放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成30年度版、 HTML形式)

第8章 食品中の放射性物質
8.1 食品中の放射性物質対策

食品健康影響評価の結果の概要

食品健康影響評価の結果の概要
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食品安全委員会は、現在の科学的知見に基づき、食品からの追加的な被ばくについて検討した結果、放射線による健康への影響が見いだされるのは、通常の一般生活において受ける放射線量を除いた生涯における追加の累積線量として、おおよそ100ミリシーベルト以上と判断しています。
そのうち、小児の期間については、線量の推定方法等に不明確な点はありますが、甲状腺がんや白血病のリスクに関するチェルノブイリ原子力発電所事故後の健康影響に関する知見等から、感受性が成人よりも高く、放射線の影響を受けやすい可能性があるとしています(上巻P112「年齢による感受性の差」)。
またその一方で、100ミリシーベルト未満の健康影響については、たとえ影響があったとしてもそれは非常に小さなものであることから、放射線以外の様々な発がん影響と明確に区別できない可能性や、根拠となる疫学データの対象集団の規模が小さいこと等のために追加的な被ばくによる発がん等の健康影響を証明できないという限界があるため、言及することは難しいとしています。
なお、生涯における追加の累積線量として「おおよそ100ミリシーベルト」とは、それ以下では健康影響が出ないという数値ではなく、また、健康への影響が必ず生じるという数値でもありません。食品についてリスク管理機関が適切な管理を行うために考慮すべき値とされています。

本資料への収録日:平成25年3月31日

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