇酒井座長  すごくクリアになりました。ありがとうございます。

○鳥居リサイクル推進室室長補佐 申し訳ございません。ではこちらで続きを説明をさせていただきます。現在②の3つ目の矢じりのところまで来ていたころかと思います。こちらについて自動車製造業者等が自動車リサイクル制度の中心的な役割として、引き続き指定法人業務に必要な費用面も含めた制度運営安定化に対する支援を行う存在であるとの考え方は維持しつつ、JARCが安定的に運営できる間は自動車製造業者等による自主的拠出を休止し、当該費用として特預金を充てる検討が必要でないかとしております。

 続きまして③各種セーフティネット機能の点検では、被災自動車について解体・破砕業者で通常より手間や処理費がかかっている、負担が具体的に見えると対応が検討できるのではないか、自治体で災害廃棄物処理計画への反映など平時からの備えが必要ではないかといったような御意見をいただきました。

 大規模災害時において発生する被災自動車を適正かつ円滑に処理するための方策について検討するべきではないか。そのために、被災自動車の処理にあたっての自治体や関連事業者の負担等の実態を把握することが必要ではないか、としております。

 続いて④自動車リサイクル法の適正な執行でございます。不法投棄・不適正保管は大幅に減っている状況ではございますが、使用済自動車への他の廃棄物の混入、中古のエアバッグの流通、適正な処理がなされない可能性がある解体ヤードの存在、廃車ガラの輸出が増加しているといったことが問題ではないか、自治体にとっては外国人の事業者への対応が難しいといった御意見がございました。こうしたことに対して、自治体だけではなく、自工会、自再協、JARCなどによる支援、自動車リサイクル士の活用といったようなことが有効ではないかという御意見もございました。

 そこで、不法投棄・不適正保管、登録・許可業者による不適正処理、違法な解体ヤード、廃車ガラ等の不適正な輸出等への対策や、外国人事業者への対応等、自治体による指導監督の強化や業界としての関連事業者の育成等のための方策について検討が必要ではないか、としております。

 続きまして⑤情報システム活用を通じた効率化については、令和8年に自動車リサイクルシステムの大改造が予定されております。大改造にあたっては、制度の効率化に向けて、リサイクル券の電子化、手続きの簡素化、再資源化の高度化に資する情報管理等について、システム拡張性の観点も踏まえて検討すべきではないか、としております。

 ⑥普及啓発でございます。自動車リサイクル制度や環境配慮設計についてユーザーに寄り添った説明になっていないのではないかという御意見等がございましたので、ユーザーの理解を促進するための方策について検討すべきではないかとしております。

(2)3Rの質の推進・質の向上でございます。①再資源化の高度化について、最初の矢じりは解体インセンティブ制度の検討ということで再掲となっております。

 続いて、再資源化を高度化するためには、設計段階からリサイクルを考慮することが重要である、リサイクル部品をユーザーが安心して使えるような情報提供が必要であるといった御意見がございました。

 環境配慮設計及び再生資源利用の進んだ自動車へのリサイクル料金の割引や、リユース・リビルド部品利用の促進等のための方策について検討が必要ではないか、としております。

 続いて②有害物質の適切な対応については、合同会議の中では特段の御意見がございませんでしたが、Deca-BDE(デカブロモジフェニルエーテル)については、2017年にPOPs条約で附属書A(廃絶)に追加されていますので、今後決定されるLPC以下であるもの以外は不可逆的な処分が必要となります。こちらのLPCの検討動向も踏まえ、有害物質管理と再生資源としての活用との両立のための方策の検討が必要ではないか、としております。

 (3)変化への対応と発展的要素でございます。①電動化等、自動車の構造変化や使い方の変革への対応でございます。先ほど御説明しましたとおりグリーン成長政略では電動車の導入を拡大していくこととなっています。こうした自動車にはリチウムイオン電池や軽量化のためのCFRP、自動走行のための電子部品など、新しい部品や素材などが一層活用されていくと見込まれています。

 合同会議の中でも、こういった物が将来的に処理困難物にならないか、処理に追加的なコストが発生するのではないか、リユースも含めた対応を検討すべきではないか等さまざまな御意見をいただいております。そのため、こうした新しい部品・素材が適切に処理されるよう、適正な回収・リユース・リサイクルのための必要な技術開発や体制整備等の方策について検討すべきではないかとしております。

 電動化や車の使い方の変革により、現在の市場を活用した自動車リサイクルにも大きな変化が生じる可能性がございます。例えば3品目以外の物品が逆有償となるようなこともありうるのではないかという御意見もございます。今後そうした変革の動向や状況を把握するための調査等を実施するとともに、諸外国においても制度の見直しが行われていますので、こうした海外動向も踏まえつつ、必要なタイミングで自動車リサイクル法の見直しも含めて変革に沿った制度のあり方を検討すべきではないか、としております。

 2050年カーボンニュートラルの実現に向けてというところでは、自動車リサイクルにおけるCO2も削減していく必要がございますので、CO2排出実態の把握等、自動車リサイクル制度としての対応を検討すべきではないかとしております。

 続きまして②国際貢献に向けた取組でございます。国際貢献の仕組みについて官民協力して構築してはどうか、島嶼国でまずは事例を作ってはどうかなど御意見がございました。

 自動車リサイクルインフラ・技術や情報管理システムの提供、制度構築支援等、相手国の実情及び我が国の産業競争力強化の観点も踏まえた国際支援の仕組みについて官民協力して構築することを検討すべきではないかとしております。

 最後に3.将来に向けた留意事項でございます。資料3でも御説明しましたが、自動車リサイクル制度については、管理コスト、個体管理、制度の対象品目、料金の使途、中古車輸出時のリサイクル料金の取扱い等についていろいろと御指摘をいただいているところとなっておりますので、こうしたことについて整理しつつ引き続き検討していく必要があるのではないか、としております。

 これらについては、法制度の根幹部分の変更に関わるものが少なくないですので、今後自動車の電動化や使い方の変革に対応した抜本的な見直しを行う時期にこうしたことについても検討すべきではないかとまとめております。

 委員の皆様にはこの後の意見交換の中で、それぞれの論点の内容や、補足する論点などについて御意見をいただければ幸いでございます。

 事務局からの説明は以上でございます。

〇酒井座長  はい。鳥居さんどうもありがとうございました。

 それではここまで御説明いただきました点につきまして、委員の皆様方から御質問、御意見をいただきたいと思います。

 先ほど申し上げたとおりSkypeのメッセージ機能をお使いいただいて、お名前を記入していただくことをお願いいたします。順次指名をさせていただきます。指名された方はマイクのミュートを解除し、ビデオをオンにして発言をいただければ幸いです。

 それでは最初に自治労の高橋委員から御意見を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。

〇高橋委員  早速ありがとうございます。先ほど御提案をいただきました資料4について少し意見を述べさせていただきたいというふうに思います。

 2.論点の(1)リサイクル制度の安定化・効率化のところで2点ほどお話をさせていただきます。まず②にありますリサイクル料金の適切な管理・運用の部分なんですけれども、特預金についてそもそものリサイクルの目的で集めて、その結果として蓄積された財産だというふうに考えますので、実際にリサイクルに係る現場の改善や事業の円滑化に向けて活用ということが一番かなっているんではないかというふうに思っております。

 例えば解体の処理であったり、再資源化事業の現場における労働環境それから施設周辺環境そういったものの改善、これに対する取組とかそれを促進するという部分、または販売店等で現場でのITの活用、それから登録や料金に係る手続きの円滑化であるとか、またリサイクル段階へのインセンティブだけではなくて、リサイクルの促進につながる製造段階での取組へのインセンティブを付与することができないかというふうな、今後この取組がさらに進むような活用の方法というのを具体的に提案させていただいたらいいのではないかなというふうに思っています。

 また2点目といたしまして④になります。自動車リサイクル法の適切な執行の中の、自治体による指導監督の強化ということなんですけれども、我々現場を見ている立場の者として、やはり現場における担当職員がどのような権限を持っているのか、それから人でもそうですね。なかなかこれを専門に対応する自治体職員というのは非常に少ないというふうに認識しておりまして、この課題を何とか解決しないと、この提案については難しいのではないか。特に現場の職員から聞きますと、実際にそういうトラブルが発生したときに取り締まるという権限を持たない自治体職員が、厳正な対応と言われたところでなかなか対応のしようがないというふうな意見も出ています。

 それから現場でのトラブルに対する対応や見守りというのは、やはりある程度の人数が日常的に必要になってまいります。不法投棄などの事案については、職員が少ない自治体でも発生するというか、特に過疎の部分、地域によっては人材が枯渇しているような自治体における対応が非常に多いというふうに聞いておりまして、対処するということについても、例えば他の業務を兼務している職員が、その段階で現場に急行して、その都度その都度しか対応できないという現状がございます。そういうふうな状態を皆さんにも御理解をいただいて、ぜひこの課題については具体的な課題として対応について検討をお願いできたらというふうに思います。

 どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。

〇酒井座長  はい、高橋委員どうもありがとうございました。

 それでは引き続きまして手を挙げていただいた順番にいきたいと思います。井岡智子委員お願いいたします。

〇井岡委員  聞こえておりますでしょうか。失礼いたします。全体的に原則今回の主な論点はこれでよいかと考えております。今までの15年は確かに長いのですが、現在自動車業界は大きな過渡期に入っていまして、電動化も環境意識の高まりで急激にこれから増えていくのではないかと思われます。

 電動自動車の部品も先ほどおっしゃったように、部品の数が大幅に減少しているということをお聞きして、これから自動化もあり今後リサイクルに関してもかなり変化が大きく出てくるのではないかと思います。デジタル化でもこれからリサイクル券の電子化やペーパーレス、またカーボンニュートラルについてもこれも急激に進んでいくような気配が見えておりまして、リサイクル制度はこれらの変化に応じて柔軟にならざるを得ないのではないかというふうに考えております。

 1つ質問がございます。3ページの⑥の、ユーザーの理解を促進ということなんですが、大変初歩的な質問になるかと思うんですけれども、ユーザーが初めて車を購入し、リサイクル料金を支払い、リサイクル券を受け取る場合に、説明を受けているかどうかという質問です。大抵はディーラーが説明すると思いますが、この車のリサイクルについての説明について、何かマニュアルみたいなものがあるのかどうかということです。初めての購入の場合、この機会はユーザーにとって直接リサイクル券を目の前にしてリサイクル制度を知る唯一の接点ではないかと考えております。ディーラーの説明の格差がユーザーの理解度格差に通じるのではないかと考えました。

 消費者のエコやSDGsについての意識が高まっている今こそ、的確にその場で説明をすることは大きく理解度を高めることになるのではないかと考えました。以上です。失礼いたします。

〇酒井座長  どうも井岡委員ありがとうございました。御質問の部分も後でまとめて御回答いただくようにさせていただきたいと思いますので、引き続き御意見をいただくということで進ませていただきたいと思います。

 次は酒井康雄委員お願いいたします。

〇酒井委員  はい、ありがとうございます。自動車リサイクル機構の酒井でございます。

 まず前回52回の会議の際に質問をさせていただきました輸出返還の実績に関しまして調査をいただきましてありがとうございました。結果としましては、我々が予想していたとおりの内容という感じがしておりまして、輸出返還制度の問題を表しているかなというふうに考えております。

 そのような点も含めて、私どもといたしましては他車充当方式の変更による制度の見直しを提案させていただいておりましたが、事務局よりお示しいただいた論点案によりまして問題点を確認させていただけたということと、それから法改正の検討というはっきりしたお考えを提示いただいたということで、遠くないしかるべきタイミングで法改正の検討が行われるということで理解いたしました。その上で昨年中の会議でも発言させていただいたものと被るところがあるんですが、我々の業界として多く要望が出ている点について提案とお願いをさせていただきたいと思います。

 全部で5点ございます。1つ目がリサイクル料金の外出し、中古車流通段階において外出しで流通するということを改めて、中古車段階では車両価格に含んだ流通にするということを提案したいと思います。このことにつきましては法によって規定されているわけではありませんが、現状リサイクル料金は新車購入時に預託をして、その後の中古車流通段階では車両価格には含まずに先送りしていく。最終所有者がそのリサイクルの全額を負担するという仕組みになっています。

 そもそもこの考え方としては、便益を受けるそれぞれが応分の負担をするという理解をしていますが、そのことから言いますと多くは新車を買ったときに預けた方がリサイクルするときに負担するのではなく、中古車として流通していく段階、最終段階の方が結果的には全額負担するという形になっているということで、これを車両価格に含めて外出ししないで内部化することによって、車両の価値に応じた負担額を先に送っていくというふうな考え方で公平な負担になるのではないか。

 あともう1つ、我々の業界としましては、解体業者がこの制度によってというかこの商流によりまして、多くのリサイクル料金を負担せざるを得ないというような慣習にもなっているということにつきましても、これによって改善できるのではないかというふうに考えております。

 2つ目がフロンやエアバッグの作業料金の改定に関してです。これも法律の施行以来作業料金は見直されておりませんで、状況につきましては去年の合同会議の際に最低賃金やら初任給が上がっているし、我々の教育のコストやらそういうのも上がっているので、ぜひ見直しを今回お願いしたいということを申し上げたところですが、実際今のもう1つの理由としましては、今の作業料金が算定の基準が廃棄物処理業として我々の作業料金が算定されているというふうに伺っておりますけれども、実際には我々は廃棄物処理業ではなくて、金属スクラップの卸売業であるとか中古部品の卸売業であるというところの産業分類になっておりますので、その辺のところを基準に見直しをお願いしたいというのが2つ目でございます。

 それから3つ目。これは特預金の使途の見直しということですが、これも既に論点案の中にございますけれども、やはり高度なリサイクルを促進していくという内容の中で、樹脂であるとかガラスであるとか、そういったもののリサイクルに関しての解体インセンティブ制度というものが今制度の検討がされているところでありますけれども、これを実効性のある仕組みを作るためにはぜひ特預金を生かしたような格好、そういうものを活用したような形でぜひ制度設計をしていただければなと思ってございます。

 それから4つ目がこれも論点案の中にございました。自動車リサイクル士制度についての提案ということでございます。論点案にも違法ヤード問題などに関連して、事業者の育成の必要性ということが言及されておりますけれども、私どもの運用しております自動車リサイクル士制度をもっと広めて活用するべきではないかというふうな御意見もいただいておりました。我々としても業界のスタンダードとして広めていきたいと考えております。

 もちろん我々自身が業界内でその意義を伝えて周知普及に努めていくということはもちろんなんですけれども、自治体など監査指導する立場からこの制度の活用推奨を願えればさらに普及に弾みがつくと考えております。

 それから先ほど御発言がありましたけれども、やはり自治体の負担という部分から考えても、我々自動車リサイクル士の講習会をやって、その後の受講した方々から感想を伺ったりしているんですが、やはりかなり前向きに法的な部分、コンプライアンスの部分を捉えている方がたくさんいらっしゃいまして、こういったような実績を自治体で御利用いただければ、自治体の監査とか指導とかそういう部分にも効率化というところに使えるのではないかということも考えてございます。

 それともう1つこの制度に関しましては、関係の皆さんから大変お力をいただいて運営をしているところでございますけれども、技術的なこと、新技術であるとか新素材であるとか、そういったものがどんどんどんどん出てくる中で、例えばテキストをどんどん改訂していかなければいけないということもございまして、なかなか収支のバランスがとれない状況になってございます。そういった点も含めまして、社会的な有用性というものをぜひお認めいただいて、その辺の支援こういったことも何か考えていただけるようなものがないかなというのが、我々業界からのお願いでございます。

 それから最後、これがリサイクル料金の輸出返還制度に関してでございます。これも論点案の中で問題点として捉えていて、根本的な見直しの時点ではやはり検討すべき課題であるという形でお示しいただいたわけなんですが、返還制度そのものについて見直すというのはその機会に譲るといたしましても、少なくとも利息の払い出しといいますか、それについては何らかすべきではないか。法律で決まっているから公正ではない状態があるのはやむを得ないというのは、どうも本末が転倒しているのではないかというように感じてなりません。

 調べていただいたように、輸出されるもののほとんどが大手の業者さんから輸出されていく中で、その所有期間が数カ月から長くても1年どんなに長くても回答された方2年と回答されています。ごく少ないケースだと思いますが。それでリサイクル料金に対して1割の利息が返されていると。これは不公平というか不公正だというふうに感じてなりません。これを輸出される車というのはほとんどが途上国向けに輸出されております。ということは、国際貢献と絡めて、少なくとも返還されるリサイクル料金の利息部分に関してだけでも何とか国際貢献に向けられるような使途を考えられないかといったように考えるところでございます。

 私の方からは以上です。ありがとうございました。

〇酒井座長  どうも酒井康雄委員ありがとうございました。

 では引き続きまして根村玲子委員お願いできますでしょうか。

〇根村委員  根村でございます。よろしくお願いいたします。

 3点ほど申し上げたいと思います。まず1つ目です。資料4の内容というよりも論点のまとめ方についてですが、3.将来に向けた留意事項を除きまして、主要なアクションにおける時間軸が示されていないように思いました。優先順位やいつまでに行うなどの大体の工程表というのでしょうか、そういったものを記載していかなくてもよいのかと思いましたので、述べさせていただきます。

 続きまして2つ目です。同じくこの資料4ですが、1.論点整理の基本的方向性ついての、1つ目の矢じりのところに、どうまとめるかが書かれているかと思います。「法制度が適正に運用されているか、必要な対策は講じられているか等の課題を」とまずありますけれども、適正に運用されているかの評価の部分があまり論点に挙げられていない点がどうしてか、もう少し評価のところも述べてもよいのではないかと感じましたので、述べさせていただきます。

 3つ目です。これは今まで私どもも申し上げたことがなかったことで、追加ということになります。リサイクル法からはずれてしまうかもしれないのですが、車検証についてです。車検証がデジタル化することになっていると思いますので、部品の交換情報を車検証のICチップの方に書き込んでいただけたりすると、リユース部品のトレーサビリティが明らかになっていくのではないかと期待しておりますことも述べさせていただきます。

 以上3点です。よろしくお願いいたします。

〇酒井座長  どうも根村委員ありがとうございました。

 それでは続きまして森谷委員お願いいたします。

〇森谷委員  森谷です。聞こえていますでしょうか。ありがとうございます。

 まず自車充当と他車充当の論点整理についてはよくされていると思います。私自身も整理ができました。ありがとうございました。

 私の意見は大変短いんですけれども、資料4のことです。2の(1)①と(2)①でガラス、プラスチックのことが触れられていますが、今回のペーパーではASRシュレッダーダストの対策の一環として、多少消極的にガラス、プラスチック等の回収とリサイクルが書かれていると読めます。しかし循環経済やプラスチック資源循環が冒頭で書かれているので、私が思うに現在品目となっているフロン、エアバッグ、ASR以外の素材や部材に関するリサイクルの重要性をこれは積極的に述べていただきたいと思っているところです。

 自動車の電動化が意識されていますが、当面はプラスチックとガラスが重点と私は考えております。もちろんリチウム電池も視野に入れるべきと考えます。ペーパーのまとめ方として参考としていただきたいと思います。以上です。ありがとうございました。

〇酒井座長  森谷委員ありがとうございました。続いて日刊工業新聞赤穂委員お願いいたします。

〇赤穂委員  はい。赤穂です。ありがとうございます。聞こえますでしょうか。

 すみません。資料4について事務局で取りまとめていただいた論点で概ね結構かと思います。

 その中で今喫緊の課題になっているASRの確実な処分について、今般ガラスとかプラスチックの回収をもっとしっかりと取り組むために解体事業者さんにインセンティブを設けるというということについて賛成したいと思いますが、その際にインセンティブのつけ方についてはやはり公平で公正な仕組みが必要だと思います。さらに、当然ですがマテリアルリサイクルは促進する方向で、ぜひこのインセンティブを活用していただければと今後の制度設計について注視したいと思います。

 さらに最後の取りまとめの将来に向けた留意事項というところで、先ほど事務局の方からも説明がありましたが、やはり今自動車業界は百年に一度の大きな変革期にあります。ですので通常この法制度の見直しが5年に一度ということですが、5年に一度という期限にとらわれずに、問題があったときに大きく検討するという考え方を持っていただければと思います。

 その中で特にやはり電動化で部品の構成というのが今後大きく変わってくると思います。これはリサイクルにとっても大きな問題でして、今まで有償で取引されていたものが逆有償になる可能性も出てくると思います。さらに最も重要なキーデバイスが蓄電池と言われていますが、やはり蓄電池はある種の戦略物資となる可能性もあると思っています。ですので自国で生産してそれをリユースしてリサイクルするという仕組みをしっかりと持っていなければ、今後世界で何かあったときに自動車の生産であるとか、例えば再生可能エネルギーが進まないという可能性もありますので、やはり今のうちからしっかりとリユースの仕組みも考えていく必要があろうかと思います。そういう意味で5年に一度の見直しということにこだわらずに適時適切なタイミングで見直しをしていただければと希望します。以上です。

〇酒井座長  はい。赤穂委員どうもありがとうございました。それでは引き続いて佐藤泉委員お願いします。

〇佐藤委員  佐藤でございます。私の方はペーパーを出しておりますので重複する部分は割愛をさせていただきますが、基本的には柔軟な制度設計そして使用済自動車全体の適正処理を視野に入れた支払いの仕方ということを検討していただきたいと思います。しかもこの点はできるだけ早急に検討していただきたいと思います。

 今回資料4で主な論点でたくさんの検討事項を挙げていただきまして、そういう意味では自動車リサイクル法の持っているいろいろな点が浮き彫りになっていると思っています。

 1点、自車充当方式と他車充当方式というのは対立概念ではないと思います。私の理解では現在の法律も自車充当方式を基礎としつつ他車充当方式を部分的に認めている。今後は柔軟な運用をする意味では、自車充当方式の延長なのか、他車充当方式への転換なのかというそういう理論的な問題ではなく、現実的な拡大、柔軟な適用というものをお願いしたいというふうに思います。現在の法律が他車充当方式を、つまり他車に共通で使われるようなお金の使い方を否定しているというものではないというふうに思います。

 それから利息の点について、提出したペーパーに書きましたが、現在銀行預金でも利息がない、管理料を取るという時代ですので、利息の廃止というのは早急に行うことが合理的でありかつ輸出業者への過大な支払いが抑止できるのではないかと思います。

 今後リチウムイオン電池、ガラス、プラスチック等の再資源化が有効に進むように、現在の預託金そして特預金を活用するよう御検討いただきたいというふうに思います。以上です。

〇酒井座長  はい。佐藤委員どうもありがとうございました。ではこの後、織委員どうぞ。

〇織委員  織でございます。ありがとうございます。論点整理多岐にわたって非常に細かく見ていただいたと思います。他車充当方式の問題点や課題の整理なども非常によくできたと思います。

 資料4の全体に関してなんですけれども、追加になるかと思いますが、重ねて強調したいのは、消費者の自動車リサイクル法の制度の仕組みの理解をよりよく促進していただきたいと思っています。この点についてはJARCさんが長年にわたっていろいろな普及啓発活動をしていただいております。

 しかしながら、やはり消費者の中では自分たちがリサイクル料金を支払っているという意識、それがSDGsに結びついているといったような意識はまだまだ欠けていると思いると思いますので、今までのだけではなくてもっと学校ですとか、前もお話ししたと思いますが、自動車教習所の科目の講座等に組み入れるなどして、何とか自動車リサイクルについての意識を消費者にもっと持っていただくということが、今後の論点としても非常に重要な点だと思っております。

 もう1点はリサイクル促進に関して、ASRが中心に論点では整理されておりますが、鉄スクラップ、プラスチックスクラップ等について、中国の動きで輸入禁止をし、それから202011月ごろから不純物を含まない再生原料のみを受け入れるといった新基準が出てくると、ますます本当に原料として適した質のいいスクラップ、中国にプラスチックが流れてしまう中で国内のリサイクル業者が空洞化していく。それに対する目配りというものを常に忘れてはならないということもまた追加させていただきたいと思います。

 最後に、皆さんおっしゃっていますように、自動車を取り巻く状況というのが劇的に変わっている中で、今の資料の中で示されているように、今後検討していくというような、そういったゆっくりしたペースではとても世界の動きの中では間に合わないと思っております。

 リチウム電池の廃棄物になったときのリサイクルシステムをどうしていくのか、そういった話について早目早目に議論を整理して、システムを構築していくという危機感を持って、この温暖化対策等を早急に進めていく中で自動車リサイクルのあり方というのを検討していくスピード感がさらに必要ではないかと思っています。以上です。ありがとうございました。

〇酒井座長 はい。織委員ありがとうございました。それでは鬼沢委員どうぞ。

〇鬼沢委員  はい。鬼沢です。先ほど根村委員もおっしゃっていましたけれども、私もこの論点がたくさんある中で全てが同じ時間軸ではないと思いますので、もう少し明確に検討をいつまでにして、仕組みを作っていくとか、はっきりとうたえるところは明記してもよろしいのではないかと思います。

 その辺が読み手にとっては全て同じように見えてしまうので、検討して具体的にできるところははっきりと時期を書いていただいた方がよろしいのではないかと思いますし、期限もいつごろまでにということがわかるものがあるのであれば、そこもはっきりとうたっていただいた方がよろしいのではないかと思います。

 以上です。

〇酒井座長  どうもポイントを押さえた御意見ありがとうございます。それでは引き続きまして大塚委員どうぞお願いいたします。

〇大塚委員  大塚です。聞こえますでしょうか。

 全体的によくまとめていただいてありがたかったと思っています。

 2点だけ申し上げておきますが、1つは赤穂委員がおっしゃった蓄電池に関して、戦略物資としてぜひ国の方で御検討いただきたいというのは私も大賛成でございまして、前のときも中国のレアメタルに関しての問題とかもございましたので、今回蓄電池に関してはぜひ気をつけていただけるとありがたいと思います。

 それから第2点でございますが、先ほど解体業者さんからの御指摘でございますが、確かに輸出のときの自動車の返還に関しては若干の問題があるかもしれません。ここは最初に法律を作ったときに、特にユーザーの団体の方から返還に関してかなり強い御主張があって入ったものということだと思いますけれども、これのために自車充当方式か他車充当方式かというところを変えてしまうというのは、ちょっと、小さいもののために大きいものを全部変えるという御指摘になると思いますので、ちょっと難しいというふうに私には思えます。

 これは自車充当方式というのは拡大生産者責任を自動車リサイクル法はとっていますので、自分がお作りになった車は最終的なところまで責任を持っていただくという考え方がございますので、他車充当方式にしてしまうとそこが根底から覆りますので、それはこれからカーボンニュートラルとかいろいろなことか自動車関係の世界的な状況の変化によっていろいろなことが起きる可能性があるかもしれないと私も思っていますが、ちょっとこの法律の根本を変える話になってしまうということを申し上げておきたいと思います。

 以上です。

〇酒井座長  はい、どうもありがとうございました。手を挙げていただいた方々、一通り御意見をお聞きすることができたと思います。

 それでは質問事項もございましたので、ここで両省の方から御発言をいただき、そして不足がございましたら、この後もう一度聞く機会を作りたいと思っております。それでは、今日は環境省の方の主催でございますので、先に環境省の鳥居さんもしくは御担当からお願いいたします。

○鳥居リサイクル推進室室長補佐  環境省でございます。本日は皆様いろいろ御意見をいただきましてありがとうございました。

 最初からいきますと、高橋委員から特預金を活用のところについて、リサイクルを促進するインセンティブといった御意見がございましたけれども、現在、環境配慮設計や再生資源利用の進んだ自動車へのインセンティブ制度について検討しているところでございます。

 その他の特預金の使途については、いろいろと御意見をいただいていますので、他の使途も含めて検討していければと思っています。

 また、自治体関係については、自治体での指導監督が難しいという話が高橋委員や酒井委員などからございましたけれども、自治体だけはなくてJARCや自工会、自再協との協力や、自治体への研修などを実施していますので、よりどういった支援をしていくべきなのか、自治体の方々とお話ししながら検討していきたいと思っております。

○三牧自動車課課長補佐  続きまして経済産業省の三牧ですけれども、私の方から一部回答、説明をさせていただきます。

 井岡委員からディーラーの方で、理解促進の活動としてユーザーに対する説明についてマニュアルをもってやっているのかという話がございましたが、基本的にはそのような形でやられていると理解しておりますが、こちら自販連さんとかまた後で何か補足があればお聞きできればというふうに思います。

 自動車リサイクル機構の酒井代表から5つ程度いただいていたかと思います。1つ目にリサイクル料金を中古車価格に含めて取引するということについてのお話があったかと思います。こちらについては酒井委員がおっしゃっていたとおり法令等で何らか規定されているものではないということではございまして、現状そのような形でやられているというふうに認識しております。

 ただ、それを中古車価格に含めるということになると、本来リサイクル料金というのは預託金ですので、そちらは非課税ということになっている一方で、中古車の車体価格は課税の対象ということになりますので、中古車価格にリサイクル料金を含めると、そういった形で全体額としての消費税額という形になってくるかと思いますので、そういった点で留意が必要だと思いますし、あと全体額としてリサイクル料金を含めると額としてちょっと高く見えてしまうというところもあると思います。そういった中、結果としての現在の取引の状況になっているのではないかというふうに、我々としては理解してございます。

 続きましてエアバッグ、フロンの料金改定の話があったかと思います。こちらは回収や運搬を能率的に行ったときの適正な原価ということで、自動車メーカーとで定めているというものでございますけれども、そういうものですので一義的には自動車メーカーさんと御相談をいただくということになろうかと思いますが、私たちも個別の話として関係者間での確認等できることを対応させていただくものだというふうに考えてございます。

 自動車リサイクル士ということについての御意見もございました。こちらですけれども、現在それを行っていくにあたって、国としても教材の内容の確認とか、講師として御協力させていただいたりさせていただいておりますし、一部の自治体においては登録業務において自動車リサイクル士の認定証書を活用したりする動きもあるというふうに聞いておりますけれども、そういった何らかこの自動車リサイクル士の取組が有効に使えるように何か考えていけないかということでは、対応を考えていきたいというふうに考えてございます。

 織委員の方から、広報という観点で、より理解活動を促進することが必要ではないかというお話があったかと思います。教習所の話もございましたが、こちらもJARCの方でいろいろ取組を進めておりまして、教習所の方にもいろいろ御相談する等の取組をやっているようですけれども、できるところで進めていきたいというふうに思いますし、理解の促進というのは非常に重要なものだと認識しておりますので、そちらについてJARCとも連携をしてよく考えていきたいというふうに思います。

○藤岡自動車リサイクル室長  続きまして同じく経済産業省藤岡から、三牧の方で御説明できていない部分を少し補足させていただきます。

 まず自動車リサイクル機構の酒井代表から最後の輸出返還の話、これは佐藤委員からも御指摘があった部分でございます。また大塚委員からも少し関連しての御発言があったかと思います。

 おっしゃるとおり、利息の問題というのはいささかどうなのかということであろうかと思います。この自動車リサイクル法上利息の部分といいますのは、自動車製造業者等に払渡すことになっておりますけれども、これは一応輸出業者等の取戻しにも同様に規定されているところでございます。これは預託金であるという性格ですとか公平性の観点から、こういった現行法の取扱いとなっているということではございますが、払渡しあるいは取戻しにおける者の違いによって利息のつけ方を変えるとか、返す返さないという取扱いを考えるということになりますと、これは法改正が抜本的に必要だというふうに考えるところでございます。

 であるから改正しないということを申し上げているということではなく、これは大塚委員からもお話がございましたように、かなり大きな外科的な治療も必要になるというとところもあるのではないかというふうに認識しておりまして、この辺についてはいずれにしても今後の自動車のあり方、変革、電動化とか、大きな見直しがそう遠くならないところでやって来るというふうに私ども認識しておりますので、その検討の中でどのような形にさせていただくか合わせて考えていきたいというふうに思っているところでございます。

 それから根村委員、それから鬼沢委員から、ここに書かれてあるものについての時間軸がどうなっているのかという御質問を頂戴いたしました。オリンピックは4年ですが、我々のこれまでの審議会のパターンでいきますと5年を一つの軸として考えているケースが多かったということになりますので、一般的な事項、現行法の内容とかそれから今後こうしていくという運用的なものについては、この5年のうちに可能なものについては時間軸を示しながらやっていくということになるんだろうなというふうに思っておりますが、ちょっと書き切れるか難しいものがございまして引き続き検討されていただきたいことがあります。

 それは電動車とかそういった大きな流れがやってくるということについて、これの見極めをどうするか、これの然るべき時期というか必要な時期ということで申し上げているかと思いますけれども、ここのところについては時間軸を示せるかどうかは引き続き検討かなというふうに思っております。それに合わせて議論しなければならないことを今回整理させていただきますが、それらについては付随して検討されることから時期が書き切れないというか、いろいろなことを考えていくということで、引き続き検討していくという形をとっていくものがあるのではないかと思っています。

 ただ、一方で、合わせて議論する論点はじゃあ5年間丸々かかるのかとか、5年後にやらなければいけないのかというそういうことでは決してなく、この自動車百年に一度の大変革、それからいろいろな形が待ってまいりますので、極端な話このシリーズで報告書をとりまとめた後、早々に検討の必要性の有無を考えていくような場面というのは当然あり得るだろうというふうに考えているところでございます。

 それから、評価の部分について今回記載がないのではないかということでございました。御指摘ありがとうございます。論点の方向性ということで、評価の右・左というところまでは書き込むことをしておりませんが、当然の御指摘かというふうに思っておりますので、次回のところは多分この報告書ということになりますと現状のデータという部分も含めてお示ししつつ、総合的にこういったものも記載させていただくということでございますので、次回若しくは次々回どこかの段階では必ずまた委員の皆様の御指導いただくような形というのをイメージしたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

〇酒井座長  はい、藤岡さんどうもありがとうございました。その前の三牧さん、鳥居さんからの御説明も含めて委員からの指摘、質問をほぼ対応いただいていると思います。

 消費者の御理解、ユーザーの御理解の部分で、先ほど三牧さんの方から、自販連の方から追加があるかという発言がございましたので、今日の自販連は荒居委員ですね。もし追加の御説明がございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。無理にとは言いませんが。

〇荒居委員  荒居です。大丈夫でしょうか。

 ユーザーに対する自動車ディーラーの周知説明については、昨年9月30日に業界の取組説明をさせていただきましたが、1人のお客様に対しまして3回説明してございます。はじめに車の商談時にリサイクル料金が記載されている車両価額表にて説明しております。次に商談締結時には、注文書の中にリサイクル料金が明記してございまして、そこで細かく説明しております。

 最後に納車時に自動車リサイクル券を渡す際に再度説明させていただいております。メーカー系列のディーラー約1,500社の会員を細かく調べたわけではございませんが、業界内では徹底されていると思っております。以上でございます。

〇酒井座長  はい。どうも荒居委員、突然の指名にお答えいただいてどうもありがとうございました。今の御説明の趣旨とまた違う形で、JARCの方でもいろいろ理解促進活動をされていると先ほど発言の中に言及がございました。

 今日は冒頭で御紹介いただきましたとおり、JARCの方から阿部専務がオブザーバーで参加いただいているということですので、もしよろしければこのタイミングで御発言をいただけるとどうかと思いますが、いかがでしょうか。無理にとは申しませんが。

〇JARC・阿部専務理事  はい。それではちょっと一言述べさせていただきます。JARCにつきましては、過去にいろいろと新車販売時また中古車の販売時にいろいろな情報提供をするということで御協力をさせてきていただいております。

 それでまた現在、非常に幅広くユーザーに理解してもらおうということで、いろいろなマスメディアとかを使って展開をしております。

 先ほど織委員からもありましたように、教習所こちらの方への展開というのも、今までは1ページを教本の中に入れていただくということから、現在そこで休憩時間などに見ていただくVTR等に、JARCのいろいろな情報を流したりしております。

 ただし、前回もちょっと話をさせていただきましたけれども、教育カリキュラムに入れるということは、やはり国土交通省等の別の組織との関係があるということで、なかなかJARCからの依頼だけでは難しいというところがございますので、そういうところを両省とも話をしながら、どう進めていけるのかというのを検討していきたいと思います。以上でよろしいでしょうか。

〇酒井座長  どうも阿部専務、突然の指名にお応えいただきましてありがとうございます。

 それでは今日は資料4の論点にいただいた御意見に両省を中心に今お話をいただきました。このやりとりを踏まえまして、あとどうしてもという御意見がございましたら、再度お聞きしたいと思いますが、どなたか発言御希望の方おられますでしょうか。

 それでは武藤委員の方から発言希望の挙手が挙がっておりますので、では武藤委員どうぞ。

〇武藤委員  聞こえておりますでしょうか。

 リサイクル法の目的は逆有償を防ぐというのがあったかと思います。このことに関連して酒井委員の方からお話があった預託金相当額を価格に含めるという話をちょっと確認したいと思います。

 そもそも、このまま中古車価格が逆有償になるというと、想定しているのは中古車価格がマイナス1万円だとして、そのほかに預託金相当額が1万円という取引をすると仮定すると、注文書にどう書くんでしょうか、ということになると思うんですね。

 本来はリサイクル法が予定したのは、中古車価格に含んで中古車価格が上がる、つまり逆有償化を1万円相当分だけ防げるというんですか、そういうのを目的にリサイクル料金を前払いしてもらって、中古車価格を上げるというのが目的だったので、今は中古車価格が逆有償になっていないので大きな問題となっていませんが、今後中古車価格がだんだん安くなって、マイナスになったら、じゃあそのとき今までのように預託金相当額を外出ししていると、中古車価格がマイナスで預託金相当額が別途1万円ということになるのは、ちょっと想定外の話ですので、その対策も考えると、やはり預託金相当額を中古車価格に含めて表示する、消費税の表示とか難しい問題がありますが、そういうことができるはずですので、そういうことも一応検討はしておく必要があるのではないかというのが私の意見です。以上です。

〇酒井座長  どうもありがとうございます。二巡目あとお二方手が挙がっていますので、引き続きお聞きしたいと思います。佐藤泉委員どうぞ。

〇佐藤委員  佐藤でございます。資料4の中で3Rの推進で環境配慮設計や再生資源利用の進んだ自動車へのリサイクル料金の割引制度の記載があり、これを進めるというお話がありました。私の意見としては、発想としては間違っていないと思いますが、これ以上リサイクル料金の設定に複雑化するというのは制度全体として負荷が大きくなると思います。リサイクル料金の設定は簡素化する方向の方が制度運用としてはいいのではないでしょうか。発想としては正しいと思いますが、結果として過度な負担を当事者にかけることはやめた方がよいと思います。

 環境配慮設計もリサイクルだけではなくて、例えばCO2全体の排出量を考えるようなことも考慮しているのか、環境配慮設計の考え方を今わかっている範囲で教えていただきたいと思います。

〇酒井座長  はい。では続きまして森谷委員どうぞ。

〇森谷委員  ありがとうございます。少し先回りしたことになるかもしれませんが、今の資料4については、次回あるいは次々回どのようなことになるのでしょうかということです。再度修正したものをまた議論するということでしょうか。それからどこかのタイミングでパブリックコメントをするということになるんでしょうか。そういうことをお伺いしたいと思いました。以上です。

〇酒井座長  はい。もうお一方。嶋村委員からも手が挙がっておりますので、どうぞ嶋村委員お願いいたします。

〇嶋村委員  すみません。嶋村でございます。非常に多岐にわたる御意見が出た中で取りまとめをいただきまして、非常に感謝しております。内容的には非常にうまく、概ね漏れなくまとまっていると思いますので、特に異論はございません。

 そういう中で、佐藤先生からの御提案につきましては、もっともな点が非常に多くございまして賛同する部分も多いということで、今度佐藤先生の御指摘の処理困難化等の動向も含めて、電動化やシェアリング等の販売形態の変化であったりとか、カーボンニュートラルへの対応としての個々の事業者の役割みたいなものを勘案した総合的な観点での抜本見直しの必要性が高まった時期に、佐藤先生の御提案内容もぜひあわせて御検討いただければというふうに考えております。

 それから今申し上げました、カーボンニュートラルについてでございますが、資料4の3ページ目(3)の3つ目の矢のところでございますが、自動車のリサイクル段階におきましてはまだCO2排出量の実態も充分に把握なされていないというふうに思いますので、まずはこの実態把握を充分に行うことが必要ではないかというふうに考えております。その上で法律の抜本見直しの際にあわせて検討していければというふうに考えてございます。

 あとリチウムイオンバッテリーに関して、幾つか御意見をいただいておりますが、既に御承知のとおり、自動車工業会の方で仕組みを3年前から構築済みで回しております。

 ただ、如何せん廃車になるのに15年ぐらいかかりますので、2035年に100%電動化というところでございます。それを言い出すと2050年という話になってしまいますが、とりあえずまだ発生量は非常にごくわずかというところでございます。本格的に発生が2010年以降発売された車両の廃車の発生が増えてくるのは恐らく2030年以降になるかなというふうに考えております。ということで、時間軸的には2030年ぐらいからリチウムバッテリーに関しては本格化してくると。自工会の方では既に不適正な処理が行われないように仕組みを構築しておりますので、その様子も考え合わせながら、状況を見ながら抜本見直しの検討ということが必要かなというふうに思っております。

 あとリサイクル機構さんの方からフロン、エアバッグの解体業者への支払金額についての御意見がございましたが、この料金はまさにメーカーの方でお支払いしておりますが、ユーザーさんの料金そのものということになりますので、これに関しましてはユーザーさんからいただくお金の値上げということに直結いたしますので、慎重な検討が必要かなというふうに思っておりますが、適切な料金をお支払いできるように慎重に検討していくことが必要かなというふうに思っております。

 すみません。以上でございます。

〇酒井座長  どうもありがとうございます。それでは4名の方から第2ラウンドの御意見を頂戴いたしました。質問事項もございましたので、両省の方から質問に対しての御回答と、それからコメントへの回答で可能な部分というのをお願いするということでまいりましょうか。いかがでしょう。

○三牧自動車課課長補佐  はい。経済産業省でございます。

 武藤委員より中古車価格にリサイクル料金を含むという関連で、逆有償の話があったかと思います。正確に私が理解できているかというのがわからないんですけれども、中古車という形で取引をされるとなると、中古車をユーザーなりが購入するとき、逆有償というマイナスで購入するみたいなことがあり得るのかどうかちょっとわからないんですが、そういう仮に中古車とリサイクル料金を含めた形でやるときに0円ということになると、それはリサイクル料金を納めていないということになり得て、そういうことはまずいと思いますので、基本的には少なくともそういうときはきちんと分けてやるというのが原則になってくるのではないかなというふうに思います。

 一方で、使用済自動車はそういう逆有償ということはあると思いますけれども、そこは使用済自動車に関してはリサイクル料金は含めないで、それはユーザーが負担をするという形になるので、おっしゃるようなことはないのかなというふうに思っています。

 森谷委員から御意見のあった、今後どういうふうに進めていくのかという話でございますけれども、そちらに関しては今日いろいろな御意見をいただいたと思いますので、それらの御意見を踏まえて今後骨子案というのを考えていくことになりまして、その報告書の骨子案というところを最終的に報告書を出すことになるんですが、そのどこかの段階でパブコメを出すということは考えられると思いますので、そういう形で皆様と御相談、御議論していき、進めていきたいというふうに思います。以上です。

○鳥居リサイクル推進室室長補佐  続きまして環境省から回答をさせていただきます。

 佐藤委員から、リサイクル料金の割引について、複雑化しないようにという御意見、環境配慮設計とはどういうものを指すのかという御質問がございました。以前まとめた骨子の中で、環境配慮設計としては、自工会のガイドラインに沿っているか、新冷媒を採用しているか、といった項目を確認するとしてお示ししておりました。

 おっしゃるとおり、複雑化して過度の負担がかからないようにという観点も非常に重要ですので、メーカーやJARC等とよく相談しながらシステムの検討をしていきたいと思っています。

 また、リチウムイオン電池について、嶋村委員からも御回答いただきましたけれども、環境省でもリユースやリサイクルの実証事業を行っており、来年度はリチウムイオン電池のリサイクル設備に対する補助についても予算として計上しています。こういった事業によって体制の整備を進めていきたいと考えております。

 こちらからは以上となります。

〇酒井座長  はい、どうもありがとうございました。それでは第2ラウンドまで委員の方からの御意見をお聞きしてまいりました。それに対しての事務局の考え方、あるいはその周りからの情報提供もさせていただきましたので、今日のところこの論点(案)への御意見というのはこのあたりにしたいと思いますがよろしいでしょうか。

〇武藤委員  すみません。ちょっと補足の意見ですがよろしいですか。

〇酒井座長  武藤委員。わかりました。はいどうぞ。お聞きしましょう。

〇武藤委員  三牧さんからお話しいただいたマイナスの中古車の取引がという話ですが、具体的には下取車でどういう表示をしているかというと、1万円の預託金相当額を勘案して合計で5千円とか8千円で3千円だとかという値段で下取りをすると、そういう取引をしていることが想定されているわけです。それは何でそんなことをしているかというのは、先ほどから言っている逆有償化を防いで、使用済自動車になるのを遅らせているということだと思うんです。その下取った車がオークションで高く売れることも当然あるわけです。マイナスの取引になるとなかなか実際にそういう取引は難しいと思いますので、中古車としてできるだけ長く取引ができるようにするための仕掛けというふうに理解しています。

以上です。

〇酒井座長  はい。ありがとうございます。今のやりとりここまでにさせていただいてよろしいでしょうか。

〇武藤委員  結構です。

〇酒井座長  改めて両省とまた武藤委員の間での意見交換を重ねていただきながら、今後の取りまとめの中で反映させる、させないを含めまして御検討いただければというふうに思います。どうもありがとうございます。

 それでは活発な御議論をいただいてきたところでございますので、ここで産構審の村上座長の方から印象、御意見をお聞きしたいと思います。

〇村上座長  はい、ありがとうございます。村上です。活発な御議論をどうもありがとうございました。年度末のお忙しいところをお集まりいただきましてどうもありがとうございます。

 細かいところはもう多くいただいているとおりだと思っておりますし、今日の資料4のおまとめ、事務局も御苦労さまでした。

 幾つかお伺いしていて中で気になったものだけ簡単に触れさせていただきますと、まずシェアリング等々みたいな話も出てきておりましたが、ざっというとプレーヤーの構造が変わるような話が出てくるのかなというふうに思っておりまして、最近サーキュラーエコノミーみたいな話もものすごくよく絡まされておりまして、やはりそういうところでも結構活発な議論が進んできているなと思っておりますので、突然の変化についていけないようなことがないように、今回の見直しのラウンドが終わった後ということだと思いますが、遅れないようなきちんとした議論、頭の体操が必要かなと思った次第です。というのが1つ。

 あとは普及啓発の話というのがあったり、あとは電池の話があったりしたところで、割と「SDGs」とかそういう大きな言葉が出てくるなという印象を持ってございます。そういう話に立って言えば、1つ1つの細かい現場レベルでの自動車リサイクルの話をきちんとこなすというのは本審議会の非常に重要な役割であって、そこを軽んじる気は全くないというか、そこはちゃんとやるのが前提ではございますが、少し大きな目で見た資源としてどうやって使っていくのかみたいな話まで考えないと、やはり目指すべき姿がわかっていないということになりかねませんし、そもそも普及啓発の何を伝えるべきなのかというところが多分ずれてきているような気がしますので、その辺も含めて広い立場での議論、広い観点での議論みたいなものが先々必要になるだろう、そういうものをおろそかにしないように進められればいいなと感じた次第でございます。

 今日はどうもありがとうございました。以上です。

〇酒井座長  村上座長どうもありがとうございました。今うまくまとめていただきました。相当にダイナミックな動きがあることと、それと広い観点からのこのリサイクル制度のやり方が必要であると、そこに関しては私も全く同感ですので、私が追加することは申しません。今日いただいた御意見で根村委員、鬼沢委員の方から時間軸、優先順位、工程表といったところのお話があったかと思います。こういう政策を論議するときに非常に重要な話であるということは御指摘のとおりかと思います。

 その一方、経産省の藤岡さんの方から、簡単でない話題もあるんだということを率直に御発言もいただきました。まさに両委員のおっしゃったこと、それから事務局でお考えになられていることは多分両方極めて大事なポイントであろうというふうに思っております。

 今回の検討の中で充分に詰めていって、そして第一歩を踏み出すべきこと、それと少し時間をかけつつも目標年次と、特にカーボンニュートラルとの関係になるかと思いますが、しっかりと構想を作って、そしてどういう手順でどう進めるかということを、議論を重ねつつ、そしてどう踏み出すかというステップが必要な話題というところが幾つかあるんだろうと思います。そういった意味で御要望は十分に意識をしながら、どうやって進めることができることができるかというところは事務局の方々と十分に議論してまいりたいと思います。

 赤穂委員、大塚委員からお話のあった戦略物資としての蓄電池といったところも同じ文脈になるんではないかというふうに見ております。

 そういうところで今日の貴重な論点整理への御意見を十分に踏まえて、今後の作業ということを進めさせていただければというふうに思っています。

 それでは今日の議事の取扱いにつきまして、事務局の方から説明をお願いいたします。

○鳥居リサイクル推進室室長補佐  本日はお忙しいところ、闊達な御議論及び円滑な進行に御協力いただきまして、まことにありがとうございました。本日の資料につきましては既にウェブサイトにて公開をさせていただいております。

 また、本日の議事録については、後日各委員に御確認いただいた上でWEBサイトにて公開をさせていただきますので御了承ください。次回の審議会については追って事務局より御連絡をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

〇酒井座長  はい。どうも鳥居さんありがとうございました。それでは本日の会議はこれにて終了ということにさせていただきたいと思います。活発な御議論をいただきまして、どうもありがとうございました。失礼します。

(了)