中央環境審議会総合政策部会(第13回)議事録

開催日時

平成15年9月17日(水)10:03~12:16

開催場所

経済産業省別館944会議室

出席委員

25委員

森嶌 昭夫部会長
安原  正部会長代理
浅野 直人委員
崎田 裕子委員
鈴木 継美委員
藤井 絢子委員
村杉 幸子委員
青木 保之委員
天野 明弘委員
飯田 浩史委員
江頭 基子委員
河野 正男委員
塩田 澄夫委員
武田 善行委員
田中  充委員
筑紫 みず委員
鳥井 弘之委員
永利 新一委員
福川 伸次委員
星野 進保委員
山口 公生委員
三橋 規宏委員
甕   滋委員
横山 裕道委員
渡辺  修委員

議事

環境基本計画の進捗状況の点検について(重点点検分野別審議[1])

その他

配付資料

資料1   環境基本計画の点検の今後の総合政策部会開催スケジュール
資料2   環境基本計画の進捗状況の点検結果報告書骨子(案)
資料3   第1回点検後の環境政策に関する主な動き
資料4   中央環境審議会における審議状況について
資料5   地球温暖化対策の推進について
資料6   環境保全上健全な水循環の確保に向けた取組について
資料7-1   循環型社会形成推進基本計画の概要
資料7-2   平成12年度の我が国における物質フローの模式図
資料7-3   循環型社会形成推進基本計画
(参考) 中央環境審議会総合政策部会名簿

議事録

午前10時03分開会

○谷環境計画課長 それでは、議事に入ります前に、いつもどおりお手元の配付資料のご確認をお願いいたします。左と右に分けて置いてございます。
まず左側をごらんいただきますと、中環審総合政策部会議事次第がございまして、配付資料一覧。同じホチキスでとめてあるものの中に、資料1、資料2、資料3、資料4までが入っております。
次に資料5がございまして、「地球温暖化対策の推進について」でございます。その次に、タイトルはございません。資料5-1として、「温暖化ガス排出量(概要)」、「大綱の進捗状況」がございます。
資料6が「環境保全上健全な水循環の確保に向けた取組について」。
資料7が「循環型」でございますが、7-1が「基本計画の概要」、7-2が「物質フローの模式図」、7-3が「循環型社会形成推進基本計画」でございまして、一番下に「水環境行政のあらまし」という色刷りのパンフレットをつけさせていただいております。
右側にまいりまして、今回はご欠席なんですけれども、桝本委員の紙でのご発言を配付させていただいております。「環境基本計画」は会議後回収させていただきます。また、「環境基本計画の進捗状況の点検結果について」という紙もございます。
このほかに、本来、前回お配りすべきものでしたが、メンバーの名簿をお配りさせていただきました。新規にお入りいただいた方に※をつけるという形でご紹介に代えさせていただいております。前回お配りしませんでした失礼をおわび申し上げます。
以上でございますが、資料の不足がございましたら、おっしゃってくださいませ。
ないようでしたら、議事にお入りいただきます。
森嶌部会長、よろしくお願いいたします。

○森嶌部会長 おはようございます。1週間ぐらい前に引き続きまして、また今日もよろしくお願いいたします。ただいまから第13回中央環境審議会総合政策部会を開催いたします。
先日ご案内申しましたように、今回も引き続きまして、環境基本計画の進捗状況の点検でございますが、先回は各種アンケート調査結果、地方ヒアリングの結果、関係府省の取組状況などについて報告を受けております。本日と次回につきましては、重点点検分野ということになっております5つの分野につきましてご審議いただきますが、5つのテーマのうち、本日は「地球温暖化対策の推進」と「環境保全上健全な水循環の確保に向けた取組」という2つの分野について取り上げたいと思います。
このほか、報告といたしまして、「物質循環の確保と循環型社会の形成に向けた取組」の分野に関しまして、本年3月に決定されました「循環型社会形成推進基本計画」につきまして、事務局から報告をしていただくことになっております。
それから、新しく入っていただいた方のご紹介したいと思います。きょうご欠席の方もおられるかと思いますけれども、立っていただいてお顔を見せていただきたいと思います。
きょうお出での新任の方はどなたでしょうか。

○崎田委員 もしかしたら私でしょうか。
崎田裕子と申します。生活者の視点でジャーナリストとして、そして、環境カウンセラーとして、普及啓発などを実施しております。市民活動などもしておりますので、そういう視点で発言させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○谷環境計画課長 田中先生はまだお見えになっていらっしゃいません。

○森嶌部会長 あ、そうですか。
それから、山口さん。

○谷環境計画課長 山口先生、お願いいたします。

○山口委員 日本政策投資銀行の副総裁の山口でございます。
日本政策投資銀行も環境問題を重点事項の一つとして取り上げたいと思っておりますので、この場でいろいろ勉強させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○森嶌部会長 桝本さんはこの間お顔を見せられたのみならず、意見まで出しておられるので、改めてご紹介なくてもよろしいと思いますが、ほかに新任の方でご出席の方いらっしゃいますか。

○谷環境計画課長 いらっしゃいません。

○森嶌部会長 それでは、個別のテーマに入ります前に、全般的な事項について事務局から説明をお願いいたします。
先回も申し上げたと思いますが、今後のスケジュール、点検報告書のイメージなどを、委員の皆様が共通認識としてお持ちいただければ、各個別テーマの議論の進行に資することになるのではないかということでございますので、今後のスケジュール等につきまして、事務局からご説明ください。

○資料説明

○谷環境計画課長 それでは、「議事次第」を1枚おめくりいただきますと、資料1「今後のスケジュール」がございますが、ちょっと間違いがございました。紙の上では「15時から」になっておりますが、「14時から16時30分」の誤りでございます。大変失礼申し上げました。9月24日、14時から16時30分ということでございます。ほかにも議題があるようでございますが、環境基本計画の点検では、「交通」と「生物多様性の保全」、「社会経済の環境配慮のための仕組みの構築」ということでご審議を頂戴いたします。
その後、10月下旬となっておりますけれども、今の予定を申し上げますと、10月21日、15時から17時30分の予定でございます。別途、正式のご案内をさせていただきます。
点検報告書の素案をご議論いただきました上で、今の予定では11月18日の午後を予定しております。別途、正式のご案内を申し上げますが、18日の午後に報告書のご決定を頂戴いたしたいと考えております。
1つおめくりいただきまして、資料2、「環境基本計画の進捗状況の点検結果報告の骨子(案)」でございます。おおよその骨格でございますけれども、前回の点検報告書と大きな違いはございません。1が基本認識、2が全般的な評価、3が各論ということで、重点点検項目でございます5つのテーマにつきまして、個別に記載することといたしたいと存じます。
これは、昨年12月のこちらの部会で点検の方針をご決定いただきましたとおり、各府省の自主的な点検の実施とか幾つかの分野の個別計画の策定もございますので、(今回の点検の方針)ということで、1つ目の○でございますが、総合政策部会の基本計画の点検は、大きな方向性についての議論を中心とするということで、各分野の詳細な事項の点検までは行わないという方針を昨年12月に頂戴しております。これもまた昨年12月に頂戴した方針でございますが、点検の客観性及び国民に対するわかりやすさを高めるということで、可能な限り統計指標を活用いたしまして、基本計画の目標達成状況、施策の進捗状況を把握するという方向で、わかりやすいものをつくってまいりたいと思っております。
(想定される点検の視点)でございますが、これも12月にいただいたもので、また基本計画に書いてございますタイトルのとおり記載させていただいております。基本計画の「目的」及び「施策の基本的方向性」に沿った取組が行われているか。あらゆる場面の環境配慮、あらゆる政策手段の活用と適切な組合せ、あらゆる主体の参加、地域段階から国際段階まであらゆる段階における取組、施策の環境改善効果は上がっているか、こういうような視点を持ちまして、ご議論を頂戴したいと思っております。
なお、こちらに書いております項目につきましては、右側にございます会議後回収させていただきます基本計画のところに、個別の戦略的プログラムとかブルーの付箋をつけております。適宜ごらんいただければと思います。
資料3は単なる資料でございます。点検後どういう動きがあったかということを資料として、参考までにお配りさせていただきました。
最後の紙、資料4をお開きいただきたいと思います。これは中環審の他の審議状況でございます。今回の点検項目の5つのテーマもございますし、その他のテーマにつきましても、中環審でさまざまなご議論を頂戴しております。例えば5.地球環境部会では、京都議定書の締結、目標達成に向けた国内制度のあり方ということについてご検討いただいおります。
次のページの6.大気環境部会では、「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」及び「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について」という2つの答申を頂戴しております。また、10.の野生生物部会では、「移入種対策に関する措置のあり方」についてご審議を頂戴しております。12番目の総合政策・地球環境合同部会地球温暖化対策制専門委員会では、前回もご報告申し上げましたように、「温暖化対策税制の具体的な制度の案」がとりまとめられたところでございます。
以上、ご説明を申し上げました。

○森嶌部会長 どうもありがとうございました。
この点検の進め方につきましては、前回も一部の委員からご意見がございましたけれども、今、事務局のお示ししたことにつきまして何かご意見等ございましょうか。
こういうことでよろしゅうございましょうか。議論の花が咲きますと、思ったように進まないということもございますけれども、できるだけこのスケジュールを踏まえて審議を進めてまいりたいと思います。
それでは、今回と次回、先ほど申しましたように5つの個別テーマを取り扱いますけれども、全体の方針を、あまり細部にわたらずに大局的な方向から検討を加えるという点につきましてご配慮の上ご議論いただければと思います。

○(1)審議事項
・地球温暖化対策の推進

○森嶌部会長 それでは、審議事項に入らせていただきます。2つのテーマについて、事務局からの説明をそれぞれ20分程度、質疑応答20分程度ということで進めさせていただきます。
最初のテーマは「地球温暖化対策の推進」でございますが、皆さんご存じのとおり、この分野につきましては、地球温暖化対策推進大綱に基づいて進捗状況の点検が別途行われておりまして、環境基本計画の点検においても、この大綱による点検結果を活用しようということを、昨年12月の部会でも決定しているところであります。したがいまして、事務局からの報告も基本的には地球温暖化対策推進大綱による点検結果に沿ったものになると思いますが、総合部会といたしましても、委員の皆様からご意見をいただきたいと思います。
それでは、事務局から報告をお願いいたします。

○清水地球温暖化対策課長 地球温暖化対策課長の清水です。それではご報告申し上げます。 資料5として「地球温暖化対策の推進について」という資料を用意いたしましたけれども、これは【現状認識】と【取組状況】、それから、【今後の課題】も入っております。それから、この資料の次に、「排出量について」と「地球温暖化対策推進大綱の進捗状況について」という少し厚めの資料が2つついておりますが、そちらを中心にご説明したいと思っております。
まず第1に【現状認識】にかかわる部分でありますが、これは排出量の資料でご説明したいと思います。グラフのついている資料であります。この資料は内閣の地球温暖化対策推進本部に8月29日に報告された資料であります。これが最新のデータとなっております。2001年、平成13年度の温室効果ガスの排出量は12億 990万トンで、2000年度に比べますと、 2.5%減少しておりまして、この年は減少傾向が見られたわけであります。
ただ、京都議定書の基準年、1990年レベルでありますが、この総排出量に比べますと、まだ 5.2%上回っているということであります。京都議定書に基づく我が国の削減目標約束は、1990年レベルから6%削減ということになりますので、逆に上回っていると。2001年のレベルから見ますと、合計11.2%分の削減が必要ということでありまして、まだまだ取組を進めていかなければならないという状況であります。
ちなみに、排出量を部門別に分けて見ております。産業、運輸、業務その他、それから家庭部門、こういう4分類の分け方をことしからしております。従来、民生分野として業務その他部門、家庭部門が分けられていたわけですが、これを2つに分けた方がわかりやすいということで分けております。それぞれ1990年のレベルから比較しますと、産業部門は- 5.1%。それに比べまして、運輸が20%以上、業務その他が30%、家庭も20%近くということでありますので、こういった分野についてなお努力が必要という認識であります。
次のちょっと部厚めの「地球温暖化対策推進大綱の進捗状況」という資料は、内閣官房で全省庁を対象にとりまとめをしたものであります。私どももその下準備と言いますか、作業のお手伝いをしておりますので、そういう立場からきょうのご報告ということになろうかと思います。
開けていただきますと、1ページから4ページまでが「はじめに」ということになっています。これが全体の要約部分でありますので、後でこの部分を中心に詳しく施策の内容をご説明したいと思っておりますが、どのような記述になっているかというのが6ページ以降の表になっております。ちょっとだけ例として見ていただければと思います。
左側は大綱の記述そのままになっております。見開きの右側の点検結果というところが14年度に講じた施策、現状及び課題、15年度以降に講ずる施策という形になっております。大綱自体は、ご承知のように昨年の3月、内閣の本部で決定されておりますので、14年度が初年度ということでありまして、初年度の14年度にどういうことを行い、それに対して現状をどう認識し、どういう課題があるか認識しているか。それから、15年度以降にどういう施策を講じていくかということを右側に整理したと、そういう形になっているわけであります。
大綱の対策、現行対策、あるいは追加対策ということ、それから、それぞれの大綱の対策を実施するための国の施策ということで左側に書いてあるわけでありますが、施策ごとに何をやったか、あるいは、どういう課題があり、今後何をやるかということが書いてあるわけでありまして、結果として 200以上の項目について点検が行われたということになっております。
1ページに戻っていただきまして、そういうことが1ページの3.に書いてございます。3.のところを少しだけ解説いたしますと、大綱はステップ・バイ・ステップのアプローチということで、第1ステップが2002年から2004年、第2ステップが2005年から2007年、第3ステップが2008年から2012年というふうに、3つの期間にわけてステップ・バイ・ステップで対策を進めていこうという構造になっております。
第1ステップの終りである2004年、あるいは、第2ステップの終りである2007年には、大綱の評価、見直しを行うということで、施策の追加作業も含めて大きな見直しを行うわけでありますが、ことしは2003年ということで大綱の見直しの年ではないということで、3.の一番最後の行に「毎年、具体的措置の進捗状況を点検することとしている」と。これが大綱上の記述でありますので、ことしは点検を行ったということになるわけでございます。
4.に書いてありますように、 221の項目について現状と課題を分析しているということであります。
1ページから4ページまでの記述が、今見ていただいた表のとりまとめになっておりますので、1ページの5.からお話したいと思っております。[1]がエネルギー需給面の二酸化炭素排出抑制対策というものであります。いわゆる需要を抑えるということでありますので、省エネ対策になります。
第1番目に産業面で何を行っているかということでありますが、自主行動計画を中心に産業部門は対応するというのが大綱の内容になっております。14年度におきましては、各業種・団体の自主行動計画の実施状況のフォローアップを行っております。課題といたしましては、まだ自主検討計画を策定していない業種があったり、あるいは、業界団体としては策定しているけれども、会員企業を含めたフォローアップ体制の充実がなされていないというような課題がありますので、15年度以降こういった問題に対応した点検をさらに進めていくという内容になっております。
それから、下から3行目の民生部門でありますが、14年度にトップランナー基準、いわゆる省エネ法の基準でありますけれども、この対象業種を拡大しております。あるいは、省エネ法の改正によりまして、これまで工場に対する規制が多かったわけでございますけれども、大規模オフィスビルを含めて省エネ計画の策定・提出、定期報告の義務付けといった改正を行っているということであります。
次のページにいきまして、住宅関連では、住宅性能表示制度の活用による省エネなどを行っているということであります。
それから、運輸部門にいきまして、運輸部門は特に伸びている分野でありますけれども、
14年度におきましては自動車税のグリーン化を行っていると。それから、低公害車、低燃費車の普及のため補助制度の実施、それから、特に燃料電池自動車などの技術開発を行っております。さらには、交通流対策、公共交通機関への利用促進対策を各種行っております。課題といたしましては、真ん中あたりの「クリーンエネルギーを含む」というところに書かれているとおりでありますけれども、低公害車、低燃費車のさらなる普及が望まれているわけでありますので、こういった面からのさまざまな施策を講じることが課題ということで、15年度以降も引き続き対策が行われていくということであります。
それから、[2]として、エネルギー供給面の対策でございます。大綱の中で3つほどの区分になっておりますが、まずは新エネルギーの導入ということで、いわゆるRPS法です。電気事業者に対して新エネルギーを一定割合利用してやれる電力を送るということを義務付けるRPS法が施行されております。15年度以降この法律を全面的に展開していくことが大きな課題になります。後半は原子力でございます。原子力について、安全性の確保を大前提として、運転再開への地元の理解と信頼回復を課題としながら、15年度以降も引き続き努力を続けていくということでございます。
それから、2ページの下の方の[3]は、非エネルギー起源二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素の対策であります。これは特に廃棄物対策が大きな内容となっております。14年度におきましては、循環型社会形成推進法に基づく基本計画を策定しました。それから、各種リサイクル法の施行などを行っているということであります。
3ページにいきまして、フロン関係です。代替フロンも温室効果ガスの1つとして対策を講じているわけでありますけれども、14年度におきましては、フロン回収破壊法に基づきまして、業務用の冷凍空調機器・カーエアコンなどに充填されたフロンの回収などを行っているわけであります。
[5]、[6]ということで、革新的な技術開発と国民の各界各層による地球温暖化対策の推進、こういう項目も挙がっております。技術開発につきましては、総合科学技術会議の地球温暖化研究イニシアティブを中心にしながらいろいろな技術開発を進めていく。あるいは、「温暖化対策技術プロジェクトチーム」を設置して、そこでの検討を進めていくということであります。
特に、国民各界各層による温暖化対策を進めていくことが非常に大きな課題になっているわけでありますが、その前提としまして、まず大きな排出源であります政府自らも実行計画をつくって削減に努めていくということを考えております。14年度におきまして、政府として実行計画を策定いたしました。これは13年度比で、18年度、5年間に政府のさまざまな活動から排出される温室効果ガスの排出量を7%削減ということを目標にして、現在、対策を進めているところであります。
それから、都道府県、市町村も自ら実行計画をつくっていただきたいということで、法律に温暖化推進法の規定があるわけでございますが、14年度におきましては、46都道府県、それから、 1,016市町村におきまして実行計画が策定され、対策が進められているということであります。
それから、特に国民運動ということでございますので、国民に届くような形での対策を行うということで、環境省としましても、「和の国くらし会議」という会議を設置いたしまして、そのイニシアティブでさまざまな活動を行っているところでございます。
それから、7番目が吸収源対策でございます。14年度におきまして、吸収源対策は 3.9%の削減枠をいかに確保していくかということが大きな課題になっているわけでありますが、それに向けまして、農林水産省で地球温暖化防止森林吸収源10カ年対策を策定いたしましてこれに基づいて森林の整備・保全、木材利用などを進めています。さらには、バイオマス・ニッポン総合戦略の策定を通じましてバイオマス資源の利用を促進している、そういうことが主な内容でございます。
4ページにまいりまして、京都メカニズム関連です。京都メカニズム関連は、14年度におきましては、政府において体制整備を行いました。地球温暖化対策推進本部幹事会、これは局長レベルでありますが、その下に京都メカニズム活用連絡会という政府の組織を設置しまして、共同実施、クリーン開発メカニズム承認のため手続き面での整備を行っております。具体的に各民間事業者などが共同実施、クリーン開発のための申請を行い、我が国政府として承認の手続きをとるという形にしております。現在まで共同実施、JI関係で1件、クリーン開発メカニズム関係で4件、計5件のプロジェクトの承認が行われております。15年度以降も各種の支援を引き続き行っていきたいと思っております。
9番目として、温暖化対策は我が国一人でできるものではありませんで、国際的連携を深めていく必要があるわけであります。14年度におきましては、早期発効が大きな課題でありまして、ロシアをはじめとした未締結国に対する働きかけを進めていく。それから、米国や途上国を含めた共通ルール構築というのが大きな課題でありますので、米国に対する働きかけもやっております。さらには、途上国を含めた非公式会合を開催するなど、引き続き国際連携の確保に努めているという状況であります。
10番といたしまして、このほか排出量、吸収量の算定のための国内制度整備とか監視・観測体制、調査研究、その他の施策を推進したということが書かれております。
最後に 137ページの「おわりに」というところを見ていただきたいと思います。温暖化対策全般を政府としてどのように評価しているかということが、「おわりに」に書かれております。今回、初年度の取組についての評価だったということでありますが、初年度として見れば施策全般にわたる進展や具体化が見られるということを評価しております。ただ、その効果がどういう形であらわれたかということは一様ではありませんが、効果にタイムラグが出るものもあるということであります。将来、タイムラグで効果が出るというような期待に甘んじることなく、大綱に掲げられた対策を着実に進めていく必要があるという認識を述べております。
それから、最初の排出量の説明のところでもありましたけれども、 5.2%まだ上回っているわけでありますので、6%削減目標に向けて一層の努力が必要であるという認識を述べております。
最後に、来年は第2ステップに向けた大綱の評価・見直しの年である。国、地方公共団体、事業者及び国民といったすべての主体が、それぞれの役割に応じて総力を挙げ地球温暖化対策に取り組むことが不可欠であるというようなことを理想としております。
以上が内容でありますけれども、こういった内容を今回の計画の様式に改めて整理し直したものが、お手元にお配りした資料5でございます。この内容については今ご説明したとおりですので、説明は省略させていただきたいと思います。
以上であります。

○森嶌部会長 どうもありがとうございました。

○質疑応答

○森嶌部会長 それでは、ただいまの点につきまして、ご意見を。まず浅野委員、それから、天野委員。

○浅野委員 ただいま清水課長から、地球温暖化対策大綱の点検に基づいてのご報告をいただいたわけです。この大綱の点検については、中央環境審議会も含めた関係審議会の合同会議で審議されることになっておりますけれども、スケジュールが極めてタイトであり、進捗状況のとりまとめができてから、一たん中央環境審議会で内容を論じて、合同会議へにのぞむ時間のゆとりが全くないんですね。合同会議の会議日のほとんどぎりぎりに資料がまとまるというような状況です。森嶌部会長は合同会議の議長にあたっておられますので、その関係で私も、合同会議のメンバーとして出席しておりますが、合同会議に出てこられるほとんどの審議会が事前にこの点検の中身についての議論ができないままに、意見を述べさせられるという状況になっておりまして、大変申しわけないことだと思います。
私が合同会議の席で申し上げましたことは、1点は、2001年の温室効果ガス排出量は、減少傾向になっているけれども、その要因はさまざま考えられ、この減少傾向がこのまま定着するかどうか、まだよくわからないので、対策に力を抜いてはいけないということを申し上げました。もう1つは、この点検は非常によくできていまして、大変細かく書かれている。
しかし、読んでいて何となく虚しい気がする。やったことがバラバラッと書いてあるが、これを足し算したらどうなるのかというのは全然わからないといううらみがある。つまり、定性的にはよくわかるけれども、定量的にわかりにくい。今回は点検ですから、これでもいいのですが、次年度は大綱の見直しのための評価をしなければなりませんので、定性的な記載の羅列だけでは評価は不可能ではないか。できるだけ定量的な分析ができるような手だてを講じてほしい。
さらに、関係審議会の所管事項の中にも温暖化対策に資する施策がさまざまあるだろうから、どの施策にせよ、いつも温暖化を意識して議論していただきたいということを、申し上げました。
他の審議会からも、例えばエネルギー需給見通しを立てるときに、もっと本音ベースで考えたらどうかなどいろいろなご意見が出てまいりまして、非常におもしろい議論もあったわけであります。いずれインターネットに議事録が載ると思いますから、ごらんいただけると他の審議会ではどういうことを考えているのかがわかると思います。
それはそれとして、少々気になりますのは、当審議会が環境基本計画の点検ということで、温暖化対策の推進についてまとめるときに、果たして政府の大綱の点検報告をそのまま移すという形でいいんだろうかということです。確かに政府全体としてはこういうとりまとめをしておられて、あくまでも政府のとりまとめはこうだということですが、中央環境審議会の立場で強調すべきことは強調しておくことが必要ではないか。これをやった、これをやった、施策はこういうのがあったというだけではしようがないんでしょうし、課題という部分について、政府の大綱の点検の中に書かれていることに完全に拘束されるのだろうか、そこに書かれていることを並べるということだけで本当にいいのかという気がいたします。
先ほど言いましたように、定量的な効果把握が重要な課題であるという点、特に部門別にどうなっているのかという実態を把握するために相当時間がかかるわけですね。これは改善の方向に向かっていると伺っておりますけれども、例えば【現状認識】というところでも、我々は平成14年度の点検をしているはずなのに、13年度のデータが書かれていて、「それは少し減っています」と書かれているわけです。しかし、これは14年の基本計画の点検評価に必ずしも結びつきにくいんですね。このあたりが非常に大きな問題であります。
また、部門別についていうと、家庭部門については「依然として増加傾向にある」と書いてありますけれども、今の資料を見ると、家庭は、平成13年度に関しては、12年度より 2.5%下がっているわけですね。こういうところは、みんなが努力をしたから下がったのか、それともたまたま気候要因があってうまいこと下がったのか、家計も苦しくなったからエネルギーを節約するようになったのか。これはどっちでもいいんですけれども、どういう要因で下がったのかという分析が必ずしも十分できていないわけです。だから、「依然として増加傾向にある」という書き方がいいのか。それとも「家庭部門については若干下がったけれども、これが本当に温室効果ガス削減の国民的な努力の成果として出てきたか、まだ十分に評価できない」とするのがいいか。その辺のところは審議会として議論した方がいいのではないかという気がいたします。
それから、政府全体のとりまとめについては、細かいことをいろいろ言ってもしようがないんですが、農業部門に関して、非エネルギー起源の3ガスに関してどの程度寄与しているかよくわからないというのが事実なんですが、全体としてほとんど無視されてしまって、とりまとめの中に出ていないんですね。しかし、施策の中では幾つかのことが書かれています。この辺の施策は本気になって取り上げていけば、そこで出てきた結果は途上国に対して技術移転の形で活用できる可能性が多いにあるだろうと思うんです。そんなことは、どの審議会でも指摘してくれないのであれば、例えば中央環境審議会できちっと断ってあげるとか、指摘しておく必要があるのではないかという気がいたします。
細かいことをいろいろ言ってもしようがありませんので、私からは政府の大綱の点検はこういうようなことだったということを申し上げて、このあと、委員の皆様方のご意見を伺いたいと思います。

○森嶌部会長 私からもお願いしたいんですが、確かに地球温暖化対策推進大綱によって政府としての対策を進めているわけでありまして、個別の対策につきましては、各省庁が所管と言いましょうか、責任を持っているわけであります。しかしながら、環境基本計画の点検というときには、施策をどうこういじるということではなくて、「環境基本計画」の中に示された地球温暖化の施策の実施について点検するということが我々の任務でありますので、政府の推進本部でこういうものが出ましたということを我々の点検書に載せれば、我々の役割を果たしたことになるかどうかということについてぜひ皆さんのご意見を伺って、もしもそうではないということであれば、我々として推進本部の報告を前提として、どういう意見を述べるかということについてもぜひご意見を伺えればと思っております。
それでは、天野委員。それから、星野委員、横山委員。横山委員、先に手を挙げられましたけれども、順番ですから。

○天野委員 2点申し上げたいと思います。第1点は、浅野委員のご意見とも重なるんですが、温室効果ガスの排出が 2.5%減ったという内容がはっきりしない。これはいつも言われることなんですけれども、なぜ統計的な分析をしないのか、私は不思議でしようがないんですね。そういう体制ができてないというところに問題があって、内容は何だということを問い詰めても、体制がなければ答えは出てこないと思いますので、早急に環境省の中で統計的分析ができるような体制をつくっていただきたいと思います。ほかの省庁ではおやりになっていることだと思います。必要なデータを集めて統計的な解析をすれば、こういうふうな説明ができるという回答をいただけるような体制にしていただきたいと思います。
これは単に形式上の話だけではなくて、2001年には下がりましたけれども、もし経済活動の低迷が大きな要因であるとすれば、今後、景気が回復していって、第一約束期間に入るというときにどういうことになるのかということがわからないわけですね。そういうことも踏まえて考えれば、真剣にどういうふうな要因が寄与しているのかということを考える必要があると思います。同じことが、総量だけではなくて、部門別にそれぞれの要因は違うはずなんですね。業務部門というのはそれなりの要因がありますし、家庭部門もほかの部門とは違った要因が働いている、そういうあたりを統計的にきちっとデータを踏まえた分析をしていただきたいと思います。
第2点は、この部会としてどういうことをすればいいのかよくわからないんですけれども、大綱の進捗状況のご説明で1番から10番まであって、特に1番と2番以降とかなり質的に違っている面がありまして、2番以降はすべて排出量もしくは吸収量に対してどういう施策をするという記述になっているんですが、[1]だけは表面上は二酸化炭素と書いてあるんですけれども、政策は全部省エネのことなんですね。エネルギーをどう考えるかということで、炭素というのはないわけです。
省エネ法でエネルギーをどんどん減らしていくこと自体、目標としてはいいと思いますけれども、それをやったから省炭素は要らないということではなくて、省エネルギーと省炭素と両方、目標として追求すべきではなかろうかと思いますので、このあたりは、単に省エネ法だけの所管官庁のつくる政策ではなくて、政府がやることですから、省炭素ということをはっきり盛り込んで、省エネ対策以外に、省炭素としてどういう政策をするかということを別途書き込んでいただきたい、そういう注文をこの部会としてもつけられるのではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上です。

○森嶌部会長 それでは、星野委員、どうぞ。

○星野委員 どうもありがとうございます。浅野先生の言われたコロラリューみたいなものなんですけれども、このレポートを聞いておりますと、確かにそういう対策はいっぱい並んでおります。しかし、どこがどうなるのか、一体どうしたらいいんだろうかということが全然浮かんでこないというところが問題なんだろうと思います。くどくど言いませんが、例えば表を見れば、業務その他部門が増えているんですけれども、業務その他部門で一体どこがどうなって、どうすれば可能性があるのか、そういう面にもっと触れていただきたかったと思います。
私がこの際特にお願いしたいと思いますのは、吸収源対策でございます。吸収源対策については、 3.5%という大変大きな量を分担されているのが全体のスキームでありますが、もっぱら森林あるいはその他のグリーンだと思いますが、森林に期待しているんだと思うんです。ここにいらっしゃる委員の皆様方、十分ご認識だと思いますが、日本の森林は本当に増えているんでしょうか。私は高知県とか地方を回るんですけれども、水田で言えば耕作放棄で、森林は死にかけている。特に針葉樹がみんな死にかけているんですね。したがって、間伐対策が必要だと。逆にいうと山地が崩壊しないための間伐対策なのでありまして、よい森林を増やそうという意味の間伐対策というよりは、土砂崩壊、被害が起きないようにしようというような、目先の話でありまして、それ以上のことをどうやると 3.5%も減らせるのかというのは大変問題だろうと思います。
ここでそんなことをグチってもしようがないので、森嶌先生が先ほど言われましたように、我々の点検で何を言うかということについては、農水省に、具体的には林野庁なのかもしれませんが、この 3.5%を吸収する具体的な手法をきちんと点検してほしいと。「これをしないと全部崩壊しますよ」ぐらいのことを、我々の報告書で明記すべきだと思うんです。というのは、もちろん林野庁も苦しいし大変だと思うのでありますが、このままだったら全然できないと私は思います。
したがいまして、この際、吸収源対策としまして、バイオマスとかいろんなご努力はされているわけでありますが、森林そのものまでどうやってシンクさせるかということについて本当に考えないと、どうにもならなくなってしまうのではないか。これは大変難しい問題であります。つまり、林野行政そのものをどうするかという問題と絡むものですから、大変でございますが、先週お伺いした農水省のお話を聞いておりましても、これだけちゃんと吸い取るのには幾らぐらいの森林が毎年増えなきゃいけないとか、そういう計算なら誰でもできるんですよ。そうでなくて、それをどうやって具体的に実行するかということが我々はほしいのでありまして、この際ちょうどいい機会でありますから、今回の点検ではぜひ強力に言っていただきたいというのが私のお願いであります。
ありがとうございました。

○森嶌部会長 どうもありがとうございます。
なお、こうなったら 3.5%であろうと 3.9%であろうと構わないのかもしれませんけれども、一応 3.9%ということになっています。もともと日本政府は 3.8%と言っていたんですけれども、COP8で 3.9%に上がっております。どれだけの意味があるのはともかくとしまして。
次に横山さん、その後、崎田さん、それから藤井さん。

○横山委員 森林サイト等の進捗状況と我々の基本計画の点検の関係について、浅野委員の先ほどのお話と、森嶌部会長の説明に関連して二、三述べたいと思います。
私が前回の部会で非常に気になったのはアンケートの結果で、基本計画の認知状況が14%で、国の環境行政に対する満足度8%、自治体は15%、その半分ということで、それはものすごい数字を示していたのではないかなと思ったんですが、今回のこの関係を見て、やっぱりやむを得ないのかなという感じがいたします。というのは、進捗状況は政府がやったわけであって、今度の点検は中央環境審議会がやらなければならないということは重要な点だと思うんですね。
確かに12月の時点で参考にするということは言ってあったとしても、全然違うものだと思うんです。ところが、私もきのう詳細に点検して、清水課長も点検の様式に見直してから書いたんだと言いましたけれども、中身がほとんど同じで、今後の課題と取組状況を分けてあるだけで、これを一般の方が見ましたら、12月の時点でこの部会でも参考にするということを言っているなんて頭にないわけですから、政府がやったものを中環審がそのまま計画の点検に使っているということになると、中環審は一体何のためにあるんだろうという誤解は相当出てくると思います。政府の環境行政に対する満足度が低いということは、我々中環審に対する見方でもあると思うんですね。そういうことからも、おざなりな点検に終わらせる必要は全くないし、ぜひ審議をしっかりやらないといけないのではないかと。
この進捗状況、それから、点検の素案について見ても、現状認識が甘いと言ったら変ですけれども、例えばことしの夏の異常気象とか相当深刻な状態になっているんだということを踏まえた上で、変えていく必要がある。それから、せっかく地球温暖化対策税についてあれだけ議論もして、報告を出したのに、そのこともほとんど触れられていないということでは、私もこの審議に加わっていて、浅野委員と同様に虚しい思いがしています。ここで言うのは申しわけないんですけれども、審議会の政府の隠れ蓑論というものが、この2つの関係を見ると、残念ながら世間にはそう思われてしまうのではないかと感じます。ぜひそれを抜け出して、新たな報告をまとめるつもりでやらないといけないのではないかと思います。

○森嶌部会長 ありがとうございます。
私が提起したこともそういうことでありまして、隠れ蓑説を評論家として言っているだけでは我々の役割は勤まらないだろうということでございます。
それでは、崎田委員、どうぞ。

○崎田委員 私も、中央環境審議会のこの部会でどういうふうに環境基本計画の進捗状況を点検したらいいのかということを考えると、今回、政府でこういうふうにお示しいただいた点検結果、細かい個別分野を書いてくださっていて、いろいろなことが進んでいるというのは大変よくわかりましたので、これをもとに実際にこういうことで現実の社会はどこまで進んだのか、どういうふうに浸透したのかということを、この部会としてきちんとみんなで検証していくという作業が必要なのではないかと感じています。
どうしてそういうふうに思ったかと言いますと、私は生活者として活動しておりますけれども、特に地球温暖化対策のCO2 の増加度合いは、民生部門が多いと常に言われ続けてきておりまして、環境学習とか普及啓発が重要だということで、多くの人が動いております。そういう動きは現実には、政府というよりは地域社会、自治体やNPO、そういうような動きになってくると思いますが、そういう動きがどういうふうに広がっているのか、あるいは、どこに問題があるのかということをきちんと把握していくことが大切なのではないかと思います。
その分野で一言申し上げますと、前回の地域ヒアリングの感想も含めて申しますと、例えば市民参加とか共同の取組というのが、仕組みの上ではかなり進んできたと感じておりますし、実感しております。ただし、事業実施のときにそれがきちんと生かされるか、現実に生きるかというところで、もう一歩のところがあるというふうに感じております。ようやく参加型の広まりが見えてきましたので、減るとか数字でちゃんと出てくるように、現実の行動に変化を与えて生かしていく。そこをどういうふうに地域社会で仕掛けているのか、どう苦しんでいるのかというあたりをちゃんと把握していくことが大事なのだと感じております。

○森嶌部会長 それでは、藤井委員、どうぞ。

○藤井委員 先ほど中環審の立場を出さねばというお話が浅野委員を含めて出ておりましたが、私は2ページの[2]のエネルギー供給面、このままでは中環審はたまらないなという思いがしています。先ごろ市民共同発電所の全国フォーラムがありまして、その宣言の中で、RPS法に対して、自然エネルギー抑止法だという表現で宣言に盛り込んだのですが、ドイツではこの間に、 100万キロワット分の原発が12基ぐらい、 1,200キロワットぐらいの風力発電になっています。そういう中で市民、地域が頑張って、再生可能エネルギーの取組を進めています。今回、後半の原子力には触れませんけれども、このままでは中環審の立場というのは、部分的にもほかにもあるんですが、エネルギーのところだけでも、地域、市民の意識と全く隔たっているなという思いがあります。
以上です。

○森嶌部会長 そのほか。もしご発言がなければ。
どうぞ。

○塩田委員 冒頭に浅野委員からご指摘のあった点については大部分同感ですが、これからの点検の進め方について、今ご説明があった地球温暖化対策推進本部の進捗状況の記述の中に、それぞれの項目についての施策を進したという部分が方々にありますけれども、具体的に推進された施策について、それがどの程度定量的に推進されたか、それから、その施策の推進のためにどの程度のコストがかかったかということを、これから具体的に取り出して我々としても認識していく必要があるのではないかと思います。
また、地球温暖化対策を推進していく上で、いろいろ問題がある分野というのはあると思いますので、それはそれでピックアップして対策を講じていくことも必要かと思いますが、同時にどういう分野についてこれまで地球温暖化対策の推進に効果がある施策が具体的に行われたかということを、それぞれ施策を推進される担当の省庁から説明をして欲しいと思います。どのような施策が推進されて、それがどの程度の定量的な効果があったか、それが地球温暖化対策にそれぞれの部門の中でどの程度の効果があるのか。効果が大きな対策をピックアップして調べていくというような手続きも要るのではないかと思います。

○森嶌部会長 安原委員。

○安原部会長代理 平成13年度の実績を示していただきましたが、新たに業務その他の部門と家庭部門というふうに民生を2つに分けて示していただいていますので、より前進したということで評価したいと思います。ただ、6%削減の目標に即して部門別に分けると、どういう目標になるのかがわからないまま実績の方が出てくるということでございますので、目標に対して実績を評価するという意味で、目標についても業務と家庭部門は分かれていたんでしょうか。数字がわかれば示していただければと思います。

○森嶌部会長 数字はあると思います。ここで目標といっていないけれども、政府内で、最初に各部門の削減目標を立てましたときに、たとえば産業部門が-7%とか。

○清水地球温暖化対策課長 民生という形で-2%の目標になっておりまして、それが業務、家庭という形で分かれてない目標の立て方になっております。ここは今後さらに検討していく必要があると思っています。ちなみに、産業分野は-7、運輸は+17というのが、大綱の中での目安とされている目標であります。

○安原部会長代理 今、おっしゃったように実績で示していただくのであれば、絶えず目標と比較するという意味で、ぜひ6%の目標もこの4分類に分割できるように検討していただければと思います。
それから、このペーパーの「今後の検討課題」のドラフトでございますけれども、横山委員がおっしゃったように、今、検討が進められている税制の活用、その他経済的措置について特に触れられていないということがございます。
もう1つは、税制を活用する構想の場合に、他の政策とポリシーミックスしていくと。温暖化対策の性格上非常に広範な対応が必要でございますし、万般の施策を各主体が総合してやっていくというアプローチが必要でございますから、ポリシーミックスが有効だということは基本計画にも書いてあるわけですね。ポリシーミックスをどんどん推進していくべきだということがはっきり書いてあるわけでございますから、このポリシーミックスについても検討を進めると。
検討課題としては、今申しました2点、税制を含めた経済的措置の検討を進めるべきだという意見と、それと関連しまして、幅広くポリシーミックスの検討をしてはどうかというような意見についてどう考えるか、議論をしていただければと思います。

○森嶌部会長 では、三橋委員、どうぞ。

○三橋委員 中環審の特色を持った書き方の一つの提案なんですけれども、最近の異常気象というのは相当急テンポで進んでいますよね。かつてITの変化について"ドッグイヤー"なんてことを言っていましたけれども、最近の気候の変動ですかね、異常気象は歴史的に見れば"ドッグイヤー"以上のテンポで変化が起こっているわけですよ。そういう危機が、大綱に従って着々と進んでいますよと、その前提としてこれで大丈夫なんでしょうかねと。
異常気象というのがこの数年こんな形で進んで、温暖化による環境破壊というものは現実に進み出していますよ、進行していますよと。温暖化対策のもとになる異常気象が毎年毎年深刻化していますよというような現状分析を中環審の一つの特色として書いておくというような、書き方をなさるといいんじゃないかなと思うんですよ。そうしないと、「大綱に従って機械的にまあまあうまくやってますよ」というようなことでは間に合わないのではないのかというような意識を中環審として持つ必要があると思うんですね。現状認識では数字ももちろん必要なんだけれども、その前の地球ベースで今起こっている変化をできるだけ最新の情報を入れておく必要があるのではないかと思うんですね。
この間もNHKのテレビを見ていて、マスコミもあまり報道しないので、シベリアの大火災は去年だけかと思っていたんですが、去年以上にシベリアの火災は規模が大きくなっているという映像を見て驚いたんですね。そういうことが現に起こっているわけです。私も新聞社にいた人間として思うのは、そういうところに特派員を置いてないので、なかなかそういう状況はわからないんですね。ヨーロッパで温度が非常に高くなったというようなことが報道されても、特派員がいっぱいいるから競って報道するわけだけれども、シベリアの森林火災が毎年、日本の国土の3分の2ぐらい起こって、メタンガスがどんどん発生している。そういうような状況は、既に温暖化の悪い動きが異常気象の形で起こっているということなんだろうと思うんですね。
今、世界で起こっているそういう異常な変化というものをまずきちっと書いた上で、対策の点検をするということを、中環審の報告としては力点を置いてもらいたいなという感じがします。これは提案です。

○森嶌部会長 どうもありがとうございました。
先ほど私が議事を進行するにあたって申し上げましたけれども、中環審は環境基本計画の点検をするという役割、あるいは義務を負っているわけでありまして、そのことと政府の大綱における点検とは同じものではないのみならず、こういう点検が政府内でありました、それで我々の点検を終わりましたというわけにはいかないと考えております。
他方で、先ほど浅野委員からもお話がありましたように、政府の大綱の内容については関係審議会合同会議で非常に短い報告を受けておりますけれども、各省庁はそれぞれ、多数の人数とデータ、多分お金もかけているだろうと思いますが、点検をやっておられるわけでありまして、何人かの委員からお話がありましたように、事実に関して、「これはこうではないか」、「あれはああではないか」という形で、もう一度振り出しに戻って中環審が意見を述べるだけの用意が我々の方にはないのではないかと思われます。
そこで、私からのご提案でありますけれども、幾つかのご提案において、我々の観点からすると大綱の点検という場合、それから、今後我々が、2004年に、新しい施策の見直しをする際に必要なレベルでの点検というのは何なのかということを明らかにしていくことが必要なように思います。
私のメモもきちっとはしていないんですけれども、例えば、天野委員が指摘されたように、増加にしろ減少にしろ、きちっとした統計を使って分析をする必要があるのではないか。ただ上がりました、下がりましたではなくて、どういうことが原因であるということも分析する必要があります。
それから、星野委員と、天野委員もそうおっしゃったと思いますが、特に炭素吸収源についての分析を、より具体的な手法を用いて分析していかないと、2008年になったら手の打ちようがなくなるのではないかと思います。
それから、これは安原委員のおっしゃったことでありますけれども、目標との関係で、各部門の目標、先ほど清水課長が言われたように、民生については家庭と業務が一緒になっていますが、それぞれの部門との関係でどう評価するかという視点が必要ではないでしょうか。
それから、崎田委員のおっしゃったように、参加型が進んでいるけれども、その観点から見た場合に、施策の面でもっと市民の参加を求めていけば有効に施策が進むのではないか。つまり、施策の実施に当たって政府だけではなくて、ステークホルダーがどのように絡んでいくかというような視点が必要ではないか。
もう1つ、安原委員がおっしゃった税制について入れろということですが、現在は点検の段階ですので、今の段階で税金を入れろとか、点検する側がそう言うとすれば、税を入れたらどこでどう働くのかということいついて、こちらが挙証責任を負ってしまいますので、この点については、指摘するにしても、点検のあり方、特に来年の見直しの際の点検の際に議論すべきではないでしょうか。
ですから、来年に向けてこういうことをもっと各省庁の推進本部における点検においてやらなければいけないし、我々もこういう視点での点検を来年に向けてきっちりとしたデータを用意しながらやっていくというような形で、点検すべきと思います。今の段階で個別の一つひとつのデータについてものを申そうと思いますと、環境省全体が総力を挙げてやっていただかなくちゃならないと思うのですけれども、これだけのものについて全部やるということはできないのではないでしょうか。
その点では、今申し上げたように点検の仕方、来年の見直しに向けて、どういうことがはっきりしていないと見直しができないのではないかという形で、我々の点検をすることにしたいと考えております。
福川委員、どうぞ。

○福川委員 今の会長のおとりまとめは私も賛成でございます。今、議論になっているのは、温暖化対策推進本部の推進大綱の進捗状況の評価、それから、基本計画の点検、こういうことになっているわけですが、環境省としては両方に関与していらっしゃるわけで、各省庁との関係があってこういうことになったんでしょうけれども、環境省としては推進大綱の進捗状況の評価ということについては、 100パーセント結構であると考えていらっしゃるのか。あるいは、ここは視点が違い、こういう問題があるというのか。環境省は、環境基本計画の点検と推進大綱の評価をどう見ていらっしゃるのか。公式の席では「賛成です」とおっしゃらざるを得ないと思いますけれども、一体どういうふうに評価なさっているのかということを伺いたいのが1つ。
それから、今、会長がおっしゃったようなことでいきますと、審議会として腰を入れてきちんとしたことにしていかないといけない。そこは環境省の事務局当局の力も借りるということになるのでございましょうが、少なくともイニシアティブは審議会中心でやらないといけない。そうなると、今いろいろご議論があった幾つかの重要なポイントが出てくるわけですね。シンクの問題がどうか、エネルギーについても、供給サイドの問題もあれば需要サイドの問題もある。全部やる必要はありませんが、主要な問題については、この審議会を幾つかのグループ分けをするかどうか審議会にて、基本計画の点検をしていくとなると、事務局依存で果たしていいかどうかということも気にはなる。
その前提で事務局のお考えを聞きたいわけです。やり方も、今、会長がおっしゃったようなことでいくと、この審議会の運営も改革して掘り下げた形にいかないといけないのではないかと、そんな感じを持ちますので、運用についてご検討賜ればありがたいと思います。

○森嶌部会長 政府の点検について環境省がどう思っているか、今ここで言えというのもちょっとお気の毒ですので、これは宿題にしておきたいと思います。
第2の点につきましては、今まで点検に非常に時間をかけておりまして、そのほかに総合部会がやらなければならないことがうまく動かないということもありまして、今回は、先ほど福川委員がいらっしゃる前に、こういうスケジュールでやりましょうという話を申し上げたんですけれども、温暖化対策についての点検ということで、それだけを取り上げましても、これだけの人数が集まってこういう形でやるということで、果たしてちゃんとした、横山委員ではありませんが、国民が期待するような中環審の役割を果たせるのか疑問です。かといって、先ほど申しましたように、中環審総合部会が、政府がやっていることについて、各省庁にわたって全部、もう一回それをレビューすることはとうていできなでしょうし、やるべきでもないと思いますので、我々の点検のあり方について検討することにしたいと思います。
それにしましても、福川委員のおっしゃるように、こういう審議のやり方でいいのかということがございまして、先ほど福川委員のご発言の前に、私は、こういうような考えでどうでしょうかと提案しております。皆さんのご賛同を得れば、一度お持ち帰りいただいて、点検のあり方について、例えばこういう分野についてはこういう点検の考え方をすべきではないか、ここは十分でないのではないかというようなご意見を個別に寄せていただいて、それを事務局にまとめてもらいながら、私ないしは二、三の委員に、お忙しいとは思いますけれども、集まっていただいて原案をつくりたいと思います。いずれにしても10月下旬の点検報告書の素案には出さなければならないわけです。
あるいは、案をつくっておいて、しかるべきときに皆さんにお送りしておいて、皆さんにお考えをまとめていただいて素案に反映させるというようなことも考えられます。この会議の回数を重ねることは時間的にも無理がありますし、きょうご指摘いただいた問題だけではないと思いますので、皆さんに点検を点検していただいて、メモで結構ですので、意見を伺うことでどうでしょうかということを提案しようと思ったわけです。
福川委員がおっしゃるように、小委員会をつくってやれということになると、少しヘビーすぎるかなという感じがいたします。
どうぞ。

○浅野委員 今、会長がおっしゃったようなまとめ方でやらざるを得ないだろうと思います。 経過を申し上げますと、今度の点検をどうするかという議論をしたときのポイントは、この後に出てきます循環について循環計画ができますと、循環の部会で点検することになっているわけです。温暖化の方は、私が部会長でして、点検の作業を部会でやらなきゃいけないんですけれども、まだできてないというのが事実です。そういうことで、複数の部会で同じような作業をするのは無駄なので、それができるところはその部会に委ねようということが今回の方針だったと思います。
その点からいうと、今回の地球局から出できたペーパーが十分な指示のもとに準備されていなかったという面もあるかもしれませんけれども、「環境基本計画」の46ページに重点取組事項が書いてあるわけですから、これを下敷きに、それに沿って書いていけばいいのですが、そうなってない。最後の47ページには本日提出された素案に書いてある事項がずらっと並んでいますから、それでいいんですが、肝心の46ページに書いてある重点取組事項がどうであったかということについてのコメントがありません。
つまり、今回のとりまとめの素案は、はっきり言えば総論の部分が欠落してしまっているので、それが一番問題ではなかったと思います。その点は、森嶌会長もご指摘になったと思いますし、本日、委員の皆様方からもご指摘があったと思いますので、今、会長が言われましたようなやり方で、きょうのご意見を反映させながら、基本は基本計画に書いてあることがどうなったのかということを基礎に点検作業を行うべきだという方針の基に、今後の作業を進めさせてはどうかと思います。

○森嶌部会長 江頭委員、どうぞ。

○江頭委員 私が話したいことはほとんどの先生がおっしゃったことで、ダブってしまうかなと思ったんですが、私は何をするにおいても"プラン・ドゥ・シー"、計画を立てたら、それを点検する、そして、その点検の中から出てきた結果をさらに次の計画に生かすという"プラン・ドゥ・シー"ということをいつも考えて仕事をしておりまして、これもそうだと思っているわけです。
きょうは環境基本計画の点検ということで私は会議に出席していますが、大綱の点検だったということであれあれっと思いました。大綱と計画が乖離しているとは思いませんが、環境基本計画とダブっている面があるから、大綱で点検させていただいたという説明があれば、なるほどなと、思います。会議というのは筋が通ってないと発言しにくいです。そういう意味で、この環境基本計画を点検して、そこからどういう組織をもって、どういう方法で、どういう計算によってこの数値が出て来ましたとか、そういうことを説明していただきたかったなと思います。
ですから、きょうはまず点検をこういう組織でこんな方法でこういうという、そこの部分を説明して、その結果こういう現状が出てきました、だからこれからどうしましょうかというふうな会議をしてほしかったと思いました。

○森嶌部会長 どうもありがとうございました。
時間を大幅にすぎておりますので……。
鳥井委員、どうぞ。言論の自由を封鎖するつもりはありません。

○鳥井委員 ちょっとだけ確認させていただきたいんですが。大綱の点検というのは、各省が政策をやりますといって、それをちゃんとやってましたかという点検なんだろうという気はするんですね。それに対して、基本計画の点検というのは、どれだけ効果が上がりましたかという点検なのかなという気もするわけでありまして、そういうふうに見ると、行政の違いとか、どういう視点でやらなくちゃいけないのかとか、かなりはっきりわかるような気がするんですけれども、そういう理解で合っているんでしょうか。

○森嶌部会長 政府の点検は、各省が何をやったかということを言うだけかという点につきましては、私の方からギャランティーするつもりはありませんけれども、少なくとも環境基本計画の点検についてはおっしゃるとおりであります。そこで私が申し上げたのは、政府の点検は、それが何を目指しているかはともかくとして、それをそのまま「はい、そうですか」というは、我々の任務を果たしたことにならないのではないか。しかしながら、他方で、各省挙げてこういう事実が出ているわけですから、それはそれ、おれたちはおれたち、もう一回やるぞというわけにもいかないと思います。
そこで、一応これを前提としましょうか、こういうものが存在するということは、頭に入れた上で、点検といっても、温暖化の問題についても来年の見直しが頭に入っているはずですから、
そうだとするとこういう点検をしておかないといけないし、我々としては来年に向けてこういうことを重点的に考えていくよということを示すことではないかというのが、先ほど私が申し上げたことでございます。

○鳥井委員 結果を見ますと、大綱の点検というのは施策が予定どおりやられているかどうかという記述になっているわけですね。ですから、効果を調べるということになると、これからの施策がどれほどの効果を持ったのかということを言わなくちゃいけない……。

○森嶌部会長 先ほど幾つかのご指摘にございましたけれども、ある施策をやったということになっても、それがどういう効果を持っているのか、あるいは、ここまで進んだというのはどういう原因で進んだのか、ということを分析する必要があります。そうすると、先ほどの"プラン・ドゥ・シー"ではありませんが、次にやるときに、数字だけ見て、これでできたと喜んでいいのかということもあるわけですね。そういうアプローチについて、もう少しきちっと皆さんのご意見を伺って、我々としてまとめる必要があるのではないでしょうか。
しかしながら、きょうはもう既に大幅に時間を超えておりますので、ここでもう一回、「それでは」ということで、戦端を開く時間は残念ながらありませんので、お持ち帰りいただいてご意見をお寄せいただきたいと思います。いつまでというのはまた後で事務局からご連絡しますけれども、皆さんが政府の点検をごらんになって、我々がやるべき点検というのは何なのかという観点から見て、昨年12月に議論しましたように細かい点までやるわけではありませんけれども、点検の考え方というのはこういう形で、この点をきちっとやっておかないと、2004年に政策の見直しをするときに、こういうふうに見直していいのかどうかがわからないのではないかと考えています。
1週間ぐらいの間に、できればこの次の9月24日ぐらいまでに、きょうの温暖化の問題について、点検のあり方、あるいは、皆さんがお考えになる中環審の点検はこうでなければならないということについて、ご意見をいただいて、それをまとめた上で、先ほど申しましたように、何人の方にお願いするかわかりませんが、なるべく機動的に迅速にやらなくてはなりませんので、事務局に十分手伝ってもらって、とりまとめをして、できれば9月24日に出したいと思っています。ちょっと日日が迫りすぎていますので、9月24日から、報告書の素案の会議の前の段階で文書をお送りして、それに対するコメントをいただいて、報告書のときにそれを盛り込むという手順で考えておりますけれども、よろしゅうございましょうか。ここで思いついたことですから、具体的には事務局ともいろいろ相談しなければなりませんのでが。
それでは、そういうことでこの点については進めさせていただきます。
大変時間をとりまして、申しわけございませんでした。

・環境保全上健全な水環境の確保に向けた取組

○森嶌部会長 それでは、次の議題でございます。環境保全上健全な水環境の確保に向けた取組につきまして、事務局から報告をお願いします。

○安藤水環境管理課長 水環境管理課長の安藤でございます。
審議事項では「環境保全上健全な水環境の確保」となっておりますけれども、「健全な水循環の確保」ということでございますので、よろしくお願いいたします。
資料6と、色刷りの「水環境行政のあらまし」というパンフレットの2つを用いて説明させていただきたいと思います。
まず資料6の最初の【現状認識】でございますが、水環境にかかわる環境基準の達成状況につきましては、資料6の4ページから5ページ、それから、色刷りのパンフレットの10ページから11ページに掲載しております。要約いたしますと、健康項目につきましては、環境基準の達成率99.4%ということで、ほとんどの地点で環境基準は達成しております。一方、生活環境項目でございますが、有機汚濁の代表的な水質指標であるBOD、CODで見ますと、公共用水域全体では79.5%の達成率、それから、中長期的に言いますと、改善の傾向にございまして、一定の水準に達しております。しかしながら、湖沼等の閉鎖性水域におきましては、水質改善の効果は顕著でないということで、特に湖沼ではCOD環境基準の達成率はおおむね40%から50%程度といった中で推移しております。
次に、地盤沈下の状況でございます。資料6の6ページにグラフ等で示しておりますし、パンフレットの35ページに同様のグラフも出ておりますが、35ページの右側の中ほど、(2)にございますように、平成9年度以降、年間4センチ以上沈下した地域は認められていないという状況になっております。
以上が、水環境、地盤環境の状況でございます。
次に、環境基本計画との関係では、「環境基本計画」の58ページの左の中ほどの「特に我が国において」というところの数行あとに、「水循環系が急激に変化し、生態系への悪影響、湧水の枯渇、河川流量の減少、地盤沈下、都市における水害・渇水、水質汚濁、親水機能の低下、水により育まれてきた文化の枯渇などの問題が発生している」というふうな指摘がございまして、そのあとですが、「このような中にあって、水循環の変化をもたらした諸問題を利用・解決していくために、場の視点からの取組に比べて立ち遅れている流れの視点からの取組の前進を図り」というふうなことが重要な課題とされております。
それから、「水環境のあらまし」の34ページでございますが、本年3月に我が国で開催されました「第3回世界水フォーラム」で採択されました閣僚宣言の中で、「地域に根ざし、生態系の保全を重視した総合的な水管理が重要とされる」という動きもございます。
資料6に戻りまして、【現状認識】の続きでございます。国内における取組につきましては、後ほどご説明しますが、関係省庁の連絡会議における検討を中心に取組を行ってきておりますけれども、流域単位での個別の取組は緒についたばかりといった段階でございますので、引き続きさまざまな取組への支援が必要と考えております。
それでは、資料6の1の「環境保全上健全な水循環の構築に向けた計画の策定」に入ってまいります。まず、取組の状況でございますが、水関係の省庁、発足当時は6省庁でございました。全体として総合的な効果を発揮するため、平成10年8月に関係省庁連絡会議を設置しております。なお、省庁再編に伴いまして、現在は関係5省が構成メンバーでございます。
連絡会議の趣旨、活動内容等につきましては、7ページの別紙3にお示ししております。連絡会議につきましては、平成10年9月に第1回の開催以来これまで26回ほど開催いたしておりまして、7ページの下の方にございますが、平成11年10月に「健全な水循環系構築に向けて」ということで中間とりまとめを公表しております。
また、関係省庁が連携した調査等につきましては、8ページの上の(2)のとおりでございまして、2つございます。[1]水循環系健全化に向けた総合施策検討調査、[2]水循環系再生構想の策定。そういった取組を行ってきております。
恐縮ですが、また1ページに戻っていただきたいと思います。【取組状況】ということで、関係省庁の連絡会議においては、現在、流域における健全な水循環確保のための計画策定にあたってのツールのとりまとめを行っているところでございます。具体的な内容につきましては、1つが健全な水循環系の構築に向けた基本的な考え方、2つ目が計画づくりのためのツール、いわば手法等といったものを提示していく。3点目が計画づくりの事例、地域の取組事例の紹介。そういった事柄で構成される予定でございます。
1の今後の課題につきましては、そこに書いてあるとおりでございますが、今申し上げたツールにつきましては、今後ホームページ等を通じて公表ないし意見募集、地方自治体等はブロック会議等で意見交換する。そういったことが考えられております。
次に、2の「国による各種関連施策の実施等」でございますが、【取組状況】につきましては、関係省庁連絡会議での連絡調整といったもの。それから、環境基本計画に掲げております基本的方向に基づいた取組ということで、2ページに主な取組事例を紹介させていただいております。
これにつきましては、「環境基本計画」の「施策の基本的方向」の中の山間部、農村、都市郊外部、都市部、その他流域全体等といった構成に沿って整理したものでございます。個別の内容につきましては、時間の関係もございますし、先般の各省からの報告と重なる部分もあるかと思いますので、省略させていただきますが、その中の環境省の取組事例について幾つか紹介させていただきます。
資料の9ページの参考資料をごらんいただきたいと思います。1.環境保全施設整備事業ということで、そこにグラフがございますが、平成3年度から14年度までの12年間で 160事業に対して支援を行っております。内容といたしましては、生活排水ということで水路浄化事業、水辺空間の整備等でございます。2つ目が、水生生物調査ということで調査を行ってきております。下の方に平成14年度の調査結果の概要をお示ししております。参加者は、平成14年度は9万人ほどということで、前年に比べて増えておりますし、過去最多というような状況でございます。10ページの上に結果をお示ししております。
もう1つは、10ページの3の人工干潟・藻場の造成等の水循環に関する技術開発の推進ということで、4カ所において実証事業を進めてきております。
それから、11ページでございますが、その前に8ページに戻っていただきたいと思います。8ページの下の方に[2]として手賀沼水循環回復検討基礎調査ということで、環境省において平成13年度、手賀沼を対象とした調査を行ったところでございます。
この調査の流れを受けまして、11ページの4の手賀沼水循環回復行動計画ということで、千葉県で7月16に行動計画を策定・公表しております。計画の概要でございますが、目標を22年度ということで、11ページにございますような目標、それから、目標を達成するための取組を行っていこうということで、これから本格的に取り組まれるというものでございます。
時間も押しているということで、最後、2ページの下の方からでございますが、【今後の課題】ということで、基本的な方向につきましては、3ページの上にございますように、流域の視点重視と、水循環系の機構把握、それから、流域における各主体の取組の推進といったことで、これまでの取組の強化を引き続き図っていくということで進めていきたいと考えております。
時間の制約もありまして、あちこち話が飛びまして失礼いたしました。以上でございます。

○森嶌部会長 どうもありがとうございました。

○質疑応答

○森嶌部会長 これもまた繰り返しになりますけれども、環境基本計画というのは各省庁が所管する事項に広くかかわりますので、我々が点検するときに環境省の所管事項だけやっていれば済むというわけではございませんが、きょうは時間の関係で環境省中心にご報告いただきました。
どうぞ、どなたからでもご意見を。
それでは、村杉委員、どうぞ、 浅野委員が見えますけれども、次に。
恐れ入ります。先ほど江頭委員に怒られましたけれども、名札を立てていただきたいと思います。

○村杉委員 資料があちこちに飛んで、私はそれをフォローするのになかなか追いついていけなくて、十分に把握してない部分もあるかもしれません。
前回というか、この前の地球温暖化と同じように、国の施策についても、例えば何ヘクタールをどうしたというようなことはおっしゃっていただいていますが、その結果としてBODがどうなったとか。その辺の定量的なものがないのがとてもわかりにくい。定量的に、結果がどうなのか。その結果を見て、もう少し我々として判断できるということもありますので、できるだけ定量的な部分も入れていただきたい。それから、これは国の施策ですから、国の仕事しか書かれておりませんけれども、こういう問題は都道府県のさまざまな施策が関係してくるんですよね。そのあたりの資料があるともう少し全体がわかりやすいと感じました。
もう1つ、この基本計画を策定した当時は環境ホルモンについての知見が不十分だった。今でも完全ではございませんが、その間随分いろいろなことがわかってきています。現在の環境基準はその辺のところはあまり入れてないわけですが、今度の点検では環境ホルモンという問題に私たちはもう少し注意をして、検討したらどうかと考えております。環境省さんでもたくさんの資料をお持ちだと思いますので、できましたら、それを私たちにお示しいただいて、この会として環境ホルモンに関する記述も加えてはどうかと思います。
ありがとうございました。

○森嶌部会長 それでは、浅野委員、どうぞ。

○浅野委員 水循環については、華々しく新しい法律案が出てきてないので、戦略プログラムの中であまりうまく動いていないテーマではないのかと思っていましたが、着実に動いているということがよくわかりました。水循環について非常に重要なポイントは地域性です。「基本計画」も、それぞれの水循環が考えられる流域ごとに計画をつくるということをまず第一に目標として挙げていますね。その方向で動くということになっているわけです。
その意味で言いますと、村杉委員のご指摘と同じ点であります。水循環のそれぞれの地域で、フィールドでの取組については自治体との連携はどうなっているのかという記載が全くないので、国の関係省庁がどういうことをやったかということはわかるんですが、その辺はどうなっているか、わかっておられるなら説明していただければと思います。
それからもう1つ、ここに並んでいるような施策の並べ方です。主な取組事例ということで並んでいる2ページの部分です。これは苦言ですけれども、各省庁の行政に引きずられているのではないかという気がします。山間部、農村、都市部というのは省庁の所管の地割りで決めているわけではない、我々の基本計画はどこの省庁がやったって構わないわけです。例えばリモートセンシングはどこの役所がやったからということで都市部の施策ということにされているのだろうけれども、もともとその他流域全体というのは、海岸にいったところをその他といっているのではなくて、流域全体を横断的にとらえる施策をその他で書いているわけです。リモートセンシングの流域の保水能力把握というのが、どうして都市部のところに並んでしまうのか。これは分析が余りにも貧弱なのではないかという気がします。
だから、どこの役所がやった施策であろうと、全体として計画が掲げていることをよく読んで、どこに位置づけるのかということを、きちっと考えなければいけないのに、その点の検討が不十分ではないかと考えられますので、もう一回検討し直して、流域全体にかかることは流域全体というふうにすべきだと思います。例えば浄化槽にしても、都市部の概念にもよりますけれども、我々の認識からいうと、都市郊外部の浄化槽というのが重要で、やたらと流域、下水道を山の中までつくるのがいいかどうかという議論をやっているわけです。そうすると、浄化槽が都市部にあるというのもちょっと気になるところです。そういうような点が幾つかあります。
最後に、手賀沼の水循環回復行動計画の中身を見ると、完全に自然環境局が入って一緒にやらなければいけないことが入っています。この連絡会議についての記載を見ますと、構成の中に自然環境局が入っていなくて、水部の現課の方だけが出ておられるようです。それはしようがないんだろうと思いますが、環境省として手賀沼の行動計画をおつくりになるときに、どういう形で自然環境局との連携を保ってやっておられるか。自治体との連携、それから、自然環境局との連携、この2点についてお答えいただきたいと思います。

○森嶌部会長 今のは、ご質問も批判の中に含まれておりますので、ご質問について。

○安藤水環境管理課長 自治体との連携でございますけれども、私どもはこれまで幾つかの典型的な事例とか優良事例といったものにつきまして、地元自治体の方々はもちろんですが、関係者の方や学識経験者の方々も含めて事例調査を行ってきておりますし、先ほど申し上げましたように、現在、流域の水循環計画策定のためのツールの作成作業を行っております。こういった成果もこれから自治体等の方々に広めていくと言いますか、利用していただくように努めていきたいと思っております。

○森嶌部会長 ご質問は、中央で出した施策を地方に持っていくというのではなくて、地域の水環境、流域の水環境をやるときに地方が重要ではないか、そういうところの政策も環境省としてどういうふうに把握しているのか、あるいは、情報をとっているのかというご質問であります。

○安藤水環境管理課長 先ほどのお答えがご質問に沿ってなかったかもしれませんけれども、いろんな取組、ケーススタディーの中で、自治体の方々からのご意見を聞きながら、そういったものを計画づくりの中に反映させていくということで進めてきておりますし、今後もそういった方向でいきたいと思っておりますが。
それから、リモートセンシング等、都市部なり流域全体といった区分けが不適切ではないかというあたりは、ご指摘のとおりかと思います。この辺については取組の内容というところで適切な整理を行っていきたいと思っております。
それから、手賀沼の取組につきましても、自然に関係する部分もございます。ですから、取組の中でいろんな部局が連携していくことが必要ではないかと思っております。

○森嶌部会長 そういうことでございます。ちょっとまだかなという気はしますけれども、時間もありませんので。
河野委員、それから、江頭委員、それから崎田委員、お願いします。

○河野委員 念を押すような恐縮なんですが、水循環についても定量的な記述があった方がわかりやすいのではないか。取組についても今後の課題についても必要なのではないかと思っております。水循環について、先ほど浅野先生から話がありました地域性があるとは言え、定量的に、特に参考資料でインプットデータは出ていますが、アウトプット、あるいはアウトカムに当たるような定量的な数値の取組を評価するということであれば必要かと思います。 それから、目標が環境水準なんですが、それに対して課題に取り組んで、ある取組をすればどれぐらい目標水準を達成できるか、地域で言えば地域レベル、水系で言えば水系レベルで出せるような。そういうふうにデータが出ればわかりやすいのではないかと思います。
以上でございます。

○森嶌部会長 どうぞ、江頭委員。

○江頭委員 先ほどは怒ったわけではないんです、すみません。ちょっと言ってみただけで。

○森嶌部会長 いえいえ。先生に言われると怒られたと思って。あれは冗談です。

○江頭委員 今度はちゃんと計画に沿って点検を進められたのかなと思って、少し安心しました。
内容的なことはまだ十分ではないんですけれども、私も、皆さんおっしゃったように、国ではすごく頑張っているんだなというのを感じるんですが、この計画について地方公共団体または地方の人たちにどのような働きかけをしたのか。手賀沼などがありますけれども、そうでなくて、地域住民が頑張ろうという気持ちになっていくような働きかけがさらにあればよかったなと思います。質問ではありません。

○森嶌部会長 それでは、崎田委員、どうぞ。

○崎田委員 私も、委員の皆さんがいろいろおっしゃってくださったので、部分的に。今後の課題として、流域の視点とか地域の視点というお話が出てきまして、皆さんおっしゃるように、今後、地域社会、自治体やNPO、生活者がどういうふうに動いているか、あるいは、自分たちがどう改善するかという意欲を持っていく、そういう仕掛けをつくっていくという視点が大事なのだと感じております。
そういう仕掛けを打つときの基礎資料とか、いろいろな情報の呼びかけの仕方として、ふだん感じているのは、これは所管の官庁が5つの省庁がありまして、環境省によく情報がつながるNPOと国土交通省につながるNPOとかいろいろあるんですけれども、現実に活動していることは、自分の地域をよくしようというような視点。たまたま川が近くあるところは川の環境をやっていたりしますので、そういう市民の実態をつかむときにできるだけ広い視点で、市民の動きをつかんでいただければありがたいなと感じております。

○森嶌部会長 どうもありがとうございました。
ほかにございませんでしょうか。
それでは、先ほどのように集中砲火を浴びておりませんけれども、いろいろ宿題が出ておりますので、報告書案をおまとめになるときに、提起された点について対応してください。いずれにしましても、各省がやったことでも、環境基本計画の尺度から点検をしていくという視点をきちっと持っていただきたいと思います。どうもありがとうございます。

○(2)報告事項
・物質循環の確保と循環型社会の形成に向けた取組

○森嶌部会長 それでは、次に報告ということになりますけれども、「物質循環の確保と循環型社会の形成に向けた取組」ということでございます。
このテーマは今回の重点点検項目ではございませんけれども、重要であることは申し上げるまでもないわけで、先般策定されました基本計画についてご報告いただきたいと思います。
よろしくお願いします。

○仁井循環型社会推進室長 廃棄物・リサイクル対策部で循環型社会推進室を担当しております仁井でございます。私の方から、この3月に閣議決定、国会報告されました「循環型社会形成推進基本計画」について説明させていただきます。
この「基本計画」はスタートから最後の仕上げまで、いわば審議会につくっていただいたというものでございますので、私がこのような形で説明するのは非常に面はゆいところがございますが、ご指示でございますので、時間も押しておりますので、ポイントだけ説明させていただきます。
資料7-1、資料7-2、それから、資料7-3に計画の本文をつけておりますが、基本的には資料7-1、資料7-2を使わせていただきます。
循環型社会推進基本計画は平成12年に基本法ができて初めてのものでございます。基本法の中で、中央環境審議会において計画づくりの具体的な指針をつくれという話がございます。平成13年に法が完全施行されて以来1年ほどかけて、審議会から計画づくりの指針を意見具申していただいたところでございます。この指針をもととしまして、計画案の作成を経て、ことしの3月に閣議決定・国会報告をいたしたものですが、この指針の策定過程、あるいは、計画の策定過程、各界からのヒアリング、あるいは、地域のヒアリング、パブリックコメントの実施といった、さまざまな手続きを経ております。
まさに循環型社会推進基本計画を進めているということ自身、行政府だけでできることではなしに、幅広い関係者を巻き込んでいく過程の中でできるということで、計画策定のプロセスを、いわばピーアール的なものを大きく取り込んだプロセスで行ったものとというふうに理解しております。
計画の概要でございますが、資料7-1が章だてになっておりまして、まず現状と課題ということで、目標として天然資源の消費の抑制と環境負荷の低減のため、循環を基調とする社会経済システムを実現していく、廃棄物問題を解決していくということを課題として掲げております。それから、これは指針の中で示されたものでございますが、循環型社会といったときに、具体的なイメージをそれぞれの生活に即して描いていこうということで、計画の中で循環型社会のイメージを記述しております。良いものを大事に使う「スロー」なライフスタイルとか、環境保全志向のものづくり・サービスの提供といったことでございます。
それから、循環型を形成していくのに具体的にはどういう目標を持っていくのかというときに、まず現状の整理でございますが、資料7-2を見ていただきたいと思います。これは平成12年ベースで我が国全体としてのものの流れを、推計の部分も数多くございますが、整理したものでございます。左からまいりますと、我が国では国内資源11億トン、輸入8億トン、この内訳として原料としてのもの7億トン、製品輸入1億トン、こういう天然資源等の投入量19億トンを使い、一部、循環利用量、リサイクルされる資源2億トンを用い、都合21億トンの総物質投入量、これは年単位でございますが、これを資源として投入して経済社会を営んでいると。
この結果、ストックとして残されるもの、蓄積純増11億トン、あるいは、エネルギーに変換される形、いわばものとしては気体になるという言い方が正確なものかもしれませんが、エネルギーという形で消費される、食料と消費されるもの等を除いて、廃棄物としては約6億トン発生してきている。これを減量化といったプロセスも経まして、最終的に埋立処分ということで 5,600万トン、0.56億トンが埋立処分されている。我が国のものの流れを平成12年度ベースとしますと、平成12年度はこのように整理しているところでございます。
こういったものの流れを循環型に変えていくことで、資料7-1に真ん中にございます数値目標:2010年をターゲットとしてということで、「入口」の目標、「循環」の目標、「出口」の目標という3つのマクロなマテリアル・フローにおける目標を立てております。「入口」の目標としては、資源生産性ということで、天然資源等投入量当たりのGDPをより少ない天然資源投入でもってしかるべき豊かさは確保していこうということで、平成22年度には、平成12年度トン当たり28万円と見積もっておりますが、これから生産性を4割向上させる形でもっていこうではないか。それから、「循環」は、現在、天然資源投入量19億トンに対して、循環利用量2億トン、おおむね10%といった循環率でございますが、これをおおむね4割向上させて14%にもっていく。それから、「出力」の指標として、廃棄物として最終処分される量を平成22年には 2,800万トン、12年から半減しようという、全体のマクロで見た流れとしての目標を立てております。
これはある意味で社会全体の非常にマクロな目標でございますので、個々の主体が取り組む取組の指標と言いますか、目標ということで、取組目標というものを別途定めております。例示として、1日1人当たりのごみの排出量20%削減とか、環境ビジネスの規模を倍増させていこうとか、ものを大切にというような意識レベルを上げていこうと。これもアンケート等をもとにした形での数値の目標という形で記述しております。詳しくは資料7-3の本文にございます。そういったものを実現するための各主体の取組として、国、国民、事業者、NPO・NGO、地方公共団体等につきまして、それぞれの主体が取り組むべき事項について整理しているところでございます。
最後に、資料7-3の21ページ、22ページをごらんいただきたいと思います。個別法・個別施策の実行に向けたスケジュールということで、工程表の形でこの計画期間中どういうことをやっているかということを整理しております。この基本計画は10年を計画期間とする計画でございますが、5年ごとに見直していくということが基本法上決まっております。その5年後の見直しに向けてこのような工程で計画の推進を図っていくということになっております。
非常に簡単でございますが、以上,報告させていただきます。ありがとうございました。

○森嶌部会長 どうもありがとうございました。

○質疑応答

○森嶌部会長 先ほども申し上げましたように、これは今回点検する重点項目ではありません。重要な項目ですけれども、点検の重点項目ではございません。
今、ご報告という形でやっていただきましたけれども、何かご質問ございましたら。
どうぞ、天野委員。

○天野委員 基本計画の特に「循環型」という言葉の英語の表現がどういうことになっているのか、ちょっとご質問したいんです。と言いますのは、基本法の方が「リサイクル・ベースト」という言い方をしていて、入口で減らすというのがなかなか出てこなくて、循環ばかりやっているというので、外国の人から大変評判が悪いんですね。ですから、この計画も同じ表現を使われるのだったら、ちょっと問題かなと思っております。これは英語の話です。
数値目標のところで、「入口」、「循環」、「出口」と3つ目標があるんですけれども、「出口」は総量で書いてあるんですね。ところが、「入口」は生産性を目標にしている。ですから、生産性が上がってもGDPがどんどん増えれば総量は増えるわけで、「入口」のところでも、この計画ですと、10年間で大体4割減りますので、GDPがそんなに増えるはずはないので総量も減るかなというのはわかるんですけれども、「出口」が総量で書いてあるわけですから、「入口」も目標として総量を書くというのが、普通の人にはわかりやすいことになるのではないかと思います。
質問というか要望といいますか、お願いいたします。

○森嶌部会長 どうぞ。後の方はご指摘ですが、前の方の、どういう英語を使うのか。

○仁井循環型社会推進室長 申しわけありません、これの英文のパンフはつくってあるはずなんですが、どういう表記をしているのか、今覚えておりません。

○森嶌部会長 外国で評判が悪いときにはぜひ天野先生から、そんなことじゃないんだということをご説明いただきたいと思います。
それでは、筑紫委員、どうぞ。

○筑紫委員 資料7-1にマテリアル・フローの目標が出ているんですが、これは我が国だけなんですね。ほかの国のものの情報というのはあるでしょうか。と言いますのは、大変おもしろいと思いましたのは、私どもの投資の世界では国債をグリーンで、いかに環境に負荷の少ない国家経営をしているかということで格付けをして、国債に投資をしようというような動きが世界的にあるんですね。そうしますと、例えばマテリアル・フローの観点から、アメリカが向上しているかどうかというようなことをチェックして、日銀の外貨準備のときにアメリカ国債だけをたくさん買わないで、向上した国の国債を買うというような流れになっていくかと思いますので、もしこういう資料が、いろいろな形でほかの国のものも全部あるとすれば、金融業界にとっては大変いい、興味深い数値なので、お尋ねしたいと思います。

○森嶌部会長 金融業界だけでなくても関心があると思います。そういうデータはありますか。

○仁井循環型社会推進室長 「計画」の本文の9ページにその一端を示しております。【参考】の図3にそれぞれの資源生産性について一応の比較をしたものがございます。ベースとかこれから相互間で議論しなければいけないところが多々ございますので、資源生産性をめぐって国際的な共同研究をやろうということで動き出しております。ことしの春行われましたG8の環境大臣会合で、鈴木環境大臣から提案いただきまして、G8諸国の賛同もいただいたということで、まず専門家レベルの会合で、国際的な比較ができるような指標の整理について研究しようということで動き出しております。
以上です。

○森嶌部会長 それでは、ご質問をお願いします。

○浅野委員 私はこの「計画」の検討にあたった者の一人でありますので、天野委員のご指摘にお答えをしておかなければいけないと思うんですが、3つ全部を目標にしていますので、その点を全部を合わせて成果を評価していこうという趣旨であります。論理的な整合性とか統一性ということも確かにあるんですけれども、諸般の事情これあり、ともかくこれでやったということであります。
最初のうちは、「出口」の最終処分だけ閣議決定の目標があるから、それでいいじゃないかという雰囲気が強かったんですけれども、マテリアル・フロー全体を抑えることにしなければどうにもならないというので、「入口」のところまで目標をつくるということで努力をし、ここらで妥協できたということであります。
それから、この基本計画の大きな特徴を申しますと、環境基本計画は全部で 139ページです。循環計画は20ページなんです。これは意図的に20ページにしています。つまり、環境基本計画が上位計画で、その下におかれる基本計画である。こういう位置づけの基本計画があまり細かくなっていてもしようがないという判断をしたことと、分厚いと読んでもらえない、ともにかく読む忍耐力の限界はこのぐらいだろうというので、薄くしています。
さらに、この基本計画の下に各省の個別法の計画が位置付けられるという構造になっていますから、こういうものは各省の計画をきちっと全部、この後ろにくっついて、それが一冊になって出されると全体像がよくわかるのではないかと思います。そういう意味では、各省の計画がどのように実行されたかをきちっと見ていくことが、この推進基本計画の点検の作業では重要な課題になるのではないかと思います。
もう1つ、循環型社会のイメージを示すところで、「しなければいけない」ということを書かないで、「こうなっています」という少しユニークな書き方をしたのですが、これは元がありまして、生物多様性国家戦略の中にこういう書き方がありましたので、同じスタイルもいいかなと思って、採用してみたわけです。これはやや画期的な試みではなかったかと思っております。

○森嶌部会長 ご質問ではなくて、お答えをしていただきました。
今の関連ですか。では、天野委員。

○天野委員 先ほど私が申し上げたことにいろいろお答えいただいたようなんですけれども、必ずしも答えになっていないのではないか。もともと英語の表現は「クローズド・マテリアル・サイクル」という言い方をしまして、「入口」も「出口」もゼロに近づけようという発想なんですね。ですから、真ん中をどう回すかというのは「入口」と「出口」を決めればおのずから決まってくることで、それだけを言っているわけではないというのが英語の表現ですね。
ところが、日本語は両端を言わないで真ん中だけ言いますので、その辺で外国から非常に評判が悪いということになっているんです。

○森嶌部会長 いや、先ほど申しましたように発想の違いがありますので、ぜひ……。

○天野委員 いや、発想の違いではなくて、目標を出すときには「入口」の件は非常に大事なんですね。ですから、その「入口」の目標を生産性という比率で書いてしまったのでは量が出てこないわけですよ。それを私は申し上げたので、それは万やむを得ないではお答えにならないということだと思います。

○森嶌部会長 はい、わかりました。
それでは、崎田委員、どうぞ。

○崎田委員 私もこれを検討する部会に入らせていただいていたので、先ほどご説明があったように、地域ヒアリングとか、いわゆる市民の意見をかなり聞きながらという形をとっていただきまして、大変ありがたいと思っています。ただ、そういう意見を聞くということは、後で市民が本気になって取り組まなければいけないという責任があるといつも感じながら参加させていただいておりました。
そういう視点からいくと、今後、この基本計画を多くの自治体が取り入れるというか、それぞれ策定していただくような流れを起こしていくことが大事だと思うんですが、そういうときにもぜひ地域の事業者や市民の参加型で基本計画をつくって実施するような、本当に現実が動くようなことを意識した広め方をしていただくとうれしいなと思っております。よろしくお願いいたします。

○森嶌部会長 はい。もうやめろということなのかもしれません。大分時間も過ぎておりますので。
それでは、まだご意見もおありかと思いますけれども、時間が大幅に過ぎておりますので、きょうのところはこれで終了させていただきたいと思います。
先ほど申しましたように、地球温暖化対策につきましては、一度、推進本部の点検の結果を受けて、我々としてどういう点にどういうアプローチで点検をするのか、特に来年の見直しとの関係で、今の時点でどこまでやるのかということについて、24日までにぜひご意見をいただきたいと思います。また、それだけではなくて、今日の審議につきまして、何かお気づきの点がございましたら、24日までにあわせてご連絡いただければと思います。
それでは、本日の総合政策部会を終わりたいと思いますが、事務局、何かありますか。
よろしいですか。
それでは、本日はこれで終了させていただきたいと思います。どうも大変熱心なご意見をありがとうございました。

午後12時16分閉会

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