中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環小委員会(第9回)議事録

1.日時

 令和3年8月2日(木)10:00~12:00

2.議事次第

(1) 「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」について

(2) 「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の政省令・告示の

    策定に向けた検討事項について

(3) その他

3.配布資料

資料0 議事次第

資料1 委員名簿

資料2 「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の概要

資料3 「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の政省令・告示の策定に向けた検討事項

参考資料1 プラスチックを取り巻く国内外の状況 <参考資料集>

4.議事録

〇平尾室長  おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから「中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環小委員会、及び産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会・プラスチック資源循環戦略ワーキンググループ 合同会議」を開催いたします。委員の皆様方、御多忙のところ御出席賜りまして誠にありがとうございます。今回事務局を務めます、環境省環境再生資源循環局総務課リサイクル推進室の平尾でございます。よろしくお願いいたします。開会にあたり、異動がございましたので、環境省環境再生資源循環局長・室石から一言御挨拶申し上げます。

〇室石局長  福島に単身で3年以上赴任しており、7月1日付で環境再生資源循環局長となりました、室石でございます。よろしくお願いいたします。資源循環の適切な実現に向けて、土居次長とともに全力で取り組んでまいりますので、皆様どうかよろしくお願いいたします。本日は、先の通常国会で成立したプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律について御報告をさせていただき、政省令・告示の策定に向けた検討事項について、御議論いただく予定でございます。本法律は、合同会議で取りまとめいただきました「今後のプラスチック資源循環施策のあり方について」を踏まえ、先の通常国会で成立したものです。あらためて、委員の皆様には感謝申し上げます。引き続き、委員の皆様から貴重な御意見を忌憚なく賜りまして、法律の円滑な施行に向けて取り組んでまいりたいと思っております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

〇平尾室長  続きまして、経済産業省産業技術環境局・木原審議官から一言御挨拶いただきます。

〇木原審議官  7月1日付で産業技術環境局審議官に就任いたしました木原です。よろしくお願いします。今年1月にこの合同会議で「今後のプラスチック資源循環施策のあり方について」を取りまとめいただき、プラスチック資源循環戦略の3R+Renewableの基本原則に沿った幅広い主体の取組を通じて、「環境・経済・社会の三方よし」を目指していくという方向性を示していただきました。この方向性を踏まえて、環境省・経済産業省が一体となって立案したプラスチック資源循環促進法では、設計・製造から販売・提供・廃棄物の処理の段階までのプラスチックのライフサイクルを、各段階において、事業者・自治体・消費者の各主体による創意工夫に基づくプラスチック資源循環の一層の高度化に向けた取組を推進していくこととしております。法律は公布して終わりではなく、施行に向けて政省令の整備、法律に魂を込めていく作業が残っています。経済産業省としましても引き続き環境省と連携しながら、本法律が循環経済に向けた実効的なものとなるよう検討を進めてまいります。委員、オブザーバーの皆様におかれましては、引き続き御指導御鞭撻いただければと考えております。何卒よろしくお願い申し上げます。

〇平尾室長  本日の合同会議は、中央環境審議会の委員数8名の内8名、産業構造審議会の委員数8名の内7名、長谷川委員は御欠席でございますが、代理で吉田一雄様に御出席いただいております。いずれも定足数である過半数に達しており、両会議とも成立しておりますことを御報告申し上げます。

今回、資料1に委員名簿を付けておりますが、委員の交代がございました。新たに委員として2名着任いただいております。一言御挨拶賜ればと思います。まずは上林山委員、お願いします。

〇上林山委員  東京都の上林山でございます。この4月に資源循環推進部長に着任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

〇平尾室長  ありがとうございます。続いて大下委員、お願いします。

〇大下委員  日本商工会議所産業政策第二部長の大下と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

〇平尾室長  よろしくお願いいたします、ありがとうございます。

本日は、プラスチック資源循環戦略策定省庁から、農林水産省、国土交通省にもオブザーバーとして御出席をいただいております。会議はオンラインにて開催しております。事前に傍聴希望をいただいた方へ、同時配信にて公開いたしております。また、円滑な議論のため、委員はじめ議論に参加される皆様には、特に御発言時に可能な限りカメラをオンにしていただくようお願いしておりますが、通信環境やシステムの関係上オフになる場合がございますので、予め御了承賜れればと思います。

続いて、資料の確認をさせていただきます。議事次第、資料1、2、3、参考資料の5種類御用意しております。それでは、ここからの議事進行を酒井委員長にお願いしたいと思います。酒井委員長、よろしくお願いいたします。

〇酒井委員長  平尾室長、承りました。酒井でございます。本日の議事、どうぞよろしくお願いいたします。先ほど室石局長、木原審議官からプラスチック資源循環に関する新法成立の御紹介がございました。まず、ここまでの準備と様々な調整で新法成立に至ったこと、両事務局に深く感謝を申し上げたいと思います。どうも御苦労様でございました。

今後、実際の運用ルール、システム構築に向けた議論を進めさせていただきます。その際、国会審議の中では様々な御意見を頂戴し、附帯決議も多くいただいております。このあたりを十分に念頭に置きながら、議論させていただければと思っております。

 それでは、早速でございますが、新法の紹介、及び、法律の政省令ならびに告示の策定に向けた検討事項について、事務局から25分程度で御説明をお願いいたします。その後、委員の先生方から御意見をいただく時間を確保しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。それでは説明よろしくお願いします。

〇平尾室長   ありがとうございます。

それでは、まず資料2「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律』の概要をご覧ください。1月のとりまとめを踏まえて用意した法案が6月に成立し、その内容の概要が見えてございます。冒頭、製品の設計からプラスチック廃棄物の処理までに関わる、あらゆる主体におけるプラスチック資源循環等の取組、3R+Renewableを促進するための措置を講じる旨を記しております。背景として、合同会議で御議論いただきました通り、海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題、あるいは、バーゼル等の中国の輸入規制、諸外国の廃棄物輸入規制強化への対応ということで、国内のプラスチック循環を促進する重要性が高まっていることを踏まえて包括的に資源循環体系を強化する必要があり、また、プラスチックが多種多様な物品に使用されていることを踏まえて、ライフサイクル全体の措置を講じる必要がある旨を記載しております。

1. 基本方針の策定は、この法律全体の総合的かつ計画的な推進のため、2. 個別の措置事項をカバーする内容について基本方針を策定する旨を記載しております。 

2. 個別の措置事項では、最初の設計・製造段階で、環境配慮設計の指針について書いてございます。個別の法律内容は、後ほど政省令・告示の策定に向けた検討事項のところで御説明申し上げますが、合同会議のまとめで御提言賜った、リユース・リサイクル可能な環境配慮設計の指針を法律上も明確に位置付け、事業者等が取り組むべき環境配慮に関する設計の指針を策定し、指針に適合したものを認定する仕組みを設けることとなりました。認定製品を国が率先して調達する、グリーン購入法上の配慮を行うことと、再生材利用設備への支援ということで、産廃処理施設に該当する場合に、産廃処理振興財団の優遇措置、助成金の交付、利子補給、これは債務保証ですが、その両方が受けられると記載しております。

次に、販売・提供段階についても、合同会議でまとめていただいた、事業者の取り組むべき措置を示す、消費者の行動変容を促すという部分に対応いたしました。小売り・サービス事業者など、ワンウェイプラスチックの提供事業者が取り組むべき法律上の判断基準を策定することとし、主務大臣が指導・助言を行い、ワンウェイプラスチックを多く提供する事業者へ勧告・公表・命令の措置を講じるという旨を法律上に記載しております。

 その下、排出・回収・リサイクル段階では、「市区町村の分別収集・再商品化」が一番左下にございます。プラスチック資源の分別収集を促進するため、容リ法ルートを活用した再商品化を可能とするために、容器包装ではないハンガーやブロック等もプラスチック資源として、容リ法ルートを活用した再商品化を可能といたします。また、市区町村と再商品化事業者が連携して行う再商品化計画ということで、合同会議で御議論いただいた選別一体化・合理化として、再商品化計画を主務大臣が認定した場合に、市区町村による選別、梱包等を省略して再商品化事業者が実施することを可能とする旨を記載してございます。

続いて、中央の製造・販売事業者等による自主回収については、市区町村によるごみの分別収集と事業者の自主回収を一体的に促進するために、製造・販売事業者等による自主回収・再資源化する計画を策定いただき、主務大臣が認定した場合に、促進措置として排出処理法上の業許可が不要になる旨を法律上で定めております。

その右側、排出事業者の排出抑制・再資源化は、事業者が排出する産業廃棄物についても、排出抑制や再資源化等の排出事業者が取り組むべき判断基準を策定することとし、主務大臣が指導・助言を行い、プラスチックを多く排出する事業者への勧告・公表・命令といった措置を講じてまいります。

また、排出事業者についても再資源化事業者等と一体となってリサイクルがし易いような措置を講じるため、排出事業者等が再資源化事業計画を策定し、主務大臣が認定した場合に、認定事業者は廃棄物処理法上の業の許可が不要になる旨を、法律上の制度として位置づけております。

1番下に施行期日を、公布の日から1年以内の政令で定める日と記載しております。

裏面に参りますが、国会で衆参両方とも2回ずつ精力的な御審議を賜って、委員長からもありました通り、附帯決議等も賜り、嬉しいことに両院とも全会一致で成立し、6月11日に公布となってございます。施行期日は、公布の日から1年以内となりますので、周知期間等やパブリックコメント等を考慮したこのタイミングで、先ほど申し上げた主な政省令・告示事項について御審議をお願いしたい次第でございます。

次に、先ほど魂を込めるという話がありました、資料3「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の政省令・告示の策定に向けた検討事項でございます。

資料2の裏面を目次としてご覧になっていただければと思います。政省令・告示で何を決めていかねばならないか、どのような法律の書きぶりになっていて、委任事項が何で、どのような検討が考えられるかなど、本日の議論に当たり記載した点を、まずは説明させていただきます。 

資料の構成は、スライドの最初で法律の構造を図のように示したうえで、2枚目で、どのような検討、議論を賜るべきかを説明をしております。

スライド1枚目、基本方針の策定をご覧ください。1枚目は、総合的かつ計画的に推進するための基本方針を策定するとしております。法定事項として、プラスチックに係る資源循環の促進等の基本的方向や、その他個別の措置事項である、設計指針、プラスチック製品仕様の合理化、分別回収や、知識の普及に関する事項、その他重要事項について、基本方針に定めるよう記載しております。また、通常の法律と若干異なりますが、基本方針は、海洋環境の保全及び地球温暖化の防止を図るための施策に関する法律の規定による国の方針との調和が保たれたものでなければならない旨、規定を設けております。

2ページ目をご覧ください。基本方針に関し、今後の検討に向けた論点・議論を喚起する趣旨で、考え方を書いてございます。1月におまとめいただいた、「今後のプラスチック資源循環のあり方について」を踏まえ、3R+Renewableの基本原則や、資源循環の促進等の基本的方向性を示し、また、プラスチック資源循環戦略で掲げるマイルストーンの実現に向けて取り組むこと等について、基本方針に明記してはどうかと、記載しております。

また、1月のまとめでも、これは皆でやる取組だという議論があったと思います。事業者・地方公共団体・消費者・国などの幅広い主体において、相互に連携しながら環境整備を進め、各主体が取り組むべき事項を示してはどうかと記載しております。

また、海洋環境の保全及び地球温暖化の防止を図る施策と調和を図りながら進めるにあたり、重要な関連施策を本法律上の基本方針に明記してはどうかと記載しております。

3ページ目は、プラスチック使用製品設計指針になります。7条1項にて、プラスチック使用製品の設計指針を策定する旨を規定しております。ページの一番下に製品設計の例として、付け替え用ボトル、リサイクルが容易になる設計、ボトルtoボトル等を記載しておりますが、こうした設計についてメーカーが認定申請を行い、指定調査機関が調査し、8条4項により主務大臣が認定すると認定製品となり、8条6項に基づき公表されます。そして、ページ右に丸く「認定製品」等とある通り、認定製品に対し、グリーン購入法上の配慮をして国が購入することとなります。事業者や消費者の方もぜひ購入してほしいという努力規定がございます。

赤字が政省令・告示に起因する事項であり、4ページ目に考え方や構成内容を書いております。

最初に①設計指針の考え方は、これまでの取組の努力が適切に反映されることや、プラスチック使用製品は多種多様で、求められる用途・性能が異なるため、様々な要素を考慮し、メーカーが自ら合理的に優先順位等を決定してはどうかということを記載しております。

中央の、プラスチック使用製品製造事業者等が取り組むべき事項及び配慮すべき事項には、全てのプラスチック使用製品が対象となる考え方を、総論的に示してはどうかと記載しております。様々な検討事項を示してメーカーの取組を促すとし、構造、材料、また、情報発信等その他メーカーとしての取組を総論として記載しております。

その下の「設計認定を受けるに当たって適合すべき事項」では、製品全体に占めるプラスチックの割合が重量比又は体積比で過半を占めるものについて、製品分野毎の認定基準を設定してはどうかと記載しております。また、指定調査機関の関係は既存法令を参考に定めてはどうかと記載しております。

5ページ目「特定プラスチック使用製品の使用の合理化」をご覧ください。法律上、商品の販売または役務の提供に付随して消費者に無償で提供されるプラスチック使用製品を、特定プラスチック使用製品といたしました。対象の製品・業種など赤字で示す事項を、政令で定める必要がございます。「事業者が取り組むべき判断基準」が上部の③に該当し、その下に矢印で伸びる「取組が著しく不十分な場合に勧告・公表・命令」をする対象の「多量提供事業者」への該当について、④「政令で定める要件」を定めることとなっております。

6ページ目、①「特定プラスチック使用製品」の考え方について、「商品の販売又は役務の提供に付随して消費者に無償で提供されるプラスチック使用製品のうち、提供量が多く使用の合理化の取組によってプラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制が見こまれる観点」は、1月の合同会議で御指摘いただいた、過剰な使用の削減を促すべき観点、代替素材の使用を促す観点等から製品を指定することとしてはどうかと記載しております。

続いて、②の業種の定めについては、①の製品を提供している業種を指定してはどうかと記載し、加えて、「業種としては指定業種に該当しなくても、事業活動の一部で指定業種に属する事業を行っている場合には、その事業の範囲で対象とすることとしてはどうか」としています。例えば、昨年度の合同会議で念頭に置いたストローやカトラリー類などは飲食サービスで提供されますが、直接的な飲食活動ではなくても、飲食サービスを提供するような場合に、その範囲を対象とすることが考えられます。

③「判断の基準」は、1月の合同会議でも議論がございましたが、いくつかの選択肢を例示して事業者の取組を促してはどうかと記載しております。

④「特定プラスチック使用製品多量提供事業者の要件」は、既存法令を参考に定めてはどうかと記載しております。

7ページ目は「市区町村の分別収集・再商品化」となり、プラスチック使用製品廃棄物の分別収集・再商品化を促進する旨記載しておりますが、法律上は若干複雑で、いくつかに分かれております。最初に、市町村はプラスチック使用製品廃棄物の分別収集に当たって「分別の基準の策定」と「当該基準に従って適正な分別排出を促進する」ことについて努力義務がございます。これには、下位法令委任事項はございません。そのうえで、32条に基づき容リ法ルートを活用しても結構ですし、33条に基づき選別一体合理化のメリットを活かし、再商品化計画の認定制度を活用いただくことも可能となります。これらは、それぞれに下位法令委任事項がございます。

 8ページ目は、容リ法ルートを活用した分別収集の再商品化についてです。環境省令で定める分別収集物の基準に適合したものについて、容リ法上の指定法人に委託できることになっております。

9ページ目は、「容リ法指定法人に委託する場合の分別収集物の基準」になります。容リルートを活用するため、基準設定の考え方として、容リ法の分別基準との整合性が問われ、また、分別収集物の質の確保も議論になると考えております。また、1月の合同会議の段階でリチウムイオン電池等の異物混入対策について御指摘を賜っておりますので、そうした旨を記載してございます。

10ページ目をご覧ください。選別の省略について御提言いただき、「中間処理工程の一体化・合理化」として法律に定めております。市区町村が再商品化事業者と再商品化計画を策定し、①再商品化計画の認定申請をすると、主務大臣が②「要件に適合する計画の認定」をいたします。その認定基準について、「計画内容」について「再商品化の効率的な実施に資するものとして主務省令で定める基準」や「期間」、「能力・施設」等の要件の基準を、省令で定める必要がございます。認定基準に合致したものは、ページ下部の「再商品化実施者」に記載のとおり、分別基準適合物にするために選別保管する必要があるところを、35条に基づき「容器包装リサイクル法の分別基準適合物とみな」し、再商品化され、容リ法の指定法人から再商品化料が支払われるという流れになります。法律が読みづらく大変申し訳ございません。

11ページ目は法律の委任事項について、一番上の①「再商品化計画の認定申請」では、法定の申請事項以外の付帯事項として、適正な処理を担保する観点から必要な事項を規定することとしてはどうかと記載しております。②は計画の認定基準であり、先ほど申し上げた、再商品化に係る一連の工程の明確性、適正な処理の担保、再商品化の効率的な実施について設定してはどうかと記載してございます。そして、期間の要件については既存法令を参考に規定する旨や、再商品化実施者の能力及び施設については、適正な処理を担保する観点から基準を規定することとしてはどうかと記載しております。③「計画の変更の認定申請/事前届出/事後届出」では、適正な処理と、申請者の手続に係る負担を可能な限り軽減する観点等を考慮して必要な事項を規定する旨を書いております。

続いて、12ページ目は「製造事業者等による自主回収」に移ります。自らが製造、又は、販売したプラスチック使用製品等を自主回収・再資源化する計画を作成して、主務大臣が認定した場合に廃棄物処理法上の業許可が不要になる制度になります。①で製造販売事業者が認定申請として、法定の申請事項と省令の定める事項を添付書類で提出し、②で主務大臣が、主務省令で定める基準、あるいは、能力・施設で定める基準に適合するかに基づき、計画を認定いたします。その結果、ページ下部に緑色の点線で示す通り、廃棄物処理法の特例の範囲として、業許可が不要になるということでございます。

13ページは、①「自主回収・再資源化事業計画の認定申請」については、法定事項以外の事項について、計画記載事項や添付書類について、適正な処理を担保する観点から必要な事項を規定することとしてはどうかとしております。また、②「要件に適合する計画の認定」では、合同会議で御議論賜った、リサイクルの質と量を向上させる観点から一体的にやるべきという点を考慮して、再資源化に係る一連の工程の明確性、適正な処理の担保の観点を基準とする点と、再資源化事業者の能力及び施設について、適正な処理を担保する観点から、基準を規定してはどうかと記載しております。続いて、「計画の変更の認定申請/事前届出/事後届出」は、変更認定が必要ない場合の届け出事項として、適正な処理の担保を前提とする必要はございますが、申請者の手続に係る負担を可能な限り軽減すること等を考慮して必要な事項を規定してはどうかと記載しております。

14ページ目をご覧ください。「排出事業者の排出の抑制・再資源化等」とあり、産業廃棄物についてでございます。事業者が取り組むべき判断の基準を、主務大臣が策定することになりますが、ページ下部の排出事業者の箇所の②の通り、政令で定める小規模な事業者を除くこととしております。これは、産業廃棄物を排出するあらゆる事業者のうち、中小企業基本法の小規模事業者を念頭に置いております。一方で、勧告等の対象となる事業者は、排出量が政令で定める要件に該当するものとしており、多量排出事業者の要件を政令で定める必要がございます。なお、この点のみ、再資源化ではなく再資源化等としており、等は熱回収を指しております。現状、熱回収が半分程度あることを正面から受け止め、その中でも、3Rへの移行に向け取り組んでいただくため、再資源化等の判断基準を策定するというようにしてございます。

15ページ目は、そうした内容を踏まえ、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制・再資源化等の実施の原則について、技術水準その他の事情を考慮しつつ、3R+Renewableの基本原則を踏まえて規定するとしてはどうかと記載しております。これは、合同会議でまとめていただいた内容になります。加えて、排出抑制・再資源化等について、それぞれ求められる取組を規定することと、多量排出事業者については計画的な取組を求めると記載してございます。そして、小規模事業者は、既存法令を参考に中小企業法上の小規模事業者を規定することと、多量排出事業者についても既存法令を参考に規定してはどうかと記載してございます。

16ページに移ります。排出事業者等が再資源化事業計画を作成し、排出事業者、又は、排出事業者より委託を受けた再資源化事業者が認定申請をし、主務大臣が計画を認定いたしましたら、廃棄物処理の業許可が不要になる制度でございます。

17ページ目は、①申請事項について、法定事項以外に適切な処理担保の観点で必要事項を規定することと、②「要件に適合する計画の認定」は政省令にて認定の基準を作る必要がございますが、リサイクルの質と量を向上させる観点から、リサイクルの一連の工程の明確性や、適正な処理の担保について規定してはどうかと記載しております。再資源化事業者の能力・施設の基準についても、適正な処理を担保する観点を記載してございます。続いて、計画の変更の認定申請/届出については、変更認定でなく届け出でよい場合もございますが、適正な処理の担保を前提とし、申請者の手続に係る負担を可能な限り軽減することを考慮してはどうかと記載してございます。

最後、18ページ目は、政令委任事項として、主務大臣の権限の委任や、施行期日についても政令で定める必要があるため、記載してございます。長くなり恐縮ですが、資料2と3の説明は以上でございます。

〇酒井委員長  平尾室長、ありがとうございます。それでは、冒頭の2つの説明、この後の政省令・告示の策定に向けた検討事項、この両議題につきまして、委員の皆様から御質問・御意見などをいただけたらと思います。御発言を希望される方は WebExシステムの挙手機能で発言の意思表示を行ってください。御発言にあたりましては、こちらから指名させていただきますので、指名された後、ビデオオン、ミュートオフで御発言ください。どうぞ挙手をお願いいたします。

それでは石川委員からお願いできますでしょうか。よろしくお願いいたします。

〇石川委員  どうもありがとうございます。3点申し上げたいと思います。

1つは、この法律は全体としてPledge and Reviewで進めていく構造になっています。この場合、2つ重要なことがあると思います。1つは、Pledge and Reviewは個社、若しくは、特定の業界が進めるものであるため、どんどん進む方向へもっていくには、それぞれが行った結果をパブリックに評価し、優れた試みを広げていくことが重要と思います。もう1つ、更に重要なことは、あくまで個社や特定業界が行うものであるため、結果を束ねたところで全体にはならない点です。Pledge and Reviewの1つの弱点は、全体がどうなっているのか、社会全体としてプラスチックはどのような状況で、うまくいっているのかいっていないのかを把握し、社会全体のPDCAを回すには、Pledge and ReviewにてPledgeされる内容、Reviewによる評価だけでは足りないということです。全体のフローを制御することが重要ですので、別の仕組みで情報を集める必要があります。今回の御説明では、廃掃法にある多量事業排出者の報告義務のようなものは課せられておりませんが、アンケートをお考えということですので、そのアンケートでは全体のフローを把握することを意識した、システマティックな調査をしていただきたいと思います。毎年のように継続的に実施しなければ、状況が分からないと思います。

もう1つは、この法律の範囲についてです。産廃のプラスチックが対象ということですから、例えば、テイクアウト用の容器やカトラリーは対象にならない。Pledge and Reviewの内容は企業が選択するため、自由になってしまいます。法律の対象ではないけれども、テイクアウトされる物に対しても、調査の際に情報は取得すべきと思います。この法律は、そもそもプラスチックの資源を循環させようという法律であり、プラスチックにおける一般廃棄物・産業廃棄物の区別は法体系の理屈でしかなく、資源全体のフローをコントロールするために全体は必ず必要になることから、情報として取得すべきと思います。以上です。

〇酒井委員長  石川委員、どうもありがとうございました。続いて、坂田委員お願いいたします。

〇坂田委員  日本化学工業協会の坂田でございます。御説明ありがとうございます。プラスチックに係る資源循環の促進等に関するこの法律は、多様な製品に利用されるプラスチックの特性を考慮し、プラスチックの製造・販売事業者、そして排出事業者、市区町村という幅広い主体が関わった、包括的にプラスチックの資源循環体制を強化する内容になっていると理解しております。法律の具体化に向けて、今後検討される政省令・告示事項については、関連事業者の自主的な取組が、資源循環の促進に自然な形でつながることを期待しております。御説明いただいた政省令・告示事項をめぐる考え方について、産業界の立場から4点コメントさせていただきます。

 まず1点目、基本方針の考え方として、海洋環境の保全及び地球温暖化の防止を図るための施策に関する法律の規定による国の方針との調和について触れられておりますが、海洋プラスチック汚染問題、地球温暖化の防止と資源循環の促進は容易には並立しえない課題と考えております。この点に十分留意したうえで、LCAの観点から、高い次元でバランスを取った政策の策定をお願いしたく存じます。

 2点目は、プラスチック使用製品設計指針の基本的な考え方において、製造事業者が継続的に安定した品質の製品を提供していくために、資源循環の観点だけでなく、機能性や安全性に加え、コストとの両立の点も含めた設計指針の策定をお願いいたします。また、より自由度の高い環境配慮設計を可能にする上では、分解・分別技術やリサイクル技術のイノベーションが非常に重要であると考えております。複合素材から単一素材への、簡便かつ低コストな分離技術や、ケミカルリサイクルなどの高度なリサイクル技術等のイノベーションの実現のため、行政の財政面・技術面での御支援をお願いいたします。

 3点目は、排出事業者の排出の抑制、再資源化等の判断基準の策定の考え方についてです。化学産業では、既に製造・加工工場でプラスチック原料や加工端材の海洋への流出防止に取り組んでいる企業も多くございます。そのような既存の取組が適切に評価され、促進されるような判断基準の策定をお願いいたします。

 4点目、最後になりますが、日本化学工業協会でもプラスチックの資源循環体制の強化を目指し、ケミカルリサイクルの社会実装に向けた取組を検討しているところでございます。資源循環においては、サプライチェーンの各段階でリサイクルコストが適正かつ確実に価格転嫁できること、これが極めて重要と考えております。今回の法律の公布・施行によって、ケミカルリサイクルに対する取組が加速されることを期待しております。以上でございます。

〇酒井委員長  坂田委員、どうもありがとうございました。続いて、森口委員お願いいたします。

〇森口委員  ありがとうございます。総論について1点と、各論について2点申し上げたいと思います。

総論は、冒頭で石川委員が御発言されたことに尽きますが、法律の中で新たにできることの記載はあるものの、全体として、この法律が目指していることが実現できているのかどうかは、各論の世界だけではなかなか状況が把握できないということだと思います。どのような場が適切なのか、この合同会議を継続することも含めてだと思いますが、この法律の施行状況をしっかりとフォローアップしていくことが必要と思います。特に、定量的に把握することが必要だと思いますので、枠組みを御検討いただければと思います。

 各論は、2点目の方が主になりますが、1点目は、冒頭にある特定プラスチック使用製品の使用の合理化についてです。言うまでもなく、プラスチック使用製品は多岐にわたりますので、難しいところは多々あると思います。その中で、合理化できるところを進めていく必要がありますが、前半の審議過程で色々と議論になったように、目指すべきはやはりリデュースとなります。認定の仕組みでは、もちろん相対的に良いものを認めていくわけですが、一種の免罪符的になって量が減らないと、それでよいのかという議論になりかねませんので、合理化という言葉が、ある種のグリーンウォッシュに取られないよう、気を付けねばならないと思います。 

各論の2点目は分別回収についてです。あえて、分別収集ではなく分別回収という意味で申し上げたいと思います。31条の中で、しっかりと市区町村の分別回収の全体的なことを書いていただいたことは結構かと思いますが、平尾室長も御発言の通り、34条、35条の条文はなかなか難解で、市町村にとっては少々ハードルが高いのではないかと思います。一方で、容リ法関連の32条の条文は簡潔で、容リ法の世界に足すことができる書きぶりになっているため、このままいくと容リ法で集めていたものに、更に雑多なプラスチック製品が回収され、再商品化の質が下がるのではないかとかねてより懸念申し上げてきました。そのため、ぜひ新たな枠組みの中では、中間処理工程の一体化だけではなく、従来、独自ルートと呼ばれていたものも含めて、市町村独自の工夫に活用いただきたいと思います。12ページ以降の製造事業者等による自主回収は、容リ法で言う特定事業者が店頭回収するケースもあり、これまで独自にリサイクルされていた状況よりリサイクルしやすくなると思いますが、法律上の建付けが異なっていても、消費者・市民にとっては、市区町村の分別に出すことも自主回収に出すことも、より良いリサイクルに貢献したいという思いは同じと思います。しかし、法律の建付け上、市町村は自主回収の啓発は行いづらいと思われます。31条の世界でそれが読めるかはなかなか悩ましいところかと思いますし、どうやって合理的な分別回収を進めていくのかについても、この法律のボトムアップだけではなかなか設計しづらいところがあると思います。その意味で、法律の条文に対する政省令はしっかり作っていく必要があると考えます。先進的な事例を反映したものと思いますが、どのような姿が望ましいのか、別途色々なモデルも考慮し、全体感を持った議論が必要ではないかと考えます。以上でございます。

〇酒井委員長  森口委員、ありがとうございました。続いて、崎田委員、お願いいたします。

〇崎田委員  崎田です、ありがとうございます。既に色々な御意見が出ていますが、初回ですので私なりにコメントさせていただきます。

まず、プラスチック製品の製造・販売から使用・回収・再資源化まで、ライフサイクル全体を見据えて一貫した法律を作り上げていただいたことについて、合同会議での検討から法律にまとめるまで大変な御苦労があったと思います。まずは関係者の方々に敬意を表したいと思います。ありがとうございます。

それでは、3点ほどお話をしたいと思います。まず、1点目はやはり、その実現には全ての関係者が連携して取り組むことが重要であり、各主体が自分事として考え、相互に連携して取り組むためにも、法律が目指すものは何か、全体像、狙い、それらが社会に伝わっていることが重要だと考えます。メーカー、小売り事業者、外食、消費者、自治体、そして循環産業の皆さんが連携して3R+Renewableに向けて取り組むために、例えば、事業者と自治体が、既存の法律は変わっていないけれども、連携して取り組めば更に新しく効果的なチャレンジができるということが伝わり、社会の多くの皆さんが、この法律を活用して自分たちの地域で何ができるか、そうしたことをしっかり考えていただけるような、流れを作っていただきたいと思います。

2点目については、消費者がどのように行動変容を具体化し、脱使い捨てプラスチックや使用済みプラスチックの分別に参加するかが、このシステムの成功に大変影響してくると思います。消費者の選択、使用、分別、排出などがある中で、消費者のどのような行動変容を期待するのかを、それぞれの部分で明確に書き込む、あるいは、全体像としてもしっかり入れ込むことを忘れないでいただきたいと思います。

最後に、今、自治体が2050年ゼロカーボンシティを目指す動きが大きくなってまいりました。こうした流れの中でも、使い捨てプラスチックの発生抑制や回収・再資源化が大変大きな存在としてクローズアップされております。どのような取組が貢献するのか、LCAの観点等をしっかりと見える化して発信していただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

〇酒井委員長  崎田委員ありがとうございました。続いて、大下委員、お願いできますでしょうか。

〇大下委員  ここまでの取りまとめと今回の御説明ありがとうございます。事業者の観点から4点申し上げます。

1点目は、基本方針についてです。2ページ目に書かれております、事業者・消費者等幅広い主体が相互に連携しながら進めることが重要で、各主体が取り組むべき事項を示すという方向性は、今回の内容・趣旨から考えて、非常に適切と思っています。今回の具体的な制度設計のみならず、今後の施行・施行後のレビューに際しても、事業者・行政・リサイクルに関わる関係者等が連携を密に、納得性を高めていく形で丁寧に進めていくことが、引き続き重要と考えます。但し、冒頭の石川委員のお話にもありましたが、主体性を重んじるあまり、結果として資源循環が進まないのは望ましくありません。プラスチック資源循環戦略で掲げているマイルストーンの実現に向けて取り組んでいくという方向性が、より重要と思っておりますので、そのための関係者間の連携及び成果の把握・検証と改善、こうした点を明確に仕組みとして落とし込む必要があります。

 2点目は設計指針についてです。ここで適合製品の認定・公表の仕組みが規定されておりますが、これは、事業者がプラスチック資源循環に向けて適合した設計の工夫をできる限り進めるための象徴、広告塔、つまり、事業者のモチベーションを高めるための位置づけと思います。そうした意味では、明確な指針設定も非常に重要ですが、同時に、認定取得、あるいは、取得に向けた技術開発のモチベーションになるような財政面での支援、さらには好事例の公表・PRといったものが重要になるのではと思います。今回の政省令の策定に関わる部分とは少し離れますが、今申し上げた点を可能な限り制度に落とし込んでいただく、あるいは、具体的な施行にあたって留意いただければありがたいです。

3点目は使用の合理化の部分です。今回、提供事業者ならびに多量事業者の指定・指導・助言・勧告・命令という仕組みが盛り込まれていますが、ここに関しては事業者の予見可能性を高める観点から、できる限り、基準が明快で判断が簡便になるような枠組みとすることが非常に重要と思います。先行する容リ法の仕組みとなるべく近い方法を採って、事業者に分かりやすい枠組みとしていただければと思います。これは、14ページの排出事業者の排出抑制・再資源化における、排出事業者・多量排出事業者の基準についても同様です。

 最後に4点目、分別収集の再商品化計画の認定の部分です。国が認定する仕組みになっておりますが、認定後は事業者任せ・市町村任せではなく、国が十分に市町村と連携して、このスキームが所期の目的を果たせるよう、成果の把握・検証・改善についての責任・役割をしっかり担うべきではないかと思います。その点をできる限り、明確に仕組みとして落とし込むことが望ましいと思います。私からは以上でございます。ありがとうございます。

〇酒井委員長  どうもありがとうございました。引き続いて上林山委員、お願いいたします。

〇平尾委員  すみません、一旦事務局から説明させていただいてもよろしいですか。

〇酒井委員長  はい。すみません、平尾室長の方からお申し出がありましたので、ここまでのところで回答・追加説明いただくようにいたします。上林山委員、今御指名しましたけれども、少々お待ちください。

〇平尾室長  大変申し訳ございません。ここまでのところで回答申し上げます。

石川委員から最初にPledge and Reviewと御発言いただき、同様に森口委員、大下委員からも、施策の評価についてしっかり体制を組んで把握・モニタリングする必要があると御指摘いただきました。御指摘のとおりと思います。政省令・告示で定めた内容が、この先どのように実施されていくかはしっかりモニターする必要があると思いますし、その中で石川委員が御指摘のように、個々と全体は異なることも踏まえ、中身を組んでいこうと考えております。

石川委員からパブリックにしていくことが重要だという御意見がありましたが、以前の合同会議でも社会が評価する仕組みの必要性について御指摘がありました。そのとおりであり、社会が評価するために必要な情報は、しっかり公にしていく必要があると思っております。法体系として一廃・産廃という御指摘もございましたが、必要な情報を取得すべきという点はそのとおりだと思いますので、方針を考えて参ります。

また、坂田委員から、基本方針における海洋環境保全及び地球温暖化の防止との調和事項への御指摘も賜りました。高いレベルで検討・両立を図っていくことが施策として必要となります。その意味でも、双方の関係性も踏まえあえて法律上で明記したこともあろうかと思いますので、重要な施策についてしっかり対処していきたいと考えてございます。

それから、設計指針については、プラスチックの使用は多種多様で、コストが安価である、加工が容易であると、様々な背景・実態があると考えてございます。法律を離れますが、環境省では、今年度は36億円ほど予算を確保し、コスト削減の観点も含め、様々な技術実証をしてございます。来年度の予算要求も検討している時期ですが、対処していきたいと考えてございます。

それから、判断基準についても色々な取組が既に行われております。産廃も含め、色々な取組がまだら模様のように進む状況と思いますが、これまで先行してきた方が評価されて先に進み、そうでない方は考え直して、3Rの階段を上がっていくように移行したいと思っております。ケミカルリサイクルについて制度的に検討されている旨もお伺いしておりますので、そうしたところで、この法律がどのようにいくかという観点でも御議論賜ればと思います。

続いて、森口委員の総論は、石川委員と同様の御指摘であったと思います。この審議会を閉じないという話がありましたが、施行後の状況のフォローアップはしっかり行う必要があると考えてございます。

使用の合理化については、グリーンウォッシュにならないようにという観点もございました。必要な記載をしていきたいと考えてございます。 

また、分別回収とおっしゃっていただきましたが、法案成立前の合同会議でも市区町村での分別回収、事業者による自主回収を一体的に推進するという御議論を賜っており、そのとおり、法律として構成させていただいておりますが、法律で書ききれるところ、書ききれないところがあり、ある程度合わせ技になっていくと思います。今年度、一括回収に向けた御支援ということで、市町村に対してモデル事業を公募し選定手続きに入っておりますが、支援というのもおこがましく、一緒に考えて、市区町村の現場の御意見を踏まえながら具体化していきたいと考えております。

また、崎田委員から、この法律を皆で進めるにあたり、各主体の中でも、特に消費者の行動変容がどのような場面で求められるのかという御議論ございました。これは、分別収集に協力してください、指針の認定製品を使ってください、あるいは、使用の合理化に対し消費者の行動変容を促すなど、これまでも御議論があり、それらも踏まえて進めさせていただきたいと思います。また、法律の政省令・告示のまとめに限らず、メッセージの発し方はしっかり検討していきたいと思います。

ゼロカーボンシティについても、地方でうねりになっておりますので、地方自治体の今後の取組と一緒になって取り組んでいきたいと思います。

それから、大下委員から施行後のレビューの話がございました。政省令・告示のまとめのみならず、しっかり進めていく必要があると思いますし、設計指針に関しては、認定をされることによって法律上はグリーン購入の対象になりますが、更にモチベーションを上げていただく法律上の仕掛け、仕組みが必要になってくる可能性も高いため、しっかり考えていきたいと思います。また、判断基準の明確化も、できる限り、やってみようと考えていただけるものにしたいと思いますし、再商品化計画において、施策のモニターの御指摘もございましたが、そうした視点もしっかり盛り込んでいきたいと考えております。

途中で割り込んで大変申し訳ございませんでした。経産省からもございますか。

〇羽田課長  ありがとうございます。今年7月から資源循環経済課長として着任いたしました羽田でございます。大枠、室長からお話しいただきましたが、先生方からいただいたなかで設計指針と使用の合理化に関して2点ほどコメントいたします。

 まず、設計の指針でございます。皆様より御指摘いただいた中で、リサイクルのみならず指針に様々な視点を入れてほしいということや、コスト・実態を見ながら自由度高く考えてほしいという御意見がございました。まさにこれは、資源循環等ということで、リデュースがありながらも3R+renewableの実装を後押ししていくところになります。また、製品によっても何を求めるかは、強度・安全性等異なってきますので、それぞれの中で皆様が配慮できるような観点と、認定をするに当たって、各業界・製品群の中でトップランナーと言える指針をよく考慮し、実情のあり方をよく議論させていただければと思います。また、環境省から説明がありましたように、現在も実証などの後押しがございますが、御指摘を踏まえて、モチベーションにつなげるために、どうやって適合製品の公表をしていけるかを我々でも考えてまいります。

 また、使用の合理化に関し、予見可能性と、リデュースにつながっていくような使用の合理化がされるべきという御指摘ございました。よく考え、皆様への周知も含めてよく御議論させていただければと思います。ありがとうございます。

〇酒井委員長  羽田課長、平尾室長、どうもありがとうございました。それではこの後、御意見頂戴していない委員から一通り最後まで御意見いただきたいと思います。全てお聞きいただいた上で、事務局からお答えいただければと思います。

 では先ほどお呼びした上林山委員、お願いいたします。

〇上林山委員  ありがとうございます。東京都の上林山でございます。まずは、今回政省令の考え方についてお示しいただきありがとうございます。私からは、自治体の観点から大きく4点お話しさせていただければと思います。

 1点目は基本方針について、法の3条によれば、基本方針については地球温暖化対策推進法の改正で示された 2050年のカーボンニュートラルの考え方と調和したものでなければならないとございます。今、御提示いただいているプラスチック資源循環戦略のマイルストーンに加えて、2050年のカーボンニュートラルに向けたプラスチック利用の姿も、基本方針の中でお示しいただければと考えます。併せて、大幅なリデュースやリユース、また、水平リサイクルといった技術の実装によって化石燃料に依存しないプラスチック利用を目指すというものも掲げる必要があるかと思います。

 各論について3点ほどお話しさせていただきます。1つは市町村の分別収集及び再商品化について、今回の製品プラスチックの一括回収については、区市町村からは期待の声もありますが、中には分別収集や再商品化計画等に関する具体的な方法や手順について明らかになっておらず、戸惑いが多く見受けられます。この政省令において、そうした点を具体化していただくとともに、細かい点はなかなか書きづらいと思いますので、具体的な内容はガイドラインを早期にお示しいただければと考えております。

加えて、区市町村の懸念として、今回の製品プラスチックの回収を行った場合、選別・異物混入の防止・再商品化費用に係る負担についての懸念が強く感じられます。区市町村に負担感がなく、スムーズに分別収集が行われる制度設計、あるいは、政省令に書き込む話でないかもしれませんが、財政支援等もお願いできればと考えております。また、個別に話がありましたように、リチウムイオン電池等の、再商品化を著しく阻害するプラスチック使用製品廃棄物に関して市町村の役割をお示しいただいておりますが、やはり、多様な主体の取組が必要と考えております。一例を挙げれば、製造事業者による表示の仕方であるとか、分離の容易化、啓発なども役割として記載いただくことが必要と思います。また、分別に関して設備導入が必要な場合もありますので、市町村、あるいは、中間処理事業者に対する財政支援等もお願いしたいと考えております。

続いて、製造事業者による自主回収及び再資源化についてです。自主回収を広く進めていただくことが非常に重要と考えておりますので、例えば、大臣認定などの手続きの簡素化、あるいは、迅速化・弾力化が必要になってくるかと思います。御検討いただければと思います。

また、質問ですが、現在でも自主回収が幅広く行われ、我々自治体が許可不要と判断して行っている自主回収もございます。今回の法の施行に当たって、こうしたものも改めて大臣認定を求めるということではないと理解しておりますが、その理解でよろしいでしょうか。

最後に、特定プラスチック使用製品の使用の合理化について、リユースの観点も必要と思っており、プラスチック使用製品設計指針に、容器のリユースシステムの採用についてしっかりと検討していくといったことを盛り込んでいただくことや、容リ法に基づく判断基準 省令の改正なども必要になってくるのではないかと考えております。私からは以上でございます。

〇酒井委員長  どうもありがとうございました。続いて大熊委員、お願いいたします。

〇大熊委員  ありがとうございます。よろしくお願いします。私からは3点要望ということでお願いいたします。

 1点目は、設計指針に関わる製品の安全性確保でございます。今、お話に出ましたが、容リのリサイクルの中でもリチウムイオン電池による爆発や火災が頻発しております。今後、一括回収になりますと、製品も混入し、リチウムイオン電池対策が非常に急務となってまいります。今、国でも検討されていると思いますが、この設計指針の中で、設計の段階から分離可能な構造にするとか、リサイクルにおける安全性の視点からも、指針における具体的な内容を盛り込めないかと思っております。できればそうした視点からも、指針の策定をお願いしたいということであります。

もう1点は、分別の一括回収についてです。容リプラの処理費について、今、容リルートで行きますと、事業者負担でリサイクル費用が賄われておりますが、一括回収で容リルートに行きますと、製品プラの処理費は自治体の負担になろうかと思います。中間処理が省略できるケースであれば、自治体の負担は軽減されるわけですが、同じ自治体の中にリサイクラーがいない場合は、ほとんど容リルートを活用せざるを得ず、製品の処理費の負担がかかってきます。施行する制度の問題ではないかもしれませんが、そうした視点からも自治体の負担増に対する支援をぜひお願いします。

そして3点目、製造事業者等による自主回収について、この認定を取得すればESG投資において具体的にプラスになるといったような、事業者が評価される基準となるよう金融庁等と連携をしていただき、事業者による自主回収を促進していただきたいと思います。私からは以上でございます。

〇酒井委員長  どうもありがとうございます。続いて佐藤委員、お願いいたします。

〇佐藤委員  佐藤でございます。よろしくお願いいたします。

新法では、色々な新しい制度を導入して希望もある訳ですが、同時にどのように運用されるかについては課題があり、今後の運用によってはなかなか制度が活用できないこともあり得ると思います。そうした意味で、いくつか意見を述べさせていただきます。

まず、多様な認定制度を効率的に動かす仕組みを考えていただきたいと思います。自主的取組を進めるためには経済合理性が必要と思います。そのためには、質の良いプラスチックを大量に集め、質の良いリサイクラーにいかに合理的に運搬するかが重要と思います。まず、市町村の回収については、容リ法ルートも1つと思いますが、市町村の自主的な取組が更に個別にできるような認定制度を期待したいと思います。その場合、市町村は単に市民から回収しているだけではなく、排出事業者となる側面もあります。また、一般廃棄物か産業廃棄物か分かりにくいものがあります。例えば、観光地では不法投棄が大きく増加する可能性があります。これは、ゴミ箱が少ないためです。自治体は、家庭のごみに関してはきちんとした収集計画を策定していますが、イベントや観光地についてはゴミ箱の設置がだんだん減っている、外国と比べると知識がない人がどうごみを捨てればいいか分からないという側面があると思います。それからイベントやお祭りでも、一般廃棄物か産業廃棄物か分かりにくいことがございます。市町村は排出事業者の側面があり、また、家庭や、一部産廃も含め事業系の物も集めている。その中で、市町村と製造事業者・排出事業者が連携する、つまり、分断しないような認定制度の仕組みを考えていただきたいと思います。製造事業者も同時に返品や在庫処分など排出事業者になっており、そうしますと、「製造者としての取組」に限らず、市町村や排出事業者の責任も兼ねた運用のできる認定制度を作っていただきたいと思います。

それから、排出事業者の側面ではフランチャイズチェーン、大型商業施設、大型オフィスビル、オフィス、商店街など多用な排出事業者が連携することで大きなリサイクル効果・削減効果があると思います。当事者を分断しない形での認定制度を考えていただきたいと思います。

また、申請から認定まで相当時間がかかる、あるいは、認定を受けた後の変更申請に非常に時間がかかることがあると思います。多様な認定制度の前に、ぜひ電子の申請制度、そして標準処理期間の設定によって、当事者が自主的取組を迅速に始め、柔軟に変更できる制度をお願いしたいと思います。

最後に、高度なリサイクルは非常に望ましいですが、それができない場合は低炭素社会に対応するために、熱回収を効率化するのも重要と思います。多様なリサイクルシステムを効率的に運用していくことが重要だと思います。そのためには、動脈物流を最大限活用し、トラックに空きがない状態で運搬を効率化させることが重要と思います。したがって、動脈物流の方々に十分ヒアリングしていただき、リサイクル効率化に支障が出るような制度は導入しない、例えば、車両表示は非常に負担になっております、マニフェスト・契約書についても、動脈物流を有効に活用できるシステムの導入をお願いしたいと思います。以上です。

〇酒井委員長  佐藤委員、ありがとうございました。柳田委員、続けてお願いいたします。

〇柳田委員  ありがとうございます。法制化・政省令の策定に向けた御説明ありがとうございました。私からは大きく3点ございます。重複もありますが重要と考えておりますので発言させていただきます。

 本合同会議で取りまとめた「今後のプラスチック資源循環施策のあり方」について、プラスチック資源循環の課題解決に加え、ジャパンモデルを世界に広げることでSDGsや海洋プラ問題に貢献すること、加えて、新型コロナウイルスに伴うエッセンシャルユースの増加への対応を明示しておりました。これまでのやり方では対応が難しい、かなりチャレンジングな方向性をうたっておりますので、この基本的な考え方を個々の指針、環境配慮設計指針、使用の合理化等々に前提としてもしっかり明示いただき、難しい領域に入っていくこと、新しい対策をスタートしなければならないという心構えをしっかり打ち出していただければと思います。

2番目は、個々の施策に対応してケミカルリサイクル、バイオリファイナリー、LCAなど新しい技術や評価方法なども逐次開発されていくと思われますので、その技術などを具体的に理解できるように、例えば、代替素材でしたらバイオプラなのか紙なのか、あるいは、その技術が進化しているのであれば、どのような機能を付加したかなどと、都度分かりやすく解説していくのが肝要と考えております。

加えて、開発普及に伴う適当なステージで、冒頭石川先生からもございましたが、進捗度をできるだけ定量的に把握するアンケート等を実施し、また、個々の指針もタイムリーにブラッシュアップしていくことで成果につなげていくことが必要だと考えております。私からは以上でございます。ありがとうございました。

〇酒井委員長  柳田委員、ありがとうございました。続いて大塚委員、お願いいたします。

〇大塚委員  4点ほどございますが、重なる部分がありますので簡単に申し上げます。

 1つ目は石川委員、森口委員がおっしゃったことと関係いたしますが、従来の規制緩和や誘導策を総動員した、良い法律になったと思っていますが、フォローアップに関して、プラスチック循環戦略のマイルストーンのキャッチアップができているか定量的なフォローアップが非常に重要になると思います。もし、マイルストーンがなかなか達成できない場合は、更に色々な施策を打っていかねばならないと思いますので、フォローアップを私からもお願いしたいと思います。

 2つ目は、国会の附帯決議にかなり出ているように、プラスチックに関する表示制度の問題になります。参議院と衆議院で違いますが、少なくとも認定プラスチックの使用製品のマークは必要になると思います。これが先ほどの御説明のどこに当たるかを教えていただければと思います。

3つ目は、これは、私が以前から合同会議で申し上げていたことですが、リサイクル後に、利用していただかないと回っていかないというのが、非常に重要な問題と考えており、再商品化・再資源化計画において、利用先のことまで書いていただき、大変ありがたく思います。ただ、佐藤委員もおっしゃったように、あまり細かく変更の手続きに時間がかかると動きが取れなくなる問題がございます。広域認定では、末端の関係者が少し変更すると全て申請しなおすという点が問題になっているようですので、柔軟にしていただくことが重要だと、私からも申し上げておきたいと思います。

 最後に4つ目、必ずしも今日の話に関連しませんが、附帯決議ではマイクロプラスチックに関して、なお問題があることや、プラスチック添加剤等の化学物質に関する成分表示等の問題が指摘されておりますので、環境省様におかれましては、引き続き御検討いただきたい旨申し上げておきます。以上でございます。

〇酒井委員長  大塚委員、ありがとうございました。引き続いて、本日御欠席でございます経団連の長谷川委員の代理で、吉田一雄様が出席されていると聞いております。よろしくお願いいたします。

〇吉田様  ありがとうございます。本日は大変丁寧な説明をありがとうございました。代理にて恐縮ですが、4点申し上げます。

 1点目は、資料3 の4ページ目「設計認定を受けるに当たって適合すべき事項」についてです。製品分野ごとの認定基準を設定してはどうかということですが、既に環境配慮設計を行っている業界もありますので、既存の取組に基づく製品設計についても適切に評価されるように、各業界とコミュニケーションをとって進めていただきたいと思います。

 続いて2点目、資料8ページ目について、既に先生方から御指摘のあるところですが、再商品化に係る費用負担の件です。特定事業者と市区町村それぞれが負担すると認識しております。実態と乖離がないような形にしていただきたいと考えており、制度設計に当たっては慎重な検討をいただければと考えているところです。

 3点目、資料15ページ目の中で、先ほど平尾室長のお話でも「正面から受け止めて」とありましたが、熱回収の位置づけは改めて重要と考えておりますので、よろしくお願いいたします。再資源化が困難なケースも生じ得るため、再資源化の技術的・経済的な合理性が伴わない場合、熱回収が有用な措置であることについて省令においても可視化していただければと思います。

 4点目は、排出事業者による自主的な取組についてです。排出抑制や再資源化の取組は企業や業種によって直面する事情が様々であるということを踏まえ、各事業者による自主的な取組を促す形で制度設計をいただければと考えております。

以上4点でございます。よろしくお願いいたします。

〇酒井委員長  ありがとうございました。次に髙村委員、お願いいたします。

〇髙村委員  髙村でございます。まず、皆様おっしゃっておられましたが、国会にて全会一致で可決された、ある意味で期待の高い法律と思います。冒頭で局長、審議官がおっしゃいましたが、ここでの作業は法律に命を吹き込む作業と思いますので、非常に重要な検討・審議だと思います。その上で、基本的な考え方、基本方針のところになるかもしれませんが1つ、また法律第3章の製品設計指針のところでいくつか申し上げたいと思います。

1つは、既に東京都の上林山委員がおっしゃったことですが、特に石油起源のプラスチックについて、2050年カーボンニュートラルとの整合性をしっかり書き込んでいただきたいと思います。これは、もちろん新法でも温暖化との調整と書かれていますが、同時に、改正温暖化対策推進法でも明確に基本理念として記載されていますので、国、自治体、事業者、国民も含めて、基本的な考え方としてしっかり書き込んでいただきたいと思います。

それとも関わりますが、カーボンニュートラルの関係で昨年12月に発表され、また、今年6月に改定されたグリーン成長戦略の中でも、しっかりと資源循環は位置づけられています。その中で書かれる資源循環のうち、ここではプラスチックについて、積極的な対策こそがより持続可能な産業構造・社会に向けての変革をもたらすこと、次世代の産業構造を作っていくこと、そうした考え方も合わせて反映いただきたいと思っております。

各論といいましょうか、法の第3章にあたるプラスチック使用製品設計指針についていくつかございます。御説明にありましたように、基準に適合する製品を国が率先して調達する公共調達の形で、先頭になって取組を進める事業者を支援し、市場拡大し、それを通して全体の取組の底上げを図るという考えに立った指針と思います。そうすると、指針は先頭に立って取組を進める事業者をしっかり支援し、全体として取組の底上げを図るに十分な高い基準でなければならないと思います。参議院の附帯決議でも書かれている通り、ライフサイクル全体で見た時にトップランナーにふさわしい内容となるものが期待されていますが、この法令の作りであれば、基本的な指針の考え方は、恐らくそのようなものでないといけないと思います。御指摘があったように、事業者の創意工夫を促すのも大切と思いますが、適切でないものが認定を受けることのない指針を期待いたします。こうした製品設計は、決して簡単だとは思っておりませんが、こうした努力を行う民間事業者に対して、しっかり民間の資金がつくための1つの条件と思いますので、指針はそうした水準のものにしていただきたいと申し上げます。

 2点目も、その観点からぜひ指針の中で考慮いただきたいのが、リサイクルの観点から、ライフサイクル全体での持続可能性がどれだけ向上するかという点です。資源循環もそうですが、温室効果ガス排出量、生物多様性、あるいは、労働やガバナンス、食料競合といった観点からしっかり評価する必要があると思います。ライフサイクル全体の持続可能性については、衆参両院の附帯決議の中で期待されている点、触れておきたいと思います。特に、これまでの議論、社会の関心からいっても、バイオマスプラスチックに関して非常に丁寧な評価・適合性が確認されることが必要と思います。

 3点目は既に御指摘があった通り、指針は技術の進展とともに変更を求められていく可能性が高いものと思いますので、定期的な改定をどう織り込むかの御検討をぜひお願いします。

 最後に、資料3のスライド4「製品認定を受けるに当たって適合すべき考え方」で示唆をいただいております、製品全体に占めるプラスチックの割合が重量比又は体積比で過半を占めるものについて、製品分野毎の認定基準を設定することとしてはどうか、という点でございます。基本的に、この優先順位は適切と思いますが、同時に、代替可能な技術が既にあり、率先して既に対応が可能なもの、必要なものもあるように思っており、優先順位はここにおいていただくにしても、認定基準が必要な製品の設定はもう少し間口を広げた形で御検討いただきたいと思います。以上です。

〇酒井委員長  髙村委員、どうもありがとうございました。続いて馬場委員、お願いいたします。

〇馬場委員  ありがとうございます。今回の法律策定の関係者の皆様に感謝申し上げます。プラ製品廃棄物が幅広いルートで回収され、熱回収や分別回収、再商品化が活発化することは、消費者の観点からも歓迎すべきことと思います。これから策定する具体的な仕組みは、ライフサイクルの環境負荷やコスト等の観点でも効率的な仕組みになることを期待しております。続いて、御専門の委員の先生方が御発言された中ですが、企業の取組と消費者に係る点で何点か申し上げたいと思います。

 全体としてプラスチック廃棄物の3R+Renewableにあらゆる主体で取り組むことになったのは非常に喜ばしいことだと思っております。ただ、皆でプラスチックの3R+Renewableに取り組むことを消費者が認識し、過剰な利用を減らし、事業者を選択することが重要と思います。資料2のスライド1は非常に分かりやすい御説明ですが、消費者がどうすべきかが読み取りづらいように思います。規定しづらいとは思いますが、平尾室長からも、消費者に求められることをまとめていきたいとのお話もありましたので、ぜひ何らかまとめていただき、消費者側の取組の進捗をフォローいただければと思っております。消費者によく接する企業が、消費者に対して働きかけをすることはSDGsの一環としても重要ですので、取組いただけることを期待したいと思います。

 また、企業にとって、プラスチックの資源循環や使用の合理化に積極的に取り組むことが社会の幅広いステークホルダーからの評価につながるといった点も、策定するもののどこかで指摘されると良いと思っております。

プラスチック使用製品設計指針の策定について、資料3スライド4の方向性に同意でございます。ただ、環境配慮設計に関する指針について、安全、衛生、利便性、ユニバーサルデザイン、資源調達のサステナビリティなど、幅広い視点でのSDGsの観点にも配慮したものと思っており、また、イノベーションや企業の先進的取組がますます出てくると思いますので、随時アップデートされることが重要と考えております。あまり古いものを指針として使うと、形骸化してしまうと思います。

 資料3スライド6 に挙げた4つの政省令の全体について、まず、ワンウェイプラスチックは非常に広範で様々な企業が対象になると思います。プラ製品の使用の合理化は、経営者や実際の対応を考える企画担当者の認識を高めることが非常に重要だと思いますので、製品や業種を指定したり、判断基準を策定したりすることは、様々な多くの企業に取り組んでもらう上で有効と考えます。プラスチック使用製品の使用の合理化がしっかり運用されるためには、ワンウェイプラスチックの提供事業者の中でも消費者との接点が最前線となる、例えば、店舗スタッフが、自分が取り扱っているのはワンウェイプラスチックで、これは減らしていくべきもので、ふんだんにユーザーに渡すのではなく、ある程度合理的な渡し方をした方が良いものだと認識しなければ、店舗などの現場では結局使用量を抑えられなかったりし、せっかく仕組みを作っても形骸化すると考えられます。今回策定するものに盛り込むことかどうかは別として、消費者と接する現場担当者に対する企業からの働きかけや教育といったことも重要だと伝わるものが良いと思います。

製品認定や各種計画、企業から行政への申請などでは、デジタル化が適切に進むことを期待します。

いずれにしても、認定や指定を受ける企業、リサイクルに関わる事業者の間では対応が進んでいくと思いますが、消費者が関わってくる場面も含めて、定期的で、可能な範囲で定量的な状況のレビューも必要と思っております。長くなりましたが以上です。

〇酒井委員長  馬場委員、どうもありがとうございました。本日はほぼ全委員から御意見・御質問含めて頂戴しました。事務局は多くの意見で大変かと思いますが、回答いただけるところで結構ですので、それぞれからお話をいただきたいと思います。その話を聞き、どうしても2回目の御発言が必要であれば、各自挙手をお願いします。あと予定まで20分と時間が限られておりますので、どうしてもという方に限って、挙手いただければと思います。

 それでは平尾室長、お願いします。

〇平尾室長  ありがとうございます。まとめられるところをまとめて御説明したいと思います。

上林山委員と髙村委員からカーボンニュートラルの関係で御指摘あったと思います。2050カーボンニュートラルが重要な施策だということ承って、今後に反映していきたいと思います。

分別の観点で、上林山委員から細かい点を明らかにする旨御指摘もありましたので、省令に書けるところ、更に細かく示していくべきところをしっかり考えて作業を進めたいと思います。

大熊委員、上林山委員、吉田様から、費用負担の関係が明確になるようにとの御指摘いただきました。実際の運用に係る制度の作りこみ、省令への記載事項、実際にどのような検査をするかなど様々ございますので、政省令・告示の後になりますが、御意見を踏まえ、運用のことも考えていきたいと思います。特に、大熊委員と上林山委員から、自治体の負担増について御指摘ありました。国会の附帯決議には財政措置の議論もございまして、どのような支援ができるか、来年度の予算請求に向けて現在検討を進めてございます。

それから、自主回収や他の認定制度の簡素化について、上林山委員、佐藤委員から御指摘があり、馬場委員からもデジタル化とのお話がございました。適正性を担保しつつでありますが、デジタル技術を使ったオンラインの運用もしっかり考えていく必要があろうと思いますし、可能な限り、手続き面の負担にも配慮していくことが必要と考えてございます。

具体的な質問が上林山委員からございましたが、まさにそのとおりで、自治体が既に許可する自主回収について、改めて認定を取得する必要はないことは、しっかり説明したいと考えてございます。合理化のところではリユースシステムの御議論も賜りましたけれども、考えて進めていきたいと思います。

 同じ自主回収のところで、大熊委員からや他の委員からもメリットの御議論賜りました。ESGの視点では、ファイナンスの検討会を設けてガイダンスも策定させていただきましたが、積極的に取り組む企業にESGの資金が流れ込むといいと考えております。政省令と運用と法律各部分の全体に係ると思いますが、しっかり考えていきたいと思っています。

それから、佐藤委員から様々な御指摘の中、全体感をもって制度を運用するようにという御指摘ございました。森口委員の議論にもつながってくるところでありますが、制度は個別に設計されておりますが、それぞれが全体感を持ってプラスチックの3R+Renewableの観点で運用していけるように考えていきたいと思います。その中で、御指摘いただいた熱回収や物流の効率化もあると考えております。

柳田委員から、基本的な考え方を合同会議でまとめていただいた旨、ご指摘のとおりだと思います。基本的な考え方・基本方針であり、個々の施策の前提となるものですので、どのような受け止めができるか考えていきたいと思います。

また、技術の進展ということで御指摘賜りましたけれども、具体例の取りまとめ、あるいは、進捗度の把握を法令や指針などに反映していく必要があるのではないかというのはそのとおりだと思います。これは悪いお役所の癖として作っておしまいではなく、しっかり改訂しキャッチアップするという方向で全体の作業を進めていく必要があろうかと考えてございます。

それから委員から国会の附帯決議の御紹介もございまして、附帯決議で様々御指摘賜り、全体で検討を進めていきたいと考えてございます。表示のところ、直接的には設計指針で認定した製品をどう世の中に知らしめていくかということ、法令委任事項というよりはその外になっていくことではありますが、しっかりと受け止め進めていきたいと考えてございます。

それから、吉田様からも御指摘を色々賜っておりまして、関係業界とのコミュニケーションをしっかりとやっていきたいと考えてございます。

そして、髙村委員から指針の関係で御指摘賜りまして、そのとおりだと思っております。トップランナーが附帯決議に盛り込まれているという御指摘がございましたが、今後の検討にライフサイクルの評価や技術の改定といったことも含めて反映していきたいと思います。

また、馬場委員からは消費者向けのメッセージということで、崎田委員に先ほど御説明申し上げた点もあるのですが、そういったことも踏まえつつ、皆がやること、消費者がやること、あるいは事業者がやること、個別に整理していきたいと考えますし、SDGs、あるいはESGの取組がこちらに広がっていくことをしっかり考えて進めていきたいと思います。また、非常に具体的なオペレーションのところの御指摘をなるほどと伺っておりましたので、そこのところをどう反映していけるか考えたいと思います。

 駆け足で恐縮でございますが、経済産業省、よろしいでしょうか。

〇羽田課長  羽田でございます。少し補足的にお話しさせていただきます。まず、いくつか皆様方から御指摘いただきました設計指針の件でございます。リチウムイオン電池について更に御指摘ございました。こちら、取り外しをし易いようにということはリサイクラビリティーの観点からも、また、異物混入の観点でリサイクルの精度を上げる、質高を目指していくというところでも重要だと考えておりますので、どのように指針に反映できるかよく検討していきたいと思います。

同じく設計指針でございますが、認定について、先ほど髙村委員からお話がありました、先頭に立つ事業者を支援するものであるべきというところ、まったく考えを同じくしております。まず、2段階構成に出来ないかと思っており、皆様によく配慮いただきたいこと、更に、先頭に立つべき事業者として、いわゆるトップランナーはどこまで取組をできるのかということを、よく議論して決めていければと思っております。

また、そうしたことを考えると、複数の委員から御指摘ございましたが、アップデートについて、中でビルトインしていく必要がございます。見直しをどういったタイミングでするかは、製品分野にもよると思いますが、トップランナーを認定したいという思いである以上、皆さんができることを基準にすると、段々と趣旨から変わってくることはよく考えた上で設計していければと思います。

また、平尾室長からも御説明ございました表示については、まず、法律の建付けとして設計の認定製品について表示義務はございません。他方で、こういったものを支援する観点からどのように周知していくか、また、この設計指針の認定を受けたものにおいても、削減する、代替するなど、効果と言いますか、考え方に少しずつ違いもございます。バッティングと言いますか、トレードオフの関係もございますので、何をどう伝えていくべきかと、組み合わせでよく検討していくべき事項であると考えております。

また、設計指針の対象における過半の考え方について、もう少し幅のある考え方をという御指摘いただきました。よく考えながら議論していければと思います。実は、そっくり代替材に替えてしまうことが究極的な設計であるのですが、そうしたものはもちろん対象にならないところでございます。そういった意味で、限界事例は、広げれば相当広くなってしまうのですが、どこかで線引きが必要であろうと思っているところです。

最後に、使用の合理化に係るところでございます。上林山委員から、リユースの考え方について御指摘がございました。まさに、容リ法でもマイバッグの持参や購入といったリユースの考え方がございますが、設計指針の中でも3R+Renewable ということで、入れ込んでいきたいと思います。使用の合理化についても然りだと思っております。

 以上でございます。ありがとうございます。

〇酒井委員長  羽田課長、どうもありがとうございました。大塚委員からの質問で、表示制度の現状のマークとの関係に質問があったと思いましたが、既にお答えを平尾室長からいただいていますでしょうか。聞き逃しておりますでしょうか。

〇平尾室長  大塚委員からの御質問に対して、法律上の委任事項には該当しないのですが、委任事項の外で、表示をどう考えるかの検討が必要になってくるであろう旨、私から申し上げました。

〇羽田課長  併せて、私から補足的に、どのような観点から設計の認定をしたかということを合わせて考えると、トップランナーを後押しするためにどのような表示、あるいは広報の仕方があるか、よく考えていきたい旨を回答しております。ありがとうございます。

〇酒井委員長  どうもありがとうございました。非常に多くの意見に要領良くポイントを押さえて回答いただいたと思います。2回目の挙手はないかと思います。本日はあと5分でございますので、締めくくりにまいります。それでは、ひととおり御発言いただきましたので、経済産業省産業構造審議会の細田座長から御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

〇細田座長  どうもありがとうございます。詳細な点は、色々と各委員から有益な意見、コメントをいただきましたので、それに従って粛々と確認していくことと思います。

全体像として1つ申し上げたいことがございます。私は、この法律は非常によくできた法律だと思っております。石川委員の論文によりますと、プラスチック繊維は縦糸と横糸で、経済の中に網の目のように入ってしまっており、これをコントロールするのは非常に難しいことだと思っております。単なる昔のEPR が良いということではないということは、ほとんどの人が了解しているところです。そこで何をするかというと、難しいところではありますが、一般廃棄物・産業廃棄物を含めた、生産物の全連鎖でコントロールしていくということで、そこにはもちろん生産者責任も、排出者責任も、そして、処理事業者責任もある。この責任が上手く接続されるように制度設計されており、ただ、詳細はこれからという状況です。そういう意味で、先ほどどなたかおっしゃいましたけれども、ジャパンモデルになり得ると思っています。もちろん詳細設計に依存しますが、それをぜひ考えていただきたい。これは、実は強い従来型のEPRではないですが、生産者のコミット、あるいは、これに関わる販売者もそうですが、いろいろな方々の関わりが強く求められている点で、従来にはない生産者責任が問われているのではないかと思います。

石川委員はPledge and Reviewとおっしゃいましたが、これをどう実効性あるものにするかが大事だと思っています。先月エレン=マッカーサー財団のステートメントを見て驚愕したのですが、すべての包装材からお金をとって処理に配れば問題は解決するとしており、これは10年以上前のEPRの議論であって、こんなことをいまだに言っている人がいるのだということに、経済学者として、EPRを長く研究してきた人間として、驚きというか、なんて乱暴な議論をするのだと驚き入っているところでございます。日本は相当な経験があるため、ぜひ今回、ジャパンモデルを作っていければと思っていますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。

〇酒井委員長  細田座長、御発言どうもありがとうございました。それでは私から1点。石川委員からPledge and Reviewとの言葉を頂戴しました。今回の新法における、基本的な考え方の1つになっていくものと整理するのが良いのではないかと思っており、この観点での議論をいただいたことを非常に嬉しく思っております。その意味で、PledgeとReviewの好循環を、今後どうシステムとして作っていくか、まさに、今回の制度運用のキーポイントと思っています。

 次回に向けて、基本指針の中でカーボンニュートラル、海洋環境保全との調和的な整理をしっかりつけることに対して、委員から新規の御意見を頂戴できたと思っております。ただ、中には簡単には並立しない論点が提起されているとの御指摘もございました。恐らく、簡単ではないことを認めつつも、並立していかねばならない観点なのだろうと思いますので、ぜひ基本指針の中でどう触れるか、ともに考えさせていただければと思います。

簡単ではないという話でいきますと、もう1点、設計指針の中でトレードオフの関係にある場合でも留意しながら進めるということで議論いただいております。この観点は恐らく、短期的にはしっかりと認識しないと、設計指針の具体化に対応できないという認識は同感でございます。ただ中長期的にはそのトレードオフの解消を目指していくという見方も相当重要と思っておりますので、重要な規範はすべて満たしていく方向を目指さねばならないという、中長期的な観点も大事にしていただきたいと思っております。若干追加の発言をさせていただきました。

それでは、本日は皆様から貴重かつ活発な御意見、御議論いただきありがとうございました。今後、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律の政省令・告示に向けた検討事項、本日の議論を受け、事務局で案を作成いただくようによろしくお願いいたします。挙手無いようですので、これで事務局にマイクをお返ししたいと思います。

〇平尾室長  ありがとうございます。本日、非常に有意義かつ活発な御議論をいただき、本当にありがとうございました。酒井委員長からもありましたが、今日の政省令・告示に向けた検討事項を具体化して、次回お示ししたいと考えております。次回の会議の日程は決まり次第御連絡申し上げます。本日の議事録は委員の皆様に御確認いただいた後、両省のウェブサイトに掲載する予定ですのでよろしくお願いいたします。

 以上を持ちまして会議を閉会いたします。次回もよろしくお願いいたします。誠にありがとうございました。

(了)