放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和2年度版、 HTML形式)

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第2章 放射線による被ばく
2.5 身の回りの放射線

自然からの被ばく線量の内訳(日本人)

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この表では、鉛210とポロニウム210による経口摂取が日本人の内部被ばくの大きな割合を占めることを示しています。鉛210とポロニウム210は、大気中のラドン222が次の過程を経て生成されます。それらが地表に沈着あるいは河川や海洋に沈降して食物を通じて人間の体内に取り込まれることになります。
ラドン222(半減期約3.8日)→ ポロニウム218(半減期約3分)→鉛214(半減期約27分)→ビスマス214(半減期約20分)→ポロニウム214(半減期約1.6×10-4秒)→鉛210(半減期約22年)→ビスマス210(半減期約5日)→ポロニウム210(半減期約138日)
日本人が欧米諸国に比べて食品からの被ばく線量が高い理由としては、魚介類を多く摂取する日本人の食生活が関係しています。魚介類にはポロニウム210が多く含まれているため、その分、実効線量が大きくなっています。
一方、日本人でラドン222及びラドン220(トロン)による被ばくが少ない理由としては、日本家屋は通気性が良く、地中から屋内に侵入したラドン222及びラドン220(トロン)が速やかに屋外に拡散するためと考えられています。
ラドン222及びラドン220(トロン)の吸入摂取による内部被ばくについては上巻P71「ラドン及びトロンの吸入による内部被ばく」で説明します。
なお、トリチウムについては他の核種と比較して人体に与える影響が小さく、相対的に自然からの被ばく線量も小さくなっています(上巻P57「実効線量への換算係数」)。

本資料への収録日:2013年3月31日

改訂日:2018年2月28日

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