有田 芳子 | 全国消費者団体連絡会事務局 | |
及川 紀久雄 | 新潟薬科大学応用生命科学部教授 | |
河瀬 恵信 | (社)日本化学工業協会環境安全部部長 | |
日下 幸則 | 福井医科大学教授 | |
白石 寛明 |
(独)国立環境研究所化学物質環境リスク研究センター 暴露評価研究室長 | |
鈴木 茂 |
(独)国立環境研究所循環型社会形成推進・廃棄物研究センター 循環資源・廃棄物試験評価研究室主任研究員 | |
鈴木 規之 | (独)国立環境研究所環境ホルモン・ダイオキシン研究プロジェクト総合研究官 | |
田辺 信介 | 愛媛大学沿岸環境科学センター教授 | |
(座長) 中杉 修身 | (独)国立環境研究所化学物質環境リスク研究センター長 | |
村田 幸雄 | (財)世界自然保護基金ジャパンシニアオフィサー | |
吉見 洋 | 神奈川県環境科学センター所長 |
環境省環境保健部 | 南川部長 |
環境安全課 | 安達課長 |
環境リスク評価室 | (山崎) |
化学物質審査室 | (木村) |
環境安全課 | (荒木、波多野、中嶋、福島、榎本) |
環境省環境管理局大気環境課 | (田中) |
環境省水環境部企画課 | (藤田) |
厚生労働省医薬局化学物質安全対策室 | (松本) |
資料1 | 平成13年度化学物質環境汚染実態調査結果について | |
資料2 | 平成14年度化学物質環境汚染実態調査実施状況について | |
資料3 | 平成15年度化学物質環境汚染実態調査実施方針(案) | |
資料4 | 関係部署の施策 | |
資料5-1 | 調査候補物質一覧 | |
資料5-2 | 初期環境調査候補物質一覧 | |
資料5-3 | 暴露量調査候補物質一覧 | |
資料5-4 | モニタリング調査候補物質一覧 | |
資料5-5 | 初期環境調査・暴露量調査候補物質シート | |
資料6 | 調査物質評価一覧 | |
参考資料1 | 平成15年度化学物質環境汚染実態調査物質選定検討会設置要綱 | |
参考資料2 | 化学物質環境汚染実態調査の課題への対応について | |
参考資料3 | 調査候補物質シート記載内容の情報源及び用語解説等 | |
参考資料4 | 環境残留性予測濃度及び検出感度 |
【事務局】資料の確認、会議公開、資料公開の説明、検討会の設置要項(参考資料1)の説明、検討委員の紹介(吉見委員が新規参加、山本委員、若林 委員が欠席)と検討会開催定員の充足確認、座長の選任(昨年度に引き続き中杉委員が座長に選任された)。
<議題1>平成13年度化学物質環境汚染実態調査結果及び平成14年度化学物質環境汚染実態調査実施状況について
平成13年度化学物質環境汚染実態調査結果及び平成14年度化学物質環境汚染実態調査実施状況について資料1及び資料2に基づき事務局より説明がなされ、平成13年度結果及び平成14年度実施状況が確認された。
<議題2>平成15年度化学物質環境汚染実態調査実施方針(案)について
【事務局(化審室)】(資料4に基づき、化学物質審査規制法の制度と状況について説明。)
【事務局(リスク室)】(資料4に基づき、環境リスク評価の状況について説明。)
【事務局(PRTR)】(資料4に基づき、PRTR制度と平成13年度公表結果について説明。)
【事務局(環境調査)】(資料3に基づき、平成15年度調査の概要、調査の実施方針(案)、候補物質の各調査への分類(案)の考え方について説明。)
【座長】以上について質問はないか。
【有田委員】資料2について、ノニルフェノールについては前回から提案している。平成14年度の報告では、実施しなかったものには×がついている。ノニルフェノールの欄が空欄になっているのは何か理由があるのか。
【事務局】ノニルフェノールについては、環境省内で内分泌攪乱化学物質に係る環境調査を実施しているため、本調査では実施しなかった。
【座長】今後は、どのような要望で、どのように調査し、調査結果をどう生かしたかを説明することが将来必要であり、これを基に物質選定を行うようになることもあると思われる。
【鈴木(茂)委員】本検討会資料の情報収集にあたり、評価に必要な情報が既に揃っている候補物質もあるので、このような候補物質は予めリストから落としておいて欲しい。
【座長】事務局には事前の整理を十分にするよう要望する。
<議題3>平成15年度化学物質環境汚染実態調査物質選定について
事務局より、資料3に基づき、候補物質を各調査への分類方法を説明した上で、資料5-1に基づき調査候補物質、資料5-2に基づき初期環境調査候補物質一覧、資料5-3に基づき暴露量調査一覧及び資料5-4に基づきモニタリング調査候補物質について説明(一部訂正有り)。更に、資料5-5の各候補物質のデータシート(一部企業情報については非公開)及び参考資料4の環境中挙動評価モデルを活用した環境残留性予測の参考情報について説明。
【座長】全体的なことで質問はあるか。なお、訂正部分を修正したものを速やかに各委員へ配布するように。
【吉見委員】候補物質は要求部署又は委員が色々調査した上で候補としていると思うが、環境基準その他の調査で実施しているものが多く見受けられる。要求元はこれらは調査されていることを知った上でなお候補物質としてあげているのか。
【リスク室】リスク室では他部局等の調査結果を把握した上で、更に環境調査が必要な物質を候補として選定している。
【環境安全課(PRTR)】環境基準などがあっても、排出量が多い物質については把握する必要があるため、今年度は、緊急的に単純に排出量の多いものから候補として選定している。
【座長】化審室からの候補物質及び各委員からの候補物質は過去の調査実績を考慮していないものがほとんどと思われる。
資料について、分析法実現性がA>B>Cの順となっているが、初期環境調査と暴露量調査への分類での調査の容易さはC>B>Aの順となっていて分かりづらいので、分類の方を入れ替えて整理してほしい。
候補物質が多いことから特に調査を必要する候補物質、要求理由などについて、まず要求部署から、続いて検討委員から説明をお願いする。資料には平成14年度分析法開発となった物質は掲載されているのか、またその扱い方として今年度も検討するのか説明して下さい。
【事務局(環境調査)】平成14年度分析法開発物質及び未着手物質は、今後可能な範囲で実施していくこととしており、平成15年度検討対象として再掲していない。平成15年5月の時点で実施するべき物質を選んでいただきたい。なお、該当物質のいくつかは検討委員等から候補としてあげられているものが資料に掲載されている。環境調査担当としては、平成13年度黒本調査結果で分析法開発をして再度調査が必要とされたピリダフェンチオン及びブタクロールについては初期環境調査候補物質として検討いただきたいと考えている。また、これまでの黒本調査結果においてモニタリングの必要性を指摘された物質についてもモニタリング調査候補物質として検討していただきたいと考えている。
【事務局(化審室)】(要求理由別に候補物質を説明した。)
【事務局(リスク室)】要求理由別に候補物質を説明し、化学物質専門評価委員会で判定できず評価を行う優先物質との評価を受けた物質について選定していただきたい。
【事務局(PRTR)】候補物質は排出量により選定している。ふっ化水素及びその水溶性塩などPRTRでは物質群として定義されているものがあり、黒本調査に適応できるかを含めて検討をお願いしたい。また、トルエンは水の要監視項目であるが大気系への排出量が多いことから大気媒体を候補としていること、D-Dは水の環境基準があるが排出量が多く、環境運命が評価しきれていないので候補としている。クロロジフルオロメタン及び1,1-ジクロロ-1-フルオロエタンはオゾン層破壊物質でありPRTR対象物質なので候補としている。
【有田委員】クロルピリホス、アトラジン(モニタリング候補として資料に掲載)、調査方法が指摘されているノニルフェノールを候補物質とした。
【及川委員】PRTR第一種で排出量がありかつ開放型用途である物質について、予め分析法を準備する必要がある観点から候補物質とした。
【河瀬委員】特に候補物質はあげていない。
【日下委員】ヒドラジンについては、水系を要求理由としているので、大気系は不要。二酸化コバルトリチウムはリチウム電池に使用され、コバルトがIARCで2AとされておりEPAの対象物質でありコバルトとしての調査を要望する。
【中杉委員】短鎖塩素化パラフィンは生態毒性が強いことなど、1-ブロモプロパンは使用量の増加が見込まれること、クロロメタンは水質でもうしばらく調査が必要なこと、農薬類は評価が困難であることから、農薬類以外でPNECの高そうなものを調査候補とした。
【鈴木(茂)委員】クロルピリホスは最近の実績がないこと、当該物質を使用していた時代の家屋の建て替えによる廃材から排出される可能性があることから調査候補とした。
【鈴木(規)委員】調査候補物質は、使用量が多いことから感度を上げて調査する必要があることから候補とした。
【田辺委員】国際的な議論の場からの情報から調査候補をあげている。
【村田委員】今回はシマジンを候補物質としたが、トリアジン系農薬として一括して測れないか。
【吉見委員】使用量、排出量が多いが調査が不十分な物質を調査候補した。なお、ブロモメタンは平成14年度調査結果を基に検討してもらいたい。
【座長】測定物質を絞れない候補が二酸化コバルトリチウムやふっ化水素などいくつかある。分析法の見地から意見をいただきたい。
【白石委員】候補物質にいくつか金属塩があり、このままでは分析は困難であるが、コバルトとしての分析は可能である。また、pptオーダーを下回る分析を要求しているものもあるが、現行の分析法では非常に困難であり、分析法はできてもコストがかかると思われる。
【鈴木(茂)委員】大気媒体の調査を要求している物質の中には、捕集中に酸化、還元、分解などを起こすと思われるものがある。また、フェニレンジアミンなどガス状には存在せず、粉じん中に存在する可能性があるものは、粉じんから抽出して調査する必要があるのか。
また、有害大気等常時モニタリングにより大規模な調査を実施しているものを、さらに黒本調査で実施する必要があるか。
【座長】候補物質に農薬がいくつかあがっている。検出感度について、PNECを求めるのに安全係数を余分にみるため高感度になっているが、生物試験などのデータを蓄積し安全係数をおさえることが必要かもしれない。環境省として農薬についての考え方、評価をどうするのか、まとめて欲しい。先程の各候補物質の要求理由の説明では特に重要なものといったメリハリがみられなかったがどうか。PFOS、PFOAの状況はどうか。
【事務局】PFOS、PFOAは水質について平成14年度調査を実施した。また、底質、生物大気は分析法開発の段階であるが、大気については開発に時間がかかる状況にある。
【座長】村田委員よりトリアジン系農薬としてまとめてはどうかとの提案があったが、まとめて評価するのは困難ではないか。現状では、個々に物質を測り、評価する方法が適当である。将来的な課題として、調査結果をどのようにまとめるか考えていくことが重要である。
【鈴木(規)】対外的な場で説明する際に、精度管理の枠組みに従っている必要があるので、その対応をして欲しい。
【事務局】平成14年度調査のうちモニタリング調査ではの精度管理の一貫として、媒体別に一つの分析機関において分析業務を行うこととして施設間差がなくなるようにしている。また、それらの分析機関へ精度管理方法の調査を開始した。
【座長】1分析機関に集約ても、施設において精度管理が十分になされているとは限らない。精度管理はしっかりやってほしい。
【及川委員】開発可能性の高い物質を候補として選定している。また、クロルピリホス及びブロモメタンは相当量、広範な地域で使用されている。例えばブロモメタンはほうれん草畑で相当地域で使用され、線虫駆除、害虫駆除だけでなく、農薬用途以外に除草剤としても使われている。1,3-ジクロロベンゼンも相当量使われているようだ。中国だけでなく、国内でも使われているので実態を把握する必要がある。
【座長】クロルピリホスの環境中の残留性が問題になるが、食の安全の問題とも絡む。検出された場合、残留や農薬本来の方法以外で使用も考える必要があり、難しい問題である。環境省でこのような物質を環境中で測定していくかどうか確認したい。
【事務局】環境を経由する化学物質の調査は環境省の業務と考えている。
【座長】今後の進め方について説明をお願いしたい。
【事務局】資料6に基づき評価方法を説明。評価結果については電子メールにて連絡回答いただき、とりまとめることとする。
【座長】調査物質はこの投票で自動的に決まるのではなく、その結果は次回で検討して最終的に決めていきたい。備考欄には、コメントとして、調査の必要性だけでなく、調査不要の場合やその他いろいろと気づいたことを記載いただきたい。
【鈴木(茂)委員】必要性だけでなく、感度から見て現実的に無理があるものは、その旨を記載して欲しい。
【座長】それも含めて、備考欄に記述していただきたい。クロルピリホスについて鈴木茂委員からの要求媒体が空欄になっているが大気と記載すること。
【鈴木(規)委員】初期環境調査の検体数はどの程度か。例えば30検体を10検体に絞って、高感度に分析することはできないか。
【鈴木(茂)委員】分析法開発は限界の感度で開発しており、効果は得られないと考えられる。
【白石委員】季節変動もあることから、検体数の絞り込みは逆効果になるのではないか。
【事務局】(資料2に基づき、平成14年度の地点数を説明。)
【有田委員】ポリ(オキシエチレン)=ノニルフェニルエーテルについて、吉見委員の要求理由には、分解してノニルフェノールになるとの記述がある。これはノニルフェノール類縁物として同じものに含まれるのか。
【事務局】ノニルフェノール類縁物にあたり、水中で分解しノニルフェノールになると理解している。
【座長】今回選定する段階では別個に扱い、次回の検討会でどちらを選定するか議論することとしたい。
【事務局】内分泌攪乱化学物質として疑われる物質については、平成10年度から環境調査を実施している。その内容を参考資料3に記載して配布したい。
【鈴木(茂)委員】大気ガスではなく、粉じん中に存在すると考えられるものについて、粉じん表面のものも壊れていると考えられる候補物質がある。この場合、粉じん内部のものを測定する意味はあると考えるか。
【事務局】化学物質環境汚染実態調査は一般環境を対象としているので、特定地域で発生するものであれば、直ちに黒本調査の対象とするのは適当でないと考える。
<議題4>その他
【座長】これまでの指摘事項について資料を修正し、各検討委員に送ること。
【事務局】資料6については修正の上、電子メールで配布するので5月16日(金)までに評価を記載して返送していただきたい。
議事要旨については、事務局で作成し次回検討会で確認後に公開する。議事録は委員内容確認後、公開する。第2回の検討会を5月28日(水)午後より環境省第1会議室で開催する。