放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和2年度版、 HTML形式)

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第3章 放射線による健康影響
3.8 こころへの影響

精神健康と放射線の健康影響に関するリスク認知の関係

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福島県が実施している県民健康調査では、毎年被災者に対しこころの健康度・生活習慣に関する調査を実施しています(詳しくは、下巻10.5節「こころの健康度・生活習慣に関する調査」を参照)。2011年度には、被災者に対し、①放射線の急性被ばく影響(抜毛や出血など)、②晩発影響(甲状腺がんや白血病)、③なんらかの次世代への影響、の3点について、その認識を尋ねています。その結果は次のとおりです。

・ 急性被ばくを心配する被災者は非常に少ない一方、晩発影響や次世代影響を心配する被災者は非常に多く、半数以上にのぼっている。

・ ①、②、③の3点の設問の全てで、放射線影響を心配する人は、そうでない人よりも明らかに精神健康度が悪く、抑うつ症状や不安症状を抱えている。

これらの結果から、否定的なリスク認知を有する被災者は、同時に強い抑うつ・不安症状を有している可能性が高いと言えます。

本資料への収録日:2018年2月28日

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