放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(令和2年度版、 HTML形式)

MENU

第1章 放射線の基礎知識
1.1 放射能と放射線

放射線・放射能・放射性物質とは

閉じる

放射線、放射能、放射性物質について整理してみます。
どこの家にもある電球は光(明かり)を出す能力があります。電球の明るさは「ルーメン」や「ワット」という単位で表されています。その光を人は受け取り、明るさとして感じます。そのときの単位が「ルクス」です。
よく耳にするベクレルとシーベルトという放射線に関する単位もこの関係に似ています。例えば、岩石等が放射線を出すとき、この岩石を「放射性物質」といいます(上巻P3「放射線と放射能の単位」)。
放射性物質は放射線を出しますが、その能力を「放射能」といいます。「この岩石は放射能を持っている」、「この岩石は放射線を出す」という表現を用います。この岩石の持っている放射線を出す能力の大きさを「ベクレル(Bq)」という単位で表します。
その受けた放射線で、どれ位の影響を受けるかを知る際に必要な放射線被ばく線量の単位として、「シーベルト(Sv)」が使われます。「Bq」から「Sv」を求めるためには特有の換算係数があります。
放射能(ベクレルで表した数値)が大きいほど、放射性物質からたくさんの放射線が出ていることを意味しますが、被ばく量(シーベルトで表した数値)は放射性物質と被ばくする人の距離によって変わります。放射線の強さは、放射線を出しているものから近ければ強く、遠ければ弱くなります。明るい電球であっても、離れた所では暗いのと同じです。

本資料への収録日:2013年3月31日

改訂日:2018年2月28日

ページ先頭へ