中央環境審議会総合政策部会 環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会(第2回)議事録

日時

平成21年1月29日(木)13:00~15:30

場所

虎ノ門パストラル ミモザ

出席委員

12委員

議題

  1. (1) 環境配慮促進法の関係者からのヒアリング
    1. [1]大企業・特定事業者の環境報告書の作成・公表について
      白鳥 和彦氏
       委員、積水化学工業株式会社CSR部CSR企画グループ長
      倉阪 秀史氏
       千葉大学法経学部教授
    2. [2]環境報告書の第三者審査について
      魚住 隆太氏
       委員、有限責任中間法人サステナビリティ情報審査協会会長
    3. [3]中小企業の環境報告書作成への支援について(エコアクション21)
      森下 研氏
       財団法人地球環境戦略研究機関持続性センター エコアクション21 中央事務局 事務局次長
    4. [4]エコマークについて
      山村 尊房氏
       財団法人日本環境協会エコマーク事務局長
    5. [5]年金基金による社会的責任投資の推進について
      足達 英一郎氏
       株式会社日本総合研究所 副所長・主席研究員
  2. (2) 今後のスケジュール

配布資料

資料1 白鳥氏資料  「積水化学グループのCSRレポートについて」
資料2 倉阪氏資料  「千葉大学における環境報告書の作成状況」
資料3 魚住氏資料  「環境/CSR報告書の第三者審査について」
資料4 森下氏資料  「中小企業の環境報告作成への支援 ~エコアクション21の現状、課題と今後の展望~」
資料5 山村氏資料  「エコマークの現状と課題」
資料6 足達氏資料  「年金基金による社会的責任の推進 年金基金のSRI・PRIに関する認識・取組状況について」
資料7 環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会のスケジュール
参考資料1 環境配慮促進法の施行状況の評価に当たっての論点
参考資料2 環境に関する情報を公開していない理由について
参考資料3 環境にやさしい企業行動調査結果(平成19年度における取組に関する調査結果 概要版)

議事内容

午後1時00分 開会

○石飛環境経済課長 それでは、定刻になりました。まだおいでになっていない委員、それから今日ご発表の方も、若干まだおいでになっていない方がいらっしゃいますけれども、第2回の中央環境審議会総合政策部会、環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会を開催いたします。
 本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。なお、本日は崎田委員、筑紫委員、水口委員につきましては、ご都合によりご欠席との連絡をいただいております。
 議事に入ります前に、お手元の配布資料の確認をお願いいたします。
 一番上に議事次第がございまして、その紙の下のほうが資料の一覧になってございますので、これと照らし合わせながらご覧いただきたいと思います。
 座席表とそれから名簿、これは毎回つけているものでございますが、その次からが本日の資料でございます。
 資料1といたしまして、白鳥委員からご提供の「積水化学グループのCSRレポートについて」というものでございます。
 資料2といたしまして、これは倉阪様からのご提供で、「千葉大学における環境報告書の作成状況」という資料でございます。
 資料3、魚住委員からのご提供でありまして、「環境/CSR報告書の第三者審査について」というものでございます。
 資料4としまして、森下様からのご提供で、「中小企業の環境報告書作成への支援」という資料でございます。
 資料5といたしまして、これは山村様からのご提供でございますが、「エコマークの現状と課題」というものでございます。
 資料6といたしまして、これは足達様からご提供の資料でございまして、「年金基金による社会的責任の推進」というタイトルの資料でございます。
 もう一つございます。この小委員会の今後のスケジュールについての1枚紙が資料7でございます。
 続きまして、参考資料を3点ほどつけております。参考資料1が、環境配慮促進法の施行状況の評価に当たっての論点。2が、環境に関する情報を公開していない理由について。それから参考資料3が、環境にやさしい企業行動調査結果というものでございます。
 以上でございます。もし不足がありましたら事務局にお申しつけいただきたいと思っております。
 本日の議事に入ります前に、第1回の小委員会で白鳥委員からご質問がありました、企業が環境報告書を発行しない理由につきまして、今申し上げました参考資料2を先にご覧いただきたいと思います。
 これは環境省で毎年行っている「環境にやさしい企業行動調査」のデータを抜き出したものでございまして、この中に企業が環境情報を公開していない理由を聞いた問いがございます。それによりますと、一番多くの回答があったのが「公開できるだけの情報が収集できていない」、これは企業によっていろいろ事情があるのでしょうけれども、そういう理由のものが50%でございました。続いて、「公開する必要性がない」ということで企業としてその必要性を感じていない、認められていないというものが23%、「公開すべき情報がわからない」というのが約20%、「人材が確保できていない」というのが18%、「コストがかかる」が12%というアンケートの調査結果になっております。
 また、参考までに、環境報告書以外にどのような方法で環境情報を提供しているか、これはその下のグラフになりますけれども、ホームページによる情報提供が約8割と圧倒的に多くなっております。その他、ここにございますように、工場・施設等の見学の際、それから会社案内の小冊子に載せているとか、有価証券報告書や営業報告書に載せている、また、地域住民への説明の場で提供している、こういったものが多いということがわかったわけでございます。
 続きまして、参考資料3のほうをご覧いただきたいと思います。これも「環境にやさしい企業行動調査」について、最新の平成19年度における取り組み状況について調査結果をまとめたものでございます。
 この資料の5ページをご覧いただきたいと思います。環境報告書の作成・公表の状況のグラフがございます。一番下の図16というものでございます。これによりますと環境報告書を作成・公表している企業の割合は、平成18年度37.8%であったんですけれども、19年度は35.9%と若干減少しているということでございます。これは具体的にどういう要因かというのはこれから詳しく調べる予定でございますけれども、この回答ぶりから類推いたしますと、どうも18年度と19年度で回答した業種の割合が変わっておりまして、18年度は比較的製造業が多かったのですけれども、19年度はサービス産業が若干多くなったということが部分的に影響しているのではないかなと思っておりますが、詳細はこれからよく検討して、また必要であればご報告を申し上げたいと思います。
 最後に、参考資料1でございます。「環境配慮促進法の施行状況の評価に当たっての論点」というペーパーでございます。これは前回、第1回にも配布いたしまして、これに基づいていろいろと今後の検討の方向性についてご議論いただいたものでございます。前回、特に環境金融についても論点に加えるべきというご意見がありましたので、この資料の一番最後のページでございますけれども、4ページに「環境金融の促進」という項を新たに立てて、この小委員会での検討事項ということで明記をさせていただいたものでございます。
 以上が参考資料1から3の説明とさせていただきます。
 それでは、本日の議事に入らせていただきます。進行につきましては、山本委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山本委員長 それでは、議事に入りたいと思いますが、環境に配慮した事業活動の促進ということで、私の今最大の関心事は、日本版グリーン・ニューディールでございまして、今、私もちょっと関与しているNGOグリーン購入ネットワークでは、日本版グリーン・ニューディールに具体的な政策提言をしようということで、今朝の段階で提案が120ほど集まっておりまして、明日には具体的な提案の取りまとめということをやろうと、こう考えているわけでございます。
 世界的な潮流として、まさに緑の経済と社会の変革という方向へ世界は動きつつあるというふうに考えております。そういう観点から、今日は6人の先生方からお話をいただいて、その後フリーディスカッションをさせていただきたいと思っております。
 それで、今日ご説明のためにお越しいただいている先生方をまずご紹介させていただきます。
 千葉大学法経学部教授、倉阪秀史先生。それから、中小企業の環境報告書作成、それについての支援につきましてご説明をいただくエコアクション21中央事務局事務局次長、森下研先生。それからエコマーク事業につきましては、事務局長の山村尊房先生にお越しいただいております。それから、年金基金による社会的責任投資の推進につきましてご説明をお願いいたします、株式会社日本総合研究所主席研究員、足達英一郎先生。
 以上4名の先生方のほかに、白鳥委員、魚住委員からも今日はご説明をいただく予定にしております。
 それぞれ10分、まずご紹介いただきまして、短い質疑をさせていただいて、最後に1時間弱ほどフリーディスカッションの時間がございますので、そのときに十分ご議論をいただきたいと思います。念のために、10分経過した時点で、ベルですか、皆さん論客でございますので、強制的に止めない限りやめられないと思いますので、ベルで合図をさせていただきますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 順番は、白鳥委員、倉阪先生、魚住委員、森下先生、山村先生、足達先生と、その順番でやらせていただきます。
 まず、白鳥委員からお願したいと思います。

○白鳥委員 それでは、私ども積水化学工業の事例を、企業を代表させていただきましてお話ししたいと思います。
 私どもの出しているレポートは、CSRレポートという形で出しております。まずその前提として、企業のことを簡単に紹介させていただきますと、積水化学という会社は、もともとはプラスチック加工が始まりだったのですが、現在は住宅事業が売り上げの半分ぐらいあって、残る半分がインフラや住宅設備といったもの、それからITとか自動車とかメディカル、そういった樹脂加工をしています。ここから言えることは、お客様や、ステークホルダーが様々いるということです。住宅の場合には一般の消費者、残るところに関してはBtoBで、行政とかアセンブリメーカーとか、いろんなステークホルダーがあるということの認識がまずあります。
 その上で、私どもの環境のとらえ方ですけれども、CSRの課題のひとつとしてとらえています。製造業ですから、環境負荷をいろいろな面でかけ、地球資源を使いながら、物づくりを行い、それを司る人、これらがCSRの基本だろうということで、そのCSRの中に環境を位置づけております。
 今日はレポートのお話ということで、まず情報開示をどう考えているかということですけれども、情報開示の基本スタンスとしましては、いろんなステークホルダーがいる中で、私どもの取り組みを、いろんな面で企業が見られているということの認識の上で、多面的に報告し、理解していただくということを基本として考えております。ですので、マイナス情報も含めてとにかくいろんな情報をきちっと出そうじゃないかと。それも、出す以上は定量的に出していかないと理解されないのではないかということで、定量的に開示するということをまず考えております。
 このレポートの想定読者ですけれども、これはステークホルダーがたくさんいるということもありまして、様々な読者を想定しています。ですから逆に言うと、このレポートをつくる過程におきましては、誰にターゲットを置いた書き方をするかというのは非常に悩ましい問題であります。
 実際に配られている先を見ますと、やはり従業員は大事なステークホルダーの一つだということもあり全従業員に配布をしているということ。それからお客様とか取引先様に配っているということ。それから株主、投資家の皆様にお配りしているということ。そして、CSRとか環境の専門家の皆様に、特に定量的なデータをきちっと見ていただいていると思ってお配りしているということ。それから最近は学生の就職活動にかなり使われているということで、就職のセミナーの際には、会社案内よりはこちらのものを読んでもらうほうが企業の実態も学生さんとしてもよくわかってくれるというような反応で、よく使われております。そのほか、講演会、イベント等で配っているということです。
 私どもの場合には、レポートは1999年から環境レポートとしてつくってまいりまして、当然その環境レポートは環境だけでしたけれども、2005年度から環境だけではなくて、CSR報告ということで社会性についての報告もあわせて行ってきました。この際に、一つ気にしたこととしましては、アニュアルレポートとの整合性、情報がかぶらないようにということで、すみ分けをする形で情報開示をしております。
 発行時期は、6月に出すのは結構大変なことであるのですが、年度末3月に締めて、それから情報収集をしまして、6月末、株主総会から配り始めるということで配っております。発行部数は年によって違っていますけれども、大体3万部から4万部ぐらいが配布されているという状況です。
 私どものレポートの特徴としましては、今手元にお配りしておりますけれども、先ほどお話ししましたCSRの考え方そのものを章立てとしてつくっており、「環境」の章、それから物づくりである「CS品質」と呼んでいますが、その章、それから「人材」に関する章という形で大きく括っております。
 それから情報につきましては、特にこの環境面が大きいですけれども、定量的に出すということの基本は、網羅的にまず情報を集めなくてはいけませんから、その網羅的に集めた情報をきちんと開示していこうということで出しています。これの意味としては、専門家の方々の評価にも耐え得る情報の量と質だと考えています。逆に言うと、これだけの情報は、例えば一般の従業員には、これだけ詳しくても読みにくいといったことも反応としてはありますけれども、読み手がいる以上はその情報を出すということで書いております。その情報がたくさんあるということで読みにくさが出てしまうわけですが、そこに対しては、ある種テクニカルなやり方で、たくさんのデータはありながら、例えばこれは本文には要らないからデータ編に移そうとか、これはグラフでわかりやすくしようといった形で、たくさんデータがありながらも、ページ数をできるだけ抑えるというような工夫をしております。
 そのほかに、その年次で特に注力した課題というものを特集ページにして報告していますが、今年のレポートの場合には、「次世代と地球環境」をテーマにして特集ページを組みました。そうすることで、環境CSRについての取り組みの重点化も表現しているということです。
 それから、ずっと続けていますけれども、第三者審査でデータの信頼性の確保をしています。これはまた後ほど申し上げますけれども、今年につきましては、環境だけじゃなくて、社会性についてのデータについても第三者審査の対象といたしました。
 このレポートの作成体制ですが、基本的には本社の関係部署のメンバーが集まりまして、部署横断的な作成体制をとっています。関係する部署はここにありますように、様々あります。各事業所や部署から基となるパフォーマンスや事例を本社側で集約して、それをどういうふうに記事にするか、どういうふうに見せるかということをやりとりしながら、制作会社とともに作り上げていくという形をとっております。
 出す情報の信頼性向上ということで第三者審査をしていると申し上げましたが、まずこの効果としてとらえていますのは、出す以上は、そのデータが信頼できる、もしくは客観的に確かだと言えるデータにしたいということで第三者審査を受けています。第三者審査を受けるためには、やはり定性的ではなくて定量的なデータでないといけません。それからその開示情報自身が、どういうふうにこの数字が算定できたかなども必然的に要求されるわけですから、そういうことも明確になっていくという効果もあります。それから2番目、3番目は、外に向けてというよりは社内に対してということですけれど、このような取り組みは社内の評価になってしまいますが、これからの時代を考えていくと、社会に対して、もしくは社会はどう見ているかとの視点で情報を開示していくべきだと考え、社会からの視点で情報開示していく、そのためにこういった審査を活用しています。
 先ほど参考資料で出さない理由というのがありましたが、こういうものを出すためには、当然きちんと社内で情報を集める仕組み、もしくは取り組みに対してPDCAが回らないとこれはできないわけですから、そういうことが必要だと考え取り組んでいます。従来から環境分野はできていたわけですが、環境だけではなくて、社会性の分野に対しても、これからはこういったPDCAを回すということは大事だととらえております。ですから、社外の価値ということと同時に、社内に対する意識変革というものがあります。第三者審査で受けている項目は、ここにありますような項目を受けています。
 最後に、ステークホルダーからの反応ですが、実はこれはすごくとらえにくいです。アンケートもやったことはありますが、やはりいろんな方々からの意見というのは集約しにくいというのが現状です。ですから、このためには、ダイアログをするとか意見を集める仕組みや取り組みがやはり必要になってくると考えております。
 以上で私の説明は終わらせていただきます。

○山本委員長 ありがとうございました。質問は、次の倉阪先生のご説明の後で一括してさせていただきます。
 では倉阪先生、よろしくお願いします。

○倉阪氏 千葉大の倉阪でございます。本日はお招きいただきましてありがとうございます。
 お手元に、メインテーブルの方には報告書の本体を、その他の方にはダイジェスト版をご用意しておりますので、そちらのほうをご覧いただければというふうに思います。
 千葉大学の環境報告書の作成状況でございますけれども、環境マネジメントシステムの一環として環境報告書づくりも位置づけているという点、それからこの環境マネジメントシステム自体を学生の実務教育の機会としてとらえているという点、この2つが大きな特徴かというふうに思います。背景などは飛ばしますが、千葉大学におきましては、2003年から学生主体で環境マネジメントシステムの構築・運用というものをやっております。具体的には、単位を設けまして、環境マネジメントシステム実習I、IIというような単位を出して、学生に活動していただいていると、こういうことでございます。
 千葉大学においては、当初から環境ISO14001を学生主体で取得していくんだということで活動を始めたわけでございますけれども、一番初めの段階からマニュアルの中に環境報告書の作成というものを入れております。これはご承知のとおり、ISOでは要求事項になっておりませんけれども、千葉大においては、当時、環境配慮促進法の制定の動きもあったということで、ISOの一連の手続の中に放り込んで、学生主体でやっていこうということを一番初めの段階から意思決定をして、そのとおりやっているということでございます。
 こちらが具体的な経緯でございますけれども、赤いところが環境報告書関係でございます。2005年3月の段階で、西千葉キャンパスだけ「環境報告書2004」というのを出しております。その年1月には西千葉キャンパスで環境ISOの認証取得をしているということでございまして、基本的に環境報告書で書いてあることは、環境マネジメントシステムの中で何をやってきたかということを、そのまま報告するということで作っているわけでございます。この2005年3月の段階では、環境配慮促進法はまだできておりません。試行的に作ったということでございます。
 翌年の2006年7月の環境報告書から、環境配慮促進法に対応したものということで作成をしております。学生に環境配慮促進法を読ませ、それからガイドラインを読ませ、それで原案を書かせると、こういったことをやっているわけでございます。
 これが取得の際の新聞記事でございますけれども、「学生が積極参画」というような特徴が報道されているわけでございます。
 千葉大学は3キャンパスございます。環境報告書のほうには具体的にキャンパスの構内図があるかと思いますけれども、西千葉キャンパスが最も基幹的なキャンパスでございまして、教育学部、文学部、法経学部等の文系学部に加えて、理学部、工学部、そういう理系学部もたくさんあるわけでございます。松戸には園芸学部がございまして、亥鼻キャンパスには医学部、看護学部、薬学部の一部というような医薬系の学部があるわけでございます。この全てにわたりまして、学生主体でやっていこうという計画でございました。
 この組織図の中では、環境ISO学生委員会というものが事務局に直属する形で置かれております。環境ISO企画委員会が毎月開かれて、ここで全て意思決定をしていくわけでございますけれども、企画委員会メンバーに学生委員会の委員長が入っております。この企画委員会には各地区の代表者も入っておりまして、学生から出された原案については、一旦この企画委員会で議論をし、企画委員会案という形にした上で、各地区の意見照会をし、最終的には学長まで上げて大学の文書にしていくと、そういった手続でございます。
 千葉大においては、かなり幅広く環境マネジメントシステムの管理対象を設定しております。こちらに挙げておりますのがそれでございまして、ここに書いてあること、1年間何をやったのかということをまとめていけば、このお配りしている分量の環境報告書になると、こういう仕組みでございます。それぞれにつきまして学生が班を作っておりまして、エネルギー班であるとか、紙班であるとか、ごみ班であるとか、いろんな班がありまして、班ごとにこの原案を作成してくると、こういう状況でございます。あるいは、環境報告書の作成に当たっていろんな人のインタビューをする。この中にも各学部長インタビューであったり、構内事業者インタビューがありますけれども、全て学生がそのインタビューをやって原稿をまとめております。したがいまして、外部には委託は全くしておりません。
 プログラムについては、時間がありませんのでかなり飛ばしていきますけれども、実習Iというのが普遍教育科目として入っておりまして、これは全てのキャンパスの学生が、まず西千葉地区で語学等を受けますので、そこで実習Iを設定しております。ここでISOとは何か、あるいは大学のマニュアル、目的・目標・実施計画、そういったものを教えるということでございます。実習IIで、具体的にキャンパスごとに事務局の仕事を実習すると、こういうことにしております。最近は実習IIIというのも入れまして、学外でインターンシップもやっているところでございます。3年間やりますと、学長から、千葉大学環境マネジメント実務士というような資格が出るわけでございます。
 実習につきましては、こちらのようなシラバスで基本的なことを教えているわけでございまして、実習IIにおいて、様々な活動ポイントの中で各種文書の原案作成というのが入っているわけでございます。
 基礎研修の講師、このあたりは飛ばしていきます。内部監査委員もやっております。それから具体的に班をつくりまして、目的・目標・実施計画を実行していくということをやっております。こういう活動があって、初めて環境報告書を書けるわけでございます。附属学校もありまして、附属学校とタイアップした環境教育も学生主体でやっているわけでございます。
 各種文書の原案作成ということでございますが、環境報告書は毎年7月に公表するということにしております。法律上は9月までに出せばいいわけですが、8月、9月は学生おりませんので、7月に出すということでございます。学生原案は、環境報告書については5月に出てくるということでございまして、この原案の段階で企画委員会で議論をし、各キャンパス実行委員会を通じて部局の意見を聞くと、こういうことで大学の正式文書にしているわけでございます。
 一番初めの環境報告書は、インターネット上だけでやりました。お金がありませんでしたので印刷はかけておりません。2005年から特色GPがとれましたので、印刷をするようになったということでございます。
 この環境報告書の作成体制でございますが、外部委託はしておりません。ただ、中で役割分担をしておりまして、法規制順守、それから各種データの収集、これは学生には実習させておりません。したがいまして、施設環境部の環境保全係が原案を執筆しております。その他の部分については学生が原案を執筆し、構成案段階、原案段階、デザイン段階で企画委員会に諮っております。デザイン前の段階で意見を聞いて、学長に説明し、学長のメッセージとデザインを追加するという作成手順でございます。デザインについては若干バイト料を払って、デザイン工学科というのがうちにありますので、その院生をつかまえてデザインもさせております。
 信頼性確保の方法でございますが、学生が原案を執筆しているということ自体、半ば公開でやっているということでございますので、信頼性確保にも寄与しているというふうに思いますが、加えてISO14001の審査機関であるBSI-JAPANのほうから第三者コメントを出していただいているということでございます。
 対外的評価を昨年度若干いただきまして、このような賞をいただいたところでございます。
 課題でございますが、報告書の原案を作成するということを通じて、社会において即戦力となるような人材育成を進めることができたんじゃないかと。この報告書の担当をやっていた者が、この報告書の会社に入ったりということもあります。ただ一方で、一部の学生に過重な負担を課すようなことにならないように今後配慮していく必要があるということと、学生が原案をつくるとやっぱり手はかかります。デザインとか、今回学生原案が若干不十分なところもございました。2年間デザインを担当した学生が卒業してしまったということで、一からやり直しという育て直しをやっております。そういったことで、手間暇かかって大変ではございますけれども、これが実務教育であるというふうに割り切って進めているのが今の現状でございます。
 大体時間でございますね。どうもご清聴ありがとうございました。

○山本委員長 倉阪先生ありがとうございました。
 お二人のご説明につきまして、何か短いコメントあるいは質問等ございましたら。
 はい、どうぞ。

○河野委員 白鳥委員に質問させていただきます。スライドの4に情報開示の基本スタンスということがあります。これを見ますと基本的には会社をよく理解してもらうということのようですが、さらに進めるとPR的視点かなというふうにも思われます。CSRということで考えますと、やはり終わりのほうのところにも社会の視点というのがあったと思うんですが、会社は企業市民というか、社会の中の一つの組織であれば、会社が行動するとそれなりにいろいろなところに影響があって、それに対して説明責任がある。これを1970年代に出たイギリスの、ある報告書では、暗黙の契約がといっています。その暗黙の契約を、会社が賢く悟って、それでいろんな社会に対する影響について説明するというスタンス、これをアカウンタビリティと言ってもよい、そういう視点がある。PRが色濃く出る場合とCSRの根幹にあるアカウンタビリティというのが色濃く出るのと二通りあると思いますが、お聞きしていると、どっちかというと理解を深めるという視点のようですが、御社で作成するCSR報告について、トップの方はどちらのお考えが強いのかということをお聞きしたいと思います。

○白鳥委員 難しい質問でございますね。強いて言えば、恐らくは前者になってくると思ってます。それは最初にお話ししましたように、関わるステークホルダーがいろんな方々がいる中で、当然その方々が私どもの会社に対して知りたいという情報は変わってくるわけです。ですから逆に多面的に報告をしなくてはいけないということで、説明責任とともに、やはり知っていただくというのをまず基本に置かないといけないと考えております。

○山本委員長 倉阪先生に質問なんですが、千葉大学は、年間3万2,500t-CO2の排出量と書いてありますけれども、これが長期削減目標とか中期削減目標というのは設定されているんですか。

○倉阪氏 特にCO2では目標は設定しておりません。光熱水料を節減するというような目標は短期的には設定しておりますが、CO2に着目してはやっておりませんで、やってもいいのかなというふうには思いますけれども、これまで初めの3年間でかなり落としてしまいましたので、この後どの程度落ちるかというはちょっと不安なところがございます。

○山本委員長 ちょっと意外な感じがしまして、千葉大学というは日本の最先端を行っているんじゃないかなと思っていたら、東京大学は、2012年までに15%、2006年比。2030年までに50%削減というのを目標にしていまして、千葉大学が東京大学の前を行ってもらわないとやりづらいという感じが今したものですから。
 はい、そのほか何かコメントがございましたら。冨田委員。

○冨田委員 倉阪先生にご質問させていただきたいんですが、今伺いまして、学生を巻き込んだ非常にすばらしい作り方をされているなと。こういう学生が企業に来ていただけると、即戦力として役に立つかなという気がしましたが、1点お伺いしたいのは、先ほど白鳥さんのプレゼンテーションにもあったんですが、読者という観点で、先ほどの白鳥さんのお話だといろんな想定読者がいて、意外に、どういう形で使われているかフィードバックが得られないという話があったんですが、千葉大学さんの場合、どういったところが想定読者でどれぐらいの人たちに読まれていて、どういう形で活用されているかというところで、もし知見がありましたら教えていただきたいんですが。

○倉阪氏 作った報告書は、関連の大学には全て送っております。それから構成員ですね、教職員のほうにはそれぞれ回して読んでもらうようにしております。学生にも、学生一人一人に渡すわけにいかないんですけれども、ダイジェスト版をちゃんと手にとれるようにしたり、あるいは学生が工夫をして生協にこれを置いて読めるようにしたりとか、そういうような形で学生にも伝えたいというふうに思っています。
 ただ、内容的には、やはり淡々とやっていることを報告するということで構成を作っておりますので、特集の選び方とかは企画委員会で議論しますが、構成などは活動内容に規定されるところがあって、読み手を想定してこういう構成にしているわけではないということでございます。

○山本委員長 そのほかは、また一番最後の質問の時間でお願いしたいと思います。
 それでは、魚住委員お願いしたいと思います。

○魚住委員 KPMGあずさサステナビリティの魚住です。今日は、中間法人サステナビリティ情報審査協会の立場としてもお話ししたいと思いますし、最後には個人の意見を述べさせていただきたいと思います。
 内容的には、まず国内における第三者審査、環境報告書、CSR報告書それらに対する第三者審査の状況、海外における第三者審査の状況、サステナビリティ情報審査協会の活動、第三者審査に関する私見という形でお話ししたいと思います。
 まず、国内において環境報告書を作成・公表している企業の推移というのが、今日の委員会の一番最初でもお話が出ましたように、一番新しい調査で作成会社数も下がっております。その中で、審査がここにありますように16.7%から17.7%ということで、微増はしているがかなり低い数字であると。1,000以上つくっているので、理屈の上から言いますと、これで170社ぐらいは第三者審査を受けていることになるんですが、我々審査をやっている連中が集まっているサステナビリティ情報審査協会の認識しているところでは、80社前後しか第三者審査を認識していないと。その差ははっきりわからないんですが、第三者意見に近いようなものを、第三者意見と第三者審査の中間的なようなもの、そういうのも作成企業のほうでは第三者審査と回答されているのではないかというふうに思っております。
 海外における状況につきましては、KPMGが3年ごとに調査しております。今回で6回目になります。昨年の10月に発行しました。今、日本語版に訳しているところですけれども、その英文のほうを見ていきます。このKPMGの調査の仕方はグローバルフォーチュン500社、この中の上位250社、これをG250企業と呼んでいます。それとは別に、22カ国における売り上げ上位100社、これをそれぞれの国のN100企業と呼んで調査をしています。その結果、CSR報告書の発行全体、これは52%(2005年調査)から79%と増加しております。CSR報告書そのものの発行は、確実に、G250企業─グルーバルフォーチュン500の中の上位250の企業では、52%から79%に増加しているということが言えます。N100企業─各国の売り上げ上位100の企業についても45%がCSR報告書を作成している。
 国別に見ていきますと、日本がトップであります。日本が90%、売り上げ上位100社のうち90社、90%が作成。英国が84%で上位2カ国となっています。それ以外の国は、こういうような伸びを見せております。
 第三者審査保証なんですけれども、全体では30%から40%。全体というのはG250企業ですけれども増えております。N100企業においても、33%から39%と増加してきております。しかし、日本を見ますと31%から24%、3年前との比較なんですけれども、こういうふうに下がっているという現実があります。また、保証、第三者審査の割合そのものも低いという現実があります。業種別では、こういうところが第三者審査は多いです。読者の意見も、第三者審査保証が重要であると回答しています。
 それで、国内におけるサステナビリティ情報審査協会の活動を簡単に説明します。
 この協会は、以前、日本環境情報審査協会と呼んでいました。これは2005年6月に設立されました。それが一昨年、2007年8月に、環境情報だけじゃなくCSR、サステナビリティ情報、いわゆる社会的側面も含めて審査する必要が出てきたというところで、協会の名称変更と任意団体から中間法人化を行ったと、それが一昨年8月であります。
 もともとこの協会を作った目的というのは、審査機関がいろいろあって、そのばらつきをなくすという大きい目的がありました。現在、協会の会員は9機関、その中で協会が審査機関として認定するということで、認定された審査機関は8機関となっております。その会員及び審査機関がこの表のとおりであります。それと、この協会は環境/CSR報告書審査・登録制度というのを行っていまして、協会の審査機関、そこが環境/CSR報告書の審査を行い、一定レベル以上、それは信頼性のレベルと情報の網羅性、両方を満たしておればこのマークをつけていいと。それで昨年からサステナビリティ報告と環境報告、それぞれに、このマークを付すようになりました。
 情報の網羅性というのは非常に難しい部分がありまして、重要な環境情報というのを協会が決めております。ここの5番のところが、環境パフォーマンスの重要な環境情報。サステナビリティ情報については、こういう情報の記載を必須とすると。それは国内、海外とを分けて書いております。その結果、2006年はこのマーク付与をしたのが20社、2007年30社、2008年は27社と少し下がっています。サステナビリティ情報と環境情報を分けていますので、11社と16社になっています。マーク付与した企業はこういうところで、制度参加のメリットは省略します。
 結論的に、第三者審査の意義というのは、情報発信者が情報利用者に情報を提供するわけなんですけれども、そこに第三者が情報を保証することによって、情報受け手側が経済的意思決定を拡大させる、その効果が本来の保証の意義であるというふうに考えています。今まで企業の利益というのは、過去、現在、これは有価証券報告書でわかったんですが、投資家の関心は企業価値、将来のキャッシュフローを見ています。そうなると非財務情報の重要性ということが大事になってきております。
 環境/CSRのパフォーマンス指標、そういう定量情報が比較可能でないとうまくいかない。そのために算定方法の開示、対象範囲の開示、信頼性の担保、読者が比較評価する、意思決定に利用する、そういうような報告書にならないとだめだと思っています。第三者審査の効果は経済的意思決定の拡大なので、審査費用の総和よりも経済的意思決定の拡大額が多くないと、本来的には、制度的には経済的合理性として意味がないというふうに考えております。
 環境報告書の発展段階で見ると、発行するだけで意義があったときから、今は読ませる報告書になってきていると。この段階までは、審査の必要性というのは、まあ、あればよいんですけれども、そんなに意義がないというのが正直なところと私は思っています。判断させる報告書、その報告書に書かれているパフォーマンスデータとかで判断するようになれば、審査の必要性というのは出てくるというふうに考えています。
 ここからは全く個人的な意見なんですが、GHG情報とかPRTR情報、こういうのは法的にも開示義務があります。開示義務のないのは、水質、大気。特定施設であってもそこから出る排出量の数値は開示義務はありません。こういうのは法律改正が必要と思っていますが、開示されれば、古典的な環境報告書の作成意義である、環境アカウンタビリティ的なものは相当満たされることになるとに思います。もちろん、トップコミットメントの話は別になってきます。
 そういうPRTR情報にしろGHG情報にしろ、本来審査なしで出ているんですけれども、それに審査をつける必要は、私はないと思っています。その数値をみんなが注目するようになって不正が出るようになれば、審査も考える必要があるかと思います。それと報告書に関して言えば、特に英文で海外に発表する報告書については、やはり日本の企業が、信頼性のある情報であるというためにも第三者審査をつけるという姿勢は絶対必要であるというふうに考えます。そういう意味で、財団法人地球・人間環境フォーラムと環境省さんが共催されている環境コミュニケーション大賞の一番トップの賞である環境報告大賞とか持続可能性報告大賞、大賞だけはせめて英文報告書を発行していて、かつ第三者審査を受けていることというのを必須の条件にするのがいいんじゃないかと思います。第三者審査というのは、コミュニケーションの中で信頼性の担保の評点で2点とかなんですけれども、情報が網羅的にあってもそれが正しくなければ話になりませんので、次元が違う話だということを言って、時間がちょっとオーバーしましたけれども終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

○山本委員長 ありがとうございました。
 私、審査委員長なものですから、最後のところは大変気になりますので、一遍チェックしなけりゃいけないですね。
 1つ、私のほうから質問は、この第三者審査というもので信頼性がどのくらい向上したか、そういう定量的な評価というか定性的な評価というのは、従来これまでにあるんですかね。

○魚住委員 全体的にはないんですけれども、個別の企業で間違いを指摘された件数とか、間違いを指摘した数量的な割合とか、そういうのを出されている例はあります。初年度は結構大きいです。

○山本委員長 昨年、私はひどい目に遭いまして、例のグリーン購入法で環境偽装の問題が発覚して、それで念のため、魚住さんのマークを与えた企業のリストを見て、環境偽装を行った企業がこのマークをもらっているようであれば、魚住さんたちの努力が水泡に帰するわけだ。そう見たら、幸いなことに環境偽装に関与した企業は見当たらないということで、まあまあいいかなとは思っているんですが。
 委員の先生方から、何かご質問、ご指摘等。はい、藤井さん。

○藤井委員 この日本語の説明ですが、アシュアランスというのは、環境審査なのか保証の意味なのか。審査と保証では意味が違ってくると思うんですけれども、英語のほうではアシュアランスと書いています。今の議論にも絡むんですけれども、審査の後に何らかの問題が起きたときに、審査した側はどのような保証をとるのか。財務監査の場合は、監査法人が監査責任を問わるわけですね。そこのところはどのようになっているのですか。

○魚住委員 アシュアランスという認識をしております。言い方で審査という場合もあります。審査の場合は英語ではレビュー、要は低いほうのレベルの保証を審査と呼んで、高位の保証は監査なんですけれども、環境のほうでは余り監査とは言わずに、一般用語では合理的保証と限定的保証、合理的保証のほうが監査、限定的保証のほうが審査。両方合わせてアシュアランス、保証業務というふうに認識しています。

○山本委員長 あとの議論はまたディスカッションの時間でお願いいたします。
 それでは、森下先生お願いいたします。

○森下氏 エコアクション21の中央事務局の森下です。よろしくお願いいたします。
 すみません、8分で1回ベルを鳴らしていただけますか。そうすると時間を間違えないと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、エコアクションについてのご説明をさせていただきたいと思います。配布資料スライドの8枚目にも入っておりますが、エコアクション21は、14001の簡易型というふうによく誤解をされているのですが、決してそうではなくて、私どものエコアクション21は、環境活動を効果的・効率的に行うためにマネジメントシステムを規定するという考え方です。1枚目のスライドにありますように、とにかく環境負荷を下げる、積極的な環境配慮活動をちゃんとやっていただく、そのためには仕組みが必要であるということと、その結果を公表していただくことが必要である、そういう考え方に私どものシステム・制度はなっております。そして2枚目のスライドのように、ISO14001以外に、環境省が環境報告ガイドライン等、様々なガイドライン等をつくられておりますけれども、これをエコアクション21は、環境マネジメントシステム、環境パフォーマンス、そして環境報告の三つを三位一体にしたガイドラインです。
 おかげさまで、以降のスライド3枚にありますように、環境立国戦略あるいは環境基本計画等で、様々な形で国の政策にエコアクション21を位置づけていただいております。個人的に言えば、これだけ位置づけていただいている割には国の具体的支援が少ないなと思っておりますが、とにかく政策的な位置づけはしっかりとしていただいているという状況でございます。
 次に、私どものエコアクション21は、中小企業の方でも効果的・効率的に取り組める環境経営システム、それからCO2とごみと水を必ず把握し、その三つの取り組みを必ず行っていただく。それから環境活動レポート、環境報告書を必ず出していただくというセットになっておりまして、そういう意味で言えば、ISO14001よりも特にこの環境パフォーマンスと環境報告の部分は厳しくなっております。
 エコアクション21ガイドラインの策定から4年が経ちましたが、このような環境パフォーマンス、環境報告、そして環境マネジメントが三位一体となった制度の有効性が、世の中で認められてきたと考えております。ですから、最初にも申し上げたように、決してISO14001の簡易型だというふうには私どもは思っていないということでございます。
 それからまた、私どものエコアクション21では環境負荷を下げる取り組みをしていただくことが目的でございますので、一部組織での認証取得は原則認めておりません。とにかく全組織、全活動で取り組んでいただくということが前提で、そうでない場合には認証をお断りしております。
 こういう中で、現在約3,000件の認証・登録をさせていただいておりまして、順調に認証・登録数が伸びてきているということでございます。あと1年半ほどで5,000件を目指すという状況にあります。
 次の都道府県別の認証・登録数をまとめたものが12枚目のスライドですが、ここに私どもの課題の一つでございます。見ていただきますとわかりますように、都道府県によってかなり認証・登録数のばらつきがあるということで、エコアクション21の普及に熱心な都道府県あるいは市町村と、そうでないところでは認証・登録数に非常に大きな差があるという状況でございます。
 それから、業種別の割合を見ていただきますと、印刷・出版業以下、その他サービス業まで、ドメスティック企業が非常に多いということがおわかりいただけると思います。製造業の割合がISO 14001に比べればかなり低いということでございまして、ドメスティックなサービス系の企業が取り組んでいただいているということがエコアクション21の特徴の一つです。それから、次の事業者の従業員数別の割合でも、100人以上の企業は全体の10%しかございません。9割が従業員100人以下、30人以下で言えば6割強でございまして、中小企業の方々に十分受け入れられている仕組みであるというふうに考えております。
 また、15枚目のスライドにあるように自治体、大学、大手の企業と様々な組織がエコアクション21の取り組みをしていただいております。この小委員会の論点でもあります、例えば特定事業者でいうと琉球大学、佐賀大学、富山高専が取られていて、こういうところの環境活動レポートも私どもの制度の中で審査をしておりますので、そういう意味では環境報告書の信頼性という観点にも応えられていると思います。
 自治体については、例えば長野県庁は本庁部門と教育委員会部門と県警部門の3つに分けて認証を取っておりますので、世界広しと言えども、警察の環境報告書ができているのはこの長野県警だけであろうというふうに考えております。もちろん自治体であっても全組織でエコアクション21に取り組んでいただくことを原則としています。
 さらにイベントの認証も行っておりますとともに、大手企業の皆様が、子会社、関連会社、販売会社等でエコアクション21に取り組んでいただいておりますとともに、サプライチェーンで様々に活用をしていただいております。
 さらにエコアクション21認証・登録制度ですが、スライド16のように独立した立場の審査人が事業所の審査をし、地域事務局がその判定を行うという形で制度を運営しています。ISO14001と異なり、審査人が個人の立場で審査を行っているということと、地域事務局が全国に47ございますけれども、これも全てNPO、NGO、それから商工会議所とか中小企業団体中央会の公益法人でございますので、そういう意味でも審査費用、認証・登録費用を安くできるという制度になっております。
 スライド17ですが、審査人が現在770名おります。それから地域事務局が47カ所あります。
 業種別、特に非製造業向けに様々なわかりやすい業種別のマニュアルを作っておりまして、この中でこれらの業種でどのような環境への取り組みが必要かとか、どういう内容を環境活動レポートに盛り込むべきかということをわかりやすく取りまとめています。この中で、一番上の産業廃棄物処理業者向けマニュアルは環境省の産廃課が作ったものでございますし、その次の食品関連事業者向けマニュアルは農水省の食品環境対策室が作成していただいたものです。
 さらにエコアクション21の非常に大きな特徴の一つとして、審査にかかわる基準や手順、留意点を「認証・登録及び審査マニュアル」として全て公開しているということと、それから全ての認証・登録事業者の環境活動レポートを公開していて、これを事業者の規模別、業種別、所在地別に検索できますので、事業者の方は、全国で自分と同業で同じ規模の事業者がどのような取組を行っているか、どんな目標を立て、その実績はどうなのかということを全て見ることができます。さらに、方針、目標、実績等の比較もできます。
 さらに私どもの特徴の一つとして、自治体イニシアチブと関係企業グリーン化プログラムを行っております。これは、その費用を私ども中央事務局が負担し、エコアクション21の一種の塾を自治体や各種団体と共催して開催するというものでございまして、現在自治体では48自治体、それから各種団体では23団体が参加し、全国で800事業者がエコアクション21に取り組んでおります。かつ、その取り組んだ結果、参加した事業者がエコアクションに取り組んで、どれだけCO2やごみが削減できたのかということを把握して公表していただくようにしております。
 次に第4の今後の課題として、これまで、どちらかといえばエコアクション21に限らず環境マネジメントシステムは、特にサイトでの環境負荷の低減を中心に考えておりましたので、今後は、製品・サービス分野での取り組みも重視していくべきであると考えております。ですから、企業と製品・サービスのダブルエコということを目指していきたいということです。本小委員会の論点でもあると思いますけれども、第三者認証ラベル制度と連携あるいはエコアクション21とセットにしたエコラベルの取り組みを行っていくべきではないかと考えています。そうするとエコアクション21審査人が現地の審査をいたしますので、エコラベル制度の信頼性を高めることができるのではないかなと思っております。
 それから、環境コミュニケーションをより一層強化し、優良な環境活動レポートを作成していただくために、環境活動レポート優秀事例集、環境活動レポート作成手引き等を作成していく必要性があるとともに、さらに、CO2の排出削減、削減量の取引制度等についても対応していきたいと思っております。
 また、今後設立される環境人材育成コンソーシアムとエコアクション21の連携も図っていきたいと思っております。
最後に、環境省あるいはこの委員会に対してのお願いということで、まずはエコアクション21のより一層の普及を図るために、自治体イニシャティブプログラム及び関係企業グリーン化プログラムへのご支援をお願いしたいと思います。これらのプログラムを実施することによりまして、全国で1,000以上の事業者がこれで環境活動レポートを作成、公表することになります。さらにはこのようなエコアクション21の取組を東南アジアで広げるためのプログラムをぜひ実施したいと考えております。
 同様に、中小企業のより良い環境活動レポート作成の支援、これは質の向上ということでございますけれども、前述した優秀事例集、レポート作成の手引き等を作成し、その質の向上もあわせて図っていきたいと思っております。
そして、先ほど申し上げました第三者認証ラベル制度との連携のためのパイロット事業を行い、製品認証の信頼性を確保し、併せて製品と企業の両方がエコであるような取り組み、持続可能な社会の構築に貢献していきたいと考えております。
 ぜひよろしくご支援をお願い致します。ご清聴ありがとうございました。

○山本委員長 ありがとうございました。
 私のほうからの質問は、大変発展していていいと思うんですが、これは国際的な観点からはどういう位置づけになっているんですか。日本国内でだけ有効なシステムなのか、それともISO14001のような国際規格との関係はどういう関係になるんですか。

○森下氏 残念ながら、現在では日本国内だけの制度でございます。ただ、中国等に私どもの審査人が出かけて行って、現地で審査をして認証するという例が間もなく出る予定でございます。それから、コスタリカでも同じような話があります。やはりISO14001では中小企業は難しいということで、特に発展途上国でのニーズは非常に強いと思っておりますが、まだそういう国際連携とか国際的な定義づけというところまでは行っておりません。

○山本委員長 これはISO14001を代替してもいいというようなあれではなくて、全く独立にやっているわけですね。

○森下氏 そうです。今のところは独立です。ただ、日本適合性認定協会とはEMSの協議会、連絡会を一緒につくろうという話が持ち上がっておりまして、他の認証制度を含め、情報交換をしていこうということになっています。別に敵対関係にあるとは思っておりません。

○山本委員長 はい、どうぞ。

○橋村委員 エコアクション21は、中小企業向けという印象が強かったんですが、アサヒビールさんとか三菱自動車といった大企業のお名前があったので、販社さんのことなのかもしれませんが、そのあたりはいかがでしょうか。

○森下氏 アサヒビールさんは、本社とそれから関連子会社は全てエコアクション21を取られております。そのように指導されていらっしゃいます。ですから、企業によっては別にISO14001ではなく、エコアクション21の特性を十分にご理解いただき、取組をしていただいております。

○山本委員長 ありがとうございました。
 それでは時間でございますので、次に山村先生にお願いしたいと思います。

○山村氏 日本環境協会エコマーク事務局の山村と申します。資料5につきまして、ご説明をさせていただきます。
 エコマークの事業を実施しておりますのは、財団法人日本環境協会でございます。日本環境協会は全部で6つの事業を展開しておりまして、エコマーク事業につきましては、自主事業として実施しているところでございます。また、温対法に基づく指定法人としてのJCCCAの運営、それから土壌汚染対策法に基づく指定支援業務等を行っているところでございます。
 エコマークの歴史でございますけれども、エコマーク事業につきましては、1989年2月から運営を開始しております。したがいまして、ちょうど今年で20年という年に当たるわけでございます。
 現在の認定状況でございますが、2008年12月末時点、で商品類型数が47、認定商品数が4,449商品、認定取得企業数が1,615社となっております。20年前の制度開始当時は、身の回りの環境に対する意識を変えるような日用品が認定の対象でございました。特にフロンガス入りのスプレーからオゾン層を破壊しないスプレーに変わっていったというのは、エコマークの成果と言われているところでございます。現在では日用品にとどまらず、繊維、建築・土木、家具、文具、電子機器など様々な分野に広がりまして、消費者から組織購入者まで、広く購入時の目安になっているところでございます。
 エコマークの20年を振り返ってみますと、最初の5年間に認定商品数が一挙に2,500品目を超えるまでに増加いたしました。1996年、平成8年にはISO14024、すなわちタイプIへの準拠が図られまして、商品のライフサイクル全体にわたる環境負荷を考慮する認定基準策定手続に改定されたところでございます。これを契機といたしまして認定商品数はさらに増加しまして、2003年に5,673品目と最高値を示しております。それ以降は漸減傾向を示しておりますが、それは認定基準が厳しくなったこと、それから、その結果それに見合ったメリットが企業者として感じられなくなったということが原因ではないかと考えているところでございます。
 商品類型数は、平成9年、1997年の72をピークとして減少しておりますが、これは商品のライフサイクル全般の環境負荷の考慮を1996年に導入いたしまして、古い商品類型を順次廃止して、新しい商品類型に移行を進めておりますが、その際に商品類型の対象範囲を大きなくくりに変えてきていると、こういうことによるものでございます。
 事業収入につきましては、2003年と2004年に最高の3億2,000万円まで達しておりますが、使用料を改定した2005年以降減少しておりまして、最近では2億円という規模になっているところでございます。
 ISOで定めておりますエコラベルには3種類ございまして、タイプI(ISO14024)は、第三者が資源の採取から廃棄まで全ライフサイクルにおける環境影響を一定の基準に基づいて認定すること、これを特徴としております。日本のエコマークやドイツのブルーエンジェルがこれに相当いたします。タイプII(ISO14021)は、事業者の一定の基準を満たしている製品に対して表示される自己宣言のラベルで、グリーン購入法適合マークや省エネラベリング制度がこれに相当いたします。タイプIII(ISO14025)は、製品が環境に与える負荷を技術報告書等で定量的に表示するものであります。日本ではエコリーフがございます。その他、これらとは別にリサイクルの分別の際に参考とするための識別マークなどもございます。
 エコマーク事業の運営は、中立の第三者機関が運営(審査・認定)を行っていること、エコマーク使用料や審査料による独立した会計がなされていること、そして事業者、消費者、中立の学識者の三者による委員会で審議することなどが特徴となっております。
 エコマーク制度は、1999年4月にISOの国際規格が制定されたのを受けまして、1999年5月に従来の推進委員会及び専門委員会制度を廃止いたしまして、運営委員会、類型・基準制定委員会及び審査委員会に再編して現在に至っております。審査委員会につきましては、書いてございますように中立者のみで構成をいたしております。
 エコマークの国際活動の主なものといたしまして、世界エコラベリングネットワーク、いわゆるGENの活動がございます。これは、世界のタイプI環境ラベルの認証団体で構成されております。1994年に設立されたとき、エコマーク事務局は設立に貢献をいたしまして、現在も総務事務局としての役割を担っております。なお、今年2009年のGENの年次総会につきましては、エコマーク20周年事業の一環といたしまして日本で開催する予定でございます。
 エコマークの国際活動として最近重要になっているものといたしまして、日中韓環境産業円卓会議の合意に基づく、3カ国の環境ラベル間の相互認証に向けた活動があります。エコマーク事務局は環境ラベルワーキンググループに参加いたしまして、共通コア基準策定作業を推進し、パーソナルコンピュータの認定基準の共通化について、中国環境連合認証センター、韓国エコプロダクツ協会並びに各国政府担当者とともに3カ国間での作業に当たっております。現在、第9回の円卓会議に向けまして複合機の共通基準項目の作業を行っているところでございます。相互認証は、3カ国の合意だけでなく、認証を受ける国の審査機関との間で認証運用方法などの細部についても意見交換をしておるところでございます。
 さらに、海外の環境ラベルとの協働活動も大切な活動であります。例えばドイツのブルーエンジェル、北欧のノルディックスワンに対して、プリンター及び複合機における将来的な認証基準の共通化と部分相互認証を進めるための検討作業を進め、各ラベルの担当者会議をも開催しております。来週ノルディックスワンの担当者が来日することになっておりまして、複合機の意見交換、あるいはカーボンオフセットプリンタなどの考え方につきまして、意見交換を予定いたしております。
 現在、世界のエコラベリングネットワーク、いわゆるGENのメンバーには、26のラベルが参加しております。
 このスライドは、エコマークにおきまして啓発活動の中で使われているものでございます。エコマークによる環境負荷低減効果について例示したものでございます。左の図は卵パック、これはエコマークの商品類型でプラスチック製品に該当しますが、使われるプラスチックのリサイクルによって二酸化炭素排出量の低減効果があり、二酸化炭素排出が10分の1になるということを示しております。右の図はリターナブル瓶、これはエコマーク商品類型のリターナブル容器包装資材というのがございます。これについては5回以上の繰り返し利用によっての効果を発揮すると、こういうことを示した啓発事例のスライドでございます。
 エコマークの社会への浸透例でございますが、ご覧いただいているグラフは、環境省の地方公共団体のグリーン購入に関するアンケート調査によるものでございます。地方公共団体がグリーン購入に際して参考にしている環境ラベリング制度の中でエコマークが圧倒的にトップとなっておりまして、多数の地方公共団体が公共調達の場でエコマークを参考にしていただいているということがわかります。図面は平成17年度の結果でございまして、若干古くて恐縮でございます。最新の調査におきましては、このエコマークの数字が97.7というふうになっております。
 このような中でエコマーク事業につきましては、様々な課題を抱えているところでございます。
 まず、事業収入の要でありますエコマークの認定品目数の減少が挙げられます。その理由といたしましては、製造事業者がエコマークの認証のメリットを感じていないということが挙げられます。消費者の購入意思決定は、まず価格、機能、そして商品カテゴリーによってデザインや安全性などの順になりまして、環境配慮の順位が下がってしまう傾向があります。一方、家電製品などは、使用時の電力消費量や待機電力といったランニングコストと環境配慮がリンクするものでありますので、環境の購入意思は上位となります。こういった消費者の購入行動によること、また、販売店におけるエコマーク認定商品品目数の少なさなどから商品選択が限られてしまうために、エコマーク認定商品のメリットが感じられない結果になっております。認定品目数の減少にこういったことがつながっているというふうに推測しております。
 また、最近は多くの環境ラベルが混在しておりまして、エコマークもその一つになっております。第三者認証の環境ラベルといった差別性が十分に周知できないということも挙げられます。エコマーク事務局内の課題といたしましては、商品のライフサイクルに配慮して、第三者認証を行った信頼性の高い環境ラベルであることを十分周知していきたいと、このように考えているところでございます。
 最後に、エコマークにつきましては、社会情勢の変化に対応した改革ということを考えております。現在、2007年から2011年までの第2期中期活動計画、この実施期間でございます。この中期計画に基づきまして、エコマークの目的、あるべき姿を目指して、目的に応じた柔軟な基準設定や戦略的な商品類型選定に取り組んでいるところであります。また、エコマークの価値をわかりやすくアピールするために、ステークホルダーとの関係強化、基準策定プロセスへのステークホルダーの参加強化に取り組みますとともに、消費者にわかりやすくエコマークの価値をアピールし、さらには購入意欲を増加させるということを目指しているところでございます。
 なお、今年はエコマーク20年ということに当たりますので、さらに今後エコマークとして重点的に取り組んでいく課題につきまして、アクションプランというような形で検討してまいりたいと、このように考えております。今後とも関係諸機関と協働して目的を達成してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。ありがとうございました。

○山本委員長 ありがとうございました。
 私のほうから1件、環境偽装についてはいかがでございますか。エコマーク認証を与えてしまったとか、その辺の問題。

○山村氏 環境偽装問題につきましては、エコマークも非常に大きなダメージを受けたというふうに考えております。そのために、エコマーク環境偽装再発防止検討委員会というものを設けまして、今後の不正使用の再発防止に向けた基本的考え方をまとめまして、昨年末までに取りまとめております。特に、今後の不正使用の発生防止につきましては、第三者機関の証明に基づく審査を可能とするような認定基準の採用でありますとか、あるいは認定審査における対応の強化、商品サンプルの提出とか現地確認の実施と、こういったような新しい取り組みについても今後取り組んでいくこととしております。
 また、エコマーク認定後の対応の強化といたしまして、基準認定不適合の発生の抑止、これにつきまして定期的な調査確認、これを強化してまいりたいと思っておりますし、任意抽出による現地確認や商品現物の確認調査の実施と、こういうことも今後行っていくことといたしております。また、不正なマーク使用者へのペナルティ措置、これを周知徹底いたしまして、こういったケースについては情報公開をしていくということで厳正な対処をしていきたいということでございます。さらに、ステークホルダーと連携した不正使用再発防止の取り組みといたしまして、コミュニケーションの強化あるいは苦情相談窓口の設置、それから不正使用再発防止に向けた商品情報提供の強化と、こういったものについても取り組んでいくことといたしております。

○山本委員長 ありがとうございました。
 先ほどの魚住委員の最後のまとめと同じ問題で、結局エコラベルも環境報告書も、社会に対する啓蒙とかそういう段階を超えて、今我々は緑の経済を実現するための具体的な手段、判断の基準としてそれを用いなければいけないというところに来ているんだけれども、制度等がそれに追いついていないと、これが問題だというふうに私は今受けとめました。
 それでは、最後になってしまいましたが、足達先生に、ひとつよろしくお願いします。

○足達氏 日本総合研究所の足達でございます。今日は貴重な機会をいただきまして、ありがとうございました。
 先ほどエコラベルが今年で20年というお話がございましたけれども、私の関係しておりますエコファンド、あるいは社会的責任投資(SRIファンド)でございますけれども、日本で最初のエコファンドが生まれまして、今年でちょうど10年でございます。1999年7月に日興アセットさんのファンドが最初に誕生いたしました。私が関係をしておりますUBS、グローバルアセットマネジメントのファンド、これは4番目のファンドでございますが、このファンドが今年10年で、ちょうど3月16日に満期償還というタイミングになります。
 10年間、がむしゃらにその企業調査で走ってまいりましたけれども、あっという間だったなというふうに思っておりますが、今日の小委員会との関連でお話を申し上げるとすると、環境配慮促進法の中の第5条に「国民は、投資その他の行為をするに当たっては、環境情報を勘案してこれを行うように努めるものとする。」という条文が存在しております。海外のSRIの関係者とこの法律をめぐって話題をいたしますと、大変皆さんびっくりされます。多分私の知る限り、SRIに言及をして、国民にこういう行動に努めるものとすると、努力義務であっても、条文が存在している国は日本だけだと、このように理解をしておりますが、さてこの10年、残念ながら日本のSRIあるいはエコファンドが普及したかと申しますと、なかなかこれはそうは申し上げにくいところがあるわけでございます。
 お手元の資料に出しておりますのは、昨年の秋、欧州のSRIの業界団体でありますユーロSIF、ヨーロピアン・ソーシャルインベストメント・フォーラムというところが統計を公表しておりまして、これが世界で今最も最新のSRIの規模に関する国際比較だというふうにご理解をいただければよろしいと思いますけれども、2007年、あるいは一部2006年の数字も含まれておりますが、世界全体では約5兆ユーロ、これは欧州の統計なものですから国際比較をユーロでやっておりますけれども、5兆ユーロ。昨年の秋ということで言えば150円換算にいたしますと、750兆円ほどの規模というのが全体像でございます。そして、日本のところで報告をされておりますのは55億ユーロでございまして、8,000億円強ぐらいの数字、一昨年の9月30日の水準で報告をされております。したがいまして世界全体と比べますと、大ざっぱに申し上げまして1,000分の1、GDPで世界第2位の国が、SRIの規模でまいりますと世界の1,000分の1の大きさしか持っていないと、こういう状況にあるわけでございます。
 今日は時間も限られておりますので、この原因をめぐる議論というもの全てを尽くすことができないんでありますけれども、よく誤解がございまして、それはやっぱり国民意識の差だとか個人投資家が育っていないからだと、こういうご意見を頂戴することがあるのでありますけれども、次のページのグラフに示させていただきましたが、このSRIのほとんどは機関投資家が担っていると、こういう事実に目を向けていただければと思っております。このユーロSIFの昨年の統計数字でございますけれども、欧州全体のSRIの規模、先ほど約2兆7,000億ユーロほどだと申し上げた部分でございますけれども、このうちの94%はインスティテューショナルインベスター、機関投資家ですね、年金基金であるとか、あるいは学校、宗教団体、事業法人もございます。保険会社等々の機関投資家がお金を出す役割、位置を占めておりまして、個人投資家は実に6割%にしかすぎないという事実がございます。
 したがいまして、このSRIというもの、あるいはエコファンドというもの、環境配慮型の金融というものを考えるときに、もちろん個人の意識というものをもっともっと促進していくということも大事であろうと思いますけれども、機関投資家のお金についても在り方を考えていく必要があると。環境配慮促進法の改正というようなものを展望するとすれば、もちろん国民の努力義務ということもあるわけでありますけれども、例えばイギリスが2000年に導入をいたしました年金法の改正にあるように、機関投資家あるいは年金基金というものについての努力義務もしくは制度的な誘導策というものも考え得るんだろうと私は考えているところでございます。
 この年金基金の実態というものがわかりません。これは世界的になかなか年金基金の実態がわかりにくいということがあるわけでありますけれども、実は一昨年、財団法人の年金シニアプラン総合研究機構が日本で初めての年金基金に対するSRIの意識調査を実施いたしました。2007年7月に調査票を送付いたしまして、1,432の年金基金、この中には厚生年金基金や公的年金、国家公務員の皆さん、あるいは自治体職員の皆さん等々の公的年金の年金事務局も含まれております。465の年金から回答を得ることができました。32.5%、日本全体の3分の1の年金の皆さんの意見を集約できたということで、シニアプラン総合研究機構ではこういう報告書を既に発行しております。今日は、その一部をご紹介申し上げたいというふうに思っております。
 ちなみに、この研究プロジェクトには検討委員会が設置をされまして、私もそのメンバーの一人として加わらせていただきました。
 日本の年金基金が、CSRという言葉であるとかSRIという言葉、あるいは国連の責任投資原則というようなものをどの程度ご存じでいらっしゃるのかということを聞いたのが、この上の円グラフ3つでございます。一番認知度が高かったのは企業の社会的責任、CSRでございまして、「知っている」という方が62.4%、「聞いたことはあるが詳しい内容はよくわからない」28.4%、こんな様子でございます。次に、社会的責任投資、SRIでございますけれども、これは「知っている」が54.6%、聞いたことはあるが詳しい内容はよくわからない」29.2%でございました。国連の責任投資原則、環境・社会・ガバナンスのファクターを運用の中に取り込めという呼びかけをしております国連の責任投資原則ですが、これは残念ながら「知っている」という方が15.5%しかおられませんで、8分の1ぐらいの年金基金ということになるんでしょうか。まだまだこれから普及が必要だということが明らかになったわけでございます。
 この、例えばSRIで54.6%の方が知っているというのを多いと見るか少ないと見るか、ご判断はお任せしたいと思いますけれども、エコファンドができて10年ということを考えますと、その関係者、当事者としてやってきた身としては、まだまだ我々の努力が足りなかったなという思いも持っております。
 下のセンターに置きましたグラフが、この社会的責任投資、SRIの採用状況でございまして、465社中、既に組み入れているとお答えになった年金基金が6.9%、約7%ですから、上の分母を約500社としてみれば、30社から35社ほどの年金基金にすぎないと、こういう現状が浮かび上がってまいります。
 ただ、若干まだ期待が持てるかなと思いますのは、「現在組み入れてはいないが検討中」というところが約4分の1ございました。24.5%ございまして、こういう皆さんにまず組み入れていただくと、試行していただくということも必要でしょうし、「現在組み入れておらず、今後も検討する予定はない」という左の青いところ、約3分の2、62.2%の皆さんに、SRIということを知っていただくということも必要なんだろうと思っております。
 採用してくださったところ、30ないし35程度でありますけれども、この皆さんにご意見を伺いますと……、失礼、数が出ておりました、32年金。この32年金にご意見を伺いますと、「満足している」「やや満足している」というところが過半数を占めます。運用成果も同様でございます。
 最後のスライドになりますけれども、一方で、それでは現在組み入れていない、今後も検討する予定のないという皆さんにその理由を伺いますと、情報不足ということを皆さんおっしゃいます。棒グラフの一番下のところですけれども、「SRIに関する情報が不十分だから」、あるいは「検討に値する十分な期間の運用実績がない」と、こういう課題が浮かび上がってまいりまして、まだまだ皆さんSRIというものを理解し、そしてその考え方に納得いただく、このための努力が必要なんだろうというふうに考えておりまして、今日提言として2つのことを申し上げるとすれば、SRIに関する情報普及のところ、もっともっと政府のお力をいただきたいというふうに思いますし、同様に、先ほどの運用実績というものを示すことによって、民間の年金基金もこうしたものの理解が進むとすれば、公的年金等の率先取り組みの実現というものをお願いいたしたいというふうに思っております。
 既に韓国では国民年金基金にSRIの運用が始まっておりますし、中国でも、まだ年金というわけではございませんけれども、去年の3月に本格的なSRIファンドが動き出しました。現在上海の証券取引所は環境問題をも含む株式指数の検討を進めております。そういうことでアジアの側でもどんどん動きがある中で、日本だけが取り残されてしまうことのないように、ぜひ皆さんの総意をいただきまして推進をお願いできればと思います。
 長くなりまして、恐れ入ります。

○山本委員長 ありがとうございました。
 私のほうからの質問は、日本の年金は、サブプライムローンとかそういう金融派生商品で運用して大損をしたなんていう、そういう情報はないんですか。

○足達氏 それは各地、各所にございますが、ただ、じゃSRIが無傷でいられたのかということであるとすればそういうことはございませんで、実はSRIのファンドも、マーケット全体からは多少いいものがもちろんございますけれども、ピークに比べますと45%ぐらいの時価の下落になってしまっているという意味では、SRIに投資していたから資産が守られたということではないというところは若干お答えしたいと思います。

○山本委員長 でも、足達先生の最後の政府への提言には、イギリス並みの年金法の改正をせよということが入っていないね。年金法改正しなくても大丈夫なの。

○足達氏 年金法の改正は、私、イギリスで調査をしたところによりますと、やはり年金加入者の社会運動というのが背景にあったわけですね。大学の先生が中心でいらっしゃいましたけれども、自分たちの預けている年金というものについてどう運用されているのかということをきちんとしようじゃないかという加入者からの運動があった。ここの部分について言えば、まだまだ日本で、加入者が何か事を起こす、あるいは年金の今の在り方自体にノーというものを突きつけるというところまで行けるかどうかというところは、もう少し時間がかかるのかなと。社保庁の問題などを考えても人々の暴動が起きているわけではございませんので、ちょっとそのところは保守的に、言わせていただいたというところでございます。

○山本委員長 ありがとうございました。
 それでは、6人の先生から大変貴重なご意見いただいたわけでございますが、ここで、大体四、五十分の時間がございますので、自由にご議論をいただきたいと思います。
 順不同で結構でございますので、ご質問、コメント、意見表明、何でも結構でございます。どなたからでも結構でございますので、どうぞ自由にご発言をしていただきたいと思います。
 はい、どうぞ。

○河野委員 最初に白鳥委員に質問したことに関連して、環境報告書を通じて、環境情報といいますか、CSR報告書でも同じですけれども、情報が公開される。これの信頼性担保ということで第三者審査が行われる。これも大事かと思いますが、一方、情報の利用ということを考えると、比較可能性も大事だろう、環境報告ガイドラインやGRIガイドラインでも比較可能性ということは言っているわけです。
 この比較可能な情報ということから考えますと、PRといいますか、会社をよく理解してもらうという視点から、それが色濃く出てそういうスタンスで環境報告書をつくるということであれば、多様な利害関係者に理解してもらうということであるからやむを得ないといえばやむを得ないんですが、とすると比較可能性は損なわれる、これはGRIのマテリアリティーにもよりますが、各社の視点から、誰が重要な利害関係者か、何が重要な情報かということで、公開される情報の多様化が進むということもあるかもしれません。利用する社会の側から見ますと、社会の側というか、これはまた社会の内容が広くていろいろ困るんですが、利用者の側から見ますと、やはりそこの会社だけの情報を見るわけじゃないわけで、多分いろんな会社の報告書を比較するということになろうかと思います。とすると、やはり比較可能性が重要である。そのためには先ほど言いましたアカウンタビリティということも相当意識して、まずは報告書をつくってもらうということが必要ではないか。特に環境配慮促進法の改正と考えると、そういうこともきちっと盛り込んでもらいたいなというふうには思います。
 その先に、全部の項目とは言いませんが、特定の項目については開示の義務化ということを考える必要があるのではないか。先ほど魚住委員から第三者審査についての付与条件のところに幾つか項目が出ておりました。これは参考になるかと思いますが、それ以外に法律で決められたような項目について義務化を進めるということが、環境報告書の比較可能性ということから必要ではないかというふうに考えております。この点について白鳥委員や、前回お話がありました冨田委員にご意見をお聞かせ願えればと思います。

○白鳥委員 まず私からお話ししたいと思いますが、比較可能性に関して言うと、やはり企業は、同じ業種であってもバウンダリーの問題とか、それから私どもの場合には一つの会社でありながらいろんな事業を営んでいる、幾つかの事業を持っているものが比較可能かというような問題から考えると、特定の情報を開示すべきだという議論と比較可能性は分けるべきではないかと考えております。
 比較可能性という意味では、自社の中では、まず経年的にどうなのかを出すことに対応しています。ですから、3年なり5年スパンで目標を立てて、それがどう進んできたのかを、私どもの場合には5年で出すことを基本としていますが、進んできた状況をまず出して、あとは専門家の方々がそれをどう見ていただくかということが1つ。
 それから、例えば先ほど足達先生のお話にもありましたけれども、SRIとか格付の場合には、こういうレポートを見ていただいているという一方で、独自のアンケートとかヒアリングというのもされていて、その中で個別に対応しているということもありますので、情報開示のツールとしてはこのレポートだけではないということも現状だと思います。
 あとは、冨田さんお願いいたします。

○冨田委員 今ほとんど白鳥さんが言ってしまったので、私はつけ加えることはないんですが、当然我々も発行するに当たっては、そういう意味では専門的なレビューに耐え得るような情報開示というのを目指していまして、GRIのガイドラインであるとか各種ガイドラインにのっとるような形で、可能な限り、一見比較可能なデータを少なくとも開示しようという努力は当然しております。
 ただ、一見比較可能というところが非常に重要でありまして、例えば今規定されているガイドラインにのっとって算出したとしても、それが比較可能かというと決してそうではなくて、非常にいろいろな解釈があり、例えば電力からCO2の換算係数の問題とかバウンダリーの問題その他あって、本当に比較可能かというと、決してそうではないですね。企業グループでも、例えばソニーグループは、スモールグループまで含めて400社以上ありますが、本当に他社も含めて同じようなバウンダリーでとっているかというと必ずしもそれはあり得ないので、本当の意味で比較可能というのは非常に難しい。
 という意味でいくと、まさしく白鳥さんがおっしゃったとおりでして、まず経年的な比較可能性というのは非常に大事な側面でありますので、そちらはぶれないようにきちんと注意をしていくということは一つ言えるかと思います。
 そういう意味で、バウンダリーもきっちりして比較的比較可能性が高いという意味では、先ほど魚住委員のご説明にもありましたが、例えば温対法の情報開示とか、既に法的に担保されているところに関しては、ある意味でもう比較可能だというふうに言ってもよろしいかと思いますので、本来的にはそちらのデータをきちんと活用する。今は余りそちらが活用されずに、SRIの方からも別途またアンケートが来たりして、そういうやり方が本当にいいのだろうかなと個人的に疑問に思うところがありますが、やはり既存、いろいろな形の開示は既にされていますので、それをまずきちんと活用していくことを考えるべきじゃないかというふうに思います。

○山本委員長 はい、薗田委員。

○薗田委員 今の件なんですけれども、私ども制作支援側として、実は企業さんもいろんな形で比較可能性に対してはチャレンジを今までもしてきていますし、今お話しいただいたように本当にできる範囲ではやっていらっしゃるんですけれども、ちょっと繰り返しになるかもしれませんけれども、例えばビール会社さんで、以前サントリーさんとかキリンさんのお手伝いをしたときにも、ビールだけで比較検討できるようにというデータを出していたんですけれども、だんだんやはりバウンダリーが、いろんなものをつくっている工場ではそれがなかなかできなくなってきたりとか、あるいは場合によっては、今お茶で言うと伊藤園さんあたりは、実際全てのものではないんですが、ほとんどのものに関しては工場を委託して生産をしていただいているというふうなところで言うと、やはり伊藤園の範囲はきちんと決めてはいるんですけれども、その中で全ての情報が比較検討できるような形で出していくには非常に難解なハードルがあるかなというふうに思います。
 逆に、報告書の中ではなく、もしかしたら別媒体として、CSR四季報とか環境四季報みたいなものをつくって、その中で一定のものに対してはこうですよというふうな形で各社からデータをいただいて、それを計算し直してとか、あるいはエコロジカルフットプリントあるいはカーボンフットプリントのような形で、例えば家であれば1軒当たりについて、こういうバウンダリーでこういうふうにきた場合は、生活者側のほうでは、こういうCO2が出てきますというふうな形で、何か工夫をほかのものでしたほうがいいんじゃないかなというのを、いろいろ検討した中ではちょっと感じております。

○山本委員長 河野先生。

○河野委員 前もお答いただいたような内容なんですが、結局のところバウンダリーのところに話が行ってしまう。その結果比較可能性が難しいとなると、環境報告ガイドライン等で、比較可能性について特に企業間比較について書けというようなことを言いにくくなるということがあります。しかしながら、特定の項目については掲示することも可能ということのように理解できますので、横の企業間比較が難しい、全くできないということでないというふうな理解をさせてもらって、私の質問はこれで終わりということにさせていただきます。

○山本委員長 はい、どうぞ。

○魚住委員 先ほど前で説明したのと繰り返しに近い部分があるんですけれども、私の資料3の33ページなんですが、もう既に環境情報で開示されているものがGHG情報とかPRTR情報、土対法も一部、汚染があれば開示するところがあります。このGHG情報、PRTR情報、事業所単位の比較可能性、GHGは事業者単位にまた法律改正となるんですけれども、私の個人的な感覚では、地域住民とか公害の観点で言えば、やっぱり事業所単位でどういう環境負荷物質を出しているか、それが明らかになるということは非常に有効であるし、それが一番原点的な意味での環境アカウンタビリティではないかというふうに思っています。
 その観点から言えば、水質、大気、これについて、特定施設があって規制物質を出しているにもかかわらず、これの法的開示義務はないと。ここの部分が何とかなれば、関連して測定義務も水質の場合はないんですけれども、義務はあっても頻度が決められていないと、そういう法律上のいろんな検討すべきものはあるんですけれども、サイト別に水質、大気にかかわる情報が開示されれば、事業所単位での情報開示というのは明らかになって、環境アカウンタビリティ、古典的なほうでのそういうものはクリアするんじゃないかと。その観点からは、環境報告書ができた当初の意味合いでの環境報告書というのは余りつくる価値がなくなってきたんではないか。
 じゃ、どういうふうな価値かというと、やはり企業総体として、連結として、企業のトップが将来どっちに向かっていこうとしているか、そういうような方向性を示すものの報告書というのが意義を持ってくるというふうに、環境/CSR報告書もその二通りに分かれてくるんじゃないかなというふうに思いました。

○山本委員長 はい、永里委員。

○永里委員投資に必要な情報というのは非常に深いところがあって、ガバナビリティーの問題とかトップの姿勢、今、魚住さんもおっしゃっていましたけれども、そういうことがわからないとだめなんですね。だから、アニュアルレポートにある種のデータを入れたぐらいでは、これはだめなのであって、投資の場合にはもっともっとヒアリングしたりして検討しなきゃいけない。だから、逆にこの委員会で投資を専門家に来てもらってそんなことを話してもらうことも必要かと思います。
 一方、消費者が、ある企業を選ぶとかある企業の製品、今、企業がいろんなものをつくっていますから、企業だけを選ぶというわけにいかない場合がありますので…。製品とかを選ぶ場合には、賢い消費者になってもらうための情報というのが必要です。だから投資家のためと消費者のための2つの種類の情報があって、賢い消費者あるいは生活者のための情報というのは、もっともっと開示していくべきだろうと思います。
 以上です。

○山本委員長 魚住委員の32ページの報告書が、I、II、IIIと発展段階が示されているわけですけれども、だから問題は、今の永里委員のお話もそうなんですけれども、I、IIの段階からIIIの段階に行かなくちゃいけないのか、IIIの段階までは行く必要がないのか、ここのところが非常に重要なポイントだと思うんですね。判断させる報告書というからには、何のための判断をするのか。商品の選択なのか、投資なのか、そこのところの必要性と絡んでいると思うんですが、これは河野先生いかがですか。この魚住委員の発展段階で、IIIに行くべきなのか、IIの段階でもう十分なのか。

○河野委員 個人的には、環境について今後さらに我々が重要な活動をしていくということでいけば、IIIに行く必要があるのではないかと思います。読ませるだけでは余り意味がないのではないかというふうに考えています。ということからいうと、比較可能性とか必要な情報はきちっと載せろと、そういう議論につながっていくんだろうと思います。

○山本委員長 はい、藤井先生。

○藤井委員 投資家が判断する、あるいは企業が判断する場合には、当然、現在は財務会計、財務報告書があるわけです。環境情報も環境CSR報告書の中だけの議論として扱っていると限界があるわけですね。既に資産除去債務も財務会計に計上されることが決まりましたし、あるいは日本に排出権取引が導入されれば、カーボンの情報は単なる排出量としてだけではなくて、企業にとって削減にかかる費用情報として、つまり負債情報として扱うことになるわけですから、当然有価証券報告書に載っかってくると思います。
 ですから、有価証券報告書と計上する場合と、ここに出ているような、直接、有報には計上しないけれども、個別法で開示を義務づけているものをどう分けて扱うのか。それからエコアクション21もそうでしょうけれども、法的義務のあるものではなくて、企業が自主的に開示しているものをどう扱うか。それから先ほど偽装の話が出ましたけれども、開示情報の担保をそれぞれの場合にどうとるのかという点があります。有報の場合は当然、監査法人が法的な責任も負うわけですが、他の場合はどうするか。その辺のつながりを整理して、全体として整合性のある情報開示のシステムとして位置づければ、整合性のあるような、つながりのあるような形で位置づけられれば望ましいですし、それを補完する手段として、消費者の視点で言えば、個々の報告書を全部読まなくても、製品にエコマークが付いていたりすれば、どのレベルの安心感かという保証がわかるという風になれば、いいのではないかと思います。
 これまでの情報開示の流れを歴史的に見れば、環境報告書等が有価証券報告書とは別体系で走ってき。しかし今その二つの接点ができてきているのではないか。したがって、ここの会合での議論も、有報に載っける情報の部分と、環境報告書、CSR報告書をさらに深める部分との両方を総合的に議論したほうがいいのではないかと思います。

○山本委員長 はい、どうぞ。

○河野委員 私ども、日本会計研究学会で環境財務会計に関するスタディグループを結成し、そのメンバーが一部上場企業の有報に載っている環境情報について調査しました。2001年の調査では、損益計算書、貸借対照表等への記載企業数は33社、それから2005年末調査で76社、2008年調査で219社が載せています。これは、有報に載る程それだけ金額が大きくなってきていることを意味します。環境報告書には小さい金額でも載せる。有報に載るのは一定の金額以上です。会社によっては、例えば自動車会社の例ですが200億円が勘定科目の一つとして財務諸表に出すか出さないかの判断基準と聞いてます。200億円を超えないとどこかに紛れ込んでしまうというようなことであります。そういうことを前提に置いても、だんだん有価証券報告書で環境情報を載せる企業が増えてきているわけです。
 そういうことを踏まえて、私どものスタディグループとしては、例えば開示企業数の多い土壌汚染ですね、多分これから資産除去債務とか排出権等が出てきますから、そういうものについては、やはり非財務情報も載せる必要があるのではないかという提案をしています。そうすると、環境報告書とどうすみ分けるかということになりますが、やはり金額の多寡とか重要性の問題とか絡めながら、そこの関係を考えていく必要があるのではないかというふうには思っています。
 以上です。

○山本委員長 それでは、大塚委員いかがでしょうか。

○大塚委員 前回休んでしまったので恐縮でしたが、河野先生のおっしゃっていただいたことに基本的に私も賛成のところがあって、何のためにやるかというのは今ご議論いただきましたし、方向性を決めていく必要があると思いますけれども、判断させる報告書にするということだとすると、比較可能性というのは非常に重要だというふうに考えています。
 バウンダリーの問題とかあると思いますけれども、その辺も本当は決めていかないといけないと思うし、今回義務づけをするのは一般的には難しいだろうと私も思ってはいるんですけれども、義務づけをしない中でどういうふうに比較可能なことが考えられるかというのは、ぜひ考えていく必要があるんじゃないかと思います。バウンダリーの問題があるからできないではなくて、バウンダリーの問題があるから、そこをどういうふうにクリアして比較可能な方向に持っていくかということをしていかないと、基本的には今ご議論があったように、事業所の問題でもありますけれども、製品として消費者が何を選択するかということを考えていただいたり、投資の問題ももちろんあると思いますけれども、少なくとも製品についての問題というのは大きいと思いますので、そのときに比較可能性というのがないと、何のためにやっていただいているかということのかなりの部分が欠落していくと思いますので、バウンダリーの問題はあるとは思いますけれども、そこをどうクリアするかをまさに考えていく必要があるのではないかと思います。
 例えば温暖化のCO2排出量の総量とかを決めるときに、各国でいろんな事情がありますから無理ですと言っていられないのと同じような問題がここにもあって、企業によってやっていることが違いますから比較は無理ですと言っているだけでは、環境は残念ながら余りよくなっていかないところがありますので、バウンダリーの問題はあっても、バウンダリーの問題をどうクリアしていくかということを考えていかなければいけないのではないかと思っております。とりあえずそのくらいです。

○山本委員長 倉阪先生。

○倉阪氏 企業の環境情報について、規定演技に当たるような、最低限どこでも出さなきゃいけないようなものというのは、やっぱり制度的に定めて出していくような方向にしていかないといけないのではないか。自由演技のところは当然残るわけで、環境報告書はその合わせ技だと思うんですけれども、どこが規定演技なのかというところ、そこについてはきっちり制度的に示していく必要があるというふうに思います。それをどういうふうに解釈するかというところで、業種によっての比較がどこまでできるかとか、そこは解釈側の問題であるかと思うんですね。
 今の財務諸表の話でも同じ話が出てくるわけで、やはり情報を出した後どういうふうに解釈するかというところは、また自由度はあるかと思いますけれども、制度的に、一定の情報についてはどこでもまず出してみるということはやっていく必要があるというふうに思います。

○山本委員長 じゃ、永里委員。

○永里委員 ある種の最低のガイドラインは必要で、それによって比較ができるような、そういうガイドラインは必要だと思いますね。その点では、魚住さん、倉阪さんのご意見には賛成なんです。
 それで問題は、企業というのは、本当はPRしたくて、そして開示したくてしようがないんです、はっきり言ったら。実際はそういうのを出さない企業が淘汰されるわけで、それをねらっているんです、企業は。したがって、企業のそっちの自主性も尊重したほうがいいと思います。だから、必要な最小限のガイドラインは絶対国が用意したほうがいいと思いますが、企業の自主性にのっとって、本当に自分たちはこういうところは強いんだと、他社を押しのけていく、あるいは他社の製品をふるい落とすためには自分たちが積極的にPRしていきたい。そのためにはデータを出してきます。開示してきます。エコマークを取っていくとか、いろんなことをしますから、そこの企業の自主性をまた尊重しなきゃいけない。
 それと、さっき言った投資の問題はまた別でして、これはプロの世界ですから。これはまた全然違って、本当にヒアリングなんかをして、姿勢とかをチェックしながらやっていくことだと思います。
 足達さんの意見の最後に提言がありましたね。SRIに関する情報普及とか、それから実績づくりのための公的年金等の率先取り組みの実現、これは大賛成です。本当は、山本委員長のおっしゃるように年金法の改正まで踏み込んだほうがいいと思いますが、それは今、足達さんのお話でいろいろあるということがわかりましたけれども…。私が言いたいのはむしろプロの世界の話ではなくて、生活者、消費者が賢くなってもらうために、そしてそれには環境教育が非常に重要だろうと思うし、その賢い消費者が選ぶための最低限のガイドラインが必要ではなかろうかと思っています。

○山本委員長 じゃ、冨田委員。

○冨田委員 比較可能についてちょっと理解の齟齬があるような感じがするんですが、少なくとも私が言っていますのは、環境報告書、CSR報告書に書いてある、例えばCO2排出量が現時点で比較可能になり得るかという話なんですが、それを考えますと、我々のようなというか、ほとんどの大企業はグローバルでビジネスをやっていますので、グローバル連結の開示をしようとするわけですね。ここの部分を本当に比較可能にしようとすると、ものすごいチャレンジな部分が出てくる。ただ、一方で別のタイプの開示も当然されていまして、国内の温対法という枠組みに限れば、ここはもう既に比較可能なわけですね。
 ですから、やはり比較可能な部分とそうでないところの部分はきちんとすみ分けて考えないと、全てごったに比較可能性を追求すると、とんでもないことになるということが懸念されます。例えば製品に関して言っても、既に省エネラベル、我々の業界でテレビの省エネラベル、非常に比較可能な情報開示がなされていまして、これはお客様が買うときに一目瞭然で比較が可能なんですね。ですから、やはりそういったところは着々とできている部分はありますので、そういったところといわゆる報告書みたいなところに要求される、もっと漠たる情報開示みたいなところをきちんとすみ分ける必要があるだろうと。そういう意味でいきますと、魚住さんが出された32ページの図は、私は大体、この概念的には非常に賛同するところなんですが、1点注意しなければいけないのは、この「報告書」という言葉なんですね。
 私は、このIとIIは「報告書」という言葉を使っていいと思うんですが、IIIは、判断させる報告書ではなくて、判断させる情報だと思うんです。報告書というと、皆さんこういうものを必ず想像されるんですが、これが義務化とかそういった判断されるのに使われるわけじゃなくて、あくまで情報でありまして、最近非常に進んだ企業の中では、もうこういうものを発行しない企業も出てきておりまして、ウェブなんかで情報だけを開示するという考え方も出てきていますので、やはり判断するのに必要な情報が何であるかを同定して、それがきちんと開示されるような仕組みを考えていくということが論点であるべきで、何でもかんでも報告書を発行すべきだというのは、ちょっと筋が違うんじゃないかなというふうに思います。

○山本委員長 それでは、宮田委員。

○宮田委員 どうもありがとうございます。その判断可能かどうかのところで、金融の視点ということがあると全て含んだ話になるんですが、基本的にエコアクションで出た中小企業向けの場合は、シンプルな環境負荷を報告するようになっていますね。あれが原点に一つあると思うんです。
 それともう一つ、今排出権取引の話が統合システムとか活発になっていますけれども、CO2に限った排出量の視点で評価するということも大事だと思いますし、幾つかの見方を変えた尺度で見るということにしない限り、全てごった煮であれば、バウンダリーが違うというのは一つの指標だけでも難しい問題なので、その辺は必ず組み合わせて評価するということで、一元化していいか悪いかということにはならないんだと思うので、しばらくはいろんな指標を使ってみるというのが大切だなと思います。
 それから、今日せっかくエコアクションの事務局の方が来られていて、ISOとの比較の話があったんですが、トライの仕方が違うんですね、マネジメントシステムでも。それで、大企業向け、中小企業向けという視点で区分けした形から入っていますけれども、今では両者を組み合わせている企業もあるので、そういったシステムの使い方でも、違ったものを組み合わせて取り組んで評価していくというのは大事なのかなと。マネジメントシステムの場合は、システムの事務局間で協議会をつくる方向に向けて動かれているという話があったんですが、個々の環境指標も、今後はそれをどうやって組み合わせて有効な評価ができるようになるのかということを考えていかないと……。
 ですので、例えば企業(事業所・サイト)のCO2だけでなくて、エコリーフとか、カーボンフットプリントみたいな指標もあわせて見ていく。それをすれば、バウンダリーの違いもひょっとしたら評価できるんじゃないのかなということもありますので、その辺いろいろな取り組みをどうやって組み合わせるかというのが今後の課題だと思います。

○山本委員長 五所委員。

○五所委員 まず、ガイドラインに関してですが、ガイドラインがあるということは、管理すべき項目が明確になるので、企業側としては管理をしていく参考になるということはすごくあると思います。
 比較可能性のところと関係することで、2点目ですが、中小企業と大企業では、管理してそれを開示する目的がやっぱり全然違っています。先の投資ということになってしまうと、これは大企業になると思うのですが、一方で中小企業はその大企業のニーズにこたえるように取引先とうまくやっていくような操業をしていて、その中でコストがかかって大変だけれども、公害を起こさないようにとか、法律をきちっと守るように管理をしていくということを目いっぱいやっているところもあります。よって、大企業と中小企業を一緒にしてしまって、全部が全部同じように、一律な項目を集めて、こういうふうに開示しましょうというのは違うし、それをまた数値として見て比較可能性を追求するのはちょっと違うと思います。
 先の大企業の話で、ドメスティックの企業、日本国内でしか操業していない企業と、グローバルに展開している企業、私たちも半分以上海外なのですけれども、そういう企業同士を比較されても、また、業種、例えば化学業界で比較しましょうと言われても、化学業界でも日本だけしか展開していないところもあるわけで、それを比較するというのはちょっと違うのかなと思います。だから比較するということは、本当にバウンダリーの問題ですとか、企業の規模ですとか、それからその情報を集めた上での受け手のことも少し考えて処理をしていく必要があるのかなと思っています。
 そのときに、もう一つ判断させる情報というところが、先程冨田さんから出ていたと思いますが、そのときに短期的な判断なのか、それともサステナブルな、長期的な判断なのかという視点、そういうことも勘案してガイドラインというものをつくっていくべきでしょう。そのときには、やはりもう一度企業規模というものも考えていただきたいなと思っています。

○山本委員長 橋村委員は、よろしいですか。

○橋村委員 では私も一言だけ。判断させる報告書ということについて言うと、メリットがあるかどうか、判断できればうまくいく。先ほど魚住委員の資料で31ページ目に、経済的意思決定の拡大につながれば審査も増えるだろうということだと思いますが、判断してもらった結果こういう経済的意思決定の拡大につながるのであれば、企業側も喜んで、メリットがあってやっていくと思うんですけれども、それが先ほど足達委員のお話を伺っていると、なかなか投資家のほうにもまだ徹底されていないというところにも若干問題があって、そこを連関させていくことが必要なのではないかと思いました。

○山本委員長 それでは、魚住委員。

○魚住委員 先ほど倉阪先生がおっしゃられた規定と自由という考え方で、また私の資料3の20ページ、21ページなんですが、サステナビリティ情報審査協会の審査登録マークの付与基準で、重要な情報が漏れなく記載されていると。その重要な情報とはどれだということを協会として特定しました。環境だけの場合は20ページのほうの(5)の[1]から[6]まで、この情報が書かれている。サステナビリティ情報、下のほうなんですけれども、こちらのほうは海外も含めてで、途中の2番の環境(パフォーマンス指標)、1行ずれているんですけれども、国内と海外に分けて、海外も含めた情報として必須なのは、[2]水資源投入量と[3]温室効果ガス排出量、これは国内、国外とも必須の情報と、こういうのを規定、必須というふうな形で考えてやっています。この項目については、毎年見直しをしているという状況にあります。だから、ここら辺が書いてあればある程度比較できるのかなというふうに思います。
 私自身も、製造内容が違ったら、一応同業他社と言われても実質比較不可能なんですよね。そういう意味で、判断させる報告書というのもほとんど比較不可能に近いところがあるんだけれども、それでも総合的に考えて判断させる報告書、判断させる情報が必要です。しかし、この本当に判断される情報が一義的に確実に出て、どちらがいい悪いというのがはっきり出るようになれば、報告書を作らなくなります、企業は。作成そのものを義務化しない限りは作りません、絶対不利になるというのがわかっていると。そういうルールは一般に企業は作りたいというふうにも言いませんし、本当に比較が困難であるというのも事実だし、任意で報告書をつくっている以上は、先ほどの規定のところぐらいを最低限出していただいて、あとは利用者が総合的に判断する。そのゆるゆるのところで判断するぐらいしか、現実にはないかなというふうに思っています。

○山本委員長 じゃ、藤井先生。

○藤井委員 今のお話にも絡みますが、要するに環境のどの情報を開示するかということですね。比較の議論が出ましたが、比較はもちろん大事ですけれども、他社比較だけじゃなくて、確かに比較は大事なんですけれども、基本は、やはり環境基準とか法的な基準に対して、どうなっているのかという情報が必要です。現状は、そうした情報でさえ十分に開示していないところが多いわけですね。
 ですから、私は、まず、法律で定められた環境基準等に対しては、どの水準で対応しているかを確実に開示させる義務化をする必要があると思います。その上で、さらに、もちろん他社比較をしたい企業は当然すればいいわけですし、投資家は投資家の視点でそうした比較を当然やると思うのですよね。単に使用した水の量などは、これは自主的に開示されればいいわけです。なぜなら、法的に水の使用量が制限されているわけではありませんので。環境情報化の標準化の場合、必要なものは法的に義務づける必要がある。これは、先ほど冨田さんが言われた報告書の義務化とは違うと思います。必要情報をどのメディアで開示するかというのは、決め付ける必要はない。報告書といった紙メディアだけでなく、多様な手段がある。今の時代では全て紙メディアに頼る必要もない。
 ただし、一番効果的な開示の趣旨に沿った手段を使いなさいということでないといけない。最近はパソコンはどなたでもやるかもしれませんが、パソコンを使わない人はネットで開示されると見られないわけです。ですから、当然併用ということになってくると思うんですね。ですからメディアでの開示の手段については、広く公衆に開示できる手段を選択しなさいということでいいと思います。情報の標準化ができておれば、メディアの選択は基本的に企業側の自主性に任せてもいいのではないかなというふうに思います。

○山本委員長 森下先生、エコアクション21が急激に増えていると、大変喜ばしいニュースなんですが、これはISO14001に比べて極めて簡単で、審査の登録費用も安いから急速に伸びていると、そういうことではないんですよね。

○森下氏 ISO14001に比較して簡単であるという点については違います。簡単なのではなく、取り組みやすくする工夫をしています。また費用についてはそのとおりです。要するに、審査及び認証・登録の両方、全体で事業者の負担が30万円くらいで実施できるようにしようという当初の考え方がありましたから、そのような制度設計になっています。ですから、取り組み自体は決して簡易ではありませんし、システムも実質的なものを求めているということで、作業のための作業をお願いしているわけではないということです。
 それから先生、すみません。私も一応環境報告ガイドライン検討委員会の委員ですので、今の議論に一言だけ申し上げたいんですが、比較可能性の問題について、私は先ほどからの企業の方のご意見に同意できません。例えば有価証券報告書においても、もともとバウンダリーが違う企業同士の比較をしています。製造業とサービス業、さらには銀行等では売上高と原価が全く違いますが、比較しています。要するに円という単位で比較しているだけの話であって、一定の条件の下、比較は可能です。そういう点で今回はGHGならGHGで比較は可能であると思います。バウンダリーが違ったり、業種が違ったりする企業の比較をどのようにするのかというのは、比較する側の問題です。先ほど申し上げたとおり売上高と利益率だって、サービス業と製造業と銀行はそもそも違うわけですから、それを一定の基準で、一定の要領に基づいて有価証券報告書でまとめて、あとは投資側が判断する、評価する側が判断するということですから、その算出の方法とかルールが明確であれば、バウンダリーの違いは基本的に関係ないというふうに私は思っています。
 それから、物量情報だけで比較するのかということになれば、有価証券報告書もそうですが、その企業の方針、目標、さらには理念が策定公表されて初めてその数字が意味のあるものになります。投資計画や事業計画があって初めて判断できるわけで、数字だけを見て判断できるわけではありません。ですから、数値の情報だけが出てくればいいわけではなくて、報告書というトータル形で情報が公開されなければ、判断や評価ができないと私は思っています。

○山本委員長 はい、足達さん。

○足達氏 議論の参考になればということで申し上げます。
 先ほど永里委員から、投資はプロの世界で別に考えたほうがいいというお話がございましたが、私が提言の中で最後に情報普及にもっと力をかしていただきたいと言っている部分については、プロだとおっしゃってくださっているもののベースになる情報がないという部分も実は意味しておりまして、今、私どもがアンケート調査を上場企業2,000社にお出しして、お返しいただける数というのが今年初めて400社を超えました。20%を超えたんです。これは10年前、ですから最初始めたころは170とかですから倍にはなりましたけれども、まだ残り1,600社はご協力いただけないんです。

○山本委員長 名前を公表したらいい。

○足達氏 そのベースになるものとして、例えばどんなことが我々知りたいかといいますと、温暖化ガス、GHGガスの総排出量が増えているのか減っているのか、この5年間でも90年対比でもいいんですけれども。それから原単位が経年的に改善しているのか、改善していないのか。これは今の環境報告書を見ていただくとわかりますけれども、原単位について言及していない報告書があります。ましてや総量については、グラフは出ているんですけれども数字を隠しているとか、いろんな例があります。少なくともそういうところが、先ほど倉阪先生がおっしゃった規定演技のところというのは、やはり報告書の義務化とは申し上げませんけれども、環境情報の開示という意味で何らか制度をつくって、その上にプロの世界をつくらせていただきたいというふうに思います。
 温対法の部分でも、実は温対法のデータが開示されたものを、私ども、今サイト単位ですから、これを上場企業でひもづけをするというとんでもない作業をやったんですが、上場企業全体の大体4割弱の企業しかと補足できません。残りの6割は、したがって開示義務がないということは非常に小さなサイト、温室効果ガス負荷という意味では小さなサイトを持っている上場企業さんばかりだということなんでしょうけれども、上場企業の改善の有無を見たいと考えたときには、今の温対法の開示制度でも残念ながらだめで、これは来年から開示が企業単位になったとしても、上場企業の全てをカバーするわけにはいかないということをちょっと申し上げたいと思います。

○山本委員長 せっかくですので、山村先生、このエコマークですけれども、これは例えば日本のグリーン購入法の判断の基準をもっと簡単にして、エコマークがついていれば調達の対象にするとかそんなふうにすれば、一遍にエコマークの今抱えられている問題の半分くらいは解決できるんじゃないかと思うんですが、そういうような提言というのはないんですか。エコマークを判断の基準にしてくれとかですね。

○山村氏 グリーン購入法につきましては、政府調達の基準ということで決められているんですけれども、それをさらに広げて活用してほしいという思いもあるんですが、そういうときに山本先生がおっしゃったように、エコマークを活用すべきと、こういう考え方もあると思います。そういうときに、私ども20年の歴史の中でいろんな形で品目を選び基準をつくってきたんですけれども、その後グリーン購入の制度ができて、生産者側から見れば、スタンダードが2つあるというような意見も聞かれているところでございます。
 したがって、これからグリーン購入とエコマークの関係を明らかにして、わかりやすい判断ができる、そういうものに変えていくべきじゃないかと。これもこれからのアクションプランの中でよく議論していきたいと思っているところでございます。

○山本委員長 まだまだご議論は尽きないと思いますが、ほぼ時間になりましたので、ここで資料7についてご説明をいただきまして、その後は小林審議官に一言お願いして、今日は閉会したいと思います。
 資料の7、今後のスケジュールにつきましてご紹介をいただきたいと思います。

○石飛環境経済課長 資料7、1枚紙でございますけれども、今後のスケジュールをご紹介したいと思います。
 一応この小委員会、別に年度を区切ってぶつ切りにするということにはなっておりませんけれども、とりあえずこの環境配慮促進法の見直しの時期というのは今年度に当たっているということもございますので、一定の方向性は今年度中にまとめたいと。もちろんこの中には、先ほどいろいろ出されましたガイドラインであるとか、様々な個別の専門的なことについては課題が多く残されるだろうとは思いますけれども、それについてはさらにブレイクダウンをした検討の場を設けて引き続きやっていきたいと思いますけれども、一応今年度中に環境配慮促進法の施行についてどのように評価し、どういう課題がこれからあるかという取りまとめを年度中にお願いしたいと思っております。
 既に各委員の先生方に事前にご都合を伺った上で、次回は3月3日の午前中、それから第4回は3月25日、年度末になりますけれども、同じく午前中を予定しておりまして、次回は今申し上げましたように施行状況の評価に関する報告案、素案ということになろうかと思いますけれども、これまでのご議論を踏まえて、案を作成してご議論いただきたいと思います。できましたら、前もって作成して案をお配りして、その上でこの小委員会での議論ができるように努めていきたいと思っております。
 3月25日は、その議論をさらに踏まえて、当然様々な修正や肉づけが必要になってまいりますので、その報告書のまとめということに当てたいと思っております。
 以上でございます。

○山本委員長 じゃ、審議官。

○小林大臣官房審議官 もうこの報告書の取りまとめのご相談をするような段階になっているということでございますが、私自身は今日初めてこの検討会に出させていただきまして、大変発表者の方、また各委員から幅広い、全体構造に触れるようなご発言をいただきまして、ありがとうございました。これで随分頭が整理されたなという部分と、悩みが深まった部分もあるなということが実感でございますが、若干の感想を申し上げますと、環境と経済と一体化してやっていくというのが、いよいよ哲学ではなくて本当に抜き差しならない課題になっているというのが日々の実感でございまして、そういう意味で日本の今後の経済なり社会が戦略的に構築できるような布石が打てるような、そういうことをぜひ念頭に置いてこの問題も考えていきたいということを実感いたしました。
 また、もう一つの側面で、この報告書がいろんな形で、ある意味では社員の方々の意識高揚とか、リクルートまで含めて幅広く使われているということも印象的でございまして、これが企業が顔の見える存在として社会の中でどういくかという機能ということも重要な要素かなという、両面を感じた次第でございます。
 これから短期間の間に一定のまとめをお願いするということで、私どもも頑張ってまいりますが、ますます各委員の先生方のご尽力をいただいて、いいものがまとまっていけばと思っているところでございまして、引き続きよろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。

○山本委員長 どうもありがとうございました。

午後3時27分 閉会

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