放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成30年度版、 HTML形式)

第6章 事故の状況
6.2 福島第一原発事故の概要

事故直後から2週間の空間線量率(東京電力福島第一原子力発電所敷地内及び敷地境界)

事故直後から2週間の空間線量率(東京電力福島第一原子力発電所敷地内及び敷地境界)
閉じる

今回の事故では、事象の進展に伴い、燃料が溶融、大量の放射性物質が圧力容器から炉外に放出されました。格納容器ベント操作や更に格納容器、原子炉建屋の損傷によって、溶融燃料の一部や放射性物質が炉心から空気中へ放射性物質が放出されることになりました。1号機のベント操作は、3月12日14時30分に格納容器の圧力が低下し、ベントが成功したと判断されています。その際、大気中に放出された放射性物質のプルームの影響で約1ミリシーベルト/時が観測されています(①)。翌13日にも明らかに空間線量率が上昇しました(②)が、これは3号機で原子炉水位が低下して、燃料が露出した後にベント操作をした影響と考えられています。3月15日9時には約12ミリシーベルト/時の数値が観測されました(③)が、同日早朝の6時頃に2号機で爆発音と共に圧力抑制室の圧力が低下していることから、この上昇の原因は2号機からの放射性物質の放出と考えられています。
3月15日23時と翌16日12時にも空間線量率の上昇が観測されています(④と⑤)が、前者は3号機、後者は2号機において格納容器圧力の低下がみられていることから、それぞれ3号機及び2号機からの放射性物質の放出が原因と考えられています。

本資料への収録日:平成25年3月31日

改訂日:平成31年3月31日

ページ先頭へ