中央環境審議会第21回総会議事録

日時

  平成26年6月17日(火)

場所

  都市センターホテル「コスモスⅡ」

議事録

午後5時00分開会

○早水官房総務課長 お待たせいたしました。それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会第21回総会を開会いたします。

 現在、委員25名のうち16名の方の御出席を確認しておりますので、定足数を満たしており、総会は成立いたしております。

 なお、一部、まだ来られていない方は、後ほどいらっしゃると思います。

 本日の会議でございますが、「中央環境審議会の運営方針について」に基づきまして、公開としております。

 また、委員の交代がありましたので、御報告をさせていただきます。本日の資料1に委員名簿をつけておりますが、本日御欠席でございますが、進藤孝生委員にかわりまして、佐久間総一郎委員が5月26日付で任命されておりますので、お伝えをいたします。

 なお、取材の方々のカメラ撮りは冒頭のみとさせていただきますので、御協力をよろしくお願いいたします。

 それでは、会議に先立ちまして、石原環境大臣より御挨拶を申し上げます。

○石原大臣 中央環境審議会第21回の総会に当たりまして、一言、御挨拶を申し述べたいと思います。環境大臣の石原伸晃です。

 本日は、お忙しい中お集まりをいただきまして、重ねて感謝を申し上げます。

 私、思うのですが、東日本大震災の発災以来、エネルギーや資源の使い方、私たちの暮らしのあり方をやはり考え直した方がいいのではないだろうか、こういう動きが社会のいろいろなところで広がっているような気がします。そんな中で、我が国がどんな社会構造であるか、私が言うまでもありませんけれども、世界の先進国の中で少子高齢化が一番進んでいる。これに対応して、これから2040年、2050年といったような中期の間には、10万単位で人口の減少が発生し、中山間地域で都市、町が維持できなくなる。こういう話が中心にあり、その中で、各地方においても雇用を生む産業をどのようにつくっていくのか、政府内でも本格的な議論がスタートしたところでございます。

 このような時代の転換点におきまして、私は、武内会長以下、中央環境審議会の先生方に御議論いただく、この環境行政というのは、非常に大きな役割があるのではないか、地方を歩かせていただきますと、強く感じるところです。これはエネルギーや資源を大量に消費して、物をたくさんつくって、物をたくさん消費するといったような経済社会のあり方そのものを見直しまして、今、お話をさせていただいたような我が国が抱える諸問題の解決を循環型社会の中で見出していく。武内先生のお言葉をかりますと、環境、経済、社会の統合的向上を実現する、まさにここが非常に重要になってくるのではないかと思っています。

 本日は、武内先生が、委員の先生方の話をしっかり聞いていくようにとおっしゃられておりますので、しっかりと聞かせていただきたいと思います。

 議題は、低炭素・資源循環・自然共生政策の統合について、今、私がお話をさせていただいたような問題意識、多分、委員の先生方はお持ちだと思いますので、そのような認識のもと議論がなされると伺っています。

 環境省としましては、これから一番大きいのは、環境基本法の中の第5次の基本計画の検討です。何だ、この間まとめたばかりじゃないかという委員の先生方もいらっしゃるかと思いますが、これはやはり予算とも密接に関係しますし、環境省の大きな方針を決める際の一番のメルクマールになってまいります。それがいよいよキックオフするということで、今日は忌憚のない御意見の御開陳を、北川副大臣、浮島政務官、牧原政務官も出席していますので、しっかりと聞かせていただければと思っています。今日は、本当にありがとうございました。

○早水官房総務課長 続きまして、政務の出席者を御紹介させていただきます。

 北川環境副大臣です。

 浮島環境大臣政務官でございます。

 牧原環境大臣政務官でございます。

 なお、井上副大臣は、国会対応のため、遅れての出席となりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、配付資料の確認をさせていただきます。(資料確認)

 それでは、ここからの進行を武内会長にお願いしたいと思いますが、取材の方々のカメラ撮りは以上とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 では、武内会長、よろしくお願いいたします。

○武内会長 皆さん、お忙しい中お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。今日の議題は、今、石原大臣からのお話のように、低炭素・資源循環・自然共生政策の統合についてということでございます。今日、初めての方ももしかしたらおられるかもしれませんので、若干私のほうから、この議論の趣旨について、改めてお話を申し上げたいと思います。

 この3社会像の統合ということを最初に議論したのは、21世紀環境立国戦略のときでございます。おりしも、ちょうど第一次安倍内閣のときでございました。そのときに、いわゆるエネルギーとCO2の問題、地球温暖化の問題、それから資源の枯渇、廃棄物の問題、それと資源の循環的な利用のこと、そして、さらには生態系、生物多様性への配慮というふうなことをやはりあわせて議論していくべきではないかということで、この3社会像の統合という議論があり、それが第4次の環境基本計画の中に大きく反映されたという経緯がございます。

 ただ、これ、環境政策全体として見ますと、ややもすると、その3つがそれぞれ個別に議論されてしまうという傾向がなきにしもあらずでございまして、ここをやはり環境政策という非常に大きな観点から、統合的に、より強力に進めていくべきではないかというのが、この議論の中心的な中身でございます。

 それと、もう一つは、今、石原大臣からお話がございましたように、東日本大震災以降、我が国のエネルギー政策、それから資源循環政策、自然環境政策、これらが非常に大きな見直しを迫られております。言うまでもなく、再生可能エネルギーの進展というのは、これは地域社会に対して、単にエネルギーの供給の問題だけではなくて、いわば地域の社会構造を大きく変えるようなインパクトを与えるというふうに考えられます。そうしたものをただ単に再生可能エネルギーの開発として捉えるのではなくて、新しい持続可能な地域社会づくりのあり方の1つの要素として捉えていくというふうなことは考えられないだろうかということでございます。

 地域再生可能エネルギーということになりますと、非常に分散型のエネルギー、自然に依存したエネルギーということになりますし、それは資源の循環的利用とも相調和したものでなければいけませんし、当然のことながら、自然生態系とも調和したものでなければいけない。そこで、さらにそういう問題と、我が国が、今、置かれております人口減少、少子高齢化、地域産業のイノベーションというような、こういうことともあわせて考えていくということが重要ではないかと、ここが第2番目のポイントでございます。

 そして、第3番目のポイントは、今、ニューヨークで一生懸命、皆さん議論されております持続可能な開発目標という2015年までのミレニアム開発目標にかえて、2030年までの持続可能な開発目標というのがニューヨークで議論されております。我が国もこれに対する貢献が求められております。

 これの趣旨というのは、従来のミレニアム開発目標というのは、途上国が貧困削減だとか、それから、飢餓からの脱却だとか、こういう点が中心であったのに対して、地球的な問題、気候変動だとか、生物多様性だとか、水の問題、あるいは食料の問題、こういうものも含めて、先進国も巻き込んだ形の新しい国際的な目標をつくるということで、そういうふうなことにもこうした議論が少なからず関係しているというように私は捉えておりまして、そういう意味で、国内の環境政策のみならず、これからの我が国の環境政策の国際貢献という観点にも関わってくる問題ではないかと思っております。

 前回の総会で皆さんに御議論いただきました結果を踏まえまして、私のほうで部会長の先生方とも相談をさせていただきまして、今日、1つの案として皆さんに御提示するというものでございます。今日、大臣からのお話もございましたように、できるだけ事務局からの説明は短く、皆さんからの御意見を多くいただくという形で議事を進めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、提案の内容について、説明をお願いいたします。

○中井官房秘書課長兼環境政策官 それでは、事務局から説明させていただきます。

 恐縮ですが、座らせていただきます。

 資料2というA3の紙がございます。これをあけていただきまして、あわせて資料4の報告書本体を横に置いていただきたいと思います。

 まず、資料2のA3からでございますが、我が国が直面する課題ということで、これは本文の4ページ、5ページ、6ページの記述でございますが、環境、経済、社会に、ここに書いてございますように、気候変動から、さまざまな、化石燃料の輸入による資金流出、社会の中では大きな人口減少、高齢化の問題等々の課題があります。実はこれが、それぞれ1つが1つの原因になったり、その連携関係がある。非常に複合的な状況になっているという記述をしてございます。したがって、この3つの大きな複合的課題にどうやって切り込んでいくかという、こういうアプローチでございます。

 本文の7ページ、8ページ、9ページでございますが、この複合的な問題に切り込むために、明確な問題解決型のビジョンを立てて、それに対して、それを実現する戦略を打って出ようと、こういう構造でございます。

 このビジョンといたしましては、環境と生命・暮らしを第一義とする文明論的時代認識を踏まえ、真に持続可能な循環共生型の社会像を追求するということで、100年後まで見通した新たなパラダイム、また、環境への負荷の少ない、循環を基調とする社会経済、人と自然のいのちの輝きを実感できる社会、健康寿命の延伸、技術力の貢献等々の実現されている世界を描いてございます。

 そして、このビジョンを実現するための戦略といたしまして、本文の10ページ、11ページ、12ページの記述でございます。このビジョンを具現化するために、6つの戦略を持っていこうということでございます。グリーン経済、地域活性化、健康と豊かさ、国土価値の向上、環境技術、環境外交でございますが、この6つの戦略を展開するに当たって、その下に政策の箱がございます。安全を確保するための政策(環境リスク管理等)を基盤といたしまして、資源循環、低炭素、自然共生、まさしくこの政策を統合・連携、シナジーを働かせて、この6つの戦略にそれぞれ強力に切り込んで推進していくと、こういう構造でございます。

 そして、これを具現化するために、政策のところで書いてございますが、予算、規制的手法、経済的手法、情報的手法を総動員し、各種政策の有機的な統合・連携を図るということで、この環境政策の守備範囲を超えて、各省の都市政策、教育、医療・健康、農林水産政策、エネルギー政策等々と、単なる今までのような各省の連携を越えた大きな政策連携ということで、環境政策として力強く環境省が打って出ると、こういう構造を基本戦略として書いてございます。

 戦略の具体的な中身でございます。本文の13ページ以降になります。6つの戦略、第1に、環境と経済の好循環でございますが、それぞれ3つのアプローチということで、実際の施策例を掲げてございます。

 第1には、14ページでございますが、新たな経済的手法等を活用した環境設備投資の活性化でございます。14ページに掲げてございますように、まずは高い目標、温室効果ガスの削減目標を立てて対策導入を進めるということ。その他、環境投資を促進するさまざまなESG投資等の拡大等の施策を図っていく。

 15ページ、第2のアプローチ、環境付加価値を軸としたプロダクトイノベーションと環境ビジネスの振興加速化ということでございます。環境付加価値を適切に組み込んだ財・サービス市場を拡大していく等々でございます。

 第3のアプローチ、34兆の原燃料輸入代金削減と環境財・サービスの輸出、自然資源を活用した観光の強化ということで、ここで原燃料輸入の削減に向けての強力な自立・分散、ネットワーク型の低炭素社会をつくる。また、オリンピックも見据え、観光等の促進を、自然環境を活用して図っていくと、こういうようなことも掲げてございます。

 17ページ、第2の戦略でございます。地域経済活性化の実現でございます。3つのアプローチといたしまして、18ページ、地域にお金を回すための環境金融を充実するということで、低炭素促進ファンド等も中小企業へさらに強化する。また、環境金融の融資機能の強化等々の施策。

 また、アプローチの第2といたしましては、エネルギー自立・移出地域の実現ということで、各地域の潜在力を活用し、エネルギーを自立するにとどまらず、大都会に移出すると、こういうような発想の施策を掲げてございます。

 アプローチの第3といたしまして、19ページでございます。低炭素・資源循環・自然共生の政策統合による魅力的な生活・交流空間の実現ということで、温対法の実行計画と都市計画の連携を図り、空間政策の集約化で再生可能エネルギーの活用等も図る等々の施策、交通施策もございます。

 21ページ、第3の戦略、健康で心豊かな暮らしの実現でございます。3つのアプローチを用意してございます。

 22ページに、アプローチ①、いのちと暮らしの基盤としての自然の恵みを活用した、その再生にも資する低炭素化、環境リスク低減の取組ということで、地域環境貢献型の再エネ、省エネを図ります。

 その他の施策を掲げてございます。

 23ページの第2のアプローチとして、地域間・地域内の連携による森・里・川・海のつながりの創出ということで、連携づくりの構想、流域の連携強化、地域間・地域内の連携プロジェクトの実施等の施策を掲げてございます。

 24ページに3のアプローチ、心豊かな環境を創造することによるグッド・ライフへの転換ということで、地域の歴史、文化、自然に根差した市街地のコンパクト化と徒歩・自転車・公共交通の生活圏、また、自然の恵みを生かしたライフスタイル等々を掲げてございます。

 26ページ、第4の戦略、国土価値の向上でございます。

 気候変動の緩和・適応に対応した空間施策という第1のアプローチ、これも27ページでございますが、温対計画、都市計画との連携の中での空間政策、また、適応のための施策につきまして、27年夏を目途に適応計画を取りまとめるということでございます。

 第2のアプローチとして、循環共生型の地域づくりと自然との共生を軸とした国土の多様性の維持ということで、国土レベルでの里地里山のグランドデザイン、里地里山の生物多様性の維持等々の施策でございます。

 第3のアプローチ、環境インフラを活用した社会インフラの再構築というところで、生態系を活用した防災・減災の推進等々の施策でございます。

 30ページ、第5の戦略、環境技術でございます。

 31ページ、持続可能なエネルギー・資源の生産・消費を実現するという形で、技術を最大限活用していく、水素や熱の自立・分散型エネルギー社会の実現等々でございます。

 アプローチの2番目といたしまして、地域振興や豊かで健康的な社会システム・ライフスタイルを支える技術の普及ということで、バイオマスへのさらなる取組、33ページ、環境負荷の少ない社会・ライフシステムを創出するための各種技術、超高効率パワー・デバイス、また、ネイチャーテクノロジー等の活用等でございます。

 第3番目に、我が国が培ってきた先進的環境技術の国際展開ということで、イノベーション創造・国際展開、JCMの活用等でございます。

 第6番目の戦略といたしまして、環境外交でございます。34ページ、35ページを御覧いただきたいと思います。

 アプローチの第1は、我が国の環境対策の経験・実績を生かした国際ルールづくりへの貢献と。日本だからこそできるルールづくりを積極的に提案し、国際交渉でリーダーシップを図ることを目指すということでございます。

 また、第2のアプローチとしまして、環境技術を途上国を中心に大規模展開・グリーン産業を育成するということで、JCM、コベネフィット・アプローチ等を活用し、我が国ならではの相手のニーズに合わせた「一足飛び型の発展」の実現を支援すると。

 第3のアプローチといたしましては、途上国における環境規制における制度づくりと人材育成支援ということで、我が国の経験を踏まえた、各種、途上国に必要な法制度の構築や人材育成等の支援を行っていくものでございます。

 37ページでございます。今までの戦略を地図に落とすイメージということでございまして、「地域循環共生圏」という構想を出してございます。森、里、川、海、農山村・漁村、都市、それぞれの地域での自立・分散の形での地域資源が回る世界があり、これがネットワークで結ばれ、多層的な形で自立・分散、かつ、ネットワークしていくというようなイメージでございます。

 38ページ、参考でございますが、これは、かねてから環境省が取り組んでおります水俣との関係での分析でございます。水俣、1,000億の域内生産のうち、ここでの分析で86億のエネルギーの関係での資金流出がある。その他、生産、分配、投資、消費等の課題・方向性を掲げてございます。

 41ページ、最後に、「エネルギー自立・移出地域」の実現の可能性という参考でございます。2050年、80%目標達成のためには、再生エネルギーを一次エネルギー供給の5割という目標がございます。全体としてエネルギー消費を4割減らすというようなことが求められてまいりますが、いわば、下の図にございますように、東京圏、大阪圏のような大都市でのエネルギーが、結局、化石燃料でまかなわれているということで、地域のポテンシャルを生かして再生エネルギーを、自立・分散を越えて移出する。要は、都会の分のエネルギーを地域でまかなうと、こういうような視点で地域が大きな役割を持ち得るであろうと、こういうようなことの分析でございます。

 以上でございます。

○武内会長 どうもありがとうございました。

 非常に駆け足で大変恐縮でございますけれども、大きな骨格は御理解いただけたのではないかと思います。そこで、この提案に対して、委員の皆さんからの御質問、御意見を受けたいと思います。幾つか御意見を、あるいは御質問をいただいて、事務局から回答するという形を何度か繰り返すような形で進めていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、御質問、御意見のある方は札をお立ていただきたいと思います。

 河野委員、お願いします。

○河野委員 ありがとうございます。まず、意見を2、3点、申し上げたいと思います。

 最初に、先ほどの武内会長の御説明を聞いて、非常によく、趣旨というか、もともとの発想がわかったのですが、それをもうちょっと明確に、「はじめに」のところに入れたほうがいいと思います。と申し上げますのは、10ページ目に、基本戦略の考え方の中ほどに、他方、今までの環境政策は、得てして低炭素、資源循環、自然共生のそれぞれの個別分野の解決のみを念頭にしてきた、つまり、何となくタコつぼ型に入ってやってしまっていたと。それをもう少し全世界でどういう課題があるのか、原点に立ち返ると同時に、環境省の中のいろいろな部局のインターアクションというか、それぞれ縦割りになるのではなく、それからまた、政府の中のいろいろな省庁とも横断的にやっていくと、そういうことだと思いますので、その辺の基本的なところ、原点に立ち返るというようなところを、「はじめに」のところにもう少し色濃く入れないと、これからやっていけないという部分だと思うのですね。大きく言うと、炭素循環とか窒素循環とか、そういう物質循環をもっと健全化させていくと、地球全体で。そうしないとだめだという認識は、10年、15年ぐらい前から世界中で出てきてはいると思うのですけれども、そういうことも踏まえて、非常に大きい絵柄でもって、そういうことをやらなければいけないというのを、まず、「はじめに」のところでもう少しくっきりさせたらいいのではないかと思います。それは多分、文章上の問題なので、そんなに難しくないと思います。

 それから、あと、少し細かいことですが、27ページに、循環共生型の地域づくりと自然との共生を軸とした里地里山のあり方についてというのがあります。ここも非常に、これだけを見ると、きれいごとみたいに見えるのですが、実際の今、世の中では、いろいろ問題になっているのが、ニュースになっているものだけでも、例えば、諫早湾の干拓事業、非常に今、何かもうどっちも行かなくなってしまっている状況なのだと思うのですけれど、それから、巨大防潮堤の問題とかがあると思うのですが。ですから、この辺は、河川とか湖沼、干潟、それから海岸線の改変などについての施策をもう一度見直すというのを、ぜひ入れていただきたいというように思います。

 それから、もう一つは、細かい点になりますが、これで言うと、しようがないのかもしれないのですが、いわゆる従来の水政策とか大気汚染政策という分け方じゃなく、あえてしていらっしゃると思うので、しようがないかなとは思うのですが、23ページの真ん中辺に、これ、健康影響のことを言っていると思うのですけれど、水銀、熱中症、PM2.5、エコチルと全部一緒くたになっているのですが、実を言うと、大気汚染というのは、今、健康影響への問題であると同時に、気候変動上の温室効果ガスの影響もあるということで非常に注目されていて、WHOなんかも新しいものを打ち出したりしているので、もう少しここを、大気汚染のところをくっきりさせてもいいのではないかなと思いました。

 ちょっと細かい点になりましたが、よろしく御検討をお願いします。

○武内会長 どうもありがとうございました。

 それでは、大塚委員、お願いします。

○大塚委員 2点ございますけれども、第1点は、今回のこの統合的アプローチというのは、従来、必ずしも環境にそれほど関心がない方も含めて、国民目線で政策を組み立てるという観点から非常に評価できるというふうに思っております。先ほど武内会長もおっしゃっていただいたように、地域活性化というようなところにも貢献できるということですので、そういう観点を含めて、大変すばらしいものだと思っております。

 1点、お伺いしたいというか、確認させていただきたいところがございますけれども、従来、「循環」と言っていたものを、今回、「資源循環」というふうに言葉を変えていまして、それは、循環というのが物質循環全般を表すという御趣旨ですので、それは異存ございませんが、資源循環と言ったときに、資源としての資源性のあるものだけを循環させるというふうに少し勘違いする可能性もゼロとは言えませんので、あらゆるものが循環資源になるという、廃棄物が全て循環資源になるというのが基本的な循環基本法の発想だと思いますが、その点を少し確認させていただければありがたいと思います。

 以上でございます。

○武内会長 ありがとうございました。

 それでは、安井委員。ここで一度、質問の受け付けを切ります。よろしくどうぞ。

○安井委員 質問というわけではなくて、いわばコメントみたいなものなのでございますけれど、A3縦のこれを見せていただくと、上のほうに環境、経済、社会の両立というか、3つとも両立させる。それから、下側には、3つの社会の合体というか、統合的アプローチと、2つの話題が書かれていて、それぞれに、実を言いますと、環境を長々やっていますと、すぐ歴史を語りたくなってしまうのですけれど、歴史的に結構古い話でございまして、この下側の3つというものをみんな満足すると、一体どういう社会になるかというのは、実を言いますと、定常的な社会というものをつくれば、これは熱力学、物理学的なのですけれど、そうすれば、全ての問題が解決するということを言い出したハーマン・デイリーという男が、1971年にいるのですね。その男が、定常社会というのができるはずなんだけど、今のところできない。71年だから当たり前なのですけれど、そういうようなことを言っていて、それが、先ほど武内先生もおっしゃったことなのですけれど、一番何が悪かったかというと、要するに、地下資源というものを使うこと、それから、あと、生態系を過剰に使うということだったのでありますけれども、それが自然エネルギーというものを使うことによって、どうやらこれで100年以内に解決ができそうな見通しができているというのが、今、現状だと私は思うのですよね。ですから、そういうような、少しこの辺も、さっきの序文辺りを深く書き込んで、もう100年スコープで物を語れる時代になったぐらいのことでもって、少し大上段から言っていただいてもいいのではないかなというような気がいたします。

 例えば、今までこの3つの社会というのは、結構矛盾をするのではないかと言われていた、その一例として、例えば、金属系の資源を循環させようと思うと、とにかくそこに化石燃料を使うから、CO2が出てしまうよねと。だから、何かうまいところで落とし前をつけなければいけないなという発想が、最近だと、最近というか、もう将来、再生可能エネルギーだけになれば、とにかく循環を100%やるということが現実的になってくるという、そういう意味で、何か変わっているのですね、もう既に考え方が。それが1つでございます。

 上のほうの環境、経済、社会でございますが、これも、実を言いますと、1990年代に言われている話でございまして、これはトリプルボトムラインということを言い出したジョン・エルキントンという人がいるのですけれども、その男が言い出していることなのですね。それで、何を彼は言いたかったかといいますと、トリプルボトムラインというのはボトムラインなのですね。要するに、会計報告の一番下のところに、とにかく経理、金目の話しか書いていないけど、そこにきちんと環境、それから社会ということに対して、その企業が一体どういうふうに貢献をし、どういうようなことをやったのかということまできちんと書けという、そういう話なのですね。だから、基本的に企業経営というものを、単に経理、金の面だけではなくて、環境と、それから社会との関係からきちんと明らかにしていこうと。だから、ある意味で、そういう経済の成り立ちの根本を変えてしまう。要するに、企業と、企業活動というものを変えてしまうというのが、多分、根本的な思想の中にあったと思うのです。

 国連は同じことをボトムラインと言わなくて、トリプルピラーズと言って、3本柱と言ったのですね。それは、確かにこの3つがないと、うまく回らないということだったように思うのでありますが、その辺りを含めて、やはりこちらも少し基本思想を書き込んだほうがいいのではないかと思うのですよ。

 そうなりますと、後のほうで出てまいります、例えば、14ページ辺りから、そういった環境と経済の好循環云々の話が出てくるのですが、ここでもしエルキントンの話を考えれば、やはり金融市場辺りの成り立ちというものをどういうふうに変えるかというのが結構重要なマターで、要するに、実を言うと、日本の金融市場のグリーン化というのは、多分、世界でも遅れているほうで、場合によるとインドにも遅れているかもしれないと言われているような状態でありまして、例えば、株を上場する場合に、証券取引所が環境報告みたいなものを要求する社会がもう一般的になっているのに、日本はまだそうではないとか、そういうようなところを少し、実を言いますと、大分前にそういう検討会を環境省の下でやったことがあるのですけれど、その辺りのことを少し生かしていただけると、またこれも少し突っ込みが厳しい指摘ができるようになるのではないかと思います。

 あと、最後でございますけども、「持続可能性」という言葉ができたのは、御存じのように、これも87年のブルントラント委員会からできているわけですけれど、あれがああいう言葉にならざるを得なかったのは、やはり、実を言うと、エネルギーの有限、それから地下資源の有限というものにとらわれていて、それをどうやって分配するんだよと。要するに、もう食ってしまった先進国と、まだこれから先、食うであろう途上国の間でどうやって分配するのだろうというのが、それが一番根本的な考え方だったと思うのだけれども、その辺りが何となく解決の方向に、例えば、100年以内になるなというようなことも考えると、持続可能という言葉は、多分あと何十年かで賞味期限が終わるのではないかという気がするのですね。その辺りも一言申し上げました。

○武内会長 どうもありがとうございました。

 前文の格調が少し低いということも含めて、いろいろと御指摘をいただきましたけれども、事務局のほうからどうぞ。

○早水官房総務課長 お答えする前に、遅れておりました井上副大臣が到着しておりますので、御紹介させていただきます。

 井上環境副大臣でございます。

○中井官房秘書課長兼環境政策官 大塚先生の御指摘の資源循環についての件でございますが、例えば、本文の23ページを御覧いただきまして、施策の例という中で、物質・元素循環の健全性の確保というところで、物質や元素の循環(窒素循環、金属元素の移動・滞留など)に係る健全性も視野に施策を連携して推進と。この施策自体には、廃棄物というものにとどまらず、広義で捉えているという形で組み立てたものでございます。

 あと、いろいろいただきました御意見は、武内会長とまたいろいろ御相談させていただいて、事務方としても、極力やりたいと思います。

○武内会長 今、世界では、例えば、プラネタリー・バウンダリーみたいな話とかいうような議論が出ていたり、それから、インクルーシブ・ウェルスという、むしろ、富の再定義、GDPではおさまらないようなことというような、そういうことがいろいろと議論されておりますので、安井委員の言われたような、ハーマン・デイリーの考え方とか、少しそういう哲学的な部分をもう少し勉強していただいて、中井課長は、お金は大変得意だと思うのですが、ぜひ哲学を勉強していただいて、内容を充実させるという方向でやっていくといいのではないかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、石井委員、よろしくどうぞ。

○石井委員 どうもありがとうございます。全体的には、私、特に異論はございませんで、よくできているかなと思います。生物多様性に関わる者として、少し発言させていただきたいと思います。

 例えば、ポンチ絵というんですかね、概要を見ますと、生物多様性に関する施策の部分は、自然との共生、あるいはネットワークづくり、それからその活用というような形になっているかなと思います。それは大変よいと思いますけれども、何が言いたいかといいますと、この「自然」という言い方の中で、恐らく大事なのは日本的な自然であって、在来の自然であるというふうに思うわけですね。この辺りにつきましては、日本の生物多様性保全の中では、里地里山の問題というのが大きいということで、21ページの辺りから、具体的には23、24の辺りにしっかり書けていて、里地里山の保全のあり方、それから野生獣の問題のところにも踏み込んでいただいているのですね。

 私がお聞きしたいのは、私がざっと見たところ、一番、今、問題になっているものの里地里山保全に匹敵するぐらい重要な問題として、経済発展、それから外国との交流によって外来種が大量に入ってきて、それによる日本の在来の生物多様性の劣化というところだと思うのです。これをどこかに書いていただけないか、あるいはもう、私が見逃しているだけで、どこかに書いてあるのかというのを確認したいということでございます。もしもないようでしたら、23ページのアプローチ②辺りのところに少し書いていただけたらというふうに思います。よろしくお願いします。

○武内会長 どうもありがとうございました。

 それでは、鷲谷委員、お願いいたします。

○鷲谷委員 大部の文書なので、細部まで十分に検討できているわけではないのですけれども、意欲的な統合的アプローチを戦略的に提案している文書なのではないかと思います。これを具体化していくには、ここでの理念と日本の現状に合わせた科学的な検討および、今までには重視されていなかった技術開発も必要なのではないかと思います。それは、既存の産業と従来の社会的ニーズに対応してきた従来型の個別の学術分野だけでは対応が難しいのではないかという印象があります。こういう統合的な政策を先導していくには、やはり技術に関わることも含めて、統合的な科学分野を育てることを同時にしていく必要があると思われます。

 例えば、バイオマスの利用に関してですが、これまでの日本でのバイオマス利用といえば、やはり農業とか林業における経験と価値観の中で検討がなされてきたと思いますが、自然資源を有効に利用し、3つの分野のいずれにも寄与するようなバイオマス利用ということを考えるとすれば、それからやや離れた、もちろん伝統的なあり方を新しいニーズから見直すということも重要ですが、新しい科学や技術を発展させることも必要なのではないかと思います。生態系を活用した防災・減災についても提案していただいており、これはとても重要なテーマではないかと思っているのですが、理念的にはこれを推進することの意義が大きいということはわかりやすいのですが、具体的に進めるとなると、従来のインフラ整備に関わってきた分野や防災の研究分野だけではなく、やはり生態系に関わる分野を含め、総合的に計画を考えていくための研究分野の研究者などが関わる統合的なサイエンスがないと、これをよい形で実現して、それを世界のお手本にしていくということは難しいような気がします。このような提案をすると同時に、新しい統合科学を育てるような学術分野のムーブメントが起こる仕掛けというのも必要なのではないかと思います。

 以上です。

○武内会長 今のお二人の御意見はかなり関連があると思うのですが、まずそこで一度切ってと思いますが。

○中井官房秘書課長兼環境政策官 石井先生からいただきました外来種についての言及は、確かに抜けておりますので、武内会長と検討させていただきます。

 あと、鷲谷先生の統合的なサイエンスを育てるムーブメントが出るような仕掛け、こういうのも大変大事な分野なので、なかなかすぐにはできないですけれど、また相談させていただきます。

○武内会長 これも先ほどの話との関連ですけど、今、フューチャー・アースという地球環境研究の統合化という取組が世界で始まっていて、日本もその5つの事務局のホスト国の1つとして、今、名乗りを上げているわけですけれども、これは、基本は文部科学省ですけれども、やはり環境省も非常に関係があるということで、谷津次官ともいろいろとお話をしているところでありますので、そういうところをかなり具体的に書き込むということで、今のような話を少し膨らませていくことができるのではないかと思いますので、御検討いただければと思います。

 それでは、中杉委員、お願いいたします。

○中杉委員 私は、部会長として、武内先生、ほかの部会長の先生方とこれをまとめた、半分責任はあるのですが、その中で私が申し上げたことが、私の専門が、政策のところでいくと、一番下の環境リスク管理等というところなものですから、そこの観点から申し上げた話が、先ほどの23ページのところの、物質・元素循環のという話になってしまっているので、この話が、ここの部分に何か矮小化されているような感じが少ししています。基本的には、河野委員が言われたように、これは全体の話として考えていく。これをうまくどうするか、物質をどう回すか、元素レベルでどううまく管理して回すかということが重要であろうと。そういう意味での循環をどう考えるかというのが基本ではないかと思っています。

 今回、資料2のところで、ビジョンのところに、循環共生型社会という、これは単に資源循環と生態系の共生、自然共生という話ではなくて、物質循環全体を見るときに考えていくと、その1つ1つの物質循環を人間の社会の中だけではできないのですね。今の資源循環というものは、バイオマスでいくと、ある意味では人間のところから生物も絡んでいるように思われますけれども、実際は人間が廃棄物をどうしようかという観点でやっているわけですね。そうではなくて、物質循環という観点でいくと、これはもう生物と一緒にやらないとだめだというのは明確なことなわけです。そういう意味で、この資源共生型、循環・共生型というのは、そういう意味合いを持っていて、そこら辺が非常に重要だというのを最初のところで河野委員が強調してほしいと言われたのは、私もそのとおりだと思います。

 この中で、やはり大気汚染だとか、そういう問題も、全部そういうような形で見ていかなければいけない。これがだんだん地域レベルから、今や大気汚染の問題はグローバルレベルになってきている。グローバルまではまだ行かないですけども、でも、東アジアの問題になってきていると。そういうふうな観点を込めて、そういうふうな形でまとめていただくとよろしいのかなと。私が言ったからここに入ってしまったということがあるんですけど、もう少し広くこの話は捉えていただいたほうがいいのかと思います。

○武内会長 ありがとうございました。

 浅野委員、お願いいたします。

○浅野委員 私もこの原案をつくるのに関わりをもった者でありますので、どちらかというと、このような趣旨ですと言わなければならない立場にあるわけです。環境基本計画が閣議決定され、その中でいろいろな施策についてが網羅されているわけです。ですから、それをここで基本計画をもう一回書き直そうというつもりではないわけですから、あれがない、これがないという議論は、環境基本計画をないがしろにするようになってしまうという感じがします。

 河野委員が的確に御指摘くださったように、武内会長の発言にありましたように、現行の基本計画でも政策の統合ということを大分強調したつもりであるけれども、やはりどうしても個々の領域ごとにばらばらに議論をするという傾向がなかなか直らない。個々の施策について、どうもうまく統合的な議論にいかない傾向がある。そこで、もう一回そこをきちんと強調しておきましょうというのが、このペーパーの一番の狙いだったわけです。ですから、このペーパーでは施策についても慎重に書かれていて、「施策例」と書いてあって、これで決め打ちというつもりは毛頭ないわけです。政策の統合ということを考えるときに、例えばこのようなことをこんな切り口で、このように考えてみたら統合ができるのではないだろうかというつもりで書いているわけでして、この辺はぜひ御理解をいただきたいと思います。

 その上で、しかし、鷲谷委員がおっしゃったことは、私も、今日、これを改めて見ながら、はっと思ったのですけれども、何となく技術を開発していくことだけが強調されてしまっているような気がするわけです。けれども、環境省がこれまで環境研究については、かなりの時間とお金をかけて大きな成果を上げてきた。そういうことは、当然、ここでの前提になっているのですが、前提になっているということが消えてしまったかのような印象を与えることは、あまり賢明ではないと思います。ですから、その意味では、鷲谷委員がおっしゃったような点があるだろうと思います。

 環境研究も、これまでのように3つのプログラムが別々に走っているという状態から、ようやく環境省としての1つのまとまった環境研究プログラムになったわけで、これで随分進歩してきたと思いますし、それから、その中で、個々のテーマについても分野の統合ができるようにということで、これまでとは違って、あまり分野をぱたぱたと切るようなやり方をしないプログラムに変えてはきているのです。そして、決め打ちは、安井委員が委員長をやっておられる全統合共通・領域横断という審査部門があるわけです。ただ、残念ながら、その統合領域がなかなか統合にならないという悩みがあって、それがまさにこういうペーパーが出ることによって、広くみんながこれを見て、なるほど、統合というのはこんなものなのだとわかってくださることが大事だろうと思いますから、このペーパーの中に、もしかしたら、基盤的な環境研究というものも統合的になるような方向でやらなければいけませんよと。鷲谷委員が言われたようなことを含めて、書いておいたほうがいいなという点は私も気がつきました。

 それから、もう一つ、何人かの委員からの御指摘がありましたが、実は2週間ほど前に、環境法政策学会、環境経済・政策学会、環境社会学会の合同のシンポジウムというのを、やりまして、そこで持続可能な社会というテーマを扱ったのですが、その中でも、この国では持続可能な社会づくりということに関する哲学の議論はかなり進んできた。では、その哲学、環境省がもうこれまでずっとやってきて、第1次から第4次までの環境基本計画や、さまざまなプログラムの中でそれらの議論が随分進んできたことは評価できるのだけれども、実際に個々の法律とか制度を見た場合に、本当にそういう精神が生かされていくようなものがどのぐらいあるのだろうかと考えると、かなり心細いなということです。例えば、低炭素都市づくり推進の法律がありますけど、これもやっぱり特定の省庁の施策を丸めるというような感じになってしまっていて、広がりがない。あるいは、水循環基本法ができて、いいことだなと思うのですが、中身を見ると、組織をつくるということで終わってしまっていて、それ以上の内容につながるものがないようにも見受けられる。ですから、どうもまだまだ足りないのは、具体的な施策にどうつないでいくかということだと思うのです。このペーパーの中でその点を考えておりますので、予算、規制的手法、経済的手法、情報的手法を総動員というふうに書いたのですが、総動員と書いた途端にそこで終わってしまうわけです。だから、総動員などだけと言わずに、どこがどういう手法を使わなければいけないのかということが、この施策の例として挙げられているものにきちっとはまっていかなければいけないだろうと思われます。

 例えば、私の担当させていただいている地球環境部会に関係があることを言いますと、19ページには温暖化対策推進法での実行計画と都市計画の連携と書いてあるのですけれども、この実行計画にしてみても、何となく中途半端で、地方分権のしがらみの中で、何ともはや困った規定になってしまっているわけですが、それですら必ずしも十分動いていませんし、その実行計画は、自治体がきちんと地域に広げて動かしていくときに、どういう形でどういうことがやれるのかということが必ずしも用意されていないということがありますから、その辺もきちんと考えておかなければいけないことです。本日提出されたこのペーパーにいろんな形で修正を加えるということには、別に異存はございませんので、御意見に従って修正しながら、実際にこれを、今後、どう動かすかということが、次の大きな課題になってくるのだろうと、そんなふうに思っています。

 いずれにせよ、委員がおっしゃっていることについて全部、事務局は大らかに、それも入れます、これも入れますと答えておられるのですが、それには、しょせん限度があるかもしれませんし、全体に何を言おうとしているかということが明確になるような形での修正をしていくことが必要だと思います。

○武内会長 どうもありがとうございました。

 それでは、中村委員、お願いいたします。

○中村委員 ありがとうございます。この統合的アプローチという大変な作業があって、書くことには携わってこなかったものですから、すばらしいと思うのですけれども、果たして本当にここまでできるかなというのが、正直、ございます。

 それで、今日は、せっかく石原大臣がいらしていますので、私は、この1ページを拝見させていただいていまして、これから大切なのは、これを関係各省との政策連携に持っていくという言葉が一番下のところにございますが、一体この各省庁との政策連携のときに、環境省がどのぐらいの力、あるいは政策内容を持って連携が推進していく可能性があるのかということです。例えば、やはり詳しい専門的なことは、国民はよくわからないと思うのですが、やはり環境を大切にしよう、守ろうという意識を改革させるということ、これが、イコール、行動を変えるということになります。

 たまたま私、海外に何度か行くチャンスがございまして、やはりヨーロッパ諸国では、本当に幼稚園あるいは保育所レベルのところで環境教育がされていまして、そのデスク、入り口のところに2冊の本が置いてあったというのを、今でも記憶があるんですが、1つは「101の地球を救う方法」という本です。これは英語です。それから、その横にもう一つ、「これをあなたは捨ててはいけません」という、この2つの本があって、それが、少なくとも保育所レベルの子どもたちに向かってこういう本が飾られ、保護者の教育、そして、その壁のところには、地球がだんだん崩れていく、例えば、アマゾン川の流域に茶色の部分が増えてきているとか、あるいは南極、北極の氷山が消えていっている姿、こういったものがあるわけですね。

 恐らく今年、下村文部大臣は、小学校の道徳教育を月に、土曜日だったと思いますが、復活させていると思うのですけれども、こういったところとの政策連携、子どもたちに具体的にこの環境問題をどうやって教えていくかというのを、せっかくそういうゆとりのところからある、もう一つ、一歩、国民意識を高めるところができたので、そことどういった政策連携ができるか。

 それから、もう一つは、安倍総理大臣が国家の戦略特区というのを全国でやっていますけれども、こういった中にぜひ環境技術を開発するような、国立公園の中では、地熱があるのに開発できないとかというところもありますので、こういうところを規制改革していただきながら、国家の戦略特区の中と政策連携をして動かしていくと。このような、ぜひ絵に描いた餅にならないように、具体的な政策で実行可能なようなところまで、環境省がぜひ大きな力をもって推進していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○武内会長 どうですか、大臣。

○石原大臣 中村先生、ありがとうございました。大変貴重な御指摘が2点あったと思います。

 1つ目ですが、やはり環境教育といっても、教育の実態は文科省が司っているわけですので、我々が言っても、それはいいなで終わってしまう。では、それをどうカリキュラムに落としていくのか。今日は、日本の環境行政を決めていく中央環境審議会の総会でございますので、下村文部大臣に、しっかりとこの点については話させていただきたいと思います。

 政策連携の話の中で、やはり同じようなことを違う役所でやっているというのは、正直言ってございます。この中にも御言及があります、再生可能エネルギーを地域の1つのものにしていくというようなことについても、環境省がやっていますし、経済産業省もやっている。何が違うかというと、予算の丸が1個違うだけで、経済産業省のほうが一桁多い。しかし、では、どっちが進んでいるのかというのを客観的に見ますと、やはり再生可能エネルギーの洋上風力なんかについては、環境省のほうが一歩先んじていると考えています。これはやはり同じ日本国でありますので、それを、先ほど特区というお話もございましたけども、そういうところで開花させていくというようなことは、経済産業省と一緒に行うと。関局長がおりますが、カウンターパートの経産省の局長とは、もう今親しい仲になって、けんかをしながらやっています。私はその間に入っているだけですので、御安心いただきたいと思います。

○武内会長 どうもありがとうございました。

 それでは、事務局から、今の3人の委員の方に対するコメントをお願いします。

○中井官房秘書課長兼環境政策官 ある意味で、環境政策としての環境省の関わり方は、非常に大きく踏み出していると、事務局としても認識しております。それを考える場合、多分、環境省の機能というものがあると思うのですね。環境庁以来、71年から立ち上がって43年という中で、やはり大きなテーマに、今、まず、福島、東日本の災害というところに環境省として全力を注入しておりますけれども、社会的な課題にしがらみなく切り込むという、要は、業界を所管していない環境省としての機能というのがあると思います。

 そうした中で、今、社会の大きな転換点だというときに、先行的なドライブをかけるところは、しがらみのない環境省というのが、実はこういう施策の発動を各省に働きかけることによって、できるのではないかと。こういう議論は、武内会長以下とさせていただいておりまして、これは今までと比べると、予算規模も大分大きくなってきておりますし、まだまだ微力なのですけれども、環境省の機能というものは、経産省なり、国交省、そういうものがまた持っている機能もございますけど、その中で、環境省が出ることによって、経産省、国交省の政策が進む、要は、しがらみなく進みたいというところが手を組めるのではないかということを思っております。そういう意味でも、かなり意欲的な踏み出しという気持ちを込めたレポートだということを言わせていただきたいと思います。

○武内会長 あとは、中杉委員、浅野委員のコメントについて、いかがでしょうか。

○中井官房秘書課長兼環境政策官 中杉先生の物質循環の話、もうずっとこれをつくる過程から、座長のところで御議論させていただいているところでありまして、物質循環、根本的なところの重要性というところを表現した上で、これを全体としてにじむようなものにする必要性は、もうよく認識しておりますので、また御相談させていただきたいと思います。

 また、浅野先生の哲学をどう施策として具体化していくかというところ、先ほどの中村先生の話とも絡むと思うのですけれど、ある意味で、これは本当に大きな意欲といいますか、頑張るぞという環境省としての、東日本大震災後の復旧に携わりいろんな大変なことを感じているからこそ、予防的に社会をよくしたいと、それを行政として具体化する、哲学を具現化するというところを、大分体力のついてきた環境省としてやりたいということでありまして、おっしゃるとおりでございますので、このレポートで、修正できるところは修正いたしますし、これはやるしかないということなのかなと考えております。

○武内会長 それでは、次にまた御意見、御質問を受けたいと思います。

 小澤委員。

○小澤委員 2007年の国家環境立国戦略会議に私も参加していて、この統合的アプローチというのがなかなか理解されないという認識を持っていました。本日はこのようなレポート、哲学をベースにしたレポートが出てきて、より進んできたのではないかと思う感慨を持ちました。

 ただ、その中で、先ほどから教育・研究が出ておりましたけれども、研究のほうでは、私も日本学術会議で、「環境教育のあり方」という提言を提出しています。「統合する力」というのでしょうか、大学のいわゆる分割化された専門分野の中だけでの研究ではだめで、「統合していく力」、それは、すなわち「越境する力」がそれぞれの分野になければいけないだろうという立場で、まとめて提言をしております。そのことは、行政のシステムについても同じだと思います。

 ただ、今日は、教育について申し上げますと、教育的な言葉が書いてあるのが、地域人材を育成、地域づくりの人材を育成するというところで1つあるのと、あと、人と自然でしょうか、その関係で、地域づくりでは19ページ、それから、人と人、人と自然のつながり、それが希薄化しているという形で書かれていますけど、やはり教育のありようは、「人と人」、「人と自然」、「人と社会」のあり方の再構築だと思うのです。今回はA4の資料3で、「イノベーション」という言葉が出ておりますが、今、私も北川環境副大臣とポストESDの議論をしておりますけれども、私も環境教育はソーシャルチェンジ(社会変革)のための教育であるということを提言しておりますので、そういったところをもう少し書いていただけるとありがたいです。

 単なる体験の場を提供することだけではないと思います。社会システムをどう変えていくかという、非常にこれは環境外交においてもとても重要なことでありますし、ただ、日本の教育の仕組みで言いますと、いわゆる途上国の課題というのはいっぱいありますけれども、日本は、文科省的立場に立つと、いわゆる学習指導要領でミニマムスタンダードはあるわけですね。ですから、ベースはあるのですけれども、では、どのようにビジョンをつくり、共有して、それから演繹的にアプローチするかというところが弱いと思います。ただ単にプロブレムを教えるのではなく、イシューとしての課題解決型の、一番初めにあります。そういったところでのスキル、能力をつけていくということについて、もう少し、具体の場ではなく、ただ単に体験の場とか、農山漁村での体験の場だけで、そこを一歩踏み込んで、大人が関わりながら、ただ訓戒を垂れるだけでは、子どもたちには響いていかないのです。ですから、そこのところをもう少し踏み込んだ書き方をしていただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

○武内会長 ありがとうございました。

 坂本委員、お願いいたします。

○坂本委員 私もまとめるほうの側であったわけですけれど、1つ、やはり環境リスクのところで、23ページですけども、環境保健施策による環境リスク管理という形で書いてあるので、やむを得ないのですけれども、これ以外に現時点では、我々は人の健康だけを考えていたのではいけなくなってきているということは、もう明確なわけで、例えば、さまざまな光化学で出るオゾンが、人の健康影響以外に、植物に相当な影響を与え、もしくはイネの生産を落としてしまったりとか、そういったようなこともあるわけです。そういう意味も含めて、少し環境リスクというものを考えているのだということがわかるようにしていただけたらいいのかなと思います。

○武内会長 ありがとうございました。

 それでは、永田委員、お願いします。

○永田委員 内容については、特に不満はありませんが、お話を聞いていて、思い出しながらなのですが、これまで幾つか政策決定だとか、あるいは法律づくりにも関わってきた中で、このビジョン、戦略、政策と流れていく流れというのは正しいのだろうと思いますが、一方で、何かこういうものを実現する上で必要な原則といいますか、市民の人とか、企業の人とかが共有できるような原則論というのを定めていっていただくと、後の話がすっと行く。それを理解してもらえば、こういうビジョンなり、あるいは戦略が行われるのですよということが通じていくというような、そういうことがあるのではないかなと思っていまして、その辺の原則を幾つか定めていただく作業というのを、これからやっていただけるとありがたいなと思っています。それが1点目です。

 あと、2点ほどなのですが、イノベーションの話で、技術、社会システム、ライフスタイルと出てくるのですが、日本の1つの特徴として、「プロセスイノベーション」という言葉もありまして、そこに到達する、こういうシステムをつくり上げるまでのプロセス、それをどうやって革新的なものを取り入れていくか、実現していくかという話、ここも非常に重要な話なのですよ。その切り口で少しこの戦略のところを分けていただくと、もう少しわかりやすくなるし、プロセスイノベーションという言葉もどこかで生かしていただくといいのかなと。それは、それぞれの地域の特徴とか、日本の中ではですね。あるいは、今度は海外展開ということになりますと、その国の文化だとか、あるいは風習だとか、習慣だとか、いろんなものを加味しながら、それに合わせた形でシステムをつくったり、ライフスタイルを構築したり、あるいは技術、製品を提供したりということになるわけですから、その辺のところというのは、かなりきめ細かい形で、日本人が得意とする分野だと思っていますので、そのプロセス、過程というのも非常に大切にしてほしいなというふうに思っています。

 それから、もう1点が、これはなかなか外せない言葉ですけど、「環境技術」という言葉が、大分もう、こんなことを言うと言い過ぎかもしれません。使い古されてきたのかなという気がしていまして、先ほど安井先生が、「サステナブル」という言葉がもう数十年先には消えていくのではないかという話がありましたが、何かその辺のベースになるような内容、「持続的な発展」とか「持続可能な」という言葉が何か生きるような方向に持っていってほしいなというふうに思っています。

 これはどういうことを言っているかというと、例えば、エネルギーペイバックタイムといいますか、幾らでつくった施設が、エネルギー的には回収できるのかというのは、これは計算できて、温暖化対策だとか、いろんなところでも使われていると思いますが、本当の意味でのペイバックタイム、これがないと、やはりその技術に投資しようとか、そういう施設をつくっていこうというようなところが弱くなってくるのですよ。そういう意味では、いろんなその技術を取り巻く環境によって、それを変えることができるわけですが、制度とか、あるいは経済システムとか、そういうものをうまく組み合わせていきながら、本当の意味でのサステナブル技術にしていってほしいと。そういう技術をどんどん増やしていくような方向性を持たせてほしいなという気がしておりまして、そういう意味で、何かその辺のところをうまくつかんだような言葉を使っていただくと、また新たな発展もあるのかなというふうに思っています。

 以上、3点、気になった話です。

○武内会長 どうもありがとうございました。

 それでは、佐藤委員。

○佐藤委員 先ほど小澤先生もおっしゃっていたのですけれども、協力のところとかツーリズムのところが少し弱いのではないかと。統合という割には、今まで言われていたことがそのまま載っているのではないかなというふうにちょっと感じます。例えば、農山村の体験というのだったら、ほとんど小・中ぐらいのイメージですし、高校、大学、大人はどうするのだろうかというようなところ、やはり統合的にもう少し、本当にこれを体現できる人材をこれからどう育てていくという仕組みが必要と思います。それで、自然を支える人たちがきちんと食べていけるかというようなことまで含めて、もう少し必要なのではないかと。技術のところは非常にたくさん書いてくださっているのですけれども、ライフスタイルや人のところが、割と今までのトーンのままなのではないかと。やはり新しい形で生きていくということを経済的にも実現していくためには、単にコミュニティーを何とかしましょうというだけではなくて、もっといろんな施策が必要になってくると思います。言葉の上でも、例えば、エコツーリズムだけではなくて、環境ツーリズムみたいなものもあるかもしれませんし、博物館の機能だって、もうちょっと今までの歴史とかだけではなくて、環境面のことをもっと重視するというようなこともあるでしょうし、最終的にはやはり人間のライフスタイルのところに落ちていくので、その最後の落としどころのところを本当にきちっとつくっていくというのが必要ではないでしょうか、政策として入れていくということも少し考えていただいたほうがいいのではないかと思います。

○武内会長 ありがとうございます。

 一応、そこで切りたいと思いますが、特に、今、出ている中で非常に大事なことは、ライフスタイルイノベーションを引き起こすための教育の役割、人材育成というようなことが中心だったと思いますけれども。

○中井官房秘書課長兼環境政策官 今、小澤先生と佐藤先生からの御指摘の部分につきましては、同感でございまして、施策としては、先ほど御紹介がありましたように、具体的施策例ということですので、これで全てというわけではないのですけれども、その重要性のところを、ライフスタイルと絡んでやはり教育、人のところの重要性をもう少し浮き彫りにするような修正を考えつつ、かつ、今、具体的な政策としても、大人と子どもの関係も含めて、どういうことで少し新しいアイデアが出るのかと、知恵も絞りたいと、政策例としても、今後、充実していきたいと思います。

 坂本先生の環境リスクの、より意味をというところは、またちょっと御相談させていただくということかなと思いますが。

 あと、永田先生からいただきました、原則論というのがあると非常にわかりやすいというのも、非常に同感ではあるのですが、それをうまくできるかどうかというのも含めまして、またできる場合には反映させたいと思いますが、検討をさせていただきたいなと思います。

 あとは、イノベーションのところでも、プロセスイノベーションということもございました。イノベーションについても、この原案をつくる過程で、武内会長以下、大分議論をしていますが、また再度、最終的に一度詰めてみたいと思っております。

 環境技術について、持続可能な発展が生きるような環境技術のあり方というところが生きるような工夫というところも、また武内先生以下、専門のお知恵もいただいて、何らか工夫ができるのかどうか検討をいたしたいと思います。

 以上でございます。

○武内会長 ありがとうございました。

 それでは、相澤委員、お願いします。

○相澤委員 環境と経済と社会を統合して、こういうアプローチをするということで、非常に網羅的で、今までの環境省の考え方、特に経済活動と環境の保全ということをうまくミックスしてつくっていただいて、内容的にはすばらしいものだと思います。ただ、この文章とこの図のところで、戦略のところは随分詳しく文章のほうで説明されているのですけれど、政策のこれが一番肝になるところだと思うのですが、それについての説明を、少し尽くし足りないのかなというように感じました。この図が、このアプローチのA3の図と文章が恐らく一緒にページされるのだと思いますけれども、この図があると非常にこの文章もわかりやすいように感じました。

 もう一つは、非常に網羅的な対策が書かれているのですけれども、この重要性のステップといいますか、どこから何をしていくかという時間軸とその重要性というところがもう少しあるといいのかなということで、今までいろいろお話がございましたけども、ライフスタイルを変えるとか、そういったことも非常に重要なことであると思いますので、その辺をもう少し強調したらどうかというふうに考えました。

 どうもありがとうございました。

○武内会長 ほかの委員の方で、さらに御意見はございませんでしょうか。よろしゅうございますか。

 そうしたら、今の御意見について。

○中井官房秘書課長兼環境政策官 相澤先生の、この表と本文の戦略の中身の具体的な政策のところについては、大分書き落としてある、まだ不十分ではあるのですけれども、1枚紙の中では、アプローチという表題しかなっていないという状況でありましたので、時間の関係上、説明をはしょらせていただいたという形で、個別には相当具体的な施策を、新しい切り口も含めまして、頭を絞っているという状況でございます。

 あと、時間軸、手順等、そこら辺についてのめり張りの見せ方みたいなことをどういうふうにできるのか、参考にさせていただいて、また検討したいと思います。

○武内会長 それでは、もしほかにないようでしたら、少し皆さんに御相談したいことがございます。それは、この最終結果の取りまとめを、今日いただいた御意見を踏まえて修正するわけですけれども、その修正について、私のほうに一任いただけるかどうかということでございますが、いかがでしょうか。

(異議なし)

○武内会長 ありがとうございます。

 それと、もう一つは、これをどういう形で最終的に世に出すかということでございますけれども、これについては、私が会長として、石原環境大臣に向けて意見具申という形でお渡ししたいと思いますが、この点についても御了承いただけますでしょうか。

(異議なし)

○武内会長 どうもありがとうございます。

 こういう総会で議論をするということの意味ですけれども、これもやはりこの議論と非常に関係をしておりまして、従来は、総会というのは年に1回開くというふうな形でございまして、実質的には部会、あるいはその下の専門委員会で実質の議論がされると。その結果として、非常に大きな問題なのは、今日、皆さんに御議論いただいたような大きな絵が描けないというふうなことでございまして、そういう意味で、こういう総会の場ということを、従来よりもちょっと踏み込んだ形で使わせていただいて、皆さんに御議論いただいたということでございます。そういうことを踏まえまして、この総会の中でこのような議論ができたことを、大変ありがたく思っておりますし、また、委員の皆さんの御協力に心より感謝を申し上げたいと思います。

 いただいた御意見を踏まえて、できる限り皆さんの特に御趣旨に合うような形で修正をし、最終的には成文にしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。本当にどうもありがとうございました。

 それでは、残る議題のその他について、事務局より説明をお願いいたします。

○早水官房総務課長 どうもありがとうございました。

 それでは、本日取りまとめていただきました内容につきまして、今、会長からもお話がありましたけれども、この後、会長と御相談しつつ、文言の確定をさせていただければと思います。その後、公表しつつ、また、委員の皆様にもお送りをさせていただきます。

 なお、今日の議事録でございますけれども、本日御出席の各委員にお送りして、確認をしていただいた後に、ホームページで公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 最後に、北川副大臣より御挨拶申し上げます。

○北川副大臣 中央環境委員の皆様方には、武内会長を初め、長時間にわたりまして御議論を賜りました。今回の総合的アプローチによる社会の構築と、この案に対しまして多岐にわたる御意見を頂戴いたしました。環境基本計画との整合性、また、このそれぞれの政策、提言、これを実現するための原則論、また、人材の育成についてのお話もいただきました。

 私は、今、座長をしている「国連『ESDの10年』後の環境教育推進方策懇談会」というのがありますので、この中でも、やはり環境政策の中でこういう政策全てを実現していくのは、やはり人材でありますので、世界に、また、この地球という環境に貢献できる人材をどれだけこれから日本の国が輩出できるか、そして、日本の国のリードのもとで、世界でこういう環境に対する意識を持っていただく人材を育成できるか、こういうことにも関わってくると思いますので、そういう中で、今日は各委員の皆様方に本当に貴重なる御意見を賜りました。

 今後、武内会長のもとですばらしい案がまとめていただけると思います。今後ともの各先生方の御助言、また、御意見を賜りますことを請い願いますと同時に、皆様方の御健勝、御多幸を願い、また、今後とも環境省をよろしくお願いを申し上げまして、今日の御礼の御挨拶とさせていただきます。今日は、誠にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

○武内会長 どうもありがとうございました。

 それでは、これにて散会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

午後6時20分閉会