中央環境審議会総合環境政策部会 公害防止計画小委員会(第9回)議事録

日時

平成16年3月4日 午前10時00分

議事内容

午前10時00分 開会

○奥山課長補佐 まだお見えになっていない先生がいらっしゃいますけれども、時間になりましたので、始めさせていただきます。
 議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。まず議事次第の資料1、公害防止計画小委員会の委員名簿、資料2、「公害防止計画の概要(案)(平成15年度策定地域)」、資料3、「富士地域等5地域の公害防止計画主要課題の施策の概要(案)」、資料4-1から資料4-5までが、それぞれの地域における公害防止計画の案になります。資料5-1が静岡県さんの方から、今日発表していただきます浜松地域公害防止計画(案)について、資料5-2が福岡県さんの方から発表していただきます、福岡地域公害防止計画(案)についてです。あと、参考資料1、参考資料2ということになります。足りない資料はございませんでしょうか。
 それでは、安原委員長、お願いいたします。

○安原委員長 安原でございます。
 それでは、ただいまから、第9回公害防止計画小委員会を開催したいと思います。
 本日は大変お忙しいところ、委員の皆様にはご出席をいただきまして、ありがとうございます。
 まず、本小委員会の委員の交代がございましたので、新任の委員をご紹介申し上げます。資料1のとおりでございますが、全国知事会事務局次長の石上卓委員でございます。

○石上委員 石上でございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

○安原委員長 もうお一方、本日は欠席でございますが、全国市長会廃棄物対策特別委員会副委員長の恵庭市長の黒氏博美委員も新任委員でございます。
 また、本日は静岡県浜松市、富士市、岡山県、福岡県福岡市の関係の皆様方もご出席をいただいております。どうもありがとうございます。
 本日は、松本総合政策局長が国会等の関係で欠席でございますので、かわりまして、谷環境計画課長からごあいさつがあります。よろしくお願いいたします。

○谷環境計画課長 環境計画課長の谷でございます。本日は大変お忙しいところ、本委員会にご出席いただきまして、委員の先生方には心から御礼を申し上げます。また、関係の都道府県市町村の皆様も遠いところからお越しいただきまして、ありがとうございます。
 本日、松本局長が大変申しわけないことに、国会その他で、この時間に予定が3つぐらい入っておりまして、どうしても冒頭も最後も出られなくなってしまいました。大変申しわけないと申しております。かわりまして、おわびを申し上げたいと思います。
 本日は5地域の公害防止計画の策定につきまして、ご了承いただくところでございます。ただ今回、本当に何十年かぶりに昨年の7月にご審議をいただきましたとおり、新規の計画が2つ出てまいりまして、ご審議をいただくわけでございます。浜松市と福岡市が新しく計画をつくってくださいました。本日、このようなことも踏まえまして、どうぞ、ご議論をいただきたいと思っております。
 本日の議論を踏まえまして、今後、3月18日に公害対策会議の幹事会が予定されておりまして、そちらで、新規以外の3地域についてはお話をいただきます。その後、浜松地域、福岡地域の2地域につきましては、3月19日に開催が予定されております公害対策会議、こちらは閣僚レベルでございます。こちらでご議論いただいて、環境大臣が同意するという運びになっております。
 本日は、大変重要な会議にご出席いただきましてありがとうございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

○安原委員長 ありがとうございます。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。富士地域と5地域の公害防止計画の同意について、事務局からご説明をお願いいたします。

○谷環境計画課長 それでは、資料に基づきまして、ご説明を申し上げます。まず資料の2、公害防止計画の概要をごらんください。まず1ページをお開きいただきますと、こちらはもう、先生方は大変よくご存じの話ばかりであろうかと思いますが、公害防止地域、こちらはご存じのとおり、環境基本法の第17条に基づきまして、そして昨年、平成15年7月25日付で環境大臣から県知事に対して、計画の策定が指示されたところでございます。
 それに基づきまして、次の2ページをお開きください。こちらに今回の計画策定地域とその範囲が記載してございます。今回、5地域ございまして、まず富士地域が静岡県富士市、次に新規の浜松地域が静岡県浜松市、また岡山・倉敷地域につきましては、岡山県の岡山市・倉敷市等3市2町が対象になっております。そして、また新規の福岡地域は福岡県福岡市、そして最後、大牟田地域は福岡県大牟田市ということになっております。
 それぞれの地域の環境基準の超過状況が3ページの表の2でございます。それぞれ大気とか、二酸化窒素、この辺はどこの地域でも大体出ております。騒音の関係もございます。あと浜松地域につきましては、後にご説明があると思いますけれども、水質汚濁、特に河川もございますが、湖沼でございます、こちらの佐鳴湖という湖の水質などが環境基準を超過しております。
 岡山・倉敷地域におきましても、大気、二酸化窒素、ここはベンゼンが出ております。あと地下水がございますし、次の4ページに移っていただきますと、こちらも水質汚濁で超過した部分が比較的多うございます。例えばこちらの児島湖という湖その他ございます。
 福岡地域でございますが、こちらも大気汚染、二酸化窒素がございます。二酸化窒素では、後ほどご説明があるかと思いますが、市の中心部にございます天神交差点、この辺がやはり交通量が非常に多いということで、大気の汚染が出ております。水質汚濁につきましても、河川そして海域、こちらの福岡湾もCODなどが環境基準を超過しております。そのほかにも騒音などがございます。
 大牟田地域につきましては大気汚染、そしてベンゼン、地下水、水質汚濁、騒音等が出ております。
 これらを踏まえまして、5ページをごらんいただきますと、こちらが公害防止計画策定に当たっての目標でございます。先ほど申し上げましたようなそれぞれの地域の環境基準を超過した項目を踏まえまして、例えば浮遊粒子状物質につきましては全地域、光化学オキシダントも全地域、二酸化窒素は富士、岡山・倉敷、福岡等、ここに書いてあるような項目につきまして、策定の目標がそれぞれ指定されてございます。
 6ページをお開きいただきますと、こちらが主な公害対策事業でございまして、こちらは予算を伴うようなもの、ごみ処理施設等がございます。8ページにはそれらの予算の経費の見込み額がございます。
 次に資料の3をお開きいただけますでしょうか。資料の3では、富士地域等5地域の公害防止計画の主要な課題の施策の概要がございます。後ほど、浜松と福岡につきましては、それぞれの地域の皆様から、比較的詳細にご説明をいただきたいと思いますので、この場ではそれ以外の3地域につきまして、簡単にご紹介させていただきます。まず1ページをお開きいただきますと、こちらが富士地域でございます。この地域の対策、主に自動車交通公害、地下水汚染、田子の浦港の底質汚染、3つの課題が大きくございます。まず自動車交通につきましては、交通管制システム、道路整備、そして港の港湾整理強化によりまして、トラックから船といったようなモーダルシフトを進めるという対策がございます。
 次に地下水汚染でございますけれども、こちらはモニタリング調査を定期的に行います。また、バリア井戸、ご存じの方が多いと思いますけれども、汚染地域の汚染の地下水がその他に広がらないように、その間に井戸を掘りまして、拡散防止を図るというような対策を行います。
 田子の浦港の底質汚染につきましては、ダイオキシン類の環境基準を達成するために、しゅんせつ事業などを行いますし、事業所への立ち入り検査、水質の常時監視等を行ってまいります。
 次に3ページをお開きください。こちらが岡山・倉敷地域でございます。こちらでは有害大気汚染物質、自動車交通公害、河川の水質汚濁、児島湖の水質汚濁の4点が主要課題でございます。
 まず有害大気汚染物質対策につきましては、ベンゼンが出ておりますので、こちらの削減計画を事業者につくってほしいということで、そういう推進をいたします。それから、排出抑制対策がございますし、それから環境調査を行いまして、実態を把握するということでございます。
 次に自動車交通公害対策でございますが、こちらも新交通管理システムを整備いたしましたり、道路の整備・立体交差、それから騒音が結構出ております。遮音壁の設置などを行います。また、住民に対するいろいろな情報提供がございまして、低公害車の導入の促進あるいはアイドリングストップ運動などを行っていくという計画でございます。
 次に河川でございますが、こちらはどこもそうですが、やはり生活排水が大変問題になっておりまして、下水道の整備、農業集落排水施設の整備、合併処理浄化槽の整備ということを行ってまいります。しゅんせつも行います。
 次に児島湖の水質汚濁の対策でございますが、こちらもやはり下水道、農業集落排水施設などの整備を行います。また生活排水につきましては、暮らし方の問題もございますので、啓発・実践活動を促進し、環境教育を推進するという施策も計画に記載してございます。
 最後に大牟田地域でございます。こちらは、やはり工業地域でございまして、そこの大気汚染対策、そして河川の水質汚濁の2つが重要な項目となっております。工業地域の大気汚染につきましては、やはり工場、事業場に対する規制、指導を徹底いたしまして、公害防止協定の締結などの対策を進めます。また、ここでも自動車による有害物質の排出削減に努めます。
 河川でございますけれども、こちらは大牟田川でダイオキシン類などの汚染が出ております。こちらにつきましては、水質のモニタリングを継続的に実施をいたします。また対策工法を確定し、工事施工に向けて、検討をするという計画でございます。こちらも水質汚濁の主な原因は生活排水になっておりまして、ほかの地域と同じように下水道や合併処理、浄化槽の設置を促進いたします。また地域住民にいろいろな啓発活動を実施するという計画になってございます。
 簡単でございますが、以上でございます。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、今回、新たに計画が策定されます浜松地域と福岡地域につきまして、各県からそれぞれの地域のご説明をお願いしたいと思います。まず浜松地域についてお願いいたします。

○静岡県 静岡県庁の環境森林部の鈴木でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは座ってお話しさせていただきます。
 浜松地域は温暖な気候と豊富な水源、さらには大消費地に近いという立地条件から、輸送用機械、光技術関連等の先端技術産業の集積した工業地域を形成しております。また地域内を東名高速道路、国道1号などの主要幹線道路や東海道新幹線、東海道本線が通過する交通の要所でもあります。
 当地域の公害問題はこうした交通運輸体系の高度化が都市化の進展と相まって、複雑・多様化してきておりまして、これまでは個別の対策を進めてまいりました。その結果、本地域の環境状況には一定の改善効果が見られますが、依然として改善すべき課題が残されているということから、今回、総合的かつ計画的に公害の未然防止を図っていくということもありまして、本年度公害防止計画を策定することとなりました。
 お配りした参考資料をもとにして、計画の概要を説明いたします。計画の策定地域ですが、1ページ目の図のとおり、静岡県の区域のうち、浜松市全域となっております。浜松市は天龍川と浜名湖に挟まれた地域でございます。
(「資料5-1をごらんください」との声あり)

○静岡県 2ページに参りますが、環境質の状況といたしまして、平成14年度の環境基準の超過項目を整理して、並べてございます。大気汚染に関しましては、光化学オキシダントは市内の一般局8局のすべての測定局で、ベンゼンは自排局1局で、排出基準を超過しております。水質汚濁に関しましては、河川のBODについて6河川ございますが、新川と伊佐地川の2河川において。それから湖沼のCODにつきましては、佐鳴湖で地下水につきましては、市内5事業所で、トリクロロエチレン等が環境基準を超過ということでございます。
 騒音に関しましては、環境騒音でございますが、当地域内の8,687戸の住宅等を対象に、面的な調査を行った結果、国道1号沿道など209戸、パーセントにしまして、2.4%でございますが、昼間、夜間とも、環境基準に未達成でございます。航空機騒音につきましては、飛行場周辺の2測点で環境基準を未達成ということでございます。
 計画の主要課題でございますが、大気汚染、騒音に係る自動車交通公害対策、河川のBODに係る水質汚濁対策、佐鳴湖のCODに係る水質汚濁対策の3点でございます。
 以下、これらの課題と今後講ずる施策を中心にご説明いたします。
 3ページでございますが、自動車交通公害対策であります。国道1号沿道では、調査した住宅等の約27%が昼間、夜間を通じて、環境基準を超過しております。国道1号は市内外からの物流や事業活動に欠くことのできない道路のため、交通量が極めて多く、表の2のように、大型車の購入率も高いということがその主な原因と考えられます。
 4ページでございます。自動車排ガスにつきましては、地域内の3カ所で測定しておりますが、そのうち、国道257号の測定局では、5年連続して、ベンゼンが環境基準を超過しております。ベンゼンが超過している測定地点では、交通量の増大による慢性的な渋滞が生じておりまして、これに伴う排出ガスが一因と考ええられます。
 それから国道152号及び257号沿道においては、浮遊粒子状物質につきまして、平成14年度は環境基準を達成しておりますけれども、13年度においては、両地点とも長期的評価による環境基準は超過しております。
 今後の自動車交通公害対策でございますが、国道1号におきましては、新天龍川橋の拡幅、低騒音舗装の実施をいたします。また、現況5カ所の交差点を2カ所に減らして、交通の円滑化を図ります。また都市中心部におきましては、公共車両優先システムの導入や、ノンストップバスの拡充など、利便性の高いバス交通を実現することで、オムニバスタウン計画を着実に推進するとともに、都心部駐輪場や駐車場案内システムの整備事業を推進いたします。
 地域全体の対策といたしましては、ディーゼル自動車の排ガス対策への補助や最新規制車への買いかえによる利子補給制度等の経済的な支援を行ってまいります。
 浜名湖に近い国道1号沿いの舞阪という駅がございます。そのJR舞阪駅の橋上化や、鉄道と道路の立体交差による物流、人流の円滑化を図ってまいります。
 市街地から、国道120号沿いに北に伸びている遠州鉄道というのがございます。この遠州鉄道の一部区間を高架化にするということでございます。
 二酸化窒素の実測値を活用しまして、最適な信号制御や、交通情報提供を行う、交通公害低減システムによりまして、大気汚染を低減する交通管理規制、これは現在もやっておりますが、これを継続して行ってまいります。
 交通量対策といたしまして、道路整備や、道路案内標識の整備により、渋滞の緩和を図るとともに、低騒音舗装、遮音壁、環境施設帯等につきまして、引き続き計画し、設置してまいります。
 関係機関との調整により、道路工事回数の整理を図ってまいります。
 次に河川の水質汚濁対策でございます。6ページでございますが、図の4、5のとおり、新川及び伊佐地川におきまして、河川のBODに係る環境基準を超過しております。新川・伊佐地川の位置でございますが、1ページ目のところをちょっとごらんください。少し右手、恐縮でございますが、図1の市の中心部に近いところに佐鳴湖がございますが、そこから流れている河川が新川でございます。それから伊佐地川はその北の方にございます。この両河川とも浜名湖に注いでいるというところでございます。
 それでは、もとに戻っていただいて、6ページでございますが、新川志都呂橋の環境基準点の測定点ですが、新川志都呂橋の平成14年度のBOD75%値としては、環境基準5mg/Lに対しまして、8mg/Lということで、環境基準超過が続いております。
 新川は佐鳴湖から浜名湖への流出水が主体となっているために、基準点の水質も佐鳴湖の水質の影響が大きく出るということと、潮汐によって浜名湖の影響も受けるということで、複雑な挙動を示しております。
 新川流域におけるBOD発生源負荷割合は、図6のように生活排水によるものが約4割、土地の表面流出など、非特定汚染源によるものが約4割となっておりまして、新川流域の平成14年度末の下水道普及率は約65%と、今なっております。下水道普及率65%ではまだ十分ではないと考えております。
 それから、伊佐地川中之谷橋での平成14年度のBOD75%値が3.4mg/Lでございまして、環境基準の3mg/Lを超過しております。この地域におきましても、環境基準超過が連続して続いております。伊佐地川におけるBODの発生源別負荷割合は、生活排水等によるものが約5割、土地の表面流出など、特定汚染源によるものが約3割ということでございます。
 7ページでございますが、新川及び伊佐地川におきまして、今後、講じていく施策でございますが、まず流域における下水道未接続家庭への接続の指導の徹底、それとともに、下水道処理区域以外における単独浄化槽から合併浄化槽への転換を促進してまいります。この点につきましては、浜名湖流域においては、その他の流域に比べて、有利な補助制度も設けてございます。また、流域自治会を通じて、生活排水対策への意識を高めるための説明会の開催、広報紙の配布等を推進していくとともに、水質汚濁に対する非特定汚染源の調査や、汚染防止対策を実施してまいります。また、新川におきましては、佐鳴湖浄化対策と関連させながら、進めてまいります。
 地域全体としての水質汚濁対策といたしましては、水質汚濁防止法の規制対象工場に対する立ち入り検査を引き続き行い、排水の監視を行ってまいります。
 また、当地域内の下水道普及率を現在、図6のように、現状は約77%、これから平成24年度には、88%にまで引き上げるということを目標に推進してまいります。
 次に、8ページにございますが、佐鳴湖の水質汚濁対策についてでございます。佐鳴湖の概要図を図の8に示してございますが、流入河川は佐鳴湖の北側から新川、段子川、御前谷排水路がございます。この佐鳴湖の排水は新川を通って、佐鳴湖へ注ぐということになります。佐鳴湖のCOD75%値の水位は図9のとおりでございまして、測定開始以降、一度も環境基準5mg/Lを達成しておりません。
 このグラフを見ますと、平成13年度のところで切れておりますが、これは佐鳴湖の環境基準点は長い間、旧新川とございます佐鳴湖橋で測定しておりました。平成13年度に排水路が完成いたしまして、主な水の出入りが排水路側に移ったということで、佐鳴湖の代表する河川として、環境基準点をこちらの方に移しまして、ここでは新川のところにある拓希橋に環境基準点を移しました。
 平成14年度のCODは75%値が12mg/Lございました。昭和49年度は17mg/Lでございますので、その間に工場排水の規制とか、公共下水道の整備等によりまして、最近では11から13mg程度にまで下がってまいりまして、最近では横ばいの状態にあるということでございます。
 佐鳴湖の水質汚濁につきましては、若干詳細に説明いたしますと、水質汚濁の要因を大別しますと、湖外からの流入水を原因とするものと、浜名湖内を原因とするものとございます。湖外からの流出を原因とするものといたしましては、上流河川からの流入負荷、それから下流からの潮汐による遡上水などの負荷などが挙げられます。
 一方、佐鳴湖内を原因とするものといたしましては、湖底からの溶出負荷、さらには内部生産などが挙げられるということでございます。
 湖外からの流入負荷といたしましては、生活排水からのリン、土地の表面流出及びわき水からの窒素の流入がございます。佐鳴湖への流入河川としまして、3河川ございますが、いずれも流入河川のBODが図の10に見られるように、下水道整備により、近年かなり抑えられてまいりました。しかし、流入河川からの窒素とリン、これら図の11、12のとおり、湖内の富栄養化における見地から言いますと、依然として高い状況にございます。
 さらに地域の宅地化、それから下水道整備などによりまして、佐鳴湖への流入水量も減少してまいっております。したがって、湖内における滞留時間が長くなっておりまして、窒素及びリンを栄養源とした植物性プランクトンの内部生産が湖内のCODに係る水質汚濁を助長していると考えられます。
 佐鳴湖における水質汚濁としましては、これまで下水道整備、湖底のしゅんせつ、接触酸化装置の設置、自然治癒復元対策、いわゆる、アシなどの湖内への植栽でございますが、そういったもの、それから雨水浸透桝の普及など、さまざまな対策を講じてまいりました。
 具体的には下水道整備においては、図13のとおり、佐鳴湖は流域は平成13年度末現在、約90%の普及率となっております。湖底のしゅんせつにおきましては、昭和63年度から平成14年度にかけて、47万5,000立米のしゅんせつを完了いたしました。このしゅんせつの結果、表4のように、湖底からのリンの溶出は大幅に抑えることができたと思っております。また、湖内のCODをよくするため、1日、約1万立米の処理能力を持つ接触酸化装置を1機設置しました。この装置の結果については、表の5のとおりでございまして、CODの低下の効果が認められております。
 11ページになりますが、佐鳴湖の水質汚濁に対しまして、今後講ずる施策といたしましては、流域対策、流入河川対策、湖内対策、啓発活動に分けてご説明します。
 まず流入対策でございますが、引き続き、下水道の整備を図ります。佐鳴湖上流域は将来的には100%近く下水道の整備をいたしますが、下流域は下水道認可区域外になっております。そのために、特に、佐鳴湖下流域におきましては、単独浄化槽から合併浄化槽への転換を図るということを進めてまいります。
 佐鳴湖上流域の窒素負荷の約7割が非特定汚染源に由来することが明らかになってまいりましたので、非特定汚染源に対する調査をさらに進めまして、優先順位をつけて、発生抑制対策を今後実施していきたいと思っています。さらに一般家庭の雨水・浸透桝の設置、それから道路側溝への雨水・浸透桝の設置を進めてまいります。
 次に流入河川対策でございますが、上流からのリン及び窒素の流入量が多いために、流入河川水の脱リン、脱窒素処理について検討して、効果的な対策を講じてまいります。必要に応じて、下流河道の底質の改善も考えていきたいと思います。
 湖内対策といたしましては、湖内のCODの低減のための接触酸化装置に脱リン装置をつけていきたいと思います。実証実験段階では全リンにつきまして、78%の除去率が得られております。また水生生物の復活を目指して、アシ等の植栽管理も行っていきたいと思います。
 最後に啓発活動でございます。佐鳴湖浄化のための住民活動を積極的に支援するとともに、ビジターセンターの設置を検討してまいりたいと思います。それによって、関連情報を発信し、佐鳴湖西岸における里山保全活動も支援していきたいと思います。
 なお、佐鳴湖浄化に関する具体的な対策といたしましては、第2期水環境改善緊急行動計画、通称「清流ルネッサンスII」と呼んでおりますが、これを関係機関とともに策定いたしまして、推進していきたいと考えております。主要課題については以上でございます。
 その他の今後の防止対策について、3点ほど説明いたします。12ページでございます。最初に大気汚染対策でございますが、自動車交通対策で触れたベンゼンの負荷、光化学オキシダントにつきまして、平成14年度各局からすべての測定局で環境基準を超過しているわけですが、図の14のとおり、かつては上昇傾向であったものが、最近では横ばい傾向になっているということでございます。対策といたしましては、固定発生源似対しては、今後とも立ち入り検査等におきまして、環境基準の遵守の徹底を指導するとともに、気体燃料や良質燃料への転換等の指導を行ってまいります。
 また静岡県の条例に基づきまして、排ガス量1万Nm3以上の事業場につきまして、新設、増設の段階で、負荷量の増加を極力抑えるというふうに指導してまいります。さらに、ごみ処理施設からの排出ガスを負荷低減を図るため、一般廃棄物処理施設を整備してまいります。
 次に水質汚濁対策でございます。平成14年度の地域内の5地域におきまして、トリクロロエチレン等の有機塩素系化合物による地下水汚染が判明しております。いずれも、汚染浄化対策を実施しておりますが、環境基準は超過しているということです。
 汚染発生の原因者が明白な4地区では、浄化施設を設置しまして、地下水をくみ上げ、浄化の排水をしてまいりました。また汚染井戸について、汚染の状況調査を実施して、汚染濃度、汚染範囲を監視するとともに、排水の状況の調査をし、排出基準の適否も監視しております。この5地域のうちの1地域でございますが、工業団地内にございます。特殊な状況ということで、地下水のみならず、土壌汚染も確認されているわけでございますが、その地域内の工場の話し合いの上、土壌汚染の浄化に係る対策を優先して実施してまいります。今後も引き続き、上記のこうした対策を実施してまいります。
 13ページでございます。航空機騒音対策でございます。当地域内のほぼ中央部に自衛隊浜松飛行場がございます。平成14年度2測点すべてで環境基準を超過しております。これまで航空自衛隊浜松飛行場の所在により発生する障害の防止軽減等のために、防衛施設局等に折衝し、補助金及び交付金を受けて、周辺整備事業の推進を図ってまいりました。今後とも関係機関のの協力を得て、飛行場周辺の生活環境の整備・改善に努めてまいります。
 以下、第3章までは公害防止計画の策定指針に基づいて、作成してございますが、第4章の各主体の取り組みについてのところを説明いたします。本計画に記載されている当地域の諸施策を推進し、地域の環境保全を図っていくためには、事業者・住民・民間団体、浜松市、静岡県、それから国の各機関それぞれに期待される役割を確実に果たすことが重要になってまいります。本文第4章では各主体に求められる役割について記載してございます。
 また、環境教育につきましては地域における指導者の要請、環境学習の整備、学習する施設・機会の充実を図ってまいります。
 環境情報といたしましては、環境アセスメント調査等における情報を一元的に管理し、地域情報を追加してGIS情報としてインターネット上で公開するとともに、環境白書等の冊子などに情報を提供してまいります。
 なお、本計画につきましては、素案の段階でパブリックコメントとして、県民に公開・周知した中で、意見を募集して、作成してまいりました。
 最後に本計画を効果的に推進するため、事業者や住民等の各主体と連携をとりつつ、県及び国の関係機関と相互の協力体制強化に努め、総合的に施策の展開を図ってまいりますが、特に環境基本計画を初めとする環境保全に関する諸計画との整合を十分にとりまして、的確かつ円滑な施策が図れるよう、配慮してまいります。
 以上で、浜松地域公害防止計画の説明を終わりたいと思います。ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

○安原委員長 詳細な説明をいただきまして、ありがとうございました。
 それでは引き続きまして、福岡地域についてご説明をお願いいたします。

○福岡県 福岡県環境部環境保全課の小林と申します。本来であれば、環境保全課長がご説明申し上げるところ、県議会の代表質問ということがありまして、担当係長の私の方から説明させていただきます。
 今回の説明に当たりましては、前回のご指摘を踏まえまして、福岡市さんの全面的なご協力のもと、パワーポイントの資料をつくっていただきましたので、パワーポイントに基づきまして説明させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 今回、策定指示のありました区域ですが、福岡市の全域となっております。指定は福岡市単独です。福岡市は九州の中枢都市であり、位置的には九州の北部、玄界灘に面した地域となっております。
 人口ですけれども、約134万人、市の面積は約340平方キロメートルとなっております。政令指定都市でありまして、7つの区が分かれており、東区、博多区、中央区、南区、城南区、早良区、西区の7つとなっております。航空写真からもおわかりいただけますように、土地の利用状況といたしましては、市街地が多くなっておりますけれども、周辺部には緑地が広がっております。約3分の1が緑地となっていります。
 主な施設ですけれども、鉄道といたしましてJRの鹿児島本線、これは南北に伸びております。それとJRの山陽新幹線、私鉄でありますけれども、天神から南に伸びる西日本鉄道の天神・大牟田線、福岡市営地下鉄などがございま、す。道路といたしましては国道3号線、福岡都市高速道路などが主なものです。このほか空港施設として、福岡空港がございます。
 次に環境質の状況です。大気汚染に関しましては、二酸化窒素について、自動車排出ガスの測定局1局で環境基準を超過しております。これは福岡市の中心、天神でございます。また、浮遊粒子状物質につきましては、全局で環境基準を超過しております。しかし、これは大陸からの黄砂の影響を受けたものでございまして、黄砂の影響を除きますと、環境基準を満足している状況です。
 次に、水質汚濁です。海域につきましては、博多湾の3海域ともCODの環境基準を超過しています。なお窒素、リンにつきましては、環境基準を満足しています。河川ですけれども、19水域中の2水域でBODの環境基準を超過しています。騒音ですけれども、21の測定地点中、19地点で超過して、このうち、5地点では要請限度を超過しています。また、航空機騒音とか、新幹線、鉄道騒音についても環境基準を超過している状況です。
 計画の目標につきましては、環境基準の達成、目標年度は平成19年度末、計画期間は平成15年度から平成19年度の5カ年間となっています。
 計画の主要課題ですけれども、大きく2つに分けておりまして、1つが自動車交通公害対策、もう一つが海域の水質汚濁対策ということです。以下、主要課題を中心に説明させていただきます。
 まず自動車交通公害対策ですけれども、福岡市の特性から、2つの柱に分けて対策を講じることとしています。まず都心部における大気汚染対策と騒音対策、もう一つは主要幹線における騒音対策の2つの柱にいたしました。
 福岡地域における道路のネットワーク図でございます。青い部分が自動車専用道路、九州縦貫道と都市高速道路です。赤い部分が主要幹線道路でございます。Yの字の形に都市が広がっていることがごらんいただけるかと思います。
 次に福岡市の混雑図の状況です。青いところは比較的すいているところで、赤いところが混雑が激しいところです。図のように至るところで渋滞が発生しておりますけれども、その原因といたしましては、今、丸で囲みましたこの都心部への交通の集中も原因の1つと考えております。その都心部の範囲でございますけれども、ちょっと不鮮明な画面で申しわけないんですが、商業集積地であります福岡市の天神地区あるいは交通の拠点であります博多駅周辺地区、このあたりを囲んで、約4平方キロメートルの範囲としております。
 都心部における自動車交通量と交通量を用いて算出した窒素酸化物排出量のグラフです。上の方の棒グラフが自動車の交通量のグラフで、下の方のグラフがNOxの排出量のグラフとなっています。上の方のグラフですけれども、青い部分が乗用車ですが、乗用車が圧倒的に多いことがおわかりいただけると思いますけれども、下のグラフでは赤い部分であるとか、あとはバスですけれども、そのほか茶色の普通貨物、こういったものが多くなっていることがごらんいただけると思います。
 このうち、特徴的な4カ所を抜き出したグラフがこの図です。左側のグラフが自動車交通量のグラフ、右側がそれに対応した窒素酸化物の排出量のグラフです。窒素酸化物の排出量を見ますと、天神地区とか博多駅地区、このあたりではバスが多いと。その一方で、国道3号沿線の千代地区とか、神屋町地区、このあたりは普通貨物による排出割合が多くなっているということがわかると思います。こちらは天神地区、こちらが千代地区です。
 達成目標ですけれども、大気汚染につきましては、二酸化窒素濃度の環境基準の達成、騒音につきましては、長期的には環境基準の達成を目標にいたしますけれども、短期的には優先順位をつけまして、住宅が多い地域については、要請限度以下とするということを短期的な目標にしています。
 都心部における個別施策についてです。項目といたしましては、5つほど立てておりまして、自動車排出ガスの負荷削減対策、より環境負荷の低い交通手段への転換、都心部交通の円滑化、道路構造対策、普及啓発、調査研究の5つでございます。
 まず自動車排出ガスの負荷削減対策としましては、低公害車の導入支援策の検討、事業者との連携協力による最新規制適合車への転換を実施してまいります。
 次に、より環境負荷の低い交通手段への転換としましては、ノーマイカーデーの実施・普及、都心部交通の円滑化としましては、地下鉄3号線の開業を平成17年度2月に予定しておりまして、また共同輸配送事業の促進などを促進してまいります。
 ここに出ましたノーマイカーデーの関係なんですけれども、ノーマイカーデーの当日における駐輪場の無料化といったものを福岡市では実施しています。ここに毎月14日はノーマイカーデーというふうに出ていますけれども、これは平成4年度から活動が続けられています。また、福岡市中心部の天神地区では平成13年、放置駐輪ワースト1になっておって、この不法駐輪対策といたしまして、この女性ですけど、チャリエンジェルスというネームで啓発活動が行われております。この絵はノーマイカーデーと不法駐輪防止の共同啓発作業の風景となっています。
 続きまして、共同輸配送事業についてです。これは複数じ事業が共同して配送を行うもので、物流を合理化するとともに、トラック交通量を削減することができ、交通渋滞の緩和とか排出ガスの削減といった効果があります。現在、35の運送事業者が加盟しておりまして、天然ガス自動車12台を導入しています。
 道路の構造対策としましては低騒音舗装、それに遮音壁の設置などを実施しております。普及啓発、調査研究としましては、市民レベルでの自動車使用・抑制運動の推進、公共交通機関への利用転換促進のため、ソフト面での有効な施策の検討をしてまいります。
 以上、都心部での対策を述べてまいりましたけれども、都心部だけでの対応はその解決は困難でございまして、広域での発生源対策、特に周辺部から都心部への自動車の流入抑制、広域でのマイカー使用の抑制・普及啓発などが必要となってまいります。
 そこで共通の施策といたしまして、発生源対策、交通流・交通量対策、物流対策、普及啓発・調査研究、福岡都市圏との連携の5項目を挙げております。
 まず発生源対策ですけれども、エコカーシェアリングの推進、最新規制適合車への代替促進などを挙げております。このエコカーシェアリングでございますけれども、現在、市民団体、福岡市、九州電力の3者の協力によりまして、このような電気自動車を24台所有しております。5カ所のステーションを設けていて、この運営はNPOでなされています。この車は県とか福岡市の低公害車フェアでも展示されております。
 次に交通流・交通量対策でございます。交通マネジメントの推進、自転車利用の推進、鉄軌道系公共交通機関の整備、新駅の整備、連続立体交差事業の推進、骨格幹線道路の整備の6つが主なものでございます。
 この交通マネジメントの推進ですけれども、自動車から公共交通機関への利用転換の促進、例えば公共車両優先システムとか、バスレーンの設置とか、パークアンドライドの駐車場とか、そういったものになります。そのほか道路容量の拡大、例えばリバーシブルレーンの設置であるとか、それから交通量の削減の平準化、先ほどの共同輸配送事業であるとか、時差通勤などです。それから違法駐停車の削減、これには駐輪場とか、駐車場の整備、違法駐車監視システムなどが含まれます。
 これらの目的に施策を進めておりまして、そのうちの幾つかを紹介させていただきます。今申しました公共車両優先システムについてです。一番左側の茶色のレーンですけれども、バス専用レーンを走行する車載機を搭載したこのバスを路上の光ビーコン、検知器ですけれども、この光ビーコンが検知をいたしまして、バスに対する優先的な信号整備を行うことによって、公共交通機関であるバスを優先的に走行させるシステムです。公共車両優先システムPTPSと呼ばれております。バスを優先的に通行させることで、バスの定時性が確保され、バス利用者の利便性の向上を図って、また自動車からバスへの利用転換の促進とか、都心部への交通量削減を図ることを目的としております。
 次に、道路容量を拡大するための施策ですけれども、朝夕のラッシュ時に車線進入禁止灯、ちょっと見にくいんですけれども、真ん中に3カ所バツが入っていますが、車線侵入禁止灯とか、一番左側の青い矢印ですけれども、可変標識などによりまして、道路の中央線を変更して、交通需要の大きい方向により多くの車線を配分して、限られた交通容量を効率的に使う方法であるリバーシブルレーンが導入されております。こちらが本来の中央線でありますけれども、時間帯によっては、このように中央線の位置が変わります。
 次に自転車利用の促進といたしまして、自転車駐輪場の整備を行っています。このような屋内の駐輪場だけではなくて、歩道上にも駐輪場を整備してまいります。鉄軌道系公共交通機関の拡充・機能強化といたしましては、地下鉄3号線の整備、それから地下鉄2号線と西鉄宮地岳線の直通運転化、東部にあります人工島、アイランドシティーにはアイランド線の整備なども検討されております。
 次に新駅の整備についてですけれども、まず西部地区の伊都土地区画整理事業でございます。この事業は福岡市西部の大規模な土地区画整理事業で、九州大学の移転キャンパスの最寄り地点となります。ここに新駅を平成17年秋に完成する予定でございます。
 今度は東部地区ですけれども、香椎副都心整備事業あるいは香椎駅周辺連続立体交差事業です。いずれも東部地区の交通改善につながる事業でございまして、ここには平成15年、昨年の7月ですが、JR鹿児島本線に新たに千早駅というものが開設されております。また、国道3号の博多バイパスとの視野も連携に入れた整備となっております。
 続きまして、物流対策でございます。福岡市での大きな物流対策としましては、アイランドシティーにおける港湾整備が挙げられます。約400ヘクタールの埋立地に外港、内港のコンテナターミナルを整備してまいります。
 次に普及啓発・調査研究等といたしましては、まず先ほど説明いたしましたノーマイカーデーによる不要不急のマイカーの自粛、そして駐停車時におけるアイドリングストップ運動がございます。アイドリングストップ運動は、クリーンエアキャンペーンとして、ラジオコマーシャルも行っています。ちなみに、このノーマイカーデーのマスコットですけれども、このカメはアルックス、このアイドリングストップのウサギはストッピーという名前がついているということであります。
 最後に福岡都市圏との連携についてですけれども、福岡都市圏は福岡市と20市町村から構成されておりまして、環境保全や廃棄物行政を連携して行うために、福岡都市圏環境行政推進協議会というものを設置しています。この中でも南部の筑紫地域については、より一層の取り組みを推進しますために、ちょっとここは左右ついておりますけれども、福岡都市圏南部環境行政推進連絡協議会というものが設置されております。ノーマイカーデーの取り組みについても、この福岡都市圏の南部と一体となった取り組みが行われております。
 ここまでは都心部における対策を述べてまいりました。交通公害対策のもう一つの柱であります主要幹線道路の騒音対策に移らせていただきます。
 福岡市では、平成12年に自動車騒音の環境基準達成状況の評価を行っています。その結果、早急な対策が必要な地域といたしまして、夜間騒音が73デシベルを超える地域、それと夜間騒音が70デシベルを超える住居が50戸以上の地域も抽出しています。対策が必要な地域は全部で8地域なんですけれども、この香椎、箱崎、六本松、荒江、大橋、平尾、西新、姪浜の8地域でございます。この8地域はいずれも交通の要衝とか、接結点になっておりまして、この結果、いずれも自動車交通騒音が発生していると考えられます。
 対策の主なものでが、道路構造対策です。施策として、低騒音舗装とか、遮音壁の設置を図ってまいります。それともう一つは、効果の継続性を随時調査・補修していくといった形です。低騒音舗装とか、遮音壁の点については、この図のようになっていまして、この中でも低騒音遮音壁、右側ですけれども、このような高さ1メートル弱の道路端に設置されているものであります。その他、都心部対策で述べた諸施策を総合的に騒音対策においても進めてまいります。
 以上で自動車対策に関する説明を終わりまして、次にもう一つの主要課題、海域の水質汚濁を説明させていただきます。
 福岡市は博多湾を囲むように市域が広がっておりまして、言いかえれば博多湾は非常に閉鎖性が高い水域と言えます。このため、海水の交換が悪くて、濃い緑ですが、東部海域の2地点、中部海域の3地点、西部海域の2地点でCODの環境基準を達成しておりません。博多湾の所見です。東西が約20キロメートル、南北が約10キロメートルとなっておりまして、海表の面積は約133平方キロメートルです。水深ですが、湾奥部、東部海域あたりですが、このあたりが5メートル、湾の中央部が5メートルから10メートル、湾口部が10メートルから20メートルで、平均水深は約10メートルほどとなっております。
 次に博多湾におけるCODの推移でございます。東部・中部・西部の海域ごとに説明していきますが、まず東部海域についてです。類型はB類型で、CODの環境基準は3以下となっておりますけれども、ここ10年間、環境基準を達成しておりません。
 次に中部海域です。類型はAで、CODの環境基準は2以下となっております。ここも3測定地点、すべてで環境基準を超過しています。西部海域ですが、類型は同じくA類型で、環境基準は2ですけれども、1カ所、W-3地点を除きまして、あとの2地点は環境基準を超過しております。
 博多湾に流入する河川が降水を集める範囲、つまり博多湾の流域図がこの図です。福岡市を初めとして、6市9町1村の自治体にまたがっております。流入する河川は12水系37河川ありまして、1級河川はありません。発生地域別の流入負荷量を見ますと、福岡市が約3分の2なんですけれども、それ以外の周辺市町村からの負荷が3分の1あるということがおわかりいただけると思います。また発生源別の流入負荷量を見ますと、生活排水によるものが約6割、あとは面源負荷とか、工場事業場排水等も若干ございます。
 そこで、講ずる施策と達成目標ですけれども、達成目標としましては、CODの環境基準の達成に努めてまいります。講ずる施策といたしましては、博多湾流域における対策と、博多湾そのものに対する対策、それから普及啓発・調査研究の構築の3つによって推進してまいります。
 まず流域対策でございますけれども、発生源での負荷削減対策としての下水道の整備とか、合流式下水道の改善、そのほか、河川等での浄化対策や水の有効利用の促進等を掲げております。
 それでは下水道の整備状況を説明いたします。昭和58年当時の人口の普及率は54.9%ということで、5割をやっと超えた程度であったものが、20年後の平成14年度のときには、99%ということで、ほぼ完備している状況です。
 下水道の処理区域と下水処理場の状況です。福岡市の下水処理場といたしましては、中部・東部・西部・和白・西戸崎の5つの水処理センターでございます。このほか流域下水道としまして、御笠川の浄化センター、これは県の施設です。このほかに福岡市の生活排水を処理をしているわけではございませんけれども、都市圏の東部の生活排水を処理いたします多々良川浄化センターがございます。この多々良川の浄化センターの排水は多々良川を経由して、博多湾の方に流入しております。処理区域はそれぞれ色が塗られたところですけれども、白い部分については、住民がほとんどない区域ということで、ほとんど処理はカバーされている状況でございます。
 博多湾の関連市町における下水道の整備状況を説明させていただきます。福岡市の流域市町の図です。福岡市の人口普及率の99%に比較いたしまして、筑紫地域は97.2%、かなり下がって、香椎地域、これは東部地域ですけれども、62.2%、それから西部の前原市も62.8%と、このあたりは下水道の整備が進んでおりません。特に東部地域ですけれども、ここからの影響は大きなものがございます。したがいまして、福岡市は無論のこと、広域での下水道整備が博多湾の水質汚濁対策に重要な対策となっております。
 次に合流式下水道の改善について説明させていただきます。早くから下水道事業に着手した地区におきましては、汚水と雨水を同一の環境で排除する合流式下水道となっていました。このピンク色の地区が合流式下水道の区域であります。この対策といたしまして、面源への負荷が高い、初期の雨水を一時的に貯留し、晴天時に水処理センターで処理する雨水滞水池方式による改善が進められています。あわせて、分流式下水道方式による改善を進めていくこととしております。宅地、家に流れてくる雨水をこの新設の雨水管に接続するだけではなく、そのほか道路ですが、透水性の舗装であるとか、雨水桝、浸透側溝等によりまして、雨水の地下浸透を推進していくとしております。
 次に博多湾における対策です。底質の改善、海域での浄化対策、海水交換の促進を挙げております。まずこの底質の改善ですけれども、現在、海域環境創造事業といたしまして、エコパークゾーンにおいて、覆砂及び作澪事業を実施しております。これは覆砂を実施した場所の底質のコアでございます。ちょっと見えにくいかもしれませんが、ヘドロ化した底泥の上に約30センチほどの覆砂をしております。この覆砂を実施する前の底質の生物層ですけれども、ホトトギス貝などの数種であったものが、覆砂後はエビとかアサリとか、このように多様な生物層になっていることがごらんいただけると思います。
 次に、海域での浄化対策です。富栄養化に伴いまして、アオサが繁殖しております。これが海岸に打ち上げられて、新たな汚濁源となっているので、これをある段階で回収する処理を行っています。
 次に、海水交換の促進です。これもエコパークゾーンで実験をしておりますけれども、作澪による干潟への外海水の導入及び河川水の排出が進んでおります。
 最後に普及啓発・調査研究です。先ほども述べましたけれども、博多湾汚濁の最大要因は生活排水であります。この生活排水は福岡市域においては、下水処理場で処理されております。流入段階での負荷を削減することが重要となっています。生活排水対策として、この「エコクッキング」という冊子を作成し、この中で「水を大切に」であるとか、「水の負荷を減少させる方法」であるとか、油の捨て方、使い方など、環境に優しい料理方法を紹介しています。このようなさまざな機会をとらえて、生活排水対策の広報を行っています。
 また環境教育といたしまして、小学校段階で、環境や下水道、水道に関する副読本を用いまして、教育を行うとともに、こういった副読本、中学校におきましても「eプラスサイエンス」という冊子をつくりまして、生徒みずからが環境問題を考える教育を実施していくようにしています。
 以上が博多湾における水質汚濁対策でございまして、これで2つの主要課題の説明を終わりました。以下、第2章、第3章につきましては、環境省からの策定指針に基づいて、公害のそれぞれの項目ごとに対策を作成しております。
 第4章につきましては、各主体の自主的・積極的な取り組みに対する支援施策でございます。各主体の取り組みについては、福岡県、福岡市のみならず、周辺自治体も含めた地方公共団体、事業者、住民、そして民間団体の取り組みを挙げております。
 また、ここに環境教育、環境学習の推進云々のところですけれども、今回の公害防止対策では、都市生活型公害への対応が課題でありまして、その対応には、市民、事業者が各主体として環境へ配慮する行動をとることが求められています。このため、福岡県、福岡市では、この環境学習、環境教育を重視しておりまして、さまざまな啓発施設、環境学習施設を整備して、子供たちのみならず、地域の環境リーダーの育成に努めております。
 第5章ですけれども、計画の効果的実施でございます。福岡県を初めといたします関係自治体、国の関係機関等で連携いたしまして、さまざまな協議会を設置しており、これらの活用により、一層の公害対策が進むものと考えております。
 都市生活型公害の対応は行政や事業者だけでの対応は無理がありまして、市民の皆様や市民団体が各主体の役割を認識し、お互いが連携して取り組んでいくことが重要と考えております。この考えに基づきまして、本計画を推進していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上で福岡地域公害防止計画の説明を終わらせていただきました。どうもありがとうございます。

○安原委員長 ありがとうございました。大変、わかりやすくご説明いただきました。
 以上で、5地域の公害防止計画の案につきましてご説明をいただいたわけでございます。きょうのこの委員会は終了指定時間が12時でございますので、約50分ぐらいまだ時間が残されております。これから、ただいま、いただきましたご説明に対しまして、ご意見あるいはご質問がございましたら、お受けしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○浅野委員 まずは浜松地区でございますが、佐鳴湖が重要であるということを意識した、大変行き届いた計画を準備されたと思いますので、おおむねこれでいいのではないかと思っておりますが、特に注目できるなと思って見ておりましたのは、佐鳴湖の汚染について、全体としての地域の水循環が問題なんだということを意識しておられたんですね。これは大変いい目のつけどころではないかと思います。どうしても、公害というと、目先のところだけを見てしまうわけですから、この計画の大きい方を見ますと、佐鳴湖の水全体が減っているんだということを意識しておられるんですね。
 それで、対策の中にも、例えば雨水利用とか、地下浸透の推進ということが出てくるわけです。これは公害防止計画の在来型のものとは違う、新しい今の環境基本法対応の公害防止計画としては、大変適切な対応ではないかと思います。そのところは幾ら強調していただいてもいいのではないか。つまり、先々こういったようなところについて、しっかり財政的な支援ができるような体制をつくっていくということが必要ですから、当面の公害対策というのは目先の対策、つまりエンド・オブ・パイプみたいなところでの対策だけに突っ込んでもしようがないという状況であることを認識すると、こういうところははっきりもっと強く出していただいてもいいなという気がしました。
 それから福岡市の方は、いろいろ住民に対する普及啓発をしっかりやらなきゃいけないということを書かれているわけですが、佐鳴湖についても同じようなことが出ていまして、それはそれで大変よろしいのではないかと思っておりますが、河川と佐鳴湖の連続性ということについても、このサマリーの方ではどうも何となく分断されているような印象ですが、本体の方は必ずしもそうじゃなくて、ちゃんと両方つなげて考えておられることがよくわかるわけです。
 そこで流域別自治会を通じた説明会の開催ということが書いてあるわけですけれども、これは多分地域特性から見て、それぞれ個々の自治会ということになるんでしょうけれども、佐鳴湖の全体の協議会みたいなものと、こういう流域における自治会の活動というものが、恐らく切って切れないものじゃないかという気がするんですが、その辺は実際、どうなっているんだろうということが少々気になります。
 それからもう一つは、これはちょっとタイミングが非常にまずかった面もあって、公防計画の準備が終わる段階で、浮上してきたものですから、全く入っていないんですが、VOCを取り上げようということで、今国会開催との関係でもVOCの問題が大きく出ています。今国会では大防法改正で、多分それが出てくるだろうと思いますし、その中で、一定規模以上の方については、ある種の規制も考えられるということなっていますが、それ以下のものについては、相当行政指導ベースでやっていかなきゃいけない。私の知る限り、浜松というのは多分VOCの発生源で、規制基準にひっかかるようなものはそんなに多くないんだろうと思うけれども、ひっかかるようなところが結構あるんじゃないかという気がするんです。
 例えば木工業が結構盛んでありますし、いろいろありますから、そうすると、ちょっとこの公害防止対策が在来型のものだけで書かれてしまっているんですけれども、状況は大きく変わってきて、VOCをしっかり考えなきゃいけませんという状況になっていますから、計画そのものを今さら直すわけにはいきませんけれども、運用面では、その点を十分留意をしておかないと、この公防計画の書かれていることだけではうまくいかないんじゃないかという心配があります。この辺については、ぜひ認識をしていただくとともに、環境省とも連絡をとりながら、言ってみれば、全国のモデルになるような行政指導をしっかりやっていただくということが肝要かと思いますので、これはどっちかというと、お願いです。これは浜松地域についてということです。
 それ以外のところについては、ちょっと二、三、気になることがございまして、申し上げたいんですが、静岡と富士地域、田子の浦港の整備によって、自動車交通公害の方にも効いてきますというストーリーになっています。これはしばしばこういうストーリーというのは出てくるんですけれども、本当に定量的にどこまで責任を持ってこれで効いてくるということが言えるのか、何かバックデータでもあるのかしらと。どうも申しわけないんですが、国土交通省の関係者がいらしたら、ぜひ言っておきたいんですけれども、港湾というのは何となく無責任で、港湾を整備するとみんなよくなりますと言うんですが、何も定量的な裏づけがないんです。それで、これらの在来のどこかの港に行っていたやつが、たまたま出ますからという話なんですが、だったら、それでこの程度の負荷が下がるんだという定量的な裏づけがあって、本当にその定量的裏づけを実現するために、企業に対して、きちっとこれができたぞ、やれと言って指導するんだとかいうものがないと、ただ単に港湾を整備します。交通公害がよくなりますという話にはなるまいと思うんです。
 この辺のところは他の場所に当面目に見えて出てこないから、何となく富士地域だけをやり玉に挙げていますけれども、別に静岡県が悪いと言っているんじゃなくて、全体のこういう話のつくり方のときに、どうも何となく願望ベースに書いておいて、それであたかもできるような言い方になってしまう。だから、これはやっぱり、このように書いた以上は、この事業が推進され、供用開始後はどうなるのかということをしっかり見なきゃいけませんので、現状の物流の状態と供用開始後の物流の状態をちゃんとフォローアップするということが、この公防計画の推進体制の中にはっきり入っていて、そこのところでうまく効果が上がっていないなら、次はどういう対策を追加的に投入するんだということを言っておかないと、言い放しになってしまうし、国土交通省のある部局が予算をとるのに大変有利だということにしかならない。それじゃ、しようがないだろうという気がいたします。これらもちょっと気になった点です。
 それから、大牟田地域については内情を知り過ぎていますので、余り言うとまずいのですが、しかしやはりダイオキシン類対策ということで、さらりと書かれておりますけれども、公防計画そのものが、新たに公害が発生することを抑えましょうというのが眼目で、そこからずっとこれまでの計画体系ができていますから、あとは顕在化している公害については、そのクリーンアップのようなものを当然考えなきゃいけませんねということになるわけで、そこで結局、土壌汚染の問題というのは、新たに土壌汚染の原因となるような公害排出行為、すなわち大気汚染、水質汚濁ということについては、公防計画でしっかり押さえるわけです。それから既に土壌汚染で現実に地下水汚染が起こっているというようなことに関しては、これは地下水汚染の問題ということで取り上げること。
 将来、現に汚染されているが顕在化していない土壌汚染の問題、これは被害状態にまで至っていないわけですけれども、現実にある場所が土壌汚染が起こっている可能性が非常に高いとすれば、これははっきり今から目をつけておかないと、いずれどこかで火を噴いて新たな地下水汚染の原因になったりするということが起こるわけです。ですから、何ぼ対策を講じても、次から次へと汚染源がもともとそこにあって、何も手をつけないでほっておいたら、恐らくダイオキシン対策が終わったら、また次に何とか対策をやらなくちゃいけないということになってしまうわけです。
 だから、これは現行制度の限界ということで、やむを得ないとはいえ、ここはちゃんと見ておかないと、この地域はいつまでたっても、卒業できないということになりかねない。だから、本当に根っこから問題がどこにあるかということがわかっている場合には、やっぱりそろそろ大胆に根っこの問題をしっかり追求していかないと、21世紀の終わりになっても何も解決しないというのでは困ると。それは、むしろそこまでちゃんとやれるような公防計画にしていかないと、だめだろうなという情報発信をしていかなきゃいけないと思っています。それぞれの地域の抱えている問題は必ずしも公防計画制度、国全体の制度運用の中では生きてこない。もともと、公対法時代の制度がそのまま今日に残っていますから、手直し、手直しでやってはきているけれども、根本的な問題の大もとのところをどうするんだというところがあるんです。余りはっきりしない。その問題は大牟田地域でかなり深刻に存在すると私は認識しておりますので、それはぜひ考えておかなければいけないのではないかと思います。
 岡山・倉敷については、ちょっと言おうと思ったんですけれども、ほかの人が申し上げるでしょうから、もういい。後にしておきましょう。

○安原委員長 重要なご指摘をどうもありがとうございました。
 それでは、今の浅野委員の発言に対しまして、コメントをいただけるようでしたら、浜松の関係、よろしくお願いします。

○浜松市 浜松市でございます。若干、浜松の佐鳴湖に対する取り組みにつきましてご説明申し上げます。
 佐鳴湖につきましては、佐鳴湖地域協議会という組織を行政と市民と専門家という形で、取り組んでいるところでございまして、特に私どもとしては、地域という、住民との取り組みが重要であるということで、今いろいろ動いているところでございます。
 浜松市域の大体多くて7%ぐらいが佐鳴湖の流域になっております。その中で、佐鳴湖周辺の住民、地域の方が非常に佐鳴湖の汚濁については真剣に取り組むわけですが、流域としてとらえないと、やっぱり浄化が進まないというのが、私どもの考え方でございまして、特に上流部の方につきまして、今、いろいろお願い、ご指摘、啓発等を含めまして、対応をしているということで、先生がご指摘の形で、今対応をしていきたいと思います。特に水量の減というような問題もございます。そういうものをいかに復旧させるのかを考えながら、対応しているということでございます。
 こんなことでよろしいでしょうか。

○安原委員長 どうも。
 それから、大牟田の関係、福岡県の方、ございますでしょうか。

○福岡県 大牟田の関係でございました。大牟田の件については、皆様よくご存じだと思う大牟田川のダイオキシン汚染問題が地域の重要課題となっております。それで、県としても懸案の課題として、平成12年度以来、これに取り組んでいるんですけれども、やっと河川の下のボーリング調査が終わりました。ただ、この汚染問題は河川だけにとどまっていないことが明らかでありまして、将来の土壌汚染にもなりかねないということから、河川沿いの道路であるとか、企業内の敷地であるとか、それも原因企業のみならず、対岸の企業敷地についても補足調査をやったところでございます。
 その補足調査の結果、やはり特定の企業だろうというところがほぼ判明しましたので、これについての事業者負担法に基づく取り組みを今、進めているところでございます。河川のみにかかわらず、将来の土壌汚染にもつながりかねないということで、周辺を含めて、対策を講じていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、富士地域その他の問題につきまして、どうぞ。

○小林課長補佐 先ほど、浅野先生からお話がありました富士地域、田子の浦港の整備についてですけれども、統合が聞いて処してみる、仮においてですけれども、田子の浦港に大型船が接岸できるようなバースの整備を図るということで、このような整備が行われれば、近くに工場が存在するということで、大型船がそこに接岸できれば、隣の地区に接岸した場合に比べて、コンテナを引いたトレーラーが国道を行き来するというようなことはかなり減少するのかなと思われます。それで、騒音とか、あるいは大気汚染等に対しては、効果があるのかなと思ってはおりますけれども、確かに定量的なデータに基づいた分析というものは今後必要かとは思っております。ここも計画の策定に際しましては、先生のご指摘を踏まえて対応していきたいと思っております。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、ほかの方、発言ございますか。どうぞ、福井委員。

○福井委員 浜松について、ちょっとお尋ね申し上げます。
 実は、6ページの下の方の円グラフがありまして、これを見ていますと、生活系とほぼ自然
の土地系というものですが、表面流出というものがほぼ似通っている、特に新川の方は似通っているんですね。この生活系というのは、人的なものだから、ある程度負荷が出てくると思うんですが、この表面流出についての負荷は、ここには余り触れていないように思われるんですが、その辺、どうなのかということと、これだけ見ていますと、いつまでたっても、この環境基準が本当に達成できるのかなという疑問がややあるわけなので、その辺について、ちょっとどういうお考えかをお聞きしたい。
 それから8ページに接触酸化施設というのがあります。これはこの位置を見てみますと、この佐鳴湖の東側にあるように見えるんですが、一体どれぐらいの容量がここで処理できるのか、あるいは入ってくるものに対して、これをやっているのか、その辺もちょっとわかりにくいんですが、それの効果があれば、非常にいいものだと思いますし、これが下水道の施設の一部なのかどうか、だれが管理しているのかどうか、その辺についてもちょっとお尋ねしたいと思います。
 それからもう一点は、この浜名湖の水が逆流しているというふうに書いてありますが、これがその影響を受けて、非常に複雑な挙動というふうに書いてあるんですが、果たして逆流することによって、水質がよくなるのか、あるいはまた悪くなるのか、そういったものと全体の対策がどうなっているのか、その辺、もしお考えがあれば聞かせていただきたいと思います。
 以上でございます。

○安原委員長 それでは、浜松市の担当の方、お願いいたします。

○浜松市 お答えします。
 まず1点目の6ページの土地系と書いた部分のことだと思います。これにつきまして、私どもも一応調査等が13、14というので、主に地下水の影響というものを含めまして、いろいろ調査をさせていただきまして、通常、こういう生活系が多いという中で、なかなか佐鳴湖が浄化されてこないということもございまして、少し地下水はきれいなものかどうかということも含めながら、あと表流水等も含めて見てきたという調査をしましたところ、若干なりとも、今までの視点を変えないといけないだろうなということが出てきてございます。それは土地系で、これは表面流出になっておりますが、そういう部分も含めて、なっているということでございます。
 要は、これがまだ15、16と2カ年で持たれた調査中でありますが、要は農業系の石油も含めた影響も若干あるかなと思っているんですが、まだその原因等が今回わからないところがございます。だから、自然由来なのか、そこらを調査中ということで、今後明らかにすれば、そこらについて、言及ができるような対応ができるかなと考えているんです。まだいまいち、そこの途中だということで、ご理解していただきたい。
 それから2点目の8ページの接触酸化施設ということでございます。これにつきまして、若干説明させていただきますが、これは静岡県がこの佐鳴湖というのは新川という河川があるんですが、そこの一つの河川管理の中の湖と管理上はなっております。それで、管理者であります静岡県が設置しておりまして、処理量が1日1万立法メートルでございます。佐鳴湖の流入量というのを申し上げますと、新川川、段子川、それから御前谷排水路、この3つを合わせまして、1日5万トンが流入する湖でありまして、そのうちの1万トン、今現在、1機設置してありまして、将来的には4機、約4万トンちょっとを処理しようということでございます。
 ただ、先ほどちょっと静岡県からも説明させていただいているんですが、現在のところ、まだリンという共通点がちょっとないということで、除去工事的に若干、今検討しているところでございます。そういうことで、将来的にはそういう4トンを処理するということで、処理法としては、直接湖水、湖の水を吸い上げて処理し、ならすという形で対応しようということで、直接浄化施設を考えています。
 佐鳴湖につきましては、浜名湖とつながっております。浜名湖から、逆流が45万トンぐらいの水の戻りがあるということで、入ってくるのが5万トンで、大体10倍ぐらいが戻るということであります。ということで、佐鳴湖から見ると、CODのみについて言えば、希釈効果が浜名湖からはあり得ますということははっきりしているんですが、湖内生成等を含めた、窒素・リンを考えた場合には、下流域のところで窒素・リンの自然系から入ってくる部分がありますので、その影響はかなりあるということで、そこらを含めると、全体的に希釈なのかどうかというのが、今現在、下流域の調査ということで、これも今、調査中であります。これが来年あたりも出てくる。そこらが大体出てきますと、いろいろメカニズムがわかってくるかなと思っているんですが、まだ今、調査中ということで、詳しいことが言えないという状況でございます。
 以上でよろしいでしょうか。

○安原委員長 よろしいですか。
 じゃ、ほかに。どうぞ、太田委員。

○太田委員 私はちょっと交通の方から、特に2つの地域を見させていただきました。この2つの地域は実は全国的に見ても、公共交通その他で大変がんばっている都市なんです。そういう意味では、そういった施策の効果がこういった大気汚染問題その他にどういうふうにあるのかというところで、非常に気になったことがあったんですが、福岡の方を見ておりますと、天神地区での共同輸配送の問題であるとか、それから都心地域の100円バスとかいうことで、非常に公共交通あるいはトラックの使い方を工夫されているということですが、しかし、大気汚染ということから見ますと、実は特に天神地区など、バスが主要な原因になっているような、そんな表現の図が出てございますね。ということは、1つには、余りはっきり書かれていなかったように思いますが、通常には単体対策としての低公害車に対する支援、それを特に重点的にバスとか、そういったものに対して行うという種類のことが、今、「検討中」というような表現がどこかにあったと思いますが、この辺をもう少し強化するようなことが、今どういうふうにやられようとしているのか。それが1点。
 それからばらばら、いろいろな交通対策が個別にあるけれども、やはり都心部の交通計画、交通対策として、全体のバランスの中で、円滑化だけではなく、こういった環境の保護を考えてほしいと。これは交通側がやっているかと思いますので、何かその辺が浜松なんかを見ますと、都心部交通計画ということで、特別な総合的な対応を考えているようです。福岡の方でそういう企てがあるのか、あるいはないとすれば、ぜひそんなものを入れて、そこに歩行者、自転車の話と交通都市システム、バス駅とのつながりをすれば、確かにものすごくバスがふえてきている感じがしたんですが、もう少し全体的な調整ができるんじゃないかということで、その辺の様子を聞かせていただければと思います。

○安原委員長 どうぞ、福岡市の方から。

○福岡市 どうもご指摘ありがとうございます。
 まず、第1点の低公害車の普及の件でございますけれども、実は低公害車に対しましては、一般的な施策といたしまして、事業者に対する支援ということで、低利の融資制度を持っております。また低公害車の普及を促進するためにということで、平成14年4月1日から2年間、試験的に市内の市営駐車場4カ所と市庁舎の駐車場について、最初の1時間の駐車料金、大体100円から400円なんですけれども、これを無料にするという形での低公害車の普及促進をまずやっております。
 また、もう一点でご指摘いただきました、バス事業者に対する支援制度ということで、これは平成16年度の予算ということで、現在、要求していることでございますけれども、先ほどご指摘のあった100円バス、都心部を走るバスですが、こちらの方を天然ガスバスにということで考えております。実はバスというのは大体1,500万から2,000万しまして、それを天然ガスバスに替えるとなると、さらに高くて1,000万円以上余計にかかります。国の方の支援制度で、半分が国の方、あと自治体が4分の1と、残りの4分の1が今回はバス事業者の方でやっていただくのですけれども、そういった支援がございまして、こちらの方を2台、予算化しております。来年度、この予算が通れば、普及促進ができるのではないかと考えております。
 それからあと、もう一点としましては、市の庁用車も低公害車ということで、こちらの方も実施しておりまして、現在は庁用自動車に対しましては、原則として低公害車、もしくは低排出ガスかつ低燃費車などの環境配慮型自動車ということでの施策を進めているところでございます。
 それからもう一点、お尋ねいただきました、全体のバランスということでの施策でございますが、ご指摘のとおり、都心部だけということで、なかなか難しい面がございます。先ほど、県の方からご説明していただきましたけれども、福岡市の方でも自動車交通公害防止計画推進協議会という、関係行政機関、学識経験者、それから市民・事業者で構成する協議会を設けております。この中に部会というものをつくっております。都心部対策部会という部会、それから低公害車普及部会、広報啓発部会という形で、それぞれ3つの施策をやっておりまして、都心部会におきましては、都心部における大気環境の改善のための大気環境改善プログラムというのをつくりまして、こちらも現在策定中でもうすぐでき上がると思いますけれども、こちらの方でより施策が進んでいくのではないかと考えております。
 以上でございます。

○安原委員長 ありがとうございました。
 コメントをどうぞ。

○浅野委員 太田先生のご質問で、行政としては答えづらいところがあるので、それを私がちょっとちゃんと答えなきゃいけないんです。つまり、福岡はバス事業者が事実上1社独占なんです。殊さらにこのNOxの負荷量が非常に高いということを書きました最大の理由はバスターミナルの位置が非常に悪くて、都心のど真ん中にあって、10人ぐらいしか乗らない、長距離用の大型のでっかいバスが、ものすごい数が走るわけです。ですから、そもそも、郊外のバスターミナルを高速道路の入口ぐらいのところにつくっておけば、都心部の負荷は一遍に下がるんですが、それが全くできていない。これはもろもろの事情があって、どうにもならないということがあるので、そのことは我々は常に問題にしているということです。それが解決すれば、かなり解決するんですが、ちょっと今のところ手の打ちようがない。
 それから、マイカーが問題だと、むしろ国土交通省はおっしゃるわけです。なぜか知らないけれども、僕のところに来られて、先生はバスが悪いとおっしゃるが何だ。マイカーが多過ぎるじゃないかと言って、けんかを売りに来られるんですが、もちろんマイカーが多いので、渋滞原因になる。渋滞するので、バスも排気ガスがふえるということはあるわけです。それで、マイカー対策については、抜本的な対策を考えなきゃいけないのではないか。どういう方法がいいかということを今、いろいろるる検討させております。
 例えば逆に都心部の駐車場にチャージをかけたらどうかという議論もあるわけです。休日にはチャージをかけてしまって、マイカーで来て、駐車場に入れたら、うんと高くつくので、やめようというふうにならないかなとか、それから事業者に対しても、やはり従業員の車での通勤を何とか抑制する方法がないのかとかいったようなソフト面での検討はなかなか難しいと思いますが、アイデア段階では検討中ということでございます。
 何しろ問題は、さっきのバスレーンの話にしても、いろいろ説明があるんだけど、結果的には1社のためにやっているという印象しか与えないものだから、全く市民的な共感を得られないんです。それが福岡市の最大の問題点だということは正直に認識しておりまして、さっきの県の説明ですと、何かいかにもみんなやっているみたいで、こんなにやっているなら、もう計画は要らないじゃないかと言ったら困りますので、実際はできていないということを私は言わなければいけないんです。

○安原委員長 ありがとうございました。小林課長補佐

○小林課長補佐 今の浅野先生からのご説明もありました福岡における交通の状況ですけれども、1社独占のバス会社ということで、そこのバスあるいはターミナルが問題であるということですけれども、ターミナルについても、どうにか整備を多少行っておられるというような状況だとは聞いております。
 それから、独占のバス会社におきましても、新型のバスでの代替促進は検討しているということは聞いております。
 それから先ほど、公的な支援が必要ではないかということでしたけれども、福岡市の方におきましても、商工金融資金制度によりまして、低公害車の導入については、公的融資を行っているとか、あるいはトラックにつきましては、これは社団法人でしょうか、県のトラック協会において、利子補給を行っているというようなことで、このような制度において、新型のバスなりトラックなり、あるいはマイカーの更新が進んでいることを期待しております。

○安原委員長 ありがとうございました。
 ほかに発言。小林委員、その後、村杉委員。

○小林委員 環境省への質問及び要望なんですが、浅野委員がご指摘されました大牟田地域のダイオキシンへの取り組みというのは公害防止計画としては、初めてと言っていいんじゃないかという感じがするんです。そういう情報なり経験なりをほかの公害防止地域に積極的に情報提供をして、関心を持ってもらうというのが非常に大事じゃないかと思いますが、そういうシステムができ上がっているんでしょうか、ダイオキシンに限らず、新しい取り組み事例は積極的に皆さんに伝えていく必要があると思いますが、その辺は今、どうなっていますでしょうか。

○安原委員長 課長、どうぞ。

○谷環境計画課長 ありがとうございます。
 私どもの方で、まだリニューアルしたところなんですが、地域環境行政情報、「知恵の輪」というホームページをリニューアルして、立ち上げたところでございまして、現在、ここにさまざまな地域の環境についての取り組みを載せていっている途中でございます。例えば環境に関する条例をおつくりになっている市町村ですとか、地域環境計画もございますし、いろいろ載せていく予定で、今枠組みをつくりまして、幾つか掲載されておりますけれども、まだまだ発展途上の一歩を始めたところでございまして、ご指摘の問題意識は本当に持っておりまして、始めておりますが、不十分な点がたくさんあろうかと思います。今後ともご意見をお寄せくださいませ。

○安原委員長 よろしいですか。それでは村杉委員。

○村杉委員 大したことじゃないんですけれども、福岡地域の道路構造対策のところで、浅野先生からのご説明で、3ページの「公共交通機関の利用転換促進のためのソフト面での有効な施策を検討」と書いてある、この内容がわかりました。「ソフト面での有効な」と書いてある。何だろうと思っておりました。ただ、ここで、現象内容のですけれども、ソフト面で対策をやった結果、それが有効かどうかがわかるわけで、「有効な」と書いてあるのはいかがなものかなという感じがちょっとしたところでございます。
 そこで、両市にお願いは、ぜひフォローして、効果を評価していただいた上で、これが違法であったかどうかということをぜひ私どもにまた教えていただきたいということをお願いしておきます。
 私は主に啓発活動のことについて注意して伺っていたんですが、浜松地域の対策のところの後ろの11ページなどに啓発活動を書いていただいております。伺っておりますと、この計画をつくる段階で、パブリックコメントをなさって、まとめられたというようなことがご説明としてありまして、こういう方向性、この手法というのが、大変新しいやり方ですし、今後、こういうような方向で、公害防止計画もぜひやっていただきたいと思った次第です。
 ですから、パブリックコメントの計画を受けたことですとか、その後、お話を伺って、湖の協議会もできて、そこでお話し合いが出ていると思われますことですので、心配はしていないんですけれども、従来、例えばビジターセンターのようなものは、よく行政が設置なさいます。箱物をつくるというのは大変好きでして、そういうところに予算をたくさん使われるというのが従来のやり方で、つくった結果、余り使われていなくても、それでよしとするようなことが今までいっぱいありました。言ってみますと、地域のあちらこちらのビジターセンターは本当に人が少なくて、ただ建物が建っているというところも決して少なくないわけです。
 ぜひ、お願いですけれども、こういうビジターセンターも多分パブリックコメントなどで、住民の皆さん、地域の皆さんも必要だとおっしゃられたから、おつくりになるんだろうと理解しておりますが、これをつくった以上は、ぜひその有効利用をしていただきたいということをお願いしたいと思います。
 ですから、ここには関連情報を発信するとしか書いてございませんが、当然そういうことではなくて、もっといろいろな利用の仕方で、幅広い啓発・普及、環境計画の拠点施設等々、使われるだろうと期待しております。よろしくお願いいたします。

○安原委員長 どうぞ、それでは香川委員。

○香川委員 一番最後に発言しようと思ったんですけれども、多分、もう終わりだと思いますので、お願いです。例えば資料の4-2、これは浜松地域の公害防止計画の154ページを見ていただきたいんですけれども、この図は提出されている岡山・倉敷からも、福岡も全部の計画の案の中に同じ図が全部出されているんです。これは先ほどから、浅野委員なんかのお話も含めて、ここの図の問題が、報告書を読んでもきちんと整理されていないんです。これは、欧米でも問題になっておりまして、いわゆるアカウンタビリティーアセスメントという中の一部がここに出されているわけですけれども、計画を策定して、推進して、そして1ないし2年で現況調査をして、問題点、課題の抽出をして、どこに問題があったから、どうまた対策をしていくかという、ですから、ぜひ次回には、ここのところをきちんともっとわかりやすく報告していただけるようにお願いしたいと思います。
 抽象的な記載があるんですけれども、先ほどの浅野委員の説明を聞くと、やっとわかると。ああいうことを例えば福岡市の場合に、なぜ天神町のところがだめかといったら、実態はこういうことがあって、ですから、それが問題点・課題の抽出になるわけです。それに対して、効果的な実施に向けた改善は実際にやろうとしたけれども、現実にはこういう点でできなかった。でも、それの施策の推進に努めていったけれども、中間点検をしたけれども、だめで、それでまたどういう問題点・課題が出てきて、そしてそれに対して、どういう対策を今年度、次年度やっていったかという、この辺、ここにせっかく図があるにもかかわらず、この計画(案)の方を見ますと、例えば説明はないんですけれども、岡山・倉敷とか、富士・大牟田なんていうのは、昭和46年とか48年からずっと、この公害防止計画の策定がなされてきておりながら、報告書の中に全然そこのところが見えていないんです。ちょこっと一、二行書いてあるんですけれども、これだけ延々とやっておりながら、どこに問題があって、なぜ改善されないのかというのがもっとわかりやすく提示していただけたらと思います。

○安原委員長 重要なご指摘をいただきまして、ありがとうございました。
 ほかに。どうぞ、村岡委員。

○村岡委員 土壌汚染のことについてですけれども、初めに浅野委員が非常に重要な発言をされたと感じております。私はここでの土壌汚染の取り扱いについて、制度的な面でちょっと確かめさせていただきたいんですが、初めの段階で資料2で、事務局の方からご説明がありまして、例えばそこの5ページなどを見ますと、ここには土壌汚染という項目はないんです。これは15年度を対象とする地域の中で土壌汚染がないということより、むしろ土壌汚染というものが、この公防計画の中に取り上げられないのかなというふうな気がしているんです。
 つまり、土壌汚染というのは非常に特殊な汚染であるというのはご承知のとおりであって、したがって、難航の末、昨年から動き出した土壌汚染対策法というのも、結果的にはいい法律だと思っておりますけれども、地域の段階で、その調査が十分まだ進んでいないという段階でもあるんですけれども、もともと土壌汚染対策というのは、まずそこに汚染ありきという点から始まりますので、防止する必要がないんです。要するに土壌汚染になるような有害物質が地下に入るということは既に別の法律で抑えられていますから、これから新たに土壌汚染が発生するということは法的にはない。したがって、土壌汚染を防止する必要もないといえばそこまでで、したがって、防止計画というものもない。
 しかし、現実的に先ほど浜松の例でもありましたように、浅野先生もおっしゃったように、地下水汚染というレベルになって初めて、ここに出てくるというのはちょっとおかしな話であって、なぜかというと、地下水汚染というのはそもそも土壌汚染を経由してやってくるものだというのが一般的ですから、そういうことで、今後、この土壌汚染というものをこの制度の中で、どういうふうに考えるべきか、あるいはここではそういう意味で取り上げられていないのか、そういったことをちょっと確かめさせていただきたいと思います。

○安原委員長 それでは今の点、どうぞ谷課長。

○谷環境計画課長 ただいま、委員からご指摘をいただきましたとおり、土壌汚染の現状の問題は既に存在している。新たに発生するという、例えば天神交差点でバスから発生するNOxというものとは若干様相が異なっているかと思います。先年決定されました土壌汚染の法律も、したがいまして、その現に存在する土壌汚染の責任のありかなどを明確化することによって、対策を推進していくという性格のものでございまして、公害を防止する計画という本計画につきましては、新たな土壌汚染が起こらないような防止と申しますか、そこはやはり大気からやってまいりましたり、水からやってまいりましたり、さまざまな形の現状の主用な測定項目のところを国民・住民にわかりやすくご理解いただき、新たな公害を防止するという基本的な考え方で取り組んでいるところでございます。

○村岡委員 そうしますと、私も言いましたように、地下水汚染というものが、新たに起こるというケースの中で土壌汚染が原因する場合もあるわけなんです。そこのところをどう考えるかということになります。

○谷環境計画課長 今、まさにおっしゃるとおりで、5ページにございますのはその最終的な目標でございまして、例えば地下水汚染とか、大気汚染をなくしていくという目標、その手段といたしまして、もしも、例えばバスが原因であれば、バスを何とかする、土壌が原因であれば、土壌を何とかする、この目標を達成するために、さまざまな手段を全力で取り組んでいくわけでございますが、国民の理解、生活排水、さまざまな対策が考えられる中で、決してこれは目標の中に土壌が書いていないからといって、土壌を除いているというものではございません。

○佐竹委員 計画課長さんとしては、そういうお答えをされるよりしようがないかと思うんですが、むしろ自治体が積極的に取り組んでほしいと思うんです。
 というのは、問題になるところは大体土地利用転換が行われたところなんですね。かつて工業地帯、ですから東京で言えば、大体総武線内線、かつての工業地帯が全部今、住宅団地になっていますね。そういうことは、地域のそこでずっと仕事をしておられればわかるわけですから、やや寝た子を起こす嫌いもあるんですけれども、ほっておいたって問題になるわけですから、最近はデベロッパーもそれは非常に神経質になっているわけですから、やはり積極的にあの辺は問題があるんじゃないかというようなところは、公防計画とは関係なく、まさに国から指示を受けなければやらないなんていう時代じゃないと思うんです。まさに地方分権の時代なんですから、今、村岡先生からご指摘のあったようなところというのは、おのずから長くそこら辺で生活すれば、上流地域に何か鉱山があったとか、あるいは下流でかつての工業地帯が住宅団地に変わっているというようなところは、積極的に取り上げて、どういう方法をとるかはいろいろ工夫が必要でしょうけれども、やっていただきたいと思うんです。
 これは厳密に言えば、確かに公防計画の守備範囲からは計画課長さんがおっしゃるように外れるかもしれませんが、趣旨から言えば、当然やられなければならない仕事ですから、そういうことを希望したいと思います。

○安原委員長 ありがとうございました。
 あとはよろしゅうございますか。山下委員。

○山下委員 どの地方自治体でも騒音のことが必ず、土壌と違って、どれにも入っているんです。例えば福岡の天神で騒音をはかって、環境基準をオーバーとか何とか言ったって、それは人がいるから、音というのは迷惑、苦情につながってくる。そして、人間がその地域にどのぐらいいるかという要素を、ど田舎に道路が走っていて、うるさくて環境基準をオーバーしたって、だれも文句を言わないわけだし、環境問題にはならない。
 ただ、きょうの説明の中に航空機騒音もあったし、道路交通騒音、それから鉄道騒音もある。さまざまな騒音が入ってきた。それは苦情が多いのは環境要素として、全部入っているわけです。土壌と違って、騒音については入っている。すると、やはり人間がいるかいないかという要素をどこかに入れつつ、評価をしていく必要があると思うんです。環境がどういう施策をとって、どうなった。しからば……。さっき宇宙人みたいな黄色い女の子とピンクの女の子と立っている自転車、ママチャリじゃない、何だっけ。いたでしょう。あれをやったことによって、何デシ下がって、どういう効果があったのか、そして、何人の住民がしめたと思っているのが数値的に出せるような広報ってないですか、何か。これは質問というか、要求なんです。

○福岡市 参考までになんですけれども、先ほどのチャリエンジェルというのは関連事業の普及という形であります。これは実はノーマイカーデー当日に1回の利用で100円なんですけれども、こちらの方を無料にするんです。そういった場合に対して、何デシベルかは難しいんですけれども、その場合、どのぐらい利用者が増えているかということについてですが、通常の日には143台の利用に対して、当日は157台ということで、1割増という形になっております。こういった施策によって、自転車利用が増えると、結局はマイカー利用が減るという形になります。できるだけ、こういった数字で評価できるような方法をやっていきたいと考えております。

○安原委員長 そうですね。アウトプットが何なのかということをちょっと視野に入れておきたいという気がいたします。

○石上委員 細かいことでちょっと恐縮ですが、浜松の説明の中で、新川と佐鳴湖の関係のご説明がありましたけれども、計画本体の方の35ページにも記載があるんですが、新川の水質は佐鳴湖の影響を直接受けている表現がありますが、佐鳴湖そのものも、上流域では新川、または団子川というものの影響を受けているのではないかと思われるんですね。これはやっぱり河川ですから、上流域の新川、また団子川にしろ、それは佐鳴湖にも影響を与えているというふうに考えられると思うんですが、対策もそういう対策をとっておられるということからすると、新川と佐鳴湖に対する対策って、こうなっているものですから、こういう書き方になるんだと思いますけれども、約1年後ということからすれば、新川の水質が佐鳴湖の影響を受けているだけじゃなくて、やはり上流域の新川からの影響を受けているという、一連の表現をしておいた方が正確ではないかという印象がしました。

○安原委員長 浜松市から。

○浜松市 お答えします。
 佐鳴湖は今、先ほどちょっとお話ししましたように、新川の一部分、河川管理上、新川がありまして、その中のところにちょっと水たまりという形で佐鳴湖があり、また下の下流が新川という形の状況になっております。それで、この資料の5の8ページないし9ページに水質が載っているんですが、上流域、新川とあと団子川、それから全体に排水路と3つの河川があるわけですが、下水道等の普及によりまして、かなりそちらの方が下がっている。ところが、佐鳴湖自身は水量が減ったりしまして、前は滞留時間、23日と言われていたんですが、今は46日、ちょうど倍ぐらいになってきているという、滞留時間がそんな形になってきている。
 そこでの底泥からの溶出、あるいは植物プランクトンの内部生成等によって、CODが上がるというのが今、汚濁のメカニズムとして言われています。それが今度、また下流の新川の方へ行って、志都呂橋というところで見ると、佐鳴湖の影響を受けるということで、佐鳴湖の影響を受けるという表現になっているということで、ちょっとよろしくお願いしたいと思います。

○石上委員 新川にしろ団子川にしろ、流域の下水道普及率がどの程度か、まだ完全ではないんだろうと思うんですね。そういうことからすると、将来的なことも含めて考えれば、また影響が出てくるというおそれがあるのではないかと思っています。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 予定の時間を少々過ぎましたので、このぐらいで審議を終えることにしてよろしゅうございますか。
 それでは、5地域の公害防止計画の案につきまして、了承したいと思いますが、いかがでございましょうか。
(「異議なし」との声あり)

○安原委員長 ありがとうございます。
 それでは本委員会として、了承という扱いにしたいと思います。
 大変貴重な意見をたくさんいただきましたが、これらの意見につきましては、可能な限り、公害防止計画の実施の過程で、配慮していっていただくようにお願いしておきたいと思います。
 それでは今後の予定につきまして、事務局から、先ほどちょっと触れていただきましたが、もう一度お願いいたします。

○谷環境計画課長 冒頭にも申し上げましたが、富士地域等3地域の公害防止計画の同意につきましては、3月18日に開催が予定されております公害対策会議幹事会、浜松地域等2地域の公害防止計画の同意は3月19日に開催が予定されております公害対策会議の議を経まして、環境大臣が同意する予定となっております。
 以上でございます。

○安原委員長 ありがとうございます。
 それでは、これをもちまして、第9回公害防止計画小委員会を閉会とさせていただきます。大変どうもありがとうございました。

午後12時08分 閉会