中央環境審議会総合環境政策部会 公害防止計画小委員会(第6回)議事録

日時

平成14年6月19日(水)14:00~16:10

場所

経済産業省別館1111号会議室

出席委員

安原 正
 
小委員長
飯田 浩史 委員
香川 順 委員
小林 康彦 委員
佐竹 五六 委員
猿田 勝美 委員
遠目塚 昭三 委員
福井 経一 委員
村杉 幸子 委員
山下 充康 委員

議題

  1. (1)鹿島地域等12地域の公害防止計画の策定指示について
  2. (2)公害防止計画の進捗状況について
  3. (3)その他

配付資料

資料1   中央環境審議会 総合政策部会 公害防止計画小委員会 委員名簿
資料2   第5回 公害防止計画小委員会 会議録
資料3   公害防止計画策定の基本方針の概要(案)(平成14年度策定地域)
資料4-1   公害防止計画策定の基本方針(案)(鹿島地域)
資料4-2   公害防止計画策定の基本方針(案)(埼玉地域)
資料4-3   公害防止計画策定の基本方針(案)(千葉地域)
資料4-4   公害防止計画策定の基本方針(案)(東京地域)
資料4-5   公害防止計画策定の基本方針(案)(神奈川地域)
資料4-6   公害防止計画策定の基本方針(案)(京都地域)
資料4-7   公害防止計画策定の基本方針(案)(大阪地域)
資料4-8   公害防止計画策定の基本方針(案)(兵庫地域)
資料4-9   公害防止計画策定の基本方針(案)(奈良地域)
資料4-10   公害防止計画策定の基本方針(案)(和歌山地域)
資料4-11   公害防止計画策定の基本方針(案)(北九州地域)
資料4-12   公害防止計画策定の基本方針(案)(大分地域)
資料5-1   主な環境質の状況(鹿島地域)
資料5-2   主な環境質の状況(埼玉地域)
資料5-3   主な環境質の状況(千葉地域)
資料5-4   主な環境質の状況(東京地域)
資料5-5   主な環境質の状況(神奈川地域)
資料5-6   主な環境質の状況(京都地域)
資料5-7   主な環境質の状況(大阪地域)
資料5-8   主な環境質の状況(兵庫地域)
資料5-9   主な環境質の状況(奈良地域)
資料5-10   主な環境質の状況(和歌山地域)
資料5-11   主な環境質の状況(北九州地域)
資料5-12   主な環境質の状況(大分地域)
資料6-1   公害防止計画の中間点検(仙台湾地域)
資料6-2   公害防止計画の中間点検(富山・高岡地域)
その他 議事次第、環境基本計画

議事内容

午後 2時00分開会

○三橋課長補佐 まだ1名お見えになっておりませんけれども、定刻になりましたので、ただいまから第6回公害防止計画小委員会を開催させていただきたいと思います。
 それでは、安原委員長、議事の進行をよろしくお願いいたします。

○安原委員長 安原でございます。
 本日は、大変お忙しいところご出席をいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、議事に入ります前に、まず炭谷局長からごあいさつをいただきたいと思います。

○炭谷総合環境政策局長 総合環境政策局長の炭谷でございます。
 本日は、お忙しいところこの会議にお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 この委員会は、昨年、公害防止計画制度の運用につきまして見直しをいただきまして、また、精力的にご審議いただき、答申としておまとめいただきました。厚く御礼申し上げます。
 本日ご審議を賜りますのは鹿島地域等の12の地域の公害防止計画の策定指示でございます。鹿島地域を初め、12地域につきましては平成9年度に策定された旧公害防止計画に基づきまして各種の政策が総合的に講じられてきたところでございまして、関係機関のご努力によりまして、また、関係者の皆様方のたゆみないご尽力によりまして、環境の状況は全体としては改善されつつあるところでございます。しかし、なお改善を要する問題も残っておりますので、新たな基本指針をお示ししまして、引き続き公害防止計画の策定を指示しようとするものでございます。
 なお、今回の策定の指示に当たりましては、昨年おまとめいただきました答申を踏まえ、明確化された策定指示要件に基づき地域指定を行うとともに、各地域の課題と具体的な施策及び達成目標を明確化し、各地域の課題に対応した公害防止計画となるよう基本方針をお示ししているところでございます。
 今回の策定指示につきましては、6月28日に開催を予定しております公害対策会議の議を経まして、公害防止計画の策定を指示する運びとなる予定でございます。今後とも先生方の一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、私のごあいさつとさせていただきます。

○安原委員長 局長、どうもありがとうございました。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 まず、資料の確認を事務局からお願いします。

○三橋課長補佐 本日の議事でございますが、お手元の議事次第にございますように、議事は2点ご用意してございます。前半の方で、今年度の、「鹿島地域等12地域の公害防止計画の策定指示について」という議事でございます。第2点目が、後半としまして、「公害防止計画の進捗状況について」ということで、本日は宮城県さんと富山県さんに進捗状況についてご説明をいただくことになっております。
 配布資料でございますが、お手元にあります配布資料一覧にございますように、資料1~資料6までございます。資料1が本小委員会の委員名簿でございます。資料2が、公害防止計画について。資料3が、公害防止計画策定の基本方針の概要(案)について。資料4が、1番~12番まで、各12地域の基本方針案でございます。資料5としまして、各地域の環境質の状況について、参考的に1番~12番まで配布してございます。資料6としまして、仙台湾地域、富山・高岡地域につきまして、県さんの方でご用意いただきました資料を配布してございます。
 以上でございます。
 では、委員長、お願いいたします。

○安原委員長 それでは、もし足りない資料がございましたら事務局までお申し出いただきたいと思います。
 それから、きょうの委員会は午後4時ぐらいに終えたいと思っておりますので、ご協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、まず、議題の1番の「鹿島地域等12地域の公害防止計画の策定指示について」を事務局より説明をお願いいたします。

○鷺坂環境計画課長 それでは、私の方から、資料2、資料3に従いまして、概要についてご説明を申し上げたいと思います。なお、各地域の基本方針(案)につきましては後ほど課長補佐の方から説明を申し上げたいと思います。
 まず資料2をごらんいただきたいと思いますけれども、公害防止計画ということで一応概要をつけておりますが、先生方は基本的にはご存じかと思いますので簡単にご説明したいと思いますが。
 3ページをお開き願いたいと思います。公害防止計画の策定の手順ということでございますけれども、基本的に、各地域に策定を指示する場合に、都道府県知事の意見を聞きまして、そしてこの中央環境審議会の公害防止計画小委員会を経まして、それから、公害対策会議の議を経まして、環境大臣の方から各都道府県知事の方に公害防止計画策定を指示する、こういうくだりになっております。そして、その後、各都道府県におきましては公害防止計画を作成いたしまして、その内容につきましてはまたこの小委員会でもお諮りいたしますけれども、公害対策会議の議を経まして環境大臣の同意ということになるわけでございまして、基本的に公害対策会議の議を経るということでございますので、こういった計画あるいは地域の策定指示につきましても各省庁に協力をしていただくというような仕組みになっているところでございます。
 次の5ページに32地域の公害防止計画の策定の状況ということで、それぞれ5ページ~6ページにかけて、地図がついておりますけれども、今回見直しになりますのは5ページの右上の12地域ということでございまして、13年度まで計画がありましたが、14年度から新しい計画になる地域ということでございます。
 あと、6ページは地図を載せておりまして、7ページが「公害防止対策事業に係る財政上の特例措置」の表でございます。
 8ページ以降、8ページ、9ページ、10ページ、11ページ、12ページとございますけれども、それぞれの地域、鹿島地域以降の環境質の状況を、それぞれ環境基準が達成されているかどうかということで資料をつけているものでございますので、ごらんいただければと思います。
 大変申しわけないのですけれども、綴じ方に齟齬がございまして、20ページが「環境質の状況」の間に入っておりましてまことに申しわけございません。また20ページのところで出てきますけれども。その環境質の状況が19ページまであるということでございます。
 それから、先ほどちょっと間に入っておりました20ページと21ページが今回の12地域のそれぞれの市町村名ということで、大変見づらくて恐縮ですが、20ページ、21ページということで掲げております。
 基本的に旧計画地域のところに太文字で書いてある市町村名があるわけでございますけれども、今回、そういった太文字で書いてあるところが卒業するというようなことになっております。したがいまして、21ページのところをちょっと見ていただきたいのですけれども、旧計画では12地域で 220市区町村でございましたのが、今回策定指示をしようとする市区町村は 209ということになっております。
 あと、22ページ以降に各地域ごとの主要課題を比較してつけております。個別にはここでは説明はしませんけれども、大きく申し上げまして、昨年、公害防止計画の制度の運用の見直しということで、主要課題の考え方といったことにつきましても整理していただきまして、その結果、旧計画では廃棄物・リサイクル対策ということがすべての地域の主要課題に掲げられていたわけでございますけれども、基本的に環境質をもって主要課題にするということで、ただ、廃棄物・リサイクル対策をしないということではないわけで、事業としては当然出てくるわけでございます、それぞれの環境課題に応じて出てくるわけでございますけれども、主要課題としてはここに掲げられていないと、こういうようなことになっております。一応、主要課題を33ページまでつけさせていただいております。
 それでは、引き続きまして、資料3の「公害防止計画策定の基本方針の概要(案)」、冊子になっているかと思いますけれども、そちらをごらんいただきたいと思います。
 先ほどとちょっとダブる点も出てくるわけでございますが、まず1ページ、「公害防止計画の指定地域」ということでございますが、鹿島地域以下12地域のそれぞれの地域が掲げてあります。先ほどの資料にあったものと同じでございます。
 2の「公害防止計画策定地域の環境の概況」、これは後ほどそれぞれの地域についての説明のところであるかと思います。
 3の「公害防止計画策定に当たっての目標」ということでございますけれども、3ページ目になりますが、基本的に平成18年度末を目途に達成されるように努めるものというようなことになっておりまして、5年ということで、この5年につきましてはこれまでもそうであったわけでございますけれども、旧方針等では「達成維持」というような形になっておりましたが、これは「達成」というようなことになっております。それから、3ページの、それぞれの地域ではどういった目標かということで、それぞれの目標に応じた地域名を掲げさせていただいております。
 4ページでございますけれども、「公害防止計画の主要課題」、先ほど細かい資料を見ていただきましたが、それをまとめたものでございます。
 5ページになりますけれども、「公害防止施策等」ということでございますが、まず5ページの一番上の(1)でございますけれども、これも同じように、汚染物質等の項目ごとの目標の達成に努める観点から、地域の課題に対応する具体的な施策及びそれらの施策に関する計画期間内における達成目標を記載するというようなことで、昨年、答申をいただきました形で、地域の課題に対応するような具体的な施策を書いてほしいということ、そして、それらの施策に関する計画期間内における達成目標を記載してほしいということを基本的には書くということにしております。
 (2)で、達成目標の設定に当たっては、可能な限り具体的な数値目標を設定するということにしております。
 (3)は、これは財政上の特別措置の法律の公害防止対策事業の位置づけということで、これも可能な限り事業内容を個別具体的に記載してほしいということを言っております。
 (4)、主要課題につきましては、これは前と同じでございますけれども、それぞれの地域において対策を推進するということにしております。
 (5)につきましても、環境基本計画との整合性ということでございますが、これも前回と同じようなことでございます。
 (6)につきましては、これはまた答申の考え方を踏まえまして、住民を含むすべての主体が意思決定の段階から幅広い参加に努め、これによってそれぞれの立場に応じた適切な役割分担を図るということとしておりますし、また、この公害防止計画に盛り込む施策につきましても、規制等の制度的対応や自主的取り組みを含む幅広い施策といったものを有機的に入れてほしいということを入れております。
 (7)は、前回と同じような形になっております。
 7番の「環境保全上の配慮」につきましても、「二次公害等」ということでございましたが、今回の答申を踏まえまして、「自然環境保全上の支障等」というような形を入れております。
 8につきましては、これは以前から同じような表現ぶりでありました。
 9の「諸計画との関連」につきましても、同じような表現ぶりでしております。
 今回、全く新たに入れておりますのが6ページの10番、「進行管理、分析評価」ということでございまして、今回の「達成目標を記載する」ということとも関係するわけでございますけれども、公害防止対策事業を初めとした各種施策、その達成目標との関連における適切な進行管理を行い、計画の効果的かつ着実な実施が図られるよう努めるものというようなこととしております。なお、計画の終了時点において施策全体の進行、その効果を整理し、計画期間内の施策の達成状況の分析評価を実施するよう努めるものとしておりますし、またそれにつきましては、環境基準の達成状況、施策の実施率、これに伴う負荷削減量の推計等様々な尺度で分析評価を行うよう努める、こういうようなことを今回新たに基本方針で示すというようなこととしております。
 私の方からは以上でございますが、引き続きまして三橋の方から、説明いたします。。

○三橋課長補佐 それでは、資料4と資料5を用いまして各地域の状況を簡単にご説明したいと思います。
 資料4は基本方針の本体でございますが、資料3の方でご説明しましたように、昨年度の中環審でご議論いただきました基本方針の形態、形式につきまして、基本的にその形にのっとって記述がされております。これにつきまして、法律に基づいた手続きとしまして、各都道府県知事の意見照会も終えておりまして、基本的にこの基本方針でよろしいというご了承もいただいております。
 それでは、地域ごとの説明に入りますけれども、今回は12地域ございますので、なるべく簡潔にポイントのみを選んでご説明をしたいと思います。
 まず最初に鹿島地域でございますが、資料4-1と資料5-1になります。鹿島地域の地域でございますが、環境質の状況という資料5の最初のページを見ていただきますと、そこに地域の全体図が載ってございます。ごらんいただけますように、鹿嶋市と神栖町、波崎町の、1市2町でございます。これは前回の地域指定と同じ地域でございます。ご存じのように重要港湾の鹿島港の周辺に鉄鋼・電力・石油・化学工業等の第二次産業が集中しておりまして、また、近年は東関東自動車道の水戸線が開通するという中でかなり物流も盛んに行われるという地域になってございます。
 環境質でございますが、2ページ以降に大気の状況がございまして、SPM、オキシダント、ベンゼンが超過しております。特にSPMにつきましては平成11年、12年は達成しておりましたが、13年度は再度超過をしておりまして、また計画書の方で対策を盛り込んでいただくという予定で考えております。これまで固定発生源対策でございますとか、移動発生源対策とか対策を実施しておりましたが、また今後新たな発電施設の建設の予定もございまして、新規事業の展開にあわせて事前調査等をしっかりしながら対策を実施していくというふうに伺っております。
 さらに水質の状況でございますが、これは資料5の8ページ以降になりますが、河川・湖沼・海域で生活環境項目を超過してございます。特にここは霞ヶ浦に面した地域になっておりまして、実は霞ヶ浦は湖沼水質保全計画の策定がされておりまして、本年3月に第4次の計画の策定がされております。今後ともその湖沼計画とあわせまして公害防止計画としても対策を後押ししていくというふうに考えております。
 さらに自動車騒音等もございまして、鹿島地域としましては主要課題として、鹿島コンビナート周辺における大気汚染、霞ヶ浦の北浦及び常陸利根川の水質汚濁の2点を主要課題としまして基本方針を作成してございます。
 以上、鹿島地域でございました。
 次に、埼玉地域でございます。これは資料4-2と資料5-2でございます。
 資料5-2の1ページ目に先ほどと同じように地域の全体図がございます。ここは全部で36市13町の指定でございます。前回の指定と比べましてちょうど宮代町というところが春日部の上のところにありますが、宮代町は今回の策定指示を要しないということで地域から外れる予定でおります。ご存じのように首都圏の一部として発展が著しく、この地域全体にわたりまして環境質全般に超過が見られております。
 特に大気、2ページ以降になりますが、近年におきましてはSPM、ベンゼン等で若干緩和傾向ではございますが、依然として二酸化窒素も超過しており、オキシダントについても全域で超過しているという状況でございます。
 さらに大気で申しますと、ダイオキシンで2点超過している箇所がございました。以前少し問題になりました、いわゆるくぬぎ山、所沢市周辺の地域でございますけれども、その後、産廃中間処理施設等につきまして県・市の方から違法の処理施設の取締りが抜本的に行われまして、今現在ではダイオキシンの超過はございません。今現在、県内の他の地域、熊谷等でございますけれども、そちらの方でダイオキシンが超過しているという現状でございます。
 それから、20ページ以降、河川の水質になりますけれども、ダイオキシンが何カ所か超過しておりまして、これについても今県の方で大至急原因の調査をしているという段階でございます。
 生活環境項目につきましては、全体としてかなり改善傾向でございますが、まだ若干超過地点が残っているという状況にあります。特に荒川の右支川側といいますか、市野川とか和田吉野川とか、近年割合宅地開発が進んでいるところがやはり新たに環境基準を超過しているということになっております。
 さらに地下水汚染、自動車騒音、新幹線騒音、航空機騒音等で超過しておりまして、全体としまして埼玉地域の主要課題は、自動車交通公害、河川の水質汚濁という2点を挙げまして今回の基本方針を作成してございます。
 以上、埼玉地域でございました。
 次に、同じく関東の千葉地域でございます。これは資料4-3と資料5-3でございます。
 資料5-3の見開きに地域全体の図がございます。全部で22市2町でございます。前回の指定と比べまして、今回は酒々井町、印旛村、本埜村が策定指示が行われない予定になっております。首都圏の一部としてかなり発展して、この地域におきましても環境質全般にわたり超過をしてございます。
 順番に大気から申し上げますと、2ページ以降になりますけれども、全体としては改善傾向でありますが、埼玉と同様に、ダイオキシンで1地点超過が見られております。
 それから、16ページ以降の水質でございますが、依然として16水域でBODを超過しておりまして、ダイオキシンでも3地点超過となっておりますが、BODは依然として改善傾向ではございますけれども、県の北部といいますか、最近の例えばニュータウンの開発周辺地域におきましてまだ若干BODの超過が残っているという傾向になっております。
 それから、千葉地域におきましては湖沼がございまして、印旛沼と手賀沼がございます。これにつきましても霞ヶ浦と同様に、本年3月に第4次の湖沼計画を策定されておりまして、その対策と並行しながら公害防止計画の方でも対策をしていくという形になっております。印旛沼につきましては若干改善傾向にはありますけれども、まだ依然として高いという状況にあります。手賀沼につきましては平成12年に北千葉導水事業が開始されまして、COD、窒素、燐とも大幅に改善しております。ただし、まだ依然として基準は達成していないということになっております。
 さらに、千葉地域の地下水汚染につきましても、主に千葉市よりも西の地域でございますけれども、広範囲に超過が見られまして、また、最近新たに硝酸性窒素の超過も県内で見られております。県としても全域的に対策を強化していく予定であるというふうに聞いております。
 さらに自動車騒音、航空機騒音も依然として超過しているということでございます。
 以上のような課題をもちまして、千葉地域としましては、主要課題として、自動車交通公害、河川の水質汚濁、印旛沼・手賀沼の水質汚濁、東京湾の水質汚濁、地下水汚染、以上の6点をもって策定指示をする予定となっております。
 千葉地域でございました。
 次に、東京地域でございます。これは資料4-4と資料5-4です。
 資料5-4の見開き、1ページに入り切らないのですけれども、1ページ、2ページにわたりまして、23特別区、23市1町でございます。前回の策定指示と比べまして、清瀬市が今回は策定指示をされません。清瀬市というのは埼玉県の県境のところにございますが、清瀬市は今回は策定指示をされません。全国でも人口・産業が集積している地域でございまして、特にこの策定地域は東京都の面積の中でも人口が95%以上集積しているということになっております。東京地域は第三次産業が集積しているというイメージがあるのですが、第二次産業も集積しておりまして、都内の工業数が7万カ所近くということで、全国の11%に当たるそうでございまして、全国で1位ということを聞いております。
 環境質全般につきまして基準超過が見られております。こうした状況に対しまして、諸施策に加えまして、東京都としても対策の強化を進めておりまして、例えば本年1月に都の新しい環境基本計画を全面的に見直ししております。その中でも2010年までにSPMをすべての地点で達成するという目標を掲げまして、戦略プログラムということで、諸規制等も抜本的対策をするというふうに掲げておりまして、今回、公害防止計画の中でもそれと同じように抜本的対策が記述されていくであろうというふうに思われます。
 さらに、東京都は土壌・地下水に対しても近年は非常に対策を進めておりまして、そうした条例も昨年の12月に施行をされております。近年話題になりました、平成13年に大田区で土壌汚染が基準の 570倍というところが見つかったわけですけれども、これにつきましてもダイオキシン対策特別措置法に基づきまして対策計画が策定されております。それに基づきまして、公害防止計画地域の対策事業として今後も土壌汚染対策を実施していくというふうに聞いております。
 さらに、自動車騒音、航空機騒音等、多岐にわたり超過がございまして、東京地域の主要課題としましては、自動車交通公害を初めとする大気汚染及び道路交通騒音、河川の水質汚濁、東京湾の水質汚濁、市街地土壌汚染及び地下水汚染、これらの対策につきまして主要課題としながら基本方針を今回決めております。
 以上、東京地域でございました。
 次に、神奈川地域になります。資料4-5と資料5-5になります。
 同じく資料5-5の見開きに地域全体の絵がありまして、ここは14市2町でございます。これは前回と全く同じ地域で指定でございます。神奈川県の東部から中部にかけての地域でございますけれども、やはり大都市圏の一部として多くの人口が集まっておりまして、横浜、川崎を中心に第二次産業が発達している、また、近年、相模原市等を中心に内陸部につきましても工業団地が多く、ハイテク関連の製造業が多いという地域になっております。
 基準超過も全般にわたりまして超過しておりまして、2ページ以降は大気の状況になりますが、川崎南部地域を含む川崎市、横浜市等で二酸化窒素、SPMとも全国でも値が上位に来るような形の汚染が出ております。これまでも川崎地域におきましては、道路の環境整備事業でございますとか、ロードプライシングとか、いろいろな事業を進めておりまして、今後も対策を強化していくというふうに県の方からは聞いております。
 それから、22ページ以降は水質になりますが、近年、生活排水対策が進展したおかげもありまして、境川とか平塚市の金目川とか5年前に基準を超過したところが今回は基準を達成しております。ただ、鶴見川の上流地域で基準の超過が残っているということになっております。それから、河川の水質のダイオキシンにつきましても、横浜市で1カ所超過が見られておりまして、これも、至急、原因の調査をしているところであります。
 それから、32ページ以降に地下水汚染があったと思いますが、これにつきましては内陸の工業団地の周辺におきまして広範囲に基準超過がありまして、これにつきましても、今、自治体を含めながら調査をしながら対策を行っているという段階でございます。
 さらに、自動車騒音、厚木飛行場関係の航空機騒音等がございまして、神奈川地域としましては主要課題としまして、自動車の交通公害、東京湾の水質汚濁、地下水汚染という3点で基本方針をつくってございます。
 以上が神奈川地域でございました。
 関東圏が終わりまして、次は近畿圏になりますけれども、京都地域でございます。これは資料4-6と資料5-6でございます。
 資料5-6の見開きに全体の地域図がございますが、京都地域につきましては、ちょっと見づらいのですが、京都市、宇治市、向日市、長岡京市、八幡市、大山崎町、久御山町の、5市2町でございます。これは前回の指定と同じ地域でございます。京都市から大阪府境にかけての桂川、宇治川、木津川の3川合流地帯の山城盆地が中心の地域となっておりまして、近年は府内でもIT関連のハイテク産業がかなり集積していると聞いておりまして、また、京都、大阪のベッドタウンとしても開発がかなり進んでいる地域というふうに聞いております。特に地理的な状況もございまして、道路、鉄道等が平野部に集中していると、そういう地域でもございます。
 大気につきましては2ページ以降になりますが、京都市におきまして、二酸化窒素、SPM、ベンゼン等、全般で超過してございます。特にここ二、三年、二酸化窒素が悪化傾向にあるということで、かなりこれは自治体の方でも気にされて対策を検討しているというふうに聞いてございます。京都市以外の市町につきましても、オキシダント、ベンゼンで超過があります。ただし、SPMに関しては5年前は超過しておりましたが、現在は改善して達成しているというふうに聞いております。
 それから、水質でございますが、もともとこの地域は以前は淀川流域の水質改善というのが10年、20年前は大きな課題であったわけですが、かなり対策が進みまして、今回はすべて河川の水質の環境基準は達成してございます。ただし、淀川が流入する大阪湾、すなわち瀬戸内海地域でございますけれども、当然ながら総量規制の対象地域になっておりまして、この京都府においても総量削減計画が策定される予定でございます。先ほどの東京湾も同様でございましたけれども、ちょうど今月の終わりに閉鎖性水域の総量削減計画が策定される見込みとなっておりまして、それらとあわせながら公害防止計画も歩調を合わせてつくっていくという予定で考えてございます。
 それから、自動車騒音等もございまして、この地域の主要課題としましては、自動車交通公害、河川の水質汚濁、これは大阪湾のCOD及び窒素、燐に係ることでございますが、以上2点をもちまして基本方針の案を決めてございます。
 以上、京都地域でございました。
 次に、大阪地域でございます。資料4-7と資料5-7でございます。
 資料5-7の見開きの地図をごらんいただきたいと思います。これは33市5町でございます。この網掛けのところ以外、ほぼ府の全域になりますけれども、一部を除いた全域になりますが、33市5町が策定地域でございます。これも5年前と同じ地域指定でございます。東京と並びましてかなり人口・産業が集積しておりますが、地理的状況としましては、淀川、大和川が流入する平野部と、それから周辺の丘陵地域。特にこの丘陵地域におきまして近年ベッドタウン化が進んでおりまして、かなり人口が集中して都市化が広まっているというふうに聞いてございます。それから、平成6年に関西国際空港が開港されまして、それに伴いまして、新たな物流といいますか、流れができているというふうに聞いてございます。
 大気につきましては2ページ以降でございますが、二酸化窒素、SPM等が全般で超過してございます。特に平野部の内陸部の方でオキシダント濃度がかなり高いというふうに聞いてございます。
 水質につきましては、ダイオキシンが一部で超過してございます。これは大阪市内の寝屋川等のところで見つかっておりまして、これも早急に原因を調査しているというふうに聞いてございます。ただし、河川の水質でございますが、近年、BODに関しましては全般的に改善傾向にあります。特に寝屋川本川につきましては淀川からの浄化用水を導入してございまして、平成9年以降、寝屋川本川につきましては基準を達成しているということでございます。さらに大阪市内の他の中小河川につきましても浚渫等により大幅に改善し、平成12年よりすべて達成というふうに聞いてございます。一部残っている地域は大和川の流域でございますが、大和川の中流域の左支川に石川という川がございまして、そちらの方でまだBODの超過が残っているというふうに聞いてございます。それから、海域の水質につきましても、先ほどの京都と同様に、第5次の総量削減計画を今月の末に策定予定ということで、それと歩調を合わせながらやっていくというふうに伺っております。
 さらに、自動車騒音、新幹線騒音、航空機騒音についても引き続き基準を超過してございます。
 全体としましては、主要課題は、自動車交通公害、河川の水質汚濁、大阪湾の水質汚濁、地下水汚染対策、この4点で今回の基本方針の案を作成してございます。
 以上、大阪地域でございました。
 次に、兵庫地域でございます。資料4-8と資料5-8でございます。
 資料5-8の見開きでございますが、兵庫県の中でも大阪府の境から姫路市にかけての県南部の地域、11市1町でございます。今回は、5年前と比較しまして、一番西の端にあります太子町が策定指示をされないということで予定されております。地域全体で見ますと、東部の臨海部は古くから阪神工業地帯の一部としてありまして、それから、播磨地域、西部でございますが、これは播磨工業地帯としまして鉄鋼・化学関係の工場が集中しているという地域でございます。大阪同様に、道路、鉄道、港湾等が集中しまして、交通公害が著しい地域でございます。特に平成7年に阪神淡路大震災がございまして、大規模な被害に加えまして、その後の廃棄物処理でございますとか、負の遺産とも言うべきような新たな環境の課題もたくさん残っているという、そういう地域でございます。
 大気の関係でございますが、最近の特徴としましては、二酸化窒素、SPM等の大気物質全体で、特に地域の中でも東部の地域で基準の超過が集中してございます。平成12年に尼崎の訴訟の和解がなされまして、国・県・公団等がかなりその後対策を進めております。平成13年より阪神高速のロードプライシングが行われたというふうに聞いておりまして、それから、TDM等の実証実験、それから、ハード面でも道路環境の対策が進められてきております。
 河川の水質でございますが、16ページ以降でございますが、健康項目の超過はございません。BODにつきましても近年急速に改善傾向にあるというふうに聞いてございます。5年前は7水域で超過してございましたが、今回では4水域に減少してございます。この中でも特に東部の尼崎の周辺でございますが、神崎川及び猪名川では平成13年より基準を強化した関係もございましてまた再度超過してございますが、基本として改善傾向にあるということでございます。海域の水質も横ばいでございますが、京都、大阪と同様、兵庫県も総量削減計画を今月末に策定予定でございます。
 それから、自動車騒音、新幹線騒音、ともに広域的に基準超過をしてございます。それから、伊丹の空港の周辺でも航空機騒音が依然として残っているというふうに聞いてございます。
 以上のような状況をもちまして、主要課題としましては、交通公害、河川の水質汚濁、大阪湾及び播磨灘の水質汚濁、地下水汚染、この4点を掲げまして基本方針(案)を作成してございます。
 以上、兵庫地域でございました。
 次に、奈良地域でございます。資料4-9と資料5-9でございます。
 資料5-9の見開きでございますが、今回は5市5町の策定指示の予定をしております。前回は15市町が地域に入ってございましたが、今回はこの黒い線で囲っております5町については策定指示がされないと、特にこの辺は大気が5年前に比べまして改善しているというところで、今回は策定指示が行われません。もともと奈良地域は大和川流域ということで水質汚濁対策が主なテーマで来ていたわけでございますが、やはり現在につきましてもまだ大和川流域全体で基準の超過が見られまして、それが主な課題となっているという地域でございます。さらに、最近は大阪に対しますベッドタウンとしても開発がかなり進んでおりまして、さらに、近年、生駒市、奈良市周辺の関西文化学術研究都市の開発が進んでおりまして、また新たな公害抑制に向けて対策を進めていく必要があるというふうに聞いてございます。
 まず2ページ以降は大気でございますが、オキシダントのみが超過となっております。5年前はSPMも超過しておりましたが、各種対策により今回はSPMは超過してございません。
 6ページ目以降は水質になります。地域内全体のBODの超過でいきますと32%しか達成していないというふうに聞いておりまして、依然として低い状況にございます。下水道の整備もこの5年間で普及率が6割か7割というふうに徐々には進んでおりますが、近年、人口増加が顕著であること、それから、畜産業等の小規模事業等が点在しているというふうに聞いておりまして、なかなかまだ対策が完全には進まないというふうに聞いております。ただし、大和川流域で全体として水質改善対策が特別に行われておりまして、「大和川清流ルネッサンス」と称しまして、大和川の支川の直接浄化事業を20カ所予定しておりまして、現在既に16カ所の事業を共用もしくは施工中というふうに聞いてございます。さらに平成12年より浚渫事業も開始しておりまして、こうした事業を今後とも進展させていくというふうに伺っております。
 さらに、自動車騒音等も要請限度を超過しているところが幾つかございまして、奈良地域としましては、主要課題として、自動車交通公害、河川の水質汚濁という2点をもって今回の基本方針を作成してございます。
 以上、奈良地域でございました。
 次に、近畿圏の最後になりますが、和歌山地域でございます。資料4-10と資料5-10です。
 この地域は和歌山市1市の地域指定で、旧地域と同様に策定指示をする予定でございます。こちらも和歌山の重要港湾の周辺に臨海部を中心に鉄鋼・化学・電力等の基幹産業が集中立地している地域でございまして、さらには、内陸部には古くから化学関係、染色関係、皮革関係の地場産業が発達していると、そういう地域でございます。
 大気につきましては、オキシダントのみが超過でございます。5年前は二酸化窒素が
0.04ppm以上のゾーン内で2局ございましたが、今回はすべてゾーン以下ということで改善されてございます。
 それから、6ページ目以降の河川の水質になりますけれども、河川の水質はダイオキシンが3地点で近年検出されております。今は調査を進めている段階でございますけれども、以前はその検出地点付近に小型の焼却施設が多かったというふうに聞いてございまして、こうした関係で若干超過が見られるというふうに聞いております。今後とも浚渫等を中心に対策等を抜本的にしていく予定であるというふうに県の方からは伺ってございます。さらにBODでございますが、こちらもかなり改善が進んでおります。都市内を流れます和歌川という川がありますが、和歌川を中心としまして、今回、基準を達成している地域が多くなってございます。ただし、下水の普及率が市内でもまだ21%と、ほかの都市に比べてまだ低い状況にございまして、これらを今後進めていきながら、さらに清流ルネッサンス事業としまして事業を進めていくというふうに伺っております。特に和歌川に関しましては平成9年より浚渫を行い、さらに紀ノ川より浄化用水を導入したという効果もありまして、近年、基準を達成したというふうに聞いてございます。今後は、紀ノ川の支川であります土入川でございますとか、和歌川の上流支川に対してまだ基準が超過してございますので、この辺を重点的にやっていくというふうに聞いてございます。
 さらに、騒音、地下水等で基準超過がございまして、和歌山地域の主要課題としましては、自動車交通公害、河川の水質汚濁、この2点を掲げまして基本方針を作成してございます。
 以上、和歌山地域でございました。
 次に、九州の2地域でございます。資料4-11と資料5-11が北九州地域でございます。
 北九州地域につきましては、北九州市1市で、前回同様、策定指示の予定でございます。明治以降、鉄鋼の町としまして基幹産業を中心に発達してまいりましたが、近年、産業構造の転換に伴いまして若干人口は減少傾向であるというふうに聞いてございます。ただし、市の南部といいますか丘陵地帯におきまして、最近、かなり大規模な宅地開発が進んでいるというふうに聞いておりまして、また、こうしたところに対しまして対策をしていく必要があるというふうにも聞いてございます。北九州市は市独自の対策も積極的に展開してございまして、平成7年に、先駆けて市のアジェンダ21を策定したりとか、さらに、平成9年より北九州エコタウンプランが承認されまして、現在、この港湾地域、臨海地域につきまして、北九州エコタウンの建設が鋭意進んでいるという状況にございます。
 2ページ目以降は大気の状況でございますが、二酸化窒素、SPM、オキシダント、ベンゼン等、全般で超過があります。洞海湾周辺でありますとか、小倉地区、門司地区、全体におきまして基準が超過しているという状況にございます。
 それから、12ページ以降の水質におきましては、全般的にこの5年間で改善傾向でございますが、現時点におきましては、周防灘に面した貫川という川がございますが、この川で平成10年より新たに類型指定が行われた関係もございまして、今回新たにBODが超過しているという形になってございます。海域の水質につきましても、響灘、周防灘、洞海湾、全般において対策が進んだおかげもありまして改善傾向にはあるというふうに聞いてございます。ただ、洞海湾の全窒素のみが超過が残っておりまして、これにつきましてもかなり実は改善が進んでいるわけではございますが、今後とも対策を強化していくというふうに聞いてございます。地下水汚染につきましても、何カ所か超過でございます。
 自動車騒音、航空機騒音、新幹線騒音につきましても超過が見られるということでございます。
 北九州地区としましては、主要課題として、自動車交通公害、洞海湾の水質汚濁、この2点を掲げまして基本方針の案を作成してございます。
 最後になりましたが、大分地域でございます。資料4-12と資料5-12でございます。
 こちらも大分市1市でございます。こちらも昭和30年代より新産業都市に指定され、臨海部に鉄鋼業、石油関連産業が集中してございます。現在でも内陸部の方に精密機械工場等も新規立地しておりまして、いまだに基準を超過しているところが多いという地域になってございます。
 2ページ目以降は大気になりますが、実は二酸化窒素につきましては、5年前は超過がございましたが、現在はすべて達成してございます。SPMにつきましては横ばいでございますが、6局で依然超過しているという状況にございます。
 9ページ目以降が河川の水質でございます。こちらにつきましても、対策の進展によりまして、水質につきましては全般的に改善してございます。特に市の中心部を流れます住吉川という川がございますが、5年前は超過してございましたが、現在は達成をしてございます。現在、超過している地点は市の西部の方になりますけれども、祓川という川がございまして、平成12年より新たに類型指定をした関係もございまして、現在、ここが1地点超過しているのみとなってございます。海域につきましても依然超過が見られます。
 それから、15ページに地下水汚染がございますが、こちらも市内数箇所で超過が見られます。原因はさまざまでございますが、この中でも特に大野川という川がございまして、この大野川の少し上流になりますが、松岡地区というのがございまして、こちらは平成11年に汚染が発覚しまして、かなり地元では大きなニュースになったわけでございますけれども、調査によりまして、近くの電気機器関係の工場が発生源とわかりまして、今現在は自治体、その原因者であります工場を含めまして対策を鋭意進めている状況にあるというふうに聞いてございます。
 自動車騒音についても、改善傾向にはございますが、依然超過が見られるということでございます。
 大分地域としましては、主要課題としまして、工業地域における大気汚染、自動車交通公害、河川及び別府湾の水質汚濁、この3点で基本方針の案を作成してございます。
 以上、足早に12地域をご説明しました。今年度は大都市圏の策定指示が集中しているということがございまして、特に、湖沼計画でございますとか、閉鎖性水域の総量削減計画、それから、これから策定される見込みでございますNOx・PM計画等の作業が進められておりまして、それらと並行しながら公害防止計画におきましても、対策の事業でございますとか、目標の設定等で整合を図りながら、全体として後押しをしていくという形で都道府県の方にもお願いしてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。よろしくお願いします。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、今、説明を受けました「鹿島地域等12地域の公害防止計画の策定指示」につきまして、ご質問でもご意見でもございましたらお願いしたいと思います。
 どうぞ、山下委員。

○山下委員 私は単純なことで申しわけないのだけれども。
 今、ずっと横並びで拝聴していたんですよ。大体横並びで拝見してそれだなと思ったのだけれども、この奈良の3ページを見ていただけますか。4-9です。4-9の3ページを見ますと、「自動車交通公害」とありますね。ここを見ますと、「騒音の著しい沿道における騒音の防止」と、ほかは全部大気が入っているんですよ。なぜ奈良だけが騒音だけなのかという。大気は抜けているのかと。奈良というのは特にクリーンな空気ではないですよね、僕は知っているけれども。入っていていいのに、どうしてここは抜けているのか。横並びだったら全部同じ文章でやるべきだと、役所の文章ならね、僕らのリポートだったら構わないのだけれども。あとは全部、自動車公害のところは大気汚染と騒音と2つ並べて書いてあるんですよ。それが1つ。
 もう1つよろしいですか、ついでに。
 これは教えていただいた方がいいのだけれども、ちょっと戻ってしまいますがいいですかね。4-4の東京都。私は、東京生まれの、東京育ちの、東京で死ぬのだと思うのだけれども、困るのは、建設工事がめっちゃ多いということなんですね、地下鉄。ご存じのとおりです。虎ノ門の交差点なんてずっと工事をしていますでしょう、都道何とかというのを。その土木建設工事に対する騒音問題あるいは振動問題というのを視野に入れておかなくていいのかというご質問。東京都特有のものだと。
 もう1つ、ついでに全部いいですかね、簡単な話なのですが。
 資料3に行っていただけますか。あっちこっち飛んで申しわけないのですけれども。これは私の不勉強で伺うのだと思っていただいた方がいいのですが。資料3の4ページにいわゆる表が、大気汚染から、水質汚濁、騒音、地盤沈下と出て、4ページは騒音と地盤沈下の表があって、騒音のところを見ますと、航空機騒音、新幹線騒音とありますね。ここにどうして、ここには「道路交通騒音」とか「自動車騒音」という言葉が入ってはおかしいんですかね。ここには入ってはいけないものなのだろうか。

○三橋課長補佐 自動車交通騒音ですね。

○山下委員 例えばね。いろいろあると思うけれども。例えば、ここで航空機騒音があり、新幹線騒音である鉄道騒音があるのだとしたら、在来線もあるだろうし、自動車もあると思うんですよ。自動車のことがすごく出てきますよね、この後。ここで抜けている意味がわからないな。わかることだけ教えてください。
 以上です。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 事務局、どうぞ。

○三橋課長補佐 まず1点目の奈良地域でございますけれども、横並びにという案も確かにあったと思うのですけれども、基本的にその地域ごとにまず基準を超過するのは何かというところを見ながら、基準超過しているものを基本方針全体で指示しながら、さらにその中で主要課題を決めているということになってございます。奈良地域の場合、実は大気に関しましてはオキシダントのみが超過という状況にございまして、奈良地域以外はすべてがSPMでございますとか二酸化窒素等が超過しているという違いがまずあるかと思います。その中で奈良地域はオキシダントが超過してございますので、大気汚染対策も当然この計画が対象とする事業になってくるわけですけれども、その中でさらに主要なものは何かといったときにそれが入ってこなかったという形で基本方針に示してございます。

○山下委員 やらないわけではないでしょう。

○三橋課長補佐 やることはやります。ただ、主要課題の中には入らなかったということでございます。特に5年前に比べましてSPMが改善されているということもございまして、5年前はSPMが超過していたのですけれども、今回は超過していなくてオキシダントのみが超過しているということです。

○山下委員 大分もそうなんですよ。揚げ足取りみたいでごめんね。資料4-12の3ページ。大体同じようなことが書いてあるから目立つんだよな。

○三橋課長補佐 それも、地域ごとに何を頑張ってやりたいかというところかなと思っておりまして。

○山下委員 大分と奈良は頑張らないわけ?

○三橋課長補佐 公害防止計画として当然しっかり書くのですけれども、全部主要課題にするよりは、やはり頑張る中でも特にどこを頑張るようにというふうに色づけしております。

○山下委員 そういうものなんだろうね。だーっと説明してやっていると、違っているのはなぜかなという気がしてね。わかりやすいやつだけね。

○三橋課長補佐 それで、東京地域というのは確かに建設工事がかなり多いという声が今ありまして、特に今回は、いろいろな事業を行う際に、やはりそういう二次的公害が出ないようにという形でしっかり徹底していくつもりでございます。近年は道路事業の方でも、下水道関係の工事も、1年の中で平均化して行うようにという動きもございまして、徐々にではありますけれども、対策は進んでいるというふうに思っております。

○山下委員 明示していただくか、指導していただくか。しないと東京はもうめちゃめちゃですね。これは皆様ご存じだと思いますけれども、車の渋滞は始まるし、騒音もひどいし、これからまだ地下鉄を掘ると思うんですよ。どうなっちゃうんだろうなという気がしてね。

○三橋課長補佐 全般的にやはりいろいろな面から。

○山下委員 ですから、霞ヶ関からそれをちょっと言っていただくと。先生、笑わないでくださいよ。おまえの勝手だみたいな顔をして。

○三橋課長補佐 もう1点でございますけれども、資料3の4ページ。これは、自動車交通騒音はこの一番上の騒音で全部ひっくるめて実は書いてございます。

○山下委員 そうなんだ。わかった、ごめん。

○安原委員長 それでは、どうぞ、猿田委員。

○猿田委員 先ほどの奈良のオキシダントですが、これでいくと、もっと全国的に、オキシダントをどうしようということになると、これは達成率が一番悪いのはオキシダントなんですね、大気関係ではね。ダイオキシン以上に達成率は悪いわけで。その辺は取りようですけどね。

○三橋課長補佐 ただし、計画書の中ではオキシダント対策もしっかり書いてもらうと、今回は課題対応の方で書いてもらうという整理にはしてございます。

○猿田委員 オキシダントが残されたからということになると、ほかの地域でもオキシダント未達成というのはたくさんありますよね、オキシダントは一番未達成なんだから。だから、何かその辺は奈良ではということが何かないとおかしいのかなという感じがします。今の関連で思いついたのですが。
 よろしいですか、続けて。

○安原委員長 どうぞ。

○猿田委員 ついでにというか、今、資料3の話になったので。ここの今の騒音の環境基準のところはこれでわかりました。
 5ページのところで(1)~(7)までございますよね、公害防止施策ということで5ページに書いてある。ちょっと教えていただきたいのだけれども、例えば(2)のところで「関連諸計画との整合を図りながら、可能な限り具体的な数値目標を設定する」、これは地方自治体における諸計画もあるでしょうし、国が定めた諸計画もありますよね、それと、法定計画も幾つもありますよね、その辺との整合をどうするのかということ。これは前にもちょっとお話をしたことがあるのだけれども、例えば、これですと5年計画ですよね。例えばNOx・PM法が今度改正されて出てきて、あるいは、おおむね10年を1つの目標にして、あの中ではおおむね達成となっているので9割以上達成しましょうと、局地汚染対策は別にやりましょうということになっているのだけれども。ですから、その辺は可能な限り具体的なものを、たまたま今回は自動車NOx・PM法の対象、特定地域を抱える対象地域がみんな入っていますよね、首都圏も兵庫も、大阪などが入ってきておる、その辺をどのようにしていくのか。その辺が今後1つの課題になると思うのですが。5年間で達成ということはまず無理だろうから10年ということになると思いますが、中間目標が設定し終わって、平成17年中間目標においてやろうということにPM法はなっていますけれども、その辺とちょうどうまく合うので、そういう中間目標とうまく整合させるようにするのかどうか、その辺をご指導いただきたいと思うのが1つ。
 それから、(6)のところで、「住民を含むすべての主体が意思決定の段階から幅広い参加に努め、これによって……」とありますよね。これは、この該当する地方自治体の首長がパブリックコメントで求めてやっていくのか、今までは公防計画についてはやっていませんよね、少なくともやっていないので、今回はそれをやるのか、国が計画を同意する段階でやるのか。これは地方がそれぞれやるという前提ですね。それについて考えなければおかしいと思うので伺っているのですが、それでいいんですね。そうすると、ただ、地方は今まで経験がないわけで、公防計画についてこれをやるとなるとどうなるのかなと。その辺はどうなんですか。

○鷺坂環境計画課長 確かに公害防止計画では今まで余りそういった議論がされていなかったということはありますけれども、いろいろ聞いてみますと、地方の環境基本計画をつくるような場合は概ねいろいろな形で、例えば審議会で住民代表の方から意見を聞くとか、あるいは、審議会に住民代表の方を入れるとか、あるいは、市町村がパブリックコメントのような形で幅広くその案を示して住民の方から意見を聞くとか、そういったような経験はかなり積まれてきているのではないかと思いますし。したがって、公害防止計画は都道府県が策定するということになるわけですけれども、何らかの形で意思決定の段階から住民の意見を反映させるようにというような形では、やり方はこういうやり方をしろということはなかなか言えないのですけれども、指導していきたいと思います。
 それから、先ほどの目標のところも、昨年の運用の見直しの答申のときに随分ご議論をいただいていた形でございまして、結局、達成目標はどういう達成目標かということで、環境基準なのか、あるいは、事業の施策の実施目標なのかとか、そういったことも含めてそこは計画の中で、例えばどこまで事業をやっていくかとか、そういうのも1つの例ということはあるのかなということでこういった表現にしております。

○猿田委員 続けてよろしいですか。
 そうすると、パブコメなどを求めるとなると、策定期間というか、地方もそれなりの時間が必要になってきますよね。その辺は十分ご配慮をいただいてご指導いただきたいと思います。

○鷺坂環境計画課長 実は、この策定指示の公害対策会議を6月中にやるというのも、例年はもう少し遅かったのですけれども、前倒しをしてやる予定にしておりまして、そういった意味では地方においての時間を取りたいなというふうに考えております。

○猿田委員 そうすると、先ほどの(2)のところなどが6ページの8の部分とも、当然これも同じようなことになるわけですね。広域的な調整というのは、これは水質問題、特に閉鎖性水域である東京湾なんか、大阪湾もそうだし、大気、交通公害、河川の水質問題で広域的な調整というのが出ていますよね。鹿島は数行で終わっているけれども、これが東京、埼玉、神奈川、千葉となるともう少し丁寧に書いてあるわけですね。その辺はただ意識的にそういう広域的な調整を行うというか。NOx法とかああいう問題もあるし。

○三橋課長補佐 そうですね。これは、その当時、同じ年度にそろえてやりましょうということだったので、当初から意識していたことです。

○猿田委員 それが1つの目的であったわけですね。一緒にしたことの目的にこれが合うわけで、こういうふうに「広域的な対応」というのをお入れになったということはいいことかなと思って拝見しておりますが。その辺は、例えば鹿島地区と神奈川、東京、埼玉とはちょっと違う内容になっているということですね。関西地区もそのように書いてあるようにさっき拝見しましたけれども、この辺は十分またご指導をいただきたいと。広域的な対応、特に、くどいようですけれども、自動車問題など、東京、埼玉、千葉、神奈川はそれこそ条例でまた法律とは別に何かやろうというような状況にあるわけで、神奈川県も県会議員が提出しているような状況ですから、その辺は十分またご指導をいただきたいと思います。

○安原委員長 どうぞ。

○佐竹委員 東京都だけ土壌汚染が取り上げられていますね。土壌汚染についてはほかの大気あるいは水と違って、環境基準は決めたけれどもモニターはやっていませんでしたよね。それがたまたまここに東京都だけ挙がってきたのはどういう理由なのでしょうか。

○三橋課長補佐 事前に東京都さんの方と、都道府県知事の意見照会もありますので、かなり綿密に打ち合わせをしてまいりまして、都としてはやはりぜひこれをやりたいという大きな強い意見がございました。それはやはり尊重したいということで今回は載せさせていただいております。

○佐竹委員 1つは、例の土壌汚染対策法ですか、あれはまさに知事さんに権限を全部下ろしているわけですよね。特に国が指示するということの意味が一体どこにあるんだろうということですね。もし制度を離れて考えると、確かに東京とか大阪というように土地利用転換が非常に著しいところは、まさに本来は指示されるべきものなのかもしれないんですよ。ただ、しかし、土壌汚染対策法の仕組みがああいう形で、知事さんに全部権限が下りていて、知事さんのご判断で必要なところはやると、確かにおそれがあってもやるようになっていますから、それなりに制度としては整合していると思うのですが、国が指示をするというと何で東京都だけ、もし同じような問題を抱えていそうなところは……。例えば大阪だって兵庫だって土地利用転換が著しく進んでいるところがあると思うんですよね。ですから、ちょっとそこのところはどうかなという感じがしないでもないのですけれども。

○三橋課長補佐 基本方針は国が示すのですけれども、かなり特殊なのが、やはり都道府県知事の意見を聞いて策定指示をするというステップが法律に書かれていると。かなり意向は尊重しながらつくっているというところが違うかなと思っていまして。その中でこの部分については東京都さんの意向を反映しながら、国として、わかりました、お願いしますという整理かなというふうに思っておりますが。

○佐竹委員 それならばいいかと思いますし、当然、原局の方ともご相談の上でやられたので別に特に問題があるというわけではないのですが、ちょっと国が指示する意味が、特に非常に問題があって東京都だけ指示するのかなというような感じがしないでもないので。

○三橋課長補佐 主要課題を何にするかというのは、ほかの項目についても、これは勝手に国が主要課題とするのかというところは議論がございまして、やはりこの辺は特に地方と調整しながらやっているというふうになっております。

○佐竹委員 もう1つ関連して言うと、43号線云々については若干文章で触れてあったようですが、多少ああいう問題を抱えていても、特に裁判で負けてしまったようなところ、そういうところは指示する文章にアクセントがあってもいいような感じがしないでもないですね。もっとも、やると今度は県の方から国レベルが問題なのではないですかと、国道とかその他そういう県ではなかなかやり切れない問題がたくさんあるので、そっちの方をしっかりやってくださいと言って反撃されてしまうこともあるから余りアクセントをつけないというのも、これは感想ですから、別にそうしてくださいとは申し上げませんけれども、これは例の勉強会でも大分申し上げたところですから、そんな感じがします。

○安原委員長 どうぞ、小林委員。

○小林委員 今の土壌汚染ですが、新しい法律ができて、この期間中に顕在化する、あるいは社会問題化する地域が出るというのは、十分に予想できる事態ではないかと思うんです。ほかのものに比べると新しい要素になる部分がありますので。それに対しては、この期間中に問題になる地域があったときはどんな対応になるのでしょうか。

○三橋課長補佐 基本的に、土壌汚染に限らず、その期間内に新たに基準がつくられたとか、新たにというか基準を超過した場合というのもその対策としてやるようにいう整理で一応基本方針の中に、例えば鹿島地域の3ページの一番上になりますけれども記述をしてございまして、一応その期間内においてもカバーするという整理になってございます。ただ、今後もいろいろな基準超過の、新たな導入もございますので、どういうふうに運用していくかというところも並行しながら検討していきたいと思っております。

○安原委員長 ほかにご意見がございましたら。
 どうぞ、村杉委員。

○村杉委員 水質汚濁はどこでも同じなのですが、例えば奈良が、資料5-9の6ページの表では、たまたまここの「達成期間」のイ、ロ、ハという区別の「ハ」が抜けているんですね、注釈の部分。

○三橋課長補佐 5-9の8ページでしょうか。

○村杉委員 5-9の6ページですね。たまたま抜けて、ほかは全部入っているからそれと同じと理解しておりますけれども、その達成期間というのは、その注釈を拝見すると、イは、指定時点において直ちに環境基準を達成という意味だと思うのですけれども、この「指定時点」というのは、例えば今回の場合は平成14年に指定するということですか。

○三橋課長補佐 これは類型指定の指定時点になっておりまして、確かにこれは……。

○村杉委員 右の方の指定年月日を考えるということですか。

○三橋課長補佐 そうです。

○村杉委員 そうしますと、指定が、例えば大和川中流という一番上の場合には45年に指定していますよね、それでずっとBODならBODという数値が環境基準を達成していないと理解していいわけですよね。

○三橋課長補佐 そうです。

○村杉委員 そうした場合に、例えばハはできるだけ早い時点で、5年を超える期間だからハはしようがないにしても、例えばイという記号は、例えば昭和57年に指定して、指定した時点において直ちに達成という、ここの関係がよくわからないのですが。

○三橋課長補佐 これは環境基準のいわばつくったときの整理でございますけれども、このときに抜本的にイについては早急にやるという形で基準が決められるという中の決定になっております。確かにそれが現実として進んでいないという現実の中で、さらにいろいろなところが後押ししながら対策を進めていくという。

○村杉委員 そういうふうになると、このイ、ロ、ハというのに何の意味があるんだろうということを思うわけですね。10年も20年も達成しないのにイ、ロ、ハという、5年ということを区切ってそれ以内になんていうふうな、例えばロなんていう書き方というのは何の意味もないように思うのですが。ずっとこのやり方でやってきているのかもしれないのですけれども、何かやはりもうちょっと現実的な書き方というのがないものだろうかと。とても理解に苦しむ書き方だなと思っておりました。
 それから、ついでに同じ水質汚濁で、こちらの資料5-8の兵庫で海域を見ますと、ニという表記があるのですが、ニについても注釈には書いていないので。
 資料5-8の兵庫地域の17ページ、これは10年を超えることなのですが、これは私にはわかりません。

○三橋課長補佐 済みません、この書きぶりでいきますと恐らく設定がないのではないかと思われるので。ちょっと確認しますので。

○安原委員長 ほかにはよろしいですか。
 どうぞ、佐竹委員。

○佐竹委員 もう一回蒸し返しになって恐縮なのですけれども、これは制度の本質論に絡んでしまうので、意見として聞き流していただければ結構なのですが。
 都道府県知事の意見を聞いてというのは、たとえ国が指示する制度であっても、その自治体の責任で知事の意見を聞かないというのはおかしいから、それで意見を聞いてというのが入ったと思うんですよ。自治体がやりたいからそれを入れるというのは、地方分権が進んでいる世の中で何で国に指示してもらうのかと。現実問題として指示してもらうと、例えばその自治体の内部で財政課か何かに持っていって予算を取るのに都合がいいと、こういう配慮があれば別なのですけれども、しかし、本来、これはまた根本論になってしまうのですが、なぜ指示かということにやはりちょっと違和感がありますね。自治体が独自で当然やるべきことであって、何で国に指示してもらうんだろうという非常に素朴な疑問が起きてきても不思議はないと思うので。問題の本質論に入ってしまいますし、別にお答えは要らないのですけれども、そういう感じがいたしますね。

○安原委員長 何かございますか。

○鷺坂環境計画課長 ただ、東京都の場合はダイオキシン問題でいろいろ問題があるということと、それから、東京都自体が条例等を持っていまして、今回は国の方で土壌汚染法ということでつくったわけですけれども、それが都道府県でかなり論議になっていると。そうすると、例えば公害防止計画は基本的には知事がつくるわけですから、この前の運用の改善にもありましたように、ただ単に財特法の事業だけではなくて、いろいろな手法も各地域の独自性を持ってやれるというようなことが一方でありまして、そのときに、主要課題を国が示すときに、そういった大きな問題もあるということも含めて、総合的に判断して、主要課題ということで国の基本方針に入れていると、このような感じでございます。

○佐竹委員 例えば経済産業省が、過去に化学工場でこういう物質をつくっていたころはダイオキシンが発生しやすいと、必ず発生しているはずだと、そういう情報を国の方で持って、そして、各都道府県に対して公防計画策定に当たってそういう点はチェックしてくれと、こういうことを指示するならわかるんですね。例えば、これはちょっと廃棄物処理法の関係から問題があるかと思うのですが、昔は産廃の処理はかなり、ルーズと言っては悪いのですが、今に比べればかなり甘かったですから、我々がたまたま耳にした話としては、宅地造成をしてあげるよと言って産廃処理をしてもらった、そういうことがかなり進んでいた可能性があると、そういうことを都道府県に国から指示すると、こういうのはわかるんですよ。ですから、土壌汚染というのは非常にいろいろ問題を抱えているんだろうと思うんですね。
 確かに非常に土地利用転換が進んだところ、我々は非常に痛感するのですけれども、例えば秋葉原から平井あたりまでは昔は全部工業地帯だったわけですから、そこに全部公園ができて住宅団地が建ってしまったわけですね。同じようなことが大田区でもあります。恐らくこれは大阪でも兵庫でもそういう土地利用の転換が進んでいると思うんですね。それが今度の土壌汚染対策法で全部カバーできるかどうかというのは所管課で十分詰めておられると思いますけれども、1つの例として言えば、そういう意味で土壌汚染を公防計画で取り上げるというのなら話は十分わかるのですけれども、指示の問題として土壌汚染を取り上げるとすれば、もう少しいろいろな角度から研究を、今度のはこれで結構ですけれども、研究していただきたいという感じがいたしますね。

○鷺坂環境計画課長 土壌汚染の場合は非常に特殊な部分があって、基本的に総合的な対策をしなければいけないというのは曝露の問題で、恐らく1つの工場の中でそこの地下が汚染されている間は地方自治体としての何らかの対策は要らない部分で、それは何か漏れ出したら大変なことですけれども。そういったことも踏まえて、そこの地域で大きな課題になるかどうかという判断はそれぞれの地域と議論しながらやっていく必要があるのかなという考えもちょっとあるわけでございます。

○佐竹委員 初めてではないですか、土壌汚染が取り上げられるのは。

○鷺坂環境計画課長 主要課題では初めてです。個別にはありますけれども。

○安原委員長 ちょっと教えてください。大気汚染の項目で環境基準が未達成の項目というのは、ほとんどの計画地域で問題になっているのは光化学オキシダントとベンゼンですよね。ほとんどの地域で未達成ですね。これは以前からずっとそういう状態が続いているわけですね。有効な対策はないのか、対策がなくて不十分な対応をしているのか、それから、どういう基準になっているのか、どこに原因があるんですかね。いつも未達成だから大気汚染ではこれをやりますということを計画書に記述しているけど、余り改善しない。それがもう何十年と続いているわけでしょう。ほかの項目は、難しいけれども、改善しているところもあるんですよね。これはどうしてなんですか。

○三橋課長補佐 ベンゼンに関しましては排出規制の効果もありまして全般的には改善している傾向にありますけれども、ただ、この地域の中ではちょっと残っているという状況です。オキシダントに関しましては、これはなかなか分析が難しいところでございますけれども、かなり例えば日数がふえているという状況で全国的に上がっている状況でございます。やはりオキシダントはいろいろな関連する原因がかなり多いので、全般的に検討しながらやっていくという形でしか今のところはなかなか言えないところがございます。

○安原委員長 決め手になる対策がない、確立されていないということですね。

○三橋課長補佐 そうですね。いろいろな要因を一つ一つつぶしていくということしか。

○安原委員長 複合的な問題なんですね。

○三橋課長補佐 複合的な問題です。あと、気候的な問題もあると思いますけれども。

○鷺坂環境計画課長 今回のは12地域が公防地域の中でも特に公防らしいといいますか、大都市地域が当たっておるという関係もちょっとあるかもしれません。ただ、オキシダントも全国的に悪いという状況があります。

○三橋課長補佐 全国的な対策が。

○鷺坂環境計画課長 全国的な対策が要るのかなと。その辺はまだこれからです。

○安原委員長 それから、奈良と大阪にまたがる大和川というのは非常に水質が悪いということで有名ですね。それも対応として、さっき直接浄化対策をとるという話がありましたね。それは具体的にはどういうことをやるんですか。

○三橋課長補佐 大和川は、盆地の中にいろいろな支川があるのですけれども、その支川の一本一本が非常に汚いということで、下水の整備もやるのですけれども、その支川が大和川に、本川に流入する出口のところを直接浄化しまして、本川に汚い水が入らないようにしましょうということで、20カ所予定している中で16カ所がもう既に共用してるか、施工しているというふうに聞いております。これはかなり効果があるということでございます。

○安原委員長 それは、河川については今度が初めての対策ですか。ほかの、印旛沼とか、ああいうところではやっていますよね。

○三橋課長補佐 やっています。

○安原委員長 それを流入する箇所にね。

○三橋課長補佐 そうですね。多摩川でもありますし。

○安原委員長 川の場合は今まではなかったんですか。河川の場合、あったんですか。

○三橋課長補佐 ありました。そういう支川の出口のところで浄化する、直接浄化と呼んでいますけれども、それが結構、近年、ここ10年ぐらいで割合やられているという形になります。

○安原委員長 相当設備投資はかかるでしょう、資金は。

○三橋課長補佐 そうですね、河川事業の方でやっておりますけれども。

○佐竹委員 余りかけないで、礫間浄化したり。

○安原委員長 あとは特にございませんか。
 それでは、議題1につきましての質疑はその程度にいたしたいと思います。
 特にご意見がなければ、ただいま説明を受けました「鹿島地域等12地域の公害防止計画の策定指示」につきまして了承したいと思いますが、いかがでございましょうか。
              「(異議なし)の声あり」

○安原委員長 それでは、本案につきまして了承することにいたします。
 次に、議事の2番目でございますが、「公害防止計画の進捗状況について」を事務局よりご説明を受けたいと思います。よろしくお願いします。

○鷺坂環境計画課長 先ほどもご説明を申し上げましたけれども、今回の基本方針の中で、新たに公害防止計画の進行管理と分析評価という項目を書きまして、各地域に示すことにしております。この基本方針に基づいて公害防止計画が運用されるのはこの14年度の計画地域からということではありますけれども、委員の皆様方に参考というようなことで、平成12年度に計画策定を行って、今年度がちょうど中間年に当たります仙台湾地域と富山・高岡地域につきまして、現在の進捗状況等について、基本方針の方で特にそのときに示しているということではありませんけれども、何かのご参考までにということで宮城県さんと富山県さんにご足労願いましてご説明をしていただくことになっております。そういった趣旨で今回計画した次第でございます。

○安原委員長 それでは、宮城県環境政策課の佐藤課長にお越しいただいております。
 きょうはどうもありがとうございます。
 それでは、最初に仙台湾地域についてご説明をよろしくお願いします。

○佐藤宮城県環境政策課長 宮城県環境政策課の課長の佐藤でございます。貴重な時間をいただきまして若干ご報告をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 宮城県におきましては仙台湾地域公害防止計画ということで策定させていただきまして、国の方からもご支援をちょうだいいたしておるところでございますが、現在、大分改定を重ねておりまして、第6期目に入っておるところでございます。ご案内のように、仙台湾につきましては、東北の中枢都市、仙台市と、若干東の方になりますが、県内第2位の都市の石巻市にかけましての沿岸部でございまして、その地域に産業の集積がございまして、過去には、やはり40年代に入りまして公害問題が各分野におきまして発生いたしまして、昭和49年に公害防止計画を策定という運びになったところでございます。したがいまして、現在、6期目、28年が経過いたしておるところでございます。
 地域の概要でございますけれども、当初におきましては、13市町を指定いたしておりましたが、その後、改善地域など一部卒業地域が出てまいりまして、現在のところは8市町が計画区域となってございます。人口は仙台市等々に集積がございまして、従来の 102万から現在は 135万人に増加いたしておりまして、県の人口が 235万人ほどでございますので、この地域におきまして57.7%になっておるという状況でございます。地域には、平成13年に特定重要港湾に昇格いたしました仙台塩釜港、それから、若干東の方になりますが石巻港がございまして、塩釜・石巻につきましては大きな漁港もあり、水産加工業も含めまして産業の集積があるという地域でございます。
 仙台湾地域の主要課題は大分変遷してまいりましたが、従来は工場排水等々、水質汚濁の問題、それから、都市化によりましての大気汚染でありますとか、大手のパルプ工場の2社がございますのでその悪臭の問題とか、それから、空港、自衛隊の松島基地等もございまして騒音問題等も大変深刻な状況でございました。現在におきましては、かなり発生源対策につきましては浸透してございまして、現在、あえて課題ということで整理し直してみますと、都市化の進展に伴います交通公害の問題、あるいは、市街地の拡大によります都市内の中小河川の汚濁の問題、それから、廃棄物の処理問題、この辺は都市化の進展に伴う問題でございます、それから、なかなか大変なのが、閉鎖性水域であります松島湾でございます。海域の水質改善が進展しておらないということでございまして、そういうふうに大分課題も変わりつつあると認識いたしておるところでございます。このほか、地域の特徴としましては、一時スパイクタイヤが仙台等で問題になりまして、県の方で対策要綱をつくったり、条例化したり、その後、全国的な問題に発展しまして、現在は規制されるようになりまして、スパイクタイヤによる粉塵問題は改善されたというユニークな取組状況もございます。
 かいつまんで改善事例につきましてご報告をさせていただきますと、河川の水質汚濁関係につきましては、BODに関しましては、平成12年度には全水域におきまして環境基準を達成したというところでございまして、大幅な改善が見られました。そのほかに、大気汚染の代名詞で従来ございました二酸化硫黄関係でございますが、こちらの方もおかげさまで58年までに大幅な減少傾向がございまして、その後、横ばい状況ということで、平成2年度以降につきましては全測定局で環境基準を達成した状況でございます。そのほか、地盤沈下、50年代におきましては年に4センチ~10センチの沈下地域がございましたが、現在におきましては最大年1センチ程度まで沈静化しておりまして、苦情等もほとんどなくなったという状況でございます。この中で特に改善が進んだ例としまして、都市河川の水質改善がございます。新町川の改善の事例でございますが、これは塩釜市の都市内中小河川でございますが、下水道整備が進み、当該地区につきましてはおかげさまで87%の普及になったということで、水質の大幅な改善が見られ、現在、環境基準を下回ったという状況でございます。
 引き続き、改善を要するであろう事項ということで、あえて、細かく挙げれば、大気関係を代表しましては、先ほどもご議論があったようでございますが、光化学オキシダント対策がやはり今後の大きな課題になるのではないかというふうに認識いたしておるところでございますが、平成12年度におきましてもやはり注意報レベルの0.12ppmを超過した地点が3カ所ほど生じたということで、引き続き対策が、自動車対策も含めまして必要ではないかというふうに考えておるところでございます。
 第2点目につきましては、湖沼、海域の水質改善ということでございますが、河川につきましてはほとんど環境基準達成ということになろうかと思いますが、やはり海域、特に閉鎖性の海域につきましてはCODとか全窒素、全燐が依然として環境基準を超過しておるという状況にございまして、引き続き抜本的な、下水道整備なりを含めまして、総合的な対策がさらに必要ではないかというふうに認識いたしておるところでございます。その中で本県の取り組みといたしまして、松島湾は、ちょうど当該地域の中央部に位置する閉鎖性水域でございまして、 230ほどの島があり、日本三景の松島ということになるわけでございますが、平均水深が 3.5メートルということで極めて浅いということと、旅館、ホテル等も大分建っておりますし、先ほども触れましたけれども、水産加工も盛んであるということで、特に湾奥部につきましてはヘドロのような状態になりまして、船が走るたびにスクリューでそれを巻き上げるものですから汚濁の方もなかなか改善されないということで、県といたしましては、土木サイド、水産サイド、農業サイド、環境サイドで横断的なプロジェクトを立ち上げまして、松島湾のリフレッシュ事業ということで取り組んできたところでございます。
 時間が迫っておるようですので、このようにパワーポイントの縮刷の方に若干載っておりますが、後ほどごらんいただきたいと思いますが。目標に対して横断的な取り組みをいたしておりますが、COD、全窒素、全燐ということで、積極的に現在は下水道事業を含めまして県を挙げて取り組んでおるところでございますが、発生源対策やそのほかに浚渫を行いましたり、きれいな砂をまいたりとか、対策を行った結果、、長浜地域におきましては、潮干狩りに適したようなといいますか、かなり改善も見られまして、アサリの養殖場になっておるところも出てきているということでございます。COD等につきましては、なかなか改善とまでは至っておらず横ばいの状況が正直なところでございますが、透明度あるいは底生生物等につきましては一部改善が見られます。
 松島湾につきましては県を挙げて横断的な事業として取り組み1,000億ほどの事業費を一応計上しておりますが、ご案内のように財政難ということもございまして、ソフト事業も含めて効果的な事業を組んでいかなければならないなと認識いたしておるところでございます。
 最後になりましたが、仙台湾地域全体といたしましては、先ほども触れたわけでございますが、1つには自動車交通公害対策。中身を申し上げますと、例えばの話ですが、道路も大分渋滞がございますのでそういう解消策、あるいは低騒音の舗装の推進でありますとか、当然、監視の方もさらに充実していかなければならないと考えてございます。それから、河川、海域の汚濁対策について、特に海域の汚濁防止というか改善がほとんど見られておらない状況にございますので、特に海域の水質改善、一部湖沼もございますが、その辺に力点を置いて、下水道整備も含めてさらに取り組んでまいらなければならないというふうに考えてございます。
 簡単ではございますが、以上でご報告とさせていただきます。ありがとうございました。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、時間の関係もございますので、引き続き、富山県の方から環境政策課の泉田課長にお越しいただいておりますので、富山・高岡地域について説明をお願いいたします。質疑は後で一括してやらせていただきます。

○泉田富山県環境政策課課長 富山県環境政策課の課長の泉田でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、お手元にペーパーが6枚ぐらい行っていると思いますが、富山・高岡地域公害防止計画の進捗状況等について説明をさせていただきます。
 富山・高岡地域につきましても、仙台湾と同じように、昭和49年から一応6回目の計画実施期間中に入っております。
 それで、この地域の概要でございますが、申しわけありませんが、私のところは『とやまの姿』というものがございますが、この中に公害防止計画区域が赤い色のマーカーで入っておるわけですが、富山県の全体がございまして、そのちょうど中央部、南北に10キロ、大体東西は40キロぐらいでございまして、この地域は 420平方キロぐらいございまして、本県は 4,250平方キロぐらいございますので、大体10分の1の地域というところでございます。
 この地域は平野部ということでございますが、富山県というのは東側が新潟県、長野県、南は岐阜県、西側は石川県ということなのですが、いずれも県境は 3,000メートル級の山で囲まれているということで、特に新潟、長野、岐阜の方は高い山がございます。こういう高い山から流れてきた水がこの平野部に流れまして平野をつくっておりまして、その中央部のところに富山、高岡、新湊、婦中、この4つの地域がおるわけでございます。
 そういうことで、富山市というのが本県の中枢でございまして、大体人口は33万ぐらい、高岡が17万、新湊が3万 5,000、婦中が3万 7,000ぐらいということで、本県全体の人口の約半分ぐらいがここにおるわけでございます。
 本県は非常に河川が多く、水が豊富だということで電力も豊富なことから、古くから水を利用した紙とかパルプ、繊維、鉄鋼は、鉄鋼といいましても合金鉄でございますが、そういうものが神通川の河口、庄川、小矢部川の河口に立地しているということで、本地域は古くから大気汚染の問題とか水質汚濁の問題があり、49年からいろいろ公害防止計画をつくりまして対策を進めてきたところでございます。地域の概要につきましては、以上、大体こういうようなことでございます。
 それで、ペーパーの1ページ目に戻りまして、主要課題につきましては、従前から道路交通対策、富山湾の海域の水質汚濁、神通川流域の農業地の土壌汚染対策、廃棄物・リサイクル対策、この4つが主な主要課題になっておりまして、本日はこのうちの富山湾の水質汚濁対策、神通川流域の農業地、後でダイオキシンの問題が出てきておりますので、それをちょっと説明させていただきます。
 まず1つ目の富山湾の水質汚濁対策でございますが、本地域につきましては、海域につきましては昭和51年ごろから水域類型の当てはめをやってきておりまして、平成7~8年ごろまでは大体1地点か2地点がオーバーしておった程度で 100%近く富山県の海域は環境基準を満足しておったわけでございますが、この表に書いてございますように、平成9年ぐらいから、がくっと悪くなっております。この悪くなっているところが実はA類型、CODの環境基準が2mg/l以下のところなのであり、環境基準の達成率が、平成9年は60%、10年が36%、11年が32%、最低32まで落ちているわけでございまして、昨年は44%ということで、上がったり下がったりはしておりますが、こういう状況にございます。
 それで、こういう状況を見まして、富山湾にはどういう問題があるかということで調べてきているわけでございますが、富山湾への流入負荷の50%が神通川、小矢部川が占めており、本県全体の1日負荷がCODで見ますと60トン/日でございますので、そのうちの30トン/日が入ってきているということでございます。それで、その問題の対策のために昭和62年から本県独自の「クリーンウオータ計画」というのをやっております。当初は河川の汚濁が非常にひどかった、特に河川末端に工場があったから非常に悪かったので、それでまず工場排水の上乗せ規制をどんどんやったということで、河川の環境基準の達成がほぼ 100%になってきました。ただ、それと反比例するように富山湾の海域が逆に悪くなってきたという、大変おもしろい現象といいますか、変な現象が起きたということでございます。
 それで、2ページ目をおめくりいただきたいわけですが、こういうふうなことで当初我々は、まず河川をきれいにすれば当然海もきれいになるだろうということで、主に公共下水道とか工場排水の規制を一生懸命やってきたということで、[1]の下の表に書いてございますが、公共下水道、流域下水道、これにつきましてはほぼ13年度末でこの地域では78%の下水道普及率ということでございますので、かなり進んでおると自負しておるのですが、これが進みながら片方で工場排水の上乗せ規制をやりながら、何で海がだめなんだということで、[2]のところで、富山湾の原因究明というものをやり始めました。
 これは平成10年からやっておりまして、富山湾水質保全研究会というのをやっておるわけでございます。それで、その検討の結果、昨年の10月に結論が出てきたわけですが、富山湾のCODが高くなる原因としましては、気象とか海象の条件等も考えられるわけですが、主な原因は窒素、燐を栄養分として夏場を中心に植物プランクトンが富山湾内で増殖する内部生産によって引き起こされるという結論が出されております。
 もう1つおもしろいのでございますが、今までは河口海域がCODが高かった、これは恐らく工場等の排水が、河口海域の方が高くて、沖へ行けば拡散して低くなるのですが、それが必ずしもそうではなくて、沖合いでもCODが高くなるという現象が出ております。
 もう1つは、陸域から富山湾へ流入するCOD、窒素、燐の負荷は近年ほとんど増加していないということがわかっております。
 もう1つわかったのは、海域においてCODが高くなる時期には、無機態の燐、窒素が植物プランクトンの増殖に使われまして、これが減っているという現象が出てきているということで、非常におもしろい現象ではなかろうかと。
 こういうようなことで、私のところは昨年度末にクリーンウオーター計画を見直ししまして、2ページ目の下に書いてございます、燐、窒素に係る自主的な水質環境目標、これは本来国の方で、閉鎖度指数1以上の全国88海域につきましては水濁法に基づきまして燐・窒素の一律規制が行われ、上乗せ規制もできることになっているのですが、これには富山湾は入っていませんので、富山県の方としまして自主的にこの燐と窒素の自主目標、水質管理目標を定めまして、平成17年まで環境基準の達成率70%を目指しまして今後さらに対策を進めようということで、これが富山県の一番目の大きな環境課題、公害防止計画区域を含めまして全県的な問題というふうになっております。
 次に3ページ目でございますが、神通川流域の農業地土壌汚染対策。神通川流域につきましては本日配っておりますペーパーの6ページ目に、余りきれいな絵ではございませんが、富山市の真ん中に神通川が流れているわけでございますが、大体この地域から約45キロ上流、これは岐阜県神岡町に旧三井金属神岡鉱業所というのがございますが、主にここが原因としてカドミウムが流れたということで、神通川の河川水系を介してこの地域に汚染源が出てきたということでございます。全体では 1,500ヘクタールのカドミウムの汚染田がございました。
 それについて指定をしたわけでございますが、これにつきましては上流部から第1次地区、第2次地区、第3次地区ということで対策を進めてきております。それで、下の方に表が書いてございますが、公害防止計画区域全体ではそのうち 678.2ヘクタールを復元しようということでございますが、現在までの達成の部分が 570ヘクタールぐらいということでございますので、あと約 100ヘクタールぐらいが残っております。当初、公害防止計画では大体平成16年ぐらいで終わるということになっておったのですが、これが多少遅れまして、平成20年ぐらいまでになる予定だということで、財政的な問題もございますが、非常に難しい問題としてまだ対策が終わっていないという課題の1つになっております。
 それから、4ページ目に新たな問題として出てきたことがございます。これにつきましては、富山市に富岩運河というものがございまして、これも後ろの方の7ページにちょっと書いてございますが、神通川の横に富山港というのがございまして、そこから運河が出ておりまして、JR富山駅の裏まで富岩運河がございます、これは約7キロございます。ここで富山市が12年度にダイオキシンの水質調査をやったわけですが、その結果、水質から 1.7pg-TEQ/Lというものが出ました、環境基準が1pg-TEQ/Lですから、それを超えたということで、その原因調査をいろいろやったわけですが、その結果、富岩運河の中では底質が 1,400pg-TEQ/Lであったということで、下の方の表に書いてございますが、ほぼ全域にわたってむらがありますが、河川水につきましては0.51~ 230pg-TEQ/L、底質については23~ 6,500pg-TEQ/L出てきたということでございます。
 これが大問題になりまして、この運河につきましては県が設置し管理していますが、場所は富山市でございまして、富山市は中核市でございますので、富山市はダイオキシン類調査対策委員会をつくりました、県は同じく対策検討委員会で対策項目を検討ということで、今これについてどういうふうにしようかということで一生懸命検討をやっている最中でございますが、最終的には何かの対策をやる必要があるということなのですが、長さが約5~7キロある運河の底質が汚染されているということで今後どうすればいいのか、物すごい莫大な金がかかることでもありますし。
 もう1つは、底質については今のところダイオキシンの環境基準はございません。除去基準もございません。それで、もしやるとすればどこまで除去するんだという問題があります。それから、やる場合の工法、お金の手当、そういうものについて県と市と合同でいろいろ検討しておるということで、富山地域ではこの3つの問題を大きな課題というふうに考えておりまして、本日はご報告をさせていただきました。
 非常に簡単ではございますが、進行状況についての説明を終わります。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明に対しましてご質問とかご意見がございましたら、どうぞお願いいたします。
 どうぞ、佐竹委員。

○佐竹委員 確かに富山湾の状況というのは、普通この時点でこういうふうに急速に悪くなるというのは余り見かけないのですが、1つ伺いたいのは、赤潮は発生しているんですか、富山湾は。

○泉田富山県環境政策課長 植物性プランクトンでやはり発生するのですが、いわゆる魚類に悪影響を及ぼすものではないんです。該当水域はA類型でCODの環境基準は2mg/lでございますので、高くなっているのですが、漁民の方から苦情とか被害は一切出ていないんです。富山湾というのは非常にきれいな海でございまして、一番厳しいAをかけているのですが、それが上がってきたと、そういうことでございます。

○佐竹委員 それからもう1つ、ダイオキシンの問題なのですけれども。直接確かに飲料用には使っていないのですが、非常に懸念されるのは生物濃縮ですよね。今のところは大丈夫なんですか。

○泉田富山県環境政策課長 ここにもちょっと書いておるのですが、一応そこら辺の関係については富山市の方でやっているのですが、今のところは影響はないだろうと、多少出ているのですが、水生生物なんかの調査をやりますとみんなこれぐらいは出るわけでございますので、そんなに全国と比べてべらぼうに高いものではないということです。それから、ここは運河でございますので、ここで捕れたものを食べるとか、そういうことは余りやらないはずなので。

○佐竹委員 ただ、当然土砂が流失しているでしょうから底質も生物濃縮が、特に富山湾は非常に魚介類が豊富ですから。

○泉田富山県環境政策課長 非常に豊富でございますので、風評被害が起きないようにと思っておるのですが、非常に困っているところでございます。

○安原委員長 飯田委員、どうぞ。

○飯田委員 仙台の、水と大気の両方なのですけれども。まず水で、燐、窒素が多いというのはどういう原因で大きいのですか。工業用水ですか、それとも、し尿でしょうか。

○佐藤宮城県環境政策課長 窒素、燐とも発生源につきましては大分改善されてきておるところなのでございますけれども、現在問題になっておりますのは、下水道処理施設の終末処理施設、こちらが湾内の窒素、燐の主な発生源になりつつあるということでございます。現在、終末処理につきましては高度処理の検討を行っているところでございます。

○飯田委員 今は二次処理までですか、終末処理場は。

○佐藤宮城県環境政策課長 一応三次処理まではついているのでございますけれども、いわゆるCODを目的とした施設でございまして、窒素、燐対策は当初は考えていなかったわけでございます。

○飯田委員 もう1つ、大気の方です。仙台市は地下鉄ができたときにいわゆるパーク・アンド・ライドの先駆者のように当時は言われていたのですが、これは現在うまく機能しているんでしょうか。

○佐藤宮城県環境政策課長 大変な命題でございまして、平成9年度に自動車交通公害防止計画を策定し、推進協議会を設置し、仙台市とタイアップして取り組んでおるところでございまして、所管はほかの課なのですが、この間、今年3月にその計画の見直しを行ったところでございます。一応、基本的に、地下鉄の乗り場といいますか、そういうところに駐車場を設けて対応しているところですが、その利用状況という部分につきましてはちょっとまだ不便といいますか、いまいちということで、引き続き仙台市では、バス利用の推進のため 100円一律運賃化とか、暫定的な措置も含めて試行錯誤で並行して継続推進中であり、まだ完全にこれでいけるというところまでは至っておらないという状況でございます。

○安原委員長 ほかにご発言はいかがでしょうか。

○村杉委員 今の松島湾の負荷原因として、例えば牡蠣のようなものの養殖漁業の関係はいかがなものなのでしょうか。

○佐藤宮城県環境政策課長 確かに養殖の密殖等もございまして潮の流れがなおさら悪くなるということで、一時、赤潮が発生して大騒ぎした経過はございますが、この事業に取り組んでからはそういう意味合いにおいては余り大きな赤潮問題で騒ぐということはここ数年に関してはなくなった状況でございまして、作澪工事というんですが、航路の部分を深く掘り下げたり、浚渫をしたりということで、水の流れもなるべくよくしようと実験も兼ねまして鋭意取り組んでおるところでございます。この地域は魚の養殖がそんなに盛んな地域ではございませんけれども、えさの改善など、すべての湾でそういう取り組みがなされるようになってまいりましたので、以前よりは養殖そのものによる水質への影響というのは少なくなったのではないのかなと認識いたしております。

○猿田委員 先ほどの最後のところで、自動車交通公害対策というのがございましたよね。これにも書いてありますが、そこで、「市町村の監視調査」とあるのですけれども、どういうことを期待しておられるのですか。「道路ネットワーク整備、低騒音舗装の推進、市町村の監視調査」とありますが、市町村に対してどういうことを期待しておられるのでしょうか。

○佐藤宮城県環境政策課長 基本的には、自動車交通公害関係につきましては、仙台市あるいは仙台に隣接する市町村なものですから、当然、国の測定局もございますし、県の測定局もあるのでございますが、これは自動車公害関係を更に綿密な意味で分析するのには、自動車排出ガス測定局の整備も、もう少しこまめにやらないといろいろ分析もかなり難しい部分があるのかなということになってございます。

○猿田委員 それは県の方から補助金とか何かいろいろないと、なかなか市町村では大変だと思いますね。

○安原委員長 小林委員、どうぞ。

○小林委員 富山県にご質問したいのですが。
 計画開始後に発生したダイオキシン問題が新しく問題化して、公害防止計画あるいは公害防止計画をつくるためにつくった組織では新しい環境問題と公害防止計画の構成みたいな点についてはどんな感じをお持ちでしょうか。

○泉田富山県環境政策課長 公害防止計画につきましてはプロジェクトチームをつくったり班をつくったりはしていないのですが、組織的なものにつきましては実はことしの4月から私のところへ来たという感じで、あっちへ行ったりこっちへ行ったりしながら非常に大変なものにしておるところなのですが。
 新たな問題につきましては、特に、どんどんどんどん、ダイオキシンの問題も出てきますし、また新たな有害物質問題も出てくるかもしれない、環境ホルモンもあるというようなことでございますので、それにつきましては一般的な環境調査の中に、例えば先ほど言われましたSOx、NOxなんかにつきましては非常に大気の部分がよくなってきていますので、それをできるだけ合理化しながら局を少なくして例えば新たな問題に対応するというような感じで、お金を急にふやすというわけにはいきませんものですから、中でいろいろ工夫をしながら新しい環境問題に対応しようというようなことでいろいろ頑張っているつもりでございます。

○安原委員長 どうぞ。

○飯田委員 仙台の牡蠣の養殖には、森林をまず植えなさいということで、実践されておりますね、山に木を植えなさいと。これは腐葉土ですと窒素、燐が多くなるのではないでしょうかね。

○佐藤宮城県環境政策課長 基本的に、木には当然落ち葉があったり、腐食いたしますと、自然負荷といいますか、バックグラウンドには一般的には効くとは思うのですが、一方で、やはり浄化作用といいますか、一気に流出しないものですから、そういう栄養分も一気には海の方に出てこないというメリットもあると思います。また、一方で、一定のミネラルが、牡蠣の養殖など水産関係に取りましても、いい効果があると言われておりますので、基本的にはユニークな取り組みとしまして、気仙沼地方でございますけれども、漁業者が山を保全する、そういう取り組みを行っている状況でございます。

○飯田委員 私もその方がいいとは思うのですが、ふえているというのは、これはもう人為的なものですね。人為的というのは、下水処理場がという。これは対策可能なんですよね。まだかかりますか。

○佐藤宮城県環境政策課長 高度処理は現在も検討中でございます。ただ、他にも原因があるのかどうか、漁港等の海象等、海流の関係もあるのかないのか、そういうのも含めて検討はいたしたいということで研究をしている状況でございます。

○安原委員長 それでは、特にもうご発言がないようでございますので、「公害防止計画の進捗状況について」の質疑をこの程度で終えたいと思います。
 佐藤課長、泉田課長、どうもありがとうございました。
 それでは、事務局の方から今後の予定につきましてご説明をお願いいたします。

○鷺坂環境計画課長 今後の予定でございますけれども、冒頭の局長のあいさつにもございましたが、議事1の「鹿島地域等12地域の公害防止計画の策定指示について」は、6月28日に開催を予定されております公害対策会議の議を経まして、担当都道府県知事に策定指示をする予定となっております。その後、当初ご説明申し上げましたように、策定指示を受けた各都道府県において計画が策定されるということになるわけでございますが、その計画につきましては、12月ぐらいになるのではないかと思いますけれども、この公害防止計画小委員会においてご審議をしていただくことがあろうかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

○安原委員長 ほかに特にご発言はございませんですか。
 それでは、ないようでございますので、第6回の公害防止計画小委員会をこれで閉会とさせていただきます。
 長時間にわたって熱心なご討議をありがとうございました。

午後 4時10分閉会