第8回 環境基本計画点検小委員会議事録

日時

平成21年7月30日(木)

場所

環境省 総合環境政策局 環境計画課

議事内容

午後2時00分 開会

○小森計画官 おくれていらっしゃる方もございますけれども、時間も参りましたので、今から第8回環境基本計画点検小委員会を開会いたします。
 議事に入ります前に、お手元の配付資料のご確認をお願いいたします。
 配付資料でございますが、資料1-1「重点点検分野(市場分野)に係る主な取組状況等」、資料1-2「重点点検分野(市場分野)に係る関係府省の自主的点検結果(調査票)」、資料2-1「重点点検分野(国際分野)に係る主な取組状況等」、資料2-2「重点点検分野(国際分野)に係る関係府省の自主的点検結果(調査票)」、それから参考資料といたしまして、参考資料1「第三次環境基本計画の進捗状況の第3回点検の今後のスケジュール」、参考資料2「第三次環境基本計画の進捗状況の第3回点検の進め方について」、参考資料3「中央環境審議会総合制作部会名簿・環境基本計画点検小委員会名簿」、参考資料4「第三次環境基本計画の進捗状況・今後の展望について」。
 以上でございますが、足りない資料などがございましたら、事務局までお申しつけいただければと存じます。
 なお、マイクをお使いいただきます際には、スタンドにありますスイッチを押してからご発言ください。同時に4本までしか使用できませんので、発言が終わりましたら随時スイッチを切っていただければと思います。ご協力をお願いいたします。
 一昨日の第7回環境基本計画点検小委員会にご欠席された先生もいらっしゃいますので、本小委員会の任務につきまして、改めてご説明申し上げます。
 本小委員会は、総合政策部会を補佐するため、環境基本計画の点検に関する事務のうち、主として個別の分野の点検に関する審議を行うこととされております。
 本年行う第3回点検の進め方でございますが、これにつきましても改めてご説明申し上げます。
 今回の第3回点検では、第三次環境基本計画に定める10の点検分野、政策プログラムのうち「都市における良好な大気環境の確保に関する取組」「環境保全上健全な水循環確保に向けた取組」「市場において環境の価値が積極的に評価される仕組みづくり」「長期的な視野を持った科学技術、環境情報、政策手法等の基盤の整備」及び「国際的枠組みやルールの形成等の国際的取組の推進」の5分野を重点点検分野として位置づけ、それぞれの分野について、総合政策部会として特に関心が高い事項を重点調査事項として設定してございます。
 重点調査事項につきましては、参考資料2の4ページ以降に記載してございます。
 なお、今回の重点点検分野は、一昨年の第1回点検時の重点点検分野と同じでございます。したがいまして、今回の点検では、第1回点検時における指摘内容を踏まえた取組状況のフォローアップも行うこととしております。重点調査事項[2]及び[3]とありますのが、第1回点検時の重点調査事項でございます。
 本日の小委員会では、「市場において環境の価値が積極的に評価される仕組みづくり」及び「国際的枠組みやルールの形成等の国際的取組の推進」の2分野につきまして、関係府省の取組状況を事務局から報告させていただきます。その後、委員の皆様から関係府省に対する質疑を行っていただくとともに、今後の政策の推進に向けて提言すべき内容等について、ご意見をいただければと存じます。
 今後の点検のスケジュールについては、委員の皆様には既にご案内を差し上げているところでございますが、参考資料1のとおりとなっております。
 また、参考資料4として、一昨年の第1回点検時に作成した点検報告書をお配りしておりますが、11月に開催いたします総合政策部会において、これと同様の報告書を取りまとめることを予定しておるところでございます。
 それでは、今後の進行は鈴木委員長にお願いいたします。

○鈴木委員長 それでは、早速議事に入らせていただきたいと思います。
 今、ご説明いただきましたように、本日の重点点検分野は市場分野と国際分野、「市場において環境の価値が積極的に評価される仕組みづくり」「国際的枠組みやルールの形成等の国際的取組の推進」この2つの分野となっております。
 最初に、市場分野につきましてヒアリングをさせていただくことにいたしております。おいでいただいておりますのは、公正取引委員会、農林水産省、経済産業省、そして国土交通省、環境省となっております。
 それぞれの府省からもう既にいろいろ調査票を出していただいておりまして、これをまとめたものを事務局が資料1-1という形で準備しておりますので、まず、事務局からそちらの説明をお願いいたします。

○石飛環境経済課長 環境省環境経済課長の石飛でございます。
 今、鈴木委員長からご紹介がありましたとおり、関係府省から出していただきました自主的点検結果の調査票を束ねたものが資料1-2でございまして、それをさらにまとめたものが資料1-1でございますので、これから資料1-1に沿ってご説明申し上げたいと思っております。
 まず資料1-1、表題にありますとおり、市場分野が重点点検分野になっておりまして、分野名としては「市場において環境の課長が積極的に評価される仕組みづくり」という非常に大きなテーマ、分野でございます。
 そのうち今回の点検事項として新たに設定されたのが、[1]適切な環境表示の推進、それから第1回の点検後のフォローアップ事項として、[2]地方公共団体のグリーン購入実施状況、[3]SRI等の環境投資の拡大、この3つの点について、この分野の中からピックアップして点検したということでございます。
 私から総括的なご説明を申し上げますけれども、不足の点がありましたら、また後ほど、今日ご出席の各省からご説明をお願いしたいと思っております。
 それでは、まず1ページをごらんいただきたいと思います。
 調査事項[1]適切な環境表示の推進。
 ここに書いてありますように、企業や消費者が市場において環境面に配慮して適切に行動するためには、製品の環境負荷に関する情報が適切に提供されることが不可欠である。これはもう当然のことでございます。そういう観点から、環境表示の現状はどうなっているか、また、その現状から浮かび上がる課題は何なのか、そして適切な環境表示の促進方策はいかに、こういう観点からの調査を実施したわけでございます。
 [1]のところには、基本計画における記述が書かれておりますけれども、ごらんのとおりでございます。
 [2]のところから、かいつまんでご説明申し上げたいと思います。
 まず、最初の○でございますけれども、これは私どもが実施している事業でございますが、平成13年度より、環境ラベルなどのデータベースを構築して、公表しております。これはさまざまな主体、これは国民一人一人ということもございますし、企業、事業者も入りますけれども、環境物品、環境に配慮された環境負荷の低減に資する物品、サービスを選ぶ際に参考となるさまざまな情報を、環境ラベルなどによって提供しているという現状がございますので、その情報を適切に消費の対象となる主体の方々に提供するということで、紹介しているサイトでございます。
 毎年この内容については更新して、新しいものは加えて運用しているところでございます。
 次の○は、現状の問題点について幾つか紹介しているところでございます。
 環境表示については、以下のような問題が顕在化していると考えております。
 一部の環境表示には、客観性や合理性に欠けて表示の根拠が不明確であるようなケースが散見されます。
 また、次にありますように、「環境にやさしい」であるとか非常に曖昧な表現があって、本当にそれが環境性能のいいものかどうなのかが判断できないようなものがある。
 それから、各社各様のメッセージやシンボルマークが反乱しているために、優劣がつけづらい。製品間の比較も難しいという状況がございます。
 また、適切な環境情報の量と質、伝達方法、タイミング、低減効果、情報の一般性、透明性、検証の必要性が課題となっている。これは今、申し上げたようなことから総括すると、こういうことが課題になっていると認識しているものでございます。
 2ページに移らせていただきます。
 こういう課題を抱えているわけでありますけれども、さまざまな企業等から提供される情報の中身について、それが消費者にとって本当なのかどうなのかということを確認するための仕組み、枠組みというのが必ずしも明確になっていないということで、消費者の選択に対して不確定な要素を与えてしまっているということでございます。結果として、消費者もそこへの不安を抱いて、環境にやさしい製品、サービスを購入するという直接的な購買行動に結びついていないことが、さまざまなアンケート結果からも出てきているわけであります。
 また、消費者や競合事業者から不当表示として行政監督機関、これは具体的に言いますと、今日おいでいただいております公正取引委員会さんに措置を求めるケースが実際に起きているのも事実でございます。
 このような問題点や課題を抱えておりまして、それに対して今、どんなことをやっているかを簡単にご紹介します。
 次の○でございますが、私どもが平成19年度─一昨年度でございますけれども、こういう課題すべてではございませんけれども、なるべくこういう課題の多くを克服することを目指しまして、委員会を設けて環境表示ガイドラインを作成いたしました。これは製品の原料採取から使用、廃棄の段階、つまりライフサイクルの各段階においてどういう配慮をしているか、環境保全効果の特徴を説明したもの、これを環境表示と言っているんですけれども、その環境表示の必須条件、これは国際的なISOでの規定もあるわけでありますけれども、そういうものが何であるのか、それから、そこには国際的な基準にはないけれども、このガイドラインで独自に求める要求事項であるとか、認定に携わる第三者機関の認定マークの表示方法、こういうものを要求事項として整理して、各企業に「こういうものを守ったものを出してください」と促すものを出しているところでございます。
 内容につきましては国際的な動向の変化もありますので、また今後、逐次見直していって、企業等の参考にしていただきたいと思っております。
 また、関係府省でもさまざまな表示制度を持っていることを紹介しております。
 最初に、いわゆる省エネ法に基づく特定基金に対して、そのエネルギー消費効率の性能のすぐれた度合いを示すトップランナー基準が定められておりまして、それを具体的に示すものとして、省エネルギーラベル、さらに統一省エネルギーラベルを作成して、表示されているということでございます。
 3ページの上のほうに表示の例として、省エネルギーラベルと統一省エネルギーラベルを挙げてございまして、特に家電製品等を買う場合には、これが消費者の目に止まり、判断の材料になっている状況でございまして、これをますます拡大していくことが1つ大きな施策となっております。
 ちなみに、これは現在、省エネ家電について進めておりますエコポイント事業でも、この統一省エネルギーラベルの四つ星以上相当を対象にするということで、COの削減、経費浮揚、地デジテレビの普及という3つの目的での事業を後押しする、その背景となっているのもこの統一省エネルギーラベルであるわけでございまして、その活用がますます図られることが期待されているところでございます。
 3ページに移りまして、後段でございますけれども、地球温暖化対策推進法に基づいて、さまざまな物をつくる、提供するという事業者が、その日常生活の製品等の利用に伴うCO等の排出に関する適切、正確な情報の提供を行うよう努めることが努力規定として定められておりまして、それを具現化するための指針が昨年12月に定められております。関係府省の共同告示でございますけれども、その排出量等について製品等に添付する、陳列棚やレシートにおいて表示する、インターネットを通じて提供を行うといった努力を促しているということで、こういった広範な情報提供をすることが法律に基づいて推進され始めております。
 いわゆる資源有効利用促進法という法律、平成3年に制定された法律でございますけれども、この中で指定表示製品というものが指定されております。その製品ごとに分別回収に関して表示すべき事項、どういう成分が含まれているかといったことについて定められておりまして、これが再生資源の有効利用促進に重要な役割を果たしていると考えております。
 また、それ以外にもいろいろございまして、4ページの最初の○でございますけれども、木材利用による環境貢献度の定量的な評価方法、農林水産分野におけるCOの表示、生きものマーク、カーボンフットプリント制度の構築、フロンの見える化、エコレールマークの普及、それから建築物の評価システムであるCASBEE、エコシップマーク、エコマーク、さまざまな省庁がそれぞれの所管でこういったものを出しているということで、こういうものがそれぞれの分野で一層進むことが期待されている状況であると考えております。
 次の○は、先ほどちょっとご紹介いたしましたけれども、一方で、環境表示に関しての不当表示が実際に起こっているということで、これについては、いわゆる景品表示法に基づいて公正取引委員会が判断して、違反しているという事実が認められた場合には、排除命令等を出して是正を求めるという厳正な対処が行われているところでございます。最近では、昨年1月の古紙偽装に端を発しました古紙パルプの偽装問題では、公正取引委員会が4月に製紙会社8社に対して不当表示についての排除命令を出したことから、コピー用紙のグリーン購入法の基準の改定であるとか、また再発防止策の徹底、さまざまな対策がこれによって大きく動き始めたところでございます。
 また、次の○は私ども環境省でやっていることでございますけれども、やはり古紙パルプの偽装問題の発覚を受けまして、古紙パルプに限らず、さまざまな環境性能のいい製品、サービスが世に出回っておるわけでございまして、それを国等はグリーン購入法という法律に基づいて、率先して購入しているわけでありますけれども、その中に、そういう不当表示に該当する潜在的なものがないかどうか抜き取り調査をいたしまして、その成果として、なるべくそういうことが起きないようにという事前防止に役に立つような事業として、今年度からこういう製品テスト、移行テストを始めようということで、現在、その仕組みの準備をしているところでございます。
 以上が、適切な環境表示の推進に関する現状、関係府省で取り組んでいる状況でございます。
 続きまして、フォローアップ事項[2]地方公共団体のグリーン購入実施状況でございます。
 ここで調査を実施したことは、a)b)c)に書いてあるとおりでございますけれども、後の内容と重複いたしますので、時間の関係で、ここは省かせていただきたいと思います。
 これはすなわち第1回の点検で指摘された内容をそのまま反映して、その後どういう進展があったかを、[2]の主な取組状況で説明させていただくという趣旨でございます。
 まず、この地方公共団体の実施状況の前に、そもそも先ほど申し上げました、国等が率先して行うことを義務づけたグリーン購入法でございます。
 この中で、地方公共団体は国等に準じてグリーン購入を行うよう努めるということで、努力義務が課せられてございます。しかしながら、地方公共団体の購入の量は非常に大きいわけでございますので、我々としては、国等に準じて地方公共団体でも、このグリーン購入が津々浦々まで浸透することを望んでおりますし、そういう施策を展開していかなければいけないというのが、この重点調査事項のねらいになっているわけでございます。
 そのために、地方公共団体のためのグリーン購入取組ガイドラインというのを毎年改訂を重ねてきておりまして、特に今年3月に改訂したガイドラインは、特に市町村の担当者の方々、大変多くの業務を抱えながらグリーン購入にも携わっていただくということで、図表を活用して、なるべく理解しやすく親しみやすい内容にして、取組を少しでも前進させることを心がけてつくって配付したところでございます。
 また、6ページの次の○でございますけれども、地方公共団体だけに任せておくということではございませんので、やはり地域ぐるみで進めていくことも必要でありますので、地方公共団体、それから地域のNPO等、さらには企業、事業者、こういう方々が参画したグリーン購入の地域ネットワークをつくることを我々、支援しております。現在、まだまだ少のうございますけれども、8つの地域でこのネットワークが設立されておりまして、これを全国展開していこう、そういうことによって地方公共団体のグリーン購入を促進する側面支援をすることにも大いに役に立つということで、これを展開しております。
 また、地方公共団体に限らず、国の調達をする担当者の方々にも、実務上の助けとなる手引を今年度、作成するということで、予算をとって、現在、作成の作業を進めているところでございます。
 また、グリーン購入だけが頑張るということではなくて、既存の施策体系等を活用して推進することも大事だということを前回の点検のときにご指摘いただきました。これについては一つの例でございますけれども、地方公共団体でも当然、公共工事をやるわけであります。この取組として、国土交通省が土木工事共通仕様書を作成してございます。その中で「資材についてはグリーン購入の基準に適合したものを使うように」とか、それから、個別の仕様書では「この資材はグリーン購入の基準に適合したものを使うように」といった仕様書を出しておられますので、こういうものを地方公共団体でも盛り込むということを、積極的に我々から働きかけているということが一つの例でございます。
 また、中央の自治行政を担当されている総務省が毎年、自治体、特に政令市、都道府県を集めた総務企画部長会議をやっておられますけれども、そこに我々、呼ばれていきまして、特にグリーン購入法、それから後に出てきます環境配慮契約法について力を入れていただきたいということを、総務省さんの協力をいただきながら呼びかけているところでございます。
 次は、環境配慮契約法でございます。
 グリーン購入法というのは、いわば一定の水準を満たしたものであれば国等は購入の対象にできるということで、最低価格落札方式によるということなんですけれども、環境配慮契約法というのは、具体的に言いますと、電力であるとかESCO事業とか、建築物の設計であるとか、なかなか一律の基準でいい、悪いが決められるものではない。そういうものについては、それぞれの環境配慮がどのぐらいなされているものなのかという質的な面の評価がどうしても必要でありますので、単純な最低価格ではなくて、総合評価落札方式、またはプロポーザル方式をとって、その環境配慮の状況も重要な評価の対象にするということが主眼となっている法律でございまして、今、申し上げたようなものが、今、契約の対象になって、国等は、そういうものの契約に当たっては環境配慮の方式をとるべきだということになっているわけでございます。
 ただ、この法律、一昨年できたばかりでございまして、実質上、昨年度、初めてやり始めて、その状況がどうだったかを今、把握しているところでございます。この取組はますますグリーン購入と相まって、環境配慮をより高めるという意味で、ますます進めていきたいと思っているところでございます。
 7ページに参りまして、地方公共団体によるグリーン購入の取組状況。ちょっと後先になってしまいましたけれども、現状の紹介でございます。
 都道府県、政令市、区市、それから町村に分かれたグラフがございますけれども、大きな差が出てきているのは一目瞭然でございまして、大きな自治体であります都道府県、政令市は、もう100%取り組んでいるわけでございますけれども、区市になりますと、全庁的に取り組んでいるのが8割弱、町村になりますと半分弱ということで、この数年は余り大きな進展がありません。さまざまな背景、条件はあるわけでございますけれども、少しでも進めるために、先ほど申し上げましたようなガイドラインであるとか、さまざまな材料を用意いたしまして、決してグリーン購入のものが高いということではないといったことも含めて、特に町村の担当者の方には、理解して取り組んでいただけるような努力をしていかなければいけない状況にあると理解しております。
 続きまして9ページ、[3]環境投資の拡大に移らせていただきます。
 最初にございますように、市場において環境の価値が積極的に評価される仕組みを構築する中で、今までの仕組みは製品サービスに着目したものであったわけでありますけれども、このテーマは環境への負荷の少ない事業を実施する企業そのものに着目する、また、新たに環境産業にかかわる企業を育てていく、そのための投資行動を促進するための環境投資・融資が必要である、しかもこれが欧米に比較して非常にまだおくれているという現状を踏まえて、a)b)c)に書いてあるような点、現状どうなっているのか、どんな検討をしているのか等について調査したということでございます。
 [1]は今のところと重複しますので、省略させていただきます。
 [2]主な取組状況等を紹介させていただきます。
 まず、この環境投資にかかわる関係法令といたしまして、環境配慮促進法と呼んでいる法律がございます。これはさまざまなことが含まれているわけでありますけれども、広く言えば、事業者がそのさまざまな活動において環境に配慮することを促すためのものでございまして、例えば環境情報を積極的に開示していく、その中には環境報告書といった形で出すことを促し、その質を高めていくことをこの法律で推進しているといったことがございます。
 また、環境報告書に限らず、さまざまな情報の開示を促していくことを規定している法律でございます。
 一方、事業者だけではなくて国民のほうも、逆に投資をするという立場でいきますと、その投資に当たっては事業者から提供された環境情報を勘案して、環境に対する取組が進んでいるような企業に対して投資する、そういった投資行動を促していくということも、この中には規定されているわけでございます。
 そういうことで事業者からの環境情報の提示が一般化されて、個人がそれに沿った判断をして投資していくということで、市場メカニズム全体が環境にやさしい社会の構築に貢献していくことを目指しているものでございます。
 10ページに参ります。
 最初の○は、冒頭申し上げましたけれども、いわゆる環境投資、狭い意味では環境投資でありますけれども、いわゆるSRIと言っております企業の社会的な貢献としての投資、責任投資という指標で見ますと、欧米が数百兆円というオーダーに対して、我が国はまだ0.9兆円と大きな差があるということで、まだこの分野は非常におくれているわけでございます。
 その理由といたしまして、日本の場合には機関投資家による環境投資が非常に少ない。どちらかというと、民間の投資家によるSRI投資が主流になっているということが欧米との大きな違いになっておりますので、この機関投資家による環境投資をいかに拡大していくかが今後の大きな課題になっていると理解しております。
 この点に関しましては、自由民主党、日本労働組合連合会、いわゆる連合ですね、こういったさまざまな政党や組合からも、機関投資家に限ることではないんですけれども、特に機関投資家の環境投資を拡大するために「こういう施策が必要だ」といった提言がなされているということでございます。
 また、3年前に国連環境計画金融イニシアティブの主導によって、責任投資原則が策定されておりまして、我が国でもこの投資原則に賛同して署名している機関もございますが、欧米に比べて非常に少ないということでございますので、やはりこういうものに署名して実行に移していくといったことも推奨していかなければいけない状況でございます。
 その次、環境投資が適切に進むためには、各企業の環境配慮の状況、環境産業への関与状況に関する情報が適切に提供され、企業の環境力が金融市場において投資家や金融機関に的確に評価される。これは先ほど申し上げたことと重複いたしますけれども、そういうことでの一環として、有価証券報告書を通じた環境情報の開示をもっともっとできないか、するべきだといった提言なり検討が行われているところでございます。
 また、経済産業省におきまして「金融市場における『環境力』評価手法研究会」が開催されまして、企業の環境力の評価フレームを策定して、このフレームに基づいた株価指数化といった検討が進められているところでございます。
 その次でございますが、これは先ほど申し上げました環境配慮促進法、3年後にその評価、検討をすべきだということが法律に規定されておりますので、昨年から今年3月にかけて、総合政策部会のもとに小委員会を設けて検討していただいて、その報告書が3月にまとめられて、総合政策部会に報告されたところでございます。
 一番下の行でございますが、その中には、環境投資の拡大に向け、特段法律の見直しを行う等の指摘は盛り込まれておりませんけれども、また、今後とも状況の変化や対策の進捗状況を見て再度評価を行って、必要な見直しについて検討すべきであるということで、これ以外にもさまざまな対策をもう少し推進すべきだと、法律に基づいてもっと推進すべきだというようなご提言をいただいておりますので、それもこの点検の作業と並行して進めていきたいと思っております。
 最後の○でございますけれども、実は本日の午前中、総合政策部会が開催されました。環境大臣から7月13日に中央環境審議会に対して「環境と金融のあり方に関する検討について」という諮問が行われまして、それに基づきまして本日午前中に、部会におきまして、この環境と金融のあり方に関して具体的に検討するための専門委員会を設置することが決定されたところでございます。
 そこでは、今の点検の対象となっているさまざまな課題や今後の取組のあり方について、専門的なご議論をいただき、逐次方策についてレポートとしてまとめられていくと思っておりますので、そこでの結果も我々、実行に移すべく進めていきたいと思っているところでございます。今日の総合政策部会でも、さまざまなご意見、政策のあり方についてご指摘がございましたので、そういうものも含めて、当然これから検討していく必要があると考えております。
 以上が市場分野における点検結果でございます。
 今の専門委員会の議論もございますけれども、今日の場でもまた今後の政策の方向性、また今後の検討のあり方について、ご指摘を賜れればと思っております。

○鈴木委員長 それでは、質疑応答に入らせていただきます。
 第三次環境基本計画のこの分野に関しましては2回目、2年前に1度、そしてここで2回の点検でございます。第四次の環境基本計画策定に向けてのこの分野に関するご意見も併せて、いろいろ伺えればと思っております。
 では、委員の方々からご質問、ご意見をいただきたいと思いますが、その前に、おいでいただいている各府省から補足されたいようなことがあれば、今、お伺いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、後でご質問を受けた形でお願いしたいと思います。

○山本委員 私からは、適切な環境表示の推進というところで意見を申し上げたいと思います。
 タイプI、タイプII、タイプIIIという3つの環境ラベルがあって、その他にもたくさんあるわけでございますが、それを適切に用いてグリーンな製品、サービス、技術の普及を図るということは、もう15年くらい取り組まれているわけでありますが、やはり我々は認識を新たにして、10年前とは違う段階に我々は入っていると。したがって、次の段階ではこの環境表示をもっと緊密に、市場メカニズムでグリーンな製品が普及するために有効活用するようなことを考える必要があると私は思います。
 それは簡単に申し上げると、京都議定書のレベルから我々は一刻も早く脱却して、例えば温室効果ガスの大幅削減に役に立つような環境表示の活用を考える段階に来たとも思うわけであります。特に、この7月、イタリアのラクイラ・サミットにおきまして、G8のみならずMEF、先進国及び新興経済国が一致して、地球の表面温度の上昇を産業化前に比べて2℃以下に抑制すると。これを今回、初めて合意されたということは、もうすばらしいことというか、画期的なことなわけでございます。
 2℃ターゲットを実現するためには、今、国際社会は450ppmで温室効果ガスの濃度を安定化させるという方向で動いているわけでございますが、この2℃、450ppmのターゲットは、現在の段階でこれが間に合うか間に合わないか、やれるかやれないかで激しい論争が起きているわけで、この温度上昇2℃突破のポイント・オブ・ノーリターンは20年以内であることが多くの研究から指摘されているわけであります。
 特に深刻なのは海洋の酸性化でありまして、昨年10月のモナコ宣言で155名の科学者が署名をして、言っているわけでありますが、450ppmでも海洋生態系に相当大きな影響が出るだろう、もう20年か30年後ぐらいにそれが迫っていると言われているわけで、温暖化の場合にはCO以外のものも減少させなければいけないわけでありますが、海洋の酸性化は、まさにCOを減らさなければ問題が解決できないという点で、極めてまた深刻なわけであります。
 したがって、「チーム・マイナス6%」にとらわれているようでは、もう到底間に合わないところに差しかかっているわけでありまして、私はこの環境表示、カーボンフットプリントが今、いろいろ、ISOでも国際標準化の検討がされているわけでありますが、カーボンフットプリントも含めて、特にタイプIのエコマーク、タイプIIIのエコリーフを表示するのは、もう最低必要条件であるというくらい厳しくいくべきである、これが大きな課題であると提言して、私の発言を終わります。

○河野委員 私は、環境に配慮した投融資について、質問させていただきたいと思います。
 環境省の、環境に配慮した投融資の促進ということでありますが、この実施のところを読みますと、年金基金等の投資ファンドといいますかね、これが非常にまだ金額が少ないということであります。これについて促進策を考える、前からそう言われていますが未だに金額が少ない。抜本的な促進策を考える必要があるのではないかと思います。もう一つは、融資のほうであります。
 最近、銀行等の金融機関で、CSR報告書等により、環境に配慮した融資をするといったことをアピールするところが増えているように思いますが、こういう融資を増やすことを目標に掲げているとすると、どれほどの融資が現に行われてきているのかといったことをつかんでいるのかどうか、これにつきましてお尋ねしたいと思います。

○佐々木委員 私は、私どものセンターにフィルターをかけてお話を伺わせていただきました。自分の置かれる立場の仕事を通して、どんな形で仕事を進めていったらいいのか、そこに視点を置いてお話を伺わせていただきました。
 そうしましたときに、過去において、古紙の偽装報道のとき、たまたま私どもが小学校に出前授業をする日の直前でありました。出前授業をするときには必ず進行案をつくって学校と打ち合わせをして、こんな授業で進行していこうということを大体半月ぐらい前に連絡をとり合います。その進行案でGOというときに、例の新聞報道であります。私どもとしてはいか様にもその進行案を変更することは可能ではありますけれども、待っていた子供たちは、5~6年生にもなりますと新聞も見て、わかっておりますのでね、大変な状況でありました。その授業を置いておいて別の授業をさせていただいたわけです。
 ついては先ほどエコテストというお話もありましたのですが、何かが起きてからテストするのではなくて、やはり事前に何が真実なのかがわからない状況が大変に多いものですから、やはり微細においてテストを進めて、事前にやっていくことが大事なのだろうとも思うわけです。そこで私が質問したいのは、今、わかる段階でかまいませんので、分析方法と、評価基準についてこれまでにどのように進行してきたのか、そして今後、どのようにその評価基準を決めていくのかを教えていただければと思います。

○田中委員 私、グリーン購入の関係について、大きく2点をお伺いしたいと思います。
 資料1-1の6ページ、7ページにかけてでございます。
 1つ、7ページの現状の、特に地方公共団体のグリーン購入への取組状況を見ると、この間、なかなか進展してきていない。つまり全庁的に、あるいは組織的に取り組んでいる割合が、特に区部、それから町村でしょうか、非常に低い、こういうご報告をいただきました。このあたりをどのように分析して、どういう手だてを講じていくのか、このあたりをお伺いしたいと思います。
 つまり、大きな自治体では一定程度浸透してきたけれども、区市町村のところで遅れている。このあたりの背景について少し分析を加えて、具体的な、有効な手だてを講じていく必要があるのではないかと思いますので、そこらあたりのお考えがあれば、1つお伺いしたい。
 関連して、地域ネットワーク、グリーン購入ネットワークという取組を先ほどご説明いただきました。たしか8つの地域でということのようでしたけれども、具体的に、このグリーン購入地域ネットワークの活動状況といいますか、これについても併せてお伺いしたい、これが1点でございます。
 関連しまして、第2点は、環境配慮契約法の中に、いわゆるグリーン電力といいますか、排出係数が一定以下のものをグリーン電力として、これを優先的に購入していくという取組が自治体で始まっておりますが、これらについても今、省庁のほうではどんな取組なのか、グリーン電力の購入状況についてお伺いしたいと思います。
 以上2点ということになります。よろしくお願いいたします。

○筑紫委員 私は、やはり環境投資の拡大ということで、主な取組のところで、今、環境と金融の専門委員会もできることになったということで大変期待しておりますが、この調査のところで、例えば現在、公的年金が、日本の場合にはSRIの投資をしていないことがマーケットが拡大しない理由だと言われていて、私もずっと信じておりまして、外に対してもそう言っていたんですが、最近、実は国家公務員共済組合連合会はSRI投資を既にしていると言う別の公的年金の方があって、ですから、そこの公的年金も今、SRIを検討していらっしゃるんですけれども、でも、「国家公務員共済組合は本当にやっているんですか」と聞きましたら、それはわからないけれども「年金情報」に書いてあると。
 書いてあるけれども本当に3行ぐらいで、本当にやっているのかとか、やっているとしたらどのマネジャーが運用していて、どれぐらい運用していて、どういうポリシーで運用しているのか、こういった情報開示が全くなされない。ですからSRIをやるときに、企業の情報開示も求められるんですけれども、実際にそれをやる主体の情報開示が非常に遅れて─遅れてというよりも、なされていないということは非常に問題だと思います。
 以前、イギリスの環境省の職員の年金基金は環境SRIでエコファンドに投資しているのだから、日本でもどうですかというお話をしたときに、環境省の方の年金といって別々に運用するわけではなく、全体的な国家公務員の方の年金という中でやられているので、環境省だけのではできないんですというお返事をいただいたと思うんですが、環境省の方は、国家公務員共済組合連合会がSRIファンドで運用されているかどうかをご存じでしょうかということが私の質問です。
 それから、今回、私どもが多少かかわった別の公的年金についても、新しいファンドマネジャーを募集します、それは出します。出しますけれども、そこでSRIだということは一切出さない。出さないけれども、知っている人は知っているということで、それで実際にどうも採用される予定ではあるようです。しかし、こういうふうに今回、採用することになって、こういうポリシーで、こういうところを選びました、選んだ理由はこうですといったディスクローズが今回もなされないのではないかと、非常に危惧いたします。
 私どもは途中で落っこちたほうのファンドマネジャーさんと一緒に行ったわけですが、その理由も「定性的、定量的理由により、今回は残念でした」これだけです。
 ということで、たくさんになりましたけれども、1つだけ、環境省の方は国家公務員共済組合連合会が既にSRIの投資をしていらっしゃることをご存じでいらっしゃいますかということです。

○福川委員 私は、主として今回の新規に取り上げられた「環境の価値が積極的に評価される仕組みづくり」について、お尋ねしたいと思います。
 これは行政所管庁がどのくらい取り組んでいるかという全貌がよくわからないんですが、例えば全省庁の中でこの分野についてどのくらい予算が配分されているのか、これに従事している人員はどういうことになっているのか。それからまた、行政にはこのごろ行政の評価システム、評価方法というのがあります。効果測定をどうするかという手法もいろいろ進んでおりますが、そういったこの分野についての行政上の効果測定というような手法はどういうことになっているかという点がわかれば、まず第1点、お伺いしたいと思います。
 2つ目は、消費者団体とか消費者センターとか、あるいは地方公共団体でもそういった類似のチェック機能がありますが、そういう機関との協力体制はどうなっているのか、この評価を客観的に見る意味で、別の組織、外部の人との協力関係がどうなっているかが第2点目でございます。
 3点目にお尋ねしたいのは、この分野は「環境の価値が積極的に評価される仕組みづくり」ということでございまして、主として表示を中心にして、この行政を組み立てていらっしゃるわけでありますけれども、環境の価値を積極的に評価していく場合には、時系列でよくなった、悪くなった、あるいはまたクロスセクションで評価ができる、業種別にどう違うかといったようなクロスセクションの評価とか、要はその仕組みがわかることが重要だろうと思います。
 そうなると、この表示だけでなくて、今、環境についての格付け等の機関もあったりしますが、そういった経営の指標等から見てこの評価をする仕組みを、表示というよりもう少し広い意味で、科学的に表示するというような方法の研究はなさっていらっしゃるかどうか、その3点をお伺いしたいと思います。

○浅野委員 事務局に、まずお詫びするというところから発言いたします。実は、事前の打ち合わせの段階で見落としていたので今頃指摘することでは大変申しわけないのですが、環境基本計画ではこの課題がどういう取り上げ方になっているかを考えますと、今、福川委員がご指摘になった文脈でこれを取り上げていたわけでした。ですから、今日の資料は「表示」という観点からだけでまとめられているのですが、これで資料としてはまとまっていると考えたことは間違っていました。
 要するに、環境に関する情報を共有するための一つの手段、しかもこの情報提供ということとの関係で計画が強調していた点は、例えばLCAの整備を進めてラベリング制度への反映を図るということなどを言っていたわけです。化学物質についてもGHSの導入ということが記されていますが、それについても今回は、報告漏れになってしまっている。これも、見落としていたので申しわけないのですが、これではまずいですから、最終版にはちゃんと情報を入れて、基本計画に合わせて整理し直す必要があります。
 その上で、各省にお尋ねですが、その意味で、LCAというところにまで踏み込んで調査票を書いてくださっているのは農水省だけです。本当にありがとうございました。整理番号2では、木材についてLCA評価にということが書かれていて、おやりになっていることがよくわかりました。これはぜひこちらの整理のほうには特記して、ご紹介しておかなければいけないと思うのですが、それがまとめでは落ちてしまっていたことは、まことに申しわけないことでした。ただし、調査票には項目だけしか挙がっていないの、お差し支えなければ、この検討の中ではどんな議論が行われているか、紹介いただければと思います。
 それ以外の府省の調査票でも、今申し上げたことが問題意識としては示されており、ラベリングの根拠が何かがはっきりわからないことは問題ではないかといった指摘が行われているわけです。LCAとの連携というのは一つの例示だと思うのですけれども、ラベリングが持っている客観性とか根拠をどういう形で確実にできるのかをコメントしなければいけないわけです。この取りまとめでは、ただこういう制度があります、何とか動いていますというふうにしか書いていないので、これは点検報告にはなっておりません。もっと一つ一つの制度・しくみがどういう根拠でやられているのかを調べて、書かなければいけない。
 その意味では、経済産業省のカーボンフットプリント制度の検討会が行われて、基準が取りまとめられたという記述も大変大事なことだと思うのですが、このあたりのところも、どのようなことが具体的に考えられているのかを教えていただきたいし、それから、国交省のエコシップマークというのは一体どのような根拠で与えられるものかが必ずしもはっきり書いていないので、それぞれ書かれている府省所管のマークがどういう判断基準で出されているのかを、この際ご紹介いただいて、我々も情報を共有したほうがいいのではないかと思いました。

○鈴木委員長 今、浅野委員、福川委員からお話がありましたように、本来は、市場において環境の価値がきちんと市場システムに反映される、そのような方向に向けて、表示のような部分を考えていかなくてはいけない。それを定量的に、しかも統一的に、全体として本当にどれくらい、例えばカーボンの削減に効果があるのかという評価ができることが最終的な目標ではあるんですが、残念ながらこの点検のやり方では、重点調査事項としてぽつぽつとトピックを取り上げてしまうものですから、今回は適切な環境表示の推進みたいになってしまって、そこでこれに関連したところを各省で挙げていただいた、このような形になっているんだろうと思います。
 ですから最終的には、それぞれのところでそれぞれの考え方でできたラベル、本当にそれがどれくらい広がって、それが市場経済の原理の中にどう組み込まれていくのか、それによって具体的にどれくらいの削減ポテンシャルであり環境改善効果が期待できるのかという、LCAも含んでですね、そういう評価ができるようになっていくのが最終的な目標だろうと思います。
 そういう意味ではカーボンフットプリントのような全体像が、カーボンに関してはこういう仕組みがあり得るのかもしれませんし、多分、最初に山本委員がおっしゃった、本当に450ppmを目標に、カーボン排出をどう削減するのかというような話になってくると、このカーボンフットプリントみたいな形ですべてのラベルの意味を統一的に考えていくようになれば、すばらしいのかもしれません。今、いろいろご質問がありましたことと、それから将来的な、本当にラベルの効果がどうであるのかというようなことをどう判定しようとしているのかといったことも含めて、各省からおいでいただいている方々からレスポンスをお願いしたいと思います。
 まずは環境省からでしょうかね。

○石飛環境経済課長 さまざまなご質問、ご指摘ありがとうございます。
 申しわけございません、すべて網羅してお答えできるだけの準備ができておりませんけれども、なるべくお答えしてまいりたいと思っております。
 まず、山本委員から、現状の非常に厳しい環境悪化の状況に対応した、新たな世代の環境表示のあり方を考えるべきだというご指摘の中で、例えばエコマーク、エコリーフを義務化すべきであるというご指摘をいただきました。
 私どもも、特にエコマークを担当している観点から見ますと、エコマークそのものも、やはり大きな曲がり角に来ているということで、非常に問題意識を持っておりまして、これが今後の、将来世代にとって適切な商品選択の指標になるかどうかについては、やはり考え直していかなければいけない。その中には、単についているか、ついていないかというエコマークだけではなくて、そこにまたランクがあるとか、さまざまな工夫を凝らしてやっていく必要はあるだろうと思います。そういうものを普及していく過程で、もう少し制度的な後押しをして、強制的なものにするかどうかということも重要な検討課題であろうと思いますが、まずはエコマークのあり方について、よく検討していきたいと思っております。
 それはLCA的な考え方も、もちろん部分的には入ってはいるわけでありますけれども、必ずしもそこが統一されたものになっていないということについては、最後にご指摘があった点についても同様の課題を抱えているものだと考えております。
 それから環境の投融資、特に融資について、総額はどのぐらいかということについては、申しわけございません、今ちょっと手元に融資額、総額は幾らというデータを持ち合わせておりませんし、また「環境融資」という括りでとった既存の統計があるかどうか、今、即座にお答えできません。当然今後、環境と金融のあり方を検討する上では重要なデータであると思いますので、今後、そういうものをちゃんとお示しできるように努力したいと思っております。
 それから、佐々木委員からエコテストについてのご指摘がありましたけれども、これは一応、私どもが考えているのは、事前予防的に市場に出回っているものにそういう偽装がないかどうかを知るということで、それをもって、発覚してからではないんですけれども、市場に出回っているものについて評価して、そして、そういうことが抜き取り的にやられるんだということを事業者に知っていただいて、歯どめにしていきたいというのがねらいであるわけでございます。
 これにつきましては、今、どういう分析をして、どういう評価をするかということも検討して、そしてテストの仕組みを確立していきたいと思っているところでございますが、現状のグリーン購入法の世界では、特定調達品目であるかどうかは基準を国が示しておりまして、それに合致しているかどうかはあくまでもそれぞれの製品、サービスの提供事業者にお任せしております。そこが問題ではないかというご指摘も、もちろん制度が始まったときからあるわけでございますけれども、例えばそういうものについて第三者に分析してもらって「確かに合致していますよ」といったことをやっていらっしゃる事業者もあるわけでございますので、我々としては、そういうものをこれから推奨していくことで、グリーン購入法の信頼を高めていきたいと考えているところでございます。
 それから、田中委員から、自治体のグリーン購入の取組について、特に町村が低いといことをどう分析し、また、今後の手だてを考えているかということでございます。
 分析につきましては、2つ理由があると思っております。1つは財政的な理由で、非常に厳しい中、どうしても安いもの、最低価格だけで判断しがちだと、購入に際してそういう判断が前面に出てしまうということがあろうと思います。もう一つは、先ほども申し上げましたけれども、調達を担当される1人の方が多くの業務を抱えておられまして、グリーン購入についての新しい商品、サービスが出てきているという情報をなかなか知る時間がないといった制約もあろうと思います。
 ですから、価格に関しては、確かに高いものもございますが、決してすべてが高いわけではございませんので、今回のガイドラインでも、「五年十年考えたらこちらのほうがやすいですよ」といった具体的な例示をして、その製品の購入を促すような努力をしているところでございますし、また、時間がない、1人の担当者が大変だということに関しましても、なるべくわかりやすい情報提供をすると同時に、グリーン購入ネットワークのような形で、これはもう一つのご質問にもありましたけれども、地元で自治体が主導でやっているところ、自治体といいましても都道府県や政令市が中心になっておりますけれども、そこが管下の市町村も巻き込んでグリーン購入を進めていく、さらには自治体、行政だけではなくて民間の、一般の方々もこのグリーン購入該当製品を買っていただく運動を展開する、そこにまた商品、サービスの提供事業者も協力して情報提供するというように、3者が協力してやること……

○浅野委員 ちょっと委員長、よろしいですか。
 説明が長過ぎます。

○石飛環境経済課長 すみません。

○浅野委員 それから、今の点はちょっと違うのではないかと思います。資料では自治体数が実数でなくてパーセントで出されていますから、実施率が減っているように見えるけれども、広域合併で町村の数は特に減少しているでしょう。だから、実数で比較していけば違った結論になるかもしれません。やっていない町村は変わらなくても比率では増えている可能性があります。実数ベースで本当にどうなっているのかということでないと、これだけ見てうまくいっていないというようなことを前提にして、今のような説明を長々とされてもしようがないのではないでしょうか。

○石飛環境経済課長 承知いたしました。
 その点についてはまた後日の委員会でご紹介したいと思います。
 それから、手短に申し上げます。
 筑紫委員からの、年金について国家公務員共済組合がSRIの投資をやっているかということにつきましては、情報としては、部分的ではありますけれども、そういうことをやっていることは承知しておりますが、具体的に、先ほどご指摘のありましたような情報の開示が十分でないとか、我々も熟知しているという状況ではありませんので、その辺については我々も、率先するという立場から何ができるか、情報開示のあり方も含めて検討したいと思っております。
 福川委員から、政府だけではなくて第三者による評価をグリーン購入や環境投資の面で活用することがあり得るのではないかということでございました。これはまさしく、ちょっとそう論的で申しわけないんですけれども、第三者による製品、サービスの審査であるとか環境の格付け、企業がどんな配慮をした事業活動をやっているかということを、もっともっと投融資の面でも広げていきたいということで、今年度も補正予算をとって、その格付け融資の拡大をやっていきたいと思っておるところでございます。
 ちょっと不十分な点がありますけれども、以上で私の説明とさせていただきます。

○鈴木委員長 それでは、国交省のほうから順番に、関連の補足等々も含めてお願いできますでしょうか。

○国土交通省 国土交通省でございます。
 私からは、CASBEEについて補足して説明させていただきたいと思います。
 CASBEEについては、資料1-2の整理番号8になります。
 皆様ご存じのとおりかもしれませんけれども、CASBEEについては住宅建築物の居住性と地球環境への不可の低減を指標にいたしまして、住宅建築物の環境性能を全体的に評価しているものでございます。
 これについては、その外部性なども考慮しながら環境性能について評価しているところでございまして、今ちょうど、CASBEEについてはさまざまな評価ということで、新築の際ですとか既存の物件の際ですとか、あと、もう少し広げた形で街区についての評価ですとか、あと、今、都市全体を評価するような仕組みについて検討してございます。
 今後、そういったところを含めながら、より一層活用されるように施策を推進していきたいと考えてございます。

○国土交通省 続きまして、同じく国土交通省でございます。私、鉄道を担当しておりまして、資料1-2の整理番号7、エコレールマークの担当をしております。
 認定の基準とか状況は資料にあるとおりですので、ごらんいただければと思います。
 結局、このマークを通じて環境にやさしい鉄道の利用を促進することが目的でやっておりますけれども、マークの成果として鉄道利用がどれだけ促進されたかをきちっとはかっていかなければいけないという問題意識は持っておるんですけれども、現状においては、まだそれをどうやってはかればいいかを我々なりに確立しておりませんので、課題として引き続き考えていきたいと思っております。

○国土交通省 続きまして整理番号9、エコシップマークの普及促進ですが、多少書き方が抽象的で、まことに申しわけないと思っております。
 何分にもまだ2年目に入った事業でして、フェリーとかRORO船、コンテナ船、あと自動車専用船、このような大型の船を使っている事業者25社が集まりまして、エコシップマークの選定実行委員会をつくっております。我が省としましては、モーダルシフト検討会が連携いたしまして、一緒に支えていきたいと思っておるところです。
 ここに書いてあります「一定以上の基準」というのは、貨物の輸送をしている量の海上輸送のシェアが20%以上ある事業者、荷主さんと運送事業者さんで、前年度に比べて海上輸送の輸送量を10%伸ばした会社、こういうものを基準としまして、優良事業者として表彰しています。その選定された事業者は、ここに書いてありますように、エコシップマークを商品に張り付けていいですよ、2年間だけその使用の認定をあげましょう、こういうお話です。
 今、課題となっているのは、エコシップマークといっても多分、皆さんご存じないと思いますし、非常に知名度が低いので、今年度はエコシップマークを普及させていく、みんなに知っていただくということで、いろいろな方法、ピンバッチを用いたりボックス型のメモ、机上に置くようなメモを用意して普及活動をしていきたい、こう思っているところです。

○経済産業省 経済産業省オゾン室でございます。
 整理番号6の、フロンの見える化を担当しております。
 先ほど浅野委員からご質問がありました点につきまして、お話しさせていただきます。
 フロンの見える化、ご存じない方もいらっしゃると思いますので簡単にお話しいたしますと、エアコン等の冷媒、あるいはダストブロアーなどのエアゾール類に関して、現在、代替フロン(HFC)というガスが使われております。このHFCは、京都議定書で6種類のガスが対象になっておりますが、そのうちの1種類でございまして、地球温暖化係数がCOの2,000倍とか4,000倍とか、そういったものがございます。
 このフロンの見える化という施策は、それをCOに換算して注意喚起表示を行うものでございます。
 施策の全般的な方針につきましては、産構審の化学・バイオ部会地球温暖化防止対策小委員会、浅野委員にもご参加いただいています小委員会で扱っておりまして、それをもとに進めております。
 具体的な内容につきましては、先ほど浅野委員ご質問の根拠につきましては、主な製造者の自主的なガイドラインということで進めております。具体的にはエアコンの業界と、もう一つはエアゾールの業界ということでやっております。何を数値の根拠とするかという点につきましては、非常にシンプルでありまして、使われているガス量に温室効果ガス量を掛けております。
 定量的な削減効果という点については、何といいますか、「具体的にこのような効果がある」と定量的には言えておりませんけれども、回収の促進だとかそういった意味合いでの何らかの効果を期待しているということでございます。

○経済産業省 経済産業省環境調和産業推進室です。
 整理番号5、カーボンフットプリント制度構築事業を担当しております。
 こちらですが、まず、施策の概要のところですが、製品のライフサイクル全般で排出されるCOを換算するということで、一応我々としては、ライフサイクルアセスメントというものを基本にやっているということでございます。
 制度の客観性の担保でございますけれども、まず、「カーボンフットプリント制度のあり方の指針」でフットプリントの基本的な考え方を示すとともに、その客観性担保のためには有識者から成るPCR委員会、PCRというのはプロダクト・カテゴリー・ルール─商品種別の算定基準でございますけれども、こちらを認定するとともに、それに基づくCOの排出量の算定結果についても確認を行うというような基本的な枠組みを、まずこちらで取りまとめたということになっております。
 その上で、商品種別算定基準の策定基準、ちょっとわかりづらいですけれども、このPCRをつくるための考え方というのはどういうものなのかということで、例えば、いろいろな工場の中である商品をつくるには、特定のラインしか使わない場合にはその分を配分してもいいですとか、LCA上のいろいろな考え方を示した上で、事業者が細かい商品種別算定基準を考えるための大枠を示すのが、その上の策定基準となっております。現在、それに基づきまして、事業者からPCRというものを出していただいて、自主的な取組でございますのですべてではないですが、これを今、認定等の作業を進めているところでございます。

○農林水産省 農林水産省でございます。
 整理番号3、農林水産分野における省CO効果の表示の指針ということで、取り組ませていただいております。
 私どもは、平成21年─今年3月に取りまとめました「農林水産分野における省CO効果の表示の指針」に基づきまして、農林水産分野ですと原料の生産というところが中心となりますので、LCA全体と農産物等の生産単位で、それぞれの生産者、業界関係者の努力が見える形の表示の仕方の2つの観点から、事業に取り組んでおります。
 今、経産省さんとも共同しながら、実際のPCRの算定を行っております。
 それから生産者の部分では、私どもは大根とか米とかいう第一次産品が中心でございますので、その点につきましてはLCA全体という考え方からすると、途中まででございますので、その生産者の努力をいかに表示するかという観点で事業に取り組ませていただいております。
 木材製品については、林野庁から詳しく説明させていただきます。

○林野庁 林野庁でございます。
 林野庁では、現在、木材に対するLCA評価を中心とした施策を進めているところでございます。
 釈迦に説法になってしまうかもしれませんが、木材といいますのは、加工時のCO排出量、エネルギー投入量が鉄、アルミニウム等に比べて極めて少ないという特性がございます。また、大気中のCOを炭素の形で固定しているという、第2の森林という役割もございます。こういう特徴を消費者の皆さんに十分ご理解いただくとともに、商品選択の参考としていただくために、現在、LCA調査を中心に調査を進めているところでございます。
 LCA調査を行うに当たって、私ども、2点ほど注意すべきところがあるということで進めております。
 1点につきましては、LCA調査を行うに当たって、揺りかごから墓場までのCO2排出量を調査しなければならない。他方で、CO2の総排出量を表示するのは製材業者さんであったり家具屋さんであったり、そういうところが行わなければならない。そういう人たちは、山元でチェーンソーにどれだけガソリンを消費したといったことは、当然のことながらわからないという課題がございます。
 もう一点が、製材工場なり家具屋さん、非常に中小企業が多くて、カーボンフットプリントに対応できるだけの力がなかなか育っていないといった課題がございます。
 このような課題を克服し、木材に対するカーボンフットプリントを普及するために、集成材、製材品、合板、パーティクルボード等の主要な木質材料についてデフォルト値、いわゆる代表数値を設定していこうと考えております。代表数値を設定するに当たって、どの過程のCO排出量が極めて少ないといったことがわかってまいります。その結果をもって、先ほどの経済産業省さんのカーボンフットプリント制度のPCR登録をさせていただこうかなと考えております。
 このように、経済産業省さんと歩調を合わせて進んでいきたいと考えております。
 実は、このカーボンフットプリント以外に林野庁、あと二つほど見える化を考えております。
 1点が、先ほど申し上げさせていただいた、木材は大気中のCOを炭素という形で固定しているという機能。いわゆる炭素の貯蔵庫の機能。もう一点が、間伐材利用による環境貢献機能。間伐材は、間伐の結果、出てくる材料でございます。したがって、「間伐材を使うことによって何ヘクタールの間伐が促進されますよ」といったことをカーボンフットプリントと並列して表示できるようなシステムを、現在、考えているところでございます。
 詳しくは林野庁のホームページにも情報がアップされておりますし、委員の先生方におかれましてもう少し詳しい情報をということでございますれば、林野庁にお話しいただければご説明に上がらせていただきます。

○鈴木委員長 公正取引委員会は、いかがでしょうか。

○公正取引委員会 公正取引委員会です。
 私どもはあくまでも取り締まるという立場でございますので、今後とも引き続き、こういう環境表示も含めて、景品表示法上、問題となる行為が見られた場合には厳正に対処していくということでございます。

○鈴木委員長 大体ご質問に対して……、少し踏み込んでお答えいただいた方もいますが、経済産業省に先ほど田中委員から、グリーン購入に関連して、グリーン電力をスペシファイして購入するような形があり得るかどうかと。これはむしろ電力業界の方がおられればそちらへ伺うほうがいいかもしれませんが、そんなことは余り考えておられませんか。
 お答えになりにくいでしょうね。

○経済産業省 すみません、ちょっと担当課がいないということもあるんですが、ご質問は、環境配慮契約法での、政府調達での電力購入のところですよね。

○鈴木委員長 そうですね。

○経済産業省 すみません、今、私どもではお答えできないので、もしわかりましたらご報告させていただきます。

○石飛環境経済課長 すみません、環境配慮契約法の担当でございますので、こちらが答えるべきだったものでございます。
 役所が購入する電力については、当然、環境配慮契約法に基づいて契約するということで、先ほどお話があったように、一定の、COの排出係数のいいものを買うことが原則なんですけれども、それに加えまして、総合評価の方式で、排出係数に加えて未利用エネルギーの活用状況、これは廃熱等をどれだけ活用しているかといったこと、それから新エネルギーの導入状況ということで、例えばですけれども、グリーン電力証書の調達、譲渡がどのぐらい予定されているかといったことも加点の、点数の中に入れるということで、例えばですけれども、3%ぐらいが前提であるならそれを10点にしますといった例を出して、その中で各省が判断して点数を決めて、総合評価をしてくださいということになっておりますので、今、確実に各省が全部購入しているとはお答えできないんですけれども、そもそもの制度の仕組みとして、そういうグリーン電力を購入することを推奨した仕組みになっているということだけお答え申し上げたいと思います。

○善養寺委員 林野庁に関して言いたいと思うのは、工業製品の中でかかるLCAというか、LCCOを製品でまとめてカーボンフットプリントを示すというのは、現実としてどうなのか。製造工程の中で、自然の木材でしたら、重油を焚くか、自然乾燥させるか、バイオマスで乾燥させるかによって、同じ木材であっても、重油で乾燥させたら1立米当たりコンクリートと何ら変わらないCOが実際かかるわけです。パーティクルでも製造工程によって、材料によっては、製品のフットプリント量がまったく違ってくる。そうすると、個々で考えてあげなければ、企業努力が全く報われない。業界単位で、パーティクル業界だからこの数字になるでは、いい企業と悪い企業が全く差別化されない。やはり今のような大括りのやり方では、建材に関しては企業努力が報われないと思います。

○鈴木委員長 その辺は考慮してやっておられるんでしょうね。
 まだいろいろあろうかと思うんですが、「市場において環境の価値が積極的に評価される仕組みづくり」このラベルについてもいろいろご注意があったと思います。今後どうしていくべきかといったところは、今後の提言のところですね、第4期に向けて考えていくべきというところに少し整理をして書き込んでいく、そういうことにしたいと思います。
 そのほか何か気がつかれたことがありましたら、ぜひ事務局にお伝えいただければと思います。
 各省でも、補足いただくことがありましたらお寄せいただければと思います。
 ここにつきましては、よろしいでしょうか。
 それでは、おいでいただきました府省の方々、ありがとうございました。
 ここで10分間休憩して、「国際的枠組みやルールの形成等の国際的取組の推進」に入ることになっております。10分といいましても7~8分になるかと思いますが、15時35分に再開させていただきます。

午後3時27分 休憩

午後3時35分 再開

○鈴木委員長 時間になりましたので、第2の議題に入らせていただきたいと思います。
 重点点検分野「国際的枠組みやルールの形成等の国際的取組の推進」、ここでは外務省、国土交通省及び環境省にヒアリングのためにおいでいただいております。
 では初めに、概要につきまして事務局から説明をお願いします。

○小森計画官 ご説明させていただきます。
 国際分野につきましても、市場分野と同様、国際分野の調査票をまとめております資料2-2をもとに、点検報告書に「各重点調査事項に係る主な取組状況」として盛り込む記述のたたき台として、事務局において資料2-1を作成いたしました。この資料2-1に沿いまして、関係府省の取組状況等を総括して、まず、私よりご説明させていただきたいと思います。
 資料2-1の表紙でございますけれども、国際分野につきましては、新たに設定した重点調査事項として「東アジアにおける地球環境及び地域環境の改善に係るネットワーク構築の進捗状況」、第1回点検後のフォローアップ事項として「国際的な経済連携・地域統合と環境の融合」「NGO/NPO等が東アジア地域等の環境管理能力の向上に果たしている役割」この3点を重点調査事項として設定しているところでございます。
 そのうち、初めに「東アジアにおける地球環境及び地域環境の改善に係るネットワーク構築の進捗状況」についてご説明申し上げます。
 ページがちょっと飛ぶんですが、2ページの中ほどの表をごらんいただきたいと思います。
 この重点調査事項では、この表に掲げております各種会議、ネットワーク等を対象に、その会合やネットワークの取組の進捗状況を点検することとされております。この表は、点検の対象となる会議、ネットワーク等につきまして、対象環境分野、会合なのか組織体なのか、特にネットワーク等によって関連する施策が実施されているかといったような観点から整理したものでございます。
 分野横断的なものが3つあるほか、温暖化、循環、大気、水及び生物多様性等、幅広い環境分野が対象となってございます。
 1ページにお戻りいただきまして、主な取組状況等でございます。
 まず、「クリーンアジア・イニシアティブ」というものでございますが、昨年6月に環境省において取りまとめさせていただきました。これは低炭素社会、低公害社会の実現、循環型社会の実現等5つの目標を掲げまして、アジアの公害防止と温暖化対策を同時に実現するために、各種施策をパッケージとして取りまとめたものでございます。
 この点検の対象とする会合、ネットワーク等につきましては、平成20年度に終了いたしましたアジア太平洋環境会議を除きまして、「クリーンアジア・イニシアティブ」に何らかの関連する記述を盛り込んでいるところでございます。
 3ページをごらんいただきまして、個々の取組の状況でございます。
 (1)アジア太平洋環境会議でございますけれども、同地域の持続可能な開発に向けた環境政策の進め方等について、意見交換等の場を提供し、各国相互の協力を推進することを目的として、環境省が主催し、環境担当大臣、国際機関代表者、国内外の環境関連団体、学識経験者等、アジア太平洋地域の環境リーダーが参加し、自由な意見交換を行う会合でございます。
 平成3年以降16回会合が開催されておりまして、第三次環境基本計画が策定された平成18年4月以降も3回の会合が開催され、アジア太平洋地域における環境対話の促進に貢献してまいりました。
 しかしながら、ASEAN+3環境大臣会合や東アジア首脳会議環境大臣会合が始まりましたことから、平成20年度の第16回会合をもって、この会議は終了となってございます。
 (2)アジア太平洋地球変動研究ネットワークでございます。
 アジア太平洋地域における地球環境変化の研究を推進するとともに、その研究への発展途上国からの参加を促進し、科学者、研究者と政策決定者との連携を強化することを主目的とした21カ国が加盟する政府間組織でございます。
 平成8年に設立され、主に気候、生態系、生物多様性及び土地利用等の研究に対する支援が行われており、本年度からは、発展途上国における気候変動への適応を中心とした研究支援プログラムの拡充が図られております。
 (3)アジア太平洋環境開発フォーラムでございます。
 同地域の環境分野の重要課題について討議し、より衡平で持続的な発展のモデルを提示することを目的とした、同地域の各国及び有識者から構成される会合でございます。
 平成13年のエコアジアにおいて設置合意に至り、平成16年までのファーストステージにおいて採択された最終提言は「持続可能な開発に向けた統合的アプローチのための提言」「ステークホルダー間の連携強化のための提言」及び「主要分野間の提言」により構成されています。
 これらの提言を実行に移すための「アクションプラットホーム」も発表されており、これらは平成17年より開始されたセカンドステージにおいて推進されています。
 第三次環境基本計画が策定された平成18年4月以降については、毎年度、全体会合が開催され、取組の進捗状況報告、レビュー、成果取りまとめに向けた議論等が行われております。
 (4)低炭素社会国際研究ネットワークは、平成20年5月のG8環境大臣会合において、神戸イニシアティブの1つとして日本が発足を提案し、平成21年4月のG8環境大臣会合で発足が了承された会合でございます。
 現在、6カ国10研究機関が参加し、低炭素社会に関する研究についての情報共有と、研究協力を進めるとともに、その成果に基づく政策提言を通じて、G8を含む気候変動に関する国際政策決定プロセスに貢献することが期待されています。
 本年10月にイタリアで第1回年次会合が開催される予定でございます。
 5ページに入りまして、(5)アジア3R推進フォーラムでございます。
 各国政府間の対話を軸に、幅広い関係者が参加し、パイロット事業を実施するなど、3R推進のための地域協力のプラットホームとなることを目指すものであります。
 本年6月に設立準備会合が開催され、優先して対処すべき課題、国際機関等が連携して実施する活動について協議が行われています。
 本年後半には本フォーラムを発足させ、各国における3R国家戦略実施に向けた取組状況のフォローアップ、優良事例の共有等を通じ、アジア各国の3R国家戦略を促すこととなります。
 (6)東アジア酸性雨モニタリングネットワークは、酸性雨による悪影響を防ぐため、政策決定に資する情報の提供及び参加国間での酸性雨問題についての協力を進めるため、同地域の13カ国が参加する政府間のネットワークです。
 平成13年より本格稼働し、酸性雨のモニタリング、各種データの評価、保管及び提供等の取組が進められています。
 現在は設立基盤を強化し、将来の発展に資する文書の策定を目指し、参加国間で議論が進められています。
 6ページ、(7)アジアEST地域フォーラムは、アジア地域におけるEST実現を目指し、環境省と国連地域開発センターが共同で開始しているアジア諸国政府のハイレベルな会合でございます。
 平成17年に第1回会合が開催され、基本的考え方、取組の継続的実施等を定めた「愛知宣言」が採択され、第三次環境基本計画が策定された平成18年4月以降も3回の会合が開催されています。
 本年2月に開催された第4回会合では、アジア地域22カ国が参加し、先進事例等の共有、コベネフィット・アプローチ等による発展途上国に対する支援についての議論が行われ、アジアにおける定炭素社会、グリーン成長へのESTの推進に向けた「ソウル宣言」が採択されております。
 国土交通省と環境省が連携しながら、我が国のESTの取組を紹介しております。
 (8)アジア水環境パートナーシップは、アジアモンスーン地域の水質汚濁問題の解決を図ることを目的とし、水環境施策に携わる各主体の能力、体制の強化を図る事業であります。
 平成16年から20年度を第1期として位置づけ、国際フォーラムの開催、二国間会議の開催、アジア水環境パートナーシップデータベースの構築等情報基盤の整備、及びパートナー国関係者の協力体制の拡充等が図られました。
 本年度から始まる第2期では、相手国の政策立案担当者の能力向上支援、政策立案者の研究成果等のデータベース情報の拡充、政策対話を通じた水環境行政の推進等を図り、パートナー国の人材育成及び政策課題分析、政策提言の策定等を中心に事業を展開していくこととしております。
 7ページ、(9)東・東南アジア生物多様性情報イニシアティブは、生物多様性条約の目標達成に貢献することを目的とし、東・東南アジア各国及び関係機関の参加のもと、生物多様性情報の整備等を行う事業であり、平成20年度から進められております。
 本年1月には国際シンポジウムが開催されました。
 本年度は生物多様性情報のニーズ調査を行うとともに、保全に必要な生物多様性情報の収拾、整備及び管理上、必要となる生物の分類学能力の向上を図るため、地域レベルでの分類学能力構築のための作業計画と、パイロット研修プログラムを作成します。
 現在、環境省では東・東南アジア各国に対し、本取組への参画を呼びかけており、近い将来、参加各国のニーズに応じた生物多様性情報が整備され、適切な情報提供が進むことが期待されます。
 (10)地球規模での生物多様性観測ネットワーク体制構築の推進でございます。
 一元的な生物多様性モニタリングのネットワークを確立し、データの収集・分析を推進し、その変化を的確に把握・評価することを目指す事業であり、本年度から進められています。
 具体的には、アジア太平洋レベルでの生物多様性観測ネットワークを構築することを目指し、本年度は7月に国際ワークショップを開催し、既存の生物多様性観測に関するプログラム及び研究者のネットワークの構築、データの統合化に向けた方向性等について検討が行われたほか、活動計画の作成も進められているところでございます。
 続きまして、第1回点検後のフォローアップ事項に入ります。
 「国際的な経済連携・地域統合と環境の融合」についてご説明申し上げます。
 経済連携協定につきましては、8ページにありますとおり、9つの国、地域との協定が既に発効しております。ベトナム及びスイスの2カ国との協定も、署名に至っております。これらの協定には、適切に環境への配慮が行われるよう、8ページから9ページに記載しておりますような規定を設けまして、環境に配慮した経済連携、地域統合の推進が図られております。
 また、9ページから10ページに記載しておりますとおり、閣僚級、局長級、事務レベル、それから専門家派遣等のそれぞれのレベルの成果、施策対話の枠組みにおいて、関係協力が推進され、相手国における持続可能な社会の実現が図られております。
 具体的には、閣僚級では東アジア首脳会議環境大臣会合、日中韓三カ国環境大臣会合等の枠組みの活用。局長級では、TEMMの枠組みでの局長級会合、日中環境汚染対策に関する局長級政策対話、日本インドネシア局長級政策対話、コベネフィット協力等の意見交換。事務レベルでは、日ASEAN環境対話の実施、東アジア首脳会議環境大臣会合で紹介、評価された具体的施策の推進、日中韓環境産業円卓会議の開催。専門家派遣等では、JICAによる専門家派遣等がなされているところでございます。
 さらに、コベネフィット・アプローチに関して説明申し上げます。
 10ページでございますけれども、我が国は、これまで気候変動が主要な議題となる主な国際会合等の場で、コベネフィット・アプローチの重要性を繰り返し主張しておるところでございます。例えば、平成19年5月に当時の安倍総理により打ち出された「クール・アース50」においてコベネフィット・アプローチが取り上げられ、ASEAN、G8環境大臣会合、北海道洞爺湖サミット等においても宣言文書等にコベネフィット・アプローチが盛り込まれる過程で、我が国は主体的な役割を果たしているところでございます。
 気候変動枠組条約締約国会合の次期枠組に向けた特別作業部会等においては、技術移転におけるコベネフィット技術の重要性等を主張し、実際に環境省においては、平成20年度にコベネフィットCDMモデル事業を新設する等の措置を講じています。
 このほか日中間、日本インド間でもコベネフィット研究及びモデル事業の実施に向けた調査が進められているところでございます。
 次に、第1回点検後のフォローアップ事項といたしまして「NGO/NPOが東アジア地域後の環境管理能力の向上に果たしている役割の強化・向上」についてご説明申し上げます。
 第1回点検の際の指摘事項であるNGO/NPOへの情報提供やネットワーク構築、支援方策の検討に関し、12ページから13ページにございますとおり、環境省ではアジアで活用するNGOの連携連絡会合として、アジアで持続可能な開発のための教育に取り組む日本のNGOの連携連絡会合、アジアで持続可能な地域づくりに取り組む日本のNGOの連携連絡会合を開催しております。アジア地域で具体的な活動を進めているNGO/NPO間において情報提供等の機会が共有される等、これらの会合は我が国のNGO/NPOによる国際貢献を強化していくためのファーストステップとしての役割を果たしておるところでございます。
 また、昨年7月のG8北海道洞爺湖サミットに先立ちまして、2008年G8サミットNGOフォーラムが結成されました。このフォーラムの活動には、政策提言活動、キャンペーン活動及び市民サミット2008の開催の3種がございまして、問題の種類により、環境ユニット等3つのユニットによる活動が行われました。環境ユニットにつきましては、環境問題に携わるNGOにより構成され、気候変動、生物多様性及び3Rイニシアティブの3つの課題に重点を置き、環境問題についての市民の啓発活動、我が国政府との意見交換や提案等の活動を行いました。
 環境省はこれにつきまして、14ページの中ほどに列挙しているような具体的な支援を行っているところでございます。
 最後に、NGO/NPOによる環境保全活動への支援枠組みとして、地球環境基金及び日本NGO連携無償資金協力についてご説明申し上げます。
 地球環境基金は、独立行政法人環境再生保全機構が運営・管理しており、資金助成のほか情報提供、調査研究、人材育成研修等も行われておるところでございます。
 開発途上地域におけるNGO活動への支援に当たっては、ASEAN地域とアジア太平洋地域での活動を中心とする審査方針をとっており、平成21年度は国内の団体による開発途上地域での環境保全活動については27件、約1.1億円、海外の団体による同活動につきましては5件、約0.1億円の支援が行われているところでございます。
 日本NGO連携無償資金協力は、外務省が行っている資金協力制度でございまして、開発途上国・地域で活動する日本のNGOが実施する草の根レベルの経済・社会開発事業等に対して、無償で資金協力を行うものです。
 この事業は、必ずしも環境分野の事業のみを対象としているわけではありませんが、環境分野につきましては平成18年度には4件、平成19年度には2件、平成20年度には2件の事業が採択されております。平成21年度には自己負担比率を引き下げる等、利便性向上に向けた制度拡充を図っております。
 以上で国際分野に係る概要説明を終わらせていただきます。

○鈴木委員長 ただいま説明いただきましたことに関して、おいでいただいた側から何か補足していただくことはありますでしょうか。
 よろしいですか。では、後ほど質問が出ましたらその時点でお願いいたします。
 委員の方々でご質問がおありの方は、名札を立ててください。

○大塚委員 いろいろな分野で検討していただいていて、大変結構だと思いますけれども、5ページ(6)のEANET、酸性雨のモニタリングネットワークでございますが、大気関係のモニタリングネットワークはこれが主だと思われますけれども、酸性雨に限られているのが適当かどうかということについてお伺いしたいと思います。
 煤塵とか、あるいは前回ちょっと問題になったOx,O3のようなものとか、いろいろ大気関係の支援がほかにもあると思いますので、SO、NOだけでいいのかどうか、若干拡大したほうがよろしいのかなという気もいたしますけれども、その点についてお答えいただければありがたいと思います。

○山本委員 8ページの経済連携協定と環境の融合で、いろいろな国と連携協定が結ばれているんですが、特に注目したのは、日本とスイスの経済連携協定が今年2月に調印されていると。大変これが私には奇異に映っているのと、もう一つは懸念がありまして、スイスはご存じのように、現在、氷河の融解でマッターホルンが崩壊するのではないかという懸念が非常に国民の間に広がって、それもありましてスイス政府は、私の記憶に間違いがなければ、中期削減目標は90年比では30%くらいで、2050年までに100%削減すると。永世中立国のみならず炭素中立国になるということを表明されていると思うんですが、そういう国が日本のような余りパフォーマンスのよくない、しかも中期削減目標は90年比で8%、長期削減目標も現状から6割から8割削減という国とこういう連携協定を結ぶことに先方にためらいはなかったか、その辺をお尋ねしてみたいと思います。

○川上委員 質問もありますけれども、どちらかというとコメントなんですが、重点事項3、NGOがアジアの環境管理能力の向上に果たしている役割及びその強化という点に関してですが、問題は2つあると思うんですね。
 1つは、今、実態がどうなっているのかということ。もう一つは、今後どうすべきかという2つの大きなポイントがあるんだと思いますが、前回、2年前の議論のときも、私からも言いましたし他の委員からもご発言があったんですけれども、その辺についてのフォローアップという意味では、今回も的が外れた回答になっているのではないかというのが、まず私の印象でございます。
 実態がどうなっているのかということについては、現状、それから課題、場合によっては非常にうまくいっている例もあるでしょうから、サクセスストーリーといったものが、ある程度我々にもビジュアライズされるような、つまり見えるような形でフォローアップをしないと、この課題に対する回答にはなっていないのではないかという印象が非常にいたしております。
 したがって、現状の認識、実態というものをもう少しきちんとフィールドベースで、例えば在外公館等を通じて、あるいは日本に本部を持っているNGO等との話し合いを通じても情報を得られると思いますけれども、そういうものを通じて、もう少ししっかりつかんで、その結果として何が足りないのか、足りているのかという判断を下すべきではないかというのが第1点でございます。
 恐らく日本のNGOは、皆さんご承知のとおり、海外における活動という点では財務体質も他の国の国際NGO等と比べて脆弱ですし、相当活動のレベル等も、十分ではないところがあるわけですから、そういう現状が浮き彫りになった上で、今後こういう課題が、つまり強化・向上という課題があるとすれば、それに向かってどうすべきだという方向性を出していくべきではないかと思います。
 その場合に、これは経済協力、技術協力一般に関係するんですけれども、政府としてこういう団体をどういうふうに支援するのか、さらに支援だけで足りない場合に、もっと育成するという方向まで出していくのかといったことについて、主として政府内だと思いますけれども、もちろんNGO側との話し合いを通じて強化・拡充する方向で議論していくべきだと思います。
 そういう方向性がこのフォローアップの中でほとんど出ていないのは非常に残念に思いますし、これは委員長が言われましたように、第四次に向けての課題になるのかもしれませんけれども、我々のフォローアップとしても、この書き方では、何といいますか、国民が読んだ場合に「これは何だ」ということになりかねないという危惧を私は強く持っております。その辺についての我々の基本認識をもう少しきちんと盛り込むべきではないかという感じがいたします。
 それから、全然NGOの関係だけではないんですけれども、これはむしろ書き方の問題なんですが、重点調査事項1の初めにエコアジアについての記述があって、これは今までの自由な政策対話という役割が発展的に解消されて、むしろもっとアクションオリエンテッドな(行動中心の)担当大臣レベルの会合に移っていって、そういう活動が始まったと私は読んだんですけれども、その辺の書き方をもう少し工夫して、何といいますか、終了したということで終わるのではなくて、むしろ「こういうふうに発展的につながっていったんだ」と、しかも環境大臣会合ですから、環境レベルで最も大きな、ネットワーク化の主役になる大臣レベルの会合ですから、何をやっているのかは後のほうにちょっと出てきますけれども、もう少しきちんと書くべきではないか。単なる技術的なコメントです。

○佐々木委員 単純な質問と要望でございますけれども、やはりかなりの予算組みがされて、各種のネットワーク、フォーラムが組織されていると思いますので、縦軸のみならず横軸、つまり、昨日も話が出ましたけれども連携ですね、そのあたりを私は伺いたいと思います。
 そして、もしできますれば、連携的な、総合的な把握がされているのかどうかということを伺うと同時に、そのことがわかりやすい、私は図式があればもっとわかりやすいかなと思いますので、ずらずらと縦で並べられても、一体この会合が何なのか国民が見たときに大変わかりにくい中身でもありますので、お願いしますのは、そのことがどんなつながりを持って、連携を持って、そして図式で見ればわかるような形のものができるはずだと私は思いますので、そんなところを質問させていただきました。

○善養寺委員 ここでの質問でいいのかどうかわからないんですけれども、いろいろな経済の連携とか、技術の支援だとかいう場合に、日本における環境技術というのは大変高いものがあって、ある種それが我が国の資産だとすると、特許の保護というか、途上国にそういうものを提供するときの技術特許の保護はどのような形で他と連携しながら進めているのか、大変気になります。

○永里委員 東アジアにおける地球環境及び地域環境の改善に係るネットワークの構築に関して、一言申し上げたいと思います。
 これらのネットワーク構築に関しては、日本からの技術援助とか資金等が流れていると思うんですが、どうせそういうものが流れているというか、そういうことで協力しているのなら、今、地球温暖化問題で京都議定書以降の新たな枠組みについて、中国を参加させるために一生懸命政治的にいろいろなことが行われていますけれども、こういうネットワークを通じて、下のほうからでも中国に参加させるような、そういう戦略を持ってやってほしいと思います。要するに、このネットワーク組織その他を使って、横というのか下というのかわかりませんが、そこからも働きかけるような、どうせこちらからお金を出したり技術を出したりしているわけですから、そういった働きかけをぜひ考えてほしいと思います。

○中杉委員 先ほどの大塚委員のご質問にちょっと絡む話なんですが、このほかに東アジアについて、POPs─化学物質ですね─条約に絡んでモニタリングのためのネットワークをつくっていると思うんです。そういう活動をしていますので、ちょっとそこら辺を調べて記載していただければと思います。

○福川委員 このネットワーク構築ですが、ネットワークを構築しなければというか、あるいはこういう会議体をつくらなければなかなか理解が進まないし、合意をする環境に届かないわけでありますが、ここでただ会議をして、集まって意見を言って、メッセージを出すというのでは全く意味がないので、やはり先ほどもお話があったように、これからの国際枠組みについてどこまで理解されたのか、あるいはまた環境を改善するための投資がどのように進んでいるのか、あるいはまた技術の移転がどう進んでいるのか。
 多分、ただこういう会議だけやっていたのでは意味がないので、その実態がどう動いているかがこの説明の中に入っていないと寂しい気がするわけで、多分、会議だけしてということではないんでしょうが、そこでどういう成果があったか、タイならタイでどういうことが行われたか、ベトナムならどういうことか、そういう具体的な成果に結びつくようなことがあるならば、ぜひこの中に書いておいていただきたい、こういう気がいたします。
 それから、これから戦略的に、この問題をアプローチしていかなければいけないでしょうし、特にこれから重要なのは、技術移転をどういうふうにしていくかということで、これを進めていくのが重要な課題になってくるだろうと思いますので、これからルールの形成、国際的取組の推進ということで考えていくときに、技術移転をどう加速するかということは、将来の問題としてぜひひとつお考えいただきたいと思っております。
 企業にしてみると、先ほどお話がありましたけれども、やはりどうしても特許権等々、知的所有権の移転ということになれば、金をかけてつくったものをただで出すわけにはいかないという企業が非常に多いわけですし、出したらまたその知的所有権がどんどん流れてしまうというのではうまくいかない。ですから、どうやって知識所有権を守っていくかということも重要だし、もし対価が少なければ出さないということに企業はなるでしょうから、そのときにどういう政策をしていくかを考えていかなければいけない気がします。
 ですので、こういったネットワークの中でも、今はもう総論で地球環境が大事だと言っている時代は通り過ぎて、もっと具体的なことをどうするかということなので、会議でもそれを議論していただきたいし、あるいは国際的取組の中でもそこらをどういうふうにしていくのか、技術移転をするために、例えば国際機関をつくってそこに金を集めて技術移転をしやすくするといったメカニズムもつくることも1つかもしれませんが、そういう方向に、技術移転の問題を少し取り上げていただければと思います。

○三浦委員 私は国家間のこうした交流と合わせて、今、都市間、例えばこの前も横浜とソウルとシンガポール等が会合を重ねておりますけれども、そういったものが副層的に国際的な交流をしているのではないかということでは、国家レベル、都市レベル、そして今、おっしゃったような多国籍・無国籍のような、どこかに新たな機関を設けて交流のプラットホームになっていくというような3つぐらいに分けて、この国際交流分野について取り組んでいったほうが、今後、具体的なアクションとして動いていくのではないかと感じました。

○鈴木委員長 大変大事なところをご指摘いただいていると思います。国際交流自体が目的ではないわけですから、それを通じてアジアの環境に対して日本が一体どういう役割を果たすのか、あるいはそれが日本にとってどういう意味を持つのか、そのような観点で、例えばネットワークであったり、あるいはNPOの交流であったり、いろいろなものがどういう成果を上げて、今後どうしていかなければいけないのかといったところが本当はここに挙がってきてほしいわけですが、何となく、協定を結んでお互いにサインをすると目的を達したみたいな、大学の学術協定みたいなものがいっぱい出来てもしようがないんですよね。
 ここにあるいろいろな交流に関しましても、まだまだ足りないものもあるでしょうし、日本にとっても、例えばダストストーム等はどうするのかとか、いろいろな問題があると思います。本当に日本として何を必要としているかという観点と、将来アジアと何をしていくのか、そういうコンテンツの部分での目標をきっちりと設定した上で、具体的な連携を考えていく。今回はちょっとそこまで至らなかったわけですが、次の基本計画ではしっかりと書き込まなければいけないのかもしれません。
 しかしながら、現段階でも例えばAPFED、これは故橋本元首相さんが始められた活動なども、今の中身はどうなっており、どこまで何をしたというようなことがわかるように、少し記述を膨らませていただくことも必要かもしれません。
 いろいろと、それぞれに向けてのご質問があったと思いますので、まず環境省からいきますか。

○浅野委員 ちょっとよろしいでしょうか。
 ご質問という形で出てきているものの、コメント的に出ているご意見があります。
 まず、大塚委員からは、東アジア酸性雨モニタリングネットワークについては広がりを持った活動になっていかないのか、そういう芽があるかどうかというご質問だったと思うわけです。私は、関係者から直接お聞きしたことがあるのですが、広がりを持った活動に広げたいという意向を持っておられて、その動きがあると聞いています。
 こういった地道な活動がずっと積み重ねられていくことが、今、特に我が国にとってはPM2.5に取り組んだりしていますし、光化学オキシダントもさっぱり環境基準が達成できていないというようなことがあって、これまでは日本は島国だから関係ないと思っていたけれども、やはり越境汚染問題にむけて、ヨーロッパで既に先行している地域条約のようなものにまで発展させなければいけない。少なくともこれはそういう面を持っているのではないかという可能性を考えておられるようです。もっとも、複数の関係国があることですから、ただ、そうは言うものの、それをどのように具体化するべきかは慎重でなくては、という事情もあるようです。そういう問題意識をちゃんと持ってこういうペーパーが書かれているかどうかが大塚委員の質問の真意だと思います。
 それから、川上委員から出されたご質問・コメントも、これも厳しい内容ではないかと思います。前回以来、一体在外公館はどのぐらいNGO/NPOの活動について情報を持っておられるのだろうか、海外でNGO/NPOがやっておられることを我が国の政府はどう理解しているのだろうか、それから活動をしておられる方々は自分がやっていることをどのように政府が理解していると考えておられるのだろうか、両方から情報を突き合わせることによってこういう点検ができるわけだから、それをする必要がある。協議組織が作られています、という程度では心もとないわけです。
 前回の点検の際にも、外務省に在外公館の把握している状況についてお尋ねしたのですが、結局はお答えをいただけなかった。それはどうなっているのだろうかというのが川上委員からのご質問であろうと思います。
 福川委員のご質問、むしろご意見だと思うんですけれども、知的財産の保護についてどう考えるのかということを、この顔ぶれでお答えをいただけるかどうかわかりませんけれども、少なくともここでは、海外協力ということを環境面で考えようとして点検作業をしているわけですから、環境省なり外務省なりどこかから、どういう考え方が望ましいというような点について、現段階でのお考えはお示しいただく必要があるのではないか。
 あとは、情報が不足だ、三浦委員の、国内外の都市間の国際的な協力があるので、それが全く落ちてしまっているというのはそのとおりだと思うんですね。だからこれは、環境省としては「これから調べます」という答えを出せばいいんだろうし、中杉委員が言われたことについても「出します」と言えばいいわけでしょうから、答えようがあるだろうと思いますが。

○鈴木委員長 そういうこともあるんでしょうが、やはり本当に日本としてアジア戦略をどう持って、何をどうするかというような視点で一体この議論がされているのかというところなんですよね。それがないと、都市の交流をここへ並べたってまた横の広がりが増えるだけで、どういうコンセプトでどうしていくのか、その辺がなくて質問されても在外公館自身も持っていないわけだから困るんでしょう、きっと。
 そんなことを言ってはまた失礼かもしれませんが、やはり、環境分野でアジアに対して日本は一体どういう役割を果たし、アジアとどういうふうに何をしていくのかというところをきっちりと詰めて、そちらの方向に向けて既存のいろいろな連携であったり仕組みであったりをどう活かしていき、なおかつ新しいものは何が必要なのか、どういう仕掛けをつくらなければいけないかという議論がどこかでされた上で基本計画ができていくというのが本来の姿なんでしょうね。
 ですから、次の基本計画に向けて今、いろいろいただいたご意見をどう生かしていくか、時間がかかってしようがないかもしれませんが、そうせざるを得ないのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○環境省 まず1点、NGOのネットワーク化について実態はどうかということと、対策はどうするのかという2つの視点について、書き込みが足りないというご意見をちょうだいいたしました。
 私ども環境協力室でございますが、環境協力COはNGOのネットワーク構築の働きかけというところが大事だというご指摘を踏まえまして、資料にあるとおり、2年度にわたりましてNGOとの意見交換会をしてきたところでございます。NGOの数も大変多うございますので、まずはテーマ的に絞って意見交換を始めたところでございます。そこで現状の問題点とかいろいろ聞くと同時に、こちらからの情報提供を進めているところでございますが、確かにここの記述では、具体的にどういう問題があるのかというところまで、内容の話まで書き込めていないので、そこは工夫できるのかなと思います。
 それからその次、対策をどうしていくのか。点検の指摘内容でも、国にできなくてNGO、NPOにできるのは何かという概念を整理した上で、どういうものが必要なのか検討していくべきであるというご指摘をいただいておりますが、これについては私ども、そういう必要性を非常に感じておりまして、今、多少予算をいただいてNGOとの対話を始めておりますけれども、その中でいろいろ意見を集約して、具体的なものを探っていければなと考えておるところでございます。

○鈴木委員長 環境省で国内のNGOのまとめ役としての、環境パートナーシッププラザですか、あの辺の成果はここには生きてこないんでしょうか。

○環境省 今、申し上げましたNGOの連絡会は、環境パートナーシッププラザと一緒になりまして、環境パートナーシップと付き合いのあるNGOの中で海外に展開しているところ、あるいはこれから海外に展開していこうとするところを集めて連絡会合をやったところでございます。
 正式な数はまた改めてご報告したいと思いますけれども、2回の連絡会にそれぞれ十幾つかのNGOが出てきておりました。数としてはそんなところ、まださほど多くはないのかなと考えております。

○鈴木委員長 川上委員からもありましたように、国際的、世界的なNPOに比べると、日本のNGO/NPOはまだまだ卵にもなっていないみたいなところが多くて、むしろこれからどういうふうに環境省が育てるかというあたりが非常に重要だと思うんですよね。ですから、ぜひその辺のところを、少し戦略というか、コンセプトをつくり上げてやっていただければと思います。

○環境省 環境省地球環境局のソデノと申します。
 大塚委員からご指摘いただきました東アジア酸性雨モニタリングネットワークについて、少しご説明させていただければと思います。
 浅野委員からご指摘ございましたように、こちらのネットワークは設立当初から、欧米の長距離越境移動大気汚染条約を念頭に、こういったものをアジアでつくれないかということで立ち上げたものでございます。もちろん、欧米でも条約まで持っていくのに何十年とかかっているものでございまして、アジアもまずは共通の手法でモニタリングを始める。そもそも越境汚染は存在しないと言っているような国がある中で、共通のモニタリング手法でデータをとっていく。そして科学的知見を蓄積して、そういった汚染についての原因を解明していくことをねらっておりまして、2001年に本格稼働いたしましてから10年たって、今まさにモニタリングから次のフェーズへ進みたいと考えているところでございます。
 ご指摘のありましたオゾン、エアロゾルにつきましては、対象物質には一応入ってはいる。文書上は酸性沈着ということで、SO、NOがメインでございますが、関連物質ということでオゾン、エアロゾルは入れておりまして、研究活動としてはEANET─東アジア酸性雨モニタリングネットワークの中で対応可能なんですが、それをなかなか正面切っては対象となっていると言えないような状況が続いておりまして、現在、このネットワークの設立文書といいますか、基盤となります合意文書をつくろうという議論をちょうどしているところでございまして、この中で、将来的にそういったオゾンやエアロゾルも読めるような、例えば「地域大気汚染」とか、そういった単語を将来的に入れられるようにならないかといった観点で議論がなされているところでございます。

○外務省 外務省民間援助連携室の川口でございます。
 川上委員からのNGO関係ですけれども、私どもの行っております実績については、資料2-2の18ページ、整理番号17に書かせていただいております。
 私ども民間援助連携室は、日本のNGOが海外等で行う事業全般に対して支援しているんでございますけれども、上から4段目の実施状況を見ていただくとわかりますように、全体の中では、環境に関連したプロジェクトをやっているNGOは数が少ないのが現状でございます。この括弧の中が環境関係ですけれども、平成19年度が2件、平成20年度が2件という実績になっておりまして、こういうことから、多分、川上委員から在外公館の情報といったご指摘がありましたけれども、こういう実態で、ちょっとつかみにくいというのが1つございます。
 それから、日本のNGOは財務体質が脆弱で、政府としての支援、育成が重要ではないかというご指摘がありましたけれども、NGO全体に関しましては、環境関係のNGOも含まれますけれども、この資金協力自体がNGO育成の一つのポイントになっているかと思います。と申しますのは、NGOが海外でプロジェクトをやりますと、その実施を通じていろいろな力をつけていくという面が1つございます。
 それから、ここにはちょっと触れておりませんけれども、私ども、NGOの活動環境整備事業というのを持っておりまして、これは今年の予算が2億7,000万円ぐらいですけれども、NGOができるだけ外国のNGOに伍して能力を向上できるように、種々のプログラムをやっております。例えば、いろいろな問題を話し合う研究会がございますし、それから、NGOが育っていくように、今、19名のNGO相談員を全国のNGOに配置しておりまして、NGO活動等に関心を持たれる全国の人々が地域のNGOに問い合わせができるといったシステムを持っております。
 それから、長期スタディプログラムというものもございまして、これは3カ月から6カ月ぐらいですけれども、海外における主要なNGO等に派遣して、いろいろなことを学んでいくというものでございまして、NGOの能力向上に、まだ少ない予算ではありますけれども、できる限り支援していきたいと私どもも、思っております。
 最後に、NGOとの意見交換は、定期の協議会だけでも年7回持っておりまして、そのほかに、いろいろな問題につきましてアドホックに意見交換をする場は、私どもも積極的に設けているのが現状であります。
 ちょっと答えになっていない部分があるかと思いますけれども、ご紹介させていただきます。

○鈴木委員長 この括弧内の数字が環境関連の件数ということですか。100件中2件しかない。これは何か制度設計に問題があるからではないんですか。

○外務省 いえ、そうではございません。基本的に……

○鈴木委員長 申請が少ないんですか。

○外務省 はい。
 この118件というのは、実は大きく申し上げて2つございまして、1つは、NGOが海外で行う事業を支援するもの、それからジャパンプラットホームというのをお聞きになっているかと思いますけれども、政府のお金をプールしておいて、災害とか紛争が起きたときにすぐに出ていけるようなシステムが、今、財界、政府、NGOによってつくられていますが、同じ予算から出ておりますので、それも出ております。
 そして、NGOのプロジェクトの取組につきましては、NGOの発意によって「こういう事業をやらせてください」ということで申請があって、それをやっていただくようにしております。ですから、そういう面では環境関係も、検討して良いものは、私どもどんどん積極的に承認させていただきますけれども、環境そのものの案件が、申請が少ないというのを反映しております。

○鈴木委員長 ですから申請が少ないというのは、やはり制度設計に問題があるのではと思うのですね。環境関係の仕事の要請は諸外国の側にも、国内のNGO/NPOにも可なりあるでしょうが、制度が悪いと申請しにくい。種々の競争的資金など公募の仕組み作りの中では、結構そういうことを気にします。特定の領域の申請が少ないと、やはりこれは受け皿のつくり方が悪いのではないか。この表のように環境分野の申請が少ないというのは幾ら環境部門のNPOが弱体であるとはいえ、何か不思議な気がしますね。

○外務省 恐らく普通のいろいろな、水とか教育とかやっておられるNGOに比べて、まだ海外で環境関係に取り組まれているNGOが少ないのが実態だろうと思います。
 手続的には、他の分野も全く同じ手続で申請できるようにしておりまして、なおかつこの手続自体はNGOとの意見交換をしながら今まで順次、改善してきておりまして、最近では非常に使いやすくなったということで、むしろ好評を得ていると思っているんですが、そういう状況の中での実態でございますので、NGO側の関心とか、それからやはりいろいろな国における実績といったものが、この数字に出てきているのではないかと思っております。

○浅野委員 分類の仕方の問題ではありませんか。
 例えば、前にこの審議会の専門委員会で、環境国際協力の具体例として大阪のアジア友の会をお呼びしてご意見をうかがったのですが、この団体は井戸堀りをやっておられる。そういうものは、我々は環境だと理解して、我々のプロジェクトを考えるときにお呼びしてお話を丘ガっているのですが、外務省では、そういうものが衛生か何かのほうに入っているというようなことはないんでしょうか。

○外務省 今のご指摘は当たっているかと思います。恐らく井戸堀りであると、環境というよりも衛生のほうに区分されるのかなと思います。

○浅野委員 もうちょっと……、我々にもデータを見せていただければ、環境の目から見れば「これは環境だ」という見方ができるかもしれませんので、この数字だけがひとり歩きすることは余り嬉しくないですね。
 役所ですから、必ずどこかに入れなければいけないという整理学になるので、しようがないのでしょうけれども、我々はそうではなくて、環境政策の観点から見ていますから、これは環境という位置づけもできるというものを再掲の形で環境の中に入れても一向に構いません。外務省の整理と我が方の整理が違ったって一向に構わないと思うんですね。
 1度元の資料を見せていただいて、我々のほうで環境面での活動と評価できるものがあったら、それを含めて数字をもう一度まとめさせていただければと思います。よろしくお願いします。

○外務省 承知しました。各年度の国ごと等の実績もありますので、それを提供させていただきます。

○鈴木委員長 JICA等を通じての援助案件等は、その辺の統計はどこかできちんとわかるわけですね。

○外務省 JICA関係は、JICAできちっと統計をとっております。

○鈴木委員長 その「環境関係」というような形での仕分けは、多分、情報は整理され、国ごとであったり地域ごとであったりで公開されているでしょうが、年次経過で、環境対象のODAはどのような形で戦略的に動かされているのか、その辺の案件を決めるときには、環境省は直接かかわってはいないんですね。その辺も私は、実は不思議に思っているんです。要請主義で、大使館から挙がってきたものから決めざるを得ない、そういうこともあるんでしょうが、我が国の環境分野での対外戦略みたいなものを、ちゃんと環境省等も巻き込んで決めていただくことは必要ないでしょうか。

○外務省 若干難しい質問でありますが、例えばJICAの草の根技術協力事業等は、外務省に法定協議で来たときに関係する省庁さんも投げていますので、それはされていると思います。
 それから私どもの、さっき言いました例えば2件の実績であります環境については、正直申し上げて、環境省さんと確かに協議はしていないと思います。それが実態だと思います。
 もう一つつけ加えますと、環境関係、私ども相談に来られる方がNGOさんでもいらっしゃるんですけれども、私どもが、環境省さんにそういう支援基金もありますから、もし私どもの方で逆に環境問題でわかりにくいようなところがあれば、環境省さんの基金の活用を考えていかれてはどうですかというようなこともありますので、私どもの方に来られた方で、環境省さんの資金でやっておられるケースも幾つかあるかと思います。

○鈴木委員長 いや、外務省の資金による環境関連の支援も大いに増強して頂くことも必要で、是非その際に環境省と連携を取って頂きたいと思います。

○横山委員 指標なり取組に向けてどのようなとらまえをするのかといったときに、この会議用資料の平成18年4月会議決定の第三次計画の85ページに、取組推進に向けた指標ということで書かれているが、どれだけ取り組んだかについての、NPO/NGOの数とか人数とか予算額とか、ある意味、これは政策評価で言うとアウトカムではないのではないか。このような取組をしましたということで、その結果どうなるのですかといったときに、先ほど鈴木委員長からご指摘があったアジアにおける日本の役割のどういう姿を、こうした取組をした結果、生み出したのかといったときのアウトカム指標みたいなものが明確ではないのではないか。
 だから、インプットしてこういうような予算なりこういった政策取組をしました、その結果どうなったのですかといったときの1つが、成果指標に近いのは、一番上の議定書等の締結数とその履行状況、ここが重要なのではないか。したがって、何か政策をしたとき、その政策を実効あるものにする裏づけなり、そのエンフォースメントができたかできなかったかということについての見える化をどこかで考えておく必要があるのではないかという意見です。

○和気委員 国際取組の担当ということもございまして、意見を述べさせていただきたいと思います。
 これは10分野の最後のところでございまして、この国際的取組の成果、今、横山委員がおっしゃったアウトカムですが、単独の分野として純粋に評価するのは、基本的に無理があると思います。といいますのは、1から9までの各分野にどう国際的な取組がかかわるかというところが実質的な意味でございまして、他の分野との評価連携の中で国際的取組を総合的に評価するしか基本的にないと思います。このように申し上げると逃げの口実ようで恐縮ですけれども、むしろ他分野との評価連携をするにはどうしたらよいかを考えておかなければならないかもしれません。どのような国際的ルールをつくるか、ネットワークをつくるか等に対する評価を他の分野との関係性のなかでどう評価できるか考えてみてはどうでしょうか。
 例えば、ネットワークの構築に関して、研究のネットワーク、観測のネットワーク、それから政策措置における政策対話フォーラムとか、幾つかの次元に分けて、他分野からの評価視点を加味して考えてはどうでしょうか。研究ネットワークの構築であれば何が問題なのか、人材が足りない、国際舞台で共同研究していくような研究者レベルの人材が少ないから、もっとそこに人材協力をしようということになれば、人づくりに関する8の分野にかかわってきます。あるいは政策措置の協調に関連していえば、経済連携や経済統合は市場を国際的に統合、リンクさせる世界の話に関連しますから、市場でどういうことが行われ、そのとき環境配慮をどうするかということで、環境評価、LCA、環境情報の共有等に関連する評価の視点が加味されてしかるべきだと思います。
 委員の皆さんからのご質問のとおり、たしかにネットワークが組織化されたこと自体を単純に評価することはできないでしょう。残念ながら、その結果、何ができたというところまで評価作業はおこなわれていないのが実情です。次期の点検では、たとえばネットワークのレベルに応じて、そこで何が問題か、何ができてきたのか、あるいは何ができなかったのかという部分も含め、点検できるようになれば良いと思っています。
 もう一つ方法論としては、ある種の定点観測的なものをもっと明確に導入してはどうかと思います。例えば日本とシンガポールの経済連携をずっと時系列で観察した中で、何がこれによって問題になったのか、何がうまくいったのかを観察する。つまりピックアップしてサンプル調査のような形で時系列定点観測をすることによって、点検の効果が期待できるかもしれません。クロスセクションで網羅的に点検することも大事ですけれども、時系列の定点観測をもう一つの軸としてやっていかないと、現状何だったのか、何が変わったのかという皆さんのご質問に答えられない評価になってしまうと思います。

○川上委員 先ほどのNGOの役割の話に戻らせていただきますが、札を上げてから後の、特に外務省と委員長、浅野委員とのやりとりで私の問題点はかなりクリアになったと思いますけれども、いずれにしましても、1つ大きなポイントは、経済技術協力と環境という問題で、環境とODAとのインターフェースが一体どうなっているのか、まさにその定義の問題があるんだと思うんですね。
 要するに、気候変動だとか生物多様性だとか3Rといった話は、従来のODAのカテゴリーでは必ずしも十分見ていなかったということもあって、気候変動は最近もう入ってきていると思いますが、定義の問題として、これは環境分野であってODAとは関係ないんだ、したがって外務省から見れば、いわゆる一つのケースには当たらないんだというような仕分けになってしまう可能性があるんだと思うんですね。
 ところが、今、世の中これだけ環境、広義の環境というものが重要になってきた。特に途上国の議論をするときには、水だとか衛生といったような分野ですね、いわゆるさっきの井戸堀りもそうですけれども、そのような話はみんな環境としてとらえられているわけですね。ですからその辺をどう仕分けして、広義でそれをとらえればみんな環境なので、それを全部環境に含めれば、さっきの118件のうち2件ではなくて、あるいは30件になったかもしれない。今、勝手に数字を言っているだけですけどね。
 だから、そのようなことをちょっと工夫して、政府の中で、特に外務省と環境省だと思いますけれども、よく協議をされて、外向きにどういう数字を出すかいったことは、もう少し工夫されれば幾らでも知恵が絞れる話ではないかと思います。
 それから、JICAの話も出ましたけれども、JICAの技術協力で、あるいは最近、JICAは資金協力もやっていますから入ってくるのかもしれませんが、環境分野というのは随分増えてきていると思うんですね。それで、その分野でやっていることというのは多いし、特にJICAはNGOとの関係では、NGOに対するパートナー的な協力もやっておりますので、実態を記述するんでしたら、その辺も忘れないで書いて、総合的な記述にしたほうがいいのではないかと思います。
 それから将来の、今後の話について、外務省からさっきお話があったNGOを無償で支援することがNGOの育成につながる、それは全くそのとおりだと思います。ですから、そういう観点から今まで経済協力もやってきましたし、先ほどの定義ではありませんけれども、環境の分野もそれに広げて、環境NGOの有力な団体があれば、それをどんどん日本として、国としても支援するという方向で今後、やっていくべきではないかと思います。
 そうしますと少しは今後の方向性が出るのかなと思います。今回のフォローアップの記述として。その辺をちょっと工夫して考えていただければ幸いです。

○外務省 外務省地球環境課の加藤と申します。
 私どもの課で直接携っていないことも一部ありますが、私どもが今までやってきました業務の中での経験から、今までご指摘のあったことについて幾つか、現状ということで説明させていただきたいと思います。
 今、川上委員がおっしゃったり、またこれまでの議論にあったとおり「環境」というのは、いわゆる昔からある概念で言うと、経済・社会問題の一環としてとらえられてきたことが多く、「環境」を言いかえると「持続可能な開発の確保」ということになるわけです。それはまさに、国連ミレニアム開発目標の中でも環境問題への対処を「持続可能な開発の確保」という意味合いでどう目標のゴールのひとつとして入っていることからもおわかりのとおりです。
 外務省においても、環境プロパーだとか、経協プロパーだという考え方ではなく、当然一体として考えております。したがいまして、先ほどから例に出ております水・衛生は、ご案内の先生方も多いと思いますが、日本は水・衛生という分野別で見ると世界のトップドナーで、約4割を占めておりますが、これを「給水」として見るか、それとも「環境」と見るかということでございます。ご指摘の自主点検結果における関連部分プレゼンテーションの問題については、省内関係部署ときちんと先生方のご意見を共有させていただいて、しかるべく反映させていただきたいと思います。
 すなわち、恐らく統計において可変回答を設ければ、例えば、「森林保全」を「森林」とだけと見れば「森林保全」となりますが、同時に「生物多様性保全」でもあるということは、おわかりのとおりだと思います。
 それからODAにおける環境分野の主流化についても最近、重点的にやってきておりまして、例えば生物多様性等につきましても、来年2010年、COP10を愛知県名古屋市で開催しますので、ますます機運が高まってきておりますが、ODAにおける生物多様性の主流化という議論があります。それから、もう大分定着してきましたけれども、ODAにおける地球温暖化対策の主流化を推めておりまして、その最たるものがクールアース・パートナーシップでございます。
 ですから恐らく自主点検紙の書き方が、実態よりは残念ながらアンダーレプレゼンタティブになっているかもしれませんので、そこら辺は、しかるべく修正させていただきたいと思っております。
 それから、経済連携協定のことにつきまして、委員の先生方から幾つかのご質問等ございました。山本委員からご指摘のありましたスイスとの連携協定をなぜ始めたのかという点、また、ODAにおける知的所有権の保護の実態につきましては、担当部局に確認の上、事務局を通ずるなりして委員長のほうにしかるべく回答させていただきたいと思っております。
 更に、先ほど来、在外公館におけるNGOの支援についてもよくご指摘いただいております。これも恐縮ながら私は、直接の担当の課ではございませんが、水・衛生等を通じての経験則からご紹介させていただきますと、先ほども申したとおり、「環境」という分野というよりはODAの中で、開発援助の中で、当然環境にも配慮しながら開発しましょうということでODAが供与されているのが一般でございます。在外公館にODA担当館は配置されておりまして、いろいろな地元のNGO、それから現地で活躍する日本の専門家の皆さん等々との窓口が窓口となっております。
 また、官民連携(パートナーシップ)の下、官だけではなく民間の方々も含めて、ODAも意味ある形で使うという枠組みもできておりまして、在外公館におけるNGOの方々への支援というのも、少なからず体制は整っているということをご紹介させていただきたいと思います。

○鈴木委員長 外務省が大変いろいろなことをおやりになっているのは、私も望見させていただいております。是非、国際的な案件、国際戦略の構築も含めて、環境関連に関しては環境省と連携を強く持って頂ければと思います。在外公館と霞が関の外務省だけで完結しないようにおねがいします。そこで環境省も大いに教育していただくことになるでしょう。
 途上国の開発支援についても、今はもう、ディベロップメント(開発)といったらSDですよね、サステイナブル・ディベロップメント。まさに我々が考えているのはサステイナビリティなので、「環境」という言葉ではありますけれども、どうやって持続可能な開発を考えていくかということですから、もっともっとお互いに協力していただく必要があるのではないかと私自身は思っております。ちょっと余計なことかもしれませんが。

○環境省 すみません、周回遅れかもしれませんが、お答えさせていただきます。環境省地球環境局総務課、カミタと申します。途上国を除く国際案件全般を担当させていただいております。
 4点ほどお答えさせていただきたいんですが、まず、スイスの経済連携協定関係で、山本委員からご質問のあった件でございます。
 私ども環境省は、EPAに関しては端っこのほうでしかかかわっておりませんので、正面からお答えできませんが、正確にはまた後ほど外務省からお答えいただけるということで、それでお答えしていただければと思いますけれども、環境省の中でのEPA担当の感触といたしましては、特にスイスとのEPAに関しましては、環境に関する項目というのは非常に少ないといいましょうか、EPAと環境とのかかわりが非常に少ないと認識しております。
 今日ご説明した資料の中にも少し書いてありますけれども、スイスに関しては本当に、いわゆる環境例外規定、関税障壁を設けるに際して環境を例外としてもいい、それだけの規定しか基本的にはないということで、要するに何が言いたいかといいますと、EPAはやはり掲載が主体、軸足、重点であって、環境が重点はなっていないということで、特にスイスはそうだと私どもは認識しております。
 ですから、山本委員のご懸念は、恐らく経済部署のほうから寄せられなかったのではないかと想像してございます。
 それから、川上委員からエコアジアについて、発展的解消と書くべきではないかと、つまり「終了する」とだけ書くのは正直過ぎるというご指摘をいただきました。ありがとうございました。まさにそのとおりだと思います。事実関係だけ書けばいいという頭でおりましたもので、ちょっと正直に書き過ぎました。すみません、そこは修正が効くようなら修正させていただきたいと思っております。
 それから、三浦委員から、都市間でアジア等とも結構協力をしているのではないかというご指摘がございました。おっしゃるとおりで、私どもも北九州市を中心として、北九州市が日本国内での受け手となって、アジアのいろいろな都市との都市間協力をやっているのを私ども、ちょっとバックアップさせていただいているんですけれども、そういった事例もなくはないので、どういう整理でこれが落ちているのか、私もこの担当部署に聞いてみないとわかりませんが、書けるようなら書くということで、後ほど検討させていただきたいと思います。
 最後に、鈴木委員長から、APFEDでは何をやっているかわからないではないかという大変厳しいご指摘がございました。
 申しわけございません、実はAPFED、まさに明日からこの10年間の取りまとめの会合を、日本国内で最後の取りまとめなんですけれども、能登ですることになっておりまして、それをもって最終報告をまとめるという段階に今、ございます。なので、それまでの段階ではなかなか今までの成果を表に出してこなかった、これは私ども反省しなければいけないところだと思いますが、そういう段階にございますので、すみません、ちょっと遅れましたということで、ただいまのところはご勘弁いただければと考えてございます。

○環境省 環境省環境協力室、オオムラでございます。
 政策対話と具体的な協力について幾つかコメントがございましたので、私どものほうから補足説明させていただければと思います。
 私ども環境協力室では、日中韓の環境大臣会合でありますとか東アジアの環境大臣会合でありますとか、そこを担当させていただいております。あとクリーンアジア・イニシアティブの取りまとめもやっておりまして、全体の目配りをするような部署でもございます。
 私どもの考え方、エクスペイシッドにどこかに書いてあるわけではございませんけれども、対話が対話だけで終わってしまうのではもったいない、これはもうご指摘のとおりと思っておりまして、私ども、そこを強く意識してやっております。
 対話と具体的な協力という意味で、二層構造で私ども、進めている。そこを非常に近年、強くやっているところかと思っています。東アジアには非常に多様な国が集まっております。大きな国、小さな国、経済的に強いところ、弱いところ、あるいは環境の影響も、発生源であるところ、あるいは影響を受けるところ、そういった非常に多様な国が集まっている中で、対話しながら一致点を見出すのは、やはり非常に厳しいところもございます。
 そういったことから、具体的な協力を対話のもとで進めていく、その中で信頼感をつくり、具体的なメリットを見出していく中で対話に意味を持たせていこうということを、我々、強く意識をしてやっております。
 そういった意味で、例えば日中韓三カ国環境大臣会合のもとでは具体的に8つのプロジェクトを動かしながら、もうここ10年間いろいろ続けておりますけれども、行政同士の対話の促進ですとか、環境教育のプロジェクトを3カ国で同時に進めるとか、そういったことでいろいろ努力しているところでございます。
 対話の成果が見えないではないかというお話もありました。
 これはなかなか、対話が一気に進むということはございませんけれども、例えばということでご紹介させていただければ、日中韓三カ国環境大臣会合をやったときに、それまで「黄砂は越境汚染ではない」という立場の国もございましたけれども、やはり3カ国で対話を進めるに際しまして、「いや、これは3カ国共通の問題だよ」という認識に到達した、それから具体的な協力がどんどん進むようになったというようなこともございましたので、ご紹介させていただければと思います。
 それから、都市間の協力が大事であるというお話がございました。
 ここに述べてある幾つかの協力の中でも、国レベルで進めているものもございますけれども、そこに都市を巻き込んで進めているのもございます。例えばごみの問題にしろ黄砂の問題にしろ、都市が対策の主要なファクターである。特に、首長さんがその気になればかなりのことができるということもございまして、都市を巻き込んで、巻き込んでと言うと語弊があるかもしれませんけれども、都市にも主体的にいろいろかかわっていただいてということも、私ども、常に考えながらやっているところでございます。

○環境省 ちょっと追加で、申しわけございません。
 今の話に関連いたしまして、途中、永里委員から、温暖化の取組に中国を参加させるために、もっと戦略性を持って取り組むようにというご指摘があったかと思います。
 全くそのとおりでございまして、まだまだ不十分なところも多々あろうかと思うんですが、一例だけご紹介させていただきます。
 資料では、11ページでコベネフィット・アプローチというものをご紹介させていただいております。これは今、中国とも意向書を結びまして、いろいろプロジェクトを進めておるところでございますが、ご承知のとおり、中国におきましては今、国内における環境汚染問題というのが非常に注目を集めております。第11次5カ年計画の中でもSOとCODについて削減目標を定めまして、さらに、それに基づいて、各地方レベルでも幾らまで削減するんだというところも割り当てて、それを達成するために、今、かなり真剣に取り組んでいるという状態にございます。
 では、それに絡めて、そのような対策を中国側がとっていった場合に、コベネフィットの効果でCOの削減はどのくらい進むのかを一緒に研究して、定量化して、それをCOPの場で発表してみようではないか、そのようなことを中国側に持ちかけまして、今、共同で研究を進めているところでございます。
 「自分たちにもこうやればできるんだ」というようなところも認識してもらいながら、一緒に温暖化対策にも取り組んでいけないかといったことを、今、仕掛けているところでございます。

○鈴木委員長 それでは、大体予定の時間になりましたが、今日はいろいろといただきました。特に今後の課題として、例えば技術移転に伴ういろいろな仕組みの問題であったり、国際戦略の問題であったり、これはもう永遠の課題かもしれませんが、いろいろといただいたものは提言という形で組み込んでいくということで、あとはその他ご質問、ご意見いただきましたものをブラッシュアップして、この点検の案をつくらせていただくことになろうかと思います。

○浅野委員 今日の分は、かなり書き直しが必要ではないかと思います。前回と同じような微調整ではだめだと思います。データも不足です。

○鈴木委員長 そうですね。
 また、おっしゃり足りなかったことは、ぜひ文書で事務局にお寄せいただければと思います。おいでいただきました各省の方々も、よろしくお願いいたします。
 それでは、以上で予定を終了することになりますが、事務局から次回のご案内を。

○小森計画官 本日はご意見ありがとうございました。できるだけの反映をさせていきたいと思っております。
 次回の日程についてお知らせいたします。
 第9回環境基本計画点検小委員会、8月20日木曜日でございますが、14時から17時に行います。場所は、この会議所4階第4特別会議室でございますので、この場所でございます。
 議題につきましては、重点点検分野のうち残った1つ、長期的な視野を持った科学技術、環境情報、政策手法等の基盤の整備について関係府省ヒアリングを行うのが1点と、国民の方々とか地方自治体等にアンケート調査を実施しておりますので、それについてのご報告をさせていただきます。
 併せて環境シンポジウム、今年は埼玉、堺、熊本のほうで行いましたが、この環境シンポジウムの報告をさせていただければと思ってございます。

○鈴木委員長 それでは、今日の点検小委員会はこれをもちまして終了させていただきます。
 どうもありがとうございました。
 おいでいただいた方々も、どうもありがとうございました。

午後5時02分 閉会