放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成30年度版、 HTML形式)

第5章 国際機関による評価
5.2 WHO報告書

WHO報告書(1/4)WHO線量評価の概要

WHO報告書(1/4)WHO線量評価の概要
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世界保健機関(WHO)は、緊急時における放射線健康リスクの評価を行う責務を有しています。そのため、東京電力福島第一原子力発電所事故当時、緊急対応が必要となる対象地域や集団を特定することを目的として、事故後1年間における日本及び周辺国の住民の被ばく線量評価を実施しました。
WHOによる被ばく線量の評価は、①地面からの外部被ばく、②放射性プルームからの外部被ばく(上巻P29「原子炉事故による影響」)、③吸入摂取による内部被ばく及び④経口摂取による内部被ばくの4経路で行われました。①、②及び③吸入摂取による内部被ばく線量は、平成23年9月時点の地表汚染密度の情報を基にシミュレーションにより推計されました。また、④経口摂取による内部被ばく線量は、食品及び飲料水の測定値を基に推計されました。
①~④の推計値を合計して、住民の被ばく線量が算出されますが、WHOは評価が過小となることを避けるために、保守的な条件を設定し、考えられる最大の被ばく線量を評価しました。具体的には、計画的避難、屋内退避、食品流通制限等の防護対策はとらなかったとの条件を採用しています。
被ばく線量は地域及び年齢によって異なるため、地域を福島県、福島近隣県(千葉県、群馬県、茨城県、宮城県及び栃木県)、そのほかの都道府県、日本の周辺国、世界のそのほかの地域に区分し、それぞれ事故時年齢1歳(乳児)、10歳(小児)、20歳(成人)の人を対象に被ばく線量を推計しています。

本資料への収録日:平成27年3月31日

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