中央環境審議会第13回総会議事録

日時

平成21年11月5日(木)

場所

フロラシオン青山「芙蓉」

議事内容

午後4時01分開会

○紀村総務課長 それでは、皆様大変お待たせいたしました。定刻を過ぎましたので、ただいまから第13回の中央環境審議会総会を開催させていただきます。
 現時点で委員30名のうち既に20名の委員の方が既にご出席でございますし、遅れて来られる方も含めて23名のご出席と聞いておりますので、定足数を満たしており、総会は成立しているということについて申し添えさせていただきます。
 前回の総会の開催以降、委員の交代がございましたので、新たに委員となられた方をご紹介させていただきます。倉田薫委員がご退任されまして、新たに宮下裕委員にご就任いただきました。宮下委員どうぞよろしくお願いいたします。
 また、皆様方ご高承のとおり鳩山新政権の発足に伴いまして、環境省政務三役のメンバーが小沢環境大臣、田島副大臣、大谷政務官ということで新たな方々がお見えになったわけでございますが、本日はあいにく新政権になってからいろんなメカニズムができているわけでございますが、各省庁別で政策会議というのができておりまして、そこで副大臣が主に主宰となって与党の国会議員の方々がお集まりになって政策全般について議論するという場が、たまたま本会議と時間が重なっているということでございまして、残念ながら現時点では3人とも出席しておりませんが、副大臣、政務官につきましては申し訳ございませんが、そちらの会かかりっ切りということなので皆様方に大変よろしくお伝えくださいということでございますが、小沢環境大臣、そちらの会議を途中で退席いたしましてこちらの総会に駆けつけていただくということになっております。会場に到着次第ごあいさつを申し上げたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
 また、環境省の幹部、事務方も大分異動がございました。本日出席させていただいている幹部職員をご紹介させていただきます。かわった方、かわられない方、いろいろおられますが。
 まず、小林環境事務次官。
 それから、寺田地球環境局長。
 それから、原環境保健部長。
 小林大臣官房審議官。
 三好大臣官房審議官。
 伊藤大臣官房審議官。
 渡邉大臣官房審議官。
 それから、申し遅れましたが私、大臣官房審議官の紀村でございます。よろしくお願いします。
 それでは、まず小林事務次官のほうからごあいさつ申し上げます。

○小林事務次官 今、ごあいさつさせていただきました事務次官の小林でございます。
 後ほど、また小沢環境大臣、こちらのほうに駆けつけ次第ごあいさつ賜りたいというふうに思ってございますけれども、まずは開会に当たりまして事務方より一言ごあいさつをさせていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、平素から環境行政の推進につきまして大変大所高所からご指導賜っていただいております。ありがとうございます。本日、特にお忙しい中、こうした総会の機会ちょうだいしましたこと、これもまた厚く御礼申し上げます。
 ご案内のとおりでございますけれども、今、世界の人口どんどん増える、あるいは新興国が経済発展を続けるということで地球も大分狭くなってきて、環境負荷も高まっているということでございます。温暖化対策もますます気候変動が進んで喫緊の課題になっているということも一つございます。他方、世界の同時不況という中で厳しい雇用情勢、そして景気の情勢、これを早く克服するという中で、環境政策が昔であれば後回しということになろうかと思いますけれども、そうではなくてむしろ経済対策、雇用対策のメーンストリームとして環境対策を進めていくべきだというふうなことにもなってきております。そういうことで、この環境行政、いよいよ発展をしていかなきゃいけないなというふうに考えているところでございます。
 こうした状況の中でございますけれども、この中央環境審議会では、それぞれの部会のほうでご審議を賜りまして着々と環境行政の進展ということを図っているところでございまして、今日も報告があろうかと思いますが、一例を申し上げますと土壌汚染防止対策で土壌汚染対策法の一部改正が行われる。あるいは化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部改正が行われる、あるいは自然公園法あるいは自然環境保全法の一括改正がさきの国会で成立をしてございます。そのほか低炭素社会の実現に向けました施策の検討、あるいは循環型社会の形成推進基本計画の点検等、この中央環境審議会におかれましては精力的にご議論をいただいてきているところでございます。
 さらに、オンゴーイングですね、現在におきましても環境と金融のあり方についてという諮問をさせていただいております。また、生物多様性国家戦略の策定について、あるいは今後の環境影響評価制度のあり方について、あるいは今後の効果的な公害防止の取組方策のあり方について、あるいは石綿被害の救済制度のあり方について等々について諮問をさせていただいておりまして、それぞれの部会におきまして精力的にご審議を賜っているところでございます。
 こういうことで中央環境審議会にはいろいろご指導賜っているわけでございますけれども、環境行政の必要性、任務、ますます重くなっているというふうに考えてございます。新政権発足以降、政治が主導する理念のもと環境行政のあり方につきましても大きな変革の最中にございます。私ども事務方といたしましても、大臣そして副大臣、大臣政務官のリーダーシップのもと、あらゆる施策に全力を挙げて取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
 こうした取組を進めるに当たりまして、この中央環境審議会の委員の皆様方の専門的なご所見、サポートが不可欠でございます。引き続き大所高所からのご審議、ご指導のほどお願いをいたしまして、甚だ粗辞でございますけれども、開会に当たり事務方のほうから一言ごあいさつをさせていただきます。
 今日はよろしくご指導のほどお願いいたします。

○紀村総務課長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして議事に入りたいと思います。
 鈴木会長のほうから、どうぞよろしくお願いいたします。

○鈴木会長 前回、1月にこの総会を持たせていただきましたが、10カ月ぶりの総会となります。ご多用のところをお集まりいただきましてありがとうございました。
 本日の会議は、これまでどおりでございますが中央環境審議会の運営方針に基づきまして公開となっておりますことをまず最初に申し上げます。限られた時間でございますが、委員の先生方のご協力を賜りまして議事をスムーズに進めていきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、審議に入ります前に事務局のほうから本日の資料の確認をお願いしたいと思います。

○事務局 資料の確認をさせていただきます。
 クリップを外していただきまして議事次第がございます。次のページが座席表になっております。その次が資料1、委員の名簿でございます。続きまして資料2がホチキスどめで「中央環境審議会の審議状況等について」でございます。次が、資料3「平成22年度環境省重点施策」でございます。続きまして資料4「平成22年度環境省税制改正要望の概要」、次が横紙になっております資料の5「地球温暖化問題について」、次が資料6「自然環境の保全について」、資料7「廃棄物・リサイクル対策について」、資料8「水・大気環境保全施策について」、資料9「水俣病対策の現状について」。それから参考資料といたしまして、1でございますが「中央環境審議会関係法令等」、参考資料2が鳩山総理の所信表明演説の抜粋など5種類のものがホチキスどめでとめてございます。
 以上でございます。

○鈴木会長 よろしいでしょうか。資料、過不足等ございましたら事務局のほうにお申し出いただきたいと思います。
 中央環境審議会議事運営規則第6条第3項によりますと、会長は、会長が同意して審議会の決議とした部会の決議、これにつきまして総会において報告をする、こういうことになっております。今年の1月に開催いたしました総会以降の中央環境審議会の各部会の審議状況につきまして資料2にまとめていただいております。本来ですと、それぞれの部会からご説明をいただくというようなこともあろうかと思いますが、時間の関係もございますので詳細な説明は割愛させていただきまして、後ほど各部会の審議状況も含めまして環境省の部局のほうから当面の諸問題の報告をしていただく、こういうことにいたしたいと思います。この資料2をもちまして総会に対する報告とさせていただきたいと思います。
 それでは、議事次第の4、当面の諸問題について、これにつきまして各部局のほうから報告を受けたいと存じます。各部局、大変恐縮ですが5分ぐらいということで、ご準備いただいた資料に従いまして説明をお願いします。
 まずは、資料3、環境省重点施策についての報告をいただきます。各部局の説明が一巡終わりましたところで、委員の先生方からのご質問やご意見、これを一括していただくと、こういうことにさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、資料3につきまして小林審議官。

○小林審議官 それでは資料3に基づきまして、平成22年度の環境省重点施策につきましてご説明をいたします。
 資料1枚おめくりをいただきたいと思います。この概算要求に当たりましては、新政権の登場に伴いまして予算編成の方針についてという9月26日付の閣議決定がございまして、これに沿いまして10月半ばに再提出をしたものでございます。これによりますと、既存予算についてはゼロベースで厳しく優先順位を見直し、できる限り要求段階から積極的な減額を行う。ただし一方で、マニフェストに従いまして緊急性を要する課題についてはしっかり対応していく、こういう方針が示されたわけでございます。これに沿いまして既存の事業の見直しをいたしまして、廃止、合理化、縮減などを行い、一方で新規施策も盛り込むというようなことで、最終的に環境省予算としては、2,195億という前年を下回る額で要求しているということでございます。
 Iのページの1のところをご覧いただきたいと思います。最初の四角に一般会計の予算額を出しておりますが、非公共の一般政策経費につきましては、新しい政策課題などを盛り込みまして対前年度比で11.5%の増、エネルギー特会につきましても増要求をしたと。
 一方で、公共事業につきましては縮減を図りまして、廃棄物、自然公園、合計で84%。これと特別会計の剰余金を足しまして、2つ目の四角をご覧いただきたいのでございますが、予算総額としては2,195億円、対前年度比では99%ということにしたわけでございます。
 その一番下のそのページの2をご覧いただきたいのでございますが、そういうことではございますが、マニフェストあるいは鳩山総理のニューヨークでの国連総会での演説などを踏まえまして、2020年度にはCO225%削減の目標を達成する、こういうこともございます。これに向けまして、チャレンジ25プロジェクトとして、環境省の要望しております地球温暖化対策税の創設などとあわせましてこれを大いに検討し、打ち出していきたいということを示したのがIIページでございます。
 この中で、地球温暖化対策として従来から進めてまいりました京都議定書の目標達成のための政策に加えまして、マイナス25%を実現するための幅広い政策を掲げております。10項目をそこで提起しておりますが、エコポイントですとか、地方公共団体が対策を進めるグリーンニューディール基金のすそ野を広げるというようなこと、あるいは無利子融資というようなことに加えましてチャレンジ25の地域づくりということで地域における面的な広がりを持った、例えばカーシェアリングですとかコミュニティサイクル、あるいは集合住宅での太陽熱の利用などなど、地域として25%削減が実現できるような、そういう地域づくりの予算も提起しております。
 あるいは5のところでは、カーボンオフセットの事業を従来から進めておりますが、中小企業や農林業における排出の削減ですとか吸収分野をさらに開拓するために、こういうオフセットクレジット制度の拡充を図るというようなものも提起しております。また、環境対応車への普及、太陽熱の普及、それから国内排出量取引制度が本格的に稼働できるための準備の予算なども入れている。
 さらに、国際的な対応として、10のところでは鳩山イニシアティブということで、途上国における削減努力が進行しますように資金等技術協力が進むような、そういう仕組みを構築していくというようなことを掲げておりまして、これから予算、年末にまとめるに当たって詰めていくということでございます。
 それから、ちょっとはしょったご説明で恐縮でございますが、その次のIII、IVのところに具体的な金額を掲げての要求事項を書いております。これはその後ろを見ていただきますと、Iページから金額とか説明を加えて資料を用意しておりますので、ご説明はこのIII、IVに従いまして簡潔にさせていただきますが、適宜後ろをご参照いただければと思います。
 まず、1番目、25%削減目標の達成と豊かな暮らしの実現に向けた社会の変革というところでございますが、25%削減目標に向けた社会・経済の取組ということで、その達成の道筋を示すロードマップの策定、2億円余でございます。あるいは、国民挙げてこれに対応していくチャレンジ25国民運動の推進というようなことも挙げておりますし、横断的な政策として地球温暖化対策税の導入を含みます税制のグリーン化、それから排出量取引の導入というようなことも挙げております。
 また、再生可能エネルギーの技術の開発・普及促進ということで、後ろを見ていただきますと、競争的資金の充実ですとか、あるいはエコ燃料、洋上風力、市民参加型の小水力発電、こんなものも掲げているところでございます。
 また、国民とともに社会を変革していくということで、いわゆる見える化を推進するための緑の消費への変革。また一方で、緑の投資を進めるための環境金融などの施策。また、人と環境に優しいまちづくり・地域づくりというようなものも挙げているところであります。
 また、アジア地域を初めとする国際協力ということで、コベネフィット・アプローチなどなどの予算も掲げておりまして、これが1の温暖化対策の部分でございます。
 それから右のページにまいりまして、2でございますが、生物多様性の保全。これもご承知のように来年10月に愛知県名古屋市で生物多様性条約の第10回締約国会議がございます。3週間にわたって1万人規模の参加者が予定されておりまして、これに議長国として会議を成功に導きますとともに対策も進めるということで、会議開催経費、また途上国の人材育成、科学的基盤の強化を目的とした基金の創設、また国際的なSATOYAMAイニシアティブの推進というような経費を掲げております。
 また、国内で生物多様性保全、あるいは国民への働きかけを強めるための経費も挙げております。これ以外にも、自然共生分野で国立公園を管理運営する体制の強化、また生物多様性の恵みを実感できるような公園を実現していくというような経費ですとか、それから人と生き物がうまく共生していくための経費、あるいは動物愛護の経費などというものも挙げているところでございます。
 大きな3が循環型社会の変革でございまして、公共事業は遠慮いたしましたが政策的なものは強めていこうということで、リユースビジネスの活性化、また優良業者の育成のための経費、またレアメタルリサイクルを引き続き1億円規模の予算を要求してしっかり3Rを推進するということにしております。地域循環圏をしっかり育てていくということもございます。
 また、今、東アジアも経済的に一体化しておりますので、アジア各国と協力しながら循環型社会をつくります一方で、また不適切な輸出入はしっかり防止をするというふうなものも掲げるところであります。不法投棄対策なども引き続きしっかりやっていくと、こういうことでございます。
 大きな4は、安全・安心な社会づくりでございまして、さまざまな課題がございます。PM2.5、あるいは光化学オキシダントへの対応というようなことも盛り込んでおります。水のほうでまいりますと、底層の問題、あるいは閉鎖性水域の問題の対策を強めてまいります。また、浄化槽の整備も引き続き必要でございますし、新しい法律ができました漂流・漂着物の対策、これは海岸でございます。また、土壌汚染対策、これもしっかり施行していくということが必要でございます。
 また、世界的な取組に今入ろうとしております子どもの健康に対する調査、大規模継続的でございますが、そんなこともやってまいりますし、化学物質対策も手を緩めることはできないということであります。
 また、最後に忘れてならないのは水俣病対策でございまして、さきの国会で水俣病被害者救済特別措置法ができておりますが、その対策をしっかり進めるというようなことを盛り込んだものであります。
 雑駁でございますが、以上でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。
 それでは、資料4によりまして、税制改正要望等について三好審議官。

○三好審議官 総合環境政策局担当の三好でございます。
 それでは、資料4に基づきまして環境省の税制改正要望のご説明をさせていただきますが、その前に資料2の各部会の審議状況ということで、総合政策部会の審議状況についてごくごく簡単に触れさせていただきます。

○鈴木会長 三好さん、ちょっと中断をしていただいて、大臣ご到着ですので。
 大臣、大変お忙しい会議の間にこちらにお越しいただきましたので、まずごあいさつをお願いしたいと思います。

○小沢環境大臣 環境大臣の小沢鋭仁でございます。中央環境審議会の先生方には、本当にご熱心なご討議をしていただいているところ、こうやって中断を申し上げて本当に恐縮でございますが、一言ごあいさつをさせていただきたいと思います。
 まず、先生方には日ごろから大変環境行政お世話になっているわけでありまして、私からもこの場をおかりして心から御礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
 先般も鈴木先生初め、何人かの先生方とはお話をする機会があったわけでありますが、多くの先生方が初めてでございまして、そういった意味では、これからどうぞご指導賜りますようよろしくお願い申し上げたいと思います。
 さて、政策でありますけれども、もう先生方ご案内のとおり鳩山内閣になりまして大きな変化がございました。鳩山内閣成立と同時に国連の気候変動首脳会議に参りまして、ご案内のとおり1990年比、2020年までに温室効果ガスを25%カットすると、こういうある意味では決意を国連で申し上げたところでございます。帰ってまいりまして、その具体的な作業を今、閣僚委員会という形で行っております。
 これは新政権になりましてつくらせていただいた制度でありますけれども、鳩山総理が中心、しかし実質その取りまとめは菅副総理ということで、関係各役所の大臣が顔をそろえて責任を持って議論をするということでございます。ただ、閣僚委員会はなかなか各大臣の日程も合わないものですから、その下に副大臣級ということでワーキングチームをつくらせていただきました。そこは菅さんがトップ、私が事務局長を預かると、こういう立場で副大臣級のワーキングチームで実質環境政策を今検討をしているということでございます。
 その副大臣級ワーキングチームのテーマは、大きく分けて3つございまして、1つは25%カットへの道筋といいますか、政策といいますか、それを具体的にどういったものをやっていったらいいだろうかという話。それからもう1つは、これも国連で発表させていただいた途上国支援の鳩山イニシアティブの具体化の話。それから、実はあしたの夜発足することになると思いますけれども、排出量取引PTが1つということでございまして、25%カットへのさまざまな政策、それから鳩山イニシアティブ、排出量取引と、この大きな3つのテーマに分けまして今副大臣級のワーキングチームのもとでやっている。
 さらには、またその副大臣級ワーキングチームからお願いを申し上げてタスクフォースをつくらせていただいて、さきの麻生内閣のときに行ったいわゆる国民生活へのコストの問題。これは今度はコストの問題だけではなくて、逆にプラスの面ももちろん考えていこうと、こういう話の中で計量モデルを専門の先生方と各研究機関の皆さんにお集まりいただいて、ここは植田先生に座長を務めていただいておりますけれども、タスクフォースという形で今具体的なモデルの分析を行っていただいていると。そんな動きがあります。
 そういうまさに政府の動きのもとで、今度は外はもう皆さんもご案内のとおり、12月がCOP15の最終場面となるわけでありまして、私も国会が許していただければ、来週からその前の月のいわゆる閣僚級の会議というのにぜひ出席をさせていただいて地ならしに行ってまいりたいと思っておるわけでありますけれども、そういった話もいよいよ大詰めになってまいりました。これも、もう先生方には本当に釈迦に説法でありますけれども、例の京都議定書の新しいバージョンをつくっていくという話はなかなか難しそうだねと、こういう話がデンマークの議長国の首相からも出たり、あるいはまた気候変動事務局のデ・ブーア事務局長からも出てくる中で、そうは言ったって、だけどやっぱり拘束力のある政治的な合意はしなければいけないでしょうという話がかなり煮詰まってきています。
 政府としては、今は正規のいわゆる議定書の新バージョンをつくるという話をしっかり大事にするという話と、それと同時に政治的な話、合意づくりに関しても、まあ、情報を最大限今集めて、どういった動きになっているのか検討をし始めたところでもございます。そういった動きが本当に連動しながらダイナミックに動いていると、こういう状態かと思っております。
 それから、来年になりますと、いよいよ今度は生物多様性のCOP10が名古屋で開かれるという話になります。今日も環境省の中でもいろいろな議論が行われて、そろそろもう準備をしていかないと間に合わないという話の中で他省庁を巻き込んでの準備作業をスタートをし始めております。ここも本当に気候変動に比べて大事な会議だと思っておりまして、現在、締約国192カ国が一堂にそろって、それも2010年までの区切りで、そこから先の新しい目標設定に向けての会議を行うということでございますので、そういった動きが始まっております。
 あれやこれやでなかなか大変でありまして、同時に私どもにとっては初めての実質的な議論の国会が先週から始まっておりまして、今日も実は予算委員会、今行われているわけでありますが、私は幸い今日は要求大臣ではなかったので、ここで先生方にこうやってごあいさつができる時間がとれたわけでありますけれども、衆議院で最終日、それからあしたからは今度参議院で2日と半、来週にかけても行われるという話でございます。
 環境政策に関しましては、繰り返しになりますが、かなりいろいろな意味でダイナミックな動きが起こっております。大事なことは、そういった中で本当に専門的知見だというふうに私は思っておりまして、私自身は本当にある意味では不勉強でできの悪い人間なんですけれども、専門的知見を大事にするという思いにかけては私は誰にも負けない、こういうふうに思っておりますので、ぜひ先生方のお知恵、英知を結集していただいて私どもにご指導賜りますよう、この場をおかりしてお願いを申し上げて、私からのお願いとご報告にさせていただきます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

○鈴木会長 ありがとうございました。
 それでは、議事を続けさせていただきたいと思います。
 三好審議官のほうから、税制改正要望等についてお願いいたします。

○三好審議官 それでは、改めてよろしくお願いをいたします。
 税制改正要望、資料4の説明に入ります前に部会の審議状況、総合政策部会関係につきまして一言ご報告を申し上げます。
 資料2の3ページでございますが、まず先ほど次官のごあいさつもございました諮問させていただいておりますのは、そこにございます環境と金融の在り方についてと、それから今後の環境影響評価制度の在り方についてということでございます。
 そのほか、進行中のものだけかいつまんでご報告を申し上げますと、まず第3次環境基本計画の進捗状況の点検ということで、部会、それから小委員会でのご議論をお願いしているところでございます。諮問されております2件につきましては、精力的に審議をお願いしているところでございますが、それ以外にはその下のほうでございますが、環境研究・技術開発推進戦略専門委員会におきまして、新しい環境研究・環境技術開発の推進戦略の検討ということをお願いをしているところでございます。
 簡単でございますが、審議状況のご報告は以上でございます。
 次に、資料4でございますが、環境省の税制改正要望の概要ということで、時間も限られておりますので、そこにございます地球温暖化対策税を含む税制のグリーン化という中での地球温暖化対策税につきまして、ごくごくかいつまんでご説明をさせていただきたいと思います。
 税制改正要望につきましては、これも予算と同様でございますけれども、政権交代がございまして改めて税制改正要望し直すということで、先月末にこれも新しくなりました政府の税制調査会にあてまして要望させていただいているところでございます。
 まず、その一等最初にございますのが、地球温暖化対策税を含む税制のグリーン化ということで、温暖化対策税は中ほどにございますけれども、環境の観点から税体系を再構築する税制のグリーン化の根幹をなすという認識でございます。大臣のごあいさつにもございましたとおり、2020年までに1990年比で25%削減するという新しい目標を達成するためにあらゆる政策を総動員するという方針のもと、その根幹をなすものの一つとして地球温暖化対策税を要望させていただきたい、こういうことでございます。
 税の効用につきましては、先生方ご案内のとおりでございますけれども、課税によるCO2削減効果と、それから課税により確保した税収を地球温暖化対策に使うということで、CO2削減の二重の効果と、それから我が国がますます必要になってくると思われる環境関連産業の成長を通じた経済活性化ということを期待しているところでございます。
 また、これもごあいさつの中にございました排出量取引ではなかなかカバーが難しい部門や、あるいは小規模な排出源につきましても効果が期待できるのではないかということで、25%削減のための最重要の政策の一つであるという位置づけでございます。
 ちょっと先へ行っていただきまして、8ページと9ページが地球温暖化対策税の骨子でございます。
 まず、課税対象といたしましては、幅広い化石燃料を対象に幅広く負担を求めたいということでございます。税率につきましては、現在検討中でございまして、しかるべきタイミングで改めて税制改正要望の具体化という形でお願いをしてまいりたいというふうに考えておりますけれども、新しい25%削減という課題に必要な所要財源を勘案していくということでありますとか、基本的には各化石燃料で極力CO2排出量に応じた税負担に近づけるということが旨となるわけでございますけれども、各化石燃料の担税力や国際的な比較なども視野に入れたいということでございます。
 それから、各化石燃料には常に既存の税制がございますわけですから、そういうものも視野に入れて検討していきたいということでございます。
 一方、既存税制との関係ということでは、自動車車体課税の一層のグリーン化でございますとか、排出量取引との調整でございますとか、国際競争力との観点からの特定分野でありますとか特定使途への配慮でございますとか、そういうことにつきましても明示をさせていただいているところでございます。
 また、使途につきましては、25%削減ということでチャレンジ25ということでさまざまな政策を動員していかなければならないわけでございますけれども、できるだけそういうものに優先的に充てていただきたいということではございますけれども、特定財源とはしないというようてことでお願いをしたいというふうに考えていることでございます。
 最後に、これらの政策を通じて、国際的な低炭素社会への流れにいち早く対応した経済構造を形成し、経済に好影響を与えることをねらっていきたいということでございます。
 現在、こういう形で骨子という形で要望させていただいております。先ほども少し触れさせていただきましたが、具体的にどのような段階でどういう形で税負担をお願いするのか、それが一体どれぐらいの規模になるのかということにつきまして早急に検討を進めまして、改めて具体案として要望をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
 簡単でございますが、説明は以上とさせていただきます。

○鈴木会長 大臣はこの後いろいろご予定がおありですが、もしこの機会に特に委員の先生方から大臣にということがございましたら名札を立てていただけますでしょうか。時間が限られておりますが。お三方でよろしいでしょうか。
 それでは簡潔に、河野委員から。

○河野委員 河野です。2点質問があります。
 1点目は、さっき大臣がCOP15に関連して、政治的に拘束力のある政治的合意を目指したいとおっしゃったんですが、この拘束力のある政治的合意というのは具体的にどういう、多分COP決定のことを言うんだと思うんですが、COPディシジュョン、COP決定というのは拘束力がないんですね。そこでいわゆる宣言であるとか、行動計画というのは拘束力というのは国際法上ないと思うんですけれど、どういう意味でそういうご発言をされたのかが1点目。
 それから2点目は、新政権になってから今日初めての中環審の総会ですけれども、ここ大きくいろいろ閣僚委員会初め、回し方が随分新政権になってから変わってきておりますが、審議会政治あるいは中環審自体の位置づけと役割あるいはそれをどういうふうにあるべきかというところをどういうふうにお考えなのかという、その2点をお願いいたします。

○鈴木会長 それでは、一通りをご質問を受けましてから。
 すみません、ちょっと見落としました。猪野委員お願いします。

○猪野委員 今、大臣から、中期目標を検討されている経過についてご説明がございました。また、専門委員の意見を非常に尊重するというお話もございました。
 やはり実際に対策を行うのは、企業であり国民であるので国民各層の意見を聞くのも非常に大事ではないかと思っております。ぜひ専門家の意見も含め、国民や企業の意見も取り入れていただきたいと思っております。
 それから、先ほどお話されたようにタイムリーに実際の状況を国民に出していただけると大変ありがたいので、どうぞよろしくお願いいたします。

○崎田委員 2点ほど。今、やはり25%削減という高い目標を掲げてリーダーシップをとってくださったということは大変すばらしいと思っておりますが、それを実現するに当たって、やはり多くのみんなでそれをつくっていこう、さまざまなパートナーシップをつくっていくということが大変重要だと思っております。
 例えば省庁間のパートナーシップも重要ですし、産業界の方と行政と市民のパートナーシップというのも重要だと思いますし、そういう連携を使って相乗効果を上げていただければ大変うれしいと思っております。
 もう1点が、やはり環境分野はこの不況期に大変だという思いの方が、政策が変わってきたといっても大変大勢いらっしゃるという感じがいたしますので、ぜひ金融的に、今の温暖化対策税にしろ、とにかく環境にしっかり取り組むことが評価されるんだという、そういうような社会に向けて政策を進めていただければ大変ありがたいと思っております。
 よろしくお願いします。

○鈴木会長 佐和委員。

○佐和委員 私は計量経済学者の専門家としての、その立場から一言コメントを申し上げます。昨日、衆議院の予算委員会をたまたまテレビで見ておりましたら、温暖化問題について自民党の議員が質問している、その質問の中身ですが「25%排出削減すれば経済に対してどういう影響があるのかを数値的に明らかにすべきである」という趣旨の質問をされた。実際、新聞等には2020年度のGDPが3.2%減少するとか、失業率が1.3%上昇するとか、可処分所得が22万円減るとか、そういう数字がもっともらしく報道されています。要するに、鳩山イニシアティブをやろうとすれば、国民生活に対して重大な影響を及ぼすと。
 しかし、考えてもみてください。数百本の方程式から成る──今、内閣府でやっているんだと思いますが──計量経済学モデルを使って、たった1年先の予測ですら当たった例はありません。10年先といいますと、技術的、社会的、経済的、あるいは国際的な不確実性が山のようにあります。にもかかわらず、10年後の経済を点予測をする、区間予測でなく点予測をするということ。土台不可能を要求するに等しいんですね。
 その質問に対し鳩山総理は、「我々も新しくそういう数値を改めて計算し直すべく検討を開始している」というような趣旨のお答えをなさっていましたが、そういう数値を出してもまったく意味がないことを計量経済学者である私は申し上げたい。
 「25%削減は必要なのだ」ということを確認したうえで、おのためにはどういう政策のパッケージが望ましいのかについて考えるかと。その政策パッケージの効果を数量的に事前に評価することもまた難しい。ですから、定性的な予測に基づいて、どういう政策パッケージが効果的なのかについて、十分ご検討いただきたいと思います。

○鈴木会長 まだ、いろいろ多分ご質問、ご意見、おありだと思いますが、この4方のご質問に限らせていただきたいと思います。
 では、大臣のほうからお願いいたします。

○小沢環境大臣 本当にいろいろご意見をありがとうございます。
 お答えになるかどうかわかりませんが、まず、河野さんのほうからのお話は、私がそういう政治的拘束力のある合意を目指したいと言ったつもりはありません、先ほどは。デンマークのラスムセンとかデ・ブーアのほうが、英語で言うとバインディング・ポリティカル・アグリーメントという言葉を使っているんですが、そういう話で言ってますねという話でありまして、私としてはそういったことの情報をでき得る限り今集めてこれから検討に入りたい、こういう思いで申し上げました。ですから、その政治的拘束力のある合意というのが一体いかなるものになるのかは今後の交渉次第と、こういう話たと思います。
 それから、こういう審議会でありますが、もちろん先ほどもごあいさつで申し上げましたように、専門的な知見からご議論をいただくという話は本当に重要だと思っておりまして、佐和先生のように専門的知見から言っても、いわゆる点の2020年の計量モデルで分析しても意味ないぞという、その貴重なご意見も含めて、やっぱりまさに専門的知見でございまして、ぜひそういったものは鳩山内閣としても、みんな鳩山さんも菅さんも理工系で割とそういうマインドが強い人たちでありますので、ぜひ皆さん方からもいろんなご意見をいただいて、大いにそれを政策に生かしていくという思いでやらせていただきたいと思います。
 それから、猪野先生からは、国民や企業の意見をよく聞けというお話でありまして、それは本当にそのとおりだと思いますので、いろんな場面に私も出かけていって聞かせていただきたいと思いますし、また、役所の皆さんも、環境省の皆さんは小林次官を初め、割とそういうところが得意な人が多いですから、大いに吸収をさせていただいてやらせていただきたいと思いますし、あとタイムリーにいろんなものをやっていけよと、こういう話は心がけてまいりたいと思います。
 それから、崎田先生のほうからは、25%を実現するためのパートナーシップをしっかりつくってやっていったらと、こういうお話をいただきました。先ほど三好さんのほうからもチャレンジ25という言葉が出たと思います。これは私がつくらせていただいた造語なんですけれども、25%カットなのでそれへの挑戦という意味でチャレンジ25というのをつくらせていただいて、そして鳩山総理にも所信表明の中で使ってもらったということで、このチャレンジ25の中身は、これからあらゆる政策を動員するという意味で先ほど申し上げたような政策と、それからもう一つは、多分崎田先生のイメージと重なると思いますが、国民運動的なものと、この両輪でチャレンジ25というのを進めてまいりたいと思っておりまして、12月くらいから始めたいと思って今準備をしているんですが、先生方からもいろんな、ああやったらいいぞ、こうやったらいいぞという意見がありましたらぜひお願いしたいと思います。
 基本的には、今、環境省のチームマイナス6%に加入していただいているメンバーの方が300万人いらっしゃるんだそうです。ですから、それは大事にさせていただいて、ただ一応数字が変わるものですから、よくありますように、それでもよろしいですかという案内もきちっとホームページ上で申し上げて、その300万人の皆さんをベースにしながら、それをさらに広げて、そしてまたいろんなイベントも打ってまいりたいというふうに思います。
 それから、環境は確かに大変と、こういう話もあって、それをチャンスに変えるようなムードをつくっていけというお話だと思います。本当にそのとおりだと思っていて、昨日もある会で言ったんですが、リスク、コストと考えるか、チャンスと考えるか、やっぱり大きな岐路だと思っていまして、これは我田引水ですけれども、鳩山さんが国連で25と言い切っちゃったことで経済界もある意味では腹をくくってくれたというところもあるのかなと思っています。ですから、そういった意味ではかなりいろんな前向きなご意見をいただけるようになったように私は感じておるわけで、そういった動きを大事にするといいますか、できる限り私どもとしてはバックアップをしてまいりたいと思います。
 ただ同時に、大変苦しんでいる産業界あるいはまた人々もいるわけでありまして、そこのことも忘れずに緩和措置をとってまいりたい、こうも思っております。
 それから、佐和先生からの計量モデルの話をしていただきました。昨日、実はその質問のときに私、答えさせていただいて、あくまでも計量モデルというのは前提を置いた上でのコンピューター上の方程式における結果でありますということを申し上げたつもりでありまして、決してそれは計量モデルを軽視しているわけでも決してなくて、そういった前提でのものですよという話をお互い確認し合いましょうという意味で私は昨日答弁を申し上げたつもりなんです。
 ですから、佐和先生のおっしゃる話は本当のそのとおりだと思っておりますのと、ただ、そうはいいながらも国民の皆さんはというか、これはマスコミの皆さんもいらっしゃるから、ぜひそこはマスコミの皆さんの影響が大きいので申し上げておきたいんですけれども、やっぱり例の36万円問題ですね。25%カットになると36万円かかるんだよと、こういう言い方になった。でも、そもそもその36万の数字は、今佐和先生おっしゃったように所得の伸びがいわゆる22万減少するんだという話と、それからあと14万光熱水費がかかるんだという話の全く関係のない数字を足し合わせて、あたかも36万円出費がふえるという使い方を、この前の麻生政権ではしたわけでありまして、そういった話はまず言語道断というのが一つと、だけど同時に前提を置いて云々かんぬんと幾ら言っても、その数字がひとり歩きをしがちなのも事実なので、そこは本当に慎重にやらなければいけないなと私なんかは思っているんです。
 ただ、そのときのタスクフォースの会議のときに私が一定申し上げたのは、ここは科学的、客観的、専門的にぜひやってくださいと。もし万一それで大変コストがかかるという話が出ても、私はこの25%カットのこの政策目標は変えませんと、鳩山内閣としては変えませんと。ただ、国民の皆さんに正直にそれは言って、これだけコストがかかるんだから皆さん決意を固めてやってくださいと、そういう材料には使わせてもらいたいんだと、こういう話をして、だから25%はコストがかかるからやめるという話はありませんと、こういうふうに申し上げたら、結論先にありきかと言って、何かそこは論理がおかしいなと思っているんですけど、そういう話を申し上げました。
 ですから、ここは本当に客観的にきちっと数字を出していただいて、そしてそれをしっかりと国民の皆さんには提示をしながら、そうはいっても佐和先生おっしゃるように、大事なのは実現していくための政策のパッケージだということをしっかり頭に置いて頑張りたいというふうに思っています。
 ですから、佐和先生、ぜひまたその数字が出ましたらいろいろご指導いただきたいと、こういうふうに思います。ありがとうございました。

○鈴木会長 温暖化が進行することになりましたら、36万円では済まないことがあるかもしれませんし。

○小沢環境大臣 そちらのほうの話もぜひやろうと、こう言っているんです。鈴木先生に助けていただいて、本当にそのとおりです。

○鈴木会長 それでは、大変お忙しいところをご出席いただきまして、またぜひ機会がありましたらおいでいただければと思います。今日はどうもありがとうございました。

○小沢環境大臣 貴重な時間をどうもありがとうございました。

○鈴木会長 それでは、次の議題に進めさせていただきたいと思います。
 資料5、地球温暖化問題に対する取組について、これにつきまして寺田局長のほうからお願いいたします。

○寺田地球環境局長 実は、私がご説明しようと思ったような内容をほとんどすべて大臣があいさつで触れられましたので、ここでどうしようかなと思っておりますけれども、時間の関係もありますので、ポイントのみ絞って2点だけ申し上げたいと思います。
 1つは、国際交渉の進捗状況でございます。
 この地球温暖化問題についての資料5の9ページをお開きいただければありがたいと思っております。9ページにCOP15までの国際交渉スケジュールということが載っております。ゴールは一番右の端のCOP15、12月7日から18日コペンハーゲン、ここで次期枠組みについての合意を目指すということになっております。今、どこにいるのかといいますと、現在右の下のほうに書いてあります12月2日から6日までのAWGと。AWGというのは、特別作業部会、アドホック・ワーキンググループでございますけれども、このAWGが正規の交渉プロセスということでございますが、この最後のAWGが現在開かれているという状況でございます。この後、正規の交渉プロセスとしては、上のほうに行きまして11月16、17日、多分、大臣は行かれると思いますけれども、閣僚級の準備会合がありまして、そしてCOPに行くということでございます。
 もう最善の努力ということで、夜も寝ないで交渉しているわけでございますけれども、ただ、現実問題として、現在AWGに提出されておりますテキストの草案というものはおおむね170ページぐらいある。これを数十ページに圧縮しなきゃならないと。そうでないと条約ないし議定書の案文にならないという状態でございますので、そこまで仕上げるのは時間的に非常に難しいというような観測が一部になされております。
 そうした中で、最前話題になっておりましたデンマーク首相の言葉で言えば、ご質問いただきましたけれども、バインディング・ポリティカル・アグリーメントというもの。すなわち、それは何かというのは、これからの交渉次第でありますけれども、少なくとも各国が拘束をされ、交渉がさらに進展し、現在までの進捗は確認できるというような文章になるんだろうと。その内容については、これからの話。これからの話でございますけれども、少なくともデンマークの首相が言ってらっしゃいますのは、重要な交渉要素のすべてを含む文書を目指したいと。
 重要な交渉要素というのは、バリで開かれましたCOP13で5つの要素というのが重要と言われております。
 1つは、共有のビジョン。共有のビジョンというのは、1枚めくっていただきますと11ページにG8とMEFの合意というのがございますけれども、例えば、全人類的な目標として世界の平均気温の上昇を2度以内に抑えるんだとか、2050年までに排出量を全地球で半減させるんだとか、そういったビジョンがイメージできると思うんですけれども、こういうものを1つは全世界的に共有するということ。
 それから、ミティゲーションとアダプテーション、これは削減と適用というようなことでございますけれども、これは内容的には先進国がどのくらいの努力をするんだ、あるいは途上国がどういう努力をどういう形式で国際社会に示していくのか、さらには適用という、もう既に温暖化の被害は始まっておりますので、それに対してどのような対応をするのかと、こういう内容でございます。
 残る2つが、技術と資金の移転ということでございまして、これは技術について言えば、いわゆる先進国の進んだ技術を途上国に提供していく。それをどういう仕組みでやるのか、あるいはその中で知的所有権の問題はどう取り扱うのか、こういう話でありますし、資金については、これは膨大な対策費用というのを主として先進国から途上国に対してどういうメカニズムで移転するのか、こういうようなこと。
 これが主要な内容でございまして、こういう内容についてこれから議論がされるというか、これは正規のトラックでどこまで議論されるかという議論はありますけれども、我が国としては、そういった議論の中で正規のいわゆるテキストをつくっていく作業にも全面的に協力をしながら、よりよい合意が得られるよう最善の努力をするということなんだろうと思っております。
 それから、国内でのスケジュール感覚を申し上げますと、21ページをお開きいただければありがたいと思います。20ページ、21ページでございます。
 国内的に申し上げますと、1つは先ほど話もありましたけれども、税の問題がございます。これは税調ベースでやるという話でございますけれども、その税以外の施策についてでございますけれども、21ページに3党連立政権合意というのがございます。これは3つの与党の合意でございますけれども、その中の2番目の丸でございますけれども、「低炭素社会構築を国家戦略に組み込み、地球温暖化対策の基本法の速やかな制定を図る。」という合意がなされております。速やかな制定ということでございますので、私どもまず最初に温暖化対策の基本法というのを考えるのかなと、こういうふうに考えております。その基本法の土台となりますのが20ページにございます、既に民主党がさきの国会に提出しました地球温暖化対策基本法案というものであろうと思っております。
 この主要な構成要素は、中長期の目標の設定──これは国際交渉いかんによって内容は変わってくると思いますけれども──それから目標達成するための基本的施策として、そこに8つほど載っておりますけれども、排出量取引の創設あるいは地球温暖化対策税の創設、固定価格買取制度の創設等々でございます。こういった内容を持った基本法というものを検討するというのが、まずはいわゆる我が国の地球温暖化対策政策の最初のステップになるのかなというふうに考えていると。大臣の申し上げたこととかぶったところが非常に多うございますけれども、若干スケジュール感覚等を補足させていただきました。
 以上でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして資料6、自然環境の保全について、これは渡邉審議官のほうからお願いいたします。

○渡邉審議官 自然環境担当審議官の渡邉でございます。資料6で、自然環境行政の動きをご報告いたします。
 まず、生物多様性条約の締約国会議、COP10に向けた取組であります。1ページ目でございます。
 COP10でありますけれども、来年10月18日から2週間にわたって愛知県名古屋市で開催となっております。その前1週間、遺伝子組換え生物に関するカルタヘナ議定書の締約国会議、MOP5が開かれます。このCOP10でありますが、2010年以降の生物多様性に関する新たな世界目標の設定、あるいは遺伝資源へのアクセスと利益配分の仕組み、いわゆるABSの問題を初めとして数多くの重要な議題が取り上げられることになります。こういった節目の会議が開かれるということで、国連が2010年を国際生物多様性年ということで定めています。
 議長国、ホスト国になります日本といたしまして、この機会に生物多様性の保全と持続可能な利用の推進に向けて国際的なリーダーシップを発揮していきたいというふうに考えております。
 例えば、重要な議題になりますポスト2010年目標がありますけれども、それについて日本の提案を提出しようということで現在検討を進めています。もう1つの例としては、自然資源の持続可能な利用あるいは管理を地球規模で実現していこう。そのための提案ということで、国連大学の協力を得ながらSATOYAMAイニシアティブの提唱と、そういった国際的な取組も進めているところです。
 生物多様性基本法を昨年制定をされて、それに基づく国家戦略づくりでありますけれども、現在、審議会のもとに設けられました生物多様性国家戦略小委員会で議論をいただいています。COP10の開催を見据えて新しい視点、新しい施策を盛り込んで年度内に閣議決定ができるように検討を進めていきたいというふうに思っています。
 次に2点目は、自然公園法と自然環境保全法の改正で、4ページになります。
 審議会からの答申をいただきまして、今年3月に自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律案、国会に提出をして6月3日に公布となりました。法の目的に、生物多様性の確保という点を加えたほかに、海の保全施策の充実ですとか、シカの食害影響を防ぐための生態系維持回復事業の創設、そういった点が主な改正内容となっています。今後、政省令案の検討とパブコメを経て、来年の4月1日に施行の予定をしております。
 それから、3つ目はペットフード安全法の関係で7ページでございます。
 昨年6月に動物愛護の点から、ペットフードの安全性の確保のために新法でこの法律が制定をされて、今年の6月に施行されました。農水省、環境省、共管の法律であります。中央環境審議会と農業資材審議会の意見を聞いてここに挙げてありますペットフードの成分規格、製造方法の基準、表示基準というのを設定をしたところです。
 次のページ、4点目は改正温泉法の施行の関係です。
 温泉法、平成19年度に2度改正をしました。それぞれ19年の4月と11月に公布をしております。1度目の改正は、温泉の定期的な成分分析、そしてその結果の掲示の義務づけであります。2回目の改正は、可燃性天然ガスによる爆発事故を防ぐための温泉採取の許可制度の創設というのが主な内容でございました。それぞれ設けられています経過措置の期限までに適正な執行が行われるように、温泉事業者への指導を行っているところです。
 それから、5つ目です。小笠原の世界遺産登録に向けた取組であります。
 平成15年に小笠原諸島を世界自然遺産の候補地の1つとして選定をしました。それ以来、関係機関が連携をして課題であります外来種対策を進めてきました。それとあわせて審議会の答申をいただきながら、国立公園、そして鳥獣保護区の拡充、国内希少種の指定、そういった保護措置の強化を行ってきました。そういう準備を経て、来年1月に関係省庁と共同でユネスコの世界遺産委員会事務局に小笠原を正式推薦をする予定となっています。
 最後はトキの関係です。
 昨年の放鳥に続いて、今年9月29日に佐渡で20羽のトキを放鳥いたしました。昨年放鳥したものと合わせて、今最大で9羽ほどのトキが群れをつくって一緒にえさを食べているという様子が確認をされていて、今年は佐渡での定着と繁殖が期待をされるという状況でございます。引き続きモニタリングをしていくということと、次の来年の放鳥に向けて野生化の訓練を今進めようとしているところです。平成27年までに60羽佐渡に定着するということを目指して、専門家の方々の意見を聞きながら事業を進めていこうというところでございます。
 自然局からは以上でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。
 それでは、資料7、廃棄物・リサイクル対策について説明をお願いいたします。
 大森室長。

○大森循環型社会推進室長 廃棄物・リサイクル対策部でございます。本来は、谷津部長のほうからご説明させていただく予定でございましたが、どうしても外せない会議が入りましたので、誠に恐縮ですけれども、私、循環型社会推進室長の大森のほうからご説明をさせていただきます。
 資料の7のほうをご覧をいただければと思います。
 廃棄物・リサイクル対策関係では、中環審の中で循環型社会計画部会と、それから廃棄物・リサイクル部会の両部会でご審議をいただいております。本日は、この部会でご審議いただいている事項を中心にご報告をさせていただきます。
 まず最初、1ページ目でございますけれども、第二次循環基本計画の進捗状況についてというものがございます。
 第二次循環型社会形成推進基本計画を昨年の3月に閣議決定をいたしまして、その規定で毎年度進捗状況について点検を行うということになっておりまして、平成20年度は第1回目の点検といたしまして循環型社会計画部会のもとで重点的点検事項を設けて点検をいたしております。
 1つ目が3つの社会、循環型社会、それから低炭素社会、自然共生社会が、その社会の構築に向けて統合的に取り組んでいる状況の点検。それから地域でいろんな資源がうまく回るように地域循環圏の形成、それからリデュース、リユースの推進に向けた取組状況。それから3つ目といたしまして、国際的な循環型社会の構築に向けた取組状況。それから、4つ目で第二次の計画でさまざまな指標をつくっていただいたところでございますけれども、その中で物質フロー指標や取組指標について定量的な把握評価をしていくというところの4点を重点的な事項として設定いたしまして審議をいただいているところでございます。その結果を踏まえまして、本年の2月に点検結果について取りまとめていただきまして、それに基づきまして同月2月に閣議報告を行ったところでございます。
 中身といたしましては、資源生産性、それから循環利用率、最終処分量という3つの重要な指標が計画で定められているわけでございますけれども、いずれも目標に向けた着実な進展が見られますけれども、さらに目標の達成に向けて取組の強化が必要であるというような内容となっております。
 また、今年度は第2回の点検の時期となっておりまして、本年の9月から、例えば地方公共団体、それからNPO、NGOの取組状況といったようなことを中心にヒアリングを行いながら点検を進めていただいているところでございます。
 2ページ目に移りまして今後の予定でございますけれども、今年度さらに4回循環部会を開催していただく予定となっておりまして、点検報告書を取りまとめていくための審議、それに基づく取りまとめを行って、最終的には閣議報告を行っていきたいということを予定しているところでございます。
 それから、2ページ目の2つ目の黒い丸でございますけれども、廃棄物処理法の見直しについてというところで、これは廃棄物・リサイクル部会のほうでご審議いただいているところでございますけれども、平成9年の廃棄物処理法改正法等の附則において見直し規定が設けられておりまして、それに基づいて施行の状況について検討を加えるということになっておりますので、平成20年9月より専門委員会において廃棄物処理法に基づく廃棄物の排出抑制、適正な処理等について点検評価を行い、昨年の12月に廃棄物処理政策における論点整理が取りまとめられております。現在、この論点整理をもとに、廃棄物処理制度専門委員会としての報告書についてご審議いただいているところでございます。今後、この報告書についてパブリックコメントを実施して、年内に取りまとめをいただく予定となっております。
 それから、次が自動車リサイクル法の見直しについてでございますけれども、これも法の附則について、施行後5年以内に施行の状況について検討を加えるという規定がございますので、昨年の7月より廃棄物・リサイクル部会の下に自動車リサイクル専門委員会で、もう1つ産業構造審議会の環境部会廃棄物・リサイクル小委員会自動車リサイクルワーキンググループと合同で制度の施行状況について点検評価を行っていただいておりまして、その結果、10月に開催された専門委員会で「自動車リサイクル制度の施行状況の評価、検討に関する報告書」が取りまとめられているところでございます。
 3ページ目のほうに移っていただきまして今後の予定でございますけれども、パブリックコメントの募集を実施いたしまして、その結果を来年1月までに取りまとめをいただくと。さらには、意見具申というふうに行っていっていただくということを予定しているところでございます。
 それから、3ページ目の中ほどで微量PCB汚染廃電気機器等の処理についてということでございます。
 これの経緯といたしましては、PCBを使用していないとされていました電気機器にPCBが、微量ではございますけれども汚染された絶縁油を含むものが存在するということが平成14年にわかったわけでございますけれども、その量を推計して、それが廃棄物になったものの処理をどうするかということにつきまして、平成19年の4月から微量PCB混入廃重電機器の処理に関する専門委員会という委員会で処分方法について検討を行っていただきまして、21年の3月に専門委員会報告として取りまとめられたところでございます。
 今後は、その専門委員会報告を踏まえまして、廃棄物処理法に基づきまして無害化処理認定制度の対象に微量PCB汚染廃電気機器を追加いたしまして処理体制の整備をすると。それから、その機器の焼却や収集運搬の留意事項をガイドラインとしてまとめるというようなこと。それから測定方法の検討などを行って効果的に処理体制の整備がなされるように各種施策を行っていく予定としております。
 それから最後の事項でございますけれども、アジアを中心とした循環型社会構築の支援というところで、国際的な循環型社会づくりに向けた取組でございます。
 これにつきましては、我が国は3Rイニシアティブに基づきましてアジアを中心とした各国で3Rを進めていくということにリーダーシップを発揮しているところでございます。
 4ページ目のほうに移っていただきまして、中ほど2つ目の段落でございますけれども、昨年その10月に東アジアサミットの第1回環境大臣会合が行われまして、その場で我が国のほうから3R関連でアジア3R推進フォーラムを設立することを提案いたしております。これは3R関連の幅広い関係者が参加して、3Rの国際協力を促進するオープンなプラットホームをつくるという内容になっておりまして、これを環境大臣会合で提案いたしまして、各国の賛同を得られたところでございます。
 また、2009年の6月には日中の環境大臣間で、中国との間で循環経済の静脈産業の発展を通じた環境に優しい都市の構築に関するモデル事業を推進する川崎市と瀋陽市の「環境にやさしい都市」協力というのがございますが、それに関して覚書を結んでいるところでございます。
 そういった全体的な取組、それから2国間の取組などを現在進めておりまして、特に今後の予定のところでございますけれども、先ほど申しましたアジア3R推進フォーラムを来週でございますね、11月11日、12日に東京で開催いたしまして、この場で正式に発足させていきたいと考えております。
 この3R推進フォーラムで各国の3Rの国別戦略というのもつくっていただくように支援しているところでございますけれども、そういった戦略に基づいて優良な取組を進めていただく、または3Rの事業化を促進していくというような各種支援、それから研究開発なども支援していく予定になっております。
 さらには政府間会合に加えまして、11月10日、前日には市民レベルの会議も行っていただく予定となっておりまして、各主体をまとめたアジア3R推進フォーラムという形で、アジアにおける循環型社会構築のリーダーシップを発揮していくという予定で準備を今しているところでございます。
 以上でございます。

○鈴木会長 それでは、資料8、水・大気環境保全施策について、伊藤審議官のほうからお願いいたします。

○伊藤審議官 水・環境担当審議官の伊藤でございます。
 水・大気環境保全対策についての当面の課題について資料8でご説明申し上げたいと思います。
 まず、1番目は大都市圏を初めとした大気汚染対策でございます。
 これにつきましては、本年の9月に当審議会から浮遊PM2.5につきましての環境基準の設定について答申をいただきました。これを踏まえまして、9月9日に環境基準を告示いたしました。この結果、来年度以降地方公共団体で測定体制も整備されることとなります。環境省としましては、このPM2.5の原因物質の排出状況をきちっと調べて、それぞれの排出源の寄与度を十分踏まえた上で、効果的な対策について検討していきたいというふうに考えているところでございます。
 それから、自動車の排ガス規制でございますが、これは17年4月にいただきました答申に基づきまして、本年10月からポスト新長期規制というものを実施しております。その結果、ディーゼル車のPMにつきましては、ほとんど実質ゼロになるという規制が既に本年10月から始まっておりますし、またディーゼルトラック・バスのNOx規制につきましては、この10月から始まる規制からさらに3分の1削減するという挑戦目標値をつくろうということで、今、この審議会の専門委員会で検討をしていただいております。今年度中にパブリックコメントを出したいと、そういったスケジュール感覚で作業を進めているところでございます。
 それから、エタノール10%混合ガソリン、いわゆるE10の問題でございますけれども、この普及につきましてはCO2の削減に大きく寄与するということで、E10対応車の排出ガス基準、それからE10燃料の品質基準、それぞれ大気汚染防止法で基準を定めなきゃいけないわけでございますけれども、そのための考え方を早急に取りまとめるべく作業を進めております。
 それから、オフロード車でありますところのディーゼル特殊自動車についての規制強化についても、昨年の答申に基づきまして来年早々には省令改正をいたしたいというふうに思っております。
 それから、低公害車の普及促進のための補助や優遇制度も実施しております。
 次のページをご覧ください。
 水環境対策でございますが、まず健康項目に係る水質環境基準の設定につきまして、本年9月に公共用水域、地下水それぞれ答申をいただいたところでございます。これにつきましては、早々環境基準設定ということで、今作業を進めているところでございます。
 それから総量削減でございますが、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海で1980年から実施しております。今年でちょうど30年目ということで、第6次総量削減の最終年に当たります。第7次水質総量削減どうしていくかということについて、現在審議会でご議論いただいているというところでございます。
 それから、水環境保全全体の問題につきましては、水質汚濁防止法の最終改正が平成8年ということで13年ほどたっているわけでございますが、その間いろんな問題が出てきて、今後どうしていくのかについて検討を進めております。この検討結果を踏まえて、また審議会でもご議論いただきながら具体的な施策を展開していきたいと考えております。
 それから、土壌汚染対策につきましては、昨年の12月にいただきました本審議会の答申に基づきまして、さきの通常国会では土壌汚染対策法の改正をいたしました。この改正法の具体的な施行は来年4月からということで、先般政令を制定したわけでございますが、その全面施行に向けて、これも審議会での答申を踏まえて政省令の改正作業を今行っているところでございます。
 それから、[4]としまして効果的な公害防止取組促進方策の推進というふうに書きました。これは、大気、水通しての問題でございますが、近年、非常に公害問題の状況が構造的に変化してきております。具体的は、高度経済成長の過程で非常に公害防止の中核を担っていただきました方々が、地方公共団体においても企業においてもどんどん退職されていると。こういった中で、例えば事業者が排出測定データを改ざんするとか、あるいは水質事故が年々増えているとか、いろいろな問題が生じてきております。
 こういうことを踏まえて、効果的な対策を早急に推進しなければならないのではないかということで、現在、中環審では初めてでございますけれども、大気環境部会と水環境部会の合同部会を設置していただきまして精力的に審議をいただいております。本年内には答申を取りまとめていただくことを目途に、今ご議論をしていただいているところでございます。
 最後に、我が国の能力を生かしたアジア諸国等への支援ということでございますが、これはご承知のとおり開発途上国、とりわけ成長の著しいアジアでは大気汚染や水質汚濁が非常に深刻化しております。それが越境汚染の問題として日本にも来ているのではないかといったことも懸念されているわけでございます。
 こうした問題を解決するためには、深刻な公害を解決してきた我が国の経験をぜひ生かしてもらうことが重要です。また、途上国においても大気汚染対策、水質汚濁対策を講じることが省エネ対策、気候変動対策にも同時にメリットがあるというふうな対策がたくさんございます。これをコベネフィット・アプローチということで、具体的な事業においても我が国が支援していくということも精力的にやっている状況でございます。
 以上でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。
 それでは、資料9、環境保健行政について、原部長お願いします。

○原環境保健部長 それでは、環境保健部から5点ほど報告をさせていただきます。
 まず、1点目でございますけれども、水俣病対策の現状についてでございます。
 水俣病被害者の救済につきましては、水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法が平成21年7月8日に成立しまして、7月15日に公布、施行されました。現在、この法律に基づきまして水俣病被害者の救済措置の方針の策定等に取り組んでいるところであります。
 この問題につきましては、田島副大臣が中心となって取り組んでいただくことになっておりまして、田島副大臣におきましては現在救済を求めておられる団体等のご意見を聞くために、10月31日には水俣市、また11月14日には新潟市を訪問する予定でございます。これを皮切りといたしまして、今後の救済措置の方針等に関する検討を加速させ、一刻も早い水俣病問題の解決に向けて全力で取り組んでいきたいと考えております。
 2点目でございます。石綿健康被害救済制度に係る問題でございます。これにつきましては、先月の26日付で環境大臣より中央環境審議会会長に対して諮問をさせていただきまして、環境保健部会に付議されたところでございます。
 諮問内容につきましては資料にありますとおり、2点ございます。
 まず、1点目、石綿健康被害救済制度における指定疾病に関する考え方についてでございますが、これは現在指定疾病になっておりますのが、中皮腫及び肺がんの2つございますが、そのほか石綿によって引き起こされる石綿肺を初めとするその他の疾病についてどう取り扱うか、これについて検討をいただくということでございます。
 2つ目が、今後の石綿健康被害救済制度のあり方について。これにつきましては、石綿健康被害救済法は施行後5年以内に必要な見直しを行うことになっております。平成22年度内に見直しを行うということになるわけですが、この施行状況につきましても検討を加えた上で、今後どのような救済制度をさらにつくっていくかということについてご意見をまとめていただきたいと、こういうことでございます。
 先月28日に開催されました環境保健部会におきまして、この諮問内容について石綿健康被害救済小委員会を設置して検討をしていただくということが了承されましたので、今後、今月にはこの小委員会を開催をして、まずは指定疾病の追加について、その後制度全体の見直しについて審議を進めていただく予定としております。
 3点目でございますが、化学物質の問題でございます。
 化学物質審査規制法の改正についてでございますが、これにつきましては昨年の12月に取りまとめられました答申を受けまして、既存の化学物質を含むすべての化学物質に対する包括的な管理制度の導入などのために、化学物質審査規制法を今年5月に改正をしたところでございます。この法改正、またさらには同じくこの5月に開催されましたPOPs条約の第4回締約国会合におきまして、新たに12物質がPOPs条約の対象に追加されました。これを受けまして、これらの12物質につきまして化審法におきます第1種特定化学物質に追加をいたしまして、製造、輸入を原則的に禁止する措置の導入などのために施行令を先月27日に改正いたしました。
 環境省としましては、これらを踏まえまして厚生労働省、経済産業省とともにこの改正された新たな制度の適切な施行に向けて所要の取組を進めてまいりたいと考えております。
 4点目でございますが、子どもの健康と環境に関する取組についてでございます。
 近年、子どもの心身の異常が増加していると。これが環境中の化学物質等の影響ではないかと、そういう懸念も出されているところでございまして、私どもとしましては子どもの健康と環境に関する全国調査、愛称としてエコチル調査と呼んでおりますが、この調査を来年秋を目途に10万人の子どもを対象とした、そしてさらに10万人の子どもを13年間、13歳まで追いかけていくという大規模な疫学調査を開始する予定でございます。今年の9月にはこの検討を進めておりました検討会で基本計画案が取りまとめられまして、現在、さらに具体的な実施マニュアルの作成等を行っているところでございます。
 また、来年早々にも子の母親や子どものフォローアップをしていただくような調査の実施の中心的な役割を果たします、全国に今15を予定をしておりますがユニットセンターというものを設置していきますが、このユニットセンターの公募を行う予定でございます。主として大学や研究機関が想定されますが、そういうところでこの地域の集団を追いかけていただくということを考えているわけであります。
 これに当たりまして全国に網を広げるということと、それから逆に言いますと十数年にわたってこの調査をしっかり続けていただけると、そういうような体制が整っていることが重要と考えておりますので、これらに向けまして関係者への周知を進めておりますが、また先生方からもよろしくお伝えいただければ幸いでございます。
 最後、資料ございませんが、環境保健部会、また石綿健康被害判定部会についての審議状況でございます。
 環境保健部会につきましては、先ほども触れさせていただきましたが、今後の化学物質環境対策のあり方について平成18年に諮問させていただきまして、昨年の12月に答申をいただき、今年の5月に化審法の改正につながっております。
 また、石綿健康被害判定部会のほうにつきましては、石綿健康被害小委員会を設置しまして、この石綿肺の取り扱いを初めとする指定疾病の考え方、あるいは5年後の見直しに向けた審議をいただくということを先ほどご説明をいたしました。この判定部会のほうは、救済申請の医学的判定を審議いただく部会でございますが、具体的には小委員会や分科会を月に二、三回程度開いております。これで平成18年から始めまして明日分科会は100回目の開催となるということで、この間、先ほど資料にございましたように数千件の判定を行ってきたところでございます。
 以上でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。
 それぞれの部局のほうから大変簡潔にお話しいただきましたが、これまでの説明につきまして委員の先生方からご質問、あるいはご意見をお受けしたいと思います。時間が大変限られておりますので、詳細の議論はそれぞれの部会でまたしていただけることになると思いますので、この場で特にご意見いただけるものはいただきたいと思います。
 名札をお立ていただけますでしょうか。
 4人、5人、これくらいにしましょうか。よろしいですか、本当に。
 それでは、松尾委員のほうから。

○松尾委員 松尾ですが、1つはこの予算の資料3ですかね、この中でちょっとキーワードだけでわからなくて、非公共というのと公共というのはどういう分類になっていて、公共のほうは減額されるけれども非公共のほうは100%になると、この辺の事情をもしご説明いただければありがたいと思います。
 あと1つは、25%の削減の問題ですが、我々新聞しか読んでいないわけですが、ある種の条件つきで日本政府は25%を提案しているというふうに理解しているんですが、その辺の外国、特にアメリカと中国かインドなどが入ってくるなら日本もやるというふうに言っておられるように聞こえてくるのでありますが、条件を付けていても、他がやらなければ日本もやらないとは、ならなくて実際問題としては結局やらなくても日本はやらざるを得ないんじゃないかというふうに思うのですが、その辺の雰囲気というんでしょうかね、どういうような関連になっているのかというのをちょっと教えていただければありがたいと思います。以上2つです。

○鈴木会長 一通り質問をいただきましてから後でそれぞれお答えいただくことにします。
 中村委員。

○中村委員 資料の4、平成22年度の環境省税制改正要望の概要ということについてですが、この地球温暖化対策のための税制ということで、ちょっとこの概要だけですとよくわからないものですから、現状として大体どのくらいの財政規模を想定されておられるのか。そして、特定財源としないということでいろいろなところに使いたいというものが使途という部分で出ているんですけれども、これは環境省だけではなくて全省庁にまたがる、もう既になされている事業の中の同じような項目が入っているんですが、この辺をどうやって仕分けして今後考えていこうと思っていらっしゃるのか、ちょっと具体的にご説明いただければと思います。

○鈴木会長 崎田委員。

○崎田委員 どうもありがとうございます。先ほど質問させていただきましたので別の視点で。
 全体的に見させていただいて、本当にいろんな施策が進んでいるんですが、これは例えば政府間交渉とか、そういう政府のレベルのものと、あと地域でしっかり進めていくものがあると思うんです。特に地域で実際に進める場合、そういう地域社会の中での環境のいろんな分野の専門性を伝える人材育成とか、あるいは地域社会の中での環境学習を推進するとか、学校の環境教育を地域と学校の連携で推進するなど、人づくりのところというのは大変重要で、政策の環境基本計画などの中にはしっかり入っているんですけれども、もう少し環境教育をしっかやるというところが見えてくるほうがいいんじゃないかという気持ちもしております。今日、そういうお話があまり出てこなかったので、一言、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

○鈴木委員 大塚委員。

○大塚委員 2点ございますけれども、1つは自然環境の保全のところでCOP10についてでございますが、このABSについてどういうふうに今お考えになっているかということを、もし何かおっしゃっていただけるんでしたら、ちょっとお伺いしたいと思います。
 これは結局、途上国のほうのご主張というのは、途上国の中で違法になったものについて国際的にも各国で違法として扱うということを考えているわけですけれども、麻薬とかそういうものと同じような扱いをするということを考えておられるわけですけれども、それについてどういうふうに対処されるかということをお考えかという、お答えになれる範囲でお答えいただけるとありがたいと思います。
 それから、もう一つは温暖化対策については、非常に画期的な進展があって大変よかったと思いますし、排出量取引に関しては2011年度ということを一応今のところ目標にしておられて、これも国際的なルールに参加するという観点からは早いほうがいい面があるものですから、大変よかったと思っております。引き続きご検討いただければありがたいと思います。
 以上でございます。

○鈴木会長 磯野委員どうぞ。

○磯野委員 私も2点伺いたいと思ったんですが、1つは廃棄物・リサイクル対策のアジアでの援助という問題についてなんですが、この循環型社会構築で日本企業が随分いろいろな形で進出していると思うのですが、そういう日本企業との連携みたいなものをどういう形で考えられているのか。何かそこら辺に、例えばトップランナー方式みたいなのを入れて何か具体的に協力を求めるみたいなことがあるのか、ないのかというようなことが1点です。
 もう1点は、水俣病院対策なんですが、どんなタイムスケジュールでやっていらっしゃることになるんでしょうかということです。かなりいろんな被害者団体がいろいろな動きをしているわけで、それぞれ不知火患者会は裁判をやめてもいいかというような話が出てたりなんかするんですけれども、法律はつくったけれども、その後どういう状況が生まれるのかというのを私自身も検討もつかないなというふうに思っているのですが、何か一定のタイムスケジュール的なものというのをお持ちなんでしょうかということです。その2点です。

○鈴木会長 それでは環境省の方からそれぞれ担当される部分のお答えをお願いします。

○寺田地球環境局長 すみません、別途官邸に行かなきゃならないものですから、私のほうがまず最初に答えさせていただきますけれども、地球環境関係でございます。
 大塚先生から、排出量取引についてお話しいただきましたけれども、これは応援演説をいただいたということで理解をしておりますので。
 あとは、松尾先生のほうから25%についてということでございます。条件と申しますけれども、これは私どもの資料「地球温暖化問題について」の12ページに、気候変動サミットでの鳩山総理の演説の抜粋がございます。演説の内容は25%と鳩山イニシアティブの2点から構成されておりますけれども、その削減目標の4つ丸がありますが、一番最後の丸の1行目の半分ぐらいから「世界の全ての主要国による、公平かつ実効性のある国際的枠組みの構築が不可欠。すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意が、我が国の国際社会への約束の「前提」。」とこう言っているわけで、これがいわゆる前提というものであるということでございます。
 もちろん、これについてはある意味で抽象的な表現にとどまっておりまして、例えば何%でなきゃいけないとか、その合意のありようがどのような姿でなきゃいけないということを言っているわけではない。これからの交渉の中で、こういった総理のお考えを体した国際交渉をやってこれに合致するような枠組みづくりに全力を尽くすと、こういうことに尽きるかと思っております。
 ただ、おっしゃられた中で、これが満たされなくてもやらなきゃいけないんじゃないかと、こういうお話がございました。正直言って私どもとしては、米国もオバマ政権になりまして非常に積極的でありますし、最近、中国やインドもある種の国際的枠組みへの参加ということも十分お考えになっているような気もしております。
 これから交渉、胸突き八丁でございますけれども、すべての主要国が参加をする枠組みというのは十分できると、そう信じてやっているというところで、そんな枠組みができないということは想定はしておりませんけれども、ただ一方で、私どもといたしましては、我々は既に前政権ではありますけれども、2050年に60%から80%削減するんだと。そして先進国全体では、全地球50%削減のために2050年段階では先進国全体で80%以上削るんだということを既に合意しているわけでございます。そういった高い目標に向かって我が国が先頭を切って地球を守っていくんだと、こういう決意をしているわけでございますので、それは25%というようなものは他がどうあろうともやっていくべきものだろうというふうに考えております。
 ただし、それが例えば国際法上の法的拘束力があって、ある種の罰則ですとか、達成できなかった場合にクレジットを買わなきゃいけないとか、そういうようなものになるかどうかというのは別の問題でございまして、我々はとにかく鳩山総理のお考えを体せば、やはり長期的な目を持って最大限の努力をしていくということは、それは国内努力をうんとしていかなきゃならないということは間違いない話で、それはやっていきますが、ただ、国際交渉上の法的義務としてどこまで受け入れるかというのは、これからの交渉にかかっているというふうに理解しております。

○小林審議官 それでは、公共と非公共の予算の仕分けでございます。
 公共事業の予算は、従来社会資本整備ということで、我が省以外ですと河川、道路などを含めまして、そういった社会資本を整備する関係の予算を公共事業関係の予算、それ以外の一般政策的なものを非公共ということで分けておりまして、従来ですと社会資本整備であるので、時代によっては建設国債などを充てて大いに促進するというような時代もございましたし、近年ですと予算要求のときのシーリングの中では比較的抑制を強めるというような扱いがされてきたものでございます。
 新しい政権下で、ここの仕分けは必ずしも明確なものはございません。横断的に必要なものはやり、そうでないものは極力切るということだろうと思っておりますが、我が省の今年度の要求につきましては、一般予算の中で、例えばCOP10の経費、それからPM2.5ですとか、先ほどの小児の新しい健康調査と、こういう政策的に非常に緊急度が高いものが温暖化に関係がございますので、こういうものを生み出すためにここを伸ばし、その分、最近の施設整備の状況なども見ながら公共関係のものについては今回は切り詰めたということでございます。

○三好審議官 それでは、私のほうから2点。1点目は、地球温暖化対策税のもう少し具体的なイメージと使途のことでございます。それから2点目は、これは叱咤というふうに受けとめておりますけれども、人づくり、環境教育関係でございます。
 まず、1点目でございますが、私、先ほどの説明の際も申し上げましたとおり、これはあくまでも骨子の要望ということで、実は今先生のほうからご指摘ありました具体的に一体どれぐらいの規模を──税率、税収ということになるわけですけれども──していくのかということにつきましては詰めの検討をしている状況でございます。
 したがいまして、まだ具体的に幾らということは申し上げられる段階ではないのでございますけれども、例えば昨年までの要望でございますと、マイナス6%ということを前提に3,000億とかいう程度のオーダーの要望を現実にさせていただいておりました。それが、るる何度も言及ございましたチャレンジ25ということで数倍する努力をしていくということでございますので、従来とはオーダーの違った形の要望になるであろうということではございますけれども、その方向で検討しているというのが現在の状況でございます。
 一方、使途でございますが、ご指摘とおりここに書かせていただいておりますのは、実はこれもマイナス6%で、京都議定書の目標達成計画にございます大見出し的なものを項目として挙げさせていただいております。そういう意味で、従来から取り組んできているものが並んでいるということであるわけでございますけれども、これはもちろん着実にやっていくということと、それからさらに一層この分野でも努力が必要だということと、さらに今、これもチャレンジ25ということで書かせていただいておりますが、別途これも温暖化対策をどうやっていくかということで閣僚委員会という話もございます。そういう中で、25%の政策総動員ということでどういう対策をしていくのかということは、別途、税は税制調査会でご議論いただくわけですが、温暖化対策全般は閣僚委員会レベルで議論があるということで、最終的にはそこで挙げられました施策に優先的に充てていただく財源として使っていただければということで要望していくのかなというふうに考えているところでございます。
 それから、2点目の環境教育でございますが、これは叱咤激励ということでありがとうございます。今日は時間の関係でご説明できなかったところでございますが、私ども、人づくり、地域での活動、それからパートナーシップということで従来からさまざまな取組をしてきております。特に、我が国の提唱で持続可能な開発のための教育の10年ということでやらせていただいておりまして、これをしっかとやっていくということで、この場に武内先生もおられますけれども、国連大学のほうとも絶大なるご協力、ご支援をいただきながら進めていっているところでございます。
 また、先国会で環境教育推進法の改正が与野党合意であと一歩というところまで行ったわけでございます。これは議員立法ということでございますので、またどういう取り扱いがされるかということでございますが、もともと与野党合意されていたものでございますので、またそういう動きがあれば、これにも積極的に対応していくということも考えているところでございます。
 以上でございます。

○渡邉審議官 ABSの関係でございます。このABSの問題、条約が採択されるとき途上国の強い主張があって、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正で公平な配分という3つ目の目的が入りました。
 そして、じゃ、それを受けてどういうルールで遺伝資源、熱帯の植物の成分を利用して新薬ができたときにどう利益を公平に還元するのか。その植物を取得するときにどういうルールに基づいて取得をするのかというようなことになりますけれども、そういったルールの中身の検討がその条約採択以降行われてきました。
 2002年、条約ができて10年たったときのCOP6任意の指針でボンガイドラインというのが採択をされました。遺伝資源を利用するときの手続のあり方、そして利益が上がったときの利益の還元の仕方、それについての任意の指針というのが採択をされて、そのボンガイドラインと各国の国内法で担保するということで動き出したわけですけれども、その直後に同じ年の2002年に行われたヨハネスサミットで途上国は、そういった任意の指針だけではしっかりとした利益配分ができないということで、国際的なABSに関するもっとしっかりしたルールづくりが必要だという話になって、ヨハネスサミット以降、今度はABSの国際枠組みづくりの議論が進んでまいりました。
 2006年のCOP8で、非常に先進国と途上国で対立点が多くてもめていたわけですけれども、来年のCOP10までに国際枠組みの検討を終えるということは合意をしたということで、COP10で何らかの形で枠組みの合意をしなければいけないという状況であります。
 現在それに向けて交渉が続いているんですけれども、途上国のほうはしっかりとした事前同意のない資源の国外の持ち出しを防止するとか、確実な利益配分を確保するために法的拘束力のある枠組みが必要という強い主張を続けています。利用する先進国の側は、あまり厳しいルールがしかれてしまえば遺伝資源の利用すらできなくなって利益の配分もできないということで、円滑に取得はできるような柔軟な仕組みが必要というようなことで、基本的な姿勢の違いがあっての対立という議論の構図であります。
 具体的には、例えば対象としてどんな遺伝資源が対象になるのかということで、病原体は含むのかとか、あるいは生物だけじゃなくて、その生物を利用する地域住民の先住民の知識、そういったものも対象にすべきではないかという議論もありますし、定めたルールをしっかり遵守しているかどうかを国際的に認証する仕組みをどうつくるか、こういった点が大きな対立点となっているところです。
 ちょうど来週11月9日からモントリオールで作業部会があって、もう1回3月に作業部会があって、そこで交渉を進めて来年の10月の本番で国際枠組みの議論をまとめていこうという状態でありまして、日本の中でも非常に多くの資源を利用するという意味で、多くの省庁が関係をしています。環境省も生物多様性の保全の立場から関与しているわけですけれども、資源を利用する側と提供する側、双方にとって実行可能で、双方にとってメリットがあるような枠組みに何とかまとまるように、関係省庁と協力して交渉に出ているというのが現状でありますけれども、COP10まで非常に大きな対立点があるので、どういう形でまとまっていくか今後の交渉にかかっているという状況でございます。
 以上です。

○原環境保健部長 環境保健部です。磯野委員からの水俣病についてのスケジュール感ということでございました。
 今年の7月に法律ができてからということなんですが、できましてから法律についての説明を少しさせていただきました。その後、選挙もあり、政権交代もございまして、正直申しまして救済措置についてどのようにしていくか、それぞれの団体から、これは相手方に納得してもらわなきゃいけないということから十分に意見を聞いていこうということで、先日は九州の水俣市のほうに副大臣が自ら行っていただきまして、9つの団体から意見を聞かせていただきました。その際に、先ほど出ましたが不知火患者会、ここでも訴訟というふうに整理されておりますが、そこの団体からは別に裁判おろすということではないんですけれども、和解も視野に入れてやっていきたいということで、和解について交渉のテーブルに着かないかという要請がございました。それにつきまして副大臣のほうから、和解するかどうかについて全然かけ離れた話で和解できませんので、その事前のすり合わせといいますか、そういうことについてやっていくことについては前向きなお答えをされたということになっております。
 それから、新潟のほうは14日に参りますので、まだ具体的にそれぞれ団体からはお話は伺っておりません。そのほか法律に基づきます救済措置につきましては、一時金あるいは療養手当、それから療養費、これらのものをどのような金額にするかということ、これをこれから団体からもいろいろ要望、この間出ておりますし、具体的に詰めていく必要がある。
 それから、今回当時の自民・公明与党、それから新しい与党の民主党、この3党でこの法律をまとめていただきましたが、その際に、現在一時的な措置として、何らかの神経症状のある方については医療費の自己負担分を公費で持っております。これを保健手帳と言っておりますが、これを出しているんですけれども、これについてもこの法律に位置づけてやっていこうということになっておりまして、これらについてもどのような形がいいのかということについても、それぞれ団体からのご意見もございますので、そこら辺をまた今聞きながら具体的にどういうふうにしていくかをこれからやっていくと。
 スケジュール的には、これはお金がかなり要る話ですので、本当は政府の予算をつくるまでに仕上げたいわけですが、そこをできるだけの目標としてできるだけ早くしたいということで、ただ、交渉事でもありますので相手のこともございますので、いついつまでにというかっちりしたところまでは今現段階では申し上げられないと、そういう状況でございます。

○大森廃棄物・リサイクル対策室長 廃棄物について事業者レベルでの途上国との連携という点につきましてでございますけれども、我が国の事業者のところでさまざまなすぐれた3Rの技術、例えばセメントにおけます廃棄物の受け入れとか、そのほか各種先進的な技術、それからそれだけでなくて地域に合った技術などもございまして、そういうのを活用して各国で3Rのプロジェクトを事業化していくというようなことの支援を環境省として進めているところでございます。
 そういった議論も今度、来週のアジア3R推進フォーラムで議論しまして、ぜひ優良取組事例として1つでも2つでもいい事例をつくっていく。それをもとにほかの国にも進めていくと、そういった取組を進めていきたいということを考えているところでございます。

○鈴木会長 よろしいでしょうか。
 まだまだ多分いろいろとご質問もあろうかと思います。私の方から、環境教育について先ほど三好さんのほうからのご説明に関して伺いたいと思います。崎田委員のご質問にもあったんですが、なかなか日本の環境教育というのは十分に体系化されていない。一応文科省の教育基本法の中ではちゃんと位置づけられたりはしているんですけれども、カリキュラムなどはやはり環境省のほうで主導的にいろいろお考えいただかないといけないのではないでしょうか。アメリカの例ですとEPAが環境教育を担当しているんですね。文科省との間で、その辺のすり合わせをし、お互いに協力を深めて頂くことが必要だと思います。ESDの問題も、サスティナブルディベロップメントに関する教育の10年、DESD、ですが、あれもユネスコがキーステーションになっている関係もあって、どうしても日本ユネスコ委員会のほうが責任をおとりにならなくてはいけないという感があります。ぜひ、環境省のほうで人づくり、子どもたちから大人までの環境教育を積極的にお考えいただくようなところを、これはすぐにということではないんですが、長期的にお考えいただければと思います。
 そのほか、何かこの機会に。
 武内委員。

○武内委員 今の点でございますけれども、実は、環境省からのお金をいただきまして国連大学の高等研究所で持続可能な開発のための教育の10年というプロジェクトの中で、1つには地域ぐるみの持続可能な開発のための教育の推進(RCE)というのを、これは世界で展開しておりまして、日本の国内でもいろんな地域で高等教育のみならず、初等、中等、それから企業、自治体、それからNGO等の取り組みやっておりますし、それから大学間連携ではプロスパーネットというものをつくりまして、そういう中で特にアジアに焦点を当てたアジアの持続可能性というというものについての大学のネットワーク、今一生懸命進めておりますので、またこれもぜひ1度ご覧いただいてご意見いただければと思います。

○鈴木会長 そのほかよろしいでしょうか。
 ちょうど予定の時間にはなりましたが、こういう機会にぜひとおっしゃる方がおありでしたら。では、猪野委員。

○猪野委員 「地球温暖化問題について」という資料の12ページに、国連気候変動サミットで鳩山首相が発言された前提条件が記載されています。「公平かつ実効性のある国際的枠組みの構築が不可欠」であり、その後に「すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意」という「前提」をつけていただいております。現実に産業界としては、今、国際競争が非常に厳しい中で、やはりその前提条件が変わりますと競争力にどうしてもゆがみが生じてしまいます。そういう意味も含めて、ここに書いてある「公平かつ実効性のある」というのは非常に大事なことであると思っております。

○鈴木会長 チームマイナス6%からチャレンジ25ということで、大きな変化が起こっていくでしょう。これは多分今までのようにいろいろなところを省エネ努力で絞っていっても、多分到達しない。やはり、かなり新しい産業構造を考えていくというような、そういう思い切った施策が必要、そちらはどういうビジョンを立てて、そこへどう誘導するかということが重要だろうと思いますので、そちらへ向けていくための財源の問題も含めてぜひ環境省、大いに頑張っていただきたいなと思います。
 いろいろ委員の方々からもご意見いただきまして、各局からもお答えいただきました。
 一応予定いたしました時間、それから予定いたしました議題につきましては以上ということになりますが、特に委員の方々あるいは事務局のほうから何かつけ加えていただくようなことがございましたらお願いしたいと思いますが、宜しいでしょうか。今日は幸い、小沢大臣にも大変お忙しいところをおいでいただいて、いろいろと直接的にお話を伺うことができて大変有意義であったと思います。
 それでは、いろいろ先生方にご指摘いただきました件につきましては、今後の行政の上で環境省においては、その趣旨を生かすように、ぜひご努力をお願いしたいと思います。
 以上をもちまして本日の総会を終了させていただきたいと思います。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

午後6時03分閉会

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