中央環境審議会懇談会議事録

日時

平成19年10月31日(水)

場所

虎ノ門パストラル「ローレル」

議事内容

午後2時29分開会

○三好総務課長 大変お待たせいたしました。時間になりましたので、ただいまから第10回中央環境審議会総会を開会させていただきます。ご出席のご通知をいただいておられる委員で、まだご到着でない委員の方おられますけれども、予定しております時間でございますので、始めさせていただきたいと思います。
 まず、前回の総会の開催以降、委員交代がございました。新たに委員となられた方々をご紹介させていただきます。
 まず、浅野直人委員でいらっしゃいます。
 それから、吉川廣和委員でいらっしゃいます。
 また、環境省側も幹部に異動がございましたので、異動がありました幹部をご紹介いたします。
 桜井自然環境局長です。
 石塚環境保健部長です。
 白石水環境担当審議官です。
 以上でございます。
 それでは、鈴木会長よろしくお願いいたします。

○鈴木会長 それでは、中央環境審議会総会を開催させていただきます。ご多用のところお集まりいたしまして、ありがとうございました。きょうは、若干コンパクトな会議となっております。それだけ実のある議論ができるかと思います。
 本日の会議は、中央環境審議会の運営方針について、これに基づきまして公開となっておりますことをまず最初に申し上げます。
 きょう、鴨下環境大臣にご出席いただいておりますので、まず初めに環境大臣よりごあいさつをいただきたいと思います。

○鴨下環境大臣 環境大臣の鴨下一郎でございます。
 本年8月に環境大臣を拝命して以来、地球温暖化問題を初め、山積する環境問題に日々取り組んでいるところでございます。
 委員の皆様におかれましては、本日はお忙しい中お集まりをいただきまして、まことにありがとうございます。また、日ごろから各部会において積極的にご議論をいただいていることに、厚く御礼を申し上げます。
 さて、京都議定書第一約束期間の開始が来年に迫りまして、また、来年7月の北海道洞爺湖サミットを控え、環境行政は大きな節目の時期にきております。
 本年6月には、中央環境審議会に多大なるご尽力をいただき、持続可能な社会に実現に向けて取り組むべき環境政策の方向を示した「21世紀環境立国戦略」が閣議決定されました。この戦略に基づき「低炭素社会」、「自然共生社会」及び「循環型社会」の構築に向けた取り組みを、互いに関連づけながら強力に展開していこうというところでございます。
 まず、地球温暖化問題につきましては、京都議定書の6%削減約束の達成に向け、昨年来ご議論いただいている「京都議定書目標達成計画」の見直しを初め、各部門での対策の抜本的な強化を図ります。また、2050年に世界全体の温室効果ガス排出量を現状から半減させることを目指して、2013年以降の実効ある国際枠組みの構築に向け、国際的なリーダーシップの発揮に努めてまいります。
 また、本年4月よりご審議いただいている「第3次生物多様性国家戦略」を本年中に策定し、我が国が開催国に立候補している2010年の生物多様性条約第10回締約国会議の開催も見据え、幅広い施策を展開してまいります。
 また、3Rを通じた循環型社会の構築形に向けて、「循環型社会形成推進基本計画」の改定や家電・建設リサイクル制度の見直しについてご審議をいただいているところでありまして、国際的なリーダーシップの発揮も含め、取り組みを推進してまいります。
 委員の皆様におかれましては、今後ともこれらの分野を初めとして、大気・水・土壌環境対策、化学物質対策、公害健康被害対策など諸課題の解決に向けてご審議、ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。環境省といたしましても、「環境立国」の実現を目指して、全力で取り組んでまいります。
 本日は、前回の総会以降の状況、平成20年度重点施策等について意見交換をしていただくと聞いております。国会審議のため、この後、退席させていただきますが、委員の皆様には、大所高所からのご議論を賜りますことをお願い申し上げまして、私のあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○鈴木会長 それでは、鴨下大臣は所用によりまして、ここでご退席になります。どうもありがとうございました。
 それでは、議事次第に従いまして議事に入らせていただきたいと思います。
 まず、審議に入ります前に、事務局の方から本日の資料の確認をお願いいたします。

○事務局 それでは、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。
 席上に、座席表と議事次第のほかに、資料1としまして「中央環境審議会委員名簿」、資料2として、「中央環境審議会の審議状況等について」、資料3「平成20年度環境省重点政策について」、資料4「廃棄物・リサイクル対策について」、資料5「環境配慮契約の推進について」、資料6「環境保健行政について」、資料7「地球温暖化対策をめぐる最近の動きについて」、資料8「水・大気環境保全施策について」、資料9「自然保護行政について」。また、参考資料といたしまして、参考資料1「21世紀環境立国戦略」、カラー刷りのパンフレットになってございます。それから、参考資料2-1「『超長期ビジョンの検討について(報告)』の概要」、参考資料2-2「超長期ビジョンの検討について(報告)」以上の資料を配付してございます。
 なお、資料用の封筒につきましては、席上に配付しておりませんので、ご利用の場合にはお帰りの際、事務局にお申しつけいただければと思います。
 以上でございます。

○鈴木会長 よろしいでしょうか。何かありましたら、事務局にお申し出ください。
 それでは、早速議事に入りたいと思いますが、3番となっております、各部会の審議状況等について、中央環境審議会議事運営規則第6条第3項によりますと、会長は、会長が同意して審議会の決議とした部会の決議について、総会に報告すること、このようになっております。本年1月に開催いたしました総会以降の中央環境審議会の審議状況を資料2、冊子がございますが、「中央環境審議会の審議状況等について」に取りまとめております。大変事務的で恐縮ですが、これをお配りしたということで、総会に対する報告とさせていただきたいと思います。
 最初の部分に、「中央環境審議会諮問・答申等一覧」、そして3ページ以降に各部会の審議状況がまとめて示されております。よろしいでしょうか。
 それでは、続きまして、平成20年度重点施策について、この説明をお願いいたします。

○小林大臣官房長 それでは、官房からでございますけれども、平成20年度の環境省重点施策ということで、資料の3に基づきまして、ご説明を申し上げます。
 大変はしょった説明になろうかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。
 まず、1ページ開いていただければと思います。
 ポンチ絵がございます。このことしの予算要求、あるいは制度要求、是正等の要求につきましては、既に6月1日にこの「21世紀環境立国戦略」というのをこの中央環境審議会におきまして、案をまとめていただく閣議決定をしたわけでございますけれども、それを具体的に内容に落とし込んで、予算要求等をさせていただいたということでございまして、中身につきましては、審議会の委員の方々には既におなじみのところになります。繰り返しになろうかと思いますけれども、ご説明をさせていただきます。
 この戦略、ご案内のとおり、安倍前総理が作成を指示したものでございますが、6月1日にできました。その中身でございますけれども、精神としては三つのポイントがあろうかと思います。そして、全体が戦略としては八つの戦略ということに分かれておりますが、三つの矢印にありますように、自然との共生を図る智慧と伝統を現代に活用するんだ、それから車の両輪として進める環境保全と経済成長・地域活性化、それからアジア、そして世界とともに発展する日本をつくる、こういうようなセンスでこの戦略がまとめられており、具体的に取り組むべきいろんな事業、施策というものがそこに示されていたわけでございます。そのほとんどにつきまして、その具体化を図る、まだ芽出しだけというものもございますけれども、具体的を図ろうという予算の内容になってございます。
 構造はその立国戦略とほぼ引き写しでございますけれども、少し束ねまして、全体として六つのパートに分かれて重点事項をつくってございます。1丁目1番地が、1番にあります「低炭素社会づくりへの取組の本格化」ということで、温暖化対策を中心とした項目でございます。
 それから、大きく2番目、左の下に参りますけれども、「生物多様性保全を通じた自然共生社会づくり」ということで、第3次生物多様性国家戦略、これを19年中に策定予定としてございますけれども、これを踏まえた政策の展開ということの準備をしていこうというふうに考えてございます。
 また、3番目は右へ参りますけれども、「3Rを通じた持続可能な資源循環」ということでございまして、これも19年度中に策定予定の新循環型社会形成推進基本計画にのっとった政策の展開ということを予定して、その裏打ちになりますところの予算というものを要求してございます。
 また、4番目は「アジアの環境保全・脱公害に向けた国際連携・協力」ということでございまして、国際協力をアジアを中心に進めていくということでいろいろな内容を要求させていただいております。
 5番目、右に参りますけれども、いわば環境行政の基盤でございますが、精神の二つ目に掲げたように、「環境から拓く経済成長と地域活性化の道筋」ということでございまして、ここにも各課題共通した基盤的な取り組みがいろいろ盛り込まれております。
 それから、6番目に「安全を確保できる生活環境行政の推進」ということで、これは一番最後に書いてございますが、大変重要でございまして、多くの公害問題に対する対応等がここに書かれてございます。
 こうした政策を通じまして、ひとり、環境省だけではございません、地方自治体、産業界、そしてNGO、NPO、国民等の参加と協働、協力をいただきまして、持続可能な社会に向けた統合的な取り組みを進めていきたいというふうに考えてございます。
 こうした考えで、1ページでございますけれども、全体の予算要求、これは要求がございまして、これから査定、そして年末の政府予算編成と、こういうことになっていくわけでございます。要求段階でございますから、数字が去年より比べて大変大きくなってございますが、おかげさまで要求の枠としては、シーリング枠目いっぱいの合計の欄、右下を見ていただきますとわかりますように、対前年伸び率21.2%、要求総額が2,685億円ということでございます。
 中身を見ていただきますと、一般会計のところの下の欄、公共事業が大体1,163億円、それ以外が非公共事業になるわけでございます。その中が一般会計と特別会計に分かれますが、一般会計について言いますと、一般政策経費等々ございます、大体1,060億円、そして特別会計につきましては、伸び率がここが一番高いわけでございますが、ご案内の京都議定書対応ということで、COを減らすといったような対策のための事業費、これがエネルギー特会に積まれておりますが、目いっぱいの要求462億円、対前年比37.1%の増という要求を構えております。
 要求の中身につきましては、時間の関係で先ほどの大きな柱だけの説明にかえさせていただきますが、見ていただきますと2ページ、低炭素社会のところでは、ここだけ申し上げますと、(1)、(2)ということで、さらに細かい柱がここを見ていただきますとできております。大きく分けまして、足元の6%削減約束を確実に達成するということが一つと、それからポスト京都といいますか、世界全体に一層実効ある取り組みを引き出すための新しい枠組みづくりというのが3ページ以下に書かれております。
 そして、4ページには途上国も巻き込んだ具体的な対策を、その新しい枠に沿って進めるということになりますと、途上国の方々にも対策を担っていただくということで温暖化対策と公害対策を一体的に進める、コベネフィットの対策によりますところの国際協力を進めていこうというようなことが書かれております。  また、4本目の柱は、さらにその先「2050年半減」の長期目標に向けた日本発の低炭素社会づくりということで、かなり先を見通した話がここに書かれてございます。
 それから、2番目の柱でございます。生物多様性、6ページからでございます。ここも幾つかの柱に分かれておりますけれども、生物多様性、言葉が難しいので国民の理解と保全活動の促進、あるいはそれを実際に地元に落した、例えば里山の保全といったような「人と地域が創るよりよい関係」といったような項目。それから、7ページには「生物多様性保全のために重要な地域の総合的な保全」。そして、COP10でございますが、生物多様性条約のCOP10招致にかかわるようなリーダーシップの発揮といったようなこともここに書かれてございます。
 以下、時間の関係で省略をさせていただきますけれども、参考というところが17ページにございます。特に、COを減らすための事業費関係、先ほど申し上げました462億円の要求の特会の中身が17ページ、18ページに書かれてございます。
 また、おかげさまで環境立国戦略に対応した予算というのは、普通のシーリングの外で、別枠で要求がいわばできるということになりまして、ここ書いてございます、19ページでございますが、環境立国の中で特に温暖化と言われたこと、あるいは地域活性化をあわせたこと、都市対策をあわせたこと、こういったようなことについて主に新規予算並んでおりますけれども、その特別枠を利用いたしまして、要求をさせていただております。それが合計71億円、これは一般会計の部分でございます。
 さらに、20ページ以下、財投要求、そして21ページには税制改正の要望というようなことで、例えば環境税等もございますが、バイオ燃料の優遇税制、そして省エネ住宅への改修に伴う税制等々いろんな新しい税制の提案をここでさせていただいてございます。ただ、税制につきましては、これからさらに中身を詰めまして、いよいよ11月末あたりから本格化します議論に臨んでいきたいということで、必ずしも中身が全部詰まっているわけではございませんが、そういったものも要望したいという方針を示させていただいたところでございます。
 以上でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。
 続きまして、各部局から当面の諸問題につきまして、概要のみになりますが、ご報告をお願いいたしております。委員の先生方におかれましては、ご質問、ご意見、これまでの分も含めましておありと思いますが、説明をまとめて伺ってから、最後にお願いしたいと思っております。
 では、まず、廃棄物・リサイクル対策部から、由田部長。

○由田廃棄物・リサイクル対策部長 それでは、廃棄物・リサイクル対策部の方から、3点ご報告させていただきます。
 一つは、「循環型社会形成推進基本計画」、それから2点目は「家電リサイクル法」の関係、3点目は「建設リサイクル法」の関係でございます。
 まず、資料4でございます。
 まず、「循環型社会形成推進基本計画」の見直しについてでありますが、平成15年3月に閣議決定をいたしまして、循環型推進基本計画ができておりますが、ちょうど今5年目に当たっておきまして、この中央環境審議会の循環型社会計画部会の方で見直しに向けた検討を行っていただいております。本年7月に開始いたしまして、8月に見直しのための指針が取りまとめられました。この指針に沿って、今後議論を進めていくことにさせていただいております。
 指針の主な内容でございますが、これは既にお話に出ました21世紀環境立国戦略でありますとか、あるいは過去の3回の循環基本計画の点検結果などを踏まえるとともに、この第3次の環境基本計画の循環型社会、関連部分を基本としつつやっていくということにしております。
 この重点的に検討すべき項目としましては、いわゆる先ほどから話がございました低炭素化社会、それから自然共生社会との統合的な展開を図るということで、特に地球温暖化対策との取り組みとの連携を強化するということ、それから、2点目は、この循環型社会の姿というものを必要があれば新たな補助指標のようなものを導入を行ってはどうかということ、それから地域循環圏について議論を深めまして、この循環型の地域づくりとか、3Rの国民運動の展開というふうなこと、それから、国際的な視線から3Rの推進に関する我が国の指導的な役割とか、特に東アジアにおけます適切な資源循環のための施策を検討するということになっております。
 今年度末、来年の3月を目途に、この計画の取りまとめに向けまして検討していきたいと思います。特に今回の審議の中では、先般10月18日に3R推進全国大会が北九州で行われまして、このときにもこの場でも審議会としてご意見を拝聴する、あるいは来月筑波で廃棄物学会の発表がございますが、このときにもご意見を拝聴するというようなことにいたしております。幅広くご意見を承っていく予定にしております。
 次のページでございます。
 次のページは、3Rの今申し上げました国際的な推進の展開であります。この3Rに関しましては、G8プロセスの中で進めておりまして、2004年6月、米国で行いましたサミットでの合意を経て以来、展開をしているわけであります。
 これまでの流れ、それから今後のサミットに向けての流れというのをここに書いてあるとおりでございます。特に、この3Rイニシアティブの成果の取りまとめとか、今後のG8としての新たな行動計画の合意を目指していくわけですが、この前にアジア諸国とも会合を持たせていただきまして、このアジア地域の意見をG8の議論に反映するように、何とか努力していきたいというふうに思っておりますし、それからG8の環境大臣会合がございますが、これに先立ちまして、ごみゼロ国際化行動計画というのを見直して新たな計画を策定していきたいというふうに考えております。
 続きまして、3ページでございます。各リサイクル法、二つ現在審議をお願いをしております。
 1点は、家電リサイクル法でございます。昨年6月より審議をしていただいております。今年の7月に中間的な論点整理というものが行われておりまして、昨日取りまとめに向けての議論を行わせていただいたところであります。ポイントはここにあります使用家電済みのフローから始まりまして、不法投棄の継続的な発生、リサイクル料金の関係等々でございます。引き続いて審議を進め、成案を得るように努めたいと思っております。
 建設リサイクル法であります。ちょうど今年5月に法律で定めます施行状況の検討時期を迎えました。この中央環境審議会の廃棄物リサイクル部会に建設リサイクル専門委員会を設置させていただきまして、既に第1回の審議をこの15日に行ったところでありますが、今後、国土交通省の審議会の方と合同で審議を行わせていただく予定にいたしております。
 以上でございます。

○鈴木委員長 ありがとうございました。
 それでは、総合環境政策局の方から、後藤総務課長。

○西尾総合環境政策局長(代理:後藤総合環境政策局総務課長) 官邸の方での会議で出席を余儀なくされております、西尾にかわりまして、説明させていただきます。
 総合環境政策局につきましては、お手元の資料5、環境配慮契約につきまして、1点ご報告いたします。この法律、正式名称は「国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律」という長い名前の法律でございますけれども、議員立法で成立しまして、本年5月23日に公布され、11月20日前後に施行されるという予定でございます。
 法律の概要自体は、以下5ポイント記してあるとおりでございまして、まず最初に、国は、国及び独立行政法人等における環境配慮契約の推進に関する基本方針、これを閣議決定いたしまして、その方針に基づき契約を推進するように努める。
 2点目としまして、いわゆるESCO事業、省エネルギー改修事業の実施に当たって、国庫債務負担行為の年限を従来の5年から10年間ということに延長すると。
 3点目が、契約実績の公表と環境大臣の要請ということでございまして、会計年度の終了後に環境配慮契約の締結実績というものを取りまとめて、公表するとともに、環境大臣に対して通知すると。そして、環境大臣は、特に必要な措置をとるべきということということに関しては、要請をすることができるということになっております。
 4点目としまして、この実施に当たりましては、公正な競争の確保に留意するとともに、温室効果ガス等の排出の削減に関係のある施策と調和を図っていくということが明記されております。
 そして、最後に5番目ですけれども、電力の購入契約に関しまして、電気の供給を受ける契約に関しては、当分の間、二酸化炭素の排出係数等を入札の参加資格に定めまして、その資格を満たす者の価格によって落札者を決定する、いわゆる裾切り方式といったものを採用するというものを内容としております。
 検討の状況でございますけれども、まず8月13日に東京大学の生産技術研究所教授であられます、山本良一先生に座長になっていただきまして、有識者による研究会を立ち上げました。そして、そのもとに四つの分野、電力、自動車、ESCO、建築といったものに関しましてのワーキンググループを設置いたしまして、それぞれのワーキンググループごとに3回ほど会合を開催し、意見を取りまとめ、現在10月15日にこの基本方針検討会で報告を経て、パブリックコメントに付されているということになってございます。
 その具体的な、この基本方針の案の概要でございますけれども、時間の都合ございますので、3ページほどおめくりいただきますと、横書きのポイント指定で、まず電力の関係でありますけれども、先ほど申しました裾切り方式といいますものに関する説明ペーパーがついてございます。「電気の供給を受ける契約について」という、この資料でございますが、そこにございますように、評価項目を二酸化炭素排出原単位、また新エネの導入状況、未利用エネルギーの利用といった項目に関してポイントを割り振りまして、さらにグリーン電力証書に関しては、特別に加算を10点程度するといった方式を今提案させていただいております。こうしたポイントで、総合的に70点以上取れたものについては、入札の参加の資格を付与していくというようなものでございます。
 そして、次に自動車でございますけれども、次のページにございますけれども、ここでのポイントは購入価格に加えまして、環境の性能として燃費といったものを総合的に評価しまして、最もすぐれた提案をした者と契約をしていくという方式でございます。具体的な算定方式に関しましては、そこに総合評価落札方式の式がございますけれども、ごらんいただければと思います。
 次のページには、ESCO事業に関してのご説明でございます。債務負担行為の延長が5年から10年と申し上げましたけれども、それと並びましてもう1点、設備更新型のESCO事業、下にございますように、大規模な更新をするときにあわせましてこのESCO事業をやっていただくという、この設備更新型のESCO事業の導入を明記してございます。
 そして、次に建築物、これにつきましては、いわゆる設計の段階でございます。建築物の設計の段階において、この環境配慮を行っていくということが極めて大きな効果を環境保全上有するということから、環境配慮型のプロポーザル方式というものを導入し、その保全性能を定めた発注を行っていくと。特にこのCOのライフサイクルでの評価、いわゆるそのLCCOベースでの評価といったものの中で、今うたっているところでございます。
 以上の内容を骨子としました、今基本方針案をパブリックコメントに付してございまして、並行して各省との協議中でございます。
 そして、今後の段取りでございますけれども、11月20日前後に第3回の基本方針の検討会を開催しまして、12月には基本方針の閣議決定、これを経まして、20年度の契約分から本格的にこの法律の内容が反映されていくということになろうかと思います。
 以上、簡単でございますけれども、総政局から説明させていただきました。

○鈴木会長 ありがとうございました。
 では、続きまして、環境保健部から石塚部長、お願いいたします。

○石塚環境保健部長 お手元の資料6、環境保健行政についてというもので説明いたします。まず1番目、中央環境審議会における今後の化学物質対策の在り方に関する中間答申についてでございますが、いわゆる化管法につきましては、平成12年の施行から7年を経過しておりまして、見直しの時期を迎えているところでございます。
 今度、環境省と経済産業省の方では、中央環境審議会と産業構造審議会との合同会合を持ちまして、見直しの作業を進めてきたところで、本年8月に中間答申を頂戴したというところでございます。
 中間答申におきましては、化管法の仕組みは相当程度定着しているというご評価をいただいた一方で、対象物質、それから対象事業者と届出事項の見直し、あるいはPRTRデータの多面的な利用促進と、制度の見直しと運用の改善に向けました、さまざまなご提言を頂戴したところでございます。
 環境省におきましては、この中間答申を踏まえまして、経産省と政省令を含む化管法の改正事項についての検討を来春を目途に進めていきたいと考えております。
 それから、1枚めくっていただきまして、2番目のこの化管法の第1種指定、第2種指定化学物質の指定見直しに関する審議でございますが、先ほどの中間答申に盛り込まれました提言のうちで、対象物質の見直しについてご審議いただくために、環境大臣、厚生労働大臣、並びに経済産業大臣から関係審議会に諮問がなされております。それぞれの審議会においては、専門の部会等を設けまして、この三つの合同会合というものでご審議をいただくことになっております。この月曜日に第1回目の会合というものが開催されたところでございます。今後、最新の知見、あるいは国際動向を踏まえながら、活発なご審議を賜りたいというふうに考えているところでございます。
 それから、次のページで3番目、水俣病対策でございます。水俣病問題につきましては、平成7年に村山内閣のもとで政治解決がなされたわけでございますが、その後、平成16年、3年前でありますが、最高裁の方で国と県が負けてしまいまして、それ以後、新たな認定の請求、あるいは訴訟というものが提起されているという状況にかんがみまして、与党の方でプロジェクトチームが設置されました。このプロジェクトチームの方に作業を進めておりましたけれども、つい先ごろ、解決のための一時金でありますとか、療養手当の金額が提示されたところでございます。今後、この方向に沿いまして、環境省としましてもPTと連携しながら問題の解決に当たってまいりたいと考えているところでございます。
 4番目が、小児の環境保健に関する取り組みということでございますが、子どもの健康に配慮した化学物質対策につきましては、「子どもは小さな大人ではない」という認識のものに化学物質が子どもの健康に与えるリスクについて調査を行ってきたところでございます。この結果、子どもは母乳の摂取など、大人とは異なる特有のばく露経路というものがあることや、成長途上にあるということで身体の機能が未熟であるといったことが明らかになったところでございます。ただ、いろいろなメカニズムも含めまして、健康影響、化学物質等の影響につきましては、まだ未解明の部分が多いということで、昨年8月に専門家によります小児の環境保健に関する懇談会というのを設けまして、今後の対応策というものをご議論いただいたところでございます。その懇談会でなされた提言基づいて小児を取り巻くさまざまな環境と健康の関連性についての疫学調査というものを今後進めていきたいというふうに考えているところでございます。
 それから、最後になりますが、これは資料だけで恐縮でございますけれども、石綿の健康被害の救済の現状でございます。数字が並んでおりますので、お時間ございましたらばご覧いただきたいと思います。
 以上でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。
 それでは、次に地球環境局から谷津大臣官房審議官、お願いいたします。

○南川地球環境局長(代理:谷津大臣官房審議官) 地球局担当審議官の谷津でございます。
 南川局長が今国会で新たに設置されました参議院の地球温暖化に関する調査会に今出ておりますので、かわりましてご報告を申し上げます。
 資料7でございます。
 国内の動きが1点、国際的な動きが3点、計4点ご報告を申し上げます。
 まず、国内の動きでございますが、地球環境部会におきまして、現行の京都議定書目標達成計画の見直しのご審議を鋭意進めていただいております。去る8月10日に中間報告を政府としてちょうだいをしたわけでございます。この中間報告に基づいて、政府といたしましては、10月20日付で見直しに向けた基本方針というものを総理が本部長になってございます対策推進本部で決定をして、各省、今鋭意対策の深掘、新規の施策の積み増しという作業をしているところでございます。なお、地球環境部会におかれましては、年末を目途にご答申を取りまとめという方向になってございます。それを受けまして、政府としては今年度末までに目達計画を見直しまして、来年の4月からスタートする第1約束期間への備えを万全を期したいということでございます。
 国際的な動きの1点目、「国連気候変動に関するハイレベル会合」9月24日、ニューヨークでございます。これはバン国連事務総長のご提案によりまして、国連本部で各国の首脳にお集まりをいただきまして、今後の次期枠組みに関する国際交渉に政治的なモーメンタムを与えるという目的で開かれたものでございます。この会議はちょうど内閣が変わるタイミングに当たりまして、日本政府といたしましては、森元総理を総理大臣の特使にお願いをいたしまして、ご出席を賜ったわけでございます。
 次が、(2)「エネルギー安全保障と気候変動に関する主要経済国会合」、9月27日、28日、ワシントンDCというものでございます。これは今年のハイリゲンダムサミットに先立ちまして、5月にアメリカのブッシュ大統領が開催を提唱した会議でございます。参加国に並んでおりますような国々、次のページに参りまして、合計で17カ国が集まったわけでございます。
 この会合には、当方からは高村外務大臣を初め、関係各省から出席をいたしました。環境省も出ております。概要のところかいつまんでご報告申し上げますと、特にこの主要国会合は温暖化に関します長期目標について重点的に議論していこうということでございました。ビジョンとしての長期目標の必要性にほぼコンセンサスが得られております。また、技術についても重点的に取り組んでいこうというものでございます。
 この米国主催の主要経済国会合と国連のもとでの温暖化の交渉とどういう関係になっていくのかという点について、関心が各国から表明されたわけでございますけれども、④でごらんいただけますように、本会合プロセスは、国連プロセスに貢献するものだと、国連の外で独自の要求をするものではないということが明確になってございます。
 今後でございますけれども、来年の夏までに首脳級の会合によりまして、長期目標について合意をしたいという発言がブッシュ大統領からございました。また、途上国のエネルギー関連の支援を行うための基金の創設についても考え方が示されたわけであります。
 3でございます。気候変動枠組条約第13回締約国会議及び京都議定書第3回締約国会合、閣僚準備会合、先週10月24、25、インドネシアのボゴールで開かれたものでございます。そこにございます35カ国が参加したわけでございまして、我が国からは鴨下環境大臣以下が出席してございます。これは、今年の12月3日から2週間にわたりまして、バリで開催されます会議の準備会合ということでございました。
 ポイントだけ申し上げますと、米、中、印などの主要排出国が参加して交渉を行う場をバリで立ち上げようと、そこで長期目標、あるいはその排出抑制対策の今後の国際ルールについて議論しようという提案を日本から行いました。大方こういった方向での共通認識がボゴールでは形成されたのではないかと思っております。
 したがって、バリで何が起こるかということでございますけれども、一番下にございます「バリ・ロードマップ」、今後の次期枠組みの国際交渉の進め方に関する工程表、これは2007年から始まって、2009年までに次期枠組みに合意をしようというような、工程表がバリでは主要な議題として議論されるということでございまして、こういった議論の方向については大方のコンセンサスができつつあるという状況にございます。
 もう一つでございますが、やはり森林の扱いというのがバリにおけますもう一つの重要なポイントになってまいります。これは森林減少というものが、まだ世界的に進んでいるわけでございますけれども、そのままにしておきますと、これはCOの排出という形でカウントされるわけです。この量が世界全体の排出量の2割に達するというようなデータもございまして、森林減少に伴うCOの排出というのを今後国際的にどう考えていくのかというのが、二つ目の大きな課題ではないかと思っております。
 以上でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、水・大気環境局からまず竹本局長、お願いいたします。

○竹本水・大気環境局長 資料の8でご説明をしたいと思います。多岐にわたります前半を私の方から、後半を白石審議官の方からご説明申し上げたいと思います。
 まず、第1に大気環境分野でございますが、光化学オキシダントにつきましては、近年環境濃度上昇の傾向にありまして、また注意報の発令が広域化しているという状況の中で、大陸からの影響などが懸念されてきておるところでございます。そこで、今年の7月から専門家による検討会を設置をいたしまして、現在鋭意ご検討をお願いをしておるところでございまして、本年末を目途にこの検討結果取りまとめをする予定としております。
 ヒートアイランド対策につきましては、先ほど小林官房長の方からご説明申し上げましたが、環境立国戦略の中でヒートアイランド対策、位置づけがなされております。また、エネルギー特別会計の中でも予算が認められまして、今年度よりモデル事業というものを実施を開始したところでございます。
 次に、自動車排出ガス対策についてでございますが、本年の2月に中環審の方から意見具申をいただきました。それを踏まえまして法律の改正、自動車のNOx・PM法の改正を国会に提案し、成立をしたところでございました。局地汚染対策及び流入車対策を柱といたしまして、来年1月の施行を目指しまして、現在事務当局で準備をしておるところでございます。
 また、特殊自動車の排出ガスの規制強化につきましても、排ガスの専門委員会での報告案を取りまとめていただきました。現在パブリックコメントに付しておるところでございますが、その結果を受けまして、大気環境部会にお諮りをしたいと思っておるところでございます。
 次のページでございますが、東京大気汚染訴訟、本年の8月に和解が成立をいたしまして、東京都によります医療費助成制度の創設、また各機関によります環境対策の充実、強化、実施などが和解の内容として合意されたところでございます。
 そのうちの一つでございますが、次のPM2.5、いわゆる粒径の小さい微小粒子物質PM2.5につきましての健康影響の検討を進めるべきということでございました。本件につきましては、専門的な立場から現在検討会開設いたしまして、鋭意検討をいただいておりまして、本年度末を目途に取りまとめを行っていただく予定でございます。  以上です。

○白石水環境審議官 引き続きまして、IIでございます。二つほど掲げておりますけれども、水環境保全に関しましては、水生生物保全のための環境基準に関しまして、類型指定を行っているというのが現状でございますし、また暫定排水基準が適用されております、ほう素、弗素等の排水処理技術の普及といった形での予算要求を現在行っております。
 また、海域環境という観点から申しますれば、まだまだ閉鎖性海域の保全のもう一段の改善が図られなければならないという観点から、各種施策を取り組んでおるところでございますが、里海という新たな概念でいろいろ自然の恵み豊かな環境の創生ということを考えようとしておるところでございます。
 それから、2番目の土壌環境施策でございますけれども、土壌汚染対策法施行から5年目でございますので、本来法律の見直しは10年ということになっておりますが、新しくできた法律、いろいろな使い勝手の問題、また現状の方が進行しておりまして、法律に基づく土壌汚染調査よりも、基づかない調査の方が多く行われている等々の実態がございますので、土壌汚染対策に関するあり方懇談会を本年6月に設置しまして、今勉強を始めているところでございます。これはいずれ審議会の方にもご相談申し上げなければならないことになるのではないかという予測のもとに、勉強をしているところでございます。
 Ⅲでございます。水・大気に関しましても、各種国際的な問題を考えなければならないところいうことで、特に地球環境局とも連携いたしまして、水、あるいは大気の環境問題の解決とともに温暖化対策に資するような、ともに便宜があるコベネフィット型のCDMモデルというのを推進しようと考えておること、それから、特にアジアの水環境保全という観点から、2国間のいろいろな対話であります、パートナーシップ事業しておりますけれども、本年12月3日、4日、別府で第1回のアジア・太平洋水サミットが行われるということをチャンスと考えまして、あわせて国際フォーラムを開催する等のことを考えております。
 特に、中国との関係では先ほどありました、いろいろ光化学オキシダントのこともありますけれども、水環境、相当中国で悪化しているという情報に接しておりまして、日中共同でのいろいろな調査、あるいは政策提言を行おうということを現在やっております。
 それから、Ⅳ番でございます。ご承知のように一部の事業者、データの改ざん等々の不適正事案が報道されておりますが、このようなことがどうして起きるのかと、より効果的に公害防止をするために、実際にうまくいくような方策とはどういうことかということで、これもお示しのような検討会で現在勉強しているところでございます。
 以上でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、自然環境局から桜井局長、お願いいたします。

○桜井自然環境局長 それでは、お手元の資料9をごらんいただきたいと思います。
 簡単に2点についてご報告をさせていただきます。
 まず1点目は、第3次生物多様性国家戦略の策定ということでございます。
 先ほど大臣からのあいさつでも申し上げましたが、今年の4月からこの中環審の自然環境・野生生物合同部会におきまして、小委員会を設けて生物多様性国家戦略の見直しを行ってきております。来週11月5日には合同部会を開き、来月中にも政府としての第3次生物多様性国家戦略の決定をしたいということで今作業を進めております。
 なお、これに関連して、これも大臣のあいさつでも言及させていただきましたが、2010年に生物多様性条約の締約国会合、COP10と言っておりますけれども、これを名古屋市において開催すべく立候補をしておりまして、このCOP10は国際的な生物多様性保全の取り組みにおける大きな節目の会議になるということで取り組みを進めてまいりたいと思っております。
 次のページでございますが、検討中の生物多様性国家戦略、現在の段階でのポイントということでありますが、ポイント2のところをご覧いただきますと、一つは生物多様性というのは地球温暖化などに比べますと、まだまだ国民の間に浸透しているものではございません。したがいまして、生物多様性の重要性につきまして、身近な暮らしに結びつけた説明を冒頭に位置づけているということ。それから、その次のポイントにございますが、生物多様性の地球温暖化との関係を特にクローズアップをして記述をしております。それから、最後にポイント5になりますが、生物多様性につきましては、政府レベルでのこういった国家戦略ということは、3次にわたっての検討をしておるわけですけれども、地方公共団体での施策、あるいは特に企業の取り組みというようなことが今後重要になってくるということで、そういった点を強調しております。
 次のページには、生物多様性の見直しの経緯が国際的にどう位置づけられるかということが書いてあります。先ほど申しましたように、COP10に向けて国際的には国連がミレニアム生態系評価というものを公表し、あるいは地球規模での生物多様性の概況ということで、条約事務局が発表したりしておりまして、地球の生態系が劣化しているということに警鐘を鳴らしており、IPCCの第4次評価報告書におきましても、第2作業部会では生態系との関係についてかなり言及をされており、今年のドイツ・ポツダムで開かれましたG8環境大臣会合でも生物多様性がテーマになっておったということでございます。
 次のページでございますが、温泉行政をめぐる最近の動きが書いてありますが、これは具体的には6月に東京都渋谷区で温泉施設の爆発事故がありました。これを受けまして、緊急に現在対策として今開かれております臨時国会に、温泉法の一部改正を提出しております。従来の温泉法は、温泉資源の保護、それからその利用の適正ということを目的に規制等を行ってまいりましたけれども、今回の爆発事故が温泉くみ上げに伴う可燃性の天然ガスによる爆発事故であったことから、可燃性天然ガスによる災害防止という観点から、安全基準を策定するなどの手続を定めようということで、今国会で審議をしていただいているものでございます。  以上でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。
 それぞれから大変要領よくご説明をいただきましたが、先ほどの中環審の方の部会の開催状況にもありましたように、非常に多様な、そしてまた多くのいろいろな作業を伴って、今年の1月以降でも大きな展開があるということをごらんいただけたかと思います。
 以上、ご報告いただきましたところにつきまして、委員の先生方からご質問、あるいはご意見ございます方は、また名札を立てていただけますでしょうか。
 5名の方でよろしいですか。
 では、そちらからまいりましょうか、林委員から順番に。

○林委員 水・大気環境保全施策についてご質問申し上げます。
 先ほどご報告いただきましたように、里海の創生を図るということで大変ありがたいことだと思っておりますが、たしか担当官は里地里山室長だったでしょうか、何かそういう担当官おられましたね、その担当官の名前がそうすると、里地里山里海担当官というふうに名前が変わるんですか、つまりどこまできちんと担当官を決められて、この施策を図っていかれるということか、それともこの名前として里海というのを環境省として重視するというのにとどめるのか、そこをちょっとお聞きしたいなと思います。

○鈴木会長 ちょっと、それでは一通りご質問をいただいてから順番にお答えいただこうかと思います。
 では、田中委員どうぞ。

○田中委員 ありがとうございます。田中です。
 廃棄物リサイクル対策の「循環型社会形成推進基本計画」の見直しについて質問させていただきたいと思います。
 最近では、焼却は悪い、あるいは脱焼却とか、あるいはリサイクルをしてはならないとか、そんな議論が出ていますし、それから総務省のたしか行政改革、あるいは行政の見直しの報告だったと思うんですけれども、リサイクルは進んでいるが炭酸ガスの排出が増えているといったような、そんな報告があったと思いますけれども、3R推進、3Rイニシアティブには減量支援化とともに、適正処理の確保が入っているところ思うんですよね。それで、焼却による適正処理の確保、この重要性は引き続いて国民に広く知ってもらう必要があると思います。今回は、廃棄物学会とか、いろんな場を活用して議論していくということで、非常に評価したいと思いますけれども、もっと国民にもわかってもらう努力をしていただきたい。
 特に、循環型社会計画、基本法そのものに減量、あるいは再使用、あるいはリサイクル、4番目が焼却だということで、焼却はうちの自治体では4番目のことしかやっていないと、こういったような見られ方で評価が低くなっている、その辺を廃棄物処理法の1条にあるように、公衆衛生の向上、生活環境の保全という目的を達成するために、適正処理の確保が非常に重要であるという、その辺当然なんですけれども、それをあらゆる場を使って理解を深めていただきたいと思います。  以上です。

○鈴木会長 佐和委員。

○佐和委員 3点ご質問申し上げたいと思うんですが、まず最初はこの予算ですよね、これの4ページですけれども、4ページに「2050年半減」の長期目標の実現に向けた日本発の低炭素社会づくりということで、日本モデルの構築と世界への発信というふうに書かれておりますね、この日本モデルというのについて何かもし構想をお持ちなら、官房長、教えいただきたいと思います。この日本モデルの構想をどういうふうなものをお考えなのかということですね。
 それから、二つ目の質問は、環境配慮契約の推進についてでございますが、この1の(4)のところに、「国等は、環境配慮契約の推進に……当たっては、公正な競争の確保に留意するとともに」というような、これ少なくとも私にはちょっと意味が不明なんですね。つまり条件を満たしている、その公正な競争の確保に留意するというのは、これは当たり前のような感じもしますし、この辺もう少し、何か次のページ見ると第12条に書かれているというようなことが書いていますが、どういう表現になっているのかということですね。
 それから、三つ目の質問は、地球温暖化に関することですが、この(2)のところで、アメリカが主導で9月27日から28日にこういう会議を催されたと、そこで長期目標という言葉が少なくともこの概要の中に2カ所出てくるわけですよね、これはアメリカはかねてからこういう長期目標、むしろ京都議定書のように短期的に、つまり10年ぐらい先の達成目標みたいなものを設定すること自体が問題だということで、一つの離脱の大きな理由になっていると思うんですが、ここで長期目標と、それから京都議定書にあるような、ショートタームとは言いませんが、ああいうタームの目標設定というものは、これは両立すると思うんですが、ここで長期目標が強調されているということは、むしろその京都議定書的な、ああいう目標は掲げないということを意味するのかどうかということです。
 以上です。

○鈴木会長 崎田委員。

○崎田委員 ありがとうございます。今、いろいろな部門での推進状況というのをお話いただきまして、やはり地球温暖化が予想以上に進んでいるのではないかというような、ようやく国民の危機感というのも強くなってきているというふうに感じますので、やはり具体的なものをどんどん変えていくということが大事だというふうに思っております。そういう市民目線で考えると、本当に今具体的に実施するときに、そういう社会の方向性を考える一番強いインパクトというのは、その税制の改正とか、やはりそういうところに非常に関心が高いというふうに思っています。
 そういうふうに考えて、今20年度の要求事項というのを拝見していて、最後の21ページから税制改正の要望の概要ということで、環境税に始まって、省エネ住宅とかこういうのものの補助から、さまざまなポイントが出ています。私、非常にたくさんのポイントが出ていますが、できるだけこのほとんどをきちんと通していただくぐらいの勢いで、しっかりと交渉をし、進めていただきたいというふうに心から願っています。やはりそういう政策のインセンティブづくりという、そこをきちんとやっていただくのが社会に定着する大事なところだというふうに思っております。
 そういうことと、あと今の環境配慮契約法、やはりこういうようなことがきちんと定着していくことが大事だというふうに思っておりますので、その辺、要望ということでお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○鈴木会長 大塚委員。

○大塚委員 2点お伺いしたいんですけれども、1点はこの環境配慮契約についてでございますが、こういうものができたこと、それから現在その指針を決められつつあること、大変よいことだと思います。積極的に評価していただきたいと思います。
 一つお伺いしたいのは、電力の購入契約については裾切り方式をとっておられて、ほかはそうではないということなんだと思うんですけれども、これは、やはり電力はほかとちょっと物の性質が違う、要するに電力は一応電力だということで一つだと考えていいので、これは裾切りにしてしまっていいけれども、ほかはそういうわけにはいかないというご趣旨だろうと思いますけれども、もしその辺についてご説明いただけると大変ありがたいと思います。
 それから、もう1点でございますが、温暖化の方ですが、後ろの方についている参考5のところに、気候変動に関する非公開式閣僚会合の、資料7の後ろの方に参考5についているものでございますけれども、これの3ページに、要するに資料7の最後から2ページ目です。(ヘ)のところで、我が国から森林炭素パートナーシップ基金に1,000万ドル拠出するということを決められたということですが、この森林減少からの排出の削減対策というのは、具体的にはどういうものを考えているということでしょうか。
 例えば、伐採をしないので支援してくれというようなことが、最近ちょっと出てきていますけれども、この削減対策としては具体的にどういう場合の削減をお考えになっているのか、お伺いできればありがたいと思います。

○鈴木会長 浅野委員。

○浅野委員 二つありまして、一つは循環の基本計画にも関係することでありますが、まず、先ほど田中委員がおっしゃった点は、当然、循環基本法の枠組みというものが前提となって、そのもとで循環計画は考えられますから、その枠組みの中では明確に委員のおっしゃったようなことを入れております。ですから、決して循環計画がそのような点は全部飛ばすような改定になるとは私ども考えてはおりませんので、ご懸念なきようというふうに申し上げておきたいと思います。ところで6月に閣議決定された21世紀環境立国戦略に沿って、考えなければいけないということをいつも意識しているわけですけれども、脱炭素社会と循環型社会というのは割合に話がつながりやすい。それから、生物多様性、あるいは生物共生社会と脱炭素社会というのも割合に話がつながりやすいわけですが、なかなかストーリーを描きづらいのが、循環型社会と生物共生社会の問題です。循環の計画の検討の中では、ぜひともこの点はしっかり課題として取り組んでいきたいというふうに思っていますし、どういう切り口でやったらいいかなという点、悩みつつあるわけですが、生物多様性国家戦略の検討の初期段階では余りこのようなつながりについては、論じられることがなかったので、余り議論がなかったかもしれませんが、私どもの循環計画の検討の参考にするために、第3次生物多様性国家戦略の検討の中で循環型社会とのつながりで、どういう協働の活動ができるのか、どういう点が連携できるのか、いいアイデアがあったらその点はご紹介いただければというふうに思います。
 それから、もう1点は、竹本局長からは光化学オキシダントのお話がございました。これは九州の市長会からも要望が出ておりますし、私どもの足元の九州では、本来出るはずのないところで、例えば壱岐だとか対馬とか天草で光化学スモッグ注意報レベルの現象が起こっているわけですね。
 ですから、そのためにいろいろと問題も大きくなっているわけでありますが、まずはこの光化学オキシダントの問題に関しては、在来型の、例えば工場の活動を停止しろとか20%削減しろという対策が甚だ非現実的になりつつあるわけですね。ですから、従来とは違ったもうちょっと別の枠組みも考えなければいけない。例えば人の戸外での活動は問題なんだが、しかし産業活動も直ちに一蓮托生下げなければならないようなレベルかどうか、3段階ぐらいあって、注意報の前にもう一つ予報みたいなのがあってもいいのではないかという議論が、九州地域では出てきています。
 このあたりをぜひ、水・大気局でも考えていただけないかと思います。ご説明のあった検討会の結果が出て、原因関係がもっとはっきりしてくるときには、そのことがより言いやすくなるだろうと思いますので、ぜひお考えいただきたい。なお同時に、温暖化対策だけが地球局の仕事ではないはずであり、環境保全対策課があるので、この辺は水・大気環境局との連携が必要だろうと思いますが、地球局としては光化学オキシダント問題に関しては、現段階ではどういう方針をお持ちなのか、この2点をお伺いいたします。

○鈴木会長 幾つか、環境配慮契約法から温暖化から、いろいろなご質問がありましたので、では、こちらから順番にお願いしましょうか。

○小林大臣官房長 ご質問の順番とちょっと違うかもしれませんけれども、こちらの着席順で順次回答をさせていただきたいと思います。
 まず、佐和先生からちょうだいいたしました、低炭素社会、日本発の低炭素社会づくりの構想といったようなことでございます。これにつきましては、実はこの環境立国戦略の中でそういう言い方をされておりまして、これから開発というところが正直なところで、前人未到の領域というふうには考えてございますが、お手元の平成20年度環境省重点施策で言いますと、4ページの下の方に、低炭素社会の実現に向けた社会システムの変革ということで、ここには三つの視点が書いてございます。
 一つは、町全体を見渡した場合にコンパクトになる。そして効率的な土地利用がなされているというようなことが一つかなと。
 それから、特にやはりそのCO負荷とかが高いものとして交通がございますので、都市を成り立たせる、いわば動脈、静脈に当たるような交通について、公共交通機関の利用促進と、前から言われていることではございますが、ESTとか言われておりますけれども、その持続可能な交通というようなアプローチが一つ。
 それから、もう少し小さいスケールになりますが、街区をとらえまして、ここで自然エネルギーとかそういったものをもっと使っていく、そして省エネもしていくといったようなアプローチがあるのではないかということで、とりあえずまず三つのアプローチが書かれております。
 これは、お手元にあります、環境立国戦略のパンフレットにもございますが、戦略の6、9ページにございますけれども、そこでは自然の恵みを生かした活力溢れる地域づくり、そして環境に配慮した都市づくりという中に、具体的に右上の方に大変細かい字で申しわけございませんが、ポンチ絵が入ってございます。そこに書いてありますことを一応項目として立てたということでございますが、これが例えば50%カットする、あるいはもっとカットするというような、本当に低炭素な社会にすぐつながるのかどうか、十分なものかどうかは疑わしいところもまだございます。
 そういうことで、さらに今回の予算では、4ページの一番下の2行でございますけれども、低炭素社会に向けて、今後必要な取組についてシミュレーション等を行って、CO排出量の少ない環境モデル都市、あるいは自然と共生した社会の姿ということを提示するといった研究ですね、それ自体を公募で行って、そして社会変革を進めていきたいということ、当面三つの方向と、さらにそれをもっと超えた大きな方向については研究というようなアプローチを今してございます。  それから、環境配慮契約法について、佐和委員、そして大塚委員からご質問を賜りました。
 佐和委員のご質問は、公正な競争の確保ということをあえて言わなくても当たり前ではないかということですが、例えば環境に関する入札参加資格をすごく厳しく書いた場合に、中小企業でそれは対応できないとか、あるいは競争が成り立たないような少数者の、事実上特定の会社しか応募ができないというようなことになりますといけないのかなということで、やはり国全体としては競争も確保しなければいけないということで、価格の競争と、いわば環境性能の競争が同時に起こるような領域にとどめておきましょうというようなことがそのご趣旨だというふうに、議員立法でございますが承っております。
 それから、2点目の大塚委員からのご質問でございますけれども、電力がなぜ裾切りになったのかということでございます。これは、実は条文にある程度理由は書いてございまして、条文の方では附則の3条というところでございますが、ここそのまま読みますと、電力について総合評価方式を入れるということについては、他方こういう事情があって、だから当面しないで、こういう理屈は書いてあるでございますけれども、そこは電気事業者の温室効果ガス等の排出の削減等のための技術開発及び電源構成の変更に相当の期間を要すること等を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときはその結果に基づいて所要の措置を講ずるということでございまして、総合評価については検討、その理由については電源構成がすぐ変わるわけでないので、例えば国とか、国の機関のような大口需要者がどんどん低排出係数の電力を独占してしまうというようなことになると、社会的にいろいろなトラブルが起こるのではないかということで、そこはドラスチックに排出係数が直接効いてくるような、ずばり、つまりどんどん低くても、ある程度価格が高くても買えるといった制度に移ってしまうとなかなか電源側がついていけないのではないか、特に中小の電源では大変ではないだろうかというようなことがここに書かれているというふうに理解をしております。
 他方、その間、当分の間は入札に参加するものに必要な資格として温室効果ガス等の排出の程度を示す係数を定めた上で、当該入札に係る申込みをしたもののうちから、価格に基づいて落札者を決定する、これは裾切り方式でございますが、購買が購入側として許容できる、その排出係数の中から、今度は安い人が勝つという仕組みで当面、排出係数の低い電力と、価格の安い電力というものを何とか両立して買うような方法をやりましょうということで考えられた次第でございます。
 そういうことでございまして、ご質問の点、ずっと裾切りということではないんですが、当面こういうことでやっていくというようなことが附則に書かれているという状況でございます。

○由田廃棄物・リサイクル対策部長 田中委員の方からのご質問でございますが、半分、浅野委員が答えていただいたような気がしますが、加えさせていただきますと、恐らく焼却に関してはプラスチックごみと、それから生ごみと両方のことを言われているのではないかと思います。これは、まさに循環基本法の方にこの順位がリデュース、リユース、リサイクル、それからサーマルリカバリーと言いますか、適正処分というふうに順位が書いておるわけであります。
 これに従って施策を進めていくわけでありますが、この順位に関しましては、合理的な場合にはこれを逆にすることはできるということも循環法には書いてございまして、これらを踏まえて廃棄物部会の方でも、例えばプラスチックごみをそのまま埋め立て処分をしているものをどう考えるかというふうなこともございまして、これは田中委員、部会長していただいておりますが、これらは例えば、容器包装リサイクル方でマテリアルリサイクルを進めるというふうなこと以外の場合には、埋め立てをするよりはサーマルリサイクルで熱回収をしていこうという方針が審議会の方でご意見いただきまして、廃棄物処理法の国の基本方針の方をその方向で改定させていただいております。
 それから、また容器包装リサイクル法に関しましては、必ずしもすべてのものを無理やりマテリアルリサイクルすることがいかがなものかというふうなご意見もございまして、これも田中委員の方、座長していただいたわけでありますが、マテリアルリサイクルがしっかりとやりやすいものはやっていくと、どうにもならないようなものはサーマルリカバリーをしていこうと、このような方針になりまして、現在その方向で施行に向けてやっているということであります。
 それから、生ごみに関しましても、当然これまで衛生的な観点から焼却処理ということをやってきたわけでありますが、これに関しましても、当然この熱回収を徹底していこうという流れにしてございます。これらの施策を展開しておりますが、この中で特に直接いきなり焼くというよりも、むしろそのメタンの回収をしていった方がより効率的にエネルギーを回収できるのではないかという観点から、これらの取り組みも始めておるところであります。
 これらの一連の熱回収にかかわる施策は、まさしく先ほどもお話のありました、低炭素社会と循環型社会の連携統合へと、こういう道の大きな流れの一つということであります。よろしくお願いいたします。
 それから、バイオマス系のこの生ごみを含めまして、バイオマス系の廃棄物全般に関しましては、特にいわゆるメタン回収、あるいはその中にはアルコール化ということもあろうかと思います。今後どういう形でとらえていったらいいのかということは、再度改めまして検討してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

○西尾総合環境政策局長(代理:後藤総合環境政策局総務課長) 環境配慮契約法につきましては、先ほど個別のご質問に対しまして、小林官房長からお答えしたとおりでございます。
 崎田委員からは、この環境配慮法及び税制改正要望に関しまして、温かいエールをお送りいただきまして、まことにありがとうございます。非常に勇気づけられまして、より一層の努力をしていきたいと思っております。
 特に、この環境配慮法、現行のグリーン購入法と相まって、両論となって、公的な処理法をつくり、より一層こうしたサービスが提供される社会に公的法のみならす、民間へも大きく広がっていくことを期待しているところでございます。
 それから、税制改正要望の方でございますけれども、現在、この環境税の関係はこれまでの経緯のある話でございますけれども、引き続き対応していくということで頑張っております。また、関係省庁との連携ということで、共同要望という形でこのバイオ燃料でありますとか、またストック型社会に向けての住宅に関してのリフォームというところに特に力を入れてございます。環境省としましては、こうした経済的インセンティブを税制によって付与していく施策が大きな効果を上げるということは、自動車関連税制のグリーンでも実証済みとみておりますので、一つでも多く実現できるよう今後とも頑張っていきたいと思っております。
 今後ともよろしくお願いいたします。以上です。

○南川地球環境局長(代理:谷津大臣官房審議官) 地球環境局からお答えを申し上げます。3点ご質問がございました。
 まず、佐和委員でございますけれども、米国主催の主要経済国会合で長期目標が主要な議題になっているという中で、短中期についてどう考えるのかということでございます。
 米国のご議論は、長期的に条約の第2条の究極目標、濃度の安定化という方向で、これから国際社会が進んでいくためには、やはり何らかの長期目標が必要だろうという考え方でございます。これについて、日本、あるいはEU、またカナダがそれぞれ長期目標を提案しているわけでございますけれども、こういったものをたたき台としながら、来年のしかるべき段階で国際社会の方向性を出していこうと、これが一つの大きな課題になってございます。
 そうした中で、短中期目標、これは2013年以降の新たは枠組みのもとでの目標ということにつながっていくのではないかと思いますけれども、これと長期目標というのはご指摘のように、当然ながら整合性の取れたものである必要があるわけでございます。短中期目標についてのアメリカの考え方なんでございますけれども、余り明確なものが出ているわけではございません。と申しますのも、アメリカの現在の政権は2008年の末までということになってございまして、2009年には新しい大統領のもとでの新しい政権がスタートする。
 先ほどお話申し上げましたように、そういう中で国連のもとでの次期枠組みづくりの道行きを考えますと、2009年を目途に合意を図っていこうという方向で、今議論が始まろうとしております。したがって、現政権から見ると次期枠組み、言いかえれば短中期目標について、最終的なコミットメントがなかなかしにくいという考え方もあるのではないかと思うわけでございます。したがいまして、アメリカ主催の主要経済国会合では長期目標を一つの課題、それとどういう枠組みになろうが、必ず必要になってくるであろう、例えば低炭素型の技術開発、こういったものについての国際協力の進展というところで、その部分部分でアメリカのこれまでの政策と整合性の図れる範囲で、きっちり国際的な貢献をしていこうというのがどうも考え方のようでございます。
 二つ目でございますが、大塚委員から世銀の森林炭素パートナーシップ基金についてのご質問がございました。これは、今世銀がバリで正式な立ち上げをしようということで準備をしている基金でございます。ご指摘のように森林減少に伴う排出を今後どう考えていくのかということに直接対応するための基金というふうに承知してございます。基金自体は二つの部分からなっておりまして、まず一つは準備基金、もう一つは炭素基金というものでございます。準備基金は、主に開発途上国のキャパシティー・ビルディングを支援するという目的のものでございます。
 炭素基金は、これは今後の国際交渉にもよるわけでございますけれども、こういう森林減少に伴うCOの排出抑制、言ってみれば森林の保全というものから何らかの形のクレジットというものが生まれないかという考え方を取っているわけでございまして、こういったものに拠出をいたしますと、将来的にはそういう形での具体的なクレジットの取得というものも、将来可能性を持っているという基金というふうに理解してございます。詳しい資料、またお届けを申し上げたいと思います。
 3点目でございますが、国境を越えるような光化学の問題についての地球局の取り組みでございます。これは水・大気局と連携しながら、さまざまな検討を進めているわけでございますけれども、国際的な協力を担当する地球局の立場からいたしますと、主には日中韓、三国の環境大臣会議の場がございまして、こういうところを通じまして周辺国との協力をより一層密にしていきたいと考えております。
 以上でございます。

○竹本水・大気環境局長 続きまして、水・大気環境局でありますが、浅野委員の方からご指摘いただきました光化学オキシダントの点、地球環境局との連携につきましては、先ほど谷津審議官の方からお答えしたとおりでございまして、実は便宜上、私の方からご紹介いたしましたが、この専門家からなる検討会、実は水・大気環境局及び地球環境局、共同して対応をしておるということでございます。
 また、地元九州での状況につきまして、この専門家の検討会の中に、福岡県、長崎県のそれぞれの研究センターの研究員の方にもご参画をいただきまして、地元の状況を踏まえた適切な対応が図れるよう検討を進めてきておるところでございます。また、浅野委員ご指摘のとおり、従来パターンにとらわれないフレキシブルな対応という点につきまして、私どもも全くそのとおりだと思っておりまして、こういった点を視野に入れながら、今後の対応のあり方につきまして、検討をしてまいりたいと思っております。

○白石水環境審議官 林委員の方から、里海に関しましてご指摘いただきましてありがとうございます。実は、私どもの認識としては、里海という概念、まだまだ人口に膾炙しておりません。だんだんに頑張っていかなければいけないということで、実は第3次生物多様性国家戦略、まもなくお諮りいただける日程だと承知しておりますが、そちらの方で里海という言葉を、初めてそういう公式な文書で入れていくというふうな努力をしております。もともと言葉でございますので、概念がついていかなければいけないということで、里海創生支援事業というものを来年度の予算要求いたしております。
 また、里山につきましては、里海よりさらに一段進めまして、実はローマ字で「SATOYAMA」というので、もう国際語にしたい、「TSUNAMI」のような国際語にしたいという観点から、里山イニシアティブ推進事業というものを自然局の方で、これも予算要求させていただいております。申しわけないことながら、どちらの局におきましても、その名前を冠につけました管理職というのはおりませんが、次の課題として受けとめたいと思います。
 以上でございます。

○桜井自然環境局長 それでは、私の方から浅野委員ご指摘の循環型社会と生物多様性の関係の議論についてですが、生物多様性国家戦略の議論の中では資源の循環という意味では、例えば今も話題に出ました、里山における資源を持続的に利用しながら生物多様性を保全するという仕組みが、いわば戦後の急激な社会変化の中で崩壊をしておるというような観点から、その資源循環を取り戻すというような観点の議論はしておりますけれども、これをさらに循環基本計画の中での、例えば廃棄物の処理的な観点からの光の当て方というのは余りしておりません。
 今出ました里海なども、そういった資源の循環という観点からも重要なことですし、また生物多様性の議論の中では、我が国が非常にたくさんの、例えば食品もそうですし、いろんな生物資源を輸入もしているということから、そういった多様性と資源循環との関係というような観点を持って議論しているところでございます。

○鈴木会長 大体、委員方の……。
 では、短く一つお願いいたします。

○吉川委員 経団連の吉川でございます。二つ、質問というより要望でございます。
 一つは環境税に絡んだ、先ほど幾つかのご意見がございましたけれども、経団連としての考え方は既に申し上げているとおりでございます。このご検討に当たりまして、我々と十分議論をしていただきたい。これが一つでございます。
 それともう一つ、洞爺湖サミットに絡みまして、ちょっとこのイメージが今沸かないでいるんでございますが、そのサミットの前後を含めて、我々産業界、経団連等でこの会議をより有効にするために、お役に立つようなことがございましたら、できる限り早めに我々にお知らせいただければ何なりと対応したいと思っております。
 この2点でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。ご要望といいますか。

○吉川委員 はい、そうです。

○鈴木会長 エールを送っていただいたと、こう考えさせていただきたいと思います。
 いろいろとご質問いただきまして、まだまだ時間があればお聞きになりたいことが多いと思いますが、いろいろとここでも明らかになりましたように、例えば廃棄物の問題であればバイオマスとかかわり、そしてまた、そのバイオマスということになれば森林、里山なんかともかかわってくるかもしれませんし、それはとりもなおさず、その炭素の固定にもかかわる、そしてどういう形でそういうものを回していくかというようなこともありますし、国際的な課題になりますと、これは物質循環もアジア地域での循環があります。森の問題もありました。トランスボーダーの光化学オキシダントみたいなもの以外にもいっぱいそういう問題があるわけですが、事ほどさように問題が非常に入り組んできておりますので、ぜひ環境省としてもやはり局を超えた調整、連携を深めていくというようなことが、これからもますます重要になるのではないかと思いますので、そこをぜひお願いしたいと思っております。
 時間になってまいりましたが、何か補足されるようなことはございますか、よろしいでしょうか。

○崎田委員 今日はこの超長期ビジョンは、資料提供だけですか。

○鈴木会長 長期ビジョン、説明をそれでは長期ビジョン、ちょっと総政局の方から、ご紹介を。

○西尾総合環境政策局長(代理:後藤総合環境政策局総務課長) お手元にお配りしております超長期ビジョンの検討についてというペーパーでございますけれども、これは環境基本計画におきまして、超長期ビジョンを策定するということがうたわれております。これを踏まえまして、有識者の方々に超長期ビジョンを検討するに当たって、どのようなことが考えられるのかということで、検討会を設け、そこで議論をしていただきまして、先般その報告書としてまとまったものが今お手元に配られているものでございます。一昨日開かれました総政部会におきまして、この内容が報告をされまして、いろいろなまたそこで出ましたご意見を踏まえて、今後の超長期ビジョンそのものの策定に向けての作業の一つの材料になっていくというような性格のものでございます。
 そうしたことから、きょうは中の具体的な説明は省かしていただきまして、皆様に参考情報として席上に配付していただいたということでございます。

○崎田委員 ありがとうございました。先日も総政部会でも一言申し上げたんですが、私はこういう超長期ビジョンをどう活用するかというところがとても大事だと思っております。やはりこういうのをほかの省庁のやはり国の方向性を考えるようなさまざまな審議会の長期計画の中に、こういう精神をどうやって取り込んでいただくかということで、大変効果が出てくることだと思いますので、そういう意味で省庁連携の中で、こういうのをもんでいただいて、いわゆる環境配慮というのをきちんと政府の中で定着させていただきたい、心から願っております。よろしくお願いいたします。

○鈴木会長 この超長期ビジョンは、総政局長に対する報告となっておりますが、これをどういう形でまとめて、まさにオールジャパンのものにしていくかという、そういうステップをぜひ考えていただくということでお願いしておきたいと思います。
 それでは、時間になりましたので質疑、討論を終わらせていただきたいと思いますが、いろいろご指摘いただきました点は、今後、環境省におきまして、その趣旨をぜひ生かしていただくということをお願いしておきたいと思います。
 それでは、以上をもちまして本日の総会を終了させていただきます。
 お忙しいところをご出席いただきましてありがとうございました。

午後4時01分閉会