中央環境審議会第12回総会議事録

日時

平成21年1月15日(木)

場所

全国都市会館3階第1会議室

議事内容

午後2時30分開会

○森本総務課長 大変お待たせいたしました。時間になりましたので、ただいまから第12回中央環境審議会総会を開会いたします。
 任期満了に伴い、1月6日付で委員全員が新たに任命されておりますので、新しい会長が選任されるまでの間、僣越ではございますけれども事務局において議事の進行を進めさせていただきます。私は大臣官房総務課長の森本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、本日の会議につきましては、中央環境審議会の運営方針についてに基づいて公開としておりますので、ご了承いただきたいと思います。
 まず、会議に先だちまして、斉藤環境大臣からご挨拶申し上げます。

○斉藤環境大臣 環境大臣の斉藤鉄夫でございます。今日は、新年早々お集まりをいただきまして、本当にありがとうございます。改めまして、平成21年、新年あけましておめでとうございます。どうか、今年も環境行政の推進につきましてご協力いただきますよう、またご指導いただきますよう、心からお願いを申し上げる次第でございます。
 昨年12月、COP14がポーランドでございまして、行ってまいりました。政治家は国際会議に出て初めて世の中の流れを知り、これまでの自分の不明を恥じるということがよくあると言われておりますが、まさしく私の場合もそうでございまして、全体会議、そして10回のバイ会談を行ってきたところでございますけれども、今この気候変動問題がこれからの世界の大きな変革の機軸になるし、またその変化がこれから大きく起こるということを実感してまいりました。
 オバマチームのケリー上院議員とも、じっくり話をしてきました。ケリーさんも、アメリカはこの気候変動問題について大きな転換を図ると、そしてリーダーシップを図っていく、そこで日米が協力をしていくことが非常に大切であると、しっかり連携をとっていこうというような話をしてきたところでございます。
 後ほど地球環境局長から、このCOP14についてはご報告させていただきますけれども、そういう世界の潮流の中で日本が取り残されることのないように、ある意味では、国益という言葉を使うのはいかがかとも思いますけれども、国益のためにもしっかり我々が頑張っていかなくてはならないと痛感して帰ってきた次第でございます。
 また、今日はグリーンニューディールということで、経済がこういう状況である、これを乗り越えるために新たな需要と雇用を生み出さなくてはいけない、その一つの手法として、今、世界のいろいろな指導者がいわゆるグリーンニューディールというものを言われておりますが、私も先日、麻生総理からこのグリーンニューディールについて環境省なりの考えをまとめるようにという指示を受けてきたところでございます。
 今日は後ほど皆様方から、今後じっくりお話を伺いたいと思っておりますが、今日も、できれば新たな需要と雇用を生み出す一つの方策としての環境政策という観点からご意見を賜ればと思っている次第でございます。
 今年1年間、またしっかり頑張ってまいりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 今日はありがとうございました。

○森本総務課長 ありがとうございました。
 続きまして、吉野環境副大臣からご挨拶申し上げます。

○吉野環境副大臣 環境副大臣の吉野正芳でございます。改めて、あけましておめでとうございます。
 委員の皆様方の、このご意見が、日本国の環境行政、また、のみならず世界の環境をよくしていく、そういう形にこれからなっていかねばならないと思っております。今年1年、またよろしくお願い申し上げます。

○森本総務課長 ありがとうございました。
 続きまして、古川環境大臣政務官からごあいさつ申し上げます。

○古川環境大臣政務官 大臣政務官の古川禎久でございます。先生方におかれましては、今年もどうぞ各部会におきまして、ご指導、お導きをいただきますようお願い申し上げます。本年もよろしくお願いいたします。

○森本総務課長 ありがとうございました。
 次に、新任の委員のご紹介を申し上げます。
 藤井絢子委員が退任されまして、新たに安井至先生が委員に就任いただきました。

○安井委員 安井でございます。よろしくお願いいたします。

○森本総務課長 以上でございます。
 古川大臣政務官は所用のため、この後、退席させていただきます。
 それでは、議事を進めさせていただきます。
 本日の資料につきましては、議事次第にありますとおりでございます。もし不足がありましたらば、事務局の方へ申し伝えいただければと思います。
 なお、大変失礼でございますけれども、任命通知書を席上に置かせていただいております。よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、会長の選出に移りたいと存じます。
 お手元の参考資料1の中央環境審議会令第四条第1項の規定によれば、会長は委員の互選によってこれを定めることとされてございます。つきましては、会長の候補者につきまして、ご意見のある方、いただければと存じます。よろしくお願いいたします。

○林委員 できましたら、鈴木会長に継続をお願いしたいと思います。

○森本総務課長 ありがとうございました。
 それでは、鈴木委員に会長をお願いするということでよろしゅうございましょうか。

(拍手あり)

○森本総務課長 ありがとうございました。それでは、鈴木委員が会長に選任されました。
 それでは、鈴木会長に会長席の方にお移りいただきたい、そしてご挨拶をいただければというふうに思います。

○鈴木会長 それでは、座ってご挨拶をさせていただきます。
 浅学非才でありながら、また会長を務めさせていただくということで、皆様のご協力なくしてはとても進めることができません。ぜひよろしくお願いしたいと思います。昨年前期におきましては、21世紀の環境立国戦略あるいは洞爺湖サミット等、環境関連では大きな動きをしてきたと同時に、またこの経済不況、金融不況の影響で国の状況は、これは我が国だけではありませんが、大きな変化を迎えているところであります。
 もちろん国際的な動きも、我々にとっては刺激になるところが多いと思いますが、いずれにしましても、先ほど大臣のほうからお話がありましたグリーンニューディールというような考え方で経済と環境の問題をどういうふうに考えていくのかと。考えようによっては今、非常にいいチャンスで、この時期を失しては、やはり次の持続可能な国家像あるいは持続可能な世界像をつくる機会というのは、少ないのではないか。あまり好景気が続いていますと、多分考える機会が少ない。ある意味では、この不況の時機をどういうふうにチャンスとして生かしていくのかということが重要かと思います。
 持続可能性を考えるのは、環境だけではもちろんありません。国全体として考えていかなくてはいけないんですが、残念ながら我が国には持続可能性を一つのミッションとしているところがございません。そういうことで、斉藤大臣にイニシアティブをお執りいただいて、環境省もきっちりと役割を果たしていく、示していくということが重要じゃないかと思います。それにしましても環境省の定員は1,000名ちょっと、他の省庁に比べると圧倒的に少ない人材で、これからますます増えていく多様な問題をこなしていかなくてはいけない。そういう面でも、委員の先生方のご協力、ご尽力がなくてはやっていけないと思っております。ぜひそういう面でよろしくお願い申し上げたいと思いますし、私も可能な限り力を尽くさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、まず会長としての最初の仕事と申しますのは、実は会長代理の指名ということになっております。審議会令の第四条第3項に、会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員がその職務を代理するというふうに規定されております。
 私といたしましては、前期に引き続きまして山本委員に会長代理をお願いしたいと思っております。よろしいでしょうか。

○山本委員 よろしくお願いします。

○鈴木会長 ありがとうございました。
 それから、中環審には15の部会がございます。その部会に所属すべき委員あるいは部会長、この指名をいたすことになっておりますが、審議会令の第六条第2項及び第3項の規定によりまして、部会に属すべき委員は会長が指名するということになっております。また、部会長は、会長の指名する委員がこれに当たるということになっておりますので、追って私の責任で指名させていただき、事務局を通じて委員の先生方にご連絡をさせていただきたいと思います。これもよろしくお願い申し上げます。
 それから、中央環境審議会議事運営規則第六条第3項によりますと、会長が同意した審議会の決議としては部会の決議をもって当て、これにつきましては会長が総会に報告をするということとされております。
 前回総会以降の中央環境審議会の審議状況は、お手元の資料2、「中央環境審議会の審議状況等について」、ここに取りまとめられております。これを後ほど御覧いただくということをもちまして、総会に対する報告とさせていただきたいと思います。いささか事務的で恐縮ですが、時間の関係もございますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、次に環境省の各部局から当面の諸問題、これにつきましてご報告をいただくことにいたします。時間の関係もございまして、非常に短い時間になりますが、エッセンスを強調していただくと、こういうことでご説明をお願いしたいと思います。委員の先生方は、いろいろご質問・ご意見お持ちと思いますが、これは説明をまとめて伺ってから、それからお願いしたいと思います。
 では、まず大臣官房のほうからお願いいたします。

○金丸廃棄物・リサイクル対策部企画課長 それでは、廃棄物・リサイクル対策部でございます。部長の谷津は所用で欠席しておりまして、私は企画課長でございますが、代理でご説明を申し上げます。
 それでは、資料4に基づきまして、当面の廃棄物・リサイクル対策についてご説明いたします。
 まず1点目、循環型社会形成推進基本計画の点検を今、行っているところでございます。現状は、第2次循環型社会形成推進基本計画に基づきまして、現在、循環型社会計画部会におきまして点検を行っているというところでございます。
 今年度は、重点的な点検事項といたしまして3つの社会、循環型社会・低炭素社会・自然共生社会の統合的な取り組みの状況、また地域循環圏の形成やリデュース・リユースの推進に向けた取組状況、それから国際的な循環型社会の構築に向けた取組状況、物質フロー指標や取組指標の定量的な把握・評価の4点につきまして設定いたしました。
 昨年の9月に関係事業者の事業者団体の取り組みのヒアリング等を行いまして、関係各省からもヒアリングを行いました。そして、12月に循環部会におきましてパブコメ案を取りまとめていただきまして、今後の予定でございますが、本年1月中にパブリックコメントを行いまして、2月に循環部会で決定していただいた上で、3月上旬を目途に点検結果の閣議報告を行う予定でございます。
 次に、3Rの国際的な推進ということでございます。
 現状でございますが、16年のG8サミット以来、3Rイニシアティブに基づきまして、3Rの国際的な推進に主導的に取り組んでいるというところでございます。
 昨年の5月にG8環境大臣会合で、神戸3R行動計画が合意され、洞爺湖サミットにおきましてその行動計画が支持され、さらにまたG8環境大臣会合で新・ゴミゼロ国際化行動計画を発表するなどのことをいたしました。また、昨年11月には東アジアサミット環境大臣会合におきまして、3R関連の幅広い関係者が参画いたしまして、3Rの国際協力を促進するオープンなプラットホームとなりますアジア3R推進フォーラムを提案して、賛同されたところでございます。この行動計画に基づきまして、これから我が国は次のような取り組みを進めていくということでございます。
 まず第1に、アジア各国の循環型社会構築を支援していくということで、ベトナムやインドネシア等の3R国別戦略の策定を支援していくと、それから政策対話あるいは3Rナレッジハブや3Rの研究者・専門家のネットワークの構築を支援していくというようなことを行っていきたいということでございます。
 第2点目に、OECDやUNEPのような国際機関と連携いたしまして、世界的な循環型社会の構築をしていくということを目指しております。
 今後の予定でございますが、特にアジア3R推進フォーラムを、21年度に発足させまして、各国の3R国別戦略に基づきます3Rの優良取組事例の創出等を推進していくといたしております。
 その次に廃棄物処理法の点検でございます。
 これにつきましては、昨年の9月に専門委員会におきまして、廃棄物処理法に基づきます廃棄物の排出抑制、適正な処理等に関する施行状況について点検・評価を行いました。12月に論点整理が取りまとめられたところでございます。
 今後、個別の論点ごとに議論を深めまして、夏ごろを目途に中間的な取りまとめを行っていただくという予定でございます。
 その次に、各種リサイクル法の点検でございます。
 家電リサイクルの点検につきましては、昨年の2月に「家電リサイクル制度の施行状況の評価・検討に関する報告書」が取りまとめられたところでございます。これを受けまして、2つの専門委員会を立ち上げまして、「特定家庭用機器の品目追加・再商品化等基準に関する報告書」、それから「小売業者による特定家庭用機器のリユース・リサイクル仕分け基準作成のためのガイドラインに関する報告書」、この2つの報告書が昨年9月に取りまとめられ、対象機器の追加、これは液晶テレビ、プラズマテレビ、衣類乾燥機、それから再商品化等基準を変更し、設定を引き上げるということで、政省令の改正を昨年の12月に実施いたしました。
 今後につきましては、廃棄物処理法に基づきます処理基準等の改定を行う、それから基本方針を改定するということで、さらに進めてまいりたいということでございます。
 その次に自動車リサイクル法の点検でございますが、これも昨年7月から自動車リサイクル専門委員会におきましてご審議いただいておりました。今後、ことし1月までを予定しております義務者・関連事業者等に対するヒアリングを一通り実施した上で論点整理を行って、施行の状況の検討結果について取りまとめを行う予定でございます。
 それから、建設リサイクル法でございますが、これも建設リサイクル専門委員会を設置いたしまして、ご論議いただきまして、昨年12月に取りまとめを行っていただいたところでございます。今後、省令改正等、必要な制度の見直しを行う予定であるということでございます。
 廃リ部は以上でございます。

○鈴木会長 それでは、総合政策局のほうからお願いいたします。

○小林総合環境政策局長 総合政策局長、小林でございます。中央環境審議会には、いろいろ日ごろからご指導を賜りまして、ありがとうございます。
 当局のほうでは、例えば地球温暖化あるいはごみあるいは大気、水、自然保護と、そういったことに共通するような政策ツールについて立案をし、開発をし、実施していくといったようなことを担当させていただいております。
 私のほうからは、資料5と6に即しまして、ご指導いただいた内容の報告をいたしたいと存じます。
 まず、資料5でございますけれども、これは環境税制でございます。
 実はこの税制につきましては、抜本改正がこの20年度に行われるという予定が昨年の夏には打ち出されておりましたけれども、ご案内のとおり、この税制改正、最近の不況を受けまして、恐らく3年がかりで進めていくというようなことになるのかなというふうに考えてございますけれども、本来であればこの抜本改革の中で税制のグリーン化ということを議論をするということになっていたものでございます。
 それに備えまして、中央環境審議会の総合政策部会そして地球環境部会の合同部会というところに、環境税等のグリーン税制についての経済分析に関する専門委員会を置かせていただいてございます。神野先生が専門委員長でございますけれども、そちらの方でそういった税制全般のグリーン化ということに備えた議論を行っていたものでございます。その意見の集約というものが11月17日になされました。
 ポイントだけ申し上げますと、この資料5の頭に色のついた紙、横長で申しわけございませんけれども、書いてございます。税制の、市場のルールそのものでございまして、それが非常に重要だということでございまして、右下の方にございますように、「諸外国における取組の現状」というところから少し見ていただきますと、既存税制の税率への炭素比例の税率上乗せの例、これは外国の例でございますが、あるいは炭素比例ではないんだけれども、既存税制でカバーしていない対象に新税を導入している例と、いろいろ諸外国では環境税導入のパターンが幾つかあると。それらを踏まえて、我が国も我が国にふさわしい環境税導入の道筋をこれから具体化していくべきではないだろうかということで、環境税を含めた税制全般のグリーン化を図っていくということが今後の大きな方向だということを、いろんな論点、細かい検討をいたしたわけでございますけれども、そういうことを踏まえて結論を頂戴してございます。
 そうしたことも受けまして、この資料3、これはちょっと前のほうに戻りますけれども、環境省の重点施策の中、後でお目通しを賜ればというふうに思っておりますが、22ページ以下にことしの税制改正大綱の結果というのが出てございます。
 これから通常国会に税法の改正等々で出ていくことの、いわばバックグラウンドになる資料でございますけれども、ここをお目通しいただきますと、おかげさまで環境税も含めて、このグリーン化の観点から、税制抜本改革の議論の中で検討していくんだと、そして税制のグリーン化は、未来に向けて低炭素化を思い切って促進すると、こういう観点で進めていくという大方針も頂戴をいたしたところでございます。
 それから、また私ども、そういった税制が環境政策にどんどん使われていくということを税制のグリーン化だというふうに考えるわけでございますけれども、その一つの証といたしまして、この検討課題として位置づけられた環境税のほかに、平成21年度改正として具体的な結論がいただけたというふうに思っております。
 それは、1つは道路特定財源、これも暫定的な延長ということにはなっているわけでございますけれども、税率を引き下げるという議論もございました中、やはり税率を引き下げてしまいますと二酸化炭素が増えてしまうと、環境負荷が増えてしまうということでございまして、そういうことも踏まえて、やはり現行の税率水準は維持するんだということが決められたということです。いわば税制の理由に環境が大きく使われる時代になってきたというふうに言うことができるかと思います。
 また、そのほかに個別の税制のグリーン化ということでもかなり進んでおります。これは、どちらかというと環境にいいことをするものについては軽減をするという方向でのグリーン化でございますけれども、今まで自動車取得税についてグリーン化されていたものに加えまして、さらに重量税におきましても燃費のいい車といったものにつきまして軽減をする。
 それから、また大きな減税額になろうかと思いますけれども、26ページにございますように、省エネ住宅につきましても大変新しい強力な減税、最大で言いますと10年間600万円といったような減税額になるというふうに報道されておりますけれども、そういった大きな減税が行われるということでございまして、環境がこの税制改正大綱の中でいっぱい字としては書き込まれている。環境政策の中で税制を使うというのは、今や禁じ手でも何でもない、当たり前のことになってきた、そういう時代に入ってきたのかなというのが、その受け止めでございます。
 それから、資料6でございます。時間の関係で先に進ませていただきますけれども、これは予算の中でこういうものが入っていますということで報告をさせていただきたいということでございます。
 環境省の予算全体につきましては、先ほど申し上げました資料3がございますけれども、その中で一つの柱といたしまして、冒頭、大臣のほうからお話をさせていただきましたグリーンニューディールみたいなことはこれから必要じゃないかと、また鈴木会長からもそういったお話がありました。持続可能な経済をつくっていくということで、やはり大きな先を見通した、いわば経済環境政策といったようなものの提案をしていかなければ環境省はいけないのかなということでございまして、そのためには、やはり相当勉強を突っ込んでしなければいけないということでございます。21年度の予算額から言いますと4億円ということでございますけれども、そういった政策研究をしていこうということでございます。
 環境と経済社会の統合的な発展のための政策研究、地球規模の人間社会がどうあるべきか、あるいは日本がどういうふうに発展していくべきか、そして個々の政策も経済とどういうかかわりを持っていくべきだろうかというようなことが大きな柱でございます。
 さらに、そういった判断をしていくために短期的にも必要ないろんな経済情報・環境情報といったものを集めて発信していくといったようなこともやっていこうというふうに考えている次第でございます。
 グリーンニューディールというのをこれからしていくということになろうというふうには考えてございますが、こういったものをしっかりと支える政策研究ができるように、この予算が国会で認められましたら努めてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。
 それでは、次に環境保健部からお願いいたします。

○原環境保健部長 環境保健部長の原でございます。
 資料7をご覧いただきたいと思います。環境保健部のほうからは、5点報告をさせていただきます。
 1点目でございますが、UNEPにおきます国際的な水銀対策に関する検討の動向についてでございます。
 第24回UNEPの管理理事会における決議を受けまして、水銀対策のための条約策定の可能性も含めて、対策強化の選択肢の国際的な検討がなされてまいりました。検討の結果は、来月開催されます第25回UNEPの管理理事会に報告されて、今後の方向性が決定されるというスケジュールでございます。
 我が国のスタンスとしましては、水俣病経験国として、国際的な水銀対策強化の動きを歓迎しているところでございます。
 また、資料のほうには我が国の水銀使用等の現状あるいは諸外国のスタンス等について触れておりますので、後ほどご一読していただければと思います。
 2点目としまして、3ページ目になりますが「小児環境保健に関する取り組みについて」でございます。
 近年、子供に対する環境リスクが増大しているのではないかという、世界的な懸念がございます。子供は小さな大人ではないという認識のもとに、環境中の有害物に対する小児の環境影響について、長期間のフォローアップをしていこうというものでございます。
 これにつきましては、平成22年度から実際に約6万人の子供を対象にいたしまして、その生まれる前から、あるいは生まれた後、約12歳までフォローアップをしていくという大規模な調査を予定しております。これによって、子供の発育に与える環境要因についての調査の結果が出てくるものと考えております。
 今年度と来年度につきましては、そのための準備として、予備調査を現在実施しております。
 3点目は、次のページになりますが「水俣病対策の現状について」でございます。
 最高裁判決後の公害健康被害補償法に基づく認定申請者の数あるいは新保健手帳の交付の数、ともに急増をしております。また、国・県・原因企業を相手方とした損害賠償請求訴訟等も提訴されているところでございます。
 これにつきましては、平成19年10月に与党の水俣病問題に関するプロジェクトチームにおいて、新たな救済策についての基本的な考え方が取りまとめられました。現在、被害者団体や原因企業と調整をしているところでございます。昨年末には、この与党PTが開催されまして、その結果、原因企業も前向きな姿勢を見せ始めております。この水俣病問題の解決に向けて、引き続き全力で取り組んでいきたいと考えております。
 4点目でございますが、石綿健康被害救済制度についてでございます。
 平成18年3月にこの石綿の救済法が施行されて以来、約4,000名の方が認定をされております。
 一方で、法施行後に申請せずに亡くなった方が対象にならないというような課題が出てまいりましたため、昨年の通常国会において議員立法で法改正が行われ、昨年12月1日から施行されております。
 今後の課題としましては、現在対象としております中皮腫あるいは石綿による肺がんの2つでございますが、そのほか石綿肺等を対象に加えてはどうかという課題が出ております。現在、既存の指定疾病の判定方法や、あるいは対象疾病をふやすかどうか、それらにつきまして、医学的な専門的な見地から検討するために、昨年10月から検討会を開催しております。施行後5年以内に見直すという条項がございますので、その見直しとあわせて、これらについても検討をしたいということで、来年度の秋ごろを目途に報告書を取りまとめる予定でございます。
 最後に、こちらは資料はつけてございませんが、化学物質審査規制法の見直しについてでございます。この化審法の見直しにつきましては、厚生労働省及び経済産業省の審議会と合同で審議を行っていただきまして、先月の12月22日に鈴木会長より答申を頂戴したところでございます。環境省としましては、この答申を踏まえまして、両省とともに法律の改正事項の検討など、所要の措置を講じてまいる予定でございます。
 以上でございます。

○森本総務課長 ありがとうございました。
 それでは、地球環境部。

○寺田地球環境局長 地球環境局長、寺田でございます。
 冒頭、大臣からご指示もございましたので、私のほうからポイントを、ポスト京都の枠組交渉、それからポズナン会議の報告、さらに当面の一大課題だと思いますけれども、中期目標の設定というところにのみ絞りまして、ご報告を申し上げます。
 資料8、「地球温暖化対策の最近の状況について」。1枚おめくりいただきますと、2008年から「2009年にかけての主な外交日程」というポンチ絵がつけてございます。
 ご存じのとおり、約1年前バリ島で始まりました、いわゆるバリロードマッププロセス、この中間点が、先ほど大臣からお話のありましたポーランド、ポズナンでの昨年12月のCOP14であり、これにつきましては、ことしの12月、デンマーク、コペンハーゲンでのCOP15、ここでポスト京都の枠組みの大枠を合意するということが、国際的な合意となっているわけでございます。現在の交渉の詰まり状況からすると、あと1年で合意にたどり着くということを考えますと、極めてこの1年は密度の高い、極めて激しい国際交渉の年になるであろうというふうなことが容易に予測されるということでございます。
 さて、この中間点のポーランド、ポズナンでございます。1枚めくっていただきますと、「COP14ポズナン会合の結果概要」という紙になっております。実は、ご存じのとおり米国がまだ新政権に移行していないという段階であること、それから交渉自身が非常に困難を極めておったということで、ポズナン会合では余り重要な決定はなされていないのではないかというようなことが言われております。確かに大きな前進というのはなかったような気もいたします。
 ただ、いろんな成果もございました。その中でちょっとご紹介いたしたいのが、次期枠組に関する主な成果、幾つか黒丸を打っておりますけれども、3つ目の丸でございます。書いてあることは、附属書I国全体の削減幅をIPCC等の科学的知見に基づき検討すること、またこれを実現するための各国の削減は削減ポテンシャルやコスト等の分析に基づくべきとの結論文書を採択と、これが一つの合意でございます。
 これは若干解説を加えますと、京都議定書のときの交渉と決定的に違う点が今回2点あると思っております。
 まず、その第1点というのが、京都議定書のときには、一体世界の温室効果ガスの濃度をどうしたらいいかということをほとんど考えるに至る科学的知見がなかったと。ただし、今回、十分かどうかはともかく、IPCCによって多くの科学的知見が得られている。したがいまして、ここで言っております附属書I国全体の削減幅をIPCC等の云々というのは、まずそういった科学の要請から、一体世界全体の温室効果ガスの濃度をどうするのかということについて展望を持つべきであるということを意味していると考えております。
 続いて、京都のときとは違う第2点でございます。
 現在、オバマ新政権は、2020年目標を1990年比プラスマイナスゼロと言っております。EUは、国際協調が30%、単独でも20%は言っております。正直に言いまして、このEUとアメリカが同じ削減幅になると、だれも考えておりません。ということは、単純にある削減幅が決まったとき、それをすべての国が受けとめるということではなくて、それぞれの国情によって違う目標になるということを意味しております。
 じゃ、その違う目標をどうやってつくるのかということでございますが、そこにございますように、削減ポテンシャルやコスト等の分析に基づくべき。つまり、これはいろんな公平性の指標があると思います。極端に言えば、途上国が言うように、長期の将来において1人当たりの排出量を全部同じにしようというような考え方まであります。いろんな考え方はありますが、何らかの公平性の指標を持って分担割合を決めていこうと。したがって、何%というのはEUとアメリカと日本とロシア、みんな違ってくるということになるだろうと思っています。
 では、そういう検討をどうやってやっているのかといいますと、もう一枚めくっていただきますと「中期目標検討委員会の設置」というのがございます。現在、内閣において検討会を設置いたしまして、オープンな場で科学的・理論的な分析をやり、複数の目標値を仮置きしてさまざまな検討を行い、国民にも提示した上で政府において検討するということでございます。 したがいまして、この場所で、先ほど申しましたような地球全体いかにあるべきかということ、あるいは本当の意味での公平とは何かということについて、国際的に通用するような議論がなされるということを、私どもとしては期待しているところでございます。
 以上でございます。

○鈴木会長 それでは、水・大気局、お願いいたします。

○白石水・大気環境局長 水・大気環境局長、白石でございます。
 資料9をご覧ください。このうち、大きなIとIVにつきまして私のほうから、IIとIIIにつきまして水環境担当審議官、伊藤のほうからお話をさせていただきます。
 まず、1番目の大気でございます。先ほど小林局長のほうからお話もありましたように、税制も含めまして、低公害車を普及・促進ということがCO2削減のためにも、また各種大気汚染の改善という点からも有効であるという考えのもと、補助あるいは税制等を通じまして各種の支援策を講じているところでございます。これは、補正のことだけここに書いておりますけれども、来年度の当初の予算におきましても所要の補助金も計上しておるところでございます。
 それから、排ガス対策のほうでございますが、答申を受けました形で、順次NOX・PM法の施行を行っているということ、それからおめくりいただきまして、昨年はちょっと時間がかかってしまいましたが、騒音対策という点につきましてもマフラーの事前認証を導入するということを、中間答申を昨暮れにいただいております。
 幾つか改善を見ている中で、まだまだ懸案が残っているというのが光化学オキシダントとSPMでございます。
 光化学オキシダントにつきましては、なかなか濃度レベルが下がらない、あるいはむしろ逆にふえているという状況でございます。ただ、昨年は平成19年に比べますれば発令日数等々は減っておるところでございます。
 それから、SPM全体の中でも、とりわけPM2.5に関しましては、一定の知見がおかげさまでそろってきたということもありまして、これも昨年暮れに大気環境部会のほうに諮問をいたしまして、ご審議をお願いをしているという状況でございます。
 過去のいろいろな知見その他を使って、国際貢献という点で、4ページ以下でございますが、コベネフィット・アプローチを対マレーシアにおいて今年度始めているということ、それからアジア水環境パートナーシップ、WEPAを引き続き推進していること、あるいは日中環境協力という観点で分散型排水処理施設、中国で幾つか実情に合わせまして今、施行を始めている等々の試みをやっているところでございます。
 以上でございます。

○伊藤水環境担当審議官 水環境担当審議官の伊藤でございます。
 引き続き、3ページに戻っていただければと思います。
 水環境対策でございますが、ご承知のとおり水環境対策は環境基準を設定し、その維持・達成を図るということが最も基本となっているわけでございます。そういったことから現在、中央環境審議会で健康項目に係る環境基準の見直し作業を引き続き行っていただいておるところでございますし、また生活環境項目に係る水質環境基準の類型指定の見直しという作業も引き続きお願いしているところでございます。
 こういった取り組みに加えまして、新たな水環境保全対策としまして、気候変動によって引き起こされる水環境への影響の解明、さらには多様な未規制の化学物質に迅速に対応するための総合的な水質管理手法の検討等を行ってきているところでございます。
 また、閉鎖性海域保全対策につきましては、第6次の総量規制の目標年次が平成21年ということになっております。現在これを踏まえまして、それ以降の第7次の総量規制をどうするのかということの見直作業を行ってまいりたいと思っていますし、その前提として、今後目指すべき海洋環境の将来像についての中長期ビジョンの検討を今行っているという状況でございます。また、里海の創生の支援等も行っているところでございます。
 さらには、地下湧水等の水資源を活用したクールシティづくり、あるいは身近な水辺の環境の保全のための取り組みについても力を入れているところでございます。
 次に4ページをごらんいただきたいと思います。土壌汚染対策制度の見直しでございます。
 土壌汚染対策法につきましては、施行後5年経過しまして、いろんな問題点が出てまいりました。これを踏まえまして、土壌農薬部会におきまして、松本先生のもと精力的にご審議をいただきまして、12月19日に今後の土壌汚染対策のあり方についての中央環境審議会の答申をいただいたところでございます。
 この答申におきましては、行政による土壌汚染の把握の機会の拡大、環境リスクに応じた合理的な対策の推進、搬出汚染土壌の適切な処理、これを3本の柱としてご答申をいただいたところでございます。この答申を踏まえまして、現在、今通常国会に法の改正案を提出するべく、取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。
 それでは、自然環境局。

○黒田自然環境局長 自然環境局長の黒田でございます。
 資料10でございますが、初めに10の一番最後のページにありますトキについて、ご報告を申し上げます。
 昨年の9月25日に、佐渡におきまして10羽のトキを放鳥いたしました。このうち現在7羽が佐渡で、それから1羽は本土に渡っていることが確認をされております。合計この8羽につきましてモニタリングを実施し、あるいは行動観察を行っているところでございます。
 それぞれの個体は、放鳥以降、単独で行動していたんですけれども、1月に入りまして、佐渡の個体のうち3羽が一緒に行動するという、群れの形成というような様子も見られているところでございます。
 トキの放鳥は今年も実施する予定でございまして、今後、野生馴化訓練あるいはビョウト餌場の整備などを進めることにしておるところでございます。
 それから、トキに関しましては鳥インフルエンザによる壊滅的な打撃を避けるために、トキの分散飼育を検討しておりましたが、昨年末、島根県の出雲市、それから石川県、新潟県の長岡市、この3地区を分散飼育の実施地とすることを決定いたしまして、関係自治体の協力を得まして、今後1年ないし3年のうちに、これら3地区での飼育を開始することとしております。
 それから、資料10の最初にお戻りいただきますが、生物多様性条約の締約国会議、COP10に関する動きでございます。
 COP10は、来年、2010年10月18日から2週間にわたりまして、愛知県の名古屋市で開催されることが決定されています。COP10では、生物多様性の保全に関する世界共通の目標といいますか、2010年目標というのがございますが、これに続く新たな世界の目標の設定であるとか遺伝資源の利用により得られる利益の配分の仕組み、いわゆるABS問題、こういったことを初めとして数多くの議題が取り上げられることになっておりまして、予想としては参加者は1万人に達するのではないかと、非常に大きな会議になる見込みでございます。
 このCOP10におきましては、生物多様性の保全と利用というものを一体的に行ってきた我が国の里山の管理、こういう経験であるとか我が国の技術を、世界全体で見て二次的な自然資源の管理の国際的なモデルとして位置づけて、里山をローマ字で書いて、SATOYAMAイニシアティブというような形で世界に発信していきたいということで考えておりまして、こういったことを含めて、今後、国際的な国際ワークショップであるとか国際対話、こういったものを積極的に進めていきたいというふうに思っています。
 また、COP10は非常に大きな会議でございます。これを成功させるためには、やはり関係省庁だけではなくて、地元の自治体とかNGOとか、いろいろな機関と連携をしていく必要がありまして、会議開催に向けて既に調整であるとか意見交換というものを始めているところでございます。
 また、生物多様性に関する国民あるいは企業の理解というものが不可欠でございますので、これを深めるための標語として、資料にもおつけしていますが、「地球のいのち、つないでいこう」というコミュニケーションワードというものを選定したところでございまして、今後、改めまして生物多様性に関する啓発活動というものを強力に進めていきたいと、こういうふうに思っています。
 それから、3点目として、自然公園法についてでございますが、昨年の10月に中環審に「自然公園法の施行状況等を踏まえた必要な措置について」を諮問いたしました。
 背景といたしましては、生物多様性保全の観点からの施策の充実であるとか、あるいは国立公園における質の高いサービスの提供が求められているということがございます。これらの点に関しまして、自然環境部会の自然公園のあり方検討小委員会におきまして議論を重ねていただきまして、海の保全あるいは鹿の食害を受けた生態系の回復、こういった施策の充実について、そういうものが盛り込まれた報告書案をまとめていただいています。現在パブリックコメントにかけているところでございまして、近々答申をいただけるかと思っておりまして、自然公園法の改正にもつなげていきたいと、こんなふうに考えています。
 最後でございますが、ペットフード法に基づく基準・規格でございます。
 昨年の6月に、動物愛護の観点からペットフード法の安全性を確保するために、農林水産省との共管でございますが、新しい法律として、この法律が制定されたところでございます。これを受けまして、昨年来、中環審、それから農業資材審議会におきまして、ペットフードの基準あるいは規格につきましてご議論をいただいております。
 これにつきましては、両審議会の議論を踏まえた原案を取りまとめておりまして、ちょうど明日からパブリックコメントを開始する。また、近々、輸入するペットフードもございますので、WTOに対する通報を行う予定でございます。6月の、この法律の施行に向けて、しっかりと準備を進めていきたいと思っております。
 自然環境関係の説明は以上でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。
 それでは、鈴木審議官のほうからこの環境省の重点施策等についてのご説明を、そしてグリーンニューディールに触れていただければと思います。

○鈴木大臣官房審議官 それでは、資料3と資料2を続けてご説明させていただきます。
 まず、資料3でございますが、表紙をおめくりいただきますと、「平成21年度環境省重点施策」と、4つの四角が書いてある図がございます。これでご説明をさせていただきます。
 基本的には、各局から今ご説明申し上げました内容でございますが、大きな柱の1つ目が、一番上にあります低炭素社会の実現のための施策でございます。その中でも、やはり低炭素社会実現のためには、経済とともに向上・発展する仕組みづくりが重要ということで、市場メカニズムの活用と書いてございますが、まさに排出権取引の試行を始めるための経費等を措置しております。また、先ほど総政局長からお話ししましたような基盤となる研究、あるいは技術開発の強化なども行うこととしております。
 また、京都議定書の削減目標をきちんと取り組むということでございます。それから、地域等で低炭素化の取り組みについてはきちんと支援をしてまいりたいと。それから、低炭素社会の人づくりでございますが、環境教育にも力を入れてまいりたいと考えております。
 また、アジアとの連携ということで、国際的なリーダーシップを発揮するために、これまでいろいろな会議で申し上げてきたことについても、きちんと具体化を図るということでございます。
 2つ目が、自然と人間が共生する社会の実現ということで、今、自然局長からお話を申し上げました生物多様性条約のCOP10の開催を見据えた取り組み、これをまず第一にしっかりとやりたいということでございます。その上で、地域の生物多様性を保全するための取り組み、魅力ある国立公園づくりをきちんとやる。さらには、稀少動物の保存と外来種のきちんとした管理というような、人と自然の豊かな関係の確保のための取り組みを行うこととしております。
 それから、3つ目の柱が中段の右側でございまして、資源を繰り返し活かす循環社会への転換ということで、3Rの抜本的強化ということで、リデュース・リユースを重視していきたいと。さらに、レアメタルの問題がございますので、こうしたリサイクルの促進を図りたいということでございます。それから、市町村だけでなくて、ブロック、地域というようなところを循環圏として形成していく取り組みも進めたいということでございます。また、不法投棄の撲滅、それからこれから人口密度の低いところに進めていくことになります下水処理施設のところにつきましては、浄化槽の普及に力を入れていきたいということで、制度の拡充も含め考えております。
 それから、安心して暮らせる安全で豊かな環境の確保ということで、本審議会でいただきました答申を踏まえまして、化学物質につきまして化審法の改正案の提出を予定しておりまして、こうした法律改正を含めまして取り組みを強化していきたいということでございます。良好な大気・水土壌の確保ということで、大気につきましては、本審議会に諮問をいたしましたPM2.5、微小粒子状物質の管理について取り組みを行うとともに、そこの下に書いてございます土壌汚染対策についても、改正法案を今国会に本審議会でいただきました答申に沿って出す予定にしております。
 最後に、水俣病等の公害健康被害、石綿健康被害、毒ガス弾等の対策もしっかり行っていきたいということでございます。
 1ページおめくりいただきまして、まず金額の総額でございますが、ここに書いてございますように、一般会計では一般政策経費については一定の伸びが確保され、他方で公共事業につきましては政府全体として圧縮するということでございますので、一定の削減がございました。
 トータルは、一番下に書いてございます合計の欄でございますが、21年度予算額は2,292億円ということになっております。各項目についての予算額は、後ろに書いてございますが、説明は省略させていただきます。
 それから、最後に参考資料2という、大判のA3の資料でございますが、簡単にご説明させていただきます。
 大臣からお話がありましたところでございますが、まず一番上の左隅のところに書いてございますように、世界の金融経済というのは100年に一度と言われる危機状況にあるということで、象徴的な自動車の販売というところを見ますと、アメリカが大きく落ち込みをする一方、景気の波及がございまして、欧州、日本でも厳しい状況になっているということであります。
 こうした中で、各国が景気対策ということになるわけですが、左側のところに書いてございますように、環境・エネルギーを景気対策の柱と位置づける「グリーンニューディール」が世界の潮流というふうになってきております。国連の潘事務総長が皮切りに話されたというふうな感じもいたしますが、アメリカではオバマ新大統領がグリーンジョブと題して、再生可能エネルギー等に1,500億ドルを投資する、あるいは500万人の雇用を創出する。ドイツ、中国でも同じような動きが出ております。
 また我が国におきましても、昨年の9月の総理の所信表明演説で、我が国が強みを持つ環境エネルギー技術には新たな需要と雇用を生む力があるということを既に表明されておりますし、また伊藤元重教授によれば、不況対策として21世紀初頭のニュー・ディール政策を行おうとすれば、それは温暖化対策の先行投資であるという指摘がございます。
 そうしたことで、現在の環境ビジネスの市場、雇用というのを将来飛躍的に拡大したい、そしてそうした施策を取り組むことによって、一番下にございますように、世界で最初に不況を脱出を図ると、こういう取り組みをしてはどうかという提案でございます。
 1ページおめくりいただきまして、それではどういうふうな施策を行っていくかということでございますが、「緑の経済と社会の変革」ということで、環境を使って経済と社会の構造を変えていくということで、その第一歩を国民生活に直結した消費やコミュニティから起こしていってはどうかという提案でございます。
 一番上に書いてございます、エコ改造ということでございますが、それぞれの地域が温暖化対策をとるということが温対法で義務づけられておりますので、こうした地域のさまざまな取り組みを支援していくことによって、地域の社会資本を変えていってはどうかと。
 2つ目はエコグッズでございますが、今、省エネ家電というのが非常に熱効率がよくなってきております。物によっては3割以上の効率化が図られているものも多く出ておりますので、こうしたものを買いかえを進めることによって、消費の中身を変えていくということを行ってはどうかと。
 最後が設備投資でございますが、今の景気状況の中で設備投資が非常に滞っているという状況になっております。しかしながら、こうしたときこそ環境・省エネの投資をしていただくことが、将来の日本の産業・社会の基盤を築くということになるものですから、こうしたものを支える金融をスタートさせる、無利子融資等を創設してはどうかと。このように社会資本・消費・投資というものを変えていくことによって、幅広い分野に波及効果を及ぼしていってはどうかということでございます。
 これは、具体策の一例でございますので、これからさまざまな他の施策が考えられると思います。左下でございますが、環境大臣みずからが各界の方々から意見を聴取して、いろいろな考えをお伺いする、あるいはインターネット等を通じてアイデアを募集する、関係者と協力をよくするということで、全体として思い切った内容のものを、3月末ごろをめどに取りまとめをしたいということが提案でございます。
 以上でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。
 それでは、各部局からのご報告をいただいたところでございますが、以上の報告並びに大臣のイニシアティブで始められようとしておりますグリーンニューディール、これにつきまして、委員の先生方からのご意見あるいはご質問をいただきたいと思います。名札を立てていただくように、お願いしたいと思います。
 時間が限られておりますので、後出しは認めないということにさせていただきたいんですが、よろしいでしょうか。4名の方に。それでは、また後で、そうは申し上げましても、いろいろあるかもしれませんので、なるべく短い時間でお願いしたいと、2分ぐらいの見当でお願いしたいと思います。
 じゃ、こちらから。浅野委員。

○浅野委員 まず、全体にわたることでございますけども、今のグリーンニューディールにしてみても、具体的な施策ということになりますと、「地域」が重要なキーワードになっているだろうと思います。それから循環基本計画では「地域循環圏」という概念を強調いたしましたし、第三次環境基本計画でも「地域づくり」を強調しているわけであります。この「地域」というキーワードをどのように環境施策の中で生かしていくかということは大きな課題だと思うわけですが、最近国と地方公共団体の関係が非常に微妙な状況になっていて、環境行政組織や環境行政を運営する上で、このことがさまざまな制約が生まれているという気がしてしょうがないんですね。
 特に、地方分権ということが強く言われてはいるわけですが、もともと環境行政というのは国の行政と地域の行政とが一体でなければやっていけないという面があるにもかかわらず、何か分権という名のもとに環境省は地方公共団体に対して一切口を出してはいけないというような雰囲気があるもんですから、例えば立法の中でも現実に非常に制約が生じています。こういうことは本来、地方公共団体がもちろん自治事務でやっていただければいいのですが、足並みをそろえていただくためには何かのスタンダードをつくっておかなくてはいけない。しかしそういうことを書くことがあたかも悪であるかのように言われてしまうというようなことがあります。
 本当にそれぞれの政策課題の中身までよくわからないで、形だけで分権、分権ということを言われてしまうもんですから、かなり全国的意味での調整をしなきゃいけないような問題であるにもかかわらず、それに口出しができないような状況が生まれている。おまけに地方支分局についても、いろいろな議論があるわけですが、こういう傾向には危機感を感じます。
 特に自然公園管理などに関しても、自治体がむしろ今までやっていた仕事を放り出して、全部これは環境省の仕事だ、環境省でやってくださいよなんていうことになりますと、国立公園のレンジャーの人たちも、本来業務というよりも、ほとんど手続事務の応対ばかりやらなくてはいけなくなってしまい、外を歩く暇もないような状況に置かれている。1人の駐在員が多くの仕事をやらなきゃいけない状況が生まれているわけですね。ですから、もう一回この辺については環境省は受け身じゃなくて、しっかり環境政策という観点から一体でやっていかなきゃいけないんだということについてきちんと発信をしていかないと、どんどん追い込まれていくんではないかという不安を感じています。ちょっと抽象的なことを申し上げましたが、個々の問題については、またそれぞれの課題ごとに審議会の中で発言をいたしますけども、この点を申し上げておきたいと思います。ぜひ考えていただきたい。
 それから、これも度々申し上げていることですけども、環境基準は、公害対策基本法の制度がそのまま環境基本法へ移行したという経過があって、積み上げ、積み上げで次々にいろんなものができ上がっていくんですが、全体の体系的整合性について言いますと非常に怪しくなっているわけですね。
 これは、白石局長にも審議会の席で度々申し上げておりますけども、必要に迫られて次から次へと環境基準を考えていって、哲学もポリシーも違う環境基準がみんな同じ環境基準という形でくっついていくもんですから、どうしようもないという面があります。
 とりわけ光化学オキシダントに関しては、形の上では環境基準が達成できていないということだけがずっと続いているわけですけども、こういう問題に関しては、もう一回根本的に何をスタンダードにすべきなのかとか、あるいは注意報のようなものを一体どういう根拠でどう出すんだということをきちっと考えなきゃいけないと思うんですが、お考えはいかがでしょうか。
 自治体では、正直困っていまして、ハラハラしながら注意報を出さなくて済むことをひたすら祈っていると、注意報を出した途端に運動会を中止しなければならなくなってしまう、といった困った現実があるわけです。これは由々しき問題ではないかと思うのですが、やっぱり根本的に考えてみる必要がある。体系そのものの入れかえみたいなものも含めて考えるというお気持ちがないかどうか、白石局長だけに別に言うつもりはないんですけども、とりわけ関係が大きそうなので申し上げておきたいと存じます。

○鈴木会長 大変基本的な2つの課題を出していただいたと思います。
 橘委員。

○橘委員 疑問なんですけれども、先ほどの廃棄物と、それから一番最後の説明をいただいた、参考資料2ですか、それで省エネ家電等のということで、この省エネというのが一つのキーワードで家電製品も随分、例えばテレビですね、地デジへの変換その他で相当消費者は、みずから好んでかどうかは別としまして、買いかえざるを得ないようなところがある。
 そういうことで、環境、環境ということで、その辺が、ちょっと心配なのは、廃棄物の関係、その他、それから消費者へもかなりそういうことで直接的に、間接的に負担になるのではないか。そんなところをどういうふうにお考えなのか。
 それからもう一つは、環境ビジネスということで、数年前、環境省の関係で私は余計なことを言ったのかもしれませんけども、環境ビジネスなんていうのは環境省が考える必要ないじゃないですかというような憎まれ口をたたいたことがあるんですけども、経済産業省の仕事じゃないですかと、きょうもそういうようなニュアンスの、経済をリンクさせて考えるということは非常に大事かと思いますけれども、環境を表に出したビジネスを環境省でやらなきゃいけないのかなという素朴な疑問がございます。

○鈴木会長 では、倉田委員。

○倉田委員 全国市長会を代表して出させていただいておりますので、大臣ご出席のせっかくの機会でございますので、いささかのご要望を申し上げたいと思います。
 各自治体とも、21世紀の大きな施策の柱が環境であるということについては、大きくとらえて、各自治体が一生懸命に取り組んでくれております。そういった意味では、今、浅野先生もお話しになったように、自治体の進める環境政策と国の進める環境政策がうまくリンクをして、やっぱりまずご指導をいただきたいと。そして、総務省の頑張る自治体応援プログラムではありませんが、やっぱり環境政策に一生懸命頑張っている自治体にいささかのインセンティブを与えると。
 まだまだ分権とは言いながら財源を持たない分権ですから、そういった意味では経産なり総務なり、各省庁との連携をとりながら、各省庁もそういった意味の予算をお持ちなわけですから、こういう形でモデル事業をやっているよという形で後押しをしていただくと。そうすることによって、やっぱり環境教育を含めて、多くの住民である国民が環境に対して理解をして、本当に小さなことから、家庭でのことから、できることからやっていくというのが、やっぱり自治体が頑張っていくという仕組みづくりを、まだできていないというわけではありませんが、もっともっとできるはずなんで、環境省中心にご指導いただくとともに、バックアップをお願いしたいということを要望しておきたいと思います。

○鈴木会長 それでは、崎田委員。

○崎田委員 ありがとうございます。
 本当に新聞などを見ますと、経済が非常に冷えているということが大きな話題になっているという時期ですので、やはりこういうときにこそ環境を視点にして新しい経済活性化をはかる、そして最終的に世界の中で日本がきちんとした役割を担っていくと環境分野で強く出していくというのは、日本の元気にも大変重要な関係が出てくると思っています。ですから、今回日本版グリーンニューディールを3月までにきちんとまとめるというようなお話、大変すばらしいと思っています。
 それで、その際なんですが、細かいことはまた発言させていただく機会があると思いますが、今、日本のCO2削減の中期目標というのも並行して検討しておられますけれども、削減の高い目標を掲げつつ、具体的に環境分野に投資が行って、しっかり社会全体が環境を軸に回っているんだということを実感できるようになることを期待します。そういうような両面を、きちんと高い目標と具体的な施策という、そういうバランスで、強く発信していただければありがたいというふうに思っています。
 そのときに、今、環境省などと連携させていただいて、環境ビジネスのコンテストとか地域環境活動の掘り起こしなどをやらせていただいておりますが、そういう意欲も育ってきておりますので、そういう中小事業者あるいは地域環境活動、民間のをきちんと活用し支えて、地域の底力として生かしていただければありがたい。若い人が環境を仕事にして誇りを持って生きていけるような、そういう社会にと願っております。よろしくお願いいたします。

○鈴木会長 では、佐和委員。

○佐和委員 この分ですよね。これは11月から、とにかく10月、11月と、まさしくリーマン・ブラザーズの経営破綻のショックを受けて自動車販売台数が激減したわけですが、私の手元の数字で言いますと、アメリカでは昨年11月に対前年同期比で36.8%減、日本でも27.3%減と負けず劣らずの減少ぶりです。
 結局、自動車という商品の特性があって、買い換えサイクルの調整なのです。要するに、もう1年待とうということで、幾らでも買い換え時期を延ばせるわけです。そういうことで、リーマン・ショックで、アメリカでは一気に40%近くの減少が、そして日本でも30%近くの減少が起きたわけです。
 アメリカのある調査会社の予測によると、2009年のアメリカの自動車販売は13%減とのことです。また、世界全体で8.2%減、欧州と北米が2桁の減少率、アジアは2.6%減ということで、中国やインドでも自動車販売の減少という影響が起きています。
 ところが、買い換えサイクルが延びたということは、とりもなおさず2010年ないし11年ごろには、全米の販売台数は増勢に向かうはずです。同じ調査会社の予測によると、10年には年間で1,340万台に、11年には1,470万台に回復するとのことです。
 ですから、買い換え時期に、いかにエコカーに買い換えさせる、そのための政策的措置が必要となります。今年、三菱が発売する電気自動車の値段についての情報はまだわかりませんが、電気自動車への買い換えを促すためには、補助金を出すのも一案かとは思いますが、それよりも、やはり税制での対応が望ましいのでははいでしょうか。
 自動車の取得税や保有税を、だれもが「次に自動車を買い換えるときには電気自動車を買おう」と思うぐらい、思い切った減税をするとか、あるいは環境税を導入してガソリンの価格を上げれば、当然、ライフサイクル・コストを購入時に比較秤量すれば、エコカーを買うインセンティブを高めますよね。その意味で、今回起きた「買い換えサイクルの長期化」はエコカー普及の準備期間が出来たという意味でチャンスなのですよね。つまり、不況のせいで買い換えサイクルを延ばした人たちがエコカーを買うということです。ですから、次の買い換え時期にエコカーを導入するインセンティブを仕組みとして作ることこそが、政府の施行すべき措置だと思います。
 それから、もう一つつけ加えれば、福田ビジョンの中で「2020年に太陽電池の出力を10倍にする、そして2030年には40倍にする」とおっしゃったのを受けて、早速、補助金復活が言われるようになりましたが、今現在、出力3ないし3.5キロワットの太陽電池を屋根につければ、230万円ぐらいかかりますよね。それに対して21~25万円程度の補助金が出たからといって、需要誘発効果は些細に過ぎないと私は思います。
 ですから、日本もドイツにならって固定価格制度、すなわち3倍ないし4倍の値段で太陽光発電電力を買い取るといった制度を、ぜひ導入していただきたいですね。これほど効果的な施策はないし、行政コストが非常に安いことも強調しておかねばなりません。なぜなら電力料金の請求書をつくるソフトウエアをちょっと変えれば、それで話は片づくわけですから、行政コストはほぼゼロですよね。
 補助金ということになりますと、審査をしたり、お金を配るために人を雇うということで行政コストがかかるのです。韓国も含めて47カ国で、既に固定価格制度が導入されています。ですから、日本もこうした点においても遅れをとらないよう、よろしくご検討のほどをお願い申し上げます。

○中村委員 後出しはだめですよね。

○鈴木会長 いや、どうぞ。

○中村委員 すみません。2つほどあります。
 1つは、やはり今、地方自治体等々に、いろいろ政策等々をお願いすることもあると思うんですが、私はやはり環境大臣ご自身が国民に向かってきちっとメッセージを出していくと。環境省の顔として、直接国民に向かってのメッセージというのがとても大切な年になったと思います。
 いろいろ先ほどのご報告もございましたけれども、各部会で大変熱心に深くいろいろな政策を今検討しているわけですけれども、やはりこの環境の問題というのは、何か議論をして結果を2年後、3年後待って国民に出していくということよりも、今同時に何かを進めていかなきゃいけないこともあるわけですね。それは、やっぱりメッセージ力として一番強いのは、大臣そのものがそれをおっしゃっていく、あるいはそのPRの仕方というものが、どうやら日本はなかなか上手じゃない感じがしますので、ぜひそれをお願いしたいというのが1つあります。
 それからもう一つは、国民のほうでその意識が大変高まっておりますが、例えば10年間切れない電球みたいなものが今回開発されて、出てまいりましたね。ですけれども、1つが7,000円とか8,000円すると。要するに、こういったものをご老人であったり、あるいは一般の主婦が買いたいと思いましても、1つ7,000円じゃ買えないわけですね。
 量産されてくれば安くなるとは言いますけれども、やはりこういったところを一歩後押しするためにも、先ほど佐和先生がおっしゃったように、私は減税というもの、エコ減税ということを取り入れて、以前、日本の中にコンピュータ導入を早く促進したいために、コンピュータを買うと年間の減税がございましたね。期限つきでも結構ですから、エコマークが入っている商品を買ったときに、年間の一番最後のときに還付金が戻ってくると、医療のああいうこともありますけれども、サラリーマン減税の一つの形として、エコ減税みたいなことも一般の消費者、要するにお財布のあれを握っている方々が買ってくださるような、そこにインセンティブを与えるようなことも、ぜひお考えいただければというふうに思っています。
 以上です。

○鈴木会長 いろいろと大事なご意見をいただいたと思います。
 佐和先生がおっしゃるように、一、二年おくれぐらいで経済が回復するということになりますと、ある意味では考えやすいのかもしれませんが、それにしても回復した後の姿が、やはりきちっと持続可能な社会構造あるいは産業構造になっているという、そういうところをどういうふうにつくり上げていくのかというのは、非常に重要だろうと思いました。
 基本的な点で、国と地方が一体どういう連携をとって進んでいくのか、これは後でどなたかからお答えいただかなきゃいけないと思うんですが、最初に申し上げましたように、環境省の職員の数というのは非常に限られています。それに反して、例えば環境カウンセラーの方々でも4,000人おられるんですね。そういう方々も環境行政にどう協力したらいいのか、そういうことが必ずしも十分に浸透しているかどうかというあたりも問題かもしれませんし、温暖化対策の推進員もおられる。やはりその地方の、地域の方々とどういうふうに連携をとるのか、もちろん自治体は重要ですし、そこで地方の環境事務所はどういう役割を果たすのか、考えなければいけない問題がいろいろあると思いますので、その辺もぜひ後ほど、お答えいただければと思います。また環境基準という、法の体系、規制に関する体系を、今後どういうふうに考えていくのかと、これはある意味では重いといいますか、簡単に答えが出る問題ではないかもしれません。その辺もご質問にございました。
 それから、やはり将来どういう社会をつくるのかというビジョンづくりというのが非常に重要だろうと思いますが、中期目標との関連で、このニュー・ディールの目標をどこにどういう施策を考えていくのか、これは非常に重要なところですね。これは、後ほど大臣に決意をご表明いただくというようなことになるのかもしれません。廃棄物の問題については、その買いかえが廃棄物を生んでしまうというような構造、短期的にはそういうことになると思いますが、それを一体どういうふうに解決していく仕組みを考えていくのか、いろいろご質問があったと思います。大臣に対してのエールも送られましたし、まずどういたしましょう、大臣のほうから。

○斉藤環境大臣 私は最後に。

○鈴木会長 最後に、はい。

○斉藤環境大臣 この国と地方の問題、それから今、会長から整理された環境基準の問題、廃棄物の問題、それぞれ。

○鈴木会長 どういうふうに。

○金丸廃棄物・リサイクル対策部企画課長 それではまず、そのようなことでございます。こちらから答えてまいりますので、まず橘委員の省エネ家電への買い換えが廃家電の増加になるのではないかということにつきましてどのように対応していくかということでありますが、家電リサイクル法をきっちり動かしていくということになると思いますけれども、家電リサイクル法のシステムに今乗っているものと、出ていってしまって流通実態がよくわからないものがございまして、まずその流通実態なり適切に処理されているかどうかということをしっかりと調べていくということが必要だろうというふうに思っておりまして、これは21年度予算でそのための経費も計上しておりまして、まずその辺をきっちり押さえていくと。
 それからもう一つ、先ほどもご説明しましたけども、リサイクルに回るものとまだ使えるという、もう一回使えるというリユースに回ると、この辺をはっきり決めないと、またこれは適切に処理に使えないということになりますので、そこのところをガイドラインをつくっていただきましたので、その辺をリユースに回るものリサイクルに回るもの、きっちり区別して、それで適切に処理するようにいたしたいということでございます。そういうことで、不法投棄になったりすることがないように、しっかりやっていきたいというふうに思っております。

○小林総合環境政策局長 総合政策局関係でございますけれども、橘先生のほうから、環境ビジネスといったようなことは経産省の所管でいいんじゃないかというご指摘もございました。
 かた苦しい話を申し上げますと、中央省庁改革基本法というのがございまして、このときにそれぞれの省庁の編成の方針というのが考えられたわけでございますが、そのとき環境省につきましては、環境を専ら目的にするようなことは全部環境省、それから、そのいろんな政策で環境を一部を目的にすると、こういうものについては環境省が必ずその意思決定に参加するようにという整理がされております。そういうことを踏まえまして、環境省ができたときに、環境経済課というのを置くことが閣議決定されて置かれておるということで、省庁の縄張り的には環境ビジネスについてそんなに異論もなく私もやっているのかなと思っておりました。こうした固い制度的な位置づけはともかく、大人の話として、経済だけ発展すれば環境はどうでもいいとか、あるいは環境だけよくなれば経済はどうでもいいというわけにはいかないわけでございますので、私どもとしても環境政策を通じて持続可能な経済をつくっていくということで、経産省とよく相談しながら一緒になってやっていきたいというふうに思っております。最近おかげさまで、そういう意味ではよく連携はとれているんではないかというふうに心得ております。
 それから、佐和先生あるいは中村先生からお話がありましたけど、税制をもっと使えばいいじゃないかと、こういうことでございます。今年もかなり大胆に大臣のご指導のもと、また専門委員会の方でもかなり踏み込んだエコ減税等々も出してくださって、それがこの税制改革の中で、まだ部分的ではございますが、かなり大胆に取り入れられたという点では、先ほどご報告申し上げたとおりでございます。
 もっと使えと、こういうことでございまして、それもどんどん工夫していこうというふうに考えてございますが、少し悩ましいのは、安い製品をまけるというのがなかなか税制的には難しくて、今お手元にあります、先ほど鈴木審議官のほうからご説明をさせていただきましたA3のカラー版、横長、参考資料2というところに書いてございます日本のグリーンニューディールみたいな、消費側から起こしていくグリーンニューディールみたいなのがあるじゃないかという提案でございますが、その2本目の柱にエコグッズということで、環境にいい製品をどうやって消費者に選んでいただくか、そのインセンティブの新しいつけ方の提案として、もちろん高いものは税制というのもあると思うんですけれども、安いものでも使えるようにということで、最近発達してきたものにエコポイントというのがございます。
 これは1個ずつのポイント数は小さくても、いろんな製品で足し算して集めると、消費者としては得になるというような形で、安い製品でも少しのポイントがたまるというような形で、ちょっとでもインセンティブが働くような仕組みはできないかということで発想されたものです。これを拡張して、例えば特にすぐれた環境性能の製品については、国の負担でさらにポイントをマッチギフトというような感じで、事業者さんが出すポイントと合わせて国も出すというのも考えられないかと提案しております。
 ですから、先ほどのご提案は、最後にポイントを集めて減税しろというのと同じですけれども、先につけちゃうというのもあるのかなと。減税でいくのか予算措置でいくのかというような選択ではございますけれども、そういったアイデアもあるのではないでしょうか。これはあくまで提案で、これから3月末までいろいろ考えていかなきゃいけないことでございますが、そういうようなことも考えているということでございます。今のご指摘も踏まえながら、ぜひ考えていきたいと思います。
 そのほか、後で寺田局長からあろうかと思いますが、料金制度の活用とか、いろんな手段があろうかというふうに考えてございます。
 それから、地方との関係はだれが答えても、みんなの共通課題でございますので、よく総合政策部会なんかでもぜひ議論をいたしたいというふうに思っておりますし、基本計画なんかでは大きな課題になるべきだというふうに思っておりますので、きょうのご意見も踏まえて、また検討させていただきたいというふうに考えてございます。

○寺田地球環境局長 私のほうからは、佐和先生のほうから固定額買取制度とフィードインタリフについて検討せよというお話でございまして、時間の節約のために簡単に答えれば、やりますと言うだけなんですけれども、若干の解説をいたしますと、2020年に10倍、2030年に40倍というのは、福田ビジョンにあったやつを昨年の7月29日に低炭素社会づくり行動計画ということで閣議決定をいたしました。既にこれは国家の目標として確立されたものになっております。
 ただし、この閣議決定は、余り個別具体的なロードマップがついていないものであります。したがいまして、これを達成するためにどうしたらいいのかということを今、政府部内でもみんなが検討しているという状況です。具体的な計画というのは、実は今、政府で細かい計画というのは、京都議定書6%の目標達成計画しかないので、これは恐らく、当然のことながら新しい中期目標ができれば、その中期目標を達成するための計画というのをつくらざるを得ないということになりますから、そういう流れの中で一つの検討課題として、やっぱりこの新エネルギーの普及のために、さらに何をするのかということは考えざるを得ない。
 世界的な潮流を見ましても、これも昨年の12月でございますけれども、英国において気候変動法とエネルギー法というのが成立いたしました。そのエネルギー法の中で、ドイツ、スペインに続きまして、イギリスもついにこのフィードインタリフを導入するということが既に法律で決定されております。有力な選択肢だと思っています。
 また、中央環境審議会では実は鈴木部会長にお願いいたしまして、地球環境部会の中で2050年までのロードマップについての検討をお願いしておりまして、多分その中でも、当然この問題というのは取り上げられる問題だろうと思っております。

○白石水・大気環境局長 環境基準の点、まとめてお話をさせていただきます。
 会長がおっしゃられたとおり、確かに簡単に答えの出る問題ではないわけでございますけれども、例えで言うと宮崎駿監督の「ハウルの動く城」みたいに、いろんな形のものができて今に至っているということはおっしゃるとおりでございます。不磨の大典ではございませんので、いろいろな見直しは必要だと思っております。
 今回のお話の中でも少し出しておりますけれども、例えば水質の基準でCOD、BODが改善をしたんだけれども、なお赤潮が出たりするというふうなことがある。果たして今の基準自体が有効な指標たり得るのかというふうなものも含めまして、見直しを行っていかなければならないと思っております。
 また、ご指摘のありましたように、例えば光化学スモック注意報が出るとノーとか、あるいはSPMで言えば2日続けて基準値を超えた場合は達成していないということにしようとか、それなりの歴史的意義を持ってつくったインディケーターがうまくいくかどうかということについても、あわせて見直さなきゃいけないということはご指摘のとおりだと思っています。やらせていただこうと思います。
 それから補足でございますが、佐和委員のほうから自動車の税のお話がありました。資料5でございますけれども、税の整理の中で、後ろのほうのページの3と書いてあるところがございます。後ろから4枚目ぐらいのところでございますが、自動車重量税、新車に限らず一定の保有者にも免除を入れたりというふうなことで、いろいろ工夫はしておりますが、確かに税というものは非常に有効な手段であるということでございますので、順次、今回の効果も見て、また来年度以降、関係省庁と協力をして、自動車関係の税のグリーン化ということは考えていきたいと思います。
 その一方で、価格差がまだ大きい段階では、インキュベーターとしての補助金というのも有効たり得るということで、来年度予算でも経産省それから環境省の方でそういう予算も計上しておりますけれども、いろいろ合せわざでやろうと思っております。税が大変有効な手段だということは踏まえて、今後とも取り組みます。
 以上でございます。

○鈴木会長 ありがとうございました。
 大体ご質問に関してはお答えいただきましたが、何かございますか。よろしいですか。
 それでは、最後に大臣に。

○斉藤環境大臣 きょうはありがとうございました。今、担当者が答えたとおりでございますが、中村委員のほうから大臣が先頭に立ってと。今は非常に霧がかかって先が見えない状況ですが、霧が晴れた先にはこんな社会が待っているということを、はっきり政治が指し示すことが非常に大事だと思っておりまして、その軸が環境であることは間違いないということを確信しております。
 全く暮らし方や構造が変わる新しい社会を、環境を軸につくり出していこうということを、小池元大臣ほど派手ではございませんけれども、地味な政治家でございますが、しっかり前面に出て頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします。

○鈴木会長 それでは、大体予定の時間がまいりましたが、特に何かご発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。

○斉藤環境大臣 これは。

○鈴木会長 そうですね。じゃ、事務局のほうからそれを説明を。

○森本総務課長 どうも先生方、長い間ありがとうございました。
 今ごらんいただきましたアドレスは、このグリーンニューディールにつきましては、明日からインターネットでも意見を広く求めるということでございます。今日ご意見をいただいたんでございますが、まだ十分言い足りてない、あるいはもっといっぱい言いたいということ、先生方はあろうかと思いますので、そこにメールをいただければ、今後の検討にさせていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

○鈴木会長 それでは、以上をもちまして本日の総会を終了させていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

○斉藤環境大臣 どうもありがとうございました。

午後4時00分閉会